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KHネオケム(4189)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 石油化学製品の製造販売: KHネオケムは、オキソ技術という独自の技術を核に、様々な石油化学製品を製造・販売しています。この技術は、オレフィンとオキソガスを原料にアルデヒドを作り出すもので、1970年から大量生産を行っています。アルデヒドをさらに加工して、アルコールや脂肪酸なども生産し、多様な産業分野に製品を供給しています。
  • 主要製品の多角展開: 製造したアルデヒドを元に、溶剤や可塑剤の原料、機能性材料など幅広い製品群を展開しています。これらの製品は、エアコンの冷凍機油の原料、化粧品原料、液晶ディスプレイや半導体製造用の高純度溶剤、自動車や住宅に使われる塗料や可塑剤の原料など、多岐にわたる用途で国内外の顧客に提供されており、安定した収益源となっています。
  • グループ会社との連携: KHネオケムは、子会社4社と関連会社1社で構成されるグループとして事業を展開しています。国内では高機能有機材料の受託製造や健康食品原料の販売、可塑剤の製造販売を、海外では米国や中国での輸出入・販売・市場調査を行うことで、グローバルな供給体制を構築し、事業の拡大と効率化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 機能性材料事業: エアコンや冷凍庫に使われる冷凍機油の原料、化粧品原料などに用いられる特殊ジオールなどを製造・販売しています。主な製品はキョーワノイック-N(イソノナン酸)や1,3-ブチレングリコールで、特に環境に優しい冷媒に対応した冷凍機油原料は、環境意識の高まりとともに需要が期待されます。潤滑油、粘接着剤、化粧品、医農薬、界面活性剤など幅広い用途があります。
  • 電子材料事業: 液晶ディスプレイや半導体、フォトレジストの製造に使われる高純度溶剤を製造・販売しています。PM-P(プロピレングリコールモノメチルエーテル-P)やPMA-P(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート-P)などが主要製品で、長年培った品質管理ノウハウにより、金属含有量の極めて少ない高純度溶剤を提供し、ディスプレイ材料や半導体産業を支えています。
  • 基礎化学品事業: 自動車や住宅など様々な産業で使用される溶剤、可塑剤原料、樹脂原料などを製造・販売しています。ブタノール、オクタノール、オキソコール900(イソノニルアルコール)、酢酸ブチルなどが主な製品です。これらは塗料、インキ、可塑剤、洗浄剤といった幅広い用途に使われ、特に可塑剤原料は壁紙、床材、自動車部材などに利用され、産業の基盤を支える重要な役割を担っています。
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FY2025|2,360 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(KHネオケム株式会社)、子会社4社及び関連会社1社(2025年12月31日現在)により構成されており、各種石油化学製品の製造・販売を主たる業務としています。「オキソ技術」をコア技術として、さまざまな産業分野に特色ある化学製品を提供しています。オキソ技術とはオレフィン(注1)とオキソガス(注2)を原料にアルデヒド(注3)を製造する技術です。当社グループは1970年にオキソ技術によるアルデヒドの大量生産を開始して以来、アルデヒドを原料にアルコールや脂肪酸(注4)などの生産品目を拡充し、溶剤(注5)や可塑剤(注6)原料、機能性材料等の多様な製品群を国内外の顧客へ供給しています。 当社グループの事業分野は、「機能性材料」「電子材料」「基礎化学品」の3分野であり、各事業分野の事業内容は以下のとおりです。 (1) 機能性材料 エアコンや冷凍庫等に使用される冷凍機油(注7)の原料、化粧品原料等に用いられる特殊ジオール(注8)等を製造し、販売しています。 <主な製品名と概要>キョーワノイック-N(イソノナン酸)、オクチル酸、1, 3-ブチレングリコール・キョーワノイック-N(イソノナン酸)とオクチル酸は、エアコン等に使用される冷凍機油の原料に用いられています。オゾン層破壊・地球温暖化といった環境問題に対処するため、エアコン等に使用される冷媒は、オゾン層を破壊せず、かつ、地球温暖化係数(注9)の低い環境にやさしい冷媒への切り替えが進んでおり、当該製品はこの冷媒に適合する冷凍機油の原料です。・オクチル酸は、冷凍機油の原料の他、自動車や住宅等の合わせガラス用中間膜の原料等に用いられています。・1, 3-ブチレングリコールは、高い保湿性を持ち、化粧品やスキンケア製品の原料として用いられています。<主な用途>潤滑油、粘接着剤、化粧品、医農薬、界面活性剤 (2) 電子材料 液晶ディスプレイや半導体、フォトレジスト(注10)の製造に使用される高純度溶剤を製造し、販売しています。 <主な製品名と概要>PM-P(プロピレングリコールモノメチルエーテル-P)、PMA-P(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート-P)・液晶ディスプレイやCPU・メモリー等の半導体の製造プロセスには、非常に高純度の溶剤が必要とされています。この分野には、当社が長年培ってきた高い品質管理ノウハウを駆使して、金属含有量の極めて少ない高純度溶剤を提供しています。<主な用途>ディスプレイ材料、半導体 (3) 基礎化学品 自動車や住宅など様々な産業で使用される溶剤、可塑剤原料、樹脂原料等を製造し、販売しています。 <主な製品名と概要>ブタノール、オクタノール、オキソコール900(イソノニルアルコール)、酢酸ブチル・オクタノールは、壁紙や床材、自動車部材等の幅広い用途に用いられる可塑剤であるDOP(ジオクチルフタレート)の原料や塗料、接着剤、粘着剤、合成樹脂に用いられるアクリル酸2-エチルヘキシルの原料として使用されています。・オキソコール900(イソノニルアルコール)は、壁材や床材の他、自動車部品や電線被覆材等に用いられる可塑剤であるDINP(ジイソノニルフタレート)の原料として使用されています。・ブタノール、酢酸ブチルは主に塗料用の溶剤で、自動車のボディや建物の外壁、缶類の塗装等に使用されています。<主な用途> 塗料、インキ、可塑剤、洗浄剤(注)1.オレフィンとは分子内にひとつの二重結合を持つ炭化水素の総称です。石油化学基礎製品であるエチレン、プロピレン等がこれに含まれます。 2.オキソガスとは水素と一酸化炭素の混合ガスです。 3.アルデヒドとはアルデヒド基をもつ有機化合物の総称です。アルデヒドに水素添加するとアルコールになります。また、アルデヒドは酸化されるとカルボン酸になります。 4.脂肪酸とは酸の性質を持つ有機化合物の総称です。当社のイソノナン酸やオクチル酸も脂肪酸の一種です。 5.溶剤とは塗料用や電子材料用の樹脂や医農薬の原料等を溶かすものです。 6.