4554

富士製薬工業(4554)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

医薬品 医薬品

事業の概要

  • 医薬品の開発・製造・販売
    富士製薬工業グループは、医薬品の研究開発から製造、そして販売までを一貫して手掛ける製薬会社です。特に、女性特有の病気に関するホルモン剤や、病気の診断に使われる造影剤といった注射剤に強みを持っています。これらの医薬品を医療機関に提供することで収益を上げています。
  • 産婦人科・放射線科領域に特化
    同社は、産婦人科領域のホルモン剤(例えば更年期障害や不妊治療に使われる薬)や、放射線科領域の尿路・血管造影剤(CTやMRI検査で臓器や血管を見えやすくする薬)を主力商品としています。特定の医療分野に焦点を当てることで、専門性を高め、市場での存在感を確立しています。
  • 全国展開と海外取引
    日本国内では、全国に5ヶ所のオフィスを拠点として医薬品の販売活動を行っています。また、連結子会社であるOLIC(Thailand)Limitedとの間で製品の売買や資金の貸し借りを行うなど、海外との取引も一部行っています。これにより、事業の多角化と安定化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 医薬品事業の単一セグメント
    富士製薬工業グループは、医薬品の開発・製造・販売を主要な事業としており、この一つの事業に集中しています。そのため、事業の分類(セグメント)は「医薬品事業」のみであり、他の事業分野は持っていません。
  • 産婦人科・放射線科領域が主力
    同社の医薬品事業は、特に産婦人科領域のホルモン剤や放射線科領域の尿路・血管造影剤といった注射剤に強みを持っています。これらの専門性の高い領域に特化することで、特定の医療ニーズに応え、市場での競争力を維持しています。
  • 国内販売と一部海外取引
    主な事業活動は日本国内で行われ、全国5ヶ所のオフィスを拠点に医薬品の販売を展開しています。また、タイの連結子会社OLIC(Thailand)Limitedとの間で製品の売買や資金の貸付を行うなど、一部海外との取引も行っていますが、事業の大部分は国内市場に依存しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|247 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社(富士製薬工業株式会社)、連結子会社1社で構成され、主要な事業として医薬品の開発・製造・販売を行っております。当社は、産婦人科領域のホルモン剤や放射線科領域の尿路・血管造影剤等の注射剤を軸とした商品構成を持ち、全国5ヶ所のオフィスを拠点として活動しております。当社とOLIC(Thailand)Limitedとの間で製品の売買及び資金の貸付等を行っております。なお、当社グループは、医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報を記載しておりません。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
多数のメーカーの競合により市場価格が低下、薬価基準の改定により収載価格が見直しされるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品医療機器等法及び関連法規の厳格な規制、許認可等が必要。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:法的規制の遵守と許認可の取り消しリスク / 医薬品の研究開発の遅延・中止リスク / 同業他社との競合による市場価格低下リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

富士製薬工業は、特定の疾患領域における医薬品の研究開発、製造、販売を行っており、一部製品には特許や独自の製剤技術が存在する可能性がある。しかし、そのブランド力や特許ポートフォリオの強さを示す具体的な情報は限定的であり、競合他社との差別化要因としての無形資産の優位性は現時点では中程度と評価される。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医療用医薬品は、医師の処方箋に基づき使用されるため、患者が他の薬剤に切り替えるには医師の判断が必要となる。また、医療機関や製薬会社間の取引関係、薬価制度なども、スイッチングを困難にする要因となり得る。特に、長期にわたり使用されている実績のある医薬品や、特定の治療ガイドラインに沿った薬剤は、スイッチング・コストが高いと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

医薬品業界におけるネットワーク効果は限定的である。製品の普及は主に医師や医療機関への営業活動、臨床試験の結果、学会発表などに依存しており、ユーザー数の増加が直接的に製品価値を高めるような構造は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

