有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|14,891 文字
3【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらの記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 <当社グループにおけるリスク管理体制>当社グループでは、リスクを「事業計画の達成を阻害する可能性があるもの」と捉え、全世界で事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、影響及び損害の最小化を図るとともに、これらを機会として活かすための体制を整備しています。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置き、配下に各事業分野、グループ会社責任者を配置し、リスク管理担当部門を事務局としてリスクマネジメントプロセスに基づいて各職場が主体的に直面し得るリスクを定期的に洗い出し、リスクの事前把握と、発現した際の迅速な対応含め施策を進めています。また、2023年度よりTCFD提言に沿った気候変動リスクへの取り組みを推進するため、リスク管理体制を強化しており、気候変動問題に起因する移行リスク※1、物理的リスク※2は、一般的なリスクとは別に分類した上で、重要度評価を行い、他のリスクと統合した形で管理しています。※1 低炭素社会に移行する際に発生するリスク※2 気候変動による物理的変化によって発生するリスク気候変動に関するリスク管理体制の詳細につきましては、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1.気候変動への対応 (2)リスク管理」を参照ください。 <当社グループにおけるリスクマネジメントプロセス>・当社グループの全部門を対象に毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部、地域、グループ会社において事業の現場で直面するリスクを洗い出して「事業拠点リスク」と位置付けて、影響度・緊急性・発生頻度及び対応状況を踏まえてリスク評価するとともに対策を策定し実行、施策進捗をモニタリングし改善するサイクルを、それぞれの部門において実施・最高経営責任者(CEO:Chief Executive Officer)が主宰し、リスク管理担当役員を議長、議長により指名された本社部門長及び各事業分野の担当役員を構成員として設置される全社リスク管理会議において、各事業部・地域により洗い出された「事業拠点リスク」と経営課題・事業課題を踏まえ、経営への影響度や緊急性、インシデント発生状況等を勘案して抽出したリスク課題を「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けてリスク解決に向けた施策を策定し、経営層レベルによる全社的視点での取り組みとして当該リスク管掌担当役員を対応推進責任者に指名・対応推進責任者は、連結会計年度の事業計画の達成へ向けて、グローバル重要リスクに対する施策を各事業部・地域に落とし込んで改善するサイクルを実施し、進捗をモニタリング (1)事業環境の変化等にともなうリスク① 原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、外部より十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービス等について競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ入手することは重要です。当社グループにおいては外部の部品開発業者、生産業者、部品供給業者、製品開発業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又は共同開発等により、外部業者に対して一定程度以上の依存をしています。したがって、外部業者との関係悪化、外部業者自身の経営問題、外部業者の自然災害や事故等の罹災、パンデミック等によるグローバルな社会環境・事業環境の変化等様々な要因での供給の遅滞や停止や当社グループ製品に関する開発の遅滞や停止等が発生した場合、製品開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、ロシア・ウクライナイ紛争の継続・長期化に加え、中東情勢、台湾情勢、米中間における貿易摩擦や先端技術を巡る輸出規制、制裁関税措置の応酬など、国際的な政治・経済の不確実性が高まる中で、当社グループが間接的に依存するサプライチェーン上のリスクが拡大しております。とりわけ、特定地域や供給元に依存している半導体、電子部品、金属系材料等の一部品目については、調達制約や納期遅延、価格高騰のリスクが引き続き存在します。関税影響の軽減を図るために生産場所を他の国に移しても当該品目の輸出規制が行われると、同様のリスクを避けられない可能性があります。また、国際的なエネルギー価格の高騰、為替相場の急激な変動、港湾混雑・輸送コスト上昇等の物流リスクも継続しており、これらが当社グループの製品開発・製造活動に直接的または間接的に影響を及ぼす可能性があります。更に、主要部分の一部にトレンドではない半導体を使用しているセーフティー&セキュリティ分野においては、製造元の歩留まり悪化、生産設備の故障、撤退等に起因した当社製品の生産停止リスク及び特定供給元の依存リスクが他分野よりも高く、当社グループは、主要サプライヤーとの連携のもと、原材料・部材の供給に関する状況の早期把握に努め、調達面でのリスク低減と供給安定の確保に取り組んでおりますが、これらの対策が常に有効に機能する保証はありません。 当該リスクに対し、外部業者との友好な取引関係の確立・維持に努めることは当然ながら、開発のバックアップや調達の停止リスク回避を考慮した取引先の複数確保、BCP在庫の適正保有、汎用部品の優先採用、商社活用による在庫確保等の対策を打ち、急激なコストの上昇や、当社グループの国内・海外の生産工場における製造活動の停止等が起きないように対策を講じています。以上のような多層的な調達リスク対策を通じて、本会計年度では一定の安定調達を実現していますが、部品の安定供給や価格動向等については依然として不確実性をともなう状況にあり、これらの施策を講じていたとしても、当社グループが想定する規模や期間を上回る外部事業者側の事情や事業環境等の変化(悪化)があったような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 物流リスクについて当社グループ製品の生産・販売活動の多くは日本国外で行われており、物流活動もグローバルに展開されています。各国・各地域の物流上の問題が当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループはアジア地域での生産が多く、その拠点からグローバルに供給を行っています。新型コロナウイルスのパンデミック後における欧米を中心とした経済活動の再開により出荷物量は回復してきていますが、一方でイスラエル・パレスチナ紛争の影響で、輸送ルートの変更を余儀なくされ、物流リードタイムの長期化・物流コストが上昇する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発現に対し、販売への影響を低減させるために、販売拠点での在庫水準や搬送手段の見直しを行い、供給量の安定化を図る等の施策を進めています。一方で、日本国内での当社グループ製品の生産・販売にともなう物流活動では、2024年4月からの働き方改革関連法の施行(いわゆる「2024年問題」)と昨今の人件費や燃料コスト等の高騰を受け、当社グループにおいても物流コストの上昇と輸送能力の低下が生じることが予測されています。加えて、2025年1月の米国政権交代にともなう関税に関する施策が米中間の物量低下や国際物流市況の乱れを起こしかねない状況となっています。これらは、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、製品総原価の見直しにより上昇する輸送コストの吸収を目指すとともに、輸送能力の低下に応じ、出荷頻度の見直しを行い、供給量の安定化を図る等の施策により、販売への影響が及ぶ可能性を低減しています。 ③ サプライチェーンリスクについて当社グループ製品のサプライチェーンシステムにおいては多くの取引先がステークホルダーとして存在していますが、これらのそれぞれの取引先での社会的責任の遂行状況は、当社グループ製品のサプライチェーンシステム自体が社会的責任を果たしているかに直結します。取引先で生じた問題が当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、当社グループが社会的責任を果たせなくなる結果として、当社グループの事業、業績、財務状況及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、人権や環境に配慮した健全なサプライチェーンの構築を目的として、サプライヤー向けSAQ(Self Assessment Questionnaire)による実態調査を実施し、取引先に調達方針、 CSR 調達ガイドラインへの理解と実行を要請しています。その活動状況についてはサプライヤーミーティング、SAQ等を通じて定期的に検証・共有し、社会的責任を果たす取り組みを推進します。 ④ 経済状況等の変化によるリスクについて当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売国又は地域の経済状況の影響を受けるため、当該市場における景気後退にともなう需要の減少が、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。個人顧客を主要な購買層とするものについては、個人顧客のライフスタイルや嗜好の変化、可処分所得の増減等により販売数量が左右されやすい性質を持っています。これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向等、個人消費に影響を与える諸要因によって大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、それに対応した当社グループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合や、これらの悪化要因に対応した製品を適時に開発、製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国の政府・官公庁等の公的機関や企業等の法人顧客を主要な購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向等によって販売量が左右され、それによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは、発生の時期・内容・規模・地域等が不明確であり、事前に影響の測定が困難なものですが、当社グループは当社グループの予測からの変化を常にモニタリングし、日々のオペレーション対応からコンティンジェンシープランの実施まで、リスク規模に合わせた迅速でフレキシブルな対応をリスクマネジメントプランに則り対応し、リスクの回避又は影響の最小化を図っています。ただし、国際紛争やパンデミックの長期化・拡大等により、当社グループが想定する規模や期間を上回る経済環境の変化(悪化)があった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの売上収益に占める海外向の割合は5割以上あり、拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて連結財務諸表作成にあたり海外の現地通貨建ての資産・負債等が円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの為替感応は、ユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化します。また、金利の変動は、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、一部の通貨においては各国規制等によりヘッジできていない取引及び債権・債務が存在するものの、当社グループの経営成績等の全体に及ぼす影響は限定的になっています。しかしながら、主要通貨において当社グループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 顧客の資金状況・財務状況について当社グループは、代金後払いの条件で顧客へ製品等の販売を行っている取引があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し当社グループは、取引先毎の財務状況調査により財務体力に応じた与信限度の設定、L/C取引、取引信用保険の付保等の対応を行いリスクの回避に努めています。 ⑦ 業界動向の変化当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化等を含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、同一業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を超えた新たな市場開拓と機会を秘めています。そのような状況下、競合他社による組織再編やM&Aにより、同一業界内又は隣接する業界やその他の業界における企業間での地位や競争の構造が変化し、あるいは業界内でのビジネススキームの変化や標準規格の変更等が生じることにより、当社グループが規模のメリット、技術開発力、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達、生産地、販路、持続可能性の評価等において劣後することとなり、業界における現在の地位を維持できなくなる可能性があります。あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編等により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持し発展していくことができるとの保証は無く、係る場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、業界他社動向を常に注視しつつ、他社にない製品・サービスの開発を推進し、業界の変化に左右されない地位の維持、拡大に努めています。 ⑧ 市場における競争の激化当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の新興企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。当該リスクに対し、当社グループは、各事業分野において、企業方針に基づき、顧客価値創造を目指した高付加価値な製品及びサービスの企画を継続し、競合優位な企業を目指します。 ⑨ 技術革新における競争について技術革新が重要な競争要因になっているなかで、当社グループとして絶えず研究開発活動への資金・資源を投入し続ける必要があります。当社グループの新たな製品開発に必要、又は市場から要求される必要な技術は常に高度化していると共に、近年では、持続可能な社会実現への期待も増してきており、技術の高度化や持続可能な社会への貢献に伴いそれらの対応に要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがそのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術や社会的責任を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。更には、予測を超える広範・大規模な技術革新や社会的要請に急激な変化が起こった場合、研究開発活動等に十分な資金・資源の投入ができない場合及び有能かつ熟練した研究開発要員を確保できず、あるいは外部に流出してしまった場合には、十分な商品化開発が進まず、売上収益を確保できないリスクがあります。また、構成部品の市況変化による高騰等から総原価が増大した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、リスクを最小化するために、変化する市場環境、社会的要請、技術トレンド、構成部品及び第三者ソリューションの市況を含めた技術開発・製品化ロードマップを適時改訂するとともに、技術者の人財能力育成も計画的なプログラムを実施し、発生し得るリスクを早期に察知・可視化するモニタリング活動を重要視して事業活動を展開していきます。 ⑩ 国際的な事業活動におけるリスク当社グループは海外で幅広くビジネスを展開しており、現地における労使関係、宗教や文化、規制の相違、政情・経済上の不安、商慣習等に関する障害や、予期しない会計基準や法規制の導入、持続可能性の評価要件の違い、税務当局との見解の相違等により、コスト、税負担のほか、事業活動上の様々な障害や制約に晒される可能性があります。また、国内外での製品輸入通関申告手続について適切な関税分類に従って実施していますが、輸出国の通関当局との見解の相違により、通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、各国関連子会社、地域経済団体、当局、弁護士、コンサルタント等との間で情報共有又は連携し、また、AEO特定輸出申告制度に係る法令遵守規則を規程化の上、安全管理と法令遵守に関する従業員研修を定期的に実施する等、事前の必要な対策とリスクが顕在化した際の影響の最小化に向けた準備・対応を行うとともに、持続可能な社会の実現に向けてグループ一体となって取り組んでいきます。 (2)事業オペレーションにともなうリスク① 情報セキュリティリスクについて当社グループは、お客様の個人情報、取引情報及びサプライチェーンパートナー企業との間で交換される重要な機密情報を扱っています。このような情報が、標的型サイバー攻撃等の悪意ある行為や不注意により外部に流出するリスクは常に存在します。さらに、当社グループの商品ラインナップには、外部デバイスやメディアとネットワークを経由し連携する商品やサービスが含まれています。これらの商品やサービスには、サイバー攻撃等による誤動作を引き起こすセーフティリスク、デバイス操作情報の流出によるセキュリティリスク、そして接続しているシステムや製品が正常に処理できないリライアビリティリスク等が存在します。このようなリスクが現実となった場合、顧客や関係者への損害賠償、対応に必要なコスト、さらには当社グループ及びサービスに対する社会的信頼の損失といった事象が起こり得ます。これらは、当社グループの事業、業績、そして財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。そこで、当社グループは、このような情報の取り扱いに際して、その安全性を確保することを最優先事項と、情報セキュリティの維持は、当社事業の継続性及び社会的信頼の確保に直接関わる重要な要素と位置づけています。現在、情報セキュリティの3要素(機密性・完全性・可用性)の維持を目標として、CISO(Chief Information Security Officer)指導のもと、JK-CIRT/CC(JVCKENWOOD Central Incident Response Team /Coordination Center)を中心に、情報セキュリティインシデント対応チームの体制を構築しています。体制は各SIRT(5つのカテゴリー(※)で構成される情報セキュリティインシデント対応チーム)を全社に機能配置し、情報セキュリティインシデントへの迅速な対応にあたっています。これら各SIRTは本社部門や事業関連部門と連携し、社内の通信インフラ、開発ツール、サーバ、クラウド、ポータブル記録デバイスに至るまで、製品及びサービスのセキュリティ体制の強化を進めています。加えて、社内規程の定期見直し、セキュリティポリシーの遵守を通じて、継続的な情報セキュリティ管理体制の見直しと改善に努めています。また、一般的な情報セキュリティ教育とは別に、技術部門に対する専門性の高いセキュリティ技術講習を実施し、全社的な情報セキュリティリテラシーと技術力向上を図っています。今年度の情報セキュリティインシデントは人為的な事案が多く発生しました。新たに実施しているセキュリティ施策への理解と重要性を再度セキュリティ教育の一環としてリテラシー向上を目指します。また2024年2月に発生した生産拠点でのインシデントを受け、CSIRT/FSIRT協力し生産拠点のセキュリティ管理見直しと改善を推進しています。引き続き、お客様とサプライチェーンパートナー企業様からの信頼を基盤とし、これら情報セキュリティの維持と向上に取り組み、安全かつ信頼性の高いサービス提供に尽力していきます。(※)5つのカテゴリ:C(コンピュータ)、P(プロダクト)、F(ファクトリー)、S(サービス)、Pr(プロキュアメント) ② ITシステムの安定的な稼働ができないリスクについて製造、販売などの事業運営を司る基幹ITシステムが安定的に稼働できない場合に、当社グループの事業、業績、そして財務状況に影響を及ぼす可能性があります。システム障害、データ損失に対しては、データセンターやSaaS(Software as a Service)システムの高度なセキュリティ対策と冗長化されたインフラストラクチャによりシステムのダウンタイムを最小限に抑えるとともに、定期的なデータバックアップより業務継続性の維持を推進しています。また、サイバー攻撃に対しては、ゼロトラストを基本概念としたネットワークの境界を超えたセキュリティ対策の強化によりITシステムの安定的な稼働を推進しています。これらの対策を確実に実行するために、大規模災害やパンデミック、サイバー攻撃などの緊急事態に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、訓練を通じて定期的な見直しを行っています。 ③ 品質問題の発生について当社グループは、様々な製品を製造・販売しており、その製品の特性上、製品に欠陥が発生し、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)が発生する可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、企画・開発・生産の各工程において、品質を重視した各プロセスの基準遵守と有効なフェイズゲートを設け、品質に問題が生じぬよう徹底したチェックを行っています。しかし、それでも品質問題が起こる可能性はゼロではないため、製造物賠償責任保険へ加入しています。併せて、重大製品事故(PL(Product Liability:製造物責任)法問題含む)を含む品質問題防止にむけた全社の取り組みとして、1)新機種の製品安全評価、2)重要安全部品管理強化、3)製品安全マネジメント体制の維持・強化(PL情報のデータベース化及びオペレーション明確化と迅速化)、4)品質向上・安全性確保に向けた設計及び評価ノウハウの全社共有の推進をしています。また、上記仕組みの構築だけでなく品質月間等のイベント実施や定期的に社内外の品質情報を社内展開する等、従業員の品質に対する意識の向上を図っています。 しかしながら、このような努力をもってしても、当社グループの製品の欠陥を完全に防止できるものではなく、また、製造物責任の範囲が当社グループの加入する製造物賠償責任保険の対象範囲を超える等、当社グループの想定を超える場合には、賠償責任の可能性や、品質対策費用の発生、更には当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下等を引き起こし、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人材の確保、喪失、高齢化当社グループの全ての事業活動の成果の多くは人材に大きく依存しています。特に高度な専門知識や経験を持った有能かつ熟練した従業員が賃金水準、待遇の相対的低下、労働環境の悪化等の事情によって当社グループ外に流出した場合や、人員構成比率の高い50代の従業員が退職した後の人材補充が適正に行われない場合や省人化による生産性向上が十分でない場合には、当社グループの将来の事業活動に悪影響を与え、技術や業務ノウハウの伝承が円滑に行われず、企業競争力の低下を招く等、事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、「VISION2025」で掲げている、経営戦略と人材戦略の連動やエンゲージメントの向上を柱とした人的資本経営の実践にむけて、人材の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、異なる考え方を受け入れる(インクルージョン)、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とそれを可能にする制度作りに積極的に取り組んでいます。多様な発想や価値観を持った人々が互いを尊重し、刺激し合うことで、革新的なアイデアが生みだされ、それにより世界中のお客さまの多様なニーズに応えることができると考えます。また、当社グループは「VISION2025」の達成に向けて「新卒採用の拡充」「中途採用の多角的実施」等により多様な人材を確保するとともに、「JVCKENWOOD CAREER DESIGN]というプログラムを立ち上げ、従業員のキャリアパスの見える化やキャリア相談機会の創出に力を入れることで従業員のキャリア開発を促進し、テレワークと出社を効率よく行うハイブリッドワークを中心とした働き方改革との相乗効果で、従業員の定着と年齢構成の適正化、リバランスを進め、企業競争力の維持、事業継承に対するリスク低減に取り組んでいます。 ⑤ M&A・他社との提携の成否当社グループは、新製品・サービスの提供や、企業価値の向上、新たな事業展開を目的とし、他社とのパートナーシップが必要と判断した場合には、M&A、業務・資本提携や合弁会社設立等を行っています。実施に当たっては、リスク分析、当社グループとの相乗効果の可能性等十分に検討を行い進めていますが、市場や競合関係、技術イノベーションの変化等において著しい変化があった場合、当初想定した成果を出すことができず、投資額を回収できなくなる可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合等、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合等には、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 持分法適用関連会社の業績・財務状況当社グループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)財務・会計に関するリスク① 有利子負債に付された財務制限条項を維持できない場合当社グループの有利子負債に係るコミットメントライン契約及びターム・ローン契約には財務制限条項を含む期限前弁済条項が付されており、これらの条件が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があり、その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、キャッシュ・マネージメント・システム等によるグループ資金の効率化を図り、有利子負債を圧縮するとともに、主要取引金融機関との関係強化に努めています。 (4)法的規制に関するリスク① 法的規制当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。今後こうした法的規制がより厳格となったり、技術的観点や経済的観点等から当社グループがこれらの法的規制に従うことが困難となった場合には、事業活動が制限を受けたり、法規制等を遵守するための費用が増加するリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、事業活動に纏わる全ての関連法規に基づき、それらに則ったプロセスや結果となっているか厳重なチェック体制を維持するとともに、現場管理者向け研修等を定期的に実施して、その重要性を現場に浸透させ、対応を進めることに努めています。 ② コンプライアンス当社グループは、全世界で業務を遂行するにあたり、各国のさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらを遵守すべく、役員・従業員へのコンプライアンス意識の向上と体制構築に努めています。しかしながら、これらに対する違反等が発生する可能性は皆無と言えず、発生した場合には、社会的信用を失い、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準及び諸規程を整備するとともに、それらの実効性を確保するために適宜見直しを行っています。