事業の概要
- 建設機械の製造・販売酒井重工業グループは、主に道路舗装や維持補修に使われる機械(ロードローラ、アスファルトフィニッシャなど)を製造し、国内外に販売しています。また、散水車などの多種多様な特殊車両も手掛けており、これらが主要な収益源となっています。自社製品の販売だけでなく、他社製の産業機械の販売も行い、事業の幅を広げています。
- 研究開発とサービス提供新製品の開発にも力を入れており、常に市場のニーズに応えるための研究開発活動を行っています。さらに、製品の販売後のアフターサービスや、道路舗装・補修工事の設計・施工・監理といった関連サービスも提供しており、製品ライフサイクル全体で顧客をサポートするビジネスモデルを展開しています。
- グローバルな事業展開日本国内だけでなく、米国、インドネシア、中国にも子会社を持ち、これらの地域で建設機械の製造・販売を行っています。特に海外市場の開拓に積極的で、製品の供給からアフターサービスまでを一貫して提供することで、グローバルな収益基盤を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業酒井重工業グループの日本国内における主要事業で、建設機械とその部品の製造・販売が中心です。酒井機工株式会社による産業機械の販売や中古建設機械の取り扱い、東京フジ株式会社による建設機械の製造・販売、株式会社コモドによる道路工事の設計・施工・監理など、多岐にわたる活動を展開しています。最新年度の売上高は166.45億円、営業利益は1.66億円で、グループ全体の基盤を支えています。
- 米国事業SAKAI AMERICA, INC.が担当する北米市場での建設機械とその部品の製造・販売事業です。海外市場開拓の重要な柱であり、現地のニーズに合わせた製品供給とサービス提供を行っています。最新年度の売上高は75.75億円、営業利益は8.27億円と、高い収益性を誇り、グループの海外戦略において非常に重要な位置を占めています。
- インドネシア事業P.T. SAKAI INDONESIAが建設機械とその部品の製造・販売を、P.T. SAKAI SALES AND SERVICES ASIAが販売とアフターサービスを担当しています。アジア市場における重要な拠点であり、成長著しい地域での事業拡大を目指しています。最新年度の売上高は34.71億円、営業利益は5.57億円で、堅調な業績を上げています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 166 | 2 | 1.0% |
| TheUnitedStatesOfAmerica | 地域 | 76 | 8 | 10.9% |
| RepublicOfIndonesia | 事業 | 35 | 6 | 16.0% |
| PeopleSRepublicOfChina | 地域 | 2 | 1 | 44.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当企業グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び子会社8社で構成され、主に道路舗装機械並びに道路維持補修機械、散水車など多種類にわたって製造し、国内外に販売するほか、他社製品である産業機械の販売も行っております。更に、新製品の開発などの研究開発活動も併せて行うと同時に、各事業に関連するその他サービス等の事業活動を展開しております。なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。セグメント会社名主要な事業内容日 本酒井重工業株式会社(当社)建設機械及び同部分品の製造・販売酒井機工株式会社産業機械及び同部分品の製造・販売中古建設機械の仕入・販売東京フジ株式会社建設機械及び同部分品の製造・販売株式会社コモド道路舗装、補修工事の設計、施工、監理及び請負サカイエンジニアリング株式会社建設機械の設計・製作・販売及び修理米 国SAKAI AMERICA, INC.建設機械及び同部分品の製造・販売インドネシアP.T. SAKAI INDONESIA建設機械及び同部分品の製造・販売P.T. SAKAI SALES AND SERVICES ASIA建設機械及び同部分品の販売、アフターサービス業務中 国酒井工程机械(上海)有限公司建設機械及び同部分品の製造・販売 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 道路建設機械関連の専門メーカーとしての継続的な新製品投入と研究開発力。 |
|---|---|
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:特異な経営方針(海外市場開拓、新製品開発依存) / 研究開発活動及び人材育成の不確実性 / 海外活動に係わるリスク(経済状況、政治的要因等)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
酒井重工業は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPを強みとする事業モデルではない。主力製品である油圧ショベルや建設機械は、技術的な差別化は存在するものの、参入障壁となるほどの無形資産は限定的と判断される。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
建設機械は、一度導入するとオペレーターの習熟度やメンテナンス体制の構築が必要となるため、一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。しかし、他社製品への乗り換えが不可能ではないため、その効果は限定的である。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
酒井重工業の事業は、製品の利用者が増えることでその価値が増大するようなネットワーク効果は発生しない。個々の建設機械の利用は独立しており、プラットフォーム型ビジネスではない。
コスト優位★★☆☆☆
建設機械の製造においては、長年の経験に基づく生産ノウハウやサプライチェーンの最適化によるコスト競争力は一定程度存在する可能性がある。しかし、グローバルな競合と比較して、構造的なコスト優位性を確立しているかは不明瞭である。
