研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 27 |
| 2024-03 | - | 36 |
| 2023-03 | - | 11 |
| 2021-03 | - | 10 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,686 文字
6 【研究開発活動】当社グループでは、当社が顧客に提供するソリューション・サービスに係る技術力の強化を目指し、「メンテナンス事業の強化」をキーワードに研究開発活動を展開しています。当期は安全・品質向上、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化および現場業務のIT化を目指し、DX(Digital Transformation)の推進を図ると共に、各種先進技術の導入・活用を進めてまいりました。 なお、当期の研究開発費の総額は85百万円であり、主な取り組み内容は次のとおりです。 (1)メンテナンス作業の機械化既存技術の付加価値向上に加え、安全・品質向上、作業員の非熟練化、および軽労化を目的とした作業の機械化に取り組みました。①熱交換器チューブバンドルのリチュービング(チューブ取替)作業に関連する技術技術者不足の懸念がある熱交換器チューブバンドルのリチュービング作業の機械化に向けて取り組んでおります。当期ではリチュービング用機材であるMAUS社製GRIPPULの有効性について、当社保有訓練施設における実機テストによる評価ならびに定期修理工事現場におけるフェルール(熱交換器チューブに挿入された内管)取外し作業による評価を行い、機械化による優位性の確認を行いました。検証結果から一定の評価が得られたため、次期では機材のパッケージング化を行うことで早期に現場へ展開し、作業の安全品質向上を目指します。②熱交換器チューブ内面洗浄の自動化作業者の高齢化が深刻な熱交換器チューブの高圧水洗浄作業に対して、当期はチューブ自動内面洗浄機の実機検証を行い、更なる改良とその評価を行いました。当該自動内面洗浄機は、熱交換器のチューブ配列を入力する事で半自動的に洗浄を行うもので、アジア圏では初導入になります。次期では機材の保有台数を追加し、チューブ洗浄作業自動化の普及を図ることで更なる省人化を推進いたします。③配管切断技術継続研究テーマであるウォータージェットを利用した切断機の導入について、様々な配管サイズに対応する専用機材の設計を行い、改良と検証を行いました。また、海外製品である本機材は補修部品の入手が困難であるため、国内製品への切り替えと補修部品の確保により、安定的に稼働できる対応を行いました。すでに当社連結子会社の港南通商株式会社への移管を完了しており、火気を使用できない配管(原油配管等)への適用を中心に当該技術の普及を目指しています。④タンク自動溶接技術当期ではタンク側板自動溶接技術(水平継手)を縦継手に適用するための最適な溶接条件の検討および実証を行いました。今後需要が高まる低温タンクの建設に対しても当該技術は有効であり、次期も継続して自動溶接による溶接品質の安定・向上と効率化に向けた研究を推進いたします。⑤タンク底板検査ロボット開発タンク工事おける監督者や検査員による溶接線の目視検査を補助する技術として、タンク底板溶接線の自動走行目視検査ロボットの開発に着手いたしました。溶接線および近傍の表面欠陥の検出、すみ肉溶接線の脚長の測定と合否判定を自動的に行い、検査員による判定を支援することで検査業務の品質向上を目指しています。次期では製作機材の現場検証を行い、改良を進めながら現場への展開を図ります。 (2)現場業務のIT化現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化および業務品質の向上を目指して、ITツールの開発とその活用に取り組みました。①プロット情報共有システム当社が開発した通行止め情報等を共有する旧プロット情報共有システムから、最新のITを活用して従来以上にユーザーフレンドリーなシステムへ抜本的な見直しを行い、試験運用から段階的に現場への適用拡大を進めています。また、導入現場からのフィードバックを反映した改良により、更なる利便性向上を図りました。今後は、当社の工事情報共有システム(SPIRIT)や、その他の社内システムとの連携も視野に入れたシステムにグレードアップすることにより、社内業務の更なる効率化を目指します。②画像認識技術の活用に向けた基礎研究従来から安全品質に関するトラブル防止に向けた研究として、現場管理の「目を増やす」ことを目的としたクラウド型携帯カメラsafie等のカメラ導入を進めてきましたが、当期では技術進歩が目覚ましい画像認識技術の活用による安全・品質向上、作業性向上、省力化を目指し、クレーン作業時の立入り防止措置を中心に自動化・高精度化に向けた既存製品の調査検証を行いました。次期ではこの中でも特に安全・品質向上に重点を置いた製品の検証、評価を継続して行い、現場への適用と普及を目指します。③溶接施工管理分野へのICT導入重大な溶接施工品質トラブルを未然に防止し、品質保証・品質確保を行うことを目的として、膨大な管理項目や書類作成業務を抱える溶接検査業務に対してICTの導入に着手いたしました。実務の洗い出しと課題の抽出結果から目指すべき姿を描いたロードマップを基に新規システムを開発し、当期では初期開発の段階で現場へ試験導入を行い、検証結果による改良、および更なる機能を充実化したシステムの開発を行いました。次期では最新のシステムを現場へ適用し、現場のフィードバックからシステムの利便性の向上を目指し、AIによる業務効率化等も含めて、品質の向上、および当社業務への標準化を目指します。 当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラント設備の老朽化が進み、安全・安定操業に対するニーズの高まりや経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が早急に求められています。当社グループは、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発のテーマ選定にあたっては、今後も国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、DXの推進に向けて社内連携を強化し、デジタル技術や先進技術を活用したテーマの研究を積極的に推進いたします。