医薬品の製造には高度な品質管理と設備投資が必要であり、一般的にコスト優位性を築くことは難しい。富士製薬工業が特定の製造プロセスやサプライチェーンにおいて効率化を図っている可能性はあるが、業界全体で見て構造的なコスト優位性を持つほどのシグナルは現時点では確認できない。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

医薬品業界は研究開発費や販売網の構築に巨額の投資が必要であり、規模の経済が働く側面はある。しかし、富士製薬工業の市場シェアや売上規模は、大手製薬企業と比較すると限定的であり、業界全体を寡占するほどの効率規模の優位性は見られない。

  • 専門領域に特化した商品構成
    富士製薬工業は、産婦人科領域のホルモン剤や放射線科領域の造影剤といった注射剤に特化しています。これらの分野は専門性が高く、特定の医療ニーズに応えることで、他社との差別化を図り、安定した顧客基盤を築いている可能性があります。
  • 医薬品製造販売の許認可
    医薬品の製造・販売には、国が定める「医薬品医療機器等法」に基づく厳格な許認可が必要です。同社は、医薬品製造業許可や医薬品製造販売業許可など、事業に必要な複数の許認可を適切に取得・更新しており、これが事業継続のための重要な基盤となっています。
  • 品質管理とリスク対策体制
    同社は、市販後の予期せぬ副作用や品質問題に対応するため、「品質マネジメント・レビュー」の導入や専門部署による監視を行っています。また、災害時の製品供給遅延リスクに対しては、リスク管理委員会を設置し、供給代替計画を策定するなど、事業継続性を高めるための対策を講じています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「優れた医薬品を通じて、人々の健やかな生活に貢献する」、「富士製薬工業の成長はわたしたちの成長に正比例する」ことを経営理念としております。今後も引き続きこの経営理念の下に、良質な医薬品の開発・製造・販売を通じて、顧客、仕入先、株主、従業員、地域・社会の各ステークホルダーに対する責任を果たしつつ、さらに貢献と成長の好循環を発展させてまいりたいと考えております。 (2) 経営者の問題認識と今後の方針について中期経営計画の成長戦略としては、中期視点で3つ、長期視点で1つを進めて参ります。これらの4つの成長戦略を支える3つの施策として、人財の強化、組織機能の高度化、デジタルの推進を推進してまいります。 ① 女性領域での貢献拡大女性領域とは婦人科疾患以外にもメンタルヘルス、心臓血管関連、母体の健康など様々なカテゴリーに分けられておりますが、いずれも将来的に市場が拡大する見通しとなっており、婦人科疾患に絞ってもグローバルでは現時点でも2兆円を超える市場となっております。日本国内では、月経随伴症状と更年期障害による経済損失は2.5兆円と言われ、その背景には先進諸国と比較して疾患認知の遅れ、低い産婦人科受診率、低いホルモン剤治療率などがあり、国内市場拡大の余地は、まだ十分あると考えております。このように拡大余地が大きな国内女性医療市場に向けて、2024年12月から発売を始めたアリッサ配合錠を中心に、エフメノカプセル、経口避妊薬などが貢献する見通しです。国内の月経困難症の患者様に対しては、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP製剤)が約80%使用されています。このLEP製剤の増加傾向は今後も続くと見込んでおり、既存のLEP製剤にないメリットを有するアリッサ配合錠を、より多くの患者様に届けられるよう、国内最大規模である当社女性医療専任МR90名が情報提供活動に取り組んでまいります。また、よりメディカル視点での医師とのコミュニケーションを実現するためメディカルアフェアーズ部、メディカルサイエンスリエゾンとともに、日本の医師90%以上が会員となっている共同開発先のエムスリー社の情報提供プラットフォーム、サービスを活用しながら、女性医療での貢献拡大に努めてまいります。② バイオシミラー事業の成長世界のバイオ医薬品市場は医薬品市場全体の40%に到達しており、日本においても医療経済的観点から、低分子のジェネリック医薬品が数量ベース80%を達成しております。このような背景から、昨年国内におけるバイオシミラー普及について、過去のジェネリック医薬品と同様に、厚労省から2029年に向けた具体的な数値目標が出され、今後、バイオシミラーの普及はこれまで以上に急速に進んでいくと考えられます。当社では既に上市済みの3製剤に加え、2025年9月には、さらに3製剤の製造販売承認を取得いたしました。今後もバイオシミラーのラインナップの拡充をはかり、日本市場において高品質なバイオシミラーをいち早く患者さまにお届けし、医療現場や医療経済においても今まで以上に貢献することができるよう取り組んでまいります。③ グローバルCMO事業の成長CMOに製剤開発を加えたグローバルのCDMO市場は今後も年平均成長率で7.2%拡大していくと想定されています。当社グループでも、既に製剤開発を加えたCDMO事業を手掛けております。当社が製造所を保有しているタイ、日本という生産拠点は、地政学的リスクも比較的低く、欧米の大企業をはじめ多くの新規受託案件の検討がなされております。タイ、日本で製造できる剤型は多岐に及び、OLICと富山工場が連携することで様々な顧客ニーズにお応えできるものと考えております。 ④ 次の成長に向けた戦略投資当社は、これまでにも新薬の自社開発を3製品手掛けてきておりますが、既に海外で承認済みの製品の国内未承認薬、既に医薬品となることが見通せている成分の国内開発が中心でした。今後は、早期の開発フェーズにあるもののシーズ探索と目利き、そしてこれを医薬品として開発していくことを計画しています。女性医療領域でのシーズ探索を中心として、創薬エコシステムに入り込むためにコーポレートベンチャーキャピタルの設置や、女性医療分野の新規成分の研究が盛んに行われている北米やヨーロッパにリサーチハブを設置することも含め、医薬品に限らず、医療デバイスによる価値提供にもアンテナを張って新規開発パイプラインの構築に努めてまいります。 これらの4つの成長戦略を支えるため、人財の強化、組織機能の高度化、デジタルの推進をそれぞれ進めてまいります。ひとつ目の人財の強化は、女性医療に注力する企業として、女性が働きやすい環境整備を積極的に進め、女性の健康課題解決に対する福利厚生を、さらに充実させていき、女性管理職比率を現在の20%から引き上げる取り組みを進めてまいります。また、当社の真面目で仲間を想う組織の源泉となっている徳目のさらなる浸透に注力し、よりフラットでオープンな一体感のある組織を目指してまいります。ふたつ目の組織機能の高度化については、シーズ探索など研究開発基盤の強化、現在社会問題となっている安定供給を堅持するためのサプライチェーンの維持、効率的な生産体制の強化を進めてまいります。また上市した医薬品の価値を最大化するためのライフサイクルマネジメントの推進についても強化してまいります。最後は、デジタルやAI活用が必須となっている現代において、後れをとることの無いよう、デジタル専門組織体制を整備し、全社を挙げてデジタル人財の育成と風土改革、デジタル基盤の構築とデータの更なる利活用を推進してまいります。 (3) 目標とする経営指標中期経営計画の最終年度である2029年9月期は、売上高800億円、営業利益100億円を目指します。営業利益率は、収益性の高い女性医療領域の新薬と既存製品やバイオシミラーの貢献などにより、2024年9月期の8.4%から大きく改善させて12.5%を目指します。収益性改善に伴い、EBITDARは106億円から230億円と倍増させ、営業利益ベースの一株あたり純利益は 240円、ROEは10%を目標としております。 (4) 対処すべき課題当社では2035年の長期ビジョンとして「女性医療で新たな価値を創出し続け、誰もがwell-beingを実感できる社会へ貢献する」を定めました。 人生のうち、女性は男性よりも25%多い時間を不健康で過ごしていると世界経済フォーラム2024で公表されており、経済産業省からは月経随伴症に伴う経済損失額は約6,000億円、更年期症状による経済損失額は約1兆9,000億円であるといわれ、女性の健康課題の解決は大きな社会問題であると考えております。 そのなかで、当社は創業以来50年以上にわたって一人でも多くの女性を笑顔にするために、女性医療に取り組んできており、女性医療領域はわたしたちの貢献と成長の象徴であると捉え、今後、ウィメンズヘルスにおける医療格差がなくなり、女性が男性と同様に健康な生活を送れる世の中を目指し、富士製薬工業グループ全体でそんな未来の創造に貢献する責任があると考えております。 まずは、日本そしてタイの子会社を中心としたASEAN諸国において、当社グループの貢献の範囲が広がっていくことを重要な戦略と位置付けております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「優れた医薬品を通じて、人々の健やかな生活に貢献する」、「富士製薬工業の成長はわたしたちの成長に正比例する」ことを経営理念としております。今後も引き続きこの経営理念の下に、良質な医薬品の開発・製造・販売を通じて、顧客、仕入先、株主、従業員、地域・社会の各ステークホルダーに対する責任を果たしつつ、さらに貢献と成長の好循環を発展させてまいりたいと考えております。 (2) 経営者の問題認識と今後の方針について中期経営計画の成長戦略としては、中期視点で3つ、長期視点で1つを進めて参ります。これらの4つの成長戦略を支える3つの施策として、人財の強化、組織機能の高度化、デジタルの推進を推進してまいります。 ① 女性領域での貢献拡大女性領域とは婦人科疾患以外にもメンタルヘルス、心臓血管関連、母体の健康など様々なカテゴリーに分けられておりますが、いずれも将来的に市場が拡大する見通しとなっており、婦人科疾患に絞ってもグローバルでは現時点でも2兆円を超える市場となっております。日本国内では、月経随伴症状と更年期障害による経済損失は2.5兆円と言われ、その背景には先進諸国と比較して疾患認知の遅れ、低い産婦人科受診率、低いホルモン剤治療率などがあり、国内市場拡大の余地は、まだ十分あると考えております。このように拡大余地が大きな国内女性医療市場に向けて、2024年12月から発売を始めたアリッサ配合錠を中心に、エフメノカプセル、経口避妊薬などが貢献する見通しです。国内の月経困難症の患者様に対しては、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP製剤)が約80%使用されています。このLEP製剤の増加傾向は今後も続くと見込んでおり、既存のLEP製剤にないメリットを有するアリッサ配合錠を、より多くの患者様に届けられるよう、国内最大規模である当社女性医療専任МR90名が情報提供活動に取り組んでまいります。