有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,780 文字
3 【事業等のリスク】SHIONOGIは、事業機会の創出及びリスクの回避や低減など適切なマネジメントを行うとともに、パンデミック、自然災害、テロやサイバー攻撃などのクライシスマネジメントも含めたグループ全体のビジネスリスクを統括する全社的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)体制を経営戦略・経営基盤の重要な仕組みとしております。全社的リスクマネジメントの運用・管理は、業績及び経営に重大な影響を及ぼす可能性があると評価した重要なリスクを、戦略の意思決定に内在及び戦略の遂行を阻害する「事業戦略上のリスク」、経営目標を支える業務遂行に影響を与える「事業遂行上のリスク」の2つに分類し、責任の明確化及び対応状況の透明化を図ることで包括的なリスク管理を行っています。これらのリスクは経営会議及び取締役会にて審議・承認されています。「事業戦略上のリスク及び事業遂行上のリスク」については、四半期ごとに経営会議で議論を行い、リスクリストの更新、対応すべきリスクの特定及び責任管掌の任命を行っています。責任管掌は他管掌を含む関連組織と連携を図りながら、不確実性を機会として活かす、あるいは低減するための 対応計画の立案・推進を行い、経営会議で進捗状況をモニタリングしています。また、管掌は自管掌下におけるリスクにリスクオーナーを任命して モニタリングし、リスクの影響度や発生可能性を勘案した上で、必要に応じて「事業戦略上のリスクまたは事業遂行上のリスク」として経営会議へエスカレーションする責務を担っています。この管掌を中心としたリスク管理体制を取ることで、期中においても迅速かつ柔軟に課題の抽出、対応計画 の立案・推進を行っております。クライシスマネジメントについては、危機管理規則等に基づき、事業継続計画を含む総合的な管理体制のもと、人命を尊重し、地域社会への配慮、貢献及び企業価値毀損の抑制を主眼とした管理を推進し、クライシスが発生した場合には速やかに対処し、当該クライシスを克服するよう努めております。また、リスクマネジメントの実効性を高めるため、「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」に基づき業務の適正を確保する体制の整備・運用にも注力しております。これらの活動は定期的に経営会議及び取締役会に報告され、取締役より助言を得ることで改善を図るなど、リスクマネジメント活動を監督する体制を構築しています。なお、文中の将来に関する事項及びリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。 1.事業戦略上のリスク(1)感染症領域を中心としたグローバルな成長 <概要>感染症領域は収益が流行に左右されやすく、他の疾患領域と比較して市場の予見性が低く、薬剤の開発に成功しても投資回収に至らないケースがあります。また、耐性菌の発現率を減少させることを目的とし、治療選択肢が限られている場合にのみ新規抗菌薬を使用することに主眼が置かれており、抗菌薬の将来的な市場予測が非常に難しくなっております。一方、昨今の感染症に対する社会的関心の高まりから、SHIONOGIではこれらを機会として捉えており、マテリアリティにも「感染症の脅威からの解放」を定めております。SHIONOGIは、「薬剤耐性(AMR)治療薬」、「HIV治療薬」、「ワクチン」、「急性呼吸器感染症治療薬」を組み合わせ、最適な収益モデルを構築することで、疾患トータルとしてサステイナブルなビジネスとすることに取り組んでおります。特に急性呼吸器感染症においては、インフルエンザ・COVID-19、RSウイルス感染症の治療・予防薬をグローバルに展開することで、安定から“成長”ステージへの進展を目指しています。これまでSHIONOGIは海外展開品の多くをパートナー企業との提携を軸に取り組み、製品売上高の一部からロイヤリティーを取得してきました。HIV事業を中心に今後もこうしたパートナーとの関係を良好に保ちつつ、SHIONOGI創製品の欧・米・亜における開発、薬事申請並びに承認取得、マーケティング・販売などの事業活動や、低中所得国への展開など医療アクセスの向上に向けた活動をSHIONOGIが主体となって取り組んで行けるよう、グローバル展開を強化する必要があります。しかしながら、当初想定していた開発計画や販売戦略が遅延・失敗した場合、将来に期待されていた治療薬やワクチンの創出や売上収益が実現できない場合など、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。<主な対応・取り組み>・COVID-19、インフルエンザ治療薬の販売と適正使用の推進・薬剤耐性(AMR)治療薬セフィデロコルの販売拡大・COVID-19、インフルエンザ予防ワクチンの開発・HIVとともに生きる人々のQOLを高める長時間作用型の治療・予防薬の研究開発・アンメットニーズの高い感染症(結核・マラリア・非結核性抗酸菌症等)における新たな治療の研究開発・治療に加え、未病、予防、検査、診断、予後なども含めた疾患のトータルケアを実現する製品・サービスの創出・海外展開品目のグローバル開発・承認申請の実施と海外生産・流通・販売体制のさらなる整備・備蓄やサブスクリプション償還モデルの拡大など、各国政府や規制当局との交渉 (2) パイプラインの拡充 <概要>SHIONOGIは、誰もが自分らしく生き生きとした生活を送ることができる社会の実現を目指し、薬剤をはじめとした人々の困りごとを解決するヘルスケアソリューションの研究開発に取り組んでおります。医薬品の研究開発においては長い期間と多額の投資を必要とするうえに、臨床試験で期待した効果を得られず、承認が得られない可能性があります。このように不確実性の高い中、創薬の成功確率を高めて医療ニーズを満たす魅力あるパイプラインを形成していくためには、SHIONOGIが培ってきた感染症や低分子医薬品の研究開発技術に加えて、新規モダリティの獲得や外部ネットワークの活用、積極的な投資による外部からの成長ドライバーの獲得、それらに対応する人材の育成が不可欠です。また、医薬品のみでは解決しきれない患者さまや社会が抱える多様な困りごとを解決する機会と捉え、従来の医薬品のパテントに基づく収益に偏重したビジネスモデルを転換し、ワクチン及び新しいヘルスケアサービスの提供にも挑戦しております。医療用医薬品ビジネスとそれ以外のビジネスとのバランスを図ることでパテント切れによる収益の変動を緩和することが必要と考えております。<主な対応・取り組み>・新たなモダリティ・技術への挑戦・外部との協創によるものづくりの推進・インライセンスなど成長ドライバーへの積極投資・最先端の研究開発能力を確保するための人材育成・高い自社創薬比率の維持・デジタルアプリなど、従来の治療薬にとどまらない革新的な治療選択肢の開発・すべての人々が活躍できる環境整備に必要なサービスの開発 (3) 人的資本マネジメント<概要>SHIONOGIが事業モデルの転換を図り、STS2030 Revisionで目標とする成長を実現していくためには、従業員一人ひとりが変革を牽引する「競争力の源泉」となり、SHIONOGIがそうした強みを持つ多様な人材の集団として構成されている必要があります。そのために2030年のVision達成に向けた人的資本マネジメントを事業機会と捉え、戦略上の主要テーマとして設定しております。外部人材の登用や能力重視の人材登用を進めることで人材ポートフォリオの変革を行い、多様な価値観を持った人材の融合を実現し、2030年Visionの実現を目指しています。従業員が目指すべき人材像を「Shionogi Way:他者を惹きつける強みを持ち、貪欲に知識とスキルを高めつつ、積極的に挑戦しやり遂げる人」と定め、様々な施策を通じて、全員が備えるべき能力や個々の役割ごとに求められる能力の獲得を促しております。また、キャリア採用を強化し、不足している専門性を獲得していきます。加えて、各種制度や仕組みを整備することで、多様な人材がエンゲージメントを高め、活躍できる環境の整備も進めております。さらに、それらの取り組みを行う上で必要な従業員の健康や作業者の安全の確保にも努めております。しかしながら、施策や人材獲得の失敗、従業員の健康や安全に影響を及ぼす事象の発生などの阻害要因が生じた場合には、SHIONOGIの人的資本の価値が毀損され、SHIONOGIの変革が停滞し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。<主な対応・取り組み>・キャリア採用強化・人事制度の改定・様々な属性が活躍できる働き方改革・チャレンジを歓迎し賞賛するイベントの実施・各事業所におけるEHSマネジメントシステムの運用強化・原薬の作業者暴露に関する暴露基準(OEL)設定の推進・作業者暴露に関する取扱い基準の設定と運用 (4) DX変革の実現<概要>SHIONOGIは昨今の技術革新やそれを取り巻くダイナミックな環境変化を機会と捉えており、STS2030 Revisionにおいて、意思決定のスピードを加速させ、データに基づく新たな価値創造を実現するため、あらゆる活動でデジタルトランスフォーメーションに取り組むことを大きなテーマとして掲げております。従来のビジネスモデルの変革が求められる中、AIやITを活用した生産性の向上は必須であり、その実現に向けた取り組みの停滞が生じた場合には、SHIONOGIの業績のみならず企業価値向上に重要な影響を及ぼす可能性があります。<主な対応・取り組み>・グローバルIT基盤の構築・AI創薬の実践、AI活用による市中在庫予測などのビジネスモデル/オペレーション変革・疾病の診断・治療を目的とした医療機器プログラム(SaMD)、疾患検知アルゴリズムの開発・業務効率化と新たな価値創造を実現するデータ利活用基盤の整備 ・デジタルコア人材を輩出する育成施策の実施 2.事業遂行上のリスク (1) 品質 <概要>SHIONOGIは医薬品等の製造管理及び品質管理の基準(GMP)や医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等の薬事関連法規に準拠した厳格な品質管理体制のもと製品の製造及び委託製造を行っております。また、厚生労働省、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)等の所管当局の査察を受け、製造販売の認可を取得しておりますが、何らかの原因により、品質不良やロット不適が発生するなどの品質問題が発生した場合、以下のリスクが想定されます。・製品由来のレピュテーションの低下・承認書と製造実態の不整合による品質不良、出荷停止、回収、行政処分による業務停止等・データ完全性の不備による回収や当局査察での重大な指摘・企業の信頼低下<主な対応・取り組み>・SHIONOGIグループ品質ポリシーの制定・推進・社内における教育イベント等の開催による品質の重要性の理解浸透・Quality Cultureの醸成活動等の推進・製造所監査等を通じた管理監督活動・社内関連部署との連携会議等によるBad News Fast/Firstの体制強化 (2) グローバルサプライチェーンマネジメント <概要>大地震や暴風雨、洪水などの自然災害やパンデミックの発生、または米中経済対立や台湾有事などの地政学的影響や人権・環境などのサステイナビリティの観点による影響などでサプライチェーンに問題が生じた場合、以下のリスクが想定されます。・工場の操業停止・原材料や製商品の調達困難・卸物流網の寸断並びに情報の停滞・医薬品の安定供給に対する重大な影響・社会や公衆衛生への悪影響 <主な対応・取り組み>・保有在庫量の独自基準に基づく在庫管理・一部製品に含有される原薬の国内製造体制の構築・製品の安定供給のための原材料調達先分散(地政学的リスクの高い原材料のセカンドベンダーの選定)・優先して供給すべきBCP品目の設定及び定期的な見直し・サプライヤーに対するデューディリジェンス並びに監査の実施と改善要求 ・サプライヤーに対する「SHIONOGIグループビジネスパートナーに求める行動規範」への同意取得・「マルチステークホルダー方針」に則った取引先への配慮・取引卸との円滑な連携と災害時対策の協議・立案・卸並びに市中在庫の透明化・危機管理体制及び危機管理規程類の見直し (3) ITセキュリティ・情報管理<概要>個人情報を含む多くの機密情報を保有し、アウトソーシング先を含めて各種ITシステムを利活用している中、従業員及びアウトソーシング企業などの不注意または故意による行為、あるいは悪意を持った第三者によるサイバー攻撃などにより、ITセキュリティが脅かされた場合、以下のリスクが想定されます。・重要システム停止による事業の継続困難・個人情報を含む機密情報の流出・損害賠償請求などの法的な損害や事後対応に係る費用などの発生・業績やレピュテーションの低下<主な対応・取り組み>・グループ従業員に対する情報管理や個人情報の重要性に対する認識や個人情報保護に関する法令遵守の必要性及びSHIONOGIグループグローバルプライバシーポリシーについての教育の徹底・サイバー攻撃や大規模災害などの危機事象発生に備えたIT-BCP体制構築プロジェクトの推進・ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用の改善・グローバルセキュリティアセスメントの結果に基づくグループ全体でのネットワーク体制の強化 (4) 製品安全<概要>医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を経て承認を受け販売しております。市販後は、安全性情報を収集し、医薬品の安全性確保及び適正使用のために必要な対策を実施しております。また、当社はHaaS企業として医薬品以外の製品・サービスの販売を拡充しております。製品・サービスによっては世界的に審査基準が未策定な分野も存在することから、所轄官庁との個別議論により製品・サービスそのものの安全性を確保することが重要です。また、医薬品を含む製品・サービスを適切に使用して頂くことも重要であるため、顧客に対する当該疾患に関する情報発信・啓発を実施しています。医薬品や製品サービスに対して予期せぬ副作用や不具合の発生及び副作用報告の漏れや遅延、不具合への対応の遅れ等が発生した場合、あるいは当社からの情報発信内容に誤りがあった場合、以下のリスクが想定されます。・製品の販売中止や回収・健康被害に関する損害賠償訴訟の提起・業績やレピュテーションへの影響<主な対応・取り組み>・副作用や不具合等の安全に関する情報を適切に収集・分析・評価・報告する体制の強化及びシステムの構築・副作用や不具合等の拡大や被害の抑制につながる全従業員教育の実施・経営層を対象とした製品安全に関する教育の実施・医薬品の副作用等に基づく医療被害補償の保険加入・提供情報や啓発内容に対する専門家による監修及び社内審査の実施、内容の定期更新の実施 (5) コンプライアンス<概要>SHIONOGIではコンプライアンスを法律、規則、規制等の遵守に留まらず、社会規範の遵守、更には企業・社会人としての倫理的行動を含むという認識のもと、事業活動遂行における法令違反、社会規範の逸脱、倫理に反する行為・行動を重要なリスクと捉えており、当該リスクが顕在化した場合、以下の影響が想定されます。・レピュテーションの低下・ステークホルダーからの信頼の失墜・経営成績及び財政状態の悪化<主な対応・取り組み>・SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクトの制定・推進・Global Compliance & Quality Weekを通じた、グループ全従業員のコンプライアンス意識の強化・組織の構成に応じたコンプライアンス推進体制の運用・代表取締役会長兼社長CEOを委員長としたコンプライアンス委員会の開催(年4回)・コンプライアンス委員会活動状況の取締役会への報告(年2回)・全従業員対象のコンプライアンス意識調査の実施と各組織への分析結果のフィードバック・行動に迷った際に、立ち止まって自らの行動の是非を見つめ直すための5つのチェック項目に関するグローバル全社員への教育の実施 (6) 環境<概要>医薬品の研究、開発、製造等の事業活動を行う過程において、環境や生態系などに影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。