3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社およびグループ各社は、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまなリスクの発生を未然に防止し、当社およびグループ各社の経営基盤の安定化を図るとともに、危機が発生した場合に事業活動を早期に復旧し、継続させるために策定した「グループリスク及び危機管理規程」に基づき、リスクマネジメント体制の強化を推進しております。当社は、グループのリスク管理および危機管理ならびにコンプライアンスを横断的に統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置しており、同委員会は、重要リスクに関する情報の確認、改善および予防措置を講じております。当社およびグループ各社では、それぞれの管理体制のもとで危機管理規程や危機対応マニュアル等の策定、リスク管理状況のとりまとめなどを行っております。また、当社は、リスク・危機管理を統括する専門部門として「リスク危機管理統括室」を設置しており、グループとしての確固たるリスク・危機管理体制の構築を進めております。なお、以下のリスクが顕在化する可能性の程度や時期、リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。(1)自然災害・感染症・事故リスク①自然災害からの事業継続地震や台風などの大規模な自然災害や事故が発生し、当社グループや取引先の従業員や生産設備等が甚大な被害を受けた場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループでは、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまな自然災害・事故リスク等の発生時に被害を最小限に抑えるため、設備対応、事業継続計画(BCP)の策定、調達先の分散、生産拠点におけるバックアップ体制の構築・再配置、適正在庫の確保、保険への加入などの対応をとっております。②伝染病・感染症伝染病・感染症の蔓延などにより当社グループの事業活動やステークホルダーの行動が制限された場合や、衛生管理不足による取引先からの信用低下および風評リスクが発生した場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループでは、従業員の健康を守りながら当社グループの事業活動の確保に万全を期すため、公衆衛生面を中心に一定水準の感染防止対策を行うとともに、グループ横断的に感染症に関する情報伝達が可能なイントラネットを構築し、感染症拡大時にはグループ全体で感染症リスク低減のための対策を行う体制を整えております。③労働災害・安全衛生労働安全衛生法などの労働関係法令の違反や労働災害の発生による操業停止などが発生した場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与えるほか、レピュテーションリスクが高まり、当社グループの継続的な事業活動に影響を及ぼす懸念があります。当社グループは、当社グループが遵守・実践すべき枠組みである「東洋製罐グループ行動規準」において、日常の安全衛生活動を怠らないことを明示し、労働関係法令の遵守と労働安全衛生管理を徹底することで、すべての従業員が安心して働ける職場づくりを目指しております。(2)コンプライアンスリスク①コンプライアンス企業の社会的責任が近年ますます重要視されるなか、企業活動における遵法精神を徹底させるとともに、経営上のリスクを回避しながら経営資源を効率的かつ適正に配分していくことで企業価値を向上させていくことが求められております。当社グループにおいてもこうした状況を踏まえ、コンプライアンス体制の強化は最も重要な経営課題と認識し、その実現に向けてグループを挙げて努力しております。しかしながら、リスク管理体制の不備により企業の社会的責任を問われる事態が生じる可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合はレピュテーションリスクが高まり、当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損され、当社グループの継続的な事業活動に影響を及ぼす懸念があります。当社グループでは、コンプライアンス体制強化のため、以下の施策に取り組んでおります。・当社グループが遵守・実践すべき枠組みを示す「東洋製罐グループサステナビリティ憲章」、「東洋製罐グループ行動指針」および「東洋製罐グループ行動規準」を制定し、役員および従業員に対して周知・教育を実施(ご参考)「東洋製罐グループサステナビリティ憲章」、「東洋製罐グループ行動指針」および「東洋製罐グループ行動規準」(URL:https://www.tskg-hd.com/company/policy/code/)・内部通報制度として東洋製罐グループコンプライアンス相談窓口を設置し、ポスター掲示、携帯カード配布等により従業員に対して同相談窓口を周知・グループ全体のコンプライアンスに関する取り組みを統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置し、同委員会のもと、役員および従業員に対して教育研修を実施・コンプライアンスに対する意識や行動について再認識するための期間として、毎年10月をグループコンプライアンス推進月間と定め、啓発活動を実施・社内外のコンプライアンスに関する情報を取りまとめた「コンプライアンス通信」の定期的な発行のほか、電子メールやイントラネットを活用した情報の発信・周知を実施・国内の主要な子会社等において、会社毎のリスクを抽出・分析するために、コンプライアンスリスクマップを作成し、重点的に取組むべきリスクを選定、対策を立案・実施このほか、リスクが顕在化した場合に当社グループの継続的な事業活動に対する影響が特に大きいと想定される独占禁止法に関わる事項については、グループ会社の新任社長に対する法令遵守の注意喚起、定期的な規程等遵守状況の調査・確認や階層別教育研修の実施等により、コンプライアンス体制の一層の強化を図っております。加えて、毎年4月20日を「東洋製罐グループ独占禁止法違反風化防止の日」と定め、当社およびグループ会社の社長から当社グループの従業員に対して独占禁止法遵守に関するメッセージを発信し、独占禁止法違反の発生防止の徹底を図っております。また、腐敗防止に関わる事項については、規程等の見直しおよび周知、遵守体制整備状況の再確認、教育研修の実施等により、その発生防止に努めております。②人権侵害や差別当社グループや取引先のサプライチェーンにおける人権侵害や差別が発生した場合、または社会やステークホルダーからの人権に対する要求に対応しきれない場合、当社グループの社会的信頼が失われる懸念があります。これを防ぐために、当社グループでは、人権尊重の取り組みを推進し、その責務を果たしていく指針として、国際連合が定める「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく「東洋製罐グループ人権方針」を制定し、役員および従業員に対して周知を実施しているほか、当社グループ内での研修プログラムを実施し、人権に対する理解の定着を図っております。また、当社グループとともに持続可能な社会の実現を目指すために、取引先に遵守いただきたい事項を明記した「東洋製罐グループサプライヤーCSRガイドライン」を定め、取引先に周知するとともに、自己診断を依頼しております。加えて、当社はJaCER(一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構)に正会員として加盟しており、JaCERの提供する「対話救済プラットフォーム」を通じて、自社のみならずあらゆるステークホルダーを対象とした人権救済の取り組みを推進しております。(3)事業・経営リスク①経済状況の変化世界経済および日本経済における景気の後退あるいは停滞、少子高齢化の進行による人口減少や、それらにともなう個人消費の低迷は、売上高や利益の減少につながる懸念があります。②生産コストの変動為替や景気などの経済状況の変化等により、当社グループの事業活動に係る原材料・エネルギー価格や人件費・物流費などの生産コストが変動する場合、当社グループの業績および収益性に影響を及ぼします。当社グループでは、包装容器事業における金属製品やプラスチック製品を中心に、原材料価格に連動した売価設定を行う仕組みの導入を進めているほか、過去のコストアップ分も含めたエネルギー費や、上昇傾向にある人件費・物流費などのさらなる売価転嫁に努めておりますが、その達成状況および進捗の度合いによっては、当社グループの収益性が低下する懸念があります。③原材料の調達当社グループが調達している原材料は、輸入品はもとより、国内で調達している原材料にも海外由来の粗原料が利用されております。国際情勢の悪化や世界各地のサプライチェーンにおける自然災害・設備トラブル等にともなう国際物流の混乱などにより、原材料の調達が困難になった場合、当社グループの業績および収益性に影響を及ぼします。当社グループは、人びとの生活に欠かせない製品・サービスを安定的に提供するため、日頃より原材料の購入先の情報を幅広く収集し、調達先を分散するなど、安定調達の実現に努めております。④価格競争の激化当社グループが主として事業を展開する容器市場においては、競合他社との価格競争激化およびお得意先各社における容器の自社製造の拡大が続いており、当社グループの価格交渉力の低下や製品価格の下落傾向を強める懸念があります。当社グループは、消費者やお得意先などのニーズの変化を的確に捉え、あらゆる素材を取り扱う当社グループのシーズをもとに開発した多岐にわたる斬新で革新的な製品・サービスをもって、競合他社との差別化を図り、適正な利益水準を確保してまいります。⑤研究開発当社グループにとって、継続的かつ効果的な研究開発投資は不可欠なものである一方、その成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクを抱えております。特に新製品・新技術などの研究開発投資が今後十分なリターンを生み出さない場合や、グループ各社に蓄積された研究開発データが当社グループ内で十分に共有されず、新製品・新技術などの研究開発に活かされない場合には、当社グループの将来の成長性および収益性が低下する懸念があります。当社グループは多様化する市場ニーズに対応するため、当社綜合研究所、東洋製罐株式会社テクニカルセンターおよび東洋鋼鈑株式会社技術研究所などの研究部門により、次世代に向けた技術開発を目的として積極的に研究開発に取り組んでおります。また、研究開発案件ごとに定期的なモニタリングを実施しているほか、グループ内での技術交流などにより、グループ各社に蓄積された研究開発データを最大限活用できるよう努めております。⑥投融資(企業買収・資本参加・設備投資等)当社グループは、事業基盤の強化および事業の拡大を目的として、企業買収や資本参加等を積極的に実施しているほか、さらなる企業価値向上のために、生産・販売・研究開発の各分野において積極的かつ効果的な投資を行っておりますが、期待する成果が十分に得られなかった場合、当社グループの業績および収益性に大きな影響を与える懸念があります。投融資にかかるリスク管理として、当社は「投資管理委員会」を設置しており、当社および当社グループ会社における投融資の意思決定の手続きと判断基準を明確にし、投融資の実行後の評価と評価に基づく案件の継続・撤退の基準を設定するなど、精査を行っております。また、同委員会において、投融資を行った案件について定期的にモニタリングを行っており、当初の期待どおりの効果が得られず、グループ全体の収益性に対してマイナスに寄与するとみなされる案件については撤退の判断を行い、将来の収益性の低下リスクを低減することとしております。⑦デジタル化の推進当社グループは、デジタル技術の活用を通じたバリューチェーンの変革と事業領域の拡大を目指すため、生産システムの自律化や、業務プロセスの効率化を進めておりますが、これらの取り組みが遅れた場合、当社グループの将来の成長性および収益性が低下する懸念があります。当社グループでは、最新のデジタル技術やデータ基盤を最大限に活用することで、当社グループの「競争力の源泉」を更に進化させることを目指し、「Group Digital Vision 2030」を制定しております。「データ活用の高度化」を重要な戦略テーマの1つと捉え、社会により一層貢献する企業への変革を推進しております。⑧取引先の信用リスク当社グループの取引先の信用不安により、予期せぬ貸倒リスクが顕在化し、追加的な損失や引当金の計上が必要となる場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループの販売先は比較的信用リスクが低い顧客が多いものの、信用リスクの高い顧客においては、商社を通じた取引形態あるいは債権回収期間の短縮を行うほか、新規顧客との取引を開始する前には十分な信用調査を行うなど、リスクの低減に努めております。⑨人材確保と育成当社グループの将来にわたる持続的な成長と発展には有能なリーダーの存在の有無が大きな影響を与えるため、優秀な人材の確保と育成は当社グループの発展には不可欠なファクターであり、優秀な人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの将来の成長に好ましくない影響を与える懸念があります。優秀な人材の確保については、主要なグループ会社がそれぞれ行っていた大卒定期採用を、2021年4月入社よりグループ一括での採用に切り替え、グループとして優秀な人材の確保を目指すとともに、グループ事業の広がりの中でのキャリア形成を通じて、グループを牽引するリーダーの育成を図ります。これに加え、主要なグループ会社において、将来のリーダー候補を選抜し、研修と戦略的な人員配置の中で育成する中核人材マネジメントの仕組みを2017年度より導入しております。さらに、人材の流動性を高め、会社や組織を超えた連携を進めることで、組織の硬直化を防ぎ、風通しが良く多様性を受容する組織風土を醸成し、新たな価値創造をし続ける企業風土づくりと人材育成に取り組んでおります。また、日本国内の少子高齢化、生産労働人口の減少により人材確保が困難になってきており、必要な人材が確保できない場合には、当社グループの事業運営に影響を与える懸念があります。エンゲージメント向上や働き方改革を進めることで離職による人材の流出を防ぐとともに、デジタル化やAIを活用することで効率化、省人化を図り当社グループの事業運営を継続できる体制の構築に努めております。⑩訴訟のリスク当社グループが国内外で事業活動を遂行していくうえで、訴訟の対象となるリスクがあります。具体的には、契約上の債務不履行、製造する製品の欠陥にともなう製造物責任、役員および従業員との労働契約・関連法令にともなう責任および第三者の権利侵害などにより、損害賠償等の多大な費用を要する懸念があります。