研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 141 |
| 2024-03 | - | 139 |
| 2023-03 | - | 166 |
| 2022-03 | - | 123 |
| 2021-03 | - | 84 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,772 文字
6 【研究開発活動】弊社では、第12次中期経営計画において、2030年度末のあるべき姿、「安定した経営基盤の下、安全で働き甲斐を実感できる環境を提供し、独自性、優位性ある製品で世界最先端の技術を支え、サステナブルな社会に貢献する『創造的開発型企業』へ成長する」を目標に掲げています。中でもコア事業である半導体材料事業およびリチウムイオン二次電池材料事業は、人々の豊かな生活の実現に大いに貢献しており、持続的かつ広範な発展が期待されています。このような背景の下、新製品開発本部では、既存事業の強化と新事業の創出を目指して、研究開発活動を進めております。なお、この第12次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、1,819百万円でした。 次に、今後の研究開発活動の方向性について説明します。 半導体・液晶製造用特殊ガスと電池材料の2分野での新製品の早期事業化を推進します。半導体・液晶製造用特殊ガス分野では、事業本部内に半導体材料開発営業部を新設し、既存の半導体材料開発部と連携して業務効率と開発スピードの向上を目指すとともに、開発・製造・営業の一貫体制で顧客ニーズに迅速に対応し、市場展開の促進を図ります。電池材料分野については新事業開発推進部を中心に市場情報を幅広く収集し、車載・定置用電池を見据えた次世代材料の開発や、リチウムリサイクル事業に適した技術開発を多角化します。並行して、周辺領域の製品・技術開発や、新規事業に係るテーマにも取り組みます。具体的には、電子・情報・光学材料、エネルギー関係、医療分野および環境対応分野において、当社の優位性と独自性を活かした製品・技術開発を進めます。さらに、環境対応を念頭においたリサイクル技術の構築(ライフサイクルアセスメント(LCA)の整備)や環境に配慮した3R(Reduce、Reuse、Recycle)の加速、PFAS規制に適合させた製品開発も推進します。これらの取り組みの一環として、国内における研究開発拠点の整備を進めており、2024年4月に水島地区に新研究棟を竣工しました。今後は、渋川地区にも新研究棟設置を計画しております。 (1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、C4F6(ヘキサフルオロブタジエン)およびWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、および製造装置内面のクリーニング用途に広く使用されています。当社は、世界有数の製造能力と品質を誇る半導体・液晶用特殊ガスメーカーであり、当社独自技術を活かしてこれらの特殊ガス製品の開発を行っています。今後は、市場のニーズが高いエッチング・クリーニング用の高性能ガスや環境対応製品の開発を推進します。特に、年々微細化が進む半導体分野において、C4F6(ヘキサフルオロブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等の供給に加え、高性能化や環境対応型新規ガス、各種金属材料用ガス、およびAI半導体用途の新たな材料開発に注力していきます。また、順次半導体評価設備の導入を進めており、評価体制の強化も図ります。海外展開としては、2017年に韓国に拠点として設置した関東電化ファインプロダクツでCOS(硫化カルボニル)等の生産を開始し、2023年11月から研究開発も開始しており、現地顧客に密着した迅速な開発を進めていきます。(2) 電池材料リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに、更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われています。当社は、LiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、1997年の販売開始を実現し、その後もLiPF6に続く新製品として、2017年4月にLiBF4(ホウフッ化リチウム)、2022年4月にLiPO2F2(ジフルオロリン酸リチウム)の市場投入を行いました。現在は、車載用電池添加剤や全固体電池などの次世代電池材料の早期事業化を推進中です。さらに、社外パートナーと連携し、使用済みリチウムイオン二次電池から、電池材料に再利用可能なリチウムについて高純度での再資源化技術を開発し、事業化を決しました(2025年2月14日プレスリリース)。現在、パイロット設備を用いた検証を進めており、本事業を軸にしたさらなる展開も検討中です。これらを着実に手掛けることで、電池材料事業の拡大を目指していきます。 (3) 鉄系材料当社では、鉄、フェライト、マグネタイトなどのコア材表面に樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しています。これまでに培ってきた技術を活かし、新規材料の開発や適用範囲の拡大を図ることで、鉄系事業の更なる拡大を目指します。 (4) 基礎化学品基礎化学品事業の収益力を強化するために、新規製品の開発に着手しています。環境規制対象となっている既存製品の代替品を意識した検討を進めており、規制対応を重視した製品ラインナップの拡充を目指します。 (5) 有機機能性材料高付加価値製品による収益拡大を推進しています。高機能用途に対応した展開の結果、新規用途への採用が拡大し、前年実績を超えた大幅な増収を実現しました。また、ライフサイエンス分野向けの新製品や、PFAS規制に配慮した材料・素材の開発を自社の原材料・技術を活用しながら進めており、更なる成果獲得を狙っていきます。 (6) 次世代事業将来の柱となり得る挑戦テーマとして、競合他社に対して優位性の高い新規材料の創出と、当社基盤技術から派生する新たな技術開発を長期的に推進しています。具体的には、新規コア事業の創出を目的に、電子・情報・光学材料、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野において、独自技術を活用した製品の創出に取り組んでいます。また、サステナブル技術の開発も進めており、内外部との連携を強化しています。 (7) 研究開発の効率化研究開発の迅速化と効率向上を目的として、国内および海外における研究開発拠点の整備を進めています。さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、AIやMIを活用した材料設計やデータ駆動型研究の導入により、研究開発効率の精度と向上を図ります。加えて、コロナ渦を背景に、顧客との対面・オンラインの交流を適切に組み合わせ、コミュニケーションと連携の強化に努めています。同様に、最新の業界の動向を把握する目的で、学会・セミナー参加や、外部研究機関との共同開発も積極的に推進しています。
FY2024|3,551 文字
6 【研究開発活動】2022年4月から始まりました第12次中期経営計画におきましては、サステナブルな次世代事業の技術開発を方針に掲げ、当社独自の技術によるケミカルチェーンの創生、省エネルギー・高効率生産プロセス技術の開発、環境対応技術・リサイクル技術の開発強化を目標に設定して活動を実施しております。2023年度の研究開発活動につきましては、半導体事業および電池材料事業に重点を置きつつ、それらの周辺の製品・技術開発に注力してまいりました。半導体・液晶製造用特殊ガスの開発に関しては、事業本部半導体材料開発部に製造-販売-開発を集約して顧客密着型の活動を行ってきた結果、新規製品としてKSG-14を上市に至りました。また、韓国における研究開発拠点として、2023年11月から関東電化ファインプロダクツ内での研究開発業務を開始いたしました。電池材料に関しては、組織改編により設立した新事業開発推進部が中心となり、総合開発センター水島開発室および水島工場技術開発部門との間での連携による製品・技術開発を実施してまいりました。鉄系材料の開発に関しては、精密化学品第1部と総合開発センター渋川開室が連携して開発に努めてまいりました。基礎化学品事業分野の新規製品開発および有機機能材料製品の開発については、新事業開発推進部が中心となり、PFAS規制に配慮した新製品の開発に向けた活動を行ってまいりました。将来の柱となるような挑戦的な研究開発テーマにつきましては、大学をはじめとした外部機関との共同開発について開発企画部を中心に遂行してまいりました。知的財産活動につきましては、研究・知的財産部により開発戦略に沿った特許権利網の構築に取り組んでまいりました。この第12次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、1,367百万円でありました。 次に、今後の研究開発活動の方向性を説明します。 半導体・液晶製造用特殊ガスと電池材料の2分野での新製品の早期事業化を進めて参ります。半導体・液晶製造用特殊ガス分野においては、事業本部に編入した半導体材料開発部が中心となって、開発・製造・営業の一貫した業務体制で顧客の要望を迅速に取り込むことで、市場展開の促進を図っています。電池材料分野においては、新設した新事業開発推進部を中心に、広くマーケット情報を得ることで開発の多角化を図っています。それと並行して周辺領域の製品・技術開発や将来の柱となるような挑戦的な研究開発テーマを推進します。具体的には半導体、エネルギー関係、医療および環境対応分野において、当社の優位性・独自性を活かした製品・技術開発を目指してまいります。さらには、環境対応を意識したリサイクル技術の開発について、LCA(ライフサイクルアセスメント)の構築を目指し、環境に配慮した3R(Reduce、Reuse、Recycle)活動を加速してまいります。また、PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)規制に配慮した製品開発も併せて推進してまいります。このような研究開発を加速させていくために、研究開発拠点の整備を推進してまいります。具体的には、2024年4月に水島地区に新研究棟が竣工し、続いて2026年度の竣工を目標に、渋川地区に新研究棟設置を計画しております。 (1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、C4F6(ヘキサフルオロブタジエン)およびWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、および製造装置内面のクリーニング用途に使用されています。当社は、世界有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーであり、当社独自の技術によりこれらの特殊ガス製品を開発してまいりました。年々微細化が進む半導体分野においては、微細エッチング用のガスとして、C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。