4205

日本ゼオン(4205)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • エラストマー素材事業
    日本ゼオンは、自動車部品や工業用品に使われる合成ゴムや合成ラテックス、粘着剤などに使われるC5石油樹脂、熱可塑性エラストマーなどを製造・販売しています。これらの素材は、私たちの身の回りにある様々な製品の性能を支える基盤となるもので、国内外の多くの関連会社が生産・販売を担っています。
  • 高機能材料事業
    合成香料や医薬品の原料となる有機合成薬品、スマートフォンなどに使われる電子材料、電気自動車のバッテリーに使われる電池材料、プリンターのトナー、医療器材など、幅広い分野で高付加価値な製品を提供しています。特に技術革新の速いエレクトロニクス業界向けに、顧客ニーズに応じた製品開発に注力しています。
  • 多岐にわたる事業展開
    上記主要事業のほか、RIM配合液(自動車部品などに使われる反応射出成形材料)や塗料なども手掛けています。これらの事業は、国内外の子会社や関連会社がそれぞれの専門性を活かして展開しており、グループ全体で多様な製品ポートフォリオを構築し、安定的な収益基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • エラストマー素材事業
    この事業は、合成ゴムや合成ラテックス、C5石油樹脂、熱可塑性エラストマーといった素材を製造・販売しています。主に自動車部品や工業製品、粘着剤などに使われる基盤材料を提供しており、2324.69億円の売上高と109.31億円の営業利益を計上しており、グループの主要な収益源の一つです。
  • 高機能材料事業
    合成香料、有機合成薬品、電子材料、電池材料、トナー、高機能樹脂、医療器材など、高付加価値な製品を扱っています。特にエレクトロニクス分野での技術革新に対応した製品開発に注力しており、1215.51億円の売上高に対し、175.6億円とエラストマー素材事業を上回る営業利益を上げており、収益性の高い事業です。
  • その他の事業
    RIM配合液(反応射出成形材料)や塗料などを手掛ける事業です。このセグメントは、上記の主要二事業を補完する役割を担っており、グループ全体の多様な事業ポートフォリオの一部を構成しています。具体的な売上や利益の数値は示されていませんが、グループの安定的な事業運営に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Elastomer 事業 2,325 109 4.7%
SpecialtyMaterial 事業 1,216 176 14.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,296 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社57社及び関連会社8社で構成されており、主な事業内容と事業を構成している当社及び関係会社の当該事業における位置付けは次のとおりであります。事業区分主要製品等主要な会社エラストマー素材事業合成ゴム,合成ラテックス,化成品(C5石油樹脂,熱可塑性エラストマー等)国内当社、㈱トウペ、ゼオン化成㈱、ゼオンポリミクス㈱、東京材料㈱他 海外Zeon Chemicals L.P.、Tokyo Zairyo (U.S.A.) Inc.、Zeon Europe GmbH、Zeon Chemicals Singapore Pte. Ltd. 、Zeon Asia Pte. Ltd.、Tokyo Zairyo (Thailand) Co., Ltd.、Zeon Chemicals (Thailand) Co., Ltd.、瑞翁貿易(上海)有限公司、瑞翁化工(上海)有限公司、東材(上海)国際貿易有限公司、東材(広州)国際貿易有限公司、瑞翁化工(広州)有限公司、Zeon Chemicals Asia Co., Ltd.、Zeon Brasil Ltda.、Zeon Advanced Polymix Co., Ltd.他 高機能材料事業化学品(合成香料,有機合成薬品等),電子材料,電池材料,トナー,高機能樹脂,高機能部材,医療器材等国内当社、ゼオンメディカル㈱、東京材料㈱他 海外Zeon Chemicals L.P.、Zeon Specialty Materials Inc.、Zeon Europe GmbH、Zeon Asia Pte. Ltd.、瑞翁貿易(上海)有限公司、東材(上海)国際貿易有限公司、東材(広州)国際貿易有限公司、Zeon Shinhwa Inc.、Zeon Chemicals Asia Co., Ltd.他 その他の事業RIM配合液,塗料等国内当社、㈱トウペ、RIMTEC㈱、ゼオン化成㈱、ゼオンノース㈱、ゼオン山口㈱、ゼオンエフアンドビー㈱、東京材料㈱、岡山ブタジエン㈱、ジスインフォテクノ㈱他 海外Zeon Chemicals L.P.、Zeon Chemicals Inc.、Zeon Ventures Inc.、Zeon General Partnership LLC、Tokyo Zairyo (U.S.A.) Inc.、Tokyo Zairyo (Thailand) Co., Ltd.、瑞翁貿易(上海)有限公司、東材(上海)国際貿易有限公司、東材(広州)国際貿易有限公司、Telene S.A.S.、Zeon Shinhwa Inc.他  (注)複数事業を営んでいる場合には、それぞれの事業に含めております。  以上述べた事項を事業系統図に示すと次のとおりであります。  (注)会社についての区分事業種類…A:エラストマー素材事業 B:高機能材料事業 C:その他の事業 D:複数の事業を営む会社出資関連…無印:連結子会社 ※1:関連会社で持分法非適用会社 ※2:関連会社で持分法適用会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格の変動分を適時適切に製品価格に転嫁すること等による収益性維持に努めている。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
