事業等のリスク
日本郵政グループは、ユニバーサルサービス提供に関するリスクを抱えています。郵便・物流事業では、人件費や物価高騰、ドライバーの労働時間改善への対応など、厳しい事業環境が続いています。デジタル化の進展による郵便物数の減少も課題です。これらの要因により、公共性と収益性の両立が困難になる可能性があります。また、収益性追求の過程でコンダクト・リスクや運用リスクが顕在化する可能性も指摘されています。経営陣はこれらのリスクを金融・戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類し、管理体制を強化しています。
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|29,989 文字
3 【事業等のリスク】下記Ⅰ~Ⅲにおいて、当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しております。ただし、当社グループの事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。下記「Ⅰ. 当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」に、当連結会計年度末現在において当社経営陣が特に重視する事項について、その他の重要なリスクは下記Ⅱ及びⅢに記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <当社グループのリスク管理態勢> 当社は、2024年4月より、当社のリスク管理機能をクライシスマネジメント機能に統合し、当社グループの事業に関するリスクをクライシスマネジメント統括部が一元的に管理することによって、「危機の未然防止」、「リスク顕在化の早期把握」、「影響極小化」の三位一体の取組を進めているところです。リスク管理の取組としては、新たに新興リスク(未知のリスク)を含め、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクの統制を強化することにより、グループに重大な影響を与える可能性のあるリスクの顕在化を未然に防止する仕組みの整備を行うとともに、リスク発生時の経営陣への報告の迅速化にも取り組みます。また、リスク管理とクライシスマネジメントの統制範囲を整合させることで、リスクが顕在化した際の危機管理等へのスムーズな移行を実現します。さらに、グループガバナンス強化のためグループのリスク管理統括責任者として、執行役の中から「グループ・チーフ・リスク・オフィサー(グループCRO)」の選任、事業子会社のリスク管理担当役員をメンバーとする「グループリスク・コンプライアンス委員会」等を通じて、グループ各社のリスク管理の向上に向けた情報共有・協議等を実施しています。なお、事業子会社は、自社のリスク管理を統括する部署を定め、自ら主体的に自社の事業特性に応じたリスクの特定、評価、制御、モニタリング等のリスク管理を行うとともに、当社に対し必要な報告をする等のリスク管理態勢を整備しています。リスク管理に係る事項は「リスク・コンプライアンス委員会」で審議し、経営会議に報告しています。さらに、重要な事項は、経営会議において審議するとともに、取締役会に審議を求め、又は報告しています。 これらの取組を行うことで、当社グループの永続的な健全経営を目指していきます。 日本郵政グループのリスク管理態勢 <グループ重要リスク管理>当社は、外部環境の変化や事業戦略等を踏まえ、毎年、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(グループ重要リスク)の見直しを行っております。具体的なリスクの特定、評価については、取締役及び執行役へのアンケート(役員アンケート)を通じて行い、改善策の策定、取組状況のモニタリング等を経営陣が行うPDCAサイクルを回しております。 Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク 当社は、「金融・戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分けて行った役員アンケートに基づき、グループ重要リスクのうち発生可能性と当社グループの業績への影響度の観点から特に優先度の高いものを「経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」(以下「トップリスク」)としております。下図はトップリスクの相対的な位置づけを図示したものであります。ここに記載した各リスクの発生可能性、影響度、優先度は、有価証券報告書提出日現在における当社経営陣の認識であり、発生可能性、影響度又は優先度を「小」と記載したリスクが発生し当社グループの事業等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではありません。 (金融・戦略リスク) (オペレーショナルリスク) (金融・戦略リスク)1.ユニバーサルサービス提供に関するリスク当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、ユニバーサルサービス確保の責務を負っております。当責務については、2015年9月「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会の答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされました。こうした中、同審議会による2019年9月「郵便サービスのあり方に関する検討」に関する答申においては、郵便サービスを「あまねく、公平に」安定的に提供し続けるため、そのあり方について検討結果が取りまとめられ、郵便法改正を経て、日本郵便において土曜日配達の休止、お届け日数の繰り下げなどの見直しを行いました。上記見直し後も、ユニバーサルサービスの維持に当たっては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費、社員の人件費等が発生しております。また、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇により、ユニバーサルサービス維持のためのこれらの費用負担は増大しつつあります。今後、電子メールやウェブサイト等インターネットを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、郵便、貯金、保険といった郵便局で提供するサービスのご利用が減少した場合であっても、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があることから 、収益性の低い事業又は拠点を縮小する等の対応が制限される可能性があります。一方、ユニバーサルサービスを維持し、全国あまねく有人店舗展開を行うことは、他社にない当社グループの強みでもあります。お客さまが対面で相談したいというニーズに今後もお応えするため、当社グループの中期経営計画のもと、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現に向けて他社や地方公共団体と連携を図りながら、物販サービス、地方公共団体事務、終活紹介サービス等、日常生活をサポートするためのサービスを充実させ、郵便局らしい温かみのあるサービスの提供を行い、郵便局の価値・魅力及び収益力の向上に取り組むとともに、業務運営のデジタル化等により業務効率化を図ってまいります。その上で、郵便サービスの安定的な提供及びお客さまへのサービス向上の実現のため、2024年6月に施行された郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を受け、2024年10月に、郵便料金の改定を実施しました。 しかしながら、このような取組が奏功せずに公共性と収益性を両立できなかった場合、郵便局ネットワークに対するステークホルダーの支持を失う可能性や、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、ユニバーサルサービス維持のための費用負担の増大から当社グループの損益が大幅に悪化した結果、事業運営コストを賄うために収益性を過度に追求した営業や過度のリスクを伴う資金運用を行った場合、コンダクト・リスクや運用リスクが顕在化する可能性もあります。 2.郵便・物流事業に関するリスク物流業界においては、激しい競争が継続する中、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇に加え、2024年4月から施行されたドライバーの労働時間の改善等への対応を迫られる等、業界を取り巻く環境は極めて厳しい状況となっております。このような状況を踏まえ、競合他社においても、宅配運賃等の値上げを実施する動きがみられ、日本郵便においても、2023年10月にゆうパック運賃の改定を実施しております。郵便事業においては、デジタル化の進展に伴う郵便物数の減少に加え、物流業界同様に、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇等、取り巻く環境が引き続き厳しい状況の中で、郵便サービスの安定的な提供を維持していくため、2024年6月に施行された郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を受け、2024年10月に、郵便料金の改定を実施しております。これらの取組を実施したものの、当事業年度の郵便・物流事業は、前事業年度に続き営業損失を計上しました。郵便・物流事業において、業務効率化の努力を続けるとしても更なる運賃改定や料金改定が必要となる可能性もあります。また、EC市場やフリマ市場は成長を続けており、これらを取り込むことは日本郵便にとって急務となっています。このような状況に対応するため、日本郵便は、ラストワンマイルにおける自動二輪車の機動力を活かせる小型荷 物を中心とした戦略による荷物収益の拡大を目指してまいります。商品・サービスの改善及び営業体制・営業力の 強化並びに他企業連携等を通じた収益力の向上、お客さまの利便性と業務の効率化が両立する生産性の高いオペレーションの実現、機械化の推進や輸配送手段の見直し等により事業を取り巻く環境変化に対応できる強靭な輸配送ネットワークの実現を目指し、郵便・物流事業改革に着実に取り組んでまいります。 しかしながら、これらの施策が計画どおり進まない場合や、デジタル化の進展に伴う郵便物数等の減少が想定よりも著しく進行することにより、各種料金を改定したとしても補いきれないほどの減収が日本郵便に生じた場合、他社との競争激化の中で荷物等収益の低迷が継続した場合、他社との協業が奏功しない場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、2025年6月5日、日本郵便は、国土交通省から一般貨物自動車運送事業の許可取消処分の聴聞の通知を受領しました。その後、同6月17日に行政処分を受け入れる旨国土交通省に報告しました。有価証券報告書提出日時点において、行政処分執行後は、日本郵便の一般貨物自動車運送事業の許可が取り消される見込みであり、日本郵便が保有する1t以上の車両(約2,500台のトラック/全国の約330局の郵便局で使用)について使用できなくなる見込みです(なお、当該許可が取り消される場合、5年間は当該許可を再取得することはできなくなります。また、軽貨物営業所となる郵便局に対する特別監査は、現時点においても継続しており、今後、監査結果を受けて、軽四輪自動車の使用停止処分が下される可能性があります。)日本郵便としては、他の運送会社へ委託を行うことを基本に、確実な点呼の実施を大前提として、日本郵便が保有する軽四車両(約32,000台)等を使用することにより、行政処分執行後においても、郵便物及び荷物(ゆうパックなど)のサービスについては、ご利用いただいているお客さまにご迷惑をおかけすることがないよう、引き続き確実かつ適切に提供してまいります。これまで、点呼適正化に向けて、①意識改革、②ガバナンスの強化、③点呼のデジタル化、④モニタリング等の取組を実施し、点呼不備の根絶に向けて全力で取り組んできております。また、今回の事態に至った責任を重く受け止め、責任の所在及び度合いを勘案して責任を明確化しました。現時点では従来と同様に郵便・物流事業を運営できる見込みですが、代替手段の実施に伴い、委託費等の費用が増加するなど、業績に影響が生じる見込みです。加えて、日本郵便の郵便・物流事業においては、前事業年度と当事業年度で2期連続の営業損失を計上しているため翌事業年度に営業損失の計上が見込まれる場合や、重大な法令違反により経営環境が著しく悪化した場合には、郵便・物流事業で使用している固定資産について、減損損失を計上する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.金融商品の営業活動に関するリスク当社グループは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指し、お客さま本位のサービスを提供するための取組を展開しております。郵便局窓口においては、より高品質なお客さまサービスを提供できるように、窓口オペレーション改革による営業活動時間の創出等を進めると同時に、地域事情に応じた窓口社員の柔軟配置、全社員の知識・スキル強化、お客さまとの良好な信頼関係構築に向けた人材育成等に取り組んでまいります。また、投資信託の販売においては、全国の郵便局と金融コンタクトセンター等をリモートで接続し、約2万拠点で投資信託(NISA)の受付を可能とする、リアルとデジタルを融合した当社グループの強みを活かした販売態勢の強化に取り組んでおります。生命保険の販売においては、お客さま一人ひとりにとって信頼できる気軽な相談相手となり、ライフステージや世代を超えて安心を提供し続けることで、お客さまから選ばれることを目指しています。また保有契約を維持・拡大するため、質と量を伴ったアフターフォローの充実により、多様なお客さまニーズを把握し、それらに応えられる商品ラインアップの拡充を図っております。しかしながら、このような取組が奏功せず、新商品の開発や既存商品の改定がお客さまのニーズに応えられないこと、営業方針を理解浸透できないことや社員のスキルが不足すること等により販売実績が低迷し、また、長期的な保有契約件数及びエンベディッド・バリュー(EV)の減少等につながった場合等には、当社グループの収益が大幅に減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.新規事業・資本提携・業務提携・M&Aに関するリスク(1) 新規ビジネス、資本・業務提携・外部委託先に関するリスク当社グループは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を通じた新規ビジネスの創出に向けて、当社グループ外の企業との間で様々な資本・業務提携、外部委託を行っております。日本郵便と楽天グループ株式会社の両社が出資するJP楽天ロジスティクス株式会社においては、持続可能な発展のため、輸配送ネットワークの拡充等に取り組んでいます。また、佐川急便株式会社との取組として、「飛脚ゆうパケット便」、「飛脚グローバルポスト便」及び「不在持ち戻りとなった佐川急便の荷物を郵便局の窓口で受け取る」サービスを展開しているほか、「郵便局カタログ」商品を「飛脚クール便(冷凍)」でお届けする取組を行っております。加えて、日本郵便は、2024年5月にはセイノーグループと業務提携契約を締結し、幹線輸送の共同運行等により輸送効率を向上させる取組を行っております。また、日本郵便は、ヤマト運輸株式会社との2023年6月の合意に基づき、「クロネコゆうパケット」及び「クロネコゆうメール」の引受を開始しておりましたが、2024年10月に、ヤマト運輸側の一方的な事情で、2025年1月から当面の間「クロネコゆうパケット」の運送委託を停止させる申し入れを受けました。日本郵便はこれを受け、ヤマト運輸を相手方とする損害賠償等請求訴訟を進めております。その後、2025年1月にヤマト運輸から「クロネコゆうパケット」の運送委託は継続するものの、2025年1月31日に終了予定だったネコポス販売の継続について発表がありました。これにより、日本郵便の配送網を活用した「クロネコゆうパケット」の全国展開は当初の取扱想定個数を大幅に下回っております。2024年3月末より、アフラック・インコーポレーテッドに対して持分法を適用することとし、2024年度から同社の利益の一部を当社グループの連結業績に反映しております。また、当社グループは、これらと並行して、社会課題解決と収益機会の両立に向けた新規ビジネス等をグループ横断的な体制で検討しております。こうした資本・業務提携、外部委託については、シナジー効果を含めたモニタリングを実施しておりますが、目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りの効果が得られない場合、要員や設備等の必要なオペレーション基盤を整備できないことにより、業務拡大が奏功せずに多額の費用負担や投資に係る減損損失が発生した場合、提携先・投資先において違法行為・不正行為・顧客情報等の漏えい・不祥事等が発生した場合、資本提携先の業績や株価が低迷した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新規ビジネス等による成長戦略が実現できず、ビジネスポートフォリオ転換が進まなかった場合等には、同様に、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。今後、日本郵便とヤマトホールディングス株式会社及びその子会社との関係性が悪化し協業が維持できない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他の企業の買収に関するリスク物流業界全体が難局にある中、強力な幹線輸送ネットワークの構築等を目的として、2025年2月末から4月にかけて、日本郵便において子会社であるJWT株式会社を通じてトナミホールディングス株式会社の株式に対する公開買付けを実施いたしました。本公開買付けにより、本公開買付けの決済日である2025年4月17日付で、議決権の所有割合は87.24%となり、当社の連結子会社となりました。同社は、5月30日に開催した臨時株主総会において株式併合の実施を決議しており、これによって効力が発生した場合には同社はJWT株式会社の完全子会社となり、JWT株式会社の商号を「JPトナミグループ株式会社」に変更する予定です。 こうした企業の買収については、当該事業分野の競争激化や当社のノウハウ不足から業務範囲の拡大が功を奏せず、過度の人的・物的負担が生じる可能性があり、また、買収先企業を当社グループ事業と統合する上では、買収先企業の重要な顧客等との良好な関係を維持できない、買収資産の価値が毀損し損失が発生する、又は買収先企業の経営陣を含む人材流出が発生する等により、当初想定した成果をもたらさず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5.デフレからインフレへの事業環境の変化に伴うリスク近年、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等による燃料価格や食品価格の急騰や、2022年以降の日米金利差の拡大に伴う円安の進行等を背景に、国内では物価上昇が続いています。2025年度も、円安の長期化等によって、物価は引き続き上昇傾向にあります。日本郵便の事業は労働集約型であり、全国に約2万4,000か所の郵便局を展開しており、燃料価格をはじめとする物価や人件費等の上昇等の影響を受けやすい構造になっています。このような状況に対応するため、地域事情等に応じた社員の柔軟な配置やDXの推進による効率化等を進めることで、コスト上昇に歯止めをかけると同時に、コストに見合う各種料金への改定等を実施・検討することにより、物価高騰による影響の最小化に向けて取り組んでおります。しかしながら、このような取組が奏功せず、グループ内の効率化が進まないこと、各種料金の改定により想定以上の顧客離れが生じること等によって、物価高騰の影響を低減できなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 6.金融2社の株式売却に関するリスク当社は、郵政民営化法において、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービスの履行への影響等を勘案しつつ、保有する金融2社の株式をできる限り早期に処分するものとされており、当社グループの中期経営計画において、金融2社株式の保有割合を50%以下とすることを目指しております(下記「(参考)①日本国政府による当社株式の保有状況及び当社による金融2社の株式保有状況(2025年3月期末日時点)」をご参照)。かんぽ生命の株式については2021年5月に売出しを実施し、保有割合は50.0%以下となりました。ゆうちょ銀行の株式については2025年3月に売出しを実施し、保有割合は50.0%となりました。また、2025年5月15日に公表したとおり、当社は、保有するゆうちょ銀行株式に係る株式処分信託へ拠出し、保有割合は49.9%程度となる予定です。今後の当該株式の売却については、証券市場への影響に配慮し、時期、売出回数、規模等を慎重に検討し進めていく所存でありますが、適切な時期に適切な条件で売却できず、売却収入が当社保有の金融2社株式の帳簿価額を下回った場合には、当社の損益計算書に売却損失を計上する可能性があります。(下記「(参考)②金融2社株式処分の連結財務諸表への影響」をご参照)。また、想定通りに売却が進まない結果、金融2社に係る郵政民営化法上の上乗せ規制が撤廃されず金融2社の経営自由度の拡大が実現できない可能性もあります(下記「Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」をご参照)。当社グループの利益の大部分を占めるのは金融2社の利益であり(下記「(参考)③セグメント利益・資産(2025年3月末現在)」をご参照)、金融2社の株式の売却が進み、当社の持分比率が減少することで、親会社株主に帰属する当期純利益が減少することにより、当社の財務の健全性の確保ができなくなるほか、キャッシュ・フローの悪化、資金調達能力が制限される可能性があります。また、当社が金融2社から受け取る配当金が減少することにより、当社の期待する配当原資の確保ができなくなる可能性があります。また、当社が金融2社の株式を処分しその持分が低下するのに伴い、金融2社以外の事業のウェイトが高まり、当該各事業における収益の悪化が、当社グループの事業、業績及び財政状態に、より影響を及ぼすことになります。さらには、金融2社の株式保有割合が低下することにより、当社の利益と金融2社の少数株主の利益が相反し、金融2社の意思決定が、当社グループの意向に沿わないなど、グループの一体的な業務運営が難しくなる可能性があります。また、顧客離れ、ブランド力低下により当社グループの収益が金融2社の持分低下の影響を超えてさらに低下する可能性もあります(下記「(参考)④議決権等議決事項(2025年3月末現在)」をご参照)。当社としては、株式売却により得た資金を活用して、資本の効率化の観点から自己株式取得も行いつつ、コアビジネスの充実・強化に向けて、成長分野へのリソースシフトを推進します。加えて、郵便局を核としたグループ運営を徹底し、グループ各社の経営方針の整合性確保や、グループ内の人事交流、情報共有を図り、グループガバナンスを維持してまいります。しかしながら、それらが機能しなかった場合、金融2社に代わる事業基盤やグループのシナジー効果を確保できず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (オペレーショナルリスク)1.人的リスク2025年3月末現在、当社グループは、全国に20万人を超える従業員を配置しておりますが、少子高齢化による労働人口の減少や労働市場の逼迫に加え、給与水準が他社に劣後する等、当社グループの魅力や優位性が低下した場合、人材の確保が困難となる可能性があります。郵便・物流事業では、郵便物や荷物の配達・集荷等の業務において、多数の協力会社に協力をいただいていることから、協力会社とのパートナーシップ構築に向けた取組を進めております。一方、2024年4月から、自動車運転業務に係るドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されたことを受けて、トラックドライバー等の人手不足が深刻化し、適切な水準の人員の確保が困難となる可能性があります。加えて、DX推進に必要なIT等の高度な専門性を有する人材の確保も、競争激化から困難となる可能性があります。また、魅力的な労働環境を提供できなかった場合、あるいは人事処遇やハラスメント等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、人材の流出・不足を招く可能性があります。さらに昨今、国内の賃金水準が上昇しており、物価上昇及び労使交渉・労働法制の変更等を受けて給与等を増額した場合には、1人当たりは小さな増額であっても、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、かかる事態に対処するため、働きやすい職場づくり、労働条件の整備、人材育成や評価・処遇の仕組みの見直し、DE&Iの推進(女性活躍・高齢者就業・障がい者雇用・外国人雇用・性の多様性への対応等)による真の多様性の実現、人材ポートフォリオの多様化、ハラスメント相談体制の整備等を通じた社員の誇りとやりがいの向上に向けた取組と柔軟で多様性のある組織への転換を推進しておりますが、かかる施策が奏功しない場合には、人員不足、人件費の増加、競争力の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、人的資本に関する事項は、先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 2.サイバー攻撃に関するリスク(セキュリティの脆弱性を含む)当社グループは、郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している中で、事業運営上のシステムへの依存度が高い状況にあります。さらにリアルとデジタルをシームレスに連携し、幅広い世代・地域のお客さまへ新しい価値を提供するため、グループ一体でのDXを推進しており、今後ますますその重要性が高まることが予想されます。一方、近年増加の著しいサイバー攻撃や各種サービスの不正利用により企業・団体が保有する個人情報等の漏えいが多発しており、当社グループにおいても、サイバー攻撃の高度化、インターネットを介したお客さまとの双方向アクセス増加、在宅勤務(テレワーク)の拡大等の結果、当該リスクが高まっております。こうした中、当社グループのサイバーセキュリティ担当役員で構成するグループサイバーセキュリティ委員会を設置し、グループ全体でセキュリティの高度化の推進、セキュリティ専門家による点検・指導、対策推進等サイバー攻撃への対応に努めております。不正アクセス等のサイバー攻撃に対しては、メール受信やWeb閲覧に対するウイルス感染抑止等の入口対策、外部デバイスの接続制限や、許可された通信先以外の遮断等の出口対策を講じ、恒常的にサイバーセキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。加えて、各種サイバーセキュリティ演習を実施し、事業継続も含めたインシデントレスポンス能力の向上などに努めております。しかしながら、当社グループのシステムへの攻撃、各種サービスの不正利用により、事業が大規模かつ長期間に亘り停止又は制約を受けるような事案が発生した場合、さらに、お客さま対応に不備が生じ社会的信用の低下を招いた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.法令等違反に関するリスク当社グループでは、貯金払戻金窃取や郵便物等の放棄・隠匿事案等が複数件発生しており、発生原因の分析、再発防止策の検討等を行い、法令等違反の撲滅に向けて、コンプライアンスの徹底・強化、並びにグループガバナンス及び内部統制の強化に取り組んでおります。また、当社グループは、2019年12月にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る諸問題に関し、監督当局からの行政処分を受け、2020年1月に策定した業務改善計画に基づき各種施策に取り組み、外部専門家で構成されたJP改革実行委員会のモニタリングを受けながら、お客さまからの信頼回復を図ってまいりました。当社グループは、2023年12月26日付で、業務改善計画に基づく監督官庁への定期報告を以後不要とする旨の通知を総務省及び金融庁から受けましたが、引き続き、適切な業務運営への取組に努めてまいります。さらに、当社グループは、お客さまの声や内部通報制度等を通じた社員の声の収集・分析を行い、潜在的なリスクを検知して防止策を講じ、法令等遵守を徹底してまいりました。一方で、当事業年度に郵便局において、事前にお客さまから同意をいただかないまま、お客さまの貯金の非公開金融情報(注1)を用いて、保険募集や投資信託等の販売を目的とした来局のご案内等を行った、法令に違反する事案が確認されました。また、日本郵便及びかんぽ生命保険の社員である生命保険募集人が、2024年1月に販売を開始した一時払終身保険に関して、販売に係る保険業法上の認可を取得する前にお客さまへ勧誘を行っていた事案が確認されました。当社グループは、両事案について、2025年3月に監督当局から報告徴求命令を受領しました。当社グループでは実態把握のための調査を実施し、発生原因を分析し、その結果を踏まえた真因分析に基づく再発防止策を2025年3月18日及び5月19日に策定のうえ、着実に実行しているところです。また、上記の違反以外にも、2024年6月には、郵便局における委託先業者への下請法違反に対し、公正取引委員会からの行政指導を受けております。このほか、2025年3月には、法令で定められた点呼業務(注2)を実施しないまま配達業務を行った事案について全国調査を行い、2025年4月23日に調査結果及び再発防止策等について国土交通省及び総務省へ報告しました。同日、総務省から本事案の再発防止策及びユニバーサルサービスの確保等に関して報告徴求命令を受領しております。また、2025年6月5日、日本郵便は、国土交通省から一般貨物自動車運送事業の許可取消処分の聴聞の通知を受領しました。その後、同6月17日に行政処分を受け入れる旨国土交通省に報告しました。有価証券報告書提出日時点において、行政処分執行後は、日本郵便の一般貨物自動車運送事業の許可が取り消される見込みであり、日本郵便が保有する1t以上の車両(約2,500台のトラック/全国の約330局の郵便局で使用)について使用できなくなる見込みです(なお、当該許可が取り消される場合、5年間は当該許可を再取得することはできなくなります。また、軽貨物営業所となる郵便局に対する特別監査は、現時点においても継続しており、今後、監査結果を受けて、軽四輪自動車の使用停止処分が下される可能性があります。)。日本郵便としては、他の運送会社へ委託を行うことを基本に、確実な点呼の実施を大前提として、日本郵便が保有する軽四車両(約32,000台)等を使用することにより、行政処分執行後においても、郵便物及び荷物(ゆうパックなど)のサービスについては、ご利用いただいているお客さまにご迷惑をおかけすることがないよう、引き続き確実かつ適切に提供してまいります。これまで、点呼適正化に向けて、①意識改革、②ガバナンスの強化、③点呼のデジタル化、④モニタリング等の取組を実施し、点呼不備の根絶に向けて全力で取り組んできております。また、今回の事態に至った責任を重く受け止め、責任の所在及び度合いを勘案して責任を明確化しました。現時点では従来と同様に郵便・物流事業を運営できる見込みですが、代替手段の実施に伴い、委託費等の費用が増加するなど、業績に影響が生じる見込みです。上記のような態勢・予防策・再発防止策を構築・実行してまいりますが、これらの態勢・予防策・再発防止策が十分な効果を発揮せず、法令等違反が発生した場合には、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (注1)非公開金融情報:お客さま対応等の中で知った、お客さまの金融取引や資産に関する、通常、本人しか知りえない情報(具体例:口座残高、引落情報、保有ファンドの状況等) (注2)点呼業務:貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条において、事業用自動車の運行の業務に従事しようとする運転者等に対して酒気帯びの有無等の確認を行うことと定められているもの。 4.大規模災害発生時の事業継続等に関するリスク当社グループは、国内外で事業活動を行っており、各国・地域における地震、台風、洪水、大雪等の大規模自然災害、感染症の大流行、戦争、テロリズム等の人的災害、水道、電気、ガス、通信、金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、当社グループの店舗その他の設備や施設の損壊等が生じた場合、当社グループの事業運営に支障をきたし、設備やインフラの回復、お客さまの損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。特に、かんぽ生命保険においては、大規模災害や感染症の大流行に起因して、危険準備金を超える保険金・給付金の支払いが発生する可能性があります。グループ各社は、緊急事態が発生した場合に優先的に再開させる重要業務を明確にし、事業継続と復旧をスムーズに実現させるための事業継続計画(BCP)を策定し、緊急時の危機管理体制を整備しております。しかしながら、同計画による対応を適切に行ったとしても、緊急事態の規模や状況によっては、事業活動を円滑に継続、又は早期に業務が復旧できる保障はなく、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済・政治情勢その他の事業環境の変化に伴うリスク① 郵便・物流事業等近年、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢が長期化し、台湾有事をはじめ東アジア情勢にも懸念が募る等、地政学リスクが高まりつつあります。加えて、2025年以降は、米政権の掲げる通商政策の進展によっては、世界的な貿易摩擦の発生や米中対立の激化につながり、ますます事業環境の不確実性が高まっていくことが危惧されています。これらの要因により、企業におけるサプライチェーン戦略に変化が生じた場合は、国際物流事業に影響を及ぼす可能性があります。また、エネルギー価格の高騰や世界経済の減速が生じた場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行業・生命保険業当社グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業から生じる収益により占められております。足元では米欧の金利引き下げ・本邦の利上げの動きから金利差が縮小し円高リスクが高まる中、世界的な金融政策の変更、地政学リスクの高まり等に起因する金融・資本市場の動揺、グローバル経済の減速懸念の中で、金融2社の海外金融資産の増加を受けて、海外クレジット市場の信用スプレッド拡大、外貨の調達、通貨ベーシスの拡大によるヘッジコスト上昇の影響で、保有資産の評価損、減損損失及び売却損の計上、剰余金の処分による分配可能額の減少・消失等が、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (市場リスク) (ⅰ)金利急上昇リスク今後の各国中央銀行の金融政策動向、国内外の景気変動、日本国政府の財政運営やその信認の変化、米国政権の経済政策の動向等、様々な要因により急激な金利上昇が生じ、当社グループの保有資産の価値が大幅に下落するリスクや、定額貯金(預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)等の預け替え、保険の解約が進むリスクがあります。ゆうちょ銀行では、数十兆円規模の海外金融資産を保有しており、海外クレジット市場の信用スプレッド拡大時にはこれら海外金融資産の価格が下落し、保有する投資信託における収益認識できない特別分配金の発生等を通じて収益が大幅に減少する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (ⅱ)金利低下リスク日銀の金融政策の転換により、国内の金利は上昇傾向にありますが、今後金利が低下し、再び低金利環境となった場合は、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の債券運用収益が低位で推移し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ゆうちょ銀行については、保有する金融資産と貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等に差異が存在すること、金利の低下による運用収益の減少に比して相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少するリスクがあります。かんぽ生命保険については、保険契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であること、既に保有している保険契約の予定利率は変わらないことから、当初想定していた運用収益が確保できない、さらに逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均運用利回りが既契約の責任準備金の積立てに用いた予定利率を下回る現象)となるリスクがあります。 (ⅲ)その他の市場リスク直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に保有している株式(プライベートエクイティファンドを含む。)の株価が、国内外の経済状況又は市場環境の変化によって変動する場合、保有有価証券に評価損・減損損失や売却損等が生じる可能性があります。外貨建て資産については、その大部分は為替リスクを軽減する目的から通貨スワップや為替予約等によりヘッジ取引を行っておりますが、大幅な為替相場の変動が発生した場合、非ヘッジ部分に係る差損が発生し、又は通貨ベーシスの拡大が発生した場合、外貨調達コストが増加すること等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (信用リスク)有価証券の発行体や貸出先などの債務者において、国内外の経済情勢の深刻な影響や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、誤った経営判断、不祥事、その他不測の事態による財政状態の悪化等が生じた結果、与信関係費用が増加し又は保有する有価証券等の価値が下落する可能性があります。 (市場流動性リスク・資金流動性リスク)金融市場の混乱等により、市場の流動性が減退した場合、市場において正常に金融商品の取引・資金決済ができなくなる場合、大量解約に伴う解約返戻金の増加、巨大災害に伴う保険金の大量支払等により資金繰りが悪化した場合には、保有する資産の価値が減少する可能性、不利な価格での取引を余儀なくされる可能性、また、資金調達コストが上昇する可能性があります。 これらのリスクに対し、金融2社では中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、財務健全性の観点からストレス・テスト等を実施し、また、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行うことにより、リスク等を適切に管理し必要な法令上の規制比率を確保しておりますが、金融・資本市場、国内外の経済情勢その他事業環境の大幅な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合に関するリスク当社グループの事業はいずれも激しい競争状況に置かれており、競業他社は、AI・Fintech・テレマティクス等の技術の活用、事業環境の変化、事業戦略の変更等で、競争力の優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。また、近年、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制や業務範囲等の規制緩和が行われている中で、当社グループが市場構造の変化に対応できない可能性があります。特に、物流事業における競争は激しく、競業他社が競争力のある価格でサービスを提供することが日本郵便のシェアに影響を与えます。また、他の物流事業者同士の提携や他の物流事業者とEC事業者の提携、主要なECプラットフォーマーによる独自の物流サービスの展開等が進んでおり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生する可能性があります。こうした中、当社グループの中期経営計画で掲げた、お客さまサービスの向上やDXの推進によるビジネスモデル等の変革に取り組んでおりますが、かかる取組が奏功しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、当社グループは新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約される可能性があります。当社グループの中期経営計画で新たな成長戦略に取り組んでおりますが、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの法的規制については、先述の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項」をご参照ください。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便約款や業務委託の認可制、全国一律料金制度といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。また、民間事業者による信書の送達に関する法律に基づき、一般信書便事業は一定の参入条件が課された許可制とされております。現時点において参入している民間事業者はありませんが、同法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生する可能性があります。これらの規制の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制金融2社は、銀行法及び保険業法等に基づき、自己資本比率規制及びソルベンシー・マージン規制を含む金融業規制を受けており、銀行持株会社・保険主要株主である当社も、銀行持株会社としての連結自己資本比率規制を含む各種規制を受けておりましたが、株式処分信託の拠出により、当社のゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は49.9%程度となり、銀行法に基づく規制は銀行持株会社としての規制から銀行主要株主としての規制に変わることとなる予定です。また、銀行業におけるバーゼルⅢ規制の最終化や保険業における経済価値ベース規制等の新たな規制の導入や、国際的な監督規制として、システム上重要な銀行(SIBs)に対する規制が課せられる可能性もあります。一方、日本郵便は、銀行法に基づき、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、内閣総理大臣の承認を得ない限り、法令で定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際のお客さまへの説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、保険業法に基づき、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、お客さまに対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。当社グループが上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可、免許又は登録の取消し、業務の一部又は全部の停止、改善措置等を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [当社グループが受けている主な許認可等]許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項銀行主要株主の認可※銀行法第52条の9第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の15第1項保険主要株主の認可保険業法第271条の10第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の16第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。※ゆうちょ銀行に対する議決権保有割合が50%以上の場合は「銀行持株会社の認可」を、50%未満の場合は「銀行主要株主の認可」を受けます。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等日本国政府は、郵政民営化法により、当社株式の発行済株式総数の3分の1超を保有する義務を負っていることから、引き続き当社に重要な影響を及ぼしうることになります。また、当社が将来、日本国政府の保有割合が発行済株式総数の3分の1を下回るような新株式の発行による資金調達を実施する場合、日本国政府にも一部を割り当てることが必要となるところ、その条件等について日本国政府と合意できずに、資金調達を断念せざるを得なくなる可能性があります。その他、当社グループに関する日本国政府の利益は、当社のその他の株主の利益と相反する可能性があり、また、日本国政府が、株主としての経済的利益よりも公共政策上の判断等を優先した場合等には、当社のその他の株主の利益に反する支配力又は影響力の行使がなされる可能性があります。当社及び日本郵便は、日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法により、新規業務、株式の募集、取締役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定等を行う場合には、総務大臣の認可(日本郵便の新規業務は届出)が必要とされております。金融2社は、郵政民営化法により、新規業務、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。また、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(金融2社におけるこれらの規制を「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。なお、かんぽ生命保険については、当社が株式の2分の1以上を処分した旨の総務大臣への届出を行っております。また、当社は、株式処分信託への拠出により、当社が保有するゆうちょ銀行普通株式17,993,700株を処分する予定です。処分後は、当社のゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は49.9%程度となり、郵政民営化法第62条第2項に基づき、ゆうちょ銀行の株式の2分の1以上を処分した旨の総務大臣への届け出を行う予定です。届け出以降は上記業務について、認可は要しなくなったものの、内閣総理大臣及び総務大臣への届出は要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社及び銀行との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。こうした事業活動への一定の制約は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール当社、日本郵便及び金融2社は、公社を承継した機関として、WTO政府調達協定及びその他の国際協定の適用対象となる物品及びサービスを調達する場合には、国際協定に定める手続の遵守が求められます。当社及びグループ各社は、適切な調達に向けた態勢を整備しておりますが、当該手続を遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは遅れが発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) マネー・ローンダリング等に関するリスク金融犯罪が多様化かつ高度化し、世界各所でテロ犯罪が継続的に発生する等、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策(以下「マネロン等対策」といいます。)の重要性が急速に高まっております。本邦においては、2021年8月の我が国のマネロン等対策に関する法規制の遵守状況及び対策の実効性を審査するFATF第4次対日相互審査結果の公表及び本邦の行動計画の策定等を受けて、マネロン等対策の強化が課題となっております。当社グループの商品・サービス、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、銀行口座の不正使用等が発生した場合には、当社グループに対する社会的信用が低下する可能性があります。このため、当社グループは、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備するとともに、役員・従業員への研修等を通じてマネロン等対策の強化を図っております。しかしながら、かかる取組が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分等により、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) コンダクト・リスク当社グループでは、経営理念にお客さま本位のサービスを提供する旨掲げており、グループ及び各社において「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」を制定・公表し、その徹底に向け、取り組んでおりますが、2019年にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題、2020年にかんぽ生命保険商品と投資信託の横断的な販売について、お客さま本位といえない営業が行われていた問題が発覚しました。当社グループは、信頼回復に向け、業務改善計画(上記「Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク (オペレーショナルリスク) 3.法令等違反に関するリスク」をご参照)を着実に実行し、また、お客さまや社員の声を経営改善に活用する等、改善策を実行し、お客さま本位の業務運営に取り組んでまいりました。当社は、お客さま本位の業務運営に反する事象(いわゆるコンダクト・リスク)を迅速に把握する態勢を整備し、グループとして一体的な対応を行うため、2021年4月にグループコンダクト統括室を設置し、また、2022年4月にグループコンダクト向上委員会を設置し、グループ行動憲章を実践していくためのグループコンダクトを向上させる取組について、外部有識者による助言をいただき、信頼回復などに取り組んでおります。しかしながら、郵便局において、事前にお客さまから同意をいただかないまま、お客さまの貯金の非公開金融情報を用いて、保険募集や投資信託等の販売を目的とした来局のご案内等を行った、法令に違反する事案が確認されました。また、日本郵便及びかんぽ生命の社員である生命保険募集人が、2024年1月に販売を開始した一時払終身保険に関して、販売に係る保険業法上の認可を取得する前にお客さまへ勧誘を行っていた事案が確認されました。当社グループは、両事案について、2025年3月に監督当局から報告徴求命令を受領しました。当社グループでは実態把握のための調査を実施し、発生原因を分析し、その結果を踏まえた真因分析に基づく再発防止策を2025年3月18日及び5月19日に策定のうえ、着実に実行するとともに、お客さま本位のサービス提供に努めてまいります。当社グループは、こうしたお客さま本位の業務運営を徹底し、組織風土改革を含む信頼回復に向けた取組を継続してまいりますが、今後、社会規範に悖るようなコンダクト・リスクが顕在化した場合には、お客さまをはじめとするステークホルダーの支持を失い、加えて、監督官庁による行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報漏えいに関するリスク当社グループが保有するお客さま、従業員、取引先等に関する情報は、郵便法、銀行法、保険業法及び金融商品取引法等を踏まえ、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことに加え、社会的受容性にも十分配慮する必要があり、データガバナンスの強化が求められております。また、2022年4月施行の改正個人情報保護法に基づく報告が義務付けられ、当社グループ内においても、個人情報データ等の漏えい事案を個人情報保護委員会等へ報告しております。かかる事態の発生を防止するため、グループ全社員を対象としたコンプライアンス教育を通じて個人情報保護を含めた情報管理に対する意識の醸成、適切な情報管理の徹底を図っております。さらに、2022年11月にグループ横断的なデータガバナンスを所掌するデータガバナンス室を新設するとともに、2023年3月にグループDXコミッティの下にグループ・データガバナンス分科会、分科会の下に各社の情報管理部署等をメンバーとする実務者レベルのワーキンググループ(WG)を設置し、体制強化を図っております。同WG等においては、お客さまの個人情報の適切な取扱いの確保やプライバシー保護等にも十分に配慮したデータ利活用を図るべく、必要なルール等の整備を進めています。このような施策が奏功せず、当社グループが保有する個人情報等の漏えいが発生した場合は、損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、サイバー攻撃による個人情報等の漏えいに関するリスクについては上記「Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク (オペレーショナルリスク)2.サイバー攻撃に関するリスク(セキュリティの脆弱性を含む)」をご参照ください。 (5) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に当たり、人事労務、業務上の事故、外部委託、知的財産権等の利用に関する事項をはじめとする、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起されるリスクを有しております。実際、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合や、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる等不利な判断がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループの事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物や荷物の誤配・紛失等、交通事故、重大な事務事故、個人情報等の漏えい、サイバー攻撃等によるシステム障害、お客さま本位の業務運営に反する行為、反社会的勢力との取引、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、労働問題、ハラスメント等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。当社グループでは、グループ全社員へのコンプライアンス教育や「お客さま本位の業務運営」の徹底を通じ、かかる事態の未然防止に努めております。これらの施策にもかかわらず、当社グループの風評・風説が、市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、又は、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、お客さまや市場関係者等から否定的な認識又は強い批判がなされ社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 中期経営計画に関するリスク当社グループは、2021年5月に策定した中期経営計画「JP ビジョン2025」に基づき、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指す姿として掲げ、ユニバーサルサービスを含むコアビジネスの充実強化に加え、DXの推進、不動産事業の拡大や、新規ビジネス等の推進に取り組んでまいりましたが、昨今の事業環境の急激な変化等を踏まえ、グループ全体で直面する課題を克服し、「成長ステージへの転換」を実現するための道標(みちしるべ)とすべく、今後の戦略の見直しを行うとともに、2025年度の主要目標等も見直し、その結果を「JPビジョン2025+」として、2024年5月に策定しました。「JP ビジョン2025+」では、引き続き、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指し、コアビジネスの充実・強化に向けて、成長分野へのリソースシフトを強力に推進してまいります。また、人口減少、ライフスタイルや働き方の変化、デジタル化の急速な進展等経済社会の大きな変化に対応するため、お客さま体験価値や社員の利便性向上につながるDXの取組を強力に推進するとともに、当社グループの人材・組織を多様性あるものに変革する取組に着手してまいります。財務面では、ROE(株主資本ベース)について、ゆうちょ銀行株式の持分割合の減少があったものの、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の増益を受けて向上しています。その後、早期に株主資本コストを上回るROEを達成し、中長期的にさらなる向上を目指します。しかしながら、将来の戦略、計画、方針等には本「事業等のリスク」に記載のものを含む様々なリスクが内在しており、想定通りに進捗しなかった場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、コアビジネスのうち、銀行業及び生命保険業にかかる事業戦略及び経営計画に関するリスクについては、下記「Ⅲ.各事業に特有のリスク」をご参照ください。 (2) サステナビリティ経営に関するリスク先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、当社グループは、「日本郵政グループサステナビリティ基本方針」において、当社グループの事業活動を通じてサステナビリティを巡る社会課題の解決に貢献することにより、グループの持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上に努めることを掲げるとともに、中期経営計画「JPビジョン2025+」において、「日本郵政グループの強みを活かして、各事業戦略を通じたグループとしての成長と、Well-beingの向上及び、GXを含む低環境負荷社会への貢献を通じた、社会とグループの持続可能性の向上を目指すこと」をサステナビリティ経営の目標として設定しております。当社グループのサステナビリティに関する重要課題については、①地域生活・地域経済、②高齢社会への対応、③サービスアクセス、④環境、⑤人材・人的資本、⑥経営基盤を特定しております(それぞれの領域における取組の方向性については、先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください)。これらの課題に関するリスク及び機会に対処するための具体的な取組については、サステナビリティ委員会及び日本郵政グループサステナビリティ連絡会において確認と推進管理を行っております。しかしながら、その対応が十分でない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。特に、グローバルに注目が高まっている気候変動課題については、TCFDの枠組みに沿って具体的なリスクと機会の特定やシナリオ分析を行い、中期経営計画「JPビジョン2025+」で掲げる、温室効果ガス排出量削減目標「2030年度46%削減(対2019年度比)」、「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、取組を進めておりますが、そうしたリスクと機会への対応が適切に進まなかった場合には、物理的損害や、炭素税の負担、燃料費の高騰等のコストの増加、及び投資家、顧客、取引先、従業員等ステークホルダーの支持を失うなど、当社グループの事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、生物多様性への関心の高まりにより、森林資源への影響の観点から、紙を使った通信手段である郵便サービスの利用を控えることによる、郵便の利用減少の加速が生じる場合への対応や、環境負荷の低い配送サービス等を求めるお客さまのニーズに対応できない場合、当社グループの事業のシェアを失い、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、今日サプライチェーンにおける人権・労働・環境への配慮が十分であるかについて企業としての姿勢・取組が問われていることを踏まえ、当社グループでは「CSR調達ガイドライン」(2024年3月改訂)に基づき、人権デュー・ディリジェンス等を行い、関係するサプライチェーン全体で対応しておりますが、こうした点への配慮・対応が不足した場合、ステークホルダーの支持を失い、企業価値を毀損する可能性があります。 (3) DXの取組が奏功しないリスク少子高齢化・デジタル化の進展の中、企業が競争上の優位性を確保するためには、データとデジタル技術を活用して、ビジネス環境の激しい変化に対応し、お客さまや社会のニーズに基づき、商品・サービス、ビジネスモデル、業務等を変革することが必要となります。当社グループでは、2021年7月に当社の連結子会社として株式会社JPデジタルを設立し、お客さまへの新たな体験価値を生み出す「みらいの郵便局」施策によりリアル/デジタル両面からお客さまと郵便局のタッチポイントの増加を目指すほか、グループプラットフォームアプリ(郵便局アプリ)、グループ共通ID(ゆうID)及び当社グループ独自のポイントプログラム(ゆうゆうポイント)等のグループ横断的なDX施策を進めております。当社グループは、引き続き、グループで横串を通した一体的なDXを推進し、お客さま体験価値及び社員利便性の向上を基軸に、お客さまにとって利用しやすい、社員にとっても働きやすい郵便局の姿の具現化を目指してまいります。具体的には、ゆうIDを軸に、郵便局アプリやゆうゆうポイントのほか、デジタル窓口、金融コンタクトセンター等を通じて、お客さまにグループ一体の価値を提供し、お客さま体験価値の向上やグループ外にも広がる新しい価値の提供を実現します。また、お客さまの個人情報保護等にも配慮した高度なデータ分析やAI等の活用を通じて、郵便局の強みである「温かみのあるサービス」を補強し、最適なサービスやサポートを、適切なタイミングで提案し、更なる体験価値向上を図ります。また、お客さま向け窓口業務やバックヤード業務のデジタル化を継続的かつ徹底的に推進し、社員の業務負荷を軽減します。プライバシー保護等に配慮し、お客さまや社会からの信頼を確保しつつ行うお客さま情報の分析やAIを活用し、提案内容・サービスの高品質化を目指します。デジタル化においては、社員モニター等を通してユーザー目線を取り入れた使いやすい業務システムの構築、改修を実施してまいります。しかしながら、これらの施策が計画どおり進まない場合や、事業環境の変化に適時かつ適切に対応できず、競争力や業務効率が低下する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、幅広い世代・地域のお客さまに新しい価値を提供するDX推進を実現できず、社会的要請に応えられなかった場合には、当社グループの企業価値を毀損する可能性があります。 (4) システム障害等のリスク郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している当社グループにおいては、事業運営上のシステムへの依存度が高く、当社グループのコンピュータシステムは、お客さまや各種決済機構等のシステムに接続する極めて重要な機能を担っております。こうした中、大規模自然災害、テロリズム、停電、ITガバナンスの不備、システムの新規開発・更改における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、人的過失等により重大なシステム障害等が発生する可能性があります。当社グループでは、各社の基幹システムの基盤更改等に当たり、ITガバナンスの強化に向けてグループCIOが経営層を含めた推進会議に出席し、情報共有を行うとともに、事業子会社のCIOと連携して、グループ内外で発生した障害に迅速に対応し、真因分析、再発防止策等に取り組んでおります。しかしながら、このような取組によっても、システムの障害等に起因し、当社グループの事業が大規模かつ長期間に亘り停止又は制約を受ける場合、当社グループが保有する個人情報及び機密情報等の漏えいが発生した場合、お客さま対応に不備が生じた場合には、業務の停止・混乱及びそれに伴う損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 投資事業に関するリスク当社グループでは、日本郵政キャピタル株式会社、JPインベストメント株式会社、ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社及びかんぽNEXTパートナーズ株式会社が投資事業を営んでおり、国内外への投資や新たな事業領域への出資等を行っております。こうした中、投資先の事業環境の変化その他様々な理由により、投資先の業績又は財政状態が悪化した場合には、投資資金を回収できず、また、投資活動により取得・発生した株式などの金融資産やのれんに評価損・減損損失が発生するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの投資先に内在する内部統制上の不備や法令等違反の問題を当社グループが投資後に早期に是正できない場合、当社グループの信用や企業イメージが低下し、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 不動産投資に関するリスク当社グループは、オフィスビル・商業施設・住宅等の開発による賃貸事業及び分譲事業を行っております。グループ保有不動産の開発を中心に、用途やエリアごとのマーケットを見極めた開発に取り組んでおり、日本郵政不動産株式会社設立以降は、同社においてグループ外の収益物件の取得や共同事業への参画にも取り組んでおります。不動産投資においては、昨今の建設費の異常な高騰傾向や、市場金利の上昇による外部資金調達コスト及び運営管理コストの増加などによって、個別のプロジェクトで事業計画の見直しなどの影響が顕在化しています。さらに、法的規制の変更、大規模災害の発生、消費者動向の変化、ライフスタイルの変容により、既存の施設においても需要の変化等の影響を受ける可能性があります。また、不動産事業の推進におけるノウハウの蓄積、必要な人員の採用、定着等が想定通りに進捗する保証がないこと、共同事業者との間で意見の不一致が生じること等により、事業の進捗に影響が生じる可能性があります。これらの事象が当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼし、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 国際物流事業に関するリスク国際物流事業を担うトール社の事業は、世界経済の減速、サイバー攻撃、地政学リスクの高まり等の影響を受ける可能性があります。大型自動化倉庫の建設等新たな収益源の獲得やバランスの取れた顧客ポートフォリオの構築、全社的なコスト削減等により、ロジスティクス事業及びフォワーディング事業の収益規模の拡大及び収益性の向上に努めるとともに、豪州に依存した経営構造からアジアを中心としたビジネスモデルへの転換による成長を図ります。しかしながら、トール社のかかる経営改善策及び成長戦略が奏功しないこと、地政学リスクの高まり等によって事業環境が悪化すること等により、トール社の業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便がトール社の事業再編その他日本を含むアジアを中心としたビジネスモデルへの転換をさらに進めるに際して総務大臣の認可が必要となる場合、必要な認可を適時に取得できないことにより、事業再編等に支障が生じる可能性があります。また、トール社は、日本郵便の買収以前に多数の企業買収を行っておりますが、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消しない可能性、複雑な業務及び設備、並びに世界各地の多様な従業員を十分に管理できない可能性があります。さらに競合関係にある競業他社が、トール社より優れた商品・サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ⅠTシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、さらには、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、トール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、ロジスティクス事業を行っており、関連する国・地域の事業許可や租税に係る法規制、運送、貿易管理、独占禁止、為替規制、環境等の法規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合、また、コンプライアンス態勢が十分な効果を発揮せず、法規制等の違反が生じた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、トール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されており、大幅な為替相場の変動が生じた場合、外貨建ての資産・負債等が当社の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社の連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)が適用されていることから、同基準の変更により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのほか、トール社は、継続的に設備投資等を行っており、金融機関からの借入等が一定程度ありますが、その返済が困難となる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 宿泊事業・病院事業に関するリスク当社の営む宿泊事業について、2023年3月末までに、営業中の全かんぽの宿33施設の事業譲渡・売却を完了しました。しかしながら、当社運営時における事象には、事業譲渡・売却後も事業譲渡先等に対する損害賠償責任を負うリスク、行政処分等のリスクが残存します。病院事業については、自然災害、火災、医療事故等から生じる潜在的な損失の発生、損害賠償責任、行政処分等のリスクを内包しております。また、高齢化等に伴う近時の医療費適正化の流れは、病院事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。 京都逓信病院及び広島逓信病院を2022年10月1日に事業譲渡したため、当社が運営する病院は東京逓信病院のみになりましたが、近年継続して営業損失を計上していることから、病院の状況を踏まえ、増収対策や経費削減による経営改善を進めております。しかしながら、経営改善策が当初想定した成果をもたらさない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 金融2社との関係に関するリスク(グループ協定等、人的関係・取引関係)グループ会社としてシナジー効果を発揮するため、当社と事業子会社との間でグループ協定等を締結し、グループ共通の理念、グループ運営に係る基本的事項等について合意しておりますが、金融2社についてはその独立性を確保する観点から、グループ運営に必要な事項や法令等に基づき当社による管理等が必要となる事項について、事前協議又は報告のみを求めております。グループ協定等の存続期間は、金融2社がそれぞれ日本郵便と締結している日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約が解除される日までとしており、これらの契約の解除は、当社による金融2社の株式売却と連動しておりません。こうした中、当社グループの企業価値を最大化していくために、当社及び日本郵便と金融2社との間で契約関係(下記「5 重要な契約等」をご参照)、人的関係・取引関係(下記「(参考)⑤~⑦」をご参照)を構築しグループ運営を行うこととしておりますが、これらが機能しない場合、金融2社と当社及び日本郵便とのシナジー効果を実現できない可能性や、利益相反を適切に管理できない可能性
FY2024|29,990 文字
3 【事業等のリスク】下記Ⅰ~Ⅲにおいて、当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しております。ただし、当社グループの事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。下記「Ⅰ. 当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」に、当連結会計年度末現在において当社経営陣が特に重視する事項について、その他の重要なリスクは下記Ⅱ及びⅢに記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <当社グループのリスク管理態勢>当社は、2024年4月より、当社のリスク管理機能をクライシスマネジメント機能に統合し、当社グループの事業に関するリスクをクライシスマネジメント統括部が一元的に管理することによって、「危機の未然防止」、「リスク顕在化の早期把握」、「影響極小化」の三位一体の取組を進めているところです。リスク管理の取組としては、新たに新興リスク(未知のリスク)を含め、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクの統制を強化することにより、グループに重大な影響を与える可能性のあるリスクの顕在化を未然に防止する仕組みの整備を行うとともに、リスク発生時の経営陣への報告の迅速化にも取り組みます。また、リスク管理とクライシスマネジメントの統制範囲を整合させることで、リスクが顕在化した際の危機管理等へのスムーズな移行を実現します。さらに、グループガバナンス強化のためグループのリスク管理統括責任者として、執行役の中から「グループ・チーフ・リスク・オフィサー(グループCRO)」の選任、事業子会社のリスク管理担当役員をメンバーとする「グループオペレーショナルリスク管理連絡会」等を通じて、グループ各社のリスク管理の向上に向けた情報共有・協議等を実施しています。なお、事業子会社は、自社のリスク管理を統括する部署を定め、自ら主体的に自社の事業特性に応じたリスクの特定、評価、制御、モニタリング等のリスク管理を行うとともに、当社に対し必要な報告をする等のリスク管理態勢を整備しています。これらの取組を行うことで、当社グループの永続的な健全経営を目指していきます。 日本郵政グループのリスク管理態勢 <グループ重要リスク管理>当社は、外部環境の変化や事業戦略等を踏まえ、毎年、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(グループ重要リスク)の見直しを行っております。具体的なリスクの特定、評価については、取締役及び執行役へのアンケート(役員アンケート)を通じて行い、改善策の策定、取組状況のモニタリング等を経営陣が行うPDCAサイクルを回しております。 Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク 当社は、役員アンケートに基づき、グループ重要リスクのうち発生可能性と当社グループの業績への影響度の観点から特に優先度の高いものを「経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」(以下「トップリスク」)としております。下図はトップリスクの相対的な位置づけを図示したものであります。ここに記載した各リスクの発生可能性、影響度、優先度は、本書提出日現在における当社経営陣の認識であり、発生可能性、影響度又は優先度を「小」と記載したリスクが発生し当社グループの事業等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではありません。 1.郵便・物流事業に関するリスク物流業界においては、激しい競争が継続する中、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇に加え、2024年4月から施行されたドライバーの労働時間の改善等への対応を迫られる等、業界を取り巻く環境は極めて厳しい状況となっております。このような状況を踏まえ、競合他社においても、宅配運賃等の値上げを実施する動きがみられ、日本郵便においても、2023年10月にゆうパック運賃の改定を実施しております。郵便事業においては、2024年6月に施行された郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を踏まえ、郵便料金の見直しに向けた準備を進めてまいりますが、デジタル化の進展に伴う郵便物数の減少に加え、物流業界同様に、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇等、郵便事業を取り巻く環境は引き続き厳しい状況であります。また、EC市場やフリマ市場は成長を続けており、これらを取り込むことは日本郵便にとって急務となっています。このような状況に対応するため、日本郵便は、ラストワンマイルにおける自動二輪車の機動力を活かせる小型荷物を中心とした戦略による荷物収益の拡大を目指してまいります。商品・サービスの改善及び営業体制・営業力の強化並びに他企業連携等を通じた収益力の向上、お客さまの利便性と業務の効率化が両立する生産性の高いオペレーションの実現、機械化の推進や輸配送手段の見直し等により事業を取り巻く環境変化に対応できる強靭な輸配送ネットワークの実現を目指し、郵便・物流事業改革に着実に取り組んでまいります。しかしながら、これらの施策が計画どおり進まない場合や、デジタル化の進展に伴う郵便物数等の減少が想定よりも著しく進行することにより、各種料金を改定したとしても補いきれないほどの減収が日本郵便に生じた場合、他社との競争激化の中で荷物等収益の低迷が継続した場合、ヤマトホールディングス株式会社及びその子会社(以下「ヤマトグループ」といいます。)をはじめとする他社との協業が奏功しない場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.ユニバーサルサービス提供に係るリスク当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、ユニバーサルサービス確保の責務を負っております。当責務については、2015年9月「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会の答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされました。こうした中、同審議会による2019年9月「郵便サービスのあり方に関する検討」に関する答申においては、郵便サービスを「あまねく、公平に」安定的に提供し続けるため、そのあり方について検討結果が取りまとめられ、郵便法改正を経て、日本郵便において土曜日配達の休止、お届け日数の繰り下げなどの見直しを行いました。上記見直し後も、ユニバーサルサービスの維持に当たっては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費、社員の人件費等が発生しております。また、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇により、ユニバーサルサービス維持のためのこれらの費用負担は増大しつつあります。今後、電子メールやウェブサイト等インターネットを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、郵便、貯金、保険といった郵便局で提供するサービスのご利用が減少した場合であっても、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があることから 、収益性の低い事業又は拠点を縮小する等の対応が制限される可能性があります。一方、ユニバーサルサービスを維持し、全国あまねく有人店舗展開を行うことは、他社にない当社グループの強みでもあります。お客さまが対面で相談したいというニーズに今後もお応えするため、当社グループの中期経営計画のもと、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現に向けて他社や地方公共団体と連携を図りながら、物販サービス、地方公共団体事務、終活紹介サービス等、日常生活をサポートするためのサービスを充実させ、郵便局らしい温かみのあるサービスの提供を行い、郵便局の価値・魅力及び収益力の向上に取り組むとともに、業務運営のデジタル化等により業務効率化を図ってまいります。その上で、郵便サービスの安定的な提供及びお客さまへのサービス向上の実現のため、2024年6月に施行された郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を踏まえつつ、郵便料金の見直しに向けた準備を進めてまいります。 しかしながら、このような取組が奏功せずに公共性と収益性を両立できなかった場合、郵便局ネットワークに対するステークホルダーの支持を失う可能性や、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、ユニバーサルサービス維持のための費用負担の増大から当社グループの損益が大幅に悪化した結果、事業運営コストを賄うために収益性を過度に追求した営業や過度のリスクを伴う資金運用を行った場合、コンダクト・リスクや運用リスクが顕在化する可能性もあります。 3.人的リスク(人材確保・ハラスメント・労働問題・人件費増加)2024年3月末現在、当社グループは、全国に20万人を超える従業員を配置しておりますが、少子高齢化による労働人口の減少や労働市場の逼迫に加え、給与水準が他社に劣後する等、当社グループの魅力や優位性が低下した場合、人材の確保が困難となる可能性があります。郵便・物流事業では、郵便物や荷物の配達・集荷等の業務において、多数の協力会社に協力をいただいていることから、協力会社とのパートナーシップ構築に向けた取組を進めております。一方、2024年4月から、自動車運転業務に係るドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されたことを受けて、トラックドライバー等の人手不足が深刻化し、適切な水準の人員の確保が困難となる可能性があります。加えて、DX推進に必要なIT等の高度な専門性を有する人材の確保も、競争激化から困難となる可能性があります。また、魅力的な労働環境を提供できなかった場合、あるいは人事処遇やハラスメント等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、人材の流出・不足を招く可能性があります。さらに昨今、国内の賃金水準が上昇しており、物価上昇及び労使交渉・労働法制の変更等を受けて給与等を増額した場合には、1人当たりは小さな増額であっても、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、かかる事態に対処するため、働きやすい職場づくり、労働条件の整備、人材育成や評価・処遇の仕組みの見直し、DE&Iの推進(女性活躍・高齢者就業・障がい者雇用・外国人雇用・性の多様性への対応等)による真の多様性の実現、人材ポートフォリオの多様化、ハラスメント相談体制の整備等を通じた社員の誇りとやりがいの向上に向けた取組と柔軟で多様性のある組織への転換を推進しておりますが、かかる施策が奏功しない場合には、人員不足、人件費の増加、競争力の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、人的資本に関する事項は、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 4.金融商品の営業活動に関するリスク当社グループは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指し、お客さま本位のサービスを提供するための取組を展開しております。郵便局窓口においては、より高品質なお客さまサービスを提供できるように、窓口オペレーション改革による営業活動時間の創出等を進めると同時に、地域事情に応じた窓口社員の柔軟配置、全社員の知識・スキル強化、営業専門人材の育成等に取り組んでまいります。また、投資信託の販売においては、全国の郵便局と金融コンタクトセンター等をリモートで接続し、約2万拠点で投資信託(NISA)の受付を可能とする、リアルとデジタルを融合した日本郵政グループの強みを活かした販売態勢の強化に取り組んでおります。生命保険の販売においては、多様なお客さまニーズに応えられる商品ラインアップの拡充と、CX向上につながる質と量を伴ったアフターフォローの充実に取り組んでおります。2023年4月に、昨今の教育費用の高まりやお客さまからのご要望を受け、学資保険「はじめのかんぽ」の改定を行い、さらに、2024年1月に、中高齢層のお客さま向けに一時払終身保険「つなぐ幸せ」の取扱いを開始しております。しかしながら、このような取組が奏功せず、新商品の開発や既存商品の改定がお客さまのニーズに応えられないこと、営業方針を理解浸透できないことや社員のスキルが不足すること等により販売実績が低迷し、また、長期的な保有契約件数及びエンベディッド・バリュー(EV)の減少等につながった場合等には、当社グループの収益が大幅に減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5.新規事業・資本提携・業務提携・M&Aに関するリスク(1) 新規ビジネス、資本・業務提携・外部委託先に関するリスク当社グループは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を通じた新規ビジネスの創出に向けて、当社グループ外の企業との間で様々な資本・業務提携、外部委託を行っております。日本郵便と楽天グループ株式会社の両社が出資するJP楽天ロジスティクス株式会社においては、効率的な配送ネットワークの構築に取り組んでいるほか、荷量の増加に対応するため、新たな倉庫拠点の開設を進めております。また、佐川急便株式会社との取組として、「飛脚ゆうパケット便」及び「飛脚グローバルポスト便」を展開しているほか、「郵便局カタログ」商品を「飛脚クール便(冷凍)」でお届けする取組を行っております。さらに、ヤマトグループとの取組として、「クロネコゆうパケット」及び「クロネコゆうメール」の引受を開始しております。2024年3月末より、アフラック・インコーポレーテッドに対して持分法を適用することとし、2024年度から同社の利益の一部を当社グループの連結業績に反映します。また、当社グループは、これらと並行して、社会課題解決と収益機会の両立に向けた新規ビジネス等をグループ横断的な体制で検討しております。こうした資本・業務提携、外部委託については、シナジー効果を含めたモニタリングを実施しておりますが、目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りの効果が得られない場合、要員や設備等の必要なオペレーション基盤を整備できないことにより、業務拡大が奏功せずに多額の費用負担や投資に係る減損損失が発生した場合、提携先・投資先において違法行為・不正行為・顧客情報等の漏えい・不祥事等が発生した場合、資本提携先の業績や株価が低迷した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新規ビジネス等による成長戦略が実現できず、ビジネスポートフォリオ転換が進まなかった場合等には、同様に、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他の企業の買収に関するリスク他の企業の買収については、当該事業分野の競争激化や当社のノウハウ不足から業務範囲の拡大が功を奏せず、過度の人的・物的負担が生じる可能性があり、また、買収先企業を当社グループ事業と統合する上では、買収先企業の重要な顧客等との良好な関係を維持できない、買収資産の価値が毀損し損失が発生する、又は買収先企業の経営陣を含む人材流出が発生する等により、当初想定した成果をもたらさず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6.DXの取組が奏功しないリスク少子高齢化・デジタル化の進展の中、企業が競争上の優位性を確保するためには、データとデジタル技術を活用して、ビジネス環境の激しい変化に対応し、お客さまや社会のニーズに基づき、商品・サービス、ビジネスモデル、業務等を変革することが必要となります。