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日本特殊塗料(4619)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 主力事業の概要
    日本特殊塗料グループは、主に「塗料関連事業」と「自動車製品関連事業」の2つの事業を展開しています。塗料関連事業では、様々な種類の塗料の製造・販売に加え、塗装工事の請負も行っています。自動車製品関連事業では、自動車の静粛性や安全性を高めるための防音材(制振材、吸・遮音材)や防錆塗料といった自動車部品の製造・販売が中心です。
  • 収益の柱
    特に自動車製品関連事業がグループ全体の収益を牽引しており、最新年度の売上高は423.21億円、営業利益は34.93億円と、塗料関連事業(売上237.22億円、営業利益9.53億円)を大きく上回っています。これは、自動車の快適性や安全性に対するニーズの高まりを背景に、同社の防音材や防錆塗料が国内外の自動車メーカーに広く採用されていることを示唆しています。
  • グローバルな事業展開
    同社グループは、日本国内だけでなく、北米、中国、タイ、インドネシア、インドなど、世界各地に子会社や関連会社を展開し、グローバルに事業を行っています。特に自動車製品関連事業では、海外の合弁会社を通じて現地生産を主体としており、各地域の自動車産業の成長を取り込む戦略をとっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 塗料関連事業
    この事業セグメントは、塗料の製造、販売、および塗装工事の請負を主な内容としています。建築物や産業機械など、幅広い分野で使用される塗料を提供しており、最新年度の売上高は237.22億円、営業利益は9.53億円となっています。日本国内の当社および関連会社が中心となって事業を展開しています。
  • 自動車製品関連事業
    この事業セグメントは、自動車用の防音材(制振材、吸・遮音材)や防錆塗料などの自動車部品の製造・販売を主に行っています。自動車の快適性や安全性を高めるための重要な部品を提供しており、最新年度の売上高は423.21億円、営業利益は34.93億円と、グループの稼ぎ頭となっています。日本だけでなく、北米、中国、タイ、インドネシア、インドなどグローバルに展開しています。
  • その他事業
    上記の主要事業以外に、保険代理店業などを手掛ける「その他」の事業セグメントも存在します。これは、グループ全体の事業活動を補完する役割を担っていますが、規模としては主要2事業に比べて小さいです。具体的な売上や利益の数値は示されていませんが、グループの多角化の一端を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PaintCoatingRelated 事業 237 10 4.0%
AutomobileProductsRelated 事業 423 35 8.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|632 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社、子会社11社及び関連会社10社により構成されております。 事業内容としては、塗料関連事業では、塗料の製造・販売及び工事請負を主たる事業としており、また、自動車製品関連事業では、自動車用防音材(制振材、吸・遮音材)、防錆塗料などの自動車部品の製造・販売並びにこれに関連した研究、開発などの事業活動を行っております。 当社グループの事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 区分会社名塗料関連事業当社、ニットクメンテ㈱、ニットク商工㈱、梅居産業㈱自動車製品関連事業当社、日晃工業㈱、㈱タカヒロ、㈱ニットクシーケー、富士産業㈱、大和特殊工機㈱、㈱エヌ・シー・エス、Uni-NTF, Inc.、UGN, Inc.、SNC Sound Proof Co., Ltd.、日特固(広州)防音配件有限公司、天津日特固防音配件有限公司、武漢日特固防音配件有限公司、武漢日特固汽車零部件有限公司、SRN Sound Proof Co., Ltd.、Autoneum Nittoku Sound Proof Products India Pvt. Ltd.、PT.TUFFINDO NITTOKU AUTONEUM、ATN Auto Acoustics㈱その他㈱ニットク保険センター 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
環境配慮型製品や高機能製品の開発に注力しており、一定の価格決定力を持つ。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高機能・高付加価値製品の開発力、品質管理体制、環境対応技術。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:共同事業における歩調の不一致 / 大規模災害及び重度感染症の発生・蔓延 / 気候変動による市場環境・政策の影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

特定の機能性塗料に関する特許やノウハウは存在する可能性があるが、公開情報からはその強固さや競合優位性を具体的に判断できるレベルではない。ブランド力も限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