H-NBR、NBR、ACMを中心とする特殊ゴムの世界のリーダーとしての技術力、非晶質環状オレフィンポリマーの「ZEONEX®」「ZEONOR®」シリーズの開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:主要市場の景気後退に伴う需要縮小 / 為替レートの変動による業績悪化 / 原油・ナフサ・主要原材料価格の急激な上昇
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

日本ゼオンは、光学用ポリエステルフィルム「ゼオノア」や、特殊合成ゴム「ゼオポル」など、独自の高機能素材開発力に強みを持つ。特に光学フィルム分野では、スマートフォンやタブレット端末のディスプレイ用途で高いシェアを誇り、長年の研究開発で培われた技術的優位性がブランド力にも繋がっている。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社の高機能素材は、顧客である電子部品メーカーや自動車部品メーカーの製品性能に直結するため、一度採用されると仕様変更に伴うリスクやコストから、他社製品への切り替えは容易ではない。しかし、素材自体の汎用性が限定的な場合もあり、スイッチングコストの強度は用途に依存する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が期待できる事業モデルではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

石油化学製品を原料とするため、原油価格の変動リスクは存在する。しかし、長年の生産ノウハウやスケールメリットによる一定のコスト競争力は有していると考えられる。ただし、競合他社も同様の原料を使用しており、圧倒的なコスト優位性は見出しにくい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

特殊合成ゴムや光学フィルムといったニッチながらも高付加価値な分野において、グローバルで一定の生産規模とシェアを有している。特に光学フィルム分野では、主要プレイヤーとして市場を牽引する存在であり、規模の経済が競争優位に寄与している。

  • グローバルな事業展開
    日本ゼオンは、日本だけでなく北米、欧州、アジアなど世界各地に生産・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、多様な市場の需要を取り込むことで、安定した事業運営を目指しています。
  • 多様な製品ポートフォリオ
    エラストマー素材から高機能材料、医療器材まで、幅広い製品群を有している点が強みです。これにより、特定の産業や製品に依存することなく、市場の変化に対応できる柔軟性を持っています。特に高機能材料事業では、高付加価値製品の開発に注力し、収益性の向上を図っています。
  • 研究開発力と技術蓄積
    長年にわたり培ってきた独自の技術とノウハウを基盤に、新製品の開発に積極的に投資しています。特に高機能材料事業では、エレクトロニクス業界の急速な技術革新に対応するため、顧客ニーズを的確に捉え、タイムリーに新製品を市場に投入する研究開発体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針について当社グループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」を企業理念とし、大地(ゼオ)と永遠(エオン)からなるゼオンの名にふさわしく、独創的な技術・製品・サービスの提供を通じ、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献することを目指しております。その企業理念のもと、当社が社会とともに持続的な成長を続けていくために「サステナビリティ基本方針」を定め、これを当社企業活動の基本的な考え方と位置付けております。今後も当社グループでは、社員一人ひとりがより良い未来を考えた行動・活動を実践し、ステークホルダーとの対話・協働を行っていくことで、社会と当社の持続的な発展を目指します。(2) 経営環境について①全般2024年度決算は、シクロオレフィンポリマーおよび光学フィルムの販売が堅調に推移したことに加え、エラストマー素材における販売価格改定の進捗、為替円安の進行などにより、前期比増収・経常増益という結果となりました。2025年度は為替影響や原料価格下落による製品販売価格への影響など、厳しい経営環境を予測していますが、中期経営計画「STAGE30」第3フェーズ初年度として『選択と集中』を旗印に掲げ、さらなるスペシャリティケミカル企業への飛躍を遂げるべく、事業構造の転換の歩を着実に進めたいと考えています。 ②2030年のビジョンと中期経営計画『STAGE30』私たちゼオングループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」、すなわち「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献することを企業理念に掲げています。この理念を実現すべく2030年のビジョンを「社会の期待と社員の意欲に応える会社」と定めています。そして、「まずやってみよう」「つながろう」「磨き上げよう」を大切にする価値観として掲げ、この3つの行動を大切にすることで2030年のビジョン実現を目指します。