有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,044 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は代表取締役を委員長とする危機管理委員会にて、主要なリスク発生の可能性及び対応などを検討しております。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅するものではございません。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) ドローンの安全性について① ドローンの社会利用が進むにつれ、安全性及び信頼性に対する要求は一層高まるものと認識しております。当社グループに限らず、他社を含め、重大な事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用の低下や規制の強化等により市場の成長が減速し、顧客需要が低下する可能性があります。この場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ② 当社グループは、安全設計及びリスク分析に基づく開発を推進するとともに、各種認証制度への対応等を通じて安全性の確保に努めております。しかし、当社グループ製造の機体の墜落等により人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコール等による多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社は、保険会社との連携を深め、重大な事故の際の賠償責任、費用発生をカバーするためのドローン機体及び運用について専用の保険の開発を行っております。 ③ 昨今、ドローンの利活用拡大に伴い、データセキュリティ、乗っ取り等の不正操作等のリスクに対する関心が高まっております。当社グループでは、データセキュリティに関連する部品選定において安全性を重視し、また、通信暗号化等による乗っ取り防止等、ドローン側のセキュリティ技術の高度化に取り組んでおります。しかし、サイバー攻撃や不正アクセス等によりセキュリティが破られた場合においては、機体の操縦不能、情報漏洩等が発生し、損害賠償、リコール等による多額の支払又は費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2) ドローン事業を取り巻く法規制について当社グループの事業に適用される主な法規制は、以下のとおりであります。当社グループは、社内体制の整備及び外部専門家の活用等により、関係法令の遵守に努めております。なお、当社グループは、関係法令及び各種制度の動向を継続的に把握し法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定、改廃、運用の厳格化が行われることや予定されている規制緩和が計画どおりに進まない場合には、追加的な対応負担が生じ又は許認可等に関する制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ① 航空法当社グループは、ドローンの運航に関し、航空法その他関連法令に基づく各種の許可、承認等が必要となる場合があり、必要に応じて適切な手続を実施しております。また、無人航空機に係る制度は安全確保の観点から継続的に見直されており、飛行方法や運用要件等の変更により、顧客の運用や当社グループの事業活動が制約を受ける可能性があります。 ② 電波法当社グループは、ドローンに搭載及び操縦時に利用する通信機器について、電波法等に基づく技術基準適合等の要件を満たすよう、必要な手続及び管理を行っております。今後、電波利用環境の変化や制度改正等により追加対応が必要となる場合、開発や運用に係るコストの増加や提供時期の遅延等が生じる可能性があります。 ③ 製造物責任法当社グループはドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等により生命、身体又は損害が生じた場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。当社グループは取扱説明書の整備、ISO9001の認証取得などの品質管理体制の強化、各種認証の取得及び維持等によりリスクの低減に努めております。加えて、無人航空機の型式認証制度において第一種型式認証書を取得しており、当該制度に基づく適合維持等への対応を継続しております。しかしながら、重大な事故又は品質問題等が発生した場合には、損害賠償、リコール等による多額の支払又は費用の発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ④ 外国為替及び外国貿易法当社グループが販売する製品、部品又は関連技術の一部は、外国為替及び外国貿易法等の輸出管理規制の対象となる可能性がございます。当社グループが海外向けに製品、部品の輸出又は関連技術の提供を行う場合、同法等を遵守して適切な輸出管理に努めております。今後、輸出入規制の強化、対象範囲の変更、運用の厳格化等が生じた場合、取引の制約、追加対応コストの発生、納期の遅延等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (3) 知的財産権について当社グループの事業に関連する特許権等の知的財産権について適切な管理を行い、第三者の知的財産権の侵害防止に努めております。しかしながら、当社グループが認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。今後、当社グループが第三者の知的財産権を侵害したとして主張を受け又は紛争が生じた場合、当該紛争の解決までに要する費用負担、損害賠償、製造販売の差止め、ライセンス料の負担等により、当社グループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループが保有する知的財産権については、権利化の遅延、権利範囲の限定、無効主張等により、当社グループが想定する競争優位性を十分に確保できない可能性があります。当社グループは、事業拡大及び技術開発の進展に合わせ、知的財産の整備及び活用を継続してまいります。 (4) 部品・部材等の調達及び価格、在庫について① 供給中断、供給不足及び価格変動取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、世界的なインフレや為替の変動等、資材価格や物流費の上昇等により部材供給遅延又は価格高騰が発生し、当社グループの計画通りの調達ができない場合には、当社グループの売上高および収益性等の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 地政学、経済安全保障等に起因する調達制約国際情勢の変化、経済安全保障上の要請の高まり等により、関税の賦課、制裁措置、輸出入規制の強化、対象範囲の変更、通関手続の厳格化又は遅延等が生じた場合、調達先の制約、納期の遅延、代替調達に伴う追加コストの発生等により、当社グループの生産、開発及び供給に影響を及ぼす可能性があります。加えて、当社又は取引先が規制対象に該当する又は該当すると判断される場合、取引停止又は取引条件の変更等が生じる可能性があります。 ③ 品質、サプライヤー体制及び防衛分野の要件高度化当社グループは、調達にあたり、品質確認等の受入検品を慎重に実施しておりますが、品質に問題が生じた場合や、調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じる場合には、当社グループの事業運営に重要な影響を及ぼす事可能性があります。なお、主要な取引先企業に対しては、生産・開発等の活動状況の確認のための監査を定期的に実施しております。また、防衛分野を含む用途への対応拡大に伴い、部材のトレーサビリティ、情報管理、サイバーセキュリティ等の要件が高度化し、調達可能な取引先が限定される又は取引先の方針変更等により供給制限又は供給停止が生じる場合には、当社グループの生産及び納期、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 在庫在庫については、製品計画、売上規模に合わせ、定期的に需要予測を見直し、最適量を維持してまいりますが、当初グループの想定よりも需要が異なることにより在庫不足による機会損失や逸失利益又は在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。 (5) 製品の品質について当社グループは、品質保証管理規程及び生産管理規程に基づき、各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。しかしながら、想定を超える不具合の発生、品質問題の顕在化又は品質改善の遅延等が生じた場合、アフターサービス費用、無償修理費用、リコール費用等の追加費用が発生し、社会的信用の失墜を招く可能性があります。この場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 業績の不確実性について① 過年度の業績推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は「第1企業の概況 1主要な経営指標等の推移」のとおりであります。当社グループは、産業用ドローン市場の将来的な市場拡大のための技術開発に係る先行投資に注力してきたことなどから、損益について第1期から第7期及び第9期から第14期において損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となるため、研究開発活動を行うための資金支出は国家プロジェクトの実施中に必要となり、先行して研究開発費用が発生しております。当社グループでは、上記のような先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社グループの計画どおりに推移しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループの過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。 ② 継続的な開発投資について当社グループは、継続的な成長のために、産業用ドローン市場の拡大を見据えた研究開発投資を継続しており、先行費用が発生する局面があります。当社グループは、売上高の伸長、利益性の改善によって、持続的な利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針ですが、テクノロジーの進化が早く、当社グループがそれらのテクノロジーの進化に追随できない場合や当社グループが顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できず、研究開発活動の効果が十分に得られない場合に、想定以上の投資に係る費用が発生する場合があります。この場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 中期経営方針について当社グループは2025年12月に中期経営方針を公表し、その実現に向け各施策を推進しておりますが、事業環境、規制動向、顧客需要、競争環境、調達環境、開発の進捗、コスト改善の実現可能性等の前提に依存しております。前提の変化又は施策の実行遅延等により、中期経営方針に掲げる目標を達成できない場合、営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び業績並びに企業価値に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 検収時期の変動について当社グループは、売上計上について検収基準を採用しております。案件の個別性により当初の予定よりも顧客の検収が遅れた場合には、売上計上が遅れることになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。加えて、当社グループが参画する国家プロジェクトによる収入については、案件の内容に基づき、売上計上または営業外収益として計上しておりますが、案件の個別性により当社グループが想定している区分での計上が認められない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、検収時期が期末日付近に予定されている案件において、その検収実施時期が翌連結会計年度に延期されるような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (7) 運転資金の確保について当社グループの主な事業は、部品仕入、開発、製造、販売、検収、資金回収という事業フローのため、事業拡大に連動して運転資金が増加する傾向にあります。また、当社グループでは、最先端の技術開発に取り組むため産学官連携で様々なプロジェクトに参画しており、国からの補助金や助成金を受領しております。当該補助金等の受領は、管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金支出はプロジェクト実施期間中に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。当社グループは、株式発行や、金融機関からの借入等により必要資金を確保しております。市場金利の上昇や金融環境の変化又は信用状況等の変化により、必要な資金を適時に調達できない場合や、調達条件が不利になった場合には、当社グループの経営成績に影響を与えることが考えられます。また、当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、これに抵触し期限の利益を喪失した場合には、資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。 (8) 海外進出について当社グループは、北米を中心として海外市場における事業拡大を推進しており、現地子会社又は提携等を通じて海外展開を行っております。しかし、現地における予期しない社会情勢および政治的情勢の変化、法規制等の変更、税制又は税率の変更、労務リスク、為替変動等により当社グループの事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国際情勢の変化及び経済安全保障上の要請の高まり等により、関税の賦課、制裁措置、輸出入規制及び輸出管理の強化、対象範囲の変更、通関手続の厳格化又は遅延等が生じた場合、取引の制約、追加対応コストの発生、納期の遅延等により、当社グループの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、合弁企業におけるパートナー企業の経営方針が当初の計画から大きく変更された場合や、管理・運営体制に変更が生じた場合には、合弁企業の運営に支障をきたす可能性があります。 (9) 投資活動について当社グループは、成長戦略の一環として、企業買収、業務提携、戦略的投資等を検討しております。これらの投資等については、投資リスク等を十分勘案したうえで決定し、投資価値の回収可能性を定期的に検討しておりますが、経営環境又は前提条件の変化等により投資先の財政状態及び経営成績が悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、投資等に伴い計上される資産については、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、減損損失を計上する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 小規模組織における管理体制について当社グループは、2025年12月31日現在の従業員数が58名(連結ベース)であり、組織規模に応じた体制で事業運営を行っており、事業拡大及び多様化に対応して、人材の確保及び内部管理体制の充実を図る方針です。当社グループの人員の中心となる開発に関わる人材については、グローバルで最先端な知見を有する人材を獲得するために、幅広い人材プールを採用の対象として積極的な採用活動を実施しており、今後の事業の拡大及び多様化に対応して、国内だけでなく海外も含め、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、計画どおりに人員の強化が出来ない場合や、事業の中核をなす人材に不測の事態が生じ業務遂行に支障が生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、ガバナンス及び内部統制の整備及び運用を重要課題として位置付け、継続的な強化に取り組んでおります。過年度に発生した不適切な事案を踏まえ再発防止策を策定し実行しておりますが、運用の定着が不十分な場合又は類似事案が再発した場合、調査対応、追加費用の発生、社会的信用の失墜等により、当社グループの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 訴訟について当社グループは、本書提出日現在において、重要な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した製品の不具合等、取引先との契約関係、知的財産、製造物責任等に起因して損害賠償請求又は訴訟等が提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 事業中断に関するリスクについて当社グループは、地震、津波、暴風雨その他の自然災害、火災、停電等の事故、感染症の流行、サイバー攻撃又は情報システム障害、テロ行為等により事業活動が停止又は制限される可能性に備え、BCP(事業継続計画)を策定しております。しかしながら、事業活動の長期間に渡る停止や施設の改修に多額の費用が発生した場合、当社グループの事業、財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) その他のリスク① 配当政策について当社グループは、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。現時点において当社グループは、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。 ② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関する事項当社は取締役及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的に、会社法の規定に従ってストック・オプションを発行しております。また、2023年2月6日にCVI Investments, Inc.を割当先とする転換社債型新株予約権付社債及び新株予約権、2025年1月10日に株式会社村田製作所及びCVI Investments, Inc.を割当先とする転換社債型新株予約権付社債を発行しております。加えて、2025年8月18日付の取締役会において決議した新株予約権発行プログラム設定契約に基づき、Cantor Fi tzgerald Europeを割当先とする新株予約権を発行しております。2025年12月末日現在、当該新株予約権による潜在株式数は3,415,966株であり、2025年12月末日現在における発行済株式数18,045,018株の18.9%に相当しております。これらの新株予約権の権利行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
