6 【研究開発活動】当社グループでは、開発本部を中心に生産統括本部と連携し基盤技術の強化・確立及び基幹商品の強化と環境に配慮した主力製品開発を基本方針として研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費の総額は1,142百万円であり、そのほとんどを日本セグメントで計上しております。なお、当連結会計年度において、当社の「金属セパレーター成形専用機BEXシリーズ」が日刊工業新聞社主催の「第67回(2024年)十大新製品賞」において「本賞」を受賞しました。受賞した製品は薄板の微細な成形に特化し、燃料電池などに搭載されるバイポーラプレートの金属セパレーターの専用機です。 当連結会計年度の研究開発活動の主なものは、次のとおりであります。新技術・基盤技術の開発(1) プレスシステム用サーボモーターの開発当社はサーボプレスに搭載するサーボモーターを自社開発し、20年以上にわたり、開発・製造を行っています。当初からの製品である汎用サーボプレス用モーターについて、巻線構成の再設計、サーボアンプの最適化、最新の冷却技術の導入などの改良を実施し、プレスの速度と加圧能力の向上を実現しました。 (2) DX・AI技術の開発①DX支援システムの開発当社は業界に先駆けてIoTシステムを開発し、提供してきました。新たに開発した「AIDAデータアナリティクスシステム Ai CARE」は機械から集積した各種データを可視化するだけでなく、さらに分析機能を持たせることでお客様を次のアクションへと導くことができるようになりました。今般更に熟練技能者に代わってAIが金型寿命監視や故障予兆監視等をサポートするアプリケーションを付加し、商品化しました。②生成AIエージェントの開発当社は生成AIと対話しながら業務課題解決のための情報を得ることができる生成AIエージェント(Ai CARE Chat)を開発しました。機械の操作方法や異常発生時の対処方法、さらには加工方法等まで、当社が蓄積してきたノウハウや知見に基づいてAIが回答します。 基幹商品の強化(1) バイポーラプレート用金属セパレーター成形専用機BEXシリーズの商品力強化十大新製品賞の本賞を受賞したBEXシリーズは、更なる商品力強化としてサーボプレス仕様向けのフライホイール蓄電システムを開発しました。蓄電システムは、プレス加工時に大きな電力が必要なサーボプレスの一次電力をピークカットして電源設備容量を抑える設備です。フライホイール方式は、電気エネルギーを物理的な回転エネルギーに変換して貯蔵することで、従来のコンデンサ方式と比べピーク電力を抑えることができます。今後はコンデンサ方式とフライホイール方式の特徴を活かし、お客様に最適な蓄電システムを提供します。 (2) MSP-4000-430販売開始近年のEV向け駆動用モーターは、コア形状の複雑化による工程数の増加から広い加工エリアが必要となってきました。このワイドエリアへの市場要求に応えるため、加圧能力4000kN、シリーズ最大のスライドエリア4300mm(従来機3700mm)のMSP-4000-430を2024年5月に販売開始しました。また、本機は自社製の高速フィーダや転積装置、スクラップカッターなどの周辺装置の操作画面をプレス機の大型ディスプレイに統合、および最新DX・AI技術(Ai CARE-HS)標準搭載などにより操作性と機能性を大幅に向上させました。 (3) DIS-1600の開発リチウムイオン電池のプレス生産設備に対する市場要求に応えるため、円筒缶成形専用プレスDIS-1600を開発しました。これに、前後2列取りの金型と新設計の高速搬送メカ式トランスファ装置を組み合わせることで高い生産性を実現しました。 (4) 蓄電池用角電池ケース成形専用機DPHの開発従来の絞り加工と比較して大幅に成形工程数を削減した横型多段成形機DPHを開発しました。新工法のアシスト絞り(PAT.)を用いてパンチが水平方向に動き逐次成形をすることによりブランク打ち抜きから製品排出までを1ストロークで完了することが可能な角形電池ケース成形専用機です。従来と比べて①金型費用抑制、②低荷重・省エネルギー成形、③加工油量削減、④材料歩留まり向上などの特徴を有しています。
