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マブチモーター(6592)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

マブチモーターグループは、小型モーターの製造・販売を主な事業としています。自動車のパワーウィンドウやドアロック、家電製品の電動歯ブラシやロボット掃除機、医療機器、プリンターなど、幅広い製品にモーターを提供しています。日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパに拠点を持ち、部品の供給から製品の製造・販売までを一貫して行い、グローバルに収益を上げています。特に、自動車電装機器向けとライフ・インダストリー機器向けのモーターが主力製品です。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

マブチモーターグループは、「日本」「アジア」「アメリカ」「ヨーロッパ」の4つの地域別セグメントで事業を展開しています。日本セグメントは、部品や生産設備の供給、製品の仕入れ・販売を担います。アジアセグメントは、主に製品の製造・販売を行い、グループ全体の売上と営業利益の大部分を占める稼ぎ頭です。アメリカセグメントとヨーロッパセグメントは、それぞれ北米市場と欧州市場でのモーター販売や輸出販売支援サービスを提供しています。特にアジアが収益の柱であり、グローバルに事業を展開していることが特徴です。

2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 243 99 40.7%
Asia 地域 940 156 16.6%
UnitedStates 事業 359 7 2.0%
Europe 地域 462 -8 -1.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,572 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び子会社36社(うち連結子会社35社)で構成されており、自動車電装機器及びライフ・インダストリー機器に使用される小型モーターの製造・販売を主な事業とし、これに付帯する事業を営んでおります。 主要製品の用途は、次のとおりであります。区分用途自動車電装機器[中型モーター]パワーウインドウ、パーキングブレーキ、パワーシート、バルブ、ウインドウウォッシャーポンプ、サンルーフ、シートベルトプリテンショナー、ステアリング位置調整、ドアクローザー、ランバーサポート、駆動系シフトバイワイヤー[小型モーター]ドアミラー、ドアロック、エアコンダンパー、ヘッドライト、グリルシャッター、操作系シフトバイワイヤー、ステアリングロック、ハプティクスデバイス、トランクオープナー、フューエルリッドオープナー、EV充電ケーブルロック、フラッシュドアハンドルライフ・インダストリー機器[健康・医療機器]歯ブラシ、血圧計、マッサージャー、呼吸療法装置[家電機器・工具]理美容関連 ・シェーバー、ヘアードライヤー、脱毛器、バリカン家電・工具・住設 ・コードレスクリーナー、ロボット掃除機、コーヒーメーカー、電動工具、電気錠[精密・事務機器]インクジェットプリンター、複写機・複合機(MFP)、レーザープリンター、自動販売機、フォトプリンター[その他]AGV、AMR、移動体、協調ロボット、自動製氷機、芳香発生器、玩具、模型 当社グループの事業に係る位置づけは、次のとおりであります。 なお、当社グループは、小型モーターの生産・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本」、「アジア」、「アメリカ」及び「ヨーロッパ」の4つを報告セグメントとしております。当社、マブチモーターオーケン株式会社(マブチオーケン)、マブチオービーギアシステム株式会社(マブチオービーギアシステム)、マブチモーターマイクロテック株式会社(マブチマイクロテック)、株式会社アダチ・プロテクノ及びマブチモーターエンジニアリング株式会社(マブチエンジニアリング)は「日本」セグメント、マブチモーターアメリカコーポレーション(アメリカマブチ)及びマブチモーターメキシコエスエーデシーブイ(メキシコマブチ)は「アメリカ」セグメント、マブチモーターヨーロッパゲーエムベーハー(ヨーロッパマブチ)、マブチモーターポーランドエスペーゾー(ポーランドマブチ)及びマブチモーターエレクトロマグエスエー(マブチエレクトロマグ)は「ヨーロッパ」セグメント、その他の関係会社は「アジア」セグメントに属しております。[当社] 関係会社へ部品及び生産設備を供給し、関係会社からモーター(以下「製品」という。)を仕入れ、国内及び世界各国へ販売しております。[関係会社](製品製造・販売) 当社及び関係会社または市場から、部品及び生産設備を調達し、製品を生産。当社、関係会社及び地場・近隣市場へ販売しております。その他、部品及び生産設備を生産し、関係会社へ供給しております。[会社]華淵電機工業股份有限公司(台湾マブチ)、万宝至馬達(東莞)有限公司(東莞マブチ)、万宝至馬達大連有限公司(大連マブチ)、東莞道ジャオ万宝至馬達有限公司(道ジャオマブチ)、万宝至馬達(江蘇)有限公司(江蘇マブチ)、万宝至馬達(江西)有限公司(江西マブチ)、万宝至馬達瓦房店有限公司(瓦房店マブチ)、マブチモーターベトナムリミテッド(ベトナムマブチ)、マブチモーターダナンリミテッド(ダナンマブチ)、マブチモーターメキシコエスエーデシーブイ(メキシコマブチ)、マブチモーターポーランドエスペーゾー(ポーランドマブチ)、マブチモーターエレクトロマグエスエー(マブチエレクトロマグ)、マブチモーターオーケン株式会社(マブチオーケン)、万宝至応研精工電子(大連)有限公司(マブチオーケン大連)、マブチモーターオーケンベトナムカンパニーリミテッド(マブチオーケンベトナム)、マブチオービーギアシステム株式会社(マブチオービーギアシステム)、万宝至奥美歯輪系統(香港)有限公司(マブチオービー香港)、万宝至奥美歯輪系統(深圳)有限公司(マブチオービー深圳)、奥美工業(深圳)有限公司、宝至奥美歯輪系統(青島)有限公司(マブチオービー青島)、マブチオービーフィリピンインク(マブチオービーフィリピン)、マブチオービーベトナムリミテッド(マブチオービーベトナム)、マブチモーターマイクロテック株式会社(マブチマイクロテック)、株式会社アダチ・プロテクノ(部品及び生産設備製造) 部品及び生産設備を生産し、関係会社へ供給しております。[会社]華淵電機工業股份有限公司(台湾マブチ)、萬寶至馬達股份有限公司(高雄マブチ)、万宝至馬達(東莞)有限公司(東莞マブチ)、万宝至馬達大連有限公司(大連マブチ)、マブチモーターベトナムリミテッド(ベトナムマブチ)、万宝至精工部件(江門)有限公司(江門マブチ)、マブチモーターエンジニアリング株式会社(マブチエンジニアリング)(モーター販売) 当社から製品を仕入れ、それぞれ南・北アメリカ市場、アジア市場、欧州市場へ販売するほか、当社が直接行う輸出販売活動の支援サービスを行っております。[会社]萬寶至實業有限公司(香港マブチ)、マブチモーターアメリカコーポレーション(アメリカマブチ)、マブチモーターシンガポールプライベートリミテッド(シンガポールマブチ)、マブチモーターヨーロッパゲーエムベーハー(ヨーロッパマブチ)、マブチモーターコリアカンパニーリミテッド(韓国マブチ)、マブチモータータイランドカンパニーリミテッド(タイマブチ)、マブチモーターインディアプライベートリミテッド(インドマブチ) (地域統括及びモーター販売) 当該地区でのマーケティング活動及び関係会社の統括管理並びに当社から製品を仕入れ、中国市場へ販売するほか、当社が直接行う輸出販売活動の支援サービスを行っております。[会社]万宝至(上海)管理有限公司(マブチモーターチャイナ) ※ 事業の系統図は、次のとおりであります。 ※ その他、非連結子会社が国内に1社存在します。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