当社グループでは、2021年7月に当社の連結子会社として株式会社JPデジタルを設立し、お客さまへの新たな体験価値を生み出す「みらいの郵便局」施策によりリアル/デジタル両面からお客さまと郵便局のタッチポイントの増加を目指すほか、グループプラットフォームアプリ(郵便局アプリ)やグループ共通ID(ゆうID)等のグループ横断的なDX施策を進めております。当社グループは、引き続き、グループで横串を通した一体的なDXを推進し、お客さま体験価値及び社員利便性の向上を基軸に、お客さまにとって利用しやすい、社員にとっても働きやすい郵便局の姿の具現化を目指してまいります。具体的には、ゆうIDを軸に、郵便局アプリとデジタル窓口、金融コンタクトセンターを通じて、お客さまにグループ一体の価値を提供し、お客さま体験価値の向上やグループ外にも広がる新しい価値の提供を実現します。また、お客さまの個人情報保護等にも配慮した高度なデータ分析やAI等の活用を通じて、郵便局の強みである「温かみのあるサービス」を補強し、更なる体験価値向上を図ります。また、お客さま向け窓口業務やバックヤード業務のデジタル化を継続的かつ徹底的に推進し、社員の業務負荷を軽減します。プライバシー保護等に配慮し、お客さまや社会からの信頼を確保しつつ行うお客さま情報の分析やAIを活用し、提案内容・サービスの高品質化を目指します。デジタル化においては、社員モニター等を通してユーザー目線を取り入れた使いやすい業務システムの構築、改修を実施してまいります。しかしながら、これらの施策が計画どおり進まない場合や、事業環境の変化に適時かつ適切に対応できず、競争力や業務効率が低下する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、幅広い世代・地域のお客さまに新しい価値を提供するDX推進を実現できず、社会的要請に応えられなかった場合には、当社グループの企業価値を毀損する可能性があります。 7.金融市場環境の変化に関するリスク当社グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業から生じる収益により占められております。 (金利急上昇リスク)世界的な高インフレを背景とした米国等の金融引き締め等の中、2022年12月には日銀による大幅緩和が一部修正され、2024年3月にはマイナス金利政策の解除が決定されました。日銀は、長期金利が急激に上昇する場合には機動的に国債買い入れを増やす姿勢を示しておりますが、今後の各国中央銀行の金融政策動向、国内外の景気変動、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により急激な金利上昇が生じ、当社グループの保有資産の価値が大幅に下落するリスクや、高金利環境が継続して景気が縮小することにより株価が下落するリスク、定額貯金(預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)等の預け替え、保険の解約が進むリスクがあります。ゆうちょ銀行では、数十兆円規模の海外金融資産を保有しており、海外クレジット市場の信用スプレッド拡大時にはこれら海外金融資産の価格が下落し、保有する投資信託における収益認識できない特別分配金の発生等を通じて収益が大幅に減少する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (金利低下リスク)日銀の金融政策の転換により、国内の金利は上昇傾向にありますが、今後金利が低下し、再び低金利環境となった場合は、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の債券運用収益が低位で推移し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ゆうちょ銀行については、保有する金融資産と貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等に差異が存在すること、金利の低下による運用収益の減少に比して相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少するリスクがあります。かんぽ生命保険については、保険契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であること、既に保有している保険契約の予定利率は変わらないことから、当初想定していた運用収益が確保できない、さらに逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均運用利回りが既契約の責任準備金の積立てに用いた予定利率を下回る現象)となるリスクがあります。金利リスクに対し、金融2社では中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、財務健全性の観点からストレス・テスト等を実施し、また、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行うことにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、急激な金利変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 8.金融2社の株式売却に関するリスク(売却に至るまで及び売却後のリスク)当社は、郵政民営化法において、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービスの履行への影響等を勘案しつつ、保有する金融2社の株式をできる限り早期に処分するものとされており、当社グループの中期経営計画において、金融2社株式の保有割合を50%以下とすることを目指しております(下記「(参考)①日本国政府による当社株式の保有状況及び当社による金融2社の株式保有状況(2024年3月期末日時点)」をご参照)。今後の当該株式の売却については、証券市場への影響に配慮し、時期、売出回数、規模等を慎重に検討し進めていく所存でありますが、適切な時期に適切な条件で売却できず、売却収入が当社保有の金融2社株式の帳簿価額を下回った場合には、当社の損益計算書に売却損失を計上する可能性があります(下記「(参考)②金融2社株式処分の連結財務諸表への影響」をご参照)。また、想定通りに売却が進まない結果、金融2社に係る郵政民営化法上の上乗せ規制が撤廃されず金融2社の経営自由度の拡大が実現できない可能性もあります(下記「Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」をご参照)。当社グループの利益の大部分を占めるのは金融2社の利益であり(下記「(参考)③セグメント利益・資産(2024年3月末現在)」をご参照)、金融2社の株式の売却が進み、当社の持分比率が減少することで、親会社株主に帰属する当期純利益が減少することにより、当社の財務の健全性の確保ができなくなるほか、キャッシュ・フローの悪化、資金調達能力が制限される可能性があります。また、当社が金融2社から受け取る配当金が減少することにより、当社の期待する配当原資の確保ができなくなる可能性があります。また、当社が金融2社の株式を処分しその持分が低下するのに伴い、金融2社以外の事業のウェイトが高まり、当該各事業における収益の悪化が、当社グループの事業、業績及び財政状態に、より影響を及ぼすことになります。さらには、金融2社の株式保有割合が低下することにより、当社の利益と金融2社の少数株主の利益が相反し、金融2社の意思決定が、当社グループの意向に沿わないなど、グループの一体的な業務運営が難しくなる可能性があります。また、顧客離れ、ブランド力低下により当社グループの収益が金融2社の持分低下の影響を超えてさらに低下する可能性もあります(下記「(参考)④議決権等議決事項(2024年3月末現在)」をご参照)。当社としては、株式売却により得た資金を活用して、資本の効率化の観点から自己株式取得も行いつつ、コアビジネスの充実・強化に向けて、成長分野へのリソースシフトを推進します。加えて、郵便局を核としたグループ運営を徹底し、グループ各社の経営方針の整合性確保や、グループ内の人事交流、情報共有を図り、グループガバナンスを維持してまいります。しかしながら、それらが機能しなかった場合、金融2社に代わる事業基盤やグループのシナジー効果を確保できず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 9.国際物流事業に関するリスク国際物流事業を担うトール社の事業は、世界経済の減速、サイバー攻撃、地政学リスクの高まり等の影響を受ける可能性があります。大型自動化倉庫の建設等新たな収益源の獲得やバランスの取れた顧客ポートフォリオの構築、全社的なコスト削減等により、ロジスティクス事業及びフォワーディング事業の収益規模の拡大及び収益性の向上に努めるとともに、豪州に依存した経営構造からアジアを中心としたビジネスモデルへの転換による成長を図ります。しかしながら、トール社のかかる経営改善策及び成長戦略が奏功しないこと、地政学リスクの高まり等によって事業環境が悪化すること等により、トール社の業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便がトール社の事業再編その他日本を含むアジアを中心としたビジネスモデルへの転換をさらに進めるに際して総務大臣の認可が必要となる場合、必要な認可を適時に取得できないことにより、事業再編等に支障が生じる可能性があります。また、トール社は、日本郵便の買収以前に多数の企業買収を行っておりますが、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消しない可能性、複雑な業務及び設備、並びに世界各地の多様な従業員を十分に管理できない可能性があります。さらに競合関係にある競業他社が、トール社より優れた商品・サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ⅠTシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、さらには、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、トール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、ロジスティクス事業を行っており、関連する国・地域の事業許可や租税に係る法規制、運送、貿易管理、独占禁止、為替規制、環境等の法規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合、また、コンプライアンス態勢が十分な効果を発揮せず、法規制等の違反が生じた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、トール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されており、大幅な為替相場の変動が生じた場合、外貨建ての資産・負債等が当社の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社の連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)が適用されていることから、同基準の変更により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのほか、トール社は、継続的に設備投資等を行っており、金融機関からの借入等が一定程度ありますが、その返済が困難となる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 10.サステナビリティ経営に係るリスク上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、当社グループは、「日本郵政グループサステナビリティ基本方針」において、当社グループの事業活動を通じてサステナビリティを巡る社会課題の解決に貢献することにより、グループの持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上に努めることを掲げるとともに、当社グループの見直し後の中期経営計画において、「日本郵政グループの強みを活かして、各事業戦略を通じたグループとしての成長と、Well-beingの向上及び、GXを含む低環境負荷社会への貢献を通じた、社会とグループの持続可能性の向上を目指すこと」をサステナビリティ経営の目標として設定しております。当社グループのサステナビリティに関する重要課題については、①地域生活・地域経済、②高齢社会への対応、③サービスアクセス、④環境、⑤人材・人的資本、⑥経営基盤を特定しております(それぞれの領域における取組の方向性については、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください)。これらの課題に関するリスク及び機会に対処するための具体的な取組については、サステナビリティ委員会及び日本郵政グループサステナビリティ連絡会において確認と推進管理を行っておりますが、その対応が十分でない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。特に、グローバルに注目が高まっている気候変動課題については、当社としても、TCFDの枠組みに沿って具体的なリスクと機会の特定やシナリオ分析を進めるほか、代表的な指標である温室効果ガス排出量の削減目標を設定して取組を進めていますが、そうしたリスクと機会への対応が適切に進まなかった場合には、物理的損害や規制対応コストの増加、及び投資家、顧客、取引先、従業員等ステークホルダーの支持を失うなど、当社グループの事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、今日サプライチェーンにおける人権・労働・環境への配慮が十分であるかについて企業としての姿勢・取組が問われており、当社グループでは「CSR調達ガイドライン」を2024年3月に改訂し、関係するサプライチェーン全体で対応しておりますが、こうした点の配慮・対応が不足することによって、ステークホルダーの支持を失い、企業価値を毀損する可能性があります。 Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済・政治情勢その他の事業環境の変化に伴うリスク① 郵便・物流事業等地政学リスクの高まりに伴い国内外の経済・金融の悪化やサプライチェーンの寸断による物流事業の停滞、エネルギー価格及び人件費の高騰等により、事業費が増加し収益性が低下する可能性があります。また、トール社がアジア太平洋地域等におけるフォワーディング、ロジスティクス等の国際物流事業を行っており、地政学リスクの高まり等を原因とする世界経済の減速、各国・地域の経済情勢や政治情勢等の変動により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行業・生命保険業世界的な金融政策の変更、地政学リスクの高まり等に起因する歴史的な金融・資本市場の動揺、グローバル経済の減速懸念の中で、金融2社の海外金融資産の増加を受けて、海外クレジット市場の信用スプレッド拡大、外貨の調達、通貨ベーシスの拡大によるヘッジコスト上昇の影響で、保有資産の評価損、減損損失及び売却損の計上、剰余金の処分による分配可能額の減少・消失等が、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、金融2社の資産運用・ALMに係るリスクについては、上記「Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク 7.金融市場環境の変化に関するリスク」をご参照ください。その他の資産運用リスクは次のとおりであります。 (市場リスク)金利リスクの影響の他、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に保有している株式(プライベートエクイティファンドを含む。)の株価が、国内外の経済状況又は市場環境の変化によって変動する場合、保有有価証券に評価損・減損損失や売却損等が生じる可能性があります。外貨建て資産については、その大部分は為替リスクを軽減する目的から通貨スワップや為替予約等によりヘッジ取引を行っておりますが、大幅な為替相場の変動が発生した場合、非ヘッジ部分に係る差損が発生し、又は通貨ベーシスの拡大が発生した場合、外貨調達コストが増加すること等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (信用リスク)有価証券の発行体や貸出先などの債務者において、国内外の経済情勢の深刻な影響や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、誤った経営判断、不祥事、その他不測の事態による財政状態の悪化等が生じた結果、与信関係費用が増加し又は保有する有価証券等の価値が下落する可能性があります。 (市場流動性リスク・資金流動性リスク)金融市場の混乱等により、市場の流動性が減退した場合、市場において正常に金融商品の取引・資金決済ができなくなる場合、大量解約に伴う解約返戻金の増加、巨大災害に伴う保険金の大量支払等により資金繰りが悪化した場合には、保有する資産の価値が減少する可能性、不利な価格での取引を余儀なくされる可能性、また、資金調達コストが上昇する可能性があります。 これらに対し、リスク管理態勢を高度化し、財務健全性の観点からストレス・テスト等を実施し、運用の分散や機動的な運営に努め、必要な法令上の規制比率を確保しておりますが、金融・資本市場、国内外の経済情勢その他事業環境の大幅な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) デフレからインフレへの事業環境の変化に伴うリスク近年、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等による燃料価格や食品価格の急騰や、日米金利差の拡大に伴う円安の進行等を背景に、国内では物価上昇が続いています。特に、2024年度においては、円安の長期化等によって、物価のさらなる高騰が生じる可能性があります。日本郵便の事業は労働集約型であり、全国に約2万4,000か所の郵便局を展開しており、燃料価格をはじめとする物価や人件費等の上昇等の影響を受けやすい構造になっています。このような状況に対応するため、地域事情等に応じた社員の柔軟な配置やDXの推進による効率化等を進めることで、コスト上昇に歯止めをかけると同時に、コストに見合う各種料金への改定等を実施・検討することにより、物価高騰による影響の最小化に向けて取り組んでおります。しかしながら、このような取組が奏功せず、グループ内の効率化が進まないこと、各種料金の改定により想定以上の顧客離れが生じること等によって、物価高騰の影響を低減できなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 他社との競合に関するリスク当社グループの事業はいずれも激しい競争状況に置かれており、競業他社は、AI・Fintech・テレマティクス等の技術の活用、事業環境の変化、事業戦略の変更等で、競争力の優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。また、近年、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制や業務範囲等の規制緩和が行われている中で、当社グループが市場構造の変化に対応できない可能性があります。特に、物流事業における競争は激しく、競業他社が競争力のある価格でサービスを提供することが日本郵便のシェアに影響を与えます。また、他の物流事業者同士の提携や他の物流事業者とEC事業者の提携、主要なECプラットフォーマーによる独自の物流サービスの展開等が進んでおり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生する可能性があります。こうした中、当社グループの中期経営計画で掲げた、お客さまサービスの向上やDXの推進によるビジネスモデル等の変革に取り組んでおりますが、かかる取組が奏功しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 大規模災害発生時等の事業継続に関するリスク当社グループは、国内外で事業活動を行っており、各国・地域における地震、台風、洪水、大雪等の大規模自然災害、感染症の大流行、戦争、テロリズム等の人的災害、水道、電気、ガス、通信、金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、当社グループの店舗その他の設備や施設の損壊等が生じた場合、当社グループの事業運営に支障をきたし、設備やインフラの回復、お客さまの損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。特に、かんぽ生命保険においては、大規模災害や感染症の大流行に起因して、危険準備金を超える保険金・給付金の支払いが発生する可能性があります。グループ各社は、緊急事態が発生した場合に優先的に再開させる重要業務を明確にし、事業継続と復旧をスムーズに実現させるための事業継続計画(BCP)を策定し、緊急時の危機管理体制を整備しております。しかしながら、同計画による対応を適切に行ったとしても、緊急事態の規模や状況によっては、事業活動を円滑に継続、又は早期に業務が復旧できる保障はなく、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、当社グループは新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約される可能性があります。当社グループの中期経営計画で新たな成長戦略に取り組んでおりますが、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの法的規制については、上記「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項」をご参照ください。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便約款や業務委託の認可制、全国一律料金制度といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。また、民間事業者による信書の送達に関する法律に基づき、一般信書便事業は一定の参入条件が課された許可制とされております。現時点において参入している民間事業者はありませんが、同法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生する可能性があります。これらの規制の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制金融2社は、銀行法及び保険業法等に基づき、自己資本比率規制及びソルベンシー・マージン規制を含む金融業規制を受けており、銀行持株会社・保険主要株主である当社も、銀行持株会社としての連結自己資本比率規制を含む各種規制を受けております。また、銀行業におけるバーゼルⅢ規制の最終化や保険業における経済価値ベース規制等の新たな規制の導入や、国際的な監督規制として、システム上重要な銀行(SIBs)に対する規制が課せられる可能性もあります。一方、日本郵便は、銀行法に基づき、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、内閣総理大臣の承認を得ない限り、法令で定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際のお客さまへの説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、保険業法に基づき、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、お客さまに対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。当社グループが上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可、免許又は登録の取消し、業務の一部又は全部の停止、改善措置等を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [当社グループが受けている主な許認可等]許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項保険主要株主の認可保険業法第271条の10第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の16第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等日本国政府は、郵政民営化法により、当社株式の発行済株式総数の3分の1超を保有する義務を負っていることから、引き続き当社に重要な影響を及ぼしうることになります。また、当社が将来、日本国政府の保有割合が発行済株式総数の3分の1を下回るような新株式の発行による資金調達を実施する場合、日本国政府にも一部を割り当てることが必要となるところ、その条件等について日本国政府と合意できずに、資金調達を断念せざるを得なくなる可能性があります。その他、当社グループに関する日本国政府の利益は、当社のその他の株主の利益と相反する可能性があり、また、日本国政府が、株主としての経済的利益よりも公共政策上の判断等を優先した場合等には、当社のその他の株主の利益に反する支配力又は影響力の行使がなされる可能性があります。当社及び日本郵便は、日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法により、新規業務、株式の募集、取締役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定等を行う場合には、総務大臣の認可(日本郵便の新規業務は届出)が必要とされております。金融2社は、郵政民営化法により、新規業務、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。また、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(金融2社におけるこれらの規制を「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。なお、かんぽ生命保険については、当社が株式の2分の1以上を処分した旨の総務大臣への届出を行ったため、上記業務について、認可は要しなくなったものの、内閣総理大臣及び総務大臣への届出は要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。こうした事業活動への一定の制約は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール当社、日本郵便及び金融2社は、公社を承継した機関として、WTO政府調達協定及びその他の国際協定の適用対象となる物品及びサービスを調達する場合には、国際協定に定める手続の遵守が求められます。当社及びグループ各社は、適切な調達に向けた態勢を整備しておりますが、当該手続を遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは遅れが発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 法令等違反に関するリスク当社グループでは、貯金払戻金窃取や郵便物等の放棄・隠匿事案等が複数件発生しており、発生原因の分析、再発防止策の検討等を行い、法令等違反の撲滅に向けて、コンプライアンスの徹底・強化、並びにグループガバナンス及び内部統制の強化に取り組んでおります。また、当社グループは、2019年12月にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る諸問題に関し、監督当局からの行政処分を受け、2020年1月に策定した業務改善計画に基づき各種施策に取り組み、外部専門家で構成されたJP改革実行委員会のモニタリングを受けながら、お客さまからの信頼回復を図ってまいりました。当社グループは、2023年12月26日付で、業務改善計画に基づく監督官庁への定期報告を以後不要とする旨の通知を総務省及び金融庁から受けましたが、引き続き、適切な業務運営への取組に努めてまいります。さらに、当社グループは、お客さまの声や内部通報制度等を通じた社員の声の収集・分析を行い、潜在的なリスクを検知して防止策を講じ、法令等遵守を徹底しております。しかしながら、かかる態勢・予防策が十分な効果を発揮せず、法令等違反があった場合には、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融対策及び銀行口座の不正使用等に伴うリスク金融犯罪が多様化かつ高度化し、世界各所でテロ犯罪が継続的に発生する等、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策(以下「マネロン等対策」といいます。)の重要性が急速に高まっております。本邦においては、2021年8月の我が国のマネロン等対策に関する法規制の遵守状況及び対策の実効性を審査するFATF第4次対日相互審査結果の公表及び本邦の行動計画の策定等を受けて、マネロン等対策の強化が課題となっております。 当社グループの商品・サービス、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、銀行口座の不正使用等が発生した場合には、当社グループに対する社会的信用が低下する可能性があります。このため、当社グループは、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備するとともに、役員・従業員への研修等を通じてマネロン等対策の強化を図っております。しかしながら、かかる取組が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分等により、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) コンダクト・リスク当社グループでは、経営理念にお客さま本位のサービスを提供する旨掲げており、各社において「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」を制定・公表し、その徹底に向け、取り組んでおりますが、2019年にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題、2020年にかんぽ生命保険商品と投資信託の横断的な販売について、お客さま本位といえない営業が行われていた問題が発覚しました。当社グループは、信頼回復に向け、業務改善計画(上記(2)「法令等違反に関するリスク」をご参照)を着実に実行し、また、お客さまや社員の声を経営改善に活用する等、改善策を実行し、「お客さま本位の業務運営」に取り組んでまいりました。当社は、お客さま本位の業務運営に反する事象(いわゆるコンダクト・リスク)を迅速に把握する態勢を整備し、グループとして一体的な対応を行うため、2021年4月にグループコンダクト統括室を設置し、また、2022年4月にグループコンダクト向上委員会を設置し、グループ行動憲章を実践していくためのグループコンダクトを向上させる取組について、外部有識者による助言をいただき、信頼回復などに取り組んでおります。当社グループは、こうしたお客さま本位の業務運営を徹底し、組織風土改革を含む信頼回復に向けた取組を継続してまいりますが、今後、社会規範に悖るようなコンダクト・リスクが顕在化した場合には、お客さまをはじめとするステークホルダーの支持を失い、加えて、監督官庁による行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 情報漏えいに係るリスク当社グループが保有するお客さま、従業員、取引先等に関する情報は、郵便法、銀行法、保険業法及び金融商品取引法等を踏まえ、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことに加え、社会的受容性にも十分配慮する必要があり、データガバナンスの強化が求められております。また、2022年4月施行の改正個人情報保護法に基づく報告が義務付けられ、当社グループ内においても、個人情報データ等の漏えい事案を個人情報保護委員会等へ報告しております。かかる事態の発生を防止するため、グループ全社員を対象としたコンプライアンス教育を通じて個人情報保護を含めた情報管理に対する意識の醸成、適切な情報管理の徹底を図っております。さらに、2022年11月にグループ横断的なデータガバナンスを所掌するデータガバナンス室を新設するとともに、2023年3月にグループDXコミッティの下にグループ・データガバナンス分科会、分科会の下に各社の情報管理部署等をメンバーとする実務者レベルのワーキンググループ(WG)を設置し、体制強化を図っております。同WG等においては、お客さまの個人情報の適切な取扱いの確保やプライバシー保護等にも十分に配慮したデータ利活用を図るべく、必要なルール等の整備を進めています。このような施策が奏功せず、当社グループが保有する個人情報等の漏えいが発生した場合は、損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、サイバー攻撃による個人情報等の漏えいに関するリスクについては下記「3.事業運営に関するリスク (2)サイバー攻撃に関するリスク」をご参照ください。 (6) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に当たり、人事労務、業務上の事故、外部委託、知的財産権等の利用に関する事項をはじめとする、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起されるリスクを有しております。実際、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合や、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる等不利な判断がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループの事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物や荷物の誤配・紛失等、交通事故、重大な事務事故、個人情報等の漏えい、サイバー攻撃等によるシステム障害、お客さま本位の業務運営に反する行為、反社会的勢力との取引、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、労働問題、ハラスメント等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。当社グループでは、グループ全社員へのコンプライアンス教育や「お客さま本位の業務運営」の徹底を通じ、かかる事態の未然防止に努めております。これらの施策にもかかわらず、当社グループの風評・風説が、市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、又は、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、お客さまや市場関係者等から否定的な認識又は強い批判がなされ社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 中期経営計画に関するリスク当社グループは、2021年5月に策定した中期経営計画「JP ビジョン2025」に基づき、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指す姿として掲げ、ユニバーサルサービスを含むコアビジネスの充実強化に加え、DXの推進、不動産事業の拡大や、新規ビジネス等の推進に取り組んでまいりましたが、昨今の事業環境の急激な変化等を踏まえ、グループ全体で直面する課題を克服し、「成長ステージへの転換」を実現するための道標(みちしるべ)とすべく、今後の戦略の見直しを行うとともに、2025年度の主要目標等も見直し、その結果を「JP ビジョン2025+」として、2024年5月に策定しました。「JP ビジョン2025+」では、引き続き、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指し、コアビジネスの充実・強化に向けて、成長分野へのリソースシフトを強力に推進してまいります。また、人口減少、ライフスタイルや働き方の変化、デジタル化の急速な進展等経済社会の大きな変化に対応するため、お客さま体験価値や社員の利便性向上につながるDXの取組を強力に推進するとともに、当社グループの人材・組織を多様性あるものに変革する取組に着手してまいります。財務面では、ROE(株主資本ベース)について、ゆうちょ銀行株式の持分割合の減少により低下したROEを回復し、その後、早期に株主資本コストを上回るROEを達成し、中長期的にさらなる向上を目指します。しかしながら、将来の戦略、計画、方針等には本「事業等のリスク」に記載のものを含む様々なリスクが内在しており、想定通りに進捗しなかった場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、コアビジネスのうち、銀行業及び生命保険業にかかる事業戦略及び経営計画に関するリスクについては、下記「Ⅲ.各事業に特有のリスク」をご参照ください。 (2) サイバー攻撃に関するリスク(セキュリティの脆弱性を含む)当社グループは、郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している中で、事業運営上のシステムへの依存度が高い状況にあります。さらにリアルとデジタルをシームレスに連携し、幅広い世代・地域のお客さまへ新しい価値を提供するため、グループ一体でのDXを推進しており、今後ますますその重要性が高まることが予想されます。一方、近年増加の著しいサイバー攻撃や各種サービスの不正利用により企業・団体が保有する個人情報等の漏えいが多発しており、当社グループにおいても、サイバー攻撃の高度化、インターネットを介したお客さまとの双方向アクセス増加、在宅勤務(テレワーク)の拡大等の結果、当該リスクが高まっております。こうした中、当社グループのサイバーセキュリティ担当役員で構成するグループサイバーセキュリティ委員会を設置し、グループ全体でセキュリティの高度化の推進、セキュリティ専門家による点検・指導、対策推進等サイバー攻撃への対応に努めております。不正アクセス等のサイバー攻撃に対しては、メール受信やWeb閲覧に対するウイルス感染抑止等の入口対策、外部デバイスの接続制限や、許可された通信先以外の遮断等の出口対策を講じ、恒常的にサイバーセキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。加えて、各種サイバーセキュリティ演習を実施し、事業継続も含めたインシデントレスポンス能力の向上などに努めております。しかしながら、当社グループのシステムへの攻撃、各種サービスの不正利用により、事業が大規模かつ長期間に亘り停止又は制約を受けるような事案が発生した場合、さらに、お客さま対応に不備が生じ社会的信用の低下を招いた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) システム障害等のリスク郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している当社グループにおいては、事業運営上のシステムへの依存度が高く、当社グループのコンピュータシステムは、お客さまや各種決済機構等のシステムに接続する極めて重要な機能を担っております。こうした中、大規模自然災害、テロリズム、停電、ITガバナンスの不備、システムの新規開発・更改における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、人的過失等により重大なシステム障害等が発生する可能性があります。当社グループでは、各社の基幹システムの基盤更改等に当たり、ITガバナンスの強化に向けてグループCIOが経営層を含めた推進会議に出席し、情報共有を行うとともに、事業子会社のCIOと連携して、グループ内外で発生した障害に迅速に対応し、真因分析、再発防止策等に取り組んでおります。 しかしながら、このような取組によっても、システムの障害等に起因し、当社グループの事業が大規模かつ長期間に亘り停止又は制約を受ける場合、当社グループが保有する個人情報及び機密情報等の漏えいが発生した場合、お客さま対応に不備が生じた場合には、業務の停止・混乱及びそれに伴う損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 投資事業に関するリスク当社グループでは、日本郵政キャピタル株式会社、JPインベストメント株式会社、ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社及びかんぽNEXTパートナーズ株式会社が投資事業を営んでおり、国内外への投資や新たな事業領域への出資等を行っております。こうした中、投資先の事業環境の変化その他様々な理由により、投資先の業績又は財政状態が悪化した場合には、投資資金を回収できず、また、投資活動により取得・発生した株式などの金融資産やのれんに評価損・減損損失が発生するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの投資先に内在する内部統制上の不備や法令等違反の問題を当社グループが投資後に早期に是正できない場合、当社グループの信用や企業イメージが低下し、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 不動産投資に伴うリスク当社グループは、日本郵便において、自社所有の不動産を有効活用し、事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業、分譲住宅事業等の不動産事業を営むとともに、日本郵政不動産株式会社、同社子会社のJPプロパティーズ株式会社及びJPビルマネジメント株式会社において、自社所有及びグループ外から取得した不動産により同事業を営んでおります。国内外の景気又は特定地域の経済状況や紛争の発生、人口、市場における需給等の変化により、不動産価格の下落、賃貸料の下落・未収、空室率の上昇、建築資材の価格や工事労務費等の高騰、着工・竣工時期の遅延や見直し、棚卸資産の増加等の影響を受ける可能性があります。さらに、法的規制の変更、大規模災害や感染症の発生、eコマース市場の拡大などの消費者動向の変化、ライフスタイルや働き方の変容により、商業施設(特に小売り)やオフィスの需要の変化等の影響を受ける可能性があります。また、上記不動産事業の利益拡大を目指してまいりますが、不動産事業におけるノウハウの不足、必要な人員の採用、定着が進まないこと等によっては想定通りに進捗する保証はなく、グループ外の企業との共同プロジェクトにおいては、当社グループによるプロジェクトへの管理が及ばなくなったり、共同事業者との間で意見の不一致が生じること等により、事業の進捗に支障が生じる可能性があります。これらの事象が当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼしたり、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 宿泊事業・病院事業に関するリスク当社の営む宿泊事業について、2023年3月末までに、営業中の全かんぽの宿33施設の事業譲渡・売却を完了しました。しかしながら、当社運営時における事象には、事業譲渡・売却後も事業譲渡先等に対する損害賠償責任を負うリスク、行政処分等のリスクが残存します。病院事業については、自然災害、火災、医療事故等から生じる潜在的な損失の発生、損害賠償責任、行政処分等のリスクを内包しております。また、高齢化等に伴う近時の医療費適正化の流れは、病院事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。 京都逓信病院及び広島逓信病院を2022年10月1日に事業譲渡したため、当社が運営する病院は東京逓信病院のみになりましたが、近年継続して営業損失を計上していることから、病院の状況を踏まえ、増収対策や経費削減による経営改善を進めております。しかしながら、経営改善策が当初想定した成果をもたらさない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 金融2社との関係に関するリスク(グループ協定等、人的関係・取引関係)グループ会社としてシナジー効果を発揮するため、当社と事業子会社との間でグループ協定等を締結し、グループ共通の理念、グループ運営に係る基本的事項等について合意しておりますが、金融2社についてはその独立性を確保する観点から、グループ運営に必要な事項や法令等に基づき当社による管理等が必要となる事項について、事前協議又は報告のみを求めております。 グループ協定等の存続期間は、金融2社がそれぞれ日本郵便と締結している日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約が解除される日までとしており、これらの契約の解除は、当社による金融2社の株式売却と連動しておりません。こうした中、当社グループの企業価値を最大化していくために、当社及び日本郵便と金融2社との間で契約関係(下記「5 経営上の重要な契約等」をご参照)、人的関係・取引関係(下記「(参考)⑤~⑦」をご参照)を構築しグループ運営を行うこととしておりますが、これらが機能しない場合、金融2社と当社及び日本郵便とのシナジー効果を実現できない可能性や、利益相反を適切に管理できない可能性があります。また、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの受託手数料が郵便局窓口事業セグメントの収益の大部分を占めることから、金融2社の経営方針に変更が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 当社の商標等の金融2社との関係に関するリスク当社及び事業子会社等が締結した、「日本郵政グループ運営に関する契約」等(以下「グループ運営契約」といいます。)に基づき、金融2社株式売却後も、金融2社は引き続き「日本郵政」ブランド及び関連商標の使用を継続する予定であります。そのため金融2社の株式売却後も、金融2社における業績の低迷、従業員の不祥事その他の理由により金融2社の社会的信用が低下した場合には、「日本郵政」のブランド・イメージに悪影響を及ぼす可能性、当社グループのコンプライアンス等の内部統制の有効性に疑義があるものと受け止められる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社はグループ運営契約に基づき、金融2社から、当社グループに属することによる利益の対価としてブランド価値使用料を受け取っており、金融2社がそれぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める関連銀行又は同条第3項に定める関連保険会社である限り、収受することを想定しております。しかしながら、金融2社にグループ運営契約を適用しなくなった場合、又は重大な経済情勢の変化等に起因してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク(1) 保有株式及び固定資産の減損損失に関するリスク当社が保有する金融2社の株式の時価が帳簿価額、又は特定投資株式の時価が取得原価に比べて著しく下落し、回復する可能性が認められない場合には、減損損失を計上することになり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより当社の分配可能額が減少し、会社法の規定により当社株主への配当の支払いが困難となる可能性があります。なお、当社が特定投資株式として保有する楽天グループ株式会社株式について、時価の低迷が継続しており、今後の時価の状況によっては、減損処理を行う可能性があります。また、当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業及び国際物流事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 繰延税金資産に関するリスク当社グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを行った上で、貸借対照表に繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更等により、繰延税金資産全額又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。かんぽ生命保険の繰延税金資産の計上では、当該課税所得の見積りにおいて、経営計画を基礎としており、今後、当該計画における取組方針の下、一定の新契約水準に到達する前提で作成しております。しかし、同社の足元の新契約の実績は増加しているものの、中期経営計画において想定していた水準まで達しておらず、このまま、新契約の実績が想定どおり進捗しない期間がより長期に継続する場合や、経済環境の大幅な悪化の継続などによる見積りの前提の変更、あるいは税制改正に伴う税率の引き下げにより繰延税金資産額が減少する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 退職給付債務に関するリスク当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提と異なる場合、又は、退職給付制度を改定した場合には退職給付費用及び債務が増加することで、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 国際財務報告基準(IFRS)の適用に関するリスク当社は、今後の国際財務報告基準(IFRS)の適用について国内外の会計基準の動向等を勘案し対応を検討してまいりますが、将来的に同基準を適用する場合、現行会計と異なる業績評価や経営管理が当社グループに不利に働くことで当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 格付の低下に関するリスク当社及び金融2社は、格付機関より信用格付を取得しておりますが、財務内容の悪化、日本国債の格下げ等により当該格付が格下げとなった場合、著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる、業務運営に対する不安を想起させる等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.各事業に特有のリスク(上記Ⅰ、Ⅱの記載を除く。)1.日本郵便の事業に関するリスク(1) 金融2社から日本郵便に対する郵便局窓口業務の委託(代理店営業)に関するリスク日本郵便は、金融2社との銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づき金融2社から受託手数料を受領しております。2018年12月、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行され、2020年3月期から郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便が負担すべき額を除きます。)は、金融2社からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機に受託手数料が見直されました。本受託手数料が、銀行法・保険業法に定められたアームズレングスルールの遵守等のもと、今後、減額する又は対象となる業務の範囲を限定する等、日本郵便にとって不利に改定された場合、また、競合商品との競争が激化する等の理由で郵便局の利用者数や利用頻度、金融2社の商品・サービスの利用が減少した場合には、郵便局窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。特に、ゆうちょ銀行からの受託手数料は、ゆうちょ銀行の直営店での業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績に基づき算出されるため、ゆうちょ銀行において業務コストが削減された場合には、当社グループの郵便局窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。当社グループとしては、今後もユニバーサルサービスが郵便局で一体的に利用できるよう、日本郵便と金融2社との関係を引き続き強化していく所存でありますが、金融2社はユニバーサルサービスの提供に係る法的義務を負うものではなく、郵便局ネットワークに代替する販売チャネルをより重視するようになった場合等の理由から、銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等の解除が発生した場合には、当社グループの郵便局窓口事業の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.ゆうちょ銀行の事業に関するリスク(1) 事業戦略・経営計画に係るリスクゆうちょ銀行は、“信頼を深め、金融革新に挑戦”のスローガンの下、2021年度から2025年度までを計画期間とする中期経営計画を推進しております。2024年5月には、ゆうちょ銀行を取り巻く経営環境の変化を踏まえ、2024年度から2025年度の残り2年間の計画を見直しており、「リテールビジネス」、「マーケットビジネス」及び「Σビジネス」という3つの成長エンジンをビジネス戦略の中心に据え、それを支える経営基盤の強化とあわせて取り組んでおります。しかしながら、これらに向けたゆうちょ銀行の事業戦略・経営計画は、本項に記載したリスク要因等に伴い、当初計画した成果が得られない可能性もあります。特に、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が想定通り推移しなかった場合、例えば、市場金利の低下による運用利回りの減少や米ドルをはじめとする海外短期金利上昇に伴う外貨調達コストの増加、海外のクレジットスプレッド拡大による保有投資信託の特別分配金発生、プライベートエクイティファンドの投資先の企業価値向上や資金回収ぺースの想定との乖離、国際分散投資等の高度化・加速の中で、適切なポートフォリオ分散を達成できない可能性の他、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。加えて、ゆうちょ銀行は、2024年3月末現在、主にLP(有限責任組合員)として出資をしておりますが、2024年5月21日付で投資運用業を事業内容とするゆうちょ銀行100%出資子会社「ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社」を設立し、今後はGP(無限責任組合員)業務の本格化を予定しており、この場合ゆうちょ銀行が負う上記の投資リスクはより高くなることが見込まれます。さらに、DXの推進等による、各種決済サービス及び資産形成サポートサービスの利用促進等並びに店舗改革等の業務効率化、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定通り進捗しなかった場合、役務取引等利益の拡大や市場運用業務における利益の拡大、営業経費の削減等の計画が達成できなくなる可能性や、ゆうちょ銀行の既存の対面型のサービスとの両立が困難となる可能性があります。さらに、ゆうちょ銀行が推進するΣビジネスについては、地域経済の低迷、地域金融機関又は地方自治体の利益相反若しくは協力不足、適切な収益機会の逸失等により期待された成果を上げない可能性があります。また、減損損失、売却損の計上等により十分な利益水準が確保できない場合や、相場変動によりその他有価証券の評価損が拡大し、分配可能額を確保できない場合等には、株主還元の目標が達成できない可能性があります。 3.かんぽ生命保険の事業に関するリスク(1) 事業戦略・経営計画に関するリスクかんぽ生命保険は、募集品質問題等の反省を踏まえ、お客さまから真に信頼される企業へと再生し、持続的な成長を目
FY2023|29,969 文字
3 【事業等のリスク】下記Ⅰ~Ⅲにおいて、当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しております。ただし、当社グループの事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。下記「Ⅰ. 当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」に、当連結会計年度末現在において当社経営陣が特に重視する事項について、その他の重要なリスクは下記Ⅱ及びⅢに記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <当社グループのリスク管理態勢>当社グループでは、「日本郵政グループ協定」及び「日本郵政グループ運営に関する契約」(いずれも2015年4月1日発効。以下「グループ協定等」といいます。)に基づき、事業子会社の管理対象リスクや当社への報告事項等、リスク管理に係る基本事項を定め、当社がグループのリスク管理状況や改善状況をモニタリングすること等により、グループ全体のリスク管理を行っております。当社では、グループガバナンス強化のため、グループのリスク管理統括責任者として、執行役の中から「グループ・チーフ・リスク・オフィサー(グループCRO)」を選任し、グループCROは、グループのリスク管理状況・取組について取締役会等への報告を行い、取締役等から監督を受けております。また、グループ各社のリスク管理担当役員をメンバーとする「グループオペレーショナルリスク管理連絡会」等を通じ、事業子会社のリスク管理の向上に向けた情報共有・協議等を実施しております。なお、事業子会社は、自社のリスク管理を統括する部署を定め、自ら主体的に自社の事業特性に応じたリスクの特定、評価、制御、モニタリング等のリスク管理を行うとともに、当社に対し必要事項を報告する等のリスク管理態勢を整備しております。 <グループ重要リスク管理>当社は、外部環境の変化や事業戦略等を踏まえ、毎年、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(グループ重要リスク)の見直しを行っております。具体的なリスクの特定、評価については、取締役及び執行役へのアンケート(役員アンケート)を通じて行い、改善策の策定、取組状況のモニタリング等を経営陣が行うPDCAサイクルを回しております。 Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク 当社は、役員アンケートに基づき、グループ重要リスクのうち発生可能性と当社グループの業績への影響度の観点から特に優先度の高いものを「経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」(以下「トップリスク」)としております。下図はトップリスクの相対的な位置づけを図示したものであります。ここに記載した各リスクの発生可能性、影響度、優先度は、本書提出日現在における当社経営陣の認識であり、発生可能性、影響度又は優先度を「小」と記載したリスクが発生し当社グループの事業等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではありません。 1.金利環境変化に伴うリスク当社グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業から生じる収益により占められております。 (低金利継続リスク)低金利環境の長期化を受け、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の債券運用収益は低位で推移しており、引き続き回復しない場合には、さらに基礎的な収益力が低下し、当社グループの収益の減少幅が拡大するリスクがあります。ゆうちょ銀行については、保有する金融資産と貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等に差異が存在すること、低金利環境の継続による運用収益の減少に比して相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少するリスクがあります。かんぽ生命保険については、保険契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であること、既に保有している保険契約の予定利率は変わらないことから、当初想定していた運用収益が確保できない、さらに逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均運用利回りが既契約の責任準備金の積立てに用いた予定利率を下回る現象)となるリスクがあります。 (金利急上昇リスク)世界的な高インフレを背景とした米国等の金融引き締め等の中、2022年12月には日銀による大幅緩和が一部修正されておりますが、今後の各国中央銀行の金融政策動向、国内外の景気変動、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により急激な金利上昇が生じ、当社グループの保有資産の価値が大幅に下落するリスクや、定額貯金(預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)等の預け替え、保険の解約が進むリスクがあります。ゆうちょ銀行では、数十兆円規模の海外金融資産を保有しており、海外クレジット市場の信用スプレッド拡大時にはこれら海外金融資産の価格が下落し、保有する投資信託における収益認識できない特別分配金の発生等を通じて収益が大幅に減少する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、金融2社では中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、財務健全性の観点からストレス・テスト等を実施し、また、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行うことにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、低金利環境の長期化や急激な金利上昇が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.金融2社の株式売却に関するリスク(売却に至るまで及び売却後のリスク)当社は、郵政民営化法において、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービスの履行への影響等を勘案しつつ、保有する金融2社の株式をできる限り早期に処分するものとされており、当社グループの中期経営計画において、金融2社株式の保有割合を50%以下とすることを目指しております(下記「(参考)①日本国政府による当社株式の保有状況及び当社による金融2社の株式保有状況(2023年3月期末日時点)」をご参照)。今後の当該株式の売却については、証券市場への影響に配意し、時期、売出回数、規模等を慎重に検討し進めていく所存でありますが、適切な時期に適切な条件で売却できず、売却収入が当社保有の金融2社株式の帳簿価額を下回った場合には、当社の損益計算書に売却損失を計上する可能性があります(下記「(参考)②金融2社株式処分の連結財務諸表への影響」をご参照)。また、想定通りに売却が進まない結果、金融2社に係る郵政民営化法上の上乗せ規制が撤廃されず金融2社の経営自由度の拡大が実現できない可能性もあります(下記「Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク ③当社グループ固有に適用される規制等」をご参照)。また、2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しに際し、ゆうちょ銀行はプライム市場の上場維持基準のうち「流通株式比率35%以上」に適合しなかったため、経過措置の適用を受けた上で、プライム市場へ移行しました。当社は、2023年3月に当社保有のゆうちょ銀行の株式を一部売却しましたが、2023年3月末時点においてゆうちょ銀行は上記比率に適合しておりません(注)。ゆうちょ銀行が上場維持基準に適合できないことにより、ゆうちょ銀行の株式の株価下落により当社業績が悪化する、又はゆうちょ銀行株式売却がさらに困難になる可能性があります。一方、当社グループの利益の大部分を占めるのは金融2社の利益であり(下記「(参考)③セグメント利益・資産(2023年3月末現在)」をご参照)、金融2社の株式の売却が進み、当社の持分比率が減少することで、親会社株主に帰属する当期純利益が減少することにより、当社の財務の健全性の確保ができなくなるほか、キャッシュフローの悪化、資金調達能力が制限される可能性があります。また、当社が金融2社から受け取る配当金が減少することにより、当社の期待する配当原資の確保ができなくなる可能性があります。また、当社が金融2社の株式を処分しその持分が低下するのに伴い、金融2社以外の事業のウェイトが高まり、当該各事業における収益の悪化が、当社グループの事業、業績及び財政状態に、より影響を及ぼすことになります。さらには、金融2社の株式保有割合が低下することにより、当社の利益と金融2社の少数株主の利益が相反し、金融2社の意思決定が、当社グループの意向に沿わないなど、グループの一体的な業務運営が難しくなる可能性があります。また、顧客離れ、ブランド力低下により当社グループの収益が金融2社の持分低下の影響を超えてさらに低下する可能性もあります(下記「(参考)④議決権等議決事項(2023年3月末現在)」をご参照)。当社としては、株式売却により得た資金を活用して、資本の効率化の観点から自己株式取得も行いつつ、新たなビジネスを展開し、ビジネスポートフォリオの転換に取り組みます。加えて、郵便局を核としたグループ運営を徹底し、グループ各社の経営方針の整合性確保や、グループ内の人事交流、情報共有を図り、グループガバナンスを維持してまいります。しかしながら、それらが機能しなかった場合、金融2社に代わる事業基盤やグループのシナジー効果を確保できず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (注)今後、2025年3月末までに上場維持基準を充足できない場合には、1年間の改善期間に入ります。さらに、改善期間内に基準に適合しなかった場合には、一定の監理銘柄(確認中)指定期間及び整理銘柄指定期間を経て上場廃止となります。 3.ユニバーサルサービス提供に係るリスク当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、ユニバーサルサービス確保の責務を負っております。当責務については、2015年9月「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会の答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされました。こうした中、同審議会による2019年9月「郵便サービスのあり方に関する検討」に関する答申においては、郵便サービスを「あまねく、公平に」安定的に提供し続けるため、そのあり方について検討結果が取りまとめられ、郵便法改正を経て、日本郵便において土曜日配達の休止、お届け日数の繰り下げなどの見直しを行いました。上記見直し後も、ユニバーサルサービスの維持に当たっては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費、社員の人件費等が発生しております。今後、電子メールやウェブサイト等インターネットを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、郵便、貯金、保険といった郵便局で提供するサービスのご利用が減少した場合であっても、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があることから、収益性の低い事業又は拠点等を縮小する等の対応が制限される可能性があります。一方、ユニバーサルサービスを維持し、全国あまねく有人店舗展開を行うことは、他社にない当社グループの強みでもあります。お客さまが対面で相談したいというニーズに今後もお応えするため、当社グループの中期経営計画のもと、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現に向けて他社や地方公共団体と連携を図りながら、お客さまや地域のニーズに応じた商品・サービスの提供を行い、収益力の向上に取り組むとともに、業務運営のデジタル化等により業務効率化を図ってまいります。その上で、安定的なサービス提供の維持のため、コストに見合う各種郵便料金の改定を検討しております。しかしながら、このような取組が奏功しなかった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、ユニバーサルサービス維持のための費用負担の増大から当社グループの損益が大幅に悪化した結果、事業運営コストを賄うために収益性を過度に追求した営業や過度のリスクを伴う資金運用を行った場合、コンダクト・リスクや運用リスクが顕在化する可能性もあります。 4.サイバー攻撃に関するリスク(セキュリティの脆弱性を含む)当社グループは、郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している中で、事業運営上のシステムへの依存度が高い状況にあります。さらにリアルの郵便局ネットワークとデジタル(デジタル郵便局)とを融合し、幅広い世代・地域のお客さまへ新しい価値を提供するため、グループ一体でのDXを推進しており、今後ますますその重要性が高まることが予想されます。一方、近年増加の著しいサイバー攻撃や各種サービスの不正利用により企業・団体が保有する個人情報等の漏えいが多発しており、当社グループにおいても、サイバー攻撃の高度化、インターネットを介したお客さまとの双方向アクセス増加、在宅勤務(テレワーク)の拡大等の結果、当該リスクが高まっております。こうした中、当社グループのサイバーセキュリティ担当役員で構成するグループサイバーセキュリティ委員会を設置し、グループ全体でセキュリティの高度化の推進、セキュリティ専門家による点検・指導、対策推進等サイバー攻撃への対応に努めております。不正アクセス等のサイバー攻撃に対しては、メール受信やWeb閲覧に対するウイルス感染抑止等の入口対策、外部デバイスの接続制限や、許可された通信先以外の遮断等の出口対策を講じ、恒常的にサイバーセキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。加えて、各種サイバーセキュリティ演習を実施し、事業継続も含めたインシデントレスポンス能力の向上などに努めております。しかしながら、当社グループのシステムへの攻撃、各種サービスの不正利用により、事業が大規模かつ長期間に亘り停止又は制約を受けるような事案が発生した場合、さらに、お客さま対応に不備が生じ社会的信用の低下を招いた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5.DXの取組が奏功しないリスク少子高齢化・デジタル化の進展の中、企業が競争上の優位性を確保するためには、データとデジタル技術を活用して、ビジネス環境の激しい変化に対応し、お客さまや社会のニーズに基づき、商品・サービス、ビジネスモデル、業務等を変革することが必要となります。当社グループでは、2021年7月に当社の連結子会社として株式会社JPデジタルを設立し、お客さまへの新たな体験価値を生み出す「みらいの郵便局」施策によりリアル/デジタル両面からお客さまと郵便局のタッチポイントの増加を目指すほか、JPプラットフォームアプリやOneID等のグループ横断的なDX施策を進めてまいります。また、当社グループは、P-DX(Postal-Digital transformation:デジタル化された差出情報と、日本郵便ならではの配達先情報を活用し、データ駆動型のオペレーションサービスを実現するための郵便・物流事業改革)の推進によるオペレーション改革、窓口業務運営のデジタル化等を進めております。しかしながら、これらの施策が計画どおり進まない場合や、事業環境の変化に適時かつ適切に対応できず、競争力が低下する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6.新しいかんぽ営業体制のもとでの営業推進に係るリスク当社グループは、2019年12月にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る諸問題により行政処分を受け、業務改善計画に基づく改善取組を行ってまいりました。2021年度には、信頼回復に向けた業務運営を継続する中で、お客さまのニーズを確認しながら金融商品の情報提供やご提案を実施する、新たな営業スタンスへ移行しました。また、2022年4月からは、お客さま担当制の導入などを含む「新しいかんぽ営業体制」を開始しました。日本郵便からかんぽ生命保険に兼務出向した高い機動性と専門性を持つコンサルタントと、多様なお客さまニーズに応える日本郵便の窓口社員が、それぞれの能力を最大限に発揮することを目指します。新たな営業体制のもと、営業目標の達成に向けて、社員一人ひとりへの営業方針の浸透、営業活動の活発化を図るとともに、お客さま体験価値(CX)を最優先としたビジネスモデルへの改革と新商品の開発や既存商品の改定、お客さまの利便性を考慮した募集フローの確立等に取り組んでまいりますが、これらが奏功せず、営業方針の理解不足やスキルの不足、保険募集に対するモチベーションの低下等によって、新契約の実績が計画通り進捗せず、保有契約の維持を図れない可能性があります。加えて、マネジメント態勢等が十分に浸透しないことにより、不適正募集、お客さま本位の業務運営に反する事象が生じた場合、社会的信用の低下を招く可能性もあります。なお、新契約の実績低迷は、かんぽ生命保険が日本郵便に支払う募集手数料等の事業費減少により、短期的にはかんぽ生命保険の利益増加の要因となりますが、長期的には、保有契約件数減少等につながり、当社グループの事業、業績、財政状態及びかんぽ生命保険のEV等の指標にも影響を及ぼす可能性があります。 7.人的リスク(人材確保・ハラスメント・労働問題・人件費増加)2023年3月末現在、当社グループは、全国に20万人を超える従業員を配置しておりますが、少子高齢化による労働人口の減少や、当社グループの魅力や優位性が低下した場合などには、人材の確保が困難となる可能性があります。郵便・物流事業では、郵便物や荷物の配達・集荷等の業務において、多数の協力会社に協力をいただいていることから、協力会社とのパートナーシップ構築に向けた取組を進めております。一方、2024年4月から、自動車運転業務に係るドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることを受けて、トラックドライバー等の人手不足が深刻化し、適切な水準の人員の確保が困難となる可能性があります。加えて、DX推進に必要なIT等の高度な専門性を有する人材の確保も、競争激化から困難となる可能性があります。また、魅力的な労働環境を提供できなかった場合、あるいは人事処遇やハラスメント等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、人材の流出・不足を招く可能性があります。さらに昨今、国内の賃金水準が上昇しており、労使交渉・労働法制の変更等を受けて給与等を増額した場合には、一人当たりは小さな増額であっても、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、かかる事態に対処するため、働きやすい職場づくり、労働条件の整備、人材育成、女性活躍をはじめとしたダイバーシティの推進、ハラスメント相談体制の整備等を推進しておりますが、かかる施策が奏功しない場合には、人員不足、人件費の増加、競争力の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、人的資本に関する事項は、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 8.システム障害等のリスク郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している当社グループにおいては、事業運営上のシステムへの依存度が高く、当社グループのコンピュータシステムは、お客さまや各種決済機構等のシステムに接続する極めて重要な機能を担っております。こうした中、大規模自然災害、テロリズム、停電、ITガバナンスの不備、システムの新規開発・更改における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、人的過失等により重大なシステム障害等が発生する可能性があります。当社グループでは、各社の基幹システムの基盤更改(日本郵便の郵便・物流システム(2024年2月サービスイン)、ゆうちょ銀行の業務システム・営業店システム(2023年5月サービスイン))等に当たり、ITガバナンスの強化に向けてグループCIOが経営層を含めた推進会議に出席し、情報共有を行うとともに、事業子会社のCIOと連携して、グループ内外で発生した障害に迅速に対応し、真因分析、再発防止策等に取り組んでおります。しかしながら、このような取組によっても、システムの障害等に起因し、当社グループの事業が大規模かつ長期間に亘り停止又は制約を受ける場合、当社グループが保有する個人情報及び機密情報等の漏えいが発生した場合、お客さま対応に不備が生じた場合には、業務の停止・混乱及びそれに伴う損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 9.情報漏えいに係るリスク当社グループが保有するお客さま、従業員、取引先等に関する情報は、郵便法、銀行法、保険業法及び金融商品取引法等を踏まえ、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことに加え、社会的受容性にも十分配慮する必要があり、データガバナンスの強化が求められております。また、2022年4月施行の改正個人情報保護法に基づく報告が義務付けられ、当社グループ内においても、個人情報データ等の漏えい事案を個人情報保護委員会等へ報告しております。かかる事態の発生を防止するため、グループ全社員を対象としたコンプライアンス教育を通じて個人情報保護を含めた情報管理に対する意識の醸成、適切な情報管理の徹底を図っております。さらに、2022年11月にグループ横断的なデータガバナンスを所掌するデータガバナンス室を新設するとともに、2023年3月にグループDXコミッティの下にグループ・データガバナンス分科会を設置し、体制強化を図っております。このような施策が奏功せず、当社グループが保有する個人情報等の漏えいが発生した場合は、損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、サイバー攻撃による個人情報等の漏えいに関するリスクについては上記「4.サイバー攻撃に関するリスク」をご参照ください。 10.外貨資金調達環境の悪化リスク当社グループでは、特にゆうちょ銀行において、収益源泉・リスクの分散を目的に、外国債券やこれを主な投資対象とする投資信託等の保有が増加しておりますが、世界的な高インフレを背景とした米欧中銀の金融引き締め等により、国内外の金利差が拡大していることから、外貨調達コストの上昇が顕在化し、業績に悪影響を与えております。今後、さらに外貨調達コストが上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、これらの外国証券の運用において、為替リスクを軽減する目的から通貨スワップや為替予約等のヘッジ取引を行っておりますが、ヘッジコストの上昇等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済・政治情勢その他の事業環境の変化に伴うリスク① 郵便・物流事業等米中覇権争いの激化、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等による地政学リスクの高まりに伴い国内外の経済・金融の悪化やサプライチェーンの寸断による物流事業の停滞、エネルギー価格及び人件費の高騰等により、事業費が増加し収益性が低下する可能性があります。また、トール社がアジア太平洋地域等におけるフォワーディング、ロジスティクス等の国際物流事業を行っており、上記の地政学リスクの高まり等を原因とする世界経済の減速、各国・地域の経済情勢や政治情勢等の変動により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行業・生命保険業世界的な金融政策の変更、米欧金融機関の経営破綻、地政学リスクの高まり等に起因する歴史的な金融・資本市場の動揺、グローバル経済の減速懸念の中で、金融2社の海外金融資産の増加を受けて、海外クレジット市場の信用スプレッド拡大、外貨の調達、通貨ベーシスの拡大によるヘッジコスト上昇の影響で、保有資産の評価損、減損損失及び売却損の計上、剰余金の処分による分配可能額の減少・消失等が、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、金融2社の資産運用・ALMに係るリスクについては、上記「Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク 1.金利環境変化に伴うリスク及び10.外貨資金調達環境の悪化リスク」をご参照ください。その他の資産運用リスクは次のとおりであります。 (市場リスク)金利リスクの影響の他、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に保有している株式(プライベートエクイティファンドを含む。)の株価が、国内外の経済状況又は市場環境の変化によって変動する場合、あるいは為替相場が大幅に変動する場合には、保有有価証券に評価損・減損損失や売却損等が生じる可能性があります (信用リスク)有価証券の発行体や貸出先などの債務者において、国内外の経済情勢の深刻な影響や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、誤った経営判断、不祥事、その他不測の事態による財政状態の悪化等が生じた結果、与信関係費用が増加し又は保有する有価証券等の価値が下落する可能性があります。 (市場流動性リスク・資金流動性リスク)金融市場の混乱等により、市場の流動性が減退した場合、市場において正常に金融商品の取引・資金決済ができなくなる場合、大量解約に伴う解約返戻金の増加、巨大災害に伴う保険金の大量支払等により資金繰りが悪化した場合には、保有する資産の価値が減少する可能性、不利な価格での取引を余儀なくされる可能性、また、資金調達コストが上昇する可能性があります。 これらに対し、リスク管理態勢を高度化し、財務健全性の観点からストレス・テスト等を実施し、運用の分散や機動的な運営に努め、必要な法令上の規制比率を確保しておりますが、金融・資本市場、国内外の経済情勢その他事業環境の大幅な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合に関するリスク当社グループの事業はいずれも激しい競争状況に置かれており、競業他社は、AI・Fintech・テレマティクス等の技術の活用、事業環境の変化、事業戦略の変更等で、競争力の優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。また、近年、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制や業務範囲等の規制緩和が行われている中で、当社グループが市場構造の変化に対応できない可能性があります。特に、eコマース市場の拡大に伴い宅配取扱数量の増加がみられる中で、物流事業における競争は激しく、競業他社が競争力のある価格でサービスを提供することが日本郵便のシェアに影響を与えます。また、物流事業者やEC事業者による提携、主要なECプラットフォーマーによる独自の物流サービスの展開等が進んでおり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生する可能性があります。こうした中、当社グループの中期経営計画で掲げた、お客さまサービスの向上やDXの推進によるビジネスモデル等の変革に取り組んでおりますが、かかる取組が奏功しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 大規模災害発生時等の事業継続に関するリスク当社グループは、国内外で事業活動を行っており、各国・地域における地震、台風、洪水、大雪等の大規模自然災害、新型コロナウイルス等の感染症、戦争、テロリズム等の人的災害、水道、電気、ガス、通信、金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、当社グループの店舗その他の設備や施設の損壊等が生じた場合、当社グループの事業運営に支障をきたし、設備やインフラの回復、お客さまの損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の収束後においても、非対面・非接触サービスの定着や、ライフスタイルが変わるような事業環境の変化が生じた場合に当社グループが適切に対応できない可能性があります。特に、かんぽ生命保険においては、大規模災害や感染症の大流行に起因して、危険準備金を超える保険金・給付金の支払いが発生する可能性があります。グループ各社は、緊急事態が発生した場合に優先的に再開させる重要業務を明確にし、事業継続と復旧をスムーズに実現させるための事業継続計画(BCP)を策定し、緊急時の危機管理体制を整備しております。しかしながら、同計画による対応を適切に行ったとしても、緊急事態の規模や状況によっては、事業活動を円滑に継続、又は早期に業務が復旧できる保障はなく、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、当社グループは新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約される可能性があります。当社グループの中期経営計画で新たな成長戦略に取り組んでおりますが、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの法的規制については、上記「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項」をご参照ください。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便約款や業務委託の認可制、全国一律料金制度といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。また、民間事業者による信書の送達に関する法律に基づき、一般信書便事業は一定の参入条件が課された許可制とされております。現時点において参入している民間事業者はありませんが、同法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生する可能性があります。これらの規制の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制金融2社は、銀行法及び保険業法等に基づき、自己資本比率規制及びソルベンシー・マージン規制を含む金融業規制を受けており、銀行持株会社・保険主要株主である当社も、銀行持株会社としての連結自己資本比率規制を含む各種規制を受けております。また、銀行業におけるバーゼルⅢ規制の最終化や保険業における経済価値ベース規制等の新たな規制の導入や、国際的な監督規制として、システム上重要な銀行(SIBs)に対する規制が課せられる可能性もあります。一方、日本郵便は、銀行法に基づき、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、内閣総理大臣の承認を得ない限り、法令で定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際のお客さまへの説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、保険業法に基づき、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、お客さまに対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。当社グループが上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可、免許又は登録の取消し、業務の一部又は全部の停止、改善措置等を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [当社グループが受けている主な許認可等]許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項保険主要株主の認可保険業法第271条の10第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の16第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等日本国政府は、郵政民営化法により、当社株式の発行済株式総数の3分の1超を保有する義務を負っていることから、引き続き当社に重要な影響を及ぼしうることになります。