有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,748 文字
3【事業等のリスク】当社グループは、リスクマネジメントをマテリアリティの一つと位置づけ、事業活動を通じて発生するリスクを把握の上、適切な管理体制を整備し、計画・実践・評価・是正措置のサイクルを構築しています。当社グループのマテリアリティについては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般について ④指標及び目標」をご参照ください。また、当社グループを取り巻く事業環境の変化や様々なリスクに対し、より適切に対応するため、中長期の視点を持つとともに、リスクを事業機会として捉え、企業価値を最大化しようとする全社的リスクマネジメント (ERM:Enterprise Risk Management)を構築しています。リスク抽出においては、経営によるトップダウン型のアプローチ手法を導入するとともに、リスク管理においてはリスクオーナー設定によるリスクカテゴリ毎のグループ横断的なリスク管理を推進しています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)リスク管理体制当社グループでは、各社の事業を発展的かつ安全に運営するため、グループリスクマネジメント統括部署(サステナビリティ推進部)が各社におけるリスクへの取組状況を集約し、サステナビリティ戦略委員会に報告します。サステナビリティ戦略委員会では、グループ全体に関わるリスクへの対策と進捗を審議し、その結果を経営執行会議、取締役会へ報告するとともに、サステナビリティ連絡会を通じてグループ各社へ展開します。(サステナビリティ戦略委員会については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般について」をご参照ください。)また、サステナビリティ戦略委員会の実務機能を担う機関として、サステナビリティコミッティを必要に応じて開催しています。 (2)リスク管理の運営経営層へのヒアリングやアンケートによりトップダウンで抽出した中長期的リスク及び各部門・グループ各社がボトムアップで抽出したリスクのうち、影響度や発生可能性が上位かつ、マテリアリティとの関連性や業界特性上の重要性が高いリスクを選定しました。これらのリスクについて、経営層がサステナビリティ戦略会議(2025年度からはサステナビリティ戦略委員会)において議論し、2024年4月に11項目をトップリスクとして決定し、取締役会へ報告しました。2025年度はその11項目を継続しつつ、直近の社内外の環境変化が当社グループに与えうる事象・影響をリスクシナリオに織り込み、対策の強化に取り組んでおります。トップリスクについては、グループ横断的に統制を図るため、当社グループ全体におけるグループリスクオーナーと、中核事業会社におけるリスクオーナーを設定しています。グループリスクオーナーであるグループ全体の統括責任部署が、トップリスクへの対策の策定並びにKPIの設定を実施した上でモニタリング・レビューを行い、更なる改善活動に繋げます。中核事業会社のリスクオーナーはグループリスクオーナーとの連携のもと、各社において同様のPDCAサイクルを実践します。また、トップリスクに含まれない、各部門・グループ各社から抽出したリスクについても、全社的リスクマネジメントの中で管理しております。 当社ERMにおけるPDCAサイクル (3)トップリスクトップリスクは、以下に記載のとおりです。トップリスクについては「(2)リスク管理の運営」に記載のとおり決定し、管理します。No.トップリスクカテゴリマテリアリティとの関連想定されるシナリオ・主な対策1脱炭素化の進展による石油需要の減少・事業資産への影響戦略○(シナリオ)エネルギートランジションの進行等により、想定外のスピードでの石油製品需要減少やGX-ETSや炭素賦課金によるコスト増に伴い、収益性が低下し、当社グループの事業資産が座礁化する(対策)中長期的な事業環境の変化を適切に捉え、将来の環境を見据えて事業方向性を検討2環境規制・気候変動対策の強化に伴うポートフォリオ・戦略投資への影響戦略○(シナリオ)エネルギー政策や規制変更等により気候変動対策が急激に強化され、ポートフォリオ転換・戦略投資の判断に影響を及ぼす(対策)中長期的な事業環境の変化を適切に捉え、将来の環境に応じた適切なポートフォリオ・事業戦略を構築3労働市場の変化による人材確保・育成の困難化戦略○(シナリオ)労働人口が減少する中で、既存・新規事業の両面で多様性かつ専門性を持った人材の確保・育成が困難になる(対策)経営人材の確保、事業戦略に合わせた人材の確保4カーボンニュートラル燃料への対応遅れ戦略○(シナリオ)カーボンニュートラル燃料に関して、上市されている当該燃料の調達が困難となる、あるいは新しい技術開発・導入が遅れる、または失敗することにより、対応が遅れる(対策)業界・政策動向のモニタリング、技術検討5原料・資材価格の変動戦略 (シナリオ)政情変化や経済変化、各国の政策変更等に伴う原油やLNG等の資源価格のボラティリティ上昇や、世界的な保護主義政策やインフレ(資機材、労務費等の高騰含む)、為替レートの変動により業績が悪化する(対策)業界・政策動向、産油国動向のモニタリング、調達体制の最適化6自然災害戦略○(シナリオ)地震や津波等の大規模自然災害により当社設備が壊滅的な被害を受け、早期復旧が困難となり巨額の損失を被る(対策)当社グループ全体での災害対策の構築7品質不正業務○(シナリオ)品質管理の不備と自浄作用の欠如により、(出荷後に)品質に関する問題が発覚し、製品回収による損失、ステークホルダーからの信用失墜を招く(対策)品質監査の実施、品質管理システムの高度化検討8サプライチェーンの中断業務○(シナリオ)当社グループのサプライチェーンは広範囲に及ぶため、政治情勢の悪化や取引先における様々な要因等により、原油生産拠点での操業停止、船舶輸送、製油所の整備や給油所の運営等において、サプライチェーンの中断、損失が発生する(対策)運送体制強化、調達体制の最適化9情報セキュリティリスク業務○(シナリオ)サイバー攻撃により業務停止や情報漏洩、身代金請求等の被害が発生する顧客情報管理の委託先に対する指導・監査を適切に行うことができず、個人情報が流出し、顧客からの信頼を失う(対策)ランサムウェアやウイルス対策の強化、個人情報保護等の対策強化10生産設備における事故、不具合・故障業務○(シナリオ)製油所・油田・発電所での事故や不具合・故障により、操業継続が困難となるほか、周辺地域の自然環境・生物に影響を及ぼす等損失が発生し、キャッシュ・フロー創出に影響する(対策)不具合の未然防止(APM(注1)の構築等)及び減災対策の強化、老朽化対策11内部統制不備による不正/不適切行為の発生財務・コンプライアンス○(シナリオ)内部統制システムが十分に機能せず、人員・ノウハウやIT技術導入不足等により重大な不備や不正が発生し、行政指導や刑事罰を受けるほか、ステークホルダーからの信用を失う企業の価値・競争力の源泉となる情報資産が社外へ漏えいすることで、企業価値・競争力が毀損される(対策)CSA(注2)の実施、グループガバナンス強化、知的財産管理強化(注1)APM(Asset Performance Management System):グローバルスタンダードの保全・設備信頼性業務プロセスをシステムの活用により、保全のビッグデータを効率的かつ効果的に管理し、網羅性・予見性・管理性を高めることができる。(注2)CSA(Control Self Assessment - 内部統制自己評価) なお、トップリスクに関連するリスク顕在化の可能性、影響の内容及び対策については次のとおりであります。 (トップリスクNo.1 脱炭素化の進展による石油需要の減少・事業資産への影響)当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受け、ナフサは石油化学業界の需要動向に影響されます。燃料油の国内需要は、少子高齢化や人口減少、自動車ハイブリッド化等による燃費改善や燃料転換等の構造的要因から減少傾向が継続するものと想定しております。また、油価の下落、産油国の政策変更による供給先変更及び国内のみならず海外も含めた経済や政治の動向等で石油および石油化学製品の需要が変動した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは、需要減少に備え国内販路の確保や収益油種を集中して生産できる体制の構築等に取り組んでおります。また、新たな取組としては、日本初の国産SAF(持続可能な航空燃料。カーボンニュートラル燃料に関するリスクについてはトップリスクNo.4に記載)の大規模生産、グリーン電力販売の拡大、蓄電事業の実証の着実な推進、水素事業の推進に取り組んでおります。 (トップリスクNo.2 環境規制・気候変動対策の強化に伴うポートフォリオ・戦略投資への影響)エネルギー政策や規制変更等により気候変動対策が急激に強化され、ポートフォリオ転換・戦略投資の判断に影響を及ぼす可能性があります。風力発電事業では、開発段階において各種許認可の取得に加え、風況観測及び環境アセスメントが必要となるため、建設工事着工前から一定程度の先行的な投資が発生します。開発段階で事業化を断念しなければならない事象が発生し、投資額が回収できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、資材、建設費等の高騰、競争の激化等から、収益性が低下する可能性があります。これらのリスクについてはそれぞれ施策を講じてリスク低減に取り組んでおります。一般海域における洋上風力発電事業の開発は「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(平成30年法律第89号)に則って行われ、具体的な手続、スケジュールは経済産業省及び国土交通省により進められています。当社グループが想定している時期に促進区域に指定されず、事業計画に遅れが出るもしくは中止となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態及び将来の成長性に影響を及ぼす可能性があります。上記に対し、当社グループでは事業候補地におけるフィージビリティスタディ等を実施し、リスク低減に取り組んでおります。なお、当社グループにおける気候変動に関するリスク及び取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応」をご参照ください。 (トップリスクNo.3 労働市場の変化による人材確保・育成の困難化)近年、労働人口が減少する中で有能な人材の確保をめぐる競争は激化しています。在籍している社員の流出防止や、経営戦略の推進に必要な人材の確保・育成ができない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。そのため、当社グループは、事業成長の源泉及び組織活力の維持を担う人材の継続的な確保と育成に努めています。既存・新規事業の両面で多様性かつ専門性を持った人材の確保・育成に対応するため、処遇制度の見直し、自律的キャリア形成強化、人材育成への投資強化、 女性・キャリア採用強化に取り組んでおります。具体的には、自己啓発制度の拡充、経営人材・女性社員・事業部門の育成強化、採用手法の多様化等を実施しています。これら当社グループの取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご参照ください。 (トップリスクNo.4 カーボンニュートラル燃料への対応遅れ)カーボンニュートラル燃料は、既存の石油製品サプライチェーンの活用が可能であること等から脱炭素社会の実現へ向け期待は大きくなっています。一方で、現状では生産効率やコスト等が課題であり、普及に向けて技術開発に取り組む必要があります。脱炭素社会が到来し、カーボンニュートラル燃料が主流となった環境において、技術開発の失敗等によりカーボンニュートラル燃料を扱えない場合には製品の供給が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、脱炭素社会に向けた様々な技術開発・検討を行っており、リスク低減に取り組んでおります。 (トップリスクNo.5 原料・資材価格の変動)原油価格は、世界経済や産油国の生産方針等の需給動向に加え、中東産油国の周辺地域を中心とした戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態を含む多様な要因により変動する恐れがあります。石油開発事業における原油価格に関するリスクに加え、当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しているため、原油価格の下落局面では、期初の在庫単価と期中に仕入れた在庫単価が平均され売上原価を押し上げることになり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの主要な石油製品コストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップやタイムラグが生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(注)。石油化学製品の価格については、国際市況であるナフサ価格や為替レートの変動、世界的な需要動向等の影響を受ける可能性があります。また、原油価格の下落により、棚卸資産の期末における正味売却価額が帳簿価額よりも低下し、棚卸資産の収益性が低下したと判断する場合があります。この場合、棚卸資産の収益性の低下を反映するために計上した評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは原油及び石油製品の輸出入に係る価格変動のリスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取組については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」をご参照ください。世界的な保護主義政策やインフレによって資材調達、輸送等のコストが変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはパートナーとの提携や、在庫の適正化等の施策を講じてリスクの低減に取り組んでおります。資材価格の変動に関して、洋上風力設備の建設工事着工は入札時からのリードタイムが数年あるため、その間に鋼材や労務費等の上昇が発生した場合、建設費用が増加する可能性があります。また、海外からの資機材搬入の遅延等さまざまな要因により、工事が遅延する可能性があります。建設費増加または工事遅延が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループではパートナーとの提携等により、これらのリスクの低減に努めております。 (注)2025年5月13日に公表した2026年3月期通期連結業績予想の経常利益へ与える原油価格変動、為替変動の感応度を測定しております。2025年4月~2026年3月の前提条件は原油価格65ドル/バレル、為替145円/ドルとしており、前提より原油価格+1ドル/バレルあたりの影響額及び為替+1円/ドルあたりの影響額は以下のとおりであります。なお期間中において原油価格、為替に変動なく一定に推移した前提で試算しております。 (トップリスクNo.6 自然災害)自然災害の発生時には、当社グループの設備が被害を受け巨額の損失を被るほか、何らかの要因で操業が停止する可能性があります。そのため、当社グループでは巨大地震等の自然災害を想定し、その影響を最小限に抑えるため、非常用電源設置、耐震改修、BCP(事業継続計画)マニュアル整備等を行っています。2024年9月に南海トラフ巨大地震を想定したBCP訓練を当社、コスモ石油㈱、コスモ石油マーケティング㈱の3社合同で行いました。初動対応から被災地へ向けた石油製品の供給・販売方針策定に重点を置き、災害情報を視覚的に表示するダッシュボードシステム等を活用しオンラインでの情報連携や共有を行う等、より実践的な訓練とし、BCPの実効性や課題を確認しました。