6306

日工(6306)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 建設機械の製造販売
    日工は、アスファルトプラントやコンクリートプラントといった道路や建物の建設に不可欠な機械の製造・販売を主力事業としています。これらのプラントは、アスファルト合材や生コンクリートを製造するための大規模な設備で、インフラ整備を支える重要な役割を担っています。
  • 環境・搬送機械と破砕機
    環境関連では、ベルトコンベヤや選別機、油汚染土壌浄化プラントなどを手掛け、資源リサイクルや環境保全に貢献しています。また、岩石などを砕く破砕機も製造・販売しており、建設現場や鉱山などで利用されています。
  • 多角的な事業展開
    主力機械の製造販売に加え、産業機械の製造請負事業や、仮設機材、土農工具の販売、さらには不動産賃貸・販売、住宅リフォームなど、幅広い事業を展開しています。これにより、建設関連市場の多様なニーズに応え、収益源を多角化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • アスファルトプラント関連事業
    アスファルトプラントやリサイクルプラント、関連する電子制御機器の製造・販売が中心です。最新年度の売上高は194.8億円、営業利益は9.76億円と、日工グループの主要な収益源の一つであり、国内市場で高いシェアを誇っています。
  • コンクリートプラント関連事業
    コンクリートプラントやコンパクトコンクリートプラント、コンクリートポンプなどを手掛けています。最新年度の売上高は142.66億円、営業利益は17.24億円と、アスファルト関連事業に次ぐ規模で、高い収益性を上げています。
  • 環境・搬送関連事業
    ベルトコンベヤや選別機、油汚染土壌浄化プラント、プラスチックリサイクルプラントなどを展開しています。最新年度の売上高は32.54億円、営業利益は8.47億円で、環境意識の高まりとともに成長が期待される分野です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AsphaltRelatedBusiness 地域 195 10 5.0%
ConcreteRelatedBusiness 地域 143 17 12.1%
EnvironmentAndConveyorBusiness 地域 33 8 26.0%
CrusherBusiness 地域 23 0 1.8%
ManufacturingOutsourcingBusiness 地域 48 6 13.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|862 文字
3【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、子会社13社で構成され、アスファルトプラント、コンクリートプラント、環境及び搬送機械、破砕機の製造・販売を主に行っているほか、製造請負事業、不動産賃貸、住宅リフォーム等の販売を営んでおります。 事業の種類別セグメント情報において、アスファルトプラント事業は『アスファルトプラント関連事業』に、コンクリートプラント事業は『コンクリートプラント関連事業』に、環境及び搬送事業は『環境及び搬送関連事業』に、破砕機事業は『破砕機関連事業』に、製造請負事業は『製造請負関連事業』に、仮設機材及び土農工具等その他事業は『その他』に区分しております。区分主要製品主要な会社アスファルトプラント関連事業アスファルトプラントリサイクルプラント合材サイロ電子制御機器、工場管理システム当社日工電子工業㈱日工マシナリー㈱日工(上海)工程機械有限公司Nikko Asia (Thailand) Co.,Ltd.Nikko Global Manufacturing (Thailand) Co.,Ltd.コンクリートプラント関連事業コンクリートプラントコンパクトコンクリートプラントコンクリートポンプ電子制御機器、工場管理システムコンクリート製品生産用工場設備等当社日工電子工業㈱日工マシナリー㈱日工(上海)工程機械有限公司環境及び搬送関連事業ベルトコンベヤ、設備用コンベヤ、缶・ビン選別機油汚染土壌浄化プラント、プラスチックリサイクルプラント当社破砕機関連事業破砕機当社㈱前川工業所製造請負関連事業産業機械、ガスホルダー当社宇部興機㈱㈱松田機工その他パイプ枠組足場、鋼製道板、パイプサポートアルミ製仮設昇降階段ショベル、スコップ小型コンクリートミキサ、モルタルミキサ水門、防水板、不動産賃貸、不動産販売、建設機械製品リース住宅リフォーム、ソーラーLED当社日工マシナリー㈱トンボ工業㈱日工セック㈱日工興産㈱㈱西日本不動産Nikko Baumaschinen GmbH 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
国内アスファルトプラント市場で70%以上の市場シェアを占めるトップメーカー。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
アスファルトプラント市場での長年のトップメーカーとしての技術力とメンテナンス体制。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:国内アスファルトプラント関連事業の競合激化リスク / 環境負荷低減への技術革新が間に合わないリスク / 海外事業(中国・ASEAN)での競争激化・販売不振リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

日工は特定のブランド力や特許、規制ライセンスに依存する事業モデルではなく、汎用的な産業機械の製造・販売が中心であるため、無形資産による競争優位性は限定的と判断される。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の仕様や生産ラインに合わせて機械をカスタマイズして導入することが多く、一度導入した機械の入れ替えには、新たな設備投資や生産ラインの再構築といったコストが発生するため、一定のスイッチング・コストが存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

日工の事業は、個々の顧客の生産設備を提供するBtoBビジネスであり、ユーザー数の増加がサービスの価値向上に繋がるネットワーク効果は発生しない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウと効率的な生産体制の構築により、同業他社と比較してコスト競争力を維持している可能性がある。特に、標準化された製品群においては、規模の経済を活かしたコスト優位性が期待できる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

建設機械や産業機械分野において、一定の市場シェアを有しており、規模の経済による効率的な生産・販売体制を構築していると考えられる。特に国内市場においては、主要プレイヤーの一つとしての地位を確立している。

  • アスファルトプラントの寡占市場
    国内アスファルトプラント市場において、日工は70%以上の圧倒的な市場シェアを誇るトップメーカーです。競合が少ない寡占市場であるため、安定した収益基盤を築いており、長年にわたりその地位を維持しています。
  • 技術力とメンテナンス体制
    長年の経験で培われた高い技術力と、プラントの製造から据付工事、メンテナンスまでを一貫して自社で行うきめ細やかなサービス体制が強みです。これにより、顧客からの信頼を得て、高いスイッチングコスト(他社製品への乗り換えにくさ)を構築しています。
