事業の概要
- 合金鉄事業鉄鋼製品の製造に不可欠なフェロマンガンやフェロシリコンといった合金鉄の製造・販売が主力です。これらは鉄の強度や耐久性を高めるために使われ、鉄鋼メーカーに供給されます。また、マンガン鉱山の権益も保有しており、原料の安定調達にも力を入れています。
- 機能材料事業酸化ジルコニウムやリチウムイオン電池正極材料など、高性能な素材を製造・販売しています。これらは、電子部品や電池といった先端技術製品に使われることが多く、高い技術力が求められる分野です。
- 環境ソリューション事業焼却灰を電気炉で溶かして資源化する事業や、工場排水から有害物質を取り除いたり、純水を作り出す装置の製造・販売を行っています。環境負荷の低減や水資源の有効活用に貢献するビジネスモデルです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 合金鉄事業鉄鋼製品の製造に不可欠なフェロマンガン、シリコマンガン、フェロシリコンなどの合金鉄の製造・販売が中心です。倉庫業や港湾荷役なども手掛け、売上高は484.4億円と最も大きく、同社の主力事業です。
- 機能材料事業酸化ジルコニウム、酸化ほう素、リチウムイオン電池正極材料といった高機能な素材の製造・販売を行っています。売上高は148.19億円で、先端技術分野を支える重要な事業セグメントです。
- 焼却灰資源化事業電気炉を用いて焼却灰を溶融固化処理し、資源として再利用する環境に配慮した事業です。売上高は88.86億円で、循環型社会の実現に貢献しています。
2025-12 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FerroalloysDivision | 事業 | 484 | − | − |
| FunctionalDivision | 事業 | 148 | − | − |
| IncinerationAshRecyclingDivision | 事業 | 89 | − | − |
| AquaSolutionsBusinessDivision | 地域 | 17 | − | − |
| ElectricPowerDivision | 事業 | 14 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当企業集団は、合金鉄、機能材料、焼却灰資源化、アクアソリューション及び電力の各事業を中心に展開している当社、子会社5社及び関連会社2社(以下「当社グループ」という。)と、鉄鋼製品等の製造、販売を行っているその他の関係会社である日本製鉄㈱で構成されております。 当社グループが営んでいる主な事業内容と各関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。 (1) 合金鉄事業主な事業内容主要な会社名会社数フェロマンガン、シリコマンガン、フェロシリコンの製造・販売並びにフェロクロム、フェロバナジウム、その他の特殊金属製品の販売倉庫業港湾荷役・構内作業の請負マンガン鉱山の権益保有 等当社、電工興産㈱、日電徳島㈱、Pertama Ferroalloys SDN.BHD.、Kudumane Japan(同)5社 (2) 機能材料事業主な事業内容主要な会社名会社数酸化ジルコニウム、酸化ほう素、フェロボロン、水素吸蔵合金、リチウムイオン電池正極材料、マンガン系無機化学品の製造・販売 等当社1社 (3) 焼却灰資源化事業主な事業内容主要な会社名会社数電気炉による焼却灰溶融固化処理 等当社、中電興産㈱2社 (4) アクアソリューション事業主な事業内容主要な会社名会社数排水処理装置:イオン交換塔(ほう素、ニッケル等重金属回収)の製造・販売純水製造装置:イオン交換塔及びRO膜装置の製造・販売当社1社 (5) 電力事業主な事業内容主要な会社名会社数電力の供給当社1社 (6) その他主な事業内容主要な会社名会社数サンプラー等鉄鋼用分析測定機器の製造・販売プラスチックの加工・販売 等リケン工業㈱、栗山興産㈱2社 以上に述べた事項の概要図は次のとおりであります。 (注) 無印 連結子会社 ※ 持分法適用関連会社
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 合金鉄製品の販売価格は国際市況を基準とし、国際的な製品需給により市況が変動するため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 合金鉄、機能材料、焼却灰資源化、アクアソリューション、電力など多岐にわたる事業展開に必要な設備投資。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:国内外の主要市場の経済状況及び需要の変動 / 国内外の競合各社との競争状況及び主要需要家の購買方針の変更 / 原燃料調達における価格・数量等の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
新日本電工の事業内容(電線・ケーブル、銅条等)において、特許やブランドによる明確な無形資産の優位性は確認できない。汎用品が多く、技術的優位性も限定的と推測される。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
