事業等のリスク
LIXILグループの事業には複数のリスクが存在します。経済状況、為替相場、金利の変動は、原材料価格や物流コストの上昇、需要の変動を通じて業績に大きな影響を与える可能性があります。また、グローバルに事業を展開しているため、地政学的なリスク、例えば国際情勢の変化や各国の経済安全保障政策の強化が、サプライチェーンの分断や事業活動の制限につながる可能性があります。さらに、新製品開発の遅れや市場ニーズとの不一致、競合他社との競争激化も、将来の成長を阻害する要因となり得ます。情報・サイバーセキュリティリスクも増大しており、システム障害や情報漏洩が発生した場合、事業運営や信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。
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FY2025|16,065 文字
3【事業等のリスク】(1)リスクマネジメント体制当社グループでは、事業の継続と安定的発展を目的に、グループ全体でEnterprise Risk Management(ERM)の構築を推進しています。CFOを委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、ERMの推進状況やリスクへの対応状況および大規模インシデントの発生状況を把握し、リスクに係る意思決定を行っています。重要事項については執行役会に報告するとともに、取締役会は定期的にCFOから報告を受け、リスクマネジメントの取り組み状況を監督しています。また、監査委員会はリスクマネジメント部門より報告を受け、リスクマネジメントの実効性を監督しています。 (2)リスク評価と重要リスクの特定当社グループでは、事業戦略および戦略目標に影響を与える、またはそれらによって生じるリスクを「戦略リスク」、戦略的計画の実施に影響を及ぼすリスクを「オペレーショナルリスク」と定義し、これらを評価対象として年に1回全社的なリスク評価を実施しています。評価結果はリスクマネジメント委員会へ報告され、当社グループとしての重要リスクを選定し、対応すべきリスクの優先順位を決定しています。また、定期的に重要リスクのモニタリングを実施し、リスク対応策の見直しや進捗の確認を行っています。評価項目においては、ESGリスクを組み込んでおり、事業リスクと当社グループの重要課題の相互補完的な関係を考慮しています。重要課題の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。 (3)2025年3月期の事業等のリスクグループの重要リスクのうち、事業の状況及び経理の状況等に関するリスクの一覧、リスクマップ、および詳細情報は下記のとおりです。なお、発生可能性や影響度、重要性の前年からの変化を考慮して選定していますが、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、リスクの大きさに関わらず記載をしています。また、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (リスクマップ及び凡例) 2025年3月期の以下に関するリスク発生可能性影響度(注)重要性の前年からの変化(1)経済状況、為替相場・金利の変動高高同水準(2)地政学高中同水準(3)新製品の開発中中同水準(4)原材料等の調達中中同水準(5)環境(気候変動、水、資源)中中同水準(6)事業再編低中同水準(7)競合他社との競争・製品価格中中同水準(8)人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進中中同水準(9)販売チャネル中中同水準(10)ブランド低高同水準(11)災害・事故・感染症等中高同水準(12)情報・サイバーセキュリティ高中→高増加(13)知的財産中中同水準(14)繰延税金資産の回収可能性中中同水準(15)規制強化低低同水準 (注)前連結会計年度の評価から変更のあったリスクについて、前連結会計年度の影響度を併記しています。 (1) 経済状況、為替相場・金利の変動に関するリスク当社グループは、グローバルに販売活動を行っており、その売上収益は世界における需要、景気、物価の変動、産業・業界の動向に影響を受けます。例えばアルミ、銅、樹脂、半導体など原材料価格や物流コスト、エネルギーコストの上昇は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に日本国内においては、新設住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動が同様に当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、為替相場の変動は、当社グループの外貨建取引により発生する資産及び負債の円貨換算額や外貨建で取引されている製品の価格や売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。また、当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入や社債の発行等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には当社グループの資金調達に係る金利負担が増加し、借入や社債発行による資金調達の難航や支払利息・社債利息が増加する等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。発生可能性高影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループ全体における販売活動においては、適切なタイミングにおける価格改定を実施し、価格の適正化を図っています。日本での販売活動においては、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数減少の予想を踏まえ、新築市場におけるシェアの拡大の取り組みのみならず、中高級品市場への拡販、リフォーム戦略の強化を進めています。また、生産活動においては、代替調達先の確保による製品・原材料を含めた適切な在庫水準の維持により、安定的な供給体制の構築に努めています。さらに、日本の財務部門において、運転資金及び投融資による資金需要を把握し、投資審査委員会等で案件を審査する体制を構築しています。また、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各拠点において為替相場の動向を月次でモニタリングするとともに、必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、為替相場の変動影響を低減しています。当該「リージョナル・トレジャリー・センター」に各地域における資金管理業務等を集約することにより、資金調達の効率化及び安定化を進めています。 (2) 地政学に関するリスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、地政学の影響を広範囲に受ける可能性があります。国際情勢や多国間の国際関係は、原材料、資源・エネルギー価格や輸送費の高騰及び調達リスク、物流における供給停滞・遅延といった直接的な影響に加え、世界的な物価高や政策金利への影響を増長させるといった間接的な影響もあり、多岐にわたる他のリスクと複雑に関係し、それらの影響及び不確実性を増長する可能性があります。また、各国の経済安全保障政策が強化され、新たな制裁・法規制の対象となった国や企業との取引の停止、戦争・紛争が発生した地域における長期事業停止や事業撤退等、予期しない政策や法規制等の変更、また社会的な期待の変化が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。発生可能性高影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループは国内外に生産拠点を持ち、製品をグローバルの顧客に供給していることから、事業継続に影響する地政学的リスクについて様々な面から対応を強化しています。調達においては、事業に甚大な影響を及ぼすサプライチェーンの分断対策として、カントリーリスク対応を推進し、特定国・地域に過度に偏ることがないように取り組んでいます。また、要求性能を明確化し、在庫備蓄品目を拡大することで有事の際の備えを強化しています。さらに緊急対応先への移管や行動計画を作成し、定期的なコミュニケーションが取れる関係を構築することでグループ全体としての調達機能の活用・強化を実行しています。物流においては、供給網の寸断に加えエネルギーコストも考慮し、グローバルのサプライチェーンを整備しています。欧州においては配送センターを再編し、北米においてはメキシコの生産力を高め地域内での供給体制を強化するとともに、足元の米国の関税政策の動向を注視しています。国内においては調達物流専門部署を設置し、複数拠点の生産体制や工場間の応援生産体制の整備、購買ポータルサイトによる適切な在庫水準の維持を進めています。また、政治・経済情勢や法規制に関する動向を注視し、事業に影響が出る可能性のあるリスクについてはグループ内に共有し、周知に努めています。そのうえで、従来からのリスク対応策や事業継続計画(BCP)を定期的に見直していくこととしています。 (3) 新製品の開発に関するリスク当社グループは、常に技術と顧客ニーズを的確に把握し、魅力ある製品の開発に努めています。しかしながら、市場や業界のニーズの急速な変化に対応できない、あるいは新製品の価値が顧客へ効果的に訴求できない場合、将来の事業成長の鈍化や売上収益の低下につながる可能性があります。また、製品に欠陥が生じリコールが発生するリスクもあります。大規模なリコールや製造物責任賠償につながった場合、多額の支払が生じ、当社グループ製品への信頼性や評判に悪影響を及ぼし、結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策市場の変化に迅速に対応し、将来を見据えたイノベーションの創出に注力しています。例えば、家庭の蛇口から冷たいミネラルウォーターを楽しめる「Greentap」や、壁にマグネット式の板を自由に設置できるキャットウォーク「猫壁」は、新たな価値を提供する革新的な製品です。また、2024年に発表されたパノラマウィンドウ「SEAMLESS」は、世界的に権威のあるデザイン賞「Red Dot Design Award」において最高位の「Best of the Best 2024」を受賞するなど、高付加価値で差別化された製品を多数開発しています。経営の基本的方向性を示す「LIXIL Playbook」では、優先課題として「事業戦略と環境戦略の統合」を掲げ、環境配慮型製品の開発を加速しています。例えば、シャワールームとバスルームを自在に切り替えられる布製浴槽「bathtope」は、従来の浴槽と比較して26%節水が可能となり、環境問題への対応を図りつつ新しいライフスタイルを提案しています。また、CO₂排出量削減に大きく寄与する循環型低炭素アルミ形材PremiALシリーズは、環境意識が高い企業からの引き合い・採用を着実に増加させています。資源の循環利用についても、「LIXILプラスチック行動宣言」の実現に向け、リサイクル比率を従来品の3倍に高めた高性能樹脂窓「EW」や、廃プラスチックと廃木材を利用した新素材「revia」など、 製品の原材料として可能な限りリサイクル素材を使用し、市場ニーズと持続可能な社会への貢献のどちらにも応える製品ラインアップを拡充しています。各製品の上市後は業績管理により、市場トレンドと開発戦略の適合性を確認しています。開発プロセスにおいてはステージゲートシステムを導入し、品質不具合の早期発見と迅速な対応を行い、大規模な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性を低減しています。また、従業員を対象とした品質意識調査や品質テーマを掲げた啓発活動、品質意識を高める情報メディアの発行など、顧客目線での品質を最優先する風土の醸成に努めています。 (4) 原材料等の調達に関するリスク当社グループの生産活動においては、金属・木材・樹脂・セラミック等資材、部品を調達しています。しかしながら、国際情勢や経済状況などにより為替レートやコモディティ価格が変動し、原材料価格の高騰や調達遅延が発生する可能性があります。これらは売上原価の増加を招き、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与えるほか、欠品により当社グループの製品の信頼性や評判へも影響を及ぼす可能性があります。また、生産・販売活動と密接に関わる物流に関しても、運搬物の増加等による調達遅延や石油価格の変動、人件費の高騰などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策原材料価格高騰部分の販売価格への転嫁、価格変動のヘッジを目的としたデリバティブの活用を行っています。また、複数購買の実施、有事における対応力が強いサプライヤーの選定、カントリーリスク対応を推進するほか、取引先に対しては信用情報調査や調達アンケート、および定期的なコミュニケーションを実施しています。BCPの観点では、定期的な品質テスト、安全在庫量の確保等により安定的な供給体制の構築に努めています。また、コモディティ価格の高騰の影響緩和のため、原材料の代替素材への転換やリサイクル素材の使用、および製品の長寿命化とリサイクル性を考慮した設計を推進しています。その一環として、当社グループが掲げる「LIXIL環境ビジョン2050」の注力分野の1つとして資源の循環利用を促進しています。さらに、物流に関しても、物流化によるコスト削減と安定輸送の確保に継続的に取り組むことで物流費の安定化を図っています。 (5) 環境(気候変動、水、資源)に関するリスク当社グループは、製品開発から調達、生産、販売、製品使用、使用後の廃棄に至るあらゆるプロセスにおいて地球環境保全に向け様々な活動を行っています。特に近年では、気候変動や自然消失が自社のバリューチェーンに与える影響として、政策や規制、市場の変化がもたらす移行リスク、異常気象や生態系の変化などの物理リスクが顕在化する可能性が高まっています。さらに、今後世界的な水資源への課題、原材料・部材の価格高騰、石油由来のプラスチックや木材に関する規制強化、サーキュラー・エコノミーへの移行による消費者嗜好の変化等の市場変化に柔軟に対応していかなければ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループでは、執行役会から任命を受けた担当役員が委員長を務める環境戦略審議会を設置し、環境ガバナンスに関わる規程や方針の制定、気候変動、自然資本及び生物多様性を含む環境重要課題に対する施策の審議と決定、当社グループ全体の目標管理とモニタリングなど、環境戦略を構築し、実行しています。LIXIL環境ビジョン2050では「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、2050年までのCO2排出ネットゼロ及び水の恩恵と限りある資源を次世代につなぐことを目指した活動を推進しています。長期目標である2050年までのCO2削減目標は、2024年3月期にSBT(Science Based Targets)よりネットゼロ認定を取得しました。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言を踏まえ、気候変動、自然資本及び生物多様性を含む環境課題が当社グループに及ぼすリスクと機会を特定・評価し、執行役会・取締役会へ報告・承認を経て、環境戦略に反映させる取り組みを進めています。移行リスクに対しては、生産活動におけるエネルギー使用効率化や積極的な再生可能エネルギー活用に加えて、今後はサプライチェーン全体での環境負荷削減の取り組みを強化していきます。さらに、インターナルカーボンプライシングのより実効的な運用に向けた検証や、2050年に向けた長期的な脱炭素技術の開発や導入を促進していくための製造技術や製品材料の研究を進めています。また、物理リスクに対しては、BCP計画によるリスク最小化、生産バックアップ体制整備、固定資産への保険、渇水対策のための取水管理などを進めています。移行リスク及び機会への対応においては、環境目標・実行計画に落とし込み、環境パフォーマンス向上やリスク管理に関わる施策を推進・展開し、その進捗の監視と振り返りを行う管理プロセスを構築し、適宜改善を進めています。また、ISO14001若しくは環境マネジメントシステムによる環境関連法令の洗い出しや遵守の点検ルールを定め、運用状況について定期的に内部監査を実施し、内部監査で指摘があった事項については、フォローアップを行い、改善の実施を確認することで、環境マネジメントシステムの効果的な運用につなげています。パリ協定及びSDGsの目標13に掲げられているとおり、CO2削減のため、製造・販売活動の見直しや気候変動による影響を低減するための取り組みを実施することが以前にも増して企業に求められています。また、世界的な人口増加や経済成長に伴い、SDGsの目標12や目標6に掲げられているとおり、持続可能な資源利用や節水・浄水技術に対する需要が高まっています。近年では、SDGsの目標14や15に掲げられているとおり、気候変動の影響と合わせて生物多様性の損失がグローバルリスクとして認識が高まり、自然資本に関するリスクの把握や対応に対する評価を求める動きが始まっており、当社グループにおいてもTNFD提言への対応として情報開示をしています。 (6) 事業再編に関するリスク当社グループは、経営の効率化及び競争力強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員配置等の適正化による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、事業再編後の組織において全社的な戦略上の優先順位が劣後し、経営資源が適切に配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、投融資等の意思決定の際に、事業戦略、領域、展開国等に内在するリスクが的確に識別されず、投資実行後に当初想定していた利益やシナジー効果を実現できないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策経営陣と従業員とのコミュニケーション強化を図ることにより、当社グループの経営戦略の浸透を図っています。事業・地域ポートフォリオマネジメントを強化することを通じて経営資源配分の優先順位を明確にすることにより、事業再編後の組織において、シナジー効果の最大化や戦略実効性の向上が早期に実現するよう努めています。事業再編後のスムーズな組織の構築に向けて、M&Aにおける買収先企業のPMIを強化しています。その一環として、ガイドラインの策定を通じて、PMI推進体制及び進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用による子会社のガバナンス強化を推進しています。さらに、当社又はその子会社による会社の新設、事業再編等を含む投融資に関する事項(投融資案件)については、その内容や金額的重要性に応じて適時適切な判断ができるよう、投資審査委員会による審査や決議をする体制を整えています。 (7) 競合他社との競争・製品価格に関するリスク当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しており、特に売上収益は競合他社の価格設定に影響を受けます。高品質で魅力的な製品の市場投入に取り組む一方で、価格面においては必ずしも競争優位に展開できる確証はありません。製品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策競合他社との激しい競争による市場価格の下落に対し、多様なニーズに寄り添った付加価値製品の市場投入による差別化を進め、販売価格の底上げに取り組んでいます。生産活動においては、資材の共通化や、プラットフォーム化による生産スペースの削減など、投資資本効率の向上に努めており、新製品の早いサイクルでの市場投入や、時代に合った新しい価値の継続的な提供を行っています。販売活動においては、富裕層をターゲットとした製品や、当社独自の技術によって実現した環境配慮型製品など、他社差別化製品の展開により、価格競争に晒されにくい事業ポートフォリオの改善を推進しています。また、仕様や基準およびデザインを統一することで、リビングなど空間全体のコーディネートを追求した提案を行うなど、当社ならではの幅広い製品を活かした体制づくりを行っており、市場に対して新しい価値を提供する製品を適時に投入することで、価格ではなく「価値」で顧客に選ばれる取り組みを実施しています。 (8) 人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要です。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、国内外で必要な人材を継続的に採用・維持するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まない場合には、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループにおいて、継続的な事業の発展のためにグループ全体で女性のさらなる活躍、障がいのある従業員のための取り組みや人種における平等、性的マイノリティに関する取り組み等を推進しており、地域ごとに人事制度の改定や拡充を行うほか、グローバル規模の従業員リソースグループ(ERGs:Employee Resource Groups)として、ジェンダー平等、多文化、障がい、働く親や介護者、LGBTQ+にフォーカスした5つのグループを立ち上げる等、インクルーシブな組織風土を醸成するために様々な活動を行っています。日本において、新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開するほか、人事・教育体系を充実させ、従業員の定着と育成に努めています。また、グローバルで活躍できる人材を育成するために、各プログラム(海外派遣研修、選抜型の育成プログラム、eラーニング等)を実施しています。多様なバックグラウンドを持つ従業員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、インクルーシブな環境を構築するための取り組みを推進しており、マネージャー向け研修をはじめとする多様な人材を受け入れる企業文化の醸成や、従業員が働きやすい職場環境を整備しています。さらに、「報酬・福利厚生委員会」を設置し、グローバルでの処遇の公平性・透明性に向けた取り組みを強化しています。近年、高齢化の進行による高齢世帯の増加及び障がい者人口の増加に対応した製品の必要性が高まっています。また、SDGsの目標5にて掲げられているとおり、企業に対して高齢者や障がい者の雇用だけでなく、ジェンダー格差の是正に対する取り組みも求められています。 (9) 販売チャネルに関するリスク当社グループはグローバルに事業を展開しており、各事業において販売チャネルの戦略を推進しています。しかしながら、流通経路の変更や新規の販路拡大に対して、想定していた顧客数が確保できない等の理由により、売上成長が鈍化する可能性があります。例えば、当社の連結子会社であるASD Holding Corp.は様々な需要に応じて幅広い製品を展開していますが、各製品の拡販が計画通りに進捗しない場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策各事業の市場傾向やターゲット顧客の特性を把握し、事業戦略と一貫した販売チャネル戦略を推進しています。市場環境の変化における需要の変動や法規制、技術革新、競合他社の活動等を適切に把握し、適時に戦略の方針やアプローチを改善することで、各事業における当社製品の効果的な市場浸透を図っています。ASD Holding Corp.では、販売チャネルの拡大を進めるために、従来、外部の販売代理店が行っていた営業活動を内製化し、施工会社等のステークホルダーに対して、当社ブランドの専門性を持った担当者が直接アプローチすることで自社製品の販売促進に努めています。特に、建設会社への拡販やショールームの活用強化に注力しており、複数ブランドの差別化商品の投入や価格戦略を進めています。また、自社のECを活用したウェブサイトの展開や施行者向けトレーニングを充実させるなど、エンドユーザーへの直販チャネルの拡大を促進しており、売上高も増加傾向にあります。その他、リテール市場の縮小によるリスク軽減を見据え、子会社の買収・売却・解散等を適切に判断することにより、ポートフォリオの管理を行っています。 (10) ブランドに関するリスク当社グループはグローバルに事業を展開しており、多数のブランドを保有しています。しかしながら、ブランド戦略と事業戦略との整合性や、市場トレンドとの適合性、それらの把握および管理不足によりブランド・エクイティが変動する、あるいは製品事故などインシデント発生によるレピュテーション毀損等によりブランド価値が低下することで、業績に影響を与える可能性があります。特に当社の連結子会社であるLIXIL Europe S.à r.l.が保有するGROHEブランドは富裕層をターゲットとしたプレミアムブランドとして認知されており、激しい競争環境において従来の欧州中心のビジネスのみならず、中東市場における販売の拡大を推進しています。当ブランド価値の毀損により、売上成長が鈍化、若しくは利益率が低下した場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。発生可能性低影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策各ブランドの強みや認知度を活かし、事業戦略と一貫したブランド戦略を策定し展開しています。各市場や競合環境を適切に把握するとともに、策定した戦略に基づき顧客・従業員・取引先等を含めたコミュニケーションを強化することで、共通したブランド認識の構築と浸透を図っています。また、グローバルで自社及び競合他社ブランドの販売価格を継続的にモニタリング・分析し、当社グループ全体において統一的な施策を立案・実行できる仕組みを整備し、競争の激しい市場においてもブランド価値を反映した価格帯を維持できるよう対応しています。さらに、ウォーターテクノロジー事業におけるGROHEブランドの位置付けについて、事業内の他ブランドとの差別化を図るため、ブランドデザインの使用に関するルールを設け、ブランド価値の維持・管理に努めています。このような総合的なブランド戦略により、GROHEブランドの認知度を高め、市場でのトップポジションを維持することを目指しています。 (11) 災害・事故・感染症等に関するリスク当社グループは、日本国内及び海外諸国の複数の拠点において生産・販売活動を行っていることから、各地で発生する地震や台風等の自然災害、未曽有の大事故や感染症によって、当社グループの調達、生産、物流、販売活動や情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を受ける可能性があります。特に、災害・事故等の発生により、当社グループの国内及び海外工場の生産活動が停止することは、市場への製品供給に深刻な影響を及ぼし、売上収益に悪影響を与える可能性があります。また、感染症の発生や拡大は当社グループ従業員の健康状態悪化による労働力の低下の可能性や、取引先の生産・販売活動の一部停止等、当社グループの事業活動に支障が出る可能性もあります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。発生可能性中影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策大規模自然災害や事業活動に伴う事故に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、災害・事故発生時の対応を適時に行うことができるよう事前の対策を講じています。また、被害情報収集アプリや備蓄品管理アプリの導入、緊急時回線の確保を通じて、初動における効率化と適格性の確保に務めています。実際に大規模災害が発生した場合には危機管理対策本部を立ち上げ、被害の最小化と早期復旧が確保できる体制を整備しています。海外子会社の従業員や出張者、駐在員が自然災害や政変によるテロ・暴動に巻き込まれた場合についても、外部専門家と提携した現地従業員へのサポート体制を整えています。また、渡航時の危機管理フローを作成し、渡航前研修の実施や特にリスクが高いとされる国や地域に関する注意喚起を通じて、従業員の安全確保に努めています。感染症対策に関しては、在宅勤務の環境整備と運用を従来から推進しており、また政府指針等を踏まえた対応ハンドブックを策定し、適時更新し運用しています。感染発生時の対応準備や報告フローの見直しなどを行い、従業員が安心して働ける環境を構築するとともに、事業活動を従来通り継続する環境の整備に努めています。当社グループは、従業員及び従業員家族、取引先を含むステークホルダーの方々の生命及び安全の確保を最優先とした災害・危機対応に取り組んでいます。なお、緊急事態発生時の行動や対策については従業員への周知徹底と継続的見直しを実施しています。 (12) 情報・サイバーセキュリティに関するリスク当社グループが行う生産・販売活動及び各種事業活動は、コンピュータシステム及びコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用しています。このため、通信ネットワークに生じる障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウェア、若しくは、ソフトウェアの不具合・欠陥、データセンターの機能停止等により事業活動に支障が出る可能性があります。また、情報システムが適切に導入・更新されていないことによりシステム上の不具合、業務の非効率、生産性低下を招き、事業活動に支障が出る可能性があります。さらに、当社グループでは、業務を遂行する中で顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められています。このため、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、売上収益の減少あるいは販管費等の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。発生可能性高影響度中→高重要性の前年からの変化増加対応策情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティに関する社内規程の整備、不正アクセス等を未然に防止するための対策、従業員に対する教育等を実施し、さらにこれらの取り組みを定期的に評価・見直すことにより、情報セキュリティマネジメントの継続的な改善を実施しています。特に、効率的で安定した事業活動の遂行を担保するため、老朽化した基幹システムの刷新を進めています。また、サイバー攻撃全体への対応としてCSIRT (シーサート: Computer Security Incident Response Team)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、情報セキュリティリスクが顕在化した場合には、緊急時の報告基準とフローに沿ってエスカレーションを行い、事業部門とコーポレート部門が連携し、速やかに初動対応と事業復旧対応が取れる危機管理体制を構築しています。IoT (Internet of Things)やOT (Operational Technology)も含めたサイバーセキュリティ強化の構築も推進しています。また、個人情報保護に関する法令を遵守すべく、必要な社内規程の整備やEU一般データ保護規則 (GDPR)で要求されるデータ保護責任者を含む個人情報責任者の設置、適切な研修の実施、プロセス整備等を行っています。さらに、ランサムウェア対策として、定期的なバックアップ、従業員へのフィッシング詐欺対策研修、エンドポイントのセキュリティ強化などを実施し、サイバー攻撃に対する防御体制を強化しています。また、外部専門家と連携した初動の確保と財務的備えについても実施しています。 (13) 知的財産に関するリスク当社グループは、魅力ある差別化された製品やサービスの開発に努めています。このような製品やサービスに対し、第三者が保有する知的財産権との関係で紛争や交渉が生じる可能性があります。この場合、当該第三者の知的財産権を侵害しない製品やサービスの開発、損害賠償金の支払い、当該第三者の知的財産権のライセンスの取得とロイヤルティの支払い、差止命令による当社グループの製品やサービスの一部について製造販売や提供の中止、を要求される可能性があります。一方では、当社グループの製品やサービスの差別化要素となる技術やデザイン等が第三者に模倣されることにより、当社グループの製品又はサービスの市場競争力の低下を引き起こす可能性があります。また、当社の商標権等の知的財産権を侵害する模倣品の流通により、当該模倣品を使用した顧客に事故や健康被害等が発生した場合、当社グループへの評判、ブランド価値、当社グループの製品の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。これらは、当社グループの経営成績及び財政状態にも悪影響を及ぼす可能性があります。発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策知的財産部門と事業部門が連携し、第三者の知的財産権の調査分析を行う等の知的財産権についてのリスクアセスメントを製品開発のプロセスに組みこむことで、開発段階から訴訟その他の重大な事業リスクの発生を未然に防止する対応をしています。すなわち、第三者の知的財産権についての事前調査や必要なライセンスの取得などの対応を図っています。また、長期にわたって事業の競争優位性と高収益性を実現するために、競争力の源泉である当社の差別化要素の第三者による模倣を防ぐ対応を行っています。そのため技術開発、製品企画の段階から保護すべき知的財産を特定し、特許権、意匠権、商標権及びその他の知的財産権を取得し、又は当該知的財産を秘匿する等の対応を図るとともに、日本及び各国における知的財産ポートフォリオマネジメントを推進しています。なお、模倣品に対しては、お客様に対する注意喚起や税関への差止申立て、インターネット販売における監視と排除、当局による摘発への協力等を行い、その流通の防止に努めています。さらに、知的財産情報をはじめとする各種のデータ分析に基づく知財インテリジェンスを実行し、上記のリスクアセスメントを効率的に行うとともに、戦略的に知的財産ポートフォリオを構築することに活用しています。 (14) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対してそれらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において繰延税金資産を計上しています。将来の課税所得は、マネジメントが確認した将来の業績見積りを基礎としています。当該見積りにおいて、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数の減少が予想される中、販売価格の適正化及び政府による住宅省エネ化支援策の拡充も踏まえたリフォーム戦略の強化等による売上収益の増加や原価低減による売上総利益率の改善等の収益性向上を見込んでおり、これらの施策の達成には不確実性が伴います。また、税務上の繰越欠損金の繰越年数や使用上限割合が変更される等、当社グループにとって不利な税制改正が行われる可能性が否定できません。これらの結果、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策見積りの達成にあたっては、当社グループ全体の業績管理を担う企画管理部門によるモニタリングを強化しており、見積りの達成を阻む要因があれば、早期に対応できる体制を構築しています。さらに、当社CFO直轄組織がガバナンス強化の取り組みの一環として業績管理プロセスを強化することにより、業績悪化の兆候を早期に捉え、税制改正にかかる情報については、当社税務部門において早期に捉えるようにしています。これらの部門が、業績悪化の兆候や税制改正にかかる情報を把握した際には、当社経理財務部門及び税務部門と協議を行い、繰延税金資産の回収可能性に関して、タックスプランニングの見直しの必要性も含めて適時に対策が打てるような体制を構築しています。当期においては、当社及び一部の子会社の繰延税金資産の一部については使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が生じたため、当該繰延税金資産の帳簿価額の一部を減額しました。今後、収益性の回復により回収可能性が高いと見込まれた際には、再度帳簿価額の増額を行います。 (15) 規制強化に関するリスク当社グループは、日本国内において事業活動を行う上で、会社法や独占禁止法、個人情報保護法、税法、会計基準等、経営に係る一般的な法令諸規制の適用を受けています。また、海外での事業活動についても、それぞれの国や地域における競争法、個人情報保護法、国際取引規制、その他の法令諸規制の適用を受けています。近年、当社グループの重要な物的資源(金属・木材・樹脂・セラミック等)又はその原材料を含む自然資源の利用や、非財務情報開示を含むサステナビリティに関わる規制等、新たな法令諸規制の導入について活発に議論されています。また、個人情報保護に関する規制については、グローバルに規制強化の一途を辿っており、その執行も活発化しています。これらの法令諸規制は、労務費、原材料費、エネルギーコスト等の上昇、国際情勢や多国間の国際関係の変化、その他の社会情勢の変化などに応じて、将来において急速に新設・変更・廃止され、厳正な法執行が行われる可能性があります。その結果、製品その他サービスの提供の制限や、売上原価の増加、設計・開発段階におけるコスト増、新たな制裁・法規制の対象となった国や企業との取引の停止等、当社グループの事業運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、新たな法令諸規制に対応できる人材の確保を含む体制整備や、システム導入に遅れが生じた場合、従来と比較して法令違反のリスクが高まる可能性があります。発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループは、複雑化し急速に変化し続けるグローバルな規制環境の中で行う事業活動に機動的に対応するため、2022年1月に法務・コンプライアンス部門のグローバルでの組織再編を実施しています。また、2024年12月には、ロシア・ウクライナ紛争のために輸出入に関する規制が活発になっているヨーロッパ地域において新たなTrade Compliance Officerを迎え入れる等、規制遵守体制をさらに強化しています。これらの新体制のもと、法務部門を中心とした各地域の法令遵守と法的リスクを抑制するための体制が整備されています。さらに、法令諸規制に関する情報発信や定期的な教育等により、従業員の理解度を高めるとともに、事業部門とコーポレート部門が規制対応に関して適切に連携できるよう取り組んでいます。規制の新設・変更・廃止が実施された場合には、規程やガイドライン等の作成・更新に加えて、取引先に対するコンプライアンスデューデリジェンスにその内容を反映する等の実務的な方策によって、規制違反の回避に努めています。
