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JVCケンウッド(6632)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

JVCケンウッドは、モビリティ&テレマティクスサービス、セーフティ&セキュリティ、エンタテインメントソリューションズの3分野で製品の製造・販売を行う企業グループです。カーナビやドライブレコーダー、業務用無線機器、監視カメラ、プロジェクター、ヘッドホンなどが主要製品で、これらを通じて収益を上げています。国内外に多数の子会社を持ち、グローバルに事業を展開しています。特に、車載機器や業務用システム、音響・映像機器が事業の柱となっています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

JVCケンウッドの事業セグメントは大きく3つに分かれています。1つ目は「モビリティ&テレマティクスサービス分野」で、カーナビ、ドライブレコーダー、車載用デバイスなどを製造・販売しています。2つ目は「セーフティ&セキュリティ分野」で、業務用無線機器、監視カメラ、医用画像表示モニターなどを手掛けています。3つ目は「エンタテインメントソリューションズ分野」で、プロジェクター、ヘッドホン、ホームオーディオ、業務用ビデオカメラ、音楽・映像ソフトの制作・販売などを行っています。これらの分野で国内外の子会社が開発、生産、販売を担い、多角的な事業展開をしています。

有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,416 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社及び当社の子会社66社(国内15社、海外51社)、並びに関連会社6社(国内4社、海外2社)により構成され、モビリティ&テレマティクスサービス分野関連、セーフティ&セキュリティ分野関連、エンタテインメント ソリューションズ分野関連の製造・販売を主要な事業とし、かつ、これに付帯する事業を営んでいます。当社グループの事業区分及び主要製品並びにそれに係わる主要な関係会社の位置付けは以下のとおりであり、事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載されているセグメントの区分と同一です。 (2025年3月31日現在)事業区分主要製品主要会社名モビリティ&テレマティクスサービス分野カーAVシステム、カーナビゲーションシステム、ドライブレコーダー、車載用デバイス、テレマティクスソリューション(生産会社)株式会社JVCケンウッド長野株式会社JVCケンウッド長岡PT JVCKENWOOD Electronics IndonesiaJVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd. (販売会社)株式会社JVCケンウッドJVCKENWOOD USA CorporationJVCKENWOOD U.K. LimitedJVCKENWOOD Deutschland GmbHJVCKENWOOD Singapore Pte. Ltd. (開発・生産及び販売会社)Shinwa Industries (China) LimitedASK Industries S.p.A.セーフティ&セキュリティ分野業務用無線機器、アマチュア無線機器、業務用映像監視機器、業務用オーディオ機器、医用画像表示モニター(生産会社)株式会社JVCケンウッド山形株式会社JVCケンウッド長岡JVCKENWOOD Electronics Malaysia Sdn. Bhd. (販売会社)株式会社JVCケンウッド株式会社JVCケンウッド・公共産業システムJVCKENWOOD USA CorporationJVCKENWOOD Canada Inc.JVCKENWOOD U.K. Limited (開発・生産及び販売会社)EF Johnson Technologies, Inc.Radio Activity S.r.l.Rein Medical GmbH 事業区分主要製品主要会社名エンタテインメントソリューションズ分野プロジェクター、ヘッドホン、ホームオーディオ、ポータブル電源、業務用ビデオカメラ、CD/DVD(パッケージソフト)等の受託ビジネス、CD/DVD(パッケージソフト)の製造、オーディオ・ビデオソフト・配信等のコンテンツ等(生産会社)株式会社JVCケンウッド株式会社JVCケンウッド・クリエイティブメディアJVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd. (販売会社)株式会社JVCケンウッドJVCKENWOOD USA CorporationJVCKENWOOD U.K. Limited (企画・制作及び販売会社)ビクターエンタテインメント株式会社 その他サービスパーツ他(その他の会社)株式会社JVCケンウッド・サービス 事業の系統図は以下のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
カーAVシステム、カーナビゲーションシステム、ドライブレコーダー、業務用無線機器、医用画像表示モニターなどの開発・製造技術。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:原材料等の調達の外部依存 / 物流リスク / サプライチェーンリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

JVCケンウッドは、長年の歴史を持つ「JVC」ブランドを有しており、オーディオ・ビジュアル分野での一定の認知度がある。しかし、近年は他社ブランドとの差別化が難しく、特許やIPによる明確な競争優位性は限定的である。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社の製品(カーナビ、オーディオ機器など)は、一度購入すると他の製品への乗り換えに手間やコストがかかる場合がある。しかし、技術革新の速さや価格競争により、顧客のロイヤリティはそれほど高くなく、スイッチング・コストは弱い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の製品群には、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接高めるようなネットワーク効果を持つものは見当たらない。個々の製品利用が閉鎖的であり、プラットフォームとしての広がりはない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウやサプライチェーンの最適化努力はあるものの、電気機器業界全体で激しい価格競争に晒されており、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。特に中国・韓国メーカーとのコスト差は大きい。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

カーエレクトロニクスや業務用音響機器など、特定の分野では一定の市場シェアと生産規模を持つ。しかし、業界全体で見ると多数の競合が存在し、寡占化された効率規模の優位性は限定的である。

JVCケンウッドは、長年にわたる音響・映像技術や無線通信技術の蓄積を強みとしています。特に、カーAVシステムや業務用無線機器、医用画像表示モニターなど、専門性の高い分野で製品を提供しており、これらの技術力と品質が競争優位の源泉と考えられます。また、国内外に生産・販売拠点を持ち、グローバルなサプライチェーンと販売ネットワークを構築していることも強みです。特定の地域や供給元への依存リスクを低減するための多層的な調達リスク対策も講じています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針当社グループは企業理念※として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げています。経営方針、行動指針は以下のとおりです。※当社グループの企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」を企業理念として再定義しています。 (2)目標とする経営指標当社は、2023年度を開始年度とする中期経営計画「VISION2025」を2023年4月に策定しました。「VISION2025」の中間年度にあたる当連結会計年度(2024年度)は、売上収益、事業利益、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)、ROIC(投下資本利益率)の最終年度目標を上回る実績を前倒しで達成しました。2025年度は、関税影響により減収予想も、売上収益以外の目標達成を見込んでいます。 *上記目標数値は、当社が現在入手している情報をもとに、本有価証券報告書提出日現在における当社の判断に基づいて作成されたものであり、また、一定の前提(仮定)の下に作成されています。当社は、上記目標数値の達成を保証するものではなく、実際の結果は上記と大幅に異なる可能性があります。*ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷期中平均親会社の所有者帰属持分×100*ROIC(投下資本利益率)= (税引き後事業利益+持分法損益)÷投下資本(株主資本+有利子負債) (3)経営環境・成長戦略① 中期経営計画「VISION2025」について地政学リスク増大によるサプライチェーンの見直しや世界経済動向の不透明化等、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しています。当社はこうした事業環境の変化を踏まえて、今回新たに企業価値最大化の観点から2023年4月に「変革と成長」の基本戦略を強化した、2025年度を最終年度とする新中期経営計画「VISION2025」を2023年4月策定しました。 ② 中期経営計画「VISION2025」の位置付け当社は企業理念として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げており、この理念の実現に向けて「たくましさ」と「したたかさ」を併せ持つエクセレント・カンパニーへの飛躍を目指しています。「VISION2025」では「VISION2023」で掲げた基本戦略「変革と成長」をさらに進化させ、事業ポートフォリオを最適化することで成長モメンタムを加速し、企業価値最大化を目指していきます。 ③ 中期経営計画「VISION2025」の基本戦略:「変革と成長」<基本戦略>「VISION2025」では、「変革と成長」を基本戦略とした事業ポートフォリオとキャピタル・アロケーションの最適化を図るとともにサステナビリティ経営を推進し、企業価値の最大化に向けて取り組んでいきます。 ④ 企業価値の最大化に向けた事業ポートフォリオの最適化「VISION2025」では企業価値最大化の観点で、中期的な事業の成長性※と自社の資本効率性を考慮した資源配分を行い、事業ポートフォリオの最適化をさらに進め、持続的な企業価値と株主価値の向上に取り組んでいます。※2023年度~2025年度の3カ年における売上成長率 *「VISION2025」中間年度の振り返り「VISION2025」の中間年度にあたる当連結会計年度(2024年度)は、モビリティ&テレマティクスサービス分野、セーフティ&セキュリティ分野、エンタテインメント ソリューションズ分野の3分野全てが前連結会計年度比で増収となったことから、事業利益以下、親会社の所有者に帰属する当期利益までの段階損益は過去最高益となりました。これに伴い、全社の売上収益、事業利益、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)、ROIC(投下資本利益率)などの「VISION2025」で掲げた主要な経営指標については、最終年度の目標を上回る結果となりました。 「無線システム事業」 北米公共安全市場は引き続き堅調当連結会計年度(2024年度)は、成長牽引事業である無線システム事業が、世界的な需要増や新商品投入効果を主因とした受注高拡大により、受注残増加とともに受注残の出荷が進み、売上高は順調に拡大しました。2025年度は、前年度を上回る受注を獲得し、引き続き成長軌道を維持する見込みです。 ⑤ 財務戦略<キャピタル・アロケーションの考え方>「VISION2025」では、資本コストを上回る資本収益性の達成に向けて、利益成長を実現する営業キャッシュ・フロー創出に重点を置いた上で、成長投資、戦略投資等の使途を明確化して、キャピタル・アロケーションの最適化を図ります。成長投資には設備投資や経営基盤強化に向けた投資を、戦略投資には新規事業等への投資や株主還元、有利子負債返済を織り込んでいき、戦略的なキャピタル・アロケーションを実行していきます。 <株主還元方針について>当社は、安定的な利益還元及び今後の成長に向けて経営資源を確保することを経営上の最重要課題の一つと考え、収益力及び財務状況を総合的に考慮して、総還元性向を株主還元の指標としました。業績に応じた株主還元策とした配当に加え、中長期的な利益成長に向けた資本活用、資本効率性改善効果のバランスを踏まえつつ、機動的に自己株式取得を行い、総還元性向30~40%を目安に株主への安定的な利益還元を実施していく方針です。上記配当政策に基づき、当事業年度の中間配当は、2024年10月31日開催の取締役会で、2008年の経営統合以降初めての実施となる1株当たり5円(普通配当)といたしました。期末配当は、利益実績を踏まえ、2025年5月14日開催の取締役会で、1株当たり10円(普通配当)とすることを決議しました。なお、1株当たり15円の年間配当(約22.6億円)と約65億円(2025年6月完了分の約20億円を含む)の自己株式取得により、総還元性向は約43%となりました。2025年度は、業績及び財務状況の向上に努め、年間配当予想を1株当たり18円(中間配当金:6円、期末配当金:12円)としています。 ⑥ サステナビリティ戦略当社グループは、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」に基づき、事業を通じてあらゆるステークホルダーの期待に応えていくことが重要だと考えます。社会から信頼され、社会に貢献する企業であり続けることは、企業としての持続的な成長にもつながると考えています。「VISION2025」では、「利益ある成長」と「グローバルでの社会課題解決」を両輪とするサステナビリティ経営の推進活動をさらに深化させ、企業価値向上を目指します。 <サステナビリティ戦略の方向性>E:環境への取り組み環境負荷削減に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献S:社会への取り組みイノベーションを実現する人材の育成及び組織能力強化と、サステナビリティ調達の推進G:ガバナンスサステナビリティ経営を確実に実行する推進体制持続的な企業価値向上に向けた取締役会実効性評価の継続的な取り組み 当社グループのサステナビリティ戦略についての詳細は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題当社は前述の経営環境のもと、中期経営計画「VISION2025」で掲げた各種施策を継続推進することにより、最終年度である2025年度の経営目標達成を目指し、持続的な企業価値向上を強化していきます。上記の成長戦略を進めるにあたり当社が認識している対処すべき課題は以下のとおりです。2025年度は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業については、北米公共安全市場の堅調な需要の継続が見込まれ、当社は同市場での事業拡大を図るため人員増強などの先行投資を継続的に実施します。加えて、無線システム事業では2024年度の第4四半期連結会計期間に引き続き、2025年度の第1四半期連結会計期間以降にも部品供給不足による影響の発生が見込まれるため、この影響のミニマイズを図るべく様々な対策を実施していきます。また、モビリティ&テレマティクスサービス分野では、海外OEM事業、国内用品事業の堅調な販売を見込み、エンタテインメント ソリューションズ分野ではエンタテインメント事業のコンテンツビジネスの堅調な販売に加え、メディア事業で2024年度に実施した損失引当による効果の発現を見込んでおります。一方で米国の関税措置が当社グループの事業及び業績への影響を及ぼす可能性があります。当社の2025年3月期の全社売上収益に占める米国向けの比率は約25%であり、主に以下の事業・製品で構成されています。 モビリティ&テレマティクスサービス分野 ディスプレイオーディオオーディオスピーカー セーフティ&セキュリティ分野無線システム事業 業務用無線機付属品 エンタテインメント ソリューションズ分野メディア事業 ヘッドホンイヤホンプロジェクター 当社は、当該関税措置が当社グループの事業及び業績へ与える影響を最小限とするべく、米国相互関税緊急対応プロジェクトを設置しました。このプロジェクトを軸に、短期的な施策として製品への価格転嫁や中国産品の販売抑制などを実施していきますが、モビリティ&テレマティクスサービス分野やエンタテインメント ソリューションズ分野においては、これらの施策による生産・販売数量の減少や米国及び中国の景気減速によるマイナス影響が想定されます。一方で、米国向けの構成比が大きいセーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業については、価格転嫁を中心とした施策によって現時点で想定される関税影響はほぼ吸収できる見込みです。これらの結果、2025年4月25日時点の当該関税措置による次期のマイナス影響額は、売上収益で130億円、事業利益で50億円と見込んでおります。 <ご参考>2025年4月25日時点の米国関税国別中国145% メキシコ25%3月4日発動 一部除外中品目別自動車関連25%4月3日発動(部品は5月3日発動予定)全世界相互関税(一律関税10%を含む)日本24%、マレーシア24%、インドネシア32%、タイ36%(一律関税10%を除き)90日間停止 (5)環境保全・社会貢献活動に向けた取り組み当社グループは、2021年度に環境ビジョンと環境基本方針を策定し、地球環境保全に対する基本的な考え方を示しました。2023年度には、環境基本方針の見直しを行い「JKグリーン2030」を策定し、「気候変動への対応」「資源の有効活用」「環境保全・管理」「生物多様性の保全」の4項目でそれぞれ目指すべきゴールを再設定しました。特に、気候変動への対応については、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、2030年に向けたScope1+2と3でそれぞれCO₂排出量削減の目標を設定しています。「気候変動への対応」「資源の有効活用」の目標達成に向けた活動として、環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001認証取得を継続するとともに、CO₂の排出量削減進捗管理、資源利用に関する目標達成進捗を定期的に評価し、事業活動における環境への影響を軽減または回避するために努力を続けています。「環境保全・管理」「生物多様性の保全」に対して、自社及びサプライチェーンにおいて環境に配慮した方針の実現に向けて積極的に活動しています。活動事例として従業員に対する定期的な環境研修による啓発活動、環境法規制遵守に基づいた飛散性アスベストの除去及び保管している高濃度PCB汚染廃棄物も計画的に無害化処理を進める等の環境リスクの低減を推し進めています。製品開発においては、要素技術開発や商品設計に際してアセスメントを行う事によってRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等製品の有害化学物質管理や各国の法規制に対応しています。さらに、バリューチェーン全体におけるScope3(購入品の製造、輸送、販売した製品の使用等)のCO₂排出量削減及び環境負荷の低減を目指して製品の消費電力低減、プラスチック使用量削減、個装箱の小型化による積載効率の向上等にも取り組んでいます。また、社会貢献活動については、取り組みを通じて得られた知見や社会とのつながりが事業活動のさらなるレベルアップにつながると考えており、当社グループが有する社会課題を解決する製品を有効に活用しつつ、活動を展開しています。このような考えのもと持続可能な社会づくりのため、「災害対策への貢献」「健康と豊かな心や生活への貢献」「次世代育成への貢献」「地域コミュニティへの貢献」等の社会貢献活動の重点テーマとしています。これらの重点テーマは、当社グループの企業理念、中期経営計画「VISION2025」における事業戦略やマテリアリティの考え方と連動しており、社会貢献活動が当社グループの事業戦略と相乗効果を発揮できるよう取り組んでいます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針当社グループは企業理念※として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げています。