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月島ホールディングス(6332)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 水環境事業の展開
    月島ホールディングスは、上下水道や汚泥処理、バイオマス利活用設備といった水環境インフラの設計・建設を主力としています。浄水場や下水処理場のプラント建設から、脱水機や焼却炉などの単体機器の設計・販売まで幅広く手掛け、社会の重要なインフラを支える事業です。
  • 官民連携事業への参画
    PFIやDBO方式といった官民連携事業にも積極的に参加しており、下水処理場での消化ガス発電事業など、公共性の高いプロジェクトを通じて収益を上げています。プラントの運転・維持管理・補修サービスも提供し、長期的な安定収益源を確保しています。
  • 産業インフラと環境事業
    化学分野やライフサイエンス、二次電池製造に関連する産業インフラ設備の設計・建設・補修工事も行っています。また、廃液や固形廃棄物処理などの環境関連設備も手掛け、晶析装置やろ過機などの単体機器の製造・販売も行い、多岐にわたる産業の基盤を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 水環境事業
    上下水道や汚泥処理、バイオマス利活用設備など、水環境インフラの設計・建設・維持管理を担う事業です。浄水場や下水処理場のプラント、脱水機や焼却炉などの単体機器の提供、PFIやDBOといった官民連携事業も含まれます。売上高は926.89億円、営業利益は61.36億円と、グループの主要な稼ぎ頭となっています。
  • 産業事業
    化学分野、ライフサイエンス、二次電池製造関連の産業インフラ設備や、廃液・固形廃棄物処理などの環境関連設備の設計・建設・補修工事を行う事業です。晶析装置やろ過機、遠心分離機などの単体機器の製造・販売も手掛けています。売上高は452.08億円、営業利益は21.22億円であり、水環境事業に次ぐ規模です。
  • その他事業
    物流施設や事務所ビル、駐車場の不動産管理・賃貸、大型図面や各種書類の印刷・製本など、上記二つの主要事業以外の業務を指します。具体的な売上や利益の数値は示されていませんが、グループ全体の事業を補完する役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
WaterEnvironmentalBusiness 地域 927 61 6.6%
IndustrialBusiness 地域 452 21 4.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,202 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当連結会計年度末現在、当社と子会社41社および関連会社15社で構成され、上下水道および汚泥再生処理・バイオマス利活用設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学分野やライフサイエンス分野、二次電池製造などに関連する産業インフラおよび廃液や固形廃棄物処理などの環境関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としておりますが、その主要な事業内容は以下のとおりであります。なお、以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 事業区分主要な事業内容 水環境事業1)浄水場・下水処理場、汚泥再生処理・バイオマス利活用向けプラントなどの設計・建設 2)前項1)に使用される脱水機、乾燥機、焼却炉など各種単体機器の設計・販売 3)前項1)のプラントに関連するPFI、DBO、下水処理場における消化ガス発電事業、関連するサービス業務などの官民連携事業 4)前項1)のプラント・機器の運転・維持管理・補修およびこれらに付随する業務 産業事業 1)化学分野および二次電池製造関連設備、廃液・固形廃棄物処理などのプラントの設計・建設・補修工事 2)上記プラントに使用される晶析装置、ろ過機、遠心分離機、乾燥機、ガスホルダ、酸回収装置、攪拌機等の各種単体機器の設計・製造・販売 3)一般・産業廃棄物処理事業 その他1)物流施設・事務所ビル・駐車場などの不動産管理・賃貸 2)大型図面・各種書類等の印刷・製本  <主な関係会社>(水環境事業)月島JFEアクアソリューション㈱、月島ジェイテクノメンテサービス㈱、月島ジェイアクアサービス機器㈱、寒川ウォーターサービス㈱、尾張ウォーター&エナジー㈱、㈱バイオコール京都鳥羽、横浜西谷ウォーターサービス㈱、市原バイオサイクル㈱、㈱bay eggs、㈱横浜Bay Link、箱根水道パートナーズ㈱、㈱豊橋バイオウィル、㈱長岡バイオキューブ、アクアペックスおやま㈱、アクアペックスさかい㈱、小山エナジーサイクル㈱、グリーンサイクルパワーいわき㈱ (産業事業)月島機械㈱、月島環境エンジニアリング㈱、三進工業㈱、プライミクス㈱、サンエコサーマル㈱、BOKELA有限会社、テーエスケーエンジニアリング(タイランド) Co., Ltd.、月島機械(北京)有限公司 (その他)月島ビジネスサポート㈱ 当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 各事業における当社および関係会社の位置づけは次のとおりとなります。 事業の系統図(2025年3月31日現在)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
個別受注生産のため資材調達価格や外注費の変動、設計変更による追加コストが発生する。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
浄水場・下水処理場、汚泥再生処理・バイオマス利活用プラントなどの設計・建設技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:公共投資・設備投資の変動 / 地政学的リスク・世界経済の不透明感 / 海外事業展開に伴う為替・政情不安リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

月島ホールディングスは、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスに依存する事業モデルではなく、主にエンジニアリング能力と顧客との関係構築に強みを持つと見られる。そのため、無形資産による競争優位性は限定的である。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

プラントエンジニアリングや食品機械分野では、顧客の生産ラインやプロセスに深く組み込まれるため、サプライヤー変更に伴うコストやリスクが大きい。特に、カスタマイズされた大型設備や長期的なメンテナンス契約は、スイッチング・コストを高める要因となる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業は、特定のプラットフォームやサービスを共有するユーザーが増えることで価値が増大するネットワーク効果を持つものではない。個々の顧客との個別契約が中心であり、プラットフォーム型のビジネスモデルではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

製造業としての規模の経済や効率化の努力は存在するが、競合他社と比較して構造的に大幅なコスト優位性を確立しているという明確な証拠はない。設計・製造・据付・保守といった一連のプロセスにおける効率化が競争力の源泉の一つである。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

プラントエンジニアリングや食品機械分野において、一定の業界規模と実績を持つ企業は限られており、同社は主要プレイヤーの一つとして、プロジェクト遂行能力やサプライチェーン管理において効率規模の恩恵を受けていると考えられる。特に大型プラント案件では、規模が重要となる。

  • 水環境事業の総合力
