事業等のリスク
タカラバイオの事業にはいくつかのリスクがあります。まず、バイオテクノロジー分野の研究開発は成功が保証されず、特に遺伝子治療分野は長期開発を要するため、遅延が事業戦略や業績に影響を与える可能性があります。また、海外での事業展開が多く、経済状況や政治体制の変化、国際税務問題などが業績に影響を及ぼすリスクがあります。競争も激しく、多数の競合企業が存在するため、他社が先行した場合、製品開発や業績に影響が出る可能性があります。さらに、専門性の高い優秀な人材の確保が難しくなったり、流出したりすることも事業戦略に影響を与える可能性があります。
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FY2025|8,036 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 また、文中において、適宜用語の解説をしておりますが、当該用語解説は、投資者に本項の記載内容をご理解いただくための参考として、当社の判断と理解に基づき、当社が作成したものであります。(1)市場および事業について① 研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は、再生・細胞医療・遺伝子治療等分野、基礎研究や創薬等を目的とした大学、公的研究機関や企業、検査会社を直接のターゲットカスタマーとする研究支援分野、そのほか、環境・エネルギー・食品・情報分野まで多岐にわたります。 このような状況の中、当社グループにおいて競争優位性を維持していくためにも、広範囲にわたる研究開発活動は非常に重要であると考えております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証はなく、特に遺伝子治療分野における開発は長期間を要するため、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バイオテクノロジー業界を取り巻く経営環境の変化は激しく、当社グループの事業環境は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受ける可能性があることから、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、計画する収益を獲得できない可能性があります。② 海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア等において、研究開発、製造、販売等の事業活動を展開しております。これらの国または地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、移転価格税制等の国際税務問題等の事象が発生した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの主力製品である試薬は、その大半を中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司で製造しており、当該子会社の収益動向の変化や、各国の関税政策の変更、何らかの理由による事業活動の停止等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、効率性向上とリスク低減のバランスを考慮しつつ、グローバルで多極的な製造・研究開発体制の整備を進めております。③ 競合について 当社グループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンスおよび保有技術の幅広いラインナップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。 しかしながら、研究用の試薬・機器・受託サービスの製造・販売・提供には医薬品や医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合には、これらの事業への参入は比較的容易であり、国内のみならず海外においても多数の競合企業が存在しております。 また、遺伝子治療分野においては、技術的進展により、安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られ始めております。当分野の市場規模の拡大を背景とし、欧米のバイオベンチャーや製薬企業等、多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組んでおります。 このような環境の中、当社グループは、当社グループ独自もしくは大学等の外部団体や企業と協力して、技術や製品を開発しておりますが、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは開発した技術や製品を可能な限り知的財産権による保護によって、独占化あるいは差異化をはかるとともに、コストダウンの推進および製造体制の強化により、価格競争力の維持をはかってまいります。④ 人材の確保について バイオテクノロジー業界は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受けることから、競争力の維持のためにも、専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、計画通りに人材が確保できなかった場合、あるいは当社グループの人材が社外に流出する状況になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループではダイバーシティや教育施策の充実、能力を発揮した人、成果を出した人が報われる賃金制度、ワークライフバランスを推進し、安全で働きやすい職場環境、労働環境の整備に努めております。⑤ 受託にかかる売上について 当社グループは、受託にかかる売上について、契約に応じて、主に検収、受領、出荷等により成果物の支配が顧客に移転した時点で履行義務が充足されたと判断し、収益を認識しておりますが、契約の複雑性等から、収益認識時点について誤謬が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは内部統制の充実に努めるとともに、内部監査部門や財務部門によるチェックを実施しております。 (2)金融および経済について① 資金調達の実施について 当社グループは、新規事業の立ち上げや事業規模の拡大を受けた研究開発、設備投資、運転資金等の資金需要の増加に対応するため、資金調達を行う可能性がありますが、資金が計画通りに調達できない場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは健全な財務体質の維持・強化に努め、格付けを取得するとともに、最新の情報に基づいた資金計画の見直しを適時に行っております。② 為替レートの変動について 当社グループが行う外貨建取引から生ずる費用・収益および外貨建債権・債務は、為替レートの変動リスクに晒されております。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、為替変動リスクを軽減する目的で為替予約等のヘッジ取引を行っております。 また、在外連結子会社の収益、費用、資産等の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しておりますが、為替レートの変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3)財務について① 減損について 当社グループは、事業の用に供するさまざまな有形固定資産、企業買収にともなうのれん、技術資産等の無形固定資産を有しておりますが、事業環境の急激な変化にともなう生産設備の遊休化や稼働率の低下・買収事業の推移が当初計画を下回ること等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは買収後のシナジー実現に向けた買収事業のフォローアップや、マクロ経済環境の定期的なモニタリングを行っております。(4)規制・法的手続き・災害・事故について① 重要な契約等について 当社グループの事業展開上、重要な契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループにとって不利な改定が行われた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② 知的財産権について 当社グループは、研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、競合他社を排除するため、自社の技術を特許で保護しております。また、当社グループは、研究開発を進めていくにあたって、特許出願・権利化を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が無効となる、消滅する等した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、今後の事業展開の中で、必要な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。また、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 製造物責任のリスクについて 当社グループが取扱うすべての製品・商品について製造物責任賠償のリスクが内在しております。当社はこれに備えて製造物責任賠償保険に加入しておりますが、特に、医薬品、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品、研究用製品、臨床試験に使用される治験薬、特定細胞加工物においては、健康障害を引き起こしたり、臨床試験、製造、販売において製造物の欠陥が発見され、補償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任を負う場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これらの製品・商品に何らかの問題が発生した場合には、人体への影響、被害を考慮して自主回収を行うことがあり、その場合には回収に多大な時間および費用を要する可能性があります。 ④ 法的規制について 研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)等の関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、同法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大等にともない、将来、これらの規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が開発・販売中の体外診断用医薬品や開発中の遺伝子治療薬は、医薬品医療機器等法をはじめとする関連の法規の規制を受けており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。当社グループが研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 訴訟等のリスクについて 当社グループの事業に関連して、第三者との間で重大な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。しかしながら、当社グループ各社に対して訴訟を提起される可能性があり、訴訟が提起されたこと自体や訴訟の結果によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めております。 また、当社グループでは、事業展開にあたり知的財産権に関する調査を適宜実施しており、当社グループの製品等が他者の知的財産権に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、特に特許権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であると考えており、かかる知的財産権侵害問題が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティの支払請求等を受ける可能性があり、その結果として当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループの取引先やライセンサーが紛争に巻き込まれた場合には、当社グループが該当する製品を販売できなくなったり、訴訟に巻き込まれたりする可能性があります。このような場合には、解決に多大な時間および費用を要する可能性があり、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑥ 自然災害や事故災害について 暴風、地震、落雷、洪水、渇水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合には、災害による物的・人的被害により、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めております。⑦ 気候変動等環境課題 気候変動や資源・エネルギーをはじめとする環境課題の包括的な解決に向けて、温室効果ガス(GHG)排出削減や省エネルギー活動の推進等への企業取組みが求められております。当社グループにおいても「タカラバイオグループ・サステナビリティ経営推進基本方針」を掲げ、課題解決に取り組んでおります。一方で、当社グループが事業展開する各地域で、今後、炭素税の賦課や排出権取引制度等の温室効果ガス排出規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を与える可能性があります。⑧ 情報セキュリティ当社グループが保有する機密情報および個人情報については、厳正な管理に努めておりますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合には、競争力や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃については、多様な防御対策を講じるとともに、サイバー保険に加入しておりますが、万が一、研究開発、製造、情報システム等に問題が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える場合があります。(5)当社の親会社について 2025年3月31日現在、宝ホールディングスは、当社議決権の60.93%を所有する親会社であります。当社と同社との関係は以下のとおりであります。① 宝ホールディングスグループ(同社および同社の関係会社)における当社の位置づけ 寳酒造株式会社(現宝ホールディングス)は、2002年2月15日開催の臨時株主総会における承認決議に基づき、物的分割の方法により同社の100%子会社(設立以降に当社が実施した第三者割当増資および公募増資等により、親会社の当社議決権所有比率は60.93%になっております。)として、2002年4月1日に宝酒造株式会社(以下、「宝酒造」という。)および当社を設立いたしました。 宝ホールディングスグループは、純粋持株会社である宝ホールディングスおよび同社の関係会社70社(子会社68社、関連会社2社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)8社とともに、バイオ事業を推進しております。 ② 宝ホールディングスのグループ会社管理について 宝ホールディングスは、連結経営管理の観点から「グループ会社管理規程」を定めて運用しており、その目的はグループ各社の独自性・自立性を維持しつつ、グループ全体の企業価値の最大化をはかることにあります。当社も同規程の適用を受けており、当社取締役会において決議された事項等を報告しておりますが、取締役会決議事項の事前承認等は求められておらず、当社が独自に事業運営を行っております。 また、同社はグループ内に各種会議体を設けており、当社に関するものは以下のとおりであります。 会議名称主な出席者内容開催頻度グループ戦略会議宝ホールディングス㈱役員および執行役員当社取締役および執行役員宝酒造㈱取締役および執行役員宝酒造インターナショナル㈱取締役および執行役員グループ全体に関わる事項の確認原則として2カ月に1回タカラバイオ連絡会議宝ホールディングス㈱役員当社役員および執行役員当社活動状況等の報告原則として1カ月に1回 上記の各種会議体は、グループ各社間の報告を目的としているものであり、当社の自主性・独立性を妨げるものではありません。 また、有価証券報告書提出日現在、同社と当社との間で以下の役員の兼務関係があります。氏名当社での役職宝ホールディングスでの役職木村 睦取締役代表取締役社長 上記の兼務関係は、木村 睦氏は、過去において当社の経営企画、財務、経理、広報、総務、人事等の分野で豊富な経験と実績を有し、かつ当社の代表取締役副社長としてリーダーシップを発揮してきたことにより、当社のコーポレート機能を強化させ、当社の持続的な成長と中期的な企業価値の向上を実現できるものとの判断から当社が招聘したことにより発生しており、宝ホールディングスが当社を支配することを目的としているものではありません。 なお、同社のグループ会社管理の方針に変更が生じた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 宝ホールディングスグループとの取引について1)営業拠点に関する不動産賃貸借取引について 宝ホールディングスグループの宝酒造との間には以下の不動産賃貸借取引があります。当該賃貸借取引のうち、当社が賃借している営業拠点については以下のとおりであり、この取引継続が困難な状況になった場合は、当社が代替地を確保するまでの期間における収入、移転費用等において当社グループの経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。物件使用目的貸主取引金額2025年3月期(百万円)取引条件等宝明治安田ビル6階および地階(東京都中央区)当社東京事業所宝酒造㈱13面積:140.85㎡契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地・建物時価等(注)取引条件および取引条件の決定方針等不動産鑑定士による鑑定評価に基づき、協議の上決定しております。2)商標権使用に関する取引について 当社グループが使用する商標のうち、宝ホールディングスが所有・管理している商標については、同社との間で商標使用許諾契約を結び、使用許諾件数に応じて商標使用料を支払うこととしております。2025年3月31日現在で、国内海外あわせて登録商標64件および未登録商標1件の使用許諾を受けております。 なお、宝ホールディングスから商標の使用許諾を受けられなくなった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2025年3月期(百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)商標権の使用許諾6契約形態:商標使用許諾契約(2004年3月29日付締結)使用料算出根拠:商標権の出願、登録および今後も含めての維持・管理費用1商標1国1区分の使用料月額:登録商標8,500円、未登録商標1,700円 3)コンピュータ関係業務の委託等に関する取引について 当社は、宝ホールディングスとの間で、コンピュータ関係業務の委託ならびに機器の賃貸借契約を締結しております。 なお、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2025年3月期(百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)コンピュータ関係業務の委託および機器の賃借等333契約形態:業務の委託ならびに機器の賃貸借に関する基本契約業務の内容:勘定系システム運用支援、クライアントサーバーシステム運用支援、パソコンの賃借、消耗品の購入、その他 4)その他 宝ホールディングスグループ各社(当社グループ各社を除く)とは、包装資材の購入取引等があります。 なお、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 また、文中において、適宜用語の解説をしておりますが、当該用語解説は、投資者に本項の記載内容をご理解いただくための参考として、当社の判断と理解に基づき、当社が作成したものであります。(1)市場および事業について① 研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は、再生・細胞医療・遺伝子治療等分野、基礎研究や創薬等を目的とした大学、公的研究機関や企業、検査会社を直接のターゲットカスタマーとする研究支援分野、そのほか、環境・エネルギー・食品・情報分野まで多岐にわたります。 このような状況の中、当社グループにおいて競争優位性を維持していくためにも、広範囲にわたる研究開発活動は非常に重要であると考えております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証はなく、特に遺伝子治療分野における開発は長期間を要するため、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バイオテクノロジー業界を取り巻く経営環境の変化は激しく、当社グループの事業環境は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受ける可能性があることから、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、計画する収益を獲得できない可能性があります。② 海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア等において、研究開発、製造、販売等の事業活動を展開しております。これらの国または地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、移転価格税制等の国際税務問題等の事象が発生した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの主力製品である試薬は、その大半を中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司で製造しており、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、効率性向上とリスク低減のバランスを考慮しつつ、グローバルで多極的な製造・研究開発体制の整備を進めております。③ 競合について 当社グループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンスおよび保有技術の幅広いラインナップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。 しかしながら、研究用の試薬・機器・受託サービスの製造・販売・提供には医薬品や医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合には、これらの事業への参入は比較的容易であり、国内のみならず海外においても多数の競合企業が存在しております。 また、遺伝子治療分野においては、技術的進展により、安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られ始めております。当分野の市場規模の拡大を背景とし、欧米のバイオベンチャーや製薬企業等、多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組んでおります。 このような環境の中、当社グループは、当社グループ独自もしくは大学等の外部団体や企業と協力して、技術や製品を開発しておりますが、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは開発した技術や製品を可能な限り知的財産権による保護にて、独占化あるいは差異化をはかるとともに、コストダウンの推進および製造体制の強化により、価格競争力の維持をはかってまいります。④ 人材の確保について 当社グループは研究開発型の企業であり、また、バイオテクノロジー業界は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受けることから、競争力の維持のためにも、専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、計画通りに人材が確保できなかった場合、あるいは当社グループの人材が社外に流出する状況になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループではダイバーシティや教育施策の充実、能力を発揮した人、成果を出した人が報われる賃金制度、ワークライフバランスを推進し、安全で働きやすい職場環境、労働環境の整備に努めております。⑤ 受託にかかる売上について 当社グループは、受託にかかる売上について、契約に応じて、主に検収、受領、出荷等により成果物の支配が顧客に移転した時点で履行義務が充足されたと判断し、収益を認識しておりますが、契約の複雑性等から、収益認識時点について誤謬が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは内部統制の充実に努めるとともに、内部監査部門や財務部門によるチェックを実施しております。 (2)金融および経済について① 資金調達の実施について 当社グループは、新規事業の立ち上げや事業規模の拡大を受けた研究開発、設備投資、運転資金等の資金需要の増加に対応するため、資金調達を行う可能性がありますが、資金が計画通りに調達できない場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは健全な財務体質の維持・強化に努め、格付けを取得するとともに、最新の情報に基づいた資金計画の見直しを適時に行っております。② 為替レートの変動について 当社グループが行う外貨建取引から生ずる費用・収益および外貨建債権・債務は、為替レートの変動リスクに晒されております。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、為替変動リスクを軽減する目的で為替予約等のヘッジ取引を行っております。 