6323

ローツェ(6323)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 半導体・FPD関連装置事業
    ローツェグループは、半導体製造の前工程で使われるウエハ(半導体の材料となる薄い円盤)を、ゴミが付かないように運ぶロボットや装置(システム)を開発・製造・販売しています。特に、大気中でウエハを搬送する装置が主力で、半導体メーカーや製造装置メーカーに提供し、収益を得ています。
  • ライフサイエンス事業
    創薬研究やiPS細胞などの細胞培養を自動化する装置、具体的には細胞培養装置(インキュベータ)や関連ソフトウェアを開発・製造・販売しています。これにより、研究者の手作業負担を減らし、効率的な研究開発を支援することで収益を上げています。
  • 多様な製品ラインナップ
    半導体関連装置では、製造装置の前面に設置する搬送装置「EFEM」、ウエハを分類・統合する「ウエハソータ」、窒素環境でウエハを保管する「N2パージ対応ウエハストッカ」などが主力製品です。FPD関連装置では、大型ガラス基板の搬送装置やカッティングマシンを提供し、幅広いニーズに対応しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 半導体・FPD関連装置事業
    この事業は、半導体製造に使われるウエハ(半導体の材料)や、テレビ・スマホのディスプレイに使われる大型ガラス基板を、クリーンな環境で運ぶための装置やシステムを開発・製造・販売しています。売上高は1,233.31億円、営業利益は329.52億円と、グループ全体の収益の大部分を占める主力事業です。
  • ライフサイエンス事業
    この事業では、創薬研究やiPS細胞などの細胞培養を自動で行うための装置、具体的には細胞培養装置(インキュベータ)や関連ソフトウェアを開発・製造・販売しています。売上高は10.74億円、営業利益は1.22億円であり、グループの中では比較的小規模ながらも成長が期待される分野です。
  • 主要製品と役割
    半導体関連装置では、製造装置にウエハを供給する「EFEM」、ウエハを分類する「ウエハソータ」、窒素環境で保管する「N2パージ対応ウエハストッカ」などが中心です。FPD関連装置では、大型ガラス基板の搬送装置やカッティングマシンを提供しており、それぞれの業界の自動化と効率化に貢献しています。
2025-02 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SemiconductorAndFlatPanelDisplayReportableSegment 事業 1,233 330 26.7%
LifeScienceReportableSegment 事業 11 1 11.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,503 文字
3 【事業の内容】当社グループは、ローツェ株式会社(当社)、連結子会社14社(「関係会社の状況」参照)、非連結子会社1社及び関連会社1社により構成されており、事業は半導体関連装置及びFPD関連装置の開発、製造、販売を主とした事業活動を行っております。当社グループは、半導体業界やFPD業界における無塵化対応搬送装置の開発・製造・販売を行う「半導体・FPD関連装置事業」と、ライフサイエンス関連装置の開発・製造・販売を行う「ライフサイエンス事業」を報告セグメントとしております。 各セグメントにおける主要品目、主要製品、及び開発・製造・販売を行う主要な会社は、以下のとおりであります。 セグメントの名称主要品目主要製品主要な会社半導体・FPD関連装置事業半導体関連装置大気用ウエハ搬送装置(システム)(a)EFEM(b)ウエハソータ(c)N2パージ対応ウエハストッカ真空用ウエハ搬送装置(システム)ウエハ搬送ユニット(単体)(ロボット・アライナ・ロードポート)当社RORZE TECHNOLOGY,INC.RORZE SYSTEMS CORPORATIONRORZE AUTOMATION,INC.RORZE ROBOTECH CO.,LTD.分析装置全自動気相分解(VPD)装置ローツェイアス株式会社FPD関連装置大型ガラス基板搬送装置ガラスカッティングマシンRORZE SYSTEMS CORPORATIONライフサイエンス事業ライフサイエンス関連装置インキュベータ(細胞培養装置)ローツェライフサイエンス株式会社 また、当社グループの半導体・FPD関連装置事業における主要品目及び主要製品の概要は、次のとおりであります。 (1) 半導体関連装置シリコンなどの素材で作られた円盤状に薄くスライスされたものを「ウエハ」といい、半導体は、このウエハ上にICチップを作り込んでいきます。現在のウエハは直径が300㎜や200㎜のものが一般的に使用されています。半導体製造工程には、このウエハ上に処理を行う「前工程(ウエハ処理工程)」と、ウエハから個々のICチップに分割されてパッケージに組み込む「後工程」があります。当社の主力製品である「半導体関連装置」は、発塵(ゴミ)が歩留まりに大きく影響する「前工程」で使用される無塵搬送ロボット、あるいはこの無塵搬送ロボットや各種ユニットにより構成された無塵搬送装置(システム)です。