事業等のリスク
資生堂グループは、生活者の価値観の変化への対応、地政学的な問題、組織能力と組織風土、そして規制対応を特に強化すべきリスクとして認識しています。生活者の価値観の変化に対応できない場合、競合に機会を奪われる可能性があります。また、開発技術の陳腐化や薬事規制による使用不可、M&Aや共同事業の遅延もリスクです。これらのリスクは相互に関連しており、経営成績に影響を与える可能性があるため、全社的なリスクマネジメント体制を構築し、対応策を推進しています。
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FY2025|15,093 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼすリスクは以下のとおりであり、これらは投資家の判断にも影響を与える可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月23日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。 当社では、あらゆるステークホルダーとの信頼関係を築き、経営戦略の実現を一層確実なものとすることを主眼に置いてリスクマネジメントを推進しています。そのため、リスクを戦略実現に影響を与える不確実性と捉え、脅威だけでなく、機会も含めた概念として定義し、必要な体制を構築するとともに、積極的かつ迅速に対応策を推進しています。当社グループ全体に関わるリスクや個別案件に関わるリスクを特定し対応策等を審議する体制として、当社CEOを委員長とし各地域CEOおよびオフィサー等をメンバーとするGlobal Risk Management & Compliance CommitteeやGlobal Strategy Committeeを設置し、定期的に開催しています。また、リスクに関連する情報は、CLO(チーフリーガルオフィサー)傘下のリスクマネジメント部門に集約されます。毎年特定・評価された重要リスクは、当社グループの経営戦略を策定するうえで考慮される要素となります。加えて、リスクごとに設定されたリスクオーナーを中心に対応策を推進し、その進捗状況をモニタリングするとともに定期的に上記のコミッティーのメンバーや取締役と共に議論する仕組みを構築・運用しています。 2025年度は、総合的・多面的な手法(ホリスティックアプローチ)を用いて全社的に重要なリスクを抽出しました。具体的には、当社オフィサー、各地域CEOおよび取締役のリスク認識を把握するインタビューやディスカッション、ならびに各地域で実施した地域ごとのリスク評価、当社関連機能部門によるリスク評価等を元に、リスクマネジメント部門による分析や外部有識者の知見を加えて、当社の「2030 中期経営戦略」(注)の達成に影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定しました。(注) 「2030 中期経営戦略」 戦略の3つの柱①ブランド力の向上 を通じた成長加速・技術力を活かしたイノベーションの最大化・展開国拡大による成長加速・新しいカテゴリー・領域への拡張を通じた新市場創造②グローバルオペレーションの進化・バリューチェーンにおけるオペレーショナルエクセレンスの追求・デジタル/AIの戦略的活用・マトリクス組織の進化③サステナブルな価値創造・人財戦略(社員の成長をかなえる組織の確立)・サステナビリティ戦略 (DE&Iによる社会価値創出・適切な環境対応による社会課題解決) そして、以下表1のとおり、「ビジネスへの影響度」、「顕在化の可能性」、「脆弱性」の3つの評価軸を設定し、上記コミッティーや個別会議などを通じて、リスクの優先付けおよび対応策の検討・確認を行いました。表1 <リスクの評価軸>ビジネスへの影響度・リスクが顕在化した場合の経営成績(売上等)に与える定量的な影響・当社の企業・ブランドイメージ、カルチャーに与える定性的な影響顕在化の可能性・リスクが顕在化する可能性の程度や時期脆弱性・リスクの対応策の十分性・外的要因によるリスクの発生制御の可否 アセスメントの結果抽出された計21の重要リスクは、以下表2のように「生活者・社会関連」「事業基盤関連」そして「その他」の3つのリスクカテゴリーに分類し対応しています。 表2 <資生堂グループ重要リスクの抽出結果> ★:特に対応を強化しているリスク 生活者・社会関連・生活者の価値観変化への対応★・最先端のイノベーション・新たなテクノロジーへの対応・デジタル化の加速・企業・ブランドレピュテーション・環境対応(気候変動・生物多様性など)・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)・自然災害・感染症・テロ・地政学的問題★事業基盤関連・組織能力と組織風土★・ビジネス構造改革・業務上のインフラ・サプライネットワーク・コンプライアンス・プライバシー・規制対応★・品質保証・ガバナンス体制・情報セキュリティその他・為替変動・事業投資・重要な訴訟等 当連結会計年度のリスクアセスメント結果で特筆すべき点として、各リスクの結びつきがますます強固となり、それに伴い各リスクの対応策の相互関係も強まりつつあることが挙げられます。加えて、当社では「生活者の価値観変化への対応」「地政学的問題」「組織能力と組織風土」「規制対応」のリスクについて、前連結会計年度と比較しリスクレベルが上昇しているリスクとして特定し、対応を強化しています。次項より重要リスクごとに、戦略実現に向けた主要な取り組み、想定される不確実性(脅威・機会)、対応策、リスクレベルの変化および「2030 中期経営戦略」との関連性を記述します。なお、記述内容は、2026年3月23日時点におけるものです。 <生活者・社会関連> リスク主要な取り組み/不確実性(脅威・機会)/対応策リスクレベルの変化(昨年比)2030中期経営戦略との関連性生活者の価値観変化への対応〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・技術力を活かしたイノベーションの最大化。・展開国拡大による成長加速。・新しいカテゴリー・領域への拡張を通じた新市場創造。・グローバルで価格戦略を高度化し、ブランドエクイティを担保。・データとAIの活用による需要予測・施策最適化と顧客体験の高度化。〔不確実性〕・マクロ経済の動向により生活者の所得/消費意欲が変化し、計画以上または計画以下の売上・利益につながる可能性。(脅威・機会)・当社の成長領域における生活者の価値観・購買行動の多様化への対応が遅延または不十分な場合、競合に機会を奪われる可能性。(脅威)・生活者の価値観変化に対応したマーケティング戦略により、計画以上の売上・利益につながる可能性。(機会)〔対応策〕・競争力を発揮できる成長領域の明確化。・市場環境と競争優位性に基づくカテゴリー別戦略を定義。・ブランド価値を先鋭化し愛用者獲得・育成を強化。・資生堂グループ各社における人財の多様性加速。・他社とのオープンイノベーションによる価値・事業の開発。・グローバルブランド戦略を担う部門およびコミッティーでブランド横断での戦略最適化・投資対効果の最大化を推進。・市場情報に関する部署を通じて、生活者情報を適宜適切に入手。・CEO直轄体制で、新たなビジネス・価値創造モデルの可能性を追求。①②③最先端のイノベーション〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・独自のR&D理念「DYNAMIC HARMONY」の実行による研究の選択と集中。・技術力を活かしたイノベーションを最大化すべく、「ブランドのコアとして活用」「コーポレート横断としての活用」「さらなる新カテゴリー創出」を研究成果の価値化を実現する3つのイノベーションパスとして設定。・技術の強み・基礎研究成果のブランド価値への転換を加速し、生活者インサイトを捉えた骨太なテクノロジーの継続投入。・基礎研究を礎に、ブランド価値、カテゴリーの価値それぞれを開発する価値創造体制の強化。・研究開発投資は売上高比率3%を目安に継続。〔不確実性〕・開発技術が類似技術や代替技術の出現により陳腐化し、または各国の薬事規制により開発技術が使用できなくなり、生活者に新たな価値を提供できなくなる可能性。(脅威)・中長期的視点での基盤研究やサステナビリティを加速する代替原料や処方開発の停滞、またはM&Aや外部との共同事業の進捗が遅延するなどの理由により、生活者のニーズに合致した価値を提供できず、競争劣後となる可能性。(脅威)・サービス・プロセス・組織などの領域における画期的なイノベーションによる価値創造が生活者に新たな価値を提供し、当社の競争優位を決定づける可能性。(機会)〔対応策〕・メディカル&ダーマ、ライフスタイルなどの新カテゴリーの確立や、ライフステージパートナーシップ、美の検診などの新領域への拡張。・化粧品R&Dへの投資の継続と、柔軟かつ適切な投資分配。・画期的な研究成果を最大限に活用するため、ブランド横断で商品化するシーズを継続的に創出、さらにそのことを生活者に効果的に伝えるための戦略的コミュニケーションを実施。・生活者のトレンドの変化に焦点を当て、外部機関との共同研究や、スタートアップ企業の知見の活用を強化。・生活者との共創・実証の枠組みを活用し、新たな価値提供の検証と事業化を推進。・研究開発投資対効果を測る指標(売上高研究開発費比率、研究員数、研究拠点数、特許出願数、論文数、シーズ創出数・活用数等)を設定し、モニタリング。・イノベーション人財育成のため、外部機関への戦略的人財の派遣を拡大、また組織ケイパビリティを専門性の観点で強化するため、組織計画と連動した専門職を拡充。① リスク主要な取り組み/不確実性(脅威・機会)/対応策リスクレベルの変化(昨年比)2030中期経営戦略との関連性新たなテクノロジーへの対応・デジタル化の加速〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・AI投資を強化し、活用を加速することで、価値開発力の強化、バックオフィス業務の高度化・自動化、顧客体験・ロイヤリティ向上を推進。〔不確実性〕・デジタルを活用した事業モデル・価値提供の変革・データやプロセスなどの標準化のスピードが競合他社に対し劣後した場合、コンプライアンスリスクやコストが上昇し、市場シェアが低下する可能性。(脅威)・生成AIの活用に伴う様々なリスクに対して適切な対応策を講じない結果、情報漏洩や著作権等の侵害、不正確または根拠のない情報生成に起因する問題が発生する可能性。(脅威)・人財獲得競争激化により、DX人財が離職する可能性。(脅威)・オンラインとオフライン(店頭)を融合させ、当社独自の顧客体験を提供することによるより強力な価値提供の可能性。(機会)・生成AIの活用による競争優位性の向上。(機会)〔対応策〕・顧客情報を活用したパーソナライズされた体験提案やメディアミックスの最適化など、AIによる顧客体験・ロイヤリティの強化。・デジタルに最適化したチーム構築・人財育成を継続。・顧客とのパーソナライズされたエンゲージメントを深化させる独自の肌診断デジタルサービスの継続。・オンラインおよび店頭でお客さまに提供するサービス・技術を通じたファーストパーティーデータ取得の推進。①②企業・ブランドレピュテーション〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・コーポレートおよびブランドのイメージ維持・向上を狙いに、経済的・社会的両側面において、多様なステークホルダーとのコミュニケーションを推進。・ブランド価値向上のため、生活者インサイトとデータを活用した多面的なマーケティング活動を推進。〔不確実性〕・当社または当社が起用したアンバサダーやインフルエンサー、もしくは当社が支援する個人や団体による発信内容・行動に対する社会的批判がその真偽に関わらず拡散し、当社イメージを低下させる可能性。(脅威)・模倣品などが流通し、本来の当社の提供する価値が生活者に届かずブランドイメージを低下させる可能性。(脅威)〔対応策〕レピュテーションリスク案件を未然に防ぐ対応策として、以下を推進。・マーケティングやコミュニケーション担当社員を対象としたブランドイメージ維持・向上のための教育を推進。・マーケットごとの特性を踏まえながら、倫理的、社会通念上の視点から批判される可能性がある表現や言動の予防のため、宣伝・広告等の発信情報や起用アンバサダー・インフルエンサーおよび当社による外部の個人や団体向け支援活動の事前チェックシステムを継続的に先鋭化。・オンライン上の当社関連情報のモニタリング。・責任あるマーケティング・広告方針を定め、周知し、透明性のあるマーケティング・広告活動を推進。・ソーシャルメディアポリシーの社内周知徹底。案件発生時の対応体制の強化として、以下を推進。・本社と地域本社の連携体制の下、インシデント対応を継続。・模倣品対策は行政との連携による摘発等を継続。①②③ リスク主要な取り組み/不確実性(脅威・機会)/対応策リスクレベルの変化(昨年比)2030中期経営戦略との関連性環境対応(気候変動・生物多様性など)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・豊かな自然環境の実現に貢献すべく、循環型モノづくりの視点から持続可能性を高めていく「資生堂ビューティー・サーキュラーモデル」の確立。・「地球環境の負荷軽減」、「サステナブルな製品の開発」、「サステナブルで責任ある調達の推進」への取り組み。〔不確実性〕・取り組みが不十分な場合、社会・生活者の信頼や選好に影響し、需要に負の影響を及ぼす可能性。(脅威)・環境課題、特に気候変動や生物多様性に関わる規制遵守を含むリスク対応が不十分だと、事業や財務に負の影響を与えるだけでなく、企業価値の低下につながる可能性。(脅威)・サステナブルな商品開発等の取り組みが、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献し、ビューティーにおける新たな社会価値を創出することで、当社企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・全社推進を実行できるガバナンス体制の下、定期的なレビューを通じて方針・目標・KPIを設定し、進捗をモニタリング。・各ブランドにおけるサステナビリティ実現のための活動を推進。・企業としての方針や取り組みとKPI、実績をまとめたサステナビリティレポートの発行。・環境負荷低減原料や容器包装によるサステナブルな製品開発の推進。・マテリアリティに沿った温室効果ガス・水・資源循環等の目標を設定し、進捗を管理。・環境や社会課題に配慮すべき重要原材料の責任ある調達とトレーサビリティの推進。・「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」に基づいた気候変動や生物多様性のリスク評価・シナリオ分析と関連情報の開示を継続。①②③ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・誰もが自分らしく美しく生きられる社会の実現を目指し、「ジェンダー平等」、「美の力によるエンパワーメント」、「人権尊重の推進」について取り組みを加速。・多様性を尊重する組織風土を醸成し、グローバルで一体感のある組織を確立。・日本における女性活躍について、自社内のみならず、他企業への情報支援によって日本企業、また日本社会全体の変革を牽引。〔不確実性〕・当社の強みであるDE&Iの領域において、取り組みが十分でないと生活者をはじめとする社会からの信頼を失う可能性。(脅威)・「ビジネスと人権」について、マーケットごとの特性を踏まえずに、適切な対応を怠った場合に企業価値の低下につながる可能性。(脅威)・当社の取り組みが、社会価値を創造し、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献する可能性。(機会)・DE&Iが根付いた組織風土によって、多様性に富んだ優秀な人財を獲得・維持でき、結果イノベーションが促進され、当社の企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・各ブランドにおいてサステナビリティ実現のための活動を推進。・企業としての方針や取り組みとKPIをまとめたサステナビリティレポートの発行。・「資生堂DE&Iラボ」を通じて、国内におけるDE&Iを推進。・日本企業の役員に占める女性比率向上を目指す「30% Club Japan」や、広告等におけるステレオタイプの撤廃に取り組むUN Women主導の国際的な業界連携イニシアチブ「アンステレオタイプ・アライアンス日本支部」に参画。・深い肌悩みを抱える方のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)向上を支援する資生堂 ライフクオリティー メイクアップ(SLQM)など多彩なプログラムの推進。・人権デューデリジェンスの実施と是正アクションによるリスクの軽減。①②③ リスク主要な取り組み/不確実性(脅威・機会)/対応策リスクレベルの変化(昨年比)2030中期経営戦略との関連性自然災害・感染症・テロ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・BCP(事業継続計画)の継続運用と見直し、ならびに訓練・教育の推進。・グローバルでのバリューチェーンを最適化し、事業継続を確保。〔不確実性〕・世界各地において激甚化・頻発化する自然災害(地震・水害・竜巻・火災等)や、テロ・暴動等による人的被害や物的被害により、サプライチェーンへの影響が事業や供給を停滞させる可能性。(脅威)・感染症によるパンデミックの発生により消費が停滞し、売上・利益等が低下する可能性。(脅威)〔対応策〕・各種BCPをグローバルで運用し、定期的な教育・訓練・見直しを継続。・危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークを強化。②地政学的問題〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・ブランド価値を起点とした成長の加速と、収益性の持続的改善。〔不確実性〕・当社進出国において対日感情が悪化した場合に、当社商品が買い控えされる可能性。(脅威)・当社進出国における政治的不安に起因し、国際物流の混乱など、事業環境が悪化する可能性。(脅威)・世界的な物価上昇による原材料の価格高騰を商品やサービスの価格に転嫁した結果、当社の商品に対する生活者の購買意欲が減退し、収益性が悪化する可能性。(脅威)・当社進出国の政治状況の不安定化、各国間の外交関係の緊迫化、通商政策上の対立、紛争の発生により、事業環境が悪化した結果、当社グループの商品の生産、供給および販売体制に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・予期せぬ市場環境の変化に直面した際のリスクを最小化するため、グローバルで事業改革を加速。・各地域の売上バランスの適正化。・危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークのレジリエンス強化。・全社的危機対応枠組みの整備と継続的訓練により、事業継続性を確保。①② <事業基盤関連>リスク主要な取り組み/不確実性(脅威・機会)/対応策リスクレベルの変化(昨年比)2030中期経営戦略との関連性組織能力と組織風土〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・「社員の成長をかなえる組織」を2030中期人財戦略の柱に据え、社員の成長とリテンションに注力。・VISIONの達成とMissionの実現に向けて大切にする価値観、心構えや所作として「The Shiseido Way」を制定し、社員一人ひとりが日々の活動で実践できるようにするための各種施策を推進。〔不確実性〕・優秀な人財の獲得・維持が計画どおり進捗せず、経営計画を実現する人財が不足する可能性。(脅威)・優秀な人財の獲得・維持により、グローバル市場での競争優位を確保できる可能性。(機会)・AIやITツールを活用した業務プロセス・働き方改革の推進により、組織の生産性がさらに高まる可能性。(機会)〔対応策〕・2030年に向け、2025年比3倍規模の人財開発投資を計画。・リーダーシップチームと社員との距離を縮め、経営方針、ビジョン、価値観等について直接議論できる機会を意図的に増やし、透明性の高い組織カルチャーの構築を引き続き目指しつつ、組織全体の一体感・社員のベクトルの一致を推進。・リモートワークとオフィスワークを組み合わせた、最大の成果を出すための働き方(ハイブリッドワークスタイル)や、副業許可など、柔軟性・多様性を認める職場の整備と社員の健康管理の推進。・グローバル人事データベースの見直し、グローバル本社・地域間の役割・レポートラインの明確化とガバナンス整備を通じ、グローバル一体となった効率的なオペレーションと組織体制を構築。・ジョブ型雇用など、貢献度に対応した職務等級制度・処遇報酬制度の導入による人事評価の透明性確保と社員のモチベーション向上。・より多くの社員に挑戦機会を提供できるよう、これまでの社内公募制度に加え、所属組織にとらわれない部門横断プロジェクトに参画する機会の拡大を推進。・「Shiseido Future University」において、資生堂ならではの価値創造とイノベーションを創出するために、ビューティーカンパニーにふさわしい美への感性や心の豊かさ、最先端のグローバルレベルのビジネス知見を合わせもったリーダーの育成を目指し、国内外グループ会社から選抜された次世代の経営リーダーとなる人財を中心に、オリジナルのリーダーシッププログラムを実施。・競争力を持つ報酬水準の設定やグローバルモビリティなど、トータルリワードの提供により人財のリテンションを強化。①②③ビジネス構造改革〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・ブランド価値の最大化を軸に新たな成長を実現し、企業価値・社会価値の双方を高め、2026年コア営業利益率7%、2030年10%以上を実現する「2030 中期経営戦略」を推進。〔不確実性〕・各地域・部門におけるビジネスの構造改革が狙いどおりに進まず、収益性およびキャッシュ・フローの改善が停滞することにより経営計画の達成に影響を及ぼす可能性。(脅威)・当社の展開市場における経済成長の鈍化に伴い、化粧品市場の成長が想定以下となり、経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・ブランドポートフォリオの最適化・アセットライト推進・オペレーションの高度化により、収益性と資本効率の改善が加速する可能性。(機会)〔対応策〕・注力領域への積極投資による売り上げ成長の加速とコスト最適化、全地域での収益性改善、財務規律の強化、ROIC改善に向けた取り組みを推進。② リスク主要な取り組み/不確実性(脅威・機会)/対応策リスクレベルの変化(昨年比)2030中期経営戦略との関連性業務上のインフラ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・FOCUS(グローバルでの業務プロセスの標準化・最新化を図るプロジェクト)を安定稼働させ、グローバルで標準化されたデータを活用し、市場の変化に迅速に対応できる経営管理を実現。〔不確実性〕・グローバルで進めるITシステムの再構築・移行の安定稼働が進まない場合、あるいはビジネス環境変化に対しての、システムとしての対応が遅れた場合、業務の効率性の低下、業務の質の低下を通じて、グローバルの経営基盤の向上を阻害し経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・グローバルでのITシステムの標準化により、コスト削減や業務効率の向上、データ活用を通じた意思決定の迅速化が実現し、競争力の強化につながる可能性。(機会)〔対応策〕・FOCUSの安定化とバックオフィス業務のデジタル化の推進。・導入前の広範囲に渡る予行演習やユーザー向けトレーニング、導入後の優先アフターケア期間の設定など、堅固なシステム導入方法に基づき推進することで、ビジネス・システム・人財の準備体制を確保。・高可用性グローバルクラウドITインフラを導入し、レジリエンスを確保。・必要な場合には、コンティンジェンシープランを発動し、ビジネスへの影響を回避。②サプライネットワーク〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・バリューチェーン全体を通して、「グローバル最適化」「リードタイム短縮」の2つの側面から全体最適化。・生産と供給における継続的なプロセス改善と最新技術への投資。・安全・サステナビリティ・品質への注力。〔不確実性〕・為替変動や物価上昇、関税の変更などの経済的要因や、自然災害やサプライヤーにおける事業・情報システム上の障害などに起因し、原材料調達や物流への支障が生じ、安定的な生産および供給が困難となる可能性。(脅威)・国内の工場体制により、日本の高品質のものづくりの強みを活かし、生活者への提供価値を高める可能性。(機会)・計画、在庫管理、調達、生産、物流を含むエンドツーエンドのサプライネットワークオペレーションの最適化を通じた収益構造の再構築により、当社の競争優位性が高まる可能性。(機会)〔対応策〕・グローバルな製造・物流ネットワークの最適化を推進し、アセットライトな事業運営の実現を通じて、売上原価(COGS)の低減および事業の俊敏性を向上。・S&OPプロセスの高度化により、需給バランスの最適化を行い、収益性および事業運営の効率性を向上。・主要原材料などについて、サプライヤーの分散化や緊急時に備えた在庫の確保、サプライヤーとの戦略的な連携による供給の安定化。・在庫の統合管理、運送費の最適化。・「資生堂グループサプライヤー行動基準」の遵守状況のモニタリング強化。・「グローバル・セーフティー・マネジメント・システム」および「サステナビリティ・ロードマップ」の構築と実行。・「責任ある調達における方針」のグローバルでの徹底。②③ リスク主要な取り組み/不確実性(脅威・機会)/対応策リスクレベルの変化(昨年比)2030中期経営戦略との関連性コンプライアンス〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル、ビューティーテック、AI、ダーマ、ウェルネス領域、買収先事業等の新規事業分野を含む事業成長を支えるためのグローバルな法務・コンプライアンス体制強化。〔不確実性〕・当社の遵守する世界各国の法規制(製品安全、原材料やラベル、労働安全衛生、知的財産、反独占や競争、データ、環境、雇用と労働、税金、製品訴求、コーポレートガバナンス、開示などに関する法規制)について、予期せぬ変化があった場合における、事業コストに重大な影響を与える可能性。また、万が一遵守できなかった場合における、会社が民事上の賠償金や刑事上の罰金を科され、会社のレピュテーションに影響が及ぶ可能性。(脅威)〔対応策〕・CLOが、各地域の法務責任者と連携することで法令や社内規程の遵守体制を強化。お客さまと社員の安全を守る迅速かつ効果的な行動を確実にすべく、発生地域や市場で対応チームを立ち上げ対応。・全社員に「資生堂倫理行動基準」の遵守を求め、働き方の枠組みと倫理的な企業風土を醸成。また、お客さまデータの取扱いに加え、腐敗防止、反独占、ハラスメント、差別などのコンプライアンス分野についても研修・啓発を実施。・法令違反や不適切行為を早期に把握するためグローバル本社の「資生堂グローバルホットライン」やリージョンホットラインを設置し、グループの全従業員を対象に通報を直接受け付ける通報体制を構築。②プライバシー〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・お客さまの体験価値向上やパーソナライズされたサービスの提供に向け、適切な同意のもとパーソナルなデータの取得および利活用の実施。〔不確実性〕・データ侵害や、各国における個人情報を含むデータ保護関連法令への対応が遅れ、または不適切な対応をしてしまうことにより、法令違反が生じ、罰金支払や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)・データ保護に関する社会的な期待やお客さま等の意識の変化に適切に対応できない場合、当社への信頼低下やビジネス機会の減少につながる可能性。(脅威)・上記脅威に対して適切に対応することで、お客さま等が安心して個人データを当社に預けられることを通じて、ビジネス目標の達成に貢献する可能性。(機会)〔対応策〕・グローバルで個人データの取り扱いに関するガバナンスを整備し、適切な管理を実施し、生活者・ビジネスパートナー・従業員との信頼を構築。・プライバシー管理やデータ保護に関する取り組みの透明性を確保。・法改正を踏まえたデータ保護関連規程の改訂を継続的に実施。・保有する個人データを特定し、安全管理を推進。社員への教育や啓発を継続的に実施。・全社プライバシーアセスメントを継続的に実施し、脆弱性に対処。②規制対応〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバル本社が中心となり、日々変化する新しい規制や社会動向について情報収集・リスク分析を実施し、海外を含む関連部門と情報を共有化し、イノベーティブな商品やサービスをスムーズにローンチする体制を強化。〔不確実性〕・各国における規制変更・強化に準拠した新商品開発・既存品処方変更を適切に行うことができなければ、当社の技術や化粧品が規制の対象となり、事業計画に多大な影響がおよび、また社会や生活者からの信頼を失う可能性。(脅威)〔対応策〕・グローバル本社内に各国の薬事等の規制動向のモニタリングや戦略を策定する部門を設置。・製品と技術情報(処方)の紐づけ、および製品のライフサイクル管理システムの強化。・各リージョンの薬事部門と連携し、現地の工業会や外部専門家との協働を通じて、変わりゆく規制に対する対応を強化。・ISO14001のシステムに基づき環境法規制などの遵守評価を実施し、法令遵守を徹底。①②③ リスク主要な取り組み/不確実性(脅威・機会)/対応策リスクレベルの変化(昨年比)2030中期経営戦略との関連性品質保証〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・安心・安全な商品の提供は、全戦略の基盤となる当社の重要な価値であり、競争優位の源泉であるとの認識のもと、商品の設計から生産、販売まで高レベルで品質保証・管理を徹底。〔不確実性〕・品質保証・管理に対する当社の高い基準の適用が不十分となり、安全かつ安心な商品を生活者へ提供し続けることができない可能性。(脅威)・日本の高い品質水準と同等の商品を日本国外でも生産し、世界中で高品質な商品を生活者へ提供することで、特に日本国外でのブランドへの信頼が高まり、事業成長につながる可能性。(機会)〔対応策〕・品質および安全性に関する基準を定め、新製品の設計、開発、原材料の管理、生産、出荷それぞれの段階で、適合状況を確認。・品質に関する目標管理、ガバナンス、リスクアセスメントを継続的に実施。・お客さまからのお申し出に関する情報を集約し、全世界で共有・活用。・お客さまからのお申し出や品質に関わる事象発生時の社内対応体制を整備し、定期的にシミュレーション訓練を実施。・品質保証部門による品質監査領域を拡大。①②ガバナンス体制〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・マトリクス組織における個々の機能強化と全体最適化を推進し、アジリティの高いグローバル体制を構築。・指名委員会等設置会社の下、重点領域の監督を強化し、持続的成長と長期的な企業価値向上に資する透明性の高いガバナンスを継続的に高度化。〔不確実性〕・権限が適切に委譲されず責任が果たせない、または意思決定や業務執行に際し規程の逸脱が生じるなどの事態となれば、適法かつ健全な組織運営が円滑に進捗しなくなり、組織の持続可能性を損なう可能性。(脅威)・強固なコーポレートガバナンスと体系的かつ透明性の高いリーダーシップにより、投資家の信頼性向上、資本コストの低減、ならびに中長期的な企業価値の創出を促進する可能性。(機会)〔対応策〕・執行と監督の分離をさらに強化し、取締役会の実効性の強化を図るため、社外取締役を取締役会議長に選任。・当社事業にかかわる意思決定を経営陣が定期的にレビューし、重要なものは取締役会に付議または報告。・グローバル本社・地域本社の役割を明確化しつつ、定期的な報告やグローバルリーダー会議を通じ、グループガバナンスを確保。・全社的リスク管理体制を含むグローバルでの内部統制を確立することで、ガバナンス体制を強化。②情報セキュリティ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル活用の拡大を踏まえ、情報データを安全に活用するための体制整備をグローバルで推進。〔不確実性〕・サイバー攻撃や不正アクセス等により、システム停止や情報が漏洩し、生産・販売等の業務の停滞、お客さまやお取引先さまへの損害賠償責任や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)・働き方の多様化や、外部パートナーとの連携拡大に伴い、情報データへのアクセスポイントが増えていく中、その管理・運用が不十分な場合の情報データ漏洩リスクが高まってしまう可能性。(脅威)・重要な情報データを適切に管理する体制を整えること等を通じて、ビジネス目標の達成に貢献する可能性。(機会)〔対応策〕ISOやNISTのフレームワークを参考に、以下の対応策を実施。・情報セキュリティに関する専門部署を中心とするグローバルでの連携体制とガバナンス・統制を強化。当該連携体制で、外部からの攻撃への対応や非常時を想定した定期的な訓練の実施。・内外の環境変化を踏まえた情報セキュリティ/データ保護関連規程の見直しを継続。・社員に対する情報セキュリティ啓発を継続的に実施。・日々高度化・多様化する外部からのサイバー攻撃に対する中長期的視点でのフィルタリングやPC端末、クラウド利用等のセキュリティ対策を強化。・増大化する重要な情報データと多様化するデータアクセスポイントをより一層しっかりと管理運用するために、外部の専門家も含めグローバルでのセキュリティオペレーションセンター(SOC)によるモニタリングを実施。・機密情報の漏洩防止のため、予防・検知・発生後の3段階から対応を強化。・外部環境の脅威動向だけでなく、脆弱性診断等、現状の対策実施状況を的確に評価し、リスクレベルを定量的に把握。② <その他>リスク主要な取り組み/不確実性(脅威・機会)/対応策リスクレベルの変化(昨年比)2030中期経営戦略との関連性為替変動〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルビューティーカンパニーとして海外売上の比率の上昇。〔不確実性〕・輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について為替レートが大きく変動する可能性。(脅威・機会)・海外関係会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与える可能性。(脅威)・当社の海外関係会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて純資産を減少させる可能性。(脅威)〔対応策〕・適切な為替予約等を付すことなどにより為替変動に対するリスクヘッジ策を推進。・主要通貨の変動を監視し、迅速な対応を行う体制を整備。②事業投資〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・ブランド力の基盤強化、高収益構造の確立のため、経営戦略に合致した成長投資を推進。〔不確実性〕・投資判断時に想定していなかった水準で市場環境や経営環境が悪化し、将来事業計画の未達によって、M&Aにより計上したのれんや無形資産の減損損失が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・定期的な業績モニタリングおよびモニタリング結果の取締役会への報告。・関係するブランド・地域本社・グローバル本社機能部門と連携し、今後の方向性や業績改善のための対応策を検討。・投資規模の大きい案件についてはInvestment/Divestment Committeeで内容精査のうえ決裁会議体へ提案。①②重要な訴訟等〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・訴訟リスクおよびレピュテーションリスクの軽減を図りつつ、法務・コンプライアンス体制およびガバナンスの継続的な強化を通じ、すべてのステークホルダーとの信頼関係を継続的に構築。・重要な訴訟・請求事案に対する適切な管理およびリスク軽減を徹底するとともに、契約情報の精緻化、業務プロセスに関するルールの確立、当社倫理行動基準の遵守、従業員への研修や内部通報制度設置など、内部統制・予防措置を強化。〔不確実性〕・海外約120ヵ国へ進出し、各国において異なる法制度のもと一定レベルの訴訟・賠償請求・当局調査が提起される可能性。(脅威)・当連結会計年度において、当社に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていないが、将来、当社に重大な影響を及ぼす重要な訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合に財政状態および経営成績等に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・効果的な戦略や防御を確実にするべくグローバル本社と各地域本社にCLO直轄の法務チームを設置。また、重要または影響度の高い事案の法的戦略・防御について支援を受けるため、外部の専門家や法律事務所ともネットワークを確立。・当社の事業に影響を及ぼす法的環境や国別法規制の変化に関する研修(腐敗防止、独占禁止、差別禁止など)を社員向けに実施。・ビジネス上の契約に補償等の救済措置を含む取引条件を明記することで紛争リスクを軽減。・すべての知的財産をグローバル全体で保護し、侵害申立てから防御。・すべての重要な商取引について、デューデリジェンスを実施。②
