6390

加藤製作所(6390)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

加藤製作所グループは、建設用クレーンや油圧ショベルなどの建設機械、およびその他の製品の製造と販売を主な事業としています。日本、中国、欧州、その他の地域に拠点を持ち、それぞれの地域で建設用クレーンや油圧ショベル、ミニショベルなどの製品を展開しています。特に日本では建設用クレーンや油圧ショベルが主力製品であり、各地域のニーズに応じた製品を提供することで収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

加藤製作所グループの事業セグメントは、地域別に「日本」、「中国」、「欧州」、「その他」の4つで構成されています。「日本」セグメントは建設用クレーン、油圧ショベルなどを扱い、売上高454.21億円、営業利益6.21億円とグループ全体の稼ぎ頭となっています。「中国」セグメントは油圧ショベルなどを扱い、売上高27.29億円、営業損失0.63億円です。「欧州」セグメントはミニショベルなどを扱い、売上高47.81億円、営業損失0.11億円です。日本が収益の大部分を占めており、海外セグメントは売上規模が小さく、一部で損失を計上している状況です。グループ全体として、日本市場が事業の基盤を支え、海外展開を進めていることが分かります。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 454 6 1.4%
China 地域 27 -1 -2.3%
EuropeReportableSegment 地域 48 -0 -0.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|368 文字
3 【事業の内容】当社グループは、「当社」、「連結子会社6社、非連結子会社2社及び関連会社6社」で構成され、建設用クレーン、油圧ショベル等及びその他の製品の製造ならびに販売を主な事業としております。当社グループのセグメントは、製造・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本」は当社(建設用クレーン・油圧ショベル等・その他の製品)、「中国」は加藤(中国)工程机械有限公司(油圧ショベル等)及び加藤中駿(厦門)建機有限公司(油圧ショベル等)、「欧州」はKATO IMER S.p.A.(ミニショベル等)及びKATO EUROPE B.V.(建設用クレーン・油圧ショベル等)、「その他」はKATO WORKS(THAILAND)CO.,LTD.(建設用クレーン)等の4つで構成されています。事業系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
建設機械等の製造には、一定程度の広さの敷地や多くの設備等を必要とし、高額の設備投資を要する
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済、市場環境等の変動 / 資金調達等に関する財務制限条項 / 為替レートの変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

加藤製作所の財務データからは、特許やブランド力、規制ライセンスなどの無形資産に関する具体的な情報は確認できませんでした。一般的に建設機械業界では技術力は重要ですが、それを裏付ける特許ポートフォリオやブランド価値の突出した情報は開示されていません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

建設機械は初期投資が大きく、オペレーターの習熟度も関係するため、顧客が他社製品へ乗り換える際には一定のコストや手間が発生します。しかし、加藤製作所特有の強いスイッチング・コストを生み出す要因(例:独自のソフトウェア連携、長期保守契約の優位性など)は明確ではありません。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設機械のレンタルや中古市場は存在するものの、加藤製作所の製品群において、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるようなネットワーク効果は確認されません。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、個別の機械の性能や信頼性が主たる価値となります。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

建設機械業界は規模の経済が働きやすいですが、加藤製作所の財務データからは、競合他社と比較して圧倒的なコスト優位性を示す具体的な証拠は現時点では確認できません。製造プロセスやサプライチェーンにおける効率化の努力は推測されますが、それが持続的な競争優位に繋がるかは不明です。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

加藤製作所は、建設機械業界において一定の規模を持つ企業であり、特に小型~中型クレーンなどの分野で存在感を示しています。業界全体で見ると、大手数社による寡占が進んでおり、その中で加藤製作所はニッチ市場や特定の製品群において、効率的な規模を活かした事業展開を行っていると考えられます。

加藤製作所グループは、長年にわたる建設機械の製造・販売実績と、地域に根差したグローバルな製造・販売体制が強みと考えられます。特に、日本国内では建設用クレーンや油圧ショベルにおいて一定の地位を確立しており、KATOブランドの認知度と信頼性が競争優位の源泉となっている可能性があります。また、各国の環境規制に対応した製品開発に注力しており、技術力による製品競争力の維持・向上を図っています。これにより、変化する市場ニーズへの適応力と、安定した事業基盤を構築していると考えられます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念とし、法の下に社業を忠実に行い、職務を通じて社会の進歩と発展に寄与することが責任遂行の基本と考え、高性能、高品質の製品を開発し、国内外の顧客に供給することによって豊かな社会作りに貢献するとともに会社の限りない繁栄を実現することを経営の基本方針としております。当社では上記の経営方針に則り、長きに亘り事業を通じて蓄積してきた技術と経験を活かしたモノづくりを行っておりますが、近年では国内需要の伸び悩みや海外メーカーとの競争が一層激化しております。さらに輸入物価上昇、各国の通商政策の影響、ウクライナ問題や中東情勢などの地政学リスク、中国経済の景気低迷など、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続いております。