さらに2024年11月には、首都直下地震により当社グループの本社機能が麻痺した状態を想定し、臨時危機対策本部をコスモ石油㈱堺製油所及びコスモ石油マーケティング㈱大阪オフィスに設置し、災害対応に関する意思決定の権限を委譲した前提のBCP訓練を実施しました。訓練を通じて抽出されたBCPの体制や訓練運営上の課題に対して、対策を進めております。 (トップリスクNo.7 品質不正)当社グループは、日々製品・サービスの品質管理体制の強化に努めておりますが、(出荷後に)品質に関する問題が発覚し、広域にわたり製品回収を行うことにより多額の損失を被るだけでなく、顧客からの信頼喪失やブランドイメージの低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいて、過去に一部製品における不適正な検査が顕在化した事案を踏まえ、教育の徹底、試験法管理の見直し、監査の強化等の対策を継続実施し、リスク低減に取り組んでおります。 (トップリスクNo.8 サプライチェーンの中断)昨今のウクライナ紛争の長期化、中東地域や東アジア地域の政情変化、欧米及び中国の経済変化に伴う原油価格の急激な変動、テロ等の不測の事態により原油調達が影響を受ける可能性があります。また、原油生産拠点での操業停止のほか、必要物資の確保が困難になる等の要因により、製油所の整備ができず操業停止に至る場合や給油所の運営が中断された場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおける必要物資確保のために施策を講じてリスクの低減に取り組んでおります。なお、サプライチェーンにおける人権課題等の把握が遅れ、リスク発現時にサプライチェーンの変更が求められるほか、中断を招く可能性があります。人権課題に対しては、2021年に策定した人権方針に基づき、人権デューデリジェンス(サプライヤーの人権課題分析、ステークホルダーエンゲージメント、従業員教育の取組)を実施しました。 (トップリスクNo.9 情報セキュリティリスク)サイバー攻撃によって、事業活動の混乱、秘密情報の喪失、個人情報の漏洩等が発生する可能性があり、近年そのリスクは高まっております。個人情報を含む秘密情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループではランサムウエアへの対応手順の整備、ウイルス対策や個人情報保護等の対策強化を実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理を実施しております。 (トップリスクNo.10 生産設備における事故、不具合・故障)設備の老朽化や人為的なミスを原因とする事故や労働災害によって、製油所、物流基地及び油槽所等の操業が停止する可能性があります。また、製油所、物流基地及び油槽所等以外でも給油所、タンカー及びローリーでの事故で事業運営に支障をきたす場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事故を未然に防止するために、OMS(注1)の仕組みを強化、千葉製油所・四日市製油所のスーパー認定に続き堺製油所のA認定(注2)を取得しました。加えて、APMの導入範囲拡大やデジタルツイン構築、各種データ連携、VRデータ整備等DX強化に取り組むことで、トラブルの低減及び更なる稼働率の向上を目指しております。 (注1)OMS(Operations Management System):「あるべき姿(世界トップレベルの安全安定操業)」と現状のギャップを洗い出し、「規則・マニュアル化」、「教育・訓練」、「定着・実践」、「継続的改善」を繰り返すことで、「あるべき姿」を目指す操業マネジメントシステム。(注2)A認定:認定高度保安実施者制度。従来のスーパー認定制度に、テクノロジー活用やサイバーセキュリティの要件等が追加された高圧ガス保安法における認定制度。 (トップリスクNo.11 内部統制不備による不正/不適切行為の発生)当社グループが構築した内部統制システムが有効に機能せず、コンプライアンス違反等が発生した場合、ステークホルダーの信頼を失い当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、法令等の遵守のために財務報告に係る内部統制を含む、有効な内部統制システムの整備、運用及び強化を図っております。内部通報制度については、周知並びに教育の強化を引き続き実施いたしました。
FY2024|8,035 文字
3【事業等のリスク】当社グループは、リスクマネジメントをマテリアリティの一つと位置づけ、事業活動を通じて発生するリスクを把握の上、適切な管理体制を整備し、計画・実践・評価・是正措置のサイクルを構築しています。当社グループのマテリアリティについては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般について ④指標及び目標」をご参照ください。また、当社グループを取り巻く事業環境の変化や様々なリスクに対し、より適切に対応するため、中長期の視点を持つとともに、リスクを事業機会として捉え、企業価値を最大化しようとする全社的リスクマネジメント (ERM:Enterprise Risk Management)の構築に取り組んでいます。COSO(米国トレッドウェイ委員会支援組織委員会) ERMフレームワークの考え方を参考に2023年9月12日開催のサステナビリティ戦略会議において、ERMの体制と手法構築に関する方針について決定しました。リスク抽出においては、経営によるトップダウン型のアプローチ手法を導入するとともに、リスク管理においてはリスクオーナー設定によるリスクカテゴリ毎のグループ横断的なリスク管理を推進しています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)リスク管理体制当社グループでは、各社の事業を発展的かつ安全に運営するため、サステナビリティ戦略会議にてグループ全体に関わるリスクへの対策を審議するとともに、各社におけるリスクへの取組状況を集約して、対策の進捗を討議しています。その結果を取締役会へ報告するとともに、サステナビリティ連絡会を通じて各社へ展開します。また、サステナビリティ戦略会議の実務機能を担う機関として、サステナビリティ推進部長を事務局長とするサステナビリティコミッティを必要に応じて開催しています。 (2)リスク管理の運営経営視点による中長期的リスク(経営層へのヒアリング・アンケートによりトップダウンで抽出)及び各部門・グループ各社からボトムアップで抽出したリスクのうち、影響度や発生可能性が上位かつ、マテリアリティとの関連性や業界特性上の重要性が高いリスクを選定し、サステナビリティ戦略会議で経営層による議論のもと、トップリスクとして決定し、取締役会へ報告しています。決定したトップリスクについては、グループ横断的に統制を図るため、実務責任者として当社グループ全体におけるグループリスクオーナーと、中核事業会社におけるリスクオーナーを設定します。グループリスクオーナーであるグループ全体の統括責任者が、トップリスクへの対策とその計画策定、並びにKPIを設定し、モニタリング・レビューを行い、更なる改善活動に繋げます。中核事業会社のリスクオーナーはグループリスクオーナーとの連携のもと、各社においてリスクへの対策とその計画策定、並びにKPIを設定し、モニタリング・レビューを行い、更なる改善活動に繋げます。また、トップリスクに含まれない、各部門・グループ各社から抽出したリスクについても、全社的リスクマネジメントの中で管理しております。 リスク管理の業務フロー図 (3)トップリスク2024年度期初に決定したトップリスクは、以下に記載のとおりです。トップリスクについては「(2)リスク管理の運営」に記載のとおり決定し、管理します。No.トップリスクカテゴリマテリアリティとの関連想定されるシナリオ1脱炭素化の進展による石油需要の減少・事業資産への影響戦略○自動車のEV化やグリーン電力発電が想定外のスピードで浸透すること等により、石油製品需要の急減や取引先の方針変更等が発生し、事業や事業資産に影響を及ぼす2環境規制・気候変動対策の強化に伴うポートフォリオ・戦略投資への影響戦略○環境規制・気候変動対策強化の動向に合わせた対応が困難となり、戦略投資に影響が発生する、あるいは投資回収が長期化する等、経済損失を被る3カーボンニュートラル燃料への対応遅れ戦略○カーボンニュートラル燃料に関して、上市されている当該燃料の調達が困難となる、あるいは新しい技術開発・導入が遅れる、または失敗することにより、対応が遅れる4原料・資材価格の変動(注)戦略 政情変化や経済変化等に伴う原油やLNG等の資源価格のボラティリティ上昇や、資機材、労務費等のコスト上昇、為替レートの変動により業績が悪化する5労働市場の変化による人材確保・育成の困難化戦略○労働人口が減少する中で、既存・新規事業の両面で多様性かつ専門性を持った人材の確保・育成が困難になる6自然災害戦略○地震や津波等の大規模自然災害により当社設備が壊滅的な被害を受け、早期復旧が困難となり巨額の損失を被る7品質不正業務○品質管理が徹底されていないことにより、品質不正が発生することで、広域にわたる製品回収等により損失を被るほか、ステークホルダーからの信用を失う8サプライチェーンの中断業務○当社グループのサプライチェーンは広範囲に及ぶため、取引先における人員不足や政治情勢の悪化等により、原油生産拠点での操業停止、船舶輸送、製油所の整備や給油所の運営等において、サプライチェーンの中断、損失が発生する9情報セキュリティリスク業務○・サイバー攻撃により業務停止や情報漏洩、身代金請求等の被害が発生する・投資あるいは専門人材等の不足によりサイバー攻撃の対策を十分に行うことができず、被害が増大する・顧客情報管理の委託先に対する指導・監査を適切に行うことができず、個人情報が流出し、顧客からの信頼を失う10生産設備における事故、不具合・故障業務○製油所・油田・発電所での事故や不具合・故障により、操業継続及び自然環境・生物に影響が発生し、損失を被るほか、キャッシュ・フロー創出に影響する11内部統制不備による不正/不適切行為の発生財務・コンプライアンス○内部統制システムが十分に機能せず、人員・ノウハウやIT技術導入不足等により重大な不備や不正が発生し、行政指導や刑事罰を受けるほか、ステークホルダーからの信用を失う(注)2024年5月9日に公表した2025年3月期通期連結業績予想の経常利益へ与える原油価格変動、為替変動の感応度を測定しております。2024年4月~2025年3月の前提条件は原油価格85ドル/バレル、為替145円/ドルとしており、前提より原油価格+1ドル/バレルあたりの影響額及び為替+1円/ドルあたりの影響額は以下のとおりであります。なお期間中において原油価格、為替に変動なく一定に推移した前提で試算しております。 なお、トップリスクに関連するリスク顕在化の可能性、影響の内容及び対策については次のとおりであります。 (トップリスクNo.1 脱炭素化の進展による石油需要の減少・事業資産への影響)当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受けます。燃料油の国内需要は、少子高齢化や人口減少、自動車ハイブリッド化等による燃費改善や燃料転換等の構造的要因から減少傾向が継続するものと想定しております。また、石油化学製品は海外での石油化学プラントの新増設により、需給が緩和される可能性があります。また、油価の下落、産油国の政策変更による供給先変更及び国内のみならず海外も含めた経済や政治の動向等で需要が変動した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは、需要減少に備え国内販路の確保や収益油種を集中して生産できる体制の構築等に取り組んでおります。また、石油事業以外の新たな取組としては、グリーン電力販売の拡大、蓄電事業の実証の着実な推進、水素事業の推進に取り組んでおります。 (トップリスクNo.2 環境規制・気候変動対策の強化に伴うポートフォリオ・戦略投資への影響)再生可能エネルギー事業に関する制度の変更など、環境規制・気候変動対策の強化が発生し、早急な対策が必要となり、事業の経済性を十分に確保できず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。風力発電事業では、開発段階において各種許認可の取得に加え、風況観測及び環境アセスメントが必要となるため、建設工事着工前から一定程度の先行的な投資が発生します。開発段階で事業化を断念しなければならない事象が発生し、投資額が回収できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。洋上風力発電事業では、当社グループが出資する特別目的会社(SPC)を通じて事業化検討を進めておりますが、入札の結果、失注となった場合等、事業化を断念しなければいけない事象が発生した場合は、出資額が回収できないと判断し減損処理を実施するため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、洋上風力事業へは多数の企業が参画しており競争が激化していることから、出資に対する収益性が低下する可能性があります。これら政策、開発、出資に関するリスクについてはそれぞれ施策を講じてリスク低減に取り組んでおります。一般海域における洋上風力発電事業の開発は「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(平成30年法律第89号)に則って行われ、具体的な手続、スケジュールは経済産業省及び国土交通省により進められています。当社グループが想定している時期に促進区域に指定されず、事業計画に遅れが出るもしくは中止となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態及び将来の成長性に影響を及ぼす可能性があります。上記に対し、当社グループでは事業候補地におけるフィージビリティスタディ等を実施し、リスク低減に取り組んでおります。なお、当社グループにおける気候変動に関するリスク及び取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応」をご参照ください。 (トップリスクNo.3 カーボンニュートラル燃料への対応遅れ)カーボンニュートラル燃料は、既存の石油製品サプライチェーンの活用かつ、液体燃料の低炭素化を促進する技術であることから脱炭素社会の実現への期待は大きくなっています。一方で、現状では生産効率やコスト等が課題であり、普及に向けて技術開発に取り組む必要があります。脱炭素社会が到来し、カーボンニュートラル燃料が主流となった環境において、当社グループの技術開発の失敗やカーボンニュートラル燃料を扱えない場合には製品の供給が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、脱炭素社会に向けた様々な技術開発・検討を行っており、リスク低減に取り組んでおります。 (トップリスクNo.4 原料・資材価格の変動)原油価格は、世界経済の動向や産油国の生産方針等の需給動向に加え、中東産油国の周辺地域を中心とした戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態を含む多様な要因により変動する恐れがあります。石油開発事業における原油価格に関するリスクに加え、当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しているため、原油価格の下落局面では、期初の在庫単価と期中に仕入れた下落した在庫単価が平均され売上原価を押し上げることになり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの主要な石油製品コストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップやタイムラグが生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、原油価格の下落により、棚卸資産の期末における正味売却価額が帳簿価額よりも低下し、棚卸資産の収益性が低下したと判断する場合があります。