電気・電子機器、機械等製造業界における厳しい価格競争、中国競合メーカーの台頭。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
小型モーターの製造・販売における技術力、新製品・新技術の開発力。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済状況の変化と需要の縮小 / 為替レートの変動(特に米ドルに対する円高) / 新製品・新技術の開発の不確実性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

マブチモーターは、小型モーター分野における長年の実績と信頼性で一定のブランドを築いている。しかし、特許や独自技術の公開情報は限定的であり、明確な無形資産としての強みは現時点では弱い。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車メーカーや家電メーカーは、マブチモーターの小型モーターを主要部品として採用しており、サプライヤー変更には製品設計の変更や認証プロセスの再取得が必要となるため、一定のスイッチング・コストが発生する。特に自動車分野では品質・信頼性への要求が高く、乗り換えは容易ではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

小型モーターの製造・販売事業には、ユーザーが増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に存在しない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産ノウハウと、グローバルな生産拠点(アジア中心)の最適化により、コスト競争力を維持していると考えられる。特に、大量生産による規模の経済と効率的なサプライチェーン管理がコスト優位性の源泉となっている可能性がある。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

小型モーター市場において、マブチモーターは世界トップクラスのシェアを誇る。自動車、OA機器、家電など多岐にわたる分野で圧倒的な生産能力と供給実績を持ち、業界規模に対して最適な少数寡占を形成していると言える。

マブチモーターは、自動車電装機器やライフ・インダストリー機器といった多岐にわたる用途で小型モーターを提供しており、幅広い市場ニーズに対応できる点が強みです。長年にわたるモーター開発・製造で培われた技術力と品質管理体制(ISO9001, IATF16949認証取得)により、高品質な製品を安定供給しています。また、グローバルな生産・販売体制を構築しており、世界5極体制での情報収集と対応力も競争優位性につながっています。製品設計段階からのコスト管理や生産技術改善による体系的なコストダウンも強みです。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は、人々の豊かな生活を支える小型モーターのリーディングカンパニーであり続けるために、新たな成長段階に向けた創造活動を続けております。 経営理念:「国際社会への貢献とその継続的拡大」は、当社の遺伝子であり、創業当時から未来永劫受け継がれて行く当社経営の根幹をなす考え方であります。この「経営理念」の実現に至る道筋を「マブチの経営ビジョン」としてまとめ、グループ全体で共有しております。 経営ビジョンは、「経営理念」に基づく貢献をどのように捉え、いかに具現化するかを「経営基軸」で明確にするとともに、企業活動を遂行する際の行動指針を「経営指針」として明示しております。 経営基軸経営上の意思決定を行ううえでの「規範」となる考え方で、次のとおりであります。① より良い製品をより安く供給することにより、豊かな社会と人々の快適な生活の実現に寄与する② 広く諸外国において雇用機会の提供と技術移転を行い、それらの国の経済発展と国際的な経済格差の平準化に貢献する③ 人を最も重要な経営資源と位置付け、仕事を通じて人を活かし、社会に役立つ人を育てる④ 地球環境と人々の健康を犠牲にすることのない企業活動を行う 経営指針 経営指針は、「小型モーターの専門メーカーとしてその社会的ニーズを的確に把握し、それに即した製品をより早く、より安く、安定的に供給する」ための当社の企業活動を方向付けるとともに、企業としてどのような行動をとるべきかを示すものであります。 また、海外拠点経営指針は、当社と進出国との共存共栄をベースとした、海外拠点経営の基本的な考え方を明示したものであります。 経営指針 ① 汎用性を重視した製品を開発し、その最適生産条件を整備する ② 価値分析に徹した製品の開発改良と部品・材料共通化を徹底する ③ 高度加工技術とムダの極小化によるコストダウンを追求する ④ 新市場を開拓し、適正占有率を確保する ⑤ 適材適所による人材の活用と業務を通じた人材育成を行う ⑥ 環境負荷の極小化と安全の追求を基本とした企業活動を推進する ⑦ 長期安定的視点に立つ経営施策を推進する 海外拠点経営指針 ① 長期的な視点に立ち、進出国との共存共栄を図る ② 各拠点の強みを活かした国際分業体制を確立し、国際競争力を維持・拡大する ③ 社会への貢献を重視するマブチの企業文化の浸透と知識・技術の移転を推進する (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは2024年から2030年を対象期間とする新たな経営計画「経営計画2030」を策定いたしました。 財務指標と将来の財務に貢献する未財務指標(注)の双方を高めることにより、当社の考える企業価値として「マブチモーター・バリュー・ポイント(MVP)」の向上を目指していきます。マブチモーター・バリュー・ポイントは、2030年のガイダンスの達成によって得られるポイントを100ポイントと設定し、各年の達成率をポイントで表します。その達成率を見ながら、財務指標・未財務指標の双方を達成するための改善を通じて、企業価値の向上を図ります。(注)人的資本等の無形資産で現在は未だ財務的に貢献していないが、未来の業績に寄与する指標であり、当社グループにとって財務指標同様に重要なため、「非財務指標」ではなく、「未財務指標」と表現しております。 財務指標2030年 目標売上高3,000億円売上高営業利益率15%以上ROIC(注1)12%以上ROE(注2)10%以上 (注)1. ROIC=(営業利益×(1-実効税率))÷(売掛金+棚卸資産+固定資産(投資有価証券を除く)-買掛金) 2. 2026年実績分よりMVPの算入に追加 また、未財務指標の目標は下記の項目となっております。・温室効果ガス排出量削減率・サステナブルプロダクツの売上高成長率・SDGsに貢献する用途の売上高成長率・女性管理職比率・グローバル勤務経験者数・子供向け工作教室・出前授業等の参加者数・労働災害度数率・人権上の重大リスク件数 (3)会社の経営環境及び対処すべき課題 次期の見通しにつきましては、世界経済は、各国におけるインフレ圧力の緩和が継続しているものの、地政学的リスクの高まりを背景に各国間の貿易や投資が細る影響等により不透明感が増しており、成長ペースは僅かに鈍化するものと見込まれます。米国経済は、金融政策による個人消費の回復は期待されるものの、関税等の影響により先行きは不透明な見通しです。欧州経済は、個人消費の回復により緩やかな成長が見込まれますが、関税等の影響により輸出の停滞が懸念されます。中国経済は、不動産不況や個人消費の低迷から、引き続き成長ペースの鈍化が見込まれます。我が国経済は、所得環境の改善による個人消費の伸長や好調なインバウンド需要を背景に緩やかな回復が見込まれます。 当社グループの関連市場におきましては、自動車電装機器市場は、中国では自動車の買い替えに関する補助金政策が縮小することから、自動車生産台数は伸び悩む見通しです。その他の新興国では、特にインドにおいて自動車生産台数の成長が見込まれます。欧米では、主に関税政策に伴い需要が減退し、生産は伸び悩む見通しであり、世界の自動車生産台数は前期比で微減を見込んでおります。