電線・ケーブル製品は、顧客の仕様に合わせて製造される場合が多く、一度採用されると仕様変更に伴うコストやリスクから、顧客が他社へ乗り換える際のスイッチングコストは一定程度存在する可能性がある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
新日本電工の事業は、直接的なネットワーク効果を生むようなプラットフォーム型ビジネスではない。製品の利用が増えることで価値が増すという構造は存在しない。
コスト優位★★☆☆☆
鉄鋼業、特に電線・ケーブル業界は、原材料(銅など)の調達コストや生産効率が競争力の源泉となる。新日本電工が長年の操業で培った生産ノウハウや規模の経済によるコスト優位性は存在する可能性があるが、業界全体として価格競争も激しい。
規模の経済★★★☆☆
電線・ケーブル業界は、大手メーカーが複数存在し、一定の寡占化が進んでいる。新日本電工は、国内有数の電線メーカーとして、一定の生産能力と販売網を有しており、業界規模に対して最適な少数寡占の一部を形成していると考えられる。
- 多角的な事業展開合金鉄、機能材料、環境ソリューション、電力など、幅広い事業を展開しており、特定の市場変動リスクを分散しています。これにより、安定した収益基盤を築いていると考えられます。
- 原料の安定調達マンガン鉱山の権益保有や、複数のサプライヤーからの調達、柔軟な契約形態の採用により、主要な原料であるマンガン鉱石などの安定的な確保に努めています。これは、製造コストの安定化に寄与し、競争優位につながります。
- 技術力と研究開発酸化ジルコニウムやリチウムイオン電池正極材料といった機能材料の製造・販売は、高度な技術力を必要とします。継続的な研究開発により、高付加価値製品を生み出し、市場での競争力を維持していると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、特徴ある製品・技術・サービスを開発・提供し、持続的な成長を通じて豊かな未来の創造に貢献することを経営理念に掲げ、今日まで蓄積してきた製品・技術・サービスをもって合金鉄事業・機能材料事業・焼却灰資源化事業・アクアソリューション事業・電力事業における各種製品を改良・開発し、鉄鋼・電子部品材料・電池材料などの業界を始め、各方面の需要にお応えしてまいりました。 2023年11月に策定した中長期経営計画においては、2030年の「あるべき姿~素材と環境で人々の暮らしを支え、より良い未来に向かって挑戦し続ける会社」の実現に向け「“事業活動を通じた社会課題の解決”と“持続的な成長を通じた企業価値向上”の両立」という基本方針を掲げました。 高品質な製品の安定供給と新技術の開発、新製品の提供を目指し、経営諸課題に着実に取り組んでおります。 連結売上高 1,100億円以上、連結経常利益 130億円以上、ROE10%以上を2030年の業績目標としています。 また、2024年から2027年を対象とした第9次中期経営計画では、2027年の業績目標を連結売上高950億円、連結経常利益100億円、ROE10%以上としています。 (2)経営戦略等 当社グループは、2030年「あるべき姿」に向け、以下4つをターゲットとして取り組んでおります。 ・「成長戦略」「収益性の向上と安定化」では、事業環境変化を中長期の成長分野と捉え、当社事業の強みを活かしつつ事業規模・領域の拡大を図ってまいります。さらに、成長分野への積極的な戦略投資を進めることで、合金鉄市況の影響を受けにくいポートフォリオを構築し、収益力の向上と安定化を目指してまいります。また、社会課題の解決に貢献する新たな製品・事業の創出に向け、新製品の研究開発、外部との連携を通じて、事業機会の探索を進めてまいります。 ・「財務戦略」では、成長分野への積極的な戦略投資による固定資産の増強と、安定的で高水準の株主還元を両立させるため、適正な範囲内での財務レバレッジを活用し、企業価値の向上に寄与する財務体質への変革を行ってまいります。さらにDX等も活用して棚卸資産の効率化を進め、在庫影響の軽減を図ってまいります。 ・「サステナビリティ関連施策」では、“社会課題の解決”と“企業価値向上”の両立を図るため、地球温暖化対策では、2030年までにCO2排出量45%以上削減(2015年比)するため、50億円規模のGX投資を計画し、インターナルカーボンプライシング制度を導入して、積極的にカーボンニュートラルを推進してまいります。DXでは、IT人材育成、基幹システム刷新などの基盤強化を行いつつ、生産性や業務効率の飛躍的向上を図り、操業の省人化やオペレーションの最適化を進めます。更には人的資本経営の基盤強化を図るため、中長期事業戦略とリンケージした人材戦略を可視化し、取り組んでまいります。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは「2030年あるべき姿」を実現するため、2024年から2027年までの第9次中期経営計画を策定し、当該期間で実行すべき具体的な施策をとりまとめております。 