研究開発活動(本文)
FY2025|5,008 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、ジェットインク及び、機能性材料などの塗料事業以外の製品開発にも取り組んでおります。塗料事業においてはSDGsの達成に向け地球環境に優しい製品、省エネルギー・省力化に対応した製品、高機能・高付加価値製品の開発に注力するとともに、2020年に開所した防食技術センター、コーティング技術センターの両センターを活用しつつ、新製品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の調査・研究開発を始め、防食理論、分析・評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び、塗装技術等の基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取組みを進めております。また、CO2削減の提案に向けた取組みとして、省工程化を目的とした簡易的なインフラ点検方法や効率的な補修方法に関する基盤技術の構築、更にバイオマス原料を活用した塗料の脱炭素化、カーボンニュートラルに貢献できる技術の調査を進めております。例えば、新たな工法によるカーボンニュートラルへの貢献が期待できる加飾フィルム向けコーティング材の検討を行っており、顧客との検討も進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は2,165百万円となりました。当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。 (1)国内塗料事業① 構造物塗料分野橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と塗装システム開発及び、メンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では、塩害環境向け高遮断塗装システム「タイエンダーシステム」や新設コンクリート向け養生被覆工法「シールドベトン工法」、環境負荷低減では、「塗る」作業を「貼る」作業に変える画期的製品である重防食シート「メタモルシート#1」やVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」「水性グリーンボーセイ速乾」、点検・診断では、鋼構造物点検時の簡易補修材料「サビシャットスプレー」、カレントインタラプタ(CI)法により理想的な構造物維持管理サイクルを実現した「DNT塗膜診断システム」、安全・安心では、橋脚や標識ポール、照明等の地際・基部腐食対策塗装システム「ポールダンサーシステム」等の開発を行い、市場展開に取り組んでおります。また、防食技術センターを活用して、顧客と協業での現場施工性に関する検証試験や企業間コラボレーションによる新規材料・工法の研究開発を進めております。② 建築塗料分野近年、建築分野においては、カーボンニュートラル、サーキューラーエコノミー、ネイチャーポジティブといった課題の対策技術に焦点をあて様々な材料開発が行われております。当社においても、オフィスビルや戸建・集合住宅の新築・改修工事に対して「高耐久性・省工程・安全・快適・省エネ」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。特に2003年発売開始の遮熱塗料「エコクールシリーズ」は、塗装することで被塗物の温度を下げられ、CO2削減効果が期待できる材料として販売数量を伸ばしております。今後も新たな遮熱機能開発を行い、差別化に繋げてまいります。その他、ビル外壁・エントランス等でも実績が増えつつある高意匠メタリック仕上げをローラー塗装できる弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、工場や商業施設等の扉や手摺りなどの、人の手が多く触れる箇所での皮脂による汚れ・はがれの問題を解決し、かつ臭気を抑えた「アクアマリンタックレス 凛」などの機能性製品の市場展開に取り組んでおります。③ 車輌産機・自動車補修塗料・プラスチック塗料分野車輌産機・自動車補修分野ともに環境対応型塗料として水性塗料、カーボンニュートラルへ貢献できる塗料として省工程化によるCO2削減塗料の市場展開を進めております。車輌産機分野の水性塗料は、高外観、速乾性の特徴を有する工業用向け水性上塗塗料「AQウレタン」、自動車補修分野は、自動車シャーシ用塗料「Auto ハイドロシャーシ」を市場展開し、車輌産機分野の省工程化塗料は、溶剤系下塗、上塗兼用「オールイン1ウレタン」「プライムトップ」、自動車補修分野は、特定化学物質障害予防規則対応の溶剤系下塗塗料「AutoラピッドドライシャーシNexT」を市場展開しております。自動車プラスチック分野においては、インモールドコーティング(IMC)塗料の新規開発における、具体的なラインを想定したトライの実施で、市場での採用活動をしております。意匠性・工程短縮として、工程短縮での金属調塗料の検討、メッキに代わる、更なる金属調塗料の開発に取り組んでおります。さらに高塗着効率対応の塗料開発及び、ハイソリッド塗料の開発に取り組んでおります。④ 建材塗料分野新設住宅市場向けの外装建材用塗料、屋根建材用塗料、内装建材用塗料での高意匠、高機能、高耐久化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した高付加価値塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。特にインクジェット加飾システムによる高意匠化と高耐久・高付加価値塗料とを組み合わせた積層塗膜での提案を進めております。また、戸建を含む住宅分野だけでなく、店舗や非住宅分野へも展開できる意匠性や塗装システムの開発にも取り組んでおります。⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野溶剤塗料においては、垂直面への作業性に優れており、垂れ難い設計である厚膜塗装作業性に優れたアミノアルキド樹脂系塗料「NEWデリコンHB」を発売しました。既に発売中の低温焼付形ポリウレタン樹脂系塗料「Vクロマ#100ECO-LB」、アクリル樹脂系塗料「NEWアクローゼ」と同様、塗装作業者の健康への影響に配慮した特定化学物質障害予防規則に対応した組成となっております。粉体塗料においては、モーターやブスバーなどの電器部品に塗装される絶縁粉体塗料を製品化しました。次世代の主力製品とすることを目標に市場での評価を実施、順次発売開始予定です。⑥ インクジェット・新事業分野当社の塗料の分散技術をインクジェットインク開発に応用し、UV硬化インクや水性インク等の環境対応製品の開発を進めております。新事業としては、無機酸化物をナノレベルまで分散した反射防止用などのナノコーティング材、合成技術と表面処理技術を活用した貴金属ナノ粒子などの機能材開発に取り組んでおります。開発した貴金属ナノ粒子を活用した展開先として、当社で世界初の細胞外小胞用イムノクロマトキット「Exorapid-qIC®」を発売し、新たにライフサイエンス分野への参入にも取り組んでおります。また、コーティング技術センターで当社の強みであるインクジェットインクによる加飾技術と塗料の積層技術を組み合わせた高意匠性で高付加価値な製品の提案も行っております。住宅建材・内装材関係の検討とインクジェットインク・塗料の積層コーティングを請負う加飾プロバイダーに対するインク販売を開始して更なる市場展開を進めております。⑦ 防食技術センター(那須事業所)2020年7月に開所して以来、延べ850社を超える企業、研究機関の方々に施設の見学及び様々な塗料、塗装工法の検証にご活用いただいております。塗料中の揮発性有機溶剤(VOC)を削減し、塗装環境を改善できる水性塗料及び次の塗り替え工事までの期間を延長することができる高耐久性塗料、従来の塗装と比較して施工時間・工程を短縮し、工事を効率的に実施できる省工程化塗料・防食シート工法、構造物において腐食しやすい箇所を部分的に補強する工法などの検証を行っており、ユーザーとの共同開発製品も誕生しております。⑧ コーティング技術センター(小牧事業所)2020年6月に開所して以来、延べ700社を超える企業、商社が来所して施設の見学や新規採用の塗装仕様検討などを実施して有効活用いただいております。来客数だけでなく実績に繋がったテーマも2021年度11件、2022年度16件、2023年度23件、2024年度30件と順調に増加しております。来所されるお客様は環境対応と高意匠に対する関心が高く、理論上の塗着効率が100%であるオールインクジェット仕様(プライマー、ベース、加飾、トップクリヤーの全工程)の新塗装システム提案、また、これまでの塗装というウェット工法に替わる環境対応技術として、ドライ工法である加飾フィルム成形工法について、お客様との共同開発を開始いたしました。 (2)海外塗料事業自動車プラスチック塗料分野においては、タイでのバンパー用水系塗料の検討及び、低温化の検討に取り組んでおります。 (3)照明機器事業照明機器事業を展開するDNライティンググループでは、新たな価値を生み出す拠点としての技術開発センター機能を有する、伊勢原新本社を2024年10月に新築稼働し、開発・評価設備を大幅に刷新しました。これらの最新鋭のインフラを最大限に有効活用し高品質、高機能で市場に求められる製品をタイムリーに提供してまいります。今年度も照明器具の存在感を誇張せず、美しく心地よい空間を演出するキーワード「納まる溶け込む」をコンセプトに、新たに「進化したライン照明 もっと遠くまで届く・もっと曲がる」をコンセプトに加え、照明器具の開発に注力し、多くの新製品を発売いたしました。高天井や大きな空間にも光を届けられ、天井や壁面素材の質感を演出可能にした「ライナーウオッシュシリーズ」、粒感のあるテープライトに光を拡散するハウジングをセットして、手軽にまぶしさがない照明にすることができる「マルチカバーシステム」、半径50㎜の小さな半円にも設置でき空間演出の新たな可能性を提起するフレキシブルLED「FXCシリーズ」、昨年発売し好評の曲面も均一に美しく演出することができるチェーンタイプのLED、「CHCシリーズ」には防滴性能を加え軒下用途などを拡大しました。また、既存のLED照明器具をより一層効率化して省エネやCO₂排出削減に寄与する、高効率LED搭載の器具開発や、より快適さを追求した自然光LED搭載の器具開発を進め、日本照明工業会が新しい照明の概念として提唱する「lighting5.0」で規定された「健康」「安全」「快適」「便利」という4つの価値を持つ照明の普及を通して新しいあかり文化の創生と、サステナビリティ戦略の実行を通して脱炭素社会への貢献を目指し、持続可能な社会に向けた取組みを拡大・加速してまいります。 (4)蛍光色材事業蛍光色材事業では蛍光色の特徴を生かした、社会に貢献できる製品及び人や環境に優しい製品の開発や販売にいっそう注力し、多くのお客様からご好評をいただいております。蛍光顔料事業においては、生物由来や生分解性原料を用いた顔料開発を行うとともに、それらの顔料を用いた新規蛍光塗料を開発しご採用いただきました。また含有化学物質や工場廃棄物などを管理した、人や環境に優しい製品としてエコパスポートおよびZDHC Level 3を取得した水分散顔料「SW-100シリーズ」は、アパレル業界でご賞賛いただいております。蛍光塗料事業では昨今の自然災害の頻発や来るべき巨大災害に対し防災、減災や避難誘導用途として、蛍光・蓄光・反射塗料が多くの自治体にご採用いただいております。特に近年激甚化する豪雨に伴う河川の氾濫に対し、水位状況を知らせる量水標に視認性が高い蛍光塗料の「スーパールミノVトップ」が多く採用され、防災・減災活動に大きく貢献しております。今後も人や環境に優しく社会貢献できる製品を開発、提案しながらESG活動に取り組んでまいります。 なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」1,610百万円、「照明機器事業」467百万円、「蛍光色材事業」87百万円であります。