FY2024|2,986 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、当社が顧客に提供するソリューション・サービスに係る技術力の強化を目指して取り組んでいるものであります。当連結会計年度は第2次中期経営計画の3年目として、「メンテナンス事業の強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化および現場業務のIT化を踏まえ、DX(Digital Transformation)の推進を目指し、各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。 なお、当期の研究開発費の総額は77百万円であり、主な取り組み内容は次のとおりです。(1)メンテナンス作業の機械化既存技術の付加価値向上に加え、作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。①熱交換器チューブバンドルのリチュービング作業に関連する技術 技術者不足の懸念がある熱交換機チューブバンドルのリチュービング作業への取組みを行いました。当期においては、抜管用機材であるMAUS社製GRIPPULに対する当社保有訓練施設を活用した評価を行うとともに、リチュービングの付帯作業の1つであるシール溶接を自動で行う溶接機を導入し、同様に評価を実施しました。また、ロボットアームによる自動拡管機を当社千葉工場に設置し、次期に評価を行う計画です。次期ではこれらの活動を継続しつつ、既存製品を活用した現場作業の効率化を計画しており、当社オリジナル製品の開発も含めてリチュービング作業に適した機材のパッケージング化を行う事で、安定した品質の確保を目的に活動を進めてまいります。②熱交換器内面洗浄の自動化検証 作業者の高齢化が顕著な高圧水を使用した洗浄作業において、当期は熱交換器の内面洗浄の自動化の検証を行いました。前期末に導入した自動洗浄機は事前に熱交換器のチューブ配列の寸法を入力する事で、半自動的に洗浄作業を行えるもので、アジア圏で初導入になるものです。今期はこれらの現場適用を行い、改良点の抽出や、優位性について評価を実施しました。次期では上記自動洗浄機の導入・普及を中心に、3Dスキャニング技術を活用し、さらに進んだ自動化技術について検証を進め、機械による安全で高品質な洗浄作業の普及を目指してまいります。③配管切断技術以前より活動を実施しているウォータージェットを利用した切断機に関して、配管の外径に限定されていた工具をフレキシブルに対応すべく専用機材の設計を行い、現在改善と検証を行っております。すでに機材が安定的に稼働し、適用実績も増えてきたことから、当社関連会社の港南通商株式会社へ移管を行い、コールドカッティング技術による切断作業の普及を図ってまいります。④タンク工事に向けた自動溶接の適用範囲拡大当期においてはタンク側板自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討並びに実験を行ってまいりました。板厚による溶接条件の確立や安定した溶接の品質確保を目標に今後も継続して取り組む計画です。また、需要が高まる低温タンクへの適用についても、同技術を生かして、取り組みを進めております。(2)現場業務のIT化現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。①プロット情報共有システム当社が自社開発した通行止め情報等を共有する、プロット情報共有システム(SKY-Ai)は、多くの定期修理工事現場において、取引先に活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、今期、最新のITを活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直しに取組み、新たにSKY-AiRとしてリリースしました。次期の2024年度においては、試験運用を進め段階的に現場への導入と適用拡大を図り、試験運用にて得た課題等について、継続的に改修、機能追加を行ってまいります。また、同じく当社が自社開発した工事情報共有システム(SPIRIT)や、その他の社内システムと連携を見据えたシステムとする事で、社内業務の効率化を図ってまいります。②プロジェクト可視化に向けたシステム開発現在、工事のプロジェクト情報は、Excel等で個別に管理されているケースがほとんどであり、全体的に確認する方法がありません。また、各プロジェクトに付随する、監督者数や協力会社の動員計画人数および実績人数等は、膨大なデータ量であり、それらの確認や比較に非常に手間と時間を要しております。そこでプロジェクト情報を一元的に可視化することで、社内全体のプロジェクト状況を容易に把握できるようにし、データを俯瞰して分析することで、工事の状況把握を行い、トラブルの予測や原因究明、対策立案にいち早く対処できるようなシステムを構築すべく、ダッシュボード機能を有する既存システムを活用し、導入効果の検証に着手いたしました。③画像認識技術の活用に向けた基礎研究近年、現場で優先されるべき安全品質に関してトラブルが増加傾向にあり、それらの対応策の1つとして、現場管理の「目を増やす」ことを目的とし、クラウド型携帯カメラsafie等のカメラ導入を進めてまいりました。しかし、カメラのみでは監視や記録がメインとなり、リアルタイムでトラブルを防止することが難しいことから、画像認識技術を用いて、安全品質の向上を目指すべく、既存製品の調査検証に着手いたしました。④溶接施工管理分野へのICT導入重大な溶接施工品質トラブルを未然に防止するため、多くの管理項目や書類作成業務を抱える溶接検査業務にICTを導入し、品質保証並びに品質確保を行うべく、実業務の洗い出しと課題を抽出し、その結果から理想とする姿を描き、実現に向けたロードマップの作成と既存技術調査並びにシステム開発に向けた検証作業に着手しました。次期はシステムの本開発やDB構築に向けた検討を行い、溶接検査業務の効率化を図ってまいります。 当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラント設備の老朽化が進み、安全・安定操業に対するニーズの高まりや経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が早急に求められております。当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げたDXの推進に向けて、他部署との連携を強化し、デジタル技術や先進技術を活用したテーマを積極的に推進してまいります。
FY2023|2,805 文字
6 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、当社が顧客に提供するソリューション・サービスに係る技術力の強化を目指して取り組んでいるものであります。 当連結会計年度は第2次中期経営計画の2年目として、「メンテナンス事業の強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化、および現場業務のIT化を踏まえ、DX(Digital Transformation)の推進を目指し、各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。 なお、当期の研究開発費の総額は60百万円であり、主な取り組みは次のとおりです。(1)メンテナンス作業の機械化 既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。①熱交換器チューブバンドルのリチュービング作業に関連する技術 技術者不足の懸念がある熱交換機チューブバンドルのリチュービング作業への取組みを行いました。当期においては、訓練用熱交換器を活用した既存製品(スギノマシン社製クイックプーラー等)の評価、ロボットアームを使用した工場内でのリチュービング作業や自動シール溶接機の導入検討を実施いたしました。