合金鉄事業では、国内合金鉄の生産性向上と棚卸資産の圧縮を追求し、より強固な収益・財務体質を確立します。海外事業では安定生産を継続し、水力発電によるグリーン電源の優位性を活かし市場開拓を進めてまいります。あわせて、コスト削減に取り組み、収益改善に努めてまいります。 機能材料事業では、地政学リスク回避に貢献するオンリーワン商品の拡販を進めるとともに、次世代電池材料分野などにおける研究開発の成果を具体化することで、収益の拡大を図ります。 焼却灰資源化事業では、電気料金などのコスト上昇分を着実に処理価格へ反映させ、自治体や地域社会との連携を更に強化し焼却灰の収集量を増加させてまいります。加えて、2030年までに焼却灰溶融炉を現状の4基から7基体制とすることを目指し、11月に5号炉の新設ならびに6号炉との共有設備の建設について決定いたしました。埋め立て処分場の延命化と資源循環に貢献することで事業成長を加速させてまいります。 アクアソリューション事業では、長年培ってきた水処理に関わるノウハウを活用して社会のニーズに応えてまいります。また、製品ラインナップを強化し、新しい事業領域の開拓に注力します。 電力事業では、FITによる長期的な安定収益の確保に加え、水力発電の環境価値を活かした非化石証明の発行により当社のカーボンニュートラル実現に貢献してまいります。 加えて、足下の国内外の政治・経済状況による事業環境の変化にも柔軟に対応し、各事業の変革に取り組むとともに、事業部門・製造部門における基盤整備・体質強化を推進します。 研究開発については、需要家、大学、研究機関、ベンチャー企業等と連携し、研究テーマの取捨選択を行いながら、当社の強みを生かした商品探索と研究開発を進めてまいります。 DXの分野では、当社のDXビジョン「デジタルの活用により自らが変革することで最適なモノづくりとあらたな価値創出を実現する」ために策定したDXロードマップにおける生産DX、業務DX、事業DXのそれぞれの活動テーマを着実に実行するとともにDX基盤・環境整備を推進してまいります。 GXについては、カーボンフリー合金鉄製造のための研究開発を推進し、2050年でのカーボンニュートラル実現を目指すとともに、2030年までにCO2排出量を2015年対比45%以上削減することを目標とします。上記方針に基づき、CO2排出削減の一環として、2025年に徳島工場へガスエンジン発電設備を導入することを決定いたしました。あわせて、使用燃料のグリーンエネルギーへの転換も推進してまいります。 人的資本経営の観点では、人材確保、人的付加価値創出、人的資本経営基盤強化の3つをターゲットとし、中長期事業戦略に連動した施策を推進しています。人材確保においては、教育施設のネーミングライツを取得することなどにより当社の知名度向上を図り、新たな人材の確保につなげてまいります。また、人的付加価値創出では各職場・各階層での対話を通じた情報共有とコミュニケーションの活性化を進めています。人的資本経営基盤強化に関しては、DE&I、働き方改革、エンゲージメント向上などを通じてウェルビーイングの向上やダイバーシティ推進に取り組んでいます。これらの施策を通じて、人材の確保と従業員一人ひとりの価値の伸長を図ってまいります。 これらの課題を着実にクリアしていくこと及びサステナビリティ活動の推進により、将来に向けた基礎体力を養い、「あるべき姿」の目標達成のために当社グループ一致団結して尽力してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、特徴ある製品・技術・サービスを開発・提供し、持続的な成長を通じて豊かな未来の創造に貢献することを経営理念に掲げ、今日まで蓄積してきた製品・技術・サービスをもって合金鉄事業・機能材料事業・焼却灰資源化事業・アクアソリューション事業・電力事業における各種製品を改良・開発し、鉄鋼・電子部品材料・電池材料などの業界を始め、各方面の需要にお応えしてまいりました。 2023年11月に策定した中長期経営計画においては、2030年の「あるべき姿~素材と環境で人々の暮らしを支え、より良い未来に向かって挑戦し続ける会社」の実現に向け「“事業活動を通じた社会課題の解決”と“持続的な成長を通じた企業価値向上”の両立」という基本方針を掲げました。 高品質な製品の安定供給と新技術の開発、新製品の提供を目指し、経営諸課題に着実に取り組んでおります。 連結売上高 1,100億円以上、連結経常利益 130億円以上、ROE10%以上を2030年の業績目標としています。 また、2024年から2027年を対象とした第9次中期経営計画では、2027年の業績目標を連結売上高950億円、連結経常利益100億円、ROE10%以上としています。 (2)経営戦略等 当社グループは、2030年「あるべき姿」に向け、以下4つをターゲットとして取り組んでおります。 ・「成長戦略」「収益性の向上と安定化」では、事業環境変化を中長期の成長分野と捉え、当社事業の強みを活かしつつ事業規模・領域の拡大を図ってまいります。さらに、成長分野への積極的な戦略投資を進めることで、合金鉄市況の影響を受けにくいポートフォリオを構築し、収益力の向上と安定化を目指してまいります。また、社会課題の解決に貢献する新たな製品・事業の創出に向け、新製品の研究開発、外部との連携を通じて、事業機会の探索を進めてまいります。 ・「財務戦略」では、成長分野への積極的な戦略投資による固定資産の増強と、安定的で高水準の株主還元を両立させるため、適正な範囲内での財務レバレッジを活用し、企業価値の向上に寄与する財務体質への変革を行ってまいります。さらにDX等も活用して棚卸資産の効率化を進め、在庫影響の軽減を図ってまいります。 ・「サステナビリティ関連施策」では、“社会課題の解決”と“企業価値向上”の両立を図るため、地球温暖化対策では、2030年までにCO2排出量45%以上削減(2015年比)するため、50億円規模のGX投資を計画し、インターナルカーボンプライシング制度を導入して、積極的にカーボンニュートラルを推進してまいります。DXでは、IT人材育成、基幹システム刷新などの基盤強化を行いつつ、生産性や業務効率の飛躍的向上を図り、操業の省人化やオペレーションの最適化を進めます。更には人的資本経営の基盤強化を図るため、中長期事業戦略とリンケージした人材戦略を可視化し、取り組んでまいります。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは「2030年あるべき姿」を実現するため、2024年から2027年までの第9次中期経営計画を策定し、当該期間で実行すべき具体的な施策をとりまとめております。 合金鉄事業では、国内合金鉄の生産性向上と棚卸資産の圧縮を追求し、より強固な収益・財務体質を確立します。海外事業では安定生産を継続し、水力発電によるグリーン電源の優位性を活かし市場開拓を進めてまいります。あわせて、コスト削減に取り組み、収益改善に努めてまいります。 機能材料事業では、地政学リスク回避に貢献するオンリーワン商品の拡販を進めるとともに、次世代電池材料分野などにおける研究開発の成果を具体化することで、収益の拡大を図ります。 焼却灰資源化事業では、電気料金などのコスト上昇分を着実に処理価格へ反映させ、自治体や地域社会との連携を更に強化し焼却灰の収集量を増加させてまいります。加えて、2030年までに焼却灰溶融炉を現状の4基から7基体制とすることを目指し、11月に5号炉の新設ならびに6号炉との共有設備の建設について決定いたしました。埋め立て処分場の延命化と資源循環に貢献することで事業成長を加速させてまいります。 アクアソリューション事業では、長年培ってきた水処理に関わるノウハウを活用して社会のニーズに応えてまいります。また、製品ラインナップを強化し、新しい事業領域の開拓に注力します。 電力事業では、FITによる長期的な安定収益の確保に加え、水力発電の環境価値を活かした非化石証明の発行により当社のカーボンニュートラル実現に貢献してまいります。 加えて、足下の国内外の政治・経済状況による事業環境の変化にも柔軟に対応し、各事業の変革に取り組むとともに、事業部門・製造部門における基盤整備・体質強化を推進します。 研究開発については、需要家、大学、研究機関、ベンチャー企業等と連携し、研究テーマの取捨選択を行いながら、当社の強みを生かした商品探索と研究開発を進めてまいります。 DXの分野では、当社のDXビジョン「デジタルの活用により自らが変革することで最適なモノづくりとあらたな価値創出を実現する」ために策定したDXロードマップにおける生産DX、業務DX、事業DXのそれぞれの活動テーマを着実に実行するとともにDX基盤・環境整備を推進してまいります。 GXについては、カーボンフリー合金鉄製造のための研究開発を推進し、2050年でのカーボンニュートラル実現を目指すとともに、2030年までにCO2排出量を2015年対比45%以上削減することを目標とします。上記方針に基づき、CO2排出削減の一環として、2025年に徳島工場へガスエンジン発電設備を導入することを決定いたしました。あわせて、使用燃料のグリーンエネルギーへの転換も推進してまいります。 人的資本経営の観点では、人材確保、人的付加価値創出、人的資本経営基盤強化の3つをターゲットとし、中長期事業戦略に連動した施策を推進しています。人材確保においては、教育施設のネーミングライツを取得することなどにより当社の知名度向上を図り、新たな人材の確保につなげてまいります。また、人的付加価値創出では各職場・各階層での対話を通じた情報共有とコミュニケーションの活性化を進めています。人的資本経営基盤強化に関しては、DE&I、働き方改革、エンゲージメント向上などを通じてウェルビーイングの向上やダイバーシティ推進に取り組んでいます。これらの施策を通じて、人材の確保と従業員一人ひとりの価値の伸長を図ってまいります。 これらの課題を着実にクリアしていくこと及びサステナビリティ活動の推進により、将来に向けた基礎体力を養い、「あるべき姿」の目標達成のために当社グループ一致団結して尽力してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当連結会計年度(2025年1月1日から2025年12月31日)における世界経済は、中国での景気後退や米国による通商・貿易政策などにより先行きが不透明な状況が継続しました。我が国において対ドル150円を超える歴史的な円安が定着していると同時に、人手不足による人件費の上昇に加え、エネルギーや食糧などの諸物価の上昇も継続し、国内製造業においては製造コストが上昇する環境が継続しました。 