  • カーボンニュートラルへの貢献
    アスファルトプラントのCO2排出量削減に向けた新製品開発や、燃料効率向上、熱源転換などの技術革新に積極的に取り組んでいます。これにより、環境意識の高まりに対応し、将来的な競争優位性を確立しようとしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1)経営の基本方針当社は2019年度に「10年後に日工グループがありたい姿(ビジョン)」を描いたうえで、長期(10年)の基本方針を策定しました。この方針の達成に向けて、3年ごとの中期経営計画を作成しています。 ①長期基本方針について当社グループは2030年ビジョンの中で、メーカーとして技術力・製品力の日工ブランドを維持・強化しつつ、サービスビジネスを拡張させることで、経済価値として売上高700億円、営業利益70億円(営業利益率10.0%)を目指しています。また、社会・環境価値は4つのマテリアリティのうち環境価値に関わる「カーボンニュートラルの実現」と「資源循環型社会の確立」、社会価値に関わる「人財育成と働きがいの向上」を挙げています。経済価値と社会・環境価値を同時に引き上げることで、企業価値の向上を目指します。2030年ビジョン達成へのプロセスを進める上で、2024年度迄は「内部投資フェーズ」と位置づけており、人的資本や知的資本への先行投資を積極化し、製造資本へも高水準の設備投資をおこないました。具体的に、カーボンニュートラルへの対応が必要なAP事業領域の社員増強34名を始めとして、日工単体で86名の人員増(過去3年間は69名増)をおこないました。研究開発費においても、AP事業領域の環境対応新製品、遠隔化・自動化サポートなどを始めとして、18億円強(同12億円弱)をおこないました。2025年度以降は「内部投資フェーズ」から、先行投資が具現化する「ビジネス拡大フェーズ」に入ります。新たに策定しました「新中期経営計画2025‐2027」に基づき収益を拡大していきます。 ②長期基本方針(ビジョン)達成のための重要な経営課題日工グループは新たに策定した2030年ビジョンに伴い、持続的に企業価値創造するためのマテリアリティ(重要課題)を見直しました。経営理念に掲げる「広く社会から信頼され、お客様とともに発展する“ソリューションパートナー”となることを使命に自己変革する」ことを念頭にして、マテリアリティを解決することが、2030年ビジョンにある日工グループが目指す姿「高い技術に裏打ちされたプラント設備・環境機器製品のトップメーカー」「且つ、運用・保全サービスによる顧客の経営パートナー」につながります。今後はマテリアリティでKPI(重要業績評価指標)を設定して実効性を高めると同時に、取締役会でのモニタリングも必要と考えています。 日工グループのマテリアリティは、社会課題や業界環境の変化をもとにした2030年ビジョンの目指す姿から、ステークホルダーと日工グループが企業価値を上げるために重要度が高いと想定する、1.「カーボンニュートラルの実現」2.「資源循環型社会の確立」3.「新たな顧客価値の創造」4.「人材育成と働きがいの向上」の4つです。2023年に位置づけを少し変更しました。位置づけ変更のポイントは、4.「人材育成と働きがいの向上」を2023年4月から開始された新人事制度の効果も含めて、マテリアリティマップの最も右側に移動し、日工グループの企業価値向上で重要度を高めたことです。「カーボンニュートラルの実現」は引き続き、最も重要なマテリアリティであり、この達成なくして日工グループの長期的な企業価値向上はありえません。また、顧客の経営パートナーになるには「新たな顧客価値の創造」はマテリアリティとして妥当であり、強みを持つメンテナンス・サービス事業でDXやAIなど使いながら、お客様の満足度向上に繋げます。 ③長期(10年)基本方針 5つのポイント長期計画の前提となる当社を取り巻く事業環境につきましては、当社グループに関係の深い建設関連業界は今まで民間建設投資が大幅に増加するなど総じて堅調に推移してきました。今後も2021年度に始まりました防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策などを背景に好調に推移していくと思われます。しかし、長期的にはこうしたプロジェクトも一服が見込まれます。このため、当社では既存事業における収益基盤強化と成長余地が大きい海外売上の確立、カーボンニュートラルに向けた製品開発への取組、既存プラントにおけるメンテナンスのサブスクリプションなどの新しいビジネスモデルへの取組、さらには新規分野を伸ばすことが中期経営計画の達成に必要と考えております。 これらを踏まえて、長期経営計画での基本方針は以下となります。  イ. 国内の収益基盤の強化は全部門のレベルアップにより製品力を向上させて、現状一桁の国内売上高営業利益率を10%にする。 ロ. 海外売上の確立は実績を積み上げているタイ、インドネシアにおいて攻め方を変えて強化する。 ハ. 新規事業の推進はM&Aだけでなく現在取り組んでいる新規事業に対して経営資源を投入、柱とすべく10年後に100億円の売上を創出する。 ニ. 働き方改革の実践は当社製品でお客様の働き方改革に貢献できるような製品を展開し、当社においては労働生産性を高めて余力を作り、新規領域に投入する。 ホ. 以上の結果として、10年後に時価総額500億円以上、ROEで10%以上を目指す。また配当性向を60%以上とし、株主還元も強化する。 ④長期目標を達成するに当たっての経営者の認識長期経営目標を達成するにあたり、当社の価値創造プロセス(=ビジネスモデル)との関連性を示しつつ、コアとなる4つの技術、すなわち混練、加熱、制御、搬送で参入障壁の高い独自技術(=競争力の源泉)をより強化させることが重要と考えております。これらは強固な財務基盤や顧客ニーズに応える研究・開発体制、ソリューションパートナーとしての顧客企業からの信頼、調達先とのパートナーシップ、代理店・協力工事店との協働に支えられています。 国内のアスファルトプラント(AP)関連事業は、顧客の8割が大手舗装会社で固定化しており、アスファルト合材製造量も4,000万トンをやや下回った水準が続くと考えられます。当面の国内需要は、1980年代に製造されたAPの更新需要に支えられた高原横這いの状況が続くと予想されますが、中長期的には成長余地が大きい海外事業の拡大が不可欠と見ています。国内の当社APシェアは8割程度(国内メーカーは他1社)ですが、リサイクル合材をメインに差別化したVPシリーズの拡販、カーボンニュートラルに向けた製品開発への取組、慢性的な人手不足を抱える顧客への遠隔化・自動化による工場運営のサポートサービス、などのビジネスモデル刷新を進めてまいります。海外は主力の中国に加えて、現地法人を設立、工場を新設したタイを起点としたASEANの顧客基盤の拡大を目指します。 国内のコンクリートプラント(BP)関連事業は、生コンクリートの工場数が2015年末の3,396箇所から2024年度末には3,007箇所へ減少、中期的にも工場数の減少が予想されます。市場は成熟化しており、競合2社と静態シェアが拮抗した状況にあります。当社の強みである自社製操作盤による最適なプラントの保守運用、運営状況の把握による生コン工場のトータル管理やプラントの標準化を推進することが、シェアアップと収益確保に寄与するものと考えています。加えて、プラントの集約化に伴う遠隔地域での需要や災害復興など向けにモバイルBPの拡販をおこない、地場ゼネコンに向けても新しい需要の創出をおこないます。 また、世界的に気候変動リスクへの対応が叫ばれる中、日工グループの事業内容は社会や環境課題と深い関係があります。現在稼働する国内アスファルト合材工場全体から排出されるCO2は年間約130万トンであり、日本の年間CO2排出量10億トンの0.1%に相当します。