FY2024|17,178 文字
3【事業等のリスク】当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについてグループ共通の基準(事業計画への影響度と発生可能性等)で評価を行い、グループ内での事業規模の違いや外部環境の変化等に基づき、経営者の目線からリスク間の相対的な関係を考慮した上で対処すべきリスクの優先順位を決定しています。なお、リスクの洗い出しに際して、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類し、それぞれ以下のように定義しています。 戦略リスク事業戦略の策定及び遂行により獲得を企図する成果が予定通り獲得できない程度及びその発生可能性であり、健全な範囲で事業成果を獲得するために敢えて選択して取るリスクオペレーショナルリスク戦略遂行を支えるオペレーション上の事象による損失額及び事象発生可能性であり、事業遂行上一定以下に抑制すべきリスク これらに基づき、リスクにおける重要性を判断した上で、当社グループの各事業、管理部門、マネジメントの各レベルが当該リスクに応じた対策を立案、実行し、対策の進捗状況をモニターし、継続的に改善する活動を展開しています。また、監査委員会は取締役会、執行役会及び各委員会への参加、重要書類の閲覧、会計監査人とのコミュニケーション等を通じて、対処すべき優先順位の高いリスクについて適切な対策が実行されているかモニターしています。なお、上記に加えて、必要に応じて各事業及び子会社に対する往査も実施しています。 有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、影響度、発生可能性、重要性の前年からの変化をリスクマップに一覧化し、詳細な情報を記載しています。当社グループでは、各リスクについてグループ共通の基準で評価した結果を一元的に管理するために、戦略リスクとオペレーショナルリスクを同一のリスクマップに表示しています。なお、以下に示す発生可能性及び影響度の評価は対応策を考慮した後の評価(残余リスク)となります。また、記載しているリスクや対応策が互いに強く連関している場合は参照リスクとして該当番号を記載していますが、すべての連関を網羅するものではありません。各リスクに紐づいている重要課題については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。各リスクが重要課題の目標達成を阻害する又は未達成により発生する等の関連性がある場合、該当する重要課題を記載しています。 なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (リスクマップ及び凡例) 事業等のリスク2024年3月期の以下に関するリスク発生可能性(注)1影響度重要性の前年からの変化戦略リスク(1)経済状況、為替相場・金利の変動高高同水準(2)地政学高中同水準(3)新製品の開発中中同水準(4)原材料等の調達中中同水準(5)環境(気候変動、水、資源)中中同水準(6)事業再編(注)2低中同水準(7)競合他社との競争・製品価格中中同水準(8)人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進中中同水準(9)販売チャネル中中同水準(10)ブランド低高同水準オペレーショナルリスク(11)災害・事故・感染症等中高同水準(12)情報・サイバーセキュリティ高中同水準(13)知的財産中中同水準(14)繰延税金資産の回収可能性低→中中増加(15)規制強化低低同水準(注)1.前連結会計年度の評価から変更のあったリスクについて、前連結会計年度の発生可能性を併記しています。 2.前連結会計年度の「他社との連携・企業買収等に関するリスク」は、当連結会計年度より本リスクに包含しています。 [戦略リスク](1) 経済状況、為替相場・金利の変動に関するリスク当社グループは、グローバルに販売活動を行っており、その売上収益は世界における需要、景気、物価の変動、産業・業界の動向に影響を受けます。例えばアルミ、銅、樹脂、半導体など原材料価格や物流コスト、エネルギーコストの上昇は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に日本国内においては、新設住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動が同様に当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、為替相場の変動は、当社グループの外貨建取引により発生する資産及び負債の円貨換算額や外貨建で取引されている製品の価格や売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。また、当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入や社債の発行等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には当社グループの資金調達に係る金利負担が増加し、借入や社債発行による資金調達の難航や支払利息・社債利息が増加する等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(参照リスク(2)(3)(4)(11)(15)) 発生可能性高影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループ全体における販売活動においては、適切なタイミングにおける価格改定を実施し、価格の適正化を図っています。日本での販売活動においては、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数減少の予想を踏まえ、新築市場におけるシェアの拡大の取り組みのみならず、中高級品市場への拡販、リフォーム戦略の強化を進めています。また、生産活動においては、代替調達先の確保による製品・原材料を含めた適切な在庫水準の維持により、安定的な供給体制の構築に努めています。さらに、日本の財務部門において、運転資金及び投融資による資金需要を把握し、投資審査委員会等で案件を審査する体制を構築しています。また、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各拠点において為替相場の動向を月次でモニタリングするとともに、必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、為替相場の変動影響を低減しています。当該「リージョナル・トレジャリー・センター」に各地域における資金管理業務等を集約することにより、資金調達の効率化及び安定化を進めています。重要課題との関連性すべて [戦略リスク](2) 地政学に関するリスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、地政学の影響を広範囲に受ける可能性があります。国際情勢や多国間の国際関係は、原材料、資源・エネルギー価格や輸送費の高騰及び調達リスク、物流における供給停滞・遅延といった直接的な影響に加え、世界的な物価高や政策金利への影響を増長させるといった間接的な影響もあり、多岐にわたる他のリスクと複雑に関係し、それらの影響及び不確実性を増長する可能性があります。また、各国の経済安全保障政策が強化され、新たな制裁・法規制の対象となった国や企業との取引の停止、戦争・紛争が発生した地域における長期事業停止や事業撤退等、予期しない政策や法規制等の変更、また社会的な期待の変化が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(参照リスク(1)(4)(11)(12)(15)) 発生可能性高影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループは海外にも生産拠点を持ち、製品をグローバルの顧客に供給していることから、事業継続に影響する地政学リスクについて様々な面から対応を強化しています。調達リスクについては、事業に甚大な影響を及ぼすサプライチェーンの分断対策に注力しています。カントリーリスク対応を推進し、特定国・地域に過度に偏ることがないように取り組んでいます。また、有事の際の在庫備蓄品目を拡大することで備えを強化しています。さらに緊急対応先への先行移管や有事の際の行動計画を作成し、定期的なコミュニケーションが取れる関係を構築することでグループ全体としての調達機能の活用・強化を実行しています。物流においては、供給網の寸断に加えエネルギーコストも考慮してグローバルのサプライチェーンを地域内に順次変更しています。欧州においては配送センターを再編し、北米においてはメキシコの生産力を高め地域内での供給体制を強化しています。国内においては調達物流専門部署を設置し、複数拠点の生産体制や工場間の応援生産体制の整備、適切な在庫水準の維持を進めています。また、政治・経済情勢や法規制の動向を注視し、事業環境の変化や当社グループへの影響を早期に把握することで、事業環境の変化に迅速に対応できる体制の構築に努めています。重要課題との関連性すべて [戦略リスク](3) 新製品の開発に関するリスク当社グループは、常に技術と顧客ニーズを的確に把握し、魅力ある製品の開発に努めています。しかしながら、市場や業界のニーズ変化に対応できない、十分な開発投資を維持できず上市に至らない、あるいは新製品の価値が顧客へ効果的に訴求できない場合、将来の成長鈍化と売上収益の低下につながる可能性があります。また、製品に欠陥が生じリコールが発生するリスクもあります。大規模なリコールや製造物責任賠償につながった場合、多額の支払が生じ、当社グループ製品への信頼性や評判に悪影響を及ぼし、結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(参照リスク(1)(4)(15)) 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策市場の変化に迅速に対応し、新たな価値を生み出す製品を開発しています。顧客志向を強化するインクルージョン文化の醸成として、「LIXILユニバーサルデザインコンセプト」を積極的に取り入れ、泡シャワー「KINUAMI U」や電動オープナーシステム「DOAC」など、誰もが使いやすい製品の開発、提供に努めています。また、企業や個人に対して資源の責任ある利用が求められていることを踏まえ、環境配慮型製品の開発を加速させています。「プレミアル/PremiAL R70」に加え、リサイクル率100%を実現した「プレミアル/PremiAL R100」の展開により2031年3月期までにアルミリサイクル率100%を目指すほか、「LIXILプラスチック行動宣言」の実現に向け、リサイクル比率を従来品の3倍に高めた高性能樹脂窓「EW」や、従来再資源化が困難となっていた廃プラスチックと廃木材を利用した新素材「レビア/revia」を開発するなど、 製品の原材料として可能な限りリサイクル素材を使用し、市場ニーズと持続可能な社会への貢献のどちらにも応える製品を開発しています。各製品上市後は業績管理により、市場トレンドと開発戦略の適合性の確認を継続しています。開発プロセスにおいてはステージゲートシステムを導入し、品質不具合の早期発見と迅速な対応を可能にし、大規模な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性を低減しています。また、従業員を対象とした品質意識調査の実施や毎年の品質テーマを掲げた啓発活動、品質意識を継続的に高めることを目的とした情報メディアの発行など、コストや納期よりも顧客目線での品質を最優先する風土の醸成に努めています。重要課題との関連性グローバルな衛生課題の解決、気候変動対策を通じた緩和と適応、水の持続可能性の追求、資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響、多様性の尊重、製品の安全性、顧客満足、企業倫理とインテグリティ、リスクマネジメント、ステークホルダーエンゲージメント、情報セキュリティ [戦略リスク](4) 原材料等の調達に関するリスク当社グループの生産活動においては、資材、部品等の供給品を調達しています。そのため、業界の需要増加や事業展開国におけるインフレ等による原材料価格の高騰、為替レートの変動、コモディティの価格変動や重要な物的資源(金属・木材・樹脂・セラミック等)の調達可能性の変動の結果、売上原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、資材、部品等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、生産・販売活動と密接に関わる物流業務に関して、運搬物の増加等による調達遅延や石油価格の変動、人件費の高騰などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(参照リスク(1)(2)(3)(5)(11)(15)) 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策原材料価格高騰部分の販売価格への転嫁、価格変動のヘッジを目的としたデリバティブの活用を行っています。また、複数購買の実施、有事における対応力が強いサプライヤーの選定、カントリーリスク対応を推進するほか、取引先に対しては信用情報調査や調達アンケート、および定期的なコミュニケーションを実施しています。BCPの観点では、定期的な品質テスト、安全在庫量の確保等により安定的な供給体制の構築に努めています。また、コモディティ価格の高騰の影響緩和のため、原材料の代替素材への転換やリサイクル素材の使用、および製品の長寿命化とリサイクル性を考慮した設計を推進しています。その一貫として、当社グループが掲げる「LIXIL環境ビジョン2050」の注力分野の1つとして資源の循環利用を促進しています。さらに、物流に関しても、物流効率の改善に取り組むことで物流費の安定化を図っています。重要課題との関連性資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響、生物多様性の保全、製品の安全性、人権、サプライチェーンマネジメント、リスクマネジメント [戦略リスク](5) 環境(気候変動、水、資源)に関するリスク当社グループは、製品開発から調達、生産、販売活動に至る事業活動において地球環境保全に向け様々な活動を行っています。特に近年においては、気候変動が自社のバリューチェーンにもたらす政策・規制や市場変化による移行リスク、異常気象などの物理リスクが顕在化する可能性が高くなっています。さらに、今後世界的な水問題への対応、原材料・部材の価格高騰、石油由来のプラスチックや木材に関する規制強化、サーキュラー・エコノミーへの移行による消費者嗜好の変化等の市場変化に柔軟に対応していかなければ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(参照リスク(4)(15)) 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループでは、執行役会から任命を受けた担当役員が委員長を務める環境戦略審議会を設置し、環境ガバナンスに関わる規程や方針の制定、気候変動、自然資本及び生物多様性を含む環境重要課題に対する施策の審議と決定、当社グループ全体の目標管理とモニタリングなど、環境戦略を構築し、実行しています。LIXIL環境ビジョン2050では「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、2050年までのCO2排出ネットゼロ及び水の恩恵と限りある資源を次世代につなぐことを目指した活動を推進しています。その長期目標である2050年までのCO2削減目標(Science Based Targets)については、2024年3月期にネットゼロ認定を取得しました。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言を踏まえ、気候変動、自然資本及び生物多様性を含む環境課題が当社グループに及ぼすリスクと機会を特定・評価し、執行役会・取締役会へ報告・承認を経て、環境戦略に反映させる取り組みを進めています。移行リスクに対しては、生産活動におけるエネルギー使用効率化や積極的な再生可能エネルギー活用に加えて、今後はサプライチェーン全体での環境負荷削減の取り組みを強化していきます。さらに、インターナルカーボンプライシングのより実効的な運用に向けた検証や、2050年に向けた長期的な脱炭素技術の開発や導入を促進していくための製造技術や製品材料の研究を進めています。また、物理リスクに対しては、BCP計画によるリスク最小化、生産バックアップ体制整備、固定資産への保険、渇水対策のための取水管理などを進めています。移行リスク及び機会への対応においては、環境目標・実行計画に落とし込み、環境パフォーマンス向上やリスク管理に関わる施策を推進・展開し、その進捗の監視と振り返りを行う管理プロセスを構築し、適宜改善を進めています。また、ISO14001若しくは環境マネジメントシステムによる環境関連法令の洗い出しや遵守の点検ルールを定め、運用状況について定期的に内部監査を実施し、内部監査で指摘があった事項については、フォローアップを行い、改善の実施を確認することで、環境マネジメントシステムの効果的な運用につなげています。重要課題との関連性気候変動対策を通じた緩和と適応、水の持続可能性の追求、資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響、環境マネジメント、生物多様性の保全、サプライチェーンマネジメント、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント パリ協定及びSDGsの目標13に掲げられているとおり、CO2削減のため、製造・販売活動の見直しや気候変動による影響を低減するための取り組みを実施することが以前にも増して企業に求められています。また、世界的な人口増加や経済成長に伴い、SDGsの目標12や目標6に掲げられているとおり、持続可能な資源利用や節水・浄水技術に対する需要が高まっています。近年では、SDGsの目標14や15に掲げられているとおり、気候変動の影響と合わせて生物多様性の損失がグローバルリスクとして認識が高まり、自然資本に関するリスクの把握や対応に対する評価を求める動きが始まっており、当社グループにおいてもTNFDへの対応を開始しています。 [戦略リスク](6) 事業再編に関するリスク当社グループは、経営の効率化及び競争力強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員配置等の適正化による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、事業再編後の組織において全社的な戦略上の優先順位が劣後し、経営資源が適切に配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、投融資等の意思決定の際に、事業戦略、領域、展開国等に内在するリスクが的確に識別されず、投資実行後に当初想定していた利益やシナジー効果を実現できないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策経営陣と従業員とのコミュニケーション強化を図ることにより、当社グループの経営戦略の浸透を図っています。事業・地域ポートフォリオマネジメントを強化することを通じて経営資源配分の優先順位を明確にすることにより、事業再編後の組織において、シナジー効果の最大化や戦略実効性の向上が早期に実現するよう努めています。事業再編後のスムーズな組織の構築に向けて、M&Aにおける買収先企業のPMIを強化しています。その一環として、ガイドラインの策定を通じて、PMI推進体制及び進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用による子会社のガバナンス強化を推進しています。さらに、当社又はその子会社による会社の新設、事業再編等を含む投融資に関する事項(投融資案件)については、その内容や金額的重要性に応じて適時適切な判断ができるよう、投資審査委員会による審査や決議をする体制を整えています。重要課題との関連性企業倫理とインテグリティ、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント [戦略リスク](7) 競合他社との競争・製品価格に関するリスク当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しています。特に売上収益は競合他社の価格設定に影響を受けます。当社グループは高品質で魅力的な製品を市場へ投入する能力を保持していますが、価格面において競争優位に展開できる確証はありません。これにより、製品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策競合他社との激しい競争による市場価格の下落に対し、多様なニーズに寄り添った付加価値製品の市場投入による差別化を進め、販売価格の底上げに取り組んでいます。生産活動においても共通部分の生産を汎用設備で行うことで生産スペースを削減(プラットフォーム化)するなど、投資資本効率の向上に努めています。プラットフォーム化により、新製品の早いサイクルでの市場投入を可能とし、時代に合った新しい価値を常に提供し続けることが可能となります。また、富裕層をターゲットとした製品や、当社独自の技術によって実現した環境配慮型製品など、他社差別化製品の展開により、価格競争に晒されにくい事業ポートフォリオの改善を推進するほか、仕様や基準およびデザインを統一することで、リビングなど空間全体のコーディネートを追求した提案を行うなど、当社ならではの幅広い製品を活かした体制づくりを行っています。その他、クラウドファンディング等も活用しながら、市場に対して新しい価値を提供する製品を適時に投入することで、価格ではなく「価値」で顧客に選ばれる取り組みを実施しています。重要課題との関連性多様性の尊重、顧客満足、責任あるマーケティングと広告 [戦略リスク](8) 人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要です。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、国内外で必要な人材を継続的に採用・維持するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まない場合には、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループにおいて、継続的な事業の発展のためにグループ全体で女性のさらなる活躍、障がいのある従業員のための取り組みや人種における平等、性的マイノリティに関する取り組み等を推進しており、地域ごとに人事制度の改定や拡充を行うほか、グローバル規模の従業員リソースグループ(ERGs:Employee Resource Groups)として、ジェンダー平等、多文化、障がい、働く親や介護者、LGBTQ+にフォーカスした5つのグループを立ち上げる等、インクルーシブな組織風土を醸成するために様々な活動を行っています。日本において、新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開するほか、人事・教育体系を充実させ、従業員の定着と育成に努めています。また、グローバルで活躍できる人材を育成するために、各プログラム(海外派遣研修、選抜型の育成プログラム、eラーニング等)を実施しています。多様なバックグラウンドを持つ従業員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、インクルーシブな環境を構築するための取り組みを推進しており、マネージャー向け研修をはじめとする多様な人材を受け入れる企業文化の醸成、在宅勤務等の職場環境の整備、エキスパート制度等の新たな人事制度の構築に取り組んでいます。さらに、「報酬・福利厚生委員会」を設置し、グローバルでの処遇の公平性・透明性に向けた取り組みを強化しています。重要課題との関連性多様性の尊重、人材と能力開発、従業員の安全と健康、企業倫理とインテグリティ、人権 近年、高齢化の進行による高齢世帯の増加及び障がい者人口の増加に対応した製品の必要性が高まっています。また、SDGsの目標5にて掲げられているとおり、企業に対して高齢者や障がい者の雇用だけでなく、ジェンダー格差の是正に対する取り組みも求められています。 [戦略リスク](9) 販売チャネルに関するリスク当社グループはグローバルに事業を展開しており、各事業において販売チャネルの戦略を推進しています。しかしながら、流通経路の変更や新規の販路拡大に対して、想定していた顧客数が確保できない等の理由により、売上成長が鈍化する可能性があります。また、コスト構造の改革が計画通りに進まない場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。例えば、当社の連結子会社であるASD Holding Corp.は様々な需要に応じて幅広い製品を展開していますが、近年特に北米を中心として流通構造の変革が起きています。具体的には、エンドユーザーへの直接的な販売の拡大が起きており、ASD Holding Corp.においても、Eコマース(EC)を活用したウェブサイトでの自社製品の販売等を含め、ビジネスの転換を図り、売上の伸長やコスト構造の改革に努めています。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策各事業の市場傾向やターゲット顧客の特性を把握し、事業戦略と一貫した販売チャネル戦略を推進しています。市場環境の変化における需要の変動や法規制、技術革新、競合他社の活動等を適切に把握し、適時に戦略の方針やアプローチを改善することで、各事業における当社製品の効果的な市場浸透を図っています。ASD Holding Corp.では、販売チャネルの拡大を進めるために、従来、外部の販売代理店が行っていた営業活動を内製化し、施工会社等のステークホルダーに対して、当社ブランドの専門性を持った担当者が直接アプローチすることで自社製品の販売促進に努めています。特に、建設会社への拡販やショールームの活用強化に注力しています。また、自社のECを活用したウェブサイトの展開や施行者向けトレーニングを充実させるなど、エンドユーザーへの直販チャネルの拡大を促進しており、売上高も増加傾向にあります。その他、リテール市場の縮小によるリスク軽減を見据え、子会社の買収・売却・解散等を適切に判断することにより、ポートフォリオの管理を行っています。重要課題との関連性顧客満足、サプライチェーンマネジメント、情報セキュリティ、責任あるマーケティングと広告 [戦略リスク](10) ブランドに関するリスク当社グループはグローバルに事業を展開しており、多数のブランドを保有しています。しかしながら、ブランド戦略と事業戦略との整合性や、市場トレンドとの適合性、それらの把握および管理不足によりブランド・エクイティが変動する、あるいは製品事故などインシデント発生によるレピュテーション毀損等によりブランド価値が低下することで、業績に影響を与える可能性があります。特に当社の連結子会社であるLIXIL Europe S.à r.l.が保有するGROHEブランドは富裕層をターゲットとしたプレミアムブランドとして認知されており、激しい競争環境において従来の欧州中心のビジネスのみならず、中東市場における販売の拡大を推進しています。当ブランド価値の毀損により、売上成長が鈍化、若しくは利益率が低下した場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。 発生可能性低影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策各ブランドの強みや認知度を活かし、事業戦略と一貫したブランド戦略を策定し展開しています。各市場や競合環境を適切に把握するとともに、策定した戦略に基づき顧客・従業員・取引先等を含めたコミュニケーションを強化することで、共通したブランド認識の構築と浸透を図っています。また、グローバルで自社及び競合他社ブランドの販売価格を継続的にモニタリング・分析し、当社グループ全体において統一的な施策を立案・実行できる仕組みを整備し、競争の激しい市場においてもブランド価値を反映した価格帯を維持できるよう対応しています。さらに、ウォーターテクノロジー事業におけるGROHEブランドの位置付けについて、事業内の他ブランドとの差別化を図るため、ブランドデザインの使用に関するルールを設け、ブランド価値の維持・管理に努めています。このような総合的なブランド戦略により、GROHEブランドの認知度を高め、市場でのトップポジションを維持することを目指しています。重要課題との関連性多様性の尊重、顧客満足、責任あるマーケティングと広告 [オペレーショナルリスク](11) 災害・事故・感染症等に関するリスク当社グループは、日本国内及び海外諸国の複数の拠点において生産・販売活動を行っていることから、各地で発生する地震や台風等の自然災害、未曽有の大事故や感染症によって、当社グループの調達、生産、物流、販売活動や情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を受ける可能性があります。特に、災害・事故等の発生により、当社グループの国内及び海外工場の生産活動が停止することは、市場への製品供給に深刻な影響を及ぼし、売上収益に悪影響を与える可能性があります。また、感染症の発生や拡大は当社グループ従業員の健康状態悪化による労働力の低下の可能性や、取引先の生産・販売活動の一部停止等、当社グループの事業活動に支障が出る可能性もあります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(参照リスク(1)(2)(4)(15)) 発生可能性中影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策大規模自然災害や事業活動に伴う事故に備え、早期に復旧できるよう事業継続計画(BCP)を策定し、災害・事故発生時の対応を適時に行うことができるよう事前の対策を講じております。実際に大規模災害が発生した場合には危機管理対策本部を立ち上げ、事業継続と被害の最小化に努めています。海外子会社の従業員や出張者が自然災害や政変によるテロ・暴動に巻き込まれる等、海外での緊急事態発生についても対応ルールの整備をするとともに、外部専門家と提携し緊急事態発生時の現地従業員へのサポート体制も整えています。感染症対策に関しては、在宅勤務の環境整備と運用を従来から推進しており、また政府指針等を踏まえた対応ハンドブックを策定し、適時更新し運用しています。感染発生時の対応準備や感染発生時の報告フローの見直しなどを行い、従業員が安心して働ける環境を構築するとともに、事業活動を従来通り継続することに努めています。当社グループは、従業員及び従業員家族、取引先を含むステークホルダーの方々の生命及び安全の確保を最優先としています。なお、緊急事態発生時の行動や対策については従業員への周知徹底と継続的見直しを実施しています。重要課題との関連性気候変動対策を通じた緩和と適応、従業員の安全と健康、サプライチェーンマネジメント、リスクマネジメント [オペレーショナルリスク](12) 情報・サイバーセキュリティに関するリスク当社グループが行う生産・販売活動及び各種事業活動は、コンピュータシステム及びコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用しています。このため、通信ネットワークに生じる障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウェア、若しくは、ソフトウェアの不具合・欠陥、データセンターの機能停止等により事業活動に支障が出る可能性があります。また、情報システムが適切に導入・更新されていないことによりシステム上の不具合、業務の非効率、生産性低下を招き、事業活動に支障が出る可能性があります。さらに、当社グループでは、業務を遂行する中で顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められています。このため、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、売上収益の減少あるいは販管費等の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(参照リスク(2)) 発生可能性高影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティに関する社内規程の整備、不正アクセス等を未然に防止するための対策、従業員に対する教育等を実施し、さらにこれらの取り組みを定期的に評価・見直すことにより、情報セキュリティマネジメントの継続的な改善を実施しています。特に、効率的で安定した事業活動の遂行を担保するため、老朽化した基幹システムの刷新を進めています。また、サイバー攻撃全体への対応としてCSIRT (シーサート: Computer Security Incident Response Team)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築しました。また、情報セキュリティリスクが顕在化した場合には、緊急時の報告基準とフローに沿ってエスカレーションを行い、事業部門とコーポレート部門が連携し、速やかに初動対応と事業復旧対応が取れる危機管理体制の整備を推進しています。IoT (Internet of Things)やOT (Operational Technology)も含めたサイバーセキュリティ強化の構築も推進しています。また、個人情報保護に関する法令を遵守すべく、必要な社内規程の整備やEU一般データ保護規則 (GDPR)で要求されるデータ保護責任者を含む個人情報責任者の設置、適切な研修の実施、プロセス整備等を行っています。さらに、ランサムウェア対策として、定期的なバックアップ、従業員へのフィッシング詐欺対策研修、エンドポイントのセキュリティ強化などを実施し、サイバー攻撃に対する防御体制を強化しています。重要課題との関連性リスクマネジメント、情報セキュリティ [オペレーショナルリスク](13) 知的財産に関するリスク当社グループは、魅力ある差別化された製品やサービスの開発に努めています。このような製品やサービスに対し、第三者が保有する知的財産権との関係で紛争や交渉が生じる可能性があります。この場合、当該第三者の知的財産権を侵害しない製品やサービスの開発、損害賠償金の支払い、当該第三者の知的財産権のライセンスの取得とロイヤルティの支払い、差止命令による当社グループの製品やサービスの一部について製造販売や提供の中止を要求される可能性があります。一方では、当社グループの製品やサービスの差別化要素となる技術やデザイン等が第三者に模倣されることにより、当社グループの製品又はサービスの市場競争力の低下を引き起こす可能性があります。また、当社の商標権等の知的財産権を侵害する模倣品の流通により、当該模倣品を使用した顧客に事故や健康被害等が発生した場合、当社グループへの評判、ブランド価値、当社グループの製品の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。これらは、当社グループの経営成績及び財政状態にも悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策知的財産部門と事業部門が連携し、第三者の知的財産権の調査分析を行う等の知的財産権についてのリスクアセスメントを製品開発のプロセスに組みこむことで、開発段階から訴訟その他の重大な事業リスクの発生を未然に防止する対応をしています。すなわち、第三者の知的財産権についての事前調査や必要なライセンスの取得などの対応を図っています。また、長期にわたって事業の競争優位性と高収益性を実現するために、競争力の源泉である当社の差別化要素の第三者による模倣を防ぐ対応を行っています。そのため技術開発、製品企画の段階から保護すべき知的財産を特定し、特許権、意匠権、商標権及びその他の知的財産権を取得し、又は当該知的財産を秘匿する等の対応を図るとともに、日本及び各国における知的財産ポートフォリオマネジメントを推進しています。なお、模倣品に対しては、お客様に対する注意喚起や税関への差止申立て、インターネット販売における監視と排除、当局による摘発への協力等を行い、その流通の防止に努めています。さらに、知的財産情報をはじめとする各種のデータ分析に基づく知財インテリジェンスを実行し、上記のリスクアセスメントを効率的に行うとともに、戦略的に知的財産ポートフォリオを構築することに活用しています。重要課題との関連性リスクマネジメント [オペレーショナルリスク](14) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対してそれらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において繰延税金資産を計上しています。将来の課税所得は、マネジメントが確認した将来の業績見積りを基礎としています。当該見積りにおいて、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数の減少が予想される中、販売価格の適正化及び政府による住宅省エネ化支援策の拡充も踏まえたリフォーム戦略の強化等による売上収益の増加や原価低減による売上総利益率の改善等の収益性向上を見込んでおり、これらの施策の達成には不確実性が伴います。また、税務上の繰越欠損金の繰越年数や使用上限割合が変更される等、当社グループにとって不利な税制改正が行われる可能性が否定できません。これらの結果、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化増加対応策見積りの達成にあたっては、当社グループ全体の業績管理を担う企画管理部門によるモニタリングを強化しており、見積りの達成を阻む要因があれば、早期に対応できる体制を構築しています。さらに、当社CFO直轄組織がガバナンス強化の取り組みの一環として業績管理プロセスを強化することにより、業績悪化の兆候を早期に捉え、税制改正にかかる情報については、当社税務部門において早期に捉えるようにしています。これらの部門が、業績悪化の兆候や税制改正にかかる情報を把握した際には、当社経理財務部門及び税務部門と協議を行い、繰延税金資産の回収可能性に関して見直しの必要性を含めて適時に対策が打てるような体制を構築しています。当期においては、当社及び一部の子会社の繰延税金資産の一部については使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が生じたため、当該繰延税金資産の帳簿価額の一部を減額しました。今後、収益性の回復により回収可能性が高いと見込まれた際には、再度帳簿価額の増額を行います。重要課題との関連性税の透明性 [オペレーショナルリスク](15) 規制強化に関するリスク当社グループは、日本国内において事業活動を行う上で、会社法や独占禁止法、個人情報保護法、税法、会計基準等、経営に係る一般的な法令諸規制の適用を受けています。また、海外での事業活動についても、それぞれの国や地域における競争法、個人情報保護法、国際取引規制、その他の法令諸規制の適用を受けています。近年、当社グループの重要な物的資源(金属・木材・樹脂・セラミック等)又はその原材料を含む自然資源の利用や、非財務情報開示を含むサステナビリティに関わる規制等、新たな法令諸規制の導入について活発に議論されています。また、個人情報保護に関する規制については、グローバルに規制強化の一途を辿っており、その執行も活発化しています。これらの法令諸規制は、労務費、原材料費、エネルギーコスト等の上昇、国際情勢や多国間の国際関係の変化、その他の社会情勢の変化などに応じて、将来において急速に新設・変更・廃止され、厳正な法執行が行われる可能性があります。その結果、製品その他サービスの提供の制限や、売上原価の増加、設計・開発段階におけるコスト増、新たな制裁・法規制の対象となった国や企業との取引の停止等、当社グループの事業運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、新たな法令諸規制に対応できる人材の確保を含む体制整備や、システム導入に遅れが生じた場合、従来と比較して法令違反のリスクが高まる可能性があります。(参照リスク(1)(2)(3)(4)(5)(11)) 発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループは、複雑化し急速に変化し続けるグローバルな規制環境の中で行う事業活動に機動的に対応するため、2022年1月に法務・コンプライアンス部門のグローバルでの組織再編を実施しています。また、2022年4月には個人情報保護をグローバルで統括する専任の組織を立ち上げました。これらの新体制のもと、法務部門を中心とした各地域の法令遵守と法的リスクを抑制するための体制が整備されています。さらに、法令諸規制に関する情報発信や定期的な教育等により、従業員の理解度を高めるとともに、事業部門とコーポレート部門が規制対応に関して適切に連携できるよう取り組んでいます。規制の新設・変更・廃止が実施された場合には、規程やガイドライン等の作成・更新に加えて、取引先に対するコンプライアンスデューデリジェンスにその内容を反映する等の実務的な方策によって、規制違反の回避に努めています。重要課題との関連性すべて