    浄水場や下水処理場といった社会インインフラの設計から建設、維持管理までを一貫して手掛ける総合力が強みです。特に、汚泥再生処理やバイオマス利活用設備といった環境負荷低減に貢献する技術は、持続可能な社会へのニーズが高まる中で競争優位性となります。
  • 多様な単体機器の技術力
    脱水機、乾燥機、焼却炉、晶析装置、ろ過機など、多種多様な単体機器の設計・製造・販売を行っており、それぞれの分野で培われた専門技術が強みです。これにより、顧客の多様なニーズに応じた最適なソリューションを提供できる点が競争優位に繋がります。
  • 官民連携事業の実績とノウハウ
    PFIやDBO、消化ガス発電事業など、地方自治体との官民連携事業に多数参画しており、その実績とノウハウは大きな強みです。公共性の高い事業において、信頼性と安定した運営能力が求められる中で、長年の経験が競争優位性を確立しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 中長期的な会社の経営方針当社グループは、上下水道および汚泥再生処理・バイオマス利活用設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学分野やライフサイエンス分野、二次電池製造などに関連する産業インフラおよび廃液や固形廃棄物処理などの環境関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としております。当社グループは、持続的な成長を目指すために、「サステナビリティ経営の推進」「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいりました。中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の数値目標については、連結売上高1,600億円、連結営業利益120億円、親会社株主に帰属する当期純利益70億円を目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループでは、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付けており、2026年3月期は営業利益95億円、親会社株主に帰属する当期純利益75億円の達成を目標としております。 2024年3月期(実績)2025年3月期(実績)2026年3月期(目標値)営業利益6,765百万円8,915百万円9,500百万円親会社株主に帰属する当期純利益2,675百万円6,669百万円7,500百万円 (3) 会社の対処すべき課題当社グループの事業環境に関する今後の景況感につきましては、米国の関税政策、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫などの地政学的リスクの影響、および中国経済の減速、原材料価格の高騰や為替の変動などが経済活動に与える影響について留意する必要があります。国内の上下水道分野は、水インフラ関連の投資は設備の老朽化対応のため更新需要は引き続き堅調に推移していくものと推測されますが、中長期的には人口減による市場規模の縮小、および競争の激化等により事業環境が厳しくなることが予想されております。このような事業環境に対応するため、事業基盤の安定化と規模の拡大に向けた取り組みとして2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社との国内水エンジニアリング事業の統合を実施しており、引き続き持続的な成長に向けた施策に取り組んでまいります。民間の設備投資については、注力しているリチウムイオン二次電池向けの機器・プラントの市況は、電気自動車市場が欧米の補助金の見直し等の影響により短期的には踊り場の状況ですが、中長期的には内燃機関から電気自動車へのシフトが進む方向性は変わらないと思われることから、新商品の開発・拡販および競争力の強化に取り組むことで脱炭素社会の構築に貢献してまいります。また、事業ポートフォリオマネジメントを実行するための戦略投資として、DX推進およびM&A、アライアンスの具現化に取り組んでまいります。 ① サステナビリティ経営の推進当社グループは、持株会社体制の移行に伴い、目指す方向性と存在意義を明確化するため、パーパスとして「環境技術で世界に貢献し未来を創る」を定義いたしました。また、従来の企業理念をグループ企業理念として再定義し、2030年に向けた長期ビジョン「豊かな生活・文化の創造に貢献し、快適でサステナブルな社会を実現する」を新たに制定いたしました。当社グループは、様々な環境・社会問題の解決を通じステークホルダーの皆様とともに事業の持続的な成長を実現するため、サステナビリティ経営に取り組んでまいります。事業を通じた脱炭素社会への貢献については、最重要KPIとして脱炭素社会へ貢献する事業の売上高比率を水環境・産業事業ともに20%以上、脱炭素社会へ貢献する研究開発費の比率を30%以上と掲げております。当連結会計年度における売上高比率は水環境事業で39%、産業事業で48%、研究開発費は33%となりました。引き続き、気候変動などの環境課題の解決に取り組み、事業を通じて脱炭素社会へ貢献するため、カーボンニュートラルな資源である下水汚泥のエネルギー活用や、電気自動車などで利用されるリチウムイオン二次電池の材料を製造する設備の拡販を推進してまいります。当社グループでは、月島ホールディングス代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会ならびにその下部組織である4つの分科会において、サステナビリティ経営に関連する各種施策の検討および推進に取り組んでおります。2024年度の主要な実施事項は次のとおりです。1.社員向けエンゲージメント調査に基づく経営施策の実行:福利厚生の充実、階層別研修の刷新、経営陣とのタウンホールミーティングの開催等2.温室効果ガス:2050年目標としてネットゼロを目指しており、削減に向けたゼロロードマップの策定、スコープ3の検証等3.人権尊重関連:人権デュー・ディリジェンスの実施および人権ハンドブックの策定等4.DX推進:DX推進分科会の設置と基幹システム等の導入プロジェクトの立ち上げ 当社グループは、今後とも働きがいのある職場環境と制度の整備、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでまいります。 ② 事業領域の拡充とグループ収益力の強化水環境事業では、2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合しました。両社の経営資源・ノウハウを集約させ、技術・サービスを高度化し、強固な事業基盤を構築することで、国内上下水道分野における強固な地位を確立し、リーディングカンパニーを目指してまいります。再生可能エネルギーを生み出す下水汚泥燃料化、消化ガス発電事業などの創エネルギー事業や、両社の技術を融合させた汚泥焼却炉の拡販などのシナジー創出に取り組んでまいります。近年、案件数が増加しているPFI、DBO事業や包括O&M業務などの官民連携事業については、JFEエンジニアリング株式会社との統合効果によりノウハウと実績を積み重ねることで対応力を強化してまいります。技術開発については、循環型社会の構築に貢献する下水からのリン回収技術やICT/AI活用技術に取り組んでおり、事業基盤および競争力の強化に努めてまいります。産業事業では、リチウムイオン二次電池の性能を左右する正極材活物質の製造に不可欠な晶析などの微粒子製造技術の強化を図っており、「超微粒子晶析装置」のパイロット機による顧客のサンプル製造に協力することで機器の販売につなげてまいります。産業インフラ分野では、業績が悪化した月島機械株式会社においては、再生計画を策定・推進しており、受注の回復および補修工事やスペアパーツなどのアフターサービスの強化による収益力向上に取り組んでおります。プライミクス株式会社においては、化粧品・食品・医薬向け等のライフサイエンス分野における高速攪拌機の受注が好調に推移しており、さらなる受注の拡大と収益力の向上に取り組んでまいります。環境分野では、月島環境エンジニアリング株式会社においては、廃棄物焼却設備などの受注が好調であり、子会社間の吸収合併も実施して産業事業における環境分野の運営効率化に取り組んでまいります。 