事業の概要
- 非鉄金属製品の製造販売東邦亜鉛グループは、鉛や亜鉛などの非鉄金属製品の製造と販売を主な事業としています。特に、製錬事業では、海外から調達した鉱石を加工し、鉛や銀製品を製造・販売しています。これは同社の主要な収益源の一つです。
- 環境・リサイクル事業電炉ダスト(鉄を溶かす際に発生する粉じん)から酸化亜鉛などのリサイクル製品を製造・販売しています。これは環境負荷低減に貢献しつつ、新たな資源を生み出す事業であり、持続可能な社会への貢献を目指しています。
- 電子部材・機能材料の製造販売ノイズフィルターなどの電子部品や、電解鉄、プレーティング製品といった機能材料を製造・販売しています。これらの製品は、主に中国やベトナムの加工業者に委託して製造し、当社が販売することで収益を得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 製錬事業売上高1,049億6,800万円。当社グループの主力事業であり、非鉄金属製品の製造販売を行っています。特に鉛や銀製品の製造・販売が中心で、海外からの鉱石調達と国内での製品展開を通じて、グループ全体の売上の大部分を占める基幹事業です。
- 環境・リサイクル事業売上高63億5,300万円。電炉ダストから酸化亜鉛などのリサイクル製品を製造・販売しています。環境負荷低減と資源循環に貢献する事業であり、持続可能性への意識が高まる中で、今後も成長が期待される分野です。
- 資源事業売上高64億8,900万円。連結子会社を中心に、亜鉛、鉛鉱石などの非鉄金属資源の探査、開発、生産、販売を行っていましたが、事業再生計画の一環として早期撤退が決定されました。これにより、今後は製錬事業への原料供給体制を再構築する方針です。
- 電子部材・機能材料事業売上高46億100万円。ノイズフィルターなどの電子部品や、電解鉄、プレーティング製品などを製造販売しています。中国やベトナムの加工業者への委託製造も活用し、多様な産業分野に製品を提供しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Smelting | 事業 | 1,050 | − | − |
| EnvironmentAndRecycling | 事業 | 64 | − | − |
| MineralResource | 事業 | 65 | − | − |
| ElectronicComponentsAndAdvancedMaterialsReportableSegment | 事業 | 46 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社と子会社15社で構成され、非鉄金属製品の製造販売、環境・リサイクル事業、非鉄金属資源の探査・開発・生産及び販売、電子部材・機能材料の製造販売を主な内容とし、子会社を通じ物流その他サービス事業を展開しております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 製錬事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・連結財務諸表提出会社(以下、「当社」という。)は、非鉄金属製品の製造販売を行っております。鉛及び銀製品の製造については東邦契島製錬㈱、販売については当社が行っております。環境・リサイクル事業・・・・・・・・・・・・・・・電炉ダストからのリサイクル製品である酸化亜鉛を中心に当社で製造販売を行っております。資源事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・連結子会社のCBH Resources Ltd.を中心に亜鉛、鉛鉱石等の非鉄金属資源の探査、開発、生産及び販売を行っております。電子部材・機能材料事業・・・・・・・・・・・・・・ノイズフィルターを中心とする電子部品は主として中国・ベトナムの加工業者に加工を委託し、当社で販売しております。電解鉄、プレーティング製品などは当社で製造販売を行っております。また、機器部品については、中国の子会社及び当社で製造販売を行っております。その他事業 (1)土木・建築・プラントエンジニアリング事業・・連結子会社の㈱ティーディーイーが設計施工、製造及び販売を行っております。 (2)防音建材事業・・・・・・・・・・・・・・・・防音建材等は、当社で製造販売を行っております。 (3)その他事業・・・・・・・・・・・・・・・・・物流、環境分析などのサービス部門は、主として連結子会社の安中運輸㈱、契島運輸㈱、東邦キャリア㈱及び㈱中国環境分析センターが行っております。 なお、当連結会計年度において取りまとめた事業再生計画の一環として、資源事業からの早期撤退と、亜鉛製錬事業については各種メタルの製品加工業及び亜鉛ダスト処理を中心とした金属リサイクル事業へ再編することを決定しております。また、前連結会計年度において事業撤退を決定したプレーティング事業、機器部品事業及び防音建材事業の3事業につきましては、当連結会計年度において事業撤退を完了いたしました。 事業の系統図は次のとおりであります。 (注)1.連結子会社(○印)11社(前連結会計年度は14社)、持分法適用会社(※印)該当無し(前連結会計年度は1社)2.連結子会社であったエンデバー鉱山操業会社2社及びラスプ鉱山操業会社1社(いずれもCBH Resources Ltd.の子会社)については、その全保有株式を譲渡したため、当連結会計年度において連結の範囲から除外しております。3.持分法適用関連会社であったAbra Mining Pty Ltd.については、豪州会社法に基づく任意管理手続(Voluntary Administration)開始に伴い、同社に対する実質的な影響力がなくなったことにより当社の関連会社に該当しなくなったため、当連結会計年度において持分法の適用範囲から除外しております。