6178

日本郵政(6178)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 郵便・物流事業
    日本全国に広がるネットワークを活かし、手紙や荷物の配送サービスを提供しています。特に「ゆうパック」や「ゆうメール」といった宅配サービスは、EC市場の拡大とともに需要が増加しており、人々の生活に不可欠なインフラとしての役割を担っています。
  • 郵便局窓口事業
    全国の郵便局を通じて、郵便・物流サービスの受付だけでなく、銀行や保険の窓口業務、さらには物販事業も展開しています。地域に密着した拠点として、多様なサービスをワンストップで提供することで、顧客の利便性を高めています。
  • 金融事業(銀行・生命保険)
    ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険を中核として、貯金や送金、保険商品の提供を行っています。全国の郵便局ネットワークを通じて、幅広い顧客層に金融サービスを提供しており、安定した収益基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 郵便・物流事業
    郵便物の配送や宅配便(ゆうパック、ゆうメール)などの物流サービスを提供しています。20520.22億円の売上を計上しており、人々の生活やビジネスを支える基盤事業として、国内物流市場で重要な役割を担っています。
  • 郵便局窓口事業
    全国の郵便局を通じて、郵便・物流サービスの受付、銀行・保険の窓口業務、物販などを展開しています。売上は516.03億円で、地域に密着した多機能な拠点として、顧客との接点を維持し、多様なニーズに応えています。
  • 国際物流事業
    主に豪州を中心としたグローバル市場で、フォワーディング(貨物輸送の仲介)やロジスティクス事業を展開しています。売上は5123.13億円と、海外市場での存在感を示しており、国際的なサプライチェーンの一翼を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PostalAndLogisticsBusinesses 地域 20,520
PostOfficeBusiness 地域 516
InternationalLogisticsBusinesses 地域 5,123
RealEstateBusinessReportableSegment 地域 786
BankingBusiness 地域 25,202
LifeInsuranceBusiness 地域 61,611
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|18,854 文字
3 【事業の内容】(1) 当社グループの事業の内容日本郵政グループ(以下「当社グループ」といいます。)は、当社、日本郵便株式会社(以下「日本郵便」といいます。)、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」といいます。)及び株式会社かんぽ生命保険(以下「かんぽ生命保険」といい、日本郵便及びゆうちょ銀行と併せて「事業子会社」と総称します。)を中心に構成され、「郵便・物流事業」、「郵便局窓口事業」、「国際物流事業」、「不動産事業」、「銀行業」、「生命保険業」等の事業を営んでおります。当該6事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であり、報告セグメントに含まれていない事業を「その他」に区分しております。また、当連結会計年度より報告セグメントとして「不動産事業」を新設しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」のとおりであります。各事業における事業の内容並びに当社及び関係会社の位置づけは次に記載のとおりであります。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。セグメントの名称主な事業内容関係会社等郵便・物流事業郵便の業務並びに郵便物の作成及び差出しに関する業務その他の附帯する業務等の郵便事業並びに物流事業等○ 日本郵便○ 日本郵便輸送株式会社○ 日本郵便メンテナンス株式会社○ JPロジスティクスグループ株式会社○ JPビズメール株式会社○ 株式会社JPメディアダイレクト○ JP楽天ロジスティクス株式会社○ JPロジスティクス株式会社○ 東京米油株式会社△ JPライネックス南海パーセル株式会社郵便局窓口事業郵便・物流事業に係る窓口業務、銀行窓口業務、保険窓口業務、物販事業、提携金融サービス等○ 日本郵便○ 株式会社郵便局物販サービス○ JPコミュニケーションズ株式会社○ 日本郵便オフィスサポート株式会社○ JP損保サービス株式会社○ 日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社○ JPシステム開発株式会社○ 株式会社ゆうゆうギフト○ JP東京特選会株式会社△ セゾン投信株式会社△ 株式会社ジェイエイフーズおおいた△ リンベル株式会社国際物流事業豪州を中心としたグローバル市場におけるフォワーディング及びロジスティクス事業等○ Toll Holdings Pty Limited 及び同社傘下の連結子会社178社△ Toll Holdings Pty Limited傘下の関連会社3社不動産事業不動産事業等○ 日本郵便○ 日本郵政不動産株式会社○ JPプロパティーズ株式会社○ JPビルマネジメント株式会社銀行業銀行業等○ ゆうちょ銀行○ ゆうちょローンセンター株式会社○ JPインベストメント株式会社 及びその他連結子会社12社○ ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社(注3) 及びその他連結子会社1社 △ JP投信株式会社△ 日本ATMビジネスサービス株式会社生命保険業生命保険業等○ かんぽ生命保険○ かんぽシステムソリューションズ株式会社△ 大和アセットマネジメント株式会社 セグメントの名称主な事業内容関係会社等その他グループシェアード事業、病院事業、宿泊事業、投資事業当社○ 日本郵政コーポレートサービス株式会社○ ゆうせいチャレンジド株式会社○ 日本郵政キャピタル株式会社 及び同社傘下の連結子会社1社○ 株式会社JPデジタル○ JPツーウェイコンタクト株式会社○ 日本郵政建築株式会社(注4)△ 株式会社Good Technology Company△ Aflac Incorporated (注) 1.○は連結子会社、△は持分法適用関連会社であります。2.当社の子会社である日本郵便は、子会社であるJWT株式会社を通じ、2025年2月27日より、トナミホールディングス株式会社に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を実施しました。本公開買付けにより、本公開買付けの決済日である2025年4月17日付で、議決権の所有割合は87.24%となり、当社の連結子会社となりました。同社は、5月30日に開催した臨時株主総会において株式併合の実施を決議しており、これによって効力が発生した場合には同社はJWT株式会社の完全子会社となり、JWT株式会社の商号は「JPトナミグループ株式会社」に変更される予定です。3.2024年5月21日付で、投資運用業務を事業内容とするゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社(議決権の所有割合はゆうちょ銀行100%)を設立しております。4.2024年4月1日付で、建築物等の調査・企画、設計・工事監理、コンストラクションマネジメント、建築物等の管理及び運営維持に関する支援を事業内容とする日本郵政建築株式会社(議決権の所有割合は当社100%)を設立しております。 なお、2024年7月1日付で、当社の不動産の管理等に関する業務を、日本郵政建築株式会社へ承継させる会社分割(簡易吸収分割)を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」のとおりであります。 ① 郵便・物流事業当事業では、郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務並びに郵便物の作成及び差出しに関する業務その他の附帯する業務等の郵便事業並びに物流事業等を行っております。 (a) 郵便事業郵便サービスを全国一律の料金であまねく公平に提供し、国内郵便に加え、万国郵便条約などの条約・国際取り決めに基づく国際郵便(通常・小包・EMS※)を提供しております。また、お客さまの郵便発送業務一括アウトソーシングのニーズにお応えするため、郵便物などの企画・作成(印刷)から封入・封かん、発送までをワンストップで請け負うトータルサービスを提供しております。その他、国からの委託による印紙の売りさばき、お年玉付郵便葉書の発行等の業務を行っております。※ EMS=国際スピード郵便(Express Mail Service) (b) 物流事業物流サービスとして、宅配便(ゆうパック等)及びメール便(ゆうメール等)の運送業務を行っており、eコマース市場の成長に伴う多様な顧客ニーズに的確に応えたサービスを提供いたします。一方、多様化・高度化する物流ニーズに対しては、物流ソリューションセンターを中心として、お客さまに最適な物流戦略、物流システムの設計、提案、構築から運用までを行う3PL※サービスの提供を展開しております。さらに、eコマースを中心とした小口荷物の国際宅配需要を獲得するため、2014年に資本・業務提携した海外物流パートナーである、仏GeoPost S.A.及び香港Lenton Group Limitedとの間で開発した国際宅配便サービスである「ゆうグローバルエクスプレス」により国際郵便で提供できない付加価値サービスに対応いたします。※ 3PL(サードパーティーロジスティクス)=サード・パーティー(=3PL事業者)が、荷主の物流業務全体又は一部を荷主から包括的に受託するサービスの形態。 (c) その他(a)及び(b)の業務の他、カタログ等に掲載されている商品若しくは権利の販売又は役務の提供に係る申込みの受付け、商品代金の回収等の業務や、地方公共団体からの委託を受けて空き家調査業務等を行っております。 ② 郵便局窓口事業当事業では、お客さまにサービスを提供するための営業拠点として全国に設置した直営の郵便局(2025年3月31日現在20,133局(うち、営業中は20,017局))及び業務を委託した個人又は法人が運営する簡易郵便局※(2025年3月31日現在4,052局(うち、営業中は3,449局)。ただし、銀行代理業務等に係る委託契約を締結しているのは3,457局(うち、営業中は3,434局)、生命保険募集委託契約を締結しているのは337局(うち、営業中は335局))において郵便・物流事業に係る窓口業務、銀行窓口業務等、保険窓口業務等、物販事業を行っている他、提携金融サービスを行っております。※ 簡易郵便局法(昭和24年法律第213号)第3条に規定する日本郵便が郵便窓口業務及び印紙の売りさばきに関する業務を委託する者が設ける施設であり、日本郵便と受託者との受委託契約により行う業務が異なります。 (a) 郵便・物流事業に係る窓口業務郵便物の引受・交付、郵便切手類の販売、ゆうパック等物流サービスの引受、印紙の売りさばき等を行っております。 (b) 銀行窓口業務等ゆうちょ銀行から委託を受け、通常貯金、定額貯金、定期貯金、送金・決済サービスの取扱い、公的年金などの支払い、国債や投資信託の窓口販売などを行っております。 (c) 保険窓口業務等かんぽ生命保険から委託を受け、生命保険の募集や保険金の支払いなどを行っております。 (d) 物販事業カタログ等を利用して行う商品又は権利の販売並びに商品の販売又は役務の提供に係る契約の取次ぎ及び当該契約に係る代金回収を行う業務等として、生産地特選品販売、年賀状印刷サービス、フレーム切手販売、文房具等の郵便等関連商品の陳列販売等を行っております。また、社員による販売に加え、インターネット及びDMによる販売を行っております。 (e) 提携金融サービスかんぽ生命保険以外の生命保険会社や損害保険会社などから委託を受け、変額年金保険、がん保険、引受条件緩和型医療保険、自動車保険、傷害保険等の販売を行っております。 (f) その他の事業(a)~(e)の業務の他、以下の業務を行っております。・地方公共団体からの委託を受けて行う戸籍謄本や住民票の写し等の公的証明書の交付事務、ごみ処理券等の販売、バス利用券等の交付事務・当せん金付証票(宝くじ)の発売等の事務に係る業務・日本放送協会からの委託を受けて行う放送受信契約の締結・変更に関する業務・郵便局等の店頭スペース等の活用、窓口ロビーへのパンフレット掲出等の広告業務・会員向け生活支援サービス業務(郵便局のみまもりサービス) 等 ③ 国際物流事業当事業では、Toll Holdings Pty Limited(以下「トール社」といいます。)、同社傘下の子会社及び関連会社において、アジア太平洋地域に関わる輸出入を中心としたフルラインでの国際的貨物輸送、及び、アジア太平洋地域に関わる輸送・倉庫管理や資源・政府分野物流等のサービスを行っております。トール社及び同社傘下の子会社は、下表の2部門で構成されており、不特定の顧客や小さな契約ベースの顧客を対象としたフォワーディング事業及び特定顧客のニーズを満たすために構築したロジスティクス事業を提供しております。 区分部門名サービス概要フォワーディング事業グローバルフォワーディング(Global Forwarding)アジア太平洋地域に関わる輸出入を中心としたフルラインでの国際的貨物輸送ロジスティクス事業グローバルロジスティクス(Global Logistics)アジア太平洋地域における輸送・倉庫管理や資源・政府分野物流等のサービスを提供 ④ 不動産事業当事業では、オフィスビル・商業施設・住宅等の開発による賃貸事業及び分譲事業のほか、賃貸用建物の運営管理等を行っております。グループ保有不動産の開発を中心に、用途やエリアごとのマーケットを見極めたグループ外の収益物件の取得も推進しております。当連結会計年度より報告セグメントとして「不動産事業」を新設しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」のとおりであります。 ⑤ 銀行業当事業では、ゆうちょ銀行が、銀行法に基づき、預入限度額内での預金(貯金)業務、有価証券投資業務、シンジケートローン等の貸出業務、為替業務、国債、投資信託及び保険商品の販売、住宅ローン媒介業務、クレジットカード業務などを営んでおります。また、日本郵便の郵便局ネットワークをメインチャネルに、1.2億人規模のお客さまに生活・資産形成に貢献する金融サービスを提供し、お預かりした貯金を有価証券で運用することを主な事業としております。また、ゆうちょ銀行及びその関係会社は、銀行業務のほか、金融商品取引業務などを行っております。 (a) 資金運用ゆうちょ銀行は、2025年3月末日現在、個人貯金が90%超を占める190.4兆円の貯金を、主として有価証券143.5兆円(内、国債40.3兆円、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)87.4兆円)で運用し、資金運用収益を中心に収益を確保しております。具体的には、想定した市場環境の下、負債の状況等を踏まえて国債等の運用資産・運用期間を適切に管理するとともに、収益源泉の多様化・リスク分散の観点から、国際分散投資の推進、オルタナティブ資産への投資など運用の高度化・多様化を図っているほか、地域経済活性化にも貢献すべく、従来からの地方公共団体向け資金供給の強化に加え、地域金融機関と連携し、地域活性化ファンドへの出資等に取り組んでおります。こうした金融資産及び金融負債は、市場リスク(金利、為替、株式など様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む。)の価値が変動し損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスク)や信用リスク(信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスク)を伴うものであるため、デリバティブ取引等で一定のリスクをヘッジしつつ、収益確保に努めております。 (b) 資金調達、資産・負債総合管理ゆうちょ銀行は、本支店その他の営業所、日本郵便が展開している郵便局ネットワークを通じて、お客さまから通常貯金、定額・定期貯金などの各種の貯金を預入限度額内でお預かりしております。また、郵政管理・支援機構が、公社から承継した郵便貯金に相当する預り金を、特別貯金として受け入れております。さらに、上記(a)の資金運用(資産)と市場取引も含めた資金調達(負債)について、信用・市場リスクや流動性リスク(運用・調達期間の差異や資金流出により、必要な資金調達や通常の金利での資金調達が困難となるリスク)をマネージするため、各商品のリスク特性に合わせた7つのポートフォリオに細分化して管理する枠組みのもとで、資産・負債を総合的に内部管理するALM(Asset Liability Management)を適切に展開し、中期的な収益の確保に努めております。 (c) 手数料ビジネスゆうちょ銀行は、本支店その他の営業所(直営店)・日本郵便の郵便局ネットワーク・各種デジタルチャネルを通じて、為替業務、国債・投資信託等の資産運用商品の販売、クレジットカード業務、住宅ローン媒介業務及び各金融機関と連携したATM提携サービスなどを提供し、手数料(役務取引等)収益を確保しております。 ⑥ 生命保険業当事業では、かんぽ生命保険が、保険業法に基づく免許・認可を得て、生命保険の引受け及び有価証券投資、貸付等の資産運用業務を行っております。また、日本郵便との間で生命保険募集・契約維持管理業務委託契約等を締結し、2025年3月31日現在、20,097局(うち、営業中は19,981局)の郵便局で生命保険募集等を行っております。 (a) 生命保険業かんぽ生命保険は、生命保険業免許に基づき、次の①~③の保険引受業務及び④~⑫の資産運用業務を行っております。ただし、かんぽ生命保険には、他の生命保険会社にはない、業務を行うに当たっての郵政民営化法による制約があります。詳細は下記「(3) 事業に係る主な法律関連事項 ③(i)~(l)」をご参照ください。業務の種類内訳保険引受業務① 個人保険及び財形保険② 個人年金保険及び財形年金保険③ 再保険(注)資産運用業務④ 有価証券の取得⑤ 不動産の取得⑥ 金銭債権の取得⑦ 金銭の貸付(コールローンを含む。)⑧ 有価証券の貸付⑨ 預金又は貯金⑩ 金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託⑪ 有価証券関連デリバティブ取引、金融等デリバティブ取引又は先物外国為替取引⑫ その他郵政民営化法第138条に定められた方法等 (注) かんぽ生命保険と郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてをかんぽ生命保険が受再しております。 (b) 他の保険会社(外国保険業者を含む。)その他金融業を行う者の業務の代理又は事務の代行かんぽ生命保険は、次の保険会社の商品の受託販売等を行っております。・アフラック生命保険株式会社・エヌエヌ生命保険株式会社・住友生命保険相互会社・第一生命保険株式会社・東京海上日動あんしん生命保険株式会社・日本生命保険相互会社・ネオファースト生命保険株式会社・三井住友海上あいおい生命保険株式会社・明治安田生命保険相互会社・メットライフ生命保険株式会社 (c) 郵政管理・支援機構から委託された簡易生命保険管理業務かんぽ生命保険は、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約の管理業務を、郵政管理・支援機構から受託しております。 ⑦ その他上記の各事業のほか、集約により効率性が高まる間接業務をグループ各社から受託するグループシェアード事業、公社から承継した病院及び宿泊施設の運営、成長性の高い企業に出資を行う投資事業等を行っております。 (a) グループシェアード事業当社グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1か所に集約した方が効率的な実施が見込まれる間接業務(電気通信役務及び情報処理サービスの提供、人事及び経理に関する業務、福利厚生に関する業務、不動産の管理等に関する業務、人材派遣・紹介等の業務、コールセンターに関する業務、人材育成に関する業務及び健康管理業務など)を、事業子会社等から受託して実施することにより、業務を支援するとともに、経営効率の向上を図っております。 (b) 病院事業当社グループの企業立病院として、東京逓信病院を運営しております。(注) 逓信病院設置数は2025年3月31日現在、東京逓信病院の1か所であります。 (c) 宿泊事業「ゆうぽうと世田谷レクセンター」の運営、管理を行っております。(注) 宿泊事業における施設設置数は2025年3月31日現在、「ゆうぽうと世田谷レクセンター」の1か所であります。 (d) 投資事業成長性の高い企業に出資を行うことにより、出資先企業と当社グループとの連携及び中長期的なグループ収益の拡大を図っております。 上記のほか、当社は、事業子会社等の経営の基本方針の策定及び実施の確保並びに株主としての権利の行使を行うこととしております。 (2) 当社グループの事業系統図当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。(注) 1.持分法非適用の非連結子会社及び関連会社は、記載を省略しております。2.当社の子会社である日本郵便は、子会社であるJWT株式会社を通じ、2025年2月27日より、トナミホールディングス株式会社に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を実施しました。本公開買付けにより、本公開買付けの決済日である2025年4月17日付で、議決権の所有割合は87.24%となり、当社の連結子会社となりました。同社は、5月30日に開催した臨時株主総会において株式併合の実施を決議しており、これによって効力が発生した場合には同社はJWT株式会社の完全子会社となり、JWT株式会社の商号は「JPトナミグループ株式会社」に変更される予定です。3.2024年5月21日付で、投資運用業務を事業内容とするゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社(議決権の所有割合はゆうちょ銀行100%)を設立しております。4.2024年4月1日付で、建築物等の調査・企画、設計・工事監理、コンストラクションマネジメント、建築物等の管理及び運営維持に関する支援を事業内容とする日本郵政建築株式会社(議決権の所有割合は当社100%)を設立しております。 なお、2024年7月1日付で、当社の不動産の管理等に関する業務を、日本郵政建築株式会社へ承継させる会社分割(簡易吸収分割)を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」のとおりであります。 (3) 事業に係る主な法律関連事項当社グループが行う事業に係る主な法律関連事項は、次のとおりであります。 ① 日本郵政株式会社法(a) 趣旨当社の目的、業務の範囲等が定められております。当社は、本法により政府の規制を受けるとともに、商号の使用制限等の特例措置が講じられております。 (b) 会社の目的当社は、日本郵便の発行済株式の総数を保有し、日本郵便の経営管理を行うこと及び日本郵便の業務の支援を行うことを目的とする株式会社とされております。(法第1条) (c) 業務の範囲当社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を行うものとされております。(法第4条第1項)イ. 日本郵便が発行する株式の引受け及び保有ロ. 日本郵便の経営の基本方針の策定及びその実施の確保ハ. 日本郵便の株主としての権利の行使等ニ. イ.からハ.に掲げる業務に附帯する業務 (d) 業務の制限次に掲げる事項について、総務大臣の認可が必要とされております。イ. その目的を達成するために法第4条第1項に規定する業務のほかに行う必要な業務(法第4条第2項)ロ. 募集株式若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集、又は株式交換若しくは株式交付に際して行う株式若しくは新株予約権の交付(法第8条)ハ. 取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議(法第9条)ニ. 毎事業年度の事業計画(法第10条)ホ. 定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、会社分割及び解散の決議(法第11条) (e) ユニバーサルサービスの提供当社は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有することとされております。(法第5条) (f) 株式の保有当社は、常時、日本郵便の発行済株式の総数を保有していなければならないこととされております。(法第6条) (g) 株式の処分政府は、保有義務のある3分の1超の株式を除き、その保有する当社の株式について、できる限り早期に処分するものとされております。(法附則第3条)なお、政府は、当社の株式の売却収入を東日本大震災に係る復興債の償還費用の財源を確保するため、当社の経営の状況、収益の見通しその他の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいて、当社の株式をできる限り早期に処分するものとされております。(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法附則第14条) ② 日本郵便株式会社法(a) 趣旨日本郵便の目的、業務の範囲等が定められております。同社は、本法により政府の規制を受けるとともに、商号の使用制限等の特例措置が講じられております。 (b) 会社の目的日本郵便は、郵便の業務、銀行窓口業務及び保険窓口業務並びに郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことを目的とする株式会社とされております。(法第1条) (c) 業務の範囲イ. 日本郵便は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとされております。(法第4条)ⅰ 郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務ⅱ 銀行窓口業務ⅲ ⅱに掲げる業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するために行う、銀行窓口業務契約の締結及び当該銀行窓口業務契約に基づいて行う関連銀行に対する権利の行使ⅳ 保険窓口業務ⅴ ⅳに掲げる業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するために行う、保険窓口業務契約の締結及び当該保険窓口業務契約に基づいて行う関連保険会社に対する権利の行使ⅵ 国の委託を受けて行う印紙の売りさばきⅶ ⅰからⅵに掲げる業務に附帯する業務ロ. 日本郵便は、イ.に規定する業務を営むほか、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むことができるものとされております。ⅰ お年玉付郵便葉書等に関する法律(昭和24年法律第224号)第1条第1項に規定するお年玉付郵便葉書等及び同法第5条第1項に規定する寄附金付郵便葉書等の発行ⅱ 地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律(平成13年法律第120号)第3条第5項に規定する事務取扱郵便局において行う同条第1項第1号に規定する郵便局取扱事務に係る業務ⅲ ⅱに掲げるもののほか、郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務ⅳ ⅰからⅲに掲げる業務に附帯する業務ハ. 日本郵便は、イ.及びロ.に規定する業務のほか、イ.及びロ.に規定する業務の遂行に支障のない範囲内で、イ.及びロ.に規定する業務以外の業務を営むことができるものとされております。ニ. 日本郵便は、ロ.ⅲに掲げる業務及びこれに附帯する業務並びにハ.に規定する業務を営もうとするときは、あらかじめ、総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならないものとされております。※ 金融2社は、現在、日本郵便が金融のユニバーサルサービス提供に係る責務を果たすために営む銀行代理業又は保険募集等に係る業務委託契約を日本郵便との間でそれぞれ締結しております。これらの契約を締結している銀行又は生命保険会社を、それぞれ関連銀行、関連保険会社といいます。 (d) 業務の制限次に掲げる事項について、総務大臣の認可が必要とされております。イ.新株若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集、又は株式交換若しくは株式交付に際して行う株式若しくは新株予約権の交付(法第9条)ロ. 毎事業年度の事業計画(法第10条)ハ. 総務省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするとき(法第11条)ニ. 定款の変更、合併、会社分割及び解散の決議(法第12条) (e) ユニバーサルサービスの提供日本郵便は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有することとされております。(法第5条) ③ 郵政民営化法(a) 趣旨郵政民営化の基本理念、基本方針等を定めるとともに、公社の解散に伴い、公社の機能を引き継がせる新たな株式会社(以下、本③において「新会社」といいます。)の設立、新会社の株式、新会社に関して講ずる措置、公社の業務等の承継等に関する事項その他郵政民営化の実施に必要となる事項が定められております。2012年5月8日公布の郵政民営化法等の一部を改正する等の法律の施行に伴い、郵政民営化法が改正され、郵便サービスのみならず、貯金、保険の基本的なサービスを郵便局で一体的に利用できるようにするユニバーサルサービスの確保が義務づけられ、また、当社が保有するゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式については、その株式の全部を処分することを目指し、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営状況、郵政事業に係る基本的な役務の確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。(b) 株式の処分当社の発行済株式の総数は政府が保有し、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の発行済株式の総数は当社が保有するものとされており、政府が保有する当社の株式がその発行済株式の総数に占める割合は、できる限り早期に減ずるものとされておりますが、その割合は、常時、3分の1を超えているものとされております。 また、当社が保有するゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式について、その株式の全部を処分することを目指し、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営状況、郵政事業に係る基本的な役務の確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。(法第5条、第7条及び第62条) (c) ユニバーサルサービスの提供当社及び日本郵便は、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持するものとし、郵便局ネットワークの活用その他の郵政事業の実施に当たっては、その公益性及び地域性が十分に発揮されるようにするものとされております。