当社グループでは、これらの訴訟リスクを低減するため、契約書のひな型において当社グループが負担する法的責任を明確化しているほか、当社グループにおける各事業部門が法務部門等の専門部署および外部専門家と連携し、実際に訴訟を提起された場合の当社グループの業績および財務状況への影響を最小限化することに加え、グループ包括賠償保険の付保等を行っております。⑪海外ビジネス当社グループは、アジアや欧米などにおいてグローバルな事業展開を行っております。各国の事業環境の変化や、海外子会社におけるガバナンス体制の不備により、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループは、海外子会社の経営状況の迅速かつ正確な把握に努めるとともに、専門部署の関与による適時適切な改善施策を実施しております。(4)情報セキュリティリスク①個人情報の漏洩当社グループが保有する個人情報の保護についてはさまざまな対策を講じておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出する可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合、レピュテーションリスクが高まり、当社グループの信用もしくは評価が毀損され、業績等に影響を与える懸念があります。当社グループでは、情報管理に関する各種規程類を制定し、定期的に役員および従業員への教育および啓発活動を実施しております。また、当社は、情報管理体制の強化を目的として、グループの情報管理を横断的に統括する「グループ情報管理委員会」および当社の情報管理を統括する「情報管理委員会」を設置しております。②営業秘密・機密情報の漏洩当社グループが業務上知り得た営業秘密・機密情報等の保護についてはさまざまな対策を講じておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出した場合、レピュテーションリスクが高まり、当社グループの信用もしくは評価が毀損されるほか、業界における競争力および原材料の調達力を低下させる懸念があります。当社グループでは、情報管理に関する各種規程類を策定し、定期的に役員および従業員への教育および啓発活動を実施しております。また、当社は、情報管理体制の強化を目的として、グループの情報管理を横断的に統括する「グループ情報管理委員会」および当社の情報管理を統括する「情報管理委員会」を設置しております。③サイバー攻撃・ウイルス侵入悪意をもった第三者によるサイバー攻撃等を受けた場合、当社グループが利用しているシステムの停止や誤作動のほか、不正利用や情報漏洩等のセキュリティ上の問題が発生し、事業活動を維持することが困難になる懸念があります。当社グループでは、「グループ情報管理委員会」による継続的な現状把握および外部専門家との連携体制の整備を行うことで、当社グループが利用しているシステムを保護するためのセキュリティ対策等を推進しております。(5)財務・会計リスク①資金調達当社グループが事業活動を行う上で必要な資金調達が滞った場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループでは、一定レベルの手元現預金の確保と、資金調達先・調達手段の多様化による十分な流動性の確保に努めるとともに、適切な資金調達コストの管理を行っております。②会計基準および税制等の変更日本の会計基準は、国際的な基準との調和を図るべく改訂を重ねており、今後もこの方向で推移するものと予想されます。また、日本における国際財務報告基準の適用に向けた議論が進んでおります。このような状況のなか、将来における会計基準の変更は、当社グループの業績、財務状況および業務遂行に影響を与える懸念があります。また、日本および諸外国の税制等が改正される場合においても同様の可能性があります。当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同機構が行う研修会などへの参加により、継続的な情報収集活動を行うことで、会計基準等の内容を適切に把握し、その変更等について的確に対応できる体制を整備しております。(6)製造・品質リスク当社グループは厳格な品質管理基準に基づき多様な製品を製造・販売しておりますが、全ての製品について欠陥が皆無で、将来にわたり品質的なクレームや製造物責任が発生しないという保証はありません。こうした想定外の大規模な品質クレームや製造物責任によって多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が毀損される懸念があります。当社は、安全な製品やシステム・サービスの提供およびお客様・社会から信頼していただける企業グループとしての社会的行動の実践を図るべく、グループ各社では品質保証体制の継続的な改善に取り組んでおり、また、各社品質保証部門を統括する品質統括部を設置してグループ内における重大品質リスクの低減を推進しております。(7)環境リスク当社グループは、製造工程における環境負荷の低減に積極的に取り組んでおります。しかし、規制強化への対応や原材料価格の高騰により製造コストが増加する可能性がある一方、環境負荷の低減への取り組みが不十分な場合、レピュテーションリスクが高まり、事業活動に影響を及ぼす懸念があります。また、資源・環境制約の観点から国内外で循環経済への移行が進んでおり、包装容器への規制リスクが高まっております。特にプラスチック包装容器では、世界的な海洋プラスチックごみ問題などを背景に、シングルユース・プラスチック製品などへの規制が強化されるリスクがあります。当社グループはプラスチック包装容器を含むさまざまな素材の包装容器を製造・販売しており、今後の規制や顧客ニーズの変化などにより、当社グループ製品の製造・販売に影響が生じ、業績および財政状態に影響を与える懸念があります。これらのリスクに対し、当社グループは「環境配慮型製品・サービスの開発と提供」をマテリアリティの1つとして、当社グループの持続的な成長および地球環境に貢献する製品の開発に取り組んでおり、その取り組みは、当社ホームページ上で“Open Up! Products and Services”として公開しております。さらに、2030年に向けた環境目標“Eco Action Plan 2030”を制定し、事業活動やサプライチェーンでの温室効果ガス削減、プラスチック製包装容器の軽量化や代替素材への転換による化石資源の使用量の削減に取り組んでおります。 (8)カントリーリスク当社グループは、アジアや欧米などにおいてグローバルな事業展開を行っております。各地域におけるテロの発生、政情の悪化、経済状況の変動、為替の変動および予期せぬ法律・規制の変更等があった場合、当社グループの業績等に影響を与える懸念があります。当社グループは、進出している海外地域における非常事態発生時の危機対応については「グループ海外事業危機管理規程」に基づき判断しているほか、新たな海外事業進出にかかる意思決定段階および当該事業活動の推進段階においてカントリーリスクについて吟味し、推進可否を判断しております。
FY2024|8,773 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社およびグループ各社は、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまなリスクの発生を未然に防止し、当社およびグループ各社の経営基盤の安定化を図るとともに、危機が発生した場合に事業活動を早期に復旧し、継続させるために策定した「グループリスク及び危機管理規程」に基づき、リスクマネジメント体制の強化を推進しております。当社は、グループのリスク管理および危機管理ならびにコンプライアンスを横断的に統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置しており、同委員会は、重要リスクに関する情報の確認、改善および予防措置を講じております。当社およびグループ各社では、それぞれの管理体制のもとで危機管理規程や危機対応マニュアル等の策定、リスク管理状況のとりまとめなどを行っております。また、当社は、リスク・危機管理を統括する専門部門として「リスク危機管理統括室」を設置しており、グループとしての確固たるリスク・危機管理体制の構築を進めております。なお、以下のリスクが顕在化する可能性の程度や時期、リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。(1)自然災害・感染症・事故リスク①自然災害からの事業継続地震や台風などの大規模な自然災害や事故が発生し、当社グループや取引先の従業員や生産設備等に甚大な被害を与えた場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループでは、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまな自然災害・事故リスク等の発生時に被害を最小限に抑えるため、設備対応、事業継続計画(BCP)の策定、調達先の分散、生産拠点におけるバックアップ体制の構築・再配置、適正在庫の確保、保険への加入などの対応をとっております。②伝染病・感染症伝染病・感染症の蔓延などにより当社グループの事業活動やステークホルダーの行動が制限された場合や、衛生管理不足によるお得意先からの信用低下および風評リスクが発生した場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループでは、従業員の健康を守りながら当社グループの事業活動の確保に万全を期すため、公衆衛生面を中心に一定水準の感染防止対策を行うとともに、グループ横断的に感染症に関する情報伝達が可能なデータベースを構築し、感染症拡大時にはグループ全体で感染症リスク低減のための対策を行う体制を整えております。③労働災害・安全衛生労働関係法令の違反や労働災害の発生による操業停止などが発生した場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与えるほか、レピュテーションリスクが高まり、当社グループの継続的な事業活動に影響を及ぼす懸念があります。当社グループは、当社グループが遵守・実践すべき枠組みである「グループ企業行動規準」において、“安全と健康の確保”について明示し、労働関係法令の遵守と労働安全衛生管理を徹底することで、すべての人々が安心して働ける職場づくりを目指しております。(2)コンプライアンスリスク①コンプライアンス企業の社会的責任が近年ますます重要視されるなか、企業活動における遵法精神を徹底させるとともに、経営上のリスクを回避しながら経営資源を効率的かつ適正に配分していくことで業績を向上させていくことが求められております。当社グループにおいてもこうした状況を踏まえ、コンプライアンス体制の強化は最も重要な経営課題と認識し、その実現に向けてグループを挙げて努力しております。しかしながら、リスク管理体制の不備により企業の社会的責任を問われる事態が生じる可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合はレピュテーションリスクが高まり、当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損され、当社グループの継続的な事業活動に影響を及ぼす懸念があります。当社グループでは、コンプライアンス体制強化のため、以下の施策に取り組んでおります。・当社グループが遵守・実践すべき枠組みを示す「グループ企業行動憲章」および「グループ企業行動規準」を制定し、役員および従業員に対して周知・教育を実施(ご参考)「グループ企業行動憲章」および「グループ企業行動規準」(URL:https://www.tskg-hd.com/group/policy/code/)・内部通報制度として東洋製罐グループコンプライアンス相談窓口を設置し、ポスター掲示、携帯カード配布等により従業員に対して同相談窓口を周知・グループ全体のコンプライアンスに関する取り組みを統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置し、同委員会のもと、役員および従業員に対して教育研修を実施・コンプライアンスに対する意識や行動について再認識するための期間として、毎年10月をグループコンプライアンス推進月間と定め、啓発活動を実施・社内外のコンプライアンスに関する情報を取りまとめた「コンプライアンス通信」の定期的な発行のほか、電子メールやデータベースを活用した情報の発信・周知を実施・国内の重要な子会社等において、会社毎のリスクを抽出・分析するために、コンプライアンスリスクマップの作成を実施・法令遵守体制の一層の強化を図るため、毎年4月20日を「東洋製罐グループ独占禁止法違反風化防止の日」と定め、当社およびグループ会社の社長から当社グループの従業員に対して独占禁止法遵守に関するメッセージを発信このほか、リスクが顕在化した場合に当社グループの継続的な事業活動に対する影響が特に大きいと想定される独占禁止法に関わる事項については、グループ会社の新任社長に対する法令遵守の注意喚起、定期的な規程等遵守状況の調査・確認や階層別教育研修の実施等により、コンプライアンス体制の一層の強化と独占禁止法違反の発生防止の徹底を図っております。また、腐敗防止法に関わる事項については、規程等の見直しおよび周知、遵守体制整備状況再確認、教育研修の実施等により、発生防止に努めております。②人権侵害や差別当社グループや取引先のサプライチェーンにおける人権侵害や差別が発生した場合または社会やステークホルダーからの人権に対する要求に対応しきれない場合、当社グループの社会的信頼が失われる懸念があります。これを防ぐために、当社グループでは、人権尊重の取り組みを推進し、その責務を果たしていく指針として、国際連合が定める「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく「東洋製罐グループ人権方針」を制定し、役員および従業員に対して周知を実施しているほか、当社グループ内での研修プログラムを実施し、人権に対する理解の定着を図っております。また、「東洋製罐グループサプライヤーCSRガイドライン」を定め、取引先に周知し、取引先による自己診断をお願いしております。このガイドラインは、当社グループとともに持続可能な社会の実現を目指すため、取引先に守っていただきたい事項を明記しています。(3)事業・経営リスク①経済状況の変化世界経済および日本経済における景気の後退あるいは停滞、少子高齢化の進行による人口減少や、それらにともなう個人消費の低迷および為替の変動は、売上高や利益の減少につながる懸念があります。②生産コストの変動為替や景気などの経済状況の変化等により、当社グループの事業活動に係る原材料・エネルギー価格や人件費・物流費などの生産コストが変動する場合、当社グループの業績および収益性に影響を及ぼします。当社グループでは、包装容器事業における金属製品やプラスチック製品を中心に、原材料価格に連動した売価設定を行う仕組みの導入を進めているほか、過去のコストアップ分も含めたエネルギー費や、今後の上昇が見込まれる人件費・物流費などのさらなる売価転嫁に努めておりますが、その達成状況および進捗の度合いによっては、当社グループの収益性が低下する懸念があります。