日工グループは2050年にCO2排出量実質ゼロを目指すことを経営方針として明確に打ち出しており、プラント製造時に自社で排出するCO2だけではなく、販売先の日工製プラントが稼働時に排出するCO2を含めてカーボンニュートラルを達成できるよう顧客企業様と緊密に連携していきます。 最後に株主様からお預かりした資金を最大限活用して、その期待に応えるため、資本コストを全社で共有し、それを上回るリターンを上げることも重視いたします。この結果として、2030年度末には株式の時価総額500億円以上、ROE10%以上をKPIとして目指します。また成長投資と株主還元を同時に強化し、配当性向60%以上を継続致します。これらが中長期の企業価値向上に欠かせないと考えております。 < 日工のビジネスモデル >                                 日工グループ統合レポート2024 (2)中期経営計画のセグメント別実績当連結会計年度よりはじまりました前中期経営計画(2022~2024年度)の3年目は、売上高、利益項目ともに対前年比増となりましたが計画未達に終わりました。国内事業は回復基調となり製造請負関連事業が大きく伸長したものの、破砕機事業の特需の剥落、受注遅延、タイ事業の計画遅れなどにより未達となりました。 前中期経営計画である2022年度から2024年度における各セグメントの財務実績は次のとおりです。 ※AP=アスファルトプラント、BP=バッチャープラント(コンクリートプラント) (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①アスファルトプラント事業の収益性向上 道路舗装業界は、2023年度同様原材料費並びにエネルギーコストの高騰が続き、一部改善されたものの、価格転嫁の途上にあり、厳しい状況が続いております。そのような環境の中、当社はユニット化した生産効率の高い新型アスファルトプラントVPシリーズの販売比率を上げることで、収益を改善してまいります。さらに、GX対応の中温化合材普及などに伴う対応設備の開発、市場投入を推進するとともに、引き続き、水素バーナ、バイオマス燃料バーナなど脱炭素製品の開発や市場投入を行い将来的なさらなる収益性改善に向けて取り組んでおります。  ②コンクリートプラント事業の国内シェア拡大 生コン業界は、出荷量が減少する中で、電力や原材料、輸送コストなどのコストアップ分を経済産業省、国土交通省、生コン議員連盟の協力を得て適正に価格転嫁し物価資料の掲載価格などにも反映されたことにより好調な収益性を維持しており、今後も継続的な設備投資需要を見込むことができます。 コンクリートプラントのトップメーカーとして更なるシェアを拡大するため、生コン工場におけるトータル管理、プラント支援センター、モバイルプラントの拡販、プレキャストの高い要求水準を満たす製品開発によって差別化を図ってまいります。 また、引き続き経済産業省及びNEDO等による『グリーンイノベーション基金事業/CO₂を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト』にも積極的に参画してまいります。  ③メンテナンス事業の安全対策 当社ではメンテナンス工事を中心に年間12,000件以上のプラント工事に携わる中、安全対策を最優先事項としております。労働災害撲滅に向けプラント安全対策プロジェクトを立ち上げ、安全対策マニュアルや注意喚起動画の制作、見直しを継続して行っております。 その取組のなかで、作業管理アプリ「みまもり君」を開発しリスクアセスメントの強化を図ってまいりました。 注意喚起動画の一般公開・積極活用も呼び掛けており、当社社員だけではなく、工事協力店やお客様にも安全衛生のサポート業務を展開しており、さらなる信頼性の向上と労働災害撲滅に努めてまいります。  ④海外市場の深耕 中国経済は回復期待があるものの先行きは不透明で、道路工事もメンテナンス工事が主体になりつつあり、再生材の混入率は都市部を中心に、より大きくなっております。リサイクル設備がメーカー選定に及ぼす影響も大きく、当社は新型プラントNHRシリーズや大型リサイクル設備によって差別化を進めております。 タイにおいてもリサイクル設備の市況が活性化しており、当社も2024年度にASEAN向け新型機種を販売開始いたしました。しかしながら市場の拡大速度は予想よりも鈍く、各メーカーによる価格競争となっております。タイにおける更なるリサイクル合材の普及とタイでのトップメーカーを目指し、他社の追随を許さない性能による差別化と新型機種のコストダウンを進めてまいります。  ⑤新規発展領域の拡充 国内砕石プラントの多くが老朽化による更新時期を迎え、扱いやすい自走式破砕機の需要が増加しております。この需要に応えるべくモバイルプラント事業部では、在庫管理体制や人員の強化、積極的な販促イベントを行い更なる事業規模拡大に取り組んだ結果、事業規模は前々中期経営計画期間(2019年度~2021年度)と前中期経営計画期間(2022年度~2024年度)とを比較し2倍に成長いたしました。2025年度も積極的な販促イベントにより更なるシェア拡大を目指してまいります。 また、製造請負事業の強化のためM&Aを実施し、2022年3月に宇部興機株式会社を、2023年7月に株式会社松田機工を当社グループに迎えました。本社工場での製造請負事業は20年以上にわたる実績から信頼を積み重ね、2024年度は近年最高の受注を獲得いたしました。 さらに、当社と宇部興機株式会社、株式会社松田機工の3社での共同展示会出展や、相互の製造協力を行いました。2025年度以降もさらなる連携強化し高収益な事業として注力いたします。  ⑥環境負荷低減への取組 「脱炭素社会」の実現に向け、アスファルトプラント用燃料として、天然ガス、各種バイオマス燃料、アンモニア、水素などを利用できる燃焼装置、技術の開発を進めております。これらの低・脱炭素燃料については既存燃料と比べ、コスト、流通量の面で発展途上ではありますが、環境が整い次第これらの新技術を用いた製品を市場に投入することで、先行優位性を確保いたします。また、引き続き省エネルギー、省コストへの取組にも注力し、長期・短期での環境負荷低減に寄与してまいります。 一方、コンクリート業界においても低炭素化は大きな潮流となっております。当社としましては廃コンクリートへCO₂を吸着する技術を利用した各種プラント装置の開発を進めており、今後普及が見込まれ、社会的に大きなインパクトを与えることが期待されます。上記を一例として、引き続き環境負荷低減に関わる技術開発、製品開発に取り組んでまいります。  ⑦成長投資と株主還元 前中期経営計画期間では、今後の成長に備えた基盤づくりとして、タイ工場稼働、企業買収、生産性改善を目的とした投資に加え、人的資本の充実に向け、積極的な社員採用を行い、新卒94名、キャリア採用84名を採用した結果、日工単体で123名の純増を実現することができました。2025年度からスタートする新たな中期経営計画においても、2030年ビジョン達成に向けて積極的な人材採用を継続するとともに、社員の成長を支える研修制度の充実、一人一人のスキルやエンゲージメント向上のための取組を実施し、働き続けたい企業・働いてみたい企業を目指してまいります。 株主還元に関しましては、引き続き配当性向60%以上を維持してまいります。  以上の対処すべき課題を踏まえた上で、目標とする経営指標の計画と実績の推移は以下となります。中期経営計画ではROEをKPIに設定し、2027年度にROE8%以上を目指します。 中期経営計画の数値計画と実績
