研究開発活動(本文)
FY2025|4,565 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、研究開発型企業としてグループが保有する技術及び資産を最大限活用し、新たな製品および技術の開発を行っております。農薬及び農業関連事業セグメントでは、国内外の農耕地および非農耕地における除草剤、殺菌剤、殺虫剤および植物成長調整剤の研究を通して、食料生産に貢献しうる新製品の開発に注力しております。また、化成品事業を第二の柱に位置付け、様々な社会課題を解決するための新製品の開発を進めております。さらに、研究領域および事業領域の拡大に向けて、社内外と協働した取り組みを積極的に実施しており、事業全体にわたって持続可能な社会の実現につながる新しい価値の創出を推進しております。 農薬及び農業関連事業セグメントは、新農薬の創製、開発から販売までを一貫して実施しており、環境の変化に対応した農家の方々のニーズにこたえる新農薬製品の開発に注力しております。新規自社開発園芸用殺ダニ剤「バネンタ」(農薬一般名:フルペンチオフェノックス)は、国内での農薬登録を申請しており、審査が進行しております。本剤は当社独自骨格で新規作用性を有する殺ダニ剤であり、薬剤抵抗性を発達させたハダニ個体群に対しても高い効果を示します。果樹、野菜、花きのハダニ剤として高い実用性が認められており、韓国をはじめとした海外開発も同時に進めてまいります。事業の中核である自社開発の畑作用除草剤「アクシーブ」(農薬一般名:ピロキサスルホン)は、ジェネリック品への対応として知財戦略を強化するとともに、価格競争力維持のための原価低減に向けた取り組みを継続しております。各国での新規混合剤や新製剤の開発により市場価値を高めるとともに、国内では2021年に北海道のコムギ用除草剤として上市した「キタシーブフロアブル」が順調に売上を伸ばしており、これに続く新規混合剤の開発も進めております。今後も「アクシーブ」ブランドのグローバル展開を一層進めてまいります。自社開発水稲用除草剤「エフィーダ」(農薬一般名:フェンキノトリオン)は、水田広葉雑草に対して幅広く除草効果を示すだけでなく、薬剤抵抗性が発達した雑草にも有効です。食用米に加え、飼料用米や多収米などの新規需要米品種を含め、多くの品種に対して高い安全性を有しております。2025年6月時点で、エフィーダ混合剤は他社製品を含め67剤が販売され、国内の普及面積は558,607haに達しています(日本植物調節剤研究協会データ)。国内では芝用除草剤としての販売も行っており、韓国では水稲向けに販売を行っております。さらに、欧州のムギ類等での開発、米国、アジア各国でも水稲向けの評価・開発も進めており、「エフィーダ」のグローバル展開の拡大を進めてまいります。自社開発水稲用殺菌剤「ディザルタ」(農薬一般名:ジクロベンチアゾクス)は、現在までに本剤を有効成分に含む水稲用箱粒剤などの混合剤を8剤上市しております。2025年に西日本向けの高性能剤「ブーンアレスモンガレス」、低コストで施用法の幅が広い単剤「ブーン」を追加いたしました。今後も地域ニーズに応じた新剤の開発を継続し、ラインナップを拡充してまいります。また、ライセンス供与により他社からも「ディザルタ」混合剤が開発・販売されており、普及拡大をさらに強化してまいります。韓国でも「ディザルタ」は農薬登録されており、提携各社から4剤の水稲用箱処理剤が販売されております。国内外で継続的に開発・普及を進め、「ディザルタ」のさらなる拡大を進めてまいります。水稲用除草剤「ベンスルフロンメチル」は、広葉及びカヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植栽培・直播栽培のいずれにも適用可能で、農業の発展に大きく貢献してまいりました。「トップガンR」など本剤含有の水稲用除草剤を多数開発・販売しており、2025年には「セイテン」、「テッシン」を上市いたしました。引き続き、新たな混合剤の開発も進めております。2020年に国内独占販売権を取得した殺菌剤「ペンシクロン」は、2021年から販売会社へ供給しております。「ペンシクロン」は水稲を中心とした農耕地およびゴルフ場等の非農耕地で使用される主要な殺菌剤であり、安定供給と製品開発を進めてまいります。環境負荷低減型農薬の開発にも積極的に取り組んでおります。代表例が水面施用製剤「豆つぶ」であり、当社独自の製剤技術を活かし、軽量で省力かつ簡便に散布できる剤型です。手撒き、ひしゃく、無人ヘリコプターに加え、ドローンやラジコンボートでの散布にも適しており、需要が拡大しております。商品ラインナップとして、除草剤では「ベッカク」、「エンペラー」、「プライオリティ」などをそろえ、殺菌剤では「オリブライト」、「コラトップ」、殺虫剤では「スタークル」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ」も販売しており、今後も製品ラインナップを拡充いたします。また、除草剤では「豆つぶ」を水溶性フィルムで包装した「ジャンボ剤」も販売しております。微生物農薬は環境負荷が小さく、化学農薬が届きにくい分野に向けて研究開発を進めております。当社はこれまでに水稲用種子処理剤「エコホープDJ」や園芸殺菌剤「エコショット」など「エコシリーズ」を開発・販売しております。続く製品として、有効な防除資材が存在しない果樹類やバラの根頭がんしゅ病に卓効を示す新規微生物農薬「エコアーク」が2025年3月に農薬登録され、上市に向けて準備を進めております。また、近年注目されているバイオスティミュラントや、ゲノム編集を応用した環境ストレス・病害虫耐性作物の研究開発など、農薬に加えて農業生産を支援する各種技術の研究開発にも積極的に取り組んでおります。性能が高く環境負荷の小さい化学農薬に加え、微生物農薬やバイオスティミュラントなど多様なニーズに応える製品を開発し、持続可能な農業生産へ貢献することを目指して研究開発を推進してまいります。 化成品事業セグメントは、クロロトルエン・クロロキシレン系化学品、医農薬中間体、半導体材料や高耐熱樹脂等に使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品、様々な分野で使用されているウレタン樹脂製工業製品の原料であるウレタン硬化剤、産業用薬剤、環境衛生薬剤、医療用殺菌剤原体等の産業薬品、発泡スチロールを主体とした化成品の開発、製造、販売を行っております。さらに、有機合成技術を活用した製造受託も行っております。化成品事業における当社グループ横断的な研究開発力強化のため、当社の研究員のみならず、グループ会社の研究員も協働するオープンラボとして化学研究所内に新素材開発研究室を設置しております。当社グループの英知を結集し、さらには産・官・学との連携も取り入れながら、グループ独自技術を活かした付加価値の高い新製品の開発を行っております。引き続き、当社グループが保有する独自の技術および設備を生かした市場競争力のある化成品開発に取り組んでまいります。 研究開発型企業として最先端技術の開発・導入を目的に、大学や国立研究開発法人などとの共同研究にも積極的に取り組んでおります。その一例として、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の推進する「機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発」、ライフサイエンス分野におけるAIならびにビッグデータ技術の進展・応用を図り、関連諸分野の産業振興を推進する「一般社団法人ライフインテリジェンスコンソーシアム(LINC)」などに参画しており、研究開発力の向上および研究領域の拡大に努めております。 以上のように、当社では蓄積した研究成果の活用によって、新たな製品および独自技術の創出に取り組んでおります。農薬及び農業関連事業は、日本国内では、政府が策定した持続可能な食料生産戦略である「みどりの食料システム戦略」に対応した製品開発を進めてまいります。海外では、アクシーブに続く製品として、エフィーダ、ディザルタ等の自社原体の各国での開発を進めてまいります。また、複数の有望な新剤パイプラインの検討を進めており、早期事業化に向けて開発を加速いたします。化成品事業は、保有技術の最大化を進めるとともに、半導体関連材料を中心とした技術の創出を目指しており、より豊かな社会を実現するための製品開発を進めてまいります。両事業ともに、持続可能な社会の実現につながる新しい価値の創出に向けた取り組みを継続してまいります。 当社の研究開発は、生物科学研究所および化学研究所(ShIP:Shimizu Innovation Park)の二つの研究所が協働し、新たな価値、イノベーションを生み出しており、更なる研究開発力の向上に向けた組織づくりおよび積極的な設備投資を進めております。生物科学研究所には、農薬研究センター、生命・環境研究センターを組織しており、新農薬創製における生物効果、安全性、環境影響の評価に加え、作用性解明等を行っております。現在、農薬研究センターの設備統合、改修による新研究棟整備を進めており、2027年の竣工を予定しております。化学研究所(ShIP)は2023年に稼働を開始した最新の研究施設となります。プロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターを組織しており、新農薬創製における新規化合物の合成、農薬の性能を引き出すための製剤研究、工業化に向けたプロセス開発を行っております。また、プロセス化学研究センターでは当社グループを横断した新規化成品開発も担っております。それぞれの分野で高い専門性を持った技術集団が能動的かつ共創的に研究開発を行うことで、引き続き、農薬、化成品における新製品開発および研究開発領域の拡大による新たな価値、イノベーションの創出を進めてまいります。 連結子会社の株式会社理研グリーンでは、非農耕地における農薬製品の研究開発・販売を行っております。農薬及び農業関連事業においてはグリーン研究所とも協働し、新農薬の探索合成から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法確立まで一貫した研究開発体制を確立しており、よりスピーディで効率的な研究開発を推進しております。海外では、米国に拠点を置く連結子会社のK-I CHEMICAL U.S.A. INC.が農薬の現地評価を行うミシシッピ試験場を有しております。また、韓国では子会社のKUMIKA KOREA CO., LTD.が開発業務を担っております。さらに、欧州、南米をはじめとした主要農業生産国では現地の外部試験圃場を活用した研究開発活動を実施しております。これら社内外の各研究開発拠点の有機的かつ効率的な運営により、自社新規農薬、自社独自製剤技術を用いた新製品の開発スピードアップと品質保証を含む当社グループ全社の研究開発技術の更なる向上を図っております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は7,060百万円であり、各セグメントの内訳は以下のとおりであります。①農薬及び農業関連事業 6,596百万円②化成品事業 449百万円③その他 16百万円