また、当社が将来、日本国政府の保有割合が発行済株式総数の3分の1を下回るような新株式の発行による資金調達を実施する場合、日本国政府にも一部を割り当てることが必要となるところ、その条件等について日本国政府と合意できずに、資金調達を断念せざるを得なくなる可能性があります。その他、当社グループに関する日本国政府の利益は、当社のその他の株主の利益と相反する可能性があり、また、日本国政府が、株主としての経済的利益よりも公共政策上の判断等を優先した場合等には、当社のその他の株主の利益に反する支配力又は影響力の行使がなされる可能性があります。当社及び日本郵便は、日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法により、新規業務、株式の募集、取締役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定等を行う場合には、総務大臣の認可(日本郵便の新規業務は届出)が必要とされております。金融2社は、郵政民営化法により、新規業務、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。また、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(金融2社におけるこれらの規制を「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。なお、かんぽ生命保険については、当社が株式の2分の1以上を処分した旨の総務大臣への届出を行ったため、上記業務について、認可は要しなくなったものの、内閣総理大臣及び総務大臣への届出は要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。こうした事業活動への一定の制約は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール公社を承継した機関として、当社、日本郵便及び金融2社が政府調達協定その他の国際協定の適用を受ける物品等を調達する場合には、国際協定に定める手続の遵守が求められます。当社グループ各社は、適切な調達に向けた態勢を整備しておりますが、当該手続を遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは遅れが発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 法令等違反に関するリスク当社グループでは、貯金払戻金窃取や郵便物等の放棄・隠匿事案等が複数件発生しており、発生原因の分析、再発防止策の検討等を行い、法令等違反の撲滅に向けて、コンプライアンスの徹底・強化、並びにグループガバナンス及び内部統制の強化に取り組んでおります。また、当社グループは、2019年12月にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る諸問題に関し、監督当局からの行政処分を受け、2020年1月に策定した業務改善計画に基づき各種施策に取り組み、外部専門家で構成されたJP改革実行委員会のモニタリングを受けながら、お客さまからの信頼回復を図ってまいりました。さらに、当社グループは、お客さまの声や内部通報制度等を通じた社員の声の収集・分析を行い、潜在的なリスクを検知して防止策を講じ、法令等遵守を徹底しております。しかしながら、かかる態勢・予防策が十分な効果を発揮せず、法令等違反があった場合には、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融対策及び銀行口座の不正使用等に伴うリスク金融犯罪が多様化かつ高度化し、世界各所でテロ犯罪が継続的に発生する等、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策(以下「マネロン等対策」といいます。)の重要性が急速に高まっております。本邦においては、2021年8月の我が国のマネロン等対策に関する法規制の遵守状況及び対策の実効性を審査するFATF第4次対日相互審査結果の公表及び本邦の行動計画の策定等を受けて、マネロン等対策の強化が課題となっております。当社グループの商品・サービス、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、銀行口座の不正使用等が発生した場合には、当社グループに対する社会的信用が低下する可能性があります。このため、当社グループは、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備するとともに、役員・従業員への研修等を通じてマネロン等対策の強化を図っております。しかしながら、かかる取組が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分等により、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) お客さま本位の業務運営に関するリスク当社グループでは、経営理念にお客さま本位のサービスを提供する旨掲げており、各社において「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」を制定・公表し、その徹底に向け、取り組んでおりますが、2019年にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題、2020年にかんぽ生命保険商品と投資信託の横断的な販売について、お客さま本位といえない営業が行われていた問題が発覚しました。当社グループは、業務改善計画を着実に実行しており、さらに外部専門家の方々で構成されたJP改革実行委員会から受けた評価、助言等も踏まえ、グループガバナンスの強化等を図っております。さらに、信頼回復に向け、お客さまや社員の声を経営改善に活用する等、改善策を実行し、「お客さま本位の業務運営」に取り組んでまいりました。当社は、2021年4月にグループコンダクト統括室を設置し、子会社からのコンダクト・リスクに係る情報を迅速に把握する態勢を整備し、グループとして一体的な対応をしております。また、2022年4月にグループコンダクト向上委員会を設置し、グループ行動憲章を実践していくためのグループコンダクトを向上させる取組について、外部有識者による助言をいただき、信頼回復などに取り組んでおります。当社グループは、こうしたお客さま本位の業務運営を徹底し、組織風土改革を含む信頼回復に向けた取組を継続してまいりますが、今後、お客さまの不利益となるような事例が追加で判明した場合には、更なる行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に当たり、人事労務、業務上の事故、外部委託、知的財産権等の利用に関する事項をはじめとする、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起されるリスクを有しております。実際、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合や、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる等不利な判断がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、2020年10月に最高裁判所から、労働契約法第20条(平成30年法律第71号による改正前のもの)に基づき、一部の手当や休暇制度について、正社員と期間雇用社員である原告間に差異があるのは不合理との判決を言い渡されました。当社グループにおける今後の人事労務制度の改正内容については、最高裁判所の判決内容を踏まえ、検討してまいりますが、その対応内容によっては相当の費用を要するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループの事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物や荷物の誤配・紛失等、交通事故、重大な事務事故、個人情報等の漏えい、サイバー攻撃等によるシステム障害、お客さま本位の業務運営に反する行為、反社会的勢力との取引、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、労働問題、ハラスメント等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。当社グループでは、グループ全社員へのコンプライアンス教育や「お客さま本位の業務運営」の徹底を通じ、かかる事態の未然防止に努めております。2021年には、日本郵便において、経費で購入した業務用カレンダーの配布にあたって全国郵便局長会より不適切な指示が行われていた問題が発覚しました。再発防止のため、「会社の活動」と「業務外の活動」のしゅん別に関する全役員・社員への継続的な指導等を着実に実行し、同様の事案を発生させないよう取り組んでおります。また、同カレンダーの配布にあたって、業務上得られた個人情報を業務外の活動に使用する等の不適切な取扱いも発覚したことに伴い、再発防止のため、個人情報の適正な取扱いの徹底等に関する教育・研修を日本郵便の全社員対象に行っております。しかしながら、これらの施策にもかかわらず上記のような事態が生じ、当社グループの風評・風説が、市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、又は、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、お客さまや市場関係者等から否定的な認識又は強い批判がなされ社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 中期経営計画に関するリスク当社グループは、中期経営計画において、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指し、DXの推進により、リアルの郵便局ネットワークとデジタルの融合に取り組んでおります。ユニバーサルサービスを含むコアビジネスの充実強化については、郵便・物流事業では、P-DXの推進、商品・サービス、オペレーションの戦略的見直しによる競争力の強化(荷物収益の拡大等)に取り組んでおります。加えて、不動産事業の拡大や、新規ビジネス等の推進により、ビジネスポートフォリオの転換、グループの新たな成長の実現に取り組んでおります。しかしながら、将来の戦略、計画、方針等には本「事業等のリスク」に記載のものを含む様々なリスクが内在しており、想定通りに進捗しなかった場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、コアビジネスのうち、銀行業及び生命保険業にかかる事業戦略及び経営計画に関するリスクについては、下記「Ⅲ.各事業に特有のリスク」をご参照ください。 (2) サステナビリティ経営に係るリスク上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、当社グループは、「日本郵政グループサステナビリティ基本方針」において、当社グループの事業活動を通じてサステナビリティを巡る社会課題の解決に貢献することにより、グループの持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上に努めることを掲げるとともに、当社グループの中期経営計画において、「人生100年時代の『一生』を支え、日本全国の『地域社会』の発展・活性化に貢献し、持続可能な社会の構築を目指すこと」をESG目標として設定しております。当社グループのサステナビリティに関する重要課題については、①地域生活・地域経済、②高齢社会への対応、③サービスアクセス、④環境、⑤人材・人的資本、⑥経営基盤、といった領域を特定しております(それぞれの領域における取組の方向性については、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。)。これらの課題に関するリスク及び機会に対処するための具体的な取組については、サステナビリティ委員会及び日本郵政グループサステナビリティ連絡会において確認と推進管理を行っておりますが、その対応が十分でない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 (3) グループ外の企業との資本・業務提携、外部委託及び企業買収並びに業務範囲の拡大等に伴うリスク① 資本・業務提携・外部委託先に関するリスク当社グループは、当社グループ外の企業との間で様々な資本・業務提携、外部委託を行っております。主な資本・業務提携等は、下表のとおりであります。こうした資本・業務提携、外部委託については、シナジー効果を含めたモニタリングを実施しておりますが、目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りの効果が得られない場合や、顧客情報等の漏えい、不祥事等が発生した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 企業名日付当社グループ内容アフラック・インコーポレーテッド アフラック生命保険2018年12月 当社 戦略提携に合意アフラック・インコーポレーテッドの発行済株式総数(自己株式を除く。)の約7%を取得(2023年3月末現在の保有株式数は、5,230万株)楽天グループ株式会社 2021年3月 同年4月 同年7月 当社・日本郵便 当社・日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険 日本郵便 資本・業務提携に合意楽天株式会社(現楽天グループ株式会社)の発行済株式総数(自己株式を除く。)の約8%を取得業務提携に合意 JP楽天ロジスティクス設立(日本郵便の連結子会社) ② 他の企業の買収に関するリスク他の企業の買収については、当該事業分野の競争激化や当社のノウハウ不足から業務範囲の拡大が功を奏せず、過度の人的・物的負担が生じる可能性があり、また、買収先企業を当社グループ事業と統合する上では、買収先企業の重要な顧客等との良好な関係を維持できない、買収資産の価値が毀損し損失が発生する、又は買収先企業の経営陣を含む人材流出が発生する等により、当初想定した成果をもたらさず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 投資事業に関するリスク当社グループでは、日本郵政キャピタル株式会社及びJPインベストメント株式会社が投資事業を営んでおり、国内外への投資や新たな事業領域への出資等を行っております。こうした中、投資先の事業環境の変化その他様々な理由により、投資先の業績又は財政状態が悪化した場合には、投資資金を回収できず、また、投資活動により取得・発生した株式などの金融資産やのれんに評価損・減損損失が発生するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの投資先に内在する内部統制上の不備や法令等違反の問題を当社グループが投資後に早期に是正できない場合、当社グループの信用や企業イメージが低下し、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 不動産投資に伴うリスク当社グループは、日本郵便株式会社において、自社所有の不動産を有効活用し、事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業、分譲住宅事業等の不動産事業を営むとともに、日本郵政不動産株式会社及び同社子会社のJPプロパティーズ株式会社において、自社所有及びグループ外から取得した不動産により同事業を営んでおります。国内外の景気又は特定地域の経済状況や紛争の発生、人口、市場における需給等の変化により、不動産価格の下落、賃貸料の下落・未収、空室率の上昇、建築資材の価格や工事労務費等の高騰、着工・竣工時期の遅延や見直し、棚卸資産の増加等の影響を受ける可能性があります。さらに、法的規制の変更、大規模災害や感染症の発生、特に新型コロナウイルス感染症の影響により、テナント賃料の減免等が一部発生しているほか、収束後も、eコマース市場の拡大などの消費者動向の変化、ライフスタイルや働き方の変容により、商業施設(特に小売り)やオフィスの需要の変化等の影響を受ける可能性があります。また、上記不動産事業の利益拡大を目指してまいりますが、不動産事業におけるノウハウの不足、必要な人員の採用、定着が進まないこと等によっては想定通りに進捗する保証はなく、グループ外の企業との共同プロジェクトにおいては、当社グループによるプロジェクトへの管理が及ばなくなったり、共同事業者との間で意見の不一致が生じること等により、事業の進捗に支障が生じる可能性があります。これらの事象が当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼしたり、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 海外子会社に関するリスク① トール社の業績に関するリスク国際物流事業を担うトール社の事業は、世界経済の減速や新型コロナウイルス感染症、サイバー攻撃等の影響等もあり、厳しい経営環境が継続しております。エクスプレス事業については、2021年8月、Allegro Funds Pty Ltdの傘下企業への譲渡手続が完了いたしましたが、トール社のオペレーションから当該事業を完全に切り離すために追加の費用等が生じる可能性があります。エクスプレス事業の譲渡後、日本郵便は、人員配置の合理化等によりトール社の残るロジスティクス事業及びフォワーディング事業の採算性の向上に努めるとともに、JPロジスティクスグループ株式会社の活用等により、豪州に依存した経営構造から日本を含むアジアを中心としたビジネスモデルへの転換による成長を図ります。しかしながら、同社のかかる経営改善策及び成長戦略が功を奏せず、トール社の業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便がトール社の事業再編その他日本を含むアジアを中心としたビジネスモデルへの転換をさらに進めるに際して総務大臣の認可が必要となる場合、必要な認可を適時に取得できないことにより、事業再編等に支障が生じる可能性があります。また、トール社は、日本郵便の買収以前に多数の企業買収を行っておりますが、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消しない可能性、複雑な業務及び設備、並びに世界各地の多様な従業員を十分に管理できない可能性があります。さらに競合関係にある競業他社が、トール社より優れた商品・サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ⅠTシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、さらには、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、トール社を親会社とする連結グループは、2022年12月末時点で826億円の債務超過となっておりました。これを受けて、日本郵便はトール社に対し2,000百万豪ドル(約1,800億円)の追加出資を行っており、これにより、2023年3月末時点でトール社の債務超過は解消しておりますが、トール社の収益性の悪化等により、日本郵便において減損損失が発生し又はさらなる出資を要する可能性があります。 ② トール社に適用される規制等トール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、ロジスティクス事業を行っており、関連する国・地域の事業許可や租税に係る法規制、運送、貿易管理、独占禁止、為替規制、環境等の法規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合、また、コンプライアンス態勢が十分な効果を発揮せず、法規制等の違反が生じた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 為替変動・国際財務報告基準(IFRS)の適用のリスクトール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されており、大幅な為替相場の変動が生じた場合、外貨建ての資産・負債等が当社の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社の連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)が適用されていることから、同基準の変更により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 資金繰り等のリスクトール社は、継続的に設備投資等を行っており、金融機関からの借入等が一定程度ありますが、その返済が困難となる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 宿泊事業・病院事業に関するリスク当社の営む宿泊事業について、2023年3月末までに、営業中の全かんぽの宿33施設の事業譲渡・売却を完了しました。しかしながら、当社運営時における事象には、事業譲渡・売却後も事業譲渡先等に対する損害賠償責任を負うリスク、行政処分等のリスクが残存します。病院事業については、自然災害、火災、医療事故等から生じる潜在的な損失の発生、損害賠償責任、行政処分等のリスクを内包しております。また、高齢化等に伴う近時の医療費適正化の流れは、病院事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。 京都逓信病院及び広島逓信病院を2022年10月1日に事業譲渡したため、当社が運営する病院は東京逓信病院のみになりましたが、近年継続して営業損失を計上していることから、病院の状況を踏まえ、増収対策や経費削減による経営改善を進めております。しかしながら、経営改善策が当初想定した成果をもたらさない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 金融2社との関係に関するリスク(グループ協定等、人的関係・取引関係)グループ会社としてシナジー効果を発揮するため、当社と事業子会社との間でグループ協定等を締結し、グループ共通の理念、グループ運営に係る基本的事項等について合意しておりますが、金融2社についてはその独立性を確保する観点から、グループ運営に必要な事項や法令等に基づき当社による管理等が必要となる事項について、事前協議又は報告のみを求めております。グループ協定等の存続期間は、金融2社がそれぞれ日本郵便と締結している日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約が解除される日までとしており、これらの契約の解除は、当社による金融2社の株式売却と連動しておりません。こうした中、当社グループの企業価値を最大化していくために、当社及び日本郵便と金融2社との間で契約関係(下記「5 経営上の重要な契約等」をご参照)、人的関係・取引関係(下記「(参考)⑤~⑦」をご参照)を構築しグループ運営を行うこととしておりますが、これらが機能しない場合、金融2社と当社及び日本郵便とのシナジー効果を実現できない可能性や、利益相反を適切に管理できない可能性があります。また、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの受託手数料が郵便局窓口事業セグメントの収益の大部分を占めることから、金融2社の経営方針に変更が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 当社の商標等の金融2社との関係に関するリスク当社及び事業子会社等が締結した、「日本郵政グループ運営に関する契約」等(以下「グループ運営契約」といいます。)に基づき、金融2社株式売却後も、金融2社は引き続き「日本郵政」ブランド及び関連商標の使用を継続する予定であります。そのため金融2社の株式売却後も、金融2社における業績の低迷、従業員の不祥事その他の理由により金融2社の社会的信用が低下した場合には、「日本郵政」のブランド・イメージに悪影響を及ぼす可能性、当社グループのコンプライアンス等の内部統制の有効性に疑義があるものと受け止められる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社はグループ運営契約に基づき、金融2社から、当社グループに属することによる利益の対価としてブランド価値使用料を受け取っており、金融2社がそれぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める関連銀行又は同条第3項に定める関連保険会社である限り、収受することを想定しております。しかしながら、金融2社にグループ運営契約を適用しなくなった場合、又は重大な経済情勢の変化等に起因してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク(1) 保有株式及び固定資産の減損損失に関するリスク当社が保有する金融2社の株式や特定投資株式の株価等が帳簿価額に比べて著しく下落し、回復する可能性が認められない場合には、減損損失を計上することになり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより当社の分配可能額が減少し、会社法の規定により当社株主への配当の支払いが困難となる可能性があります。また、当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業及び国際物流事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 繰延税金資産に関するリスク当社グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを行った上で、貸借対照表に繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更等により、繰延税金資産全額又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。かんぽ生命保険の繰延税金資産の計上では、当該課税所得の見積もりにおいて、経営計画を基礎としており、今後、当該計画における取組方針の下、一定の新契約水準に到達する前提で作成しております。しかし、同社の足元の新契約の実績は緩やかな回復に留まっており、このまま、新契約の実績が想定どおり進捗しない期間がより長期に継続する場合や、経済環境の大幅な悪化の継続などによる見積りの前提の変更、あるいは税制改正に伴う税率の引き下げにより繰延税金資産額が減少する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 退職給付債務に関するリスク当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提と異なる場合、又は、退職給付制度を改定した場合には退職給付費用及び債務が増加することで、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 国際財務報告基準(IFRS)の適用に関するリスク当社は、今後の国際財務報告基準(IFRS)の適用について国内外の会計基準の動向等を勘案し対応を検討してまいりますが、将来的に同基準を適用する場合、現行会計と異なる業績評価や経営管理が当社グループに不利に働くことで当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 格付の低下に関するリスク当社及び金融2社は、格付機関より信用格付を取得しておりますが、財務内容の悪化、日本国債の格下げ等により当該格付が格下げとなった場合、著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる、業務運営に対する不安を想起させる等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.各事業に特有のリスク(上記Ⅰ、Ⅱの記載を除く。)1.日本郵便の事業に関するリスク(1) 金融2社から日本郵便に対する郵便局窓口業務の委託(代理店営業)に関するリスク日本郵便は、金融2社との銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づき金融2社から受託手数料を受領しております。2018年12月、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行され、2020年3月期から郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便が負担すべき額を除きます。)は、金融2社からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機に受託手数料が見直されました。本受託手数料が、銀行法・保険業法に定められたアームズレングスルールの遵守等のもと、今後、減額する又は対象となる業務の範囲を限定する等、日本郵便にとって不利に改定された場合、また、競合商品との競争が激化する等の理由で郵便局の利用者数や利用頻度、金融2社の商品・サービスの利用が減少した場合には、郵便局窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。特に、ゆうちょ銀行からの受託手数料は、ゆうちょ銀行の直営店での業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績に基づき算出されるため、ゆうちょ銀行において業務コストが削減された場合には、当社グループの郵便局窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。当社グループとしては、今後もユニバーサルサービスが郵便局で一体的に利用できるよう、日本郵便と金融2社との関係を引き続き強化していく所存でありますが、金融2社はユニバーサルサービスの提供に係る法的義務を負うものではなく、郵便局ネットワークに代替する販売チャネルをより重視するようになった場合等の理由から、銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等の解除が発生した場合には、当社グループの郵便局窓口事業の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.ゆうちょ銀行の事業に関するリスク(1) 事業戦略・経営計画に係るリスクゆうちょ銀行は、“信頼を深め、金融革新に挑戦”のスローガンの下、5つの重点戦略である「リアルとデジタルの相互補完による新しいリテールビジネスへの変革」、「デジタル技術を活用した業務改革・生産性向上」、「多様な枠組みによる地域への資金循環と地域リレーション機能の強化」、「ストレス耐性を意識した市場運用・リスク管理の深化」、「一層信頼される銀行となるための経営基盤の強化」を通じて、2021年度から2025年度までを計画期間とする中期経営計画を推進しております。しかしながら、これらに向けたゆうちょ銀行の事業戦略・経営計画は、本項に記載したリスク要因等に伴い、当初計画した成果が得られない可能性もあります。特に、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が想定通り推移しなかった場合、例えば、市場金利の低下による運用利回りの減少や米ドルをはじめとする海外短期金利上昇に伴う外貨調達コストの増加、海外のクレジットスプレッド拡大による保有投資信託の特別分配金発生、プライベートエクイティファンドの投資先の企業価値向上や資金回収ぺースの想定との乖離、国際分散投資等の高度化・加速の中で、適切なポートフォリオ分散を達成できない可能性の他、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。加えて、ゆうちょ銀行は、現在、主にLP(有限責任組合員)として出資をしておりますが、今後はGP(無限責任組合員)業務の本格化を計画しており、この場合ゆうちょ銀行が負う上記の投資リスクはより高くなることが見込まれます。さらに、DXの推進等による、各種決済サービス及び資産形成サポートサービスの利用促進等並びに店舗改革等の業務効率化、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定通り進捗しなかった場合、役務取引等利益の拡大や営業経費の削減等の計画が達成できなくなる可能性や、ゆうちょ銀行の既存の対面型のサービスとの両立が困難となる可能性があります。さらに、ゆうちょ銀行が推進するΣビジネス(上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)対処すべき課題 ⑥銀行業」をご参照ください。)については、地域経済の低迷、地域金融機関又は地方自治体の利益相反若しくは協力不足、適切な収益機会の逸失等により期待された成果を上げない可能性があります。また、減損損失、売却損の計上等により十分な利益水準が確保できない場合や、相場変動によりその他有価証券の評価損が拡大し、分配可能額を確保できない場合等には、株主還元の目標が達成できない可能性があります。 3.かんぽ生命保険の事業に関するリスク(1) 事業戦略・経営計画に関するリスクかんぽ生命保険は、募集品質問題等の反省を踏まえ、お客さまから真に信頼される企業へと再生し、持続的な成長を目指すため、「信頼回復に向けた取組みの継続」、「事業基盤の強化」、「お客さま体験価値の向上」、「ESG経営の推進(社会課題の解決への貢献)」、「企業風土改革・働き方改革」、「ガバナンスの強化・資本政策」に取り組むことを基本方針とした2021年度から2025年度を計画期間とする中期経営計画をはじめとする事業戦略・経営計画を策定しております。しかしながら、これらに含まれる施策には、各種のリスクが内在しております。また、将来において、かんぽ生命保険による上記施策の実施を阻害するリスクが高まる又は新たなリスクが生じる可能性もあります。さらに、これらの事業戦略・経営計画は、市場金利、外国為替、株価、事業環境、法制度、一般的経済状況、新しいかんぽ営業体制の下での日本郵便及びかんぽ生命保険の従業員の活動状況などの多くの前提を置き、作成されておりますが、かかる前提通りとならない場合や各施策に対する十分な事業評価が行われない場合には、当該計画における目標を達成できない可能性があります。なかでも、新契約の実績は、新しい営業体制を立ち上げ、お客さま担当制や新医療特約の取扱いなどを開始する中、お客さまとの面談件数は堅調に推移したものの、提案数の増加には十分結びついておらず、結果として緩やかな回復にとどまっております。収益の源泉となる保有契約が減少する中でかんぽ生命保険の純利益への影響も顕在化してきており、このまま、新契約の実績が想定どおりに進捗しないなどの期間がより長期にわたり継続する場合には、保有契約件数の減少等につながり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かんぽ生命保険は、自己株式取得等により、当社のかんぽ生命保険株式の議決権比率が50%を下回ったことから、新商品の販売開始に当たって郵政民営化法に基づく認可手続は不要となり、届出制へ移行しました。このため、新商品の投入スピードの向上が見込まれるものの、かんぽ生命保険が届出を適時適切に行うことができない、郵政民営化委員会から適正な競争関係の確保と役務の適切な提供の配慮義務に関して必要な意見が述べられる、金融庁による保険業法上の認可が得られない等の事由により、新商品を予定通りに販売できない、販売した場合であっても、予想を超える外部要因等により収益が確保できない等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらには、中期経営計画期間において、DX推進等をはじめ、かんぽ生命保険全体で約2,500億円規模の投資を行うこととしております。これらの投資の管理・維持にも相当程度のコストが生じる見込みでありますが、投資額やコストに見合った成果が得られない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 商品に関するリスクかんぽ生命保険の取り扱う商品は、個人向け生命保険、とりわけ養老保険・終身保険などの貯蓄性商品の割合が高く、長期的な日本の人口動態等の要因のほか、国内の雇用水準及び家計水準、代替商品であるその他の商品に対する相対的魅力、保険会社の財務健全性、社会的信用に対する一般的な認識が、新契約数や保有契約の消滅率に影響を及ぼしているほか、長引く低金利環境等により、貯蓄性商品の貯蓄としての魅力が低下しております。また、かんぽ生命保険の顧客基盤は中高年層及び女性の比重が高く、青壮年層の割合が相対的に低くなっております。かんぽ生命保険では、人口減少や公的医療費の増加等の社会的課題を踏まえ、2022年4月より、お客さまの保障ニーズに対応するため、新しい医療特約「もっとその日からプラス」の取扱い等を開始し、また、2023年4月より、昨今の教育費用の高まりやお客さまからのご要望を受け、学資保険「はじめのかんぽ」の改定を行うとともに、子育てに役立つ情報・サービスを提供する子育て支援サイトを開設するなど、青壮年層を含めたあらゆる世代のお客さまニーズにマッチした保険サービスの開発や、DX推進とともにお客さま体験価値(CX)を最優先とするサービス提供体制の構築を目指しておりますが、これらが想定どおりに進捗しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 保険負債に関するリスク① 保険料設定と責任準備金の積立に関するリスクかんぽ生命保険は、保険の種類及び内容、契約時の被保険者の年齢、性別、保険金額等を考慮して計算基礎率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)等に基づいて保険料を設定しておりますが、実際の死亡率、運用利回り、経費が事前に設定した計算基礎率を超過又は下回った場合には、損失が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、かんぽ生命保険は、保険業法及び関連業規制に基づき、保険料収入の大部分を責任準備金として将来の保険金等の支払いに備えて積み立てており、各保険契約の保障対象となる事象の起こる頻度や時期、保険金等支払額、資産運用額等につき一定の前提を置き責任準備金を計算しておりますが、これらの前提と実際の結果が乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合には、責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、さらに、規制当局が定める責任準備金の積立に関する規制や標準利率・標準生命表に変更があった場合には、保険料見直しや責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、当社グル
FY2022|29,990 文字
2 【事業等のリスク】下記Ⅰ~Ⅷにおいて、当社及び当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しております。もっとも、当社及び当社グループの事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。下記「Ⅰ. 当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」において、当連結会計年度末現在において当社経営陣が特に重視する事項について記載し、その他の重要なリスクは下記Ⅱ~Ⅷに記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <当社グループのリスク管理態勢>当社グループでは、グループ協定等に、事業子会社の管理対象リスクや当社への報告事項等、リスク管理に係る基本事項を定め、当社がグループのリスク管理状況や改善状況をモニタリングすること等により、グループ全体のリスク管理を行っています。当社では、グループガバナンス強化のため、グループのリスク管理統括責任者として、執行役の中から「グループ・チーフ・リスク・オフィサー(グループCRO)」を選任しています。グループCROは、事業子会社のリスク管理担当役員をメンバーとする「グループオペレーショナルリスク管理連絡会」等を通じ、事業子会社のリスク管理の向上に向けた情報共有・協議等を実施するとともに、グループのリスク管理状況・取組みについて取締役会等への報告等を行い、取締役等からレビューを受けています。なお、事業子会社は、自社のリスク管理を統括する部署を定め、自ら主体的に自社の事業特性やリスク特性に応じたリスクの特定、評価、制御、モニタリング等のリスク管理を行うとともに、当社に対し必要事項を報告する等のリスク管理態勢を整備しています。 <グループ重要リスク管理>当社は、外部環境の変化や事業戦略等を踏まえ、毎年、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(グループ重要リスク)の見直しを行っています。具体的なリスクの特定、評価については、取締役及び執行役へのアンケート(役員アンケート)を通じて行い、改善策の策定、改善策取組状況のモニタリング等を経営陣が行うPDCAサイクルを回しています。 Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク 当社は、役員アンケートを通じて、グループ重要リスクのうち発生可能性と当社グループの業績への影響の観点から特に重要度の高いものをトップリスクと定め、「経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」としています。下図は、かかる当社経営陣によるリスク分析の状況をわかりやすく示すために、「経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」と位置付けた10のリスクにつき、その相対的な位置づけを図示したものです。ここに記載した各リスクの発生可能性、影響度、優先度は、本書提出日現在における当社経営陣の分析に基づくものであり、また、発生可能性、影響度又は優先度が「小」と記載されたリスクについても、現に当該リスクが発生し又は当社の事業等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではありません。 1.低金利環境の長期化に伴うリスク当社グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業(以下「金融事業」と総称します。)の運用・調達から生じる収益により占められています。歴史的な低金利環境の長期化を受けて、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険(以下「金融2社」といいます。)の債券運用収益が低位から回復しないことにより、基礎的な収益力が低下し、当社グループの収益が大幅に減少するリスクは大きいものと認識しております。また、低金利政策の出口としての急激な金利上昇により、当社グループの保有資産の価値が大幅に下落するリスクや預金の預け替え、保険の解約が進むリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、金融2社では中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行っているほか、財務健全性の観点から、リスク管理態勢を高度化するとともに、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することによりリスクの分散に取り組み、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、低金利環境がさらに長期化した場合や急激な金利上昇が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.金融2社の株式売却に関するリスク当社は、金融2社の株式売却に関しては、郵政民営化法を踏まえ、金融2社の経営の自立性・自由度を広げる観点から、できる限り早期に金融2社株式の保有割合を50%以下とすることを目指しております(2022年3月末日現在、当社によるゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の議決権保有割合はそれぞれ、89.0%と49.9%です。)。金融2社の株式の売却が進んだ場合には、非支配株主に帰属する当期純利益の増加や持分法による投資利益の減少により、当社の連結財務諸表に反映される金融2社の利益が減少します。また、株式売却は市場環境等にも左右されるため、当社の想定通りに株式の売却が進まない可能性があります。さらには、金融2社の株式保有割合が低下してグループの一体的な業務運営が難しくなること等により、顧客離れ・ブランド力低下が発生し、当社グループの収益が金融2社の持分低下の影響を超えてさらに低下する可能性もあります。当社としては、将来的に金融2社に代わる事業基盤を確保するとともに、これら2社の株式売却により得た資金を活用して、例えば、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」として新たなビジネスを展開して収益機会を確保する等、ビジネスポートフォリオを転換することに取り組みますが、当社グループを取り巻く国内外の経済情勢は厳しい状況にあるほか、投資先の選定・管理等の難易度は増しており、上記の当社連結業績への影響を補えない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しに際し、ゆうちょ銀行はプライム市場の上場維持基準のうち「流通株式比率35%以上」に適合しなかったため、経過措置の適用を受けたうえで、プライム市場へ移行しました。当分の間、プライム市場への上場が維持される見込みですが、当社によるゆうちょ銀行株式売却が進まないこと等により、経過措置期間内に上場維持基準を充足できない場合には、ゆうちょ銀行の上場維持が認められず、ゆうちょ銀行の株式の株価下落により当社個別業績が悪化し、又はゆうちょ銀行株式売却がさらに困難になる可能性があります。 3.法令等違反に関するリスク当社グループでは、郵便局長等による資金横領や預払金横領事案等が複数件発生しており、当社グループ内で連携して発生原因の分析、再発防止策の検討等を行い、法令等違反の撲滅に向けてコンプライアンスの徹底・強化、並びにグループガバナンス及び内部統制の強化に取り組んでおります。また、当社グループは、2019年、かんぽ生命保険商品の募集品質に係る諸問題に関し、監督当局からの行政処分を受け、2020年1月に策定した業務改善計画に基づき各種施策に取り組み、外部専門家で構成されたJP改革実行委員会のモニタリングを受けながら、お客さまからの信頼回復に向けた改善策を実行してまいりました。加えて、かんぽ生命保険商品と投資信託を同一のお客さまに販売した際に、一部の取引について法令違反があったことを受け、契約無効措置等のお客さま対応を実施したほか、商品横断的なデータモニタリングなどの必要な対応を行いました。さらに、当社グループは、内部通報制度等を活用して社員の声の収集・分析を行い潜在的なリスクの検知に努め、法令等遵守を徹底しております。しかしながら、かかる態勢・予防策が十分な効果を発揮するとは限らず、結果として当社グループの役員・従業員による法令その他諸規則等の違反、社内規程・手続等の不遵守、不正行為、事故、不祥事等が生じた場合には、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.顧客向けDXで競合他社から後れを取る等事業環境の変化に対応できないリスク新型コロナウイルス感染症の拡大や少子高齢化・デジタル化の進展の中、企業が競争上の優位性を確保するためには、ビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、お客さまや社会のニーズに基づき、商品・サービス、ビジネスモデルを変革し、業務、組織、企業文化・風土等を変革することが必要となります。当社グループでは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」として、グループ一体でのDX推進による、リアルの郵便局ネットワークとデジタル(デジタル郵便局)との融合により新たな価値を提供できるように取組みを進めるほか、楽天グループ株式会社などグループ外企業等との資本・業務提携、その他新規事業への投資等に取り組んでおりますが、これらの取組みが成功する保証はなく、事業環境の変化に適時かつ適切に対応できない場合には、当社グループの業務・商品の競争力低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、P-DX(Postal-Digital transformation:デジタル化された差出情報と、日本郵便ならではの配達先情報を活用し、データ駆動型のオペレーションサービスを実現するための郵便・物流事業改革)の推進、オペレーション改革、窓口業務運営のデジタル化等を進めておりますが、かかる取組みが奏功せず、競合他社から後れを取るなど、事業環境の変化に対応できない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5.グローバル経済の減速による海外信用悪化に伴うリスク当社グループの収益の多くは、金融事業の運用・調達から生じる収益により占められています。世界的な金融政策の変更、ロシアによるウクライナ侵攻等の地政学リスクの高まり、新型コロナウイルス感染症の拡大等による歴史的な金融・資本市場の動揺、グローバル経済の減速懸念時には、金融2社については、海外金融資産の増加に伴い海外クレジット市場の信用スプレッド拡大、外貨の調達、通貨ベーシスの拡大によるヘッジコスト上昇の影響を強く受け、当社グループ各社の保有資産の評価損、減損損失及び売却損の計上、剰余金の処分による分配可能額の減少・消失等、金融事業に影響を及ぼすリスクは大きいものと認識しております。これらに対し、財務健全性の観点から、リスク管理態勢を高度化し、ストレス・テスト等を実施し、運用の分散や機動的な運営に努め、必要な自己資本比率を確保しておりますが、金融・資本市場、国内外の経済情勢その他事業環境の変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6.顧客本位の業務運営に反するリスク当社グループでは、業務改善計画に基づいた改善策の実行に向けて取り組んでいるかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題に加え、かんぽ生命保険商品と投資信託の横断的な販売について、一部お客さま本位といえない営業が行われていたことや、ゆうちょ銀行のキャッシュレス決済サービスの不正利用、郵便局におけるお客さま情報の紛失等の問題が発生しています。当社グループは、外部専門家の方々で構成された、各種取組みを公正・中立な立場から検証するJP改革実行委員会からの評価、助言等も踏まえ、ガバナンス機能、グループコンプライアンス機能、監査部門の機能の強化等を図り、業務改善計画を着実に実行しており、また、お客さまからの信頼回復に向け、2020年9月に発表した「お客さまの信頼回復に向けた約束」をもとに、お客さまや社員の声を経営や営業・業務改善に活用する等、お客さま本位の事業運営を徹底し、お客さまからの信頼回復に向けた改善策を実行してまいりました。また、ゆうちょ銀行の即時振替サービスの不正利用事案等に関し、2021年1月にJP改革実行委員会から受領した「株式会社ゆうちょ銀行のガバナンス等に係る検証報告書」において、ガバナンス強化に向けた改善策に係る提言を受けており、提言事項への対応に取り組んでおります。併せて、当社は、2021年4月1日付でグループコンダクト統括室を設置し、子会社からのコンダクト・リスクに係る情報を迅速に把握し、グループとして一体的な対応を可能とするための態勢整備を行いました。他方、日本郵便では、経費で購入した業務用カレンダーの配布にあたって全国郵便局長会より不適切な指示が行われていた問題が発覚しました。再発防止のため、「会社の活動」と「業務外の活動」のしゅん別に関する全役員・社員への継続的な指導等を着実に実行し、同様の事案を発生させないよう取り組んでおります。また、同カレンダーの配布にあたって、業務上得られた個人情報を業務外の活動に使用する等の不適切な取扱いも発覚しました。再発防止のため、個人情報の適正な取扱いの徹底等に関する教育・研修を日本郵便の全社員対象に行っております。当社グループは、2022年4月1日付でグループコンダクト向上委員会を設置し、グループ行動憲章を実践していくためのグループコンダクトを向上させる取組みについて、外部有識者による助言をいただき、お客さまからの信頼回復などに取り組んでまいります。さらに、2022年4月からは、「新しいかんぽ営業体制」を開始し、日本郵便からかんぽ生命保険に兼務出向した高い機動性と専門性をもったコンサルタントと、多様なお客さまニーズに応える日本郵便の窓口社員が、それぞれの能力を最大限に発揮し、専門性と幅広さを兼ね備えた「総合的なコンサルティングサービス」をグループ一体で実現してまいります。当社グループは、お客さま本位の業務運営を徹底し、組織風土改革を含む信頼回復に向けた取組みを継続してまいりますが、今後、お客さまの不利益となる他の事例や法令違反又は社内ルール違反となる他の事例が追加で判明する可能性は否定できず、この場合には、更なる行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 7.サイバーセキュリティに関するリスク重要インフラである郵便・物流事業、銀行業、生命保険業を運営している当社グループにおいては、事業運営上のシステムへの依存度が高い状況にあります。当社グループは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」としてグループ一体でのDXを推進していることから、今後ますますその重要性が高まることが予想される一方、社会ではシステムに対するサイバー攻撃や各種サービスの不正利用が発生しております。当社グループの事業運営における情報システムへの依存度は高く、インターネットを活用した顧客とのアクセスも多くなり、その結果、サイバー攻撃や各種サービスの不正利用のリスクが高くなっています。また、かかるリスクはサイバー攻撃の高度化や在宅勤務(テレワーク)の拡大等により、今後さらに増大する可能性があります。当社グループでは、このような高まりを見せるサイバー空間におけるリスクに対して、恒常的にサイバーセキュリティ対策の高度化に取り組んでおりますが、かかる対策にもかかわらず、当社グループのシステムへの攻撃、各種サービスの不正利用により、当社グループの事業が大規模かつ長期間に亘り停止又は制約を受けるような事案が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 8.ユニバーサルサービス提供に係るリスク当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(かかる義務に基づき郵便局ネットワークを通じて行われる役務提供を、以下「ユニバーサルサービス」といいます。)。そのため、当社グループの郵便・物流事業及び郵便局窓口事業においては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費等の多額の固定費に加え、多数の社員の給与等の人件費が発生しております。特に、人件費については、労使交渉・労働法制の変更等を受けて従業員への給与等を増額した場合には、それが一人当たりは比較的小さな増額であっても、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、高齢化に伴う厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げなどによる法定福利費等の上昇も想定されます。当社及び日本郵便は、今後、地方における過疎化の進展、企業活動又は個人の消費活動の縮小、電子メール等インターネットやウェブサイトを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、郵便物や荷物の取扱数量や、金融・保険商品の販売・募集の減少等、当社グループが郵便局を通じて提供するサービスの利用が減少した場合であっても、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があり、収益性の低い事業又は拠点等を縮小する等の対応が制限されているため、かかる方法により固定費を削減することが困難となる可能性があります。当社グループの提供する商品・サービスの内容、対象若しくは対価を変更し若しくはその提供を中止し、又は、郵便局ネットワークを縮小するなどの対応ができず若しくは制約され、かかる固定費に見合った収益を挙げられない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ユニバーサルサービス維持のため、固定費の負担から当社グループの損益が大幅に悪化し、その結果、事業運営コストを賄うために収益性を過度に追求した営業や過度のリスクを伴う資金運用を行い、コンダクト・リスクや運用リスクが顕在化する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ユニバーサルサービスの確保については、2015年9月28日付「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会からの答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、「また、国は、ユニバーサルサービス確保に向けたインセンティブとなるような方策について検討することが必要である」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされており、答申を受けて実施される政府の施策の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 9.事業子会社における中長期の戦略リスク(既存事業の成長に関するリスク)当社グループは、国内外の市場金利、為替、株価、経営環境(消費税増税を含む。)、競争状況、営業費用等多くの前提に基づいて中期経営計画を策定し、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等の業務に係る中期的な事業戦略・方針を定めております。2022年度は当社グループ5カ年の中期経営計画「JPビジョン2025」の2年目となりますが、「お客さまと地域を支える共創プラットフォームの構築」の戦略のもとに、成長に向けた投資、効率化施策、生産性向上の取組みを行っています。しかしながら、将来の戦略、計画、方針等には様々なリスク等が内在しており、当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができない可能性があります。日本郵便は、中期経営計画「JPビジョン2025」では、P-DXを推進することで、荷物分野の競争激化に打ち勝つ配送サービスを提供するとともに、生産性向上等に向けオペレーションの効率化を実施していくとしております。しかし、P-DXの推進が想定通りに進まなかった場合は、eコマース市場の荷物の獲得や生産性向上によるコストの抑制に遅れが生じる場合があります。また、窓口業務運営のデジタル化等により、業務の効率化を徹底する取組み等を進めておりますが、想定通りに業務の効率化が進まず、コスト削減を実現できない場合があります。ゆうちょ銀行は、“信頼を深め、金融革新に挑戦”のスローガンの下、「リアルとデジタルの相互補完による新しいリテールビジネスへの変革」、「デジタル技術を活用した業務改革・生産性向上」等の5つの重点戦略を通じて、ビジネスモデルの変革と事業のサステナビリティ強化に取り組んでおります。かんぽ生命保険は、「新しいかんぽ営業体制の構築」、「保険サービスの充実」、「事業運営の効率化」、「資産運用の深化・高度化」などの事業基盤の強化、及び「お客さま体験価値(CX)の向上」を中心に取り組んでおります。しかしながら、当社グループのかかる施策が十分な効果を発揮しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより当社の分配可能額が減少し、当社株主への配当の支払い額が減少し又は配当の支払い自体が困難となる可能性があります。 10.ESG・気候変動に関するリスク当社グループは、郵便局ネットワークを活用し、事業を通じて、地域社会への貢献、SDGs等の社会的な課題に取り組むことにより、グループの持続可能な成長と中長期的な企業価値の創出を図っておりますが、その対応が不十分と評価された場合には、当社グループの資本市場における評価その他社会的な評価の低下につながる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。その中でも、気候変動への対応は、我が国及び世界において大きな課題となっており、当社グループにおいては、異常気象や増加する自然災害等により外務社員の熱中症などの従業員の健康被害や店舗、その他の設備や施設の損壊その他正常な業務遂行を困難とする状況等の郵便局ネットワークの損傷といった物理的リスクのほか、当社グループの気候変動への対応が遅れることで、より環境負荷の低い輸送手段を持つ企業に顧客が移る等の移行リスクに適切に対応する必要があります。当社グループとしても「2050年カーボンニュートラルの実現」を目指し、温室効果ガス(GHG)の削減に取り組んでおりますが、その達成には、我が国における再生可能エネルギーの普及などが進むことが必要となります。当社グループも、持てるリソースの活用によって我が国及び世界のカーボンニュートラル化を後押しすることとしております。しかしながら、これらの動きが十分に進まなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済・政治情勢その他の事業環境の変化に伴うリスク当社グループが行う事業のうち、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、銀行業、生命保険業等は、その収益の多くが日本国内において生み出されるものであるため、主として国内における経済情勢の変化、金利の動向、金融市場の変動、消費税増税、少子高齢化の進展、eコマース市場の動向、技術革新、賃金水準の変動、不動産価格の変動、預金水準等の影響を受けます。また、国際物流事業において日本郵便の子会社であるトール社が、日本を含むアジア太平洋地域等におけるフォワーディング、ロジスティクス等の国際的な事業活動を行っており、世界経済の減速、新型コロナウイルス感染症の拡大を含む各国・地域における経済情勢や政治情勢等の変動による影響を受け、銀行業・生命保険業においては、運用の多様化・高度化の下、国際分散投資を推進している結果、足元の急速な円安や米国での金利上昇、株式市場の混乱など、国際金融・資本市場の変動による影響も受けます。加えて、郵便・物流事業においても、国際情勢や円安の影響等を受けてエネルギー価格が高騰した場合、費用が増加し、収益性が低下する可能性があります。従って、足元の新型コロナウイルス感染症の拡大を含む国内外の経済情勢、金融・資本市場その他事業環境の変動が、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合に関するリスク当社グループが行う事業は、いずれも、激しい競争状況に置かれております。当社グループと競合関係にある同業他社は、AI・Fintech・テレマティクス等の技術の急速な進展・活用、その他の事業環境の変化・事業戦略の変更等で、当社グループより優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、資金調達手段、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。例えば、日本郵便が行っている郵便・物流事業については、信書便事業者や他の物流事業者等と競合関係にあります。特に成長が見込まれる物流事業における競争は激しく、日本郵便としては価格競争による個数獲得は目指さない方針ですが、競業他社が日本郵便よりも競争力のある価格でサービスを提供すること等により、日本郵便のシェアも影響を受けております。このように、他社サービスの競争力の向上その他の理由により他社の提供するサービスへの乗り換えが発生した場合、又は、競争激化により日本郵便の事業、シェア若しくは収益の動向が当社グループの想定通りに進捗しなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行が行っている銀行業、及びかんぽ生命保険が行っている生命保険業も、同業他社等と競合関係にあります。今後、両社が金融サービスに対する顧客ニーズの変化や市場構造の変化等に適切に対応できなかった場合、又は、両社が競合他社に対して優位に立てない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和が行われております。当社グループ各社が市場構造の変化に対応できなかった場合や規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、日本のeコマース市場の拡大に伴い宅配取扱数量の増加がみられる一方で、物流事業者やEC事業者による提携、主要なECプラットフォーマーによる独自の物流サービスの展開等が進んでおり、日本郵便がeコマース市場の拡大に伴う需要の増加を十分に取り込める保証はありません。また、郵便事業と競合する一般信書便事業については、民間事業者による信書の送達に関する法律(以下「信書便法」といいます。)に基づき、一定の参入条件が課された許可制とされており、現時点において同事業に参入している民間事業者はおりません。しかしながら、信書便法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 大規模災害等に伴うリスク当社グループは、日本国内のみならず国際的な事業活動も行っており、各国・地域における地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の大規模自然災害(異常気象・気候変動に伴うものを含む。)、新型インフルエンザやエボラ出血熱等の感染症の大流行、戦争、テロリズム、武力衝突等の人的災害、水道、電気、ガス、通信・金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、又は当社グループの店舗、その他の設備や施設の損壊その他正常な業務遂行を困難とする状況等が生じた場合、当社グループの業務の全部若しくは一部が停止し、又は、運営に支障をきたすおそれがあり、また、設備やインフラの回復、顧客等の損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。また、かかる状況下において当社グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生に伴う経済・社会活動の沈滞等の影響を受け、当社グループやその顧客・取引先企業の事業活動の継続性に支障をきたす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは生命保険子会社としてかんぽ生命保険を保有していることから、大地震その他の大規模災害や新型インフルエンザのような感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合に、かんぽ生命保険による保険給付に関し、通常の想定を超える債務を負うリスクにさらされております。同社は、保険業法の基準に従って危険準備金を積み立てておりますが、予想を超える大規模災害等の発生により危険準備金を超えるような保険金・給付金の支払いが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 新型コロナウイルス感染症の拡大に関するリスク新型コロナウイルス感染症の拡大は、郵便局等での営業、郵便・物流事業、国際物流事業を行う当社グループの事業活動に影響を及ぼしており、新型コロナウイルス感染症への対策として、当社社長を本部長とする本社合同対策本部を設置し、関係機関と連携を図り、感染の防止と業務・サービスの継続等のため、必要な取組みを継続しており、お客さまと社員の安全確保のための措置を行っております。具体的には郵便局及びゆうちょ銀行店舗窓口におけるマスク着用、郵便物等の対面配達時におけるマスク着用の徹底を行ったほか、ゆうパックや書留郵便物等をご希望に応じて対面ではなく郵便受箱や玄関前等に配達する等、お客さまへの影響と感染拡大の防止に最大限配慮して、業務を継続していくこととしていますが、今後の実際の感染拡大の収束時期や、国内外の経済環境、金融・資本市場の動揺などを通じた様々な要因により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の国際的な拡大は、国際物流事業を行うトール社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、金融・資本市場が大きく変動するとともに実体経済が多大な影響を受ける環境下においては、金融2社の国際分散投資による適切なポートフォリオ運営及びリスク管理が奏功せず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合のかんぽ生命保険による保険給付に関する通常の想定を超える債務を負うリスクについては前記(3)のとおりです。このほか、新型コロナウイルス感染症の収束後においても、非対面・非接触サービスの定着や、在宅勤務(テレワーク)が広まるなど、社会の在り方やライフスタイルが変わるような事業環境の変化に当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループのサービスの競争力低下等により、当社グループの現在の収益基盤となっている郵便・物流事業や郵便局窓口事業等において収益性が悪化するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは、業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。 これらの規制により、当社グループは、同業他社に比して、新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約されるため、競争力を失い、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便事業は当社の連結子会社である日本郵便が独占的に行うこととされておりますが、郵便約款の変更や業務委託の認可制、全国一律料金制度、定形郵便物の料金制限、郵便料金の届出制(第三種郵便物及び第四種郵便物については認可制)といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制当社グループの金融事業においては、一般的に適用される銀行法及び保険業法といった金融業規制を受けております。また、現在監督(規制)当局等において、銀行業におけるバーゼルⅢの最終化や生命保険業における経済価値ベース新規制等の適用に関する議論がなされており、当社グループではこれらの議論を注視しつつ、新たな規制等の導入を考慮した内部管理を行っていますが、規制の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (a) ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険及び金融持株会社としての当社に対する規制金融2社は、それぞれ銀行法、保険業法及び関連業規制に基づき、金融庁の監督を受けており、内閣総理大臣からの委任を受けた金融庁長官による、法令違反等による免許取消し並びに業務の健全性かつ適切な運営を確保する等のために必要があると認めるときの業務停止及び立入検査等を含む広範な監督に服しております。当社も銀行持株会社及び保険主要株主として、銀行法及び保険業法に基づき金融庁の監督に服する等の金融業規制を受けております。金融2社は、それぞれ銀行法、保険業法及び関連業規制に基づき、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、ゆうちょ銀行は自己資本の充実度合いを計る基準である自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること等を、かんぽ生命保険は、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断する指標の一つであるソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等をそれぞれ求められております。また、当社も銀行持株会社として、銀行法に基づき金融庁の監督に服するとともに、連結自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること等が必要とされるほか、顧客の利益保護のための体制の整備や事業年度毎の規制当局に対する業務報告書等の提出の義務等を負っております。2022年3月31日現在、ゆうちょ銀行の連結自己資本比率は15.56%、かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率は1,045.5%、当社グループの連結自己資本比率は17.21%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しております。しかしながら、近時の金融市場の状況に対応したリスク性資産の増加により、これらの比率は低下傾向にあることに加え、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更、新たな規制の導入等により、連結自己資本比率がさらに低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、国際的な監督規制では、システム上重要な金融グループに対する規制強化を図っているところですが、選定基準の見直し等、規制当局の動向によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (b) 日本郵便に対する規制日本郵便は、当社グループの郵便局窓口事業に関連して、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、それぞれ銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督に服しております。また、日本郵便は、銀行代理業者として、内閣総理大臣の承認を得ない限り、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際の顧客への説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、生命保険募集人として、顧客に対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。日本郵便が上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可又は登録の取消しや業務の一部又は全部の停止を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (c) 事業の前提となる許認可当社グループは、主として以下のような許認可等を受けております。許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項保険主要株主の認可保険業法第271条の10第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の16第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等ユニバーサルサービスの確保については、2015年9月28日付「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会からの答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、「また、国は、ユニバーサルサービス確保に向けたインセンティブとなるような方策について検討することが必要である」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされており、答申を受けて実施される政府の施策の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、ユニバーサルサービスの提供に関するリスクについては、「Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク 8.ユニバーサルサービス提供に係るリスク」も併せてご参照ください。また、当社及び日本郵便は、それぞれ日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法に基づき、新規業務、株式の募集、又は株式交換若しくは株式交付に際しての株式の交付、取締役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定、定款の変更、合併、会社分割、解散等を行う場合には、総務大臣の認可(ただし、日本郵便の新規業務については総務大臣への届出)が必要とされています。また、金融2社は、銀行法又は保険業法に基づく規制に加え、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するため、郵政民営化法に基づき、新規業務、子会社対象金融機関等(ゆうちょ銀行)・子会社対象会社(かんぽ生命保険)の保有、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。さらに、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(なお、金融2社におけるこれらの規制を、以下「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。さらに、当社及び金融2社は、新たな収益機会を得るために新規業務を行う場合、郵政民営化法に基づき内閣総理大臣及び総務大臣の認可を得る必要があり、当該認可が得られず、又は認可取得に時間を要する場合には、当社グループが計画した時期又は内容で新商品を投入又は新サービスを提供できない可能性があるなど、当社グループによる新規事業の展開を含む業務範囲の拡大には一定の制約が伴います。当社は、2021年6月9日、郵政民営化法第62条第2項に基づき、かんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨の総務大臣への届出を行いました。当社が総務大臣に届け出た日以後は、かんぽ生命保険が上記の各業務を行おうとするときは、認可は要しないものの、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール公社を承継した機関として、当社、日本郵便及び金融2社が政府調達協定その他の国際約束の適用を受ける物品等を調達する場合には、国際約束に定める手続の遵守が求められます。当社グループ各社の作為又は不作為により、これらのルールを遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは調達行為に遅れが発生する可能性があり、当初想定していた計画が実施できないなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に関して、人事労務、業務上の事故、外部委託、知的財産権等の利用に関する事項をはじめとする、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起又は開始されるリスクを有しております。一部ではありますが、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる等不利な判断がなされた場合には、当社グループにおいても当該判断を踏まえた対応が必要となるなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、労働契約法第20条(平成30年法律第71号による改正前のもの)に基づき、期間雇用社員である原告が正社員と期間雇用社員に労働条件の差異があるのは不合理であるとして提訴した訴訟については、2020年10月15日に最高裁判所が、一部の手当や休暇制度について、正社員と期間雇用社員である原告間に差異があるのは不合理との判決を言い渡しました。当社グループにおける今後の人事労務制度改正の内容については、最高裁判所の判決の内容を踏まえ、労使交渉のうえ決定していくこととしておりますが、その内容等によっては対応に相当の費用を要するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループは、あまねく全国に広がる郵便局ネットワークを通じて、多数の郵便物・荷物の配達や金融サービスの提供を行っております。当社グループの商品・サービス、事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物の管理上の不備・遅配・誤配及び破棄・紛失等、配達員による交通事故、銀行口座やクレジットカードの不正利用、キャッシュカードの盗難、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、サイバー攻撃等によるシステム・トラブルや個人情報その他の機密情報の漏えい、不正行為、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)に反する行為、反社会的勢力との取引、労働問題、ハラスメント(業務の適正な範囲を超える言動等)、事故、業務上のトラブル、社内規程・手続違反、不祥事等が発生した場合には、当社グループが提供するサービスに対する社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではかかる事態の発生を未然に防止するため、グループ会社全社員へのコンプライアンス教育や「お客さま本位の業務運営」の徹底を通じ、影響の低減に努めておりますが、これらの施策にもかかわらず上記のような事態が生じた場合、社会的信用の低下により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に「かんぽ生命保険契約問題 特別調査委員会」が2019年12月18日付で公表した調査報告書では、当社グループにおいて、「不適正募集の実態把握につながる現場の声が経営陣に届かない」、「リスク事象を探知した際の原因追究・解決の先送り」、「問題の矮小化」及び「部門間の横での連携不足及び上意下達のもとでの情報伝達の目詰まり」といった企業風土又は組織文化が従前から存在してきたことが指摘されていました。当社グループにおいては、経営陣主導の下、かかる企業風土又は組織文化の健全化に取り組んでおりますが、かかる取組みが功を奏しない又は功を奏するまでに想定以上の時間を要する場合には、類似の事案が発生する結果、当社グループの社会的信用が低下する、又は当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、2021年11月26日に公表したとおり、日本郵便では、経費で購入した業務用カレンダーの配布にあたって全国郵便局長会より不適切な指示が行われていた問題が発覚しました。再発防止のため、「会社の活動」と「業務外の活動」のしゅん別に関する全役員・社員への継続的な指導等を着実に実行し、同様の事案を発生させないよう取り組んでおります。また、支社機能の強化の一環として、支社長の下に地方本部長を配置し、局長とのコミュニケーションの強化を行いつつ、課題の把握、解決を図ることに取り組んでおります。しかしながら、かかる取組みが功を奏せず、類似の事案が発生した場合、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。加えて、当社グループが行っている事業全般に対する風評・風説が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、又は、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、当社グループが提供するサービスの公益性、事業規模、社会における認知度・注目度等を背景に、当社グループは、顧客や市場関係者等から、否定的理解・認識をされ、又は、強い批判がなされる可能性があり、それにより当社グループ、商品・サービス、事業のイメージ・社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 中期経営計画に関するリスク当社グループは、国内外の市場金利、為替、株価、経営環境(消費税増税を含む。)、競争状況、営業費用等多くの前提に基づいて中期経営計画を策定し、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等の業務に係る中期的な事業戦略・方針を定めております。当社グループの中期経営計画「JPビジョン2025」では、「お客さまと地域を支える共創プラットフォームの構築」、「グループ一体でのDX推進による新しい価値提供」の戦略のもとに、成長に向けた投資、効率化施策、生産性向上の取組みを行っています。しかしながら、将来の戦略、計画、方針等には様々なリスク等が内在しており、当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができない可能性があります。具体的には、エンジニアの確保・育成や既存の人材・システムの置換が進まないこと等により、DXの推進による業務効率化、サービスの拡充や新たな価値創造、固定費の削減、当社グループの成長に向けた戦略的なIT投資が予定通りに進まない可能性があります。また、不動産開発に関するノウハウの不足又は不動産市況の悪化等により不動産事業の強化が期待された効果を生まない可能性があります。さらに、他社とのM&Aや提携については、他の投資者等との競合や規制上の理由により当社グループが企図したM&Aや提携を実施できない可能性があるほか、完了したM&Aや提携についても、実施後の統合プロセスが不十分なものであったり、M&Aや提携の効果についての見積もりが楽観的であったこと等により、期待されたリターンを得られない可能性があります。現在公表している楽天グループとの提携や佐川急便との協業に関する基本合意についても、現時点では必ずしもその具体的な内容が実施又は決定されているわけではないなど、当社グループが進める出資や提携が期待された効果を生まない可能性があります。加えて、新規ビジネス等の推進を目指していく中で、拡大するポートフォリオを十分に管理することができず、投資や撤退の時期等を適切に見極めることができなくなる可能性があります。また、P-DX等の推進による郵便・物流事業における業務効率化が想定通りに進まない可能性があるほか、eコマース市場の成長又は物流市場における需要の増加が当社グループの想定を下回る、又は、当社グループがかかる物流需要を十分に取り込めない可能性があります。かんぽ生命保険に関しては、市場金利の低下に伴う保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少していることに加えて、保険募集プロセスの品質事案等の影響で新契約の獲得が計画通り進まない、又は、既存の契約の解約数が増加する可能性があり、かかる場合、当該計画期間終了後も新契約の獲得や既存の契約の維持については、厳しい状況が継続することが見込まれます。なお、中期経営計画のうち、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険にかかる事業戦略及び経営計画に関するリスクについては、それぞれ「Ⅳ.銀行業に関するリスク (8) 事業戦略・経営計画に係るリスク」及び「Ⅴ.生命保険業に関するリスク (5)事業戦略・経営計画が奏功しないリスク」も併せてご参照ください。さらに、金融2社等当社グループ各社が保有する有価証券の価値の低下による減損損失、売却損の計上やその他有価証券評価差額金の減少等により当社グループ各社からの配当収入が減少する結果、当社では十分な配当可能額が確保できず、中期経営計画における配当目標を達成できない可能性があります。また、2021年3月31日付で公表したとおり、当社は、2021年3月期通期の個別決算において、ゆうちょ銀行の株式について、時価が著しく下落したため減損処理を行い、2,229,538百万円の関係会社株式評価損(特別損失)を計上いたしました。今後も金融2社株式を含む当社保有の株式の時価が下落することにより更なる減損処理が必要となった場合には、これに伴う剰余金の減少によりさらに分配可能額が減少し、あるいは消失する可能性があります。なお、当社は、今後の国際財務報告基準(IFRS)の適用について国内外の会計基準の動向等を勘案し対応を検討してまいりますが、将来的に国際財務報告基準を適用する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) グループ外の企業との資本・業務提携、外部委託及び企業買収並びに業務範囲の拡大等に伴うリスク当社グループは、当社グループ外の企業との間で、様々な業務に関し、資本・業務提携、外部委託を行っております。当社は、アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命保険との戦略提携に合意し、アフラック・インコーポレーテッドの発行済株式総数(自己株式を除く。)