両事業に共通する施策として、脱炭素社会に貢献する環境ビジネスや成長性が見込める官民連携事業など付加価値の高い領域を「重点領域」と定義して事業領域をシフトし、2027年3月期は売上高1,600億円、営業利益120億円を目指してまいります。水環境事業では、官民連携事業「ウォーターPPP(*)」に類似する先進的な事例として「箱根地区水道事業包括委託事業(第3期)」を受託することで、事業領域を拡大いたしました。産業事業では、アンモニア関連技術の活用を推進しており、半導体工場におけるアンモニア排水処理案件を受注しました。引き続き、脱炭素社会に貢献するため、アンモニアなどの次世代エネルギー技術の開発・活用に取り組んでまいります。また、グループ横断の取り組みとして、事業戦略会議を設置し、成長戦略に関する議論を推進することで持続的な成長を目指してまいります。 *:ウォーターPPP上水道、下水道、工業用水道分野における官民連携事業の推進のため、公共施設等運営事業(コンセッション方式)に加え、コンセッション方式に段階的に移行するための官民連携方式として新たに位置付けられた「管理・更新一体マネジメント方式」を含めた事業 ③ 資本効率の向上と株主還元の拡充当社グループは、ROEとROICを経営指標に設定し、資本効率の向上と資本コストを意識した企業価値経営を推進してまいります。また、中期経営計画で策定したキャピタルアロケーションに基づいて、創出した営業キャッシュ・フローに加え政策保有株式および物流施設の売却により得られた資金を、通常の設備投資に加えデジタルトランスフォーメーション(DX)や人的資本などの戦略投資、株主還元に配分してまいります。M&Aなどの大規模投資には必要に応じて負債等による調達を活用し最適資本構成を目指します。なお、政策保有株式については本中期経営計画の期間内で連結純資産の20%以内とするために継続的な縮減に取り組んでおります。このたび、縮減をより一層加速させるべく、政策保有株式の売却金額目標を本中期経営計画期間中に70億円以上から120億円以上に変更いたしました。売却により生じた資金については、中長期的な企業価値向上に向け、M&Aなどの成長投資や株主還元に最適配分してまいります。株主還元につきましては、総還元性向50%以上、配当性向40%以上を目標としておりましたが、後掲「第4 提出会社の状況 3 配当政策」記載のとおり、適宜株主還元方針の見直しを行っております。機動的な自己株式の取得にも取り組んでおり、2024年12月3日に18億円を上限とする自己株式の取得(2025年1月9日~2026年1月8日)を決定しました。さらに2025年5月9日に新たに別枠として120億円を上限とする自己株式取得(2025年9月1日~2026年8月31日)を決定しました。今後も収益力の強化と株主還元の充実を図ることで、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 中長期的な会社の経営方針当社グループは、上下水道および汚泥再生処理・バイオマス利活用設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学分野やライフサイエンス分野、二次電池製造などに関連する産業インフラおよび廃液や固形廃棄物処理などの環境関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としております。当社グループは、持続的な成長を目指すために、「サステナビリティ経営の推進」「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいりました。中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の数値目標については、連結売上高1,600億円、連結営業利益120億円、親会社株主に帰属する当期純利益70億円を目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループでは、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付けており、2026年3月期は営業利益95億円、親会社株主に帰属する当期純利益75億円の達成を目標としております。 2024年3月期(実績)2025年3月期(実績)2026年3月期(目標値)営業利益6,765百万円8,915百万円9,500百万円親会社株主に帰属する当期純利益2,675百万円6,669百万円7,500百万円 (3) 会社の対処すべき課題当社グループの事業環境に関する今後の景況感につきましては、米国の関税政策、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫などの地政学的リスクの影響、および中国経済の減速、原材料価格の高騰や為替の変動などが経済活動に与える影響について留意する必要があります。国内の上下水道分野は、水インフラ関連の投資は設備の老朽化対応のため更新需要は引き続き堅調に推移していくものと推測されますが、中長期的には人口減による市場規模の縮小、および競争の激化等により事業環境が厳しくなることが予想されております。このような事業環境に対応するため、事業基盤の安定化と規模の拡大に向けた取り組みとして2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社との国内水エンジニアリング事業の統合を実施しており、引き続き持続的な成長に向けた施策に取り組んでまいります。民間の設備投資については、注力しているリチウムイオン二次電池向けの機器・プラントの市況は、電気自動車市場が欧米の補助金の見直し等の影響により短期的には踊り場の状況ですが、中長期的には内燃機関から電気自動車へのシフトが進む方向性は変わらないと思われることから、新商品の開発・拡販および競争力の強化に取り組むことで脱炭素社会の構築に貢献してまいります。また、事業ポートフォリオマネジメントを実行するための戦略投資として、DX推進およびM&A、アライアンスの具現化に取り組んでまいります。 ① サステナビリティ経営の推進当社グループは、持株会社体制の移行に伴い、目指す方向性と存在意義を明確化するため、パーパスとして「環境技術で世界に貢献し未来を創る」を定義いたしました。また、従来の企業理念をグループ企業理念として再定義し、2030年に向けた長期ビジョン「豊かな生活・文化の創造に貢献し、快適でサステナブルな社会を実現する」を新たに制定いたしました。当社グループは、様々な環境・社会問題の解決を通じステークホルダーの皆様とともに事業の持続的な成長を実現するため、サステナビリティ経営に取り組んでまいります。事業を通じた脱炭素社会への貢献については、最重要KPIとして脱炭素社会へ貢献する事業の売上高比率を水環境・産業事業ともに20%以上、脱炭素社会へ貢献する研究開発費の比率を30%以上と掲げております。当連結会計年度における売上高比率は水環境事業で39%、産業事業で48%、研究開発費は33%となりました。引き続き、気候変動などの環境課題の解決に取り組み、事業を通じて脱炭素社会へ貢献するため、カーボンニュートラルな資源である下水汚泥のエネルギー活用や、電気自動車などで利用されるリチウムイオン二次電池の材料を製造する設備の拡販を推進してまいります。当社グループでは、月島ホールディングス代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会ならびにその下部組織である4つの分科会において、サステナビリティ経営に関連する各種施策の検討および推進に取り組んでおります。2024年度の主要な実施事項は次のとおりです。1.社員向けエンゲージメント調査に基づく経営施策の実行:福利厚生の充実、階層別研修の刷新、経営陣とのタウンホールミーティングの開催等2.温室効果ガス:2050年目標としてネットゼロを目指しており、削減に向けたゼロロードマップの策定、スコープ3の検証等3.人権尊重関連:人権デュー・ディリジェンスの実施および人権ハンドブックの策定等4.DX推進:DX推進分科会の設置と基幹システム等の導入プロジェクトの立ち上げ 当社グループは、今後とも働きがいのある職場環境と制度の整備、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでまいります。 ② 事業領域の拡充とグループ収益力の強化水環境事業では、2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合しました。