FY2024|4,722 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、研究開発型企業としてグループが保有する技術及び資産を最大限活用し、新たな製品および技術の開発を行っております。農薬及び農業関連事業セグメントでは、国内外の農耕地および非農耕地における除草剤、殺虫剤、殺菌剤および植物成長調整剤の研究を通して、食料生産に貢献しうる新製品の開発に注力しております。また、化成品事業を第二の柱に位置付け、様々な社会課題を解決するための新製品の開発を進めております。さらに、研究領域および事業領域の拡大に向けて、社内外と協働した取り組みを積極的に実施しており、事業全体にわたって持続可能な社会の実現につながる新しい価値の創出を推進しております。 農薬及び農業関連事業セグメントは、新農薬の創製、開発から販売までを一貫して実施しており、環境の変化に対応した農家の方々のニーズにこたえる新農薬製品の開発に注力しております。新規自社開発園芸用殺ダニ剤「バネンタ」(農薬一般名:フルペンチオフェノックス)の開発を進めており、登録認可後の上市に向けて準備を進めております。本剤は当社独自骨格で新規作用性を有する殺ダニ剤であり、薬剤抵抗性を発達させたハダニ個体群に対して高い効果を示します。果樹、野菜、花きのハダニ剤として高い実用性が認められており、韓国をはじめとした海外開発も同時に進めてまいります。自社開発水稲用殺菌剤「ディザルタ」(農薬一般名:ジクロベンチアゾクス)は、現在までに「ディザルタ」を有効成分に含有する箱粒剤などの混合剤を5剤上市しており、2024年には新たに西日本向け「ブーンハーデス箱粒剤」を追加いたしました。「ディザルタ」を含有する水稲用箱粒剤は地域ごとの需要に応じた新たな剤の開発を継続しており、さらなるラインナップの充実を図ります。また、ライセンスすることにより、他社からも「ディザルタ」混合剤が開発、販売されており、今後も「ディザルタ」の普及拡大を強化してまいります。さらに、韓国においても「ディザルタ」は農薬登録されており、提携各社から「ディザルタ」を含有する水稲用箱処理剤が4剤販売されております。引き続き国内外での継続した開発・普及により「ディザルタ」の最大化を進めてまいります。自社開発水稲用除草剤「エフィーダ」(農薬一般名:フェンキノトリオン)は、水田広葉雑草に対して幅広く除草活性を示すだけでなく、薬剤抵抗性が発達したイヌホタルイなどにも有効な水稲用除草剤です。国内水稲栽培の各種栽培体系において、食用米だけでなく、飼料用米や多収米などの新規需要米品種を含めた多くの品種に対して高い安全性を示す特長を有しています。2024年6月時点でエフィーダ混合剤は他社も含めて59剤が販売されており、日本国内での普及面積は2024年6月で506,840haとなっています(日植調データより)。海外では韓国で水稲向けに販売を行っております。さらに、欧州のムギ類等での開発に加え、米国、アジア各国での評価・開発も進めており、「エフィーダ」を最大化することにより、グローバルでの食料生産に貢献してまいります。当経営の中核をなす自社開発畑作用除草剤「アクシーブ」(農薬一般名:ピロキサスルホン)は、ジェネリック品に対する知財戦略を推し進めるとともに、新規混合剤、新製剤開発による差別化を進めてまいります。米国、ブラジル、オーストラリア、アルゼンチンなどの主要穀物生産国においてダイズ、トウモロコシ、コムギ等で販売しており、これらの国での適用作物拡大および混合剤開発も進んでおります。世界各国での新規登録状況は、2024年にエジプト、ザンビア、パキスタンを加え、合計25か国で登録となっております。国内では、2021年に北海道コムギ用除草剤として上市した「キタシーブフロアブル」は順調に売上を伸ばしています。今後も国内外での開発を推進することにより、「アクシーブ」グローバルブランドのさらなる拡大および販売・普及促進を進めてまいります。2019年に事業を譲受いたしました除草剤「ベンスルフロンメチル」は水稲における広葉、カヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植、直播栽培のいずれにも適用可能な水稲用除草剤として農業の発展に大きな貢献をしてきました。当社においても「トップガンR」をはじめとして、本剤を含有する水稲用除草剤を数多く開発、販売しており、2023年には「ラオウ剤」を上市し、これに続く新たな混合剤の開発も進めております。また、2020年に日本国内の独占販売権を獲得しました殺菌剤「ペンシクロン」は、2021年から販売会社に製品を供給しております。「ペンシクロン」は水稲を中心とした農耕地及びゴルフ場を主とした非農耕地で使用される主要殺菌剤で、今後も、安定供給と新たな製品開発を進めてまいります。環境負荷低減型農薬の開発にも積極的に取り組んでおり、代表的な技術が水稲用の水面施用製剤「豆つぶ」です。「豆つぶ」は当社独自の製剤技術を活かした軽量・省力・簡便な散布が可能な剤型です。手撒き、ひしゃく、無人ヘリコプターでの散布に加え、スマート農業として注目されている「ドローン」、「ラジコンボート」での散布にも適しています。商品ラインナップとして、除草剤では「トップガン剤」、「エンペラー剤」、「ツイゲキ剤」をはじめとする多くの製品をそろえるとともに、殺菌剤「オリブライト剤」、「コラトップ剤」、殺虫剤「スタークル剤」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ剤」など除草剤以外でも販売しており、今後も製品ラインナップの拡充を進めます。また、「豆つぶ」を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」もあわせて販売しております。微生物農薬は環境負荷が少なく化学農薬では手が届かない分野に向けて研究開発を進めています。当社はこれまでに、水稲用種子処理剤「エコホープDJ」、園芸殺菌剤「エコショット」などの「エコシリーズ」を開発・販売しております。現在は、難防除病害である果樹類やバラの根頭がんしゅ病に対して卓効を示す新規微生物農薬「エコアーク」の開発を進めており、登録認可後の上市に向けて準備を進めております。また、近年注目されているバイオスティミュラントについても研究開発を進めており、病害虫や雑草の防除に留まらず、作物の栽培においても商品を提供してまいります。性能が高く環境負荷の低い化学農薬の開発に加え、微生物農薬、バイオスティミュラントといった様々な課題・ニーズに対応した製品の開発を通じて、持続可能な農業生産に貢献することを目指しております。 化成品事業セグメントにおいては、従前からのクロロトルエン・クロロキシレン系化学品、農薬原体製造で培った有機合成技術を駆使した医農薬中間体や電子材料、高耐熱樹脂等に使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品、様々な分野で使用されているウレタン樹脂製工業製品の原料であるウレタン硬化剤、産業用薬剤、環境衛生薬剤、医療用殺菌剤原体等の産業薬品、発泡スチロールを主体とした化成品の開発、製造、販売を行っております。さらに、農薬、化成品の製造で培った有機合成技術を活用した製造受託も行っております。引き続き、グループ全社保有の原料および独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでまいります。 また、研究開発型企業として最先端技術の開発・導入を目的に、大学や国立研究開発法人などとの共同研究に積極的に取り組んでおります。その一例として、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の推進する「機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発」、ライフサイエンス分野におけるAIならびにビッグデータ技術の進展・応用を図り、関連諸分野の産業振興を推進する「一般社団法人ライフインテリジェンスコンソーシアム(LINC)」などに参画しており、研究開発力の向上および研究領域の拡大に努めております。さらには、農薬開発で培った周辺技術を活用し、農地から発生する温室効果ガスを低減する技術の開発やゲノム編集技術を応用した環境ストレスおよび病害虫耐性作物の研究開発など、農業生産にかかわる様々な技術の研究開発にも積極的に取り組んでおります。 以上のように、当社では蓄積した研究成果の活用によって、新たな製品および独自技術の創出に取り組んでおります。農薬及び農業関連事業は、日本国内では、政府が策定した持続可能な食料生産戦略である「みどりの食料システム戦略」に対応した製品開発を進めます。海外では、アクシーブに続く製品として、エフィーダ、ディザルタ等の自社原体の各国での開発を進めます。化成品事業は、保有技術の最大化を進めるとともに、半導体関連を中心とした技術の創出によって、より豊かな社会を実現するための製品開発を進めます。両事業ともに、持続可能な社会の実現につながる新しい価値の創出に向けた取り組みを継続してまいります。 当社の研究開発は、生物科学研究所および化学研究所(ShIP:Shimizu Innovation Park)の二つの研究所が協働し、新たな価値、イノベーションを生み出しています。生物科学研究所には、農薬研究センター、生命・環境研究センターを組織しており、現在は2027年の竣工を目指して農薬研究センターの研究棟の整備を進めています。化学研究所(ShIP)は2023年に稼働した最新の研究施設で、プロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターを組織しており、専門性の高い技術集団が能動的かつ共創的に研究開発を進めております。異分野の研究者が一堂に会したことによるシナジー効果によって、新農薬創製、製品開発のスピードアップと研究開発領域の拡大に向けた取り組みの促進を図ってまいります。また、化成品事業におけるグループ横断的な研究開発力強化のために新設した新素材開発研究室では、当社の研究員のみならず、グループ会社の研究員も協働するオープンラボとすることで、当社グループの英知を結集し、さらには産・官・学との連携も取り入れながら、グループ独自技術を活かした付加価値の高い電子材料分野などの新製品開発を行っております。また、連結子会社の株式会社理研グリーンでは、非農耕地における農薬製品の研究開発・販売を行っております。農薬及び農業関連事業においてはグリーン研究所とも協働し、新農薬の探索合成から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法確立まで一貫した研究開発体制を確立しており、よりスピーディで効率的な研究開発を推進しております。海外では、米国に拠点を置く連結子会社のK-I CHEMICAL U.S.A. INC.が農薬の現地評価を行うミシシッピ試験場を有しております。また、韓国では子会社のKUMIKA KOREA CO., LTD.が開発業務を担っております。また、欧州、南米をはじめとした主要農業生産国では現地の外部試験圃場を活用した研究開発活動を実施しております。これら社内外の各研究開発拠点の有機的かつ効率的な運営により、自社新規農薬、自社独自製剤技術を用いた新製品の開発スピードアップと品質保証を含むグループ全社の研究開発技術の更なる向上を図っております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は6,988百万円であり、各セグメントの内訳は以下のとおりであります。①農薬及び農業関連事業 6,542百万円②化成品事業 432百万円③その他 14百万円