の約7%を取得しております。また、2021年3月12日に、当社及び日本郵便は、楽天株式会社(現楽天グループ株式会社)との資本・業務提携に合意(さらに、同年4月28日に当社、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険と楽天グループとの間で改めて業務提携に合意)し、同年3月29日をもって、当社は、楽天株式会社の発行済株式総数(自己株式を除く。)の約8%を取得したほか、同年7月1日、日本郵便は、楽天グループと共同でJP楽天ロジスティクスを設立し、JP楽天ロジスティクスを日本郵便の連結子会社としております。加えて、同年9月10日には、日本郵便は、佐川急便株式会社との間で、物流サービスの共創に向けた両社の事業成長を目的とした協業に関する基本合意書を締結しております。このようなグループ外の企業との資本・業務提携については、具体的な内容が決定又は実施されていないものがあることに加え、資本・業務提携先との間における、戦略上若しくは事業上の問題又は目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りの効果が得られない可能性や、投資に見合うリターンを得られない可能性、当社グループの既存事業に負の効果を及ぼす可能性も否定できません。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、資本・業務提携先、外部委託先において、業務遂行上の問題が生じ、商品・サービスの提供等に支障をきたす場合、顧客情報等の重要な情報が漏えいする等の事故、違法行為、不正行為、不祥事等が発生した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが、他の企業を買収するに当たっては、買収先企業や買収先事業を効果的かつ効率的に当社グループの事業と統合できない可能性、買収先企業の重要な顧客、仕入先、その他関係者との良好な関係を維持できない可能性、買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性などがあります。また、想定した事業環境と異なる状況が発生する可能性、経営陣を含む人材流出・不足等の可能性などがあります。このような事象が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の業務範囲の拡大については、当社グループが業務範囲を拡大することができたとしても、限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合や業務拡大により過度の人的・物的負担が生じた場合等において、業務範囲の拡大が功を奏する保証はなく、当初想定した成果をもたらさず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 情報通信システム及び個人情報その他の機密情報の漏えいに関するリスク当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等を営んでおり、当社グループのコンピュータシステムは、顧客や各種決済機構等のシステムとサービスの提供に必要なネットワークで接続されるなど極めて重要な機能を担っております。これらについて、地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の自然災害やテロリズム等に加えて、人的過失、事故、停電、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等のサイバー攻撃、システムの新規開発・更新における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により重大なシステム障害や故障等が発生する可能性があります。こうしたシステムの障害、故障等が生じた場合に、業務の停止・混乱等及びそれに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の低下、対応や対策に要する費用等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便では、経費で購入した業務用カレンダーの配布にあたって業務上得られた個人情報を業務外の活動に使用する等の不適切な取扱いがあった事案や、投資信託取引及び国債取引に係る「金融商品仲介補助簿」を紛失した事案等も発生しています。当社グループは、多くの顧客や取引先等から様々な情報を取得しているほか、事業・人事などに関する多数の情報を保有しており、これらの情報については、郵便法、銀行法、保険業法、金融商品取引法等のほか、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことが求められています。当社グループは、かかる事態の発生を未然に防止するため、グループ会社全社員へのコンプライアンス教育や「お客さま本位の業務運営」の徹底に努めております。また、外部の専門人材の活用等多様な防御対策を講じることにより、システム障害等の発生の未然防止に努めています。しかしながら、当社グループのコンピュータシステムの障害・故障その他の理由により、当社グループが保有する個人情報及び機密情報等の外部への漏えいが発生した場合は、損害賠償や当該事案への対応費用、行政処分、社会的信用の低下による顧客の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、不正アクセス等のサイバー攻撃に対しては、メールやWeb閲覧に対するウイルス感染抑止等の入口対策、外部デバイスの接続制限や、許可された通信先以外の遮断等の出口対策を講じるとともに、当社グループのサイバーセキュリティ担当役員によるグループサイバーセキュリティ委員会を設置し、グループ全体でセキュリティの高度化を推進することに加え、セキュリティ専門家による点検・指導、対策推進等サイバー攻撃への対応に努めております。しかしながら、かかる施策によっても高度化するサイバー攻撃等を完全に防ぐことは困難であり、特に近年、不正アクセス等サイバー攻撃による企業・団体が保有する個人情報等の漏えいが多発しており、在宅勤務(テレワーク)の増加により、かかる脅威は今後さらに増大する可能性があります。また、グループ共通のアプリ・IDシステムの導入など、お客さまとの接点のデジタル化によってもかかる脅威は増大する可能性があるほか、当社グループの主要事業に適用される規制の影響により、利便性と安全性を兼ね備えたアプリの開発に支障が生じる可能性があります。 また、当社グループは、基幹ITシステムを含む当社グループのITシステムのアップグレードを行っており、かつ、新規のシステム投資を行うこともありますが、かかる作業の遅延、失敗、多額の費用発生により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 人的リスク(人材確保・ハラスメント・労働問題・人件費増加)少子高齢化による労働人口の減少などにより人材の確保は厳しさを増していることに加え、当社グループにおいて技術革新等に起因する経営環境の変化等に適切に対応できない場合などには、当社グループは、郵便・物流事業に従事する配達又は運送に係る各種人材のほか、DX推進に必要なIT等の高度な専門性及び知識・経験を有する有能な人材の確保が困難となる可能性があります。また、当社グループが労働条件や人材育成システムの整備等による魅力的な労働環境を提供できなかった場合、又は人事処遇やハラスメント等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、人材の流出・不足等を招く可能性があります。当社グループは、かかる事態に対処するため、社員視点に立った働き方改革として働きやすい職場づくり、労働条件の整備、ダイバーシティの推進、人材育成を推進しておりますが、当社グループの想定通りの人材確保ができない場合、又は人材育成・教育が進まない場合には、人材不足や人件費の増加等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 不動産事業に関するリスク当社グループは、事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業、分譲住宅事業等の不動産事業を営んでおります。当社グループは多くの不動産を保有しているものの、不動産事業におけるノウハウが限られていること、また、必要な人員の採用、定着が進まないこと等により、当該事業を発展させることができない可能性があります。加えて、当社グループは、グループ保有不動産の再開発を加速するとともに、グループ外不動産への投資を強化することで、不動産事業の利益拡大を目指してまいりますが、不動産市況等によってはかかる開発が当社グループの想定通りに進捗する保証はなく、また、グループ外の企業との共同プロジェクトにおいては、当社グループによるプロジェクトへの管理が及ばなくなったり、共同事業者との間で意見の不一致が生じること等により、事業の進捗に支障が生じる可能性があります。また、不動産事業については、国内外の景気又は特定地域の経済状況や紛争の発生、人口、市場における需給等の変化により、不動産価格の下落、賃貸料の下落や未収、空室率の上昇、建築資材の価格や工事労務費等の高騰、着工・竣工時期の遅延や見直し、棚卸資産の増加、さらに、法的規制の変更、大規模災害や感染症の発生等の影響を受ける可能性があります。特に今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言等を受けた深刻な経済活動の停滞により、テナント賃料の減免等が一部発生しているほか、空室率の上昇、開発中の案件における竣工時期の遅延等が想定され、また、収束後も、eコマース市場の拡大などの消費者動向の変化、ライフスタイルや働き方の変容により、オフィス需要や商業施設(特に小売り)の需要の変化等の影響を受ける可能性があります。これらの事象により、当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼしたり、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 海外子会社に関するリスク国際物流事業を担うトール社の事業は、世界経済の減速や新型コロナウイルス感染症、サイバー攻撃等の影響等もあり、厳しい経営環境が継続しております。エクスプレス事業については、2021年8月、Allegro Funds Pty Ltdの傘下企業への譲渡手続きが完了いたしましたが、本件譲渡に伴い、当社グループは、2021年3月期において、特別損失として674億円(減損損失619億円、その他の特別損失54億円)、2022年3月期において、特別損失(事業譲渡損)108億円を計上しました。エクスプレス事業の譲渡手続きは完了したものの、残存するトール社のオペレーションから当該事業を完全に切り離すことには困難を伴う又は時間を要する可能性があり、かかる対応のために追加の費用等が生じる可能性があります。また、トール社を親会社とする連結グループは、2022年3月末日現在で881億円の債務超過となっており、依然厳しい経営状況にあります。エクスプレス事業の譲渡後も、日本郵便は、人員配置の合理化等によりトール社の残るロジスティクス事業及びフォワーディング事業の採算性の向上に努めるとともに、JPトールロジスティクス及びトールエクスプレスジャパンの活用等により、豪州に依存した経営構造から脱却し、日本を含むアジアを中心としたビジネスモデルへの転換による成長を図りますが、かかる経営改善策及び成長戦略が功を奏せず、トール社の業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、トール社の保有する物流設備その他の固定資産について更なる減損損失を計上する可能性もあります。また、日本郵便がトール社の事業再編その他日本を含むアジアを中心としたビジネスモデルへの転換に係る施策をさらに進めるに際して総務大臣の認可が必要となる場合、必要な認可を適時に取得できない又は認可を得られないことにより、事業再編等に支障が生じる可能性があります。また、トール社は、日本郵便の買収以前に多数の企業買収を行い、事業統合を実施している過程にありますが、当社グループとの事業統合も含め統合が予定通り進捗しない場合には、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消されないこと、複雑な業務及び設備、並びに異なる地理的エリアに存する多様な企業風土と異なる言語に基づく従業員を十分に管理できないこと、トール社と競合関係にある同業他社が、トール社より優れた革新的な商品・サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ⅠTシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、さらには、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループ又はトール社の事業に負の効果を及ぼして、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 宿泊事業・病院事業に関するリスク当社の営む宿泊事業は、2021年9月29日開催の取締役会における決議に従い、営業中のかんぽの宿33施設のうち32施設に係る事業の譲渡を決定し、2022年4月1日及び同月5日をもって、事業を譲渡しました。これに伴い、2022年3月期の連結決算において、特別損失として減損損失及び社員の異動に伴う退職金等の割り増し分を計上しました。なお、当社運営時における事象について、事業譲渡後も、当社グループには、事業譲渡先等に対する損害賠償責任を負うリスク、行政処分等のリスク、及び引き続き事業を継続する一部施設の自然災害、事故、火災、食中毒等のリスクが残存します。病院事業については、自然災害、火災、医療事故等から生じる潜在的な損失の発生、損害賠償責任、行政処分等のリスクを内包しています。また、高齢化等に伴う近時の医療費適正化の流れは、病院事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。 病院事業では、近年継続して営業損失を計上していることから、個々の病院の状況を踏まえ、増収対策や経費削減による経営改善を進めています。しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、病院における患者数の減少により、さらに収益減少が続き赤字額の拡大が想定されます。かかる状況では、経営改善策が功を奏する保証はなく、当初想定した成果をもたらさず、又は損失が拡大する可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) マネー・ローンダリング、テロ資金供与、銀行口座の不正使用等に伴うリスク金融犯罪が多様化かつ高度化し、世界各所でテロ犯罪が継続的に発生する等、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策(以下「マネロン対策」といいます。)の重要性が急速に高まっております。本邦においては、2021年8月の我が国のマネロン対策に関する法規制の遵守状況及び対策の実効性を審査するFATF第4次対日相互審査結果の公表及び本邦の行動計画の策定等、マネロン対策の強化が課題となっています。当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等の業務を営んでおります。当社グループの商品・サービス、事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、銀行口座の不正使用等が発生した場合には、当社グループが提供するサービスに対する社会的信用が低下する可能性があり、これらのリスクは大きいものと認識しております。当社グループは、国内外の法令諸規制の適用及びそれに基づく国内外の当局の監督を受けており、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備するとともに、役員・従業員への研修等を通じてマネロン対策の更なる強化を継続的に実施しております。しかしながら、かかる取組みが有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分等により、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク(1) 保有株式及び固定資産の減損損失に関するリスク新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた株式市場の混乱の影響を受けるなど、当社が保有する金融2社等の株式の株価又は実質価額が低下する可能性があります。これらの株式の株価等が取得した価額に比べて著しく下落し、回復する可能性があるとは認められない場合には、減損損失を計上することになり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより当社の分配可能額が減少し、会社法の規定により当社株主への配当の支払いが困難となる可能性があります。また、当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業及び国際物流事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 繰延税金資産に関するリスク当社グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で、貸借対照表において繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 退職給付債務に関するリスク当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は、前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 財務報告に係る内部統制に関するリスク当社は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書を提出すること、及び監査法人による監査を受けることを義務付けられております。当社グループは、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程等を制定し、財務報告に係る内部統制について必要な体制を整備しております。また、評価の過程で発見された問題点等は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、財務報告に係る内部統制が有効でない場合には、当社グループの財務報告の適正性を確保できず、その信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 格付の低下に関するリスク当社は、格付機関より信用格付を取得しておりますが、財務内容の悪化、日本国債の格下げ等により当社の信用格付が格下げとなった場合、著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 管理会計等に係る内部管理に関するリスク本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が含まれております。当社は、これらについても正確性の確保に努めておりますが、管理会計等に係る内部管理が十分でない場合等には、当該数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業に関するリスク (1) 郵便局窓口業務のサービス品質に関するリスク日本郵便及びかんぽ生命保険におけるお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた保険契約乗換等に係る事案(以下「募集品質問題」といいます。)及び法令違反又は社内ルール違反が認められた事案の発生により、当社グループに対する株主、投資家、お客さま、その他ステークホルダーからの信頼は未だ回復途上にあり、早期の信頼回復が最重要課題と認識しております。当社グル
FY2021|29,993 文字
2 【事業等のリスク】下記Ⅰ~Ⅷにおいて、当社及び当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しております。もっとも、当社及び当社グループの事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。下記「Ⅰ. 当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスクの概要」は、下記Ⅱ~Ⅷに記載する事項のうち、当連結会計年度末現在において当社経営陣が特に重視する事項について、投資家の皆様にその概要を簡潔に示すことを目的として記載しています。従って、下記Ⅰの記載は、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを網羅するものではなく、下記Ⅱ~Ⅷの記載と併せて読む必要があります。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスクの概要 1.顧客本位の金融商品販売に関するリスク当社グループは、2019年、かんぽ生命保険商品の募集品質に係る諸問題に関し、監督当局から行政処分を受けたことを受け、2020年1月に策定した業務改善計画に基づき各種施策に取り組み、外部専門家で構成されたJP改革実行委員会のモニタリングを受けながら、お客さまからの信頼回復に向けた改善策を実行してまいりました。また、かんぽ生命保険商品と投資信託を同一のお客さまに販売した際に、一部の取引について法令違反があったことを受け、契約無効措置等のお客さま対応を実施したほか、商品横断的なデータモニタリングなどの必要な対応を行いました。さらに、ゆうちょ銀行の即時振替サービスの不正利用事案等に関し、2021年1月にJP改革実行委員会から受領した「株式会社ゆうちょ銀行のガバナンス等に係る検証報告書」において、ガバナンス強化に向けた改善策に係る提言を受けており、提言事項への対応に取り組んでおります。当社グループは、お客さま本位の業務運営を徹底し、組織風土改革を含む信頼回復に向けた取組みを継続してまいりますが、今後、お客さまの不利益となる他の事例や法令違反又は社内ルール違反となる他の事例が追加で判明する可能性は否定できず、この場合には、更なる行政処分を受ける可能性があり、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.金融リスク(低金利環境の長期化・グローバル経済の減速)当社グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業(以下「金融事業」と総称します。)の運用・調達から生じる収益により占められています。歴史的な低金利環境の長期化を受けて、債券運用を資産運用主体とする金融2社の基礎的な収益力が低下するリスクは大きいものと認識しています。また、量的緩和の縮小等により、金利が急上昇した場合には、運用サイドの債券等の価格が下落するとともに、調達サイドの貯金等の流出や預替え等が発生する可能性もあります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大時に見られるような歴史的な金融・資本市場の動揺、グローバル経済の減速懸念時には、金融2社については、海外金融資産の増加に伴い海外クレジット市場の信用スプレッド拡大、外貨の調達、ヘッジコスト上昇の影響を強く受け、当社グループ各社の保有資産の評価損、減損損失及び売却損の計上、剰余金の処分における分配可能額の減少・消失等、金融事業に影響を及ぼすリスクは大きいものと認識しております。これらに対し、財務健全性の観点から、リスク管理態勢を高度化し、ストレステスト等も実施し、運用の分散や機動的な運営に努め、必要な自己資本比率を確保しておりますが、金融・資本市場、国内外の経済情勢その他事業環境の変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.DX等の技術革新など事業環境の変化に対応できないリスク新型コロナウィルス感染症の拡大や少子高齢化・デジタル化の進展の中、企業が競争上の優位性を確保するためには、ビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、お客さまや社会のニーズに基づき、商品・サービス、ビジネスモデルを変革し、業務、組織、企業文化・風土等を変革することが必要となります。当社グループでは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」として、グループ一体でのDX推進による、リアルの郵便局ネットワークとデジタル(デジタル郵便局)との融合により新たな価値を提供できるように取組みを進めるほか、楽天グループ株式会社などグループ外企業等との資本・業務提携、その他新規事業への投資等に取り組んでいますが、これらの取組みが成功する保証はなく、事業環境の変化に適時かつ適切に対応できない場合、又はユニバーサルサービス提供に係る責務を果たすため、コスト削減を実現できない等の場合には、当社グループの業務・商品の競争力や効率性の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、P-DX(Postal-Digital transformation:デジタル化された差出情報と、日本郵便ならではの配達先情報を活用し、データ駆動型のオペレーションサービスを実現するための郵便・物流事業改革)の推進、オペレーション改革、窓口業務運営のデジタル化等により、業務の効率化を徹底する取組み等を進めておりますが、想定通りに業務の効率化が進まず、その結果、事業運営コストを賄うために収益性を過度に追求した営業や過度のリスクを伴う資金運用を行う場合には、コンダクト・リスクや運用リスクが顕在化し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.サイバーセキュリティに関するリスク重要インフラである郵便・物流事業、銀行業、生命保険業を運営している当社グループにおいては、事業運営上のシステムへの依存度が高い状況にあります。当社グループはお客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」としてグループ一体でのDXを推進していることから、今後ますますその重要性が高まることが予想される一方、社会ではシステムに対するサイバー攻撃や各種サービスの不正利用が発生しております。当社グループの事業運営における情報システムへの依存度は高く、インターネットを活用した顧客とのアクセスも多くなり、その結果、サイバー攻撃や各種サービスの不正利用のリスクが高くなっています。また、かかるリスクはサイバー攻撃の高度化や在宅勤務(テレワーク)の拡大等により、今後さらに増大する可能性があります。当社グループでは、このような高まりを見せるサイバー空間におけるリスクに対して、恒常的にサイバーセキュリティ対策の高度化に取り組んでおりますが、かかる対策にもかかわらず、当社グループのシステムへの攻撃、各種サービスの不正利用により、当社グループの事業が大規模かつ長期間に亘り停止又は制約を受けることで当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5.金融2社株式の売却に関するリスク金融2社の株式売却に関しては、郵政民営化法を踏まえ、金融2社の経営の自立性・自由度を広げる観点から、できる限り早期に金融2社株式の保有割合を50%以下とすることを目指しております。金融2社の株式の売却が進んだ場合には、当社の連結財務諸表に反映される金融2社の利益が減少します。なお、当社は、2021年5月のかんぽ生命保険が行う自己株式取得に応じた売付け及び同年6月の株式処分信託の設定により、当社が保有するかんぽ生命保険普通株式163,306,300株を処分しており、この結果、当社のかんぽ生命保険に対する議決権保有割合は49.9%となっています(本株式処分前64.5%)。他方、当連結会計年度末現在における当社のゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は89.0%ですが、株式売却は市場環境等にも左右されるため、当社の想定通りにゆうちょ銀行株式の売却が進まない可能性があります。当社としては、将来的に金融2社に代わる事業基盤を確保するとともに、これら2社の株式売却により得た資金を活用して、例えば、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」として新たなビジネスを展開して収益機会を確保する等、ビジネスポートフォリオを転換することに取り組みますが、当社グループを取り巻く国内外の経済情勢は厳しい状況にあるほか、投資先の選定・管理等の難易度は増しており、上記の当社連結業績への影響を補えない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6.人的リスク(人材確保・ハラスメント・労働問題・人件費増加)少子高齢化による労働人口の減少などにより人材の確保は厳しさを増していることに加え、当社グループにおいて技術革新等に起因する経営環境の変化等に適切に対応できない場合などには、当社グループは、郵便・物流業務に従事する配達又は運送に係る各種人材のほか、DX推進に必要なIT等の高度な専門性及び知識・経験を有する有能な人材の確保が困難となる可能性があります。また、当社グループが労働条件や人材育成システムの整備等による魅力的な労働環境を提供できなかった場合、又は人事処遇やハラスメント等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、人材の流出・不足等を招く可能性があります。当社グループは、かかる事態に対処するため、社員視点に立った働き方改革として働きやすい職場づくり、労働条件の整備、ダイバーシティの推進、人材育成を推進しておりますが、当社グループの想定通りの人材確保ができない場合、又は人材育成・教育が進まない場合には、人材不足や人件費の増加等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 7.ESG・気候変動に関するリスク当社グループは、郵便局ネットワークを活用し、事業を通じて、地域社会への貢献、SDGs等の社会的な課題に取り組むことにより、グループの持続可能な成長と中長期的な企業価値の創出を図っておりますが、その対応が不十分と評価された場合には、当社グループの資本市場における評価その他社会的な評価の低下につながる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。その中でも、気候変動への対応は、我が国及び世界において大きな課題となっており、当社グループにおいては、異常気象や増加する自然災害等により外務社員の熱中症などの従業員の健康被害や郵便局ネットワークの損傷といった物理的リスクのほか、当社グループの気候変動への対応が遅れることで、より環境負荷の低い輸送手段を持つ企業に顧客が移る等の移行リスクに適切に対応する必要があります。当社グループとしても「2050年カーボンニュートラルの実現」を目指し、温室効果ガス(GHG)の削減に取り組んでいきますが、その達成には、我が国における再生可能エネルギーの普及などが進むことが必要となります。当社グループも、持てるリソースの活用によって我が国及び世界のカーボンニュートラル化を後押しすることとしております。しかしながら、これらの動きが十分に進まなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 8.海外子会社に関するリスク日本郵便は、豪州・アジア市場を中心に、海外子会社による国際的な事業展開を推進しております。日本郵便の子会社であるトール社については、2021年4月21日、Allegro Funds Pty Ltdの傘下企業との間で赤字が継続しているエクスプレス事業の譲渡契約を締結いたしました(これにより2021年3月期において674億円の特別損失を計上しております。)が、トール社は債務超過の状態となっており、依然厳しい経営状況となっております。当社グループは、豪州事業の合理化やアジア中心のビジネスモデルへの転換による成長を図りますが、期待される経営改善策及び成長戦略が功を奏せず、業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、トール社の保有する物流設備その他の固定資産について更なる減損損失を計上する可能性があります。 Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済情勢その他の事業環境の変化に伴うリスク当社グループが行う事業のうち、郵便・物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業等は、その収益の多くが日本国内において生み出されるものであるため、主として国内における経済情勢の変化、金利の動向、金融市場の変動、消費税増税、少子高齢化の進展、eコマース市場の動向、技術革新、賃金水準の変動、不動産価格の変動、預金水準等の影響を受けます。また、国際物流事業において日本郵便の子会社であるトール社が、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクトロジスティクス等の国際的な事業活動を行っており、豪州経済の減速、米中貿易摩擦、新型コロナウイルス感染症の拡大を含む各国・地域における経済情勢等の変動による影響を受け、銀行業・生命保険業においては、運用の多様化・高度化の下、国際分散投資を推進しており、国際金融・資本市場の変動による影響も受けます。従って、足元の新型コロナウイルス感染症の拡大を含む国内外の経済情勢、金融・資本市場その他事業環境の変動により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合に関するリスク当社グループが行う事業は、いずれも、激しい競争状況に置かれております。当社グループと競合関係にある同業他社は、AI・Fintech・テレマティクス等の技術の急速な進展・活用、その他の事業環境の変化・事業戦略の変更等で、当社グループより優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、資金調達手段、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。例えば、日本郵便が行っている郵便・物流事業については、信書便事業者や他の物流事業者等と競合関係にあり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生した場合、又は、競争激化により日本郵便の事業、シェア若しくは収益の動向が当社グループの想定通りに進捗しなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行が行っている銀行業、及びかんぽ生命保険が行っている生命保険業も、同業他社等と競合関係にあります。今後、両社が金融サービスに対する顧客ニーズの変化や市場構造の変化等に適切に対応できなかった場合、又は、両社が競合他社に対して優位に立てない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和が行われております。当社グループ各社が市場構造の変化に対応できなかった場合や規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、郵便事業と競合する一般信書便事業については、民間事業者による信書の送達に関する法律(以下「信書便法」といいます。)に基づき、一定の参入条件が課された許可制とされており、現時点において同事業に参入している民間事業者はおりません。しかしながら、信書便法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは事業の競争力を維持するため、グループ横断的な新規事業への進出やDXの検討・実践に向けた取組み等を進めておりますが、適時かつ適切に効果的な施策を講じることができなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、業務の効率化が進まなかった場合、事業運営コストを賄うため、収益性を過度に追求した営業や過度のリスクを伴う資金運用を行う場合には、コンダクト・リスクや運用リスクが顕在化し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 大規模災害等に伴うリスク当社グループは、日本国内のみならず国際的な事業活動も行っており、各国・地域における地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の大規模自然災害(異常気象・気候変動に伴うものを含む。)、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症やエボラ出血熱等の感染症の大流行、戦争、テロリズム、武力衝突等の人的災害、水道、電気、ガス、通信・金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、又は当社グループの店舗、その他の設備や施設の損壊その他正常な業務遂行を困難とする状況等が生じた場合、当社グループの業務の全部若しくは一部が停止し、又は、運営に支障をきたすおそれがあり、また、設備やインフラの回復、顧客等の損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。また、かかる状況下において当社グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生に伴う経済・社会活動の沈滞等の影響を受け、当社グループやその顧客・取引先企業の事業活動の継続性に支障をきたす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは生命保険子会社としてかんぽ生命保険を保有していることから、大地震その他の大規模災害や新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のような感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合に、かんぽ生命保険による保険給付に関し、通常の想定を超える債務を負うリスクにさらされております。同社は、保険業法の基準に従って危険準備金を積み立てておりますが、予想を超える大規模災害等の発生により危険準備金を超えるような保険金・給付金の支払いが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)ESG・気候変動に関するリスク当社グループは、郵便局ネットワークを活用し、事業を通じて、地域社会への貢献、SDGs等の社会的な課題に取り組むことにより、グループの持続可能な成長と中長期的な企業価値の創出を図っておりますが、その対応が不十分と評価された場合には、当社グループの資本市場における評価その他社会的な評価の低下につながる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。その中でも、気候変動への対応は、我が国及び世界において大きな課題となっており、全国2万4,000局の郵便局ネットワークをはじめとする多くの拠点、社員を有して事業を行い、グローバルに資産を運用している当社グループにとって、重大な影響を及ぼす重要な経営課題であると認識しており、自然災害の増加、外務社員の熱中症リスク等の物理的リスク(気候変動によってもたらされる災害等による急性あるいは慢性的な被害)と、燃料の規制強化による施設・車両の切り替え等にかかるコスト増加、当社グループより環境負荷の低い輸送手段を持つ企業に顧客が移る等の移行リスク(低炭素経済への移行により、政策・法規制、技術開発、市場動向、市場における評価等の変化によってもたらされるリスク)に適切に対応する必要があります。気候変動への対応が不十分と評価された場合には、当社グループの資本市場における評価その他社会的な評価の低下につながる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしても「2050年カーボンニュートラルの実現」を目指し、温室効果ガス(GHG)の削減に取り組んでいきますが、その達成には、我が国における再生可能エネルギーの普及などが進むことが必要となります。当社グループも、持てるリソースの活用によって我が国及び世界のカーボンニュートラル化を後押しすることとしております。しかしながら、これらの動きが十分に進まなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 新型コロナウイルス感染症の拡大に関するリスク新型コロナウイルス感染症の拡大は、郵便局での営業、郵便・物流事業、国際物流事業を行う当社グループの事業活動に影響を及ぼしており、新型コロナウイルス感染症への対策として、当社社長を本部長とする本社合同対策本部を設置し、関係機関と連携を図り、感染の防止と業務・サービスの継続等のため、必要な取組みを継続しており、お客さまと社員の安全確保のための措置を行っております。具体的には郵便局及びゆうちょ銀行店舗窓口におけるマスク着用、郵便物等の対面配達時におけるマスク着用の徹底を行ったほか、ゆうパックや書留郵便物等をご希望に応じて対面ではなく郵便受箱や玄関前等に配達する等、お客さまへの影響と感染拡大の防止に最大限配慮して、業務を継続していくこととしていますが、今後の実際の感染拡大の収束時期や、国内外の経済環境、金融・資本市場の動揺などを通じた様々な要因により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の国際的な拡大は、国際物流事業を行うトール社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、金融・資本市場が大きく変動するとともに実体経済が多大な影響を受ける環境下においては、金融2社の国際分散投資による適切なポートフォリオ運営及びリスク管理が奏功せず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また新型コロナウイルス感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合のかんぽ生命保険による保険給付に関する通常の想定を超える債務を負うリスクについては前記(3)のとおりです。このほか、新型コロナウイルス感染症の収束後においても、人々が日常生活において非対面を好むようになったり、在宅勤務(テレワーク)が広まったりするなど、社会の在り方やライフスタイルが変わるような事業環境の変化に当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループのサービスの競争力低下等により、当社グループの現在の収益基盤となっている郵便・物流事業や金融事業等において収益性が悪化するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 不正・不祥事に関するリスク当社グループでは、業務改善計画に基づいた改善策の実行に向けて取り組んでいるかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題に加え、2020年度に発覚した、かんぽ生命保険商品と投資信託の横断的な販売について、一部お客さま本位といえない営業が行われていたことや、ゆうちょ銀行のキャッシュレス決済サービスの不正利用等の新たな問題が発覚しています。当社グループは、外部専門家の方々で構成された、各種取組みを公正・中立な立場から検証するJP改革実行委員会からの評価、助言等も踏まえ、ガバナンス機能、グループコンプライアンス機能、監査部門の機能の強化等を図り、業務改善計画を着実に実行しており、また、お客さまからの信頼回復に向け、2020年9月に発表した「お客さまの信頼回復に向けた約束」をもとに、お客さまや社員の声を経営や営業・業務改善に活用する等、お客さま本位の事業運営を徹底してまいりますが、かかる態勢・予防策が十分な効果を発揮しない場合、当社グループの役員・従業員による法令その他諸規則等の違反、社内規程・手続等の不遵守、不正行為、事故、不祥事等が生じ、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、当社グループでは、2020年度においても、長崎県の郵便局で発覚した現金詐取事案や従業員による郵便物等の放棄・隠匿事案、郵便局元課長が郵便切手横領容疑で逮捕される事案等が発覚しており、このような事案を含め、不祥事等が発生した場合には、被害者等に対して損害賠償責任を負い、監督官庁からの行政上の処分等を受ける可能性があるほか、当社グループの社会的信用が低下するおそれもあります。 (2) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、当社グループは、同業他社に比して、新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約されるため、競争力を失い、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便事業は当社の連結子会社である日本郵便が独占的に行うこととされておりますが、郵便約款の変更や業務委託の認可制、全国一律料金制度、定形郵便物の料金制限、郵便料金の届出制(第三種郵便物及び第四種郵便物については認可制)といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制当社グループの金融事業においては、一般的に適用される銀行法及び保険業法といった金融業規制を受けております。また、現在監督(規制)当局等において、銀行業におけるバーゼルⅢの最終化や生命保険業における経済価値ベース新規制等の適用に関する議論がされており、当社グループではこれらの議論を注視しつつ、新たな規制等の導入を考慮した内部管理を行っていますが、規制の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (a) ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険及び金融持株会社としての当社に対する規制金融2社は、それぞれ銀行法、保険業法及び関連業規制に基づき、金融庁の監督を受けており、内閣総理大臣からの委任を受けた金融庁長官による、法令違反等による免許取消し並びに業務の健全性かつ適切な運営を確保する等のために必要があると認めるときの業務停止及び立入検査等を含む広範な監督に服しております。当社自身も銀行持株会社及び保険持株会社として、同様に銀行法及び保険業法に基づき金融庁の監督に服する等の金融業規制を受けておりましたが、2021年5月のかんぽ生命保険が行う自己株式取得に応じた売付け及び同年6月の株式処分信託の設定により、当社のかんぽ生命保険に対する議決権保有割合は49.9%となり、保険業法に基づく規制は保険持株会社としての規制から保険主要株主としての規制に変わることとなりました。金融2社は、それぞれ銀行法、保険業法及び関連業規制に基づき、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、ゆうちょ銀行は自己資本の充実度合いを計る基準である自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること等を、かんぽ生命保険は、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断する指標の一つであるソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等をそれぞれ求められております。また、当社自身も銀行持株会社及び保険持株会社として、銀行法及び保険業法に基づき金融庁の監督に服するとともに、連結自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること及び連結ソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等が必要とされるほか、顧客の利益保護のための体制の整備や事業年度毎の規制当局に対する業務報告書等の提出の義務等を負っております。(なお、上記のとおり、2021年5月に公表したかんぽ生命保険株式の処分により、保険持株会社としての規制から保険主要株主としての規制に変わり、連結ソルベンシー・マージン比率の規制は受けないこととなっています。)2021年3月31日現在、ゆうちょ銀行の連結自己資本比率は15.53%、かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率は1,121.2%、当社グループの連結自己資本比率は17.55%、連結ソルベンシー・マージン比率は674.9%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しております。しかしながら、近時の金融市場の状況に対応したリスク性資産の増加により、これらの比率は低下傾向にあることに加え、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更、新たな規制の導入等により、連結自己資本比率又は連結ソルベンシー・マージン比率がさらに低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、国際的な監督規制では、システム上重要な金融グループに対する規制強化を図っているところですが、選定基準の見直し等、規制当局の動向によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (b) 日本郵便に対する規制日本郵便は、当社グループの金融窓口事業に関連して、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、また、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督に服しております。また、日本郵便は、銀行代理業者として、内閣総理大臣の承認を得ない限り、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際の顧客への説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、生命保険募集人として、顧客に対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。日本郵便が上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可又は登録の取消しや業務の一部又は全部の停止を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (c) 事業の前提となる許認可当社グループは、主として以下のような許認可等を受けております。許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項保険主要株主の認可保険業法第271条の10第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の16第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(かかる義務に基づき郵便局ネットワークを通じて行われる役務提供を、以下「ユニバーサルサービス」といいます。)。ユニバーサルサービスの確保については、2015年9月28日付「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会からの答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、「また、国は、ユニバーサルサービス確保に向けたインセンティブとなるような方策について検討することが必要である」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされており、答申を受けて実施される政府の施策の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社及び日本郵便は、それぞれ日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法に基づき、新規業務、株式の募集、又は株式交換若しくは株式交付に際しての株式の交付、取締役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定、定款の変更、合併、会社分割、解散等を行う場合には、総務大臣の認可(ただし、日本郵便の新規業務については総務大臣への届出)が必要とされています。また、金融2社は、銀行法又は保険業法に基づく規制に加え、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するため、郵政民営化法に基づき、新規業務、子会社対象金融機関等(ゆうちょ銀行)・子会社対象会社(かんぽ生命保険)の保有、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。さらに、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(なお、金融2社におけるこれらの規制を、以下「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。さらに、当社及び金融2社は、新たな収益機会を得るために新規業務を行う場合、郵政民営化法に基づき内閣総理大臣及び総務大臣の認可を得る必要があり、当該認可が得られず、又は認可取得に時間を要する場合には、当社グループが計画した時期又は内容で新商品を投入又は新サービスを提供できない可能性があるなど、当社グループによる新規事業の展開を含む業務範囲の拡大には一定の制約が伴います。なお、当社は、2021年5月のかんぽ生命保険が行う自己株式取得に応じた売付け及び同年6月の株式処分信託の設定により、当社が保有するかんぽ生命保険普通株式163,306,300株を処分いたしました。この結果、当社のかんぽ生命保険に対する議決権保有割合は49.9%となり、2021年6月9日、郵政民営化法第62条第2項に基づき、かんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨の総務大臣への届け出を行いました。当社が総務大臣に届け出た日以後は、かんぽ生命保険が上記の各業務を行おうとするときは、認可は要しないものの、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール公社を承継した機関として、当社、日本郵便、金融2社が政府調達協定その他の国際約束の適用を受ける物品等を調達する場合には、国際約束に定める手続の遵守が求められます。当社グループ各社の作為又は不作為により、かかるこれらのルールを遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは調達行為に遅れが発生する可能性があり、当初想定していた計画が実施できないなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起又は開始されるリスクを有しております。一部ではありますが、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる等不利な判断がなされた場合には、当社グループにおいても当該判断を踏まえた対応が必要となるなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、労働契約法第20条(平成30年法律第71号による改正前のもの)に基づき、期間雇用社員である原告が正社員と期間雇用社員に労働条件の差異があるのは不合理であるとして提訴した訴訟については、2020年10月15日に最高裁判所が、一部の手当や休暇制度について、正社員と期間雇用社員である原告間に差異があるのは不合理との判決を言い渡しました。当社グループにおける今後の人事労務制度改正の内容については、最高裁判所の判決の内容を踏まえ、労使交渉のうえ決定していくこととしておりますが、その内容等によっては対応に相当の費用を要するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループは、あまねく全国に広がる郵便局ネットワークを通じて、多数の郵便物・荷物の配達や金融サービスの提供を行っております。当社グループの商品・サービス、事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物の管理上の不備・遅配・誤配及び破棄・紛失等、配達員による交通事故、銀行口座やクレジットカードの不正利用、キャッシュカードの盗難、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、サイバー攻撃等によるシステム・トラブルや個人情報その他の機密情報の漏えい、不正行為、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)に反する行為、反社会的勢力との取引、労働問題、ハラスメント(業務の適正な範囲を超える言動等)、事故、業務上のトラブル、社内規程・手続違反、不祥事等が発生した場合には、当社グループ及び当社グループ各社が提供するサービスに対する社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではかかる事態の発生を未然に防止するため、グループ会社全社員へのコンプライアンス教育や「お客さま本位の業務運営」の徹底を通じ、影響の低減に努めておりますが、これらの施策にもかかわらず上記のような事態が生じた場合、社会的信用の低下により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に「かんぽ生命保険契約問題 特別調査委員会」が2019年12月18日付で公表した調査報告書では、当社グループにおいて、「不適正募集の実態把握につながる現場の声が経営陣に届かない」、「リスク事象を探知した際の原因追究・解決の先送り」、「問題の矮小化」及び「部門間の横での連携不足及び上意下達のもとでの情報伝達の目詰まり」といった企業風土又は組織文化が従前から存在してきたことが指摘されていました。当社グループにおいては、経営陣主導のもと、かかる企業風土又は組織文化の健全化に取り組んでおりますが、かかる取組みが功を奏しない又は功を奏するまでに想定以上の時間を要する場合には、類似の事案が発生する結果、当社グループの社会的信用が低下する、又は当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ又は当社グループが行っている事業全般に対する風評・風説が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、また、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、当社グループが提供するサービスの公益性、事業規模、社会における認知度・注目度等を背景に、当社グループは、顧客や市場関係者等から、否定的理解・認識をされ、又は、強い批判がなされる可能性があり、それにより当社グループ、商品・サービス、事業のイメージ・社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 中期経営計画に関するリスク当社グループは国内外の市場金利、為替、株価、経営環境(消費税増税を含む。)、競争状況、営業費用等多くの前提に基づいて中期経営計画を策定し、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等の業務に係る中期的な事業戦略・方針を定めております。当社グループの中期経営計画「JPビジョン2025」では、「お客さまと地域を支える共創プラットフォームの構築」、「グループ一体でのDX推進による新しい価値提供」の戦略のもとに、成長に向けた投資、効率化施策、生産性向上の取組みを行っています。しかしながら、将来の戦略、計画、方針等には様々なリスク等が内在しており、当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができない可能性があります。また、市場金利の低下に伴う保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少していることに加えて、保険募集プロセスの品質事案等の影響で新契約の獲得が計画通り進まない、又は、既存の契約の解約数が増加する可能性があり、かかる場合、当該計画期間終了後も新契約の獲得や既存の契約の維持については、厳しい状況が継続することが見込まれます。なお、中期経営計画のうち、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険にかかる事業戦略及び経営計画に関するリスクについては、それぞれ「Ⅳ.銀行業に関するリスク (8) 事業戦略・経営計画に係るリスク」及び「Ⅴ.生命保険業に関するリスク (5)事業戦略・経営計画が奏功しないリスク」も併せてご参照ください。さらに、金融2社等当社グループ各社が保有する有価証券の価値の低下による減損損失、売却損の計上やその他有価証券評価差額金の減少等により当社グループ各社からの配当収入が減少する結果、当社では十分な配当可能額が確保できず、中期経営計画における配当目標を達成できない可能性があります。また、2021年3月31日付で公表したとおり、当社は、2021年3月期通期の個別決算において、ゆうちょ銀行の株式について、時価が著しく下落したため減損処理を行い、2,229,538百万円の関係会社株式評価損(特別損失)を計上いたしました。今後も金融2社株式を含む当社保有の株式の時価が下落することにより更なる減損処理が必要となった場合には、これに伴う剰余金の減少によりさらに分配可能額が減少し、あるいは消失する可能性があります。なお、当社は将来的な国際財務報告基準(IFRS)の適用を検討しており、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) グループ外の企業との資本・業務提携、外部委託及び企業買収並びに業務範囲の拡大等に伴うリスク当社グループは、当社グループ外の企業との間で、様々な業務に関し、資本・業務提携、外部委託を行っております。当社は、下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命保険株式会社との戦略提携に合意し、アフラック・インコーポレーテッドの発行済株式総数(自己株式を除く。)の約7%を取得しております。また、2021年3月12日に、楽天株式会社(現楽天グループ株式会社)との資本・業務提携に合意し、同月29日をもって、楽天株式会社の発行済株式総数(自己株式を除く。)の約8%の取得を完了いたしました。このようなグループ外の企業との資本・業務提携については、資本・業務提携先との間における、戦略上若しくは事業上の問題又は目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りの効果が得られない可能性や、投資に見合うリターンを得られない可能性、当社グループの既存事業に負の効果を及ぼす可能性も否定できません。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、資本・業務提携先、外部委託先において、業務遂行上の問題が生じ、商品・サービスの提供等に支障をきたす場合、顧客情報等の重要な情報が漏えいする等の事故、違法行為、不正行為、不祥事等が発生した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが、他の企業を買収するに当たっては、買収先企業や買収先事業を効果的かつ効率的に当社グループの事業と統合できない可能性、買収先企業の重要な顧客、仕入先、その他関係者との良好な関係を維持できない可能性、買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性などがあります。また、想定した事業環境と異なる状況が発生する可能性、経営陣を含む人材流出・不足等の可能性などがあります。このような事象が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の業務範囲の拡大については、当社グループが業務範囲を拡大することができたとしても、限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合や業務拡大により過度の人的・物的負担が生じた場合等において、業務範囲の拡大が功を奏する保証はなく、当初想定した成果をもたらさず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 情報通信システム及び個人情報その他の機密情報の漏えいに関するリスク当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等を営んでおり、当社グループのコンピュータシステムは、顧客や各種決済機構等のシステムとサービスの提供に必要なネットワークで接続されるなど極めて重要な機能を担っております。これらについて、地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の自然災害やテロリズム等に加えて、人的過失、事故、停電、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等のサイバー攻撃、システムの新規開発・更新における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により重大なシステム障害や故障等が発生する可能性があります。こうしたシステムの障害、故障等が生じた場合に、業務の停止・混乱等及びそれに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の低下、対応や対策に要する費用等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、多くの顧客や取引先等から様々な情報を取得しているほか、事業・人事などに関する多数の情報を保有しており、これらの情報については、郵便法、銀行法、保険業法、金融商品取引法等のほか、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことが求められていることから、当社グループは、かかる事態に対処するため、外部の専門人材の活用等多様な防御対策を講じることにより、システム障害等の発生の未然防止に努めています。しかしながら、当社グループのコンピュータシステムの障害・故障その他の理由により、当社グループが保有する個人情報及び機密情報等の外部への漏えいが発生した場合は、損害賠償や当該事案への対応費用、行政処分、社会的信用の低下による顧客の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、不正アクセス等のサイバー攻撃に対しては、メールやWeb閲覧に対するウイルス感染抑止等の入口対策、外部デバイスの接続制限や、許可された通信先以外の遮断等の出口対策を講じるとともに、当社グループのサイバーセキュリティ担当役員によるグループサイバーセキュリティ委員会を設置し、グループ全体でセキュリティの高度化を推進することに加え、セキュリティ専門家による点検・指導、対策推進等サイバー攻撃への対応に努めております。しかしながら、かかる施策によっても完全に高度化するサイバー攻撃等を防ぐことは困難であり、特に近年、不正アクセス等サイバー攻撃による企業・団体が保有する個人情報等の漏えいが多発しており、在宅勤務(テレワーク)の増加、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、かかる脅威は今後さらに増大する可能性があります。また、当社グループは、基幹ITシステムを含む当社グループのITシステムのアップグレードを行っており、かつ、新規のシステム投資を行うこともありますが、かかる作業の遅延、失敗、多額の費用発生により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 人材の確保に関するリスク当社グループにおいては、昨今の少子高齢化等による労働力不足により、郵便・物流業務に従事する配達又は運送に係る車両の運転手をはじめとして各種人材の確保が困難となる可能性があります。また、当社グループは、保険数理、資産運用、銀行・保険の各種業務、商品の販売・募集、会計、金融業規制、法令遵守、DXの推進等に必要なIT等に係る資格、高度の専門性及び経験を有する有能な人材を必要としており、新規採用・中途採用を通じ、人材の確保に努めるとともに、かかる人材の育成にも努めております。併せて、多様な社員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、制度や環境の整備等ダイバーシティ経営を推進しております。しかしながら、当社グループが魅力的な条件を提供できず、有資格者や有能で熟練した人材の採用若しくは育成及び定着を図ることができなかった場合、又は、適切な育成環境を整備できない場合や、人事処遇や労務管理等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、当社グループの事業の競争力若しくは業務運営の効率性が損なわれ、人材の適合性、多様性を確保することができず、又は人材の流出・不足等を招き人件費単価が上昇するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、かかる事態に対処するため、人事・処遇制度の改定による労働環境の改善、業務の機械化・デジタル化の推進による労働力に依存しないビジネスモデルへの転換等を図っていますが、これらの対策によっても、厳しい人材獲得競争下において必要な人材を適切に確保できる保証はなく、また業務の機械化・デジタル化が当社グループの想定通りに進捗しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 固定費負担に関するリスク当社及び日本郵便は、ユニバーサルサービス提供義務に基づき、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を、全国に広がる郵便局ネットワークを通じて全国の顧客に提供しております。そのため、当社グループの郵便・物流事業及び金融窓口事業においては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費等の多額の固定費に加え、多数の郵便局員その他の従業員の給与等の人件費が発生しております。人件費においては、労使交渉・労働法制の変更等を受けて従業員への給与等を増額した場合には、それが一人あたりは比較的小さな増額であっても、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、高齢化に伴う厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げなどによる福利厚生費の上昇も想定されます。当社及び日本郵便は、今後、地方における過疎化の進展、企業活動又は個人の消費活動の縮小、電子メール等インターネットやウェブサイトを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、郵便物や荷物の取扱数量又は金融窓口での金融・保険商品の販売量の減少等、当社グループが郵便局を通じて提供するサービスの利用が減少した場合であっても、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があり、収益性の低い事業又は拠点等を縮小する等の対応が制限されているため、かかる方法により固定費を削減することが困難となる可能性があります。当社グループの提供する商品・サービスの内容、対象若しくは対価を変更し若しくはその提供を中止し、又は、郵便局ネットワークを縮小するなどの対応ができず若しくは制約され、かかる固定費に見合った収益を挙げられない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク当社グループは、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。しかしながら、当社グループのリスク管理は、過去の経験・データに基づいて構築されているため、将来発生するリスクを正確に予測することができず、新しい業務分野への進出や外部環境の変化等によりリスク管理が有効に機能しない可能性があります。また、当社グループがリスク管理の方針及び手続を策定する際、参考又は前提とした情報が真実性、正確性、完全性又は合理性に欠ける場合には、当社グループのリスク管理の有効性に悪影響を与える可能性があります。さらに、当社グループの事業に内在するリスクを管理するためには、膨大な取引や事象の適切な記録、審査、調査等に係る方針及び手続の有効性や効率性等が重要ですが、かかる方針や手続が万全とは言えない可能性があります。当社グループは、経営環境、リスクの状況等の変化に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行い、万全のリスク管理態勢を構築するよう努めておりますが、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない場合や、欠陥が発生した場合等には、当社グループが予期していなかった損失を被る可能性や、当社グループ各社が行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業拡大に伴い、リスク管理態勢の増強も必要となりますが、事業の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分ではない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク(1) 保有株式及び固定資産の減損損失に関するリスク新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた株式市場の混乱の影響を受けるなど、当社が保有する金融2社等の株式の株価又は実質価額が低下する可能性があります。これらの株式の株価等が取得した価額に比べて著しく下落し、回復する可能性があるとは認められない場合には、減損損失を計上することになり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより当社の分配可能額が減少し、会社法の規定により当社株主への配当の支払いが困難となる可能性があります。2021年3月期通期の個別決算において計上したゆうちょ銀行の株式の減損処理については、「Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 3.事業運営に関するリスク (1) 中期経営計画に関するリスク」を、当社の所有する金融2社株式の帳簿価額については、「Ⅶ.金融2社株式売却等に関するリスク (4) 当社による金融2社株式の売却に関するリスク」をご参照ください。また、当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業及び国際物流事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 繰延税金資産に関するリスク当社グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で、貸借対照表において繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 退職給付債務に関するリスク当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は、前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 財務報告に係る内部統制に関するリスク当社は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書を提出すること及び監査法人による監査を受けることを義務付けられております。当社グループは、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程等を制定し、財務報告に係る内部統制について必要な体制を整備しております。また、評価の過程で発見された問題点等は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、財務報告に係る内部統制が有効でない場合には、当社グループの財務報告の適正性を確保できず、その信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 格付の低下に関するリスク当社は、格付機関より信用格付を取得しておりますが、財務内容の悪化、日本国債の格下げ等により当社の信用格付が格下げとなった場合、著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 管理会計等に係る内部管理に関するリスク本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が含まれております。当社は、これらについても正確性の確保に努めておりますが、管理会計等に係る内部管理が十分でない場合等には、当該数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (1) 金融窓口業務のサービス品質に関するリスク日本郵便及びかんぽ生命保険におけるお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた保険契約乗換等に係る事案(以下「募集品質問題」といいます。)及び法令違反又は社内ルール違反が認められた事案の発生により、当社グループに対する株主、投資家、お客さま、その他ステークホルダーからの信頼は未だ回復途上にあり、早期の信頼回復が最重要課題と認識しております。当社グループは、募集品質問題について、お客さまからの信頼の早期回復、並びに保険募集プロセスにおける法令遵守及びお客さま本位の意識の徹底による募集品質の確保・向上を図るため、お客さまの不利益の解消に向けたご契約調査等の対応や、2020年1月31日付で監督当局に提出した業務改善計画に基づく再発防止策の実施に最優先で取り組んでまいりました。また、日本郵便において行われた一部のお客さまのご意向に沿っていない取引のうち法令違反が認められたかんぽ生命保険商品と投資信託の横断的な販売について、契約無効措置等のお客さま対応を実施するとともに、日本郵便が商品横断的なデータモニタリングを行うなど、改善に向けた取組みを進めてまいりました。しかしながら、今後、これらの取組みが期待された効果を発揮しない又は効果の発揮までに想定以上の時間を要する場合には、当社グループに対するステークホルダーからの信頼の回復に影響を及ぼす可能性があります。さらに、お客さまのご意向に沿わず不利益となる同種の事例、法令違反又は社内ルール違反となる事例が判明する場合、過去に締結した保険契約ないし投資信託契約等に対する苦情や無効申請等、原状回復のお申し出が再発する又は解消しない等の場合には、当社グループの社会的信用、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このように今後募集品質問題等に関連して当社グループが遵守すべき法令等の義務に反する行為が発生・発覚する場合、又は業務改善計画の進捗及び改善状況について監督当局がそれらを不十分であると判断した等の場合、当該違反行為の規模や程度又は日本郵便及びかんぽ生命保険の取組状況によっては、監督当局から再度業務停止命令等の行政処分を受けるなど、当社グループの経営や事業の存続にとって重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、さらに追加での各種調査やお客さまの不利益の解消に向けた保険契約に関する手続きが必要となる場合には、追加的な費用を要する可能性や新契約の獲得に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、募集品質問題に関連して、保険契約者等から訴訟を提起された場合にも、当社グループの社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、日本郵便及びかんぽ生命保険は、上記の募集品質問題等を受けて、2019年7月以降、郵便局からの積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案を控えていたことに加えて、2019年12月27日に監督当局から業務停止命令を受けたことに伴い、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、保険募集及び保険契約の締結を停止しておりましたが、2020年10月5日からお客さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びすることを第一とする信頼回復に向けた業務運営を開始し、2021年4月1日からは、お客さまのニーズの確認を行いながら、お客さまニーズに応じた金融商品の情報提供やご提案を行うことで、営業活動を通じたお客さまとの信頼関係の構築を進めていく新たな営業スタンスへ移行しております。当社グループの2021年度から2025年度を計画期間とする中期経営計画においては、お客さま本位の業務運営を徹底し、お客さまからの信頼を回復することを基本方針として掲げ、勧誘方針やかんぽ営業スタンダードなどのプリンシプルに基づく活動をはじめ、適切な募集プロセスのもと、お客さまが納得・満足の上で商品・サービスをご利用いただく活動の展開、お客さまへの丁寧なアフターフォローを通じた信頼関係の再構築に取り組むなど、信頼回復に向けた取組みを継続してまいります。また、新しいかんぽ営業体制を構築し、当社グループのコアビジネスである生命保険業を安定的かつ持続的に提供するために、日本郵便のコンサルタント(2020年4月に日本郵便の渉外社員の呼称をコンサルタントへ変更しております。以下同じ。)と窓口社員の役割を明確化し、コンサルタントについては、かんぽ生命保険が人件費等の負担を含め直接責任をもってマネジメントする体制に改めるとともに、コンサルタントは生命保険のアフターフォローと保障のご提案に専念します。しかしながら、これらの取組みが奏功しない場合には、既存契約の維持を図れない又は新契約の獲得が想定よりも進まないなどの理由により、当社グループの業務運営及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、新契約の獲得が進まないなどの期間がより長期にわたり継続する場合には、当社グループの中期的な事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、日本郵便が取り扱う金融商品の販売が回復しない場合には、日本郵便が受領する金融2社及びその他の提携金融機関からの受託手数料の減少により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスク郵便・物流事業においては、近年のeコマース市場の拡大に伴う宅配便需要の急激な増加とこれによる労働力の不足といった経営環境の急激な変化が顕在化しており、他の主要な物流事業者等においては、基本運賃や大口顧客向け特約運賃の値上げを含む契約条件の改定、配達時間帯や再配達に係るサービス内容の見直し、労働環境又は労働条件の改善のための取組みを行っているものも見受けられます。日本郵便においては、P-DXの推進やオペレーション改革などにより業務の効率化を徹底しますが、当社グループがこのような経営環境の変化に適時かつ適切に対応できなかった場合、当社グループの競争力、収益性、人材の確保等に影響し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。電子メール、SNSやスマートフォンの普及に加え、当社グループの顧客における請求書や取引明細書等の電子メール送信・Web閲覧の浸透等の影響により、郵便物数は年々減少を続けており、加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大によってデジタル化が進み、今後もかかる傾向は継続することが予想されます。また、当社グループの郵便・物流事業における重要な収益の柱となっている年賀状の配達数も年々減少傾向にあり、国民の生活様式や社会慣行の変化等の要因により、今後も減少傾向が進む可能性があります。日本郵便は、消費税増税に伴い2019年10月1日に郵便料金及び荷物運賃の改定を行いました。また、2020年12月4日に公布され、2021年5月1日に施行された改正郵便法を受けて、同年10月以降、普通扱いとする郵便物等の土曜日配達の休止、送達日数の1日程度の繰下げ、郵便区内特別郵便物の差出条件の見直し、速達郵便料金の1割程度の引下げ等を行う予定です。これら郵便料金の改定、サービスの見直し等により、当社グループが取り扱う郵便物等の数に影響を及ぼす可能性があります。これらの事情により、当社グループの郵便・物流事業において取り扱う郵便物等の数が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融2社からの金融窓口業務の受託に関するリスク日本郵便が金融2社との間で締結している銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づく受託手数料は、銀行法・保険業法に定められたアームズレングスルール等を遵守することが求められており、恣意的な変更が行われることは想定しておりませんが、今後、上記各窓口業務契約等が、合理的な理由に基づき受託手数料の額を減額する又は対象となる業務の範囲を限定する等、日本郵便にとって不利に改定された場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。また、特にゆうちょ銀行から受け取る受託手数料については、ゆうちょ銀行の直営店での業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績に基づいて委託業務コストに見合う額が算出されるため、ゆうちょ銀行において業務コストの削減が行われた場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。さらに、これらの受託手数料の一定部分は、日本郵便において取り扱われた業務の量にかかわらず一定の計算方法により算定されるものとされていますが、今後仮に金融2社が日本郵便における業務量に比例する受託手数料の割合を高めようとする場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。また、2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行され、2020年3月期から郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便が負担すべき額を除く。)は、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機に委託手数料が見直されました。かかる交付金・拠出金制度の下で、今後も同手数料が見直される場合があり、その内容によっては当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。2021年3月期における銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づく各社からの受託手数料並びに郵政管理・支援機構から交付される交付金は、それぞれ3,663億円及び2,070億円並びに2,934億円であり、それぞれ当社グループの金融窓口事業セグメントにおける経常収益の約29%及び約17%並びに約24%を占めています。当社グループとしては、今後もユニバーサルサービスが利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、日本郵便と金融2社との関係を引き続き強化していく所存であり、当社が金融2社の株式を処分したこと(なお、2021年5月に公表したとおり、当社は、かんぽ生命保険が行う自己株式取得に応じた売付け及び株式処分信託設定による処分により、当社が保有するかんぽ生命保険普通株式163,306,300株を処分しており、この結果、当社のかんぽ生命保険に対する議決権保有割合は49.9%となっています。)により当社による両社への影響力が低下・消滅した場合においてもこの関係は変わるものではないと当社としては考えております。しかし、金融2社はユニバーサルサービスの提供に係る法的義務を負うものではなく、金融2社が、郵便局ネットワークに代替する販売チャネル(例えば、ATMの相互利用、オンライン取引、グループ外の企業への委託を含みますがこれらに限られません。)をより重視するようになった場合等や、窓口業務の健全・適切な運営確保の観点から特段の事由が生じた場合等、銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等の解除が発生した場合には、当社グループの金融窓口事業の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 国際物流事業に関するリスク① トール社の業績に関するリスク国際物流事業を担うトール社の事業は、豪州経済の減速や新型コロナウイルス感染症、サイバー攻撃等の影響等もあり、厳しい経営環境が継続しております。赤字が継続しているエクスプレス事業については、トール社において売却の検討を行ってまいりましたが、2021年4月21日、Allegro Funds Pty Ltdの傘下企業との間で譲渡契約を締結いたしました。本件譲渡に伴い、当社グループは、当連結会計年度において、特別損失として674億円(減損損失619億円、その他の特別損失54億円)を計上しております。また、トール社を親会社とする連結グループは、2021年3月末日現在で880億円の債務超過となっており、依然厳しい経営状況となっております。今後、国際物流事業に関し、日本郵便は、トール社の残るロジスティクス事業及びフォワーディング事業の採算性の向上に努めるとともに、豪州に依存した経営構造から脱却し、日本を含むアジアを中心としたビジネスモデルへの転換による成長を図りますが、かかる経営改善策及び成長戦略が功を奏せず、トール社の業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、トール社の保有する物流設備その他の固定資産について更なる減損損失を計上する可能性もあります。さらに、2020年1月にトール社は標的型サイバー攻撃を受け、一時的に全システムのシャットダウンを実施し、サービスの提供に影響を及ぼしました。さらに、同年5月に別の標的型サイバー攻撃を受けたことにより、再び全システムのシャットダウンを実施するとともに、情報流出が確認されたため、情報流出範囲の特定等、必要な対策を講じています。今後もサイバー攻撃を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社は、日本郵便の買収以前に多数の企業買収を行い、事業統合を実施している過程にありますが、当社グループとの事業統合も含め統合が予定通り進捗しない場合には、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消されないこと、複雑な業務及び設備、並びに異なる地理的エリアに存する多様な企業風土と異なる言語に基づく従業員を十分に管理できないこと