それらによる被害が顕在化した場合、以下のリスクが想定されます。・施設や設備の稼働停止や対策・復旧/改修費用の発生・損害賠償訴訟の提起、補償費用の支払い・業績やレピュテーションの低下<主な対応・取り組み>・EHSポリシー・EHS行動規範の制定によるガバナンスの強化・環境及び安全衛生(EHS)統括管理体制の整備・環境マテリアリティ並びにEHSに関する中期行動計画の推進・各事業所における、ISO14001、ISO45001並びにそれらに準じたEHSマネジメントシステムの運用強化・関連法令を遵守するとともに、より厳しい自主管理基準・目標を策定して対応を実施 (7) 他社とのパートナーシップ <概要>事業パートナーとの協業は、経営資源や内部情報を互いに提供し、相互の強みを活かして事業強化を図ることが目的ですが、以下のリスクが想定されます。・パートナーによる自社技術やノウハウの業務提携目的外の利用・自社による意図しない他社技術の無断利用や知的財産の侵害による訴訟・自社による機密情報の漏洩・他社による機密情報の漏洩によるブランドイメージやレピュテーション、投資家からの信頼の低下<主な対応・取り組み>・パートナーとコミュニケーションを充実させることによる認識の齟齬の解消、信頼関係の維持・向上・想定されるリスクを織り込んだ秘密保持契約の締結・知的財産権の取り扱いや損害賠償に関する事項などを明確化した契約の締結・問題点や侵害リスクの調査を目的とした知的財産の定期的な点検による訴訟リスクの回避・データの適切な暗号化やアクセス制御の強化、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、セキュリティ監視体制の整備などによる情報管理体制の構築・パートナーへ共有する情報の最小化と情報共有ルールの整備・共有する情報の使用状況やアクセスログを監視する体制の整備・パートナー企業の情報管理体制の定期的な監査と評価・パートナー企業の信頼性や財務状況、法的な問題などについて多角的な観点からのデューディリジェンスの実施・問題点や改善点の早期発見を目的としたパートナーシップの定期的な監査と評価の実施 (8) 知的財産<概要>SHIONOGIの製品は、知的財産権(特許権等)により保護されて利益を生み出しますが、グループ会社の増加や事業領域の変化・拡大等の要因により種々の知的財産が充分に保護できない恐れや、第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。SHIONOGIが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合あるいはSHIONOGIの製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、以下のリスクが想定されます。・期待される収益が失われることによる経営成績及び財政状態の悪化・知的財産権保護のための係争や訴訟・損害賠償金の支払い・当該製品の製造販売の差止め・企業ブランドやレピュテーションの低下 <主な対応・取り組み>・知的財産権の適切な権利化と管理体制の整備、第三者による権利侵害に対する継続的な監視・事業活動にあたっては、侵害予防調査の実施・導出入活動における知財デューディリジェンスの実施など、侵害予防のための体制の整備・e-Learning等による従業員教育の定期的な実施 (9) 制度・行政<概要>医薬品事業は、各国・地域の政策により様々な規制を受けております。医療保険財政のひっ迫に加え、米国インフレ抑制法(IRA)等により、特に先進諸国で薬剤費抑制の圧力がさらに強まる可能性があります。また、米国を始めとする世界各国での政権変化に伴う政策、国際関係への影響を注視する必要があります。我が国においては、高齢化進展に伴う医療費増加を見越した医療保険制度改革や毎年の薬価改定など、行政施策の動向がSHIONOGIの業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の変更により、追加的な費用や新たな対応が発生する可能性があります。それらが顕在化した場合、以下のリスクが想定されます。・医療用医薬品事業の予見性の低下・創出したイノベーションの価値と乖離した薬価の算定・医薬品、ワクチン等の研究開発の遅れや供給不安・医薬品、ワクチン等の売上高・利益の減少<主な対応・取り組み>・革新的な医薬品やヘルスケアサービスの創出と社会が許容できる価格での提供・創出したイノベーションの価値を示すエビデンスの構築・業界団体活動を通じ、イノベーションの価値を訴求する取り組みの推進・薬価制度や医薬品等の研究開発・製造・販売の各種規制などに関する最新情報の入手と迅速な対処 上記の重要なリスクに加え、訴訟、パンデミック・自然災害、金融市場・為替動向など、SHIONOGIの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクが存在します。ここに掲載されたものが、SHIONOGIのすべてのリスクではありません。
FY2024|8,506 文字
3 【事業等のリスク】SHIONOGIは、事業機会の創出及びリスクの回避や低減など適切なマネジメントを行うとともに、パンデミック、自然災害、テロやサイバー攻撃などのクライシスマネジメントも含めたグループ全体のビジネスリスクを統括する全社的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)体制を経営戦略・経営基盤の重要な仕組みとしております。全社的リスクマネジメントの運用・管理は、当社及びグループ会社が経営会議及び取締役会にて審議・承認されたリスクマネジメント計画に基づき、ビジネスリスクをグループ経営への影響度並びに発生可能性を勘案して抽出・評価し、その対応策を主体的に講じることを基本としております。全社リスク管理機能はグループ全体のリスク情報を取りまとめ、対応状況等を経営会議及び取締役会に報告しフィードバックを受けることで、期中においても迅速かつ柔軟に課題の抽出、対応策の立案を行っております。クライシスマネジメントについては、新たに策定した危機管理規則等に基づき、事業継続計画を含む総合的な管理体制のもと、人命を尊重し、地域社会への配慮、貢献及び企業価値毀損の抑制を主眼とした管理を推進し、クライシスが発生した場合には速やかに対処し、当該クライシスを克服するよう努めております。また、リスクマネジメントの実効性を高めるため、「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」に基づき業務の適正を確保する体制の整備・運用にも注力しております。 SHIONOGIでは業績及び経営に重大な影響を及ぼす可能性があると評価した重要なリスクを、戦略の意思決定に内在及び戦略の遂行を阻害する「事業戦略上のリスク」と経営目標を支える業務遂行に影響を与える「事業遂行上のリスク」に分類し、それぞれのリスクごとにリスクオーナーを任命し、不確実性を機会として活かす、あるいは低減するための対応計画を推進しております。各リスクの対応状況は、経営会議にてモニタリングし、是正・改善を図っております。なお、文中の将来に関する事項及びリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。 1.事業戦略上のリスク(1)感染症領域を中心としたグローバルな成長 <概要>感染症領域は収益が流行に左右されやすく、他の疾患領域と比較して市場の予見性が低く、薬剤の開発に成功しても投資回収に至らないケースがあります。また、耐性菌の発現率を減少させることを目的とし、治療選択肢が限られている場合にのみ新規抗菌薬を使用することに主眼が置かれており、抗菌薬の将来的な市場予測が非常に難しくなっております。一方、昨今の感染症に対する社会的関心の高まりから、SHIONOGIではこれらを機会として捉えており、マテリアリティにも「感染症の脅威からの解放」を定めております。SHIONOGIは、「治療に長期間を要する感染症」、「ワクチン」、「急性感染症」の取り組みを組み合わせ、最適な収益モデルを構築することで、疾患トータルとしてサステイナブルなビジネスとすることに取り組んでおります。これまでSHIONOGIは海外展開品の多くをパートナー企業との提携を軸に取り組み、製品売上高の一部からロイヤリティーを取得してきました。HIV事業を中心に今後もこうしたパートナーとの関係を良好に保ちつつ、SHIONOGI創製品の欧・米・亜における開発、薬事申請並びに承認取得、マーケティング・販売などの事業活動や、低中所得国への展開など医療アクセスの向上に向けた活動をSHIONOGIが主体となって取り組んで行けるよう、海外展開を強化する必要があります。しかしながら、当初想定していた開発計画や販売戦略が遅延・失敗した場合、将来に期待されていた治療薬やワクチンの創出や売上収益が実現できない場合など、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。<主な対応・取り組み>・COVID-19、インフルエンザ治療薬の販売と適正使用の推進・薬剤耐性(AMR)治療薬セフィデロコルの販売拡大・COVID-19、インフルエンザ予防ワクチンの開発・HIVとともに生きる人々のQOLを高める長時間作用型の治療・予防薬の研究開発・アンメットニーズの高い感染症(結核・マラリア・非結核性抗酸菌症等)における新たな治療の研究開発・治療に加え、未病、予防、検査、診断、予後なども含めた疾患のトータルケアを実現する製品・サービスの創出・海外展開品目のグローバル開発・承認申請の実施と海外生産・流通・販売体制のさらなる整備・備蓄やサブスクリプション償還モデルの拡大など、各国政府や規制当局との交渉 (2) パイプラインの拡充 <概要>SHIONOGIは、誰もが自分らしく生き生きとした生活を送ることができる社会の実現を目指し、薬剤をはじめとした人々の困りごとを解決するヘルスケアソリューションの研究開発に取り組んでおります。医薬品の研究開発においては長い期間と多額の投資を必要とするうえに、臨床試験で期待した効果を得られず、承認が得られない可能性があります。このように不確実性の高い中、創薬の成功確率を高めて医療ニーズを満たす魅力あるパイプラインを形成していくためには、SHIONOGIが培ってきた感染症や低分子医薬品の研究開発技術に加えて、新規モダリティの獲得や外部ネットワークの活用、積極的な投資による外部からの成長ドライバーの獲得、それらに対応する人材の育成が不可欠です。また、医薬品のみでは解決しきれない患者さまや社会が抱える多様な困りごとを解決する機会と捉え、従来の医薬品のパテントに基づく収益に偏重したビジネスモデルを転換し、ワクチン及び新しいヘルスケアサービスの提供にも挑戦しております。医療用医薬品ビジネスとそれ以外のビジネスとのバランスを図ることでパテント切れによる収益の変動を緩和することが必要と考えております。<主な対応・取り組み>・新たなモダリティ・技術への挑戦・外部との協創によるものづくりの推進・インライセンスなど成長ドライバーへの積極投資・最先端の研究開発能力を確保するための人材育成・高い自社創薬比率の維持・デジタルアプリなど、従来の治療薬にとどまらない革新的な治療選択肢の開発・すべての人々が活躍できる環境整備に必要なサービスの開発 (3) 人的資本マネジメント<概要>SHIONOGIが事業モデルの転換を図り、STS2030 Revisionで目標とする成長を実現していくためには、従業員一人ひとりが変革を牽引する「競争力の源泉」となり、SHIONOGIがそうした強みを持つ多様な人材の集団として構成されている必要があります。そのために2030年のVision達成に向けた人的資本マネジメントを事業機会と捉え、戦略上の主要テーマとして設定しております。外部人材の登用や能力重視の人材登用を進めることで人材ポートフォリオの変革を行い、多様な価値観を持った人材の融合を実現し、2030年Visionの実現を目指してまいります。従業員が目指すべき人材像を「Shionogi Way:他者を惹きつける強みを持ち、貪欲に知識とスキルを高めつつ、積極的に挑戦しやり遂げる人」と定め、様々な施策を通じて、全員が備えるべき能力や個々の役割ごとに求められる能力の獲得を促しております。また、キャリア採用を強化し、不足している専門性を獲得していきます。加えて、各種制度や仕組みを整備することで、多様な人材がエンゲージメントを高め、活躍できる環境の整備も進めております。しかしながら、施策や人材獲得の失敗など、実現するうえでの阻害要因が生じた場合には、SHIONOGIの変革が停滞し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。<主な対応・取り組み>・キャリア採用強化・人事制度の改定・様々な属性が活躍できる働き方改革・チャレンジを歓迎し賞賛するイベントの実施 (4) DX変革の実現<概要>SHIONOGIは昨今の技術革新やそれを取り巻くダイナミックな環境変化を機会と捉えており、STS2030 Revisionにおいて、意思決定のスピードを加速させ、データに基づく新たな価値創造を実現するため、あらゆる活動でデジタルトランスフォーメーションに取り組むことを大きなテーマとして掲げております。従来のビジネスモデルの変革が求められる中、AIやITを活用した生産性の向上は必須であり、その実現に向けた取り組みの停滞が生じた場合には、SHIONOGIの業績のみならず企業価値向上に重要な影響を及ぼす可能性があります。<主な対応・取り組み>・グローバルIT基盤の構築・AI創薬の実践、AI活用による市中在庫予測などのビジネスモデル/オペレーション変革・疾病の診断・治療を目的とした医療機器プログラム(SaMD)、疾患検知アルゴリズムの開発・業務効率化と新たな価値創造を実現するデータ利活用基盤の整備 ・デジタルコア人材を輩出する育成施策の実施 2.事業遂行上のリスク (1) 品質 <概要>SHIONOGIは医薬品等の製造管理及び品質管理の基準(GMP)や医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等の薬事関連法規に準拠した厳格な品質管理体制のもと製品の製造及び委託製造を行っております。また、厚生労働省、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)等の所管当局の査察を受け、製造販売の認可を取得しておりますが、何らかの原因により、品質不良やロット不適が発生するなどの品質問題が発生した場合、以下のリスクが想定されます。・製品由来のレピュテーションの低下・承認書と製造実態の不整合による品質不良、出荷停止、回収、行政処分による業務停止等・データ完全性の不備による回収や当局査察での重大な指摘・企業の信頼低下<主な対応・取り組み>・SHIONOGIグループ品質ポリシーの制定・推進・社内における教育イベント等の開催による品質の重要性の理解浸透・Quality Cultureの醸成活動等の推進・製造所監査等を通じた管理監督活動・社内関連部署との連携会議等によるBad News Fast/Firstの体制強化 (2) サプライチェーンマネジメント <概要>大地震や暴風雨、洪水などの自然災害やパンデミックの発生、または米中経済対立や台湾有事などの地政学的影響や人権・環境などのサステイナビリティの観点による影響などでサプライチェーンに問題が生じた場合、以下のリスクが想定されます。