FY2024|1,889 文字
6 【研究開発活動】当社グループでは、開発本部を中心に生産統括本部と連携し基盤技術の強化・確立及び基幹商品の強化と環境に配慮した主力製品開発を基本方針として研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費の総額は957百万円であり、そのほとんどを日本セグメントで計上しております。なお、当連結会計年度において、当社の「EV駆動用モーターコア生産向け高速精密プレスライン」が日刊工業新聞社主催の「第66回(2023年)十大新製品賞」において「本賞」を受賞しました。受賞した製品はソフト・ハード両面の技術で電気自動車(EV)駆動用モーターコア生産の限界に挑戦したシステムです。 当連結会計年度の研究開発活動の主なものは、次のとおりであります。新技術・基盤技術の開発(1) プレスシステム用サーボモーターの開発当社ではサーボプレスに求められる能力を最大限活用するために、その動力源である高トルクサーボモーターを自社開発し、自社生産を行っています。20年以上にわたるモーター製造経験で培った技術により性能向上とプレスへの最適化を進めてきましたが、今般この技術を応用展開することで、高速プレスラインの自動機に使用できる小型サーボモーターを開発しました。EV駆動用モーターコア専用ラインの高速フィーダーADFシリーズは、この新開発サーボモーターを搭載することで世界最高水準となる毎分130mの送り速度を実現しました。 (2) DX・AI技術の開発①プレスシステム用3DモニタリングシステムSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)の開発 SCADAは、運転条件設定(ダイハイト、プレス速度など)や生産荷重、稼働時間、軸受温度、潤滑油流量、モーター電流値、各種アラーム等の情報をネットワーク経由で収集し、プレス機械及び周辺装置の状態をリアルタイムに3Dモデルで“見える化”しプレス稼働監視を容易にするシステムです。MF-TOKYO 2023(第7回プレス・板金・フォーミング展)では来場されたお客様から作業前の始業点検等に使いたいとの声が多く寄せられました。②AIDAデータアナリティクスシステム「AiCARE」の開発「AiCARE」の開発は、当社が長年にわたり蓄積したノウハウと最新のAI技術によって、クラウド上に集積されたデータの“分析”を行うことで、これまで熟練技能者の経験に頼ってきた様々な業務をサポートするもので、金型の寿命予測も可能となりました。また、米オープンAI社の生成AI「チャット GPT」を組み込み、機械の操作方法、さらには加工方法等これまで当社が蓄積してきたノウハウや知見をAIが提供します。③シミュレーションソフトウエアの開発ADMS-SE(AIDA Digital Motion System Simulation Edition)は、金型と搬送装置の干渉を防ぎ最適なモーションを設定するために3Dの仮想空間上で動作をシミュレーションするシステムです。これは従来サーボプレス用に開発されたシステムですが、今般メカプレスでも活用できるよう開発し、システムの単体販売を開始しました。 基幹商品の強化(1) バイポーラプレート(BPP)専用プレスBEXシリーズの開発バイポーラプレート(BPP)は、今後需要が急速に伸びると予想されている「水素燃料電池」の重要コンポーネントで、今般このBPPの成形に特化した専用プレスBEXシリーズを開発しました。BEXシリーズは、BPP成形特有の中央荷重を考慮し、市場から高い評価を得ているULシリーズの構造を踏襲しつつも、ULシリーズよりベッドのたわみとフレームの伸びを大幅に低減した高剛性フレームに改良しました。本シリーズは、加圧能力8000kN、12000 kN、16000 kNのメカプレス仕様とサーボプレス仕様をラインナップします。 (2) ワイドエリアMSP-4000-430の開発EV向けの駆動用モーターは電磁鋼板コア500~600枚を高速で抜き積層させて作りますが、生産性向上やコア形状の複雑化に対応すべくプレスエリアを業界最大水準に拡張したMSP-4000-430を開発しました。現行主力製品であるMSP-3000-370に対し、以下のように主仕様を変更しました。①加圧能力(3000kN→4000kN)、②左右スライドエリア(3700mm→4300mm)、③サイドオープニング寸法(530mm→660mm)、④最大上型懸垂質量(4000kg→4700kg)