半導体関連装置のうち、半導体製造工程のクリーンルーム内の大気中で使用されるウエハを処理装置に供給したり処理装置から受給する搬送装置を「大気用ウエハ搬送装置」といい、真空搬送チャンバやチャンバ内の真空環境での搬送作業を行うロボットで構成された搬送装置を「真空用ウエハ搬送装置」といいます。「ウエハ搬送ユニット」には、ウエハ搬送装置(システム)を構成するウエハ搬送ロボット、ウエハの位置合わせを行うアライナ、FOUP(300mmウエハが最大で25枚入る保管箱)の供給を受けて側面の蓋を開けウエハを装置に取り込んだりFOUPに収納するための窓口の役割を果たすロードポートなどがあり、単品で装置メーカーに販売、供給しています。当社グループの主力製品は、半導体関連装置の中でも大気用ウエハ搬送装置(システム)にあります(a)~(c)の製品です。また、それぞれの詳細につきましては、以下のとおりであります。 (a) EFEMEFEM(イーフェム)とは、Equipment Front End Moduleの略で、製造装置(プロセスチャンバ)や検査装置の前面に設置する搬送装置です。EFEMの中にあるウエハ搬送ロボットがFOUPからウエハを1枚ずつ取り出して製造装置側に取り込んだり、製造装置側から戻ってきたウエハを1枚ずつFOUPに収納するなどの移載・搬送作業を行う装置(システム)です。製造装置や検査装置とドッキングして使用します。 (b) ウエハソータウエハソータとは、装置内にあるウエハ搬送ロボットがFOUPに保管された複数のウエハの中から1枚ずつ取り出し、ウエハに付されたロットナンバーを読み取り装置で光学的に読み取り、振り分けを行い、別のFOUPに収納するなど、FOUP間でウエハの移載を行う搬送装置です。ウエハソータは、ホストコンピュータとの通信により、ウエハを分類、統合し、同じ条件のウエハを1つのキャリアにまとめるなどの作業を行うことができます。 (c) N2パージ対応ウエハストッカプロセスの微細化に伴い、ウエハを保管するにあたって、ウエハの表面酸化及び水分や周囲の雰囲気による品質影響対策が必要とされるようになりました。この装置は、当社独自開発のウエハ個別保管庫で独立した窒素供給及びスライドシャッタードアにより高い自然酸化膜抑制性能と高いクリーン度を同時に達成した装置です。 (2) 分析装置分析装置は、半導体製造過程において金属汚染管理は非常に重要であり、Siウエハ中の金属不純物をICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析法)で自動分析するための前処理装置です。 (3) FPD関連装置テレビやパソコン、スマートフォンやタブレットなどのディスプレイ部分に使用される極薄で大型サイズのガラス基板を製造工程中で搬送する、ロボットや各種ユニットにより構成された搬送装置(システム)であります。そのほか、大型ガラス基板をレーザーを使用して切断するガラスカッティングマシンや、ガラス基板関連自動化装置などもこの品目に含まれております。液晶や有機ELなどのフラットパネルディスプレイ製造工程で用いられる自動化のための製品は、当社グループの中でも韓国子会社だけが開発・製造・販売しております。 (4) ライフサイエンス関連装置創薬のための研究開発や、iPS細胞をはじめとする細胞培養に携わる研究者が手作業で行っている細胞培養処理を自動で行うことを実現するためのインキュベータ(細胞培養装置)や、ソフトウエアパッケージなどを開発・製造・販売しております。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
新製品を素早く市場投入することで高い利益率を確保してきた。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
半導体製造工程の前工程で使用される無塵搬送ロボットや無塵搬送装置(システム)の開発・製造。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:半導体及びFPD業界における設備投資による影響 / 地政学リスク・輸出管理・関税政策による影響 / 材料・部品調達の逼迫と価格変動による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ローツェは半導体製造装置向け真空搬送装置で高い技術力を有するが、特許やブランドによる明確な独占性は限定的。一部顧客からの信頼は無形資産となり得るが、数値化しにくい。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

半導体製造装置は高度なカスタマイズと信頼性が求められ、一度採用されると顧客は他社への切り替えに多大なコストと時間を要する。ローツェの装置は特定の製造プロセスに最適化されている可能性が高い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ローツェの事業モデルは、ユーザー数の増加が直接的に製品価値を高めるネットワーク効果を生む構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

半導体製造装置業界は技術集約型であり、ローツェが構造的に顕著なコスト優位を持つとは考えにくい。品質と技術力が価格競争力を上回る。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