規模の経済★★★☆☆
建設機械業界は、一定の設備投資が必要であり、グローバル市場においては少数の大手メーカーがシェアを占める傾向がある。酒井重工業は、特定の製品分野(例:小型油圧ショベル)において、一定の市場シェアと生産規模を持つことで、効率性を確保していると考えられる。
- 道路建設機械の専門性酒井重工業は、道路建設機械の専門メーカーとして長年の実績とノウハウを蓄積しており、この分野における高い専門性が強みです。特に道路舗装に使われるロードローラなどでは、独自の技術と品質で市場での評価を得ています。これにより、競合他社との差別化を図り、安定した顧客基盤を維持しています。
- 継続的な研究開発力新製品を継続的に市場に投入する研究開発力が競争優位の源泉です。例えば、北米ユーザーの要望に応じた舗装用振動ローラや、国土交通省が推進するi-Constructionに対応した「転圧管理システム」の開発など、常に最新技術を取り入れ、顧客の課題解決に貢献しています。自動運転ローラの開発も進めており、将来の市場変化に対応できる技術力を有しています。
- グローバルな販売・生産体制日本、米国、インドネシア、中国に製造・販売拠点を持ち、グローバルな供給網を構築しています。これにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応できるだけでなく、為替変動リスクの分散や生産コストの最適化にも寄与しています。特に海外売上比率が50%を超えるなど、国際市場での存在感が高く、多様な地域からの収益確保が可能です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。(経営の基本方針)当企業グループは道路建設機械事業を通じて、国土開発という社会事業に貢献することを経営の基本方針としています。ユーザの方々に信頼のおける製品とサービスを提供すること、道路建設機械のスペシャリストとして常に技術の深耕を図り、道路事業の発展に有益な技術を創造して行くこと、そして道路建設機械で培った専門技術を周辺分野の事業にも役立てて行くことが、当企業グループの存在意義であり、責務であると考えております。この基本方針に基づき、株主の皆様より出資された資金並びに社員の能力を最大限生かせる会社運営を行うことにより、株主の皆様の期待に応えられる業績を上げて行くことに全力を尽くして参ります。(中期的な会社の経営戦略)当企業グループは、国内建設投資の成熟化と激動する世界経済の中で現在成長の踊り場を迎えております。我々と致しましては、強みである道路建設機械事業の更なる専門化と国際化を会社の進むべき方向とし、事業構造革新を強力に進めて行く方針であります。この為、①国内事業の安定化、②海外事業の更なる拡大、③魅力ある新製品開発とサービスの提供を中期経営課題として定め、国際競争力の向上と国内外事業による安定的収益構造確立によって、中長期的な持続的成長と国際市場におけるトップメーカとしての地位を目指して参ります。(中期的な経営方針)当社は、2022年3月期から2026年3月期の5ヶ年を対象とした、中期的な経営方針を策定し、2021年6月に公表致しました。1.当社の目指す企業像(1)あるべき当社の姿・ 道路建設機械における世界一流のグローバルニッチ企業・ 中期経営計画として、売上規模300億円の基盤固め・ 長期目標として、売上規模500億円企業への成長(2)プライム市場への上場維持確保・ これまでの安定志向の経営から脱却し、質実ともにグローバル水準の企業経営への脱皮・ 「事業成長」と「資本政策」を二本柱とした経営への転換と、これを通じた企業価値の向上 2.中期的目標売上高300億円、ROE8%を実現し、安定的に配当性向50%(DOE4%)を維持 3.KPIKPI21/3実績24/3目標26/3目標売上高216億円265億円300億円営業利益7億円20億円31億円ROE0.0%5.5%8.0%配当政策ROE3%を下回る場合は配当性向100%の還元ROE3%~6%の間はDOE3%の還元ROE6%を超えた場合は配当性向50%の還元自己株買い5~20億円規模を上限とした機動的な自己株買い (経営環境)国内市場・ 政府建設投資今年の政府建設投資見通しは、インフレを加味した実質ベースでも増加基調に推移し、引き続き高い建設投資水準が維持される見通しです。・ 国土強靭化計画今年は総額15兆円の防災・減災・国土強靭化加速化対策が最終年度を迎え、新たに国土強靭化実施中期計画の策定が開始します。災害の激甚化、巨大地震リスク、DX・新技術による効率化など、防災分野への投資とDXによる効率化に向けて、引き続き高水準のインフラ投資が継続される見通しです。・ 国内ローラ需要昨年は、供給制約時の前倒し発注や建設機械価格値上げ前の駆け込み発注によってレンタル業界の設備保有台数が過多になるとともに、仕入原価上昇に伴うレンタル単価改善と経営効率化に向けた設備投資抑制が進みました。その結果、77期通期のローラ需要予想値は、前年同期比36%減の1,275台まで大幅に落ち込む見通しです。レンタル業界は繰返し投資が必要な事業構造ですので、在庫構造と収益構造の適正化とともに需要回復に向かうものと予想しています。令和6年の建設機械損料改訂では、ローラの1日当り損料が3%改善(5年で15%価格UPに相当)されていますので、レンタル単価上昇を後押しする原資になります。・ i-Construction 2.0国土交通省は昨年新たなDX戦略として、i-Construction 2.0を打ち出しました。建設現場のオートメーション化を進め、2040年度までに3割の省人化(生産性1.5倍向上)を目指しています。その柱を次の3つとし、直轄工事からデジタル化を強力に進める方針です。(1)施工のオートメーション化(2)データ連携のオートメーション化(3)施工管理のオートメーション化当社が進めている自律走行式ローラ、転圧管理システム、切削工事出来形管理システムの実用化水準を高め、次世代事業として着実にビジネス化して行きたいと思います。・ 国内インフレ動向企業間物価指数は2024年も更に上昇しましたが、素材系については23.7%UPの高値安定でほぼ収束しつつあります。