・工場の操業停止・原材料や製商品の調達困難・卸物流網の寸断並びに情報の停滞・医薬品の安定供給に対する重大な影響<主な対応・取り組み>・保有在庫量の独自基準に基づく在庫管理・一部製品に含有される原薬の国内製造体制の構築・製品の安定供給のための原材料調達先分散(地政学的リスクの高い原材料のセカンドベンダーの選定)・優先して供給すべきBCP品目の設定及び定期的な見直し・サプライヤーに対するデューディリジェンス並びに監査の実施と改善要求・「マルチステークホルダー方針」に則った取引先への配慮・取引卸との円滑な連携と災害時対策の協議・立案・卸並びに市中在庫の透明化・危機管理体制及び危機管理規程類の見直し (3) ITセキュリティ・情報管理<概要>個人情報を含む多くの機密情報を保有し、アウトソーシング先を含めて各種ITシステムを利活用している中、従業員及びアウトソーシング企業などの不注意または故意による行為、あるいは悪意を持った第三者によるサイバー攻撃などにより、ITセキュリティが脅かされた場合、以下のリスクが想定されます。・重要システム停止による事業の継続困難・個人情報を含む機密情報の流出・損害賠償請求などの法的な損害や事後対応に係る費用などの発生・業績やレピュテーションの低下<主な対応・取り組み>・情報管理を統括する責任者として情報の保全及び情報セキュリティの確保に関する方針を定めるCIO、データ及び文書類の利用並びに管理を統制する責任者としてCDO、IT運営の責任者としてGlobal Head of ITをそれぞれ任命し、法規制やガイドラインを踏まえた情報管理に関する規程などを整備・個人情報に関する、SHIONOGIグループグローバルプライバシーポリシーの策定・推進・グループ従業員に対する情報管理や個人情報の重要性に対する認識や個人情報保護に関する法令遵守の必要性についての教育の徹底・サイバー攻撃や大規模災害などの危機事象発生に備えたIT-BCP体制構築プロジェクトの推進・ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用の改善・台湾拠点におけるサイバー攻撃の実例から、再発防止及びグローバル各拠点での未然防止に向けた対策としてグローバルセキュリティアセスメントの結果に基づくグループ全体でのネットワーク体制の抜本的見直しなどの実施 (4) 副作用<概要>医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を経て承認を受け販売しております。市販後は、安全性情報を収集し、医薬品の安全性確保及び適正使用のために必要な対策を実施しておりますが、予期せぬ副作用の発生及び副作用報告の漏れや遅延等が発生した場合、以下のリスクが想定されます。・製品の販売中止や回収・健康被害に関する損害賠償訴訟の提起・業績やレピュテーションへの影響<主な対応・取り組み>・副作用の情報を適切に収集・分析・評価・報告する体制の強化及びシステムの構築・副作用の拡大や被害の抑制につながる全従業員教育の実施・副作用に基づく医療被害補償の保険加入 (5) コンプライアンス<概要>SHIONOGIではコンプライアンスを法律、規則、規制等の遵守に留まらず、社会規範の遵守、更には企業・社会人としての倫理的行動を含むという認識のもと、事業活動遂行における法令違反、社会規範の逸脱、倫理に反する行為・行動を重要なリスクと捉えており、当該リスクが顕在化した場合、以下の影響が想定されます。・レピュテーションの低下・ステークホルダーから信頼の失墜・経営成績及び財政状態の悪化<主な対応・取り組み>・SHIONOGIグループ行動憲章にコンプライアンスの項目を設けるとともに、SHIONOGIグループコンプライアンスポリシーを制定・推進・Global Compliance & Quality Weekを通じ、グループ全従業員のコンプライアンス意識を強化・組織の構成に応じたコンプライアンス推進体制の運用・代表取締役会長兼社長CEOを委員長としたコンプライアンス委員会の開催(年4回)・コンプライアンス委員会活動状況の取締役会への報告(年2回)・事業活動におけるコンプライアンスの遵守を最優先事項とし、社長メッセージでコンプライアンスについて発信(2023年度:6回)・全従業員対象のコンプライアンス意識調査の実施と各組織への分析結果のフィードバック・行動に迷った際に、立ち止まって自らの行動の是非を見つめ直すための5つのチェック項目の作成とグローバル全社員への周知 (6) 環境・安全 <概要>医薬品の研究、開発、製造等の事業活動を行う過程において、環境や生態系、作業者の安全などに影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。それらによる被害が顕在化した場合、以下のリスクが想定されます。・施設や設備の稼働停止や対策・復旧費用の発生・損害賠償訴訟の提起、補償費用の支払い・業績やレピュテーションの低下<主な対応・取り組み>・EHSポリシー・EHS行動規範の制定によるガバナンスの強化・環境及び安全衛生(EHS)統括管理体制の整備・環境マテリアリティ並びにEHSに関する中期行動計画の見直し・各事業所において、ISO14001、ISO45001並びにそれらに準じたEHSマネジメントシステムの運用を強化・関連法令を遵守するとともに、より厳しい自主管理基準・目標を策定して対応を実施・原薬の作業者曝露に関する曝露基準(OEL)設定に関するGlobal SOPの制定・作業者曝露に関する取扱い基準を設定 (7) 他社とのパートナーシップ <概要>事業パートナーとの協業は、経営資源や内部情報を互いに提供し、相互の強みを活かして事業強化を図ることが目的ですが、以下のリスクが想定されます。・パートナーによる自社技術やノウハウの業務提携目的外の利用・自社による意図しない他社技術の無断利用や知的財産の侵害による訴訟・自社による機密情報の漏洩・他社による機密情報の漏洩によるブランドイメージやレピュテーション、投資家からの信頼の低下<主な対応・取り組み>・パートナーとコミュニケーションを充実させることによる認識の齟齬の解消、信頼関係の維持・向上・想定されるリスクを織り込んだ秘密保持契約の締結・知的財産権の取り扱いや損害賠償に関する事項などを明確化した契約の締結・問題点や侵害リスクの調査を目的とした知的財産の定期的な点検による訴訟リスクの回避・データの適切な暗号化やアクセス制御の強化、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、セキュリティ監視体制の整備などによる情報管理体制の構築・パートナーへ共有する情報の最小化と情報共有ルールの整備・共有する情報の使用状況やアクセスログを監視する体制の整備・パートナー企業の情報管理体制の定期的な監査と評価・パートナー企業の信頼性や財務状況、法的な問題などについて多角的な観点からのデューディリジェンスの実施・問題点や改善点の早期発見を目的としたパートナーシップの定期的な監査と評価の実施・アライアンスマネジメントを専門で扱うグループの新設とノウハウの蓄積 (8) 知的財産<概要>SHIONOGIの製品は、知的財産権(特許権等)により保護されて利益を生み出しますが、グループ会社の増加や事業領域の変化・拡大等の要因により種々の知的財産が充分に保護できない恐れや、第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。SHIONOGIが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合あるいはSHIONOGIの製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、以下のリスクが想定されます。・期待される収益が失われることによる経営成績及び財政状態の悪化・知的財産権保護のための係争や訴訟・損害賠償金の支払い・当該製品の製造販売の差止め・企業ブランドやレピュテーションの低下<主な対応・取り組み>・知的財産権の適切な権利化と管理体制の整備、第三者による権利侵害に対する継続的な監視・事業活動にあたっては、侵害予防調査の実施・導出入活動における知財デューディリジェンスの実施など、侵害予防のための体制の整備・e-Learning等による従業員教育の定期的な実施 (9) 制度・行政<概要>医薬品事業は、各国・地域の政策により様々な規制を受けております。医療保険財政のひっ迫に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックで生じた歳出増や米国インフレ抑制法(IRA)等により、特に先進諸国で薬剤費抑制の圧力がさらに強まる可能性があります。また、2024年度は米国を始め世界各国で重要な選挙が予定されており、それらの結果の政策への影響を注視する必要があります。我が国においては、高齢化進展に伴う医療費増加を見越した医療保険制度改革が進められていることに加え、2021年度からは薬価改定が毎年実施されるなど、行政施策の動向がSHIONOGIの業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の変更により、追加的な費用や新たな対応が必要となる事態等が発生する可能性があります。さらに、我が国においては2023年度末をもってCOVID-19対策として導入された様々な規制・支援等が解消されたことによる影響も懸念され、それらが顕在化した場合、以下のリスクが想定されます。・医療用医薬品事業の予見性の低下・創出したイノベーションの価値と乖離した薬価の算定・医薬品、ワクチン等の研究開発の遅れや供給不安<主な対応・取り組み>・革新的な医薬品やヘルスケアサービスの創出と社会が許容できる価格での提供・創出したイノベーションの価値を示すエビデンスの構築・業界団体活動を通じ、イノベーションの価値を訴求する取り組みの推進・薬価制度や医薬品等の研究開発・製造・販売の各種規制などに関する最新情報の入手と迅速な対処 上記の重要なリスクに加え、訴訟、自然災害・パンデミック、金融市場・為替動向など、SHIONOGIの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクが存在します。ここに掲載されたものが、SHIONOGIのすべてのリスクではありません。
FY2023|8,000 文字
3 【事業等のリスク】SHIONOGIは、事業機会の創出およびリスクの回避や低減など適切な対応を行うとともに、パンデミック、自然災害、テロやサイバー攻撃などのクライシスマネジメントも含めたグループ全体のビジネスリスクを統括する全社的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)体制を経営戦略・経営基盤の重要な仕組みとしております。全社的リスクマネジメントの運用・管理は、当社およびグループ会社が経営会議および取締役会にて審議・承認されたリスクマネジメント計画に基づき、ビジネスリスクをグループ経営への影響度ならびに発生可能性を勘案して抽出・評価し、その対応策を主体的に講じることを基本としております。全社リスク管理機能はグループ全体のリスク情報を取りまとめ、対応状況等を経営会議および取締役会に報告し、取締役ならびに監査役からの意見や助言を受け、改善への取組に反映しています。クライシスリスクについては、規則に基づき、事業継続計画を含む総合的な管理体制のもと、人命を尊重し、地域社会への配慮、貢献および企業価値毀損の抑制を主眼とした管理を推進し、クライシスが発生した場合には速やかに対処し、当該クライシスを克服するよう努めております。また、リスクマネジメントの実効性を高めるため、「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」に基づき業務の適正を確保する体制の整備・運用にも注力しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてSHIONOGIが判断したものであります。 SHIONOGIでは業績および経営に重大な影響を及ぼす可能性があると評価した重要なリスクを、戦略の意思決定に内在および戦略の遂行を阻害する「事業戦略上のリスク」と経営目標を支える業務遂行に影響を与える「事業遂行上のリスク」に分類し、それぞれのリスクごとにリスクオーナーを任命し、不確実性を機会として活かす、あるいは低減するための対応計画を推進しております。各リスクの対応状況は、定期的(年2回程度)に経営会議にて進捗を確認し、是正・改善を行っております。なお、文中の将来に関する事項およびリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。 1.事業戦略上のリスク(1)感染症領域を中心としたグローバルな成長 <概要>感染症領域は収益が流行に左右されやすく、他の疾患領域と比較して市場の予見性が低く、薬剤の開発に成功しても投資回収に至らないケースがあります。また、耐性菌の発現率を減少させることを目的とし、治療選択肢が限られている場合にのみ新規抗菌薬を使用することに主眼が置かれており、抗菌薬の将来的な市場予測が非常に難しくなっています。SHIONOGIは、「治療に長期間を要する感染症」、「ワクチン」、「急性感染症」の取り組みを組み合わせ、最適な収益モデルを構築することで、疾患トータルとしてサステイナブルなビジネスとすることに取り組んでいます。これまでSHIONOGIは海外展開品の多くをパートナー企業との提携を軸に取り組み、製品売上高の一部からロイヤリティーを取得してきました。今後もこうしたパートナーとの関係を良好に保ちつつ、SHIONOGI創製品の欧・米・亜における開発、薬事申請ならびに承認取得、マーケティング・販売などの事業活動や、低中所得国への展開など医療アクセスの向上に向けた活動をSHIONOGIが主体となって取り組んで行けるよう、海外展開を強化する必要があります。しかしながら、当初想定していた開発計画や販売戦略が遅延・失敗した場合、将来に期待されていた治療薬やワクチンの創出や売上収益が実現できない場合など、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。<主な取り組み>・COVID-19、インフルエンザ治療薬の販売と適正使用の推進・COVID-19、インフルエンザ予防ワクチンの開発・HIVとともに生きる人々のQOLを高める長時間作用型の治療・予防薬の研究開発・アンメットニーズの高い感染症(結核・マラリア・非結核性抗酸菌症等)における新たな治療の研究開発・薬剤耐性(AMR)治療薬セフィデロコルの販売拡大・治療に加え、未病、予防、診断、予後なども含めた疾患のトータルケアを実現する製品・サービスの創出・海外展開品目のグローバル開発・承認申請の実施と海外生産・流通・販売体制のさらなる整備・備蓄やサブスクリプション償還モデルの拡大など、各国政府や規制当局との交渉・低中所得国における医療アクセス向上に向けた活動への参画 (2) パイプラインの拡充 <概要>SHIONOGIは、誰もが自分らしく生き生きとした生活を送ることができる社会の実現を目指し、薬剤をはじめとした人々の困りごとを解決するヘルスケアソリューションの研究開発に取り組んでいます。医薬品の研究開発においては長い期間と多額の投資を必要とするうえに、臨床試験で期待した効果を得られず、承認が得られない可能性があります。このように不確実性の高い中、創薬の成功確率を高めて医療ニーズを満たす魅力あるパイプラインを形成していくためには、SHIONOGIが培ってきた感染症や低分子医薬品の研究開発技術に加えて、新規モダリティの獲得や外部ネットワークの活用、積極的な投資による外部からの成長ドライバーの獲得、それらに対応する人材の育成が不可欠です。また、従来の医薬品のパテントに基づく収益に偏重したビジネスモデルを転換し、患者さまや社会が抱える多様な困りごとを解決するために、ワクチンおよび新しいヘルスケアサービスの提供にも挑戦し、医療用医薬品ビジネスとそれ以外のビジネスとのバランスを図ることでパテント切れによる収益の変動を緩和することが必要です。<主な取り組み>・新たなモダリティ・技術への挑戦・外部との協創によるものづくりの推進・インライセンスなど成長ドライバーへの積極投資・最先端の研究開発能力を確保するための人材育成・高い自社創薬比率の維持・デジタルアプリなど、従来の治療薬にとどまらない革新的な治療選択肢の開発・すべての人々が活躍できる環境整備に必要なサービスの開発 (3) 人的資本マネジメント<概要>SHIONOGIが事業モデルの転換を図り、STS2030 Revisionで目標とする成長を実現していくためには、従業員一人ひとりが変革を牽引する「競争力の源泉」となり、SHIONOGIがそうした尖った強みを持つ多様な人材の集団として構成されている必要があります。