可塑剤(かそざい)とは材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくしたりするために添加する物質のことです。 7.冷凍機油とはエアコンや冷凍庫などにおいて、冷媒を循環するコンプレッサーに使用される特殊な潤滑油です。 8.ジオールとは分子中に2つの水酸基をもつ有機化合物の総称です。グリコールともいいます。 9.地球温暖化係数とは二酸化炭素を1として温室効果を示した数値です。 10.フォトレジストとは半導体や液晶ディスプレイに回路を形成する工程で用いられる感光性材料です。  また、グループ各社の役割は以下のとおりです。 国内法人当社グループの中核会社として、各種石油化学製品の研究、製造、販売を行っています。黒金化成㈱電子情報分野、医療分野向け高機能有機材料等の受託製造、販売を行っています。㈱黒金ファインズ黒金化成㈱の子会社として健康食品原料、医薬原料、工業薬品等の販売を行っています。㈱ジェイ・プラス三菱ケミカル㈱との合弁により設立し、各種可塑剤の製造及び販売を行っています。 海外法人KH Neochem Americas, Inc.当社が製造・販売する化学品等の米国等における輸出入、販売、開発及び市場調査を行っています。晟化(上海)貿易有限公司当社が製造する化学品等の中国等における輸出入、販売及び市場調査を行っています。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。(注)無印 連結子会社※1 非連結子会社で持分法非適用会社※2 関連会社で持分法適用会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原燃料価格の変動を製品販売価格への転嫁等で対応しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
1970年から培ってきたオキソ技術によるアルデヒドの大量生産と、高純度溶剤の品質管理ノウハウ。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済及び市場環境の変動 / 原燃料の価格変動 / 為替変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

KHネオケムは特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、あるいは規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性は確認できない。汎用的な化学品を扱っており、差別化要因は限定的。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の用途でKHネオケムの製品を使用している可能性はあるが、代替品への切り替えコストが極めて高いとは言えない。品質や納期、価格での比較検討が容易であり、スイッチング・コストは低いと判断される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

KHネオケムの事業モデルは、ユーザー数の増加が製品価値を直接高めるネットワーク効果を生む構造ではない。BtoBビジネスであり、プラットフォーム型ではないため該当しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

化学品製造においては、規模の経済や効率的な生産プロセスがコスト競争力に寄与する可能性がある。しかし、業界全体で技術革新や原料価格変動の影響を受けやすく、持続的なコスト優位性を確立しているとは断定しにくい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

KHネオケムは、特定のニッチ市場においては一定のシェアを確保している可能性がある。しかし、グローバルな化学業界全体で見ると、規模の経済による圧倒的な優位性は限定的であり、最適化された少数寡占状態とは言えない。

  • 独自のオキソ技術: KHネオケムは「オキソ技術」をコア技術としています。これはオレフィンとオキソガスからアルデヒドを製造する独自のプロセスで、1970年からの長年の経験とノウハウが蓄積されています。この技術を基盤に、アルコールや脂肪酸など多岐にわたる化学製品を生産できる点が強みで、他社との差別化に貢献していると考えられます。
  • 高純度製品の品質管理: 特に電子材料分野では、液晶ディスプレイや半導体製造に不可欠な高純度溶剤を提供しています。長年培ってきた高い品質管理ノウハウにより、金属含有量が極めて少ない製品を供給できることは、精密な製造プロセスが求められる電子産業において重要な競争優位性となります。
  • 環境対応製品への貢献: 機能性材料分野では、オゾン層破壊や地球温暖化に対応した環境に優しい冷媒に適合する冷凍機油の原料(イソノナン酸、オクチル酸)を製造しています。環境規制が厳しくなる中で、こうした環境配慮型製品を提供できることは、将来的な市場ニーズに対応し、持続的な成長を支える要因となり得ます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <経営方針>(1) 企業理念 当社グループは、以下の企業理念に基づき、様々な産業分野に特色のある高品質な化学製品を提供することを主方針として経営諸活動を遂行しております。・ 企業使命 「化学の力」で、よりよい明日を実現する。・ 経営姿勢 確かな技術と豊かな発想で、夢を「かたち」にする。・ 行動指針 「新たな一歩」を踏み出して、さらなる高みに挑戦する。・ 安全指針 自分を守る、仲間を守る。 (2) VISION 2030 当社グループは中長期的な視点から目指す姿を描くとともに、実現に向けた道筋を示すものとして「VISION 2030 ~世界で輝くスペシャリティケミカル企業~」を策定しております。 VISION 2030において、当社グループが目指す具体的な姿は以下の3点です。 目指す姿① 地球温暖化抑制・豊かな暮らしに貢献するスペシャリティケミカル素材を提供事業活動を通じて地球温暖化抑制に資する製品や、よりよい暮らしに貢献できる素材を世界に向けて提供してまいります。 目指す姿② 戦略ドメインで世界シェアNo.1製品と新事業を拡大当社が強みをもつ、冷凍機油原料、化粧品原料、高純度溶剤分野の製品を核とし、設備投資や研究開発など集中的に資源を配分する領域として、戦略ドメインを「環境」「ヘルスケア」「エレクトロニクス」に設定しました。この戦略ドメインにおいて、世界シェアNo.1の製品を拡大するとともに、新たな事業や製品を創出します。 目指す姿③ 国内で化学業界トップクラスの利益率戦略ドメインにおいて、高付加価値で独自性の高い製品に対して生産能力の増強や新製品の開発を進め、AIやIoT等の最新技術を取り込み、生産効率を向上させることで、国内の化学業界の中でもトップクラスの営業利益率を目指します。 (3) 第5次中期経営計画 当社グループは、VISION 2030の達成に向けて、2025年度から2027年度の3ヵ年を対象とした第5次中期経営計画を策定し、その基本方針を「新たな成長ステージへ」と定め、3つの基本戦略に則り、各種施策を推し進めております。  