船舶用塗料など、一度採用されると仕様変更が難しく、顧客の乗り換えには一定のハードルが存在する可能性がある。しかし、代替品の選択肢も存在し、スイッチングコストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が働く事業モデルではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

化学品製造における規模の経済や効率化の努力は考えられるが、業界全体としてコスト優位性を確立しているとは言えない。原料価格の変動リスクも存在する。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

塗料業界は多数のプレイヤーが存在する競争環境であり、日本特殊塗料の規模が決定的な競争優位に繋がっているとは言えない。特定のニッチ市場でのシェアは存在する可能性。

  • 技術開発力と製品ラインナップ
    日本特殊塗料グループは、塗料分野と自動車製品分野において、長年にわたる研究開発で培った高い技術力を有しています。特に自動車用防音材では、制振材、吸音材、遮音材といった多様な製品を提供し、自動車の軽量化や燃費向上、快適性向上に貢献しています。これにより、顧客である自動車メーカーの多様なニーズに応えることが可能です。
  • 環境対応への注力
    同社グループは、環境負荷低減に貢献する製品開発に積極的に取り組んでいます。例えば、自動車の軽量化や古衣料等の廃棄物削減に資する自動車用防音材、建物内の温度上昇を抑える遮熱塗料など、温室効果ガス削減に貢献する環境対応型製品の開発・拡販を中期経営計画の基本戦略として掲げています。これは、環境意識の高まりの中で、企業の競争優位性となり得ます。
  • グローバルな生産・販売ネットワーク
    同社グループは、日本を含むアジア、北米など世界各地に生産・販売拠点を有しており、主要な自動車生産地域に密着した事業展開を行っています。これにより、顧客である自動車メーカーのグローバルなサプライチェーンに対応できるだけでなく、各地域の市場ニーズに合わせた製品供給やサービス提供が可能となり、安定的な事業基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、「卓越した技術と製品により社会に貢献する」「株主の利益を尊重し、社員の人格を大切にする」「環境と共生し、国際標準に準拠しつつ、永遠の発展を目指す」を経営理念としております。 この理念のもと、経営の基本方針として「創意工夫を社是とし、独自の技術と製品をもって顧客の要望と信頼にこたえる」「世界に活躍する企業として総合開発力を結集し、新製品・新需要の開発に挑戦する」「人材の育成・登用をはかるとともに、一切の無駄を省き、高生産性・高収益を追求する」を掲げ、安定的な事業基盤・収益基盤を構築し、長期にわたって持続的な企業価値向上を目指してまいります。 (2)当社グループを取り巻く経営環境、対処すべき課題及び当社の事業戦略今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな景気回復の継続が期待される一方、米国の関税政策の動向、為替の変動、中国の景気先行きへの懸念、地政学リスクの長期化など懸念材料も多く、引き続き厳しい経営環境が続くことが予想されます。こうした経済状況のもと、当社グループの主要事業である塗料関連事業、自動車製品関連事業における各事業環境とそれに対応した事業戦略の概要については、以下のとおりです。 [ 塗料関連事業 ]塗料関連事業は、塗料の製造・販売及び工事請負を主たる事業としております。塗料分野では、国内の人口減少トレンドが続く中、市場は趨勢的に縮小傾向にあり、大小多くの塗料メーカー等による熾烈な販売競争、環境対応型塗料を中心とした新製品の開発競争が激化しております。また、足元の事業環境は、原材料・エネルギー価格の高止まり、物流費・労務費の上昇等、厳しい状況が続くことが見込まれます。こうした競争環境の中、当社は航空機用塗料で培った高い技術力をベースに、地球環境や安全性に配慮した環境対応型塗料、省エネに寄与する塗料を中心とした多面的・持続的な研究開発のもと、同業他社との製品差別化に取り組んでおります。販売面では、塗料販売店・塗装施工店を中心とした自社製品の販売ネットワークを構築しており、その拡大強化にも継続して取り組んでおります。塗料関連事業においては、厳しい経営環境の中、こうした取組みの強化に加え、顧客のニーズに合った新たな製品の開発、海外を含む新たな市場への挑戦にも積極的に取り組むと同時に、一部製品の販売価格見直しや原価改善活動に引き続き注力し、安定的な収益基盤の構築を図ってまいります。 [ 自動車製品関連事業 ]自動車製品関連事業は、自動車用防音材(制振材、吸・遮音材)、防錆塗料等の塗材を中心とした自動車部品の製造・販売並びにこれに関連した研究開発などの事業活動を行っております。自動車業界におきましては、100年に一度と言われる大変革期を迎え、環境規制強化の流れの中、自動運転、電気自動車、コネクテッド、シェアリングの大きなトレンドの波が同時に押し寄せ、競争環境が大きく変わろうとしております。加えて近年においては、カーボンニュートラルに向けた環境課題への対応を含め、持続的成長をより重要視した事業活動が強く求められる状況にあります。こうした事業環境の中、当社は国内自動車メーカーの動向を的確に捉え、研究開発段階からの連携を強化しつつ、部品軽量化や車室内の快適性向上等の新しいニーズに応える新技術・製品を提供し、中長期的な受注拡大に取り組んでおります。また、日本経済の低成長という構造的問題から国内生産の中長期的な増加が期待できないことに加え、中国をはじめとしたアジア圏における新興EVメーカーの台頭により、市場環境は変化を遂げており、グローバルでの事業活動を通した収益力強化も大きな課題です。