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1)経営の基本方針当社は2019年度に「10年後に日工グループがありたい姿(ビジョン)」を描いたうえで、長期(10年)の基本方針を策定しました。この方針の達成に向けて、3年ごとの中期経営計画を作成しています。 ①長期基本方針について当社グループは2030年ビジョンの中で、メーカーとして技術力・製品力の日工ブランドを維持・強化しつつ、サービスビジネスを拡張させることで、経済価値として売上高700億円、営業利益70億円(営業利益率10.0%)を目指しています。また、社会・環境価値は4つのマテリアリティのうち環境価値に関わる「カーボンニュートラルの実現」と「資源循環型社会の確立」、社会価値に関わる「人財育成と働きがいの向上」を挙げています。経済価値と社会・環境価値を同時に引き上げることで、企業価値の向上を目指します。2030年ビジョン達成へのプロセスを進める上で、2024年度迄は「内部投資フェーズ」と位置づけており、人的資本や知的資本への先行投資を積極化し、製造資本へも高水準の設備投資をおこないました。具体的に、カーボンニュートラルへの対応が必要なAP事業領域の社員増強34名を始めとして、日工単体で86名の人員増(過去3年間は69名増)をおこないました。研究開発費においても、AP事業領域の環境対応新製品、遠隔化・自動化サポートなどを始めとして、18億円強(同12億円弱)をおこないました。2025年度以降は「内部投資フェーズ」から、先行投資が具現化する「ビジネス拡大フェーズ」に入ります。新たに策定しました「新中期経営計画2025‐2027」に基づき収益を拡大していきます。 ②長期基本方針(ビジョン)達成のための重要な経営課題日工グループは新たに策定した2030年ビジョンに伴い、持続的に企業価値創造するためのマテリアリティ(重要課題)を見直しました。経営理念に掲げる「広く社会から信頼され、お客様とともに発展する“ソリューションパートナー”となることを使命に自己変革する」ことを念頭にして、マテリアリティを解決することが、2030年ビジョンにある日工グループが目指す姿「高い技術に裏打ちされたプラント設備・環境機器製品のトップメーカー」「且つ、運用・保全サービスによる顧客の経営パートナー」につながります。今後はマテリアリティでKPI(重要業績評価指標)を設定して実効性を高めると同時に、取締役会でのモニタリングも必要と考えています。 日工グループのマテリアリティは、社会課題や業界環境の変化をもとにした2030年ビジョンの目指す姿から、ステークホルダーと日工グループが企業価値を上げるために重要度が高いと想定する、1.「カーボンニュートラルの実現」2.「資源循環型社会の確立」3.「新たな顧客価値の創造」4.「人材育成と働きがいの向上」の4つです。2023年に位置づけを少し変更しました。位置づけ変更のポイントは、4.「人材育成と働きがいの向上」を2023年4月から開始された新人事制度の効果も含めて、マテリアリティマップの最も右側に移動し、日工グループの企業価値向上で重要度を高めたことです。「カーボンニュートラルの実現」は引き続き、最も重要なマテリアリティであり、この達成なくして日工グループの長期的な企業価値向上はありえません。また、顧客の経営パートナーになるには「新たな顧客価値の創造」はマテリアリティとして妥当であり、強みを持つメンテナンス・サービス事業でDXやAIなど使いながら、お客様の満足度向上に繋げます。 ③長期(10年)基本方針 5つのポイント長期計画の前提となる当社を取り巻く事業環境につきましては、当社グループに関係の深い建設関連業界は今まで民間建設投資が大幅に増加するなど総じて堅調に推移してきました。今後も2021年度に始まりました防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策などを背景に好調に推移していくと思われます。しかし、長期的にはこうしたプロジェクトも一服が見込まれます。このため、当社では既存事業における収益基盤強化と成長余地が大きい海外売上の確立、カーボンニュートラルに向けた製品開発への取組、既存プラントにおけるメンテナンスのサブスクリプションなどの新しいビジネスモデルへの取組、さらには新規分野を伸ばすことが中期経営計画の達成に必要と考えております。 これらを踏まえて、長期経営計画での基本方針は以下となります。  イ. 国内の収益基盤の強化は全部門のレベルアップにより製品力を向上させて、現状一桁の国内売上高営業利益率を10%にする。 ロ. 海外売上の確立は実績を積み上げているタイ、インドネシアにおいて攻め方を変えて強化する。 ハ. 新規事業の推進はM&Aだけでなく現在取り組んでいる新規事業に対して経営資源を投入、柱とすべく10年後に100億円の売上を創出する。 ニ. 働き方改革の実践は当社製品でお客様の働き方改革に貢献できるような製品を展開し、当社においては労働生産性を高めて余力を作り、新規領域に投入する。 ホ. 以上の結果として、10年後に時価総額500億円以上、ROEで10%以上を目指す。また配当性向を60%以上とし、株主還元も強化する。 ④長期目標を達成するに当たっての経営者の認識長期経営目標を達成するにあたり、当社の価値創造プロセス(=ビジネスモデル)との関連性を示しつつ、コアとなる4つの技術、すなわち混練、加熱、制御、搬送で参入障壁の高い独自技術(=競争力の源泉)をより強化させることが重要と考えております。これらは強固な財務基盤や顧客ニーズに応える研究・開発体制、ソリューションパートナーとしての顧客企業からの信頼、調達先とのパートナーシップ、代理店・協力工事店との協働に支えられています。 国内のアスファルトプラント(AP)関連事業は、顧客の8割が大手舗装会社で固定化しており、アスファルト合材製造量も4,000万トンをやや下回った水準が続くと考えられます。当面の国内需要は、1980年代に製造されたAPの更新需要に支えられた高原横這いの状況が続くと予想されますが、中長期的には成長余地が大きい海外事業の拡大が不可欠と見ています。国内の当社APシェアは8割程度(国内メーカーは他1社)ですが、リサイクル合材をメインに差別化したVPシリーズの拡販、カーボンニュートラルに向けた製品開発への取組、慢性的な人手不足を抱える顧客への遠隔化・自動化による工場運営のサポートサービス、などのビジネスモデル刷新を進めてまいります。海外は主力の中国に加えて、現地法人を設立、工場を新設したタイを起点としたASEANの顧客基盤の拡大を目指します。 国内のコンクリートプラント(BP)関連事業は、生コンクリートの工場数が2015年末の3,396箇所から2024年度末には3,007箇所へ減少、中期的にも工場数の減少が予想されます。市場は成熟化しており、競合2社と静態シェアが拮抗した状況にあります。当社の強みである自社製操作盤による最適なプラントの保守運用、運営状況の把握による生コン工場のトータル管理やプラントの標準化を推進することが、シェアアップと収益確保に寄与するものと考えています。加えて、プラントの集約化に伴う遠隔地域での需要や災害復興など向けにモバイルBPの拡販をおこない、地場ゼネコンに向けても新しい需要の創出をおこないます。 また、世界的に気候変動リスクへの対応が叫ばれる中、日工グループの事業内容は社会や環境課題と深い関係があります。現在稼働する国内アスファルト合材工場全体から排出されるCO2は年間約130万トンであり、日本の年間CO2排出量10億トンの0.1%に相当します。日工グループは2050年にCO2排出量実質ゼロを目指すことを経営方針として明確に打ち出しており、プラント製造時に自社で排出するCO2だけではなく、販売先の日工製プラントが稼働時に排出するCO2を含めてカーボンニュートラルを達成できるよう顧客企業様と緊密に連携していきます。 最後に株主様からお預かりした資金を最大限活用して、その期待に応えるため、資本コストを全社で共有し、それを上回るリターンを上げることも重視いたします。