一方で企業向けサービス価格指数は8.7%UPとなり引き続き上昇傾向にあります。労働生産人口が益々減少する中で賃金上昇が続き、人手を伴うモノとサービスの価格は引き続き上昇するものと予想されます。販売においては改定価格の維持、ものづくりにおいては現場人材の強化と省人化、DXによる効率化とコストダウン、インド・中国を活用したコストダウンを進めて行かねばなりません。海外市場・ 北米市場北米の建設投資は引き続き高水準に推移中です。特に道路建設投資については、インフラ投資法を背景として、2022年から5ヵ年連邦予算が前計画比35%増の3,030億ドル確保されていますので、引き続き高水準の建設投資が期待されます。ローラ需要は、2023年の12,111台から2024年5月に13,423台のピークを付けた後減少に転じ、9月時点で12,428台まで減少して来ています。代理店及びレンタル業界が過剰流通在庫の調整を進めており、過剰在庫解消と金融緩和進行とともに底入れする見通しです。・ アメリカ政権交代米大統領選挙の結果、これまでの民主党バイデン政権から、とても強いリーダーシップを発揮する共和党トランプ政権に交替し、世界のパワーバランスが大きな変わり目を迎えるものと思います。2022年から開始したインフラ投資法は民主党と共和党の超党派で決まった予算法案ですので、政権が代わっても大きな変化は無いと予想していますが、サプライチェーンについては見直しと修正が必要になります。・ ASEAN市場中国経済の低迷や自国通貨安、選挙に伴う政策停滞などで、ASEAN全体は景気減速が続いています。ローラ需要についても前年同期比21%減の3,402台と減少基調にある中で、インド及び中国製の廉価製品が参入し、市場競争が激化しています。今後はインドネシアやタイなど新政権による経済政策や中国代替輸出基地化、底堅いインフラ需要や鉱山開発など底入れを期待しています。世界ローラ需要世界のローラ総需要は、前年同期の53,835台から10%減の48,506台に減少しました。当社主要市場では、日本・ASEAN・オセアニア・中国がすべて減少に転じるとともに、北米でも5月にピークを付けた後減少に転じています。一方で中近東・アフリカ・インドなどでは需要拡大基調が続いており、グローバルサウス市場へも視野を広げて行く必要があります。(優先的に対処すべき事業上の課題)今後世界の建設機械市場は、短期的にはコロナ後の需要拡大期からの調整局面がしばらく続くものの、中期的には日米の大型インフラ投資計画や新興諸国におけるインフラ投資と鉱山開発の活発化、更には老朽化インフラの更新需要や災害対策など、建設機械の底堅い潜在需要が期待されますので、景気循環を経て底入れするものと予想しております。一方足元では、第二次トランプ政権の誕生と世界の政治的パワーバランスの変化に伴い、これまでの自由貿易や安全保障体制の枠組みが大きく変化しつつあり、世界情勢の先行きは予断を許しません。このような情勢の下で当企業グループでは、米国向け関税対策とサプライチェーンの修正を急ぐとともに、収益構造と人的組織能力の強化、市場環境変化に伴う競争戦略の再強化、ものづくり品質の底上げなど、この需要調整期間に経営の基礎基盤を固め直すことにより、市場回復期に向けた企業体質づくりを進めて参ります。また引き続き、中長期成長戦略として、アジア市場深耕と北米市場展開、海外事業領域拡大、新技術活用による次世代事業開発、需要変化対応力強化を進めるとともに、積極的にESGを推進し、中長期的な事業成長と企業価値向上を目指して参ります。(目標とする経営指標等)当企業グループは、道路機械という専門技術が求められるニッチマーケットにおいて、業界唯一の独立企業として自由で健全な成長と世界のインフラ整備に貢献できるグローバルニッチメーカを目指しており、売上高、営業利益を重要な経営指標として位置づけ、本業からの収益の着実な積み上げを目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。(経営の基本方針)当企業グループは道路建設機械事業を通じて、国土開発という社会事業に貢献することを経営の基本方針としています。ユーザの方々に信頼のおける製品とサービスを提供すること、道路建設機械のスペシャリストとして常に技術の深耕を図り、道路事業の発展に有益な技術を創造して行くこと、そして道路建設機械で培った専門技術を周辺分野の事業にも役立てて行くことが、当企業グループの存在意義であり、責務であると考えております。この基本方針に基づき、株主の皆様より出資された資金並びに社員の能力を最大限生かせる会社運営を行うことにより、株主の皆様の期待に応えられる業績を上げて行くことに全力を尽くして参ります。(中期的な会社の経営戦略)当企業グループは、国内建設投資の成熟化と激動する世界経済の中で現在成長の踊り場を迎えております。我々と致しましては、強みである道路建設機械事業の更なる専門化と国際化を会社の進むべき方向とし、事業構造革新を強力に進めて行く方針であります。この為、①国内事業の安定化、②海外事業の更なる拡大、③魅力ある新製品開発とサービスの提供を中期経営課題として定め、国際競争力の向上と国内外事業による安定的収益構造確立によって、中長期的な持続的成長と国際市場におけるトップメーカとしての地位を目指して参ります。(中期的な経営方針)当社は、2022年3月期から2026年3月期の5ヶ年を対象とした、中期的な経営方針を策定し、2021年6月に公表致しました。1.当社の目指す企業像(1)あるべき当社の姿・ 道路建設機械における世界一流のグローバルニッチ企業・ 中期経営計画として、売上規模300億円の基盤固め・ 長期目標として、売上規模500億円企業への成長(2)プライム市場への上場維持確保・ これまでの安定志向の経営から脱却し、質実ともにグローバル水準の企業経営への脱皮・ 「事業成長」と「資本政策」を二本柱とした経営への転換と、これを通じた企業価値の向上 2.中期的目標売上高300億円、ROE8%を実現し、安定的に配当性向50%(DOE4%)を維持 3.KPIKPI21/3実績24/3目標26/3目標売上高216億円265億円300億円営業利益7億円20億円31億円ROE0.0%5.5%8.0%配当政策ROE3%を下回る場合は配当性向100%の還元ROE3%~6%の間はDOE3%の還元ROE6%を超えた場合は配当性向50%の還元自己株買い5~20億円規模を上限とした機動的な自己株買い (経営環境)国内市場・ 政府建設投資今年の政府建設投資見通しは、インフレを加味した実質ベースでも増加基調に推移し、引き続き高い建設投資水準が維持される見通しです。