FY2023|19,286 文字
3【事業等のリスク】当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについてグループ共通の基準(事業計画への影響度と発生可能性等)で評価を行い、グループ内での事業規模の違いや外部環境の変化等に基づき、経営者の目線からリスク間の相対的な関係を考慮した上で対処すべきリスクの優先順位を決定しています。なお、リスクの洗い出しに際して、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類し、それぞれ以下のように定義しています。 戦略リスク事業戦略の策定及び遂行により獲得を企図する成果が予定通り獲得できない程度及びその発生可能性であり、健全な範囲で事業成果を獲得するために敢えて選択して取るリスクオペレーショナルリスク戦略遂行を支えるオペレーション上の事象による損失額及び事象発生可能性であり、事業遂行上一定以下に抑制すべきリスク これらに基づき、リスクにおける重要性を判断した上で、当社グループの各事業、管理部門、マネジメントの各レベルが当該リスクに応じた対策を立案、実行し、対策の進捗状況をモニターし、継続的に改善する活動を展開しています。また、監査委員会は取締役会、執行役会及び各委員会への参加、重要書類の閲覧、会計監査人とのコミュニケーション等を通じて、対処すべき優先順位の高いリスクについて適切な対策が実行されているかモニターしています。なお、上記に加えて、必要に応じて各事業及び子会社に対する往査も実施しています。 有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、影響度、発生可能性、重要性の前年からの変化をリスクマップに一覧化し、詳細な情報を記載しています。当社グループでは、各リスクについてグループ共通の基準で評価した結果を一元的に管理するために、戦略リスクとオペレーショナルリスクを同一のリスクマップに表示しています。なお、以下に示す発生可能性及び影響度の評価は対応策を考慮した後の評価(残余リスク)となります。また、記載しているリスクや対応策が互いに強く連関している場合は参照リスクとして該当番号を記載していますが、すべての連関を網羅するものではありません。各リスクに紐づいている重要課題については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。各リスクが重要課題の目標達成を阻害する又は未達成により発生する等の関連性がある場合、該当する重要課題を記載しています。 なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (リスクマップ及び凡例) 事業等のリスク2023年3月期の以下に関するリスク発生可能性(注)1影響度重要性の前年からの変化戦略リスク事業横断的なリスク(1)経済状況、為替相場・金利の変動高高同水準(2)地政学高中新規(3)新製品の開発(注)2中中同水準(4)原材料等の調達中中同水準(5)環境(気候変動、水、資源)中中同水準(6)事業再編低中同水準(7)他社との連携・企業買収等低低同水準(8)人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進中中同水準事業特有のリスクウォーターテクノロジー事業(9)販売チャネル中中同水準(10)ブランド低高同水準ハウジングテクノロジー事業(11)競合他社との競争・製品価格中中同水準オペレーショナルリスク(12)災害・事故・感染症等(注)3中高同水準(13)情報・サイバーセキュリティ高中同水準(14)知的財産(注)4低→中中増加(15)繰延税金資産の回収可能性低中同水準(16)規制強化低低新規(注)1.前連結会計年度の評価から変更のあったリスクについて、前連結会計年度の発生可能性を併記しています。 2.前連結会計年度の「製造物責任や補償請求に関するリスク」は、新製品の開発に関連するものが多いため当連結会計年度より本リスクに包含しています。3.前連結会計年度の「設備等の操業度に関するリスク」は、災害等によるものが多いため当連結会計年度より本リスクに包含しています。4.前連結会計年度の「訴訟その他法的手続に関するリスク」は、知的財産権に関する重要性の高まりを踏まえ、リスク名称を変更し、当連結会計年度より本リスクに包含しています。 [戦略リスク 事業横断的なリスク](1) 経済状況、為替相場・金利の変動に関するリスク当社グループは、グローバルに販売活動を行っており、その売上収益は世界における需要、景気、物価の変動、産業・業界の動向に影響を受けます。例えばアルミ、銅、樹脂、半導体など原材料価格や物流コスト、エネルギーコストの上昇は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に日本国内においては、新設住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動が同様に当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、為替相場の変動は、当社グループの外貨建取引により発生する資産及び負債の円貨換算額や外貨建で取引されている製品の価格や売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。また、当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入や社債の発行等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には当社グループの資金調達に係る金利負担が増加し、借入や社債発行による資金調達の難航や支払利息・社債利息が増加する等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(参照リスク(2)(3)(4)(12)(16)) 発生可能性高影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループ全体における販売活動においては、適切なタイミングにおける価格改定を実施し、価格の適正化を図っています。日本での販売活動においては、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数減少の予想を踏まえ、新築市場におけるシェアの拡大の取り組みのみならず、中高級品市場への拡販、リフォーム戦略の強化を進めています。また、生産活動においては、代替調達先の確保による製品・原材料を含めた適切な在庫水準の維持により、安定的な供給体制の構築に努めています。さらに、日本の財務部門において、運転資金及び投融資による資金需要を把握し、投資審査委員会等で案件を審査する体制を構築しています。また、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各拠点において為替相場の動向を月次でモニタリングするとともに、必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、為替相場の変動影響を低減しています。当該「リージョナル・トレジャリー・センター」に各地域における資金管理業務等を集約することにより、資金調達の効率化及び安定化を進めています。重要課題との関連性すべて [戦略リスク 事業横断的なリスク](2) 地政学に関するリスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、地政学の影響を広範囲に受ける可能性があります。国際情勢や多国間の国際関係は、原材料、資源・エネルギー価格や輸送費の高騰及び調達リスク、物流における供給停滞・遅延といった直接的な影響に加え、世界的な物価高や政策金利への影響を増長させるといった間接的な影響もあり、多岐にわたる他のリスクと複雑に関係し、それらの影響及び不確実性を増長する可能性があります。また、各国の経済安全保障政策が強化され、新たな制裁・法規制の対象となった国や企業との取引の停止、戦争・紛争が発生した地域における長期事業停止や事業撤退等、予期しない政策や法規制等の変更、また社会的な期待の変化が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。複数のリスクに連関する地政学に関するリスクは従前から認識はしていたものの、近年の国際情勢の緊張の高まりを受け、個別の記載としています。(参照リスク(1)(4)(12)(13)(16)) 発生可能性高影響度中重要性の前年からの変化新規対応策事業継続に関わる対応を様々な面から強化しています。供給網の寸断に対応するため、2次サプライヤーも考慮したカントリーリスク対応を推進し、サプライヤーが特定国・地域に過度に偏ることがないようバランスを考慮しています。物流では供給網の寸断に加えエネルギーコストも考慮してグローバルのサプライチェーンを地域内に順次変更しています。また欧州における配送センターの再編、北米においてはメキシコの生産力を高め地域内での供給体制を強化し、国内においても複数拠点の生産体制や工場間の応援生産体制の整備、適切な在庫水準の維持を進めています。また、外部の第三者機関等を通じて政治情勢、政策変更等をモニタリングすることや、社内のエスカレーションやコミュニケーション強化を行っています。例えば、国内外の事業部やコーポレート部門のリーダー達が政治・地政学・社会的動向リスクを共有・議論できるよう、社内SNSを運用することにより、政情不安等の地政学リスク顕在化の兆候を早期に把握することに努めています。また、地域において迅速な対応が求められる場合も、地域で速やかに立ち上げるタスクフォースと本社が連携をすることで検討・対策実行ができる体制を構築しています。重要課題との関連性すべて [戦略リスク 事業横断的なリスク](3) 新製品の開発に関するリスク当社グループは、常に技術と顧客ニーズを的確に把握し、魅力ある製品の開発に努めています。しかしながら、市場や業界のニーズ変化に対応できない、十分な開発投資を維持できず上市に至らない、あるいは新製品の価値が顧客へ効果的に訴求できない場合、将来の成長鈍化と売上収益の低下につながる可能性があります。また、製品に欠陥が生じリコールが発生するリスクもあります。大規模なリコールや製造物責任賠償につながった場合、多額の支払が生じ、当社グループ製品への信頼性や評判に悪影響を及ぼし、結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(参照リスク(1)(4)(16)) 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策革新的なスタートアップ企業との提携やグローバル情報ネットワークの活用を通じて、消費者ニーズの変化に迅速に対応する体制を構築しています。自宅にいながら来館時と同様のサービスが受けられる「LIXILオンラインショールーム」や欧州における「GROHE X」など、当社グループ独自のデジタル技術を組み合わせ、エンドユーザーとビジネスパートナーをつなぎ、新たな価値を提供するエコシステムを確立しています。開発にはデザインの総合力を重視し、デザインとテクノロジーを融合させることで新たな価値を生み出す製品開発を加速させています。また、顧客志向を強化するインクルージョン文化の醸成として、「LIXILユニバーサルデザインコンセプト」を積極的に取り入れ、泡シャワー「KINUAMI U」や電動オープナーシステム「DOAC」など、誰もが使いやすい製品の開発、提供に努めています。加えて、脱炭素・資源循環型社会の実現など、企業や個人に対して資源の責任ある利用が求められていることを踏まえ、業界トップクラスのリサイクル率70%を実現したアルミ形材「プレミアル R70」の展開や2031年3月期までにアルミリサイクル率100%を目指すなど、 製品の原材料として可能な限りリサイクル素材を使用し、責任ある資源の使用を推進し、消費者のニーズに訴求しています。 その他、株式会社ヘラルボニーが契約するアーティストが描いた、アール・ブリュット(障害(※)のあるアーティストによって描かれた作品)デザインをタイル製品「エコカラット」に起用し販売するなど、多様性が尊重される社会の実現に向けた新しい製品開発の取り組みも行っています。各製品上市後は業績管理により、市場トレンドと開発戦略の適合性の確認を継続しています。開発プロセスにおいては、各段階で品質に関するゲートを設け、指摘された問題を解決しなければ次のゲートに進むことができないステージゲートシステムを導入し、大規模な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性を低減しています。また、従業員を対象とした品質意識調査の実施や毎年の品質テーマを掲げた啓発活動、品質意識を継続的に高めることを目的とした情報メディアの発行など、コストや納期よりも顧客目線での品質を最優先する風土の醸成に努めています。 ※エコカラットのアール・ブリュットにおける「障害」の表記について:「障害」という言葉については多様な価値観があり、それぞれの考え方を否定する意図はないことを前提に、本製品においては社会側に障壁があるというヘラルボニーの考え方に賛同し、「障害」という表記で統一しています。重要課題との関連性グローバルな衛生課題の解決、気候変動対策を通じた緩和と適応、水の持続可能性の追求、資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響、多様性の尊重、製品の安全性、顧客満足、企業倫理とインテグリティ、リスクマネジメント、ステークホルダーエンゲージメント、情報セキュリティ [戦略リスク 事業横断的なリスク](4) 原材料等の調達に関するリスク当社グループの生産活動においては、資材、部品等の供給品を調達しています。そのため、業界の需要増加や事業展開国におけるインフレ等による原材料価格の高騰、為替レートの変動、コモディティの価格変動や重要な物的資源(アルミ、銅、ステンレス等)の調達可能性の変動の結果、売上原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、資材、部品等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、生産・販売活動と密接に関わる物流業務に関して、運搬物の増加等による調達遅延や石油価格の変動、人件費の高騰などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(参照リスク(1)(2)(3)(5)(12)(16)) 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策原材料価格高騰部分の販売価格への転嫁、価格変動のヘッジを目的としたデリバティブの活用、複数購買の実施、有事における対応力の強いサプライヤーの選定、取引先の信用情報調査や責任ある調達アンケートの実施、取引先との定期的なコミュニケーションの実施、2次サプライヤーも考慮したカントリーリスク対応の推進、定期的な品質テスト、安全在庫量の確保等により、BCPの観点を踏まえた安定的な供給体制の構築に努めています。銅から安価な亜鉛や樹脂製部品に代替していくなど、可能な限り代替素材への転換を行い、コモディティ価格の高騰の影響の緩和に努めています。さらに、製品の原材料として可能な限りリサイクル素材を使用し、長寿命化とリサイクル性を考慮した設計を推進しています。また、当社グループが掲げる「LIXIL環境ビジョン2050」の注力分野の1つとして資源の循環利用を促進しています。原材料の安全性、原料の再利用、再生可能エネルギー利用とCO2排出管理、責任ある水管理、社会的な公正さの5つの条件を満たした複数の製品が国際的な環境認証「Cradle to Cradle」の認証取得を推進するなど、循環型社会への移行を目指しています。さらに、物流効率の改善に取り組むことで物流費の安定化を図っています。重要課題との関連性資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響、生物多様性の保全、製品の安全性、人権、サプライチェーンマネジメント、リスクマネジメント [戦略リスク 事業横断的なリスク](5) 環境(気候変動、水、資源)に関するリスク当社グループは、製品開発から調達、生産、販売活動に至る事業活動において地球環境保全に向け様々な活動を行っています。特に近年においては、気候変動が自社のバリューチェーンにもたらす政策・規制や市場変化による移行リスク、異常気象などの物理リスクが顕在化する可能性が高くなっています。さらに、今後世界的な水問題への対応、原材料・部材の価格高騰、石油由来のプラスチックや木材に関する規制強化、サーキュラー・エコノミーの台頭による消費者嗜好の変化等の市場変化に柔軟に対応していかなければ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(参照リスク(4)(16)) 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループでは、執行役会から任命を受けた担当役員が委員長を務める環境戦略委員会を設置し、環境ガバナンスに関わる規程や方針の制定、気候変動を含む環境重要課題に対する施策の審議と決定、当社グループ全体の目標管理とモニタリングなど、環境戦略を構築し、実行しています。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言を踏まえ、気候変動問題が当社グループに及ぼすリスクと機会を特定・評価し、執行役会・取締役会へ報告・承認を経て、環境戦略に反映させる取り組みを進めています。移行リスクに対しては、生産活動におけるエネルギー使用効率化や積極的な再生可能エネルギー活用に加えて、今後はサプライチェーン全体での環境負荷削減の取り組みを強化していきます。さらに、インターナルカーボンプライシングのより実効的な運用に向けた検証や、2050年に向けた長期的な脱炭素技術の開発や導入を促進していくための製造技術や製品材料の研究を進めています。また、物理リスクに対しては、BCP計画によるリスク最小化、生産バックアップ体制整備、固定資産への保険、渇水対策のための取水管理などを進めています。気候関連を含めた移行リスク及び機会への対応においては、環境目標・実行計画に落とし込み、環境パフォーマンス向上やリスク管理に関わる施策を推進・展開し、その進捗の監視と振り返りを行う管理プロセスの構築を進めています。また、ISO14001若しくは環境マネジメントシステムによる環境関連法令の洗い出しや遵守の点検ルールを定め、運用状況について定期的に内部監査を実施し、内部監査で指摘があった事項については、フォローアップを行い、改善の実施を確認することで、環境マネジメントシステムの効果的な運用につなげています。LIXIL環境ビジョン2050では「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、2050年までのCO2排出ネットゼロ及び水の恩恵と限りある資源を次世代につなぐことを目指した活動を推進しています。その中間目標である2030年までのCO2削減目標(Science Based Targets)については、従来の2℃水準から1.5℃水準へ上方修正し、認定を更新する計画です。さらに、住宅・建築物で使用されるエネルギーや水の削減に貢献するための機会管理の指標として、環境配慮型製品の販売構成比の向上を進めています。重要課題との関連性気候変動対策を通じた緩和と適応、水の持続可能性の追求、資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響、環境マネジメント、生物多様性の保全、サプライチェーンマネジメント、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント パリ協定及びSDGsの目標13に掲げられているとおり、CO2削減のため、製造・販売活動の見直しや気候変動による影響を低減するための取り組みを実施することが以前にも増して企業に求められています。また、世界的な人口増加や経済成長に伴い、SDGsの目標12や目標6に掲げられているとおり、持続可能な資源利用や節水・浄水技術に対する需要が高まっています。近年では、SDGsの目標14や15に掲げられているとおり、気候変動の影響と合わせて生物多様性の損失がグローバルリスクとして認識が高まり、自然資本に関するリスクの把握や対応に対する評価を求める動きが始まっています。 [戦略リスク 事業横断的なリスク](6) 事業再編に関するリスク当社グループは、経営の効率化及び競争力強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員配置等の適正化による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、事業再編後の組織において全社的な戦略上の優先順位が劣後し、経営資源が適切に配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、投融資等の意思決定の際に、事業戦略、領域、展開国等に内在するリスクが的確に識別されず、投資実行後に当初想定していた利益やシナジー効果を実現できないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策経営陣と従業員とのコミュニケーション強化を図ることにより、当社グループの経営戦略の浸透を図っています。事業・地域ポートフォリオマネジメントを強化することを通じて経営資源配分の優先順位を明確にすることにより、事業再編後の組織において、シナジー効果の最大化や戦略実効性の向上が早期に実現するよう努めています。事業再編後のスムーズな組織の構築に向けて、M&Aにおける買収先企業のPMIを強化しています。その一環として、ガイドラインの策定を通じて、PMI推進体制及び進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用による子会社のガバナンス強化を推進しています。さらに、当社又はその子会社による会社の新設、事業再編等を含む投融資に関する事項(投融資案件)については、その内容や金額的重要性に応じて適時適切な判断ができるよう、投資審査委員会やM&A委員会による審査や決議をする体制を整えています。重要課題との関連性企業倫理とインテグリティ、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント [戦略リスク 事業横断的なリスク](7) 他社との連携・企業買収等に関するリスク当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがありますが、買収・投資実行後にグループ全体に内在するリスク及び機会を適時・的確に識別することができないことに加え、優秀な人材の離職や人材の融合が進まないことにより、当初想定した利益やシナジー効果を実現できない、あるいは買収後に偶発債務の発生や未認識の債務等が判明する可能性があります。さらに、事業拡大後、当社グループと対象事業の戦略が整合しておらず、全社的な戦略上の優先順位が劣後し、経営資源が適切に配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化同水準対応策統合時における対応策として、統合に関するグローバル共通のポリシーを策定し、統合後のレビューやモニタリングプロセスを効率的に整備・運用する体制を強化しています。また、環境や人権などのサステナビリティ項目についても、ポリシーに盛り込んでいます。統合後においては、シナジー創出に向けて効率的でフラットかつシンプルな組織構造の構築を目的とし、意思決定の迅速化を含めた組織変革を推進するとともに、対象事業の従業員が当社グループの一員としてすぐに活躍できるよう、インクルーシブな文化の醸成や環境整備に取り組んでいます。投融資案件については、その内容や金額的重要性に応じて、投資審査委員会やM&A委員会による審査や決議をする体制を整えています。また、買収先企業のPMI強化の一環として、ガイドラインの策定を通じて、PMI推進体制及び進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用によりガバナンスを強化しています。なお、対応策については2015年に発覚した当社の海外子会社であったJoyou AGにおいて不適切な会計処理が行われていた事実(Joyou問題)への再発防止策を踏まえたものです。重要課題との関連性環境マネジメント、多様性の尊重、人材と能力開発、企業倫理とインテグリティ、人権、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント [戦略リスク 事業横断的なリスク](8) 人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要です。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、国内外で必要な人材を継続的に採用・維持するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まない場合には、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループにおいて、継続的な事業の発展のためにグループ全体で女性のさらなる活躍、障がいのある従業員のための取り組みや人種における平等、性的マイノリティに関する取り組み等を推進しており、地域ごとに人事制度の改定や拡充を行うほか、グローバル規模の従業員リソースグループ(ERGs:Employee Resource Groups)として、ジェンダー平等、多文化、障がい、働く親や介護者、LGBTQ+にフォーカスした5つのグループを立ち上げる等、インクルーシブな組織風土を醸成するために様々な活動を行っています。日本において、新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開するほか、人事・教育体系を充実させ、従業員の定着と育成に努めています。また、グローバルで活躍できる人材を育成するために、各プログラム(海外派遣研修、選抜型の育成プログラム、eラーニング等)を実施しています。多様なバックグラウンドを持つ従業員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、インクルーシブな環境を構築するための取り組みを推進しており、多様な人材を受け入れる企業文化の醸成、在宅勤務等の職場環境の整備、エキスパート制度等の新たな人事制度の構築に取り組んでいます。さらに、「シェアード・サービス・センター」をアジアのみならず、欧米諸国及び日本においても設立し、各地域におけるガバナンスを強化するとともに、間接業務の集約化や効率化を図ることにより、日本国内あるいはグローバルにおける将来の労働環境に左右されない柔軟な組織を構築することを目指しています。加えて、「報酬・福利厚生委員会」を設置し、グローバルでの処遇の公平性・透明性に向けた取り組みを強化しています。重要課題との関連性多様性の尊重、人材と能力開発、従業員の安全と健康、企業倫理とインテグリティ、人権 近年、高齢化の進行による高齢世帯の増加及び障がい者人口の増加に対応した製品の必要性が高まっています。また、SDGsの目標5にて掲げられているとおり、企業に対して高齢者や障がい者の雇用だけでなく、ジェンダー格差の是正に対する取り組みも求められています。 [戦略リスク 事業特有のリスク ウォーターテクノロジー事業](9) 販売チャネルに関するリスク当社の連結子会社であるASD Holding Corp.は様々な需要に応じて幅広い製品を展開していますが、近年特に北米を中心として流通構造の変革が起きています。具体的には、エンドユーザーへの直接的な販売の拡大が起きており、ASD Holding Corp.においても、Eコマース(EC)を活用したウェブサイトでの自社製品の販売等を含め、ビジネスの転換を図り、売上の伸長やコスト構造の改革に努めています。しかしながら、このような販路の転換に対して、想定していた顧客数が確保できない等の理由により、その売上成長が鈍化、若しくはコスト構造の改革が計画通りに進まない場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策販売チャネルの拡大を進めるために、従来、外部の販売代理店が行っていた営業活動を内製化し、非住宅設備案件に影響力を持つ施工会社等のステークホルダーに専門性を持った担当者が直接アプローチすることで自社製品の販売促進に努めています。また、自社のECを活用したウェブサイトで、エンドユーザーからの直接需要を効率的に取り込んでいます。さらに、取引先のECサイトへ新たな機能を追加し、エンドユーザーの購買行動の促進に努めています。安定した販売活動を支え、運営上の安全性を担保するため、目的に応じ適切な管理システムを導入することで情報漏洩やサイト運営に支障が出ることを事前に防ぐ体制を整えています。また、コスト構造の改革については、当社グループ全体としての効率を重視した製造・物流拠点の選択など、ASD Holding Corp.のみに留まらない改革を進めています。重要課題との関連性顧客満足、サプライチェーンマネジメント、情報セキュリティ、責任あるマーケティングと広告 [戦略リスク 事業特有のリスク ウォーターテクノロジー事業](10) ブランドに関するリスク当社グループの保有する数あるブランドのうち、GROHEブランドは富裕層をターゲットとしたプレミアムブランドとして認知されていますが、競争の激しい環境においてブランド価値を維持し、従来の欧州中心のビジネスのみならず、アジアやアフリカ等の新興国の市場でもGo to Market戦略を企てています。それに伴い、地域特有のニーズに応える製品の開発が求められることがあります。しかしながら、個々の市場に合わせた戦略を実施した結果、シグネチャーエレメンツに対する認識を維持できなくなる可能性があるため、注意深くモニタリングする必要があります。その認識を経済環境に合わせて適切にコントロールできなかったことにより、これまで当社の連結子会社であるLIXIL Europe S.à r.l.が維持してきたGROHEブランドの価値が毀損し、その売上成長が鈍化、若しくは利益率が低下した場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。また、GROHEブランドを維持する際に、テクノロジー内において一貫性のある戦略に基づいた管理がされないことにより、GROHEのブランドやデザインの差別化がなされず、ブランド価値が毀損し、その売上成長が鈍化、若しくは利益率が低下した場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。 発生可能性低影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策継続的なブランド投資によりブランド価値の維持や、製品開発を実施しています。また、グローバルでGROHEブランド及び競合他社ブランドの販売価格を継続的にモニタリング・分析し、収集した情報を基にブランド戦略に沿った価格を設定・共有した上で、当社グループ全体において統一的な施策を立案・実行できる仕組みを整備しています。その結果、競争の激しい市場においてもブランド価値を反映した価格帯を維持できるよう対応しています。さらに、ウォーターテクノロジー事業におけるGROHEブランドの位置付けについて、事業内の他ブランドとの差別化を図るため、ブランドデザインの使用に関するルールを設け、ブランド価値の維持・管理に努めています。このような総合的なブランド戦略により、GROHEブランドの認知度を高め、市場でのトップポジションを維持することを目指しています。重要課題との関連性多様性の尊重、顧客満足、責任あるマーケティングと広告 [戦略リスク 事業特有のリスク ハウジングテクノロジー事業](11) 競合他社との競争・製品価格に関するリスク当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しています。特に日本国内の建材市場は寡占市場となっており、売上収益は競合他社の価格設定に影響を受けます。当社グループは高品質で魅力的な製品を市場へ投入する能力を保持していますが、価格面において競争優位に展開できる確証はありません。これにより、製品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策競合他社との激しい競争による市場価格の下落に対し、多様なニーズに寄り添った付加価値製品の市場投入による差別化を進め、販売価格の底上げに取り組んでいます。生産活動においても共通部分の生産を汎用設備で行うことで生産スペースを削減(プラットフォーム化)するなど、投資資本効率の向上に努めています。プラットフォーム化により、新製品の早いサイクルでの市場投入を可能とし、時代に合った新しい価値を常に提供し続けることも可能となります。また、高価格帯の魅力ある製品を開発・販売したことで、当該製品の割合を増やし、製品セールスミックスを改善しています。その他の取り組みとして、クラウドファンディングを活用し、市場に対して新しい価値を提供する製品を試験的に販売することで、価格ではなく「価値」で顧客に選ばれる取り組みを実施しています。重要課題との関連性多様性の尊重、顧客満足、責任あるマーケティングと広告 [オペレーショナルリスク](12) 災害・事故・感染症等に関するリスク当社グループは、日本国内及び海外諸国の複数の拠点において生産・販売活動を行っていることから、各地で発生する地震や台風等の自然災害、未曽有の大事故や感染症によって、当社グループの調達、生産、物流、販売活動や情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を受ける可能性があります。特に、災害・事故等の発生により、当社グループの国内及び海外工場の生産活動が停止することは、市場への製品供給に深刻な影響を及ぼし、売上収益に悪影響を与える可能性があります。また、感染症の発生や拡大は当社グループ従業員の健康状態悪化による労働力の低下の可能性や、取引先の生産・販売活動の一部停止等、当社グループの事業活動に支障が出る可能性もあります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(参照リスク(1)(2)(4)(16)) 発生可能性中影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策大規模自然災害や事業活動に伴う事故に備え、早期に復旧できるよう事業継続計画(BCP)の策定及び定期的な見直しを実施しています。また、工場の分散、耐震工事の実施、サプライヤーの分散や連携強化等のリスク軽減をはかり、適切な保険を付保することにより、事業への影響を軽減しています。当社グループでは、従業員及び家族の命の安全確保を最優先に考えています。