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グローバルキッズCOMPANY(6189)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 子育て支援事業の展開
    グローバルキッズCOMPANYは、保育所や学童クラブ、児童館の運営を通じて、次世代を担う子どもたちの育成を支援する「子育て支援事業」を主な収益源としています。首都圏を中心に209施設を運営しており、国や自治体からの委託費、補助金、利用者からの保育料や利用料が主な収入となります。多様な施設形態に対応し、安定的な事業運営を目指しています。
  • 認可保育所の運営モデル
    児童福祉法に基づき国が定めた基準を満たし、都道府県知事等に認可された「認可保育所」の運営が事業の柱の一つです。国や自治体から施設型給付を委託費として受け取ることで運営されており、安定した収益基盤を形成しています。2023年9月末時点で168施設を運営しており、最も大きな割合を占めています。
  • 多様な保育施設の運営
    認可保育所の他に、自治体独自の「独立認定保育所」(東京都認証保育所など)、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」、少人数制の「小規模保育」など、様々な形態の保育施設を運営しています。これにより、地域の多様なニーズに応えつつ、収益源の多角化を図っています。各施設は利用者からの保育料や自治体からの補助金で運営されています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 子育て支援事業
    グローバルキッズCOMPANYグループは、保育所、学童クラブ、児童館の運営を通じて、子どもたちの健全な育成を支援する「子育て支援事業」を唯一の事業セグメントとしています。この事業は、国や自治体からの委託費や補助金、利用者からの保育料や利用料を主な収益源としています。多様な施設形態で、地域の子育てニーズに応えています。
  • 保育所運営事業
    この事業セ態は、認可保育所、独立認定保育所(東京都認証保育所など)、認定こども園、小規模保育など、様々な種類の保育施設を運営しています。2023年9月末現在、首都圏を中心に176の保育施設を展開しており、グループ全体の収益の大部分を占める主要な稼ぎ頭です。安定した運営を通じて、持続的な成長を目指しています。
  • 学童クラブ・児童館運営事業
    保育所運営に加え、小学校に就学している児童を対象とした「学童クラブ」や、地域の子どもたちに健全な遊びを提供する「児童館」も運営しています。2023年9月末現在、学童クラブ・児童館を合わせて25施設を運営しており、利用者からの利用料や自治体からの運営費補助金によって運営されています。地域の子育て支援を多角的に展開しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,292 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、子会社の経営管理を主な事業内容とする当社、保育所等の運営を主な事業内容とする連結子会社3社(株式会社グローバルキッズ、株式会社おはようキッズ、株式会社アソシエ・インターナショナル)及び管理業務・保育施設運営周辺サービスを主な事業内容とする連結子会社2社(株式会社GKS、株式会社アソシエ・アカデミー)により構成されており、保育所等の運営を通じて次世代を担う子ども達を育成する「子育て支援事業」を主な事業として営んでおります。なお、当社グループの事業は「子育て支援事業」のみの単一セグメントとなっております。 「子育て支援事業」当社グループは当連結会計年度末現在、首都圏を中心に、自治体より認可等を受けた保育施設176施設及び学童クラブ・児童館25施設、その他8施設の計209施設を運営しております。 2015年4月より「子ども・子育て支援新制度」が本格施行され、当該制度の下、公的に認可等を受けて運営される保育施設は、施設型給付を受ける施設(認可保育所、認定こども園、幼稚園)と地域型保育給付を受ける施設(小規模保育、家庭的保育など)に区分されることとなりました。また、新制度に基づいて給付を受ける施設とは別に、一部自治体による独自の認定保育制度に基づく保育所(以下、「独立認定保育所」という。)があります。当社グループが運営する保育施設には、認可保育所のほか、独立認定保育所、認定こども園、小規模保育があり、各施設の概要は、以下のとおりとなっております。 認可保育所・・・・児童福祉法に基づき、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)を満たし、都道府県知事等に認可された児童福祉施設をいいます。当社グループは、国及び自治体が負担する施設型給付を委託費として交付を受け認可保育所を運営しております。独立認定保育所・・大都市を中心とした保育所不足の解消等を目的として、自治体が独自で定める制度に基づき設置された保育所です。東京都が定める制度に基づき運営される東京都認証保育所などがあります。当社グループは、利用者からの保育料及び自治体から運営費補助金の交付を受け独立認定保育所を運営しております。認定こども園・・・①就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能及び②地域における子育て支援を行う機能を持ち、教育・保育を一体的に行う施設で、いわば幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設となります。幼保連携型、保育所型、幼稚園型、地方裁量型の4類型があります。当社グループは、東京都において地方裁量型認定こども園を運営しており、その設置基準や保育給付の運用等については、東京都認証保育所とほぼ同内容となっております。小規模保育・・・・子ども・子育て支援新制度の下で、市町村の認可事業として新たに創出された保育制度(6-19名定員施設)になります。当社グループは、利用者からの保育料及び自治体より地域型保育給付の交付を受け小規模保育を運営しております。 学童クラブは、小学校に就学しているおおむね十歳未満の児童であって、保護者が労働等により昼間家庭にいないものに対し、授業の終了後に児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、健全な育成を図ることを目的とした施設をいいます。当社グループは、利用者からの利用料又は、自治体から交付される運営費により学童クラブを運営しております。 児童館は、児童福祉法に基づく児童厚生施設の1つで、地域において児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする児童福祉施設をいいます。当社グループは、自治体から交付される運営費により児童館を運営しております。 [在籍園児数の推移] 2018年9月期末2019年9月期末2020年9月期末2021年9月期末2022年9月期末2023年9月期末2024年9月期末2025年9月期末在籍園児数(人)7,3398,3658,8659,3609,47310,0569,31710,391 ※在籍園児数は、保育所等に在籍する園児数のみで、学童クラブや児童館、児童発達支援事業所等に在籍・登録する児童数等は含みません。 [運営施設数の推移] 2018年9月期2019年9月期2020年9月期2021年9月期2022年9月期2023年9月期2024年9月期2025年9月期 認可保育所(東京都)70869198103115115136 認可保育所(神奈川県)2023252728292930 認可保育所(その他)89910101052認可保育所計98118125135141154149168東京都認証保育所20181817161543認定こども園等55554745企業主導型保育所7111111―1――児童発達支援事業所―1443――1学童クラブ・児童館1213131210111125その他―――――――7総合計142166176184174188168209 注:東京都認証保育所には事業所内保育所を含みます。認定こども園等には小規模保育を含みます。 [事業系統図] [当社グループの保育施設形態別の事業モデル] なお、当社は、「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
国や自治体の方針、関連法規制の改正により補助金削減や事業活動が制約を受ける可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
児童福祉法、子ども・子育て支援法、食品衛生法などの法規制や自治体の認可等が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:少子化や待機児童減少等に伴う園児数の減少 / 国や自治体による方針や関連法規制等の改正等 / 認可事業等の取り消しリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

開示情報からは、特許、ブランド力、規制ライセンスなどの明確な無形資産に関する情報は確認できない。事業内容も一般的な保育サービスであり、特異な知的財産権は見当たらない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

保護者にとって、保育園の変更は手続きや子供への影響を考慮すると一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。しかし、保育園の選択肢は複数存在し、乗り換えのハードルは限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

保育サービスは基本的に個々の園と保護者の関係であり、利用者数の増加がサービス価値を直接向上させるネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト優位性は限定的。保育士の給与水準や立地条件など、コスト構造に影響を与える要因は多岐にわたり、構造的なコスト優位性を築くことは難しい。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

保育業界は多数の事業者が存在する競争環境であり、グローバルキッズCOMPANYが突出した市場シェアや規模の経済による優位性を確立しているとは言えない。業界全体が小規模事業者の集合体である。

  • 首都圏中心の施設展開
    グローバルキッズCOMPANYは、人口流入が続く首都圏を中心に保育施設を展開しており、園児獲得において比較的有利な立地を確保しています。特に東京都では認可保育所が多数あり、待機児童問題が依然として存在する地域で安定的な需要が見込まれます。これにより、安定した園児数を確保しやすく、事業基盤の強化に繋がっています。
  • 多様な施設形態への対応力
    認可保育所だけでなく、東京都認証保育所、認定こども園、小規模保育など、複数の施設形態を運営できるノウハウと実績を持っています。これにより、国や自治体の方針変更や地域のニーズの変化に柔軟に対応し、多様な子育て支援サービスを提供することが可能です。幅広い選択肢を提供することで、競争力を維持しています。
  • 長年の運営実績と信頼
    2000年に株式会社による認可保育所の運営が認められて以降、長年にわたり子育て支援事業を展開し、多数の施設運営実績を積み重ねています。過去に認可等の取り消し事例がなく、自治体や利用者からの信頼を構築していると考えられます。これは新規施設の開設や事業拡大において有利に働く可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、理念体系として以下を掲げております。 企業理念: 『子ども達の未来のために』ビジョン: 『2030 トリプルトラスト』-2030年 職員と保護者と地域に最も信頼される存在になり、 子ども達の育ちと学びの社会インフラになる (2) 中長期的な会社の経営戦略子育て支援事業を取り巻く状況につきましては、女性の社会進出に対する意識の変化や政府による女性の活躍推進などにより、共働き世帯数の割合が年々上昇しているほか、25~44歳の女性の就業率は8割超の高い水準を続けています。一方で、待機児童数解消に向け政府・自治体主導で保育所を増設した結果、2025年4月時点の待機児童数は全国で2,254人と前年比313人減少しました。当社グループが集中的に展開している東京都は人口流入が続いていることから比較的園児を獲得しやすい地域であり、2025年4月の待機児童数は前年比22人減の339人と全国に比べわずかな減少にとどまりました。こうした環境下において当社は2024年11月に『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』を打ち出し以下のとおり新たな経営戦略を策定しております。・保育事業保育事業については、「安心安全の担保」を最優先課題として位置づけ安心安全確保の仕組みの整備を図ります。また、保育の質向上を目指しイエナプランの導入を進めます。収支改善の取り組みとしては、①マーケティング強化による入所率向上に伴う売上増加、②職員配置適正化による利益率改善、③生産性向上によるコスト削減を引き続き推進します。さらに東京都及び横浜市を中心にM&Aによる規模拡大を目指します。・新規事業複数ある新規事業施策の位置づけを明確化したうえで、収益ソースの多様化を目的に保育周辺事業の開拓・拡大を進めます。具体的には、習いごと教室(GlobalKids Plus+)、当社グループ独自の体操プログラム(体育あそび)等の展開を推進します。・ICT戦略従業員エンゲージメントの高い企業、保護者と園児に選ばれる施設、保育業界におけるリーダーシップを目指しデジタル基盤の活用を強化します。業界トップレベルのデジタル活用で業務効率化、品質向上を追求します。・人事戦略「経営戦略と連動した人事戦略」を打ち出し「2030トリプルトラスト」に向けた経営戦略の施策実行に必要なスキル・経験を持った人財の確保を目指します。人的資源充足のために、メンター制度の導入等による育成、ミスマッチを回避した採用を進めるほか、生産性向上による働きやすい環境を整備するなど選ばれる組織にしてまいります。