経営方針、行動指針は以下のとおりです。※当社グループの企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」を企業理念として再定義しています。 (2)目標とする経営指標当社は、2023年度を開始年度とする中期経営計画「VISION2025」を2023年4月に策定しました。「VISION2025」の中間年度にあたる当連結会計年度(2024年度)は、売上収益、事業利益、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)、ROIC(投下資本利益率)の最終年度目標を上回る実績を前倒しで達成しました。2025年度は、関税影響により減収予想も、売上収益以外の目標達成を見込んでいます。 *上記目標数値は、当社が現在入手している情報をもとに、本有価証券報告書提出日現在における当社の判断に基づいて作成されたものであり、また、一定の前提(仮定)の下に作成されています。当社は、上記目標数値の達成を保証するものではなく、実際の結果は上記と大幅に異なる可能性があります。*ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷期中平均親会社の所有者帰属持分×100*ROIC(投下資本利益率)= (税引き後事業利益+持分法損益)÷投下資本(株主資本+有利子負債) (3)経営環境・成長戦略① 中期経営計画「VISION2025」について地政学リスク増大によるサプライチェーンの見直しや世界経済動向の不透明化等、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しています。当社はこうした事業環境の変化を踏まえて、今回新たに企業価値最大化の観点から2023年4月に「変革と成長」の基本戦略を強化した、2025年度を最終年度とする新中期経営計画「VISION2025」を2023年4月策定しました。 ② 中期経営計画「VISION2025」の位置付け当社は企業理念として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げており、この理念の実現に向けて「たくましさ」と「したたかさ」を併せ持つエクセレント・カンパニーへの飛躍を目指しています。「VISION2025」では「VISION2023」で掲げた基本戦略「変革と成長」をさらに進化させ、事業ポートフォリオを最適化することで成長モメンタムを加速し、企業価値最大化を目指していきます。 ③ 中期経営計画「VISION2025」の基本戦略:「変革と成長」<基本戦略>「VISION2025」では、「変革と成長」を基本戦略とした事業ポートフォリオとキャピタル・アロケーションの最適化を図るとともにサステナビリティ経営を推進し、企業価値の最大化に向けて取り組んでいきます。 ④ 企業価値の最大化に向けた事業ポートフォリオの最適化「VISION2025」では企業価値最大化の観点で、中期的な事業の成長性※と自社の資本効率性を考慮した資源配分を行い、事業ポートフォリオの最適化をさらに進め、持続的な企業価値と株主価値の向上に取り組んでいます。※2023年度~2025年度の3カ年における売上成長率 *「VISION2025」中間年度の振り返り「VISION2025」の中間年度にあたる当連結会計年度(2024年度)は、モビリティ&テレマティクスサービス分野、セーフティ&セキュリティ分野、エンタテインメント ソリューションズ分野の3分野全てが前連結会計年度比で増収となったことから、事業利益以下、親会社の所有者に帰属する当期利益までの段階損益は過去最高益となりました。これに伴い、全社の売上収益、事業利益、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)、ROIC(投下資本利益率)などの「VISION2025」で掲げた主要な経営指標については、最終年度の目標を上回る結果となりました。 「無線システム事業」 北米公共安全市場は引き続き堅調当連結会計年度(2024年度)は、成長牽引事業である無線システム事業が、世界的な需要増や新商品投入効果を主因とした受注高拡大により、受注残増加とともに受注残の出荷が進み、売上高は順調に拡大しました。2025年度は、前年度を上回る受注を獲得し、引き続き成長軌道を維持する見込みです。 ⑤ 財務戦略<キャピタル・アロケーションの考え方>「VISION2025」では、資本コストを上回る資本収益性の達成に向けて、利益成長を実現する営業キャッシュ・フロー創出に重点を置いた上で、成長投資、戦略投資等の使途を明確化して、キャピタル・アロケーションの最適化を図ります。成長投資には設備投資や経営基盤強化に向けた投資を、戦略投資には新規事業等への投資や株主還元、有利子負債返済を織り込んでいき、戦略的なキャピタル・アロケーションを実行していきます。 <株主還元方針について>当社は、安定的な利益還元及び今後の成長に向けて経営資源を確保することを経営上の最重要課題の一つと考え、収益力及び財務状況を総合的に考慮して、総還元性向を株主還元の指標としました。業績に応じた株主還元策とした配当に加え、中長期的な利益成長に向けた資本活用、資本効率性改善効果のバランスを踏まえつつ、機動的に自己株式取得を行い、総還元性向30~40%を目安に株主への安定的な利益還元を実施していく方針です。上記配当政策に基づき、当事業年度の中間配当は、2024年10月31日開催の取締役会で、2008年の経営統合以降初めての実施となる1株当たり5円(普通配当)といたしました。期末配当は、利益実績を踏まえ、2025年5月14日開催の取締役会で、1株当たり10円(普通配当)とすることを決議しました。なお、1株当たり15円の年間配当(約22.6億円)と約65億円(2025年6月完了分の約20億円を含む)の自己株式取得により、総還元性向は約43%となりました。2025年度は、業績及び財務状況の向上に努め、年間配当予想を1株当たり18円(中間配当金:6円、期末配当金:12円)としています。 ⑥ サステナビリティ戦略当社グループは、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」に基づき、事業を通じてあらゆるステークホルダーの期待に応えていくことが重要だと考えます。社会から信頼され、社会に貢献する企業であり続けることは、企業としての持続的な成長にもつながると考えています。「VISION2025」では、「利益ある成長」と「グローバルでの社会課題解決」を両輪とするサステナビリティ経営の推進活動をさらに深化させ、企業価値向上を目指します。 <サステナビリティ戦略の方向性>E:環境への取り組み環境負荷削減に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献S:社会への取り組みイノベーションを実現する人材の育成及び組織能力強化と、サステナビリティ調達の推進G:ガバナンスサステナビリティ経営を確実に実行する推進体制持続的な企業価値向上に向けた取締役会実効性評価の継続的な取り組み 当社グループのサステナビリティ戦略についての詳細は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題当社は前述の経営環境のもと、中期経営計画「VISION2025」で掲げた各種施策を継続推進することにより、最終年度である2025年度の経営目標達成を目指し、持続的な企業価値向上を強化していきます。上記の成長戦略を進めるにあたり当社が認識している対処すべき課題は以下のとおりです。2025年度は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業については、北米公共安全市場の堅調な需要の継続が見込まれ、当社は同市場での事業拡大を図るため人員増強などの先行投資を継続的に実施します。加えて、無線システム事業では2024年度の第4四半期連結会計期間に引き続き、2025年度の第1四半期連結会計期間以降にも部品供給不足による影響の発生が見込まれるため、この影響のミニマイズを図るべく様々な対策を実施していきます。また、モビリティ&テレマティクスサービス分野では、海外OEM事業、国内用品事業の堅調な販売を見込み、エンタテインメント ソリューションズ分野ではエンタテインメント事業のコンテンツビジネスの堅調な販売に加え、メディア事業で2024年度に実施した損失引当による効果の発現を見込んでおります。一方で米国の関税措置が当社グループの事業及び業績への影響を及ぼす可能性があります。当社の2025年3月期の全社売上収益に占める米国向けの比率は約25%であり、主に以下の事業・製品で構成されています。 モビリティ&テレマティクスサービス分野 ディスプレイオーディオオーディオスピーカー セーフティ&セキュリティ分野無線システム事業 業務用無線機付属品 エンタテインメント ソリューションズ分野メディア事業 ヘッドホンイヤホンプロジェクター 当社は、当該関税措置が当社グループの事業及び業績へ与える影響を最小限とするべく、米国相互関税緊急対応プロジェクトを設置しました。このプロジェクトを軸に、短期的な施策として製品への価格転嫁や中国産品の販売抑制などを実施していきますが、モビリティ&テレマティクスサービス分野やエンタテインメント ソリューションズ分野においては、これらの施策による生産・販売数量の減少や米国及び中国の景気減速によるマイナス影響が想定されます。一方で、米国向けの構成比が大きいセーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業については、価格転嫁を中心とした施策によって現時点で想定される関税影響はほぼ吸収できる見込みです。これらの結果、2025年4月25日時点の当該関税措置による次期のマイナス影響額は、売上収益で130億円、事業利益で50億円と見込んでおります。 <ご参考>2025年4月25日時点の米国関税国別中国145% メキシコ25%3月4日発動 一部除外中品目別自動車関連25%4月3日発動(部品は5月3日発動予定)全世界相互関税(一律関税10%を含む)日本24%、マレーシア24%、インドネシア32%、タイ36%(一律関税10%を除き)90日間停止 (5)環境保全・社会貢献活動に向けた取り組み当社グループは、2021年度に環境ビジョンと環境基本方針を策定し、地球環境保全に対する基本的な考え方を示しました。