戦略Ⅰ 稼ぐ力の強化 戦略Ⅱ 将来への布石 戦略Ⅲ 経営基盤の強化  経営数値目標としては、2025年~2027年度までの期間累計連結営業利益 449億円、期間累計連結EBITDA 653億円、ROE 15%としており、目標達成に向けて邁進してまいります。(注)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費 以上のような、長期ビジョン及び中期経営計画のもと、2026年において、様々な課題に全社一丸となって取り組んでまいります。 <経営環境> 当社グループを取り巻く外部環境は、世界的な保護主義政策の拡大や中国における内需低迷の長期化などにより、不透明な状況が続いております。石油化学業界においては、中国での大型プラントの新増設を背景に多くの化学製品で需給緩和や国際市況の低迷が継続しており、国内では、エチレン設備の歴史的な低稼働を受け、事業再編が進みつつあります。加えて、物流・メンテナンス等のコストが上昇しております。 <対処すべき課題> 当社グループは、上記、経営環境の下、持続的な成長に向け、外部環境の影響を受けにくい事業ポートフォリオの構築を進めております。第5次中期経営計画の基本方針「新たな成長ステージへ」にて定めた以下3つの基本戦略を推進し、今後も成長が見込まれる冷凍機油原料や電子材料をはじめとする機能化学品を中心に事業を拡大するとともに、新製品・新規事業の取組みを「探索」から「創出」ステージへと、これまで以上に加速することで、一層の企業価値向上を図ってまいります。 基本戦略戦略Ⅰ 稼ぐ力の強化 機能性材料分野の冷凍機油原料では、2025年後半にエアコン市場において一時的な在庫調整局面を迎えましたが、中国、インドを中心としたアジア地域では、引き続き需要の伸長が見込まれております。こうした環境のもと、当社は冷凍機油原料のリーディングカンパニーとして、長年に渡り構築してきた顧客との緊密なネットワーク、高度な生産技術やノウハウ、グローバルに展開する物流拠点、原料の安定調達といった強みに加えて、2024年に増強した生産設備を最大限に活用し、更なる事業拡大を図ってまいります。 電子材料分野に関しては、AI関連向けなどを中心に半導体市場の拡大が見込まれるなか、高純度溶剤及びグループ会社の黒金化成株式会社が展開する最先端半導体向け材料の拡販を進めてまいります。あわせて、継続的な品質改善に取り組むことで、高度化する顧客要求に的確に対応し、付加価値のさらなる向上を図ります。 基礎化学品分野については、2025年に発生した一過性の原料調達問題の解消などにより、2026年は一定の収益改善を見込んでおります。一方で、国内における自動車生産や住宅着工の伸び悩みに加え、中国を中心としたアジア地域での過剰な生産能力を背景とする安価な輸入品の流入増加など、構造的な要因により事業環境が一段と厳しくなることが想定されています。このような状況を踏まえ、当社は構造改革を加速させ、持続的な収益確保が可能な体制を構築することで、安定供給を果たしてまいります。 戦略Ⅱ 将来への布石 当社は、中長期的な成長に向けて、バイオ由来原料を用いて製造され、海洋環境下で分解される特性を有するポリヒドロキシ酪酸(PHB)や次世代バイオ医薬品の材料として注目されている糖鎖などの新規事業創出に取り組んでおります。量産化の実現に向けプロセス・技術の確立を進めるとともに、デジタルマーケティングの活用やスタートアップ企業など他社との協業や連携強化を図ることにより、第5次中期経営計画期間中の事業化を目指してまいります。 また、カーボンニュートラルの実現に向け、GHG排出量削減の2030年目標である2017年度比30%削減を、第5次中期経営計画の期間中に前倒しで達成することを目指しています。その実現に向けて、2025年に千葉工場で新設したCO2回収装置を活用し、製造工程で発生するCO2を回収するとともに、当社のコア技術であるオキソ反応の原料として再利用することで、CO2排出量の削減と事業拡大を両立させてまいります。 戦略Ⅲ 経営基盤の強化 当社は、競争力ある製品を世界へ展開するため、DX推進による生産性向上及び業務の高度化・効率化に取り組んでおります。生産現場における「予兆診断システム」や「プラント高度制御システム」の活用範囲拡大や、当社独自の環境で運用する生成AIの積極的活用に向けた教育プログラムを充実させることで、競争力の強化につなげてまいります。 また、経営環境の変化に伴い、人財及び組織に求められる役割が高度化していることから、当社としては、対応力と組織力の向上を重要な課題として位置付けております。こうした考えのもと、将来の経営・事業を担う人財を対象とした選抜型研修による早期育成や、積極的なキャリア採用を進めてまいります さらに、DXの活用やデジタル化の進展に応じて重要性が高まっているサイバーセキュリティについては、グループ全体で必要な対策を講じることで、経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。 財務資本戦略 当社グループは、稼ぐ力の強化に取り組むとともに、成長・戦略投資と株主還元のバランスを重視した経営を継続してまいります。第5次中期経営計画においては、株主の皆様への利益還元をさらに強化する方針の下、配当性向を40%目処に引き上げるとともに、安定した配当を維持するためにDOE(株主資本配当率)4%以上を基本方針として設定しております。また、営業キャッシュ・フローを基盤とした機動的かつ柔軟な資本配分を行い、事業環境の変化に迅速に対応しながら、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <経営方針>(1) 企業理念 当社グループは、以下の企業理念に基づき、様々な産業分野に特色のある高品質な化学製品を提供することを主方針として経営諸活動を遂行しております。・ 企業使命 「化学の力」で、よりよい明日を実現する。・ 経営姿勢 確かな技術と豊かな発想で、夢を「かたち」にする。・ 行動指針 「新たな一歩」を踏み出して、さらなる高みに挑戦する。・ 安全指針 自分を守る、仲間を守る。 (2) VISION 2030 当社グループは中長期的な視点から目指す姿を描くとともに、実現に向けた道筋を示すものとして「VISION 2030 ~世界で輝くスペシャリティケミカル企業~」を策定しております。 VISION 2030において、当社グループが目指す具体的な姿は以下の3点です。 目指す姿① 地球温暖化抑制・豊かな暮らしに貢献するスペシャリティケミカル素材を提供事業活動を通じて地球温暖化抑制に資する製品や、よりよい暮らしに貢献できる素材を世界に向けて提供してまいります。 目指す姿② 戦略ドメインで世界シェアNo.1製品と新事業を拡大当社が強みをもつ、冷凍機油原料、化粧品原料、高純度溶剤分野の製品を核とし、設備投資や研究開発など集中的に資源を配分する領域として、戦略ドメインを「環境」「ヘルスケア」「エレクトロニクス」に設定しました。この戦略ドメインにおいて、世界シェアNo.1の製品を拡大するとともに、新たな事業や製品を創出します。 