両社の経営資源・ノウハウを集約させ、技術・サービスを高度化し、強固な事業基盤を構築することで、国内上下水道分野における強固な地位を確立し、リーディングカンパニーを目指してまいります。再生可能エネルギーを生み出す下水汚泥燃料化、消化ガス発電事業などの創エネルギー事業や、両社の技術を融合させた汚泥焼却炉の拡販などのシナジー創出に取り組んでまいります。近年、案件数が増加しているPFI、DBO事業や包括O&M業務などの官民連携事業については、JFEエンジニアリング株式会社との統合効果によりノウハウと実績を積み重ねることで対応力を強化してまいります。技術開発については、循環型社会の構築に貢献する下水からのリン回収技術やICT/AI活用技術に取り組んでおり、事業基盤および競争力の強化に努めてまいります。産業事業では、リチウムイオン二次電池の性能を左右する正極材活物質の製造に不可欠な晶析などの微粒子製造技術の強化を図っており、「超微粒子晶析装置」のパイロット機による顧客のサンプル製造に協力することで機器の販売につなげてまいります。産業インフラ分野では、業績が悪化した月島機械株式会社においては、再生計画を策定・推進しており、受注の回復および補修工事やスペアパーツなどのアフターサービスの強化による収益力向上に取り組んでおります。プライミクス株式会社においては、化粧品・食品・医薬向け等のライフサイエンス分野における高速攪拌機の受注が好調に推移しており、さらなる受注の拡大と収益力の向上に取り組んでまいります。環境分野では、月島環境エンジニアリング株式会社においては、廃棄物焼却設備などの受注が好調であり、子会社間の吸収合併も実施して産業事業における環境分野の運営効率化に取り組んでまいります。 両事業に共通する施策として、脱炭素社会に貢献する環境ビジネスや成長性が見込める官民連携事業など付加価値の高い領域を「重点領域」と定義して事業領域をシフトし、2027年3月期は売上高1,600億円、営業利益120億円を目指してまいります。水環境事業では、官民連携事業「ウォーターPPP(*)」に類似する先進的な事例として「箱根地区水道事業包括委託事業(第3期)」を受託することで、事業領域を拡大いたしました。産業事業では、アンモニア関連技術の活用を推進しており、半導体工場におけるアンモニア排水処理案件を受注しました。引き続き、脱炭素社会に貢献するため、アンモニアなどの次世代エネルギー技術の開発・活用に取り組んでまいります。また、グループ横断の取り組みとして、事業戦略会議を設置し、成長戦略に関する議論を推進することで持続的な成長を目指してまいります。 *:ウォーターPPP上水道、下水道、工業用水道分野における官民連携事業の推進のため、公共施設等運営事業(コンセッション方式)に加え、コンセッション方式に段階的に移行するための官民連携方式として新たに位置付けられた「管理・更新一体マネジメント方式」を含めた事業 ③ 資本効率の向上と株主還元の拡充当社グループは、ROEとROICを経営指標に設定し、資本効率の向上と資本コストを意識した企業価値経営を推進してまいります。また、中期経営計画で策定したキャピタルアロケーションに基づいて、創出した営業キャッシュ・フローに加え政策保有株式および物流施設の売却により得られた資金を、通常の設備投資に加えデジタルトランスフォーメーション(DX)や人的資本などの戦略投資、株主還元に配分してまいります。M&Aなどの大規模投資には必要に応じて負債等による調達を活用し最適資本構成を目指します。なお、政策保有株式については本中期経営計画の期間内で連結純資産の20%以内とするために継続的な縮減に取り組んでおります。このたび、縮減をより一層加速させるべく、政策保有株式の売却金額目標を本中期経営計画期間中に70億円以上から120億円以上に変更いたしました。売却により生じた資金については、中長期的な企業価値向上に向け、M&Aなどの成長投資や株主還元に最適配分してまいります。株主還元につきましては、総還元性向50%以上、配当性向40%以上を目標としておりましたが、後掲「第4 提出会社の状況 3 配当政策」記載のとおり、適宜株主還元方針の見直しを行っております。機動的な自己株式の取得にも取り組んでおり、2024年12月3日に18億円を上限とする自己株式の取得(2025年1月9日~2026年1月8日)を決定しました。さらに2025年5月9日に新たに別枠として120億円を上限とする自己株式取得(2025年9月1日~2026年8月31日)を決定しました。今後も収益力の強化と株主還元の充実を図ることで、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。  ① 財政状態及び経営成績の状況a.経営成績の状況当連結会計年度における当社グループを取り巻く市場環境は、国内外において米中貿易摩擦やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫などの地政学的リスクの影響により依然として先行きが不透明な状況が続くなか、中国経済の減速、原材料価格の高騰や為替の変動などが経済活動に与える影響について留意する必要がありました。このような環境の下で当社グループは、持続的な成長を目指すために「サステナビリティ経営の推進」、「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」、「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいりました。セグメント別の取り組みは、次のとおりです。水環境事業においては、上下水道設備や汚泥再生処理・バイオマス利活用設備などの水インフラの増設・更新需要の取り込みや、設備の維持管理業務、補修工事などの営業活動を展開してまいりました。また、脱炭素社会に貢献する創エネルギー事業、および水インフラを安定的に維持・運営していくために設備の建設と長期の維持管理業務が一体となったPFI(*l)、DBO事業(*2)や、包括O&M業務(*3)、FIT(*4)を活用した発電などの官民連携事業の受注拡大に取り組んでまいりました。一方、産業事業においては、化学分野や化粧品・食品・医薬などのライフサイエンス分野向けプラント・単体機器や持続可能な社会の実現に貢献する二次電池製造関連設備などの産業インフラ関連設備および廃液・固形廃棄物処理などの環境関連設備の営業活動を推進してまいりました。その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、次のとおりとなりました。受注高は1,821億80百万円(前期比10.2%増)、売上高は1,392億35百万円(前期比12.1%増)と過去最高となりました。また、損益面につきましては、営業利益は89億15百万円(前期比31.8%増)、経常利益は102億54百万円(前期比31.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は66億69百万円(前期比149.3%増)となり、営業利益と経常利益が過去最高となりました。 *1:PFI(Private Finance Initiative)施設整備を伴う公共サービスにおいて、民間の有する資金、技術、効率的な運用ノウハウなどを活用する仕組み*2:DBO(Design Build Operate)事業事業会社に施設の設計(Design)、建設(Build)、運営(Operate)を一括して委ね、施設の保有と資金の調達は行政が行う方式*3:包括O&M業務設備の運転管理業務だけでなく、設備の補修工事や薬品等の供給も含めた包括的な維持管理業務*4:FIT(Feed-in Tariff) 再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度(固定価格買取制度) 当社グループは、当社と子会社41社および関連会社15社で構成され、上下水道および汚泥再生処理・バイオマス利活用設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学分野やライフサイエンス分野、二次電池製造などに関連する産業インフラおよび廃液や固形廃棄物処理などの環境関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としております。