事業の概要
- 主力事業の多角化四国化成ホールディングスは、化学工業薬品・医薬品と住宅・景観・店舗関連商品の研究開発、生産、販売を主な事業としています。さらに、殺菌・水処理などの環境ビジネスや情報システム事業も展開しており、幅広い分野で収益を上げています。
- 化学品事業二硫化炭素や塩素化イソシアヌル酸といった無機・有機化成品、プリント配線板向け防錆剤などのファインケミカル製品を製造・販売しています。これらは他社の製品の中間原料となることが多く、産業の基盤を支えるビジネスモデルです。
- 建材事業内装・外装壁材や舗装材、門扉・フェンス・車庫などのエクステリア製品を手掛けています。住宅や公共施設向けの製品を提供し、人々の生活空間を豊かにする事業を展開しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 化学品事業この事業は、同社の主要な収益源であり、売上高515.51億円、営業利益101.03億円を計上しています。無機化成品、有機化成品、ファインケミカル製品の研究開発、生産、販売を行っており、国内外の子会社が生産と販売を分担しています。
- 建材事業この事業は、売上高179.55億円、営業利益5.46億円で、化学品事業に次ぐ規模です。内装・外装壁材、舗装材、門扉、フェンス、車庫などのエクステリア製品を扱っており、主に日本の住宅市場や公共投資に連動する形で事業を展開しています。
- その他事業情報システム事業やフード事業など、上記の主要事業以外の多角的なビジネスを展開しています。これらの事業は、企業グループ全体の安定性を高め、新たな成長機会を模索する役割を担っていますが、具体的な売上や利益の規模は開示されていません。
2025-12 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ChemicalProducts | 事業 | 516 | 101 | 19.6% |
| BuildingMaterials | 事業 | 180 | 5 | 3.0% |
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3 【事業の内容】当社の企業集団は、当社、子会社22社及び関連会社1社で構成され、化学工業薬品・医薬品並びに住宅・景観・店舗関連商品の研究開発、生産及び販売を主な事業としているほか、殺菌・水処理関連の環境ビジネスや情報システム事業などを営んでおります。 主たる子会社の位置付けは下表及び系統図のとおりであります。化学品事業の生産は連結子会社の四国化成工業㈱、シコク硫炭㈱、増田化学工業㈱が担当し、販売は連結子会社の四国化成工業㈱及び㈱丹羽久が中心に担当しておりますが、海外向けの販売の一部は連結子会社の米国現地法人SHIKOKU INTERNATIONAL CORPORATION及び中国現地法人四国化成(上海)貿易有限公司が担当しております。場内作業は連結子会社のシコク興産㈱が請負っております。また、連結子会社のシコク環境ビジネス㈱及びシコク分析センター㈱は水処理関連の環境ビジネスや、環境試験分析事業を展開しております。建材事業のうち、エクステリアの生産は連結子会社のシコク景材㈱、シコク景材関東㈱及びシコク工機㈱が担当し、販売は連結子会社の四国化成建材㈱、㈱シー・エス・ピー及びReデザインホーム㈱が担当しております。また、中国市場での販売を非連結子会社の中国現地法人四国化成(上海)貿易有限公司が担当しております。その他は、連結子会社のシコク・システム工房㈱が情報システム事業を担当し、連結子会社のシコク・フーズ商事㈱はフード事業を展開しております。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。 セグメントの名称事業品目生産部門販売・営業部門備考化学品事業無機化成品二硫化炭素、無水芒硝不溶性硫黄(子)四国化成工業㈱ シコク硫炭㈱(子)四国化成工業㈱ SHIKOKU INTERNATIONAL CORPORATION ㈱丹羽久 四国化成(上海)貿易有限公司シコク環境ビジネス㈱ シコク分析センター㈱ SHIKOKU INDIA Pvt.Ltd. SHIKOKU KASEI(THAILAND)Ltd.場内作業(子)シコク興産㈱ 有機化成品塩素化イソシアヌル酸排水処理剤環境関連事業(子)四国化成工業㈱ファインケミカルタフエース(プリント配線板向け水溶性防錆剤)GliCAP(密着性向上プロセス)イミダゾール類(エポキシ樹脂硬化剤用途など)グリコールウリル誘導体等(樹脂改質剤)(子)四国化成工業㈱ 増田化学工業㈱建材事業壁材内装・外装壁材舗装材(子)四国化成建材㈱(子)四国化成建材㈱ 四国化成(上海)貿易有限公司 エクステリア門扉、フェンス車庫、シャッター(子)シコク景材㈱ シコク景材関東㈱ シコク工機㈱(子)四国化成建材㈱ ㈱シー・エス・ピー Reデザインホーム㈱ その他その他サービス情報システムファーストフード販売その他 (子)四国化成コーポレートサービス㈱ シコク・システム工房㈱ シコク・フーズ商事㈱ (注) (子) …… 子会社 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 低廉な労働力を背景とする海外製品や大手競合企業の低価格製品との価格競争が激化。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独自の製品及び技術開発に基づく製品の売上、独自の技術とノウハウの蓄積。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:一般の経済要因による需要縮小 / 為替レートの変動 / 新製品開発の不確実性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
特定の高機能化学品分野(例:建材用塗料、電子材料用薬品)において、長年の研究開発で培われたノウハウや一部特許が存在する可能性はあるが、汎用的な化学品も多く、強力なブランド力や独占的IPは限定的と見られる。
スイッチングコスト★★☆☆☆
建材用塗料や工業薬品など、顧客の製造プロセスに組み込まれる製品においては、品質安定性や供給信頼性から一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、代替品の選択肢も存在し、乗り換えの障壁は高くない場合もある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、特定のプラットフォームやサービスを介したユーザー間の相互作用を前提とするものではなく、ネットワーク効果は期待できない。