海外での緊急事態発生に備え、複合リスクへの発展可能性を考慮し、予め有事における対応部門やレポートライン、対応の具体的手順等について協議しています。これを踏まえ有事が発生した際には、現地の最新の安全対策情報等も活用し、従業員とその家族への支援、営業活動や経済制裁など幅広い論点に対応し、情報共有することで経営層が積極的に関与し必要なグローバル対応を行っています。感染症対策に関して、当社グループでは、在宅勤務の環境整備と運用を従来から推進しており、現状の政府指針や会社の状況などを踏まえ、勤務ガイドライン及びオフィス環境ガイドラインを改定しています。また、感染予防法の周知、感染発生時の対応準備、感染発生時の報告フロー整備などを行い、従業員が安心して働ける環境を構築するとともに、事業活動を従来通り継続することに努めています。在宅勤務の推進とデジタル技術の活用を踏まえ、有事の際の安否確認、情報共有やコミュニケーションをよりタイムリーに行えるよう努めています。なお、災害発生を含め、有時の行動や対策についても従業員への周知徹底を実施しています。重要課題との関連性気候変動対策を通じた緩和と適応、従業員の安全と健康、サプライチェーンマネジメント、リスクマネジメント [オペレーショナルリスク](13) 情報・サイバーセキュリティに関するリスク当社グループが行う生産・販売活動及び各種事業活動は、コンピュータシステム及びコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用しています。このため、通信ネットワークに生じる障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウェア、若しくは、ソフトウェアの不具合・欠陥、データセンターの機能停止等により事業活動に支障が出る可能性があります。また、情報システムが適切に導入・更新されていないことによりシステム上の不具合、業務の非効率、生産性低下を招き、事業活動に支障が出る可能性があります。さらに、当社グループでは、業務を遂行する中で顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められています。このため、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、売上収益の減少あるいは販管費等の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(参照リスク(2)) 発生可能性高影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティに関する社内規程の整備、不正アクセス等を未然に防止するための対策、従業員に対する教育等を実施し、さらにこれらの取り組みを定期的に評価・見直すことにより、情報セキュリティマネジメントの継続的な改善を実施しています。特に、効率的で安定した事業活動の遂行を担保するため、老朽化した基幹システムの刷新を進めています。また、サイバー攻撃全体への対応としてCSIRT (シーサート: Computer Security Incident Response Team)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築しました。また、情報セキュリティリスクが顕在化した場合には、緊急時の報告基準とフローに沿ってエスカレーションを行い、事業部門とコーポレート部門が連携し、速やかに初動対応と事業復旧対応が取れる危機管理体制の整備を推進しています。IoT (Internet of Things)やOT (Operational Technology)も含めたサイバーセキュリティ強化の構築も推進しています。また、個人情報保護に関する法令を遵守すべく、必要な社内規程の整備やEU一般データ保護規則 (GDPR)で要求されるデータ保護責任者を含む個人情報責任者の設置、適切な研修の実施、プロセス整備等を行っています。さらに、在宅勤務につきましては、従前より導入を進めていましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、より推進されたことに伴い、情報漏洩防止に関するルールの周知・徹底、理解度向上のための従業員教育の強化に努めています。重要課題との関連性リスクマネジメント、情報セキュリティ [オペレーショナルリスク](14) 知的財産に関するリスク当社グループは、魅力ある差別化された製品やサービスの開発に努めています。このような製品やサービスに対し、第三者が保有する知的財産権との関係で紛争や交渉が生じる可能性があります。この場合、当該第三者の知的財産権を侵害しない製品やサービスの開発、損害賠償金の支払い、当該第三者の知的財産権のライセンスの取得とロイヤルティの支払い、差止命令による当社グループの製品やサービスの一部について製造販売や提供の中止、を要求される可能性があります。一方では、当社グループの製品やサービスの差別化要素となる技術やデザイン等が第三者に模倣されることにより、当社グループの製品又はサービスの市場競争力の低下を引き起こす可能性があります。また、当社の商標権等の知的財産権を侵害する模倣品の流通により、当該模倣品を使用した顧客に事故や健康被害等が発生した場合、当社グループへの評判、ブランド価値、当社グループの製品の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。これらは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、近年の浄水カートリッジに対する模倣品の増加を踏まえ、発生可能性を「低」から「中」へ変更しています。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化増加対応策知的財産部門と事業部門が連携し、第三者の知的財産権の調査分析を行う等の知的財産権についてのリスクアセスメントを製品開発のプロセスに組みこむことで、開発段階から訴訟その他の重大な事業リスクの発生を未然に防止する対応をしています。すなわち、第三者の知的財産権についての事前調査や必要なライセンスの取得などの対応を図っています。また、長期にわたって事業の競争優位性と高収益性を実現するために、競争力の源泉である当社の差別化要素の第三者による模倣を防ぐ対応を行っています。そのため技術開発、製品企画の段階から保護すべき知的財産を特定し、特許権、意匠権、商標権及びその他の知的財産権を取得し、又は当該知的財産を秘匿する等の対応を図るとともに、日本及び各国における知的財産ポートフォリオマネジメントを推進しています。なお、模倣品に対しては、お客様に対する注意喚起や税関への差止申立て、インターネット販売における監視と排除、当局による摘発への協力等を行い、その流通の防止に努めています。さらに、知的財産情報をはじめとする各種のデータ分析に基づく知財インテリジェンスを実行し、上記のリスクアセスメントを効率的に行うとともに、戦略的に知的財産ポートフォリオを構築することに活用しています。重要課題との関連性リスクマネジメント [オペレーショナルリスク](15) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対してそれらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において繰延税金資産を計上しています。将来の課税所得は、マネジメントが確認した3か年分の見積りを基礎としています。当該見積りにおいて、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数の減少が予想される中、販売価格の適正化及び政府による住宅省エネ化支援策の拡充も踏まえたリフォーム戦略の強化等による売上収益の増加や原価低減による売上総利益率の改善等の収益性向上を見込んでおり、これらの施策の達成には不確実性が伴います。また、税務上の繰越欠損金の繰越年数や使用上限割合が変更される等、当社グループにとって不利な税制改正が行われる可能性が否定できません。これらの結果、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策見積りの達成にあたっては、当社グループ全体の業績管理を担う企画管理部門によるモニタリングを強化しており、見積りの達成を阻む要因があれば、早期に対応できる体制を構築しています。さらに、当社CFO直轄組織がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを強化することにより、業績悪化の兆候を早期に捉えるようにしており、税制改正にかかる情報については、当社税務部門において早期に捉えるようにしています。これらの部門が、業績悪化の兆候や税制改正にかかる情報を把握した際には、当社経理財務部門及び税務部門と協議を行い、繰延税金資産の回収可能性に関して見直しの必要性を含めて適時に対策が打てるような体制を構築しています。重要課題との関連性税の透明性 [オペレーショナルリスク](16) 規制強化に関するリスク当社グループは、日本国内において事業活動を行う上で、会社法や独占禁止法、個人情報保護法、税法、会計基準等、経営に係る一般的な法令諸規制の適用を受けています。また、海外での事業活動についても、それぞれの国や地域における競争法、個人情報保護法、国際取引規制、その他の法令諸規制の適用を受けています。近年、当社グループの重要な物的資源(アルミ、銅、ステンレス等)又はその原材料を含む自然資源の利用や、非財務情報開示を含むサステナビリティに関わる規制等、新たな法令諸規制の導入について活発に議論されています。また、個人情報保護に関する規制については、グローバルに規制強化の一途を辿っており、その執行も活発化しています。これらの法令諸規制は、労務費、原材料費、エネルギーコスト等の上昇、国際情勢や多国間の国際関係の変化、その他の社会情勢の変化などに応じて、将来において急速に新設・変更・廃止され、厳正な法執行が行われる可能性があります。その結果、製品その他サービスの提供の制限や、売上原価の増加、設計・開発段階におけるコスト増、新たな制裁・法規制の対象となった国や企業との取引の停止等、当社グループの事業運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、新たな法令諸規制に対応できる人材の確保を含む体制整備や、システム導入に遅れが生じた場合、従来と比較して法令違反のリスクが高まる可能性があります。規制に関するリスクは事業活動において常に存在するものの、規制が強化され、また新たな規制化の動きが早まっているとともに、その執行も活発化していることを受け、個別の記載としています。(参照リスク(1)(2)(3)(4)(5)(12)) 発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化新規対応策当社グループは、複雑化し急速に変化し続けるグローバルな規制環境の中で行う事業活動に機動的に対応するため、2022年1月に法務・コンプライアンス部門のグローバルでの組織再編を実施しています。また、2022年4月には個人情報保護をグローバルで統括する専任の組織を立ち上げました。これらの新体制のもと、法務部門を中心とした各地域の法令遵守と法的リスクを抑制するための体制が整備されています。さらに、法令諸規制に関する情報発信や定期的な教育等により、従業員の理解度を高めるとともに、事業部門とコーポレート部門が規制対応に関して適切に連携できるよう取り組んでいます。規制の新設・変更・廃止が実施された場合には、規程やガイドライン等の作成・更新に加えて、取引先に対するコンプライアンスデューデリジェンスにその内容を反映する等の実務的な方策によって、規制違反の回避に努めています。重要課題との関連性すべて
FY2022|18,154 文字
2【事業等のリスク】当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについてグループ共通の基準(事業計画への影響度と発生可能性等)で評価を行い、グループ内での事業規模の違いや外部環境の変化等に基づき、経営者の目線からリスク間の相対的な関係を考慮した上で対処すべきリスクの優先順位を決定しております。また、リスクの洗い出しに際して、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、それぞれ以下のように定義しております。 戦略リスク事業戦略の策定及び遂行により獲得を企図する成果が予定通り獲得できない程度及びその発生可能性であり、健全な範囲で事業成果を獲得するために敢えて選択して取るリスクオペレーショナルリスク戦略遂行を支えるオペレーション上の事象による損失額及び事象発生可能性であり、事業遂行上一定以下に抑制すべきリスク これらに基づき、リスクにおける重要性を判断した上で、当社グループの各事業、管理部門、マネジメントの各レベルが当該リスクに応じた対策を立案、実行し、対策の進捗状況をモニターし、継続的に改善する活動を展開しております。また、監査委員会は取締役会、執行役会及び各委員会への参加、重要書類の閲覧、会計監査人とのコミュニケーション等を通じて、対処すべき優先順位の高いリスクについて適切な対策が実行されているかモニターしております。なお、上記に加えて、必要に応じて各事業及び子会社に対する往査も実施しております。 有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、影響度、発生可能性、重要性の前年からの変化をリスクマップに一覧化し、詳細な情報を記載しております。なお、当社グループでは、各リスクについてグループ共通の基準で評価した結果を一元的に管理するために、戦略リスクとオペレーショナルリスクを同一のリスクマップに表示しております。また、記載しているリスクや対応策が互いに強く連関している場合は参照リスクとして該当番号を記載しておりますが、すべての連関を網羅するものではありません。各リスクに紐づいている重要課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針及び経営環境」に記載のとおりであります。紐づけにおいては、記載しているリスクもしくはその対応策の内容が、重要課題の記述・方針に関連しているかどうかを複数の部門で協議し、決定しております。 なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (新型コロナウイルス感染症に関するリスク)2019年11月に発生が確認された新型コロナウイルス感染症は、新たな変異株の出現などにより一部地域においてはいまだに感染の拡大が続いているものの、国内及び海外の大半の地域の事業は前連結会計年度の下半期には回復基調がみられ、当連結会計年度における当社グループの事業活動へ与える影響は限定的であったことから、翌連結会計年度以降における当社グループの事業活動への影響も限定的であると想定しております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動への影響については不確定要素が多く、状況変化が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。現時点においては日常のリスク管理の中で対応していることを踏まえ、個別のリスクとしてではなく関連するリスクに包含して記載しております。(参照リスク(3)、(12)) (リスクマップ及び凡例)事業等のリスク2022年3月期の以下に関するリスク発生可能性(注)影響度重要性の前年からの変化戦略リスク事業横断的なリスク(1)経済状況、為替相場・金利の変動高高同水準(2)新製品の開発低→中中増加(3)原材料等の供給低→中中増加(4)環境(気候変動、水、資源)中中同水準(5)事業再編低中同水準(6)他社との連携・企業買収等低低同水準(7)人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進低→中中増加(8)設備等の操業度低低同水準事業特有のリスクウォーターテクノロジー事業(9)販売チャネル中中同水準(10)ブランド低高同水準ハウジングテクノロジー事業(11)競合他社との競争・製品価格中中同水準オペレーショナルリスク(12)災害・事故・感染症等中高同水準(13)情報セキュリティ中→高中増加(14)訴訟その他法的手続低中同水準(15)製造物責任や補償請求低中同水準(16)繰延税金資産の回収可能性低中同水準(注)前連結会計年度の評価から変更のあったリスクについて、前連結会計年度の発生可能性を併記しております。 [戦略リスク 事業横断的なリスク](1) 経済状況、為替相場・金利の変動に関するリスク当社グループは、グローバルに販売活動を行っており、その売上収益は世界における需要、景気、物価の変動、産業・業界の動向に影響を受けます。特にアルミ、銅、樹脂、半導体など原材料価格やコンテナ不足による物流コストの上昇は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。日本国内においては、新設住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動が、また、海外諸国においては、戦争、内乱、紛争、暴動、テロ等が発生した場合も、同様に当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、為替相場の変動は、当社グループの外貨建取引により発生する資産及び負債の円貨換算額や外貨建で取引されている製品の価格や売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。また、当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入や社債の発行等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には当社グループの資金調達に係る金利負担が増加し、借入や社債発行による資金調達の難航や支払利息・社債利息が増加する等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 発生可能性高影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策日本での販売活動においては、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数減少の予想を踏まえ、新築市場におけるシェアの拡大の取り組みのみならず、中高級品市場への拡販、リフォーム戦略の強化を進めております。また、海外での生産・販売活動においては、外部の第三者機関等を通じて政治情勢、政策変更等をモニターすることにより、政情不安等の地政学リスク顕在化の兆候の早期把握や、代替調達先の確保による製品・原材料を含めた適切な在庫水準の維持により、安定的な供給体制の構築に努めております。(参照リスク(3))さらに、日本の財務部門において、運転資金及び投融資による資金需要を把握し、投資審査委員会等で案件を審査する体制を構築しております。また、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各拠点において為替相場の動向を月次でモニターするとともに、必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、為替相場の変動影響を低減しております。当該「リージョナル・トレジャリー・センター」に各地域における資金管理業務等を集約することにより、資金調達の効率化及び安定化を進めております。重要課題との関連性 高 :サプライチェーンマネジメント、リスクマネジメント [戦略リスク 事業横断的なリスク](2) 新製品の開発に関するリスク当社グループは、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」のために、常に技術と顧客ニーズを的確に把握し、魅力ある製品開発を行っております。しかしながら、市場や業界のニーズ変化に対応できない、あるいは十分な開発投資を維持できず上市に至らない、上市に至ったとしても新製品の価値が顧客ニーズに十分訴求できない等の場合、将来の成長鈍化と売上収益の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、顧客ニーズをより意識した開発を進める一方、エンドユーザーの価値観は多様性や変化に富むことを鑑み、発生可能性を「低」から「中」へ変更しております。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化増加対応策革新的なスタートアップ企業との提携やグローバル情報ネットワークの活用を通じて、消費者ニーズの変化に迅速に対応する体制を構築しております。自宅にいながら来館時と同様のサービスが受けられる「LIXILオンラインショールーム」や欧州における「GROHE X」など、当社グループ独自のデジタル技術を組み合わせ、エンドユーザーとビジネスパートナーをつなぎ、新たな価値を提供するエコシステムを確立しております。開発にはデザインの総合力を重視し、デザインとテクノロジーを融合させることで新たな価値を生み出す製品開発を加速させております。また、顧客志向を強化するインクルージョン文化の醸成として、日本では「LIXILユニバーサルデザインコンセプト」を取り入れ、誰もが使いやすい製品の開発、提供に努めております。加えて、世界的な人口増加に伴い、水や資源の責任ある利用が企業や個人に求められていることを踏まえ、製品の原材料として可能な限りリサイクル素材を使用し、製品使用時における水やエネルギーの効率性を高め、長寿命化とリサイクル性を考慮した設計を行うなど、製品やサービスの設計においても責任ある水や資源の使い方を推進し、消費者のニーズに訴求しております。開発プロセスにはステージゲートの設定・運用、上市後は新製品業績の管理により、市場トレンドと開発戦略が適合しているか確認しております。その他の取り組みとして、クラウドファンディングを活用し、市場に対して新しい価値を提供する製品を試験的に販売することで、消費者のニーズや嗜好のトレンドの収集を行っております。また、コストや納期よりも品質を最優先する風土の醸成に努めております。具体的には、「お客様から選ばれるLIXIL Qualityを実現しよう!」という品質テーマを掲げ、すべての組織が「お客様の満足」という同じ方向を向き、相互にカバーしながら結果につながるよう努めております。重要課題との関連性優先:グローバルな衛生課題の解決、気候変動の緩和と適応、水の持続可能性の追求、資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響、多様性の尊重 高 :製品の安全性、顧客満足、ステークホルダーエンゲージメント 中 :情報セキュリティ [戦略リスク 事業横断的なリスク](3) 原材料等の供給に関するリスク当社グループの生産活動においては、資材、部品、その他のサービス等の供給品を適宜に調達しております。そのため、業界の需要増加や事業展開国におけるインフレ等による原材料価格の高騰、コモディティの価格変動や重要な物的資源(アルミ、銅、ステンレス等)の調達可能性の変動の結果、売上原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、資材、部品、その他のサービス等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、生産・販売活動と密接に関わる物流業務に関して、新型コロナウイルス感染症拡大による供給遅延や石油価格の変動、人件費の高騰などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、昨今の原材料価格の高騰や調達可能性の変動を鑑み、発生可能性を「低」から「中」へ変更しております。(参照リスク(4)) 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化増加対応策原材料価格高騰部分の販売価格への転嫁、価格変動のヘッジを目的としたデリバティブの活用、複数購買の実施、有事における対応力の強いサプライヤーへの集約、取引先の信用情報調査や人権を含んだ責任ある調達アンケートの実施、取引先との定期的なコミュニケーションの実施、2次サプライヤーも考慮したカントリーリスク対応の推進、定期的な品質テスト、安全在庫量の確保等により、BCPの観点を踏まえた安定的な供給体制の構築に努めております。また、製品の原材料として可能な限りリサイクル素材を使用し、長寿命化とリサイクル性を考慮した設計や製品のCradle to Cradleの認証取得を推進するなど、循環型社会への移行を目指しております。さらに、物流効率の改善に取り組むことで物流費の安定化を図っております。重要課題との関連性優先:資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響 高 :製品の安全性、人権、サプライチェーンマネジメント、リスクマネジメント [戦略リスク 事業横断的なリスク](4) 環境(気候変動、水、資源)に関するリスク当社グループは、製品開発から調達、生産、販売活動に至る事業活動において地球環境保全に向け様々な活動を行っております。特に近年においては、気候変動が自社のバリューチェーンにもたらす政策・規制や市場変化による移行リスク、異常気象などの物理リスクが顕在化する可能性が高くなっております。さらに、今後世界的な水問題への対応、原材料・部材の価格高騰、石油由来のプラスチックに関する規制強化、サーキュラー・エコノミーの台頭による消費者嗜好の変化等の市場変化に柔軟に対応していかなければ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループでは、執行役会から任命を受けた担当役員が委員長を務める環境戦略委員会を設置し、環境ガバナンスに関わる規程や方針の制定、気候変動を含む環境重要課題に対する施策の審議と決定、当社グループ全体の目標管理とモニタリングなど、環境戦略の構築と実行を実施しております。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言を踏まえ、気候変動問題が当社グループに及ぼすリスクと機会を特定・評価し、執行役会・取締役会へ報告・承認を経て、環境戦略に反映させる取り組みを進めております。移行リスクに対しては、生産活動におけるエネルギー使用効率化や積極的な再生可能エネルギー活用に加えて、今後はサプライチェーン全体での環境負荷削減の取り組みを強化してまいります。さらに、インターナルカーボンプライシングのより実効的な運用に向けた検証や、2050年に向けた長期的な脱炭素技術の開発や導入を促進していくための製造技術や製品材料の研究を進めております。また、物理リスクに対しては、BCP計画によるリスク最小化、生産バックアップ体制整備、固定資産への保険、渇水対策のための取水管理などを進めております。気候関連を含めた移行リスク及び機会への対応においては、環境目標・実行計画に落とし込み、環境パフォーマンス向上やリスク管理に関わる施策を推進・展開し、その進捗の監視と振り返りを行う管理プロセスの構築を進めております。また、ISO14001もしくは環境マネジメントシステムによる環境関連法令の洗い出しや遵守の点検ルールを定め、運用状況について定期的に内部監査を実施しており、内部監査で指摘があった事項については、フォローアップを行い、改善の実施を確認することで、環境マネジメントシステムの効果的な運用につなげております。環境ビジョン2050「CO2ゼロと循環型の暮らしを」を掲げ、2050年までのCO2排出ネットゼロ及び水の恩恵と限りある資源を次世代につなぐことを目指した活動を推進しております。その中間目標である2030年までのCO2削減目標(Science Based Targets)については、従来の2℃水準から1.5℃水準へ上方修正し、認定を更新する計画です。さらに、住宅・建築物で使用されるエネルギーや水の削減に貢献するための機会管理の指標として、環境配慮型製品の販売構成比の向上を進めております。重要課題との関連性優先:気候変動の緩和と適応、水の持続可能性の追求、資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響、環境マネジメント 高 :サプライチェーンマネジメント、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント パリ協定及びSDGsの目標13に掲げられているとおり、CO2削減のため、製造・販売活動の見直しや気候変動による影響を低減するための取り組みを実施することが以前にも増して企業に求められております。また、世界的な人口増加や経済成長に伴い、SDGsの目標12や目標6に掲げられているとおり、持続可能な資源利用や節水・浄水技術に対する需要が高まっております。 このようなニーズに対応するために、当社グループは、「環境ビジョン2050」を定め、①気候変動対策を通じた緩和と適応(事業プロセスと製品・サービスによる温室効果ガスの排出を実質ゼロにする)、②水の持続可能性を追求(節水や水の循環利用、浄水技術などを通じて、水の環境価値を創造する)、③資源の循環利用を促進(循環型社会への変革に貢献し、限りある資源を未来につなぐ)の分野に注力いたします。事業プロセスにおいては、工場やオフィスでの徹底した省エネ活動や、再生可能エネルギーの利用、製造プロセスのエネルギー効率化に向けた技術開発を推進してまいります。また、各地域の水関連の問題に対する事業へのリスクを把握し、水使用効率の改善や循環利用、排水管理などの適切な施策を実施することで、事業を行う地域で継続した水の利用を可能にする環境の維持に努めております。さらに、廃棄物の削減や適切な管理を徹底するとともに、サプライヤーと協働し、新規に投入する資源の最小化や、リユース・リサイクルをさらに促進することで、社会とともに資源の循環利用を加速させる仕組みを構築してまいります。 [戦略リスク 事業横断的なリスク](5) 事業再編に関するリスク当社グループは、経営の効率化及び競争力強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員配置等の適正化による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、事業再編後の組織において全社的な戦略上の優先順位が劣後し、経営資源が適切に配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、投融資等の意思決定の際に、事業戦略、領域、展開国等に内在するリスクが的確に識別されず、投資実行後に当初想定していた利益やシナジー効果を実現できないことや、経営における優先順位の変更による意思決定の遅延等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策経営陣と従業員とのコミュニケーション強化を図ることにより、当社グループの経営戦略の浸透を図っております。事業・地域ポートフォリオマネジメントを強化することを通じて経営資源配分の優先順位を明確にすることにより、事業再編後の組織において、シナジー効果の最大化や戦略実効性の向上が早期に実現するよう努めております。事業再編後のスムーズな組織の構築に向けて、M&Aにおける買収先企業のPMIを強化しております。その一環として、ガイドラインの策定を通じて、PMI推進体制及び進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用による子会社のガバナンス強化を推進しております。さらに、当社又はその子会社による会社の新設、事業再編等を含む投融資に関する事項(投融資案件)については、その内容や金額的重要性に応じて適時適切な判断ができるよう、投資審査委員会やM&A委員会による審査や決議をする体制を整えております。重要課題との関連性 高 :企業倫理とインテグリティ、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント [戦略リスク 事業横断的なリスク](6) 他社との連携・企業買収等に関するリスク当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがありますが、買収・投資実行後にグループ全体に内在するリスク及びオポチュニティを適時・的確に識別することができないことに加え、優秀な人材の離職や人材の融合が進まないことにより、当初想定した利益やシナジー効果を実現できない、あるいは買収後に偶発債務の発生や未認識の債務等が判明する可能性があります。さらに、事業拡大後、当社グループと対象事業の戦略が整合しておらず、全社的な戦略上の優先順位が劣後し、経営資源が適切に配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化同水準対応策統合時における対応策として、統合に関するグローバル共通のポリシーを策定し、統合後のレビューやモニタリングプロセスを効率的に整備・運用する体制を強化しております。また、環境や人権などのサステナビリティ項目についても、ポリシーに盛り込んでおります。統合後においては、シナジー創出に向けて効率的でフラットかつシンプルな組織構造の構築を目的とし、意思決定の迅速化を含めた組織変革を推進するとともに、対象事業の従業員が当社グループの一員としてすぐに活躍できるよう、インクルーシブな文化の醸成や環境整備に取り組んでおります。投融資案件については、その内容や金額的重要性に応じて、投資審査委員会やM&A委員会による審査や決議をする体制を整えております。また、買収先企業のPMI強化の一環として、ガイドラインの策定を通じて、PMI推進体制及び進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用によりガバナンスを強化しております。なお、対応策については2015年に発覚した当社の海外子会社であったJoyou AGにおいて不適切な会計処理が行われていた事実(Joyou問題)への再発防止策を踏まえたものであります。重要課題との関連性優先:環境マネジメント、多様性の尊重 高 :人材と能力開発、企業倫理とインテグリティ、人権、コーポレート・ガバナンス、 リスクマネジメント [戦略リスク 事業横断的なリスク](7) 人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要となります。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まない場合には、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ダイバーシティ推進における社内の人材育成の重要性が増したこと及び従業員の価値観は多様性や変化に富むことを鑑み、発生可能性を「低」から「中」へ変更しております。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化増加対応策当社グループにおいて、継続的な事業の発展のためにグループ全体で女性のさらなる活躍、障がいのある従業員のための取り組みや人種における平等、性的マイノリティに関する取り組み等を推進しており、地域ごとに人事制度の改定や拡充を行うほか、風土を醸成するために社内イベント等を行っております。日本において、新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開するほか、人事・教育体系を充実させ、従業員の定着と育成に努めております。また、グローバルで活躍できる人材を育成するために、各プログラム(海外派遣研修、選抜型の育成プログラム、eラーニング等)を実施しております。多様なバックグラウンドを持つ従業員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、ダイバーシティ・マネジメントを推進しており、多様な人材を受け入れる企業文化の醸成、在宅勤務等の職場環境の整備、エキスパート制度等の新たな人事制度の構築に取り組んでおります。さらに、「シェアード・サービス・センター」をアジアのみならず、欧米諸国及び日本においても設立し、各地域におけるガバナンスを強化するとともに、間接業務の集約化や効率化を図ることにより、日本国内あるいはグローバルにおける将来の労働環境に左右されない柔軟な組織を構築することを目指しております。加えて、「報酬・福利厚生委員会」を設置し、グローバルでの処遇の公平性・透明性に向けた取り組みを強化しております。重要課題との関連性優先:多様性の尊重 高 :従業員の安全と健康、人材と能力開発、企業倫理とインテグリティ、人権 近年、高齢化の進行による高齢世帯の増加及び障がい者人口の増加に対応した製品の必要性が高まっております。また、SDGsの目標5にて掲げられているとおり、企業に対して高齢者や障がい者の雇用だけでなく、ジェンダー格差の是正に対する取り組みも求められております。 このようなニーズに対応するために、多様性から生み出される活力を起業家精神醸成の源と捉え、将来へ向けた成長とイノベーションを達成するために、「LIXILダイバーシティ&インクルージョン宣言」を採択し、グループ内にて実行しております。また、組織の変革と事業戦略の実現に向けてダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取り組みを加速させることを目的に、2020年9月にD&I委員会を設立いたしました。多様な人材を組織内に定着させるために、組織全体に平等性と包括性を浸透させるための施策を強化するとともに、インクルージョンの文化を醸成し、あらゆるレベルにおいて多様な人材の採用、登用を進めることができるよう、ベンチマークを設定し、進捗をモニターしてまいります。これらの取り組みにより、現在のみならず将来の事業展開国・地域における当社グループの持続的な成長と存在意義及びブランドイメージの向上を実現することを目指しております。 [戦略リスク 事業横断的なリスク](8) 設備等の操業度に関するリスク当社グループの主要な事業では、多様な製品の製造を行っているため、製造拠点となる工場等の生産設備を数多く所有しており、その展開地域も多岐にわたっております。当該生産設備について、需給の変動、労働力の減少や災害の発生等をはじめとする様々な要因で操業度が低下する可能性があります。操業度の低下により、当初想定した収益を獲得できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化同水準対応策当社CFO直轄組織がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、遊休資産の発生や業績悪化に伴う固定資産の減損兆候を早期に捉えることを可能とし、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策が打てる体制を構築しております。