この場合、棚卸資産の収益性の低下を反映するために計上した評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは原油及び石油製品の輸出入に係る価格変動のリスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取組については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」をご参照ください。資材価格の変動に関して、洋上風力設備の建設工事着工は入札時からのリードタイムが数年あるため、その間に鋼材や労務費等の上昇が発生した場合、建設費用が増加する可能性があります。また、海外からの資機材搬入の遅延等さまざまな要因により、工事が遅延する可能性があります。建設費増加または工事遅延が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループではパートナーとの提携等により、これらのリスクの低減に努めております。 (トップリスクNo.5 労働市場の変化による人材確保・育成の困難化)近年、労働人口が減少する中で有能な人材の確保をめぐる競争は激化しています。在籍している社員の流出防止や、経営戦略の推進に必要な人材の確保・育成ができない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。そのため、当社グループは、事業成長の源泉及び組織活力の維持を担う人材の継続的な確保と育成に努めています。既存・新規事業の両面で多様性かつ専門性を持った人材の確保・育成に対応するため、処遇制度の見直し、自律的キャリア形成強化、人材育成への投資強化、 女性・キャリア採用強化に取り組んでおります。具体的には、社内公募制度改定、管理職育成プログラム強化、自己啓発への補助拡大等を実施しています。当社グループの取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご参照ください。 (トップリスクNo.6 自然災害)自然災害の発生時には、当社グループの設備が被害を受け巨額の損失を被るほか、何らかの要因で操業が停止する可能性があります。そのため、当社グループでは巨大地震等の自然災害を想定し、その影響を最小限に抑えるため、非常用電源設置、耐震改修、BCPマニュアル整備等を行っています。BCPの強化として、2023年度の首都直下及び南海トラフ地震を想定した各訓練では、演習対象を従来「発災から2時間」としていたものを「発災から24時間」にまで拡大し、対応方針策定などの意思決定に重点を置いて実施しました。訓練を通じて抽出されたBCPの体制や訓練運営上の課題に対して、対策を進めております。 (トップリスクNo.7 品質不正)当社グループは、日々製品・サービスの品質管理体制の強化に努めておりますが、出荷後に品質不正が判明することで、広域にわたり製品回収を行うことにより多額の損失を被るだけでなく、顧客からの信頼喪失やブランドイメージの低下により、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいて、過去に品質管理の不備が顕在化した事案を踏まえ、教育の徹底、試験法管理の見直し、監査の強化等の対策を継続実施し、リスク低減に取り組んでおります。 (トップリスクNo.8 サプライチェーンの中断)昨今のウクライナ紛争の長期化、中東地域や東アジア地域の政情変化、欧米及び中国の経済変化に伴う原油価格の急激な変動、テロ等の不測の事態により原油調達が影響を受ける可能性があります。また、原油生産拠点での操業停止のほか、必要物資の確保が困難になる等の要因により、製油所の整備ができず操業停止に至る場合や給油所の運営が中断された場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおける必要物資確保のために施策を講じてリスクの低減に取り組んでおります。なお、サプライチェーンにおける人権リスク等の把握が遅れ、リスク発現時にサプライチェーンの変更が求められるほか、中断を招く可能性があります。人権リスクに対しては、2021年に策定した人権方針に基づき、2023年8月から11月にかけて人権デューデリジェンスを実施しました。 (トップリスクNo.9 情報セキュリティリスク)サイバー攻撃によって、事業活動の混乱、機密情報の喪失、個人情報の漏洩等が発生する可能性があり、近年その可能性は高まっております。また、何らかの要因により個人情報を含む機密情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループではランサムウエアへの対応手順の整備、ウイルス対策や個人情報保護等の対策強化を実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理及び監査を実施しております。 (トップリスクNo.10 生産設備における事故、不具合・故障)設備の老朽化や人為的なミスを原因とする事故や労働災害によって、製油所、物流基地及び油槽所等の操業が停止する可能性があります。また、製油所、物流基地及び油槽所等以外でも給油所、タンカー及びローリーでの事故で事業運営に支障をきたす場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事故を未然に防止するために、OMS(注1)の仕組み強化、千葉製油所・四日市製油所のスーパー認定に引き続き堺製油所のA認定(注2)取得を目指すことで、安全安定操業の水準向上に取り組んでおります。加えて、APM(注3)の導入範囲拡大やデジタルツイン構築、各種データ連携、VRデータ整備などDX強化に取り組むことで、トラブルの低減及び更なる稼働率の向上を目指しております。 (注1)OMS(Operations Management System):「あるべき姿(世界トップレベルの安全安定操業)」と現状のギャップを洗い出し、「規則・マニュアル化」、「教育・訓練」、「定着・実践」、「継続的改善」を繰り返すことで、「あるべき姿」をめざす操業マネジメントシステム。(注2)A認定:従来のスーパー認定制度に、テクノロジー活用やサイバーセキュリティの要件などが追加された高圧ガス保安法における認定制度(正式名称:認定高度保安実施者制度)。(注3)APM(Asset Performance Management System):グローバルスタンダードの保全・設備信頼性業務プロセスをシステムに記憶させ、保全のビッグデータを効率的かつ効果的に管理し、網羅性・予見性・管理性を高めることができる。 (トップリスクNo.11 内部統制不備による不正/不適切行為の発生)組織内外の環境の変化やコンプライアンス違反等が生じ、当社グループが構築した内部統制システムが有効に機能しない場合、ステークホルダーの信頼を失い当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、法令等の遵守のために財務報告に係る内部統制を含む、有効な内部統制システムの整備、運用及び強化を図っております。内部通報制度については、体制見直しや教育の強化を実施いたしました。
FY2023|7,729 文字
3【事業等のリスク】当社グループでは、各社での事業を発展的に安全に運営するため、サステナビリティ戦略会議にてグループ全体に関わるリスクへの対策を審議するとともに各社でのリスクへの取組状況を集約して対策の進捗を討議します。その結果を取締役会へ報告する一方で、サステナビリティ連絡会を通じて各社へも展開します。 当社グループの経営成績及び財政状態は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、コントロールできない外部要因や事業リスクとして顕在化する可能性が必ずしも高くない事項も含め、投資家の判断上重要と考えられる事項については積極的に開示しております。ただし、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)セグメント特有のリスク(石油事業及び石油化学事業)①原油価格及び原油調達に関するリスク石油開発事業における原油価格に関するリスクに加え、当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しているため、原油価格の下落局面では、期初の在庫単価と期中に仕入れた下落した在庫単価が平均され売上原価を押し上げることになり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、昨今のウクライナ紛争の長期化、中東地域や東アジア地域の政情変化、欧米及び中国の経済変化に伴う原油価格の急激な変動、中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により原油調達が影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループは次期の連結業績予想へ与える原油価格変動の感応度を測定しておりますが、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、石油事業のセグメント利益は年間22億円増減する可能性があります。 ②石油製品及び石油化学製品等の価格に関するリスク当社グループの主要な石油製品コストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップやタイムラグが生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③石油製品及び石油化学製品等の需要に関するリスク当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受けます。また、ナフサは石油化学業界、航空燃料は航空業界、軽油は運輸業界、重油は電力業界、海上輸送業界等の需要動向を反映します。燃料油の国内需要は、少子高齢化や人口減少、燃費改善や燃料転換等の構造的要因から減少傾向が継続するものと想定しております。また、石油化学製品は海外での石油化学プラントの新増設により、需給が緩和される可能性があります。当社グループは、需要減少に備え国内販路の確保や収益油種を集中して生産できる体制の構築等に取り組んでおりますが、国内のみならず海外も含めた経済動向や天候の変化等で需要が変動した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④棚卸資産の収益性の低下による簿価切下げに関するリスク原油価格の下落により、棚卸資産の期末における正味売却価額が帳簿価額よりも低下し、棚卸資産の収益性が低下したと判断する場合があります。この場合、棚卸資産の収益性の低下を反映するために計上した評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループは原油及び石油製品の輸出入に係る価格変動のリスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取組については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」を参照ください。 (石油開発事業)①原油価格に関するリスク原油価格は、需要動向と供給動向により大きく左右されます。原油の需要は世界経済の動向や石油製品の需要に影響されます。特に大消費国である米国や経済成長著しいアジア地域、中でも中国の動向に影響されます。また、OPEC加盟国や他産油国の増減産に加え、シェールオイルの増減産、中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により、原油価格が影響を受ける恐れがあります。当社グループでは原油価格動向を日々注視しながら事業を進めておりますが、原油価格の変動が大きい場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは次期の連結業績予想へ与える原油価格変動の感応度を測定しておりますが、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、石油開発事業のセグメント利益は年間12億円増減する可能性があります。 ②原油生産に関するリスク当社グループはアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国において原油生産を行っております。油田に関する技術やノウハウを蓄積し、長期に渡る安定的な原油生産が継続できるように操業しておりますが、油層の状況が想定と異なった場合等には予定している生産量を確保できないリスクがあります。当社グループが操業しているヘイル油田では油層圧低下が発生しておりますが、今後、油層圧回復の施策を講じリスク低減を図ってまいります。また中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により、当社グループの生産拠点での操業停止等が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③原油探鉱・開発に関するリスク当社グループは2020年度に、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国で探鉱鉱区(Offshore Block 4)を落札しました。当該鉱区で探鉱作業を行い原油及び天然ガスの商業生産の可能性を調査しておりますが、探鉱作業において商業生産が可能な規模の資源が発見できず、投資額が回収できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (再生可能エネルギー事業)①政策及び法令に関するリスク一般海域における洋上風力発電事業の開発は「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に則って行われ、具体的な手続、スケジュールは経済産業省及び国土交通省により進められています。当社グループでは事業候補地においてフィージビリティスタディーを実施していますが、当社グループが想定している時期に促進区域に指定されず、事業計画に遅れが出るもしくは中止となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態及び将来の成長性に影響を及ぼす可能性があります。 ②開発に関するリスク風力発電事業では、開発段階において各種許認可の取得に加え、風況観測及び環境アセスメントが必要となるため、建設工事着工前から一定程度の先行的な投資が発生します。開発段階で事業化を断念しなければならない事象が発生し、投資額が回収できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③建設に関するリスク洋上風力設備の建設工事着工は入札時からのリードタイムが数年あります。その間に鋼材や人件費等の上昇が発生した場合、建設費用が増加する可能性があります。また、海外からの資機材搬入の遅延等さまざまな要因により、工事が遅延する可能性があります。当社グループではパートナーとの提携等により、これらのリスク低減に努めますが建設費増加または工事遅延が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④出資に関するリスク洋上風力発電事業は、当社グループが出資する特別目的会社(SPC)を通じて事業を進めておりますが、入札の結果、失注となった場合等、事業化を断念しなければいけない事象が発生する場合があります。この場合、出資額が回収できないと判断し、減損処理を実施するため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、洋上風力事業へは多数の企業が参画しており競争が激化していることから、出資に対する収益性が低下する可能性があります。 (2)その他のリスク①外国為替レートに関するリスク当社グループは、原油の輸入及び石油製品等の輸出入を行っており、その調達コストは通常米ドル建てで決済されるため、外国為替レートの変動により差損益が生じます。外国為替レートの変動による悪影響を最小限に留めるべく、為替ヘッジ取引を行っておりますが、円安へ推移すれば調達コストを押し上げることとなります。