なお、当該任意管理手続のもと債権者集会による同社再建案の決議を経て、2025年6月4日付で、その全保有株式の譲渡を完了いたしました。4.子会社であった諸城華日粉末冶金有限公司及び東邦亜鉛(上海)貿易有限公司については、当連結会計年度において、その全保有株式を譲渡又は清算手続きを完了しております。また、関連会社であった群馬環境リサイクルセンター㈱及び㈱プリーマタイヤサプライズについても、当連結会計年度において、その全保有株式を譲渡しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 製錬事業の製品価格がLMEや国際市場価格に基準を置いているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 製錬事業や環境・リサイクル事業における多量の電力消費を伴う製造工程。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:金属価格の変動 / 為替相場の変動 / エネルギー資源価格の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
東邦亜鉛は非鉄金属メーカーであり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに依存するビジネスモデルではない。事業は主に亜鉛、鉛、銅などの非鉄金属の製錬・加工であり、技術的な優位性は存在するものの、それが長期的な競争優位に直結するほどの無形資産とは評価しにくい。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客は主に産業用途の企業であり、特定の金属製品の仕様や品質、供給安定性への要求から、サプライヤー変更には一定のコストや手間が発生する可能性がある。しかし、代替可能なサプライヤーも存在し、スイッチング・コストは限定的と考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
非鉄金属の製錬・加工事業は、ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。製品の価値は主に品質、価格、供給能力に依存し、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高める構造ではない。
コスト優位★★★☆☆
長年の操業で培われた製錬技術やノウハウ、スケールメリットによる生産効率の向上がコスト競争力に寄与している可能性がある。また、原料調達における交渉力や、リサイクル技術などもコスト優位の源泉となりうる。
規模の経済★★★★☆
非鉄金属の製錬・加工業界は、大規模な設備投資と高度な技術、そして安定した原料調達網が必要であり、参入障壁が高い。東邦亜鉛は国内有数の亜鉛製錬能力を有し、業界内での一定の地位を確立していることから、効率規模の優位性が存在する。
- 長期的な原料確保体制主力である製錬事業の主要原料である鉱石は全て海外から調達しており、安定供給が重要です。ペルーや豪州の有力鉱山と長期買鉱契約を結ぶことで、原料不足による減産リスクを低減し、安定した生産基盤を確保しています。
- リサイクル原料の活用推進鉱石以外の原料として、廃バッテリーや製鋼ダストなどのリサイクル原料の利用を増やしています。これにより、鉱石価格変動リスクを軽減し、資源の有効活用を通じてコスト競争力の向上と環境負荷低減を両立させています。
- 多角的な事業展開製錬事業だけでなく、環境・リサイクル事業、電子部材・機能材料事業、さらには土木・建築・プラントエンジニアリング事業など、多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを分散し、経営の安定化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社は以下4項目を経営理念とし、東邦亜鉛グループの経営を行っております。① “顧客”を満足させる良質の製品・サービスを提供する。② “株主”の期待に応える業績をあげ、企業価値の増大を図る。③ “従業員”の生活を向上させ、働き甲斐のある会社にする。④ “地域”の一員として認められ、地域にとって存在価値のある会社を目指す。当社はこうした経営理念を実現し、より効率的で透明性の高い経営を推進していくために、企業統治の体制や仕組みを整備しその機能を高めていくことが、経営上の最重要課題のひとつであると考えております。また、株主をはじめとしたステークホルダーへの適切な情報の提供が、より良い経営に資するものと考え、これに取り組んでまいります。 (2) 経営環境2024年度における当社グループを取り巻く経営環境は、具体的には「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」の《経営環境》に記載したとおりであります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① これまでの経緯当社グループは2024年12月に新たな事業再生計画(以下、「本事業再生計画」)を取りまとめました。本事業再生計画は、不採算事業となっていた亜鉛製錬事業の再編及び資源事業からの撤退を実行し、経営資源を基盤・成長事業へ適正に配分し、変化に挑戦する企業文化・意識改革を推し進めて新しい東邦亜鉛へ成長することを目指しております。撤退・再編事業のうち、亜鉛製錬事業については、市況変動が大きく価格転嫁が困難な事業環境に加え、近年の電力料金及びエネルギー価格の高止まりにより高コストな事業構造となっているなか、抜本的な梃入れの経営判断を行えておりませんでした。