FY2024|17,962 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼすリスクは以下の通りであり、これらは投資家の判断にも影響を与える可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年3月26日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。 当社では、「あらゆるステークホルダーとの信頼関係を築き、経営戦略の実現を一層確実なものとすること」を主眼に置いてリスクマネジメントを推進しています。そのため、リスクを戦略実現に影響を与える「不確実性」と捉え、脅威だけでなく、機会も含めた概念として定義し、必要な体制を構築するとともに、積極的かつ迅速に対応策を推進しています。当社グループ全体に関わるリスクや個別案件に関わるリスクを特定し対応策等を審議する体制として、当社CEOを委員長とし各地域CEOおよび当社エグゼクティブオフィサー等をメンバーとする「Global Risk Management & Compliance Committee」や「Global Strategy Committee」を設置し、定期的に開催しています。また、リスクに関連する情報は、グループCLO(チーフリーガルオフィサー)直轄のリスクマネジメント部門に集約されます。毎年特定・評価された重要リスクは、当社グループの経営戦略を策定するうえで考慮される要素となります。加えて、当社はそれぞれの重要リスクによる影響を軽減するため、リスクごとに設定されたリスクオーナーを中心に対応策を推進し、その進捗状況をモニタリングするとともに定期的に上記のCommitteeのメンバーや取締役と共に議論する仕組みを構築・運用しています。 2024年度は、総合的・多面的な手法(ホリスティックアプローチ)を用いて全社的に重要なリスクを抽出しました。具体的には、当社エグゼクティブオフィサー、各地域CEOおよび取締役のリスク認識を把握するインタビューやディスカッション、ならびに各地域で実施した地域ごとのリスク評価、当社関連機能部門との情報交換等を元に、リスクマネジメント部門による分析や外部有識者の知見を加えて、当社の中期経営戦略である「SHIFT 2025 and Beyond」の「アクションプラン2025-2026」(注)達成に影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定しました。(注)アクションプラン2025-2026で取り組む最優先課題①ブランド力の基盤強化・注力ブランドへの選択と集中(コア3・ネクスト5) ・グロスプロフィットの最大化 ・ブランド価値強化に向けたブランド・地域での連携したオペレーション体制強化②高収益構造の確立・日本・米州・欧州・アジアパシフィックの収益性のさらなる改善 ・中国・トラベルリテールの事業基盤再構築・グローバルで固定費の低減③事業マネジメントの高度化・アセットライトの推進・グローバルオペレーション体制の進化・財務ガバナンスの抜本的強化 そして、それらのリスクについて、以下表1のとおり、「ビジネスへの影響度」、「顕在化の可能性」、「脆弱性」の3つの評価軸を設定し、上記Committeeや個別会議などを通じて、リスクの優先付けおよび対応策の検討・確認を行いました。 表1 <リスクの評価軸>ビジネスへの影響度・リスクが顕在化した場合の経営成績(売上等)に与える定量的な影響・当社の企業・ブランドイメージ、カルチャーに与える定性的な影響顕在化の可能性・リスクが顕在化する可能性の程度や時期脆弱性・リスクの対応策の十分性・外的要因によるリスクの発生制御の可否 アセスメントの結果抽出された計21の重要リスクは、以下表2のように「生活者・社会関連」「事業基盤関連」そして「その他」の3つのリスクカテゴリーに分類し対応しています。 表2 <資生堂グループ重要リスクの抽出結果> ★:特に対応を強化しているリスク 生活者・社会関連・生活者の価値観変化★・最先端のイノベーション★・新たなテクノロジーへの対応・デジタル化の加速★・企業・ブランドレピュテーション・環境対応(気候変動・生物多様性など)・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)・自然災害・感染症・テロ・地政学的問題事業基盤関連・優秀な人財の獲得・維持と組織風土★・ビジネス構造改革★・業務上のインフラ★・サプライネットワーク・コンプライアンス・プライバシー・規制対応★・品質保証・ガバナンス体制・情報セキュリティ★その他・為替変動・事業投資・重要な訴訟等 当連結会計年度のリスクアセスメント結果で特筆すべき点として、各リスクの結びつきがますます強固となり、それに伴い各リスクの対応策の相互関係は強まりつつあることが挙げられます。加えて、当社では「生活者の価値観変化」「最先端のイノベーション」「新たなテクノロジーへの対応・デジタル化の加速」「優秀な人財の獲得・維持と組織風土」「ビジネス構造改革」「業務上のインフラ」「規制対応」「情報セキュリティ」のリスクについて、前連結会計年度と比較しリスクレベルが上昇しているリスクとして特定し、対応を強化しています。次項より重要リスクごとに、戦略実現に向けた主要な取り組み、想定される不確実性(脅威・機会)、対応策の概要およびリスクレベルの変化およびアクションプラン2025-2026との関連性を記述します。なお、記述内容は、2025年3月26日時点におけるものです。 <生活者・社会関連>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性生活者の価値観変化〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・注力ブランドへの選択と集中。・ブランド・地域での連携したオペレーション体制強化。・自社開発・オープンイノベーション・戦略的M&Aを組み合わせた事業ポートフォリオの強化。・既存領域だけではなく、新たな領域における価値創造の強化。・グローバルで価格戦略を高度化し、ブランドエクイティを担保。・クロスボーダー戦略の強化。(中国、トラベルリテール、日本)〔不確実性〕・マクロ経済の動向により生活者の所得/消費意欲が変化し、計画以上または計画以下の売上・利益につながる可能性。(脅威・機会)・生活者の「美」に関する価値観や化粧品・美容医療に対するニーズ、価格の受容性、購買タッチポイントを含む購買行動の多様化への対応が遅延し、または不十分で競合に機会を奪われる可能性。(脅威)・環境や性別・人種等の多様性に配慮した商品を販売しているにも関わらず、その事実が誤解され、社会や生活者からの信頼を失ってしまう可能性。(脅威)・生活者の価値観変化に対応したマーケティング戦略により、計画以上の売上・利益につながる可能性。(機会)〔対応策〕・生活者の価値観の多様化に対応する、競争優位性に基づいたブランドポートフォリオ強化。・成長が見込まれる市場へのブランド展開の拡大。・資生堂グループ各社における人財の多様性加速。・他社とのオープンイノベーションによる価値・事業開発。・ブランド横断での戦略最適化・投資対効果の最大化を推進するため、グローバルブランド戦略を担う部門およびコミッティーを設置。・市場情報に関する専門部署を通じて、生活者情報を適宜適切に入手。・中長期的な生活者の価値観変化を予測し、新領域における価値創造を担う専門部署の設置。①③最先端のイノベーション〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・独自のR&D理念「DYNAMIC HARMONY」の策定と実行による研究の選択と集中。・2030 R&D VISIONとして「We are the engine of BEAUTY INNOVATIONS」を掲げ、「Skin Beauty INNOVATION」、 「Sustainability INNOVATION」、「Future Beauty INNOVATION」という3つのイノベーションの柱と、「脱単一カルチャー」のアプローチを戦略として策定。・注力ブランドの研究開発強化。・技術の強み・基礎研究成果のブランド価値への転換を加速し、生活者インサイトを捉えた骨太技術の早期ローンチを推進。・研究開発投資を売上高比率3%程度に設定し推進。〔不確実性〕・開発技術が類似技術や代替技術の出現により陳腐化し、または各国の薬事規制により開発技術が使用できなくなり、生活者に新たな価値を提供できなくなる可能性。(脅威)・短期視点での新技術の投入や、中長期的視点での基盤研究やサステナビリティを加速する代替原料や処方開発の停滞、またはM&Aや外部との共同事業の進捗が遅延するなどの理由により、意図したシナジー効果を実現できなかった結果、生活者のニーズと合致した価値を提供できず、競争劣後となる可能性。(脅威)・サービス・プロセス・組織などの領域における画期的なイノベーションによる価値創造が生活者に新たな価値を提供し、当社の競争優位を決定づける可能性。(機会)〔対応策〕・化粧品R&Dへの投資の継続と、柔軟かつ適切な投資分配。・研究におけるコアテクノロジー領域を特定し、それぞれで短期~長期の戦略を明確化することにより、投資対効果の高いリソース配分を実現。・画期的な研究成果を最大限に活用するため、ブランド横断で商品化するシーズを継続的に創出、さらにそのことを生活者に効果的に伝えるための戦略的コミュニケーションを実施。・最先端の設備を持つ国内外工場の稼働。・生活者のトレンドの変化に焦点を当て、外部機関との共同研究や、スタートアップ企業の知見の活用を強化。・「fibona」を通じた化粧品等の生活者との共創を通じたビジネストライアルと、さらなるビジネス拡大(ブランドへの提案、外部連携)。・研究開発拠点であるグローバルイノベーションセンターを活用した肌診断等の新たな価値提供とビジネストライアル。・研究開発投資対効果を測る指標(売上高研究開発費比率、研究員数、研究拠点数、特許出願数、論文数、シーズ創出数・活用数等)を設定し、モニタリング。・イノベーション人財育成のため、外部機関への戦略的人財の派遣を拡大、また組織ケイパビリティを専門性の観点で強化するため、組織計画と連動した専門職を拡充。 ① リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性新たなテクノロジーへの対応・デジタル化の加速〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・全社視点での戦略を立案し、あらゆる領域においてプロセスのデジタル化を推進。・グローバル本社・各地域本社・事業の目標達成、コスト効率の向上、コンプライアンスリスク軽減をサポートするためのプラットフォーム、ツール、プロセス、KPIの標準化・アクティベーションと効果測定を推進。・社内外のプライバシー規制に準拠した形でお客さまデータを獲得・分析し、デジタルCRMを活用した個客マーケティングを推進。コンプライアンスとセキュリティを確保したうえでのファーストパーティーデータの収集と活用を通じて、顧客エンゲージメントの獲得・維持を強化。・生成AIやエージェンティックAIなどの新しい技術を活用したオムニチャネルサービスによるCLTV(Customer Life Time Value)の向上を通じて、顧客体験とエンゲージメントの革新を推進。〔不確実性〕・デジタルを活用した事業モデル・価値提供の変革・データやプロセスなどの標準化のスピードが競合他社に対し劣後した場合、コンプライアンスリスクやコストが上昇し、市場シェアが低下する可能性。(脅威)・生成AIの活用に伴う様々なリスクに対して適切な対応策を講じない結果、個人情報や機密情報が漏洩する可能性。(脅威)・すべての業界における人財獲得競争激化により、DX人財が離職する可能性。(脅威)・オンラインとオフライン(店頭)を融合させ、当社独自の顧客体験を提供することによるより強力な価値提供の可能性。(機会)・生成AIの活用による競争優位性の向上。(機会)〔対応策〕・グローバル本社・各地域本社のチーフデジタルオフィサー(CDO)およびデジタル・リーダーシップチーム間の四半期ごとの地域ミーティングを通じた、各種施策の進捗確認・標準KPIに基づいた成果レビューの実施。・グローバル本社、地域本社、ブランドホルダーにおけるAI関連の優先プロジェクトを特定するために全社的な監査を実施し、ガバナンス、プロジェクトの優先順位付け、倫理的なAI基準の策定を支援するために、AIセンターオブエクセレンスの設置を推進。・生成AIの実験と利用のため社内のステージングおよびプロダクション環境を構築。・デジタルに最適化したチーム構築・採用・人財育成をサポートするデジタル・ワークフォースプランニングの導入。・顧客とのパーソナライズされたエンゲージメントを深化させるビューティーテック領域の開発促進、独自の肌診断デジタルサービス、コンテンツの強化。・オンラインおよび店頭でお客さまに提供するサービス・技術を通じたファーストパーティーデータの取得の更なる推進。・ステージゲートプロセスの導入およびR&D、経営戦略、IT部門と連携した投資管理モデルの構築による、ガバナンスモデルの強化・推進。 ②③企業・ブランドレピュテーション〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・コーポレートブランドや各ブランドのイメージ維持・向上を狙いに、経済的・社会的両側面において、多様なステークホルダーとのコミュニケーションを推進。・ブランド価値向上のため、生活者インサイトとデータを活用した多面的なマーケティング活動を推進。〔不確実性〕・当社の発信内容や、当社が起用したアンバサダーやインフルエンサーによる言動、または当社が支援する個人や団体よる発信内容に対する社会的批判がその真偽に関わらず拡散し、当社イメージを低下させる可能性。(脅威)・模倣品などが流通し、本来の当社の提供する価値が生活者に届かずブランドイメージを低下させる可能性。(脅威)〔対応策〕レピュテーションリスク案件を未然に防ぐ対応策として、以下を推進。・マーケティングやコミュニケーション担当社員を対象としたブランドイメージ維持・向上のための教育を推進。・マーケットごとの特性を踏まえながら、倫理的、社会通念上の視点から批判される可能性がある表現や言動の予防のため、宣伝・広告等の発信情報や起用アンバサダー・インフルエンサーおよび当社による外部の個人や団体向け支援活動の事前チェックシステムを継続的に先鋭化。・Webサイトおよびソーシャルメディアにおける当社関連情報のモニタリング。・ソーシャルメディアポリシーを定め社内に周知徹底。案件発生時の対応体制の強化として、以下を推進。・本社と各地域本社の対応連携の強化。・模倣品対策については行政との連携による摘発等を実施。 ①③ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性環境対応(気候変動・生物多様性など)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・よりよい世界の実現に向けた取り組みとして、本業であるビューティー事業そのものを通じて、社会課題の解決や人々が「幸福を実感できる」サステナブルな社会の実現に向けアクションを実行。・「地球環境の負荷軽減」「サステナブルな製品の開発」「サステナブルで責任ある調達の推進」の3つのコミットメント達成に向け、活動を推進。〔不確実性〕・当領域への取り組みが十分でないと社会や生活者からの信頼を失うことや、購買動機の低下に影響を与える可能性。(脅威)・環境課題、特に気候変動や生物多様性に関わる規制遵守を含むリスク対応が不十分だと、事業や財務に負の影響を与えるだけでなく、企業価値の低下につながる可能性。(脅威)・サステナブルな商品開発等の取り組みが、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献し、ビューティーにおける新たな社会価値を創出することで、当社企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・Sustainability Committeeを定期的に開催し、中長期戦略の立案とKPIの設定、サステナビリティ関連課題の審議と決議、グローバル本社と実行責任を持つ地域本社およびブランドなどの関連部門間での実行状況のモニタリングを実施。・各ブランドにおけるサステナビリティ実現のための活動を推進。・企業としての方針や取り組みとKPI、実績をまとめたサステナビリティレポートの発行。・すべての工場と物流センターにおいてISO14001の認証取得に向け推進。(2023年末までにすべての工場において取得済)・環境対応パッケージを通じたお客さまとともに環境負荷軽減に貢献する取り組みの推進。・認証パーム油および認証紙への切り替えの推進。・主な環境負荷軽減項目(CO2・パーム油・紙・水・廃棄物)の中期的目標設定・開示と、達成に向けての推進。・サステナビリティ課題として、気候変動、生物多様性、サプライチェーンにおける人権等にも影響の大きい原材料調達におけるトレーサビリティの推進。・「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」への賛同と、その提言に基づき、気候変動や生物多様性のリスクが事業に与える影響を定性的・定量的に分析したシナリオと想定される財務影響、具体的アクションを策定、情報を開示。①③ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・よりよい世界の実現に向けた取り組みとして、本業であるビューティー事業そのものを通じて、社会課題の解決や人々が「幸福を実感できる」サステナブルな社会の実現に向けアクションを実行。・「ジェンダー平等」「美の力によるエンパワーメント」「人権尊重の推進」の3つのコミットメント達成に向け、グローバル本社、地域本社、ブランドが国際機関やNGOなどステークホルダーとも連携しつつアクションを展開。・特に日本において、世界に大きく後れをとっている「女性活躍」について、自社内のみならず、他企業への情報支援によって日本企業、また日本社会全体の変革を牽引。〔不確実性〕・当社の強みである、DE&Iの領域において、取り組みが十分でないと生活者をはじめとする社会からの信頼を失う可能性。(脅威)・「ビジネスと人権」について、マーケットごとの特性を踏まえずに、適切な対応を怠った場合に企業価値の低下につながる可能性。(脅威)・当社の取り組みが、社会価値を創造し、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献する可能性。(機会)・DE&Iが根付いた組織風土によって、多様性に富んだ優秀な人財を獲得・維持でき、結果イノベーションが促進され、当社の企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・中長期戦略の立案とKPIの設定、グローバル本社および地域本社の関連部門を巻き込んでの推進状況のモニタリングを実施。・DE&Iに対する価値観の変化への対応事項の洗い出し・検討。・各ブランドにおいてサステナビリティ実現のための活動を推進。・企業としての方針や取り組みとKPIをまとめたサステナビリティレポートの発行。・多様な人財の活躍と企業成長の関係を研究する「資生堂DE&Iラボ」を通じて、実証研究結果を専用Webサイトにて公開。・日本企業の役員に占める女性比率向上を目指す「30% Club Japan」に参画。・がんサバイバーや深い肌悩みを持つ方々のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)向上を支援するプログラム「SLQM(Shiseido Life Quality Makeup)」を通じた“化粧の力”の活用機会の拡大。・人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、当社およびビジネスパートナーが社会に与える可能性がある人権に対する負の影響を特定し、その防止および軽減のための改善アクションを実施。①③自然災害・感染症・テロ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルでの成長基盤の再構築のための人財や経営インフラの強化。〔不確実性〕・世界各地における地震・水害・竜巻・火災等の自然災害、テロ・暴動等による社員の安全に危害を及ぼす人的被害や物的被害、サプライチェーンへの影響が事業や供給を停滞させる可能性。(脅威)・感染症によるパンデミックの発生により消費が停滞し、売上・利益等が低下する可能性。(脅威)・感染症拡大による生活者の価値観・ニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応することで、市場での競争優位を確保できる可能性。(機会)〔対応策〕・グローバル本社および各地域の重要拠点においてBCP(事業継続計画)を策定し従業員に対して安全教育を実施、国内外の拠点において定期的に訓練を実施。・危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークを強化。・感染症に特化したBCPを策定し、対応体制を構築。③ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性地政学的問題〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・成長ドライバーとなる地域・事業への重点投資。・収益性向上のための事業基盤再構築。〔不確実性〕・当社進出国において対日感情が悪化した場合に、当社商品が買い控えされる可能性。(脅威)・当社進出国における政治的不安に起因し、事業環境が悪化する可能性。(脅威)・世界的な物価上昇による原材料の価格高騰を商品やサービスの価格に転嫁した結果、当社の商品に対する生活者の購買意欲が減退し、収益性が悪化する可能性。(脅威)・当社進出国の政治状況の不安定化、各国間の外交関係の緊迫化、通商政策上の対立、紛争の発生により、事業環境が悪化した結果、当社グループの商品の生産、供給および販売体制に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・成長性・収益性・競争優位性に基づき、注力ブランドに集中投資することでブランド力の基盤を強化。・予期せぬ市場環境の変化に直面した際のリスクを最小化するため、グローバルで事業改革を加速。・各地域の売上バランスの適正化。・危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークの強化。・有事の際を想定した全社的対応事項の洗い出し・検討。 ①②③ <事業基盤関連>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性優秀な人財の獲得・維持と組織風土〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・「PEOPLE FIRST」の考えのもと、価値創造の「源泉」である人財を最大の資産と捉え、人的資本投資に対するリターンの最大化を企図し、価値創造現場の目指す姿として「Beauty Innovation Atelier – Energized by Passion, Collaboration and Excellence」を定義。今後、国内外での浸透を計画。・人事戦略において、リーダーシップおよびイノベーション力の強化に注力しつつ、持続可能な価値創造の起点となる社員のエンゲージメントレベルの持続的な向上に注力。・多様な知と能力の融合によって価値が生まれるとの考えのもと、社員間や組織間の関係性の強化および、カルチャー全体を変革するという組織開発面からもアプローチ。・日々仕事をするうえで大切にすべき心構えである「OUR PRINCIPLES(TRUST 8)」を資生堂グループ全体で引き続き推進。〔不確実性〕・優秀な人財の獲得・維持が計画どおり進捗せず、経営計画を実現する人財が不足する可能性。(脅威)・優秀な人財の獲得・維持により、グローバル市場での競争優位を確保できる可能性。(機会)・AIやITツールを活用した業務プロセス・働き方改革の推進により、組織の生産性がさらに高まる可能性。(機会)〔対応策〕・リーダーシップチームと社員との距離を縮め、経営方針、ビジョン、想いや価値観等について直接議論できる機会を意図的に増やし、透明性の高い組織カルチャーの構築を引き続き目指しつつ、組織全体の一体感・社員のベクトルの一致を推進。・リモートワークとオフィスワークを組み合わせた、最大の成果を出すための働き方(資生堂ハイブリッドワークスタイル)や、副業許可など、柔軟性・多様性を認める職場の整備と社員の健康管理の推進。・グローバル人事データベースの導入、パフォーマンスマネジメントの統一化を通じ、適材適所で優秀な人財を登用。・ジョブ型雇用など、貢献度に対応した職務等級制度・処遇報酬制度の導入による人事評価の透明性確保と社員のモチベーション向上。・グローバルリーダーシッププログラムや女性リーダー育成プログラム等の開催。・「Shiseido Future University」において、資生堂ならではの価値創造とイノベーションを創出するために、ビューティーカンパニーにふさわしい美への感性や心の豊かさ、最先端のグローバルレベルのビジネス知見を合わせもったリーダーの育成を目指し、国内外グループ会社から選抜された次世代の経営リーダーとなる人財を中心に、オリジナルのリーダーシッププログラムを実施。・競争力を持つ報酬水準の設定やグローバルモビリティなど、トータルリワードの提供により人財のリテンションを強化。①③ビジネス構造改革〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・変化の激しい市場でも安定的な利益拡大を実現するレジリエントな事業構造への転換により、2026年にコア営業利益率7%の実現を目指し、「SHIFT 2025 and Beyond」の「アクションプラン 2025-2026」を推進。〔不確実性〕・各地域・部門におけるビジネスの構造改革が狙いどおりに進まず、収益性およびキャッシュ・フローの改善が停滞することにより経営計画の達成に影響を及ぼす可能性。(脅威)・中国および米州での経済成長の鈍化に伴い、化粧品市場の成長が想定以下となり、経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・日本の再成長による収益基盤の再構築、中国市場における事業構造改革の断行、次なる成長の柱としての米州の成長基盤構築等を通じ、グローバル市場にて競争優位を築ける可能性。(機会)〔対応策〕・各エリア・領域ごとのアカウンタビリティを、これまで以上に明確にし、ビジネス構造改革の結果を確実に出すために「実行・モニタリングの強化」をすべく、CEO/CFOを委員長とする「グローバルトランスフォーメーションコミッティ」を設置。・当社の重要市場である日本においては、収益性・生産性向上のため、経営改革プラン「ミライシフトNIPPON 2025」を推進。② リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性業務上のインフラ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・商品の調達・生産・販売に係る情報システムや、業務管理システム、主要業務プロセスを高度化・効率化し、グローバルOne IT組織を実現・拡大。〔不確実性〕・各国の当社事業所のITシステムの再構築・移行の導入が計画より遅延する、もしくは導入後にトラブルにより意図したとおりに動作しないことで、グローバルでの経営基盤の向上を阻害し経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・グローバルでのITシステムの標準化により、業務プロセスの最適化が進み、コスト削減や生産性向上を実現する可能性。(機会)・グローバルでのITシステムの標準化により、全リージョンのデータが一元化・可視化されることで、迅速な意思決定が可能となり、市場の変化に対してより柔軟な対応ができるようになった結果、当社の競争優位性がさらに向上する可能性。(機会)〔対応策〕・社内に専門組織を設置し、グローバルでのITシステムおよび業務プロセスの標準化と最新化を図る「FOCUS」プロジェクトを着実に推進。・導入前の広範囲に渡る予行演習やユーザー向けトレーニング、導入後の優先アフターケア期間の設定など、堅固なシステム導入方法に基づき推進することで、ビジネス・システム・人財の準備体制を確保。・高可用性グローバルクラウドITインフラを導入し、レジリエンスを確保。・必要な場合には、コンティンジェンシープランを発動し、ビジネスへの影響を回避。②③サプライネットワーク〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルサプライチェーンマネジメントの強化。・「FOCUS」の導入により、グローバルサプライチェーンマネジメントを強化。・生産と供給における継続的なプロセス改善と最新技術への投資。・安全・サステナビリティ・品質への注力。〔不確実性〕・円安や世界的な物価上昇、関税の引き上げ等の経済的要因に起因する原材料の価格および輸送コストの高騰、需要逼迫、サプライヤーの事業撤退、自然災害、サプライヤーのサイバー被害などにより、供給が遅延し安定的な商品の生産ができなくなる可能性。(脅威)・国内の工場体制により、日本の高品質のものづくりの強みを活かし、生活者への提供価値を高める可能性。(機会)・計画、在庫管理、調達、生産、物流を含むエンドツーエンドのサプライネットワークオペレーションの最適化を通じた収益構造の再構築により、当社の競争優位性が高まる可能性。(機会)〔対応策〕・化粧品の製造に不可欠な原料などについて、サプライヤーのマルチソース化や緊急時に備えた在庫の確保、サプライヤーとの戦略的な連携による供給体制の強化。・「資生堂グループサプライヤー行動基準」の遵守状況のモニタリング強化。・「グローバル・セーフティー・マネジメント・システム」および「サステナビリティ・ロードマップ」の構築と実行。・「責任ある調達における方針」を策定し、グローバルに展開。②③ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性コンプライアンス〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル、ビューティーテック、ウェルネス、またはM&Aにより加わる新たなビジネス等、新しい領域における成長基盤の構築のためのグローバルでの法令遵守体制強化。