目指す姿③ 国内で化学業界トップクラスの利益率戦略ドメインにおいて、高付加価値で独自性の高い製品に対して生産能力の増強や新製品の開発を進め、AIやIoT等の最新技術を取り込み、生産効率を向上させることで、国内の化学業界の中でもトップクラスの営業利益率を目指します。 (3) 第5次中期経営計画 当社グループは、VISION 2030の達成に向けて、2025年度から2027年度の3ヵ年を対象とした第5次中期経営計画を策定し、その基本方針を「新たな成長ステージへ」と定め、3つの基本戦略に則り、各種施策を推し進めております。  戦略Ⅰ 稼ぐ力の強化 戦略Ⅱ 将来への布石 戦略Ⅲ 経営基盤の強化  経営数値目標としては、2025年~2027年度までの期間累計連結営業利益 449億円、期間累計連結EBITDA 653億円、ROE 15%としており、目標達成に向けて邁進してまいります。(注)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費 以上のような、長期ビジョン及び中期経営計画のもと、2026年において、様々な課題に全社一丸となって取り組んでまいります。 <経営環境> 当社グループを取り巻く外部環境は、世界的な保護主義政策の拡大や中国における内需低迷の長期化などにより、不透明な状況が続いております。石油化学業界においては、中国での大型プラントの新増設を背景に多くの化学製品で需給緩和や国際市況の低迷が継続しており、国内では、エチレン設備の歴史的な低稼働を受け、事業再編が進みつつあります。加えて、物流・メンテナンス等のコストが上昇しております。 <対処すべき課題> 当社グループは、上記、経営環境の下、持続的な成長に向け、外部環境の影響を受けにくい事業ポートフォリオの構築を進めております。第5次中期経営計画の基本方針「新たな成長ステージへ」にて定めた以下3つの基本戦略を推進し、今後も成長が見込まれる冷凍機油原料や電子材料をはじめとする機能化学品を中心に事業を拡大するとともに、新製品・新規事業の取組みを「探索」から「創出」ステージへと、これまで以上に加速することで、一層の企業価値向上を図ってまいります。 基本戦略戦略Ⅰ 稼ぐ力の強化 機能性材料分野の冷凍機油原料では、2025年後半にエアコン市場において一時的な在庫調整局面を迎えましたが、中国、インドを中心としたアジア地域では、引き続き需要の伸長が見込まれております。こうした環境のもと、当社は冷凍機油原料のリーディングカンパニーとして、長年に渡り構築してきた顧客との緊密なネットワーク、高度な生産技術やノウハウ、グローバルに展開する物流拠点、原料の安定調達といった強みに加えて、2024年に増強した生産設備を最大限に活用し、更なる事業拡大を図ってまいります。 電子材料分野に関しては、AI関連向けなどを中心に半導体市場の拡大が見込まれるなか、高純度溶剤及びグループ会社の黒金化成株式会社が展開する最先端半導体向け材料の拡販を進めてまいります。あわせて、継続的な品質改善に取り組むことで、高度化する顧客要求に的確に対応し、付加価値のさらなる向上を図ります。 基礎化学品分野については、2025年に発生した一過性の原料調達問題の解消などにより、2026年は一定の収益改善を見込んでおります。一方で、国内における自動車生産や住宅着工の伸び悩みに加え、中国を中心としたアジア地域での過剰な生産能力を背景とする安価な輸入品の流入増加など、構造的な要因により事業環境が一段と厳しくなることが想定されています。このような状況を踏まえ、当社は構造改革を加速させ、持続的な収益確保が可能な体制を構築することで、安定供給を果たしてまいります。 戦略Ⅱ 将来への布石 当社は、中長期的な成長に向けて、バイオ由来原料を用いて製造され、海洋環境下で分解される特性を有するポリヒドロキシ酪酸(PHB)や次世代バイオ医薬品の材料として注目されている糖鎖などの新規事業創出に取り組んでおります。量産化の実現に向けプロセス・技術の確立を進めるとともに、デジタルマーケティングの活用やスタートアップ企業など他社との協業や連携強化を図ることにより、第5次中期経営計画期間中の事業化を目指してまいります。 また、カーボンニュートラルの実現に向け、GHG排出量削減の2030年目標である2017年度比30%削減を、第5次中期経営計画の期間中に前倒しで達成することを目指しています。その実現に向けて、2025年に千葉工場で新設したCO2回収装置を活用し、製造工程で発生するCO2を回収するとともに、当社のコア技術であるオキソ反応の原料として再利用することで、CO2排出量の削減と事業拡大を両立させてまいります。 戦略Ⅲ 経営基盤の強化 当社は、競争力ある製品を世界へ展開するため、DX推進による生産性向上及び業務の高度化・効率化に取り組んでおります。生産現場における「予兆診断システム」や「プラント高度制御システム」の活用範囲拡大や、当社独自の環境で運用する生成AIの積極的活用に向けた教育プログラムを充実させることで、競争力の強化につなげてまいります。 また、経営環境の変化に伴い、人財及び組織に求められる役割が高度化していることから、当社としては、対応力と組織力の向上を重要な課題として位置付けております。こうした考えのもと、将来の経営・事業を担う人財を対象とした選抜型研修による早期育成や、積極的なキャリア採用を進めてまいります さらに、DXの活用やデジタル化の進展に応じて重要性が高まっているサイバーセキュリティについては、グループ全体で必要な対策を講じることで、経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。 財務資本戦略 当社グループは、稼ぐ力の強化に取り組むとともに、成長・戦略投資と株主還元のバランスを重視した経営を継続してまいります。第5次中期経営計画においては、株主の皆様への利益還元をさらに強化する方針の下、配当性向を40%目処に引き上げるとともに、安定した配当を維持するためにDOE(株主資本配当率)4%以上を基本方針として設定しております。また、営業キャッシュ・フローを基盤とした機動的かつ柔軟な資本配分を行い、事業環境の変化に迅速に対応しながら、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要①経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費や企業における設備投資、人的資本への投資などが下支えとなり、緩やかな回復が継続しました。一方で、継続する物価高騰に加え、中国の景気停滞や米国の政策動向、地政学リスクの高まりなどが、わが国の景気を下押しするリスクとなっており、物価や金融資本市場の動向も含め、依然として先行き不透明な状況が続いております。 このような環境のもと、当社グループは、電子材料が増益、機能性材料は概ね前年並みを維持した一方で、厳しい環境が続く基礎化学品が業績の下押し要因となりました。 それらの結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は1,150億98百万円(前連結会計年度比3.9%減)、営業利益は112億48百万円(同7.8%減)、経常利益は107億93百万円(同10.