FY2020|29,991 文字
2 【事業等のリスク】下記Ⅰ~Ⅷにおいて、当社及び当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しております。もっとも、当社及び当社グループの事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。下記「Ⅰ. 当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスクの概要」は、下記Ⅱ~Ⅷに記載する事項のうち、当連結会計年度末現在において当社経営陣が特に重視する事項について、投資家の皆様にその概要を簡潔に示すことを目的として記載しています。従って、下記Ⅰの記載は、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを網羅するものではなく、下記Ⅱ~Ⅷの記載と併せて読む必要があります。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスクの概要 1.かんぽ生命保険の保険商品の募集品質に関するリスク当社、日本郵便及びかんぽ生命保険は、保険契約の募集品質に係る諸問題に関し、2019年12月27日付で監督当局から行政処分を受け、2020年1月31日付で、業務改善計画を監督当局に提出しております。なお、業務改善計画の進捗及び改善状況については、当該業務改善計画の実施完了までの間、3ヶ月ごとに報告することとなっております。2019年7月以降、郵便局及びかんぽ生命保険の支店からの積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案を控えていたことに加えて、上記行政処分による業務停止命令を受けたことから、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、かんぽ生命保険商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止しておりました。有価証券報告書提出日時点においては、当該行政処分による業務停止命令期間は終了しているものの、積極的なかんぽ生命商品のご提案を控えている状況にあり、また、本事案の判明による当社グループの信用の低下により、今後、かんぽ生命保険商品の通常営業を再開したとしても、生命保険業の新契約の獲得が従来の水準に達せず、又は、既存契約の解約数が増加する等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、保険募集プロセスの品質改善に向けた対応など業務改善計画に掲げた施策に取組み、お客さま本位の業務運営の徹底にグループ一丸となって取り組んでまいりますが、かかる取組みが期待された効果を発揮せず、想定以上の時間を要し、又は追加的な費用が発生する可能性があります。また、今後の業務改善計画の進捗及び改善状況によっては、かんぽ生命保険の希望する商品の当局認可が得られないほか、さらなる行政処分を受ける可能性や、当社グループの信用が低下する可能性があるなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.金融・資本市場での運用等に係るリスク当社グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業(以下「金融事業」と総称します。)の運用・調達から生じる収益により占められています。足元の新型コロナウイルス感染症の拡大時に見られるような歴史的な金融・資本市場の動揺、世界経済の深刻な後退懸念時には、金融2社を中心とした当社グループ各社の保有資産の価値下落のみならず、保有資産が通常価格又は通常レートで売却できない、又は、ヘッジできないことにより、評価損、減損損失及び売却損の計上、剰余金の処分における分配可能額の減少・消失等、金融事業に影響を及ぼすリスクは大きいものと認識しております。また、金融2社の資産運用の主体は債券運用であり、歴史的な低金利環境の長期化を受けて金融機関の基礎的な収益力低下が継続する中、安定的な収益確保のため、運用の高度化・多様化を推進しています。財務健全性の観点から、リスク管理態勢も高度化し、ストレステスト等も実施して、運用の分散や機動的な運営に努め、必要な自己資本比率を確保していますが、特に海外金融資産の増加に伴い海外クレジット市場の信用スプレッド拡大、外貨の調達・ヘッジコスト上昇の影響等を強く受けるようになっております。また、金利が急上昇した場合には、運用サイドの債券等の価値が下落するとともに、調達サイドの貯金等の流出や預替え等が発生する可能性も否定できません。以上の状況においては、金融・資本市場、国内外の経済情勢その他事業環境の変動が、当社保有の金融2社株式の減損損失、これに伴う剰余金の処分における分配可能額の減少・消失等も含め、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.システム障害に係るリスク現代社会においては、業務運営でのシステムの重要度が高まっている一方、システム構築・運用は複雑化し、また、システムに対するサイバーテロや標的型攻撃等も高度化しております。このように高まりを見せるシステムリスクに対して、当社グループは情報共有によるITガバナンスの強化、サイバー・セキュリティー対策の高度化に取り組んでおります。しかし、かかるリスクは新型コロナウイルス感染症対策としての在宅勤務(テレワーク)拡大、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、今後さらに増大する可能性があり、当社グループのシステムへの攻撃等、また、システム構築・運用に際しての不具合等により、当社グループの業務が大規模かつ長期間に亘り、停止し又は制約を受けることで、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、システムの故障・障害等が生じた場合には、システム修復等の対応費用だけでなく、サービスの停止、データ毀損、顧客情報の流出等に係る顧客等からの損害賠償請求や、行政処分、社会的信用の低下など、被害の範囲が想定困難なほど拡大する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.感染症の拡大、自然災害等の偶発リスク足元の新型コロナウイルス感染症の拡大は、郵便局での営業、郵便・物流事業、国際物流事業を行う当社グループの事業活動に影響を及ぼしており、感染症への対策として当社グループは、当社社長を本部長とする本社合同対策本部を設置し、関係機関と連携を図りつつ、感染の防止と業務・サービスの継続等のため、必要な取組みを継続しております。しかし、今後の感染拡大の収束時期等によっては、国内外経済の深刻な景気後退、金融・資本市場の動揺などを通じ、かつてない範囲と程度で、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、近年では巨大台風の上陸、首都圏等での巨大地震の発生、テロリストによる攻撃等の蓋然性が高まっており、当社グループの設備・建物・郵便局ネットワーク等の物的な破壊や機能の停止、保険業での保険金の支払い増加のほか、経済活動の停滞や、当社グループやその顧客・取引先企業の事業活動の継続性に支障をきたす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5.海外子会社に関するリスク日本郵便は、アジア市場を中心に、海外子会社による国際的な事業展開を推進しております。海外における事業展開には、当該地域や関係する地域での経済・政治情勢の悪化、市場成長性の鈍化、競争の激化、為替の変動など、内在する様々なリスクが存在します。日本郵便の子会社であるトール社については、当連結会計年度、豪州経済の減速や米中の貿易摩擦、新型コロナウイルス感染症の拡大等厳しい外部環境の影響下で、日本郵便の指導により、事業統合に係るガバナンス強化や経営改善策に取り組んでおりますが、財務・会計システムの更改、一部経理事務の外部委託時の態勢不備による売掛金滞留やサイバー攻撃の影響もあり、同社の固定資産や日本郵便保有の同社株式に係る減損損失を計上する等、業績不振が続く結果となっております。さらに、トール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等において事業活動を行っており、市場の変化や国際的な競争にさらされ、関連する国・地域の法・規制の適用も受けております。これらの市場・競争環境や法・規制の改正・適用等により、経営改善策・事業戦略やガバナンス強化が有効に機能せず、事業展開が制限され又は撤退等を余儀なくされた場合などには、同社の業績悪化や撤退等に係る損失計上等を含め、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6.金融2社株式の売却に関するリスク金融2社の株式は、郵政民営化法により、経営状況、ユニバーサルサービスの責務の履行への影響等を勘案しつつ、その全部をできる限り早期に処分するものとされております。金融2社の株式の売却が進んだ場合には、当社の連結財務諸表に反映される金融2社の損益や資産・負債が減少し、最終的には消滅することとなります。当社としては、将来的に金融2社に代わる事業基盤を確保するため、これら2社の株式売却により得た資金を有効に活用する必要がありますが、当社グループを取り巻く国内外の経済情勢は厳しい状況にあり、投資先の選定・管理等の困難度は増しており、上記の当社連結業績への影響を補えない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 7.事業環境等の変化に対応できないリスク労働人口の減少、少子高齢化、AI・Fintech・テレマティクス等の技術革新による経営環境の変化、さらには、新型コロナウイルス感染症の収束後の生活・働き方の変容、生産・消費・市場等の動向の変化等も想定されるなど、当社グル-プを取り巻く環境は大きく変化しており、また更なる変化が予想されております。当社グループでは、テクノロジーの動向、ライフスタイルの変化等に応じた新たな業務・商品の開発や「デジタルトランスフォーメーション」の検討・実践の取組み等を進めてまいります。しかしながら、当社グループがこれらの事業環境の変化に適切に対応できない場合には、当社グループの業務・商品の競争力や効率性の低下等により、当社グループの現在の収益基盤である郵便・物流事業や金融事業等についても、収益性が悪化する可能性は否定できません。また、当社グループはユニバーサルサービス提供に係る責務を負っているため、同サービスの提供に必要なコストが継続的に生じることが見込まれますが、構造的な労働人口の減少による人件費の増加等が、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済情勢その他の事業環境の変化に伴うリスク当社グループが行う事業のうち、郵便・物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業等は、その収益の多くが日本国内において生み出されるものであるため、主として国内における経済情勢の変化、金利の動向、金融市場の変動、消費税増税、少子高齢化の進展、eコマース市場の動向、技術革新、賃金水準の変動、不動産価格の変動、預金水準等の影響を受けます。また、国際物流事業において日本郵便の子会社であるトール社が、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクトロジスティクス等の国際的な事業活動を行っており、豪州経済の減速、米中貿易摩擦、新型コロナウイルス感染症の拡大を含む各国・地域における経済情勢等の変動による影響を受け、銀行業・生命保険業においては、運用の多様化・高度化の下、国際分散投資を推進しており、国際金融・資本市場の変動による影響も受けます。従って、足元の新型コロナウイルス感染症の拡大を含む国内外の経済情勢、金融・資本市場その他事業環境の変動により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合に関するリスク当社グループが行う事業は、いずれも、激しい競争状況に置かれております。当社グループと競合関係にある同業他社は、AI・Fintech・テレマティクス等の技術の急速な進展・活用、その他の事業環境の変化・事業戦略の変更等で、当社グループより優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、資金調達手段、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。例えば、日本郵便が行っている郵便・物流事業については、信書便事業者や他の物流事業者等と競合関係にあり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生した場合、又は、競争激化により当社の事業、シェア若しくは収益の動向が当社グループの想定通りに進捗しなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行が行っている銀行業、及びかんぽ生命保険が行っている生命保険業も、同業他社等と競合関係にあります。今後、両社が金融サービスに対する顧客ニーズの変化や市場構造の変化等に適切に対応できなかった場合、又は、両社が競合他社に対して優位に立てない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和が行われております。当社グループ各社が市場構造の変化に対応できなかった場合や規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、郵便事業と競合する一般信書便事業については、民間事業者による信書の送達に関する法律(以下「信書便法」といいます。)に基づき、一定の参入条件が課された許可制とされており、現時点において同事業に参入している民間事業者はおりません。しかしながら、信書便法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは事業の競争力を維持するため「デジタルトランスフォーメーション」の検討・実践に向けた取組み等を進めておりますが、適時かつ適切に効果的な施策を講じることができなかった場合には、当社グループへの事業、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 大規模災害等に伴うリスク当社グループは、日本国内のみならず国際的な事業活動も行っており、各国・地域における地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の大規模自然災害(異常気象・気候変動に伴うものを含む。)、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症やエボラ出血熱等の感染症の大流行、戦争、テロリズム、武力衝突等の人的災害、水道、電気、ガス、通信・金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、又は当社グループの店舗、その他の設備や施設の損壊その他正常な業務遂行を困難とする状況等が生じた場合、当社グループの業務の全部若しくは一部が停止し、又は、運営に支障をきたすおそれがあり、また、設備やインフラの回復、顧客等の損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。また、かかる状況下において当社グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生に伴う経済・社会活動の沈滞等の影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは生命保険子会社としてかんぽ生命保険を保有していることから、大地震その他の大規模災害や新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のような感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合に、かんぽ生命保険による保険給付に関し、通常の想定を超える債務を負うリスクにさらされております。同社は、保険業法の基準に従って危険準備金を積み立てておりますが、予想を超える大規模災害等の発生により危険準備金を超えるような保険金・給付金の支払いが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動に関しては、低炭素社会への移行が世界的な課題と認識されており、その移行が急速に進んだ場合、燃料の規制強化による施設・車両の切り替え等にかかるコストが増加し、また、気候変動への対応が不十分と評価された場合には、当社グループの資本市場における評価その他社会的な評価の低下につながる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 新型コロナウイルス感染症の拡大に関するリスク新型コロナウイルス感染症の拡大は、郵便局での営業、郵便・物流事業、国際物流事業を行う当社グループの事業活動に影響を及ぼしており、新型コロナウイルス感染症への対策として、当社社長を本部長とする本社合同対策本部を設置し、関係機関と連携を図り、感染の防止と業務・サービスの継続等のため、必要な取組みを継続しており、お客さまと社員の安全確保のための措置を行っております。具体的には 郵便局及びゆうちょ銀行店舗の一部の営業時間を変更したほか、ゆうパックや書留郵便物等をご希望に応じて対面ではなく郵便受箱や玄関前等に配達する等、お客さまへの影響と感染拡大の防止に最大限配慮して、業務を継続していくこととしていますが、今後の実際の感染拡大の収束時期や、国内外の経済環境など、様々な要因により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の国際的な拡大は、国際物流事業を行うトール社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、金融・資本市場が大きく変動するとともに実体経済が多大な影響を受ける環境下においては、金融2社の国際分散投資による適切なポートフォリオ運営及びリスク管理が奏功せず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また新型コロナウイルス感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合のかんぽ生命保険による保険給付に関する通常の想定を超える債務を負うリスクについては前記(3)のとおりです。このほか、新型コロナウイルス感染症の収束後においても、人々が日常生活において非対面を好むようになったり、在宅勤務が広まったりするなど、社会の在り方やライフスタイルが変わるような事業環境の変化に当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループのサービスの競争力の低下等により、当社グループの現在の収益基盤となっている郵便・物流事業や金融事業等において収益性が悪化するなど、当社グループの事業、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 不正・不祥事に関するリスク当社グループは、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスの水準向上及び内部管理態勢の強化を経営上の最重要課題の一つとして位置づけ、グループ各社の役員・従業員に対して適切な指示、指導及びモニタリングを行う態勢を整備するとともに、不正行為等の防止のために予防策を講じておりますが、かかる態勢・予防策が常に十分な効果を発揮するという保証はなく、当社グループの役員・従業員による法令その他諸規則等の違反、社内規程・手続等の不遵守、不正行為、事故、不祥事等が生じる可能性があります。当社グループは、保険契約の募集品質に係る諸問題に関し、2019年12月27日付で監督当局から行政処分を受け、2020年1月31日付で、業務改善計画を監督当局に提出しております。なお、業務改善計画の進捗及び改善状況については、当該業務改善計画の実施完了までの間、3ヶ月ごとに監督当局に報告することとなっております。当社グループではかかる事態に対処するため、社長直下にタスクフォースを立ち上げ、グループ全体としての改善計画を取りまとめ、第三者によるモニタリングを受けつつ着実に実行していますが、業務改善命令の遵守状況並びに業務改善計画の内容、進捗及び改善状況について、監督当局がそれらを不十分であると判断した等の場合には、さらなる行政処分などにより積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案ができない期間がより長期にわたり継続する可能性があります。また、保険契約者等から訴訟を提起された場合には、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、今回の行政処分に対し、日本郵便は複数の地方公共団体から入札参加停止等の通知を受けており、今後も同様の通知等を受けた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、2019年度において郵便物等の放棄・隠匿事案が発覚しており、このような事案を含め、不祥事等が発生した場合には、被害者等に対して損害賠償責任を負い、監督官庁からの行政上の処分等を受ける可能性があるほか、当社グループの社会的信用が低下するおそれもあります。 (2) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、当社グループは、同業他社に比して、新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約されるため、競争力を失い、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便事業は当社の連結子会社である日本郵便が独占的に行うこととされておりますが、郵便約款の変更や業務委託の認可制、全国一律料金制度、定形郵便物の料金制限、郵便料金の届出制(第三種郵便物及び第四種郵便物については認可制)といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制当社グループの金融事業においては、一般的に適用される銀行法及び保険業法といった金融業規制を受けております。また、現在監督(規制)当局等において、銀行業におけるバーゼルⅢの最終化や生命保険業における経済価値ベース新規制等の適用に関する議論がされており、当社グループではこれらの議論を注視しつつ、新たな規制等の導入を考慮した内部管理を行っていますが、規制の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (a) ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険及び金融持株会社としての当社に対する規制金融2社は、それぞれ銀行法、保険業法及び関連業規制に基づき、金融庁の監督を受けており、内閣総理大臣からの委任を受けた金融庁長官による、法令違反等による免許取消し並びに業務の健全性かつ適切な運営を確保する等のために必要があると認めるときの業務停止及び立入検査等を含む広範な監督に服しております。当社自身も銀行持株会社及び保険持株会社として、同様に銀行法及び保険業法に基づき金融庁の監督に服する等の金融業規制を受けております。金融2社は、それぞれ銀行法、保険業法及び関連業規制に基づき、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、ゆうちょ銀行は自己資本の充実度合いを計る基準である自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること等を、かんぽ生命保険は、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断する指標の一つであるソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等をそれぞれ求められております。また、当社自身も銀行持株会社及び保険持株会社として、銀行法及び保険業法に基づき金融庁の監督に服するとともに、連結自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること及び連結ソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等が必要とされるほか、顧客の利益保護のための体制の整備や事業年度毎の規制当局に対する業務報告書等の提出の義務等を負っております。2020年3月31日現在、ゆうちょ銀行の連結自己資本比率は15.58%、かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率は1,070.9%、当社グループの連結自己資本比率は17.66%、連結ソルベンシー・マージン比率は554.2%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しております。しかしながら、近時の金融市場の状況に対応したリスク性資産の増加により、これらの比率は低下傾向にあることに加え、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更、新たな規制の導入等により、連結自己資本比率又は連結ソルベンシー・マージン比率がさらに低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、国際的な監督規制では、システム上重要な金融グループに対する規制強化を図っているところですが、選定基準の見直し等、規制当局の動向によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (b) 日本郵便に対する規制日本郵便は、当社グループの金融窓口事業に関連して、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、また、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督に服しております。また、日本郵便は、銀行代理業者として、内閣総理大臣の承認を得ない限り、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際の顧客への説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、生命保険募集人として、顧客に対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。日本郵便が上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可又は登録の取消しや業務の一部又は全部の停止を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (c) 事業の前提となる許認可当社グループは、主として以下のような許認可等を受けております。許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項保険持株会社の認可保険業法第271条の18第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の30第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(かかる義務に基づき郵便局ネットワークを通じて行われる役務提供を、以下「ユニバーサルサービス」といいます。)。ユニバーサルサービスの確保については、2015年9月28日付「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会からの答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、「また、国は、ユニバーサルサービス確保に向けたインセンティブとなるような方策について検討することが必要である」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされており、答申を受けて実施される政府の施策の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社及び日本郵便は、それぞれ日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法に基づき、新規業務、株式の募集、取締役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定、定款の変更、合併、会社分割、解散等を行う場合には、総務大臣の認可(ただし、日本郵便の新規業務については総務大臣への届出)が必要とされています。また、金融2社は、銀行法又は保険業法に基づく規制に加え、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するため、郵政民営化法に基づき、新規業務、子会社対象金融機関等(ゆうちょ銀行)・子会社対象会社(かんぽ生命保険)の保有、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。さらに、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(なお、金融2社におけるこれらの規制を、以下「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。さらに、当社及び金融2社は、新たな収益機会を得るために新規業務を行う場合、郵政民営化法に基づき内閣総理大臣及び総務大臣の認可を得る必要があり、当該認可が得られず、又は認可取得に時間を要する場合には、当社グループが計画した時期又は内容で新商品を投入又は新サービスを提供できない可能性があるなど、当社グループによる新規事業の展開を含む業務範囲の拡大には一定の制約が伴います。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール公社を承継した機関として、当社、日本郵便、金融2社が政府調達協定その他の国際約束の適用を受ける物品等を調達する場合には、国際約束に定める手続の遵守が求められます。当社グループ各社の作為又は不作為により、かかるこれらのルールを遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは調達行為に遅れが発生する可能性があり、当初想定していた計画が実施できないなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起又は開始されるリスクを有しております。一部ではありますが、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる場合等不利な判断がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループは、あまねく全国に広がる郵便局ネットワークを通じて、多数の郵便物・荷物の配達や金融サービスの提供を行っております。当社グループの商品、サービス、事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物の管理上の不備・遅配・誤配及び破棄・紛失等、配達員による交通事故、銀行口座やクレジットカードの不正利用、キャッシュカードの盗難、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、サイバー攻撃等によるシステム・トラブルや個人情報その他の機密情報の漏えい、不正行為、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)に反する行為、反社会的勢力との取引、労働問題、ハラスメント(業務の適正な範囲を超える言動等)、事故、業務上のトラブル、社内規程・手続違反、不祥事等が発生した場合には、当社グループ及び当社グループ各社が提供するサービスに対する社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではかかる事態の発生を未然に防止するため、グループ会社全社員へのコンプライアンス教育や「お客さま本位の業務運営」の徹底を通じ、影響の低減に努めておりますが、これらの施策にもかかわらず上記のような事態が生じた場合、社会的信用の低下により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に「かんぽ生命保険契約問題 特別調査委員会」が2019年12月18日付で公表した調査報告書では、当社グループにおいて、「不適正募集の実態把握につながる現場の声が経営陣に届かない」、「リスク事象を探知した際の原因追究・解決の先送り」、「問題の矮小化」並びに「部門間の横での連携不足及び上意下達のもとでの情報伝達の目詰まり」といった企業風土又は組織文化が従前から存在してきたことが指摘されていました。当社グループにおいては、経営陣主導のもと、かかる企業風土又は組織文化の健全化に取り組んでおりますが、かかる取組みが功を奏しない又は功を奏するまでに想定以上の時間を要する場合には、類似の事案が発生する結果、当社グループの社会的信用が低下する、又は当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ又は当社グループが行っている事業全般に対する風評・風説が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、また、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、当社グループが提供するサービスの公益性、事業規模、社会における認知度・注目度等を背景に、当社グループは、顧客や市場関係者等から、否定的理解・認識をされ、又は、強い批判がなされる可能性があり、それにより当社グループ、商品、サービス、事業のイメージ・社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 中期経営計画に関するリスク当社グループは国内外の市場金利、為替、株価、経営環境(消費税増税を含む。)、競争状況、営業費用等多くの前提に基づいて中期経営計画を策定し、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等の業務に係る中期的な事業戦略・方針を定めております。しかしながら、将来の戦略、計画、方針等には様々なリスク等が内在しており、当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができない可能性があります。また、市場金利の低下に伴う保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少していることに加えて、保険募集プロセスの品質事案等の影響で新契約の獲得が計画通り進まない、又は、既存の契約の解約数が増加する可能性があり、かかる場合、当該計画期間終了後も新契約の獲得や既存の契約の維持については、厳しい状況が継続することが見込まれます。加えて、2019年12月27日に日本郵便及びかんぽ生命保険は監督当局から業務停止命令を受け、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、かんぽ生命保険の商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止(顧客からの自発的な意思表示を受けて行う保険募集及び保険契約の締結を除きます。その他、当局が契約者保護の観点から必要とされる業務として個別に認めたものを除きます。以下、同じ。)し、4月以降も積極的な商品の提案を控えていること、歴史的な低金利環境の長期化に加え、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業環境の悪化による影響等から、当該計画における目標の達成が困難になっていると認識しております。さらに、金融2社等当社グループ各社が保有する有価証券の価値の低下による減損損失、売却損の計上やその他有価証券評価差額金の減少等により当社グループ各社からの配当収入が減少する結果、当社では十分な配当可能額が確保できず、中期経営計画における配当目標を達成できない可能性があります(2020年5月に開示した配当予想において、2021年3月期は、中間配当は行わず期末配当の年1回とし、通期の配当額は未定としております。)。なお、当社は将来的な国際財務報告基準(IFRS)の適用を検討しており、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) グループ外の企業との資本・業務提携、外部委託及び企業買収並びに業務範囲の拡大等に伴うリスク当社グループは、当社グループ外の企業との間で、様々な業務に関し、資本・業務提携、外部委託を行っております。当社は、2018年12月19日に、下記「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命保険株式会社との戦略提携に合意し、2020年2月13日をもってアフラック・インコーポレーテッド普通株式の発行済株式総数(自己株式を除く。)の約7%の取得を完了いたしました。このようなグループ外の企業との資本・業務提携については、資本・業務提携先との間における、戦略上若しくは事業上の問題又は目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りの効果が得られない可能性や、投資に見合うリターンを得られない可能性、当社グループの既存事業に負の効果を及ぼす可能性も否定できません。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、資本・業務提携先、外部委託先において、業務遂行上の問題が生じ、商品・サービスの提供等に支障をきたす場合、顧客情報等の重要な情報が漏えいする等の事故、違法行為、不正行為、不祥事等が発生した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが、他の企業を買収するに当たっては、買収先企業や買収先事業を効果的かつ効率的に当社グループの事業と統合できない可能性、買収先企業の重要な顧客、仕入先、その他関係者との良好な関係を維持できない可能性、買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性などがあります。また、想定した事業環境と異なる状況が発生する可能性、経営陣を含む人材流出・不足等の可能性などがあります。このような事象が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の業務範囲の拡大については、当社グループが業務範囲を拡大することができたとしても、限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合や業務拡大により過度の人的・物的負担が生じた場合等において、業務範囲の拡大が功を奏する保証はなく、当初想定した成果をもたらさず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 情報通信システム及び個人情報その他の機密情報の漏えいに関するリスク当社グループのコンピュータシステムは、顧客や各種決済機構等のシステムとサービスの提供に必要なネットワークで接続されるなど極めて重要な機能を担っております。これらについて、地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の自然災害やテロリズム等に加えて、人的過失、事故、停電、ハッキング、コンピュータウイルスの感染、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により重大なシステム障害や故障等が発生する可能性があります。こうしたシステムの障害、故障等が生じた場合に、業務の停止・混乱等及びそれに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の低下、対応や対策に要する費用等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等を営んでおり、多くの顧客や取引先等から様々な情報を取得しているほか、事業・人事などに関する多数の情報を保有しており、これらの情報については、郵便法、銀行法、保険業法、金融商品取引法等のほか、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことが求められております。そのため、当社グループのコンピュータシステムの障害・故障その他の理由により、当社グループが保有する個人情報及び機密情報等の外部への漏えいが発生した場合は、損害賠償や当該事案への対応費用、行政処分、社会的信用の低下による顧客の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、かかる事態に対処するため、外部の専門人材を活用した多層な防御対策の活用等により、システム障害等の発生の未然防止に努め、また不正アクセス等サイバー攻撃に対しては、入口でのメールやWeb閲覧に対するウイルス対策、外部デバイスの接続制限、出口での許可された通信先以外の分離・遮断等の多層防御を図るとともに、当社グループのセキュリティ担当役員によるグループサイバーセキュリティ委員会を設置し、グループ全体でセキュリティの高度化を推進するとともに、セキュリティ専門家による点検・指導、対策推進等サイバー攻撃への対応に努めております。しかしながら、かかる施策によっても完全にシステム障害や高度化するサイバー攻撃等を防ぐことは困難であり、特に近年、不正アクセス等サイバー攻撃による企業・団体が保有する個人情報等の漏えいが多発しており、新型コロナウイルス感染症の拡大抑止のための在宅勤務(テレワーク)の増加、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、かかる脅威は今後さらに増大する可能性があります。また、当社グループは、基幹ITシステムを含む当社グループのITシステムのアップグレードを行っており、かつ、新規のシステム投資を行うこともありますが、かかる作業の遅延、失敗、多額の費用発生により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 人材の確保に関するリスク当社グループにおいては、昨今の労働力不足により、郵便・物流業務に従事する配達又は運送に係る車両の運転手をはじめとして各種人材の確保が困難となる可能性があります。また、当社グループは、保険数理、資産運用、銀行・保険の各種業務、商品の販売・募集、会計、金融業規制、法令遵守、IT等に係る資格、高度の専門性及び経験を有する有能な人材を必要としており、新規採用・中途採用を通じ、人材の確保に努めるとともに、かかる人材の育成にも努めております。併せて、女性の労働力確保を含め、ダイバーシティ・マネジメントを推進することとしており、多様な社員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、制度や環境の整備等に努めております。しかしながら、当社グループが魅力的な条件を提供できず、有資格者や有能で熟練した人材の採用若しくは育成及び定着を図ることができなかった場合、又は、適切な育成環境を整備できない場合や、人事処遇や労務管理等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、当社グループの事業の競争力若しくは業務運営の効率性が損なわれ、人材の適合性、多様性を確保することができず、又は人材の流出・不足等を招き人件費単価が上昇するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、かかる事態に対処するため、人事・処遇制度の改定による労働環境の改善、業務の機械化・デジタル化の推進による労働力に依存しないビジネスモデルへの転換等を図っていますが、これらの対策によっても、厳しい人材獲得競争下において必要な人材を適切に確保できる保証はなく、また業務の機械化・デジタル化が当社グループの想定通りに進捗しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 固定費負担に関するリスク当社及び日本郵便は、ユニバーサルサービス提供義務に基づき、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を、全国に広がる郵便局ネットワークを通じて全国の顧客に提供しております。そのため、当社グループの郵便・物流事業及び金融窓口事業においては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費等の多額の固定費に加え、多数の郵便局員その他の従業員の給与等の人件費が発生しております。人件費においては、労使交渉・労働法制の変更等を受けて従業員への給与等を増額した場合には、それが一人あたりは比較的小さな増額であっても、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、高齢化に伴う厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げなどによる福利厚生費の上昇も想定されます。当社及び日本郵便は、今後、地方における過疎化の進展、企業活動又は個人の消費活動の縮小、電子メール等インターネットやウェブサイトを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、郵便物や荷物の取扱数量又は郵便局窓口での金融・保険商品の販売量の減少等、当社グループが郵便局を通じて提供するサービスの利用が減少した場合であっても、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があり、収益性の低い事業又は拠点等を縮小する等の対応が制限されているため、かかる方法により固定費を削減することが困難となる可能性があります。当社グループの提供する商品及びサービスの内容、対象若しくは対価を変更し若しくはその提供を中止し、又は、郵便局ネットワークを縮小するなどの対応ができず、又は、制約され、かかる固定費に見合った収益を挙げられない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク当社グループは、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。しかしながら、当社グループのリスク管理は、過去の経験・データに基づいて構築されているため、将来発生するリスクを正確に予測することができず、新しい業務分野への進出や外部環境の変化等によりリスク管理が有効に機能しない可能性があります。また、当社グループがリスク管理の方針及び手続を策定する際、参考又は前提とした情報が真実性、正確性、完全性又は合理性に欠ける場合には、当社グループのリスク管理の有効性に悪影響を与える可能性があります。さらに、当社グループの事業に内在するリスクを管理するためには、膨大な取引や事象の適切な記録、審査、調査等に係る方針及び手続の有効性や効率性等が重要ですが、かかる方針や手続が万全とは言えない可能性があります。当社グループは、経営環境、リスクの状況等の変化に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行い、万全のリスク管理態勢を構築するよう努めておりますが、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない場合や、欠陥が発生した場合等には、当社グループが予期していなかった損失を被る可能性や、当社グループ各社が行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業拡大に伴い、リスク管理態勢の増強も必要となりますが、事業の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分ではない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク(1) 保有株式及び固定資産の減損損失に関するリスク新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた株式市場の混乱の影響を受けるなど、当社が保有する金融2社等の株式の株価又は実質価額が低下しております。これらの株式の株価等が取得した価額に比べて著しく下落し、回復する可能性があるとは認められない場合には、減損損失を計上することになり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより当社の分配可能額が減少し、会社法の規定により当社株主への配当の支払いが困難となる可能性があります。 当社の所有する金融2社株式の帳簿価額については、「Ⅶ.金融2社株式売却等に関するリスク (4) 当社による金融2社株式の売却に関するリスク」をご参照ください。また、当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業及び国際物流事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 繰延税金資産に関するリスク当社グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で、貸借対照表において繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 退職給付債務に関するリスク当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は、前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、従業員の退職が一定期間に集中するような場合には、退職給付金の支払いのために多額の資金が必要となり、その結果、通常業務又は設備投資等への資金充当の柔軟性に制約が生じる可能性があります。 (4) 財務報告に係る内部統制に関するリスク当社は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書を提出すること及び監査法人による監査を受けることを義務付けられております。当社グループは、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程等を制定し、財務報告に係る内部統制について必要な体制を整備しております。また、評価の過程で発見された問題点等は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、財務報告に係る内部統制が有効でない場合には、当社グループの財務報告の適正性を確保できず、その信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 格付けの低下に関するリスク当社は、格付機関より信用格付を取得しておりますが、財務内容の悪化、日本国債の格下げ等により当社の信用格付が格下げとなった場合、著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 管理会計等に係る内部管理に関するリスク本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が含まれております。当社は、これらについても正確性の確保に努めておりますが、管理会計等に係る内部管理が十分でない場合等には、当該数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (1) 金融窓口業務のサービス品質に関するリスクかんぽ生命保険及び日本郵便におけるお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた保険契約乗換等に係る事案及び法令違反又は社内ルール違反が認められた事案の判明、2019年12月の監督当局による行政処分を受け、当社グループに対する株主、投資家、お客さま、その他ステークホルダーからの信用は大きく低下している状況にあり、早期の信用回復が最重要課題と認識しております。当社グループは、2020年1月31日付で監督当局に提出した業務改善計画に基づき、適正な営業推進態勢・募集管理態勢の確立、コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成、ガバナンスの抜本的な強化などの施策や取組み等を実施し、保険募集プロセスの品質改善を通じ、お客さま本位の業務運営を徹底することとしております。しかし、これらの取組みが期待された効果を発揮しない又は効果の発揮までに想定以上の時間を要する場合には、当社グループに対するステークホルダーからの信用回復に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに取組みによる効果が発揮されるまでの間に再度同種の事案が判明する等の場合には、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。かんぽ生命保険及び日本郵便は、多数契約等の全ご契約調査の更なる深掘調査や、これらに関連する保険契約を受理した募集人調査等を継続して行っておりますが、これらの調査については、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、計画が遅れる可能性があります。また、今後、当該調査等を通じて、お客さまのご意向に沿わず不利益となる他の事例や法令違反又は社内ルール違反となる他の事例が追加で判明する等の場合には、当社グループの社会的信用にさらに影響を与える可能性があります。さらに、今後行われる募集人処分(業務停止等)の規模や程度によっては、新契約の獲得の減少又は既存契約の解約数の増加を招く可能性があるほか、追加での調査やお客さまの不利益の解消に向けた保険契約手続き(契約復元等)によって追加的な費用を要する可能性もあります。2019年7月以降、郵便局からの一部商品を除く金融商品全般についての積極的な営業を控えていたことに加えて、2019年12月27日に日本郵便及びかんぽ生命保険は監督当局から業務停止命令を受けたことにより、2020年1月1日から2020年3月31日までの間、かんぽ生命保険の保険商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止しておりました。有価証券報告書提出日時点においては、当該業務停止命令期間は終了しているものの、上記のご契約調査に関する対応や募集品質の改善に向けた取組みに最優先で対応するため、積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案を控えている状況にあります。その結果、通常よりも新契約の獲得が進まないなどの理由により、当社グループの業務運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、積極的なかんぽ生命保険の保険商品のご提案ができない期間がより長期にわたり継続する場合には、新契約の獲得なども引き続き進まないことにより、当社グループの中期的な事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便による積極的な営業を行えないことから、日本郵便の営業社員が報酬の低下等により離職する又はモチベーションを喪失すること、さらに新しい人材の確保に悪影響を及ぼすことにより、日本郵便で取り扱う金融商品の営業活動の円滑な再開に影響を及ぼす可能性があります。さらに、日本郵便からお客さまに対する通常のご提案が可能となったとしても、当社グループへの信用の低下等により、日本郵便が取り扱う金融商品の販売が回復しない場合には、日本郵便が受領する金融2社及びその他の提携金融機関からの受託手数料の減少により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、今後の業務改善計画の進捗及び改善状況によっては、さらなる行政処分を受ける可能性があり、また、保険募集プロセスの品質事案に関連して、保険契約者等から訴訟を提起された場合にも、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスク郵便・物流事業においては、近年のeコマース市場の拡大に伴う宅配便需要の急激な増加とこれによる労働力の不足といった経営環境の急激な変化が顕在化しており、他の主要な物流事業者等においては、基本運賃や大口顧客向け特約運賃の値上げを含む契約条件の改定、配達時間帯や再配達に係るサービス内容の見直し、労働環境又は労働条件の改善のための取組みを行っているものも見受けられます。当社グループがこのような経営環境の変化に適時かつ適切に対応できなかった場合、当社グループの競争力、収益性、人材の確保等に影響し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。電子メール、SNSやスマートフォンの普及に加え、当社グループの顧客における請求書や取引明細書等の電子メール送信・WEB閲覧の浸透等の影響により、郵便物数は年々減少を続けており、今後もかかる傾向は継続することが予想されます。また、当社グループの郵便・物流事業における重要な収益の柱となっている年賀状の配達数も年々減少傾向にあり、国民の生活様式や社会慣行の変化等の要因により、今後も減少傾向が進む可能性があります。日本郵便は、人件費単価の上昇や、大型の郵便物等の増加を背景とした持戻り・再配達の増加等に伴い、引き続き安定的なサービスの提供を維持するため、2017年6月1日に第二種郵便物及び定形外郵便物の料金並びにゆうメールの運賃の改定を、2018年3月1日にゆうパックの運賃の改定等をそれぞれ行いました。 さらに、2019年用年賀葉書から、2017年6月1日の料金改定の際に据え置いた料金を、通常葉書の料金と同額に改定しました。加えて、消費税増税に伴い2019年10月1日に郵便料金及び荷物運賃の改定を行いました。これら郵便料金の改定等により、当社グループが取り扱う郵便物等の数に影響を及ぼす可能性があります。これらの事情により、当社グループの郵便・物流事業において取り扱う郵便物等の数が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融2社からの金融窓口業務の受託に関するリスク日本郵便が金融2社との間で締結している銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づく受託手数料は、銀行法・保険業法に定められたアームズレングスルール等を遵守することが求められており、恣意的な変更が行われることは想定しておりませんが、今後、上記各窓口業務契約等が、合理的な理由に基づき受託手数料の額を減額する又は対象となる業務の範囲を限定する等、日本郵便にとって不利に改定された場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。また、特にゆうちょ銀行から受け取る受託手数料については、ゆうちょ銀行の直営店での業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績に基づいて委託業務コストに見合う額が算出されるため、ゆうちょ銀行において業務コストの削減が行われた場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。さらに、これらの受託手数料の一定部分は、日本郵便において取り扱われた業務の量にかかわらず一定の計算方法により算定されるものとされていますが、今後仮に金融2社が日本郵便における業務量に比例する受託手数料の割合を高めようとする場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。また、2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行され、2020年3月期から郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便が負担すべき額を除く)は、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機に委託手数料が見直されました。かかる交付金・拠出金制度の下で、今後も同手数料が見直される場合があり、その内容によっては当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。2020年3月期における銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づく各社からの受託手数料並びに郵政管理・支援機構から交付される交付金は、それぞれ3,697億円及び2,487億円並びに2,952億円であり、それぞれ当社グループの金融窓口事業セグメントにおける経常収益の約28%及び約19%並びに約23%を占めています。当社グループとしては、今後もユニバーサルサービスが利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、日本郵便と金融2社との関係を引き続き強化していく所存であり、当社が金融2社の株式を処分したことにより当社による両社への影響力が低下・消滅した場合においてもこの関係は変わるものではないと当社としては考えております。しかし、金融2社はユニバーサルサービスの提供に係る法的義務を負うものではなく、金融2社が、郵便局ネットワークに代替する販売チャネル(例えば、ATMの相互利用、オンライン取引、グループ外の企業への委託を含みますがこれらに限られません。)をより重視するようになった場合等や、窓口業務の健全・適切な運営確保の観点から特段の事由が生じた場合等、銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等の解除が発生した場合には、当社グループの金融窓口事業の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 国際物流事業に関するリスク① トール社の業績に関するリスク国際物流事業を担うトール社の事業の内、特に豪州国内物流を中心とするエクスプレス事業の業績は、豪州経済の影響を大きく受けております。今後、新型コロナウイルス感染症による経済の影響や資源価格が下落し、豪州経済が低迷した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。トール社の業績は、日本郵便による買収後に悪化し、当社は、2017年3月期の連結決算において、国際物流事業に係るのれん及び商標権の全額3,923億円並びに有形固定資産の一部80億円(合計4,003億円)の減損損失を特別損失として計上しております。このような状況を受け、トール社の業績回復・将来の成長への基盤を整えるための対策や、トール社の高成長地域への集中及び高成長分野への進出等の成長戦略を講じているところですが、かかる経営改善策及び成長戦略が功を奏せず、トール社の業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、トール社の保有する物流設備その他の固定資産について更なる減損損失を計上する可能性もあります。さらに、2020年1月にトール社は標的型サイバー攻撃を受け、一時的に全システムのシャットダウンを実施し、サービスの提供に影響を及ぼしました。さらに、同年5月に別の標的型サイバー攻撃を受けたことにより、再び全システムのシャットダウンを実施するとともに、情報流出が確認されたため、情報流出範囲の特定等、必要な対策を講じています。今後もサイバー攻撃を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社は日本郵便の買収以前に多数の企業買収を行い、事業統合を実施している過程にありますが、当社グループとの事業統合も含め統合が予定通り進捗しない場合には、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消されないこと、複雑な業務及び設備、並びに異なる地理的エリアに存する多様な企業風土と異なる言語に基づく従業員を十分に管理できないこと、トール社と競合関係にある同業他社が、トール社より優れた革新的な商品、サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ITシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、さらには、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループ又はトール社の事業に負の効果を及ぼして、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② トール社に適用される規制等国際物流事業を担うトール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクトロジスティクス等の国際的な事業活動を行っており、関連する国・地域の事業許可や租税に係る法・規制、運送、貿易管理、贈収賄防止、独占禁止、為替規制、環境、各種安全確保等の法・規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 為替変動・国際財務報告基準の適用のリスク国際物流事業を担うトール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されていることから、大幅な為替相場の変動が生じた場合、外貨建ての資産・負債等が当社の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社の連結財務諸表は国際財務報告基準が適用されていることから、国際財務報告基準の変更により、当社グループの事業、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 金利変動等のリスクトール社は、継続的に設備投資等を行っており、投資にあたっては自己資金を投入しているほか、金融機関からの借入等に依存する割合も少なくありません。トール社による金融機関からの借入に際しては、日本郵便が債務保証を行っているものの、借入等の利息は、将来の金利動向によっては資金調達コストの上昇による影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 不動産事業に関するリスク当社グループは、金融窓口事業において、日本郵便が保有する不動産を有効活用して事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業、分譲住宅事業等の不動産事業を営んでおります。当該事業については、国内外の景気又は特定地域の経済状況や人口、市場における需給等の変化により、不動産価格や賃貸料の下落、空室率の上昇、建築資材の価格や工事労務費等の高騰、たな卸資産の増加、さらに、法的規制の変更、大規模災害や感染症の発生等の影響を受ける可能性があります。特に今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言等を受けた深刻な経済活動の停滞により、テナント賃料の減額、空室率の上昇、開発中の案件における竣工時期の遅延等が想定され、収束後も、ライフスタイルや働き方の変容により、オフィス需要の変化等の影響を受ける可能性があります。これらの事象により、当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼしたり、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する可能性があります。また、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅳ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスクゆうちょ銀行が保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。ゆうちょ銀行では、中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行っている他、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めております。しかし、かかる管理にかかわらず、例えば、新型コロナウイルス感染症の拡大による歴史的な市場の動揺、さらに世界経済への深刻な影響あるいはその懸念等を背景にした大幅な市場変動等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な収益の確保を目的とした外国証券やオルタナティブ資産への投資等、運用の高度化・多様化が目的に即した結果を生まない可能性もあります。 ① 金利リスクゆうちょ銀行が保有する日本国債(2020年3月末日現在、53.6兆円・総資産額の25%)や外国証券(2020年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は65.6兆円・総資産額の31%)などの金融資産と、定額貯金をはじめとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当連結会計年度末現在において、日本国債の一部の金利がマイナスとなる等市場金利は歴史的な低水準にあり、さらに、今後の金融政策の動向によりかかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場金利の変動は、ゆうちょ銀行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失や売却損等が生じ、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、定額貯金(2020年3月末日現在、90.0兆円・総貯金額の49%。預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)について、急激な市場金利上昇等により、事前のリスク管理の想定を超える貯金流出や預替えが発生した場合にも、計画以上の運用原資の減少や調達コストの上昇を通じて、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行は、金利リスク状況のモニタリングの一環として、監督当局による「主要行等向けの総合的な監督指針」において定められた重要性テストの過程で用いられる手法に基づき、金利変動による資産・負債の経済価値の減少額(以下「ΔEVE」)を計測しております。2020年3月末日現在、ゆうちょ銀行のΔEVEの最大値は重要性テストにおける評価基準である自己資本の額の20%を超えております。ΔEVEで計測した金利リスクに対し、自己資本の余裕を十分に確保しているものと認識しておりますが、金融庁から深度ある対話を行う必要が認められる銀行と判断される場合には、対話を通じて共有された課題認識に基づき、原因への対応も含めて必要な改善対応を求められる可能性があります。重要性テストの適用については、監督指針において、「ゆうちょ銀行は、法令上、一部の資産について国債等の安全資産の保有が義務付けられているため、(重要性テストに該当する場合の)監督上の対応をするにあたっては、当該特殊事情を適正に勘案することとする。」とされております。また、国際的な金融規制の流れを考慮し、内部管理として、国際統一基準行目線での管理も行っております。 ② 為替リスクゆうちょ銀行は、収益源泉・リスクの分散を目的に、運用の高度化・多様化の一環として国際分散投資を進め、外国証券の保有が増加しておりますが、外貨建て資
FY2019|29,992 文字
2 【事業等のリスク】以下において、当社及び当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しておりますが、これらに限定されるものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済情勢その他の事業環境の変動に伴うリスク当社グループが行う事業のうち、郵便・物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業等は、その収益の多くが日本国内において生み出されるものであるため、主として国内における金利の動向、金融市場の変動、消費税増税、少子高齢化の進展、eコマース市場の動向、技術革新、賃金水準の変動、不動産価格の変動、預金水準等の影響を受けます。一方、当社グループは、国際物流事業において、日本郵便の子会社であるトール社が、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクトロジスティクス等の国際的な事業活動を行っており、各国・地域における経済情勢・金融市場その他事業環境の変動による影響を受けます。また、銀行業・生命保険業においては、運用の多様化・高度化の下、国際分散投資を推進しており、国際金融・資本市場の変動による影響も受けます。したがって、かかる国内外の経済情勢・金融市場その他事業環境の変動により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(金利の動向に係るリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (4) 国際物流事業に関するリスク ⑤ 金利変動のリスク」、「Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスク ① 金利リスク」及び「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (2) 資産運用に関するリスク ① 国内金利に関する市場リスク」の記載を、郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (1) 郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスク」をそれぞれご参照ください。)。例えば、我が国においては、長期に亘る少子高齢化の影響を受け、生産年齢人口が減少し続けており、こうした状況のもと、貯蓄の減少、保険契約の減少、経済規模の縮小による郵便物数の減少等が生じた場合には、当社グループ全体の事業規模が縮小する可能性があります。これらの事情により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合に関するリスク当社グループが行う事業は、いずれも、激しい競争状況に置かれております。当社グループと競合関係にある同業他社は、AI・IT技術の急速な進展・活用、その他の事業環境の変化・事業戦略の変更等で、当社グループより優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、資金調達手段、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。例えば、日本郵便が行っている郵便・物流事業については、信書便事業者や他の物流事業者等と競合関係にあり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生した場合、又は、競争激化により当社の事業、シェア若しくは収益の動向が当社グループの想定どおりに進捗しなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行が行っている銀行業、及びかんぽ生命保険が行っている生命保険業も、同業他社等と競合関係にあります。今後、両社が金融サービスに対する顧客ニーズの変化や市場構造の変化等に適切に対応できなかった場合、又は、両社が競合他社に対して優位に立てない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和が行われております。当社グループ各社が市場構造の変化に対応できなかった場合や規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、当社グループの郵便事業と競合する一般信書便事業については、民間事業者による信書の送達に関する法律(以下「信書便法」といいます。)に基づき、一定の参入条件が課された許可制とされており、現時点において同事業に参入している民間事業者はおりません。しかしながら、信書便法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、2015年6月に改正信書便法が成立し、特定信書便役務の範囲の拡大等の改正が行われております。 (3) 大規模災害等の発生に伴うリスク当社グループは、日本全国にわたる幅広い事業活動に加えて、トール社が国際的な事業活動を行っており、各国・地域における地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の大規模自然災害、新型インフルエンザやエボラ出血熱等の感染症の大流行、戦争、テロリズム、武力衝突等の人的災害、水道、電気、ガス、通信・金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、又は当社グループの店舗、その他の設備や施設の損壊その他正常な業務遂行を困難とする状況等が生じた場合、当社グループの業務の全部若しくは一部が停止し、又は、運営に支障をきたすおそれがあり、また、設備やインフラの回復、顧客等の損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。また、かかる状況下において当社グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生に伴う経済・社会活動の沈滞等の影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは生命保険子会社としてかんぽ生命保険を保有していることから、大地震その他の大規模災害や新型インフルエンザのような感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合に、かんぽ生命保険による保険給付に関し、通常の想定を超える債務を負うリスクにさらされております。同社は、保険業法の基準に従って危険準備金を積み立てておりますが、予想を超える大規模災害等の発生により危険準備金を超えるような保険金・給付金の支払いが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、当社グループは、同業他社に比して、新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約されるため、競争力を失い、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便事業は当社の連結子会社である日本郵便が独占的に行うこととされておりますが、郵便約款の変更や業務委託の認可制、全国一律料金制度、定形郵便物の料金制限、郵便料金の届出制(第三種郵便物及び第四種郵便物については認可制)といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制当社グループの銀行業及び生命保険業においては、これらの事業に一般的に適用される銀行法及び保険業法といった金融業規制を受けております。また、現在監督(規制)当局等において、自己資本規制の強化等、様々な金融規制の見直しが議論されており、これら規制の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (a) ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険に対する規制銀行業を営む当社の連結子会社であるゆうちょ銀行及び生命保険業を営む当社の連結子会社であるかんぽ生命保険(両社について、以下「金融2社」と総称します。)は、それぞれ銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督を受けており、内閣総理大臣からの委任を受けた金融庁長官による、法令違反等による免許取消し並びに業務の健全性かつ適切な運営を確保する等のために必要があると認めるときの業務停止及び立入検査等を含む広範な監督に服しております。 ゆうちょ銀行は、銀行法及び関連業規制に基づき、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、自己資本の充実度合いを計る基準である自己資本比率について、自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること等が必要とされています。また、かんぽ生命保険は、保険業法及び関連業規制に基づき、法令に基づき定められた業務以外の業務を行うことができず、また、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断する指標の一つであるソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等が必要とされています。2019年3月31日現在、ゆうちょ銀行の連結自己資本比率は15.80%、かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率は1,189.8%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しておりますが、近時の金融市場の状況に対応したリスク性資産の増加により、これらの比率は低下傾向にあることに加え、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更、新たな規制の導入等により、連結自己資本比率又は連結ソルベンシー・マージン比率が更に低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (b) 日本郵便に対する規制日本郵便は、当社グループの金融窓口事業に関連して、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、また、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督に服しております。また、日本郵便は、銀行代理業者として、内閣総理大臣の承認を得ない限り、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際の顧客への説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、生命保険募集人として、顧客に対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。日本郵便が上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可又は登録の取消しや業務の一部又は全部の停止を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (c) 当社に対する規制当社自身も銀行持株会社及び保険持株会社として、銀行法及び保険業法に基づき金融庁の監督に服するとともに、当社の連結自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること及び当社の連結ソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等が必要とされるほか、顧客の利益保護のための体制の整備や事業年度毎の規制当局に対する業務報告書等の提出の義務等を負っております。なお、2019年3月31日現在、当社の連結自己資本比率は17.72%、連結ソルベンシー・マージン比率は670.6%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しておりますが、近時の金融市場の状況に対応したリスク性資産の増加により、これらの比率は低下傾向にあることに加え、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更等により、連結自己資本比率又は連結ソルベンシー・マージン比率が更に低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、国際的な監督規制では、システム上重要な金融グループに対する規制強化を図っているところですが、選定基準の見直し等、規制当局の動向によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (d) 事業の前提となる許認可当社グループは、主として以下のような許認可等を受けております。許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項保険持株会社の認可保険業法第271条の18第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の30第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(かかる義務に基づき郵便局ネットワークを通じて行われる役務提供を、以下「ユニバーサルサービス」といいます。)。ユニバーサルサービスについては、2013年10月に、総務大臣が「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」について、その諮問機関である情報通信審議会郵政政策部会に諮問を行い、同審議会において、2015年9月28日に答申が出されました。答申において、ユニバーサルサービスの確保について、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、「また、国は、ユニバーサルサービス確保に向けたインセンティブとなるような方策について検討することが必要である」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされています。答申を受けて実施される政府の施策の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、情報通信審議会は郵政事業のユニバーサルサービスコストの試算を行っておりますが、審議会が独自に試算したものであり、当社グループが作成したものではありません。また、当社及び日本郵便は、それぞれ日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法に基づき、新規業務、株式の募集、取締役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定、定款の変更、合併、会社分割、解散等を行う場合には、総務大臣の認可(ただし、日本郵便の新規業務については総務大臣への届出)が必要とされています。また、金融2社は、銀行法又は保険業法に基づく規制に加え、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するため、郵政民営化法に基づき、新規業務、子会社対象金融機関等(ゆうちょ銀行)・子会社対象会社(かんぽ生命保険)の保有、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。さらに、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(郵政民営化法に基づく規制の詳細については、上記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項 ③ 郵政民営化法」をご参照ください。