FY2024|4,929 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、インクジェットインク及び機能性材料などの塗料事業以外の製品開発にも取り組んでおります。塗料事業においてはSDGsの達成に向け地球環境に優しい製品、省エネルギー・省力化に対応した製品、高機能・高付加価値製品の開発に注力すると共に、2020年度に開所した防食技術センター、コーティング技術センターの両センターを活用しつつ、新製品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の調査・研究開発を始め、防食理論、分析・評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び塗装技術等の基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取組みを進めております。例えば、分析・評価技術を応用し、一定規模の解体工事前に含有調査が必要となる有害物質のアスベストの分析サービスを新たに開始しました。また、CO2削減の提案に向けた取組みとして、省工程化を目的とした簡易的なインフラ点検方法や効率的な補修方法に関する基盤技術の構築、更にバイオマス原料を活用した塗料の脱炭素化、カーボンニュートラルに貢献できる技術の開発を進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は2,154百万円となりました。当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。 (1)国内塗料事業① 構造物塗料分野橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と、塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では、塩害環境向け高遮断塗装システム「タイエンダーシステム」や新設コンクリート向け養生被覆工法「シールドベトン工法」、環境負荷低減では、「塗る」作業を「貼る」作業に変える画期的製品である重防食シート「メタモルシート#1」やVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」「水性グリーンボーセイ速乾」、点検・診断では、鋼構造物点検時の簡易補修材料「サビシャットスプレー」、安全・安心では、橋脚や標識ポール、照明等の地際・基部腐食対策塗装システム「ポールダンサーシステム」等の開発を行い、市場展開に取り組んでおります。また、防食技術センターを活用して、顧客と協業での現場施工性に関する検証試験や企業間コラボレーションによる新規材料・工法の研究開発を進めております。② 建築塗料分野オフィスビルや戸建・集合住宅の新築・改修において、「高耐久性・省工程・安全・快適・省エネ」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。近年、新築ビル等では住環境の快適性に貢献できる木材の活用促進が行われておりますが、従来の薬剤を含浸させた防火木材が抱える課題を解決し、木材の風合いを活かすことができ、防火材料性能を有する木質材料用難燃塗布材「難燃WOOD塗るだけ」、高層ビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、業界初となる高意匠メタリック仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、工場、商業施設等の扉や手摺りなど、人の手が多く触れる箇所での皮脂による汚れ、はがれの問題を解決し、かつ臭気を抑えた「アクアマリンタックレス 凛」などの製品で市場展開に取り組んでおります。③ 車輌産機・自動車補修塗料・プラスチック塗料分野車輌産機塗料、自動車補修塗料共に環境対応形塗料である水性塗料、カーボンニュートラルへ貢献できる塗料として、省工程化によるCO2削減が可能な塗料の市場展開を進めております。車輌産機塗料の水性塗料として、高外観、速乾性を特徴とする工業用向け水性上塗塗料「AQウレタン」、自動車補修塗料では、自動車シャーシ用塗料「Auto ハイドロシャーシ」を市場展開し、省工程化塗料として、車輌産機塗料では溶剤系下塗、上塗兼用「オールイン1ウレタン」、自動車補修塗料では、特定化学物質障害予防規則に対応した溶剤系下塗り塗料「AutoラピッドドライシャーシNexT」を市場展開しております。自動車プラスチック塗料分野においてはインモールドコーティング(IMC)塗料の新規開発において、具体的な生産工程を想定した試験を実施し、市場での採用活動をしております。新意匠性・工程短縮として、工程短縮での金属調塗料の検討、メッキに代わる、更なる金属調塗料の開発に取り組んでおります。④ 建材塗料分野新設住宅市場向けの外装建材用塗料、屋根建材用塗料、内装建材用塗料での高意匠、高機能、高耐久化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した高付加価値塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。特にインクジェット加飾システムによる高意匠化と高耐久・高付加価値塗料とを組み合わせた積層塗膜での提案を進めております。また、戸建を含む住宅分野だけでなく、店舗や非住宅分野へも展開できる意匠性や塗装システムの開発にも取り組んでおります。⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野溶剤系塗料においては、厚膜塗装作業性に優れるアミノアルキド樹脂系塗料「NEWデリコンHB」を発売しました。垂直面への作業性に優れており、垂れ難い設計となっております。既に発売しております低温焼付形ポリウレタン樹脂系塗料「Vクロマ#100ECO-LB」、アクリル樹脂系塗料「NEWアクローゼ」と同様、塗装作業者への健康影響に配慮した特定化学物質障害予防規則に対応した組成となっております。また、粉体塗料においては、モーターなどの電器部品に塗装される絶縁粉体塗料を製品化しました。次世代の主力製品とすることを目標に市場での評価を実施、順次発売を開始します。⑥ インクジェット・新事業分野当社の各種塗料配合技術をインクジェットインク開発に応用し、UV硬化インクや水性インク等の環境対応製品の開発を進めております。新事業としては、貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や無機酸化物を数10nmレベルまで分散した反射防止用コーティング液などの機能材開発に取り組んでおります。2023年7月には、疾病の検査や化粧品原料として注目度が高まっている細胞外小胞(エクソソーム)を迅速・簡易に定量可能な試薬キット「Exorapid-qIC®」を発売し、ライフサイエンス分野に参入を開始いたしました。本試薬キットはコロナウイルスの抗原検査としても広く知られることとなった「イムノクロマト法」を採用しており、迅速・簡便な検査が可能です。コーティング技術センターでは当社の強みであるインクジェットインクによる加飾技術と塗料の積層技術を組み合わせた高意匠性で高付加価値な製品の提案も行っております。住宅建材・内装材関係の検討とインクジェットインクと塗料の積層コーティングを請負う加飾プロバイダーに対するインク販売を開始して更なる市場展開を進めております。⑦ 防食技術センター(那須事業所)2020年7月に開所して以来、延べ650社を超える企業、研究機関の方々に施設の見学および様々な塗料、塗装工法の検証にご活用いただいております。VOC削減、塗装環境改善を目的とした塗料の水性化および次の塗り替え工事までの期間を延長することができる高耐久性塗料、従来の塗装と比較して施工時間・工程を短縮し、工事を効率的に実施できる防食シート工法などの検証を行っており、ユーザーとの共同開発製品も誕生しております。⑧ コーティング技術センター(小牧事業所)2020年6月に開所して以来、延べ550社を超える企業、商社の方々が来所して施設の見学や新規採用の塗装仕様検討などを実施して有効活用いただいております。来客数だけでなく実績に繋がったテーマも2021年度11件、2022年度16件、2023年度23件と順調に増加しております。来所されるお客様は環境対応と高意匠に対する関心が高く、インクジェットインク、インモールドコーティングを中心に新塗装システムの構築、提案を実施してまいります。また、これまでのウェット工法である塗装に替わる環境対応技術として、ドライ工法である加飾フィルム成形工法の開発を開始しました。 (2)海外塗料事業自動車プラスチック塗料分野においては、タイでのバンパー用水系塗料及び低温化の検討に取り組んでおります。重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けや政府開発援助(ODA)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。 (3)照明機器事業照明器具事業においては、今年度も照明器具の存在感を誇張せず、美しく心地よい空間を演出するキーワード「納まる溶け込む」をコンセプトにした照明器具の開発に注力し多くの新製品を発売いたしました。発売以来デザイン性の高い照明器具として好評をいただいているTRIM LINE(トリムライン)シリーズのラインナップ強化として、照明器具の下方面のみが発光し、側面の発光を無くすことにより眩しさを抑えながらシャープな光で空間演出を可能にしたTRIM LINE Ichi-Men(トリムライン1面)シリーズTIE-APL・TIM-FPLの2機種、住宅や商業施設での照明配置に多用される照明用ダクトレールに取り付け可能なTRIM LINE(トリムライン)TRE2-DPの合計3機種を加えました。その他、フラットな壁面ばかりでなくカーブした壁面も均一に美しくライトアップすることが可能なチェーンタイプのLEDモジュールCHC-LED、直線から曲線までさまざまな場面でのフルカラー演出が可能なフレキシブルLEDモジュールFXRGB-LED、また既存のLED照明器具をより一層効率化して省エネやCO2排出削減に寄与するSFL-P4・MC-LED4-P5を発売いたしました。日本照明工業会が新しい照明の概念として提唱する「Lighting5.0」で規定された「健康」「安全」「快適」「便利」という4つの価値を持つ照明の普及を通して新しいあかり文化の創生と、サステナビリティ戦略の実行を通して脱炭素社会への貢献を目指し、持続可能な社会に向けた取り組みを拡大・加速してまいります。 (4)蛍光色材事業蛍光顔料事業においては、環境汚染や労働環境問題を重視しているファッションやアパレル業界で国際的な規格に準じた機関の認証(含有化学物質や工場廃棄物および労働条件など)が必須となり、テキスタイル向け水分散顔料の「SW-100シリーズ」が日本で初めて国際機関の認証であるエコパスポートおよびZDHC LEVEL3(最高レベル)を取得しました。国際機関の認証を基にアパレル業界での継続採用と新規採用で需要拡大を図ってまいります。さらに自然災害が増えている中で未然に人身を守る防災・減災・避難誘導などの対策として蛍光・蓄光・反射塗料を自治体、工場、商業施設、鉄道施設などへ提案しております。当社の特徴的な製品である視認性が非常に高い「スーパールミノVトップ」と夜間にライトで反射する「ビームライト」を組み合わせた塗装仕様は、目視や一般的なライトだけでなく赤外線カメラでも識別が容易なことから、河川の水位を知らせる量水標、道路のアンダーパスの冠水対策などで多くの自治体から好評いただき、公共事業での採用が着実に伸びております。今後も環境対応と高品質を両立する製品を提案しながら、ESG活動に取り組んでまいります。 なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」1,648百万円、「照明機器事業」415百万円、「蛍光色材事業」90百万円であります。