さらに、運用状況のモニタリング、コンプライアンス研修等を通じた規程の制定/改定等についての教育・指導を行っています。 ③ 知的財産権現在、他社から使用許諾を受けている特許等の知的財産権について、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりすることで、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図せず第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の低下を引き起こすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、本社知的財産部が中心となり、他社特許権を侵害しない管理体制の構築・運用等全社的に知的財産リスクの回避に取り組むとともに、強化に努めています。 ④ 過重労働、安全配慮義務違反過重労働や安全配慮義務違反により、人財喪失や損害賠償責任等の直接的な損害が発生しうることに加え、当社グループに対する社会的評価の低下やブランドイメージ悪化につながるリスクがあります。当該リスクに対し、当社は日々の残業労働時間確認に加え、人事部門においても残業労働時間の全部門確認を行い、経営層との状況共有や対策実施を行っています。また、年休取得やストレスチェックの実施により従業員の健康維持に注力した取り組みを組織的に行っています。加えて、テレワークが増える昨今の状況を考慮し、PCログの取得や休日、深夜早朝時間帯における就労申請外勤務者のPCロック等のIT施策を加え就労状況の見える化に取り組んでいます。 ⑤ 環境保護について当社グループは、気候変動、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染等に関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の遵守義務が生じており、これらの対応等に関連する費用負担や事故、法令抵触事項等が発生した場合の賠償により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。またRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等、環境に関する規制の見直しにより、有害物質等を除去する義務が更に追加された場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が自然環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対し、当社グループは、地球環境保全を念頭に適宜改正される製品及び事業所の環境関連法令への対応に努めており、必要な情報を常に収集し、当社の製品及びサービスへの対応を図っています。また、気候変動をはじめとした中長期的な視点での環境関連リスクと機会の特定を行い、当社の事業への影響とその対応について検討、開示を行っています。 (5)災害等に関するリスク① 自然災害、人的災害当社グループは、日本国内及び東南アジア・中国地区をはじめとして海外にも生産拠点を保有し、各国の営業拠点等を通じて世界中のお客様に製品を供給しています。そのため、予測が難しい自然災害(地震、津波、火災、洪水等)、感染症によるパンデミック等、又は火災や爆発、輸送機関の事故及び戦争、騒乱、騒擾等の人的災害が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、事業活動が中断され、更には当社グループの拠点のみならず、部品調達先や取引先、ロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて防災訓練・事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から役員・従業員の防災意識向上に取り組んでいます。このような当社グループ一体となった事業継続、災害からの早期復旧と、生産・出荷・サービス提供の迅速な再開など、リスク最小化に向けた事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を進めています。また、国内外の工場においても該当国の規制を遵守し、稼働停止による当社グループに対する影響を最小限に抑える活動を推進していますしかしながら、感染症や自然災害、人的災害の発生などに対しては、一企業グループとして最善と考えられる施策を展開した場合でも、そのリスクを完全に回避することは困難であり、当社の想定を上回る被害が生じた場合等においては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2024|14,258 文字
3【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらの記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 <当社グループにおけるリスク管理体制>当社グループでは、リスクを「事業計画の達成を阻害する可能性があるもの」と捉え、全世界で事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、影響及び損害の最小化を図るとともに、これらを機会として活かすための体制を整備しています。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置き、配下に各事業分野、グループ会社責任者を配置し、リスク管理担当部門を事務局としてリスクマネジメントプロセスに基づいて各職場が主体的に直面し得るリスクを定期的に洗い出し、リスクの事前把握と、発現した際の迅速な対応含め施策を進めています。また、2023年度よりTCFD提言に沿った気候変動リスクへの取り組みを推進するため、リスク管理体制を強化しており、気候変動問題に起因する移行リスク※1、物理的リスク※2は、一般的なリスクとは別に分類した上で、重要度評価を行い、他のリスクと統合した形で管理しています。※1 低炭素社会に移行する際に発生するリスク※2 気候変動による物理的変化によって発生するリスク気候変動に関するリスク管理体制の詳細につきましては、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1.気候変動への対応 (2)リスク管理」をご参照ください。 <当社グループにおけるリスクマネジメントプロセス>・当社グループの全部門を対象に毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部、地域、グループ会社において事業の現場で直面するリスクを洗い出して「事業拠点リスク」と位置付けて、影響度・緊急性・発生頻度及び対応状況を踏まえてリスク評価するとともに対策を策定し実行、施策進捗をモニタリングし改善するサイクルを、それぞれの部門において実施・最高経営責任者(Chief Executive Officer、略語:CEO)が主宰し、リスク管理担当役員を議長、議長により指名された本社部門長及び各事業分野の担当役員を構成員として設置される全社リスク管理会議において、各事業部・地域により洗い出された「事業拠点リスク」と経営課題・事業課題を踏まえ、経営への影響度や緊急性、インシデント発生状況等を勘案して抽出したリスク課題を「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けてリスク解決に向けた施策を策定し、経営層レベルによる全社的視点での取り組みとして当該リスク管掌担当役員を対応推進責任者に指名・対応推進責任者は、連結会計年度の事業計画の達成へ向けて、グローバル重要リスクに対する施策を各事業部・地域に落とし込んで改善するサイクルを実施し、進捗をモニタリング (1)事業環境の変化等にともなうリスク① 原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、外部より十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービス等について競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ入手することは重要です。当社グループにおいては外部の部品開発業者、生産業者、部品供給業者、製品開発業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又は共同開発等により、外部業者に対して一定程度以上の依存をしています。したがって、外部業者との関係悪化、外部業者自身の経営問題、外部業者の自然災害や事故等の罹災、パンデミック等によるグローバルな社会環境・事業環境の変化等様々な要因での供給の遅滞や停止や当社グループ製品に関する開発の遅滞や停止等が発生した場合、製品開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、現時点においてロシア・ウクライナ紛争及びロシア経済制裁等による当社グループの製品の原材料等の調達への直接的な悪影響は無いと判断していますが、ロシア・ウクライナ紛争及びロシア経済制裁等は依然として継続・長期化していることに伴い、部品や製品の原材料不足等への影響は注視が必要と考えています。また、エネルギー価格の高騰、為替相場の変動等により、これらが当社グループへ直接的に、又は当社が依存する外部業者に対して悪影響を与えることによって、間接的に当社グループ製品の開発や製造にも制約や影響が生じるリスクが継続している状況です。当社グループは、サプライヤーと連携の上で、上記の原材料や基材の調達に制約が生じる事情の有無について早期発見に努めており、そのような制約のおそれについて関知した場合には当社グループの調達への悪影響を可能な限り軽減するための対策に善処するよう図っていますが、これらの連携及び対策が奏功する保証はありません。 当該リスクに対し、外部業者との友好な取引関係の確立・維持に努めることは当然ながら、開発のバックアップや調達の停止リスク回避を考慮した取引先の複数確保、BCP在庫の保有、汎用部品の採用、仲介業者活用による在庫確保等の対策を講じ、急なコストの悪化や、当社グループの国内・海外の生産工場における製造活動の停止等が起きぬよう、対策を講じています。特に、当社グループは、前期連結会計年度まで半導体等の部品供給不足による生産遅延の影響を大きく受けました。これについては、部品備蓄の対応や問題部品の代替設計等による生産・販売の継続等、新たな施策を講じ事業影響の最小化を図り、現在では、半導体を中心として電子部品の調達難は解消され、部品調達が実施できる状況となっています。しかしながら、部品の安定供給や価格動向等については依然として不確実性を伴う状況にあり、これらの施策を講じていたとしても、当社グループが想定する規模や期間を上回る外部事業者側の事情や事業環境等の変化(悪化)があったような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 物流リスク当社グループ製品の生産・販売活動の多くは日本国外で行われており、物流活動もグローバルに展開されています。各国・各地域の物流上の問題が当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループはアジア地域での生産が多く、その拠点からグローバルに供給を行っています。新型コロナウイルスのパンデミック後における欧米を中心とした経済活動の再開により輸出物量は回復してきていますが、一方でイスラエル・パレスチナ紛争の影響で、輸送ルートの変更を余儀なくされ、物流リードタイムの長期化・物流コストが上昇する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発現に対し、販売への影響を低減させるために、販売拠点での在庫水準や搬送手段の見直しを行い、供給量の安定化を図る等の施策を進めています。一方で、日本国内での当社グループ製品の生産・販売に伴う物流活動では、2024年4月から働き方改革関連法の施行により、自動車運転業務の時間外労働に関する規制が適用され(いわゆる「2024年問題」)、今後当社グループにおいても物流コストの上昇と輸送能力の低下が生じることが予測されており、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、製品総原価の見直しにより上昇する輸送コストの吸収を目指すとともに、輸送能力の低下に応じ、出荷頻度の見直しを行い、供給量の安定化を図る等の施策により、販売への影響が及ぶ可能性を低減しています。 ③ サプライチェーンリスク当社グループ製品のサプライチェーンシステムにおいては多くの取引先がステークホルダーとして存在していますが、これらのそれぞれの取引先での社会的責任の遂行状況は、当社グループ製品のサプライチェーンシステム自体が社会的責任を果たしているかに直結します。取引先で生じた問題が当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、当社グループが社会的責任を果たせなくなる結果として、当社グループの事業、業績、財務状況及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、人権や環境に配慮した健全なサプライチェーンの構築を目的として、サプライヤー向けSAQ(Self Assessment Questionnaire)による実態調査を実施し、取引先に調達方針、 CSR 調達ガイドラインへの理解と実行を要請しています。その活動状況についてはサプライヤーミーティング、SAQ等を通じて定期的に検証・共有し、社会的責任を果たす取り組みを推進します。 ④ 経済状況等の変化によるリスク当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売国又は地域の経済状況の影響を受けるため、当該市場における景気後退にともなう需要の減少が、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。個人顧客を主要な購買層とするものについては、個人顧客のライフスタイルや嗜好の変化、可処分所得の増減等により販売数量が左右されやすい性質を持っています。これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向等、個人消費に影響を与える諸要因によって大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、それに対応した当社グループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合や、これらの悪化要因に対応した製品を適時に開発、製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国の政府・官公庁等の公的機関や企業等の法人顧客を主要な購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向等によって販売量が左右され、それによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは、発生の時期・内容・規模・地域等が不明確であり、事前に影響の測定が困難なものですが、当社グループは当社グループの予測からの変化を常にモニタリングし、日々のオペレーション対応からコンティンジェンシープランの実施まで、リスク規模に合わせた迅速でフレキシブルな対応をリスクマネジメントプランに則り対応し、リスクの回避又は影響の最小化を図っています。ただし、国際紛争やパンデミックの長期化・拡大等により、当社グループが想定する規模や期間を上回る経済環境の変化(悪化)があった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの売上収益に占める海外向の割合は5割以上あり、拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて連結財務諸表作成にあたり海外の現地通貨建ての資産・負債等が円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの為替感応は、ユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化します。また、金利の変動は、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、一部の通貨においては各国規制等によりヘッジできていない取引及び債権・債務が存在するものの、当社グループの経営成績等の全体に及ぼす影響は限定的になっています。しかしながら、主要通貨において当社グループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 顧客の資金状況・財務状況について当社グループは、代金後払いの条件で顧客へ製品等の販売を行っている取引があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限通りの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し当社グループは、取引先毎の財務状況調査により財務体力に応じた与信限度の設定、L/C取引、取引信用保険の付保等の対応を行いリスクの回避に努めています。 ⑦ 業界動向の変化当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化等を含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、同一業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を超えた新たな市場開拓と機会を秘めています。そのような状況下、競合他社による組織再編やM&Aにより、同一業界内又は隣接する業界やその他の業界における企業間での地位や競争の構造が変化し、あるいは業界内でのビジネススキームの変化や標準規格の変更等が生じることにより、当社グループが規模のメリット、技術開発力、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達、生産地、販路、持続可能性の評価等において劣後することとなり、業界における現在の地位を維持できなくなる可能性があります。あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編等により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持し発展していくことができるとの保証は無く、係る場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、業界他社動向を常に注視しつつ、他社にない製品・サービスの開発を推進し、業界の変化に左右されない地位の維持、拡大に努めています。 ⑧ 市場における競争の激化当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の新興企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。当該リスクに対し、当社グループは、各事業分野において、企業方針に基づき、顧客価値創造を目指した高付加価値な製品及びサービスの企画を継続し、競合優位な企業を目指します。 ⑨ 技術革新における競争について技術革新が重要な競争要因になっているなかで、当社グループとして絶えず研究開発活動への資金・資源を投入し続ける必要があります。当社グループの新たな製品開発に必要、又は市場から要求される必要な技術は常に高度化していると共に、近年では、持続可能な社会実現への期待も増してきており、技術の高度化や持続可能な社会への貢献に伴いそれらの対応に要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがそのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術や社会的責任を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。更には、予測を超える広範・大規模な技術革新や社会的要請に急激な変化が起こった場合、研究開発活動等に十分な資金・資源の投入ができない場合、及び有能かつ熟練した研究開発要員を確保できず、あるいは外部に流出してしまった場合には、十分な商品化開発が進まず、売上収益を確保できないリスクがあります。また、構成部品の市況変化による高騰等から総原価が増大した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、リスクを最小化するために、変化する市場環境、社会的要請、技術トレンド、構成部品、及び第三者ソリューションの市況を含めた技術開発・製品化ロードマップを適時改訂するとともに、技術者の人財能力育成も計画的なプログラムを実施し、発生し得るリスクを早期に察知・可視化するモニタリング活動を重要視して事業活動を展開していきます。 ⑩ 国際的な事業活動におけるリスク当社グループは海外で幅広くビジネスを展開しており、現地における労使関係、宗教や文化、規制の相違、政情・経済上の不安、商慣習等に関する障害や、予期しない会計基準や法規制の導入、持続可能性の評価要件の違い、税務当局との見解の相違等により、コスト、税負担のほか、事業活動上の様々な障害や制約に晒される可能性があります。また、国内外での製品輸入通関申告手続について適切な関税分類に従って実施していますが、輸出国の通関当局との見解の相違により、通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、各国関連子会社、地域経済団体、当局、弁護士、コンサルタント等との間で情報共有又は連携し、また、AEO特定輸出申告制度に係る法令遵守規則を規程化の上、安全管理と法令遵守に関する従業員研修を定期的に実施する等、事前の必要な対策とリスクが顕在化した際の影響の最小化に向けた準備・対応を行うとともに、持続可能な社会の実現に向けてグループ一体となって取り組んでいきます。 (2)事業オペレーションにともなうリスク① 情報セキュリティリスクについて当社グループは、お客様の個人情報、取引情報及びサプライチェーンパートナー企業との間で交換される重要な機密情報を扱っています。このような情報が、標的型サイバー攻撃等の悪意ある行為や不注意により外部に流出するリスクは常に存在します。さらに、当社グループの商品ラインナップには、外部デバイスやメディアとネットワークを経由し連携する商品やサービスが含まれています。これらの商品やサービスには、サイバー攻撃等による誤動作を引き起こすセーフティリスク、デバイス操作情報の流出によるセキュリティリスク、そして接続しているシステムや製品が正常に処理できないリライアビリティリスク等が存在します。このようなリスクが現実となった場合、顧客や関係者への損害賠償、対応に必要なコスト、さらには当社グループ及びサービスに対する社会的信頼の損失といった事象が起こり得ます。これらは、当社グループの事業、業績、そして財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。そこで、当社グループは、このような情報の取り扱いに際して、その安全性を確保することを最優先事項と、情報セキュリティの維持は、当社事業の継続性及び社会的信頼の確保に直接関わる重要な要素と位置づけています。現在、情報セキュリティの3要素(機密性・完全性・可用性)の維持を目標として、CISO(Chief Information Security Officer)指導のもと、JK-CIRT/CC(JVCKENWOOD Central Incident Response Team /Coordination Center)を中心に、情報セキュリティインシデント対応チームの体制を構築しています。体制は各SIRT(5つのカテゴリー(※)で構成される情報セキュリティインシデント対応チーム)を全社に機能配置し、情報セキュリティインシデントへの迅速な対応にあたっています。これら各SIRTは本社部門や事業部と連携し、社内の通信インフラ、開発ツール、サーバやポータブル記録デバイスに至るまで、製品及びサービスのセキュリティ体制の強化を進めています。加えて、社内規程の定期見直し、セキュリティポリシーの遵守を通じて、継続的な情報セキュリティ管理体制の見直しと改善に努めています。また、一般的な情報セキュリティ教育とは別に、技術部門に対する専門性の高いセキュリティ技術講習を実施し、全社的な情報セキュリティリテラシーと技術力向上を図っています。今年度の情報セキュリティインシデントの割合はCSIRT事案が多く発生しましたが、JVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd.(JKOT)でのインシデントを受け、工場のセキュリティ強化を急務とし、CSIRTとも連携し、FSIRT主導による現地生産工場系部門と連携を強化、再発防止に努めてまいりました。引き続き、お客様とサプライチェーンパートナー企業様からの信頼を基盤とし、これら情報セキュリティの維持と向上に取り組み、安全かつ信頼性の高いサービス提供に尽力していきます。(※)5つのカテゴリ:C(コンピュータ)、P(プロダクト)、F(ファクトリー)、S(サービス)、Pr(プロキュアメント) ② 品質問題の発生について当社グループは、様々な製品を製造・販売しており、その製品の特性上、製品に欠陥が発生し、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)が発生する可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、企画・開発・生産の各工程において、品質を重視した各プロセスの基準遵守と有効なフェイズゲートを設け、品質に問題が生じぬよう徹底したチェックを行っています。しかし、それでも品質問題が起こる可能性はゼロではないため、製造物賠償責任保険へ加入しています。併せて、重大製品事故(PL(Product Liability:製造物責任)法問題含む)を含む品質問題防止にむけた全社の取り組みとして、1)新機種の製品安全評価、2)重要安全部品管理強化、3)製品安全マネジメント体制の再構築(PL情報のデータベース化及びオペレーション明確化と迅速化)、4)品質向上・安全性確保に向けた設計及び評価ノウハウの全社共有の推進をしています。また、上記仕組みの構築だけでなく品質月間等のイベント実施や定期的に社内外の品質情報を社内展開する等、従業員の品質に対する意識の向上を図っています。しかしながら、このような努力をもってしても、当社グループの製品の欠陥を完全に防止できるものではなく、また、製造物責任の範囲が当社グループの加入する製造物賠償責任保険の対象範囲を超える等、当社グループの想定を超える場合には、賠償責任の可能性や、品質対策費用の発生、更には当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下等を引き起こし、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人材の確保、喪失、高齢化当社グループの全ての事業活動の成果の多くは人材に大きく依存しています。特に高度な専門知識や経験を持った有能かつ熟練した従業員が賃金水準、待遇の相対的低下、労働環境の悪化等の事情によって当社グループ外に流出した場合や、人員構成比率の高い50代の従業員が退職した後の人材補充が適正に行われない場合や省人化による生産性向上が十分でない場合には、当社グループの将来の事業活動に悪影響を与え、技術や業務ノウハウの伝承が円滑に行われず、企業競争力の低下を招く等、事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、「VISION2025」で掲げている、経営戦略と人材戦略の連動やエンゲージメントの向上を柱とした人的資本経営の実践にむけて、人材の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、異なる考え方を受け入れる(インクルージョン)、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とそれを可能にする制度作りに積極的に取り組んでいます。多様な発想や価値観を持った人々が互いを尊重し、刺激し合うことで、革新的なアイデアが生みだされ、それにより世界中のお客さまの多様なニーズに応えることができると考えます。また、当社グループは「VISION2025」の達成に向けて「新卒採用の拡充」「中途採用の多角的実施」等により多様な人材を確保するとともに、従業員の育成体系を整備しキャリア開発を促進し、テレワークと出社を効率よく行うハイブリッドワークを中心とした働き方改革との相乗効果で、従業員の定着と年齢構成の適正化、リバランスを進め、企業競争力の維持、事業継承に対するリスク低減に取り組んでいます。 ④ M&A・他社との提携の成否当社グループは、新製品・サービスの提供や、企業価値の向上、新たな事業展開を目的とし、他社とのパートナーシップが必要と判断した場合には、M&A、業務・資本提携や合弁会社設立等を行っています。実施に当たっては、リスク分析、当社グループとの相乗効果の可能性等十分に検討を行い進めていますが、市場や競合関係、技術イノベーションの変化等において著しい変化があった場合、当初想定した成果を出すことができず、投資額を回収できなくなる可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合等、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合等には、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 持分法適用関連会社の業績・財務状況当社グループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)財務・会計に関するリスク① 有利子負債に付された財務制限条項を維持できない場合当社グループの有利子負債に係るコミットメントライン契約及びターム・ローン契約には財務制限条項を含む期限前弁済条項が付されており、これらの条件が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があり、その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、キャッシュ・マネージメント・システム等によるグループ資金の効率化を図り、有利子負債を圧縮するとともに、主要取引金融機関との関係強化に努めています。 (4)法的規制に関するリスク① 法的規制当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。今後こうした法的規制がより厳格となったり、技術的観点や経済的観点等から当社グループがこれらの法的規制に従うことが困難となった場合には、事業活動が制限を受けたり、法規制等を遵守するための費用が増加するリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、事業活動に纏わる全ての関連法規に基づき、それらに則ったプロセスや結果となっているか厳重なチェック体制を維持するとともに、現場管理者向け研修等を定期的に実施して、その重要性を現場に浸透させ、対応を進めることに努めています。 ② コンプライアンス当社グループは、全世界で業務を遂行するにあたり、各国のさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらを遵守すべく、役職員へのコンプライアンス意識の向上と体制構築に努めています。しかしながら、これらに対する違反等が発生する可能性は皆無と言えず、発生した場合には、社会的信用を失い、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準及び諸規程を整備するとともに、それらの実効性を確保するために適宜見直しを行っています。さらに、運用状況のモニタリング、コンプライアンス研修等を通じた規程の制定/改定等についての教育・指導を行っています。 ③ 知的財産権現在、他社から使用許諾を受けている特許等の知的財産権について、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりすることで、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図せず第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の低下を引き起こすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、本社知的財産部に加え、事業セグメントごとに関係スタッフを配置し、他社特許権を侵害しない管理体制の構築・運用等全社的に知的財産リスクの回避に取り組むとともに、強化に努めています。 ④ 過重労働、安全配慮義務違反過重労働や安全配慮義務違反により、人財喪失や損害賠償責任等の直接的な損害が発生しうることに加え、当社グループに対する社会的評価の低下やブランドイメージ悪化につながるリスクがあります。当該リスクに対し、当社は日々の残業労働時間確認に加え、人事部門においても残業労働時間の全部門確認を行い、経営層との状況共有や対策実施を行っています。また、年休取得やストレスチェックの実施により従業員の健康維持に注力した取り組みを組織的に行っています。加えて、テレワークが増える昨今の状況を考慮し、PCログの取得や休日、深夜早朝時間帯における就労申請外勤務者のPCロック等のIT施策を加え就労状況の見える化に取り組んでいます。 ⑤ 環境保護について当社グループは、気候変動、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染等に関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の遵守義務が生じており、これらの対応等に関連する費用負担や事故、法令抵触事項等が発生した場合の賠償により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。またRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等、環境に関する規制の見直しにより、有害物質等を除去する義務が更に追加された場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が自然環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、地球環境保全を念頭に適宜改正される製品及び事業所の環境関連法令への対応に努めており、必要な情報を常に収集し、気候変動をはじめとした環境関連のリスクと機会の特定を行い、当社の製品及びサービスへの対応を図っています。 (5)災害等に関するリスク① 自然災害、人的災害当社グループは、日本国内及び東南アジア・中国地区をはじめとして海外にも生産拠点を保有し、各国の営業拠点等を通じて世界中のお客様に製品を供給しています。そのため、予測が難しい自然災害(地震、津波、火災、洪水等)、感染症によるパンデミック等、又は火災や爆発、輸送機関の事故、及び戦争、騒乱、騒擾等の人的災害が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、事業活動が中断され、更には当社グループの拠点のみならず、部品調達先や取引先、ロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて防災訓練・事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から役員・従業員の防災意識向上に取り組んでいます。このような当社グループ一体となった事業継続、災害からの早期復旧と、生産・出荷・サービス提供の迅速な再開等、リスク最小化に向けた事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を進めています。また、国内外の工場においても該当国の規制を遵守し、稼働停止による当社グループに対する影響を最小限に抑える活動を推進しています。しかしながら、感染症や自然災害、人的災害の発生等に対しては、一企業グループとして最善と考えられる施策を展開した場合でも、そのリスクを完全に回避することは困難であり、当社の想定を上回る被害が生じた場合等においては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2023|12,482 文字
3【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらの記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 <当社グループにおけるリスク管理体制>当社グループでは事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、影響及び損害の最小化を図るとともに、これらを機会として活かすための体制を整備しています。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置き、配下に各事業分野、グループ会社責任者を配置し、リスク管理担当部門を事務局としてリスクマネジメントプロセスに基づいて各職場が主体的に直面し得るリスクを定期的に洗い出し、リスクの事前把握と、発現した際の迅速な対応含め施策を進めています。 <当社グループにおけるリスクマネジメントプロセス>・当社グループの全部門を対象に毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部・地域において事業の現場で直面するリスクを洗い出して「事業拠点リスク」と位置付けて、影響度・発生頻度及び対応状況を踏まえてリスク評価するとともに対策を策定し実行、施策進捗をモニタリングし改善するサイクルをそれぞれの部門において実施・最高経営責任者(Chief Executive Officer、略語:CEO)が主宰し、リスク管理担当役員を議長、議長により指名された本社部門長及び各事業分野の担当役員を構成員として設置される全社リスク管理会議において、各事業部・地域により洗い出された「事業拠点リスク」と経営課題・事業課題を踏まえ、経営への影響度や緊急性、インシデント発生状況等を勘案して抽出したリスク課題を「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けてリスク解決に向けた施策を策定し、経営層レベルによる全社的視点での取り組みとして当該リスク管掌担当役員を対応推進責任者に指名・対応推進責任者は、グローバル重要リスクを連結会計年度の事業達成への取り組みとして、施策を各事業部・地域に落とし込んで改善するサイクルを実施し、進捗をモニタリング (1)事業環境の変化等にともなうリスク① 原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、外部より十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービスなどについて競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ入手することは重要です。当社グループにおいては外部の部品開発業者、生産業者、部品供給業者、製品開発業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又は共同開発等により、外部業者に対して一定程度以上の依存をしています。したがって、外部業者との関係悪化、外部業者自身の経営問題、外部業者の自然災害や事故等の罹災、パンデミック等によるグローバルな社会環境・事業環境の変化等様々な要因での供給の遅滞や停止や当社グループ製品に関する開発の遅滞や停止などが発生した場合、製品開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、現時点においてロシア・ウクライナ紛争及びロシア経済制裁等による当社グループの製品の原材料等の調達への直接的な悪影響は無いと判断しておりますが、ロシア・ウクライナ紛争及びロシア経済制裁等は依然として継続・長期化していることにともない、部品や製品の原材料不足などへの影響は注視が必要と考えております。また、エネルギー価格の高騰、為替相場の変動等により、これらが当社グループへ直接的に、又は当社が依存する外部業者に対して悪影響を与えることによって、間接的に当社グループ製品の開発や製造にも制約や影響が生じるリスクが継続している状況です。当社グループは、サプライヤーと連携の上で、上記の原材料や基材の調達に制約が生じる事情の有無について早期発見に努めており、そのような制約のおそれについて関知した場合には当社グループの調達への悪影響を可能な限り軽減するための対策に善処するよう図っておりますが、これらの連携及び対策が奏功する保証はありません。 当該リスクに対し、外部業者との友好な取引関係の確立・維持に努めることは当然ながら、開発のバックアップや調達の停止リスク回避を考慮した取引先の複数確保、BCP在庫の保有、汎用部品の採用、仲介業者活用による在庫確保等の対策を講じ、急なコストの悪化や、当社グループの国内・海外の生産工場における製造活動の停止等が起きぬよう、対策を講じています。特に、当社グループは、前期連結会計年度に引き続き当連結会計年度においても半導体等の部品供給不足による生産遅延の影響を大きく受けました。これについては、部品備蓄の対応や問題部品の代替設計等による生産・販売の継続など、新たな施策を講じ事業影響の最小化を図っており、現在では、半導体を中心として電子部品の調達難が緩和方向となり、概ねの部品調達が実施できる状況となっております。しかしながら、半導体はじめとする部品の安定供給や価格動向等については依然として不確実性をともなう状況にあり、これらの施策を講じていたとしても、当社グループが想定する規模や期間を上回る外部事業者側の事情や事業環境等の変化(悪化)があったような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 経済状況等の変化によるリスク当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売国又は地域の経済状況の影響を受けるため、当該市場における景気後退にともなう需要の減少が、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。個人顧客を主力購買層とするものについては、個人顧客のライフスタイルや嗜好の変化、可処分所得の増減等により販売数量が左右されやすい性質を持っています。これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向等、個人消費に影響を与える諸要因によって大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、それに対応した当社グループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合や、これらの悪化要因に対応した製品を適時に開発、製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国・地域の官公庁や民間企業などの法人顧客を主力購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向等によって販売量が左右され、それによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは、発生の時期・内容・規模・地域等が不明確であり、事前に影響の測定が困難なものでありますが、当社グループは当社グループの予測からの変化を常にモニタリングし、日々のオペレーション対応からコンティンジェンシープランの実施までリスク規模に合わせた迅速でフレキシブルな対応をリスクマネジメントプランに則り対応し、リスクの回避又は影響の最小化を図っております。ただし、国際紛争やパンデミックの長期化・拡大等により、当社グループが想定する規模や期間を上回る経済環境の変化(悪化)があった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの売上収益に占める海外向の割合は5割以上あり、拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて連結財務諸表作成にあたり海外の現地通貨建ての資産・負債等が円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの為替感応は、ユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化します。また、金利の変動は、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、一部の通貨においては各国規制などによりヘッジできていない取引及び債権・債務が存在するものの、当社グループの経営成績等の全体に及ぼす影響は限定的になっています。しかしながら、主要通貨において当社グループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 顧客の資金状況・財務状況について当社グループは、代金後払いの条件で顧客へ製品等の販売を行っている取引があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限通りの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し当社グループは、取引先毎の財務状況調査、財務体力に応じた与信限度の設定、L/C取引、取引信用保険の付保などの対応を行いリスクの回避に努めています。 ⑤ 業界動向の変化当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化などを含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、同一業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を超えた新たな市場開拓と機会を秘めています。そのような状況下、競合他社による組織再編やM&Aにより、同一業界内又は隣接する業界やその他の業界における企業間での地位や競争の構造が変化し、あるいは業界内でのビジネススキームの変化や標準規格の変更等により、当社グループが規模のメリット、技術開発力、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達、生産地、販路、持続可能性の評価等において劣後することとなり、業界における現在の地位を維持できなくなる可能性があります。あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編等により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持し発展していくことができるとの保証は無く、係る場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、業界他社動向を常に注視しつつ、他社にない製品・サービスの開発を推進し、業界の変化に左右されない地位の維持、拡大に努めてまいります。 ⑥ 市場における競争の激化当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。当該リスクに対し、当社グループは、各事業分野において、企業方針に基づき、顧客価値創造を目指した高付加価値な製品及びサービスの企画を継続し、競合優位な企業を目指します。 ⑦ 技術革新における競争について技術革新が重要な競争要因になっているなかで、当社グループとして絶えず研究開発活動への資金・資源を投入し続ける必要があります。当社グループの新たな製品開発に必要、又は市場から要求される必要な技術は常に高度化していると共に、近年では、持続可能な社会実現への期待も増してきており、技術の高度化や持続可能な社会への貢献にともないそれらの対応に要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがそのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術や社会的責任を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。更には、予測を超える広範・大規模な技術革新や社会的要請に急激な変化が起こった場合、研究開発活動等に十分な資金・資源の投入ができない場合、及び有能かつ熟練した研究開発要員を確保できず、あるいは外部に流出してしまった場合には、十分な商品化開発が進まず、売上収益を確保できないリスクがあります。また、構成部品の市況変化による高騰などから総原価が増大した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、リスクを最小化するために、変化する市場環境、社会的要請、技術トレンド、構成部品、及び第三者ソリューションの市況を含めた技術開発・製品化ロードマップを適時改訂するとともに、技術者の人財能力育成も計画的なプログラムを実施し、発生し得るリスクを早期に察知・可視化するモニタリング活動を重要視して事業活動を展開していきます。 ⑧ 国際的な事業活動におけるリスク当社グループは海外で幅広くビジネスを展開しており、現地における労使関係、宗教や文化、規制の相違、政情・経済上の不安、商慣習等に関する障害や、予期しない会計基準や法規制の導入、持続可能性の評価要件の違い、税務当局との見解の相違等により、コスト、税負担のほか、事業活動上の様々な障害や制約に晒される可能性があります。また、国内外での製品輸入通関申告手続について適切な関税分類に従って実施していますが、輸出国の通関当局との見解の相違により、通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、各国関連子会社、地域経済団体、当局、弁護士、コンサルタント等との間で情報共有又は連携し、事前の必要な対策とリスクが顕在化した際の影響の最小化に向けた準備・対応を行うとともに、持続可能な社会の実現に向けてグループ一体となって取り組んでまいります。 (2)事業オペレーションにともなうリスク① 情報セキュリティリスクについて当社グループは、顧客の秘密情報、プライバシー情報、そして経済的に重要な情報を扱っています。このような情報が、標的型サイバー攻撃等の悪意ある行為や不注意により外部に流出するリスクは常に存在します。さらに、当社グループの商品ラインナップには、外部デバイスやメディアとネットワークを経由し連携する商品やサービスが含まれています。これらの商品やサービスには、サイバー攻撃等による誤動作を引き起こすセーフティリスク、デバイス操作情報の流出によるセキュリティリスク、そして接続しているシステムや製品が正常に処理できないリライアビリティリスク等が存在します。このようなリスクが現実となった場合、顧客や関係者への損害賠償、対応に必要なコスト、さらには当社グループ及びサービスに対する社会的信頼の損失といった事象が起こり得ます。これらは、当社グループの事業、業績、そして財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 そうしたリスクを最小限に留めるため、当社グループは昨年、CISO(Chief Information Security Officer)を任命し、その傘下にJK-CIRT/CC(JVCKENWOOD Central Incident Response Team/Coordination Center)を設置し、全社的なサイバーセキュリティ体制づくりをスタートさせました。具体的には、社内規程の見直し、セキュリティポリシーの厳守、そしてインフラ及び製品のセキュリティ体制の強化を進めています。これらの取り組みにより、リスクの現実化を抑制し、事業の継続性と社会的信頼を確保することを目指しています。しかしながら、全ての対策が完全に情報の流出や製品の誤動作を防ぐ保証とはなりません。これらのリスクが現実化した場合、当社グループの事業、業績、財務状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。当社は引き続き、情報セキュリティ対策の強化を推進する予定です。また、情報セキュリティ研修を通じて内部関係者のサイバーセキュリティリテラシーを向上させ、サイバーセキュリティの文化を浸透させることを目指します。さらに、サイバーセキュリティに関する最新の技術動向や脅威情報を常に把握し、セキュリティ対策の最適化を進める等、サイバーセキュリティ体制の継続的な見直しと改善にも尽力していきます。 ② 品質問題の発生について当社グループは、様々な製品を製造・販売しており、その製品の特性上、製品に欠陥が発生し、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)が発生する可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、企画・開発・生産の各工程において、品質を重視した各プロセスの基準遵守と有効なフェイズゲートを設け、品質に問題が生じぬよう徹底したチェックを行っています。しかし、それでも品質問題が起こる可能性はゼロではないため、製造物賠償責任保険へ加入しています。併せて、重大製品事故(PL(Product Liability:製造物責任)法問題含む)を含む品質問題防止にむけた全社の取り組みとして、1)新機種の製品安全評価、2)重要安全部品管理強化、3)製品安全マネジメント体制の再構築(PL情報のデータベース化、及び、オペレーション明確化と迅速化)、4)品質向上・安全性確保に向けた設計及び評価ノウハウの全社共有の推進をしています。また、上記仕組みの構築だけでなく品質月間等のイベント実施や定期的に社内外の品質情報を社内展開するなど、従業員の品質に対する意識の向上を図っています。しかしながら、このような努力をもってしても、当社グループの製品の欠陥を完全に防止できるものではなく、また、製造物責任の範囲が当社グループが加入する製造物賠償責任保険の対象範囲を超えるなど、当社グループの想定を超える場合には、賠償責任の可能性や、品質対策費用の発生、更には当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下等を引き起こし、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人材の確保、喪失、高齢化当社グループの全ての事業活動の成果の多くは人材に大きく依存しています。特に高度な専門知識や経験を持った有能かつ熟練した従業員が賃金水準、待遇の相対的低下、労働環境の悪化等の事情によって当社グループ外に流出した場合や、人員構成比率の高い50代の従業員が退職した後の人材補充が適正に行われない場合には、当社グループの将来の事業活動に悪影響を与え、技術や業務ノウハウの伝承が円滑に行われず、企業競争力の低下を招くなど、事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対し、当社グループでは、「VISION2025」で掲げている、経営戦略と人材戦略の連動やエンゲージメントの向上を柱とした人的資本経営の実践にむけて、人材の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、異なる考え方を受け入れる(インクルージョン)、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とそれを可能にする制度作りに積極的に取り組んでいます。多様な発想や価値観を持った人々が互いを尊重し、刺激し合うことで、革新的なアイデアが生みだされ、それにより世界中のお客さまの多様なニーズに応えることができると考えます。コロナ禍で一時的な採用活動の停滞などがありましたが、当社グループは「新卒採用の拡充」「中途採用の多角的実施」等により多様な人材を確保するとともに、従業員の育成体系を整備しキャリア開発を促進し、テレワークを中心とした働き方改革との相乗効果で、従業員の定着と年齢構成の適正化、リバランスを進め、企業競争力の維持、事業継承に対するリスク低減に取り組んでいます。 ④ M&A・他社との提携の成否当社グループは、新製品・サービスの提供や、企業価値の向上、新たな事業展開を目的とし、他社とのパートナーシップが必要と判断した場合には、M&A、業務・資本提携や合弁会社設立などを行っています。実施に当たっては、リスク分析、当社グループとの相乗効果の可能性等十分に検討を行い進めていますが、市場や競合関係、技術イノベーションの変化等において著しい変化があった場合、当初想定した成果を出すことができず、投資額を回収できなくなる可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合など、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 持分法適用関連会社の業績・財務状況当社グループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)財務・会計に関するリスク① 有利子負債に付された財務制限条項を維持できない場合当社グループの有利子負債に係るシンジケートローン契約、コミットメントライン契約及びターム・ローン契約には財務制限条項を含む期限前弁済条項が付されており、これらの条件が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があり、その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、キャッシュ・マネージメント・システムなどによるグループ資金の効率化を図り、有利子負債を圧縮するとともに、主要取引金融機関との関係強化に努めています。 (4)法的規制に関するリスク① 法的規制当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。今後こうした法的規制がより厳格となったり、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法的規制に従うことが困難となった場合には、事業活動が制限を受けたり、法規制等を遵守するための費用が増加するリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、事業活動に纏わる全ての関連法規に基づき、それらに則ったプロセスや結果となっているか厳重なチェック体制を維持するとともに、現場管理者向け研修等を定期的に実施して、その重要性を現場に浸透させ、対応を進めることに努めています。 ② コンプライアンス当社グループは、全世界で業務を遂行するにあたり、各国のさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらを遵守すべく、役職員へのコンプライアンス意識の向上と体制構築に努めています。しかしながら、これらに対する違反等が発生する可能性は皆無と言えず、発生した場合には、社会的信用を失い、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準及び諸規程を整備するとともに、それらの実効性を確保するために適宜見直しを行っています。さらに、運用状況のモニタリング、コンプライアンス研修等を通じた規程の制定/改定等についての教育・指導を行っています。 ③ 知的財産権現在、他社から使用許諾を受けている特許等の知的財産権について、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりすることで、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図せず第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の低下を引き起こすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、本社知的財産部に加え、事業セグメントごとに関係スタッフを配置し、他社特許権を侵害しない管理体制の構築・運用など全社的に知的財産リスクの回避に取り組むとともに、強化に努めています。 ④ 過重労働、安全配慮義務違反過重労働や安全配慮義務違反により、人財喪失や損害賠償責任等の直接的な損害が発生しうることに加え、当社グループに対する社会的評価の低下やブランドイメージ悪化につながるリスクがあります。当該リスクに対し、当社は日々の残業労働時間確認に加え、人事部門においても残業労働時間の全部門確認を行い、経営層との状況共有や対策実施を行っています。また、年休取得やストレスチェックの実施により従業員の健康維持に注力した取り組みを組織的に行っています。加えて、テレワークが増える昨今の状況を考慮し、PCログの取得や休日、深夜早朝時間帯における就労申請外勤務者のPCロックなどのIT施策を加え就労状況の見える化に取り組んでいます。 ⑤ 環境保護について当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染などに関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の遵守義務が生じており、これらの対応等に関連する費用負担や事故、法令抵触事項等が発生した場合の賠償により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。またRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等、環境に関する規制見直しにより、有害物質等を除去する義務が更に追加された場合や、CSRの観点から当社グループが任意に特定の環境保全活動に取り組んだ場合には、それを果たすための設備投資や機材購入等の支払いが発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が自然環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、地球環境保全を念頭に適宜改正される製品及び事業所の環境関連法令への対応に努めており、必要な情報を常に収集して、当社の製品及びサービスへの対応を図っています。 (5)災害等に関するリスク① 自然災害、人的災害当社グループは、日本国内及び東南アジア・中国地区をはじめとして海外にも生産拠点を保有し、各国の営業拠点等を通じて世界中のお客様に製品を供給しています。そのため、予測が難しい自然災害(地震、津波、火災、洪水等)、感染症によるパンデミック等、又は火災や爆発、輸送機関の事故、及び戦争、騒乱、騒擾等の人的災害が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、事業活動が中断され、更には当社グループの拠点のみならず、部品調達先や取引先、ロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて防災訓練・事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から役員・従業員の防災意識向上に取り組んでいます。このような当社グループ一体となった事業継続、災害からの早期復旧と、生産・出荷・サービス提供の迅速な再開など、リスク最小化に向けた事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を進めています。 また、国内外の工場においても該当国の規制を遵守し、稼働停止による当社グループに対する影響を最小限に抑える活動を推進していますしかしながら、感染症や自然災害、人的災害の発生などに対しては、一企業グループとして最善と考えられる施策を展開した場合でも、そのリスクを完全に回避することは困難であり、当社の想定を上回る被害が生じた場合等においては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2022|12,380 文字
2【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらの記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 <当社グループにおけるリスク管理体制>当社グループでは事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、影響及び損害の最小化を図るとともに、これらを機会として活かすための体制を整備しています。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置き、配下に各事業分野、グループ会社責任者を配置し、リスク管理部門を事務局としてリスクマネジメントプロセスに基づいて各職場が主体的に直面し得るリスクを定期的に洗い出し、リスクの事前把握と、発現した際の迅速な対応含め施策を進めています。 <当社グループにおけるリスクマネジメントプロセス>・当社グループの全部門を対象に毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部・地域において事業の現場で直面するリスクを洗い出して「事業拠点リスク」と位置付けて、影響度・発生頻度及び対応状況を踏まえてリスク評価するとともに対策を策定し実行、施策進捗をモニタリングし改善するサイクルをそれぞれの部門において実施・最高経営責任者(Chief Executive Officer、略語:CEO)が主宰し、リスク管理担当役員を議長、議長により指名された本社部門長及び各事業分野の担当役員を構成員として設置される全社リスク管理会議において、各事業部・地域により洗い出された「事業拠点リスク」と経営課題・事業課題を踏まえ、経営への影響度や緊急性、インシデント発生状況等を勘案して抽出したリスク課題を「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けてリスク解決に向けた施策を策定し、経営層レベルによる全社的視点での取り組みとして当該リスク管掌担当役員を対応推進責任者に指名・対応推進責任者は、グローバル重要リスクを連結会計年度の事業達成への取り組みとして、施策を各事業部・地域に落とし込んで改善するサイクルを実施し、進捗をモニタリング (1)事業環境の変化等にともなうリスク① 原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、外部より十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービスなどについて競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ入手することは重要です。当社グループにおいては外部の部品開発業者、生産業者、部品供給業者、製品開発業者、生産業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又は共同開発等により、外部業者に対して一定程度以上の依存をしています。したがって、外部業者との関係悪化、外部業者自身の経営問題、外部業者の自然災害や事故等の罹災、パンデミック等によるグローバルな社会環境・事業環境の変化等様々な要因での供給の遅滞や停止や当社グループ製品に関する開発の遅滞や停止などが発生した場合、製品開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、現時点においてロシア・ウクライナ紛争及びロシア経済制裁等による当社グループの製品の原材料等の調達への直接的な悪影響は無いと判断しておりますが、これらが中長期化した場合には、ロシア又はウクライナがシェアを持つ原材料や基材の輸出規制、生産遅滞・停止等に伴って、当該原材料や基材等を用いて生産される部品や製品の入手が困難となることにより、当社グループ製品の開発や製造にも制約が生じるといった二次的影響が危惧されます。当社グループは、サプライヤーと連携の上で、上記の原材料や基材の調達に制約が生じる事情の有無について早期発見に努めており、そのような制約可能性について関知した場合には当社グループの調達への悪影響を可能な限り軽減するための対策に善処するよう図っておりますが、これらの連携及び対策が奏功する保証はありません。当該リスクに対し、外部業者との友好な取引関係の確立・維持に努めることは当然ながら、開発のバックアップや調達の停止リスク回避を考慮した取引先の複数確保、BCP在庫の保有、汎用部品の採用、仲介業者活用による在庫確保等の対策を講じ、急なコストの悪化や、当社グループの国内・海外の生産工場における製造活動の停止等が起きぬよう、対策を講じています。特に、当社グループは、当連結会計年度において、半導体等の部品供給不足による生産遅延の影響を大きく受けました。これについては、部品備蓄の対応や問題部品の代替設計等による生産・販売の継続など、新たな施策を講じ事業影響の最小化を図っております。しかしながら、これらの施策には限界があり、当社グループが想定する規模や期間を上回る外部事業者側の事情や事業環境等の変化(悪化)があったような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 経済状況等の変化によるリスク当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売国又は地域の経済状況の影響を受けるため、当該市場における景気後退にともなう需要の減少が、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。個人顧客を主力購買層とするものについては、個人顧客の嗜好の変化や可処分所得の増減等により販売数量が左右されやすい性質を持っています。これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向等、個人消費に影響を与える諸要因によって大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、それに対応した当社グループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合や、これらの悪化要因に対応した製品を適時に開発、製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国・地域の官公庁や民間企業などの法人顧客を主力購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向等によって販売量が左右され、それによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは、発生の時期・内容・規模・地域等が不明確であり、事前に影響の測定が困難なものでありますが、当社グループは当社グループの予測からの変化を常にモニタリングし、日々のオペレーション対応からコンティンジェンシープランの実施までリスク規模に合わせた迅速でフレキシブルな対応をリスクマネジメントプランに則り対応し、リスクの回避又は影響の最小化を図っております。ただし、当社グループが想定する規模や期間を上回る環境の変化(悪化)があった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの売上収益に占める海外向の割合は5割以上あり、拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて連結財務諸表作成にあたり海外の現地通貨建ての資産・負債等が円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの為替感応は、ユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化します。また、金利の変動は、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、一部の通貨においては各国規制などによりヘッジできていない取引及び債権・債務が存在するものの、当社グループの経営成績等の全体に及ぼす影響は限定的になっています。しかしながら、主要通貨において当社グループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 顧客の資金状況・財務状況について当社グループは、代金後払いの条件で顧客へ製品等の販売を行っている取引があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限通りの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し当社グループは、取引先毎の財務状況調査、財務体力に応じた与信限度の設定、L/C取引、取引信用保険の付保などの対応を行いリスクの回避に努めています。 ⑤ 業界動向の変化当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化などを含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、同一業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を超えた新たな市場開拓と機会を秘めています。そのような状況下、競合他社による組織再編やM&Aにより、同一業界内又は隣接する業界やその他の業界における企業間での地位や競争の構造が変化し、当社グループが規模のメリット、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達、生産地、販路、持続可能性の評価等において劣後することとなり、業界における現在の地位を維持できなくなる可能性があります。あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編等により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持し発展していくことができるとの保証は無く、係る場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、業界他社動向を常に注視しつつ、他社にない製品・サービスの開発を推進し、業界の変化に左右されない地位の維持、拡大に努めてまいります。 ⑥ 市場における競争の激化当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。当該リスクに対し、当社グループは、各事業分野において、企業方針に基づき、顧客価値創造を目指した高付加価値な製品及びサービスの企画を継続し、競合優位な企業を目指します。 ⑦ 技術革新における競争について技術革新が重要な競争要因になっているなかで、当社グループとして絶えず研究開発活動への資金・資源を投入し続ける必要があります。当社グループの新たな製品開発に必要、又は市場から要求される必要な技術は常に高度化していると共に、近年では、持続可能な社会実現への期待も増してきており、技術の高度化や持続可能な社会への貢献に伴いそれらの対応に要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがそのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術や社会的責任を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。更には、予測を超える広範・大規模な技術革新や社会的要請に急激な変化が起こった場合、研究開発活動等に十分な資金・資源の投入ができない場合、及び有能かつ熟練した研究開発要員を確保できず、あるいは外部に流出してしまった場合には、十分な商品化開発が進まず、売上収益を確保できないリスクがあります。また、構成部品の市況変化による高騰などから総原価が増大した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、リスクを最小化するために、変化する市場環境、社会的要請、技術トレンド、構成部品、及び第三者ソリューションの市況を含めた技術開発・製品化ロードマップを適時改訂するとともに、技術者の人財能力育成も計画的なプログラムを実施し、発生し得るリスクを早期に察知・可視化するモニタリング活動を重要視して事業活動を展開していきます。 ⑧ 国際的な事業活動におけるリスク当社グループは海外で幅広くビジネスを展開しており、現地における労使関係、宗教や文化、規制の相違、政情・経済上の不安、商慣習等に関する障害や、予期しない会計基準や法規制の導入、持続可能性の評価要件の違い、税務当局との見解の相違等により、コスト、税負担のほか、事業活動上の様々な障害や制約に晒される可能性があります。また、国内外での製品輸入通関申告手続について適切な関税分類に従って実施していますが、輸出国の通関当局との見解の相違により、通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、各国関連子会社、地域経済団体、当局、弁護士、コンサルタント等との間で情報共有又は連携し、事前の必要な対策とリスクが顕在化した際の影響の最小化に向けた準備・対応を行うとともに、持続可能な社会の実現に向けてグループ一体となって取り組んでまいります。 (2)事業オペレーションにともなうリスク① 情報セキュリティリスクについて当社グループは、事業推進過程で顧客機密情報、プライバシーや信用に関する情報を入手することがあり、また、社内における研究開発情報や新規企画等、経営上重要な情報を有しています。これらの情報が標的型サイバー攻撃など悪意をもった行為や過失により外部に流出してしまう可能性があります。さらに、当社グループが扱う商品群の中には、外部機器やメディアとデータ連携する商品、IoT(Internet of Things:インターネットによる情報伝達機能)商品及びサービスが含まれており、これらの商品及びサービスに起因して、サイバー攻撃等による不正アクセスや情報書き換えにより誤動作を引き起こすセーフティリスク、内部関係者が不正なソフトウエアを機器に組み込み、機器操作情報を第三者に漏えいするセキュリティリスク、接続している他社データを正常に処理できないリライアビリティに関するリスクなどが生じる可能性があります。そして、係るリスクが顕在化した場合には、顧客や関係者に対して損害賠償責任を負う可能性、そのような事態に対応するための費用を要する可能性、当社グループ及び当社グループのサービスに対する社会的信頼が毀損するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、サイバーセキュリティ対策強化に係る政府要請もふまえ、当社セキュリティ体制を明確にするためCTO(Chief Technology Officer)/CISO(Chief Information Security Officer)管掌下に「JK-CIRT/CC(JVCKENWOOD Central Incident Response Team/Coordination Center)」を設置し、当社グループの情報資産はもとより、世界各国のお客様をはじめ、お取引先様、株主様、当社グループ従業員などのステークホルダーからお預かりした情報資産を守ることが重要と考え、セキュリティ体制強化を進めていきます。 ② 品質問題の発生について当社グループは、様々な製品を製造・販売しており、その製品の特性上、製品に欠陥が発生し、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)が発生する可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、企画・開発・生産の各工程において、品質を重視した各プロセスの基準遵守と有効なフェイズゲートを設け、品質に問題が生じぬよう徹底したチェックを行っています。しかし、それでも品質問題が起こる可能性はゼロではないため、製造物賠償責任保険へ加入しています。併せて、重大製品事故(PL(Product Liability:製造物責任)法問題含む)を含む品質問題防止にむけた全社の取り組みとして、1)新機種の製品安全評価、2)電気用品安全法及び電気通信事業法等の法規制に関する監査・研修の展開、3)重要安全部品管理強化、4)製品安全マネジメント体制の再構築(PL情報のデータベース化、及び、オペレーション明確化と迅速化)の推進をしています。また、上記仕組みの構築だけでなく品質月間等のイベント実施や定期的に社内外の品質情報を社内展開するなど、従業員の品質に対する意識の向上を図っています。しかしながら、このような努力をもってしても、当社グループの製品の欠陥を完全に防止できるものではなく、また、製造物責任の範囲が当社グループが加入する製造物賠償責任保険の対象範囲を超えるなど、当社グループの想定を超える場合には、賠償責任の可能性や、品質対策費用の発生、更には当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下等を引き起こし、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人財の確保、喪失、高齢化当社グループの全ての事業活動の成果の多くは人財に大きく依存しています。特に高度な専門知識や経験を持った有能かつ熟練した従業員が賃金水準、待遇の相対的低下、労働環境の悪化等の事情によって当社グループ外に流出した場合や、人員構成比率の高い50代の従業員が退職した後の人財補充が適正に行われない場合には、当社グループの将来の事業活動に悪影響を与え、技術や業務ノウハウの伝承が円滑に行われず、企業競争力の低下を招くなど、事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、働き方改革が叫ばれる中、こうした社会情勢にも鑑み、人財の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、異なる考え方を受け入れる(インクルージョン)、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とそれを可能にする制度作りに積極的に取り組んでいます。多様な発想や価値観を持った人々が互いを尊重し、刺激し合うことで、革新的なアイデアが生みだされ、それにより世界中のお客さまの多様なニーズに応えることができると考えます。コロナ禍で一時的な採用活動の停滞などがありましたが、当社グループは「新卒採用の拡充」「中途採用の多角的実施」等により多様な人財を確保するとともに、従業員の育成体系を整備しキャリア開発を促進し、テレワークを中心とした働き方改革との相乗効果で、従業員の定着と年齢構成の適正化、リバランスを進め、企業競争力の維持、事業継承に対するリスク低減に取り組んでいます。 ④ M&A・他社との提携の成否当社グループは、新製品・サービスの提供や、企業価値の向上、新たな事業展開を目的とし、他社とのパートナーシップが必要と判断した場合には、M&A、業務・資本提携や合弁会社設立などを行っています。実施に当たっては、リスク分析、当社グループとの相乗効果の可能性等十分に検討を行い進めていますが、市場や競合関係、技術イノベーションの変化等において著しい変化があった場合、当初想定した成果を出すことができず、投資額を回収できなくなる可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合など、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 持分法適用関連会社の業績・財務状況当社グループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)財務・会計に関するリスク① 有利子負債に付された財務制限条項を維持できない場合当社グループの有利子負債に係るシンジケートローン契約、コミットメントライン契約及びターム・ローン契約には財務制限条項を含む期限前弁済条項が付されており、これらの条件が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があり、その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、キャッシュ・マネージメント・システムなどによるグループ資金の効率化を図り、有利子負債を圧縮するとともに、主要取引金融機関との関係強化に努めています。 (4)法的規制に関するリスク① 法的規制当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。今後こうした法的規制がより厳格となったり、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法的規制に従うことが困難となった場合には、事業活動が制限を受けたり、法規制等を遵守するための費用が増加するリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、事業活動に纏わる全ての関連法規に基づき、それらに則ったプロセスや結果となっているか厳重なチェック体制を維持するとともに、現場管理者向け研修等を定期的に実施して、その重要性を現場に浸透させ、対応を進めることに努めています。 ② コンプライアンス当社グループは、全世界で業務を遂行するにあたり、各国のさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらを遵守すべく、役職員へのコンプライアンス意識の向上と体制構築に努めています。しかしながら、これらに対する違反等が発生する可能性は皆無と言えず、発生した場合には、社会的信用を失い、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準及び諸規程を整備するとともに、それらの実効性を確保するために適宜見直しを行っています。さらに、運用状況のモニタリング、コンプライアンス研修等を通じた規程の制定/改定等についての教育・指導を行っています。 ③ 知的財産権現在、他社から使用許諾を受けている特許等の知的財産権について、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりすることで、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図せず第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の低下を引き起こすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、本社知的財産部に加え、事業セグメントごとに関係スタッフを配置し、他社特許権を侵害しない管理体制の構築・運用など全社的に知的財産リスクの回避に取り組むとともに、強化に努めています。 ④ 過重労働、安全配慮義務違反過重労働や安全配慮義務違反により、人財喪失や損害賠償責任等の直接的な損害が発生しうることに加え、当社グループに対する社会的評価の低下やブランドイメージ悪化につながるリスクがあります。当該リスクに対し、当社は日々の残業労働時間確認に加え、人事部門においても残業労働時間の全部門確認を行なっています。また、年休取得やストレスチェックの実施により従業員の健康維持に注力した取り組みを組織的に行っています。加えて、テレワークが増える昨今の状況を考慮し、PCログの取得や休日、深夜早朝時間帯における就労申請外勤務者のPCロックなどのIT施策を加え就労状況の見える化に取り組んでいます。 ⑤ 環境保護について当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染などに関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の適用を受けており、これらの対応等に関連する費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。また法令の改正により使用禁止物質が追加となったRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)や半年毎に管理対象物質が増えるREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)を始めとして、年々環境に関する規制が厳しくなる中、有害物質等を除去する義務が更に追加された場合や、CSRの観点から当社グループが任意に環境問題に取り組んだ場合には、法令及び任意に環境に対応する為の設備投資や支払いが当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、特に年々厳しくなる製品及び事業所の環境関連法令への対応に努めており、必要な情報を常に収集して、当社の製品及びサービスへの対応を図っています。 (5)災害等に関するリスク① 自然災害、人的災害当社グループは、日本国内及び東南アジア・中国地区をはじめとして海外にも生産拠点を保有し、各国の営業拠点等を通じて世界中のお客様に製品を供給しています。そのため、予測が難しい自然災害(地震、津波、火災、洪水等)、感染症によるパンデミック等、又は火災や爆発、輸送機関の事故、及び戦争、騒乱、騒擾等の人的災害が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、事業活動が中断され、更には当社グループの拠点のみならず、部品調達先や取引先、ロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて防災訓練・事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から役員・従業員の防災意識向上に取り組んでいます。このような当社グループ一体となった事業継続、災害からの早期復旧と、生産・出荷・サービス提供の迅速な再開など、リスク最小化に向けた事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を進めています。また、新型コロナウイルス感染症の収束の時期について明確な見通しは依然として立っておらず、経済活動の停滞や需要の影響の長期化等により、今後も当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、危機管理関連の各規程に基づき、対応プロジェクトである有事対策会議準備室を2020年1月より継続して開催し、事業所内の衛生管理の徹底やテレワークの推進等で、社員の健康と安全の確保、社内感染防止を最優先とした施策を展開し、日本国内では政府の指針に基づき出社率を抑制しながら事業所を閉鎖することなく事業を継続しています。その効果として、現状、国内では社内でのクラスター感染をゼロに抑えることができています。また、海外では該当国の規制を遵守し、新型コロナウイルス感染防止に努め、感染による国内外の工場の稼働の停止も最小限にすることが出来ています。しかしながら、このような感染症の世界的大流行とその長期化や自然災害、人的災害の発生などに対しては、一企業グループとして最善と考えられる施策を展開した場合でも、そのリスクを完全に回避することは困難であり、当社の想定を上回る被害が生じた場合等においては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2020|11,686 文字
2【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらの記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 <当社グループにおけるリスク管理体制>当社グループでは事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、影響及び損害の最小化を図るとともに、これらを機会として活かすための体制を整備しています。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置き、配下にリスク管理部門、各事業分野、グループ会社責任者を配置し、リスクマネジメントプロセスに基づいて各職場が主体的に直面し得るリスクを定期的に洗い出し、リスクの事前把握と、発現した際の迅速な対応含め施策を進めています。 <当社グループにおけるリスクマネジメントプロセス>・ 最高経営責任者(Chief Executive Officer、略語:CEO)が主宰し、本社部門長、リスク管理担当役員及び各事業分野の担当役員が出席する全社リスク管理会議により、リスク項目の洗い出しと分析・評価を実施・ 全社リスク管理会議でのリスク項目の分析・評価結果を受けて、当社グループが置かれている経営環境や、他社状況を踏まえ、当社グループ全体に影響を与え、全社的な取り組みが必要とされる項目を抽出し、「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けて、それらのリスク解決に向けた年間計画を策定・管理・ 海外を含む各事業拠点においては、当社グループの全部門を対象に毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部・地域において設定した重要リスクを「事業拠点リスク」と位置付けて、対策実施状況及び発生頻度を踏まえた評価・モニタリング、改善するサイクルを通じて、当社グループにおける最新のリスクの共有及び再認識並びに連結会計年度毎の事業達成へのフィードバックを実施 (1)事業環境の変化等にともなうリスク① 経済状況等の変化によるリスク当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売国又は地域の経済状況の影響を受けるため、当該市場における景気後退にともなう需要の減少が、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。個人顧客を主力購買層とするものについては、個人顧客の嗜好の変化や可処分所得の増減等により販売数量が左右されやすい性質を持っています。これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域おける経済状況、景気動向等、個人消費に影響を与える諸要因によって大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、それに対応した当社グループの事業改革が想定とおりに功を奏しない場合や、これらの悪化要因に対応した製品を適時に開発、製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国・地域の官公庁や民間企業などの法人顧客を主力購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向等によって販売量が左右され、それによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、一部の通貨においては各国規制などによりヘッジできていない取引及び債権・債務が存在するものの、当社グループの経営成績等の全体に及ぼす影響は限定的になっています。しかしながら、主要通貨において当社グループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの売上収益に占める海外向の割合は約6割であり、拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて連結財務諸表作成にあたり海外の現地通貨建ての資産・負債等が円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの為替感応は、ユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化します。また、金利の変動は、営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、一部の通貨においては各国規制などによりヘッジできていない取引及び債権・債務が存在するものの、当社グループの経営成績等の全体に及ぼす影響は限定的になっています。しかしながら、主要通貨において当社グループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、外部より十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービスなどについて競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ入手することは重要です。当社グループにおいては外部の部品開発業者、生産業者、部品供給業者、製品開発業者、生産業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又は共同開発等により、外部業者に対して一定程度以上の依存をしています。したがって、外部業者との関係悪化、外部業者自身の経営問題、外部業者の自然災害や事故等の罹災等様々な要因での供給の遅滞や停止や当社グループ製品に関する開発の遅滞や停止などが発生した場合、製品開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、外部業者との友好な取引関係の確立・維持に努めることは当然ながら、開発のバックアップや調達の停止リスク回避を考慮した取引先の複数確保、BCP在庫の保有、仲介業者活用による在庫確保などの対策を講じ、急なコストの悪化や、当社グループの国内・海外の生産工場における製造活動の停止等が起きぬよう、対策を講じています。しかしながら、当社グループが想定する規模や期間を上回る外部事業者側の事情や事業環境等の変化(悪化)があったような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 顧客の資金状況・財務状況について当社グループは、代金後払いの条件で顧客へ製品等の販売を行っている取引があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限とおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し当社グループは、取引前の財務状況調査、財務体力に応じた与信限度の設定、L/C取引、取引信用保険の付保などの対応を行いリスクの回避に努めています。 ⑤ 業界動向の変化当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化などを含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、同一業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を超えた新たな市場開拓と機会を秘めています。そのような状況下、競合他社による組織再編やM&Aにより、同一業界内又は隣接する業界やその他の業界における企業間での地位や競争の構造が変化し、当社グループが規模のメリット、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達、生産地、販路等において劣後することとなり、業界における現在の地位を維持できなくなる可能性があります。あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編等により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持し発展していくことができるとの保証は無く、係る場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し当社グループは、業界他社動向を常に注視しつつ、他社にない製品・サービスの開発を推進し、業界の変化に左右されない地位の維持、拡大に努めてまいります。 ⑥ 市場における競争の激化当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。当該リスクに対し当社グループは、各事業分野において、企業方針に基づき、顧客価値創造を目指した高付加価値な製品及びサービスの企画を継続し、競合優位な企業を目指します。 ⑦ 技術革新における競争について技術革新が重要な競争要因になっているなかで、当社グループとして絶えず研究開発活動への資金・資源を投入し続ける必要があります。当社グループの新たな製品開発に必要、又は市場から要求される必要な技術は常に高度化してきており、高度化に伴いそれらに要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがそのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。更には、予測を超える広範・大規模な技術革新が急激に起こった場合、研究開発活動に十分な資金・資源の投入ができない場合、及び有能かつ熟練した研究開発要員を確保できず、あるいは外部に流出してしまった場合には、十分な商品化開発が進まず、売上収益を確保できないリスクがあります。また、構成部品の市況変化による高騰などから総原価が増大した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクに対し当社グループは、リスクを最小化するために、変化する市場環境、技術トレンド、構成部品、及び第三者ソリューションの市況を含めた技術開発・製品化ロードマップを適時改訂すると共に、技術者の人財能力育成も計画的なプログラムを実施し、発生し得るリスクを早期に察知・可視化するモニタリング活動を重要視して事業活動を展開していきます。 ⑧ 国際的な事業活動におけるリスク当社グループは海外で幅広くビジネスを展開しており、現地における労使関係、宗教や文化、規制の相違、政情・経済上の不安、商慣習等に関する障害や、予期しない会計基準や法規制の導入、税務当局との見解の相違等により、コスト、税負担のほか、事業活動上の様々な障害や制約に晒される可能性があります。また、国内外での製品輸入通関申告手続について適切な関税分類に従って実施していますが、輸出国の通関当局との見解の相違により、通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があります。当該リスクに対し当社グループは、各国関連子会社、地域経済団体、当局、弁護士、コンサルタント等との情報共有又は連携し、事前の必要な対策と、リスクが顕在化した際の影響の最小化に向けた準備・対応を行ってまいります。 (2)事業オペレーションにともなうリスク① 品質問題の発生について当社グループは、様々な製品を製造・販売しており、その製品の特性上、製品に欠陥が発生し、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)が発生する可能性があります。その場合、賠償責任の可能性や、品質対策費用の発生、更には当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下、顧客の流出等を引き起こし、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し当社グループは、企画・開発・生産の各工程において、品質を重視した各プロセスの基準順守と有効なフェイズゲートを設け、品質に問題が生じぬよう徹底したチェックを行っています。しかし、それでも品質問題が起こる可能性はゼロではないため、製造物賠償責任保険へ加入しています。更に、保険で収まらないような重大な欠陥が起きぬよう、重大製品事故(PL(Product Liability:製造物責任)法問題含む)を含む品質問題防止にむけた全社取り組みとして、1)新機種の製品安全評価、2)電気用品安全法及び電気通信事業法等の法規制に関する監査・研修の展開、3)CC(Capacity Cost:固定原価)部品管理強化、4)製品安全マネジメント体制の再構築(PLデータベースのWeb化に合わせたオペレーション明確化と迅速化)の推進をしています。また、上記仕組み構築だけでなく品質シンポジウム、品質月間等のイベントや、品質改善表彰といった品質に関する表彰を実施し、従業員の品質に対する意識の向上を図っています。しかしながら、このような努力をもってしても、当社グループの製品の欠陥を完全に防止できるものではなく、また、製造物責任の範囲が当社グループの想定を超える場合には、当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下、顧客の流出等を引き起こされ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報セキュリティリスクについて当社グループは、事業推進過程で顧客機密情報、プライバシーや信用に関する情報を入手することがあり、また、社内における研究開発情報や新規企画等、経営上重要な情報を有しています。これらの情報が標的型サイバー攻撃など悪意をもった行為や過失により外部に流出してしまう可能性があります。当社グループが扱うIoT(Internet of Things:インターネットによる情報伝達機能)商品及びサービスは、社会全体とつながる重要なインフラです。それだけに、IoT商品及びサービスへの不正アクセスや情報書き換えにより誤動作を引き起こすセーフティリスク、内部関係者が不正なソフトウエアを機器に組み込み、機器操作情報を第三者に漏えいするセキュリティリスク、接続している他社データを正常に処理できないリライアビリティに関するリスクなどが生じる可能性があります。サイバー攻撃等により、係るリスクが顕在化した場合には、顧客や関係者に対して損害賠償責任を追う可能性、係る事態に対応するための費用を要する可能性、当社グループ及び当社グループのサービスに対する社会的信頼が毀損するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、情報システムにおいて統合サーバへの集約や、外部からの標的型攻撃対策訓練の実施、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)運営など、継続的にセキュリティ強化を行っていきます。製品セキュリティに関しては、基本方針(製品セキュリティに関する基本方針及びCES B04(製品セキュリティ設計標準))のグループワイド展開、SBD(セキュリティバイデザイン)の推進、PSIRT(Product Security Incident Response Team)運営を行い、セキュリティ体制強化を進めていきます。 ③ 人財の確保、喪失、高齢化当社グループの全ての事業活動の成果の多くは人財に大きく依存しています。特に高度な専門知識や経験を持った有能かつ熟練した従業員が賃金水準、待遇の相対的低下、労働環境の悪化等の事情によって当社グループ外に流出した場合や、人員構成比率の高い50代の従業員が退職した後の人財補充が適正に行われない場合には、当社グループの将来の事業活動に悪影響を与え、技術や業務ノウハウの伝承が円滑に行われず、企業競争力の低下を招くなど、事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し当社グループでは、働き方改革が叫ばれる中、こうした状況に鑑み人財の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、異なる考え方を受け入れる(インクルージョン)、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に積極的に取り組んでいます。多様な発想や価値観を持った人々が互いを尊重し、刺激し合うことで、革新的なアイデアが生みだされ、それにより世界中のお客さまの多様なニーズに応えることができると考えます。そのために当社グループは「新卒採用の拡充」「中途採用の多角的実施」「グローバル人財採用に向けたネットワーク作り」等により多様な人財を確保するとともに、従業員の育成体系を整備しキャリア開発を促進し、働き方改革との相乗効果で、従業員の定着と年齢構成の適正化、リバランスを進め、企業競争力の維持、事業継承に対するリスク低減に取り組んでいます。また、これらの取り組みにより革新的なアイデアを創出し、企業価値創造を図っていきます。 ④ M&A・他社との提携の成否当社グループは、新製品・サービスの提供や、企業価値の向上、新たな事業展開を目的とし、他社とのパートナーシップが必要と判断した場合には、M&A、業務・資本提携や合弁会社設立などを行っています。実施に当たっては、リスク分析、当社グループとの相乗効果の可能性等十分に検討を行い進めていますが、市場や競合関係、技術イノベーションの変化等において著しい変化があった場合、当初想定した成果を出すことができず、投資額を回収できなくなる可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合など、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 持分法適用関連会社の業績・財務状況当社グループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)財務・会計に関するリスク① 有利子負債に付された財務制限条項を維持できない場合当社グループの有利子負債に係るシンジケートローン契約、コミットメントライン契約及びターム・ローン契約には期限前弁済条項及び財務制限条項が付されており、これらの条件が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があり、その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、キャッシュ・マネージメント・システムなどによるグループ資金の効率化を図り、有利子負債を圧縮するとともに、主要取引金融機関との関係強化に努めています。 (4)法的規制に関するリスク① 法的規制当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。今後こうした法的規制がより厳格となったり、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法的規制に従うことが困難となった場合には、事業活動が制限を受けたり、法規制等を遵守するための費用が増加するリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、事業活動に纏わる全ての関連法規に基づき、それ等に則ったプロセスや結果となっているか厳重なチェック体制を維持すると共に、現場管理者向け研修等を定期的に実施して、その重要性を現場に浸透させ、対応を進めることに努めています。 ② コンプライアンス当社グループは、全世界で業務を遂行するにあたり、各国のさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらを遵守すべく、役職員へのコンプライアンス意識の向上と体制構築に努めていますが、これらに対する違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、社会的信用を失い、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準及び諸規程を整備するとともに、それらの実効性確保のための定期的な見直し実施と運用状況のモニタリング、コンプライアンス研修を通じた規程の制定/改定等についての教育・指導を行っています。 ③ 知的財産権現在、他社から使用許諾ライセンスを受けている特許等の知的財産権が将来使用できなくなったり条件が不利に変更されたり、意図せず第三者の知的財産権を侵害したことにより、訴訟、製品差し止めによる事業損失や損害賠償責任、紛争解決に係る費用増加、当社グループの評判、ブランド価値の低下を引き起こすリスクがあります。当該リスクに対し当社グループは、本社知的財産部に加え、事業セグメントごとに特許開発グループ、また知的財産を専門に扱う知財推進責任者を設置し、他社特許権を侵害しない管理体制の構築・運用など全社的に知財に対して取り組むとともに、強化に努めています。 ④ 過重労働、安全配慮義務違反過重労働や安全配慮義務違反により、人財喪失や損害賠償責任等の直接的な損害が発生しうることに加え、当社グループに対する社会的評価の低下やブランドイメージ悪化につながるリスクがあります。当該リスクに対し、当社は日々の残業労働時間確認に加え、人事部門においても残業労働時間の全部門確認を行なっています。また、年休取得やストレスチェックの実施により従業員の健康維持に注力した取り組みを組織的に行っています。 ⑤ 環境保護について当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染などに関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の適用を受けており、環境に関連する費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。また改正により使用禁止物質が追加となったRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)や半年毎に管理対象物質が増えるREACH化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)を始めとして、年々環境に関する規制が厳しくなる中、有害物質等を除去する義務が更に追加された場合や、CSRの観点から当社グループが任意に環境問題に取り組んだ場合には、法令及び任意に環境に対応する為の設備投資や支払いが当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、特に年々厳しくなる製品及び事業所の環境関連法令への対応に努めており、必要な情報を常に収集して、当社の製品及びサービスへの対応を図っています。 (5)災害等に関するリスク① 自然災害、人的災害当社グループは、地震、津波、火災、洪水、感染症によるパンデミック等の自然災害等、又は火災や爆発、輸送機関の事故、及び戦争、騒乱、騒擾等の人的災害が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、事業活動が中断され、更には当社グループの拠点のみならず、取引先やロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて毎年実施される防災や事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から防災意識向上に取り組んでいます。このような当社グループ一体となった事業継続、災害からの早期復旧と、生産・出荷・サービス提供の迅速な再開など、リスク最小化に向けた対策策定を進めています。しかしながら、このような対策を行ったとしても、自然災害発生などによる事業継続のリスクを完全に回避できるものではなく、当社の想定を上回る被害が生じた場合等においては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、今般世界的大流行した新型コロナウイルス感染症に関して、危機管理関連の各規程に基づき、対応プロジェクトである有事対策会議準備室を立ち上げ、従業員の安全を最優先とした施策を展開し、日本国内では出社率を抑制しながら事業所を閉鎖することなく事業を継続してきました。しかしながら、グローバルには各国政府・自治体の規制に対応したことにより、当社グループの最大の商戦期であった第4四半期連結会計期間において、部品調達や生産・販売等の事業活動が全ての事業分野で制限され、更に、経済活動の停滞による需要面の影響もあり、第4四半期連結会計期間において、前年同期比で売上収益は約60億円の減収、営業利益は約30億円の減益となり、当社グループの事業への影響は小さくないものとなりました(新型コロナウイルス感染症が当社グループの連結業績に与えた影響の詳細については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 1)経営成績」をご参照ください。)。このように、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症の世界的大流行及びその長期化により、当社グループの製品やサービスに係る調達・生産・物流・販売等の事業活動への制約が生じ、又は、市場全体又は当社製品等に関連する特定の市場における需要減少を誘発する場合等には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があり、係るリスクは、一企業グループとして最善と考えられる施策を展開した場合でも、完全に回避することは困難な可能性があります。