翌期ではこれらの活動を継続しつつ、既存製品を活用した現場作業の効率化を計画しており、当社オリジナル製品の開発も含めてリチュービング作業に適した機材のパッケージング化を行う事で、安定した品質の確保を目的に活動を進めてまいります。②熱交換器内面洗浄の自動化検証 作業者の高齢化が顕著な高圧水を使用した洗浄作業において、当期は熱交換器の内面洗浄の自動化の検証を行いました。海外製品を改良し、自動化に向けた電動化の検証と課題抽出、ならびに海外製品の導入を行いました。特に当期末に導入した海外製品は事前に熱交換器のチューブ配列の寸法を入力する事で、半自動的に洗浄作業を行えるもので、アジア圏で初導入になるものです。翌期はこれらの現場適用を行い、改良点の抽出や、3Dスキャニング技術を活用し、さらに進んだ自動化技術について検証を進め、機械による安全で高品質な洗浄作業の普及を目指してまいります。③配管切断技術 以前より活動を実施しているウォータージェットを利用した切断機に関して、配管の外径に限定されていた工具をフレキシブルに対応すべく専用機材の設計を行い、現在改善と検証を行っております。翌期は機材が安定的に稼働し、適用実績も増えてきたことから、当社関連会社の港南通商株式会社へ移管を行い、コールドカッティング技術による切断作業の普及を図ってまいります。④タンク工事に向けた自動溶接の適用範囲拡大 当期においてはタンク側板自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討並びに実験を行ってまいりました。板厚による溶接条件の確立や安定した溶接の品質確保を目標に、現場への適用拡大を目指してまいります。また、需要が高まる低温タンクへの適用についても、同技術を生かして、取り組みを進めていく計画です。(2)現場業務のIT化 現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。①プロット情報共有システム 当社が自社開発した通行止め情報等を共有する、プロット情報共有システム(SKY-Ai)は、多くの定期修理工事現場において、お客様や他の元請会社にご活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、最新のITを活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直し、再構築について検証(PoC:概念検証)を実施いたしました。このPoCによって、新たに開発する機能等の実現性が検証できたことを受け、当期より開発に着手いたしました。翌期は運用にてニーズの高かった機能を中心に実装を進め、2023年9月頃に現場への初回導入を計画しております。また、同じく当社が自社開発した工事情報共有システム(SPIRIT)や、その他の社内システムと連携を見据えたシステムとする事で、社内業務の効率化を図ってまいります。②プロジェクト可視化に向けたシステム開発 現在、工事のプロジェクト情報は、Excel等で個別に管理されているケースがほとんどであり、全体的に確認する方法がありません。また、各プロジェクトに付随する、監督者数や協力会社の動員計画人数及び、実績人数等は、膨大なデータ量であり、それらの確認や比較に非常に手間と時間を要しております。そこでプロジェクト情報を一元的に可視化することで、社内全体のプロジェクト状況を容易に把握できるようにし、データを俯瞰して分析することで、工事の状況把握を行い、トラブルの予測や原因究明、対策立案にいち早く対処できるようなシステムを構築すべく、既存システムを含めて調査、導入に着手いたしました。③XR(Cross Reality:クロス・リアリティ、VR(仮想現実)など、現実世界と仮想世界を融合し、新しい体験を作り出す技術の総称) カメラをかざして画像認識することで環境やモノを特定する技術(VPS技術)を活用し、スマートホンで対象物に向ければ、工事対象機器の仕様や、立ち入り禁止エリアの表示等を視覚的に確認する事ができるようになります。社内並びに既存のシステムとの連携を視野に入れ、現実の機器や場所に合わせて、情報を画面内に自動に出すことで業務改革を目指すべく、技術の検証やシステムの開発に着手いたしました。 当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラント設備の老朽化が進み、安全・安定操業に対するニーズの高まりや経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が早急に求められております。 当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げたDXの推進に向けて、他部署との連携を強化し、デジタル技術や先進技術を活用したテーマを積極的に推進してまいります。
FY2022|3,767 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、当社が顧客に提供するソリューション・サービスに係る技術力の強化を目指して取り組んでいるものであります。当連結会計年度は第2次中期経営計画の初年度として、「メンテナンス事業の強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化、および現場業務のIT化を踏まえ、DX(Digital Transformation)の推進を目指し、各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。なお、当期の研究開発費の総額は85百万円であり、主な取組みは次のとおりです。(1)メンテナンス作業の機械化 既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。①熱交換器のメンテナンスに関連する技術 熱交換器のカバー類の脱着について、狭所における支保工材を活用した工法の改善策としてより軽量で取扱いが容易な部材の採用や冶具の開発を行いました。また、熱交換器の開放作業において、高温高圧の環境下で使用される事によって発生するボルトの焼き付き、かじりの対応策として、従来の火気によるボルトの溶断や手作業による切断に代わり、より安全で効率的な工法として既存製品を応用した無火気切断工法を確立しました。今後は現場での実績を蓄積し、これらの標準化を図ってまいります。さらに、技術者不足の懸念がある熱交換機チューブバンドルのリチュービング作業や内面洗浄の非熟練化や機械化への取組みを開始しました。当期においては、既存製品の作業性の評価を中心に活動を実施し、来期以降は当社オリジナル製品の開発も視野に活動を進めてまいります。②配管切断技術 以前より活動を実施しているウォータージェットを利用した切断機に関して、配管の外径に限定されていた工具をフレキシブルに対応すべく専用機材の設計を行いました。来期は設計した機材の製作と現場への適用実績を蓄積し、更なる改良を重ね、既存の技術を含むコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。③自動溶接の適用範囲拡大 当期においてはタンク側板自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討並びに実験を行ってまいりました。