また、2021年度から2030年度までの中期経営計画を『STAGE30』(ステージ30)と名付け、「サステナビリティ基本方針」の下、「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現を目指します。(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現のため、2030年に以下を達成することを目標として掲げております。①CO2排出量42%削減(2020年度比、当社グループのScope1+2を対象)②SDGs貢献製品の売上高比率50%③既存事業のROIC9.0%④新規事業の売上高600億円増加(2019年度比)⑤従業員エンゲージメント75%⑥外国人/女性役員比率30%(取締役および監査役 社内・社外を問わない)なお、上記2030年度の目標値に対する2024年度の進捗状況は以下の通りです。①CO2排出量:23年度削減率12%(23年度実績86万トン、24年度実績集計中)②SDGs貢献製品の売上高比率:35%③既存事業のROIC:6.3%④新規事業の売上高:64億円増加⑤従業員エンゲージメント:52%(2024年9月調査時点)⑥外国人/女性役員比率:25% (4) 対処すべき課題について当社グループは、中期経営計画を2021年度から2030年度までの10年間の経営計画と定め、社員の投票で決めた『STAGE30』という名称で、2030年のビジョンである「社会の期待と社員の意欲に応える会社」を目指します。2023年度から2026年度を「STAGE30 第2フェーズ」と位置付け、以下の4つの全社戦略によりガバナンス強化を重視して企業価値の向上を実現してまいりました。①カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進する②「既存事業の磨き上げ」と「新規事業の探索」の両立で社会課題解決に貢献する③個々の強みを発揮できる「舞台」を全員で創る④経営基盤を「磨き上げる」 今後は2025年度から2028年度を「STAGE30 第3フェーズ」と位置付け、新たに制定したマテリアリティを軸に「選択と集中」による成長事業比率の拡大に向けた事業構造の転換と企業体質の強化を進め、更なるスペシャリティケミカル企業への転換と企業価値向上を目指します。当社の取り組むマテリアリティは以下の通りです。・心からワクワクできる会社の実現・イノベーションでほかにない価値を提供・強固なガバナンスの構築・社会の変化に対応した事業構造の転換・循環型社会への貢献
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針について当社グループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」を企業理念とし、大地(ゼオ)と永遠(エオン)からなるゼオンの名にふさわしく、独創的な技術・製品・サービスの提供を通じ、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献することを目指しております。その企業理念のもと、当社が社会とともに持続的な成長を続けていくために「サステナビリティ基本方針」を定め、これを当社企業活動の基本的な考え方と位置付けております。今後も当社グループでは、社員一人ひとりがより良い未来を考えた行動・活動を実践し、ステークホルダーとの対話・協働を行っていくことで、社会と当社の持続的な発展を目指します。(2) 経営環境について①全般2024年度決算は、シクロオレフィンポリマーおよび光学フィルムの販売が堅調に推移したことに加え、エラストマー素材における販売価格改定の進捗、為替円安の進行などにより、前期比増収・経常増益という結果となりました。2025年度は為替影響や原料価格下落による製品販売価格への影響など、厳しい経営環境を予測していますが、中期経営計画「STAGE30」第3フェーズ初年度として『選択と集中』を旗印に掲げ、さらなるスペシャリティケミカル企業への飛躍を遂げるべく、事業構造の転換の歩を着実に進めたいと考えています。 ②2030年のビジョンと中期経営計画『STAGE30』私たちゼオングループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」、すなわち「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献することを企業理念に掲げています。この理念を実現すべく2030年のビジョンを「社会の期待と社員の意欲に応える会社」と定めています。そして、「まずやってみよう」「つながろう」「磨き上げよう」を大切にする価値観として掲げ、この3つの行動を大切にすることで2030年のビジョン実現を目指します。また、2021年度から2030年度までの中期経営計画を『STAGE30』(ステージ30)と名付け、「サステナビリティ基本方針」の下、「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現を目指します。(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現のため、2030年に以下を達成することを目標として掲げております。①CO2排出量42%削減(2020年度比、当社グループのScope1+2を対象)②SDGs貢献製品の売上高比率50%③既存事業のROIC9.0%④新規事業の売上高600億円増加(2019年度比)⑤従業員エンゲージメント75%⑥外国人/女性役員比率30%(取締役および監査役 社内・社外を問わない)なお、上記2030年度の目標値に対する2024年度の進捗状況は以下の通りです。