FY2019|9,574 文字
2【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。 (1)経済状況等の影響について当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売を行っている国又は地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退、及びこれにともなう需要の減少は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループ製品のうち個人顧客を主力購買層とするものについては、個人顧客の嗜好の変化や可処分所得の増減等によって販売数量が左右されやすい性質をもっています。したがって、これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向、個人消費動向等により大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、これらの諸要因に対応するための当社グループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合、又はこれらの諸要因に対応した当社グループ製品を適時に開発・製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ製品のうち各国・地域の官公庁や民間企業などの法人顧客を主力購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向や有事による特需の発生や需要の減少等に応じてそれらの販売量が左右され、そのことによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの売上収益に占める海外の割合は約6割であり、また、当社グループの拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等が連結財務諸表作成のために円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの現地通貨建て輸出項目に占める割合の高いユーロに対する円高(円安)は当社グループの業績に悪(好)影響を及ぼし、当社グループの現地通貨建て輸入項目に占める割合の高い米ドルに対する円高(円安)は好(悪)影響を及ぼします。為替は世界各国、地域の経済状況の影響を受けて予期せぬ変動をする可能性があり、その変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、金利の変動は、営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)国際的な事業活動におけるリスクについて当社グループは、海外で幅広くビジネスを展開していますが、海外では為替変動リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、現地における労使関係、営業債権の回収や、その他の商慣習等に関する障害に直面する可能性があります。また、投資に係る規制、収益の本国送金に関する規制、輸出入規制や外国為替規制の変更等といったさまざまな政治的、法的あるいはその他の障害に遭う可能性があります。また、国内外を問わず、当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。輸出製品については、関税その他の障壁、あるいは物流費用等により、当社グループの製品の競争力が弱まる可能性があります。また、当社グループは国内・海外での製品輸入通関申告手続をその時点で適切と考えられる関税分類に従って実施していますが、輸入国の通関当局との見解の相違により、この通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があり、このような場合の修正申告が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)市場における競争の激化について当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。 (5)技術革新における競争について当社グループは、新製品やサービスをタイムリーに開発・提供できない可能性があります。当社グループの主要事業においては技術革新が重要な競争要因になっているため、絶えず研究開発に資金・資源を注入し続ける必要があり、また技術の高度化にともなってそれらに要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがこのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。したがって、当社グループの研究開発活動が、結果的に費用倒れに終わり、そのため当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの研究開発活動は人材の確保に大きく依存しており、特に有能かつ熟練した研究開発要員が何らかの事情(競合他社による引き抜き、当社グループの賃金水準・待遇の相対的低下、研究開発環境の劣化等を含みますが、これらに限りません)によって当社グループ外に流出した場合、また人材の新たな獲得ができない場合は、当社グループの将来の研究開発活動に悪影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービスなどをそれぞれに競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ外部より入手することは不可欠であり、そのために外部の部品開発・生産業者、部品供給業者、製品開発・生産業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又はこれらの業者との共同開発等に一定程度以上を依存しています。したがって、これらの外部業者との関係の悪化、これら外部業者からの供給の遅滞・停止、これら外部業者自身の経営問題、天災等によるこれら外部業者の製造工場の被災等といった事情が発生した場合には当社グループ製品の開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループとこれらの外部業者は、契約によりその取引価格を決定していますが、需給環境の変化、為替変動などにより原材料や部品、その他の価格が高騰する可能性があります。原材料や部品により特定の業者しか供給できないものもあり、この場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)顧客の資金状況・財務状況について当社グループの顧客のなかには、代金後払の条件で当社グループより製品・サービスを購入している場合があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)他社との提携の成否当社グループは、新しい製品・サービスの提供や新たな事業展開のために他社とのパートナーシップを不可欠として、業務・資本提携や合弁会社設立などを行うことがありますが、このようなパートナーとのコラボレーションが円滑に進まない可能性や、当初期待したパートナーシップによる効果が得られない可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合など、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。以上のような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)業界動向と再編について当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化などを含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を越えた新たな市場開拓と成長の機会を秘めています。このような状況の下、業界内又は隣接業界や他業種との再編等により、当社グループの業界における競争の構図が短期間に塗り替えられる可能性があります。具体的には、競合他社に組織再編やM&Aが生じることにより、業界内又は業界を超えた企業間での地位や競争の構造が変化することにより、当社グループが生産・販売における規模のメリット、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達及び販路の確保等において劣後することとなり、あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持・発展していくことができるとの保証は無く、係る場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)将来の見通し等に関するリスクについて当社グループは、企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」の下、2015年5月18日付で2020年度を見据えた中長期経営計画「2020年ビジョン」(2018年1月31日付で一部見直し)を策定、「顧客価値創造企業への進化」を長期ビジョンに掲げ、グループ経営計画を推進しています。この計画は、策定時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、同計画が前提としていた事項が実際と異なることが判明した場合や、その後に事業環境が大きく変化した場合、又は、事業再編、組織再編、戦略的M&A、合理化、資産売却等が想定とおりに進展しない、あるいは想定とおりの効果が生じない場合などのさまざまな要因によって、グループ経営計画のすべての目標の達成、あるいはシナジー効果を含む期待される成果の実現に至らない可能性があります。更に、追加的な事業再編や構造改革に係る費用増加などの予期しない要因により、効率性の向上及び成長の達成ができない可能性があります。 (11)製造物責任や補償請求による直接・間接費用の発生当社グループの製品に欠陥が発生した場合、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)に対して、当社グループは製造物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用を負担する可能性があります。また、当該問題に関する報道などを通じて、当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下、顧客の流出等を引き起こし、ひいては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)知的財産権について当社グループは、当社グループが所有する特許及びその他の知的財産権の活用によって収入を得ていますが、特許の権利満了や今後の市場の動向次第でそれらの収入が減少する可能性があります。当社グループが、出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。加えて、国によっては知的財産権の一部又はすべてが保護されない場合があります。また、知的財産権により保護されている第三者の技術を利用したい場合に、その技術が利用できないことや不利な条件で利用せざるをえないこともあり得ます。現在でも、当社グループの製品のなかには、第三者からのライセンスを受けて第三者の特許その他の知的財産権を使用しているものがありますが、現在、他社からライセンスを受けていても、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりする可能性があります。また、今後、当社グループが必要なライセンスを第三者から受けられない可能性や、不利な条件でのライセンスしか受けられなくなる可能性があります。これらの場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を必ずしも全て認識しているわけではなく、意図せず第三者の知的財産権を侵害している可能性がないと言い切ることはできません。このような場合、当社グループに対して第三者より知的財産権に基づく権利侵害の主張又は訴訟がなされ、製品の差し止めによる事業損失や、当社グループのイメージ・評判の低下、ブランド価値の低下を引き起こす可能性があり、また、紛争解決に係る費用、弁護士費用等、多額の支払が発生する可能性があります。他方、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟等を提起しなければならない可能性がありますが、係る場合にも多額の費用と経営資源が費やされる可能性があります。以上のような知的財産権に関する紛争が起こった場合には、訴訟等の結果に関わらず、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)法的規制について当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。より厳格な法規制が導入されたり、当局の法令解釈が従来よりも厳しくなることなどにより、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法規制に従うことが困難となり、事業の継続が困難と判断される場合には、当社グループの事業活動が制限を受けることになります。また、これらの法規制等を遵守するために当社グループの費用が増加する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反したものと当局が判断した場合には、当社グループが、行政処分、刑事処分又は損害賠償訴訟の対象となり、当社グループの事業、業績及び財務状況だけでなく、当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)環境保護について当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染などに関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の適用を受けており、環境に関連する費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。また改正により使用禁止物質が追加となったRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)や半年毎に管理対象物質が増えるREACH化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)を始めとして、年々環境に関する規制が厳しくなる中、有害物質等を除去する義務がさらに追加された場合や、CSRの観点から当社が任意に環境問題に取り組んだ場合には、法令及び任意に環境に対応する為の設備投資や支払いが当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)情報の流出について当社グループは、事業を推進する過程で顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客の個人情報を含む)を入手することがあり、また他の企業等の情報を受け取ることがありますが、これらの情報が誤って又は避けられない理由で外部に流出する可能性があります。情報が外部に流出した場合には、被害を受けた者に対して損害賠償責任を負う可能性があり、また当社グループの事業や社会的評価、ブランドイメージに悪影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループの営業秘密が第三者等の行為により不正に又はその過失により流出する危険を完全に防止することはできず、その結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの事業活動において情報システムの役割は極めて重要です。当社グループでは、情報セキュリティ体制を強化し、情報システムの安全運用に努めていますが、コンピューターウイルス、ソフトウエア又はハードウエアの障害、人為的過誤、不正アクセス、災害、サイバー攻撃等により情報システムが機能不全に陥る可能性が皆無ではありません。 (16)コンプライアンスについて当社グループは、全世界の拠点において、それぞれの国における業務を遂行する上でのさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらが遵守されるよう、役職員への教育・啓発を含むコンプライアンス体制の構築に努めています。しかし、これらに対する違反等の発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、当社グループの社会的信用や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17)災害や政情混乱等の影響について当社グループは、世界中に事業拠点を展開しており、地震、津波、火災、洪水等の災害、鳥インフルエンザ、ジカ熱等の疫病発生、政治・社会の混乱、戦争又はそれらを要因とする電気等のライフラインの断絶等の二次災害の発生、さらには電力供給不足等による操業度の低下、コンピューターウイルスやサイバーテロの攻撃等によって情報システムや通信ネットワークの停止又は誤動作等が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、取引先やロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、また生産及び出荷が遅延するなど、当社グループの企業活動が一時的又は一定の期間にわたり影響を受ける可能性があり、また損害の修復のために費用が発生する可能性があります。 (18)繰延税金資産及び法人所得税費用について当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得の合理的な予測に基づき回収可能性を評価しています。今後、経営状況の悪化等により、十分な課税所得が得られないと判断される場合には、繰延税金資産の取崩しにより、法人所得税費用が増加し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (19)退職給付に係る負債について当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算で使用される割引率などの各種の基礎率等に基づき算出されています。制度資産の公正価値の変動、金利水準など基礎率の変化及び退職給付制度の変更等により退職給付債務及び退職給付費用が変動し、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。 (20)財務状況等の変動に係る事項について<非流動資産の減損>当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産ほかの非流動資産を保有しており、当社グループの各社は非流動資産の財政状態計算書計上額について当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローにより資産の帳簿価額を回収することができるかどうかを定期的にまた必要に応じて検討しています。当該資産が充分なキャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損を認識しなければならない可能性があります。 <有利子負債>当社グループの有利子負債に係るシンジケートローン契約、コミットメントライン契約及びターム・ローン契約には期限前弁済条項及び財務制限条項が付されており、これらの条項が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があります。 <資本性金融商品・負債性金融商品>当社グループは、資本性金融商品ないし負債性金融商品の一部として、取引先企業等の株式又は持分を保有しており、これらの公正価値の下落により資本が減少する可能性があります。 <持分法適用関連会社の業績・財務状況>当社グループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (21)決算訂正に関するリスクについて当社グループは、日本及び諸外国・地域の財務会計に関する法規制等に従って連結グループ決算を行うため、関連法規制等を遵守するための社内規程を整備し、従業員への関連法規制等に関する教育を行っています。しかしながら、当社グループが関連法規制等の改正や当局の法令解釈の変更等に十分に対応できない等、当社連結グループ決算手続に瑕疵があった場合には、当社グループが既に公表した過年度の決算について訂正する可能性があります。当局が法規制等への違反があると判断した場合には、当社グループが、行政処分、刑事処分又は損害賠償の対象となり、当社グループの事業、業績及び財務状況だけでなく、当社グループの社会的評価に影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|9,538 文字
2【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。 (1)経済状況等の影響について当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売を行っている国又は地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退、及びこれにともなう需要の減少は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループ製品のうち個人顧客を主力購買層とするものについては、個人顧客の嗜好の変化や可処分所得の増減等によって販売数量が左右されやすい性質をもっています。したがって、これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向、個人消費動向等により大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、これらの諸要因に対応するための当社グループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合、又はこれらの諸要因に対応した当社グループ製品を適時に開発・製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ製品のうち各国・地域の官公庁や民間企業などの法人顧客を主力購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向や有事による特需の発生や需要の減少等に応じてそれらの販売量が左右され、そのことによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの売上収益に占める海外の割合は約6割であり、また当社グループの拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等が連結財務諸表作成のために円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの現地通貨建て輸出項目に占める割合の高いユーロに対する円高(円安)は当社グループの業績に悪(好)影響を及ぼし、当社グループの現地通貨建て輸入項目に占める割合の高い米ドルに対する円高(円安)は好(悪)影響を及ぼします。為替は世界各国、地域の経済状況の影響を受けて予期せぬ変動をする可能性があり、その変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、金利の変動は、営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)国際的な事業活動におけるリスクについて当社グループは、海外で幅広くビジネスを展開していますが、海外では為替変動リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、現地における労使関係、営業債権の回収や、その他の商慣習等に関する障害に直面する可能性があります。また、投資に係る規制、収益の本国送金に関する規制、輸出入規制や外国為替規制の変更等といったさまざまな政治的、法的あるいはその他の障害に遭う可能性があります。また、国内外を問わず、当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。輸出製品については、関税その他の障壁、あるいは物流費用等により、当社グループの製品の競争力が弱まる可能性があります。また、当社グループは国内・海外での製品輸入通関申告手続をその時点で適切と考えられる関税分類に従って実施していますが、輸入国の通関当局との見解の相違により、この通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があり、このような場合の修正申告が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)市場における競争の激化について当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。 (5)技術革新における競争について当社グループは、新製品やサービスをタイムリーに開発・提供できない可能性があります。当社グループの主要事業においては技術革新が重要な競争要因になっているため、絶えず研究開発に資金・資源を注入し続ける必要があり、また技術の高度化にともなってそれらに要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがこのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。したがって、当社グループの研究開発活動が、結果的に費用倒れに終わり、そのため当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの研究開発活動は人材の確保に大きく依存しており、特に有能かつ熟練した研究開発要員が何らかの事情(競合他社による引き抜き、当社グループの賃金水準・待遇の相対的低下、研究開発環境の劣化等を含みますが、これらに限りません)によって当社グループ外に流出した場合、また人材の新たな獲得ができない場合は、当社グループの将来の研究開発活動に悪影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービスなどをそれぞれに競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ外部より入手することは不可欠であり、そのために外部の部品開発・生産業者、部品供給業者、製品開発・生産業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又はこれらの業者との共同開発等に一定程度以上を依存しています。