また、外国為替レートの変動は、海外連結子会社または持分法適用会社の財務諸表を円貨換算する際にも影響しており、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは次期の連結業績予想へ与える為替変動の感応度を測定しておりますが、1米ドル当たり1円変動すると、石油事業及び石油開発事業のセグメント利益は合わせて年間24億円増減する可能性があります。また、上記のとおり、当社グループは為替変動リスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取組については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」を参照ください。 ②金利に関するリスク金利の変動により、今後借入金利が著しく上昇する等、金融コストが増加する場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、一部の借入金は変動金利であるため、金利の変動リスクに晒されていますが、当社グループは当該変動リスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取組については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」を参照ください。 ③資産価値に関するリスク原油価格の下落や市場環境の変化等により、資産の収益性の低下や資産価値の下落が生じ、投資額の全部または一部の回収が見込めないと判断する場合があります。この場合、当社グループが保有する固定資産や投融資に対する投資額の回収可能性を反映するために計上する減損損失や評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④繰延税金資産の取り崩しに関するリスク繰延税金資産の計算につきましては、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づいており、実際の結果が予測と異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づく税金負担の軽減効果が得られないと判断された場合、当該繰延税金資産は取り崩され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤感染症等に関するリスク当社グループは、新型コロナウイルス感染症の事業への影響を最小限に抑えるべく、感染症予防策の徹底、オフィス勤務者を対象とした在宅勤務の推進、感染時・感染疑い時の対処、職域接種の機会の設営、検査キットの確保と配布、自宅療養者向けの健康観察アプリの開発と展開等の対策を講じております。加えて、新型インフルエンザ等事業継続計画(BCP)マニュアルを見直し、石油製品の安定供給を維持できる体制を整えました。また、当社グループでは予てより働き方改革の取組として在宅勤務制度を構築しておりましたが、この制度を新型コロナウイルス感染症の感染予防策として活用する他、時差出勤等と併せることで、生産性をより向上させる「新しい働き方」を追求し、従業員の安全衛生の徹底を図っております。これらの対策の結果、期中における当社グループの事業等に影響した事態の発生はありませんでした。しかし、新たな感染症が発生し当社グループ内で多数の感染者が発生し、事業運営に影響する場合は、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥気候変動に関するリスク当社グループはグループ事業から排出する温室効果ガス(GHG)を2050年までにネットゼロにする目標を揚げております。気候変動に関するリスクは「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。日本や他の国が気候変動政策を強化、または環境関連法規等を変更または新規に導入した場合、石油製品の需要が想定外の速度で減少する可能性があります。この場合、石油関連事業を中心として、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦災害や事故に関するリスク当社グループは、大量の危険物及び高圧ガスを取り扱っており、事故を未然に防止するために様々な安全対策を講じております。しかしながら、設備の老朽化や人為ミスを原因とする事故や労働災害によって、製油所、物流基地及び油槽所等が操業停止する可能性があります。また、巨大地震等の自然災害を想定し、その影響を最小限に抑えるため、非常用電源設置、耐震改修、BCPマニュアル整備及び防災訓練等を行っています。しかし自然災害の発生時には何らかの要因で操業停止する可能性があります。さらに、製油所、物流基地及び油槽所等以外でも給油所、タンカー及びローリーでの事故で事業運営に支障をきたす場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧法規制に関するリスク石油産業には様々な環境規制が適用されており、当社グループはこれらの規制に適合した対応を執っています。しかし、今後も更なる環境規制や罰則の強化が想定され、新しい法律や現行法の改正等により、費用負担が増加した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨競合に関するリスク当社グループは石油事業を中心に国内外の企業との激しい競争にさらされております。引き続き競争力の維持、向上に取り組んでまいりますが、競合他社と比して効率的な事業運営等ができない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩信用に関するリスク当社グループでは取引先に対する与信管理の体制を整備しておりますが、保有する売掛債権が取引先の経営悪化等により債務不履行に陥り回収不能になった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪品質に関するリスク当社グループは、リスクマネジメントにおける重点管理項目として品質確保についての目標やKPIを設定し、製品・サービスの品質管理体制の強化に努めています。なお、2022年7月13日公表の当社グループの一部製品における不適正な検査を受け、教育の徹底、試験法管理の見直し、監査の強化を行いました。しかし、品質管理に関するリスクが顕在化した場合には、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫顧客満足に関するリスク当社グループでは、リスクマネジメントにおける重点管理項目として、カスタマーセンターのクオリティ診断、サービスクレーム発生率をKPIとして用い、顧客満足度の向上に努めております。カスタマーセンターはHDI問合せ窓口格付け(注)で2022年度三つ星を獲得いたしました。しかし、サービスレベルの低下等によって顧客の要求に応えられない場合には、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(注)HDI-Japan(運営会社:シンクサービス㈱)が主催する依頼格付け調査。世界最大のサポートサービス業界の団体HDIの国際標準に基づいた評価基準により、顧客視点から企業の問い合わせ窓口のパフォーマンスやクオリティを評価し、それを格付けするもの。 ⑬法令違反に関するリスク当社グループは、サステナブル経営を進めるにあたり、法令遵守を柱の一つと位置付け、仕組みを整えるとともに、社員が遵守すべき行動規範である「コスモエネルギーグループ企業行動指針」の浸透を図り、また企業倫理・人権研修を通じ、社員一人ひとりのモラル向上、知識レベル向上に努めております。しかしながら、ヒューマンエラー等による法令違反のリスクが顕在化した場合には、行政処分を受け、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭情報の管理に関するリスクサイバー攻撃によって、事業活動の混乱、機密情報の喪失、個人情報の漏洩等が発生する可能性があり、近年その可能性は高まっております。当社グループではランサムウエアへの対応手順の整備、ウイルス対策や個人情報保護対応等の対策強化を実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理及び監査を実施しております。しかしながら、何らかの要因により個人情報を含む機密情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮内部統制システムに関するリスク当社グループでは、法令等の遵守のために財務報告に係る内部統制を含む、有効な内部統制システムの整備、運用及び強化を図っております。内部通報制度については、体制見直しや教育の強化を実施いたしました。しかしながら、組織内外の環境の変化やコンプライアンス違反等が生じ、当社グループが構築した内部統制システムが有効に機能しない場合があります。この場合、ステークホルダーの信頼を失い当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑯地政学リスク近年は、政治的・社会的情勢の不安定化等、地政学的な要因が事業に影響を及ぼす可能性を考慮する必要性が高まっております。当社グループは地政学的な観点での情報収集及び分析を強化し、リスクの影響を低減するための適切な対策を継続的に検討するための運営体制の整備を進めておりますが、海外での情勢が悪化し、戦争や内紛・テロ等が発生した場合には、原材料や製品の調達及び販売、海外事業所での事業、または海外法人との取引等が安全かつ安定的に継続できない場合があります。この場合、業務や石油製品の安定供給が遂行できず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
FY2022|7,328 文字
2【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、コントロールできない外部要因や事業リスクとして顕在化する可能性が必ずしも高くない事項も含め、投資家の判断上重要と考えられる事項については積極的に開示しております。ただし、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)セグメント特有のリスク(石油事業及び石油化学事業)①原油価格及び原油調達に関するリスク石油開発事業における原油価格に関するリスクに加え、当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しているため、原油価格の下落局面では、期初の在庫単価と期中に仕入れた下落した在庫単価が平均され売上原価を押し上げることになり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、昨今のウクライナ情勢の緊迫化による原油価格の急激な変動、中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により原油調達が影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは次期の連結業績予想へ与える原油価格変動の感応度を測定しておりますが、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、石油事業のセグメント利益は年間17億円増減する可能性があります。 ②石油製品及び石油化学製品等の価格に関するリスク当社グループの主要な石油製品コストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップやタイムラグが生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③石油製品及び石油化学製品等の需要に関するリスク当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受けます。また、ナフサは石油化学業界、航空燃料は航空業界、軽油は運輸業界、重油は電力業界、海上輸送業界等の需要動向を反映します。燃料油の国内需要は、少子高齢化や人口減少、燃費改善や燃料転換等の構造的要因から減少傾向が継続するものと想定しております。また、石油化学製品は海外での石油化学プラントの新増設により、需給が緩和される可能性があります。当社グループは、需要減少に備え国内販路の確保や収益油種を集中して生産できる体制の構築等に取り組んでおりますが、国内のみならず海外も含めた経済動向や天候の変化等で需要が変動した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④棚卸資産の収益性の低下による簿価切下げに関するリスク原油価格の下落により、棚卸資産の期末における正味売却価額が帳簿価額よりも低下し、棚卸資産の収益性が低下したと判断する場合があります。この場合、棚卸資産の収益性の低下を反映するために計上した評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループは原油及び石油製品の輸出入に係る価格変動のリスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取り組みについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」を参照ください。 (石油開発事業)①原油価格に関するリスク原油価格は、需要動向と供給動向により大きく左右されます。原油の需要は世界経済の動向や石油製品の需要に影響されます。特に大消費国である米国や経済成長著しいアジア地域、中でも中国の動向に影響されます。また、OPEC加盟国や他産油国の増減産に加え、シェールオイルの増減産、中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により、原油価格が影響を受ける恐れがあります。特に昨今ではロシアによるウクライナ侵攻により原油価格が高騰しており、今後のウクライナ情勢の動向により原油価格が急激に変動する可能性があります。当社グループでは原油価格動向を日々注視しながら事業を進めておりますが、原油価格の変動が大きい場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは次期の連結業績予想へ与える原油価格変動の感応度を測定しておりますが、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、石油開発事業のセグメント利益は年間12億円増減する可能性があります。 ②原油生産に関するリスク当社グループはアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国及びカタール国で原油生産を行っております。油田に関する技術やノウハウを蓄積し、長期に渡る安定的な原油生産が継続できるように操業しておりますが、油層の状況が想定と異なった場合等には予定している生産量を確保できないリスクがあります。当社グループが操業しているヘイル油田では油層圧低下が発生しておりますが、今後、油層圧回復の施策を講じリスク低減を図ってまいります。また中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により、当社グループの生産拠点での操業停止等が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③原油探鉱・開発に関するリスク当社グループは前連結会計年度に、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国で探鉱鉱区(Offshore Block 4)を落札しました。今後、探鉱作業を行い原油及び天然ガスの商業生産の可能性を調査します。探鉱作業において商業生産が可能な規模の資源が発見できず、投資額が回収できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (再生可能エネルギー事業)①政策及び法令に関するリスク一般海域における洋上風力発電事業の開発は「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に則って行われ、具体的な手続、スケジュールは経済産業省及び国土交通省により進められています。