コスト優位★★☆☆☆
化学品製造においては、規模の経済や生産プロセスの効率化によるコスト削減努力は行われていると考えられる。しかし、原料価格の変動や競合他社との価格競争に晒されており、構造的なコスト優位性は限定的と推測される。
規模の経済★★★☆☆
建材用塗料、機能性樹脂、医農薬中間体などの分野で一定の市場シェアを有しており、特に国内市場においては、これらの分野で最適化された生産・販売体制を構築している。しかし、グローバルな大手化学メーカーと比較すると規模は小さい。
- 多様な製品と技術力化学品事業では、プリント配線板向け水溶性防錆剤「タフエース」や密着性向上プロセス「GliCAP」など、独自の技術に基づく高付加価値製品を開発しています。これにより、特定の顧客ニーズに応え、競争力を維持しています。
- 建材事業の提案力壁材やエクステリア製品において、機能性やデザイン性を重視した新製品を継続的に市場に投入しています。顧客への提案力を高めることで、競合他社との差別化を図り、市場での優位性を確保しようとしています。
- 海外展開と環境ビジネス化学品事業では米国や中国に現地法人を置き、海外市場での販売を強化しています。また、水処理関連の環境ビジネスや環境試験分析事業も展開しており、持続可能な社会に貢献する事業を通じて新たな収益源を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針当社グループは、新たなステージへの飛躍を目指し、2030年を見据えた長期ビジョン「Challenge 1000」を策定、2020年度よりこれに沿った積極経営を推進しております。 変わらぬ企業理念「独創力」のもと、2030年にありたい姿として、「独創力で、“一歩先行く提案”型企業へ」を掲げ、独創的なアイデアで社会課題を解決し、世界をリードする企業となることを目指しております。 さらに、良き企業市民として、顧客、従業員、株主、そして社会に貢献していくこととした「四方よし」を企業の活動方針としています。お客様には「一歩先の価値」を、従業員には「挑戦と成長」を、株主の皆様にはより一層の「利益還元」を、そして、社会には「より良い明日」を届けることにより、ステークホルダーの皆様に貢献してまいります。また、自主的なレスポンシブル・ケア*活動に取り組み、社会の持続的な発展に貢献するとともに、さらなる社会課題の解決に向け、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献してまいります。 *レスポンシブル・ケア:化学物質等を製造または取り扱う事業者が、製品の開発、製造、物流、使用、最終消費、廃棄、リサイクルの全ライフサイクルにわたって環境、安全、健康を守る自主管理活動のことです。 (2) 経営戦略等「Challenge 1000」の実行にあたっては、6つの全社変革方針の実行による事業基盤の強化を推し進めるとともに、事業変革方針として、これまでの「お客様のご要望起点」のスタイルから、「四国化成からの提案起点」のスタイルへの変革を掲げ、各事業が持つ強みをさらに高め、世界中のお客様や社会の課題解決のために、いかに先回りした提案ができるのかを追求し、実行しております。 全社変革方針①価値づくり「ブランド価値の向上と新しい事業への挑戦」②余力づくり「変革リソース確保に向けた効率化実現」③拠点づくり「世界への足場づくりと世界展開の加速」④組織づくり「ビジョン実現に向けたグループガバナンス体制の確立」⑤風土づくり「多様性を認め、挑戦を後押しする風土の醸成」⑥人財づくり「個人の挑戦を促し、公正に評価する仕組みの構築」 事業変革方針「お客様のご要望起点」のスタイルから、「四国化成からの提案起点」 のスタイルへの変革 2030年に目指す事業のありたい姿化学品事業「世界の進歩のために、進化と深化を続ける事業」 無機化成品事業 「取り扱いが難しい素材を循環的に活用し、世界の技術革新や環境保全に貢献する事業」 有機化成品事業 「環境・衛生を守り、世界中の人にキレイを届ける事業」 ファインケミカル事業 「独自技術による高機能な製品を提供し、技術の発展に貢献する事業」 「新技術で世界のスタンダードを創出する事業」 建材事業「未来のくらしをデザインし、笑顔でくらせる世界の街づくりに貢献」 「Challenge 1000」の遂行にあたっては、全社変革方針及び事業変革方針を着実に実行し目標を達成するために、積極的に成長投資を行っていく計画としております。このうち設備投資といたしましては、丸亀工場で不溶性硫黄新プラントが2025年1月に竣工しました。投資額は約45億円です。また、徳島工場に新たな実験施設及び事務所棟の建設(投資額:22億円)、増田化学工業においてファインケミカル生産設備を増強(投資額:約22億円)及び新R&Dセンター(仮称)の建設(投資額:約66億円)、新拠点として坂出工場の建設(投資額:150~200億円)を開始しております。 当社グループは、さらなる持続的な成長を目指して、「全員参加型」による「積極経営」を進め、世界の持続可能な発展に貢献する企業集団となることを目指しております。なお、当社グループはグループ長期ビジョン「Challenge 1000」の達成に向け、2023年1月1日から持株会社体制へ移行しました。持株会社体制への移行により分社化される各事業会社に対して大胆に権限移譲することで、意思決定を迅速化するとともに、生産・販売・開発の機能別組織を垂直的に統合し、組織をさらに一体化・緊密化し、一貫性を持った戦略の遂行を実現します。また、ガバナンス体制、本社部門の役割を再定義することで、企業統治構造のより一層の明確化や業務の効率化を図ってまいります。さらに、持続的な経営力強化に向けて自律性を持った事業会社の運営の中で、将来の経営人材育成を推進します。 さらに当社グループは、長期ビジョン「Challenge 1000」の達成に向けた成長戦略の一環として、オープンイノベーションの推進および新規事業創出の加速を目的としたコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンド「SHIKOKUイノベーションファンド」を2026年7月に設立する予定であります。本ファンドは、JMTCキャピタル合同会社との共同により設立する投資事業有限責任組合であり、ファンド規模は10億円、運用期間は2036年6月までを予定しております。投資対象は、化学、建材、材料関連技術等の当社コア領域に加え、当社とのシナジーが見込まれる技術・事業分野としております。