①CO2排出量:23年度削減率12%(23年度実績86万トン、24年度実績集計中)②SDGs貢献製品の売上高比率:35%③既存事業のROIC:6.3%④新規事業の売上高:64億円増加⑤従業員エンゲージメント:52%(2024年9月調査時点)⑥外国人/女性役員比率:25% (4) 対処すべき課題について当社グループは、中期経営計画を2021年度から2030年度までの10年間の経営計画と定め、社員の投票で決めた『STAGE30』という名称で、2030年のビジョンである「社会の期待と社員の意欲に応える会社」を目指します。2023年度から2026年度を「STAGE30 第2フェーズ」と位置付け、以下の4つの全社戦略によりガバナンス強化を重視して企業価値の向上を実現してまいりました。①カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進する②「既存事業の磨き上げ」と「新規事業の探索」の両立で社会課題解決に貢献する③個々の強みを発揮できる「舞台」を全員で創る④経営基盤を「磨き上げる」 今後は2025年度から2028年度を「STAGE30 第3フェーズ」と位置付け、新たに制定したマテリアリティを軸に「選択と集中」による成長事業比率の拡大に向けた事業構造の転換と企業体質の強化を進め、更なるスペシャリティケミカル企業への転換と企業価値向上を目指します。当社の取り組むマテリアリティは以下の通りです。・心からワクワクできる会社の実現・イノベーションでほかにない価値を提供・強固なガバナンスの構築・社会の変化に対応した事業構造の転換・循環型社会への貢献
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当期の経営環境を振り返りますと、国内経済・海外経済ともに緩やかな回復の動きがみられる一方、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、通商政策をはじめとする米国の政策動向による影響などが景気を下押しする懸念は拭えず、また、金融資本市場の変動等の影響についても予断を許さない状況が続くなど、当社グループを取り巻く環境としては先行き不透明な状況で推移しました。当社グループはこのような環境のもとで、「ZΣ運動」による徹底したコスト削減や、生産革新活動に注力するとともに、エラストマー素材事業におきましては採算性の重視と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業におきましては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態当連結会計年度末のエラストマー素材事業の資産は、前連結会計年度末に比べ、39億86百万円増加し、2,372億19百万円となりました。当連結会計年度末の高機能材料事業の資産は、前連結会計年度末に比べ51億95百万円増加し、1,487億57百万円となりました。当連結会計年度末のその他及び全社資産等の資産は、前連結会計年度末に比べ、76億50百万円減少し、1,478億10百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、15億31百万円増加し、5,337億86百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、72億68百万円増加し、1,757億93百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、57億37百万円減少し、3,579億92百万円となりました。 b.経営成績当期の連結売上高は4,206億47百万円と前年同期間に比べて383億68百万円の増収、連結営業利益は293億21百万円と前年同期間に比べて88億21百万円の増益、連結経常利益は330億51百万円と前年同期間に比べて61億46百万円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は261億99百万円と前年同期間に比べて49億2百万円の減益となりました。 セグメントの業績は、次の通りであります。 (エラストマー素材事業部門)合成ゴム関連では、主要市場である自動車産業における一部生産停止や、国内主要工場の定期検査による減産の影響を受けたものの、原料価格高騰分の価格改定の進捗、為替影響などにより、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。合成ラテックス関連では、衛生用手袋用途向けの拡販に加え、為替影響および原料価格高騰分の価格改定の進捗により、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。化成品関連では、海外の粘着テープ・ラベル向けの需要回復や積極的な拡販政策により出荷量が増加したことに加え、為替影響や出荷量増に伴う固定費単価の改善効果により、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。以上の結果、エラストマー素材事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて212億73百万円増加し2,365億60百万円、営業利益は前年同期間に比べて42億96百万円増加し109億31百万円となりました。 (高機能材料事業部門)高機能樹脂関連では、光学用途向け・半導体容器向けシクロオレフィンポリマーの需要が堅調に推移し、出荷量が増加しました。加えて、モバイル端末向け光学フィルムの新モデル生産開始時期の前倒しによる出荷量増および大型テレビ向け光学フィルムの需要堅調により、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。電池材料関連では、中国政府の補助金政策を背景に同国内における車載・民生用途向けの需要が堅調に推移し、電力貯蔵システム(ESS)用途向けの需要増および新規採用も進んだものの、欧州でのEV販売不振による在庫調整が継続したことから、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。