研究開発活動(本文)
FY2025|785 文字
6 【研究開発活動】当社グループにおきましては、検査事業において、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。当連結会計年度の研究開発活動の成果として、遺伝学的検査の分野では、先天性難聴の新たな検査拡充として保険適用が可能な症候群性難聴の8疾患について2024年9月より受託を開始しました。また、診療報酬改定により、症状の類似した複数の指定難病に対する遺伝学的検査を特別な保険点数で一度に実施できるようになりましたので、当社では成長障害・知的障害・特徴的な顔貌群や筋力低下群など6種類の疾患群について2024年秋より医療機関を限定して順次受託の案内を始めています。悪性腫瘍の分野では、MYD88遺伝子のL265P変異およびCD79B遺伝子のY196変異を検出する検査を2024年9月より開始しました。MYD88遺伝子はワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)の診断確定に、また、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)においてもMYD88やCD79B遺伝子の変異確認は病型分類や予後予測に有用です。さらに、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の診断補助検査である既存の「MPN遺伝子変異解析」に、新たにCALR遺伝子の6変異とJAK2遺伝子エクソン12の8変異を加えて検出率を向上させたVer.2項目を2024年10月より開始しました。感染症の分野では、2024年6月より、STDマルチPCR/定性検査の受託を開始しました。本検査は、非クラミジア性非淋菌性の性感染症(STD)の原因となるマイコプラズマ4種類、および性器ヘルペスウイルス感染症の原因ウイルスであるHSV-1とHSV-2の計6種類の病原体を同時に検出します。当連結会計年度の研究開発費の総額は260百万円であります。
FY2024|711 文字
6 【研究開発活動】当社グループにおきましては、検査事業において、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。当連結会計年度の研究開発活動の成果として、次の3つの項目が挙げられます。まず、皮膚や関節、血管などの結合組織に様々な症状を示す遺伝性結合組織疾患(HCTD)のNGSパネル解析による検査を2023年5月から受託開始しました。この検査は、信州大学医学部附属病院遺伝子医療研究センター(古庄知己センター長)との技術連携で行われ、遺伝学的検査(D006-4)として8,000点もしくは5,000点の保険適用が可能です。次に、先天性難聴の新たな検査として症候群性難聴のアッシャー症候群と鰓耳腎症候群のNGSパネル解析を2024年3月から受託開始しました。これらの検査は、信州大学医学部人工聴覚器学講座(宇佐美真一特任教授)との技術連携で行われ、遺伝学的検査としてともに5,000点の保険適用が可能です。最後に、これまでの家族性高コレステロール血症(FH)の遺伝子検査に加え、無βリポタンパク血症、家族性低βリポタンパク血症1(ホモ接合体)、原発性高カイロミクロン血症、タンジール病を合わせた5疾患の脂質異常症NGSパネル解析を独自に開発し、2024年5月から受託開始しました。本パネル解析は、遺伝学的検査として保険収載された脂質異常症に特化し、鑑別診断に必要な20種類の遺伝子を対象に検査します。タンジール病には8,000点、他の4疾患には5,000点の保険適用が可能です。当連結会計年度の研究開発費の総額は275百万円であります。
FY2023|793 文字
6 【研究開発活動】当社グループにおきましては、検査事業において、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。当連結会計年度の研究開発活動の成果として、次世代シークエンス(NGS)による遺伝学的検査の分野において、信州大学医学部人工聴覚器学講座との連携により、既存の先天性難聴の遺伝子変異検査(19遺伝子154変異パネル)を50遺伝子1,135変異にアップグレードし、2022年9月より新法への切り換えを行いました。また、この分野では若年発症型両側性感音難聴の遺伝子変異検査についても診断基準の改定を受け、従来の7遺伝子から11遺伝子の解析にアップグレードし、2022年10月より結果報告の仕様を変更しました。