・ 国土強靭化計画今年は総額15兆円の防災・減災・国土強靭化加速化対策が最終年度を迎え、新たに国土強靭化実施中期計画の策定が開始します。災害の激甚化、巨大地震リスク、DX・新技術による効率化など、防災分野への投資とDXによる効率化に向けて、引き続き高水準のインフラ投資が継続される見通しです。・ 国内ローラ需要昨年は、供給制約時の前倒し発注や建設機械価格値上げ前の駆け込み発注によってレンタル業界の設備保有台数が過多になるとともに、仕入原価上昇に伴うレンタル単価改善と経営効率化に向けた設備投資抑制が進みました。その結果、77期通期のローラ需要予想値は、前年同期比36%減の1,275台まで大幅に落ち込む見通しです。レンタル業界は繰返し投資が必要な事業構造ですので、在庫構造と収益構造の適正化とともに需要回復に向かうものと予想しています。令和6年の建設機械損料改訂では、ローラの1日当り損料が3%改善(5年で15%価格UPに相当)されていますので、レンタル単価上昇を後押しする原資になります。・ i-Construction 2.0国土交通省は昨年新たなDX戦略として、i-Construction 2.0を打ち出しました。建設現場のオートメーション化を進め、2040年度までに3割の省人化(生産性1.5倍向上)を目指しています。その柱を次の3つとし、直轄工事からデジタル化を強力に進める方針です。(1)施工のオートメーション化(2)データ連携のオートメーション化(3)施工管理のオートメーション化当社が進めている自律走行式ローラ、転圧管理システム、切削工事出来形管理システムの実用化水準を高め、次世代事業として着実にビジネス化して行きたいと思います。・ 国内インフレ動向企業間物価指数は2024年も更に上昇しましたが、素材系については23.7%UPの高値安定でほぼ収束しつつあります。一方で企業向けサービス価格指数は8.7%UPとなり引き続き上昇傾向にあります。労働生産人口が益々減少する中で賃金上昇が続き、人手を伴うモノとサービスの価格は引き続き上昇するものと予想されます。販売においては改定価格の維持、ものづくりにおいては現場人材の強化と省人化、DXによる効率化とコストダウン、インド・中国を活用したコストダウンを進めて行かねばなりません。海外市場・ 北米市場北米の建設投資は引き続き高水準に推移中です。特に道路建設投資については、インフラ投資法を背景として、2022年から5ヵ年連邦予算が前計画比35%増の3,030億ドル確保されていますので、引き続き高水準の建設投資が期待されます。ローラ需要は、2023年の12,111台から2024年5月に13,423台のピークを付けた後減少に転じ、9月時点で12,428台まで減少して来ています。代理店及びレンタル業界が過剰流通在庫の調整を進めており、過剰在庫解消と金融緩和進行とともに底入れする見通しです。・ アメリカ政権交代米大統領選挙の結果、これまでの民主党バイデン政権から、とても強いリーダーシップを発揮する共和党トランプ政権に交替し、世界のパワーバランスが大きな変わり目を迎えるものと思います。2022年から開始したインフラ投資法は民主党と共和党の超党派で決まった予算法案ですので、政権が代わっても大きな変化は無いと予想していますが、サプライチェーンについては見直しと修正が必要になります。・ ASEAN市場中国経済の低迷や自国通貨安、選挙に伴う政策停滞などで、ASEAN全体は景気減速が続いています。ローラ需要についても前年同期比21%減の3,402台と減少基調にある中で、インド及び中国製の廉価製品が参入し、市場競争が激化しています。今後はインドネシアやタイなど新政権による経済政策や中国代替輸出基地化、底堅いインフラ需要や鉱山開発など底入れを期待しています。世界ローラ需要世界のローラ総需要は、前年同期の53,835台から10%減の48,506台に減少しました。当社主要市場では、日本・ASEAN・オセアニア・中国がすべて減少に転じるとともに、北米でも5月にピークを付けた後減少に転じています。一方で中近東・アフリカ・インドなどでは需要拡大基調が続いており、グローバルサウス市場へも視野を広げて行く必要があります。(優先的に対処すべき事業上の課題)今後世界の建設機械市場は、短期的にはコロナ後の需要拡大期からの調整局面がしばらく続くものの、中期的には日米の大型インフラ投資計画や新興諸国におけるインフラ投資と鉱山開発の活発化、更には老朽化インフラの更新需要や災害対策など、建設機械の底堅い潜在需要が期待されますので、景気循環を経て底入れするものと予想しております。一方足元では、第二次トランプ政権の誕生と世界の政治的パワーバランスの変化に伴い、これまでの自由貿易や安全保障体制の枠組みが大きく変化しつつあり、世界情勢の先行きは予断を許しません。このような情勢の下で当企業グループでは、米国向け関税対策とサプライチェーンの修正を急ぐとともに、収益構造と人的組織能力の強化、市場環境変化に伴う競争戦略の再強化、ものづくり品質の底上げなど、この需要調整期間に経営の基礎基盤を固め直すことにより、市場回復期に向けた企業体質づくりを進めて参ります。また引き続き、中長期成長戦略として、アジア市場深耕と北米市場展開、海外事業領域拡大、新技術活用による次世代事業開発、需要変化対応力強化を進めるとともに、積極的にESGを推進し、中長期的な事業成長と企業価値向上を目指して参ります。(目標とする経営指標等)当企業グループは、道路機械という専門技術が求められるニッチマーケットにおいて、業界唯一の独立企業として自由で健全な成長と世界のインフラ整備に貢献できるグローバルニッチメーカを目指しており、売上高、営業利益を重要な経営指標として位置づけ、本業からの収益の着実な積み上げを目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における当企業グループを取り囲む事業環境は、世界経済が調整局面に入る中、物価上昇と金利高止まりが続くとともに、世界的選挙イヤーによる政策停滞、ウクライナ戦争とイスラエル戦争の混迷、米中対立に伴う保護貿易拡大など先行きの不確実性が高まり、建設機械市場も減速基調のまま推移しました。