研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-12 | - | 0 |
| 2024-12 | - | 0 |
| 2023-12 | - | 0 |
| 2022-12 | - | 1 |
| 2021-12 | - | 0 |
研究開発活動(本文)
FY2025|1,569 文字
6 【研究開発活動】当社は、主にキナーゼ(*)タンパク質を標的とした分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)等の低分子医薬品の創製研究(*)及び開発を行うため、研究開発へ積極的に先行投資を行っております。さらに、キナーゼ阻害薬等を創製するための基盤となる技術である「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行うとともに、長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等からのニーズが高いキナーゼ関連製品・サービスを開発するための研究開発も行っております。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は1,851,353千円であり、セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。 (1) 創薬事業当社は、創薬事業において、がん、免疫・炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬を中心に低分子医薬品の創薬研究開発を行なっています。2025年12月末現在で、臨床開発段階にある3つのパイプラインを保有し、ならびに2つのパイプラインを導出しています。そのうち、BTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763、対象疾患:CLLなどの血液がん)およびCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141、対象疾患:固形がん・AMLなどの血液がん)のフェーズ1試験を実施中であり、当連結会計年度においては、当該臨床試験を推進するために、臨床試験費用、治験薬製造関連費用等に積極的な投資を行いました。また、住友ファーマ社と2018年3月より精神神経疾患を標的とした共同研究を実施しており、順調に進捗しております。これらのパイプラインの開発状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載の各パイプライン別の概況をご参照ください。この他、次世代パイプラインの構築として、画期的な新薬創製を目指し様々な創薬研究プログラムを実施しております。これらの創薬プログラムにつきましても、早期ステージアップを目指して研究を継続しております。当事業に係る研究開発費は、1,766,529千円であり、主に臨床試験関連費用、人件費、化合物合成委託費用、研究材料費等で構成されています。また、当社は臨床試験に必要な原薬および製剤の開発・製造を医薬品開発製造受託機関(CDMO)に、臨床試験の実施に関わる業務を医薬品開発業務受託機関(CRO)に委託しており、臨床試験関連費用にはこれらの業務委託費用が含まれています。 (2) 創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、キナーゼタンパク質に特化するメーカーとして、新たなキナーゼタンパク質製品の開発に継続的に取り組んでおり、特に主力製品であるビオチン化タンパク質の品揃えを積極的に拡充しています。ビオチン化タンパク質については、当社は品ぞろえや品質において圧倒的な競争優位性を有しています。また、プロファイリング・サービスにおいては、次世代アッセイ機器によるプロファイリングシステムの開発に成功し、2024年5月に予定通りサービスを開始しました。当社製キナーゼタンパク質およびそれを用いた受託試験サービスは顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、顧客ニーズに基づく新製品の開発にも取り組んでおります。また、収益力の強化を目指した作業工程の改善にも取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は、84,824千円であり、主に新製品・サービスの開発に係る人件費および材料費で構成されています。 (注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
FY2024|1,578 文字
6 【研究開発活動】当社は、主にキナーゼ(*)タンパク質を標的とした低分子の分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)の創製研究(*)及び医薬品候補化合物の開発を行うため、研究開発へ積極的に先行投資を行っております。さらに、キナーゼ阻害薬等を創製するための基盤となる技術である「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行うとともに、長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等からのニーズが高いキナーゼ関連製品・サービスを開発するための研究開発も行っております。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は1,886,906千円であり、セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。 (1) 創薬事業当社は、創薬事業において、がん、免疫・炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬を中心に低分子医薬品の創薬研究開発を行なっています。2024年12月末現在で、臨床開発段階にある3つのパイプライン、ならびに2つの導出済みのパイプラインを保有しています。そのうち、BTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763、対象疾患:CLLなどの血液がん)およびCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141、対象疾患:固形がん・AMLなどの血液がん)のフェーズ1試験を実施中であり、当連結会計年度においては、当該臨床試験を推進するために、臨床試験費用、治験薬製造関連費用等に積極的な投資を行いました。また、住友ファーマ社と2018年3月より精神神経疾患を標的とした共同研究を実施しており、順調に進捗しております。これらのパイプラインの開発状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載の各パイプライン別の概況をご参照ください。この他、次世代パイプラインの構築として、画期的な新薬創製を目指し様々な創薬研究プログラムを実施しております。これらの創薬プログラムにつきましても、早期ステージアップを目指して研究を継続してまいります。当事業に係る研究開発費は、1,762,143千円であり、主に臨床試験関連費用、人件費、化合物合成委託費用、研究材料費等で構成されています。また、当社は臨床試験に必要な原薬および製剤の開発・製造を医薬品開発製造受託機関(CDMO)に、臨床試験の実施に関わる業務を医薬品開発業務受託機関(CRO)に委託しており、臨床試験関連費用にはこれらの業務委託費用が含まれています。 (2) 創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、キナーゼタンパク質に特化するメーカーとして、新たなキナーゼタンパク質製品の開発に継続的に取り組んでおり、特に主力製品であるビオチン化タンパク質の品揃えの積極的に拡充しています。ビオチン化タンパク質については、当社は品ぞろえや品質において圧倒的な競争優位性を有しています。また、プロファイリング・サービスにおいては、次世代アッセイ機器によるプロファイリングシステムの開発に成功し、2024年5月に予定通りサービスを開始しました。当社製キナーゼタンパク質およびそれを用いた受託試験サービスは顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、顧客ニーズに基づく新製品の開発にも取り組んでまいります。また、収益力の強化を目指した作業工程の改善にも取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は、124,762千円であり、主に新製品・サービスの開発に係る人件費および材料費で構成されています。 (注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
FY2023|5,820 文字
6 【研究開発活動】当社は、主にキナーゼ(*)タンパク質を標的とした低分子の分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)の創製研究(*)及び医薬品候補化合物の開発を行うため、研究開発へ積極的に先行投資を行っております。さらに、キナーゼ阻害薬等を創製するための基盤となる技術である「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行うとともに、長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等からのニーズが高いキナーゼ関連製品・サービスを開発するための研究開発も行っております。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は1,903,859千円であり、セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。 (1) 創薬事業当社は、創薬事業において、がん、免疫・炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬を中心に低分子医薬品の創薬研究開発を行なっています。2023年12月末現在で、臨床試験段階にある3つのパイプライン、ならびに2つの導出済みのパイプラインを保有しています。 臨床開発中のパイプライン化合物標的対象疾患概況AS-1763BTK血液がん・健康成人を対象としたフェーズ1試験 SADパート及びBAパート を完了(オランダ)・フェーズ1b試験(米国)2023年8月に最初の患者様に投与開始、現在、3用量目の投与を実施中。*多施設共同試験主導:テキサス大学MDアンダーソンがんセンター白血病科 准教授 Nitin Jain医師sofnobrutinib(AS-0871)BTK免疫・炎症疾患・フェーズ1試験(健康成人対象、オランダ、SAD試験及びMAD試 験)を完了(11月)安全性、忍容性、並びに良好な薬物動態プロファイルと薬力学作用を確認フェーズ2試験へ移行することが支持された・導出交渉を本格的に開始monzosertib(AS-0141)CDC7/ASKがん・フェーズ1試験 (がん患者対象、日本)・連日投与スケジュールで用量漸増パートを実施中*治験実施施設国立がん研究センター中央病院及び東病院 導出済みパイプライン 化合物(対象疾患)進捗状況契約一時金マイルストーン総額ロイヤリティ契約地域契約時期受領済マイルストーンDGKα阻害剤ギリアド社へ導出GS-9911(がん免疫)フェーズ1試験20M$(約21億円)450M $(約630億円)上市後の売上高に応じた一定の料率全世界2019年6月10M$(約11億円)2021年12月5M$(約7億円)2023年12月住友ファーマとの共同研究-(精神神経疾患)開発候補化合物を探索中80百万円(契約一時金+研究マイルストーン)約106億円上市後の売上高に応じた一定の料率全世界2018年3月 *STINGアンタゴニストについては、導出先のFRTX社が2023年9月に清算・解散計画を発表したため記載しておりません。*受領済の契約一時金及びマイルストーンは受領時の為替レート、マイルストーン総額は140円/ドルで換算。 各パイプラインの概況は以下のとおりです。 BTK阻害剤 AS-1763(血液がん)イブルチニブを代表とする第1世代の共有結合型BTK阻害薬は、CLLを含む成熟B細胞腫瘍の有効な治療薬として幅広く使われていますが、これらBTK阻害薬に対する薬剤耐性が深刻な問題となってきています。近年、耐性患者においてC481S変異したBTKが高頻度に見い出され、この変異が第1世代BTK阻害薬の共有結合を妨げ阻害活性を低下させることが主な薬剤耐性の原因と考えられています。また2023年に承認されたピルトブルチニブや開発中の非共有結合型BTK阻害剤に対する新たな耐性変異もすでに報告されています。