このような事業環境の中、合金鉄以外の事業は順調に拡大を続けたものの、合金鉄事業における、2024年7月以降にマンガン鉱石市況が大幅下落したことに伴う在庫影響や定期修繕による販売及び生産減等の要因により減収減益となりました。また、当社が経営指標として重視している在庫影響等の一過性要因を除いた実力ベース経常利益は53億円(前年は52億円)となりました。 各事業の経営成績は、次のとおりです。 (合金鉄事業) 当連結会計年度は、需要低迷に加え、インドを中心に生産・販売が過剰となったことで合金鉄市況は低調に推移しました。マンガン鉱石においても2024年中旬に大幅下落した市況の回復は見られませんでした。 こうした状況のなか、国内合金鉄事業においては、国内鉄鋼生産の低迷により減収となりました。利益面においては定期修繕による生産減少やマンガン鉱石市況が低調に推移したことによる在庫影響等により減益となりました。持分法適用会社の2社から成る海外合金鉄事業においては、フェロシリコン等、製品市況の悪化により損失が拡大しました。 以上の結果、売上高は48,440百万円(前年比6.4%減)、経常損益は2,127百万円の経常損失(前年は1,085百万円の経常利益)と、減収減益となりました。 実力ベース経常利益は、収益改善や価格改善に努めたものの、定期修繕やマージン悪化等の影響により2億円(前年11億円)となりました。 (機能材料事業) 当連結会計年度は、電子部品関連では顧客の在庫調整解消により、酸化ジルコニウムや酸化ほう素の販売数量は前年と比べ増加しました。車載用電池材料関連では、リチウムイオン電池正極材は設備修繕のため販売数量は減少しましたが、水素吸蔵合金は増加しました。マンガン系無機化学品は販売数量が減少しましたが、フェロボロンは需要が堅調に推移し販売数量は増加しました。 以上の結果、売上高は14,819百万円(前年比6.0%増)、経常利益は1,923百万円(同16.1%増)と増収増益となりました。 実力ベース経常利益は22億円(前年20億円)と前年を上回りました。 (焼却灰資源化事業) 当連結会計年度は、焼却灰収集量及び処理量の増加、並びに溶融メタルに関連する貴金属市況の高位安定が継続しました。 以上の結果、売上高は8,886百万円(前年比14.7%増)、経常利益は2,074百万円(同46.9%増)と増収増益となりました。 実力ベース経常利益は21億円(前年14億円)と前年を上回りました。 (アクアソリューション事業) 当連結会計年度は、純水製造装置はボイラー発電メンテナンス向け等販売が増加、排水処理装置販売も堅調に推移しました。 以上の結果、売上高は1,656百万円(前年比5.5%増)、経常利益は105百万円(前年比8.2%減)となりました。 (電力事業) 当連結会計年度は、FIT制度を利用した売電事業として水力発電所が順調に稼働した結果、売上高は1,405百万円(前年比0.3%減)、経常利益は409百万円(前年比3.8%増)となりました。 当連結会計年度における事業の売上高及び経常利益は次のとおりです。(単位:百万円、%)区分 第125期(前連結会計年度) (2024.1.1~2024.12.31) 第126期(当連結会計年度) (2025.1.1~2025.12.31) 増減率 売上高経常利益売上高経常利益売上高経常利益 金 額 構成比 金 額 構成比 金 額 構成比 金 額 構成比合金鉄事業51,75666.21,08522.348,44062.7△2,127△78.7△6.4-機能材料事業13,97917.91,65634.114,81919.21,92371.26.016.1焼却灰資源化事業7,7449.91,41229.18,88611.52,07476.714.746.9アクアソリューション事業1,5702.01152.41,6562.11053.95.5△8.2電力事業1,4091.83948.11,4051.840915.2△0.33.8その他1,7752.31954.02,0692.731611.716.662.5合計78,235100.04,859100.077,277100.02,703100.0△1.2△44.4 ②キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、14,569百万円の収入となりました(前連結会計年度は5,958百万円の収入)。主な増加要因は、棚卸資産の減少7,840百万円、減価償却費3,665百万円です。主な減少要因は、仕入債務の減少2,350百万円、法人税等の支払額1,103百万円です。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、5,583百万円の支出となりました(前連結会計年度は4,848百万円の支出)。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出4,828百万円です。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、8,914百万円の支出となりました(前連結会計年度は3,058百万円の支出)。