FY2024|9,067 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は代表取締役を委員長とする危機管理委員会にて、主要なリスク発生の可能性及び対応などを検討しております。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅するものではございません。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) ドローンの安全性について① ドローンの社会利用が進むにつれ、飛行への信頼性も強く求められます。当社グループに限らず、他社においてもドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ② 当社グループは、事故を起こさずに、人と安全に共生するドローンの実現に努めております。リスク分析などに基づく本質的な安全設計を進めるとともに、当社グループが有する技術を活用することで、GPSが届かない環境下や悪天候の中でも、安全に飛行できるような機体を開発しております。しかし、万が一、当社グループ製造の機体が墜落することなどにより人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社は2023年12月より開始された無人航空機の型式認証制度において、第一種型式認証書を日本で初めて取得しました。型式認証制度は無人航空機の強度、構造及び性能について、設計、製造過程及び現状が安全基準に適合するか検査し、安全性を確保するための認証制度であります。その上で万が一に備え、保険会社との連携を深め、重大な事故の際の賠償責任、費用発生をカバーするためのドローン機体及び運用について専用の保険の開発を行っております。 ③ 昨今、ドローンに対して、5Gと同様に、データセキュリティ・乗っ取り防止といった利用面における安全性の意識が高まっております。当社グループでは、データセキュリティに関連する部品選定において安全性を重視し、また、通信暗号化等による乗っ取り防止等、ドローン側のセキュリティ技術の高度化に取り組んでおります。なお、顧客の選定により当社グループからの直接的な販売先は全て特定可能な状態です。しかし、悪意のあるハッカー等によりセキュリティが崩された場合においては、機体が操縦不能となることにより人や財産等に損害を与えたり、データ漏洩により利用者へ被害等が発生したりする可能性があり、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2) ドローン事業を取り巻く法規制について当社グループの事業に適用される主な法規制は、以下のとおりであります。① 航空法航空法については、当社グループがドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得ております。なお、2022年12月5日より無人航空機の新制度が開始され、有人地帯(第三者上空)での補助者無し目視外飛行であるレベル4飛行が可能となりました。 ② 電波法電波法については、ドローンに搭載及び操縦時に利用する通信機器に関する規制に則り必要な許可や免許を取得しております。具体的には無線周波数の仕様に関する規制や技術基準適合証明などの要件を満たすため、各種の法令を遵守しております。 ③ 製造物責任法製造物責任法については、当社グループはドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。リスク軽減に向け外部のテクニカルライターによる取扱説明書のレビューや、保険会社との連携を進め、専用の保険の開発を行いました。また、品質マネジメントのISO9001の認証取得や一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)による機体認証を取得しております。加えて、2023年3月13日に無人航空機の型式認証制度において、第一種型式認証書を日本で初めて取得しております。 ④ 外国為替及び外国貿易法外国為替及び外国貿易法については、当社グループが販売する製品及び部品の一部は、規制の対象となる可能性がございます。そのため、当社グループが海外にむけてドローンの輸出又は関連する技術の提供を行う場合は、同法を遵守して適切な輸出管理に努めております。また、法令遵守において社内のみならず、顧問弁護士等の社外の専門家も含めたチェック体制を構築しております。当社グループは、当該規則の確認体制を構築して、法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画どおりに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社グループが、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社グループの活動が制限されることがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (3) 知的財産権について当社グループの事業に関連する特許権等の知的財産権について、これまで第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はなく、また、今後も侵害を防止するため、適切な管理を行っていく方針でありますが、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性や新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。また、当社グループが保有する特許に関しては、当社グループの提供するドローン技術の内、必要な部分をカバーするものであり、それぞれ個別の特許が事業に与える影響はない又は軽微と考えておりますが、今後も、当社グループの事業拡大にあわせ、特許整備への投資を行ってまいります。今後、当社グループが第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該紛争に対応するために多くの人的又は資金的負担が発生するとともに、場合によっては損害賠償等の支払請求や製品等の製造及び販売の差止の請求等を受けることがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (4) 部品・部材等の調達及び価格、在庫について当社グループは、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材等の多くを外部の取引先から調達しておりますが、取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。特に、直近の世界的なインフレや為替の変動等による部材の供給の遅れや価格の高騰が発生し、当社グループの計画通りの調達ができない場合には、当社グループの売上高等の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、調達にあたっては、品質確認等の受入検品を慎重に実施しております。しかしながら、品質に問題が生じた場合や、調達品の調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じるなど、当社グループの事業運営に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、主要な取引先企業に対しては、生産・開発等の活動状況の確認のための監査を定期的に実施しております。在庫については、製品計画、売上規模に合わせ、定期的に需要予測を見直し、最適量を維持してまいりますが、当初グループの想定よりも需要が異なることで発生する、在庫不足による機会損失や逸失利益又は在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。 (5) 製品の品質について当社グループは、品質保証管理規程及び生産管理規程に基づき、各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額の支払いや費用発生及び社会的信用の失墜を招き、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、保証期間内の製品の不具合の発生率が想定を上回った場合や不測の不具合の発生により、アフターサービス費用や無償修理費用、リコール費用等が発生する可能性があります。当社グループは、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、信頼性試験の導入を含め、開発時及び出荷前の試験強化、製品へ非常時対策の機能開発の継続、飛行・機体管理等の運用のルール化、顧客クレーム・故障・墜落等に対する処理プロセス等について強化してまいります。なお、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体への被害、又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、製造物責任法に基づき損害賠償請求が認められる可能性があります。これらのリスクへの対応が長期化し、当社グループが加入する保険でカバーできる範囲などを超えた場合などは、当社グループの事業活動に支障が生じ、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 業績の不確実性について① 過年度の業績推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は「第1企業の概況 1主要な経営指標等の推移」のとおりであります。今後、顧客のニーズとのミスマッチや流行の変化、競合の出現、景気の変動、感染症拡大による経済活動の制限等により販売量が期待を下回る可能性、また、顧客企業側での予算稟議、入札の実施、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。当社グループは、産業用ドローン市場の将来的な市場拡大のための技術開発に係る先行投資に注力してきたことなどから、損益について第1期から第7期及び第9期から第13期において損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となるため、研究開発活動を行うための資金支出は国家プロジェクトの実施中に必要となり、先行して研究開発費用が発生しております。当社グループでは、上記のような先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社グループの計画どおりに推移しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループの過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。 ② 継続的な開発投資について当社グループは、継続的な成長のために、自律制御型ロボットシステムとしてドローンのハードウエア及びソフトウエアの研究開発に取り組んでおります。新製品又は新技術の開発のために不可欠な研究開発活動を継続していく必要があるという考えの下、これまで積極的に研究開発費に係るコストを投下してきており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。当社グループは、売上高の伸長によって、持続的な利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針ですが、テクノロジーの進化が早く、当社グループがそれらのテクノロジーの進化に追随できない場合や当社グループが顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できず、研究開発活動の効果が十分に得られない場合に、想定以上の投資に係る費用が発生する場合があります。その場合には、当社グループが目指す計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 新規事業に関する投資について当社グループは、ドローン及びロボティクスに関連する新規事業の構想を進めており、現在、具体的な計画を策定中です。これらの新規事業は、事業規模の拡大及び収益源の多様化を目的としております。新規事業が市場に受け入れられるかどうかは不確定であり、市場の需要変動や競合他社の動向により、当初の予測通りに事業が進まない可能性があります。これにより、期待していた収益が得られず、投資回収が困難になるリスクがあります。また、新規事業の展開には機動的の投資が必要となりますが、投資効果が期待通りに得られない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクを最小限に抑えるため、事前に十分な検証と計画を行い、適切なリスク管理体制を構築しております。しかしながら、新規事業の展開が計画通りに進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 検収時期の変動について実証実験、プラットフォーム機体販売及び用途特化型機体販売のいずれにおいても、検収基準を採用しております。実証実験について、主に大型案件に関する成果物の個別性が高い傾向があります。原則として、顧客の要求する仕様を満たしていることを顧客が検収をした時点で売上計上しておりますが、案件の個別性により当初の予定よりも検収が遅れた場合には、売上計上が遅れることになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。加えて、当社グループが参画する国家プロジェクトによる収入については、案件の内容に基づき、売上計上または営業外収益として計上しておりますが、案件の個別性により当社グループが想定している区分での計上が認められない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、検収時期が期末日付近に予定されている案件において、天候不順や顧客側の事情によりその実施時期が翌連結会計年度に延期されるような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (7) 運転資金の確保について当社グループの主な事業は、部品仕入、開発、製造、販売、検収、資金回収という事業フローのため、事業拡大に連動して運転資金が増加する傾向にあり、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる場合があります。