・資本戦略安定的な事業運営、成長投資に耐えうる財務健全性に一定の目処がつき、今後は財務健全性を維持したうえで資本コストを意識した収益性の向上を進め、資本効率改善及び株主還元の充実を図ります。なお、『「2030トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』において「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の開示を開始しております。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』のなかで、「2030 トリプルトラスト」の最終年度にあたる2030年9月期における目標計画として連結EBITDAマージン10%以上を掲げております。連結EBITDAおよび連結EBITDAマージンの推移は以下のとおりです。 2021年9月期2022年9月期2023年9月期2024年9月期2025年9月期連結EBITDA(百万円)1,4261,5481,1501,6181,689連結EBITDAマージン(%)6.16.44.66.16.3 ※ EBITDA=営業利益+減価償却費 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題我が国は、成長戦略の一つとして女性が輝く日本を念頭に「待機児童の解消」、「職場復帰・再就職の支援」、「女性役員・管理職の増加」に向けた対策が進められています。このように子育て支援事業者の社会的役割の重要性が高まるなかで、当社グループとしてさらなる事業拡大に向けた重要課題として以下の点に取り組んでまいります。 ① 保育の質の維持・向上保育士の質の維持・向上のため、優秀な人材の採用や育成の強化、及び、諸施策を通じた長期雇用の促進を図ります。具体的な施策として、各職位における職務内容や人事評価制度の精緻化、処遇改善等を検討するほか、第三者評価を通じた利用者からの指摘事項の改善等を定期的に行います。また、当社グループの保育方針をより一層浸透させるため、施設長や本部スタッフに対する研修の実施を進めてまいります。さらに、休暇制度の拡充や社宅等の福利厚生などの人事制度の整備に加えて、処遇改善等を通じた魅力ある就労環境の提供を通じて人材の長期雇用に努め、安定した保育を提供できる体制を整えてまいります。こうした施策の推進に加えて、当社グループとして目指す保育であるイエナプランの導入を進め、グループ全施設で乳幼児期からこのビジョンを取り入れた保育を確立してまいります。主体的に自分らしく生きる子どもの育成や質の高い保育を実践することで保育の質の底上げを図り、子どもや保護者から選ばれる施設を目指します。 ② 人材育成力の強化子ども・子育て支援制度などの国や自治体の保育方針に関する勉強会や保育士試験の講座、アレルギー研修等、各職位に応じた研修カリキュラムの充実や研修参加の推奨により、施設長等、管理職水準の人材の早期育成体制の強化を目指します。また、ヨーロッパの保育所における現地の多様な保育を学ぶ海外研修を通じて、当社グループにおける保育の幅を広げる取り組みを行う方針です。 ③ 採用力の強化等を通じた人材の確保運営施設数の増加により、保育士資格を有する優秀な人材の確保が課題であります。しかしながら、保育士資格を有する求職者が不足していることから、採用が困難な状況です。これまでは、当社が強みを持つ経験者の採用を中心に人材を確保してまいりましたが、新卒者の採用にも一段と注力することで採用力の強化に努めます。新卒採用などによる採用の多様化や採用コストの抑制にも注力しております。なお、人事制度の整備等により長期雇用に努めることで採用コストを抑えてまいります。 ④ 戦略的な地域展開当社グループは、これまで待機児童が集中する東京23区などの首都圏都心部を中心に認可保育所の拡大に努めてまいりました。今後、少子化や待機児童の解消により児童等の獲得が難しくなる懸念がありますが、首都圏都心部においては、他の地域に比べ園児の確保に優位性があると見込んでおります。また、国基準で運営している認可保育所は、認可外保育所に比べ児童が集まりやすい傾向があります。今後も、経営資源を首都圏都心市部の認可保育所に集中することで生産性の向上に努めていく方針です。[全国及び東京都における待機児童数] 2023年4月1日現在2024年4月1日現在2025年4月1日現在待機児童数割合(%)待機児童数割合(%)待機児童数割合(%)東京都286人10.7361人14.1339人15.0全国2,680人100.02,567人100.02,254人100.0 出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」東京都「都内の保育サービスの状況について」⑤ 効率的な事業運営の推進運営施設数の増加に伴い、備品購入等における規模のメリットの享受や、運営業務の一元化、システム導入等を積極的に推進することで、運営コストを抑制しながら効果的・安定的な事業運営が行えるよう努めます。 ⑥ 安定的な資金調達の確保と財務健全性の維持当社グループは、各施設の開発資金、運転資金やM&A資金の確保を、主に金融機関からの借入に依拠しております。今後も、規模拡大を進め、安定した事業運営を行うためにも、諸施策を通じた安定的な資金調達の確保を図るとともに、収益力の向上による財務健全性の維持に努めます。 ⑦ 事業の拡大と安定化当社グループの収益は、現在、子育て支援事業に依拠しており、国や自治体の政策等に大きく影響を受けている状況です。当該状況を踏まえ、当社グループでは子育て支援事業以外に保育に関連する周辺事業を中心に収益基盤の拡充に取り組んでおります。具体的には、すでに手掛けている習いごと教室等の教育事業に加えて、物販事業への参入・拡大を検討してまいります。また、新規の保育施設については、安定的な運営が見込みやすい認可保育所を中心とすることで、収益基盤の一層の安定化に努めます。 (5) 経営戦略の現状と見通し現状の待機児童数の推移を鑑みると、保育の量的な需要拡大が踊り場を迎える可能性がありますが、質の高い保育、保護者の利便性、教育機能を備えた「選ばれる園」の需要は継続すると想定されます。このような想定において、2024年11月に『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』を公表いたしました。具体的には、安心安全の仕組み整備やイエナプラン導入を進め保育の質を高め、おむつのサブスク導入等により利用者の利便性向上を図り、習いごと教室の展開を進めてまいります。さらに、マーケティング強化による入所率向上に加えて、新規開設、M&Aによる規模拡大を進めるほか、管理強化を進め収支改善を図る方針です。 (6) 経営者の問題意識と今後の方針について当社グループの経営陣は、子育て支援事業に対する社会的要請に応えるために、「子ども達の未来のために」保育の質向上に積極的に取り組むことが重要との認識でおります。このため、保育士が成長できる職場作りや処遇改善、保育士の社会的な地位向上等に向け取り組んでまいります。また、『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』の実行により、これまで進めてきた事業基盤拡大を生かし、規模経済の最大化を実現する方針です。