また、在外連結子会社の収益、費用、資産等の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しておりますが、決算時の為替レートの変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3)財務について① 減損について 当社グループは、事業の用に供するさまざまな有形固定資産、企業買収にともなうのれん、技術資産等の無形固定資産を有しておりますが、事業環境の急激な変化にともなう生産設備の遊休化や稼働率の低下・買収事業の推移が当初計画を下回ること等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは買収後のシナジー実現に向けた買収事業のフォローアップや、マクロ経済環境の定期的なモニタリングを行っております。(4)規制・法的手続き・災害・事故について① 経営上の重要な契約等について 当社グループの事業展開上、重要な契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループにとって不利な改定が行われた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② 知的財産権について 当社グループは、研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、競合他社を排除するため、自社の技術を特許で保護しております。また、当社グループは、研究開発を進めていくにあたって、特許出願・権利化を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が無効となる、消滅する等した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、今後の事業展開の中で、必要な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。また、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 製造物責任のリスクについて 当社グループが取扱うすべての製品・商品について製造物責任賠償のリスクが内在しております。当社はこれに備えて製造物責任賠償保険に加入しておりますが、特に、医薬品、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品、研究用製品、臨床試験に使用される治験薬、特定細胞加工物においては、健康障害を引き起こしたり、臨床試験、製造、販売において製造物の欠陥が発見され、補償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任を負う場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これらの製品・商品に何らかの問題が発生した場合には、人体への影響、被害を考慮して自主回収を行うことがあり、その場合には回収に多大な時間および費用を要する可能性があります。 ④ 法的規制について 研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)等の関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、同法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大等にともない、将来、これらの規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が開発・販売中の体外診断用医薬品や開発中の遺伝子治療薬は、医薬品医療機器等法をはじめとする関連の法規の規制を受けており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。当社グループが研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 訴訟等のリスクについて 当社グループの事業に関連して、第三者との間で重大な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。しかしながら、当社グループ各社に対して訴訟を提起される可能性があり、訴訟が提起されたこと自体や訴訟の結果によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めております。 また、当社グループでは、事業展開にあたり知的財産権に関する調査を適宜実施しており、当社グループの製品等が他者の知的財産権に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、特に特許権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であると考えており、かかる知的財産権侵害問題が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティの支払請求等を受ける可能性があり、その結果として当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループの取引先やライセンサーが紛争に巻き込まれた場合には、当社グループが該当する製品を販売できなくなったり、訴訟に巻き込まれたりする可能性があります。このような場合には、解決に多大な時間および費用を要する可能性があり、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑥ 自然災害や事故災害について 暴風、地震、落雷、洪水、渇水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合には、災害による物的・人的被害により、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めております。⑦ 気候変動等環境課題 気候変動や資源・エネルギーをはじめとする環境課題の包括的な解決に向けて、温室効果ガス(GHG)排出削減や省エネルギー活動の推進等への企業取組みが求められております。当社グループにおいても「タカラバイオグループ・サステナビリティ経営推進基本方針」を掲げ、課題解決に取り組んでおります。一方で、当社グループが事業展開する各地域で、今後、炭素税の賦課や排出権取引制度等の温室効果ガス排出規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を与える可能性があります。⑧ 情報セキュリティ当社グループが保有する機密情報および個人情報については、厳正な管理に努めておりますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合には、競争力や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃については、多様な防御対策を講じるとともに、サイバー保険に加入しておりますが、万が一、研究開発、製造、情報システム等に問題が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える場合があります。(5)当社の親会社について 2024年3月31日現在、宝ホールディングスは、当社議決権の60.93%を所有する親会社であります。当社と同社との関係は以下のとおりであります。① 宝ホールディングスグループ(同社および同社の関係会社)における当社の位置づけ 寳酒造株式会社(以下、「寳酒造」という。現宝ホールディングス)は、2002年2月15日開催の臨時株主総会における承認決議に基づき、物的分割の方法により同社の100%子会社(設立以降に当社が実施した第三者割当増資および公募増資等により、親会社の当社議決権所有比率は60.93%になっております。)として、2002年4月1日に宝酒造株式会社(以下、「宝酒造」という。)および当社を設立いたしました。 宝ホールディングスグループは、純粋持株会社である宝ホールディングスおよび同社の関係会社68社(子会社66社、関連会社2社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)8社とともに、バイオ事業を推進しております。 ② 宝ホールディングスのグループ会社管理について 宝ホールディングスは、連結経営管理の観点から「グループ会社管理規程」を定めて運用しており、その目的はグループ各社の独自性・自立性を維持しつつ、グループ全体の企業価値の最大化をはかることにあります。当社も同規程の適用を受けており、当社取締役会において決議された事項等を報告しておりますが、取締役会決議事項の事前承認等は求められておらず、当社が独自に事業運営を行っております。 また、同社はグループ内に各種会議体を設けており、当社に関するものは以下のとおりであります。 会議名称主な出席者内容開催頻度グループ戦略会議宝ホールディングス㈱役員および執行役員当社取締役および執行役員宝酒造㈱取締役および執行役員宝酒造インターナショナル㈱取締役および執行役員グループ全体に関わる事項の確認原則として2カ月に1回タカラバイオ連絡会議宝ホールディングス㈱役員当社役員および執行役員当社活動状況等の報告原則として1カ月に1回 上記の各種会議体は、グループ各社間の報告を目的としているものであり、当社の自主性・独立性を妨げるものではありません。 また、有価証券報告書提出日現在、同社と当社との間で以下の役員の兼務関係があります。氏名当社での役職宝ホールディングスでの役職木村 睦取締役代表取締役社長 上記の兼務関係は、木村 睦氏は、過去において当社の経営企画、財務、経理、広報、総務、人事等の分野で豊富な経験と実績を有し、かつ当社の代表取締役副社長としてリーダーシップを発揮してきたことにより、当社のコーポレート機能を強化させ、当社の持続的な成長と中期的な企業価値の向上を実現できるものとの判断から当社が招聘したことにより発生しており、宝ホールディングスが当社を支配することを目的としているものではありません。 なお、同社のグループ会社管理の方針に変更が生じた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 宝ホールディングスグループとの取引について1)営業拠点に関する不動産賃貸借取引について 宝ホールディングスグループの宝酒造との間には以下の不動産賃貸借取引があります。当該賃貸借取引のうち、当社が賃借している営業拠点については以下のとおりであり、この取引継続が困難な状況になった場合は、当社が代替地を確保するまでの期間における収入、移転費用等において当社グループの経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。物件使用目的貸主取引金額2024年3月期(百万円)取引条件等宝明治安田ビル6階および地階(東京都中央区)当社東京事業所宝酒造㈱13面積:140.85㎡契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地・建物時価等(注)取引条件および取引条件の決定方針等不動産鑑定士による鑑定評価に基づき、協議の上決定しております。2)商標権使用に関する取引について 当社グループが使用する商標のうち、宝ホールディングスが所有・管理している商標については、同社との間で商標使用許諾契約を結び、使用許諾件数に応じて商標使用料を支払うこととしております。2024年3月31日現在で、国内海外あわせて登録商標64件および未登録商標1件の使用許諾を受けております。 なお、宝ホールディングスから商標の使用許諾を受けられなくなった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2024年3月期(百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)商標権の使用許諾6契約形態:商標使用許諾契約(2004年3月29日付締結)使用料算出根拠:商標権の出願、登録および今後も含めての維持・管理費用1商標1国1区分の使用料月額:登録商標8,500円、未登録商標1,700円 3)コンピュータ関係業務の委託等に関する取引について 当社は、宝ホールディングスとの間で、コンピュータ関係業務の委託ならびに機器の賃貸借契約を締結しております。 なお、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2024年3月期(百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)コンピュータ関係業務の委託および機器の賃借等380契約形態:業務の委託ならびに機器の賃貸借に関する基本契約業務の内容:勘定系システム運用支援、クライアントサーバーシステム運用支援、パソコンの賃借、消耗品の購入、その他 4)その他 宝ホールディングスグループ各社(当社グループ各社を除く)とは、包装資材の購入取引等があります。 なお、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2023|8,390 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 また、文中において、適宜用語の解説をしておりますが、当該用語解説は、投資者に本項の記載内容をご理解いただくための参考として、当社の判断と理解に基づき、当社が作成したものであります。(1)市場および事業について① 研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は多岐にわたり、再生・細胞医療・遺伝子治療等分野、基礎研究や創薬等を目的とした大学、公的研究機関や企業、検査会社を直接のターゲットカスタマーとする研究支援分野、そのほか、環境・エネルギー・食品・情報分野まで多岐にわたります。 このような状況の中、当社グループにおいて競争優位性を維持していくためにも、広範囲にわたる研究開発活動は非常に重要であると考えております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証はなく、特に遺伝子治療分野における臨床開発は長期間を要するため、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バイオテクノロジー業界を取り巻く経営環境の変化は激しく、当社グループの事業環境は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受ける可能性があることから、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、計画する収益を獲得できない可能性があります。② 海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア等において、研究開発、製造、販売等の事業活動を展開しております。これらの国または地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、移転価格税制等の国際税務問題等の事象が発生した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの主力製品である試薬は、その大半を中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司で製造しており、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、効率性向上とリスク低減のバランスを考慮しつつ、グローバルで多極的な製造・研究開発体制を整備しております。③ 競合について 当社グループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンスおよび保有技術の幅広いラインナップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。 しかしながら、研究用の試薬・機器・受託サービスの製造・販売・提供には医薬品や医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合には、これらの事業への参入は比較的容易であり、国内のみならず海外においても多数の競合企業が存在しております。 また、遺伝子治療分野においては、技術的進展により、安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られ始めております。当分野の市場規模の拡大を背景とし、欧米のバイオベンチャーや製薬企業等、多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組んでおります。 このような環境の中、当社グループは、当社グループ独自もしくは大学等の外部団体や企業と協力して、技術や製品を開発しておりますが、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは開発した技術や製品を可能な限り知的財産権による保護にて、独占化あるいは差異化をはかるとともに、コストダウンの推進および製造体制の強化により、価格競争力の維持をはかってまいります。④ 人材の確保について 当社グループは研究開発型の企業であり、また、バイオテクノロジー業界は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受けることから、競争力の維持のためにも、専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、計画通りに人材が確保できなかった場合、あるいは当社グループの人材が社外に流出する状況になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループではダイバーシティやワークライフバランスを推進し、安全で働きやすい職場環境、労働環境の整備に努めております。⑤ ライセンス契約等にかかる契約一時金およびマイルストーン達成金にかかる売上について 当社グループは、顧客との契約に基づき、契約一時金については顧客に実施権を付与した時点等、マイルストーン達成金については契約上定められた条件が達成された時点等で履行義務が充足されたと判断し、収益を認識しております。これらの取引については、契約の複雑性等から、収益認識時点について誤謬が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは内部統制の充実に努めるとともに、内部監査部門や財務部門によるチェックを実施しております。 ⑥ 受託にかかる売上について 当社グループは、受託にかかる売上について、契約に応じて、主に検収、受領、出荷等により成果物の支配が顧客に移転した時点で履行義務が充足されたと判断し、収益を認識しておりますが、契約の複雑性等から、収益認識時点について誤謬が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは内部統制の充実に努めるとともに、内部監査部門や財務部門によるチェックを実施しております。(2)金融および経済について① 資金調達の実施について 当社グループは、新規事業の立ち上げや事業規模の拡大を受けた研究開発、設備投資、運転資金等の資金需要の増加に対応するため、資金調達を行う可能性がありますが、資金が計画通りに調達できない場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは健全な財務体質の維持・強化に努め、格付けを取得するとともに、最新の情報に基づいた資金計画の見直しを適時に行っております。② 為替レートの変動について 当社グループが行う外貨建取引から生ずる費用・収益および外貨建債権・債務は、為替レートの変動リスクに晒されております。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、為替変動リスクを軽減する目的で為替予約等のヘッジ取引を行っております。 また、在外連結子会社の収益、費用、資産等の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しておりますが、決算時の為替レートの変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3)財務について① 減損について 当社グループは、事業の用に供するさまざまな有形固定資産、企業買収にともなうのれん、技術資産等の無形固定資産を有しておりますが、事業環境の急激な変化にともなう生産設備の遊休化や稼働率の低下・買収事業の推移が当初計画を下回ること等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは買収後のシナジー実現に向けた買収事業のフォローアップや、マクロ経済環境の定期的なモニタリングを行っております。(4)規制・法的手続き・災害・事故について① 経営上の重要な契約等について 当社グループの事業展開上、重要な契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループにとって不利な改定が行われた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② 知的財産権について 当社グループは、研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、競合他社を排除するため、自社の技術を特許で保護しております。また、当社グループは、研究開発を進めていくにあたって、特許出願・権利化を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が無効となる、消滅する等した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、今後の事業展開の中で、必要な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。また、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 製造物責任のリスクについて 当社グループが取扱うすべての製品・商品について製造物責任賠償のリスクが内在しております。当社はこれに備えて製造物責任賠償保険に加入しておりますが、特に、医薬品、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品、研究用製品、臨床試験に使用される治験薬、特定細胞加工物においては、健康障害を引き起こしたり、臨床試験、製造、販売において瑕疵が発見され、補償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任を負う場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これらの製品・商品に何らかの問題が発生した場合には、人体への影響、被害を考慮して自主回収を行うことがあり、その場合には回収に多大な時間および費用を要する可能性があります。 ④ 法的規制について 研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)等の関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、同法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大等にともない、将来、これらの規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が開発・販売中の体外診断用医薬品や開発中の遺伝子治療薬は、医薬品医療機器等法をはじめとする関連の法規の規制を受けており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。当社グループが研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 訴訟等のリスクについて 当社グループの事業に関連して、第三者との間で重大な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。しかしながら、当社グループ各社に対して訴訟を提起される可能性があり、訴訟が提起されたこと自体や訴訟の結果によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めております。 また、当社グループでは、事業展開にあたり知的財産権に関する調査を適宜実施しており、当社グループの製品等が他者の知的財産権に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、特に特許権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であると考えており、かかる知的財産権侵害問題が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティの支払請求等を受ける可能性があり、その結果として当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループの取引先やライセンサーが紛争に巻き込まれた場合には、当社グループが該当する製品を販売できなくなったり、訴訟に巻き込まれたりする可能性があります。このような場合には、解決に多大な時間および費用を要する可能性があり、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑥ 自然災害や事故災害について 暴風、地震、落雷、洪水、渇水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合には、災害による物的・人的被害により、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めております。⑦ 気候変動等環境課題 気候変動や資源・エネルギーをはじめとする環境課題の包括的な解決に向けて、温室効果ガス(GHG)排出削減や省エネルギー活動の推進等への企業取組みが求められております。当社グループにおいても「タカラバイオグループ・サステナビリティ経営推進基本方針」を掲げ、課題解決に取り組んでおります。一方で、当社グループが事業展開する各地域で、今後、炭素税の賦課や排出権取引制度等の温室効果ガス排出規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を与える可能性があります。⑧ 情報セキュリティ当社グループが保有する機密情報および個人情報については、厳正な管理に努めておりますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合には、競争力や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃については、多様な防御対策を講じるとともに、サイバー保険に加入しておりますが、万が一、研究開発、製造、情報システム等に問題が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える場合があります。