また、よりメディカル視点での医師とのコミュニケーションを実現するためメディカルアフェアーズ部、メディカルサイエンスリエゾンとともに、日本の医師90%以上が会員となっている共同開発先のエムスリー社の情報提供プラットフォーム、サービスを活用しながら、女性医療での貢献拡大に努めてまいります。② バイオシミラー事業の成長世界のバイオ医薬品市場は医薬品市場全体の40%に到達しており、日本においても医療経済的観点から、低分子のジェネリック医薬品が数量ベース80%を達成しております。このような背景から、昨年国内におけるバイオシミラー普及について、過去のジェネリック医薬品と同様に、厚労省から2029年に向けた具体的な数値目標が出され、今後、バイオシミラーの普及はこれまで以上に急速に進んでいくと考えられます。当社では既に上市済みの3製剤に加え、2025年9月には、さらに3製剤の製造販売承認を取得いたしました。今後もバイオシミラーのラインナップの拡充をはかり、日本市場において高品質なバイオシミラーをいち早く患者さまにお届けし、医療現場や医療経済においても今まで以上に貢献することができるよう取り組んでまいります。③ グローバルCMO事業の成長CMOに製剤開発を加えたグローバルのCDMO市場は今後も年平均成長率で7.2%拡大していくと想定されています。当社グループでも、既に製剤開発を加えたCDMO事業を手掛けております。当社が製造所を保有しているタイ、日本という生産拠点は、地政学的リスクも比較的低く、欧米の大企業をはじめ多くの新規受託案件の検討がなされております。タイ、日本で製造できる剤型は多岐に及び、OLICと富山工場が連携することで様々な顧客ニーズにお応えできるものと考えております。 ④ 次の成長に向けた戦略投資当社は、これまでにも新薬の自社開発を3製品手掛けてきておりますが、既に海外で承認済みの製品の国内未承認薬、既に医薬品となることが見通せている成分の国内開発が中心でした。今後は、早期の開発フェーズにあるもののシーズ探索と目利き、そしてこれを医薬品として開発していくことを計画しています。女性医療領域でのシーズ探索を中心として、創薬エコシステムに入り込むためにコーポレートベンチャーキャピタルの設置や、女性医療分野の新規成分の研究が盛んに行われている北米やヨーロッパにリサーチハブを設置することも含め、医薬品に限らず、医療デバイスによる価値提供にもアンテナを張って新規開発パイプラインの構築に努めてまいります。 これらの4つの成長戦略を支えるため、人財の強化、組織機能の高度化、デジタルの推進をそれぞれ進めてまいります。ひとつ目の人財の強化は、女性医療に注力する企業として、女性が働きやすい環境整備を積極的に進め、女性の健康課題解決に対する福利厚生を、さらに充実させていき、女性管理職比率を現在の20%から引き上げる取り組みを進めてまいります。また、当社の真面目で仲間を想う組織の源泉となっている徳目のさらなる浸透に注力し、よりフラットでオープンな一体感のある組織を目指してまいります。ふたつ目の組織機能の高度化については、シーズ探索など研究開発基盤の強化、現在社会問題となっている安定供給を堅持するためのサプライチェーンの維持、効率的な生産体制の強化を進めてまいります。また上市した医薬品の価値を最大化するためのライフサイクルマネジメントの推進についても強化してまいります。最後は、デジタルやAI活用が必須となっている現代において、後れをとることの無いよう、デジタル専門組織体制を整備し、全社を挙げてデジタル人財の育成と風土改革、デジタル基盤の構築とデータの更なる利活用を推進してまいります。 (3) 目標とする経営指標中期経営計画の最終年度である2029年9月期は、売上高800億円、営業利益100億円を目指します。営業利益率は、収益性の高い女性医療領域の新薬と既存製品やバイオシミラーの貢献などにより、2024年9月期の8.4%から大きく改善させて12.5%を目指します。収益性改善に伴い、EBITDARは106億円から230億円と倍増させ、営業利益ベースの一株あたり純利益は 240円、ROEは10%を目標としております。 (4) 対処すべき課題当社では2035年の長期ビジョンとして「女性医療で新たな価値を創出し続け、誰もがwell-beingを実感できる社会へ貢献する」を定めました。 人生のうち、女性は男性よりも25%多い時間を不健康で過ごしていると世界経済フォーラム2024で公表されており、経済産業省からは月経随伴症に伴う経済損失額は約6,000億円、更年期症状による経済損失額は約1兆9,000億円であるといわれ、女性の健康課題の解決は大きな社会問題であると考えております。 そのなかで、当社は創業以来50年以上にわたって一人でも多くの女性を笑顔にするために、女性医療に取り組んできており、女性医療領域はわたしたちの貢献と成長の象徴であると捉え、今後、ウィメンズヘルスにおける医療格差がなくなり、女性が男性と同様に健康な生活を送れる世の中を目指し、富士製薬工業グループ全体でそんな未来の創造に貢献する責任があると考えております。 まずは、日本そしてタイの子会社を中心としたASEAN諸国において、当社グループの貢献の範囲が広がっていくことを重要な戦略と位置付けております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、不安定な世界情勢が続き原材料価格が高騰するなか円安傾向が続きました。 