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、理念体系として以下を掲げております。 企業理念: 『子ども達の未来のために』ビジョン: 『2030 トリプルトラスト』-2030年 職員と保護者と地域に最も信頼される存在になり、 子ども達の育ちと学びの社会インフラになる (2) 中長期的な会社の経営戦略子育て支援事業を取り巻く状況につきましては、女性の社会進出に対する意識の変化や政府による女性の活躍推進などにより、共働き世帯数の割合が年々上昇しているほか、25~44歳の女性の就業率は8割超の高い水準を続けています。一方で、待機児童数解消に向け政府・自治体主導で保育所を増設した結果、2025年4月時点の待機児童数は全国で2,254人と前年比313人減少しました。当社グループが集中的に展開している東京都は人口流入が続いていることから比較的園児を獲得しやすい地域であり、2025年4月の待機児童数は前年比22人減の339人と全国に比べわずかな減少にとどまりました。こうした環境下において当社は2024年11月に『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』を打ち出し以下のとおり新たな経営戦略を策定しております。・保育事業保育事業については、「安心安全の担保」を最優先課題として位置づけ安心安全確保の仕組みの整備を図ります。また、保育の質向上を目指しイエナプランの導入を進めます。収支改善の取り組みとしては、①マーケティング強化による入所率向上に伴う売上増加、②職員配置適正化による利益率改善、③生産性向上によるコスト削減を引き続き推進します。さらに東京都及び横浜市を中心にM&Aによる規模拡大を目指します。・新規事業複数ある新規事業施策の位置づけを明確化したうえで、収益ソースの多様化を目的に保育周辺事業の開拓・拡大を進めます。具体的には、習いごと教室(GlobalKids Plus+)、当社グループ独自の体操プログラム(体育あそび)等の展開を推進します。・ICT戦略従業員エンゲージメントの高い企業、保護者と園児に選ばれる施設、保育業界におけるリーダーシップを目指しデジタル基盤の活用を強化します。業界トップレベルのデジタル活用で業務効率化、品質向上を追求します。・人事戦略「経営戦略と連動した人事戦略」を打ち出し「2030トリプルトラスト」に向けた経営戦略の施策実行に必要なスキル・経験を持った人財の確保を目指します。人的資源充足のために、メンター制度の導入等による育成、ミスマッチを回避した採用を進めるほか、生産性向上による働きやすい環境を整備するなど選ばれる組織にしてまいります。・資本戦略安定的な事業運営、成長投資に耐えうる財務健全性に一定の目処がつき、今後は財務健全性を維持したうえで資本コストを意識した収益性の向上を進め、資本効率改善及び株主還元の充実を図ります。なお、『「2030トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』において「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の開示を開始しております。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』のなかで、「2030 トリプルトラスト」の最終年度にあたる2030年9月期における目標計画として連結EBITDAマージン10%以上を掲げております。連結EBITDAおよび連結EBITDAマージンの推移は以下のとおりです。 2021年9月期2022年9月期2023年9月期2024年9月期2025年9月期連結EBITDA(百万円)1,4261,5481,1501,6181,689連結EBITDAマージン(%)6.16.44.66.16.3 ※ EBITDA=営業利益+減価償却費 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題我が国は、成長戦略の一つとして女性が輝く日本を念頭に「待機児童の解消」、「職場復帰・再就職の支援」、「女性役員・管理職の増加」に向けた対策が進められています。このように子育て支援事業者の社会的役割の重要性が高まるなかで、当社グループとしてさらなる事業拡大に向けた重要課題として以下の点に取り組んでまいります。 ① 保育の質の維持・向上保育士の質の維持・向上のため、優秀な人材の採用や育成の強化、及び、諸施策を通じた長期雇用の促進を図ります。具体的な施策として、各職位における職務内容や人事評価制度の精緻化、処遇改善等を検討するほか、第三者評価を通じた利用者からの指摘事項の改善等を定期的に行います。また、当社グループの保育方針をより一層浸透させるため、施設長や本部スタッフに対する研修の実施を進めてまいります。さらに、休暇制度の拡充や社宅等の福利厚生などの人事制度の整備に加えて、処遇改善等を通じた魅力ある就労環境の提供を通じて人材の長期雇用に努め、安定した保育を提供できる体制を整えてまいります。こうした施策の推進に加えて、当社グループとして目指す保育であるイエナプランの導入を進め、グループ全施設で乳幼児期からこのビジョンを取り入れた保育を確立してまいります。主体的に自分らしく生きる子どもの育成や質の高い保育を実践することで保育の質の底上げを図り、子どもや保護者から選ばれる施設を目指します。 ② 人材育成力の強化子ども・子育て支援制度などの国や自治体の保育方針に関する勉強会や保育士試験の講座、アレルギー研修等、各職位に応じた研修カリキュラムの充実や研修参加の推奨により、施設長等、管理職水準の人材の早期育成体制の強化を目指します。また、ヨーロッパの保育所における現地の多様な保育を学ぶ海外研修を通じて、当社グループにおける保育の幅を広げる取り組みを行う方針です。 ③ 採用力の強化等を通じた人材の確保運営施設数の増加により、保育士資格を有する優秀な人材の確保が課題であります。しかしながら、保育士資格を有する求職者が不足していることから、採用が困難な状況です。これまでは、当社が強みを持つ経験者の採用を中心に人材を確保してまいりましたが、新卒者の採用にも一段と注力することで採用力の強化に努めます。新卒採用などによる採用の多様化や採用コストの抑制にも注力しております。なお、人事制度の整備等により長期雇用に努めることで採用コストを抑えてまいります。 ④ 戦略的な地域展開当社グループは、これまで待機児童が集中する東京23区などの首都圏都心部を中心に認可保育所の拡大に努めてまいりました。今後、少子化や待機児童の解消により児童等の獲得が難しくなる懸念がありますが、首都圏都心部においては、他の地域に比べ園児の確保に優位性があると見込んでおります。また、国基準で運営している認可保育所は、認可外保育所に比べ児童が集まりやすい傾向があります。今後も、経営資源を首都圏都心市部の認可保育所に集中することで生産性の向上に努めていく方針です。