事業の概要
- 精密ねじ部品製造販売日東精工グループは、工業用ファスナー(ねじ)やその製造工具、産業用機械、計測制御機器、医療機器の製造・販売を主な事業としています。特に精密ねじ部品は、自動車や家電、精密機器など幅広い産業で使われ、同社の主力製品となっています。
- 自動化・効率化機械組立工場の自動化や品質向上に貢献する自動ねじ締め機、ロボットなどの産業用機械も手掛けています。これにより、顧客企業の生産性向上を支援し、自社の収益源としています。
- 多様な技術応用長年培った精密加工技術を活かし、流量計などの流体計測機器、画像センサーによる検査装置、地盤調査機、環境負荷低減の洗浄装置、さらには医療用照明機器など、幅広い分野で製品を展開し、多角的な収益構造を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ファスナー事業(Fastener)売上高371.03億円、営業利益22.71億円と、グループ全体の売上・利益の大部分を占める主力事業です。精密ねじ部品や特殊冷間圧造部品の製造・販売を国内外で行い、自動車や家電など幅広い産業に製品を提供しています。
- 産業用機械事業(Machinery)売上高62.74億円、営業利益7.60億円の規模で、組立工場の自動化・効率化を支援する自動ねじ締め機やロボットなどを製造・販売しています。国内と海外(タイ、アメリカなど)で事業を展開し、顧客の生産性向上に貢献しています。
- 制御システム事業(ControlSystem)売上高67.14億円、営業利益5.03億円の事業で、精密加工技術を活かした流量計などの流体計測機器、画像センサーを用いた検査装置、地盤調査機、マイクロバブル洗浄装置などを製造・販売しています。分析関連機器の開発・販売も行い、技術力を多方面に応用しています。
2025-12 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Fastener | 事業 | 371 | 23 | 6.1% |
| Machinery | 事業 | 63 | 8 | 12.1% |
| ControlSystem | 事業 | 67 | 5 | 7.5% |
| Medical | 事業 | 1 | -1 | -71.0% |
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3【事業の内容】 当社グループは、当社および子会社29社で構成され、工業用ファスナーおよび工具類(ファスナー事業)、産業用機械および精密組付機器(産機事業)、計測制御機器およびその他製品(制御事業)、医療機器(メディカル事業)の製造および販売を主たる事業の内容としております。 当社グループの事業における位置付けおよびセグメントとの主な関連は、次のとおりであります。 (1)ファスナー事業 当部門は、精密ねじ部品を基軸に、大幅な合理化を推進する特殊冷間圧造部品などの製造、販売を行っております。当社は、上記製品の設計、原材料の調達、加工、検査、包装までを一貫して行い、関係会社から仕入れた完成品とともに、これら製品を国内およびアジア、北米を中心とする海外市場にて販売しております。 国内には、工業用ファスナーの製造・販売を行っている東洋圧造㈱、㈱協栄製作所およびケーエム精工㈱、工業用ファスナーに使用される工具類の製造・販売を行っている東陽精工㈱、工業用ファスナーの製造工程の一部を受託している㈱ニッセイおよび㈱ファイン、精密プレス製品および金型の製造・販売を行っている㈱伸和精工、工業用ファスナーなどの販売を行う関係会社3社(和光㈱、松浦屋㈱、㈱ピニング)があります。また、海外には、工業用ファスナーなどの製造・販売を行っている関係会社12社(PT.NITTO ALAM INDONESIA、旭和螺絲工業股份有限公司他10社)などがあります。 (2)産機事業 当部門は、組立工場の自動化、高品質化、高効率化を実現するための自動ねじ締め機、自動リベットかしめ機、搬送コンベア、各種ロボット等の製造、販売を行っております。国内においては、当社および日東公進㈱において、設計、原材料の調達、加工、組立、検査、梱包までを一貫して行い、これら製品を国内および海外各地域で販売しております。また、海外には、産業用機械の製造・販売を行っているTHAI NITTO SEIKO MACHINERY CO.,LTD.およびNITTO SEIKO AMERICA CORPORATIONがあります。 (3)制御事業 当部門は、長年培ってきた精密加工技術を活かし、各種流量計をはじめ数多くの流体計測機器、画像センサを用いた高性能検査選別装置、地盤調査用の自動貫入試験機そして環境負荷を低減するマイクロバブル洗浄装置などを製造、販売しております。国内には、分析関連機器の開発・製造・販売・メンテナンスを行っている日東精工アナリテック㈱があります。また、海外には、分析機器・計測機器の販売・技術サービスおよびアプリケーション開発を行っているNITTOSEIKO ANALYTECH EUROPE GMBHがあります。 (4)メディカル事業 当部門は、医療用ねじの製造で培った技術や経験を活かして、医療用照明機器などの製造、販売を行っております。 [事業系統図] 事業の主な系統図は以下のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 国内外の市場において厳しい競争に晒され、常に販売価格の下落圧力を受けているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 精密ねじ部品、自動ねじ締め機、各種流量計、医療用ねじなどの製造技術。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:経済状況等による需要減少や関税引き上げ / 競争激化による販売価格の下落 / 部材調達価格の上昇
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