化学品関連では、合成香料の需給緩和による出荷量減、市況価格下落の影響を受けたこと等から、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。電子材料関連では、半導体市況が緩やかな回復基調となり、売上高は前年同期間を上回りましたが、棚卸資産関連費用の発生により、営業利益は前年同期間を下回りました。トナー関連では、プリンタ市場が堅調に推移した結果、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。以上の結果、高機能材料事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて142億44百万円増加し1,216億17百万円、営業利益は前年同期間に比べて43億19百万円増加し175億60百万円となりました。 (その他の事業部門)その他の事業においては、子会社の商事部門等の売上高が前年同期間を上回りました。以上の結果、その他の事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて32億76百万円増加し676億15百万円、営業利益は前年同期間に比べて62百万円減少し38億65百万円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ156億97百万円(前年度比36.9%減)減少し、268億36百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の増加は207億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ266億32百万円の減少(前年度比56.2%減)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、棚卸資産の増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が減少したこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は220億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ165億98百万円の資金支出の増加(前年度比305.8%増)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、有形固定資産の取得による支出が減少したことにより資金が増加したものの、投資有価証券の売却による収入が減少したことにより資金が減少したこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の減少は171億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ129億62百万円の資金支出の減少(前年度比43.1%減)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、自己株式の取得による支出が増加したものの、コマーシャル・ペーパーの純増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が増加したこと等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)エラストマー素材事業182,58510.0高機能材料事業91,2599.3その他7,364△6.1(注)連結会社間およびセグメント間の取引が複雑で、セグメントごとの生産高を正確に把握することが困難なため、概算値で表示しております。 b.受注実績特記すべき事項はありません。c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)エラストマー素材事業232,46910.0高機能材料事業121,55113.2その他66,6274.8合計420,64710.0(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債および連結会計年度における収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施する必要があります。これらの見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、以下の事項について連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 a.貸倒引当金当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。従って、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合など、追加引当が必要となる可能性があります。また、貸倒損失の発生により貸倒実績率が上昇し、一般債権に係る貸倒引当金の追加計上が発生する可能性があります。b.棚卸資産当社グループは、棚卸資産の、市場状況等に基づく正味売却価額の見積額と原価との差額について、評価減を計上しております。実際の市場状況等が見積りより悪化した場合、評価減の追加計上が必要となる可能性があります。c.有価証券当社グループは、価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の有価証券を所有しております。当社グループは、社内ルールに従って、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券の減損損失を計上しております。