FY2023|4,642 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、ジェットインク及び機能性材料などの塗料事業以外の商品開発にも取り組んでおります。塗料事業においてはSDGsの達成に向け地球環境に優しい商品、省エネルギー・省力化に対応した製品、高機能・高付加価値商品の開発に注力すると共に、2020年度に開所した防食技術センター、コーティング技術センターの両センターを活用しつつ、新商品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の調査・研究開発を始め、防食理論、分析・評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び、塗装技術等の基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取り組みを進めております。また、CO2削減の提案に向けた取り組みとして、省工程化を目的とした簡易的なインフラ点検方法や効率的な補修方法に関する基盤技術の構築、更にバイオマス原料を活用した塗料の脱炭素化、カーボンニュートラルに貢献できる技術の調査を進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は2,020百万円となりました。当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。 (1)国内塗料事業① 構造物塗料分野橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と、塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では、塩害環境向け高遮断塗装システム「タイエンダーシステム」や新設コンクリート向け養生被覆工法「シールドベトン工法」、環境負荷低減では、「塗る」作業を「貼る」作業に変える画期的商品である重防食シート「メタモルシート#1」やVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」「水性グリーンボーセイ速乾」、点検・診断では、鋼構造物点検時の簡易補修材料「サビシャットスプレー」、安全・安心では、橋脚や標識ポール、照明等の地際・基部腐食対策塗装システム「ポールダンサーシステム」等の開発を行い、市場展開に取り組んでおります。また、防食技術センターを活用して、顧客と協業での現場施工性に関する検証試験や企業間コラボレーションによる新規材料・工法の研究開発を進めております。② 建築塗料分野戸建・集合住宅やオフィスビルの新築・改修において、「高耐久性・省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。高層ビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、業界初となる高意匠メタリック仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、オフィスビル、商業施設等の扉や手摺りなど、人の手が多く触れる箇所での皮脂による汚れ、はがれの問題を解決し、かつ臭気を抑えた「アクアマリンタックレス 凛」、従来のエマルション塗料から90%以上の臭気を低減した「COZY PACK」、更に抗ウイルス性、抗菌性を付与した「COZY PACK Air」などの製品で市場展開に取り組んでおります。③ 車輌産機・自動車補修塗料・プラスチック塗料分野車輌産機塗料分野では環境対応型塗料として1液型ウレタン樹脂系エマルジョン塗料「AQシリーズ」を開発して工業用水性塗料として市場展開しております。自動車補修塗料分野では環境対応型塗料として1液型アクリルウレタン塗料「Autoハイドロシャーシ」を開発して自動車下塗り周辺塗料として市場展開し、また既存の溶剤系下塗り塗料「Autoラピッドドライシャーシ」も特別化学物質障害予防規則への対応品としてリニューアルして市場展開しております。自動車プラスチック塗料分野においてはインモールドコーティング(IMC)塗料の新規開発において、具体的な生産工程を想定した試験を実施し、市場での採用活動をしております。新意匠性・工程短縮として、工程短縮での金属調塗料の検討、メッキに代わる更なる金属調塗料の開発に取り組んでおります。④ 建材塗料分野新設住宅市場向けの外装建材用塗料、屋根建材用塗料、内装建材用塗料での高意匠、高機能、高耐久化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した高付加価値塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。特にインクジェット加飾システムによる高意匠化と高耐久・高付加価値塗料とを組み合わせた積層塗膜での提案を進めております。また、戸建を含む住宅分野だけでなく、店舗や非住宅分野へも展開できる意匠性や塗装システムの開発にも取り組んでおります。⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野厚膜塗装作業性に優れるエポキシ変性ポリエステル樹脂下塗塗料「メタルコングプライマーGP」を発売しました。1コート60μmの塗装が可能であり、鉄・非鉄金属に幅広く密着することを特徴としており、市場で好評を得ております。既に発売しております低温焼付形ポリウレタン樹脂系上塗塗料「Vクロマ#100ECO-LB」との組み合わせにて、耐久性が良好な塗膜品質が得られるとともに、焼付乾燥炉の低温化によるエネルギー削減にも貢献しております。弊社独自技術により塗膜形成時に二層分離形構造を形成する「パウダーフロンSELA」の「ボンディングメタリック」について、従来の溶剤系ふっ素樹脂塗料(メタリック色)と比べて大幅な工程短縮につながることから、市場で好評を得ております。⑥ インクジェット・新事業分野当社の各種塗料配合技術をインクジェットインク開発に応用し、UV硬化インクや水性インク等の環境対応製品の開発を進めております。新事業としては、貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や無機酸化物を数10nmレベルまで分散した反射防止用コーティング液などの機能材開発に取り組んでおります。コーティング技術センターでは当社の強みであるインクジェットインクによる加飾技術と塗料の積層技術を組み合わせた高意匠性で高付加価値な製品の提案も行っております。2022年度においては住宅建材・内装材関係の検討とインクジェットインク・塗料の積層コーティングを請負う加飾プロバイダーに対するインク販売を開始して更なる市場展開を進めております。⑦ 防食技術センター(2020年度に那須工場内に開所)2020年7月に開所して以来、延べ400社を超える企業、研究機関の方々に施設の見学及び様々な塗料の検証にご活用いただいております。VOC削減、塗装環境改善を目的とした水性塗料、低温環境でも施工性に優れた塗料、塗装時間・工程を短縮し塗装工事を効率的に実施できる貼る塗料、新規塗装工法の検証などを行っており、ユーザーとの共同開発商品も誕生しております。⑧ コーティング技術センター(2020年度に小牧工場内に開所)2020年6月に開所して以来、延べ370社を超える企業、商社の方々に来所いただき、施設の見学及び新規採用の塗装仕様検討などにご活用いただいております。来客数だけではなく、販売実績に繋がったテーマも2021年度11件、2022年度16件と順調に増加しております。また、環境対応と高意匠に対する関心が高く、インクジェット、インモールドコーティングを中心に新塗装システムの構築、提案を実施してまいります。 (2)海外塗料事業自動車プラスチック塗料分野においては、中国市場におけるGB規格へ対応したアルミホイール向けプライマー・トップクリヤーの市場展開を検討しております。メキシコ市場においては、UV塗料の自動車内装向け塗料の開発と承認活動に取り組んでおります。重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けや政府開発援助(ODA)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。 (3)照明機器事業LED照明器具が登場してから10年以上が経過し、新設の照明器具はほぼ100%LED照明器具になり、白熱電球や蛍光灯といった従来型光源を使った既存照明器具のLED化も進んでおります。市場のLED照明に対するニーズも、コンパクト化、高効率化、高演色化、様々な制御への対応、様々なモノやコトと繋がる照明など高度化かつ多様化しております。照明機器事業を担当するDNライティンググループでは、今年度も照明器具の存在感を誇張せず、美しく心地よい空間を演出するキーワード「納まる溶け込む」をコンセプトにした照明器具の開発に注力し、極細でありながら美しい曲線を表現可能にしたFXU-LEDシリーズ、横方向にも縦方向にも曲げることのできるFXC-LEDシリーズ、防水性能を大幅に向上させ家庭やホテルでの浴室でも使用可能なSO4-LEDシリーズなどを新たに発売いたしました。一方、特殊用途の分野では極めて太陽光に近い特殊LEDを用いて、自動車メーカーの新開発車プレゼンルーム用照明器具を開発しました。また制御の分野では無線制御システムや調光・調色システムの開発、改良を継続しております。昨年、DNライティングが所属する日本照明工業会では政府が提唱する未来社会のコンセプトである「Society5.0」に対応する新時代のあかりの概念として「Lighting5.0」を定義しました。これは従来の空間を明るくする機能だけではなく、「健康」「安全」「快適」「便利」という、4つの更に進化した価値をもたらす照明を「Lighting 5.0」と総称しております。「Lighting 5.0」は、分野や業種を超えた様々なモノ、コトにつながることで、多様な環境やライフスタイルに合わせたより豊かな暮らしを、照明を通して創造します。DNライティングもさまざまなモノやコトとつながる「健康」「安全」「快適」「便利」なあかりの普及を通して、ニューノーマルに適した新しいあかり文化の創生と脱炭素社会への貢献を目指しながら、持続可能な社会に向けた取り組みを拡大・加速してまいります。 (4)蛍光色材事業蛍光顔料事業では、新色を含め色のバリエーションを揃えた環境対応型製品の樹脂着色用顔料「FX-300シリーズ」が耐熱性や耐ブリード性に優れており、好評いただいております。蛍光塗料事業では、気候変動に伴う自然災害から未然に人身を守る防災・減災・避難分野に適合した製品を提案しており、当社の特徴的な製品である視認性が非常に高い蛍光塗料「スーパールミノVトップ」と夜間にライトに反射する「ビームライト」を組み合わせた量水標が多くの自治体で採用されております。また、VOC削減対策としてプラスチック用の水性塗料「ルミノプラコート」を開発し、ヘルメット等への採用に向けて市場展開中です。今後も環境や社会問題に配慮した製品を提案しながら、ESG活動に取り組んでまいります。 なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」1,544百万円、「照明機器事業」392百万円、「蛍光色材事業」83百万円であります。