どのような環境下においても経営方針を遵守し、社会づくりの基盤たる建設機械メーカーとして絶やすことなく付加価値の高い製品を製造・販売していくことが当社の責務であり、事業を通じてあらゆるステークホルダーから共感・支持を得られる企業を目指してまいります。 (2) 当社グループの経営環境当社グループは、当社を中心に国内外にある子会社及び関連会社とともに、「建設用クレーン」、「油圧ショベル等」及び「その他の建設機械」の製造・販売を主要事業とする企業構造となっております。当社グループは構成単位ごとの独立性や採算性をもとに、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績の評価を定期的に行っております。当社グループの主要な市場は「日本国内」、「中国」、「欧州」及び「その他海外諸地域」(東南アジア、北米)であります。また、中国や欧州及びその他海外諸地域では、当該地域の市場ニーズをより詳細に反映するため、子会社が製造・販売活動を行っており、当該地域の製造・販売拠点を基礎として報告セグメントを決定しております。現在の当社グループを取り巻く市場環境は、国内では緩やかな景気回復が継続している一方、海外においては、主力市場である米国の大統領選挙前の買い控えや欧州での急速な需要低迷など厳しい販売環境が続きました。なお、2024年6月20日並びに2024年7月12日に公表のとおり、不動産市況に起因したインフラ投資の鈍化による需要低下や地場メーカーの台頭により業績の低迷が続いていた中国連結子会社2社については、事業環境について回復の目途が立たないことから、解散及び清算を決定いたしました。 (3) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題① 中長期的な会社の経営戦略当社グループでは、厳しい事業環境下でも収益の安定化を図り、さらなる成長を遂げることを目的に、2023年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画(2022-2024)を策定し、各施策を推進してまいりました。中期経営計画(2022-2024)の概要および結果については以下のとおりです。 ●テーマ『スリムで骨太体質への変革』次なる飛躍に向けた徹底的な変革の3年 ●基本方針・取組状況の評価及び結果基本方針評価取組状況及び結果収益性改善・強化〇■ 原価率低減および黒字化達成・KATO Reborn Project(KRP:収益性改善プロジェクト)の実践によ り、既存機種のコストダウン推進益性強化・新機種開発(主要部品供給制限で一部遅延)・販売価格の適正化・販売拠点の見直し(統合)財務体質の改善△■ 運転資本を適正化し、資金効率を向上・資本収益性の改善に向けた事業ポートフォリオの見直し (海外事業の見直しと遊休又は非稼働資産売却)・市況低迷により、一時的にたな卸資産が増加将来の基盤構築◎■ 将来への基盤構築推進・生産機種の選択と集中を実施・環境配慮型製品の開発推進・インドでの合弁会社設立準備 ●数値計画と結果当中計期間においては、サプライチェーンの混乱や一部製品の主要部品に供給制約が発生し、生産面に影響が出たほか、計画策定時の想定を超える中国経済の低迷が続いたこともあり、数値計画は結果として未達となりました。一方、中国に代わり成長市場として期待できるインドでの現地企業との合弁会社設立や市場競争力強化を目的にした既存機種のコストダウン推進プロジェクトなど、「将来の基盤構築」と「収益性改善・強化」にて掲げた施策は概ね達成いたしました。(単位:億円)連結業績2022年3月期(参考)2023年3月期(前中計1年目)2024年3月期(前中計2年目)2025年3月期(前中計3年目)実績計画実績計画実績計画実績売上高635641575644574664529製造原価率89.6%85.4%84.2%83.7%81.7%83.2%83.8%営業利益△7213122516319棚卸資産320310315318355327452 ② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題中期経営計画(2022-2024)の最終年度となる2025年3月期は、生産面での懸念事項が大幅に解消され、テーマに掲げた『スリムで骨太体質への変革』が進んできたことから、期初に中計の数値計画を上回る売上高の予想をたて、大幅増収に向け増産体制を整備してまいりました。しかしながら、国内においては高価格帯の大型ラフテレーンクレーン新型車の市場投入遅延に加え、中古車市場の価格低下に伴う買い替え需要の減少、建設工事に関わる人材不足による建機需要の伸び悩みなど、厳しい販売環境が継続いたしました。海外においても主力市場である米国においては、大統領選挙前の買い控え、欧州においては急速な需要低迷があり、結果として期初計画から売上高を下方修正することとなりました。また、増産に対して想定よりも販売が伸長しなかったことから、期末での棚卸資産が増加しております。取組状況の評価及び結果の通り、インド事業の着手や環境配慮型製品の開発など「将来の基盤構築」は進んだものの「収益性改善・強化」・「財務体質の改善」については、開発したコストダウン機の市場投入遅延や棚卸資産の増加を含めた運転資本の改善など一部に課題を残しております。これらの状況を踏まえ、当社グループでは2026年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画(2025~2027)を新たに策定いたしました。新中計では、黒字転換のため合理化を優先した前中計から、業績伸長に向け事業力強化・拡大路線に軸足を移し、前中計で積み残した上記課題への対応に加え、持続的な成長を意識した企業価値の向上や成長戦略などを主要施策として織り込んでおります。 中期経営計画(2025~2027)の概要については以下のとおりです。 ●テーマ「飛躍、そして次の時代へ」~Leap & To The Next Era~ ●基本方針基本方針主な取組み企業価値の向上・資本コストを意識した経営の実践・PBR改善に向けた各種施策の実施成長戦略の推進と有効投資・前中計で種をまいた施策効果の確実な刈り取り・成長分野への戦略的投資収益性の更なる向上・前中計で取り組んできた施策の深化による収益性向上・外的要因に左右されにくい強固な経営基盤構築サステナビリティ経営の実践・サステナビリティ経営の強化による企業価値向上・マテリアリティの推進 ●数値計画(単位:億円)連結業績2025年3月期(参考)2026年3月期(1年目)2027年3月期(2年目)2028年3月期(3年目)売上高529570660790営業利益9172536営業利益率1.7%2.9%3.7%4.5%ROE(%)△12.7%3.7%5.4%8.0% ③ 2026年3月期の業績見通しについて2026年3月期の連結業績予想につきましては、米国における関税政策など不透明な事業環境は継続し、国内外市場における急激な需要増加は見込めないものの、前期市場投入が遅れた大型ラフテレーンクレーン新型車の期初からの販売に加え、期中からインド事業による増収が期待できることから、売上高は前期比7.7%増となる570億円を見込んでおります。