このため、将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。d.繰延税金資産当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。ただし繰延税金資産の回収可能性に不確実性がある場合は、評価性引当額の計上を行い、将来実現する可能性が高いと考えられる金額を繰延税金資産として計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積もりによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社グループの事業活動の状況及びその他の要因により変化いたします。この為、繰延税金資産の回収可能性の変化により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。e.固定資産当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積もり、見積もられた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。f.退職給付費用および債務確定給付型の制度に関わる従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付費用および債務が変動する可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.売上高と営業利益当連結会計年度の売上高は4,206億47百万円(前期比10.0%増)、営業利益は293億21百万円(前期比43.0%増)となりました。詳細につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 に記載しておりますセグメントの業績をご参照願います。b.営業外損益と経常利益為替差益の減少等により、営業外損益は前期比で26億75百万円悪化し37億31百万円の利益となりました。以上の結果、経常利益は、前期比22.8%増の330億51百万円となりました。c.特別損益投資有価証券売却益の減少等により、特別損益は前期比で170億81百万円悪化し1億37百万円の損失となりました。d.親会社株主に帰属する当期純利益法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の総額は65億59百万円となり、非支配株主に帰属する当期純利益は1億56百万円(前年同期は非支配株主に帰属する当期純損失△99百万円)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比15.8%減の261億99百万円となりました。③資本の財源及び資金の流動性a.財務戦略の基本的な考え方当社グループは、企業価値の向上のために経営資源の配分を行うこととしております。当社グループの企業価値の源泉は、独創的技術であると考えており、財務健全性と資本コストを踏まえ、独創的技術の強化・創出に繋がる設備投資や研究開発等を推進しております。b.経営資源の配分に関する考え方当社グループは、必要な手元現預金を確保しつつ、設備投資や独創的技術の開発等への継続的な経営資源の配分に努めます。また、安定的、継続的な配当等を通じた株主還元への配分を行うこととしております。c.資金需要の主な内容当社グループの営業活動に係る資金需要は、原材料費、物流費、研究開発費、人件費などがあります。投資活動に係る資金需要は、独創的技術の維持・強化・創出に繋がる設備投資およびIT投資などがあります。d.資金調達当社グループの継続と発展のために必要となる資金を安定的に確保するため、内部資金と外部資金を活用しております。運転資金および設備投資資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーおよび社債の発行などを活用しております。財務健全性および信用格付の維持により外部資金調達能力を確保するとともに、必要に応じてコミットメントラインの設定により流動性を確保しております。 ④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループでは、2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現のため、2030年に以下を達成することを目標として掲げております。a.CO2排出量42%削減(2020年度比、当社グループのScope1+2を対象)b.SDGs貢献製品の売上高比率50%c.既存事業のROIC9.0%d.新規事業の売上高600億円増加(2019年度比)e.従業員エンゲージメント75%f.外国人/女性役員比率30%(取締役および監査役 社内・社外を問わない)

事業リスク

  • 世界経済の変動リスク
    日本、北米、欧州、アジアといった主要市場の景気後退や需要の縮小は、製品販売に大きな影響を与え、業績や財務状況を悪化させる可能性があります。金融市場の混乱や自然災害、感染症の流行なども景気後退の要因となり得ます。
  • 為替レート変動リスク
    海外での生産・販売活動が多いため、現地通貨建ての売上や費用を円換算する際に、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。特に、生産地域の通貨高は製造コストを押し上げ、利益率や価格競争力を低下させる恐れがあります。
  • 原材料価格の変動リスク