当社はこれまで「新規事業の創出」および「M&Aの検討」を成長戦略の両輪として推進してまいりましたが、CVCを通じたスタートアップ企業への戦略的投資および資本業務提携により、外部との連携を強化し、新規事業の早期立ち上げおよび将来の成長事業の創出を図ってまいります。これらの取り組みにより、経営のさらなる強化を図るとともに、変化の速い事業環境への対応、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた脱炭素化への取り組みなど、山積する経営課題を着実に解決してまいります。 (3) 経営環境① 全般 当連結会計年度におけるわが国経済は、人手不足による賃上げ圧力と物価上昇が続く中、一時的な落ち込み(7~9月期マイナス成長など)があったものの、緩やかな回復基調にあります。 海外経済は、米国ではトランプ関税による悪影響の顕在化が予想されるなかでも、総じて底堅い成長を続けています。一方で中国経済は各種経済政策の効果が十分に現れず、停滞が続いています。② 化学品事業 無機化成品事業における不溶性硫黄は、中長期的にはラジアルタイヤの生産本数はグローバルでの増加が見込まれていますが、不溶性硫黄は全世界で供給過多な状況が継続しており、シェア争いや価格競争が激化しています。新プラントでの高品質製品で差別化を図り、販売を拡大してまいります。有機化成品事業では、コロナ禍を受けた消費者の行動や意識の変化により衛生管理に対する関心や需要は高まっており、塩素化イソシアヌル酸を中心とする殺菌・消毒剤事業は様々な方面で事業拡大の機会があります。ファインケミカルの事業領域である先端技術分野においても、例えば自動運転技術のさらなる進化や、AI需要の拡大により、半導体をはじめとする電子部品などには更なる高機能化が求められております。そうした進化の一翼を担うものとして、当社の有機合成技術や低金属管理技術が生み出す新しい機能材料、電子化学材料及び表面化学材料の評価や採用はさらに活発となるものと予想しております。③ 建材事業 国内市場では、人口の減少傾向も相俟って新設住宅着工戸数自体は高度経済成長期のピーク時からはほぼ半減しておりますが、エクステリア事業においては、従来の門扉・フェンス、車庫といった製品に加えて、デッキ、テラスやファサード製品など、新しい住まい方や空間提案による新たな市場創造は絶え間なく続けております。また、台風など近年の自然災害の増加・激甚化を背景に、住宅・景観エクステリアともに建築基準法に対応した高強度製品や安全性を重視した製品の需要が増加しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 このような経営環境の中、当社グループにおきましては、長期ビジョン「Challenge 1000」の達成を目指し、「全員参加型」による「積極経営」を進め、コア・コンピタンスに根ざした新規商品・事業の育成・展開を図るとともに、研究開発及び生産技術の強化、グローバルな市場動向に機敏に反応できるきめ細かで効率的なマーケティングの展開、物流購買機能の向上等、全社変革方針及び事業変革方針で定めた施策の実行に全社を挙げて取り組んでおります。 また、“安全操業”、“環境保全”、“安定品質”の飽くなき追求は事業活動の根幹であると銘肝し、確実に成し遂げてまいります。 市場の成長や変化に対応し、優先して取り組む課題として、化学品事業では、一般消費者向け(BtoC)市場への本格参入として、家庭用洗剤ブランド『WASHMANIA』を立ち上げました。更なる事業領域の拡大を目指してまいります。ICTの発展に伴い、さらなる高機能化が求められている最先端の電子化学材料分野では、AIサーバー及びパッケージ基板向け電子化学材料「GliCAP」のグローバルスタンダード獲得に注力するとともに、次世代の技術動向を見据えて研究開発体制の一層の強化を図っております。また、電子部品の性能の向上に貢献する「機能材料製品群」の開発・試作・量産体制の強化に加え、新たな領域として、微細化が進む最先端の半導体向けプロセス材料などに、近年の研究開発成果をタイムリーに投入するなど、上記方針に沿った「一歩先行く提案」に具体的かつ意欲的に取り組んでおります。 建材事業では、2025年2月に「MEGLIO」(メグリオ)ブランドを創設しました。「MEGLIO」は、イタリア語で「より良い」との意味があり、「人と自然に、より良い巡りを」という意思を織り込んでいます。グループ会社も含めた特注への対応力や、製品の品質、機能を活用できる戦略に特化し、「MEGLIO」ブランドのミッションである「高強度」、「長寿命化」、「空間価値向上」、「省力化」、「脱炭素」、「循環経済」にのっとった高付加価値製品の拡販により収益性の向上を図ります。 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 長期的視点に立った成長戦略の実行による飛躍的な成長を目指し、2030年に達成すべき財務目標として、売上高1,000億円、営業利益150億円、ROE10%以上を掲げ、目標の達成に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。 なお、当該財務目標数値については現在見直しを行っており、新たな目標数値は2026年8月を目途に公表を予定しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針当社グループは、新たなステージへの飛躍を目指し、2030年を見据えた長期ビジョン「Challenge 1000」を策定、2020年度よりこれに沿った積極経営を推進しております。 変わらぬ企業理念「独創力」のもと、2030年にありたい姿として、「独創力で、“一歩先行く提案”型企業へ」を掲げ、独創的なアイデアで社会課題を解決し、世界をリードする企業となることを目指しております。 さらに、良き企業市民として、顧客、従業員、株主、そして社会に貢献していくこととした「四方よし」を企業の活動方針としています。お客様には「一歩先の価値」を、従業員には「挑戦と成長」を、株主の皆様にはより一層の「利益還元」を、そして、社会には「より良い明日」を届けることにより、ステークホルダーの皆様に貢献してまいります。また、自主的なレスポンシブル・ケア*活動に取り組み、社会の持続的な発展に貢献するとともに、さらなる社会課題の解決に向け、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献してまいります。 *レスポンシブル・ケア:化学物質等を製造または取り扱う事業者が、製品の開発、製造、物流、使用、最終消費、廃棄、リサイクルの全ライフサイクルにわたって環境、安全、健康を守る自主管理活動のことです。 (2) 経営戦略等「Challenge 1000」の実行にあたっては、6つの全社変革方針の実行による事業基盤の強化を推し進めるとともに、事業変革方針として、これまでの「お客様のご要望起点」のスタイルから、「四国化成からの提案起点」のスタイルへの変革を掲げ、各事業が持つ強みをさらに高め、世界中のお客様や社会の課題解決のために、いかに先回りした提案ができるのかを追求し、実行しております。 全社変革方針①価値づくり「ブランド価値の向上と新しい事業への挑戦」②余力づくり「変革リソース確保に向けた効率化実現」③拠点づくり「世界への足場づくりと世界展開の加速」④組織づくり「ビジョン実現に向けたグループガバナンス体制の確立」⑤風土づくり「多様性を認め、挑戦を後押しする風土の醸成」⑥人財づくり「個人の挑戦を促し、公正に評価する仕組みの構築」 事業変革方針「お客様のご要望起点」のスタイルから、「四国化成からの提案起点」 のスタイルへの変革 2030年に目指す事業のありたい姿化学品事業「世界の進歩のために、進化と深化を続ける事業」 無機化成品事業 「取り扱いが難しい素材を循環的に活用し、世界の技術革新や環境保全に貢献する事業」 有機化成品事業 「環境・衛生を守り、世界中の人にキレイを届ける事業」 ファインケミカル事業 「独自技術による高機能な製品を提供し、技術の発展に貢献する事業」 「新技術で世界のスタンダードを創出する事業」 建材事業「未来のくらしをデザインし、笑顔でくらせる世界の街づくりに貢献」 「Challenge 1000」の遂行にあたっては、全社変革方針及び事業変革方針を着実に実行し目標を達成するために、積極的に成長投資を行っていく計画としております。このうち設備投資といたしましては、丸亀工場で不溶性硫黄新プラントが2025年1月に竣工しました。投資額は約45億円です。また、徳島工場に新たな実験施設及び事務所棟の建設(投資額:22億円)、増田化学工業においてファインケミカル生産設備を増強(投資額:約22億円)及び新R&Dセンター(仮称)の建設(投資額:約66億円)、新拠点として坂出工場の建設(投資額:150~200億円)を開始しております。 当社グループは、さらなる持続的な成長を目指して、「全員参加型」による「積極経営」を進め、世界の持続可能な発展に貢献する企業集団となることを目指しております。なお、当社グループはグループ長期ビジョン「Challenge 1000」の達成に向け、2023年1月1日から持株会社体制へ移行しました。持株会社体制への移行により分社化される各事業会社に対して大胆に権限移譲することで、意思決定を迅速化するとともに、生産・販売・開発の機能別組織を垂直的に統合し、組織をさらに一体化・緊密化し、一貫性を持った戦略の遂行を実現します。また、ガバナンス体制、本社部門の役割を再定義することで、企業統治構造のより一層の明確化や業務の効率化を図ってまいります。さらに、持続的な経営力強化に向けて自律性を持った事業会社の運営の中で、将来の経営人材育成を推進します。 さらに当社グループは、長期ビジョン「Challenge 1000」の達成に向けた成長戦略の一環として、オープンイノベーションの推進および新規事業創出の加速を目的としたコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンド「SHIKOKUイノベーションファンド」を2026年7月に設立する予定であります。本ファンドは、JMTCキャピタル合同会社との共同により設立する投資事業有限責任組合であり、ファンド規模は10億円、運用期間は2036年6月までを予定しております。投資対象は、化学、建材、材料関連技術等の当社コア領域に加え、当社とのシナジーが見込まれる技術・事業分野としております。当社はこれまで「新規事業の創出」および「M&Aの検討」を成長戦略の両輪として推進してまいりましたが、CVCを通じたスタートアップ企業への戦略的投資および資本業務提携により、外部との連携を強化し、新規事業の早期立ち上げおよび将来の成長事業の創出を図ってまいります。これらの取り組みにより、経営のさらなる強化を図るとともに、変化の速い事業環境への対応、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた脱炭素化への取り組みなど、山積する経営課題を着実に解決してまいります。 (3) 経営環境① 全般 当連結会計年度におけるわが国経済は、人手不足による賃上げ圧力と物価上昇が続く中、一時的な落ち込み(7~9月期マイナス成長など)があったものの、緩やかな回復基調にあります。 海外経済は、米国ではトランプ関税による悪影響の顕在化が予想されるなかでも、総じて底堅い成長を続けています。一方で中国経済は各種経済政策の効果が十分に現れず、停滞が続いています。② 化学品事業 無機化成品事業における不溶性硫黄は、中長期的にはラジアルタイヤの生産本数はグローバルでの増加が見込まれていますが、不溶性硫黄は全世界で供給過多な状況が継続しており、シェア争いや価格競争が激化しています。新プラントでの高品質製品で差別化を図り、販売を拡大してまいります。有機化成品事業では、コロナ禍を受けた消費者の行動や意識の変化により衛生管理に対する関心や需要は高まっており、塩素化イソシアヌル酸を中心とする殺菌・消毒剤事業は様々な方面で事業拡大の機会があります。ファインケミカルの事業領域である先端技術分野においても、例えば自動運転技術のさらなる進化や、AI需要の拡大により、半導体をはじめとする電子部品などには更なる高機能化が求められております。そうした進化の一翼を担うものとして、当社の有機合成技術や低金属管理技術が生み出す新しい機能材料、電子化学材料及び表面化学材料の評価や採用はさらに活発となるものと予想しております。③ 建材事業 国内市場では、人口の減少傾向も相俟って新設住宅着工戸数自体は高度経済成長期のピーク時からはほぼ半減しておりますが、エクステリア事業においては、従来の門扉・フェンス、車庫といった製品に加えて、デッキ、テラスやファサード製品など、新しい住まい方や空間提案による新たな市場創造は絶え間なく続けております。また、台風など近年の自然災害の増加・激甚化を背景に、住宅・景観エクステリアともに建築基準法に対応した高強度製品や安全性を重視した製品の需要が増加しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 このような経営環境の中、当社グループにおきましては、長期ビジョン「Challenge 1000」の達成を目指し、「全員参加型」による「積極経営」を進め、コア・コンピタンスに根ざした新規商品・事業の育成・展開を図るとともに、研究開発及び生産技術の強化、グローバルな市場動向に機敏に反応できるきめ細かで効率的なマーケティングの展開、物流購買機能の向上等、全社変革方針及び事業変革方針で定めた施策の実行に全社を挙げて取り組んでおります。 