そのために2030年のVision達成に向けた人的資本マネジメントを事業戦略上の主要テーマとして設定し、外部人材の登用や能力重視の人材登用を進めることで人材ポートフォリオの変革を行い、多様な価値観を持った人材の融合を実現し、経営理念を実践してまいります。従業員が目指すべき人材像を「Shionogi Way:他者を惹きつける尖った強みを持ち、新しいことにチャレンジを続ける人」と定め、様々な施策を通じて、全員が備えるべき能力や個々の役割ごとに求められる能力の獲得を促しています。また、キャリア採用を強化し、不足している専門性を獲得していきます。加えて、各種制度や仕組みを整備することで、多様な人材がエンゲージメントを高め、活躍できる環境の整備も進めています。しかしながら、施策や人材獲得の失敗など、実現するうえでの阻害要因が生じた場合には、SHIONOGIの変革が停滞し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。<主な取り組み>・キャリア採用強化・人事制度の改定・様々な属性が活躍できる働き方改革・チャレンジを歓迎し賞賛するイベントの実施 (4) DX変革の実現<概要>SHIONOGIはSTS2030 Revisionにおいて、意思決定のスピードを加速させ、データに基づく新たな価値創造を実現するため、あらゆる活動でデジタルトランスフォーメーションに取り組むことを大きなテーマとして掲げています。従来のビジネスモデルの変革が求められる中、デジタルトランスフォーメーションの必要性は明白であり、その実現に向けた取り組みの停滞が生じた場合には、SHIONOGIの業績のみならず企業価値向上に重要な影響を及ぼす可能性があります。<主な取り組み>・グローバルIT基盤の構築・AI創薬の実践、AI活用による市中在庫予測などのビジネスモデル/オペレーション変革・疾病の診断・治療を目的とした医療機器プログラム(SaMD)、疾患検知アルゴリズムの開発・業務効率化と新たな価値創造を実現するデータ利活用基盤の整備 ・デジタルコア人材を輩出する育成施策の実施 2.事業遂行上のリスク (1) 制度・行政<概要>医薬品事業は、各国の政策により様々な規制を受けております。医療保険財政のひっ迫に伴い、先進諸国で薬剤費抑制の圧力が強まる中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによる歳出増の影響によりこの圧力がさらに強まる可能性があります。我が国においては、高齢化進展に伴う医療費増加を見越した医療保険制度改革が進められていることに加え、2021年度からは薬価改定が毎年実施されるなど、行政施策の動向がSHIONOGIの業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の変更により、追加的な費用や製品が適合しなくなる事態等が発生する可能性があります。さらに、COVID-19対策として導入された様々な規制や制度がパンデミック状況の変化によって段階的に解消されていくことなども懸念され、それらが顕在化した場合、以下の影響が想定されます。・医療用医薬品事業の予見性の低下・創出したイノベーションの価値と乖離した薬価の算定・新興、再興感染症パンデミック時に必要な医薬品、ワクチンの研究開発の遅れや供給不安<主な対応・取り組み>・革新的な医薬品やヘルスケアサービスの創出と社会が許容できる価格での提供・創出したイノベーションの価値を示すエビデンスの構築・業界団体活動を通じ、イノベーションの価値を訴求する取り組みの推進・薬価制度や医薬品等の研究開発・製造・販売の各種規制などに関する最新情報の入手と迅速な対処 (2) 副作用等 <概要>医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を経て承認を受け販売しております。市販後は、安全情報を収集し、医薬品の安全性確保および適正使用のために必要な対策を実施しておりますが、予期せぬ副作用等が発生した場合、以下の影響が想定されます。・製品の販売中止や回収・健康被害に関する損害賠償訴訟の提起・業績や風評への影響<主な対応・取り組み>・副作用等の情報を適切に収集・分析・評価・報告する体制の強化およびシステムの構築・副作用等の拡大や被害の抑制につながる全従業員教育の実施・副作用等に基づく医療被害補償の保険加入 (3) 他社とのパートナーシップ <概要>事業パートナーとの協業は、経営資源や内部情報を互いに提供し、相互の強みを活かして事業強化を図ることが目的ですが、以下のリスクが想定されます。また、資源や環境の保護、安全や人権などのESG課題への取り組みに反した企業との提携により企業価値が低下するリスクがあります。・パートナーによる自社技術やノウハウの業務提携目的外の利用・自社による意図しない他社技術の無断利用や知的財産の侵害による訴訟・自社による機密情報の漏洩・他社による機密情報の漏洩・資源や環境、安全、人権の確保の取り組みと矛盾する企業との提携によるブランドイメージやレピュテーション、投資家からの信頼の低下<主な対応・取り組み>・パートナーとコミュニケーションを充実させることによる認識の齟齬の解消、信頼関係の維持・向上・想定されるリスクを織り込んだ秘密保持契約の締結・知的財産権の取り扱いや損害賠償に関する事項などを明確化した契約の締結・問題点や侵害リスクの調査を目的とした知的財産の定期的な点検による訴訟リスクの回避・データの適切な暗号化やアクセス制御の強化、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、セキュリティ監視体制の整備などによる情報管理体制の構築・パートナーへ共有する情報の最小化と情報共有ルールの整備・共有する情報の使用状況やアクセスログを監視する体制の整備・パートナー企業の情報管理体制の定期的な監査と評価・パートナー企業の信頼性や財務状況、法的な問題などについて多角的な観点からのデューデリジェンスの実施・問題点や改善点の早期発見を目的としたパートナーシップの定期的な監査と評価の実施 (4) 品質 SHIONOGIは医薬品等の製造管理および品質管理の基準(GMP)や医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等の薬事関連法規に準拠した厳格な品質管理体制のもと製品の製造および委託製造を行っております。また、厚生労働省、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)等の所管当局の査察を受け、製造販売の認可を取得しておりますが、何らかの原因により、品質不良やロット不適が発生するなどの品質問題が発生した場合、以下の影響が想定されます。・製品由来の風評被害・承認書と製造実態の不整合による品質不良、出荷停止、回収、行政処分・データ完全性の不備による回収や当局査察での重大な指摘・企業の信頼低下<主な対応・取り組み>・SHIONOGIグループ品質ポリシーの制定・社内における教育イベント等の開催による品質の重要性の理解浸透・Quality Cultureの醸成活動等の推進・製造所監査等を通じた管理監督活動 (5) サプライチェーンマネジメント <概要>大地震や暴風雨、洪水などの自然災害やパンデミックの発生、または地政学的影響や人権・環境などのサステイナビリティの観点による影響などでサプライチェーンに問題が生じた場合、以下の影響が想定されます。・工場の操業停止・原材料や商品の調達困難・医薬品の安定供給に対する重大な影響<主な対応・取り組み>・保有在庫量の独自基準に基づく在庫管理・一部製品に含有される原薬の国内製造体制の構築・製品の安定供給のための原材料調達先分散の検討(地政学的リスクの高い原材料のセカンドベンダーの選定)・優先して供給すべきBCP品目の設定および定期的な見直し・サプライヤーに対するデューディリジェンスならびに監査の実施と改善要求 (6) ITセキュリティ・情報管理<概要>個人情報を含む多くの機密情報を保有し、アウトソーシング先を含めて各種ITシステムを利活用している中、従業員およびアウトソーシング企業などの不注意または故意による行為、あるいは悪意を持った第三者によるサイバー攻撃などにより、ITセキュリティが脅かされた場合、以下の影響が想定されます。・重要システム停止による事業の継続困難・個人情報を含む機密情報の流出・損害賠償請求などの法的な損害や事後対応に係る費用などの発生・業績低下や風評被害<主な対応・取り組み>・情報管理を統括する責任者として情報の保全および情報セキュリティの確保に関する方針を定めるCIO、データおよび文書類の利用ならびに管理を統制する責任者としてCDO、IT運営の責任者としてGlobal Head of ITをそれぞれ任命し、法規制やガイドラインを踏まえた情報管理に関する規程などを整備・個人情報に関する、SHIONOGIグループグローバルプライバシーポリシーの策定・グループ従業員に対する情報管理や個人情報の重要性に対する認識や個人情報保護に関する法令遵守の必要性についての教育の徹底・サイバー攻撃や大規模災害などの危機事象発生に備えたIT-BCP体制構築プロジェクトの推進・ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用の改善・台湾拠点におけるサイバー攻撃の実例から、再発防止およびグローバル各拠点での未然防止に向けた対策としてグローバルセキュリティアセスメントの結果に基づくグループ全体でのネットワーク体制の抜本的見直しなどの実施 (7) 環境・安全 <概要>医薬品の研究、開発、製造等の事業活動を行う過程において、環境や生態系、作業者の安全などに影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。それらによる被害が顕在化した場合、以下の影響が想定されます。・施設や設備の稼働停止や対策・復旧費用の発生・損害賠償訴訟の提起、補償費用の支払い・業績低下や風評被害<主な対応・取り組み>・EHSポリシー・EHS行動規範の制定によるガバナンスの強化・環境および安全衛生(EHS)統括管理体制の整備・各事業所において、ISO14001、ISO45001ならびにそれらに準じたEHSマネジメントシステムの運用を強化 ・関連法令を遵守するとともに、より厳しい自主管理基準・目標を策定して対応を実施 (8) コンプライアンス<概要>SHIONOGIではコンプライアンスを法律、規則、規制等の遵守に留まらず、社会規範の遵守、更には企業・社会人としての倫理的行動を含むという認識のもと、事業活動遂行における法令違反、社会規範の逸脱、倫理に反する行為・行動を重要なリスクと捉えており、当該リスクが顕在化した場合、以下の影響が想定されます。・風評の悪化・ステークホルダーから信頼の失墜・経営成績および財政状態の悪化<主な対応・取り組み>・SHIONOGIグループ行動憲章にコンプライアンスの項目を設けるとともに、SHIONOGIグループコンプライアンスポリシーを制定・Global Compliance Week & Quality Weekを通じ、グループ全従業員のコンプライアンス意識を強化・組織の構成に応じたコンプライアンス推進体制の再整備・改正公益通報者保護法に則した内部通報窓口(社内、社外)の運用・代表取締役社長を委員長としたコンプライアンス委員会の開催(年4回)・コンプライアンス委員会活動状況の取締役会への報告(年2回)・事業活動におけるコンプライアンスの遵守を最優先事項とし、社長メッセージでコンプライアンスについて発信(年4回)・全従業員対象のコンプライアンス意識調査の実施と各組織への分析結果のフィードバック (9) 知的財産<概要>SHIONOGIの製品は、知的財産権(特許権等)により保護されて利益を生み出しますが、種々の知的財産が充分に保護できない恐れや、第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。SHIONOGIが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合あるいはSHIONOGIの製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、以下の影響が想定されます。・期待される収益が失われることによる経営成績および財政状態の悪化・知的財産権保護のための係争や訴訟・損害賠償金の支払い・当該製品の製造販売の差止め・企業ブランド、レピュテーションの低下<主な対応・取り組み>・知的財産権の適切な権利化と管理体制の整備、第三者による権利侵害に対する継続的な監視・事業活動にあたっては、侵害予防調査の実施・導出入活動における知財デューデリジェンスの実施など、侵害予防のための体制の整備 上記の重要なリスクに加え、訴訟、自然災害・パンデミック、金融市場・為替動向など、SHIONOGIの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクが存在します。ここに掲載されたものが、SHIONOGIのすべてのリスクではありません。
FY2022|10,283 文字
2【事業等のリスク】当社グループ(当社及び連結子会社)は、サステイナビリティの観点から事業機会の創出とリスクの回避並びに低減など、ビジネスリスクの適切な対応(マネジメント)を行うとともに、グループ全体のリスクを統括する全社リスクマネジメント(Enterprise Risk Management 以下「ERM」という)体制を経営戦略・経営基盤の重要な仕組みとし、その推進を図っております。当社グループが意思決定と業務執行に係るリスクを認識し、主体的に管理し対応策を講じることを基本とし、特に経営に影響を及ぼすような重要なリスクやその対応方針については経営会議及び取締役会にて審議・決定し、対応方針に基づき、主管組織が関連組織と協働し対策を実施しております。さらに、当社グループは、事業活動を通じて健康・医療のニーズに応えるとともに、経済、社会、環境等の様々な課題を解決することで、当社グループの持続的な成長と社会の持続可能性への貢献を目指すサステイナビリティ活動を推進しております。 「リスクマネジメント体制」 役割①取締役会ERM推進活動の計画と進捗、成果の監督及び助言等を行う[開催:年2回定期、必要に応じて臨時開催]②代表取締役社長 及び 経営会議代表取締役社長をチェアとする経営会議にて、以下に示す当社グループのERMに関する重要事項について協議し、代表取締役社長が承認する・経営に影響を及ぼす重要なリスクの特定とその対応方針・ERMに必要な経営資源の配分・ERM推進活動の年次計画と進捗、成果のレビューなど[経営会議におけるERMの議論:年2回定期、必要に応じて適宜期中にも実施]③全社リスク管理責任者・経営支援本部長を全社リスク管理責任者として、当社グループのリスク管理を統括し、ERM体制の推進・運用の責任を担う④全社リスク管理機能・サステイナビリティ推進部、総務部、経営企画部で構成される全社リスク管理機能にて、当社グループのリスク情報を一元管理し、ERM推進活動計画を立案、経営会議で特定された重要なリスクへの対応状況等のモニタリングを行い、その活動とモニタリング結果を取締役会及び経営会議に報告する。また、取締役会及び経営会議からのフィードバックに基づき、活動課題の改善を行う⑤執行役員 グループ会社 社長・執行役員及びグループ会社社長は、各事業部門及びグループ各社において、意思決定と業務執行におけるリスクのマネジメントを実施する・リスクの抽出、特定、分析、評価、対策立案、対策推進、実施評価、改善実施と全社リスク管理機能へ報告する 以下では、当社グループの業績及び経営に重要な影響を及ぼす可能性のある重要なリスクを記載しており、それぞれのリスクに対し、記載の取り組みによりその低減に努めております。なお、文中の将来に関する事項及びリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1)制度・行政に関するリスク医薬品事業は、各国の政策により様々な規制を受けております。