FY2022|4,479 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、ジェットインク及び機能性材料などの塗料事業以外の製品開発にも取り組んでおります。塗料事業においてはSDGsの達成に向け地球環境に優しい製品、省エネルギー・省力化に対応した製品、高機能・高付加価値製品の開発に注力すると共に、2020年に開所した防食技術センター、コーティング技術センターの両センターを活用しつつ、新製品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の調査・研究開発を始め、防食理論、分析・評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び塗装技術等の基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取り組みを進めております。また、CO₂削減の提案に向けた取り組みとして、省工程化を目的とした簡易的なインフラ点検方法や効率的な補修方法に関する基盤技術の構築、更にバイオマス原料を活用した塗料の脱炭素化、カーボンニュートラルに貢献できる技術の調査を進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は1,969百万円となりました。当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。 (1)国内塗料事業①構造物塗料分野橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では、塗膜の線膨張係数に着目した革新的新製品である剥離抑制型弱溶剤変性エポキシ樹脂塗料「ケルビンα2.5」や塩害環境向け高遮断塗装システム「タイエンダーシステム」、環境負荷低減では、「塗る」作業を「貼る」作業に変える画期的製品である重防食シート「メタモルシート#1」やVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」「水性グリーンボーセイ速乾」、点検・診断では、透明性を有し下地の可視化が可能なコンクリートの剥落防止工法「レジガードアクアSDシステム」、安全・安心では、橋脚や標識ポール、照明等の地際・基部腐食対策塗装システム「ポールダンサーシステム」等の開発を行い、市場展開に取り組んでおります。また、防食技術センターを活用して、顧客と協業での現場施工性に関する検証試験や企業間のコラボレーションによる新規材料・工法の研究開発を進めております。②建築塗料分野戸建・集合住宅やオフィスビルの新築・改修において、「高耐久性・省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。高層ビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、業界初となる高意匠メタリック仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、オフィスビル、商業施設等の扉や手摺りなど、人の手が多く触れる箇所での皮脂による汚れ、はがれの問題を解決し、かつ臭気を抑えた「アクアマリンタックレス 凛」、従来のエマルション塗料から90%以上の臭気を低減した「COZY PACK」、更に抗ウイルス性、抗菌性を付与した「COZY PACK Air」などの製品で市場展開に取り組んでおります。③車輌産機・自動車補修塗料・プラスチック塗料分野車輌産機塗料分野においては、環境対応型1コート塗料「オールイン1ウレタン」を発売しました。この製品は、通常下塗りエポキシ塗料+上塗りウレタン塗料の2コート仕様を「オールイン1ウレタン」の1コートで2コート同様の外観と塗膜性能を網羅することが可能となり、大型運動遊具を製造販売しているメーカーなどにも採用され、省工程化によるコストメリットを実現させた製品となっております。自動車補修塗料分野においては、作業時間の短縮を可能にした速乾性と塗装作業性に優れた高隠ぺい性を兼ね備えた環境対応型ウレタン塗料の「Auto D-1Base HS α」が、自動車補修用塗料のみならず大型車両、重機、遊具、モニュメント、看板、その他工業用など幅広く採用されております。新製品として開発したWet on wet塗装が可能な「Autoノンサンディングプラサフ ホワイト」も「Auto D-1Base HS α」との組み合わせで、プラサフの研磨工程の短縮と良好な仕上がり外観を実現することで顧客訴求力を高めた製品として市場に展開しております。自動車プラスチック塗料分野においては、インモールドコート塗料の改良・新規開発、インクジェットとのコラボにて新塗装システムの開発(UV塗料)、新意匠性としてメッキに代わる金属調塗料の開発に取り組んでおります。④建材塗料分野新設住宅市場向けの外装建材用塗料、屋根建材用塗料、内装建材用塗料での高意匠、高機能、高耐久化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した高付加価値塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。特にインクジェット加飾システムによる高意匠化と高耐久・高付加価値塗料とを組み合わせた積層塗膜での提案を進めております。⑤金属焼付塗料・粉体塗料分野屋内の建築資材や鋼製家具、医療機器、金属製品など、人の手が触れる機会が多い工業製品のウイルス対策として、クリヤータイプの焼付用抗ウイルス塗料「アンチヴァイラルクリヤーZ」を発売しました。本製品は、可視光応答形光触媒を活用しており、蛍光灯やLED照明など室内照明にも反応し、塗膜表面に付着したウイルスを抑制します。クリヤータイプのため、従来の塗装に塗り重ねる事で、大きく外観を変化させること無く抗ウイルス機能を付与することができることを特長としております。⑥インクジェット・新事業分野当社の各種塗料配合技術をインクジェットインク開発に応用し、UV硬化インクや水性インク等の環境対応製品の開発を進めております。新事業としては、貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や光学材料などの機能材開発に取り組んでおります。コーティング技術センターでは当社の強みであるインクジェットインクによる加飾技術と塗料の積層技術を組み合わせた高意匠性で高付加価値な製品の提案も行っております。⑦防食技術センター(2020年度に那須工場内に開所)550名を超える企業、研究機関の方々に来所いただき、施設の見学及び採用検討中である塗料、塗装工法の施工性確認などにご活用いただいております。VOC削減、塗装環境改善を目的とした水性塗料、低温環境でも施工性に優れた塗料及び塗装作業時間、工程短縮を目的とした新規塗装工法の検証も行っております。⑧コーティング技術センター(2020年度に小牧工場内に開所)600名を超える企業、商社の方々に来所いただき、施設の見学及び新規採用に向けた塗装仕様検討などにご活用いただいております。また、VOC削減、省資源、省エネルギー等を考慮して従来の溶剤系塗装からインクジェット仕様やインモールドコーティングへの変更を探索する検討依頼も増加しており、今後も様々な新技術の構築を実施してまいります。 (2)海外塗料事業自動車プラスチック塗料分野においては、中国市場におけるGB規格へ対応した自動車内外装部品用塗料「プラニットシリーズ」を市場展開しており、採用に向けて取り組んでおります。メキシコ市場においてはUV硬化型塗料の自動車内装向けの開発と承認活動に取り組んでおります。重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けや政府開発援助(ODA)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。 (3)照明機器事業LED照明器具がわが国照明市場に登場してから10年以上経過した昨今、LED照明器具の形状は単純に光源をLEDに置き換えたものから、小さな粒状の光源の集合体であるLED本来の特長を活かした様々な形状のLED照明器具が次々に発売され店舗や建築の設計思想を広げることのできるアイテムとして日々進化し続けております。照明機器事業を手掛けるDNライティンググループでは、照明器具の存在感を誇張せず、美しく心地よい空間を演出するキーワード「納まる溶け込む」をコンセプトにした照明器具の開発に注力し、器具端部までより明るく光ることにこだわった極細モジュール「XC-LED2」、コンパクトなのにLED独特の粒感がなく自在に曲げられる「FXYシリーズ」、同シリーズの屋外用として開発した「FXAシリーズ」などを発売しました。ブランドショップや高級宿泊施設などの売り場や通路のアクセント照明用に開発したプロファイルシリーズは建築設計者や照明デザイナーの皆様から高い評価をいただいております。また、10メートルを超えるような長いライン照明やより明るいライン照明にも対応できるようにというニーズに応えるため、高出力電源「ELD2-24320F」を製品化しました。一方、コロナ対策製品として一昨年に発売した紫外線除菌装置「くりんクリンシリーズ」は医療、介護、教育、公共施設、店舗、宿泊施設、飲食店などさまざまな分野で販売台数を伸ばし、感染予防への一翼を担ってきましたが、ユーザー様要望の特注仕様の相談も増えてきており、更なる市場への定着を目指しwithコロナをより快適に過ごせる生活空間のアイテムへと育ててまいります。今後も市場ニーズを確実に捉えて、国内生産工場を保有する強みを十分に活かしながらお客様の満足のいく製品提供を継続してまいります。 (4)蛍光色材事業蛍光顔料事業においては環境対応型製品である樹脂着色用顔料(ベンゾグアナミン系蛍光顔料)「FX-300シリーズ」の新色を発売し、優れた耐熱性・耐色移行性により、新たな用途で採用されております。蛍光塗料事業では、防災・減災・安全分野用途を中心に、駅のホームからの転落防止用CP(色彩心理)ライン「ルミライン100」、濡れた床面でも滑らない「ルミノグリップ」、夜間でも光を反射する「ビームライトエース」、長残光型蓄光塗料などを提案し、身近な場所で活躍しております。また、「スーパールミノVトップ」と「ビームライト」との組み合わせで、日中は蛍光色が鮮やかに発色し、夜間はライトによる反射色が際立つため、高い視認性が求められる量水標等に採用されております。今後も環境や社会問題に配慮した製品を提案しながら、ESG活動に取り組んでまいります。 なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」1,520百万円、「照明機器事業」365百万円、「蛍光色材事業」83百万円であります。