また、“安全操業”、“環境保全”、“安定品質”の飽くなき追求は事業活動の根幹であると銘肝し、確実に成し遂げてまいります。 市場の成長や変化に対応し、優先して取り組む課題として、化学品事業では、一般消費者向け(BtoC)市場への本格参入として、家庭用洗剤ブランド『WASHMANIA』を立ち上げました。更なる事業領域の拡大を目指してまいります。ICTの発展に伴い、さらなる高機能化が求められている最先端の電子化学材料分野では、AIサーバー及びパッケージ基板向け電子化学材料「GliCAP」のグローバルスタンダード獲得に注力するとともに、次世代の技術動向を見据えて研究開発体制の一層の強化を図っております。また、電子部品の性能の向上に貢献する「機能材料製品群」の開発・試作・量産体制の強化に加え、新たな領域として、微細化が進む最先端の半導体向けプロセス材料などに、近年の研究開発成果をタイムリーに投入するなど、上記方針に沿った「一歩先行く提案」に具体的かつ意欲的に取り組んでおります。 建材事業では、2025年2月に「MEGLIO」(メグリオ)ブランドを創設しました。「MEGLIO」は、イタリア語で「より良い」との意味があり、「人と自然に、より良い巡りを」という意思を織り込んでいます。グループ会社も含めた特注への対応力や、製品の品質、機能を活用できる戦略に特化し、「MEGLIO」ブランドのミッションである「高強度」、「長寿命化」、「空間価値向上」、「省力化」、「脱炭素」、「循環経済」にのっとった高付加価値製品の拡販により収益性の向上を図ります。 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 長期的視点に立った成長戦略の実行による飛躍的な成長を目指し、2030年に達成すべき財務目標として、売上高1,000億円、営業利益150億円、ROE10%以上を掲げ、目標の達成に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。 なお、当該財務目標数値については現在見直しを行っており、新たな目標数値は2026年8月を目途に公表を予定しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、個人消費には持ち直しの動きが見られ、総じて緩やかに回復しました。海外経済は、米国では雇用の増勢が鈍化する一方で、個人消費は底堅く推移し、景気の緩やかな拡大基調が続いています。先行きのわが国経済については、グローバルなAI関連需要が上押しに作用するものの、各国の通商政策等の影響を受けて海外経済が減速することを通じ、輸出が弱含むことで企業収益が下振れするリスクが懸念されます。このような状況下、当連結会計年度の当社グループの売上高は707億5百万円(前期比1.7%増)、営業利益は108億69百万円(前期比11.6%増)、経常利益は119億21百万円(前期比10.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は84億59百万円(前期比4.0%減)となりました。化学品事業においてファインケミカルが好調だったことにより、売上高、営業利益および経常利益が過去最高を記録しました。 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。<化学品事業>(無機化成品)ラジアルタイヤ向け原料である不溶性硫黄は、海外市場を中心に販売競争が激化したことから、低調に推移し前年を下回りました。レーヨン・セロハン向けの二硫化炭素は輸出販売が好調で、前年を上回りました。浴用剤・合成洗剤向けの無水芒硝も価格転嫁が進んだことで、販売は前年を上回りました。(有機化成品)殺菌消毒剤塩素化イソシアヌル酸は、国内市場は家庭用サニタリー向けなどが堅調に推移し、販売は前年を上回りました。米国市場は前期好調の反動減などにより販売は前年を下回りました。(ファインケミカル)電子化学材料では、密着性向上プロセスGliCAPは海外を中心にサーバー基板向けの販売が好調に推移しました。機能材料では、エポキシ樹脂硬化剤イミダゾール類で新規案件の獲得が進み、樹脂改質剤グリコールウリル誘導体等も需要の増加により販売は前年を上回りました。半導体プロセス材料についても需要が拡大し、好調に推移しました。 この結果、化学品事業の売上高は515億51百万円(前期比3.2%増)、セグメント利益は101億3百万円(前期比17.3%増)で増収・増益となりました。 <建材事業>建設コスト高騰などを背景に、持ち家を中心に新設住宅着工戸数の減少傾向が続き、住宅向け需要は低調に推移しました。このような状況のもと、当社の強みである非住宅分野向け景観エクステリアの拡販に取り組みましたが、販売は前年を下回りました。また、価格改定を含めた収益改善施策を推進しましたが、アルミ地金を始めとする原材料価格高騰や物流コスト上昇などの影響を受けて、利益は前年を下回りました。 この結果、建材事業の売上高は179億55百万円(前期比2.8%減)、セグメント利益は5億46百万円(前期比42.7%減)で減収・減益となりました。 財政状態は、総資産は、前連結会計年度末比85億75百万円増加し、1,444億3百万円となりました。 負債は、前連結会計年度末比18億55百万円減少し、498億3百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末比104億31百万円増加し、945億99百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、354億84百万円(前期比17億45百万円増)となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、109億81百万円(前期比19億59百万円増)となりました。投資活動によって得られたキャッシュ・フローは、22億22百万円(前期は155億50百万円の支出)となりました。財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、115億45百万円(前期比78億28百万円増)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)前年同期比(%)化学品事業 無機化成品 (百万円)11,909100.6 有機化成品 (百万円)15,140105.4 ファインケミカル (百万円)21,328154.5 小計 (百万円)48,378120.9建材事業 壁材 (百万円)688100.7 エクステリア (百万円)14,69895.3 小計 (百万円)15,38695.5報告セグメント計 (百万円)63,764113.6 (注) 1 生産金額は主に生産量に平均販売価格を乗じて算出しております。