FY2023|4,128 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、農薬及び農業関連事業セグメントにおいて、国内外の農業用及び非農耕地における除草剤、殺虫剤、殺菌剤及び植物成長調整剤の研究を通して、食料生産に貢献しうる新製品の開発に注力しております。また、化成品事業を第二の柱に位置付け、様々な社会課題を解決するため新製品の開発を目指します。さらには研究領域及び事業領域の拡大を促進し、持続可能な社会の実現に資する技術・製品の開発にも積極的に取組んでおります。 農薬及び農業関連事業セグメントにおいて、当社は研究開発型企業として、自社で農薬の創製、開発から販売までを一貫して行っており、農家の方々のニーズにこたえる新規農薬の創製に注力しております。 自社開発園芸用殺ダニ剤「バネンタ」(農薬一般名:フルペンチオフェノックス)の開発を進めており、2025年の上市を想定しております。本剤はクミカ独自骨格の殺ダニ剤であり、新規作用性のため薬剤抵抗性を発達させたハダニ個体群に対して高い効果を示し、果樹、野菜、花きのハダニ剤として高い実用性が認められております。 自社開発水稲用殺菌剤「ディザルタ」(農薬一般名:ジクロベンチアゾクス)は、現在までに東日本向け「ブーンパディート箱粒剤」、「ブーンレパード箱粒剤」、西日本向け「ブーンゼクテラ箱粒剤」、全国向け「ブーンアレス箱粒剤」、北海道限定の潅注剤として「ブーンバズSC」を上市し、2024年には西日本向け「ブーンハーデス箱粒剤」を上市予定となっております。「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤は新たな開発を続けており、さらなるラインナップの充実を図ります。また、他社からも「ディザルタ」混合剤が開発、販売されており、今後も「ディザルタ」の普及拡大を強化してまいります。さらに韓国においても「ディザルタ」の農薬登録をされております。韓国では2023年に提携各社から「ディザルタ」を含有する水稲用箱処理剤を4剤上市しており、継続して「ディザルタ」ブランドの確立及び普及促進を進めます。 自社開発水稲用除草剤「エフィーダ」(農薬一般名:フェンキノトリオン)は、水田広葉雑草に対して幅広く除草活性を示すだけでなく、薬剤抵抗性が発達したイヌホタルイなどにも有効な水稲用除草剤です。国内水稲栽培の移植、湛水直播などの各種栽培体系において、食用米だけでなく、飼料用米や多収米などの新規需要米品種を含めた多くの品種に対して高い水稲安全性を示す特長を有しています。2023年6月時点でエフィーダ混合剤は他社も含めて52剤が販売されており、本剤の日本国内での普及面積は2023年6月で467,646haとなっています(日植調データより)。さらに、国内だけでなく、欧州のムギ類を対象とした開発も行っており、世界の作物生産への貢献が期待されています。 自社開発畑作用除草剤「アクシーブ」(農薬一般名:ピロキサスルホン)は、米国、ブラジル、オーストラリア、アルゼンチンなどの主要穀物生産国においてダイズ、トウモロコシ、コムギ等で販売が好調です。また、これらの国での適用作物拡大及び混合剤開発も進んでおります。2022年にはイラン、ナミビア、タイ、ロシア、パラグアイ、2023年にはこれまでチュニジアで新規登録をしました。さらに、2021年に北海道コムギ用除草剤として上市した「キタシーブフロアブル」は順調に売上を伸ばしています。今後も南米、アジア、東欧及び国内での開発を進め、「アクシーブ」のグローバルブランドの確立及び販売・普及促進を推進します。 当社は2019年にCorteva Agriscience社から中国を除くアジア・太平洋地域における「ベンスルフロンメチル」事業を譲受いたしました。「ベンスルフロンメチル」は水稲における広葉、カヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植、直播栽培のいずれにも適用可能な水稲用除草剤として農業の発展に大きな貢献をしてきました。当社においても「トップガンR」をはじめとして、本剤を含有する水稲用除草剤を数多く開発、販売しており、2023年には「ラオウ剤」を上市しました。新たな混合剤の開発もすすめております。また、2020年にGowan社より殺菌剤「ペンシクロン」の日本国内の独占販売権を獲得し、2021年から販売会社に製品を供給しております。「ペンシクロン」はリゾクトニア病害に卓効を示し、水稲を中心とした農耕地及びゴルフ場を主とした非農耕地にて使用される主要殺菌剤で、今後も、安定供給と新たな製品開発をすすめてまいります。 さらに環境負荷低減型農薬の開発に積極的に取り組んでおります。そのひとつとして、水稲用の水面施用製剤「豆つぶ」があります。「豆つぶ」は当社独自の製剤技術を活かした軽量・省力・簡便な散布が可能な剤型です。手撒き、ひしゃく、無人ヘリコプターでの散布に加え、スマート農業として注目されている「ドローン」での散布にも適しています。商品ラインナップとして、除草剤では「トップガン剤」、「エンペラー剤」、「ツイゲキ剤」をはじめとする多くの製品をそろえ、殺菌剤「オリブライト剤」、「コラトップ剤」、殺虫剤「スタークル剤」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ剤」などの「豆つぶ」も販売しております。また、「豆つぶ」を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」もあわせて販売しております。化学製品以外では、環境にやさしい微生物農薬として水稲用種子処理剤「エコホープDJ」、園芸殺菌剤「エコショット」などの「エコシリーズ」を開発・販売し、さらに果樹類やバラの根頭がんしゅ病に対して卓効を示す新規微生物農薬「エコアーク」を開発し、2025年の上市を想定しております。今後も継続して、新しい微生物農薬やバイオスティミュラントの研究開発を進めております。 また、研究開発型企業として最先端技術を開発・導入する目的で、大学や国立研究開発法人などとの共同研究に積極的に取り組んでまいります。その一例として、経済産業省のエネルギー・環境新技術先導プログラム「ファインケミカルズ製造のためのフロー精密合成の開発」、「ライフインテリジェンスコンソーシアム」などのプロジェクトに参画し、外部研究機関から新たな技術の導入など、共同研究によって研究開発力の向上に努めております。さらには、農薬開発で培った周辺技術を活用し、温室効果ガス低減技術の開発(農地からのメタン生成を抑制する資材)やゲノム編集技術を応用した環境ストレス及び病害虫耐性作物の研究開発も積極的に行っております。 化成品事業セグメントにおいては、従前からのクロロトルエン・クロロキシレン系化学品、農薬原体製造で培った有機合成技術を駆使した医農薬中間体や電子材料、高耐熱樹脂等に使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品、様々な分野で使用されているウレタン樹脂製工業製品の原料であるウレタン硬化剤、産業用薬剤、環境衛生薬剤、医療用殺菌剤原体等の産業薬品、発泡スチロールを主体とした化成品について、グループ全社保有の原料及び独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでおります。 その他セグメントにおいては、酵素類、生菌剤、ファフィア酵母(飼料添加剤)等のバイオ製品について、グループ全社の技術力を生かした高付加価値製品の開発に取り組んでおります。 以上のように、農薬及び農業関連事業では、従来の研究成果の蓄積を活用し、応用することによって、日本政府が策定した持続可能な食料生産戦略である「みどりの食料システム戦略」に対応した製品開発を進め、化成品事業では豊かな社会を実現するための製品開発に取り組み、両事業ともに環境にやさしく自然と調和した新たな製品及び技術の創出への取り組みを、今後も継続してまいります。 当社の国内研究拠点については、生物科学研究所内に農薬研究センター、生命・環境研究センター、化学研究所内にプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターとあわせて5研究センターを設置して、より専門性の高い技術集団による効率的な研究開発を進めております。また、2021年より建設を進めてまいりました化学研究所(ShIP:Shimizu Innovation Park)は2023年10月より本格稼働を始めました。静岡県内に分散していたプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターを当社発祥の地である静岡市清水区の旧自社工場敷地内に統合し、そのシナジー効果により、新農薬創製、製品化研究のスピードアップと更なる研究開発分野の拡大を目指してまいります。また、この化学研究所に新素材開発研究室を新設しました。新素材開発研究室では、当社の研究員のみならず、グループ会社の研究員も協働するオープンラボとすることで、当社グループを横断した取り組みによって英知を結集させ、さらには産・官・学との連携も取り入れながら、グループ独自技術を活かした付加価値の高い電子材料分野などの新製品開発を行います。また、株式会社理研グリーンのグリーン研究所も加え、新規薬剤の探索合成から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法確立まで一貫した研究開発体制を確立し、よりスピーディで効率的な研究開発を進めてまいります。さらに、米国におきましてはK-I CHEMICAL U.S.A. INC.が農薬の現地評価を行うミシシッピ試験場を配し、韓国では子会社のKUMIKA KOREA CO., LTD.が韓国での開発業務を担っております。これら各研究開発拠点の有機的かつ効率的な運営により、自社新規農薬、自社独自製剤技術を用いた新製品の開発のスピードアップと品質保証を含むグループ全社の研究開発技術の更なる向上を図ってまいります。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は6,187百万円であり、各セグメントの内訳は以下のとおりであります。①農薬及び農業関連事業 5,682百万円②化成品事業 488百万円③その他 17百万円