日東精工は、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスに依存する事業モデルではない。主要な競争優位性は、技術力や製造ノウハウに起因するが、これらは無形資産として明確に定義・評価しにくい。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客は、特定の用途向けにカスタマイズされた締結部品や自動機を導入している場合、代替品への切り替えには設計変更や再検証のコストが発生する可能性がある。しかし、標準的な部品においてはスイッチングコストは低いと考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業は、ユーザー数の増加によって製品やサービスの価値が向上するネットワーク効果を伴うものではない。BtoBの製造業であり、直接的なユーザーネットワークは形成されない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造ノウハウや効率的な生産体制により、一定のコスト競争力を有していると考えられる。特に、自動機事業においては、生産効率の向上がコスト削減に寄与する可能性がある。
規模の経済★★☆☆☆
締結部品や自動機市場において、一定のシェアを確保しているが、グローバルな巨大企業と比較すると規模の経済性は限定的である。特定のニッチ市場においては優位性を持つ可能性がある。
- 精密加工技術の蓄積長年にわたり培ってきた精密加工技術は、高品質な工業用ファスナーや産業用機械、計測制御機器の製造基盤となっています。この技術力は、他社との差別化要因となり、製品の信頼性を高めています。
- 一貫生産体制と多角化ファスナー事業では、設計から原材料調達、加工、検査、包装までを一貫して行う体制を構築しており、品質管理とコスト効率を高めています。また、産業用機械や計測制御機器、医療機器といった多角的な事業展開により、特定の市場変動リスクを分散しています。
- グローバルな生産・販売網国内だけでなく、アジアや北米を中心に海外にも製造・販売拠点を展開しています。これにより、各地域の需要に対応し、グローバル市場での競争力を維持・強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 私たちの経営の根幹には、創業時から大切にしてきた「我らの信条」が宿っています。この信条は、企業の存在意義と価値観を明確に示し、すべての従業員が共通の目標へ向かって一致団結して進むための道しるべとなります。 その根幹には、株主・顧客・従業員・社会といったすべてのステークホルダーの信頼を第一に尊重する価値観を組織文化の中心に据えています。私たちは、モノづくりの力を最大限に活用し、顧客の期待を的確に捉えるとともに、革新と品質の両立を通じて企業価値の持続的な向上を図ります。さらに、透明性の高い意思決定と法令遵守、社会的責任の遂行を徹底することで、持続可能な社会の実現に寄与する使命を果たしてまいります。 (2)2025年度の業績状況を踏まえた中期経営計画「Mission G-second」の概要 売上高・営業利益については、前期比増収増益を達成しましたが、成長戦略の一部は未達で、総じて収益面と資本効率改善といった課題が残りました。この結果を機に、2026年度は「Mission G-final」の実行を強固に進めてまいります。収益性と資本効率を最優先に、持続的な成長と安定したキャッシュ・フローの創出を目指します。 2025年度目標2025年度実績Growth#1売上高600億円502億円営業利益51.6億円34.3億円Growth#2CO2排出量※12%削減20.5%削減廃棄量※5%削減28.8%削減Growth#3労働生産性※24%アップ11.8%アップエンゲージメント3.8P以上3.7PGrowth#4ROIC8%以上6.1%ROE9%以上6.1%※Growth#2は2019年度比、Growth#3労働生産性は2022年度比 ① 全体の状況 海外展開の遅れと自動車分野の回復の遅延により、売上高・営業利益の目標を大きく下回りました。欧州拠点の設置やM&Aによるインド子会社化を実施したものの、北米市場の動きが想定を下回り、顧客の設備投資タイミングの遅延が購買サイクルを鈍化させました。さらに、米国関税の影響とエネルギー・原材料費の高騰が全体の原価を押し上げ、利益率を圧迫しました。 こうした課題を踏まえ、2026年度以降はイノベーションを加速させ、収益性と資本効率の徹底改善を最優先と据え、短期の改善と中長期の成長を両立させる具体策を推進します。 ② 成果と前進の要旨 環境領域を中心に顕著な前進を示しました。CO2削減は目標の12%(2019年度比)を大きく上回る20.5%を達成し、廃棄量も計画比の5%を大きく上回る28.8%削減を実現しました。さらに、有機溶剤リサイクル装置の共同研究は初期段階を超え、環境ソリューションの事業化に向けた実証フェーズを前進させました。 海外市場では欧州拠点の販売網拡充と現地体制の強化が進み、グローバルでの供給体制の安定性が高まりました。顧客のコスト削減と規制対応を同時に実現するソリューションの評価も進み、ブランド価値の向上にも寄与しています。 ③ 課題の所在 4つの成長戦略で目標未達が顕在化しました。需要環境の変動、原価上昇ならびに戦略投資、資本効率の遅れといった複合要因の実態を把握しています。また、生産性とエンゲージメントの改善は計画より遅れ、デジタル化・業務改革の推進力不足も競争力の維持を難しくしました。これらを踏まえて、資本配分の透明性と優先順位の再設定が急務と捉えています。 2026年度以降は、グループ全体の組織運営と現場の実行力を強化する具体的な施策を、次期計画の中で明確化しています。 (3)2026年度の経営方針 これまでの課題を払拭するため、2026年度の経営方針は「イノベーションを核に、稼ぎ力を加速する2026」とし、「Mission G-final」のスタートを合図に安定と成長を両立させるグループ企業へと舵を切る重要な年と捉えています。初年度を「改革の年」と位置付け、利益の徹底追求と資本効率の抜本的な改善を最優先課題として取り組みます。 