(法第7条の2) (d) 同種の業務を営む事業者との対等な競争条件の確保当社、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の業務については、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するために必要な制限を加えるとともに、ゆうちょ銀行について銀行法等の特例を適用しないこととする日又はかんぽ生命保険について保険業法等の特例を適用しないこととする日のいずれか遅い日以後の最初の3月31日までの期間中に、郵政民営化に関する状況に応じ、これを緩和するものとされております。また、日本郵便は、日本郵便株式会社法第4条第2項第3号に掲げる業務及びこれに附帯する業務並びに同条第3項に規定する業務(以下「届出業務」といいます。)を営むに当たっては、届出業務と同種の業務を営む事業者の利益を不当に害することのないよう特に配慮しなければならないとされております。(法第8条及び第92条) (e) ゆうちょ銀行における業務の制限ゆうちょ銀行は、郵政民営化法により、郵政民営化時に認められていなかった業務(いわゆる新規業務)を行うときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を要するものとされております。(法第110条)認可を要する業務の概要は、以下イ.からヘ.のとおりであります。また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の認可や下記(g)(h)の規制に係る認可の申請があった場合、下記(f)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。なお、2025年3月の当社によるゆうちょ銀行の株式の売出し及び今後の当社が保有するゆうちょ銀行の株式に係る株式処分信託に対する拠出により、当社のゆうちょ銀行に対する議決権比率は50%を下回る水準となる予定であり、当社はゆうちょ銀行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣へ届出予定です。当社がゆうちょ銀行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、郵政民営化法第110条に係る認可は要しないものの、ゆうちょ銀行が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うに当たっては、他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。(法第110条の2)イ.外貨預金の受入れ、譲渡性預金の受入れロ.資金の貸付け又は手形の割引(次のⅰからⅵに掲げる業務を除く)ⅰ 預金者等に対する当該預金者等の預金等を担保とする資金の貸付けⅱ 国債証券等を担保とする資金の貸付けⅲ 地方公共団体に対する資金の貸付けⅳ コール資金の貸付けⅴ 当社、日本郵便又はかんぽ生命保険に対する資金の貸付けⅵ 郵政管理・支援機構に対する資金の貸付けハ.銀行業に付随する業務等のうち、次のⅰからⅻに掲げる業務ⅰ 債務の保証又は手形の引受けⅱ 特定目的会社発行社債の引受け等ⅲ 有価証券の私募の取扱いⅳ 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託ⅴ 外国銀行の業務の代理又は媒介ⅵ デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理ⅶ 金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理ⅷ 有価証券関連店頭デリバティブ取引ⅸ 有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理ⅹ 投資助言業務ⅺ 信託に係る事務に関する業務ⅻ 地球温暖化防止の観点での算定割当量関連業務ニ.登録金融機関の業務(金融商品取引法第33条第2項の業務)(次のⅰからⅲに掲げる業務を除く)ⅰ 投資の目的又は信託契約に基づく有価証券の売買・有価証券関連デリバティブ取引及び書面取次ぎ行為ⅱ 国債等の募集の取扱い等ⅲ 証券投資信託の募集の取扱い等ホ.その他の法律の規定により銀行が営むことができる業務(次のⅰからⅷに掲げる業務を除く)ⅰ 休眠預金等代替金の支払等ⅱ 当せん金付証票の売りさばき等ⅲ 国民年金基金の加入申出受理業務ⅳ かんぽ生命保険の一部の生命保険の募集ⅴ 確定拠出年金(個人型)の加入申込受理業務ⅵ 拠出年金運営管理業(個人型)ⅶ 公的給付支給等口座の登録申請受付業務等ⅷ 個人番号の利用による口座管理業務ヘ.その他内閣府令・総務省令で定める業務 (f) ゆうちょ銀行における預入限度額ゆうちょ銀行は、郵政民営化法により、当座預金に相当する振替貯金を除き、原則として一の預金者から、受入れをすることができる預金等の額が制限されております。(法第107条、郵政民営化法施行令第2条)2019年3月13日に公布された郵政民営化法施行令の一部を改正する政令に基づき、同政令の施行日である2019年4月1日からの預入限度額は下記のとおりであります。また、預金保険制度による貯金の保護の範囲については変更ありません。イ.通常貯金・・・1,300万円ロ.定期性貯金(定額貯金及び定期貯金等。郵政民営化前に預入した郵便貯金(郵政管理・支援機構に引き継がれたもの)を含み、ハ.を除く。)・・・1,300万円ハ.財形定額貯金、財形年金定額貯金、財形住宅定額貯金・・・あわせて550万円 (g) ゆうちょ銀行における子会社保有の制限ゆうちょ銀行は、子会社対象金融機関等を子会社(銀行法第2条第8項に規定する子会社)としようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第111条第1項)また、銀行(銀行法第16条の2第1項第1号、第2号又は第7号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(法第111条第7項) (h) ゆうちょ銀行における合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けの認可ゆうちょ銀行を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております。(法第113条第1項、第3項及び第5項)ただし、内閣総理大臣及び総務大臣は、金融機関(預金保険法第2条第1項各号に掲げる者)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(法第113条第2項、第4項及び第6項) (i) かんぽ生命保険における業務の制限かんぽ生命保険は、郵政民営化法により、政令で定めるもの以外の保険の種類の保険の引受けを行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第138条第1項)また、保険業法第97条の規定により行う業務以外の業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないとされております。(法第138条第3項)なお、保険料として収受した金銭その他の資産を次に掲げる方法以外の方法により運用しようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第138条第2項)イ.保険契約者に対する資金の貸付けロ.地方公共団体に対する資金の貸付けハ.コール資金の貸付けニ.当社又は日本郵便に対する資金の貸付けホ.郵政管理・支援機構に対する資金の貸付けヘ.その他内閣府令・総務省令で定める方法また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の認可や下記(k)(l)の規制に係る認可の申請があった場合、下記(j)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。一方、当社がかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、郵政民営化法第138条に係る認可は要しないものの、かんぽ生命保険が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。(法第138条の2)当社は2021年6月9日付でかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨の届出を行ったことから、郵政民営化法第138条の2の定めに基づき、新規業務、新商品の開発・販売、新たな方法による資産運用にかかる認可手続きは不要となり、届出制へと移行しております。なお、郵政民営化委員会から2021年10月14日に公表された「株式会社かんぽ生命保険の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針(令和3年10月)」において、届出後に必要に応じて郵政民営化委員会による調査審議が実施される場合があり、その場合の調査審議に要する期間はこれまでの認可制に比べて短縮される旨の方針が示されております。 (j) かんぽ生命保険における加入限度額かんぽ生命保険の保険契約については、郵政民営化法及び関連法令により、被保険者1人について加入できる保険金額などの限度(加入限度額)が定められております。(法第137条、郵政民営化法施行令第6条、第7条及び第8条)なお、被保険者が郵政民営化前の簡易生命保険契約に加入している場合には、加入限度額は、以下の金額から簡易生命保険契約の保険金額等を差し引いた額となります。イ. 基本契約の保険金額の加入限度額ⅰ 被保険者が満15歳以下のとき 700万円ⅱ 被保険者が満16歳以上のとき 1,000万円(被保険者が満55歳以上の場合の特別養老保険の保険金額は、加入している普通定期保険及び普通定期保険(R04)とあわせて800万円)ただし、被保険者が満20歳以上55歳以下の場合は、一定の条件(加入後4年以上経過した保険契約がある場合など)のもとに、累計で2,000万円までとなっております。なお、特定養老保険については、年齢にかかわらず、500万円までとなっております。ロ. 年金額(介護割増年金額を除きます。)の加入限度額年額90万円(初年度の基本年金額)(夫婦年金保険及び夫婦年金保険付夫婦保険の配偶者である被保険者に係る額を除きます。)ハ. 特約保険金額の加入限度額ⅰ 疾病にかかったこと、傷害を受けたこと又は疾病にかかったことを原因とする人の状態、傷害を受けたことを直接の原因とする死亡及びこれらに類するものに対する保障・・・あわせて1,000万円ⅱ 上記に掲げるものに関し、治療を受けたことに対する保障・・・1,000万円(注) 上記の法令で定める加入限度額以外にも、基本契約の保険種類等により付加できる特約の保険金額に一定の制限があります。ニ. 払込保険料総額の加入限度額財形積立貯蓄保険及び財形住宅貯蓄保険・・・あわせて550万円(財形商品については、他に、関連法令による払込保険料総額等の制限があります。) (k) かんぽ生命保険における子会社保有の制限かんぽ生命保険は、子会社対象会社を子会社(保険業法第2条第12項に規定する子会社)としようとするとき(同法第106条第1項第16号に掲げる会社にあっては、かんぽ生命保険又はその子会社が合算してその基準議決権数を超える議決権を取得し、又は保有しようとするとき)は、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第139条第1項)また、保険会社等(保険業法第106条第1項第1号から第2号の2まで又は第8号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(法第139条第7項) (l) かんぽ生命保険における保険契約の移転、合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可かんぽ生命保険がする保険契約の移転、かんぽ生命保険を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないものとされております。(法第141条第1項、第3項、第5項及び第7項)また、内閣総理大臣及び総務大臣は、当社又はかんぽ生命保険の子会社を移転先会社とする保険契約の移転、保険会社(保険業法第2条第2項に規定する保険会社)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(法第141条第2項、第4項、第6項及び第8項) (注) 当社がかんぽ生命保険の株式の全部を処分した日又は当社がかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣が内閣総理大臣に通知した日以後に、かんぽ生命保険と他の生命保険会社との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認める決定があった日のいずれか早い日以後は、上記(i)に記載の同法第138条の2に基づく届出は不要となります。加えて、この場合には、上記(i)から(l)までに記載の郵政民営化法上の制限等は適用されないこととされております。(法第134条) ④ 独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法 (a) 趣旨郵政管理・支援機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めております。 (b) 概要郵政管理・支援機構の目的は、公社から承継し政府による支払保証が継続された郵便貯金(積立郵便貯金、定額郵便貯金、定期郵便貯金等)及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、これらに係る債務を確実に履行することにより、郵政民営化に資するとともに、郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与することとされております。(法第3条)郵政管理・支援機構は、郵便貯金管理業務(公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)及び簡易生命保険管理業務(同簡易生命保険契約の管理に関する業務等)をその業務の範囲とし、郵便貯金管理業務の一部をゆうちょ銀行に、簡易生命保険管理業務の一部をかんぽ生命保険に、それぞれ委託しております。(法第13条、第15条及び第18条)郵政管理・支援機構は、ゆうちょ銀行との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための預金に係る契約を、かんぽ生命保険との間で簡易生命保険契約の再保険の契約を、それぞれ締結しております。(法第15条及び第16条)また、郵便局ネットワークの維持の支援に要する費用に充てるため、郵政管理・支援機構が関連銀行(ゆうちょ銀行)及び関連保険会社(かんぽ生命保険)から拠出金を徴収し、日本郵便に対し郵便局ネットワークの維持に要する費用の一部に充てるための交付金を交付することとされております。(法第18条の2及び第18条の3) ⑤ 郵便法(a) 郵便の実施郵便の業務については、日本郵便が行うことが郵便法に定められております。(法第2条)また、日本郵便以外の何人も、郵便の業務を業とし、また、日本郵便が行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならないとされております。(法第4条) (b) ユニバーサルサービスの提供郵便法の目的が、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することと規定されているとおり(法第1条)、日本郵便は郵便のユニバーサルサービスを提供することが義務付けられております。 (c) 業務の制限イ.郵便約款日本郵便は、郵便の役務に関する提供条件について郵便約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第68条)ロ.郵便業務管理規程日本郵便は、業務開始の際、郵便の業務の管理に関する規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第70条)ハ.業務の委託日本郵便は、郵便の業務の一部を委託しようとするときは、他の法律に別段の定めがある場合を除き、総務大臣の認可を受けなければならないとされております。(法第72条)ニ.料金日本郵便は、郵便に関する料金を定め、あらかじめ総務大臣に届け出なければならず、これを変更するときも同様とされております。また、第三種郵便物及び第四種郵便物については、日本郵便が料金を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第67条)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