この結果として、2030年度末には株式の時価総額500億円以上、ROE10%以上をKPIとして目指します。また成長投資と株主還元を同時に強化し、配当性向60%以上を継続致します。これらが中長期の企業価値向上に欠かせないと考えております。 < 日工のビジネスモデル >                                 日工グループ統合レポート2024 (2)中期経営計画のセグメント別実績当連結会計年度よりはじまりました前中期経営計画(2022~2024年度)の3年目は、売上高、利益項目ともに対前年比増となりましたが計画未達に終わりました。国内事業は回復基調となり製造請負関連事業が大きく伸長したものの、破砕機事業の特需の剥落、受注遅延、タイ事業の計画遅れなどにより未達となりました。 前中期経営計画である2022年度から2024年度における各セグメントの財務実績は次のとおりです。 ※AP=アスファルトプラント、BP=バッチャープラント(コンクリートプラント) (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①アスファルトプラント事業の収益性向上 道路舗装業界は、2023年度同様原材料費並びにエネルギーコストの高騰が続き、一部改善されたものの、価格転嫁の途上にあり、厳しい状況が続いております。そのような環境の中、当社はユニット化した生産効率の高い新型アスファルトプラントVPシリーズの販売比率を上げることで、収益を改善してまいります。さらに、GX対応の中温化合材普及などに伴う対応設備の開発、市場投入を推進するとともに、引き続き、水素バーナ、バイオマス燃料バーナなど脱炭素製品の開発や市場投入を行い将来的なさらなる収益性改善に向けて取り組んでおります。  ②コンクリートプラント事業の国内シェア拡大 生コン業界は、出荷量が減少する中で、電力や原材料、輸送コストなどのコストアップ分を経済産業省、国土交通省、生コン議員連盟の協力を得て適正に価格転嫁し物価資料の掲載価格などにも反映されたことにより好調な収益性を維持しており、今後も継続的な設備投資需要を見込むことができます。 コンクリートプラントのトップメーカーとして更なるシェアを拡大するため、生コン工場におけるトータル管理、プラント支援センター、モバイルプラントの拡販、プレキャストの高い要求水準を満たす製品開発によって差別化を図ってまいります。 また、引き続き経済産業省及びNEDO等による『グリーンイノベーション基金事業/CO₂を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト』にも積極的に参画してまいります。  ③メンテナンス事業の安全対策 当社ではメンテナンス工事を中心に年間12,000件以上のプラント工事に携わる中、安全対策を最優先事項としております。労働災害撲滅に向けプラント安全対策プロジェクトを立ち上げ、安全対策マニュアルや注意喚起動画の制作、見直しを継続して行っております。 その取組のなかで、作業管理アプリ「みまもり君」を開発しリスクアセスメントの強化を図ってまいりました。 注意喚起動画の一般公開・積極活用も呼び掛けており、当社社員だけではなく、工事協力店やお客様にも安全衛生のサポート業務を展開しており、さらなる信頼性の向上と労働災害撲滅に努めてまいります。  ④海外市場の深耕 中国経済は回復期待があるものの先行きは不透明で、道路工事もメンテナンス工事が主体になりつつあり、再生材の混入率は都市部を中心に、より大きくなっております。リサイクル設備がメーカー選定に及ぼす影響も大きく、当社は新型プラントNHRシリーズや大型リサイクル設備によって差別化を進めております。 タイにおいてもリサイクル設備の市況が活性化しており、当社も2024年度にASEAN向け新型機種を販売開始いたしました。しかしながら市場の拡大速度は予想よりも鈍く、各メーカーによる価格競争となっております。タイにおける更なるリサイクル合材の普及とタイでのトップメーカーを目指し、他社の追随を許さない性能による差別化と新型機種のコストダウンを進めてまいります。  ⑤新規発展領域の拡充 国内砕石プラントの多くが老朽化による更新時期を迎え、扱いやすい自走式破砕機の需要が増加しております。この需要に応えるべくモバイルプラント事業部では、在庫管理体制や人員の強化、積極的な販促イベントを行い更なる事業規模拡大に取り組んだ結果、事業規模は前々中期経営計画期間(2019年度~2021年度)と前中期経営計画期間(2022年度~2024年度)とを比較し2倍に成長いたしました。2025年度も積極的な販促イベントにより更なるシェア拡大を目指してまいります。 また、製造請負事業の強化のためM&Aを実施し、2022年3月に宇部興機株式会社を、2023年7月に株式会社松田機工を当社グループに迎えました。本社工場での製造請負事業は20年以上にわたる実績から信頼を積み重ね、2024年度は近年最高の受注を獲得いたしました。 さらに、当社と宇部興機株式会社、株式会社松田機工の3社での共同展示会出展や、相互の製造協力を行いました。2025年度以降もさらなる連携強化し高収益な事業として注力いたします。  ⑥環境負荷低減への取組 「脱炭素社会」の実現に向け、アスファルトプラント用燃料として、天然ガス、各種バイオマス燃料、アンモニア、水素などを利用できる燃焼装置、技術の開発を進めております。これらの低・脱炭素燃料については既存燃料と比べ、コスト、流通量の面で発展途上ではありますが、環境が整い次第これらの新技術を用いた製品を市場に投入することで、先行優位性を確保いたします。また、引き続き省エネルギー、省コストへの取組にも注力し、長期・短期での環境負荷低減に寄与してまいります。 一方、コンクリート業界においても低炭素化は大きな潮流となっております。当社としましては廃コンクリートへCO₂を吸着する技術を利用した各種プラント装置の開発を進めており、今後普及が見込まれ、社会的に大きなインパクトを与えることが期待されます。上記を一例として、引き続き環境負荷低減に関わる技術開発、製品開発に取り組んでまいります。  ⑦成長投資と株主還元 前中期経営計画期間では、今後の成長に備えた基盤づくりとして、タイ工場稼働、企業買収、生産性改善を目的とした投資に加え、人的資本の充実に向け、積極的な社員採用を行い、新卒94名、キャリア採用84名を採用した結果、日工単体で123名の純増を実現することができました。2025年度からスタートする新たな中期経営計画においても、2030年ビジョン達成に向けて積極的な人材採用を継続するとともに、社員の成長を支える研修制度の充実、一人一人のスキルやエンゲージメント向上のための取組を実施し、働き続けたい企業・働いてみたい企業を目指してまいります。 株主還元に関しましては、引き続き配当性向60%以上を維持してまいります。  以上の対処すべき課題を踏まえた上で、目標とする経営指標の計画と実績の推移は以下となります。中期経営計画ではROEをKPIに設定し、2027年度にROE8%以上を目指します。 中期経営計画の数値計画と実績