板厚による溶接条件の確立や安定した溶接の品質確保を目標に、来期も当期で得られた知見を元に、現場への適用を目指してまいります。④溶接士不足への対応 将来的に溶接士の不足が懸念されることから、前期に引き続き、自動溶接機による配管の溶接実験を継続して行いました。現場適用を目標に進めておりましたが、溶接条件や機材の特性から現場への適用は難易度が高い事が分かり、導入には至っておりません。今後は現場適用だけではなく、弊社工場での活用も視野にいれ、検討を継続してまいります。今後も、メンテナンス技術力の強化を目標にメンテナンス作業の機械化を進めてまいります。(2)現場業務のIT化 現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。①工事情報共有化・工事進捗管理システム 当社が自社開発した工事情報共有化・工事進捗管理システム(SPIRIT)は、多くの定期修理工事現場においてお客様や他の元請会社にご活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、最新のIT技術を活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直し、再構築するためにPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施いたしました。このPoCによって、新たに開発する機能等の実現性が検証できたことを受け、前期より社内外のユーザーをメンバーとするプロジェクト体制を組んで開発を実施してまいりました。その結果、計画通り開発を完了し、2022年1月に現場への初回導入を実施いたしましたが、社内外から高い評価を得ることができました。来期以降も継続して必要な機能の開発を行いつつ、並行して定期修理工事現場へ積極的に導入してまいります。②位置情報管理技術の開発 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を用いて現場機器等の管理を行うため、位置情報管理システムの開発を進めておりますが、近距離無線通信の活用によって位置測位精度の向上を図ることができました。これをGPS技術と組み合わせることで広域における大まかな位置情報と狭域における精度の高い位置情報の取得が可能となりました。今後は、現場での適用拡大を図り、標準化を目指してまいります。③VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ、仮想現実)映像の現場活用 前期は安全体感VRの有効性を検証し、現場での安全教育へ導入、運用を実施いたしました。当期は以前より開発しておりました、熱交換器チューブバンドルの抜出、挿入に使用するハイドロエキストラクターの操作VRの制作を完了させました。来期には弊社内の教育に生かすべく、活用ならびに展開を図ってまいります。 ④AI(Artificial Intelligence:人工知能) AIを現場管理業務に適用するため、「予測系AI」「認識系AI」「対話系AI」によってどのような現場業務に効果が見出せるか、の検討を開始しました。また、AIを活用した各種ツールが急速に普及しておりますが、その有効性と現場活用について調査を実施しました。 これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく、働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指して継続的に推進してまいります。(3)その他の技術等 ①溶接技術の確立 溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施してまいりました。基礎データの採取を経て、溶接補修を施した試験片の製作と硬度およびクリープ試験によるデータ採取しました。さらに基礎データと比較することで溶接欠陥への対処に関する知見を獲得し、リスクを回避した溶接施工方法を確立、目標の一つであった電気事業法への対応も完了した事から、当社の補修技術として展開を図ってまいります。②FREND検査™ 当社は、熱交換器、ボイラチューブの内・外面腐食検査を高精度かつ迅速に行うことができる、独自の検査技術(FREND検査™)を有しております。この技術をUベンドを有する熱交換器チューブに適用すべく、曲率半径の小さなUベンド部を通過できるセンサの開発に着手し、良好な結果を得ることができました。さらに異なる型式の熱交換器チューブへの適用を目指して開発を進めておりましたが、当期において十分な実績と知見を得られましたので、対応範囲を拡大し、顧客の拡大に努めてまいります。 ③ドローンの活用 活用法が急拡大しているドローン技術について、点検・検査に止まらずメンテナンス現場やエンジニアリング分野での活用について検討を実施しました。プラント設備内や配管内の点検、メンテナンスを中心に検討を行いましたが、マルチパスと呼ばれる電波干渉の影響で、機器内部で墜落するリスクがある事から、導入には至りませんでした。今後は屋外飛行による施工記録、外面検査等への適用に向けて調査、検証を継続します。④Liderの活用 新型iPhoneに実装されたLider(レーザー光を照射し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定する技術)を活用した、現場採寸業務と設計図への反映について検討を開始しました。測定精度の問題から設計業務への活用は困難であると分かりましたが、その他業務への活用を含めて検証を継続してまいります。 当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラント設備の老朽化が進み、安全・安定操業に対するニーズの高まりや経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が早急に求められております。 当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げたDXの推進に向けて、2021年6月に発足した当社新組織「DX推進室」を中心に、他部署との連携を強化し、デジタル技術や先進技術を活用したテーマを積極的に推進してまいります。