〔不確実性〕・当社の遵守する世界各国の法規制(製品安全、原材料やラベル、労働安全衛生、知的財産、反独占や競争、データ、環境、雇用と労働、税金、製品訴求、コーポレートガバナンス、適時開示などに関する法規制)について、予期せぬ変化があった場合における、事業コストに重大な影響を与える可能性。また、万が一遵守できなかった場合における、会社が民事上の賠償金や刑事上の罰金を科され、会社のレピュテーションに影響が及ぶ可能性。(脅威)〔対応策〕・グループCLOが、各地域の法務責任者と連携することで法令や社内規程の遵守体制を強化。お客さまと社員の安全を守る迅速かつ効果的な行動を確実にすべく、発生地域や市場で対応チームを立ち上げ対応。・全社員に「資生堂倫理行動基準」の遵守を求め、働き方の枠組みと倫理的な企業風土を醸成。また、お客さまデータの取扱いに加え、腐敗防止、反独占、ハラスメント、差別などのコンプライアンス分野についても研修・啓発を実施。・グローバル本社に「資生堂グローバルホットライン」を設置し、グループの全従業員を対象に通報を直接受け付ける体制を構築。③ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性プライバシー〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・お客さまへの斬新な体験価値やサービスの提供および共創に向け、パーソナルなデータをお客さまの同意を得て取得および利活用の実施。〔不確実性〕・データ侵害や、各国における個人情報を含むデータ保護関連法令への対応が遅れ、または不適切な対応をしてしまうことにより、法令違反が生じ、罰金支払や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)・データ保護に関する社会の感度を把握せず、データ保護に関するお客さま等の懸念や期待に適切に対応できないことにより、当社への信頼低下やビジネス機会を逸失する可能性。(脅威)・上記脅威に対して適切に対応することで、お客さま等が安心して個人データを当社に預けられることを通じて、ビジネス目標の達成に貢献する可能性。(機会)〔対応策〕・グローバルプライバシーリーダーを配置し、データプライバシー保護を強化するとともに、地域のデータプライバシーリーダーと連携してグローバルガバナンスを強化し、生活者・ビジネスパートナー・従業員との信頼を構築。・プライバシー管理やデータ保護に関する取り組みの透明性を確保。・法改正を踏まえたデータ保護関連規程の改訂を継続的に実施。・保有する個人データを特定し、安全管理を推進。社員に対しては、トレーニングや啓発活動を継続的に実施。・全社プライバシーアセスメントを継続的に実施し、脆弱性に対処。 ③規制対応〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバル本社が中心となり、日々変化する新しい規制や社会動向について情報収集・リスク分析を実施し、海外を含む関連部門と情報を共有化し、イノベーティブな商品やサービスをスムーズにローンチする体制を強化。〔不確実性〕・各国における規制強化に準拠した商品開発を適切に行うことができなければ、当社の技術や化粧品が規制の対象となり、商品の製造・販売の継続が困難になり、事業計画に多大な影響がおよび、また社会や生活者からの信頼を失う可能性。さらに、当社が強みを持つ技術が規制により制限されてしまうと商品の競争力が低下する可能性。(脅威)〔対応策〕・グローバル本社内に各国の薬事等の規制動向のモニタリングや戦略を策定する部門を設置。・各リージョンの薬事部門と連携し、現地の工業会や外部専門家との協働を通じて、変わりゆく規制に対する対応を強化。・ISO14001のシステムに基づき環境法規制などの遵守評価を実施し、法令遵守を徹底。 ③ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性品質保証〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・安心・安全な商品の提供は、全戦略の基盤となる当社の重要な価値であり、競争優位の源泉であるとの認識のもと、商品の設計から生産、販売まで高レベルで品質保証・管理を徹底。〔不確実性〕・全社的に品質保証・管理に対する当社の高い基準の適用が不十分となり、安全かつ安心な商品を生活者へ提供し続けることができない可能性。(脅威)・日本の高い品質水準と同等の商品を日本国外でも生産し、世界中で高品質な商品を生活者へ提供することで、特に日本国外でのブランドイメージが高まり、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会)〔対応策〕・資生堂グループの「品質方針」、「グローバル品質ポリシー・要求事項」を定めて独自の厳しい品質基準やさまざまな安全性保証の基準を設定し、新製品の設計、開発、原材料の管理、生産、出荷それぞれの段階で、これら基準に適合していることを確認。・「資生堂品質マネジメントシステム」の運営を通じて目標管理、ガバナンス、リスクアセスメントを強化。・お客さま相談窓口に寄せられたお客さまからのお申し出に関する情報を集約し、全世界で共有・活用できるシステムの導入。・お客さま相談窓口や、万が一品質リスクが発生した場合の社内対応体制を整備し、定期的にシミュレーション訓練を実施。・品質保証部門による品質監査領域を拡大。③ガバナンス体制〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・6つの地域本社とブランドカテゴリーからなるマトリクス型の組織体制を敷き、グローバル本社はグループ全体を統括し、日本、中国、アジアパシフィック、米州、欧州およびトラベルリテールのそれぞれを統括する地域本社に権限の多くを委譲し、責任と権限の現地化を促進。・当社に最適なコーポレートガバナンスのあり方を考え戦略を策定し、持続的成長と長期的企業価値向上の実現をもたらす体制へと更なる進化を図るべく、指名委員会等設置会社に移行。〔不確実性〕・権限が適切に委譲されず責任が果たせない、または意思決定や業務執行に際し規程の逸脱が生じるなどの事態となれば、適法かつ健全な組織運営が円滑に進捗しなくなり、組織の持続可能性を損なう可能性。(脅威)・地域本社がそれぞれのビジネスの責任と権限を持ち、地域の生活者のニーズに合ったマーケティングや迅速な意思決定を実行した結果、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会)〔対応策〕・執行と監督の分離をさらに強化し、取締役会の実効性の強化を図るため、2025年1月1日より社外取締役を取締役会議長に選任。・当社事業にかかわる意思決定を経営陣が定期的にレビューし、重要なものは取締役会に付議または報告。・本社機能およびブランドごとのグローバル本社と地域本社間の責任と権限に関する規定を策定し、定期的な報告やグローバルリーダー会議を通じ、グループガバナンスを確保。・全社的リスク管理体制を含むグローバルでの内部統制を確立することで、ガバナンス体制を強化。③ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性情報セキュリティ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・生活者ニーズや競争環境の激化に対応するため、情報データの活用やEコマースの強化など、デジタルマーケティングのグローバルでの強化。〔不確実性〕・サイバー攻撃によるシステム停止やお客さま情報の漏洩により、生産・販売等の業務の停滞、お客さまやお取引先さまへの損害賠償責任や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)・場所や時間を問わない働き方や、より一層の外部パートナーとの連携、共創において、重要な情報データへのアクセスポイントが増えていく中、その管理・運用が不十分な場合の情報データ漏洩リスクが高まってしまう可能性。(脅威)・上記脅威に対して、重要な情報データを適切に管理する体制を整えること等を通じて、ビジネス目標の達成に貢献する可能性。(機会)〔対応策〕ISOやNISTのフレームワークを参考に、以下の対応策を実施。・情報セキュリティに関する専門部署を中心とするグローバルでの連携体制とガバナンス・統制を強化。当該連携体制で、外部からの攻撃への対応や非常時を想定した定期的な訓練の実施。・内外の環境変化を踏まえた情報セキュリティ/データ保護関連規程の改訂を継続的に実施。・社員に対する情報セキュリティ啓発を継続的に実施。・日々高度化・多様化する外部からのサイバー攻撃に対する中長期的視点でのフィルタリングやPC端末、クラウド利用等のセキュリティ対策を強化。・増大化する重要な情報データと多様化するデータアクセスポイントをより一層しっかりと管理運用するために、外部の専門家も含めグローバルでのセキュリティオペレーションセンター(SOC)によるモニタリングを実施。・機密情報の漏洩防止のため、予防・検知・発生後の3段階から対応を強化。・外部環境の脅威動向だけでなく、脆弱性診断等、現状の対策実施状況を的確に評価し、リスクレベルを定量的に把握。③ <その他>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)アクションプラン2025-2026との関連性為替変動〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルビューティーカンパニーとして海外売上の比率の上昇。〔不確実性〕・輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について為替レートが大きく変動する可能性。(脅威・機会)・海外関係会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与える可能性。(脅威)・当社の海外関係会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて純資産を減少させる可能性。(脅威)〔対応策〕・適切な為替予約等を付すことなどにより為替変動に対するリスクヘッジ策を推進。・主要通貨の変動を監視し、迅速な対応を行う体制を整備。②③事業投資〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・ブランド力の基盤強化、高収益構造の確立のため、経営戦略に合致した成長投資を推進。〔不確実性〕・投資判断時に想定していなかった水準で市場環境や経営環境が悪化し、将来事業計画の未達によって、M&Aにより計上したのれんや無形資産の減損損失が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・定期的な業績モニタリングおよびモニタリング結果の取締役会への報告。・関係するブランド・地域本社・グローバル本社機能部門と連携し、今後の方向性や業績改善のための対応策を検討。・投資規模の大きい案件については「インベストメント/ダイベストメントコミッティー」で内容精査のうえ決裁会議体へ提案。①②③重要な訴訟等〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル・ビューティーテクノロジー・ビジネス構造改革・M&A・ビューティーウェルネス等の新たなビジネスモデルにより成長基盤の再構築・成長に焦点を当て、リスク軽減を重視しつつ、法令遵守・ガバナンス体制を継続的に強化。・重大な訴訟のリスク管理・軽減を強化。従業員への研修や、内部通報制度を設置するなど、内部統制・予防措置を強化。〔不確実性〕・海外約120ヵ国へ進出し、各国において異なる法制度のもと一定レベルの訴訟・賠償請求・当局調査が提起される可能性。(脅威)・当連結会計年度において、当社に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていないが、将来、当社に重大な影響を及ぼす重要な訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合に財政状態および経営成績等に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・効果的な戦略や防御を確実にするべくグローバル本社と各地域本社にCLO直轄の法務チームを設置。また、重大事案の法的戦略・防御について支援を受けるため、外部の専門家や法律事務所ともネットワークを確立。・当社の事業に影響を及ぼす法的環境や国別法規制の変化に関する研修(腐敗防止、独占禁止、差別禁止など)を社員向けに実施。・ビジネス上の契約に補償等の救済措置を含む取引条件を明記することで紛争リスクを軽減。・すべての知的財産をグローバル全体で保護し、侵害申立てから防御。・すべての重要な商取引について、デューデリジェンスを実施。③
FY2023|16,513 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年3月26日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。 当社では、「あらゆるステークホルダーとの信頼関係を築き、経営戦略の実現を一層確実なものとすること」を主眼に置いてリスクマネジメントを推進しています。そのため、リスクを戦略実現に影響を与える「不確実性」と捉え、脅威だけでなく、機会も含めた概念として定義し、必要な体制を構築するとともに、積極的かつ迅速に対応策を推進しています。定期的に当社グループのリスクを特定し対応策等を審議する体制として、当社CEOを委員長とし各地域CEOおよび当社エグゼクティブオフィサー等をメンバーとする「Global Risk Management & Compliance Committee」や「Global Strategy Committee」を設置しています。また、リスクに関連する情報は、グループCLO(チーフリーガルオフィサー)直轄のリスクマネジメント部門に集約されます。毎年特定・評価された重要リスクは、当社グループの経営戦略を策定するうえで考慮される要素となります。加えて、当社はそれぞれの重要リスクによる影響を軽減するため、リスクごとに設定されたリスクオーナーを中心に対応策を推進し、その進捗状況をモニタリングするとともに定期的に上記のCommitteeのメンバーや取締役と共に議論する仕組みを構築・運用しています。 2023年度は、総合的・多面的な手法(ホリスティックアプローチ)を用いて全社的に重要なリスクを抽出しました。具体的には、当社エグゼクティブオフィサー、各地域CEOおよび取締役のリスク認識を把握するインタビューやディスカッション、ならびに各地域で実施した地域ごとのリスク評価、当社関連機能部門との情報交換等を元に、リスクマネジメント部門による分析や外部有識者の知見を加えて、中期経営戦略である「SHIFT 2025 and Beyond」の達成に影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定しました。そして、それらのリスクについて、以下表1のとおり、「ビジネスへの影響度」、「顕在化の可能性」、「脆弱性」の3つの評価軸を設定し、上記Committeeや個別会議などを通じて、リスクの優先付けおよび対応策の検討・確認を行いました。 表1 <リスクの評価軸>ビジネスへの影響度・リスクが顕在化した場合の経営成績(売上等)に与える定量的な影響・当社の企業・ブランドイメージ、カルチャーに与える定性的な影響顕在化の可能性・リスクが顕在化する可能性の程度や時期脆弱性・リスクの対応策の十分性・外的要因によるリスクの発生制御の可否 アセスメントの結果抽出された計20の重要リスクは、以下表2のように、「生活者・社会に関わるリスク」、「事業基盤に関わるリスク」、そして「その他のリスク」の3つのリスクカテゴリーに分類し対応しています。 表2 <資生堂グループ重要リスクの抽出結果> ★:特に優先して対応すべきリスク 生活者・社会に関わるリスク・生活者の価値観変化★・新たなテクノロジーへの対応・デジタル化の加速★・最先端のイノベーション★・企業・ブランドレピュテーション★・環境対応(気候変動・生物多様性など)・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)・自然災害・感染症・テロ・地政学的問題★事業基盤に関わるリスク・優秀な人財の獲得・維持と組織風土★・ビジネス構造改革★・業務上のインフラ★・サプライネットワーク・コンプライアンス・規制対応・品質保証・ガバナンス体制・情報セキュリティ★その他のリスク・為替変動・事業投資・重要な訴訟等 当連結会計年度のリスクアセスメント結果で特筆すべき点として、各リスクの結びつきがますます強固となり、それに伴い各リスクの対応策の相互関係は強まりつつあることが挙げられます。加えて、当社では「生活者の価値観変化」「新たなテクノロジーへの対応・デジタル化の加速」「最先端のイノベーション」「企業・ブランドレピュテーション」「地政学的問題」「優秀な人財の獲得・維持と組織風土」「ビジネス構造改革」「業務上のインフラ」「情報セキュリティ」のリスクについて、昨年度と比較しリスクレベルが上昇しているリスクとして特定し、対応を強化しています。次項より重要リスクごとに、戦略実現に向けた主要な取り組み、想定される不確実性(脅威・機会)、対応策の概要およびリスクレベルの変化を記述します。なお、記述内容は、2024年3月26日時点におけるものです。 <生活者・社会に関わるリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)生活者の価値観変化〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・スキンビューティーブランドへの注力。・自社開発・オープンイノベーション・戦略的M&Aを組み合わせた事業ポートフォリオの強化。・既存領域だけではなく、新たな領域における価値創造の強化。・グローバルで価格戦略を高度化し、ブランドエクイティを担保。・インナービューティー事業の開発。・クロスボーダー戦略の強化。(中国、トラベルリテール、日本)〔不確実性〕・生活者の「美」に関する価値観や化粧品・インナービューティーに対するニーズ、価格の受容性、購買タッチポイントを含む購買行動の多様化への対応が遅延し、または不十分で競合に機会を奪われる可能性。(脅威)・環境に配慮した商品を販売しているにも関わらず、その事実が誤解され、社会や生活者からの信頼を失ってしまう可能性。(脅威)・生活者の価値観変化に対応したマーケティング戦略により、計画以上の売上・利益につながる可能性。(機会)〔対応策〕・生活者の価値観の多様化に対応するブランドポートフォリオ強化。・成長が見込まれる市場へのブランド展開の拡大。・資生堂グループ各社における人財の多様性加速。・市場情報に関する専門部署を通じて、生活者情報を適宜適切に入手。・他社とのオープンイノベーションによる価値・事業開発。・ビューティーウェルネス領域で革新的な取り組みに挑戦するスタートアップ企業へ投資。新たなテクノロジーへの対応・デジタル化の加速〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・全社視点での戦略を立案し、あらゆる領域においてプロセスのデジタル化を推進。・グローバル本社・各地域本社・事業の目標達成、コスト効率の向上、コンプライアンスリスク軽減をサポートするためのプラットフォーム、ツール、プロセス、KPIの標準化・アクティベーションと効果測定を推進。・社内外のプライバシー規制に準拠した形でお客さまデータを獲得・分析し、デジタルCRMを活用した個客マーケティングを推進。顧客エンゲージメントの獲得・維持を強化。〔不確実性〕・デジタルを活用した事業モデル・価値提供の変革・データやプロセスなどの標準化のスピードが競合他社に対し劣後した場合、コンプライアンスリスクやコストが上昇し、市場シェアが低下する可能性。(脅威)・生成AIの活用に伴う様々なリスクに対して適切な対応策を講じない結果、個人情報や機密情報が漏洩する可能性。(脅威)・オンラインとオフライン(店頭)を融合させ、当社独自の顧客体験を提供することによるより強力な価値提供の可能性。(機会)・生成AIの活用による競争優位性の向上。(機会)〔対応策〕・グローバル本社・各地域本社のチーフデジタルオフィサー(CDO)およびデジタル・リーダーシップチーム間の四半期ごとの地域ミーティングを通じた、各種施策の進捗確認・標準KPIに基づいた成果レビューの実施。・生成AI導入プロジェクトを立ち上げ、社内利用環境を構築。同時に、適切な利用方法についてルールを策定し、社員に周知。・デジタルに最適化したチーム構築・採用・人財育成をサポートするデジタル・ワークフォースプランニングの導入。・顧客とのパーソナライズされたエンゲージメントを深化させるビューティーテック領域の開発促進、独自の肌診断デジタルサービス、コンテンツの強化。・オンラインおよび店頭でお客さまに提供するサービス・技術を通じたファーストパーティーデータの取得の更なる推進。・ステージゲートプロセスの導入およびR&D、経営戦略、IT部門と連携した投資管理モデルの構築による、ガバナンスモデルの強化・推進。・グローバル本社・一部地域本社におけるメタバースおよびWeb 3.0ステアリングコミッティを通じた、各種イノベーション施策の推進。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)最先端のイノベーション〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・独自のR&D理念「DYNAMIC HARMONY」の策定と実行による研究の選択と集中。・2030 R&D VISIONとして「We are the engine of BEAUTY INNOVATIONS」を掲げ、「Skin Beauty INNOVATION」、「Sustainability INNOVATION」、「Future Beauty INNOVATION」という3つのイノベーションの柱と、「これまで培ってきたR&Dプロセス」に加え、「リージョンイノベーションセンター(RIC)との連携」、「脱資生堂カルチャー」のアプローチを戦略として策定。・スキンビューティーブランドの研究開発強化。・研究開発投資:売上高比率3%程度に設定し推進。・各地域本社における規制対応の強化。〔不確実性〕・開発技術が類似技術や代替技術の出現により陳腐化し、または各国の薬事規制により開発技術が使用できなくなり、生活者に新たな価値を提供できなくなる可能性。(脅威)・短期視点での新技術の投入や、中長期的視点での基盤研究やサステナビリティを加速する代替原料や処方開発の停滞、またはM&Aや外部との共同事業の進捗が遅延するなどの理由により、意図したシナジー効果を実現できなかった結果、生活者のニーズと合致した価値を提供できず、競争劣後となる可能性。(脅威)・サービス・プロセス・組織などの領域における画期的なイノベーションによる価値創造が生活者に新たな価値を提供し、当社の競争優位を決定づける可能性。(機会)〔対応策〕・化粧品R&Dへの投資の継続と、柔軟かつ適切な投資分配。・研究におけるコアテクノロジー領域を特定し、それぞれで短期~長期の戦略を明確化することにより、投資対効果の高いリソース配分を実現。・画期的な研究成果を最大限に活用するため、ブランド横断で商品化するシーズを設定、さらにそのことを生活者に効果的に伝えるための戦略的コミュニケーションを実施。・最先端の設備を持つ国内外工場の稼働。・生活者のトレンドの変化に焦点を当て、外部機関との共同研究や、スタートアップ企業の知見の活用を強化。・オープンイノベーションプログラム「fibona」をはじめとするスタートアップ企業とのコラボレーションなど、外部との共創によるビジネストライアル(テストローンチ)を通じたブランドへの提案。・研究開発投資対効果を測る指標(売上高研究開発費比率、研究員数、研究拠点数、特許出願数、論文数、シーズ創出数・活用数等)を設定し、モニタリング。・イノベーション人財育成のため、外部機関への戦略的人財の派遣を拡大、また組織ケイパビリティを専門性の観点で強化するため、組織計画と連動した専門職を拡充。 企業・ブランドレピュテーション〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・コーポレートブランドや各ブランドのイメージ維持・向上を狙いに、経済的・社会的両側面において、多様なステークホルダーとのコミュニケーションを推進。・ブランド価値向上のため、生活者インサイトとデータを活用した多面的なマーケティング活動を推進。〔不確実性〕・当社の発信内容や、当社が起用したアンバサダーやインフルエンサーによる言動に対する社会的批判がその真偽に関わらず拡散し、当社イメージを低下させる可能性。(脅威)・模倣品などが流通し、本来の当社の提供する価値が生活者に届かずブランドイメージを低下させる可能性。(脅威)〔対応策〕レピュテーションリスク案件を未然に防ぐ対応策として、以下を推進。・マーケティングやコミュニケーション担当社員を対象としたブランドイメージ維持・向上のための教育を推進。・地域ごとの特性を踏まえながら、倫理的、社会通念上の視点から批判される可能性がある表現や言動の予防のため、宣伝・広告等の発信情報や起用アンバサダー・インフルエンサーの事前チェックシステムを継続的に先鋭化。・WEBサイトおよびソーシャルメディアにおける当社関連情報のモニタリング。・ソーシャルメディアポリシーを定め社内に周知徹底。案件発生時の対応体制の強化として、以下を推進。・本社と各地域本社の対応連携の強化。・模倣品対策については行政との連携による摘発などの対応策を実施。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)環境対応(気候変動・生物多様性など)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・よりよい世界の実現に向けた取り組みとして、本業であるビューティー事業そのものを通じて、社会課題の解決や人々が「幸福を実感できる」サステナブルな社会の実現に向けアクションを実行。・「地球環境の負荷軽減」「サステナブルな製品の開発」「サステナブルで責任ある調達の推進」の3つのコミットメント達成に向け、活動を推進。〔不確実性〕・当領域への取り組みが十分でないと社会や生活者からの信頼を失うことや、購買動機の低下に影響を与える可能性。(脅威)・環境課題、特に気候変動や生物多様性に伴うリスク対応が不十分だと、事業や財務に負の影響を与えるだけでなく、企業価値の低下につながる可能性。(脅威)・サステナブルな商品の開発等の取り組みが、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献し、ビューティーにおける新たな社会価値を創出することで、当社企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・Sustainability Committeeを定期的に開催し、中長期戦略の立案とKPIの設定、サステナビリティ関連課題の審議と決議、グローバル本社および実行責任を持つ地域本社の関連部門間での実行状況のモニタリングを実施。・各ブランドにおけるサステナビリティ対応やSDGsの実現のための活動を推進。・企業としての方針や取り組みとKPI、実績をまとめたサステナビリティレポートの発行。・2024年末までに、すべての工場と物流センターにおいてISO14001の認証取得に向け推進。(2023年末までにすべての工場において取得済)・環境対応パッケージを通じたお客さまとともに環境負荷軽減に貢献する取り組みの推進。・認証パーム油および認証紙への切り替えの推進。・主な環境負荷軽減項目(CO2・パーム油・紙・水・廃棄物)の中期的目標設定・開示と、達成に向けての推進。・サステナビリティ課題として、気候変動、生物多様性、サプライチェーンにおける人権等にも影響の大きい原材料調達におけるトレーサビリティの推進。・「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」への賛同と、その提言に基づき、気候変動や生物多様性のリスクが事業に与える影響を定性的・定量的に分析したシナリオと想定される財務影響、具体的アクションを策定、情報を開示。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・よりよい世界の実現に向けた取り組みとして、本業であるビューティー事業そのものを通じて、社会課題の解決や人々が「幸福を実感できる」サステナブルな社会の実現に向けアクションを実行。・「ジェンダー平等」「美の力によるエンパワーメント」「人権尊重の推進」の3つのコミットメント達成に向け、グローバル本社、地域本社、ブランドが国際機関やNGOなどステークホルダーとも連携しつつアクションを展開。・特に日本において、世界に大きく後れをとっている「女性活躍」について、自社内のみならず、他企業への情報支援によって日本企業、また日本社会全体の変革を牽引。〔不確実性〕・当社の強みである、DE&Iの領域において、取り組みが十分でないと生活者をはじめとする社会からの信頼を失う可能性。(脅威)・DE&Iの土台となる「ビジネスと人権」について、適切な対応を怠った場合に企業価値の低下につながる可能性。(脅威)・DE&I促進のための取り組みが、社会価値を創造し、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献する可能性。(機会)・DE&Iが根付いた組織風土によって、多様性に富んだ優秀な人財を獲得・維持でき、結果イノベーションが促進され、当社の企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・中長期戦略の立案とKPIの設定、グローバル本社および地域本社の関連部門を巻き込んでの推進状況のモニタリングを実施。・各ブランドにおいてサステナビリティやSDGsの実現のための活動を推進。・企業としての方針や取り組みとKPIをまとめたサステナビリティレポートの発行。・多様な人財の活躍と企業成長の関係を研究する「資生堂DE&Iラボ」を発足し、本格的な実証研究に着手。・日本企業の役員に占める女性比率向上を目指す「30% Club Japan」に参画、当社CEOがチェアとしてTOPIX社長会の活動をリード。・がんサバイバーの方々のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)向上を支援するプログラム「SLQM(Shiseido Life Quality Makeup)」「LAVENDER RING MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」を通じた“化粧の力”の活用機会の拡大。・人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、当社およびビジネスパートナーが社会に与える可能性がある人権に対する負の影響を特定し、その防止および軽減のための改善アクションを実施。自然災害・感染症・テロ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルでの成長基盤の再構築のための人財や経営インフラの強化。〔不確実性〕・昨今の世界各地における地震・水害・竜巻等の自然災害、テロ・暴動等による社員の安全に危害を及ぼす人的被害や物的被害、サプライチェーンへの影響が事業や供給を停滞させる可能性。(脅威)・感染症によるパンデミックの発生により消費が停滞し、売上・利益等が低下する可能性。(脅威)・感染症拡大による生活者の価値観・ニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応することで、市場での競争優位を確保できる可能性。(機会)〔対応策〕・グローバル本社および各地域の重要拠点においてBCP(事業継続計画)を策定し従業員に対して安全教育を実施、国内外の拠点において定期的に訓練を実施。・新工場の設立等により、危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークを強化。・感染症に特化したBCPを策定し、対応体制を構築。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)地政学的問題〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・成長ドライバーとなる地域・事業への重点投資。・収益性向上のための事業基盤再構築。〔不確実性〕・当社進出国において対日感情が悪化した場合に、当社商品が買い控えされる可能性。(脅威)・当社進出国における政治的不安に起因し、事業環境が悪化する可能性。(脅威)・世界的な物価上昇による原材料の価格高騰を商品やサービスの価格に転嫁した結果、当社の商品に対する生活者の購買意欲が減退し、収益性が悪化する可能性。(脅威)・当社進出国の政治状況の不安定化、各国間の外交関係の緊迫化、紛争の発生により、事業環境が悪化した結果、当社グループの商品の生産、供給および販売体制に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・スキンビューティーブランドの成長加速に向けた投資拡大。・予期せぬ市場環境の変化に直面した際のリスクを最小化するため、グローバルで事業改革を加速。・各地域の売上バランスの適正化。・危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークの強化。・有事の際を想定した全社的対応事項の洗い出し・検討。 <事業基盤に関わるリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)優秀な人財の獲得・維持と組織風土〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・「PEOPLE FIRST」の考えのもと、価値創造の「源泉」である人財を最大の資産と捉え、人的資本投資に対するリターンの最大化を企図し、価値創造現場の目指す姿として「Beauty Innovation Atelier – Energized by Passion, Collaboration and Excellence」を定義し、今後、国内外での浸透を計画。