なお、金融2社におけるこれらの規制を、以下「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール公社を承継した機関として、当社、日本郵便、金融2社が政府調達協定その他の国際約束の適用を受ける物品等を調達する場合には、国際約束に定める手続の遵守が求められます。当社グループ各社の作為又は不作為により、かかるこれらのルールを遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは調達行為に遅れが発生する可能性があり、当初想定していた計画が実施できないなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 個人情報その他の機密情報の漏えいに関するリスク当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等を営んでおり、多くの顧客や取引先等から様々な情報を取得しているほか、事業・人事などに関する多数の情報を保有しております。これらの情報については、郵便法、銀行法、保険業法、金融商品取引法等のほか、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことが求められております。近年、企業・団体が保有する個人情報等の漏えいや不正なアクセス、サイバー攻撃等が多発しております。当社グループが保有する個人情報その他の機密情報が外部に漏えいした場合には、損害賠償や当該事案に対応するための費用、行政処分、社会的信用の毀損による顧客の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起又は開始されるリスクを有しており、一部ではありますが人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる場合等不利な判断がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 不正・不祥事に関するリスク当社グループは、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスの水準向上及び内部管理態勢の強化を経営上の最重要課題の一つとして位置づけ、グループ各社の役員・従業員に対して適切な指示、指導及びモニタリングを行う態勢を整備するとともに、不正行為等の防止のために予防策を講じておりますが、かかる態勢・予防策が常に十分な効果を発揮するという保証はなく、当社グループの役員・従業員による法令その他諸規則等の違反、社内規程・手続等の不遵守、不正行為、事故、不祥事等が生じる可能性があります。当社グループにおいては、2009年度に従業員による顧客預金等の横領等不祥事が発覚し、監督当局から業務改善命令等の命令を受けましたが、不祥事の防止に向けた内部管理態勢の強化を図った結果、同命令に係る報告義務は解除されました。2018年度には従業員による郵便料金の収納に係る不適正事案や郵便物等の放棄・隠匿事案が発覚しており、このような事案を含め、不祥事等が発生した場合には、被害者等に対して損害賠償責任を負い、監督官庁からの行政上の処分等を受ける可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損するおそれもあります。かかる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループは、あまねく全国に広がる郵便局ネットワークを通じて、多数の郵便物・荷物の配達や金融サービスの提供を行っております。 当社グループの商品、サービス、事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物の管理上の不備・遅配・誤配及び破棄・紛失等、配達員による交通事故、銀行口座やクレジットカードの不正利用、キャッシュカードの盗難、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、サイバー攻撃等によるシステム・トラブルや個人情報その他の機密情報の漏えい、不正行為、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)に反する行為、反社会的勢力との取引、労働問題、ハラスメント(業務の適正な範囲を超える言動等)、事故、業務上のトラブル、社内規程・手続違反、不祥事等が発生した場合には、当社グループ及び当社グループ各社が提供するサービスに対する社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループ又は当社グループが行っている事業全般に対する風評・風説が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、また、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、当社グループが提供するサービスの公益性、事業規模、社会における認知度・注目度等を背景に、当社グループは、顧客や市場関係者等から、否定的理解・認識をされ、又は、強い批判がなされる可能性があり、それにより当社グループ、商品、サービス、事業のイメージ・社会的信用が毀損し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 固定費負担に関するリスク当社及び日本郵便は、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(上記「2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」をご参照ください。)。当社及び日本郵便は、かかるユニバーサルサービス提供義務に基づき、郵便、銀行、保険の各サービスを、全国に広がる郵便局ネットワークを通じて全国の顧客に提供しております。そのため、当社グループの郵便・物流事業及び金融窓口事業においては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費等の多額の固定費に加え、多数の郵便局員その他の従業員の給与等の人件費が発生しており、労使交渉・労働法制の変更等を受けて従業員への給与等を増額した場合には、それが一人あたりは比較的小さな増額であっても、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、高齢化による社会保障負担の増大や厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げなどによる福利厚生費の上昇も想定されます。 当社及び日本郵便は、今後、地方における過疎化の進展、企業活動又は個人の消費活動の縮小、電子メール等インターネットやウェブサイトを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、当社グループが郵便局を通じて提供するサービスの利用が減少した場合であっても(下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (2) 郵便物等の減少に関するリスク」をご参照ください。)、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があり、収益性の低い事業又は拠点等を縮小する等の対応が制限されているため、かかる方法により固定費を削減することが困難となる可能性があります。従って、上記の事情等により当社グループが郵便局を通じて提供するサービスに対する需要が減少し、郵便物や荷物の取扱数量又は郵便局窓口での金融・保険商品の販売量が減少した場合、当社グループの提供する商品及びサービスの内容、対象若しくは対価を変更し若しくはその提供を中止し、又は、郵便局ネットワークを縮小するなどの対応ができず、又は、制約され、かかる固定費に見合った収益を上げられない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 郵便局等に係る設備の老朽化に関するリスク日本郵便は、全国各地に所在する郵便局等多数の建物を保有しており、その中には老朽化の進んだ古い建物が多数含まれております。日本郵便はかかる設備等に対して、必要な老朽化対策工事を集中的に行っており、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、老朽化対策工事の対象となる日本郵便の建物の一部には、アスベストが使用されていることが判明しており、今後多くの建物でアスベストの存在が確認され、法令に基づく飛散防止措置としてアスベストの除去を行うことが必要となった場合には、多額のアスベスト除去費用及び関連の工事費用が生じる可能性があります。 (3) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク当社グループは、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。しかしながら、当社グループのリスク管理は、過去の経験・データに基づいて構築されているため、将来発生するリスクを正確に予測することができず、新しい業務分野への進出や外部環境の変化等によりリスク管理が有効に機能しない可能性があります。また、当社グループがリスク管理の方針及び手続を策定する際、参考又は前提とした情報が真実性、正確性、完全性又は合理性に欠ける場合には、当社グループのリスク管理の有効性に悪影響を与える可能性があります。さらに、当社グループの事業に内在するリスクを管理するためには、膨大な取引や事象の適切な記録、審査、調査等に係る方針及び手続の有効性や効率性等が重要ですが、かかる方針や手続が万全とは言えない可能性があります。当社グループは、経営環境、リスクの状況等の変化に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行い、万全のリスク管理態勢を構築するよう努めておりますが、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない場合や、欠陥が発生した場合等には、当社グループが予期していなかった損失を被る可能性や、当社グループ各社が行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業拡大に伴い、リスク管理態勢の増強も必要となりますが、事業の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分ではない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報通信システムに関するリスク当社グループの郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業のそれぞれにおいて、コンピュータシステムは、顧客や各種決済機構等のシステムとサービスの提供に必要なネットワークで接続されるなど極めて重要な機能を担っております。これらについて、地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の自然災害やテロリズム等に加えて、人的過失、事故、停電、ハッキング、コンピュータウィルスの感染、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により重大なシステム障害や故障等が発生する可能性があります。こうしたシステムの障害、故障等が生じた場合に、業務の停止・混乱等及びそれに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損、対応や対策に要する費用等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、基幹ITシステムを含む当社グループのITシステムのアップグレードを行っており、かつ、新規のシステム投資を行うこともありますが、かかる作業の遅延、失敗、多額の費用発生により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 人材の確保に関するリスク当社グループにおいては、昨今の労働力不足により、郵便・物流業務に従事する配達又は運送に係る車両の運転手をはじめとして各種人材の確保が困難となる可能性があります。 また、当社グループは、保険数理、資産運用、銀行・保険の各種業務、商品の販売・募集、会計、金融業規制、法令遵守、IT等に係る資格、高度の専門性及び経験を有する有能な人材を必要としており、新規採用・中途採用を通じ、人材の確保に努めるとともに、かかる人材の育成にも努めております。併せて、女性の労働力確保を含め、ダイバーシティ・マネジメントを推進することとしており、多様な社員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、制度や環境の整備等に努めております。しかしながら、当社グループが魅力的な条件を提供できず、有資格者や有能で熟練した人材の採用若しくは育成及び定着を図ることができなかった場合、又は、適切な育成環境を整備できない場合や、人事処遇や労務管理等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、当社グループの事業の競争力若しくは業務運営の効率性が損なわれ、人材の適合性、多様性を確保することができず、又は人材の流出・不足等を招き人件費単価が上昇するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) グループ外の企業との資本・業務提携、外部委託及び企業買収に伴うリスク当社グループは、当社グループ外の企業との間で、様々な業務に関し、資本提携、業務提携、外部委託を行っております。当社は、2018年12月19日には、下記「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、アフラック・インコーポレーテッドとの戦略提携に合意し、2019年末を目途として発行済株式総数(自己株式を除く。)の7%を目途に同社の普通株式を取得する予定です。このようなグループ外の資本・業務提携先、外部委託先との間における、戦略上若しくは事業上の問題又は目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りの効果が得られない可能性や、投資に見合うリターンを得られない可能性、当社グループの既存事業に負の効果を及ぼす可能性も否定できません。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性や当社グループが行った投資を回収できない可能性があります。また、資本・業務提携先、外部委託先において、業務遂行上の問題が生じ、商品・サービスの提供等に支障をきたす場合、顧客情報等の重要な情報が漏えいする等の事故、違法行為、不正行為、不祥事等が発生した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが、他の企業を買収するに当たっては、買収先企業や買収先事業を効果的かつ効率的に当社グループの事業と統合できない可能性、買収先企業の重要な顧客、仕入先、その他関係者との良好な関係を維持できない可能性、買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性などがあります。また、想定した事業環境と異なる状況が発生する可能性、経営陣を含む人材流出・不足等の可能性などがあります。このような事象が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、トール社の買収に関するリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (4) 国際物流事業に関するリスク ① トール社の買収に関するリスク」をご参照ください。 (7) 業務範囲の拡大等に伴うリスク当社及び金融2社は、新たな収益機会を得るために新規業務を行う場合、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を得る必要があるなど、当社グループによる新規事業の展開を含む業務範囲の拡大には一定の制約が伴います(上記「2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」をご参照ください。)。例えば、金融2社は新商品又は新サービスの導入に当たって、郵政民営化法に基づく認可を取得する必要がありますが、当該認可が得られない可能性や認可取得のために各社の計画どおりの時期又は内容で新商品を投入又は新サービスを提供できない可能性があります。また、当社グループが、業務範囲を拡大することができたとしても、限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合や業務拡大により過度の人的・物的負担が生じた場合等において、業務範囲の拡大が功を奏する保証はなく、当初想定した成果をもたらさず、又は損失が発生する可能性があります。さらに、日本郵便は、アジア市場への展開を中心に、国際的な物流事業を手掛ける総合物流事業者として、事業の収益性を高めるため、トール社の買収、ジオポスト及びレントングループとの事業提携による国際宅配事業への進出など国際的な事業展開を推進しております。しかしながら、当該地域及び関係する地域における法制度・税制、経済・政治情勢の悪化、市場成長性の鈍化、競争の激化、為替の変動、伝染病の流行による混乱、海外における業務提携先や取引先との関係の悪化、訴訟・規制当局による行政処分等、海外における事業展開には、これに内在する様々なリスクが存在します。かかるリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、トール社の買収に関するリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (4) 国際物流事業に関するリスク ① トール社の買収に関するリスク」をご参照ください。 (8) 中期経営計画に関するリスク当社グループは国内外の市場金利、為替、株価、経営環境(現在予定されている消費税増税を含む。)、競争状況、営業費用等多くの前提に基づいて中期経営計画を策定し、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等の業務に係る中期的な事業戦略・方針を定めております。 しかしながら、これらの施策については、本「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の各リスク等が内在しており、また、将来においても、当社グループによる上記施策の実施を阻害するリスクが高まったり新たなリスクが生じたりする可能性もあります。当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができない可能性があります。また、金融2社が保有する有価証券の評価損の資本直入・減損損失や売却損の計上等により十分な配当可能額が確保できず、当該計画における配当目標を達成できない可能性もあります(有価証券の評価損に関しては、下記「Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスク」及び「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (2) 資産運用に関するリスク」をご参照ください。)。 なお、当社は将来的な国際財務報告基準(IFRS)の適用を検討しており、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク(1) 固定資産の減損損失に関するリスク当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業及び国際物流事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 保有株式の減損損失に関するリスク当社が保有する金融2社等の株式の株価又は実質価額が著しく低下し、取得原価の水準にまで回復する可能性が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社及び当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社の所有する金融2社株式の帳簿価額については、「Ⅷ.金融2社株式売却等に関するリスク (6)金融2社株式の売却損失の発生に関するリスク」をご参照ください。 (3) 繰延税金資産に関するリスク当社グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で、貸借対照表において繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 退職給付債務に関するリスク当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は、前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、従業員の退職が一定期間に集中するような場合には、退職給付金の支払いのために多額の資金が必要となり、その結果、通常業務又は設備投資等への資金充当の柔軟性に制約が生じる可能性があります。 (5) 財務報告に係る内部統制に関するリスク当社は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書を提出すること及び監査法人による監査を受けることを義務付けられております。当社グループは、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程等を制定し、財務報告に係る内部統制について必要な体制を整備しております。また、評価の過程で発見された問題点等は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、財務報告に係る内部統制が有効でない場合には、当社グループの財務報告の適正性を確保できず、その信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 管理会計等に係る内部管理に関するリスク本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が含まれております。当社は、これらについても正確性の確保に努めておりますが、管理会計等に係る内部管理が十分でない場合等には、当該数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 格付けの低下に関するリスク当社は、格付機関より信用格付を取得しておりますが、財務内容の悪化、日本国債の格下げ等により当社の信用格付が格下げとなった場合、著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (1) 郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスク郵便・物流事業においては、近年のeコマース市場の拡大に伴う宅配便需要の急激な増加とこれによる労働力の不足といった経営環境の急激な変化が顕在化しており、他の主要な物流事業者等においては、基本運賃や大口顧客向け特約運賃の値上げを含む契約条件の改定、配達時間帯や再配達に係るサービス内容の見直し、労働環境又は労働条件の改善のための取組みを行っているものも見受けられます。当社グループがこのような経営環境の変化に適時かつ適切に対応できなかった場合、当社グループの競争力、収益性、人材の確保等に影響し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 郵便物等の減少に関するリスク電子メール、SNSやスマートフォンの普及に加え、当社グループの顧客におけるコスト削減を目的とした、請求書や取引明細書等の電子メール送信・WEB閲覧の浸透等の影響により、郵便物数は年々減少を続けており、今後もかかる傾向は継続することが予想されます。また、当社グループの郵便・物流事業における重要な収益の柱となっている年賀状の配達数も年々減少傾向にあり、国民の生活様式や社会慣行の変化等の要因により、今後も減少傾向が進む可能性があります。また、日本郵便は、人件費単価の上昇や、大型の郵便物等の増加を背景とした持戻り・再配達の増加等に伴い、引き続き安定的なサービスの提供を維持するため、2017年6月1日に第二種郵便物及び定形外郵便物の料金並びにゆうメールの運賃の改定を、2018年3月1日にゆうパックの運賃の改定等をそれぞれ行いました。さらに、2019年用年賀葉書から、2017年6月1日の料金改定の際に据え置いた料金を、通常葉書の料金と同額に改定しました。加えて、消費税増税に関する今後の議論を踏まえ、郵便料金への適正な転嫁についても検討します。これら郵便料金の改定等により、当社グループが取り扱う郵便物等の数に影響を及ぼす可能性があります。これらの事情により、当社グループの郵便・物流事業において取り扱う郵便物等の数が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融2社からの金融窓口業務の受託に関するリスク日本郵便が金融2社との間で締結している銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づく2019年3月期における各社からの受託手数料は、それぞれ6,006億円及び3,581億円であり、それぞれ当社グループの金融窓口事業セグメントにおける経常収益の約44%及び約26%を占めており、かかる受託手数料は今後も当社グループの金融窓口事業における収益の重要な部分を占めることとなるものと考えられます。受託手数料は、銀行法・保険業法に定められたアームズレングスルール等を遵守することが求められており、恣意的な変更が行われることは想定しておりませんが、今後、上記各窓口業務契約等が、合理的な理由に基づき受託手数料の額を減額する又は対象となる業務の範囲を限定する等、日本郵便にとって不利に改定された場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。また、特にゆうちょ銀行から受け取る受託手数料については、ゆうちょ銀行の直営店での業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績に基づいて委託業務コストに見合う額が算出されるため、ゆうちょ銀行において業務コストの削減が行われた場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。さらに、これらの受託手数料の一定部分は、日本郵便において取り扱われた業務の量にかかわらず一定の計算方法により算定されるものとされていますが、今後仮に金融2社が日本郵便における業務量に比例する受託手数料の割合を高めようとする場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。 2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。これによって、2020年3月期から郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち日本郵便が負担すべき額を除く基礎的費用は、本法に基づき、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機に委託手数料が見直されました(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 参考1 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの委託手数料、参考2 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要及び金融2社との業務委託契約への影響」をご参照ください。)。かかる交付金・拠出金制度の下で、今後も同手数料が見直される場合があり、その内容によっては当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループとしては、今後も簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、日本郵便と金融2社との関係を引き続き強化していく所存であり、当社が金融2社の株式を処分したことにより当社による両社への影響力が低下・消滅した場合においてもこの関係は変わるものではないと当社としては考えております。しかし金融2社はユニバーサルサービスの提供に係る法的義務を負うものではなく(上記「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」をご参照ください。)、金融2社が、郵便局ネットワークに代替する販売チャネル(例えば、ATMの相互利用、オンライン取引、グループ外の企業への委託を含みますがこれらに限られません。)をより重視するようになった場合等や、窓口業務の健全・適切な運営確保の観点から特段の事由が生じた場合等、銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等の解除が発生した場合には、当社グループの金融窓口事業の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 国際物流事業に関するリスク① トール社の買収に関するリスク日本郵便が買収したトール社の業績が大きく悪化したことに伴い、当社の2017年3月期の連結決算において、国際物流事業に係るのれん及び商標権の全額3,923億円並びに有形固定資産の一部80億円(合計4,003億円)の特別損失(減損損失)を計上いたしました。このような状況を受け、人員削減や部門の統廃合等によるコスト削減施策を中心としたトール社の業績回復・将来の成長への基盤を整えるための対策や、トール社の高成長地域への集中及び高成長分野への進出等の成長戦略を講じているところですが、かかる経営改善策及び成長戦略が功を奏せず、トール社の業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社はこれまで複数のM&Aを行い、事業統合を実施している過程にありますが、当社グループとの事業統合も含め統合が予定通り進捗しない場合には、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消されないこと、複雑な業務及び設備、並びに異なる地理的エリアに存する多様な企業風土と異なる言語に基づく従業員を十分に管理できないこと、トール社と競合関係にある同業他社が、トール社より優れた革新的な商品、サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ITシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、更には、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループとして想定した買収効果を得ることができず、また、当社グループ又はトール社の既存事業に負の効果を及ぼして、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、上記のとおり、2017年3月期においてトール社の買収にかかるのれん及び商標権については全額減損損失を計上したことにより、のれん及び商標権に関して追加の減損損失が発生することはありませんが、今後トール社の業績が悪化した場合には、トール社の保有する物流設備その他の固定資産についても減損損失を計上し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、このような当社グループの国際的な事業展開に伴うリスクについては、上記「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 3.事業運営に関するリスク (7) 業務範囲の拡大等に伴うリスク」もご参照ください。 ② 資源価格の下落及び豪州経済の減速等に関するリスク国際物流事業におけるトール社の事業は、エクスプレス事業、フォワーディング事業及びロジスティクス事業に区分されますが、特に豪州国内物流を中心とするエクスプレス事業の業績は、資源価格を中心とする豪州経済による影響を大きく受けております。今後、資源価格が下落し、豪州経済が低迷した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、日本国内外での総合物流事業の展開による一貫したソリューションの提供を目指し、2018年10月1日にJPトールロジスティクス株式会社が発足しましたが、国内外の物流ニーズが減退した場合には、同社において期待されていた収益等が実現できず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ トール社に適用される規制等国際物流事業を担うトール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクトロジスティクス等の国際的な事業活動を行っており、関連する国・地域の事業許可や租税に係る法・規制、運送、貿易管理、贈収賄防止、独占禁止、為替規制、環境、各種安全確保等の法・規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 為替変動・国際財務報告基準の適用のリスク国際物流事業を担うトール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されていることから、大幅な為替相場の変動が生じた場合、外貨建ての資産・負債等が当社の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社の連結財務諸表は国際財務報告基準が適用されていることから、国際財務報告基準の変更により、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 金利変動のリスクトール社は、継続的に設備投資等を行っており、投資にあたっては自己資金を投入しているほか、金融機関からの借入等に依存する割合も少なくありません。トール社による金融機関からの借入等の利息は、将来の金利動向によっては資金調達コストの上昇による影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 不動産事業に関するリスク当社グループは、金融窓口事業において、日本郵便が保有する不動産を有効活用して事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業のほか、分譲住宅事業等の不動産事業を営んでおります。当該事業については、国内外の景気又は特定地域の経済状況や人口、市場における需給等の変化により、不動産価格や賃貸料の下落、空室率の上昇、建築資材の価格や工事労務費等の高騰、たな卸資産の増加、さらに、法的規制の変更、大規模災害等の発生等の影響を受ける可能性があります。これらの事象により、当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼしたり、評価損・減損損失や売却損が発生する可能性があります。また、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスクゆうちょ銀行が保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。ゆうちょ銀行では、中長期的に安定的収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の他、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、大幅な市場変動等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券やオルタナティブ資産への投資等、運用の高度化・多様化が目的に即した結果を生まない可能性もあります。 ① 金利リスクゆうちょ銀行が保有する日本国債(2019年3月末日現在、58.3兆円・ゆうちょ銀行の総資産額の27%)や外国証券(2019年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は62.4兆円・ゆうちょ銀行の総資産額の29%)などの金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当連結会計年度末現在において、日本国債の一部の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、さらに、今後の金融政策の動向によりかかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場金利の変動は、ゆうちょ銀行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失や売却損等が生じ、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、定額貯金(2019年3月末日現在、93.8兆円・総貯金額の51%。預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)について、急激な市場金利上昇等により、事前のリスク管理の想定を超える貯金流出や預け替えが発生した場合にも、計画以上の運用原資の減少や調達コストの上昇を通じて、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替リスクゆうちょ銀行は、収益源泉・リスクの分散を目的に、運用の高度化・多様化の一環として国際分散投資を進め、外国証券の保有が増加しておりますが、外貨建て資産の一部については為替リスクを軽減するヘッジを行わない、又は短期のヘッジを行うことがあります。その結果、大幅な為替相場の変動が発生した場合、ヘッジしていない部分に差損が発生し、又はヘッジコストが上昇すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 株式価格変動リスクゆうちょ銀行は、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に、株式を保有することがあることから、国内外の経済状況又は市場環境の悪化や低迷等によって株価が下落する場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市場流動性リスク経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等には、ゆうちょ銀行が国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 資金流動性リスクゆうちょ銀行の業績や財政状態の悪化、風評等の発生や、予期せぬ資金流出、運用と調達の期間のミスマッチ(差異)等、また、ゆうちょ銀行の収益力・信用力の低下、日本国債の格下げ等の影響を受けたゆうちょ銀行の格付の引き下げにより、円貨・外貨の必要資金確保が困難になる、又は、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、損失を被る可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 信用リスクゆうちょ銀行が保有する社債等の有価証券の発行者や投資先、貸出先の債務者等において、国内外の経済情勢(景気・信用状況等)や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、誤った経営判断、不祥事等の発生、その他不測の事態により、財政状態が悪化する可能性があります。その結果、ゆうちょ銀行の与信関係費用が増加、ゆうちょ銀行が保有する有価証券等の価値が下落すること等により、当社グループの事業、業績、財政状態及び自己資本の状況に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券やオルタナティブ資産への投資等、運用の高度化・多様化が目的に即した結果を生まない可能性もあります。 (5) オペレーショナル・リスク等ゆうちょ銀行の業務においては、事務リスク、システムリスク、情報資産リスク、訴訟等に係るリスク、人事リスク、レピュテーショナル・リスク、法令違反等(横領その他の犯罪行為、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、インサイダー取引規制等違反、お客さまの属性に照らし不適合な顧客説明や資産運用商品の販売等)に係るリスク、災害リスク等のオペレーショナル・リスクが存在します。ゆうちょ銀行が、これらのオペレーショナル・リスクを適切に管理できず、リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 代理店を通じた営業に係るリスクゆうちょ銀行は、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便に銀行代理業務等を委託しています。ゆうちょ銀行の店舗23,944店舗(2019年3月31日現在)のうち23,710店舗が代理店(郵便局)となっており、ゆうちょ銀行の貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、ゆうちょ銀行の事業は、代理店である日本郵便の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しています(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上等により、ゆうちょ銀行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱うゆうちょ銀行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、また、ゆうちょ銀行の代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便が人材等のリソースをゆうちょ銀行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、ゆうちょ銀行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、相当額の委託手数料を日本郵便に対して支払っておりますが、当該委託手数料の算定方法その他の条件がゆうちょ銀行と日本郵便との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 事業環境等に係るリスク① ユニバーサルサービスの提供に係るリスクゆうちょ銀行は、日本郵便との間で銀行窓口業務契約を締結しており、日本郵便は全国の郵便局で、ゆうちょ銀行の基本的な商品・サービスを、日本郵便株式会社法に基づくいわゆるユニバーサルサービス提供に係る法的責務の履行として提供しています(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。ゆうちょ銀行は、法令上この責務を直接負わないものの、郵便局で使用するATM・窓口端末機など銀行委託業務に係るITシステムの導入・運行コストとともに(なお、当該ITシステムはゆうちょ銀行が所有)、同業務に従事する日本郵便の従業員の指導・教育等を通じ、ユニバーサルサービス提供に係る一定のコストを負担しております。なお、銀行窓口業務契約は、期限の定めがなく、また、本契約に定める特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り、解除できないものと定めています。また、ゆうちょ銀行の定款には、日本郵便と銀行窓口業務契約を締結する旨規定しているため、当該契約を終了させる場合には、ゆうちょ銀行の定款の変更を要します。従って、日本郵便がユニバーサルサービスの提供責務を果たすために必要と考える限り、ゆうちょ銀行は原則、各郵便局でゆうちょ銀行の基本的な商品・サービスの提供を継続することとなり、その結果、より収益性の高い業務や地域への経営資源配分が制約されること等により、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等がなされた場合には、その内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。これによって、2020年3月期から郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち日本郵便が負担すべき額を除く基礎的費用は、本法に基づき、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機に委託手数料が見直されました(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 参考1 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの委託手数料、参考2 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要及び金融2社との業務委託契約への影響」をご参照ください。)。かかる交付金・拠出金制度の下で、今後も同手数料が見直される場合があり、その内容によっては当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 経済・社会情勢、市場に係るリスクゆうちょ銀行が行う当社グループの銀行業は、その収益の多くが日本国内での貯金調達や国内外での有価証券運用によって得られており、国内外の景気・信用状況や人口動態等の経済・社会情勢、金利・為替等の市場の変動・悪化が、当社グループの銀行業における業績及び財政状態に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、消費税率の引き上げによる家計の可処分所得の低下や、少子高齢化に伴い、日本の貯蓄率・預金水準が低下し、ゆうちょ銀行の貯金残高が減少する可能性があります。また、国内外の金融市場に混乱等が生じた場合、ゆうちょ銀行の事業の低迷や資産内容の悪化、資金調達力・資産流動性の低下等が生じる可能性があります。このような場合、中長期的な安定的収益の確保を目的とした運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。 (8) 事業戦略・経営計画に係るリスクゆうちょ銀行は、「『やっぱり、ゆうちょ』と言われることを、もっと。」のスローガンの下で、「お客さま本位の良質な金融サービスの提供」、「運用の高度化・多様化」、「地域への資金の循環等」、「経営管理態勢の強化」を主な戦略として、2018年度から2020年度までを計画期間とする中期経営計画を推進しております。しかしながら、これらに向けたゆうちょ銀行の事業戦略・経営計画は、各種のリスクにより実施が困難となり、又は有効でなくなる可能性があります。また、事業戦略・経営計画の策定時に前提とした各種の想定が想定通りとならないこと等により、当初計画した成果が得られない可能性もあります。特に、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が計画策定時の想定通り安定推移しなかった場合、例えば、市場金利の低下による運用利回りの減少によって計画が達成できない可能性や、国際分散投資等の高度化・加速を継続していく中で、適切なポートフォリオ分散を達成できない可能性、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。さらに、定額貯金の再預入や、投資信託の販売、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定通り進捗しなかった場合、総預かり資産の拡大等の計画が達成できなくなる可能性があります。また、有価証券の評価損の資本直入、減損損失、売却損の計上により十分な配当可能額が確保できない等、当該計画の実現又は目標を達成できない可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅳ.生命保険業に関するリスク (1) ユニバーサルサービスの提供に関するリスク上記「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」のとおり、郵政民営化法上、当社及び日本郵便は、ユニバーサルサービスの提供義務を負っており、日本郵便は、郵政民営化法上のかかる規定を遵守するため、かんぽ生命保険と生命保険募集・契約維持管理業務委託契約及び保険窓口業務契約を締結してかんぽ生命保険の保険代理業務を受託し、全国の各郵便局において、かんぽ生命保険の商品及びサービスを提供しております(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。特に、保険窓口業務契約は、期間の定めのない契約であり、特段の事情がない限りかんぽ生命保険から一方的に解除することはできないこととされております。また、かんぽ生命保険の定款上、かんぽ生命保険は日本郵便との間で、保険窓口業務契約を締結する旨の規定が存在し、当該契約を終了させる場合にはかんぽ生命保険の定款変更が必要となります。従って、かんぽ生命保険が日本郵便との間の保険窓口業務契約を終了させるには、これらの手続等を充足する必要があります。このように、かんぽ生命保険が、ユニバーサルサービスの提供義務を負う日本郵便との間で、解除することが困難な保険窓口業務契約を締結することで、日本郵便がユニバーサルサービスを提供する上での関連保険会社としての地位を維持する契約上の義務を負うため、当社グループの生命保険事業における柔軟な事業展開が困難となり、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等がなされた場合には、その内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。これによって、2020年3月期から郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち日本郵便が負担すべき額を除く基礎的費用は、本法に基づき、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機に委託手数料が見直されました(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 参考1 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの委託手数料、参考2 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要及び金融2社との業務委託契約への影響」をご参照ください。)。かかる交付金・拠出金制度の下で、今後も同手数料が見直される場合があり、その内容によっては当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 資産運用に関するリスク① 国内金利に関する市場リスクかんぽ生命保険では、保険契約の引受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理し、損益の安定を図る目的で、資産と負債のバランスを考慮してリスクコントロールを行う、ALM(Asset Liability Management:資産・負債の総合的な管理)を行っております。かんぽ生命保険がALMを適切に行えなかった場合又はかんぽ生命保険のALMによって対処可能な程度を超えて市場環境が大きく変動した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、かんぽ生命保険の資産構成においては、円金利資産の割合が高く、かんぽ生命保険の契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であることから、資産と負債のデュレーションのミスマッチによる国内金利の変動リスクを有しております。具体的には、2016年2月の日本銀行によるマイナス金利政策導入以降、低金利環境が継続しておりますが、かんぽ生命保険が既に保有している保険契約の予定利率は変わらないことから、当初想定していた運用収益が確保できない、あるいは逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均運用利回りが既契約の責任準備金の積立てに用いた予定利率を下回る現象)となる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内金利が現在の水準より上昇した場合には、資産運用利回りが上昇することにより、利息収入などの収益が向上する一方、債券価格の下落等による評価損・減損損失や売却損等が発生する可能性があります。加えて、保険契約者がより高い収益を得られる別の金融商品へ資金を移動させることにより、保険契約の解約が増加する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② ①以外の市場リスクかんぽ生命保険の保有する外貨建資産に係る為替リスクがヘッジされていない部分について、為替相場の変動が発生した場合や、為替リスクをヘッジしていたとしても、国内外の金利差拡大によりヘッジコストが高まり、これまでの条件でロールによる為替予約ができなくなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、外国金利の変動により、かんぽ生命保険の保有する外国証券の価値が下落した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、かんぽ生命保険において、国内外の経済状況又は市場環境の悪化や低迷等によって、保有している株式の価格が下落した場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、オルタナティブ運用などの資産運用の多様化が、期待した結果を生まない可能性があります。 ③ 信用リスクかんぽ生命保険の取引先・投資先・かんぽ生命保険が保有する有価証券の発行者において、国内外の景気動向や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事の発生、国家間紛争等その他不測の事態により、財政状態が悪化した場合には、信用リスク及び与信関係費用が増加し、又はかんぽ生命保険が保有する有価証券の価値が下落すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、外債運用などの資産運用の多様化が、期待した結果を生まない可能性があります。 (3) 市場流動性・資金繰りに関するリスク① 市場流動性リスク金融市場の混乱等により、市場において正常に金融商品の取引・資金決済ができなくなった場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることになった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の金融市場及び経済状況の悪化等により、市場の流動性が
FY2018|29,995 文字
2 【事業等のリスク】以下において、当社及び当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しておりますが、これらに限定されるものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済情勢その他の事業環境の変動に伴うリスク当社グループが行う事業のうち、郵便・物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業等は、その収益の多くが日本国内において生み出されるものであるため、主として国内における金利の動向、金融市場の変動、消費税増税、少子高齢化の進展、eコマース市場の動向、技術革新、賃金水準の変動、不動産価格の変動、預金水準等の影響を受けます。また、当社グループは、国際物流事業において、日本郵便の子会社であるトール社が、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクト物流(3PL)等の国際的な事業活動を行っており、各国・地域における経済情勢・金融市場その他事業環境の変動による影響を受けます。したがって、かかる国内外の経済情勢・金融市場その他事業環境の変動により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(金利の動向に係るリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (4) 国際物流事業に関するリスク ⑤ 金利変動のリスク」、「Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスク ① 金利リスク」及び「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (2) 資産運用に関するリスク ① 国内金利に関する市場リスク」の記載を、郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (1) 郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスク」をそれぞれご参照ください。)。例えば、我が国においては、長期に亘る少子高齢化の影響を受け、生産年齢人口が減少し続けており、こうした状況のもと、貯蓄の減少、保険契約の減少、経済規模の縮小による郵便物数の減少等が生じた場合には、当社グループ全体の事業規模が縮小する可能性があります。これらの事情により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合に関するリスク当社グループが行う事業は、いずれも、激しい競争状況に置かれております。当社グループと競合関係にある同業他社は、IT技術の急速な進展・活用、その他の事業環境の変化・事業戦略の変更等で、当社グループより優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、資金調達手段、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。例えば、日本郵便が行っている郵便・物流事業については、信書便事業者や他の物流事業者等と競合関係にあり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生した場合、又は、競争激化により当社の事業、シェア若しくは収益の動向が当社グループの想定どおりに進捗しなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行が行っている銀行業、及びかんぽ生命保険が行っている生命保険業も、同業他社等と競合関係にあります。今後、両社が金融サービスに対する顧客ニーズの変化や市場構造の変化等に適切に対応できなかった場合、又は、両社が競合他社に対して優位に立てない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和が行われております。当社グループ各社が市場構造の変化に対応できなかった場合や規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、当社グループの郵便事業と競合する一般信書便事業については、民間事業者による信書の送達に関する法律(以下「信書便法」といいます。)に基づき、一定の参入条件が課された許可制とされており、現時点において同事業に参入している民間事業者はおりません。しかしながら、信書便法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、平成27年6月に改正信書便法が成立し、特定信書便役務の範囲の拡大等の改正が行われております。 (3) 大規模災害等の発生に伴うリスク当社グループは、日本全国にわたる幅広い事業活動に加えて、トール社が国際的な事業活動を行っており、各国・地域における地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の大規模自然災害、新型インフルエンザやエボラ出血熱等の感染症の大流行、戦争、テロリズム、武力衝突等の人的災害、水道、電気、ガス、通信・金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、又は当社グループの店舗、その他の設備や施設の損壊その他正常な業務遂行を困難とする状況等が生じた場合、当社グループの業務の全部若しくは一部が停止し、又は、運営に支障をきたすおそれがあり、また、設備やインフラの回復、顧客等の損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。また、かかる状況下において当社グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生に伴う経済・社会活動の沈滞等の影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは生命保険子会社としてかんぽ生命保険を保有していることから、大地震その他の大規模災害や新型インフルエンザのような感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合に、かんぽ生命保険による保険給付に関し、通常の想定を超える債務を負うリスクにさらされております。同社は、保険業法の基準に従って危険準備金を積み立てておりますが、予想を超える大規模災害等の発生により危険準備金を超えるような保険金・給付金の支払いが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、当社グループは、同業他社に比して、新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約されるため、競争力を失い、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便事業は当社の連結子会社である日本郵便が独占的に行うこととされておりますが、郵便約款の変更や業務委託の認可制、全国一律料金制度、定形郵便物の料金制限、郵便料金の届出制(第三種郵便物及び第四種郵便物については認可制)といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制当社グループの銀行業及び生命保険業においては、これらの事業に一般的に適用される銀行法及び保険業法といった金融業規制を受けております。また、現在監督(規制)当局等において、自己資本規制の強化等、様々な金融規制の見直しが議論されており、これら規制の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (a) ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険に対する規制銀行業を営む当社の連結子会社であるゆうちょ銀行及び生命保険業を営む当社の連結子会社であるかんぽ生命保険(両社について、以下「金融2社」と総称します。)は、それぞれ銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督を受けており、内閣総理大臣からの委任を受けた金融庁長官による、法令違反等による免許取消し並びに業務の健全性かつ適切な運営を確保する等のために必要があると認めるときの業務停止及び立入検査等を含む広範な監督に服しております。 ゆうちょ銀行は、銀行法及び関連業規制に基づき、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、自己資本の充実度合いを図る基準である自己資本比率について、自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること等が必要とされています。また、かんぽ生命保険は、保険業法及び関連業規制に基づき、法令に基づき定められた業務以外の業務を行うことができず、また、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断する指標の一つであるソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等が必要とされています。平成30年3月31日現在、ゆうちょ銀行の連結自己資本比率は17.43%、かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率は1,131.8%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しておりますが、近時の金融市場の状況に対応したリスク性資産の増加により、これらの比率は低下傾向にあることに加え、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更、新たな規制の導入等により、連結自己資本比率又は連結ソルベンシー・マージン比率が更に低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (b) 日本郵便に対する規制日本郵便は、当社グループの金融窓口事業に関連して、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、また、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督に服しております。また、日本郵便は、銀行代理業者として、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際の顧客への説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、生命保険募集人として、顧客に対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。日本郵便が上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可又は登録の取消しや業務の一部又は全部の停止を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (c) 当社に対する規制当社自身も銀行持株会社及び保険持株会社として、銀行法及び保険業法に基づき金融庁の監督に服するとともに、当社の連結自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること及び当社の連結ソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等が必要とされるほか、顧客の利益保護のための体制の整備や事業年度毎の規制当局に対する業務報告書等の提出の義務等を負っております。なお、平成30年3月31日現在、当社の連結自己資本比率は19.11%、連結ソルベンシー・マージン比率は722.7%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しておりますが、近時の金融市場の状況に対応したリスク性資産の増加により、これらの比率は低下傾向にあることに加え、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更等により、連結自己資本比率又は連結ソルベンシー・マージン比率が更に低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、国際的な監督規制では、システム上重要な金融グループに対する規制強化を図っているところですが、選定基準等、これらの規制を見直す動きがあり、その動向によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (d) 事業の前提となる許認可当社グループは、主として以下のような許認可等を受けております。許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項保険持株会社の認可保険業法第271条の18第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の30第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(かかる義務に基づき郵便局ネットワークを通じて行われる役務提供を、以下「ユニバーサルサービス」といいます。)。ユニバーサルサービスについては、平成25年10月に、総務大臣が「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」について、その諮問機関である情報通信審議会郵政政策部会に諮問を行い、同審議会において、平成27年9月28日に答申が出されました。答申において、ユニバーサルサービスの確保について、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、「また、国は、ユニバーサルサービス確保に向けたインセンティブとなるような方策について検討することが必要である」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされています。答申を受けて実施される政府の施策の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、情報通信審議会は郵政事業のユニバーサルサービスコストの試算を行っておりますが、審議会が独自に試算したものであり、当社グループが作成したものではありません。また、当社及び日本郵便は、それぞれ日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法に基づき、新規業務、株式の募集、取締役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定、定款の変更、合併、会社分割、解散等を行う場合には、総務大臣の認可(ただし、日本郵便の新規業務については総務大臣への届出)が必要とされています。また、金融2社は、銀行法又は保険業法に基づく規制に加え、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するため、郵政民営化法に基づき、新規業務、子会社対象金融機関等(ゆうちょ銀行)・子会社対象会社(かんぽ生命保険)の保有、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。さらに、郵政民営化委員会で見直しが議論されているところですが、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(郵政民営化法に基づく規制の詳細については、上記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項 ③ 郵政民営化法」をご参照ください。なお、金融2社におけるこれらの規制を、以下「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール公社を承継した機関として、当社、日本郵便、金融2社が政府調達協定その他の国際約束の適用を受ける物品等を調達する場合には、国際約束に定める手続の遵守が求められます。当社グループ各社の作為又は不作為により、かかるこれらのルールを遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは調達行為に遅れが発生する可能性があり、当初想定していた計画が実施できないなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 個人情報その他の機密情報の漏えいに関するリスク当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等を営んでおり、多くの顧客や取引先等から様々な情報を取得しているほか、事業・人事などに関する多数の情報を保有しております。これらの情報については、郵便法、銀行法、保険業法、金融商品取引法等のほか、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことが求められております。近年、企業・団体が保有する個人情報等の漏えいや不正なアクセス、サイバー攻撃等が多発しております。当社グループが保有する個人情報その他の機密情報が外部に漏えいした場合には、損害賠償や当該事案に対応するための費用、行政処分、社会的信用の毀損による顧客の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起又は開始されるリスクを有しており、一部ではありますが人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる場合等不利な判断がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 不正・不祥事に関するリスク当社グループは、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスの水準向上及び内部管理態勢の強化を経営上の最重要課題の一つとして位置づけ、グループ各社の役員・従業員に対して適切な指示、指導及びモニタリングを行う態勢を整備するとともに、不正行為等の防止のために予防策を講じておりますが、かかる態勢・予防策が常に十分な効果を発揮するという保証はなく、当社グループの役員・従業員による法令その他諸規則等の違反、社内規程・手続等の不遵守、不正行為、事故、不祥事等が生じる可能性があります。当社グループにおいては、平成21年度に従業員による顧客預金等の横領等不祥事が発覚し、監督当局から業務改善命令等の命令を受けましたが、不祥事の防止に向けた内部管理態勢の強化を図った結果、同命令に係る報告義務は解除されました。平成29年度には郵便局の管理者による郵便料金の収納に係る不適正事案が発覚しており、このような事案を含め、不祥事等が発生した場合には、被害者等に対して損害賠償責任を負い、監督官庁からの行政上の処分等を受ける可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損するおそれもあります。かかる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループは、あまねく全国に広がる郵便局ネットワークを通じて、多数の郵便物・荷物の配達や金融サービスの提供を行っております。当社グループの商品、サービス、事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物の管理上の不備・遅配・誤配及び破棄・紛失等、配達員による交通事故、銀行口座やクレジットカードの不正利用、キャッシュカードの盗難等の犯罪、サイバー攻撃等によるシステム・トラブルや個人情報その他の機密情報の漏えい、不正行為、顧客本位の業務運営(フィデューシャリ―・デューティー)に反する行為、反社会的勢力との取引、労働問題、ハラスメント(業務の適正な範囲を超える言動等)、事故、業務上のトラブル、社内規程・手続違反、不祥事等が発生した場合には、当社グループ及び当社グループ各社が提供するサービスに対する社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループ又は当社グループが行っている事業全般に対する風評・風説が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、また、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、当社グループが提供するサービスの公益性、事業規模、社会における認知度・注目度等を背景に、当社グループは、顧客や市場関係者等から、否定的理解・認識をされ、又は、強い批判がなされる可能性があり、それにより当社グループ、商品、サービス、事業のイメージ・社会的信用が毀損し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 固定費負担に関するリスク当社及び日本郵便は、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(上記「2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」をご参照ください。)。当社及び日本郵便は、かかるユニバーサルサービス提供義務に基づき、郵便、銀行、保険の各サービスを、全国に広がる郵便局ネットワークを通じて全国の顧客に提供しております。そのため、当社グループの郵便・物流事業及び金融窓口事業においては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費等の多額の固定費に加え、多数の郵便局員その他の従業員の給与等の人件費が発生しており、労使交渉・労働法制の変更等を受けて従業員への給与等を増額した場合には、それが一人あたりは比較的小さな増額であっても、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、高齢化による社会保障負担の増大や厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げなどによる福利厚生費の上昇も想定されます。 当社及び日本郵便は、今後、地方における過疎化の進展、企業活動又は個人の消費活動の縮小、電子メール等インターネットやウェブサイトを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、当社グループが郵便局を通じて提供するサービスの利用が減少した場合であっても(下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (2) 郵便物等の減少に関するリスク」をご参照ください。)、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があり、収益性の低い事業又は拠点等を縮小する等の対応が制限されているため、かかる方法により固定費を削減することが困難となる可能性があります。従って、上記の事情等により当社グループが郵便局を通じて提供するサービスに対する需要が減少し、郵便物や荷物の取扱数量又は郵便局窓口での金融・保険商品の販売量が減少した場合、当社グループの提供する商品及びサービスの内容、対象若しくは対価を変更し若しくはその提供を中止し、又は、郵便局ネットワークを縮小するなどの対応ができず、又は、制約され、かかる固定費に見合った収益を上げられない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 郵便局等に係る設備の老朽化に関するリスク日本郵便は、全国各地に所在する郵便局等多数の建物を保有しており、その中には老朽化の進んだ古い建物が多数含まれており、日本郵便はかかる設備等に対して、必要な老朽化対策工事を集中的に行っており、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、老朽化対策工事の対象となる日本郵便の建物の一部には、アスベストが使用されていることが判明しており、今後多くの建物でアスベストの存在が確認され、法令に基づく飛散防止措置としてアスベストの除去を行うことが必要となった場合には、多額のアスベスト除去費用及び関連の工事費用が生じる可能性があります。 (3) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク当社グループは、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。しかしながら、当社グループのリスク管理は、過去の経験・データに基づいて構築されているため、将来発生するリスクを正確に予測することができず、新しい業務分野への進出や外部環境の変化等によりリスク管理が有効に機能しない可能性があります。また、当社グループがリスク管理の方針及び手続を策定する際、参考又は前提とした情報が真実性、正確性、完全性又は合理性に欠ける場合には、当社グループのリスク管理の有効性に悪影響を与える可能性があります。さらに、当社グループの事業に内在するリスクを管理するためには、膨大な取引や事象の適切な記録、審査、調査等に係る方針及び手続の有効性や効率性等が重要ですが、かかる方針や手続が万全とは言えない可能性があります。当社グループは、経営環境、リスクの状況等の変化に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行い、万全のリスク管理態勢を構築するよう努めておりますが、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない場合や、欠陥が発生した場合等には、当社が予期していなかった損失を被る可能性や、当社グループ各社が行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業拡大に伴い、リスク管理態勢の増強も必要となりますが、事業の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分ではない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報通信システムに関するリスク当社グループの郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業のそれぞれにおいて、コンピュータシステムは、顧客や各種決済機構等のシステムとサービスの提供に必要なネットワークで接続されるなど極めて重要な機能を担っております。これらについて、地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の自然災害やテロリズム等の外的要因に加えて、人的過失、事故、停電、ハッキング、コンピュータウィルスの感染、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により重大なシステム障害や故障等が発生する可能性があります。こうしたシステムの障害、故障等が生じた場合に、業務の停止・混乱等及びそれに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損、対応や対策に要する費用等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、基幹ITシステムを含む当社グループのITシステムのアップグレードを行っており、かつ、新規のシステム投資を行うこともありますが、かかる作業の遅延、失敗、多額の費用発生により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 人材の確保に関するリスク当社グループにおいては、郵便・物流事業に従事する配達又は運送に係る車両の運転手を必要としておりますが、昨今の労働力不足により十分な数の運転手の確保が困難となる可能性があります。 また、当社グループは、銀行業務、保険業務、保険数理、資産運用、会計、金融業規制、法令遵守、IT等に係る資格、高度の専門性及び経験を有する有能な人材を必要としており、新規採用・中途採用を通じ、人材の確保に努めるとともに、かかる人材の育成にも努めております。併せて、女性の労働力確保を含め、ダイバーシティ・マネジメントを推進することとしており、多様な社員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、制度や環境の整備等に努めております。しかしながら、当社グループが魅力的な条件を提供できず、有資格者や有能で熟練した人材の採用若しくは育成及び定着を図ることができなかった場合、又は、適切な育成環境を整備できない場合や、人事処遇や労務管理等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、当社グループの事業の競争力若しくは業務運営の効率性が損なわれ、又は人材の適合性、多様性を確保することができず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) グループ外の企業との資本・業務提携、外部委託及び企業買収に伴うリスク当社グループは、当社グループ外の企業との間で、様々な業務に関し、資本提携、業務提携、外部委託を行っております。このようなグループ外の資本・業務提携先、外部委託先との間における、戦略上若しくは事業上の問題又は目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りのシナジー効果が得られない可能性も否定できません。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性や当社グループが行った投資を回収できない可能性があります。また、資本・業務提携先、外部委託先において、業務遂行上の問題が生じ、商品・サービスの提供等に支障をきたす場合、顧客情報等の重要な情報が漏えいする等の事故、違法行為、不正行為、不祥事等が発生した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが、他の企業を買収するに当たっては、買収先企業や買収先事業を効果的かつ効率的に当社グループの事業と統合できない可能性、買収先企業の重要な顧客、仕入先、その他関係者との良好な関係を維持できない可能性、買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性などがあります。また、想定した事業環境と異なる状況が発生する可能性、経営陣を含む人材の流出・不足等の可能性などがあります。このような事象が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、トール社の買収に関するリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (4) 国際物流事業に関するリスク ① トール社の買収に関するリスク」をご参照ください。 (7) 業務範囲の拡大等に伴うリスク当社及び金融2社は、新たな収益機会を得るために新規業務を行う場合、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を得る必要があるなど、当社グループによる新規事業の展開を含む業務範囲の拡大には一定の制約が伴います(上記「2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」をご参照ください。)。例えば、金融2社は新商品又は新サービスの導入にあたって、郵政民営化法に基づく認可を取得する必要がありますが、当該認可が得られない可能性や認可取得のために各社の計画どおりの時期又は内容で新商品を投入又は新サービスを提供できない可能性があります。また、当社グループが、業務範囲を拡大することができたとしても、限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合や業務拡大により過度の人的・物的負担が生じた場合等において、業務範囲の拡大が功を奏する保証はなく、当初想定した成果をもたらさず、又は損失が発生する可能性があります。さらに、日本郵便は、アジア市場への展開を中心に、国際的な物流事業を手掛ける総合物流事業者として、事業の収益性を高めるため、トール社の買収、ジオポスト及びレントングループとの事業提携による国際宅配事業への進出など国際的な事業展開を推進しております。しかしながら、当該地域及び関係する地域における法制度・税制、経済・政治情勢の悪化、市場成長性の鈍化、競争の激化、為替の変動、伝染病の流行による混乱、海外における業務提携先や取引先との関係の悪化、訴訟・規制当局による行政処分等、海外における事業展開には、これに内在する様々なリスクが存在します。かかるリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、トール社の買収に関するリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (4) 国際物流事業に関するリスク ① トール社の買収に関するリスク」をご参照ください。 (8) 中期経営計画に関するリスク当社グループは新中期経営計画を策定し、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等の業務に係る中期的な事業戦略・方針を定めております。しかしながら、これらの施策については、当社グループの各事業における目標を達成できない可能性があるとともに、本「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の各リスク等が内在しています。また、将来においても、当社グループによる上記施策の実施を阻害するリスクが高まったり新たなリスクが生じたりする可能性もあります。さらに、新中期経営計画は、国内外の市場金利、為替、株価、経営環境(現在予定されている消費税増税を含む。)、競争状況、営業費用等多くの前提に基づいて作成されております。当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合には、当該計画における目標を達成できない可能性があります。さらに、金融2社が保有する有価証券の評価損の資本直入から十分な配当可能額が確保できず、当該計画における目標を達成できない可能性もあります(有価証券の評価損に関しては、下記「Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスク」及び「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (2) 資産運用に関するリスク」をご参照ください。)