そのため、投資の優先順位付けと資本配分の透明性を徹底し、投資リターンを最大化する体制を構築します。これらの施策は互いに連携することで、短期の収益改善だけでなく、安定したキャッシュ・フローと長期的な企業価値の持続的向上を実現します。株主の皆様には、進捗を定期的に開示し、透明性と説明責任を確保することで、改革の実効性と当社の成長力に対する信頼を深めてまいります。 (4)中期経営計画「Mission G-final」の概要当社グループは、2019年に10年後の経営ビジョンとして“世界中で認められ、求められる「モノづくりソリューショングループ」を目指す”を掲げ、これまで事業シナジーの創出や資本コスト経営を重視した事業活動に取り組んでまいりました。2026年度から新たにスタートした「Mission G-final」では、最終目標の2028年度営業利益60億円の達成を現実のものとするべく、4つの成長戦略を統合的に推進し、収益力の源泉を創出する基盤を築いてまいります。 [2028年の目指す姿] 「Mission G-final」では、「モノづくりソリューショングループの完成形、そして創造と革新の新境地へ」を戦略テーマとし、以下の施策を実施していきます。 ① 事業および製品のポートフォリオ改革 ポートフォリオ改革は、長期的な収益性と成長性を両立させる核となる施策です。高機能・高付加価値製品を中心に据え、不採算領域の整理とラインアップの最適化を進めます。市場ニーズを先取りする設計革新と技術進化を組み合わせ、製品ライフサイクルを戦略的に運用する体制を構築します。投入・撤退の判断基準は投資効果と市場適合性の双方で一体評価することで、価値創出と安定収益の両立を実現します。 ② 環境・社会のソリューション事業 環境・社会のソリューション事業は、脱炭素と資源循環の実現を軸に新たな収益源を切り開きます。共同研究の事業化を加速し、顧客のコスト削減と規制適合を同時に達成していきます。投資効果の客観的測定・公開を徹底することで、信頼性と競争力を高めるソリューションを拡大します。 ③ 働きがいと働きやすさの両立による人財力最大化 働きがいと働きやすさの両立は、組織の持続力を支える要です。柔軟性を尊重しつつ、育成機会と評価制度を見直し、現場と経営を近づける連携体制を強化します。人財の成長が生産性と組織力の源泉となる体制を築き、継続的な学習機会の提供と評価・報酬のリンク強化を通じて、個人のキャリア成長と組織の競争力を高めます。 ④ 高効率、高収益の戦略投資 高効率・高収益に限定した戦略投資は、資本効率の徹底的な改善を狙う最重要施策です。投資判断の基準を厳格化し、投資効果優先で資本配分を最適化していきます。低採算案件の縮小・撤退を迅速化し、デジタル化・自動化投資を優先して生産性と利幅を高め、安定したキャッシュ・フローの創出を実現します。 最終ステージとなる「Mission G-final」では、Gの意味するGroup’s・Global・Growthを継承し、イノベーション推進を事業活動の基本方針として位置づけ、4つの成長戦略を柱に、収益性の向上を最優先とした取組みを推進いたします。 中期経営計画「Mission G-final」の詳細は、当社ウェブサイト https://www.nittoseiko.co.jp/ir/ir_keieihoushin.html をご覧ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 私たちの経営の根幹には、創業時から大切にしてきた「我らの信条」が宿っています。この信条は、企業の存在意義と価値観を明確に示し、すべての従業員が共通の目標へ向かって一致団結して進むための道しるべとなります。 その根幹には、株主・顧客・従業員・社会といったすべてのステークホルダーの信頼を第一に尊重する価値観を組織文化の中心に据えています。私たちは、モノづくりの力を最大限に活用し、顧客の期待を的確に捉えるとともに、革新と品質の両立を通じて企業価値の持続的な向上を図ります。さらに、透明性の高い意思決定と法令遵守、社会的責任の遂行を徹底することで、持続可能な社会の実現に寄与する使命を果たしてまいります。 (2)2025年度の業績状況を踏まえた中期経営計画「Mission G-second」の概要 売上高・営業利益については、前期比増収増益を達成しましたが、成長戦略の一部は未達で、総じて収益面と資本効率改善といった課題が残りました。この結果を機に、2026年度は「Mission G-final」の実行を強固に進めてまいります。収益性と資本効率を最優先に、持続的な成長と安定したキャッシュ・フローの創出を目指します。 2025年度目標2025年度実績Growth#1売上高600億円502億円営業利益51.6億円34.3億円Growth#2CO2排出量※12%削減20.5%削減廃棄量※5%削減28.8%削減Growth#3労働生産性※24%アップ11.8%アップエンゲージメント3.8P以上3.7PGrowth#4ROIC8%以上6.1%ROE9%以上6.1%※Growth#2は2019年度比、Growth#3労働生産性は2022年度比 ① 全体の状況 海外展開の遅れと自動車分野の回復の遅延により、売上高・営業利益の目標を大きく下回りました。欧州拠点の設置やM&Aによるインド子会社化を実施したものの、北米市場の動きが想定を下回り、顧客の設備投資タイミングの遅延が購買サイクルを鈍化させました。さらに、米国関税の影響とエネルギー・原材料費の高騰が全体の原価を押し上げ、利益率を圧迫しました。 こうした課題を踏まえ、2026年度以降はイノベーションを加速させ、収益性と資本効率の徹底改善を最優先と据え、短期の改善と中長期の成長を両立させる具体策を推進します。 ② 成果と前進の要旨 環境領域を中心に顕著な前進を示しました。CO2削減は目標の12%(2019年度比)を大きく上回る20.5%を達成し、廃棄量も計画比の5%を大きく上回る28.8%削減を実現しました。さらに、有機溶剤リサイクル装置の共同研究は初期段階を超え、環境ソリューションの事業化に向けた実証フェーズを前進させました。 海外市場では欧州拠点の販売網拡充と現地体制の強化が進み、グローバルでの供給体制の安定性が高まりました。