半導体製造装置市場は高度な技術力を持つ少数のプレイヤーが寡占化する傾向がある。ローツェは特定のニッチ市場で一定のシェアを確保しており、効率的な規模の経済を享受している可能性がある。

  • 無塵搬送技術の専門性
    半導体製造の前工程では、わずかなゴミも製品の品質に大きく影響するため、極めて高いクリーン度が求められます。ローツェグループは、この無塵環境下でのウエハ搬送技術に特化しており、独自のロボットやシステム開発を通じて、高い歩留まりに貢献する装置を提供しています。
  • 顧客ニーズへの対応力
    半導体業界の急速な技術進化に対応するため、「世の中にないものをつくる」という方針のもと、新製品開発に積極的に取り組んでいます。顧客の要求する短納期化や微細化に対応した製品を迅速に市場投入することで、高い利益率を確保し、競争優位性を維持しています。
  • グローバルな事業展開
    半導体およびFPD業界はグローバルに展開しており、ローツェグループも海外に子会社を持ち、開発・製造・販売を行っています。これにより、世界中の顧客の設備投資動向に合わせた製品供給や、地域ごとのニーズにきめ細かく対応できる体制を構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、「世の中にないものをつくる」を合言葉に、半導体・FPD業界において、独自の技術と経験をもとに、最先端技術への貢献を続けてまいりました。営業・サービスネットワークをグローバルに展開し、顧客とのコミュニケーションを大切にしてまいります。創業より培ってきた技術力とアイデアをベースに「Co-innovation(共創という独創)」という発想のもと、今後も顧客に寄り添い最高のソリューションの提供を目指してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループは、今後も半導体業界を中心にして、以下の3つの重点項目を念頭に、強固な成長基盤の構築に努めてまいります。・技術力強化当社グループの更なる成長のためには、付加価値の高い製品の開発が不可欠であります。積極的な特許の取得に努め、製品技術における他社との差別化をはかってまいります。また、特許技術を中心としたユニークなアイデアと経験で顧客に対する提案力、解決力を強化してまいります。 ・グローバルサポート体制の強化半導体工場がある地域の大部分に拠点を設置することで迅速なサポートが可能な体制を築いてまいりました。また、ネットワーク体制をもとに、世界各地の顧客に対し従来以上にきめ細やかなサポートを実現することで、顧客満足のさらなる向上に取り組んでまいります。 ・生産体制の強化半導体関連装置の主力工場であるベトナム子会社、FPD関連装置を手掛ける韓国子会社を中心に、効率的な生産体制の構築や効果的な設備投資を進めてまいります。ハード面におきまして、特に自動化に取り組み、リードタイムの短縮、コスト競争力強化及び品質のさらなる向上に努めてまいります。また、強固なサプライチェーンを構築していくことで、部品の安定供給をはかり、生産の安定化にも努めてまいります。さらに、変化に対応できる柔軟な生産体制も検討してまいります。 (3) 目標とする経営指標当社は、企業価値の向上を目的とし、売上高及び経常利益の成長を目標にしております。また、中期的に資本・資産効率をより意識した経営を進めていく考えであります。 (4) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループは、今後ますます重要な役割となる半導体を中心に、フラットパネルディスプレイ(以下、FPD)及びライフサイエンスの各分野において、社会の発展に貢献していく所存です。 半導体市場は、生成AIの普及拡大及びデータセンター向け需要の拡大を背景に、先端ロジック及びメモリー分野の成長が見込まれており、半導体製造装置分野におきましても、AI関連需要拡大に伴う設備投資による市場拡大が予想されます。 次に世界情勢を見ますと、米国・イスラエルとイランとの紛争による原油問題は、エネルギー及び石油製品等のコストの上昇だけでなく、供給問題にも繋がり、部品調達環境に影響を及ぼすことが懸念されます。 このような環境に対応するため、需要拡大に対しましては、ベトナム子会社(RORZE ROBOTECH CO.,LTD.)におきまして、新工場の建設を進めております。現時点では、工場用地の取得は完了しており、2028年春頃に稼働開始予定であります。 また、ベトナム子会社の現工場では、製造の自動化技術を取り入れた生産体制及びAIを活用した自動化による検査体制の構築を推進し、生産効率と製品品質の向上を図ります。 次に、部品調達環境問題に対しましては、サプライチェーンを更に強化すると同時に、部品の先行手配等を含む適切な調達管理を徹底し、製品の安定供給体制の強化に取り組んでまいります。 更に、新製品開発につきましては、独自技術による既存製品の強化及び新製品開発を行うと同時に、次世代技術の開発を積極的に推進してまいります。なお、開発体制を強化するため、開発組織の見直しを実施いたしました。 また、海外子会社を含めたグローバルな開発体制を構築し、PDM(製品情報管理:ProductDataManagement)PLM(製品ライフサイクル管理:Product Lifecycle Management)及びAIを駆使した開発手法も活用して製品開発のスピードアップを図り、顧客要求の短納期化に対応してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、「世の中にないものをつくる」を合言葉に、半導体・FPD業界において、独自の技術と経験をもとに、最先端技術への貢献を続けてまいりました。