また、当社グループ全体としての効率を重視した事業用資産の稼働状況や遊休状態の有無のモニタリング及び不動産管理を行っており、関係部署へ定期的に確認を行っております。また、包括的な損害保険への加入により、財務的損失をカバーするよう努めております。(参照リスク(12))重要課題との関連性 高 :リスクマネジメント [戦略リスク 事業特有のリスク ウォーターテクノロジー事業](9) 販売チャネルに関するリスク当社の連結子会社であるASD Holding Corp.は様々な需要に応じて幅広い製品を展開しておりますが、近年特に北米を中心として流通構造の変革が起きております。具体的には、エンドユーザーへの直接的な販売の拡大が起きており、ASD Holding Corp.においても、ECを活用したウェブサイトでの自社製品の販売等を含め、ビジネスの転換を図り、売上の伸長やコスト構造の改革に努めております。しかしながら、このような販路の転換に対して、想定していた顧客数が確保できない等の理由により、その売上成長が鈍化、もしくはコスト構造の改革が計画通りに進まない場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策販売チャネルの拡大を進めるために、従来、外部の販売代理店が行っていた営業活動を内製化し、非住宅設備案件に影響力を持つ施工会社等のステークホルダーに専門性を持った担当者が直接アプローチすることで自社製品の販売促進に努めております。また、自社のECサイトを活用し、エンドユーザーからの直接需要を効率的に取り込んでおります。さらに、取引先のECサイトへ新たな機能を追加し、エンドユーザーの購買行動の促進に努めております。安定した販売活動を支え、運営上の安全性を担保するため、目的に応じ適切な管理システムを導入することで情報漏洩やサイト運営に支障が出ることを事前に防ぐ体制を整えております。また、コスト構造の改革については、当社グループ全体としての効率を重視した製造・物流拠点の選択など、ASD Holding Corp.のみに留まらない改革を進めております。重要課題との関連性 高 :顧客満足、サプライチェーンマネジメント 中 :情報セキュリティ、責任あるマーケティングと広告 [戦略リスク 事業特有のリスク ウォーターテクノロジー事業](10) ブランドに関するリスク当社グループの保有する数あるブランドのうち、GROHEブランドは富裕層をターゲットとした洗練されたブランドとして認知されておりますが、競争の激しい環境においてさらなる販路の拡大を目指し、従来の欧州中心のビジネスのみならず、アジアやアフリカ等の新興国への展開を進めております。新興国への販路拡大のためには従来よりも柔軟な価格対応や、地域特有のニーズに応える製品の開発が求められることがあります。しかしながら、これらの施策を実施した結果、様々な文化的背景を持つ地域で意図されたシグネチャーエレメンツに対する認識を維持できなくなる可能性があり、これまで当社の連結子会社であるLIXIL Europe S.à r.l.が維持してきたGROHEブランドの価値が毀損し、その売上成長が鈍化、もしくは利益率が低下した場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。また、GROHEブランドを維持する際に、テクノロジー内において一貫性のある戦略に基づいた管理がされない場合、GROHEのブランドやデザインの差別化がなされず、ブランド価値が毀損し、その売上成長が鈍化、もしくは利益率が低下した場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。 発生可能性低影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策継続的なブランド投資によりブランド価値の維持や、製品開発を実施しております。また、グローバルでGROHEブランド及び競合他社ブランドの販売価格を継続的にモニタリング・分析し、収集した情報を元にブランド戦略に沿った価格を設定・共有した上で、当社グループ全体において統一的な施策を立案・実行できる仕組みを整備しております。その結果、競争の激しい市場においてもブランド価値を反映した価格帯を維持できるよう対応しております。さらに、ウォーターテクノロジー事業におけるGROHEブランドの位置付けについて、事業内の他ブランドとの差別化を図るため、ブランドデザインの使用に関するルールを設け、ブランド価値の維持・管理に努めております。このような総合的なブランド戦略により、GROHEブランドの認知度を高め、市場でのトップポジションを維持することを目指しております。重要課題との関連性優先:多様性の尊重 高 :顧客満足 中 :責任あるマーケティングと広告 [戦略リスク 事業特有のリスク ハウジングテクノロジー事業](11) 競合他社との競争・製品価格に関するリスク当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しております。特に日本国内の建材・建築資材市場は寡占市場となっており、売上収益は競合他社の価格設定に影響を受けます。当社グループは高品質で魅力的な製品を市場へ投入する能力を保持しておりますが、価格面において競争優位に展開できる確証はありません。これにより、当社グループの製品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策競合他社との激しい競争による市場価格の下落に対し、多様なニーズに寄り添った付加価値製品の市場投入による差別化を進め、販売価格の底上げに取り組んでおります。また、生産活動においても、インテリア、エクステリア、ドア製品においては、共通部分の生産を汎用設備で行うことで生産スペースを削減(プラットフォーム化)しており、当連結会計年度にはサッシ製品についてもプラットフォーム化が完了し、投下資本効率の向上を見込んでおります。プラットフォーム化により、新製品の早いサイクルでの市場投入を可能とし、時代に合った新しい価値を常に提供し続けることも可能となります。その他の取り組みとして、クラウドファンディングを活用し、市場に対して新しい価値を提供する製品を試験的に販売することで、価格ではなく「価値」で顧客に選ばれる取り組みを実施しております。重要課題との関連性優先:多様性の尊重 高 :顧客満足 中 :責任あるマーケティングと広告 [オペレーショナルリスク](12) 災害・事故・感染症等に関するリスク当社グループは、日本国内及び海外諸国の複数の拠点において生産・販売活動を行っていることから、各地で発生する地震や台風等の自然災害、未曽有の大事故や感染症によって、当社グループの生産、物流、販売活動や情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を受ける可能性があります。特に、災害・事故等の発生により、当社グループの国内及び海外工場の生産活動が停止することは、市場への製品供給に深刻な影響を及ぼし、売上収益に悪影響を与える可能性があります。また、感染症の発生や拡大は当社グループ従業員の健康状態悪化による労働力の低下の可能性や、取引先の生産・販売活動の一部停止等、当社グループの事業活動に支障が出る可能性もあります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策特に国内拠点においては、事業や財務への影響の低減を目的として、財務的損失をカバーするため包括的な損害保険への加入、工場の分散、耐震工事の実施、サプライヤーの分散や連携強化等により、自然災害等発生時のリスク分散体制を構築した上で、早期に復旧できるようBCP計画の策定及び定期的な見直しを実施しております。また、海外拠点についても、保険への加入等の予防策とともに、当該事象が発生した後に迅速な対応をとることができるような体制構築に努めております。当社グループでは、従業員及び家族の命の安全確保を最優先に対応しております。ロシア・ウクライナ情勢に関しては、タスクフォースを早々に立ち上げ、従業員とその家族の避難等の支援、営業活動や経済制裁など幅広い論点に対応し、情報共有することで経営層が積極的に関与し必要なグローバル対応を行っております。感染症対策に関しては、感染拡大を防止するため、出張・移動・出社の制限、感染予防法の周知、感染発生時の対応準備、感染発生時の報告フロー整備などを行っております。また、当社グループでは、在宅勤務の環境整備と運用を従来から推進しており、従業員が安心して働ける環境を構築するとともに、事業活動を従来通り継続することに努めております。在宅勤務の推進とデジタル技術の活用を踏まえ、有事の際の安否確認、情報共有やコミュニケーションをよりタイムリーに行えるよう努めております。なお、災害発生時の行動や対策についても従業員への周知徹底を実施しております。重要課題との関連性優先:気候変動の緩和と適応 高 :従業員の安全と健康、サプライチェーンマネジメント、リスクマネジメント [オペレーショナルリスク](13) 情報セキュリティに関するリスク当社グループが行う生産・販売活動及び各種事業活動は、コンピュータシステム及びコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用しております。このため、通信ネットワークに生じる障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウェア、もしくは、ソフトウェアの不具合・欠陥、データセンターの機能停止等により事業活動に支障が出る可能性があります。また、情報システムが適切に導入・更新されていないことによりシステム上の不具合、業務の非効率、生産性低下を招き、事業活動に支障が出る可能性があります。さらに、当社グループでは、業務を遂行する中で顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められておりますが、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、売上収益の減少あるいは販管費の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、昨今の高度化・頻発化するサイバー攻撃やDXの推進によりエクスポージャーが高まっていることを鑑み、 発生可能性を「中」から「高」へ変更しております。 発生可能性高影響度中重要性の前年からの変化増加対応策情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティに関する社内規程の整備、不正アクセス等を未然に防止するための対策、従業員に対する教育等を実施し、さらにこれらの取り組みを定期的に評価・見直すことにより、情報セキュリティマネジメントの継続的な改善を実施しております。特に、効率的で安定した事業活動の遂行を担保するため、老朽化した基幹システムの刷新を進めており、また、サイバー攻撃全体への対応としてCSIRT (シーサート: Computer Security Incident Response Team)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築いたしました。 IoT (Internet of Thing)やOT (Operational Technology)も含めたサイバーセキュリティ強化の構築も推進しております。また、個人情報保護に関する法令を遵守すべく、必要な社内規程の整備、EU一般データ保護規則 (GDPR)で要求されるデータ保護責任者を含む個人情報責任者の設置、適切な研修の実施を行っております。さらに、在宅勤務につきましては、従前より導入を進めておりましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、推進されたことに伴い、情報漏洩防止に関するルールの周知・徹底、理解度向上のための従業員教育の強化に努めております。重要課題との関連性 高 :リスクマネジメント 中 :情報セキュリティ [オペレーショナルリスク](14) 訴訟その他法的手続に関するリスク当社グループが国内及び海外において事業展開をする上で、訴訟その他の法的手続の対象になる可能性があります。知的財産に関しては、第三者が当社グループの知的財産を侵害する可能性や、第三者から当社グループに知的財産に関する訴訟等を提起される可能性があります。当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となった場合、多額の損害賠償金の発生や、事業に要するライセンスの取消し等につながる可能性があります。特に、海外においては、各国により求められる要件等が異なるため、意図せず当該要件等に違反してしまう可能性があります。上記の結果として、当社グループの信頼性や評判を損なう等、ブランドイメージの毀損により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策Legal部門が、契約審査や各国の要件調査等を通じて、訴訟その他法的手続の発生を未然に防止するよう努めるとともに、万が一訴訟その他法的手続が発生した場合には、必要に応じて外部専門家と連携しながら適時に対応し、当社グループへの悪影響を最小限に抑えることに努めております。また、知的財産に関しては、知的財産部門と事業部門が連携し、SATOブランドをはじめとする事業展開に有用な知的財産権の取得を行うとともに、製品開発のステージゲートの中に知的財産権のリスクアセスメントを組みこむなど開発段階から第三者の知的財産権の調査分析を行い、訴訟その他法的手続の発生を未然に防止するよう努めております。重要課題との関連性優先:グローバルな衛生課題の解決 高 :リスクマネジメント [オペレーショナルリスク](15) 製造物責任や補償請求に関するリスク当社グループが提供する製品・サービスには、欠陥が生じるリスクがあり、またリコールが発生する可能性もあります。大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような場合には、多額の支払が生じるとともに、当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、売上原価や販管費等が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策開発及び設計の各段階で品質に関するゲートを設け、当該ゲートで指摘された問題を解決しなければ次のゲートに進むことができないルールを定め運用することにより、製品・サービスが大規模な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性を低減しております。また、コストや納期よりも顧客目線での品質を最優先する風土の醸成に努めております。(参照リスク(2))重要課題との関連性 高 :製品の安全性、顧客満足、企業倫理とインテグリティ、リスクマネジメント [オペレーショナルリスク](16) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対してそれらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は、マネジメントが確認した3か年分の見積りを基礎としております。当該見積りにおいて、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数の減少が予想される中、粗利率の改善や販管費の削減による収益性向上を見込んでおり、これらの施策の達成には不確実性が伴います。また、税務上の繰越欠損金の繰越年数や使用上限割合が変更される等、当社グループにとって不利な税制改正が行われる可能性が否定できません。これらの結果、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策見積りの達成にあたっては、当社グループ全体の業績管理を担う企画管理部門によるモニタリングを強化しており、見積りの達成を阻む要因があれば、早期に対応できる体制を構築しております。さらに、当社CFO直轄組織がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを強化することにより、業績悪化の兆候を早期に捉えるようにしております。また、税制改正にかかる情報については、当社税務部門において早期に捉えるようにしております。これらの部門が、業績悪化の兆候や税制改正にかかる情報を把握した際には、当社経理財務部門及び税務部門と協議を行い、繰延税金資産の回収可能性に関して見直しの必要性を含めて適時に対策が打てるような体制を構築しております。重要課題との関連性 中 :税の透明性
FY2021|17,239 文字
2【事業等のリスク】当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについてグループ共通の基準(事業計画への影響度と発生可能性等)で評価を行い、グループ内での事業規模の違いや外部環境の変化等に基づき、経営者の目線からリスク間の相対的な関係を考慮した上で対処すべきリスクの優先順位を決定しております。また、リスクの洗い出しに際して、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、それぞれ以下のように定義しております。 戦略リスク事業戦略の策定及び遂行により獲得を企図する成果が予定通り獲得できない程度及びその発生可能性であり、健全な範囲で事業成果を獲得するために敢えて選択して取るリスクオペレーショナルリスク戦略遂行を支えるオペレーション上の事象による損失額及び事象発生可能性であり、事業遂行上一定以下に抑制すべきリスク これらに基づき、リスクにおける重要性を判断した上で、当社グループの各事業、管理部門、マネジメントの各レベルが当該リスクに応じた対策を立案、実行し、対策の進捗状況をモニターし、継続的に改善する活動を展開しております。また、監査委員会は取締役会及び各委員会への参加、重要書類の閲覧、会計監査人とのコミュニケーション等を通じて、対処すべき優先順位の高いリスクについて適切な対策が実行されているかモニターしております。なお、上記に加えて、必要に応じて各事業及び子会社に対する現地往査も実施しております。 有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、影響度、発生可能性、重要性の前年からの変化をリスクマップに一覧化し、詳細な情報を記載しております。なお、当社グループでは、各リスクについてグループ共通の基準で評価した結果を一元的に管理するために、戦略リスクとオペレーショナルリスクを同一のリスクマップに表示しております。 なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (新型コロナウイルス感染症に関するリスク)2019年11月に発生が確認された新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により経済及び社会活動が急激に停滞したことに伴い、当社グループの業績に少なからず影響を及ぼす結果となりましたが、地域によってバラツキはあるものの、国内事業・海外事業とも概ね回復の方向に向かっております。新型コロナウイルス感染症の拡大による最大の懸念は、グローバルに展開する当社グループの従業員及び家族の安全と健康が損なわれる点、及び各拠点における職場の労働安全衛生を担保することが困難となることにより、人的被害が発生する可能性がある点です。また、労働安全衛生に加え、政府による移動制限処置等の影響を受けて職務環境へのアクセスが困難となり、従来通りに業務が行えなくなる可能性もあります。サプライチェーンへの影響においては、今後、感染が再度拡大し、各国においてロックダウン(都市封鎖)が再実施された場合には、原材料の供給遅延や従業員の出社停止に伴う工場の操業度の低下又は生産停止等が発生する可能性があります。新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動への影響については不確定要素が多く、状況変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、その影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.追加情報」に記載のとおりであります。 発生可能性高影響度中重要性の前年からの変化減少対応策当社グループでは、従業員及び家族の命の安全確保を最優先に対応しております。具体的には、感染拡大を防止するため、出張・移動・出社の制限、感染予防法の周知、感染発生時の対応準備、感染発生時の報告フロー整備などを行っております。また、当社グループでは、在宅勤務の環境整備と運用を従来から推進しており、従業員が安心して働ける環境を構築するとともに、事業活動を従来通り継続することに努めております。事業活動の継続にあたっては、原材料調達状況及び生産状況の的確な把握と対応、自社グループ他拠点への調達・生産の移管、代替品の検討、重要な部品の複数購買実施により、製品の世界市場での安定供給に努めております。経営方針等との関連性- (リスクマップ及び凡例) 事業等のリスク-☆新型コロナウイルス感染症に関するリスク戦略リスク事業横断的なリスク(1)経済状況の変動に関するリスク(2)為替相場・金利の変動に関するリスク(3)新製品の開発に関するリスク(4)原材料等の供給に関するリスク(5)環境に関するリスク(6)事業再編に関するリスク(7)他社との連携・企業買収等に関するリスク(8)人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク(9)設備等の操業度に関するリスク事業特有のリスクウォーターテクノロジー事業(10)販売チャネルに関するリスク(11)ブランドに関するリスクハウジングテクノロジー事業(12)競合他社との競争・製品価格に関するリスクオペレーショナルリスク(13)災害・事故・感染症等に関するリスク(14)情報セキュリティに関するリスク(15)訴訟その他法的手続きに関するリスク(16)製造物責任や補償請求に関するリスク(17)繰延税金資産の回収可能性に関するリスク (戦略リスク)[事業横断的なリスク](1) 経済状況の変動に関するリスク当社グループは、日本国内において販売活動を行っており、その売上収益は日本国内における需要、景気、物価の変動、産業・業界の動向に影響を受けます。特に、新設住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動、ウッドショックと呼ばれる木材価格の高騰等は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、中国、タイなどのアジア、欧州や北米など海外諸国において生産活動及び販売活動を行っており、これらの国々において戦争、内乱、紛争、暴動、テロ等が発生した場合には、当該国及び周辺地域における販売活動だけでなく、原材料の価格面や数量面で調達安定性を脅かし、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性高影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策日本での販売活動において、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数減少の予想を踏まえ、新築市場におけるシェアの拡大の取り組み、中高級品市場への拡販、リフォーム戦略の強化を進めております。また、海外での生産・販売活動においては、外部の第三者機関等を通じて政治情勢、政策変更等をモニターすることにより、政情不安等の地政学リスク顕在化の兆候の早期把握や、代替調達先の確保による製品・原材料を含めた適切な在庫水準の維持により、安定的な供給体制の構築に努めております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける (2) 為替相場・金利の変動に関するリスク当社グループは海外諸国において事業を展開しているため、為替変動は、当社グループの外貨建取引により発生する資産及び負債の円貨換算額に重要な影響を与える可能性があります。また、外貨建で取引されている製品の価格や売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。さらに、当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入や社債の発行等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には当社グループの資金調達に係る金利負担が増加し、借入や社債発行による資金調達の難航や支払利息・社債利息が増加する等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 発生可能性高影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策日本の財務部門において、運転資金及び投融資による資金需要を把握し、投資審査委員会で全ての案件を審査する体制を構築しております。また、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各拠点において為替の市場動向を月次でモニターするとともに、必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、為替変動の影響を低減しております。また、当該「リージョナル・トレジャリー・センター」に各地域における資金管理業務等を集約することにより、資金調達の効率化及び安定化を進めております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける (3) 新製品の開発に関するリスク当社グループは、高品質の健康かつ快適で安全な住空間の創造を実現するために、常に技術と顧客ニーズを的確に把握し、魅力ある製品開発を行っております。しかしながら、市場や業界のニーズ変化に対応できない、あるいは十分な開発投資を維持できず上市に至らない等の場合、将来の成長鈍化と売上収益の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策革新的なスタートアップ企業との提携やグローバル情報ネットワークの活用を通じて、消費者ニーズの変化に迅速に対応する体制を構築しております。また、当該ニーズを満たす魅力ある製品を開発するため、衛生陶器の新素材である「アクアセラミック」を代表とする先進技術の開発やデザイン力の強化及び製品プラットフォームの統一により、スピード感のある製品開発に努めております。さらに、新製品の開発活動時はステージゲートの設定・運用、上市後は新製品業績の管理により、市場トレンドと開発戦略が適合しているか確認しております。その他の取り組みとして、クラウドファンディングを活用し、市場に対して新しい価値を提供する製品を試験的に販売することで、消費者のニーズや嗜好のトレンドの収集を行っております。また、コストや納期よりも品質を最優先する風土の醸成に努めております。具体的には、「お客さまから選ばれるLIXIL Qualityを実現しよう!」という品質テーマを掲げ、すべての組織が「お客さまの満足」という同じ方向を向き、相互にカバーしながら結果につながるよう努めております。経営方針等との関連性②[魅力ある差別化された製品の開発]イノベーション②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド②[魅力ある差別化された製品の開発]デザイン④[エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング]エンドユーザー④[エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング]総合メーカーとしての戦略 (4) 原材料等の供給に関するリスク当社グループの生産活動においては、資材、部品、その他のサービス等の供給品を適宜に調達しております。そのため、業界の需要増加や事業展開国におけるインフレ等による原材料価格の高騰、コモディティの価格変動や重要な物的資源(石油、アルミ、木材やステンレス等)の調達可能性の変動の結果、売上原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、資材、部品、その他のサービス等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、生産・販売活動と密接に関わる物流業務に関して、石油価格の変動や人件費の高騰を背景に物流費が変動することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策原材料価格高騰部分の販売価格への転嫁、複数購買の実施、より採算性の高いサプライヤーへの集約、取引先の信用情報調査の実施、取引先との定期的なコミュニケーションの実施、定期的な品質テスト、安全在庫量の確保等により、安定的な供給体制の構築に努めております。また、物的資源の再利用を研究することによるリサイクルを推進しております。さらに、物流効率の改善に取り組むことで物流費の安定化を図っております。経営方針等との関連性③[競争力あるコストの実現]サプライチェーンの質的向上 (5) 環境に関するリスク当社グループは、「LIXIL環境方針」に基づき、地球環境保全に向け様々な活動を行っております。特に近年においては、気候変動の影響を受けて省エネ関連の法規制強化や炭素税導入等新たな法規制が整備されることにより、従来は問題視されることのなかった生産・販売活動が法令違反に該当する可能性が増加しております。また、今後世界的な脱炭素化の流れが加速していくことにより、化石燃料を使用する製造プロセスの見直しが必要となる可能性があります。当社グループの事業活動に起因する重大な環境汚染等が発生した場合や異常気象による製造設備への損害等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、昨今の環境問題に対する意識の高まりと、脱炭素化の動きを鑑み、「重要性の前年からの変化」を「同水準」から「増加」に変更しております。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化増加対応策ISO14001もしくは環境マネジメントシステムによる環境関連法令の洗い出しや遵守の点検ルールを定め、運用状況について定期的に審査を実施しております。「環境パフォーマンスデータ報告ガイドライン」を整備・運用することで、当社グループ全体の目標管理とモニタリング体制を強化し、当社グループ全体での環境負荷削減を推進しております。また、当社グループ独自の環境マネジメントシステムに基づく内部監査を実施しており、対象を子会社へと順次拡大しております。さらに、内部監査で指摘があった事項については、フォローアップを行い、改善の実施を確認することで、環境マネジメントシステムの効果的な運用につなげています。また、2050年に向けた長期的な脱炭素技術の開発や導入を促進していくために、製造技術や製品材料の研究を進めております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]尊敬され、誇りを持てる会社になる 一方で、SDGsの目標6に掲げられているとおり、世界には下水や衛生施設の設置が行き届いていないことにより屋外での排泄を余儀なくされている人々が数多く存在します。また、水質汚染や渇水により十分な水資源へのアクセスが無い地域においては、より効率的な水資源の活用を前提とした排泄物を処理する仕組みや節水技術が求められております。このようなニーズに対応するために、当社グループは、2025年までに1億人の人々の衛生環境を改善し、生活の質向上につなげることを目指しております。具体的にはトイレの設置が行き渡っていない開発途上国の農村部における簡易式トイレシステム「SATO」の展開と事業としての黒字化、トイレは設置されているものの水の供給量が限られる都市部における活用を目指したマイクロフラッシュトイレシステムの開発、屋外トイレの設置が困難なスラムにおける活用を目指したポータブルトイレシステムの開発を進めております。 さらに、パリ協定及びSDGsの目標13に掲げられているとおり、CO2削減のため、製造・販売活動の見直しや気候変動による影響を低減するための取り組みを実施することが以前に増して企業に求められております。また、世界的な人口増加や経済成長に伴い、持続可能な資源利用や節水・浄水技術に対する需要が高まっております。このようなニーズに対応するために、当社グループは、「環境ビジョン2050」を定め、気候変動対策を通じた緩和と適応(事業プロセスと製品・サービスによる温室効果ガスの排出を実質ゼロにする)、水の持続可能性を追求(節水や水の循環利用、浄水技術などを通じて、水の環境価値を創造する)、資源の循環利用を促進(循環型社会への変革に貢献し、限りある資源を未来につなぐ)の分野に注力いたします。事業プロセスにおいては、工場やオフィスでの徹底した省エネ活動や、再生可能エネルギーの利用、製造プロセスのエネルギー効率化に向けた技術開発を推進してまいります。また、各地域の水関連の問題に対する事業へのリスクを把握し、水使用効率の改善や循環利用、排水管理などの適切な施策を実施することで、事業を行う地域で継続した水の利用を可能にする環境の維持に努めております。さらに、廃棄物の削減や適切な管理を徹底するとともに、サプライヤーと協働し、新規に投入する資源の最小化や、リユースやリサイクルをさらに促進することで、社会とともに資源の循環利用を加速させる仕組みを構築してまいります。 これら社会課題への取り組みを推進することにより、現在のみならず将来の事業展開国・地域における当社グループの持続的な成長と、存在意義及びブランドイメージの向上を実現することを目指しております。 (6) 事業再編に関するリスク当社グループは、経営の効率化及び競争力強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員の適正化等による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、事業再編後の組織において当社グループと対象事業の戦略が整合しておらず、全体として最適な戦略に基づき経営資源が配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、投融資等の意思決定の際に、事業戦略、領域、展開国等に内在するリスクが体系的に識別されず、投資実行後に当初想定していた利益やシナジー効果を実現できないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度において、事業構造を簡素化し、基幹となる事業への経営資源の集中を図るため、一部の非中核事業の売却を進めた結果当該リスクが低減したことから、「重要性の前年からの変化」を「同水準」から「減少」に変更しております。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化減少対応策当社取締役及び執行役を含め、経営陣と従業員とのコミュニケーション強化を図ることにより、当社グループの経営戦略の浸透を図っております。当社グループにおける事業・地域ポートフォリオマネジメントを強化することにより、事業再編後の組織において、シナジー効果の最大化や戦略実効性の向上が実現するよう努めております。大規模な事業再編を生じさせない組織の構築に向けて、M&Aにおける買収先企業のPMIを強化しております。その一環として、ガイドラインの策定を通じて、PMI推進体制及び進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用による子会社のガバナンス強化を推進しております。さらに、当社又はその子会社による会社の新設、事業再編等を含む投融資に関する事項(投融資案件)については、その内容や金額的重要性に応じて、投資審査委員会やM&A委員会による審査や決議をする体制を整えております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける③[競争力あるコストの実現]間接部門費の削減 (7) 他社との連携・企業買収等に関するリスク当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがありますが、買収・投資実行後にグループ全体に内在するリスク及びオポチュニティを適時・的確に識別することができず、当初想定した利益やシナジー効果を実現できない、あるいは買収後に偶発債務の発生や未認識の債務等が判明する可能性があります。さらに、事業拡大後、当社グループと対象事業の戦略が整合しておらず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化同水準対応策統合時における対応策として、統合に関するグローバル共通のポリシーを策定し、統合後のレビューやモニタリングプロセスを効率的に整備・運用する体制を強化しております。また、統合後においては、シナジー創出に向けて効率的でフラットかつシンプルな組織構造の構築を目的とし、意思決定の迅速化を含めた組織変革を推進しております。投融資案件については、その内容や金額的重要性に応じて、投資審査委員会やM&A委員会による審査や決議をする体制を整えております。また、買収先企業のPMI強化の一環として、ガイドラインの策定を通じて、PMI推進体制及び進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用によりガバナンスを強化しております。なお、対応策については2015年に発覚した当社の海外子会社であったJoyou AGにおいて不適切な会計処理が行われていた事実(Joyou問題)への再発防止策を踏まえたものであります。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける (8) 人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要となります。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まない場合には、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策当社グループにおいて、継続的な事業の発展のためにグループ全体で女性のさらなる活躍、障がいのある従業員のための取り組み、性的マイノリティに関する取り組みを推進しており、地域ごとに人事制度の改定や拡充を行うほか、風土を醸成するために社内イベント等を行っております。