したがって、これらの外部業者との関係の悪化、これら外部業者からの供給の遅滞・停止、これら外部業者自身の経営問題、天災等によるこれら外部業者の製造工場の被災等といった事情が発生した場合には当社グループ製品の開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループとこれらの外部業者は、契約によりその取引価格を決定していますが、需給環境の変化、為替変動などにより原材料や部品、その他の価格が高騰する可能性があります。原材料や部品により特定の業者しか供給できないものもあり、この場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)顧客の資金状況・財務状況について当社グループの顧客のなかには、代金後払の条件で当社グループより製品・サービスを購入している場合があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)他社との提携の成否当社グループは、新しい製品・サービスの提供や新たな事業展開のために他社とのパートナーシップを不可欠として、業務・資本提携や合弁会社設立などを行うことがありますが、このようなパートナーとのコラボレーションが円滑に進まない可能性や、当初期待したパートナーシップによる効果が得られない可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合など、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。以上のような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)業界動向と再編について当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化などを含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を越えた新たな市場開拓と成長の機会を秘めています。このような状況の下、業界内又は隣接業界や他業種との再編等により、当社グループの業界における競争の構図が短期間に塗り替えられる可能性があります。具体的には、競合他社に組織再編やM&Aが生じることにより、業界内又は業界を超えた企業間での地位や競争の構造が変化することにより、当社グループが生産・販売における規模のメリット、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達及び販路の確保等において劣後することとなり、あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持・発展していくことができるとの保証は無く、係る場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)将来の見通し等に関するリスクについて当社グループは、企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」の下、2015年5月18日付で2020年度を見据えた中長期経営計画「2020年ビジョン」(2018年1月31日付で一部見直し)を策定、「顧客価値創造企業への進化」を長期ビジョンに掲げ、グループ経営計画を推進しています。この計画は、策定時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、同計画が前提としていた事項が実際と異なることが判明した場合や、その後に事業環境が大きく変化した場合、又は、事業再編、組織再編、戦略的M&A、合理化、資産売却等が想定通りに進展しない、あるいは想定通りの効果が生じない場合などのさまざまな要因によって、グループ経営計画のすべての目標の達成、あるいはシナジー効果を含む期待される成果の実現に至らない可能性があります。更に、追加的な事業再編や構造改革に係る費用増加などの予期しない要因により、効率性の向上及び成長の達成ができない可能性があります。 (11)製造物責任や補償請求による直接・間接費用の発生当社グループの製品に欠陥が発生した場合、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)に対して、当社グループは製造物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用を負担する可能性があります。また、当該問題に関する報道などを通じて、当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下、顧客の流出等を引き起こし、ひいては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)知的財産権について当社グループは、当社グループが所有する特許及びその他の知的財産権の活用によって収入を得ていますが、特許の権利満了や今後の市場の動向次第でそれらの収入が減少する可能性があります。当社グループが、出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。加えて、国によっては知的財産権の一部又はすべてが保護されない場合があります。また、知的財産権により保護されている第三者の技術を利用したい場合に、その技術が利用できないことや不利な条件で利用せざるをえないこともあり得ます。現在でも、当社グループの製品のなかには、第三者からのライセンスを受けて第三者の特許その他の知的財産権を使用しているものがありますが、現在、他社からライセンスを受けていても、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりする可能性があります。また、今後、当社グループが必要なライセンスを第三者から受けられない可能性や、不利な条件でのライセンスしか受けられなくなる可能性があります。これらの場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を必ずしも全て認識しているわけではなく、意図せず第三者の知的財産権を侵害している可能性がないと言い切ることはできません。このような場合、当社グループに対して第三者より知的財産権に基づく権利侵害の主張又は訴訟がなされ、製品の差し止めによる事業損失や、当社グループのイメージ・評判の低下、ブランド価値の低下を引き起こす可能性があり、また、紛争解決に係る費用、弁護士費用等、多額の支払が発生する可能性があります。他方、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟等を提起しなければならない可能性がありますが、係る場合にも多額の費用と経営資源が費やされる可能性があります。以上のような知的財産権に関する紛争が起こった場合には、訴訟等の結果に関わらず、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)法的規制について当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。より厳格な法規制が導入されたり、当局の法令解釈が従来よりも厳しくなることなどにより、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法規制に従うことが困難となり、事業の継続が困難と判断される場合には、当社グループの事業活動が制限を受けることになります。また、これらの法規制等を遵守するために当社グループの費用が増加する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反したものと当局が判断した場合には、当社グループが、行政処分、刑事処分又は損害賠償訴訟の対象となり、当社グループの事業、業績及び財務状況だけでなく、当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)環境保護について当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染などに関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の適用を受けており、環境に関連する費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。また改正により使用禁止物質が追加となったRoHS規制や半年毎に管理対象物質が増えるREACH規則を始めとして、年々環境に関する規制が厳しくなる中、有害物質等を除去する義務がさらに追加された場合や、CSRの観点から当社が任意に環境問題に取り組んだ場合には、法令及び任意に環境に対応する為の設備投資や支払いが当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)情報の流出について当社グループは、事業を推進する過程で顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客の個人情報を含む)を入手することがあり、また他の企業等の情報を受け取ることがありますが、これらの情報が誤って又は避けられない理由で外部に流出する可能性があります。情報が外部に流出した場合には、被害を受けた者に対して損害賠償責任を負う可能性があり、また当社グループの事業や社会的評価、ブランドイメージに悪影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループの営業秘密が第三者等の行為により不正に又はその過失により流出する危険を完全に防止することはできず、その結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの事業活動において情報システムの役割は極めて重要です。当社グループでは、情報セキュリティ体制を強化し、情報システムの安全運用に努めていますが、コンピューターウイルス、ソフトウエア又はハードウエアの障害、人為的過誤、不正アクセス、災害、サイバー攻撃等により情報システムが機能不全に陥る可能性が皆無ではありません。 (16)コンプライアンスについて当社グループは、全世界の拠点において、それぞれの国における業務を遂行する上でのさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらが遵守されるよう、役職員への教育・啓発を含むコンプライアンス体制の構築に努めています。しかし、これらに対する違反等の発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、当社グループの社会的信用や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17)災害や政情混乱等の影響について当社グループは、世界中に事業拠点を展開しており、地震、津波、火災、洪水等の災害、鳥インフルエンザ、ジカ熱等の疫病発生、政治・社会の混乱、戦争、世界各国に広がるISIL等によるテロ行為、又はそれらを要因とする電気等のライフラインの断絶等の二次災害の発生、さらには電力供給不足等による操業度の低下、コンピューターウイルスやサイバーテロの攻撃等によって情報システムや通信ネットワークの停止又は誤動作等が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、取引先やロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、また生産及び出荷が遅延するなど、当社グループの企業活動が一時的又は一定の期間にわたり影響を受ける可能性があり、また損害の修復のために費用が発生する可能性があります。 (18)繰延税金資産及び法人所得税費用について当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得の合理的な予測に基づき回収可能性を評価しています。今後、経営状況の悪化等により、十分な課税所得が得られないと判断される場合には、繰延税金資産の取崩しにより、法人所得税費用が増加し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (19)退職給付に係る負債について当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算で使用される割引率などの各種の基礎率等に基づき算出されています。制度資産の公正価値の変動、金利水準など基礎率の変化及び退職給付制度の変更等により退職給付債務及び退職給付費用が変動し、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。 (20)財務状況等の変動に係る事項について<非流動資産の減損>当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産ほかの非流動資産を保有しており、当社グループの各社は非流動資産の財政状態計算書計上額について当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローにより資産の帳簿価額を回収することができるかどうかを定期的にまた必要に応じて検討しています。当該資産が充分なキャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損を認識しなければならない可能性があります。 <有利子負債>当社グループの有利子負債に係るシンジケートローン契約、コミットメントライン契約及びターム・ローン契約には期限前弁済条項及び財務制限条項が付されており、これらの条項が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があります。 <売却可能金融資産>当社グループは、売却可能金融資産の一部として取引先企業等の株式を保有しており、これらの株価の下落により保有株式の評価損の計上が必要となる可能性があります。 <持分法適用関連会社の業績・財務状況>当社グループは、持分法適用の可能性を有する関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (21)決算訂正に関するリスクについて当社グループは、日本及び諸外国・地域の財務会計に関する法規制等に従って連結グループ決算を行うため、関連法規制等を遵守するための社内規程を整備し、従業員への関連法規制等に関する教育を行っています。しかしながら、当社グループが関連法規制等の改正や当局の法令解釈の変更等に十分に対応できない等、当社連結グループ決算手続に瑕疵があった場合には、当社グループが既に公表した過年度の決算について訂正する可能性があります。当局が法規制等への違反があると判断した場合には、当社グループが、行政処分、刑事処分又は損害賠償の対象となり、当社グループの事業、業績及び財務状況だけでなく、当社グループの社会的評価に影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|9,893 文字
4【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。 (1)経済状況等の影響について当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売を行っている国又は地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退、及びこれにともなう需要の減少は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループ製品のうち個人顧客を主力購買層とするものについては、個人顧客の嗜好の変化や可処分所得の増減等によって販売数量が左右されやすい性質をもっています。したがって、これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向、個人消費動向等により大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、これらの諸要因に対応するための当社グループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合、又はこれらの諸要因に対応した当社グループ製品を適時に開発・製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ製品のうち各国・地域の官公庁や民間企業などの法人顧客を主力購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向や有事による特需の発生や需要の減少等に応じてそれらの販売量が左右され、そのことによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は約6割であり、また当社グループの拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等が連結財務諸表作成のために円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの現地通貨建て輸出項目に占める割合の高いユーロに対する円高(円安)は当社グループの業績に悪(好)影響を及ぼし、当社グループの現地通貨建て輸入項目に占める割合の高い米ドルに対する円高(円安)は好(悪)影響を及ぼします。ただし、為替は世界各国、地域の経済状況の影響を受けて予期せぬ変動をする可能性があり、その変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、金利の変動は、営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)国際的な事業活動におけるリスクについて当社グループは、海外で幅広くビジネスを展開していますが、海外では為替変動リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、現地における労使関係、売掛金の回収や、その他の商慣習等に関する障害に直面する可能性があります。また、投資に係る規制、収益の本国送金に関する規制、輸出入規制や外国為替規制の変更等といったさまざまな政治的、法的あるいはその他の障害に遭う可能性があります。また、国内外を問わず、当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。輸出製品については、関税その他の障壁、あるいは物流費用等により、当社グループの製品の競争力が弱まる可能性があります。また、当社グループは国内・海外での製品輸入通関申告手続をその時点で適切と考えられる関税分類に従って実施していますが、輸入国の通関当局との見解の相違により、この通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があり、このような場合の修正申告が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)市場における競争の激化について当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。 (5)技術革新における競争について当社グループは、新製品やサービスをタイムリーに開発・提供できない可能性があります。当社グループの主要事業においては技術革新が重要な競争要因になっているため、絶えず研究開発に資金・資源を注入し続ける必要があり、また技術の高度化にともなってそれらに要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがこのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。したがって、当社グループの研究開発活動が、結果的に費用倒れに終わり、そのため当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの研究開発活動は人材の確保に大きく依存しており、特に有能かつ熟練した研究開発要員が何らかの事情(競合他社による引き抜き、当社グループの賃金水準・待遇の相対的低下、研究開発環境の劣化等を含みますが、これらに限りません)によって当社グループ外に流出した場合、また人材の新たな獲得ができない場合は、当社グループの将来の研究開発活動に悪影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービスなどをそれぞれに競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ外部より入手することは不可欠であり、そのために外部の部品開発・生産業者、部品供給業者、製品開発・生産業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又はこれらの業者との共同開発等に一定程度以上を依存しています。したがって、これらの外部業者との関係の悪化、これら外部業者からの供給の遅滞・停止、これら外部業者自身の経営問題、天災等によるこれら外部業者の製造工場の被災等といった事情が発生した場合には当社グループ製品の開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループとこれらの外部業者は、契約によりその取引価格を決定していますが、需給環境の変化、為替変動などにより原材料や部品、その他の価格が高騰する可能性があります。原材料や部品により特定の業者しか供給できないものもあり、この場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)顧客の資金状況・財務状況について当社グループの顧客のなかには、代金後払の条件で当社グループより製品・サービスを購入している場合があります。当社グループが多額の売掛債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)他社との提携の成否当社グループは、新しい製品・サービスの提供や新たな事業展開のために他社とのパートナーシップを不可欠として、業務・資本提携や合弁会社設立などを行うことがありますが、このようなパートナーとのコラボレーションが円滑に進まない可能性や、当初期待したパートナーシップによる効果が得られない可能性があります。また、当社グループはこれらのパートナーを支配することはできないため、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。以上のような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)業界動向と再編について当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化などを含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を越えた新たな市場開拓と成長の機会を秘めています。このような状況の下、業界内又は隣接業界や他業種との再編等により、当社グループの業界における競争の構図が短期間に塗り替えられる可能性があります。具体的には、競合他社に組織再編やM&Aが生じることにより、業界内又は業界を超えた企業間での地位や競争の構造が変化することにより、当社グループが生産・販売における規模のメリット、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達及び販路の確保等において劣後することとなり、あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持・発展していくことができるとの保証は無く、係る場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)将来の見通し等に関するリスクについて当社グループは、企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」の下、平成27年5月18日付で2020年度を見据えた中長期経営計画「2020年ビジョン」を策定、「顧客価値創造企業への進化」を長期ビジョンに掲げ、グループ経営計画を推進しています。この計画は、策定時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、同計画が前提としていた事項が実際と異なることが判明した場合や、その後に事業環境が大きく変化した場合、又は、事業再編、組織再編、戦略的M&A、合理化、資産売却等が想定通りに進展しない、あるいは想定通りの効果が生じない場合などのさまざまな要因によって、グループ経営計画のすべての目標の達成、あるいはシナジー効果を含む期待される成果の実現に至らない可能性があります。更に、追加的な事業再編や構造改革に係る費用増加などの予期しない要因により、効率性の向上及び成長の達成ができない可能性があります。 (11)製造物責任や補償請求による直接・間接費用の発生当社グループの製品に欠陥が発生した場合、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)に対して、当社グループは製造物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用を負担する可能性があります。また、当該問題に関する報道などを通じて、当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下、顧客の流出等を引き起こし、ひいては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)知的財産権について当社グループは、当社グループが所有する特許及びその他の知的財産権の活用によって収入を得ていますが、特許の権利満了や今後の市場の動向次第でそれらの収入が減少する可能性があります。当社グループが、出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。加えて、国によっては知的財産権の一部又はすべてが保護されない場合があります。また、知的財産権により保護されている第三者の技術を利用したい場合に、その技術が利用できないことや不利な条件で利用せざるをえないこともあり得ます。現在でも、当社グループの製品のなかには、第三者からのライセンスを受けて第三者の特許その他の知的財産権を使用しているものがありますが、現在、他社からライセンスを受けていても、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりする可能性があります。また、今後、当社グループが必要なライセンスを第三者から受けられない可能性や、不利な条件でのライセンスしか受けられなくなる可能性があります。これらの場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を必ずしも全て認識しているわけではなく、意図せず第三者の知的財産権を侵害している可能性がないと言い切ることはできません。このような場合、当社グループに対して第三者より知的財産権に基づく権利侵害の主張又は訴訟がなされ、製品の差し止めによる事業損失や、当社グループのイメージ・評判の低下、ブランド価値の低下を引き起こす可能性があり、また、紛争解決に係る費用、弁護士費用等、多額の支払が発生する可能性があります。他方、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟等を提起しなければならない可能性がありますが、係る場合にも多額の費用と経営資源が費やされる可能性があります。以上のような知的財産権に関する紛争が起こった場合には、訴訟等の結果に関わらず、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)法的規制について当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。より厳格な法規制が導入されたり、当局の法令解釈が従来よりも厳しくなることなどにより、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法規制に従うことが困難となり、事業の継続が困難と判断される場合には、当社グループの事業活動が制限を受けることになります。また、これらの法規制等を遵守するために当社グループの費用が増加する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反したものと当局が判断した場合には、当社グループが、行政処分、刑事処分又は損害賠償訴訟の対象となり、当社グループの事業、業績及び財務状況だけでなく、当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)環境保護について当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染などに関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の適用を受けており、環境に関連する費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。