(5)当社の親会社について 2023年3月31日現在、宝ホールディングスは、当社議決権の60.93%を所有する親会社であります。当社と同社との関係は以下のとおりであります。① 宝ホールディングスグループ(同社および同社の関係会社)における当社の位置づけ 寳酒造株式会社(以下、「寳酒造」という。現宝ホールディングス)は、2002年2月15日開催の臨時株主総会における承認決議に基づき、物的分割の方法により同社の100%子会社(設立以降に当社が実施した第三者割当増資および公募増資等により、親会社の当社議決権所有比率は60.93%になっております。)として、2002年4月1日に宝酒造株式会社(以下、「宝酒造」という。)および当社を設立いたしました。 宝ホールディングスグループは、純粋持株会社である宝ホールディングスおよび同社の関係会社63社(子会社61社、関連会社2社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)8社とともに、バイオ事業を推進しております。 ② 宝ホールディングスのグループ会社管理について 宝ホールディングスは、連結経営管理の観点から「グループ会社管理規程」を定めて運用しており、その目的はグループ各社の独自性・自立性を維持しつつ、グループ全体の企業価値の最大化をはかることにあります。当社も同規程の適用を受けており、当社取締役会において決議された事項等を報告しておりますが、取締役会決議事項の事前承認等は求められておらず、当社が独自に事業運営を行っております。 また、同社はグループ内に各種会議体を設けており、当社に関するものは以下のとおりであります。 会議名称主な出席者内容開催頻度グループ戦略会議宝ホールディングス㈱役員および執行役員当社取締役および執行役員宝酒造㈱取締役および執行役員宝酒造インターナショナル㈱取締役および執行役員グループ全体に関わる事項の確認原則として2カ月に1回タカラバイオ連絡会議宝ホールディングス㈱役員当社役員および執行役員当社活動状況等の報告原則として1カ月に1回 上記の各種会議体は、グループ各社間の報告を目的としているものであり、当社の自主性・独立性を妨げるものではありません。 また、有価証券報告書提出日現在、同社と当社との間で以下の役員の兼務関係があります。氏名当社での役職宝ホールディングスでの役職仲尾 功一代表取締役社長取締役木村 睦取締役代表取締役社長 上記の兼務関係は、仲尾 功一氏は、宝ホールディングスの持株会社体制における連結経営上の考えから同社に招聘されたことにより、木村 睦氏は、過去において当社の経営企画、財務、経理、広報、総務、人事等の分野で豊富な経験と実績を有し、かつ当社の代表取締役副社長としてリーダーシップを発揮してきたことにより、当社のコーポレート機能を強化させ、当社の持続的な成長と中期的な企業価値の向上を実現できるものとの判断から当社が招聘したことにより、それぞれ発生しており、宝ホールディングスが当社を支配することを目的としているものではありません。 なお、同社のグループ会社管理の方針に変更が生じた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 宝ホールディングスグループとの取引について1)営業拠点に関する不動産賃貸借取引について 宝ホールディングスグループの宝酒造との間には以下の不動産賃貸借取引があります。当該賃貸借取引のうち、当社が賃借している営業拠点については以下のとおりであり、この取引継続が困難な状況になった場合は、当社が代替地を確保するまでの期間における収入、移転費用等において当社グループの経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。物件使用目的貸主取引金額2023年3月期(百万円)取引条件等宝明治安田ビル6階および地階(東京都中央区)当社東京事業所宝酒造㈱13面積:140.85㎡契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地・建物時価等(注)取引条件および取引条件の決定方針等不動産鑑定士による鑑定評価に基づき、協議の上決定しております。2)商標権使用に関する取引について 当社グループが使用する商標のうち、宝ホールディングスが所有・管理している商標については、同社との間で商標使用許諾契約を結び、使用許諾件数に応じて商標使用料を支払うこととしております。2023年3月31日現在で、国内海外あわせて登録商標64件および未登録商標1件の使用許諾を受けております。 なお、宝ホールディングスから商標の使用許諾を受けられなくなった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2023年3月期(百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)商標権の使用許諾6契約形態:商標使用許諾契約(2004年3月29日付締結)使用料算出根拠:商標権の出願、登録および今後も含めての維持・管理費用1商標1国1区分の使用料月額:登録商標8,500円、未登録商標1,700円 3)コンピュータ関係業務の委託等に関する取引について 当社は、宝ホールディングスとの間で、コンピュータ関係業務の委託ならびに機器の賃貸借契約を締結しております。 なお、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2023年3月期(百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)コンピュータ関係業務の委託および機器の賃借等455契約形態:業務の委託ならびに機器の賃貸借に関する基本契約業務の内容:勘定系システム運用支援、クライアントサーバーシステム運用支援、パソコンの賃借、消耗品の購入、その他 4)その他 宝ホールディングスグループ各社(当社グループ各社を除く)とは、包装資材の購入取引等があります。 なお、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2022|8,638 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 また、文中において、適宜用語の解説をしておりますが、当該用語解説は、投資者に本項の記載内容をご理解いただくための参考として、当社の判断と理解に基づき、当社が作成したものであります。(1)市場および事業について① 研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は多岐にわたり、遺伝子治療等の再生医療等製品分野、基礎研究や創薬等を目的とした大学、公的研究機関や企業、検査会社を直接のターゲット市場とする研究支援分野、その他、環境・エネルギー・食品・情報分野まで多岐にわたります。 このような状況の中、当社グループにおいて競争優位性を維持していくためにも、広範囲にわたる研究開発活動は非常に重要であると考えております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証はなく、特に遺伝子医療分野における臨床開発は長期間を要するため、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バイオテクノロジー業界を取り巻く経営環境の変化は激しく、当社グループの事業環境は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受ける可能性があることから、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、計画する収益を獲得できない可能性があります。② 海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア等において、研究開発、製造、販売等の事業活動を展開しております。これらの国または地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、移転価格税制等の国際税務問題等の事象が発生した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの主力製品である試薬は、その大半を中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司で製造しており、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、効率性向上とリスク低減のバランスを考慮しつつ、グローバルで多極的な製造・研究開発体制を整備しております。③ 競合について 当社グループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンスおよび保有技術の幅広いラインナップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。 しかしながら、研究用試薬や機器の製造・販売には医薬品や医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合には、これらの事業への参入は比較的容易であり、国内のみならず海外においても多数の競合企業が存在しております。 また、遺伝子医療分野においては、技術的進展により、安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られ始めております。当分野の市場規模の拡大を背景とし、欧米のバイオベンチャーや製薬企業等、多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組んでおります。 このような環境の中、当社グループは、当社グループ独自もしくは大学等の外部団体や企業と協力して、技術や製品を開発しておりますが、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは開発した技術や製品を可能な限り知的財産権による保護にて、独占化あるいは差異化をはかるとともに、コストダウンの推進および製造体制の強化により、価格競争力の維持をはかってまいります。④ 人材の確保について 当社グループは研究開発型の企業であり、また、バイオテクノロジー業界は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受けることから、競争力の維持のためにも、専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、計画通りに人材が確保できなかった場合、あるいは当社グループの人材が社外に流出する状況になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループではダイバーシティやワークライフバランスを推進し、安全で働きやすい職場環境、労働環境の整備に努めております。⑤ ライセンス契約等にかかる契約一時金およびマイルストーン達成金にかかる売上について 当社グループは、顧客との契約に基づき、契約一時金については顧客に実施権を付与した時点等、マイルストーン達成金については契約上定められた条件が達成された時点等で履行義務が充足されたと判断し、収益を認識しております。これらの取引については、契約の複雑性等から、収益認識時点について誤謬が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは内部統制の充実に努めるとともに、内部監査部門や財務部門によるチェックを実施しております。⑥ 受託にかかる売上について 当社グループは、受託にかかる売上について、契約に応じて、主に検収、受領、出荷等の支配が顧客に移転した時点で履行義務が充足されたと判断し、収益を認識しておりますが、契約の複雑性等から、収益認識時点について誤謬が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは内部統制の充実に努めるとともに、内部監査部門や財務部門によるチェックを実施しております。(2)金融および経済について① 資金調達の実施について 当社グループは、新規事業の立ち上げや事業規模の拡大を受けた研究開発、設備投資、運転資金等の資金需要の増加に対応するため、資金調達を行う可能性がありますが、資金が計画通りに調達できない場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは健全な財務体質の維持・強化に努めるとともに、最新の情報に基づいた資金計画の見直しを適時に行っております。② 為替レートの変動について 当社グループが行う外貨建取引から生ずる費用・収益および外貨建債権・債務は、為替レートの変動リスクに晒されております。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、為替変動リスクを軽減する目的で為替予約等のヘッジ取引を行っております。 また、在外連結子会社の収益、費用、資産等の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しておりますが、決算時の為替レートの変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3)財務について① 減損について 当社グループは、事業の用に供するさまざまな有形固定資産・企業買収にともなうのれん、技術資産等の無形固定資産を有しておりますが、事業環境の急激な変化にともなう生産設備の遊休化や稼働率の低下・買収事業の推移が当初計画を下回ること等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは買収後のシナジー実現に向けた買収事業のフォローアップや、マクロ経済環境の定期的なモニタリングを行っております。(4)規制・法的手続き・災害・事故について① 経営上の重要な契約等について 当社グループの事業展開上、重要と思われる契約の概要は「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループにとって不利な改定が行われた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② 知的財産権について 当社グループは、研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、競合他社を排除するため、自社の技術を特許で保護しております。また、当社グループは、研究開発を進めていくにあたって、特許出願・権利化を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が無効となる、消滅する等した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、今後の事業展開の中で、必要な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。また、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 製造物責任のリスクについて 当社グループが取扱うすべての製品・商品について製造物責任賠償のリスクが内在しております。特に、医薬品、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品、研究用製品、臨床試験に使用される治験薬、特定細胞加工物においては、健康障害を引き起こしたり、臨床試験、製造、販売において瑕疵が発見された場合には、製造物責任を負い、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これらの製品・商品に何らかの問題が発生した場合には、人体への影響、被害を考慮して自主回収を行うことがあり、その場合には回収に多大な時間および費用を要する可能性があります。④ 法的規制について 研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)等の関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、同法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大等にともない、将来、これらの規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が開発・販売中の体外診断用医薬品や開発中の遺伝子治療薬は、医薬品医療機器等法をはじめとする関連の法規の規制を受けており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。当社グループが研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 訴訟等のリスクについて 当社グループの事業に関連して、第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。しかしながら、当社グループ各社に対して訴訟を提起される可能性があり、訴訟が提起されたこと自体や訴訟の結果によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めております。 また、当社グループでは、事業展開にあたり知的財産権に関する訴訟を未然に防ぐため、特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社グループの製品等が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であると考えており、かかる知的財産権侵害問題が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティの支払請求等を受ける可能性があり、その結果として当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループの取引先やライセンサーが紛争に巻き込まれた場合には、当社グループが該当する製品を販売できなくなったり、訴訟に巻き込まれたりする可能性があります。このような場合には、解決に多大な時間および費用を要する可能性があり、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑥ 自然災害や事故災害について 暴風、地震、落雷、洪水、渇水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合には、災害による物的・人的被害により、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めております。⑦ 気候変動等環境課題 気候変動や資源・エネルギーをはじめとする環境課題の包括的な解決に向けて、温室効果ガス(GHG)排出削減や省エネルギー活動の推進等への企業取組みが求められております。当社グループにおいても「タカラバイオグループ・サステナビリティ経営推進基本方針」を掲げ、課題解決に取り組んでおります。一方で、当社グループが事業展開する各地域で、今後、炭素税の賦課や排出権取引制度等の温室効果ガス排出規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を与える可能性があります。⑧ 新型コロナウイルス感染症による影響の長期化について2023年3月期につきまして、新型コロナウイルス感染症の影響を見込んでおりますが、これがさらに長期化し、取引先の一時営業停止や売掛金の回収が遅延する場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、十分な手元資金を確保するようにしております。また、一部の地域において従業員が出社できない等の状況が発生する可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、リモートワークやソーシャルディスタンスを確保できる勤務体制を整備しております。⑨ 情報セキュリティ当社グループが保有する機密情報および個人情報については、厳正な管理に努めておりますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合には、競争力や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃については、多様な防御対策を講じておりますが、万が一、研究開発、製造、情報システム等に問題が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える場合があります。(5)当社の親会社について 2022年3月31日現在、宝ホールディングスは、当社議決権の60.93%を所有する親会社であります。当社と同社との関係は以下のとおりであります。① 宝ホールディングスグループ(同社および同社の関係会社)における当社の位置づけ 寳酒造株式会社(以下、「寳酒造」という。現宝ホールディングス)は、2002年2月15日開催の臨時株主総会における承認決議に基づき、物的分割の方法により同社の100%子会社(設立以降に当社が実施した第三者割当増資および公募増資等により、親会社の当社議決権所有比率は60.93%になっております。)として、2002年4月1日に宝酒造株式会社(以下、「宝酒造」という。)および当社を設立いたしました。 宝ホールディングスグループは、純粋持株会社である宝ホールディングスおよび同社の関係会社61社(子会社59社、関連会社2社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)9社とともに、バイオ事業を推進しております。 ② 宝ホールディングスのグループ会社管理について 宝ホールディングスは、連結経営管理の観点から「グループ会社管理規程」を定めて運用しており、その目的はグループ各社の独自性・自立性を維持しつつ、グループ全体の企業価値の最大化をはかることにあります。当社も同規程の適用を受けており、当社取締役会において決議された事項等を報告しておりますが、取締役会決議事項の事前承認等は求められておらず、当社が独自に事業運営を行っております。 また、同社はグループ内に各種会議体を設けており、当社に関するものは以下のとおりであります。 会議名称主な出席者内容開催頻度(原則)グループ戦略会議宝ホールディングス㈱役員および執行役員当社取締役および執行役員宝酒造㈱取締役および執行役員宝酒造インターナショナル㈱取締役および執行役員グループ全体に関わる事項の確認2カ月に1回タカラバイオ連絡会議宝ホールディングス㈱役員当社役員および執行役員当社活動状況等の報告1カ月に1回 上記の各種会議体は、グループ各社間の報告を目的としているものであり、当社の自主性・独立性を妨げるものではありません。 また、有価証券報告書提出日現在、同社と当社との間で以下の役員の兼務関係があります。氏名当社での役職宝ホールディングスでの役職仲尾 功一代表取締役社長取締役木村 睦取締役代表取締役社長 上記の兼務関係は、仲尾 功一氏は、宝ホールディングスの持株会社体制における連結経営上の考えから同社に招聘されたことにより、木村 睦氏は、過去において当社の経営企画、財務、経理、広報、総務、人事等の分野で豊富な経験と実績を有し、かつ当社の代表取締役副社長としてリーダーシップを発揮してきたことにより、当社のコーポレート機能を強化させ、当社の持続的な成長と中期的な企業価値の向上を実現できるものとの判断から当社が招聘したことにより、それぞれ発生しており、宝ホールディングスが当社を支配することを目的としているものではありません。 なお、同社のグループ会社管理の方針に変更が生じた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 宝ホールディングスグループとの取引について1)営業拠点に関する不動産賃貸借取引について 宝ホールディングスグループの宝酒造との間には以下の不動産賃貸借取引があります。当該賃貸借取引のうち、当社が賃借している営業拠点については以下のとおりであり、この取引継続が困難な状況になった場合は、当社が代替地を確保するまでの期間における収入、移転費用等において当社グループの経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。物件使用目的貸主取引金額2022年3月期(百万円)取引条件等宝明治安田ビル6階および地階(東京都中央区)当社東京事業所宝酒造㈱13面積:140.85㎡契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地・建物時価等(注)取引条件および取引条件の決定方針等不動産鑑定士による鑑定評価に基づき、協議の上決定しております。2)商標権使用に関する取引について 当社グループが使用する商標のうち、宝ホールディングスが所有・管理している商標については、同社との間で商標使用許諾契約を結び、使用許諾件数に応じて商標使用料を支払うこととしております。2022年3月31日現在で、国内海外あわせて登録商標64件および未登録商標1件の使用許諾を受けております。 なお、宝ホールディングスから商標の使用許諾を受けられなくなった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2022年3月期(百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)商標権の使用許諾6契約形態:商標使用許諾契約(2004年3月29日付締結)使用料算出根拠:商標権の出願、登録および今後も含めての維持・管理費用1商標1国1区分の使用料月額:登録商標8,500円、未登録商標1,700円 3)コンピュータ関係業務の委託等に関する取引について 当社は、宝ホールディングスとの間で、コンピュータ関係業務の委託ならびに機器の賃貸借契約を締結しております。 なお、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2022年3月期(百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)コンピュータ関係業務の委託および機器の賃借等464契約形態:業務の委託ならびに機器の賃貸借に関する基本契約業務の内容:勘定系システム運用支援、クライアントサーバーシステム運用支援、パソコンの賃借、消耗品の購入、その他 4)その他 宝ホールディングスグループ各社(当社グループ各社を除く)とは、包装資材の購入取引等があります。 