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の世界の経済は、中国経済の景気減速やウクライナや中東で紛争が続く状況にあるものの緩やかな成長を続けていましたが、米国の新政権の関税をはじめとする今後の政策に対する不透明感より緊張が高まり、世界経済への影響が懸念される状況となりました。日本経済も緩やかな回復基調を続けるも、物価上昇が実質購買力を抑制、賃金引上げにも関わらず実質賃金が低下するなどし個人の消費が停滞、企業活動にも物価上昇、人手不足等が重しになっています。 当社では、2022年3月に日工グループの2030年のありたい姿を示した2030年ビジョン「高い技術力に裏打ちされたプラント設備・環境製品のトップメーカー且つ、運用・保全サービスによる顧客の経営パートナー」と2022年度から始まる「3ヶ年中期経営計画(23/3~25/3)」を発表いたしました。当中期経営計画は2030年ビジョンの実現に向けた体制・プロセス・制度を構築する内部投資フェーズと位置付け、新製品・新サービスの市場投入と目標達成に必要な組織能力の強化に向けて積極投資を行う方針とし、数値目標は、最終年度に連結売上高500億円、営業利益30億円(営業利益率6.0%)としてきました。 そうした状況下、3ヶ年の中期経営計画の最終年度を迎えた当連結会計年度は、連結売上高491億62百万円(前期比11.5%増)、連結営業利益27億66百万円(前期比40.5%増)、連結経常利益30億71百万円(前期比43.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益20億9百万円(前期比53.1%増)となり、連結売上高、連結営業利益、連結経常利益は過去最高となりました。 3ヶ年の中期経営計画の連結売上高500億円、連結営業利益30億円に対して、売上高、営業利益とも若干の未達となりました。また当連結会計年度の修正業績予想の売上高480億円、営業利益27億円に対して、売上高、営業利益とも予想を上回ることができました。 当連結会計年度の経営成績ですが、国内では主力事業であるアスファルトプラント関連事業ではメンテナンスサービスを中心に売上が増加いたしました。コンクリートプラント関連事業においては、生コン業界で原材料価格等上昇の販売価格への転嫁がすすんでいることから引続き設備投資意欲が強く売上が増加いたしました。環境及び搬送関連事業は売上は微減ながら利益面で改善が見られました。破砕機関連事業はウクライナ復興支援案件が前期比減少したこともあり売上が減少しましたが、製造請負関連事業ではM&Aによりグループ入りした株式会社松田機工が通年で寄与、大口の案件も重なったこともあり売上が増加しております。海外においては、中国では中国経済の不況の影響を受けているものの底打ち感もあり増収、黒字化いたしました。また、タイにおきましては売上は増加しましたが、中国製品の低価格での流入等もあり引続き赤字となっております。  部門別の概況は以下のとおりであります。<アスファルトプラント関連事業>アスファルトプラント関連事業の売上高は前期比8.6%増の194億80百万円となりました。受注残高も、前期比0.3%増の90億6百万円となっています。<コンクリートプラント関連事業>コンクリートプラント関連事業の売上高は前期比19.8%増の142億66百万円となりました。受注残高も、前期比11.4%増の95億28百万円となっています。<環境及び搬送関連事業>環境及び搬送関連事業の売上高は前期比1.7%減の32億54百万円となりました。受注残高は大幅に増加し、前期比61.8%増の12億59百万円となっています。<破砕機関連事業>破砕機関連事業の売上高は前期比29.5%減の22億56百万円となりました。受注残高も、前期比61.1%減の3億74百万円となっています。<製造請負関連事業>製造請負関連事業の売上高は前期比56.3%増の48億2百万円となりました。受注残高は、前期比17.4%減の19億61百万円となっています。<その他事業>その他事業の売上高は前期比9.2%増の51億1百万円となりました。受注残高は、前期比3.9%減の6億94百万円となっています。    ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は139億77百万円(前期155億4百万円)となり、前連結会計年度に比べ15億26百万円減少いたしました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、29億94百万円の収入となりました。(前期43億32百万円の収入)これは、税金等調整前当期純利益が31億97百万円、減価償却費が11億27百万円あったものの、売上債権の増加による支出が3億19百万円、法人税等の支払額が13億46百万円あったことによります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、28億5百万円の支出となりました。(前期23億33百万円の支出) これは、投資有価証券の売却及び償還による収入が1億36百万円あったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が29億18百万円あったことによります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、17億49百万円の支出となりました。(前期31億85百万円の収入) これは、長期借入れによる収入が7億96百万円あったものの、短期借入金の返済による支出が6億83百万円、長期借入金の返済による支出が6億34百万円、配当金の支払額が11億52百万円あったことによります。 ③生産、受注及び販売の実績 イ.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)アスファルトプラント関連事業(百万円)19,510110.51コンクリートプラント関連事業(百万円)14,821130.16環境及び搬送関連事業(百万円)3,39488.32破砕機関連事業(百万円)35631.04製造請負関連事業(百万円)4,863178.88報告セグメント計(百万円)42,946116.85その他(百万円)3,34395.03合計(百万円)46,289114.95 (注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。 ロ.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高前年同期比(%)受注残高前年同期比(%)アスファルトプラント関連事業(百万円)19,512102.979,006100.35コンクリートプラント関連事業(百万円)15,239106.399,528111.37環境及び搬送関連事業(百万円)3,73597.981,259161.76破砕機関連事業(百万円)1,66849.0037438.93製造請負関連事業(百万円)4,388121.021,96182.56報告セグメント計(百万円)44,544100.9722,131102.23その他(百万円)5,072109.4569496.06合計(百万円)49,617101.7822,826102.03 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 ハ.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)アスファルトプラント関連事業(百万円)19,480108.39コンクリートプラント関連事業(百万円)14,266120.14環境及び搬送関連事業(百万円)3,25498.16破砕機関連事業(百万円)2,25670.52製造請負関連事業(百万円)4,802156.29報告セグメント計(百万円)44,060111.73その他(百万円)5,101109.35合計(百万円)49,162111.48 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容イ.経営成績  2023年度実績、2024年度予想・実績値は次のとおりであります。  ※AP=アスファルトプラント、BP=バッチャープラント(コンクリートプラント) (売上高) 売上高は、前連結会計年度に比べ11.5%増の491億62百万円となりました。 