研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-12 |
- |
42 |
| 2024-12 |
- |
66 |
| 2023-12 |
- |
49 |
| 2022-12 |
- |
95 |
| 2021-12 |
- |
36 |
研究開発活動(本文)
FY2025|4,684 文字
6【研究開発活動】 当社は、企業使命“「化学の力」で、よりよい明日を実現する。”を具現化するため、積極的に研究開発を進め、既存事業の競争優位性向上と社会課題解決型の新製品・新規事業創出に取り組んでいます。 当社の創業以来のDNAは、世の中に求められる製品を開発し、より付加価値の高い製品群に発展させていくモノづくりの姿勢です。当社のコア技術である、オキソ反応を軸とする合成技術を活用し、単に規模を追い求めるのではなく、市場が抱える課題に正面から向き合うことで価値を創造してきました。これまでに蓄積した無形資産(ネットワーク、技術・ノウハウ等)を駆使し、市場ニーズに向き合う顧客起点での連続的な成長だけでなく、新たな社会課題解決型のビジネス創出をオープンイノベーション活動等も活用しながら目指す非連続的な成長にも取り組んでいます。連続的な成長は事業部、非連続的な成長はイノベーション戦略部が主に担当しています。加えて、生産技術力のさらなる強化を図る技術開発センター、新規事業を含めた知的資産の強化を担う知的財産部が連携し、事業戦略・研究開発戦略・知的財産戦略を一体的に実現すべく活動しています。 当連結会計年度は、第5次中期経営計画の初年度として、これまでの探索活動で見出されたテーマを「創出」ステージへと進め、事業化に向けた取り組みを推進してきました。研究開発においては、テーマの特性や開発段階に応じて外部機関等との連携も活用しつつ、当社の無形資産を基盤に、段階的に価値創出へ繋げていく方針です。また、研究開発は中長期の成長を支える投資であることを踏まえ、当社としての事業化の道筋を意識しながら、開発段階に応じた検証・評価を積み重ね、必要な体制整備や基盤構築を進めてまいります。 当連結会計年度における主な研究開発活動の内容は以下のとおりであります。 (1)環境<冷凍機油原料> 当社の冷凍機油原料事業は、グローバル市場での成長を支える核となる事業です。気候変動対策として世界的に冷媒規制が強化される中、低GWP冷媒を使用した環境配慮型エアコンの需要が拡大しています。当社は、環境配慮型エアコンに使用される冷凍機油原料を製造しており、競争力のある製品を安定的に供給しています。さらに、この冷凍機油原料の生産性を高め、変化する市場のニーズに対応するため、技術開発を進める体制を強化しています。 その一環として、当社では長年の技術蓄積がある高圧法及び低圧法オキソ反応技術の継続的な進化や、CO2回収技術及びプラント高度制御システムを用いた省資・省エネの取り組みを進め、持続可能な生産体制の構築に注力しています。加えて、安定操業及び品質の維持・向上に資する生産技術の深化や、操業データの活用による生産工程の最適化に向けた取り組みを進めています。 また、当連結会計年度においては、2024年に実施した冷凍機油原料の能力増強を含め、安定供給体制の強化に向けた取り組みを継続し、拡大する需要を取り込むための体制構築を進めました。今後も、市場動向や顧客要求の変化を踏まえつつ、安定供給と競争力強化の両立を図ってまいります。 (2)ヘルスケア<化粧品原料> 当社は、化粧品原料分野において、高度な精製技術と品質管理技術の研究開発に注力しています。技術開発センターでは、最新の分析機器を活用した不純物の特定・分析技術の開発を進めており、より微細な不純物を検出・同定する技術の確立に取り組んでいます。同時に、工場における製造工程では、これらの知見を活かした不純物の抑制技術の開発や、品質管理技術に基づく厳格なモニタリング体制の整備を推進しています。特に、製造工程の各段階における不純物の挙動を詳細に解析し、その生成メカニズムを解明することで、より効率的な除去方法の開発に成功しています。これらの技術革新により、当社は化学品特有のにおいや肌への刺激が極めて少ない製品を実現してきました。開発された製品群は高い保湿性と適度な抗菌性を兼ね備えており、高級スキンケア製品をはじめとする幅広い用途で採用されています。 現在、アジアを中心とした新興国での中間所得層の拡大に伴い、高品質な化粧品原料の需要は世界的な成長が見込まれています。特に、スキンケア製品に対する品質要求の高まりや、インバウンド需要の回復により、当社の化粧品原料への期待は一層高まっています。当社はこの成長市場における競争優位性をさらに高めるため、研究開発投資を続けてまいります。また、当社の製造技術、精製技術を基盤とした新規事業創出に向けた検討も進めております。 (3)エレクトロニクス<高純度溶剤> 当社は半導体及び液晶ディスプレイの製造プロセスに不可欠なフォトレジスト等の原料となる高純度溶剤を提供しています。また、グループ会社の黒金化成では、次世代半導体向け材料の製造を通じて、電子材料分野での競争力を強化しています。高純度溶剤では従来市場から求められる超高純度化や極低金属化といった品質要求に加えて、ばらつきのない安定した品質での供給を求められており、SPC(統計的工程管理)を導入し、管理体制の強化を進めています。これらの高まる品質要求に応えるため、事業部、技術開発センター、工場が連携し、技術革新を積極的に推進しています。 2022年には、四日市工場に新たな品質管理棟を建設し、業界最高水準のクリーンルームを導入しました。この施設は、顧客からの品質に対する信頼性の向上を目的とするとともに、高度化する顧客要求に迅速かつ柔軟に対応するための重要な基盤となっています。また、EUV(極端紫外線)リソグラフィー技術の進展に対応するため、大学との共同研究を通じて、当社溶剤が最先端のプロセスにおいて果たす効果を検証し、次世代半導体製造に寄与する製品の開発を進めています。 黒金化成では、受託事業に関連した研究開発活動を中心に行っています。新規受託案件を検討する「研究部」と量産化に向けた工業的製法の確立と製造部門への業務移管を行う「生産技術部」の2部門を設置し、開発段階に応じた業務分担により、顧客の要望に対して柔軟かつ迅速に対応できる体制をとっております。また2020年秋には最初の次世代半導体向け材料設備を完工させ半導体関連材料の研究開発活動を精力的に推進するとともに、2024年秋には大型の次世代半導体向け材料設備も完成させ拡大する需要の取り込みを図っております。こうした設備投資の他、高まる品質要求への対応や次世代半導体向けの素材需要の取り込みをより確実なものにするため、引き続き半導体関連材料の研究開発活動を進めていきます。 これらの研究開発活動により、高純度溶剤の品質向上や付加価値のさらなる向上を目指してまいります。今後も、当社グループは半導体産業を中心とする電子材料分野での取り組みを強化し、顧客の期待に応える製品開発を進めることで、持続可能な成長を実現してまいります。 (4)新製品・新規事業 当社は、既存事業の競争力強化に加え、中長期の成長を見据えて、新製品・新規事業の創出に向けた取り組みを進めています。これらの領域は、開発段階に応じて不確実性を伴うものの、当社の強みである化学技術、生産技術、品質管理技術、及び顧客と連携した製品開発ノウハウを活かすとともに、大学、アカデミア、スタートアップ等の外部機関との協働も通じて、事業化の可能性を高めることを目指しています。 