資源事業については、当社グループの財務体力を超えた投資判断により、結果として多額の損失が発生いたしました。両事業に共通する背景として、長年の経営ガバナンスの不在と、現状維持を是とし変革を探求しない経営体質があったものと痛切に認識しております。事業再生計画の策定に際しては、当社グループは取引金融機関からの継続的な支援に関する合意と合わせて、株式会社アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンド及び株式会社辰巳商会による総額75億円の第三者割当増資(以下、「本第三者割当増資」)について、2025年2月開催の臨時株主総会にて株主の皆様からご承認いただき、同年3月に払込みが完了いたしました。当社グループは、本第三者割当増資により、大きく棄損した財務基盤の正常化を実現するだけでなく、ガバナンスの正常化と経営管理体制の強化を図ることができ、また、競争力を有し成長が見込まれる基盤・成長事業に対しては前向きな投資を行うことが可能となりました。結果として、亜鉛製錬事業の再編に伴う特別損失及び希望退職の募集により当期純損失は14億58百万円となった一方、当社グループの財務体質は大幅に改善され、当期の連結純資産は100億82百万円、自己資本比率は10.2%となりました。 ② 今後の見通し当社グループは今後5年間を事業再生期間とし、永続的に成長する企業体へ進化するための期間であると位置付けております。前半においては、不採算事業の撤退・再編を完遂するとともに、基盤・成長事業の事業強化と収益拡大に取り組み、経営基盤を強固なものとしてまいります。加えて、永続的な成長のための新たな収益モデルの構築と市場開拓の実現に向けて取り組んでまいります。 不採算事業の撤退・再編について、亜鉛製錬事業においては、主要設備の稼働停止を2025年3月末に実行しており、希望退職の募集及び労使の合意も完了しております。2025年度中には製品出荷・残務処理を完了し、人員の配置転換も実施する予定であります。また、資源事業においても、既に各鉱山の売却等を完了しております。基盤・成長事業の収益成長に向けた施策にも着手しております。鉛・銀製錬事業においては、鉛生産量のさらなる拡充や、副産物である金・銀等の貴金属及びビスマス等の希少金属の生産・販売の強化に取り組みます。また、鉛バッテリーの需要家、鉛バッテリーメーカーや回収業者等のバリューチェーン各社との連携を強化し、鉛リサイクル比率引き上げ及び鉛リサイクルループ確立にも注力いたします。環境・リサイクル事業においては、原料となるダストの回収を強化することで酸化亜鉛の生産を拡充する計画です。電子部材・機能材料事業においても、既存製品の販路・用途の拡大等に取り組みます。 これらの活動を通して変化に挑戦する企業文化・意識改革を推し進め、当社は社会インフラを支えるリサイクリングのリーディングカンパニーを目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社は以下4項目を経営理念とし、東邦亜鉛グループの経営を行っております。① “顧客”を満足させる良質の製品・サービスを提供する。② “株主”の期待に応える業績をあげ、企業価値の増大を図る。③ “従業員”の生活を向上させ、働き甲斐のある会社にする。④ “地域”の一員として認められ、地域にとって存在価値のある会社を目指す。当社はこうした経営理念を実現し、より効率的で透明性の高い経営を推進していくために、企業統治の体制や仕組みを整備しその機能を高めていくことが、経営上の最重要課題のひとつであると考えております。また、株主をはじめとしたステークホルダーへの適切な情報の提供が、より良い経営に資するものと考え、これに取り組んでまいります。 (2) 経営環境2024年度における当社グループを取り巻く経営環境は、具体的には「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」の《経営環境》に記載したとおりであります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① これまでの経緯当社グループは2024年12月に新たな事業再生計画(以下、「本事業再生計画」)を取りまとめました。本事業再生計画は、不採算事業となっていた亜鉛製錬事業の再編及び資源事業からの撤退を実行し、経営資源を基盤・成長事業へ適正に配分し、変化に挑戦する企業文化・意識改革を推し進めて新しい東邦亜鉛へ成長することを目指しております。撤退・再編事業のうち、亜鉛製錬事業については、市況変動が大きく価格転嫁が困難な事業環境に加え、近年の電力料金及びエネルギー価格の高止まりにより高コストな事業構造となっているなか、抜本的な梃入れの経営判断を行えておりませんでした。資源事業については、当社グループの財務体力を超えた投資判断により、結果として多額の損失が発生いたしました。両事業に共通する背景として、長年の経営ガバナンスの不在と、現状維持を是とし変革を探求しない経営体質があったものと痛切に認識しております。事業再生計画の策定に際しては、当社グループは取引金融機関からの継続的な支援に関する合意と合わせて、株式会社アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンド及び株式会社辰巳商会による総額75億円の第三者割当増資(以下、「本第三者割当増資」)について、2025年2月開催の臨時株主総会にて株主の皆様からご承認いただき、同年3月に払込みが完了いたしました。当社グループは、本第三者割当増資により、大きく棄損した財務基盤の正常化を実現するだけでなく、ガバナンスの正常化と経営管理体制の強化を図ることができ、また、競争力を有し成長が見込まれる基盤・成長事業に対しては前向きな投資を行うことが可能となりました。