FY2021|3,914 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、ジェットインク及び機能性材料などの塗料事業以外の商品開発にも取り組んでおります。塗料事業においてはSDGsの達成に向け地球環境に優しい商品、省エネルギー・省力化に対応した商品、高機能・高付加価値商品の開発に注力すると共に、2020年に開所した防食技術センター、コーティング技術センターの両センターを活用しつつ、新商品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の調査・研究開発をはじめ、防食理論、分析・物性評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び塗装技術などの基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取組みを進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は1,947百万円となりました。当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。 (1)国内塗料事業① 構造物塗料分野橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料、塗料・塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では、塗膜の線膨張係数に着目した革新的新商品である剥離抑制型弱溶剤変性エポキシ樹脂塗料「ケルビンα2.5」や塩害環境向け高遮断塗装システム「タイエンダーシステム」、環境負荷低減では、「塗る」作業を「貼る」作業に変える画期的な商品である重防食シート「メタモルシート#1」や揮発性有機化合物(VOC)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」「水性グリーンボーセイ速乾」、点検・診断では、透明性を有し下地の可視化が可能なコンクリートの剥落防止工法「レジガードアクアSDシステム」、安全・安心では、橋脚や標識ポール、照明等の地際・基部腐食対策塗装システム「ポールダンサーシステム」等の開発を行い、市場展開に取り組んでおります。また、2020年7月に開所した防食技術センターを活用して、企業とのコラボレーションによる新規塗料・塗装工法の研究開発を進めております。② 建築塗料分野戸建・集合住宅やオフィスビルの新築・改修において、「省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な商品の開発に取り組んでおります。独創的な商品では、オフィスビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、神戸国際交流会館にも採用されたメタリック意匠仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、オフィスビルや商業施設等の扉や手摺りなど人の手が多く触れる箇所の皮脂による汚れ、はがれの問題を解決し、大手テーマパーク及びプロ野球球場にも採用された皮脂軟化対策水性塗料「アクアマリンタックレス」及び臭気を更に抑えた「アクアマリンタックレス 凛」、商業施設が営業中でも改修を可能とした、シックハウスの原因にもなるVOCを配合せずかつ従来のエマルション塗料の臭気を94%低減した「COZY PACK」及び抗ウイルス性、抗菌性を付与した「COZY PACK Air」などの商品の市場展開に取り組んでおります。③ 車輌産機・自動車補修塗料分野車輌産機塗料分野においては工業用水性塗料として「AQウレタン」を開発いたしました。本商品は乾燥性に優れ、建設機械のボディカラーに対応する色相再現性と鮮映性が高く評価され、先行実装として建設機械リースの大手メーカーに採用されております。また、鉄道車両関連ではコロナ対策として空調設備に紫外線照射機を導入して空気清浄を実施する際に設備の紫外線劣化防止対策として高耐候性ふっ素塗料の「Vフロン#800車輌用KJクリヤー」が採用されております。自動車補修塗料分野では特定化学物質障害予防規則(特化則)対応塗料の「オートVトップモナークExellent」が運送会社に採用されました。また、一般汎用商品としてシャーシ用塗料「鉄壁コート マットブラック」、プライマー「Auto D-NexT プライマー」、プライマーサーフェーサー塗料「Auto D-NexT プラサフ」、補修用パテ「Auto D-NexT ライトパテ」及び「Auto D-NexT ポリパテ」、速乾型ウレタン塗料「Auto D-1ベースHS-α」など下塗りから上塗りまで全ての工程で特化則対応塗料の提供を可能にしております。④ 建材塗料分野新設住宅市場向けの外装建材用塗料、屋根建材用塗料、内装建材用塗料での高意匠、高機能、高耐久化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した高付加価値塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野外装建築資材または鋼製家具用途において、汎用焼付塗料やPCM塗料にインクジェット加飾技術を付加した仕様が採用され、市場で好評を博しております。また、環境に配慮した粉体塗装とインクジェット加飾技術の組み合わせについても、多くの引き合いがあり今後上市を予定しております。 ⑥ インクジェット・新事業分野当社の各種塗料配合技術をインクジェットインク開発に応用し、UV硬化形インクや水性インク等の環境対応商品の開発を進めております。新事業としては、貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や光学材料の開発に取り組んでおります。また、2020年6月に開所したコーティング技術センターでは当社の強みであるインクジェットインクによる加飾技術と塗料の積層技術を組み合わせた高意匠で高付加価値な商品の提案も行っております。 (2)海外塗料事業中国、タイ、インドネシア、マレーシア等の東南アジア及びメキシコにおいて自動車部品メーカーを中心に省工程・高意匠の自動車内外装部品用塗料「プラニットシリーズ」及び「アクリタンシリーズ」を市場展開しております。中国、タイ市場において、環境対応形の自動車内外装向け水性塗料「アクアプラニットシリーズ」を拡販しております。また、金属のような輝度感を有する金属調塗料「アクリタンMY51」も、好評を博しております。重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けや政府開発援助(ODA)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。 (3)照明機器事業白熱電球や蛍光灯を光源とした照明器具からLEDを光源とした照明器具に変わり10年以上経過し、LED照明器具の形状は単純に光源をLEDに置き換えたものから、小さい粒状の光源であるLEDの特徴を活かし、「より小型に より薄型に より細型に」進化し続けております。照明器具そのものの存在感を誇張せずに、美しく心地よい空間を演出するキーワード「納まる溶け込む」をコンセプトにした照明器具の開発に注力し、商用電圧100Vで駆動するLED照明器具としては国内最細に匹敵する「SFLシリーズ」を発売いたしました。小さな宝飾品を美しく彩る高輝度、高演色の明かりニーズから、大きなビルの広いフロアを心地よく明るく照らす調光・調色機能を備えた大型高機能の明かりニーズまであらゆる空間設計に対応できる品揃えを充実させており、大型建築案件向けの間接照明器具として明るさにこだわったトリムライン「TRMシリーズ」を発売いたしました。また、新型コロナウイルス感染症拡大が継続する中で、長年培ってきた紫外線ランプによる除菌技術を活かして、紫外線除菌機器「くりんクリンシリーズ」を開発し、空気除菌機器2種、表面除菌機器1種を発売いたしました。本商品はピーク波長254ナノメートルの深紫外線(UV-C波)を出力する殺菌ランプを搭載し、その有効性は認定試験機関でも実証されております。また、大日本塗料株式会社で開発した抗菌、抗ウイルス機能をもつ塗料「COZY PACK Air」とのコラボ販売も期待できる商品となります。 (4)蛍光色材事業蛍光顔料事業では、環境に配慮した人体に優しいノンホルマリン型のアクリル樹脂系蛍光顔料「SX-200シリーズ」を2021年4月に発売いたしました。高耐熱性で耐色移行性に優れており、幅広い樹脂において鮮やかな色彩を表現できるため樹脂着色用途を中心に拡販いたします。また、各種環境規制にも対応しており、法規制への準拠が必要な用途にも展開できます。同年6月には「SX-200シリーズ」と同様、耐色移行性が良好で捺染用途や溶剤型蛍光塗料・インキ用途に特化したアクリル樹脂系蛍光顔料「SX-400シリーズ」の発売を予定しております。また、防災・減災・安全分野用途を中心に、駅のホームからの転落防止用CP(色彩心理)ライン「ルミライン100」、濡れた床面でも滑らない「ルミノグリップ」、夜間でも光を反射する「ビームライトエース」、長残光型蓄光塗料などを市場展開し、好評を博しております。今後も人や環境に配慮した商品の市場投入を計画しており、サスティナブルな社会づくりに貢献できる商品作りに取り組んでまいります。 なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」1,515百万円、「照明機器事業」339百万円、「蛍光色材事業」92百万円であります。