ライフ・インダストリー機器市場は、個人消費の低迷に加えて、採算性重視の方針により家電・工具・住設及び理美容用は低調となることが見込まれますが、健康・医療機器用の安定的な需要を背景に堅調な推移が見込まれ、新用途として注力しているマシーナリー及びモビリティ用の増加、並びにM&Aにより当社グループに加わった企業の貢献により全体として増加を見込んでおります。 このような経営環境下、当社グループは、次に述べます課題に取り組んでまいります。 ① 「動き」のソリューション提供による事業ポートフォリオの進化 当社はこれまで、小型直流モーター専業メーカーとして、お客様が求める真の価値を実現する高品質なモーターを「標準化戦略」によってリーズナブルな価格でご提供し、自動車電装分野からライフ・インダストリー分野まで人々の暮らしの利便性、快適性及び安全性の向上に幅広く貢献してまいりました。今後もお客様と社会への貢献を拡大するため、モーターを中心としつつ事業領域を拡大し、多様な「動き」のソリューションを提供することにより事業ポートフォリオを進化させ、事業の成長を図ります。当社は事業ポートフォリオの深化を実現するための事業コンセプトとして「e-MOTO」を掲げています。e-MOTOは、お客様と社会が望む多様な「動き」のソリューション提供を事業活動の目的とした事業コンセプトであり、近年増加するお客様からのユニット提供のご要望にも、回転に留まらない多様な「動き」を提供することで、ビジネス領域の拡大と付加価値向上の実現を目指しております。また、ユニット等のビジネス領域拡大においてはM&Aや外部提携を積極的に活用していく方針としております。 2025年4月には、高精度樹脂ギアメーカーであるマブチオービーギアシステムが当社グループに加わりました。精密成形の高い対応能力、グローバルでのワンストップ対応体制を獲得する事により、当社グループ一体となってお客様に最適なソリューションを提供してまいります。また、2025年7月には、ステッピングモーターをコアとした各種モーター及びアクチュエーターの専業メーカーであるマブチマイクロテックが当社グループに加わりました。ステッピングモーターを中心とする技術及び製品ラインナップを、当社の技術、販売チャネル及び顧客基盤と組み合わせることによりシナジーを生み出し、製品開発と市場開拓の推進による新規事業の創出と既存事業の拡大を図ってまいります。そして、2026年1月には、精密小型モーター及びモーションコントロール製品メーカーであるマブチNPMが当社グループに加わりました。モーターと制御系システムを組み合わせたモーションコントロールに関する高度な技術力と医療及び産業機器分野での豊富な知見と対応力の活用により、当社グループ一体となってお客様に最適なソリューションを提供してまいります。 当社が今後の成長に向けて特に注力する事業領域を、「モビリティ」「マシーナリー」「メディカル」の「3つのM領域」と定義しており、各領域において以下の通り取り組んでおります。 モビリティ:自動車電装分野では、EV化の進展に伴い、限られたバッテリーで航続距離を延ばすための電力消費量の削減が求められており、小型・軽量・高効率という当社モーターの付加価値を更に高め、開発・生産・販売を推進します。またバッテリーの熱管理に使用されるバッテリー冷却用のバルブ用途の需要が高まっており、ブラシ付モーターとブラシレスモーターの双方をラインナップしている当社の強みを活かし、ユニット対応を含めてお客様の要望に応じたソリューションを提供してまいります。ライフ・インダストリー分野では、移動体用ブラシレスモーターにおいて、アシスト自転車をはじめとする様々な用途にて受注を獲得しており、引き続き新たなお客様・用途を開拓し、拡販に取り組んでまいります。 マシーナリー:今後市場の拡大が見込まれるロボット市場では、人手不足の解消に貢献するような協調ロボットやヒューマノイド用途での拡販を目指し、中空構造のブラシレスモーター等のラインナップを拡充しており、今後も新規採用に向けた取り組みを進めてまいります。また産業機器に関しては、工業製品や食品等の生産過程における温室効果ガス排出量の削減が急務となっており、エア式や油圧式から、よりエネルギー変換効率の高い電動式へ切り替える動きが広まる中で、ベルトコンベア用で受注を獲得しました。今後もビジネス拡大に向けたソリューション提案を進めてまいります。 メディカル:健康・医療機器用途においては、高付加価値の歯ブラシ用モーターをはじめ、人々の健康に寄与する製品に注力しています。人工呼吸器及び歯科治療機器用モーター等を手掛けるマブチエレクトロマグの製品ラインナップ及び顧客基盤を足掛かりに、医療機器用途の取り組みを強化しております。また、主に健康・医療機器用の小型ポンプに強みを有するマブチオーケンとのシナジー創出を早期に実現し、医療機器用をはじめとする「3つのM領域」における、ユニット対応力とソリューション提案力を強化し、事業拡大に取り組んでまいります。 ② 自動車電装機器及びライフ・インダストリー機器用モーターの拡販 パワーウインドウ用モーターにつきましては、搭載車種の拡大に向けた取り組みを一層強化し、販売活動に注力することで、更なるシェア拡大を目指してまいります。パワーシート用モーターにおいては、日系大手のお客様をはじめ、ビジネスの更なる拡大に取り組むとともに、既存のお客様におけるシェアアップに取り組んでまいります。パーキングブレーキ及びドアクローザー用等のモーターについては、標準化戦略に基づき多用途への展開が可能な標準モーターの開発及び販売活動に取り組んでまいります。ミラー用をはじめとする当社が高い世界シェアを有する既存製品分野においては、新たな差別化技術を搭載した製品の投入により更なる販売の拡大に取り組んでまいります。 ライフ・インダストリー機器用においては、家電製品や健康・医療等の個人の生活に関する用途と、業務や産業に関する用途に向け、付加価値の高い製品を提供してまいります。産業機器用途において求められるモーターに強みを有するマブチマイクロテックを2025年7月より、マブチNPMを2026年1月より当社グループに加え、マシーナリー領域における拡販に取り組んでまいります。今後も、開発・生産・販売のあらゆる面でのシナジー創出に取り組み、ライフ・インダストリー機器用途全体の成長へつなげてまいります。 ③ マブチグローバル経営によるグローバルリスクマネジメント 当社は、各海外拠点の自主・自立性を向上させ地産地消を推進する「世界5極事業体制」に、拠点間の人材の繋がり及び多様な価値観を活用する「ダイバーシティ」を強みとする「マブチグローバル経営」を推進しております。本社・各拠点間の人材交流を促すための基盤となる人事制度の整備及び各種情報共有や拠点をまたぐ会議体の設定等を通じてグループレベルで相互理解と協力を促進し、グループ各拠点の横の繋がりを強化することに加えて、各拠点内における縦の繋がりを強化するための方針展開施策、教育及び階層を超えたコミュニケーション施策等により会社方針や価値観の理解・共有を図っております。各拠点において強固な開発・生産・販売体制を構築することにより、変化の大きい市場環境においても高品質な製品をリーズナブルな価格で安定的に供給できるよう、グローバルレベルでのリスクマネジメントを推進してまいります。 ④ サステナビリティへの取り組み 当社では、SDGs(持続可能な開発目標)を、人を大切にしながら経済的にも成長できる目標と捉えております。2030年を最終年度とするサステナビリティ目標を設定し、「地球環境を犠牲にすることのない企業活動」「豊かな社会と人々の快適な生活を実現するものづくり」「すべての人が活躍できる環境の実現」「社会的責任の遂行」をマテリアリティ(重要課題)として、事業活動を通じた地球環境や社会課題の解決に向けた積極的な取り組みを継続しています。気候変動への取り組みとして、2050年のカーボンニュートラルに向けた活動を推進しており、目標達成に向け、再生可能エネルギーの更なる活用や環境へ配慮した製品創出の取り組み等の具体的な施策を加速いたします。また、2025年9月にSBT認定を取得し、温室効果ガス排出量に関してScope1,2は2030年までに2023年比42%削減の新たな目標設定を、またScope3はカテゴリ1及び11に新たな目標を設定し、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減目標達成に向けた施策を推進してまいります。