③原材料の調達当社グループが調達している原材料は、輸入品はもとより、国内で調達している原材料にも海外由来の粗原料が利用されております。国際情勢の悪化や世界各地のサプライチェーンにおける自然災害・設備トラブル等にともなう国際物流の混乱などにより、原材料の調達が困難になった場合、当社グループの業績および収益性に影響を及ぼします。当社グループは、人びとの生活に欠かせない製品・サービスを安定的に提供するため、日頃より原材料の購入先の情報を幅広く収集し、調達先を分散するなど、安定調達の実現に努めております。④価格競争の激化当社グループが主として事業を展開する容器市場においては、競合他社との価格競争激化およびお得意先各社における容器の自社製造の拡大が続いており、当社グループの価格交渉力の低下や製品価格の下落傾向を強める懸念があります。当社グループは、消費者やお得意先などのニーズの変化を的確に捉え、あらゆる素材を取り扱う当社グループのシーズをもとに開発した多岐にわたる斬新で革新的な製品・サービスをもって、競合他社との差別化を図り、適正な利益水準を確保してまいります。⑤研究開発当社グループにとって、継続的かつ効果的な研究開発投資は不可欠なものである一方、その成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクを抱えております。特に新製品・新技術などの研究開発投資が今後十分なリターンを生み出さない場合や、グループ各社に蓄積された研究開発データが当社グループ内で十分に共有されず、新製品・新技術などの研究開発に活かされない場合には、当社グループの将来の成長性および収益性が低下する懸念があります。当社グループは多様化する市場ニーズに対応するため、当社綜合研究所、東洋製罐株式会社テクニカルセンターおよび東洋鋼鈑株式会社技術研究所などの研究部門により、次世代に向けた技術開発を目的として積極的に研究開発に取り組んでおります。また、研究開発案件ごとに定期的なモニタリングを実施しているほか、グループ内での技術交流などにより、グループ各社に蓄積された研究開発データを最大限活用できるよう努めております。⑥投融資(企業買収・資本参加・設備投資等)当社グループは、事業基盤の強化および事業の拡大を目的として、企業買収や資本参加等を積極的に実施しているほか、さらなる企業価値向上のために、生産・販売・研究開発の各分野において積極的かつ効果的な投資を行っておりますが、期待する成果が十分に得られなかった場合、当社グループの業績および収益性に大きな影響を与える懸念があります。投融資にかかるリスク管理として、当社は「投資管理委員会」を設置しており、投融資の意思決定の手続きと判断基準を明確にし、投融資の実行後の評価と評価に基づく案件の継続・撤退の基準を設定するなど、精査を行っております。また、同委員会において、投融資を行った案件について定期的にモニタリングを行っており、当初の期待どおりの効果が得られず、グループ全体の収益性に対してマイナスに寄与するとみなされる案件については撤退の判断を行い、将来の収益性の低下リスクを低減することとしております。⑦デジタル化の推進当社グループは、デジタル技術の活用を通じたバリューチェーンの変革と事業領域の拡大を目指すため、生産システムの自律化や、業務プロセスの効率化を進めておりますが、これらの取り組みが遅れた場合、当社グループの将来の成長性および収益性が低下する懸念があります。当社グループでは、最新のデジタル技術やデータ基盤を最大限に活用することで、当社の「競争力の源泉」を更に進化させることを目指し、「Group Digital Vision 2030」を制定しております。「データ活用の高度化」を重要な戦略テーマの1つと捉え、社会により一層貢献する企業への変革を推進しております。⑧取引先の信用リスク当社グループの取引先の信用不安により、予期せぬ貸倒リスクが顕在化し、追加的な損失や引当金の計上が必要となる場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループの販売先は比較的信用リスクが低い顧客が多いものの、信用リスクの高い顧客においては、商社を通じた取引形態あるいは債権回収期間の短縮を行うほか、新規顧客との取引を開始する前には十分な信用調査を行うなど、リスクの低減に努めております。⑨人材確保と育成当社グループの将来にわたる継続的な成長と発展には有能なリーダーの存在の有無が大きな影響を与えるため、優秀な人材の確保と育成は当社グループの発展には不可欠なファクターであり、優秀な人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの将来の成長に好ましくない影響を与える懸念があります。優秀な人材の確保については、主要なグループ会社がそれぞれ行っていた大卒定期採用を、2021年4月入社よりグループ一括での採用に切り替え、グループとして優秀な人材の確保を目指すとともに、グループ事業の広がりの中でのキャリア形成を通じて、グループを牽引するリーダーの育成を図ります。これに加え、主要なグループ会社において、将来のリーダー候補を選抜し、研修と戦略的な人員配置の中で育成する中核人材マネジメントの仕組みを2017年度より導入しております。さらに、人材の流動性を高め、会社や組織を超えた連携を進めることで、組織の硬直化を防ぎ、風通しが良く多様性を受容する組織風土を醸成し、新たな価値創造をし続ける企業風土づくりと人材育成に取り組んでおります。⑩訴訟のリスク当社グループが国内外で事業活動を遂行していくうえで、訴訟の対象となるリスクがあります。具体的には、契約上の債務不履行、製造する製品の欠陥にともなう製造物責任、役員および従業員との労働契約・関連法令にともなう責任および第三者の権利侵害などにより、損害賠償等の多大な費用を要する懸念があります。当社グループでは、これらの訴訟リスクを低減するため、契約書のひな型において当社グループが負担する法的責任を明確化しているほか、当社グループにおける各事業部門が法務部門等の専門部署および外部専門家と連携し、実際に訴訟を提起された場合の当社グループの業績および財務状況への影響を最小限化することに加え、グループ包括賠償保険の付保等を行っております。⑪海外ビジネス当社グループは、アジアや欧米などにおいてグローバルな事業展開を行っております。各国の事業環境の変化や、海外子会社におけるガバナンス体制の不備により、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループは、海外子会社の経営状況の迅速かつ正確な把握に努めるとともに、専門部署の関与による適時適切な改善施策を実施しております。(4)情報セキュリティリスク①個人情報の漏洩当社グループが保有する個人情報の保護についてはさまざまな対策を講じておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出する可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合、当社グループの信用もしくは評価が毀損され、業績等に影響を与える懸念があります。当社グループでは、情報管理に関する各種規程類を策定し、定期的に役員および従業員への教育および啓発活動を実施しております。また、当社は、情報管理体制の強化を目的として、グループの情報管理を横断的に統括する「グループ情報管理委員会」および当社の情報管理を統括する「情報管理委員会」を設置しております。②営業秘密・機密情報の漏洩当社グループが業務上知り得た営業秘密・機密情報等の保護についてはさまざまな対策を講じておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出した場合、当社グループの信用もしくは評価が毀損されるほか、業界における競争力を低下させる懸念があります。当社グループでは、情報管理に関する各種規程類を策定し、定期的に役員および従業員への教育および啓発活動を実施しております。また、当社は、情報管理体制の強化を目的として、グループの情報管理を横断的に統括する「グループ情報管理委員会」および当社の情報管理を統括する「情報管理委員会」を設置しております。③サイバー攻撃・ウイルス侵入悪意をもった第三者によるサイバー攻撃等を受けた場合、当社グループが利用しているシステムの停止や誤作動のほか、不正利用や情報漏洩等のセキュリティ上の問題が発生し、事業活動を維持することが困難になる懸念があります。当社グループでは、「グループ情報管理委員会」による継続的な現状把握および外部専門家との連携体制の整備を行うことで、当社グループが利用しているシステムを保護するためのセキュリティ対策等を推進しております。(5)財務・会計リスク①資金調達当社グループが事業活動を行う上で必要な資金調達が滞った場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループでは、一定レベルの手元現預金の確保と、資金調達先・調達手段の多様化による十分な流動性の確保に努めるとともに、適切な資金調達コストの管理を行っております。②会計基準および税制等の変更日本の会計基準は、国際的な基準との調和を図るべく改訂を重ねており、今後もこの方向で推移するものと予想されます。また、日本における国際財務報告基準の適用に向けた議論が進んでいます。このような状況のなか、将来における会計基準の変更は、当社グループの業績、財務状況および業務遂行に影響を与える懸念があります。また、日本および諸外国の税制等が改正される場合においても同様の可能性があります。当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同機構が行う研修会などに参加し、継続的な情報収集活動を行うことで、会計基準等の内容を適切に把握し、その変更等について的確に対応できる体制を整備しております。(6)製造・品質リスク当社グループは厳格な品質管理基準に基づき多様な製品を製造・販売しておりますが、全ての製品について欠陥が皆無で、将来にわたり品質的なクレームや製造物責任が発生しないという保証はありません。こうした想定外の大規模な品質クレームや製造物責任によって多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が毀損される懸念があります。当社は、安全な製品やシステム・サービスの提供およびお客様・社会から信頼していただける企業グループとしての社会的行動の実践を図るべく、グループ各社の品質管理部門を統括する品質統括部を設置しており、グループ内における重大品質リスクの低減を推進しております。(7)環境リスク当社グループは、製造工程における環境負荷の低減に積極的に取り組んでおりますが、これにより製造コストが増加する可能性があるほか、当社グループの企業活動に起因する想定外の環境問題が発生した場合、対応に多額のコストを要する可能性や、当社グループの業績および財政状態に影響を与える懸念があります。また、昨今の世界的な海洋プラスチックごみ問題を受けて、プラスチック製品の削減に関する世論が高まっております。当社グループにおいても、プラスチック製包装容器を製造・販売しており、連結売上高のおよそ5分の1を占めております。今後の状況の変化により、これらの製品の販売に影響が出る可能性があり、結果として当社グループの業績および財政状態に影響を与える懸念があります。これらのリスクに対応するため、当社グループでは「環境配慮型製品・サービスの開発と提供」をマテリアリティの1つとし、当社グループおよび地球環境に貢献する製品の開発に取り組んでおり、これらの取り組みは、当社ホームページ上で“Open Up! Products and Services”として公開されています。また、2030年に向けた環境目標“Eco Action Plan 2030”を制定し、事業活動やサプライチェーンでの温室効果ガス削減に取り組むほか、プラスチック製包装容器の軽量化や代替素材への転換を進めることで、化石資源の使用量の削減に取り組んでおります。(8)カントリーリスク当社グループは、アジアや欧米などにおいてグローバルな事業展開を行っております。各地域におけるテロの発生、政情の悪化、経済状況の変動、為替の変動および予期せぬ法律・規制の変更等があった場合、当社グループの業績等に影響を与える懸念があります。当社グループは、進出している海外地域における非常事態発生時の危機対応については「グループ海外事業危機管理規程」に基づき判断しているほか、新たな海外事業進出にかかる意思決定段階および当該事業活動の推進段階においてカントリーリスクについて吟味し、推進可否を判断しております。
FY2023|8,932 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社およびグループ各社は、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまなリスクの発生を未然に防止し、当社およびグループ各社の経営基盤の安定化を図るとともに、危機が発生した場合に事業活動を早期に復旧し、継続させるために策定した「グループリスク及び危機管理規程」に基づき、リスクマネジメント体制の強化を推進しております。当社は、グループのリスク管理および危機管理ならびにコンプライアンスを横断的に統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置しており、同委員会は、重要リスクに関する情報の確認、改善および予防措置を講じております。当社およびグループ各社では、それぞれの管理体制のもとで危機管理規程や危機対応マニュアル等の策定、リスク管理状況のとりまとめなどを行っております。また、当社は、リスク・危機管理を統括する専門部門として「リスク危機管理統括室」を設置しており、グループとしての確固たるリスク・危機管理体制の構築を進めております。なお、以下のリスクが顕在化する可能性の程度や時期、リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。(1)天候・自然災害・事故・感染症リスク当社グループの主力事業である飲料容器事業においては、その事業の性質上、需要期の天候が業績に重大な影響を及ぼします。飲料容器の需要がピークを迎える上半期において、冷夏や長梅雨などの予想しにくい気象状況の変動や、予期せぬ自然災害の発生等に起因する需要の減少が、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を与えることになります。また、地震や台風などの大規模な自然災害や事故が発生し、当社グループの生産設備等に甚大な被害を与えた場合や、感染症の蔓延などにより当社グループの生産活動やステークホルダーの行動が制限された場合に、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループでは、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまな自然災害・事故リスク等の発生時に被害を最小限に抑えるため、設備対応、調達先の分散、生産拠点におけるバックアップ体制の構築、適正在庫の確保などの対応をとっております。