結果として、亜鉛製錬事業の再編に伴う特別損失及び希望退職の募集により当期純損失は14億58百万円となった一方、当社グループの財務体質は大幅に改善され、当期の連結純資産は100億82百万円、自己資本比率は10.2%となりました。 ② 今後の見通し当社グループは今後5年間を事業再生期間とし、永続的に成長する企業体へ進化するための期間であると位置付けております。前半においては、不採算事業の撤退・再編を完遂するとともに、基盤・成長事業の事業強化と収益拡大に取り組み、経営基盤を強固なものとしてまいります。加えて、永続的な成長のための新たな収益モデルの構築と市場開拓の実現に向けて取り組んでまいります。 不採算事業の撤退・再編について、亜鉛製錬事業においては、主要設備の稼働停止を2025年3月末に実行しており、希望退職の募集及び労使の合意も完了しております。2025年度中には製品出荷・残務処理を完了し、人員の配置転換も実施する予定であります。また、資源事業においても、既に各鉱山の売却等を完了しております。基盤・成長事業の収益成長に向けた施策にも着手しております。鉛・銀製錬事業においては、鉛生産量のさらなる拡充や、副産物である金・銀等の貴金属及びビスマス等の希少金属の生産・販売の強化に取り組みます。また、鉛バッテリーの需要家、鉛バッテリーメーカーや回収業者等のバリューチェーン各社との連携を強化し、鉛リサイクル比率引き上げ及び鉛リサイクルループ確立にも注力いたします。環境・リサイクル事業においては、原料となるダストの回収を強化することで酸化亜鉛の生産を拡充する計画です。電子部材・機能材料事業においても、既存製品の販路・用途の拡大等に取り組みます。 これらの活動を通して変化に挑戦する企業文化・意識改革を推し進め、当社は社会インフラを支えるリサイクリングのリーディングカンパニーを目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度の連結業績は以下のとおりです。売上高は前期比で減収、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益ともに前期比で増益となりました。(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期増減(増減率%)売上高130,803126,267△4,535(△4)営業利益又は営業損失(△)△6905,6256,316(-)経常利益又は経常損失(△)△10,7273,68914,416(-)親会社株主に帰属する当期純損失(△)△46,452△1,45844,994(-) 《経営環境》当連結会計年度における世界経済は、米国は底堅い個人消費により堅調に推移した一方、欧州は利上げによる影響、中国では不動産市場の低迷長期化などで弱含んで推移しました。日本経済においては雇用や所得環境に改善が見られるものの、継続する物価上昇が個人消費に与える影響が懸念されるなか、依然としてウクライナ情勢や中東情勢など地政学的な不安定さが継続していることに加えて、米国の経済政策における不透明さなどから、今後の経済見通しに不確実性が高まる状況となりました。当社グループを取り巻く事業環境につきましては、金属相場は、亜鉛と銀は期初から大きく上昇して推移し、鉛についても比較的堅調に推移しました。一方、為替相場は、国内の利上げや米国の利下げにより一時的に変動する局面が見られたものの、通期では前期比で円安水準となりました。販売面では、亜鉛製品は生産減による販売減となりましたが、2023年12月より生産量が増加している鉛製品については、前期比で増販となりました。《売上高》当社グループにおける当連結会計年度の業績は、製錬事業においては外部顧客への売上高はほぼ前期並みとなったものの、資源事業において豪州連結子会社であるCBH Resources Ltd.(以下、「CBH社」)が保有する豪州ラスプ鉱山を2024年10月末において譲渡したことにより減収となったことなどから、売上高は1,262億67百万円と前期比45億35百万円(4%)の減収となりました。《利益》損益面では、製錬事業においては主に金属相場上昇と円安により損益改善となったこと、資源事業においては前期は損失計上であったところ当期は損失が解消され利益となったこと、環境・リサイクル事業や電子部材・機能材料事業においても増益となったことから、営業利益は56億25百万円と前期比63億16百万円、経常利益は36億89百万円と前期比144億16百万円の増益となり、営業損益及び経常損益については前期の損失から利益へと転じました。特別損益については、前期は、ラスプ鉱山閉山の決定に伴う同鉱山の固定資産の減損損失218億91百万円、豪州アブラ鉱山を操業する持分法適用関連会社であったAbra Mining Pty Ltd.(以下、「Abra社」)の豪州会社法に基づく任意管理手続(Voluntary Administration)開始を受けて、同社への債権に対する貸倒引当金や同社債務についての債務保証損失引当金あわせて87億78百万円、中国関係会社の譲渡による関連損失40億16百万円などを特別損失として計上しました。当期においては、豪州エンデバー鉱山ほかの譲渡に伴う関係会社株式売却益27億26百万円などを特別利益として計上した一方で、2024年12月18日に公表いたしました当社の事業再生計画の一環として、高コストな事業構造となっている亜鉛製錬事業の主要設備を停止することを決定したことに伴い、当該事業の固定資産の減損損失73億83百万円や希望退職制度の実施に伴う割増退職金等の事業再編損4億19百万円などを特別損失に計上しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は14億58百万円と前期比449億94百万円の大幅な増益となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります(以下、各セグメントの売上高には、セグメント間売上高を含みます)。 ① 製錬事業部門(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期増減(増減率%)売上高106,652105,508△1,144(△1)経常利益1,9632,325361(18) 《亜鉛》相場上昇と円安により国内販売価格が上昇したものの、減産及び自動車製造減等の影響を受けた減販により、売上高は前期比8%の減収となりました。《鉛》2023年12月以降の電流効率改善による生産増と増販に加え、円安により国内販売価格が上昇したことにより、売上高は前期比10%の増収となりました。《銀》相場上昇と円安による国内販売価格の上昇により、売上高は前期比22%の増収となりました。 以上のほか、金や硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の業績は、市況変動リスクをヘッジするデリバティブ取引の影響もあり、売上高は1,055億8百万円と前期比11億44百万円(1%)の減収となりました。損益面については、亜鉛製錬は、前期が亜鉛相場安と電力費や諸資材価格の高騰により損益悪化となったのに対して、当期は引き続き電力費や諸資材価格は高水準ではあるものの前期比では低減したことや亜鉛相場上昇と円安が損益改善に寄与しました。一方、鉛・銀製錬については、金属相場上昇と円安及び金やビスマスなどその他希少金属の収支が損益良化に寄与したものの、銀製品の減産減販による影響や銅などの副産物収入は減少したことから、減益となりました。この結果、経常利益は23億25百万円と前期比3億61百万円(18%)の増益となりました。なお、事業再生計画において公表いたしましたとおり、亜鉛製錬の主要設備については2025年3月末をもって停止しております。 金属相場(平均)及び為替相場(平均)の推移は下表のとおりであります(米ドル/豪ドルの通期は1月-12月に対応します)。 区 分亜鉛鉛銀為替レートLME相場国内価格LME相場国内価格ロンドン相 場国内価格円/米ドル米ドル/豪ドル $/t\/t$/t\/t$/toz\/kg\/$US$/A$2023年度 第1四半期2,540405,4002,118356,03324.2108,390137.370.6850第2四半期2,429410,0002,170380,70023.6111,750144.620.6681第3四半期2,498430,1672,119381,86723.2112,560147.890.6547第4四半期2,449426,0332,076375,66723.4113,383148.610.6512(通期平均)2,479417,9002,121373,56723.6111,521144.620.66482024年度 第1四半期2,833499,9332,166399,80028.9147,220155.880.6572第2四半期2,779473,8672,041372,03329.4143,337149.380.6590第3四半期3,048524,0332,006368,76731.3155,577152.440.6695第4四半期2,838494,2331,970365,03331.9158,137152.600.6528(通期平均)2,874498,0172,046376,40830.4151,068152.580.6596 ② 環境・リサイクル事業部門(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期増減(増減率%)売上高5,3366,3531,016(19)経常利益6171,6691,052(170) 自動車タイヤの加硫促進助剤として使用される主力製品の酸化亜鉛は、タイヤメーカーでの減産や生産調整が2023年秋から継続していることで、販売量はほぼ前期並みとなりましたが、亜鉛相場上昇と円安で推移したことによる販売価格の上昇により、当事業部門の売上高は63億53百万円と前期比10億16百万円(19%)の増収となりました。損益面については、安定した操業ができたこと、電力費は高止まりしているものの前期比では低減となったことやコスト上昇分の一部を販売価格に転嫁できたことなどもあり、経常利益は16億69百万円と前期比10億52百万円(170%)の増益となりました。 ③ 電子部材・機能材料事業部門(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期増減(増減率%)売上高5,0824,601△480(△9)経常利益191478287(150) 《電子部品》電子部品は、米国におけるEV(電気自動車)市場鈍化の影響を受け車載電装向けの販売が落ち込んだことにより、売上高は前期比で22%の減収となりました。《電解鉄》電解鉄は、インドやサウジアラビアをはじめとする新興国の新造航空機需要が急拡大し、これにより内外特殊鋼メーカーの生産が底上げされたことから増販となりました。その結果、売上高は前期比で24%の増収となりました。 以上のほか、プレーティング及び機器部品を合わせた当事業部門の業績は、電子部品における減収や撤退した事業における減収により、売上高は46億1百万円と前期比4億80百万円(9%)の減収となりました。損益面については、電解鉄における増収による増益とプレーティングでの事業撤退前の駆け込み特需やメッキ薬剤等の貯蔵品売却益の計上などもあり、経常利益は4億78百万円と前期比2億87百万円(150%)の増益となりました。 ④ 資源事業部門(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期増減(増減率%)売上高11,3466,489△4,857(△43)経常損失(△)△13,18246013,643(-) CBH社が保有するラスプ鉱山においては、前期については、高品位鉱体の採掘が2024年度期初へ後ろ倒しとなったため粗鉱品位が低下し減産減販となったことから営業損失でありました。一方、当期については、売上高は、2024年10月末においてラスプ鉱山を譲渡したことから前期比で減収となったものの、損益は、前期比で歩留まりの改善となったことや2023年11月の閉山決定に伴う固定資産の減損損失計上によって当期の減価償却費負担が軽減されたことなどにより、営業利益となりました。また、CBH社を通じて40%を出資し持分法適用関連会社であったAbra社が操業するアブラ鉱山においては、生産量が当初計画を大きく下回ったことや、2024年4月における同社の豪州会社法に基づく任意管理手続開始を受けて同社株式簿価の全額を減損処理したことから、前期は多額の持分法による投資損失を計上しておりました。一方、当期は、前述の任意管理手続開始により同社に対する実質的な影響力がなくなったため持分法の適用範囲から除外したことに伴い、当社グループとしては持分法による投資損益の計上を行わず、差引きで増益となりました。以上の結果、売上高は64億89百万円と前期比48億57百万円(43%)の減収、経常利益は4億60百万円と前期比136億43百万円の増益となりました。 ⑤ その他事業部門(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期増減(増減率%)売上高10,80010,277△523(△5)経常利益631474△156(△25) 防音建材事業、土木・建築・プラントエンジニアリング事業、運輸事業、環境分析事業などからなる当事業部門の業績は、土木・建築・プラントエンジニアリング事業で大型工事の進捗により増収増益となったものの、事業撤退した防音建材事業での減収減益や運輸事業における輸送コストの上昇などもあり、売上高は102億77百万円と前期比5億23百万円(5%)の減収、経常利益は4億74百万円と前期比1億56百万円(25%)の減益となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)製 錬101,05898.2環境・リサイクル6,215118.8資 源6,48969.3電子部材・機能材料2,78577.1 報告セグメント計116,54996.2その他765.5合計116,62595.2 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。ただし、電子部材事業、環境・リサイクル事業、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)製 錬225123.433150.7環境・リサイクル29993.9--資 源----電子部材・機能材料4,991101.982779.6 報告セグメント計5,516102.186077.5その他2,47890.21,629110.7合計7,99498.12,49096.5 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)製 錬104,96899.3環境・リサイクル6,353119.0資 源6,48969.3電子部材・機能材料4,60190.5 報告セグメント計122,41397.5その他3,85473.0合計126,26796.5 (注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 (2) 財政状態(資産)当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ91億36百万円減少し、992億99百万円となりました。これは主に、亜鉛製錬事業にかかる固定資産の減損を行ったこと、エンデバー鉱山及びラスプ鉱山の譲渡や投資有価証券の売却、売掛債権の減少などによるものであります。一方、第三者割当増資による収入によって現金及び預金は増加しております。 (負債)負債は、前連結会計年度末に比べ165億13百万円減少し、892億16百万円となりました。これは主に、Abra社の金融債務に対する債務保証の支払実行によりかかる引当金が減少したこと、エンデバー鉱山及びラスプ鉱山の譲渡に伴い鉱山閉山時の原状回復義務にあたる資産除去債務が減少したことなどによるものであります。 (純資産)純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上があったものの、第三者割当増資による株主資本の増加により、前連結会計年度末に比べ73億76百万円増加し、100億82百万円となりました。 以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において10.2%となり、前連結会計年度末に比べ7.7ポイント上昇しております。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュ・フローの状況について当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ75億70百万円増加し、当連結会計年度末は209億79百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、28億96百万円の収入(前期は37億49百万円の収入)となりました。売掛債権の減少による収入はあったものの、Abra社の金融債務に対する債務保証の支払実行などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは前期比で収入減となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、3億70百万円の支出(前期比72億42百万円の支出減)となりました。