このような情勢の下で当企業グループでは、価格改定と高付加価値化による収益構造改革、人的資本投資による雇用環境向上と現場技能者増強、生産調整強化による在庫適正化により、収益構造と人的組織能力と財務体質の強化を進めて参りました。その結果、当連結会計年度における売上高は、建設機械市場全体の在庫調整局面の中で国内外ともに販売が減少し、前連結会計年度比15.6%減の27,854,055千円となりました。営業利益は、売上減少とこれに伴う生産調整に伴い、前連結会計年度比52.3%減の1,583,765千円、経常利益は同55.0%減の1,494,446千円、親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式残高の調整に伴う投資有価証券売却益366,167千円の嵩上げにより、前連結会計年度比41.2%減の1,435,953千円となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。日本レンタル業界の在庫調整により国内販売が振るわず、総売上高は前年同期比15.2%減の19,847,745千円。営業利益は、在庫適正化に向けた生産調整を当第4四半期会計期間に断行しました結果、280,000千円相当の原価差損が発生し、前年同期比83.1%減の165,962千円となりました。海外米国では、ディーラの在庫調整により販売が減少し、総売上高は前年同期比21.9%減の7,588,124千円。営業利益は、売上高の減少に伴い、前年同期比28.9%減の826,660千円となりました。インドネシアでは、国内販売及び第三国向け輸出の双方が減少し、総売上高は前年同期比10.7%減の6,145,563千円。営業利益は前年同期比44.6%減の556,544千円となりました。中国では、国内販売並びにグループ企業向け製品・部品輸出が伸び悩み、総売上高は前年同期比27.4%減の1,437,477千円。営業利益は前年同期比65.1%減の72,942千円となりました。財政状態は次のとおりであります。当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,612,757千円減少し、42,624,601千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,577,395千円減少し、12,494,096千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ964,637千円増加し、30,130,504千円となりました。②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、売上債権の減少と仕入債務の減少等により、前連結会計年度末に比べ645,237千円減少し、当連結会計年度末には7,599,293千円(前連結会計年度比7.8%減)となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、399,367千円(前連結会計年度は2,482,054千円の増加)であります。これは主に、税金等調整前当期純利益1,861,128千円や、棚卸資産の増加額632,157千円、仕入債務の減少額2,731,291千円、売上債権の減少額2,558,148千円及び減価償却費、製品保証引当金等の非資金的損益項目を反映したものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果増加した資金は、39,188千円(前連結会計年度は353,700千円の減少)であります。これは主に、投資有価証券の売却による収入449,411千円、有形固定資産の取得による支出324,544千円、無形固定資産の取得による支出86,820千円を反映したものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は、1,220,429千円(前連結会計年度は1,422,384千円の減少)であります。これは主に、配当金の支払額1,191,456千円、短期借入金の増加額175,344千円を反映したものであります。③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前連結会計年度比(%)日本(千円)17,416,07081.2米国(千円)6,575,54593.5インドネシア(千円)2,004,19265.3中国(千円)261,967107.3合計(千円)26,257,77682.6(注)金額は、売価換算額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。b.受注実績当企業グループ製品のほとんどが見込生産であるため、受注状況の記載は省略しております。c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前連結会計年度比(%)日本(千円)16,645,12286.6米国(千円)7,574,61278.1インドネシア(千円)3,470,80491.5中国(千円)163,51554.4合計(千円)27,854,05584.4(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績当連結会計年度における売上高は、建設機械市場全体の在庫調整局面の中で国内外ともに販売が減少し、前連結会計年度比5,166,743千円減(15.6%減)の27,854,055千円となりました。営業利益は、売上減少とこれに伴う生産調整に伴い、前連結会計年度比1,735,170千円減(52.3%減)の1,583,765千円、経常利益は同1,829,830千円減(55.0%減)の1,494,446千円、親会社株主に帰属する当期純利益は政策保有株式残高の調整に伴う投資有価証券売却益366,167千円の嵩上げにより、1,004,587千円減(41.2%減)の1,435,953千円となりました。連結地域区分別売上高につきましては、次のとおりであります。