・人財戦略において、リーダーシップおよびイノベーション力の強化に注力しつつ、持続可能な価値創造の起点となる社員のエンゲージメントレベルの持続的な向上に注力。・強い個(社員一人ひとり)を更に強くするために、社員間や組織間の関係性の強化および、カルチャー全体を変革するという組織開発面からもアプローチ。・2018年に導入した「OUR PRINCIPLES(TRUST 8)」を全資生堂グループにて引き続き推進。〔不確実性〕・優秀な人財の獲得・維持が計画どおり進捗せず経営計画を実現する人財が不足する可能性。(脅威)・優秀な人財の獲得・維持により、グローバル市場での競争優位を確保できる可能性。(機会)・AIやITツールを活用した業務プロセス・働き方改革の推進により、組織の生産性が更に高まる可能性。(機会)〔対応策〕・リーダーシップチームと社員との距離を縮め、経営方針、ビジョン、想いや価値観等について直接議論できる機会を意図的に増やし、透明性の高い組織カルチャーの構築を引き続き目指しつつ、組織全体の一体感・社員のベクトルの一致を推進。・「リモートワーク」と「オフィスワークを組み合わせた、最大の成果を出すための働き方(資生堂ハイブリッドワークスタイル)や、副業許可など、柔軟性・多様性を認める職場の整備と社員の健康管理の推進。・グローバル人事データベースの導入、パフォーマンスマネジメントの統一化を通じ、適材適所で優秀な人財を登用。・ジョブ型雇用など、貢献度に対応した職務等級制度・処遇報酬制度の導入による人事評価の透明性確保と社員のモチベーション向上。・グローバルリーダーシッププログラムや女性リーダー育成プログラム等の開催。・2023年11月に設立した「Shiseido Future University」において、資生堂ならではの価値創造とイノベーションを創出するために、ビューティーカンパニーにふさわしい美への感性や心の豊かさ、最先端のグローバルレベルのビジネス知見を合わせもったリーダーの育成を目指し、国内外グループ会社から選抜された次世代の経営リーダーとなる人財を中心に、オリジナルのリーダーシッププログラムを実施。・競争力を持つ報酬水準の設定やグローバルモビリティなど、トータルリワードの提供により人財のリテンションを強化。ビジネス構造改革〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・付加価値型経営モデルを確立し、2028-2029年までにコア営業利益率15%の達成に向け、戦略上の重点領域であるブランド、イノベーション、人財への積極投資により、継続的な安定成長の実現と高収益構造への転換を推進。〔不確実性〕・各地域・部門におけるビジネスの構造改革が狙いどおりに進まず、収益性およびキャッシュ・フローの改善が停滞することにより経営計画の達成に影響を及ぼす可能性。(脅威)・中国および米州での経済成長の鈍化に伴い、化粧品市場の成長が想定以下となり、経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・日本の再成長による収益基盤の再構築、中国市場における事業構造改革の断行、次なる成長の柱としての米州の成長基盤構築等を通じ、グローバル市場にて競争優位を築ける可能性。(機会)〔対応策〕・各エリア・領域ごとのアカウンタビリティを、これまで以上に明確にし、ビジネス構造改革の結果を確実に出すために「実行・モニタリングの強化」をすべく、CEOを委員長とする「グローバルトランスフォーメーションコミッティ」を設置。・当社の重要市場である日本においては、「持続的な成長」、「稼げる基盤構築」、「人財変革」の3つを柱とする新経営改革プラン「ミライシフトNIPPON 2025」を推進。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)業務上のインフラ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・商品の調達・生産・販売に係る情報システムや、業務管理システム、主要業務プロセスを高度化・効率化し、グローバルOne IT組織を実現・拡大。〔不確実性〕・各国の当社事業所のITシステムの再構築・移行の導入が計画より遅延する、もしくは導入後にトラブルにより意図したとおりに動作しないことで、グローバルでの経営基盤の向上を阻害し経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・グローバルでのITシステムの最新化により更に事業基盤が強固なものとなり、競争力が向上する可能性。(機会)〔対応策〕・社内に専門組織を設置し、グローバルでのITシステムおよび業務プロセスの標準化と最新化を図る「FOCUS」プロジェクトを着実に推進。・導入前の広範囲に渡る予行演習や、導入後の優先アフターケア期間の設定など、堅固なシステム導入方法に基づき推進することで、ビジネス・システム・人財の準備体制を確保。・高可用性グローバルクラウドITインフラを導入し、レジリエンスを確保。・必要な場合には、コンティンジェンシープランを発動し、業務への影響を回避。サプライネットワーク〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・中長期的に安定した生産体制を確立するため、国内に新工場や、新サプライチェーン拠点を建設し、稼働。・グローバルサプライチェーンマネジメントの強化。・「FOCUS」の導入により、グローバルサプライチェーンマネジメントを強化。・生産と供給における継続的なプロセス改善と最新技術への投資。・安心・安全とサステナビリティへの注力。〔不確実性〕・円安や世界的な物価上昇等の経済的要因に起因する原材料の価格高騰、需要逼迫、サプライヤーの事業撤退や、自然災害、サプライヤーのサイバー被害などにより、供給が遅延し安定的な商品の生産ができなくなる可能性。(脅威)・国内の工場体制により、日本の高品質のものづくりの強みを活かし、生活者への提供価値を高める可能性。(機会)〔対応策〕・化粧品の製造に不可欠な原料などについて、サプライヤーのマルチソース化や緊急時に備えた在庫の確保、サプライヤーとの戦略的な連携による供給体制の強化。・「資生堂グループサプライヤー行動基準」の遵守状況のモニタリング強化。・「グローバル・セーフティー・マネジメント・システム」および「サステナビリティ・ロードマップ」の構築と実行。・「責任ある調達における方針」を策定し、グローバルに展開。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)コンプライアンス〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル、ビューティーテック、ウェルネス、またはM&Aにより加わる新たなビジネス等、新しい領域における成長基盤の構築のためのグローバルでの法令遵守体制強化。〔不確実性〕・当社の遵守する世界各国の法規制(製品安全、原材料やラベル、労働安全衛生、知的財産、反独占や競争、データ、環境、雇用と労働、税金、製品訴求、コーポレートガバナンス、適時開示などに関する法規制)について、予期せぬ変化があった場合における、事業コストに重大な影響を与える可能性。また、万が一遵守できなかった場合における、会社が民事上の賠償金や刑事上の罰金を科され、会社のレピュテーションに影響が及ぶ可能性。(脅威)・各国において、個人情報を含むデータ保護関連法令への対応が遅れ、または不適切な対応をしてしまうことにより、法令違反が生じ、罰金支払や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)〔対応策〕・グループCLOが、各地域の法務責任者と連携することで法令や社内規程の遵守体制を強化。お客さまと社員の安全を守る迅速かつ効果的な行動を確実にすべく、発生地域や市場で対応チームを立ち上げ対応。・データ保護に関する責任者を配置し、グローバルガバナンス体制を再整備・強化。・全社員に「資生堂倫理行動基準」の遵守を求め、働き方の枠組みと倫理的な企業風土を醸成。また、お客さまデータの取扱いに加え、腐敗防止、反独占、ハラスメント、差別などのコンプライアンス分野についても研修・啓発を実施。・グローバル本社に「資生堂グローバルホットライン」を設置し、グループの全従業員を対象に通報を直接受け付ける体制を構築。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)規制対応〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバル本社が中心となり、新しい環境に関する法規制や社会動向について情報収集・リスク分析を実施し、海外を含む関連部門と情報を共有化し、イノベーティブな商品やサービスをスムーズにローンチする体制を強化。〔不確実性〕・各国における規制強化に準拠した商品開発を適切に行うことができなければ、当社の技術や化粧品が規制の対象となり、商品の製造・販売の継続が困難になり、事業計画に多大な影響がおよび、また社会や生活者からの信頼を失う可能性。さらに、当社が強みを持つ技術が規制により制限されてしまうと商品の競争力が低下する可能性。(脅威)〔対応策〕・グローバル本社内に各国の薬事等の規制動向のモニタリングや戦略を策定する部門を設置。・各リージョンの薬事部門と連携し、現地の工業会や外部専門家との協働を通じて、変わりゆく規制に対する対応を強化。・ISO14001のシステムに基づいて環境法規制などの遵守評価を実施し、法令遵守を徹底。品質保証〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・安心・安全な商品の提供は、全戦略の基盤となる当社の重要な価値であり、競争優位の源泉であるとの認識のもと、商品の設計から生産、販売まで高レベルで品質保証・管理を徹底。〔不確実性〕・全社的に品質保証・管理に対する当社の高い基準の適用が不十分となり、商品のライフサイクル全般にわたり、安全かつ安心な商品を生活者へ提供し続けることができない可能性。(脅威)・日本の高い品質水準と同等の商品を日本国外でも生産し、世界中で高品質な商品を生活者へ提供することで、特に日本国外でのブランドイメージが高まり、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会)〔対応策〕・資生堂グループの「品質方針」、「グローバル品質ポリシー・要求事項」を定めて独自の厳しい品質基準やさまざまな安全性保証の基準を設定し、新製品の設計、開発、原材料の管理、生産、出荷それぞれの段階で、これら基準に適合していることを確認。・「資生堂品質マネジメントシステム」の運営を通じて目標管理、ガバナンス、リスクアセスメントを強化。・お客さま相談窓口に寄せられたお客さまからのお申し出に関する情報を集約し、全世界で共有・活用できるシステムの導入。・お客さま相談窓口や、万が一品質リスクが発生した場合の社内対応体制を整備し、定期的にシミュレーション訓練を実施。・品質保証部門による品質監査領域を拡大。ガバナンス体制〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・6つの地域本社とブランドカテゴリーからなるマトリクス型の組織体制を敷き、グローバル本社はグループ全体を統括し、日本、中国、アジアパシフィック、米州、欧州およびトラベルリテールのそれぞれを統括する地域本社に権限の多くを委譲し、責任と権限の現地化を促進。・当社に最適なコーポレートガバナンスのあり方を考え戦略を策定し、持続的成長と長期的企業価値向上の実現をもたらす体制へと更なる進化を図るべく、指名委員会等設置会社への移行(2024年3月26日株主総会決議)に備え、委員会事務局機能まで統合した部門を2024年1月より新設。〔不確実性〕・権限が適切に委譲されず責任が果たせない、または意思決定や業務執行に際し規程の逸脱が生じるなどの事態となれば、適法かつ健全な組織運営が円滑に進捗しなくなり、組織の持続可能性を損なう可能性。(脅威)・地域本社がそれぞれのビジネスの責任と権限を持ち、地域の生活者のニーズに合ったマーケティングや迅速な意思決定を実行した結果、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会)〔対応策〕・当社事業にかかわる意思決定を経営陣が定期的にレビューし、重要なものは取締役会に付議または報告。・本社機能およびブランドごとのグローバル本社と地域本社間の責任と権限に関する規定を策定し、定期的な報告やグローバルリーダー会議を通じ、グループガバナンスを確保。・全社的リスク管理体制を含むグローバルでの内部統制を確立することで、ガバナンス体制を強化。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)情報セキュリティ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・生活者ニーズや競争環境の激化に対応するため、情報データの活用やEコマースの強化など、デジタルマーケティングのグローバルでの強化。・お客さまへの斬新な体験価値やサービスの提供および共創に向け、機微情報を含むよりパーソナルなデータをお客さまの同意を得て取得および利活用の実施。・場所や時間を問わず生産性高く業務を行う働き方「資生堂ハイブリッドワークスタイル」への移行。・イノベーションを生み出すために、外部機関やスタートアップ等の外部パートナーとのより一層の連携や共創推進。〔不確実性〕・サイバー攻撃によるシステム停止やお客さま情報の漏洩により、生産・販売等の業務の停滞、お客さまやお取引先さまへの損害賠償責任や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)・場所や時間を問わない働き方やより一層の外部パートナーとの連携、共創において、重要な情報データへのアクセスポイントが増えていく中、その管理・運用が不十分な場合の情報データ漏洩リスクが高まってしまう可能性。(脅威)・データ保護に関する社会の感度を把握せず、データ保護に関するお客さま等の懸念や期待に適切に対応できないことにより、当社への信頼低下やビジネス機会を逸失する可能性。(脅威)・上記脅威に対して適切に対応することで、お客さま等が安心して個人データを当社に預けることができることを通じて、ビジネス目標の達成に貢献する可能性。(機会)〔対応策〕ISOやNISTのフレームワークを参考に、以下の対応策を実施。・情報セキュリティに関する専門部署を中心とするグローバルでの連携体制とガバナンス・統制を強化。当該連携体制で、外部からの攻撃への対応や非常時を想定した定期的な訓練の実施。・データ保護に関する情報開示・通知を推進。関連する当局とのコミュニケーションを推進。・内外の環境変化を踏まえた情報セキュリティ/データ保護関連規程の改訂を継続的に実施。・保有する個人データを特定し、安全管理を推進。社員に対しては、情報セキュリティ啓発を継続的に実施。・日々高度化・多様化する外部からのサイバー攻撃に対する中長期的視点での対応態勢強化(防御・検知・対応・復旧)。(フィルタリングやPC端末、クラウド利用に関するセキュリティ強化等)・増大化する重要な情報データと多様化するデータアクセスポイントをより一層しっかりと管理運用するために、外部の専門家も含めグローバルでのセキュリティオペレーションセンター(SOC)の構築と監視強化を実施。 <その他のリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)為替変動〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルビューティーカンパニーとして海外売上の比率の上昇。〔不確実性〕・輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について為替レートが大きく変動する可能性。(脅威・機会)・海外関係会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与える可能性。(脅威)・当社の海外関係会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて純資産を減少させる可能性。(脅威)〔対応策〕・適切な為替予約等を付すことなどにより為替変動に対するリスクヘッジ策を推進。・主要通貨の変動を監視し、迅速な対応を行う体制を整備。事業投資〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・収益性の改善、スキンビューティーブランドの強化のため、経営戦略に合致した成長投資を推進。〔不確実性〕・投資判断時に想定していなかった水準で市場環境や経営環境が悪化し、将来事業計画の未達によって、M&Aにより計上したのれんや無形資産の減損損失が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・定期的な業績モニタリングおよびモニタリング結果の取締役会への報告。・関係するブランド・地域本社・グローバル本社機能部門と連携し、今後の方向性や業績改善のための対応策を検討。重要な訴訟等〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル・ビューティーテクノロジー・ビジネス構造改革・M&A・ビューティーウェルネス等の新たなビジネスモデルにより成長基盤の再構築・成長に焦点を当て、リスク軽減を重視しつつ、法令遵守・ガバナンス体制を継続的に強化。・重大な訴訟のリスク管理・軽減を強化。従業員への研修や、内部通報制度を設置するなど、内部統制・予防措置を強化。〔不確実性〕・海外約120ヵ国へ進出し、各国において異なる法制度のもと一定レベルの訴訟・賠償請求・当局調査が提起される可能性。(脅威)・当連結会計年度において、当社に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていないが、将来、当社に重大な影響を及ぼす重要な訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合に財政状態および経営成績等に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・効果的な戦略や防御を確実にするべくグローバル本社と各地域本社にCLO直轄の法務チームを設置。また、重大事案の法的戦略・防御について支援を受けるため、外部の専門家や法律事務所ともネットワークを確立。・当社の事業に影響を及ぼす法的環境や国別法規制の変化に関する研修(腐敗防止、独占禁止、差別禁止など)を社員向けに実施。・ビジネス上の契約に補償等の救済措置を含む取引条件を明記することで紛争リスクを軽減。・すべての知的財産をグローバル全体で保護し、侵害申立てから防御。・すべての重要な商取引について、デューデリジェンスを実施。
FY2022|14,383 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月24日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。 当社では、「あらゆるステークホルダーとの信頼関係を築き、経営戦略の実現を一層確実なものとすること」を主眼に置いてリスクマネジメントを推進しています。そのため、リスクを戦略実現に影響を与える「不確実性」と捉え、脅威だけでなく、機会も含めた概念として定義し、必要な体制を構築するとともに、積極的かつ迅速に対応策を講じています。定期的に当社グループのリスクを特定し対応策等を審議する体制として、当社CEOを委員長とし各地域CEOおよび当社エグゼクティブオフィサー等をメンバーとする「Global Risk Management & Compliance Committee」や「Global Strategy Committee」を設置しています。また、リスクに関連する情報は、グループCLO(チーフリーガルオフィサー)直轄のリスクマネジメント部門に集約されます。 2022年度は、総合的・多面的な手法(ホリスティックアプローチ)を用いて全社的に重要なリスクを抽出しました。具体的には、当社エグゼクティブオフィサー、各地域CEOおよび社外取締役のリスク認識を把握するインタビュー、ならびに各地域で実施した地域ごとのリスク評価、当社関連機能部門との情報交換等を元に、リスクマネジメント部門による分析や外部有識者の知見を加えて、中期経営戦略である「SHIFT 2025 and Beyond」の達成に影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定しました。そして、それらのリスクについて、以下表1のとおり、「ビジネスへの影響度」、「顕在化の可能性」、「脆弱性」の3つの評価軸を設定し、上記Committeeや個別会議などを通じて、リスクの優先付けおよび対応策の検討・確認を行いました。 表1 <リスクの評価軸>ビジネスへの影響度・リスクが顕在化した場合の経営成績(売上等)に与える定量的な影響・当社の企業・ブランドイメージ、カルチャーに与える定性的な影響顕在化の可能性・リスクが顕在化する可能性の程度や時期脆弱性・リスクの対応策の十分性・外的要因による、リスクの発生制御の可否 アセスメントの結果抽出された計21の重要リスクは、以下表2のように、「生活者・社会に関わるリスク」、「事業基盤に関わるリスク」、そして「その他のリスク」の3つのリスクカテゴリーに分類し対応しています。また、リスクごとにリスクオーナーを設定し、対策の責任を明確化し、さらに透明性の高いモニタリングを実施するため、推進状況を定期的に上記Committeeおよび取締役会にて議論する仕組みを構築・運用しています。 表2 <資生堂グループ重要リスクの抽出結果>生活者・社会に関わるリスク・生活者の価値観変化・デジタル化の加速・最先端のイノベーション・企業・ブランドレピュテーション・環境・気候変動・ダイバーシティ&インクルージョン・自然災害・人的災害・感染症・地政学的問題事業基盤に関わるリスク・優秀な人財の獲得・維持と組織風土・ビジネス構造改革・業務上のインフラ・サプライネットワーク・コンプライアンス・規制対応・品質保証・ガバナンス体制・情報セキュリティ・プライバシーその他のリスク・為替変動・事業投資・重要な訴訟等 当連結会計年度のリスクアセスメント結果で特筆すべき点として、各リスクの結びつきがますます強固となり、それに伴い各リスクの対応策の相互関係は強まりつつあることが挙げられます。加えて、当社では「生活者の価値観変化」「地政学的問題」「優秀な人財の獲得・維持と組織風土」「品質保証」「情報セキュリティ・プライバシー」の5つのリスクについて、昨年度と比較しリスクレベルが急上昇しているリスクとして特定し、対応を強化しています。また、独自の価値を有するブランドの育成や、美容機器やインナービューティーカテゴリーなどの新たな事業開発に伴い、重要度が増している「規制対応」を新たな重要リスクとして追加しています。次項より重要リスクごとに、戦略実現に向けた主要な取り組み、想定される不確実性(脅威・機会)、対応策の概要およびリスクレベルの変化を記述します。なお、記述内容は、2023年3月24日時点におけるものです。 <生活者・社会に関わるリスク> リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)生活者の価値観変化〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・プレミアムスキンビューティー領域への注力。・自社開発・オープンイノベーション・戦略的M&Aを組み合わせた事業ポートフォリオの強化。・インナービューティー事業の開発。・クロスボーダーマーケティングの強化。〔不確実性〕・生活者の「美」に関する価値観や化粧品・インナービューティーに対するニーズ、価格の受容性、購買タッチポイントを含む購買行動の多様化への対応が遅延する、あるいは不十分で競合に機会を奪われる可能性。(脅威)・生活者の価値観変化に対応したマーケティング戦略により、計画以上の売上・利益につながる可能性。(機会)〔対応策〕・お客さまを中心にオンラインだけでなく、オフライン(店頭)での魅力的なテーラーメイド体験の提供を強化。・生活者の価値観の多様化に対応するブランドポートフォリオ強化。・グローバル本社を中心とした人財の多様性加速。・他社とのオープンイノベーションによる価値・事業開発。・市場情報に関する専門部署を設置し、生活者情報を適宜適切に入手。デジタル化の加速〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・全社視点での戦略、人財、テクノロジー、プロセスのデジタル化を推進。・グローバル本社・各地域本社・事業の目標達成、コスト効率の向上、コンプライアンスリスク軽減をサポートするためのプラットフォーム、ツール、プロセス、KPIの標準化・アクティベーションと効果測定を推進。・社内外のプライバシー規制に準拠した形でお客さまデータを獲得・分析し、デジタルCRMを活用した個客マーケティングを推進。顧客エンゲージメントの獲得・維持を強化。〔不確実性〕・デジタルを活用した事業モデル・価値提供の変革・データやプロセスなどの標準化のスピードが競合他社に対し劣後した場合、コンプライアンスリスクやコストが上昇し、市場シェアが低下する可能性。(脅威)・オンラインとオフライン(店頭)を融合させ、当社独自の顧客体験を提供することによるより強力な価値提供の可能性。(機会)〔対応策〕・グローバル本社・各地域本社のチーフデジタルオフィサー (CDO) およびデジタル・リーダーシップチーム間の四半期ごとの地域ミーティングを通じた、各種施策の進捗確認・標準KPIに基づいた成果レビューの実施。・デジタルに最適化したチーム構築・採用・人財育成をサポートするデジタル・ワークフォースプランニングの導入。・顧客とのパーソナライズされたエンゲージメントを深化させるビューティテック領域の開発促進、独自の肌診断デジタルサービス、コンテンツの強化。・オンラインおよび店頭でお客さまに提供するサービス・技術を通じたファーストパーティーデータの取得の更なる推進。・ステージゲートプロセスの導入およびR&D、経営戦略、IT部門と連携した投資管理モデルの構築による、ガバナンスモデルの強化・推進。・グローバル本社・一部地域本社におけるメタバースおよびWeb 3.0ステアリングコミッティの設立による、各種イノベーション施策の推進。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)最先端のイノベーション〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・独自のR&D理念「DYNAMIC HARMONY」の策定と実行による研究の選択と集中。・プレミアムスキンビューティー領域における研究開発の強化。・研究開発投資:売上高比率3%程度に設定し推進。・各地域本社における研究開発と規制対応の強化。〔不確実性〕・開発技術が類似技術や代替技術の出現により陳腐化する、あるいは各国の薬事規制により開発技術が使用できなくなり、生活者に新たな価値を提供できなくなる可能性。(脅威)・短期視点での新技術の投入や、中長期的視点での基盤研究やサステナビリティを加速する代替原料や処方開発の停滞、またはM&Aや外部との共同事業の進捗が遅延するなどの理由により、意図したシナジー効果を実現できなかった結果、生活者のニーズと合致した価値を提供できず、競争劣後となる可能性。(脅威)・サービス・プロセス・組織などの領域における画期的なイノベーションによる価値創造が生活者に新たな価値を提供し、当社の競争優位を決定づける可能性。(機会)〔対応策〕・化粧品R&Dへの投資・リソースの拡大継続。・研究におけるコアテクノロジー領域を特定し、それぞれで短期~長期の戦略を明確化することにより、投資対効果の高いリソース配分を実現。・画期的な研究成果を最大限に活用するため、ブランド横断で商品化するシーズを設定、さらにそのことを生活者に効果的に伝えるための戦略的コミュニケーションを実施。・他社との協業によるイノベーション強化の実現を目的とした、イノベーションセンターの新研究開発拠点の設立。・最先端の設備を持つ那須工場、大阪茨木工場、福岡久留米工場の稼働。・生活者のトレンドの変化に焦点を当て、外部機関との共同研究や、ベンチャー企業の知見の活用を強化。・オープンイノベーションプログラム「fibona」をはじめとするスタートアップ企業とのコラボレーションなど、外部との共創。・研究開発投資対効果を測る指標(売上高研究開発費比率、研究員数、研究拠点数、特許出願数、論文数、シーズ創出数・活用数等)を設定し、モニタリング。・イノベーション人財育成のため、外部機関への戦略的人財の派遣を拡大。企業・ブランドレピュテーション〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・ブランド価値向上のため、デジタルマーケティングを含めた積極的なマーケティング活動を実施。・コーポレートブランドや各ブランドのイメージ形成を狙いに、アンバサダーやインフルエンサーを起用し、積極的なマーケティング活動を展開。〔不確実性〕・当社の発信内容や、当社が起用したアンバサダーやインフルエンサーによる言動に対する社会的批判がその真偽に関わらず拡散し、当社イメージを低下させる可能性。(脅威)・模倣品などが流通し、本来の当社の提供する価値が生活者に届かずブランドイメージを低下させる可能性。(脅威)〔対応策〕・ソーシャルメディアポリシーを定め社内に周知徹底。・ブランドホルダーのマーケティングやコミュニケーション担当社員を対象としたブランドイメージ維持・向上のための教育を推進。・倫理的、社会通念上の視点から批判される可能性がある表現や言動の予防のため、宣伝・広告等の発信情報や起用アンバサダー・インフルエンサーの事前チェックシステムを導入。・WEBサイトおよびソーシャルメディアのモニタリングによりネガティブ情報の早期発見および対応を実施。・模倣品対策については行政との連携による摘発などの対策を実施。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)環境・気候変動〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・よりよい世界の実現に向けた取り組みとして、本業であるビューティー事業そのものを通じて、社会課題の解決や人々が「幸福を実感できる」サステナブルな社会の実現に向けアクションを実行。・「地球環境の負荷軽減」「サステナブルな製品の開発」「サステナブルで責任ある調達の推進」の3つのコミットメント達成に向け、活動を推進。〔不確実性〕・当領域への取り組みが十分でないと社会や生活者からの信頼を失うことや、購買動機の低下に影響を与える可能性。(脅威)・環境課題、特に気候変動に伴うリスク対応が不十分だと、事業や財務に負の影響を与えるだけでなく、企業価値の低下につながる可能性。(脅威)・サステナブルな商品の開発等の取り組みが、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献し、ビューティーにおける新たな社会価値を創出することで、当社企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・Sustainability Committeeを定期的に開催し、中長期戦略の立案とKPIの設定、サステナビリティ関連課題の審議と決議、グローバル本社および実行責任を持つ地域本社の関連部門間での実行状況のモニタリングを実施。・各ブランドにおけるサステナビリティ対応やSDGsの実現のための活動を推進。・2024年末までに、すべての工場と物流センターにおいてISO14001の認証取得に向け推進。・企業としての方針や取り組みとKPIをまとめたサステナビリティレポートの発行。・環境対応パッケージを通じたお客さまとともに環境負荷軽減に貢献する取り組みの推進。・認証パーム油および認証紙への切り替えの推進。・主な環境負荷軽減項目(CO2・パーム油・紙・水・廃棄物)の中期的目標設定・開示と、達成に向けての推進。・「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同と、その提言に基づき、気候変動リスクが事業に与える影響を定性的・定量的に分析したシナリオと想定される財務影響、具体的アクションを策定、情報を開示。ダイバーシティ&インクルージョン 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・「ジェンダー平等」「美の力によるエンパワーメント」「人権尊重の推進」の3つのコミットメント達成に向け、グローバル本社、地域本社、ブランドが国際機関やNGOなどステークホルダーとも連携しつつアクションを展開。・特に日本において、世界に大きく後れをとっている「女性活躍」について、自社内のみならず、他企業への情報支援によって日本企業、また日本社会全体の変革を牽引。〔不確実性〕・当社の強みである、ダイバーシティ&インクルージョンの領域において、取り組みが十分でないと生活者をはじめとする社会からの信頼を失う可能性(脅威)・ダイバーシティ&インクルージョン促進のための取り組みが、社会価値を創造し、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献する可能性(機会)・ダイバーシティ&インクルージョンが根付いた組織風土によって、多様性に富んだ優秀な人財を獲得・維持でき、結果イノベーションが促進され、当社の企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・中長期戦略の立案とKPIの設定、グローバル本社および地域本社の関連部門を巻き込んでの推進状況のモニタリングを実施。・各ブランドにおいてサステナビリティやSDGsの実現のための活動を推進。・企業としての方針や取り組みとKPIをまとめたサステナビリティレポートの発行。・日本企業の役員に占める女性比率向上を目指す「30%Club Japan」に参画、当社CEOがチェアとしてTOPIX社長会の活動をリード。