郵便料金・ゆうパック運賃の改定を実施しているが、公共性との両立が課題。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
郵政民営化法等に基づくユニバーサルサービス確保の責務、全国の郵便局ネットワーク。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:ユニバーサルサービス提供に関するリスク / 郵便・物流事業に関するリスク / 金融商品の営業活動に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

日本郵政は、長年にわたる信頼と「郵便」「貯金」「保険」という社会インフラとしてのブランドイメージを持つ。特に郵便事業は、法律による独占的な側面も一部存在するが、民営化・競争導入により絶対的な無形資産とは言えない。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

ゆうちょ銀行の口座は、その利便性や手数料の安さから多くの個人顧客に利用されており、特に地方や高齢者層にとっては代替が難しい。かんぽ生命も、長年の顧客基盤と信頼から、容易な乗り換えは考えにくい。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

各事業において、顧客が増えることでサービス価値が直接的に向上するようなネットワーク効果は限定的である。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

郵便事業においては、全国を網羅する配送網と集配拠点を持つことがコスト優位性につながる可能性があるが、人件費や維持費も膨大であり、効率化の余地は大きい。ゆうちょ銀行も、店舗網は強みだが、デジタル化の進展で他行とのコスト差は縮小傾向。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

郵便・物流、金融(銀行・保険)という広範な事業領域で、国内最大級のインフラと顧客基盤を有している。特に郵便事業の全国網は、新規参入企業が容易に模倣できない規模の経済性を実現している。

  • 全国ネットワーク
    日本全国に2万以上の郵便局と配送拠点を持ち、都市部から離島まで「あまねく公平に」サービスを提供できる点が最大の強みです。この広範なネットワークは、他社が容易に模倣できない競争優位性となっています。
  • ブランド力と信頼
    長年にわたり培われてきた「日本郵政グループ」としての高いブランド認知度と社会的な信頼は、顧客がサービスを選択する上で大きな安心感を与えます。特に金融サービスにおいては、この信頼が顧客基盤の安定に繋がっています。
  • 多様な事業展開
    郵便・物流、銀行、保険、不動産といった多角的な事業を展開しているため、特定の事業に依存することなく、グループ全体で安定した収益を確保できる可能性があります。これにより、市場環境の変化にも柔軟に対応できる強みがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 共創プラットフォームの実現
    中期経営計画では、郵便局を「共創プラットフォーム」と位置づけ、他社や地方公共団体との連携を強化しています。物販サービスや地方公共団体事務、終活紹介サービスなどを充実させ、地域社会のニーズに応えることで、郵便局の価値向上と収益力強化を目指しています。
  • 業務効率化とデジタル化
    ユニバーサルサービスの維持費用が増大する中で、業務運営のデジタル化を進めることで効率化を図り、コスト削減を目指しています。これにより、安定的なサービス提供と収益性の両立を図り、持続可能な経営基盤を構築する方針です。
  • リスク管理体制の強化
    グループ全体のリスク管理機能をクライシスマネジメント機能に統合し、「危機の未然防止」「リスク顕在化の早期把握」「影響極小化」を三位一体で推進しています。グループ・チーフ・リスク・オフィサーの選任やグループリスク・コンプライア委員会の設置により、グループ各社のリスク管理能力向上を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
※5.責任準備金対応債券に係る連結貸借対照表計上額及び時価並びにリスク管理方針の概要(1) 責任準備金対応債券に係る連結貸借対照表計上額及び時価は次のとおりであります。 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)連結貸借対照表計上額7,139,629百万円7,243,771百万円時価6,954,091 〃6,522,343 〃 (2) 責任準備金対応債券に係るリスク管理方針の概要は、次のとおりであります。保険子会社は、資産・負債の金利リスクを管理するために、保険契約の特性に応じて以下に掲げる小区分を設定し、各小区分の責任準備金対応債券と責任準備金のデュレーションを一定幅の中で一致させる運用方針を採っております。また、各小区分の責任準備金対応債券と責任準備金のデュレーションについては、定期的に確認しております。① 簡易生命保険契約商品区分(一部の保険種類を除く。)② かんぽ生命保険契約(一般)商品区分(すべての保険契約)③ かんぽ生命保険契約(一時払)商品区分(一部の保険種類を除く。)なお、かんぽ生命保険契約(一時払)商品区分に、当連結会計年度より、一時払終身保険を対象に加えております。この変更による損益への影響はありません。

事業リスク

  • ユニバーサルサービス提供に関するリスク
    郵政民営化法に基づき、全国一律のサービス提供義務を負うため、収益性の低い事業や拠点の縮小が制限される可能性があります。デジタル化による郵便物数の減少や人件費・物価高騰によるコスト増大が続く中、公共性と収益性の両立が困難になった場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 郵便・物流事業に関するリスク
    物流業界の競争激化、最低賃金引き上げによる人件費増加、物価高騰による調達コスト上昇、さらにはドライバーの労働時間規制強化など、厳しい事業環境に直面しています。これらのコスト増を運賃改定で吸収しきれない場合、郵便・物流事業の営業損失が継続し、グループ全体の業績に影響を与える可能性があります。
  • 金融・運用リスク
    ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険は、大規模な資金を運用しているため、金利変動や市場の不不確実性による影響を大きく受けます。特に、責任準備金対応債券の時価変動は、財務状況に直接的な影響を及ぼす可能性があり、適切なリスク管理が求められます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|29,989 文字
3 【事業等のリスク】下記Ⅰ~Ⅲにおいて、当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しております。ただし、当社グループの事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。下記「Ⅰ. 当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」に、当連結会計年度末現在において当社経営陣が特に重視する事項について、その他の重要なリスクは下記Ⅱ及びⅢに記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <当社グループのリスク管理態勢> 当社は、2024年4月より、当社のリスク管理機能をクライシスマネジメント機能に統合し、当社グループの事業に関するリスクをクライシスマネジメント統括部が一元的に管理することによって、「危機の未然防止」、「リスク顕在化の早期把握」、「影響極小化」の三位一体の取組を進めているところです。リスク管理の取組としては、新たに新興リスク(未知のリスク)を含め、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクの統制を強化することにより、グループに重大な影響を与える可能性のあるリスクの顕在化を未然に防止する仕組みの整備を行うとともに、リスク発生時の経営陣への報告の迅速化にも取り組みます。また、リスク管理とクライシスマネジメントの統制範囲を整合させることで、リスクが顕在化した際の危機管理等へのスムーズな移行を実現します。さらに、グループガバナンス強化のためグループのリスク管理統括責任者として、執行役の中から「グループ・チーフ・リスク・オフィサー(グループCRO)」の選任、事業子会社のリスク管理担当役員をメンバーとする「グループリスク・コンプライアンス委員会」等を通じて、グループ各社のリスク管理の向上に向けた情報共有・協議等を実施しています。なお、事業子会社は、自社のリスク管理を統括する部署を定め、自ら主体的に自社の事業特性に応じたリスクの特定、評価、制御、モニタリング等のリスク管理を行うとともに、当社に対し必要な報告をする等のリスク管理態勢を整備しています。リスク管理に係る事項は「リスク・コンプライアンス委員会」で審議し、経営会議に報告しています。さらに、重要な事項は、経営会議において審議するとともに、取締役会に審議を求め、又は報告しています。 これらの取組を行うことで、当社グループの永続的な健全経営を目指していきます。 日本郵政グループのリスク管理態勢 <グループ重要リスク管理>当社は、外部環境の変化や事業戦略等を踏まえ、毎年、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(グループ重要リスク)の見直しを行っております。具体的なリスクの特定、評価については、取締役及び執行役へのアンケート(役員アンケート)を通じて行い、改善策の策定、取組状況のモニタリング等を経営陣が行うPDCAサイクルを回しております。 Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク 当社は、「金融・戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分けて行った役員アンケートに基づき、グループ重要リスクのうち発生可能性と当社グループの業績への影響度の観点から特に優先度の高いものを「経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」(以下「トップリスク」)としております。下図はトップリスクの相対的な位置づけを図示したものであります。ここに記載した各リスクの発生可能性、影響度、優先度は、有価証券報告書提出日現在における当社経営陣の認識であり、発生可能性、影響度又は優先度を「小」と記載したリスクが発生し当社グループの事業等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではありません。 (金融・戦略リスク) (オペレーショナルリスク) (金融・戦略リスク)1.ユニバーサルサービス提供に関するリスク当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、ユニバーサルサービス確保の責務を負っております。当責務については、2015年9月「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会の答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされました。こうした中、同審議会による2019年9月「郵便サービスのあり方に関する検討」に関する答申においては、郵便サービスを「あまねく、公平に」安定的に提供し続けるため、そのあり方について検討結果が取りまとめられ、郵便法改正を経て、日本郵便において土曜日配達の休止、お届け日数の繰り下げなどの見直しを行いました。上記見直し後も、ユニバーサルサービスの維持に当たっては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費、社員の人件費等が発生しております。また、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇により、ユニバーサルサービス維持のためのこれらの費用負担は増大しつつあります。今後、電子メールやウェブサイト等インターネットを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、郵便、貯金、保険といった郵便局で提供するサービスのご利用が減少した場合であっても、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があることから 、収益性の低い事業又は拠点を縮小する等の対応が制限される可能性があります。一方、ユニバーサルサービスを維持し、全国あまねく有人店舗展開を行うことは、他社にない当社グループの強みでもあります。お客さまが対面で相談したいというニーズに今後もお応えするため、当社グループの中期経営計画のもと、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現に向けて他社や地方公共団体と連携を図りながら、物販サービス、地方公共団体事務、終活紹介サービス等、日常生活をサポートするためのサービスを充実させ、郵便局らしい温かみのあるサービスの提供を行い、郵便局の価値・魅力及び収益力の向上に取り組むとともに、業務運営のデジタル化等により業務効率化を図ってまいります。その上で、郵便サービスの安定的な提供及びお客さまへのサービス向上の実現のため、2024年6月に施行された郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を受け、2024年10月に、郵便料金の改定を実施しました。 しかしながら、このような取組が奏功せずに公共性と収益性を両立できなかった場合、郵便局ネットワークに対するステークホルダーの支持を失う可能性や、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、ユニバーサルサービス維持のための費用負担の増大から当社グループの損益が大幅に悪化した結果、事業運営コストを賄うために収益性を過度に追求した営業や過度のリスクを伴う資金運用を行った場合、コンダクト・リスクや運用リスクが顕在化する可能性もあります。 2.郵便・物流事業に関するリスク物流業界においては、激しい競争が継続する中、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇に加え、2024年4月から施行されたドライバーの労働時間の改善等への対応を迫られる等、業界を取り巻く環境は極めて厳しい状況となっております。このような状況を踏まえ、競合他社においても、宅配運賃等の値上げを実施する動きがみられ、日本郵便においても、2023年10月にゆうパック運賃の改定を実施しております。郵便事業においては、デジタル化の進展に伴う郵便物数の減少に加え、物流業界同様に、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇等、取り巻く環境が引き続き厳しい状況の中で、郵便サービスの安定的な提供を維持していくため、2024年6月に施行された郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を受け、2024年10月に、郵便料金の改定を実施しております。これらの取組を実施したものの、当事業年度の郵便・物流事業は、前事業年度に続き営業損失を計上しました。郵便・物流事業において、業務効率化の努力を続けるとしても更なる運賃改定や料金改定が必要となる可能性もあります。また、EC市場やフリマ市場は成長を続けており、これらを取り込むことは日本郵便にとって急務となっています。