営業・サービスネットワークをグローバルに展開し、顧客とのコミュニケーションを大切にしてまいります。創業より培ってきた技術力とアイデアをベースに「Co-innovation(共創という独創)」という発想のもと、今後も顧客に寄り添い最高のソリューションの提供を目指してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループは、今後も半導体業界を中心にして、以下の3つの重点項目を念頭に、強固な成長基盤の構築に努めてまいります。・技術力強化当社グループの更なる成長のためには、付加価値の高い製品の開発が不可欠であります。積極的な特許の取得に努め、製品技術における他社との差別化をはかってまいります。また、特許技術を中心としたユニークなアイデアと経験で顧客に対する提案力、解決力を強化してまいります。 ・グローバルサポート体制の強化半導体工場がある地域の大部分に拠点を設置することで迅速なサポートが可能な体制を築いてまいりました。また、ネットワーク体制をもとに、世界各地の顧客に対し従来以上にきめ細やかなサポートを実現することで、顧客満足のさらなる向上に取り組んでまいります。 ・生産体制の強化半導体関連装置の主力工場であるベトナム子会社、FPD関連装置を手掛ける韓国子会社を中心に、効率的な生産体制の構築や効果的な設備投資を進めてまいります。ハード面におきまして、特に自動化に取り組み、リードタイムの短縮、コスト競争力強化及び品質のさらなる向上に努めてまいります。また、強固なサプライチェーンを構築していくことで、部品の安定供給をはかり、生産の安定化にも努めてまいります。さらに、変化に対応できる柔軟な生産体制も検討してまいります。 (3) 目標とする経営指標当社は、企業価値の向上を目的とし、売上高及び経常利益の成長を目標にしております。また、中期的に資本・資産効率をより意識した経営を進めていく考えであります。 (4) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループは、今後ますます重要な役割となる半導体を中心に、フラットパネルディスプレイ(以下、FPD)及びライフサイエンスの各分野において、社会の発展に貢献していく所存です。 半導体市場は、生成AIの普及拡大及びデータセンター向け需要の拡大を背景に、先端ロジック及びメモリー分野の成長が見込まれており、半導体製造装置分野におきましても、AI関連需要拡大に伴う設備投資による市場拡大が予想されます。 次に世界情勢を見ますと、米国・イスラエルとイランとの紛争による原油問題は、エネルギー及び石油製品等のコストの上昇だけでなく、供給問題にも繋がり、部品調達環境に影響を及ぼすことが懸念されます。 このような環境に対応するため、需要拡大に対しましては、ベトナム子会社(RORZE ROBOTECH CO.,LTD.)におきまして、新工場の建設を進めております。現時点では、工場用地の取得は完了しており、2028年春頃に稼働開始予定であります。 また、ベトナム子会社の現工場では、製造の自動化技術を取り入れた生産体制及びAIを活用した自動化による検査体制の構築を推進し、生産効率と製品品質の向上を図ります。 次に、部品調達環境問題に対しましては、サプライチェーンを更に強化すると同時に、部品の先行手配等を含む適切な調達管理を徹底し、製品の安定供給体制の強化に取り組んでまいります。 更に、新製品開発につきましては、独自技術による既存製品の強化及び新製品開発を行うと同時に、次世代技術の開発を積極的に推進してまいります。なお、開発体制を強化するため、開発組織の見直しを実施いたしました。 また、海外子会社を含めたグローバルな開発体制を構築し、PDM(製品情報管理:ProductDataManagement)PLM(製品ライフサイクル管理:Product Lifecycle Management)及びAIを駆使した開発手法も活用して製品開発のスピードアップを図り、顧客要求の短納期化に対応してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策の影響が残るものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価上昇の継続による個人消費の減速懸念等から、依然として先行不透明な状態が継続しております。当業界におきましては、生成AIの普及を背景にデータセンター向け高性能デバイス需要が投資を牽引し、AIサーバー向けの先端ロジックやメモリ分野への設備投資が堅調に推移しました。また、微細化・高積層化等の技術進化を背景に、デバイス構造の複雑化や高い性能要請への対応が求められる中で、アドバンスドパッケージ分野を含む関連設備投資も活発化しました。このような状況の中、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高は主に台湾顧客向けの需要が増加した結果、128,794百万円(前期比3.5%増)となりました。損益面におきましては、前期に連結対象とした海外子会社における取込期間の影響及び当該子会社に係るのれん償却額等による販管費の増加で、営業利益31,154百万円(前期比2.7%減)、経常利益32,621百万円(前期比8.0%減)となりました。