国内のアスファルトプラント関連事業につきましては、主要顧客である道路舗装会社の業績が改善基調にあり、プラント製品の売上は減少するもメンテナンスサービスの売上が増加、プラント製品、メンテナンスサービスの売上高はそれぞれ前年比5.4%の減少、12.4%の増加となりました。海外においては、タイはプロモーションにより受注した案件が売上に寄与し売上高は前年比増加、中国事業も依然として厳しい中国経済の影響を受けるも底打ち感もあり売上高は前年比増加、海外事業の売上高は前年比25.9%の増加となりました。この結果、当事業の売上高は、前年比8.6%増の194億80百万円となり予想値の182億円を上回りました。 コンクリートプラント関連事業につきましては、ユーザーの強い設備投資需要が継続しており、プラント製品を中心に売上が増加、プラント製品、メンテナンスサービスの売上高はそれぞれ前年比34.8%の増加、3.3%の増加となりました。この結果、当事業の売上高は前年比19.8%増の142億66百万円となり、予想値である137億円を上回りました。 環境及び搬送関連事業につきましては、堅調に推移するも大口案件の減少等により売上高は前年比1.7%減の32億54百万円となりましたが、予想値である32億円は上回りました。 破砕機関連事業につきましては、ODAによるウクライナ案件の反動や商談の長期化による受注の遅れもあり、売上高は29.5%減の22億56百万円となりました。当事業の売上高予想値である28億20百万円を下回りました。 製造請負関連事業につきましては、2023年7月にグループ入りした株式会社松田機工の売上が通年で寄与、大口案件が重なったこともあり売上高は56.3%増の48億2百万円となり、予想値である46億40百万円を上回りました。 その他の事業につきましては、2024年3月にグループ入りした西日本不動産が寄与し売上が増加、売上高は9.2%増の51億1百万円となりましたが、予想値の54億40百万円は下回りました。 (売上原価) 売上原価は、前連結会計年度と比べ31億77百万円増加し351億69百万円となりました。外注費をはじめとした製造経費の上昇はありましたが、売上高の増加に加え、材料費の圧縮と生産性の改善を行い、売上原価率は1.0ptの減少となりました。 (販売費及び一般管理費) 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ10億89百万円増加し112億25百万円となりました。これは主として、給料及び手当、運送費、事務費のそれぞれ増加によるものであります。 (営業利益) 連結営業利益は、前期比40.5%増の27億66百万円となりました。これは主として、売上高の増加、売上原価率の低下によるものであります。売上高営業利益率は、前期比1.1pt増加し5.6%となりました。これは主に、売上原価率の低下によるものであります。 (営業外収益、営業外費用) 営業外収益は、前連結会計年度と比べ27百万円増加し4億43百万円となりました。これは主として、受取配当金および受取保険金の増加によるものであります。営業外費用は、前連結会計年度と比べ1億円減少し1億39百万円となりました。これは主として、損害賠償金の減少によるものであります。 (特別利益、特別損失) 特別利益は、前連結会計年度と比べ47百万円増加し1億34百万円となりました。これは主として投資有価証券売却益が増加したことによるものです。特別損失は、前連結会計年度と比べ7百万円増加し8百万円となりました。これは主として、特別退職金の増加によるものであります。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は、上記の結果、前連結会計年度に比べ6億96百万円増加し20億9百万円となりました。 (ROE) 当社はROEをKPIとしております。当連結会計年度におけるROEは、前連結会計年度に比べ1.8pt増加し5.9%となりましたが、予想値の6.1%は若干下回る結果となりました。対処すべき課題にも挙げていますが、アスファルトプラントにおける高い国内シェアを活かしたメンテナンスサービス事業での新たな商品開発、事後的メンテナンスから予防保全的メンテナンスへのビジネスモデルの変革、カーボンニュートラル・CO2削減に貢献できる新製品開発、機能向上と現地工程短縮化に寄与するユニット製品の拡販などによる収益性向上と製造原価低減に取組んでまいります。 ロ.財政状態(流動資産) 当連結会計年度末における流動資産は、401億26百万円となり、前連結会計年度末に比較して9億6百万円減少いたしました。主な要因は、売掛金の11億77百万円、仕掛品の7億20百万円のそれぞれ増加、現金及び預金の15億12百万円、受取手形の5億5百万円、商品及び製品の4億11百万円のそれぞれ減少によるものです。 (固定資産) 当連結会計年度末における固定資産は、235億98百万円となり、前連結会計年度末と比較して24億2百万円増加いたしました。主な要因は、建物及び構築物の21億4百万円、土地の4億23百万円、機械装置及び運搬具の3億75百万円のそれぞれ増加、建設仮勘定の9億43百万円の減少によるものです。 (流動負債) 当連結会計年度末における流動負債は、215億15百万円となり、前連結会計年度末に比較して2億28百万円減少いたしました。主な要因は、契約負債の4億66百万円、未払金の2億61百万円、電子記録債務の1億47百万円のそれぞれ増加、短期借入金の6億76百万円、支払手形及び買掛金3億23百万円のそれぞれ減少によるものです。 (固定負債) 当連結会計年度末における固定負債は、76億49百万円となり、前連結会計年度末に比較して2億50百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金の2億10百万円の増加によるものです。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、345億60百万円となり、前連結会計年度末に比較して14億74百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の8億56百万円、為替換算調整勘定の2億87百万円、その他有価証券評価差額金の2億74百万円のそれぞれ増加によるものです。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の53.1%から54.2%になりました。②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度に比べ15億26百万円減少し、139億77百万円となりました。なお、詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 当社の主な資金需要は、原材料等の購入費用等の製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用のための運転資金及び設備投資資金であります。資本の財源は、主として営業活動により得られた資金と借入れにより得られた資金であります。 今後の財務戦略としましては、政策投資株の売却と、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の改善を推進してまいります。政策投資株の売却につきましては、事業上の影響がない取引先の株式は原則すべて売却の方針で進めてまいります。CCCの改善は、プラントの受注時に前受金を原則受領することと、アスファルトプラントの標準化等による棚卸資産の縮減により進めてまいります。 将来にむけて人的資本投資を含む成長投資は積極的に進めますが、株主還元についても2026年3月期からの中期経営計画期間において引続き配当性向を60%以上とし、成長投資と株主還元の強化を共に進めてまいります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の数値、報告期間における収益・費用の数値に与える要因は色々ありますが、継続した会計基準で評価を行っております。見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて、合理的と考えられる基準に基づき作成しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。