顧客のコスト削減と規制対応を同時に実現するソリューションの評価も進み、ブランド価値の向上にも寄与しています。 ③ 課題の所在 4つの成長戦略で目標未達が顕在化しました。需要環境の変動、原価上昇ならびに戦略投資、資本効率の遅れといった複合要因の実態を把握しています。また、生産性とエンゲージメントの改善は計画より遅れ、デジタル化・業務改革の推進力不足も競争力の維持を難しくしました。これらを踏まえて、資本配分の透明性と優先順位の再設定が急務と捉えています。 2026年度以降は、グループ全体の組織運営と現場の実行力を強化する具体的な施策を、次期計画の中で明確化しています。 (3)2026年度の経営方針 これまでの課題を払拭するため、2026年度の経営方針は「イノベーションを核に、稼ぎ力を加速する2026」とし、「Mission G-final」のスタートを合図に安定と成長を両立させるグループ企業へと舵を切る重要な年と捉えています。初年度を「改革の年」と位置付け、利益の徹底追求と資本効率の抜本的な改善を最優先課題として取り組みます。 そのため、投資の優先順位付けと資本配分の透明性を徹底し、投資リターンを最大化する体制を構築します。これらの施策は互いに連携することで、短期の収益改善だけでなく、安定したキャッシュ・フローと長期的な企業価値の持続的向上を実現します。株主の皆様には、進捗を定期的に開示し、透明性と説明責任を確保することで、改革の実効性と当社の成長力に対する信頼を深めてまいります。 (4)中期経営計画「Mission G-final」の概要当社グループは、2019年に10年後の経営ビジョンとして“世界中で認められ、求められる「モノづくりソリューショングループ」を目指す”を掲げ、これまで事業シナジーの創出や資本コスト経営を重視した事業活動に取り組んでまいりました。2026年度から新たにスタートした「Mission G-final」では、最終目標の2028年度営業利益60億円の達成を現実のものとするべく、4つの成長戦略を統合的に推進し、収益力の源泉を創出する基盤を築いてまいります。 [2028年の目指す姿] 「Mission G-final」では、「モノづくりソリューショングループの完成形、そして創造と革新の新境地へ」を戦略テーマとし、以下の施策を実施していきます。 ① 事業および製品のポートフォリオ改革 ポートフォリオ改革は、長期的な収益性と成長性を両立させる核となる施策です。高機能・高付加価値製品を中心に据え、不採算領域の整理とラインアップの最適化を進めます。市場ニーズを先取りする設計革新と技術進化を組み合わせ、製品ライフサイクルを戦略的に運用する体制を構築します。投入・撤退の判断基準は投資効果と市場適合性の双方で一体評価することで、価値創出と安定収益の両立を実現します。 ② 環境・社会のソリューション事業 環境・社会のソリューション事業は、脱炭素と資源循環の実現を軸に新たな収益源を切り開きます。共同研究の事業化を加速し、顧客のコスト削減と規制適合を同時に達成していきます。投資効果の客観的測定・公開を徹底することで、信頼性と競争力を高めるソリューションを拡大します。 ③ 働きがいと働きやすさの両立による人財力最大化 働きがいと働きやすさの両立は、組織の持続力を支える要です。柔軟性を尊重しつつ、育成機会と評価制度を見直し、現場と経営を近づける連携体制を強化します。人財の成長が生産性と組織力の源泉となる体制を築き、継続的な学習機会の提供と評価・報酬のリンク強化を通じて、個人のキャリア成長と組織の競争力を高めます。 ④ 高効率、高収益の戦略投資 高効率・高収益に限定した戦略投資は、資本効率の徹底的な改善を狙う最重要施策です。投資判断の基準を厳格化し、投資効果優先で資本配分を最適化していきます。低採算案件の縮小・撤退を迅速化し、デジタル化・自動化投資を優先して生産性と利幅を高め、安定したキャッシュ・フローの創出を実現します。 最終ステージとなる「Mission G-final」では、Gの意味するGroup’s・Global・Growthを継承し、イノベーション推進を事業活動の基本方針として位置づけ、4つの成長戦略を柱に、収益性の向上を最優先とした取組みを推進いたします。 中期経営計画「Mission G-final」の詳細は、当社ウェブサイト https://www.nittoseiko.co.jp/ir/ir_keieihoushin.html をご覧ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、米国の関税政策を背景に、対米輸出が一部業種において影響を受けました。一方で、同政策を起点とした供給網の再編が進み、ASEAN諸国を経由する取引の増加など、需給構成に変化が見られました。わが国経済においても、関税や貿易摩擦への懸念に加え、中国・欧州経済に起因する海外需要の減速、ならびに地政学リスクを背景とした供給制約等による資源価格の高止まりの影響を受け、製造業を中心に回復力は弱く、景気は緩やかな持ち直しにとどまりました。このような経営環境において、当社グループは中期経営計画「Mission G-second(2023年~2025年)」に基づく事業拡大戦略を推進しました。ファスナー事業では、インドのVULCANグループの子会社化を実施するとともに、精密ねじの量産対応に取り組みました。産機事業では、インド市場への展開を強化するとともに、海外市場の取り込みを強化しました。制御事業では、さまざまな市場の需要に対応したほか、有機溶剤リサイクル装置の開発にも着手するなど、日東精工グループの総合力を結集して、幅広い業界での多様なニーズに貢献すべく取り組みを推進しました。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億6千8百万円増加し、576億7千3百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3億4千2百万円減少し、166億7千万円となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ24億1千万円増加し、410億2百万円となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の売上高は502億3千8百万円(前期比6.7%増)、営業利益は34億3千1百万円(前期比3.2%増)、経常利益は34億9百万円(前期比4.