社会面での取り組みとしては、SDGsに貢献する製品の販売拡大やお取引先様を含むサプライチェーン全体でのCSR活動、人権への取り組み、また次世代を担う子どもたちが科学への関心を深める活動を推進してまいります。今後も、国際社会が直面している課題の解決に事業を通じて貢献することにより、経営理念「国際社会への貢献とその継続的拡大」の実現を目指し、グループの総力を挙げて取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は、人々の豊かな生活を支える小型モーターのリーディングカンパニーであり続けるために、新たな成長段階に向けた創造活動を続けております。 経営理念:「国際社会への貢献とその継続的拡大」は、当社の遺伝子であり、創業当時から未来永劫受け継がれて行く当社経営の根幹をなす考え方であります。この「経営理念」の実現に至る道筋を「マブチの経営ビジョン」としてまとめ、グループ全体で共有しております。 経営ビジョンは、「経営理念」に基づく貢献をどのように捉え、いかに具現化するかを「経営基軸」で明確にするとともに、企業活動を遂行する際の行動指針を「経営指針」として明示しております。 経営基軸経営上の意思決定を行ううえでの「規範」となる考え方で、次のとおりであります。① より良い製品をより安く供給することにより、豊かな社会と人々の快適な生活の実現に寄与する② 広く諸外国において雇用機会の提供と技術移転を行い、それらの国の経済発展と国際的な経済格差の平準化に貢献する③ 人を最も重要な経営資源と位置付け、仕事を通じて人を活かし、社会に役立つ人を育てる④ 地球環境と人々の健康を犠牲にすることのない企業活動を行う 経営指針 経営指針は、「小型モーターの専門メーカーとしてその社会的ニーズを的確に把握し、それに即した製品をより早く、より安く、安定的に供給する」ための当社の企業活動を方向付けるとともに、企業としてどのような行動をとるべきかを示すものであります。 また、海外拠点経営指針は、当社と進出国との共存共栄をベースとした、海外拠点経営の基本的な考え方を明示したものであります。 経営指針 ① 汎用性を重視した製品を開発し、その最適生産条件を整備する ② 価値分析に徹した製品の開発改良と部品・材料共通化を徹底する ③ 高度加工技術とムダの極小化によるコストダウンを追求する ④ 新市場を開拓し、適正占有率を確保する ⑤ 適材適所による人材の活用と業務を通じた人材育成を行う ⑥ 環境負荷の極小化と安全の追求を基本とした企業活動を推進する ⑦ 長期安定的視点に立つ経営施策を推進する 海外拠点経営指針 ① 長期的な視点に立ち、進出国との共存共栄を図る ② 各拠点の強みを活かした国際分業体制を確立し、国際競争力を維持・拡大する ③ 社会への貢献を重視するマブチの企業文化の浸透と知識・技術の移転を推進する (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは2024年から2030年を対象期間とする新たな経営計画「経営計画2030」を策定いたしました。 財務指標と将来の財務に貢献する未財務指標(注)の双方を高めることにより、当社の考える企業価値として「マブチモーター・バリュー・ポイント(MVP)」の向上を目指していきます。マブチモーター・バリュー・ポイントは、2030年のガイダンスの達成によって得られるポイントを100ポイントと設定し、各年の達成率をポイントで表します。その達成率を見ながら、財務指標・未財務指標の双方を達成するための改善を通じて、企業価値の向上を図ります。(注)人的資本等の無形資産で現在は未だ財務的に貢献していないが、未来の業績に寄与する指標であり、当社グループにとって財務指標同様に重要なため、「非財務指標」ではなく、「未財務指標」と表現しております。 財務指標2030年 目標売上高3,000億円売上高営業利益率15%以上ROIC(注1)12%以上ROE(注2)10%以上 (注)1. ROIC=(営業利益×(1-実効税率))÷(売掛金+棚卸資産+固定資産(投資有価証券を除く)-買掛金) 2. 2026年実績分よりMVPの算入に追加 また、未財務指標の目標は下記の項目となっております。・温室効果ガス排出量削減率・サステナブルプロダクツの売上高成長率・SDGsに貢献する用途の売上高成長率・女性管理職比率・グローバル勤務経験者数・子供向け工作教室・出前授業等の参加者数・労働災害度数率・人権上の重大リスク件数 (3)会社の経営環境及び対処すべき課題 次期の見通しにつきましては、世界経済は、各国におけるインフレ圧力の緩和が継続しているものの、地政学的リスクの高まりを背景に各国間の貿易や投資が細る影響等により不透明感が増しており、成長ペースは僅かに鈍化するものと見込まれます。米国経済は、金融政策による個人消費の回復は期待されるものの、関税等の影響により先行きは不透明な見通しです。欧州経済は、個人消費の回復により緩やかな成長が見込まれますが、関税等の影響により輸出の停滞が懸念されます。中国経済は、不動産不況や個人消費の低迷から、引き続き成長ペースの鈍化が見込まれます。我が国経済は、所得環境の改善による個人消費の伸長や好調なインバウンド需要を背景に緩やかな回復が見込まれます。 当社グループの関連市場におきましては、自動車電装機器市場は、中国では自動車の買い替えに関する補助金政策が縮小することから、自動車生産台数は伸び悩む見通しです。その他の新興国では、特にインドにおいて自動車生産台数の成長が見込まれます。欧米では、主に関税政策に伴い需要が減退し、生産は伸び悩む見通しであり、世界の自動車生産台数は前期比で微減を見込んでおります。ライフ・インダストリー機器市場は、個人消費の低迷に加えて、採算性重視の方針により家電・工具・住設及び理美容用は低調となることが見込まれますが、健康・医療機器用の安定的な需要を背景に堅調な推移が見込まれ、新用途として注力しているマシーナリー及びモビリティ用の増加、並びにM&Aにより当社グループに加わった企業の貢献により全体として増加を見込んでおります。 このような経営環境下、当社グループは、次に述べます課題に取り組んでまいります。 ① 「動き」のソリューション提供による事業ポートフォリオの進化 当社はこれまで、小型直流モーター専業メーカーとして、お客様が求める真の価値を実現する高品質なモーターを「標準化戦略」によってリーズナブルな価格でご提供し、自動車電装分野からライフ・インダストリー分野まで人々の暮らしの利便性、快適性及び安全性の向上に幅広く貢献してまいりました。今後もお客様と社会への貢献を拡大するため、モーターを中心としつつ事業領域を拡大し、多様な「動き」のソリューションを提供することにより事業ポートフォリオを進化させ、事業の成長を図ります。当社は事業ポートフォリオの深化を実現するための事業コンセプトとして「e-MOTO」を掲げています。e-MOTOは、お客様と社会が望む多様な「動き」のソリューション提供を事業活動の目的とした事業コンセプトであり、近年増加するお客様からのユニット提供のご要望にも、回転に留まらない多様な「動き」を提供することで、ビジネス領域の拡大と付加価値向上の実現を目指しております。また、ユニット等のビジネス領域拡大においてはM&Aや外部提携を積極的に活用していく方針としております。 2025年4月には、高精度樹脂ギアメーカーであるマブチオービーギアシステムが当社グループに加わりました。精密成形の高い対応能力、グローバルでのワンストップ対応体制を獲得する事により、当社グループ一体となってお客様に最適なソリューションを提供してまいります。また、2025年7月には、ステッピングモーターをコアとした各種モーター及びアクチュエーターの専業メーカーであるマブチマイクロテックが当社グループに加わりました。ステッピングモーターを中心とする技術及び製品ラインナップを、当社の技術、販売チャネル及び顧客基盤と組み合わせることによりシナジーを生み出し、製品開発と市場開拓の推進による新規事業の創出と既存事業の拡大を図ってまいります。そして、2026年1月には、精密小型モーター及びモーションコントロール製品メーカーであるマブチNPMが当社グループに加わりました。