当社グループでは事業候補地においてフィージビリティスタディーを実施していますが、当社グループが想定している時期に促進区域に指定されず、事業計画に遅れが出るもしくは中止となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態及び将来の成長性に影響を及ぼす可能性があります。 ②開発に関するリスク風力発電事業では、開発段階において各種許認可の取得に加え、風況観測及び環境アセスメントが必要となるため、建設工事着工前から一定程度の先行的な投資が発生します。開発段階で事業化を断念しなければならない事象が発生し、投資額が回収できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③建設に関するリスク洋上風力設備の建設工事着工は入札時からのリードタイムが数年あります。その間に鋼材や人件費等の上昇が発生した場合、建設費用が増加する可能性があります。また新型コロナウイルス感染症等の影響により、海外からの資機材搬入の遅延や技術者入国制限等が発生した場合、工事が遅延する可能性があります。当社グループではパートナーとの提携等により、これらのリスク低減に努めますが建設費増加または工事遅延が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④出資に関するリスク洋上風力発電事業は、当社グループが出資する特別目的会社(SPC)を通じて事業を進めておりますが、入札の結果、失注となった場合等、事業化を断念しなければいけない事象が発生する場合があります。この場合、出資額が回収できないと判断し、減損処理を実施するため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、洋上風力事業へは多数の企業が参画しており競争が激化していることから、出資に対する収益性が低下する可能性があります。 (2)その他のリスク①外国為替レートに関するリスク当社グループは、原油の輸入及び石油製品等の輸出入を行っており、その調達コストは通常米ドル建てで決済されるため、外国為替レートの変動により差損益が生じます。外国為替レートの変動による悪影響を最小限に留めるべく、為替ヘッジ取引を行っておりますが、円安へ推移すれば調達コストを押し上げることとなります。また、外国為替レートの変動は、海外連結子会社または持分法適用会社の財務諸表を円貨換算する際にも影響しており、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは次期の連結業績予想へ与える為替変動の感応度を測定しておりますが、1米ドル当たり1円変動すると、石油事業及び石油開発事業のセグメント利益は合わせて年間26億円増減する可能性があります。また、上記のとおり、当社グループは為替変動リスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取り組みについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」を参照ください。 ②金利に関するリスク金利の変動により、今後借入金利が著しく上昇する等、金融コストが増加する場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、一部の借入金は変動金利であるため、金利の変動リスクに晒されていますが、当社グループは当該変動リスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取り組みについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」を参照ください。 ③資産価値に関するリスク原油価格の下落や市場環境の変化等により、資産の収益性の低下や資産価値の下落が生じ、投資額の全部または一部の回収が見込めないと判断する場合があります。この場合、当社グループが保有する固定資産や投融資に対する投資額の回収可能性を反映するために計上する減損損失や評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④繰延税金資産の取り崩しに関するリスク繰延税金資産の計算につきましては、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づいており、実際の結果が予測と異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づく税金負担の軽減効果が得られないと判断された場合、当該繰延税金資産は取り崩され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤感染症等に関するリスク当社グループは、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延を機に、危機対策にかかる合同会議(2021年度:危機対策本部 全17回、危機対策会議 全3回)を開催し、感染症対策の徹底に努めております。事業への影響を最小限に抑えるべく、感染症予防策の徹底、オフィス勤務者を対象とした在宅勤務の推進、感染時・感染疑い時の対処、職域接種の機会の設営、検査キットの確保と配布、自宅療養者向けの健康観察アプリの開発と展開等の対策を講じております。加えて、新型インフルエンザ等事業継続計画(BCP)マニュアルを見直し、石油製品の安定供給を維持できる体制を整えました。また、当社グループでは予てより働き方改革の取り組みとして在宅勤務制度を構築しておりましたが、この制度を新型コロナウイルス感染症の感染予防策として活用する他、時差出勤等と併せることで、生産性をより向上させる「新しい働き方」を追求し、従業員の安全衛生の徹底を図っております。しかし、当社グループ内での感染者が発生し、事業運営に影響する場合は、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥気候変動に関するリスク日本はパリ協定に基づき2030年度までにCO₂排出量を2013年度比26%削減することを目標にしておりましたが、2021年4月に日本政府は、2030年度までに温室効果ガスの排出量の削減目標を2013年度比46%まで引き上げ、2050年には温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを表明しております。当社グループもグループ事業から排出する温室効果ガス(GHG)を2050年までにネットゼロにする目標を揚げております。削減目標に対応するため世界的に脱化石燃料の動きが加速していくと、電動自動車の普及やシェアリング経済が拡大することとなり、ガソリン需要は存在するものの、化石燃料の需要は漸減していくと考えられます。このような環境を踏まえ、今後、当社グループは事業ポートフォリオの移行を加速させ、より環境配慮型の企業を目指します。しかしながら、日本や他の国が気候変動政策を強化、または環境関連法規等を変更または新規に導入した場合、石油製品の需要が想定外の速度で減少する可能性があります。この場合、石油関連事業を中心として、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦災害や事故に関するリスク当社グループは、大量の危険物及び高圧ガスを取り扱っており、事故を未然に防止するために様々な安全対策を講じております。しかしながら、設備の老朽化や人為ミスを原因とする事故や労働災害によって、製油所、物流基地及び油槽所等が操業停止する可能性があります。また、巨大地震等の自然災害を想定し、その影響を最小限に抑えるため、非常用電源設置、耐震改修、BCPマニュアル整備及び防災訓練等を行っています。しかし自然災害の発生時には何らかの要因で操業停止する可能性があります。さらに、製油所、物流基地及び油槽所等以外でも給油所、タンカー及びローリーでの事故で事業運営に支障をきたす場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧法規制に関するリスク石油産業には様々な環境規制が適用されており、当社グループはこれらの規制に適合した対応を執っています。しかし、今後も更なる環境規制や罰則の強化が想定され、新しい法律や現行法の改正等により、費用負担が増加した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨競合に関するリスク当社グループは石油事業を中心に国内外の企業との激しい競争にさらされております。引き続き競争力の維持、向上に取り組んでまいりますが、競合他社と比して効率的な事業運営等ができない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩信用に関するリスク当社グループでは取引先に対する与信管理の体制を整備しておりますが、保有する売掛債権が取引先の経営悪化等により債務不履行に陥り回収不能になった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪品質に関するリスク当社グループは、リスクマネジメントにおける重点管理項目として品質確保についての目標やKPIを設定し、製品・サービスの品質管理体制の強化に努めています。しかし、品質管理に関するリスクが顕在化した場合には、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫顧客満足に関するリスク当社グループでは、リスクマネジメントにおける重点管理項目として、カスタマーセンターのクオリティ診断、サービスクレーム発生率をKPIとして用い、顧客満足度の向上に努めております。しかし、サービスレベルの低下等によって顧客の要求に応えられない場合には、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬法令違反に関するリスク当社グループは、サステナブル経営を進めるにあたり、法令遵守を柱の一つと位置付け、仕組みを整えるとともに、社員が遵守すべき行動規範である「コスモエネルギーグループ企業行動指針」の浸透を図り、また企業倫理・人権研修を通じ、社員一人ひとりのモラル向上、知識レベル向上に努めております。しかしながら、ヒューマンエラー等による法令違反のリスクが顕在化した場合には、行政処分を受け、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭情報の管理に関するリスク情報管理につきましては、社内情報システムのセキュリティを強化するためにウイルス対策や個人情報保護対応等を実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理及び監査を実施しております。しかしながら、何らかの要因により個人情報を含む機密情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮内部統制システムに関するリスク当社グループでは、法令等の遵守のために財務報告に係る内部統制を含む、有効な内部統制システムの整備、運用及び強化を図っております。しかしながら、組織内外の環境の変化やコンプライアンス違反等が生じ、当社グループが構築した内部統制システムが有効に機能しない場合があります。この場合、ステークホルダーの信頼を失い当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
FY2021|7,287 文字
2【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、コントロールできない外部要因や事業リスクとして顕在化する可能性が必ずしも高くない事項も含め、投資家の判断上重要と考えられる事項については積極的に開示しております。ただし、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)セグメント特有のリスク(石油開発事業)①原油価格に関するリスク原油価格は、需要動向と供給動向により大きく左右されます。原油の需要は世界経済の動向や石油製品の需要に影響されます。特に大消費国である米国や経済成長著しいアジア地域、中でも中国の動向に影響されます。また、OPEC加盟国や他産油国の増減産に加え、シェールオイルの増減産、中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により、原油価格が影響を受ける恐れがあります。当社グループでは原油価格動向を日々注視しながら事業を進めておりますが、原油価格の変動が大きい場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは次期の連結業績予想へ与える原油価格変動の感応度を測定しておりますが、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、石油開発事業のセグメント利益は年間9億円増減する可能性があります。 ②原油生産に関するリスク当社グループはアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国及びカタール国で原油生産を行っております。油田に関する技術やノウハウを蓄積し、長期に渡る安定的な原油生産が継続できるように操業しておりますが、油層の状況が想定と異なった場合等には予定している生産量を確保できないリスクがあります。当社グループが操業しているヘイル油田では油層圧低下が発生しておりますが、今後、油層圧回復の施策を講じリスク低減を図ってまいります。また中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により、当社グループの生産拠点での操業停止等が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③原油探鉱・開発に関するリスク当社グループはアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国で新たに探鉱鉱区(Offshore Block 4)を落札しました。今後、探鉱作業を行い原油及び天然ガスの商業生産の可能性を調査します。探鉱作業において商業生産が可能な規模の資源が発見できず、投資額が回収できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (石油事業及び石油化学事業)①原油価格及び原油調達に関するリスク石油開発事業における原油価格に関するリスクに加え、当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しているため、原油価格の下落局面では、期初の在庫単価と期中に仕入れた下落した在庫単価が平均され売上原価を押し上げることになり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により原油調達が影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは次期の連結業績予想へ与える原油価格変動の感応度を測定しておりますが、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、石油事業のセグメント利益は年間13億円増減する可能性があります。 ②石油製品及び石油化学製品等の価格に関するリスク当社グループの主要な石油製品コストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップやタイムラグが生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③石油製品及び石油化学製品等の需要に関するリスク当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受けます。また、ナフサは石油化学業界、航空燃料は航空業界、軽油は運輸業界、重油は電力業界、海上輸送業界等の需要動向を反映します。燃料油の国内需要は、少子高齢化や人口減少、燃費改善や燃料転換等の構造的要因から減少傾向が継続するものと想定しております。