FY2021|3,456 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、当社が顧客に提供するソリューション・サービスに係る技術力の強化を目指して取り組んでいるものであります。当連結会計年度は経営統合後の第1次中期経営計画の最終年度として、「メンテナンスとエンジニアリングの技術力強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化、および現場業務のIT化を踏まえた各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。なお、当期の研究開発費の総額は132百万円であり、主な取組みは次のとおりです。(1)メンテナンス作業の機械化 既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。①熱交換器のメンテナンスに関連する技術 熱交換器のカバー類の脱着について、狭所における支保工材を活用した工法の改善策としてより軽量で取扱いが容易な部材の採用や冶具の開発を行いました。来期は現場における有効性を確認したうえで本工法の標準化を図ってまいります。また、高温高圧の環境下で使用される熱交換器の開放作業においては、焼き付き、かじりによってボルトの取外しが困難となる状況が度々発生します。これに対応するため、火気によるボルトの溶断や手作業による切断等に関し、より安全で効率的な工法への取組みを開始しました。②配管切断技術 ウォータージェットを利用した切断機の有効性が現場において検証できたことから、来期以降、さらに適用実績を蓄積して改良を重ね、既存の技術を含むコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。③自動溶接の適用範囲拡大 前期はタンク側板の周継手に係る自動溶接について現場で適用できることが確認できました。当期においては自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討を行ってまいりました。来期には現場で適用できるよう継続して溶接条件の検討を行ってまいります。また、タンク屋根板の自動溶接にも取り組み、現場での施工に問題がないことを確認しました。④溶接士不足への対応 将来的に溶接士の不足が懸念されることから、前期に引き続き、自動溶接機による配管の溶接実験を継続して行い、来期には現場適用できるように取り進めてまいります。また、溶接士がいつでも技能の向上を図ることができるよう訓練機の開発にも着手しました。 今後も、メンテナンス技術力の強化を目標にメンテナンス作業の機械化を進めてまいります。(2)現場業務のIT化 現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。①メンテナンスデータベース 当社が自社開発したメンテナンスデータベース(S-TORAGE)は、機能改修とクラウド化によって複数の定期修理工事現場においてその有効性を発揮できることを確認しておりましたが、当期前半において最終の機能改修を行い、一連の開発が完了しました。また、当データベースを活用した文書管理にも取り組みました。引き続き、定期修理工事現場における活用の拡大を図ってまいります。②工事情報共有化・工事進捗管理システム 当社が自社開発した工事情報共有化・工事進捗管理システム(SPIRIT)は、多くの定期修理工事現場においてお客様や他の元請会社にご活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、最新のIT技術を活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直し、再構築するためにPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施いたしました。このPoCによって、新たに開発する機能等の実現性が検証できたことを受け、社内外のユーザーをメンバーとするプロジェクト体制を組んで当期後半から開発に着手いたしました。来期には開発を完了させ、定期修理工事現場へ導入してまいります。 ③位置情報管理技術の開発 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を用いて現場機器等の管理を行うため、位置情報管理システムの開発を進めておりますが、前期において近距離無線通信の活用によって位置測位精度の向上を図ることができました。これをGPS技術と組み合わせることで広域における大まかな位置情報と狭域における精度の高い位置情報の取得が可能となりました。今後は、測位機材を簡易に設置できるよう改良を施し、来期における現場での適用を視野に入れた本システムの実用化を図ってまいります。 ④VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ、仮想現実)映像の現場活用 これまでVR映像の現場活用に取り組んでまいりましたが、当期は安全体感VRの有効性を検証し、現場での安全教育へ導入、運用を開始しました。さらに、熱交換器チューブバンドルの抜出し、挿入に使用するハイドロエキストラクターの操作VRの制作にも取り組み、次期には完成させて実機操作前の教育に活用してまいります。 ⑤AI(Artificial Intelligence:人工知能) AIを現場管理業務に適用するため、「予測系AI」「認識系AI」「対話系AI」によってどのような現場業務に効果が見出せるか、の検討を開始しました。また、AIを活用した各種ツールが急速に普及しておりますが、その有効性と現場活用について調査を実施しました。引き続き、具体的な導入に向けて検討を進めてまいります。 これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく、働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指して継続的に推進してまいります。(3)その他の技術等 ①溶接技術の確立 溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施しております。前期までに基礎データの採取が完了しておりますので、当期においては溶接補修を施した試験片の製作と硬度およびクリープ試験によるデータ採取を行いました。来期は基礎データと比較することで溶接欠陥への対処に関する知見を獲得し、リスクを回避した溶接施工方法を確立してまいります。②FREND検査™ 当社は、熱交換器、ボイラチューブの内・外面腐食検査を高精度かつ迅速に行うことができる、独自の検査技術(FREND検査™)を有しております。この技術をUベンドを有する熱交換器チューブに適用すべく、曲率半径の小さなUベンド部を通過できるセンサの開発に着手し、良好な結果を得ることができました。来期には異なる型式の熱交換器チューブへも適用範囲を拡大することを目指して開発を進めてまいります。 ③ドローンの活用 活用法が急拡大しているドローン技術について、点検・検査に止まらずメンテナンス現場やエンジニアリング分野での活用について検討を開始しました。④レーザー計測の設計業務への活用 設計業務に活用するレーザー計測について、精度の向上や機器の信頼性等に関する研究を行い、実業務へ反映させました。 当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラントの安全・安定操業に対するニーズの高まりや設備の経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が求められております。 当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げた「DX(Digital Transformation)推進」に向けて、デジタル技術や先進技術を活用したテーマにも取り組んでまいります。