医療用医薬品業界におきましては、社会保障費の増加に伴う薬価抑制は続くなか、毎年薬価改定が実施されるなどその事業環境はますます厳しくなっております。当社製品につきましては、不採算品再算定による一部製品における薬価引上げの影響により、薬価改定率は全体でマイナス1.1%に留まりました。 このような状況のもと、富士製薬工業グループが経営理念である「成長」と「貢献」のサイクルをより一層循環させ、将来にわたって価値を生み出し続ける姿として、「長期ビジョン2035」を策定し、長期ビジョン2035を実現するために、これからの5年間で、「女性医療での貢献拡大」「バイオシミラー事業による貢献拡大」「グローバルCMO事業による収益貢献」「次の成長ドライバーの仕込み・見極め」の4つの成長戦略とそれを支える経営基盤の強化として「人財の強化」「組織機能の高度化」「デジタルの推進」の3つの施策を中期経営計画として進めております。 当連結会計年度の売上高は、51,677百万円(前年同期比12.0%増)となりました。「女性医療」は、順調に推移し、その主なものは2024年12月に販売を開始した新薬の月経困難症治療薬アリッサ配合錠、天然型黄体ホルモン製剤エフメノカプセル100mg、経口避妊剤ファボワール錠です。「バイオシミラー」は、2024年5月に販売を開始した乾癬治療薬ウステキヌマブBS皮下注45mg「F」の注力するとともに、2025年9月に3製品を新たに製造販売承認取得し、さらなるバイオシミラー事業拡大に向け歩みを進めております。「グローバルCMO」は、計画通り進捗しております。その他の領域としましては、主に2024年7月以降田辺三菱製薬から承継した3製品と前期に販売を開始したジェネリック3製品の伸長が貢献しました。利益面につきましては、売上高の増加に加え、販管費として人件費や減価償却費などが増加した一方、研究開発費は前連結会計年度に計上した新製品の契約一時金等が当連結会計年度は発生しなかったことにより、営業利益は4,990百万円(同28.6%増)となりました。また、デリバティブ評価損の計上などにより経常利益は4,459百万円(同0.3%増)、前連結会計年度の投資有価証券の売却等による一過性の利益がなかったことから親会社株主に帰属する当期純利益は3,000百万円(同51.2%減)となりました。なお、当社グループは、医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末の総資産額は93,405百万円となり、前期末と比べ3,404百万円の増加となりました。資産の部においては、流動資産は、売掛金が減少した一方で、現金及び預金や棚卸資産が増加したことにより47,913百万円となり、前期末と比べ5,445百万円の増加となりました。固定資産は、販売権等の無形固定資産が増加した一方で、投資有価証券や長期前渡金が減少したことにより45,491百万円となり、前期末と比べ2,040百万円の減少となりました。(負債)負債の部においては、流動負債は、支払手形及び買掛金が増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が減少したことなどにより30,988百万円となり、前期末と比べ4,809百万円の減少となりました。固定負債はリース債務が減少した一方で、長期借入金が増加したこと等により15,508百万円となり、前期末と比べ6,869百万円の増加となりました。(純資産)純資産の部においては、その他有価証券評価差額金が減少した一方で、利益剰余金の増加などにより46,908百万円となり、前期末と比べ1,345百万円の増加となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ2,660百万円増加し、7,245百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益4,000百万円に、棚卸資産の増加額3,078百万円などがあった一方、減価償却費3,875百万円、賞与引当金の増加額542百万円、売上債権の減少額525百万円があったこと等により、営業活動による収入は5,801百万円(前年同期比1,650百万円の収入増)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)有形固定資産の取得による支出1,981百万円、無形固定資産の取得による支出1,873百万円などがあったことにより、投資活動による支出は4,219百万円(前年同期比2,561百万円の支出増)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)長期借入金の返済による支出7,099百万円、配当金の支払額1,036百万円などがあった一方で、長期借入による収入9,000百万円などがあったことにより、財務活動による収入は954百万円(前年同期は435百万円の支出)となりました。 (参考) キャッシュ・フロー関連指標 2023年9月期2024年9月期2025年9月期自己資本比率(%)48.350.650.2時価ベースの自己資本比率(%)33.234.440.5キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)1,516.0486.5534.6インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)17.930.617.6 ・自己資本比率:自己資本/総資産・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/支払利息(注) 1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。