また、足元では新型コロナウイルス感染症の影響により、特に航空燃料の需要低迷が懸念されます。当社グループは、需要減少に備え国内販路の確保や収益油種を集中して生産できる体制の構築等に取り組んでおりますが、国内のみならず海外も含めた経済動向や天候の変化等で需要が変動した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④たな卸資産の収益性の低下による簿価切下げに関するリスク原油価格の下落により、たな卸資産の期末における正味売却価額が帳簿価額よりも低下し、たな卸資産の収益性が低下したと判断する場合があります。この場合、たな卸資産の収益性の低下を反映するために計上した評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループは原油及び石油製品の輸出入に係る価格変動のリスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取り組みについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」を参照ください。 (その他事業)当社グループでは、風力発電事業を将来の事業ポートフォリオの柱のひとつとすべく、積極的に投資を進めております。風力発電事業において、当社グループが認識している事業等のリスクは以下のとおりであります。①政策及び法令に関するリスク風力発電事業は固定価格買取制度(FIT)が適用されておりますが、今後、その制度が縮小または終了する等、事業者に不利な制度変更がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態、また将来の成長性に影響を及ぼす可能性があります。また、一般海域における洋上風力発電事業の開発は「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に則って行われ、具体的な手続、スケジュールは経済産業省及び国土交通省により進められています。当社グループでは事業候補地においてフィージビリティスタディーを実施していますが、当社グループが想定している時期に促進区域に指定されず、事業計画に遅れが出るもしくは中止となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態及び将来の成長性に影響を及ぼす可能性があります。 ②開発に関するリスク風力発電事業では、開発段階において各種許認可の取得に加え、風況観測及び環境アセスメントが必要となるため、建設工事着工前から一定程度の先行的な投資が発生します。開発段階で事業化を断念しなければならない事象が発生し、投資額が回収できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③建設に関するリスク洋上風力設備の建設工事着工は入札時からのリードタイムが数年あります。その間に鋼材や人件費等の上昇が発生した場合、建設費用が増加する可能性があります。また新型コロナウイルス感染症等の影響により、海外からの資機材搬入の遅延や技術者入国制限等が発生した場合、工事が遅延する可能性があります。当社グループではパートナーとの提携等により、これらのリスク低減に努めますが建設費増加または工事遅延が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④出資に関するリスク洋上風力発電事業は、当社グループが出資する特別目的会社(SPC)を通じて事業を進めておりますが、事業化を断念しなければいけない事象が発生する場合があります。この場合、出資額が回収できないと判断し、減損処理を実施するため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)その他のリスク①外国為替レートに関するリスク当社グループは、原油の輸入及び石油製品等の輸出入を行っており、その調達コストは通常米ドル建てで決済されるため、外国為替レートの変動により差損益が生じます。外国為替レートの変動による悪影響を最小限に留めるべく、為替ヘッジ取引を行っておりますが、円安へ推移すれば調達コストを押し上げることとなります。また、外国為替レートの変動は、海外連結子会社または持分法適用会社の財務諸表を円貨換算する際にも影響しており、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは次期の連結業績予想へ与える為替変動の感応度を測定しておりますが、1米ドル当たり1円変動すると、石油事業及び石油開発事業のセグメント利益は合わせて年間13億円増減する可能性があります。また、上記の通り、当社グループは為替変動リスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取り組みについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」を参照ください。 ②金利に関するリスク金利の変動により、今後借入金利が著しく上昇する等金融コストが増加する場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、一部の借入金は変動金利であるため、金利の変動リスクに晒されていますが、当社グループは当該変動リスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取り組みについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」を参照ください。 ③資産価値に関するリスク原油価格の下落や市場環境の変化等により、資産の収益性の低下や資産価値の下落が生じ、投資額の全部または一部の回収が見込めないと判断する場合があります。この場合、当社グループが保有する固定資産や投融資に対する投資額の回収可能性を反映するために計上する減損損失や評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④繰延税金資産の取り崩しに関するリスク繰延税金資産の計算につきましては、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づいており、実際の結果が予測と異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づく税金負担の軽減効果が得られないと判断された場合、当該繰延税金資産は取り崩され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤感染症等に関するリスク当社グループは、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延を機に、危機対策本部会議(2021年3月末までに全22回)において感染予防措置の徹底、原則在宅勤務化、感染時・感染疑い時の対処等、当社グループ全体の方針の周知徹底を図りました。加えて、従前より整備してきた新型インフルエンザ等発生時のBCPマニュアルを適宜見直し、事業への影響の最小化を図りました。また、当社グループでは予てより働き方改革の取り組みとして在宅勤務制度を構築していましたが、この制度を新型コロナウイルス感染症の感染予防策として活用する他、時差出勤などと併せることで、生産性をより向上させる「新しい働き方」を追求するとともに、従業員の安全衛生の徹底を図っております。ただし、当社グループ内での感染者が発生し、事業運営に影響する場合は、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥気候変動に関するリスク日本はパリ協定に基づき2030年度までにCO₂排出量を2013年度比26%削減することを目標にしておりましたが、2021年4月に日本政府は、2030年度までに温室効果ガスの排出量の削減目標を2013年度比46%まで引き上げ、2050年には温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを表明しております。当社グループも同レベルの目標を揚げております。削減目標に対応するため世界的に脱化石燃料の動きが加速していくと、電動自動車の普及やシェアリング経済が拡大することとなり、ガソリン需要は存在するものの、化石燃料の需要は漸減していくと考えられます。このような環境を踏まえ、今後、当社グループは事業ポートフォリオの移行を加速させ、より環境配慮型の企業を目指します。しかしながら、日本や他の国が気候変動政策を強化、または環境関連法規等を変更または新規に導入した場合、石油製品の需要が想定外の速度で減少する可能性があります。この場合、石油関連事業を中心として、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦災害や事故に関するリスク当社グループは、大量の危険物及び高圧ガスを取り扱っており、事故を未然に防止するために様々な安全対策を実施しています。しかしながら、設備の老朽化や人為ミスを原因とする事故や労働災害によって、製油所、物流基地及び油槽所等が操業停止する可能性があります。また、巨大地震や自然災害を想定し、非常用電源設置、耐震改修、事業継続計画(BCP)マニュアル整備及び防災訓練を行い、災害発生時の影響を最小限にする対策を講じています。しかしながら、地震発生時には何らかの要因で操業停止する可能性があります。さらに、製油所、物流基地及び油槽所等以外でも給油所、タンカー及びローリーでの事故及び地震等の災害で事業運営に支障をきたす場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧法規制に関するリスク石油産業には公害や環境問題に関する様々な法律が適用されており、当社グループはこれらの規制に適合するために然るべき対応を行っております。今後、環境問題への対策強化が予想される中、新たな法律、規制等が課される可能性があります。新しい法律や現行法の改正等により、費用負担が増加した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨競合に関するリスク当社グループは石油事業を中心に国内外の企業との激しい競争にさらされております。引き続き競争力の維持、向上に取り組んでまいりますが、競合他社と比して効率的な事業運営等ができない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩信用に関するリスク当社グループでは取引先に対する与信管理の体制を整備しておりますが、保有する売掛債権が取引先の経営悪化等により債務不履行に陥り回収不能になった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪品質に関するリスク当社グループは、リスクマネジメントにおける重点管理項目として品質確保についての目標やKPIを設定し、製品・サービスの品質管理体制の強化に努めています。しかし、品質管理に関するリスクが顕在化した場合には、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫顧客満足に関するリスク当社グループでは、リスクマネジメントにおける重点管理項目として、カスタマーセンターのクオリティ診断、サービスクレーム発生率をKPIとして用い、顧客満足度の向上に努めております。しかし、サービスレベルの低下などによって顧客の要求に応えられない場合には、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬法令違反に関するリスク当社グループは、サステナブル経営を進めるにあたり、法令遵守を柱の一つと位置付け、仕組みを整えるとともに、社員が遵守すべき行動規範である「コスモエネルギーグループ企業行動指針」の浸透を図り、また企業倫理・人権研修を通じ、社員一人ひとりのモラル向上、知識レベル向上に努めております。しかしながら、ヒューマンエラー等による法令違反のリスクが顕在化した場合には、行政処分を受け、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭情報の管理に関するリスク情報管理につきましては、社内情報システムのセキュリティを強化するためにウイルス対策や個人情報保護対応等を実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理及び監査を実施しております。しかしながら、何らかの要因により個人情報を含む機密情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮内部統制システムに関するリスク当社グループでは、法令などの遵守のために財務報告に係る内部統制を含む、有効な内部統制システムの整備、運用及び強化を図っております。しかしながら、組織内外の環境の変化やコンプライアンス違反などが生じ、当社グループが構築した内部統制システムが有効に機能しない場合があります。この場合、ステークホルダーの信頼を失い、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
FY2020|4,654 文字
2【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、コントロールできない外部要因や事業リスクとして顕在化する可能性が必ずしも高くない事項も含め、投資家の判断上重要と考えられる事項については積極的に開示しております。但し、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)セグメント特有のリスク(石油開発事業)①原油価格及び原油生産に関するリスク原油価格は、需要動向と生産動向により大きく左右されます。需要動向は、大消費国であるアメリカや経済成長の著しいアジア地域、特に中国の影響が大きく、生産動向につきましてはOPEC加盟国や他産油国の増減産に加え、シェールオイルの増減産の影響も大きいと認識しております。加えて、新型コロナウイルス感染症等が長期化した場合は、需要減の影響が大きくなる可能性があります。また、中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により、原油価格が影響を受ける恐れに加え、生産拠点での操業停止等が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (石油事業及び石油化学事業)①原油価格及び原油調達に関するリスク石油開発事業における原油価格に関するリスクに加え、当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しているため、原油価格の下落局面では、期初の在庫単価と期中に仕入れた下落した在庫単価が平均され売上原価を押し上げることになり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、中東産油国の周辺地域における戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により原油調達が影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②石油製品及び石油化学製品等の価格に関するリスク当社グループの主要な石油製品コストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップが生じた場合、或いはタイムラグが生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③石油製品及び石油化学製品等の需要に関するリスク当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受けます。また、ナフサは石油化学業界、軽油は運輸業界、重油は電力業界、海上輸送業界等の需要動向を反映します。燃料油の国内需要は、少子高齢化や人口減少、燃費改善や燃料転換等の構造的要因から減少傾向が継続するものと想定しており、加えて今般の新型コロナウイルス感染症による影響が懸念されております。