また、テーマが複数の分野に跨ることを踏まえ、当社では事業化までの距離感、社会課題解決への寄与、当社の強みとの親和性等を勘案しつつ、開発の進捗状況に応じて、必要な領域に重点を置いて取り組んでいます。あわせて、各テーマの進捗を評価するうえでは、技術面の検証・評価、供給体制の検討、用途探索(顧客・市場での受容性確認)等を主要な項目として整理し、外部機関との連携も活用しながら、課題解決を図ってまいります。 <海洋生分解性樹脂> 当社は海洋プラスチック問題の解決を目指し、再生可能資源を活用した海洋生分解性樹脂(PHB)の開発を進めています。これは、グリーンケミカルを基盤として、海洋環境での生分解性を持つ材料を発酵法で製造し提供することを目指したものであります。当社では、強みである化学技術や品質管理技術、及び顧客と連携した製品開発ノウハウを活かしたうえで、大学や様々な企業の外部の力を積極的に取り入れるオープンイノベーションも推進させることで、顧客ニーズに応じた供給が可能となる体制の検討・構築を進めています。当連結会計年度においても、開発段階に応じた評価を進めながら、用途探索や供給体制の検討等を継続し、事業化に向けた取り組みを推進してまいりました。 今後は、量産化に向けたプロセスの最適化、品質評価の高度化、用途ごとの適用条件の検証等を主要課題として、段階的に検討を進めてまいります。 <糖鎖> 当社はバイオ医薬品に着目し、糖鎖という人工合成が困難な生体内希少成分による創薬支援を行っている株式会社糖鎖工学研究所との取り組みを進めています。糖鎖工学研究所は糖鎖の修飾及び製造技術を有している世界的に数少ない企業であり、同研究所の糖鎖関連技術と当社の強みである化学技術を掛け合わせて、商業レベルの製造技術及び安定供給に向けた技術基盤の整備を進めております。また、創薬ベンチャーやアカデミア等との共同研究を通じ、糖鎖の機能開発、用途探索及び市場での認知拡大に向けた活動を推進しています。前連結会計年度末に行った資本・業務提携等も踏まえ、当連結会計年度においては、連携の枠組みを活用しながら、開発段階に応じた検証を積み重ね、将来の事業化可能性の検討を進めてまいりました。 なお、用途探索(適用領域の拡大)に加え、評価系の整備、商業レベルの製造・安定供給に向けた技術基盤の整備等を主要課題として、外部連携も活用しながら取り組みを進めてまいります。 <農業> 農業分野においては、地球温暖化に伴う気候変動が農作物の生産に与える影響に対応するため、バイオスティミュラント剤の開発を強みとするアクプランタ株式会社との協働等を通じた取り組みを進めています。このバイオスティミュラント剤は、植物の気候変動耐性を高め、農作物の生産性向上に寄与することが期待されています。当社はアクプランタとの共同研究を深めており、当社の化学ノウハウとアクプランタの農学ノウハウのシナジー創出を進め、農業分野での新たな価値創造を目指しています。当連結会計年度においても、技術検証や圃場試験等を含む取り組みを継続し、用途探索を進めつつ、社会課題の解決に資する素材・ソリューションの提供可能性を検討してまいりました。 今後は、圃場での検証を通じた有効性・適用条件の見極めや、安定供給を含む実用化に向けた課題整理を進めてまいります。 <その他> 当社は、カーボンニュートラルへの貢献が期待できる新製品の開発に取り組み、当社の生産技術を活用した量産化プロセスを検討しています。これにより、持続可能性と収益性を両立し、社会課題の解決と当社の成長を支えてまいります。 (5)当連結会計年度の研究開発活動 当連結会計年度における研究開発費の総額は1,337百万円となっております。 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
FY2024|4,144 文字
6【研究開発活動】 当社は、企業使命“「化学の力」で、よりよい明日を実現する。”を具現化するため、積極的に研究開発を進め、既存事業の競争優位性向上と社会課題解決型の新製品・新規事業創出に取り組んでいます。 当社の創業以来のDNAは、世の中に求められる製品を開発し、より付加価値の高い製品群に発展させていくモノづくりの姿勢です。当社のコア技術である、オキソ反応を軸とする合成技術を活用し、単に規模を追い求めるのではなく、市場が抱える課題に正面から向き合うことで価値を創造してきました。これまでに蓄積した無形資産(ネットワーク、技術・ノウハウ等)を駆使し、市場ニーズに向き合う顧客起点での連続的な成長だけでなく、新たな社会課題解決型のビジネス創出をオープンイノベーション活動等も活用しながら目指す非連続的な成長にも取り組んでいます。連続的な成長は事業部、非連続的な成長はイノベーション戦略部が主に担当しています。加えて、生産技術力のさらなる強化を図る技術開発センター、新規事業を含めた知的資産の強化を担う知的財産部が連携し、事業戦略・研究開発戦略・知的財産戦略が三位一体で活動しています。 2024年は第4次中期経営計画の最終年度であり、探索により見出されたテーマを事業化に繋げるための活動を展開してきました。2025年からの第5次中期経営計画では、「探索」から「創出」ステージに移行し、事業化に向けた取り組みを加速化してまいります。 当連結会計年度における主な研究開発活動の内容は以下のとおりであります。 (1)環境<冷凍機油原料> 当社の冷凍機油原料事業は、グローバル市場での成長を支える核となる事業です。世界的に冷媒規制が強化される中、低GWP冷媒を使用した環境配慮型エアコンの需要が拡大しています。当社は、環境配慮型エアコンに対応可能な冷凍機油原料を製造しており、競争力のある製品の安定供給を実現しています。さらに、この冷凍機油原料の生産性を高め、変化する市場のニーズに対応するため、技術開発を進める体制を強化しています。 長年の技術蓄積がある高圧法および低圧法オキソ反応技術の継続的な進化や、炭酸ガス回収技術及び高度制御システムを用いた省資・省エネの取り組みを進め、持続可能な生産体制の構築に注力しています。 これらの技術の蓄積を生かし、2024年7月には、冷凍機油原料の生産設備増強工事が完工しました。この増強工事では、従来比1.5倍の生産能力増強を実現しています。この成果により、拡大する市場需要への迅速な対応が可能となり、当社の競争優位性がさらに高まりました。 <新製品・新規事業> 当社は海洋プラスチック問題の解決を目指し、再生可能資源を活用した海洋生分解性樹脂(PHB)の開発を進めています。これは、グリーンケミカルを基盤として、海洋環境での生分解性を持つ材料を発酵法で製造し提供することを目指したものであります。当社では、強みである化学技術や品質管理技術、及び顧客と連携した製品開発ノウハウを活かしたうえで、大学や様々な企業の外部の力を積極的に取り入れるオープンイノベーションも推進させることで、量産化に向けた具体的な技術基盤の確立に取り組んでいます。この取り組みは、環境負荷を低減しながら新たな価値を創造する重要な分野として位置づけ、事業部、イノベーション戦略部、知的財産部が連携し進めています。 また、農業分野においては、地球温暖化に伴う気候変動が農作物の生産に与える影響に対応するため、2022年にバイオスティミュラント剤の開発を強みとするアクプランタ株式会社に出資しました。