当社は、関係会社・協力会社を含めたグローバルでの生産体制をベースに、自動車メーカーの生産体制の変化にも機動的に対応できるサプライチェーンのさらなる強化・安定化、効率的な生産体制の確立を図るとともに、収益力強化を実現するための抜本的な「もの作り」改善に、持続的に取り組んでおります。自動車製品関連事業においては、経営環境の変革期において、研究開発、生産・製造、営業等各部門が一体となって、グローバルで真の自動車部品サプライヤーとしての位置づけをより強固なものとしてまいります。 (3)中長期的な経営の基本戦略今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな景気回復の継続が期待される一方、米国の関税政策の動向、為替の変動、中国の景気先行きへの懸念、地政学リスクの長期化など懸念材料も多く、引き続き厳しい経営環境が続くことが予想されます。加えて、中長期的には、労働力不足の深刻化、環境負荷低減への要求強化、デジタル技術の急速な進化が見込まれ、直面する課題は一層多様化・複雑化が進む状況にあります。こうした状況を踏まえ、当社は、2026年3月期から2030年3月期までの5年間を対象とする新たな中期経営計画を策定いたしました。新中期経営計画におきましては、「変革と挑戦」をテーマに掲げ、新たな事業戦略、資本財務戦略、経営基盤戦略を策定し、事業領域の拡大を進めるとともに、新たな課題に積極的に向き合いながら、つぎの時代を支える新規事業の育成にも注力することで、持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。新中期経営計画に掲げる戦略の概要等は、以下のとおりです。<事業戦略>両事業(塗料関連・自動車製品関連)分野において、基本となる4つの事業戦略(製品ポートフォリオの最適化、販売機会の最大化、生産性の抜本的改善、技術力の革新)に対応した施策を遂行し、創業100周年を迎える2030年3月期に売上高800億円、ROE10.0%以上の実現を目指してまいります。<財務資本戦略>新中期経営計画期間におきましては、業績に応じた成果の配分をより強く意識し、「総還元性向70%」を基本方針とした株主還元の強化と戦略的成長投資・設備投資を計画的に実行してまいります。<経営基盤戦略>持続的成長に欠くことのできないESG(環境・社会・ガバナンス)各項目への対応策を柱に、特にガバナンス体制の強化、人的資本の充実と挑戦する組織風土の醸成、DX推進、および事業部門と連携した環境対応戦略に注力してまいります。 (4)目標とする経営指標当社グループは、①販売力強化による事業規模拡大、②生産体制の拡充及び生産効率化、資本効率向上による安定的な収益基盤の構築と効率的な事業体制の確立を推進し、持続可能な成長の実現を目指しております。そのため、前期対比売上高成長率、売上高営業利益率及び売上高経常利益率、自己資本利益率を重要な経営指標と位置づけております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、「卓越した技術と製品により社会に貢献する」「株主の利益を尊重し、社員の人格を大切にする」「環境と共生し、国際標準に準拠しつつ、永遠の発展を目指す」を経営理念としております。 この理念のもと、経営の基本方針として「創意工夫を社是とし、独自の技術と製品をもって顧客の要望と信頼にこたえる」「世界に活躍する企業として総合開発力を結集し、新製品・新需要の開発に挑戦する」「人材の育成・登用をはかるとともに、一切の無駄を省き、高生産性・高収益を追求する」を掲げ、安定的な事業基盤・収益基盤を構築し、長期にわたって持続的な企業価値向上を目指してまいります。 (2)当社グループを取り巻く経営環境、対処すべき課題及び当社の事業戦略今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな景気回復の継続が期待される一方、米国の関税政策の動向、為替の変動、中国の景気先行きへの懸念、地政学リスクの長期化など懸念材料も多く、引き続き厳しい経営環境が続くことが予想されます。こうした経済状況のもと、当社グループの主要事業である塗料関連事業、自動車製品関連事業における各事業環境とそれに対応した事業戦略の概要については、以下のとおりです。 [ 塗料関連事業 ]塗料関連事業は、塗料の製造・販売及び工事請負を主たる事業としております。塗料分野では、国内の人口減少トレンドが続く中、市場は趨勢的に縮小傾向にあり、大小多くの塗料メーカー等による熾烈な販売競争、環境対応型塗料を中心とした新製品の開発競争が激化しております。また、足元の事業環境は、原材料・エネルギー価格の高止まり、物流費・労務費の上昇等、厳しい状況が続くことが見込まれます。こうした競争環境の中、当社は航空機用塗料で培った高い技術力をベースに、地球環境や安全性に配慮した環境対応型塗料、省エネに寄与する塗料を中心とした多面的・持続的な研究開発のもと、同業他社との製品差別化に取り組んでおります。販売面では、塗料販売店・塗装施工店を中心とした自社製品の販売ネットワークを構築しており、その拡大強化にも継続して取り組んでおります。塗料関連事業においては、厳しい経営環境の中、こうした取組みの強化に加え、顧客のニーズに合った新たな製品の開発、海外を含む新たな市場への挑戦にも積極的に取り組むと同時に、一部製品の販売価格見直しや原価改善活動に引き続き注力し、安定的な収益基盤の構築を図ってまいります。 [ 自動車製品関連事業 ]自動車製品関連事業は、自動車用防音材(制振材、吸・遮音材)、防錆塗料等の塗材を中心とした自動車部品の製造・販売並びにこれに関連した研究開発などの事業活動を行っております。