質量分析(LC-MS/ MS)の分野では、脂質異常症の診断マーカーとして、血中のシトステロール、カンペステロールおよびコレスタノールを測定する検査を独自開発し、2022年10月から受託を開始しました。造血器腫瘍の遺伝子検査の分野では、2023年2月より、SF3B1遺伝子変異解析の受託を開始しました。本検査は、東洋鋼鈑株式会社のDNA chip技術「ジーンシリコン」を用いたPCR法によりK700Eをはじめとした計14種類の変異を検出するものです。対象疾患は、骨髄異形成症候群と合併する例が多い環状鉄芽球を伴う骨髄異形成症候群(MDS-RS)で、MDS-RSの多くにSF3B1遺伝子の変異が検出されることが知られており、2017年のWHO分類(第4版)では本遺伝子変異の有無が病型分類に採用されています。SF3B1変異陽性例は陰性例と比較して予後良好とされ、MDS-RSの診断と病型分類、および予後予測に有用と考えられています。当連結会計年度の研究開発費の総額は271百万円であります。
FY2022|531 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおきましては、検査事業において、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。当連結会計年度の研究開発活動の成果としては、NGS法によるヒトゲノム解析の領域において、家族性高コレステロール血症の遺伝子変異解析が遺伝学的検査の保険適用項目の一つとして、2022年4月の診療報酬改定において5,000点の保険算定が可能となりました。また、この領域では遺伝性結合組織疾患(HCTD)の網羅的遺伝子変異検出パネル(保険適用可能な7疾患を含む計22疾患、52遺伝子をNGSで解析)を前年より信州大学医学部遺伝子医療研究センターと共同開発を進めた結果、2022年3月にBML総合研究所での受託解析体制を整えることができました。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)PCR検査においては、感染拡大に備えてBML総合研究所だけで1日に約30,000件の検査能力を維持しつつ、新たな変異株の出現と拡大の監視を目的として、NGS法によるウイルスのフルゲノムシークエンス解析ラインを強化しております。当連結会計年度の研究開発費の総額は302百万円であります。
FY2021|881 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおきましては、検査事業において、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。当連結会計年度の研究開発活動の成果としては、2020年4月より受託を開始したMLPA法によるジストロフィン遺伝子変異解析があります。検査対象である筋ジストロフィーは、筋線維が壊死と再生を繰り返しながら次第に萎縮し、筋力の低下が進行していく遺伝性筋疾患の総称であり、指定難病の対象とされています。この疾患は、ジストロフィンが完全に欠損する重症型のデュシェンヌ型(DMD)と軽症型のベッカー型(BMD)に大別され、近年DMDを対象とした複数の遺伝子治療法が確立されてきました。ジストロフィン遺伝子変異解析は、筋ジストロフィーの診断および治療法の選択に際し、詳細な情報を提供できる検査として期待されております。本検査は、遺伝学的検査として3,880点の保険適用が可能です。加えて、2020年8月より受託を開始した脊髄小脳変性症の遺伝子解析があります。本検査が遺伝学的検査として8,000点の保険適用が可能となったことを受け、これまで個々に単項目として受託していた計8種類の原因遺伝子解析を、マルチプレックスPCRとRepeat Primed PCRによって一度に解析できる網羅的検査に作りかえ、新たな独自開発項目としてご案内しています。一方、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)PCR検査においては、行政からの要請に応えるべく、これまでに受託体制を段階的に拡充してまいりました。2020年12月に新たな自動PCR検査プラットフォームを導入し、2021年3月に同装置を増設したことで、BML総合研究所では1日25,000件を超える検査能力が備わりました。これにより当社グループ全体では、1日30,000件超の受託が可能となりました。今後も大型検査機器の導入を進め、さらなる受託体制の強化を図ってまいります。当連結会計年度の研究開発費の総額は278百万円であります。