このバイオスティミュラント剤は、植物の気候変動耐性を高め、農作物の生産性向上に寄与することが期待されています。当社はアクプランタとの共同研究を深めており、当社の化学ノウハウとアクプランタの農学ノウハウのシナジー創出を進め、農業分野での新たな価値創造を目指しています。 さらに、カーボンニュートラルへの貢献が期待できる新製品の開発に取り組み、当社の生産技術を活用した量産化プロセスを検討しています。これにより、持続可能性と収益性を両立し、社会課題の解決と当社の成長を支えてまいります。 (2)ヘルスケア<化粧品原料> 当社は、化粧品原料分野において、高度な精製技術と品質管理技術の研究開発に注力しています。技術開発センターでは、最新の分析機器を活用した不純物の特定・分析技術の開発を進めており、より微細な不純物を検出・同定する技術の確立に取り組んでいます。同時に、工場における製造工程では、これらの知見を活かした不純物の抑制技術の開発や、品質管理技術に基づく厳格なモニタリング体制の整備を推進しています。特に、製造工程の各段階における不純物の挙動を詳細に解析し、その生成メカニズムを解明することで、より効率的な除去方法の開発に成功しています。これらの技術革新により、当社は化学品特有のにおいや肌への刺激が極めて少ない製品を実現してきました。開発された製品群は高い保湿性と適度な抗菌性を兼ね備えており、高級スキンケア製品をはじめとする幅広い用途で採用されています。 現在、アジアを中心とした新興国での中間所得層の拡大に伴い、高品質な化粧品原料の需要は世界的な成長が見込まれています。特に、スキンケア製品に対する品質要求の高まりや、インバウンド需要の回復により、当社の化粧品原料への期待は一層高まっています。当社はこの成長市場における競争優位性をさらに高めるため、研究開発投資を続けてまいります。また、当社の製造技術、精製技術を基盤とした新規事業創出に向けた検討も進めております。 <新製品・新規事業> 当社はバイオ医薬品に着目し、糖鎖という人工合成が困難な生体内希少成分による創薬支援を行っている株式会社糖鎖工学研究所との取り組みを進めています。糖鎖工学研究所は糖鎖の製造技術を有している世界的に数少ない企業であり、同研究所の製造技術と当社の強みである化学技術を掛け合わせて、商業レベルの製造技術を確立することを目指しています。また、2024年12月には、独自のDRP(ジスルフィドリッチペプチド)を用いてリード化合物(創薬の種となる化合物)の探索を行うベネイノテクノロジーズ株式会社と資本・業務提携を行いました。糖鎖による薬理活性や体内動態の改善効果の実証を進め、ベネイノテクノロジーズのDRP技術とのさらなるシナジー創出およびDRP創薬の加速を進めていき、次世代の医薬品開発に寄与することを目指します。 (3)エレクトロニクス<高純度溶剤> 当社は半導体および液晶ディスプレイの製造プロセスに不可欠なフォトレジスト等の原料となる高純度溶剤を提供しています。また、グループ会社の黒金化成では、次世代半導体向け材料の製造を通じて、電子材料分野での競争力を強化しています。市場から求められる超高純度化や極低金属化といった品質要求に応えるため、事業部、技術開発センター、工場が連携し、技術革新を積極的に推進しています。 2022年には、四日市工場に新たな品質管理棟を建設し、業界最高水準のクリーンルームを導入しました。この施設は、顧客からの品質に対する信頼性の向上を目的とするとともに、高度化する顧客要求に迅速かつ柔軟に対応するための重要な基盤となっています。また、EUV(極端紫外線)リソグラフィー技術の進展に対応するため、大学との共同研究を通じて、当社溶剤が最先端のプロセスにおいて果たす効果を検証し、次世代半導体製造に寄与する製品の開発を進めています。 黒金化成では、受託事業に関連した研究開発活動を中心に行っています。新規受託案件を検討する「研究部」と量産化に向けた工業的製法の確立と製造部門への業務移管を行う「生産技術部」の2部門を設置し、開発段階に応じた業務分担により、顧客の要望に対して柔軟かつ迅速に対応できる体制をとっております。また2020年秋には最初の次世代半導体向け材料設備を完工させ半導体関連材料の研究開発活動を精力的に推進すると共に2024年秋には大型の次世代半導体向け材料設備も完成させ拡大する需要の取り込みを図っております。こうした設備投資の他、高まる品質要求への対応や次世代半導体向けの素材需要の取り込みをより確実なものにするため、引き続き半導体関連材料の研究開発活動を進めていきます。 これらの研究開発活動により、高純度溶剤の品質向上や付加価値のさらなる向上を目指してまいります。今後も、当社グループは半導体産業を中心とする電子材料分野での取り組みを強化し、顧客の期待に応える製品開発を進めることで、持続可能な成長を実現してまいります。 <新製品・新規事業> 当社は、オキソ反応技術を基盤とし、電子材料分野での新規事業開発を推進しています。その一例として、車載カメラの義務化や先進運転支援システム(ADAS)、さらには自動運転技術の進展に伴い需要が拡大している高性能センシングカメラ用のプラスチックレンズ向け素材として脂環式モノマーの開発に取り組んでいます。このモノマーは、高耐熱性、低誘電特性、低吸水性といった優れた特長を備えており、車載やスマートフォンのカメラ、さらには5G・6G通信といった次世代電子材料分野での幅広い応用が期待されています。これらの用途では、高い品質基準を満たす原料が求められることから、当社の化学品製造ノウハウを最大限に活用し、事業化に向けた取り組みを加速しています。 当社独自の技術を活用した開発品は市場で高く評価されており、これにより開発のステージが着実に進展しています。今後も、電子材料市場での成長機会を捉え、社会的需要の高い製品の開発に注力することで、当社の持続可能な成長と収益基盤の強化を実現してまいります。 (4)当連結会計年度の研究開発活動 当連結会計年度における研究開発費の総額は1,147百万円となっております。 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
FY2023|3,301 文字
6【研究開発活動】 企業使命『「化学の力」でよりよい明日を実現する。』および経営姿勢『確かな技術と豊かな発想で、夢を「かたち」にする。』を企業理念に据えVISION 2030で掲げる「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」の3分野を中心に既存事業の拡大に加えて新規事業の創出を目標に、新技術・新製品の導入により「稼ぐ力の強化」に努めています。第4次中期経営計画では、研究開発活動のマイルストーンとしてのKPIを「外部機関との協業件数10件以上/年」として設定し、自前主義にこだわることなく、外部との協創を深める取組みを加速しています。加えて、既存事業周辺および新規事業創出に向けた技術やナレッジ獲得を目的としたベンチャー及びスタートアップ企業に対する投資についても推進しています。 当社は、単に規模を追い求めるのではなく、小回りをきかせて多様な製品を上市し、お客様にとって必要不可欠な特長ある製品を提供することに注力してきました。当連結会計年度では、顧客との信頼関係と独自技術という強みを活かしてさらなる成長・価値創造を推進するため、以下の様な組織体制のもと既存事業と新規事業に求められる機能を明確化し、持続的成長に向けた新たなる価値の創出を進めています。 ・事業部 既存製品の販売戦略・投資戦略立案、およびマーケティング等の事業戦略機能について一気通貫で強力に推進するなかで、既存事業の新製品開発を進めていきます。 ・技術開発センター 当社競争力の源泉である生産技術力の一層の強化を図るとともに、カーボンニュートラル等に向けた新技術導入を見据え、各部署に分散していた生産技術に係る知見を集約し、製造技術向上を推進していきます。 ・イノベーション戦略部 新規テーマ探索機能を集約し、新規事業創出に向けたテーマ検討を加速します。 ・知的財産部 知財戦略立案機能を強化し、既存事業の競争力を高めるとともに新規事業創出を加速します。 当連結会計年度における主な研究開発活動の内容は以下のとおりであります。 (1)生産性向上、新技術開発への取り組み 当社は、コア技術である高圧法と低圧法の2種類の大規模なオキソ反応技術や、精密蒸留等の精製技術、炭酸ガス回収や高度制御による省資・省エネ技術、超高純度管理技術等を駆使し、高品質で競争力のある化学品を製造しています。技術開発センターでは、工場と連携して生産性改善、生産プロセスの改変、新製法の研究等、既存製品や開発品の競争力強化に継続的に取り組んでいます。同時に、カーボンニュートラルへの対応にも取り組んでおり、他社や大学との委託・共同研究を推進しています。 また、知的財産部では当社の技術ノウハウなどの知的資産をデータベース化して活用できる「技術プラットフォーム」の構築を進めています。研究開発を担う社員が長年蓄積された知的資産を容易に把握して活用できるようにすることで、新製法の研究や当社独自の技術を起点とした新たな価値創造などの実現性を高めていきます。 (2)既存事業周辺への取り組み 当社は、「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」分野において、幅広い開発を進めております。当連結会計年度にて事業部が事業戦略機能を一気通貫で推進する体制へと整備したことで、顧客との対話や、展示会等での新製品候補群の提案等を通じて潜在ニーズを洞察し、仮説・検証サイクルをより早く回しながら、新製品の早期事業化を目指すことが可能となりました。 当社が培ってきた生産技術と研究開発部門が獲得した高度な各種評価技術などを組み合わせて進化させた、いわゆるシーズを起点とした新たな価値創造だけでなく、マーケティング活動から得たニーズや知見と自社の強みとの掛け合わせによる価値創造を一気通貫で進めることで、社会課題の解決に寄与する価値創出に取り組んでいきます。(特殊脂環式モノマー[光学用途向け材料]) 当社開発の特殊脂環式モノマーは、耐熱性の向上に加え、低誘電特性や低吸水性などの特徴を付与できます。車載カメラ・スマートフォンのカメラ、5G・6G通信などでは、これらへの要求性能が益々高まっています。お客様の課題を解決する次世代材料として期待されており、事業化の可能性を検証しています。(天然高級アルコール) 開発中の高級アルコールはバイオマス度(グリーン素材比)が高く、常温液体で扱いやすさに優れる等の機能的特徴もあり、樹脂原料、インキ・コーティング剤、潤滑油等のさまざまな用途に使用可能です。当社ならではの材料により、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。 (3)新規事業・新製品探索機能強化への取り組み 2019年に新川崎・創造の森(AIRBIC)に開設したオープンイノベーション拠点「KH i-Lab(KH Neochem innovation Laboratory)」では2021年4月に「オープンラボ」を開設し、スタートアップ企業や様々な研究機関との技術検証を加速させ、社会課題解決に資するマーケットイン型での新規ビジネス創出を加速させています。特に、カーボンニュートラル実現に向けたバイオ原料からの新素材開発は、当社のコア技術である化学プロセス技術と出資・共同研究により獲得したバイオプロセス技術とのシナジーを意識して進めています。 また、2022年に出資したスタートアップ企業との取り組みも加速しております。アクプランタ株式会社は独自のバイオスティミュラント資材(植物の成長促進・耐性向上に役立つ農業向け資材)でアグリバイオビジネスを展開しており、両社の技術を持ち寄った新製品の開発を進めています。また、株式会社糖鎖工学研究所は医薬等への応用が期待される素材(糖鎖)の量産化技術を有しており、量産化検討や業界関連企業・アカデミアへの共同マーケティングなど連携の幅を拡げています。これらの出資先との関係強化を通じた協創検証による新たな知見獲得も目指しながらビジネスプラン検証を進めています。今後も、新規ビジネスの創出に必須な人財の多様化を図りながら、より一層外部とのネットワークの拡大と活用による協創検証を加速して、新規事業の創出によりポートフォリオの幅を拡げる取り組みを進めて参ります。(海洋生分解性樹脂の開発) KH i-Labにてベンチャー企業等と共同研究を行いながら、新規技術である微生物発酵を用いて開発を進めてきました。展示会等での情報発信を継続するとともに、お客様との関係を強化しつつサンプル評価・開発を進めており、新規事業構築に向けたステージが上がってきています。 (4)黒金化成㈱での取り組み 黒金化成㈱では、受託事業に関連した研究開発活動を中心に行っています。新規受託案件を検討する「研究部」と量産化に向けた工業的製法の確立と製造担当部門への業務移管を行う「生産技術部」の2部門を設置し、開発段階に応じた業務分担により、委託者であるお客様に対して柔軟かつ迅速に対応できる体制をとっております。 半導体関連材料やディスプレイ関連材料等の電子材料分野の受託製造に関する研究活動を主に行っております。特に、2020年秋に完成した「次世代半導体向け材料設備(第Ⅰ期投資)」を活用した受託製造をはじめとする半導体関連材料の研究開発活動を精力的に推進しています。これまでの電子材料の研究開発で培った製造技術を半導体関連材料に対応可能な水準に洗練させ、高まる品質要求への対応を進めています。 また、2022年に機関決定しました第Ⅱ期投資では、大型の製造設備を増設し、拡大する需要を取り込んでいきます。これら設備投資の他、次世代半導体向けの素材需要取込みをより確実なものにするため、引き続き半導体関連材料の研究開発活動を進めていきます。 (5)当連結会計年度の研究開発活動 当連結会計年度における研究開発費の総額は939百万円となっております。 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