これは主に、国内設備の維持更新による支出と、投資有価証券や関係会社株式の売却による収入があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは50億28百万円の収入(前期は76億94百万円の収入)となりました。これは主に、第三者割当増資による収入があったことによるものであります。 ② 財務政策について当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料鉱石の購入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、国内製錬所・事業所の設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、事業再生計画遂行の前提となる第三者割当増資を完了し、全取引金融機関との間で債権者間協定書を締結しております。今後は、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、設備投資等といった長期運転資金につきましては、第三者割当増資による自己資本を基本として運営してまいります。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は735億11百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は209億79百万円となっております。(4) 重要な会計上の見積もり及び当該見積もりに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 市況変動による業績影響鉛や亜鉛などの金属価格は、LME(ロンドン金属取引所)などの国際市場で決定され、需給バランスや投機、政治経済情勢によって大きく変動します。価格の急激な変動は、製品価格や原料コストに影響し、当社の経営成績や財政状態を悪化させる可能性があります。
- 為替変動リスク製錬事業の主原料である鉱石の買鉱条件や製品の国内販売価格は米ドル建てを基礎としているため、円高は業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。為替相場の急激な変動は、当社の収益性を不安定にする要因となります。
- エネルギー価格高騰リスク製錬事業や環境・リサイクル事業では、多量の電力、コークス、重油などを消費します。原油やLNG、石炭といったエネルギー資源価格が大幅に上昇した場合、製造原価が大きく悪化し、当社の経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。 (1) 市況関連① 金属価格製錬事業における原料鉱石価格と製品価格は、LME(ロンドン金属取引所)やその他の国際市場の価格を基準としております。国際市場の価格は、需給バランスや投機筋の思惑、政治や経済の状況などから影響を受けて変動し、価格が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替相場製錬事業の主原料である鉱石は、海外から輸入しておりますが、その買鉱条件である製錬費(T/C)は米ドル建てとなっていることと、各製品の国内販売価格は米ドル建て価格を円換算したものを基礎としているため、米ドルに対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。そのため、為替相場が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ エネルギー資源価格製錬事業や環境・リサイクル事業における製造工程では多量の電力消費を伴い、また、コークスや重油等を多く使用いたします。電力やコークスの価格は原油、LNGや石炭といったエネルギー資源価格に大きく影響を受けるものであり、同価格が大幅に上昇した場合には、製造原価が大きく悪化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対し、当社グループは根本的には市況の影響を相対的に受けにくい事業の収益拡大及び安定化を図っていくこととしております。また、当座の市況影響に対しては、市況変動のリスクヘッジを目的とした商品先渡取引、為替予約やオプション取引などを用いて対処いたします。エネルギーコスト高に対しては、製法や仕入先の工夫により対処いたします。 (2) 安全・安定操業の確保① 原材料の確保当社グループの主力事業である製錬事業の主原料である鉱石の確保は、経営上の重要課題です。鉱石は、そのすべてを海外の鉱山から調達しており、世界的な鉱石需給の状況や、鉱山における事故等不測の事態の発生は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的には原料不足による減産による販売機会の喪失や、単位当たり原価の悪化による影響です。これらに対して、当社グループは、ペルー・豪州等の有力鉱山との間で長期買鉱契約を結ぶ等、安定的な原料確保を図っております。さらに、廃バッテリーや製鋼ダスト等のリサイクル原料の利用を増加させる等、鉱石以外の原料の多様化を図ってまいります。 ② 生産量の確保当社グループの主力事業である製錬事業は市況の影響を受けやすい業態です。市況のコントロールは難しいことから、計画通りの生産を行うことで販売機会を確保することが当社グループの業績には重要です。自然災害(地震や洪水などに加え新型コロナウイルス感染症の拡大といった病気の蔓延を含む)や操業上の事故・トラブルで操業に支障が生じて計画通りの生産が行えない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的には減産による販売機会の喪失や、単位当たり原価の悪化による影響であります。