。また、当社は将来的な国際会計基準(IFRS)の適用を検討しており、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク(1) 固定資産の減損損失に関するリスク当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業及び国際物流事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 繰延税金資産に関するリスク当社グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で、貸借対照表において繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 退職給付債務に関するリスク当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は、前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、従業員の退職が一定期間に集中するような場合には、退職給付金の支払いのために多額の資金が必要となり、その結果、通常業務又は設備投資等への資金充当の柔軟性に制約が生じる可能性があります。 (4) 財務報告に係る内部統制に関するリスク当社は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書を提出すること及び監査法人による監査を受けることを義務付けられております。当社グループは、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程等を制定し、財務報告に係る内部統制について必要な体制を整備しております。また、評価の過程で発見された問題点等は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、財務報告に係る内部統制が有効でない場合には、当社グループの財務報告の適正性を確保できず、その信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 管理会計等に係る内部管理に関するリスク本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が含まれております。当社は、これらについても正確性の確保に努めておりますが、有効でない場合等には、当該数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 格付けの低下に関するリスク当社は、格付機関より信用格付を取得しておりますが、財務内容の悪化、日本国債の格下げ等により当社の信用格付が格下げとなった場合、著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (1) 郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスク郵便・物流事業においては、近年のeコマース市場の拡大に伴う宅配便需要の急激な増加とこれによる労働力の不足といった経営環境の急激な変化が顕在化しており、他の主要な物流事業者等においては、基本運賃や大口顧客向け特約運賃の値上げを含む契約条件の改定、配達時間帯や再配達に係るサービス内容の見直し、労働環境又は労働条件の改善のための取組みを行っているものも見受けられます。当社グループがこのような経営環境の変化に適時かつ適切に対応できなかった場合、当社グループの競争力、収益性、人材の確保等に影響し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 郵便物等の減少に関するリスク電子メール、SNSやスマートフォンの普及に加え、当社グループの顧客におけるコスト削減を目的とした、請求書や取引明細書等の電子メール送信・WEB閲覧の浸透等の影響により、郵便物数は年々減少を続けており、今後もかかる傾向は継続することが予想されます。また、当社グループの郵便・物流事業における重要な収益の柱となっている年賀状の配達数も年々減少傾向にあり、国民の生活様式や社会慣行の変化等の要因により、今後も減少傾向が進む可能性があります。また、日本郵便は、人件費単価の上昇や、大型の郵便物等の増加を背景とした持戻り・再配達の増加等に伴い、引き続き安定的なサービスの提供を維持するため、平成29年6月1日に第二種郵便物及び定形外郵便物の料金並びにゆうメールの運賃の改定を、平成30年3月1日にゆうパックの運賃の改定等をそれぞれ行いました。 さらに、平成31年用年賀葉書から、平成29年6月1日の料金改定の際に据え置いた年賀葉書の料金を、通常葉書の料金と同額に改定することとしました。これら今般又は将来の郵便料金等の改定により、当社グループが取り扱う郵便物等の数に影響を及ぼす可能性があります。これらの事情により、当社グループの郵便・物流事業において取り扱う郵便物等の数が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融2社からの金融窓口業務の受託に関するリスク日本郵便が金融2社との間で締結している銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づく平成30年3月期における各社からの受託手数料は、それぞれ5,981億円及び3,722億円であり、それぞれ当社グループの金融窓口事業セグメントにおける経常収益の約44%及び約27%を占めており、かかる受託手数料は今後も当社グループの金融窓口事業における収益の重要な部分を占めることとなるものと考えられます。受託手数料は、銀行法・保険業法に定められたアームズレングスルール等を遵守することが求められており、恣意的な変更が行われることは想定しておりませんが、今後、上記各窓口業務契約等が、合理的な理由に基づき受託手数料の額を減額する又は対象となる業務の範囲を限定する等、日本郵便にとって不利に改定された場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。また、特にゆうちょ銀行から受け取る受託手数料については、ゆうちょ銀行の直営店での業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績に基づいて委託業務コストに見合う額が算出されるため、ゆうちょ銀行において業務コストの削減が行われた場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。さらに、これらの受託手数料の一定部分は、日本郵便において取り扱われた業務の量にかかわらず一定の計算方法により算定されるものとされていますが、今後仮に金融2社が日本郵便における業務量に比例する受託手数料の割合を高めようとする場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。なお、平成30年6月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が成立しました(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 参考2 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要」をご参照ください。)。これによって、平成32年3月期から金融2社と日本郵便との間の委託手数料の一部が交付金・拠出金となることにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、今後も簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、日本郵便と金融2社との関係を引き続き強化していく所存であり、当社が金融2社の株式を処分したことにより当社による両社への影響力が低下・消滅した場合においてもこの関係は変わるものではないと当社としては考えております。しかし金融2社はユニバーサルサービスの提供に係る法的義務を負うものではなく(上記「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」をご参照ください。)、金融2社が、郵便局ネットワークに代替する販売チャネル(例えば、ATMの相互利用、オンライン取引、グループ外の企業への委託を含みますがこれらに限られません。)をより重視するようになった場合等や、窓口業務の健全・適切な運営確保の観点から特段の事由が生じた場合等、銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等の解除が発生した場合には、当社グループの金融窓口事業の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 国際物流事業に関するリスク① トール社の買収に関するリスク日本郵便が買収したトール社の業績が大きく悪化したことに伴い、当社の平成29年3月期の連結決算において、国際物流事業に係るのれん及び商標権の全額3,923億円並びに有形固定資産の一部80億円(合計4,003億円)の特別損失(減損損失)を計上いたしました。このような状況を受け、人員削減や部門の統廃合等によるコスト削減施策を中心としたトール社の業績回復・将来の成長への基盤を整えるための対策やトール社の高成長地域への集中及び高成長分野への進出等の成長戦略を講じているところですが、かかる経営改善策及び成長戦略が功を奏せず、トール社の業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社はこれまで複数のM&Aを行い、事業統合を実施している過程にありますが、当社グループとの事業統合も含め統合が予定通り進捗しない場合には、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消されないこと、複雑な業務及び設備、並びに異なる地理的エリアに存する多様な企業風土と異なる言語に基づく従業員を十分に管理できないこと、トール社と競合関係にある同業他社が、トール社より優れた革新的な商品、サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ITシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、更には、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループとして想定した買収効果を得ることができない可能性や当社グループ又はトール社の既存事業に負の効果を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、上記のとおり、平成29年3月期においてトール社の買収にかかるのれん及び商標権については全額減損損失を計上したことにより、のれん及び商標権に関して追加の減損損失が発生することはありませんが、今後トール社の業績が悪化した場合には、トール社の保有する物流設備その他の固定資産についても減損損失を計上し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、このような当社グループの国際的な事業展開に伴うリスクについては、上記「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 3.事業運営に関するリスク (7) 業務範囲の拡大等に伴うリスク」もご参照ください。 ② 資源価格の下落及び豪州経済の減速等に関するリスク国際物流事業におけるトール社の事業は、エクスプレス事業、フォワーディング事業及びロジスティクス事業に区分されるところ、特に豪州国内物流を中心とするエクスプレス事業の業績は、資源価格を中心とする豪州経済による影響を大きく受けております。今後、資源価格が下落し、豪州経済が低迷した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ トール社に適用される規制等国際物流事業を担うトール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクト物流(3PL)等の国際的な事業活動を行っており、関連する国・地域の事業許可や租税に係る法・規制、運送、貿易管理、贈収賄防止、独占禁止、為替規制、環境、各種安全確保等の法・規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 為替変動のリスク国際物流事業を担うトール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されていることから、大幅な為替相場の変動が生じた場合、外貨建ての資産・負債等が当社の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 金利変動のリスクトール社は、継続的に設備投資等を行っており、投資にあたっては自己資金を投入しているほか、金融機関からの借入等に依存する割合も少なくありません。トール社による金融機関からの借入等の利息は、将来の金利動向によっては資金調達コストの上昇による影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 不動産事業に関するリスク当社グループは、金融窓口事業において、事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業のほか、分譲住宅事業等の不動産事業を営んでおり、営業・投資等を目的とする不動産を所有しております。しかし、国内外の景気又は特定地域の経済状況や人口、市場における需給等の変化により、不動産価格や賃貸料の下落、空室率の上昇、建築資材の価格や工事労務費の高騰、たな卸資産の増加、さらに、法的規制の変更、大規模災害等の発生等の影響を受ける可能性があります。これらの事象により、当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼしたり、減損損失や評価損が発生する可能性があります。また、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスクゆうちょ銀行が保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。ゆうちょ銀行では、中長期的に安定的収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の他、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、大幅な市場変動等によりかかる管理が十分に機能しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、また、中長期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券、オルタナティブ投資等への運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。 ① 金利リスクゆうちょ銀行が保有する日本国債(平成30年3月末日現在、62.7兆円・ゆうちょ銀行の総資産額の29%)や外国証券(平成30年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は59.2兆円・ゆうちょ銀行の総資産額の28%)などの金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当連結会計年度末現在において、日本国債の一部の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、さらに、今後の金融政策の動向によりかかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場金利の変動は、ゆうちょ銀行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失や売却損等が生じ、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、定額貯金(平成30年3月末日現在、97.2兆円・総貯金額の54%。預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)について、急激な市場金利上昇等により、事前のリスク管理の想定を超える貯金流出や預け替えが発生した場合にも、計画以上の運用原資の減少や調達コストの上昇を通じて、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替リスクゆうちょ銀行は、収益源泉・リスクの分散を目的に、運用の高度化・多様化の一環として国際分散投資を進め、外国証券の保有が増加しておりますが、外貨建て資産の一部については為替リスクを軽減するヘッジを行わない、又は短期のヘッジを行うことがあります。その結果、大幅な為替相場の変動が発生した場合、ヘッジしていない部分に差損が発生し、又はヘッジコストが上昇すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 株式価格変動リスクゆうちょ銀行は、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に、株式を保有することがあることから、国内外の経済状況又は市場環境の悪化や低迷等によって株価が下落する場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市場流動性リスク経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等には、ゆうちょ銀行が国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 資金流動性リスクゆうちょ銀行の業績や財政状態の悪化、風評等の発生や、予期せぬ資金流出、運用と調達の期間のミスマッチ(差異)等、また、ゆうちょ銀行の収益力・信用力の低下、日本国債の格下げ等の影響を受けたゆうちょ銀行の格付の引き下げにより、円貨・外貨の必要資金確保が困難になる、又は、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、損失を被る可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 信用リスクゆうちょ銀行が保有する社債等の有価証券の発行者や投資先、貸出先の債務者等において、国内外の経済情勢(景気・信用状況等)や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事等の発生、その他不測の事態により、財政状態が悪化する可能性があります。その結果、ゆうちょ銀行の与信関係費用が増加、ゆうちょ銀行が保有する有価証券等の価値が下落すること等により、当社グループの事業、業績、財政状態及び自己資本の状況に影響を及ぼす可能性や、中長期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券への運用、プライベート・エクイティその他のオルタナティブ投資等、運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性があります。 (5) オペレーショナル・リスク等ゆうちょ銀行の業務においては、事務リスク、システムリスク、情報資産リスク、訴訟等に係るリスク、人事リスク、レピュテーショナル・リスク、法令違反等(横領その他の犯罪行為、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、インサイダー取引規制等違反、お客さまの属性に照らし不適合な顧客説明や資産運用商品の販売等)に係るリスク、災害リスク等のオペレーショナル・リスクが存在します。ゆうちょ銀行が、これらのオペレーショナル・リスクを適切に管理できず、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 代理店を通じた営業に係るリスクゆうちょ銀行は、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便に銀行代理業務等を委託しています。ゆうちょ銀行の店舗24,019店舗(平成30年3月31日現在)のうち23,785店舗が代理店(郵便局)となっており、ゆうちょ銀行の貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、ゆうちょ銀行の事業は、代理店である日本郵便の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しています(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上等により、ゆうちょ銀行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱うゆうちょ銀行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、また、ゆうちょ銀行の代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便が人材等のリソースをゆうちょ銀行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、ゆうちょ銀行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、相当額の委託手数料を日本郵便に対して支払っておりますが、当該委託手数料の算定方法その他の条件がゆうちょ銀行と日本郵便との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 事業環境等に係るリスク① ユニバーサルサービスの提供に係るリスクゆうちょ銀行は、日本郵便との間で銀行窓口業務契約を締結しており、日本郵便は全国の郵便局で、ゆうちょ銀行の基本的な商品・サービスを、日本郵便株式会社法に基づくいわゆるユニバーサルサービス提供に係る法的責務の履行として提供しています(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。ゆうちょ銀行は、法令上この責務を直接負わないものの、郵便局で使用するATM・窓口端末機など銀行委託業務に係るITシステムの導入・運行コストとともに(なお、当該ITシステムはゆうちょ銀行が所有)、同業務に従事する日本郵便の従業員の指導・教育等を通じ、ユニバーサルサービス提供に係る一定のコストを負担しております。なお、銀行窓口業務契約は、期限の定めがなく、また、本契約に定める特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り、解除できないものと定めています。また、ゆうちょ銀行の定款には、日本郵便と銀行窓口業務契約を締結する旨規定しているため、当該契約を終了させる場合には、ゆうちょ銀行の定款の変更を要します。従って、日本郵便がユニバーサルサービスの提供責務を果たすために必要と考える限り、ゆうちょ銀行は、各郵便局でゆうちょ銀行の基本的な商品・サービスの提供を継続することとなり、その結果、より収益性の高い業務や地域への経営資源配分が制約されること等により、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等がなされた場合には、その内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、平成30年6月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が成立しました(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 参考2 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要」をご参照ください。)。これによって、平成32年3月期から金融2社と日本郵便との間の委託手数料の一部が交付金・拠出金となることにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 経済・社会情勢、市場に係るリスクゆうちょ銀行が行う当社グループの銀行業は、その収益の多くが日本国内での貯金調達や国内外での有価証券運用によって得られており、国内外の景気・信用状況や人口動態等の経済・社会情勢、金利・為替等の市場の変動・悪化が、当社グループの銀行業における業績及び財政状態に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、消費税率の引き上げによる家計の可処分所得の低下や、少子高齢化に伴い、日本の貯蓄率・預金水準が低下し、ゆうちょ銀行の貯金残高が減少する可能性があります。また、国内外の金融市場に混乱等が生じた場合、ゆうちょ銀行の事業の低迷や資産内容の悪化、資金調達力・資産流動性の低下等が生じる可能性があります。このような場合、中長期的な安定的収益の確保を目的とした運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。 (8) 事業戦略・経営計画に係るリスクゆうちょ銀行は、「『やっぱり、ゆうちょ』と言われることを、もっと。」のスローガンの下で、「お客さま本位の良質な金融サービスの提供」、「運用の高度化・多様化」、「地域への資金の循環」、「経営管理態勢の強化」に取り組むとともに、平成30年度から平成32年度までを計画期間とする新たな中期経営計画で掲げた経常利益や当期純利益等の経営目標の達成を目指しております。しかしながら、これらに向けたゆうちょ銀行の事業戦略・経営計画は、各種のリスクにより実施が困難となり、又は有効でなくなる可能性があります。また、事業戦略・経営計画の策定時に前提とした各種の想定が想定通りとならないこと等により、当初計画した成果が得られない可能性もあります。特に、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が計画策定時の想定通り安定推移しなかった場合、例えば、市場金利の低下による運用利回りの減少によって収益計画が達成できない可能性や、国際分散投資等の高度化・加速を継続していく中で、適切なポートフォリオ分散を達成できない可能性、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。さらに、平成29年3月期第2四半期以降に満期が集中している定額貯金の再預入や、投資信託の販売、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定通り進捗しなかった場合、総預かり資産の拡大等の計画が達成できなくなる可能性があります。また、有価証券の評価損の資本直入、減損損失、売却損の計上により十分な配当可能額が確保できない等、当該計画における目標を達成できない可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅳ.生命保険業に関するリスク (1) ユニバーサルサービスの提供に関するリスク上記「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」のとおり、郵政民営化法上、当社及び日本郵便は、ユニバーサルサービスの提供義務を負っており、日本郵便は、郵政民営化法上のかかる規定を遵守するため、かんぽ生命保険と生命保険募集・契約維持管理業務委託契約及び保険窓口業務契約を締結してかんぽ生命保険の保険代理業務を受託し、全国の各郵便局において、かんぽ生命保険の商品及びサービスを提供しております(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。特に、保険窓口業務契約は、期間の定めのない契約であり、特段の事情がない限りかんぽ生命保険から一方的に解除することはできないこととされております。また、かんぽ生命保険の定款上、かんぽ生命保険は日本郵便との間で、保険窓口業務契約を締結する旨の規定が存在し、当該契約を終了させる場合にはかんぽ生命保険の定款変更が必要となります。従って、かんぽ生命保険が日本郵便との間の保険窓口業務契約を終了させるには、これらの手続等を充足する必要があります。このように、かんぽ生命保険が、ユニバーサルサービスの提供義務を負う日本郵便との間で、解除することが困難な保険窓口業務契約を締結することで、日本郵便がユニバーサルサービスを提供する上での関連保険会社としての地位を維持する契約上の義務を負うため、当社グループの生命保険事業における柔軟な事業展開が困難となり、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等がなされた場合には、その内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、平成30年6月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が成立しました(下記「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 参考2 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要」をご参照ください。)。これによって、平成32年3月期から金融2社と日本郵便との間の委託手数料の一部が交付金・拠出金となることにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 資産運用に関するリスク① 国内金利に関する市場リスクかんぽ生命保険では、保険契約の引受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理し、損益の安定を図る目的で、資産と負債のバランスを考慮してリスクコントロールを行う、ALM(Asset Liability Management:資産・負債の総合的な管理)を行っております。かんぽ生命保険がALMを適切に行えなかった場合又はかんぽ生命保険のALMによって対処可能な程度を超えて市場環境が大きく変動した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、かんぽ生命保険の資産構成においては、円金利資産の割合が高く、かんぽ生命保険の契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であることから、資産と負債のデュレーションのミスマッチによる国内金利の変動リスクを有しております。具体的には、平成28年2月の日本銀行によるマイナス金利政策導入以降、低金利環境が継続しておりますが、かんぽ生命保険が既に保有している保険契約の予定利率は変わらないことから、当初想定していた運用収益が確保できない、あるいは逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均運用利回りが既契約の責任準備金の積立てに用いた予定利率を下回る現象)となる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内金利が現在の水準より上昇した場合には、資産運用利回りが上昇することにより、利息収入などの収益が向上する一方、債券価格の下落等による評価損・減損損失や売却損等が発生する可能性があります。加えて、保険契約者がより高い収益を得られる別の金融商品へ資金を移動させることにより、保険契約の解約が増加する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② ①以外の市場リスクかんぽ生命保険の保有する外貨建資産に係る為替リスクがヘッジされていない部分について、為替相場の変動が発生した場合や、為替リスクをヘッジしていたとしても、国内外の金利差拡大によりヘッジコストが高まり、これまでの条件でロールによる為替予約ができなくなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、外国金利の変動により、かんぽ生命保険の保有する外国証券の価値が下落した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、かんぽ生命保険において、国内外の経済状況又は市場環境の悪化や低迷等によって、保有している株式の価格が下落した場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、オルタナティブ運用などの資産運用の多様化が、期待した結果を生まない可能性があります。 ③ 信用リスクかんぽ生命保険の取引先・投資先・かんぽ生命保険が保有する有価証券の発行者において、国内外の景気動向や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事の発生、国家間紛争等その他不測の事態により、財政状態が悪化した場合には、信用リスク及び与信関係費用が増加し、又はかんぽ生命保険が保有する有価証券の価値が下落すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、外債運用などの資産運用の多様化が、期待した結果を生まない可能性があります。 (3) 市場流動性・資金繰りに関するリスク① 市場流動性リスク金融市場の混乱等により、市場において正常に金融商品の取引・資金決済ができなくなった場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることになった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の金融市場及び経済状況の悪化等により、市場の流動性が減退した場合は、かんぽ生命保険の保有する資産の売却可能性や価値が減少する可能性があります。 ② 資金繰りリスクかんぽ生命保険の財務内容の悪化等による新契約の減少に伴う保険料収入の減少、大量解約に伴う解約返戻金支出の増加、巨大災害に伴う保険金の大量支払による資金流出等により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく低い価格での資産売却を余儀なくされることにより損失を被った場合には、当社グループの業務運営、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 商品の集中に関するリスクかんぽ生命保険の取り扱う商品は、個人向け生命保険に集中しております。個人向け生命保険については、国内の雇用水準及び家計所得水準、代替商品であるその他の商品に対する相対的魅力、保険会社の財務健全性、社会的信用に対する一般的な認識、出生率及び高齢化等日本の人口構成に影響を与える長期的な人口動態等の要因が、新規契約数や既存契約の解約率に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 日本の人口動態に関するリスク昭和40年代半ば以降、日本の出生率は総じて徐々に低下する傾向にあり、現在は世界で最低の水準にあります。これらの結果、15歳から64歳までの人口は減少傾向が続いており、この傾向が、日本国内における生命保険の総保有契約高の減少の主要な要因であると考えております。また、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、15歳から64歳までの人口は、今後も減少し続けるであろうと予測しております。かんぽ生命保険の顧客基盤は中高年層に強みがありますが、もし、これらの傾向が続き、青壮年層における生命保険に対する需要が減少する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 保険料設定に関するリスクかんぽ生命保険は、保険の種類及び内容、契約時の被保険者の年齢、性別、保険金額等を考慮して、計算基礎率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)等に基づいて保険料を設定しておりますが、実際の死亡率が事前に設定した予定死亡率を超過した場合、実際の運用利回りが事前に設定した予定利率を下回った場合、実際の経費が事前に設定した予定事業費を超過した場合には、保険期間中の保険料等の受取総額を、保険金・経費等の支払総額が上回ることにより損失が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。他方、かんぽ生命保険は、標準利率の引下げ等を受け、平成28年8月及び平成29年4月に商品の予定利率を引き下げ、保険料の値上げを実施しておりますが、今後も保険料の値上げを行う可能性があります。かかる保険料の値上げにより、かんぽ生命保険による新契約獲得数が減少する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 責任準備金の積立に関するリスクかんぽ生命保険
FY2017|29,986 文字
4 【事業等のリスク】以下において、当社及び当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しておりますが、これらに限定されるものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済情勢その他の事業環境の変動に伴うリスク当社グループが行う事業のうち、郵便・物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業等は、その収益の多くが日本国内において生み出されるものであるため、主として国内における金利の動向、金融市場の変動、消費税増税、少子高齢化の進展、eコマース市場の動向、賃金水準の変動、不動産価格の変動、預金水準等の影響を受けます。また、当社グループは、国際物流事業において、日本郵便の子会社であるトール社が、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクト物流(3PL)等の国際的な事業活動を行っており、各国・地域における経済情勢・金融市場その他事業環境の変動による影響を受けます。したがって、かかる国内外の経済情勢・金融市場その他事業環境の変動により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(金利の動向に係るリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (4) 国際物流事業に関するリスク ⑤ 金利変動のリスク」、「Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスク ① 金利リスク」及び「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (2) 資産運用に関するリスク ① 国内金利に関する市場リスク」の記載を、郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (1) 郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスク」をそれぞれご参照ください。)。例えば、我が国においては、長期に亘る少子高齢化の影響を受け、生産年齢人口が減少し続けており、こうした状況のもと、貯蓄の減少、保険契約の減少、経済規模の縮小による郵便物数の減少等が生じた場合には、当社グループ全体の事業規模が縮小する可能性があります。これらの事情により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合に関するリスク当社グループが行う事業は、いずれも、激しい競争状況に置かれております。当社グループと競合関係にある同業他社は、当社グループより優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、資金調達手段、事業拠点、ATMや物流拠点その他のインフラ又はネットワーク等を有する可能性があります。例えば、日本郵便が行っている郵便・物流事業についても、信書便事業者や他の物流事業者等と競合関係にあり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生した場合、又は、競争激化により当社の事業、シェア若しくは収益の動向が当社グループの想定どおりに進捗しなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行が行っている銀行業、及びかんぽ生命保険が行っている生命保険業は、同業他社等と競合関係にあります。今後、両社が金融サービスに対する顧客ニーズの変化や市場構造の変化等に適切に対応できなかった場合、又は、両社が競合他社に対して優位に立てない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和が行われております。当社グループ各社が市場構造の変化に対応できなかった場合や規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、当社グループの郵便事業と競合する一般信書便事業については、民間事業者による信書の送達に関する法律(以下「信書便法」といいます。)に基づき、一定の参入条件が課された許可制とされており、現時点において同事業に参入している民間事業者はおりません。しかしながら、信書便法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、平成27年6月に改正信書便法が成立し、特定信書便役務の範囲の拡大等の改正が行われております。 (3) 大規模災害等の発生に伴うリスク当社グループは、日本全国にわたる幅広い事業活動に加えて、トール社が国際的な事業活動を行っており、各国・地域における地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の大規模自然災害、新型インフルエンザやエボラ出血熱等の感染症の大流行、戦争、テロリズム、武力衝突等の人的災害、水道、電気、ガス、通信・金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、又は当社グループの店舗、その他の設備や施設の損壊その他正常な業務遂行を困難とする状況等が生じた場合、当社グループの業務の全部若しくは一部が停止し、又は、運営に支障をきたすおそれがあり、また、設備やインフラの回復、顧客等の損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。また、かかる状況下において当社グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生に伴う経済・社会活動の沈滞等の影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは生命保険子会社としてかんぽ生命保険を保有していることから、大地震その他の大規模災害や新型インフルエンザのような感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合に、かんぽ生命保険による保険給付に関し、通常の想定を超える債務を負うリスクにさらされております。同社は、保険業法の基準に従って危険準備金を積み立てておりますが、予想を超える大規模災害等の発生により危険準備金を超えるような保険金・給付金の支払いが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、当社グループは、同業他社に比して、新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約されるため、競争力を失い、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便事業は当社の連結子会社である日本郵便が独占的に行うこととされておりますが、郵便約款の変更や業務委託の認可制、全国一律料金制度、定形郵便物の料金制限、郵便料金の届出制(第三種郵便物及び第四種郵便物については認可制)といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制当社グループの銀行業及び生命保険業においては、これらの事業に一般的に適用される銀行法及び保険業法といった金融業規制を受けております。 (a) ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険に対する規制銀行業を営む当社の連結子会社であるゆうちょ銀行及び生命保険業を営む当社の連結子会社であるかんぽ生命保険(両社について、以下「金融2社」と総称します。)は、それぞれ銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督を受けており、内閣総理大臣からの委任を受けた金融庁長官による、法令違反等による免許取消し並びに業務の健全性かつ適切な運営を確保する等のために必要があると認めるときの業務停止及び立入検査等を含む広範な監督に服しております。 ゆうちょ銀行は、銀行法及び関連業規制に基づき、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、自己資本の充実度合いを図る基準である自己資本比率について、単体自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること等が必要とされています。また、かんぽ生命保険は、保険業法及び関連業規制に基づき、法令に基づき定められた業務以外の業務を行うことができず、また、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断する指標の一つであるソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等が必要とされています。平成29年3月31日現在、ゆうちょ銀行の単体自己資本比率は22.22%、かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率は1,290.6%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しておりますが、近時の金融市場の状況に対応したリスク性資産の増加により、これらの比率は低下傾向にあることに加え、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更、新たな規制の導入等により、単体自己資本比率又は連結ソルベンシー・マージン比率が更に低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (b) 日本郵便に対する規制日本郵便は、当社グループの金融窓口事業に関連して、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、また、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督に服しております。また、日本郵便は、銀行代理業者として、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際の顧客への説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、生命保険募集人として、顧客に対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。日本郵便が上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可又は登録の取消しや業務の一部又は全部の停止を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (c) 当社に対する規制当社自身も銀行持株会社及び保険持株会社として、銀行法及び保険業法に基づき金融庁の監督に服するとともに、当社の連結自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること及び当社の連結ソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等が必要とされるほか、顧客の利益保護のための体制の整備や事業年度毎の規制当局に対する業務報告書等の提出の義務等を負っております。なお、平成29年3月31日現在、当社の連結自己資本比率は23.80%、連結ソルベンシー・マージン比率は922.0%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しておりますが、近時の金融市場の状況に対応したリスク性資産の増加により、これらの比率は低下傾向にあることに加え、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更等により、連結自己資本比率又は連結ソルベンシー・マージン比率が更に低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (d) 事業の前提となる許認可当社グループは、主として以下のような許認可等を受けております。許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項保険持株会社の認可保険業法第271条の18第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の30第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 現時点におきましては、上記許認可等が取消しとなるような事由は生じておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(かかる義務に基づき郵便局ネットワークを通じて行われる役務提供を、以下「ユニバーサルサービス」といいます。)。ユニバーサルサービスについては、平成25年10月に、総務大臣が「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」について、その諮問機関である情報通信審議会郵政政策部会に諮問を行い、同審議会において、平成27年9月28日に答申が出されました。答申において、ユニバーサルサービスの確保について、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、「また、国は、ユニバーサルサービス確保に向けたインセンティブとなるような方策について検討することが必要である」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされています。答申を受けて実施される政府の施策の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、情報通信審議会は郵政事業のユニバーサルサービスコストの試算を行っておりますが、審議会が独自に試算したものであり、当社グループが作成したものではありません。また、当社及び日本郵便は、それぞれ日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法に基づき、新規業務、株式の募集、取締役の選解任及び監査役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定、定款の変更、合併、会社分割、解散等を行う場合には、総務大臣の認可(ただし、日本郵便の新規業務については総務大臣への届出)が必要とされています。また、金融2社は、銀行法又は保険業法に基づく規制に加え、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するため、郵政民営化法に基づき、新規業務、他の金融機関等の子会社化、合併、会社分割、事業の譲渡及び譲受け、廃業並びに解散等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制(各限度額規制の詳細については、上記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項 ③ 郵政民営化法」の記載をご参照ください。)が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール公社を承継した機関として、当社、日本郵便、金融2社が政府調達協定その他の国際約束の適用を受ける物品等を調達する場合には、国際約束に定める手続の遵守が求められます。当社グループ各社の作為又は不作為により、かかるこれらのルールを遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは調達行為に遅れが発生する可能性があり、当初想定していた計画が実施できないなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 個人情報その他の機密情報の漏えいに関するリスク当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等を営んでおり、多くの顧客や取引先等から様々な情報を取得し保有しております。これらの情報については、郵便法、銀行法、保険業法、金融商品取引法等のほか、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことが求められております。近年、企業・団体が保有する個人情報等の漏えいや不正なアクセス、サイバー攻撃等が多発しております。当社グループが保有する個人情報その他の機密情報が外部に漏えいした場合には、損害賠償や当該事案に対応するための費用、行政処分、社会的信用の毀損による顧客の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起又は開始されるリスクを有しており、一部ではありますが人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる場合等不利な判断がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 不正・不祥事に関するリスク当社グループは、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスの水準向上及び内部管理態勢の強化を経営上の最重要課題の一つとして位置づけ、グループ各社の役員・従業員に対して適切な指示、指導及びモニタリングを行う態勢を整備するとともに、不正行為等の防止のために予防策を講じておりますが、かかる態勢・予防策が常に十分な効果を発揮するという保証はなく、当社グループの役員・従業員による法令その他諸規則等の違反、社内規程・手続等の不遵守、不正行為、事故、不祥事等が生じる可能性があります。当社グループにおいては、従業員による顧客預金等の横領等が発覚し、日本郵便及び金融2社が、平成21年12月、金融庁、総務省より、内部管理態勢の充実・強化に関する業務改善命令、犯罪の再発防止に関する監督上の命令を受けましたが、当社グループはかかる業務改善命令等を受けて、犯罪の防止に向けた内部管理態勢の強化を図った結果、平成27年12月に金融庁の業務改善命令に基づく報告義務が、また、平成28年12月に総務省の監督上の命令に係る報告義務がそれぞれ解除されました。当社グループの役員・従業員その他の関係者による違法行為、不正、不祥事、反社会的勢力との取引等が発生した場合には、被害者等に対して損害賠償責任を負い、刑事罰又は監督官庁からの行政上の処分を受ける可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損するおそれもあります。かかる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループは、あまねく全国に広がる郵便局ネットワークを通じて、多数の郵便物・荷物の配達や金融サービスの提供を行っております。当社グループの商品、サービス、事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物の管理上の不備・遅配・誤配及び破棄・紛失等、配達員による交通事故、銀行口座やクレジットカードの不正利用、キャッシュカードの盗難等の犯罪、サイバー攻撃等によるシステム・トラブルや個人情報の漏えい、不正行為、反社会的勢力との取引、労働問題、事故、業務上のトラブル、社内規程・手続違反、不祥事等が発生した場合には、当社グループ及び当社グループ各社が提供するサービスに対する社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループ又は当社グループが行っている事業全般に対する風評・風説が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、また、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、当社グループが提供するサービスの公益性、事業規模、社会における認知度・注目度等を背景に、当社グループは、顧客や市場関係者等から、否定的理解・認識をされ、又は、強い批判がなされる可能性があり、それにより当社グループ、商品、サービス、事業のイメージ・社会的信用が毀損し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 固定費負担に関するリスク当社及び日本郵便は、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(上記「2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」の記載をご参照ください。)。当社及び日本郵便は、かかるユニバーサルサービス提供義務に基づき、郵便、銀行、保険の各サービスを、全国に広がる郵便局ネットワークを通じて全国の顧客に提供しております。そのため、当社グループの郵便・物流事業及び金融窓口事業においては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費等の多額の固定費に加え、膨大な数の郵便局員その他の従業員の給与等の人件費が発生しており、労使交渉等により従業員への給与が増額された場合には、それが比較的小さな増額である場合でも、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、高齢化による社会保障負担の増大や厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げなどによる福利厚生費の上昇も想定されます。 当社及び日本郵便は、今後、地方における過疎化の進展、企業活動又は個人の消費活動の縮小、電子メール等インターネットやウェブサイトを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、当社グループが郵便局を通じて提供するサービスの利用が減少した場合であっても(下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (2) 郵便物等の減少に関するリスク」の記載をご参照ください。)、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があり、収益性の低い事業又は拠点等を縮小する等の対応が制限されているため、かかる方法により固定費を削減することが困難となる可能性があります。従って、上記の事情等により当社グループが郵便局を通じて提供するサービスに対する需要が減少し、郵便物や荷物の取扱数量又は郵便局窓口での金融・保険商品の販売量が減少した場合、当社グループの提供する商品及びサービスの内容、対象若しくは対価を変更し若しくはその提供を中止し、又は、郵便局ネットワークを縮小するなどの対応ができず、又は、制約され、かかる固定費に見合った収益を上げられない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 郵便局等に係る設備の老朽化に関するリスク日本郵便は、全国各地に所在する郵便局等多数の建物を保有しており、その中には老朽化の進んだ古い建物が多数含まれており、日本郵便はかかる設備等に対して、必要な老朽化対策工事を集中的に行っており、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、老朽化対策工事の対象となる日本郵便の建物の一部には、アスベストが使用されていることが判明しており、今後多くの建物でアスベストの存在が確認され、法令に基づく飛散防止措置としてアスベストの除去を行うことが必要となった場合には、多額のアスベスト除去費用及び関連の工事費用が生じる可能性があります。 (3) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク当社グループは、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。しかしながら、当社グループのリスク管理は、過去の経験・データに基づいて構築されているため、将来発生するリスクを正確に予測することができず、新しい業務分野への進出や外部環境の変化等によりリスク管理が有効に機能しない可能性があります。また、当社グループがリスク管理の方針及び手続を策定する際、参考又は前提とした情報が真実性、正確性、完全性又は合理性に欠ける場合には、当社グループのリスク管理の有効性に悪影響を与える可能性があります。さらに、当社グループの事業に内在するリスクを管理するためには、膨大な取引や事象の適切な記録、審査、調査等に係る方針及び手続の有効性や効率性等が重要ですが、かかる方針や手続が万全とは言えない可能性があります。当社グループは、経営環境、リスクの状況等の変化に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行い、万全のリスク管理態勢を構築するよう努めておりますが、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない場合や、欠陥が発生した場合等には、当社が予期していなかった損失を被る可能性や、当社グループ各社が行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業拡大に伴い、リスク管理態勢の増強も必要となりますが、事業の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分ではない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報通信システムに関するリスク当社グループの郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業のそれぞれにおいて、コンピュータシステムは、顧客や各種決済機構等のシステムとサービスの提供に必要なネットワークで接続されるなど極めて重要な機能を担っております。これらについて、地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の自然災害やテロリズム等の外的要因に加えて、人的過失、事故、停電、ハッキング、コンピュータウィルスの感染、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により重大なシステム障害や故障等が発生する可能性があります。こうしたシステムの障害、故障等が生じた場合に、業務の停止・混乱等及びそれに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損、対応や対策に要する費用等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、基幹ITシステムを含む当社グループのITシステムのアップグレードを行っており、かつ、新規のシステム投資を行うこともありますが、かかる作業の遅延、失敗、多額の費用発生により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 優秀な人材の確保に関するリスク当社グループにおいては、郵便・物流事業に従事する配達又は運送に係る車両の運転手を必要としておりますが、昨今の労働力不足により十分な数の運転手の確保が困難となる可能性があります。 また、当社グループは、銀行業務、保険業務、保険数理、資産運用、会計、金融業規制、法令遵守、IT等に係る資格、高度の専門性及び経験を有する有能な人材を必要としており、新規採用・中途採用を通じ、人材の確保に努めるとともに、グループ中期経営計画のグループ戦略の一つとして人材育成戦略を掲げ、かかる人材の育成にも努めております。併せて、女性の労働力確保を含め、ダイバーシティ・マネジメントを推進することとしており、多様な社員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、制度や環境の整備等に努めております。しかしながら、当社グループが魅力的な条件を提供できず、有資格者や有能で熟練した人材の採用若しくは育成及び定着を図ることができなかった場合、又は、適切な育成環境を整備できない場合や、人事処遇や労務管理等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、当社グループの事業の競争力若しくは業務運営の効率性が損なわれ、又は人材の多様性を確保することができず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) グループ外の企業との資本・業務提携・外部委託及び企業買収に伴うリスク当社グループは、American Family Life Assurance Company of Columbus、ジオポスト、レントングループ、三井住友信託銀行株式会社、野村ホールディングス株式会社等の当社グループ外の企業との間で、様々な業務に関し、資本提携、業務提携、外部委託を行っております。このようなグループ外の資本・業務提携先、外部委託先との間における、戦略上若しくは事業上の問題又は目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りのシナジー効果が得られない可能性も否定できません。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性や当社グループが行った投資を回収できない可能性があります。また、資本・業務提携先、外部委託先において、業務遂行上の問題が生じ、商品・サービスの提供等に支障をきたす場合、顧客情報等の重要な情報が漏えいする等の事故、違法行為、不正行為、不祥事等が発生した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが、他の企業を買収するに当たっては、買収先企業や買収先事業を効果的かつ効率的に当社グループの事業と統合できない可能性、買収先企業の重要な顧客、仕入先、その他関係者との良好な関係を維持できない可能性、買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性などがあります。このような事象が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、トール社の買収に関するリスクについては、「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (4) 国際物流事業に関するリスク ① トール社買収に起因する減損の計上及び同社の買収に関するリスク」の記載をご参照ください。 (7) 業務範囲の拡大等に伴うリスク当社及び金融2社は、新たな収益機会を得るために新規業務を行う場合、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を得る必要があるなど、当社グループによる新規事業の展開を含む業務範囲の拡大には一定の制約が伴います(上記「2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」の記載をご参照ください。)。例えば、金融2社は新商品又は新サービスの導入にあたって、郵政民営化法に基づく認可を取得する必要がありますが、当該認可が得られない可能性や認可取得のために各社の計画どおりの時期又は内容で新商品を投入又は新サービスを提供できない可能性があります。また、当社グループが、業務範囲を拡大することができたとしても、限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合や業務拡大により過度の人的・物的負担が生じた場合等において、業務範囲の拡大が功を奏する保証はなく、当初想定した成果をもたらさず、又は損失が発生する可能性があります。さらに、日本郵便は、アジア市場への展開を中心に、国際的な物流事業を手掛ける総合物流事業者として、事業の収益性を高めるため、トール社の買収、ジオポスト及びレントングループとの事業提携による国際宅配事業への進出など国際的な事業展開を推進しております。しかしながら、当該地域における法制度・税制、経済・政治情勢の悪化、市場成長性の鈍化、競争の激化、為替の変動、伝染病の流行による混乱、海外における業務提携先や取引先との関係の悪化、訴訟・規制当局による行政処分等、海外における事業展開には、これに内在する様々なリスクが存在します。かかるリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、トール社の買収に関するリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (4) 国際物流事業に関するリスク ① トール社買収に起因する減損の計上及び同社の買収に関するリスク」の記載をご参照ください。 (8) 中期経営計画に関するリスク当社グループは「日本郵政グループ中期経営計画~新郵政ネットワーク創造プラン2017~」を策定し、郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業、銀行業、生命保険業等の業務に係る中期的な事業戦略・方針を定めております。しかしながら、これらの施策については、当社グループの各事業における目標を達成できない可能性があるとともに、本「4 事業等のリスク」に記載の各リスク等が内在しています。また、将来においても、当社グループによる上記施策の実施を阻害するリスクが高まったり新たなリスクが生じたりする可能性もあります。さらに、上記中期経営計画は、国内外の市場金利、為替、株価、経営環境(現在予定されている消費税増税や法人税減税を含みます。)、競争状況、営業費用等多くの前提に基づいて作成されております。当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合には、当該計画における目標を達成できない可能性があります(既に本書提出日時点において同中期経営計画策定時に想定していた金融市況及び経済情勢等からの乖離が生じています。このうち、市場金利に係る前提と異なる状況の発生(マイナス金利等)については、下記「Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスク ① 金利リスク」及び「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (2) 資産運用に関するリスク ① 国内金利に関する市場リスク」の記載をご参照ください。)。また、当社は将来的な国際会計基準(IFRS)の適用を検討しており、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク(1) 固定資産の減損損失に関するリスク当社グループは、郵便・物流事業、金融窓口事業及び国際物流事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 繰延税金資産に関するリスク当社グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で、貸借対照表において繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 退職給付債務に関するリスク当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は、前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、従業員の退職が一定期間に集中するような場合には、退職給付金の支払いのために多額の資金が必要となり、その結果、通常業務又は設備投資等への資金充当の柔軟性に制約が生じる可能性があります。 (4) 管理会計等に係る内部管理に関するリスク本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が含まれております。当社は、これらについても正確性の確保に努めておりますが、有効でない場合等には、当該数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.郵便・物流事業、金融窓口事業、国際物流事業に関するリスク (1) 郵便・物流事業における経営環境の変化に関するリスク郵便・物流事業においては、近年のeコマース市場の拡大に伴う宅配便需要の急激な増加とこれによる労働力の不足といった経営環境の急激な変化が顕在化しており、他の主要な物流事業者等においては、基本運賃や大口顧客向け特約運賃の値上げを含む契約条件の改定、配達時間帯や再配達に係るサービス内容の見直し、労働環境又は労働条件の改善のための取り組みを行っているものも見受けられます。当社グループがこのような経営環境の変化に適時かつ適切に対応できなかった場合、当社グループの競争力、収益性、人材の確保等に影響し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 郵便物等の減少に関するリスク電子メール、SNSやスマートフォンの普及に加え、当社グループの顧客におけるコスト削減を目的とした、請求書や取引明細書等の電子メール送信・WEB閲覧の浸透等の影響により、郵便物数は年々減少を続けており、今後もかかる傾向は継続することが予想されます。また、当社グループの郵便・物流事業における重要な収益の柱となっている年賀状の配達数も年々減少傾向にあり、国民の生活様式や社会慣行の変化等の要因により、今後も減少傾向が進む可能性があります。また、日本郵便は、人件費単価の上昇や、大型の郵便物等の増加を背景とした持戻り・再配達の増加等に伴い、平成29年6月1日付で、第二種郵便物及び定形外郵便物の料金並びにゆうメールの運賃の改定を行いました。今般又は将来の郵便料金等の改定により、当社グループが取り扱う郵便物等の数に影響を及ぼす可能性があります。これらの事情により、当社グループの郵便・物流事業において取り扱う郵便物等の数が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融2社からの金融窓口業務の受託に関するリスク日本郵便が金融2社との間で締結している銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づく平成29年3月期における各社からの受託手数料は、それぞれ6,124億円及び3,927億円であり、それぞれ当社グループの金融窓口事業セグメントにおける経常収益の約44%及び約28%を占めており、かかる受託手数料は今後も当社グループの金融窓口事業における収益の重要な部分を占めることとなるものと考えられます。受託手数料は、銀行法・保険業法に定められたアームズレングスルール等を遵守することが求められており、恣意的な変更が行われることは想定しておりませんが、今後、上記各窓口業務契約等が、合理的な理由に基づき受託手数料の額を減額する又は対象となる業務の範囲を限定する等、日本郵便にとって不利に改定された場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。また、特にゆうちょ銀行から受け取る受託手数料については、ゆうちょ銀行の直営店での業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績に基づいて委託業務コストに見合う額が算出されるため、ゆうちょ銀行において業務コストの削減が行われた場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。さらに、これらの受託手数料の一定部分は、日本郵便において取り扱われた業務の量にかかわらず一定の計算方法により算定されるものとされていますが、今後仮に金融2社が日本郵便における業務量に比例する受託手数料の割合を高めようとする場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。当社グループとしては、今後も簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、日本郵便と金融2社との関係を引き続き強化していく所存であり、当社が金融2社の株式を処分したことにより当社による両社への影響力が低下・消滅した場合においてもこの関係は変わるものではないと当社としては考えております。しかし金融2社はユニバーサルサービスの提供に係る法的義務を負うものではなく(上記「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」の記載をご参照ください。)、金融2社が、郵便局ネットワークに代替する販売チャネル(例えば、ATMの相互利用、オンライン取引、グループ外の企業への委託を含みますがこれらに限られません。)をより重視するようになった場合等や、窓口業務の健全・適切な運営確保の観点から特段の事由が生じた場合等、銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等の解除が発生した場合には、当社グループの金融窓口事業の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 国際物流事業に関するリスク① トール社買収に起因する減損の計上及び同社の買収に関するリスク日本郵便は平成27年5月に、トール社の発行済株式のすべてを買収総額6,093億円で取得いたしましたが、資源価格の下落並びに中国経済及び豪州経済の減速等を受けて、平成29年3月期のトール社の業績が大きく悪化したことに伴い、当社の平成29年3月期の連結決算において、国際物流事業に係るのれん及び商標権の全額3,923億円並びに有形固定資産の一部80億円(合計4,003億円)の特別損失(減損損失)を計上いたしました。上記「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境及び対処すべき課題 ③ 国際物流事業」に記載のとおり、このような状況を受け、当社グループでは、平成29年1月にトール社の経営陣を刷新し、人員削減や部門の統廃合等によるコスト削減施策を中心に、トール社の業績回復・将来の成長への基盤を整えるための対策を講じているところですが、かかる経営改善策が功を奏せず、トール社の業績が改善しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社はこれまで複数のM&Aを行い、事業統合を実施している過程にありますが、当社グループとの事業統合も含め統合が予定通り進捗しない場合には、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消されないこと、複雑な業務及び設備、並びに異なる地理的エリアに存する多様な企業風土と異なる言語に基づく従業員を十分に管理できないこと、トール社と競合関係にある同業他社が、トール社より優れた革新的な商品、サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ITシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、更には、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループとして想定した買収効果を得ることができない可能性や当社グループ又はトール社の既存事業に負の効果を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、上記のとおり、平成29年3月期においてトール社の買収にかかるのれん及び商標権については全額減損損失を計上したことにより、のれん及び商標権に関して追加の減損損失が発生することはありませんが、今後トール社の業績が更に悪化する場合には、トール社の保有する物流設備その他の固定資産についても減損損失を計上し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、このような当社グループの国際的な事業展開に伴うリスクについては、「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 3.事業運営に関するリスク (7) 業務範囲の拡大等に伴うリスク」の記載もご参照ください。 ② 資源価格の下落及び豪州経済の減速等に関するリスク国際物流事業におけるトール社の事業は、豪州国内物流事業、国際フォワーディング事業及びコントラクト事業(3PL)に区分されるところ、特に豪州国内物流事業の業績は、資源価格を中心とする豪州経済による影響を大きく受けております。今後も豪州経済の低迷が継続し、又は更に悪化した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ トール社に適用される規制等国際物流事業を担うトール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクト物流(3PL)等の国際的な事業活動を行っており、各国・地域の事業許可や租税に係る法・規制、運送、貿易管理、贈収賄防止、独占禁止、為替規制、環境、各種安全確保等の法・規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 為替変動のリスク国際物流事業を担うトール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されていることから、大幅な為替相場の変動が生じた場合、外貨建ての資産・負債等が当社の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 金利変動のリスクトール社は、継続的に設備投資等を行っており、投資にあたっては自己資金を投入しているほか、金融機関からの借入等に依存する割合も少なくありません。トール社による金融機関からの借入等の利息は、将来の金利動向によっては資金調達コストの上昇による影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 不動産事業に関するリスク当社グループは、金融窓口事業において、事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業のほか、分譲住宅事業等の不動産事業を営んでおり、営業・投資を目的とする不動産を所有しております。しかし、国内外の景気動向又は特定地域の経済状況や人口動向等の変化により、不動産価格や賃貸料が下落し、又は、空室率が上昇する可能性があります。さらに、当社グループが保有する不動産を活用した不動産開発においては、法的規制の変更、建築資材の価格や工事労務費の高騰、大規模災害等の発生等の影響を受ける可能性があります。これらの事象により、当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼし、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスクゆうちょ銀行が保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。ゆうちょ銀行では、中期的に安定的収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の他、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、大幅な市場変動等によりかかる管理が十分に機能しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、また、中期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券、オルタナティブ投資等への運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。 ① 金利リスクゆうちょ銀行が保有する日本国債(平成29年3月末日現在、68.8兆円・ゆうちょ銀行の総資産額の32%)を始めとする金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、平成28年1月の日本銀行による「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」政策や同年9月21日の金融政策決定会合で導入が決定された「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策の影響等により、当連結会計年度末現在において、日本国債の一部の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、さらに、今後の金融政策の動向によりかかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場金利の変動は、日本国債を始めとするゆうちょ銀行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失や売却損等が生じ、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、定額貯金(平成29年3月末日現在、101.2兆円・総貯金額の56%(特別貯金(民営化前に預入された定額郵便貯金相当)を含む。)。預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)について、急激な市場金利上昇等により、事前のリスク管理の想定を超える貯金流出や預け替えが発生した場合にも、計画以上の運用原資の減少や調達コストの上昇を通じて、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替リスクゆうちょ銀行は、収益源泉・リスクの分散を目的に、運用の高度化・多様化の一環として国際分散投資を進め、外国証券の保有が増加(平成29年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は52.9兆円・ゆうちょ銀行の総資産額の25%)しておりますが、外貨建て資産の一部については為替リスクを軽減するヘッジを行わない、又は短期のヘッジを行うことがあります。その結果、大幅な為替相場の変動が発生した場合、ヘッジしていない部分に差損が発生し、又はヘッジコストが上昇すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 株式価格変動リスクゆうちょ銀行は、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に、市場性のある株式を保有することがあることから、国内外の経済状況又は市場環境の悪化や低迷等によって株価が低下する場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市場流動性リスク経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等には、ゆうちょ銀行が国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 資金流動性リスクゆうちょ銀行の業績や財政状態の悪化、風評等の発生や、予期せぬ資金流出、運用と調達の期間のミスマッチ(差異)等、また、ゆうちょ銀行の収益力・信用力の低下、日本国債の格下げ等の影響を受けたゆうちょ銀行の格付の引き下げにより、円貨・外貨の必要資金確保が困難になる、又は、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、損失を被る可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 信用リスクゆうちょ銀行の取引先や、ゆうちょ銀行が保有する社債等の負債性証券の発行者その他の投資先、貸出先の債務者等において、国内外の経済情勢(景気・信用状況等)や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事等の発生、その他不測の事態により、財政状態が急激に悪化する可能性があります。その結果、ゆうちょ銀行の与信関係費用が増加、ゆうちょ銀行が保有する負債性証券等の価値が下落すること等により、当社グループの事業、業績、財政状態及び自己資本の状況に影響を及ぼす可能性や、中期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券への運用、プライベート・エクイティその他のオルタナティブ投資等、運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性があります。 (5) オペレーショナル・リスク等ゆうちょ銀行の業務においては、事務リスク、システムリスク、情報資産リスク、訴訟等に係るリスク、人事リスク、レピュテーショナル・リスク、法令違反等に係るリスク、災害リスク等のオペレーショナル・リスクが存在します。