このような状況に対応するため、日本郵便は、ラストワンマイルにおける自動二輪車の機動力を活かせる小型荷 物を中心とした戦略による荷物収益の拡大を目指してまいります。商品・サービスの改善及び営業体制・営業力の 強化並びに他企業連携等を通じた収益力の向上、お客さまの利便性と業務の効率化が両立する生産性の高いオペレーションの実現、機械化の推進や輸配送手段の見直し等により事業を取り巻く環境変化に対応できる強靭な輸配送ネットワークの実現を目指し、郵便・物流事業改革に着実に取り組んでまいります。 しかしながら、これらの施策が計画どおり進まない場合や、デジタル化の進展に伴う郵便物数等の減少が想定よりも著しく進行することにより、各種料金を改定したとしても補いきれないほどの減収が日本郵便に生じた場合、他社との競争激化の中で荷物等収益の低迷が継続した場合、他社との協業が奏功しない場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、2025年6月5日、日本郵便は、国土交通省から一般貨物自動車運送事業の許可取消処分の聴聞の通知を受領しました。その後、同6月17日に行政処分を受け入れる旨国土交通省に報告しました。有価証券報告書提出日時点において、行政処分執行後は、日本郵便の一般貨物自動車運送事業の許可が取り消される見込みであり、日本郵便が保有する1t以上の車両(約2,500台のトラック/全国の約330局の郵便局で使用)について使用できなくなる見込みです(なお、当該許可が取り消される場合、5年間は当該許可を再取得することはできなくなります。また、軽貨物営業所となる郵便局に対する特別監査は、現時点においても継続しており、今後、監査結果を受けて、軽四輪自動車の使用停止処分が下される可能性があります。)日本郵便としては、他の運送会社へ委託を行うことを基本に、確実な点呼の実施を大前提として、日本郵便が保有する軽四車両(約32,000台)等を使用することにより、行政処分執行後においても、郵便物及び荷物(ゆうパックなど)のサービスについては、ご利用いただいているお客さまにご迷惑をおかけすることがないよう、引き続き確実かつ適切に提供してまいります。これまで、点呼適正化に向けて、①意識改革、②ガバナンスの強化、③点呼のデジタル化、④モニタリング等の取組を実施し、点呼不備の根絶に向けて全力で取り組んできております。また、今回の事態に至った責任を重く受け止め、責任の所在及び度合いを勘案して責任を明確化しました。現時点では従来と同様に郵便・物流事業を運営できる見込みですが、代替手段の実施に伴い、委託費等の費用が増加するなど、業績に影響が生じる見込みです。加えて、日本郵便の郵便・物流事業においては、前事業年度と当事業年度で2期連続の営業損失を計上しているため翌事業年度に営業損失の計上が見込まれる場合や、重大な法令違反により経営環境が著しく悪化した場合には、郵便・物流事業で使用している固定資産について、減損損失を計上する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.金融商品の営業活動に関するリスク当社グループは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指し、お客さま本位のサービスを提供するための取組を展開しております。郵便局窓口においては、より高品質なお客さまサービスを提供できるように、窓口オペレーション改革による営業活動時間の創出等を進めると同時に、地域事情に応じた窓口社員の柔軟配置、全社員の知識・スキル強化、お客さまとの良好な信頼関係構築に向けた人材育成等に取り組んでまいります。また、投資信託の販売においては、全国の郵便局と金融コンタクトセンター等をリモートで接続し、約2万拠点で投資信託(NISA)の受付を可能とする、リアルとデジタルを融合した当社グループの強みを活かした販売態勢の強化に取り組んでおります。生命保険の販売においては、お客さま一人ひとりにとって信頼できる気軽な相談相手となり、ライフステージや世代を超えて安心を提供し続けることで、お客さまから選ばれることを目指しています。また保有契約を維持・拡大するため、質と量を伴ったアフターフォローの充実により、多様なお客さまニーズを把握し、それらに応えられる商品ラインアップの拡充を図っております。しかしながら、このような取組が奏功せず、新商品の開発や既存商品の改定がお客さまのニーズに応えられないこと、営業方針を理解浸透できないことや社員のスキルが不足すること等により販売実績が低迷し、また、長期的な保有契約件数及びエンベディッド・バリュー(EV)の減少等につながった場合等には、当社グループの収益が大幅に減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.新規事業・資本提携・業務提携・M&Aに関するリスク(1) 新規ビジネス、資本・業務提携・外部委託先に関するリスク当社グループは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を通じた新規ビジネスの創出に向けて、当社グループ外の企業との間で様々な資本・業務提携、外部委託を行っております。日本郵便と楽天グループ株式会社の両社が出資するJP楽天ロジスティクス株式会社においては、持続可能な発展のため、輸配送ネットワークの拡充等に取り組んでいます。また、佐川急便株式会社との取組として、「飛脚ゆうパケット便」、「飛脚グローバルポスト便」及び「不在持ち戻りとなった佐川急便の荷物を郵便局の窓口で受け取る」サービスを展開しているほか、「郵便局カタログ」商品を「飛脚クール便(冷凍)」でお届けする取組を行っております。加えて、日本郵便は、2024年5月にはセイノーグループと業務提携契約を締結し、幹線輸送の共同運行等により輸送効率を向上させる取組を行っております。また、日本郵便は、ヤマト運輸株式会社との2023年6月の合意に基づき、「クロネコゆうパケット」及び「クロネコゆうメール」の引受を開始しておりましたが、2024年10月に、ヤマト運輸側の一方的な事情で、2025年1月から当面の間「クロネコゆうパケット」の運送委託を停止させる申し入れを受けました。日本郵便はこれを受け、ヤマト運輸を相手方とする損害賠償等請求訴訟を進めております。その後、2025年1月にヤマト運輸から「クロネコゆうパケット」の運送委託は継続するものの、2025年1月31日に終了予定だったネコポス販売の継続について発表がありました。これにより、日本郵便の配送網を活用した「クロネコゆうパケット」の全国展開は当初の取扱想定個数を大幅に下回っております。2024年3月末より、アフラック・インコーポレーテッドに対して持分法を適用することとし、2024年度から同社の利益の一部を当社グループの連結業績に反映しております。また、当社グループは、これらと並行して、社会課題解決と収益機会の両立に向けた新規ビジネス等をグループ横断的な体制で検討しております。こうした資本・業務提携、外部委託については、シナジー効果を含めたモニタリングを実施しておりますが、目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待通りの効果が得られない場合、要員や設備等の必要なオペレーション基盤を整備できないことにより、業務拡大が奏功せずに多額の費用負担や投資に係る減損損失が発生した場合、提携先・投資先において違法行為・不正行為・顧客情報等の漏えい・不祥事等が発生した場合、資本提携先の業績や株価が低迷した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新規ビジネス等による成長戦略が実現できず、ビジネスポートフォリオ転換が進まなかった場合等には、同様に、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。今後、日本郵便とヤマトホールディングス株式会社及びその子会社との関係性が悪化し協業が維持できない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他の企業の買収に関するリスク物流業界全体が難局にある中、強力な幹線輸送ネットワークの構築等を目的として、2025年2月末から4月にかけて、日本郵便において子会社であるJWT株式会社を通じてトナミホールディングス株式会社の株式に対する公開買付けを実施いたしました。本公開買付けにより、本公開買付けの決済日である2025年4月17日付で、議決権の所有割合は87.24%となり、当社の連結子会社となりました。同社は、5月30日に開催した臨時株主総会において株式併合の実施を決議しており、これによって効力が発生した場合には同社はJWT株式会社の完全子会社となり、JWT株式会社の商号を「JPトナミグループ株式会社」に変更する予定です。 こうした企業の買収については、当該事業分野の競争激化や当社のノウハウ不足から業務範囲の拡大が功を奏せず、過度の人的・物的負担が生じる可能性があり、また、買収先企業を当社グループ事業と統合する上では、買収先企業の重要な顧客等との良好な関係を維持できない、買収資産の価値が毀損し損失が発生する、又は買収先企業の経営陣を含む人材流出が発生する等により、当初想定した成果をもたらさず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5.デフレからインフレへの事業環境の変化に伴うリスク近年、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等による燃料価格や食品価格の急騰や、2022年以降の日米金利差の拡大に伴う円安の進行等を背景に、国内では物価上昇が続いています。2025年度も、円安の長期化等によって、物価は引き続き上昇傾向にあります。日本郵便の事業は労働集約型であり、全国に約2万4,000か所の郵便局を展開しており、燃料価格をはじめとする物価や人件費等の上昇等の影響を受けやすい構造になっています。このような状況に対応するため、地域事情等に応じた社員の柔軟な配置やDXの推進による効率化等を進めることで、コスト上昇に歯止めをかけると同時に、コストに見合う各種料金への改定等を実施・検討することにより、物価高騰による影響の最小化に向けて取り組んでおります。しかしながら、このような取組が奏功せず、グループ内の効率化が進まないこと、各種料金の改定により想定以上の顧客離れが生じること等によって、物価高騰の影響を低減できなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 6.金融2社の株式売却に関するリスク当社は、郵政民営化法において、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービスの履行への影響等を勘案しつつ、保有する金融2社の株式をできる限り早期に処分するものとされており、当社グループの中期経営計画において、金融2社株式の保有割合を50%以下とすることを目指しております(下記「(参考)①日本国政府による当社株式の保有状況及び当社による金融2社の株式保有状況(2025年3月期末日時点)」をご参照)。かんぽ生命の株式については2021年5月に売出しを実施し、保有割合は50.0%以下となりました。ゆうちょ銀行の株式については2025年3月に売出しを実施し、保有割合は50.0%となりました。また、2025年5月15日に公表したとおり、当社は、保有するゆうちょ銀行株式に係る株式処分信託へ拠出し、保有割合は49.9%程度となる予定です。今後の当該株式の売却については、証券市場への影響に配慮し、時期、売出回数、規模等を慎重に検討し進めていく所存でありますが、適切な時期に適切な条件で売却できず、売却収入が当社保有の金融2社株式の帳簿価額を下回った場合には、当社の損益計算書に売却損失を計上する可能性があります。(下記「(参考)②金融2社株式処分の連結財務諸表への影響」をご参照)。また、想定通りに売却が進まない結果、金融2社に係る郵政民営化法上の上乗せ規制が撤廃されず金融2社の経営自由度の拡大が実現できない可能性もあります(下記「Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク ③ 当社グループ固有に適用される規制等」をご参照)。当社グループの利益の大部分を占めるのは金融2社の利益であり(下記「(参考)③セグメント利益・資産(2025年3月末現在)」をご参照)、金融2社の株式の売却が進み、当社の持分比率が減少することで、親会社株主に帰属する当期純利益が減少することにより、当社の財務の健全性の確保ができなくなるほか、キャッシュ・フローの悪化、資金調達能力が制限される可能性があります。また、当社が金融2社から受け取る配当金が減少することにより、当社の期待する配当原資の確保ができなくなる可能性があります。また、当社が金融2社の株式を処分しその持分が低下するのに伴い、金融2社以外の事業のウェイトが高まり、当該各事業における収益の悪化が、当社グループの事業、業績及び財政状態に、より影響を及ぼすことになります。さらには、金融2社の株式保有割合が低下することにより、当社の利益と金融2社の少数株主の利益が相反し、金融2社の意思決定が、当社グループの意向に沿わないなど、グループの一体的な業務運営が難しくなる可能性があります。また、顧客離れ、ブランド力低下により当社グループの収益が金融2社の持分低下の影響を超えてさらに低下する可能性もあります(下記「(参考)④議決権等議決事項(2025年3月末現在)」をご参照)。当社としては、株式売却により得た資金を活用して、資本の効率化の観点から自己株式取得も行いつつ、コアビジネスの充実・強化に向けて、成長分野へのリソースシフトを推進します。加えて、郵便局を核としたグループ運営を徹底し、グループ各社の経営方針の整合性確保や、グループ内の人事交流、情報共有を図り、グループガバナンスを維持してまいります。しかしながら、それらが機能しなかった場合、金融2社に代わる事業基盤やグループのシナジー効果を確保できず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (オペレーショナルリスク)1.人的リスク2025年3月末現在、当社グループは、全国に20万人を超える従業員を配置しておりますが、少子高齢化による労働人口の減少や労働市場の逼迫に加え、給与水準が他社に劣後する等、当社グループの魅力や優位性が低下した場合、人材の確保が困難となる可能性があります。郵便・物流事業では、郵便物や荷物の配達・集荷等の業務において、多数の協力会社に協力をいただいていることから、協力会社とのパートナーシップ構築に向けた取組を進めております。一方、2024年4月から、自動車運転業務に係るドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されたことを受けて、トラックドライバー等の人手不足が深刻化し、適切な水準の人員の確保が困難となる可能性があります。加えて、DX推進に必要なIT等の高度な専門性を有する人材の確保も、競争激化から困難となる可能性があります。また、魅力的な労働環境を提供できなかった場合、あるいは人事処遇やハラスメント等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、人材の流出・不足を招く可能性があります。さらに昨今、国内の賃金水準が上昇しており、物価上昇及び労使交渉・労働法制の変更等を受けて給与等を増額した場合には、1人当たりは小さな増額であっても、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、かかる事態に対処するため、働きやすい職場づくり、労働条件の整備、人材育成や評価・処遇の仕組みの見直し、DE&Iの推進(女性活躍・高齢者就業・障がい者雇用・外国人雇用・性の多様性への対応等)による真の多様性の実現、人材ポートフォリオの多様化、ハラスメント相談体制の整備等を通じた社員の誇りとやりがいの向上に向けた取組と柔軟で多様性のある組織への転換を推進しておりますが、かかる施策が奏功しない場合には、人員不足、人件費の増加、競争力の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、人的資本に関する事項は、先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 2.