国内向け売上高は、国土強靭化加速化対策を背景とした堅調な政府建設投資が続きましたものの、度重なる価格改定前の駆込み需要と物流と建設の残業上限規制に対して、だぶついた建設機械の流通在庫調整が続き、前連結会計年度比16.2%減の12,000,474千円となりました。海外向け売上高は、世界的に建設機械市場の調整局面が続き、前連結会計年度比15.2%減の15,853,581千円となりました。北米向け売上高は、インフラ投資法を背景とした道路建設投資が続きましたものの、金利の高止まりが続く中でディーラ段階の在庫調整が強まり、前連結会計年度比21.9%減の7,574,612千円となりました。アジア向け売上高は、選挙イヤーでASEAN市場全般の需要が停滞していましたが、タイとマレーシアで底入れの兆しが見られ、前連結会計年度比7.2%減の7,021,448千円となりました。その他市場向け売上高は、主要市場が停滞する中、ODAによる道路維持補修機械案件が増加し、前連結会計年度比12.2%減の1,257,519千円となりました。当連結会計年度の業績及び事業活動の状況は、以下のとおりとなります。1.第77期業績概要・ 建設機械市場全体の在庫調整局面の中で国内外ともに販売が減少(連結売上高前年比15.6%減)・ 売上減少と、これに伴う生産調整に伴い減益(営業利益前年比52.3%減)・ 国内販売:国土強靭化加速化対策を背景とした堅調な政府建設投資が続きましたものの、度重なる価格改定前の駆込み需要と物流と建設の残業上限規制に対して、だぶついた建設機械の在庫調整が継続(前年比16.2%減)・ 北米販売:インフラ投資法を背景とした道路建設投資が続きましたものの、金利の高止まりが続く中でディーラ段階の在庫調整が加速(前年比21.9%減)・ アジア販売:選挙イヤーでASEAN市場全般の需要が停滞していましたが、タイとマレーシアで底入れの兆し(前年比7.2%減)2.事業環境変化対応(1)資本収益性向上に向けた取組み・中期経営方針の進捗5ヵ年中期計画:売上高300億円、営業利益31億円、ROE8.0%第4年度実績 :売上高278億円、営業利益15.8億円、ROE4.9%2023年4月13日付適時開示「資本収益性の向上に向けた取組状況について」にて取り組み方針を開示(2)価格改定とコスト低減による収益構造改革原価率悪化:72.4%(前年比0.8ポイント悪化)生産調整に伴う原価差損(3)人的資本投資の強化・賃金改善と雇用安定化:賃上げ(23年度5.1%、24年度6.0%、25年度6.0%)・現場技能者増強と職場環境整備:工場・サービス現場増強と健全な職場環境づくり(4)需要変化対応棚卸資産回転数:2.4回転(前年比0.68回転減(22%減))…106億円 → 115億円世界経済が減速する中で建設機械市場も調整期を迎え、適正在庫水準へ調整強化中 3.中長期成長戦略(1)アジア市場深耕 インドネシア拠点を中核としたASEAN市場拡大(鉱山・舗装市場への営業展開)(2)海外事業領域拡大 道路維持機械の海外市場展開(ODA案件増加、現地生産開始、インドネシアにおける道路再生工法の基準化完了)(3)北米市場開拓 ニッチマーケティングによるシェア拡大(差別化商品による技術営業強化)(4)次世代事業開発 緊急ブレーキ、転圧管理システム、切削管理システムの市場展開自律走行式ローラ、EVローラの事業化開始(土木ゼネコン向け営業展開) b.財政状態当連結会計年度末における総資産は42,624,601千円となり、前連結会計年度末に比べ1,612,757千円の減少となりました。流動資産につきましては、棚卸資産が879,818千円増加し、受取手形及び売掛金が1,758,511千円減少、現金及び預金が715,350千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,026,040千円減少し、26,611,283千円となりました。固定資産につきましては、有形固定資産が310,926千円増加、無形固定資産が263,664千円増加し、投資有価証券が374,172千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ413,282千円増加し、16,013,317千円となりました。流動負債につきましては、短期借入金が175,169千円増加し、電子記録債務が2,577,029千円減少、未払法人税等が233,892千円減少、支払手形及び買掛金が72,676千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,751,052千円減少し、10,429,707千円となりました。固定負債につきましては、リース債務が228,842千円増加し、繰延税金負債が85,279千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ173,657千円増加し、2,064,388千円となりました。純資産につきましては、為替換算調整勘定が819,052千円増加、利益剰余金が244,497千円増加し、その他有価証券評価差額金が198,479千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ964,637千円増加し、30,130,504千円となりました。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ4.7ポイント増加し、70.5%となりました。②キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性(キャッシュ・フロー)当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、(1)経営成績等の状況の概要「② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。(資金需要及び流動性について)当連結会計年度において、有形固定資産と無形固定資産(ソフトウェア等)411,364千円の設備投資を行っております。所要資金は自己資金及び銀行借入等によって賄い、新株式発行等による資金の調達は行っておりません。③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当企業グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 連結財務諸表 「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。a.貸倒引当金の計上基準当企業グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。しかし、この計算は本質的に将来に対する見積りであり不確実性を含んでおります。実際に発生する貸倒れは見積りと異なる事があり、見積額以上の貸倒損失計上の必要性が生じる可能性があります。b.製品保証引当金製品の保証期間に発生した費用の支出に備えるため、過去の実績の製品売上高に対する比率を算定して当連結会計年度の売上高に乗じた額を計上しております。また、個別に保証対応が見込まれる場合は、将来発生する保証費用の見積額を計上しております。しかし、この計算は本質的に将来に対する見積りであり不確実性を含んでおります。実際の保証額、保証費用は見積りと異なる事があり、製品保証引当金の追加計上の必要性が生じる可能性があります。 c.繰延税金資産の回収可能性の評価当企業グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合に繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。d.有形固定資産の減損当企業グループは、固定資産の減損に係る会計上の見積りにあたり、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングを行った上で、グルーピングごとに減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候が識別された場合には、将来キャッシュ・フローを利用して減損損失の計上の要否を検討しております。対象資産グループの割引前将来キャッシュ・フローが当初計画を下回り、回収可能価額が減少し帳簿価額を下回る状況となった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。
事業リスク
- 海外経済と為替変動リスク売上高の半分以上を海外市場が占めているため、主要な販売先であるアジアや北米の経済状況に大きく影響を受けます。これらの地域の景気変動や予測を超える需要変動は、売上や利益に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。また、円高は海外売上を円換算した際の価値を減少させ、業績にマイナスの影響を与える可能性があります。
- 研究開発の不確実性と人材依存道路建設機械の専門メーカーとして、新製品の継続的な投入が経営の重要な要素ですが、研究開発の成果は必ずしも保証されるものではありません。多額の研究開発費を投じても、期待通りの成果が得られないリスクがあります。また、研究開発には高度な技術を持つ人材が不可欠であり、有能な人材の確保や育成ができない場合、企業の成長が阻害される可能性があります。
- 法的規制と地政学リスク事業を展開する各国で予期せぬ法律や規制の変更、不利な租税制度の導入、政治的要因の発生、戦争などによる社会的混乱が起こる可能性があります。これらの事象は、事業活動に支障をきたし、経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国での事業・投資許可、関税・輸出入規制なども常に遵守する必要があり、予期せぬ規制強化のリスクも存在します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当企業グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。当企業グループと致しましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。(1)当企業グループがとっている特異な経営方針当企業グループは国内市場の販売力の強化はもとより、海外市場の開拓を積極的に進めております。売上高にしめる海外売上比率は、2023年3月期は51.7%、2024年3月期は56.6%、2025年3月期は56.9%となっております。主として、販売先であるアジア、北米の経済状況の影響を受けております。これらの情報は第5[経理の状況]のセグメント情報等として開示しております。また、当企業グループの事業では新規製品を継続的に市場に投入していく必要があるため研究開発力が経営の重要な要素となっております。そのため、将来の企業成長には主に新製品の開発の成果に依存するというリスクがあります。前連結会計年度から引き続き、各国の排出ガス規制に対応すべく新型エンジンの全機種への適用を推進しております。(2)研究開発活動及び人材育成について当企業グループは、道路建設機械関連の専門メーカとして、市場において新規製品を継続的に投入していく必要があります。研究開発費の過去3年間の推移をみますと、2023年3月期は955,073千円、2024年3月期は944,433千円、2025年3月期は984,815千円となっており、新製品の開発等に積極的に取り組んでおります。当連結会計年度においては、北米ユーザから要望のあった舗装用振動ローラSW884/SW994 Guardmanの複数台による並走転圧(Echelon)対応機能の開発を行いました。また、国土交通省が推進するi-Construction要請に対応すべく「転圧管理システム(Compaction Meister)」の全締固め機械への展開を推進しております。自動運転ローラの研究開発では、現場環境や作業状況に応じた3つの運転モード「自動運転・遠隔運転・手動運転」を搭載したSV514D ARMs(12t)を開発いたしました。また、国内の主要ゼネコン各社に共同体メンバーとして参画していただき、各社の工事現場において共同実験を積極的に展開し、仕様の向上を継続・推進しております。研究開発の成果は不確実なものであり、必ずしも成果に結びつかないというリスクがあります。また、当企業グループの企業成長のためには、特に研究開発に係わる有能な人材に依存しますので、技術スキルの高い人材の確保と育成並びに研究成果の適正な評価が重要となっております。