2 生産実績は自家消費(無機・有機化成品及びファインケミカル)を一部含んでおります。3 報告セグメント以外のその他については生産活動になじまないため記載しておりません。 b. 受注実績当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)前年同期比(%)化学品事業 無機化成品(百万円)14,54496.5 有機化成品(百万円)18,46084.2 ファインケミカル(百万円)18,546143.5 小計(百万円)51,551103.2建材事業 壁材(百万円)1,306103.5 エクステリア(百万円)16,64996.7 小計(百万円)17,95597.2報告セグメント計(百万円)69,507101.6その他(百万円)1,198110.7合計(百万円)70,705101.7 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)Sun Wholesale Supply, Inc.8,44512.2-- 主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。また、当連結会計年度のSun Wholesale Supply, Inc.に対する販売実績は、総販売実績の10%未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は707億5百万円(前期比1.7%増)となりました。国内売上高は439億66百万円(前期比4.4%増)となりました。海外売上高は267億38百万円(前期比2.4%減)となりました。売上高に占める海外売上高の割合は1.6ポイント減少し、37.8%となりました。売上原価は400億54百万円(前期比4.2%減)、売上高に対する比率は3.5ポイント減少し、56.7%となりました。販売費及び一般管理費は197億81百万円(前期比10.3%増)となりました。運送費及び保管費や研究開発費の増加などによるものであります。以上の結果、営業利益は108億69百万円(前期比11.6%増)となり、売上高営業利益率は15.4%となりました。営業外損益は、前期の10億38百万円の利益(純額)から、10億52百万円の利益(純額)となりました。受取配当金の増加が主な要因です。この結果、経常利益は119億21百万円(前期比10.6%増)となり、売上高経常利益率は16.9%となりました。特別損益は、前期の17億83百万円の利益(純額)から、3億60百万円の利益(純額)となりました。これは、投資有価証券売却益の減少が主な要因です。この結果、税金等調整前当期純利益は122億81百万円(前期比2.2%減)となりました。法人税等は、前期の36億72百万円から、38億5百万円となりました。これにより、税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前期の29.2%から31.0%となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は84億59百万円(前期比4.0%減)となり、1株当たり当期純利益は前期に比べ1円73銭増加し、193円11銭となりました。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、為替変動があります。この影響により、前期に比べ、売上高が2億85百万円減少したものと試算されます。(ただし、為替の影響の試算は前連結会計年度の平均レートと当連結会計年度の平均レートの差によって算定しており、販売価格の変動に伴う影響は考慮されておりません。)財政状態は、総資産は、前連結会計年度末比85億75百万円増加し、1,444億3百万円となりました。主な増加は、投資有価証券34億42百万円、機械装置及び運搬具28億51百万円であります。負債は、前連結会計年度末比18億55百万円減少し、498億3百万円となりました。主な増加は、繰延税金負債31億90百万円、主な減少は、長期借入金28億31百万円、短期借入金24億99百万円であります。純資産は、前連結会計年度末比104億31百万円増加し、945億99百万円となりました。主な増加は、その他有価証券評価差額金67億26百万円、利益剰余金62億34百万円、主な減少は、自己株式の増加27億58百万円であります。 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の61.4%から65.0%となりました。セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、109億81百万円(前期比19億59百万円増)となりました。主な収入項目は、税金等調整前当期純利益122億81百万円、減価償却費35億39百万円、一方で主な支出項目は法人税等の支払額36億91百万円であります。投資活動に得られたキャッシュ・フローは、22億22百万円(前期は155億50百万円の支出)となりました。主な収入項目は、投資有価証券の売却及び償還による収入64億21百万円、有価証券の償還による収入29億円、一方で主な支出項目は、有形固定資産の取得による支出71億28百万円であります。財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、115億45百万円(前期比78億28百万円増)となりました。主な収入項目は、長期借入れによる収入69億円、一方で主な支出項目は長期借入金の返済による支出109億37百万円、自己株式の取得による支出27億94百万円であります。以上の結果、現金及び現金同等物は、354億84百万円(前期比17億45百万円増)となりました。当社グループの資金の財源及び流動性については、事業活動にかかる短期運転資金は営業キャッシュ・フローを主な財源としておりますが、その他取引金融機関に有する当座貸越等の融資枠からの短期借入金も利用し、経営環境の急激な変化にも対応できる十分な流動性を保持しております。設備投資、投融資資金などの長期資金についても、自己資金を基本としつつ、資本調達コストの低減や最適な資本構成、資金需要や金利情勢を考慮しながら、金融機関からの長期借入を随時行っております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、243億63百万円、前連結会計年度末比62億1百万円減少しました。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5章 経理の状況 1(1)連結財務諸表注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