サイバー攻撃に関するリスク(セキュリティの脆弱性を含む)当社グループは、郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している中で、事業運営上のシステムへの依存度が高い状況にあります。さらにリアルとデジタルをシームレスに連携し、幅広い世代・地域のお客さまへ新しい価値を提供するため、グループ一体でのDXを推進しており、今後ますますその重要性が高まることが予想されます。一方、近年増加の著しいサイバー攻撃や各種サービスの不正利用により企業・団体が保有する個人情報等の漏えいが多発しており、当社グループにおいても、サイバー攻撃の高度化、インターネットを介したお客さまとの双方向アクセス増加、在宅勤務(テレワーク)の拡大等の結果、当該リスクが高まっております。こうした中、当社グループのサイバーセキュリティ担当役員で構成するグループサイバーセキュリティ委員会を設置し、グループ全体でセキュリティの高度化の推進、セキュリティ専門家による点検・指導、対策推進等サイバー攻撃への対応に努めております。不正アクセス等のサイバー攻撃に対しては、メール受信やWeb閲覧に対するウイルス感染抑止等の入口対策、外部デバイスの接続制限や、許可された通信先以外の遮断等の出口対策を講じ、恒常的にサイバーセキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。加えて、各種サイバーセキュリティ演習を実施し、事業継続も含めたインシデントレスポンス能力の向上などに努めております。しかしながら、当社グループのシステムへの攻撃、各種サービスの不正利用により、事業が大規模かつ長期間に亘り停止又は制約を受けるような事案が発生した場合、さらに、お客さま対応に不備が生じ社会的信用の低下を招いた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.法令等違反に関するリスク当社グループでは、貯金払戻金窃取や郵便物等の放棄・隠匿事案等が複数件発生しており、発生原因の分析、再発防止策の検討等を行い、法令等違反の撲滅に向けて、コンプライアンスの徹底・強化、並びにグループガバナンス及び内部統制の強化に取り組んでおります。また、当社グループは、2019年12月にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る諸問題に関し、監督当局からの行政処分を受け、2020年1月に策定した業務改善計画に基づき各種施策に取り組み、外部専門家で構成されたJP改革実行委員会のモニタリングを受けながら、お客さまからの信頼回復を図ってまいりました。当社グループは、2023年12月26日付で、業務改善計画に基づく監督官庁への定期報告を以後不要とする旨の通知を総務省及び金融庁から受けましたが、引き続き、適切な業務運営への取組に努めてまいります。さらに、当社グループは、お客さまの声や内部通報制度等を通じた社員の声の収集・分析を行い、潜在的なリスクを検知して防止策を講じ、法令等遵守を徹底してまいりました。一方で、当事業年度に郵便局において、事前にお客さまから同意をいただかないまま、お客さまの貯金の非公開金融情報(注1)を用いて、保険募集や投資信託等の販売を目的とした来局のご案内等を行った、法令に違反する事案が確認されました。また、日本郵便及びかんぽ生命保険の社員である生命保険募集人が、2024年1月に販売を開始した一時払終身保険に関して、販売に係る保険業法上の認可を取得する前にお客さまへ勧誘を行っていた事案が確認されました。当社グループは、両事案について、2025年3月に監督当局から報告徴求命令を受領しました。当社グループでは実態把握のための調査を実施し、発生原因を分析し、その結果を踏まえた真因分析に基づく再発防止策を2025年3月18日及び5月19日に策定のうえ、着実に実行しているところです。また、上記の違反以外にも、2024年6月には、郵便局における委託先業者への下請法違反に対し、公正取引委員会からの行政指導を受けております。このほか、2025年3月には、法令で定められた点呼業務(注2)を実施しないまま配達業務を行った事案について全国調査を行い、2025年4月23日に調査結果及び再発防止策等について国土交通省及び総務省へ報告しました。同日、総務省から本事案の再発防止策及びユニバーサルサービスの確保等に関して報告徴求命令を受領しております。また、2025年6月5日、日本郵便は、国土交通省から一般貨物自動車運送事業の許可取消処分の聴聞の通知を受領しました。その後、同6月17日に行政処分を受け入れる旨国土交通省に報告しました。有価証券報告書提出日時点において、行政処分執行後は、日本郵便の一般貨物自動車運送事業の許可が取り消される見込みであり、日本郵便が保有する1t以上の車両(約2,500台のトラック/全国の約330局の郵便局で使用)について使用できなくなる見込みです(なお、当該許可が取り消される場合、5年間は当該許可を再取得することはできなくなります。また、軽貨物営業所となる郵便局に対する特別監査は、現時点においても継続しており、今後、監査結果を受けて、軽四輪自動車の使用停止処分が下される可能性があります。)。日本郵便としては、他の運送会社へ委託を行うことを基本に、確実な点呼の実施を大前提として、日本郵便が保有する軽四車両(約32,000台)等を使用することにより、行政処分執行後においても、郵便物及び荷物(ゆうパックなど)のサービスについては、ご利用いただいているお客さまにご迷惑をおかけすることがないよう、引き続き確実かつ適切に提供してまいります。これまで、点呼適正化に向けて、①意識改革、②ガバナンスの強化、③点呼のデジタル化、④モニタリング等の取組を実施し、点呼不備の根絶に向けて全力で取り組んできております。また、今回の事態に至った責任を重く受け止め、責任の所在及び度合いを勘案して責任を明確化しました。現時点では従来と同様に郵便・物流事業を運営できる見込みですが、代替手段の実施に伴い、委託費等の費用が増加するなど、業績に影響が生じる見込みです。上記のような態勢・予防策・再発防止策を構築・実行してまいりますが、これらの態勢・予防策・再発防止策が十分な効果を発揮せず、法令等違反が発生した場合には、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (注1)非公開金融情報:お客さま対応等の中で知った、お客さまの金融取引や資産に関する、通常、本人しか知りえない情報(具体例:口座残高、引落情報、保有ファンドの状況等) (注2)点呼業務:貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条において、事業用自動車の運行の業務に従事しようとする運転者等に対して酒気帯びの有無等の確認を行うことと定められているもの。 4.大規模災害発生時の事業継続等に関するリスク当社グループは、国内外で事業活動を行っており、各国・地域における地震、台風、洪水、大雪等の大規模自然災害、感染症の大流行、戦争、テロリズム等の人的災害、水道、電気、ガス、通信、金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、当社グループの店舗その他の設備や施設の損壊等が生じた場合、当社グループの事業運営に支障をきたし、設備やインフラの回復、お客さまの損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。特に、かんぽ生命保険においては、大規模災害や感染症の大流行に起因して、危険準備金を超える保険金・給付金の支払いが発生する可能性があります。グループ各社は、緊急事態が発生した場合に優先的に再開させる重要業務を明確にし、事業継続と復旧をスムーズに実現させるための事業継続計画(BCP)を策定し、緊急時の危機管理体制を整備しております。しかしながら、同計画による対応を適切に行ったとしても、緊急事態の規模や状況によっては、事業活動を円滑に継続、又は早期に業務が復旧できる保障はなく、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済・政治情勢その他の事業環境の変化に伴うリスク① 郵便・物流事業等近年、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢が長期化し、台湾有事をはじめ東アジア情勢にも懸念が募る等、地政学リスクが高まりつつあります。加えて、2025年以降は、米政権の掲げる通商政策の進展によっては、世界的な貿易摩擦の発生や米中対立の激化につながり、ますます事業環境の不確実性が高まっていくことが危惧されています。これらの要因により、企業におけるサプライチェーン戦略に変化が生じた場合は、国際物流事業に影響を及ぼす可能性があります。また、エネルギー価格の高騰や世界経済の減速が生じた場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行業・生命保険業当社グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業から生じる収益により占められております。足元では米欧の金利引き下げ・本邦の利上げの動きから金利差が縮小し円高リスクが高まる中、世界的な金融政策の変更、地政学リスクの高まり等に起因する金融・資本市場の動揺、グローバル経済の減速懸念の中で、金融2社の海外金融資産の増加を受けて、海外クレジット市場の信用スプレッド拡大、外貨の調達、通貨ベーシスの拡大によるヘッジコスト上昇の影響で、保有資産の評価損、減損損失及び売却損の計上、剰余金の処分による分配可能額の減少・消失等が、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (市場リスク) (ⅰ)金利急上昇リスク今後の各国中央銀行の金融政策動向、国内外の景気変動、日本国政府の財政運営やその信認の変化、米国政権の経済政策の動向等、様々な要因により急激な金利上昇が生じ、当社グループの保有資産の価値が大幅に下落するリスクや、定額貯金(預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)等の預け替え、保険の解約が進むリスクがあります。ゆうちょ銀行では、数十兆円規模の海外金融資産を保有しており、海外クレジット市場の信用スプレッド拡大時にはこれら海外金融資産の価格が下落し、保有する投資信託における収益認識できない特別分配金の発生等を通じて収益が大幅に減少する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (ⅱ)金利低下リスク日銀の金融政策の転換により、国内の金利は上昇傾向にありますが、今後金利が低下し、再び低金利環境となった場合は、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の債券運用収益が低位で推移し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ゆうちょ銀行については、保有する金融資産と貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等に差異が存在すること、金利の低下による運用収益の減少に比して相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少するリスクがあります。かんぽ生命保険については、保険契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であること、既に保有している保険契約の予定利率は変わらないことから、当初想定していた運用収益が確保できない、さらに逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均運用利回りが既契約の責任準備金の積立てに用いた予定利率を下回る現象)となるリスクがあります。 (ⅲ)その他の市場リスク直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に保有している株式(プライベートエクイティファンドを含む。)の株価が、国内外の経済状況又は市場環境の変化によって変動する場合、保有有価証券に評価損・減損損失や売却損等が生じる可能性があります。外貨建て資産については、その大部分は為替リスクを軽減する目的から通貨スワップや為替予約等によりヘッジ取引を行っておりますが、大幅な為替相場の変動が発生した場合、非ヘッジ部分に係る差損が発生し、又は通貨ベーシスの拡大が発生した場合、外貨調達コストが増加すること等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (信用リスク)有価証券の発行体や貸出先などの債務者において、国内外の経済情勢の深刻な影響や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、誤った経営判断、不祥事、その他不測の事態による財政状態の悪化等が生じた結果、与信関係費用が増加し又は保有する有価証券等の価値が下落する可能性があります。 (市場流動性リスク・資金流動性リスク)金融市場の混乱等により、市場の流動性が減退した場合、市場において正常に金融商品の取引・資金決済ができなくなる場合、大量解約に伴う解約返戻金の増加、巨大災害に伴う保険金の大量支払等により資金繰りが悪化した場合には、保有する資産の価値が減少する可能性、不利な価格での取引を余儀なくされる可能性、また、資金調達コストが上昇する可能性があります。 これらのリスクに対し、金融2社では中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、財務健全性の観点からストレス・テスト等を実施し、また、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行うことにより、リスク等を適切に管理し必要な法令上の規制比率を確保しておりますが、金融・資本市場、国内外の経済情勢その他事業環境の大幅な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他社との競合に関するリスク当社グループの事業はいずれも激しい競争状況に置かれており、競業他社は、AI・Fintech・テレマティクス等の技術の活用、事業環境の変化、事業戦略の変更等で、競争力の優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。また、近年、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制や業務範囲等の規制緩和が行われている中で、当社グループが市場構造の変化に対応できない可能性があります。特に、物流事業における競争は激しく、競業他社が競争力のある価格でサービスを提供することが日本郵便のシェアに影響を与えます。また、他の物流事業者同士の提携や他の物流事業者とEC事業者の提携、主要なECプラットフォーマーによる独自の物流サービスの展開等が進んでおり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生する可能性があります。こうした中、当社グループの中期経営計画で掲げた、お客さまサービスの向上やDXの推進によるビジネスモデル等の変革に取り組んでおりますが、かかる取組が奏功しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 法的規制及びその変更に関するリスク当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種の法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、当社グループは新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約される可能性があります。当社グループの中期経営計画で新たな成長戦略に取り組んでおりますが、当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの法的規制については、先述の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項」をご参照ください。