このような人材を確保又は育成できなかった場合には、当企業グループの企業成長、経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。(3)海外活動に係わるリスクについて当企業グループは、海外市場の開拓を積極的に進めている中で、海外の各国における次のようなリスクがあるため、これらの事象が発生した場合は当企業グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。① 予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更② 社会的共通資本(インフラ)が、未整備なことによる当企業グループの活動への影響③ 不利な政治的要因の発生④ 戦争等による社会的混乱⑤ 主要な市場である北米、アジアにおける景気及びそれに伴う予測を超えた需要変動当企業グループと致しましては、このような猶予ない事態が発生した際には、政府関係機関及び各業界団体等より正確な情報収集に努め、臨機応変かつ積極的に対応策を講じ解決を図る所存であります。 (4)法的規制等について当企業グループは、国内の法的規制のほかに事業展開している各国の法的規制、たとえば事業・投資の許可、関税・輸出入規制等の適用を受けております。また、将来において現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があります。(5)株式保有リスクについて当企業グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しているため、株式市場の価格変動リスクを負っております。株式の価格変動リスクについては特別のヘッジ手段を用いておりません。なお、有価証券に係る時価に関する情報は、第5[経理の状況]の有価証券関係の注記に記載しております。(6)重要な訴訟等について当企業グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあります。これらの法的なリスクについては当企業グループの管理部門が一括管理しており、必要に応じて取締役会及び監査等委員会に報告する管理体制となっております。また、契約中の顧問弁護士と連携を図りながらこれらの法的リスクに対応して参ります。当連結会計年度において当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当企業グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性があります。(7)為替変動リスクについて当企業グループの事業は、北米、インドネシア、中国に製品等の生産拠点を設け、全世界に販売を行っております。各地域における売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は、当企業グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。当企業グループが生産を行う地域の通貨価値の下落は、それらの地域における製造の調達コストを押し上げる可能性があり、コストの増加は、利益と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの悪影響を最小限にくい止めるために為替予約等を行ってはおりますが、中期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当企業グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度において、為替差損59,925千円を計上しております。(8)製品保証及び生産物賠償責任リスクについて当企業グループは道路転圧用各種ロードローラ等を製造しており、厳しい管理基準に基づき製品の設計・製造を行っておりますが、将来にわたり製品に欠陥が生じる可能性を完全に否定することはできません。製品の欠陥は将来の製品保証に係る費用の増加につながり、重大な欠陥が発生した場合には大規模な製品回収(リコール)や生産物賠償責任により多額の費用や賠償金を必要とするだけではなく当企業グループの評価に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、生産物賠償責任については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありませんし、引き続き当企業グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。生産物賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当企業グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上高が低下し、当企業グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当企業グループと致しましては、大規模な製品回収や生産物賠償責任を負う事の無いよう徹底した製品の品質管理やISO9001規格の維持等に努めて参ります。(9)売上債権管理上のリスクについて当企業グループの販売形態については、商社及び有力代理店を通した間接販売とユーザへの直接販売があります。販売先において資金繰り等の財政困難な状況にあった場合、当企業グループの事業及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度において、重大な貸倒れの発生はありません。 (10)繰延税金資産の回収可能性について繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。(11)感染症の拡大等に関するリスクについて新型コロナウイルス等の感染症の流行により、国内外において都市封鎖、外出制限等実施された場合、また、役員及び従業員が感染症に罹患した場合には、需要の減少や生産ラインの閉鎖等により当企業グループの事業運営に支障を来たし、財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。