例として、アメリカやアフリカにおいては人種における平等にもフォーカスし、取り組みを行っております。日本において、新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開するほか、人事・教育体系の充実や65歳以上の退職技術者の嘱託雇用等により技術継承を促進し、従業員の定着と育成に努めております。また、グローバルで活躍できる人材を育成するために、各プログラム(海外派遣研修(注)、選抜型の育成プログラム、eラーニング等)を実施しております。多様なバックグラウンドを持つ従業員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、ダイバーシティ・マネジメントを推進しており、多様な人材を受け入れる企業文化の醸成、テレワーク等の職場環境の整備、エキスパート制度等の新たな人事制度の構築に取り組んでおります。さらに、「シェアード・サービス・センター」をアジアのみならず、欧米諸国及び日本においても設立し、各地域におけるガバナンスを強化するとともに、間接業務の集約化や効率化を図ることにより、日本国内あるいはグローバルにおける将来の労働環境に左右されない柔軟な組織を構築することを目指しております。加えて、「報酬・福利厚生委員会」を設置し、グローバルでの処遇の公平性・透明性に向けた取り組みを強化しております。(注)海外派遣研修について、2021年3月期は新型コロナウイルス感染症の拡大により実施しておりません。2022年3月期より再開予定であります。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]尊敬され、誇りを持てる会社になる①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる 近年、高齢化の進行による高齢世帯の増加及び障がい者人口の増加に対応した製品の必要性が高まっております。また、SDGsの目標5にて掲げられているとおり、企業に対して高齢者や障がい者の雇用だけでなく、ジェンダー格差の是正に対する取り組みも求められております。 このようなニーズに対応するために、多様性から生み出される活力を起業家精神醸成の源ととらえ、将来へ向けた成長とイノベーションを達成するために、「LIXILダイバーシティ&インクルージョン宣言」を採択し、グループ内にて実行しております。また、組織の変革と事業戦略の実現に向けてダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取り組みを加速させることを目的に、2020年9月にD&I委員会を設立いたしました。多様な人材を組織内に定着させるために、組織全体に平等性と包括性を浸透させるための施策を強化するとともに、インクルージョンの文化を醸成し、あらゆるレベルにおいて多様な人材の採用、登用をすすめることができるよう、ベンチマークを設定し、進捗をモニターしてまいります。これらの取り組みにより、現在のみならず将来の事業展開国・地域における当社グループの持続的な成長と存在意義及びブランドイメージの向上を実現することを目指しております。 (9) 設備等の操業度に関するリスク当社グループの主要な事業では、多様な製品の製造を行っているため、製造拠点となる工場等の生産設備を数多く所有しており、その展開地域も多岐に渡っております。当該生産設備について、需給の変動、労働力の減少や災害の発生等をはじめとする様々な要因で操業度が低下する可能性があります。操業度の低下により、当初想定した収益を獲得できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化同水準対応策当社CFO直轄組織がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、遊休資産の発生や業績悪化に伴う固定資産の減損兆候を早期に捉えることを可能とし、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策が打てる体制を構築しております。また、当社グループ全体としての効率を重視した事業用資産の稼働状況や遊休状態の有無のモニタリング及び不動産管理を行っており、関係部署へ定期的に確認を行っております。また、包括的な損害保険への加入により、財務的損失をカバーするよう努めております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける [事業特有のリスク]<ウォーターテクノロジー事業>(10) 販売チャネルに関するリスク当社の連結子会社であるASD Holding Corp.は様々な需要に応じて幅広い製品を展開しておりますが、近年特に北米を中心として流通構造の変革が起きております。具体的には、エンドユーザーへの直接的な販売の拡大が起きており、ASD Holding Corp.においても、ECを活用したウェブサイトでの自社製品の販売等を含め、ビジネスの転換を図り、売上の伸長やコスト構造の改革に努めております。しかしながら、このような販路の転換に対して、想定していた顧客数が確保できない等の理由により、その売上成長が鈍化、もしくはコスト構造の改革が計画通りに進まない場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策販売チャネルの拡大を進めるために、正規代理店における販売計画を強化するとともに、住宅設備関連の施工会社等への販路を柔軟に拡大することで自社製品の販売促進に努めております。また、エンドユーザーからの直接需要を効率的に取り込むことを目指し、自社のECサイトを活用しております。さらに、安定した販売活動を支え、運営上の安全性を担保するため、目的に応じ適切な管理システムを導入することで情報漏洩やサイト運営に支障が出ることを事前に防ぐ体制を整えております。また、コスト構造の改革については、当社グループ全体としての効率を重視した製造拠点の選択など、ASD Holding Corp.のみに留まらない改革を進めております。経営方針等との関連性②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド (11) ブランドに関するリスク当社グループの保有する数あるブランドのうち、GROHEブランドは富裕層をターゲットとした洗練されたブランドとして認知されておりますが、競争の激しい環境において更なる販路の拡大を目指し、従来の欧州中心のビジネスのみならず、アジアやアフリカ等の新興国への展開を進めております。新興国への販路拡大のためには従来よりも柔軟な価格対応や、地域特有のニーズに応える製品の開発が求められることがあります。しかしながら、これらの施策を実施した結果、様々な文化的背景を持つ地域で意図されたシグネチャーエレメンツに対する認識を維持できなくなる可能性があり、これまで当社の連結子会社であるLIXIL Europe S.à r.l.が維持してきたGROHEブランドの価値が棄損し、その売上成長が鈍化、もしくは利益率が低下した場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。また、GROHEブランドを維持する際に、テクノロジー内において一貫性のある戦略に基づいた管理がされない場合、GROHEのブランドやデザインの差別化がなされず、ブランド価値が棄損し、その売上成長が鈍化、もしくは利益率が低下した場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。 発生可能性低影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策継続的なブランド投資によりブランド価値の維持や、製品開発を実施しております。また、グローバルでGROHEブランド及び競合他社ブランドの販売価格を継続的にモニタリング・分析し、収集した情報を元にブランド戦略に沿った価格を設定・共有した上で、当社グループ全体において統一的な施策を立案・実行できる仕組みを整備しております。その結果、競争の激しい市場においてもブランド価値を反映した価格帯を維持できるよう対応しております。さらに、ウォーターテクノロジー事業におけるGROHEブランドの位置付けについて、事業内の他ブランドとの差別化を図るため、ブランドデザインの使用に関するルールを設け、ブランド価値の維持・管理に努めております。経営方針等との関連性②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド②[魅力ある差別化された製品の開発]デザイン <ハウジングテクノロジー事業>(12) 競合他社との競争・製品価格に関するリスク当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しておりますが、特に建材・建築資材を取り扱う国内市場は当社と競合他社による寡占市場となっております。そのような環境において、当社グループにとって常に有利な価格決定をすることは困難な状況にあり、売上収益は競合他社の価格設定に影響を受けます。当社グループは、高品質で魅力的な製品を市場へ投入できるリーディングカンパニーと自負しておりますが、価格面において競争優位に展開できる保証はなく、当社グループの製品・サービスが厳しい価格競争に晒されることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策競合他社との激しい競争による市場価格の下落に対し、付加価値製品の市場投入による差別化を進め、販売価格の底上げに取り組んでおります。また、生産活動においても、インテリア、エクステリア、ドア製品においては、共通部分の生産を汎用設備で行うことで生産スペースを削減(プラットフォーム化)しており、2022年3月期にはサッシ製品もプラットフォーム化に着手し、投下資本効率の向上を見込んでおります。プラットフォーム化により、新製品の早いサイクルでの市場投入を可能とし、時代に合った新しい価値を常に提供し続けることも可能となります。その他の取り組みとして、クラウドファンディングを活用し、市場に対して新しい価値を提供する製品を試験的に販売することで、価格ではなく「価値」で顧客に選ばれる取り組みを実施しております。経営方針等との関連性②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド <ビルディングテクノロジー事業> 長期受注工事契約に関するリスク当社は2020年5月に当社の連結子会社であったPermasteelisa S.p.A.の株式譲渡を決定し、2020年9月に株式譲渡を実行したことにより、前連結会計年度に記載しておりました「長期受注工事契約に関するリスク」については発生可能性、影響度とも大幅に減少したと判断されるため、当連結会計年度より当該リスクに係る内容及び対応策は記載しておりません。 (オペレーショナルリスク)(13) 災害・事故・感染症等に関するリスク当社グループは、日本国内及び海外諸国の複数の拠点において生産・販売活動を行っていることから、各地で発生する地震や台風等の自然災害、未曽有の大事故や感染症によって、当社グループの生産、物流、販売活動や情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を受ける可能性があります。特に、災害・事故等の発生により、当社グループの国内及び国外工場の生産活動が停止することは、市場への製品供給に深刻な影響を及ぼし、売上収益に悪影響を与える可能性があります。また、感染症の発生や拡大は当社グループ従業員の健康状態悪化による労働力の低下の可能性や、取引先の生産・販売活動の一部停止等、当社グループの事業活動に支障が出る可能性もあります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策特に国内拠点においては、事業や財務への影響の低減を目的として、財務的損失をカバーするため包括的な損害保険への加入、工場の分散、耐震工事の実施等により、自然災害等発生時のリスク分散体制を構築した上で、早期に復旧できるようBCP計画の策定及び定期的な見直しを実施しております。また、海外拠点についても、保険への加入等の予防策とともに、当該事象が発生した後に迅速な対応をとることができるような体制構築に努めております。さらに、感染症の影響についてはグループイントラサイトなどの社内情報共有プラットフォームに予防方法や業務を遂行する上での対応方針を掲載し、情報の周知徹底を図るとともに、WHOや各国の動向について必要な情報収集を行い、予防策を講じております。在宅勤務の推進とデジタル技術の活用を踏まえ、有事の際の安否確認、情報共有やコミュニケーションをよりタイムリーに行えるよう努めております。なお、災害発生時の行動や対策についても従業員への周知徹底を実施しております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]尊敬され、誇りを持てる会社になる (14) 情報セキュリティに関するリスク当社グループが行う生産・販売活動及び各種事業活動は、コンピュータシステム及びコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用しております。このため、通信ネットワークに生じる障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウェア、もしくは、ソフトウェアの不具合・欠陥、データセンターの機能停止等により事業活動に支障が出る可能性があります。また、情報システムが適切に導入・更新されていないことによるシステム上の不具合、業務の非効率、生産性低下を招き、事業活動に支障が出る可能性があります。さらに、当社グループでは、業務を遂行する中で顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められておりますが、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、売上収益の減少あるいは販管費の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティに関する社内規程の整備、不正アクセス等を未然に防止するための対策、従業員に対する教育等を実施し、更にこれらの取り組みを定期的に評価・見直すことにより、情報セキュリティマネジメントの継続的な改善を実施しております。特に、効率的で安定した事業活動の遂行を担保するため、老朽化した基幹システムの刷新を進めており、また、サイバー攻撃全体への対応としてCSIRT(シーサート: Computer Security Incident Response Team)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築しました。また、個人情報保護に関する法令を遵守すべく、必要な社内規程の整備、EU一般データ保護規則(GDPR)で要求されるデータ保護責任者を含む個人情報責任者の設置、適切な研修の実施を行っております。さらに、在宅勤務につきましては、従前より導入を進めておりましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、推進されたことに伴い、情報漏洩防止に関するルールの周知・徹底、理解度向上のための従業員教育の強化に努めております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる④[エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング]インフルエンサー 当社グループでは、デジタルを活用した様々な業務変革に積極的に取り組んでおります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針及び経営環境」に記載のとおりであります。 (15) 訴訟その他法的手続きに関するリスク当社グループが国内及び海外において事業展開をする上で、訴訟その他の法的手続の対象になる可能性があります。また、当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となった場合、多額の損害賠償金の発生や、事業に要するライセンスの取消し等につながる可能性があります。特に、海外においては、各国により求められる要件等が異なるため、意図せず当該要件等に違反してしまう可能性があります。上記の結果として、当社の信頼性や評判を損なう等、ブランドイメージの毀損により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策Legal部門が、契約審査や各国の要件調査等を通じて、訴訟その他法的手続の発生を未然に防止するよう努めるとともに、万が一訴訟その他法的手続が発生した場合には、必要に応じて外部専門家と連携しながら適時に対応し、当社グループへの悪影響を最小限に抑えることに努めております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる (16) 製造物責任や補償請求に関するリスク当社グループが提供する製品・サービスには、欠陥が生じるリスクがあり、またリコールが発生する可能性もあります。大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような場合には、多額の支払が生じるとともに、当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、売上原価や販管費等が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策開発及び設計の各段階で品質に関するゲートを設け、当該ゲートで指摘された当該問題を解決しなければ次のゲートに進むことができないルールを定め運用することにより、製品・サービスが大規模な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性を低減しております。また、コストや納期よりも顧客目線での品質を最優先する風土の醸成に努めております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる②[魅力ある差別化された製品の開発]品質 (17) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対してそれらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の見積りは、マネジメントが承認した3か年分の事業計画を基礎としております。事業計画において、日本国内における人口減少に伴う住宅着工数の減少が予想される中、売上総利益率の改善や販売費及び一般管理費の削減による収益性向上を見込んでおり、これらの施策の達成には不確実性が伴います。また、税務上の繰越欠損金の繰越年数や使用上限割合が変更される等、当社グループにとって不利な税制改正が行われる可能性があります。これらの結果、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策事業計画の達成にあたっては、当社の予実分析部門である企画管理部門によるモニタリングを強化しており、事業計画の達成を阻む要因があれば、早期に対応できる体制を構築しております。さらに、当社CFO直轄組織がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを強化することにより、業績悪化の兆候を早期に捉えるようにしております。また、税制改正にかかる情報については、当社税務部門において早期に捉えるようにしております。これらの部門が、業績悪化の兆候や税制改正にかかる情報を把握した際には、当社経理財務部門及び税務部門と協議をおこない、繰延税金資産の回収可能性に関して見直しの必要性を含めて適時に対策が打てるような体制を構築しております。経営方針等との関連性-
FY2020|16,110 文字
2【事業等のリスク】当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについてグループ共通の基準(事業計画への影響度と発生可能性等)で評価を行い、グループ内での事業規模の違いや外部環境の変化等に基づき、経営者の目線からリスク間の相対的な関係を考慮した上で対処すべきリスクの優先順位を決定するというリスク評価を行っております。また、リスクの洗い出しに際して、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、それぞれ以下のように定義しております。 戦略リスク事業戦略の策定及び遂行により獲得を企図する成果が予定通り獲得できない程度及びその発生可能性であり、健全な範囲で事業成果を獲得するために敢えて選択して取るリスクオペレーショナルリスク戦略遂行を支えるオペレーション上の事象による損失額及び事象発生可能性であり、事業遂行上一定以下に抑制すべきリスク これらに基づき重要と判断したリスクについて、当社グループの各事業、管理部門、マネジメントの各レベルが当該リスクの内容に応じた対策を立案、実行し、対策の進捗状況をモニターし、継続的に改善する活動を展開しております。また、監査委員会は取締役会及び各種委員会への参加、重要書類の閲覧、会計監査人とのコミュニケーション等を通じて、対処すべき優先順位の高いリスクについて有効な対策が実施されているかモニターしております。なお、上記に加えて、必要に応じて各事業及び子会社に対する現地往査も実施しております。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項について、影響度、発生可能性、重要性の前年からの変化をリスクマップに一覧化した上で、各リスクの詳細な情報を記載しております。なお、当社グループでは、事業活動への影響が短期的なリスクを中心に、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類した上で、各リスクについてグループ共通の基準で評価した結果を一元的に管理するために、同一のリスクマップに掲載しております。 なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。ただし、新型コロナウイルス感染症に関する事項は、その状況変化の著しさを鑑み、可能な限り提出日時点に近い情報とするべく、2020年5月末現在において当社グループが判断したものであります。 (新型コロナウイルス感染症に関するリスク)2019年11月に発生が確認された新型コロナウイルス感染症は2020年1月以降世界的に感染が拡大しており、2020年3月末時点で当社グループにおける事業活動への影響が今後多岐に渡って増大することが想定されます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による最大の懸念は、グローバルに展開する当社グループの従業員及び家族の安全と健康が損なわれる点、及び各拠点における職場の労働安全衛生を担保することが困難となることにより、人的被害が発生する可能性がある点です。また、労働安全衛生に加え、政府による移動制限処置等の影響を受けて職務環境へのアクセスが困難となり、従来通りに業務が行えなくなる可能性もあります。サプライチェーンへの影響においては、原材料の供給遅延や従業員の出社停止に伴う工場の操業度の低下又は生産停止等が発生する可能性があります。さらに、影響が長期化する場合には、技術開発活動の遅延等により新製品の開発・発売の延期等が発生する可能性があります。これらの原因や、経済状況の悪化等より、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、その影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.追加情報」に記載の通りであります。 発生可能性高影響度高重要性の前年からの変化新規対応策当社グループでは、従業員及び家族の命の安全確保を最優先に対応を行っております。具体的には、感染拡大を防止するため、出張・移動・出社の制限、感染予防法の周知、また感染発生時の対応準備、感染発生時の報告フロー整備などを行っております。このほか、不足するマスク・消毒液等のグループ間での融通や、政府機関・医療機関等へのマスク提供を行い、社会広範における感染拡大の防止と早期終息を目指し、当社グループとして貢献出来ることに取り組んでおります。また当社グループでは、サテライトオフィス整備や在宅勤務制度といったテレワークの環境整備と運用を従来から推進しており、今回在宅勤務への迅速な切替えと対象の拡大を進め、従業員が安心して働ける環境を構築するとともに、事業活動を従来通り継続することに努めております。事業活動の継続にあたっては、原材料調達状況及び生産状況の的確な把握と対応、自社グループ他拠点への調達・生産の移管、代替品の検討、重要な部品の複数購買実施により、ニーズの高い商品の世界市場での安定供給に努めております。手元資金については、従来から金融機関とのコミットメントライン契約やコマーシャルペーパー発行枠を確保しており、更に事業運営面でも設備投資の実行時期の見極めや販管費の低減などを通じて手元流動性の維持に取り組んでおります。経営方針等との関連性- (リスクマップ及び凡例) 事業等のリスク-★新型コロナウイルス感染症に関するリスク戦略リスク事業横断的なリスク(1)経済状況の変動に関するリスク(2)為替相場・金利の変動に関するリスク(3)新商品の開発に関するリスク(4)原材料等の供給に関するリスク(5)環境に関するリスク(6)事業再編に関するリスク(7)人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク(8)設備等の操業度に関するリスク(9)他社との連携・企業買収等に関するリスク事業特有のリスクウォーターテクノロジー事業(10)販売チャネルに関するリスク(11)ブランドに関するリスクハウジングテクノロジー事業(12)競合他社との競争・商品価格に関するリスクビルディングテクノロジー事業(13)長期受注工事契約に関するリスクオペレーショナルリスク(14)災害・事故・感染症等に関するリスク(15)情報セキュリティに関するリスク(16)訴訟その他法的手続きに関するリスク(17)製造物責任や補償請求に関するリスク(18)繰延税金資産の回収可能性に関するリスク (戦略リスク)[事業横断的なリスク](1) 経済状況の変動に関するリスク当社グループは日本国内において販売活動を行っており、その売上収益は日本国内における需要、景気、物価の変動、産業・業界の動向に影響を受けます。特に住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、中国、タイなどのアジア、欧州や北米など海外諸国において生産活動及び販売活動を行っており、これらの国々において戦争、内乱、紛争、暴動、テロ等が発生した場合には、当該国及び周辺地域における販売活動だけでなく、原材料の価格面や数量面で調達安定性を脅かし、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性高影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策日本での販売活動において、日本国内における人口減少に伴う住宅着工件数減少の予想を踏まえて、新築市場におけるシェアの拡大の取り組み、中高級品市場への拡販、リフォーム戦略の強化を進めております。また、生産、販売活動においては、外部の第三者機関等を通じて政治情勢、政策変更等をモニターすることにより、海外における政情不安等のリスク顕在化の兆候の早期把握や、代替調達先の確保による製品・原材料を含めた適切な在庫水準の維持により安定的な供給体制を構築するよう努めております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける (2) 為替相場・金利の変動に関するリスク当社グループは海外諸国において事業を展開しているため、為替変動は、当社グループの外貨建取引により発生する資産及び負債の円貨換算額に重要な影響を与える可能性があります。また、外貨建で取引されている商品の価格や売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。さらに、当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には当社グループの借入による資金調達に係る金利負担が増加し、借入による資金調達の難航や支払利息が増加する等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 発生可能性高影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策日本の財務部門において、運転資金及び投融資による資金需要を把握し、投資審査委員会で全ての案件を審査する体制を構築しております。また、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各拠点において月次で為替をモニターするとともに、必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、為替変動の影響を低減しております。また、当該「リージョナル・トレジャリー・センター」において、各地域における資金管理業務等を集約することにより、資金調達の効率化及び安定化を進めております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける (3) 新商品の開発に関するリスク当社グループは、「私たちは、優れた製品とサービスを通じて、世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献します。」を企業理念として活動しております。高品質の健康かつ快適で安全な住空間の創造を実現するために常に技術と顧客ニーズを的確に把握し魅力ある商品開発を行っておりますが、市場や業界のニーズ変化に十分対応できない、あるいは十分な開発投資を維持できず上市に至らない等の場合、将来の成長と収益性が低下し、売上収益が減少することにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策革新的なスタートアップ企業との提携やグローバル情報ネットワークの活用を通じて消費者ニーズの変化に迅速に対応する体制を構築し、当該ニーズを満たす魅力ある商品を開発するため、衛生陶器の新素材である「アクアセラミック」を代表とする先進技術の開発、デザイン力の強化及び商品プラットフォームの統一によりスピード感のある商品開発に努めております。さらに、新商品の開発活動時はステージゲートの設定・運用、上市後は新製品業績の管理により市場トレンドと開発戦略が適合しているか確認しております。経営方針等との関連性②[魅力ある差別化された製品の開発]イノベーション②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド②[魅力ある差別化された製品の開発]デザイン④[エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング]エンドユーザー④[エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング]総合メーカーとしての戦略 (4) 原材料等の供給に関するリスク当社グループの生産活動にあたっては、資材、部品、その他のサービス等の供給品を適宜に調達しております。そのため、業界の需要増加や事業展開国におけるインフレ等による原材料の高騰、コモディティの価格変動や石油、アルミ、木材やステンレス等の重要な物的資源の調達可能性の変動の結果、売上原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、資材、部品、その他のサービス等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの商品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、生産活動・販売活動と密接に関わる物流業務に関して、石油価格の変動や人件費の高騰を背景に物流費が変動することより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策デリバティブの活用、原材料価格高騰部分の販売価格への転嫁、複数購買の実施、より採算性の高いサプライヤーへの集約、取引先の信用情報調査の実施、取引先との定期的なコミュニケーションの実施、定期的な品質テスト、安全在庫量の確保等を実施し、安定的な供給体制の構築に努めております。また、物流費の安定化を図るために物流効率の改善にも取り組んでおります。経営方針等との関連性③[競争力あるコストの実現]サプライチェーンの質的向上 (5) 環境に関するリスク当社グループは、「LIXILグループ環境方針」に基づき、地球環境保全に向け様々な活動を行っております。特に近年においては、気候変動の影響を受けて省エネ関連の法規制強化や炭素税導入等新たな法規制が整備されることにより、従来は問題視されることのなかった生産・販売活動が法令違反に該当する可能性が増加しております。しかしながら、環境汚染等の環境リスクや法規制違反を完全に防止又は軽減できる保証はありません。当社グループの事業活動に起因する重大な環境汚染等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策ISO14001もしくは環境マネジメントシステムによる環境関連法令の洗い出しや遵守の点検ルールを定め、運用状況について定期的に審査を実施しております。「EHSパフォーマンスデータ報告ガイドライン」を制定して運用し、グループ全体の目標管理とモニタリング体制を強化し、グループ全体での環境負荷削減を推進しています。また、LIXILグループ独自の環境マネジメントシステムに基づく内部監査を実施しており、対象を順次子会社へと拡大しています。さらに、内部監査で指摘があった事項については、フォローアップを行い、改善の実施を確認することで、マネジメントシステムの効果的な運用につなげています。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]尊敬され、誇りを持てる会社になる 一方で、SDGsの目標6にて掲げられている通り、世界には下水や衛生施設の設置が行き届いていないことにより屋外での排泄を余儀なくされている人々が数多く存在します。また、水質汚染や渇水により十分な水資源へのアクセスが無い地域においては、より効率的な水資源の活用を前提とした排泄物を処理する仕組みや節水技術が求められております。このようなニーズに対応するために、当社グループとして2025年までに1億人の人々の衛生環境を改善し、生活の質向上につなげることを目指しております。具体的にはトイレの設置が行き渡っていない開発途上国の農村部におけるSATOトイレシステムの展開と事業としての黒字化、トイレは設置されているものの水の供給量が限られる都市部における活用を目指したマイクロフラッシュトイレシステムの開発、屋外トイレの設置が困難なスラムにおける活用を目指したポータブルトイレシステムの開発を進めております。これら社会課題への取り組みを推進することにより、現在のみならず将来の事業展開国・地域における当社グループの持続的な成長と、存在意義及びブランドイメージの向上を実現することを目指しております。 さらに、パリ協定及びSDGsの目標13に掲げられている通り、CO2削減を実現するための製造・販売活動の見直しや気候変動による影響を低減するための取り組みを実施することが以前に増して企業に求められております。また、世界的な人口増加や経済成長に伴い、節水・浄水技術に対する需要が高まっております。このようなニーズに対応するために、当社グループとして環境ビジョン2050を定め、気候変動対策を通じた緩和と適応(事業プロセスと製品・サービスによる温室効果ガスの排出を実質ゼロにする)、水の持続可能性を追求(節水や水の循環利用、浄水技術などを通じて、水の環境価値を創造する)、資源の循環利用を促進(循環型社会への変革に貢献し、限りある資源を未来につなぐ)の分野に注力します。事業プロセスにおいては、工場やオフィスでの徹底した省エネ活動や、再生可能エネルギーの利用、製造プロセスのエネルギー効率化に向けた技術開発を推進していきます。また、各地域の水関連の問題に対する事業へのリスクを把握し、水使用効率の改善や循環利用、排水管理などの適切な施策を実施することで、事業を行う地域で継続した水の利用を可能にする環境の維持に努めています。さらに、廃棄物の削減や適切な管理を徹底するとともに、サプライヤーとの協働により、新規に投入する資源の最小化や、リユースやリサイクルをさらに促進することで、社会とともに資源の循環利用を加速させる仕組みを構築していきます。これら社会課題への取り組みを推進することにより、現在のみならず将来の事業展開国・地域における当社グループの持続的な成長と、存在意義及びブランドイメージの向上を実現することを目指しております。 (6) 事業再編に関するリスク当社グループは、経営の効率化及び競争力強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員の適正化等による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、事業再編後の組織において当社グループと対象事業の戦略が整合しておらず、全体として最適な戦略に基づき経営資源が配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、投融資等の意思決定の際に、事業戦略、領域、展開国等に内在するリスクが体系的に識別されず、投資実行後に当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策親会社及びテクノロジービジネスの経営陣、各グループ会社の取締役及び執行役と社員とのコミュニケーション強化によって当社グループの経営戦略の浸透を図っております。親会社による事業・地域ポートフォリオマネジメントを強化することにより、事業の再構築を実施した後において、テクノロジービジネス間のシナジー効果の最大化や戦略実効性の向上が実現するよう努めております。大規模な事業再構築を生じさせない組織の構築に向けて、M&Aにおける買収先企業のPMI強化の一環として、ガイドラインの策定を通じてPMI推進体制、進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用による子会社ガバナンスの強化を目指しております。