なお、最終損益につきましては、一過性の損失を計上した2025年3月期から大幅に改善する見込みであり、前中計からの施策効果に加え、新中計の各施策を遅滞なく推進していくことで、今後の連結業績と資本収益性は確実に向上していくものと認識しております。(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期(予想)金額金額増減率売上高52,93257,0007.7%営業利益9031,70088.1%経常利益1,4011,200△14.4%親会社株主に帰属する当期純利益△6,0331,200- ※想定為替レートUSD/JPY=145円、EUR/JPY=155円、CNY/JPY=20円
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念とし、法の下に社業を忠実に行い、職務を通じて社会の進歩と発展に寄与することが責任遂行の基本と考え、高性能、高品質の製品を開発し、国内外の顧客に供給することによって豊かな社会作りに貢献するとともに会社の限りない繁栄を実現することを経営の基本方針としております。当社では上記の経営方針に則り、長きに亘り事業を通じて蓄積してきた技術と経験を活かしたモノづくりを行っておりますが、近年では国内需要の伸び悩みや海外メーカーとの競争が一層激化しております。さらに輸入物価上昇、各国の通商政策の影響、ウクライナ問題や中東情勢などの地政学リスク、中国経済の景気低迷など、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続いております。どのような環境下においても経営方針を遵守し、社会づくりの基盤たる建設機械メーカーとして絶やすことなく付加価値の高い製品を製造・販売していくことが当社の責務であり、事業を通じてあらゆるステークホルダーから共感・支持を得られる企業を目指してまいります。 (2) 当社グループの経営環境当社グループは、当社を中心に国内外にある子会社及び関連会社とともに、「建設用クレーン」、「油圧ショベル等」及び「その他の建設機械」の製造・販売を主要事業とする企業構造となっております。当社グループは構成単位ごとの独立性や採算性をもとに、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績の評価を定期的に行っております。当社グループの主要な市場は「日本国内」、「中国」、「欧州」及び「その他海外諸地域」(東南アジア、北米)であります。また、中国や欧州及びその他海外諸地域では、当該地域の市場ニーズをより詳細に反映するため、子会社が製造・販売活動を行っており、当該地域の製造・販売拠点を基礎として報告セグメントを決定しております。現在の当社グループを取り巻く市場環境は、国内では緩やかな景気回復が継続している一方、海外においては、主力市場である米国の大統領選挙前の買い控えや欧州での急速な需要低迷など厳しい販売環境が続きました。なお、2024年6月20日並びに2024年7月12日に公表のとおり、不動産市況に起因したインフラ投資の鈍化による需要低下や地場メーカーの台頭により業績の低迷が続いていた中国連結子会社2社については、事業環境について回復の目途が立たないことから、解散及び清算を決定いたしました。 (3) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題① 中長期的な会社の経営戦略当社グループでは、厳しい事業環境下でも収益の安定化を図り、さらなる成長を遂げることを目的に、2023年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画(2022-2024)を策定し、各施策を推進してまいりました。中期経営計画(2022-2024)の概要および結果については以下のとおりです。 ●テーマ『スリムで骨太体質への変革』次なる飛躍に向けた徹底的な変革の3年 ●基本方針・取組状況の評価及び結果基本方針評価取組状況及び結果収益性改善・強化〇■ 原価率低減および黒字化達成・KATO Reborn Project(KRP:収益性改善プロジェクト)の実践によ り、既存機種のコストダウン推進益性強化・新機種開発(主要部品供給制限で一部遅延)・販売価格の適正化・販売拠点の見直し(統合)財務体質の改善△■ 運転資本を適正化し、資金効率を向上・資本収益性の改善に向けた事業ポートフォリオの見直し (海外事業の見直しと遊休又は非稼働資産売却)・市況低迷により、一時的にたな卸資産が増加将来の基盤構築◎■ 将来への基盤構築推進・生産機種の選択と集中を実施・環境配慮型製品の開発推進・インドでの合弁会社設立準備 ●数値計画と結果当中計期間においては、サプライチェーンの混乱や一部製品の主要部品に供給制約が発生し、生産面に影響が出たほか、計画策定時の想定を超える中国経済の低迷が続いたこともあり、数値計画は結果として未達となりました。一方、中国に代わり成長市場として期待できるインドでの現地企業との合弁会社設立や市場競争力強化を目的にした既存機種のコストダウン推進プロジェクトなど、「将来の基盤構築」と「収益性改善・強化」にて掲げた施策は概ね達成いたしました。(単位:億円)連結業績2022年3月期(参考)2023年3月期(前中計1年目)2024年3月期(前中計2年目)2025年3月期(前中計3年目)実績計画実績計画実績計画実績売上高635641575644574664529製造原価率89.6%85.4%84.2%83.7%81.7%83.2%83.8%営業利益△7213122516319棚卸資産320310315318355327452 ② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題中期経営計画(2022-2024)の最終年度となる2025年3月期は、生産面での懸念事項が大幅に解消され、テーマに掲げた『スリムで骨太体質への変革』が進んできたことから、期初に中計の数値計画を上回る売上高の予想をたて、大幅増収に向け増産体制を整備してまいりました。しかしながら、国内においては高価格帯の大型ラフテレーンクレーン新型車の市場投入遅延に加え、中古車市場の価格低下に伴う買い替え需要の減少、建設工事に関わる人材不足による建機需要の伸び悩みなど、厳しい販売環境が継続いたしました。