これらについては、長期的な計画に沿った予防的設備保守や、安全操業のための各種施策を確実に行ってまいります。(3) 環境問題国内外の事業所においては、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、また、国内の管理鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑廃水による水質汚濁の防止や堆積場の安全管理等、鉱害防止に努めておりますが、関連法令の改正等によっては、当社グループに新たな費用が発生する可能性があります。また、気候変動対策に対する社会的要請が急速に高まっており、当社ではTCFDフレームワークによる分析を実施し、リスク及び機会の把握に努めています。カーボンニュートラルの達成は気候変動対策の中核となりますが、脱炭素実現に向けた取り組みにより、原材料の調達や製造工程等において、追加的な義務(コスト)や事業形態の変更などの可能性があり、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。なお、非鉄スラグの問題(当社が過去に出荷した非鉄スラグの一部における土壌汚染対策法の土壌環境基準超過及び不適切な使用・混入の問題)につきましては、再発防止のため、業務執行部門から独立した専門部署として「品質保証室」、「環境・安全室」を本社に設置しており、品質保証体制を強化するとともに、今一度、環境保全に対する意識を高め、これに取り組んでまいります。 (4) 情報セキュリティについて当社グループが事業活動を行う上で保有する情報資産について、万一、従業員等による操作上の錯誤や不正アクセスによる紛失や盗難、サイバー攻撃やコンピュータウイルスの感染等による漏洩や改竄、関連法令への不適合などの事態が発生した場合には、当社グループに対する社会的信用の低下、対策費用の発生、生産プロセスの中断や取引の停止等により、当社グループの経営成績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。これらの情報資産を適切に保護・管理することは経営上の重要課題と位置付けており、情報セキュリティ関連規程を制定し、役職員の情報資産の保護に対する認識を高め管理を強化するとともに、社長の直轄下に経営企画部担当役員を委員長とする「情報セキュリティ管理委員会」を設置し、本委員会においてPDCAサイクルを回すことにより情報セキュリティ管理における運用体制を定期的に見直しさらなる向上に取り組んでおります。 (5) 継続企業の前提に関する重要事象等当社グループは、前連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純損失が464億52百万円となった結果、前連結会計年度末における連結純資産は27億5百万円(自己資本比率2.5%)まで減少したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりました。このような状況を解消していくための取組として、2024年12月18日に「第三者割当によるA種優先株式及びB種劣後株式の発行、定款の一部変更、臨時株主総会招集のための基準日設定、事業再編に伴う希望退職者の募集及び配置転換、並びに主要株主である筆頭株主の異動等に関するお知らせ」(以下、「事業再生計画」)を公表いたしました。本事業再生計画において、亜鉛製錬事業(製錬セグメントに含まれる)の主要設備を停止し、各種メタルの製品加工業及び亜鉛ダスト処理を中心とした金属リサイクル事業へ再編することを決定したことから、当連結会計年度においては、亜鉛製錬事業における固定資産の減損損失や希望退職制度の実施に伴う割増退職金や再就職支援費用等の事業再編損の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は14億58百万円となりました。他方、今後の事業再生を遂行するための資金確保と財政基盤の再構築として、2025年3月13日に株式会社アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンド及び株式会社辰巳商会から第三者割当増資により総額75億円の出資の払込みを受けたことから、当連結会計年度末における連結純資産は100億82百万円(自己資本比率10.2%)となりました。事業再生計画の前提となる第三者割当増資は完了したものの、前連結会計年度に引き続いて当連結会計年度においても親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、自己資本比率も10.2%と低い水準にあることから、依然として、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。しかしながら、資金面においては、当連結会計年度末において、現金及び預金209億79百万円を保有するとともに、2025年2月14日において、全取引金融機関との間で債権者間協定書を締結し、事業再生計画期間として位置付ける第三者割当増資実行日以降5年間の返済計画について合意しており、また、三菱UFJ銀行とは事業再生計画期間中における急激な市況や経済環境の変化等に対する運転資金のバックアップとして、動産を担保とした総額50億円の貸出コミットメント契約を締結していることから、当面の運転資金及び投資資金は十分に確保しており、重要な資金繰りの懸念はないものと判断しております。以上のことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況は存在するものの、重要な不確実性は認められないものと判断しております。