事業リスク
- 経済状況と需要変動化学品の需要は日本や海外の経済状況、建材の需要は日本の経済状況に大きく左右されます。景気後退や需要縮小、競合他社の低価格攻勢、原材料価格の変動、地政学リスク(ウクライナ・ロシア情勢など)は、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 為替レートの変動海外での製品販売や原材料調達があるため、為替レートの変動は業績に影響を与えます。円高は輸出収益を減少させ、円安は輸入コストを増加させる可能性があります。為替予約で短期的なリスクはヘッジしていますが、中長期的な変動には対応しきれない場合があります。
- 新製品開発の不確実性将来の成長は革新的な新製品開発に依存していますが、開発プロセスは複雑で不確実です。多大な投資をしても成功する保証はなく、市場のニーズを正確に予測できない場合や、知的財産権が十分に保護されない場合、収益性が低下するリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のようなものがあります。 これらのリスクが顕在化した場合、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針、(2)経営戦略等に記載の長期ビジョン「Challenge 1000」の計画的な遂行に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループといたしましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応として、代替する事業計画を機動的に策定し、その遂行に努める方針であります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)一般の経済要因当社グループの営業収入のうち、重要な部分を占める化学品の需要は、当社グループが製品を販売している日本又は海外各国の経済状況の影響を受け、プール用殺菌剤等一部の製品は天候の影響を受けます。また、同じく重要な部分を占める建材の需要は、日本の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本をはじめとする当社グループの主要市場における景気後退、及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合があります。例えば、競合他社が海外において低廉な人件費の労働力を雇用して生産した場合、当社グループと同様の製品をより低価格で提供できることになり、その結果、当社グループの売上が悪影響を受ける可能性があります。さらに、原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、当社グループのみならず他のメーカーでも製造原価が下がる可能性があります。このような傾向により輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。さらには、米国を中心とするインフレと金融引き締め、政権交代に伴う不確実性の高まりにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ウクライナ・ロシア情勢及びイスラエル・パレスチナ情勢については原材料・物流費の高騰が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替レートの変動当社グループの事業には、海外各国における製品の販売及び海外各国からの原材料や商品の調達が含まれております。各国における売上を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの輸出の重要部分を占める米ドル及びユーロに対する円高)は当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの事業に好影響をもたらします。また、当社グループが輸入で調達する原材料や商品については、調達先地域の通貨価値上昇は、それらの地域における製造と調達コストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替予約等によるリスクヘッジを行い、米ドル、ユーロ及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的な為替レート変動により、計画された調達、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があります。 (3)新製品開発力当社グループ収入のかなりの部分は、独自の製品及び技術開発に基づく製品の売上に拠っております。将来の成長は主に革新的かつ長期にわたり当社グループに安定的に利益をもたらす新製品の開発に依存すると予想しております。しかしながら、新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。①新製品や新技術の開発に必要な経営資源を今後充分に充当できる保証はありません。②長期的な投資と大量の資源投入が成功する新製品又は新技術の創造につながる保証はありません。③当社グループが市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの製品の販売が成功する保証はありません。④新たに開発した製品又は技術が独自の知的財産権として保護される保証はありません。⑤化学品事業の製品の多くは、顧客が生産する製品の中間原料として販売されるものであり、当社グループによる長期的な研究・開発活動の上に特定顧客の品質承認が得られた後に事業として成立するものであります。従って、研究・開発の初期投資が結果的に利益を計上できない可能性を含んでおります。⑥建材事業の製品については、住宅等を取得する消費者の嗜好の変化により、当社グループ製品が時代遅れになる可能性があります。また、基本技術における競合他社との差別化が図りにくい製品を含んでおり、開発投資と比較してライフサイクルが短くなる可能性を含んでおります。