海外においても主力市場である米国においては、大統領選挙前の買い控え、欧州においては急速な需要低迷があり、結果として期初計画から売上高を下方修正することとなりました。また、増産に対して想定よりも販売が伸長しなかったことから、期末での棚卸資産が増加しております。取組状況の評価及び結果の通り、インド事業の着手や環境配慮型製品の開発など「将来の基盤構築」は進んだものの「収益性改善・強化」・「財務体質の改善」については、開発したコストダウン機の市場投入遅延や棚卸資産の増加を含めた運転資本の改善など一部に課題を残しております。これらの状況を踏まえ、当社グループでは2026年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画(2025~2027)を新たに策定いたしました。新中計では、黒字転換のため合理化を優先した前中計から、業績伸長に向け事業力強化・拡大路線に軸足を移し、前中計で積み残した上記課題への対応に加え、持続的な成長を意識した企業価値の向上や成長戦略などを主要施策として織り込んでおります。 中期経営計画(2025~2027)の概要については以下のとおりです。 ●テーマ「飛躍、そして次の時代へ」~Leap & To The Next Era~ ●基本方針基本方針主な取組み企業価値の向上・資本コストを意識した経営の実践・PBR改善に向けた各種施策の実施成長戦略の推進と有効投資・前中計で種をまいた施策効果の確実な刈り取り・成長分野への戦略的投資収益性の更なる向上・前中計で取り組んできた施策の深化による収益性向上・外的要因に左右されにくい強固な経営基盤構築サステナビリティ経営の実践・サステナビリティ経営の強化による企業価値向上・マテリアリティの推進 ●数値計画(単位:億円)連結業績2025年3月期(参考)2026年3月期(1年目)2027年3月期(2年目)2028年3月期(3年目)売上高529570660790営業利益9172536営業利益率1.7%2.9%3.7%4.5%ROE(%)△12.7%3.7%5.4%8.0% ③ 2026年3月期の業績見通しについて2026年3月期の連結業績予想につきましては、米国における関税政策など不透明な事業環境は継続し、国内外市場における急激な需要増加は見込めないものの、前期市場投入が遅れた大型ラフテレーンクレーン新型車の期初からの販売に加え、期中からインド事業による増収が期待できることから、売上高は前期比7.7%増となる570億円を見込んでおります。なお、最終損益につきましては、一過性の損失を計上した2025年3月期から大幅に改善する見込みであり、前中計からの施策効果に加え、新中計の各施策を遅滞なく推進していくことで、今後の連結業績と資本収益性は確実に向上していくものと認識しております。(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期(予想)金額金額増減率売上高52,93257,0007.7%営業利益9031,70088.1%経常利益1,4011,200△14.4%親会社株主に帰属する当期純利益△6,0331,200- ※想定為替レートUSD/JPY=145円、EUR/JPY=155円、CNY/JPY=20円
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、輸入物価上昇の影響はあるものの、雇用所得環境の改善を背景に景気は緩やかに回復しました。一方、世界経済は、各国の通商政策等の影響により一部に弱含みの動きもみられ、ウクライナ問題および中東情勢等の地政学リスクに加え、中国経済における不動産市況の低迷が長期化する等、依然として不透明な状況が続いております。このような状況下、当社グループでは2023年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画の最終年度としてテーマに掲げた『スリムで骨太体質への変革』のもと、基本方針である「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」の各施策を継続的に取り組んでまいりました。特に本中計期間内においては、近年厳しい事業環境により業績の低迷が続いていた中国事業の抜本的な見直しと併せ、成長市場であるインド国内での現地企業との合弁会社設立に向けた準備を進めるなど「将来の基盤構築」を目的とした海外事業ポートフォリオの大幅な見直しを積極的に推進してまいりました。結果として、当連結会計年度の経営成績は、売上高は529億3千2百万円(前年同期比92.1%)、営業利益は9億3百万円(前年同期比54.6%)、経常利益は14億1百万円(前年同期比54.4%)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は60億3千3百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益42億3千5百万円)となりました。  セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。 (日本)国内向け建設用クレーンの売上高は、大型ラフテレーンクレーン新型車の市場投入時期の遅れがあったものの、295億6千4百万円(前年同期比99.6%)と前期比同水準となりました。海外向けの売上高は、39億8百万円(前年同期比87.4%)となり、アジア向けの大口販売があった前期から減収となりました。国内向け油圧ショベル等の売上高は、競争激化による影響を受けたものの、76億2千万円(前年同期比97.7%)と前期比同水準となりました。海外向け油圧ショベル等は、米国向け販売が大統領選挙に伴う需要引締まりによる影響を受け、売上高は44億9千5百万円(前年同期比54.3%)と前期比減収となりました。以上を含めた日本の売上高は466億5千3百万円(前年同期比91.1%)、セグメント利益は6億2千1百万円(前年同期比30.7%)となりました。 (中国)中国は、不動産市況の低迷長期化により厳しい販売環境が継続しているなか、期中に解散を決議した現地子会社の在庫製品の販売注力により、売上高は27億3千7百万円(前年同期比119.1%)となり、セグメント損失は6千3百万円(前年同期はセグメント損失12億1千万円)となりました。 (欧州)欧州は、需要減少により売上高は47億8千7百万円(前年同期比84.8%)と減収し、原材料高騰の影響を受けセグメント損失は1千1百万円(前年同期はセグメント利益7千1百万円)となりました。 (その他)その他地域は、欧州セグメントを分離したことにより売上高は発生せず、セグメント損失は5百万円(前年同期はセグメント損失7千6百万円)となりました。 