ダイセル(4202)に経済的な堀はあるか
株価
主要指標
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株価推移
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10年財務トレンド
| 年度 | 売上(億) | 営業利益(億) | 純利益(億) | FCF(億) | ROE(%) | EPS(円) | 配当(円) | 自己資本比率(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2017 | 4,401 | 643 | 432 | 514 | 10.8 | 124.6 | 30.0 | 61.6 |
| FY2018 | 4,630 | 589 | 371 | 337 | 9.0 | 107.8 | 32.0 | 59.8 |
| FY2019 | 4,649 | 512 | 353 | 174 | 8.3 | 105.4 | 32.0 | 60.1 |
| FY2020 | 4,128 | 296 | 50 | 113 | 1.3 | 15.5 | 34.0 | 60.6 |
| FY2021 | 3,936 | 317 | 197 | 236 | 8.0 | 65.2 | 32.0 | 37.1 |
| FY2022 | 4,679 | 507 | 313 | -35 | 11.2 | 104.1 | 34.0 | 38.9 |
| FY2023 | 5,380 | 475 | 407 | -172 | 13.1 | 138.9 | 38.0 | 38.6 |
| FY2024 | 5,581 | 624 | 558 | 214 | 14.9 | 197.6 | 50.0 | 42.8 |
| FY2025 | 5,865 | 610 | 495 | 455 | 13.2 | 181.4 | 60.0 | 44.2 |
| FY2026 | 5,796 | 421 | 102 | 201 | 2.7 | 38.8 | 60.0 | 42.6 |
バフェット流モート診断
総合スコア:10/25 主要モート:無形資産 持続性:判定中
セルロース事業における高い技術力とブランド力、特にセルロースアセテートは世界トップクラスのシェアを誇る。その他、光学フィルム用トリアセテートフィルムや、医薬品添加剤、香料など、ニッチながらも高い技術力が求められる分野で強みを持つ。
医薬品添加剤や電子材料分野では、顧客の製造プロセスに組み込まれるため、切り替えにはコストと時間がかかる。しかし、汎用的な化学品においてはスイッチングコストは限定的。
ネットワーク効果を享受する事業モデルではない。
長年の製造ノウハウによる効率化や、一部原料の調達力はあるものの、グローバルな価格競争に晒される分野もあり、絶対的なコスト優位性は限定的。
セルロースアセテートやトリアセテートフィルムなど、特定の製品分野においては世界でも有数の生産規模を持ち、効率的な生産体制を構築している。
競合との比較優位
強気シナリオ
高機能セルロース誘導体事業の成長加速
医薬品・ヘルスケア分野での事業拡大
EV化や環境対応素材での新規材料開発による収益機会
弱気シナリオ(モート侵食)
主要原料価格の高騰と製品価格への転嫁困難
競合他社の技術革新による代替品の登場
環境規制強化による生産コストの増加
反転思考(マンガー流:どうすればこの会社は壊れるか)
ダイセルの持続的競争優位性が失われるシナリオは、まず、同社が長年培ってきたセルロース誘導体に関する高度な技術力やノウハウが陳腐化し、競合他社がより優れた代替技術や素材を開発・実用化した場合である。特に、環境負荷低減やコスト競争力で劣後するようになれば、ブランド力や既存顧客との関係性も揺らぐだろう。また、医薬品添加剤や電子材料といった、スイッチングコストが比較的高い分野においても、顧客の要求仕様の変化に対応できず、他社製品への移行を許してしまう状況も考えられる。さらに、グローバルな生産規模の優位性も、生産拠点の分散化や新たな低コスト生産国の台頭によって相対的に低下する可能性がある。これらの要因が複合的に作用し、同社のニッチ市場における価格決定力やシェアが低下すれば、現在のモートは大きく損なわれる。
5年後のモート予測
高機能セルロース誘導体や医薬品・ヘルスケア関連事業の成長が牽引し、売上・利益ともに堅調に拡大。新規材料開発も奏功し、収益性が向上する。
既存事業の安定性を維持しつつ、緩やかな成長を続ける。一部事業での価格競争や原料価格変動の影響を受けるが、技術力で乗り越える。
原料価格の高騰や競合激化により、収益性が悪化。新規事業の立ち上がりが遅れ、既存事業の競争力も低下し、売上・利益ともに伸び悩む。