FY2022|3,787 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、農薬及び農業関連事業セグメントにおいて、国内外の農業用及び非農耕地における除草剤、殺虫剤、殺菌剤及び植物成長調整剤の研究を通して、食料生産に貢献しうる新製品の開発に注力しております。また、化成品事業を第二の柱に位置付け、さまざまな社会課題を解決するため新製品の開発を目指します。さらには研究領域および事業領域の拡大を促進し、持続可能な社会の実現に資する技術・製品の開発にも積極的に取組んでおります。 農薬及び農業関連事業セグメントにおいて、当社は研究開発型企業として、自社で農薬の創製、開発から販売までを一貫して行っており、農家の方々のニーズにこたえる新規農薬の創製に注力しております。 自社開発水稲用殺菌剤「ディザルタ」(農薬一般名:ジクロベンチアゾクス)は、現在までに東日本向け「ブーンパディート箱粒剤」、「ブーンレパード箱粒剤」、西日本向け「ブーンゼクテラ箱粒剤」、全国向け「ブーンアレス箱粒剤」を上市し、2023年には北海道限定の潅注剤として「ブーンバズSC」も上市予定となっております。今後も「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤のラインナップの充実を図ります。また、「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤は他社からも販売が計画されるなど、今後も新たな混合剤の開発を見込んでおり、水稲用箱粒剤の混合母剤である「ディザルタ」の普及拡大に向けた開発を強化してまいります。さらに韓国においても「ディザルタ」の農薬登録を取得しております。韓国では2023年に提携各社から「ディザルタ」を含有する水稲用箱剤が5剤上市される予定となっております。継続して「ディザルタ」ブランドの確立および普及促進を進めます。 自社開発水稲用除草剤「エフィーダ」(農薬一般名:フェンキノトリオン)は、水田広葉雑草に対して幅広く除草活性を示すだけでなく、薬剤抵抗性が発達したイヌホタルイなどにも有効な水稲用除草剤です。国内水稲栽培の移植、湛水直播などの各種栽培体系において、食用米だけでなく、飼料用米や多収米などの新規需要米品種を含めた多くの品種に対して高い水稲安全性を示す特長を有しています。2022年6月時点でエフィーダ混合剤は他社も含めて45剤が販売されており、本剤の日本国内での普及面積は2022年6月で419,770haとなっています(日植調データより)。さらに、国内だけでなく、欧州のムギ類を対象とした開発も行われており、世界の作物生産への貢献が期待されています。 自社開発畑作用除草剤「アクシーブ」(農薬一般名:ピロキサスルホン)は、米国、ブラジル、オーストラリア、アルゼンチンなどの主要穀物生産国においてダイズ、トウモロコシ、コムギ等で販売が好調です。また、これらの国での適用作物拡大及び混合剤開発も進んでおります。2022年にはイラン、ナミビアで新規登録を取得しました。さらに、2021年に北海道コムギ用除草剤として上市した「キタシーブフロアブル」は順調に売上を伸ばしています。今後も南米、アジア、東欧および国内での開発を進め、「アクシーブ」のグローバルブランドの確立および販売・普及促進を推進します。 当社は2019年にCorteva Agriscience社から中国を除くアジア・太平洋地域における「ベンスルフロンメチル」事業を譲受いたしました。「ベンスルフロンメチル」は水稲における広葉、カヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植、直播栽培のいずれにも適用可能な水稲用除草剤として農業の発展に大きな貢献をしてきました。当社においても2020年に上市した「トップガンR」をはじめとして、本剤を含有する水稲用除草剤を数多く開発、販売しており、新たな混合剤の開発もすすめております。また、2020年にGowan社より殺菌剤「ペンシクロン」の日本国内の独占販売権を獲得し、2021年から販売会社に製品を供給しております。「ペンシクロン」はリゾクトニア病害に卓効を示し、水稲を中心とした農耕地およびゴルフ場を主とした非農耕地にて使用される主要殺菌剤で、今後も、安定供給と新たな製品開発をすすめてまいります。 さらに環境負荷低減型農薬の開発に積極的に取組んでおります。そのひとつとして、水稲用の水面施用製剤「豆つぶ剤」があります。「豆つぶ剤」は当社独自の製剤技術を生かした軽量・省力的な剤型であり、簡便な散布が可能で、手撒き、ひしゃく、無人ヘリコプターでの散布に加え、新たな散布方法として注目されている「ドローン」での散布にも相性が優れております。商品ラインナップとして、除草剤では「トップガン剤」、「エンペラー剤」、「ツイゲキ剤」をはじめとする多くの製品をそろえ、殺菌剤「オリブライト剤」、「コラトップ剤」、殺虫剤「スタークル剤」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ剤」などの「豆つぶ剤」も販売しております。また、「豆つぶ剤」を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」もあわせて販売しております。化学製品以外では、環境にやさしい微生物農薬として水稲用種子処理剤「エコホープDJ」、園芸殺菌剤「エコショット剤」などの「エコシリーズ」剤を開発し、2022年12月には果樹類やバラの根頭がんしゅ病に対して卓効を示す新規微生物農薬「エコアーク」の農薬登録申請を完了し、2024年の上市を想定しております。今後も継続して、新しい微生物農薬やバイオスティミュラントの研究開発を進めております。 また、研究開発型企業として最先端技術を開発・導入する目的で、大学や国立研究開発法人などとの共同研究に積極的に取り組んでまいります。その一例として、経済産業省のエネルギー・環境新技術先導プログラム「ファインケミカルズ製造のためのフロー精密合成の開発」、「ライフインテリジェンスコンソーシアム」などのプロジェクトに参画し、外部研究機関から新たな技術の導入など、共同研究によって研究開発力の向上に努めております。さらには、農薬開発で培った周辺技術を活用し、温室効果ガス低減技術の開発(農地からのメタン生成を抑制する資材)やゲノム編集技術を応用した環境ストレス及び病害虫耐性作物の研究開発も積極的に行っております。 化成品事業セグメントにおいては、従前からのクロロトルエン・クロロキシレン系化学品、農薬原体製造で培った有機合成技術を駆使した医農薬中間体や電子材料、高耐熱樹脂等に使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品、様々な分野で使用されているウレタン樹脂製工業製品の原料であるウレタン硬化剤、産業用薬剤、環境衛生薬剤、医療用殺菌剤原体等の産業薬品、発泡スチロールを主体とした化成品について、グループ全社保有の原料及び独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでおります。 その他セグメントにおいては、酵素類、生菌剤、ファフィア酵母(飼料添加剤)等のバイオ製品について、グループ全社の技術力を生かした高付加価値製品の開発に取り組んでおります。 以上のように、農薬及び農業関連事業では、従来の研究成果の蓄積を活用し、応用することによって、日本政府が策定した持続可能な食料生産戦略である「みどりの食料システム戦略」に対応した製品開発を進め、化成品事業では豊かな社会を実現するための製品開発に取り組み、両事業ともに環境にやさしく自然と調和した新たな製品および技術の創出への取り組みを、今後も継続してまいります。 当社の国内研究拠点については、生物科学研究所内に農薬研究センター、生命・環境研究センター、化学研究所内にプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターとあわせて5研究センターを設置して、より専門性の高い技術集団による効率的な研究開発を進めております。また、2023年春に竣工予定である新化学研究所は、現在、静岡県内に分散しているプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターを当社発祥の地である静岡市清水区の旧自社工場敷地内に統合し、そのシナジー効果で、新農薬創製、製品化研究のスピードアップと更なる研究開発分野の拡大を目指してまいります。また、完全子会社となりました株式会社理研グリーンのグリーン研究所も加え、新規薬剤の探索合成から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法確立まで一貫した研究開発体制を確立し、よりスピーディで効率的な研究開発を進めてまいります。さらに、米国におきましてはK-I CHEMICAL U.S.A. INC.が農薬の現地評価を行うミシシッピ試験場を配し、韓国では子会社のKUMIKA KOREA CO., LTD.が韓国での開発業務を担っております。これら各研究開発拠点の有機的かつ効率的な運営により、自社新規農薬、自社独自製剤技術を用いた新製品の開発のスピードアップと品質保証を含むグループ全社の研究開発技術の更なる向上を図ってまいります。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は5,144百万円であり、各セグメントごとの内訳は以下のとおりであります。①農薬及び農業関連事業 4,646百万円②化成品事業 482百万円③その他 16百万円
FY2021|3,653 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、農薬及び農業関連事業セグメントにおいて、国内外の農業用及び非農耕地における除草剤、殺虫剤、殺菌剤及び植物成長調整剤の研究を通して、食糧生産に貢献しうる新製品の開発に注力しております。また、研究領域および事業領域の拡大を促進し、持続可能な社会の実現に資する技術・製品の開発にも積極的に取組んでおります。 自社開発水稲用殺菌剤「ディザルタ」(農薬一般名:ジクロベンチアゾクス)は、現在までに東日本向け「ブーンパディート箱粒剤」、「ブーンレパード箱粒剤」、西日本向け「ブーンゼクテラ箱粒剤」を開発上市してまいりました。2022年にはいもち病及び広範囲害虫を対象とした全国向け「ブーンアレス箱粒剤」の上市を計画し、「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤のラインナップの充実を図ります。また、「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤は他社からも販売が計画されるなど、今後も新たな混合剤の開発を見込んでおり、水稲用箱粒剤の混合母剤である「ディザルタ」の普及拡大に向けた開発を強化してまいります。海外では、韓国においても「ディザルタ」の農薬登録を取得しております。韓国では提携各社によって「ディザルタ」を含有する水稲用箱剤の開発が進められており、「ディザルタ」ブランドの確立および普及促進を進めます。 自社開発水稲用除草剤「エフィーダ」(農薬一般名:フェンキノトリオン)は、水田広葉雑草に対して幅広く除草活性を示すだけでなく、薬剤抵抗性が発達したイヌホタルイなどにも有効な水稲用除草剤です。国内水稲栽培の移植、湛水直播などの各種栽培体系において、食用米だけでなく、飼料用米や多収米などの新規需要米品種を含めた多くの品種に対して高い水稲安全性を示す特長を有しています。