財政状態については、次のとおりであります。  (資産の状況)当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末の1,053億3千万円に比べ25億8千2百万円減少し、1,027億4千7百万円となりました。これは主として、棚卸資産の増加97億5千万円、無形固定資産の増加6億1千2百万円と現金及び預金の減少78億2百万円、売掛金の減少80億9百万円、繰延税金資産の減少4億4千3百万円によるものであります。   (負債の状況)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末の537億7千9百万円に比べ43億6千4百万円増加し、581億4千4百万円となりました。これは主として、短期借入金の増加76億1千6百万円、長期借入金の増加30億5千1百万円と電子記録債務の減少20億1千4百万円、1年内長期借入金の減少10億5千3百万円によるものであります。   (純資産の状況)当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末の515億5千1百万円に比べ69億4千7百万円減少し、446億3百万円となりました。これは主として、中国子会社2社の解散・清算に伴う特別損失計上による利益剰余金の減少69億7千3百万円によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は147億6千3百万円となり、前連結会計年度末と比べ76億2百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金は、133億1千9百万円の減少となりました。その主な要因は、売上債権の減少83億1千7百万円、子会社整理損71億3百万円の増加要因と棚卸資産の増加134億8千6百万円、税金等調整前当期純損失55億9千8百万円、破産更生債権等の増加44億9千6百万円、仕入債務の減少32億9千1百万円、貸倒引当金の減少11億4千6百万円の減少要因によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動による資金は、9億3千万円の減少となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出8億1千2百万円の減少要因によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金は、66億3千8百万円の増加となりました。その主な要因は、長期借入による収入90億5千7百万円、短期借入金の純増加額78億9百万円の増加要因と社債の償還による支出15億2千4百万円、割賦債務の返済による支出3億4千万円、配当金の支払額による支出9億3千5百万円、長期借入金の返済による支出74億2千4百万円の減少要因によるものであります。    キャッシュ・フロー関連指標の推移 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)43.642.046.247.943.4時価ベースの自己資本比率(%)11.78.912.317.114.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)17.24.25.3--インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)10.232.920.4-- (注)自己資本比率: 自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/利払い※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を用いております。※2024年3月期及び2025年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フロー数値がマイナスのため、表記を省略しております。  ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本56,904 111.9中国850 48.5欧州3,45778.1その他--合計61,211 107.3 (注) 1 金額は販売価格によっております。 b.受注実績当社グループの主要製品の生産方式は、ほとんどが見込生産方式なので、受注実績の記載は省略しております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本45,421 91.6中国2,729 119.0欧州4,78185.1その他--合計52,93292.1 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等の分析当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。   (売上高)当連結会計年度の売上高は529億3千2百万円(前年同期比92.1%)となりました。主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりです。     建設用クレーン 国内売上高は295億6千4百万円(前年同期比99.6%)と大型ラフテレーンクレーン新型車の市場投入時期の遅れがあったものの、前期比同水準となりました。海外売上高は、39億4千4百万円(前年同期比86.5%)とアジア向けの大口販売があった前期から減収となりました。よって、建設用クレーンの売上高は335億8百万円(前年同期比97.9%)となりました。 油圧ショベル等 国内売上高は、競争激化による影響を受けたものの、76億2千万円(前年同期比97.7%)と前期比同水準、海外売上高は米国向け販売が大統領選挙に伴う需要引締まりによる影響を受け、107億3千8百万円(前年同期比74.0%)と減収となりました。よって、油圧ショベル等の売上高は183億5千9百万円(前年同期比82.3%)となりました。 その他その他の売上高は10億6千3百万円(前年同期比111.3%)と前期並みの水準で推移しました。 (売上総利益)当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ19億2千1百万円減少し、85億9千9百万円(前年同期比81.7%)となりました。販売戦略の徹底や製品コスト削減の取り組みの効果があったものの、期中を通じ建設用クレーンの主要部品供給制約による生産面への影響があり、結果として売上総利益率は2.1ポイント減少し、16.2%となりました。 (営業損益)当連結会計年度の営業損益は、販売費及び一般管理費が前連結会計年度と比較し、7億5千万円減少したものの、売上高の減収影響により、営業利益は9億3百万円(前年同期比54.6%)となりました。 (経常損益)当連結会計年度の営業外収益は、不動産賃貸収益の増加、受取補償金の増加はあったものの、為替差益の減少により、2億7千7百万円減少し、15億1千7百万円(前年同期比84.6%)となりました。営業外費用は、金利上昇に伴う支払利息増加により1億4千5百万円増加し、10億1千9百万円(前年同期比116.7%)となりました。以上の結果、当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べ11億7千3百万円減少し、経常利益は14億1百万円(前年同期比54.4%)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純損益)当連結会計年度の特別利益は前連結会計年度に比べ12億5千3百万円減少し、1億6千3百万円となりました。これは、固定資産売却益を計上したことによるものです。特別損失は、中国子会社2社の解散・清算に伴う特別損失を計上したことにより、前連結会計年度に比べ62億7千8百万円増加し、71億6千4百万円となりました。 法人税等調整額は3億6千2百万円計上したことにより、結果として親会社株主に帰属する当期純損失は60億3千3百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益42億3千5百万円)となりました。 b.キャッシュ・フローの状況及び、資本の財源及び資金の流動性についての分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの資金需要は主に運転資金、設備投資資金、研究開発資金となります。運転資金のうち主なものは、製品製造のための原材料や販売用部品の仕入費用や労務費及び製造経費をはじめ、販売費及び一般管理費などが該当します。また、部品・半製品を製造する上で相応のリードタイムを有すことから、安定的な生産を行うため部材の先行確保に加え、販売用部品の欠品を防ぐ必要性からも在庫負担が大きいという特徴があります。設備投資資金は主として、生産活動に必要な工場設備であり、研究開発資金は新製品の開発に係る費用及び開発部門の人件費が該当します。これらの資金需要のうち、短期資金需要については、手元資金や営業活動により得られたキャッシュ・フロー及びコミットメントライン等の融資枠による金融機関からの短期借入を基本としております。また、長期運転資金及び大規模な設備投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入や社債を基本としております。 当連結会計年度末における有利子負債の残高は441億2千9百万円、現金及び現金同等物の残高は147億6千3百万円となり、よってネット有利子負債は293億6千6百万円(前年同期比209.9%)となりました。有利子負債の約定返済進行と運転資金の増加に伴い、金融機関からの有利子負債残高も増加しました。なお、現在のところ、新型工場建設等に係る大型設備投資についての案件はございませんが、コア事業及び将来成長に向けた新製品の開発には積極的かつ集中的に資金を振り向けてまいります。 c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社では2026年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を新たに策定し、2025年3月27日に公表いたしました。同計画では「飛躍、そして次の時代へ」をメインテーマに「企業価値の向上」「成長戦略の推進と有効投資」「収益性の更なる向上」「サステナビリティ経営の実践」を基本方針に掲げ、外部要因に左右されにくい強固な経営基盤づくりと成長戦略に沿った有効投資を展開してまいります。新中期経営計画の詳細につきましてはこちらをご覧ください。https://www.kato-works.co.jp/ir/html/1_01plan.html 2025年3月期の連結業績につきましては、2025年5月14日公表の「通期連結業績予想と実績値との差異に関するお知らせ」のとおり、中国事業の見直しに伴う子会社整理損を計上した影響により親会社株主に帰属する当期純利益は一時的に悪化いたしました。2026年3月期の連結業績予想につきましては、米国における関税政策など不透明な事業環境は継続し、国内外市場における急激な需要増加は見込めないものの、前期市場投入が遅れた高価格帯の大型ラフテレーンクレーン新型車の期初からの販売に加え、期中からインド事業による増収が期待できることから、売上高は前期比7.7%増となる570億円を見込んでおります。なお、最終損益につきましては、一過性の損失を計上した前期から大幅に改善する見込みであり、前中期経営計画からの施策効果に加え、同年から開始する中期経営計画の各施策を遅滞なく推進していくことで今後の連結業績と資本収益性は確実に向上していくものと認識しております。 売上高(百万円)営業利益(百万円)経常利益(百万円)親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)一株当たり当期純利益(円)2026年3月期57,0001,7001,2001,200102.282025年3月期(参考)52,9329031,401△6,033△514.48 *想定為替レート 1米ドル=145円 1元=20円 1ユーロ=155円 d.経営成績等に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性がある事項については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。前述の地政学リスク拡大や中国市場における不動産開発需要の低迷に加え、足元では米国での関税政策をはじめとする各国通商政策問題も顕在化してきており、世界経済は先行きの不透明な状況が継続しております。また、当社グループの製品においては、多くの部材や外注品、多種の油圧部品や電子・自動車部品を必要とすることから、世界的な部品調達難や物流価格の高騰により、以下の事態が発生した場合は当社の売上高及び利益に影響がでる場合があります。・仕入先企業からの部品や資材の調達難による生産の見合わせ・国内及び海外工場の生産調整、生産停止による稼働率の低下・取引先からの受注の減少、キャンセルによる製品販売台数の減少、滞留在庫の増加・製品の需給バランスが崩れることによる製品販売価格の下落・取引先の財政状態悪化、信用不安による貸倒リスクの増加 これら認識のもと、当社グループでは常に市場や業界の動向に注視しつつ、特に調達・製造・販売体制と相互連携を強化していくことで経営成績に重要な影響がでないようリスクの低減と業績の安定化に努めております。