FY2020|1,189 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおきましては、検査事業において、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。当連結会計年度の研究開発活動の成果として、独自に開発した3つの検査の受託開始がありました。1つめは、MLPA法によるLDLR遺伝子変異解析とダイレクトシークエンスによるFH遺伝子単一部位解析です。家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia: FH)は、高LDLコレステロール(LDL-C)血症、腱・皮膚黄色腫、早発性冠動脈疾患を主徴とする遺伝性疾患です。当社では、従来の次世代シークエンス(NGS)による関連遺伝子の全領域解析とともに、MLPA法によるLDLR遺伝子構造変異の検出が可能となりました。また、FH遺伝子単一部位解析は、原因遺伝子変異部位がすでに同定されている発端者の家族を対象に、ダイレクトシークエンス法による対象変異の単一部位解析を行います。これらの新規検査は2019年5月から受託を開始し、FHの診断ならびにその家族の保因者を発見することで、早期治療の開始や冠動脈疾患の予防に繋がる情報を提供できるようになりました。2つめは、先天性赤血球形成異常性貧血(CDA)の遺伝子解析です。先天性赤血球形成異常性貧血(congenital dyserythropoietic anemia:CDA)は、慢性的な貧血と黄疸を主な症状とする血液の病気であり、難病指定されています。これまで、臨床所見だけでの確定診断は困難でしたが、CDAN1、SEC23BおよびKLF1などの責任遺伝子の変異を調べることでより確実な診断が可能となりました。当社は、名古屋大学小児科との技術連携により、保険適用が可能な次世代シークエンス(NGS)による遺伝学的検査の受託を2019年5月から開始しております。3つめは、骨髄微小残存病変量測定の遺伝子再構成の同定検査およびモニタリング検査です。急性リンパ性白血病(ALL)において、免疫遺伝子再構成を用いた定量的PCR法による骨髄微小残存病変量の測定は、独立した予後因子として確立されており、治療強度の判断や造血幹細胞移植の適応選択に有用です。本検査は、診断時にスクリーニングとして遺伝子再構成の同定検査を行い、免疫遺伝子再構成の塩基配列を決定して患者特異的なプライマーを作製した後、モニタリング検査で診断時の患者DNAを基準とした微小残存病変を定量的に測定します。当社は、2019年2月に日本小児血液・がん学会より本検査の実施可能施設の認定をいただき、国立病院機構名古屋医療センターとの連携により2019年6月から一般受託を開始しております。当連結会計年度の研究開発費の総額は284百万円であります。
FY2019|1,199 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおきましては、検査事業において、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。当連結会計年度の研究開発活動の成果として、大きく3つのテーマで進展がありました。1つめは、造血器腫瘍の領域に3項目の新しい検査を提供できたことです。そのうちの2項目は急性骨髄性白血病(以下、AMLと表記)治療に役立てられるNPM1遺伝子変異解析およびKIT遺伝子変異解析です。AMLは様々な因子により、予後良好群・中間群・予後不良群に層別化され、染色体核型だけでなく種々の遺伝子変異も予後の予測因子として重要です。また、多発性骨髄腫の治療後の微小残存病変を高感度にモニタリングし、より深い完全奏効を評価できる検査として、これまで8カラーのマルチパラメーターフローサイトメトリー(MFC)を受託してきましたが、今期、新たに10カラー化によって性能向上を図り、さらに保険適用を可能とした「マロープラズマ10c」を開始しました。2つめは、若年発症型両側性感音難聴の遺伝子解析です。この症状の原因遺伝子としてACTG1遺伝子、CDH23遺伝子、COCH遺伝子、KCNQ4遺伝子、TECTA遺伝子、TMPRSS3遺伝子、WFS1遺伝子が知られており、これらの遺伝子の一部の変異は、既に先天性難聴の遺伝子検査の解析対象となっていますが、鑑別診断のためには全ての遺伝子変異を網羅的に解析する必要があります。