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は77億99百万円(同6.7%減)となりました。  事業分野別には、次のとおりであります。(事業分野別の売上高の概況)区分前連結会計年度当連結会計年度増減金額構成比金額構成比金額増減率(百万円)(%)(百万円)(%)(百万円)(%)機能性材料55,87446.756,68649.38121.5電子材料11,96110.012,30910.73482.9基礎化学品51,18942.745,37439.4△5,815△11.4その他7330.67270.6△6△0.8合計119,758100.0115,098100.0△4,660△3.9 (事業分野別の営業利益の概況)区分前連結会計年度当連結会計年度増減金額構成比金額構成比金額増減率(百万円)(%)(百万円)(%)(百万円)(%)機能性材料11,06371.410,93174.6△132△1.2電子材料2,40715.52,68118.327411.4基礎化学品1,97012.79166.3△1,054△53.5その他620.41290.967106.9本社費△3,308-△3,410-△1023.1合計12,195100.011,248100.0△947△7.8(注)なお、事業分野別の状況における「営業利益」には、全社に共通する管理費用等は含まれません。 <機能性材料> 世界エアコン市場は中期的な拡大傾向にありプラス成長を持続しましたが、下期は新興国での天候不順、米国での冷媒規制に伴う駆け込み需要の反動減や中国補助金効果の一服により需要が減速しました。当社は冷凍機油原料の設備増強を活かした拡販に取り組み、また化粧品原料に関しても国内を中心に高品質グレード品の販売が伸長しました。その結果、売上高は566億86百万円(前連結会計年度比1.5%増)、営業利益は減価償却費負担増により109億31百万円(同1.2%減)となりました。<電子材料> 半導体市場において生成AI向けなどの需要好調が続くなか、当社高純度溶剤の販売が増加し、子会社の最先端半導体材料も堅調に推移しました。その結果、売上高は123億9百万円(前連結会計年度比2.9%増)、営業利益は26億81百万円(同11.4%増)となりました。<基礎化学品> 国内の自動車生産は底堅く推移したものの住宅着工件数は前年割れが続き、また中国における供給過剰による安価な海外品の流入も継続しました。その結果、売上高は453億74百万円(前連結会計年度比11.4%減)、営業利益は9億16百万円(同53.5%減)となりました。<その他> 売上高は7億27百万円(前連結会計年度比0.8%減)、営業利益は1億29百万円(同106.9%増)となりました。 ②財政状態(資産) 当連結会計年度末における流動資産は672億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億13百万円減少いたしました。これは主に、棚卸資産が35億57百万円増加しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が44億60百万円、現金及び預金が4億39百万円、その他が7億70百万円それぞれ減少したことによるものであります。 固定資産は628億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億52百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が10億47百万円減少しましたが、投資有価証券が12億70百万円、退職給付に係る資産が6億75百万円増加したことによるものであります。 この結果、資産合計は1,301億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億60百万円減少いたしました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は452億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億17百万円減少いたしました。これは主に、修繕引当金が22億86百万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が20億10百万円、コマーシャル・ペーパーが9億97百万円、未払金が6億3百万円それぞれ減少したことによるものであります。 固定負債は122億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億53百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が2億12百万円増加しましたが、修繕引当金が7億7百万円、リース債務が1億12百万円減少したことによるものであります。 この結果、負債合計は574億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億70百万円減少いたしました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は726億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億10百万円増加いたしました。これは主に、自己株式の取得50億54百万円及び剰余金の配当35億42百万円により減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が77億99百万円並びにその他有価証券評価差額金が8億80百万円及び退職給付に係る調整累計額が4億89百万円増加したことによるものであります。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億39百万円減少し、67億19百万円となりました。  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は137億83百万円(前連結会計年度は69億82百万円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額35億61百万円、棚卸資産の増加額35億51百万円により資金が減少しましたが、税金等調整前当期純利益107億93百万円、減価償却費61億99百万円、売上債権の減少額44億55百万円により資金が増加したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は46億27百万円(前連結会計年度は88億97百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出46億53百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は95億66百万円(前連結会計年度は6億45百万円の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出50億54百万円、配当金の支払額35億40百万円、コマーシャル・ペーパーの減少額10億21百万円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績 当社グループは化学品事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。 a.生産実績 当連結会計年度の生産実績を事業分野ごとに示すと、次のとおりであります。事業分野の名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)機能性材料   (百万円)55,488101.8電子材料    (百万円)12,293108.1基礎化学品   (百万円)43,64887.0合計(百万円)111,43096.0(注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績 当社グループでは一部受注生産を行っておりますが、売上高のうち受注生産の占める割合が低いため、受注実績は記載しておりません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績を事業分野ごとに示すと、次のとおりであります。事業分野の名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)機能性材料   (百万円)56,686101.5電子材料    (百万円)12,309102.9基礎化学品   (百万円)45,37488.6その他     (百万円)72799.2合計(百万円)115,09896.1(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)出光興産㈱17,44814.620,10717.5ミヤコ化学㈱12,11510.111,3699.9 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の当社グループの売上高は1,150億98百万円(前連結会計年度比3.9%減)、営業利益は112億48百万円(同7.8%減)、経常利益は107億93百万円(同10.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は77億99百万円(同6.7%減)となり、前連結会計年度に比べ減収減益となりました。 当連結会計年度末における有利子負債(リース債務を除く。)残高は前連結会計年度末に比べ7億97百万円減少の169億49百万円、純有利子負債(リース債務を除く。)残高は前連結会計年度末に比べ3億58百万円減少の102億30百万円となりました。これは主に、コマーシャル・ペーパーを返済したことと設備資金の支払により現金及び預金が減少したことによるものであります。 当連結会計年度末における自己資本比率は53.6%となり、引き続き安定的な水準にあるものと認識しております。 なお、経営成績等の概要につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況及び②財政状態」に記載のとおりであります。 ②経営成績に重要な影響を与える要因 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、経済・市場環境、原燃料の価格変動、為替変動が挙げられます。詳細につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の概要は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社は、運転資金及び設備投資に使用するための資金を内部資金又は借入金及び社債により調達しております。このうち、有利子負債による資金調達につきましては、運転資金を主に短期借入金及びコマーシャル・ペーパーにより、設備投資などのための長期資金を主に長期借入金及び社債により、それぞれ調達しております。 当連結会計年度末における現金及び預金は67億19百万円となりました。前連結会計年度末の71億58百万円から4億39百万円減少しておりますが、十分な手元流動性を確保しているものと認識しております。 当社グループは、現在の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローの創出により、財務健全性を維持しながら、今後の資金需要に対応可能であると考えております。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 経済・市場環境の変動: 自動車、住宅、電子電気機器、消費財などの最終製品の需要は、国内外の経済状況や地政学的リスクに大きく左右されます。これらの需要が変動したり、競合他社による大型生産設備の建設で供給過剰になったりすると、製品の販売量や価格に影響が出て、KHネオケムの業績や財務状況が悪化する可能性があります。
  • 原燃料価格の変動: 主要原材料であるプロピレンやエチレン、原燃料であるLNGなどの価格は、原油価格や需給バランス、為替レートの影響を受け、急激に変動することがあります。これらの価格が高騰し、製品販売価格への転嫁がタイムリーにできない場合、製造コストが増加し、KHネオケムの収益性が圧迫される可能性があります。
  • 法令遵守と生産活動の事故: 高圧ガス保安法をはじめとする国内外の様々な法規制の遵守が求められ、規制強化や予期せぬ対応の遅れは、事業上の制約や費用増加、行政処分につながる可能性があります。また、生産活動における設備故障や保安事故、労働災害が発生した場合、生産停止や社会的信用の失墜により、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,852 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、以下の事項は当社グループのリスクのうち主要なものを記載しており、当社グループのリスクを網羅的に記載したものではなく、記載された事項以外にも予測しがたいリスクが存在する可能性があるものと考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)リスク管理への取組み状況① リスク管理活動 当社グループは、リスクを経営活動・事業活動に影響を及ぼす不確実性と定義しております。また、リスク管理を重要な経営基盤と位置付けており、 部門横断による全社視点からの内部リスク及び政治・経済・社会情勢等を考慮した外部リスクの両面から可能な限りリスクを洗い出したうえで、一覧化した全社リスク台帳とリスク毎に影響度と発生可能性を評価したリスクマップを作成し、毎年見直しをしております。リスクを把握することによって、リスクの顕在化を可能な限り未然防止するとともに、リスクが顕在化した際にその影響を最小限にとどめるためのリスク管理活動をしております。 ② リスク管理体制 当社グループのリスク管理を推進するため、CLO(最高法務責任者)を委員長、全部門長をメンバーとするリスク管理委員会を設置し、当社グループの経営上重要なリスクの抽出・評価・対策計画の立案に関する検討及び審議を行い、対策の進捗状況のモニタリングを行っております。本委員会は、原則として年2回開催し、議論された内容は、サステナビリティ委員会に報告し、経営リスク全般の確認と対策の検討・策定を行ったうえで、重要な事項は取締役会に報告しております。 (2)リスク認識① 外部環境リスク 当社グループの事業は、経済・市場環境、原燃料の価格変動、為替変動等の外部環境の影響を受ける可能性があります。 1)経済及び市場環境の変動に係るリスク 当社グループの製品の需要は、自動車、住宅、電子電気機器及び消費財等の最終製品の需要に左右され、国内外の工業生産量の全体的な変動及び個別最終製品を消費する国又は地域の経済状況や地政学的リスクが当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、競合他社による大型生産設備の建設等により供給過剰となるなど市場環境が大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、製品需要に応じた生産及び在庫調整を行うとともに、販売施策を講じることにより、これらの影響を低減するように努めております。 2)原燃料の価格変動に係るリスク 当社グループは、ナフサを分解して製造されるプロピレンやエチレン等を主要原材料とし、またLNG等を原燃料とする等、グローバルな経済活動と連動した事業特性を有しております。そのため、原油価格、需給バランス、為替等の影響により、これらの価格が急激に変動した場合、もしくは価格の高騰が続く場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、製品販売価格への転嫁等をタイムリーかつ適切に講じることにより、これらの影響を低減するように努めております。 3)為替変動に係るリスク 当社グループは、海外から原材料の一部を輸入するとともに、国内で製造した製品の一部を海外に輸出しております。そのため、為替レートが大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、為替予約等によりリスクヘッジを行っております。 4)感染症に係るリスク 当社グループが事業活動を行う国・地域で重篤な感染症が発生・拡大し、事業活動に制限が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、感染症蔓延に備え、従業員の行動ガイドラインを策定し、これを徹底させること等により、事業への影響の最小化に努めております。② 重要リスク リスクマップの中から、当社グループの経営活動・事業活動に対して、影響度が極めて高く、企業価値・社会的関心の視点から重視すべきリスクを「重要リスク」と位置付け、リスク項目毎に、責任者としてCxOをリスクオーナーに任命しております。4つの基本方針(回避、低減、移転、保有)に沿ってリスク対策を立案し、統括部門及び関連部門と連携を図りながら、実効的なリスク対策を推進しております。リスク分類リスク項目1)コンプライアンス法令違反、法的規制2)生産活動設備・機械の損傷・故障、労働災害3)人財人員不足、中核人財の育成停滞4)事業継続大地震・自然災害、特定原料・資材の調達不能5)サイバーセキュリティサイバー攻撃6)気候変動異常気象、炭素税の賦課 1)コンプライアンスに係るリスク 当社グループは、商取引、保安・安全衛生、環境・化学物質、人権・労働などに関する国内外の様々な関連法規制に則り、コンプライアンスの徹底を図りながら事業活動を行っております。 事業の特性上、高圧ガス保安法に基づく高圧ガス製造に係る許認可をはじめとする各種許認可を受け事業を展開しております。さらに、取り扱う化学物質に関する国内外の様々な法規制の適用を受けており、法令遵守とともに、これら法令に基づく手続きを漏れなく適切に行うことが求められます。これらの規制は強化される傾向にあり、法規制の大幅な変更や規制強化が行われた場合、あるいは予期せず対応が遅れた場合、事業上の制約や法令遵守のための費用の増加、もしくは行政処分、罰則等の賦課により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、高圧ガス保安法を含む事業上の重要法令につき、責任をもって法改正情報やその実践状況を確認する主管部門を設置し、法令の遵守状況を定期的に確認する体制を構築しております。 また、当社グループにおいて、ハラスメントを含む人権侵害等のコンプライアンス上の違反が判明した場合、当社グループの社会的信用の失墜、ブランドイメージの低下、損害賠償請求等を受けた場合には、対応措置のための費用の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、持続的な成長を可能とするために実施すべき行動原理として、コンプライアンスコードを定め、これに沿った行動を役職員に求めております。そのため、コンプライアンスコードの実践を目的とした定期的な教育や施策を継続して行うとともに、コンプライアンス意識調査により企業倫理の浸透度を把握し、施策の改善に取り組んでおります。さらに、KHネオケムグループホットラインとして、グループ会社においても利用可能な公益通報を含む各種通報や相談を受け付ける仕組みを構築しており、不正やリスクの未然防止や早期発見・適切な改善を図る体制を維持しております。 2)生産活動に係るリスク 当社グループは、生産活動において各種化学物質を使用しており、その取扱いには万全の対策を講じております。しかしながら、設備・機械の損傷・故障、火災や爆発等の保安事故、労働災害等が発生した場合には、生産への影響、行政処分、社会的信頼の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、製造設備に対する保守点検・計画的な検査修繕、安全確保のための設備投資等を実施するなど、工場の保安事故の発生防止に努めております。また、保安・安全及び環境保全を確保するために環境保安ポリシーを定め、当社のRC(レスポンシブル・ケア)活動を確実に推進するとともに、全社重点施策等の専門的な事項について検討・審議する機関として、環境保安委員会を設置し、原則として年1回開催しております。 3)人財に係るリスク 当社グループは、労働市場の人財獲得競争の激化や人財流動化等により、事業戦略の遂行に必要な人財が確保できず、また中核人財等の育成が計画通りに進まない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、採用活動・体制を強化し、人財要件を明確化したうえで採用計画を策定するなど、必要な人財の確保に取り組んでおります。また、中核人財の育成計画の策定及び研修制度の整備などに積極的に取り組んでおります。 4)事業継続に係るリスク(大地震・自然災害等に係るリスク) 当社グループは、大規模な地震や大型台風等の自然災害の発生等により、当社グループの役職員等の人的な被害、製造設備の被害による生産活動の停止及び修繕のための費用の発生又はサプライチェーン上の障害に伴う機会損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、地震をはじめとした災害に対しては、事業継続マネジメント(BCM)基本方針書を策定し、本社及び工場を対象に事業継続計画(BCP)を用いて定期的に訓練を実施することで、災害が発生した際に損害を最小限に抑え、事業の継続や早期復旧を図る体制を整備しております。 (特定原料・資材の調達に係るリスク) 当社グループは、特定原料・資材等について製造拠点の立地条件及び運搬・貯蔵方法等に伴う制約から特定の仕入先に依存する場合があり、特定の仕入先における被災や事故、事業ポートフォリオの見直しによる事業撤退や統廃合等により長期間に亘る特定原料・資材等の供給不能又は供給不足・停止が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、特定原料・資材等を複数の仕入先から購入することにより安定調達を図るとともに、適正在庫を保有することで、生産に必要な特定原料・資材等が十分に確保されるよう努めております。 5)サイバーセキュリティに係るリスク 当社グループは、事業活動を行ううえで多くの機密情報や個人情報を保有しております。年々高度化するサイバー攻撃や不正アクセス、ネットワーク障害等が発生した場合には、業務活動に支障が出るとともに、競争力の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、不測の事態により、個人情報等の情報漏洩やデータ改ざんが発生した場合には、社会的信用の低下を招く可能性があります。 当社グループでは、その対策として、サイバーセキュリティポリシー及び個人情報保護ポリシーを定め、厳正な管理体制のもとで情報漏洩の防止に努めております。今後は、グループ横断的な管理体制をさらに強化し、セキュリティ監視機能の高度化を推進してまいります。 6)気候変動に係るリスク 当社グループは、気候変動によって生じる変化を重要なリスク要因と認識しております。当社グループでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、TCFD提言の枠組みに基づき、事業活動への影響分析を行い、統合報告書等において、その対応結果や進捗の開示に努めております。 気候変動によって、高潮・豪雨・洪水・台風等の異常気象が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、脱炭素社会の実現に向け、炭素税等のカーボンプライシングの導入が進むことで、財務的な負担が増加する可能性があります。2026年度から本格稼働する排出量取引制度(GX-ETS)では、直近3年度平均でCO2直接排出量が10万トンを超える事業者を対象に、政府による排出枠の割当てが行われ、排出枠の過不足に応じて事業者間で取引が行われます。当社グループにおいては四日市工場及び千葉工場が対象となり、現時点のCO2直接排出量をもとに試算した場合、排出枠は余剰となる見通しです。しかしながら、排出枠の割当方法や遵守要件の変更、制度運用の不確実性、排出枠市場価格の変動等により、当初の想定どおりに排出枠を確保できない可能性や、排出枠の追加取得が必要となる可能性があります。また、IEA(国際エネルギー機関)のNZE2050に基づく、1.5℃シナリオでは、2030年時点における炭素価格が130USD/1トンとなり、仮に炭素税等が導入された場合、2024年度のGHG排出量約37.5万トンに対し、約73.1億円/年(為替1USD=150円)の負担が増加する可能性があります。将来の炭素税等の導入リスクを鑑み、2024年からインターナルカーボンプライシングを導入いたしました。社内炭素価格をCO2排出量1トンあたり1万円とし、今後の投資判断の参考としてまいります。 また、最新技術を活用したプラント高度制御システムの導入を拡大することや自家発電設備の更新等、これまで培ってきた技術力を活用することにより、生産活動におけるエネルギー効率向上を通じたGHG排出量の削減などに積極的に取り組んでおります。当社の主力製品である冷凍機油原料は、低GWP(地球温暖化係数)冷媒を使用したエアコンに使用されており、事業を通じ、地球温暖化抑制に貢献しております。加えて、当社は、製品の生産において、CO2を原料として使用するオキソ技術を用いており、自社で発生したCO2の一部を回収し、再利用することで排出量の削減に貢献しております。さらに、2025年2月に千葉工場で完成したCO2回収装置も活用し、CO2排出量のさらなる低減に取り組んでおります。 気候変動による事業活動への影響分析や、その対応策等に関しては、サステナビリティ委員会において、審議・モニタリングを行い、定期的に施策を見直すことで、引き続きリスクの低減に努めてまいります。 ③ その他事業上のリスク1)海外事業に係るリスク 当社グループは、アジア及び米州を中心とした海外事業を展開しておりますが、海外においては、政治、経済情勢の変化、予期しえない法規制の変更、自然災害、テロ、戦争による社会的又は経済的な混乱、慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等、それぞれの国や地域固有のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、駐在員の派遣等の対応により現地事情などの情報収集に努めております。 2)製品品質保証・製造物責任に係るリスク 当社グループにおいて、大規模な製造物責任につながる製品の欠陥が発生した場合には、多額の賠償額が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001に従い、品質保証体制の維持・向上に努めた生産活動を行うとともに、万一の事故に備え、製造物責任賠償保険に加入することでリスクヘッジしております。また、品質保証の維持・向上のために品質保証ポリシーを定め、当社の品質管理活動を確実に推進するとともに、全社重点施策等の専門的な事項について検討・審議する機関として、品質保証推進会議を設置し、原則として年1回開催しております。 3)知的財産に係るリスク 当社グループにおいて、第三者が当社グループの特許権等を侵害している場合には、警告や訴訟提起などの対策を行いますが、第三者の侵害行為や同様の技術開発を全て発見できない可能性があります。また、第三者から特許権等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起され、当社グループにとって不利な判断が下される可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、その対策として、知的財産ポリシーを制定し、自社の知的財産の保全、管理、活用と第三者の知的財産の尊重を進めることを通じて、企業価値の維持・向上、知的財産リスク低減に努めております。研究開発の成果について特許権等の権利化を進めることにより知的財産権の保護や他社へのライセンス等による活用を図るとともに、他社の知的財産を侵害しないために、新製品や新技術の開発前に先行技術等の調査を行うほか、既存製品についても定期的に調査を実施しております。

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