2023年度には、環境基本方針の見直しを行い「JKグリーン2030」を策定し、「気候変動への対応」「資源の有効活用」「環境保全・管理」「生物多様性の保全」の4項目でそれぞれ目指すべきゴールを再設定しました。特に、気候変動への対応については、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、2030年に向けたScope1+2と3でそれぞれCO₂排出量削減の目標を設定しています。「気候変動への対応」「資源の有効活用」の目標達成に向けた活動として、環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001認証取得を継続するとともに、CO₂の排出量削減進捗管理、資源利用に関する目標達成進捗を定期的に評価し、事業活動における環境への影響を軽減または回避するために努力を続けています。「環境保全・管理」「生物多様性の保全」に対して、自社及びサプライチェーンにおいて環境に配慮した方針の実現に向けて積極的に活動しています。活動事例として従業員に対する定期的な環境研修による啓発活動、環境法規制遵守に基づいた飛散性アスベストの除去及び保管している高濃度PCB汚染廃棄物も計画的に無害化処理を進める等の環境リスクの低減を推し進めています。製品開発においては、要素技術開発や商品設計に際してアセスメントを行う事によってRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等製品の有害化学物質管理や各国の法規制に対応しています。さらに、バリューチェーン全体におけるScope3(購入品の製造、輸送、販売した製品の使用等)のCO₂排出量削減及び環境負荷の低減を目指して製品の消費電力低減、プラスチック使用量削減、個装箱の小型化による積載効率の向上等にも取り組んでいます。また、社会貢献活動については、取り組みを通じて得られた知見や社会とのつながりが事業活動のさらなるレベルアップにつながると考えており、当社グループが有する社会課題を解決する製品を有効に活用しつつ、活動を展開しています。このような考えのもと持続可能な社会づくりのため、「災害対策への貢献」「健康と豊かな心や生活への貢献」「次世代育成への貢献」「地域コミュニティへの貢献」等の社会貢献活動の重点テーマとしています。これらの重点テーマは、当社グループの企業理念、中期経営計画「VISION2025」における事業戦略やマテリアリティの考え方と連動しており、社会貢献活動が当社グループの事業戦略と相乗効果を発揮できるよう取り組んでいます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況1)経営成績当連結会計年度における当社及び連結子会社の全社売上収益は、モビリティ&テレマティクスサービス分野、セーフティ&セキュリティ分野、エンタテインメント ソリューションズ分野の3分野全てが増収となったことから、前年同期比で増収となりました。これにより、全社事業利益※以下、親会社の所有者に帰属する当期利益までの段階損益は前年同期比で大幅増益となり、過去最高益を更新しました。なお、第3四半期連結会計期間に製品ミックスの悪化影響などを受けたセーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の事業利益は、当第4四半期連結会計期間には想定以上に回復しました。さらに業務用システム事業も堅調に推移したことから、セーフティ&セキュリティ分野全体の事業利益は、四半期として過去最高益を更新しました。当連結会計年度の連結経営成績のサマリーは以下のとおりです。(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前年同期比増減率売上収益359,459370,308+10,849+3.0%事業利益※19,71025,307+5,597+28.4%営業利益18,22621,792+3,565+19.6%税引前利益18,24523,490+5,244+28.7%親会社の所有者に帰属する当期利益13,01620,276+7,259+55.8%※売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなるその他の収益、その他の費用、為替差損益などを含みません。セグメントの業績評価は「事業利益」を使用して説明します。 また、当連結会計年度の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期損益為替レート米ドル約156円約150円約152円約153円 ユーロ約168円約164円約163円約161円前期(参考)米ドル約137円約145円約148円約149円 ユーロ約150円約157円約159円約161円 * 売上収益当連結会計年度における売上収益は、モビリティ&テレマティクスサービス分野、セーフティ&セキュリティ分野、エンタテインメント ソリューションズ分野の3分野全てで増収となったことから、前年同期比で約108億円増(3.0%増収)となる3,703億8百万円となりました。 *事業利益当社は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものを「事業利益」としています。当連結会計年度における事業利益は、増収効果に加えて前期に実施した構造改革効果が発現したことなどから、前年同期比で約56億円の大幅増(28.4%増益)となる253億7百万円となりました。 *営業利益当連結会計年度における営業利益は、事業利益が増益となったことなどから、前年同期比で約36億円の大幅増(19.6%増益)となる217億92百万円となりました。 * 税引前利益当連結会計年度における税引前利益は、営業利益が増益となったことに加え、持分法適用関連会社の利益が増加したことなどから、前年同期比で約52億円の大幅増(28.7%増益)となる234億90百万円となりました。 * 親会社の所有者に帰属する当期利益当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が増益となったことに加え、繰延税金資産を計上したことなどから、前年同期比で約73億円の大幅増(55.8%増益)となる202億76百万円となりました。 2)財政状態*資産資産合計は、営業債権及びその他の債権は増加しましたが、現金及び現金同等物や棚卸資産などの流動資産が減少したことなどから、前連結会計年度末比で約35億円減となる3,133億36百万円となりました。 *負債負債合計は、営業債務及びその他の債務の減少に加えて、銀行借入金の返済を進めたことなどから、前連結会計年度末比で約137億円減となる1,819億37百万円となりました。 *資本資本合計は、自己株式の取得による減少はありましたが、利益剰余金が約181億円増加したことなどから、前連結会計年度末比で約102億円増となる1,313億99百万円となりました。 なお、親会社所有者帰属持分比率は、親会社の所有者に帰属する持分合計が増加したことから、前連結会計年度末比で3.7ポイント増加し39.9%となりました。 ② セグメントごとの売上収益及び損益セグメントごとの売上収益及び事業利益は以下のとおりです。(百万円) セグメントの名称2024年3月期2025年3月期前連結会計年度比 モビリティ&テレマティクス売上収益199,435203,243+3,807サービス分野事業利益3,8714,881+1,009セーフティ&セキュリティ分野売上収益93,755100,008+6,252 事業利益16,48518,579+2,093エンタテインメント売上収益55,97857,936+1,957ソリューションズ分野事業利益△2571,849+2,106その他売上収益10,2899,120△1,168 事業利益△389△1+387合計売上収益359,459370,308+10,849 事業利益19,71025,307+5,597 * モビリティ&テレマティクスサービス分野当連結会計年度におけるモビリティ&テレマティクスサービス分野の売上収益は、前年同期比で約38億円増(1.9%増収)となる2,032億43百万円、事業利益は同約10億円の大幅増(26.1%増益)となる48億81百万円となりました。なお、事業利益には為替ヘッジによるマイナス影響として約6億円が含まれています。(売上収益)OEM事業は、車載用スピーカー、アンプ、アンテナ、ケーブル、レンズなど海外OEM事業の販売が好調に推移したことや、国内の用品事業が堅調に推移したことなどから、前年同期比で増収となりました。アフターマーケット事業は、第1四半期連結会計期間に国内において自動車販売減の影響を受けたものの、中間連結会計期間以降は回復傾向となり、前年同期並みの実績となりました。テレマティクスサービス事業は、損害保険会社向け通信型ドライブレコーダーなどのテレマティクスソリューション関連商品の販売が大幅に減少したことから、前年同期比で大幅な減収となりました。 (事業利益)OEM事業が増収効果により増益となったことに加え、アフターマーケット事業が流通在庫正常化にともなう生産回復により増益となったことから、テレマティクスサービス事業の減収影響や為替ヘッジによるマイナス影響を受けたものの、モビリティ&テレマティクスサービス分野全体では、前年同期比で増益となりました。 * セーフティ&セキュリティ分野当連結会計年度におけるセーフティ&セキュリティ分野の売上収益は、前年同期比で約63億円増(6.7%増収)となる1,000億8百万円、事業利益は同約21億円増(12.7%増益)となる185億79百万円となり、過去最高の売上収益及び事業利益となりました。(売上収益)無線システム事業は、北米の公共安全市場向け業務用無線機の販売が好調に推移したことに加え、一部出荷の前倒し影響などから、前年同期比で約76億円の増収となりました。業務用システム事業は、医用画像表示モニターの販売が減少したことなどから、前年同期比で約13億円の減収となりました。(事業利益)無線システム事業は、当第4四半期連結会計期間に部品供給不足による影響を受けたものの、北米の公共安全市場向けの販売が好調に推移したことなどにより増益となり、業務用システム事業も固定費削減効果の発現などにより損益が改善したことなどから、セーフティ&セキュリティ分野全体でも、前年同期比で増益となりました。 * エンタテインメント ソリューションズ分野当連結会計年度におけるエンタテインメント ソリューションズ分野の売上収益は、前年同期比で約20億円増(3.5%増収)となる579億36百万円、事業利益は同約21億円の大幅増となる18億49百万円となり、黒字に転換しました。(売上収益)メディア事業は、プロジェクター、ポータブル電源などの販売が堅調に推移したことなどから、前年同期比で約20億円の増収となりました。