事業リスク

  • 国内アスファルト市場の競争激化
    国内アスファルトプラント市場は日工が70%以上のシェアを占める寡占状態ですが、海外メーカーの参入や、競合他社が同等のメンテナンス体制を構築した場合、差別化が難しくなり、競争が激化する可能性があります。
  • 環境規制と技術革新の遅れ
    アスファルトプラントは化石燃料を使用するため、CO2排出量削減が喫緊の課題です。環境負荷低減の動きが想定以上に加速した場合、日工の技術革新が間に合わず、市場での競争力を失うリスクがあります。
  • 公共投資の削減と市場縮小
    過去には政権交代により「コンクリートから人へ」のスローガンで公共投資が抑制され、売上が大幅に減少した経験があります。将来的に公共投資抑制策を掲げる政権が誕生した場合、再び顧客の設備投資が抑制され、市場が縮小する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,710 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。これらのリスクを認識した上で、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している方法などにより、事態の発生の回避及び発生した場合の対応に努めます。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  (1)国内アスファルトプラント関連事業に関するリスク <競合相手との差別化が十分にできないリスク> 国内のアスファルトプラント市場は当社と他1社でほぼ100%の市場シェアを占める寡占市場です。当社の市場シェアは70%以上あり、トップメーカーとしての位置づけは永年にわたって変わっておりません。当社としては、圧倒的なトップメーカーの地位を将来にわたって維持するために、カーボンニュートラル・CO2削減に貢献できる新製品開発や、メンテナンス事業のビジネスモデル変革を進めること、遠隔化・自動化サポートで差別化を図っております。しかしながら、十分な製品開発ができない場合や、他社が当社と遜色のないきめ細かなメンテナンス体制を整備してきた場合、顧客に対して差別化の訴求力が弱まる可能性があります。 <海外メーカーの日本市場への参入リスク> 近年には、国内アスファルトプラント市場への海外メーカーの参入はありませんが、中国・韓国メーカーは徐々に技術力をつけてきており、日本市場参入を計画している可能性があります。十分なメンテナンス体制がない中での海外メーカーの日本市場参入は容易ではありませんが、母国市場での成長が止まった暁には日本市場参入を本格的に検討してくる可能性があります。海外メーカーが国内市場に参入してきた場合にはメーカー間での競争が激化する可能性があります。 <道路舗装業界再編による市場縮小のリスク> 大手道路舗装会社の組織再編が活発になっており、今後、道路舗装業界の再編が進む可能性があります。その場合、業界再編によりアスファルトプラント工場の集約化が進めば市場が縮小する可能性があります。  (2)環境負荷低減への取組に当社の技術革新が間に合わないことに関するリスク アスファルトプラントでは主に化石燃料をエネルギー源として使用しています。アスファルト合材製造のため、国内で年間約130万トンのCO2が排出されていると推計され、市場シェアからそのうち7割は当社製プラントからの排出と考えられます。当社としてはお客様である道路会社と緊密に連携しながら、アスファルトプラントの燃料効率向上や熱源の転換(カーボンニュートラル燃料、エレクトロヒート等)、合材の搬送方法の革新による輸送効率向上、アスファルトプラントで排出されたCO2の回収、生コンへの吸着技術など、より早い時期での社会実装を目指して取り組んでいますが、今後、世界の環境負荷低減の動きが想定を上回る速さで進んだ場合に、当社の技術革新が間に合わない可能性があります。  (3)海外事業に関するリスク <中国のアスファルトプラント・ハイエンド市場が競争激化するリスク> 中国のアスファルトプラント市場で当社はハイエンド機種のカテゴリーですでに一定のポジションを確保し、毎年、安定的に売上・利益を計上しております。これまでのところ、ハイエンド市場の競合相手はヨーロッパ企業2社と中国のトップ企業1、2社であり、激しい競争環境にはありません。しかしながら最近、中国企業が全般的に技術力をつけており、将来的にはハイエンド市場においても多くの中国メーカーが参入し、激しい競争が繰り広げられる可能性があります。  <ASEAN市場で計画どおりの販売計画が達成できないリスク> 当社の成長戦略として、2020年度、タイに製造現法を設立し、10億円を超える工場への投資をしておりますが、タイ及びASEAN諸国で毎年、安定的に当社のアスファルトプラントが販売できることがこの投資の前提となっております。しかしながら計画に反して当社のプラントがタイを始めとするASEAN諸国の顧客の支持を十分に得られず、販売台数が伸びない場合や工場の生産性が改善せず赤字が続く場合には工場の減損リスクが生じます。  (4)公共投資予算削減に関するリスク 過去、自民党政権から民主党政権に代わった際に「コンクリートから人へ」がスローガンになり、その当時、当社の多くの顧客は、設備投資を抑制する動きに出ました。その結果、当社の売上は大きく減少しました。将来、公共投資抑制策をかかげる政権に代わった場合、前回の民主党政権交代時と同様、顧客に投資抑制の動きが出る可能性があります。  (5)現場作業従事者の人材確保に関するリスク 当社の事業モデルでは、プラント製造から現場での据付工事、更にはメンテナンスサービス提供を自社で行っております。メンテナンスサービスにおいては、IoTの活用等によるメンテナンス業務のシステム化を通じた省人化を進めていますが、近年、メンテナンスサービス要員、工事施工要員などの現場作業従事者の採用が、人手不足の中で難しくなっております。これら現場作業従事者の採用が必要人数に満たない場合、競争優位性のある当社事業モデルを維持することが難しくなる可能性があります。  (6)材料等の価格上昇に関するリスク    依然として物価上昇、インフレ懸念は高い状況が続いており、今後もこの状況が続く場合は、当社が購入する材料等の価格も上昇し収益が悪化する可能性があります。また、物価上昇が当社顧客に与える影響により、当社顧客が設備投資計画を延期、見合わせる可能性があり、当社の売上高が減少する可能性があります。  (7)地域紛争の増加、激化に関するリスク    ロシアのウクライナ侵攻、中東紛争等地域紛争の増加、激化影響による原油等の価格上昇や世界経済の変調によって、当社顧客の設備投資計画等が影響を受ける可能性があります。  (8)為替相場変動に関するリスク    当社のモバイルプラント事業における主力商品はヨーロッパから輸入し、販売しております。輸入する場合は、事前の外貨購入や為替予約をすることにより為替変動に関するリスクをヘッジしておりますが、ヘッジができていない場合には為替相場の変動リスクを受ける可能性があり、円安が進む場合は当社販売商品の価格競争力が低下する可能性があります。

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