FY2020|3,439 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、ジェットインク及び機能性材料などの塗料事業以外の製品開発にも取り組んでおります。塗料事業においては市場ニーズに合致する地球環境に優しい製品、省エネルギー・省力化に対応した製品、高機能・高付加価値品の開発に注力すると共に、新製品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の調査・研究開発を始め、防食理論、分析・評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び塗装技術等の基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取り組みを進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は1,639百万円となりました。当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。 (1)国内塗料事業① 構造物塗料分野橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では、塗膜の線膨張係数に着目した革新的新製品である剥離抑制型弱溶剤変性エポキシ樹脂塗料「ケルビンα2.5」や耐候性に優れたふっ素樹脂上塗塗料「Vフロン#100H上塗IG」、「Vフロン#100Hスマイル上塗IG」、環境負荷低減では、VOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」、「水性グリーンボーセイ速乾」、点検・診断では、透明性を有し下地の可視化が可能なコンクリートの剥落防止工法「レジガードアクアSDシステム」、安全・安心では、高い防水性能により下地の保護性能に富みコンクリートの剥落防止を短工期で実現できる「レジガードTKシステム」等の開発を行い、市場展開に取り組んでおります。② 建築塗料分野戸建・集合住宅やオフィスビルの新築・改修において、「省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。独創的な製品では、オフィスビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、神戸国際交流会館にも採用された高外観メタリック仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、オフィスビルや商業施設等の扉や手摺りなど人の手が多く触れる箇所の皮脂による汚れ、はがれの問題を解決し、大手テーマパークにも採用された水性塗料「アクアマリンタックレス」、「臭気」をキーワードとした製品として、カーテンウォールの改修用において弱溶剤形塗料の作業性を有し、臭気を60%低減した「Vフロン#201ニオイの少ないタイプ」、商業施設が営業中でも改修を可能とした、ゼロVOCで安全かつ従来のエマルション塗料の臭気を94%低減し、大手コンビニエンスストアにも採用された「COZY PACK」などの市場展開に取り組んでおります。今後も「臭気」をキーワードとした独創的な製品の上市を予定しております。③ 車輌産機・自動車補修塗料分野車輌産機塗料分野においてはJRとの相互乗り入れが始まった相模鉄道株式会社の12000系、20000系に、Vトップ車輌用ゴールドの「YOKOHAMA NAVY BLUE」が全面採用され、秋田内陸線全線開業30周年を記念して、秋田内陸縦貫鉄道株式会社には「AKITA SATOYAMA TRAIN 笑 EMI(えみ)」イノーバが採用されました。工作機械業界には省行程塗料であるイノーバNクリーンが大手メーカーに数社採用されています。自動車補修塗料分野では特化則対応塗料としてシャーシ用塗料「鉄壁コート マットブラック」、プライマー「Auto D-NexT プライマー」、プライマーサーフェーサー塗料「Auto D-NexT プラサフ」、補修用パテ「Auto D-NexT ライトパテ」及び「Auto D-NexT ポリパテ」、速乾型ウレタン塗料「Auto D-1ベースHS-α」などの新商品発売により下塗から上塗りまで全ての工程で特化則対応塗料の提供を可能にしました。④ 建材塗料分野新設住宅市場向けの外装建材用塗料、屋根建材用塗料、内装建材用塗料での高意匠、高機能、高耐久化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野メタルカーテンウォールを主とした建築外装用焼付塗料として、ふっ素樹脂を塗膜表面に選択的に配向させることで長期耐久性を有する二層分離形粉体塗料「パウダーフロンSELA」に、2019年7月メタリックグレードである「パウダーフロンSELA SL Series」を追加上市、長期耐久性はそのままに高意匠性粉体塗料として都市開発案件等への採用に向け取り組んでおります。⑥ インクジェット・新事業分野当社の強みであるインクジェットインクによる加飾技術と塗料の積層技術を組み合わせた高意匠性で高付加価値製品を実現できる市場へ展開しております。新事業としては貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や光学材料の開発に取り組んでおります。(2)海外塗料事業中国、タイ、インドネシア等の東南アジア及びメキシコにおいて自動車部品メーカーを中心に省工程・高意匠の自動車内外装部品用塗料「プラニットシリーズ」及び「アクリタンシリーズ」を市場展開しております。また、金属のような輝度感を有する金属調塗料「アクリタンMY51」も市場展開しており、好評を博しております。重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けや政府開発援助(ODA)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。 (3)照明機器事業白熱電球や蛍光灯などの照明器具からLED照明器具に変わりおよそ10年が経過し、販売されている照明器具の99%がLED照明器具で、日本国内で約45%がLEDに置き換えられております。((一社)日本照明工業会 照明器具自主統計2020年1月時点)照明事業では、得意とする商業施設や建築照明における分野でLED照明への切替提案により顧客ニーズに応えてまいりました。90度コーナーモジュールを加えて光の連続性を追求したライン照明「PFSH」シリーズ、極小スペースでの平面・曲面に使用可能な高照度仕様製品「FXH-LED」を発売し、好評を博しております。照明器具そのものの存在感を誇張せずに美しく、心地よい空間を演出するキーワード「納まる溶け込む」をコンセプトにしたDNライティング株式会社の製品は空間設計、内装デザイン、景観照明といったさまざまな分野で注目度が上昇しており、採用案件が増加しています。より一層コンパクト・高効率・デザイン性にすぐれた照明製品の開発により空間や製品を美しく演出できる新たな価値を市場へ創出する取り組みに注力してまいります。 (4)蛍光色材事業蛍光顔料事業では、環境に配慮した人体に優しいノンホルマリン型のアクリル系蛍光顔料の販売を2020年度から見込んでおり、ポリエステル系蛍光顔料の開発及び民間企業や大学と提携して「高耐候性蛍光顔料」などの機能性蛍光顔料の研究開発も継続して取り組んでおります。また、電気・電子部品にも使用できるハロゲンフリー型ベンゾグアナミン系蛍光顔料の市場展開も継続して取り組んでおります。蛍光塗料事業では、停電時の暗闇で長時間発光する蓄光塗料及び特化則対応の安全防災スプレーの開発ならびに、駅のホームからの転落防止用CP(色彩心理)ライン「ルミライン100」、歩行時に水に濡れた床面でも滑らない「ルミノグリップ」、夜間でも光を反射して注意喚起を促す「ビームライトエース」、危険個所表示などを雪面にスプレー可能な「蛍光スノースプレー」などの市場展開に取り組んでおります。 なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」1,233百万円、「照明機器事業」309百万円、「蛍光色材事業」96百万円であります。
FY2019|3,212 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、ジェットインク及び機能性材料などの塗料事業以外の商品開発にも取り組んでおります。塗料事業においては市場ニーズに合致する地球環境に優しい商品、省エネルギー・省力化に対応した商品、高機能・高付加価値商品の開発に注力するとともに、新商品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の研究開発を始め、防食理論、分析・物性評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び塗装技術などの基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取り組みを進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は1,596百万円となりました。当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。 (1)国内塗料事業① 構造物塗料分野橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では、塗膜の線膨張係数に着目した革新的新商品である剥離抑制型弱溶剤変性エポキシ樹脂塗料「ケルビンα2.5」、環境負荷低減ではVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」、「水性グリーンボーセイ速乾」、省力化では有機ジンクリッチペイントでありながら摩擦接合部への適用が可能となり作業工程が削減できる「ゼッタールEP-HF」、点検・診断では点検時に簡易的な補修が可能な「レジソークType1-NSスプレー」、安全・安心ではコンクリートの剥落防止を短工期で実現する「レジガード1Dayはく落防止(SheiM-CS)システム」やプラント配管設備における保温材下の腐食を抑制する「CUIシャット」などの開発を行い、市場展開に取り組んでおります。② 建築塗料分野戸建・集合住宅やオフィスビルの新築・改修において、「省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。独創的な製品では、オフィスビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、神戸国際交流会館にも採用された高外観メタリック仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、オフィスビルや商業施設等の扉や手摺りなど人の手が多く触れる箇所の皮脂(手の脂)による汚れ、はがれの問題を解決し、大手テーマパークにも採用された水性塗料「アクアマリンタックレス」、「臭気」をキーワードとした新商品2品として、カーテンウォールの改修用の弱溶剤形塗料の作業性を有し、臭気を60%低減した「Vフロン#201ニオイの少ないタイプ」、商業施設が営業中でも改修を可能としたゼロVOCで安全且つ従来のエマルション塗料の臭気を94%低減した「COZY PACK」などの市場展開に取り組んでおります。③ 車輌産機・自動車補修塗料分野車両産機塗料分野においては西武鉄道の新型特急列車「Laview(ラビュー)」に高意匠金属調メタリック塗料「スーパーブライト#2000」が採用されました。今回塗装された新型車両は、世界で活躍する建築家・妹島和世氏がデザイン監修し、日立製作所にて約2年間の試験施工を繰り返し、完成させた車両です。また自動車補修塗料分野では特化則対応塗料としてシャーシ用塗料「鉄壁コート マットブラック」、プライマーサフェーサー塗料「Auto D-NexT プラサフ」、補修用パテ「Auto D-NexT ライトパテ」及び「Auto D-NexT ポリパテ」などの新商品の市場展開に取り組んでおります。④ 建材塗料分野新築戸建住宅向け外装建材用塗料、屋根建材用塗料での高意匠、高機能、高耐候性化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野メタルカーテンウォールを主とした建築内外装用焼付塗料として、従来の溶剤系塗料に加え、ふっ素樹脂を塗膜表面に選択的に配向させることで長期耐久性を有する二層分離形粉体塗料「パウダーフロンSELA」の市場展開を行い、都市開発案件、オリンピック関連施設への採用に向け取り組んでおります。⑥ インクジェット・新事業分野インクジェットインクによる加飾技術と塗料の積層技術を組み合わせた高意匠性かつ高性能な塗膜の形成を実現できるDNTデジタルコーティングシステムによる市場への展開を実施しております。新事業としては貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や光学材料の開発に取り組んでおります。 (2)海外塗料事業中国、タイ、インドネシア等の東南アジア及びメキシコにおいて自動車部品メーカーを中心に省工程・高意匠の自動車内外装部品用塗料「プラニットシリーズ」及び「アクリタンシリーズ」を市場展開しております。また、金属のような輝度感を有する金属調塗料「アクリタンMY51」も市場展開しており、好評を博しております。重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けやODA(政府開発援助)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。 (3)照明機器事業2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、2019年は照明機器事業部が得意とする商業施設他、ホテル等の施設照明の需要も堅調に推移してゆくことが期待されます。新商品としては直流24Vの給電レールにマグネットを取り付けることによって、点灯が可能な「スポットライト・レールシステム」を開発し、DNライティングが独自開催した「新商品発表会」及び東京ビッグサイトで開催された「ライティングフェア2019」で好評を博しております。既存の間接照明器具の「SC-LEDシリーズ」及び「TREシリーズ」に短尺サイズを追加することにより、サイズ・ラインナップを拡充し、使い勝手の良さを向上させております。その他大手住宅設備メーカー向けに住宅設備機器組込み用として、特注照明器具が採用されました。また、主力のLED照明器具を中心に設計を見直し、材料・半製品の統合によるコストダウンでの売上総利益率は向上しました。今後は戦略的に市場動向を分析し、照明を使った快適な空間創造及び魅力的な施設演出のための光技術及び光制御技術を応用した製品開発を行うとともに品質面・コスト面での向上を目指していきます。 (4)蛍光色材事業蛍光顔料事業では、環境に考慮した人体に優しいノンホルマリン型のポリエステル系蛍光顔料や、アクリル系蛍光顔料の開発及び産学官を活用した「高耐候性蛍光顔料」などの機能性蛍光顔料の研究開発にも継続して取り組んでおります。また、電気・電子部品にも使用できるハロゲンフリー型蛍光顔料の市場展開に取り組んでおります。蛍光塗料事業では、停電時の暗闇で長時間発光する蓄光塗料、駅のホームからの転落防止用CP(色彩心理)ライン「ルミライン#100」、歩行時に水に濡れた床面でも滑らない「ルミノグリップ」、夜間でも光を反射して注意喚起を促す「ビームライトエース」、危険個所表示など雪面にスプレー可能な「蛍光スノースプレー」などの市場展開に取り組んでおります。 なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」1,215百万円、「照明機器事業」298百万円、「蛍光色材事業」83百万円であります。
FY2018|3,192 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、ジェットインク及び機能性材料などの塗料事業以外の商品開発にも取り組んでおります。塗料事業においては市場ニーズに合致する地球環境に優しい商品、省エネルギー・省力化に対応した商品、高機能・高付加価値商品の開発に注力すると共に、新商品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の研究開発を始め、防食理論、分析・評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び塗装技術などの基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取り組みを進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は15億7千2百万円となりました。当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。 (1)国内塗料事業 ① 構造物塗料分野 橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では東京スカイツリー®に採用された長期耐久性を有する厚膜型ふっ素樹脂塗料「VフロンHB」、環境負荷低減ではVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」、「水性グリーンボーセイ速乾」、省力化では有機ジンクリッチペイントでありながら摩擦接合部への適用が可能となり作業工程が削減できる「ゼッタールEP-HF」、点検・診断では点検時に簡易的な補修が可能な「レジソークType1-NSスプレー」、安全・安心ではコンクリートの剥落防止を短工期で実現する「レジガード1Dayはく落防止(SheiM-CS)システム」やプラント配管設備における保温材下の腐食を抑制する「CUIシャット」などの開発を行い、市場展開に取り組んでおります。 ② 建築塗料分野 戸建・集合住宅やオフィスビルの新築・改修において、「省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。独創的な製品では、オフィスビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、神戸国際交流会館にも採用された高外観メタリック仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、オフィスビルや商業施設等の扉や手摺りなど人の手が多く触れる箇所の皮脂(手の脂)による汚れ、はがれの問題を解決する水性塗料「アクアマリンタックレス」、無機素材から金属素材まで適用可能な弱溶剤形塗料「マイティー万能エポシーラー」及び環境に配慮した水性塗料「マイティー万能水性シーラー」、省エネ効果が期待される遮熱塗料「エコクールシリーズ」、外装リフォームの際に新築時の意匠性を活かしたまま高外観と長期保護を可能にする水性の塗り替え用塗料「SBライズコートアクアSi」及び弱溶剤系の塗り替え用塗料「SBライズコートスマイル」などの市場展開に取り組んでおります。③ 車輌産機・自動車補修塗料分野 鉄道車両用塗料としては、小田急電鉄「ロマンスカー・GSE(70000形)」に高意匠性「Vトップ車輛用ゴールド」仕様や、伊豆急行(東京急行電鉄)「THE ROYAL EXPRESS」に高外観高耐久性「Vフロン#800車輛用クリーンクリヤー」仕様などが車両外板へ採用されました。また、近年の高意匠用塗色に対応した「Auto アルティメットカラーシリーズ」、環境対応一液エポキシプライマー「コスモレックス#1200F」などの市場展開にも取り組んでおります。④ 建材塗料分野 新築戸建住宅外装建材用塗料向けに高意匠、高機能、高耐候性化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野メタルカーテンウォールを主とした建築内外装用焼付塗料として、従来の溶剤系塗料に加え、ふっ素樹脂を塗膜表面に選択的に配向させることで長期耐久性を有する二層分離形粉体塗料「パウダーフロンSELA」の市場展開及び都市開発案件、オリンピック関連施設への採用に向け取り組んでおります。⑥ インクジェット・新事業分野 各種機能性インクの開発及びインクジェット加飾技術と塗料の積層技術をセットにした高意匠性、高機能塗装システムの市場展開に取り組んでおります。また、新たな事業として貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や新規光学材料の開発と市場展開に取り組んでおります。 (2)海外塗料事業 中国、タイ、インドネシア、マレーシア等の東南アジア及びメキシコに進出している日系自動車部品メーカーを中心に環境・省工程・高意匠の自動車内外装塗料「プラニットシリーズ」及び金属のような輝度感を有する金属調塗料「アクリタンMY51」を市場展開しております。また、重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けや政府開発援助(ODA)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。 (3)照明機器事業省エネ効果の有効手段として照明のLED化は一般化され、グリーン購入法における補助金制度が制定される等、性能面や(社会的)仕組みにおいてもユーザーの注目度が高まっております。代表的な照明機器製品として什器照明市場で認知度の高い「TB-LED」、その後継機種として「TA-LED」を販売しました。LEDの粒感を無くす改善及び器具幅20%縮小により意匠性に優れ、低価格を実現した器具を開発し、顧客より高評価を得ております。照明市場は、従来の金属・樹脂といった筐体に囲まれた照明器具の中から、コンパクトかつ形状を多様化させたモジュール化の動きが加速しております。その流れにも迅速に対応し、既存LEDモジュールと専用のパーツの組み合わせにより、現場加工、簡易施工並びに意匠性にも配慮した「FX50用プロファイルシステム」を開発しました。本製品は高級自動車ディーラー店舗にも採用されております。屋外市場向けに従来の軒下用製品に加え、屋外環境下でも使用可能なフレキシブルタイプLEDモジュール「FXE-LED」を開発しました。本製品は紫外線防止に優れ、屋外の様々な場面で適用できる製品であります。今後も市場動向を分析し、照明を使った快適な空間創造のため光技術を応用した製品開発を行うと共に品質面・コスト面でも一歩先を行くトップランナーとして走り続けていきます。 (4)蛍光色材事業蛍光顔料事業では、環境に考慮した人体に優しいノンホルマリン型のポリエステル系蛍光顔料及びアクリル系蛍光顔料の開発及び民間企業や大学と提携して「高耐候性蛍光顔料」などの機能性蛍光顔料の研究開発に取り組んでおります。蛍光塗料事業では、安全対策用・防災用途に、高視認性を活かした環境対応形「水性省工程ヘリサイン用塗装システム」の開発並びに、駅のホームからの転落防止用CP(色彩心理)ライン「ルミライン#100」、歩行時に水に濡れた時でも滑らない「ルミノグリップ」、夜間でも光を反射して注意喚起を促す「ビームライトエース」、夜間で長時間光る蓄光塗料のエアースプレー化などの市場展開に取り組んでおります。 なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」12億4百万円、「照明機器事業」2億8千5百万円、「蛍光色材事業」8千3百万円であります。