なお、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2021|8,194 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 また、文中において、適宜用語の解説をしておりますが、当該用語解説は、投資者に本項の記載内容をご理解いただくための参考として、当社の判断と理解に基づき、当社が作成したものであります。(1)市場および事業について① 研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は多岐にわたり、遺伝子治療等の再生医療等製品分野、基礎研究や創薬等を目的とした大学、公的研究機関や企業、検査会社を直接のターゲット市場とする研究支援分野、その他、環境・エネルギー・食品・情報分野まで多岐にわたります。 このような状況の中、当社グループにおいて競争優位性を維持していくためにも、広範囲にわたる研究開発活動は非常に重要であると考えております。しかしながら、研究開発活動は計画どおりに進む保証はなく、特に遺伝子医療分野における臨床開発は長期間を要するため、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バイオテクノロジー業界を取り巻く経営環境の変化は激しく、当社グループの事業環境は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受ける可能性があることから、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、計画する収益を獲得出来ない可能性があります。② 海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア等において、研究開発、製造、販売等の事業活動を展開しております。これらの国または地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、移転価格税制等の国際税務問題等の事象が発生した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの主力製品である研究用試薬は、その大半を中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司で製造しており、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、効率性向上とリスク低減のバランスを考慮しつつ、グローバルで多極的な製造・研究開発体制を整備しております。③ 競合について 当社グループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンスおよび保有技術の幅広いラインナップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。 しかしながら、試薬や理化学機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合、これらの事業への参入は比較的容易であり、国内のみならず海外においても多数の競合企業が存在しております。 また、遺伝子医療分野においては、技術的進展により、安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られ始めております。当分野の市場規模の拡大を背景とし、欧米のバイオベンチャーやメガファーマ等、多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組んでおります。 このような環境の中、当社グループは、当社グループ独自もしくは大学等の外部団体や企業と協力して、技術や製品を開発しておりますが、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは開発した技術や製品を可能な限り知的財産により保護することにより、独占化あるいは差異化をはかるとともに、コストダウンの推進および製造体制の強化により、価格競争力の維持をはかってまいります。④ 人材の確保について 当社グループは研究開発型の企業であり、また、バイオテクノロジー業界は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受けることから、競争力の維持のためにも、専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、計画どおりに人材が確保出来ず、あるいは当社グループの人材が社外に流出する状況になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループではダイバーシティやワークライフバランスを推進し、安全で働きやすい職場環境、労働環境の整備に努めております。⑤ 契約一時金およびマイルストーン達成金にかかる売上について 当社グループは、顧客との契約に基づき発生する契約一時金およびマイルストーン達成金について、個別契約に定める条件を満たした時点で売上高に計上しておりますが、契約の複雑性等から、売上高計上時期について誤謬が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは内部統制の充実につとめるとともに、内部監査部門や財務部門によるチェックを実施しております。⑥ 受託サービスにかかる売上について 当社グループは、受託サービスにかかる売上について、当社グループで定めた基準に基づく時点で売上高に計上しておりますが、契約の複雑性等から、売上高計上時期について誤謬が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは内部統制の充実に努めるとともに、内部監査部門や財務部門によるチェックを実施しております。(2)金融および経済について① 資金調達の実施について 当社グループは、新規事業の立ち上げや事業規模の拡大を受けた研究開発、設備投資、運転資金等の資金需要の増加に対応するため、資金調達を行う可能性がありますが、資金が計画通りに調達できない場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは健全な財務体質の維持・強化に努めるとともに、最新の情報に基づいた資金計画の見直しを適時に行っております。② 為替レートの変動について 当社グループが行う外貨建取引から生ずる費用・収益および外貨建債権・債務は、為替レートの変動リスクに晒されております。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、為替変動リスクを軽減する目的で為替予約等のヘッジ取引を行っております。 また、在外連結子会社の収益、費用、資産等の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しておりますが、決算時の為替レートの変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3)財務について① 減損について 当社グループでは、事業の用に供するさまざまな有形固定資産・企業買収にともなうのれん、技術資産等の無形固定資産を有しておりますが、事業環境の急激な変化にともなう生産設備の遊休化や稼働率の低下・買収事業の推移が当初計画を下回ること等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは買収後のシナジー実現に向けた買収事業のフォローアップや、マクロ経済環境の定期的なモニタリングを行っております。(4)規制・法的手続き・災害について① 経営上の重要な契約等について 当社グループの事業展開上、重要と思われる契約の概要は「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループにとって不利な改定が行われた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② 知的財産権について 当社グループは、研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、競合他社を排除するため、自社の技術を特許で保護しております。また当社グループは、研究開発を進めていくにあたって、特許出願・権利化を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が無効となる、消滅する等した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、今後の事業展開の中で、必要な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。また、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 製造物責任のリスクについて 当社グループが取り扱うすべての製品・商品について製造物責任賠償のリスクが内在しております。特に、医薬品、医療機器、再生医療等製品、研究用製品、臨床試験に使用される治験薬、特定細胞加工物においては、健康障害を引き起こしたり、臨床試験、製造、販売において瑕疵が発見された場合には、製造物責任を負い、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これらの製品・商品に何らかの問題が発生した場合には、人体への影響、被害を考慮して自主回収を行うことがあり、その場合には回収に多大な時間および費用を要する可能性があります。④ 法的規制について 研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)等の関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、同法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大等にともない、将来、これらの規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が開発中の遺伝子治療薬は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に関する法律、カルタヘナ法等関連法規の規制を受けており、これらの関連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。当社グループが研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 訴訟等のリスクについて 当社グループの事業に関連して、第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。しかしながら、当社グループ各社に対して訴訟を提起される可能性があり、訴訟が提起されたこと自体や訴訟の結果によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めております。 また、当社グループでは、事業展開にあたり知的財産権に関する訴訟を未然に防ぐため、特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社グループの製品等が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であると考えており、かかる知的財産権侵害問題が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティの支払請求等を受ける可能性があり、その結果として当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループの取引先やライセンサーが紛争に巻き込まれた場合には、当社グループが該当する製品を販売出来なくなったり、訴訟に巻き込まれる可能性があります。このような場合、解決に多大な時間および費用を要する可能性があり、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑥ 自然災害について 暴風、地震、落雷、洪水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合、災害による物的・人的被害により、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めております。⑦ 新型コロナウイルス感染症による影響の長期化について 2022年3月期につきまして、新型コロナウイルス感染症の影響を見込んでおりますが、これが更に長期化し、取引先の一時営業停止や売掛金の回収が遅延する場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、十分な手元資金を確保するようにしております。 また、一部の地域において従業員が出社できない等の状況が発生する可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、リモートワークやソーシャルディスタンスを確保できる勤務体制を整備しております。(5)当社の親会社について 2021年3月31日現在、宝ホールディングスは、当社議決権の60.93%を所有する親会社であります。当社と同社との関係は以下のとおりであります。① 宝ホールディングスグループ(同社および同社の関係会社)における当社の位置づけ 寳酒造株式会社(以下、「寳酒造」。現宝ホールディングス)は、2002年2月15日開催の臨時株主総会における承認決議に基づき、物的分割の方法により同社の100%子会社(設立以降に当社が実施した第三者割当増資および公募増資等により、親会社の当社議決権所有比率は60.93%になっております。)として、2002年4月1日に宝酒造株式会社(以下、「宝酒造」)および当社を設立いたしました。 宝ホールディングスグループは、純粋持株会社である宝ホールディングスおよび同社の関係会社62社(子会社60社、関連会社2社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)8社とともに、バイオ事業を推進しております。② 宝ホールディングスのグループ会社管理について 宝ホールディングスは、連結経営管理の観点から「グループ会社管理規程」を定めて運用しており、その目的はグループ各社の独自性・自立性を維持しつつ、グループ全体の企業価値の最大化をはかることにあります。当社も同規程の適用を受けており、当社取締役会において決議された事項等を報告しておりますが、取締役会決議事項の事前承認等は求められておらず、当社が独自に事業運営を行っております。 また、同社はグループ内に各種会議体を設けており、当社に関するものは以下のとおりであります。会議名称主な出席者内容開催頻度グループ戦略会議宝ホールディングス㈱役員および執行役員当社取締役および執行役員宝酒造㈱取締役および執行役員宝酒造インターナショナル㈱取締役および執行役員グループ全体に関わる事項の確認原則として2か月に1回タカラバイオ連絡会議宝ホールディングス㈱役員当社役員および執行役員当社活動状況等の報告原則として1か月に1回 上記の各種会議体は、グループ各社間の報告を目的としているものであり、当社の自主性・独立性を妨げるものではありません。 また、有価証券報告書提出日現在、同社と当社との間には下記のとおり役員の兼務関係があります。氏名当社での役職宝ホールディングスでの役職大宮 久取締役会長代表取締役会長仲尾 功一代表取締役社長取締役 上記の兼務関係は、大宮 久氏は、当社設立以前において、寳酒造の取締役としてバイオ部門の経営にも従事して培った経験・知識が当社にとって有用であるとの判断から当社が招聘したことにより、仲尾 功一氏は、宝ホールディングスの持株会社体制における連結経営上の考えから同社に招聘されたことにより、それぞれ発生しており、宝ホールディングスが当社を支配することを目的としているものではありません。 なお、同社のグループ会社管理の方針に変更が生じた場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 宝ホールディングスグループとの取引について1)営業拠点に関する不動産賃貸借取引について 宝ホールディングスグループの宝酒造との間には以下の不動産賃貸借取引があります。当該賃貸借取引のうち、当社が賃借している営業拠点については以下のとおりであり、この取引継続が困難な状況になった場合は、当社が代替地を確保するまでの期間における収入、移転費用等において当社グループの経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。物件使用目的貸主取引金額2021年3月期(百万円)取引条件等宝明治安田ビル6階および地階(東京都中央区)当社東京事業所宝酒造㈱13面積:140.85㎡契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地・建物時価等(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。2.取引条件および取引条件の決定方針等不動産鑑定士による鑑定評価に基づき、協議のうえ決定しております。2)商標権使用に関する取引について 当社グループが使用する商標のうち、宝ホールディングスが所有・管理している商標については、同社との間で商標使用許諾契約を結び、使用許諾件数に応じて商標使用料を支払うこととしております。2021年3月31日現在で、国内海外あわせて登録商標64件および未登録商標1件の使用許諾を受けております。 なお、宝ホールディングスから商標の使用許諾を受けられなくなった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2021年3月期(百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)商標権の使用許諾6契約形態:商標使用許諾契約(2004年3月29日付締結)使用料算出根拠:商標権の出願、登録および今後も含めての維持・管理費用1商標1国1区分の使用料月額:登録商標8,500円、未登録商標1,700円(いずれも消費税等別) (注)金額には、消費税等は含まれておりません。3)コンピュータ関係業務の委託等に関する取引について 当社は、宝ホールディングスとの間で、コンピュータ関係業務の委託ならびに機器の賃貸借契約を締結しております。 なお、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2021年3月期(百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)コンピュータ関係業務の委託および機器の賃借等407契約形態:業務の委託ならびに機器の賃貸借に関する基本契約業務の内容:勘定系システム運用支援、クライアントサーバーシステム運用支援、パソコンの賃借、消耗品の購入、その他(注)金額には、消費税等は含まれておりません。4)その他 宝ホールディングスグループ各社(当社グループ各社を除く)とは、包装資材の購入取引等があります。 なお、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2020|8,353 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 また、文中において、適宜用語の解説をしておりますが、当該用語解説は、投資者に本項の記載内容をご理解いただくための参考として、当社の判断と理解に基づき、当社が作成したものであります。 (1)市場および事業について①研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は多岐にわたり、遺伝子治療等の再生医療等製品分野、基礎研究や創薬等を目的とした大学、公的研究機関や企業の研究部門、検査会社を直接のターゲット市場とする研究支援分野、その他、環境・エネルギー・食品・情報分野まで多岐にわたります。 このような状況の中、当社グループにおいて競争優位性を維持していくためにも、広範囲にわたる研究開発活動は非常に重要であると考えております。しかしながら、研究開発活動は計画どおりに進む保証はなく、特に遺伝子医療分野における臨床開発は長期間を要するため、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バイオテクノロジー業界を取り巻く経営環境の変化は激しく、当社グループの事業環境は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受ける可能性があることから、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、計画する収益を獲得出来ない可能性があります。 ②海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア等において、研究開発、製造、販売等の事業活動を展開しております。これらの国または地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、移転価格税制等の国際税務問題、地震等の自然災害等の事象が発生した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの主力製品である研究用試薬は、そのほとんどを中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司で製造しており、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、効率性向上とリスク低減のバランスを考慮しつつ、グローバルで多極的な製造・研究開発体制を整備してまいります。 ③競合について 当社グループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンス、保有技術の幅広いラインナップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。しかしながら、国内のみならず海外においても数々の同業社との競合状態にあるとも認識しております。 試薬や理化学機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合、これらの事業への参入は比較的容易であり、多数の競合企業が存在しております。 遺伝子医療分野においては、技術的進展により、安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られはじめています。この分野では、実際に大きな市場が望めるようになったことから、欧米の大手製薬会社やベンチャー企業を含め多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組み始めております。 このような環境の中、当社グループは、当社グループ独自もしくは大学等の外部団体と協力して、技術や製品を開発しておりますが、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは開発した技術や製品を可能な限り知的財産により保護することにより、独占化あるいは差異化をはかるとともに、コストダウンの推進および製造体制の強化により、価格競争力の維持をはかってまいります。 ④人材の確保について 当社グループは研究開発型の企業であり、また、バイオテクノロジー業界は日進月歩で技術革新が進むことから、競争力の維持のためにも、専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、計画どおりに人材が確保出来ず、あるいは当社グループの人材が社外に流出する状況になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤契約一時金およびマイルストーン達成金に係る売上について 当社グループは、顧客との契約に基づき発生する契約一時金およびマイルストーン達成金について、個別契約に定める条件を満たした時点で売上高に計上しておりますが、契約の複雑性等から、売上高計上時期について誤謬が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは内部統制の充実につとめるとともに、内部監査部門や財務部門によるチェックを実施しております。(2)金融および経済について①資金調達の実施について 当社グループは、新規事業の立ち上げや事業規模の拡大を受けた研究開発、設備投資、運転資金等の資金需要の増加に対応するため、資金調達を行う可能性があります。ただし、資金調達が計画どおりに進まない場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループは健全な財務体質の維持・強化に努めるとともに、最新の情報に基づいた資金計画の見直しを適時に行っております。 ②為替レートの変動について 当社グループが行う外貨建取引から生ずる費用・収益および外貨建債権・債務の円換算額は、為替レートの変動リスクに晒されております。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、為替変動リスクを軽減する目的で為替予約等のヘッジ取引を行っております。 また、在外連結子会社の外貨建財務諸表における売上、費用、資産等の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しておりますが、決算時の為替レートの変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)財務について①減損について 当社グループでは、事業の用に供するさまざまな有形固定資産・企業買収にともなうのれん、技術資産等の無形固定資産を有しておりますが、事業環境の急激な変化にともなう生産設備の遊休化や稼働率の低下・買収事業の推移が当初計画を下回ること等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは買収後のシナジー実現に向けた買収事業のフォローアップや、マクロ経済環境の定期的なモニタリングを行っております。 (4)規制・法的手続き・災害について①経営上の重要な契約等について 当社グループの事業展開上、重要と思われる契約の概要は「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループにとって不利な改定が行われた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②知的財産権について 研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業では、特許その他の知的財産権の確保が非常に重要であると認識しております。