また、特別損失として訴訟損失引当金繰入額7,429百万円を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益19,048百万円(前期比19.4%減)となりました。 セグメント別の業績は、次のとおりであります。半導体・FPD関連装置事業の売上高は127,593百万円(前期比3.5%増)、セグメント利益は32,003百万円(前期比2.9%減)となりました。ライフサイエンス事業の売上高は1,201百万円(前期比11.8%増)、セグメント利益は13百万円(前期比89.1%減)となりました。 ② 財政状態の状況(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、154,970百万円となり前連結会計年度末に比べ9,449百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、現金及び預金の増加によるものであります。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は、42,332百万円となり前連結会計年度末に比べ114百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、繰延税金資産の増加によるものであります。 (流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は、40,328百万円となり前連結会計年度末に比べ335百万円減少いたしました。主な要因といたしましては、未払法人税等の減少及び前受金の減少によるものであります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は、17,012百万円となり前連結会計年度末に比べ1,344百万円減少いたしました。主な要因といたしましては、長期借入金の減少によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は、139,961百万円となり前連結会計年度末に比べ11,244百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加によるものであります。以上の結果、総資産は197,302百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,563百万円増加し、自己資本比率は前連結会計年度末の62.8%から66.0%に増加しております。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首残高より13,011百万円増加となり、当連結会計年度末には74,341百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は31,191百万円(前期は36,791百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益25,009百万円、訴訟損失引当金の増加額7,429百万円及び棚卸資産の減少額4,117百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額10,273百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、支出した資金は3,300百万円(前期は6,455百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,089百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、支出した資金は15,520百万円(前期は9,160百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出8,128百万円、自己株式の取得による支出4,999百万円及び配当金の支払額2,998百万円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごと及び品目別に示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日) 品目生産高(百万円)前年同期比(%)半導体・FPD関連装置事業 半導体関連装置66,459104.3 FPD関連装置5,38767.6計71,847100.3ライフサイエンス事業692104.8合計72,539100.3 (注) 金額は、製造原価によっております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごと及び品目別に示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日) 品目受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)半導体・FPD関連装置事業 半導体関連装置103,971105.250,46195.5 分析装置3,20489.83,19690.1 FPD関連装置5,38171.81,67864.7計112,558102.455,33693.8ライフサイエンス事業812118.471586.1合計113,371102.555,40893.9 (注) 1.