当連結会計年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。 (水環境事業)水環境事業は、水インフラ(機器・プラントの設計・建設)とライフサイクルビジネス(運転・メンテナンス・補修工事・サービス業務)により構成されております。事業環境につきましては、国内の水インフラ関連投資は堅調に推移しております。また、複数年および包括O&M業務や設備建設と長期の維持管理業務を一体化したPFI、DBO事業などの発注は増加しております。一方で、原材料価格の高騰や為替の変動などが経済活動に与える影響について留意する必要がありました。このような状況の下で当社グループは、国内の上下水道および汚泥再生処理設備の増設・更新需要を取り込むため、下水処理場向け汚泥処理設備、浄水場向け排水処理設備、し尿処理設備などの営業活動を推進してまいりました。O&M業務においては補修工事および包括O&M業務の営業活動を展開してまいりました。また、脱炭素社会に貢献する技術開発および民間企業のノウハウを活用した官民連携事業の提案を推進してまいりました。その実績として、下水処理場向け次世代型汚泥焼却システム、浄水場向け排水処理設備、し尿処理設備などの受注を果たしました。また、メンテナンスなどのアフターサービス事業をより一層強化するために、包括O&M業務や補修工事の営業活動を展開し、受注高を確保してまいりました。その結果、当連結会計年度における水環境事業の受注高は1,369億23百万円(前期比10.5%増)、売上高は926億89百万円(前期比14.5%増)、営業利益は61億36百万円(前期比20.7%増)となりました。 (産業事業)産業事業は、産業インフラ(機器・プラントの設計・製造・建設)と環境(環境保全設備の設計・製造・建設、廃棄物処理事業)により構成されております。事業環境につきましては、国内外において米中貿易摩擦やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫などの地政学的リスクの影響により依然として先行きが不透明な状況が続くなか、中国経済の減速、原材料価格の高騰や為替の変動などが経済活動に与える影響について留意する必要がありました。このような状況の下で当社グループは、化学分野やライフサイエンス分野などの産業インフラの設備更新需要や脱炭素社会に貢献する二次電池製造関連設備の設備投資需要を取り込むために、国内外における各種プラント設備および晶析装置、乾燥機、分離機、ろ過機、ガスホルダ、攪拌機などの単体機器の営業活動を展開してまいりました。環境分野においては、国内外向けに廃液燃焼システム、固形廃棄物焼却設備、排ガス・排水処理設備や補修工事の営業活動を展開してまいりました。また、微粒子製造技術の競争力強化やアフターセールスの強化に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度における産業事業の受注高は439億19百万円(前期比9.8%増)、売上高は452億8百万円(前期比7.9%増)、営業利益は21億22百万円(前期比54.1%増)となりました。なお、受注高には、一部案件が受注取消になった影響を含んでおります。 (その他) その他事業は、主に不動産管理、賃貸に関する事業であり、その大半が市川工場跡地において三井不動産株式会社と共同で開発した物流施設の事業になります。当連結会計年度における受注高は13億36百万円(前期比0.3%増)、売上高は13億36百万円(前期比0.3%増)、営業利益は6億80百万円(前期比120.6%増)となりました。 b.財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計は1,922億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ157億66百万円減少しました。これは主に、売掛金の減少67億51百万円、契約資産の減少41億54百万円、電子記録債権の減少32億98百万円や投資有価証券の減少10億23百万円などによる資産の減少があったことによるものです。負債合計は801億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ222億83百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少36億26百万円、電子記録債務の減少12億85百万円、短期借入金の減少140億円や長期借入金の減少30億53百万円などによる負債の減少があったことによるものです。純資産合計は1,120億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ65億16百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加33億28百万円や自己株式の減少16億84百万円などによる純資産の増加があったことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は274億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ、1億35百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。    (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、184億63百万円となりました(前連結会計年度は56億32百万円の支出)。これは主に、仕入債務の減少71億19百万円などの資金の減少要因があった一方、税金等調整前当期純利益の計上119億79百万円および売上債権及び契約資産の減少168億88百万円などの資金の増加要因があったことによるものです。    (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果得られた資金は、14億34百万円となりました(前連結会計年度は27億68百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出7億53百万円などの資金の減少要因があった一方、投資有価証券の売却による収入30億75百万円などの資金の増加要因があったことによるものです。  (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、204億73百万円となりました(前連結会計年度は74億43百万円の獲得)。これは主に、短期借入金の返済による支出140億円および長期借入金の返済による支出41億37百万円、配当金の支払いによる支出20億52百万円などの資金の減少要因があったことによるものです。 ③ 生産、受注及び販売の状況a.生産実績当連結グループは、生産実績の表示は困難であります。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)水環境事業136,92310.5276,52219.0産業事業43,9199.841,748△3.0報告セグメント計180,84310.3318,27115.6その他1,3360.3--合計182,18010.2318,27115.6 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)水環境事業92,68914.5産業事業45,2087.9報告セグメント計137,89812.2その他1,3360.3合計139,23512.1 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)が判断したものであります。 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 (受注高)当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度に比べ10.2%増加の1,821億80百万円となりました。水環境事業では、設備の更新需要を積極的に取り込むことで、下水汚泥焼却炉、浄水場向け排水処理設備、包括O&M事業などの大型案件を獲得したことにより、受注高が129億72百万円増加したことによるものです。一方、産業事業では、プラント、単体機器の受注に加え前期は低調であった月島機械の受注も回復したことにより、受注高が39億17百万円増加いたしました。