信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室の宇佐美真一教授との連携により保険診療の体制作りを進めてきた結果、2018年度の診療報酬改定により、指定難病の遺伝学的検査として保険適用が可能となりました。本検査の商業受託化は国内初の成果であり、難聴患者の遺伝子診断率の向上と正確な診断に基づく個別化医療に貢献できるものと期待しています。3つめは、抗PD-1抗体医薬ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)による治療の適応判断を目的とした、マイクロサテライト不安定性(MSI)の検査です。マイクロサテライトと呼ばれる1~数塩基の反復配列は、DNA複製時に反復数の増減が発生しやすく、ミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)を有する腫瘍細胞では正常細胞に比べて反復数の違い(不安定性)がより明確に表れます。高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)は、大腸・胃・膵臓などの消化器系の癌や子宮内膜癌でよく認められ、乳癌・前立腺癌・膀胱癌・甲状腺癌などでも認められることがあります。ペムブロリズマブは、MSI-HまたはdMMRの癌種によらない進行固形癌を対象とした臨床試験において、組織型によらず持続的な効果が報告されており、本検査でその薬剤の適応を判定することができます。当連結会計年度の研究開発費の総額は281百万円であります。
FY2018|929 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおきましては、検査事業において、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。前期受託を始めたEGFR遺伝子変異解析version2.0は、薬剤耐性遺伝子変異であるT790Mを有する肺癌にも有効な第三世代の分子標的治療薬オシメルチニブの投与対象者を選定することを目的としています。平成29年7月より、血漿から抽出した血中遊離DNA(cfDNA)検体にも適用を拡大し、新たなコンパニオン検査として受託を開始しました。また、クリゾチニブの投与対象肺癌患者を選定するROS1融合遺伝子mRNA検査も同年9月より開始しました。難病の遺伝学的検査としては、同年7月より脆弱X症候群ならびに脆弱X症候群関連疾患(FXTAS・FXPOI)の遺伝子解析、同年9月より脊髄性筋萎縮症(SMA)の遺伝子解析の受託を開始しました。感染症の核酸検査では、6種類のヘルペスウイルスをセットで同時定量するヘルペスウイルス群核酸検出検査の受託を同年8月より開始しました。血液疾患の分野では、同年9月より、新規キメラ遺伝子mRNA定量検査として、DAZAP1/MEF2D定量、AML1/EVI1定量、MLL/ELL定量の3項目の受託、同年10月より、JAK2、MPL、CALRの3種類の遺伝子をセットで測定するMPN(骨髄増殖性腫瘍)遺伝子変異解析の受託を開始しました。肝疾患の分野では、HCV排除後の肝発がんにTLL1の遺伝子多型が遺伝的要因として関わっていることが報告されました。新たな研究検査として、同年12月よりTLL1遺伝子多型解析の受託を開始しました。脂質異常症の分野では、FH(家族性高コレステロール血症)の診断ならびにその家族の中のFH未発症者を見つけ、早期治療や冠動脈疾患の予防に繋げることを目的として、LDLR、APOB、PCSK9およびLDLRAP1遺伝子の次世代シークエンス(NGS)法による変異解析の受託準備を進めてまいりました。なお本件は、平成30年4月より受託を開始しております。当連結会計年度の研究開発費の総額は326百万円であります。
FY2017|957 文字