自動車業界におきましては、100年に一度と言われる大変革期を迎え、環境規制強化の流れの中、自動運転、電気自動車、コネクテッド、シェアリングの大きなトレンドの波が同時に押し寄せ、競争環境が大きく変わろうとしております。加えて近年においては、カーボンニュートラルに向けた環境課題への対応を含め、持続的成長をより重要視した事業活動が強く求められる状況にあります。こうした事業環境の中、当社は国内自動車メーカーの動向を的確に捉え、研究開発段階からの連携を強化しつつ、部品軽量化や車室内の快適性向上等の新しいニーズに応える新技術・製品を提供し、中長期的な受注拡大に取り組んでおります。また、日本経済の低成長という構造的問題から国内生産の中長期的な増加が期待できないことに加え、中国をはじめとしたアジア圏における新興EVメーカーの台頭により、市場環境は変化を遂げており、グローバルでの事業活動を通した収益力強化も大きな課題です。当社は、関係会社・協力会社を含めたグローバルでの生産体制をベースに、自動車メーカーの生産体制の変化にも機動的に対応できるサプライチェーンのさらなる強化・安定化、効率的な生産体制の確立を図るとともに、収益力強化を実現するための抜本的な「もの作り」改善に、持続的に取り組んでおります。自動車製品関連事業においては、経営環境の変革期において、研究開発、生産・製造、営業等各部門が一体となって、グローバルで真の自動車部品サプライヤーとしての位置づけをより強固なものとしてまいります。 (3)中長期的な経営の基本戦略今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな景気回復の継続が期待される一方、米国の関税政策の動向、為替の変動、中国の景気先行きへの懸念、地政学リスクの長期化など懸念材料も多く、引き続き厳しい経営環境が続くことが予想されます。加えて、中長期的には、労働力不足の深刻化、環境負荷低減への要求強化、デジタル技術の急速な進化が見込まれ、直面する課題は一層多様化・複雑化が進む状況にあります。こうした状況を踏まえ、当社は、2026年3月期から2030年3月期までの5年間を対象とする新たな中期経営計画を策定いたしました。新中期経営計画におきましては、「変革と挑戦」をテーマに掲げ、新たな事業戦略、資本財務戦略、経営基盤戦略を策定し、事業領域の拡大を進めるとともに、新たな課題に積極的に向き合いながら、つぎの時代を支える新規事業の育成にも注力することで、持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。新中期経営計画に掲げる戦略の概要等は、以下のとおりです。<事業戦略>両事業(塗料関連・自動車製品関連)分野において、基本となる4つの事業戦略(製品ポートフォリオの最適化、販売機会の最大化、生産性の抜本的改善、技術力の革新)に対応した施策を遂行し、創業100周年を迎える2030年3月期に売上高800億円、ROE10.0%以上の実現を目指してまいります。<財務資本戦略>新中期経営計画期間におきましては、業績に応じた成果の配分をより強く意識し、「総還元性向70%」を基本方針とした株主還元の強化と戦略的成長投資・設備投資を計画的に実行してまいります。<経営基盤戦略>持続的成長に欠くことのできないESG(環境・社会・ガバナンス)各項目への対応策を柱に、特にガバナンス体制の強化、人的資本の充実と挑戦する組織風土の醸成、DX推進、および事業部門と連携した環境対応戦略に注力してまいります。 (4)目標とする経営指標当社グループは、①販売力強化による事業規模拡大、②生産体制の拡充及び生産効率化、資本効率向上による安定的な収益基盤の構築と効率的な事業体制の確立を推進し、持続可能な成長の実現を目指しております。そのため、前期対比売上高成長率、売上高営業利益率及び売上高経常利益率、自己資本利益率を重要な経営指標と位置づけております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概況当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におきましては、雇用・所得環境の改善等を背景に、国内景気は緩やかな回復基調が続いておりますが、原材料・エネルギー価格の高止まり、為替の変動、不安定な国際情勢や中国経済低迷の影響が懸念される等、引き続き景気の先行きは不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画の基本戦略に掲げる収益基盤の強化、新技術・新製品開発、サステナビリティ経営の推進等に引き続き注力し、企業価値向上に努めてまいりました。この結果、当連結会計年度における売上高は、主に塗料関連事業の増収により660億6千万円(前期比2.1%増)となりました。損益面につきましては、製品等の販売価格見直しを含む売上高の増加に加え、原価低減活動・経費低減策に継続して取り組んだ結果、営業利益は44億5千6百万円(前期比14.1%増)となりました。経常利益は、持分法による投資利益の増加等により67億9百万円(前期比12.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の計上等により49億4千2百万円(前期比25.2%増)となりました。 前年同期との比較については、以下のとおりとなっております。 売上高(百万円)営業利益(百万円)経常利益(百万円)親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)当連結会計年度66,0604,4566,7094,942前連結会計年度64,6933,9055,9633,947増減率(%)2.1%14.1%12.5%25.2% セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります(各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高消去後の数値を記載)。 [ 塗料関連事業 ]主力製品の防水材を中心に、建築・構築物用塗料の販売が堅調に推移するとともに、集合住宅大規模改修工事等の工事関連売上が前期比30.0%増となり、増収に大きく貢献した結果、当セグメントの売上高は237億2千2百万円(前期比15.1%増)となりました。損益面につきましては、販売価格見直しや工事関連売上における増収の効果に加え、原価低減活動・経費低減策の徹底により、セグメント利益は9億5千3百万円(前期比108.7%増)となりました。 [ 自動車製品関連事業 ]中国におけるEV市場拡大を背景とした販売低迷の影響等から、主要顧客である自動車メーカーの生産台数が国内外で減少したことを受け、売上高は423億2千1百万円(前期比4.0%減)となりました。損益面につきましては、販売価格見直しや原価低減活動・経費低減策を推進したことで、セグメント利益は34億9千3百万円(前期比1.6%増)となりました。 [ その他 ]保険代理業の売上高は1千5百万円(前期比3.9%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億4千7百万円増加し、160億2千4百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金は、31億1千9百万円の収入(前期は93億1千7百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益69億2千1百万円、売上債権の減少額11億1千万円、仕入債務の減少額41億7千3百万円、利息及び配当金の受取額18億8千5百万円、法人税等の支払額16億8千5百万円によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金は、12億3千7百万円の支出(前期は5億3千3百万円の収入)となりました。この主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出14億円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金は、20億3千7百万円の支出(前期は50億9千2百万円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出8億9千8百万円、配当金の支払額10億2千5百万円によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の状況 a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)塗料関連事業11,3354.5自動車製品関連事業28,378△4.7合計39,713△2.3 (注) 1 金額は販売価格によっております。 b. 受注実績当社グループは受注による生産は僅かであり、主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残高について特に記載すべき事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)塗料関連事業23,72215.1自動車製品関連事業42,321△4.0その他153.9合計66,0602.1 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)トヨタ自動車㈱10,39716.19,73814.7本田技研工業㈱6,46810.0--  3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 4 当連結会計年度の本田技研工業㈱に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1〔連結財務諸表等〕 連結財務諸表 注記事項 〔重要な会計上の見積り〕」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討a.経営成績の分析当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、塗料関連事業セグメントでは前連結会計年度に比べ15.1%増の237億2千2百万円、自動車製品関連事業セグメントでは前期比4.0%減の423億2千1百万円となり、全体売上高は660億6千万円(前期比2.1%増)となりました。地域別売上高では、海外売上が前期比7億5千万円減少(前期比9.2%減)し、国内売上は前期比21億1千6百万円の増加(前期比3.7%増)となりました。これは、国内中心の塗料関連事業において、集合住宅大規模改修工事等の工事関連売上が増収に大きく貢献した一方、自動車製品関連事業において、中国におけるEV市場拡大を背景とした販売低迷の影響等から、海外売上が減少したことによるものです。なお、報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、塗料関連事業が35.9%(前期は31.9%)、自動車製品関連事業が64.1%(前期は68.1%)となりました。利益面では、販売価格見直しを含む売上高の増加に加え、多面的な原価低減活動・経費低減策推進により、営業利益は前連結会計年度に比べ5億5千1百万円増加し、44億5千6百万円(前期比14.1%増)となりました。なお、セグメント利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。経常利益は、前連結会計年度に比べ7億4千6百万円増加し、67億9百万円(前期比12.5%増)となりました。