エンタテインメント事業は、有力アーティストの新譜などコンテンツビジネスの販売が堅調に推移したことなどから、前期に引き続き堅調な売上収益を確保しました。(事業利益)メディア事業の業務用カメラ事業において、当第4四半期連結会計期間に追加で部材の損失引当約5億円を計上したものの、前期に実施した構造改革効果に加え、固定費削減効果が発現したこと及びエンタテインメント事業が前期に引き続き堅調な利益を稼ぎ増益となったことなどから、エンタテインメント ソリューションズ分野全体では前年同期比で大幅な増益となり、黒字に転換しました。 ③ キャッシュ・フロー* 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において営業活動により増加した資金は314億52百万円となり、前年同期比で約17億円収入が減少しました。主な要因は、税引前利益は増加しましたが、運転資金が増加したことなどによるものです。 * 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において投資活動により減少した資金は215億45百万円となり、前年同期比で約55億円支出が増加しました。主な要因は、有形固定資産の売却による収入は増加したものの、設備投資による支出が増加したことなどによるものです。 * 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において財務活動により減少した資金は187億93百万円となり、前年同期比で約6億円支出が減少しました。主な要因は、銀行借入金の返済は進めたものの、自己株式の取得による支出が減少したことなどによるものです。 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比で約93億円減となる485億97百万円となりました。 ④ 生産、受注及び販売の実績* 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)モビリティ&テレマティクスサービス分野200,6703.46セーフティ&セキュリティ分野98,6980.09エンタテインメント ソリューションズ分野58,3757.61その他9,120△11.36合計366,8642.73(注)金額は販売価格で計上しており、消費税等は含まれていません。 * 受注実績当社グループの製品のうち、モビリティ&テレマティクスサービス分野、セーフティ&セキュリティ分野、エンタテインメント ソリューションズ分野、その他については原則として見込生産によっています。ただし、エンタテインメント ソリューションズ分野におけるエンタテインメント事業の一部は受注生産によっていますが、これらは受注と同時に生産・引渡しを行うため受注高と販売高はほぼ同額です。 * 販売実績当連結会計年度における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②セグメントごとの売上収益及び損益」に、セグメントごとに記載しています。なお、主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容1) 経営成績当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。なお、当社グループは、2024年10月31日付で2025年3月期通期連結業績予想の修正を行っています。(百万円) (参考)2025年3月期通期連結業績予想(2024年4月26日付期初業績予想)2025年3月期通期連結業績予想(2025年10月31日付修正業績予想)2025年3月期通期連結実績(参考)2025年3月期通期連結業績予想比(2025年4月26日付期初業績予想比)2025年3月期通期連結業績予想比(2025年10月31日付修正業績予想比)売上収益362,000364,000370,308102.3%101.7%営業利益18,20022,00021,792119.7%99.1%税引前利益18,00023,00023,490130.5%102.1%親会社の所有者に帰属する当期利益12,50017,00020,276162.2%119.3% 当連結会計年度の経営成績は、モビリティ&テレマティクスサービス分野、セーフティ&セキュリティ分野、エンタテインメント ソリューションズ分野の3分野全てが増収となったことから、売上収益は3,703億8百万円、営業利益は217億92百万円、税引前利益は234億90百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は202億76百万円となり、全社営業利益以下、親会社の所有者に帰属する当期利益までの段階損益は、過去最高益を更新しました。 2) 財政状態財政状態の分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の概要 2)財政状態」に記載しています。 3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析*キャッシュ・フロー当社は、円滑な事業活動に必要な資金について、主として銀行等金融機関から借入金により資金調達を行っており、借入金の年度別返済額を平準化することで借り換えリスクの低減を図っています。また、一時的な資金需要の増加にも対応できるように銀行とコミットメントライン契約を締結し、十分な流動性を確保しています。なお、当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動で支出されたキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローとして定義し、当社はこの指標を戦略的投資又は借入金返済に充当可能な資金、或いは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、有用な指標と考えており、以下のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。 また、これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー」に記載しています。(百万円) 2024年3月期2025年3月期営業活動によるキャッシュ・フロー33,17231,452投資活動によるキャッシュ・フロー△16,062△21,545フリーキャッシュ・フロー17,1109,906 *資金需要当社の運転資金のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び宣伝販促費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。 *財務政策当社は、株主への安定的な利益還元を図っていくとともに、今後の成長に向けた投資、財務基盤の強化を図り、大きな成長を実現する事業の構築を推進して行き、その時々の経営状況に鑑みて、株主還元、有利子負債の返済、投融資に配分して資金を使用します。この2年間での資金配分は以下のとおりとなっています。(百万円) 2024年3月期2025年3月期株主還元8,9637,066投融資22,40226,460有利子負債の返済10,28311,155※1. 投融資は、投資キャッシュ・フローから定期預金の増減、資産売却及び分配による収入を除外した額。※2. 有利子負債は、借入金純増減額の減少額とリース負債の返済額の合計額で、合計額がマイナスの場合は「-」(増加(収入)となる。)となります。 4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析当社グループにおいては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

事業リスク

JVCケンウッドの事業は、原材料や部品の外部調達への依存度が高く、国際情勢の不安定化や自然災害、パンデミックなどによる供給遅延や価格高騰が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に半導体や電子部品の調達制約は継続的なリスクです。また、グローバルな物流網に依存しているため、輸送ルートの変更やコスト上昇、国内の「2024年問題」などによる物流コストの増加や輸送能力の低下もリスク要因です。さらに、気候変動による移行リスクや物理的リスクも事業に影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|14,891 文字
3【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらの記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 <当社グループにおけるリスク管理体制>当社グループでは、リスクを「事業計画の達成を阻害する可能性があるもの」と捉え、全世界で事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、影響及び損害の最小化を図るとともに、これらを機会として活かすための体制を整備しています。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置き、配下に各事業分野、グループ会社責任者を配置し、リスク管理担当部門を事務局としてリスクマネジメントプロセスに基づいて各職場が主体的に直面し得るリスクを定期的に洗い出し、リスクの事前把握と、発現した際の迅速な対応含め施策を進めています。また、2023年度よりTCFD提言に沿った気候変動リスクへの取り組みを推進するため、リスク管理体制を強化しており、気候変動問題に起因する移行リスク※1、物理的リスク※2は、一般的なリスクとは別に分類した上で、重要度評価を行い、他のリスクと統合した形で管理しています。※1 低炭素社会に移行する際に発生するリスク※2 気候変動による物理的変化によって発生するリスク気候変動に関するリスク管理体制の詳細につきましては、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1.気候変動への対応 (2)リスク管理」を参照ください。 <当社グループにおけるリスクマネジメントプロセス>・当社グループの全部門を対象に毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部、地域、グループ会社において事業の現場で直面するリスクを洗い出して「事業拠点リスク」と位置付けて、影響度・緊急性・発生頻度及び対応状況を踏まえてリスク評価するとともに対策を策定し実行、施策進捗をモニタリングし改善するサイクルを、それぞれの部門において実施・最高経営責任者(CEO:Chief Executive Officer)が主宰し、リスク管理担当役員を議長、議長により指名された本社部門長及び各事業分野の担当役員を構成員として設置される全社リスク管理会議において、各事業部・地域により洗い出された「事業拠点リスク」と経営課題・事業課題を踏まえ、経営への影響度や緊急性、インシデント発生状況等を勘案して抽出したリスク課題を「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けてリスク解決に向けた施策を策定し、経営層レベルによる全社的視点での取り組みとして当該リスク管掌担当役員を対応推進責任者に指名・対応推進責任者は、連結会計年度の事業計画の達成へ向けて、グローバル重要リスクに対する施策を各事業部・地域に落とし込んで改善するサイクルを実施し、進捗をモニタリング (1)事業環境の変化等にともなうリスク① 原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、外部より十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービス等について競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ入手することは重要です。当社グループにおいては外部の部品開発業者、生産業者、部品供給業者、製品開発業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又は共同開発等により、外部業者に対して一定程度以上の依存をしています。したがって、外部業者との関係悪化、外部業者自身の経営問題、外部業者の自然災害や事故等の罹災、パンデミック等によるグローバルな社会環境・事業環境の変化等様々な要因での供給の遅滞や停止や当社グループ製品に関する開発の遅滞や停止等が発生した場合、製品開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、ロシア・ウクライナイ紛争の継続・長期化に加え、中東情勢、台湾情勢、米中間における貿易摩擦や先端技術を巡る輸出規制、制裁関税措置の応酬など、国際的な政治・経済の不確実性が高まる中で、当社グループが間接的に依存するサプライチェーン上のリスクが拡大しております。とりわけ、特定地域や供給元に依存している半導体、電子部品、金属系材料等の一部品目については、調達制約や納期遅延、価格高騰のリスクが引き続き存在します。関税影響の軽減を図るために生産場所を他の国に移しても当該品目の輸出規制が行われると、同様のリスクを避けられない可能性があります。また、国際的なエネルギー価格の高騰、為替相場の急激な変動、港湾混雑・輸送コスト上昇等の物流リスクも継続しており、これらが当社グループの製品開発・製造活動に直接的または間接的に影響を及ぼす可能性があります。更に、主要部分の一部にトレンドではない半導体を使用しているセーフティー&セキュリティ分野においては、製造元の歩留まり悪化、生産設備の故障、撤退等に起因した当社製品の生産停止リスク及び特定供給元の依存リスクが他分野よりも高く、当社グループは、主要サプライヤーとの連携のもと、原材料・部材の供給に関する状況の早期把握に努め、調達面でのリスク低減と供給安定の確保に取り組んでおりますが、これらの対策が常に有効に機能する保証はありません。 当該リスクに対し、外部業者との友好な取引関係の確立・維持に努めることは当然ながら、開発のバックアップや調達の停止リスク回避を考慮した取引先の複数確保、BCP在庫の適正保有、汎用部品の優先採用、商社活用による在庫確保等の対策を打ち、急激なコストの上昇や、当社グループの国内・海外の生産工場における製造活動の停止等が起きないように対策を講じています。以上のような多層的な調達リスク対策を通じて、本会計年度では一定の安定調達を実現していますが、部品の安定供給や価格動向等については依然として不確実性をともなう状況にあり、これらの施策を講じていたとしても、当社グループが想定する規模や期間を上回る外部事業者側の事情や事業環境等の変化(悪化)があったような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 物流リスクについて当社グループ製品の生産・販売活動の多くは日本国外で行われており、物流活動もグローバルに展開されています。各国・各地域の物流上の問題が当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループはアジア地域での生産が多く、その拠点からグローバルに供給を行っています。新型コロナウイルスのパンデミック後における欧米を中心とした経済活動の再開により出荷物量は回復してきていますが、一方でイスラエル・パレスチナ紛争の影響で、輸送ルートの変更を余儀なくされ、物流リードタイムの長期化・物流コストが上昇する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発現に対し、販売への影響を低減させるために、販売拠点での在庫水準や搬送手段の見直しを行い、供給量の安定化を図る等の施策を進めています。一方で、日本国内での当社グループ製品の生産・販売にともなう物流活動では、2024年4月からの働き方改革関連法の施行(いわゆる「2024年問題」)と昨今の人件費や燃料コスト等の高騰を受け、当社グループにおいても物流コストの上昇と輸送能力の低下が生じることが予測されています。加えて、2025年1月の米国政権交代にともなう関税に関する施策が米中間の物量低下や国際物流市況の乱れを起こしかねない状況となっています。これらは、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、製品総原価の見直しにより上昇する輸送コストの吸収を目指すとともに、輸送能力の低下に応じ、出荷頻度の見直しを行い、供給量の安定化を図る等の施策により、販売への影響が及ぶ可能性を低減しています。 ③ サプライチェーンリスクについて当社グループ製品のサプライチェーンシステムにおいては多くの取引先がステークホルダーとして存在していますが、これらのそれぞれの取引先での社会的責任の遂行状況は、当社グループ製品のサプライチェーンシステム自体が社会的責任を果たしているかに直結します。取引先で生じた問題が当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、当社グループが社会的責任を果たせなくなる結果として、当社グループの事業、業績、財務状況及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、人権や環境に配慮した健全なサプライチェーンの構築を目的として、サプライヤー向けSAQ(Self Assessment Questionnaire)による実態調査を実施し、取引先に調達方針、 CSR 調達ガイドラインへの理解と実行を要請しています。その活動状況についてはサプライヤーミーティング、SAQ等を通じて定期的に検証・共有し、社会的責任を果たす取り組みを推進します。 ④ 経済状況等の変化によるリスクについて当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売国又は地域の経済状況の影響を受けるため、当該市場における景気後退にともなう需要の減少が、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。個人顧客を主要な購買層とするものについては、個人顧客のライフスタイルや嗜好の変化、可処分所得の増減等により販売数量が左右されやすい性質を持っています。これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向等、個人消費に影響を与える諸要因によって大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、それに対応した当社グループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合や、これらの悪化要因に対応した製品を適時に開発、製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国の政府・官公庁等の公的機関や企業等の法人顧客を主要な購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向等によって販売量が左右され、それによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは、発生の時期・内容・規模・地域等が不明確であり、事前に影響の測定が困難なものですが、当社グループは当社グループの予測からの変化を常にモニタリングし、日々のオペレーション対応からコンティンジェンシープランの実施まで、リスク規模に合わせた迅速でフレキシブルな対応をリスクマネジメントプランに則り対応し、リスクの回避又は影響の最小化を図っています。ただし、国際紛争やパンデミックの長期化・拡大等により、当社グループが想定する規模や期間を上回る経済環境の変化(悪化)があった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの売上収益に占める海外向の割合は5割以上あり、拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて連結財務諸表作成にあたり海外の現地通貨建ての資産・負債等が円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの為替感応は、ユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化します。また、金利の変動は、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、一部の通貨においては各国規制等によりヘッジできていない取引及び債権・債務が存在するものの、当社グループの経営成績等の全体に及ぼす影響は限定的になっています。