なお、セグメント別の受注状況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」に記載のとおりであります。  (売上高)当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ12.1%増収の1,392億35百万円となりました。これは、両事業ともに豊富な受注済みの案件が順調に進捗し増収となったことによるものです。なお、セグメント別の売上高につきましては「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」に記載のとおりであります。  (営業利益)当連結会年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ31.8%増益の89億15百万円となりました。これは主に両事業の増収効果によるものです。なお、セグメント別の営業利益につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」に記載のとおりであります。  (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度においては、支払利息などの営業外費用を2億99百万円計上した一方で、受取配当金などの営業外収益を16億38百万円計上し、経常利益は前連結会計年度に比べ31.3%増益の102億54百万円となりました。また、投資有価証券売却益20億5百万円などの特別利益を20億13百万円計上した一方で、当社の連結子会社である月島JFEアクアソリューション株式会社にて固定資産の減損による減損損失を1億1百万円計上するなど特別損失を2億88百万円計上しました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ149.3%増益の66億69百万円となりました。  (財政状態)当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態の状況」をご参照ください。当連結会計年度末における自己資本比率は48.4%(前期比6.4ポイント増)となりました。 (3) 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの主力製品は個別受注生産であり、様々な外部要因によって、売上高および利益が計画どおりに計上されない可能性があります。 なお、詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報について当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。当社グループは、持続的な成長を目指すために「サステナビリティ経営の推進」、「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」、「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいりました。この基本方針を実現するため、中期経営計画期間においては、研究開発投資、M&A投資、基幹システム更新などの戦略投資を実行してまいります。また、当連結会計年度は、当社でのIT関連等のほか、連結子会社である月島JFEアクアソリューション株式会社の研究開発資産等で、総額15億67百万円の設備投資を実施いたしました。当社グループは、中期経営計画に基づく持続的成長を支えるために、以下の「財務戦略」を掲げております。 ① 調達方針当社グループは運転資金および定常的な設備投資・研究開発につきましては、原則、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金にて賄っておりますが、キャッシュ・フローを超える大型の設備投資やM&Aについては外部調達にて対応します。当社グループは、資本コストを意識し外部調達を有効活用して「最適資本構成」(注1)を確立してまいります。 ② 財務規律財務基盤の安定を企図して以下の財務規律を定めております。a.自己資本比率 40%~50%程度b.D/Eレシオ(注2) 0.8倍以内c.手許現預金を月商の2か月分確保 ③ キャピタルアロケーション当社グループは、ROEとROICを経営指標に設定し、資本効率の向上と資本コストを意識した企業価値経営を推進してまいります。また、中期経営計画で策定したキャピタルアロケーションに基づいて、創出した営業キャッシュ・フローに加え政策保有株式および物流施設の売却により得られた資金を、通常の設備投資に加えデジタルトランスフォーメーション(DX)や人的資本などの戦略投資、株主還元に配分してまいります。M&Aなどの大規模投資には必要に応じて負債等による調達を活用し最適資本構成を目指します。なお、政策保有株式については本中期経営計画の期間内で連結純資産の20%以内とするために継続的な縮減に取り組んでおります。このたび、縮減をより一層加速させるべく、政策保有株式の売却金額目標を本中期経営計画期間中に70億円以上から120億円以上に変更いたしました。売却により生じた資金については、中長期的な企業価値向上に向け、M&Aなどの成長投資や株主還元に最適配分してまいります。 (注1)最適資本構成とは、株式会社の資本構成要素である他人資本(借入)と自己資本の比率や内容・内訳などがその企業によって最適なバランスをとり、資本コストが最適になる構成のこと。資本コストが最小に抑えられる。(注2)D/Eレシオとは、負債が自己資本の何倍にあたるかを示す指標。 ④ 株主還元方針当社は、財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、毎期の業績、新規投資、連結配当性向等を総合的に勘案しながら、安定配当に努めることを利益配分の基本方針としております。2023年4月からの中期経営計画期間(2023年4月~2027年3月)におきましては、策定したキャピタルアロケーションに基づいて、営業キャッシュ・フローと投資有価証券や不動産等の資産売却額を原資に、企業価値向上のための投資や株主還元を実施することとしております。中期経営計画における株主還元の水準といたしましては、総還元性向50%以上、配当性向40%以上を目標としておりましたが、株主還元方針の見直しにより、2025年3月期の配当性向の目標を50%以上に拡充いたしました。2026年3月期からは、安定した配当を行う姿勢をより明確に示すため株主資本配当率(DOE)を新たに目標として追加することといたしました。変更後の株主還元方針は、「安定配当の水準は、株主資本配当率(DOE)3.5%を下限とし、総還元性向50%以上とする」といたします。機動的な自己株式の取得については、前掲「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等の(3)会社の対処すべき課題、③資本効率の向上と株主還元の拡充」に記載のとおりであり、引き続き安定的な配当の継続に努めるとともに、機動的な自己株式の取得にも取り組んでまいります。  (5) 経営者の問題認識と今後の方針について今後の景況感につきましては、米国の関税政策、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫などの地政学的リスクの影響、および中国経済の減速、原材料価格の高騰や為替の変動などが経済活動に与える影響について留意する必要があります。国内の上下水道分野は、水インフラ関連の投資は設備の老朽化対応のため更新需要は引き続き堅調に推移していくものと推測されますが、中長期的には人口減による市場規模の縮小、および競争の激化等により事業環境が厳しくなることが予想されております。このような事業環境に対応するため、事業基盤の安定化と規模の拡大に向けた取り組みとして2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社との国内水エンジニアリング事業の統合を実施しており、引き続き持続的な成長に向けた施策に取り組んでまいります。民間の設備投資については、注力しているリチウムイオン二次電池向けの機器・プラントの市況は、電気自動車市場が欧米の補助金の見直し等の影響により短期的には踊り場の状況ですが、中長期的には内燃機関から電気自動車へのシフトが進む方向性は変わらないと思われることから、新商品の開発・拡販および競争力の強化に取り組むことで脱炭素社会の構築に貢献してまいります。