これは営業利益が増加したことに加え、営業外収益で海外関連会社の持分法による投資利益が3億4千3百万円増加したこと等によるものです。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ9億9千4百万円増加し、49億4千2百万円(前期比25.2%増)となりました。これは経常利益が増加したことに加え、特別利益の合計が2億5百万円増加したこと等によるものです。 b.財政状態の分析当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億1千2百万円減少し、852億4千3百万円となりました。主な要因は、売掛金の減少7億2千9百万円、仕掛品の増加4億9千万円、有形固定資産の減少10億2千3百万円、投資有価証券の減少11億1千1百万円によるものです。負債については、前連結会計年度末に比べ67億6千1百万円減少し、211億2千9百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少20億1千8百万円、電子記録債務の減少21億3百万円、借入金の減少4億3千5百万円、退職給付に係る負債の減少4億2千4百万円、繰延税金負債の減少6億9千1百万円によるものです。純資産については、前連結会計年度末に比べ45億4千8百万円増加し、641億1千4百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加39億1千5百万円、その他有価証券評価差額金の減少18億6千4百万円、為替換算調整勘定の増加17億9千1百万円によるものです。自己資本比率は6.3%増加し、67.4%となりました。 c.キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用になります。投資を目的とした資金需要は、主に能力の増強及び更新に係る生産設備等への投資によるものです。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債は38億3千3百万円、営業キャッシュ・フロー対有利子負債比率は81.4%となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は160億2千4百万円となっております。 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、前期対比売上高成長率、売上高営業利益率、売上高経常利益率及び自己資本利益率を重要な経営指標としております。直近5期の実績は、以下のとおりとなっております(連結業績)。 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期売上高(百万円)48,00454,77960,73864,69366,060前期対比売上高成長率(%)△16.114.110.96.52.1売上高営業利益率(%)1.82.72.76.06.7売上高経常利益率(%)5.04.85.29.210.2自己資本利益率(%)3.13.04.67.98.9 売上高成長率については、2021年3月期におきまして、主に新型コロナウイルス感染症の甚大な影響を受け、売上高が大きく減収する結果となりました。2022年3月期以降、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策進展とともに経済活動の正常化が進んだことに加え、製品等の販売価格見直しが寄与し、当連結会計年度(2025年3月期)にかけて、連続して増収を遂げる結果となりましたが、特に当連結会計年度(2025年3月期)におきましては、塗料関連事業において、集合住宅大規模改修工事等の工事関連売上が増収に大きく貢献した一方、自動車製品関連事業において、中国におけるEV市場拡大を背景とした販売低迷の影響等から、主要顧客である自動車メーカーの生産台数が国内外で減少したことを受け、成長率は低下する結果となりました。売上高営業利益率につきましては、2021年3月期は、前述のとおり売上高の減少幅が大きく、売上高営業利益率も大幅な低下となりました。2022年3月期以降におきましては、一定の増収効果があった一方、原材料・エネルギー価格高騰等の影響を受けておりましたが、2024年3月期以降、生産数量・売上高の増加に加え、製品等の販売価格見直し、原価改善活動の進展等から、特に当連結会計年度(2025年3月期)の売上高営業利益率は6.7%まで回復を遂げました。売上高経常利益率につきましては、持分法による投資利益の増減影響を大きく受け、2024年3月期以降、営業利益の増加に加え、持分法による投資利益が高水準で推移したことから、売上高経常利益率は回復し、特に当連結会計年度(2025年3月期)は10.2%と高い利益水準を達成しました。自己資本利益率につきましては、利益水準の回復を受け、当連結会計年度は8.9%となりました。

事業リスク

  • 共同事業における連携不一致
    同社グループは、技術提携や合弁事業を通じて多くのパートナーと共同で事業を行っています。もし共同活動の当事者間で戦略や方針に不一致が生じた場合、事業運営の効率が低下し、グループ全体の経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に海外での合弁事業では、文化や商慣習の違いから連携が難しくなることも考えられます。
  • 大規模災害・感染症のリスク
    地震や感染症の蔓延などにより、同社グループの生産拠点や事業活動が困難になった場合、製品の供給が滞り、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、首都直下型地震や東海・東南海・南海地震の発生リスク、新たな重度感染症の蔓延リスクは近年高まっており、事業継続計画(BCP)の策定・運用が重要となります。