2021年6月時点でエフィーダ混合剤は他社も含めて47剤が販売されており、本剤の日本国内での普及面積は2019年に52,464 ha、2020年には136,751 haとなっています(日植調データより)。さらに、国内だけでなく、欧州のムギ類を対象とした開発も行われており、世界の作物生産への貢献が期待されています。 自社開発畑作用除草剤「アクシーブ」(農薬一般名:ピロキサスルホン)は、米国、ブラジル、オーストラリア、アルゼンチンなどの主要穀物生産国においてダイズ、トウモロコシ、コムギ等で販売が好調です。また、これらの国での適用作物拡大及び混合剤開発も進んでおります。さらに、2021年には国内向けの「アクシーブ」含有混合剤の開発に成功し、北海道コムギ用除草剤として「キタシーブフロアブル」を上市しました。今後も南米、アジア、東欧および国内での開発を進め、「アクシーブ」のグローバルブランドの確立および販売・普及促進を推進します。 当社は、2019年にCorteva Agriscience社から中国を除くアジア・太平洋地域における「ベンスルフロンメチル」事業を譲受いたしました。「ベンスルフロンメチル」は水稲における広葉、カヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植、直播栽培のいずれにも適用可能な水稲用除草剤として農業の発展に大きな貢献をしてきました。当社においても2020年に上市した「トップガンR」をはじめとして、本剤を含有する水稲用除草剤を数多く開発、販売しており、新たな混合剤の開発もすすめております。また、2020年にGowan社より殺菌剤「ペンシクロン」の日本国内の独占販売権を獲得し、当社は2021年から販売会社に製品を供給しております。「ペンシクロン」はリゾクトニア病害に卓効を示し、水稲を中心とした農耕地およびゴルフ場を主とした非農耕地にて使用される主要殺菌剤で、今後も、安定供給と新たな製品開発をすすめてまいります。 当社は研究開発型企業として、自社で農薬の創製、開発から販売までを一貫して行っており、今後も農家の方々のニーズにこたえる新規農薬の創製に注力してまいります。 さらに当社では環境負荷低減型農薬の開発に積極的に取組んでおります。そのひとつとして、水稲用の水面施用製剤「豆つぶ剤」があります。「豆つぶ剤」は当社独自の製剤技術を生かした軽量・省力的な剤型であり、簡便な散布が可能で、手撒き、ひしゃく、無人ヘリコプターでの散布に加え、新たな散布方法として注目されている「ドローン」での散布にも相性が優れております。商品ラインナップとして、除草剤では「トップガン剤」、「エンペラー剤」、「ツイゲキ剤」をはじめとする多くの製品をそろえ、殺菌剤「オリブライト剤」、「コラトップ剤」、殺虫剤「スタークル剤」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ剤」などの「豆つぶ剤」も販売しております。また、「豆つぶ剤」を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」もあわせて販売しております。化学製品以外では、環境にやさしい微生物農薬として水稲用種子処理剤「エコホープDJ」、園芸殺菌剤「エコショット剤」などの「エコシリーズ」剤を開発し、さらに新しい微生物農薬やバイオスティミュラントの研究開発を進めております。 また、研究開発型企業として最先端技術を開発・導入する目的で、大学や国立研究開発法人などとの共同研究に積極的に取り組んでまいります。その一例として、経済産業省のエネルギー・環境新技術先導プログラム「ファインケミカルズ製造のためのフロー精密合成の開発」、「ライフインテリジェンスコンソーシアム」などのプロジェクトに参画し、外部研究機関から新たな技術の導入など、共同研究によって研究開発力の向上に努めております。さらには、農薬開発で培った周辺技術を活用し、温室効果ガス低減技術の開発(農地からのメタン生成を抑制する資材)やゲノム編集技術を応用した環境ストレス及び病害虫耐性作物の研究開発も積極的に行っております。 以上のように、当社では従来の研究成果の蓄積を活用し、応用することによって、日本政府が策定した持続可能な食料生産戦略である「みどりの食料システム戦略」にも対応した環境にやさしく自然と調和した新たな製品および技術の創出への取り組みを、今後も継続してまいります。 当社の国内研究拠点については、生物科学研究所内に農薬研究センター、生命・環境研究センター、化学研究所内にプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターとあわせて5研究センターを設置して、より専門性の高い技術集団による効率的な研究開発を進めております。また、2023年初に完成予定である新化学研究所は、現在、静岡県内に分散しているプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターを当社発祥の地である静岡市清水区の旧自社工場敷地内に統合し、そのシナジー効果で、新農薬創製、製品化研究のスピードアップと更なる研究開発分野の拡大を目指してまいります。当社グループは、完全子会社となりました株式会社理研グリーンのグリーン研究所も加え、新規薬剤の探索合成から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法確立まで一貫した研究開発体制を敷き、よりスピーディに効率的な研究開発を進めてまいります。また、米国におきましてはK-I CHEMICAL U.S.A. INC.が農薬の現地評価を行うミシシッピー試験場を配し、韓国では子会社のKUMIKA KOREA CO., LTD.が韓国での開発業務を担っております。これら各研究開発拠点の有機的かつ効率的な運営により、自社新規農薬、自社独自製剤技術を用いた新製品の開発のスピードアップと品質保証を含む当社グループの研究開発技術の更なる向上を図ってまいります。 化成品事業セグメントにおいては、2021年度より3D-NAND(三次元記憶ディバイス)への用途が見込まれる半導体向けのCOS(硫化カルボニル)の販売を開始しました。また、従前からのクロロトルエン・クロロキシレン系化学品、農薬原体製造で培った有機合成技術を駆使した医農薬中間体や電子材料、高耐熱樹脂等に使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品、様々な分野で使用されているウレタン樹脂製工業製品の原料であるウレタン硬化剤、産業用薬剤、環境衛生薬剤、医療用殺菌剤原体等の産業薬品、発泡スチロールを主体とした化成品について、当社グループの保有原料及び独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでおります。 その他セグメントにおいては、酵素類、生菌剤、ファフィア酵母(飼料添加剤)等のバイオ製品について、当社グループの技術力を生かした高付加価値製品の開発に取り組んでおります。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,948百万円であり、各セグメント毎の内訳は以下のとおりであります。①農薬及び農業関連事業 4,500百万円②化成品事業 432百万円③その他 16百万円
FY2020|3,593 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、農薬及び農業関連事業セグメントにおいて、国内外の農業用及び非農耕地における除草剤、殺虫剤、殺菌剤及び植物成長調整剤について、自社化合物を含有する新製品の研究開発に注力しております。 国内におきましては、イネいもち病をはじめとして幅広い水稲病害にも高い防除効果を有する自社の新規殺菌剤「ジクロベンチアゾクス」の農薬登録を取得しております。本剤のブランド名を「ディザルタ」と命名し、ブランド化を進めております。本剤は病原菌に直接作用するのではなく、植物が本来有している病害抵抗性因子を誘導する抵抗性誘導剤(SAR剤)であり、耐性菌発達リスクが低く、イネに対しても高い安全性を示します。2020年12月にいもち病+チョウ目・初期害虫を対象とした東日本向け「ブーンパディート箱粒剤」、いもち病+ウンカ+チョウ目・初期害虫を対象とした西日本向け「ブーンゼクテラ箱粒剤」、いもち病+紋枯病+チョウ目・初期害虫を対象とした東日本向け「ブーンレパード箱粒剤」、さらに2022年にはいもち病+広範囲害虫を対象とした全国向け「ブーンアレス箱粒剤」を上市し、「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤のラインナップの充実を図ります。また、「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤は他社からも販売が計画されるなど、今後も新たな混合剤の開発を見込んでおり、水稲用箱粒剤の混合母剤である「ディザルタ」の普及拡大に向けた開発・普及活動を強化してまいります。 海外におきましては、韓国において「ディザルタ」の農薬登録を2021年1月と見込んでおります。韓国では提携各社によって「ディザルタ」を含有する水稲用箱剤の開発が進められており、「ディザルタ」ブランドの確立および販売・普及促進をすすめます。加えて、韓国においては新規除草剤「エフィーダ」(農薬一般名:フェンキノトリオン)が登録となり、除草剤抵抗性雑草対策剤として移植水稲向けに2020年に販売開始となりました。また、自社開発畑作用除草剤「アクシーブ」(農薬一般名:ピロキサスルホン)は、米国、オーストラリア、アルゼンチンなどの主要穀物生産国においてダイズ、コムギ等で販売が好調であり、米国に並ぶ穀物生産国ブラジルで新たに登録を取得し、販売を開始いたしました。今後も南米、アジア、東欧を中心に開発を進めグローバルでの開発を加速し、普及・販売を拡げ、「アクシーブ」のグローバルブランドの確立を推進してまいります。また、2020年6月にGowan社より殺菌剤「ペンシクロン」の日本国内の独占販売権を獲得し、2021年から当社が販売会社に製品を供給します。「ペンシクロン」はリゾクトニア病害に卓効を示す成分として、水稲を中心とした農耕地およびゴルフ場を主とした非農耕地にて使用される主要殺菌剤で、今後も、安定供給と新たな製品開発をすすめてまいります。当社は、2019年10月にCorteva Agriscience社から中国を除くアジア・太平洋地域における「ベンスルフロンメチル」事業を譲受いたしました。「ベンスルフロンメチル」は水稲における広葉、カヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植、直播栽培のいずれにも適用可能な水稲用除草剤として農業の発展に大きな貢献をしてきました。当社においても「トップガン剤」をはじめとして本剤を含有する水稲用除草剤を多く開発、販売しており、新たな混合剤の開発もすすめております。また、2020年6月にGowan社より殺菌剤「ペンシクロン」の日本国内の独占販売権を獲得し、2021年から当社が販売会社に製品を供給します。「ペンシクロン」はリゾクトニア病害に卓効を示し、水稲を中心とした農耕地およびゴルフ場を主とした非農耕地にて使用される主要殺菌剤で、今後も、安定供給と新たな製品開発をすすめてまいります。 