また、新型コロナウイルス感染症をはじめとした感染症リスクについては、従業員の健康を守りながら当社グループの事業活動の確保に万全を期すため、公衆衛生面を中心に一定水準の感染防止対策を行うとともに、グループ横断的に感染症に関する情報伝達が可能なデータベースを構築し、感染症拡大時にはグループ全体で感染症リスク低減のための対策を行う体制を整えております。(2)コンプライアンスリスク企業の社会的責任が近年ますます重要視されるなか、企業活動における遵法精神を徹底させるとともに、経営上のリスクを回避しながら経営資源を効率的かつ適正に運用していくことで業績を向上させていくことが求められております。当社グループにおいてもこうした状況を踏まえ、コンプライアンス体制の強化は最も重要な経営課題と認識し、その実現に向けてグループを挙げて努力しております。しかしながら、リスク管理体制の不備により企業の社会的責任を問われる事態が生じる可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合はレピュテーションリスクが高まり、当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損され、当社グループの継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループでは、コンプライアンス体制強化のため、以下の施策に取り組んでおります。・当社グループが遵守・実践すべき枠組みを示す「グループ企業行動憲章」および「グループ企業行動規準」を制定し、役員および従業員に対して周知・教育を実施(ご参考)「グループ企業行動憲章」および「グループ企業行動規準」(URL:https://www.tskg-hd.com/group/policy/code/)・人権尊重の取り組みを推進し、その責務を果たしていく指針として、国際連合が定める「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく、「東洋製罐グループ人権方針」を制定し、役員および従業員に対して周知を実施(ご参考)「東洋製罐グループ人権方針」(URL:https://www.tskg-hd.com/csr/social/human_rights/)・内部通報制度である東洋製罐グループコンプライアンス相談窓口を設置し、ポスター掲示、携帯カード配布等により従業員に対して周知・グループ全体のコンプライアンスに関する取り組みを統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置し、同委員会のもと、役員および従業員に対して教育研修を実施・コンプライアンスに対する意識や行動について再認識するための期間として、毎年10月をグループコンプライアンス推進月間と定め、啓発活動を実施・社内外のコンプライアンスに関する情報を取りまとめた「コンプライアンス通信」の定期的な発行のほか、電子メールやデータベースを活用した情報の発信・周知を実施このほか、リスクが顕在化した場合に当社グループの継続的な事業活動に対する影響が特に大きいと想定される独占禁止法に関わる事項については、グループ会社の新任社長に対する法令遵守の注意喚起、定期的な規程等遵守状況の調査・確認や階層別教育研修の実施等により、コンプライアンス体制の一層の強化と発生防止の徹底を図っております。また、腐敗防止法に関わる事項については、規程等の見直しおよび周知、遵守体制整備状況再確認、教育研修の実施等により、発生防止に努めております。(3)事業・経営リスク①経済状況の変化世界経済および日本経済における景気の後退あるいは停滞、少子高齢化の進行による人口減少や、それらにともなう個人消費の低迷および為替の変動は、売上高や利益の減少につながる懸念があります。②原材料・エネルギー価格の変動当社グループが製造販売する製品は、原価に占める原材料・エネルギー費用の割合が大きく、為替変動の影響によるものも含め、その価格変動が当社グループの業績および収益性に影響を及ぼします。当社グループでは、金属製品やプラスチック製品を中心に、原材料価格に連動した売価設定を行う仕組みの導入を進めており、原材料価格の変動リスクの低減に努めておりますが、その達成状況および進捗の度合いによっては、当社グループの収益性が低下する懸念があります。③原材料の調達当社グループが調達している原材料は、輸入品はもとより、国内で調達している原材料にも海外由来の粗原料が利用されております。国際情勢の悪化や世界各地のサプライチェーンにおける自然災害・設備トラブル等にともなう国際物流の混乱などにより、原材料の調達が困難になった場合、当社グループの業績および収益性に影響を及ぼします。人びとの生活に欠かせない製品・サービスを安定的に提供するため、日頃より原材料の購入先の情報を幅広く収集し、複数社購買の推進など、安定調達の実現に努めております。④価格競争の激化当社グループが主として事業を展開する容器市場においては、競合他社との価格競争激化およびお得意先各社における容器の自社製造の拡大が続いており、当社グループの価格交渉力の低下や製品価格の下落傾向を強める懸念があります。当社グループは、消費者やお得意先などのニーズの変化を的確に捉え、あらゆる素材を取り扱う当社のシーズをもとに開発した多岐にわたる斬新で革新的な製品・サービスをもって、競合他社との差別化を図り、適正な利益水準を確保してまいります。⑤研究開発当社グループにとって、継続的かつ効果的な研究開発投資は不可欠なものである一方、その成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクを抱えております。特に新製品・新技術などの研究開発投資が今後十分なリターンを生み出さない場合や、グループ各社に蓄積された研究開発データが当社グループ内で十分に共有されず、新製品・新技術などの研究開発に活かされない場合には、当社グループの将来の成長性および収益性を低下させる懸念があります。当社グループは多様化する市場ニーズに対応するため、当社綜合研究所、東洋製罐株式会社テクニカルセンターおよび東洋鋼鈑株式会社技術研究所などの研究部門により、次世代に向けた技術開発を目的として積極的に研究開発に取り組んでおります。また、グループ内での技術交流などにより、グループ各社に蓄積された研究開発データを最大限活用できるよう努めております。⑥投融資(企業買収・資本参加・設備投資等)当社グループは、事業基盤の強化および事業の拡大を目的として、企業買収や資本参加等を積極的に実施しているほか、さらなる企業価値向上のために、生産・販売・研究開発の各分野において積極的かつ効果的な投資を行っておりますが、期待する成果が十分に得られなかった場合、当社グループの業績および収益性に大きな影響を与える懸念があります。投融資にかかるリスク管理として、当社は「投資管理委員会」を設置しており、投融資の意思決定の手続きと判断基準を明確にし、実行後の評価と評価に基づく案件の継続・撤退の基準を設定するなど、精査を行っております。また、同委員会において、投融資を行った案件について定期的にモニタリングを行っており、当初の期待どおりの効果が得られず、グループ全体の収益性に対してマイナスに寄与するとみなされる案件については撤退の判断を行い、将来の収益性の低下リスクを低減することとしております。⑦取引先の信用リスク当社グループの取引先の信用不安により、予期せぬ貸倒リスクが顕在化し、追加的な損失や引当金の計上が必要となる場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループの販売先は比較的信用リスクが低い顧客が多いものの、信用リスクの高い顧客においては、商社を通じた取引形態あるいは債権回収期間の短縮を行うほか、新規顧客との取引を開始する前には十分な信用調査を行うなど、リスクの低減に努めております。⑧人材確保と育成当社グループの将来にわたる継続的な成長と発展には有能なリーダーの存在の有無が大きな影響を与えるため、優秀な人材の確保と育成は当社グループの発展には不可欠なファクターであり、優秀な人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの将来の成長に好ましくない影響を与える懸念があります。優秀な人材の確保については、主要なグループ会社がそれぞれ行っていた大卒定期採用を、2021年4月入社よりグループ一括での採用に切り替え、グループとして優秀な人材の確保を目指すとともに、グループ事業の広がりの中でのキャリア形成を通じて、グループを牽引するリーダーの育成を図ります。これに加え、主要なグループ会社において、将来のリーダー候補を選抜し、研修と戦略的な配置の中で育成する中核人材マネジメントの仕組みを2017年度より導入しております。さらに、人材の流動性を高め、会社や組織を超えた連携を進めることで、組織の硬直化を防ぎ風通しのよい組織風土を醸成し、新たな価値創造をし続ける企業風土づくりと人材育成に取り組んでおります。⑨同意なき企業買収当社は株式公開会社であるため、当社株式を公開買付けまたは市場取引等で大量に取得する者が現われる可能性があります。当社グループの企業価値および株主共同の利益を毀損することが明らかな同意なき企業買収が行われた場合、当社グループの業績、財務状況および経営に好ましくない影響を与える懸念があります。当社は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として、中期経営計画・資本収益性向上に向けた取り組みおよびコーポレート・ガバナンスの強化等の各施策を遂行しており、また、それらの取組みをIR・SR活動などで積極的に開示し、企業価値の向上を図ることで、同意なき企業買収リスクの低減に務めております。当社は、同意なき企業買収が行われる場合、株主の皆様が当該大規模買付行為の是非を適切に判断する為に必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様が検討する為に必要な時間と情報の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。⑩訴訟のリスク当社グループが国内外で事業活動を遂行していくうえで、訴訟の対象となるリスクがあります。具体的には、契約上の債務不履行、製造する製品の欠陥にともなう製造物責任、役員および従業員との労働契約・関連法令にともなう責任および第三者の権利侵害などにより、損害賠償等の多大な費用を要する可能性があります。当社グループでは、これらの訴訟リスクを低減するため、契約のひな型において当社グループが負担する法的責任の明確化、当社グループにおける各事業部門が法務部門等の専門部署および外部専門家と連携し、実際に訴訟を提起された場合の当社グループの業績および財務状況への影響を最小限化するほか、グループ包括賠償保険の付保等を行っております。(4)情報セキュリティリスク当社グループが保有する個人情報および業務上知り得た情報等の保護についてはさまざまな対策を講じておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出する可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合、当社グループの信用もしくは評価が毀損され、業績等に影響を与える懸念があります。また、悪意をもった第三者によるサイバー攻撃等を受けた場合、当社グループが利用しているシステムの停止や誤作動のほか、不正利用や情報漏洩等のセキュリティ上の問題が発生し、事業活動を維持することが困難になる可能性があります。当社グループでは、情報管理に関する各種規程類を策定し、定期的に役員および従業員への教育および啓発活動を実施しているほか、コンピュータシステムについては、情報を保護するための継続的なセキュリティ対策等を推進しております。また、当社は、情報管理体制の強化を目的として、グループの情報管理を横断的に統括する「グループ情報管理委員会」および当社の情報管理を統括する「情報管理委員会」を設置しております。 (5)財務・会計リスク①減損会計当社グループが保有する固定資産について、稼働率、収益性の低下等により減損損失を認識すべきであると判定した場合、相当程度の減損損失を計上することが予測され、当社グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える懸念があります。②退職給付債務当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。今後、長期金利が低下した場合および年金資産の運用利回りの悪化が生じた場合には、当社グループの収益性、業績を悪化させることになります。③繰延税金資産当社グループでは、将来減算一時差異等に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討して計上しておりますが、将来の課税所得が予測と異なり、繰延税金資産の修正が必要となる場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。④会計基準および税制等の変更日本の会計基準は、国際的な基準との調和を図るべく改訂を重ねており、今後もこの方向で推移するものと予想されます。また、日本における国際財務報告基準の適用に向けた議論が進んでいます。このような状況のなか、将来における会計基準の変更は、当社グループの業績、財務状況および業務遂行に影響を与える可能性があります。また、日本および諸外国の税制等が改正される場合においても同様の可能性があります。当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同機構が行う研修会などに参加し、継続的な情報収集活動を行うことで、会計基準等の内容を適切に把握し、その変更等について的確に対応できる体制を整備しております。⑤保有資産の価格変動当社グループの保有する土地や有価証券等の資産価値が下落することにより、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。政策保有株式については、当社は、当社グループが成長し企業価値を高めていくために、事業活動における様々な取引関係の維持・強化を目的として保有する方針としております。保有の合理性を検証する方法につきましては、取締役会等において、保有にともなう便益やリスクが資本コストに見合っているか等を確認することとしており、検証の結果、保有意義が希薄と判断された銘柄については、縮減を図る方針としております。また、便益を定量的に把握しにくい銘柄については、保有目的等の定性的な情報も検証しております。(6)製造・品質リスク当社グループは厳格な品質管理基準に基づき多様な製品を製造・販売しておりますが、全ての製品について欠陥が皆無で、将来にわたり品質的なクレームや製造物責任が発生しないという保証はありません。こうした想定外の大規模な品質クレームや製造物責任によって多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が毀損される懸念があります。