FY2017|2,780 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、インクジェット及び機能性材料などの塗料事業以外の商品開発にも取り組んでおります。塗料事業においては市場ニーズに合致する地球環境に優しい商品、省力・省エネルギー化に対応した商品、高機能・高付加価値商品の開発に注力するとともに、新商品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の研究開発を始め、防食理論、分析・評価技術、顔料分散技術及び塗膜形成技術などの基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取り組みを進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は15億2千4百万円となりました。当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。 (1)国内塗料事業① 構造物塗料分野橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では東京スカイツリー®に採用された長期耐久性を有する厚膜形ふっ素樹脂塗料「VフロンHB」、環境負荷低減ではVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」、「水性グリーンボーセイ速乾」、省力化では有機ジンクリッチペイントでありながら摩擦接合部への適用が可能となり作業工程が削減できる「ゼッタールEP-HF」、点検診断では点検時に簡易的な補修が可能な「レジシークType1-NSスプレー」、安全・安心ではコンクリートの剥落防止を短工期で実現する「レジガード1Dayはく落防止(SheiM-CS)システム」などの開発を行い市場展開に取り組んでおります。② 建築塗料分野戸建住宅やオフィスビルの新築・改修において、「省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。オフィスビル等の扉や手摺りなど人の手が触れやすい箇所の皮脂による汚れ、剥れの問題を解決する水性塗料「アクアマリンタックレス」、カーテンウォールなどに使用される外壁材の改修用として高外観メタリック仕上げをローラー塗装で可能な弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、無機素材から金属素材まで適用可能な弱溶剤形塗料「マイティー万能エポシーラー」、環境に配慮した水性塗料「マイティー万能水性シーラー」、省エネ効果が期待される遮熱塗料「エコクールシリーズ」、外装リフォームの際に新築時の意匠性を活かしたまま高外観と長期保護を可能とする水性タイプの塗替用塗料「SBライズコートアクアSi」及び弱溶剤タイプの塗替用塗料「SBライズコートスマイル」などの市場展開に取り組んでおります。③ 車輌産機・自動車補修塗料分野鉄道車輌用塗料としてJR九州「或る列車」、相模鉄道「9000系 ヨコハマネイビーブルー」の車輌外板に採用された高外観高耐久化塗料「Vトップ車輌用ゴールド」及び「Vフロン#800車輌用クリーンクリヤー」、環境に配慮した自動車補修用塗料「Auto D-1ベースHS」及び「Auto ブレインクリヤー」などの市場展開に取り組んでおります。④ 建材塗料分野新築戸建住宅外装建材用塗料向けに高意匠、高機能、高耐候性化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野環境負荷物質低減や特定化学物質障害予防規則に対応した溶剤焼付塗料「FBプライマーECO」、「デリコンECO」及び「NEWアクローゼ」、粉体塗料ではふっ素樹脂を塗膜表面に選択的に配向させることで長期耐久性を有する二層分離形粉体塗料「パウダーフロンSELA」の市場展開に取り組んでおります。⑥ インクジェット・新事業分野インクジェットの加飾技術と塗料の積層技術を応用した高意匠性、高耐候性に優れた塗装システム及び貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や新規光学材料の開発と市場展開に取り組んでおります。 (2)海外塗料事業中国やタイ、インドネシア、マレーシア等の東南アジア及びメキシコに進出している日系自動車部品メーカーを中心に環境・省工程・高意匠の自動車内外装塗料「プラニットシリーズ」及び金属のような輝度感を有する金属調塗料「アクリタンMY51」を市場展開しております。また、重防食塗料分野においては、プラント設備や配管等、高温となる部位に適用できる耐熱シリコン樹脂塗料「VシリコンHR」を新規開発し、市場展開に取り組んでおります。 (3)照明機器事業照明市場におけるLED照明へのシフトは定着化しており、顧客ニーズに応え、注力する新規市場を開拓するための新製品開発、既存製品のリニューアル及び既存LED製品シリーズのラインナップ拡充を図っております。新製品としては蛍光ランプと同直径のφ20mmの中にLED及び電源を内蔵し、AC100Vで点灯するLEDモジュール「TFLシリーズ」、曲線部にも使用できディフューズな光を得ることができるフレキシブルLEDモジュール「FXDシリーズ」を新たに商品化し、ラインナップの拡充として間接照明器具「SCF及びSO3シリーズ」にナロー(集光)配光型を、間接照明器具「HASシリーズ」に調光調色型及び新調光規格DALIシステム対応型を追加しました。また、大手什器メーカー向けに開発した器具は、約4万台の大量採用いただき、今後も更なる採用に向け開発を行っていきます。更に新規市場向けに開発した、きのこ育成用のLEDモジュールは、フィールドテストで検証の後、来期発売を予定しております。 (4)蛍光色材事業蛍光顔料分野では、人体に優しい環境に考慮した独創的な「環境対応顔料」の開発及び民間企業や大学と提携して「高耐候性蛍光顔料」などの機能性蛍光顔料の研究開発に取り組んでおります。蛍光塗料分野では、安全対策用・防災用途に、高視認性を活かした環境対応形「水性省工程ヘリサイン用塗装システム」、駅のホームからの転落防止用CPライン向け「ルミライン100」、歩行時に水に濡れた時でも滑らない「ルミノグリップ」、夜間で長時間光る蓄光塗料のエアースプレー化等の開発と市場展開に取り組んでおります。 なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」11億6千2百万円、「照明機器事業」2億7千9百万円、「蛍光色材事業」8千2百万円であります。
FY2016|2,415 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材及びジェットインクなどの塗料事業以外の商品開発にも取り組んでおります。塗料事業においては市場ニーズに合致する地球環境に優しい商品、省力・省エネルギー化に対応した商品、高機能・高付加価値商品の開発に注力すると共に、新商品開発の基礎となる機能性を有する樹脂や新規材料の研究開発をはじめ、防食理論、塗膜分析、顔料分散及び塗膜形成技術などの基盤技術の拡充を図っております。当連結会計年度における研究開発費の総額は14億8千3百万円となりました。当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。 (1)国内塗料事業① 構造物塗料分野橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物など公共性の高い社会インフラを長期間、経済的に護るための材料開発とシステム開発、塗膜寿命の予測可能な技術開発などに注力しております。また、近年のキーワードに「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」及び「安全・安心」を掲げ、これまでに培った技術と経験に基づいて開発に取り組んでおります。LCCの低減では東京スカイツリー®に採用された長期耐久性を有する厚膜形ふっ素樹脂塗料「VフロンHB」、環境負荷低減ではVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」及び「水性グリーンボーセイ速乾」、省力化では素地調整にかかるコストを大幅に低減した「サビシャット」、安全・安心ではコンクリートの剥落防止に効果を発揮する「レジガード1DFシステム」などの開発を行い市場展開に取り組んでおります。② 建築塗料分野戸建住宅やオフィスビルの新築・改修において、省エネ、省工程、安全及び快適をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。オフィスビルのカーテンウォール改修においてスプレー塗装でしか得られなかった高外観メタリック仕上げをローラー塗装でも可能とした弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、無機素材から金属素材まで適用可能な弱溶剤塗料「マイティー万能エポシーラー」、環境に配慮した水系塗料「マイティー万能水性シーラー」、省エネ効果が期待される遮熱塗料「エコクールシリーズ」、戸建新築時の外装の意匠性を活かしたまま高外観と長期保護を可能とする水性タイプの塗り替え用塗料「SBライズコートアクアSi」、弱溶剤タイプの塗り替え用塗料「SBライズコートスマイル」などの市場展開に取り組んでおります。③ 車輌産機・自動車補修塗料分野塗り替え車輌の高外観・高耐久化に貢献する「Vトップ車輌用塗料」及び「Vフロンクリヤー」、環境に配慮した自動車補修用塗料「Auto D-1ベースHS」及び「Auto ブレインクリヤー」など市場ニーズに合致した環境配慮型商品、高耐久性及び高外観商品を提供し、市場展開に取り組んでおります。④ 建材塗料分野新築戸建住宅外装建材用塗料向けに高意匠、高機能及び高耐候性化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野VOC削減、環境負荷物質低減による地球環境保護を考慮した水系塗料「エマロンシリーズ」及び「テクノンシリーズ」、塗膜表層にふっ素樹脂を配向させることで長期耐久性を有する二層分離形粉体塗料「パウダーフロンSELA」、高輝度なメタリック感を有する接着型ボンディングメタリック粉体塗料「V-PETメタリックシリーズ」の市場展開に取り組んでおります。⑥ インクジェット・新事業分野インクジェットの加飾技術と塗料の積層技術を応用した高意匠性、高耐候性に優れた塗装システム及び貴金属ナノ粒子の合成技術と分散技術を応用したバイオセンシング用診断液や新規光学材料の開発と市場展開に取り組んでおります。 (2)海外塗料事業中国、東南アジア及びメキシコなどに進出している日系自動車部品メーカーを中心に、環境・省工程・高意匠の自動車内外装塗料「プラニットシリーズ」及び「アクリタンシリーズ」を市場展開しております。また、重防食塗料分野においては鋼構造物外面用の低VOC塗料「エポオールHS」、施工効率を高める速乾形塗料「エポニックスQD」など海外向け商品をラインナップして市場展開に取り組んでおります。 (3)照明機器事業照明市場におけるLED照明へのシフトは定着化しており、顧客ニーズに応えるための新製品開発、注力する新規市場を確保するための既存製品のリニューアル、既存LED製品シリーズのラインナップ拡充を図っております。新製品としては業界に先駆けて電源部を器具に内蔵し、AC100Vで点灯する什器用ダウンライトを発売しました。新規市場としての屋外向け製品としては、調光仕様を追加した屋外照明器具「HOシリーズ」、防水型照明器具「FL-WPシリーズ」を発売しました。また、既存製品のラインナップの拡充として業界最小の8mm幅照明器具「XCシリーズ」、面発光照明器具「TFPシリーズ」を開発しました。更に、新規開発として新調光規格のDALIシステム、調光調色システム及び植物育成用LEDモジュールに取り組んでおります。 (4)蛍光色材事業市場のニーズに合致した商品、他社にない商品開発をコンセプトに環境・安全に配慮した高耐候性蛍光色材の開発に取り組んでおります。防災・減災に対する関心の高まりから、蛍光顔料の高視認性を活かした「ルミノヘリサイン」、環境に優しい「水性省工程ヘリサイン用塗装システム」、安全に配慮した再帰反射塗料「ビームライトエース」などの市場展開、更に、民間企業や大学と提携してインクジェット用インク、トナー及び3Dプリンタ用蛍光顔料の研究開発に取り組んでおります。