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便約款や業務委託の認可制、全国一律料金制度といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。また、民間事業者による信書の送達に関する法律に基づき、一般信書便事業は一定の参入条件が課された許可制とされております。現時点において参入している民間事業者はありませんが、同法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合には、新規事業者の参入により競争が発生する可能性があります。これらの規制の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制金融2社は、銀行法及び保険業法等に基づき、自己資本比率規制及びソルベンシー・マージン規制を含む金融業規制を受けており、銀行持株会社・保険主要株主である当社も、銀行持株会社としての連結自己資本比率規制を含む各種規制を受けておりましたが、株式処分信託の拠出により、当社のゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は49.9%程度となり、銀行法に基づく規制は銀行持株会社としての規制から銀行主要株主としての規制に変わることとなる予定です。また、銀行業におけるバーゼルⅢ規制の最終化や保険業における経済価値ベース規制等の新たな規制の導入や、国際的な監督規制として、システム上重要な銀行(SIBs)に対する規制が課せられる可能性もあります。一方、日本郵便は、銀行法に基づき、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、内閣総理大臣の承認を得ない限り、法令で定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際のお客さまへの説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、保険業法に基づき、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、お客さまに対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。当社グループが上記規制に違反する等した場合には、規制当局から、許可、免許又は登録の取消し、業務の一部又は全部の停止、改善措置等を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [当社グループが受けている主な許認可等]許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行持株会社の認可銀行法第52条の17第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の34第1項銀行主要株主の認可※銀行法第52条の9第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の15第1項保険主要株主の認可保険業法第271条の10第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の16第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。※ゆうちょ銀行に対する議決権保有割合が50%以上の場合は「銀行持株会社の認可」を、50%未満の場合は「銀行主要株主の認可」を受けます。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等日本国政府は、郵政民営化法により、当社株式の発行済株式総数の3分の1超を保有する義務を負っていることから、引き続き当社に重要な影響を及ぼしうることになります。また、当社が将来、日本国政府の保有割合が発行済株式総数の3分の1を下回るような新株式の発行による資金調達を実施する場合、日本国政府にも一部を割り当てることが必要となるところ、その条件等について日本国政府と合意できずに、資金調達を断念せざるを得なくなる可能性があります。その他、当社グループに関する日本国政府の利益は、当社のその他の株主の利益と相反する可能性があり、また、日本国政府が、株主としての経済的利益よりも公共政策上の判断等を優先した場合等には、当社のその他の株主の利益に反する支配力又は影響力の行使がなされる可能性があります。当社及び日本郵便は、日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法により、新規業務、株式の募集、取締役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定等を行う場合には、総務大臣の認可(日本郵便の新規業務は届出)が必要とされております。金融2社は、郵政民営化法により、新規業務、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合には、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。また、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(金融2社におけるこれらの規制を「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。なお、かんぽ生命保険については、当社が株式の2分の1以上を処分した旨の総務大臣への届出を行っております。また、当社は、株式処分信託への拠出により、当社が保有するゆうちょ銀行普通株式17,993,700株を処分する予定です。処分後は、当社のゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は49.9%程度となり、郵政民営化法第62条第2項に基づき、ゆうちょ銀行の株式の2分の1以上を処分した旨の総務大臣への届け出を行う予定です。届け出以降は上記業務について、認可は要しなくなったものの、内閣総理大臣及び総務大臣への届出は要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社及び銀行との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。こうした事業活動への一定の制約は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール当社、日本郵便及び金融2社は、公社を承継した機関として、WTO政府調達協定及びその他の国際協定の適用対象となる物品及びサービスを調達する場合には、国際協定に定める手続の遵守が求められます。当社及びグループ各社は、適切な調達に向けた態勢を整備しておりますが、当該手続を遵守できなかった場合には、調達行為が成立しない、あるいは遅れが発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) マネー・ローンダリング等に関するリスク金融犯罪が多様化かつ高度化し、世界各所でテロ犯罪が継続的に発生する等、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策(以下「マネロン等対策」といいます。)の重要性が急速に高まっております。本邦においては、2021年8月の我が国のマネロン等対策に関する法規制の遵守状況及び対策の実効性を審査するFATF第4次対日相互審査結果の公表及び本邦の行動計画の策定等を受けて、マネロン等対策の強化が課題となっております。当社グループの商品・サービス、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、銀行口座の不正使用等が発生した場合には、当社グループに対する社会的信用が低下する可能性があります。このため、当社グループは、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備するとともに、役員・従業員への研修等を通じてマネロン等対策の強化を図っております。しかしながら、かかる取組が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分等により、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) コンダクト・リスク当社グループでは、経営理念にお客さま本位のサービスを提供する旨掲げており、グループ及び各社において「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」を制定・公表し、その徹底に向け、取り組んでおりますが、2019年にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題、2020年にかんぽ生命保険商品と投資信託の横断的な販売について、お客さま本位といえない営業が行われていた問題が発覚しました。当社グループは、信頼回復に向け、業務改善計画(上記「Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク (オペレーショナルリスク) 3.法令等違反に関するリスク」をご参照)を着実に実行し、また、お客さまや社員の声を経営改善に活用する等、改善策を実行し、お客さま本位の業務運営に取り組んでまいりました。当社は、お客さま本位の業務運営に反する事象(いわゆるコンダクト・リスク)を迅速に把握する態勢を整備し、グループとして一体的な対応を行うため、2021年4月にグループコンダクト統括室を設置し、また、2022年4月にグループコンダクト向上委員会を設置し、グループ行動憲章を実践していくためのグループコンダクトを向上させる取組について、外部有識者による助言をいただき、信頼回復などに取り組んでおります。しかしながら、郵便局において、事前にお客さまから同意をいただかないまま、お客さまの貯金の非公開金融情報を用いて、保険募集や投資信託等の販売を目的とした来局のご案内等を行った、法令に違反する事案が確認されました。また、日本郵便及びかんぽ生命の社員である生命保険募集人が、2024年1月に販売を開始した一時払終身保険に関して、販売に係る保険業法上の認可を取得する前にお客さまへ勧誘を行っていた事案が確認されました。当社グループは、両事案について、2025年3月に監督当局から報告徴求命令を受領しました。当社グループでは実態把握のための調査を実施し、発生原因を分析し、その結果を踏まえた真因分析に基づく再発防止策を2025年3月18日及び5月19日に策定のうえ、着実に実行するとともに、お客さま本位のサービス提供に努めてまいります。当社グループは、こうしたお客さま本位の業務運営を徹底し、組織風土改革を含む信頼回復に向けた取組を継続してまいりますが、今後、社会規範に悖るようなコンダクト・リスクが顕在化した場合には、お客さまをはじめとするステークホルダーの支持を失い、加えて、監督官庁による行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報漏えいに関するリスク当社グループが保有するお客さま、従業員、取引先等に関する情報は、郵便法、銀行法、保険業法及び金融商品取引法等を踏まえ、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことに加え、社会的受容性にも十分配慮する必要があり、データガバナンスの強化が求められております。また、2022年4月施行の改正個人情報保護法に基づく報告が義務付けられ、当社グループ内においても、個人情報データ等の漏えい事案を個人情報保護委員会等へ報告しております。かかる事態の発生を防止するため、グループ全社員を対象としたコンプライアンス教育を通じて個人情報保護を含めた情報管理に対する意識の醸成、適切な情報管理の徹底を図っております。さらに、2022年11月にグループ横断的なデータガバナンスを所掌するデータガバナンス室を新設するとともに、2023年3月にグループDXコミッティの下にグループ・データガバナンス分科会、分科会の下に各社の情報管理部署等をメンバーとする実務者レベルのワーキンググループ(WG)を設置し、体制強化を図っております。同WG等においては、お客さまの個人情報の適切な取扱いの確保やプライバシー保護等にも十分に配慮したデータ利活用を図るべく、必要なルール等の整備を進めています。このような施策が奏功せず、当社グループが保有する個人情報等の漏えいが発生した場合は、損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、サイバー攻撃による個人情報等の漏えいに関するリスクについては上記「Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク (オペレーショナルリスク)2.サイバー攻撃に関するリスク(セキュリティの脆弱性を含む)」をご参照ください。 (5) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループは、事業の遂行に当たり、人事労務、業務上の事故、外部委託、知的財産権等の利用に関する事項をはじめとする、訴訟、行政処分その他の法的手続が提起されるリスクを有しております。実際、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合や、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる等不利な判断がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 社会的信用の低下に関するリスク当社グループの事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物や荷物の誤配・紛失等、交通事故、重大な事務事故、個人情報等の漏えい、サイバー攻撃等によるシステム障害、お客さま本位の業務運営に反する行為、反社会的勢力との取引、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、労働問題、ハラスメント等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。当社グループでは、グループ全社員へのコンプライアンス教育や「お客さま本位の業務運営」の徹底を通じ、かかる事態の未然防止に努めております。これらの施策にもかかわらず、当社グループの風評・風説が、市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、又は、報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、お客さまや市場関係者等から否定的な認識又は強い批判がなされ社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 中期経営計画に関するリスク当社グループは、2021年5月に策定した中期経営計画「JP ビジョン2025」に基づき、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指す姿として掲げ、ユニバーサルサービスを含むコアビジネスの充実強化に加え、DXの推進、不動産事業の拡大や、新規ビジネス等の推進に取り組んでまいりましたが、昨今の事業環境の急激な変化等を踏まえ、グループ全体で直面する課題を克服し、「成長ステージへの転換」を実現するための道標(みちしるべ)とすべく、今後の戦略の見直しを行うとともに、2025年度の主要目標等も見直し、その結果を「JPビジョン2025+」として、2024年5月に策定しました。「JP ビジョン2025+」では、引き続き、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指し、コアビジネスの充実・強化に向けて、成長分野へのリソースシフトを強力に推進してまいります。