[全国及び東京都における待機児童数] 2023年4月1日現在2024年4月1日現在2025年4月1日現在待機児童数割合(%)待機児童数割合(%)待機児童数割合(%)東京都286人10.7361人14.1339人15.0全国2,680人100.02,567人100.02,254人100.0 出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」東京都「都内の保育サービスの状況について」⑤ 効率的な事業運営の推進運営施設数の増加に伴い、備品購入等における規模のメリットの享受や、運営業務の一元化、システム導入等を積極的に推進することで、運営コストを抑制しながら効果的・安定的な事業運営が行えるよう努めます。 ⑥ 安定的な資金調達の確保と財務健全性の維持当社グループは、各施設の開発資金、運転資金やM&A資金の確保を、主に金融機関からの借入に依拠しております。今後も、規模拡大を進め、安定した事業運営を行うためにも、諸施策を通じた安定的な資金調達の確保を図るとともに、収益力の向上による財務健全性の維持に努めます。 ⑦ 事業の拡大と安定化当社グループの収益は、現在、子育て支援事業に依拠しており、国や自治体の政策等に大きく影響を受けている状況です。当該状況を踏まえ、当社グループでは子育て支援事業以外に保育に関連する周辺事業を中心に収益基盤の拡充に取り組んでおります。具体的には、すでに手掛けている習いごと教室等の教育事業に加えて、物販事業への参入・拡大を検討してまいります。また、新規の保育施設については、安定的な運営が見込みやすい認可保育所を中心とすることで、収益基盤の一層の安定化に努めます。 (5) 経営戦略の現状と見通し現状の待機児童数の推移を鑑みると、保育の量的な需要拡大が踊り場を迎える可能性がありますが、質の高い保育、保護者の利便性、教育機能を備えた「選ばれる園」の需要は継続すると想定されます。このような想定において、2024年11月に『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』を公表いたしました。具体的には、安心安全の仕組み整備やイエナプラン導入を進め保育の質を高め、おむつのサブスク導入等により利用者の利便性向上を図り、習いごと教室の展開を進めてまいります。さらに、マーケティング強化による入所率向上に加えて、新規開設、M&Aによる規模拡大を進めるほか、管理強化を進め収支改善を図る方針です。 (6) 経営者の問題意識と今後の方針について当社グループの経営陣は、子育て支援事業に対する社会的要請に応えるために、「子ども達の未来のために」保育の質向上に積極的に取り組むことが重要との認識でおります。このため、保育士が成長できる職場作りや処遇改善、保育士の社会的な地位向上等に向け取り組んでまいります。また、『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』の実行により、これまで進めてきた事業基盤拡大を生かし、規模経済の最大化を実現する方針です。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績子育て支援事業を取り巻く状況につきましては、共働き世帯数の増加や女性の就業率上昇等を背景に保育所利用者数は高水準で推移しておりますが、2025年4月時点の全国待機児童数が2,254人と前年比313人減少したほか、2024年の出生数が68万6,173人と前年比4万1,115人減少するなど、外部環境が変化しております。当社グループが集中的に展開している東京都は人口流入が続いていることから比較的園児を獲得しやすい地域であり、2025年4月の待機児童数は前年比22人減の339人と全国に比べわずかな減少にとどまりました一方、政府は子どもに関する政策を一元化し社会の中心に据える「こどもまんなか社会」を掲げ、家庭を取り巻く諸問題に本格的に取り組む「こども家庭庁」を2023年4月に設置するなど、関連施策を推進しています。また、2023年12月に閣議決定された「こども未来戦略」には、76年ぶりとなる保育士の配置基準の見直しや保育士の処遇改善を進めることなどが盛り込まれています。さらに2023年12月には「こども大綱」が閣議決定され、2024年5月には同大綱に基づく「こどもまんなか実行計画2024」が決定されました。これは幅広いこども政策の具体的な取り組みを一元的に示した初のアクションプランであり、児童手当の拡充や「こども誰でも通園制度」の創設、保育士等の処遇改善やICT化の推進などその政策は多岐にわたっております。「こども誰でも通園制度」は、一部自治体ですでに実施されており、2026年4月には全国で本格実施される予定です。また、幼児教育・保育の無償化については、国の制度として3~5歳児を対象に2019年10月から実施されました。これに加え、東京都では独自の制度により2025年9月から0~2歳の第一子の保育料無償化が開始されております。このように子育て支援事業を取り巻く外部環境が大きく変化する中、当社グループは2024年11月14日に『「2030トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』を公表しており、当社のビジョン「2030トリプルトラスト」(2030年に職員と親子と地域に最も信頼される存在になり、子ども達の育ちと学びの社会インフラになる)を実現するため経営戦略を推進してまいります。『「2030トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』に掲げた保育事業の規模拡大については、2025年6月20日及び2025年7月31日に公表した「株式会社アソシエ・アカデミーの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」のとおり、2025年7月31日付で株式会社アソシエ・アカデミー(以下、アソシエ・アカデミー)の株式取得が完了いたしました。アソシエ・アカデミーは子育て支援事業を営む株式会社アソシエ・インターナショナル(以下、アソシエ・インターナショナル)を保有しております。本株式取得によりアソシエ・アカデミー及びアソシエ・インターナショナルは当社の完全子会社となりました。この株式取得により、当連結会計年度末時点における当社グループの運営施設数は、認可保育所168施設(東京都136施設、神奈川県30施設、千葉県2施設)、認証保育所・認定こども園等保育施設8施設、学童クラブ・児童館25施設、その他8施設の計209施設となりました。なお、当社はアソシエ・アカデミー及びアソシエ・インターナショナルの株式を2025年7月末に取得しておりますが、企業結合会計基準等に基づき、そのみなし取得日を2025年9月末として連結会計処理を行っております。このため、当連結会計年度においては、両社の連結はみなし取得日における貸借対照表のみを反映しており、損益計算書にはアソシエ・アカデミー及びアソシエ・インターナショナルの業績は含まれておりません。上記の結果、当連結会計年度は、売上高26,997百万円(前期比2.1%増)、営業利益858百万円(同8.7%増)、経常利益808百万円(同1.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益72百万円(同71.7%減)となりました。 ② キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動による資金の増加1,637百万円、投資活動による資金の減少2,105百万円、財務活動による資金の増加1,868百万円により1,399百万円増加し、2,641百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益の計上130百万円に加え、減損損失及び減価償却費をそれぞれ605百万円、830百万円計上したことによる増加を主因として、1,637百万円の資金の増加となりました。また、前連結会計年度と比較して獲得した資金が148百万円増加しております。これは、税金等調整前当期純利益が285百万円減少した一方で、減損損失が404百万円増加したことが主因です。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)株式会社アソシエ・アカデミーに係る新規連結子会社株式取得による支出2,120百万円を主因として、2,105百万円の資金の減少となりました。また、前連結会計年度と比較して資金の支出が1,839百万円増加しております。これも同様に、新規連結子会社株式取得による支出2,120百万円が主因です。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)長期借入金の返済による支出2,188百万円の一方で、長期借入金による収入により4,028百万円増加したことを主因として、1,868百万円の資金の増加となりました。また、前連結会計年度と比較して3,208百万円増加しております。これは、長期借入れによる収入が1,751百万円増加した一方で、長期借入金の返済による支出が1,145百万円減少したことが主因です。 (2) 生産、受注及び売上の実績① 生産実績当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。 ② 受注実績当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。 ③ 売上実績当連結会計年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)の売上実績を示すと、次のとおりであります。なお、当社グループは子育て支援事業の単一セグメントであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)前年同期比(%)子育て支援事業(百万円)26,9972.1 (注) 1.上記の金額には消費税は、含まれておりません。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)当連結会計年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)横浜市3,90414.84,12115.3 3.上記は、子育て支援事業における同市からの運営に関する補助金収入で、売上計上しております。 (3) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、損益又は、資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲の中において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 (固定資産の減損処理)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては決算時点で入手可能な情報等に基づき慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 (投資有価証券の減損)当社グループは、投資有価証券のうち、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式並びにその他有価証券のうち、市場価格のない株式等については、実質価額が取得価額に対して50%程度以上下回った場合には「著しく下落した」ものとし、回復可能性が十分な根拠により裏付けられる場合を除き減損処理を行っております。将来の時価の下落または投資先の業績不振や財政状態の悪化により、現状の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が生じ、減損処理が必要となる可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性)当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し回収可能見込額を計上しております。しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。 ② 財政状態の分析(資産)当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して4,604百万円増加し20,066百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比較して2,042百万円増加し6,612百万円となりました。これは、現金及び預金が1,399百万円、未収入金及び契約資産が673百万円それぞれ増加したことが主因です。固定資産は、前連結会計年度末と比較して2,561百万円増加し13,453百万円となりました。これは、当連結会計年度に株式会社アソシエ・アカデミーを完全子会社化した際に計上した、のれん1,968百万円が主因です。株式取得の詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 企業結合等関係」をご参照ください。 (負債)当連結会計年度末の総負債は、前連結会計年度末と比較して5,005百万円増加し12,351百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比較して1,387百万円増加し4,805百万円となりました。これは短期借入金が550百万円増加したことが主因です。固定負債は、前連結会計年度末と比較して3,618百万円増加し7,546百万円となりました。主な要因は、長期借入金が3,263百万円増加したことです。 (純資産)当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べ400百万円減少し7,714百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により72百万円増加した一方で、配当金により520百万円減少したことが主因です。 ③ 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は、一部の保育施設を事業譲渡及び株式譲渡したことによる減少の一方で、人事院勧告に伴う公定価格の上昇が寄与し、前連結会計年度と比較して2.1%増の26,997百万円となりました。なお、事業譲渡の詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 企業結合等関係」をご参照ください。 (売上原価)当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して採用費等が減少したものの人事院勧告に伴う人件費増加が影響し、2.2%増の24,311百万円となりました。