また改正により使用禁止物質が追加となったRoHS規制や半年毎に管理対象物質が増えるREACH規則を始めとして、年々環境に関する規制が厳しくなる中、有害物質等を除去する義務がさらに追加された場合や、CSRの観点から当社が任意に環境問題に取り組んだ場合には、法令及び任意に環境に対応する為の設備投資や支払いが当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)情報の流出について当社グループは、事業を推進する過程で顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客の個人情報を含む)を入手することがあり、また他の企業等の情報を受け取ることがありますが、これらの情報が誤って又は避けられない理由で外部に流出する可能性があります。情報が外部に流出した場合には、被害を受けた者に対して損害賠償責任を負う可能性があり、また当社グループの事業や社会的評価、ブランドイメージに悪影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループの営業秘密が第三者等の行為により不正に又はその過失により流出する危険を完全に防止することはできず、その結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの事業活動において情報システムの役割は極めて重要です。当社グループでは、情報セキュリティ体制を強化し、情報システムの安全運用に努めていますが、コンピューターウイルス、ソフトウエア又はハードウエアの障害、人為的過誤、不正アクセス、災害、サイバー攻撃等により情報システムが機能不全に陥る可能性が皆無ではありません。 (16)コンプライアンスについて当社グループは、全世界の拠点において、それぞれの国における業務を遂行する上でのさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらが遵守されるよう、役職員への教育・啓発を含むコンプライアンス体制の構築に努めています。しかし、これらに対する違反等の発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、当社グループの社会的信用や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17)災害や政情混乱等の影響について当社グループは、世界中に事業拠点を展開しており、地震、津波、火災、洪水等の災害、鳥インフルエンザ、ジカ熱等の疫病発生、政治・社会の混乱、戦争、世界各国に広がるISIL等によるテロ行為、又はそれらを要因とする電気等のライフラインの断絶等の二次災害の発生、さらには電力供給不足等による操業度の低下、コンピューターウイルスやサイバーテロの攻撃等によって情報システムや通信ネットワークの停止又は誤動作等が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、取引先やロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、また生産及び出荷が遅延するなど、当社グループの企業活動が一時的又は一定の期間にわたり影響を受ける可能性があり、また損害の修復のために費用が発生する可能性があります。 (18)繰延税金資産及び法人税等調整額について当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得の合理的な予測に基づき回収可能性を評価しています。今後、経営状況の悪化等により、十分な課税所得が得られないと判断される場合には、繰延税金資産の取崩しにより、法人税等調整額が増加し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (19)退職年金給付債務について当社グループ従業員の退職給付制度の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は連結貸借対照表上の純資産に反映されると共に、累積され将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される退職給付費用及び計上される退職給付債務に影響を及ぼします。したがって、今後、金利の低下により退職年金給付債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により年金資産の目減りや運用利回りの低下をもたらす可能性があり、その結果、年金数理上の損失が増加し、連結貸借対照表上の純資産が減少する可能性や、将来の退職給付費用が増加する可能性、未認識の数理計算上の差異が発生する可能性等があります。 (20)財務状況等の変動に係る事項について<固定資産の減損>当社グループは、有形固定資産ほかの固定資産を保有しており、当社グループの各社は固定資産の貸借対照表計上額について当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローにより資産の帳簿価額を回収することができるかどうかを定期的にまた必要に応じて検討しています。当該資産が充分なキャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損を認識しなければならない可能性があります。 <有利子負債>当社グループの有利子負債に係るシンジケートローン契約、コミットメントライン契約及びターム・ローン契約には期限前弁済条項及び財務制限条項が付されており、これらの条項が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があります。 <投資有価証券>当社グループは、投資有価証券の一部として取引先企業等の株式を保有しており、これらの株価の下落により保有株式の評価損の計上が必要となる可能性があります。 <持分法適用関連会社の業績・財務状況>当社グループは、持分法適用の可能性を有する関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (21)決算訂正に関するリスクについて当社グループは、日本及び諸外国・地域の財務会計に関する法規制等に従って連結グループ決算を行うため、関連法規制等を遵守するための社内規程を整備し、従業員への関連法規制等に関する教育を行っています。しかしながら、当社において、平成24年3月期第3四半期から平成29年3月期第2四半期までに計上した法人事業税につき、過大計上となっていたことが判明したため、当該期間における各期の決算を遡及的に訂正するとともに、平成29年1月に有価証券報告書及び四半期報告書についても一部訂正をいたしました。このように、当社グループが関連法規制等の改正や当局の法令解釈の変更等に十分に対応できない等、当社連結グループ決算手続に瑕疵がある可能性が皆無とは言えないことから、当社グループが既に公表した過年度の決算について訂正する可能性があります。さらに、当社グループの過年度決算の訂正に関し、当局がこれらの法規制等に違反したものと判断した場合には、当社グループが、行政処分、刑事処分又は損害賠償の対象となり、当社グループの事業、業績及び財務状況だけでなく、当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|9,770 文字
4【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、かかるリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。 (1)経済状況等の影響について当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売を行っている国又は地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退、及びこれにともなう需要の減少は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループ製品のうち個人顧客を主力購買層とするものについては、個人顧客の嗜好の変化や可処分所得の増減等によって販売数量が左右されやすい性質をもっています。したがって、これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向、個人消費動向等により大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、これらの諸要因に対応するための当社グループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合、又はこれらの諸要因に対応した当社グループ製品を適時に開発・製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ製品のうち各国・地域の官公庁や民間企業などの法人顧客を主力購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向や有事による特需の発生や需要の減少等に応じてそれらの販売量が左右され、そのことによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は約6割であり、また当社グループの拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等が連結財務諸表作成のために円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの現地通貨建て輸出項目に占める割合の高いユーロに対する円高(円安)は当社グループの業績に悪(好)影響を及ぼし、当社グループの現地通貨建て輸入項目に占める割合の高い米ドルに対する円高(円安)は好(悪)影響を及ぼします。ただし、為替は世界各国、地域の経済状況の影響を受けて予期せぬ変動をする可能性があり、その変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、金利の変動は、営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)国際的な事業活動におけるリスクについて当社グループは、海外で幅広くビジネスを展開していますが、海外では為替変動リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、現地における労使関係、売掛金の回収や、その他の商慣習等に関する障害に直面する可能性があります。また、投資に係る規制、収益の本国送金に関する規制、輸出入規制や外国為替規制の変更等といったさまざまな政治的、法的あるいはその他の障害に遭う可能性があります。また、国内外を問わず、当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。輸出製品については、関税その他の障壁、あるいは物流費用等により、当社グループの製品の競争力が弱まる可能性があります。また、当社グループは国内・海外での製品輸入通関申告手続をその時点で適切と考えられる関税分類に従って実施していますが、輸入国の通関当局との見解の相違により、この通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があり、このような場合の修正申告が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)市場における競争の激化について当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、かかる影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。 (5)技術革新における競争について当社グループは、新製品やサービスをタイムリーに開発・提供できない可能性があります。当社グループの主要事業においては技術革新が重要な競争要因になっているため、絶えず研究開発に資金・資源を注入し続ける必要があり、また技術の高度化にともなってそれらに要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがこのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。したがって、当社グループの研究開発活動が、結果的に費用倒れに終わり、そのため当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの研究開発活動は人材の確保に大きく依存しており、特に有能かつ熟練した研究開発要員が何らかの事情(競合他社による引き抜き、当社グループの賃金水準・待遇の相対的低下、研究開発環境の劣化等を含みますが、これらに限りません)によって当社グループ外に流出した場合、また人材の新たな獲得ができない場合は、当社グループの将来の研究開発活動に悪影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウェア、サービスなどをそれぞれに競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ外部より入手することは不可欠であり、そのために外部の部品開発・生産業者、部品供給業者、製品開発・生産業者、ソフトウェア開発業者等からの購入、生産委託、又はこれらの業者との共同開発等に一定程度以上を依存しています。したがって、これらの外部業者との関係の悪化、これら外部業者からの供給の遅滞・停止、これら外部業者自身の経営問題、天災等によるこれら外部業者の製造工場の被災等といった事情が発生した場合には当社グループ製品の開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループとこれらの外部業者は、契約によりその取引価格を決定していますが、需給環境の変化、為替変動などにより原材料や部品、その他の価格が高騰する可能性があります。原材料や部品により特定の業者しか供給できないものもあり、この場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)顧客の資金状況・財務状況について当社グループの顧客のなかには、代金後払の条件で当社グループより製品・サービスを購入している場合があります。当社グループが多額の売掛債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)他社との提携の成否当社グループは、新しい製品・サービスの提供や新たな事業展開のために他社とのパートナーシップを不可欠として、業務・資本提携や合弁会社設立などを行うことがありますが、このようなパートナーとのコラボレーションが円滑に進まない可能性や、当初期待したパートナーシップによる効果が得られない可能性があります。また、当社グループはこれらのパートナーを支配することはできないため、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。以上のような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)業界動向と再編について当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化などを含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を越えた新たな市場開拓と成長の機会を秘めています。このような状況の下、業界内又は隣接業界や他業種との再編等により、当社グループの業界における競争の構図が短期間に塗り替えられる可能性があります。具体的には、競合他社に組織再編やM&Aが生じることにより、業界内又は業界を超えた企業間での地位や競争の構造が変化することにより、当社グループが生産・販売における規模のメリット、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達及び販路の確保等において劣後することとなり、あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持・発展していくことができるとの保証は無く、かかる場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)将来の見通し等に関するリスクについて当社グループは、企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」の下、平成27年5月18日付で2020年度を見据えた中長期経営計画「2020年ビジョン」を策定、「顧客価値創造企業への進化」を長期ビジョンに掲げ、グループ経営計画を推進しています。この計画は、策定時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、同計画が前提としていた事項が実際と異なることが判明した場合や、その後に事業環境が大きく変化した場合、又は、事業再編、組織再編、戦略的M&A、合理化、資産売却等が想定通りに進展しない、あるいは想定通りの効果が生じない場合などのさまざまな要因によって、グループ経営計画のすべての目標の達成、あるいはシナジー効果を含む期待される成果の実現に至らない可能性があります。更に、追加的な事業再編や構造改革にかかる費用増加などの予期しない要因により、効率性の向上及び成長の達成ができない可能性があります。 (11)製造物責任や補償請求による直接・間接費用の発生当社グループの製品に欠陥が発生した場合、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)に対して、当社グループは製造物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用を負担する可能性があります。また、当該問題に関する報道などを通じて、当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下、顧客の流出等を引き起こし、ひいては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)知的財産権について当社グループは、当社グループが所有する特許及びその他の知的財産権の活用によって収入を得ていますが、特許の権利満了や今後の市場の動向次第でそれらの収入が減少する可能性があります。当社グループが、出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。加えて、国によっては知的財産権の一部又はすべてが保護されない場合があります。また、知的財産権により保護されている第三者の技術を利用したい場合に、その技術が利用できないことや不利な条件で利用せざるをえないこともあり得ます。現在でも、当社グループの製品のなかには、第三者からのライセンスを受けて第三者の特許その他の知的財産権を使用しているものがありますが、現在、他社からライセンスを受けていても、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりする可能性があります。また、今後、当社グループが必要なライセンスを第三者から受けられない可能性や、不利な条件でのライセンスしか受けられなくなる可能性があります。これらの場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を必ずしも全て認識しているわけではなく、意図せず第三者の知的財産権を侵害している可能性がないと言い切ることはできません。このような場合、当社グループに対して第三者より知的財産権に基づく権利侵害の主張又は訴訟がなされ、製品の差し止めによる事業損失や、当社グループのイメージ・評判の低下、ブランド価値の低下を引き起こす可能性があり、また、紛争解決にかかる費用、弁護士費用等、多額の支払が発生する可能性があります。他方、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟等を提起しなければならない可能性がありますが、かかる場合にも多額の費用と経営資源が費やされる可能性があります。以上のような知的財産権に関する紛争が起こった場合には、訴訟等の結果に関わらず、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)法的規制について当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。より厳格な法規制が導入されたり、当局の法令解釈が従来よりも厳しくなることなどにより、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法規制に従うことが困難となり、事業の継続が困難と判断される場合には、当社グループの事業活動が制限を受けることになります。また、これらの法規制等を遵守するために当社グループの費用が増加する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反したものと当局が判断した場合には、当社グループが、行政処分、刑事処分又は損害賠償訴訟の対象となり、当社グループの事業、業績及び財務状況だけでなく、当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)環境保護について当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染などに関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の適用を受けており、環境に関連する費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。また改正により使用制限物質が追加となったRoHS規制や半年毎に対象物質が増えるREACH規則を始めとして、年々環境に関する規制が厳しくなる中、有害物質等を除去する義務がさらに追加された場合や、CSRの観点から当社が任意に環境問題に取り組んだ場合には、法令に対応する為の設備投資や任意の支払いが当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)情報の流出について当社グループは、事業を推進する過程で顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客の個人情報を含む)を入手することがあり、また他の企業等の情報を受け取ることがありますが、これらの情報が誤って又は避けられない理由で外部に流出する可能性があります。情報が外部に流出した場合には、被害を受けた者に対して損害賠償責任を負う可能性があり、また当社グループの事業や社会的評価、ブランドイメージに悪影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループの営業秘密が第三者等の行為により不正に又はその過失により流出する危険を完全に防止することはできず、その結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの事業活動において情報システムの役割は極めて重要です。当社グループでは、情報セキュリティ体制を強化し、情報システムの安全運用に努めていますが、コンピューターウイルス、ソフトウェア又はハードウェアの障害、人為的過誤、不正アクセス、災害、サイバーテロ等により情報システムが機能不全に陥る可能性が皆無ではありません。 (16)コンプライアンスについて当社グループは、全世界の拠点において、それぞれの国における業務を遂行する上でのさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらが遵守されるよう、役職員への教育・啓発を含むコンプライアンス体制の構築に努めています。しかし、これらに対する違反等の発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、当社グループの社会的信用や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17)災害や政情混乱等の影響について当社グループは、世界中に事業拠点を展開しており、地震、津波、火災、洪水等の災害、MERS、ジカ熱等の疫病発生、政治・社会の混乱、戦争、世界各国に広がるISIL等によるテロ行為、又はそれらを要因とする電気等のライフラインの断絶等の二次災害の発生、さらには電力供給不足等による操業度の低下、コンピューターウイルスやサイバーテロの攻撃等によって情報システムや通信ネットワークの停止又は誤動作等が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、取引先やロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、また生産及び出荷が遅延するなど、当社グループの企業活動が一時的又は一定の期間にわたり影響を受ける可能性があり、また損害の修復のために費用が発生する可能性があります。 (18)繰延税金資産及び法人税等調整額について当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得の合理的な予測に基づき回収可能性を評価しています。今後、経営状況の悪化等により、十分な課税所得が得られないと判断される場合には、繰延税金資産の取崩しにより、法人税等調整額が増加し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (19)退職年金給付債務について当社グループ従業員の退職給付制度の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は連結貸借対照表上の純資産に反映されると共に、累積され将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される退職給付費用及び計上される退職給付債務に影響を及ぼします。したがって、今後、金利の低下により退職年金給付債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により年金資産の目減りや運用利回りの低下をもたらす可能性があり、その結果、年金数理上の損失が増加し、連結貸借対照表上の純資産が減少する可能性や、将来の退職給付費用が増加する可能性、未認識の数理計算上の差異が発生する可能性、あるいは未認識の過去勤務費用が発生する可能性等があります。 (20)財務状況等の変動に係る事項について<固定資産の減損>当社グループは、有形固定資産ほかの固定資産を保有しており、当社グループの各社は固定資産の貸借対照表計上額について当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローにより資産の帳簿価額を回収することができるかどうかを定期的にまた必要に応じて検討しています。当該資産が充分なキャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損を認識しなければならない可能性があります。 <有利子負債>当社グループの有利子負債に係るシンジケートローン契約、コミットメントライン契約及びターム・ローン契約には期限前弁済条項及び財務制限条項が付されており、これらの条項が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があります。 <投資有価証券>当社グループは、投資有価証券の一部として取引先企業等の株式を保有しており、これらの株価の下落により保有株式の評価損の計上が必要となる可能性があります。 <持分法適用関連会社の業績・財務状況>当社グループは、持分法適用の可能性を有する関連会社の株式を保有しています。かかる関連会社は通常、自らの方針のもとで経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (21)決算訂正に関するリスクについて当社グループは、日本及び諸外国・地域の財務会計に関する法規制等に従って連結グループ決算を行うため、関連法規制等を遵守するための社内規程を整備し、従業員への関連法規制等に関する教育を行っています。しかしながら、当社グループが関連法規制等の改正や当局の法令解釈の変更等に十分に対応できない等、当社連結グループ決算手続に瑕疵がない可能性が皆無とは言えないことから、当社グループが既に公表した過年度の決算について訂正する可能性があります。さらに、当社グループの過年度決算の訂正に関し、当局がこれらの法規制等に違反したものと判断した場合には、当社グループが、行政処分、刑事処分又は損害賠償の対象となり、当社グループの事業、業績及び財務状況だけでなく、当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。