当社は、安全な製品やシステム・サービスの提供およびお客様・社会から信頼していただける企業グループとしての社会的行動の実践を図るべく、グループ各社の品質管理部門を統括する品質統括部を設置しており、グループ内における重大品質リスクの低減を推進しております。(7)環境リスク当社グループの製品の製造工程における環境負荷低減への取り組みが、製造コストを押し上げることや、当社グループの企業活動に起因する想定外の環境問題が発生することにより、多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損される懸念があります。昨今の全世界的な海洋プラスチックごみ問題を起点として、プラスチック製品の削減に関する世論が高まっております。当社グループにおいても、プラスチック製包装容器を製造・販売しており、連結売上高のおよそ5分の1を占めておりますが、今後の状況の変化によっては販売への影響が懸念され、ひいては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループでは、環境に関するリスクと機会の把握・見直しを定期的に行うことで、想定外の環境問題発生の低減に努めております。気候変動がもたらすリスクと機会が当社グループに与える影響についての検討を深めるため、2021年7月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同表明を行い、2022年5月にTCFD 提言に基づく情報開示を行いました。また、2023年3月には、シナリオ分析の対象事業を拡充し、分析結果の一部をアップデートしました。開示内容は当社ホームページよりご覧いただけます(URL:https://www.tskg-hd.com/csr/environment/climate_change/)。また、当社グループは、2030年を見据えた環境目標である「Eco Action Plan 2030」を2019年に策定し、中長期的な環境負荷削減に対するグループ全体での取り組みを遂行しており、2023年7月に、2030 年に向けて定めた温室効果ガス出量削減目標において、 SBT イニシアチブ※から「1.5℃目標」としての認定を取得いたしました。また、脱プラスチック問題に関しては、国のプラスチック資源循環戦略に則したプラスチック製包装容器の軽量化や代替素材への転換などの施策に取り組んでおります。※ SBTイニシアチブ…企業のGHG(温室効果ガス)削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ(8)カントリーリスク当社グループは、2023年3月末現在、連結子会社72社のうち海外会社は33社、非連結子会社・関連会社・関連会社の子会社も含めるとグループ全体で94社のうち49社がアジアや欧米などにおいてグローバルな事業展開を行っております。海外子会社におけるガバナンス体制の不備や、各地域におけるテロの発生、政情の悪化、経済状況の変動、為替の変動および予期せぬ法律・規制の変更等があった場合、当社グループの業績等に影響を与える懸念があります。当社グループは、進出している海外地域における非常事態発生時の危機対応については「グループ海外事業危機管理規程」に基づき判断しているほか、新たな海外事業進出にかかる意思決定段階および当該事業活動の推進段階においてカントリーリスクについて吟味し、推進可否を判断しております。ウクライナ情勢等の影響につきましては、間接的には「(3)事業・経営リスク③原材料の調達」に記載のとおり、原材料の調達に影響を及ぼす可能性がありますが、直接的に当社グループの業績に与える影響はほぼないと見込んでおります。
FY2022|8,884 文字
2【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社およびグループ各社は、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまなリスクの発生を未然に防止し、当社およびグループ各社の経営基盤の安定化を図るとともに、危機が発生した場合に事業活動を早期に復旧し、継続させるために策定した「グループリスク及び危機管理規程」に基づき、リスクマネジメント体制の強化を推進しております。当社は、グループのリスク管理および危機管理ならびにコンプライアンスを横断的に統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置しており、同委員会は、重要リスクに関する情報の確認、改善および予防措置を講じております。当社およびグループ各社では、それぞれの管理体制のもとで危機管理規程や危機対応マニュアル等の策定、リスク管理状況のとりまとめなどを行っております。また、当社は、リスク・危機管理を統括する専門部門として「リスク危機管理統括室」を設置しており、グループとしての確固たるリスク・危機管理体制の構築を進めております。なお、以下のリスクが顕在化する可能性の程度や時期、リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。(1)天候・自然災害・事故・感染症リスク当社グループの主力事業である飲料容器事業においては、その事業の性質上、需要期の天候が業績に重大な影響を及ぼします。飲料容器の需要がピークを迎える上半期において、冷夏や長梅雨などの予想しにくい気象状況の変動や、予期せぬ自然災害の発生等に起因する需要の減少が、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を与えることになります。また、地震や台風などの大規模な自然災害や事故が発生し、当社グループの生産設備等に甚大な被害を与えた場合や、感染症の蔓延などにより当社グループの生産活動やステークホルダーの行動が制限された場合に、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響につきましては、イベント・レジャー・外食産業等のほか、オフィス周辺における消費の低迷による需要減の影響などが引き続き懸念されております。当社グループでは、当社およびグループ各社の役員等で構成される新型コロナウイルス危機対策会議をグループ横断的に適宜開催し、また、データベースを通して感染情報や政府の対応などを毎営業日共有することで、海外子会社を含む当社グループ全体を包括した対策を展開しております。従業員の健康を守りながら、社会機能維持として欠かせない飲料・食品・生活用品に携わる当社グループの事業活動に万全を期するため、同会議のもと、本社および営業所等において在宅勤務を推進したほか、各工場の操業においては感染防止策を徹底するなど、感染拡大の防止を図っております。当社グループでは、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまな自然災害・事故リスク等の発生時に被害を最小限に抑えるため、設備対応、調達先の分散、生産拠点におけるバックアップ体制の構築、適正在庫の確保などの対応をとっております。(2)コンプライアンスリスク企業の社会的責任が近年ますます重要視されるなか、企業活動における遵法精神を徹底させるとともに、経営上のリスクを回避しながら経営資源を効率的かつ適正に運用していくことで業績を向上させていくことが求められております。当社グループにおいてもこうした状況を踏まえ、コンプライアンス体制の強化は最も重要な経営課題と認識し、その実現に向けてグループを挙げて努力しております。しかしながら、リスク管理体制の不備により企業の社会的責任を問われる事態が生じる可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合はレピュテーションリスクが高まり、当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損され、当社グループの継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループでは、コンプライアンス体制強化のため、以下の施策に取り組んでおります。・当社グループが遵守・実践すべき枠組みを示す「グループ企業行動憲章」および「グループ企業行動規準」を制定し、役員および従業員に対して周知・教育を実施(ご参考)「グループ企業行動憲章」および「グループ企業行動規準」(URL:https://www.tskg-hd.com/group/policy/code/)・人権尊重の取り組みを推進し、その責務を果たしていく指針として、国際連合が定める「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく、「東洋製罐グループ人権方針」を制定し、役員および従業員に対して周知を実施(ご参考)「東洋製罐グループ人権方針」(URL:https://www.tskg-hd.com/csr/social/human_rights/)・内部通報制度である東洋製罐グループコンプライアンス相談窓口を設置し、ポスター掲示、携帯カード配布等により従業員に対して周知・グループ全体のコンプライアンスに関する取り組みを統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置し、同委員会のもと、役員および従業員に対して教育研修を実施・コンプライアンスに対する意識や行動について再認識するための期間として、毎年10月をグループコンプライアンス推進月間と定め、啓発活動を実施・社内外のコンプライアンスに関する情報を取りまとめた「コンプライアンス通信」の定期的な発行のほか、電子メールやデータベースを活用した情報の発信・周知を実施このほか、リスクが顕在化した場合に当社グループの継続的な事業活動に対する影響が特に大きいと想定される独占禁止法に関わる事項については、定期的な規程等遵守状況の調査・確認や教育研修の実施等により、コンプライアンス体制の一層の強化と発生防止の徹底を図っております。(3)事業・経営リスク①経済状況の変化世界経済および日本経済における景気の後退あるいは停滞、少子高齢化の進行による人口減少や、それらにともなう個人消費の低迷および為替の変動は、売上高や利益の減少につながる懸念があります。②原材料・エネルギー価格の変動当社グループが製造販売する製品は、原価に占める原材料・エネルギー費用の割合が大きく、為替変動の影響によるものも含め、その価格変動が当社グループの業績および収益性に影響を及ぼします。当社グループでは、金属製品やプラスチック製品を中心に、原材料価格に連動した売価設定を行う仕組みの導入を進めており、原材料価格の変動リスクの低減に努めておりますが、その達成状況および進捗の度合いによっては、当社グループの収益性が低下する懸念があります。③原材料の調達当社グループが調達している原材料は、輸入品はもとより、国内で調達している原材料にも海外由来の粗原料が利用されております。国際情勢の悪化や世界各地のサプライチェーンにおける自然災害・設備トラブル等にともなう国際物流の混乱などにより、原材料の調達が困難になった場合、当社グループの業績および収益性に影響を及ぼします。人びとの生活に欠かせない製品・サービスを安定的に提供するため、日頃より原材料の購入先の情報を幅広く収集し、複数社購買の推進など、安定調達の実現に努めております。④価格競争の激化当社グループが主として事業を展開する容器市場においては、競合他社との価格競争激化およびお得意先各社における容器の自社製造の拡大が続いており、当社グループの価格交渉力の低下や製品価格の下落傾向を強める懸念があります。当社グループは、消費者やお得意先などのニーズの変化を的確に捉え、あらゆる素材を取り扱う当社のシーズをもとに開発した多岐にわたる斬新で革新的な製品・サービスをもって、競合他社との差別化を図り、価格競争力を強化してまいります。⑤研究開発当社グループにとって、継続的かつ効果的な研究開発投資は不可欠なものである一方、その成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクを抱えております。特に新製品・新技術などの研究開発投資が今後十分なリターンを生み出さない場合や、社内に蓄積されたデータが新製品・新技術などの研究開発に活かされない場合には、当社グループの将来の成長性および収益性を低下させる懸念があります。当社グループは多様化する市場ニーズに対応するため、当社綜合研究所、東洋製罐株式会社テクニカルセンターおよび東洋鋼鈑株式会社技術研究所などの研究部門により、次世代に向けた技術開発を目的として積極的に研究開発に取り組んでおります。⑥投融資(企業買収・資本参加・設備投資等)当社グループは、事業基盤の強化および事業の拡大を目的として、企業買収や資本参加等を積極的に実施しているほか、さらなる企業価値向上のために、生産・販売・研究開発の各分野において積極的かつ効果的な投資を行っておりますが、期待する成果が十分に得られなかった場合、当社グループの業績および収益性に大きな影響を与える懸念があります。投融資にかかるリスク管理として、当社は「投資管理委員会」を設置しており、投融資の意思決定の手続きと判断基準を明確にし、実行後の評価と評価に基づく案件の継続・撤退の基準を設定するなど、精査を行っております。また、同委員会において、投融資を行った案件について定期的にモニタリングを行っており、当初の期待どおりの効果が得られず、グループ全体の収益性に対してマイナスに寄与するとみなされる案件については撤退の判断を行い、将来の収益性の低下リスクを低減することとしております。⑦取引先の信用リスク当社グループの取引先の信用不安により、予期せぬ貸倒リスクが顕在化し、追加的な損失や引当金の計上が必要となる場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループの販売先は比較的信用リスクが低い顧客が多いものの、信用リスクの高い顧客においては、商社を通じた取引形態あるいは債権回収期間の短縮を行うほか、新規顧客との取引を開始する前には十分な信用調査を行うなど、リスクの低減に努めております。⑧人材確保と育成当社グループの将来にわたる継続的な成長と発展には有能なリーダーの存在の有無が大きな影響を与えるため、優秀な人材の確保と育成は当社グループの発展には不可欠なファクターであり、優秀な人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの将来の成長に好ましくない影響を与える懸念があります。優秀な人材の確保については、主要なグループ会社がそれぞれ行っていた大卒定期採用を、2021年4月入社よりグループ一括での採用に切り替え、グループとして優秀な人材の確保を目指すとともに、グループ事業の広がりの中でのキャリア形成を通じて、グループを牽引するリーダーの育成を図ります。これに加え、主要なグループ会社において、将来のリーダー候補を選抜し、研修と戦略的な配置の中で育成する中核人材マネジメントの仕組みを2017年度より導入しております。さらに、人材の流動性を高め、会社や組織を超えた連携を進めることで、組織の硬直化を防ぎ風通しのよい組織風土を醸成し、新たな価値創造をし続ける企業風土づくりと人材育成に取り組んでおります。