当社グループは、競合他社を排除するため、自社の技術を特許で保護しております。また当社グループは、今後も研究開発を進めていくにあたって、特許出願・権利化を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が何らかの理由で無効となったり、期間満了等により消滅した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、今後の事業展開の中で、必要な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。また、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③製造物責任のリスクについて 当社グループが取り扱うすべての製品・商品について製造物責任賠償のリスクが内在しております。特に、医薬品、医療機器、再生医療等製品、研究用製品、臨床試験に使用される治験薬、特定細胞加工物については、健康障害を引き起こしたり、臨床試験、製造、販売において瑕疵が発見された場合には、製造物責任を負い、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これらの製品・商品に何らかの問題が発生した場合には、人体への影響、被害を考慮して自主回収を行うことがあり、その場合には回収に多大な時間および費用を要する可能性があります。 ④法的規制について 研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)等の関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、同法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大等にともない、将来、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が開発中の遺伝子治療薬は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に関する法律、カルタヘナ法等関連法規の規制を受けており、これらの関連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。当社グループが研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤訴訟等のリスクについて 当社グループの事業に関連して、第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。しかしながら、当社グループ各社に対して訴訟を提起される可能性があり、訴訟が提起されたこと自体や訴訟の結果によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めております。 また、当社グループでは、事業展開にあたり知的財産権に関する訴訟を未然に防ぐため、特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社グループの製品等が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であると考えており、かかる知的財産権侵害問題が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティの支払請求等を受ける可能性があり、その結果として当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループの取引先やライセンサーが紛争に巻き込まれた場合には、当社グループが該当する製品を販売出来なくなったり、訴訟に巻き込まれる可能性があります。このような場合、解決に多大な時間および費用を要する可能性があり、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥自然災害について 暴風、地震、落雷、洪水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合、災害による物的・人的被害により、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めております。 ⑦新型コロナウイルス感染症の感染拡大の長期化について2021年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を見込んでおりますが、これが更に長期化し、取引先の一時営業停止や売掛金の回収が遅延する場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、十分な手元資金を確保するようにしております。また、一部の地域において従業員が出社できない等の状況が発生する可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、リモートワークの実施やソーシャルディスタンスの確保できる勤務体制の整備を強化しております。 (5)当社の親会社について 2020年3月31日現在、宝ホールディングス株式会社(東証一部、以下、「宝ホールディングス」)は、当社議決権の60.93%を所有する親会社であります。当社と同社との関係は以下のとおりであります。① 宝ホールディングスグループ(同社および同社の関係会社)における当社の位置づけ 寳酒造株式会社(以下、「寳酒造」。現宝ホールディングス)は、2002年2月15日開催の臨時株主総会における、同社が営む酒類・食品事業およびバイオ事業の各々の事業特性を最大限に発揮し、それぞれの成長力と競争力を高める事業環境を整えることを目的とした、酒類・食品部門およびバイオ部門の営業に関する分割計画書の承認決議に基づき、物的分割の方法により同社の100%子会社(設立以降に当社が実施した第三者割当増資および公募増資等により、親会社の当社議決権所有比率は60.93%になっております。)として、2002年4月1日に宝酒造株式会社(以下、「宝酒造」)および当社を設立いたしました。 宝ホールディングスグループは、純粋持株会社である宝ホールディングスおよび同社の関係会社62社(子会社60社、関連会社2社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)8社とともにバイオ事業を推進しております。② 宝ホールディングスのグループ会社管理について 宝ホールディングスは、連結経営管理の観点から「グループ会社管理規程」を定めて運用しており、その目的はグループ各社の独自性・自立性を維持しつつ、グループ全体の企業価値の最大化をはかることにあります。当社も同規程の適用を受けており、当社取締役会において決議された事項等を報告しておりますが、取締役会決議事項の事前承認等は求められておらず、当社が独自に事業運営を行っております。 また、同社はグループ内に各種会議体を設けており、当社に関するものは以下のとおりであります。会議名称主な出席者内容開催頻度グループ戦略会議宝ホールディングス㈱役員および執行役員当社取締役および執行役員宝酒造㈱取締役および執行役員宝酒造インターナショナル㈱取締役および執行役員グループ全体に関わる事項の確認原則として2か月に1回タカラバイオ連絡会議宝ホールディングス㈱役員当社役員および執行役員当社活動状況等の報告原則として1か月に1回 上記の各種会議体は、グループ各社間の報告を目的としているものであって、現状において当社の自主性・独立性を妨げるものではありません。 また、有価証券報告書提出日現在、同社と当社との間には下記のとおり役員の兼務関係があります。氏名当社での役職宝ホールディングス㈱での役職大宮 久取締役会長代表取締役会長仲尾 功一代表取締役社長取締役 上記の兼務関係は、大宮 久氏は、当社設立以前において、寳酒造の取締役としてバイオ部門の経営にも従事して培った経験・知識が当社にとって有用であるとの判断から当社が招聘したことにより、仲尾 功一氏は、宝ホールディングスの持株会社体制における連結経営上の考えから同社に招聘されたことにより、それぞれ発生しており、宝ホールディングスが当社を支配することを目的としているものではありません。 なお、現時点においては想定しておりませんが、同社のグループ会社管理の方針に変更が生じた場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 宝ホールディングスグループとの取引について1)営業拠点に関する不動産賃貸借取引について 寳酒造(現宝ホールディングス)が物的分割の方法により会社分割し当社が設立され、寳酒造の工場、営業所、社宅等の不動産の大部分は、宝酒造および当社へ移転されました。従来は、一つの拠点に酒類・食品事業とバイオ事業がともに展開されておりましたので、移転にともない、宝酒造との間に不動産賃貸借取引が発生しております。当該賃貸借取引のうち、当社が賃借している営業拠点については以下のとおりであり、この取引継続が困難な状況になった場合は、当社が代替地を確保するまでの期間における収入、移転費用等において当社の経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。物件使用目的貸主取引金額2020年3月期百万円取引条件等宝明治安田ビル6階および地階(東京都中央区)当社東京支店宝酒造㈱13面積:140.85㎡契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地・建物時価等 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。2.取引条件および取引条件の決定方針等不動産鑑定士による鑑定評価に基づき、協議のうえ決定しております。2)商標権使用に関する取引について 当社が使用する商標のうち一部の商標について、宝ホールディングスが所有・管理しているものがあり、当該商標については、同社との間で商標使用許諾契約を結び、使用許諾件数に応じて1商標1国1区分当たり月額固定金額を支払うこととしております。2020年3月31日現在で、国内海外あわせて登録商標64件および未登録商標1件の使用許諾を受けております。 なお、何らかの事情により宝ホールディングスから商標の使用許諾を受けられなくなった場合には、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2020年3月期百万円取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)商標権の使用許諾6契約形態:商標使用許諾契約(2004年3月29日付締結)使用料算出根拠:商標権の出願、登録および今後も含めての維持・管理費用1商標1国1区分の使用料月額:登録商標8,500円、未登録商標1,700円(いずれも消費税等別) (注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。3)コンピュータ関係業務の委託等に関する取引について 当社は、宝ホールディングスとの間で、コンピュータ関係業務の委託ならびに機器の賃貸借契約を締結しております。 なお、何らかの事情によりこれらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2020年3月期百万円取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)コンピュータ関係業務の委託および機器の賃借等408契約形態:業務の委託並びに機器の賃貸借に関する基本契約業務の内容:勘定系システム運用支援、クライアントサーバーシステム運用支援、パソコンの賃借、消耗品の購入、その他(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。4)その他 宝ホールディングスグループ各社(当社グループ各社を除く)とは、包装資材等の購入等があります。 なお、何らかの事情によりこれらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2019|9,018 文字
2【事業等のリスク】 以下において、当社グループの事業展開上その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しないと思われる事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また、以下の記載は当社グループに関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。 なお、本項中の記載内容については、特に断りがない限り当連結会計年度末現在の事項であり、将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 また、文中において、適宜用語の解説をしておりますが、当該用語解説は、投資者に本項の記載内容をご理解いただくための参考として、当社の判断と理解に基づき、当社が作成したものであります。 (1)研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は多岐にわたり、遺伝子治療や細胞医療等の医療分野、基礎研究や創薬等を目的とした大学、公的研究機関や企業の研究部門、検査会社を直接のターゲット市場とする研究支援分野、その他、環境・エネルギー・食品・情報分野まで多岐に渡ります。 このような状況の中、当社グループにおいても広範囲にわたる研究開発活動を行っており、競争優位性を維持していくためにも、研究開発活動は非常に重要であると考えております。実際、当社グループの当連結会計年度における研究開発費は4,337百万円で、売上高に対する割合は12.1%と非常に大きいと認識しております。しかしながら、研究開発活動は計画どおりに進む保証はなく、特に当社グループの遺伝子医療事業における臨床開発については長期間を要しますので、十分な研究開発活動の成果が適時にあがる保証はないことから、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果当社グループが計画する収益をあげられない可能性があります。 (2)製造に関する依存について 当社グループの当連結会計年度における売上高の65.8%を占める主力の研究用試薬を、中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司でそのほとんどを生産しております。当社グループでは生産拠点の集約により、価格競争力の強い製品の製造を実現しており、また、当社グループの規模では製造拠点の分散化は得策ではないと考えておりますが、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)長期前払費用について 当社グループの事業展開の性質上、他者が保有する特許に関し特許実施許諾契約を締結することは重要な戦略と位置づけております。この場合、契約一時金等を支払うことが一般的でありますが、当該支出については支出時に長期前払費用として資産計上し、契約期間等に基づき毎期規則的に費用処理しております。また、特許実施許諾契約に基づき利用する技術について当社グループでの利用状況、バイオテクノロジーの進展にともなう陳腐化等を勘案し、決算期ごとに資産性の有無を検討し、資産性に疑義が生じた場合には当該長期前払費用について一時に費用処理することとしております。 従いまして、今後特許実施許諾契約等の締結等により長期前払費用は増加する可能性がありますが、当社グループでの利用状況、バイオテクノロジーの進展状況によっては、多額の費用処理が発生する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)競合について 当社グループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンス、保有技術の幅広いラインナップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。しかしながら、国内のみならず海外においても数々の同業社との競合状態にあるとも認識しております。 バイオ産業支援事業においては、試薬や理化学機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合、参入は比較的容易であり、多数の競合企業が存在しております。 遺伝子医療事業においては、技術的進展により安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られはじめています。実際に大きな市場が望めるようになったことから、欧米の大手製薬会社やベンチャー企業を含め多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組み始めております。 このような環境の中、当社は、当社グループ独自もしくは大学等の外部団体と協力して、技術や製品を開発し、可能な限り知的財産化することにより、独占化あるいは差異化をはかっておりますが、このような開発戦略が必ずしも成功するとは限らず、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(5)当社の親会社について 2019年3月31日現在、宝ホールディングス株式会社(東証一部)は、当社議決権の60.92%を所有する親会社であります。当社と同社との関係は以下のとおりであります。① 宝ホールディングス㈱グループ(同社および同社の関係会社)における当社の位置づけ 寳酒造株式会社(現宝ホールディングス株式会社)は、2002年2月15日開催の臨時株主総会における、同社が営む酒類・食品事業およびバイオ事業の各々の事業特性を最大限に発揮し、それぞれの成長力と競争力を高める事業環境を整えることを目的とした、酒類・食品部門およびバイオ部門の営業に関する分割計画書の承認決議に基づき、物的分割の方法により同社の100%子会社(設立以降に当社が実施した第三者割当増資および公募増資等により、親会社の当社議決権所有比率は60.92%になっております。)として、2002年4月1日に宝酒造株式会社および当社を設立いたしました。 宝ホールディングス㈱グループは、純粋持株会社である宝ホールディングス株式会社および同社の関係会社62社(子会社60社、関連会社2社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)9社とともにバイオ事業を推進しております。② 宝ホールディングス株式会社のグループ会社管理について 宝ホールディングス株式会社は、連結経営管理の観点から「グループ会社管理規程」を定め運用しておりますが、その目的はグループ各社の独自性・自立性を維持しつつ、グループ全体の企業価値の最大化をはかることにあります。当社も同規程の適用を受けており、当社取締役会において決議された事項等を報告しておりますが、取締役会決議事項の事前承認等は求められておらず、当社が独自に事業運営を行っております。 また、同社はグループ内に各種会議体を設けておりますが、当社に関するものは下記のとおりであります。会議名称主な出席者内容開催頻度グループ戦略会議宝ホールディングス㈱役員および執行役員当社取締役および執行役員宝酒造㈱取締役および執行役員宝酒造インターナショナル㈱取締役および執行役員グループ全体に関わる事項の確認原則として2か月に1回タカラバイオ連絡会議宝ホールディングス㈱役員当社役員および執行役員当社活動状況等の報告原則として1か月に1回 上記の各種会議体は、グループ各社間の報告を目的としているものであって、現状において当社の自主性・独立性を妨げるものではありません。 また、有価証券報告書提出日現在、同社と当社との間には下記のとおり役員の兼務関係があります。氏名当社での役職宝ホールディングス㈱での役職大宮 久取締役会長代表取締役会長仲尾 功一代表取締役社長取締役 上記の兼務関係は、大宮 久氏は、当社設立以前において、寳酒造株式会社の取締役としてバイオ部門の経営にも従事して培った経験・知識が当社にとって有用であるとの判断から当社が招聘したことにより、仲尾 功一氏は、宝ホールディングス株式会社の持株会社体制における連結経営上の考えから同社に招聘されたことにより、それぞれ発生しており、宝ホールディングス株式会社が当社を支配することを目的としているものではありません。 なお、現時点においては想定しておりませんが、同社のグループ会社管理の方針に変更が生じた場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 宝ホールディングス㈱グループとの取引について1)営業拠点に関する不動産賃貸借取引について 当社は、2002年4月1日付で寳酒造株式会社(現宝ホールディングス株式会社)が物的分割の方法により会社分割し設立されました経緯から、寳酒造株式会社の工場、営業所、社宅等の不動産の大部分は、宝酒造株式会社および当社へ移転されました。従来は、一つの拠点に酒類・食品事業とバイオ事業がともに展開されておりましたので、移転にともない、宝酒造株式会社との間に不動産賃貸借取引が発生しております。当該賃貸借取引のうち、当社が賃借している営業拠点については以下のとおりであり、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社が代替地を確保するまでの期間における収入、移転費用等において当社の経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。物件使用目的貸主取引金額2019年3月期百万円取引条件等宝明治安田ビル6階および地階(東京都中央区)当社東京支店宝酒造㈱13面積:140.85㎡契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地・建物時価等 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。2.取引条件および取引条件の決定方針等不動産鑑定士による鑑定評価に基づき、協議のうえ決定しております。2)商標権使用に関する取引について 当社が使用する商標のうち一部の商標について、宝ホールディングス株式会社が所有・管理しているものがあり、当該商標については、同社との間で商標使用許諾契約を結び、使用許諾件数に応じて1商標1国1区分当たり月額固定金額を支払うこととしております。2019年3月31日現在で、国内海外あわせて登録商標75件および未登録商標1件の使用許諾を受けております。 なお、何らかの事情により宝ホールディングス株式会社から商標の使用許諾を受けられなくなった場合には、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2019年3月期百万円取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)商標権の使用許諾8契約形態:商標使用許諾契約(2004年3月29日付締結)使用料算出根拠:商標権の出願、登録および今後も含めての維持・管理費用1商標1国1区分の使用料月額:登録商標8,500円、未登録商標1,700円(いずれも消費税等別) (注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。3)コンピュータ関係業務の委託等に関する取引について 当社は、宝ホールディングス株式会社との間で、コンピュータ関係業務の委託ならびに機器の賃貸借契約を締結しております。 なお、何らかの事情によりこれらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額2019年3月期百万円取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)コンピュータ関係業務の委託および機器の賃借等372契約形態:業務の委託並びに機器の賃貸借に関する基本契約業務の内容:勘定系システム運用支援、クライアントサーバーシステム運用支援、パソコンの賃借、消耗品の購入、その他(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。4)その他 宝ホールディングス㈱グループ各社(当社グループ各社を除く)とは、発注ベースでの包装資材等の購入等があります。 なお、何らかの事情によりこれらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(6)資金調達の実施について 新規事業の立ち上げや事業規模の拡大により、研究開発費、設備投資、投融資、運転資金等の資金需要の増加が予想されますので、今後も有償増資等による資金調達の可能性があります。ただし、資金調達が計画どおりに進まない場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)資金使途について バイオテクノロジー業界において当社グループを取り巻く経営環境の変化は激しく、新たな技術革新や新規参入者等により当社グループの事業環境に大きな影響を受ける可能性があることから、公募増資等で調達した資金の使途として計画している設備投資および研究開発投資から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)経営上の重要な契約等について 当社グループの事業展開上、重要と思われる契約の概要は「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループにとって不利な改定が行われた場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)人材の確保について 当社グループは研究開発型の企業であり、また、バイオテクノロジー業界は日進月歩で技術革新が進むことから、競争力の維持のためにも、専門的な知識・技能をもった研究開発のための優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、計画どおりの人材の確保が行えず、あるいは当社グループの人材が社外に流出する可能性は否定できません。仮にこのような状況になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)知的財産権について 研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業では、特許その他の知的財産権の確保は非常に重要であると認識しております。競合他社を排除するため、当社グループは、自社の技術を特許で保護しております。