・がんサバイバーの方々のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)向上を支援するプログラム「SLQM(Shiseido Life Quality Makeup)」「LAVENDER RING MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」を通じた“化粧の力”の活用機会の拡大。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)自然災害・人的災害〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルでの成長基盤の再構築のための人財や経営インフラの強化。〔不確実性〕・昨今の世界各地における地震・水害・竜巻等の自然災害、テロ・暴動等による社員の安全に危害を及ぼす人的被害や物的被害、サプライチェーンへの影響が事業や供給を停滞させる可能性。(脅威)〔対応策〕・グローバル本社および各地域の重要拠点においてBCP(事業継続計画)を策定し従業員に対して安全教育を実施、国内外の拠点において定期的に訓練を実施。・新工場の設立等により、危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークを強化。感染症〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルでの成長基盤の再構築のための人財や経営インフラの強化。・デジタル事業モデルへの転換と組織構築の加速。〔不確実性〕・新型コロナウイルス感染の再拡大や同様のパンデミックの発生により消費が停滞し、売上・利益等が低下する可能性。(脅威)・感染症拡大による生活者の価値観・ニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応することで、市場での競争優位を確保できる可能性。(機会)〔対応策〕・新型コロナウイルスの感染拡大を受け、社員の安心・安全を第一に考え、グローバル本社ならびに各地域において対策本部を設置。・感染症に特化したBCPを策定し、対応体制を継続的に強化。地政学的問題〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・成長ドライバーとなる地域・事業への重点投資。・収益性向上のための事業基盤再構築。〔不確実性〕・当社進出国において対日感情が悪化した場合に、当社商品がボイコットされる可能性。(脅威)・当社進出国における政治的不安に起因し、事業環境が悪化する可能性。(脅威)・世界的な物価上昇による原材料の価格高騰を商品やサービスの価格に転嫁した結果、当社の商品に対する生活者の購買意欲が減退し、収益性が悪化する可能性。(脅威)・当社進出国の政治状況の不安定化、各国間の外交関係の緊迫化、紛争の発生により、事業環境が悪化した結果、当社グループの商品の生産、供給および販売体制に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・プレミアムスキンビューティー事業の成長加速。・各地域の売上バランスの適正化。・危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークの強化。・有事の際を想定した全社的対応事項の洗い出し・検討。 <事業基盤に関わるリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)優秀な人財の獲得・維持と組織風土〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・「PEOPLE FIRST」の考えのもと、イノベーションを起こし、新たな価値を創造する人財を育成・獲得。・「OUR PRINCIPLES(TRUST 8)」として、全社員が持つべき8つの心構えを設定。〔不確実性〕・優秀な人財の獲得・維持が計画どおり進捗せず経営計画を実現する人財が不足する可能性。(脅威)・優秀な人財の獲得・維持により、グローバル市場での競争優位を確保できる可能性。(機会)・業務特性に合わせた働き方改革の推進により、組織の生産性が更に高まる可能性。(機会)〔対応策〕・社員とのコミュニケーションや対話を通じた、透明性の高いリーダーシップとガバナンスが根付いた組織風土の継続的な醸成。・「リモートワーク」と「オフィスワーク」を組み合わせた、最大の成果を出すための働き方(資生堂流ハイブリッドワークスタイル)や、副業許可など、柔軟性・多様性を認める職場の整備と社員の健康管理の推進。・グローバル人事データベースの導入、パフォーマンスマネジメントの統一化を通じ、適材適所で優秀な人財を登用。・ジョブ型雇用など、貢献度に対応した職務等級制度・処遇報酬制度の導入による人事評価の透明性確保と社員のモチベーション向上。・資生堂インタラクティブビューティー株式会社を通じ、デジタル事業モデルへの転換・構築、IT・デジタルの能力強化を加速。・グローバルリーダーシッププログラムや女性リーダー育成プログラム等の開催、競争力を持つ報酬水準の設定やグローバルモビリティなど、トータルリワードの提供により人財のリテンションを強化。ビジネス構造改革〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・不採算・非中核事業の売却や撤退による構造改革や、原価・販売費および一般管理費等の最適化に向けた改革を推進。〔不確実性〕・各地域・部門におけるビジネスの構造改革が狙いどおりに進まず、収益性およびキャッシュ・フローの改善が停滞することにより経営計画の達成に影響を及ぼす可能性。(脅威)・新型コロナウイルス等の影響により、市場回復のタイミングが想定以上に遅れ、生活者の購買意識・行動が変化した結果、経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・中国および米州での経済成長の鈍化に伴い、化粧品市場の成長が想定以下となり、経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・欧米の収益性改善、日本のローカル事業を中心とした基盤再構築、中国における強固な成長基盤の確立等を通じ、グローバル市場にて競争優位を築ける可能性。(機会)〔対応策〕・全体戦略の構築と実行管理、迅速な意思決定および各地域構造と部門の改革案の策定と実行サポートを目的とするCEO直轄のグローバルトランスフォーメーション委員会の設置・推進。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)業務上のインフラ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・商品の調達・生産・販売に係る情報システムや、業務管理システム、主要業務プロセスのグローバルでの高度化・効率化。〔不確実性〕・各国の当社事業所のITシステムの再構築・移行の導入が計画より遅延する、もしくは導入後にトラブルにより意図したとおりに動作しないことで、グローバルでの経営基盤の向上を阻害し経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・グローバルでのITシステムの最新化により更に事業基盤が強固なものとなり、競争力が向上する可能性。(機会)〔対応策〕・社内に専門組織を設置し、グローバルでのITシステムおよび業務プロセスの標準化と最新化を図る「FOCUS」プロジェクトを着実に推進。・堅固なシステム導入方法に基づき推進することで、ビジネス・システム・人財の準備体制を確保。・高可用性グローバルクラウドITインフラを導入し、レジリエンスを確保。・必要な場合には、コンティンジェンシープランを発動し、業務への影響を回避。サプライネットワーク〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・中長期的に安定した生産体制を確立するため、国内での新工場や、新サプライチェーン拠点を建設し、順次稼働。・グローバルサプライチェーンマネジメントの強化。・生産と供給における継続的なプロセス改善と最新技術への投資。・安心・安全とサステナビリティへの注力。〔不確実性〕・円安や世界的な物価上昇等の経済的要因に起因する原材料の価格高騰、需要逼迫、サプライヤーの事業撤退や、自然災害、サプライヤーのサイバー被害などにより、供給が遅延し安定的な商品の生産ができなくなる可能性。(脅威)・国内の工場体制により、日本の高品質のものづくりの強みを活かし、生活者への提供価値を高める可能性。(機会)〔対応策〕・化粧品の製造に不可欠な原料などについて、サプライヤーのマルチソース化や緊急時に備えた在庫の確保、サプライヤーとの戦略的な連携による供給体制の強化。・「資生堂グループサプライヤー行動基準」の遵守状況のモニタリング強化。コンプライアンス〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル、ビューティテック、ウェルネス、新たなM&A等の新たなビジネスモデルによる成長基盤の再構築のためのグローバルでの法令遵守体制強化。〔不確実性〕・当社の遵守する世界各国の法規制(製品安全、原材料やラベル、労働安全衛生、知的財産、反独占や競争、データプライバシー、環境、雇用と労働、税金、製品訴求、コーポレートガバナンス、適時開示などに関する法規制)について、予期せぬ変化があった場合における、事業コストに重大な影響を与える可能性。また、万が一遵守できなかった場合における、会社が民事上の賠償金や刑事上の罰金を科され、会社のレピュテーションに影響が及ぶ可能性。(脅威)〔対応策〕・グループCLOを設置し、各地域の法務責任者と連携することでグループ全体の法令遵守体制を強化。お客さまと社員の安全を守る迅速かつ効果的な行動を確実にすべく、発生地域や市場で対応チームを立ち上げ対応。・全社員に「資生堂グループ倫理行動基準」の遵守を求め、働き方の枠組みと倫理的な企業風土を醸成。また、お客さまデータの取扱いに加え、腐敗防止、反独占、ハラスメント、差別、プライバシーなどのコンプライアンス分野についても研修・啓発を実施。・社員の匿名通報窓口を電話やウェブ上で提供し、倫理行動基準違反の通報受付・対応を実施。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)規制対応〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバル本社が中心となり、新しい環境に関する法規制や社会動向について情報収集・リスク分析を実施し、海外を含む関連部門と情報を共有化し、イノベーティブな商品やサービスをスムーズにローンチする体制を強化。〔不確実性〕・さまざまな国・地域における規制強化に準拠した商品開発を適切に行うことができなければ、当社の技術や化粧品が規制の対象となり、研究開発が停滞する、もしくは製造・販売が禁止され、事業計画に多大な影響がおよび、また社会や生活者からの信頼を失う可能性。(脅威)〔対応策〕・グローバル本社内に各国の薬事等の規制動向のモニタリングや戦略を策定する部門を設置。・ISO14001のシステムに基づいて環境法規制などの遵守評価を実施し、法令遵守を徹底。品質保証〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・安心・安全な商品の提供は、全戦略の基盤となる当社の重要な価値であり、競争優位の源泉であるとの認識のもと、商品の設計から生産、販売まで高レベルで品質保証・管理を徹底。〔不確実性〕・全社的に品質保証・管理に対する当社の高い基準の適用が不十分となり、商品のライフサイクル全般にわたり、安全かつ安心な商品を生活者へ提供し続けることができない可能性。(脅威)・日本の高い品質水準と同等の商品を日本国外でも生産し、世界中で高品質な商品を生活者へ提供することで、特に日本国外でのブランドイメージが高まり、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会)〔対応策〕・「品質保証の基本指針」、「グローバル品質ポリシー・ガイダンス」を定めて独自の厳しい品質基準やさまざまな安全性保証の基準を設定し、新製品の設計、開発、原材料の管理、生産、出荷それぞれの段階で、これら基準に適合していることを確認。・品質保証におけるガバナンス・リスクアセスメント・業務手順の強化を目的とする社長直結のプロジェクトを設置し、品質体制を強化。・お客さま相談窓口に寄せられたお客さまからのお申し出に関する情報を集約し、全世界で共有・活用できるシステムの導入。・お客さま相談窓口や、万が一品質リスクが発生した場合の社内対応体制を整備し、定期的にシミュレーション訓練を実施。ガバナンス体制〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・6つの地域本社とブランドカテゴリーからなるマトリクス型の組織体制を敷き、グローバル本社はグループ全体を統括し、日本、中国、アジアパシフィック、米州、欧州およびトラベルリテールのそれぞれを統括する地域本社に権限の多くを委譲し、責任と権限の現地化を促進。〔不確実性〕・地域本社がグループ全体の方針に沿わない決定を強引に推進し、または反対に権限が適切に委譲されず責任が果たせないなどの事態となれば、適法かつ健全な組織運営が円滑に進捗しなくなり、組織の持続可能性を損なう可能性。(脅威)・地域本社がそれぞれのビジネスの責任と権限を持ち、地域の生活者のニーズに合ったマーケティングや迅速な意思決定を実行した結果、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会)〔対応策〕・当社事業にかかわる重大な意思決定を経営陣が定期的にレビューし、取締役会に報告。・本社機能およびブランドごとのグローバル本社と地域本社間の責任と権限に関する規定を策定し、定期的な報告やグローバルリーダー会議を通じ、コーポレートガバナンスを確保。・全社的リスク管理体制を含むグローバルでの内部統制を確立することで、ガバナンス体制を強化。 リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)情報セキュリティ・プライバシー〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・生活者ニーズや競争環境の激化に対応するため、情報データの活用やEコマースの強化など、デジタルマーケティングのグローバルでの強化。・お客さまへの斬新な体験価値やサービスの提供および共創に向け、機微情報を含むよりパーソナルなデータをお客さまの同意を得て取得および利活用の実施。・場所や時間を問わず生産性高く業務を行う働き方「資生堂ハイブリッドワークスタイル」への移行。・イノベーションを生み出すために、外部機関やスタートアップ等の外部パートナーとのより一層の連携や共創推進。〔不確実性〕・サイバー攻撃によるシステム停止やお客さま情報の漏洩により、生産・販売等の業務の停滞、お客さまやお取引先さまへの損害賠償責任や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)・場所や時間を問わない働き方やより一層の外部パートナーとの連携、共創において、重要な情報データへのアクセスポイントが増えていく中、その管理・運用が不十分な場合の情報データ漏洩リスクが高まってしまう可能性。(脅威)・各国・地域のデータプライバシー関連法令への対応が遅れ、または不適切な対応をしてしまうことにより、法令違反が生じ、罰金支払や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)・データプライバシーに関する社会の感度を把握せず、データプライバシーに関するお客さま等の懸念や期待に適切に対応できないことにより、当社への信頼低下やビジネス機会を逸失する可能性。(脅威)・上記脅威に対して適切に対応することで、お客さま等が安心して個人データを当社に預けることができることを通じて、ビジネス目標の達成に貢献する可能性。(機会)〔対応策〕ISOやNISTのフレームワークを参考に、以下の対策を実施。・情報セキュリティに関する専門部署を中心とするグローバルでの連携体制とガバナンス・統制を強化。・データプライバシーに関する責任者を配置し、グローバルの連携体制を再整備および強化。・データプライバシーの保護に関する情報開示・通知を推進。関連する当局とのコミュニケーションを推進。・内外の環境変化を踏まえた情報セキュリティ/データプライバシー関連規程の改訂を継続的に実施。・保有する個人データを特定し、安全管理を推進。社員に対しては、情報セキュリティ啓発を継続的に実施。・日々高度化・多様化する外部からのサイバー攻撃に対する中長期的視点での対応態勢強化(防御・検知・対応・復旧)。(フィルタリングやPC端末、クラウド利用に関するセキュリティ強化等)・増大化する重要な情報データと多様化するデータアクセスポイントをより一層しっかりと管理運用するために、外部の専門家も含めグローバルでのセキュリティオペレーションセンター(SOC)の構築と監視の強化。 <その他のリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策リスクレベルの変化(昨年比)為替変動〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルビューティーカンパニーとして海外売上の比率の上昇。〔不確実性〕・輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について為替レートが大きく変動する可能性。(脅威・機会)・海外関係会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与える可能性。(脅威)・当社の海外関係会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて純資産を減少させる可能性。(脅威)〔対応策〕・適切な為替予約等を付すことなどにより為替変動に対するリスクヘッジ策を推進。・主要通貨の変動を監視し、迅速な対応を行う体制を整備。事業投資〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・収益性の改善、スキンビューティーブランドの強化のため、経営戦略に合致した成長投資を推進。〔不確実性〕・投資判断時に想定していなかった水準で市場環境や経営環境が悪化し、将来事業計画の未達によって、M&Aにより計上したのれんや無形資産の減損損失が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・定期的な業績モニタリングおよびモニタリング結果の取締役会への報告。・関係するブランド・地域本社・グローバル本社機能部門と連携し、今後の方向性や業績改善のための対策を検討。重要な訴訟等〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル・ビューティーテクノロジー・ビジネス構造改革・M&A・ビューティーウェルネス等の新たなビジネスモデルにより成長基盤の再構築・成長に焦点を当て、リスク軽減を重視しつつ、法令遵守・ガバナンス体制を継続的に強化。・重大な訴訟のリスク管理・軽減を強化。従業員への研修や、内部通報制度を設置するなど、内部統制・予防措置を強化。〔不確実性〕・海外約120ヵ国へ進出し、各国において異なる法制度のもと一定レベルの訴訟・賠償請求・当局調査が提起される可能性。(脅威)・当連結会計年度において、当社に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていないが、将来、当社に重大な影響を及ぼす重要な訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合に財政状態および経営成績等に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・効果的な戦略や防御を確実にするべくグローバル本社と各地域本社にCLO直轄の法務チームを設置。また、重大事案の法的戦略・防御について支援を受けるため、外部の専門家や法律事務所ともネットワークを確立。・当社の事業に影響を及ぼす法的環境や国別法規制の変化に関する研修(腐敗防止、独占禁止、差別禁止など)を社員向けに実施。・ビジネス上の契約に補償等の救済措置を含む取引条件を明記することで紛争リスクを軽減。・すべての知的財産をグローバル全体で保護し、侵害申立てから防御。・すべての重要な商取引について、デューデリジェンスを実施。
FY2021|14,941 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年3月25日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。 当社では、「あらゆるステークホルダーとの信頼関係を築き、中長期経営戦略の実現を一層確実なものとすること」を主眼に置いてリスクマネジメントを推進しています。そのため、リスクを戦略実現に影響を与える「不確実性」と捉え、脅威だけでなく、機会も含めた概念として定義し、必要な体制を構築するとともに、積極的かつ迅速に対応策を講じています。定期的に当社グループのリスクを特定し対応策等を審議する体制として、当社CEOを委員長とし各地域CEOおよび当社エグゼクティブオフィサー等をメンバーとする「Global Risk Management & Compliance Committee」や「Global Strategy Committee」を設置しています。また、リスクに関連する情報は、グループCLO(チーフリーガルオフィサー)直轄のリスクマネジメント部門に集約されます。 2021年度は、総合的・多面的な手法(ホリスティックアプローチ)を用いてリスクを抽出しました。具体的には、当社CEOをはじめとしたエグゼクティブオフィサー、各地域CEOのリスク認識を把握するインタビュー、ならびに各地域で実施した地域ごとのリスク評価、当社関連機能部門との情報交換等を元に、リスクマネジメント部門による分析や外部有識者の知見を加えて、「WIN 2023 主要戦略※1」実現に影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定しました。そして、それらのリスクについて、「リスクが顕在化した場合の経営成績等に与える影響」、「リスクが顕在化する可能性の程度や時期」、「当該リスクへの対応の十分性」の3つの評価軸を設定し、上記Committeeや個別会議※2などを通じて、リスクの優先付けおよび対策状況の検討・確認を行いました。アセスメントの結果抽出されたリスクは、その性質に基づき、外部の変化に起因する「生活者・社会に関わるリスク」、内部の活動に起因する「事業基盤に関わるリスク」、そして「その他のリスク」の3つのリスクカテゴリーに分類し対応しています。また、リスクごとにリスクオーナーを設定し、対策の責任を明確化し、さらに透明性高いモニタリングを実施するため、推進状況を定期的に上記Committeeおよび取締役会にて議論する仕組みを構築・運用しています。 当連結会計年度のアセスメント結果で特筆すべき点として、各リスクの結びつきが強固になっており、それに伴い各リスクにおける対応策の相互依存関係が一層高まっていること、また、「生活者の価値観変化」および「優秀な人材の獲得・維持と組織風土」が他のリスクに与える影響が大きいことが挙げられます。以下に領域ごとに、主要戦略との関係性と想定されるリスク(脅威・機会)、対応策の概要を記述します。なお、記述内容は、2022年3月25日時点におけるものです。 ※1 WIN 2023 主要戦略高収益構造への転換①事業構造改革による収益性改善②コスト競争力強化・生産拠点の生産性向上③中国を中心としたアジア圏での成長強化スキンビューティーへ注力④スキンビューティーブランド育成・ポートフォリオ拡充⑤他社との協業によるイノベーション強化⑥インナービューティー事業の開発成長基盤の再構築⑦サステナビリティを中心とした経営への進化⑧ブランドを強くするマーケティングの革新と組織強化⑨デジタル事業モデルへの転換・組織構築⑩人材・組織のさらなる多様化と能力開発 ※2 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、Committeeの全メンバーが一堂に会する対面方式での会議開催が困難な場合があったため、リスクマネジメント部門と各メンバーとの個別オンライン会議などの手段で代替しました。 <生活者・社会に関わるリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性生活者の価値観変化〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・プレミアムスキンビューティー領域への注力。・自社開発・オープンイノベーション・戦略的M&Aを組み合わせた事業ポートフォリオの強化。・インナービューティー事業の開発。・クロスボーダーマーケティングの強化。〔不確実性〕・生活者の「美」に関する価値観や化粧品・インナービューティーに対するニーズ、価格の受容性、購買タッチポイントを含む購買行動の多様化への対応が遅延する、あるいは不十分で競合に機会を奪われる可能性。(脅威)・生活者の価値観変化に対応したマーケティング戦略により、計画以上の売上・利益につながる可能性。(機会)〔対応策〕・ライブコマース、オンラインカウンセリングをブランド×地域横断で展開強化。・生活者の価値観の多様化に対応するブランドポートフォリオ強化。(Drunk Elephant・BAUM・THE GINZA・EFFECTIMの展開加速、新ブランド開発、M&A等)・生活者情報を適宜適切に入手するための市場情報に関する専門部署の設置。・中国人生活者に向けた価値開発機能強化。(研究開発、マーケティング等)・「中国事業創新投資室(CBI)」を通じた中国市場動向をとらえた既存事業のイノベーションと新規事業開発の推進。・グローバル本社を中心とした人材の多様性加速。・他社とのオープンイノベーションによる価値・事業開発。④⑤⑥⑦⑧⑨デジタル化の加速〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・チャネル構造の変化を踏まえた、継続愛用者育成のための顧客エンゲージメントおよびEコマースの強化。・社内外のプライバシー規制に準拠した形で顧客データを獲得・分析し、デジタルCRMを通じて、よりパーソナライズされたマーケティングを展開。顧客エンゲージメントの獲得・維持を強化。〔不確実性〕・デジタルを活用した事業モデル・価値提供の変革スピードが競合他社に対し劣後し、新規ユーザーの獲得の機会損失および既存ユーザーのブランド離反が発生し、市場シェアが低下する可能性。(脅威)・Eコマースと店頭販売を融合させることによる当社独自の価値提供の可能性。(機会)〔対応策〕・グローバル本社・各地域本社におけるチーフデジタルオフィサー登用。・DXによる事業モデルの革新に向けた、「資生堂インタラクティブビューティー株式会社」の設立。・デジタルマーケティング専門人材の獲得・維持・育成強化。・デジタルマインドセットをコアコンピテンシーの1つと捉えて促進するために、全社的なデジタルアカデミーを開催。・Eコマースと店頭販売を融合させたオムニチャネル推進。・顧客とのパーソナライズされたエンゲージメント強化に向けたビューティテック開発・導入の促進、独自の肌診断コンテンツの強化。・オンラインや店頭で生活者に提供するサービス・技術を通じたファーストパーティーデータの取得推進。・中国ECプラットフォーム企業との業務提携やITベンチャー企業との提携によるデジタルマーケティングの強化。・日本におけるオムニ専属BCの本格始動。(YouTube, Instagram, チーム伴走型美容プログラム「ONLINE BEAUTY STUDIO」等)⑧⑨⑩ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性最先端のイノベーション〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・独自のR&D理念「DYNAMIC HARMONY」の策定と実行による研究の選択と集中。・プレミアムスキンビューティー領域における研究開発の強化。・研究開発投資:売上高比率3%程度に設定し推進。・各地域本社における研究開発と規制対応の強化。・イノベーションの源泉となる、優れた研究開発の成果等を生活者・得意先に発信するコミュニケーションの強化。〔不確実性〕・開発技術が類似技術や代替技術の出現により陳腐化する、あるいは各国の薬事規制により開発技術が使用できなくなり、生活者に新たな価値を提供できなくなる可能性。(脅威)・短期視点での新技術の投入や、中長期的視点での基盤研究やサステナビリティを加速する代替原料や処方開発の停滞、またはM&Aや外部との共同事業の進捗が遅延するなどの理由により、意図したシナジー効果を実現できなかった結果、生活者のニーズと合致した価値を提供できず、競争劣後となる可能性。(脅威)・サービス・プロセス・組織などの領域における画期的なイノベーションによる価値創造が生活者に新たな価値を提供し、当社の競争優位を決定づける可能性。(機会)〔対応策〕・化粧品R&Dへの投資・リソース再拡大。・研究開発組織の改編(ブランド価値開発研究所・みらい開発研究所)。・環境開発機能(パッケージ・処方・原料開発)を統括し、技術開発および戦略実行のハブとして、商品開発部門と連携してスピーディーな製品化に結びつける目的で、研究所内に「サステナブル開発推進室」を新設。・グローバル本社内にグローバル視点で薬事等の規制動向のモニタリングや戦略を策定する「グローバル規制部」を新設。・他社との協業によるイノベーション強化の実現を目的とした、中国イノベーションセンターの新研究開発拠点の設立。・最先端の設備を持つ那須工場、大阪茨木工場、福岡久留米工場の建設と順次稼働を予定。・資生堂グローバルイノベーションセンター(GIC)(横浜)やBEAUTY INNOVATION HUB(中国・上海)を通じたイノベーションの促進。・生活者のトレンドの変化に焦点を当て、外部機関との共同研究や、米国ベンチャー企業の知見の活用を強化。・GIC主導のオープンイノベーションプログラム「fibona」におけるスタートアップ企業とのコラボレーションなど、外部との共創。・研究開発投資対効果を測る指標(売上高研究開発費比率、研究員数、研究拠点数、特許出願数、論文数等)を設定し、モニタリング。③④⑤⑥⑦⑧⑨企業・ブランドレピュテーション〔〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・ブランド価値向上のため、デジタルマーケティングを含めた積極的なマーケティング活動を実施。・コーポレートブランドや各ブランドのイメージ形成を狙いに、アンバサダーやインフルエンサーを起用し、積極的なマーケティング活動を展開。〔不確実性〕・当社の発信内容や、当社が起用したアンバサダーやインフルエンサーによる言動に対する社会的批判がその真偽に関わらず拡散し、当社イメージを低下させる可能性。(脅威)・模倣品などが流通し、本来の当社の提供する価値が生活者に届かずブランドイメージを低下させる可能性。(脅威)〔対応策〕・ソーシャルメディアポリシーを定め社内に周知徹底。・ブランドホルダーのマーケティングやコミュニケーション担当社員を対象としたブランドイメージ維持・向上のための教育。・倫理的、社会通念上の視点から批判される可能性がある表現や言動の予防のため、宣伝・広告等の発信情報や起用アンバサダーやインフルエンサーの事前チェックシステムを導入。・WEBサイトおよびソーシャルメディアのモニタリングによりネガティブ情報の早期発見および対応を実施。・模倣品対策については行政との連携による摘発などの対策を実施。④⑧⑨ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性環境・気候変動〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・より良い世界の実現に向けた取り組みとして、本業であるビューティー事業そのものを通じて、社会課題の解決や人々が幸福感を感じられる社会の実現に向けアクションを実行。〔不確実性〕・当領域への取り組みが十分でないと社会や生活者からの信頼を失うことや、購買動機の低下に影響を与える可能性。(脅威)・環境課題、特に気候変動に伴うリスク対応が不十分だと、事業や財務に負の影響を与えるだけでなく、企業価値の低下につながる可能性。(脅威)・サステナブルな商品の開発等の取り組みが、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献し、ビューティーにおける新たな社会価値を創出することで、当社企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・Sustainability Committeeを定期的に開催し、中長期戦略の立案とKPIの設定、サステナビリティ関連課題の審議と決議、グローバル本社および地域本社の関連部門を巻き込んでの実行状況のモニタリングを実施。・各ブランドにおけるサステナビリティ対応やSDGsの実現のための活動。(SHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテなど)・2024年末までに、全ての工場と物流センターにおいてISO14001の認証取得に向け推進。・企業としての方針や取り組みとKPIをまとめたサステナビリティレポートの発行。・環境対応パッケージの採用。(カネカ生分解性ポリマーGreen Planet®を使用した商品の開発・販売、「Loop」の日本展開に参画)・認証パーム油および認証紙への切り替えの推進。・主な環境負荷軽減項目(CO2・パーム油・紙・水・廃棄物)の中期的目標設定・開示と、達成に向けての推進。・「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同と、その提言に基づき、気候変動リスクが事業に与える影響を定性的・定量的に分析したシナリオと具体的アクションを策定、情報を開示。④⑦⑩ダイバーシティ&インクルージョン 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・「女性のエンパワーメント」、「美の力によるダイバーシティ&インクルージョン」の2つを戦略の柱とし、グローバル本社、地域本社、ブランドが国際機関やNGOなどステークホルダーとも連携しつつアクションを展開。