当社グループは、需要減少に備え国内販路の確保や収益油種を集中して生産できる体制の構築等に取り組んでおりますが、国内のみならず海外も含めた経済動向や天候の変化等で需要が変動した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④たな卸資産の収益性の低下による簿価切下げに関するリスク原油価格の下落により、たな卸資産の期末における正味売却価額が帳簿価額よりも低下し、たな卸資産の収益性が低下したと判断する場合があります。この場合、たな卸資産の収益性の低下を反映するために計上した評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)その他のリスク①外国為替レートに関するリスク当社グループは、原油の輸入及び石油製品等の輸出入を行っており、その調達コストは通常米ドル建てで決済されるため、外国為替レートの変動により差損益が生じます。外国為替レートの変動による悪影響を最小限に留めるべく、為替ヘッジ取引を行っておりますが、円安へ推移すれば調達コストを押し上げることとなります。また、外国為替レートの変動は、海外連結子会社または持分法適用会社の財務諸表を円貨換算する際にも影響しており、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②金利に関するリスク金利の変動により、今後借入金利が著しく上昇する等金融コストが増加する場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③資産価値に関するリスク原油価格の下落や市場環境の変化等により、資産の収益性の低下や資産価値の下落が生じ、投資額の全部または一部の回収が見込めないと判断する場合があります。この場合、当社グループが保有する固定資産や投融資に対する投資額の回収可能性を反映するために計上する減損損失や評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④法規制に関するリスク石油産業には公害や環境問題に関する様々な法律が適用されており、当社グループはこれらの規制に適合するために然るべき対応を行っております。今後、環境問題への対策強化が予想される中、新たな法律、規制等が課される可能性があります。新しい法律や現行法の改正等により、費用負担が増加した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤競合に関するリスク当社グループは石油事業を中心に国内外の企業との激しい競争にさらされております。引き続き競争力の維持、向上に取り組んでまいりますが、競合他社と比して効率的な事業運営等ができない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥信用に関するリスク当社グループでは取引先に対する与信管理の体制を整備しておりますが、保有する売掛債権が取引先の経営悪化等により債務不履行に陥り回収不能になった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦災害や事故に関するリスク当社グループは、大量の危険物及び高圧ガスを取り扱っており、事故を未然に防止するために様々な安全対策を実施しています。しかしながら、設備の老朽化や人為ミスを原因とする事故や労働災害によって、製油所、物流基地及び油槽所等が操業停止する可能性があります。また、巨大地震や自然災害を想定し、非常用電源設置、耐震改修、事業継続計画(BCP)マニュアル整備及び防災訓練を行い、災害発生時の影響を最小限にする対策を講じています。しかしながら、地震発生時には何らかの要因で操業停止する可能性があります。さらに、製油所、物流基地及び油槽所等以外でも給油所、タンカー及びローリーでの事故及び地震等の災害で事業運営に支障をきたす場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧感染症等に関するリスク当社グループは、従前より新型インフルエンザ等発生時のBCPマニュアルを整備し適宜見直しを実施することにより、感染症等による事業への影響の最小化を図っております。また、今般の新型コロナウイルス感染症の対応として、既に働き方改革の取り組みとして構築していた在宅勤務制度を感染予防策として活用、推進し、時差出勤などと併せて「新しい働き方」として生産性をより向上させる最も効率的な働き方を追求するとともに、衛生管理の徹底を図っております。しかし、当社グループ内での感染者が発生し、事業運営に影響が発生した場合は、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨品質に関するリスク当社グループは、製品・サービスの品質に関するリスク評価の見直しを行い、既に構築している品質管理体制の強化に努めております。しかし、品質管理に関するリスクが顕在化した場合には、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩法令違反に関するリスク当社グループは、ESG経営を進めるにあたり、法令遵守を柱の一つと位置付け、仕組みを整えるとともに、社員が遵守すべき行動規範である「コスモエネルギーグループ企業行動指針」の浸透を図り、また企業倫理・人権研修を通じ、社員一人ひとりのモラル向上、知識レベル向上に努めております。しかしながら、ヒューマンエラー等による法令違反のリスクが顕在化した場合には、行政処分を受け、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪情報の管理に関するリスク情報管理につきましては、社内情報システムのセキュリティを強化するためにウイルス対策や個人情報保護対応等を実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理及び監査を実施しております。しかしながら、何らかの要因により個人情報を含む機密情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫気候変動に関するリスク日本はパリ協定に基づき2030年度までにCO₂排出量を2013年度比26%削減することを目標にしており、当社グループも同レベルの目標を揚げております。削減目標に対応するため世界的に脱化石燃料の動きが加速していくと、電動自動車の普及やシェアリング経済が拡大することとなり、ガソリン需要は存在するものの、化石燃料の需要は漸減していくと考えられます。このような環境を踏まえ、今後、当社グループは事業ポートフォリオの移行を加速させ、より環境配慮型の企業を目指します。しかしながら、日本や他の国が気候変動政策を強化、または環境関連法規等を変更または新規に導入した場合、石油製品の需要が想定外の速度で減少する可能性があります。この場合、石油関連事業を中心として、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬内部統制システムに関するリスク当社グループでは、法令などの遵守のために財務報告に係る内部統制を含む、有効な内部統制システムの整備、運用及び強化を図っております。しかしながら、組織内外の環境の変化やコンプライアンス違反などが生じ、当社グループが構築した内部統制システムが有効に機能しない場合があります。この場合、ステークホルダーの信頼を失うことになり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭繰延税金資産の取り崩しに関するリスク繰延税金資産の計算につきましては、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づいており、実際の結果が予測と異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づく税金負担の軽減効果が得られないと判断された場合、当該繰延税金資産は取り崩され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
FY2019|2,554 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財政状況等は、今後起こり得るさまざまな要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループでは、当社グループでコントロールできない外部要因や事業リスクとして顕在化する可能性が必ずしも高くない事項も含め、投資家の判断上重要と考えられる事項については積極的に開示しております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月20日)現在において当社グループが判断したものであります。(1)需要動向の影響 当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受けます。また、ナフサは石油化学業界、軽油は運輸業界、重油は電力業界、海上輸送業界等の需要動向を反映します。従いまして、国内のみならず海外も含めた経済動向や天候の変化等で需要が変動することにより、当社グループの販売規模に影響を及ぼす可能性があります。 (2)原油価格および原油調達に関するリスク 原油価格は、需要動向と生産動向により大きく左右されます。需要動向につきましては、大消費国であるアメリカや経済成長の著しいアジア地域(特に中国)の影響が大きく、生産動向につきましては、OPEC加盟国や他産油国の増減産に加え、シェールオイルの増減産の影響が大きいと認識しております。特に中東産油国の周辺地域においては、戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により、原油価格や原油調達が悪影響を受ける恐れに加え、生産拠点での操業停止等により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しております。そのため、原油価格の下落局面では、期初の在庫単価と期中に仕入れた下落した在庫単価が平均されるため、売上原価を押し上げることになり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)外国為替レートの変動 石油事業においては、原油の輸入及び石油製品等の輸出入を行っており、その代金は通常米ドル建てで決済されるため、外国為替レートの変動により差損益が生じます。為替レート変動による悪影響を最小限に留めるべく、為替ヘッジ取引を行っておりますが、円安へ推移すれば調達コストを押し上げることとなる等、為替レートの変動が経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、外国為替レートの変動は、海外連結子会社または持分法適用会社の財務諸表を円貨換算する際にも影響を及ぼす可能性があります。 (4)石油製品等の市況の変動 上述の通り、当社グループの主要な石油製品のコストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップが生じた場合、或いはタイムラグが生じた場合は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)金利の変動 金利の変動により、今後借入金利が上昇した場合には金融コストが増加する等、金利の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。 (6)資産価値の変動 経済動向等の影響から、土地や有価証券等、当社グループが保有する資産価値が下落することにより、評価損が発生する恐れがある等、資産価値の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)競合のリスク 当社グループは石油事業を中心に国内外の企業との激しい競争にさらされております。当社グループは引き続き競争力の維持、向上に取り組んでまいりますが、競合他社と比して効率的な事業運営ができない場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。 (8)災害や事故による影響 当社グループの製油所では多量の危険物を扱っていることから、特に人為的な操業事故や労働災害を未然に防止するため、様々な安全対策の徹底を図っております。しかしながら、設備の老朽化や地震等の自然災害等、何らかの要因により事故が発生した場合、操業を停止せざるを得なくなる可能性があります。また、製油所以外でも、油槽所やSS、タンカーやローリー等による事故により、当社グループの事業運営に支障をきたす恐れがあり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。 (9)石油産業に適用される法規制の影響 石油産業には公害や環境問題に関する様々な法律が適用されており、当社グループはこれらの規制に適合するために費用を負担しております。環境問題への対策強化が予想される中、新たな法律、規制、税金等が課される可能性を認識しております。今後、新しい法律や現行法の改正等により、当社グループの費用負担が増加するリスクがあります。当社グループではCSR経営を進めるにあたり、法令遵守を柱の一つと位置付け、仕組みを整えるとともに社員一人ひとりのモラル向上に努めております。しかし、ヒューマンエラー等による法令違反のリスクが顕在化した場合には、行政処分を受け、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)情報の管理 情報管理につきましては、社内情報システムのセキュリティを強化するためにウィルス対策や個人情報保護対応等を実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理及び監査を実施しております。しかしながら、何らかの要因により個人情報を含む機密情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|2,558 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財政状況等は、今後起こり得るさまざまな要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループでは、当社グループでコントロールできない外部要因や事業リスクとして顕在化する可能性が必ずしも高くない事項も含め、投資家の判断上重要と考えられる事項については積極的に開示しております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)需要動向の影響 当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受けます。また、ナフサは石油化学業界、軽油は運輸業界、重油は電力業界、海上輸送業界等の需要動向を反映します。従いまして、国内のみならず海外も含めた経済動向や天候の変化等で需要が変動することにより、当社グループの販売規模に影響を及ぼす可能性があります。 (2)原油価格および原油調達に関するリスク 原油価格は、需要動向と生産動向により大きく左右されます。需要動向につきましては、大消費国であるアメリカや経済成長の著しいアジア地域(特に中国)の影響が大きく、生産動向につきましては、OPEC加盟国や他産油国の増減産に加え、シェールオイルの増減産の影響が大きいと認識しております。特に中東産油国の周辺地域においては、戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により、原油価格や原油調達が悪影響を受ける恐れに加え、生産拠点での操業停止等により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しております。そのため、原油価格の下落局面では、期初の在庫単価と期中に仕入れた下落した在庫単価が平均されるため、売上原価を押し上げることになり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)外国為替レートの変動 国内石油事業においては、海外より原油及び石油製品等を輸入しており、その代金は通常米ドル建てで決済されるため、外国為替レートの変動により差損益が生じます。