5 【研究開発活動】当企業集団におきましては、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。平成28年5月より、EGFR遺伝子変異解析version2.0の受託を開始しました。肺癌の分子標的治療薬としては、第一世代のゲフィチニブとエルロチニブ、第二世代のアファチニブに続き、同年3月に第三世代の新しい治療薬オシメルチニブが製造販売承認を受けており、代表的な薬剤耐性遺伝子変異であるT790Mを有する肺癌にも有効です。EGFR遺伝子変異解析version2.0は、この変異の有無を確認してオシメルチニブの投与対象者を選定するためのコンパニオン診断薬として保険収載されました。また、当期の研究開発活動より、以下のとおり実用化に向けた進展がありました。血液疾患の分野では、急性リンパ芽球性白血病の寛解導入・強化療法における、血中のL-アスパラギナーゼ活性測定です。日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)の臨床研究において有用性の検証や判定基準の策定などが進められています。造血器疾患の分野では、業界初となる8カラーのマルチパラメーターフローサイトメトリーによる多発性骨髄腫の微小残存病変検査の受託を平成29年1月より開始しています。移植医療の分野では、従来から行われてきた細胞障害試験によるリンパ球クロスマッチ検査に代わり、より高感度なフローサイトメトリーによるクロスマッチ検査の受託を平成29年2月より開始しています。がん診断・治療の分野では、免疫チェックポイント阻害剤の投与適応を判断するPD-L1/22C3と28-8の両免疫組織化学染色検査の受託を平成29年3月より開始しています。これに伴い、従来のリンチ症候群の診断を目的とした既存のMSI検査法を改変し、パラフィンブロックの病理標本を検体として5種類のモノヌクレオチドマーカーを用いる新たなMSI検査を構築して、同じく平成29年3月より受託を開始しました。先天性疾患の分野では、次世代シークエンサーを用い、家族性高コレステロール血症(FH)の原因遺伝子の変異検索を受託し、多数例での解析業務を行いました。当連結会計年度の研究開発費の総額は302百万円であります。
FY2016|1,124 文字
6 【研究開発活動】当企業集団におきましては、臨床検査の検査技術に係る研究開発活動を提出会社及び一部の連結子会社において集中的に行っております。その活動内容は次のとおりであります。平成27年4月に、大腸癌に対する抗EGFR抗体薬の適応症例を確認するためにこれまで用いられてきたKRAS遺伝子変異解析が、NRASも含めて計48種類の変異を一挙にスクリーニングできるRAS遺伝子変異解析として、新たなコンパニオン診断検査にバージョンアップされました。また、悪性黒色腫(メラノーマ)に対する分子標的治療薬であるベムラフェニブの適応症例を確認するための新たなコンパニオン診断検査としてBRAF V600変異解析(保険点数6,520点)の受託も開始しました。信州大学耳鼻咽喉科と共同開発した先天性難聴の遺伝子検査を、平成24年からインベーダー法によって13遺伝子46変異のスクリーニング検査としてこれまで行ってきましたが、平成27年8月に、次世代シークエンサー(NGS)を用いて解析遺伝子数を19種類、変異数を154ヶ所と大幅に増やすことで、確定診断率を向上させた新しい先天性難聴の遺伝子検査にバージョンアップさせました。NGSを用いた遺伝子検査を保険診療(遺伝学的検査:3,880点)で実施するのは国内初となりました。研究検査としては2項目の上市がありました。1つはフローサイトメトリーによる高感度PNH血球測定で、平成27年11月にご案内し、平成28年1月より受託を開始しました。この検査は発作性夜間血色素尿症(PNH)の患者の予後や治療方針の決定に有用であり、ICCS(International Clinical Cytometry Society)が推奨する高感度法に準拠して、PNH血球を0.01%まで感度よく検出することを可能にしています。もう1つはY染色体微小欠失解析(AZF欠失)で、同じく平成27年11月にご案内し、平成28年1月より受託を始めました。この検査は男性不妊の原因を探るために、無精子症因子(AZF)領域のどこに微小欠失が生じているのかを調べることで、補助生殖医療のために精子を採取できる可能性を判断でき、精巣内精子採取術(TESE)の適用を検討する上で有用なものです。また、急性リンパ性白血病に対するアスパラギナーゼ治療の有効性をモニターする検査として望まれていた血中のアスパラギナーゼ活性測定法を、臨床研究グループならびに製薬企業の支援のもとで開発し、実用に供することが可能となりました。平成27年10月の日本血液学会企業展示で検査の開発状況のご紹介を行いました。当連結会計年度の研究開発費の総額は265百万円であります。