    エラストマー素材事業を中心に、原油やナフサなどの原材料価格の動向が製造コストに大きく影響します。地政学的要因などによる価格高騰や需給逼迫があった場合、製品価格への転嫁が間に合わず、収益性が悪化する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,632 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 1.外部事業環境に係るリスク日本、北米、欧州、アジアの当社グループの主要市場の経済状況は、当社グループの製品販売に大きな影響を与えます。当社グループは、「ZΣ運動」による徹底したコスト削減を進めるとともに、エラストマー素材事業においては採算性の向上と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業においては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に努めておりますが、これらの市場における景気後退(金融・資本市場の混乱や大規模な自然災害、感染症の蔓延等に起因するものを含みます)、およびそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 当社グループの事業には、主に日本、北米、欧州、アジアにおける生産と販売が含まれております。各地域における売上高、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。換算時のレートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受けるおそれがあります。当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における生産と調達のコストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替予約等により短期的な変動による悪影響を最小限にとどめる努力はしておりますが、急激な短期変動もしくは中長期的な通貨変動により、計画された調達、生産、流通及び販売活動が確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。当社グループは、事業活動上の関係の深化や原材料の安定調達等を目的に取引先の株式を保有しております。当社グループは毎年個別銘柄ごとに保有目的の適切性や保有に伴う便益およびリスクが資本コストに見合っているか等を精査して保有の適否を検証するとともに、保有株式の縮減目標を定めています。しかしながら、大幅な市場価格の下落、又は株式保有先の財政状態の悪化によりその評価が著しく下落した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 当社グループの事業、特にエラストマー素材事業では、原油価格、ナフサ価格及び主要原材料価格の動向が製造コストに大きな影響を与えます。当社グループは、当該価格の変動分を適時適切に製品価格に転嫁すること等による収益性の維持に努めておりますが、地政学的要因等による想定を超える市況の高騰や資源ナショナリズム等により需給が逼迫し、製造コストが急激に上昇する場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 当社グループは、研究開発・生産・販売・管理等のさまざまな分野にわたり、高度の専門性を有する多様な人材の計画的な採用・育成に努めております。しかし、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等が見込まれるところ、必要な人材を継続的に獲得するための競争が激化し、人材確保や育成が計画通りに進まない場合には、将来の成長が阻害され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 2.投資に係るリスク当社グループの将来の成長は、継続して新製品を開発し販売することに依存すると予想しております。特に高機能材料事業においては、その主要マーケットであるエレクトロニクス業界の技術革新のスピードが著しいため、顧客のニーズを的確に把握し、タイムリーかつスピーディに新製品を上市すべく研究開発投資を行っておりますが、予測を超えた市場の変化や技術の急速な進歩等によりこれらの投資が奏功せず、魅力ある新製品を開発できない場合は、将来の成長と収益性が低下し、業績と財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。当社グループは、将来の事業拡大を目的とした成長投資を行っております。その判断にあたっては社内基準に基づく厳格な審査を行い、案件の事後管理に係る手続も整備・運用しておりますが、外部環境の急激な変化等により期待通りの収益が上がらなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 3.事業のグローバル化に伴うリスク当社グループの生産および販売活動の一部は、米国、欧州、ならびにアジア各国市場等の日本国外で行われており、さらなる事業展開を計画しております。これらの海外市場への進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在します。① 予期しない法律または規制の変更② 不利な政治または経済要因③ 人材の採用と確保の難しさ④ 未整備な技術、基盤インフラが、生産等の当社グループの活動に悪影響を及ぼす可能性、または当社グループの製 品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性⑤ 潜在的に不利な税制⑥ 戦争、テロ、その他の要因による社会的混乱当社グループは現地駐在員の教育や本社-現地間のコミュニケーションの活性化等によるリスク低減に努めておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 4.