⑨敵対的企業買収当社は株式公開会社であるため、当社株式を公開買付けまたは市場取引等で大量に取得する者が現われる可能性があります。当社グループの企業価値および株主共同の利益を毀損することが明らかな敵対的企業買収が行われた場合、当社グループの業績、財務状況および経営に好ましくない影響を与える懸念があります。当社は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として、中期経営計画およびコーポレート・ガバナンスの強化等の各施策を遂行しており、また、それらの取組みをIR・SR活動などで積極的に開示し、企業価値の向上を図ることで、敵対的企業買収リスクの低減に務めております。当社は、敵対的企業買収が行われる場合、株主の皆様が当該大規模買付行為の是非を適切に判断する為に必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様が検討する為に必要な時間と情報の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。⑩訴訟のリスク当社グループが国内外で事業活動を遂行していくうえで、訴訟の対象となるリスクがあります。具体的には、契約上の債務不履行、製造する製品の欠陥にともなう製造物責任、役員および従業員との労働契約・関連法令にともなう責任および第三者の権利侵害などにより、損害賠償等の多大な費用を要する可能性があります。当社グループでは、これらの訴訟リスクを低減するため、契約のひな型において当社グループが負担する法的責任の明確化、当社グループにおける各事業部門が法務部門等の専門部署および外部専門家と連携し、実際に訴訟を提起された場合の当社グループの業績および財務状況への影響を最小限化するほか、グループ包括賠償保険の付保等を行っております。(4)情報セキュリティリスク当社グループが保有する個人情報および業務上知り得た情報等の保護についてはさまざまな対策を講じておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出する可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合、当社グループの信用もしくは評価が毀損され、業績等に影響を与える懸念があります。当社グループでは、情報管理に関する各種規程類を策定し、定期的に役員および従業員への教育および啓発活動を実施しているほか、コンピュータシステムについては情報を保護するための各種対策を取っております。また、当社は、情報管理体制の強化を目的として、グループの情報管理を横断的に統括する「グループ情報管理委員会」および当社の情報管理を統括する「情報管理委員会」を設置しております。(5)財務・会計リスク①減損会計当社グループが保有する固定資産について、稼働率、収益性の低下等により減損損失を認識すべきであると判定した場合、相当程度の減損損失を計上することが予測され、当社グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える懸念があります。②退職給付債務当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。今後、長期金利が低下した場合および年金資産の運用利回りの悪化が生じた場合には、当社グループの収益性、業績を悪化させることになります。③繰延税金資産当社グループでは、将来減算一時差異等に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討して計上しておりますが、将来の課税所得が予測と異なり、繰延税金資産の修正が必要となる場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。④会計基準および税制等の変更日本の会計基準は、国際的な基準との調和を図るべく改訂を重ねており、今後もこの方向で推移するものと予想されます。また、日本における国際財務報告基準の適用に向けた議論が進んでいます。このような状況のなか、将来における会計基準の変更は、当社グループの業績、財務状況および業務遂行に影響を与える可能性があります。また、日本および諸外国の税制等が改正される場合においても同様の可能性があります。当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同機構が行う研修会などに参加し、継続的な情報収集活動を行うことで、会計基準等の内容を適切に把握し、その変更等について的確に対応できる体制を整備しております。⑤保有資産の価格変動当社グループの保有する土地や有価証券等の資産価値が下落することにより、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。政策保有株式については、当社は、当社グループが成長し企業価値を高めていくために、事業活動における様々な取引関係の維持・強化を目的として保有する方針としております。保有の合理性を検証する方法につきましては、取締役会等において、保有にともなう便益やリスクが資本コストに見合っているか等を確認することとしており、検証の結果、保有意義が希薄と判断された銘柄については、縮減を図る方針としております。また、便益を定量的に把握しにくい銘柄については、保有目的等の定性的な情報も検証しております。(6)製造・品質リスク当社グループは厳格な品質管理基準に基づき多様な製品を製造・販売しておりますが、全ての製品について欠陥が皆無で、将来にわたり品質的なクレームや製造物責任が発生しないという保証はありません。こうした想定外の大規模な品質クレームや製造物責任によって多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が毀損される懸念があります。当社は、安全な製品やシステム・サービスの提供およびお客様・社会から信頼していただける企業グループとしての社会的行動の実践を図るべく、グループ各社の品質管理部門を統括する品質統括部を設置し、グループ内における重大品質リスクの低減を推進しております。(7)環境リスク当社グループの製品の製造工程における環境負荷低減への取り組みが、製造コストを押し上げることや、当社グループの企業活動に起因する想定外の環境問題が発生することにより、多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損される懸念があります。昨今の全世界的な海洋プラスチックごみ問題を起点として、プラスチック製品の削減に関する世論が高まっております。当社グループにおいても、プラスチック製包装容器を製造・販売しており、連結売上高のおよそ4分の1を占めておりますが、今後の状況の変化によっては販売への影響が懸念され、ひいては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループでは、環境に関するリスクと機会の把握・見直しを定期的に行うことで、想定外の環境問題発生の低減に努めております。気候変動がもたらすリスクと機会が当社グループに与える影響についての検討を深めるため、2021年7月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同表明を行い、2022年5月にTCFD 提言に基づく情報開示を行いました。開示内容は当社ホームページよりご覧いただけます。(URL:https://ssl4.eir-parts.net/doc/5901/tdnet/2124934/00.pdf)また、当社グループは、2030年を見据えた環境目標である「Eco Action Plan 2030」を2019年に策定し、中長期的な環境負荷削減に対するグループ全体での取り組みを遂行しており、2021年5月には、これらの取組みをさらに推進するべく、環境ビジョンにおける長期目標としてカーボンニュートラルの実現を目指すことを掲げ、「Eco Action Plan 2030」における目標の改定を行いました。さらに、2021年11月には、国際的なイニシアチブであるSBT(Science Based Targets)イニシアチブ※の新基準「1.5℃目標」の認定取得を目指すため、「Eco Action Plan 2030」の主要目標を上方修正しております。脱プラスチック問題に関しては、国のプラスチック資源循環戦略に則したプラスチック製包装容器の軽量化や代替素材への転換などの施策に取り組んでおります。※ SBTイニシアチブ…企業のGHG(温室効果ガス)削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ(8)カントリーリスク当社グループは、2022年3月末現在、連結子会社71社のうち海外会社は33社、非連結子会社・関連会社・関連会社の子会社も含めるとグループ全体で96社のうち50社がアジアや欧米などにおいてグローバルな事業展開を行っております。海外子会社におけるガバナンス体制の不備や、各地域におけるテロの発生、政情の悪化、経済状況の変動、為替の変動および予期せぬ法律・規制の変更等があった場合、当社グループの業績等に影響を与える懸念があります。当社グループは、進出している海外地域における非常事態発生時の危機対応については「グループ海外事業危機管理規程」に基づき判断しているほか、新たな海外事業進出にかかる意思決定段階および当該事業活動の推進段階においてカントリーリスクについて吟味し、推進可否を判断しております。ウクライナ情勢等の影響につきましては、間接的には「(3)事業・経営リスク③原材料の調達」に記載のとおり、原材料の調達に影響を及ぼす可能性がありますが、直接的に当社グループの業績に与える影響はほぼないと見込んでおります。
FY2021|7,343 文字
2【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社およびグループ各社は、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまなリスクの発生を未然に防止し、当社およびグループ各社の経営基盤の安定化を図るとともに、危機が発生した場合に事業活動を早期に復旧し、継続させるために策定した「グループリスク及び危機管理規程」に基づき、リスクマネジメント体制の強化を推進しております。当社は、グループのリスク管理および危機管理ならびにコンプライアンスを横断的に統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置しており、同委員会は、重要リスクに関する情報の確認、改善および予防措置を講じております。当社およびグループ各社では、それぞれの管理体制のもとで危機管理規程や危機対応マニュアル等の策定、リスク管理状況のとりまとめなどを行っております。また、当社は、リスク・危機管理を統括する専門部門として「リスク危機管理統括室」を設置しており、グループとしての確固たるリスク・危機管理体制の構築を進めております。なお、以下のリスクが顕在化する可能性の程度や時期、リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。(1)天候・自然災害・事故・感染症リスク当社グループの主力事業である飲料容器事業においては、その事業の性質上、需要期の天候が業績に重大な影響を及ぼします。飲料容器の需要がピークを迎える上半期において、冷夏や長梅雨などの予想しにくい気象状況の変動や、予期せぬ自然災害の発生等に起因する需要の減少が、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を与えることになります。また、地震や台風などの大規模な自然災害や事故が発生し、当社グループの生産設備等に甚大な被害を与えた場合や、感染症の蔓延などにより当社グループの生産活動やステークホルダーの行動が制限された場合に、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響につきましては、イベント・レジャー・外食産業等のほか、オフィス周辺における消費の低迷による需要減の影響などが引き続き懸念されております。当社グループでは、当社およびグループ各社の役員等で構成される新型コロナウイルス危機対策会議をグループ横断的に適宜開催し、また、データベースを通して感染情報や政府の対応などを毎営業日共有することで、海外子会社を含む当社グループ全体を包括した対策を展開しております。従業員の健康を守りながら、社会機能維持として欠かせない飲料・食品・生活用品に携わる当社グループの事業活動に万全を期するため、同会議のもと、本社および営業所等において在宅勤務を推進したほか、各工場の操業においては感染防止策を徹底するなど、感染拡大の防止を図っております。当社グループでは、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまな自然災害・事故リスク等の発生時に被害を最小限に抑えるため、設備対応、調達先の分散、生産拠点におけるバックアップ体制の構築、適正在庫の確保などの対応をとっております。(2)コンプライアンスリスク企業の社会的責任が近年ますます重要視されるなか、企業活動における遵法精神を徹底させるとともに、経営上のリスクを回避しながら経営資源を効率的かつ適正に運用していくことで業績を向上させていくことが求められております。当社グループにおいてもこうした状況を踏まえ、コンプライアンス体制の強化は最も重要な経営課題と認識し、その実現に向けてグループを挙げて努力しております。しかしながら、リスク管理体制の不備により企業の社会的責任を問われる事態が生じる可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合は、当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損され、当社グループの継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループでは、コンプライアンス体制強化のため、以下の施策に取り組んでおります。・当社グループが遵守・実践すべき枠組みを示す「グループ企業行動憲章」および「グループ企業行動規準」を制定し、役員および従業員に対して周知・教育を実施・内部通報制度である東洋製罐グループコンプライアンス相談窓口を設置(2020年4月17日に、消費者庁が所管する「内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)」の適合事業者として登録)・グループ全体のコンプライアンスに関する取り組みを統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置し、同委員会のもと、役員および従業員に対して教育研修を実施・コンプライアンスに対する意識や行動について再認識するための期間として、毎年10月をグループコンプライアンス推進月間と定め、啓発活動を実施・社内外のコンプライアンスに関する情報を取りまとめた「コンプライアンス通信」の定期的な発行のほか、電子メールやデータベースを活用した情報の発信・周知を実施このほか、リスクが顕在化した場合に当社グループの継続的な事業活動に対する影響が特に大きいと想定される独占禁止法および腐敗防止関連法に関わる事項については、規程の制定や規程運用状況の確認結果を踏まえた継続的見直し、定期的な教育研修の実施等により、コンプライアンス体制の一層の強化と発生防止の徹底を図っております。