  • 気候変動と法的規制の強化
    地球温暖化に伴う気候変動や、それに対応する各国政府の政策・規制強化は、市場環境や顧客ニーズに大きな影響を与え、同社グループの事業戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。また、環境に関する法的規制が強化された場合、事業活動が制限されたり、規制遵守のためのコストが増加したりする可能性があり、経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,298 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社が判断したリスクの重要度にしたがって記載しておりますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、実際の発生リスク、発生程度やその影響度は記載の順序とは異なる可能性があります。また、当社グループではこうしたリスクの最小化に継続して取り組んでおり、その対応策の一部を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針に関するもの当社グループは、技術開発や事業運営を効率的に行いつつ、経営資源を最適化するため、技術提携や合弁の形で多くのパートナーと共同で事業を行っております。各事業会社の研究開発・設計、営業、生産・製造、管理部門等の各部門及び会社間・部門間相互において、戦略・方針等の大きな方向性や事案毎の詳細な情報を共有し、連携強化に努めておりますが、共同活動の当事者間で歩調の不一致等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 大規模災害及び重度感染症等の発生・蔓延に関するもの当社グループの拠点のいずれかが大規模な地震などの災害に罹災し、あるいは重度感染症の蔓延等により生産・稼動等が困難となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に近年においては、高い確率で予想されている首都直下型地震や東海・東南海・南海地震の発生リスク、新たな重度感染症の蔓延等に係るリスクが高まっている状況にあります。このような事態に備え、当社グループは、製品納入責任を果たすべく事業継続計画の策定、運用、定期的な訓練の実施や計画の見直し等を全社レベルで行っております。しかしながら、想定外の現象が起きる可能性は否定できず、その内容によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、世界的な感染拡大が社会経済活動に甚大な打撃を及ぼした新型コロナウイルス感染症は、各国で経済的な支援を含む各種の感染症対策が施され、社会経済活動は概ね正常化しておりますが、ウイルスの変異や新たな重度感染症の発生・蔓延等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 気候変動に関するもの温室効果ガスの排出量増大に起因する地球温暖化がもたらす気候変動、及びそれに対して各国政府や地域行政が講じる政策・施策については、市場環境や顧客ニーズへの影響を含め、当社グループの事業戦略に大きく影響を与えるものと認識しており、その内容・程度によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうした気候変動に関するリスクについて、経営計画や事業計画にその対応策を反映し、ステークホルダーに向けた適切な情報開示を実施すべく、ガバナンス体制を整備しております。具体的には、事業・業務部門を横断して、カーボンニュートラルに関する専門プロジェクトを設置し、気候変動に関する施策・対応策の検討を進めており、2050年に全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指すことを目標として定めました。また、開発・技術、製品戦略的な側面においては、従来より各事業部門が主導して取り組みを推進しております。各施策・対応策は、取締役会による承認のもと、当該プロジェクトや関連部署において実行されるとともに、その進捗は、サステナビリティに関する施策を統括するサステナビリティ委員会を通じて、あるいは直接取締役会に共有され、適切に管理される体制を整えております。なお、自社でのエネルギー使用の合理化・使用量低減を目指した様々な対応策の検討・実施のほか、自動車の軽量化・燃費低減や古衣料等の廃棄物削減に資する自動車用防音材、屋根等に塗装することで建物内の温度上昇を抑える効果がある遮熱塗料等、環境対応型製品(温室効果ガス削減に資する製品)の開発・拡販に注力することを中期経営計画の基本戦略に掲げ、全社的に推進しております。当社グループは、今後、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)等に準拠した対応活動を強化・推進し、気候変動に関するリスクの最小化に継続して取り組んでまいります。 (4) 品質管理体制、法的規制に関するもの① 品質管理体制、製造物責任当社グループは、品質基準「ISO9001」の認証を受け、当社を中心とした品質対応の専門部署が主導的な役割を果たしつつ、品質管理のシステムに則った厳格な品質管理を徹底しております。しかしながら、全ての製品について欠陥が無く、将来クレームが発生しないという保証はありません。また、当社の事業規模を勘案した製造物責任賠償保険に加入しておりますが、万一、製造物責任賠償保険で充分に填補できない製品の欠陥による損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。