当社グループは今後も研究開発を進めていくにあたって、特許出願を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が何らかの理由で無効となったり、期間満了等により消滅した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競争が繰り広げられており、当社グループが当社グループの技術を特許権により保護したとしても、当社グループの研究開発を超える優れた開発力により、当社グループの特許技術が淘汰される可能性は常に存在していると考えております。仮にそのような研究開発が他者によりなされた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループは今後の事業展開の中で、有望な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。また、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)製造物責任のリスクについて 当社グループが取り扱うすべての製品・商品について製造物責任賠償のリスクが内在しております。特に、医薬品、医療機器、再生医療等製品、食品、研究用製品、臨床試験に使用される治験薬、特定細胞加工物については、健康障害を引き起こしたり、臨床試験、製造、販売において瑕疵が発見された場合には、製造物責任を負い、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これらの製品・商品に何らかの問題が発生した場合には、人体への影響、被害を考慮して自主回収を行うことがあり、その場合には回収に時間および多大の費用を要する可能性があります。 (12)法的規制について バイオ産業支援事業における研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)等の関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、同法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大等にともない、将来、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合等においては、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が開発中の遺伝子治療薬は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に関する法律、カルタヘナ法等関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。これらの関連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。当社グループが遺伝子医療事業で研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。(13)訴訟等のリスクについて 有価証券報告書提出日現在において、当社グループの事業に関連して、第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。ただし、当社グループは広範にわたる研究開発活動、事業展開および提携を行っているため、今後とも何らかの問題が発生しないという保証はありません。当社グループでは、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めておりますが、当社グループ各社に対して訴訟を提起される可能性があり、訴訟が提起されたこと自体や訴訟の結果によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは、知的財産権に関する訴訟を未然に防ぐため、事業展開にあたっては特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社グループの製品等が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であると考えており、かかる知的財産権侵害問題が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティの支払請求等を受ける可能性があり、その結果として当該事業の展開に影響を及ぼしたり、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループの取引先やライセンサーが紛争に巻き込まれた場合には、当社グループが該当する製品を販売することが出来なくなったり、訴訟に巻き込まれる可能性があります。このような場合、解決に時間および多大の費用を要する可能性があり、場合によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)固定資産の減損について 当社グループでは、事業の用に供するさまざまな有形固定資産・企業買収にともなうのれん、技術資産等の無形固定資産を有しておりますが、事業環境の急激な変化にともなう生産設備の遊休化や稼働率の低下・買収事業の推移が当初計画を下回ること等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)為替レートの変動について 当社グループがおこなう外貨建取引から生ずる費用・収益および外貨建債権・債務の円換算額は、為替レートの変動リスクに晒されております。このため、当社グループでは、為替予約等を行い、為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、完全に回避できるものではありません。 また、在外連結子会社の外貨建財務諸表における売上、費用、資産等の項目は、連結財務諸表の作成のために、円換算しておりますが、為替レートの変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア等においても、研究開発、生産、販売等の事業活動を展開しております。これらの国または地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、移転価格税制等の国際税務問題、地震等の自然災害等の事象が発生した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (17)自然災害について 暴風、地震、落雷、洪水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めておりますが、このような災害による物的・人的被害により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|10,045 文字
2【事業等のリスク】 以下において、当社グループの事業展開上その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しないと思われる事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また、以下の記載は当社グループに関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。 なお、本項中の記載内容については、特に断りがない限り当連結会計年度末現在の事項であり、将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 また、文中において、適宜用語の解説をしておりますが、当該用語解説は、投資者に本項の記載内容をご理解いただくための参考として、当社の判断と理解に基づき、当社が作成したものであります。(1)研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は多岐にわたり、遺伝子治療や細胞医療等の医療分野、基礎研究や創薬等を目的とした大学、公的研究機関や企業の研究部門を直接のターゲット市場とする研究支援分野、その他、環境・エネルギー分野、バイオインフォマティクスと呼ばれる情報分野、アグリバイオや健康食品をはじめとした食品分野まで多岐に渡ります。 このような状況の中、当社グループにおいても広範囲にわたる研究開発活動を行っており、競争優位性を維持していくためにも、研究開発活動は非常に重要であると考えております。実際、当社グループの当連結会計年度における研究開発費は4,653百万円で、売上高に対する割合は14.4%と非常に大きいと認識しております。しかしながら、研究開発活動は計画どおりに進む保証はなく、特に当社グループの遺伝子医療事業における臨床開発については長期間を要しますので、十分な研究開発活動の成果が適時にあがる保証はないことから、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果当社グループが計画する収益をあげられない可能性があります。(2)製造に関する依存について 当社グループの当連結会計年度における売上高の68.7%を占める主力の研究用試薬を、中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司でそのほとんどを生産しております。当社グループでは生産拠点の集約により、価格競争力の強い製品の製造を実現しており、また、当社グループの規模では製造拠点の分散化は得策ではないと考えておりますが、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3)長期前払費用について 当社グループの事業展開の性質上、他者が保有する特許に関し特許実施許諾契約を締結することは重要な戦略と位置づけております。この場合、契約一時金等を支払うことが一般的でありますが、当該支出については支出時に長期前払費用として資産計上し、契約期間等に基づき毎期規則的に費用処理しております。また、特許実施許諾契約に基づき利用する技術について当社グループでの利用状況、バイオテクノロジーの進展に伴う陳腐化等を勘案し、決算期ごとに資産性の有無を検討し、資産性に疑義が生じた場合には当該長期前払費用について一時に費用処理することとしております。 従いまして、今後特許実施許諾契約等の締結等により長期前払費用は増加する可能性がありますが、当社グループでの利用状況、バイオテクノロジーの進展状況によっては、多額の費用処理が発生する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(4)競合について 当社グループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンス、保有技術の幅広いラインナップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。しかしながら、日本国内のみならず海外においても数々の同業社との競合状態にあるとも認識しております。 バイオ産業支援事業においては、試薬や理化学機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合、参入は比較的容易であり、多数の競合企業が存在しております。 遺伝子医療事業においては、技術的進展により安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られはじめています。実際に大きな市場が望めるようになったことから、欧米の大手製薬会社やベンチャー企業を含め多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組み始めております。 医食品バイオ事業においては、健康食品ブームでもあり、その急拡大している市場を目指し、食品企業のみならず製薬企業まで多数の企業が参入しており、競合が激化しております。 このような環境の中、当社は、当社グループ独自もしくは大学等の外部団体と協力して、技術や製品を開発し、可能な限り知的財産化することにより、独占化あるいは差異化をはかっておりますが、このような開発戦略が必ずしも成功するとは限らず、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(5)当社の親会社について 平成30年3月31日現在、宝ホールディングス株式会社(東証一部)は、当社議決権の60.92%を所有する親会社であります。当社と同社との関係は以下のとおりであります。① 宝ホールディングス㈱グループ(同社および同社の関係会社)における当社の位置づけ 寳酒造株式会社(現宝ホールディングス株式会社)は、平成14年2月15日開催の臨時株主総会における、同社が営む酒類・食品事業およびバイオ事業の各々の事業特性を最大限に発揮し、それぞれの成長力と競争力を高める事業環境を整えることを目的とした、酒類・食品部門およびバイオ部門の営業に関する分割計画書の承認決議に基づき、物的分割の方法により同社の100%子会社(設立以降に当社が実施した第三者割当増資および公募増資等により、親会社の当社議決権所有比率は60.92%になっております。)として、平成14年4月1日に宝酒造株式会社および当社を設立いたしました。 宝ホールディングス㈱グループは、純粋持株会社である宝ホールディングス株式会社および同社の関係会社65社(子会社63社、関連会社2社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)11社とともにバイオ事業を推進しております。② 宝ホールディングス㈱グループにおける食品事業について 平成18年9月7日付で、宝ホールディングス株式会社の100%子会社としてグループ内の健康食品の販売を専門に扱う宝ヘルスケア株式会社が設立されました。当社は、同社の設立を受けて、平成18年10月1日付で同社を当社の健康食品の販売代理店といたしました。これにより、当社の健康食品の販売は、同社を通じて行っておりましたが、平成28年4月からは、製造および研究開発の委託・受託方式に取引形態を変更しております。平成30年3月期における同社との取引金額は688百万円であります。③ 宝ホールディングス株式会社のグループ会社管理について 宝ホールディングス株式会社は、連結経営管理の観点から「グループ会社管理規程」を定め運用しておりますが、その目的はグループ各社の独自性・自立性を維持しつつ、グループ全体の企業価値の最大化をはかることにあります。当社も同規程の適用を受けており、当社取締役会において決議された事項等を報告しておりますが、取締役会決議事項の事前承認等は求められておらず、当社が独自に事業運営を行っております。 また、同社はグループ内に各種会議体を設けておりますが、当社に関するものは下記のとおりであります。会議名称出席者内容開催頻度グループ戦略会議宝ホールディングス㈱役員、相談役および執行役員当社取締役および執行役員宝酒造㈱取締役および執行役員宝酒造インターナショナル㈱取締役および執行役員グループ全体に関わる事項の確認原則として2か月に1回タカラバイオ連絡会議宝ホールディングス㈱役員当社取締役および執行役員当社活動状況等の報告原則として1か月に1回 上記の各種会議体は、グループ各社間の報告を目的としているものであって、現状において当社の自主性・独立性を妨げるものではありません。 また、有価証券報告書提出日現在、同社と当社との間には下記のとおり役員の兼務関係があります。氏名当社での役職宝ホールディングス㈱での役職大宮 久取締役会長代表取締役会長仲尾 功一代表取締役社長取締役 上記の兼務関係は、大宮 久氏は、当社設立以前において、寳酒造株式会社の取締役としてバイオ部門の経営にも従事して培った経験・知識が当社にとって有用であるとの判断から当社が招聘したことにより、仲尾 功一氏は、宝ホールディングス株式会社の持株会社体制における連結経営上の考えから同社に招聘されたことにより、それぞれ発生しており、宝ホールディングス株式会社が当社を支配することを目的としているものではありません。 なお、現時点においては想定しておりませんが、同社のグループ会社管理の方針に変更が生じた場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。④ 宝ホールディングス㈱グループとの取引について1)営業拠点に関する不動産賃貸借取引について 当社は、平成14年4月1日付で寳酒造株式会社(現宝ホールディングス株式会社)が物的分割の方法により会社分割し設立されました経緯から、寳酒造株式会社の工場、営業所、社宅等の不動産の大部分は、宝酒造株式会社および当社へ移転されました。従来は、一つの拠点に酒類・食品事業とバイオ事業がともに展開されておりましたので、移転にともない、宝酒造株式会社との間に不動産賃貸借取引が発生しております。当該賃貸借取引のうち、当社が賃借している営業拠点については以下のとおりであり、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社が代替地を確保するまでの期間における収入、移転費用等において当社の経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。物件使用目的貸主取引金額平成30年3月期、百万円)取引条件等宝明治安田ビル6階および地階(東京都中央区)当社東京支店宝酒造㈱13面積:140.85㎡契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地・建物時価等 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。2.取引条件および取引条件の決定方針等不動産鑑定士による鑑定評価に基づき、協議のうえ決定しております。2)商標権使用に関する取引について 当社が使用する商標のうち一部の商標について、宝ホールディングス株式会社が所有・管理しているものがあり、当該商標については、同社との間で商標使用許諾契約を結び、使用許諾件数に応じて1商標1国1区分当たり月額固定金額を支払うこととしております。平成30年3月31日現在で、国内海外あわせて登録商標85件および未登録商標1件の使用許諾を受けております。 なお、何らかの事情により宝ホールディングス株式会社から商標の使用許諾を受けられなくなった場合には、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額(平成30年3月期、百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱ (京都市 下京区)商標権の使用許諾8契約形態:商標使用許諾契約(平成16年3月29日付締結)使用料算出根拠:商標権の出願、登録および今後も含めての維持・管理費用1商標1国1区分の使用料月額:登録商標8,500円、未登録商標1,700円(いずれも消費税等別) (注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。3)コンピュータ関係業務の委託等に関する取引について 当社は、宝ホールディングス株式会社との間で、コンピュータ関係業務の委託ならびに機器の賃貸借契約を締結しております。 なお、何らかの事情によりこれらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額(平成30年3月期、百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱ (京都市 下京区)コンピュータ関係業務の委託および機器の賃借等333契約形態:業務の委託並びに機器の賃貸借に関する基本契約業務の内容:勘定系システム運用支援、クライアントサーバーシステム運用支援、パソコンの賃借、消耗品の購入、その他 (注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。4)その他 宝ヘルスケア株式会社とは、健康食品に関する製造・研究開発の委受託契約および知的財産の実施・使用許諾契約を締結しております。 このほか、宝ホールディングス㈱グループ各社(当社グループ各社を除く)とは、発注ベースでの包装資材等の購入等があります。 なお、何らかの事情によりこれらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(6)資金調達の実施について 新規事業の立ち上げや事業規模の拡大により、研究開発費、設備投資、投融資、運転資金等の資金需要の増加が予想されますので、今後も有償増資等による資金調達の可能性があります。ただし、資金調達が計画どおりに進まない場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(7)資金使途について バイオテクノロジー業界において当社グループを取り巻く経営環境の変化は激しく、新たな技術革新や新規参入者等により当社グループの事業環境に大きな影響を受ける可能性があることから、公募増資等で調達した資金の使途として計画している設備投資および研究開発投資から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(8)経営上の重要な契約等について 当社グループの事業展開上、重要と思われる契約の概要は「4 経営上の重要な契約等」に記載しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループにとって不利な改定が行われた場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(9)人材の確保について 当社グループは研究開発型の企業であり、また、バイオテクノロジー業界は日進月歩で技術革新が進むことから、競争力の維持のためにも、専門的な知識・技能をもった研究開発のための優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、計画どおりの人材の確保が行えず、あるいは当社グループの人材が社外に流出する可能性は否定できません。仮にこのような状況になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(10)知的財産権について 研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業では、特許その他の知的財産権の確保は非常に重要であると認識しております。競合他社を排除するため、当社グループは、自社の技術を特許で保護しております。当社グループは今後も研究開発を進めていくにあたって、特許出願を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が何らかの理由で無効となったり、期間満了等により消滅した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競争が繰り広げられており、当社グループが当社グループの技術を特許権により保護したとしても、当社グループの研究開発を超える優れた開発力により、当社グループの特許技術が淘汰される可能性は常に存在していると考えております。仮にそのような研究開発が他者によりなされた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループは今後の事業展開の中で、有望な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。さらに、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(11)製造物責任のリスクについて 当社グループが取り扱うすべての製品・商品について製造物責任賠償のリスクが内在しております。特に、医薬品、医療機器、再生医療等製品、食品、研究用製品、臨床試験に使用される試薬ならびに細胞製剤および遺伝子治療用製剤、特定細胞加工物については、健康障害を引き起こしたり、臨床試験、製造、販売において瑕疵が発見された場合には、製造物責任を負い、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これらの製品・商品に何らかの問題が発生した場合には、人体への影響、被害を考慮して自主回収を行うことがあり、その場合には回収に時間および多大の費用を要する可能性があります。(12)法的規制について① バイオ産業支援事業および遺伝子医療事業 バイオ産業支援事業における研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)等の関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、医薬品医療機器等法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大等にともない、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合等においては、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社がその開発をめざす遺伝子治療や細胞医療の商業化は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に関する法律、カルタヘナ法等関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。これらの関連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。当社グループが遺伝子医療事業で研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。 ② 医食品バイオ事業 当社グループの健康食品事業においては、食品衛生法に基づいた営業施設の整備、器具・容器包装の管理やその他の製造工程および販売等の管理運営を行っております。当社グループは、食品衛生法を遵守し、食品衛生管理には万全の注意を払っておりますが、食品衛生問題は食品を扱う会社にとって不可避の問題であり、今後も食品衛生管理体制の強化をはかっていく方針でありますが、これらに関する問題が発生した場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 健康食品の販売は、平成18年10月より宝ヘルスケア株式会社(宝ホールディングス株式会社の100%子会社)を通じて行っております。当社および宝ヘルスケア株式会社は、健康食品および機能性食品素材原料の販売に際して、特定商取引に関する法律に基づいた販売方法、食品表示法、JAS法、医薬品医療機器等法、健康増進法や景品表示法等を遵守し、表示や広告について適切に対応していくよう努めておりますが、一般的に健康食品の性質上、いわゆる表示義務違反となる可能性は完全に否定しがたく、そのような場合には当社グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(13)訴訟等のリスクについて 有価証券報告書提出日現在において、当社グループの事業に関連して、第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。ただし、当社グループは広範にわたる研究開発活動、事業展開および提携を行っているため、今後とも何らかの問題が発生しないという保証はありません。当社グループでは、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めておりますが、当社グループ各社に対して訴訟を提起される可能性があり、訴訟が提起されたこと自体や訴訟の結果によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは、知的財産権に関する訴訟を未然に防ぐため、事業展開にあたっては特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社グループの製品等が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であると考えており、かかる知的財産権侵害問題が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティの支払請求等を受ける可能性があり、その結果として当該事業の展開に影響を及ぼしたり、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループの取引先やライセンサーが紛争に巻き込まれた場合には、当社グループが該当する製品を販売することが出来なくなったり、訴訟に巻き込まれる可能性があります。このような場合、解決に時間および多大の費用を要する可能性があり、場合によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(14)固定資産の減損について 当社グループでは、事業の用に供するさまざまな有形固定資産・企業買収にともなうのれん、技術資産等の無形固定資産を有しておりますが、事業環境の急激な変化にともなう生産設備の遊休化や稼働率の低下・買収事業の推移が当初計画を下回ること等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(15)為替レートの変動について 当社グループがおこなう外貨建取引から生ずる費用・収益および外貨建債権・債務の円換算額は、為替レートの変動リスクに晒されております。このため、当社グループでは、為替予約等を行い、為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、完全に回避できるものではありません。 また、在外連結子会社の外貨建財務諸表における売上、費用、資産等の項目は、連結財務諸表の作成のために、円換算しておりますが、為替レートの変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(16)海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア等においても、研究開発、生産、販売等の事業活動を展開しております。これらの国または地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、移転価格税制等の国際税務問題、地震等の自然災害等の事象が発生した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(17)自然災害について 暴風、地震、落雷、洪水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めておりますが、このような災害による物的・人的被害により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|10,259 文字