さらに、LIXILグループまたはその子会社による会社の新設、事業再編等を含む投融資に関する事項(投融資案件)については、その内容や金額的重要性に応じて、投資審査委員会による審査や決議をする体制を整えております。なお、対応策については2015年に発覚した当社海外子会社Joyou AGにおいて不適切な会計処理が行われていた事実(Joyou問題)への再発防止策を踏まえたものであります。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける③[競争力あるコストの実現]間接部門費の削減 (7) 人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要となります。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まない場合には、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策日本において、新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開するほか、人事・教育体系の充実や65歳以上の退職技術者の嘱託雇用等により技術継承を促進するとともに、グローバルで人材育成計画を策定し、各プログラム(海外派遣研修、共通eラーニング等)を実行することにより社員の定着と育成に努めております。あわせて、女性の労働力確保を含め、ダイバーシティ・マネジメントを推進し、多様な社員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう制度や環境の整備を進めております。また、「シェアード・サービス・センター」をアジアに設立し、アジアにおけるガバナンスを強化するとともに、間接業務の集約化や効率化を図ることにより、日本国内あるいはアジアにおける将来の労働環境に左右されない柔軟な組織を構築することを目指しております。また、多様な人材を受入れる企業文化、職場環境の構築(テレワークやエキスパート制度等)を進めております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]尊敬され、誇りを持てる会社になる①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる 一方で、高齢化の促進による高齢世帯の増加及び障がい者人口の増加に対応した商品の必要性が高まっております。また、SDGsの目標5にて掲げられている通り、企業に対して高齢者や障がい者の雇用だけでなく、ジェンダー格差の是正に対する取り組みも求められております。このようなニーズに対応するために、多様性から生み出される活力を起業家精神醸成の源ととらえ、将来へ向けた成長とイノベーションを達成するために、「LIXILダイバーシティ&インクルージョン宣言」を採択し、グループ内にて実行しております。これら社会課題への取り組みを推進することにより、現在のみならず将来の事業展開国・地域における当社グループの持続的な成長と存在意義及びブランドイメージの向上を実現することを目指しております。 (8) 設備等の操業度に関するリスク当社グループの主要な事業では多様な商品の製造を行っているため、製造拠点となる工場等の生産設備を数多く所有しており、また、その展開地域も多岐に渡っておりますが、当該生産設備について、需給の変動、労働力の減少や災害の発生等をはじめとする様々な要因で操業度が低下する可能性があります。操業度の低下により当初想定した収益を獲得できない場合、当該設備について減損損失を計上し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化同水準対応策当社CFO直轄組織の「ガバナンス推進部」がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、遊休資産の発生や業績悪化に伴う固定資産の減損の兆候を早期に捉えることを可能とし、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策が打てるような体制を構築しております。さらに、CRE(Corporate Real Estate)がグローバルで不動産管理を行っており、事業用資産の稼働状況、遊休状態の有無をモニターし、関係部署へ定期的に確認を行っております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける (9) 他社との連携・企業買収等に関するリスク当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがありますが、買収・投資実行後にグループ全体に内在するリスク及びオポチュニティを適時・的確に識別することができず、当初想定した利益やシナジー効果をあげられない、あるいは買収後に偶発債務の発生や未認識の債務等が判明する可能性があります。さらに、事業拡大後、当社グループと対象事業の戦略が整合しておらず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化同水準対応策統合時においては、統合に関するグローバル共通のポリシーを策定し、統合後のレビューやモニタリングプロセスを効率的に設計、運用する体制の構築を目指して動いております。また、統合後においては、シナジー創出に向けて効率的でフラットかつシンプルな組織構造の構築を目的とし組織変革を推進しております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける [事業特有のリスク]<ウォーターテクノロジー事業>(10) 販売チャネルに関するリスクASD Holdings Corpは様々なライフスタイルに合わせて中高級品から普及品まで幅広いデザインの商品を展開しておりますが、近年特に北米を中心として流通構造の変化が起きています。具体的には、代理店・小売店等を経由した従来型の販売チャネルからよりエンドユーザーへの直接的な販売への転換が起きており、ASD Holdings Corpにおいても、ECを活用したウェブサイトでの自社商品の販売等を含め、ビジネスの転換を図り、コスト構造の改革に努めていますが、このような販路の転換に対して、想定していた顧客数が確保できない等の理由により、その収益力が低下した結果、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化増加対応策販売チャネルの拡大を進めるために、正規代理店における販売計画を強化するとともに、住宅設備関連の施工会社等への販路を柔軟に拡大することで自社製品の販売促進に努めております。さらに、エンドユーザーからの直接需要を効率的に取り込むことを目指し自社のECサイトの構築を進めております。さらに、安定した販売活動を支え運営上の安全性を担保するため、目的に応じ適切な管理システムを導入することで情報漏洩やサイト運営に支障が出ることを事前に防ぐ体制を整えております。経営方針等との関連性②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド (11) ブランドに関するリスクGROHEブランドは富裕層をターゲットとした洗練されたブランドとして認知されていますが、競争の激しい環境において更なる販路の拡大を目指し、従来の欧州中心のビジネスから、アジアやアフリカ等の新興国への展開を進めております。新興国への販路拡大のためには従来よりも柔軟な価格対応や、地域特有のニーズに応える商品の開発が求められることがありますが、これらの施策を実行することにより、これまでのGROHEが維持してきたブランド価値が棄損し、その収益力が低下した結果、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。また、当社グループの一員としてGROHEブランドを維持する際に、テクノロジー内において一貫性のある戦略に基づいた管理がされない場合、GROHEのブランドやデザインの差別化がなされず、ブランド価値が棄損し、その収益力が低下した結果、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります 発生可能性低影響度高重要性の前年からの変化増加対応策継続的なブランド投資によりブランド価値の維持や、商品開発を実施しております。また、グローバルでGROHEブランド及び競合他社ブランドの販売価格を継続的にモニタリング・分析し、収集した情報を元にブランド戦略に沿った価格を設定・共有した上で、グローバルで統一的な施策を立案・実行できる仕組みを整備することで、競争の激しい市場においてもグローバルでブランド価値を反映した価格帯を維持できるよう対応しております。さらに、ウォーターテクノロジー事業におけるGROHEブランドの位置付けについて、事業内の他ブランドとの差別化を図るため、ブランドデザインの使用に関するルールを設け、ブランド価値の管理に努めております。経営方針等との関連性②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド②[魅力ある差別化された製品の開発]デザイン <ハウジングテクノロジー事業>(12) 競合他社との競争・商品価格に関するリスク当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しておりますが、特に建材・建築資材を取り扱う国内市場は当社と競合による寡占市場となっております。そのような環境において、当社グループにとって常に有利な価格決定をすることは困難な状況にあり、売上収益は競合他社の価格設定に影響を受けます。当社グループは高品質で魅力的な商品を市場へ投入できるリーディングカンパニーと自負しておりますが、価格面において競争優位に展開できる保証はなく、当社グループの商品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化増加対応策競合他社との激しい競争による市場価格の下落に対し、付加価値商品の市場投入を進め、販売価格の底上げに取り組んでおります。経営方針等との関連性②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド <ビルディングテクノロジー事業>(13) 長期受注工事契約に関するリスク当社グループが海外において展開する事業活動の中で、プロジェクト型の長期受注工事契約案件は、見積りから入札、受注、契約、施工、引き渡しまでの一連のサイクルが長い特徴があり、売上の計上から債権の回収までの期間も長期に渡ることがあります。長期契約に基づく収益を認識するため、当該契約の成果が信頼性をもって見積ることができる場合、工事契約の進捗に応じて収益及び費用を認識しております。プロジェクト型の長期受注工事契約案件では、見積総原価、完成までの残存費用、見積総売価、契約に係るリスクやその他の要因について重要な仮定を設定する必要がありますが、工事進捗の能率差異や施工に対する顧客の確認結果等により、見積りと実績が乖離した場合、当該契約に関する見積りを見直す必要が生じます。また、設計及び施工上の欠陥等により、工事損益の見積の前提が変化し、受注時点で想定していない要因により、採算が悪化し、売上収益等に影響することがあります。さらに、債権回収の観点からは、受注時における取引先に対する与信管理が重要になります。プロジェクト進行中における経済状態や取引先の財務状況の変化により、一部の債権が回収不能となる、あるいは貸倒引当金の積み増しが必要となる場合があります。なお、受注工事に係る契約履行義務については、当社グループの偶発債務として認識しております。なお、2020年5月に当社の連結子会社であるPermasteelisa S.p.A.の株式譲渡を決定したことに伴い、当該株式譲渡契約に規定されている条件に基づく追加的な偶発債務を認識しております。その内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 42.非継続事業」に記載のとおりであります。 発生可能性低影響度高重要性の前年からの変化同水準対応策プロジェクト型の長期受注工事契約案件では、入札及び受注時点において、ボンド枠のグループ全体管理、既存プロジェクトの稼働状況に応じた受注計画の策定及び受注条件の厳格な審査を行っております。また、受注時の見積総原価については、金額的な重要性に応じた入札審査、受注条件の承認を行う体制を構築し、ガバナンスを強化しております。さらに、施工の進捗状況については、モニタリング体制を整備し、見積りの前提条件変化の早期検知に取り組んでおります。債権回収についても、入札及び受注段階で事前に取引先の財務状況を把握しております。また入札審査を金額的な重要性に応じたプロセス設定を行い、実施体制を構築、運用しております。プロジェクト進行中も、請求及び債権回収状況のモニターを月次で実施、債権の滞留状況及び回収状況については四半期毎に適切な評価を行っております。当社グループでは、プロジェクト型の長期受注工事契約に対するこれらの施策を通じ、契約履行義務の確実な遂行に努めております。なお、対応策については2019年3月期に損失計上した海外事業における再生計画を踏まえたものであります。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける (オペレーショナルリスク)(14) 災害・事故・感染症等に関するリスク当社グループは、日本国内及び海外諸国の複数の拠点において生産活動及び販売活動を行っていることから、各地で発生する地震や台風等の自然災害、未曽有の大事故や感染症によって、当社グループの生産、物流、販売活動や情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を受ける可能性があります。特に、災害・事故等の発生により、当社グループの国内及び国外工場の生産活動が停止することは、市場への製品供給に深刻な影響を及ぼし、売上収益に悪影響を与える可能性があります。また、感染症の発生や拡大は当社グループ従業員の健康状態悪化による労働力の低下の可能性や、取引先の生産及び販売活動の一部停止等の影響を及ぼし、当社グループの事業活動に支障が出る可能性もあります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度高重要性の前年からの変化増加対応策特に国内拠点においては、事業や財務への影響の低減を目的として、財務的損失をカバーするため包括的な損害保険への加入、工場の分散、耐震工事の実施等により自然災害等発生時の影響を低減した上で、早期に復旧できるようBCP計画の策定及び定期的な見直しを実施しております。また、海外については、保険への加入等の予防策とともに、当該事象が発生した後に迅速な対応をとることができるような体制構築に努めております。さらに、感染症の影響についてはグループイントラサイトに予防方法や業務を遂行する上での対応方針を掲載し、情報の周知徹底を図るとともに、WHOや各国の動向について必要な情報収集を行い、予防策を講じております。経営方針等との関連性- (15) 情報セキュリティに関するリスク当社グループが行う生産活動、販売活動並びに各種事業活動は、コンピュータシステム及びコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用しております。通信ネットワークに生じる障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウェアもしくはソフトウェアの不具合・欠陥、データセンターの機能停止等により事業活動に支障が出る可能性があります。また、情報システムが適切に導入・更新されていないことによるシステム上の不具合、業務の非効率、生産性低下を招き、事業活動に支障が出る可能性があります。さらに、当社グループでは業務を遂行する中で顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められておりますが、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、売上収益が減少あるいは販管費が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策効率的で安定した事業活動の遂行を担保するため、老朽化した基幹システムの刷新を進めております。また、個人情報管理の推進機関を設置し、関連する規程類を整備し、適切な研修を継続して行うなど個人情報管理の強化に努めております。なお、サイバー攻撃全体への対応としてCSIRT(シーサート: Computer Security Incident Response Team)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築しております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる④[エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング]インフルエンサー (16) 訴訟その他法的手続きに関するリスク当社グループが国内及び海外において事業展開をする上で、訴訟その他の法的手続の対象になる可能性があります。また、当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となった場合、多額の損害賠償金の発生や、事業に要するライセンスの取消し等につながる可能性があります。特に、海外においては、各国により求められる要件等が異なるため、意図せず当該要件等に違反してしまう可能性があります。上記の結果として、当社の信頼性や評判を損ない、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策訴訟その他法的手続きの事案が発生した場合、適時に弁護士等の外部専門家に相談できる体制を構築しております。また、定期的に各地域のCLOが集まる等、グループ全体のLegal体制を整備しております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる (17) 製造物責任や補償請求に関するリスク当社グループが提供する商品・サービスには、欠陥が生じるリスクがあり、またリコールが発生する可能性もあります。大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような場合には、多額の支払が生じるとともに、当社グループの商品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、売上原価、販管費等が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度中重要性の前年からの変化同水準対応策開発及び設計の各段階で品質に関するゲートを設け、当該問題を解決しなければ開発や設計を進めさせないルールを定め運用することにより、商品・サービスが大規模な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性を低減しております。経営方針等との関連性①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる②[魅力ある差別化された製品の開発]品質 (18) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づき判断を行っております。将来の課税所得の予測が変更され、将来の課税所得に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性低影響度低重要性の前年からの変化同水準対応策当社CFO直轄組織の「ガバナンス推進部」がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、業績悪化の兆候を早期に捉えるようにしております。また、業績悪化の兆候を把握した際には、当社経理財務部門及び税務部門が繰延税金資産の回収可能性に関して見直しの必要性を含めて適時に対策が打てるような体制を構築しております。経営方針等との関連性-
FY2019|8,495 文字
2【事業等のリスク】当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについてグループ共通の基準(事業計画への影響度と発生可能性等)で評価を行い、対処すべきリスクの優先順位を決定するというリスク評価を行っております。これらに基づき重要と判断したリスクは、当社グループの各レベルにおいて、当該リスクの内容に応じた対策を立案、実行し、対策の進捗状況をモニタリングし、継続的に改善する活動を展開しております。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経済環境に関するリスク① 経済状況の変動当社グループにおける営業収入は、日本国内における需要に大きく影響を受けます。特に住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、中国、タイなどのアジア、欧州や北米など海外諸国において生産活動及び販売活動を行っており、これらの国々において戦争、内乱、紛争、暴動、テロ等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、リフォーム戦略の強化や海外展開可能な商品の開発等を実施しております。また、外部の第三者機関等を通じて政治情勢、財政状態、政策変更等を定期的にモニターすることにより、海外における政情不安等のリスクが顕在化する兆候を早期に把握するよう努めております。 ② 為替相場の変動為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の円貨換算額に重要な影響を与える可能性があります。また、外貨建で取引されている商品の価格及び売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。このような状況に対処するため、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各拠点において月次で為替をモニターするとともに、必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、為替変動の影響を低減しております。 ③ 金利の変動当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。このような状況に対処するため、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各地域における資金管理業務等を集約することにより、資金調達の効率化及び安定化を進めております。また、各国の金利を月次でモニターするとともに、状況に応じ固定金利化等を検討できる体制を構築しております。 (2)当社グループの事業活動に関するリスク① 競合他社との競争・商品価格の下落当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しております。そのため、当社グループにとって常に有利な価格決定をすることは困難な状況にあります。当社グループは高品質で魅力的な商品を市場へ投入できるリーディングカンパニーと自負しておりますが、価格面において競争優位に展開できる保証はなく、当社グループの商品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社グループはコスト削減や訴求力の高い商品の開発に取り組んでおります。 ② 新商品の開発当社グループは、「私たちは、優れた製品とサービスを通じて、世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献します。」を企業理念として活動しております。高品質の健康かつ快適で安全な住空間の創造を実現するために常に技術と顧客ニーズを的確に把握し魅力ある商品開発を行っておりますが、市場や業界のニーズの変化に適切に対応できなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、革新的なスタートアップ企業との提携やグローバル情報ネットワークの活用を通じて消費者ニーズの変化に迅速に対応する体制を構築し、当該ニーズを満たす魅力ある商品を開発するため、衛生陶器の新素材である「アクアセラミック」を代表とする先進技術の開発、デザイン力の強化及び商品プラットフォームの統一によりスピード感のある商品開発に努めております。 ③ 他社との提携・企業買収等の成否当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがあります。対象事業とのシナジー効果を最大限に高めるために当社グループの企業文化や経営戦略との統合を図っておりますが、期待された利益やシナジー効果をあげられる保証はありません。また、これらを実行するにあたっては、対象事業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前調査を行い極力リスクを回避するように努めておりますが、買収後に偶発債務の発生や未認識の債務等が判明する可能性も否定できません。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、統合に関するグローバル共通のポリシーを策定し、統合後のレビューやモニタリングプロセスを設計、運用しております。また、統合後においては、シナジー創出に向けて効率的でフラットかつシンプルな組織構造の構築を目的とし組織変革を推進しております。 ④ 事業再編の成否当社グループは、経営の効率化及び競争力の強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員の適正化等による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、持株会社及びテクノロジービジネスの経営陣、各グループ会社の取締役及び執行役と社員とのコミュニケーション強化によって当社グループの経営戦略の浸透を図るとともに、持株会社による事業・地域ポートフォリオマネジメントを強化することにより、事業の再構築を実施した後において、テクノロジービジネス間のシナジー効果の最大化や、戦略実効性の向上が実現するよう努めております。また、大規模な事業再構築を生じさせない組織の構築に向けて、M&Aにおける買収先企業のPMI強化の一環として、ガイドラインのアップデートやPMI推進体制、進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用による子会社ガバナンスの強化に努めております。 ⑤ 原材料等の供給不足・供給価格の高騰当社グループの生産活動にあたっては、資材、部品、その他のサービス等の供給品を適宜に調達しております。その中には、業界の需要増加や原材料の高騰により多額の支払が必要になる可能性があります。また、資材、部品、その他のサービス等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの商品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの原因により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、商品スワップの利用、複数購買の実施、取引先の信用情報調査の実施、取引先との定期的なコミュニケーションの実施、定期的な品質テスト、安全在庫量の確保等を実施し、安定的な供給体制の構築に努めております。 (3)法的規制・訴訟に関するリスク① 公的規制による損害当社グループは、事業展開をする上で国や公的機関から事業や投資の許認可、特許権その他の知的財産権、環境規制等の様々な公的規制を受けております。これらの公的規制は、時間の経過とともに変化することが予想され、当社グループの事業運営に支障をきたし、新たな公的規制を遵守するためのコスト増加につながる可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、新たな公的規制の変更に対応するために必要な方針と手順を策定し、定期的に各海外拠点の担当者と情報交換の場を持つことにより、公的規制の変更の予兆を早期に捉え対策が打てるような体制を構築しております。 ② 製造物責任や補償請求による直接・間接費用の発生当社グループが提供する商品・サービスには、欠陥が生じるリスクがあり、またリコールが発生する可能性もあります。大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような場合には、多額の支払が生じるとともに、当社グループの商品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、開発及び設計の各段階で品質に関するゲートを設け、当該問題を解決しなければ開発や設計を進めさせないルールを定め運用することにより、商品・サービスが大規模な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性を低減しております。 ③ 訴訟その他法的手続きによる損害賠償当社グループが国内及び海外において事業展開をする上で、訴訟その他の法的手続の対象になる可能性があります。また、当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となった場合は多額の損害賠償金等が発生する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、適時に弁護士等の外部専門家に相談できる体制を構築しております。 ④ 環境に関する規制や問題の発生当社グループは、「LIXILグループ環境方針」に基づき、地球環境保全に向け様々な活動を行っております。しかしながら、環境汚染等の環境リスクを完全に防止又は軽減できる保証はありません。当社グループの事業活動に起因する重大な環境汚染等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、ISO14001もしくは環境マネジメントシステムによる環境関連法令の洗い出しや遵守の点検ルールを定め、運用状況について定期的に審査を実施しております。 (4)情報セキュリティに関するリスク当社グループでは業務を遂行する中で顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められておりますが、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、個人情報管理の推進機関を設置し、関連する規程類を整備し、適切な研修を継続して行うなど個人情報管理の強化に努めております。なお、サイバー攻撃全体への対応としてCSIRT (シーサート: Computer Security Incident Response Team)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築しております。 (5)災害・事故等に関するリスク当社グループは、国内及び海外諸国の複数の拠点において生産活動及び販売活動を行っていることから、各地で発生する地震や台風等の自然災害によって、当社グループの生産、物流、販売及び情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を被る可能性があります。また、仮に国内及び海外諸国にて大規模な地震等の自然災害が発生した場合には、生産活動の停止や商品供給の遅延等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合に事業活動の停止や制約が生じる可能性があります。これらの自然災害等による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありませんが、このような状況に対処するため、特に国内拠点においては、事業や財務への影響の低減を目的として、工場の分散、耐震工事の実施等により自然災害等発生時の影響を低減した上で、早期に復旧できるようBCP計画の策定及び定期的な見直しを実施しております。 (6)会計上の見積りに関するリスク当社グループは、財務諸表の作成にあたり会計上の見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、金額の見直しや実際の結果と異なる場合があり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ① 債権の貸倒れ当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、実際の貸倒れが当該前提等を大幅に上回り、貸倒引当金の計上が不十分となる可能性があります。また、経済状態全般の悪化や取引先等の信用不安等による前提条件等の見直しにより、貸倒引当金の積み増しを行う可能性があります。これらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、国内においては取引先の信用力チェックや与信枠の設定に関して規程やマニュアルを整備するとともに、定期的に債権検討会議を開催し、債権の回収が不能となる可能性が高い取引先については取引先ごとの経営改善状況及びリスク低減策のモニタリングを実施しております。 ② 退職給付に係る負債の変動当社グループの従業員の確定給付制度債務及び勤務費用等は、割引率等の基礎率に基づいて算出されております。これらの基礎率の変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があり、特に割引率の低下は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、この影響を最小限にすべく厚生年金の代行部分の返上及び確定拠出年金制度やキャッシュバランス制度への移行等の施策を実施しております。 ③ 固定資産価値の減少当社グループは、減損会計の適用により、有形固定資産、のれん及び無形資産等の資産について、定期的に回収可能価額を算定し、減損の測定もしくは減損テストを実施しております。その結果、減損損失を計上することも予測され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社CFO直轄組織の「コーポレート・ファイナンシャル・ガバナンス・オフィス」がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、遊休資産の発生や業績悪化に伴う固定資産の減損の兆候を早期に捉えることを可能とし、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策が打てるような体制を構築しております。 ④ 繰延税金資産の回収可能性当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づき判断を行っております。将来の課税所得の予測が変更され、将来の課税所得に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社CFO直轄組織の「コーポレート・ファイナンシャル・ガバナンス・オフィス」がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、業績悪化の兆候を早期に捉えることを可能とし、業績悪化の兆候を把握した際には、当社経理財務部門及び税務部門が繰延税金資産の回収可能性に関して見直しの必要性を含めて適時に対策が打てるような体制を構築しております。 ⑤ 長期契約に係る債権の回収及び見積り当社グループの主にビルディングテクノロジー事業においては、海外受注案件は金額的にも大型工事が多く、かつ売上の計上から債権の回収までの期間が長期にわたることがあるため、経済状態や取引先の与信状況の変化により、一部の債権が回収不能となる、あるいは貸倒引当金の積み増しを行わなければならない状況に陥る可能性があり、これらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ビルディングテクノロジー事業の受注案件の一部において、長期契約に基づく収益を認識するために、当該契約の成果が信頼性をもって見積ることができる場合、工事契約の進捗に応じて収益及び費用を認識しております。このような長期契約に基づく収益認識において、見積総原価、完成までの残存費用、見積総売価、契約に係るリスクやその他の要因について重要な仮定を設定する必要がありますが、見積りと実績が乖離した場合、当該契約に関する見積りを見直す必要が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社グループは、関連する業務プロセスの再設計・標準化など、各地域の実情に応じて内部統制の見直しを進めることによりガバナンスを強化するとともに、経済状態や取引先の状況変化及び見積りの前提条件の変化を早期に察知し、対策を講じることができる体制の構築を目指しております。 (7)国際税務・組織再編税制に関するリスク当社グループは、海外諸国において生産活動及び販売活動を行っており、グループ内でも原材料や製品等の相互供給を行っていることから、移転価格税制等の国際税務リスクが潜在します。また、経営の効率化と競争力の強化のためグループ内組織再編を実施することがあり、設定するスキームによってはグループ内組織再編であったとしても時価課税取引であるとの認定を受ける可能性や消滅会社等の繰越欠損金を引き継げない可能性があり、税金費用の負担増加によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社税務部門において必要な方針と手順を策定、更新し、定期的に各海外拠点の税務担当者と情報交換の場を持つことや専門家へ適時に相談できる体制を整備することにより、再編実施時に適切なスキームを選択しうる体制を構築しております。 (8)人的資産に関するリスク① 人材の獲得と育成当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要となります。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まない場合には、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開するほか、人事・教育体系の充実や65歳以上の退職技術者の嘱託雇用等により技術継承を促進するとともに、グローバル共通の人材育成計画を策定し、各プログラム(海外派遣研修、共通eラーニング等)を実行することにより社員の定着と育成に努めております。あわせて、女性の労働力確保を含め、ダイバーシティ・マネジメントを推進し、多様な社員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう制度や環境の整備を進めております。また、「シェアード・サービス・センター」をアジアに設立し、アジアにおけるガバナンスを強化するとともに、間接業務の集約化や効率化を図ることにより、日本国内あるいはアジアにおける将来の労働環境に左右されない柔軟な組織を構築することを目指しております。 ② 労使問題(ストライキ等)当社グループが進出している海外の各地域や国において労働慣行の相違が存在しており、法環境の変化、経済環境の変化等予期せぬ事象を起因とした労使関係の悪化、ストライキ等労働争議が発生し長期化した場合には、事業運営に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、各拠点において労使間協議を定期的に開催し、職場環境、労働条件の改善について協議しており、現在労使関係は円満に推移しております。