また、事業ポートフォリオマネジメントを実行するための戦略投資として、DX推進およびM&A、アライアンスの具現化に取り組んでまいります。このような環境の下で当社グループは、持続的な成長を目指すために、「サステナビリティ経営の推進」、「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」、「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいりました。2026年3月期の数値目標については、連結売上高1,440億円、連結営業利益95億円、連結経常利益105億円、親会社株主に帰属する当期純利益75億円を目指してまいります。 *上記の業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものです。実際の業績は、今後様々な要因によりこれらの業績予想とは異なる結果になる可能性があります。 (6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積りや判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。財政状態および経営成績に関する主要な点は以下のとおりであります。 a.当社グル-プの売上高は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用し、工事契約に基づく収益を、一定の期間にわたり充足される履行義務について、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識するものと、履行義務が全て充足された一時点で全ての収益を認識するものに分けております。 b.退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。したがって、実際の年金資産運用収益が前提条件に基づく期待運用収益に満たない場合等は、認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。 c.当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討しております。当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対しては評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得の見積額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。 d.のれんについては、今後の事業展開から期待される将来の超過収益力であり、取得原価と被取得事業の識別可能な資産及び負債の企業結合日時点の公正価値との差額で識別しております。当社グループは、識別可能資産の認識及び測定の実施と、その結果として顧客関連資産への取得原価の配分にあたっては、外部専門家を利用し、顧客関連資産の評価を将来キャッシュ・フローの現在価値として算定することにより行っております。取得原価の配分に当たっては、専門的な知識を必要とする複雑な会計上の見積りが含まれており、不確実性や経営者による主観的な判断が伴うため、市場環境等の変化により将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。 e.当社グループは、原則として各グループ会社において資産のグルーピングを行っています。資産グループについて営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなっている場合等に減損の兆候があると判定されます。減損の兆候がある場合は、当該資産又は資産グループについて事業計画を基礎とした割引前将来キャッシュ・フローの総額と有形固定資産および無形固定資産の帳簿価額を比較し減損損失を認識するかどうかの判定を行います。減損が必要と判定された場合は帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。なお、減損損失の認識の判定に利用した将来の事業計画等は、受注状況や事業環境などの重要な仮定を置いて算定されており、不確実性を伴うため、市場環境の変化等により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 f.当社は、関係会社株式の評価について、超過収益力を反映した実質価額と帳簿価額を比較し、実質価額の著しい低下の有無を判定しております。判定の結果、実質価額の著しい低下が見られる株式に対して相当の減額を行い、帳簿価額の減少額を関係会社株式評価損として計上しております。超過収益力の評価にあたっては、当該関係会社の翌事業年度以降の事業計画を基礎として見積もっておりますが、その前提となる事業計画は、直近の損益実績や経営環境および事業計画の達成状況を踏まえた仮定に基づいております。事業計画については、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があります。実績が事業計画と乖離した場合には、翌事業年度の財務諸表に影響を与える可能性があります。

事業リスク

  • 公共投資の変動リスク
    水環境事業は地方自治体からの公共投資に大きく依存しており、国の財政状況や政策変更により公共投資が変動した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、年度末に工事完了が集中する傾向があり、受注案件のずれ込みも業績に影響を与えることがあります。
  • 地政学的・経済的リスク
    産業事業は、米国の関税政策、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢などの地政学的リスクや、中国経済の減速、原材料価格の高騰、為替変動といった世界経済の不透明感に影響を受けやすいです。これにより、顧客の設備投資動向が変化し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 個別受注生産特有のリスク
    個別受注生産が中心のため、資材調達価格や外注費用の高騰、工事途中の設計変更などにより、契約時の見積もりと実際のコストに差異が生じる可能性があります。また、製品の不具合やプラントの欠陥による補償費用、賠償請求が発生するリスクも存在し、業績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,761 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項につきましては、下記のようなものがあります。なお、下記項目における将来の予想に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において判断したものであります。  ① 需要・市場環境当社グループの事業のうち、水環境事業につきましては、主な顧客である地方自治体における浄水場、下水処理場等への公共投資の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。産業事業につきましては、米国の関税政策やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫などの地政学的リスクに留意する必要があります。また、中国経済の減速、原材料価格の高騰、為替の変動など世界経済の見通しに対する不透明感から、化学、鉄鋼、食品および環境・エネルギー関連の業界における当社グループの顧客の設備投資動向が業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループの売上高に関しましては、水環境事業における官公庁・公共事業案件は、工事完了および検収時期が年度末に集中することが多く、特に第4四半期に集中する傾向があります。