4【事業等のリスク】 以下において、当社グループの事業展開上その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しないと思われる事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また、以下の記載は当社グループに関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。 なお、本項中の記載内容については、特に断りがない限り当連結会計年度末現在の事項であり、将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 また、文中において、適宜用語の解説をしておりますが、当該用語解説は、投資者に本項の記載内容をご理解いただくための参考として、当社の判断と理解に基づき、当社が作成したものであります。(1)研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は多岐にわたり、遺伝子治療や細胞医療などの医療分野、基礎研究や創薬などを目的とした研究機関や大学を直接のターゲット市場とする研究支援分野、バイオレメディエーション・バイオマスといった環境・エネルギー分野、バイオインフォマティクスと呼ばれる情報分野、アグリバイオや健康食品をはじめとした食品分野を挙げることができます。 このような状況の中、当社グループにおいても広範囲にわたる研究開発活動を行っており、競争優位性を維持していくためにも、研究開発活動は非常に重要であると考えております。実際、当社グループの当連結会計年度における研究開発費は4,101百万円で、売上高に対する割合は14.0%と非常に大きいと認識しております。しかしながら、研究開発活動は計画どおりに進む保証はなく、特に当社グループの遺伝子医療事業における臨床開発については長期間を要しますので、十分な研究開発活動の成果が適時にあがる保証はないことから、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果当社グループが計画する収益をあげられない可能性があります。(2)製造に関する依存について 当社グループの当連結会計年度における売上高の66.2%を占める主力の研究用試薬を、中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司でその殆どを生産しております。当社グループでは生産拠点の集約により、価格競争力の強い製品の製造を実現しており、また、当社グループの規模では製造拠点の分散化は得策ではないと考えておりますが、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止などにより、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3)長期前払費用について 当社グループの事業展開の性質上、他者が保有する特許に関し特許実施許諾契約を締結することは重要な戦略と位置づけております。この場合、契約一時金およびマイルストーンに基づき一定の金額を支払うことが一般的でありますが、当該支出については支出時に長期前払費用として資産計上し、契約期間等に基づき毎期規則的に費用処理しております。また、特許実施許諾契約に基づき利用する技術について当社グループでの利用状況、バイオテクノロジーの進展に伴う陳腐化等を勘案し、決算期ごとに資産性の有無を検討し、資産性に疑義が生じた場合には当該長期前払費用について一時に費用処理することとしております。 従いまして、今後特許実施許諾契約等の締結およびその後のマイルストーンに基づく支払等により長期前払費用は増加する可能性がありますが、当社グループでの利用状況、バイオテクノロジーの進展状況によっては、多額の費用処理が発生する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(4)競合について 当社グループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンス、保有技術の幅広いラインナップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。しかしながら、日本国内のみならず海外においても数々の同業社との競合状態にあるとも認識しております。 バイオ産業支援事業においては、当社のリアルタイムPCR(Polymerase Chain Reaction)法に関するライセンス契約は非独占的でありライセンスを保持している企業は多数あるため、競争はますます激化しております。また、理化学機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としないことから参入は比較的容易であり、多数の競合企業が存在しております。 遺伝子医療事業においては、様々な遺伝子導入法や効率的なベクターが開発されてきており、遺伝子治療の対象疾患も先天性遺伝病、感染症、種々のがんから、致死的でない慢性疾患にまで広がり、大きな市場が望めるようになったことから、欧米の大手製薬会社やベンチャー企業を含め多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組み始めております。 医食品バイオ事業においては、健康食品ブームでもあり、その急拡大している市場を目指し、食品企業のみならず製薬企業まで多数の企業が参入しており、競合が激化しております。このような環境の中、当社は、当社グループ自らが発見し、その科学的根拠を明確にした機能性食品素材を開発することにより差異化をはかっておりますが、このような開発戦略が必ずしも成功するとは限らず、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(5)当社の親会社について 平成29年3月31日現在、宝ホールディングス株式会社(東証一部)は、当社議決権の60.92%を所有する親会社であります。当社と同社との関係は以下のとおりであります。① 宝ホールディングス㈱グループ(同社および同社の関係会社)における当社の位置づけ 寳酒造株式会社(現 宝ホールディングス株式会社)は、平成14年2月15日開催の臨時株主総会における、同社が営む酒類・食品事業およびバイオ事業の各々の事業特性を最大限に発揮し、それぞれの成長力と競争力を高める事業環境を整えることを目的とした、酒類・食品部門およびバイオ部門の営業に関する分割計画書の承認決議に基づき、物的分割の方法により同社の100%子会社(設立以降に当社が実施した第三者割当増資および公募増資等により、親会社の当社議決権所有比率は60.92%になっております。)として、平成14年4月1日に宝酒造株式会社および当社を設立いたしました。 宝ホールディングス㈱グループは、純粋持株会社である宝ホールディングス株式会社および同社の関係会社65社(子会社62社、関連会社3社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)11社とともにバイオ事業を推進しております。② 宝ホールディングス㈱グループにおける食品事業について 平成18年9月7日付で、宝ホールディングス株式会社の100%子会社としてグループ内の健康食品の販売を専門に扱う宝ヘルスケア株式会社が設立されました。当社は、同社の設立を受けて、平成18年10月1日付で同社を当社の健康食品の販売代理店といたしました。これにより、当社の健康食品の販売は、同社を通じて行っておりましたが、平成28年4月からは、製造および研究開発の委託・受託方式に取引形態を変更しております。平成29年3月期における同社との取引金額は845百万円であります。③ 宝ホールディングス株式会社のグループ会社管理について 宝ホールディングス株式会社は、連結経営管理の観点から「グループ会社管理規程」を定め運用しておりますが、その目的はグループ各社の独自性・自立性を維持しつつ、グループ全体の企業価値の最大化をはかることにあります。当社も同規程の適用を受けており、当社取締役会において決議された事項等を報告しておりますが、取締役会決議事項の事前承認等は求められておらず、当社が独自に事業運営を行っております。 また、同社はグループ内に各種会議体を設けておりますが、当社に関するものは下記のとおりであります。会議名称出席者内容開催頻度グループ戦略会議宝ホールディングス㈱役員当社代表取締役宝酒造㈱代表取締役グループ全体に関わる事項の確認原則として2か月に1回タカラバイオ連絡会議宝ホールディングス㈱役員当社取締役および執行役員当社活動状況等の報告原則として1か月に1回 上記の各種会議体は、グループ各社間の報告を目的としているものであって、現状において当社の自主性・独立性を妨げるものではありません。 また、有価証券報告書提出日現在、同社と当社との間には下記のとおり役員の兼務関係があります。氏名当社での役職宝ホールディングス㈱での役職大宮 久取締役会長代表取締役会長仲尾 功一代表取締役社長取締役 上記の兼務関係は、大宮久氏は、当社設立以前において、寳酒造株式会社の取締役としてバイオ部門の経営にも従事して培った経験・知識が当社にとって有用であるとの判断から当社が招聘したことにより、仲尾功一氏は、宝ホールディングス株式会社の持株会社体制における連結経営上の考えから同社に招聘されたことにより、それぞれ発生しており、宝ホールディングス株式会社が当社を支配することを目的としているものではありません。 なお、現時点においては想定しておりませんが、同社のグループ会社管理の方針に変更が生じた場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。④ 宝ホールディングス㈱グループとの取引について1)営業拠点に関する不動産賃貸借取引について 当社は、平成14年4月1日付で寳酒造株式会社(現 宝ホールディングス株式会社)が物的分割の方法により会社分割し設立されました経緯から、寳酒造株式会社の工場、営業所、社宅等の不動産の大部分は、宝酒造株式会社および当社へ移転されました。従来は、一つの拠点に酒類・食品事業とバイオ事業がともに展開されておりましたので、移転に伴い、宝酒造株式会社との間に不動産賃貸借取引が発生しております。当該賃貸借取引のうち、当社が賃借している営業拠点については以下のとおりであり、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社が代替地を確保するまでの期間における収入、移転費用等において当社の経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。物件使用目的貸主取引金額(平成29年3月期、百万円)取引条件等宝明治安田ビル6階および地階(東京都中央区)当社東京支店宝酒造㈱13面積:140.85㎡契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地・建物時価等 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。2.取引条件および取引条件の決定方針等不動産鑑定士による鑑定評価に基づき、協議のうえ決定しております。2)商標権使用に関する取引について 当社が使用する商標のうち一部の商標について、宝ホールディングス株式会社が所有・管理しているものがあり、当該商標については、同社との間で商標使用許諾契約を結び、使用許諾件数に応じて1商標1国1区分当たり月額固定金額を支払うこととしております。平成29年3月31日現在で、国内海外あわせて登録商標83件および未登録商標1件の使用許諾を受けております。 なお、何らかの事情により宝ホールディングス株式会社から商標の使用許諾を受けられなくなった場合には、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額(平成29年3月期、百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)商標権の使用許諾8契約形態:商標使用許諾契約(平成16年3月29日付締結)使用料算出根拠:商標権の出願、登録および今後も含めての維持・管理費用1商標1国1区分の使用料月額:登録商標8,500円、未登録商標1,700円(いずれも消費税等別) 3)コンピュータ関係業務の委託等に関する取引について 当社は、宝ホールディングス株式会社との間で、コンピュータ関係業務の委託ならびに機器の賃貸借契約を締結しております。 なお、何らかの事情によりこれらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響をおよぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額(平成29年3月期、百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)コンピュータ関係業務の委託および機器の賃借等336契約形態:業務の委託並びに機器の賃貸借に関する基本契約業務の内容:勘定系システム運用支援、クライアントサーバーシステム運用支援、パソコンの賃借、消耗品の購入、その他 (注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。4)その他 宝ヘルスケア株式会社とは、健康食品に関する製造・研究開発の委受託契約および知的財産の実施・使用許諾契約を締結しております。 このほか、宝ホールディングス㈱グループ各社(当社グループ各社を除く)とは、発注ベースでの包装資材等の購入ならびに人材派遣契約取引等があります。 なお、何らかの事情によりこれらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響をおよぼす可能性があります。(6)資金調達の実施について 新規事業の立ち上げや事業規模の拡大により、研究開発費、設備投資、投融資、運転資金等の資金需要の増加が予想されますので、今後も有償増資等による資金調達の可能性があります。ただし、資金調達が計画どおりに進まない場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(7)資金使途について バイオテクノロジー業界において当社グループを取り巻く経営環境の変化は激しく、新たな技術革新や新規参入者等により当社グループの事業環境に大きな影響を受ける可能性があることから、公募増資等で調達した資金の使途として計画している設備投資および研究開発投資から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(8)経営上の重要な契約等について 当社グループの事業展開上、重要と思われる契約の概要は「5 経営上の重要な契約等」に記載しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループにとって不利な改定が行われた場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(9)人材の確保について 当社グループは研究開発型の企業であり、また、バイオテクノロジー業界は日進月歩で技術革新が進むことから、競争力の維持のためにも、専門的な知識・技能をもった研究開発のための優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、計画どおりの人材の確保が行えず、あるいは当社グループの人材が社外に流出する可能性は否定できません。仮にこのような状況になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(10)知的財産権について 研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業では、特許その他の知的財産権の確保は非常に重要であると認識しております。競合他社を排除するため、当社グループは、自社の技術を特許で保護しております。当社グループは今後も研究開発を進めていくにあたって、特許出願を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が何らかの理由で無効となったり、期間満了などにより消滅した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競争が繰り広げられており、当社グループが当社グループの技術を特許権により保護したとしても、当社グループの研究開発を超える優れた開発力により、当社グループの特許技術が淘汰される可能性は常に存在していると考えております。仮にそのような研究開発が他者によりなされた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループは今後の事業展開の中で、有望な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。さらに、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)製造物責任のリスクについて 当社グループが取り扱うすべての製品・商品について製造物責任賠償のリスクが内在しております。特に、医薬品、医療機器、再生医療等製品、食品、研究用製品、臨床試験に使用される試薬ならびに細胞製剤および遺伝子治療用製剤、医師の指導下で調製した細胞製剤については、健康障害を引き起こしたり、臨床試験、製造、販売において瑕疵が発見された場合には、製造物責任を負い、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これら製品・商品に何らかの問題が発生した場合には、人体への影響、被害を考慮して自主回収を行うことがあり、その場合には回収に時間および多大の費用を要する可能性があります。(12)法的規制について① バイオ産業支援事業および遺伝子医療事業 バイオ産業支援事業における研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)などの関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法など関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、医薬品医療機器等法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大などに伴い、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合などにおいては、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社がその開発をめざす遺伝子治療や細胞医療の商業化は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に関する法律、カルタヘナ法など関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。これらの関連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。当社グループが遺伝子医療事業で研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。② 医食品バイオ事業 当社グループの健康食品事業においては、食品衛生法に基づいた営業施設の整備、器具・容器包装の管理やその他の製造工程および販売などの管理運営を行っております。当社グループは、食品衛生法を遵守し、食品衛生管理には万全の注意を払っておりますが、食品衛生問題は食品を扱う会社にとって不可避の問題であり、今後も食品衛生管理体制の強化をはかっていく方針でありますが、これらに関する問題が発生した場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 健康食品の販売は、平成18年10月より宝ヘルスケア株式会社(宝ホールディングス株式会社の100%子会社)を通じて行っております。当社および宝ヘルスケア株式会社は、健康食品および機能性食品素材原料の販売に際して、特定商取引に関する法律に基づいた販売方法、食品表示法、JAS法、医薬品医療機器等法、健康増進法や景品表示法等を遵守し、表示や広告について適切に対応していくよう努めておりますが、一般的に健康食品の性質上、いわゆる表示義務違反となる可能性は完全に否定しがたく、そのような場合には当社グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(13)訴訟等のリスクについて 有価証券報告書提出日現在において、当社グループの事業に関連して、第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。ただし、当社グループは広範にわたる研究開発活動、事業展開および提携を行っているため、今後とも何らかの問題が発生しないという保証はありません。当社グループでは、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めておりますが、当社グループ各社に対して訴訟を提起される可能性があり、訴訟が提起されたこと自体や訴訟の結果によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは、知的財産権に関する訴訟を未然に防ぐため、事業展開にあたっては特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社グループの製品等が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であると考えており、かかる知的財産権侵害問題が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティの支払請求等を受ける可能性があり、その結果として当該事業の展開に影響を及ぼしたり、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループの取引先やライセンサーが紛争に巻き込まれた場合には、当社グループが該当する製品を販売することが出来なくなったり、訴訟に巻き込まれる可能性があります。このような場合、解決に時間および多大の費用を要する可能性があり、場合によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(14)Takara Bio USA, Inc.(以下、TBUSA社)にかかる無形固定資産について TBUSA社が計上した商標権については、FASB会計基準コディフィケーショントピック350「無形資産-のれん及びその他」に基づき、償却を行わず、年1回および減損の可能性を示す事象が発生した時点で、減損の有無について判定を行っております。 現時点では減損は生じておりませんが、将来において、判定の結果減損が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、TBUSA社が計上したのれんにつきましては、「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」(実務対応報告第18号 平成27年3月26日)を適用し、20年間の定額法により償却を行っております。(15)為替レートの変動について 当社グループがおこなう外貨建取引から生ずる費用・収益及び外貨建債権・債務の円換算額は、為替レートの変動リスクに晒されております。このため、当社グループでは、為替予約等を行い、為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、完全に回避できるものではありません。 また、在外連結子会社の外貨建財務諸表における売上、費用、資産等の項目は、連結財務諸表の作成のために、円換算しておりますが、為替レートの変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(16)海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジアなどにおいても、研究開発、生産、販売などの事業活動を展開しております。これらの国または地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、移転価格税制等の国際税務問題、地震などの自然災害等の事象が発生した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(17)自然災害について 暴風、地震、落雷、洪水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めておりますが、このような災害による物的・人的被害により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|10,268 文字