(3)事業・経営リスク①経済状況の変化世界経済および日本経済における景気の後退あるいは停滞、少子高齢化の進行による人口減少や、それらにともなう個人消費の低迷および為替の変動は、売上高や利益の減少につながる懸念があります。②原材料・エネルギー価格の変動当社グループが製造販売する製品は、原価に占める原材料・エネルギー費用の割合が大きく、その価格変動が、当社グループの業績および収益性に影響を及ぼします。なお、当社グループは原材料価格が上昇した場合、製品価格への転嫁に努めておりますが、その達成状況および進捗の度合いによっては、当社グループの収益性が低下する懸念があります。③価格競争の激化当社グループが主として事業を展開する容器市場においては、競合他社との価格競争激化およびお得意先各社における容器の自社製造の拡大が続いており、当社グループの価格交渉力の低下や製品価格の下落傾向を強める懸念があります。当社グループは、消費者やお得意先などのニーズの変化を的確に捉え、あらゆる素材を取り扱う当社のシーズをもとに開発した多岐にわたる斬新で革新的な製品・サービスをもって、競合他社との差別化を図り、価格競争力を強化してまいります。④研究開発技術立社を目指す当社グループにとって継続的かつ効果的な研究開発投資は不可欠なものである一方、その成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクを抱えております。特に新製品・新技術などの研究開発投資が今後十分なリターンを生み出さない場合には、当社グループの将来の成長性および収益性を低下させる懸念があります。⑤投融資(企業買収・資本参加・設備投資等)当社グループは、事業基盤の強化および事業の拡大を目的として企業買収や資本参加等を積極的に実施しているほか、さらなる企業価値向上のために、生産・販売・研究開発の各分野において積極的かつ効果的な投資を行っておりますが、期待する成果が十分に得られなかった場合、当社グループの業績および収益性に大きな影響を与える懸念があります。投融資にかかるリスク管理として、当社は「投資管理委員会」を設置しており、投融資の意思決定の手続きと判断基準を明確にし、実行後の評価と評価に基づく案件の継続・撤退の基準を設定するなど、精査を行っております。また、同委員会において、投融資を行った案件について定期的にモニタリングを行っており、当初の期待どおりの効果が得られず、グループ全体の収益性に対してマイナスに寄与するとみなされる案件については撤退の判断を行い、将来の収益性の低下リスクを低減することとしております。 ⑥取引先の信用リスク当社グループの取引先の信用不安により、予期せぬ貸倒リスクが顕在化し、追加的な損失や引当金の計上が必要となる場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループの販売先は比較的信用リスクが低い顧客が多いものの、信用リスクの高い顧客においては、商社を通じた取引形態あるいは債権回収期間の短縮を行うほか、新規顧客との取引を開始する前には十分な信用調査を行うなど、リスクの低減に努めております。⑦人材確保と育成当社グループの将来にわたる継続的な成長と発展には有能なリーダーの存在の有無が大きな影響を与えるため、優秀な人材の確保と育成は当社グループの発展には不可欠なファクターであり、優秀な人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの将来の成長に好ましくない影響を与える懸念があります。優秀な人材の確保については、主要なグループ会社がそれぞれ行っていた大卒定期採用を、2021年4月入社よりグループ一括での採用に切り替え、グループとして優秀な人材の確保を目指すとともに、グループ事業の広がりの中でのキャリア形成を通じて、グループを牽引するリーダーの育成を図ります。これに加え、主要なグループ会社において、将来のリーダー候補を選抜し、研修と戦略的な配置の中で育成する中核人材マネジメントの仕組みを2017年度より導入しております。⑧敵対的企業買収当社は株式公開会社であるため、当社株式を公開買付けまたは市場取引等で大量に取得する者が現われる可能性があります。当社グループの企業価値および株主共同の利益を毀損することが明らかな敵対的企業買収が行われた場合、当社グループの業績、財務状況および経営に好ましくない影響を与える懸念があります。⑨訴訟のリスク当社グループが国内外で事業活動を遂行していくうえで、訴訟の対象となるリスクがあります。具体的には、契約上の債務不履行、製造する製品の欠陥にともなう製造物責任、役員および従業員との労働契約・関連法令にともなう責任および第三者の権利侵害などにより、損害賠償等の多大な費用を要する可能性があります。当社グループでは、これらの訴訟リスクを低減するため、契約のひな型において当社グループが負担する法的責任の明確化、当社グループにおける各事業部門が法務部門等の専門部署および外部専門家と連携し、実際に訴訟を提起された場合の当社グループの業績および財務状況への影響を最小限化するほか、グループ包括賠償保険の付保等を行っております。(4)情報セキュリティリスク当社グループが保有する個人情報および業務上知り得た情報等の保護についてはさまざまな対策を講じておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出する可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合、当社グループの信用もしくは評価が毀損され、業績等に影響を与える懸念があります。当社グループでは、情報管理に関する各種規程類を策定し、定期的に役員および従業員への教育および啓発活動を実施しているほか、コンピュータシステムについては情報を保護するための各種対策を取っております。また、当社は、情報管理体制の強化を目的として、2019年10月1日付で、グループの情報管理を横断的に統括する「グループ情報管理委員会」を設置したほか、当社の情報管理を統括する「情報管理委員会」を設置いたしました。(5)財務・会計リスク①減損会計当社グループが保有する固定資産について、稼働率、収益性の低下等により減損損失を認識すべきであると判定した場合、相当程度の減損損失を計上することが予測され、当社グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える懸念があります。②退職給付債務当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。今後、長期金利が低下した場合および年金資産の運用利回りの悪化が生じた場合には、当社グループの収益性、業績を悪化させることになります。③繰延税金資産当社グループでは、将来減算一時差異等に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討して計上しておりますが、将来の課税所得が予測と異なり、繰延税金資産の修正が必要となる場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。④会計基準および税制等の変更日本の会計基準は、国際的な基準との調和を図るべく改訂を重ねており、今後もこの方向で推移するものと予想されます。また、日本における国際財務報告基準の適用に向けた議論が進んでいます。このような状況のなか、将来における会計基準の変更は、当社グループの業績、財務状況および業務遂行に影響を与える可能性があります。また、日本および諸外国の税制等が改正される場合においても同様の可能性があります。当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同機構が行う研修会などに参加し、継続的な情報収集活動を行うことで、会計基準等の内容を適切に把握し、その変更等について的確に対応できる体制を整備しております。⑤保有資産の価格変動当社グループの保有する土地や有価証券等の資産価値が下落することにより、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。政策保有株式については、当社は、当社グループが成長し企業価値を高めていくために、事業活動における様々な取引関係の維持・強化を目的として保有する方針としております。保有の合理性を検証する方法につきましては、取締役会等において、保有にともなう便益やリスクが資本コストに見合っているか等を確認することとしており、検証の結果、保有意義が希薄と判断された銘柄については、縮減を図る方針としております。また、便益を定量的に把握しにくい銘柄については、保有目的等の定性的な情報も検証しております。(6)製造・品質リスク当社グループは厳格な品質管理基準に基づき多様な製品を製造・販売しておりますが、全ての製品について欠陥が皆無で、将来にわたり品質的なクレームや製造物責任が発生しないという保証はありません。こうした想定外の大規模な品質クレームや製造物責任によって多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が毀損される懸念があります。当社は、安全な製品やシステム・サービスの提供およびお客様・社会から信頼していただける企業グループとしての社会的行動の実践を図るべく、2019年4月1日付で、グループ各社の品質管理部門を統括する品質統括部を新設し、グループ内における重大品質リスクの低減を推進しております。(7)環境リスク当社グループの製品の製造工程における環境負荷低減への取り組みが、製造コストを押し上げることや、当社グループの企業活動に起因する想定外の環境問題が発生することにより、多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損される懸念があります。昨今の全世界的な海洋プラスチックごみ問題を起点として、プラスチック製品の削減に関する世論が高まっております。当社グループにおいても、プラスチック製包装容器を製造・販売しており、連結売上高のおよそ4分の1を占めておりますが、今後の状況の変化によっては販売への影響が懸念され、ひいては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループでは、環境に関するリスクと機会の把握・見直しを定期的に行うことで、想定外の環境問題発生の低減に努めております。当社グループは、2030年を見据えた環境目標である「Eco Action Plan 2030」を2019年に策定し、中長期的な環境負荷削減に対するグループ全体での取り組みを遂行しており、2021年5月には、これらの取組みをさらに推進するべく、環境ビジョンにおける長期目標としてカーボンニュートラルの実現を目指すことを掲げ、「Eco Action Plan 2030」における目標の改定を行いました。脱プラスチック問題に関しては、国のプラスチック資源循環戦略に則したプラスチック製包装容器の軽量化や代替素材への転換などの施策に取り組んでおります。(8)カントリーリスク当社グループは、2021年3月末現在、連結子会社71社のうち海外会社は33社、非連結子会社・関連会社・関連会社の子会社も含めるとグループ全体で99社のうち53社がアジアや欧米などにおいてグローバルな事業展開を行っております。海外におけるテロの発生、政情の悪化、経済状況の変動、為替の変動および予期せぬ法律・規制の変更等があった場合、当社グループの業績等に影響を与える懸念があります。当社グループは、進出している海外地域における非常事態発生時の危機対応については「グループ海外事業危機管理規程」に基づき判断しているほか、新たな海外事業進出にかかる意思決定段階および当該事業活動の推進段階においてカントリーリスクについて吟味し、推進可否を判断しております。
FY2020|7,647 文字
2【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社およびグループ各社は、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまなリスクの発生を未然に防止し、当社およびグループ各社の経営基盤の安定化を図るとともに、危機が発生した場合に事業活動を早期に復旧し、継続させるために策定した「グループリスク及び危機管理規程」に基づき、リスクマネジメント体制の強化を推進しております。当社は、グループのリスク管理および危機管理ならびにコンプライアンスを横断的に統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置しており、同委員会は、重要リスクに関する情報の確認、改善および予防措置を講じております。当社およびグループ各社では、それぞれの管理体制のもとで危機管理規程や危機対応マニュアル等の策定、リスク管理状況のとりまとめなどを行っております。また、当社は、グループとしての確固たるリスク・危機管理体制を構築することを目的として、2019年10月1日付で、常設のリスク・危機管理を統括する専門部門として「リスク危機管理統括室」を設置しております。なお、以下のリスクが顕在化する可能性の程度や時期、リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。新型コロナウイルス感染症拡大の影響につきましては、家庭内消費の増加にともなう容器の需要増も一部では見込まれるものの、イベント・レジャー・外食産業等における消費の低迷による需要減などが懸念されており、業績に与える影響としては、2021年3月期の上半期において、売上高で176億円の減少、営業利益で54億円の減少を見込んでおります。当社グループでは、2020年2月以降、当社およびグループ各社の役員等で構成される新型コロナウイルス危機対策会議をグループ横断的に適宜開催し、海外子会社を含む当社グループ全体を包括した対策を展開しております。従業員の健康を守りながら、社会機能維持として欠かせない飲料・食品・生活用品に携わる当社グループの事業活動に万全を期するため、同会議のもと、本社および営業所等において在宅勤務を推進したほか、各工場の操業においては感染防止策を徹底するなど、感染拡大の防止を図っております。(1)天候・自然災害・事故リスク当社グループの主力事業である飲料容器事業においては、その事業の性質上、需要期の天候が業績に重大な影響を及ぼします。飲料容器の需要がピークを迎える上半期において、冷夏や長梅雨などの予想しにくい気象状況の変動や、予期せぬ自然災害の発生等に起因する需要の減少が、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を与えることになります。