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億5千2百万円(前期比2.2%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。<ファスナー事業>当事業につきましては、主要取引先である自動車関連業界では引き続きCASE関連におけるADAS(先進運転支援システム)向けを中心とした製品の需要が増加しました。また、生成AIの利用拡大に伴うデータセンター向け需要や、ゲーム機向けの精密ねじ需要も継続し、売上・利益の伸長に大きく貢献しました。さらに、車載バッテリー向け異種金属接合の「アクローズ」や軽量・薄板化に貢献する「ジョイスタッド」の展開を推進したほか、軽量化による部材変更において「ギザタイト」の需要が拡大しました。このような状況のもと、高付加価値製品の拡販や高難易度品へのチャレンジを推進しているほか、工場の集約化による運搬コストや電力量の削減を図り利益率の改善に取り組みました。この結果、売上高は371億3百万円(前期比10.2%増)、営業利益は22億7千1百万円(前期比38.8%増)となりました。<産機事業>当事業につきましては、主な需要先である自動車関連業界では、設備投資の延期や様子見が続く中、CASE関連製品の生産ライン向け自動ねじ締め機を中心に一定の受注を確保したほか、エネルギー関連の売上が増加となりました。また、インドでの自動化需要が急速に拡大したほか、海外の一部地域で需要拡大がみられ、売上減少を抑制する要因となりました。一方で、米国関税政策の影響については、後半に回復の動きが見られたものの、年間を通じて市況低迷の影響を受け、売上・利益ともに前年同期を下回りました。このような状況のもと、EU市場での拡販を推進するべく、現地パートナー企業と連携してCE規格対応製品の拡充を進めるとともに、グループ連携による海外仕様製品の拡充にも取り組み、海外市場の取り込みへ向けた活動を強化しました。この結果、売上高は62億7千4百万円(前期比5.5%減)、営業利益は7億6千万円(前期比33.4%減)となりました。<制御事業> 当事業につきましては、流量計は、船舶向けおよび生成AI需要の拡大に伴うデータセンター向け受注が引き続き堅調に推移したほか、食品衛生法改正による更新需要も取り込み、売上の維持に貢献しました。地盤調査機「ジオカルテ」は、更新需要が徐々に加速し売上が伸長しました。分析装置については、PFAS(有機フッ素化合物)のスクリーニング分析用自動試料燃焼装置の高い需要が欧州を中心に継続しています。このような状況のもと、環境関連分野では、有機溶剤リサイクル装置の開発を推進したほか、産学連携によるPFAS分解技術の実用化に向けた装置の共同研究を開始するなど、新製品の開発に向けた取り組みを新たに進めました。この結果、売上高は67億1千4百万円(前期比0.4%減)、営業利益は5億3百万円(前期比24.7%減)となりました。<メディカル事業>当事業につきましては、ターゲット市場である医療業界では、医師不足の解消に向けて、医療機関の運営効率化やAI診断、手術用ロボットの活用など、多様な医療ニーズが高まっています。このような状況のもと、患者や医療従事者の負担軽減につながる「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム材料」については、製品化に向けた準備を進めました。今期はISO13485の認証を取得し、医療機器の製造販売に関わる体制を強化しました。さらに、新たな医療用機器製造の受注を獲得し、売上の伸長に寄与しました。加えて、前期と同様に製品ポートフォリオの再編に伴い、売上は前年同期を上回りました。この結果、売上高は1億4千5百万円(前期比638.4%増)、営業損失は1億3百万円(前期は営業損失1億2千万円)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1億7千4百万円減少し、94億3千万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金は、29億3千万円の収入(前期は37億7百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益35億7千4百万円に加え、減価償却費14億6千万円や売上債権の減少12億2千8百万円などによる資金の増加があった一方、仕入債務の減少20億6百万円や法人税等の支払10億9千9百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金は、27億3千2百万円の支出(前期は8億9千9百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入3億8千9百万円や定期預金の払戻による収入2億8千4百万円などによる資金の増加があった一方、有形固定資産の取得による支出17億4千4百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得15億6千5百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金は、4億2千3百万円の支出(前期は14億2千6百万円の支出)となりました。これは主に、借入金の借入9億3千8百万円などによる資金の増加があった一方、配当金の支払7億3千7百万円や借入金の返済5億5千1百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績(注)「(a)生産実績」及び「(b)受注実績」における金額は販売価格によっております。