4【事業等のリスク】 以下において、当社グループの事業展開上その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しないと思われる事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また、以下の記載は当社グループに関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。 なお、本項中の記載内容については、特に断りがない限り当連結会計年度末現在の事項であり、将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 また、文中において、適宜用語の解説をしておりますが、当該用語解説は、投資者に本項の記載内容をご理解いただくための参考として、当社の判断と理解に基づき、当社が作成したものにすぎません。(1)研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は多岐にわたり、遺伝子治療や細胞医療などの医療分野、基礎研究や創薬などを目的とした研究機関や大学を直接のターゲット市場とする研究支援分野、バイオレメディエーション・バイオマスといった環境・エネルギー分野、バイオインフォマティクスと呼ばれる情報分野、アグリバイオや健康食品をはじめとした食品分野を挙げることができます。 このような状況の中、当社グループにおいても広範囲にわたる研究開発活動を行っており、競争優位性を維持していくためにも、研究開発活動は非常に重要であると考えております。実際、当社グループの当連結会計年度における研究開発費は4,275百万円で、売上高に対する割合は14.4%と非常に大きいと認識しております。しかしながら、研究開発活動は計画どおりに進む保証はなく、特に当社グループの遺伝子医療事業における臨床開発については長期間を要しますので、十分な研究開発活動の成果が適時にあがる保証はないことから、研究開発活動の遅延により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果当社グループが計画する収益をあげられない可能性があります。(2)製造に関する依存について 当社グループの当連結会計年度における売上高の68.9%を占める主力の研究用試薬を、中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司でその殆どを生産しております。当社グループでは生産拠点の集約により、価格競争力の強い製品の製造を実現しており、また、当社グループの規模では製造拠点の分散化は得策ではないと考えておりますが、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止などにより、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3)長期前払費用について 当社グループの事業展開の性質上、他者が保有する特許に関し特許実施許諾契約を締結することは重要な戦略と位置づけております。この場合、契約一時金およびマイルストーンに基づき一定の金額を支払うことが一般的でありますが、当該支出については支出時に長期前払費用として資産計上し、契約期間等に基づき毎期規則的に費用処理しております。また、特許実施許諾契約に基づき利用する技術について当社グループでの利用状況、バイオテクノロジーの進展に伴う陳腐化等を勘案し、決算期ごとに資産性の有無を検討し、資産性に疑義が生じた場合には当該長期前払費用について一時に費用処理することとしております。 従いまして、今後特許実施許諾契約等の締結およびその後のマイルストーンに基づく支払等により長期前払費用は増加する可能性がありますが、当社グループでの利用状況、バイオテクノロジーの進展状況によっては、多額の費用処理が発生する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(4)競合について 当社グループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンス、保有技術の幅広いラインナップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。しかしながら、日本国内のみならず海外においても数々の同業社との競合状態にあるとも認識しております。 バイオ産業支援事業においては、当社のリアルタイムPCR(Polymerase Chain Reaction)法に関するライセンス契約は非独占的でありライセンスを保持している企業は多数あるため、競争はますます激化しております。また、理化学機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としないことから参入は比較的容易であり、多数の競合企業が存在しております。また、がん免疫細胞療法などの細胞医療に関しては、疾患治療の目的だけでなく患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を改善することから、市場性が期待でき参入が相次いでおります。 遺伝子医療事業においては、様々な遺伝子導入法や効率的なベクターが開発されてきており、遺伝子治療の対象疾患も先天性遺伝病・感染症・種々のがんから、致死的でない慢性疾患にまで広がり、大きな市場が望めるようになったことから、欧米の大手製薬会社やベンチャー企業を含め多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組み始めております。 医食品バイオ事業においては、健康食品ブームでもあり、その急拡大している市場を目指し、食品企業のみならず製薬企業まで多数の企業が参入しております。従来は、いわゆる表示義務の問題などから効能や効果の表現が限られておりましたが、平成27年より、「機能性表示食品制度」が実施されるようになりました。当社においても、本制度を利用した事業展開を進めるべく研究開発をはじめ各種活動を行っております。しかしながら、場合によっては本制度の活用が遅れ、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(5)当社の親会社について 平成28年3月31日現在、宝ホールディングス株式会社(東証一部)は、当社議決権の60.92%を所有する親会社であります。当社と同社との関係は以下のとおりであります。① 宝ホールディングス㈱グループ(同社および同社の関係会社)における当社の位置づけ 寳酒造株式会社(現 宝ホールディングス株式会社)は、平成14年2月15日開催の臨時株主総会における、同社が営む酒類・食品事業およびバイオ事業の各々の事業特性を最大限に発揮し、それぞれの成長力と競争力を高める事業環境を整えることを目的とした、酒類・食品部門およびバイオ部門の営業に関する分割計画書の承認決議に基づき、物的分割の方法により同社の100%子会社(設立以降に当社が実施した第三者割当増資および公募増資等により、親会社の当社議決権所有比率は60.92%になっております。)として、平成14年4月1日に宝酒造株式会社および当社を設立いたしました。 宝ホールディングス㈱グループは、純粋持株会社である宝ホールディングス株式会社および同社の関係会社48社(子会社45社、関連会社3社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)11社とともにバイオ事業を推進しております。② 宝ホールディングス㈱グループにおける食品事業について 平成18年9月7日付で、宝ホールディングス株式会社の100%子会社としてグループ内の健康食品の販売を専門に扱う宝ヘルスケア株式会社が設立されました。当社は、同社の設立を受けて、平成18年10月1日付で同社を当社の健康食品の販売代理店といたしました。これにより、当社の健康食品の販売は、同社を通じて行うこととなりました。平成28年3月期における同社との取引金額は905百万円であります。③ 宝ホールディングス株式会社のグループ会社管理について 宝ホールディングス株式会社は、連結経営管理の観点から「グループ会社管理規程」を定め運用しておりますが、その目的はグループ各社の独自性・自立性を維持しつつ、グループ全体の企業価値の最大化をはかることにあります。当社も同規程の適用を受けており、当社取締役会において決議された事項等を報告しておりますが、取締役会決議事項の事前承認等は求められておらず、当社が独自に事業運営を行っております。 また、同社はグループ内に各種会議体を設けておりますが、当社に関するものは下記のとおりであります。会議名称出席者内容開催頻度グループ戦略会議宝ホールディングス㈱役員当社代表取締役宝酒造㈱代表取締役グループ全体に関わる事項の確認原則として2か月に1回タカラバイオ連絡会議宝ホールディングス㈱役員当社役員および執行役員当社活動状況等の報告原則として1か月に1回 上記の各種会議体は、グループ各社間の報告を目的としているものであって、現状において当社の自主性・独立性を妨げるものではありません。 また、有価証券報告書提出日現在、同社と当社との間には下記のとおり役員の兼務関係があります。氏名当社での役職宝ホールディングス㈱での役職大宮 久取締役会長代表取締役会長仲尾 功一代表取締役社長取締役 上記の兼務関係は、大宮 久は、当社設立以前において、寳酒造株式会社の取締役としてバイオ部門の経営にも従事して培った経験・知識が当社にとって有用であるとの判断から当社が招聘したことにより、仲尾功一は、宝ホールディングス株式会社の持株会社体制における連結経営上の考えから同社に招聘されたことにより、それぞれ発生しており、宝ホールディングス株式会社が当社を支配することを目的としているものではありません。 なお、現時点においては想定しておりませんが、同社のグループ会社管理の方針に変更が生じた場合は、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。④ 宝ホールディングス㈱グループとの取引について1)営業拠点に関する不動産賃貸借取引について 当社は、平成14年4月1日付で寳酒造株式会社(現 宝ホールディングス株式会社)が物的分割の方法により会社分割し設立されました経緯から、寳酒造株式会社の工場、営業所、社宅等の不動産の大部分は、宝酒造株式会社および当社へ移転されました。従来は、一つの拠点に酒類・食品事業とバイオ事業がともに展開されておりましたので、移転に伴い、宝酒造株式会社との間に不動産賃貸借取引が発生しております。当該賃貸借取引のうち、当社が賃借している営業拠点については以下のとおりであり、これらの取引継続が困難な状況になった場合は、当社が代替地を確保するまでの期間における収入、移転費用等において当社の経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。物件使用目的貸主取引金額(平成28年3月期、百万円)取引条件等宝明治安田ビル6階および地階(東京都中央区)当社東京支店宝酒造㈱13面積:140.85㎡契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地・建物時価等 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。2.取引条件および取引条件の決定方針等不動産鑑定士による鑑定評価に基づき、協議のうえ決定しております。2)商標権使用に関する取引について 当社が使用する商標のうち一部の商標について、宝ホールディングス株式会社が所有・管理しているものがあり、当該商標については、同社との間で商標使用許諾契約を結び、使用許諾件数に応じて1商標1国1区分当たり月額固定金額を支払うことといたしております。平成28年3月31日現在で、国内海外あわせて登録商標68件および未登録商標23件の使用許諾を受けております。 なお、何らかの事情により宝ホールディングス株式会社から商標の使用許諾を受けられなくなった場合には、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。会社名(所在地)取引内容取引金額(平成28年3月期、百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)商標権の使用許諾8契約形態:商標使用許諾契約(平成16年3月29日付締結)使用料算出根拠:商標権の出願、登録および今後も含めての維持・管理費用1商標1国1区分の使用料月額:登録商標8,500円、未登録商標1,700円(いずれも消費税等別) 3)その他 宝ホールディングス㈱グループ各社(当社グループ各社を除く)とは、契約ベースで下記の取引があります。会社名(所在地)取引内容取引金額(平成28年3月期、百万円)取引条件等宝ホールディングス㈱(京都市下京区)コンピュータ関係業務の委託および機器の賃借等299契約形態:業務の委託並びに機器の賃貸借に関する基本契約業務の内容:勘定系システム運用支援、クライアントサーバーシステム運用支援、パソコンの賃借、消耗品の購入、その他宝酒造㈱(京都市伏見区)社宅の賃借1契約形態:賃貸借契約賃料算出根拠:土地建物時価等使用人の当社への出向8契約形態:従業員派遣契約 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。2.この他に、宝ホールディングス㈱グループの企業とは、印刷物の作成等の発注書、受注書等のやりとりによる発注ベースの取引があります。3.平成27年4月1日、宝ネットワークシステム㈱は宝ホールディングス㈱に吸収合併されました。(6)資金調達の実施について 新規事業の立ち上げや事業規模の拡大により、研究開発費、設備投資、投融資、運転資金等の資金需要の増加が予想されますので、今後も有償増資等による資金調達の可能性があります。ただし、資金調達が計画どおりに進まない場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(7)資金使途について バイオテクノロジー業界において当社グループを取り巻く経営環境の変化は激しく、新たな技術革新や新規参入者等により当社グループの事業環境に大きな影響を受ける可能性があることから、公募増資等で調達した資金の使途として計画している設備投資および研究開発投資から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(8)経営上の重要な契約等について 当社グループの事業展開上、重要と思われる契約の概要は「5 経営上の重要な契約等」に記載しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループにとって不利な改定が行われた場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(9)人材の確保について 当社グループは研究開発型の企業であり、また、バイオテクノロジー業界は日進月歩で技術革新が進むことから、競争力の維持のためにも、専門的な知識・技能をもった研究開発のための優秀な人材の確保は必須であると考えております。しかしながら、計画どおりの人材の確保が行えず、あるいは当社グループの人材が社外に流出する可能性は否定できません。仮にこのような状況になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(10)知的財産権について 研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業では、特許その他の知的財産権の確保は非常に重要であると認識しております。競合他社を排除するため、当社グループは、自社の技術を特許で保護しております。当社グループは今後も研究開発を進めていくにあたって、特許出願を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が何らかの理由で無効となったり、期間満了などにより消滅した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、バイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競争が繰り広げられており、当社グループが当社グループの技術を特許権により保護したとしても、当社グループの研究開発を超える優れた開発力により、当社グループの特許技術が淘汰される可能性は常に存在していると考えております。仮にそのような研究開発が他者によりなされた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは今後の事業展開の中で、有望な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。さらに、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(11)製造物責任のリスクについて 当社グループが取り扱うすべての製品・商品について製造物責任賠償のリスクが内在しております。特に、医薬品、医療機器、再生医療等製品、食品、研究用製品、臨床試験に使用される試薬ならびに細胞製剤および遺伝子治療用製剤、医師の指導下で調製した細胞製剤については、健康障害を引き起こしたり、臨床試験、製造、販売において瑕疵が発見された場合には、製造物責任を負い、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これら製品・商品に何らかの問題が発生した場合には、人体への影響、被害を考慮して自主回収を行うことがあり、その場合には回収に時間および多大の費用を要する可能性があります。(12)法的規制について① バイオ産業支援事業および遺伝子医療事業 バイオ産業支援事業における研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)などの関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法など関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、医薬品医療機器等法の適用および規制は受けておりません。 しかしながら、研究支援産業の拡大などに伴い、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合などにおいては、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社がその開発をめざす遺伝子治療や細胞医療の商業化は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に関する法律、カルタヘナ法など関連法規の規制を受けており、当社グループは当該法規制を遵守していく方針であります。これらの関連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。当社グループが遺伝子医療事業で研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。② 医食品バイオ事業 当社グループの健康食品事業においては、食品衛生法に基づいた営業施設の整備、器具・容器包装の管理やその他の製造工程および販売などの管理運営を行っております。当社グループは、食品衛生法を遵守し、食品衛生管理には万全の注意を払っておりますが、食品衛生問題は食品を扱う会社にとって不可避の問題であり、今後も食品衛生管理体制の強化をはかっていく方針でありますが、これらに関する問題が発生した場合は、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 健康食品の販売は、平成18年10月より宝ヘルスケア株式会社(宝ホールディングス株式会社の100%子会社)を通じて行っております。当社および宝ヘルスケア株式会社は、健康食品および機能性食品素材原料の販売に際して、特定商取引に関する法律に基づいた販売方法、食品表示法、JAS法、医薬品医療機器等法、健康増進法や景品表示法等を遵守し、表示や広告について適切に対応していくよう努めておりますが、一般的に健康食品の性質上、いわゆる表示義務違反となる可能性は完全に否定しがたく、そのような場合には当社グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(13)訴訟等のリスクについて 有価証券報告書提出日現在において、当社グループの事業に関連して、第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。ただし、当社グループは広範にわたる研究開発活動、事業展開および提携を行っているため、今後とも何らかの問題が発生しないという保証はありません。当社グループとしましても、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化に努めておりますが、当社グループ各社に対して訴訟を提起される可能性があり、訴訟が提起されたこと自体や訴訟の結果によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループといたしましては、知的財産権に関する訴訟を未然に防ぐため、事業展開にあたっては特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社グループの製品等が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であると考えており、かかる知的財産権侵害問題が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティの支払請求等を受ける可能性があり、その結果として当該事業の展開に影響を及ぼしたり、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの取引先や、ライセンサーが紛争に巻き込まれた場合には、当社グループが該当する製品を販売することが出来なくなったり、訴訟に巻き込まれる可能性があります。このような場合、解決に時間および多大の費用を要する可能性があり、場合によっては当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(14)Clontech Laboratories, Inc.にかかる無形固定資産について Clontech Laboratories, Inc.が計上した商標権については、FASB会計基準コディフィケーショントピック350「無形資産-のれん及びその他」に基づき、償却を行わず、年1回および減損の可能性を示す事象が発生した時点で、減損の有無について判定を行っております。 現時点では減損は生じておりませんが、将来において、判定の結果減損が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、Clontech Laboratories, Inc.が計上したのれんにつきましては、「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」(実務対応報告第18号 平成27年3月26日)を適用し、20年間の定額法により償却を行っております。(15)為替レートの変動について 当社グループがおこなう外貨建取引から生ずる費用・収益及び外貨建債権・債務の円換算額は、為替レートの変動リスクに晒されております。このため、当社グループでは、為替予約等を行い、為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、完全に回避できるものではありません。 また、在外連結子会社の外貨建財務諸表における売上、費用、資産等の項目は、連結財務諸表の作成のために、円換算しておりますが、為替レートの変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(16)海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジアなどにおいても、研究開発、生産、販売などの事業活動を展開しております。これらの国または地域における経済状況、政治および社会体制の著しい変化、移転価格税制等の国際税務問題、地震などの自然災害等の事象が発生した場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (17)自然災害について 暴風、地震、落雷、洪水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めておりますが、このような災害による物的・人的被害により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。