金額は、販売価格によっております。 2.当連結会計年度より、製品別売上高の集計範囲を見直し、「部品・修理他」の金額の一部を「分析装 置」へ含めて記載する方法に変更しております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごと及び品目別に示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日) 品目販売高(百万円)前年同期比(%)半導体・FPD関連装置事業 半導体関連装置106,345103.9 分析装置3,55490.1 FPD関連装置6,29873.3 部品・修理 他11,395135.3計127,593103.5ライフサイエンス事業1,201111.8合計128,794103.5 (注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度(自 2024年3月1日至 2025年2月28日)当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)Applied Materials,Inc.24,01819.322,00917.1Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.9,8177.919,52215.2 2.当連結会計年度より、製品別売上高の集計範囲を見直し、「部品・修理他」の金額の一部を「分析装置」へ含めて記載する方法に変更しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っております。 ② 当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における経営成績に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、建物及び機械装置等の設備投資によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。当連結会計年度末における有利子負債の残高は23,796百万円、並びに当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は74,341百万円であります。

事業リスク

  • 設備投資サイクルの変動
    半導体やFPD業界の設備投資は景気や技術革新のサイクルに大きく左右されます。顧客の投資計画が変動すると、ローツェグループの受注や売上、工場の稼働率に影響が出る可能性があります。需要の急激な変化に対応するため、生産体制の柔軟性が求められます。
  • 地政学リスクと輸出規制
    グローバルに事業を展開しているため、国際情勢の変化、特に米国を中心とした先端半導体・装置の対中輸出規制や関税政策が業績に影響を及ぼす可能性があります。特定の国・地域への依存度が高い場合、これらの政策変更が事業に大きな打撃を与えるリスクがあります。
  • 材料調達と価格変動
    製品製造に必要なアルミなどの素材や加工部品、各種購入部品の調達が、急激な需要変動、原材料価格の高騰、サプライヤーの生産障害、物流制約などによって困難になる可能性があります。これにより、納期遅延やコスト上昇が発生し、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,859 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因については以下のものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 半導体及びFPD業界における設備投資による影響当社グループは、半導体(前工程・後工程/先端パッケージ)および FPD 生産ラインで用いられる搬送・自動化関連装置を、デバイスメーカーや製造装置メーカーの投資計画に沿って市場投入しています。そのため、顧客の投資サイクルの変動により、当社の受注・売上・稼働率が影響を受ける可能性があります。これに対し当社グループでは、顧客の設備投資動向や受注状況を定期的に把握・検証するとともに、柔軟な生産体制を整備し、急激な需要変動に対応できる体制づくりを行っております。 (2) 地政学リスク・輸出管理・関税政策による影響当社グループは、グローバルな事業展開を行っております。よって、地政学的リスクは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、米国を中心とする先端半導体・装置の対中輸出規制及び関税率引上げ等の通商政策は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、国際情勢を注視し事業への影響が顕在化した際は直ちに適切な対応に努めてまいります。 (3) 材料・部品調達の逼迫と価格変動による影響当社グループは、アルミなどの素材や加工部品、あるいは各種購入部品など多岐にわたる調達を行っています。