FY2022|2,938 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、当社(提出会社)及び黒金化成㈱が担っており、その内容は以下のとおりであります。 (1) 研究開発方針 今、我々を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。地球温暖化、海洋プラスチック問題等の地球規模での環境問題が深刻化する一方、中間所得層の拡大によりQOL(生活の質)向上への欲求が世界的に高まっています。さらに、IoTやAI技術の普及によりモビリティ分野を中心に技術革新が期待される等、世の中のニーズが高度化、多様化しています。 この様な環境の中、当社はこれらのニーズに応えるため、当社コアおよびコア周辺技術を深く追求するだけでなく、オープンイノベーション等により外部との技術協創活動を促進することで環境に配慮し、豊かな暮らしに貢献する方針で研究開発活動に取り組んでいます。また、2022年から始まった第4次中期経営計画ではサステナブル経営を推進する7つの約束を宣言し、当社が掲げる価値創造ストーリーにおいて社会課題解決に貢献する事業の創出・拡大を目指すべく、イノベーションの促進および知的財産戦略の強化、工場の生産性向上・効率化の追求をマテリアリティに掲げています。 (2) 研究開発戦略 VISION 2030で掲げる「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」の3分野を中心に既存事業の拡大に加えて新規事業の創出を目標に掲げ、新技術・新製品の導入により「稼ぐ力の強化」に努めます。 第4次中期経営計画では、研究開発活動のマイルストーンとしてのKPIを「外部機関との協業件数10件以上/年」として設定し、自前主義にこだわることなく、外部との協創を深める取組みを加速してまいります。加えて、既存事業周辺および新規事業創出に向けた技術やナレッジ獲得を目的としたベンチャー及びスタートアップ企業に対する投資についても推進していきます。 (3) 研究開発体制 既存事業及び周辺事業の戦略立案と推進を担う「事業戦略部」、既存技術の強化による工場の生産性向上やコア技術を応用した新製品開発を推進する「R&D総合センター」及び新事業創出を推進する「イノベーション戦略部」の3部門を設置し、フラットな組織体制かつ各部門長への大胆な権限委譲により、研究開発活動の効率性を高めています。加えて、特許・ノウハウ等の知的財産に関する業務についてはR&D総合センターに機能を統一し、無形資産の価値向上と活用を効率的に進めています。 また、黒金化成㈱では、受託事業に関連した研究開発活動を中心に行っています。新規受託案件を検討する「研究部」と量産化に向けた工業的製法の確立と製造担当部門への業務移管を行う「生産技術部」の2部門を設置し、開発段階に応じた業務分担により、委託者であるお客様に対して柔軟かつ迅速に対応できる体制をとっております。 (4) 生産性向上、新技術開発への取組み 当社は、コア技術である高圧法と低圧法の2種類のオキソ反応技術や、精密蒸留等の精製技術、炭酸ガス回収や高度制御による省資・省エネ技術、超高純度管理技術等を駆使し、高品質で低コストな化学品を製造しており、R&D総合センターでは、化学的な生産性改善、生産プロセスの改変、新製法の研究等、既存製品の競争力強化に継続的に取り組んでいます。 また、カーボンニュートラルへの対応や、当社独自の技術を起点とした新たな価値創造にも取り組んでおり、他社や大学との委託・共同研究を推進しています。 (5) 既存事業周辺への取り組み 当社の持つ技術に、研究開発部門が獲得した高度な各種評価技術を組み合わせて進化させ、天然由来製品、機能性製品など、「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」分野を視野に幅広い開発を進めております。顧客との対話や、展示会等での新製品候補群の提案等を通じて潜在ニーズを洞察し、仮説・検証サイクルをより早く回しながら、新製品の早期事業化を目指しています。また、当社独自の技術、中間体、製品といったいわゆるシーズを起点とした新たな価値創造にも取り組んでおり、他社や大学との委託・共同研究を推進しています。 さらに、当社の知的財産を体系化、データベース化し、共有できる「技術プラットフォーム」の構築を進めています。知的財産の可視化と集約により、社会の課題や顧客のニーズを意識しつつ、他社技術と比較して俯瞰することで、知的財産戦略や新規事業創出に貢献していきます。 (6) 新規事業・新製品探索機能強化への取り組み 2019年に新川崎・創造の森(AIRBIC)に開設したオープンイノベーション拠点「KH i-Lab(KH Neochem innovation Laboratory)」では2021年4月に「オープンラボ」を開設し、スタートアップ企業や様々な研究機関との技術検証を加速させ、社会課題解決に資するマーケットイン型での新規ビジネス創出を加速させています。特に、カーボンニュートラル実現に向けバイオ原料からの新素材開発は、当社のコア技術である化学プロセス技術と出資・共同研究により獲得したバイオプロセス技術とのシナジーを意識して進めています。中でも海洋分解性樹脂の開発については取り組みを強化し用途開発など様々な領域でのマーケティング活動を推進しています。 また、2022年は2件のスタートアップ企業への出資を行いました。アクプランタ株式会社はバイオスティミュラント材に強みがありアグリバイオビジネスを展開、また、株式会社糖鎖工学研究所は医薬等への応用が期待される素材(糖鎖)の量産化技術を有しています。出資後、2社との共同研究体制の強化を図り、また、当社独自にオープンラボを活用した成蹊大学等との外部研究機関との協創検証による新たな知見獲得も目指しながらビジネスプラン検証を進めています。今後も、新規ビジネスの創出に必須な人材の多様化を図りながら、より一層外部とのネットワークを活用した協創検証を加速して、新規事業の創出によりポートフォリオの幅を拡げる取り組みを進めて参ります。 (7) 黒金化成㈱での取組み 半導体関連材料やディスプレイ関連材料等の電子材料分野の受託製造に関する研究活動を主に行っております。2022年は2020年秋に完成した「次世代半導体向け材料設備(第Ⅰ期投資)」を活用した受託製造をはじめとする半導体関連材料の研究開発活動を精力的に推進しています。これまでの電子材料の研究開発で培った製造技術を半導体関連材料に対応可能な水準に洗練させ、高まる品質要求への対応を進めています。 また2022年6月には第Ⅱ期投資を機関決定しました。第Ⅱ期投資では大型の製造設備を増設し、拡大する需要を取り込んでいきます。次世代半導体向けの素材需要取込みをより確実なものにするため、引き続き半導体関連材料の研究開発活動を進めていきます。 (8) 当連結会計年度の研究開発活動 当連結会計年度における研究開発費の総額は871百万円となっております。 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
FY2021|2,322 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主に当社(提出会社)が担っており、その内容は以下のとおりであります。 (1) 研究開発方針 今、我々を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。地球温暖化、海洋プラスチック問題等の地球規模の環境問題が深刻化する一方、中間所得層の拡大によりQOL(生活の質)向上への欲求が世界的に高まっています。さらに、IoTやAI技術の普及によりモビリティ分野を中心に技術革新が期待される等、世の中のニーズが高度化、多様化しています。 この様な背景の中、当社は、これらのニーズに応えるため、これまでに蓄積した当社コアおよびコア周辺技術を深く追求するだけでなく、オープンイノベーション等により外部との技術協創活動を促進することで、環境に配慮し、豊かな暮らしに貢献する新素材の開発に挑戦していきます。 また、当社が掲げる価値創造ストーリーにおいて、研究開発活動として社会課題解決に貢献する事業を目指すべく、イノベーションの促進および知的財産戦略の強化をマテリアリティに掲げています。 (2) 研究開発戦略 当社の研究開発は、「世界で輝くスペシャリティケミカル企業」を目指し、社会的な潮流や市場動向を踏まえた研究開発活動を通して高付加価値ファインケミカルズを創出、さまざまな産業分野の幅広いニーズに応える新素材の開発に取り組みます。 VISION 2030で掲げる「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」の3分野を中心に既存事業の拡張に加えて新規事業を展開し、新技術・新製品の開発を進めます。 第4次中期経営計画では、研究開発活動のマイルストーンとしてのKPIを「外部機関との協業件数10件以上/年」として設定し、自前主義にこだわることなく、外部との協創を深める取組みを加速してまいります。加えて、既存事業周辺および新規事業創出に向けた技術やナレッジ獲得を目的としたベンチャー及びスタートアップ企業に対する投資についても推進していきます。 (3) 研究開発体制 2021年4月より研究開発本部制を廃止し、既存事業及び周辺事業の戦略立案と推進を担う「事業戦略部」、既存技術の強化による工場の生産性向上への貢献やコア技術を応用した新たな素材や用途の探索から事業化までを推進する「R&D総合センター」及び新事業創出に向けたオープンイノベーションを推進する「イノベーション戦略部」の3部門に再編しフラットな組織体制に改めるとともに、各部門長に権限を委譲し、研究開発活動の効率性を高めていきます。加えて、特許等の知的財産に関する業務についてはR&D総合センターに機能を統一し、無形資産の価値向上と活用をこれまで以上に進めていきます。 (4) 既存事業周辺への取り組み 当社は、コア技術である高圧法と低圧法の2種類のオキソ反応技術や、精密蒸留等の精製技術、炭酸ガス回収や高度制御による省資・省エネ技術、超高純度維持管理技術等を駆使し、高品質で低コストな化学品を製造しており、R&D総合センターでは、化学的な生産性改善、生産プロセスの改変、新製法の研究等、既存製品の競争力強化に継続的に取り組んでいます。 また、これらの技術に、研究開発部門が持つ高度な各種評価技術を組み合わせて進化させ、天然由来製品、機能性製品など、「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」分野を視野に幅広い開発を進めております。顧客との対話や、展示会等での新製品候補群の提案等を通じて潜在ニーズを洞察し、仮説・検証サイクルをより早く回しながら、新事業立ち上げを目指しています。さらに、当社独自の技術、中間体、製品といったいわゆるシーズを起点とした新たな価値創造にも取り組んでおり、他社や大学との委託・共同研究を推進しています。 (5) 新規事業・新製品探索機能強化への取り組み 2019年に新川崎・創造の森(AIRBIC)に開設したオープンイノベーション拠点「KH i-Lab(KH Neochem innovation Laboratory)」では2021年4月に「オープンラボ」を構築し、有望な技術を持つベンチャー企業や研究機関と共同実験を通じて、新規事業創出を加速させています。産学官連携の先端研究開発拠点である新川崎地区のネットワーク等を通じてマーケットイン型での社会課題解決に資する新技術およびビジネスについて仮説立案と検証を繰り返しています。また、新事業探索に必須な人材多様化の施策として、新規採用、社内ローテーションに加え、2020年には異業種企業との人財交流プログラムを開始、異なる専門領域を掛け合わせることで、イノベーターの育成を図っています。特に、ゲノム技術の発展やカーボンニュートラルへの取組みが進み、化学プロセスからバイオプロセスによる物質生産の転換が加速する中、バイオインダストリーに対応できる人財の獲得および育成も進めています。これら活動により、海洋分解性樹脂や医薬品原料の開発において、取り組んできたベンチャー企業や大学などとの共同研究での成果が着実に具体化しております。 今後も、より一層外部とのネットワーク構築に注力し、自前主義にこだわらず協創、協業を図ることにより、スピード感をもった新規事業の創出に取り組んで参ります。 (6) 当連結会計年度の研究開発活動 当連結会計年度においては、潤滑油分野での展開が期待される当社新規素材を顧客に提案いたしました。 研究開発費の総額は1,005百万円となっております。 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
FY2020|1,857 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主に当社(提出会社)が担っており、その内容は以下のとおりであります。 (1) 研究開発方針 今、我々を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。地球温暖化、海洋プラスティック問題等の地球規模の環境問題が深刻化する一方、中間所得層の拡大によりQOL(生活の質)向上への欲求が世界的に高まっています。さらに、IoTやAI技術の普及によりモビリティ分野を中心に技術革新が期待される等、世の中のニーズが高度化、多様化しています。 この様な背景の中、当社は、これらのニーズに応えるため、これまでに蓄積した当社コアおよびコア周辺技術を深く追求するだけでなく、オープンイノベーション等により外部との技術協創活動を促進することで、環境に配慮し、豊かな暮らしに貢献する新素材の開発に挑戦していきます。 (2) 研究開発戦略 当社の研究開発は、「世界で輝くスペシャリティケミカル企業」を目指し、社会的な潮流や市場動向を踏まえた研究開発活動を通して高付加価値ファインケミカルズを創出、さまざまな産業分野の幅広いニーズに応える新素材の開発に取り組みます。 VISION 2030で掲げる「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」の3分野を中心に既存事業の拡張に加えて新規事業を展開し、新技術・新製品の開発を進めます。 (3) 研究開発体制 研究開発本部では、2019年度より新事業創出に向けた専門組織「イノベーション戦略室」、総合研究所の位置づけとなる「R&D総合センター」、既存事業の市場調査などを担当する「開発推進部」の3部署体制にて各機能が有機的に機能しながら新事業の創出、コア事業の発展に結び付ける動きを進めております。 (4) 既存事業周辺への取り組み 既存事業周辺展開は、強みである潤滑油関連素材と化粧品原料素材事業を深化させつつ、オキソ反応等自社の要素技術の活用によりVISION 2030で掲げる事業分野を中心に、SDGsを見据えながら成長戦略に沿った新製品の事業化を目指しています。 「環境」分野においては、潤滑油関連素材開発に関して新プラントを立上げ低GWP(地球温暖化係数)冷媒向け製品含めた材料の供給を開始しました。「ヘルスケア」分野においては、当社化粧品原料の高品質化、高付加価値化、ラインナップ拡充に向け、展示会出展等による顧客ニーズ・市場動向の調査を進めています。 また、当社のコア技術である高圧法と低圧法の2種類のオキソ反応技術やノウハウを分野横断的な横串技術として進化させ天然由来製品、機能性製品など、「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」分野を視野に幅広い開発を進めており、展示会等で新製品候補群の提案を行っています。このような対外発信や顧客との対話を通じ、仮説・検証サイクルをより早く回しながら新事業立ち上げを目指しています。 これらに加え、当社既存製品の生産性改善・競争力強化にも継続的に取り組んでいます。 (5) 新規事業・新製品探索機能強化への取り組み 2019年に新川崎・創造の森(AIRBIC)に開設したオープンイノベーション拠点「KH i-Lab(KH Neochem innovation Laboratory)」では、川崎市が運営する研究開発型ベンチャー企業成長支援プログラム「Kawasaki Deep Tech Accelerator」などと連携しながら、マーケットイン型での社会課題解決に資する新技術およびビジネスについて仮説立案と検証を繰り返しています。また、新事業探索に必須な人材多様化の施策として、新規採用、社内ローテーションに加え、2020年には異業種企業との人財交流プログラムを開始、異なる専門領域を掛け合わせることで、新規事業構築を目指しています。これら活動により、昨年度から取り組んできたベンチャー企業や大学などとの共同研究での成果が着実に具体化しております。 今後も、より一層外部とのネットワーク構築に注力し、自前主義にこだわらず協創、協業を図ることにより、スピード感をもった新規事業の創出に取り組んで参ります。 (6) 当連結会計年度の研究開発活動 当連結会計年度においては、潤滑油分野での展開が期待される当社新規素材を顧客に提案いたしました。 研究開発費の総額は919百万円となっております。 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
FY2019|1,514 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主に当社(提出会社)が担っており、その内容は以下のとおりであります。 (1) 研究開発方針 今、我々を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。地球温暖化、海洋プラスティック問題等の地球規模の環境問題が深刻化する一方、中間所得層の拡大によりQOL(生活の質)向上への欲求が世界的に高まっています。さらに、IoTやAI技術の普及によりモビリティ分野を中心に技術革新が期待される等、世の中のニーズが高度化、多様化しています。 この様な背景の中、当社は、これらのニーズに応えるため、これまでに蓄積した当社コアおよびコア周辺技術を深く追求するだけでなく、オープンイノベーション等により外部との技術協創活動を促進することで、環境に配慮し、豊かな暮らしに貢献する新素材の開発に挑戦していきます。 (2) 研究開発戦略 当社の研究開発は、「世界で輝くスペシャリティケミカル企業」を目指し、社会的な潮流や市場動向を踏まえた研究開発活動を通して高付加価値ファインケミカルズを創出、さまざまな産業分野の幅広いニーズに応える新素材の開発に取り組みます。 VISION 2030で掲げる「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」の3分野を中心に既存事業の拡張に加えて新規事業を展開し、新技術・新製品の開発を進めます。 (3) 研究開発体制 既存事業周辺の市場調査・情報収集から新たなビジネスモデルを立案・検証・展開する「開発推進部」、自社技術基盤を強化し周辺技術を獲得しながら技術の裾野を広げる当社の総合研究所である「R&D総合センター」、さらに新規事業の創出に向けた将来戦略を検討・展開する「イノベーション戦略室」を2019年1月に新設、これら3拠点が協力する体制で、研究開発を行っています。 (4) 既存事業周辺への取り組み 既存事業周辺展開としては、以下の研究開発に取り組んでいます。A.低GWP(地球温暖化係数)冷媒向け潤滑油素材の開発B.オキソ技術を用いた機能性製品の開発とソリューション提供C.ヘルスケア・化粧品素材の開発D.当社製品の生産性改善・競争力強化 強みである潤滑油関連素材と化粧品原料素材事業を深化させつつ、オキソ反応等自社の要素技術をVISION 2030で掲げる事業分野を中心に開発を図りながら、成長戦略に沿った新製品の事業化を目指します。 (5) 新規事業・新製品探索機能強化への取り組み 当社は、新規事業創出に向けた取り組みとして、既存の研究開発組織とは独立した組織を編成、2019年1月に「イノベーション戦略室」を新たに立ち上げました。 その拠点として新川崎・創造の森(AIRBIC)に、「KH i-Lab(KH Neochem innovation Laboratory)」を新設、KHネオケムのコア技術や主力製品の紹介に加えて、当社がオープンイノベーションでかなえたい未来に向けた夢を社外の方々と共有し、様々な社会課題に対するソリューションを提案する場として活用いたします。 これまで以上に外部とのネットワークの構築に注力し、異業種交流やビジネスマッチングの展開等オープンイノベーションによる外部との技術協創を図り、スピード感をもった新規事業の創出に取り組んでまいります。 (6) 当連結会計年度の研究開発活動 当連結会計年度においては、潤滑油分野での展開が期待される当社新規素材を顧客に提案いたしました。 研究開発費の総額は847百万円となっております。 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
FY2018|1,328 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主に当社(提出会社)が担っており、その内容は以下のとおりであります。 (1) 研究開発方針 地球温暖化をはじめとする環境問題、エネルギー・資源問題、少子高齢化問題など、社会が直面する様々な課題は、高度で多様化された新製品の新たなニーズを生み出しつつあります。 当社は、このようなニーズにスピィディーに応えるためにこれまでに蓄積してきた技術を深く追求するとともに、国内外の研究機関や企業と連携した研究開発に積極的に取り組み、豊かでサスティナブルな未来に貢献する新製品の開発に果敢に挑戦しております。 石油化学製品の開発を通じて培った有機合成技術を基盤として、「Solution提供」「環境対応・貢献」「新規高機能製品の創造」をキーワードにした研究開発活動により、さまざまな分野に特色のある製品を提供し、地球環境と人々の快適な暮らしを支える化学品メーカーを目指してまいります。 (2) 研究開発フロー 当社の新製品創造は、研究開発部門、知的財産部門、製造部門、販売部門、企画部門が一体となって進められます。「自社の強み」を機軸に要素技術を固め、販売部門と連携して収集した「お客様の声」に加え、「社会要請」、及び「市場の潮流」を考慮して、研究開発部門がお客様にSolutionを提案し、製造部門と連携して供給体制を整えます。 四日市研究所は、高機能スペシャリティケミカルの創出と事業化の拠点として以下の研究開発に取り組んでおります。A.低GWP(地球温暖化係数)冷媒向け潤滑油素材の開発B.オキソ技術を用いた機能性製品の開発とソリューション提供C.ヘルスケア・化粧品素材の開発D.当社製品の生産性改善・競争力強化 現在の強みである潤滑油関連素材と化粧品原料素材事業を深化させる研究と、オキソ反応や合成技術など自社の要素技術を展開していく研究の組合せで、企画部門とも連携しながら成長戦略に沿った新製品の事業化を目指します。 (3) 新規事業・新製品探索機能強化への取り組み 当社の新製品創造をさらに加速させるため、新規事業分野や新製品の探索機能の強化のために、お客様ヒヤリングや市場調査に基づく探索検討と新たな顧客価値提案に向けた外部との連携によるもの創り技術・評価技術・設備の拡充を図りながらフィードバックサイクルの迅速化に向けて取り組んでおります。 特に、「お客様の声」に対する対応力の強化を目指し、より一層密な双方向での情報交換を行うべく専任者の配置を行い、取り組みを継続しております。 また、「社会要請」、及び「市場の潮流」への感度を上げ、さらには全社一体となった新規事業立ち上げに向け運営された「新規事業構築会議」により絞り込まれた候補案件について、本年度より企画部門、販売部門と連携して検討に着手しております。 (4) 当連結会計年度の研究開発活動 当連結会計年度においては、潤滑油分野での展開が期待される当社新規素材を顧客に提案いたしました。 研究開発費の総額は8億22百万円となっております。 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
FY2017|1,275 文字
6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主に当社(提出会社)が担っており、その内容は以下のとおりであります。 (1) 研究開発方針 地球温暖化をはじめとする環境問題、エネルギー・資源問題、少子高齢化問題など、社会が直面する様々な課題は、高度で多様化された新製品の新たなニーズを生み出しつつあります。 当社は、このようなニーズにスピィディーに応えるためにこれまでに蓄積してきた技術を深く追求するとともに、国内外の研究機関や企業と連携した研究開発に積極的に取り組み、豊かでサスティナブルな未来に貢献する新製品の開発に果敢に挑戦しております。 石油化学製品の開発を通じて培った有機合成技術を基盤として、「Solution提供」「環境対応・貢献」「新規高機能製品の創造」をキーワードにした研究開発活動により、さまざまな分野に特色のある製品を提供し、地球環境と人々の快適な暮らしを支える化学品メーカーを目指してまいります。 (2) 研究開発フロー 当社の新製品創造は、研究開発部門、知的財産部門、製造部門、販売部門、企画部門が一体となって進められます。「自社の強み」を機軸に要素技術を固め、販売部門が収集した「お客様の声」に加え、「社会要請」、及び「市場の潮流」を考慮して、研究開発部門がお客様にSolutionを提案し、製造部門と連携して供給体制を整えます。 四日市研究所は、高機能スペシャリティケミカルの創出と事業化の拠点として以下の研究開発に取り組んでおります。A.低GWP(地球温暖化係数)冷媒向け潤滑油素材の開発B.オキソ技術を用いた機能性製品の開発とソリューション提供C.新規溶剤、樹脂原料等の探索 現在の強みである潤滑油関連素材事業を深化させる研究と、オキソ反応や合成技術など自社の要素技術を展開していく研究の組合せで、新製品の事業化を目指します。 (3) 新規事業・新製品探索機能強化への取り組み 当社の新製品創造をさらに加速させるため、新規事業分野や新製品の探索機能の強化のために以下の施策に取り組んでおります。A.お客様ヒヤリングや市場調査に基づく探索検討と評価系拡充によるフィードバックサイクルの強化B.各本部メンバーにより構成される「新規事業構築会議」の運営 特に、「お客様の声」に対する対応力の強化を目指し、より一層密な双方向での情報交換を行うべく専任者の配置を行い、取り組みを継続しております。 また、「社会要請」、及び「市場の潮流」への感度を上げ、さらには全社一体となった新規事業立ち上げに向け、各本部横断的に人材を集めた「新規事業構築会議」の運営により絞り込まれた候補案件の事業性精査に、次年度より取り組む予定としております。 (4) 当連結会計年度の研究開発活動 当連結会計年度においては、潤滑油分野での展開が期待される当社新規素材を顧客に提案いたしました。 研究開発費の総額は9億39百万円となっております。 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
FY2016|1,236 文字
6【研究開発活動】(1) 研究開発方針 地球温暖化をはじめとする環境問題、エネルギー・資源問題、少子高齢化問題など、社会が直面する様々な課題は、高度で多様化された新製品の新たなニーズを生み出しつつあります。 当社は、このようなニーズにスピィディーに応えるためにこれまでに蓄積してきた技術を深く追求するとともに、国内外の研究機関や企業と連携した研究開発に積極的に取り組み、豊かでサスティナブルな未来に貢献する新製品の開発に果敢に挑戦しております。 石油化学製品の開発を通じて培った有機合成技術を基盤として、「Solution提供」「環境対応・貢献」「新規高機能製品の創造」をキーワードにした研究開発活動により、さまざまな分野に特色のある製品を提供し、地球環境と人々の快適な暮らしを支える化学品メーカーを目指してまいります。 (2) 研究開発フロー 当社の新製品創造は、研究開発部門、知的財産部門、製造部門、販売部門、企画部門が一体となって進められます。「自社の強み」を機軸に要素技術を固め、販売部門が収集した「お客様の声」に加え、「社会要請」、及び「市場の潮流」を考慮して、研究開発部門がお客様にSolutionを提案し、製造部門と連携して供給体制を整えます。 四日市研究所は、高機能スペシャリティケミカルの創出と事業化の拠点として以下の研究開発に取り組んでおります。A.低GWP(地球温暖化係数)冷媒向け潤滑油素材の開発B.オキソ技術を用いた機能性製品の開発とソリューション提供C.新規溶剤、樹脂原料等の探索 現在の強みである潤滑油関連素材事業を深化させる研究と、オキソ反応や合成技術など自社の要素技術を展開していく研究の組合せで、新製品の事業化を目指します。 (3) 新規事業・新製品探索機能強化への取り組み 当社の新製品創造をさらに加速させるため、新規事業分野や新製品の探索機能の強化のために以下の施策に取り組んでおります。A.お客様ヒヤリングや市場調査に基づく探索検討とフィードバックサイクルの強化B.各本部メンバーにより構成される「新規事業構築会議」の運営 特に、「お客様の声」に対する対応力の強化を目指し、より一層密な双方向での情報交換を行うべく専任者の配置を行い、取り組みを継続しております。 また、「社会要請」、及び「市場の潮流」への感度を上げ、さらには全社一体となった新規事業立ち上げに向け、各本部横断的に人材を集めた「新規事業構築会議」の運営を継続しております。当会議体は、次代を担う世代を中心に、制限を設けない議論からスタートすることを基本理念としております。 (4) 当連結会計年度の研究開発活動 当連結会計年度においては、潤滑油分野での展開が期待される当社新規素材を顧客に提案いたしました。 研究開発費の総額は8億98百万円となっております。 当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。