② 環境に関する法的規制当社グループは、環境との共生を最重要課題の一つと捉え、環境対策には万全を期して、関連法規を遵守した事業活動を行っておりますが、環境維持に対する社会的要請は年々高まり、関連法規は厳しさを増しております。こうした法的規制に対し、事後的な対応だけでなく、事前のリスク検討・評価、それに対応する事業戦略・リスク対応策の策定・実施を行っておりますが、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が想定外の範囲で行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や規制遵守のコスト増加につながり、その内容・程度によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 情報セキュリティに関するもの当社グループは、サイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐため、情報セキュリティに関する方針及び規程類を整備し、持続的なシステム強化、セキュリティ対策の高度化・強靭化等のハード面の対策、定期的な社員教育等によるソフト面の対策に万全を期しております。しかしながら、サイバー攻撃等の不正行為はその脅威を増しており、想定を大幅に超える規模・内容のサイバー攻撃等を受けた場合、当社グループの事業活動の停滞や信用・評判の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 人財(材)確保に関するもの当社グループは、経営の基本方針、基本理念を実現し、事業の持続的な維持・成長を図るためには、「人財(材)」こそ重要かつ不可欠な経営資源であると認識し、計画的な人財の確保・育成、及び働きやすい環境の整備や人事制度の継続的な見直しを進めております。しかしながら、少子高齢化に伴う労働人口の急速な減少や雇用流動化の進展等により事業戦略に即した人財の確保が困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 財政状態及び経営成績の変動に関するもの① 海外事業展開のリスク当社グループは、北米、中国、タイ、インドネシア、インドにおいて合弁事業の形を主体に事業を展開しております。海外での事業においては、それぞれの国や地域において以下のような困難が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・予期し得ない法律・規制、経済・通商政策、租税制度等の変更 ・労務環境の違いに基づく争議等の発生 ・電力、水、輸送等インフラ面での障害発生 ・自然災害、伝染病・感染症等衛生上の問題 ・紛争、テロ、政情不安、治安の悪化 等なお、当社グループは、関係各部署において、こうした諸問題が生じる前、あるいは可能な限り早期にその情報を入手し、リスク対応策の検討・実施に努めております。② 為替リスク当社グループの海外市場での業務展開は、合弁会社による現地生産を主体としております。これら合弁会社への出資金、合弁会社からの配当金、技術提携先との技術料の受け払いなど、一定の為替リスクを伴います。また、当社グループが購入する原材料は海外で産出されるものが多く、これらの価格は直接・間接に為替相場の影響を受けます。為替リスクを回避、軽減するために手段を講じておりますが、為替相場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。③ 金利変動リスク及び資金調達リスク当社グループは、将来にわたって必要な設備を新規に取得あるいは更新するための設備投資資金や運転資金を主に金融機関からの借入によりまかなっております。長期借入金は概ね固定金利により金利変動リスクの低減を図っておりますが、大幅な金利変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、現状取引金融機関との関係は良好で必要資金は問題なく調達できており、調達先金融機関との関係強化を図る一方、分散化によるリスク低減を図っておりますが、将来も引き続き充分に調達可能であるという保証はありません。 ④ 有価証券投資の影響当社は、関係会社、重要取引先の株式を中心に、事業戦略上の効果や経済合理性を勘案した上で、当社の企業価値向上につながると考える株式のみを保有する方針です(詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5)株式の保有状況」に記載しております)が、個々の保有株式の価格変動が、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 退職給付債務当社グループの保有する年金資産の著しい下落、実際の運用結果や予測給付債務計算の前提・仮定から大幅な不利となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 重要な訴訟事件等の発生に関するもの当社グループは、現時点において将来の業績に重大な影響を及ぼすと思われるような損害賠償の請求や訴訟の提起を受けている事実はありません。しかし、将来当社グループの事業活動に関連して、製品の不具合、有害物質の発生、知的所有権問題その他様々な事由で当社グループに対して訴訟その他の請求が提起される可能性があります。その内容によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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