売上原価率は前連結会計年度の89.9%から当連結会計年度の90.1%と0.1ポイント上昇しました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、これまで戦略的に積み増してきたICT費用の一巡により、前連結会計年度に比べ2.6%減の1,827百万円となりました。販管費率は前連結会計年度の7.1%から当連結会計年度は6.8%と0.3ポイント改善しました。営業利益については、前連結会計年度に比べ8.7%増の858百万円と2期連続の過去最高益更新となりました。営業利益率は、前連結会計年度の3.0%から当連結会計年度は3.2%へ上昇いたしました。 (営業外損益と経常利益)当連結会計年度の営業外収益は9百万円、営業外費用は60百万円となりました。経常利益は設備投資に係る補助金収入の減少により前連結会計年度比1.5%減の808百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比68.6%減の130百万円となりました。当連結会計年度は、特別損失として減損損失605百万円を計上いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比71.7%減の72百万円となりました。なお、減損損失、事業譲渡関連費用の詳細につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結損益及び包括利益計算書関係」をご参照ください。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析イ.キャッシュ・フローの状況の分析当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」をご参照下さい。なお、今後の資金需要のうち主なものは、子育て支援施設等の設備投資、施設の運営費の支払いによるものであります。 ロ.財政政策当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。M&A等の成長投資が重要であり、これらの資金需要は内部資金又は長期借入により調達しております。2025年9月30日現在、長期借入金の残高は6,137百万円であります。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計2,780百万円の当座貸越契約を締結しております(借入実行残高550百万円、借入未実行残高2,230百万円)。

事業リスク

  • 少子化と待機児童減少
    日本の少子化は加速しており、2024年の出生数は前年比で大幅に減少しています。また、全国的な待機児童数も減少傾向にあります。これにより、将来的に園児数の確保が困難になる可能性があり、園児数に連動する収益が減少することで、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 国や自治体の方針変更リスク
    保育事業は国や自治体の方針や法規制に大きく影響されます。今後、補助金の削減や株式会社による保育所運営が制限されるなどの法改正が行われた場合、事業活動が制約を受け、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。政策変更は事業モデルの根幹に関わる重要なリスクです。
  • 人材確保の困難性
    保育士や指導員などの専門人材の確保は、保育の質を維持・向上させる上で不可欠です。しかし、人材獲得競争が激化する中で、必要な人材を確保できない場合、既存施設の運営や新規施設の開園計画に遅延が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。人件費の増加も収益を圧迫する要因となりえます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,940 文字
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の記載事項は特に断りがない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 少子化や待機児童減少等に伴う園児数の減少共働き世帯数の増加や女性の就業率上昇等を背景に保育所利用者数は高水準で推移しておりますが、2025年4月時点の全国待機児童数が2,254人と前年比313人減少したほか、2024年の出生数が68万6,173人と前年比4万1,115人減少するなど、外部環境が変化しております。当社グループが集中的に展開している東京都は人口流入が続いていることから比較的園児を獲得しやすい地域でありますが、外部環境の変化により将来的には想定した園児数の獲得が困難となる可能性があります。当社グループの収益は主に園児や児童の人数に応じて増減するため、想定した園児数等の獲得ができない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (2) 国や自治体による方針や関連法規制等の改正等2000年に認可保育所の運営に株式会社を含む多様な運営主体が認められて以降、子ども・子育て支援制度において、国及び自治体は待機児童解消に向け、様々な支援策を実施しておりますが、今後、国や自治体の方針につき改正等が実施され、補助金の削減や株式会社による保育所の開設が認められなくなる等となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループが現在運営する事業に関連する法規制は、児童福祉法、子ども・子育て支援法及び食品衛生法が主なものですが、今後、当社グループが運営する事業に関連する法規制の制定・改廃等が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。 (3) 認可事業等当社グループが運営する保育所は、認可保育所や東京都認証保育所などの施設形態に関わらず各施設を所管する自治体宛てに保育所設置の申請を行い、審査を経て、認可等を得た上で運営されております。当社グループが運営する保育所において、過去に認可等の取り消しが発生した事例はなく、本書提出日現在で認可等の取り消しが想定される事象は生じておりませんが、今後、何らかの事由により認可等が取り消された場合や新規施設の認可等が得られないような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (4) 施設運営に際しての事故等当社グループは、施設の運営において園児や児童の安全に配慮し、万全の体制で臨んでおり、これまでに業績に大きな影響を与えるような事故等は発生しておりません。しかしながら、万が一施設運営に際して重大な事故等が発生した場合、所管する自治体等から事業の停止命令を受けたり、訴訟の提起や風評被害等により多数の園児の退園や児童の退会が生じたりすることで当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (5) 人材確保当社グループは適正な保育の質維持向上のため、保育士や指導員、スタッフの確保が急務となるため、新卒採用の強化や社内研修体制の整備など、職員の採用強化と長期雇用に向けた諸施策に取り組んでおります。