当社は研究開発型企業として、自社で農薬の創製、開発から販売までを一貫して行っており、今後も農家の方々のニーズにこたえる新規農薬の創製に注力してまいります。当社では環境負荷低減型農薬の開発に積極的に取組んでおります。そのひとつとして、水稲用の水面施用製剤「豆つぶ」があります。「豆つぶ剤」は当社独自の製剤技術を生かした軽量・省力的な剤型であり、簡便な散布が可能で、手撒き、ひしゃく、無人ヘリコプターでの散布に加え、新たな散布方法として注目されている「ドローン」での散布にも相性が優れております。商品ラインナップとして、除草剤では「ベルーガ剤」、「エンペラー剤」、「アトトリ剤」をはじめとする多くの製品をそろえ、殺菌剤「オリブライト剤」、「コラトップ剤」、殺虫剤「スタークル剤」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ剤」などの「豆つぶ剤」も販売しております。また、「豆つぶ剤」を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」もあわせて販売しております。化学製品以外では、環境にやさしい微生物農薬として水稲用種子処理剤「エコホープ剤」、園芸殺菌剤「エコショット剤」などの「エコシリーズ」剤を開発し、さらに新しい微生物農薬やバイオスティミュラントの研究開発を進めております。 当社では、農薬開発で培った周辺技術を活用し、バイオテクノロジー分野に注力した研究開発も積極的に行っております。「パルセレクト」は、安全性に配慮した植物由来の新規な除草剤耐性遺伝子(変異型ALS遺伝子)を用いた植物形質転換選抜マーカーセットであり、植物バイオテクノロジーベンチャーとの業務提携を通じて販売しております。さらに、研究開発型企業として最先端技術を開発・導入する目的で、大学や国立研究開発法人などとの共同研究に積極的に取り組んでまいります。その一例として、経済産業省のエネルギー・環境新技術先導プログラム「ファインケミカルズ製造のためのフロー精密合成の開発」、「ライフインテリジェンスコンソーシアム」などのプロジェクトに参画し、外部研究機関から新たな技術の導入など、共同研究によって研究開発力の向上に努めております。 以上のように、当社では環境にやさしく自然と調和した新たな製品および技術の創出への取り組みを、今後も継続してまいります。 当社の国内研究拠点については、生物科学研究所内に農薬研究センター、生命・環境研究センター、化学研究所内にプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターとあわせて5研究センターを設置して、より専門性の高い技術集団による効率的な研究開発を進めております。また、2023年初に完成予定である新化学研究所は、現在、静岡県内に分散しているプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターを当社発祥の地である静岡市清水区の旧自社工場敷地内に統合し、そのシナジー効果で、新農薬創製、製品化研究のスピードアップと更なる研究開発分野の拡大を目指してまいります。当社グループは、完全子会社となりました株式会社理研グリーンのグリーン研究所も加え、新規薬剤の探索合成から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法確立まで一貫した研究開発体制を敷き、よりスピーディに効率的な研究開発を進めてまいります。また、米国におきましては、K-I CHEMICAL U.S.A. INC.が農薬の現地評価を行うミシシッピー試験場を配し、韓国では、子会社のKUMIKA KOREA CO., LTD.が韓国での開発業務を担っております。これら各研究開発拠点の有機的かつ効率的な運営により、自社新規農薬、自社独自製剤技術を用いた新製品の開発のスピードアップと品質保証を含む当社グループの研究開発技術の更なる向上を図ってまいります。 化成品事業セグメントにおいては、クロロトルエン・クロロキシレン系化学品、農薬原体製造で培った有機合成技術を駆使した医農薬中間体や電子材料、高耐熱樹脂等に使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品、様々な分野で使用されているウレタン樹脂製工業製品の原料であるウレタン硬化剤、産業用薬剤、環境衛生薬剤、医療用殺菌剤原体等の産業薬品、発泡スチロールを主体とした化成品について、当社グループの保有原料及び独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでおります。 その他セグメントにおいては、酵素類、生菌剤、ファフィア酵母(飼料添加剤)等のバイオ製品について、当社グループの技術力を生かした高付加価値製品の開発に取り組んでおります。 なお、当連結会計年度における研究開発経費の総額は5,107百万円であり、各セグメント毎の内訳は以下のとおりであります。①農薬及び農業関連事業 4,602百万円②化成品事業 485百万円③その他 20百万円
FY2019|3,168 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、農薬及び農業関連事業セグメントにおいて、国内外の農業用及び非農耕地における除草剤、殺虫剤、殺菌剤及び植物成長調節剤について、自社化合物を含有する新製品の研究開発に注力しております。 国内におきましては、広葉、カヤツリグサ科雑草に高い効果を示し、多収米、飼料用米等にも高い安全性を示し汎用性の高い自社の新規除草成分「フェンキノトリオン」のブランド名を「エフィーダ」と命名し、本剤の開発に注力するとともに、ブランド化を進めております。2019年1月に販売を開始いたしました自社原体「ピリミノバックメチル」との混合剤である「ベルーガ剤」、速効性を兼ね備えた「エンペラー剤」に続き、2019年度には初中期一発除草剤として自社原体「ピリミノバックメチル」、「ピリミスルファン」との自社原体3成分混合剤「ベッカク1キロ粒剤、豆つぶ250、ジャンボ」、高性能2成分混合剤「プライオリティ1キロ粒剤、豆つぶ250、ジャンボ」、中後期除草剤として自社原体「ピリミスルファン」を含有する3成分剤「ツイゲキ1キロ粒剤」が登録となり、「エフィーダ」を含有する水稲用除草剤のラインナップを拡充いたしました。また、「エフィーダ」を含有する除草剤は他社からも販売が開始され、今後も新たな混合剤の開発が見込まれており、水稲用除草剤の混合母剤として「エフィーダ剤」の販売最大化に向けて開発・普及活動を強化してまいります。 海外におきましては、韓国において「エフィーダ」が登録となりました。韓国では提携各社によって「エフィーダ」を含有する水稲用除草剤の開発が進められており、「エフィーダ」ブランドの確立及び販売促進が期待されます。米国においては、2018年12月に「ピリミスルファン」が登録となりました。「ピリミスルファン」は、米国でPBI-Gordon Corporationと共同でゴルフ場、緑地、家庭用芝に発生するカヤツリグサ科雑草防除用除草剤として開発が進められ、ゴルフ場管理者、一般消費者向けに販売が予定されております。また、米国を中心に大豆、トウモロコシ等で販売が好調な自社開発畑作用除草剤「アクシーブ剤」(農薬一般名:ピロキサスルホン)は、新たに中国、チリ、イスラエル、インドで登録となりました。引き続き南米、アジアを中心に開発を進めてグローバル展開を加速し、登録国の拡大による販売最大化、「アクシーブ」のブランド確立を推進してまいります。当社は、2019年10月にCorteva Agriscienceから中国を除くアジア・太平洋地域における「ベンスルフロンメチル」事業を譲受いたしました。「ベンスルフロンメチル」は広葉、カヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植、直播いずれにも適用可能な水稲用除草剤として農業の発展に大きな貢献をしてきた剤で、当社においても「トップガン剤」をはじめとして本剤を含有する水稲用除草剤を多く開発、販売してまいりました。今後も「ベンスルフロンメチル」を含む水稲用除草剤の開発を進め、農業の発展に貢献してまいります。 当社グループは研究開発型企業として、自社で農薬有効成分の開発を行い、農薬製品を上市しております。今後も継続して新規有効成分の創製に注力し、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、植物成長調節剤の各分野で次のパイプラインとなる化合物の創出を目指します。 当社グループでは環境負荷低減型農薬の開発に積極的に取組んでおります。そのひとつとして、水稲用の水面施用製剤「豆つぶ」があります。「豆つぶ」は当社独自の製剤技術を生かした軽量・省力的な剤型であり、手撒き、ひしゃく、無人ヘリコプターに加え、新たな散布方法として注目されているドローンとの相性が良く、軽量で飛散しにくい特徴が普及に貢献するものと考えております。「ベルーガ剤」、「エンペラー剤」、「アトトリ剤」をはじめとする多くの除草剤から殺菌剤「オリブライト剤」、「コラトップ剤」、殺虫剤「スタークル剤」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ剤」等の多彩な製品に「豆つぶ」を採用しております。また、「豆つぶ」を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」とあわせて、農家の皆様のニーズに応じた製品ラインアップをとりそろえてまいります。 また、微生物農薬「エコシリーズ」も環境にやさしい微生物農薬として水稲用種子処理剤「エコホープ剤」、園芸殺菌剤「エコショット剤」に続く新製品の研究開発を進めてまいります。 当社グループでは農薬開発で培った周辺技術を活用し、バイオテクノロジー分野にも注力して研究開発を行っております。「パルセレクト」は、安全性に配慮した植物由来の新規な除草剤耐性遺伝子(変異型ALS遺伝子)を用いた植物形質転換選抜マーカーセットであり、植物バイオテクノロジーベンチャーとの業務提携を通じて販売しております。また、これらの植物バイオ技術を用いて形質転換受託ビジネスを行っております。さらに、研究開発型企業として最先端技術を開発・導入する目的で、大学や国立研究開発法人等との共同研究に積極的に取り組んでまいります。その一例として、経済産業省のエネルギー・環境新技術先導プログラム「ファインケミカルズ製造のためのフロー精密合成の開発」、「ライフ インテリジェンス コンソーシアム」等に参画し、研究機関から新たな技術の導入を図るとともに研究機関との情報交換等によって研究開発力の向上に努めております。 以上のように、当社グループでは環境にやさしく自然と調和した新たな製品及び技術を創出していく取り組みを今後も継続してまいります。 当社の国内研究拠点については、生物科学研究所内に農薬研究センター、生命・環境研究センター、化学研究所内にプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターを設置してより専門性の高い技術集団を形成し、効率的な研究開発が進められる体制としております。