(a)生産実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(千円)前期比(%)ファスナー29,730,995113.3産機5,480,75198.8制御7,796,53898.9メディカル127,2431,138.8合計43,135,529108.7 (b)受注実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)ファスナー37,393,670110.94,251,745107.3産機5,082,44270.81,242,29351.0制御6,630,446109.51,133,67693.1メディカル152,004491.017,282154.3合計49,258,563104.86,644,99787.2 (c)販売実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(千円)前期比(%)ファスナー37,103,355110.2産機6,274,43294.5制御6,714,47699.6メディカル145,922738.4合計50,238,187106.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。(資産) 当連結会計年度における資産の残高は、退職給付に係る資産が9億9千2百万円、土地が7億8千9百万円、原材料及び貯蔵品が7億6千4百万円増加した一方で、電子記録債権が7億7千7百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ20億6千8百万円増加し、576億7千3百万円(前期比3.7%増)となりました。(負債) 当連結会計年度における負債の残高は、長期借入金が7億2千7百万円増加した一方で、電子記録債務が12億8千8百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ3億4千2百万円減少し、166億7千万円(前期比2.0%減)となりました。(純資産) 当連結会計年度における純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等に伴う利益剰余金の増加14億1千5百万円や退職給付に係る調整累計額が6億1千万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ24億1千万円増加し、410億2百万円(前期比6.2%増)となりました。 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。(売上高) 当連結会計年度における売上高は、ファスナー事業のゲーム機向け用精密ねじや国内自動車向けCASE関連製品が好調に推移するとともに、M&Aによる連結子会社の増加などもあり、502億3千8百万円(前期比6.7%増)と過去最高額を計上しました。(営業利益) M&A関連費用の計上で販売費および一般管理費が増加した一方、調達先の見直しや金型改善などによる製造コストの低減により、34億3千1百万円(前期比3.2%増)となりました。(経常利益) 金利上昇に伴う支払利息の増加や為替差損6千7百万円の計上などにより、34億9百万円(前期比4.6%減)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 固定資産売却益1億6千4百万円や投資有価証券売却益1億9千6百万円を計上した一方、固定資産売却損9千6百万円や投資有価証券評価損6千6百万円計上したことなどにより、21億5千2百万円(前期比2.2%減)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。 a.資金需要 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料および部品の購入費や製造経費のほか、販売費および一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、主にM&Aおよび建物や機械装置等の生産設備の投資であります。 b.財務政策 当社グループは、運転資金および投資資金については、内部資金または借入により資金調達することにしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備など長期資金につきましては、長期借入金で調達しております。前連結会計年度より、グループ会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。 当連結会計年度末において、取引銀行1行と10億円の貸出コミットメントライン契約(借入実行残高10億円、借入未実行残高0円)を、また、取引銀行13行との間で合計45億9百万円の当座貸越契約(借入実行残高4億7千2百万円、借入未実行残高40億3千6百万円)を締結しております。 ③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況 2025年2月7日に公表いたしました当連結会計年度の当初業績予想に対しては、売上高は0.3%増、営業利益は4.7%減、営業利益率は6.8%(業績予想は7.2%)となりました。 新中期経営計画「Mission G-final」の初年度となる2026年は、グループ横断のイノベーションを基盤とし、市場変化にも柔軟に対応する組織運営、ESG推進を進め、安定と成長を両立する新たなグループ像をつくってまいります。初年度を「改革の年」と位置づけ、収益力強化と資本効率の改善を確実に進め、4つの成長戦略とともに2028年度の営業利益60億円の目標達成を目指します。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 経済状況と需要変動自動車、家電、精密機器、住宅関連業界など、主要顧客の業績や生産動向に大きく影響を受けます。景気後退や需要減少、国際貿易紛争による関税引き上げは、同社の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 競争激化と価格下落国内外市場での厳しい競争に常にさらされており、販売価格の下落圧力を受けています。