モーターと制御系システムを組み合わせたモーションコントロールに関する高度な技術力と医療及び産業機器分野での豊富な知見と対応力の活用により、当社グループ一体となってお客様に最適なソリューションを提供してまいります。 当社が今後の成長に向けて特に注力する事業領域を、「モビリティ」「マシーナリー」「メディカル」の「3つのM領域」と定義しており、各領域において以下の通り取り組んでおります。 モビリティ:自動車電装分野では、EV化の進展に伴い、限られたバッテリーで航続距離を延ばすための電力消費量の削減が求められており、小型・軽量・高効率という当社モーターの付加価値を更に高め、開発・生産・販売を推進します。またバッテリーの熱管理に使用されるバッテリー冷却用のバルブ用途の需要が高まっており、ブラシ付モーターとブラシレスモーターの双方をラインナップしている当社の強みを活かし、ユニット対応を含めてお客様の要望に応じたソリューションを提供してまいります。ライフ・インダストリー分野では、移動体用ブラシレスモーターにおいて、アシスト自転車をはじめとする様々な用途にて受注を獲得しており、引き続き新たなお客様・用途を開拓し、拡販に取り組んでまいります。 マシーナリー:今後市場の拡大が見込まれるロボット市場では、人手不足の解消に貢献するような協調ロボットやヒューマノイド用途での拡販を目指し、中空構造のブラシレスモーター等のラインナップを拡充しており、今後も新規採用に向けた取り組みを進めてまいります。また産業機器に関しては、工業製品や食品等の生産過程における温室効果ガス排出量の削減が急務となっており、エア式や油圧式から、よりエネルギー変換効率の高い電動式へ切り替える動きが広まる中で、ベルトコンベア用で受注を獲得しました。今後もビジネス拡大に向けたソリューション提案を進めてまいります。 メディカル:健康・医療機器用途においては、高付加価値の歯ブラシ用モーターをはじめ、人々の健康に寄与する製品に注力しています。人工呼吸器及び歯科治療機器用モーター等を手掛けるマブチエレクトロマグの製品ラインナップ及び顧客基盤を足掛かりに、医療機器用途の取り組みを強化しております。また、主に健康・医療機器用の小型ポンプに強みを有するマブチオーケンとのシナジー創出を早期に実現し、医療機器用をはじめとする「3つのM領域」における、ユニット対応力とソリューション提案力を強化し、事業拡大に取り組んでまいります。 ② 自動車電装機器及びライフ・インダストリー機器用モーターの拡販 パワーウインドウ用モーターにつきましては、搭載車種の拡大に向けた取り組みを一層強化し、販売活動に注力することで、更なるシェア拡大を目指してまいります。パワーシート用モーターにおいては、日系大手のお客様をはじめ、ビジネスの更なる拡大に取り組むとともに、既存のお客様におけるシェアアップに取り組んでまいります。パーキングブレーキ及びドアクローザー用等のモーターについては、標準化戦略に基づき多用途への展開が可能な標準モーターの開発及び販売活動に取り組んでまいります。ミラー用をはじめとする当社が高い世界シェアを有する既存製品分野においては、新たな差別化技術を搭載した製品の投入により更なる販売の拡大に取り組んでまいります。 ライフ・インダストリー機器用においては、家電製品や健康・医療等の個人の生活に関する用途と、業務や産業に関する用途に向け、付加価値の高い製品を提供してまいります。産業機器用途において求められるモーターに強みを有するマブチマイクロテックを2025年7月より、マブチNPMを2026年1月より当社グループに加え、マシーナリー領域における拡販に取り組んでまいります。今後も、開発・生産・販売のあらゆる面でのシナジー創出に取り組み、ライフ・インダストリー機器用途全体の成長へつなげてまいります。 ③ マブチグローバル経営によるグローバルリスクマネジメント 当社は、各海外拠点の自主・自立性を向上させ地産地消を推進する「世界5極事業体制」に、拠点間の人材の繋がり及び多様な価値観を活用する「ダイバーシティ」を強みとする「マブチグローバル経営」を推進しております。本社・各拠点間の人材交流を促すための基盤となる人事制度の整備及び各種情報共有や拠点をまたぐ会議体の設定等を通じてグループレベルで相互理解と協力を促進し、グループ各拠点の横の繋がりを強化することに加えて、各拠点内における縦の繋がりを強化するための方針展開施策、教育及び階層を超えたコミュニケーション施策等により会社方針や価値観の理解・共有を図っております。各拠点において強固な開発・生産・販売体制を構築することにより、変化の大きい市場環境においても高品質な製品をリーズナブルな価格で安定的に供給できるよう、グローバルレベルでのリスクマネジメントを推進してまいります。 ④ サステナビリティへの取り組み 当社では、SDGs(持続可能な開発目標)を、人を大切にしながら経済的にも成長できる目標と捉えております。2030年を最終年度とするサステナビリティ目標を設定し、「地球環境を犠牲にすることのない企業活動」「豊かな社会と人々の快適な生活を実現するものづくり」「すべての人が活躍できる環境の実現」「社会的責任の遂行」をマテリアリティ(重要課題)として、事業活動を通じた地球環境や社会課題の解決に向けた積極的な取り組みを継続しています。気候変動への取り組みとして、2050年のカーボンニュートラルに向けた活動を推進しており、目標達成に向け、再生可能エネルギーの更なる活用や環境へ配慮した製品創出の取り組み等の具体的な施策を加速いたします。また、2025年9月にSBT認定を取得し、温室効果ガス排出量に関してScope1,2は2030年までに2023年比42%削減の新たな目標設定を、またScope3はカテゴリ1及び11に新たな目標を設定し、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減目標達成に向けた施策を推進してまいります。社会面での取り組みとしては、SDGsに貢献する製品の販売拡大やお取引先様を含むサプライチェーン全体でのCSR活動、人権への取り組み、また次世代を担う子どもたちが科学への関心を深める活動を推進してまいります。今後も、国際社会が直面している課題の解決に事業を通じて貢献することにより、経営理念「国際社会への貢献とその継続的拡大」の実現を目指し、グループの総力を挙げて取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1)経営成績当期における世界経済は、各国におけるインフレ圧力の緩和が進んだものの、物価の高止まりに伴う消費低迷や保護主義的な関税政策の影響が一部で見られ、低成長に留まりました。米国経済は、雇用情勢は悪化したものの、個人消費は堅調を維持し、底堅く推移しました。欧州経済は、インフレ圧力の緩和による個人消費の持ち直しが見られたものの、輸出の減少に伴う製造業の低迷やエネルギー価格の高止まりの影響等により、経済活動の回復ペースは緩慢なものに留まりました。中国経済は輸出が堅調であったものの、不動産不況の長期化に伴う内需低迷の影響等により成長ペースが鈍化しました。我が国経済は、インフレの影響はあったものの、所得環境の改善による個人消費の回復やインバウンド需要の継続的な伸長等により緩やかに回復しました。当社グループの関連市場におきましては、自動車電装機器市場は、一部の地域において販売の低迷が見られました。ライフ・インダストリー機器市場は、インフレ圧力の緩和に伴い個人消費の回復が見られ、全体として堅調に推移しました。このような景況下、当社は、「『動き』のソリューション提供による事業ポートフォリオの進化」、「自動車電装機器及びライフ・インダストリー機器用モーターの拡販」、「マブチグローバル経営によるグローバルリスクマネジメント」、「サステナビリティへの取り組み」等を課題に掲げ、取り組んでまいりました。具体的には、「アシスト自転車、ベルトコンベア及び半導体製造装置などの様々な用途で受注獲得」、「産業機器用途における拡販に向けてモーターのラインナップを拡大すべく、マブチマイクロテック及びマブチNPMをM&Aによりグループ会社化」、「モーターとギアを組み合わせたユニット対応力を向上すべく、マブチオービーギアシステムをM&Aによりグループ会社化」、「顧客サービスの向上と販売体制の強化、及び更なる販売拡大を目的に、インド共和国に販売会社を設立」等、売上とシェアの拡大、新市場の開拓及び高品質・高効率化の更なる進展に向けた諸施策を積極的に導入・実現し、将来の事業成長につながる成果を上げることができました。 (売上高) 当期の連結売上高は2,004億1千7百万円(前期比2.1%増)となりました。① 自動車電装機器市場 売上高は1,545億4千9百万円(前期比1.3%増)と増加しました。小型電装用途は、ミラー及びドアロック用が堅調な自動車生産を背景に増加し、グリルシャッター及び給油口用等の新しい用途も拡大しました。中型電装用途は、パーキングブレーキ用が堅調に推移、またバルブ用がプラグインハイブリッド車向けの需要拡大により増加、パワーウインドウ用は欧米向けで増加したものの台湾マブチでの旧世代製品の生産及び販売終了により全体として減少、パワーシート用は欧米及び中国顧客向けが減少したものの日系顧客向けが増加し、前期比で全体として増加しました。② ライフ・インダストリー機器市場 売上高は458億4百万円(前期比4.9%増)と増加しました。家電・工具・住設及び理美容用は採算性重視の方針に基づく受注絞り込みにより減少した一方で、健康・医療用が堅調に推移したことに加え、マブチオービーギアシステム及びマブチマイクロテックのグループ化により、全体として増加しました。 (営業利益) 売価・プロダクトミックスの改善等の増益要因が、コストアップ等の減益要因を上回り、254億6千7百万円(前期比17.7%増)となりました。 (営業外収支) 営業外収支は、前連結会計年度の108億3百万円の収益(純額)から、当連結会計年度は96億1千1百万円の収益(純額)となりました。為替差益が8億1千6百万円減少したことなどによるものであります。 (特別損益) 特別損益は、前連結会計年度の87億2千9百万円の損失(純額)から、当連結会計年度は1億1千4百万円の損失(純額)となりました。前連結会計年度において計上した減損損失が当期は発生しなかったことなどによるものであります。 (法人税等及び法人税等調整額) 法人税等及び法人税等調整額の税金等調整前当期純利益に対する比率(税効果会計適用後の法人税率等の負担率)は、前連結会計年度の45.9%に対し、当連結会計年度は24.9%になりました。前連結会計年度は、連結子会社での減損損失計上に対する繰延税金資産について評価性引当金を計上した影響により、負担率が押し上げられていたことなどによるものであります。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は262億7千2百万円(前期比104.8%増)と前期比で134億4千1百万円の増加となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の50.50円に対し105.90円となりました。 (セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容) セグメント別の売上高は、「日本」セグメントは242億9千5百万円(前期比20.7%増)、「アジア」セグメントは940億4千7百万円(前期比1.7%減)、「アメリカ」セグメントは358億9千7百万円(前期比1.3%増)、「ヨーロッパ」セグメントは461億7千7百万円(前期比2.6%増)であります。 セグメント別の利益又は損失は、「日本」セグメントは98億9千2百万円の利益(前期比4.2%増)、「アジア」セグメントは155億7千2百万円の利益(前期比5.2%増)、「アメリカ」セグメントは7億1千9百万円の利益(前期比11.9%減)、「ヨーロッパ」セグメントは7億7千1百万円の損失(前期は20億3千4百万円の損失)、セグメント間取引消去による調整額は5千4百万円(前期は△14億3千4百万円)であります。 なお、当連結会計年度の円の平均為替レートは、1US$に対し149.71円であり、前連結会計年度に比べ1.87円の円高となりました。 (生産、受注及び販売の実績) a.生産実績小型モーターの生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。  (千個未満の端数切捨て) 前連結会計年度(自 2024年1月1日   至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日   至 2025年12月31日)比較増減(△は減) 数  量構成比率数  量構成比率数  量 アジア千個1,258,770%94.7千個1,261,079%95.1千個2,309 アメリカ28,7022.224,2511.8△4,451 ヨーロッパ41,2243.141,1643.1△59合  計1,328,697100.01,326,496100.0△2,200(注)当社グループの生産・販売品目は小型モーター単品であり、価格差も僅少であることから、数量表示のみで記載しております。  b.受注状況当社グループは、主として需要予測に基づく見込生産方式をとっておりますので記載を省略しております。  c.販売実績小型モーターの販売実績を用途市場別に示すと、次のとおりであります。  (百万円未満の端数切捨て) 前連結会計年度 (自 2024年1月1日   至 2024年12月31日)当連結会計年度 (自 2025年1月1日   至 2025年12月31日)比較増減(△は減) 金  額構成比率金  額構成比率金  額 自動車電装機器百万円152,498%77.7百万円154,549%77.1百万円2,051 ライフ・インダストリー機器43,67322.345,80422.92,131合  計196,172100.0200,353100.04,181(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める顧客がないため、記載を省略しております。 (2)財政状態当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に対して151億7千3百万円増加し、3,701億6千3百万円となりました。前連結会計年度末に対し変動の大きかった主なものは、現金及び預金の増加84億6千1百万円、投資有価証券の増加39億5千万円、受取手形及び売掛金の増加13億9千万円等であります。負債合計は、前連結会計年度末に対して5億6千万円増加し、359億2千7百万円となりました。前連結会計年度末に対し変動の大きかった主なものは、未払法人税等の減少36億3千8百万円、支払手形及び買掛金の増加26億7千万円、長期借入金の増加7億8千2百万円等であります。純資産合計は、前連結会計年度末に対して146億1千3百万円増加し、3,342億3千6百万円となりました。前連結会計年度末に対し変動の大きかった主なものは、利益剰余金の増加166億7百万円、純資産の部のマイナス項目である自己株式の増加66億5千6百万円等であります。 自己資本比率は、前連結会計年度末の90.0%から、当連結会計年度末は90.3%となっております。 (3)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前期末から93億6千3百万円増加し、1,399億3千万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは353億6千4百万円の収入となり、前期に対し47億6千9百万円の減少となりました。主な要因は、法人税等の支払額の増加74億1千2百万円、売上債権の減少30億9千7百万円等によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは105億1千7百万円の支出となり、前期に対し52億3千3百万円の支出減少となりました。主な要因は、固定資産の取得による支出が38億1千1百万円減少、定期預金の払戻による収入が19億3千6百万円増加したこと等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは173億8千6百万円の支出となり、前期に対し12億3百万円の支出増加となりました。