当社グループは、完全子会社となりました株式会社理研グリーンのグリーン研究所を加えて、新規有効成分の探索から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法まで一貫した研究開発をよりスピーディに効率よく進めてまいります。 また、米国におきましては、K-I CHEMICAL U.S.A. INC.がミシシッピー試験場を有し、韓国では開発業務を担う組織としてKUMIKA KOREA CO., LTD.があります。これら各拠点の有機的かつ効率的な運営に努め、自社新規化合物開発、自社独自製剤技術を用いた新製品開発のスピードアップ及び品質保証を含む当社グループの研究開発技術の質的向上を図っております。 化成品事業セグメントにおいては、クロロトルエン・クロロキシレン系化学品、農薬原体製造で培った有機合成技術を駆使した医農薬中間体や電子材料、高耐熱樹脂等に使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品、様々な分野で使用されているウレタン樹脂製工業製品の原料であるウレタン硬化剤、産業用薬剤、環境衛生薬剤、医療用殺菌剤原体等の産業薬品、発泡スチロールを主体とした化成品について、当社グループの保有原料及び独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでおります。 その他セグメントにおいては、酵素類、生菌剤、ファフィア酵母(飼料添加剤)等のバイオ製品について、当社グループの技術力を生かした高付加価値製品の開発に取り組んでおります。 なお、当連結会計年度における研究開発経費の総額は4,839百万円であり、各セグメント毎の内訳は以下のとおりであります。①農薬及び農業関連事業 4,316百万円②化成品事業 501百万円③その他 22百万円
FY2018|3,273 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、農薬および農業関連事業セグメントにおいて、農業用および非農耕地における除草剤、殺虫剤、殺菌剤及び植物成長調節剤について国内外の市場に適合する自社化合物を含む新製品の研究開発に注力しております。 国内におきましては、2018年2月28日に新規除草成分「エフィーダ」(農薬一般名:フェンキノトリオン)の単剤が日本で登録となりました。当社では、自社の新規除草成分「フェンキノトリオン」のブランド名を「エフィーダ」と命名し、本剤のブランド化を進めております。本剤は、水稲栽培で問題となっている広葉、カヤツリグサ科雑草に高い効果を示し、多収米、飼料用米等にも高い安全性を有する除草剤で、多様な品種、栽培体系でも安心して使用できる除草剤です。単剤登録後、自社原体「ピリミノバックメチル」との混合剤である「ベルーガ1キロ粒剤」、速効性を兼ね備えた「エンペラー1キロ粒剤、豆つぶ250、ジャンボ」が登録となりました。今後、「エンペラーフロアブル」も登録となる予定であり、4剤型を取りそろえて多様なニーズに応えてまいります。また、本剤を含有する除草剤は他の農薬メーカーからも販売される予定で、水稲用除草剤の混合母剤として「エフィーダ」の販売最大化に向けて開発・普及活動を強化いたします。 水稲殺菌殺虫剤分野では箱処理剤として、新規殺虫成分「ピラキサルト」(農薬一般名:トリフルメゾピリム)を配合した箱粒剤が登録となりました。ピラキサルトは稲の重要害虫であるウンカ類(セジロウンカ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカ)全てに極めて高い効果と長期の残効性を示す新規作用性の殺虫剤であり、既存の農薬に抵抗性を示す個体にも効果を発揮します。当社製品として本剤を含む殺虫2成分の混合剤「ゼクサロンパディート箱粒剤」、いもち病防除剤と殺虫2成分の3種混合剤「アンコール箱粒剤」、いもち病、紋枯病防除剤に殺虫2成分を加えたフルスペック4種混合剤の「フルスロットル箱粒剤」が登録となり、充実した水稲箱処理剤のラインナップで地域に即した様々なご要望に応えてまいります。 海外におきましては、自社新規除草剤成分である「エフィーダ」について、ヨーロッパにおいてセルティスヨーロッパと共同で開発することに合意いたしました。日本で水稲用除草剤として開発した「エフィーダ」はムギ類にも高い安全性を有し、ムギ類の栽培で問題となる各種広葉雑草に高い除草効果を示すことから、ヨーロッパでのムギ類生産に貢献できるものと期待しております。また、トウモロコシ、ダイズ、コムギなどに適用可能な自社開発畑作用除草剤「アクシーブ」(農薬一般名:ピロキサスルホン)は、2018年には新たにニュージーランド、韓国で原体が登録となり、登録取得国は11ヶ国となりました。韓国では、今後製剤登録を取得していく予定です。引き続き南米、アジアを中心に開発を進め、グローバル展開を加速し、畑作用除草剤「アクシーブ」のブランド確立を図ってまいります。 韓国では水稲用除草剤「フェノキサスルホン」混合剤の製品開発を進めました。また、水稲用除草剤「ノミニー」は登録国が世界58か国となり、2017年度に登録を取得したイランでも販売が開始されるなど、世界の穀物安定生産に大きく貢献しております。今後も、除草剤、殺菌剤分野を中心に自社開発有効成分の登録、上市に向けた世界各国での開発を積極的に行ってまいります。 当社グループは研究開発型企業として、自社で農薬有効成分の開発を行い、農薬製品を上市しております。今後も継続して新規有効成分の創製に注力し、除草剤、殺菌剤、殺虫剤の各分野で次のパイプラインとなる化合物の創出をめざします。 当社グループでは環境負荷低減型農薬の開発に積極的に取組んでおります。そのひとつとして、水稲用の水面施用製剤「豆つぶ剤」があります。「豆つぶ剤」は当社独自の製剤技術を生かした軽量・省力的な剤型であり、「ガンガン」、「ベンケイ」、「アトトリ」をはじめとする除草剤から殺菌剤「オリブライト」、「コラトップ」、殺虫剤「スタークル」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ」まで、豆つぶ剤を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」とあわせて、農家の方々のニーズに応じた製品ラインアップをとりそろえています。また、微生物農薬「エコシリーズ」も環境にやさしい微生物農薬として積極的に研究開発を進めています。「エコショット」の有効成分バチルス・ズブチリスD747株を含有する製剤は、ブラジル、イタリア、アメリカなど8か国で登録、販売されており、今後、韓国、台湾などでも拡大を図る予定です。 当社グループでは農薬開発で培った周辺技術を活用し、バイオテクノロジー分野にも注力して研究開発を行なっています。「パルセレクト」は、安全性に配慮した植物由来の新規な除草剤耐性遺伝子(変異型ALS遺伝子)を用いた植物形質転換選抜マーカーセットであり、植物バイオテクノロジーベンチャーとの業務提携を通じて販売しております。また、これらの植物バイオ技術を用いて形質転換受託ビジネスを行っております。さらに、研究開発型企業として最先端技術を開発・導入する目的で、大学や国立研究開発法人などとの共同研究に積極的に取り組んでいます。その一例として、「農業データ連携基盤協議会」、経済産業省のエネルギー・環境新技術先導プログラム「ファインケミカルズ製造のためのフロー精密合成の開発」、「ライフ インテリジェンス コンソーシアム」などに参画し、研究機関から新たな技術の導入を図るとともに研究機関との情報交換などによって研究力の向上に努めております。 以上のように、当社グループでは、環境にやさしく自然と調和した新たな製品および技術を創出していく取り組みを今後も継続してまいります。 当社の国内研究拠点については、研究開発のさらなるスピードアップと効率化のため、これまでの4研究所体制から生物科学研究所と化学研究所の2研究所体制へと組織再編し、生物科学研究所内に農薬研究センター、生命・環境研究センター、化学研究所内に製剤技術研究センター、プロセス化学研究センター、創薬研究センターを設置してより専門性の高い研究体制といたしました。当社グループは、理研グリーン(株)のグリーン研究所を加えて、新規有効成分の探索から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法の研究まで一貫した研究をよりスピーディに効率よく進めてまいります。 また、米国におきましては、ケイ・アイケミカルU.S.A.,Inc.がミシシッピー試験場を有し、韓国では開発業務を担う組織としてクミカコリア(株)があります。これら各拠点の有機的かつ効率的な運営に努め、自社新規化合物開発、自社独自製剤技術を用いた新製品開発のスピードアップ及び品質保証を含む当社グループの研究開発技術の質的向上を図っております。 化成品事業セグメントにおいては、クロロトルエン・クロロキシレン系化学品、農薬原体製造で培った有機合成技術を駆使した医農薬中間体や電子材料、高耐熱樹脂等に使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品、様々な分野で使用されているウレタン樹脂製工業製品の原料であるウレタン硬化剤、防菌・防カビ剤、衛生薬品等の産業薬品、発泡スチロールを主体とした化成品について、当社グループの保有原料及び独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでおります。 その他セグメントにおいては、酵素類、生菌剤、ファフィア酵母(飼料添加剤)等のバイオ製品について、当社グループの技術力を生かした高付加価値製品の開発に取り組んでおります。 なお、当連結会計年度における研究開発経費の総額は52億4千7百万円であり、各セグメント毎の内訳は以下のとおりであります。①農薬及び農業関連事業 47億8千9百万円②化成品事業 4億3千9百万円③その他 1千9百万円