競争激化によるさらなる価格下落は、同社の利益率を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 部材調達と品質問題原材料や部品の供給不足や価格高騰は、生産活動や利益率、価格競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。また、製品に欠陥が生じた場合、損害賠償責任や信頼性の低下により、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年12月31日)現在において当社グループが判断したものであります。(1)経済状況等 当社グループの製品に対する需要は、事業を展開している国或いは地域の経済状況と併せて、顧客である自動車関連業界、家電業界、精密機器業界、住宅関連業界等の業況・生産動向の影響を受けています。各販売地域での景気後退或いは主要顧客の需要減少や海外シフトの進行、国際的な貿易紛争や保護主義による関税の引き上げが、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、事業環境の変化に左右されない収益基盤の構築を目指しております。(2)販売価格の下落 当社グループは、国内外の市場において厳しい競争に晒され、常に販売価格の下落圧力を受けています。競争激化による販売価格の更なる下落は、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、価格低下に対して、高付加価値製品の開発による差別化、コスト削減等により利益の確保に努めております。(3)部材調達価格の上昇 当社グループの生産活動には、原材料、部品等の部材の時宜を得た調達が必要不可欠であります。部材の供給不足、調達価格の高騰は、当社グループの生産高のみならず利益率や価格競争力を低下させ、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、部品の共通化や複数購買化を進め、コストダウンに努めるとともに、吸収できない市況価格の変動については、競合他社の動向を踏まえ、適切な売価への反映を行っております。(4)製品の品質と責任 当社グループは、品質第一をモノづくりの基本とし、厳格な品質管理体制を構築しています。しかしながら、万一、当社グループの製品・サービスに欠陥等の問題が生じた場合には、当該問題から生じた損害について当社グループが責任を負う可能性があるとともに、当社グループの信頼性や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、ISO9001やIATF16949といった外部認証を取得し、開発・設計から生産に至るすべての段階において品質を造り込み、優れた製品・サービスを安定的に供給することができる体制の確立に取り組むとともに、調達先の品質管理についても徹底しております。(5)海外事業活動と為替変動 当社グループの海外事業は、アジアを中心に展開しており、事業展開をしている各国の文化、宗教、商慣習、社会資本の整備状況等の影響を受けるとともに、経済情勢、政治情勢および治安状態の悪化が、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 このような状況に対処するため、定期的に子会社との間で情報交換を行い、各社の経営状況の他、周辺環境の変化等についても積極的に情報の共有を図り、政情不安等の兆候の早期把握に努めております。 また、為替変動が、当社グループの外貨建取引から発生する資産および負債、売上高等の円貨換算額が当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、ドル、タイバーツ等の主要通貨の変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等を行っております。(6)知的財産権 当社は、多数の知的財産権を保有しており、グループ各社において有効活用しておりますが、特定の地域では十分な保護が得られない可能性や知的財産権の対象が模倣される可能性があり、知的財産権が侵害されるリスクがあります。また、知的財産権に関する訴訟において当社グループが当事者となった場合、結果として損害賠償金等の支払が発生する可能性があり、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、知的財産部門が、特許や登録商標等の出願や維持業務を行うとともに、係争への対応に備えることで損失の最小化に努めております。(7)法的規制等 当社グループは、事業を展開している国或いは地域において、事業・投資の許可、貿易・関税、知的財産権等に関する様々な規制の適用を受けています。また、当社グループの事業活動は、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染等の環境汚染の防止、地球温暖化物質、有害物質の使用削減および廃棄物処理等に係る環境関連法令、労働安全衛生関連法令に従っております。 当社グループが、これらの規制を遵守できなかった場合、事業活動が制限されるとともに、これらに係る費用や補償が当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、効率的で健全な経営にはコンプライアンスが不可欠であると認識し、企業活動の基本指針として制定した「企業倫理綱領」に基づいた行動実践に努めております。また、企業倫理に反する行為やグループのブランド価値を著しく損ねる行為を予防し早期発見・是正するために、内部通報窓口を設けております。 さらに環境保全への取り組みを企業経営の最優先事項の一つとして位置づけ、主要な工場においては、環境管理や監視体制の強化、産業廃棄物管理の徹底のため、ISO14001の認証を取得して問題発生の抑制に努めております。(8)有利子負債 当社グループは、金融機関からの借入により運転資金を調達しております。