主な要因は、自己株式の取得による支出が9億9千9百万円増加したこと等によるものです。 (4)資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入費、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要につきましては、当社グループ製品製造のための生産設備購入や工場建設費用等があります。 なお、当社グループの運転資金及び設備投資資金は主に自己資金から賄っており、外部調達は僅少です。 (5)重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。 連結財務諸表を作成するにあたり重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 また連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える仮定、見積り及び判断を必要としており、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りの仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 しかしながら、これらの仮定、見積り及び判断については不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 (6)経営成績に重要な影響を与える要因 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載しております。 (7)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

事業リスク

経済状況の変化は、主要市場での景気後退や需要縮小を通じて業績に悪影響を及ぼす可能性があります。為替レートの変動、特に米ドルに対する円高は連結業績にマイナスに作用し、生産地域の通貨価値上昇はコスト増を招きます。新製品・新技術の開発が市場ニーズに追いつかない場合や、技術革新により製品が陳腐化した場合、業績に大きな影響が出る可能性があります。また、激しい価格競争や原材料価格・物流費の高騰、海外事業における政治・経済環境の変動、品質問題の発生、知的財産権の侵害、優秀な人材の確保・育成の遅れなどもリスク要因です。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,628 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の判断上重要と思われる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点からこれを記載しております。当社グループは、これらのリスクを認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の損害の低減に努めてまいります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。(1)経済状況の変化 顧客の製品に搭載される当社製品の需要は、当社グループが販売している多様な市場における経済状況の影響を受けます。したがって、日本、北米、欧州、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小等は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、市場環境や受注状況を取締役会等の重要会議において定期的にレビューするなど、常に最新の市場動向を予測した上で、設備投資や人員・在庫等の適正化を図り、市場への対応力を高めています。 (2)為替レートの変動 海外子会社の財務諸表上の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表を作成するために円換算されております。したがって、換算時の為替レートにより円換算後の計上額が影響を受けることになります。特に米ドルに対する円高は当社グループの連結業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。 当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における現地通貨建ての製造と調達のコストを押し上げます。コストの増加は当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼします。 当社グループは、為替リスクを測定した上でヘッジ効果とヘッジコストを勘案し、許容可能な為替リスク量まで為替リスクを軽減するため、社内規程に従い為替予約を利用してヘッジをしています。 (3)新製品・新技術の開発 新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、様々なリスクが含まれます。 当社グループが市場ニーズの変化を十分に予想できず、魅力ある新製品をタイムリーに開発できない場合、又は当社製品が陳腐化するような技術革新等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、変化の激しい昨今の事業環境下における当社の競争優位性を更に拡大することを目的として研究開発活動に関する組織体制を構築しております。また迅速な意思決定や市場ニーズの変化へのスピード感のある対応、用途市場別の新機種開発対応力の向上、顧客サポートやCS活動のグローバル化対応等を実現するため、営業部門と一体化し、事業部活動の強化発展を推進しています。 (4)価格競争 当社グループは、電気・電子機器、機械等製造業界に属する多様な分野の企業を顧客としておりますが、これら業界における価格競争は大変厳しいものになっております。このような環境下で、価格はすべての分野において大きな競争要因になっており、中国競合メーカーの台頭等もあって、競争はさらに激化しております。 直近では、世界的な材料価格及び物流費の高騰が継続しており、不適切な価格設定や、各種コストダウン活動が市況変化に追いつかない場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、標準化、省人化をはじめとする知恵と技術を結集し、製品設計・開発段階からのコスト管理、生産技術の改善、部品調達のグローバル化による体系的なコストダウン、適正な価格設定及び付加価値の高い製品の継続的な投入、平均単価及び収益力の維持向上に取り組んでいます。 (5)国際的経済取引及び海外進出に潜在するリスク 当社グループの事業活動の大部分は欧州、北米、アジア各国等で行われております。これら海外における事業活動においては、政治・経済環境の変動、インフラストラクチャーの未整備、法律や税務その他の諸制度の変動、社会的混乱等のリスクが内在しております。 特に進出国・地域における政治又は法環境の変化、経済状況の変化、雇用環境その他の社会環境変化等、予期せぬ事象の発生が生産・販売活動に大きな問題を生じさせ、これが業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、地政学上のリスクが高まり、原材料の高騰、エネルギーの供給不安、国際的なサプライチェーンの混乱が生じておりますが、情勢の変化については、引き続き状況を注視してまいります。 当社グループは、事業展開する国等の経済・政治・社会的状況に加えて、事業に関連する各国の環境関連規制、製品の安全性・品質関連規制、輸出入関連規制の情報をタイムリーに収集・対応するため、世界5極体制の構築も含めた適時適切な対応を検討・実施しています。 (6)製品の品質 当社グループのすべての製品について大きな品質問題が発生しないという保証はありません。品質問題が発生した場合、その賠償額は、当社グループ製品を搭載した最終製品の品質に与える影響に左右されます。