事業リスク

主要なリスクとして、まず経済や市場環境の変動が挙げられます。建設機械の需要は公共投資や不動産建設に左右されるため、景気循環や各国の経済状況、地政学リスク、エネルギー価格の変動などが業績に影響を与える可能性があります。次に、資金調達に関するリスクがあり、一部の借入金に財務制限条項が付されており、抵触した場合に業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、海外事業を展開しているため、為替レートの変動や各国の法規制、地政学リスク、自然災害、感染症の流行なども業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、原材料価格の高騰や部品調達の悪化、激しい価格競争や研究開発の遅れもリスク要因となります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,199 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは下記に記すとおりです。なお、文中に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経済、市場環境等の変動について当社グループが扱う建設機械等の需要は、インフラ整備等の公共投資や資源開発、不動産の建設等に使用されることが多いことから、景気循環の影響を受け易い状況にあります。国内市場はもとより、各国のインフラへの公共投資、民間設備投資やエネルギー価格、地域紛争の影響による経済安全保障、通貨変動等の要因が、当社グループ製品の需要に影響を与える可能性があります。加えて、世界的規模で経済・市場環境が急激に悪化した場合も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、経営企画部門が中心となって業績及び「中期経営計画2025-2027」における各施策の進捗状況を管理し、会社全体のPDCAサイクルの迅速化を図り、対応することによって、これらリスクの低減に努めております。 (2) 資金調達等について当社グループでは、資金調達の機動性ならびに安定性向上のため、銀行借入に加え、コミットメントライン契約の締結を行っております。シンジケートローン契約やコミットメントライン契約及びその他一部の借入金には財務制限条項が付されており、特定の条項に抵触し、返済請求を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループでは、定期的な説明会を開催するなど金融機関との良好な関係を維持しつつ、資金調達手段の多様化に努めるとともに、運転資本の適正化や資本効率の向上など、財務体質の改善に取り組んでおります。なお、当連結会計年度末において借入金に係る一部の契約について財務制限条項に抵触しておりますが、資金繰りに懸念はなく、取引金融機関より、期限の利益喪失の請求権を行使しない旨の同意を得ております。 (3) 為替レートの変動について当社グループは、海外向け販売や海外からの資材調達を実施しているため、輸出入において為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、この変動リスクを回避するため、円建てによる輸出取引に加え、外貨建債権の為替予約取引を行うなど為替変動によるリスクを最小限に抑えるよう留意しております。 (4) 地政学リスクについて当社グループは、海外販路の拡大を図るため世界各地において生産・販売の事業活動を展開しております。中東情勢の混迷や、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、北米の関税リスクなどの世界的な地政学リスクの高まりなどによるエネルギー価格及び原材料価格の高騰などが今後長期にわたり継続した場合、または、その他の国や地域等で新たな紛争等が発生した場合、当社グループの販売及び部品調達計画に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループは、海外子会社を通じ、政治・経済情勢や各種規制等の動向を定期的に収集し、地域毎の事業環境の変動や業績への影響を把握することで、事業に及ぼす影響を分析し、対応を行っております。 (5) 環境規制・気候変動等について当社グループが取り扱う建設機械等は、製品及びその製造過程等においてCO2削減や排ガス、騒音、エネルギー規制等様々な環境規制の適用を受け、対応を求められております。今後、環境規制・気候変動への対応等が更に厳格化し、さらなる費用が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、各国の環境規制・気候変動への対応及び関連法規等を遵守するため、研究開発等に資金を投入し、必要な措置を講じているほか、「中期経営計画2025-2027」の基本方針において「サステナビリティ経営の実践」を掲げ、マテリアリティへの取り組みを深化させております。 (6) 自然災害・事故等について 日本を含め当社グループが事業展開を行っている国や地域において、自然災害等の発生や労働環境の違いによる労働争議等の発生、紛争・テロ、感染症の流行が発生し、大幅な需要の減少や、操業の中断などがあった場合、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、地震、火災、風水害等、自然災害の発生に対し、リスク管理体制のもと、一定の防災対策を講じております。また、海外子会社については適切な管理者の派遣を行うとともに、カントリーリスク分析及びモニタリングを実施するなど、各社の独立性を保ちながらリスクの低減に努めております。 (7) 法的規制等について当社グループは、国内外に事業を展開していることから、各国の法規制の適用を受けております。機械安全に係る保安事項はもとより、近年は環境保全のための排出ガス規制が年々強化される傾向にあります。そのため、法令の改正または新たな規制の制定等に対応するための費用が発生した場合、または、各国の政策による輸入制限、輸入禁止措置等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業展開に係る各国の法規制に関する情報収集を継続的に行い、早期に情報を把握し対策を実行することによりリスク軽減を図っております。 (8) 設備投資について当社グループで扱う建設機械等を製造するには、一定程度の広さの敷地や多くの設備等を必要とし、工場敷地、生産設備等に高額の設備投資を要する場合があります。