FY2019|2,636 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、顧客ニーズに対してメンテナンス及びエンジニアリングによるソリューション・サービスを提供することを目指し、テーマを選択して取り組んでまいりました。当期は第6次中期経営計画の最終年として、メンテナンス技術力の強化及びエンジニアリング技術のレベルアップをキーワードとして、関連する14テーマについて活動を展開してきました。作業の非熟練化、軽労化、安全性向上に寄与する現場作業の機械化を積極的に推進すると共に、管理業務の効率化や業務品質の向上を目的とした業務のIT化にも継続して取組んでまいりました。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は115,762千円(消費税等は含まない)であり、主な取り組みは次のとおりです。(1) メンテナンス作業の機械化 作業の機械化については、既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化及び安全性の向上を目的として6つのテーマに取り組みました。 まず熱交換器のメンテナンスに関連する技術として、定期修理工事において特殊な技能が必要とされる熱交換器チューブバンドルの抜出・挿入作業に関し、より一層の非熟練化を目指しました。操作性等を向上させる機能を追加した新型ハイドロエキストラクターの開発に着手し製作を完了いたしました。来期には現場適用を行い追加機能の有効性の検証を行うと共に、ハイドロエキストラクターに具備すべき仕様をとりまとめ、今後導入・更新する機材の標準化を図っていく所存です。次に熱交換器チューブバンドルの洗浄作業においては、内面洗浄機の遠隔操作化に取り組みました。チューブ位置合わせの自動化、位置合わせと連動したフレキシブルランスの動作及び高圧水のON/OFF制御機能を開発しました。来期は現場での使用実績を積みながら、内面洗浄機の標準的な適用方法についてまとめていく予定です。また熱交換器のカバー類の脱着に関し、狭所における脱着工法の検討を実施してまいりました。来期は定修現場で試験適用を行いながら有効性の評価を行っていきたいと考えております。配管切断技術に関しては、完全な無火気工法としてウォータージェットを利用した切断機を導入し、操作技術を習得すると共に性能確認を実施いたしました。来期には現場適用を通じてこの切断技術の有効性や経済性について検証していく予定です。また既存の技術を含めてコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。溶接技術に関しては、タンク側板への自動溶接適用に向けて各種の溶接条件の検討を行い、危険物保安技術協会の溶接確認試験を受験し合格いたしました。来期はタンク補修の現場への適用を進めていく予定です。また将来的に懸念されている溶接工の不足に対応すべく、配管の自動溶接機を導入し溶接条件の検討を開始いたしました。来期も自動溶接機の現場適用に向けて活動を継続してまいります。今後もメンテナンス技術力の強化を目標に現場作業の機械化を進めてまいります。(2) 現場業務のIT化分野 現場で利用される情報の一元化、共有、連携や情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化すると共に業務品質を向上させることを目標として、ITツールの開発やその活用強化に関する6テーマに取り組みました。まず自社開発したメンテナンスデータベース(S-TORAGE)は、操作性や検索性を向上させる機能開発を行うと共に、効果的な運用方法についても検討してまいりました。来期は定修工事現場において、S-TORAGEの有効な活用方法について検証していく予定です。次に位置情報の管理技術として、各種工事及び工事に使用するクレーン等機材の位置情報を管理するシステムについては表示機能やインターフェイス等について改良を実施いたしました。また現場の機器等の工事管理用に開発したシステムについては、より高精度の位置測位方法や新しい通信方法について検討を実施してきました。これらの技術については、来期に定修工事現場において機能の確認を行ってまいります。3Dスキャニング技術は既に多くの現場で適用実績を上げています。図面がない現場や立ち入り期間の制約のある現場での正確な寸法測定、既設設備の撤去に伴うレイアウト検討や重機計画を事前に確認できる等のメリットがあり、作業の効率化や工事品質の向上に大きく貢献しております。この技術は今後も幅広く社内で展開してまいります。エンジニアリング業務に使用するデータ等を一元管理するシステムを開発いたしました。設計に必要なデータをデータベース化しデータ連携できるようにすることで、業務の効率化と確実な変更管理による業務品質の向上が図られるようになりました。今後もさらに使い勝手の向上に努め有効活用していく所存です。また積算業務の効率化にも着手しており、来期も引き続き検討を進めてまいります。これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指し継続的に推進してまいります。(3)その他の技術 その他の技術としては以下の2テーマに取り組んでおります。既設の防油堤を貫通する配管工事について、新材料を用いた補強工法を開発いたしました。今後は個別の案件に対して適用検討をしていきたいと考えております。溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施しています。この活動は来期も継続いたしますが、溶接欠陥への対処に関する知見を獲得することで、リスクを回避した溶接施工方法を確立したいと考えております。当社グループの主要顧客業界である石油業界や石油化学業界においては、生産設備の高経年化に伴うメンテナンスの重要性が認識されており、メンテナンス請負企業に対する労働安全や品質管理に対する要求も厳しくなってきています。さらに社内においても時間外労働時間の削減は重要課題であり、更なる業務の効率化による働き方改革が求められております。研究開発活動は、こうした顧客ニーズや事業環境に応えられるように相応しい研究開発テーマを選定し実施していく所存であります。なおテーマの選定にあたっては、国内はもとより欧州や米国などにおいても技術及び市場調査を継続して行い、その成果を有効に活用してまいります。
FY2018|2,467 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、顧客ニーズに対してメンテナンス技術及びエンジニアリング技術によってソリューション・サービスを提供することを目指し、テーマを選択して取り組んでまいりました。第6次中期経営計画においては、メンテナンス技術力の強化及びエンジニアリング技術のレベルアップを目指して活動を展開してきました。当期は中間年として、作業の非熟練化、軽労化、安全性向上に寄与するメンテナンス作業の機械化を積極的に推進すると共に、現場における管理業務の効率化や情報共有を目的とした現場業務のIT化にも継続して取組んでまいりました。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は95,654千円(消費税等は含まない)であり、主な取り組みは次のとおりです。(1) メンテナンス作業の機械化 メンテナンス作業の機械化については、既存技術の付加価値向上に加え、作業員の非熟練化、軽労化及び安全性の向上を目的として取り組みました。 