ゆうちょ銀行が、これらのオペレーショナル・リスクを適切に管理できず、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 代理店を通じた営業に係るリスクゆうちょ銀行は、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便に銀行代理業務等を委託しています。ゆうちょ銀行の店舗24,060店舗(平成29年3月31日現在)のうち23,826店舗が代理店(郵便局)となっており、ゆうちょ銀行の貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、ゆうちょ銀行の事業は、代理店である日本郵便の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しています(下記「5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上等により、ゆうちょ銀行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱うゆうちょ銀行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、また、ゆうちょ銀行の代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便が人材等のリソースをゆうちょ銀行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、ゆうちょ銀行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、相当額の委託手数料を日本郵便に対して支払っておりますが、当該委託手数料の算定方法その他の条件がゆうちょ銀行と日本郵便との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 事業環境等に係るリスク① ユニバーサルサービスの提供に係るリスクゆうちょ銀行は、日本郵便との間で銀行窓口業務契約を締結しており、日本郵便は全国の郵便局で、ゆうちょ銀行の基本的な商品・サービスを、日本郵便株式会社法に基づくいわゆるユニバーサルサービス提供に係る法的責務の履行として提供しています(下記「5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。ゆうちょ銀行は、法令上この責務を直接負わないものの、郵便局で使用するATM・窓口端末機など銀行委託業務に係るITシステムの導入・運行コストとともに(なお、当該ITシステムはゆうちょ銀行が所有)、同業務に従事する日本郵便の従業員の指導・教育等を通じ、ユニバーサルサービス提供に係る一定のコストを負担しております。なお、銀行窓口業務契約は、期限の定めがなく、また、本契約に定める特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り、解除できないものと定めています。また、ゆうちょ銀行の定款には、日本郵便と銀行窓口業務契約を締結する旨規定しているため、当該契約を終了させる場合には、ゆうちょ銀行の定款の変更を要します。従って、日本郵便がユニバーサルサービスの提供責務を果たすために必要と考える限り、ゆうちょ銀行は、各郵便局でゆうちょ銀行の基本的な商品・サービスの提供を継続することとなり、その結果、より収益性の高い業務や地域への経営資源配分が制約されること等により、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 経済・社会情勢、市場に係るリスクゆうちょ銀行が行う当社グループの銀行業は、その収益の多くが日本国内での貯金調達や国内外での有価証券運用によって得られており、国内外の景気・信用状況や人口動態等の経済・社会情勢、金利・為替等の市場の変動・悪化が、当社グループの銀行業における業績及び財政状態に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、消費税率の引き上げによる家計の可処分所得の低下や、少子高齢化に伴い、日本の貯蓄率・預金水準が低下し、ゆうちょ銀行の貯金残高が減少する可能性があります。また、国内外の金融市場に混乱等が生じた場合、ゆうちょ銀行の事業の低迷や資産内容の悪化、資金調達力・資産流動性の低下等が生じる可能性があります。このような場合、中期的な安定的収益の確保を目的とした運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。 (8) 事業戦略・経営計画に係るリスクゆうちょ銀行は、郵便局ネットワークをメインチャネルとして、お客さま満足度No.1のサービスを広く国民各層に提供する「最も身近で信頼される銀行」、また、適切なリスク管理の下で運用の高度化・多様化を推進し、安定的収益を確保する「本邦最大級の機関投資家」を目指しております。しかしながら、これらに向けたゆうちょ銀行の事業戦略・経営計画は、各種のリスクにより実施が困難となり、又は有効でなくなる可能性があります。また、事業戦略・経営計画の策定時に前提とした各種の想定が想定通りとならないこと等により、当初計画した成果が得られない可能性もあります。特に、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が計画策定時の想定通り安定推移しなかった場合、例えば、市場金利の低下による運用利回りの減少によってベース・ポートフォリオの収益計画が達成できない可能性や、国際分散投資等の高度化・加速、サテライト・ポートフォリオの拡大を継続していく中で、適切なポートフォリオ分散を達成できない可能性、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。さらに、平成29年3月期第2四半期以降に満期が集中している定額貯金の再預入や、投資信託の販売、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定通り進捗しなかった場合、総預かり資産の拡大等の計画が達成できなくなる可能性があります。 Ⅳ.生命保険業に関するリスク (1) ユニバーサルサービスの提供に関するリスク上記「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」のとおり、郵政民営化法上、当社及び日本郵便は、ユニバーサルサービスの提供義務を負っており、日本郵便は、郵政民営化法上のかかる規定を遵守するため、かんぽ生命保険と生命保険募集・契約維持管理業務委託契約及び保険窓口業務契約を締結してかんぽ生命保険の保険代理業務を受託し、全国の各郵便局において、かんぽ生命保険の商品及びサービスを提供しております(下記「5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。特に、保険窓口業務契約は、期間の定めのない契約であり、特段の事情がない限りかんぽ生命保険から一方的に解除することはできないこととされております。また、かんぽ生命保険の定款上、かんぽ生命保険は日本郵便との間で、保険窓口業務契約を締結する旨の規定が存在し、当該契約を終了させる場合にはかんぽ生命保険の定款変更が必要となります。従って、かんぽ生命保険が日本郵便との間の保険窓口業務契約を終了させるには、これらの手続等を充足する必要があります。このように、かんぽ生命保険が、ユニバーサルサービスの提供義務を負う日本郵便との間で、解除することが困難な保険窓口業務契約を締結することで、日本郵便がユニバーサルサービスを提供する上での関連保険会社としての地位を維持する契約上の義務を負うため、当社グループの生命保険事業における柔軟な事業展開が困難となり、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 資産運用に関するリスク① 国内金利に関する市場リスクかんぽ生命保険では、保険契約の引受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理し、損益の安定を図る目的で、資産と負債のバランスを考慮してリスクコントロールを行う、ALM(Asset Liability Management:資産・負債の総合的な管理)を行っております。かんぽ生命保険がALMを適切に行えなかった場合又はかんぽ生命保険のALMによって対処可能な程度を超えて市場環境が大きく変動した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、かんぽ生命保険の資産構成においては、円金利資産の割合が高く、かんぽ生命保険の契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であることから、資産と負債のデュレーションのミスマッチによる国内金利の変動リスクを有しております。具体的には、平成28年2月の日本銀行によるマイナス金利政策導入以降、低金利環境が継続しておりますが、かんぽ生命保険が既に保有している保険契約の予定利率は変わらないことから、当初想定していた運用収益が確保できない、あるいは逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均運用利回りが既契約の責任準備金の積立てに用いた予定利率を下回る現象)となる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内金利が現在の水準より上昇した場合には、資産運用利回りが上昇することにより、利息収入などの収益が向上する一方、債券価格の下落等による評価損・減損が発生する可能性があります。加えて、保険契約者がより高い収益を得られる別の金融商品へ資金を移動させることにより、保険契約の解約が増加する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② ①以外の市場リスクかんぽ生命保険の保有する外貨建資産に係る為替リスクがヘッジされていない部分について、為替相場の変動が発生した場合や、為替リスクをヘッジしていたとしても、国内外の金利差拡大によりヘッジコストが高まり、これまでの条件でロールによる為替予約ができなくなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、外国金利の変動により、かんぽ生命保険の保有する外国証券の価値が下落した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、かんぽ生命保険は市場性のある株式を保有していることから、株価が下落した場合には、保有株式に評価損や売却損が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 信用リスクかんぽ生命保険の取引先・投資先・かんぽ生命保険が保有する負債性証券の発行者において、国内外の景気動向や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事の発生、国家間紛争等その他不測の事態により、財政状態が悪化した場合には、信用リスク及び与信関係費用が増加し、又はかんぽ生命保険が保有する負債性証券の価値が下落すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 市場流動性・資金繰りに関するリスク① 市場流動性リスク金融市場の混乱等により、市場において正常に金融商品の取引・資金決済ができなくなった場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることになった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の金融市場及び経済状況の悪化等により、市場の流動性が減退した場合は、かんぽ生命保険の保有する資産の売却可能性や価値が減少する可能性があります。 ② 資金繰りリスクかんぽ生命保険の財務内容の悪化等による新契約の減少に伴う保険料収入の減少、大量解約に伴う解約返戻金支出の増加、巨大災害に伴う保険金の大量支払による資金流出等により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく低い価格での資産売却を余儀なくされることにより損失を被った場合には、当社グループの業務運営、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 商品の集中に関するリスクかんぽ生命保険の取り扱う商品は、個人向け生命保険に集中しております。個人向け生命保険については、国内の雇用水準及び家計所得水準、代替商品であるその他の商品に対する相対的魅力、保険会社の財務健全性、社会的信用に対する一般的な認識、出生率及び高齢化等日本の人口構成に影響を与える長期的な人口動態等の要因が、新規契約数や既存契約の解約率に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 日本の人口動態に関するリスク昭和40年代半ば以降、日本の出生率は総じて徐々に低下する傾向にあり、現在は世界で最低の水準にあります。これらの結果、15歳から64歳までの人口は減少傾向が続いており、この傾向が、日本国内における生命保険の総保有契約高の減少の主要な要因であると考えております。また、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、15歳から64歳までの人口は、今後も減少し続けるであろうと予測しております。かんぽ生命保険の顧客基盤は中高年層に強みがありますが、もし、これらの傾向が続き、青壮年層における生命保険に対する需要が減少する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 保険料設定に関するリスクかんぽ生命保険は、保険の種類及び内容、契約時の被保険者の年齢、性別、保険金額等を考慮して、計算基礎率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)等に基づいて保険料を設定しておりますが、実際の死亡率が事前に設定した予定死亡率を超過した場合、実際の運用利回りが事前に設定した予定利率を下回った場合、実際の経費が事前に設定した予定事業費を超過した場合には、保険期間中の保険料等の受取総額を、保険金・経費等の支払総額が上回ることにより損失が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。他方、かんぽ生命保険は、標準利率の引下げ等を受け、平成28年8月及び平成29年4月に商品の予定利率を引き下げ、保険料の値上げを実施しておりますが、今後も保険料の値上げを行う可能性があります。かかる保険料の値上げにより、かんぽ生命保険による新契約獲得数が減少する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 責任準備金の積立に関するリスクかんぽ生命保険は、日本の生命保険会社として、保険業法及び関連業規制に基づき、保険料収入の大部分を、責任準備金として将来の保険金等の支払いに備えて積み立てております。責任準備金は、かんぽ生命保険の負債の最も大きな部分を占めているものであり、各保険契約の保障対象となる事象の起こる頻度や時期、保険金等支払額、資産運用額等につき一定の前提を置き、これらに基づく見積りによって計算されるものであります。これらの前提と実際の結果が乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合には、責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、責任準備金の積立水準に関するガイドラインや標準利率・標準生命表は、規制当局である金融庁等によって定められているものですが、これらに変更があった場合には、保険料見直しや責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 契約者配当準備金に関するリスクかんぽ生命保険が確保すべき契約者配当準備金は費用として扱われ、これにより各事業年度における純利益が減少します。かんぽ生命保険は契約者配当準備金の繰入額の決定について裁量を有しており、その水準については、かんぽ生命保険商品の競争力、業績、ソルベンシー・マージン比率等の様々な要素を考慮して判断しておりますが、その水準によっては、かんぽ生命保険株主への配当原資の額、事業、業績及び財政状態又はかんぽ生命保険の株式価値に影響を及ぼす可能性があります。なお、かんぽ生命保険が管理機構から受再している簡易生命保険契約については、「旧簡易生命保険契約に基づく保険責任に係る再保険契約」において、かんぽ生命保険が引き受けた保険契約と区分してその収益及び費用を経理するものとし、簡易生命保険契約の再保険損益の8割を契約者配当準備金に繰り入れることとしております。また、再保険配当の計算方法の変更の必要性について、毎事業年度、管理機構とかんぽ生命保険間で協議することとされておりますが、本契約締結以降、当該計算方法が変更されたことはなく、当連結会計年度末現在において変更の予定もありません。 (9) 保険金の支払いに関するリスクかんぽ生命保険は、正確・迅速な保険金等のお支払いが生命保険会社の根幹業務であるとの認識の下、支払管理態勢の強化、お客さまサポートの充実に取り組んでおりますが、何らかの理由により、規制当局又はかんぽ生命保険が支払管理態勢の強化が不十分であると判断した場合には、各種改善策を講じる可能性があり、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) オペレーショナルリスクかんぽ生命保険の業務においては、事務リスク、システムリスク、情報漏えいリスク、コンプライアンス違反、不正・不祥事に関するリスク、従業員、代理店、業務委託先、保険契約者等の不正により損害を被るリスク等のオペレーショナルリスクが存在します。かんぽ生命保険がこれらのオペレーショナルリスクを適切に管理できず、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業務運営、社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 生命保険契約者保護機構への負担金及び国内の他の生命保険会社の破綻に係るリスクかんぽ生命保険は、生命保険契約者保護機構(以下「保護機構」といいます。)への負担金支払義務を負っております。保護機構は、破綻した生命保険会社の保険契約者を保護することを目的としており、破綻した生命保険会社から他の生命保険会社へ保険契約を移転する際に、資金援助を実施しております。保護機構への負担金額は保険料収入及び責任準備金の額などに応じて決められるため、かんぽ生命保険の保険料収入及び責任準備金の額が他の生命保険会社に比して増加
FY2016|29,982 文字
4 【事業等のリスク】以下において、当社及び当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しておりますが、これらに限定されるものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済情勢その他の事業環境の変動に伴うリスク当社グループが行う事業のうち、郵便・物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業等は、その収益の多くが日本国内において生み出されるものであるため、主として国内における金利の動向、金融市場の変動、消費税増税、少子高齢化の進展、eコマース市場の動向、賃金水準の変動、不動産価格の変動、預金水準等の影響を受けます。また、当社グループは、国際物流事業において、日本郵便の子会社であるトール社が、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクト物流(3PL)等の国際的な事業活動を行っており、各国・地域における経済情勢・金融市場その他事業環境の変動による影響を受けます。したがって、かかる国内外の経済情勢・金融市場その他事業環境の変動により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(金利の動向に係るリスクについては、下記「Ⅱ.郵便・物流事業、国際物流事業、金融窓口事業に関するリスク (2) 国際物流事業に関するリスク ④ 金利変動のリスク」、「Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスク ① 金利リスク」及び「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (2) 資産運用に関するリスク ① 国内金利に関する市場リスク」の記載をご参照ください。)。例えば、我が国においては、長期に亘る少子高齢化の影響を受け、生産年齢人口が減少し続けており、こうした状況のもと、貯蓄の減少、保険契約の減少、経済規模の縮小による郵便物数の減少等が生じた場合には、当社グループ全体の事業規模が縮小する可能性があります。これらの事情により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合に関するリスク当社グループが行う事業は、いずれも、激しい競争状況に置かれております。当社グループと競合関係にある同業他社は、当社グループより優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、資金調達手段、事業拠点、ATMや物流拠点その他のインフラ又はネットワーク等を有する可能性があります。例えば、日本郵便が行っている郵便・物流事業についても、信書便事業者や他の物流事業者等と競合関係にあり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生した場合、又は、競争激化により当社の事業、シェア若しくは収益の動向が当社グループの想定どおりに進捗しなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行が行っている銀行業、及びかんぽ生命保険が行っている生命保険業は、同業他社等と競合関係にあります。今後、両社が金融サービスに対する顧客ニーズの変化や市場構造の変化等に適切に対応できなかった場合、又は、両社が競合他社に対して優位に立てない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和が行われております。当社グループ各社が市場構造の変化に対応できなかった場合や規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、当社グループの郵便事業と競合する一般信書便事業については、民間事業者による信書の送達に関する法律(以下「信書便法」といいます。)に基づき、一定の参入条件が課された許可制とされており、現時点において同事業に参入している民間事業者はおりません。しかしながら、信書便法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、平成27年6月に信書便法が改正され、特定信書便役務の範囲の拡大等の改正が行われております。 (3) 大規模災害等の発生に伴うリスク当社グループは、日本全国にわたる幅広い事業活動に加えて、トール社が国際的な事業活動を行っており、各国・地域における地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の大規模自然災害、新型インフルエンザやエボラ出血熱等の感染症の大流行、戦争、テロリズム、武力衝突等の人的災害、水道、電気、ガス、通信・金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、又は当社グループの店舗、その他の設備や施設の損壊その他正常な業務遂行を困難とする状況等が生じた場合、当社グループの業務の全部若しくは一部が停止し、又は、運営に支障をきたすおそれがあり、また、設備やインフラの回復、顧客等の損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。また、かかる状況下において当社グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生に伴う経済・社会活動の沈滞等の影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは生命保険子会社としてかんぽ生命保険を保有していることから、大地震その他の大規模災害や新型インフルエンザのような感染症の大流行を原因として大量の死者が出た場合に、かんぽ生命保険による保険給付に関し、通常の想定を超える債務を負うリスクにさらされております。同社は、保険業法の基準に従って危険準備金を積み立てておりますが、予想を超える大規模災害等の発生により危険準備金を超えるような保険金・給付金の支払いが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、当社グループは、同業他社に比して、新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約されるため、競争力を失い、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便事業は当社の連結子会社である日本郵便が独占的に行うこととされておりますが、郵便約款の変更や業務委託の認可制、第一種郵便物及び第二種郵便物の全国一律料金制度、定形郵便の料金制限、郵便料金の届出制(第三種郵便物及び第四種郵便物については認可制)といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制当社グループの銀行業及び生命保険業においては、これらの事業に一般的に適用される銀行法及び保険業法といった金融業規制を受けております。 (a) ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険に対する規制銀行業を営む当社の連結子会社であるゆうちょ銀行及び生命保険業を営む当社の連結子会社であるかんぽ生命保険(両社について、以下「金融2社」と総称します。)は、それぞれ銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督を受けており、内閣総理大臣からの委任を受けた金融庁長官による、法令違反等による免許取消し並びに業務の健全性かつ適切な運営を確保する等のために必要があると認めるときの業務停止及び立入検査等を含む広範な監督に服しております。ゆうちょ銀行は、銀行法及び関連業規制に基づき、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、自己資本の充実度合いを図る基準である自己資本比率について、単体自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること等が必要とされています。また、かんぽ生命保険は、保険業法及び関連業規制に基づき、法令に基づき定められた業務以外の業務を行うことができず、また、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断する指標の一つであるソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等が必要とされています。平成28年3月31日現在、ゆうちょ銀行の単体自己資本比率は26.38%、かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率は1,570.3%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しておりますが、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更、新たな規制の導入等により、単体自己資本比率又は連結ソルベンシー・マージン比率が低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (b) 日本郵便に対する規制日本郵便は、当社グループの金融窓口事業に関連して、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、また、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、銀行法及び保険業法に基づき、金融庁の監督に服しております。また、日本郵便は、銀行代理業者として、法令により定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際の顧客への説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、生命保険募集人として、顧客に対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。日本郵便が上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可又は登録の取消しや業務の一部又は全部の停止を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (c) 当社に対する規制当社自身も銀行持株会社及び保険持株会社として、銀行法及び保険業法に基づき金融庁の監督に服するとともに、当社の連結自己資本比率(国内基準)を4.0%以上に維持すること及び当社の連結ソルベンシー・マージン比率を200%以上に維持すること等が必要とされるほか、顧客の利益保護のための体制の整備や事業年度毎の規制当局に対する業務報告書等の提出の義務等を負っております。なお、平成28年3月31日現在、当社の連結自己資本比率は27.47%、連結ソルベンシー・マージン比率は1,087.4%であり、いずれも法令上の規制比率に比べ相当程度高い水準を確保しておりますが、保有有価証券等の価値の低下、これらの比率の算出方法の変更、比率に係る規制の変更等により、連結自己資本比率又は連結ソルベンシー・マージン比率が低下する可能性があり、当該比率が規制比率を下回るような場合には、規制当局から、報告又は資料の提出や、業務の縮小等を含む改善措置が求められる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (d) 事業の前提となる許認可当社グループは、主として以下のような許認可等を受けております。許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項保険持株会社の認可保険業法第271条の18第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の30第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 現時点におきましては、上記許認可等が取消しとなるような事由は生じておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(かかる義務に基づき郵便局ネットワークを通じて行われる役務提供を、以下「ユニバーサルサービス」といいます。)。ユニバーサルサービスについては、平成25年10月に、総務大臣が「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」について、その諮問機関である情報通信審議会郵政政策部会に諮問を行い、同審議会において、平成27年9月28日に答申が出されました。答申において、ユニバーサルサービスの確保について、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、「また、国は、ユニバーサルサービス確保に向けたインセンティブとなるような方策について検討することが必要である」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされています。答申を受けて実施される政府の施策の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、情報通信審議会は郵政事業のユニバーサルサービスコストの試算を行っておりますが、審議会が独自に試算したものであり、当社グループが作成したものではありません。また、当社及び日本郵便は、それぞれ日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法に基づき、新規業務、株式の募集、取締役の選解任及び監査役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定、定款の変更、合併、会社分割、解散等を行う場合には、総務大臣の認可(ただし、日本郵便の新規業務については総務大臣への届出)が必要とされています。また、金融2社は、銀行法又は保険業法に基づく規制に加え、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するため、郵政民営化法に基づき、新規業務、他の金融機関等の子会社化、合併、会社分割、事業の譲渡及び譲受け、廃業並びに解散等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制(各限度額規制の詳細については、上記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項 ③ 郵政民営化法」の記載をご参照ください。)が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール公社を承継した機関として、当社、日本郵便、金融2社が政府調達協定その他の国際約束の適用を受ける物品等を調達する場合には、国際約束に定める手続の遵守が求められます。当社グループ各社の作為又は不作為により、かかるこれらのルールを遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは調達行為に遅れが発生する可能性があり、当初想定していた計画が実施できないなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 個人情報その他の機密情報の漏洩に関するリスク当社グループは、郵便・物流事業、国際物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業等を営んでおり、多くの顧客や取引先等から様々な情報を取得し保有しております。これらの情報については、郵便法、銀行法、保険業法、金融商品取引法等のほか、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことが求められております。近年、企業・団体が保有する個人情報等の漏洩や不正なアクセス、サイバー攻撃等が多発しております。当社グループが保有する個人情報その他の機密情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償や当該事案に対応するための費用、行政処分、社会的信用の毀損による顧客の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起又は開始されるリスクを有しており、一部ではありますが人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる場合等不利な判断がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 不正・不祥事に関するリスク当社グループは、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスの水準向上及び内部管理態勢の強化を経営上の最重要課題の一つとして位置付け、グループ各社の役員・従業員に対して適切な指示、指導及びモニタリングを行う態勢を整備するとともに、不正行為等の防止のために予防策を講じておりますが、かかる態勢・予防策が常に十分な効果を発揮するという保証はなく、当社グループの役員・従業員による法令その他諸規則等の違反、社内規程・手続等の不遵守、不正行為、事故、不祥事等が生じる可能性があります。当社グループにおいては、従業員による顧客預金等の横領等が発覚し、日本郵便及び金融2社が、平成21年12月、金融庁、総務省より、内部管理態勢の充実・強化に関する業務改善命令、犯罪の再発防止に関する監督上の命令を受けました。当社グループはかかる業務改善命令等を受けて、犯罪の防止に向けた内部管理態勢の強化を図った結果、平成27年12月、金融庁の業務改善命令に基づく報告義務は解除されました。しかしながら、平成27年度第1四半期には、郵便局長による多額の現金横領犯罪が発覚しており、また、同第3四半期には、簡易郵便局受託者による多数の顧客からの多額の現金詐取について調査結果を公表いたしました。このような事案を含め、当社グループの役員・従業員その他の関係者による違法行為、不正、不祥事、反社会的勢力との取引等が発生した場合には、被害者等に対して損害賠償責任を負い、刑事罰又は監督官庁からの行政上の処分を受ける可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損するおそれもあります。かかる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループは、あまねく全国に広がる郵便局ネットワークを通じて、多数の郵便物・荷物の配達や金融サービスの提供を行っております。当社グループの商品、サービス、事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物の管理上の不備・遅配・誤配及び破棄・紛失等、配達員による交通事故、銀行口座やクレジットカードの不正利用、キャッシュカードの盗難等の犯罪、サイバー攻撃等によるシステム・トラブルや個人情報の漏洩、不正行為、反社会的勢力との取引、労働問題、事故、業務上のトラブル、社内規程・手続違反、不祥事等が発生した場合には、当社グループ及び当社グループ各社が提供するサービスに対する社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループ又は当社グループが行っている事業全般に対する風評・風説が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、また、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、当社グループが提供するサービスの公益性、事業規模、社会における認知度・注目度等を背景に、当社グループは、顧客や市場関係者等から、否定的理解・認識をされ、又は、強い批判がなされる可能性があり、それにより当社グループ、商品、サービス、事業のイメージ・社会的信用が毀損し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 固定費負担に関するリスク当社及び日本郵便は、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持する法律上の義務を負っています(上記「2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」の記載をご参照ください。)。当社及び日本郵便は、かかるユニバーサルサービス提供義務に基づき、郵便、銀行、保険の各サービスを、全国に広がる郵便局ネットワークを通じて全国の顧客に提供しております。そのため、当社グループの郵便・物流事業及び金融窓口事業においては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費等の多額の固定費に加え、膨大な数の郵便局員その他の従業員の給与等の人件費が発生しており、労使交渉等により従業員への給与が増額された場合には、それが比較的小さな増額である場合でも、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、高齢化による社会保障負担の増大による福利厚生費の上昇も想定されます。当社及び日本郵便は、今後、地方における過疎化の進展、企業活動又は個人の消費活動の縮小、電子メール等インターネットやウェブサイトを通じた通信手段の普及等を背景に、当社グループが郵便局を通じて提供するサービスの利用が減少した場合であっても(下記「Ⅱ.郵便・物流事業、国際物流事業、金融窓口事業に関するリスク (1) 郵便物の減少に関するリスク」の記載をご参照ください。)、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があり、収益性の低い事業又は拠点等を縮小する等の対応が制限されているため、かかる方法により固定費を削減することが困難となる可能性があります。従って、上記の事情等により当社グループが郵便局を通じて提供するサービスに対する需要が減少し、郵便物や荷物の取扱数量又は郵便局窓口での金融・保険商品の販売量が減少した場合、当社グループの提供する商品及びサービスの内容、対象若しくは対価を変更し若しくはその提供を中止し、又は、郵便局ネットワークを縮小するなどの対応ができず、又は、制約され、かかる固定費に見合った収益を上げられない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 郵便局等に係る設備の老朽化に関するリスク日本郵便は、全国各地に所在する郵便局等多数の建物を保有しており、その中には老朽化の進んだ古い建物が多数含まれており、日本郵便はかかる設備等に対して、必要な老朽化対策工事を集中的に行っており、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、老朽化対策工事の対象となる日本郵便の建物の一部には、アスベストが使用されていることが判明しており、今後多くの建物でアスベストの存在が確認され、法令に基づく飛散防止措置としてアスベストの除去を行うことが必要となった場合には、多額のアスベスト除去費用及び関連の工事費用が生じる可能性があります。 (3) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク当社グループは、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。しかしながら、当社グループのリスク管理は、過去の経験・データに基づいて構築されているため、将来発生するリスクを正確に予測することができず、新しい業務分野への進出や外部環境の変化等によりリスク管理が有効に機能しない可能性があります。また、当社グループがリスク管理の方針及び手続を策定する際、参考又は前提とした情報が真実性、正確性、完全性又は合理性に欠ける場合には、当社グループのリスク管理の有効性に悪影響を与える可能性があります。さらに、当社グループの事業に内在するリスクを管理するためには、膨大な取引や事象の適切な記録、審査、調査等に係る方針及び手続の有効性や効率性等が重要ですが、かかる方針や手続が万全とは言えない可能性があります。当社グループは、経営環境、リスクの状況等の変化に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行い、万全のリスク管理態勢を構築するよう努めておりますが、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない場合や、欠陥が発生した場合等には、当社が予期していなかった損失を被る可能性や、当社グループ各社が行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業拡大に伴い、リスク管理態勢の増強も必要となりますが、事業の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分ではない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報通信システムに関するリスク当社グループの郵便・物流事業、国際物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業のそれぞれにおいて、コンピュータシステムは、顧客や各種決済機構等のシステムとサービスの提供に必要なネットワークで接続されるなど極めて重要な機能を担っております。これらについて、地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の自然災害やテロリズム等の外的要因に加えて、人的過失、事故、停電、ハッキング、コンピュータウィルスの感染、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により重大なシステム障害や故障等が発生する可能性があります。こうしたシステムの障害、故障等が生じた場合に、業務の停止・混乱等及びそれに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損、対応や対策に要する費用等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは基幹ITシステムを含む当社グループのITシステムのアップグレードを行っておりますが、かかる作業の遅延、失敗、多額の費用発生により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 優秀な人材の確保に関するリスク当社グループにおいては、郵便・物流事業に従事する配達又は運送に係る車両の運転手を必要としておりますが、昨今の労働力不足により十分な数の運転手の確保が困難となる可能性があります。また、当社グループは、銀行業務、保険業務、保険数理、資産運用、会計、金融業規制、法令遵守、IT等に係る資格、高度の専門性及び経験を有する有能な人材を必要としており、新規採用・中途採用を通じ、人材の確保に努めるとともに、グループ中期経営計画のグループ戦略の一つとして人材育成戦略を掲げ、かかる人材の育成にも努めております。併せて、女性の労働力確保を含め、ダイバーシティ・マネジメントを推進することとしており、多様な社員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、制度や環境の整備等に努めております。しかしながら、当社グループが魅力的な条件を提供できず、有資格者や有能で熟練した人材の採用若しくは育成及び定着を図ることができなかった場合、又は、適切な育成環境を整備できない場合や、人事処遇や労務管理等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、当社グループの事業の競争力若しくは業務運営の効率性が損なわれ、又は人材の多様性を確保することができず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) グループ外の企業との資本・業務提携・外部委託等に伴うリスク当社グループは、American Family Life Assurance Company of Columbus、ジオポスト、レントングループ、三井住友信託銀行株式会社、野村ホールディングス株式会社等の当社グループ外の企業との間で、様々な業務に関し、資本提携、業務提携、外部委託等を行っております。このようなグループ外の資本・業務提携先、外部委託先等との間における、戦略上若しくは事業上の問題又は目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りのシナジー効果が得られない可能性も否定できません。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性や当社グループが行った投資を回収できない可能性があります。また、資本・業務提携先、外部委託先等において、業務遂行上の問題が生じ、商品・サービスの提供等に支障をきたす場合、顧客情報等の重要な情報が漏洩する等の違法行為、不正行為、不祥事等が発生した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが、他の企業を買収するに当たっては、買収先企業や買収先事業を効果的かつ効率的に当社グループの事業と統合できない可能性、買収先企業の重要な顧客、仕入先、その他関係者との良好な関係を維持できない可能性、買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性などがあります。このような事象が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、トール社の買収に関するリスクについては、「Ⅱ.郵便・物流事業、国際物流事業、金融窓口事業に関するリスク (2) 国際物流事業に関するリスク ① トール社買収に関するリスク」の記載をご参照ください。 (7) 業務範囲の拡大等に伴うリスク当社及び金融2社は、新たな収益機会を得るために新規業務を行う場合、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を得る必要があるなど、当社グループによる新規事業の展開を含む業務範囲の拡大には一定の制約が伴います(上記「2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」の記載をご参照ください。)。例えば、金融2社は新商品又は新サービスの導入にあたって、郵政民営化法に基づく認可を取得する必要がありますが、当該認可が得られない可能性や認可取得のために各社の計画どおりの時期又は内容で新商品を投入又は新サービスを提供できない可能性があります。また、当社グループが、業務範囲を拡大することができたとしても、限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合や業務拡大により過度の人的・物的負担が生じた場合等において、業務範囲の拡大が功を奏する保証はなく、当初想定した成果をもたらさず、又は損失が発生する可能性があります。さらに、日本郵便は、アジア市場への展開を中心に、国際的な物流事業を手掛ける総合物流事業者として、事業の収益性を高めるため、トール社の買収、ジオポスト及びレントングループとの事業提携による国際宅配事業への進出など国際的な事業展開を推進しております。しかしながら、当該地域における法制度・税制、経済・政治情勢の悪化、市場成長性の鈍化、競争の激化、為替の変動、伝染病の流行による混乱、海外における業務提携先や取引先との関係の悪化、訴訟・規制当局による行政処分等、海外における事業展開には、これに内在する様々なリスクが存在します。かかるリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 中期経営計画に関するリスク当社グループは「日本郵政グループ中期経営計画~新郵政ネットワーク創造プラン2017~」を策定し、郵便・物流事業、国際物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業等の業務に係る中期的な事業戦略・方針を定めております。しかしながら、これらの施策については、当社グループの各事業における目標を達成できない可能性があるとともに、本「4 事業等のリスク」に記載の各リスク等が内在しています。また、将来において、当社グループによる上記施策の実施を阻害するリスクが高まったり新たなリスクが生じたりする可能性もあります。さらに、上記中期経営計画は、国内外の市場金利、為替、株価、経営環境(現在予定されている消費税増税や法人税減税を含みます。)、競争状況、営業費用等多くの前提に基づいて作成されております。当社グループの施策が奏功しなかった場合、又は、当社グループの採用した前提と異なる状況が生じた場合には、当該計画における目標を達成できない可能性があります(市場金利に係る前提と異なる状況の発生(マイナス金利等)については、下記「Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスク ① 金利リスク」及び「Ⅳ.生命保険業に関するリスク (2) 資産運用に関するリスク ① 国内金利に関する市場リスク」の記載をご参照ください。)。また、当社は将来的な国際会計基準(IFRS)の適用を検討しており、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク(1) 固定資産の減損損失に関するリスク当社グループは、郵便・物流事業、国際物流事業及び金融窓口事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 繰延税金資産に関するリスク当社グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で、貸借対照表において繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 退職給付債務に関するリスク当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は、前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、従業員の退職が一定期間に集中するような場合には、退職給付金の支払いのために多額の資金が必要となり、その結果、通常業務又は設備投資等への資金充当の柔軟性に制約が生じる可能性があります。 (4) 管理会計等に係る内部管理に関するリスク本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が含まれております。当社は、これらについても正確性の確保に努めておりますが、有効でない場合等には、当該数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.郵便・物流事業、国際物流事業、金融窓口事業に関するリスク (1) 郵便物の減少に関するリスク電子メール、SNSやスマートフォンの普及に加え、当社グループの顧客におけるコスト削減を目的とした、請求書や取引明細書等の電子メール送信・WEB閲覧の浸透等の影響により、郵便物数は年々減少を続けており、今後もかかる傾向は継続することが予想されます。また、当社グループの郵便・物流事業における重要な収益の柱となっている年賀状の配達数も年々減少傾向にあり、国民の生活様式や社会慣行の変化等の要因により、今後も減少傾向が進む可能性があります。これらの事情により、当社グループの郵便・物流事業において取り扱う郵便物数が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 国際物流事業に関するリスク① トール社買収に関するリスク日本郵便は平成27年5月に、トール社の発行済株式のすべてを買収総額609,317百万円で取得いたしました。トール社はこれまで複数のM&Aを行い、事業統合を実施している過程にありますが、当社グループとの事業統合も含め、予定通り進捗しないこと、複雑な業務及び設備、並びに異なる地理的エリアに存する多様な企業風土と異なる言語に基づく従業員を十分に管理できないこと、トール社と競合関係にある同業他社が、トール社より優れた革新的な商品、サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ITシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、更には、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループとして想定した買収効果を得ることができない可能性や当社グループ又はトール社の既存事業に負の効果を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、トール社の買収に伴い、平成28年3月期連結貸借対照表において411,164百万円ののれんを計上しております。当社グループでは、当社に適用のある会計基準に従ってかかるのれんを今後20年間にわたり均等償却することとしておりますが、事業環境や競合状況の変化等により収益性が低下し、投資額の回収が見込めないと判断される場合には、当該のれんについて減損損失を計上する必要があり、これにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、このような当社グループの国際的な事業展開に伴うリスクについては、「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 3.事業運営に関するリスク (7) 業務範囲の拡大等に伴うリスク」の記載もご参照ください。 ② トール社に適用される規制等国際物流事業を担うトール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、コントラクト物流(3PL)等の国際的な事業活動を行っており、各国・地域の事業許可や租税に係る法・規制、運送、貿易管理、贈収賄防止、独占禁止、為替規制、環境、各種安全確保等の法・規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 為替変動のリスク国際物流事業を担うトール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されていることから、大幅な為替相場の変動が生じた場合、外貨建ての資産・負債等が当社の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 金利変動のリスクトール社は、継続的に設備投資等を行っており、投資にあたっては自己資金を投入しているほか、金融機関からの借入等に依存する割合も少なくありません。トール社による金融機関からの借入等の利息は、将来の金利動向によっては資金調達コストの上昇による影響を受け、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金融2社からの金融窓口業務の受託に関するリスク日本郵便が金融2社との間で締結している銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づく平成28年3月期における各社からの受託手数料は、それぞれ6,094億円及び3,783億円であり、それぞれ当社グループの金融窓口事業セグメントにおける経常収益の約44%及び約27%を占めており、かかる受託手数料は今後も当社グループの金融窓口事業における収益の重要な部分を占めることとなるものと考えられます。受託手数料は、銀行法・保険業法に定められたアームズレングスルール等を遵守することが求められており、恣意的な変更が行われることは想定しておりませんが、今後、上記各窓口業務契約等が、合理的な理由に基づき受託手数料の額を減額する又は対象となる業務の範囲を限定する等、日本郵便にとって不利に改定された場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。また、特にゆうちょ銀行から受け取る受託手数料については、ゆうちょ銀行の直営店での業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績に基づいて委託業務コストに見合う額が算出されるため、ゆうちょ銀行において業務コストの削減が行われた場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。さらに、これらの受託手数料の一定部分は、日本郵便において取り扱われた業務の量にかかわらず一定の計算方法により算定されるものとされていますが、今後仮に金融2社が日本郵便における業務量に比例する受託手数料の割合を高めようとする場合には、当社グループの金融窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。当社グループとしては、今後も簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに、将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、日本郵便と金融2社との関係を引き続き強化していく所存であり、当社が金融2社の株式を処分したことにより当社による両社への影響力が低下・消滅した場合においてもこの関係は変わるものではないと当社としては考えております。しかし金融2社はユニバーサルサービスの提供に係る法的義務を負うものではなく(上記「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」の記載をご参照ください。)、同2社が、郵便局ネットワークに代替する販売チャネル(例えば、ATMの相互利用、オンライン取引、グループ外の企業への委託を含みますがこれらに限られません。)をより重視するようになった場合等や、窓口業務の健全・適切な運営確保の観点から特段の事由が生じた場合等、銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等の解除が発生した場合には、当社グループの金融窓口事業の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 不動産事業に関するリスク当社グループは、金融窓口事業において、事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業のほか、分譲住宅事業等の不動産事業を営んでおり、営業・投資を目的とする不動産を所有しております。しかし、国内外の景気動向又は特定地域の経済状況や人口動向等の変化により、不動産価格や賃貸料が下落し、又は、空室率が上昇する可能性があります。さらに、当社グループが保有する不動産を活用した不動産開発においては、法的規制の変更、建築資材の価格や工事労務費の高騰、大規模災害等の発生等の影響を受ける可能性があります。これらの事象により、当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼし、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.銀行業に関するリスク (1) 市場リスクゆうちょ銀行が保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。ゆうちょ銀行では、中期的に安定的収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の他、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、大幅な市場変動等によりかかる管理が十分に機能しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、また、中期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券、オルタナティブ投資等への運用の多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。 ① 金利リスクゆうちょ銀行が保有する日本国債(平成28年3月末日現在、82.2兆円・ゆうちょ銀行の総資産額の39%)を始めとする金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本銀行の金融政策の影響等により、日本国債の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、かかる金利水準が継続し又はさらに低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場金利の変動は、日本国債を始めとするゆうちょ銀行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失や売却損等が生じ、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、定額貯金(平成28年3月末日現在、102.4兆円・総貯金額の57%(特別貯金(民営化前に預入された定額郵便貯金相当)を含む)。預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)について、急激な市場金利上昇等により、事前のリスク管理の想定を超える貯金流出や預け替えが発生した場合にも、計画以上の運用原資の減少や調達コストの上昇を通じて、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替リスクゆうちょ銀行は、収益源泉・リスクの分散を目的に、運用の多様化の一環として国際分散投資を進め、外国証券の保有が増加(平成28年3月末日現在、45.3兆円・ゆうちょ銀行の総資産額の21%)しておりますが、外貨建て資産の一部については為替リスクを軽減するヘッジを行わない、又は短期のヘッジを行うことがあります。その結果、大幅な為替相場の変動が発生した場合、ヘッジしていない部分に差損が発生し、又はヘッジコストが上昇すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 株式価格変動リスクゆうちょ銀行は、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に、市場性のある株式を保有することがあることから、国内外の経済状況又は市場環境の悪化や低迷等によって株価が低下する場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市場流動性リスク経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等には、ゆうちょ銀行が国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 資金流動性リスクゆうちょ銀行の業績や財政状態の悪化、風評等の発生や、予期せぬ資金流出、運用と調達の期間のミスマッチ(差異)等、また、ゆうちょ銀行が格付を取得した場合、その後のゆうちょ銀行の収益力・信用力の低下、日本国債の格下げ等の影響を受けたゆうちょ銀行の格付の引き下げにより、円貨・外貨の必要資金確保が困難になる、又は、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、損失を被る可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 信用リスクゆうちょ銀行の取引先や、ゆうちょ銀行が保有する社債等の負債性証券の発行者その他の投資先、貸出先の債務者等において、国内外の経済情勢(景気・信用状況等)や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事等の発生、その他不測の事態により、財政状態が急激に悪化する可能性があります。その結果、ゆうちょ銀行の与信関係費用が増加、ゆうちょ銀行が保有する負債性証券等の価値が下落すること等により、当社グループの事業、業績、財政状態及び自己資本の状況に影響を及ぼす可能性や、中期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券への運用、プライベート・エクイティその他のオルタナティブ投資等、運用の多様化が、目的に即した結果を生まない可能性があります。 (5) オペレーショナル・リスク等ゆうちょ銀行の業務においては、事務リスク、システムリスク、情報資産リスク、訴訟等に係るリスク、人事リスク、レピュテーショナル・リスク、法令違反等に係るリスク、災害リスク等のオペレーショナル・リスクが存在します。ゆうちょ銀行が、これらのオペレーショナル・リスクを適切に管理できず、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 代理店を通じた営業に係るリスクゆうちょ銀行は、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便に銀行代理業務等を委託しています。ゆうちょ銀行の店舗24,113店舗(平成28年3月31日現在)のうち23,879店舗が代理店(郵便局)となっており、ゆうちょ銀行の貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、ゆうちょ銀行の事業は、代理店である日本郵便の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しています(下記「5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上等により、ゆうちょ銀行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱うゆうちょ銀行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、また、ゆうちょ銀行の代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便が人材等のリソースをゆうちょ銀行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、ゆうちょ銀行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。また、ゆうちょ銀行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、相当額の委託手数料を日本郵便に対して支払っておりますが、当該委託手数料の算定方法その他の条件がゆうちょ銀行と日本郵便との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 事業環境等に係るリスク① ユニバーサルサービスの提供に係るリスクゆうちょ銀行は、日本郵便との間で銀行窓口業務契約を締結しており、日本郵便は全国の各郵便局で、ゆうちょ銀行の基本的な商品・サービスを、日本郵便株式会社法に基づくいわゆるユニバーサルサービス提供に係る法的責務の履行として提供しています(下記「5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。ゆうちょ銀行は、法令上この責務を直接負わないものの、郵便局で使用するATMや窓口端末機など銀行委託業務に係るITシステムの導入・運行コストとともに(なお、当該ITシステムはゆうちょ銀行が所有)、同業務に従事する日本郵便の従業員の指導・教育等を通じ、ユニバーサルサービス提供に係る一定のコストを負担しております。なお、銀行窓口業務契約は、期限の定めがなく、また、本契約に定める特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り、解除できないものと定めています。また、ゆうちょ銀行の定款には、日本郵便と銀行窓口業務契約を締結する旨規定しているため、当該契約を終了させる場合には、ゆうちょ銀行の定款の変更を要します。従って、日本郵便がユニバーサルサービスの提供責務を果たすために必要と考える限り、ゆうちょ銀行は、各郵便局でゆうちょ銀行の基本的な商品・サービスの提供を継続することとなり、その結果、より収益性の高い業務や地域への経営資源配分が制約されること等により、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 経済・社会情勢、市場に係るリスクゆうちょ銀行が行う当社グループの銀行業は、その収益の多くが日本国内での貯金調達や国内外での有価証券運用によって得られており、国内外の景気・信用状況や人口動態等の経済・社会情勢、金利・為替等の市場の変動・悪化が、当社グループの銀行業における業務及び業績に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、消費税率の引き上げによる家計の可処分所得の低下や、少子高齢化に伴い、日本の貯蓄率・預金水準が低下し、ゆうちょ銀行の貯金残高が減少する可能性があります。また、国内外の金融市場に混乱等が生じた場合、ゆうちょ銀行の事業の低迷や資産内容の悪化、資金調達力・資産流動性の低下等が生じる可能性があります。このような場合、中期的な安定的収益の確保を目的とした運用の多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。 Ⅳ.生命保険業に関するリスク (1) ユニバーサルサービスの提供に関するリスク上記「Ⅰ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」のとおり、郵政民営化法上、当社及び日本郵便は、ユニバーサルサービスの提供義務を負っており、日本郵便は、郵政民営化法上のかかる規定を遵守するため、かんぽ生命保険と生命保険募集・契約維持管理業務委託契約及び保険窓口業務契約を締結してかんぽ生命保険の保険代理業務を受託し、全国の各郵便局において、かんぽ生命保険の商品及びサービスを提供しております(下記「5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。特に、保険窓口業務契約は、期間の定めのない契約であり、特段の事情がない限りかんぽ生命保険から一方的に解除することはできないこととされております。また、かんぽ生命保険の定款上、かんぽ生命保険は日本郵便との間で、保険窓口業務契約を締結する旨の規定が存在し、当該契約を終了させる場合にはかんぽ生命保険の定款変更が必要となります。従って、かんぽ生命保険が日本郵便との間の保険窓口業務契約を終了させるには、これらの手続等を充足する必要があります。このように、かんぽ生命保険が、ユニバーサルサービスの提供義務を負う日本郵便との間で、解除することが困難な保険窓口業務契約を締結することで、日本郵便がユニバーサルサービスを提供する上での関連保険会社としての地位を維持する契約上の義務を負うため、当社グループの生命保険事業における柔軟な事業展開が困難となり、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 資産運用に関するリスク① 国内金利に関する市場リスクかんぽ生命保険では、保険契約の引受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理し、損益の安定を図る目的で、資産と負債のバランスを考慮してリスクコントロールを行う、ALM(Asset Liability Management:資産・負債の総合的な管理)を行っております。かんぽ生命保険がALMを適切に行えなかった場合又はかんぽ生命保険のALMによって対処可能な程度を超えて市場環境が大きく変動した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、かんぽ生命保険の資産構成においては、円金利資産の割合が高く、かんぽ生命保険の契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であることから、資産と負債のデュレーションのミスマッチによる国内金利の変動リスクを有しております。具体的には、平成28年2月に日本銀行が導入したマイナス金利の影響を受け、長期国債の指標である10年国債の金利が初めてマイナスとなりましたが、かんぽ生命保険が既に保有している保険契約の予定利率は変わらないことから、当初想定していた運用収益が確保できない、あるいは逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均運用利回りが既契約の責任準備金の積立てに用いた予定利率を下回る現象)となる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内金利が現在の水準より上昇した場合には、資産運用利回りが上昇することにより、利息収入などの収益が向上する一方、債券価格の下落等による評価損・減損が発生する可能性があります。加えて、保険契約者がより高い収益を得られる別の金融商品へ資金を移動させることにより、保険契約の解約が増加する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② ①以外の市場リスクかんぽ生命保険の保有する外貨建資産に係る為替リスクがヘッジされていない部分について、為替相場の変動が発生した場合や、為替リスクをヘッジしていたとしても、国内外の金利差拡大によりヘッジコストが高まり、これまでの条件でロールによる為替予約ができなくなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、外国金利の変動により、かんぽ生命保険の有する外国証券の価値が下落した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、かんぽ生命保険は金銭の信託を通じて市場性のある株式を保有していることから、株価が下落した場合には、保有株式に評価損や売却損が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 信用リスクかんぽ生命保険の取引先・投資先・かんぽ生命保険が保有する負債性証券の発行者において、国内外の景気動向や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事の発生、その他不測の事態により、財政状態が悪化した場合には、信用リスク及び与信関係費用が増加し、又はかんぽ生命保険が保有する負債性証券の価値が下落すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 市場流動性・資金繰りに関するリスク① 市場流動性リスク金融市場の混乱等により、市場において正常に金融商品の取引・資金決済ができなくなった場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることになった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の金融市場及び経済状況の悪化等により、市場の流動性が減退した場合は、かんぽ生命保険の保有する資産の売却可能性や価値が減少する可能性があります。 ② 資金繰りリスクかんぽ生命保険の財務内容の悪化等による新契約の減少に伴う保険料収入の減少、大量ないし大口解約に伴う解約返戻金支出の増加、巨大災害に伴う保険金の大量支払による資金流出等により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく低い価格での資産売却を余儀なくされることにより損失を被った場合には、当社グループの業務運営、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 商品の集中に関するリスクかんぽ生命保険の取り扱う商品は、個人向け生命保険商品に集中しております。個人向け生命保険については、国内の雇用水準及び家計所得水準、代替商品であるその他の金融商品に対する相対的魅力、保険会社の財務健全性、社会的信用に対する一般的な認識、出生率及び高齢化等日本の人口構成に影響を与える長期的な人口動態等の要因が、新規契約数や既存契約の解約率に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 日本の人口動態に関するリスク昭和40年代半ば以降、日本の出生率は総じて徐々に低下する傾向にあり、現在は世界で最低の水準にあります。これらの結果、15歳から64歳までの人口は減少傾向が続いており、この傾向が、日本国内における生命保険の総保有契約高の減少の主要な要因であると考えております。また、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、15歳から64歳までの人口は、今後も減少し続けるであろうと予測しております。かんぽ生命保険の顧客基盤は中高年層に強みがありますが、もし、これらの傾向が続き、青壮年層における生命保険に対する需要が減少する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 保険料設定に関するリスクかんぽ生命保険は、保険の種類及び内容、契約時の被保険者の年齢、性別、保険金額等を考慮して、計算基礎率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)等に基づいて保険料を設定しておりますが、実際の死亡率が事前に設定した予定死亡率を超過した場合、実際の運用利回りが事前に設定した予定利率を下回った場合、実際の経費が事前に設定した予定事業費を超過した場合には、保険期間中の保険料等の受取総額を、保険金・経費等の支払総額が上回ることにより損失が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 責任準備金の積立に関するリスクかんぽ生命保険は、日本の生命保険会社として、保険業法及び関連業規制に基づき、保険料収入の大部分を、責任準備金として将来の保険金等の支払いに備えて積み立てております。責任準備金は、かんぽ生命保険の負債の最も大きな部分を占めているものであり、各保険契約の保障対象となる事象の起こる頻度や時期、保険金等支払額、資産運用額等につき一定の前提を置き、これらに基づく見積りによって計算されるものであります。これらの前提や見積りと実際の結果が乖離した場合には、責任準備金の積立が不足する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、責任準備金の積立水準に関するガイドラインや標準利率の水準等は、規制当局である金融庁によって定められているものですが、これらに変更があった場合には、保険料見直しや責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 契約者配当準備金に関するリスクかんぽ生命保険が確保すべき契約者配当準備金は費用として扱われ、これにより各事業年度における純利益が減少します。かんぽ生命保険は契約者配当準備金の繰入額の決定について裁量を有しており、その水準については、かんぽ生命保険商品の競争力、業績、ソルベンシー・マージン比率等の様々な要素を考慮して判断しておりますが、その水準によっては、かんぽ生命保険株主への配当原資の額、事業、業績及び財政状態又はかんぽ生命保険の株式価値に影響を及ぼす可能性があります。なお、かんぽ生命保険が管理機構から受再している簡易生命保険契約については、「旧簡易生命保険契約に基づく保険責任に係る再保険契約」において、かんぽ生命保険が引き受けた保険契約と区分してその収益及び費用を経理するものとし、簡易生命保険契約の再保険損益の8割を契約者配当準備金に繰り入れることとしております。また、再保険配当の計算方法の変更の必要性について、毎事業年度、管理機構とかんぽ生命保険間で協議することとされておりますが、本契約締結以降、当該計算方法が変更されたことはなく、当連結会計年度末現在において変更の予定もありません。 (9) 保険金の支払漏れ問題に関するリスクかんぽ生命保険は、平成24年9月に、規制当局である金融庁及び総務省から、保険金等支払管理態勢に係る報告命令を受けていました。かんぽ生命保険では、その商品内容等に応じて、代理店である日本郵便の従業員による訪問活動時、保険金等の請求手続き時及び審査時などの様々な場面で、お客さまから漏れなく保険金等のご請求を行っていただき、保険金等を確実にお支払いするための対策を継続的に実施し、必要があれば、過去に保険金をお支払いしたお客さまに対して保険金の追加支払や請求案内を実施してきました。また、かんぽ生命保険は、保険金等支払業務に係るシステム化等の各種改善策も講じており、これらの取組状況について、当該報告命令に基づき規制当局へ報告書を提出してきましたが、平成27年10月に規制当局あての報告義務は解除されました。今後も、正確・迅速・確実な保険金等のお支払いが生命保険会社の根幹業務であるとの認識の下、支払管理態勢の強化、お客さまサポートの充実に取り組んでまいりますが、何らかの理由により、規制当局又はかんぽ生命保険が支払管理態勢の強化が不十分であると判断した場合には、各種改善策を講じる可能性があり、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) オペレーショナルリスクかんぽ生命保険の業務においては、事務リスク、システムリスク、情報漏洩リスク、コンプライアンス違反、不正・不祥事に関するリスク、従業員、代理店、業務委託先、保険契約者等の不正により損害を被るリスク等のオペレーショナルリスクが存在します。かんぽ生命保険がこれらのオペレーショナルリスクを適切に管理できず、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業務運営、社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 生命保険契約者保護機構への負担金及び国内の他の生命保険会社の破綻に係るリスクかんぽ生命保険は、生命保険契約者保護機構(以下「保護機構」といいます。)への負担金支払義務を負っております。保護機構は、破綻した生命保険会社の保険契約者を保護することを目的としており、破綻した生命保険会社から他の生命保険会社へ保険契約を移転する際に、資金援助を実施しております。保護機構への負担金額は保険料収入及び責任準備金の額などに応じて決められるため、かんぽ生命保険の保険料収入及び責任準備金の額が他の生命保険会社に比して増加した場合、負担金が増加する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本の他の生命保険会社の破綻は、日本の生命保険業界全体の評価にも悪影響を与え、保険契約者の生命保険業界全体に対する信用を損ない、これにより当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 Ⅴ.宿泊事業・病院事業に関するリスク 当社の営む宿泊事業及び病院事業においては、自然災害、事故、火災、食中毒等から生じる潜在的な損失の発生、損害賠償責任、行政処分等のリスクを内包しています。また、少子高齢化に伴う近時の医療費削減の流れは、病院事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。宿泊事業・病院事業について、近年継続して営業損失を計上していることから、個々の施設(又は病院)の状況を踏まえ、増収対策や経費削減による経営改善を進めていることに加え、宿泊事業においては施設配置の見直しも行ったところですが、今後も厳しい状況が続く見通しです。 Ⅵ.郵政民営化に関するリスク 平成27年11月4日に、日本国政府及び当社は、グローバル・オファリングにより、それぞれが保有する当社の株式及び金融2社の株式について、その発行済株式(ゆうちょ銀行については、自己株式を除きます。)の約11%の売出を行いました。また、当社は、平成27年10月19日開催の取締役会決議に基づき、同年12月3日に、自己株式の取得を実施しました。その結果、当連結会計年度末現在において、日本国政府は当社の発行済株式の約80%(自己株式を除く議決権割合は約88%)を、当社はゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の発行済株式のそれぞれ約74%(自己株式を除く議決権割合は約89%)及び89%を保有しています。郵政民営化法に基づき、日本国政府が保有する当社の株式は、できる限り早期に処分するものとされており(ただし、日本国政府による当社株式の保有割合は常に3分の1を超えるものとされております。)、また、当社が保有する金融2社の株式についても、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービスの責務の履行への影響等を勘案しつつ、その全部をできる限り早期に処分するものとされております。当社では、上記趣旨に沿って、まずは、金融2社株式の保有割合が50%程度となるまで、段階的に売却することとしています。以下では、かかる日本国政府による当社株式の売却と、当社による金融2社株式の売却に起因する当社グループの事業等のリスクのうち主要なものを記載しております。 (1) 持分の減少による連結業績への影響並びに事業の規模及び範囲の縮小に関するリスク平成28年3月期におけるゆうちょ銀行の営む銀行業及びかんぽ生命保険の営む生命保険業におけるセグメント利益及びセグメント資産の各合計額は、当社グループのセグメント利益及びセグメント資産の各合計額(「その他」に区分されるものを除きます。)のそれぞれ約91%及び約98%を占めております。郵政民営化法に基づき、当社が金融2社の株式を処分した場合、当社の連結財務諸表の親会社株主に帰属する当期純利益及び非支配株主持分を除く純資産の額に反映される金融2社の純利益及び純資産の額が、減少することになります。金融2社の議決権の過半数を保有している間は連結対象となりますが、当面の処分方針に従い保有割合が50%程度となるまで売却し、金融2社の議決権の過半数を保有しないこととなった場合には、連結対象となるかについて他の要件とも併せて検討することとなります。なお、金融2社が連結対象から外れた場合、連結貸借対照表上、金融2社の資産、負債を合算しなくなるため、当社グループの資産、負債の規模が減少することになります。さらに、金融2社が持分法適用関連会社からも外れた場合は、金融2社株式は「その他有価証券」となり毎期時価で評価することになり、原則として評価差額は「その他有価証券評価差額金」として純資産に計上することになります。なお、当社の連結財務諸表に対する金融2社の収益・利益が与える影響については、以下のとおりと想定しております。① 金融2社持分比率が50%を超える場合、及び金融2社持分比率が40%~50%で当社連結対象となる場合金融2社の収益が当社連結収益に寄与します。また、金融2社の利益が持分比率に応じて当社連結利益に寄与します。② 金融2社持分比率が20%~50%で持分法適用となる場合金融2社の利益が持分比率に応じて当社連結利益に寄与します。③ 金融2社持分比率が20%未満の場合金融2社からの配当収入があれば、当該収入が当社連結収益・利益に寄与します。また、上記のとおり、当社が保有する金融2社の株式は、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービスの責務の履行への影響等を勘案しつつ、その全部をできる限り早期に処分するものとされているところ、当社が金融2社の株式を処分しその持分が低下するにつれて、当社グルー