主な増加要因は、長期借入による収入1,000百万円です。主な減少要因は、自己株式の取得による支出4,031百万円、長期借入金の返済による支出3,564百万円です。 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ76百万円増加し6,008百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 事業の名称生産高(百万円)前年同期比(%)合金鉄事業41,97487.5機能材料事業15,140110.1焼却灰資源化事業8,691115.8アクアソリューション事業1,656105.5電力事業1,40599.7その他1,654109.1合計70,52195.6 b.受注実績 受注生産は行っておりません。 c.販売実績 事業の名称販売高(百万円)前年同期比(%)合金鉄事業48,44093.6機能材料事業14,819106.0焼却灰資源化事業8,886114.7アクアソリューション事業1,656105.5電力事業1,40599.7その他2,069116.6合計77,27798.8(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相 手 先前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)日本製鉄㈱48,11761.543,75956.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況の分析・検討内容 経営者等の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、本報告書「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ8,786百万円減少し93,414百万円となりました。流動資産は、在庫圧縮による棚卸資産などの減少により、前連結会計年度末と比べ9,551百万円減少し44,419百万円となりました。固定資産は、長期貸付金が減少した一方、投資有価証券が増加したことにより、前連結会計年度末と比べ765百万円増加し48,994百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、支払手形及び買掛金、長期借入金などの減少により、前連結会計年度末と比べ6,134百万円減少し22,388百万円となりました。なお、有利子負債(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、リース債務(流動負債)、長期借入金、リース債務(固定負債))は3,250百万円減少し13,826百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,652百万円減少し71,025百万円となりました。これは主に、自己株式の増加によるものです。b.経営成績当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。 ③経営成績に重要な影響を与える要因 「第2事業の状況 3事業等のリスク」に記載しております。 ④資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び貯蔵品の仕入や製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。 投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。 短期運転資金は、自己資金、売掛債権のファクタリング及び金融機関からの短期借入などによる調達を基本としております。 設備投資につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入などによる調達を基本としております。
事業リスク
- 国際市況と国内経済の変動合金鉄の販売価格は国際市況に左右され、また売上の大半が国内向けのため、日本の経済状況、特に粗鋼生産量の変動が業績に大きく影響します。地政学的リスクによる経済活動の停滞も需要減退につながる可能性があります。
- 原燃料価格の変動と調達リスクマンガン鉱石やコークス、電力などの原燃料価格は国際市況に連動し、変動が製造原価に影響を与えます。自然災害などによるサプライチェーンの寸断も、調達に支障をきたし、生産活動に影響を及ぼす可能性があります。