万一、大規模な製品クレーム又はリコールや製造物責任賠償に繋がるような製品の欠陥が発生した場合は、多額のコストの発生や信用の失墜による売上の低下を招き、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、すべての生産拠点で安定した品質を生み出すために、事業拠点ごとに国際規格ISO9001やIATF16949を認証取得し、マネジメントシステムの継続的な改善と向上に努めるとともに、本社が定めた品質システムを遵守し、高品質な製品の供給に努めています。また、不具合発生時においても根本原因を究明したのち再発防止・未然防止策の実施・徹底を進めております (7)知的財産保護 知的財産の獲得は、当社グループの成長を大きく左右するものと認識しております。しかしながら特定の地域では、固有の事由によって当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があります。その場合、当社グループの知的財産を第三者が無断使用し、類似製品を製造することによって損害を受けることや、その他の技術やノウハウ等が流出し他社で利用されることにより競争優位性を損なう可能性がある一方、当社グループが他社の知的財産を侵害したと主張される可能性もあります。 知的財産権における保護の失敗や侵害、その他の知的財産の流出は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、製品の拡販・新用途拡大に向け、俯瞰的且つ積極的に知的財産権の獲得・保護を行うことにより、競争優位性の確保を図っております。また、知的財産権の確保だけでなく、権利の流出・侵害といったリスクに対しても、当社グループ従業員に対し、教育等の意識向上施策を広く実施しております。 (8)人材獲得と育成 当社グループは、激しい企業競争を勝ち抜くため、関連分野における能力の高い従業員、殊に高度な科学・技術に通じたエンジニアや、ビジネス戦略、組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成が不可欠であり、世代の交代を超えて常に充実・向上させることが必要であると認識しております。一方で、これら人材の積極的採用と継続的な育成には、コストを必要とします。 優秀な人材の獲得や人材育成が長期的視点において計画どおりに進まなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、計画的な新卒採用に加え、ニーズに基づいた通年採用を実施しております。また、能力開発を支援する教育制度の拡充、多様な社員の能力が十分に発揮できるよう適性を重視した配置、各部門において早期にスペシャリストを育成するための体系やワークライフバランス支援制度の整備により、社員のモチベーションを高め、社員の定着・育成に努めております。 (9)原材料等の調達 当社グループが外部から調達している原材料等の種類によっては、限られた供給元に依存するものがあり、こうした供給元における事故その他の事由による原材料等の供給中断、需要の急増による供給不足等が発生する可能性があります。これらが長期にわたり代替品の入手が困難な場合、当社グループの生産活動に大きな影響を及ぼし、顧客への製品の納入や品質の確保に支障をきたす可能性があります。また、市況品価格の高騰などにより製造コストの上昇を招くことも考えられます。 このような事態が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、このようなリスクを回避するためレアアース等を含めた各種の原材料や部品等を複数の事業者から調達し、安定的な供給の維持を図るとともに、CSR調達にも配慮しております。また、一部の素材につきましては適切な先物予約等による価格の安定化を図り、製造コストへの影響を抑制する対策を推進しております。 (10)自然災害や事故、感染症の流行 当社グループは国際分業体制を確立し、世界各国で事業活動を行っており、本社及び各拠点において工場や事務所等の施設・設備を保有しておりますが、災害、事故の発生や感染症の流行等による事業活動中断等の不測の事態が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、事業継続基本計画(BCP)を策定しており、本社及び拠点における災害や事故の発生等のリスクの顕在化防止又は保険の付保を含む損害低減策を講じております。 (11)環境対応について 当社グループは、環境関連諸法令を遵守するとともに有害物資の漏洩防止及び適法適切な廃棄処理を徹底し環境被害の発生防止に努めておりますが、サステナビリティに対する意識の高まりなどにより環境に対する規制が厳しくなり、さらなる環境対応が必要になった場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、本社において、環境管理責任者及び各部門長で構成される環境管理委員会を定期的に開催し、環境情報の共有化及び環境保全活動を効率的に行っています。これに加え、本社及び海外生産拠点の環境管理責任者で構成される環境管理責任者会議を開催し、環境問題に関する情報共有の促進及び環境管理について当社グループ全体で対策を推進しております。また、サステナビリティ中期目標においても、環境負荷の軽減を重要課題として認識し、具体的な目標を設定しております。 (12)世界的な気候変動について 当社グループは、気候変動対策に関して、継続的な省エネルギー施策及び太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの導入に取り組み、温室効果ガス排出量の抑制に努めておりますが、世界的な気候変動に伴う異常気象(暴風雨、洪水、干ばつ等)による被害や、温室効果ガス排出に対する規制(排出量取引制度等)が強化された場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、2050年カーボンニュートラルに向けた活動を推進しており、2025年9月に、2030年に向けた当社の温室効果ガス排出量削減目標が、パリ協定に準じた科学的な根拠に基づくものであるとして、国際的イニシアチブ「SBTi(Science Based Targets initiative)」による認定を取得しました。この目標の達成に向け、太陽光発電システムの設置、再生可能エネルギーの購入、排熱を回収して再利用するシステムの採用、インターナル・カーボン・プライシングの導入、及び生産設備の省電力化等の温室効果ガス排出量削減に取り組んでおります。 気候変動に関する情報開示については、2021年3月に賛同を表明したTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に基づき、継続的に気候変動の影響の評価及びその情報の開示に取り組んでまいります。 (13)情報セキュリティによるリスク 当社グループは、事業活動において顧客、他企業の機密情報及び取引先関係者、従業員の個人情報を入手することがあり、同情報が外部への流失及び目的外の流用等が起こらないよう運用しておりますが、人的及び技術的な過失や違法又は不正なアクセス等により漏洩した場合は 、多額のコストの発生や信用の失墜による売上の低下を招き、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、私どもが保有する情報資産の管理及び情報セキュリティ管理を適切に行い、情報の漏洩、改ざん、滅失、盗難等を防止することが企業の社会的責務の一つであると認識し、役員を含めた全ての従業者が情報セキュリティの必要性及び責任について理解を深めるとともに、情報セキュリティポリシーを定め、情報セキュリティの確保に万全を期しております。具体的には、当社グループはリスクマネジメント委員会の活動を通じて、情報セキュリティに関する継続的な取り組み、評価、改善が可能な体制・仕組みを構築しております。また、情報資産を適切に分類、整理し、その重要性に応じた情報セキュリティ対策を取るとともに、情報の取り扱いについて細心の注意を払い、厳重に管理し、当社グループの役員、社員、その他の従業者が情報セキュリティの重要性を理解し行動できるよう、必要な教育・訓練を継続的に実施しております。

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