・特に日本において、世界に大きく後れをとっている「女性活躍」について、自社内のみならず、他企業への情報支援によって日本企業、また日本社会全体の変革を牽引。〔不確実性〕・当社の強みである、ダイバーシティ&インクルージョンの領域において、取り組みが十分でないと社会や生活者からの信頼を失う可能性。(脅威)・ダイバーシティ&インクルージョン促進のための取り組みが、社会価値を創造し、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献する可能性。(機会)・ダイバーシティ&インクルージョンが根付いた組織風土によって、多様性に富んだ優秀な人材を獲得・維持でき、結果イノベーションが促進され、当社の企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・中長期戦略の立案とKPIの設定、グローバル本社および地域本社の関連部門を巻き込んでの推進状況のモニタリングを実施。・各ブランドにおけるサステナビリティやSDGsの実現のための活動。(SHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテなど)・企業としての方針や取り組みとKPIをまとめたサステナビリティレポートの発行。・日本企業の役員に占める女性比率向上を目指す「30%Club Japan」に参画、当社CEOがチェアとしてTOPIX社長会の活動をリード。・がんサバイバーの方々のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)向上を支援するプログラム「SLQM(Shiseido Life Quality Makeup)」「LAVENDER RING MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」を通じた“化粧の力”の活用機会の拡大。⑦⑩ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性自然災害・人的災害〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルでの成長基盤の再構築のための人材や経営インフラの強化。〔不確実性〕・昨今の世界各地における地震・水害・竜巻等の自然災害、テロ・暴動等による社員の安全に危害を及ぼす人的被害や物的被害、サプライチェーンへの影響が事業や供給を停滞させる可能性。(脅威)〔対応策〕・グローバル本社および各地域の重要拠点においてBCP(事業継続計画)を策定し、かつ同計画の実効性を上げるため、国内外の拠点において定期的に訓練を実施。・新工場の設立等により、危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークを強化。②⑩ 感染症〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルでの成長基盤の再構築のための人材や経営インフラの強化。・デジタル事業モデルへの転換と組織構築の加速。〔不確実性〕・新型コロナウイルス感染拡大の長期化や同様のパンデミックの発生により消費が停滞し、売上・利益等が低下する可能性。加えて、従業員が通常通り勤務できないことにより、生産性が低下する可能性。(脅威)・感染症拡大による生活者の価値観・ニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応することで、市場での競争優位を確保できる可能性。(機会)〔対応策〕・新型コロナウイルスの感染拡大を受け、社員の安心・安全を第一に考え、グローバル本社ならびに各地域において対策本部を設置。感染症BCPを改定し対応体制を強化。②⑨⑩地政学的問題〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・成長を牽引する中国人生活者および中国本土・アジア・トラベルリテール事業への重点投資。・日本事業の高収益事業基盤への再構築。・欧米事業の収益性向上。〔不確実性〕・アジア諸国における対日感情が悪化した場合に、当社商品がボイコットされる可能性。(脅威)・米中対立や、アジア地域での政治的な不安に起因する事業環境が悪化する可能性。(脅威)・世界的な物価インフレによる原材料の価格高騰を企業努力で吸収することができなくなり、商品やサービスの価格に転嫁せざるを得なくなった結果、当社の商品に対する生活者の購買意欲が減退し、事業計画の達成が困難となる可能性。(脅威)・当社進出国の政治状況の不安定化、各国間の外交関係の緊迫化、紛争の発生により、事業環境が悪化した結果、当社グループの商品の生産、供給および販売体制に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・中国・日本・アジアパシフィックにおけるプレミアムスキンビューティー事業の成長加速。・新規事業、新ブランドによる中国におけるさらなる成長加速。・各地域の売上バランスの適正化と、日本・欧米における利益の伸長および、さらなる支持獲得。・危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークの強化。③ <事業基盤に関わるリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性優秀な人材の獲得・維持と組織風土〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・「PEOPLE FIRST」の考えのもと、イノベーションを起こし、変革をもたらす人材を育成・獲得。・「OUR PRINCIPLES(TRUST 8)」として、「THINK BIG」「TAKE RISKS」「HANDS ON」 「COLLABORATE」 「BE OPEN」 「ACT WITH INTEGRITY」「BE ACCOUNTABLE」「APPLAUD SUCCESS」の8つを全社員の心構えとして設定。〔不確実性〕・優秀な人材の獲得・維持が計画どおり進捗せず経営計画を実現する人材が不足する可能性。特に、IT・デジタル領域で優秀な人材を獲得・維持できず、デジタル事業モデルへの転換・組織構築に時間を要する可能性。(脅威)・優秀な人材の獲得・維持により、グローバル市場での競争優位を確保できる可能性。(機会)・業務特性に合わせた働き方改革の推進により、組織の生産性が更に高まる可能性。(機会)〔対応策〕・社員とのコミュニケーションや対話を通じた、透明性の高いリーダーシップとガバナンスが根付いた組織風土の継続的な醸成。・「リモートワーク」と「オフィスワーク」を組み合わせた、最大の成果を出すための新しい働き方(資生堂流ハイブリッドワークスタイル)や、副業許可など、柔軟性・多様性を認める職場の整備と社員の健康管理の推進。・人事関連の情報インフラの整備、グローバル人事データベース「MIRAI」導入、パフォーマンスマネジメントの統一化。・ジョブ型雇用など、貢献度に対応した職務等級制度・処遇報酬制度の導入による人事評価の透明性確保と社員のモチベーション向上・資生堂インタラクティブビューティー株式会社を設立し、デジタル事業モデルへの転換・構築、IT・デジタルの能力強化を加速。⑧⑨⑩ビジネス構造改革〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・収益性の改善のため、原価・販売費および一般管理費等の改革を推進。〔不確実性〕・各地域・部門におけるビジネスの構造改革が狙いどおりに進まず、収益性およびキャッシュ・フローの改善が停滞することにより経営計画の達成に影響を及ぼす可能性。(脅威)・日本における新型コロナウイルスの収束および市場回復のタイミングが想定以上に遅れ、生活者の化粧品に対する購買意識が変化した結果、経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・中国の経済成長の鈍化に伴い、化粧品市場の成長が想定以下となり、経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・欧米の収益性改善、日本のローカル事業を中心とした基盤再構築、中国における強固な成長基盤の確立とグローバル市場での競争優位の可能性。(機会)〔対応策〕・全体戦略の構築と実行管理、迅速な意思決定および各地域構造と部門の改革案の策定と実行サポートを目的とするCEO直轄のグローバルトランスフォーメーション委員会の設置・推進。・パーソナルケア事業の譲渡完了。・Dolce&Gabbana S.r.lとのライセンス契約終了。・プレステージメイクアップ3ブランド(「bareMinerals」「BUXOM」「Laura Mercier」)の譲渡完了。①②③ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性業務上のインフラ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・商品の調達・生産・販売に係る情報システムや、業務管理システム、主要業務プロセスのグローバルでの高度化・効率化。〔不確実性〕・各国の当社事業所のITシステムの再構築・移行の導入が計画より遅延する、もしくは導入後にトラブルにより意図したとおりに動作しないことで、グローバルでの経営基盤の向上を阻害し経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威)・グローバルでのITシステムの最新化により更に事業基盤が強固なものとなり競争力が向上する可能性。(機会)〔対応策〕・社内に専門組織「ビジネストランスフォーメーション部」を設置、グローバルでのITシステムおよび業務プロセスの標準化と最新化を図る「FOCUS」プロジェクトを着実に推進。・堅固なシステム導入方法に基づき推進することで、ビジネス・システム・人材の準備体制を確保。・高可用性グローバルクラウドITインフラを導入し、レジリエンスを確保。・必要な場合には、コンティンジェンシープランを発動し、業務への影響を回避。②⑨⑩サプライネットワーク〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・中長期的に安定した生産体制を確立するため、国内での新工場や、新サプライチェーン拠点を建設し、順次稼働を開始予定。・グローバルサプライチェーンマネジメントの強化。・生産と供給における継続的なプロセス改善と最新技術への投資。・安心・安全とサステナビリティへの注力。〔不確実性〕・特定のサプライヤーに依存している一部商品の原材料について、原材料の需要逼迫、価格高騰、サプライヤーの事業撤退、自然災害などにより供給が遅延し安定的な生産ができなくなる可能性。(脅威)・国内6工場体制により、日本の高品質のものづくりの強みを活かし、生活者への提供価値を高める可能性。(機会)〔対応策〕・化粧品の製造に不可欠な原料などについて、サプライヤーのマルチソース化や緊急時に備えた在庫の確保、サプライヤーとの戦略的な連携による供給体制の強化。・「資生堂グループサプライヤー行動基準」の遵守状況のモニタリング強化。②⑩コンプライアンス〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル、ビューティテック、ウェルネス、新たなM&A等の新たなビジネスモデルによる成長基盤の再構築のためのグローバルでの法令遵守体制強化。〔不確実性〕・当社の遵守する世界各国の法規制(製品安全、原材料やラベル、労働安全衛生、知的財産、反独占や競争、データプライバシー、環境、雇用と労働、税金、製品訴求、コーポレートガバナンス、適時開示などに関する法規制)について、予期せぬ変化があった場合における、事業コストに重大な影響を与える可能性。また、万が一遵守できなかった場合における、会社が民事上の賠償金や刑事上の罰金を科され、会社のレピュテーションに影響が及ぶ可能性。(脅威)〔対応策〕・「資生堂グループ倫理行動基準」で世界中の社員の行動を規定。・グループCLOを設置し、グループ全体の法令遵守体制を明確化。CLO管轄下のリスクマネジメント部門が倫理行動基準および当社事業に関係する法規制のグローバルでの遵守を確保。・全社員に倫理行動基準の遵守を求め、働き方の枠組みと倫理的な企業風土を醸成。また、お客さまデータの取扱いに加え、腐敗防止、反独占、ハラスメント、差別、プライバシーなどのコンプライアンス分野についても研修・啓発を実施。・社員の匿名通報窓口を電話やウェブ上で提供し、倫理行動基準違反の通報受付・対応を実施。・各部署に薬事、安全性、品質、雇用、訴求の有用性、製品ラベルなどの基準の遵守状況を監視する専任チームメンバーを有し、法令遵守を徹底。お客さまと社員の安全を守る迅速かつ効果的な行動を確実にすべく、発生地域や市場でインシデント対応チームを立ち上げ対応。⑩ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性品質保証〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・安心・安全な商品の提供は、全戦略の基盤となる当社の重要な価値であり、競争優位の源泉であるとの認識のもと、商品の設計から生産、販売まで高レベルで品質保証・管理を徹底。〔不確実性〕・全社的に品質保証・管理に対する当社の高い基準の適用が不十分となり、商品のライフサイクル全般にわたり、安全かつ安心な商品を生活者へ提供し続けることができない可能性。(脅威)・日本の高い品質水準と同等の商品を日本国外でも生産し、世界中で高品質な商品を生活者へ提供することで、特に日本国外でのブランドイメージが高まり、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会)〔対応策〕・「品質保証の基本指針」、「グローバル品質ポリシー・ガイダンス」を定めて独自の厳しい品質基準やさまざまな安全性保証の基準を設定し、新製品の設計、開発、原材料の管理、生産、出荷それぞれの段階で、これら基準に適合していることを確認。専門の品質保証部門を設置。・品質保証におけるガバナンス・リスクアセスメント・業務手順の強化を目的とする社長直結のグローバルクオリティトランスフォーメーションプロジェクトを設置し、品質体制を強化。・お客さま相談窓口に寄せられたお客さまからのお申し出に関する情報を集約し、全世界で共有・活用できるシステム(Global Quality System)の導入。・お客さま相談窓口や、万が一品質リスクが発生した場合の社内対応体制を整備し、定期的にシミュレーション訓練を実施。④⑤⑥⑩ガバナンス体制〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・6つの地域本社とブランドカテゴリーからなるマトリクス型の組織体制を敷き、グローバル本社はグループ全体を統括し、日本、中国、アジアパシフィック、米州、欧州およびトラベルリテールのそれぞれを統括する地域本社に権限の多くを委譲し、責任と権限の現地化を促進。〔不確実性〕・地域本社がグループ全体の方針に沿わない決定を強引に推進したり、反対に権限が適切に委譲されず責任が果たせないなどの事態となれば、適法かつ健全な組織運営が円滑に進捗しなくなり、組織のレピュテーションや、持続可能性を損なう可能性。(脅威)・地域本社がそれぞれのビジネスの責任と権限を持ち、「Think Global, Act Local」の考え方のもと、地域の生活者のニーズに合ったマーケティングや迅速な意思決定を実行した結果、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会)〔対応策〕・全社の業務執行に責任を持つ「エグゼクティブオフィサー」体制の導入。・本社機能およびブランドごとのグローバル本社と地域本社間の責任と権限に関する規定を策定し周知。・すべての重大なリスクについて、既存のコントロールとリスクオーナーを詳述した継続的なリスク管理の枠組みを確立。リスクマネジメント部門が短期・長期リスクや新興リスクを考慮し、取締役会を含む経営陣に定期的に報告するグローバルな内部統制体制を構築。・相互依存する多くのリスクに対応するには全社的な解決アプローチが必要とされるため、ステークホルダーの信頼を高めることに重点を置いた全社的なリスク軽減およびコミュニケーション分野の協働を推進。・定期的な報告や継続的なグローバルリーダー会議を通じ、全ての重要事項において、各現地法人の体制がグローバル本社の指示・承認と合致しているコーポレートガバナンスを確保。・ガバナンス体制の一環として、事業運営、資産、事業価値、レピュテーションおよびコンプライアンスなど、当社事業にかかわる極めて重大な意思決定を、経営陣が定期的にレビューし取締役会に報告。⑦⑧⑨⑩ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性情報セキュリティ・プライバシー〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・生活者ニーズや競争環境の激化に対応するため、情報データの活用やEコマースの強化など、デジタルマーケティングのグローバルでの強化。・お客さまへの斬新な体験価値やサービスの提供および共創に向け、機微情報を含むよりパーソナルなデータの取得および利活用の実施。・場所や時間問わず生産性高く業務を行う新しい働き方「資生堂ハイブリッドワークスタイル」への移行。・イノベーションを生み出すために、外部機関やスタートアップ等の外部パートナーとのより一層の連携や共創推進。〔不確実性〕・サイバー攻撃によるシステム停止やお客さま情報の漏洩により、損害賠償責任や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)・新しい働き方やより一層の外部パートナーとの連携、共創において、重要な情報データへのアクセスポイントが増えていく中、その管理、運用が不十分な場合の情報データ漏洩リスクが高まってしまう可能性。(脅威)・各国・地域のデータプライバシー関連法令への対応が遅れ、または不適切な対応をしてしまうことにより、法令違反が生じ、罰金支払や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)・データプライバシーに関する社会の感度を把握せず、データプライバシーに関するお客さま等の懸念や期待に適切に対応できないことにより、当社への信頼低下やビジネス機会を逸失する可能性。(脅威)・上記脅威に対して適切に対応することで、お客さま等が安心して個人データを当社に預けることができることを通じて、ビジネス目標の達成に貢献する可能性。(機会)〔対応策〕ISOやNISTのフレームワークを参考に、以下の対策を実施。・情報セキュリティに関する専門部署を中心とするグローバルでの連携体制とガバナンス・統制を強化。・データプライバシーに関する責任者を配置し、グローバルの連携体制を再整備および強化。・データプライバシーの保護に関する情報開示・通知を推進。関連する当局とのコミュニケーションを推進。・内外の環境変化を踏まえた情報セキュリティ/データプライバシー関連規程の改定を継続的に実施。・保有する個人データを特定し、安全管理を推進。社員に対しては、情報セキュリティ啓発を継続的に実施。・日々高度化・多様化する外部からのサイバー攻撃に対する中長期的視点での対応態勢強化(防御・検知・対応・復旧)。(フィルタリングやPC端末、クラウド利用に関するセキュリティ強化等)・増大化する重要な情報データと多様化するデータアクセスポイントをより一層しっかりと管理運用するために、外部の専門家も含めグローバルでのセキュリティオペレーションセンター(SOC)の構築と監視の強化。⑤⑥⑧⑨⑩ <その他のリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性為替変動〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルビューティーカンパニーとして海外売上の比率の上昇。〔不確実性〕・輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について為替レートが大きく変動する可能性。(脅威・機会)・海外関係会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、収益が費用を上回る状況では、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与える可能性。(脅威)・当社の海外関係会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて純資産を減少させる可能性。(脅威)〔対応策〕・適切な為替予約等を付すことなどにより為替変動に対するリスクヘッジ策を推進。・主要通貨の変動を監視し、迅速な対応を行う体制を整備。③事業投資[戦略実現に向けた主要な取り組み]・収益性の改善、スキンビューティーブランドの強化のため、経営戦略に合致した成長投資を推進。[不確実性]・投資判断時に想定していなかった水準で市場環境や経営環境が悪化し、将来事業計画の未達によって、M&Aにより計上したのれんや無形資産の減損損失が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性。(脅威)[対応策]・定期的な業績モニタリングおよびモニタリング結果の取締役会への報告。・関係するブランド・地域本社・グローバル本社機能部門と連携し、今後の方向性や業績改善のための対策を検討。①④⑥重要な訴訟等〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル・ビューティーテクノロジー、ビジネス構造改革・M&A、ビューティ・ウェルネス等の新たなビジネスモデルにより成長基盤の再構築・成長に焦点を当て、リスク軽減を重視しつつ、法令遵守・ガバナンス体制を継続的に強化。・重大な訴訟のリスク管理・軽減を強化。従業員への研修や、内部通報制度を設置するなど、内部統制・予防措置を強化。〔不確実性〕・海外約120ヵ国へ進出し、各国において異なる法制度のもと一定レベルの訴訟・賠償請求・当局調査が提起される可能性。(脅威)・当連結会計年度において、当社に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていないが、将来、当社に重大な影響を及ぼす重要な訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合に財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・効果的な戦略や防御を確実にするべくグローバル本社と各地域本社にCLO直轄の法務チームを設置。また、重大事案の法的戦略・防御について支援を受けるため、外部の専門家や法律事務所ともネットワークを確立。・当社の事業に影響を及ぼす法的環境や国別法規制の変化に関する研修(腐敗防止、独占禁止、差別禁止など)を社員向けに実施。・ビジネス上の契約に補償等の救済措置を含む取引条件を明記することで紛争リスクを軽減。・全ての知的財産をグローバル全体で保護し、侵害申立てから防御。・全ての重要な商取引について、デューデリジェンスを実施。⑩
FY2020|11,791 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年3月25日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。 当社では、「中長期経営戦略の実現を一層確実なものとすること」を主眼に置いてリスクマネジメントを推進しています。そのため、リスクを戦略実現に影響を与える「不確実性」と捉え、脅威だけでなく、機会も含めた概念として定義し、必要な体制を構築するとともに、適切に管理し対応策を講じています。リスクマネジメント部門を設置し関連情報を集約させるとともに、当社CEOを委員長とし各地域CEO及び当社エグゼクティブオフィサー等をメンバーとする「Global Risk Management & Compliance Committee」や「Executive Committee」にて、定期的に当社グループのリスクを特定し対応策等を審議する体制を敷いています。 2020年度は、総合的・多面的な手法(ホリスティックアプローチ)を用いてリスクを抽出しました。具体的には、当社CEOをはじめとした執行役員、各地域CEO及び社外取締役のリスク認識を把握するインタビュー、並びに各地域で実施した地域ごとのリスク評価、当社関連機能部門との情報交換等を元に、リスクマネジメント部門による分析や外部有識者の知見を加えて、「WIN 2023 主要戦略※1」実現に影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定しました。そして、それらのリスクについて、「リスクが顕在化した場合の経営成績等に与える影響」、「リスクが顕在化する可能性の程度や時期」、「当該リスクへの対応の十分性」の3つの評価軸を設定し、上記Committeeや個別会議※2などを通じて、リスクの優先付け及び対策状況の検討・確認を行いました。アセスメントの結果抽出されたリスクは、その性質に基づいて4つのリスクカテゴリーに分類し対応しています。2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大により当社グループを取り巻く環境が大きく変わったため、このような外部環境の変化によりもたらされるリスクを「生活者に関わるリスク」と「社会に関わるリスク」に分類しました。そして、外部環境の変化に適切に対応することのみならず、「WIN 2023 主要戦略」実現のためには強固な事業基盤が不可欠であるため、それに伴うリスクを「事業基盤に関わるリスク」と分類し、「その他のリスク」と合わせて4つのリスクカテゴリーに分けて対応しています。また、リスクごとにリスクオーナーを設定し、対策の責任を明確化し、推進状況を定期的に上記Committee及び取締役会にてモニタリングする仕組みを構築・運用しています。 当連結会計年度のアセスメント結果から、「WIN 2023 主要戦略」実現にあたり、特に2021年度に重視すべきリスク(脅威と機会)は、「イノベーションリスク」、「生活者の価値観変化」、「ビジネス構造改革」、「デジタルシフトのスピード」、「自然災害・疫病・人的災害」、「当社ならではのESC(環境・社会・文化)」の6つです。以下に領域ごとに、主要戦略との関係性と想定されるリスク(脅威・機会)、対応策の概要を記述します。なお、記述内容は、2021年3月25日時点におけるものです。 ※1 WIN 2023 主要戦略高収益構造への転換①事業構造改革による収益性改善②コスト競争力強化・生産拠点の生産性向上③中国を中心としたアジア圏での成長強化スキンビューティーへ注力④スキンビューティーブランド育成・ポートフォリオ拡充⑤他社との協業によるイノベーション強化⑥インナービューティー事業の開発成長基盤の再構築⑦サステナビリティを中心とした経営への進化⑧ブランドを強くするマーケティングの革新と組織強化⑨デジタル事業モデルへの転換・組織構築⑩人材・組織のさらなる多様化と能力開発 ※2 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、Committeeの全メンバーが一堂に会する対面方式での会議開催が困難な場合があった ため、リスクマネジメント部門と各メンバーとの個別オンライン会議などの手段で代替しました。 <生活者に関わるリスク/社会に関わるリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性イノベーションリスク(生活者に関わるリスク)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・プレミアムスキンビューティー領域における研究開発の強化。・研究開発投資:売上高比率3%程度に設定し推進。・各地域本社における研究開発強化。・イノベーションの源泉となる、優れた研究開発の成果等を生活者・得意先に発信するコミュニケーションの強化。〔不確実性〕・開発技術が類似技術や代替技術の出現により陳腐化する、あるいは各国の薬事規制により開発技術が使用できなくなり、生活者に新たな価値を提供できなくなる可能性。(脅威)・M&Aや外部との共同事業の進捗が遅延するなどの理由により、意図したシナジー効果を実現できなかった結果、生活者のニーズと合致した価値を提供できず、競争劣後となる可能性。(脅威)・サービス・プロセス・組織などの領域における画期的なイノベーションによる価値創造が生活者に新たな価値を提供し、当社の競争優位を決定づける可能性。(機会)〔対応策〕・資生堂グローバルイノベーションセンター(GIC)(横浜)やBEAUTY INNOVATION HUB(中国・上海)を通じたイノベーションの促進。・最先端の設備を持つ那須工場、大阪茨木工場、福岡久留米工場の建設と順次稼働を予定。・生活者のトレンドの変化に焦点を当て、外部機関との共同研究や、米国ベンチャー企業の知見の活用を強化。・美容機器メーカーとのジョイントベンチャー(株式会社エフェクティム)の設立による新価値創造。・GIC主導のオープンイノベーションプログラム「fibona」におけるスタートアップ企業とのコラボレーションなど、外部との共創。・研究開発投資対効果を測る指標(売上高研究開発費比率、研究員数、研究拠点数、特許出願数、論文数等)を設定し、競合との比較をモニタリング。④⑤⑥⑦⑧⑨生活者の価値観変化(生活者に関わるリスク)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・プレミアムスキンビューティー領域への注力。・自社開発・オープンイノベーション・戦略的M&Aを組み合わせた事業ポートフォリオの強化。・インナービューティー事業の開発。・クロスボーダーマーケティングの強化。〔不確実性〕・生活者の「美」に関する価値観や化粧品・インナービューティーに対するニーズ、購買行動の多様化への対応が遅延する、あるいは不十分で競合に機会を奪われる可能性。(脅威)・生活者の価値観変化に対応したマーケティング戦略により、計画以上の売上・利益につながる可能性。(機会)〔対応策〕・ライブコマース、オンラインカウンセリングをブランド×地域横断で展開強化。・生活者の価値観の多様化に対応するブランドポートフォリオ強化。(Drunk Elephantの成長、新ブランド開発、M&A等)・生活者情報を適宜適切に入手するための市場情報に関する専門部署の設置。・中国における価値開発機能強化。(研究開発、マーケティング等)・「中国事業創新投資室(CBI)」を通じた中国市場動向をとらえた既存事業のイノベーションと新規事業開発の推進。・グローバル本社を中心とした人材の多様性加速。・他社とのオープンイノベーションによる価値・事業開発。④⑤⑥⑦⑧⑨ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性デジタルシフトのスピード(生活者に関わるリスク)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・チャネル構造の変化を踏まえた、継続愛用者育成のための顧客エンゲージメント及びEコマースの強化。・顧客エンゲージメントの獲得・維持のための顧客データの取得及び、デジタルCRMを活用したマーケティングの強化。〔不確実性〕・デジタルを活用した事業モデル・価値提供の変革スピードが競合他社に対し劣後し、新規ユーザーの獲得の機会損失及び既存ユーザーのブランド離反が発生し、市場シェアが低下する可能性。(脅威)・Eコマースと店頭販売を融合させることによる当社独自の価値提供の可能性。(機会)〔対応策〕・Eコマースと店頭販売を融合させたオムニチャネル推進。・日本地域におけるチーフデジタルオフィサー登用。・デジタルマーケティング専門人材の採用強化と、デジタルマインドセットをコアコンピテンシーの1つと捉えて促進するために、全社的なデジタルアカデミーを開催。・中国ECプラットフォーム企業との業務提携やITベンチャー企業との提携によるデジタルマーケティングの強化。⑧⑨⑩ 当社ならではのESC(環境・社会・文化)(生活者と社会に関わるリスク)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・より良い世界の実現に向けた取り組みとして、本業であるビューティービジネスそのもので、社会課題の解決や人々が幸せになる社会の実現に向けアクションを実行。・すべてのステークホルダーと、当社ビジネスへの重要性の観点から課題を分類し、優先順位をつけたマテリアリティ(重要課題)に基づき、ビューティーを基軸に、環境(Environment)・社会(Social)・文化(Culture)の3つの重要領域を定め推進。〔不確実性〕・当領域への取り組みが十分でないと社会や生活者からの信頼を失う可能性。(脅威)・サステナブルな商品の開発等の取り組みが、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献し、ビューティーにおける新たな社会価値を創出することで、当社企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・社内に専門組織「社会価値創造本部」を設置、Sustainability Committeeを定期的に開催し、中長期戦略の立案とKPIの設定、グローバル本社及び地域本社の関連部門を巻き込んでの推進状況のモニタリングを実施。・各ブランドにおけるサステナビリティやSDGsの実現のための活動。(SHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテなど)・企業としての方針や取り組みとKPIをまとめたサステナビリティレポートの発行。[環境](Environment)・環境対応パッケージの採用。(カネカ生分解性ポリマー PHBH®の共同開発、「Loop」の日本展開に参画)・認証パーム油及び認証紙への切り替えの推進。・主な環境負荷軽減項目(CO2・パーム油・紙・水・廃棄物)の中期的目標設定・開示と、達成に向けての推進。