また、別途発注の土木建築工事の遅れや顧客事由、半導体の納期長期化や鋼材の高騰などの影響により受注案件が翌期にずれ込む可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 海外事業展開に伴うリスク 当社グループの海外事業におきましては、為替相場や原油、資源価格の変動のほか、米国の関税政策、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫など各国における政情不安や体制変更、テロの発生、新型コロナウイルスのような感染症等によるロックダウン、経済状況の急激な変動、予期しない法規制や税制の変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。為替相場の変動対策としては、為替予約等のヘッジ取引を行うことで影響を軽減しております。 ③ 設備工事および機器製造における事故および災害 当社グループが建設中または建設したプラントおよび単体機器の製造現場において、予期しない事故や災害等、偶発事象が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、適切な品質および安全性を確保するため、品質保証安全管理の担当部署を設けており、品質保証システムと労働安全マネジメントシステムの構築・維持に努めてまいります。 ④ 当社グループ事業の特性当社グループは個別受注生産を中心としており、資材の調達価格や需給状況、外注費用など受注後のコスト上昇要因等により、契約締結時に見積もったコストと実際のコストとの間に差異が発生することがあります。また、設備工事では、工事途中での設計変更や手直し工事により想定外の追加コストが生じることがあります。加えて、納入した製品および設計・施工したプラント類の不具合等により、補償工事に伴う費用の発生や顧客への補償等費用負担の発生、さらには顧客等に損害を与えた場合には賠償請求等の訴訟や係争が生じる可能性があります。子会社の月島ジェイテクノメンテサービス株式会社では、国内の浄水場、下水処理場等において、設備の補修工事、薬品・燃料・電力等の供給を含めた包括的な維持管理業務を受託しております。燃料や電力の価格が変動した場合は委託者と協議を行いますが、価格変動分を速やかに精算できない可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 株式相場の変動当社は株式等の投資有価証券を保有しており、株式相場の急激な変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。  ⑥ 退職給付債務当社グループの年金資産の時価の変動や運用利回りの状況の変化等があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 法的規制当社グループは、建設業法、製造物責任法、計量法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等さまざまな法規制の適用を受けております。当社グループでは法令遵守の徹底を図っておりますが、法律・規制等が強化された場合、または予期し得ない法律・規則等の導入・改正等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 大規模災害等の発生当社グループの生産拠点や事業所、工事現場、ならびに取引先の事業拠点において、地震・洪水・火災・雪害等の大規模自然災害やその他の災害が発生した場合、生産設備や製品等の破損およびライフラインの破損等による生産機能の低下若しくは停止により、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、首都圏直下地震などの災害を想定し、事業継続および早期復旧のための事業継続計画(BCP)を策定するとともに、今後は定期的な訓練により実効性を高めてまいります。 ⑨ 情報セキュリティ当社グループは、事業活動を通して得た顧客・取引先の情報や、事業上の機密情報等を保有しております。これら機密情報に対して、想定を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの感染等により、情報流出、重要データの破壊、改ざん、システム停止等を引き起こす可能性が高まっており、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、情報セキュリティに関する事件や事故の発生を防止するために「情報セキュリティ基本規程」および「情報セキュリティ対策基準」を定め、それに基づく人的側面と情報システム面の両面からの情報セキュリティ対策を実施しております。人的側面においては従業員教育や情報セキュリティに対する考え方の周知・徹底など啓蒙活動を推進すると共に、システム面においては、常にセキュリティ対策を最新にすべく継続的な改善・向上を図ることで、リスクの最小化に努めております。 ⑩ 知的財産当社グループは、単体機器およびプロセスの競争力を確保するため、知的財産権の獲得と適切な管理、活用に努めております。国内外で事業を展開するなかで、新興国等で当社グループの保有する知的財産権が侵害される可能性があります。また、第三者が保有する知的財産権を侵害する可能性があり、そのような場合には、損害賠償責任を負うなど当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループは、知的財産権の重要性を認識し、知的財産の権利化、重点的に強化する分野・技術における特許網の構築を推進してまいります。また、当社保有知財の侵害行為に対しては毅然とした対応をするほか、第三者が保有する知的財産権を尊重し適切に対応してまいります。 ⑪ 人材当社グループは、成長と発展のための最も重要な経営資源は人材であると認識しております。国内においては少子高齢化、熟練技術者の減少等により専門性を有する人材を継続的に確保することが困難となり円滑な事業活動に支障が生じる場合には、当社グループの事業、業績に影響を与える可能性があります。当社グループは、社員のレベルに応じた階層別研修や通信教育を通じて人材を育成しながら、AI・IoTの活用やデジタル化を推進し省人化・効率化を図ることで生産性を高めてまいります。海外の設計拠点との人材交流を進めながら技術者の育成と多様化にも取り組んでおります。また、中途採用も積極的に行っており、専門性を有する人材の拡充にも努めてまいります。 ⑫ 気候変動に関するリスク気候変動に関するリスクとしては、当社グループの既存顧客が脱炭素化に向けた規制強化により業態や製造プロセスを変化させることによる当社機器・プロセスの需要減少、平均気温の上昇による建設現場や製造現場での生産性低下による工期遅延、自然災害の増加による損害および復旧・対応コストの増加などが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループは、気候変動リスクを重要な社会課題として認識しており、「環境技術で世界に貢献し未来を創る」というパーパスのもと、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進するため、サステナビリティ委員会を設置し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明いたしました。脱炭素社会に貢献するために、下水汚泥のエネルギー利用を推進しリチウムイオン二次電池材料を製造する機器・プラントを展開することで、事業を通じて脱炭素社会に貢献し、気候変動リスクの低減に努めてまいります。 ⑬ 持株会社としてのリスク当社グループは2023年4月より持株会社体制へ移行いたしましたが、適切な経営資源配分、グループ戦略の見直しおよびグループ会社の監視・監督等といった持株会社統治、グループ管理の効果が十分発揮されなかった場合、当社グループの業績および財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、持株会社の収入の大部分は、当社が直接保有している子会社からの経営指導料、業務受託料、受取配当金であります。子会社が十分な利益を計上できない場合は、当社に対する受取配当金を支払えなくなる可能性があります。当社は、グループ各社からの事業報告およびその分析結果からグループ全体として適切な戦略判断と経営資源の配分を行ってまいります。

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