3.有利子負債は、連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書上に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」、支払利息は、連結損益計算書に記載されている「支払利息」を用いております。5.マイナスの場合は「―」を記載しております。 ④ 生産、受注及び販売の実績(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。 領域別(百万円)当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)女性医療22,756バイオシミラー2,645CMO11,850その他21,314合計(百万円)58,567 (注) 1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、領域別生産実績を記載しております。2.金額は販売価格で表示しております。3.当連結会計年度より報告区分を変更し、領域別の実績を表示しております。また、この変更により当連結会計年度においては前連結会計年度との比較の記載はありません。 (2) 商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。 領域別(百万円)当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)女性医療1,860その他218合計(百万円)2,078 (注) 1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、薬効分類別商品仕入実績を記載しております。2.金額は仕入価格で表示しております。3.当連結会計年度より報告区分を変更し、領域別の実績を表示しております。また、この変更により当連結会計年度においては前連結会計年度との比較の記載はありません。 (3) 受注実績当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。 受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)14,242110.42,540149.7 (注) 1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載しておりません。2.金額は販売価格で表示しております。 (4) 販売実績当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。 領域(百万円)当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)女性医療22,372バイオシミラー1,973CMO8,342その他18,989合計(百万円)51,677 (注) 1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、領域別販売実績を記載しております。2.金額は販売価格で表示しております。3.当連結会計年度より報告区分を変更し、領域別の実績を表示しております。また、この変更により当連結会計年度においては前連結会計年度との比較の記載はありません。4.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は,次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社メディセオ13,77729.915,62530.2アルフレッサ株式会社7,42916.17,83715.2株式会社スズケン4,76810.35,0969.9 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因について医薬品事業は医薬品関連法規等の規制を受けており、医療制度改革、後発品の使用促進及び薬価改定等の医療費適正化策の動向、及び主力品の市場における競争状況が経営成績に継続的に影響を及ぼす要因として認識しております。また、経営成績に大きな影響を与える要因となる可能性があるリスクについては、3[事業等のリスク]に記載のとおりであります。当連結会計年度は、こうした諸要因の影響も計画に織り込み、事業に取り組みました。その結果、「(1)① 経営成績の状況」に記載のとおりの経営成績となったと認識しております。 ③ 資本の財源及び資金の流動性当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は上記「(1)③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。財務政策につきましては、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、必要に応じて内部資金の活用及び金融機関からの借入金により資金調達を行っております。主な資金需要につきましては、運転資金として、医薬品に係る製造原価、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金として、医薬品に係る研究開発及び生産のための設備投資等があります。