上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合は、将来の収益性を低下させ、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)価格競争当社グループが属している各製品市場はそれぞれ競合状況があり、多くの原因により今後価格競争が熾烈化する可能性が予測されます。化学品事業においては、低廉な労働力を背景に海外で生産される製品が国内市場で流通することにより市場価格が低下する可能性があります。また、海外廉価製品の品質向上により当社グループの製品の競争力が相対的に低下する可能性があります。当社グループの製品は当該廉価品と比較して高付加価値品としての品質的な優位を保ち続けるべく努力はしておりますが、価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、建材事業のエクステリア製品においては、アルミサッシ系メーカーを中心とする大手競合企業が多額の開発投資・物流投資等を投下することにより競合製品をより低価格で市場に投入し、競合がさらに熾烈化する可能性があります。当社グループでは壁材を含む建材製品の機能やデザインまた顧客に対する提案力において比較優位に立つべく継続的に新製品を投入しておりますが、将来においても有効に競争できるという保証はなく、価格面での競争に陥った場合は、同じく当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)市場環境、業界環境当社グループが販売する化学製品の多くは、顧客が生産する製品の中間原料として消費されるものでありますが、顧客が生産する製品の必須原料であるとは限りません。価格競争以外の要因として、顧客又は顧客が属する業界における新技術の台頭により当社製品が他の製品に代替された場合には将来の収益性を低下させ、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、建材事業の住宅用壁材、住宅用エクステリア製品の需要動向は新設住宅着工戸数を、また景観エクステリア製品の販売は公共投資額や民間の設備投資額をそれぞれ先行指数として増減する傾向があります。これらの指数は政策や景気動向等により影響を受けるものであり、その動向いかんによっては業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)原材料調達当社グループが販売する化学製品、建材製品ともに、原材料調達に当たってはいわゆる複数購買を原則としておりますが、一部には汎用製品ではなくサプライヤーが限られるものを使用しており、サプライヤー側の事故等により調達が困難になる可能性があります。また、原材料及びエネルギー価格高騰による製造原価上昇を販売価格に転嫁できなかった、もしくは価格転嫁が遅延した場合は当該製品の収益性が悪化し、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)知的財産権について当社グループは他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、海外の全ての国において知的財産権を確立しているわけではありません。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似する、もしくは当社グループより優れている技術を開発することや、当社グループの特許や企業秘密を模倣、又は解析調査することを防止できない可能性があります。さらに当社グループの将来の製品又は技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。 (8)在庫リスク当社グループの製品には、プール用殺菌剤等需要量に季節要因があるものが含まれます。また、建材製品ではタイムリーな納入を確保し販売機会を逸しないために、見込み生産を行っているものがあります。このため、急激な市場環境の変化等により販売動向が事前の需要予測と大きく乖離した場合、棚卸資産が増え、キャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 また、建材製品は流行や顧客の嗜好の変化により販売動向が左右されるものがあり、その意匠や機能が陳腐化して滞留在庫となり、キャッシュ・フロー及び損益に悪影響を与える可能性があります。 (9)法的規制等当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、各種の法令・規則(租税法規、環境法規、労働・安全衛生法規、独占禁止法・アンチダンピング法等の経済法規、貿易・為替法規、証券取引所の上場規程等)が施行されています。当社グループは、これらの法令・規則を遵守し公正な企業活動に努めておりますが、万一法令・規則違反を理由とする訴訟や法的手続きにおいて、当社グループにとって不利益な結果が生じた場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法令・規則が変更された場合や、予想できない新たな法令・規則が設けられた場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)企業買収・事業提携等当社グループは、長期ビジョン「Challenge 1000」の達成に向け、既存事業の強化及び新たな事業領域の獲得を目的として、企業買収、資本提携、業務提携等を実施する場合があります。これらの施策の実行にあたっては、事前のデューデリジェンス等を通じてリスクの把握に努めておりますが、事業統合が計画どおり進まず、想定したシナジー効果が十分に発揮されない場合があります。また、市場環境の変化等により、買収対象企業の業績が当初想定を下回る場合、のれん及び無形資産等の減損損失や株式の評価損、偶発債務の顕在化や追加費用が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)情報セキュリティについて当社グループは、研究開発情報、製造技術情報、顧客情報、従業員情報等の重要情報を保有しております。これらの情報資産の管理については、社内規程の整備やアクセス制御等の対策を講じております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、内部不正、人的ミス等により、情報漏えい、データ改ざん又は情報システムの停止等が発生する可能性があります。これにより、製造設備や業務システムが停止した場合、生産活動や受注・出荷業務に支障が生じる可能性があります。これらの事象が発生した場合、信用の低下、損害賠償責任の発生、復旧費用の増加等を通じて、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。