このような背景から薬剤抵抗性変異型BTKに対する新しい治療方法の開発が非常に望まれています。当社が創製した非共有結合型BTK阻害剤AS-1763は野生型BTKだけでなく、これらの薬剤抵抗性変異型BTKにも高い阻害効果を示すことから、BTK阻害薬耐性患者を対象としたベストインクラスの次世代型BTK阻害剤として開発を進めています。AS-1763のフェーズ1試験は、ヒトでの安全性、薬物動態等の検討を早期に行うため、まず健康成人を対象として、簡易製剤を用いたSADパートおよび新製剤を用いたBAパートをオランダで実施しました。当該SADパートにおいて、AS-1763の安全性、忍容性および良好な薬物動態プロファイルが確認されています。また、BAパートでは新製剤の良好な薬物動態を確認しています。当該フェーズ1試験結果を基にして、米国において患者を対象としたフェーズ1b試験を計画し、米国FDAにより新薬臨床試験開始届(IND application)の承認を得て、2023年8月に投与を開始しました。フェーズ1b試験は、治療歴を有するCLL・SLLおよびB-cell NHLの患者を対象としており、用量漸増パートと用量拡大パートの2つのパートから構成されており、現在、用量漸増パートを実施しています。用量漸増パートでは、最大耐用量(MTD)及び用量制限毒性(DLT)を決定することを主目的とし、副次的に安全性、忍容性、薬物動態、さらに有効性についても評価します。用量拡大パートでは、用量漸増パートで推奨された複数の用量で症例を追加し、安全性、有効性、薬物動態を調査し、フェーズ2試験の推奨用量(RP2D)を決定することを目的としています。すでに、用量漸増パートの最初の2用量群において、安全性、忍容性が確認されたため、2024年1月に3用量目に移行しております。また、現時点で、8つの治験実施施設において患者の募集を行っており、今後、12施設まで拡大する予定です。 BTK阻害剤 sofnobrutinib(AS-0871、対象疾患:免疫・炎症疾患)BTKは血液がんだけでなく、自己免疫疾患やアレルギー疾患の治療標的分子としても注目されていますが、これまでに同適応疾患を対象として承認されたBTK阻害薬はありません。sofnobrutinibは当社が創製した非共有結合型BTK阻害剤で、BTKに対して非常に高い選択性を示すことから、免疫・炎症疾患を対象に開発を進めています。sofnobrutinibのフェーズ1試験は、健康成人男女を対象としたSAD試験およびMAD試験BAパート・MADパートで構成され、オランダで実施いたしました。SAD試験においては、全ての用量で安全性、忍容性および良好な薬物動態プロファイルが確認され、また、薬力学的評価の結果から血中の好塩基球およびB細胞の活性化を100mg以上の用量で強く持続的に阻害することが確認されました。SAD試験に続き、MAD試験・BAパートを実施し、新たに開発した複数の製剤(カプセルおよびタブレット)での相対的バイオアベイラビリティを比較し、その結果、タブレット型製剤がより良い薬物動態を示しました。当該結果を基に、タブレット型製剤を用いて、2023年1月からMAD試験MADパートを開始し、2023年11月に、MAD試験の臨床試験報告書が最終化されました。これまで実施したフェーズ1試験の結果から、sofnobrutinibの安全性、忍容性、並びに良好な薬物動態プロファイルと薬力学作用が確認され、フェーズ2への移行が支持されました。sofnobrutinibについては、フェーズ2以降をライセンスアウトもしくは共同開発により実施することを目指しており、当該結果を基にした導出パッケージを作成し、導出活動を開始いたしました。 CDC7阻害剤 monzosertib(AS-0141、対象疾患:固形がん/血液がん)monzosertibは、当社が創製した選択的CDC7キナーゼ阻害剤でファースト・イン・クラスが期待される経口投与可能な低分子化合物です。様々ながん種の細胞増殖を強く阻害し、各種ヒト腫瘍移植動物モデルにおいて優れた抗腫瘍効果を示しています。2021年上期に、日本国内において切除不能進行・再発又は遠隔転移を伴う固形がん患者を対象としたフェーズ1試験を開始しました。フェーズ1試験は、用量漸増パート及び拡大パートの2段階に分かれており、用量漸増パートでは、薬剤の投与量を増やしながら安全性と忍容性を評価し、また薬物動態や薬力学についても調べます。本パートで決定した最大耐用量と推奨用量に基づき、拡大パートでは、より多くの患者で本剤の安全性及び有効性を評価いたします。用量漸増パートでは加速漸増デザインを採用し、DLT評価期間中にGrade 2以上のAEが発現するまで各コホート1名の登録で増量し、Grade 2以上のAEが発現した場合、以降は3+3デザインの用量漸増に移行する計画としております。現在実施中の用量漸増パートでは、1日2回、5日間連日経口投与、2日間休薬する投与スケジュールで、コホート5(用量レベル:250 mg BID)までGrade 2以上のAEは観察されませんでしたが、コホート6(用量レベル:300 mg BID)においてGrade 2以上のAEが発現したため、計画通り3+3デザインに移行いたしました。その後、3名中2名でDLTが発現したため、300 mg BIDにおいてMTDを超えたと判断し、用量を下げて症例を追加しておりました。その結果、コホート3(80 mg BID)において、安全性、忍容性が確認されました。現在、薬効を最大化するために、投与スケジュールを、2日間の休薬をしない連日投与に変更して用量漸増パートを開始しています。今後は、用量漸増パートの結果をもとに、最大耐用量(MTD)および拡大パートでの推奨用量・用法を決定する予定です。また、成功確度を上げるため、非臨床試験より有効性が期待されている血液がん患者の登録も可能となるようにプロトコールを変更し、安全性、忍容性並びに探索的な有効性を確認する予定です。 ギリアド社に導出した低分子阻害薬の創薬プログラム2019年6月に、米国のギリアド社と、当社が創製した新規がん免疫療法の低分子阻害薬およびその創薬プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結しています。ギリアド社は現在、本プログラムから見出された開発中のDGKα阻害剤GS-9911について、固形がん患者を対象としてPhase1試験を実施中です。当社は、契約締結時に一時金として20百万ドル(約21億円)を受領したほか、開発状況や上市などの進捗に応じて追加的に最大で450百万ドル(約630億円、1ドル140円で換算)のマイルストーン・ペイメントを受け取ることになり、さらに、本プログラムにより開発された医薬品の上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取ります。ギリアド社は、2021年12月に本創薬プログラムを次の開発ステージに進めることを決定し、当社はライセンス契約に基づいた最初のマイルストーン・ペイメントを受領、また、2023年12月にPhase1試験が開始されたことに伴い、2回目のマイルストーン・ペイメント500万ドル(707百万円)を受領しました。当社はギリアド社から、これまでに契約一時金、1回目のマイルストーン・ペイメントと合わせて計35百万ドル(約40億円)を受領しております。 住友ファーマとの共同研究プログラム2018年3月に住友ファーマ株式会社と精神神経疾患を標的とした共同研究契約を締結しており、当該共同研究の進捗状況から2021年12月に本契約の共同研究期間を2025年3月27日まで延長することを両社で合意しております。本研究では、沢山の知的財産が生み出されており、当該疾患領域における新薬の創出を目指して共同研究を継続しております。本共同研究により見出されたキナーゼ阻害剤については、同社が、がんを除く全疾患を対象とした臨床開発および販売を全世界で独占的に実施する権利を有します。その対価として、当社は契約一時金および研究マイルストーンとして、最大8千万円を受領し、その後の研究開発の進展に伴い、進捗に応じて追加的に最大で約106億円のマイルストーン・ペイメントおよび売上高に応じたロイヤリティを受け取ることができます。 上記以外の創薬研究プログラムにつきましても、画期的な新薬創製に向けて様々な創薬研究プログラムを実施しております。これらの創薬プログラムにつきましても、早期ステージアップを目指して研究を継続してまいります。当事業に係る研究開発費は、1,773,348千円であり、主に臨床試験関連費用、人件費、化合物合成委託費用、研究材料費等で構成されています。また、当社は臨床試験に必要な原薬および製剤の開発・製造を医薬品開発製造受託機関(CDMO)に、臨床試験の実施に関わる業務を医薬品開発業務受託機関(CRO)に委託しており、臨床試験関連費用にはこれらの業務委託費用が含まれています。 (2) 創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、キナーゼタンパク質に特化するメーカーとして、新たなキナーゼタンパク質製品の開発に継続的に取り組んでおり、現在は、当社のみが販売し、主力製品となったビオチン化タンパク質の品揃えの拡充を積極的に推し進めています。また、プロファイリング・サービスにおいては、次世代アッセイ機器によるプロファイリングシステムの開発に成功し、サービス開始に向けて順調に準備が進んでいます。当社製キナーゼタンパク質およびそれを用いた受託試験サービスは顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、顧客ニーズに基づく新製品の開発にも取り組んでまいります。また、収益力の強化を目指した作業工程の改善にも取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は、130,511千円であり、主に新製品・サービスの開発に係る人件費および材料費で構成されています。 (注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
FY2022|5,940 文字
5 【研究開発活動】当社は、主にキナーゼ(*)タンパク質を標的とした低分子の分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)の創製研究(*)及び医薬品候補化合物の開発を行うため、研究開発へ積極的に先行投資を行っております。さらに、キナーゼ阻害薬等を創製するための基盤となる技術である「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行うとともに、長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等からのニーズが高いキナーゼ関連製品・サービスを開発するための研究開発も行っております。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は1,882,319千円であり、セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。 (1) 創薬事業当社は、がん、免疫・炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬を中心に低分子医薬品の創薬研究開発を行なっています。2022年12月末現在で、がん領域においては2つのキナーゼ阻害剤(AS-0141、AS-1763)の臨床開発を実施しており、さらに2つの創薬標的キナーゼについて阻害剤の研究開発を進めています。また当社が創出した新規脂質キナーゼ阻害剤のプログラムについて導出先であるギリアド社が研究開発を進めており、AS-1763の中華圏での開発はバイオノバ社が準備を進めました。免疫・炎症疾患領域ではAS-0871の臨床試験を実施しています。また当社が創製し、2021年末に前臨床開発段階にステージアップしたSTINGアンタゴニストについては、導出先のFRTX社が開発を進めています。重点領域以外では、住友ファーマと共同で、精神神経疾患を標的とした創薬プログラムの研究開発をしており、また国際貢献の一環として、三大感染症のひとつであるマラリアに対する新薬創出を目指した研究開発も実施しております。この他、次世代パイプラインの構築を目的として複数の探索研究を実施しています。 [当社のパイプライン一覧]がん領域化合物標的対象疾患開発段階・開発パートナーAS-1763BTK血液がん・がん免疫フェーズ1AS-0141CDC7/ASKがんフェーズ1低分子DGKαがん免疫ギリアド社に導出低分子ALK5血液がん・がん免疫探索低分子CDK1がん探索 がん以外の疾患領域化合物標的対象疾患開発段階・開発パートナーAS-0871BTK免疫・炎症疾患フェーズ1低分子キナーゼ精神神経疾患住友ファーマと共同研究低分子N/Aマラリア探索低分子STINGアンタゴニスト免疫・炎症疾患FRTX社に導出 主な創薬プログラムの2022年12月期の研究開発の概況は以下のとおりです。 BTK阻害剤 AS-0871(免疫・炎症疾患)BTKは血液がんだけでなく、自己免疫疾患やアレルギー疾患の治療標的分子としても注目されていますが、これまでに同適応疾患を対象として承認されたBTK阻害薬はありません。AS-0871は当社が創製した非共有結合型BTK阻害剤で、BTKに対して非常に高い選択性を示すことから、現在、免疫・炎症疾患を対象に開発を進めています。AS-0871のフェーズ1試験はオランダで、健康成人男女を対象としたSAD試験およびMAD試験の2つの試験として実施しています。このうちSAD試験はすでに完了しており、全ての用量で安全性、忍容性および良好な薬物動態プロファイルが確認されています。また、薬力学的評価の結果から血中の好塩基球およびB細胞の活性化を100mg以上の用量で強く持続的に阻害することが確認されています。SAD試験に続き、2021年12月から新製剤を用いたフェーズ1試験のMAD試験を開始しています。当該MAD試験は新製剤を用いた相対的バイオアベイラビリティを評価するBAパート、反復投与時の安全性、忍容性、薬物動態、薬力学的作用を評価するMADパートの2つのパートで構成されています。このうちBAパートでは新たに開発した複数の製剤(カプセルおよびタブレット)での相対的バイオアベイラビリティを比較した結果、タブレット型製剤がより良い薬物動態を示しました。当該結果を基に、タブレット型製剤を選択し、2023年1月末からMADパートを開始しています。 BTK阻害剤 AS-1763(血液がん)イブルチニブを代表とする共有結合型BTK阻害薬は、CLLを含む成熟B細胞腫瘍の有効な治療薬として幅広く使われていますが、これらBTK阻害薬に対する薬剤耐性が深刻な問題となってきています。近年、耐性患者においてC481S変異したBTKが高頻度に見い出され、この変異が共有結合型BTK阻害薬の共有結合を妨げ阻害活性を低下させることが主な薬剤耐性の原因と考えられています。このような背景からBTK C481S耐性変異に対する新しい治療方法の開発が非常に望まれています。当社が創製した非共有結合型BTK阻害剤AS-1763は野生型BTKだけでなく、変異型BTKにも高い阻害効果を示すことから、共有結合型BTK阻害薬耐性患者を対象とした次世代型BTK阻害剤として開発を進めています。AS-1763のフェーズ1試験は、ヒトでの安全性、薬物動態等の検討を早期に行うため、まず健康成人を対象として、簡易製剤を用いたSADパートおよび新製剤を用いたBAパートをオランダで実施しました。当該SADパートにおいて、AS-1763の安全性、忍容性および良好な薬物動態プロファイルが確認されています。また、BAパートでは新製剤の良好な薬物動態を確認しています。当該フェーズ1試験結果を基にして、米国において患者を対象としたフェーズ1b試験を計画し、当該試験開始に必要な新薬臨床試験開始届(IND application)を米国FDAに提出し、2022年5月に承認を得ています。フェーズ1b試験は、治療歴を有するCLL・SLLおよびB-cell NHLの患者を対象としており、用量漸増パートと用量拡大パートの2つのパートから構成されています。用量漸増パートでは、最大耐用量(MTD)及び用量制限毒性(DLT)を決定することを主目的とし、副次的に安全性、忍容性、薬物動態、さらに有効性についても評価します。用量拡大パートでは、用量漸増パートで推奨された複数の用量で症例を追加し、安全性、有効性、薬物動態を調査し、フェーズ2試験の推奨用量(RP2D)を決定することを目的としています。IND申請承認後は、米国内の治験実施施設について、当該臨床試験実施可否等に関する調査を開始し、現在、その中から選定した治験実施施設との契約等の準備を行っています。最初の患者登録(FPI)は2023年第1四半期を予定しています。当社は、AS-1763の中華圏(中華人民共和国および台湾)における開発・商業化の権利を2020年3月から2023年3月まで中国バイオノバ社に供与しており、同社は、CLL、SLLおよびB-cell NHLの患者を対象としたフェーズ1試験を中国で実施するためのIND申請を行い、2022年3月に中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration,NMPA)から治験開始の承認を取得しました。このIND承認を受け、当社はバイオノバ社から最初のマイルストーン・ペイメント50万ドル(58百万円)を受領しました。しかし、その後の中国における厳しい感染症対策などの影響で中国での治験開始が遅れており、中国での臨床試験データを他の地域に先行して得るという導出時の目的の達成が困難と判断し、2023年3月に中華圏における開発・商業化の権利をバイオノバ社から再取得しております。 CDC7阻害剤 AS-0141AS-0141は、当社が創製した選択的CDC7キナーゼ阻害剤でファースト・イン・クラスが期待される経口投与可能な低分子化合物です。様々ながん種の細胞増殖を強く阻害し、各種ヒト腫瘍移植動物モデルにおいて優れた抗腫瘍効果を示しています。2021年上期に、日本国内において切除不能進行・再発又は遠隔転移を伴う固形がん患者を対象としたフェーズ1試験を開始しました。フェーズ1試験は、用量漸増パート及び拡大パートの2段階に分かれており、用量漸増パートでは、薬剤の投与量を増やしながら安全性と忍容性を評価し、また薬物動態や薬力学についても調べます。本パートで決定した最大耐用量と推奨用量に基づき、拡大パートでは、より多くの患者で本剤の安全性及び有効性を評価いたします。用量漸増パートでは加速漸増デザインを採用し、DLT評価期間中にGrade 2以上のAEが発現するまで各コホート1名の登録で増量し、Grade 2以上のAEが発現した場合、以降は3+3デザインの用量漸増に移行する計画としております。現在実施中の用量漸増パートにおいて、コホート5(用量レベル:250 mg BID)までGrade 2以上のAEは観察されませんでしたが、コホート6(用量レベル:300 mg BID)においてGrade 2以上のAEが発現したため、計画通り3+3デザインに移行いたしました。その後、3名中2名でDLTが発現したため、300 mg BIDにおいてMTDを超えたと判断し、今後、用量を下げて症例を追加し、MTDを決定する予定です。今回投与した20 mg BIDから300 mg BIDまで、概ね良好な薬物動態を示していることから、MTD、薬物動態及び薬力学的評価の結果を考慮して、拡大パートで用いる臨床推奨用量を決定する予定です。 ギリアド社に導出した低分子阻害薬の創薬プログラム2019年6月に、米国のギリアド社と、当社が創製した新規がん免疫療法の低分子阻害薬およびその創薬プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結しています。契約締結時に一時金として20百万ドル(約21億円)を受領したほか、開発状況や上市などの進捗に応じて追加的に最大で450百万ドル(約585億円、1ドル130円で換算)のマイルストーン・ペイメントを受け取ることになり、さらに、本プログラムにより開発された医薬品の上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取ります。ギリアド社は、2021年12月に本創薬プログラムを次の開発ステージに進めることを決定し、当社はライセンス契約に基づいた最初のマイルストーン・ペイメントを受領しております。ギリアド社は2022年4月に開催した「Gilead Sciences Oncology Deep Dive」の中で、同プログラムから創出したGS-9911に関して、重要な新規プログラムであるとして紹介しています。 住友ファーマとの共同研究プログラム2018年3月に住友ファーマ株式会社と精神神経疾患を標的とした共同研究契約を締結しており、当該共同研究の進捗状況から2021年12月に本契約の共同研究期間を2025年3月27日まで延長することを両社で合意しております。本研究では、沢山の知的財産が生み出されており、当該疾患領域における新薬の創出を目指して共同研究を継続しております。本共同研究により見出されたキナーゼ阻害剤については、同社が、がんを除く全疾患を対象とした臨床開発および販売を全世界で独占的に実施する権利を有します。その対価として、当社は契約一時金および研究マイルストーンとして、最大8千万円を受領し、その後の研究開発の進展に伴い、進捗に応じて追加的に最大で約106億円のマイルストーン・ペイメントおよび売上高に応じたロイヤリティを受け取ることができます。 FRTX社に導出したSTINGアンタゴニストキナーゼ以外を標的とした次世代パイプラインとして当社が創製し、2021年末に前臨床開発段階にステージアップしたSTINGアンタゴニストは、2022年2月に全世界における開発・商業化の独占的な権利をFRTX社に供与するライセンス契約を締結いたしました。STINGシグナル経路は自然免疫において中心的な役割を担っており、STING経路による過剰なシグナル伝達は、全身性エリトマトーデスやリウマチなどの自己免疫疾患やインターフェロン過剰産生が特徴である希少遺伝子疾患のインターフェロン異常症など、アンメット・メディカル・ニーズが高い疾患を引き起こすことが知られています。本ライセンス契約の対価として、当社はFRTX社から契約一時金2百万ドル(227百万円)を受領したほか、開発、申請・承認などの進捗に応じたマイルストーンおよび販売マイルストーンを最大で258百万ドル(約335億円、1ドル130円で換算)受け取ることになります。さらに、当社は上市後の売上高に応じた1桁半ばから10%の料率の段階的ロイヤリティを受け取ることができます。 上記以外の創薬研究プログラムにつきましても、画期的な新薬創製に向けて様々な創薬研究プログラムを実施しております。これらの創薬プログラムにつきましても、早期ステージアップを目指して研究を継続してまいります。当事業に係る研究開発費は、1,760,278千円であり、主に臨床試験関連費用、人件費、化合物合成委託費用、研究材料費等で構成されています。また、当社は臨床試験に必要な原薬および製剤の開発・製造を医薬品開発製造受託機関(CDMO)に、臨床試験の実施に関わる業務を医薬品開発業務受託機関(CRO)に委託しており、臨床試験関連費用にはこれらの業務委託費用が含まれています。 (2) 創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、新たなキナーゼタンパク質製品の開発ならびにキナーゼタンパク質およびプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスの品質および作業効率の向上が主要なテーマとなっております。当社製キナーゼタンパク質およびそれを用いた受託試験サービスは顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、顧客ニーズに基づく新製品の開発にも取り組んでまいります。また、収益力の強化を目指した作業工程の改善にも取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は、122,041千円であり、主に新製品・サービスの開発に係る人件費および材料費で構成されています。 (注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
FY2021|4,395 文字
5 【研究開発活動】当社は、主にキナーゼ(*)タンパク質を標的とした低分子の分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)の創製研究(*)及び医薬品候補化合物の開発を行うため、研究開発へ積極的に先行投資を行っております。さらに、キナーゼ阻害薬等を創製するための基盤となる技術である「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行うとともに、長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等からのニーズが高いキナーゼ関連製品・サービスを開発するための研究開発も行っております。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は1,841,854千円であり、セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。 (1) 創薬事業当社は、がん、免疫・炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬を中心に低分子医薬品の創薬研究開発を行なっています。2021年12月末現在で、がん領域においては2つのキナーゼ阻害剤(AS-0141, AS-1763)の臨床開発を実施しており、さらに2つの創薬標的キナーゼについて阻害剤の研究開発を進めています。また当社が創出した新規脂質キナーゼ阻害剤のプログラムについて導出先であるギリアド社が研究開発を進めており、AS-1763の中華圏での臨床開発はバイオノバ社が進めています。免疫・炎症疾患領域ではBTK阻害剤のAS-0871の臨床試験を実施しており、また次世代パイプラインの一つであるSTINGアンタゴニストのプログラムが前臨床開発段階にあります。重点領域以外にも大日本住友製薬と共同で研究開発している精神神経疾患を標的とした創薬プログラムや新規抗マラリア薬の創出を目指した研究開発を実施しております。この他、次世代パイプラインの構築を目的として複数の探索研究を実施しています。主な創薬プログラムの2021年12月期の研究開発の概況は以下のとおりです。 BTK阻害剤 AS-0871(免疫・炎症疾患)BTKは血液がんだけでなく、自己免疫疾患やアレルギー疾患の治療標的分子としても注目されていますが、これまでに同適応疾患を対象として承認されたBTK阻害薬はありません。AS-0871は当社が創製した非共有結合型BTK阻害剤で、BTKに対して非常に高い選択性を示すことから、現在、免疫・炎症疾患を対象に開発を進めています。AS-0871のフェーズ1試験はオランダで、健康成人男女を対象とした単回投与用量漸増(SAD)試験および反復投与用量漸増(MAD)試験の2つの試験として実施しています。このうちSAD試験はすでに完了しており、全ての用量で安全性、忍容性および良好な薬物動態プロファイルが確認されています。また、薬力学的評価の結果から血中の好塩基球およびB細胞の活性化を100mg以上の用量で強く持続的に阻害することが確認されています。SAD試験に続き、2021年12月から新製剤を用いたフェーズ1試験のMAD試験を開始しています。MAD試験は、新製剤を用いた相対的バイオアベイラビリティを評価するBAパート、反復投与時の安全性、忍容性、血中濃度、薬力学的作用を評価するMADパート、アンメット・メディカル・ニーズの高い慢性特発性蕁麻疹を想定した抗原誘発皮膚反応テスト(Skin Prick Test)を行うSPTパートの3つのパートで構成されています。 BTK阻害剤 AS-1763(血液がん)イブルチニブを代表とする第1世代の共有結合型BTK阻害薬は、慢性リンパ性白血病(CLL)を含む成熟B細胞腫瘍の有効な治療薬として幅広く使われていますが、これらBTK阻害剤に対する薬剤耐性が深刻な問題となってきています。近年、耐性患者においてC481S変異したBTKが高頻度に見い出され、この変異が第1世代BTK阻害剤の共有結合を妨げ阻害活性を低下させることが主な薬剤耐性の原因と考えられています。このような背景からBTK C481S耐性変異に対する新しい治療方法の開発が非常に望まれています。当社が創製した非共有結合型AS-1763は野生型BTKだけでなく、変異型BTKにも高い阻害効果を示すことから、第1世代の共有結合型BTK阻害薬耐性患者を対象とした次世代型BTK阻害剤として開発を進めています。AS-1763のフェーズ1試験は、2021年上期からオランダで実施しており、健康成人男女を対象としたSADパートにおける全ての投与が完了し、安全性、忍容性および良好な薬物動態プロファイルを確認しています。2021年12月からは、患者を対象としたフェーズ1b試験で用いる新製剤を用いたBAパートを開始しています。当社は、慢性リンパ性白血病およびB細胞リンパ腫の患者を対象としたフェーズ1b試験を2022年中に米国で開始する予定にしており、当該試験の実施に必要なIND申請に向けた準備を行っています。AS-1763については、中華圏における開発・商業化の権利をバイオノバ社に供与する契約を2020年3月に締結しております。バイオノバ社が中国において臨床試験を実施することで、当社はバイオノバ社が実施したAS-1763(同社の開発番号:BN102)に関するより多くの臨床試験データを収集・利用することができ、AS-1763の臨床開発を加速できると考えております。バイオノバ社は、2022年1月にIND申請を中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration, NMPA)に提出しています。同IND申請は、中国における患者を対象としたBN102の臨床試験の実施を中国当局に申請するものです。当社は、中華圏における今後のAS-1763(BN102)の開発進捗に伴い、バイオノバ社から最大で約205百万ドルを受け取ることができ、さらに、AS-1763(BN102)の中華圏における上市後の売上高に応じた最大2桁の料率の段階的ロイヤリティを受け取ります。 CDC7阻害剤 AS-0141AS-0141は、当社が創製した選択的CDC7キナーゼ阻害剤で経口投与可能な低分子化合物です。様々ながん種の細胞増殖を強く阻害し、各種ヒト腫瘍移植動物モデルにおいて優れた抗腫瘍効果を示しています。2021年上期に、日本国内において切除不能進行・再発又は遠隔転移を伴う固形がん患者を対象としたフェーズ1試験を開始しました。フェーズ1試験は、用量漸増パート及び拡大パートの2段階に分かれており、用量漸増パートでは、薬剤の投与量を増やしながら安全性と忍容性を評価し、また薬物動態や薬力学についても調べます。本パートで決定した最大耐用量と推奨用量に基づき、拡大パートでは、より多くの患者で本剤の安全性及び有効性を評価いたします。これまでの症例で用量制限毒性は発現しておらず、コホート3(用量レベル3)に移行しています。 ギリアド社に導出した低分子阻害薬の創薬プログラム2019年6月に、米国のギリアド社と、当社が創製した新規がん免疫療法の低分子阻害薬およびその創薬プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結しています。契約締結時に一時金として20百万ドルを受領したほか、開発状況や上市などの進捗に応じて追加的に最大で450百万ドルのマイルストーン・ペイメントを受け取ることになり、さらに、本プログラムにより開発された医薬品の上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取ります。ギリアド社は、2021年12月に本創薬プログラムを次の開発ステージに進めることを決定し、当社はライセンス契約に基づいた最初のマイルストーン・ペイメントを受領しております。 大日本住友製薬との共同研究プログラム2018年3月に大日本住友製薬株式会社と精神神経疾患を標的とした共同研究契約を締結しており、本共同研究において精神神経疾患領域の新薬候補に関する興味深いデータや新しい知的財産が生み出されています。その進捗状況から2021年12月に本契約の共同研究期間を2025年3月27日まで延長することを両社で合意いたしました。本共同研究により見出されたキナーゼ阻害剤については、同社が、がんを除く全疾患を対象とした臨床開発および販売を全世界で独占的に実施する権利を有します。その対価として、当社は契約一時金および研究マイルストーンとして、最大8千万円を受領し、その後の研究開発の進展に伴い、進捗に応じて追加的に最大で約106億円のマイルストーン・ペイメントおよび売上高に応じたロイヤリティを受け取ることができます。 その他の研究開発プログラム当社の低分子創薬の高い技術力を生かし、キナーゼ以外を標的として研究を進めている次世代パイプラインの中から、STINGアンタゴニストのテーマが前臨床開発段階にステージアップいたしました。STINGは、自然免疫に関与する膜貫通性タンパク質で、自己免疫疾患や腫瘍免疫など広範囲な疾患に関わっていることが報告されています。 上記以外の創薬研究プログラムにつきましても、画期的な新薬創製に向けて様々な創薬研究プログラムを実施しております。これらの創薬プログラムにつきましても、早期ステージアップを目指して研究を継続してまいります。当事業に係る研究開発費は、1,713,234千円であり、主に臨床試験関連費用、人件費、化合物合成委託費用、研究材料費等で構成されています。また、当社は臨床試験に必要な原薬および製剤の開発・製造を医薬品開発製造受託機関(CDMO)に、臨床試験の実施に関わる業務を医薬品開発業務受託機関(CRO)に委託しており、臨床試験関連費用にはこれらの業務委託費用が含まれています。 (2) 創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、新たなキナーゼタンパク質製品の開発ならびにキナーゼタンパク質およびプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスの品質および作業効率の向上が主要なテーマとなっております。当社製キナーゼタンパク質およびそれを用いた受託試験サービスは顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、顧客ニーズに基づく新製品の開発にも取り組んでまいります。また、収益力の強化を目指した作業工程の改善にも取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は、128,620千円であり、主に新製品・サービスの開発に係る人件費および材料費で構成されています。 (注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
FY2020|3,431 文字
5 【研究開発活動】当社は、主にキナーゼ(*)タンパク質を標的とした低分子の分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)の創製研究(*)及び医薬品候補化合物の開発を行うため、研究開発へ積極的に先行投資を行っております。さらに、キナーゼ阻害薬等を創製するための基盤となる技術である「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行うとともに、長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等からのニーズが高いキナーゼ関連製品・サービスを開発するための研究開発も行っております。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は1,474,452千円であり、セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。 (1) 創薬事業当社は、がん、免疫・炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬を中心に創薬研究開発を行なっています。2020年12月末現在で、がん領域においては4つの創薬プログラムを自社で研究開発しており、2つのプログラムについて導出先である製薬企業等が研究開発を進めております。免疫・炎症疾患領域では2つの創薬プログラムの研究開発を実施しており、重点領域以外にも2つの創薬プログラムの研究を実施しております。この他、次世代パイプラインの構築を目的として探索研究を複数実施しています。主な創薬プログラムの研究開発の概況は以下のとおりです。 BTK阻害剤 AS-0871BTKは血液がんだけでなく、自己免疫疾患やアレルギー疾患の治療標的分子としても注目されていますが、これまでに同適応疾患を対象として承認されたBTK阻害薬はありません。AS-0871は当社が創製した非共有結合型BTK阻害剤で、BTKに対して非常に高い選択性を示すことから、現在、免疫・炎症疾患を対象に開発を進めています。AS-0871の臨床試験はオランダで実施しており、2020年8月にフェーズ1試験における被験者への投与を開始しました。健常人を対象としたフェーズ1試験の単回投与用量漸増試験(SAD)パートにおいて、計画していた投与が2020年中にすべて完了しており、2021年第1四半期に当該試験に関する結果が得られる予定です。この試験結果を基に、2021年下期から新製剤を用いたフェーズ1試験の反復投与用量漸増試験(MAD)パートを開始する計画にしており、2022年上半期に同試験の終了を予定しています。 BTK阻害剤 AS-1763イブルチニブを代表とする第1世代の共有結合型BTK阻害薬は、慢性リンパ性白血病(CLL)を含む成熟B細胞腫瘍の有効な治療薬として幅広く使われていますが、これらBTK阻害剤に対する薬剤耐性が深刻な問題となってきています。近年、耐性患者においてC481S変異したBTKが高頻度に見い出され、この変異が第1世代BTK阻害剤の共有結合を妨げ阻害活性を低下させることが主な薬剤耐性の原因と考えられています。このような背景からBTK C481S耐性変異に対する新しい治療方法の開発が非常に望まれています。当社が創製した非共有結合型AS-1763は野生型BTKだけでなく、変異型BTKにも高い阻害効果を示すことから、第1世代の共有結合型BTK阻害薬耐性患者を対象とした次世代型BTK阻害剤として開発を進めています。2021年2月にオランダ当局および倫理委員会によりCTA(欧州における臨床試験許認可申請)に関する承認が得られたことから、2021年上期中に健康成人を対象としたフェーズ1試験を開始する計画です。また、AS-1763の開発を加速することを目的として、2020年3月に、中華圏(中華人民共和国および台湾)における開発・商業化の権利を中国バイオノバ社に供与する契約を締結しております。バイオノバ社が中国において臨床試験を実施することで、当社はバイオノバ社が実施したAS-1763に関するより多くの臨床試験データを収集・利用することができ、AS-1763の臨床開発を加速できると考えております。当社は、中華圏における今後のAS-1763の開発進捗に伴い、バイオノバ社から最大で約205百万ドル(約215億円)を受け取ることができ、さらに、AS-1763の中華圏における上市後の売上高に応じた最大2桁の料率の段階的ロイヤリティを受け取ります。 CDC7阻害剤 AS-0141AS-0141は、当社が創製した選択的で強力にCDC7キナーゼを阻害する経口投与可能な低分子化合物です。様々ながん種の細胞の増殖を強く阻害し、各種ヒト腫瘍移植動物モデルにおいて優れた抗腫瘍効果を示しています。2016年にシエラ社に開発権をライセンスし、その後、同社が米国においてIND申請を完了させました。シエラ社の開発方針変更に伴い、2020年6月に同剤に関する全権利を当社が再取得し、シエラ社が実施したすべての前臨床試験データ、原薬および治験薬等を譲り受けました。他社先行品の臨床試験成績の解析および科学的エビデンスに基づき、より成功確度の高い新たな開発戦略を策定し、2021年上期中に日本国内で臨床試験を開始する準備を進めています。 ギリアド社に導出した低分子阻害薬の創薬プログラム2019年6月に米国のギリアド社と、当社の創薬部門が創製した新規がん免疫療法の低分子阻害薬およびその創薬プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結いたしました。契約一時金として20百万ドル(約21億円)を2020年12月期に受領しており、当社は今後、開発状況や上市などの進捗に応じて追加的に最大で450百万ドル(約472億円、1ドル105円換算)のマイルストーンペイメントを受け取ることになり、さらに、本プログラムにより開発された医薬品の上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取ります。 大日本住友製薬との共同研究プログラム2018年3月に大日本住友製薬株式会社と精神神経疾患を標的とした共同研究契約を締結し、現在、順調に共同研究を進めています。本共同研究により見出されたキナーゼ阻害剤については、同社が、がんを除く全疾患を対象とした臨床開発および販売を全世界で独占的に実施する権利を有します。その対価として、当社は契約一時金および研究マイルストーンとして、最大8千万円を受領し、その後の研究開発の進展に伴い、進捗に応じて追加的に最大で約106億円のマイルストーンペイメントおよび売上高に応じたロイヤリティを受け取ることができます。 その他の探索段階にある創薬研究プログラムWnt-Signalを標的としたプログラムに関しては、開発の難易度等の判断から中止いたしました。しかしながら、当該プログラムの研究から非常に興味深い知見・化合物が見出されましたので、今後、新たな創薬研究プログラムとして研究を継続してまいります。また、上記以外の創薬研究プログラムにつきましても、画期的な新薬創製に向けて様々な創薬研究プログラムを実施しております。これらの創薬プログラムにつきましても、早期ステージアップを目指して研究を継続してまいります。 上記に加え、将来のパイプラインを継続的に生み出せるよう次世代の研究テーマの準備を進め、有望な研究テーマが同定された場合は、限られたリソースで効率的に研究開発が行なえるよう、テーマの選択と集中も随時行なっていく予定です。当事業に係る研究開発費は、1,370,678千円であります。 (2) 創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、新たなキナーゼタンパク質製品の開発ならびにキナーゼタンパク質およびプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスの品質および作業効率の向上が主要なテーマとなっております。当社製キナーゼタンパク質およびそれを用いた受託試験サービスは顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、顧客ニーズに基づく新製品の開発にも取り組んでまいります。また、収益力の強化を目指した作業工程の改善にも取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は、103,774千円であります。 (注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
FY2019|5,237 文字
5 【研究開発活動】当社は、主にキナーゼタンパク質(*)を標的とした低分子の分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)の創製研究(*)及び医薬品候補化合物の開発(*)を行うため、研究開発へ積極的に先行投資を行っております。さらに、キナーゼ阻害薬等を創製するための基盤となる技術である「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行うとともに、長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等からのニーズが高いキナーゼ関連製品・サービスを開発するための研究開発も行っております。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は1,281,980千円であり、項目別には以下のとおりであります。 <当社グループの研究開発体制について>当社グループの研究開発活動は、研究開発本部ならびに創薬支援事業本部(製造部、受託試験部)が中心となって行っております。2019年12月末現在、研究開発本部(含むCarnaBio USA)には32名、創薬支援事業本部(除く営業部門)には15名が在籍しており、そのうち15名が博士号を取得しております。また、ドラッグデザイン、有機合成、薬理、基質(*)探索、遺伝子クローニング(*)、細胞培養、タンパク質精製、アッセイ(*)開発等の専門家を有し、先端技術の蓄積を行っております。さらに、2018年に研究開発本部内に臨床開発部を新設し、2019年2月には米国に臨床開発オフィスを開設するなど、自社臨床試験の実施に向けて基盤整備に取り組んでおります。当社は、今後も研究開発へ積極的に投資を行い、複数の臨床試験段階のパイプラインを有する創薬ベンチャーとなることで、当社の企業価値を高めてまいります。 <創薬研究について> 当社の創薬研究(*)は、当社グループの強力なキナーゼ(*)に関する創薬基盤技術を最大限に活用し、がん及び免疫炎症疾患を重点領域として、効率的な創薬研究を行っております。がん領域においては、自社研究に加えて国立研究開発法人国立がん研究センター、広島大学、愛媛大学及び慶應義塾大学等と共同研究を行っております。また、重点領域以外の疾患についても、大日本住友製薬株式会社との精神神経疾患領域の共同研究に加えて、自社独自研究や岐阜薬科大学ならびに北里大学等との共同研究を実施し、パイプラインの拡充を図っています。 <外部との連携について>創薬には、アッセイ(*)開発、有機合成、薬理研究、薬物動態試験、毒性試験等に関する様々な技術が必要です。優れた技術を保有する企業を積極的に活用することで、創薬の効率化を図っています。また、新規創薬ターゲットの同定、新規創薬技術の開発などの基礎的な研究については、国立がん研究センターや大阪府立大学、愛媛大学、慶應義塾大学、大阪大学などのアカデミアとの共同研究も活用しながら推進しております。このようななか、2018年3月には、大日本住友製薬株式会社と、精神神経疾患における画期的な治療薬の創製に向けた共同研究を開始し、契約一時金を受領するとともに、同社が臨床開発・販売への移行を決定した場合、当社に対して、開発段階、販売額目標達成に応じた開発・販売マイルストンとして総額で最大約106億円を支払う可能性があります。さらに、販売後、大日本住友製薬は本剤の販売額に応じた一定のロイヤリティを当社に支払う契約となっています。 <開発研究について> 医薬品の研究開発プロセスにおいて、前臨床試験以降を開発段階といいます。当社の創薬プログラムにおいて、すでに製薬企業等に導出済のものを除き、2019年12月末現在で2つのBTK阻害薬(炎症性免疫疾患及び血液がん)が前臨床試験段階にあります。前臨床試験では、レギュラトリーサイエンス(*)に基づき、様々な試験を外部委託先と連携を図りながら進めており、開発品目について早期の臨床試験開始を目指しております。なお、当社の開発研究は、臨床試験の前期第2相(フェーズⅡa)までの開発投資が比較的少額の段階までを対象としており、それ以降の開発は医薬品候補化合物の導出先である製薬企業等において実施することを想定しています。 <導出後の開発について> 当社は、2019年12月末現在で、がんを適応疾患としたCDC7キナーゼ阻害薬AS-141をカナダのシエラ・オンコロジー社へ、また、がん免疫療法の創薬プログラムを米国のギリアド・サイエンシズ社に導出しております。導出後の開発は、導出先企業によって行われており、当社はそれぞれのプログラムの開発(*)等の進展に伴い、導出契約時に合意したマイルストーン達成時に一時金を獲得できる契約となっております。 <当社グループの特許に係る方針について>創薬事業において、特許による権利確保は製薬企業等との導出交渉時の重要な要素となるため、特許出願時期に加えて、国際出願(指定国及び国内移行)も考慮しながら、知的財産権を確保していく方針です。他方、創薬支援事業においては、当社グループの高品質かつ網羅的なキナーゼタンパク質(*)の製造方法やキナーゼ活性の測定方法(アッセイ(*)条件)などは、他社が容易に模倣しがたい技術的ノウハウであることから、特許出願等はせず、社内に技術力を着実に蓄積することで、効率的な製品の生産と製品レベルの向上などを図っていく方針です。 <キナーゼ阻害薬を創製するための基盤となる技術「創薬基盤技術」について> ノバルティスファーマ社のグリベック®を始めとする多くのキナーゼ阻害剤(*)の成功例により、製薬企業はキナーゼ阻害薬の研究開発を活発に進めており、近年ではそれらの成果として、がん疾患のみならず、ファイザー社のゼルヤンツ®やイーライリリー社のオルミエント®のように、自己免疫疾患領域においてもキナーゼ阻害剤が承認され上市(*)されております。これらキナーゼ阻害薬の研究活動においては、高品質かつ網羅的に製品・サービスを揃える当社グループの創薬支援事業で提供する製品・サービスへのニーズが依然高いものと考えております。当社グループのキナーゼ阻害薬を創製するための技術(創薬基盤技術)を駆使して、競合他社とのさらなる差別化を図るべく、積極的な研究開発活動により、顧客要望に応じた製品・サービスの品揃えを拡充してまいります。 当連結会計年度末において、提供可能なキナーゼタンパク質(*)の種類は360種類、また製品数は442種類であり、当社グループは世界でトップクラスの品揃えを有し、キナーゼタンパク質を製造販売しております。また、プロファイリング(*)可能なキナーゼ(*)の種類は332製品あり、阻害すべきキナーゼと阻害すべきでないキナーゼに対する効果を網羅的に検証可能な信頼性の高いキナーゼアッセイをサービスとして提供しております。また、表面プラズモン共鳴 (SPR)(*)やバイオレイヤー干渉法 (BLI)(*)といった物質間の相互作用を評価する系(解析機器)で利用可能なビオチン化キナーゼタンパク質(*)の製品数は107種類となりました。さらに、次世代の創薬ターゲットとして期待される脂質キナーゼ(*)の品揃え拡充に取り組んでおり、すでにPIPK等の製品・サービスの開発に成功しております。また、細胞を用いて化合物を評価するセルベースアッセイ(*)では、2つの製品・サービスを提供しています。1つ目はプロメガ社のNanoBRET™テクノロジーを用いて細胞内でのキナーゼ阻害剤の作用を評価する受託試験サービスで、化合物の細胞内におけるキナーゼに対する結合阻害の強さを測定するとともに、化合物の特徴づけの指標として最近注目されているレジデンスタイムの測定が可能です。もう一つは、細胞内のタンパク質間相互作用(*)を可視化できる相補型スプリットルシフェラーゼアッセイ技術(*)を用いたタンパク質間相互作用(*)を測定することが可能なセルベースアッセイで、安定発現細胞株として27製品を有しております。それらに加えて、ACD社、CAI社及びNTRC社等の協力会社の提供するセルベースアッセイサービスの代理店として国内外の顧客へ提供しており、より高度化する顧客ニーズに対応することにより、顧客満足度の向上を図ってまいります。今後もキナーゼ阻害薬(*)の創薬研究(*)に有用な最新の技術開発を行い、自社研究及び他機関との共同研究を通じて、研究期間の短縮に寄与する創薬基盤技術の強化を図ってまいります。 当連結会計年度における研究開発活動をセグメントごとに示すと次のとおりであります。1.創薬事業 当社は、がん、免疫炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬を中心に創薬研究開発を行なっています。2019年12月末現在で、がん領域においては4つの創薬プログラムおよび2つの導出済みプログラムがあり、免疫炎症疾患領域では2つの創薬プログラムの研究開発を実施しております。また、重点領域以外にも2つの創薬プログラムの研究を実施しております。次世代がん免疫療法として自社研究しておりました創薬プログラムにつきましては、2019年6月にギリアド社に開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結し、契約一時金20百万ドル(2,128,000千円)を受領しております。今後、同プログラムの研究開発の進展に伴い、最大で450百万ドル(約472億円、1ドル105円換算)および売上高に応じたロイヤリティを受領することになります。また2016年5月に導出いたしましたCDC7キナーゼ阻害剤AS-141(SRA141)については、導出先であるシエラ社が2018年12月期第3四半期に米国FDAに対しIND申請(新薬臨床試験開始届)を完了しております。同社は、同社が保有する別のパイプライン(momelotinib)のフェーズ3試験にリソースを集中させるために、SRA141の開発方針について様々な選択肢を戦略的に検討中と発表しておりますが、当社は今後、開発の進展に伴い、最大で270百万ドル(約283億円、1ドル105円換算)および売上高に応じたロイヤリティを受領することになります。イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的とした次世代BTK阻害剤AS-1763は、2020年中のIND申請、その後の臨床試験開始を目指し、前臨床試験を進めております。また、wntシグナル経路やTGFβシグナル経路を標的とした創薬研究も順調に進んでおり、早期のステージアップを目指しております。また自社臨床試験の第1号として開発を進めております、もう一つのBTK阻害剤(AS-0871)について、各種前臨床試験が終了し、2019年12月にオランダ当局にCTA(欧州における臨床試験許認可申請)を提出いたしました。オランダ当局および倫理委員会による審査が完了したことから、炎症性免疫疾患を標的とした臨床試験の開始が可能となりました。現地での試験準備が整い次第、2020年上期中に健康成人を対象とした臨床試験(フェーズ1試験)を開始する予定です。その他の領域では、2018年3月に大日本住友製薬株式会社と精神神経疾患を標的とした共同研究契約を締結しており、今後、研究開発の進展に伴い、契約に基づくマイルストーンの達成(最大約106億円)および売上高に応じたロイヤリティを受領することになります。また、北里大学北里生命科学研究所との新規マラリア治療薬プログラムについても、早期のステージアップを目指して共同研究を継続してまいります。上記に加え、将来のパイプラインを継続的に生み出せるよう次世代の研究テーマの準備を進め、有望な研究テーマが同定された場合は、限られたリソースで効率的に研究開発が行なえるよう、テーマの選択と集中も随時行なっていく予定です。当事業に係る研究開発費は、1,187,160千円であります。 2.創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、新たなキナーゼタンパク質製品の開発ならびにキナーゼタンパク質およびプロファイリング・スクリーニングサービスの品質および作業効率の向上が主要なテーマとなっております。当社製キナーゼタンパク質およびそれを用いた受託試験サービスは顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、顧客ニーズに基づく新製品の開発にも取り組んでまいります。また、収益力の強化を目指した作業工程の改善にも取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は、94,820千円であります。 (注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
FY2018|5,003 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、主にキナーゼタンパク質(*)を標的とした低分子の分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)の創製研究(*)および医薬品候補化合物の開発(*)を行うため、研究開発へ積極的に先行投資を行っております。さらに、キナーゼ阻害薬等を創製するための基盤となる技術である「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行うとともに、長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等に対する顧客ニーズの高いキナーゼ関連製品・サービスを開発するための研究開発も行っております。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は1,140,841千円であり、項目別には以下のとおりであります。 <当社グループの研究開発体制について>当社グループの研究開発活動は、研究開発本部ならびに創薬支援事業本部(製造部、受託試験部)が中心となって行っております。平成30年12月末現在、研究開発本部(含むCarnaBio USA)には32名、創薬支援事業本部(除く営業部門)には14名が在籍しており、そのうち15名が博士号を取得しております。また、ドラッグデザイン、有機合成、薬理、基質(*)探索、遺伝子クローニング(*)、細胞培養、タンパク質精製、アッセイ(*)開発等の専門家を有し、先端技術の蓄積を行っております。平成30年7月には、研究開発本部内に臨床開発部を新設し、自社臨床試験の実施に向けて基盤整備に取り組んでおります。当社は、今後も研究開発へ積極的に投資を行い、複数の臨床試験段階のパイプラインを有する創薬ベンチャーとなることで、当社の企業価値を高めてまいります。 <創薬研究について> 当社の創薬研究(*)は、当社グループの強力なキナーゼ(*)に関する創薬基盤技術を最大限に活用し、がん及び免疫炎症疾患を重点領域として、効率的な創薬研究を行っております。がん領域においては、自社研究に加えて国立研究開発法人国立がん研究センター、広島大学、愛媛大学及び慶應義塾大学等と共同研究を行っております。また、重点領域以外の疾患についても、大日本住友製薬株式会社との精神神経疾患領域の共同研究に加えて、自社独自研究や岐阜薬科大学ならびに北里大学等との共同研究を実施し、パイプラインの拡充を図っています。 <外部との連携について>創薬には、アッセイ(*)開発、有機合成、薬理研究、薬物動態試験、毒性試験等に関する様々な技術が必要です。優れた技術を保有する企業を積極的に活用することで、創薬の効率化を図っています。また、新規創薬ターゲットの同定、新規創薬技術の開発などの基礎的な研究については、国立がん研究センターや大阪府立大学、愛媛大学、慶應義塾大学、大阪大学などのアカデミアとの共同研究も活用しながら推進しております。このようななか、平成30年3月には、大日本住友製薬株式会社と、精神神経疾患における画期的な治療薬の創製に向けた共同研究を開始し、契約一時金を受領するとともに、同社が臨床開発・販売への移行を決定した場合、当社に対して、開発段階、販売額目標達成に応じた開発・販売マイルストンとして総額で最大約106億円を支払う可能性があります。さらに、販売後、大日本住友製薬は本剤の販売額に応じた一定のロイヤリティを当社に支払う契約となっています。 <開発研究について> 医薬品の研究開発プロセスにおいて、前臨床試験以降を開発段階といいます。当社の創薬プログラムにおいて、既に製薬企業等に導出済のものを除き、平成30年12月末現在で2つのBTK阻害薬(リウマチ及び血液がん)が前臨床試験段階にあります。前臨床試験では、レギュラトリーサイエンス(*)に基づき、様々な試験を外部委託先と連携を図りながら進めており、開発品目について早期の臨床試験開始を目指しております。なお、当社の開発研究は、臨床試験の前期第2相(フェーズⅡa)までの開発投資が比較的少額の段階までを対象としており、それ以降の開発は医薬品候補化合物の導出先である製薬企業等において実施することを想定しています。 <導出後の開発について> 当社は、平成30年12月末現在で、がんを適応疾患としたCDC7キナーゼ阻害薬AS-141をSierra Oncology社に導出しております。導出後の本プログラムの開発(Sierra Oncology社の開発コード:SRA141)は同社において実施されており、平成30年12月期第3四半期に米国FDA(U.S. Food and Drug Administration)へのIND申請(新薬臨床試験開始届)が完了しております。当社は同社による本プログラムの開発(*)等の進展に伴い、導出契約時に合意したマイルストーン達成時に一時金を獲得できる契約となっております。 <当社グループの特許に係る方針について>創薬事業において、特許による権利確保は製薬企業等との導出交渉時の重要な要素となるため、特許出願時期に加えて、国際出願(指定国及び国内移行)も考慮しながら、知的財産権を確保していく方針です。他方、創薬支援事業においては、当社グループの高品質かつ網羅的なキナーゼタンパク質(*)の製造方法やキナーゼ活性の測定方法(アッセイ(*)条件)などは、他社が容易に模倣しがたい技術的ノウハウであることから、特許出願等はせず、社内に技術力を着実に蓄積することで、効率的な製品の生産と製品レベルの向上などを図っていく方針です。 <キナーゼ阻害薬を創製するための基盤となる技術「創薬基盤技術」について> ノバルティスファーマ社のグリベック®を始めとする多くのキナーゼ阻害剤(*)の成功例により、製薬企業はキナーゼ阻害薬の研究開発を活発に進めており、近年ではそれらの成果として、がん疾患のみならず、ファイザー社のゼルヤンツ®やイーライリリー社のオルミエント®のように、自己免疫疾患領域においてもキナーゼ阻害剤が承認され上市(*)されております。これらキナーゼ阻害薬の研究活動においては、高品質かつ網羅的に製品・サービスを揃える当社グループの創薬支援事業で提供する製品・サービスへのニーズが依然高いものと考えております。当社グループのキナーゼ阻害薬を創製するための技術(創薬基盤技術)を駆使して、競合他社とのさらなる差別化を図るべく、積極的な研究開発活動により、顧客要望に応じた製品・サービスの品揃えを拡充してまいります。 当連結会計年度末において、提供可能なキナーゼタンパク質(*)の種類は369種類、また製品数は450種類となり、当社グループは世界でトップクラスの品揃えを有し、キナーゼタンパク質を製造販売しております。また、プロファイリング(*)可能なキナーゼ(*)の種類は342製品あり、阻害すべきキナーゼと阻害すべきでないキナーゼに対する効果を網羅的に検証可能な信頼性の高いキナーゼアッセイをサービスとして提供しております。また、表面プラズモン共鳴 (SPR)(*)やバイオレイヤー干渉法 (BLI)(*)といった物質間の相互作用を評価する系(解析機器)で利用可能なビオチン化キナーゼタンパク質(*)の製品数は89種類となりました。さらに、次世代の創薬ターゲットとして期待される脂質キナーゼ(*)の品揃え拡充に取り組んでおり、すでにDGKやPIPK等の製品・サービスの開発に成功し、提供しております。また、細胞を用いて化合物を評価するセルベースアッセイ(*)では、2つの製品・サービスを提供しています。1つ目はプロメガ社のNanoBRET™テクノロジーを用いて細胞内でのキナーゼ阻害剤の作用を評価する受託試験サービスで、化合物の細胞内におけるキナーゼに対する結合阻害の強さを測定するとともに、化合物の特徴づけの指標として最近注目されているレジデンスタイムの測定が可能です。もう一つは、細胞内のタンパク質間相互作用(*)を可視化できるProbeXブランドの相補型スプリットルシフェラーゼアッセイ技術(*)を用いたタンパク質間相互作用(*)を測定することが可能なセルベースアッセイで、安定発現細胞株として27製品を有しております。それらに加えて、ACD社、CAI社及びNTRC社等の協力会社の提供するセルベースアッセイサービスの代理店として国内外の顧客へ提供しており、より高度化する顧客ニーズに対応することにより、顧客満足度の向上を図ってまいります。今後もキナーゼ阻害薬(*)の創薬研究(*)に有用な最新の技術開発を行い、自社研究及び他機関との共同研究を通じて、研究期間の短縮に寄与する創薬基盤技術の強化を図ってまいります。 当連結会計年度における研究開発活動をセグメントごとに示すと次のとおりであります。1.創薬事業 当社グループは、がん、免疫炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬(*)を中心に創薬に係る研究開発を行なっています。平成30年12月末現在で、がん領域においては5つの創薬プログラム及び1つの導出済みプログラムを有しており、免疫炎症疾患領域では2つの創薬プログラムの研究開発を実施しております。また、重点領域以外にも2つの創薬プログラムの研究を実施しております。 がん領域のCDC7キナーゼ阻害剤SRA141(AS-141)については、導出先であるSierra Oncology社が平成30年12月期第3四半期に米国FDAに対しIND申請を完了しており、今後、同社においてフェーズⅠ試験が開始される予定です。また、広島大学との白血病幹細胞を標的とした創薬研究(*)も順調に進んでおり、早期のステージアップを目指しております。また、イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的とした次世代BTK阻害薬CB-1763は、GMP(*)合成およびGLP(*)試験開始に向けて、新たに開発コード番号AS-1763を付与し、独エボテック社のINDiGOプログラムを活用して、前臨床試験を進めております。 国立研究開発法人国立がん研究センターとは、引き続きWntシグナル阻害を目指した創薬に加えて、新たに新規標的に関する創薬の共同研究を開始しました。また自社研究として、がん免疫療法の新規ターゲットの一つであるDGKを標的とした創薬研究にも取り組んでいます。 リウマチなどの免疫炎症疾患を標的としたもう一つのBTK阻害剤(AS-0871)についても、現在GLP基準(*)での前臨床試験およびGMP基準(*)での大量合成を実施しており、早期の臨床試験開始を目指して、外部機関と連携しながら前臨床試験を進めています。 さらに、平成30年12月期第1四半期には大日本住友製薬株式会社と精神神経疾患を標的とした共同研究契約を締結し、着実に研究を進めております。また、北里大学北里生命科学研究所との新規マラリア治療薬テーマについても、早期のステージアップを目指して共同研究を継続してまいります。 上記に加え、将来のパイプラインを継続的に生み出せるよう次世代の研究テーマの準備を進め、有望な研究テーマが同定された場合は、限られたリソースで効率的に研究開発が行なえるよう、テーマの選択と集中も随時行なっていく予定です。当事業に係る研究開発費は、1,084,685千円であります。 2.創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、新たなキナーゼタンパク質製品の開発ならびにキナーゼタンパク質(*)およびプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスの品質および作業効率の向上が主要なテーマとなっております。当社製キナーゼタンパク質およびそれを用いた受託試験サービスは顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、顧客ニーズに基づく新製品の開発にも取り組んでまいります。さらに収益力の強化を目指した作業工程の改善にも取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は、56,155千円であります。 (注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
FY2017|4,567 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、キナーゼタンパク質(*)を標的とした低分子の分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)の創製研究(*)および開発(*)を行いつつ、このキナーゼ阻害薬を創製するための基盤となる技術「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行っております。さらに長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等に対し顧客ニーズの高いキナーゼ関連製品・サービスを提供するための研究開発活動を続けております。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は670,861千円であり、項目別には以下のとおりであります。 <当社グループの研究開発体制について>当社グループの研究開発活動は、研究開発本部ならびに創薬支援事業本部(製造部、受託試験部)が中心となって行っております。平成29年12月末現在、研究開発本部には29名、創薬支援事業本部(除く営業部門)には12名が在籍しており、そのうち7名が博士号を取得しております。また、ドラッグデザイン、有機合成、薬理、基質(*)探索、遺伝子クローニング(*)、細胞培養、タンパク質精製、アッセイ(*)開発等の専門家を有し、先端技術の蓄積を行っております。当社は、今後自社で臨床試験を実施する体制を構築中であり、研究開発に積極的に投資を行い、複数の臨床試験段階のパイプラインを有する創薬ベンチャーとなることで、当社の企業価値を高めてまいります。 <創薬研究について> 当社の創薬研究(*)は、当社グループの強力なキナーゼ(*)に関する創薬基盤技術及び子会社の株式会社ProbeXが有するスプリットルシフェラーゼ技術を最大限に活用し、がん及び免疫炎症疾患を重点領域として、効率的な創薬研究を行っております。がん領域においては、自社研究に加えて国立研究開発法人国立がん研究センター、広島大学、岐阜薬科大学及び慶應義塾大学と共同研究を行っております。また、重点領域以外の疾患についても、自社独自研究や北里大学等と共同研究を行うことで、パイプラインの拡充を図っております。 <外部との連携について>創薬には、アッセイ(*)開発、有機合成、薬理研究、薬物動態試験、毒性試験等に関する様々な技術が必要です。優れた技術を保有する企業を積極的に活用することで、創薬の効率化を図っています。また、新規創薬ターゲットの同定、新規創薬技術の開発などの基礎的な研究については、国立がん研究センターや大阪府立大学、神戸大学、愛媛大学、慶應義塾大学などのアカデミアとの共同研究も活用しながら推進しております。 <開発研究について> 医薬品の研究開発プロセスにおいて、前臨床試験以降を開発段階といいます。当社の創薬プログラムにおいて、平成29年12月末現在でTNIK阻害薬ならびに2つのBTK阻害薬(リウマチ及び血液がん)の3化合物が前臨床研究段階にあります。前臨床試験では、化合物の薬効評価のほか、医薬品としての安全性及び薬物動態の評価を行います。また、塩・結晶多形検討、医薬品原体の製造のためのプロセス検討を行い、医薬品原体が安定して製造できることを検証します。このような評価・検討は、当社と外部委託先との連携を図りながら進めており、開発品目の早期の臨床試験開始を目指しております。なお、当社の開発研究は、臨床試験の前期第2相(フェーズⅡa)までの開発投資が比較的少額の段階までを対象としており、それ以降の開発は医薬品候補化合物の導出先である製薬企業等において実施することを想定しています。 <導出後の開発について> 当社は、平成29年12月末現在で、がんを適応疾患としたCDC7キナーゼ阻害薬AS-141をSierra Oncology社に導出しております。導出後の本プログラムの開発(Sierra Oncology社の開発コード:SRA141)は同社において実施されます。当社は同社による本プログラムの開発(*)等の進展に伴い、導出契約時に合意したマイルストーン達成時に一時金を獲得できる契約となっております。 <当社グループの特許に係る方針について>創薬事業において、特許による権利確保は製薬企業等との導出交渉時の重要な要素となるため、特許出願時期に加えて、国際出願(指定国及び国内移行)も考慮しながら、知的財産権を確保していく方針です。他方、創薬支援事業においては、当社グループの高品質かつ網羅的なキナーゼタンパク質(*)の製造方法やキナーゼ活性の測定方法(アッセイ(*)条件)などは、他社が容易に模倣しがたい技術的ノウハウであることから特許出願等はせず、社内に技術力を着実に蓄積することで、効率的な製品の生産と製品レベルの向上などを図っていく方針です。 <キナーゼ阻害薬を創製するための基盤となる技術「創薬基盤技術」について> ノバルティスファーマ社のグリベック®を始めとするキナーゼ阻害剤(*)の成功例により、製薬企業はキナーゼ阻害薬の研究開発を活発に進めており、近年ではそれらの成果として、がん疾患のみならず、ファイザー社のゼルヤンツ®のように、自己免疫疾患領域においてもキナーゼ阻害剤が承認され上市(*)されております。これらキナーゼ阻害薬の研究活動においては、高品質かつ網羅的に製品・サービスを揃える当社グループの創薬支援事業が提供する製品及びサービスへのニーズが依然高いものと考えております。当社グループのキナーゼ阻害薬を創製するための技術(創薬基盤技術)を基盤として、競合他社とのさらなる差別化を図るべく、積極的な研究開発活動により、顧客要望に応じた製品・サービスの品揃えを拡充してまいります。 当連結会計年度末において、提供可能なキナーゼタンパク質(*)の種類は367種類、また製品数は446種類となり、当社グループは世界でトップクラスの品揃えを有し、キナーゼタンパク質を製造販売しております。また、プロファイリング(*)可能なキナーゼ(*)の種類は336製品あり、阻害すべきキナーゼと阻害すべきでないキナーゼに対する効果を網羅的検証可能な信頼性の高いキナーゼアッセイをサービスとして提供しております。また、表面プラズモン共鳴 (SPR)(*)やバイオレイヤー干渉法 (BLI)(*)といった物質間の相互作用を評価する系(解析機器)で利用可能なビオチン化キナーゼタンパク質(*)の製品数は82種類となりました。さらに、次世代の創薬ターゲットとして期待される脂質キナーゼ(*)の品揃え拡充に取り組んでおり、すでにDGKやPIPK等の製品・サービスの開発に成功し、提供を開始しています。今後も新製品、新規サービスの拡充に取り組んでまいります。また、細胞を用いて化合物を評価するセルベースアッセイ(*)では、ACD社、CAI社及びNTRC社等の協力会社のサービスを広く提供すること等を通して、より高度化する顧客ニーズに対応したサービス内容となるよう取り組んでまいります。今後もキナーゼ阻害薬(*)の創薬研究(*)に有用な最新の技術開発を行い、自社研究及び他機関との共同研究を通じて、顧客ニーズに応じた創薬基盤技術の強化を図ってまいります。 <スプリットルシフェラーゼ技術を応用した安定発現細胞株の開発について>完全子会社である株式会社ProbeXは、細胞内のタンパク質間相互作用(*)を可視化できる相補型スプリットルシフェラーゼアッセイ技術(*)を有しており、本技術を用いてGPCR(*)の応答性及びタンパク質間相互作用(*)を測定することが可能な細胞株として、当連結会計年度末において26製品が提供可能です。ProbeXの技術と当社が有する創薬基盤技術を融合し、顧客訴求力の高い製品の開発を進めてまいります。またProbeXの技術を当社の創薬研究(*)に活用する取り組みを進めております。 当連結会計年度における研究開発活動をセグメントごとに示すと次のとおりであります。1.創薬事業 当社グループは、がん、免疫炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬(*)を中心に創薬研究開発を行なっています。平成29年12月末現在で、がん領域においては3つの創薬プログラム及び1つの導出済みプログラムがあり、免疫炎症疾患領域では2つの創薬プログラムの研究開発を実施しております。また、重点領域以外にもキナーゼ(*)を標的とした創薬プログラム等の研究を実施しております。 国立研究開発法人国立がん研究センターとの共同研究テーマであるTNIK阻害薬プログラムについては、日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと前臨床試験を継続しております。また、本プログラムのバックアップ化合物についても、前臨床段階へのステージアップを目指し、同研究センターと共同で研究を進めております。CDC7キナーゼ阻害剤AS-141(Sierra Oncology社の開発コード:SRA141)については、導出先である同社が前臨床試験を実施しておりますが、早期の臨床試験開始に向けて、当社も協力していく予定です。また、広島大学との白血病幹細胞を標的とした創薬研究(*)も順調に進んでおり、さらなるリード化合物の最適化(*)を行っております。また、イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的として次世代BTK阻害薬の研究を進めてきた結果、CB-1763を臨床開発候補化合物として選択し、前臨床試験段階へステージアップいたしました。 リウマチなどの免疫炎症疾患を標的としたもう一つのBTK阻害剤(AS-871)についても、現在GLP基準での前臨床試験に向けたプロセス検討及びキログラム単位の大量合成を実施しており、早期の臨床試験開始を目指して、外部機関と連携しながら前臨床試験を進めていく予定です。 また、神経変性疾患を標的とした創薬プログラム並びに北里大学北里生命科学研究所との新規マラリア治療薬テーマについては、リード化合物の最適化(*)を実施しており、いずれも早期のステージアップを目指してさらなる最適化研究を継続してまいります。 また、将来のパイプラインを継続的に生み出せるよう次世代の研究テーマの準備を進め、有望な研究テーマが同定された場合は、限られたリソースで効率的に研究開発が行なえるよう、テーマの選択と集中も随時行なっていく予定です。当事業に係る研究開発費は、646,035千円であります。 2.創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、キナーゼタンパク質(*)およびプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスの品質および作業効率の向上が主要なテーマとなっております。当社製キナーゼタンパク質は顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、収益力の強化を目指して作業工程の見直し等の研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、24,826千円であります。 (注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
FY2016|4,199 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、キナーゼタンパク質(*)を標的とした経口の分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)の創製研究(*)および開発(*)を行いつつ、このキナーゼ阻害薬を創製するための基盤となる技術「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行っております。さらに長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等に対し顧客ニーズの高いキナーゼ関連製品・サービスを提供するための研究開発活動を続けております。当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は513,430千円であり、項目別には以下のとおりであります。 <当社グループの研究開発体制について>当社グループの研究開発活動は、研究開発本部ならびに創薬支援事業本部(製造部、受託試験部)が中心となって行っております。平成28年12月末現在、研究開発本部には29名、創薬支援事業本部(除く営業部門)には12名が在籍しており、そのうち7名が博士号を取得しております。また、ドラッグデザイン、有機合成、薬理、基質(*)探索、遺伝子クローニング(*)、細胞培養、タンパク質精製、アッセイ(*)開発等の専門家を有し、先端技術の蓄積を行っております。今後の事業の拡大に応じて研究開発要員の増加及び研究施設・設備への投資を計画してまいります。 <創薬研究について> 当社の創薬研究(*)は、当社グループの強力なキナーゼ(*)に関する創薬基盤技術及び子会社の株式会社ProbeXが有するスプリットルシフェラーゼ技術を最大限に活用し、がん及び免疫炎症疾患を重点領域として、効率的な創薬研究を行なっております。がん領域においては、自社研究に加えて国立研究開発法人国立がん研究センター及び広島大学と共同研究を行っております。また、重点領域以外の疾患についても、自社独自研究や北里大学等と共同研究を行うことで、パイプラインの拡充を図っております。 <外部との連携について>創薬には、アッセイ(*)開発、化学合成の他、薬理試験、薬物動態試験、毒性試験等に関する様々な技術が必要です。優れた技術を保有する企業を積極的に活用することで、創薬の効率化を目指しています。また、新規創薬ターゲットの同定、新規創薬技術の開発などの基礎的な研究については、国立がん研究センターや大阪府立大学、神戸大学、愛媛大学などのアカデミアとの共同研究を中心に推進しております。 <開発研究について> 医薬品の研究開発プロセスにおいて、前臨床試験以降を開発段階といいます。当社の創薬プログラムにおいて、平成28年12月末現在でTNIK阻害薬の研究テーマが前臨床試験段階にありますが、前臨床試験では、主に動物を用いた試験により医薬品としての薬効・薬理、安全性及び毒性の評価を行います。さらに、塩・結晶多形検討、医薬品原体の製造のためのプロセス検討などが必要となります。このような評価・検討は、外部委託先を活用することにより、開発研究の効率化、迅速化を図り、早期の臨床試験開始を目指しております。なお、当社の開発研究は、臨床試験の前期第2相(フェーズⅡa)までの開発投資が比較的少額の段階までを対象としており、それ以降の開発は医薬品候補化合物の導出先である製薬企業等において実施することを想定しています。 <導出後の開発について> 当社は、平成28年12月末現在で、がんを適応疾患としたCDC7キナーゼを標的とした創薬プログラムをProNAi社に導出しております。導出後の本プログラムの開発(開発コード:SRA141)は同社において実施されます。当社は同社による本プログラムの開発(*)等の進展に伴い、導出契約時に合意したマイルストーン達成時に一時金を獲得できる契約となっております。 <当社グループの特許に係る方針及び当社の技術について>創薬事業において、特許は知的財産の権利確保だけでなく、導出交渉時に特許の残存期間が重要な要素となるため、特許公開時期も考慮しながら、特許出願をしていく方針です。他方、創薬支援事業においては、当社グループの高品質かつ網羅的なキナーゼタンパク質(*)の製造方法やキナーゼ活性の測定方法(アッセイ(*)条件)などの技術的ノウハウを社内に着実に蓄積することで、効率的な製品の生産と製品レベルの向上などを図っております。 <キナーゼ阻害薬を創製するための基盤となる技術「創薬基盤技術」について> Novartis AGのGlivec®を始めとするキナーゼ阻害剤(*)の成功例により、製薬企業はキナーゼ阻害薬の研究開発を活発に進めており、近年ではそれらの成果として、がん疾患のみならず、PfizerのXELJANZ®のように、自己免疫疾患領域においてもキナーゼ阻害剤が承認され上市(*)されております。これらキナーゼ阻害薬の研究活動には、高品質かつ網羅的に製品・サービスを揃える当社グループの創薬支援事業が提供する製品及びサービスに対するニーズが依然高いものと考えております。当社グループのキナーゼ阻害薬を創製するための技術(創薬基盤技術)を基盤として、競合他社との更なる差別化を図るべく、積極的な研究開発活動により、顧客要望に応じた製品・サービスの品揃えを拡充してまいります。 当連結会計年度末において、提供可能なキナーゼタンパク質(*)の種類は357種類、また製品数は432種類となり、当社グループは世界でトップクラスの品揃えを有し、キナーゼタンパク質を製造販売しております。また、プロファイリング(*)可能なキナーゼ(*)の種類は319製品あり、阻害すべきキナーゼと阻害すべきでないキナーゼの見極めが可能な信頼性の高いキナーゼアッセイをサービスとして提供しております。さらに、表面プラズモン共鳴 (SPR)(*)やバイオレイヤー干渉法 (BLI)(*)といった物質間の相互作用を評価する系(解析機器)で利用可能なビオチン化キナーゼタンパク質の製品数は75種類となりました。特に、脂質キナーゼ(*)の品揃え拡充に取り組んでおり、創薬ターゲットの拡大に対応した製品・アッセイ系の構築に取り組んでまいります。また、細胞を用いて薬を評価するセルベースアッセイ(*)では、ACD社、CAI社及びNTRC社等の協力会社のサービスを広く提供すること等を通して、より高度化する顧客ニーズに対応したサービス内容となるよう取り組んでまいります。今後もキナーゼ阻害薬(*)の創薬研究(*)に有用な最新の技術開発を行い、自社研究及び他機関との共同研究を通じて、顧客ニーズに応じた創薬基盤技術の強化を図ってまいります。 <スプリットルシフェラーゼ技術を応用した安定発現細胞株の開発について>完全子会社である株式会社ProbeXが保有する相補型スプリットルシフェラーゼアッセイ技術(*)に基づくGPCR(*)阻害及びタンパク質間相互作用(*)を確認することが可能な安定発現細胞株として、当連結会計年度末において26製品が提供可能です。ProbeXの技術と当社が有する創薬基盤技術を融合し、顧客訴求力の高い製品の開発を進めております。またProbeXの技術を当社の創薬研究に活用する取り組みを進めております。 なお、上記のとおり、当社グループは自社並びに他機関と共同で新規性の高い医薬品候補化合物の創製研究を実施しておりますが、将来の安定的な獲得収益に対する先行投資として積極的な研究開発活動を行うとともに、「創薬基盤技術」の強化に取り組んでおります。なお、創薬基盤技術の強化は、当社グループの創薬に係る技術全体の底上げを図る目的で行われることから、セグメント別研究開発費では創薬事業に含めて表示しております。 当連結会計年度における研究開発活動をセグメントごとに示すと次のとおりであります。1.創薬事業 当社グループは、がん、免疫炎症疾患を重点領域として創薬研究(*)を進めており、1テーマが前臨床試験段階にあります。がん領域においては、国立研究開発法人国立がん研究センターとの共同研究テーマであるTNIK阻害薬プログラムについて、同研究センターが中心となり前臨床試験を実施しておりましたが、日本医療研究開発機構(AMED)が実施する創薬ブースター(創薬総合支援事業)の支援が終了したため、その後は当社と同研究センターで開発を継続しております。また、本プログラムのバックアップ化合物についても、前臨床段階へのステージアップを目指し、同研究センターと共同で研究を進めております。CDC7キナーゼ阻害薬プログラムについては、当社が前臨床試験を実施しておりましたが、ProNAi社に導出したことにより、現在は同社が臨床試験開始に向けて開発を行っております。また、広島大学との白血病幹細胞を標的とした創薬研究ならびに北里大学北里生命科学研究所との新規マラリア治療薬テーマについては、リード化合物の最適化を行っております。その他テーマについても前臨床候補化合物を獲得するまでの探索研究段階にありますが、重点領域以外でも有望な標的キナーゼを同定したものについては創薬研究を実施しており、次世代の研究テーマとして準備を進めております。 今後も積極的にキナーゼ阻害薬(*)に係る創薬研究を進めていくとともに、自社研究及び他社との共同研究を通じて創薬基盤技術の強化を行い、これまでにない新しい特性を示す化合物(*)の発掘を目指してまいります。当事業に係る研究開発費は、510,727千円であります。 2.創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、キナーゼタンパク質(*)およびプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスの品質および生産効率の向上が主要なテーマとなっております。当社製キナーゼタンパク質は顧客より高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得するとともに、工程の見直し等による製品・サービスの利益率向上等のための研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、2,703千円であります。 (注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。