しかしながら、予定した人材の確保に遅れ等が生じた場合、既存施設の運営計画や新規施設の開園計画に遅延等を及ぼす可能性があるため、当社グループの業績にも影響を与える可能性があります。 (6) 食の安全当社グループは、給与栄養量(※)の目標を設定し、必要な栄養量が確保できるように献立を作成し各施設にて調理・提供しております。そのため、食品の購入及び検収に留意し、新鮮で栄養価の高い、安全なものを仕入れる方針であります。また、食品衛生法に沿った、厳正な食材管理及び衛生管理を施し、食中毒等の事故の防止に努めております。しかしながら、何らかの原因により食の安全性に重大な問題が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。(※)給与栄養量とは、厚生労働省が発表する食事摂取基準に基づく栄養素別の必要量に従い、当社で提供する昼食やおやつにおける必要栄養量を定めたものをいいます。 (7) 感染症の流行当社グループでは、安全な保育及び育成を提供するため、定期的な消毒の実施等により感染症についても厳重に対応しておりますが、新型インフルエンザやノロウイルス、新型コロナウイルス感染症などの感染症が流行した場合、従事する保育士や指導員、スタッフが多数欠勤することで施設の運営が困難となる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (8) 大規模な災害当社グループは首都圏を中心に子育て支援施設の運営を行っておりますが、地震や火災等の発生により施設の利用者や従業員、施設の建物等が被害を受けた場合には施設の運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (9) 個人情報保護当社グループでは、園児や児童及びその保護者の氏名や住所など多くの個人情報を保持しているため、厳重に管理のうえ、慎重に取り扱う体制を整えておりますが、万が一漏洩するようなことがあった場合には、利用者を含め広く社会的な信用を失うこととなります。その結果、多くの園児の退園や児童の退会、施設の新規開設等に影響が出ることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (10) 資金調達及び金利負担当連結会計年度末の借入金残高は6,687百万円、総資産額に占める比率は33.3%となっております。当社グループは、過去の保育所の新規開設に係る設備資金等は金融機関からの借入により調達しておりましたが、大幅な金利の上昇は支払利息が増加するなど当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (11) 固定資産の減損当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す最小単位に基づき、施設を基本単位として資産のグルーピングを行っております。運営する施設の業績が著しく悪化し改善の見込みがない場合、あるいは新規開設から一定期間を経過しても業績改善の見込みがない場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額する減損損失を計上します。減損の兆候の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の前提条件の変化により、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 (12) 新たに保育所等の施設を開設した場合の経営成績に対する影響① 新たに保育所等の施設を開設した場合、当社グループの経営成績に対する影響を個々の施設ごとに見ると、一般的な例として以下のような特徴があります。営業損益・・・開設時には3歳~5歳児等が必ずしも定員を満たさない場合があるため、開設初年度から数年間は営業赤字となることがありますが、児童年齢の持ち上がりとともに年々、改善される傾向にあります。このため、新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、一時的に営業損益の悪化要因となる傾向があります。営業外収益・・新規園開設資金のうち一部(内装工事費等)に対して自治体から補助金が交付された場合、営業外収益の「補助金収入」に計上されます。このため新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、補助金収入(営業外収益)の増加要因となる傾向があります。営業外費用・・新規園開設資金のうち費用処理されたものが営業外費用の「開設準備費用」に計上されます。このため新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、開設準備費用(営業外費用)を増加させる可能性があります。新規施設の開設準備については計画的に行っておりますが、想定外の費用が発生した場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこれまで積極的な新規開設を行ってきたため、経営成績における新規開設の影響が大きくなっていましたが、運営施設数に対する新規施設数の割合が減少するに伴い、今後は影響が徐々に緩和されるものと考えています。 ② 自治体からの補助金により固定資産を取得した場合には、税務上、固定資産の取得価額から補助金の額を控除することが認められています(「圧縮記帳」と呼ばれます)。財務会計において圧縮記帳の方法は2つあり、1つは補助金の額を控除した残額を固定資産に計上し、毎期の減価償却費も控除後の額をもとに計上する方法です(「直接減額方式」と呼ばれます)。もう1つは補助金を収益計上し、固定資産は補助金控除前の金額で計上する方法です(「剰余金処分方式」と呼ばれます)。当社グループは剰余金処分方式を採用しております。剰余金処分方式の場合においても、利益剰余金と税額の計算により、税務上の効果は直接減額方式と同様になります。しかし直接減額方式を採用する場合と比較すると、新たに保育所等を開設した事業年度においては補助金収入が計上されるものの、その後の減価償却費は多額に計上されることになります。 (13) 投資に関するリスク中長期的な観点から、事業戦略、取引関係の維持・強化、円滑化を通じて、当社の企業価値の増大に資すると認められる株式について保有する場合があります。その実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容やリスクを検討したうえで決定しておりますが、実施後の事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られないと判断された場合には、のれん等の無形固定資産や投資有価証券等の減損損失を認識することにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

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