- 海外事業と財務リスク海外での事業投資は、現地の法令や税制、情勢不安などのリスクを伴います。また、外貨建て取引が多いため為替レートの変動が業績に影響し、有利子負債を保有しているため金利変動も財務に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財政状態に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、次のとおりであります。 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)国内外の主要市場の経済状況及び需要の変動等 合金鉄製品の販売価格は国際市況を基準としていることから、国際的な製品需給により市況が変動した場合には、業績に影響を与える可能性があります。当社グループの売上高はほとんどが国内向けであり、業績は我が国の経済情勢、とりわけ国内粗鋼生産量の変動により多大な影響を受けます。また、中国、インド、米国等の経済情勢や関税等の政策により自動車をはじめとした我が国の輸出動向を経て粗鋼生産や合金鉄の需要に影響を与え、当社の業績が変動する可能性があります。加えて、地政学的リスクが顕在化することで、経済活動が停滞し当社製品の需要が落ち込むことにより、業績が影響を受ける可能性があります。当社は、国際市況、経済動向を十分に見据えながら適切に対応すべく、機動的な生産計画の見直しに加え生産体制の見直し等当該リスクの低減に努めてまいります。(2)国内外の競合各社との競争状況及び主要需要家の購買方針の変更等 当社グループは、各事業において、国内外の競合各社と厳しい競争状態にあることから、当社グループの事業競争力が相対的に減退した場合には、業績が悪化する可能性があります。また、各事業分野における主要な需要家の購買方針に変更等が生じた場合には、業績が変動する可能性があります。当社は、需要家との密接な関係強化の継続に努めているとともに、安価原料の使用や原料ソース分散等による製造コスト低減や一般管理費の削減等により原価低減を推し進め、競争力の維持・向上に努めております。(3)原燃料調達における価格・数量等の変動 マンガン鉱石、コークス、レアアース、原油等の原燃料価格は国際市況に連動しており、国際的な資源需給の変動、資源輸出国における経済・社会情勢等の変化、天災地変等に起因する市況変動等が業績に影響を与える可能性があります。当社グループの製造原価では電力が相応の割合を占めている為、原燃料価格に起因する電力価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、自然災害等による仕入先の操業・出荷の停止、さらには物流の寸断等により、電力を含む原燃料等の調達に支障が生じた場合、生産活動の制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。当社は、継続的な原料サプライヤーとの関係性により柔軟な契約形態を採用するとともに、安価原料使用や原料ソース分散等安定したサプライチェーンの構築、また製造コスト低減や一般管理費の削減等により収益への影響を最小限にとどめるよう努めてまいります。(4)海外での事業活動 当社グループは、海外諸国において事業投資活動を行なっております。これらの国の法令、税制、社会的インフラの変動、及びテロ等の情勢不安等に加え、現地特有のマネジメント上のリスクもあり、投資先事業における経営環境の変化、業況、及び操業不調等が、業績、及び投資の回収等に影響を与える可能性があります。また、国際的な製品需給により市況が変動した場合には、業績、及び投資の回収等に影響を与える可能性があります。当社は、他の出資会社と共に、現地の事業環境の情報収集に努め、投資先事業への指導を徹底し、また、適切な支援に取り組むことで、当該リスクの低減に努めております。 (5)財務リスク①為替レートの変動 合金鉄事業を始めとして、当社グループは主として、外貨建の国際市況を基準として取引していることから、為替動向が売上高及び業績に影響を与える可能性があります。また、為替動向は外貨建で取引されている原料の購入価格にも影響を与える可能性があります。さらに、外貨建の資産・負債を保有していることから、為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。②金利変動 当社グループは、相応の有利子負債を保有しているため、金利情勢、その他金融市場の変動が業績に影響を与える可能性があります。金利の動向を見ながら、必要に応じて金利スワップ取引を利用することにより当該リスクの低減を図っております。③資金調達 当社グループは、資金調達にあたり資金繰り計画に基づき流動性リスクを管理し、更に金融機関との間にコミットメントライン契約を結び不測の事態に備えておりますが、当該契約には財務制限条項が付されているため、当社グループの業績が大きく悪化した場合は当該コミットメントラインに基づく資金調達が影響を受ける可能性があります。なお、財務制限条項の詳細は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)8財務制限条項」に記載のとおりです。当社グループは、中長期経営計画の着実な実行により安定的な収益確保に努めるとともに財務体質の改善強化に努めてまいります。(6)固定資産減損リスク 当社グループが保有している固定資産について、時価が著しく低下した場合や事業の収益性低下により投資回収が見込めなくなった場合、固定資産の減損損失が発生し、業績に影響を与える場合があります。当社グループは中長期経営計画の着実な実行により収益性の向上と安定化に努めてまいります。(7)棚卸資産の収益性低下 製品価格や製品原価の変動により棚卸資産の収益性が低下し、それにより簿価切り下げが発生した場合には、業績に影響を与える可能性があります。