事業リスク

  • 法的規制と許認可の取り消し
    医薬品業界は「医薬品医療機器等法」など厳格な法的規制下にあります。もし法令違反などがあった場合、許認可が取り消され、製品の回収や製造・販売の中止を求められる可能性があります。これにより、事業活動に重大な影響が出る恐れがあります。
  • 研究開発の遅延・中止リスク
    新薬の開発は、臨床試験で期待通りの結果が出なかったり、行政当局からの指摘があったりすると、計画通りに進まないことがあります。開発期間の延長や費用の高騰、最悪の場合には開発中止となる可能性があり、これが会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 薬価改定による収益減少
    医療用医薬品の価格(薬価)は、健康保険法の規定に基づき厚生労働大臣によって定められ、定期的に見直されます。薬価が引き下げられると、製品の売上高が減少し、会社の収益に直接的な影響を与える可能性があります。特に近年は毎年改定が行われ、厳しい事業環境です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,740 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 法的規制について当社グループは医薬品医療機器等法及び関連法規の厳格な規制を受けており、各事業活動の遂行に際して以下のとおり許認可等を受けております。これらの許認可等を受けるための関連法規及び諸条件の遵守に努めており、現時点におきましては当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合等には、規制の対象となる製商品の回収、または製造並びに販売を中止することを求められる可能性等があり、これらにより当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、医薬品医療機器等法及び関連法規等に基づく許可等を受けて医療用医薬品の製造・販売を行っております。今後の関連法規改正等により当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (主たる許認可等の状況)許認可等の名称所轄官庁等有効期限主な許認可等取り消し事由備考医薬品製造業許可富山県2029年8月(5年ごとの更新)医薬品医療機器等法その他薬事に関する法令もしくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、または役員等が欠格条項に該当したときは許可の取消(医薬品医療機器等法第75条第1項)富山工場第一種医薬品製造販売業許可富山県2029年8月(5年ごとの更新)同上富山事業所第二種医薬品製造販売業許可富山県2029年8月(5年ごとの更新)同上富山事業所医薬品卸売販売業許可富山県2028年5月(6年ごとの更新)同上富山配送センター富山県2028年11月(6年ごとの更新)富山水橋配送センター富山県2029年12月(6年ごとの更新)富山滑川配送センター千葉県2031年7月(6年ごとの更新)東日本第一配送センター千葉県2031年7月(6年ごとの更新)東日本第二配送センター兵庫県2031年6月(6年ごとの更新)西日本配送センター埼玉県2029年12月(6年ごとの更新)加須センター ② 医薬品の研究開発について臨床試験で期待した結果が得られないあるいは行政当局の指摘による開発計画見直しなど当社グループの研究開発での問題のみならず、共同開発先・提携先・委託先等社外関係者で生じた問題により、新規開発品その他の研究開発が計画どおりに進行せずに、計画変更に伴う費用の高騰、あるいは開発期間の延長、開発が中止・中断となる場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対策の一つとして社外との契約においては契約条項に問題発生時の対応策を盛り込むなどリスク被害の最小化に努めています。 ③ 同業他社との競合について当社グループは採算性を考慮して適正な価格で販売するよう努めておりますが、一部品目については、多数のメーカーの競合により著しく市場価格が低下、あるいは、国内新薬メーカーの市場シェア確保のための諸施策により、当社グループが計画する予算を達成できない可能性があります。対策として、原材料調達コストの低減、製造方法の見直しによるコスト削減等、集積性を確保するための施策を部門横断で実施しております。 ④ 原材料の調達について当社グループは原材料を国内外より調達しており、重要製品の原材料についてはサプライチェーンの複数化を順次進めておりますが、原材料価格の高騰により製品原価に影響を及ぼす場合や、原材料の需給バランスの変動、国内外の規制または原材料メーカーによる品質問題の発生等により、原材料の入手が長期的に困難になり製品を製造・販売することができなくなる場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 副作用・品質について市販後の予期せぬ副作用の発生、製品に不純物が混入する等の事故、原材料や製法の変更に伴う品質変化、行政当局の規制変更等により、製品の回収又は製造あるいは販売中止を余儀なくされる可能性があります。