急激かつ大幅な金利上昇等の金融環境の悪化が、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 このような状況に対処するため、当社グループは、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の余剰資金を最優先に活用することで、有利子負債の圧縮に努め財務体質の強化を図っております。(9)投資有価証券の減損処理 当社グループは、投資有価証券を保有していますが、そのうち市場価格のない株式等以外については、時価が著しく下落し、かつ回復する見込みがないと判定した場合に、市場価格のない株式等については、その実質価額が取得価額に比べ著しく下落し、かつ回復する見込みがないと判定した場合には、減損処理を行うこととなり、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 このような状況に対処するため、保有株式の有効性評価を定期的に行い、取締役会にて必要可否を判断し、不要と判断された株式の速やかな処分を行うこととしております。(10)固定資産の減損会計適用 当社グループは、固定資産を保有していますが、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産または資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産または資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額することとなり、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(11)M&A 当社グループは、事業の拡大を図るために、M&Aを重要な経営戦略の一つとして積極的に活用しております。M&Aにあたっては、対象企業の財務・税務・法務等について事前にデューデリジェンスを実施し、リスクを吟味し収益力を分析したうえで決定しておりますが、対象企業における偶発債務の発生や、当初の事業計画との乖離等により、想定したシナジーや事業拡大の成果が得られなかった場合は、のれんの減損損失が発生する可能性があります。 このような状況に対処するため、当社グループは、買収先企業については、取締役会および経営会議等で定期的にモニタリングし、監督機能を強化することにより、リスクの低減に努めております。(12)退職給付債務 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されています。しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合、前提条件が変更された場合、または年金資産の運用利回りが低下した場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。一層の割引率の低下や運用利回りの悪化などが起こった場合、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(13)自然災害、戦争、テロ等 当社グループは日本、アジア、北米および欧州に製造、販売等の拠点を設け事業を展開しています。 これらの国或いは地域において、地震、火災、台風、洪水、戦争、テロ行為、感染症等が発生した場合、当社グループの製造ライン・情報システムの機能マヒやサプライチェーンの混乱に伴い、生産・出荷が停止し、業績および財政状態に甚大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、防災体制の構築と事業継続能力の強化をはかるため、社内防災組織を編成し、訓練等を実施しており、耐震対策等の取り組みも行っております。また、重要な事業を継続あるいは早期復旧を果たし影響を最小限にするため、事業継続計画(BCP)の整備などによる対策を講じております。(14)気候変動 当社グループは、気候変動の重要性を認識しており、気候変動の移行リスク(政策・法規制リスク、市場リスク、社会リスク)と物理的リスク(短期的リスク、長期的リスク)は当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 移行リスクのうち、政策・法規制リスクとしては、炭素税の賦課やサーキュラーエコノミーに伴う法規制などが挙げられます。また、市場リスクとしては、原材料コストの上昇およびエネルギー調整コストの増加、社会リスクとしては、マーケットの気候変動への対応要求事項の増加が想定されます。 物理的リスクのうち、短期的リスクとしては、自然災害の激甚化により、生産現場や生産設備、物流インフラが甚大な被害を受けた場合、生産や出荷が長期間にわたり停止する可能性があります。また、長期的リスクとしては、夏季の気温上昇に伴う電力コストの増加、平均気温上昇、気象パターンの変化による労働環境の悪化などが挙げられます。(15)情報セキュリティについて 当社グループは事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報および機密情報、また、当社グループの個人情報や機密情報を有しています。これらの情報に対するシステムのセキュリティ対策および監視体制ならびにリスクマネジメント体制の強化を推進しております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等により、万一これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や被害を受けた方への損害賠償等の多額の費用が発生し、業績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、年々多様化かつ巧妙化するサイバーセキュリティ上の脅威への対策として、情報システム部門が中心となり、情報セキュリティレベルを向上するための取り組みを進めております。サイバーセキュリティの脅威に対する技術的な対策に加え、入社時および定期的に個人情報・機密情報の取扱いに関する研修を行う等、従業員の情報セキュリティに対する意識レベルの向上に努めております。