急激な需要変動、原材料価格の上昇、特定サプライヤーの生産障害・品質問題、物流制約(港湾混雑・航路混乱等)により、納期遅延・コスト上昇・必要量の不足が発生した場合、また世界情勢の変化にともない、エネルギー及び石油製品等のコスト上昇や供給問題が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社グループでは、日頃からサプライヤーとの関係強化に努めるとともに調達リスクをモニタリングして適正な在庫の確保に努めています。 (4) 在庫のリスクによる影響当社グループでは、原材料の調達リスクに対応すべく原材料を確保しております。市況変動や顧客の経営計画の変更等により原材料の消費が滞留した場合、業績に影響を与える可能性があります。 (5) 為替相場の変動による影響当社グループの海外売上・調達は為替変動の影響を受け業績に影響を及ぼします。これに対し当社グループでは、為替相場の変動リスクを軽減する目的で必要に応じて大口の外貨建て受注案件に対し為替予約を行うことがあります。 (6) 知的財産権による影響当社グループは独自技術に基づき製品開発を行い特許出願を進めていますが、国・地域により知的財産保護水準が異なり、第三者から侵害主張・訴訟を受ける可能性、逆に当社権利の保護が十分に及ばない可能性があります。この場合、その結果によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これに対し当社グループでは、知的財産権管理部門を中心に、市場の監視を行い、必要な処置を講じる体制を整えております。 (7) 情報セキュリティ・サイバーリスクによる影響当社グループは事業上の様々な技術情報や顧客情報を保有しており、ランサムウェア、委託先経由の侵害、脆弱性悪用、地政学的背景の攻撃等により、操業停止や情報流出、信用失墜・費用負担が生じるおそれがあります。この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これに対し当社グループでは、情報セキュリティ規程を設け、情報の適切な取扱い・管理・保護・維持に努めております。 (8)人材の確保及び育成による影響当社グループは、グローバルな事業展開のためには優秀な人材の確保・育成が重要であると認識しております。しかしながら、優秀な人材の確保・育成ができない場合、事業拡大ができなくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。  (9) 競合による影響当社グループは、半導体事業分野において、多様な競合他社が存在します。地場メーカーの台頭で競争が激化する可能性があります。市場での競争力を高めるため、現地での生産を拡大しておりますが競合他社が品質、コスト、納期などで上回った場合、競争力の低下や収益力を損なう可能性があります。 (10) 研究開発による影響当社グループは、「世の中にないものをつくる」を合言葉に新製品の開発に取り組んでおります。新製品を素早く市場投入することで高い利益率を確保できてきました。しかしながら、顧客要求の短納期化に対応できない場合や競合他社に技術先行された場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、市場性を見極め新製品開発のスピードアップを図り、顧客要求に対応してまいります。 (11)製品品質による影響当社グループは、付加価値や信頼性の高い装置を開発し提供しております。しかし、先端分野で使用されるために新規開発となる要素が多く、予期せぬ重大な不具合が発生し、無償修理費用等の多額な負担及び保証が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これに対し当社グループでは、安定した品質を生みだすために、国際規格ISO9001を認証取得し、マネジメントシステムの継続的な改善と向上に努めるとともに、定められた品質システムを遵守し、高品質な製品の供給に努めています。また、不具合発生時においても根本原因を究明したのち再発防止・未然防止策の実施・徹底を図っております。 (12) 環境問題による影響環境問題に対する懸念は世界的に高まり、当社グループが主に属する半導体及びFPD業界におきましても、取引に際し顧客からの要求が増加しております。こうした中、環境問題に対する取り組みが十分でない場合には、顧客からの取引が減少するだけでなく、社会的信用の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。これに対し当社グループでは、省エネ・長寿命設計による製品開発や再生可能エネルギー導入を通じ、環境負荷低減を推進し、製造工程の効率化を進めます。 (13)自然災害等による影響当社グループは、自然災害等が発生した場合に対し、事業活動への影響を最小限にする体制及び対策を講じております。しかしながら、想定を超える大規模な災害等により、当社グループの事業拠点又は取引先等に甚大な被害が発生した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14) M&A等による影響買収及び出資先の業績が、事業環境の変化等により、当初計画を下回る場合、のれん・無形資産の減損処理、追加投資及び経営体制の再構築が必要となる可能性があります。この場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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