まず弊社の得意とする定期修理工事において、特殊な能力が必要とされる熱交換器チューブバンドルの抜出・挿入作業について、前期に導入した軽量ハイドロエキストラクター及び適用範囲を拡大させるために開発した治具を複数の現場に適用して有効性を確認しました。また、更に操作性を向上させる機能等を追加した新機材について仕様を確定し発注準備を行いました。新機材の導入により、チューブバンドルの抜出・挿入作業に対する機械適用率を更に高めていきたいと考えております。 次に熱交換器チューブバンドルの洗浄作業においては、前期に導入した内面洗浄機の遠隔操作化に取り組みました。無線カメラによる認識技術の確認や作動ユニットについて制御技術の開発を実施しました。将来的にはこれら要素を完成させて、更なる安全性の向上と省力化を目指してまいります。 また配管切断技術については、完全な無火気工法としてウォータージェットを利用した切断機の選定とそのアタッチメントの開発を実施しました。今後は既に保有しているSPC CARBER工法や切断・開先加工機と組み合わせることで、切断から耐圧試験までを一連のサービスとして提供できるよう施工技術のメニューを充実させてまいります。 従来、タンクの底板溶接に用いていたサブマージ自動溶接機を側板へ適用拡大するための機材改造に関する研究については、タンク補修の現場適用を経て更なる改造を進めております。また、2018年度には配管の自動溶接機についても導入研究を開始する予定です。 今後もメンテナンス技術力の強化を目標に、メンテナンス作業における付加価値と顧客満足度の向上を目指してまいります。(2) 現場業務のIT化分野 現場で利用される情報の一元化や共有、情報取得の省力化等により、現場業務を効率化すると共に業務品質を向上させることを目標として業務のIT化に取り組みました。 まず自社開発したメンテナンスデータベース(S-TORAGE)は、更に使いやすいシステムとなるよう、現場ニーズに沿って改修・改造を行うことで基本機能を完成させ、現場への導入及び普及を積極的に進めました。 次に、各種工事及び工事に使用するクレーン等機材の位置情報を管理するシステムについては、現場ニーズに合わせた改修を行いながら実業務で運用してきました。また、現場の機材管理に利用することを目的として前期に開発したGPS技術を利用した位置情報管理システムは、更に位置精度を向上させる改善検討を実施いたしました。 現場管理に必要な情報の共有とリアルタイムな利用を目指して、スマートフォンやタブレットなどを利用した情報利用技術について開発を進めました。既に開発した進捗・情報共有化ツール(SPIRIT)と連携するシステムの改修を行うと共に、現場にいながら工事に関連する図書類やデータにアクセスできるシステムについても試験適用を進めてまいりました。 更に現場の状況を事務所などの遠隔地からでも把握できることを目的として、メガネ型ウェアラブル端末を利用した点検システムの現場適用を進め、適用方法やその有効性について評価を行っています。 3Dスキャニング技術については既に多くの現場で採用されており、工事計画において新設配管や機器等の干渉を事前に確認できることで、作業の効率化や工事品質の向上に大きく貢献しております。更に、スキャニングを実施した現場でデータ処理を併せて行うことで、より効率的な業務を実現するワークフローの確立を目指しております。 エンジニアリング業務に使用するデータ等を管理するシステムの開発にも着手いたしました。設計に必要なデータ等をデータベース化し一元管理することで、変更管理を効率的かつ確実に行い業務品質を向上させることを目的としております。 これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく、働き方改革の実現にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指し継続的に推進してまいります。(3)その他の技術 既設の防油堤を貫通する配管工事について、新材料を用いた補強工法の開発に着手しました。これにより工事の省力化、工程短縮、コスト低減を達成し、従来工法との差異化を図ることを目指しております。 当社グループの主要顧客業界である石油業界や石油化学業界においては、定期修理工事の集中による人手不足という問題が切迫してきています。また顧客からメンテナンス請負企業への施工管理の依存度が高まると共に、労働安全や品質管理に対する要求も厳しくなってきています。更に社内においても業務の効率化による働き方改革が求められております。 研究開発活動は、こうした顧客ニーズや事業環境に応えられるように相応しい研究開発テーマを選定し実施していく所存であります。研究開発テーマの選定にあたっては、国内はもとより欧州や米国などにおいても技術及び市場調査を継続して行い、その成果を有効に活用してまいります。
FY2017|2,048 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、総合メンテナンス企業としての更なる成長に向けて、前期から継続して製造設備のメンテナンスサービスについて、顧客ニーズに対応できるよう施工方法や管理技術の分野に関するテーマを選択して取り組んでまいりました。 また、第6次中期経営計画の開始年として作業の非熟練化、軽労化、安全性向上に焦点を絞り、現場作業の機械化を積極的に推し進めました。更に開発したS-TORAGETM(メンテナンスデータベース)を中心に現場管理の支援機能を拡充させる活動も行ってきました。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は 74,498千円(消費税等は含まない)であり、主な取り組みは次のとおりであります。(1) メンテナンスの施工方法分野メンテンナスにおける施工方法については、主に既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化及び軽労化を目的として取り組みました。 まず弊社の得意とする定期修理工事において特殊な能力が必要とされる熱交換器チューブバンドルの抜出・挿入作業に関して、既存のハイドロエキストラクターの適用範囲を拡大させるための治具開発や昨年開発した軽量ハイドロエキストラクターの改造を行いました。この取り組みにより作業の安全性に寄与すると共に機械の適用率も向上させることが出来ました。 次に熱交換器チューブバンドルの内面洗浄作業において最新式の自動洗浄機を導入しました。将来的には無線カメラを利用した認識技術による遠隔操作や自動認識・操作の機構を開発し、更なる安全性向上と省力化を目指していきます。 また、配管切断技術については無火気工法として切断・開先加工機を導入し、非常に時間のかかっていた高圧厚肉配管の切断・開先加工作業に適用し、大幅な工程短縮を実現しました。 今後もメンテナンス技術力の強化を目標に付加価値を創造し、顧客満足度向上に貢献して参ります。(2) メンテナンスの管理技術分野 管理技術については主に施工管理業務におけるIT化を推進してまいりました。繰り返し使用される情報の一元化や再利用および、現場で情報を取得できる仕組みによって業務を効率化することで、現場品質管理にかける時間を増加させることを目標として取り組みました。 