事業環境の悪化等により収益性が事業計画の想定を下回り、新たに減損損失を計上する必要がある場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、経営企画部門が中心となって業績及び「中期経営計画2025-2027」における各施策の進捗状況を管理しており、投資マネジメントを強化し、適正な設備投資判断と投資効率化のモニタリングを継続することで、これらリスクの低減に努めております。 (9) 提携・協力関係について当社グループは、様々なビジネスパートナーとの提携を通じてグローバル戦略の構築を目指しておりますが、期待する効果を得られなかった場合や提携が解消された場合、また、未確認債務の判明や偶発債務が発生した場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、新規提携時および解消時には、外部専門家のアドバイスや適切なデューデリジェンスを実施することで、リスクの低減に努めております。 (10)原材料の調達及び生産について当社グループの製品は、調達部品の比率が高く、原材料価格の高騰などによる原価高の発生や、部品や資材の仕入状況の悪化等が生産への影響、ひいては業績の悪化へとつながる可能性があります。当社グループでは、社内における原価低減活動に加え、仕入先企業とのコミュニケーション強化を図り、最適価格の維持を図りつつ安定供給体制の維持に努めております。また、長期のリードタイムを要する調達部品、調達リスクの高い部品については特に在庫管理と生産計画管理の徹底を図っております。 (11)価格競争及び研究開発について当社グループの製品・サービスが競合企業と比較して性能・品質・コスト面で十分な競争優位性を得られなかった場合は、売上の減少等により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品に、開発の遅れや市場ニーズとの不一致等が生じ、製品の競争力が低下した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、経営企画部門が中心となって業績及び「中期経営計画2025-2027」における各施策の進捗状況を管理しており、開発施策については、マーケティングを強化し、市場ニーズを取り込んだ高付加価値製品の提供とコスト削減に取り組むことで、更なる競争力のある製品の開発を進めております。 (12)債権管理について当社グループが扱う建設機械等は、比較的高額な売買となり、債権の返済期間が長期になることがあります。その間取引先の財政状況が悪化するなどして予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加の引当計上が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、取引先の業態や資金状況に応じた与信管理を行うとともに、必要に応じて担保の提供を受けるなど、不良債権の発生防止に努めております。また、定期的に開催する債権審査会議では、一定の条件に該当する取引先について与信限度額の見直しを実施するほか、継続的なモニタリングを行っております。 (13)棚卸資産について当社グループで扱う建設機械等は、一部の製品を除き需要予測にて見込生産をしております。予期せぬ需要の減少や製品販売価格の下落、在庫期間の長期化等により、棚卸資産の価値が低下し、評価損の計上を余儀なくされた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、需要予測精度を高めるための販売会議及び製造部門と販売部門の会議を開催し、棚卸資産の在庫管理について、短期・長期の需要予測を行い、その適正化に努めております。 (14)製品の不具合等について当社グループでは、製品の欠陥による大規模リコールや市場対策措置の実施に伴う多額の措置費用、また大型の機械であるが故に製品事故が発生した場合、多額の賠償責任費用を負うリスクがあります。これらは当社グループの信用にも重大な影響を及ぼす可能性があり、また、その損害賠償額等が保険の保障額を超えた場合、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、品質マネージメントシステムを構築し品質を保証する仕組み・体制を整備しております。社内で定めた厳しい基準のもと、安全と品質の維持向上に努めております。また、市場品質情報を収集し、品質の改善に努めております。万が一の事故等に備え、製造物責任保険等で十分な保障額の付保を図ることで、費用や賠償責任の負担による財務状況への影響を最小限に抑えられるよう備えております。 (15)情報セキュリティ・知的財産について当社グループは、事業活動において業務上必要な顧客情報や個人情報に接することがあり、営業上・技術上の機密情報を保有しております。万が一、サイバー攻撃による不正アクセス、情報漏洩、滅失等の事故が発生し、損害賠償責任を負ったり、当社グループの評判や信用の低下を招くこととなったりした場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの知的財産権が侵害され、製品・技術等の市場価値が低下した場合、または、当社グループが提供する製品・技術等が第三者の知的財産権に抵触し、訴訟が提起された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、情報の機密保持及び管理システムの安定稼働には細心の注意を払い、適時のセキュリティパッチの適用や不正侵入の防御と早期検知、インシデント発生時の復旧手順を定めるなど、外部からの不正アクセスや情報漏洩等を防ぐための適切な管理体制を強化しております。また、知的財産部門を設置し、知的財産権の適切な管理に努めるほか、製品の開発や製造、販売、その他の事業等において第三者の保有する知的財産権を侵害することのないよう、事前の調査や継続的な監視等の措置を講じております。 (16)コンプライアンスリスクについて当社グループは、役員及び従業員等が、事業活動にあたって各種法令や倫理基準並びに社内行動規範等から逸脱した行為を行うことがないよう、グループ全体へのコンプライアンスの徹底を図っております。しかし、万が一、役員及び従業員等による重大な不正、不祥事等が発生し、コンプライアンス上の問題に直面した場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、法令や倫理を遵守した企業活動を行うよう「コンプライアンス規程」を定め、定期的なコンプライアンス教育・研修等を通じてコンプライアンス上の問題発生を未然に防止するよう努めるほか、内部通報制度やコンプライアンスを推進するための内部統制委員会を設置し、コンプライアンス体制の強化を図っております。

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