・「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同と、その提言に基づき、気候変動リスクが事業に与える影響を分析したシナリオの策定と情報の開示。[社会](Social)・新型コロナウイルス感染症の拡大防止に取り組む医療従事者に向けた、スキンケア化粧品の無償提供及び、手指消毒液の新規生産・販売及び処方開示。・日本企業の役員に占める女性比率向上を目指す「30%Club Japan」に参画、当社CEOがチェアとしてTOPIX社長会の活動をリード。・がんサバイバーの方々の社会復帰を支援するプログラム「LAVENDER RING MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」を通じた「化粧の力」の活用機会の拡大。[文化](Culture)・体験型ミュージアム「S/PARK Museum」をGIC施設内に設置。・イベント開催やオンラインコンテンツの配信による発信。「ジャパニーズビューティーインスティチュート」を設立。・当社ギャラリーを通じた次世代アーティストの発掘と支援による社員の価値創造への貢献。④⑦⑩ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性自然災害・疫病・人的災害(社会に関わるリスク)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルでの成長基盤の再構築のための人材や経営インフラの強化。〔不確実性〕・昨今の世界各地における地震等の自然災害による人的・物的被害、サプライチェーンへの影響が事業や供給を停滞させる可能性。(脅威)・新型コロナウイルス感染拡大の長期化や同様のパンデミックの発生により消費が停滞し、売上・利益等が低下する可能性。(脅威)〔対応策〕・グローバル本社及び各地域の重要拠点においてBCP(事業継続計画)を策定し、かつ同計画の実効性を上げるため、国内外の拠点において定期的に訓練を実施。・新型コロナウイルスの感染拡大を受け、グローバル本社並びに各地域において対策本部を設置。感染症BCPを改定し対応体制を強化。②⑩ ブランドイメージ(社会に関わるリスク)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・ブランド価値向上のため、デジタルマーケティングを含めた積極的なマーケティング活動を実施。・コーポレートブランドや各ブランドのイメージ形成を狙いに、アンバサダーやインフルエンサーを起用し、積極的なマーケティング活動を展開。〔不確実性〕・当社の発信内容や、当社が起用したアンバサダーやインフルエンサーによる言動に対する社会的批判がその真偽に関わらず拡散し、当社イメージを低下させる可能性。(脅威)・模倣品などが流通し本来の当社の提供する価値が生活者に届かずブランドイメージを低下させる可能性。(脅威)〔対応策〕・ソーシャルメディアポリシーを定め社内に周知徹底。・ブランドホルダーのマーケティングやコミュニケーション担当社員を対象としたブランドイメージ維持・向上のための教育。・倫理的、社会通念上の視点から批判される可能性がある表現や言動の予防のため、宣伝・広告等の発信情報や起用アンバサダーやインフルエンサーの事前チェックシステムを導入。・WEBサイト及びソーシャルメディアのモニタリングによりネガティブ情報の早期発見及び対応を実施。・模倣品対策については行政との連携による摘発などの対策を実施。④⑧⑨地政学リスク(社会に関わるリスク)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・成長を牽引する中国及びトラベルリテール事業への重点投資。・日本事業の高収益事業基盤への再構築。・欧米事業の収益性向上。〔不確実性〕・米中間の貿易摩擦に起因する追加関税・法規制施行に伴うコストの増加、事業環境悪化の可能性。(脅威)・アジア諸国における対日感情が悪化した場合に、当社商品がボイコットされる可能性。(脅威)・当社進出国の政治状況や各国間の外交関係が安定すれば事業環境が整いビジネス機会が拡大する可能性。(機会)〔対応策〕・中国・アジアパシフィックにおけるプレミアムスキンビューティー事業の成長加速。・新規事業、新ブランドによる中国におけるさらなる成長加速。・各地域の売上バランスの適正化と、日本・欧米における利益の伸長及び、さらなる支持獲得。・危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークの強化。③ <事業基盤に関わるリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性ビジネス構造改革〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・収益性の改善のため、原価・販売費及び一般管理費等の改革を推進。〔不確実性〕・各地域・部門におけるビジネスの構造改革が狙いどおりに進まず、収益性及びキャッシュ・フローの改善が停滞することにより経営計画の達成に影響を及ぼす可能性。(脅威)・欧米の収益性改善、日本のローカル事業を中心とした基盤再構築、中国における「第2の本社」組織能力拡充によるグローバル市場での競争優位の可能性。(機会)〔対応策〕・全体戦略の構築と実行管理、迅速な意思決定及び各地域構造と部門の改革案の策定と実行サポートを目的とするCEO直轄のグローバルトランスフォーメーション委員会の設置・推進。①②③情報セキュリティ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・生活者ニーズや競争環境の激化に対応するため、情報データの活用やEコマースの強化など、デジタルマーケティングのグローバルでの強化。〔不確実性〕・サイバー攻撃によるシステム停止やお客さま情報の漏洩により、損害賠償責任や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威)・各国が個人情報データの取り扱い及びデータ主権の規制を強化し、該当データをグローバルで共有できなくなる可能性。(脅威)・グローバルでのデジタライゼーションの一元化と情報の有効活用により、当社デジタルマーケティングが飛躍的に進展し、Eコマース領域の売上・利益が拡大する可能性。(機会)〔対応策〕・日々高度化・多様化する外部からのサイバー攻撃に対する中長期視点での対応態勢強化。(フィルタリングやPC端末、クラウド利用に関するセキュリティ強化等)・情報セキュリティに関する専門部署の設置とグローバルでの連携体制を整備するとともに、情報セキュリティをITガバナンスの一環として位置づけITセキュリティ含め全体的な強化を推進。各国事業所でIT監査を実施。・クラウド利用に関する国内外各拠点における規定類の整備と遵守の徹底、社員の情報セキュリティ啓発を推進。・現状を踏まえたグローバル共通の情報セキュリティフレームワークの改定。⑨⑩優秀な人材の獲得・維持と組織風土〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・「PEOPLE FIRST」の考えのもと、イノベーションを起こし、変革をもたらす人材を育成・獲得・「OUR PRINCIPLES(TRUST 8)」として、「THINK BIG」「TAKE RISKS」「HANDS ON」 「COLLABORATE」 「BE OPEN」 「ACT WITH INTEGRITY」「BE ACCOUNTABLE」「APPLAUD SUCCESS」の8つを全社員の心構えとして設定。〔不確実性〕・優秀な人材の獲得・維持が計画どおり進捗せず経営計画を実現する人材が不足する可能性。(脅威)・優秀な人材の獲得・維持により、グローバル市場での競争優位を確保できる可能性。(機会)・業務特性に合わせた働き方改革の推進により、組織の生産性が更に高まる可能性。(機会)〔対応策〕・社員とのコミュニケーションや対話を通じた、透明性の高いリーダーシップとガバナンスが根付いた組織風土の継続的な醸成。・「リモートワーク」と「オフィスワーク」を組み合わせた、最大の成果を出すための新しい働き方(資生堂流ハイブリッドワークスタイル)や、副業許可など、柔軟性・多様性を認める職場の整備と社員の健康管理の推進。・人事関連の情報インフラの整備、グローバル人事データベース「MIRAI」導入、パフォーマンスマネジメントの統一化。・ジョブ型雇用など、貢献度に対応した役割等級制度・処遇報酬制度の導入。・グローバルビジネスリーダーシップやビジネスに対する洞察力を培うためのプログラムの提供。・グローバルマインドセットや最善施策の展開の促進を目的とした、社員に対する海外転勤を伴う異動の機会の付与。・社員個人及び組織としての能力を高めるためのダイバーシティの促進。⑧⑨⑩ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性グローバル情報ネットワーク〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・商品の調達・生産・販売に係る情報システムや、業務管理システム、主要業務プロセスのグローバルでの高度化・効率化。〔不確実性〕・各国の当社事業所のITシステムの再構築が遅延すれば、グローバルでの経営基盤の向上を阻害する可能性。(脅威)・グローバルでのITシステムの最新化により更に事業基盤が強固なものとなり競争力が向上する可能性。(機会)〔対応策〕・社内に専門組織「ビジネストランスフォーメーション部」を設置、グローバルでのITシステム及び業務プロセスの標準化と最新化を図る「FOCUS」プロジェクトの実現に向けた取り組みを強化。②⑨⑩サプライネットワーク〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・中長期的に安定した生産体制を確立するため、国内に新たに3工場を建設し、順次稼働を開始予定。・グローバルサプライチェーンマネジメントの強化。〔不確実性〕・特定のサプライヤーに依存している一部商品の原材料について、原材料の需要逼迫、価格高騰、サプライヤーの事業撤退、自然災害などにより供給が遅延し安定的な生産ができなくなる可能性。(脅威)・国内6工場体制により、日本の高品質のものづくりの強みを活かし、生活者への提供価値を高める可能性。(機会)〔対応策〕・化粧品の製造に不可欠な原料などについて、サプライヤーのマルチソース化や緊急時に備えた在庫の確保、サプライヤーとの戦略的な連携による供給体制の強化。・「資生堂グループサプライヤー行動基準」の遵守状況のモニタリング強化。②⑩コンプライアンス〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル、ビジネス構造改革等の新たなビジネスモデルによる成長基盤の再構築のための法令遵守体制強化。〔不確実性〕・当社の遵守する世界各国の法規制(製品安全、原材料やラベル、労働安全衛生、知的財産、競争、データプライバシー、環境、雇用と労働、税金、製品訴求、コーポレートガバナンス、適時開示などに関する法規制)について、予期せぬ変化があった場合における、事業コストに重大な影響を与える可能性。また、万が一遵守できなかった場合における、会社が民事上の賠償金や刑事上の罰金を科され、会社のレピュテーションに影響が及ぶ可能性。(脅威)〔対応策〕・「資生堂グループ倫理行動基準」で世界中の社員の行動を規定。・最高法務責任者(CLO)を設置し、グループ全体の法令遵守体制を明確化。CLO管轄下のリスクマネジメント部門が倫理行動基準及び当社事業に関係する法規制のグローバルでの遵守を確保。・全社員に倫理行動基準の遵守を求め、働き方の枠組みと倫理的な企業風土を醸成。また、お客さまデータの取扱いに加え、腐敗防止、反独占、差別、プライバシーなどのコンプライアンス分野についても研修・啓発を実施。・社員の匿名通報窓口を電話やウェブ上で提供し、倫理行動基準違反の通報受付・対応を実施。・各部署に薬事、安全性、品質、雇用、訴求の有用性、製品ラベルなどの基準の遵守状況を監視する専任チームメンバーを有し、法令遵守を徹底。お客さまと社員の安全を守る迅速かつ効果的な行動を確実にすべく、発生地域や市場でインシデント対応チームを立ち上げ対応。⑩ リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性品質保証・管理〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・安全・安心な商品の提供は、全戦略の基盤となる当社の重要な価値であり、競争優位の源泉であるとの認識のもと、商品の設計から生産、販売まで高レベルで品質保証・管理を徹底。〔不確実性〕・積極的なM&Aの推進によって、品質保証・管理に対する当社の高い基準の適用が不十分となり、商品のライフサイクル全般にわたり、安全かつ安心な商品を生活者へ提供し続けることができない可能性。(脅威)・日本の高い品質水準と同等の商品を日本国外でも生産し、世界中で高品質な商品を生活者へ提供することで、特に日本国外でのブランドイメージが高まり、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会)〔対応策〕・「品質保証の基本指針」、「グローバル品質ポリシー・ガイダンス」を定めて独自の厳しい品質基準やさまざまな安全性保証の基準を設定し、新製品の設計、開発、原材料の管理、生産、出荷それぞれの段階で、これら基準に適合していることを確認。専門の品質保証部門を設置。・お客さま相談窓口に寄せられたお客さまからのお申し出に関する情報を集約し、全世界で共有・活用できるシステム(Global Quality System)の導入。・お客さま相談窓口や、万が一品質リスクが発生した場合の社内対応体制を整備し、定期的にシミュレーション訓練を実施。④⑤⑥⑩組織運営・ガバナンス 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・6つの地域本社とブランドカテゴリーからなるマトリクス型の組織体制を敷き、グローバル本社はグループ全体を統括し、日本、中国、アジアパシフィック、米州、欧州及びトラベルリテールのそれぞれを統括する地域本社に権限の多くを委譲し、責任と権限の現地化を促進。〔不確実性〕・地域本社がグループ全体の方針に沿わない決定を強引に推進したり、反対に権限が適切に委譲されず責任が果たせないなどの事態となれば、適法かつ健全な組織運営が円滑に進捗しなくなり、組織のレピュテーションや、持続可能性を損なう可能性。(脅威)・地域本社がそれぞれのビジネスの責任と権限を持ち、「Think Global, Act Local」の考え方のもと、地域の生活者のニーズに合ったマーケティングや迅速な意思決定を実行した結果、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会)〔対応策〕・本社機能及びブランドごとのグローバル本社と地域本社間の責任と権限に関する規定を策定し周知。・すべての重大なリスクについて、既存のコントロールとリスクオーナーを詳述した継続的なリスク管理の枠組みを確立。リスクマネジメント部門が短期・長期リスクや新興リスクを考慮し、取締役会を含む経営陣に定期的に報告するグローバルな内部統制体制を構築。・定期的な報告や継続的なグローバルリーダー会議を通じ、全ての重要事項において、各現地法人の体制がグローバル本社の指示・承認と合致しているコーポレートガバナンスを確保。・ガバナンス体制の一環として、事業運営、資産、事業価値、レピュテーション及びコンプライアンスなど、当社事業にかかわる極めて重大な意思決定を、経営陣が定期的にレビューし取締役会に報告。⑦⑧⑨⑩ <その他のリスク>リスク戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策WIN 2023 主要戦略※1との関連性為替変動〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルビューティーカンパニーとして海外売上の比率の上昇。〔不確実性〕・輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について為替レートが大きく変動する可能性。(脅威・機会)・海外関係会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、収益が費用を上回る状況では、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与える可能性。(脅威)・当社の海外関係会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて純資産を減少させる可能性。(脅威)〔対応策〕・適切な為替予約等を付すことなどにより為替変動に対するリスクヘッジ策を推進。・主要通貨の変動を監視し、迅速な対応を行う体制を整備。③重要な訴訟等〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・デジタル、ビジネス構造改革等の新たなビジネスモデルによる成長基盤の再構築のための法令遵守体制強化。・重大な訴訟のリスク管理・軽減を強化。〔不確実性〕・海外約120ヵ国へ進出し、各国において異なる法制度のもと一定レベルの訴訟・賠償請求・当局調査が提起される可能性。(脅威)・当連結会計年度において、当社に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていないが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合に財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・効果的な戦略や防御を確実にするべくグローバル本社と各地域本社にCLO直轄の法務チームを設置。また、重大事案の法的戦略・防御について支援を受けるため、外部の専門家や法律事務所ともネットワークを確立。・当社の事業に影響を及ぼす法的環境や国別法規制の変化に関する研修(腐敗防止、独占禁止、差別禁止など)を社員向けに実施。・ビジネス上の契約に補償等の救済措置を含む取引条件を明記することで紛争リスクを軽減。・全ての知的財産をグローバル全体で保護し、侵害申立てから防御。⑩
FY2019|8,246 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年3月25日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。 当社では、「中長期戦略の実現を一層確実なものとすること」を主眼に置いてリスクマネジメントを推進しています。そのため、リスクを戦略実現に影響を与える「不確実性」と捉え、ダウンサイドの脅威だけでなく、アップサイドの機会も含めた概念として定義し、必要な体制を構築するとともに、適切にリスクを管理し対応策を講じています。 リスクマネジメント部を設置し関連情報を集約させるとともに、当社CEOを委員長とし各地域CEO及び当社執行役員をメンバーとする「Global Risk Management & Compliance Committee」にて、定期的に当社グループのリスクを特定し対応策等を審議する体制を敷いています。 2019年度は、当社執行役員及び各地域CEOのリスク認識を把握するインタビューやアンケート及び、各地域に設置したリスク・マネジメント・オフィサー(RMO)対象のアンケート調査結果を踏まえてリスク項目を洗い出し、「リスクが顕在化した場合の経営成績等の状況に与える影響」、「リスクが顕在化する可能性の程度や時期」、「当該リスクへの対応の十分性」の3つの評価軸を設定し、上記Committeeにて、「2020年までの5つの重要戦略※」実現に影響を及ぼす可能性のあるリスクの抽出と優先付け及び対策状況の検討を行いました。リスクの重要性評価においては、当社ポリシーに沿って、人命・財産・事業継続の視点に加え、レピュテーションに与える影響も重視しました。リスクアセスメントの結果抽出したリスクは、リスクカテゴリーごとに集約し、リスクの性質に応じて「戦略に関するリスク」「事業基盤に関するリスク」「オペレーションに関するリスク」「その他のリスク」に分類しました。また、リスクカテゴリーごとにリスクオーナーを設定し、対策の責任を明確化し、推進状況を定期的に上記Committee及び取締役会にてモニタリングする仕組みを構築・運用しています。 今年度のアセスメント結果から、「2020年までの5つの重要戦略」実現にあたり、特に2020年度に重視すべきリスク(脅威と機会)は、「地政学リスク」、「イノベーション」、「生活者価値観の変化」、「当社ならではのESC(環境・社会・文化)」、「情報セキュリティ」の5つです。 以下に領域ごとに、重要戦略との関係性と想定されるリスク(脅威・機会)、対応策の概要を記述します。なお、記述内容は、2020年3月25日時点におけるものです。 ※2020年までの5つの重要戦略①ブランド・事業のさらなる選択と集中②デジタライゼーションの加速・新規事業開発③イノベーションによる新価値創造④世界で勝つ、人材・組織の強化「PEOPLE FIRST」⑤グローバル経営体制のさらなる進化 <戦略に関するリスク>リスクカテゴリー戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策5つの重要戦略※との関連性地政学リスク〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・成長を牽引する中国及びトラベルリテール事業への重点投資。〔不確実性〕・イギリスの欧州連合(EU)からの離脱や米中間の貿易摩擦などの地政学リスクに起因する事業環境の悪化の可能性。(脅威)・当社進出国の政治状況や各国間の外交関係が安定すれば事業環境が整いビジネス機会が拡大する可能性。(機会)〔対応策〕・中国・アジアパシフィックにおけるプレステージ事業の成長加速。・各地域の売上バランスの適正化と、日本・欧米における売上・利益の伸長及び、さらなる支持獲得。・中東、アフリカなど新規市場でのプレゼンスの向上。①②③イノベーション〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・研究開発投資:売上高比率4%・各地域本社におけるR&D強化。・"センター・オブ・エクセレンス"の配置。(スキンケア、メイクアップ、デジタル、テクノロジー、フレグランス)〔不確実性〕・開発技術が類似技術や代替技術の出現により陳腐化する、あるいは各国の薬事規制により開発技術が使用できなくなる可能性。(脅威)・M&Aや外部との共同事業の進捗が遅延するなどの理由により、意図したシナジー効果を得られなければ競争劣後となる可能性。(脅威)・サービス・プロセス・組織などの領域における画期的なイノベーションによる価値創造が市場に新価値を提供し当社の競争優位を決定づける可能性。(機会)〔対応策〕・横浜みなとみらい地区に資生堂グローバルイノベーションセンターを設立。また、オープンコラボレーションの拠点として中国にBEAUTY INNOVATION HUBを設置。・研究開発投資対効果を測る指標(売上高研究開発費率、研究員数、研究拠点数、特許出願数、論文数等)を設定し、競合との比較をモニタリング。・外部機関との共同研究や、米国ベンチャー企業の知見の活用強化。・強みの研究領域としてホリスティックビューティー領域の強化。③生活者価値観の変化〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・プレステージファースト戦略による選択と集中。・コスメティクス・パーソナルケアブランドのアジアでの展開強化。・クロスボーダーマーケティングの世界展開。〔不確実性〕・生活者の「美」に関する価値観や化粧品に対するニーズ、購買行動の多様化への対応が遅延/不十分で競合に機会を奪われる可能性。(脅威)・当社のマーケティング戦略が功奏し、計画以上の売上・利益につながる可能性。(機会)〔対応〕・生活者情報を適宜適切に入手するための市場情報に関する専門部署の設置。・生活者価値観の多様化に対応するブランドポートフォリオ強化を意図した買収(Drunk Elephant Holdings,LLC)。・中国の市場動向をとらえた既存事業のイノベーションと新規事業開発の推進拠点「中国事業創新投資室(CBI)」設立。①③ リスクカテゴリー戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策5つの重要戦略※との関連性当社ならではのESC(環境・社会・文化)〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・当社企業価値を、すべてのステークホルダーへのインパクトと当社ビジネスへのインパクトの2軸から課題を抽出したマテリアリティに基づき、ビューティーを基軸に、環境(Environment)・社会(Social)・文化(Culture)の3つの重要領域を定め推進。〔不確実性〕・当領域への取り組みが十分でないと社会や生活者からの信頼を失う可能性。(脅威)・各種の取り組みが生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献し、ビューティーにおける新たな社会価値を創出し、当社企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会)〔対応策〕・社内に専門組織「社会価値創造本部」を設置、Sustainability Committeeを定期的に開催し、中長期戦略の立案、グローバル本社及び地域本社の関連部門を巻き込んでの推進状況のモニタリングを実施。 [環境](Environment)・環境対応パッケージの採用。(カネカ生分解性ポリマーPHBHの共同開発、「Loop」の日本展開に参画)・認証パーム油及び認証紙への切り替えの推進。・主な環境負荷軽減項目(CO2・パーム油・紙・水・廃棄物)の中期的目標設定・開示と、達成に向けての推進。・「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同。・紫外線の悪影響から皮膚を守る商品の開発。 [社会](Social)・日本企業の役員に占める女性比率向上を目指す「30%Club Japan」に参画。・痣ややけど跡など肌に深い悩みを持つ方向けの資生堂ライフクオリティーメイクアップ活動の一環としてライフクオリティーセンターをシンガポールに開設。・がん患者の社会復帰を支援するプロジェクト「ラベンダーリング」の拡大。 [文化](Culture)・体験型ミュージアム「S/PARK Museum」を横浜のGIC施設内に設置。・当社ギャラリーを通じた次世代アーチスト支援の継続。・イベント開催やオンラインコンテンツの配信による発信。「ジャパニーズビューティーインスティチュート」を設立。③競争環境の変化〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・チャネル構造の変化を踏まえたデジタライゼーション・Eコマースの強化。・グローバルでのプレステージファースト戦略。〔不確実性〕・国内インバウンド対応強化により既存消費者が他業界からの参入企業や既存競合に移転する可能性。(脅威)・国内インバウンド需要低下の可能性。(脅威)〔対応策〕・中国ECプラットフォーム企業との業務提携やベンチャー企業との提携によるデジタルマーケティングの強化。・市場の変化に対応したブランドの買収や、フレグランスブランドのライセンス獲得によるブランドポートフォリオ強化。・日本国内の生活者のニーズをとらえた商品開発・マーケティング活動・販売活動の強化①② <事業基盤に関するリスク>リスクカテゴリー戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)/対応策5つの重要戦略※との関連性情報セキュリティ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・生活者ニーズや競争環境の激化に対応し、ビッグデータの収集とグローバルでの共有、Eコマースの強化など、デジタルマーケティングのグローバルでの一元化と強化。〔不確実性〕・サイバー攻撃によるシステム停止やお客さま情報漏洩による損害賠償責任や当社への信頼低下の可能性。(脅威)・各国が個人情報データの取り扱い及びデータ主権の規制を強化し、該当データをグローバルで共有できなくなる可能性。(脅威)・グローバルでのデジタライゼーションの一元化と情報の有効活用により、当社デジタルマーケティングが飛躍的に進展し、Eコマース領域の売上・利益が拡大する可能性。(機会)〔対応策〕・情報セキュリティに関する専門部署の設置とグローバルでの連携体制を整備するとともに、情報セキュリティをITガバナンスの一環として位置づけITセキュリティ含め全体的な強化を推進。各国事業所でIT監査を実施。・外部からの攻撃に対するフィルタリングやPC端末、クラウド利用に関するセキュリティ強化。・クラウド利用に関する国内外各拠点における規定類の整備と遵守の徹底、従業員の情報セキュリティ啓発を推進。②⑤組織運営・ガバナンス〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・6つの地域本社とブランドカテゴリーからなるマトリクス型の組織体制を敷き、グローバル本社はグループ全体を統括し、日本、中国、アジアパシフィック、米州、欧州およびトラベルリテールのそれぞれを統括する地域本社に権限の多くを移譲し、責任と権限の現地化を促進。〔不確実性〕・地域本社がグループ全体の方針に沿わない決定を強引に推進したり、反対に権限が適切に委譲されず責任が果たせないなどの事態となれば、適法かつ健全な組織運営が円滑に進捗しなくなり、組織の持続可能性を損なう可能性。(脅威)〔対応策〕・本社機能及びブランドごとのグローバル本社と地域本社間の責任と権限に関する規定を策定し周知。・リスクマネジメント及びコンプライアンスに関する委員会を常設し、定期的に取締役会へ報告するなど、グローバルで内部統制環境を整備。⑤グローバル情報ネットワーク〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・商品の調達・生産・販売に係る情報システムや、業務管理システム、主要業務プロセスのグローバルでの標準化。〔不確実性〕・各国の当社事業所のITシステムの再構築が遅延すれば、グローバルでの経営基盤の向上を阻害する可能性。(脅威)・グローバルでのITシステムの最新化により更に事業基盤が強固なものとなり競争力が向上する可能性。(機会)〔対応策〕・当社本社に専門の組織を作り、グローバルでのITシステム及び業務プロセスの標準化と最新化を図る「FOCUS」プロジェクトの実現に向けた取り組みを強化。②⑤サプライネットワーク〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・中長期的に安定した生産体制を確立するため、国内に新たに3工場を設置建設。・グローバルサプライチェーンマネジメントの強化。〔不確実性〕・特定のサプライヤーに依存している一部商品の原材料について、原材料の需要逼迫、価格高騰、事業撤退、自然災害などにより供給が遅延し安定的な生産ができなくなる可能性。(脅威)・国内6工場体制により、日本の高品質のものづくりの強みを活かし、消費者価値を高める可能性。(機会)〔対応策〕・複数サプライヤーの確保やサプライヤーとの戦略的な連携による供給体制の整備。・「資生堂グループサプライヤー行動基準」の遵守状況のモニタリング強化。⑤ リスクカテゴリー戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)/対応策5つの重要戦略※との関連性優秀な人材の獲得・維持と組織風土〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・「OUR PRINCIPLES(TRUST8)」として、「THINK BIG」 「TAKE RISKS」「HANDS ON」「COLLABORATE」「BE OPEN」「ACT WITH INTEGRITY」「BE ACCOUNTABLE」「APPLAUD SUCCESS」の8つを全社員の心構えとして設定。〔不確実性〕・優秀な人材の獲得・維持が計画どおり進捗せず経営計画を実現する人材が不足する可能性。(脅威)・優秀な人材の獲得・維持によるグローバル市場での競争優位の可能性。(機会)〔対応策〕・当社グローバル本社のリーダーシップとガバナンスの強化。・人事関連の情報インフラの整備、グローバル人事データベース「MIRAI」導入、パフォーマンスマネジメントの統一化。・採用、研修、配置における人材のダイバーシティ促進。・貢献度に対応した役割等級制度・処遇報酬制度の導入。・グローバルビジネスリーダーシップやビジネスに対する洞察力を培うためのプログラムの提供。・ABW(Activity Based Working)や在宅勤務、副業許可など、働き方の柔軟性・多様性を認める職場整備と社員の健康管理の強化。④⑤ <オペレーションに関するリスク>リスクカテゴリー戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)/対応策5つの重要戦略※との関連性品質保証・管理〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・安全・安心な商品の提供は、全戦略の基盤となる当社の重要な価値との認識のもと、商品の設計から生産、販売まで高レベルで品質保証・管理を徹底。〔不確実性〕・積極的なM&Aの推進により、品質保証・管理に対する当社の高い基準の適用が不十分となれば、商品のライフサイクル全般にわたり、安全かつ安心な商品を消費者へ提供し続けることができない可能性。(脅威)〔対応策〕・「品質保証の基本指針」、「グローバル品質ポリシー・ガイダンス」を定めて独自の厳しい品質基準やさまざまな安全性保証の基準を設定し、新製品の設計、開発、原材料の管理、生産、出荷それぞれの段階で、これら基準に適合していることを確認。専門の品質保証部門を設置。・お客さま相談窓口や、万が一品質リスクが発生した場合の社内対応体制を整備し、定期的にシミュレーション訓練を実施。①ブランドイメージ〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・商品のブランド価値向上のため、デジタルマーケティングを含めた積極的なマーケティング活動を実施。・コーポレートブランドや商品ブランドのイメージ形成を狙いに、モデルやインフルエンサーを起用し、積極的なマーケティング活動を展開。〔不確実性〕・当社の発信内容や、当社が起用したモデルやインフルエンサーによる言動に対する社会的批判がその真偽に関わらず拡散し、当社イメージを低下させる可能性。(脅威)・模倣品などが流通し本来の当社の提供する価値が消費者に届かずブランドイメージを低下させる可能性。(脅威)〔対応策〕・ソーシャルメディアポリシーを定め社内に周知徹底。・ブランドホルダーのマーケティングやコミュニケーション担当社員を対象としたブランドイメージ維持・向上のための教育。・倫理的、社会通念上あるいは領土問題等の視点から批判される可能性がある表現や言動の予防のため、宣伝・広告等の発信情報や起用モデルやインフルエンサーの事前チェックシステムを導入。・WEBサイトおよびソーシャルメディアのモニタリングによりネガティブ情報の早期発見及び対応を実施。・模倣品対策については行政との連携による摘発などの対策を実施。⑤自然災害・人的災害〔戦略実現に向けた主要な取り組みと不確実性〕・昨今の国内の自然災害等による人的・物的被害、サプライチェーンへの影響が事業や供給を停滞させる可能性。(脅威)・感染症の拡大等により消費が停滞すれば売上・利益等が低下する可能性。(脅威)〔対応策〕・本社および各地域の重要拠点においてBCP(事業継続計画)を策定し、かつ同計画の実効性を上げるため、国内外の拠点において定期的に訓練を実施。⑤コンプライアンス〔戦略実現に向けた主要な取り組みと不確実性〕・グローバル経営体制の更なる強化のため、コンプライアンス体制の強化は不可欠。万一、経営陣や組織が不適切に意思決定を行うことを防止する仕組みが有効に機能しなければ、ステークホルダーに損害及びレピュテーションの低下をもたらす可能性。(脅威)〔対応策〕・CLO(チーフ・リーガル・オフィサー)を設置し、グループ全体の法令遵守体制を明確化。・役職員向けのコンプライアンス研修の定期的な実施。・全世界の従業員にコンプライアンス意識を醸成させるための指針「資生堂グループ倫理行動基準」を設定。・当社グローバル本社に、法令遵守全般の専門部署及び、薬機法※の専門部署を設置し、各地域本社に配置した法務担当、各国の化粧品に関する法規担当とのコミュニケーションを強化。※薬機法:医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律⑤ <その他のリスク>リスクカテゴリー戦略実現に向けた主要な取り組み/その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)/対応策5つの重要戦略※との関連性為替変動〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕・グローバルビューティーカンパニーとして海外売上の比率の上昇。〔不確実性〕・輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について為替レートが変動する可能性。・海外関係会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、収益が費用を上回る状況では、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与える可能性。・当社の海外関係会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて純資産を減少させる可能性。〔対応策〕・適切な為替予約等を付すことなどにより為替変動に対するリスクヘッジ策を推進。・主要通貨の変動を監視し、迅速な対応を行う体制を整備。―重要な訴訟等〔戦略実現に向けた主要な取り組みと不確実性〕・海外120ヵ国へ進出し、各国において異なる法制度のもと一定レベルの訴訟が提起される可能性。(脅威)・当連結会計年度において、当社に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていないが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合に財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性。(脅威)〔対応策〕・当社グローバル本社に法務対応の専門部署を設置し、各地域の法務部門と連携し対応を図る体制を整備すると共に、外部との提携関係を構築。―