当社は、需要に見合った生産に努めるとともに生産に見合った原料等の最適調達に努めております。また、年度予算で適正在庫水準目標を定めて在庫管理を行い、当該リスクの低減に努めております。(8)繰延税金資産の回収可能性 当社グループでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかしながら今後、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合は、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。(9)法令その他の規則及び環境規制の変更 当社グループの事業活動に適用される法令その他の規則の変更があった場合には、業績に影響を与える可能性があります。特にCO2排出量に関連した規制は影響が大きいことから、木質コークスの採用や、水素還元等の低炭素プロセス導入に取り組んでおります。また、当社グループの事業活動に伴い発生する廃棄物では、国内外の法規制を遵守し、的確な対応を行っているものの、今後の法規制強化によっては業績に影響を与える可能性があります。当社グループは法規制の改正等、必要な情報を適時・適切に収集するとともに、社員教育を実施し厳格に法令遵守を図っております。 (10)自然災害及び事故 大規模な台風、地震、津波等の自然災害に見舞われた場合、当社グループ従業員及び主要設備に被害が発生するおそれがあり、操業、出荷に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合には事業活動の停止や制約等により、業績に影響を与える可能性があります。さらに、新型インフルエンザ等の感染症が流行した場合には、当社グループの事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。当社は、設備の耐震補強による地震対策や嵩上による津波対策の実施、老朽化設備の更新等に加え、事業継続計画(BCP)を策定し、その実地訓練を実施する等有事に備えております。また、日頃の設備メンテナンス、老朽化設備の更新、定期的な安全活動(リスクアセスメント、危険予知活動等)の計画と実施等により、リスク低減を図っております。(11)知的財産 当社グループは当社技術に関わる知的財産権の取得・活用及び他社知的財産権の侵害防止に努めておりますが、技術の進歩が高度かつ複雑になる中、知的財産に関する訴訟が生じた場合には、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。当社は、他社との特許係争が生じないよう、特許連絡会を設置し、問題特許や競合他社の特許出願の有無を常時モニターし適切な対応に努めております。(12)人材確保及び育成 当社グループでは、事業の成長に必要な人材の確保及び育成に努めており、その際には多様性の確保(ダイバーシティ)と一人ひとりの人格を尊重し受け入れる企業風土の醸成によるエンゲージメントの向上が不可欠です。今後、少子高齢化に伴う国内労働人口の減少や企業風土醸成が不十分なことによる人材定着率の低下等、人材確保や育成が計画どおりに進まなかった場合、持続的な成長に向けた事業活動に影響を与える可能性があります。このような事態を回避するため、採用活動の強化、育成体系や職場環境整備や多様な働き方等の人的資本への積極的な投資、さらには、DXを活用した生産・業務・事業の革新を進め、魅力ある企業としての体制づくりを進めております。(13)気候変動リスク 当社グループは、気候変動に関して生じる変化を重要なリスク要因として認識しています。移行リスクとしては、炭素税・排出権取引制度等の温室効果ガスの排出規制が導入された場合、原材料価格や電力価格が上昇し、製造コストが増加することで収益の低下をもたらす可能性があります。また、物理的リスクとしては、台風・洪水等の極端な気象現象が深刻化した場合、操業停止や物流の寸断、被害コストの増加などが収益の低下をもたらす可能性があります。一方で、当社グループは、気候変動への対応をリスクとしてだけでなく機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題の解決を目指してまいります。(14)情報システムの障害、情報漏洩等 当社グループの情報システムは、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃、大規模停電、あるいは予期せぬシステム障害等による停止リスクが存在します。これら不測の事態が発生した場合、生産活動や業務の停止、機密情報の外部漏洩、決算業務の遅延、訴訟の提起や社会的信用の失墜等を招き、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、これらのリスクに対し、データセンターおよびクラウドサービスの適切な活用、ファイアウォールの設置、OSの多様化によるリスク分散やウイルス対策ソフトの導入等の技術的対策に加え、標的型メール訓練等の人的対策、外部機関によるセキュリティ監査の実施など、多層防御を含むセキュリティ対策を講じており、リスクの低減に努めています。