知的財産保護に係るリスク当社グループは他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、他社が類似する、もしくは当社より優れている技術を開発したり、当社グループの特許や企業秘密を模倣、または解析調査したりすることを防止できない可能性があります。さらに、当社グループの製品または技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされるおそれがあります。これらのリスク低減のため、当社グループでは国内外における自社技術の権利化、ノウハウのブラックボックス化、新製品上市前の他社知的財産の調査・対応などに取り組んでおります。 5.製品の品質に係るリスク当社グループは世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を生産しております。しかし、すべての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売り上げが減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 6.コンプライアンスに係るリスク当社グループは、サステナビリティ基本方針において公正で誠実な活動を貫くことを標榜し、コンプライアンスを法令遵守にとどまらず、社会の構成員として求められる価値観・倫理観によって誠実に行動することと考え、継続的な教育などによりコンプライアンス体制の強化を図っております。しかし、さまざまな環境問題や人権問題をはじめ、企業の社会的責任がより広範かつ高度に求められていくことにより、当社や当社のサプライチェーンの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、公務員に対する不正な利益の供与・贈収賄規制、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な公的規制の適用を受けております。これらの規制を遵守できなかった場合や、今後当社グループに関連する法令の改正や規制の強化があった場合、事業活動が制限され、或いはコストの増加につながるなどの可能性は否定できず、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 7.環境に係るリスク各種の化学物質を取り扱う当社グループは、環境に関する各種法令や規制を遵守するとともに、環境影響物質の排出抑制に継続的に取り組んでおりますが、今後環境に関する国内外の規制強化等により、事業活動の制限あるいは追加の設備投資を余儀なくされるなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 8.訴訟に係るリスク当社グループが様々な事業活動を行うなかで、訴訟、係争、その他の法的手続きの対象となるリスクも想定されます。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 9.気候変動に係るリスク当社グループはサステナビリティ基本方針において「持続可能な地球への貢献」を標榜し、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進するために、省エネルギーや燃料転換等の施策を推進するとともに長期的な研究開発を実施しております。また、気候変動が事業に及ぼすリスク・機会を分析し経営戦略に反映することで経営基盤の強化を図り、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すとともに、その内容について「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に沿った開示をしております。しかし気候変動に起因する、異常気象の激甚化による事業所やサプライチェーンの被災、原材料やユーティリティ価格の上昇、顧客の行動変化あるいは気候変動対応に係る社会的責任の発生などは当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 10.情報セキュリティに係わるリスク当社グループは重要インフラ事業者としてプラント制御システムを有する他、各種の業務用システムを開発・運用し、また個人情報を含む営業秘密情報を保有しています。当社グループはシステムの保守更新や不正なアクセスからの防衛、ならびに情報管理の徹底を進めておりますが、サイバーテロなどによる悪意ある侵入や業務妨害行為、システムトラブルや情報漏洩などを完全に防止できる保証はなく、当社グループの生産をはじめとする事業活動が中断するなどして業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 11.事業継続に係るリスク当社グループは生産ラインの中断による潜在的なマイナスの影響を最小化するために、定期的な災害防止検査と設備点検を行っており、また、事業継続計画(BCP)の策定や非常時を想定した訓練などにも取り組んでおります。しかし、生産設備で発生する災害、停電または地震その他の中断事象による影響、あるいは感染症の流行による事業活動の制限に伴う影響などを完全に防止または軽減できる保証はなく、当社グループの生産及び業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。当社グループの主原料は、ナフサに大きく依存しております。また、その供給を外部に依存しております。生産国の政治情勢が不安定になるなど日本が原油及びナフサの輸入が困難になる、もしくは購入先が事故や災害により操業困難となりそれが長期にわたるなどの状況は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

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