FY2018|4,633 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年3月26日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。 <事業活動に関するリスク> (1)事業戦略 化粧品業界はグローバル規模で競争が激化しており、他業界からの参入が著しいなか、当社は、当社の強みであるプレステージブランド及び中国をはじめとするアジア地域におけるコスメティクス・パーソナルケアブランドへの選択的集中投資を進めており、投資の推進に際して、意思決定のために必要かつ十分な情報収集をした上で検討を実施し、合理的な意思決定を行っています。しかし、「美」や化粧品に対するニーズや購買行動が多様化するなか、これら領域で商品・サービスの提供やマーケティング活動において的確に対処できない場合には、目標とする市場シェアを獲得することができなくなる可能性があります。また、重点戦略と位置付けるデジタルマーケティングやEコマースの加速や、新たなテクノロジーによる価値創造を実現できなければ、様々な世代のお客さまとの強い関係づくりに悪影響を及ぼし、成長市場における支持を獲得できない可能性があります。 (2)ブランドイメージ ソーシャルネットワーキングサービス等の進展に伴い、当社や当社事業について有害な情報が拡散したり、当社が起用したモデルやソーシャルメディアで商品などの購買決定に一定の影響力を持つインフルエンサーの言動をあらかじめ統制することはできないため、その言動に対する社会的批判が拡散し、当社の強みであるブランドイメージが低下する可能性があります。また、模倣品などの当社ブランドの盗用などによりブランド戦略が実現せず、競合他社との比較において優位性を失うなどの悪影響を招く可能性があります。このため、資生堂グループの「ソーシャルメディアポリシー」を定め社内教育を徹底するとともに、倫理的あるいは社会通念上問題となる可能性がある表現や言動を予防するために、宣伝・広告等の発信情報や起用するモデルやインフルエンサーの事前チェックシステムを導入し、あわせてWEBサイト及びソーシャルネットワークのモニタリングによりネガティブ情報の早期発見と対応を図っています。模倣品対策については、行政と連携を図り摘発につなげるなどの対策を講じています。 また、上記以外にも、ブランドイメージの低下につながる可能性のあるリスクには、品質問題、情報漏洩、環境汚染、コンプライアンス違反などがあります。 (3)品質管理 お客さまの品質要求が高度化・多様化するなか、当社の品質管理システムが十分に機能しなかった場合の商品の不具合や、あるいは新たに得られた科学的知見に基づく安全性の懸念等により、お客さまに健康被害や損害を与える可能性があるとともに、当社の品質に対する社会的信用を失う可能性があります。 当社では、「品質保証の基本指針」、「グローバル品質ポリシー・ガイダンス」を定めて独自の厳しい安全性保証基準を設定し、新製品の開発、生産、出荷の各段階で当社の品質基準に適合していることを厳密に確認するとともに、お客さま相談窓口や社内対応体制を整備し定期的にシミュレーション訓練を行うなど、お客さまからの品質に関する申し出に対して迅速・適切に対応できる体制を敷いています。 (4)戦略的投資 当社では、「VISION 2020」の第2フェーズ「成長加速の新戦略」の実現に向けて、戦略市場への投資、新規事業・新規市場への事業拡大及びM&A等の戦略的投資を強化しています。しかしながら、予期せぬ市場環境の変化等により当初の計画において予定していた効果が得られず戦略の見直しが必要となる可能性があります。また、M&Aについては綿密なデュー・ディリジェンスを実施し当該国・地域のリスク軽減策を講じるものの、M&A先における深刻な経営不振によって期待された投資効果を得られない、あるいはM&A先の内部統制やコーポレートガバナンス体制等の不全により不祥事が発生し行政処分が科されたり、訴訟が提起されるなど、当社の社会的信用の低下の可能性があります。 <経営環境に関するリスク> (5)為替変動 当社グループは、輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について、為替レートの変動リスクを負っています。当社グループでは、適切な為替予約等を付すことにより為替変動に対するヘッジを行っていますが、リスクが完全に回避されるわけではありません。また、海外連結子会社及び持分法適用関連会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、収益が費用を上回っている状況では、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与えます。さらに、当社の海外連結子会社及び持分法適用関連会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて純資産を減少させます。また、不測の為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)原材料の調達 調達先の事業継続が困難な状況に陥るなど、特定の原材料が入手困難となり当社商品の安定的な生産・供給が不能となったり、市況の影響等により原材料の価格が高騰して財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の調達先において、児童労働や強制労働などの人権問題や生物多様性の破壊などの環境問題、禁止物質の混入などが発生すると、当該原材料の調達困難や当社の社会的信用の低下につながる可能性があります。当社では、「資生堂グループサプライヤー行動基準」を策定し調達先に遵守を要請するとともに、Sedex(サプライヤーエシカル情報共有プラットフォーム)へ加入してサプライチェーンにおける社会・環境への取り組みを客観的に評価しています。 (7)人材の確保 当社では、急速なグローバル化の進展により、国際的競争環境に耐えられる人材の確保・育成が急務となっています。世界で勝つために欠かせないグローバル人材・マネジメント人材・専門的な知識と経験を有するプロフェッショナル人材の獲得及び育成ができなければ競争力が低下し、当社グローバル戦略における目標達成を危うくする可能性があります。また女性が主要なお客さまである当社にとって女性の活躍推進や国籍や年齢などの多様性(ダイバーシティ)に富む職場が実現できなければ、新たな価値創造とグローバルでの成長の妨げとなり、人材採用にも悪影響をもたらす可能性があります。当社では、「PEOPLE FIRST」を重点戦略の一つと位置付け、採用・研修・配置において、人材の多様性(ダイバーシティ)を促進しています。 (8)環境対応 地球環境問題の深刻化に伴い環境意識が高まるなか、当社では、「人も地球も美しく共生する持続可能な社会」の実現に向けて、持続可能なものづくりの視点から、サステナブルなプラスチックや認証パーム油への切り替えやCO2排出削減量に目標値を設定し取り組んでいますが、この目標を達成できないことや、当社事業活動に伴うその他の環境負荷に対する社会的批判により、当社商品へのお客さまからの支持に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が事業活動を展開する国・地域において、環境汚染等による環境規制違反を理由に行政処分を科されたり、訴訟を提起される可能性があります。 <外的なリスク> (9)経済・政治情勢 事業活動を展開する国・地域において、政権や政策の変更などを契機に当社に不利益な外資規制や薬事規制が実行されたり、あるいは外交関係等に起因する事業環境の悪化による影響を受けて、当該国・地域での事業継続が困難となったり撤退を余儀なくされる可能性があります。新たに事業展開する際には、事前に当該国・地域の経済・政治・社会的情勢に関する情報を収集し、慎重に判断しています。また、すでに展開している国・地域においても同様に、現地法人等を通じて必要な情報収集を行うとともに、定期的なモニタリングなどにより本社と連携を図りながら対応する体制を敷いています。 (10)自然災害 事業活動展開地域における甚大な自然災害により、当社生産拠点やサプライチェーンが被災すれば、人的・物的被害に加え、長期間にわたり生産・物流及び販売が中断するなどの損失を被る可能性があります。当社では重要業務の継続または早期復旧によってこうした損失を最小化するため、生産拠点、物流拠点、情報システム部門及び本社を事業継続の重要拠点と位置付け、事業継続計画(BCP)の構築を行っています。 (11)情報セキュリティ インターネット販売の進展により、信頼できる強固なITシステムやインフラ、情報の取り扱いの重要性が増すなかで、サイバー攻撃による個人情報や機密情報の漏洩、業務の中断などの脅威が高まっています。予想を超えるサイバー攻撃や不正アクセスにより当社の保有する個人情報や機密情報が漏洩した場合は、当社グループへの信頼の低下を招く可能性があります。また、厳格化する各国・地域の規制に違反した場合、現地法規制に則って処罰が科せられる可能性もあります。 当社グループが保有する情報資産の保護については、規定類の整備と遵守の徹底、従業員の啓発などの対策に取り組むとともに、技術的対策としては、外部からの攻撃に対するフィルタリングやPC端末のセキュリティ強化による紛失時の情報漏洩防止、クラウド利用に関するセキュリティ強化を進めています。 <コンプライアンスリスク> (12)法規制等への対応 当社グループの事業に関係性がある法規制には、「医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」をはじめとする法規制や、品質に関する基準、環境に関する基準等があります。これらの法規制に違反することにより、罰則や損害賠償責任を負うだけでなく、社会的な批判にさらされる可能性があります。また、当社はグローバルに事業展開しており、各国の会社法や税法、知的財産権に関する法規制、カルテルなど市場競争に関する法規制、さらには腐敗行為規制などのさまざまな法規制を受けています。これらの法規制が大幅に変更された際に、対応するために追加の費用や投資が必要となる可能性があります。また、当社が事業展開先の国・地域におけるこれらの法規制の要求事項に対応できない場合は、罰則が科されたり訴訟を提起されるリスクに加え、当該国・地域における事業の大幅な縮小・変更や撤退を余儀なくされる可能性があります。遵法のためのチェックの仕組みや従業員教育を通じて社内にコンプライアンスを徹底するとともに、ビジネスパートナーに対しても遵法を要請しています。 (13) 重要な訴訟等 当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|4,420 文字
4 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年3月27日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。 (1) お客さま対応当社グループは、お客さまとの関係を重視しています。企業理念「Our Mission, Values and Way」の「Our Way」及び「資生堂グループ倫理行動基準」で、お客さまの満足と信頼が得られるように行動する旨を明示し、周知徹底を図っています。しかしながら、お客さまの満足や信頼を損なうこととなる不測の事態が生じた場合には、当社グループのブランド価値が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 品質管理当社グループは、高品質で、高い安全性を持つ製品の提供を通じ、お客さまにご満足いただくことを何よりも重要と考えて活動しています。法令遵守はもとより、当社グループ共通ルールとして「品質保証の基本指針」「グローバル品質ポリシー・ガイダンス」を定めて品質の維持・管理に努めています。開発段階では、国内外の安全性保証ガイドラインを考慮した当社独自の厳しい安全性保証基準を設定しています。生産段階では、ISO22716 化粧品GMP(優良製造規範)を遵守し、徹底した品質管理のもとで製品を生産しています。しかしながら、想定外の重大な品質トラブルの発生、あるいは新たに得られた科学的知見に基づく安全性の懸念等、製品に関して不測の事態が生じた場合、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 戦略的投資当社グループは、戦略市場への投資、M&A及び新規事業・新規市場への事業拡大等の戦略的投資の推進に際して、意思決定のために必要かつ十分な情報収集をした上で検討を実施し、合理的な意思決定を行っています。しかしながら、予期し得ない種々の環境変化等により、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報セキュリティに関するリスク当社グループが保有する顧客情報や機密情報等の情報資産の保護については、さまざまな対策を講じています。具体的には、日本国内においては「個人情報保護規程」「個人番号及び特定個人情報取扱規程」「機密情報管理規程」及び「情報システム管理規程」を定め、これらの遵守を徹底し、お客さまの個人情報を慎重に取り扱い、各種情報資産の保護を行っており、海外においても当該国の法令に基づいた規程等を定めています。しかしながら、予期し得ない不正アクセスによる情報漏洩等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 化粧品業界の競争環境当社グループの属する化粧品業界は、グローバル規模で競争が激しくなっています。成熟した国内市場での同業他社との競争激化や他業界からの新規参入など競争環境はますます厳しくなってきています。また、海外市場でも当社グループが成長戦略の柱として位置付ける中国を含むアジア市場等において、グローバルコンペティターが積極的なM&Aやマーケティング活動を展開し、消費者の認知度を高め市場シェアの拡大を図るなど、競争環境が一層厳しくなってきています。したがって、当社グループがこの競争環境に的確に対処できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 市場ニーズへの適合新製品・新ブランドの開発・育成及びマーケティング活動が市場ニーズに適合しているかどうかが当社グループの売上及び利益に大きな影響をもたらします。当社グループでは、市場ニーズに応えるため、魅力的な新製品・新ブランドの開発、マーケティング活動による新製品・新ブランド及び現行主力品・既存ブランドの強化・育成、市場ニーズに応えられなくなった既存品・既存ブランドの撤退を継続的に行っています。しかしながら、当該活動はその性質上、さまざまな要因による不確実性が伴うため、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、研究開発活動に関する詳細は、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に開示しています。 (7) 特定の取引先小売・流通チャネルにおける変化に対する当社グループの対応が的確ではなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 運営リスク従業員やビジネスパートナーなど当社グループの事業運営に係る者または第三者により、詐欺やその他の不正行為が行われた場合、直接的または間接的に当社グループの社会的評価が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 優秀な人材の確保及び育成当社グループは、多様な人材の採用強化や社員の能力を引き出す研修プログラムを開発し、優秀な人材の確保・育成に取り組んでいます。また、社員が快適に業務を遂行できる職場環境の維持に努めています。しかしながら、必要な人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や当社グループの予想を大幅に上回るような人材の流出が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大の妨げとなり、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 環境・人権への配慮当社グループでは、環境に配慮した企業活動を行っており、関連する各種環境法令を遵守しています。また、近年高まりを見せている、原材料の調達過程における労働者への人権侵害等への配慮に対するステークホルダーの関心に対応し、原料産地まで遡ったバリューチェーン全体の調達過程における環境配慮、人権、労働環境及び安全衛生に関する課題を可視化し、サプライヤーと協力して課題解決に取り組んでいます。しかしながら、事業拠点やサプライチェーンにおいてこれらの課題に適切に対応できなかった場合、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 重要な訴訟等当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) 法規制等に関するリスク当社グループは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律をはじめとする法規制や、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準や税法等、事業展開している国内外のさまざまな法規制等の適用を受けています。当社グループはコンプライアンス(法令遵守)とCSRに基づく倫理的行動に万全を期していますが、今後、これらの法規制等が変更された場合、また予測できない法規制等が新たに設けられた場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) 原材料価格変動のリスク当社グループ製品の原材料は、国際市況の影響を受け、地政学的リスク、新興国の需要増加や投機資金の流入に伴う需給バランス、天候不順、為替レートの変動等に伴い市況価格が変動します。当社グループでは、原材料価格の上昇に対する継続的な原価低減活動などにより、その影響を軽減する努力を続けています。しかしながら、予想を超える市況価格の変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14) 為替変動のリスク当社グループは、輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について、為替レートの変動リスクを負っています。当社グループでは、原則販売地域に対応する生産体制を築くことや、適切な為替予約等を付すことなどにより、為替変動に対するヘッジを行っていますが、リスクが完全に回避されるわけではありません。また、海外連結子会社及び持分法適用関連会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、収益が費用を上回っている状況では、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与えます。さらに、当社の海外連結子会社及び持分法適用関連会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて自己資本を減少させます。不測の為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15) 株価変動のリスク当社グループは、当連結会計年度末時点で時価のある株式を保有しており、株価の変動リスクを負っています。株価の動向次第では評価損益の増減及び減損のリスクがあります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を時価のある株式で運用しており、株価の下落は年金資産の目減りを通じて年金費用を増加させ経営成績にマイナス影響を与えます。不測の事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、有価証券に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (有価証券関係)」に開示しています。 (16) 地政学に関するリスク事業活動において、予期し得ない経済的・政治的・社会的な突発事態の発生、テロ・戦争・内乱の勃発、伝染病の流行などによる社会的・経済的混乱、自然災害、異常気象や天候不順等が、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17) 災害・事故等当社グループでは、大規模な地震の発生など災害・事故発生時の生産・物流及び販売の中断による損失を最小化するため、生産拠点、物流拠点、情報システム及び本社を事業継続の重要拠点と位置付け、事業継続計画(BCP)の構築を行っています。しかしながら、想定を超える災害・事故等の発生により、製造・物流及び販売の中断が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (18) ブランド価値の低下当社グループでは、保有するブランドの価値向上に努めていますが、上記に掲げたリスクの他にも不測の事態によるブランド価値の低下が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|3,554 文字
4 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2017年3月28日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。 (1) ブランド価値の低下当社グループでは、当社の社名を冠する象徴的なブランド「SHISEIDO」などを保有し、ブランド価値の向上に努めていますが、不測の事態によるブランド価値の低下が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) お客さま対応当社グループは、お客さまとの関係を重視しています。企業理念「Our Mission, Values and Way」の「Our Way」及び「資生堂グループ倫理行動基準」で、お客さまの満足と信頼が得られるように行動する旨を明示し、周知徹底を図っています。しかしながら、お客さまの満足や信頼を損なうこととなる不測の事態が生じた場合には、当社グループのブランド価値が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 戦略的投資活動当社グループは、戦略市場への投資、M&A及び新規事業・新規市場への事業拡大等の戦略的投資活動の推進に際して、意思決定のために必要かつ十分な情報収集をした上で検討を実施し、合理的な意思決定を行っています。しかしながら、予期し得ない種々の環境変化等により、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 化粧品業界の競争環境当社グループの属する化粧品業界は、グローバル規模で競争が激しくなっています。成熟した国内市場での同業他社との競争激化をはじめ、グローバルコンペティターのプレステージ市場での影響力拡大、さらには他業界からの新規参入など競争環境はますます厳しくなってきています。また、海外市場でも当社グループが成長戦略の柱として位置付ける中国を含むアジア市場等において、グローバルコンペティターが積極的なM&Aやマーケティング活動を展開し、消費者の認知度を高め市場シェアの拡大を図るなど、競争環境が一層厳しくなってきています。したがって、当社グループがこの競争環境に的確に対処できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 海外での事業活動当社グループの連結売上高に占める海外売上高比率は年々伸長しており、2016年12月末時点で「SHISEIDO」においては世界88の国と地域(日本を含む)で販売されています。海外での事業活動において、予期し得ない経済的・政治的・社会的な突発事態の発生、テロ・戦争・内乱の勃発、伝染病の流行などによる社会的・経済的混乱、自然災害、異常気象や天候不順等が、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、海外売上に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」として開示しています。 (6) 市場リスク① 原材料価格当社グループ製品の原材料は、国際市況の影響を受け、地政学的リスク、新興国の需要増加や投機資金の流入に伴う需給バランス、天候不順、為替レートの変動等に伴い市況価格が変動します。当社グループでは、原材料価格の上昇に対する継続的な原価低減活動などにより、その影響を軽減する努力を続けています。しかしながら、予想を超える市況価格の変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。② 為替当社グループは、輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について、為替レートの変動リスクを負っています。当社グループでは、原則販売地域に対応する生産体制を築くことなどで為替変動に対するヘッジを行っていますが、リスクが完全に回避されるわけではありません。また、海外連結子会社及び持分法適用関連会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、収益が費用を上回っている状況では、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与えます。さらに、当社の海外連結子会社及び持分法適用関連会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて自己資本を減少させます。不測の為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。③ 株価当社グループは、当連結会計年度末時点で時価のある株式を保有しており、株価の変動リスクを負っています。株価の動向次第では評価損益の増減及び減損のリスクがあります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を時価のある株式で運用しており、株価の下落は年金資産の目減りを通じて年金費用を増加させ経営成績にマイナス影響を与えます。不測の事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、有価証券に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (有価証券関係)」に開示しています。 (7) 市場ニーズへの適合新製品・新ブランドの開発・育成及びマーケティング活動が市場ニーズに適合しているかどうかが当社グループの売上及び利益に大きな影響をもたらします。当社グループでは、市場ニーズに応えるため、魅力的な新製品・新ブランドの開発、マーケティング活動による新製品・新ブランド及び現行主力品・既存ブランドの強化・育成、市場ニーズに応えられなくなった既存品・既存ブランドの撤退を継続的に行っています。しかしながら、当該活動はその性質上、さまざまな要因による不確実性が伴うため、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、研究開発活動に関する詳細は、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に開示しています。 (8) 特定の取引先等小売・流通チャネルにおける変化に対する当社グループの対応が的確ではなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 法規制等に関するリスク当社グループは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律をはじめとする法規制や、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準や税法等、事業展開している国内外のさまざまな法規制等の適用を受けています。当社グループはコンプライアンス(法令遵守)とCSRに基づく倫理的行動に万全を期していますが、今後、これらの法規制等が変更された場合、また予測できない法規制等が新たに設けられた場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 重要な訴訟等 当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 情報セキュリティに関するリスク 当社グループが保有する顧客情報や機密情報等の情報資産の保護については、さまざまな対策を講じています。具体的には、日本国内においては「個人情報保護規程」「個人番号及び特定個人情報取扱規程」「機密情報管理規程」及び「情報システム管理規程」を定め、これらの遵守を徹底し、お客さまの個人情報を慎重に取り扱い、各種情報資産の保護を行っており、海外においても当該国の法令に基づいた規程等を定めています。しかしながら、予期し得ない不正アクセスによる情報漏洩等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) 災害・事故等 当社グループでは、大規模な地震の発生など災害・事故発生時の生産・物流及び販売の中断による損失を最小化するため、生産拠点、物流拠点、情報システム及び本社を事業継続の重要拠点と位置付け、事業継続計画(BCP)の構築を行っています。しかしながら、想定を超える災害・事故等の発生により、製造・物流及び販売の中断が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。