また、人口減少、ライフスタイルや働き方の変化、デジタル化の急速な進展等経済社会の大きな変化に対応するため、お客さま体験価値や社員の利便性向上につながるDXの取組を強力に推進するとともに、当社グループの人材・組織を多様性あるものに変革する取組に着手してまいります。財務面では、ROE(株主資本ベース)について、ゆうちょ銀行株式の持分割合の減少があったものの、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の増益を受けて向上しています。その後、早期に株主資本コストを上回るROEを達成し、中長期的にさらなる向上を目指します。しかしながら、将来の戦略、計画、方針等には本「事業等のリスク」に記載のものを含む様々なリスクが内在しており、想定通りに進捗しなかった場合には、当該計画の実現又は目標の達成ができず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、コアビジネスのうち、銀行業及び生命保険業にかかる事業戦略及び経営計画に関するリスクについては、下記「Ⅲ.各事業に特有のリスク」をご参照ください。 (2) サステナビリティ経営に関するリスク先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、当社グループは、「日本郵政グループサステナビリティ基本方針」において、当社グループの事業活動を通じてサステナビリティを巡る社会課題の解決に貢献することにより、グループの持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上に努めることを掲げるとともに、中期経営計画「JPビジョン2025+」において、「日本郵政グループの強みを活かして、各事業戦略を通じたグループとしての成長と、Well-beingの向上及び、GXを含む低環境負荷社会への貢献を通じた、社会とグループの持続可能性の向上を目指すこと」をサステナビリティ経営の目標として設定しております。当社グループのサステナビリティに関する重要課題については、①地域生活・地域経済、②高齢社会への対応、③サービスアクセス、④環境、⑤人材・人的資本、⑥経営基盤を特定しております(それぞれの領域における取組の方向性については、先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください)。これらの課題に関するリスク及び機会に対処するための具体的な取組については、サステナビリティ委員会及び日本郵政グループサステナビリティ連絡会において確認と推進管理を行っております。しかしながら、その対応が十分でない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。特に、グローバルに注目が高まっている気候変動課題については、TCFDの枠組みに沿って具体的なリスクと機会の特定やシナリオ分析を行い、中期経営計画「JPビジョン2025+」で掲げる、温室効果ガス排出量削減目標「2030年度46%削減(対2019年度比)」、「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、取組を進めておりますが、そうしたリスクと機会への対応が適切に進まなかった場合には、物理的損害や、炭素税の負担、燃料費の高騰等のコストの増加、及び投資家、顧客、取引先、従業員等ステークホルダーの支持を失うなど、当社グループの事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、生物多様性への関心の高まりにより、森林資源への影響の観点から、紙を使った通信手段である郵便サービスの利用を控えることによる、郵便の利用減少の加速が生じる場合への対応や、環境負荷の低い配送サービス等を求めるお客さまのニーズに対応できない場合、当社グループの事業のシェアを失い、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、今日サプライチェーンにおける人権・労働・環境への配慮が十分であるかについて企業としての姿勢・取組が問われていることを踏まえ、当社グループでは「CSR調達ガイドライン」(2024年3月改訂)に基づき、人権デュー・ディリジェンス等を行い、関係するサプライチェーン全体で対応しておりますが、こうした点への配慮・対応が不足した場合、ステークホルダーの支持を失い、企業価値を毀損する可能性があります。 (3) DXの取組が奏功しないリスク少子高齢化・デジタル化の進展の中、企業が競争上の優位性を確保するためには、データとデジタル技術を活用して、ビジネス環境の激しい変化に対応し、お客さまや社会のニーズに基づき、商品・サービス、ビジネスモデル、業務等を変革することが必要となります。当社グループでは、2021年7月に当社の連結子会社として株式会社JPデジタルを設立し、お客さまへの新たな体験価値を生み出す「みらいの郵便局」施策によりリアル/デジタル両面からお客さまと郵便局のタッチポイントの増加を目指すほか、グループプラットフォームアプリ(郵便局アプリ)、グループ共通ID(ゆうID)及び当社グループ独自のポイントプログラム(ゆうゆうポイント)等のグループ横断的なDX施策を進めております。当社グループは、引き続き、グループで横串を通した一体的なDXを推進し、お客さま体験価値及び社員利便性の向上を基軸に、お客さまにとって利用しやすい、社員にとっても働きやすい郵便局の姿の具現化を目指してまいります。具体的には、ゆうIDを軸に、郵便局アプリやゆうゆうポイントのほか、デジタル窓口、金融コンタクトセンター等を通じて、お客さまにグループ一体の価値を提供し、お客さま体験価値の向上やグループ外にも広がる新しい価値の提供を実現します。また、お客さまの個人情報保護等にも配慮した高度なデータ分析やAI等の活用を通じて、郵便局の強みである「温かみのあるサービス」を補強し、最適なサービスやサポートを、適切なタイミングで提案し、更なる体験価値向上を図ります。また、お客さま向け窓口業務やバックヤード業務のデジタル化を継続的かつ徹底的に推進し、社員の業務負荷を軽減します。プライバシー保護等に配慮し、お客さまや社会からの信頼を確保しつつ行うお客さま情報の分析やAIを活用し、提案内容・サービスの高品質化を目指します。デジタル化においては、社員モニター等を通してユーザー目線を取り入れた使いやすい業務システムの構築、改修を実施してまいります。しかしながら、これらの施策が計画どおり進まない場合や、事業環境の変化に適時かつ適切に対応できず、競争力や業務効率が低下する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、幅広い世代・地域のお客さまに新しい価値を提供するDX推進を実現できず、社会的要請に応えられなかった場合には、当社グループの企業価値を毀損する可能性があります。 (4) システム障害等のリスク郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している当社グループにおいては、事業運営上のシステムへの依存度が高く、当社グループのコンピュータシステムは、お客さまや各種決済機構等のシステムに接続する極めて重要な機能を担っております。こうした中、大規模自然災害、テロリズム、停電、ITガバナンスの不備、システムの新規開発・更改における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、人的過失等により重大なシステム障害等が発生する可能性があります。当社グループでは、各社の基幹システムの基盤更改等に当たり、ITガバナンスの強化に向けてグループCIOが経営層を含めた推進会議に出席し、情報共有を行うとともに、事業子会社のCIOと連携して、グループ内外で発生した障害に迅速に対応し、真因分析、再発防止策等に取り組んでおります。しかしながら、このような取組によっても、システムの障害等に起因し、当社グループの事業が大規模かつ長期間に亘り停止又は制約を受ける場合、当社グループが保有する個人情報及び機密情報等の漏えいが発生した場合、お客さま対応に不備が生じた場合には、業務の停止・混乱及びそれに伴う損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 投資事業に関するリスク当社グループでは、日本郵政キャピタル株式会社、JPインベストメント株式会社、ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社及びかんぽNEXTパートナーズ株式会社が投資事業を営んでおり、国内外への投資や新たな事業領域への出資等を行っております。こうした中、投資先の事業環境の変化その他様々な理由により、投資先の業績又は財政状態が悪化した場合には、投資資金を回収できず、また、投資活動により取得・発生した株式などの金融資産やのれんに評価損・減損損失が発生するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの投資先に内在する内部統制上の不備や法令等違反の問題を当社グループが投資後に早期に是正できない場合、当社グループの信用や企業イメージが低下し、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 不動産投資に関するリスク当社グループは、オフィスビル・商業施設・住宅等の開発による賃貸事業及び分譲事業を行っております。グループ保有不動産の開発を中心に、用途やエリアごとのマーケットを見極めた開発に取り組んでおり、日本郵政不動産株式会社設立以降は、同社においてグループ外の収益物件の取得や共同事業への参画にも取り組んでおります。不動産投資においては、昨今の建設費の異常な高騰傾向や、市場金利の上昇による外部資金調達コスト及び運営管理コストの増加などによって、個別のプロジェクトで事業計画の見直しなどの影響が顕在化しています。さらに、法的規制の変更、大規模災害の発生、消費者動向の変化、ライフスタイルの変容により、既存の施設においても需要の変化等の影響を受ける可能性があります。また、不動産事業の推進におけるノウハウの蓄積、必要な人員の採用、定着等が想定通りに進捗する保証がないこと、共同事業者との間で意見の不一致が生じること等により、事業の進捗に影響が生じる可能性があります。これらの事象が当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼし、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 国際物流事業に関するリスク国際物流事業を担うトール社の事業は、世界経済の減速、サイバー攻撃、地政学リスクの高まり等の影響を受ける可能性があります。大型自動化倉庫の建設等新たな収益源の獲得やバランスの取れた顧客ポートフォリオの構築、全社的なコスト削減等により、ロジスティクス事業及びフォワーディング事業の収益規模の拡大及び収益性の向上に努めるとともに、豪州に依存した経営構造からアジアを中心としたビジネスモデルへの転換による成長を図ります。しかしながら、トール社のかかる経営改善策及び成長戦略が奏功しないこと、地政学リスクの高まり等によって事業環境が悪化すること等により、トール社の業績が向上しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便がトール社の事業再編その他日本を含むアジアを中心としたビジネスモデルへの転換をさらに進めるに際して総務大臣の認可が必要となる場合、必要な認可を適時に取得できないことにより、事業再編等に支障が生じる可能性があります。また、トール社は、日本郵便の買収以前に多数の企業買収を行っておりますが、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消しない可能性、複雑な業務及び設備、並びに世界各地の多様な従業員を十分に管理できない可能性があります。さらに競合関係にある競業他社が、トール社より優れた商品・サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ⅠTシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、さらには、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、トール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、ロジスティクス事業を行っており、関連する国・地域の事業許可や租税に係る法規制、運送、貿易管理、独占禁止、為替規制、環境等の法規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合、また、コンプライアンス態勢が十分な効果を発揮せず、法規制等の違反が生じた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、トール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されており、大幅な為替相場の変動が生じた場合、外貨建ての資産・負債等が当社の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社の連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)が適用されていることから、同基準の変更により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのほか、トール社は、継続的に設備投資等を行っており、金融機関からの借入等が一定程度ありますが、その返済が困難となる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 宿泊事業・病院事業に関するリスク当社の営む宿泊事業について、2023年3月末までに、営業中の全かんぽの宿33施設の事業譲渡・売却を完了しました。しかしながら、当社運営時における事象には、事業譲渡・売却後も事業譲渡先等に対する損害賠償責任を負うリスク、行政処分等のリスクが残存します。病院事業については、自然災害、火災、医療事故等から生じる潜在的な損失の発生、損害賠償責任、行政処分等のリスクを内包しております。また、高齢化等に伴う近時の医療費適正化の流れは、病院事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。 京都逓信病院及び広島逓信病院を2022年10月1日に事業譲渡したため、当社が運営する病院は東京逓信病院のみになりましたが、近年継続して営業損失を計上していることから、病院の状況を踏まえ、増収対策や経費削減による経営改善を進めております。しかしながら、経営改善策が当初想定した成果をもたらさない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 金融2社との関係に関するリスク(グループ協定等、人的関係・取引関係)グループ会社としてシナジー効果を発揮するため、当社と事業子会社との間でグループ協定等を締結し、グループ共通の理念、グループ運営に係る基本的事項等について合意しておりますが、金融2社についてはその独立性を確保する観点から、グループ運営に必要な事項や法令等に基づき当社による管理等が必要となる事項について、事前協議又は報告のみを求めております。グループ協定等の存続期間は、金融2社がそれぞれ日本郵便と締結している日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約が解除される日までとしており、これらの契約の解除は、当社による金融2社の株式売却と連動しておりません。こうした中、当社グループの企業価値を最大化していくために、当社及び日本郵便と金融2社との間で契約関係(下記「5 重要な契約等」をご参照)、人的関係・取引関係(下記「(参考)⑤~⑦」をご参照)を構築しグループ運営を行うこととしておりますが、これらが機能しない場合、金融2社と当社及び日本郵便とのシナジー効果を実現できない可能性や、利益相反を適切に管理できない可能性

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 日本郵政 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →