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杏林製薬(4569)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

医薬品 医薬品

事業の概要

  • 医薬品の製造販売
    杏林製薬グループは、主に医療用医薬品の研究開発、製造、販売を行っています。グループ会社には、医薬品の製造販売を担う杏林製薬とキョーリン リメディオ、そして医薬品の製造と試験を行うキョーリン製薬グループ工場が含まれており、これらが一体となって事業を推進しています。
  • 医薬品原材料の調達
    医薬品製造に必要な原材料の一部は、関連会社である日本理化学薬品から仕入れています。これにより、グループ内で原材料の安定供給と品質管理を連携して行い、医薬品製造の基盤を強化しています。
  • グループ会社による分業体制
    杏林製薬グループは、杏林製薬、子会社2社、関連会社1社の計4社で構成されており、それぞれが医薬品の製造販売、製造、試験、原材料供給といった役割を分担しています。この分業体制により、効率的かつ専門性の高い事業運営を実現しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

杏林製薬グループの事業セグメントは主に二つあります。一つは「医療用医薬品事業(EthicalDrugsBusiness)」で、これがグループの主要な収益源であり、売上高1036.03億円、営業利益66.19億円を計上しています。もう一つは「ヘルスケア事業(HealthcareBusiness)」で、売上高63.83億円、営業利益7.36億円となっています。医療用医薬品事業が圧倒的に稼ぎ頭であり、グループ全体の業績を牽引しています。

FY2020 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
EthicalDrugsBusiness 事業 1,036 66 6.4%
HealthcareBusiness 事業 64 7 11.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|260 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社、子会社2社及び関連会社1社の計4社により構成されており、主な事業内容は次のとおりであります。 (医薬品事業)杏林製薬㈱は医薬品の製造販売等を行っております。医薬品原材料の一部については関連会社である日本理化学薬品㈱より仕入を行っております。キョーリン リメディオ㈱は、医薬品の製造販売等を行っております。キョーリン製薬グループ工場㈱は、医薬品の製造及び試験等を行っております。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと下記のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
新薬比率の最大化により収益力向上を図る一方、薬価改定の影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品の開発、製造、流通等に関する薬機法をはじめとする諸規制及び海外における各国の規制。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:研究開発に関するリスク / 安定供給に関するリスク / 医療制度改革に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

杏林製薬は、独自の創薬プラットフォームと研究開発パイプラインに強みを持つ。特に、感染症領域や中枢神経系領域における新規治療薬の開発は、特許やノウハウといった無形資産として競争優位の源泉となりうる。例えば、抗インフルエンザウイルス薬「インフルエンザ」や、抗生物質「フロモックス」などの既存製品群も、長年の研究開発の賜物である。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医療用医薬品は、医師の処方行動や患者の服用習慣により、スイッチング・コストが一定程度存在する。しかし、新薬の登場や有効性・安全性の評価によっては、比較的容易に切り替えられる可能性もある。特にジェネリック医薬品の普及は、スイッチング・コストを低下させる要因となりうる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

医薬品業界において、直接的なネットワーク効果は限定的である。製品の普及は主に臨床的価値や医師・患者への情報提供によって推進されるため、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高める構造は希薄。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

医薬品の製造コストは、研究開発費や品質管理費、治験費用などが高額であり、構造的なコスト優位性を確立することは難しい。ただし、一部のジェネリック医薬品や後発品においては、製造プロセスの効率化によるコスト削減の余地は存在する。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

杏林製薬は、中堅の製薬企業であり、売上規模や研究開発投資額において、大手製薬企業と比較すると規模の経済性は限定的である。しかし、特定の疾患領域に特化することで、その領域においては一定の効率性を発揮している可能性はある。

  • 研究開発力とパイプライン
    医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出に注力しており、多額の研究開発投資と長い期間をかけて新薬開発を進めています。また、外部からの導入品獲得も強化することで、開発中の医薬品候補(パイプライン)を拡充し、将来の収益源を確保しようとしています。
  • 安定供給体制の構築
    製品や原材料の安定供給を確保するため、製造委託先や調達先との緊密な連携、生産計画の立案、在庫調整を行っています。さらに、4工場体制による生産能力の増強や、必要に応じて原料調達先の複数化を進めることで、供給リスクの低減を図っています。
  • 品質管理と法令遵守
    医薬品の製造においては、薬機法をはじめとする厳格な法規制を遵守し、高い品質管理体制を維持しています。信頼性保証の環境変化にも迅速に対応し、薬事に関する法令遵守体制を強化することで、製品の安全性と信頼性を確保し、事業継続の基盤としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)企業理念及び長期ビジョン当社グループは、企業理念として「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を 遂行します。」を掲げています。その具現に向けて、10年後の創業110周年に向けた長期ビジョン「Vision 110」を策定いたしました。目指す姿は「医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業」とし、その実現を目指します。 (2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題当社グループは、社内外ともに事業環境が劇的に変化する中、中核会社である杏林製薬㈱の創業100周年を迎えた2023年を機に長期ビジョン「Vision 110」を策定し、2023年度より、その第1段階である中期経営計画「Vision 110-Stage1-」を開始しました。 ①長期ビジョン「Vision 110」(2023年度~2032年度)について医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業を目指します。 ②中期経営計画 「Vision 110-Stage1-」(2023年度~2025年度)について長期ビジョン「Vision 110」は、最終年度までの期間を3つのステージ(Stage1:2023年度~2025年度、Stage2:2026年度~2029年度、Stage3:2030年度~2032年度)に分け、その第1段階である中期経営計画「Vision 110-Stage1-」では、Statementに「Vision 110の実現に向けた事業体制への変革」を掲げ、以下の5つの事業戦略を推進し、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上を目指します。事業戦略a.医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出力強化b.導入による開発パイプラインの拡充c.新薬比率の最大化d.新医薬品事業と相乗効果のある健康関連事業の推進e.持続可能な企業基盤の構築 成果目標(2025年度)a.数値目標(連結ベース)成長性:「売上高」年平均成長率+2%以上収益性:「研究開発費控除前営業利益(営業利益+研究開発費)」対売上高16%以上b.資本政策と株主還元資本政策においては、健全な財務基盤を維持しつつ、常に資本コスト・資本収益性を意識した上で、成長投資と株主還元を通じて、資本効率の向上を図ることを基本方針とします。株主還元については、DOE(株主資本配当率)を勘案して、安定した配当を継続します。詳細は、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」をご覧ください。 [中期経営計画「Vision 110-Stage1-(2023~2025年度)」の進捗と2025年度(2026年3月期)の取り組み]中期経営計画「Vision 110-Stage1-」の2年目となる2024年度は、長期ビジョンの実現に向けた事業体制への変革を行うべく、経営方針に「変革を成し遂げる」を掲げ、事業活動として①創薬の変革を成し遂げる、②パイプラインの拡充、③新薬の普及最大化、④コスト競争力の向上に積極的に取り組みました。創薬の変革を成し遂げるべく、2023年度より創薬研究領域を絞り込み、肺線維症、疼痛、自己免疫疾患の3領域に注力して創薬研究に取り組んでいます。疾患研究から見出された新規作用機序による創薬に加え、革新的な技術により、新たな価値を創出する創薬にも取り組んでいます。これまで注力してきた低分子創薬のみならず、新たなモダリティの獲得等、外部技術の活用により創薬基盤の強化に取り組み、2025年度は、これらの取り組みをさらに進め、疾患研究との組み合わせによって価値の高い新薬を生み出す創薬イノベーションに挑戦していきます。臨床開発プロジェクトの進捗状況としましては、間質性肺疾患治療薬「開発コード:KRP-R120」の第Ⅲ相臨床試験及び過活動膀胱治療薬「KRP-114VP(ベオーバの小児適応)」の第Ⅰ相臨床試験が着実に進展しました。また耳鳴治療用アプリ「KRP-DT123」について、医療機関による特定臨床研究が2023年9月より進められています。パイプラインの拡充では、2023年度より導入品獲得力の強化を目的として事業開発本部を新設し、組織改革を行うとともに人的資源を拡大・投入しています。新規導入品の獲得に向け、導入対象とするモダリティ・疾患領域を拡大するだけでなく、導入品の評価・獲得スピードの向上に努めました。その結果、2024年度はバイエル社(本社:ドイツ)と閉塞性睡眠時無呼吸の新規治療薬候補化合物とそのバックアップ化合物に関するライセンス契約を締結し、全世界を対象とした独占的製造、開発、販売権を取得しました。またビオドール社(本社:フランス)と疼痛治療薬候補化合物に関するオプション契約の締結、及びシラーノ社(本社:アメリカ)との感冒後嗅覚障害治療薬に関するオプション契約を締結するとともに、ハイフ社(本社:アメリカ)との開発・商業化契約により、現在日本で慢性咳嗽治療用アプリの開発を進めていることを公表しました。さらにノバルティス社(本社:スイス)へ自社創製化合物であるKRP-M223を導出し、開発、製造、及び商業化に関する全世界での独占的な権利を供与しました。2025年度も引き続きパイプラインの拡充に向けた積極的な活動を継続し、複数品目の獲得を目指します。新薬の普及最大化では、薬価制度改革等の推進により厳しい事業環境が継続しているものの、各医療機関の意向に沿ってMRによる訪問面談を行うとともに、デジタルプロモーションの効果的な活用により複合的な情報提供を実施することで営業力の補完・強化を図りました。その結果、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」、咳嗽治療薬「リフヌア」、喘息治療配合剤「フルティフォーム」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の売り上げが増加しました。他方、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」等の売り上げは、小児用製剤を中心に長期収載品の選定療養等の影響を受け、減少しましたが、新医薬品等(国内)の売り上げは、前期比1.9%増となりました。中期経営計画では新薬比率の最大化を事業戦略の一つとしており、2025年度も新薬5製品の成長加速に最大限注力することにより、新薬の普及最大化を図ります。コスト競争力の向上としては、グループ会社全ての部門においてコストを徹底的に削減する取り組みを進めています。また人的資本の充実に向け、新たな人事制度への改定・運用、人材育成、多様な考え方に応える働き方改革などを推進するとともに、環境、コンプライアンス、コーポレートガバナンスへの対応にも積極的に取り組みました。引き続き、持続可能な企業基盤の構築を目指し、様々な施策に取り組みます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)企業理念及び長期ビジョン当社グループは、企業理念として「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を 遂行します。」を掲げています。その具現に向けて、10年後の創業110周年に向けた長期ビジョン「Vision 110」を策定いたしました。目指す姿は「医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業」とし、その実現を目指します。 (2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題当社グループは、社内外ともに事業環境が劇的に変化する中、中核会社である杏林製薬㈱の創業100周年を迎えた2023年を機に長期ビジョン「Vision 110」を策定し、2023年度より、その第1段階である中期経営計画「Vision 110-Stage1-」を開始しました。 ①長期ビジョン「Vision 110」(2023年度~2032年度)について医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業を目指します。 ②中期経営計画 「Vision 110-Stage1-」(2023年度~2025年度)について長期ビジョン「Vision 110」は、最終年度までの期間を3つのステージ(Stage1:2023年度~2025年度、Stage2:2026年度~2029年度、Stage3:2030年度~2032年度)に分け、その第1段階である中期経営計画「Vision 110-Stage1-」では、Statementに「Vision 110の実現に向けた事業体制への変革」を掲げ、以下の5つの事業戦略を推進し、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上を目指します。事業戦略a.医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出力強化b.導入による開発パイプラインの拡充c.新薬比率の最大化d.新医薬品事業と相乗効果のある健康関連事業の推進e.持続可能な企業基盤の構築 成果目標(2025年度)a.数値目標(連結ベース)成長性:「売上高」年平均成長率+2%以上収益性:「研究開発費控除前営業利益(営業利益+研究開発費)」対売上高16%以上b.資本政策と株主還元資本政策においては、健全な財務基盤を維持しつつ、常に資本コスト・資本収益性を意識した上で、成長投資と株主還元を通じて、資本効率の向上を図ることを基本方針とします。株主還元については、DOE(株主資本配当率)を勘案して、安定した配当を継続します。詳細は、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」をご覧ください。 [中期経営計画「Vision 110-Stage1-(2023~2025年度)」の進捗と2025年度(2026年3月期)の取り組み]中期経営計画「Vision 110-Stage1-」の2年目となる2024年度は、長期ビジョンの実現に向けた事業体制への変革を行うべく、経営方針に「変革を成し遂げる」を掲げ、事業活動として①創薬の変革を成し遂げる、②パイプラインの拡充、③新薬の普及最大化、④コスト競争力の向上に積極的に取り組みました。創薬の変革を成し遂げるべく、2023年度より創薬研究領域を絞り込み、肺線維症、疼痛、自己免疫疾患の3領域に注力して創薬研究に取り組んでいます。疾患研究から見出された新規作用機序による創薬に加え、革新的な技術により、新たな価値を創出する創薬にも取り組んでいます。これまで注力してきた低分子創薬のみならず、新たなモダリティの獲得等、外部技術の活用により創薬基盤の強化に取り組み、2025年度は、これらの取り組みをさらに進め、疾患研究との組み合わせによって価値の高い新薬を生み出す創薬イノベーションに挑戦していきます。臨床開発プロジェクトの進捗状況としましては、間質性肺疾患治療薬「開発コード:KRP-R120」の第Ⅲ相臨床試験及び過活動膀胱治療薬「KRP-114VP(ベオーバの小児適応)」の第Ⅰ相臨床試験が着実に進展しました。また耳鳴治療用アプリ「KRP-DT123」について、医療機関による特定臨床研究が2023年9月より進められています。パイプラインの拡充では、2023年度より導入品獲得力の強化を目的として事業開発本部を新設し、組織改革を行うとともに人的資源を拡大・投入しています。新規導入品の獲得に向け、導入対象とするモダリティ・疾患領域を拡大するだけでなく、導入品の評価・獲得スピードの向上に努めました。その結果、2024年度はバイエル社(本社:ドイツ)と閉塞性睡眠時無呼吸の新規治療薬候補化合物とそのバックアップ化合物に関するライセンス契約を締結し、全世界を対象とした独占的製造、開発、販売権を取得しました。またビオドール社(本社:フランス)と疼痛治療薬候補化合物に関するオプション契約の締結、及びシラーノ社(本社:アメリカ)との感冒後嗅覚障害治療薬に関するオプション契約を締結するとともに、ハイフ社(本社:アメリカ)との開発・商業化契約により、現在日本で慢性咳嗽治療用アプリの開発を進めていることを公表しました。さらにノバルティス社(本社:スイス)へ自社創製化合物であるKRP-M223を導出し、開発、製造、及び商業化に関する全世界での独占的な権利を供与しました。2025年度も引き続きパイプラインの拡充に向けた積極的な活動を継続し、複数品目の獲得を目指します。新薬の普及最大化では、薬価制度改革等の推進により厳しい事業環境が継続しているものの、各医療機関の意向に沿ってMRによる訪問面談を行うとともに、デジタルプロモーションの効果的な活用により複合的な情報提供を実施することで営業力の補完・強化を図りました。その結果、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」、咳嗽治療薬「リフヌア」、喘息治療配合剤「フルティフォーム」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の売り上げが増加しました。他方、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」等の売り上げは、小児用製剤を中心に長期収載品の選定療養等の影響を受け、減少しましたが、新医薬品等(国内)の売り上げは、前期比1.9%増となりました。中期経営計画では新薬比率の最大化を事業戦略の一つとしており、2025年度も新薬5製品の成長加速に最大限注力することにより、新薬の普及最大化を図ります。コスト競争力の向上としては、グループ会社全ての部門においてコストを徹底的に削減する取り組みを進めています。また人的資本の充実に向け、新たな人事制度への改定・運用、人材育成、多様な考え方に応える働き方改革などを推進するとともに、環境、コンプライアンス、コーポレートガバナンスへの対応にも積極的に取り組みました。引き続き、持続可能な企業基盤の構築を目指し、様々な施策に取り組みます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況国内医療用医薬品業界は、2024年4月に薬価改定が実施される等、継続的な医療費抑制策の推進によって一層厳しい環境下にあり、医療用医薬品市場は一桁台前半の成長率で推移しました。当社グループは、2023年度に策定した長期ビジョン「Vision 110(2023年度~2032年度)」及び中期経営計画「Vision 110 -Stage1-(2023年度~2025年度)」の達成に向けて邁進しています。その2年目となる2025年3月期は、経営方針に「変革を成し遂げる」と掲げ、事業活動として①創薬の変革を成し遂げる、②パイプラインの拡充、③新薬の普及最大化、④コスト競争力の向上の4つのポイントに積極的に取り組みました。当連結会計年度における売上高は、薬価改定(杏林製薬㈱7%台)の影響はあったものの、新薬の伸長により、新医薬品等(国内)の売上高は前期を上回る実績で推移しました。また自社創製化合物の導出に伴う契約一時金収入を計上したことにより、新医薬品(海外)の売上高は前期を大幅に上回りました。後発医薬品の売上高も増加し、全体の売上高は130,087百万円と前期比10,554百万円(前期比8.8%増)の増収となりました。利益面では、上記した新薬の伸長や契約一時金収入などによる増収により、売上総利益は前期に対して7,907百万円増加しました。他方、販売費及び一般管理費は、導入品獲得に伴う研究開発費の増加により、前期に対して1,573百万円増加(研究開発費は2,495百万円増加)しました。結果、営業利益は、前期比6,333百万円増の12,567百万円(前期比101.6%増)、経常利益は13,219百万円(前期比93.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,086百万円(前期比66.0%増)となりました。なお、当連結会計年度より、棚卸資産の評価方法について変更を行っており、前連結会計年度については、遡及適用後の数値で比較分析を行っています。 当連結会計年度の業績売上高130,087百万円(前期比8.8%増)営業利益12,567百万円(前期比101.6%増)経常利益13,219百万円(前期比93.8%増)親会社株主に帰属する当期純利益9,086百万円(前期比66.0%増) 売上高の状況につきましては、以下のとおりです。〔新医薬品等(国内)〕2024年4月の薬価制度改革では、薬価改定の実施とともに革新的新薬のイノベーション評価を推進するための薬価上の措置が取られる等、国内医療用医薬品事業を取り巻く環境は大きく変化しています。このような環境に対応し持続成長を図るべく、杏林製薬㈱は新薬比率の最大化を中期経営計画の重点戦略の一つに掲げており、営業部門では「新薬の普及最大化」を目指して、積極的な活動を展開しています。当連結会計年度におきましては、各医療機関の意向に沿ってMRによる訪問面談を行うとともに、デジタルプロモーションの効果的な活用により、複合的な情報提供を実施することで営業力の補完・強化を図り、新薬の普及最大化に取り組みました。その結果、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」、喘息治療配合剤「フルティフォーム」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の売り上げが増加しました。他方、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」等の売り上げは、小児用製剤を中心に長期収載品の選定療養等の影響を受け、減少しました。診断事業に関わる取り組みとしては、体外診断用医薬品(SARSコロナウイルス核酸検出キット、インフルエンザウイルス核酸キット)の拡販に注力するとともに、GeneSoC専用の研究用試薬及び体外診断用医薬品の開発を推進しています。2024年10月には、既存の「遺伝子解析装置 GeneSoC mini」に改良を加えた「遺伝子解析装置 GeneSoC mini 2」を発売しました。今後とも呼吸器・性感染症領域等において、GeneSoC関連製品を通して感染症の予防・診断・治療への貢献に取り組みます。以上の結果、新医薬品等(国内)の売上高は84,158百万円(前期比1.9%増)となりました。 〔新医薬品(海外)〕「ガチフロキサシン」に関わる一時的な収入に加え、自社創製化合物のノバルティス社(本社:スイス)への導出に伴い受領した契約一時金を計上したことから、新医薬品(海外)の売上高は8,860百万円(前期比2,195.2%増)となりました。 〔後発医薬品〕安定供給問題への対応に最大限注力するとともに主要品目の売り上げ拡大に努め、後発医薬品の売上高は37,068百万円(前期比1.4%増)となりました。品質確保の取り組みについては、杏林製薬㈱、キョーリン リメディオ㈱、キョーリン製薬グループ工場㈱の全てのグループ会社が一丸となり、GMP※などの法令遵守の徹底を図るとともに、品質管理体制のより一層の強化に努めています。今後とも信頼性の確保に最大限注力し、高品質で安心・安全な製品を提供していきます。また安定供給の取り組みについても、2024年4月に稼働した高岡工場において、後発医薬品及び当局から増産要請のあった「ムコダイン錠」を製造し、7月に初出荷を行う等、安定供給体制のより一層の強化に努めています。※医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準 ②キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、3,506百万円の収入であり、これは主に税金等調整前当期純利益12,770百万円、減価償却費4,603百万円、棚卸資産の増加12,330百万円、仕入債務の増加1,252百万円、未払又は未収消費税等の増減額1,703百万円、法人税等の支払額1,317百万円によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、6,323百万円の支出で、これは主に有形固定資産の取得による支出5,697百万円、無形固定資産の取得による支出596百万円によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、3,952百万円の収入で、これは主に長期借入れによる収入20,000百万円、長期借入金の返済による支出10,200百万円、配当金の支払額3,015百万円、短期借入金の返済による支出2,700百万円によるものです。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して1,135百万円増加し、15,021百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)医薬品事業109,085105.9合計109,085105.9 (注)上記金額は、消費税等抜きの売価換算によっております。 b.商品仕入実績当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)医薬品事業9,89594.4合計9,89594.4 (注)上記金額は、消費税等抜きの実際仕入れ額によっております。 c.受注実績当社グループは販売計画に基づいた生産を行っておりますので、該当事項はありません。 d.販売実績当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)医薬品事業130,087108.8合計130,087108.8 (注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)アルフレッサ ホールディングス株式会社20,86317.521,48616.5株式会社メディパルホールディングス19,76416.521,26516.3株式会社スズケン18,47315.517,92313.8東邦薬品株式会社14,11611.813,74610.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して15,990百万円増加し、193,618百万円となりました。このうち、流動資産は136,134百万円と前連結会計年度末と比較して16,894百万円の増加となりました。主な増減要因は、現金及び預金の増加1,135百万円、有価証券の増加1,393百万円、商品及び製品の増加3,763百万円、仕掛品の減少1,509百万円、原材料及び貯蔵品の増加10,076百万円、流動資産のその他の増加2,194百万円等によるものです。また、固定資産は57,483百万円と前連結会計年度末と比較して903百万円の減少となりました。主な増減要因は、有形固定資産の増加1,353百万円、無形固定資産の減少330百万円、投資有価証券の減少2,064百万円、退職給付に係る資産の増加158百万円等によるものです。負債総額は、前連結会計年度末と比較して10,441百万円増加し、57,333百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の増加1,252百万円、短期借入金の減少2,700百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少10,000百万円、未払法人税等の増加2,252百万円、長期借入金の増加19,799百万円等によるものです。純資産は、前連結会計年度末と比較して5,549百万円増加し、136,285百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の増加6,062百万円等によるものです。 b.経営成績の分析当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中期経営計画「Vision110-Stage1-」において、連結ベースでの売上高年平均成長率2%以上、研究開発費控除前 営業利益対売上高16%以上を数値目標としております。当連結会計年度における連結売上高は前期比8.8%増、研究開発費控除前 営業利益対売上高は17.7%であり、中期経営計画「Vision110-Stage1-」を通した売上高年平均成長率は3.9%、研究開発費控除前 営業利益対売上高は13.0%を予想しております。これらの指標を達成するための取り組みにつきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題」に記載しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。(資金需要)当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品仕入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において6,153百万円の設備投資を実施いたしました。(財務政策)当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。2026年3月期においては、工場設備の拡充等、固定資産取得による支出約4,700百万円を予定しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

事業リスク

主要なリスクとして、新薬開発には多額の投資と長い期間が必要であり、開発遅延や中止が経営に影響を与える可能性があります。また、特定の取引先への供給依存や品質問題による製品回収のリスク、医療制度改革による薬価改定が収益に影響を及ぼす可能性も挙げられます。さらに、他社製品との競合激化や予期せぬ副作用の発現、知的財産権侵害、ITセキュリティや情報管理に関する問題、大規模災害なども経営成績に重要な影響を与えるリスクとして認識されています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,903 文字
3 【事業等のリスク】当社グループにおきましては、薬事行政の下、薬機法をはじめとする医薬品の開発、製造、流通等の諸規制及び海外における各国の各種規制を遵守して事業を推進しております。しかしながら、関係法令の大幅な改定や医療制度改革、市場環境の急激な変化、大規模な自然災害などの要因により、経営成績及び財務状態に重要な影響を与えるリスクがあると認識しております。当該リスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。当社グループでは、これらのリスクに関し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、影響を及ぼすリスクや不確実性はこれらに限定されるものではありません。リスク管理体制につきましては、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 a.内部統制システム及びリスク管理体制等の整備状況 ロ」に記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <価値創造に関するリスク>(1)研究開発に関するリスク医療用医薬品の開発には、多額の研究開発投資と長い期間が必要なうえ、開発候補品が医薬品として上市できる確率も決して高くはありません。開発候補品に安全性の問題が生じたり期待する有効性が確認できない等の理由で、開発遅延や開発中止となった場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出力を強化するとともに、導入品獲得力の大幅な強化により、開発パイプラインの拡充に努めております。 (2)安定供給に関するリスク当社グループの製品及び原材料の一部は、特定の取引先にその供給を依存しており、想定外の事象の発生により製造活動や仕入が遅延又は停止した場合、製品の安定供給に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、医薬品は各種法規制の下で製造しておりますが、取引先等における品質管理等に問題が発生し製品の回収等を行うことになった場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、製造委託先や調達先とも緊密に連携しながら生産計画の立案や在庫調整を行い、需要に十分応えられる製品及び原材料を確保するなど当社製品の安定供給に努めております。また、必要に応じて原料等の代替製造委託や調達先の複数化も進めております。さらに、4工場体制の下、一層の生産能力の増強及び生産性向上に取り組みます。品質管理については、信頼性保証を取り巻く環境に迅速かつ確実に対応し、薬事に関する法令遵守体制の強化を推進しております。 (3)医療制度改革に関するリスク日本国内におきましては、医療用医薬品の薬価改定を含む医療制度改革が実施されており、予測可能な範囲を超えた薬価改定や医療保険制度の改定が実施された場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、新薬比率の最大化により収益力の向上を図るとともに、医薬品製造原価の低減やグループ全体のコスト適正化によりコスト競争力の向上を図っております。 (4)アライアンスに関するリスク当社グループでは、外部資源の有効活用を目的としてアライアンス戦略を推進し、国内外の製薬企業等と技術導出入・販売委受託・共同販売・共同研究等の事業提携を行っており、これらの提携関係を解消することになった場合または提携先における事業戦略若しくは事業環境に大幅な変化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、提携先の事業戦略や研究開発動向をふまえた関係性の向上を図り、継続的提携関係の維持・発展に努めております。 (5)他医薬品との競合に関するリスク医薬品市場の競争環境は厳しく、同領域の他社製品との競合や先発医薬品の特許切れ後のジェネリック医薬品の参入、高い技術力を活かした他業種からの参入等が激化した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループは、FC(フランチャイズカスタマー)戦略をベースとして、ソリューション提供型営業(課題解決策の提案)による新薬の普及最大化を中期経営計画の重点戦略に掲げ、積極的に活動を展開しています。また、後発医薬品事業では、オーソライズド・ジェネリックの製造・販売を中心に、当社グループの特色を活かした事業展開を図っております。 (6)副作用発現に関するリスク医薬品は、開発段階で臨床試験を行い、所管官庁の審査を経て承認を受け販売していますが、市販後に予期せぬ重篤な副作用が発現した場合、使用方法が制限される可能性や製品回収・販売中止等をする可能性があり、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループは医薬品の市販後に安全性情報を幅広く収集・分析し、適正情報を医療現場に迅速に提供しております。 (7)知的財産権に関するリスク当社グループの事業活動が他社知的財産権を侵害した場合、また、第三者による当社知的財産権の侵害により被害を受けた場合に、事業の中止・係争等により、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害にも継続的に注意を払っております。 <価値創造を支える基盤に関するリスク>(1)ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク当社グループでは、業務上ITシステムを多数利用しており、機密性の高い情報や個人情報を取り扱っております。システムの不備やコンピューターウイルス、サイバー攻撃等の要因により、オペレーションの停止や情報の流出のリスクがあり、予期せぬ業務の妨害や情報等の外部流出により社会的信用を著しく毀損した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、ITセキュリティサービスの導入、定期的データバックアップの実施、ならびに各種情報管理規程を制定し従業員の教育をすることでITセキュリティ対策、情報管理体制の構築を図っております。 (2)人的資本に関するリスク当社グループは、人材の成長こそ事業の強化を支える原動力と考え、事業戦略を遂行し成果を具現化することを重要課題としておりますが、人材獲得競争の激化や労働環境の急激な変化等により、優秀な人材や女性を含む人材の多様性を確保できない場合、事業活動の成長の停滞により、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、社員と会社は相互の利益を実現するパートナーであるという基本的考えのもと、人材マネジメントシステムの適切な運用を図っております。また、「女性活躍の推進」等に取り組み、多様な価値観を尊重した働き方改革の推進を積極的に図っております。 (3)訴訟に関するリスク当社グループの国内外での事業活動において、特許等の知的財産権、製造物責任(PL法)、労務などに関連する訴訟リスクがあり、これらに関連する訴訟が提起された場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは事業活動を行う過程において、専門家の助言を踏まえながら適切な対応を行っております。 (4)環境問題に関するリスク当社グループは環境に配慮した事業活動を行っておりますが、事業活動を行う過程において万が一の事故等により関係法令等の違反が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、環境・安全衛生に関して、関係法令等の遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定してその達成に努めております。また、環境マネジメントシステムと労働安全衛生マネジメントシステムを統合し、当社グループ全体でEHS活動を推進しております。特に気候変動対策については重大な課題の一つとして捉えており、環境委員会を設置し、グループ一体で環境への影響に配慮した事業活動を行っております。 (5)大規模災害等に関するリスク地震、台風などの大規模な自然災害、火災などの事故及びインフルエンザ、新型コロナウイルス等のパンデミックが発生した場合、当社生産子会社であるキョーリン製薬グループ工場㈱や調達先等において工場の閉鎖・操業停止が考えられ、工場の閉鎖・操業停止が長期間に及ぶ場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、大規模災害等に備え、各種対応マニュアルを作成し、訓練を実施しております。また、製品の安定供給の観点から一定量の製品在庫を確保しております。 (6)金融市場の変動に関するリスク為替相場の変動により、輸出入取引において当社グループの経営成績及び財務状態に影響が生じます。想定を上回る金融市場の変動があった場合、支払利息の増加、仕入れ価格の高騰、年金資産額、退職給付債務額、保有する株式評価額等の変動等により、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、経営計画立案の段階で金融市場動向を確認し、為替予約の実施・資金調達方法の見直しを行うことで金融市場の変動に対応しております。

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