また、地震や台風などの大規模な自然災害が発生し、当社グループの生産設備等に甚大な被害を与えた場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループでは、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるさまざまな自然災害・事故リスクの発生時に被害を最小限に抑えるため、設備対応、調達先の分散、生産拠点におけるバックアップ体制の構築、適正在庫の確保などの対応をとっております。(2)コンプライアンスリスク企業の社会的責任が近年ますます重要視されるなか、企業活動における遵法精神を徹底させるとともに、経営上のリスクを回避しながら経営資源を効率的かつ適正に運用していくことで業績を向上させていくことが求められております。当社グループにおいてもこうした状況を踏まえ、コンプライアンス体制の強化は最も重要な経営課題と認識し、その実現に向けてグループを挙げて努力しております。しかしながら、リスク管理体制の不備により企業の社会的責任を問われる事態が生じる可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合は、当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損され、当社グループの継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループでは、コンプライアンス体制強化のため、以下の施策に取り組んでおります。・当社グループが遵守・実践すべき枠組みを示す「グループ企業行動憲章」および「グループ企業行動規準」を制定し、役員および従業員に対して周知・教育を実施・内部通報制度である東洋製罐グループコンプライアンス相談窓口を設置・グループ全体のコンプライアンスに関する取り組みを統括するグループリスク・コンプライアンス委員会を設置し、同委員会のもと、役員および従業員に対して教育研修を実施・コンプライアンスに対する意識や行動について再認識するための期間として、毎年10月をグループコンプライアンス推進月間と定め、啓発活動を実施・社内外のコンプライアンスに関する情報を取りまとめた「コンプライアンス通信」の定期的な発行のほか、電子メールやデータベースを活用した情報の発信・周知を実施このほか、当社および当社の連結子会社である東洋製罐株式会社は、2018年2月6日に飲料缶の取引に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受け、以降、同委員会の調査に全面的に協力してまいりましたが、2019年9月26日、東洋製罐株式会社は、同委員会より排除措置命令および課徴金納付命令を受けました。当社は、これらの事実を厳粛に受け止め、2019年12月20日開催の取締役会において、当社グループにおける独占禁止法遵守体制の確立を目的として、「カルテル決別宣言」を決議いたしました。カルテル決別宣言当社グループは、独占禁止法を遵守した公正かつ自由な競争を行い、競争関係にある他の事業者との間で独占禁止法に違反する行為または違反を疑われる行為を行いません。当社グループは法令遵守体制の一層の強化と再発防止策の徹底を図るべく、以下の事項に取り組んでおります。a.独占禁止法遵守に関する規程類の厳格化b.独占禁止法遵守教育の継続的実施c.独占禁止法違反行為に対する懲戒処分の明確化d.適切な人事ローテーションの実施e.内部監査の強化f.内部通報制度の利用促進これに加え、グループ各社が制定している「独占禁止法等遵守規程」について、2020年4月30日付で、持株会社である当社において同規程を新たに制定し、グループ各社に独占禁止法等遵守を強く推進するとともに自らも遵守し、公正かつ自由な競争に基づく事業活動を行っております。(3)事業・経営リスク①経済状況の変化世界経済および日本経済における景気の後退あるいは停滞、少子高齢化の進行による人口減少や、それらにともなう個人消費の低迷および為替の変動は、売上高や利益の減少につながる懸念があります。②原材料・エネルギー価格の変動当社グループが製造販売する製品は、原価に占める原材料・エネルギー費用の割合が大きく、その価格変動が、当社グループの業績および収益性に影響を及ぼします。なお、当社グループは原材料価格が上昇した場合、製品価格への転嫁に努めておりますが、その達成状況および進捗の度合いによっては、当社グループの収益性が低下する懸念があります。③価格競争の激化当社グループが主として事業を展開する容器市場においては、競合他社との価格競争激化およびお得意先各社における容器の自社製造の拡大が続いており、当社グループの価格交渉力の低下や製品価格の下落傾向を強める懸念があります。当社グループは、消費者やお得意先などのニーズの変化を的確に捉え、あらゆる素材を取り扱う当社のシーズをもとに開発した多岐にわたる斬新で革新的な製品・サービスをもって、競合他社との差別化を図り、価格競争力を強化してまいります。④研究開発技術立社を目指す当社グループにとって継続的かつ効果的な研究開発投資は不可欠なものである一方、その成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクを抱えております。特に新製品・新技術などの研究開発投資が今後十分なリターンを生み出さない場合には、当社グループの将来の成長性および収益性を低下させる懸念があります。⑤投融資(企業買収・資本参加・設備投資等)当社グループは、事業基盤の強化および事業の拡大を目的として企業買収や資本参加等を積極的に実施しているほか、さらなる企業価値向上のために、生産・販売・研究開発の各分野において積極的かつ効果的な投資を行っておりますが、期待する成果が十分に得られなかった場合、当社グループの業績および収益性に大きな影響を与える懸念があります。投融資にかかるリスク管理として、当社は「投資管理委員会」を設置しており、投融資の意思決定の手続きと判断基準を明確にし、実行後の評価と評価に基づく案件の継続・撤退の基準を設定するなど、精査を行っております。また、同委員会において、投融資を行った案件について定期的にモニタリングを行っており、当初の期待どおりの効果が得られず、グループ全体の収益性に対してマイナスに寄与するとみなされる案件については撤退の判断を行い、将来の収益性の低下リスクを低減することとしております。⑥取引先の信用リスク当社グループの取引先の信用不安により、予期せぬ貸倒リスクが顕在化し、追加的な損失や引当金の計上が必要となる場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。当社グループの販売先は比較的信用リスクが低い顧客が多いものの、信用リスクの高い顧客においては、商社を通じた取引形態あるいは債権回収期間の短縮を行うほか、新規顧客との取引を開始する前には十分な信用調査を行うなど、リスクの低減に努めております。⑦人材確保と育成当社グループの将来にわたる継続的な成長と発展には有能なリーダーの存在の有無が大きな影響を与えるため、優秀な人材の確保と育成は当社グループの発展には不可欠なファクターであり、優秀な人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの将来の成長に好ましくない影響を与える懸念があります。優秀な人材の確保については、主要なグループ会社において、現在はグループ各社で行っている大卒定期採用を、2021年度よりグループ一括での採用に切り替え、グループ事業の広がりの中でのキャリア形成を通じて、グループを牽引するリーダーの育成を図ります。これに加え、主要なグループ会社において、将来のリーダー候補を選抜し、研修と戦略的な配置の中で育成する中核人材マネジメントの仕組みを2017年度より導入しております。 ⑧敵対的企業買収当社は株式公開会社であるため、当社株式を公開買付けまたは市場取引等で大量に取得する者が現われる可能性があります。当社グループの企業価値および株主共同の利益を毀損することが明らかな敵対的企業買収が行われた場合、当社グループの業績、財務状況および経営に好ましくない影響を与える懸念があります。⑨訴訟のリスク当社グループが国内外で事業活動を遂行していくうえで、訴訟の対象となるリスクがあります。具体的には、契約上の債務不履行、製造する製品の欠陥にともなう製造物責任、役員および従業員との労働契約・関連法令にともなう責任および第三者の権利侵害などにより、損害賠償等の多大な費用を要する可能性があります。当社グループでは、これらの訴訟リスクを低減するため、契約のひな型において当社グループが負担する法的責任の明確化、当社グループにおける各事業部門が法務部門等の専門部署および外部専門家と連携し、実際に訴訟を提起された場合の当社グループの業績および財務状況への影響を最小限化するほか、グループ包括賠償保険の付保等を行っております。(4)情報セキュリティリスク当社グループが保有する個人情報および業務上知り得た情報等の保護についてはさまざまな対策を講じておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出する可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合、当社グループの信用もしくは評価が毀損され、業績等に影響を与える懸念があります。当社グループでは、情報管理に関する各種規程類を策定し、定期的に役員および従業員への教育および啓発活動を実施しているほか、コンピュータシステムについては情報を保護するための各種対策を取っております。また、当社は、情報管理体制の強化を目的として、2019年10月1日付で、グループの情報管理を横断的に統括する「グループ情報管理委員会」を設置したほか、当社の情報管理を統括する「情報管理委員会」を設置いたしました。(5)財務・会計リスク①減損会計当社グループが保有する固定資産について、稼働率、収益性の低下等により減損損失を認識すべきであると判定した場合、相当程度の減損損失を計上することが予測され、当社グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える懸念があります。②退職給付債務当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。今後、長期金利が低下した場合および年金資産の運用利回りの悪化が生じた場合には、当社グループの収益性、業績を悪化させることになります。③繰延税金資産当社グループでは、将来減算一時差異等に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討して計上しておりますが、将来の課税所得が予測と異なり、繰延税金資産の修正が必要となる場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。④会計基準および税制等の変更日本の会計基準は、国際的な基準との調和を図るべく改訂を重ねており、今後もこの方向で推移するものと予想されます。また、日本における国際財務報告基準の適用に向けた議論が進んでいます。このような状況のなか、将来における会計基準の変更は、当社グループの業績、財務状況および業務遂行に影響を与える可能性があります。また、日本および諸外国の税制等が改正される場合においても同様の可能性があります。当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同機構が行う研修会などに参加し、継続的な情報収集活動を行うことで、会計基準等の内容を適切に把握し、その変更等について的確に対応できる体制を整備しております。⑤保有資産の価格変動当社グループの保有する土地や有価証券等の資産価値が下落することにより、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。政策保有株式については、当社は、当社グループが成長し企業価値を高めていくために、事業活動における様々な取引関係の維持・強化を目的として保有する方針としております。保有の合理性を検証する方法につきましては、取締役会等において、保有にともなう便益やリスクが資本コストに見合っているか等を確認することとしており、検証の結果、保有意義が希薄と判断された銘柄については、縮減を図る方針としております。また、便益を定量的に把握しにくい銘柄については、保有目的等の定性的な情報も検証しております。(6)製造・品質リスク当社グループは厳格な品質管理基準に基づき多様な製品を製造・販売しておりますが、全ての製品について欠陥が皆無で、将来にわたり品質的なクレームや製造物責任が発生しないという保証はありません。こうした想定外の大規模な品質クレームや製造物責任によって多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が毀損される懸念があります。当社は、安全な製品やシステム・サービスの提供およびお客様・社会から信頼していただける企業グループとしての社会的行動の実践を図るべく、2019年4月1日付で、グループ各社の品質管理部門を統括する品質統括部を新設し、グループ内における重大品質リスクの低減を推進しております。(7)環境リスク当社グループの製品の製造工程における環境負荷低減への取り組みが、製造コストを押し上げることや、当社グループの企業活動に起因する想定外の環境問題が発生することにより、多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損される懸念があります。昨今の全世界的な海洋プラスチックごみ問題を起点として、プラスチック製品の削減に関する世論が高まっております。当社グループにおいても、プラスチック製包装容器を製造・販売しており、連結売上高のおよそ4分の1を占めておりますが、今後の状況の変化によっては販売への影響が懸念され、ひいては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループでは、環境に関するリスクと機会の把握・見直しを定期的に行うことで、想定外の環境問題発生の低減に努めております。当社グループは、2030年を見据えた環境目標である「Eco Action Plan 2030」を策定し、中長期的な環境負荷削減に対するグループ全体での取り組みを遂行しております。脱プラスチック問題に関しては、国のプラスチック資源循環戦略に則したプラスチック製包装容器の軽量化や代替素材への転換などの施策に取り組んでおります。(8)カントリーリスク当社グループは、2020年3月末現在、連結子会社74社のうち海外会社は34社、非連結子会社・関連会社・関連会社の子会社も含めるとグループ全体で101社のうち54社がアジアや欧米などにおいてグローバルな事業展開を行っております。海外におけるテロの発生、政情の悪化、経済状況の変動、為替の変動および予期せぬ法律・規制の変更等があった場合、当社グループの業績等に影響を与える懸念があります。当社グループは、進出している海外地域における非常事態発生時の危機対応については「グループ海外事業危機管理規程」に基づき判断しているほか、新たな海外事業進出にかかる意思決定段階および当該事業活動の推進段階においてカントリーリスクについて吟味し、推進可否を判断しております。