FY2023|1,871 文字
6 【研究開発活動】当社グループでは、開発本部を中心に生産統括本部と連携し基盤技術の強化・確立及び基幹商品の強化と環境に配慮した主力製品開発を基本方針として研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費の総額は1,076百万円であり、そのほとんどを日本セグメントで計上しております。 当連結会計年度の研究開発活動の主なものは、次のとおりであります。新技術・基盤技術の開発(1) プレス用サーボモーターの開発当社はプレス機械専用のサーボモーターを自社開発し、プレス機械の能力を最大限に引き出すための最適化に継続的に取り組んでいます。昨今、モーター関連市場においてはEV用モーターの普及に伴い国際規格※の見直しが行われていますが、この新たな知見をプレス機械用サーボモーターに取り込み、高出力化に加え安全性や品質の向上を進めています。※国際規格:IEC68805/絶縁システム, IEC60034-18-41/回転電気機械(絶縁システム) (2) DX・AI技術の開発①プレスシステム用3DモニタリングシステムSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)の開発SCADAは、運転条件設定(ダイハイト、プレス速度など)や生産荷重、稼働時間、軸受温度、潤滑油流量、モーター電流値などの情報を収集し、プレス機械やプレスラインの状態をリアルタイムで“見える化”するシステムです。2022年度は、高速プレス向けに新たに開発した周辺装置を取り入れました。今後も、更なる改良により高速精密加工ラインの最適稼働に活かします。 ②AIによる予兆診断システム(健全モニタ)の開発プレス機械から収集した各種センサーの情報を解析し、AIによって故障の予兆を検知する予防保全機能の開発に取り組んでいます。正常な運転状態を学習し“いつもと違う状態”と判断した際に「警報」と「異常」の2段階通知を行うことで、トラブルを未然に防止するという独自の機能を開発しました。 ③AiCARE(AIDA Information Care System)の商品力強化プレス機械情報を総合的に管理するIoTシステムを開発しました。AiCAREの情報提供は成形情報、稼働情報、保全情報の3つで構成され、オペレーター、生産管理、保全管理等の従事者が必要とする情報を最適な形で提供することができます。2022年度は高速プレスに対応し、サンプリングや荷重の見える化機能を向上させました。今後は、AIを利用した機能向上を進めてまいります。 (3) シミュレーション技術の開発当社の持つシミュレーション技術を応用し、プレス機械や搬送装置等の3Dモデルをコンピューターに取り込むことで、仮想空間上に生産ラインを構築することが可能となりました。これによって、これまで現場で実機を使って行っていたプログラムの動作確認やプレスと搬送装置の干渉に関する検証作業を、事前に仮想空間上で行えるようになりました。 (4) 厚板精密抜き工法の開発環境対策への取り組みとして、厚板の精密ギヤ形状部品の成形において、プレス成形工程の短縮とプレス加工後の機械加工工程を削減することで省エネ及び加工油の削減を実現します。 基幹商品の強化(1) NC1の開発汎用プレスNC1の基本性能を向上させたNC1-Aシリーズ NC1-1500Aを開発しました。本機は、高効率IE3メインモーターを搭載し、潤滑方法の見直しや損失トルク低減による伝達効率向上により電力使用量を削減するとともに、生産性を10%アップしました。また、操作性の改善やDX技術によりプレス機械の状態を見える化するとともに、制御回路の改善により安全性と信頼性を向上させました。 (2) 高速自動プレスMSPの商品力強化高速自動プレスMSP-3000-370とMSP-3000-330の商品力を強化しました。新仕様のMSPは、生産性を従来比17~20%向上させるとともに、工程数増加や金型複雑化に対応すべく上型懸垂能力を強化しました。 (3) 高速精密プレスライン周辺装置の開発EV駆動用モーターコア生産ラインとしてのトータルソリューションを提供するため、アンコイラ、Sループ装置、フィーダ、転積装置、スクラップカッターに至るまでの周辺装置一式の自社開発を行いました。当社がプレス機械用に自社開発した高トルクサーボモーターの開発技術を応用展開することで高速低慣性モーターを開発し、高速でパワフルな送りを実現しました。
FY2022|1,419 文字
5 【研究開発活動】当社グループでは、開発本部を中心に生産統括本部と連携し基盤技術の強化・確立及び基幹商品の強化と環境に配慮した主力製品開発を基本方針として研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費の総額は1,250百万円であり、そのほとんどを日本セグメントで計上しております。 当連結会計年度の研究開発活動の主なものは、次のとおりであります。(1) サーボプレス専用制御システムの開発SDGsのターゲットにもなっている「安全・安心な労働環境を促進する」を実現する取り組みとしてプレス機械の制御システムに国際安全規格を取り入れる開発を実施しています。従来の安全装置だけでなく、システムの中核部分に安全機能を構築すべく、サーボモーターを制御する部分に安全制御システムを構築し、国際安全認証を取得しました。今後はこの安全システムを活用したプレスに有用な機能開発を進め、安全で効率の高い性能をプレスに付加してまいります。 (2) 角電池ケース成形システムの開発EV需要の拡大に対応すべく、軽量で多様な形状の角電池ケースに対応した工法・成形システムの開発を進めています。絞り成形や潤滑方法等の改良を重ね、従来に比べて大幅な省スペースを可能にする試作機を完成しました。今後、金型を含めたシステム開発を進めてまいります。 (3) 汎用サーボプレスの開発 / DSF-N2-4000Aプレス加工の工程数が増加する近年の状況に対応するため、スライドエリアを従来比23%拡大した高剛性汎用サーボプレス機DSF-N2-4000Aを開発しました。本機は、1分当たりのストローク数を従来比67%増やすと共に、フレームのゆがみが発生しにくい新しい構造のフレームを採用して基本性能を向上させました。また、制御回路は、自動化装置や人工知能を装備して機能を向上させました。トランスファー装置との連動を簡単に設定できる自動演算機能や、人工知能がプレス機械の状態を自己診断してトラブルを未然に防止する予防保全機能などの最新機能を導入しました。 (4) DX・IoT技術の開発① プレスシステム用3DモニタリングシステムSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)の開発SCADAは、運転条件(ダイハイト、プレス速度など)や生産荷重、稼働時間、軸受温度、潤滑油流量、モータ電流値などの情報を集約し、リアルタイムにプレス機械やプレスラインの状態を“見える化”するシステムです。2021年度は、高速プレスにSCADAを搭載し、高速精密加工ラインの安定稼働に貢献しました。② AIを用いた故障診断・操作支援機能の開発機械から収集した各種センサーの情報を解析して故障の予兆を検知する予防保全機能の開発に取り組んでいます。2021年度は、正常な運転状態を学習し「いつもと違う状態」と判断した際に「警報」、「異常」の2段階通知を行って、トラブルを未然に防止する特許技術を開発しました。③ AiCARE(アイダIoTシステム)の商品力強化プレス機械の稼働情報と部品の寿命情報から部品の交換時期をユーザーに通知するAiCAREの予防保全機能を開発しました。オペレーター、保全管理者、生産管理者等、生産に関わる人が必要とする保全情報を最適な形で提供することができます。この機能は、新規プレス設備と既設機の予防保全をサポートします。