また、当社グループでは、最先端の技術開発に取り組むため産学官連携で様々なプロジェクトに参画しており、国からの補助金や助成金を受領しております。当該補助金等の受領は、管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金支出はプロジェクト実施期間中に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。当社グループは、運転資金を目的として金融機関からの借入を行っております。市場金利の上昇や金融機関の融資情勢の変動により、調達金利が変動した場合には、当社グループの経営成績に影響を与えることが考えられます。また、当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合には期限の利益を喪失し、一括返済を求められる可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対応するため、財務制限条項に係る各種数値の定期的なチェックを行い、安定的な利益及び資金の確保に努めております。また、金融機関との緊密な関係の構築や、銀行借入以外の資金調達手段の多様化を進めることで、事業の成長に伴い拡大する運転資金の確保に努めております。これにより、当社グループの業績及び財政状態が安定するよう努めております。 (8) 海外進出について当社グループは、海外市場における事業拡大のため、アメリカを中心に海外展開をすすめるべく、現地企業との業務連携を行っております。アメリカにおいては子会社を設立しており、インドにおいては現地企業と合弁会社を設立しております。しかし、現地における予期しない社会的および政治的変動、当社グループ事業に関連する法規制等の変更、税制又は税率の変更などその他経済的状況の変動があった場合、それらの事象は当社グループの事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、合弁企業におけるパートナー企業の経営方針が当初の計画から大きく変更された場合や、管理・運営体制に変更が生じた場合には、合弁企業の運営に支障をきたす可能性があります。また、海外展開に伴い、外国企業からの部品調達及び外国企業への当社製品又は技術の販売等に関し、輸出入規制、環境保護規制をはじめとした各国又は各経済圏における政策及び法規制の変更があった場合にも、当社グループの事業展開に悪影響を与える可能性があります。各国の事業推進にあたっては、現地弁護士との連携をすることで専門家を含めたチェック体制を整備しております。 (9) 投資活動について当社グループは、成長戦略の一環として、海外企業も含めた企業買収、業務提携、戦略的投資につき、積極的に検討を進める方針としております。また、当社グループはコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)としてACSL1号有限責任事業組合を設立しております。当社及びCVCからの投資等については、投資リスク等を十分勘案したうえで決定し、投資価値の回収可能性を定期的にチェックいたしますが、経営環境・前提条件の変化等の理由により投資先の財政状態及び経営成績が悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、投資等に伴い計上される資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、減損損失を計上する可能性があります。 (10) 小規模組織における管理体制について当社グループは、2024年12月31日現在の従業員数が56名(連結ベース)と小規模組織で運営しており、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっております。当社グループの人員の中心となる開発に関わる人材については、グローバルで最先端な知見を有する人材を獲得するために、幅広い人材プールを採用の対象として積極的な採用活動を実施しており、今後の事業の拡大及び多様化に対応して、国内だけでなく海外も含め、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、計画どおりに人員の強化が出来ない場合や、事業の中核をなす人材に不測の事態が生じ業務遂行に支障が生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (11) 訴訟について当社グループは、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した機体の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 事業中断に関するリスクについて当社グループは、予測不可能な地震、津波、暴風雨その他の自然災害、火災や停電等の事故、疫病の流行、コンピュータウィルスに起因する情報システムの停止、テロ行為等の違法行為などにより事業活動の停止等に備え、BCP(事業継続計画)を策定しております。しかし、事業活動の長期間に渡る停止や施設の改修に多額の費用が発生した場合、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) その他のリスク① 配当政策について当社グループは、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。現時点において当社グループは、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。 ② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関する事項当社は取締役及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的に、会社法の規定に従ってストックオプションを発行しております。また、2023年2月6日にCVI Investments, Inc.を割当先とする新株式、転換社債型新株予約権付社債及び新株予約権、2025年1月10日に株式会社村田製作所及びCVI Investments, Inc.を割当先とする転換社債型新株予約権付社債を発行しております。2024年12月末日現在、当該新株予約権による潜在株式数は2,092,502株であり、2024年12月末日現在における発行済株式数14,930,675株の14.0%に相当しております。これらの新株予約権の権利行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
FY2023|8,696 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は代表取締役を委員長とする危機管理委員会にて、主要なリスク発生の可能性及び対応などを検討しております。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅するものではございません。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) ドローンの安全性について① ドローンが社会利用されるにつれ、飛行への信頼性も強く求められます。当社グループに限らず、他社においてもドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ② 当社グループでは、事故を起こさずに、人と安全に共生するドローンの実現に努めております。リスク分析などに基づく本質的な安全設計を進めるとともに、当社グループが有する技術を活用することで、GPSが届かない環境下や悪天候の中でも、安全に飛行できるような機体を開発しておりますが、万が一、当社グループの製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社は2023年12月より開始された無人航空機の型式認証制度において、第一種型式認証書を日本で初めて取得しました。型式認証制度は無人航空機の強度、構造及び性能について、設計、製造過程及び現状が安全基準に適合するか検査し、安全性を確保するための認証制度であります。その上で万が一に備え、保険会社との連携を深め、重大な事故の際の賠償責任、費用発生をカバーするためのドローン機体及び運用について専用の保険の開発を行っております。 ③ 昨今、ドローンに対して、5Gと同様に、データセキュリティ・乗っ取り防止といった利用面における安全性の意識が高まっております。当社グループでは、データセキュリティに関連する部品選定において安全性を重視し、また、通信暗号化等による乗っ取り防止等ドローン側のセキュリティ技術の高度化に取り組んでおります。さらに、情報セキュリティマネジメントシステム認証のISO/IEC27001を取得しております。なお、顧客の選定により当社グループからの直接的な販売先は全て特定可能な状態です。しかし、悪意のあるハッカー等によりセキュリティが崩された場合においては、機体が操縦不能となることにより人や財産等に損害を与えたり、データ漏洩により利用者へ被害等が発生したりする可能性があり、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2) ドローン事業を取り巻く法規制について当社グループの事業を規制する主な法規制は、以下のとおりであります。① 航空法航空法については、当社グループがドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得ております。なお、2022年12月5日より無人航空機の新制度が開始され、有人地帯(第三者上空)での補助者無し目視外飛行であるレベル4飛行が可能となりました。 ② 電波法電波法については、ドローン操縦時における1.2GHz帯画像伝送に関して、同法に基づき一般業務用の無線局(携帯局)の免許を取得しております。また、ドローン映像伝送用の5.7GHz帯の免許を端末毎に開局しております。 ③ 製造物責任法製造物責任法については、当社グループはドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。リスク軽減に向け外部のテクニカルライターによる取扱説明書のレビューや、保険会社との連携を進め、専用の保険の開発を行いました。また、品質マネジメントのISO9001の認証取得や一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)による機体認証を取得しております。加えて、2023年3月13日に無人航空機の型式認証制度において、第一種型式認証書を日本で初めて取得しております。 ④ 外国為替及び外国貿易法外国為替及び外国貿易法については、当社グループが販売する製品及び部品の一部は、規制の対象となる可能性がございます。そのため、当社グループが海外にむけてドローンの輸出、又は関連する技術の提供をする場合は、同法を遵守して適切な輸出管理に努めております。また、法令遵守において社内のみでなく、顧問弁護士等の社外の専門家も含めたチェック体制を構築しております。当社グループは、当該規則の確認体制を構築して、法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画どおりに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社グループが、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社グループの活動が制限されることがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (3) 知的財産権について当社グループの事業に関連する特許権等の知的財産権について、これまで第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はなく、また、今後も侵害を防止するため、適切な管理を行っていく方針でありますが、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性や新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。また、当社グループが保有する特許に関しては、当社グループの提供するドローン技術の内、必要な部分をカバーするものであり、それぞれ個別の特許が事業に与える影響がない又は軽微と考えておりますが、今後も、当社グループの事業拡大にあわせ、特許整備への投資を行ってまいります。今後、当社グループが第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該紛争に対応するために多くの人的又は資金的負担が発生するとともに、場合によっては損害賠償等の支払請求や製品等の製造及び販売の差止の請求等を受けることがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (4) 部品・部材等の調達及び価格、在庫について当社グループは、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材等の多くを外部の取引先から調達しておりますが、取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。特に、直近の世界的な半導体不足等や為替の変動による部材の供給の遅れや価格の高騰が継続し、当社グループの計画通りの調達ができない場合には、当社グループの売上高等の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、調達にあたっては、品質確認等の受入検品を慎重に実施しております。しかしながら、品質に問題が生じた場合や、調達品の調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じる等、当社グループの事業運営に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、主要な取引先企業に対しては、生産・開発等の活動状況の確認のための監査を定期的に実施しております。在庫については、製品計画、売上規模にあわせ、定期的に需要予測を見直し、最適量を維持してまいりますが、当初グループの想定よりも需要が異なることで発生する、在庫不足による機会損失や逸失利益、又は在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。 (5) 製品の品質について当社グループでは、品質保証管理規程及び生産管理規程を設け当該規程に則り各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜を招き、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、保証期間内の製品の不具合の発生率が想定を上回った場合や不測の不具合の発生により、アフターサービス費用や無償修理費用、リコール費用等が発生する可能性があります。当社グループは、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、信頼性試験の導入を含め、開発時、出荷前の試験強化、製品へ非常時対策の機能開発の継続、飛行・機体管理等の運用のルール化、顧客クレーム・故障・墜落等に対する処理プロセス等について強化してまいります。なお、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体への被害、又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、製造物責任法に基づき損害賠償請求が認められる可能性があります。これらのリスクへの対応が長期化し、当社グループが加入する保険でカバーできる範囲などを超えた場合などは、当社グループの事業活動に支障が生じ、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 業績の不確実性について① 過年度の業績推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は「第1企業の概況 1主要な経営指標等の推移」のとおりであります。今後、顧客のニーズとのミスマッチや流行の変化、競合の出現、景気の変動、感染症拡大による経済活動の制限等により販売量が期待を下回る可能性、また、顧客企業側での予算稟議、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。当社グループは、産業用ドローン市場の将来的な市場拡大のための技術開発に係る先行投資に注力してきたこと等から、損益について第1期から第7期及び第9期から第12期において損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となるため、研究開発活動を行うための資金支出は国家プロジェクトの実施中に必要となり、先行して研究開発費用が発生しております。当社グループでは、上記のような先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社グループの計画どおりに推移しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループの過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。 ② 継続的な開発投資について当社グループは、継続的な成長のために、自律制御型ロボットシステムとしてドローンのハードウエア及びソフトウエアの研究開発に取り組んでおります。新製品又は新技術の開発のために不可欠な研究開発活動を継続していく必要があるという考えの下、これまで積極的に研究開発費に係るコストを投下してきており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。当社グループは、売上高の伸長によって、持続的な利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針ですが、テクノロジーの進化が早く、当社グループがそれらのテクノロジーの進化に追随できない場合や当社グループが顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できず、研究開発活動の効果が十分に得られない場合に、想定以上の投資に係る費用が発生する場合があります。その場合には、当社グループが目指す計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 中期経営方針について当社グループでは、2022年1月に中期経営方針「ACSL Accelerate 2022」を策定し、社内外のステークホルダーとともに、全当事者が一丸となって顧客価値の創造、企業価値の向上に取り組んでおります。引き続き中期経営方針の下、事業環境の変化やその他要因に柔軟に対応しながら事業を推進してまいりますが、「事業等のリスク」に記載のリスクを始めとする様々な要因により、結果として中期経営方針で掲げる数値目標が未達となる可能性があります。 (7) 業績の変動に係るリスクについて① 検収時期の変動について実証実験、プラットフォーム機体販売及び用途特化型機体販売のいずれにおいても、検収基準を採用しております。実証実験について、主に大型案件に関する成果物の個別性が高い傾向があります。原則として、顧客の要求する仕様を満たしていることを顧客が検収をした時点で売上計上しておりますが、案件の個別性により当初の予定よりも検収が遅れた場合には、売上計上が遅れることになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。加えて、当社グループが参画する国家プロジェクトによる収入については、案件の内容に基づき、売上計上または営業外収益として計上しておりますが、案件の個別性により当社グループが想定している区分での計上が認められない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、検収時期が期末日付近に予定されている案件において、天候不順や顧客側の事情によりその実施時期が翌連結会計年度に延期されるような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ② 運転資金の確保について当社グループの主な事業は、部品仕入、開発、製造、販売、検収、資金回収という事業フローのため、事業拡大に連動して運転資金が増加する傾向にあり、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる場合がございます。また、当社グループでは、最先端の技術開発に取り組むため産学官連携で様々なプロジェクトに参画しており、国からの補助金や助成金を受領しております。当該補助金等の受領は、管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金支出はプロジェクト実施期間中に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。収益体質の改善による利益の確保や運転資金の効率化等、運転資金の確保に努めるとともに、金融機関とは逐次協議を行い、事業の成長に伴い拡大する運転資金の確保に努めてまいります。資金調達が必要になった場合には金融機関からの借入れ等を行うことがありますが、金融機関からの与信の変更による借入可能額の減少や市場金利の上昇により資金調達コストの増加等が発生した場合においては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 海外進出について当社グループは、海外市場における事業拡大のため、アメリカやアジアなどを中心に海外展開をすすめるべく、現地企業との業務連携をしております。アメリカにおいては子会社を設立しており、インドにおいては現地企業と合弁会社を設立しております。しかし、現地における予期しない社会的および政治的変動、税制または税率の変更などその他経済的状況の変動があった場合、それらの事象は当社グループの事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外展開に伴い、外国企業からの部品調達及び外国企業への当社製品又は技術の販売等に関し、輸出入規制、環境保護規制をはじめとした各国又は各経済圏における政策及び法規制の変更があった場合にも、当社グループの事業展開に悪影響を与える可能性があります。各国の事業推進にあたっては、現地弁護士との連携をすることで専門家を含めたチェック体制を整備しております。 (9) 投資活動について当社グループは、成長戦略の一環として、海外企業も含めた企業買収、業務提携、戦略的投資につき、積極的に検討をすすめる方針としております。また、当社グループはコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)としてACSL1号有限責任事業組合を設立しております。当社及びCVCからの投資等については、投資リスク等を十分勘案したうえで決定し、投資価値の回収可能性を定期的にチェックいたしますが、経営環境・前提条件の変化等の理由により投資先の財政状態及び経営成績が悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、投資等に伴い計上される資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、減損損失を計上する可能性があります。 (10) 小規模組織における管理体制について当社グループは、2023年12月31日現在の従業員数が90名と小規模組織で運営しており、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっております。当社グループの人員の中心となる開発に関わる人材については、グローバルで最先端な知見を有する人材を獲得するために、国内だけでなく海外も含め、幅広い人材プールを採用の対象として積極的な採用活動を実施しており、今後の事業の拡大及び多様化に対応して、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、計画どおりに人員の強化が出来ない場合や、事業の中核をなす人材に不測の事態が生じ業務遂行に支障が生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。なお、当社は2024年2月14日に事業改革の推進を目的とする希望退職者の募集を公表し、2024年3月31日を退職予定日として24名の募集がございました。 (11) 訴訟について当社グループは、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した機体の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 事業中断に関するリスクについて当社グループは、予測不可能な地震、津波、暴風雨その他の自然災害、火災や停電等の事故、疫病の流行、コンピュータウィルスに起因する情報システムの停止、テロ行為等の違法行為などにより事業活動の停止等に備え、BCP(事業継続計画)を策定しております。しかし、事業活動の長期間に渡る停止や施設の改修に多額の費用が発生した場合、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) その他のリスク① 配当政策について当社グループは、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。現時点において当社グループは、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。 ② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関する事項当社は取締役及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的に、会社法の規定に従ってストックオプションを発行しております。また、2023年2月6日にCVI Investments, Inc.を割当先とする新株式、転換社債型新株予約権付社債及び新株予約権を発行しております。2023年12月末日現在、当該新株予約権による潜在株式数は2,565,268株であり、2023年12月末日現在における発行済株式数14,514,261株の17.7%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
FY2022|9,121 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は取締役及び監査等委員である取締役を構成員とする危機管理委員会にて、主要なリスク発生の可能性及び対応などを検討しております。 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅するものではございません。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)ドローンの安全性について① ドローンが社会利用されるにつれ、飛行への信頼性も強く求められます。当社グループに限らず、他社においてもドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ② 当社グループでは、事故を起こさずに、人と安全に共生するドローンの実現に努めております。リスク分析などに基づく本質的な安全設計を進めるとともに、当社グループが有する技術を活用することで、GPSが届かない環境下や悪天候の中でも、安全に飛行できるような機体を開発しておりますが、万が一、当社グループの製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。その上で万が一に備え、保険会社との連携を深め、重大な事故の際の賠償責任、費用発生をカバーするためのドローン機体及び運用について専用の保険の開発を行っております。 ③ 昨今、ドローンに対して、5Gと同様に、データセキュリティ・乗っ取り防止といった利用面における安全性の意識が高まっております。当社グループでは、データセキュリティに関連する部品選定において安全性を重視し、また、通信暗号化等による乗っ取り防止等ドローン側のセキュリティ技術の高度化に取り組んでおります。さらに、情報セキュリティマネジメントシステム認証のISO/IEC27001を取得しております。なお、ソリューション・パートナーの選定、顧客への直接的な取引により当社からの販売先は全て特定可能な状態です。しかし、悪意のあるハッカー等によりセキュリティが崩された場合においては、機体が操縦不能となることにより人や財産等に損害を与えたり、データ漏洩により利用者へ被害等が発生したりする可能性があり、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2)ドローン事業を取り巻く法規制について 当社グループの事業を規制する主な法規制は、以下のとおりであります。① 航空法 航空法については、当社グループがドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得ております。なお、2022年12月5日より無人航空機の新制度が開始され、有人地帯(第三者上空)での補助者無し目視外飛行であるレベル4飛行が可能となりました。 ② 電波法 電波法については、ドローン操縦時における1.2GHz帯画像伝送に関して、同法に基づき一般業務用の無線局(携帯局)の免許を取得しております。また、ドローン映像伝送用の5.7GHz帯の免許を端末毎に開局しております。 ③ 製造物責任法 製造物責任法については、当社グループはドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。リスク軽減に向け外部のテクニカルライターによる取扱説明書のレビューや、保険会社との連携を進め、専用の保険の開発を行いました。また、品質マネジメントのISO9001の認証取得や一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)による機体認証を取得しております。加えて、2023年3月13日に無人航空機の型式認証制度において、第一種型式認証書を日本で初めて取得しております。 ④ 外国為替及び外国貿易法 外国為替及び外国貿易法については、当社グループが販売する製品及び部品の一部は、規制の対象となる可能性がございます。そのため、当社グループが海外にむけてドローンの輸出、又は関連する技術の提供をする場合は、同法を遵守して適切な輸出管理に努めております。また、法令遵守において社内のみでなく、顧問弁護士等の社外の専門家も含めたチェック体制を構築しております。 当社グループは、当該規則の確認体制を構築して、法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画どおりに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社グループが、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社グループの活動が制限されることがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (3)知的財産権について 当社グループの事業に関連する特許権等の知的財産権について、これまで第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はなく、また、今後も侵害を防止するため、適切な管理を行っていく方針でありますが、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性や新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。 また、当社グループが保有する特許に関しては、当社グループの提供するドローン技術の内、必要な部分をカバーするものであり、それぞれ個別の特許が事業に与える影響がない又は軽微と考えておりますが、今後も、当社グループの事業拡大にあわせ、特許整備への投資を行ってまいります。 今後、当社グループが第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該紛争に対応するために多くの人的又は資金的負担が発生するとともに、場合によっては損害賠償等の支払請求や製品等の製造及び販売の差止の請求等を受けることがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (4)部品・部材等の調達及び価格、在庫について 当社グループは、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材等の多くを外部の取引先から調達しておりますが、取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。特に、直近の世界的な半導体不足による部材の供給の遅れや価格の高騰が継続し、当社グループの計画通りの調達ができない場合には、当社グループの売上高等の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、調達にあたっては、品質確認等の受入検品を慎重に実施しております。しかしながら、品質に問題が生じた場合や、調達品の調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じる等、当社グループの事業運営に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、主要な取引先企業に対しては、生産・開発等の活動状況の確認のための監査を定期的に実施しております。 在庫については、製品計画、売上規模にあわせ、定期的に需要予測を見直し、最適量を維持してまいりますが、当初グループの想定よりも需要が異なることで発生する、在庫不足による機会損失や逸失利益、又は在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。 (5)製品の品質について 当社グループでは、品質保証管理規程及び生産管理規程を設け当該規程に則り各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。 信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜を招き、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、保証期間内の製品の不具合の発生率が想定を上回った場合や不測の不具合の発生により、アフターサービス費用や無償修理費用、リコール費用等が発生する可能性があります。 当社グループは、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、信頼性試験の導入を含め、開発時、出荷前の試験強化、製品へ非常時対策の機能開発の継続、飛行・機体管理等の運用のルール化、顧客クレーム・故障・墜落等に対する処理プロセス等について強化してまいります。なお、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体への被害、又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、製造物責任法に基づき損害賠償請求が認められる可能性があります。これらのリスクへの対応が長期化し、当社グループが加入する保険でカバーできる範囲などを超えた場合などは、当社グループの事業活動に支障が生じ、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (6)業績の不確実性について① 過年度の業績推移について 当社グループの主要な経営指標等の推移は「第1企業の概況 1主要な経営指標等の推移」のとおりであります。今後、顧客のニーズとのミスマッチや流行の変化、競合の出現、景気の変動、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の制限等により販売量が期待を下回る可能性、また、顧客企業側での予算稟議、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。 当社グループは、産業用ドローン市場の将来的な市場拡大のための技術開発に係る先行投資に注力してきたこと等から、損益について第1期から第7期及び第9期から第11期において損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となるため、研究開発活動を行うための資金は実施中に必要となり先行して研究開発費用が発生しております。 当社グループでは、上記のような先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社グループの計画どおりに推移しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、2013年11月に設立されており、社歴の浅い会社であります。したがって、当社グループの過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。 ② 継続的な開発投資について 当社グループは、継続的な成長のために、自律制御型ロボットシステムとしてドローンのハードウエア及びソフトウエアの研究開発に取り組んでおります。新製品又は新技術の開発のために不可欠な研究開発活動を継続していく必要があるという考えの下、これまで積極的に研究開発費に係るコストを投下してきており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。当社グループは、売上高の伸長によって、持続的な利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針ですが、テクノロジーの進化が早く、当社グループがそれらのテクノロジーの進化に追随できない場合や当社グループが顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できず、研究開発活動の効果が十分に得られない場合に、想定以上の投資に係る費用が発生する場合があります。その場合には、当社グループが目指す計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 中期経営方針について 当社グループでは、2022年1月に中期経営方針「ACSL Accelerate 2022」を策定し、社内外のステークホルダーとともに、全当事者が一丸となって顧客価値の創造、企業価値の向上に取り組んでおります。引き続き中期経営方針の下、事業環境の変化やその他要因に柔軟に対応しながら事業を推進してまいりますが、「事業等のリスク」に記載のリスクを始めとする様々な要因により、結果として中期経営方針で掲げる数値目標が未達となる可能性があります。 (7)業績の変動に係るリスクについて① 季節変動について 当社グループは、主に大企業向け又は官公庁が関連するプロジェクトにおいてドローンの機体販売や概念検証(PoC)サービスの提供を行っており、受注から納品、検収までには一定の期間を要すること、及び多くの顧客における会計期間の年度末が3月であり、これら顧客の予算費消サイクルが会計期間の後半に偏る傾向があることから、四半期会計期間毎の業績について、当社グループにおける会計期間の第1四半期及び第4四半期の売上高の比重が高くなる傾向にあります。このような業績の季節変動により、当社グループの一時点における業績は、通期業績の分析には十分な情報とならないことがあります。当社は、通期業績の透明性向上を図るために、第10期から決算期(事業年度の末日)を従来の3月31日から12月31日に変更しております。 なお、2022年12月期の四半期連結会計期間ごとの売上高の推移は以下のとおりです。 2022年12月期第1四半期2022年12月期第2四半期2022年12月期第3四半期2022年12月期第4四半期売上高(千円)952,55178,553130,545473,542 ② 検収時期の変動について 実証実験、プラットフォーム機体販売及び用途特化型機体販売のいずれにおいても、検収基準を採用しております。実証実験について、主に大型案件に関する成果物の個別性が高い傾向があります。原則として、顧客の要求する仕様を満たしていることを顧客が検収をした時点で売上計上しておりますが、案件の個別性により当初の予定よりも検収が遅れた場合には、売上計上が遅れることになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。加えて、当社グループが参画する国家プロジェクトによる収入については、案件の内容に基づき、売上計上または営業外収益として計上しておりますが、案件の個別性により当社グループが想定している区分での計上が認められない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、検収時期が期末日付近に予定されている案件において、天候不順や顧客側の事情によりその実施時期が翌連結会計年度に延期されるような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ③ 運転資金の確保について 当社グループの主な事業は、部品仕入、開発、製造、販売、検収、資金回収という事業フローのため、事業拡大に連動して運転資金が増加する傾向にあり、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる場合がございます。また、当社グループでは、最先端の技術開発に取り組むため産学官連携で様々なプロジェクトに参画しており、国からの補助金や助成金を受領しております。当該補助金等の受領は、管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施期間中に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。 収益体質の改善による利益の確保や運転資金の効率化等、運転資金の確保に努めるとともに、金融機関とは逐次協議を行い、事業の成長に伴い拡大する運転資金の確保に努めてまいります。資金調達が必要になった場合には金融機関からの借入れ等を行うことがありますが、金融機関からの与信の変更による借入可能額の減少や市場金利の上昇により資金調達コストの増加等が発生した場合においては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループは、ドローン機体の開発・評価、海外事業の拡大及びソフトウエア開発への投資資金として、2023年1月20日にCVI Investments, Inc.に対する第三者割当により、総額3,564,087千円(うち、2023年2月6日に新株式の発行により339,349千円、新株予約権付社債の発行により1,389,500千円及び新株予約権の発行により8,045千円の払込完了)の資金調達を決議しております。 (8)海外進出について 当社グループは、海外市場における事業拡大のため、アジアやアメリカなどを中心に海外展開をすすめるべく、現地企業との業務連携をしております。インドにおいては現地企業と合弁会社を設立しており、アメリカにおいては子会社を設立しております。しかし、現地における予期しない社会的および政治的変動、税制または税率の変更などその他経済的状況の変動があった場合、それらの事象は当社グループの事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外展開に伴い、外国企業からの部品調達及び外国企業への当社製品又は技術の販売等に関し、輸出入規制、環境保護規制をはじめとした各国又は各経済圏における政策及び法規制の変更があった場合にも、当社グループの事業展開に悪影響を与える可能性があります。 (9)投資活動について 当社グループは、成長戦略の一環として、海外企業も含めた企業買収、業務提携、戦略的投資につき、積極的に検討をすすめる方針としております。また、当社グループはコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)としてACSL1号有限責任事業組合を設立しております。当社及びCVCからの投資等については、投資リスク等を十分勘案したうえで決定し、投資価値の回収可能性を定期的にチェックいたしますが、経営環境・前提条件の変化等の理由により投資先の財政状態及び経営成績が悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、投資等に伴い計上される資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、減損損失を計上する可能性があります。 (10)小規模組織における管理体制について 当社グループは、2022年12月31日現在の従業員数が71名と小規模組織で運営しており、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっております。 当社グループの人員の中心となる開発に関わる人材については、グローバルで最先端な知見を有する人材を獲得するために、国内だけでなく海外も含め、幅広い人材プールを採用の対象として積極的な採用活動を実施しており、今後の事業の拡大及び多様化に対応して、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、計画どおりに人員の強化が出来ない場合や、事業の中核をなす人材に不測の事態が生じ業務遂行に支障が生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (11)訴訟について 当社グループは、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した機体の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)事業中断に関するリスクについて 当社グループは、予測不可能な地震、津波、暴風雨その他の自然災害、火災や停電等の事故、疫病の流行、コンピュータウィルスに起因する情報システムの停止、テロ行為等の違法行為などにより事業活動の停止等に備え、BCP(事業継続計画)を策定しております。しかし、事業活動の長期間に渡る停止や施設の改修に多額の費用が発生した場合、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)その他のリスク① 配当政策について 当社グループは、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。 現時点において当社グループは、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。 ② 新型コロナウイルス感染症拡大の影響について 新型コロナウイルス感染症について、政府による緊急事態宣言の発令等により経済活動が抑制される状況は、今後減少していくものと予想しております。当社グループは、リモートワークを活用するなどしておりますが、当社従業員や顧客先、取引先において、一時的な新型コロナウイルス感染症の蔓延等により、事業活動の低下、サプライチェーンなどに影響が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2021|8,332 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は取締役及び監査役を構成員とするリスク管理委員会にて、主要なリスク発生の可能性及び対応などを検討しております。 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社に関するすべてのリスクを網羅するものではございません。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)ドローンの安全性について① ドローンが社会利用されるにつれ、飛行への信頼性も強く求められます。当社に限らず、他社においてもドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。② 当社では、事故を起こさずに、人と安全に共生するドローンの実現に努めております。リスク分析などに基づく本質的な安全設計を進めるとともに、当社が有する一部の技術を活用することで、GPSが届かない環境下や悪天候の中でも、安全に飛行できるような機体を開発しておりますが、万が一、当社の製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。③ 昨今、ドローンに対して、5Gと同様に、データセキュリティ・乗っ取り防止といった利用面における安全性の意識が高まっております。当社では、データセキュリティに関連する部品選定において安全性を重視し、また通信暗号化等により乗っ取り防止等ドローン側のセキュリティ技術の高度化に取り組んでおります。またソリューション・パートナーの選定、顧客への直接的な取引により販売先は全て特定可能な状態です。しかし、悪意のあるハッカー等によりセキュリティが崩された場合においては、機体が操縦不能となることにより人や財産等に損害を与えたり、データ漏洩により利用者へ被害等が発生したりする可能性があり、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2)ドローン事業を取り巻く法規制について 当社の事業を規制する主な法規制は、以下のとおりであります。① 航空法 航空法については、当社がドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得ております。なお、現在、当局にて、ドローンの目視外飛行について規制の在り方についての議論が進められております。 ② 電波法 電波法については、ドローン操縦時における1.2GHz帯画像伝送に関して、同法に基づき一般業務用の無線局(携帯局)の免許を取得しております。また、ドローン映像伝送用の5.7GHz帯の免許を端末毎に開局しております。 ③ 製造物責任法 製造物責任法については、当社はドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。リスク軽減に向け外部のテクニカルライターによる取扱説明書のレビューや、保険会社との連携を進め、専用の保険の開発を行いました。また、品質マネジメントのISO9001の認証取得や一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)による機体認証を取得しております。 ④ 外国為替及び外国貿易法 外国為替及び外国貿易法については、当社が販売する製品及び部品の一部は、規制の対象となる可能性がございます。そのため、当社が海外にむけてドローンの輸出、又は関連する技術の提供をする場合は、同法を遵守して適切な輸出管理に努めております。 当社は、当該規則の確認体制を構築して、法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画どおりに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社が、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社の活動が制限されることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (3)知的財産権について 当社の事業に関連する特許権等の知的財産権について、これまで第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はなく、また、今後も侵害を防止するため、適切な管理を行っていく方針でありますが、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。 また、当社が保有する特許に関しては、当社の提供するドローン技術の内、必要な部分をカバーするものであり、それぞれ個別の特許が事業に与える影響がない又は軽微と考えておりますが、今後も、当社の事業拡大にあわせ、特許整備への投資をしてまいります。 今後、当社が第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該紛争に対応するために多くの人的又は資金的負担が発生するとともに、場合によっては損害賠償等の支払請求や製品等の製造及び販売の差止の請求等を受けることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (4)部品・部材等の調達及び価格、在庫について 当社は、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材等の多くを外部の取引先から調達しておりますが、取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 また、当社は、調達にあたっては、品質確認等の受入検品を慎重に実施しております。しかしながら、品質に問題が生じた場合や、調達品の調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じる等、当社の事業運営に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。 なお、在庫については、製品計画、売上規模にあわせ、最適量を維持してまいりますが、当初想定よりも需要が異なることで発生する、在庫不足による機会損失や逸失利益、又は在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。 (5)製品の品質について 当社では、品質保証管理規程、及び生産管理規程を設け当該規程に則り各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。 信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、保証期間内の製品の不具合の発生率が想定を上回った場合や不測の不具合の発生により、アフターサービス費用や無償修理費用、リコール費用等が発生する可能性があります。 当社は、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、信頼性試験の導入を含め、開発時、出荷前の試験強化、製品へ非常時対策の機能開発の継続、飛行・機体管理等の運用のルール化、顧客クレーム・故障・墜落等に対する処理プロセス等について強化してまいります。なお、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体への被害、又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、製造物責任法に基づき損害賠償請求が認められる可能性があります。これらのリスクへの対応が長期化し、当社が加入する保険でカバーできる範囲などを超えた場合などは、当社の事業活動に支障が生じ、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (6)業績の不確実性について① 過年度の業績推移について 当社の主要な経営指標等の推移は[1企業の概況1主要な経営指標等]の推移のとおりであります。今後、顧客のニーズとのミスマッチや流行の変化、競合の出現、景気の変動、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の制限等により販売量が期待を下回る可能性、また、顧客企業側での予算稟議、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。 当社は、産業用ドローン市場の将来的な市場拡大のための技術開発に係る先行投資に注力してきたこと等から、損益について第1期から第7期及び第9期において損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施中に必要となり先行して研究開発費用が発生しております。 当社では、上記のような先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社の計画どおりに推移しない場合、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、2013年11月に設立されており、設立後の経過期間は7年程度と社歴の浅い会社であります。したがって、当社の過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。② 継続的な開発投資について 当社は、継続的な成長のために、自律制御型ロボットシステムとしてドローンのハードウエア及びソフトウエアの研究開発に取り組んでおります。新製品又は新技術の開発のために不可欠な研究開発活動を継続していく必要があるという考えの下、これまで積極的に研究開発費に係るコストを投下してきており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。当社は、売上高の伸長によって、持続的な利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針ですが、テクノロジーの進化が早く、当社がそれらのテクノロジーの進化に追随できない場合や当社が顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できず、研究開発活動の効果が十分に得られない場合に想定以上の投資に係る費用が発生する場合がございます。その場合には、当社が目指す計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 中期経営方針について 当社では、2020年8月に中期経営方針「ACSL Accelerate 2020」を策定し、社内外のステークホルダーとともに、全当事者が一丸となって顧客価値の創造、企業価値の向上に取り組んでまいりました。引き続き中期経営計画方針の下、事業環境の変化やその他要因に柔軟に対応しながら事業を推進してまいりますが、「事業等のリスク」に記載のリスクを始めとする様々な要因により、結果として中期経営計画方針で掲げる数値目標が未達となる可能性がございます。 (7)業績の変動に係るリスクについて① 季節変動について 当社は、主に大企業向け又は官公庁が関連するプロジェクトにおいてドローンの機体販売や概念検証(PoC)サービスの提供を行っているため、多くの顧客における会計期間の年度末である3月に売上高が集中する傾向にあり、四半期会計期間毎の業績について、1月1日から3月31日までの会計期間の比重が高くなる傾向にあります。1月1日から3月31日までの会計期間に比重が高くなる背景としては、当社の多くの顧客企業の予算費消サイクルと連動していること、及び年間契約案件の検収が多くの顧客の会計期間の年度末に集中するためであります。また、官公庁、公共機関及び大型案件を行う企業とは年間契約など大型の契約を締結する場合が多く、その際は検収時期が2月及び3月など年度末となるため、かかる季節変動により、当社の一時点における業績は、通期業績の分析には十分な情報とならないことがあります。当社は、通期業績の透明性向上を図るために、第10期から決算期(事業年度の末日)を12月31日に変更するため、会計期間は、1月1日から12月31日となります。 なお、2021年3月期の当社の売上高の2021年3月期第1四半期及び第2四半期の会計期間、及び2021年3月期第3四半期及び第4四半期の連結会計期間の推移は以下のとおりです。 2021年3月期第1四半期2021年3月期第2四半期2021年3月期第3四半期2021年3月期第4四半期売上高(千円)36,19542,66846,626495,214 ② 検収時期の変動について 当社では、実証実験やシステム開発、及び機体販売のいずれの販売形態についても収益認識基準として検収基準を採用しております。実証実験やシステム開発について、主に大型案件に関する成果物の個別性が高い傾向がございます。原則として、顧客の要求する仕様を満たしていることを顧客と確認して検収を確認した時点で売上計上しておりますが、案件の個別性により検収時点では収益認識が認められず、当初の予定よりも収益認識が遅れた場合には、売上計上が遅れることになり、当社の業績に影響を与える可能性があります。加えて、当社が参画する国家プロジェクトによる収入については、案件の内容に基づき、売上計上または営業外収益として計上しておりますが、案件の個別性により当社が想定している区分での計上が認められない場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。 また、検収時期が期末日付近に予定されている案件において、天候不順や顧客側の事情、新型コロナウイルス感染症拡大によりその実施時期が翌連結会計年度に延期されるような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。③ 運転資金の確保について 当社の主な事業は、部品仕入、開発、製造、販売、検収、資金回収という事業フローのため、事業拡大に連動して運転資金が増加する傾向にあり、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる場合がございます。また、当社では、最先端の技術開発に取り組むため産学官連携で様々なプロジェクトに参画しており、国からの補助金や助成金を受領しております。当該補助金等の受領は、管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施期間中に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。 収益体質の改善による利益の確保や運転資金の効率化等、運転資金の確保には努めるとともに、資金調達が必要になった場合には金融機関からの借入れ等を行うことがありますが、市場金利の上昇により資金調達コストが増大した場合などにおいては、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)海外進出について 当社は、海外市場における事業拡大のため、アジアやアメリカなどを中心に海外展開をすすめるべく、現地企業との業務連携をしております。インドにおいては、現地企業と合弁会社を設立しております。しかし、現地における予期しない社会的および政治的変動、税制または税率の変更などその他経済的状況の変動があった場合、それらの事象は当社の事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外展開に伴い、外国企業からの部品調達及び外国企業への当社製品又は技術の販売等に関し、輸出入規制、環境保護規制をはじめとした各国又は各経済圏における政策及び法規制の変更があった場合にも、当社の事業展開に悪影響を与える可能性があります。 (9)投資活動について 当社は、成長戦略の一貫として、海外企業も含めた企業買収、業務提携、戦略的投資につき、積極的に検討をすすめる方針としております。また、当社はコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)としてACSL1号有限責任事業組合を設立しております。当社及びCVCからの投資等については、投資リスク等を十分勘案したうえで決定し、投資価値の回収可能性を定期的にチェックいたしますが、経営環境・前提条件の変化等の理由により投資先の財政状態及び経営成績が悪化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、投資等に伴い計上される資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、減損損失を計上する可能性があります。 (10)小規模組織における管理体制について 当社は、2021年3月31日現在、取締役6名(内2名は社外取締役)、監査役3名(内1名は常勤監査役)、従業員65名と小規模組織で運営しており、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっております。 今後の事業の拡大及び多様化に対応して、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、計画どおりに人員の強化が出来ない場合や、事業の中核をなす人材に不測の事態が生じ業務遂行に支障が生じた場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (11)訴訟について 当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した機体の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)事業中断に関するリスクについて 当社は、予測不可能な地震、津波、暴風雨その他の自然災害、火災や停電等の事故、疫病の流行、コンピューターウィルスに起因する情報システムの停止、テロ行為等の違法行為などにより事業活動の停止等に備え、BCP(事業継続計画)を策定しております。しかし、事業活動の長期間に渡る停止や施設の改修に多額の費用が発生した場合、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)その他のリスク① 配当政策について 当社は、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。 現時点において当社は、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。 ② 新型コロナウイルス感染症拡大の影響について 新型コロナウイルス感染症については、ワクチンの接種・普及により、徐々に収束していくものと予想しておりますが、ワクチン接種の遅れや変異種の蔓延等により、経済活動の停滞の影響が長期化し、顧客における新規投資の抑制、当社における事業活動の低下、サプライチェーンなどに影響が生じることが想定されます。当社は研究開発においてリモートワークを活用するなど、引き続き事業活動を推進してまいりますが、特に売上高が集中する1月から3月に、移動制限や緊急事態宣言の発令等により経済活動が抑制される場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2020|8,349 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は取締役及び監査役を構成員とするリスク管理委員会にて、主要なリスク発生の可能性及び対応などを検討しております。 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社に関するすべてのリスクを網羅するものではございません。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)ドローンの安全性について① ドローンが社会利用されるにつれ、飛行への信頼性も強く求められます。当社に限らず、他社においてもドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。② 当社では、事故を起こさずに、人と安全に共生するドローンの実現に努めており、当社が有する一部の技術を活用することで、GPSが届かない環境下や悪天候の中でも、安全に飛行できるような機体を開発しておりますが、万が一、当社の製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。③ 昨今、ドローンに対して、5Gと同様に、データセキュリティ・乗っ取り防止といった利用面における安全性の意識が高まっております。当社では、データセキュリティに関連する部品選定において安全性を重視し、また通信暗号化等により乗っ取り防止に取り組んでおります。またソリューション・パートナーの選定、顧客への直接的な取引により販売先は全て特定可能な状態です。しかし、悪意のあるハッカー等によりセキュリティが崩された場合においては、機体が操縦不能となることにより人や財産等に損害を与えたり、データ漏洩により利用者へ被害等が発生したりする可能性があり、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2)ドローン事業を取り巻く法規制について 当社の事業を規制する主な法規制は、以下のとおりであります。① 航空法 航空法については、当社がドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得ております。なお、現在、ドローンの目視外飛行について規制の在り方についての議論が進められております。 ② 電波法 電波法については、ドローン操縦時における1.2GHz帯画像伝送に関して、同法に基づき一般業務用の無線局(携帯局)の免許を取得しております。また、ドローン映像伝送用の5.7GHz帯の免許を端末毎に開局しております。 ③ 製造物責任法 製造物責任法については、当社はドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。リスク軽減に向け外部のテクニカルライターによる取扱説明書のレビューや、保険会社との連携を進め、専用の保険の開発を行いました。当事業年度に置いて、品質マネジメントのISO9001の認証取得や一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)による機体認証の取得に取り組んでまいりました。 ④ 外国為替及び外国貿易法 外国為替及び外国貿易法については、当社が販売する製品及び部品の一部は、規制の対象となる可能性がございます。そのため、当社が海外にむけてドローンの輸出、又は関連する技術の提供をする場合は、同法を遵守して適切な輸出管理に努めております。 当社は、当該規則の確認体制を構築して、法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画通りに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社が、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社の活動が制限されることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (3)知的財産権について 当社の事業に関連する特許権等の知的財産権について、これまで第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はなく、また、今後も侵害を防止するため、適切な管理を行っていく方針でありますが、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。 また、当社が保有する特許に関しては、当社の提供するドローン技術の内、必要な部分をカバーするものであり、それぞれ個別の特許が事業に与える影響がない又は軽微と考えておりますが、今後も、当社の事業拡大にあわせ、特許整備への投資をしてまいります。 今後、当社が第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該紛争に対応するために多くの人的又は資金的負担が発生するとともに、場合によっては損害賠償等の支払請求や製品等の製造及び販売の差止の請求等を受けることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (4)部品・部材等の調達及び価格、在庫について 当社は、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材等の多くを外部の取引先から調達しておりますが、取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 また、当社は、調達にあたっては、品質確認等の受入検品を慎重に実施しております。しかしながら、品質に問題が生じた場合や、調達品の調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じる等、当社の事業運営に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。 なお、在庫については、製品計画、売上規模にあわせ、最適量を維持してまいりますが、当初想定よりも需要が異なることで発生する、在庫不足による機会損失や逸失利益、又は在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。 (5)製品の品質について 当社では、品質保証管理規程、及び生産管理規程を設け当該規程に則り各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。 信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、保証期間内の製品の不具合の発生率が想定を上回った場合や不測の不具合の発生により、アフターサービス費用や無償修理費用、リコール費用等が発生する可能性があります。 当社は、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、信頼性試験の導入を含め、開発時、出荷前の試験強化、製品へ非常時対策の機能開発の継続、飛行・機体管理等の運用のルール化、顧客クレーム・故障・墜落等に対する処理プロセス等について強化してまいります。なお、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体への被害、又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、製造物責任法に基づき損害賠償請求が認められる可能性があります。これらのリスクへの対応が長期化し、当社が加入する保険でカバーできる範囲などを超えた場合などは、当社の事業活動に支障が生じ、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (6)業績の不確実性について① 過年度の業績推移について 当社の主要な経営指標等の推移は[1企業の概況1主要な経営指標等]の推移のとおりであります。今後、顧客のニーズとのミスマッチや流行の変化、競合の出現、景気の変動等により販売量が期待を下回る可能性、また、顧客企業側での予算稟議、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。 当社では、上述のとおり、経営体制の強化を進め、生産体制の強化を図り、調達先の最適化、新拠点整備、人材強化に取り組むとともに、IT、コンプライアンスを含めた管理体制の整備を推進してまいりました。開発投資においては、自律制御、飛行性能及び安全性能の向上、各種用途に特化したシステムや付属品の開発や開発拡張性を持つソフトウエアの構築を進めてまいりました。販売においては、概念検証(PoC)を発端とするビジネスモデルの展開を推進して参りました。このような取組みを推進した結果、売上高は拡大傾向にありますが、損益については、上記のような体制強化及び開発に係る先行投資に注力してきたこと等から、第1期から第7期に至るまで損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は各年度末に管轄機関による監査を終えて金額が確定した後、翌年度中の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施年度に必要となり先行して研究開発費用が発生しております。 当社では、上記のような体制強化や先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社の計画どおりに推移しない場合、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。② 継続的な投資について 当社は、継続的な成長のために、自律制御型各種ロボットシステム(ドローン等)のハードウエア及びソフトウエアの研究開発に取り組んでおります。新製品又は新技術の開発のために不可欠な研究開発活動を継続していく必要があるという考えの下、これまで積極的に研究開発費に係るコストを投下してきており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。当社は、売上高の伸長によって、持続的な利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針ですが、テクノロジーの進化が早く、当社がそれらのテクノロジーの進化に追随できない場合や当社が顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できず、研究開発活動の効果が十分に得られない場合に想定以上の投資に係る費用が発生する場合がございます。その場合には、当社が目指す計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 社歴が浅いことについて 当社は、2013年11月に設立されており、設立後の経過期間は6年程度と社歴の浅い会社であります。したがって、当社の過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。 (7)業績の変動に係るリスクについて① 季節変動について 当社は、主に大企業向け又は官公庁が関連するプロジェクトにおいてドローンの機体販売や概念検証(PoC)サービスの提供を行っているため、年度末である3月に売上高が集中する傾向にあり、四半期会計期間毎の業績について、第4四半期会計期間の比重が高くなる傾向にあります。第4四半期会計期間に比重が高くなる背景としては、当社の顧客企業の予算消化サイクルと連動していること、及び年間契約案件の検収が年度末に集中するためであります。また、官公庁、公共機関及び大型案件を行う企業とは年間契約など大型の契約を締結する場合が多く、その際は検収時期が2月及び3月など年度末となるため、かかる季節変動により、当社の一時点における業績は、通期業績の分析には十分な情報とならないことがあります。 なお、2020年3月期の当社の売上高の四半期会計期間毎の推移は以下のとおりです。 2020年3月期第1四半期2020年3月期第2四半期2020年3月期第3四半期2020年3月期第4四半期売上高(千円)60,904143,514130,760943,542 ② 検収時期の変動について 当社では、概念検証やシステム開発等のサービス提供及び機体販売いずれの販売形態についても収益の認識基準として検収基準を採用しております。概念検証やシステム開発等のサービス提供について、主に大型案件に関する成果物の個別性が高い傾向がございます。原則として、顧客から検収を確認した時点で売上計上しておりますが、案件の個別性により検収時点では収益認識が認められず、当初の予定よりも収益認識が遅れた場合には、売上計上が遅れることになり、当社の業績に影響を与える可能性があります。 また、機体の販売に関する検収時には、顧客の要求する仕様を満たしていることを確かめるため、試験運転等の様々なテストが実施されますが、検収時期が期末付近に予定されている案件において、天候不順や顧客側の事情によりその実施時期が翌年度に延期されるような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。 (8)国家プロジェクトに係る補助金・助成金収入について 当社では、最先端の技術開発に取り組むため産学官連携で様々なプロジェクトに参画しており、国からの補助金や助成金を受領しております。当該補助金等の受領は、各年度末に管轄機関による監査を終えて金額が確定した後、翌年度中の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施年度に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。 今後、当社の事業に関連する国家プロジェクトそのものの規模が縮小する場合や補助金等の受領前の期間において研究開発資金が不足する場合には、必要な研究開発活動が頓挫することがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 一方で、現状の規模や制度の継続期間について、当社の受託する国家プロジェクトについて大きなウエイトを占めるものは、所轄、行政官庁より予算枠、存続期間が定められたものであり、制度そのものの存続性についての懸念は限定的であると考えられます。また、委託事業(自己負担を要するNEDO助成事業を除く)に関しては、各年での中間報告、予算配分の変更が伴いますので、将来における予算に関しては、一部減額又は新規受託の場合は増額等の修正の可能性があります。 (9)海外進出について 当社は、海外市場における事業拡大のため、東南アジアやアメリカなどを中心に積極的な海外展開、現地企業との業務連携を計画しております。しかし、現地における予期しない社会的および政治的変動、税制または税率の変更などその他経済的状況の変動があった場合、それらの事象は当社の事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外展開に伴い、外国企業からの部品調達及び外国企業への当社製品又は技術の販売等に関し、輸出入規制、環境保護規制をはじめとした各国又は各経済圏における政策及び法規制の変更があった場合にも、当社の事業展開に悪影響を与える可能性があります。 (10)投資活動について 当社は、成長戦略の一貫として、海外企業も含めた企業買収、業務提携、戦略的投資につき、積極的に検討をすすめる方針としております。投資等については、投資リスク等を十分勘案したうえで決定し、投資価値の回収可能性を定期的にチェックいたしますが、経営環境・前提条件の変化等の理由により投資先の財政状態及び経営成績が悪化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、投資等に伴い計上される資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、減損損失を計上する可能性があります。 (11)小規模組織における管理体制について 当社は、本書提出日現在、取締役6名(内2名は非常勤)、監査役3名(内2名は非常勤)、従業員54名と小規模組織で運営しており、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっております。 今後の事業の拡大及び多様化に対応して、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、計画通りに人員の強化が出来ない場合や、事業の中核をなす人材に不測の事態が生じ業務遂行に支障が生じた場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (12)訴訟について 当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した機体の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)事業中断に関するリスクについて 当社は、予測不可能な地震、津波、暴風雨その他の自然災害、火災や停電等の事故、疫病の流行、コンピューターウィルスに起因する情報システムの停止、テロ行為等の違法行為などにより事業活動の停止等に備え、BCP(事業継続計画)を策定しております。しかし、事業活動の長期間に渡る停止や施設の改修に多額の費用が発生した場合、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)その他のリスク① 配当政策について 当社は、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。 現時点において当社は、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。 ② ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について 当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存の株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は、695,565株であり、発行済株式総数の6.5%に相当しております。 ③ ベンチャーキャピタル等の持株比率に関するリスク 当事業年度末におけるベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が所有している株式数は3,425,445株であり、発行済株式総数10,742,790株に占める割合は31.9%となっております。 一般的に、ベンチャーキャピタル等の株式の所有目的は、株式公開後に所有株式の全部又は一部を売却してキャピタルゲインを得ることであり、当社株式についても今後ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却することが想定されます。当該株式の売却により、株式市場における当社株式の需給バランスの悪化が生じ、当社株式の市場価格形成に影響を及ぼす可能性があります。
FY2019|7,164 文字
2【事業等のリスク】 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社に関するすべてのリスクを網羅するものではございません。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)ドローンの安全性について① ドローンが社会利用されるにつれ、飛行への信頼性も強く求められます。当社に限らず、ドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。② 当社では、事故を起こさずに、人と安全に共生するドローンの実現に努めており、当社が有する一部の技術を活用することで、GPSが届かない環境下や悪天候の中でも、安全に飛行できるような機体を開発しておりますが、万が一、当社の製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 なお、当社では、特に屋外、物流用途等、目視外飛行を想定するものを中心に、パラシュートによる危機発生時の被害の抑制策等、安全性を重視した技術の導入も行うことでリスク低減を図ってまいります。 (2)ドローン事業を取り巻く法規制について 当社の事業を規制する主な法規制は、以下のとおりであります。① 航空法 航空法については、当社がドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得ております。なお、現在、ドローンの目視外飛行について規制の在り方についての議論が進められております。 ② 電波法 電波法については、ドローン操縦時における1.2GHz帯画像伝送に関して、同法に基づき一般業務用の無線局(携帯局)の免許を取得しております。また、ドローン映像伝送用の5.7GHz帯の免許を端末毎に開局しております。 ③ 火薬類取締法 火薬類取締法については、当社の製造したドローンに搭載するパラシュートの開閉時に使用する火薬に関して、同法に基づき火薬類譲受・消費許可及び火薬類譲渡許可を得ております。 ④ 製造物責任法 製造物責任法については、当社はドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求される可能性があります。リスク軽減に向け外部のテクニカルライターによる取扱説明書のレビューや、保険会社との連携を進めてまいりました。当事業年度に置いて、品質マネジメントのISO9001の認証取得や一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)による機体認証の取得に取り組んでまいりました。 当社は、これらの法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画通りに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社が、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社の活動が制限されることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (3)知的財産権について 当社の事業に関連する特許権等の知的財産権について、これまで第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はなく、また、今後も侵害を防止するため、適切な管理を行っていく方針でありますが、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。 また、当社が保有する特許に関しては、当社の提供するドローン技術の内、必要な部分をカバーするものであり、それぞれ個別の特許が事業に与える影響がない又は軽微と考えておりますが、今後も、当社の事業拡大にあわせ、特許整備への投資をしてまいります。 今後、当社が第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該紛争に対応するために多くの人的又は資金的負担が発生するとともに、場合によっては損害賠償請求等の支払請求や製品等の差止の請求等を受けることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (4)部品・部材等の調達及び価格、在庫について 当社は、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材等の多くを外部の取引先から調達しておりますが、取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 また、当社は、調達にあたっては、品質確認等の受入検品を慎重に実施しております。しかしながら、品質に問題が生じた場合や、調達品の調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じる等、当社の事業運営に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。 なお、在庫については、製品計画、売上規模にあわせ、最適量を維持してまいりますが、当初想定よりも需要が異なることで発生する、在庫不足による機会損失や逸失利益若しくは在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。 (5)製品の品質について 当社では、品質保証管理規程、及び生産管理規程を設け当該規程に則り各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。 信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、保証期間内の製品の不具合の発生率が想定を上回った場合や不測の不具合の発生により、アフターサービス費用や無償修理費用、リコール費用等が発生する可能性があります。 当社は、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、信頼性試験の導入を含め、開発時、出荷前の試験強化、製品へ非常時対策の機能開発の継続、飛行・機体管理等の運用のルール化、顧客クレーム・故障・墜落等に対する処理プロセス等について強化してまいります。なお、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体への被害、又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、製造物責任法に基づき損害賠償請求される可能性があります。その場合、当社の事業活動に支障が生じ、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (6)業績の不確実性について① 過年度の業績推移について 当社の主要な経営指標等の推移は[1企業の概況1主要な経営指標等]の推移のとおりであります。今後、顧客のニーズとのミスマッチや流行の変化、競合の出現、景気の変動等により販売量が期待を下回る可能性、また、顧客企業側での予算稟議、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。 当社では、上述のとおり、経営体制の強化を進め、生産体制の強化を図り、調達先の最適化、新拠点整備、人材強化に取り組むとともに、IT、コンプライアンスを含めた管理体制の整備を推進してまいりました。開発投資においては、自律制御、飛行性能及び安全性能の向上、各種用途に特化したシステムや付属品の開発や開発拡張性を持つソフトウエアの構築を進めてまいりました。販売においては、概念検証(PoC)を発端とする新規のビジネスモデルの展開を推進して参りました。このような取組みを推進した結果、売上高は拡大傾向にありますが、損益については、上記のような体制強化及び開発に係る先行投資に注力してきたこと等から、第1期から第6期に至るまで損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は各年度末に管轄機関による監査を終えて金額が確定した後、翌年度中の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施年度に必要となり先行して研究開発費用が発生しております。 当社では、上記のような体制強化や先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社の計画どおりに推移しない場合、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ② 継続的な投資について 当社は、継続的な成長のために、「(9)研究開発活動について」に記載のとおり、新製品又は新技術の開発のために必要な研究開発活動を継続していく必要があると考えており、これまで積極的に研究開発費に係るコストを投下してきており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。当社は、案件パイプラインの積上げによる売上高の伸長によって、研究開発費の水準を超える利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針であります。しかしながら、研究開発活動の効果が十分に得られない場合や、コスト上昇等が生じた場合、想定以上の投資に係る費用が発生する場合には、当社が目指す計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 社歴が浅いことについて 当社は、2013年11月に設立されており、設立後の経過期間は5年程度と社歴の浅い会社であります。したがって、当社の過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。 (7)業績の季節変動に係るリスクについて 当社は、主に大企業向け又は官公庁が関連するプロジェクトにおいてドローンの機体販売や概念検証(PoC)サービスの提供を行っているため、年度末である3月に売上高が集中する傾向にあり、四半期会計期間毎の業績について、第4四半期会計期間の比重が高くなる傾向にあります。第4四半期会計期間に比重が高くなる背景としては、当社の顧客企業の予算消化サイクルと連動していること、及び年間契約案件の検収が年度末に集中するためであります。なお、顧客の予算消化サイクルに関して、年度末に案件が集中する傾向にあります。また、官公庁、公共機関及び大型案件を行う企業とは年間契約を締結する場合が多く、その際は検収時期が2月及び3月となるため、かかる季節変動により、当社の一時点における業績は、通期業績の分析には十分な情報とならないことがあります。 なお、2019年3月期の当社の売上高の四半期会計期間毎の推移は以下のとおりです。 2019年3月期第1四半期2019年3月期第2四半期2019年3月期第3四半期2019年3月期第4四半期売上高(千円)104,840141,423168,119392,964 (注) 上記の売上高は、有限責任監査法人トーマツの四半期レビューを受けたものではありません。 (8)検収時期の変動による業績変動について 当社では、機体販売に係る収益の認識基準として検収基準を採用しております。実際の検収時には、顧客の要求する仕様を満たしていることを確かめるため、屋外における試験運転等の様々なテストが実施されますが、検収時期が期末付近に予定されている案件において、天候不順等によりその実施時期が翌年度に延期されるような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。 (9)研究開発活動について 当社は、自律制御型各種ロボットシステム(ドローン等)のハードウエア及びソフトウエアの研究開発に取り組んでおり、自律制御技術、飛行性能及び安全性能の向上、各種用途に特化したシステムや付属品の開発や開発拡張性を持つソフトウエアの構築を進めておりますが、当社が業界と市場の変化を十分に予測できず、顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できない可能性があります。その場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社の事業活動、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (10)国家プロジェクトに係る補助金・助成金収入について 当社では、産学官連携で様々なプロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組むとともに、国からの補助金や助成金を受領することで、研究開発費の一部を賄っております。また、当該補助金等の受領は、各年度末に管轄機関による監査を終えて金額が確定した後、翌年度中の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施年度に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。 今後、当社の事業に関連する国家プロジェクトそのものの規模が縮小する場合や補助金等の受領前の期間において研究開発資金が不足する場合には、必要な研究開発活動が頓挫することがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 また、現状の規模や制度の継続期間について、当社の受託する国家プロジェクトについて大きなウエイトを占めるものは、所轄、行政官庁より予算枠、存続期間が定められたものであり、制度そのものの存続性についての懸念は限定的であると考えられます。一方で、委託事業(自己負担を要するNEDO助成事業を除く)に関しては、各年での中間報告、予算配分の変更が伴いますので、将来における予算に関しては、一部減額又は新規受託の場合は増額等の修正の可能性があります。 (11)小規模組織における管理体制について 当社は、本書提出日現在、取締役6名(内2名は非常勤)、監査役3名(内2名は非常勤)、従業員47名と小規模組織で運営しており、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっております。 今後の事業の拡大及び多様化に対応して、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (12)訴訟について 当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した機体の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)その他のリスク① 配当政策について 当社は、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。 現時点において当社は、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。 ② ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について 当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存の株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は、1,173,750株であり、発行済株式総数の11.4%に相当しております。 ③ ベンチャーキャピタル等の持株比率に関するリスク 2019年5月31日現在におけるベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が所有している株式数は3,983,355株であり、発行済株式総数10,264,605株に占める割合は38.8%となっております。 一般的に、ベンチャーキャピタル等の株式の所有目的は、株式公開後に所有株式の全部又は一部を売却してキャピタルゲインを得ることであり、当社株式についても今後ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却することが想定されます。当該株式の売却により、株式市場における当社株式の需給バランスの悪化が生じ、当社株式の市場価格形成に影響を及ぼす可能性があります。