医療保険財政のひっ迫に伴い、先進諸国で薬剤費抑制の圧力が強まる中、新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という)に対する多額の財政出動はこの圧力をさらに強める可能性があります。我が国においては、高齢化の更なる進展に伴う医療費の増加を見越した医療保険制度の改革が進められており、医療用医薬品については2021年度より毎年薬価改定が実施されるなど、これら行政施策の動向が業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の厳格化により、追加的な費用の発生や製品が規制に適合しなくなる等の事態が、業績に影響を与える可能性があります。 さらに、COVID-19に対処するために様々な規制や制度が追加等されておりますが、今後COVID-19パンデミックの状況等によりそれらが変更され、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、革新的な医薬品等を社会が許容できる価格で提供し、社会保障の維持に貢献することを重視する一方で、創出したイノベーションの価値を示す科学的根拠となるエビデンスの構築に努めるとともに、国内外の業界団体活動を通じてイノベーションの価値を訴求する取り組みを推進しております。また、薬価制度を含む医療保険制度改革や医薬品及びワクチン等の研究開発、製造、販売等に関する政策動向について常に最新の情報を入手し、その変化に迅速かつ適切に対処するよう努めております。 (2)副作用等に関するリスク医薬品は、世界各国の所管官庁の厳しい審査を受けて承認・販売されておりますが、市販後に予期せぬ副作用等の発生により販売中止、製品回収などの事態に発展し、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、副作用情報を入手した場合、医薬品情報担当者に限らず全社員が適切に報告するシステムを構築し、毎年全社員への教育を実施しております。収集した情報を迅速に評価・分析し必要な安全対策を実施することで、予期せぬ副作用等の拡大や被害を最小限に抑えるよう努力しております。なお、副作用等に基づく医療被害補償に関しては、保険に加入しておりますが、それに伴うレピュテーションの低下などに起因する売上減少に関しては予想できておりません。 (3)研究開発に関するリスク医薬品の研究開発には、多大な経営資源の投入と時間を必要とします。また、医薬品が実際に上市され、売上を計上するまでには様々な不確実性が存在します。さらに、世界的なCOVID-19パンデミックを解決するべく、ワクチン、治療薬の研究開発が異次元のスピードで進められ、業界内において医薬品の研究開発のスピードが劇的に速まっており、その対応如何では企業価値を毀損することもリスクとして想定しなければなりません。当社グループでは、長年にわたり蓄積した疾患領域の強み、低分子創薬の基盤を活かし、効率的な創薬研究を展開することで、グローバルでもトップレベルの研究開発生産性を維持・向上させてまいりました。COVID-19パンデミック下において、過去に類を見ないスピードでワクチン・治療薬の研究開発が進められ、海外他社に先行を許しましたが、当社グループにおいても研究基盤と創薬のノウハウを活かし、アカデミア・外部機関と連携し、当社グループの強みを融合させるとともに、優先度を考慮した大幅なリソースシフトとスピーディな意思決定を行うことで研究開発の加速を実現させております。また、得られた知見をCOVID-19以外の研究開発全体に拡大することによって、更なる研究開発生産性の改善に結びつけてまいります。一方で、創薬成功確率の更なる向上に向けては、経営資源の適正な配分、低分子以外の創薬モダリティ、すなわち中分子医薬や抗体医薬のような新しい創薬技術の強化が必要となります。そのため、COVID-19関連(治療薬、ワクチン等)はもとより、当社グループが注力する創薬プログラムや開発化合物を明確にし、経営資源を集中的に投下するとともに、多様なベンチャーやアカデミア等とのアライアンスを活用しつつ、ペプチド医薬、ワクチン、細胞医療(再生医療)といった技術の獲得に注力しております。また、多額の費用を要する臨床開発におけるリスク低減に向けて、データと経験に基づく試験計画のデザイン、試験結果に基づく厳格な見極めを適宜行い、適切な開発可否判断により開発の生産性を高めております。さらに、化合物の導入や導出により研究開発の加速や価値最大化を図り、各国政府等の公的機関からの補助金を活用するなど、不確実性に対する様々なリスク低減に取り組んでおります。 (4)特定製品への依存に関するリスクインチュニブの製品売上収益及び、テビケイ、トリーメク等のHIV製品のロイヤリティー収入が、売上収益合計の約57%(2022年3月期現在)を占めております。これらの品目において、知的財産権(特許権)の満了及びそれに伴う後発品の発売、薬価改定や競合品の出現、その他予期せぬ事情により売上減少や販売中止となった場合には、業績に影響を与える可能性があります。これら医薬品事業において必然又は予期せぬ形で起こり得るリスクに対して、薬価制度や競合状況等の最新情報をもとに、次なる製品群の市場投入や契約の見直し等の打ち手を検討し、その影響の低減に努めております。また、薬価制度の大幅な見直し等、事業の継続性に大きな影響を与える議論がなされる際は、(1)に記載のとおり、イノベーション創出の重要性とその価値を訴求すべく、業界団体で連携して意見の表明等を行っております。さらに、上記の事業リスクを孕む従来の医薬品中心の事業から、ワクチン事業やデジタルなどの最新技術を駆使した新たな概念の医薬品などを含む、ヘルスケアサービス全般を提供できる企業へと事業の変革を進め、リスクの低減に努めてまいります。 (5)他社とのパートナーシップに関するリスク医薬品の研究、開発、製造、販売等において、共同研究、共同開発、化合物や技術の導出入、共同販売等、様々な形で他社との提携を行っております。何らかの事情により提携先との契約が変更・解消され、これら企業との提携に遅延又は停滞等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、提携に際し多方面からの分析・評価を行ったうえで、提携可否を判断しております。また、契約締結においては、発生しうるリスクを想定し、これを低減するための協議と合意形成に努め、その内容を契約書に定めております。さらに、提携中も提携先との間で様々な機能・階層を通じた強固なガバナンス体制を構築し、提携におけるリスクの把握と解決策の協議を密に行い、必要な打ち手を講じることで、業績への影響を最小化するよう努めております。 (6)サプライチェーンに関するリスク当社グループは、医薬品を安定的に供給することを使命としておりますが、紛争、自然災害、パンデミック及びESGに関わる課題など様々な要因によりサプライチェーンに混乱が生じた場合に、医薬品の安定供給に支障をきたし患者様の健康に影響を与える可能性があります。当社グループでは、優先して供給すべきBCP(事業継続計画)品目を設定して定期的に見直すとともに、製品の保有在庫量について独自の基準を設定し、余剰在庫確保等の対応により原材料や製品の供給混乱リスクに備えております。また、地政学リスクの高い原材料は複数国のサプライヤーを選定して購入することにより安定供給を果たしております。さらに、セフェム系抗生剤等、原材料の購入先が限られる品目については、原薬の国内製造の体制構築を進めており、将来のサプライチェーンリスクの低減に努めております。加えて、「シオノギグループ調達ポリシー」及び「シオノギグループビジネスパートナーに求める行動規範」に則り、サプライヤーを含むビジネスパートナーにも、当社グループの行動憲章に基づく活動を依頼しており、当社グループを含めたサプライチェーン全体でリスクの低減に努めております。 (7)品質に関するリスク当社グループは、厳格な製造・品質管理のもと製品の製造及び委託製造を行っておりますが、製造プロセスにおける不備等の要因により重大な品質問題が発生した場合には、製品回収、行政処分、社会的信用性の低下等により、業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、シオノギグループ品質ポリシーを2015年に制定し、海外グループ会社を含め、法規制を遵守しグローバルな基準と要件を満たす品質保証体制を維持し、製品の品質を担保することに取り組んでおります。その一環として「Shionogi Global Quality Week」を開催し、グループ会社を含めた全社員に対して「品質」の重要性の浸透を図っております。また、製造所でのQuality Cultureの醸成を進めるためのアンケート実施と、その結果を受けたキャラバン活動も行っております。当社グループ製品のグローバルな製造においては、医薬品等の製造管理及び品質管理の基準(GMP)や医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等の薬事関連法規に準拠しており、厚生労働省、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)等の所管当局の査察を受け、許可をいただいております。予期せぬ重大な品質問題が発生した場合は、速やかに評価し、製品品質向上及び顧客満足提供のための最善の意思決定を行うように努めております。 (8)ITセキュリティ・情報管理に関するリスク当社グループでは、社内外の各種ITシステムを利用し、かつ個人情報を含む多くの機密情報を保有しております。従業員及びアウトソーシング企業等の不注意又は故意による行為、あるいは悪意をもった第三者によるサイバー攻撃やウイルスの感染等によるシステムの停止及び個人情報漏洩等のセキュリティ上の問題が発生した場合、事業活動、経営成績及び財政状態、信用に重大な影響を及ぼし、更には損害賠償請求等の法的な損害や、事後対応に係る費用等が発生する可能性があります。本リスクを低減するために、情報管理を統括する責任者として情報の保全及び情報セキュリティの確保に関する方針を定めるCIO(Chief Information Officer)、データ及び文書類の利用並びに管理を統制する責任者としてCDO(Chief Data Officer)、IT運営の責任者としてグローバルITヘッドをそれぞれ任命し、法規制やガイドラインを踏まえた情報管理に関する規程等を整備し、従業員へ情報管理の重要性を周知徹底しております。また、個人情報に関しては、「シオノギグループプライバシーポリシー」を策定し、個人情報の重要性に対する認識及び個人情報の保護に関する法令を遵守する必要性を従業員に周知しております。 加えて、サイバー攻撃や大規模災害等の危機事象が発生した際の事業継続をより確実に遂行するためのIT-BCP(事業継続計画)体制構築のプロジェクトを推進し、ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用の改善を図るとともに、台湾拠点におけるサイバー攻撃の実例から、再発防止及び未然防止に向けた対策として、海外拠点を含め全社で実施したセキュリティアセスメントの結果に基づく当社グループ全体でのネットワーク体制の抜本的見直し等の対策を行っております。 (9)人材確保・育成に関するリスク当社グループでは、経営ビジョンの実現に必要な多様な人材の確保・育成に努めております。雇用情勢の変化やESG経営への要請の高まり等の環境変化に加え、ポストコロナ時代を見据えた働き方の変化により、労働に対する価値観や必要となる専門性も変わりつつあります。そのような中では、環境変化を好機と捉え社会課題の解決を加速させる人材、HaaS(Healthcare as a Service)企業として持続的な成長を目指している当社グループのトランスフォーメーションを具現化できる人材、全社視点で論理的に考えグループの高効率経営を支える人材などが求められますが、それら人材を十分に確保・育成できない場合は、組織運営が実現できず、中長期的には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。社会に新たな価値を生み出し企業価値を高めるために、何よりも大切な資本は従業員であると当社グループは考えております。STS2030の達成に向けて、新たに定めた人材像「Shionogi Way:一人ひとりが他者を惹きつける尖った強みを持ち、新しいことにチャレンジを続ける人」を実現するために、自ら成長していく機会をつかむための環境整備や自己投資支援の充実、育成を支えるマネジャーへの重点トレーニングに加え、STS2030で目指すHaaS企業の実現に資する人材育成プログラムの一つであるIT/デジタル技術活用による業務変革/価値創造トレーニングなど、種々の施策を実行することで人材育成の強化を図っております。さらに、経営トップ自らが開催する社長塾や、経営幹部候補者のグループ会社役員への登用による会社経営の実践を通じて、将来の経営幹部育成にも取り組んでおります。また、従業員個々のスキルアップと柔軟な働き方を推進していくため、所定労働時間を155時間から140時間に変更し、15時間裁量給と選択週休制度(週休3日)の導入に加え、一部の副業を認めました。これらの取り組みにより、多様な経験を持った従業員の確保につなげたいと考えております。 (10)環境・安全に関するリスク医薬品の研究、開発、製造の過程等で使用・生成する物質には、人体や生態系に影響を及ぼすものがあります。事業活動を行う過程において環境汚染やそれに伴う被害等が顕在化した場合、施設の一時閉鎖や対策・復旧費用の発生、法的責任を負うこと等により、当社の信用又は業績に影響を与える可能性があります。2021年1月に発生しましたシオノギファーマ(株)金ケ崎工場における溶剤ジクロロメタンの漏出に関しては、土壌からの回収とともに敷地内での分布状況の把握、移動阻止による拡散防止に努めており、現時点においても工場敷地外への漏洩は確認されておりません。敷地外への漏洩のリスクに対し、今後も継続して監視活動を行い、適切な対応を実施いたします。環境・安全衛生に関するリスクを低減するために、当社グループ統括管理体制及び管理規程を設定し、法令遵守はもとより、より厳しい管理基準・目標を策定し、対応策の策定・実行とそれらの適切性の確認を行っております。加えて、サプライヤーにも同様の対応を依頼しており、当社グループを含めたサプライチェーン全体でリスクの低減に努めております。さらに、製薬企業として革新的な医薬品を創出し社会課題の解決に努めるだけでなく、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)に代表されるグローバルなフレームワークに沿った取り組みを進めることは、地球の持続的可能性のためにも重要であると考えております。具体的には、環境マテリアリティ(重要課題)として特定した「薬剤耐性(Antimicrobial Resistance:AMR)」や気候変動、プラスチック廃棄物対策などに長期目標を設定し、サステイナビリティ課題に取り組んでおります。特に気候変動においては、温室効果ガスの削減目標を設定し、「パリ協定の水準に科学的に整合する温室効果ガス排出削減目標(Science Based Targets:以下「SBT」という)」の認証を取得いたしました。2030年のSBT達成を目標に、電力の再生可能エネルギーへの完全転換を進めております。さらに、今年度は「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:TCFD)」提言に賛同し、気候変動がもたらすリスク・機会が経営にどのような影響を与えるかについて、シナリオ分析、財務影響試算や対応策検討を通じて、当社グループのレジリエンスを高める活動を進めており、結果は適宜開示して参ります。 (11)自然災害やパンデミックに関するリスク突発的に発生する大地震や気候変動に伴う暴風雨、洪水等の自然災害、不慮の事故、パンデミックの発生等による事業所の閉鎖、又は工場の操業停止に伴って、市場への製品供給に支障をきたした場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、研究所や臨床試験実施施設等が被害を被った際には、創薬研究又は臨床開発の進展に影響が生じる可能性があります。 さらに、安全性情報の提供や収集にも影響する可能性があります。そのため、経営層が重要な業務を明確にしたうえで、自然災害及びパンデミックに対応するBCP(事業継続計画)を組織単位で策定しており、継続的な訓練の実施や定期的な計画の見直しを行うことにより、有事への備えを強化しております。また、当社グループ工場のみならず、重要なサプライヤーについても、自然災害の影響や、その他環境・安全に対する状況等について、EHS(環境・安全衛生)監査等を通じて確認しており、必要に応じて改善要求をしております。 (12)知的財産に関するリスク当社グループの製品は、知的財産権(特許権等)により保護されて利益を生み出しますが、種々の知的財産が充分に保護できない恐れや第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。そのため、保有する知的財産の価値を毀損することのないよう、知的財産権を適切に管理する体制を整え、第三者からの権利侵害にも継続的に注意を払っております。また、事業活動にあたっては、侵害予防調査の実施や、導出入活動における知財デューデリジェンスの実施など、侵害予防のための体制を整え、第三者の知的財産権を侵害することのないように注意を払っております。これらを通じて、知的財産に関するリスク低減に努めております。 (13)訴訟に関するリスク事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等に関して訴訟を提起される可能性があり、その動向によって、当社グループの信用又は業績に影響を与える可能性があります。本リスクを低減するために必要な社内体制を構築するとともに、適宜、弁護士や弁理士などの専門家と協議のうえ、適切な対応をとっております。現在、係争中の主な訴訟に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2)その他 ②重要な訴訟」に記載しております。 (14)金融市場及び為替動向に関するリスク予測の範囲を超える金融市場や為替市場の変動があった場合には、年金資産の運用への影響、退職給付債務の増加や海外提携先からのロイヤリティー収入への影響等、業績、財産に影響を与える可能性があります。当社グループでは、年金資産を複数の運用商品に分散投資することで、年金資産の収益悪化により退職給付債務が増加するリスクの低減に努めております。また、外貨建取引及び外貨建金銭債権債務の為替変動リスクや金利変動リスクに対して、デリバティブ取引を活用して対応しております。 (15)コンプライアンスに関するリスク当社グループの事業活動を遂行するにあたって、薬事規制や製造物責任等の様々な法規制の適用を受けるだけでなく、人々の健康や生命に直結する医薬品産業として、社会から極めて高い倫理観に基づく行動が求められます。そのため、法令違反だけでなく、社会の要請に反するような行動は、当社グループに対するステークホルダーからの信頼の失墜や低下を招き、結果として業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、コンプライアンスの遵守を常に最優先事項として認識し、シオノギグループ行動憲章において倫理的で責任ある行動を約束するとともに、当社グループが実現したいVisionの達成に不可欠な価値観であるValuesの一つにコンプライアンスの徹底を定めております。シオノギグループコンプライアンスポリシーを制定し、コンプライアンス委員会、内部通報窓口(社内、社外)を設置するとともに、四半期ごとの社長メッセージの中で必ずコンプライアンスについて言及し、従業員のコンプライアンス意識の強化を図っております。コンプライアンス委員会は、代表取締役社長をコンプライアンス委員長として年4回開催し、コンプライアンス上の課題を協議し、必要な教育(ハラスメント・情報漏洩・贈収賄防止など)や取り組みを実施しております。 (16)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大COVID-19の感染拡大に伴い事業活動が制限された場合、原材料の調達などのサプライチェーンの停止・停滞により、医薬品の安定供給に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、研究・臨床試験の遅延やMRによる情報提供等事業活動の制限を受けることにより、新薬承認申請や発売、市場浸透、医薬品の安全性情報や適正使用情報の収集・提供に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクを低減するために、感染拡大防止に向けた出社率抑制や生産・研究部門における社内検査体制の構築による濃厚接触者の早期発見など、政府・行政の要請に応えつつ、生産性を維持・向上するために必要な新しい働き方の整備に取り組んでおります。また、コロナ禍における情報提供活動は、政府・行政の発出するガイドラインに基づき、情報提供の仕組みや内容を変更して対応しております。加えて、感染拡大による緊急時においても事業を継続し製薬企業として社会的責任を果たすため、BCP(事業継続計画)を活用し、自社医薬品の安定供給を最優先とした対応を進めております。COVID-19の拡大による影響と当社の取り組みの詳細については、第2 事業の状況「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、及び「5 研究開発活動」をご参照ください。 上記以外にも、事業活動に関連した様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
FY2021|7,577 文字
2【事業等のリスク】当社グループ(当社及び連結子会社)は、各組織が主体的にリスク管理・対応策を講じることを基本としております。機会の創出とリスクの回避や低減など、適切な対応を行うとともに、グループ全体を統括する全社リスクマネジメント体制を経営戦略の一環として構築し、その推進を図っております。特に経営に影響を及ぼすような重要なリスクやその対応方針については取締役会及び経営会議にて審議・決定し、対応方針に基づき、主管組織が関連組織と協働し対策を実施しております。また、事業活動を通じて経済、社会、環境等の様々な社会課題の解決及び医療ニーズに応えることで、社会の持続可能性への貢献と当社グループの持続的な成長を目指すサステイナビリティ活動を推進しております。以下では、業績及び経営に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを記載しており、それぞれのリスクに対し、記載の取り組みによりその低減に努めております。なお、文中の将来に関する事項及びリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1)制度・行政に関するリスク医薬品事業は、各国の政策により様々な規制を受けております。医療保険財政のひっ迫に伴い、先進諸国で薬剤費抑制の圧力が強まる中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する多額の財政出動はこの圧力をさらに強める可能性があります。我が国においては高齢化の更なる進展に伴う医療費の増加を見越した医療保険制度の改革が進められており、医療用医薬品については2021年度より毎年薬価改定が実施されるなど、これら行政施策の動向が業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の厳格化により、追加的な費用の発生や製品が規制に適合しなくなる等の事態が、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、革新的な新薬を社会が許容できる価格で提供し、社会保障の維持に貢献することを重視する一方で、創出したイノベーションの価値を示す科学的根拠となるエビデンスの構築に努めるとともに、国内外の業界団体活動を通じてイノベーションの価値を訴求する取り組みを推進しております。また、薬価制度を含む医療保険制度改革や研究開発、製造、販売等に関する規制等の動向について常に最新の情報を入手し、その変化に迅速かつ適切に対処するよう努めております。 (2)医薬品の副作用等に関するリスク医薬品は、世界各国の所管官庁の厳しい審査を受けて承認されておりますが、市販後に予期せぬ副作用等で販売中止、製品回収などの事態に発展し、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、医薬情報担当者に限らず、副作用情報などを入手した場合、適切に情報を伝えるシステムを構築し、毎年全社員への教育を実施しております。これらの活動を通じて、予期せぬ副作用等の拡大や被害を最小限に抑えるよう努力しております。なお、副作用等に基づく医療被害補償に関しては、保険に加入しておりますが、それに伴うレピュテーションの低下などに起因する売上減少に関しては予想できておりません。 (3)医薬品の研究開発に関するリスク医薬品の研究開発には、多大な経営資源の投入と時間を必要とします。また、新薬が実際に上市され、売上を計上するまでには様々な不確実性が存在します。さらに、新型コロナウイルスの世界的な蔓延を解決するべく、ワクチン、治療薬の研究開発が異次元のスピードで進められている現状から、今後の研究開発に求められるスピードが劇的に速まることが予想され、その対応如何では企業の存在価値を毀損することもリスクとして想定しなければなりません。当社グループでは、長年にわたり蓄積した疾患領域の強み、低分子創薬の基盤を活かし、効率的な創薬研究を展開することでグローバルでもトップレベルの研究開発生産性を維持・向上させてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下において、グローバルに展開された研究開発の加速は著しく、ワクチンの研究開発では海外他社が先行しましたが、治療薬については必要なデータを確認しつつ、優先度を考慮した研究開発の加速を進めており、これらの知見を感染症以外も含めた研究開発全体に拡大することによってさらなる生産性の改善に結びつけてまいります。一方で、新たな成長領域の育成や創薬確率の更なる向上に向けては、経営資源の適正な配分、低分子以外の創薬モダリティ、すなわち中分子医薬や抗体医薬のような新しい創薬技術の強化が必要となります。そのため、新型コロナウイルス感染症関連(治療薬、ワクチン等)を含む、注力する創薬プログラムや開発化合物を明確にし、自社の経営資源を集中的に投下するとともに、多様なベンチャーやアカデミア等とのアライアンスを活用しつつ、ペプチド医薬、ワクチン、細胞医療(再生医療)といった技術の獲得や、新たな疾患領域における研究展開を加速しております。また、多額の費用を要する臨床開発におけるリスク低減に向けて、データと経験に基づく試験計画のデザイン、試験結果に基づく厳格な見極めを適宜行い、適切な開発可否判断により開発の生産性を高めるとともに、化合物の導入や導出により研究開発の加速や価値最大化、様々な不確実性に対するリスク低減に取り組んでおります。 (4)知的財産に関するリスク当社グループの製品は、知的財産権(特許権)により保護されて利益を生み出しますが、種々の知的財産が充分に保護できない恐れや第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。そのため、保有する知的財産の価値を毀損することのないよう、知的財産権を適切に管理する体制を整え、第三者からの侵害にも継続的に注意を払っております。また、事業活動にあたっては、侵害予防調査の実施や、導出入活動における知財デューデリジェンスの実施など、侵害予防のための体制を整え、第三者の知的財産権を侵害することのないように注意を払っております。これらを通じて、知的財産に関するリスク低減に努めております。 (5)特定製品への依存に関するリスクサインバルタ、インチュニブの製品売上収益及び、テビケイ、トリーメク等のHIV製品のロイヤリティー収入が、売上収益合計の約55%(2021年3月期現在)を占めております。これらの品目において、知的財産権(特許権)の満了及びそれに伴う後発品の発売、薬価改定や競合品の出現、その他予期せぬ事情により売上減少や販売中止となった場合には、業績に影響を与える可能性があります。これら医薬品事業において必然または予期せぬ形で起こり得るリスクに対して、薬価制度や競合状況等の最新情報をもとに、次なる製品群の市場投入や契約の見直し等の打ち手を検討し、その影響の低減に努めております。また、薬価制度の大幅な見直し等、事業の継続性に大きな影響を与える議論がなされる際は、(1)に記載のとおりイノベーション創出の重要性とその価値を訴求すべく業界団体で連携して意見の表明等を行っております。さらに、上記の事業リスクを孕む医薬品中心の事業から、医薬品を含むヘルスケアサービス全般を提供できる企業へと事業の変革を進め、リスクの低減に努めてまいります。 (6)他社とのパートナーシップに関するリスク医薬品の研究、開発、製造、販売等において、共同研究、共同開発、技術導出入、共同販売等、様々な形で他社との提携を行っております。何らかの事情により提携先との契約が変更・解消され、これら企業との提携に遅延または停滞等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、提携に際し多方面からの分析・評価を行ったうえで、提携可否を判断しております。また、契約締結においては、発生しうるリスクを想定し、これを低減するための協議と合意形成に努め、その内容を契約書に定めております。さらに、提携中も提携先との間で様々な機能・階層を通じた強固なガバナンス体制を構築し、提携におけるリスクの把握と解決策の協議を密に行い、必要な打ち手を講じることで、業績への影響を最小化するよう努めております。 (7)自然災害やパンデミックに関するリスク突発的に発生する大地震や気候変動に伴う暴風雨、洪水等の自然災害、不慮の事故、パンデミックの発生等による事業所の閉鎖または工場の操業停止に伴い市場への製品供給に支障をきたした場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、研究所や臨床試験実施施設等が被害を被った際には、創薬研究または臨床開発の進展に影響が生じる可能性があります。そのため、経営層が重要と判断した業務を明確にしたうえで、自然災害及びパンデミックに対応するBCP(事業継続計画)を組織単位で策定しており、継続的な訓練の実施や定期的な計画の見直しを行うことにより、有事への備えを強化しております。また、自社工場のみならず、重要なサプライヤーについても、自然災害の影響や、その他環境・安全に対する状況等について、EHS(環境・安全衛生)監査等を通じて確認しており、必要に応じて改善要求をしております。サプライチェーンマネジメントの観点においては、製品の安定供給のため、複数社から原材料の調達を検討し、リスクの低減を図っております。 (8)環境に関するリスク医薬品の研究、製造の過程等で使用・生成する物質には、人体や生態系に影響を及ぼすものがあります。事業活動を行う過程において環境汚染やそれに伴う危害等が顕在化した場合、施設の一時閉鎖や対策・復旧費用の発生、法的責任を負うこと等により、当社の信用または業績に影響を与える可能性があります。2021年1月に発生しましたシオノギファーマ(株)金ケ崎工場における溶剤 ジクロロメタンの漏出に関しては、回収と漏洩防止に努めており、現時点で工場敷地外への漏洩は確認されておりませんが、敷地外への漏洩のリスクに対して、今後も継続して監視活動を行い適切な対応を実施いたします。