FY2017|2,865 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、農薬および農業関連事業セグメントにおいて、農業用および非農耕地における除草剤、殺虫剤、殺菌剤及び植物成長調節剤について国内外の市場に適合する自社化合物を含む新製品の研究開発に注力しております。 国内におきましては、水稲用除草剤として自社開発有効成分「ピリミスルファン」を含有し、1成分で多年生雑草に高い除草効果を有する中後期除草剤「アトトリ豆つぶ250」、自社開発有効成分「フェノキサスルホン」を含有する初中期一発除草剤「ヤブサメ1キロ粒剤」、「ヤブサメジャンボ剤」、「クサビフロアブル」を上市いたしました。また、自社開発新規有効成分「フェンキノトリオン」を含有する新規水稲用除草剤の国内農薬登録の取得が最終段階に入り、自社有効成分である「ピリミノバックメチル」との混合剤、「フェノキサスルホン」および「ピリミスルファン」との混合剤などを開発しております。さらに、本剤を含有する水稲一発除草剤は他の農薬メーカーでも開発が進められており、本剤の上市によって将来的に自社開発原体のさらなる拡販が期待されます。一方、「フェンキノトリオン」のブランド名を「エフィーダ」と命名して本剤のブランド化を進め、自社開発原体の販売最大化を目標に活動を進めてまいります。水稲殺菌剤分野では本田散布剤として「コラトップ豆つぶ」、水稲殺虫剤としては潅注処理が可能な箱処理剤「ミネクトスター顆粒水和剤」、殺虫殺菌混合剤では「ワイドパンチ豆つぶ」を上市しております。水稲種子処理剤としては、水稲の直播栽培に適応する「ルーチンFS」、「キラップシードFS」、醸造酢液剤で有機農産物の日本農林規格に適合した「エコフィット」を上市し、様々な水稲栽培体系に貢献していきます。また、園芸殺菌剤分野では、薬剤抵抗性の発達リスクを抑え、てんさいの褐斑病、葉腐病に安定した効果を示す混合剤「どさんこスター水和剤」を上市しております。 海外におきましては、トウモロコシ、ダイズ、コムギなどに適用可能な自社開発畑作用除草剤「アクシーブ」 (農薬一般名:ピロキサスルホン)が、2017年度に新たにメキシコ、アルゼンチンで登録を取得し、登録取得国は9ヶ国となりました。アルゼンチンでは除草剤抵抗性雑草の繁茂が深刻化しており、「アクシーブ」が安定した農産物の生産に貢献するものと期待されております。また、オーストラリアではアクシーブ単剤である「Sakura」のSC製剤、アメリカでは乾燥マメ類、ヒマワリ、ラッカセイなどの作物の登録を取得いたしました。今後も南米、アジアを中心に開発を進め、グローバル展開を加速し、畑作用除草剤「アクシーブ」のブランド確立を図ってまいります。韓国では水稲用除草剤「フェノキサスルホン」の登録を取得し、混合剤の製品開発を進めました。また、水稲用除草剤「ノミニー」はイランで登録を取得し登録国が世界58か国となり、世界の穀物安定生産に大きく貢献しております。今後も、除草剤、殺菌剤分野を中心に自社開発有効成分の登録、上市に向けた世界各国での開発を積極的に行ってまいります。 当社グループは研究開発型企業として、自社開発有効成分の開発を行い、農薬製品を上市しております。今後も継続して新規有効成分の創製に注力し、除草剤、殺菌剤、殺虫剤の各分野で次のパイプラインとなる化合物の創出をめざします。 当社グループでは環境負荷低減型農薬の開発に積極的に取組んでおります。そのひとつとして、水稲用の水面施用製剤「豆つぶ剤」があります。「豆つぶ剤」は当社独自の製剤技術を生かした軽量・省力的な剤型であり、「ガンガン」、「ベンケイ」、「アトトリ」をはじめとする除草剤から殺菌剤「オリブライト」、殺虫剤「スタークル」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ」まで、豆つぶ剤を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」とあわせて、農家の方々のニーズに応じた製品ラインアップをとりそろえています。また、微生物農薬「エコシリーズ」も環境にやさしい微生物農薬として積極的に開発を進めています。「エコショット」の有効成分バチルス・ズブチリスD747株を含有する製剤は、2017年にブラジルで農薬登録を取得、イタリア、アメリカなど8か国で登録を取得、販売しており、今後、韓国、台湾などでも拡大を図る予定です。 当社グループでは農薬開発で培った周辺技術を活用し、バイオテクノロジー分野にも注力して研究開発を行なっています。「パルセレクト」は、安全性に配慮した植物由来の新規な除草剤耐性遺伝子(変異型ALS遺伝子)を用いた植物形質転換選抜マーカーセットであり、植物バイオテクノロジーベンチャーとの業務提携を通じて販売しております。また、これらの植物バイオ技術を用いて形質転換受託ビジネスを行っております。さらに、研究開発型企業として最先端技術を開発・導入する目的で、大学や国立研究開発法人との共同研究に積極的に取り組んでいます。その一例として、農林水産省の科学技術推進事業プロジェクト「新しい作用メカニズムにより多種作物で利用可能な新型抵抗性誘導剤の開発」、経済産業省のエネルギー・環境新技術先導プログラム「ファインケミカルズ製造のためのフロー精密合成の開発」などに参画し、各研究機関から新たな技術の導入を図るとともに各研究機関との情報交換などによって研究力の向上に努めております。 以上のように、当社グループでは、環境にやさしく自然と調和した新たな製品および技術を創出していく取り組みを今後も継続して参ります。 経営統合により当社グループの国内研究拠点として、生物科学研究所、製剤技術研究所、プロセス化学研究所、創薬研究所、グリーン研究所を有し、新規有効成分の探索から工業的製造法の研究まで一貫した研究を行います。また、米国におきましては、ケイ・アイケミカルU.S.A.Inc.がミシシッピー試験場を有し、韓国では開発業務を担う組織としてクミカコリア(株)があります。これら各拠点の有機的かつ効率的な運営に努め、自社新規化合物開発、自社独自製剤技術を用いた新製品開発のスピードアップ及び品質保証を含む当社グループの研究開発技術の質的向上を図っております。 化成品事業セグメントにおいては、クロロトルエン・クロロキシレン系化学品、医農薬中間体、精密化学品、産業薬品を主体とした化成品について、当社グループの保有原料及び独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでおります。 その他セグメントにおいては、酵素類、生菌剤、ファフィア酵母(飼料添加剤)等のバイオ製品について、当社グループの技術力を生かした高付加価値製品の開発に取り組んでおります。 なお、当連結会計年度における研究開発経費の総額は39億3千2百万円であり、各セグメント毎の内訳は以下のとおりであります。①農薬及び農業関連事業 37億1千3百万円②化成品事業 2億1千万円③その他 9百万円
FY2016|2,365 文字
6 【研究開発活動】当グループは、化学品セグメントにおいて、農業用の除草剤、殺虫剤、殺菌剤及び植物成長調節剤について、国内外の市場に適合する自社化合物を含む新製品の研究開発に引き続き注力しております。なお、当連結会計年度における研究開発経費の総額は27億2千8百万円であります。 国内水稲分野におきましては、自社開発有効成分「フェノキサスルホン」を含有する初中期一発除草剤「ヤブサメ豆つぶ250」、「ベンケイ豆つぶ250」、「ベンケイジャンボ」を当連結会計年度から上市しました。また、「ボデーガード豆つぶ250」も上市し、豆つぶ製剤のラインアップを充実させました。さらに「ヤブサメ1キロ粒剤」、「ヤブサメジャンボ」、「クサビフロアブル」の登録を2016年度に取得しております。水稲用除草剤では、登録申請中の新規有効成分「フェンキノトリオン」について国内農薬登録の取得を進めております。現在、「フェンキノトリオン」を含有する新規混合剤の開発を進めており、「フェノキサスルホン」、「ピリミスルファン」及び「ピリミノバックメチル」など自社開発薬剤を含有する独自の一発処理除草剤の開発も進めております。これらの剤の上市によって、将来的に水稲用除草剤分野での自社開発化合物のさらなる拡販が期待されます。また、水稲本田処理剤として殺菌剤「トライフロアブル」を当連結会計年度に上市しました。さらに、水稲箱処理剤として「ビームパディート箱粒剤」、「シバント箱粒剤」の登録を2016年度に取得しております。 海外におきましては、トウモロコシ、ダイズ、コムギなどに適用可能な自社開発畑作用除草剤有効成分「ピロキサスルホン」が2016年度にトルコで登録を取得し、登録取得国は現在7ヶ国(オーストラリア、アメリカ、カナダ、南アフリカ、サウジアラビア、日本、トルコ)となりました。2016年度には、一般名である「ピロキサスルホン」を自社ブランド名「アクシーブ」と命名し、世界的に使用してまいります。今後も、南米やアジア等で開発を積極的に進めるとともに、畑作用除草剤として「アクシーブ」のブランドを確立してまいります。韓国では水稲用除草剤有効成分フェノキサスルホンの登録取得が2017年度に見込まれており、その後、混合剤の製品登録も順次取得できる予定です。また、世界55ヶ国で登録を有するイネ用除草剤「ノミニー」は、広く農家に普及しており、世界の穀物安定生産に貢献しています。今後も、除草剤、殺菌剤分野を中心に自社開発有効成分の登録、上市に向けた世界各国での開発を積極的に行ってまいります。 当グループは研究開発型企業として、自社開発有効成分の開発を行い、農薬製品を上市しております。今後も継続して自社化合物の創製に注力し、除草剤、殺菌剤、殺虫剤の各分野で次のパイプラインとなる化合物の創出をめざします。 当グループでは環境負荷低減型農薬の開発に積極的に取組んでおり、そのひとつが水稲用の水面施用製剤「豆つぶ剤」であります。「豆つぶ剤」は当社独自の製剤技術を生かした軽量・省力的な剤型であり、散布時に周辺へ飛散しにくいなど、省力化と同時に環境負荷の低減に貢献しております。「ガンガン」、「ナギナタ」、「ベンケイ」、「ヤイバ」をはじめとする除草剤から殺菌剤「オリブライト」、殺虫剤「スタークル」まで、「豆つぶ剤」を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」とあわせて、農家の方々のニーズに応じた製品ラインアップをとりそろえております。今後も独自の製剤技術として製品を充実させてまいります。また、微生物農薬「エコシリーズ」も“環境にやさしい微生物農薬”として積極的に開発を進めております。「エコショット」の有効成分バチルス・ズブチリスD747株を含有する製剤は、イタリア、アメリカをはじめ7ヶ国で登録を取得、販売しており、環境負荷の低減に貢献しております。今後は、韓国、台湾、ブラジルなどで開発を続けていく予定です。 当グループでは農薬開発で培った周辺技術を活用し、バイオテクノロジー分野にも注力して研究開発を行なっております。「パルセレクト」は、安全性に配慮した植物由来の新規な除草剤耐性遺伝子(変異型ALS遺伝子)を用いた植物形質転換選抜マーカーセットであり、植物バイオテクノロジーベンチャーとの業務提携を通じて販売しております。また、これらの植物バイオ技術を用いて形質転換受託ビジネスを行っております。 さらに、最先端技術を開発・導入する目的で、大学や国研機関との共同研究に積極的に取り組んでおります。その一例として、経済産業省の委託事業「革新的バイオマテリアル実現のための高機能遺伝子合成技術開発」に参画し、化合物合成の生物的手法の研究など新たな技術の導入を図っております。 以上のように、当グループでは、環境にやさしく自然と調和した新たな製品及び技術を創出していく取り組みを今後も継続して参ります。 研究拠点として、国内におきましては、当社の生物科学研究所、製剤技術研究所及びイハラケミカル工業㈱と共同で設立した㈱ケイ・アイ研究所を有しております。また、米国におきましては、ケイ・アイケミカルU.S.A.Inc.がミシシッピー試験場を有しております。さらに、2013年度に設立した北・中・南米・欧州を中心とした開発業務を担う組織としてクミカインターナショナルInc.、韓国での開発業務を担う組織としてクミカコリア㈱があります。これら各拠点の有機的かつ効率的な運営に努め、自社新規化合物開発、自社独自製剤技術を用いた新製品開発のスピードアップ及び研究開発技術の質的向上を図ってまいります。 なお、賃貸セグメント及びその他では研究開発活動を行っておりません。