為替レート変動による悪影響を最小限に留めるべく、為替ヘッジ取引を行っておりますが、円安へ推移すれば調達コストを押し上げることとなる等、為替レートの変動が経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、外国為替レートの変動は、海外連結子会社または持分法適用会社の財務諸表を円貨換算する際にも影響を及ぼす可能性があります。 (4)石油製品等の市況の変動 上述の通り、当社グループの主要な石油製品のコストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップが生じた場合、或いはタイムラグが生じた場合は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)金利の変動 金利の変動により、今後借入金利が上昇した場合には金融コストが増加する等、金利の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。 (6)資産価値の変動 経済動向等の影響から、土地や有価証券等、当社グループが保有する資産価値が下落することにより、評価損が発生する恐れがある等、資産価値の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)競合のリスク 当社グループは石油事業を中心に国内外の企業との激しい競争にさらされております。当社グループは引き続き競争力の維持、向上に取り組んでまいりますが、競合他社と比して効率的な事業運営ができない場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。 (8)災害や事故による影響 当社グループの製油所では多量の可燃物を扱っていることから、特に人為的な操業事故や労働災害を未然に防止するため、様々な安全対策の徹底を図っております。しかしながら、設備の老朽化や地震等の自然災害等、何らかの要因により事故が発生した場合、操業を停止せざるを得なくなる可能性があります。また、製油所以外でも、油槽所やSS、タンカーやローリー等による不慮の事故により、当社グループの事業運営に支障をきたす恐れがあり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。 (9)石油産業に適用される法規制の影響 石油産業には公害や環境問題に関する様々な法律が適用されており、当社グループはこれらの規制に適合するために費用を負担しております。環境問題への対策強化が予想される中、新たな法律、規制、税金等が課される可能性を認識しております。今後、新しい法律や現行法の改正等により、当社グループの費用負担が増加するリスクがあります。当社グループではCSR経営を進めるにあたり、法令遵守を柱の一つと位置付け、仕組みを整えるとともに社員一人ひとりのモラル向上に努めております。しかし、ヒューマンエラー等による法令違反のリスクが顕在化した場合には、行政処分を受け、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)情報の管理 情報管理につきましては、社内情報システムのセキュリティを強化するためにウィルス対策や個人情報保護対応等を実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理及び監査を実施しております。しかしながら、何らかの要因により個人情報を含む機密情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|2,717 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財政状況等は、今後起こり得るさまざまな要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループでは、当社グループでコントロールできない外部要因や事業リスクとして顕在化する可能性が必ずしも高くない事項も含め、投資家の判断上重要と考えられる事項については積極的に開示しております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月22日)現在において当社グループが判断したものであります。(1)需要動向の影響 当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受けます。また、ナフサは石油化学業界、軽油は運輸業界、重油は電力業界、海上輸送業界等の需要動向を反映します。従いまして、国内のみならず海外も含めた経済動向や天候の変化等で需要が変動することにより、当社グループの販売規模に影響を及ぼす可能性があります。 (2)原油価格および原油調達に関するリスク 原油価格は、需要動向と生産動向により大きく左右されます。需要動向につきましては、大消費国であるアメリカや経済成長の著しいアジア地域(特に中国)の影響が大きく、生産動向につきましては、OPEC加盟国や他産油国の増減産に加え、シェールオイルの増減産の影響が大きいと認識しております。特に中東産油国の周辺地域においては、戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態により、原油価格や原油調達が悪影響を受ける恐れに加え、生産拠点での操業停止等により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しております。そのため、原油価格の下落局面では、期初の在庫単価と期中に仕入れた下落した在庫単価が平均されるため、売上原価を押し上げることになり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)外国為替レートの変動 国内石油事業においては、海外より原油及び石油製品等を輸入しており、その代金は通常米ドル建てで決済されるため、外国為替レートの変動により差損益が生じます。為替レート変動による悪影響を最小限に留めるべく、為替ヘッジ取引を行っておりますが、円安へ推移すれば調達コストを押し上げることとなる等、為替レートの変動が経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、外国為替レートの変動は、海外連結子会社または持分法適用会社の財務諸表を円貨換算する際にも影響を及ぼす可能性があります。 (4)石油製品等の市況の変動 上述の通り、当社グループの主要な石油製品のコストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップが生じた場合、或いはタイムラグが生じた場合は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)金利の変動 金利の変動により、今後借入金利が上昇した場合には金融コストが増加する等、金利の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。 (6)資産価値の変動 経済動向等の影響から、土地や有価証券等、当社グループが保有する資産価値が下落することにより、評価損が発生する恐れがある等、資産価値の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)競合のリスク 当社グループは石油事業を中心に国内外の企業との激しい競争にさらされております。当社グループは引き続き競争力の維持、向上に取り組んでまいりますが、競合他社と比して効率的な事業運営ができない場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。 (8)災害や事故による影響 当社グループの製油所では多量の可燃物を扱っていることから、特に人為的な操業事故や労働災害を未然に防止するため、様々な安全対策の徹底を図っております。しかしながら、設備の老朽化や地震等の自然災害等、何らかの要因により事故が発生した場合、操業を停止せざるを得なくなる可能性があります。例えば、平成23年3月11日の東日本大震災により発生した千葉製油所での事故において、操業を一定期間停止したことによる損失や復旧にかかる費用等を計上しました。また、製油所以外でも、油槽所やSS、タンカーやローリー等による不慮の事故により、当社グループの事業運営に支障をきたす恐れがあり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。 (9)石油産業に適用される法規制の影響 石油産業には公害や環境問題に関する様々な法律が適用されており、当社グループはこれらの規制に適合するために費用を負担しております。環境問題への対策強化が予想される中、新たな法律、規制、税金等が課される可能性を認識しております。今後、新しい法律や現行法の改正等により、当社グループの費用負担が増加するリスクがあります。当社グループではCSR経営を進めるにあたり、法令遵守を柱の一つと位置付け、仕組みを整えるとともに社員一人ひとりのモラル向上に努めております。しかし、ヒューマンエラー等による法令違反のリスクが顕在化した場合には、行政処分を受け、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。例えば、過去に千葉製油所において経済産業省旧原子力安全・保安院等より高圧ガス保安法に基づく行政処分を受けた例では、保全費用が追加的に発生し、経営成績に影響しました。 (10)情報の管理 情報管理につきましては、社内情報システムのセキュリティを強化するためにウィルス対策や個人情報保護対応等を実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理及び監査を実施しております。しかしながら、何らかの要因により個人情報を含む機密情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|2,683 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財政状況等は、今後起こり得るさまざまな要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループでは、当社グループでコントロールできない外部要因や事業リスクとして顕在化する可能性が必ずしも高くない事項も含め、投資家の判断上重要と考えられる事項については積極的に開示しております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。(1)需要動向の影響 当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受けます。また、ナフサは石油化学業界、軽油は運輸業界、重油は電力業界、海上輸送業界等の需要動向の影響を強く受けます。従いまして経済状況や天候の変化等を受け、需要が変動することにより、当社グループの販売規模に影響を及ぼす可能性があります。(2)原油価格および原油調達に関するリスク 原油価格は、需要動向と生産動向により大きく左右されます。需要動向につきましては大消費国であるアメリカ、また経済成長の著しいアジア地域(特に中国)の影響が大きく、生産動向につきましては中東産油国の増減産に加えてシェールオイルの増減産の影響が大きいと認識しております。特に産油国周辺地域においては、戦争勃発など政情の不安定化やテロなど不測の事態により原油価格や原油調達が悪影響を受ける恐れに加え、生産拠点での操業停止などにより経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しております。そのため、原油価格が下落した場合は、市況に比べて高いコスト負担をすることになるなど、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(3)外国為替レートの変動 国内石油事業においては、海外より原油及び石油製品等を輸入しており、その代金は通常米ドル建てで決済されるため、外国為替相場の変動により差損益が生じます。為替レート変動による悪影響を最小限に留めるべく、為替ヘッジ取引を行っておりますが、円安へ推移すれば調達コストを押し上げることとなるなど、為替レートの変動が経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、外国為替相場の変動は、海外連結子会社または持分法適用会社の財務諸表を円貨換算する際にも影響を及ぼす可能性があります。(4)石油製品などの市況の変動 上述の通り、当社グループの主要な石油製品のコストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップが生じた場合、或いはタイムラグが生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(5)金利の変動 金利の変動により、今後借入金利が上昇した場合には金融コストが増加するなど、金利の変動は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。(6)資産価値の変動 経済状況などの影響から、土地や有価証券など、当社グループが保有する資産価値が下落することにより、評価損が発生する恐れがあるなど、資産価値の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7)競合のリスク 当社グループは石油事業を中心に国内外の企業との激しい競争にさらされております。当社グループは引き続き競争力の維持、向上に取り組んでまいりますが、競合他社と比して効率的な事業運営ができない場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。(8)災害や事故による影響 当社グループの製油所では多量の可燃物を扱っていることから、特に人為的な操業事故や労働災害を未然に防止するため、様々な安全対策の徹底を図っております。しかしながら、設備の老朽化や地震などの自然災害等、何らかの要因により事故が発生いたしますと、操業を停止せざるを得なくなる可能性があります。例えば、平成23年3月11日の東日本大震災の影響により、コスモ石油㈱千葉製油所において操業を一定期間停止したことによる損失、または復旧にかかる費用などを計上しました。また、製油所以外でも、油槽所やSS、タンカーやローリー等による不慮の事故により、当社グループの事業運営に支障をきたす恐れがあり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。(9)石油産業に適用される法規制の影響 石油産業には公害や環境問題に関する様々な法律が適用されており、当社グループはこれらの規制に適合するために費用を負担しております。環境問題への対策強化が予想される中、新たな法律、規制、税金などが課される可能性を認識しております。今後、新しい法律や現行法の改正などにより、当社グループの費用負担が増加するリスクがあります。当社グループではCSR経営を進めるにあたり、法令遵守を柱の一つと位置付け、仕組みを整えるとともに社員一人ひとりのモラル向上に努めております。しかし、ヒューマンエラーなどによる法令違反のリスクが顕在化した場合には、行政処分を受け、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。例えば、製油所において経済産業省旧原子力安全・保安院等より高圧ガス保安法に基づく行政処分を受けた例では、保全費用が追加的に発生し、経営成績に影響いたしました。(10)情報の管理 情報管理につきましては、社内情報システムのセキュリティを強化するためにウィルス対策や個人情報保護対応などを実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取り扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理及び監査を実施しております。しかしながら、何らかの要因により個人情報を含む機密情報の消失、漏洩、改ざんなどのリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。