環境・安全衛生に関するリスクを低減するために、当社グループ統括管理体制及び管理規程を設定し、法令遵守はもとより、より厳しい自主管理基準・目標を策定し、対応・対策の実行とそれらの適切性の確認を行っております。加えて、サプライヤーにも同様な対応を依頼し、当社グループを含めたサプライチェーン全体でリスクの低減を進めております。更に、製薬企業として革新的な新薬を創出し社会課題の解決に努めるだけでなく、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)に代表されるグローバルなフレームワークに沿った取り組みを進めることは地球の持続的可能性のためにも重要であると考えております。具体的には環境マテリアリティ(重要課題)として特定したAMR※1や気候変動、プラスチック廃棄物対策などに長期目標を設定し、サステイナビリティ課題に取り組んでおります。特に気候変動においては、温室効果ガスの削減の目標を設定し、SBT※2を取得いたしました。 ※1 AMR:Antimicrobial Resistance(薬剤耐性)※2 SBT:Science Based Targets(パリ協定の水準に科学的に整合する温室効果ガス排出削減目標) (9)金融市場及び為替動向に関するリスク予測の範囲を超える金融市場や為替市場の変動があった場合には、退職給付債務の増加や海外提携先からのロイヤリティー収入への影響等、業績、財産に影響を与える可能性があります。当社グループでは、年金資産を複数の運用商品に分散投資することで、退職給付債務が増加するリスクの低減に努めております。また、外貨建取引及び外貨建金銭債権債務の為替変動リスクに対して、為替予約取引を活用して対応しております。 (10)人材確保・育成に関するリスク雇用情勢の変化やESG経営への要請の高まり等の環境変化に加え、ポストコロナ時代を見据えた働き方の変化により、労働に対する価値観や必要となる専門性も変わりつつあります。そのような中では、環境変化を好機と捉え社会課題の解決を加速させる人材、HaaS(Healthcare as a Service)企業として持続的に成長していく当社グループのトランスフォーメーションを具現化できる人材、全社視点で論理的に考えグループの高効率経営を支える人材などが求められますが、それら人材を十分に確保・育成できない場合は、競争優位性のある組織が実現できず、中長期的には会社の業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、経営ビジョンの実現に必要な多様な人材の確保・育成に努めております。社会に新たな価値を生み出し、企業価値を高めるために何よりも大切な資本は従業員です。STS2030の達成に向けて新たに定めた人材像「Shionogi Way:一人ひとりが他者を惹きつける尖った強みを持ち、新しいことにチャレンジを続ける人」を実現するために、自ら成長していく機会や自己投資支援の充実、育成を支えるマネジャーへの重点トレーニングに加え、STS2030で目指すHaaS(Healthcare as a Service)企業の実現に資する人材育成プログラムの一つとしてIT/デジタル技術活用による業務変革/価値創造トレーニングなど、種々の施策を実行することで人材育成の強化を図っております。さらに、経営トップ自らが開催する社長塾や経営幹部候補者のグループ会社役員への登用による会社経営の実践を通じて、将来の経営幹部育成にも取り組んでおります。 (11)ITセキュリティ・情報管理に関するリスク 当社グループでは、各種ITシステム(アウトソーシング先を含む)を利用し、かつ個人情報を含む多くの機密情報を保有している中、従業員及びアウトソーシング企業等の不注意または故意による行為、あるいは悪意をもった第三者によるサイバー攻撃やウイルスの感染等によるシステムの停止及びセキュリティ上の問題が発生した場合、事業活動、経営成績及び財政状態、信用に重大な影響を及ぼし、さらには損害賠償請求等の法的な損害や、事後対応に係る費用等が発生する可能性があります。 本リスクを低減するために、情報管理を統括する責任者として情報の保全及び情報セキュリティの確保に関する方針を定めるCIO(Chief Information Officer)、データ及び文書類の利用並びに管理を統制する責任者としてCDO(Chief Data Officer)、IT運営の責任者としてグローバルITヘッドをそれぞれ任命し、法規制やガイドラインを踏まえた情報管理に関する規程等を整備し、従業員へ情報管理の重要性を周知徹底しております。また、個人情報に関しては、グローバルプライバシーポリシーを策定し、個人情報の重要性に対する認識及び個人情報の保護に関する法令を遵守する必要性を従業員に周知しております。 加えて、サイバー攻撃や大規模災害等の危機事象が発生した際の事業継続をより確実に遂行するためのIT-BCP体制構築のプロジェクトを立ち上げ、ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用の改善を図るとともに、台湾拠点におけるサイバー攻撃の実例から、再発防止及びグローバル各拠点での未然防止に向けた対策としてグローバルセキュリティアセスメントの実施と対応、グループ全体でのネットワーク体制の抜本的見直し等の対策を行っております。 (12)コンプライアンスに関するリスク事業活動の遂行にあたって、薬事規制や製造物責任等の様々な法規制の適用を受けるだけでなく、生命に直結する医薬品産業として社会から極めて高い倫理観を求められます。そのため、法令違反だけでなく、社会の要請に反するような行動は、ステークホルダーからの当社グループに対する信頼の失墜や低下を招き、結果として業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、事業活動の中でコンプライアンスの遵守を常に最優先事項として定め、四半期ごとの社長メッセージの中で必ずコンプライアンスについて言及し、従業員のコンプライアンス意識の強化を図っております。またシオノギグループ行動憲章の項目としてコンプライアンスを定め、コンプライアンスポリシーを制定し、コンプライアンス委員会、内部通報窓口(社内、社外)を設置しております。コンプライアンス委員会は、代表取締役社長をコンプライアンス委員長として年4回開催し、コンプライアンス上の課題を協議し、必要な教育(ハラスメント・情報漏洩・贈収賄防止など)や取り組みを実施しております。 (13)訴訟に関するリスク事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引などに関して訴訟を提起される可能性があり、その動向によって、当社グループの信用または業績に影響を与える可能性があります。本リスクを低減するために必要な社内体制を構築するとともに、適宜、弁護士や弁理士などの専門家と協議のうえ、適切な対応をとっております。なお、現在、係争中の主な訴訟に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2)その他 ②重要な訴訟」に記載しております。 (14)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大 今後、更なる感染拡大に伴い事業活動が制限された場合、原材料の調達などのサプライチェーンの停止・停滞により、医薬品の安定供給に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、研究・臨床試験の遅延やMRによる情報提供活動の制限により、新製品等の承認・上市や市場浸透、医薬品の安全性情報や適正使用情報の収集・提供に重大な影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクを低減するために、感染拡大防止に向けた出社率抑制などの政府・行政の要請に応えつつ、生産性を維持・向上するために必要な新しい働き方に取り組んでおります。加えて、製薬企業として社会的責任を果たすため、自社医薬品の安定供給を最優先とした対応を行うことを目的に、これまでに想定していたパンデミックBCPの活用により、安定供給を含む重要業務に影響を及ぼさないよう、事業継続を進めております。また、コロナ禍における販売活動は、厚生労働省による販売情報提供活動に関するガイドラインの発出下で情報提供の仕組みや内容を変更し、対応しております。 上記以外にも、事業活動に関連した様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
FY2020|4,663 文字
2【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。それぞれのリスクに対し、当社グループは記載の取り組みによりその低減に努めております。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1)制度・行政に関するリスク医薬品事業は、各国の政策により様々な規制を受けています。医療保険財政のひっ迫に伴い、先進諸国で医薬品に対する価格圧力が強まる中、我が国においても薬価基準の改定を含め、医療費抑制策が図られるなど医療保険制度の改革が進められており、これら行政施策の動向が業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の厳格化により、追加的な費用の発生や製品が規制に適合しなくなる等の事態が、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、革新的な新薬を社会が許容できる価格で提供し、社会保障の維持に貢献することを重視する一方で、創出したイノベーションの価値を示す科学的根拠となるエビデンスの構築に努めるとともに、国内外の業界団体活動を通じてイノベーションの価値を訴求する取り組みを推進しております。また、規制等の不適合から研究開発の遅延や事業機会の損失を招かぬよう、常に最新の情報を入手し、その変化に適切に対処するよう努めております。 (2)医薬品の副作用等に関するリスク医薬品は、世界各国の所管官庁の厳しい審査を受けて承認されておりますが、市販後に予期せぬ副作用等で販売中止、製品回収などの事態に発展する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、医薬情報担当者に限らず、副作用情報などを入手した場合、適切に情報を伝えるシステムを構築し、全社員への教育も毎年実施しております。これを通じて予期せぬ副作用等の拡大や被害を最小限に抑える努力を行っています。なお、副作用等に基づく医療被害補償に関しては、保険に加入しておりますが、それに伴うレピュテーションの低下などに起因する売上減少に関しては予想できておりません。 (3)医薬品の研究開発に関するリスク医薬品の研究開発には、多大な経営資源の投入と時間を必要とします。さらに、新薬が実際に売上となるまでには様々な不確実性が存在します。当社グループでは、長年にわたり蓄積した疾患領域の強み、低分子創薬の基盤を活かし、効率的な創薬研究を展開することでグローバルでもトップレベルの研究開発生産性を維持・向上させております。一方で、新たな成長領域の育成や創薬確率の向上に向けては、経営資源の適正な配分、低分子以外の創薬モダリティ、すなわち中分子医薬や抗体医薬のような新しい創薬技術の構築が必要となります。そのため、注力する創薬プログラムや開発化合物を明確にし、自社の経営資源を集中的に投下するとともに、多様なベンチャーやアカデミア等とのアライアンスを活用し、ペプチド医薬、ワクチンといった技術の獲得や、外部との協創をベースに必要な経営資源の確保に努めております。また、多額の費用を要する臨床開発におけるリスク低減に向けて、データに基づく厳格な見極めを適宜行い、開発可否判断のメリハリを高めるとともに、化合物の導入や導出により研究開発の加速や様々な不確実性に対するリスク低減に取り組んでおります。 (4)知的財産に関するリスク当社グループの製品は、知的財産権(特許権)により保護されて利益を生み出しますが、種々の知的財産が充分に保護できない恐れや第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。そのため、保有する知的財産の価値を毀損することのないよう、知的財産権を適切に管理する体制を整え、第三者からの侵害にも継続的に注意を払っています。また、事業活動にあたっては、侵害予防調査の実施や、導出入活動における知財デューデリジェンスの実施など、侵害予防のための体制を整え、第三者の知的財産権を侵害することのないように注意を払っています。これらを通じて、知的財産に関するリスク低減に努めております。 (5)特定製品への依存に関するリスクサインバルタ、インチュニブの製品売上収益及び、テビケイ、トリーメク等のHIV製品のロイヤリティー収入が、売上収益合計の約49%(2020年3月期現在)を占めております。これらの品目において、薬価改定や競合品の出現、流行の規模、知的財産権(特許権)の満了及びそれに伴う後発品の発売、その他予期せぬ事情により売上減少や販売中止となった場合には、業績に影響を与える可能性があります。これら医薬品事業において必然または予期せぬ形で起こり得るリスクに対して、薬価制度や競合状況等の最新情報をもとに、次なる製品群の市場投入や契約の見直し等の打ち手を講じ、その影響の低減に努めております。また、薬価制度の大幅な見直し等、事業の継続性に大きな影響を与える議論がなされる際は、(1)に記載のとおりイノベーション創出の重要性とその価値を訴求すべく業界団体で連携して意見の表明等を行っております。さらに、上記の事業リスクを孕む医薬品中心の事業から、医薬品を含むヘルスケアサービス全般を提供できる企業へと事業の変革を進め、リスクの低減に努めていきます。 (6)他社とのパートナーシップに関するリスク当社グループは、研究、開発、製造、販売等において、共同研究、共同開発、技術導出入、共同販売等さまざまな形で他社との提携を行っております。何らかの事情により提携先との契約が変更・解消され、これら企業との提携に遅延または停滞等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、提携に際し多方面からの分析・評価を行ったうえで、提携可否を判断しております。また、契約締結においては、発生しうるリスクを想定し、これを低減するための協議と合意形成に努め、その内容を契約書に定めております。さらに、提携中も提携先との間で様々な機能・階層を通じた強固なガバナンス体制を構築し、提携におけるリスクの把握と解決策の協議を密に行い、必要な打ち手を講じることで、業績への影響を最小化するよう努めております。 (7)自然災害やパンデミックに関するリスク突発的に発生する大地震や気候変動に伴う暴風雨、洪水等の自然災害及び不慮の事故、あるいはパンデミックの発生等により、事業所の閉鎖、あるいは工場の操業停止に伴い市場への製品供給に支障をきたした場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、研究所や臨床試験実施施設等が被害を被った際には、創薬研究または臨床開発の進展に影響が生じる可能性があります。そのため、当社グループは、自然災害・パンデミックに対応するBCP(事業継続計画)を策定し、継続的な訓練の実施や計画の見直しを行っております。今回の新型コロナウイルス禍においても、主要バリューチェーンの責任者を要員とした中央対策本部を設置し、BCPに準拠した全社最適な対応を行った結果、製品の安定供給に支障を来すことはありませんでした。今後も、適宜BCPの見直しを行うとともに、適切な訓練等を実施することによって、自然災害やパンデミックに対するリスクを低減してまいります。また、当社グループでは、自社工場のみならず、重要なサプライヤーについても、自然災害の影響や、その他環境・安全に対する状況等については、EHS(環境・安全衛生)監査等を通じて確認しており、必要に応じて改善要求をしております。サプライチェーンの観点においては、製品の安定供給のため、複数社から原材料の調達を検討し、リスクの低減を図っております。 (8)環境汚染に関するリスク医薬品の研究、製造の過程等で使用・生成する物質には、人体や生態系に影響を及ぼすものがあります。事業活動を行う過程において予期せぬ環境汚染やそれに伴う危害等が顕在化した場合、施設の一時閉鎖や対策・復旧費用の発生、法的責任を負うこと等により、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、このリスクを低減するため環境・安全衛生に関する当社グループ統括管理体制及び管理規定を設定し、法令順守はもとより、より厳しい管理基準・目標を策定し、対応・対策の実行とそれらの適切性の確認を行っております。加えて、サプライヤーにも同様な対応の依頼を行い、当社グループを含めたサプライチェーン全体でリスクの低減を進めております。 (9)金融市場及び為替動向に関するリスク予測の範囲を超える金融市場や為替市場の変動があった場合には、退職給付債務の増加や海外提携先からのロイヤリティー収入への影響等、業績、財産に影響を与える可能性があります。当社グループでは、年金資産を複数の運用商品に分散投資することで、退職給付債務が増加するリスクの低減に努めております。また、外貨建取引及び外貨建金銭債権債務の為替変動リスクに対して、為替予約取引を活用して対応しております。 (10)人材確保・育成に関するリスク雇用情勢の変化やESG経営への要請の高まり等の環境変化に加え、ポストコロナ時代を見据えた働き方の変化により、労働に対する価値観や必要となる専門性も変わりつつあります。そのような変化にタイムリーに対応できる柔軟性と高い業務遂行能力を持った人材や、環境変化を好機ととらえグループ経営を推進できる人材、各事業活動に必要な専門性を持った人材などを十分に確保・育成できない場合は、競争優位性のある組織が実現できず、長期的には会社の業績に影響を与える可能性があります。当社グループは、経営ビジョンの実現に必要な多様な人材の確保・育成に努めています。企業価値の向上やイノベーションの創出には人材が最も重要な資産の一つであるとし、ダイバーシティ&インクルージョンの実践により、多様な価値観・専門性を持った人材がその個性を原動力とし、互いの知を融合しながら自らで成長していく機会や、それらを支える制度や仕組みを整備していくことで、持続的な成長を支える人材を確保し、個人の成長と当社グループの成長を実現します。2030年ビジョンの実現に資する人材育成プログラムや、育成に携わるマネジャーの教育研修プログラムの実施に加え、社長塾の開催や幹部候補者のグループ会社役員への登用による会社経営の実践を通じて、将来の経営幹部育成にも取り組んでおります。 (11)訴訟に関するリスク事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引などに関して訴訟を提起される可能性があり、その動向いかんによっては、当社グループの信用または業績に影響を与える可能性があります。当社グループは本リスクを低減するために必要な社内体制を構築するとともに、適宜、弁護士や弁理士などの専門家と協議のうえ、適切な対応をとっております。なお、現在、係争中の主な訴訟に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2)その他 ②重要な訴訟」に記載しております。 (12)その他上記以外にも、事業活動に関連して政治的要因・経済的要因の他、ITセキュリティ及び情報管理等、様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
FY2019|1,302 文字
2【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1) 制度・行政に関するリスク医療用医薬品業界は、医療保険制度の見直しが検討されており、薬価基準制度も含め、その動向は業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の厳格化により、追加的な費用が生じる可能性や製品が規制に適合しなくなる可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。 (2) 医薬品の副作用等に関するリスク医薬品については、予期せぬ副作用等で販売中止、製品回収などの事態に発展する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。 (3) 医薬品の研究開発に関するリスク医療用医薬品の研究開発には、多大な経営資源の投入と時間を必要とします。さらに、新薬が実際に売上となるまでには様々な不確実性が存在します。 (4) 知的財産に関するリスク当社グループが創製した医薬品は知的財産(特許)により保護されて利益を生み出しますが、種々の知的財産が充分に保護できない恐れや第三者の知的財産権を侵害する可能性も存在します。また、当社創製の医薬品の知的財産(特許)の満了及びそれに伴う後発品の発売により、業績に影響を与える可能性があります。 (5) 特定製品への依存に関するリスクゾフルーザ、サインバルタの製品売上高及び、テビケイ、トリーメク、ジャルカのロイヤリティー収入が、売上高合計の約48%(2019年3月期現在)を占めております。これらの品目において、予期せぬ要因が発生して売上減少や販売中止となった場合には、業績に影響を与える可能性があります。 (6) 他社との提携に関するリスク当社グループは、研究、開発、販売等において、共同研究、共同開発、技術導出入、共同販売等さまざまな形で他社と提携を行っております。何らかの事情により提携関係が変更・解消になった場合、業績に影響を与える可能性があります。 (7) 自然災害やパンデミックに関するリスク突発的に発生する自然災害や不慮の事故あるいはパンデミック等により、工場、研究所や事業所の閉鎖、あるいは工場の操業停止に追い込まれた場合、業績に影響を与える可能性があります。 (8) 金融市場及び為替動向に関するリスク予測の範囲を超える株式市場や為替市場の変動があった場合には、業績、財産に影響を与える可能性があります。 (9) 訴訟に関するリスク事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引などに関して訴訟を提起される可能性があり、その動向いかんによっては、業績に影響を与える可能性があります。 (10) その他上記以外にも、事業活動に関連して政治的要因・経済的要因の他、ITセキュリティ及び情報管理等、様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
FY2018|1,298 文字
2【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1) 制度・行政に関するリスク医療用医薬品業界は、医療保険制度の見直しが検討されており、薬価基準制度も含め、その動向は業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の厳格化により、追加的な費用が生じる可能性や製品が規制に適合しなくなる可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。 (2) 医薬品の副作用等に関するリスク医薬品については、予期せぬ副作用等で販売中止、製品回収などの事態に発展する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。 (3) 医薬品の研究開発に関するリスク医療用医薬品の研究開発には、多大な経営資源の投入と時間を必要とします。さらに、新薬が実際に売上となるまでには様々な不確実性が存在します。 (4) 知的財産に関するリスク当社グループが創製した医薬品は知的財産(特許)により保護されて利益を生み出しますが、種々の知的財産が充分に保護できない恐れや第三者の知的財産権を侵害する可能性も存在します。また、当社創製の医薬品の知的財産(特許)の満了及びそれに伴う後発品の発売により、業績に影響を与える可能性があります。 (5) 特定製品への依存に関するリスククレストール、サインバルタの製品売上高及び、テビケイ、トリーメクのロイヤリティー収入が、売上高合計の約45%(2018年3月期現在)を占めております。これらの品目において、予期せぬ要因が発生して売上減少や販売中止となった場合には、業績に影響を与える可能性があります。 (6) 他社との提携に関するリスク当社グループは、研究、開発、販売等において、共同研究、共同開発、技術導出入、共同販売等さまざまな形で他社と提携を行っております。何らかの事情により提携関係が変更・解消になった場合、業績に影響を与える可能性があります。 (7) 自然災害やパンデミックに関するリスク突発的に発生する自然災害や不慮の事故あるいはパンデミック等により、工場、研究所や事業所の閉鎖、あるいは工場の操業停止に追い込まれた場合、業績に影響を与える可能性があります。 (8) 金融市場及び為替動向に関するリスク予測の範囲を超える株式市場や為替市場の変動があった場合には、業績、財産に影響を与える可能性があります。 (9) 訴訟に関するリスク事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引などに関して訴訟を提起される可能性があり、その動向いかんによっては、業績に影響を与える可能性があります。 (10) その他上記以外にも、事業活動に関連して政治的要因・経済的要因の他、ITセキュリティ及び情報管理等、様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
FY2017|1,318 文字
4【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1) 制度・行政に関するリスク医療用医薬品業界は、医療保険制度の見直しが検討されており、薬価基準制度も含め、その動向は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の厳格化により、追加的な費用が生じる可能性や製品が規制に適合しなくなる可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。 (2) 医薬品の副作用等に関するリスク医薬品については、予期せぬ副作用等で販売中止、製品回収などの事態に発展する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。 (3) 医薬品の研究開発に関するリスク医療用医薬品の研究開発には、多大な経営資源の投入と時間を必要とします。さらに、新薬が実際に売上となるまでには様々な不確実性が存在します。 (4) 知的財産に関するリスク当社グループが創製した医薬品は知的財産(特許)により保護されて利益を生み出しますが、種々の知的財産が充分に保護できない恐れや第三者の知的財産権を侵害する可能性も存在します。また、当社創製の医薬品の知的財産(特許)の満了及びそれに伴う後発品の発売により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (5) 特定製品への依存に関するリスククレストールの製品売上高 及び クレストール、テビケイ・トリーメクのロイヤリティー収入が、売上高合計の約44%(平成29年3月期現在)を占めております。これらの品目において、予期せぬ要因が発生して売上減少や販売中止となった場合には、業績に影響を与える可能性があります。 (6) 他社との提携に関するリスク当社グループは、研究、開発、販売等において、共同研究、共同開発、技術導出入、共同販売等さまざまな形で他社と提携を行っております。何らかの事情により提携関係が変更・解消になった場合、業績に影響を与える可能性があります。 (7) 自然災害やパンデミックに関するリスク突発的に発生する自然災害や不慮の事故あるいはパンデミック等により、工場、研究所や各事業所の閉鎖、あるいは工場の操業停止に追い込まれた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (8) 金融市場及び為替動向に関するリスク予測の範囲を超える株式市場や為替市場の変動があった場合には、当社グループの業績、財産に影響を与える可能性があります。 (9) 訴訟に関するリスク事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引などに関して訴訟を提起される可能性があり、その動向いかんによっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (10) その他上記以外にも、事業活動に関連して政治的要因・経済的要因等、様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
FY2016|1,323 文字
4【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1) 制度・行政に関するリスク医療用医薬品業界は、医療保険制度の見直しが検討されており、薬価基準制度も含め、その動向は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の厳格化により、追加的な費用が生じる可能性や製品が規制に適合しなくなる可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。 (2) 医薬品の副作用等に関するリスク医薬品については、予期せぬ副作用等で販売中止、製品回収などの事態に発展する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。 (3) 医薬品の研究開発に関するリスク医療用医薬品の研究開発には、多大な経営資源の投入と時間を必要とします。さらに、新薬が実際に売上となるまでには様々な不確実性が存在します。 (4) 知的財産に関するリスク当社グループが創製した医薬品は知的財産(特許)により保護されて利益を生み出しますが、種々の知的財産が充分に保護できない恐れや第三者の知的財産権を侵害する可能性も存在します。また、当社創製の医薬品の知的財産(特許)の満了及びそれに伴う後発品の発売により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (5) 特定製品への依存に関するリスク「クレストール」の製品売上高 及び 「クレストール」「テビケイ・トリーメク」のロイヤリティー収入が、売上高合計の約43%(平成28年3月期現在)を占めております。これらの品目において、予期せぬ要因が発生して売上減少や販売中止となった場合には、業績に影響を与える可能性があります。 (6) 他社との提携に関するリスク当社グループは、研究、開発、販売等において、共同研究、共同開発、技術導出入、共同販売等さまざまな形で他社と提携を行っております。何らかの事情により提携関係が変更・解消になった場合、業績に影響を与える可能性があります。 (7) 自然災害やパンデミックに関するリスク突発的に発生する自然災害や不慮の事故あるいはパンデミック等により、工場、研究所や各事業所の閉鎖、あるいは工場の操業停止に追い込まれた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (8) 金融市場及び為替動向に関するリスク予測の範囲を超える株式市場や為替市場の変動があった場合には、当社グループの業績、財産に影響を与える可能性があります。 (9) 訴訟に関するリスク事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引などに関して訴訟を提起される可能性があり、その動向いかんによっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (10) その他上記以外にも、事業活動に関連して政治的要因・経済的要因等、様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。