しかしながら、主要通貨において当社グループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 顧客の資金状況・財務状況について当社グループは、代金後払いの条件で顧客へ製品等の販売を行っている取引があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し当社グループは、取引先毎の財務状況調査により財務体力に応じた与信限度の設定、L/C取引、取引信用保険の付保等の対応を行いリスクの回避に努めています。 ⑦ 業界動向の変化当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化等を含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、同一業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を超えた新たな市場開拓と機会を秘めています。そのような状況下、競合他社による組織再編やM&Aにより、同一業界内又は隣接する業界やその他の業界における企業間での地位や競争の構造が変化し、あるいは業界内でのビジネススキームの変化や標準規格の変更等が生じることにより、当社グループが規模のメリット、技術開発力、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達、生産地、販路、持続可能性の評価等において劣後することとなり、業界における現在の地位を維持できなくなる可能性があります。あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編等により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持し発展していくことができるとの保証は無く、係る場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、業界他社動向を常に注視しつつ、他社にない製品・サービスの開発を推進し、業界の変化に左右されない地位の維持、拡大に努めています。 ⑧ 市場における競争の激化当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の新興企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。当該リスクに対し、当社グループは、各事業分野において、企業方針に基づき、顧客価値創造を目指した高付加価値な製品及びサービスの企画を継続し、競合優位な企業を目指します。 ⑨ 技術革新における競争について技術革新が重要な競争要因になっているなかで、当社グループとして絶えず研究開発活動への資金・資源を投入し続ける必要があります。当社グループの新たな製品開発に必要、又は市場から要求される必要な技術は常に高度化していると共に、近年では、持続可能な社会実現への期待も増してきており、技術の高度化や持続可能な社会への貢献に伴いそれらの対応に要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがそのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術や社会的責任を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。更には、予測を超える広範・大規模な技術革新や社会的要請に急激な変化が起こった場合、研究開発活動等に十分な資金・資源の投入ができない場合及び有能かつ熟練した研究開発要員を確保できず、あるいは外部に流出してしまった場合には、十分な商品化開発が進まず、売上収益を確保できないリスクがあります。また、構成部品の市況変化による高騰等から総原価が増大した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、リスクを最小化するために、変化する市場環境、社会的要請、技術トレンド、構成部品及び第三者ソリューションの市況を含めた技術開発・製品化ロードマップを適時改訂するとともに、技術者の人財能力育成も計画的なプログラムを実施し、発生し得るリスクを早期に察知・可視化するモニタリング活動を重要視して事業活動を展開していきます。 ⑩ 国際的な事業活動におけるリスク当社グループは海外で幅広くビジネスを展開しており、現地における労使関係、宗教や文化、規制の相違、政情・経済上の不安、商慣習等に関する障害や、予期しない会計基準や法規制の導入、持続可能性の評価要件の違い、税務当局との見解の相違等により、コスト、税負担のほか、事業活動上の様々な障害や制約に晒される可能性があります。また、国内外での製品輸入通関申告手続について適切な関税分類に従って実施していますが、輸出国の通関当局との見解の相違により、通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、各国関連子会社、地域経済団体、当局、弁護士、コンサルタント等との間で情報共有又は連携し、また、AEO特定輸出申告制度に係る法令遵守規則を規程化の上、安全管理と法令遵守に関する従業員研修を定期的に実施する等、事前の必要な対策とリスクが顕在化した際の影響の最小化に向けた準備・対応を行うとともに、持続可能な社会の実現に向けてグループ一体となって取り組んでいきます。 (2)事業オペレーションにともなうリスク① 情報セキュリティリスクについて当社グループは、お客様の個人情報、取引情報及びサプライチェーンパートナー企業との間で交換される重要な機密情報を扱っています。このような情報が、標的型サイバー攻撃等の悪意ある行為や不注意により外部に流出するリスクは常に存在します。さらに、当社グループの商品ラインナップには、外部デバイスやメディアとネットワークを経由し連携する商品やサービスが含まれています。これらの商品やサービスには、サイバー攻撃等による誤動作を引き起こすセーフティリスク、デバイス操作情報の流出によるセキュリティリスク、そして接続しているシステムや製品が正常に処理できないリライアビリティリスク等が存在します。このようなリスクが現実となった場合、顧客や関係者への損害賠償、対応に必要なコスト、さらには当社グループ及びサービスに対する社会的信頼の損失といった事象が起こり得ます。これらは、当社グループの事業、業績、そして財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。そこで、当社グループは、このような情報の取り扱いに際して、その安全性を確保することを最優先事項と、情報セキュリティの維持は、当社事業の継続性及び社会的信頼の確保に直接関わる重要な要素と位置づけています。現在、情報セキュリティの3要素(機密性・完全性・可用性)の維持を目標として、CISO(Chief Information Security Officer)指導のもと、JK-CIRT/CC(JVCKENWOOD Central Incident Response Team /Coordination Center)を中心に、情報セキュリティインシデント対応チームの体制を構築しています。体制は各SIRT(5つのカテゴリー(※)で構成される情報セキュリティインシデント対応チーム)を全社に機能配置し、情報セキュリティインシデントへの迅速な対応にあたっています。これら各SIRTは本社部門や事業関連部門と連携し、社内の通信インフラ、開発ツール、サーバ、クラウド、ポータブル記録デバイスに至るまで、製品及びサービスのセキュリティ体制の強化を進めています。加えて、社内規程の定期見直し、セキュリティポリシーの遵守を通じて、継続的な情報セキュリティ管理体制の見直しと改善に努めています。また、一般的な情報セキュリティ教育とは別に、技術部門に対する専門性の高いセキュリティ技術講習を実施し、全社的な情報セキュリティリテラシーと技術力向上を図っています。今年度の情報セキュリティインシデントは人為的な事案が多く発生しました。新たに実施しているセキュリティ施策への理解と重要性を再度セキュリティ教育の一環としてリテラシー向上を目指します。また2024年2月に発生した生産拠点でのインシデントを受け、CSIRT/FSIRT協力し生産拠点のセキュリティ管理見直しと改善を推進しています。引き続き、お客様とサプライチェーンパートナー企業様からの信頼を基盤とし、これら情報セキュリティの維持と向上に取り組み、安全かつ信頼性の高いサービス提供に尽力していきます。(※)5つのカテゴリ:C(コンピュータ)、P(プロダクト)、F(ファクトリー)、S(サービス)、Pr(プロキュアメント) ② ITシステムの安定的な稼働ができないリスクについて製造、販売などの事業運営を司る基幹ITシステムが安定的に稼働できない場合に、当社グループの事業、業績、そして財務状況に影響を及ぼす可能性があります。システム障害、データ損失に対しては、データセンターやSaaS(Software as a Service)システムの高度なセキュリティ対策と冗長化されたインフラストラクチャによりシステムのダウンタイムを最小限に抑えるとともに、定期的なデータバックアップより業務継続性の維持を推進しています。また、サイバー攻撃に対しては、ゼロトラストを基本概念としたネットワークの境界を超えたセキュリティ対策の強化によりITシステムの安定的な稼働を推進しています。これらの対策を確実に実行するために、大規模災害やパンデミック、サイバー攻撃などの緊急事態に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、訓練を通じて定期的な見直しを行っています。 ③ 品質問題の発生について当社グループは、様々な製品を製造・販売しており、その製品の特性上、製品に欠陥が発生し、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)が発生する可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、企画・開発・生産の各工程において、品質を重視した各プロセスの基準遵守と有効なフェイズゲートを設け、品質に問題が生じぬよう徹底したチェックを行っています。しかし、それでも品質問題が起こる可能性はゼロではないため、製造物賠償責任保険へ加入しています。併せて、重大製品事故(PL(Product Liability:製造物責任)法問題含む)を含む品質問題防止にむけた全社の取り組みとして、1)新機種の製品安全評価、2)重要安全部品管理強化、3)製品安全マネジメント体制の維持・強化(PL情報のデータベース化及びオペレーション明確化と迅速化)、4)品質向上・安全性確保に向けた設計及び評価ノウハウの全社共有の推進をしています。また、上記仕組みの構築だけでなく品質月間等のイベント実施や定期的に社内外の品質情報を社内展開する等、従業員の品質に対する意識の向上を図っています。 