FY2018|7,876 文字
2【事業等のリスク】当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについてグループ共通の基準(事業計画への影響度と発生可能性等)で評価を行い、対処すべきリスクの優先順位を決定するというリスク評価を行っております。これらに基づき重要と判断したリスクは、当社グループの各レベルにおいて、当該リスクの内容に応じた対策を立案、実行し、対策の進捗状況をモニタリングし、継続的に改善する活動を展開しております。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経済環境に関するリスク① 経済状況の変動当社グループにおける営業収入は、日本国内における需要に大きく影響を受けます。特に住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、中国、タイなどのアジア、欧州や北米など海外諸国において生産活動及び販売活動を行っており、これらの国々において戦争、内乱、紛争、暴動、テロ等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、リフォーム戦略の強化や海外展開可能な商品の開発等を実施しております。また、外部の第三者機関等を通じて政治情勢、財政状態、政策変更等を定期的にモニターすることにより、海外における政情不安等のリスクが顕在化する兆候を早期に把握するよう努めております。 ② 為替相場の変動為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の円貨換算額に重要な影響を与える可能性があります。また、外貨建で取引されている商品の価格及び売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。このような状況に対処するため、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各拠点において月次で為替をモニターするとともに、必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、為替変動の影響を低減しております。 ③ 金利の変動当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。このような状況に対処するため、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各地域における資金管理業務等を集約することにより、資金調達の効率化及び安定化を進めております。また、各国の金利を月次でモニターするとともに、状況に応じ固定金利化等を検討できる体制を構築しております。 (2)当社グループの事業活動に関するリスク① 競合他社との競争・商品価格の下落当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しております。そのため、当社グループにとって常に有利な価格決定をすることは困難な状況にあります。当社グループは高品質で魅力的な商品を市場へ投入できるリーディングカンパニーと自負しておりますが、価格面において競争優位に展開できる保証はなく、当社グループの商品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社グループはコスト削減や訴求力の高い商品の開発に取り組んでおります。 ② 新商品の開発当社グループは、「私たちは、優れた製品とサービスを通じて、世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献します。」を企業理念として活動しております。高品質の健康かつ快適で安全な住空間の創造を実現するために常に技術と顧客ニーズを的確に把握し魅力ある商品開発を行っておりますが、市場や業界のニーズの変化に適切に対応できなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、革新的なスタートアップ企業との提携やグローバル情報ネットワークの活用を通じて消費者ニーズの変化に迅速に対応する体制を構築し、当該ニーズを満たす魅力ある商品を開発するため、衛生陶器の新素材である「アクアセラミック」を代表とする先進技術の開発、デザイン力の強化及び商品プラットフォームの統一によりスピード感のある商品開発に努めております。 ③ 他社との提携・企業買収等の成否当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがあります。対象事業とのシナジー効果を最大限に高めるために当社グループの企業文化や経営戦略との統合を図っておりますが、期待された利益やシナジー効果をあげられる保証はありません。また、これらを実行するにあたっては、対象事業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前調査を行い極力リスクを回避するように努めておりますが、買収後に偶発債務の発生や未認識の債務等が判明する可能性も否定できません。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、統合に関するグローバル共通のポリシーを策定し、統合後のレビューやモニタリングプロセスを設計、運用しております。また、統合後においては、シナジー創出に向けて効率的でフラットかつシンプルな組織構造の構築を目的とし組織変革を推進しております。 ④ 事業再編の成否当社グループは、経営の効率化及び競争力の強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員の適正化等による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、持株会社及びテクノロジービジネスの経営陣、各グループ会社の取締役及び執行役と社員とのコミュニケーション強化によって当社グループの経営戦略の浸透を図るとともに、持株会社による事業・地域ポートフォリオマネジメントを強化することにより、事業の再構築を実施した後において、テクノロジービジネス間のシナジー効果の最大化や、戦略実効性の向上が実現するよう努めております。また、大規模な事業再構築を生じさせない組織の構築に向けて、M&Aにおける買収先企業のPMI強化の一環として、ガイドラインのアップデートやPMI推進体制、進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用による子会社ガバナンスの強化に努めております。 ⑤ 原材料等の供給不足・供給価格の高騰当社グループの生産活動にあたっては、資材、部品、その他のサービス等の供給品を適宜に調達しております。その中には、業界の需要増加や原材料の高騰により多額の支払が必要になる可能性があります。また、資材、部品、その他のサービス等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの商品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの原因により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、商品スワップの利用、複数購買の実施、取引先の信用情報調査の実施、取引先との定期的なコミュニケーションの実施、定期的な品質テスト、安全在庫量の確保等を実施し、安定的な供給体制の構築に努めております。 (3)法的規制・訴訟に関するリスク① 公的規制による損害当社グループは、事業展開をする上で国や公的機関から事業や投資の許認可、特許権その他の知的財産権、環境規制等の様々な公的規制を受けております。これらの公的規制は、時間の経過とともに変化することが予想され、当社グループの事業運営に支障をきたし、新たな公的規制を遵守するためのコスト増加につながる可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、新たな公的規制の変更に対応するために必要な方針と手順を策定し、定期的に各海外拠点の担当者と情報交換の場を持つことにより、公的規制の変更の予兆を早期に捉え対策が打てるような体制を構築しております。 ② 製造物責任や補償請求による直接・間接費用の発生当社グループが提供する商品・サービスには、欠陥が生じるリスクがあり、またリコールが発生する可能性もあります。大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような場合には、多額の支払が生じるとともに、当社グループの商品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、開発及び設計の各段階で品質に関するゲートを設け、当該問題を解決しなければ開発や設計を進めさせないルールを定め運用することにより、商品・サービスが大規模な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性を低減しております。 ③ 訴訟その他法的手続きによる損害賠償当社グループが国内及び海外において事業展開をする上で、訴訟その他の法的手続の対象になる可能性があります。また、当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となった場合は多額の損害賠償金等が発生する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、適時に弁護士等の外部専門家に相談できる体制を構築しております。 ④ 環境に関する規制や問題の発生当社グループは、「LIXILグループ環境方針」に基づき、地球環境保全に向け様々な活動を行っております。しかしながら、環境汚染等の環境リスクを完全に防止又は軽減できる保証はありません。当社グループの事業活動に起因する重大な環境汚染等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、ISO14001もしくは環境マネジメントシステムによる環境関連法令の洗い出しや遵守の点検ルールを定め、運用状況について定期的に審査を実施しております。 (4)情報セキュリティに関するリスク当社グループでは業務を遂行する中で顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められておりますが、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、個人情報管理の推進機関を設置し、関連する規程類を整備し、適切な研修を継続して行うなど個人情報管理の強化に努めております。なお、サイバー攻撃全体への対応としてCSIRT (シーサート: Computer Security Incident Response Team)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築しています。 (5)災害・事故等に関するリスク当社グループは、国内及び海外諸国の複数の拠点において生産活動及び販売活動を行っていることから、各地で発生する地震や台風等の自然災害によって、当社グループの生産、物流、販売及び情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を被る可能性があります。また、仮に国内及び海外諸国にて大規模な地震等の自然災害が発生した場合には、生産活動の停止や商品供給の遅延等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合に事業活動の停止や制約が生じる可能性があります。これらの自然災害等による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありませんが、このような状況に対処するため、特に国内拠点においては、事業や財務への影響の低減を目的として、工場の分散、耐震工事の実施等により自然災害等発生時の影響を低減した上で、早期に復旧できるようBCP計画の策定及び定期的な見直しを実施しております。 (6)会計上の見積りに関するリスク当社グループは、財務諸表の作成にあたり会計上の見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、金額の見直しや実際の結果と異なる場合があり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ① 債権の貸倒れ当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、実際の貸倒れが当該前提等を大幅に上回り、貸倒引当金の計上が不十分となる可能性があります。また、経済状態全般の悪化や取引先等の信用不安等による前提条件等の見直しにより、貸倒引当金の積み増しを行う可能性があります。これらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、国内においては取引先の信用力チェックや与信枠の設定に関して規程やマニュアルを整備するとともに、定期的に債権検討会議を開催し、債権の回収が不能となる可能性が高い取引先については取引先ごとの経営改善状況及びリスク低減策のモニタリングを実施しております。 ② 退職給付に係る負債の変動当社グループの従業員の確定給付制度債務及び勤務費用等は、割引率等の基礎率に基づいて算出されております。これらの基礎率の変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があり、特に割引率の低下は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、この影響を最小限にすべく厚生年金の代行部分の返上及び確定拠出年金制度やキャッシュバランス制度への移行等の施策を実施しております。 ③ 固定資産価値の減少当社グループは、減損会計の適用により、有形固定資産、のれん及び無形資産等の資産について、定期的に回収可能価額を算定し、減損の測定もしくは減損テストを実施しております。その結果、減損損失を計上することも予測され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社CFO直轄組織の「コーポレート・ファイナンシャル・ガバナンス・オフィス」がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、遊休資産の発生や業績悪化に伴う固定資産の減損の兆候を早期に捉えることを可能とし、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策が打てるような体制を構築しております。 ④ 繰延税金資産の回収可能性当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づき判断を行っております。将来の課税所得の予測が変更され、将来の課税所得に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社CFO直轄組織の「コーポレート・ファイナンシャル・ガバナンス・オフィス」がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、業績悪化の兆候を早期に捉えることを可能とし、業績悪化の兆候を把握した際には、当社経理財務部門及び税務部門が繰延税金資産の回収可能性に関して見直しの必要性を含めて適時に対策が打てるような体制を構築しております。 (7)国際税務・組織再編税制に関するリスク当社グループは、海外諸国において生産活動及び販売活動を行っており、グループ内でも原材料や製品等の相互供給を行っていることから、移転価格税制等の国際税務リスクが潜在します。また、経営の効率化と競争力の強化のためグループ内組織再編を実施することがあり、設定するスキームによってはグループ内組織再編であったとしても時価課税取引であるとの認定を受ける可能性や消滅会社等の繰越欠損金を引き継げない可能性があり、税金費用の負担増加によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社税務部門において必要な方針と手順を策定、更新し、定期的に各海外拠点の税務担当者と情報交換の場を持つことや専門家へ適時に相談できる体制を整備することにより、再編実施時に適切なスキームを選択しうる体制を構築しております。 (8)人的資産に関するリスク① 人材の獲得と育成当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要となります。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まない場合には、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開するほか、人事・教育体系の充実や65歳以上の退職技術者の嘱託雇用等により技術継承を促進するとともに、グローバル共通の人材育成計画を策定し、各プログラム(海外派遣研修、共通eラーニング等)を実行することにより社員の定着と育成に努めております。あわせて、女性の労働力確保を含め、ダイバーシティ・マネジメントを推進し、多様な社員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう制度や環境の整備を進めています。また、「シェアード・サービス・センター」をアジアに設立し、アジアにおけるガバナンスを強化するとともに、間接業務の集約化や効率化を図ることにより、日本国内あるいはアジアにおける将来の労働環境に左右されない柔軟な組織を構築することを目指しています。 ② 労使問題(ストライキ等)当社グループが進出している海外の各地域や国において労働慣行の相違が存在しており、法環境の変化、経済環境の変化等予期せぬ事象を起因とした労使関係の悪化、ストライキ等労働争議が発生し長期化した場合には、事業運営に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、各拠点において労使間協議を定期的に開催し、職場環境、労働条件の改善について協議しており、現在労使関係は円満に推移しております。
FY2017|3,823 文字
4【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。将来や想定に関する事項には、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性もあります。 (1)経済動向による影響について当社グループにおける営業収入は、日本国内における需要に大きく影響を受けます。特に住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)競合について当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しております。そのため、当社グループにとって常に有利な価格決定をすることは困難な状況にあります。当社グループは高品質で魅力的な商品を市場へ投入できるリーディングカンパニーと自負しておりますが、価格面において競争優位に展開できる保証はなく、当社グループの製品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)新商品開発への対応について当社グループは、「私たちは、優れた製品とサービスを通じて、世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献します。」を企業理念として活動しております。高品質の健康・快適で安全な住空間の創造を実現するために常に技術と顧客ニーズを的確に把握し魅力ある商品開発を行っておりますが、市場や業界のニーズの変化に適切に対応できなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)資材等の調達について当社グループの生産活動にあたっては、資材、部品、その他のサービス等の供給品を適宜に調達しております。その中には、業界の需要増加や原材料の高騰により多額の支払が必要になる可能性があります。また、資材、部品、その他のサービス等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの原因により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)海外市場での活動について 当社グループは、海外では中国、タイなどのアジア、欧州や北米などの国々において生産活動及び販売活動を行っており、これらの国々には、次のようなリスクが潜在します。 ① 為替政策による為替レートの大幅な変動 ② 輸出又は輸入規制の変更 ③ 人件費・物価等の大幅な上昇 ④ ストライキ等による生産活動への支障 ⑤ 予期しない法律又は規則等の変更、移転価格税制等の国際税務リスク ⑥ 自然災害による影響 ⑦ その他の経済的、社会的及び政治的リスクこれらは、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)為替変動及び金利変動について為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の円貨換算額に重要な影響を与える可能性があります。また、外貨建で取引されている製品の価格及び売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には業績や財務状況に重要な影響を与える可能性があります。これらは、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)企業買収等について当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがあります。対象事業との統合効果を最大限に高めるために当社グループの企業文化や経営戦略との統合を図りますが、期待した利益やシナジー効果をあげられる保証はありません。また、これらを実行するにあたっては、対象会社の財務内容や契約関係等についての詳細な事前調査を行い極力リスクを回避するように努めておりますが、買収後に偶発債務の発生や未認識の債務などが判明する可能性も否定できません。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)事業の再構築について当社グループは、経営の効率化と競争力の強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員の適正化等による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)公的規制について当社グループは、事業展開をするうえで国や公的機関から事業・投資の許認可、特許権その他の知的財産権、環境規制等の様々な公的規制を受けております。これらの公的規制は、時間の経過とともに変化することが予想され、当社グループの事業運営に支障をきたし、新たな公的規制を遵守するためのコスト増加につながる可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)製造物責任について当社グループが提供する製品・サービスには、欠陥が生じるリスクがあり、またリコールが発生する可能性もあります。大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような場合には、多額の支払が生じるとともに、当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟その他の法的手続について当社グループが国内及び海外において事業展開をするうえで、訴訟その他の法的手続の対象になる可能性があります。当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となった場合は多額の損害賠償金等が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)災害・事故等について地震や台風等の自然災害によって、当社グループの生産・物流・販売及び情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を被る可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合に事業活動の停止や制約が生じる可能性があります。当社グループは、定期的な災害防止活動や設備点検を行っておりますが、これらの災害による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。連結子会社である株式会社LIXILの国内水回り等生産拠点は東海地区に多く存在しており、対象施設の耐震対策を進めてきました。しかしながら、東海地区に限らず大規模な地震が発生した場合には、生産活動の停止や製品供給の遅延等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)環境保全について当社グループは、「LIXILグループ環境方針」に基づき、地球環境保全に向け様々な活動を行っております。しかしながら、環境汚染等の環境リスクを完全に防止又は軽減できる保証はありません。当社グループの事業活動に起因する重大な環境汚染等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)債権の貸倒れについて当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、実際の貸倒れが当該前提等を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となることがあり得ます。また、経済状態全般の悪化や取引先等の信用不安などによる前提設定等の見直しにより、貸倒引当金の積み増しを行う可能性があります。これらの結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)固定資産価値減少について当社グループでは、減損会計の適用により、有形固定資産、のれん及び無形資産等の資産について、定期的に将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損額の測定を実施しております。その結果、減損損失を計上することも予測され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16)確定給付制度債務について当社グループの従業員の確定給付制度債務及び勤務費用等は、割引率等の基礎率に基づいて算出されております。これらの基礎率の変動は、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、この影響を最小限にすべく厚生年金の代行部分の返上及び確定拠出年金制度やキャッシュバランス制度への移行などの施策を実施しておりますが、その影響を完全に無くすことはできません。割引率の低下は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17)個人情報の遺漏について当社グループでは業務を遂行するなかで、顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められております。当社グループでは、推進機関を設置し、関連する規程類を整備し、適切な研修を継続して行うなど個人情報管理の強化に努めております。しかしながら、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに、多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|3,986 文字
4【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。将来や想定に関する事項には、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性もあります。 (1)経済動向による影響について当社グループにおける営業収入の大部分は、日本国内における需要に大きく影響を受けます。特に住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)競合について当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しております。そのため、当社グループにとって常に有利な価格決定をすることは困難な状況にあります。当社グループは高品質で魅力的な商品を市場へ投入できるリーディングカンパニーと自負しておりますが、価格面において競争優位に展開できる保証はなく、当社グループの製品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)新商品開発への対応について当社グループは、「私たちは、優れた製品とサービスを通じて、世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献します。」を企業理念として活動しております。高品質の健康・快適で安全な住空間の創造を実現するために常に技術と顧客ニーズを的確に把握し魅力ある商品開発を行っておりますが、市場や業界のニーズの変化に適切に対応できなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)資材等の調達について当社グループの生産活動にあたっては、資材、部品、その他のサービス等の供給品を適宜に調達しております。その中には、業界の需要増加や原材料の高騰により多額の支払が必要になる可能性があります。また、資材、部品、その他のサービス等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの原因により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)海外市場での活動について 当社グループは、海外では中国、タイなどのアジア、欧州や北米などの国々において生産活動及び販売活動を行っており、これらの国々には、次のようなリスクが潜在します。 ① 為替政策による為替レートの大幅な変動 ② 輸出又は輸入規制の変更 ③ 人件費・物価等の大幅な上昇 ④ ストライキ等による生産活動への支障 ⑤ 予期しない法律又は規則等の変更、移転価格税制等の国際税務リスク ⑥ その他の経済的、社会的及び政治的リスク ⑦ 自然災害による影響これらは、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)為替変動について為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の円貨換算額に重要な影響を与える可能性があります。また、外貨建で取引されている製品の価格及び売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。これらは、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)企業買収等について当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがあります。対象事業との統合効果を最大限に高めるために当社グループの企業文化や経営戦略との統合を図りますが、期待した利益やシナジー効果をあげられる保証はありません。また、これらを実行するにあたっては、対象会社の財務内容や契約関係等についての詳細な事前調査を行い極力リスクを回避するように努めておりますが、買収後に偶発債務の発生や未認識の債務などが判明する可能性も否定できません。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)事業の再構築について当社グループは、経営の効率化と競争力の強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員の適正化等による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)公的規制について当社グループは、事業展開をするうえで国や公的機関から事業・投資の許認可、特許権その他の知的財産権、環境規制等の様々な公的規制を受けております。これらの公的規制は、時間の経過とともに変化することが予想され、当社グループの事業運営に支障をきたし、新たな公的規制を遵守するためのコスト増加につながる可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)製造物責任について当社グループが提供する製品・サービスには、欠陥が生じるリスクがあり、またリコールが発生する可能性もあります。大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような場合には、多額の支払が生じるとともに、当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟その他の法的手続について当社グループが国内及び海外において事業展開をするうえで、訴訟その他の法的手続の対象になる可能性があります。当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となった場合は多額の損害賠償金等が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2015年4月1日に当社の子会社になりましたJoyou AG(以下、Joyou)は、2015年5月22日にドイツ・ハンブルク地方裁判所に対して破産手続開始を申し立て、2015年7月16日に当該破産手続が開始いたしました。これにより、当社はJoyouへの支配権を喪失し、Joyouは当社の子会社ではなくなっております。現時点で計上する必要があると判断した損失については連結財務諸表に反映又は開示済でありますが、Joyouの破産により、訴訟その他の法的手続の対象となった場合には、追加で損失が発生する可能性があります。 (12)災害・事故等について地震や台風等の自然災害によって、当社グループの生産・物流・販売及び情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を被る可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合に事業活動の停止や制約が生じる可能性があります。当社グループは、定期的な災害防止活動や設備点検を行っておりますが、これらの災害による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。連結子会社である株式会社LIXILの国内水回り等生産拠点は東海地区に多く存在しており、対象施設の耐震対策を進めてきましたが、大規模な東海地震が発生した場合には、生産活動の停止や製品供給の遅延等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)環境保全について当社グループは、「グループ環境方針」に基づき、地球環境保全に向け様々な活動を行っております。しかしながら、環境汚染等の環境リスクを完全に防止又は軽減できる保証はありません。当社グループの事業活動に起因する重大な環境汚染等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)債権の貸倒れについて当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、実際の貸倒れが当該前提等を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となることがあり得ます。また、経済状態全般の悪化や取引先等の信用不安などによる前提設定等の見直しにより、貸倒引当金の積み増しを行う可能性があります。これらの結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)固定資産価値減少について当社グループでは、減損会計の適用により、有形固定資産、のれん及び無形資産等の資産について、定期的に将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損額の測定を実施しております。その結果、固定資産減損損失を計上することも予測され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16)確定給付制度債務について当社グループの従業員の確定給付制度債務及び勤務費用等は、割引率等の基礎率に基づいて算出されております。これらの基礎率の変動は、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、この影響を最小限にすべく厚生年金の代行部分の返上及び確定拠出年金制度やキャッシュバランス制度への移行などの施策を実施しておりますが、その影響を完全に無くすことはできません。割引率の低下は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17)個人情報の遺漏について当社グループでは業務を遂行するなかで、顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められております。当社グループでは、推進部署を設置し、関連する規程類を整備し、適切な研修を継続して行うなど個人情報管理の強化に努めております。しかしながら、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに、多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。