まず弊社のCMMS(Computerized Maintenance Management System)の見直しを行い、自社にて開発したS-TORAGETM(メンテナンスデータベース)を現場に積極的に導入すると共に、現場のニーズに合った改修・改造を行い、使いやすいシステムとして普及に努めました。 次に現場で煩雑になりがちな機材管理において、GPS技術を利用した位置情報管理システムを開発し併せて精度を向上させる改善を実施いたしました。本システムは分解した熱交換器チューブバンドルの位置、工事に使用するクレーンや機材の位置、さらに将来的には作業員の動線把握にまで展開できるものと考えております。 また、現場管理情報の共有とリアルタイム性を意図して、スマートフォンやタブレットなどを利用して既に開発した進捗・情報共有化ツール(SPIRITTM)、S-TORAGETMやGPS位置情報システムから、更には顧客からの工事要求(ドキュメント)についても現場にいながら情報を取得できる仕組みを開発しました。今後は作業員との情報共有も視野に入れた仕組みを構築していきたいと考えております。 また、現場の状況を事務所などの遠隔地からでも把握できることを目的としたメガネ型ウェアラブル端末を利用した点検システムの開発に着手しました。これらの管理技術に関する研究開発は、業務効率化による残業時間削減と新たな管理方法の実現に向けた取り組みとして社内標準化を目指し継続的に推進して参ります。(3)その他の技術分野 前期より取り組んでいる従来タンクの底板溶接に用いていたサブマージ自動溶接機を側板へ適用拡大するための機材改造に関する研究については、研究段階を経て施工方法を確立し現場適用に進めることができました。また、導入を目指して進めてきた3Dスキャニング技術についても、改造改修工事のベースデータを短時間で正確に取得することが可能となり多くの現場で採用されております。特に工事計画において新設配管や機器等の干渉を事前に確認できるので工事の後戻りが防止でき、作業の効率化に繋がっております。 当社グループでは石油精製及び石油化学マーケットの縮小予想に伴う競争市場での勝ち残りや発電、ガス事業及び食品など新規分野への参入を意識して、それに寄与する付加価値の高い技術やサービスの提供を行っていきたいと考えております。更には作業員や監督者など現場従事者の軽労化、非熟練化と安全性向上にも配慮した取り組みを進めてまいります。 研究開発テーマの選定にあたっては、国内はもとより欧州や米国などの国外も調査対象として継続的に市場調査を行ってまいります。
FY2016|2,017 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、総合プラントメンテナンス企業としての更なる成長に向けて、前年に引き続き製造設備のメンテナンスサービスに関するテーマを選択し取り組んでおります。 業務の効率化、安全性や品質の向上、労務費や社外流出コストの適正化、および工程の最適化などを目的として、主にメンテナンスの施工方法や管理方法に関する分野について活動を進めてまいりました。また今年度は、第5次中期経営計画の最終年として研究開発の成果を意識して実施いたしました。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は83,889千円(消費税等は含まない)で、主な取り組みは次のとおりであります。(1) メンテナンスの施工技術分野 メンテンナスにおける施工方法については、主に既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化及び軽労化を目的として取り組みました。 一つは、弊社の得意とする定期修理工事において、特殊な能力が必要とされる熱交換器チューブバンドル抜き出し作業です。既に使用されているハイドロエキストラクターの適用範囲を拡大させるために、国内の設備に合った小型かつ軽量のハイドロエキストラクターを設計・製作しました。これにより作業の軽労化に加え、少ない経験でも安全に作業できる環境を実現することができました。この機材は、平成28年度の定期修理工事で早速使用される予定です。 次に、前期から継続している配管切断技術については、無火気工法として切削切断機を導入し、「SPC_CARBER™」工法のアイソレーション技術と組み合わせたソリューションを提供しております。非常に時間のかかる高圧厚肉配管切断・開先加工作業を中心に適用を進めています。 また、独占実施契約を取得したマグネシウム合金による防食技術「SPCマグネラップ」については、石油精製・石油化学等の工場において、特に桟橋などの塩害による腐食が懸念される配管へ適用し実績を作ることができました。施工方法に関する研究開発や技術導入の成果は、弊社の付加価値として顧客に認知していただいております。今後も技術力強化策として更に軽労化、非熟練化、安全性向上を目標に顧客満足度に貢献して参ります。(2) メンテナンスの管理技術分野 管理技術については主に施工管理業務におけるICT化を推進し、繰り返し使用される情報の一元化や再利用によって業務を効率化し、現場品質管理にかける時間を増加させることを目標として取り組みました。 一つは、弊社のCMMS(Computerized Maintenance Management System)の見直しを行い、自社にてS-TORAGETM(メンテナンスデータベース)を開発、完成させました。様々なスタイルの顧客にOne to Oneで提供する情報を、正確かつ簡単に処理できる仕組みとなりました。このシステムは弊社の標準システムとして順次、現場に導入していきます。 次に、現場で煩雑になりがちな機材管理に関し、GPS技術を利用した位置情報管理システムの開発に着手しました。これは分解した熱交換器チューブバンドルの位置、工事に使用するクレーンや機材の位置を管理するもので、将来的には作業員の動線把握にも展開可能であると考えています。 また、現場管理情報の共有とリアルタイム性を企図して、スマートフォンやタブレットなどを利用して、既に開発した進捗・情報共有化ツール(SPIRITTM)、S-TORAGETMやGPS位置情報システムから現場にいながら情報を取得できる仕組みを開発しています。 これらの管理技術に関する研究開発は、業務効率化による残業時間削減や新たな管理方法の実現に向けた取り組みとして、社内標準化を目指し継続的に推進して参ります。(3) その他の技術分野 新たな取り組みとして、従来タンクの底板溶接に用いていたサブマージ自動溶接機を側板へ適用拡大するための機材改造に関する研究に着手しました。これは第6次中期経営計画にも描かれているタンク事業の強化に貢献できる技術であり、この技術が確立された際には溶接工の不足にも貢献できると考えます。 また、導入を目指して進めてきた3Dスキャニング技術についても、改造改修工事のベースデータを短時間で正確に取得することが可能となり、多くの現場で採用され始めています。 当社グループでは、石油精製及び石油化学マーケット縮小に伴う市場競争での勝ち残りや、ガス事業及び食品など新規分野への参入を意識して、それに寄与する付加価値の高い技術やサービスの提供を行っていきたいと考えております。また、作業員や監督者など現場従事者の軽労化、非熟練化や安全性向上にも配慮した取り組みを進めてまいります。従いまして、研究開発テーマの選定にあたっては、国内はもとより欧州や米国など国外も視野に入れ、継続して市場調査を行ってまいります。