その場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対策として品質管理のための「品質マネジメント・レビュー」を導入したほか、予期し得る品質の問題の発生の可能性については信頼性保証部門に設置した専門部署がこれを監視・確認しております。 ⑥ 製品供給の遅延又は休止について技術的・規制上の問題、又は水害、火災、地震その他の人災もしくは自然災害により、製品を製造する製造施設・倉庫等において操業停止又は混乱が発生した場合、当該製品の供給が停止し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対策として社内にリスク管理委員会を設置し、被災時の供給代替計画並びに供給の復旧手順について策定を行っております。 ⑦ 薬価基準の改定について医療用医薬品は、健康保険法の規定に基づき厚生労働大臣の定める薬価基準により薬剤費算定の基礎となる収載価格が定められております。厚生労働省では医療保険の償還価格である薬価基準価格と市場実勢価格との乖離を縮小するため、薬価調査に基づき定期的に収載価格の見直しを行っており、2021年4月以来、毎年薬価改定が実施されるなど医療用医薬品業界における事業環境はますます厳しくなっております。なお、当社製商品につきましては、医薬品の安定供給問題や急激な原材料の高騰などによる不採算品再算定により、全体で1.1%の引き下げに留まりました。 ⑧ 訴訟等について後発医薬品の承認時に新薬メーカーより製法特許等の侵害を理由に訴訟が提起される可能性があります。また、製造販売後も製造物責任関連、環境関連、労務関連、その他に関する訴訟が提起される可能性があります。これらの訴訟の結果により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。対策として特許関連については知財部門が、法規関連は法務部門がそれぞれ事前の訴訟リスクのチェックを行い、リスクが顕在化する可能性の低減に努めております。 ⑨ ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク当社は、各種情報システムを使用しているため、システム障害やコンピューターウイルス、サイバー攻撃等により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの機密情報を保有していますが、これらが社外に漏えいした場合、損害賠償、行政処分、社会的信用の失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。対策として当社全社員を対象とした定期的な情報セキュリティ教育を行っております。 ⑩ 人財確保に関するリスク当社では今後の業務拡大に伴う適切な人財確保が必要であると考えております。一方で人財の確保が困難となる場合や、人財の育成が順調に進まない場合、当社の業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。当社では、創業以来人財を大切にする企業文化を育んでまいりました。この企業文化を軸に、人財の確保や育成に注力しております。 ⑪ デジタル化に関するリスク当社ではデジタル化を進めておりますが、対応の遅れ若しくは競合対比で高コストとなり、情報セキュリティ対策が遅れた場合、事業に影響を及ぼす可能性があります。当社では、中期経営計画においてデジタル化を進めるべく、医薬事業本部、生産本部・研究開発本部、本社コーポレート機能の3分野において、具体的な取組みを進めております。 ⑫ 独占販売権及び独占販売権に係る前払金に関するリスク当社は契約に基づく独占販売権及び、独占販売権に係る前払金を計上しており、定期的に減損の兆候の有無について評価が必要となります。減損が生じていると判断される場合には、減損損失の計上により、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、契約に基づく独占販売権を「販売権」に計上しており、営業本部を当該事業所管部署とし、定期的な報告をもとに協議する機会を設け、販売計画の評価や検証を行っております。当社では、契約に基づく独占販売権の前払金を「長期前渡金」に計上しております。長期前渡金の計上に際しては、必要に応じて外部専門家による適切な評価を行っており、計上後は毎期、適切に評価を実施しております。また、事業開発部を当該事業所管部署とし、定期的な報告をもとに協議する機会を設け、開発の進捗状況や販売計画の評価、検証を行っております。 ⑬ 提携先への投資に関するリスク提携先への投資について、上場株式及びデリバティブ債権については基準価格の下落等により、投資有価証券評価損およびデリバティブ評価損を計上し、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では、デリバティブ債権などの計上に際し、必要に応じて外部専門家による適切な評価を行っており、計上後は毎期、適切に評価を実施しております。

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