しかしながら、このような努力をもってしても、当社グループの製品の欠陥を完全に防止できるものではなく、また、製造物責任の範囲が当社グループの加入する製造物賠償責任保険の対象範囲を超える等、当社グループの想定を超える場合には、賠償責任の可能性や、品質対策費用の発生、更には当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下等を引き起こし、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人材の確保、喪失、高齢化当社グループの全ての事業活動の成果の多くは人材に大きく依存しています。特に高度な専門知識や経験を持った有能かつ熟練した従業員が賃金水準、待遇の相対的低下、労働環境の悪化等の事情によって当社グループ外に流出した場合や、人員構成比率の高い50代の従業員が退職した後の人材補充が適正に行われない場合や省人化による生産性向上が十分でない場合には、当社グループの将来の事業活動に悪影響を与え、技術や業務ノウハウの伝承が円滑に行われず、企業競争力の低下を招く等、事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、「VISION2025」で掲げている、経営戦略と人材戦略の連動やエンゲージメントの向上を柱とした人的資本経営の実践にむけて、人材の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、異なる考え方を受け入れる(インクルージョン)、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とそれを可能にする制度作りに積極的に取り組んでいます。多様な発想や価値観を持った人々が互いを尊重し、刺激し合うことで、革新的なアイデアが生みだされ、それにより世界中のお客さまの多様なニーズに応えることができると考えます。また、当社グループは「VISION2025」の達成に向けて「新卒採用の拡充」「中途採用の多角的実施」等により多様な人材を確保するとともに、「JVCKENWOOD CAREER DESIGN]というプログラムを立ち上げ、従業員のキャリアパスの見える化やキャリア相談機会の創出に力を入れることで従業員のキャリア開発を促進し、テレワークと出社を効率よく行うハイブリッドワークを中心とした働き方改革との相乗効果で、従業員の定着と年齢構成の適正化、リバランスを進め、企業競争力の維持、事業継承に対するリスク低減に取り組んでいます。 ⑤ M&A・他社との提携の成否当社グループは、新製品・サービスの提供や、企業価値の向上、新たな事業展開を目的とし、他社とのパートナーシップが必要と判断した場合には、M&A、業務・資本提携や合弁会社設立等を行っています。実施に当たっては、リスク分析、当社グループとの相乗効果の可能性等十分に検討を行い進めていますが、市場や競合関係、技術イノベーションの変化等において著しい変化があった場合、当初想定した成果を出すことができず、投資額を回収できなくなる可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合等、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合等には、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 持分法適用関連会社の業績・財務状況当社グループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)財務・会計に関するリスク① 有利子負債に付された財務制限条項を維持できない場合当社グループの有利子負債に係るコミットメントライン契約及びターム・ローン契約には財務制限条項を含む期限前弁済条項が付されており、これらの条件が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があり、その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、キャッシュ・マネージメント・システム等によるグループ資金の効率化を図り、有利子負債を圧縮するとともに、主要取引金融機関との関係強化に努めています。 (4)法的規制に関するリスク① 法的規制当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。今後こうした法的規制がより厳格となったり、技術的観点や経済的観点等から当社グループがこれらの法的規制に従うことが困難となった場合には、事業活動が制限を受けたり、法規制等を遵守するための費用が増加するリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、事業活動に纏わる全ての関連法規に基づき、それらに則ったプロセスや結果となっているか厳重なチェック体制を維持するとともに、現場管理者向け研修等を定期的に実施して、その重要性を現場に浸透させ、対応を進めることに努めています。 ② コンプライアンス当社グループは、全世界で業務を遂行するにあたり、各国のさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらを遵守すべく、役員・従業員へのコンプライアンス意識の向上と体制構築に努めています。しかしながら、これらに対する違反等が発生する可能性は皆無と言えず、発生した場合には、社会的信用を失い、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準及び諸規程を整備するとともに、それらの実効性を確保するために適宜見直しを行っています。さらに、運用状況のモニタリング、コンプライアンス研修等を通じた規程の制定/改定等についての教育・指導を行っています。 ③ 知的財産権現在、他社から使用許諾を受けている特許等の知的財産権について、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりすることで、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図せず第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の低下を引き起こすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、本社知的財産部が中心となり、他社特許権を侵害しない管理体制の構築・運用等全社的に知的財産リスクの回避に取り組むとともに、強化に努めています。 ④ 過重労働、安全配慮義務違反過重労働や安全配慮義務違反により、人財喪失や損害賠償責任等の直接的な損害が発生しうることに加え、当社グループに対する社会的評価の低下やブランドイメージ悪化につながるリスクがあります。当該リスクに対し、当社は日々の残業労働時間確認に加え、人事部門においても残業労働時間の全部門確認を行い、経営層との状況共有や対策実施を行っています。また、年休取得やストレスチェックの実施により従業員の健康維持に注力した取り組みを組織的に行っています。加えて、テレワークが増える昨今の状況を考慮し、PCログの取得や休日、深夜早朝時間帯における就労申請外勤務者のPCロック等のIT施策を加え就労状況の見える化に取り組んでいます。 ⑤ 環境保護について当社グループは、気候変動、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染等に関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の遵守義務が生じており、これらの対応等に関連する費用負担や事故、法令抵触事項等が発生した場合の賠償により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。またRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等、環境に関する規制の見直しにより、有害物質等を除去する義務が更に追加された場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が自然環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対し、当社グループは、地球環境保全を念頭に適宜改正される製品及び事業所の環境関連法令への対応に努めており、必要な情報を常に収集し、当社の製品及びサービスへの対応を図っています。また、気候変動をはじめとした中長期的な視点での環境関連リスクと機会の特定を行い、当社の事業への影響とその対応について検討、開示を行っています。 (5)災害等に関するリスク① 自然災害、人的災害当社グループは、日本国内及び東南アジア・中国地区をはじめとして海外にも生産拠点を保有し、各国の営業拠点等を通じて世界中のお客様に製品を供給しています。そのため、予測が難しい自然災害(地震、津波、火災、洪水等)、感染症によるパンデミック等、又は火災や爆発、輸送機関の事故及び戦争、騒乱、騒擾等の人的災害が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、事業活動が中断され、更には当社グループの拠点のみならず、部品調達先や取引先、ロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて防災訓練・事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から役員・従業員の防災意識向上に取り組んでいます。このような当社グループ一体となった事業継続、災害からの早期復旧と、生産・出荷・サービス提供の迅速な再開など、リスク最小化に向けた事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を進めています。また、国内外の工場においても該当国の規制を遵守し、稼働停止による当社グループに対する影響を最小限に抑える活動を推進していますしかしながら、感染症や自然災害、人的災害の発生などに対しては、一企業グループとして最善と考えられる施策を展開した場合でも、そのリスクを完全に回避することは困難であり、当社の想定を上回る被害が生じた場合等においては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

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