さらに、近年の3D化や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、配線用途およびパワー半導体用途の新規材料開発についても注力していくとともに、順次半導体材料評価設備を導入中であり、評価体制の構築を目指してまいります。海外における事業展開としましては、2017年に韓国に拠点(関東電化ファインプロダクツ)を設置し、COS等の生産を開始しました。さらには、2023年11月からは研究開発業務を開始し、現地顧客に密着したタイムリーな開発の促進に努めて参ります。 (2) 電池材料リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社でもLiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、1997年より製造販売を開始しました。また、LiPF6に続く新製品として、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を2017年4月より市場に投入したことに続き、2022年4月にLiPO2F2(ジフルオロリン酸リチウム)の上市を行いました。現在は、車載用電池添加剤および全固体電池等の次世代電池材料の早期事業化を図っていく計画です。さらに、社外パートナーと連携し、使用済みリチウムイオン二次電池から、電池材料に再利用可能なリチウム化合物を高純度で再資源化する技術を開発しました。現在、2022年8月より化合開始したパイロット実証設備を用いて事業化検討を進めており、これらを手掛けることで電池材料事業の拡大を目指してまいります。 (3) 鉄系材料当社では、導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等のコア材表面に各種絶縁性樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しております。さらに、当社においてこれまでに培ってきた技術を活かした新規材料の開発、およびその用途開拓を推進することで鉄系事業の拡大を目指します。 (4) 基礎化学品基礎化学品事業の収益力強化を目的に、新規製品の開発に着手しております。環境規制対象となっている既存製品の代替を目指し、鋭意検討を進めております。 (5) 有機機能性材料高付加価値製品による収益拡大を目指すために、高機能用途への展開を図り、新規用途への採用が拡大しております。また、新たにライフサイエンス分野での新製品を想定し、PFAS規制に配慮しつつ、自社原材料・技術を利用した材料・素材開発を展開して成果を上げて行きたいと考えております。 (6) 次世代事業将来の柱となるような挑戦的な研究開発テーマとして、当社の独自性を活かし、競合他社に対して優位性を発揮できる新規材料の創出と、当社の基盤技術から派生する新しい技術開発を推進しております。さらに、新規コア事業の創出を目的に、半導体産業、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野における当社の独自技術を活かした製品開発に長期的視点で取り組んでおります。また、サステナブルな技術開発につながるテーマの探索を行う目的で、PFAS規制に配慮し、環境対応技術やリサイクル技術の開発に焦点を合わせて、自社内外部門との連携により推進して参ります。 (7) 研究開発の効率化研究開発の効率化に関する施策は、以下の通りです。研究開発の迅速化を目指し、研究開発拠点の準備を進めております。これまでに、2023年11月には韓国において関東電化ファインプロダクツ内で研究開発業務を開始しました。2024年4月には、水島地区において新研究棟が竣工し、続いて2026年の竣工を目標に、渋川地区に新研究棟設置を計画しております。研究開発をはじめとした多種にわたる業務改善を図るためDX(デジタルトランスフォーメーション)の構築を目指してまいります。具体的には、AIによる材料設計プラットフォームを構築し、開発テーマへの展開や、計算ソフトによる分子設計や物性予測による開発支援を行っております。また、新型コロナが終息しつつある状況に応じて、顧客との対面式面談とオンライン面談を適宜使い分けることで、より密度の濃い連携を推進しております。同様に、最新の業界の動向を把握する目的で、学会・セミナーへの対面参加・オンライン参加を積極的に実施しております。その他、社内外の開発リソースの効率的な運用による開発促進を目的に、大学など外部研究機関との共同開発も積極的に推進しております。
FY2023|2,847 文字
6 【研究開発活動】2022年4月から始まりました第12次中期経営計画におきましては、サステナブルな次世代事業の技術開発を方針に掲げ、当社独自の技術によるケミカルチェーンの創生、省エネルギー・高効率生産プロセス技術の開発、環境対応技術・リサイクル技術の開発強化を目標に設定して活動を実施しております。2022年度の具体的な活動内容として、半導体・液晶製造用特殊ガスの開発に関しては、事業本部半導体材料開発部に製造-販売-開発を集約して顧客密着型の活動を行ってまいりました。電池材料に関しては、事業本部精密化学品開発部、総合開発センター水島開発室および水島工場技術開発部門が連携して製品・技術開発を実施してまいりました。鉄系材料の開発に関しては、精密化学品第1部と総合開発センター渋川開発室が連携して開発に努めてまいりました。基礎化学品事業分野の新規製品開発および有機機能材料製品の開発については、市場開発部が中心となり、自社技術を深耕した新製品の市場投入に向けた活動を行ってまいりました。次世代事業分野においては、テーマの探索活動および研究開発計画の立案から評価までの統括管理を開発企画部が遂行してまいりました。研究・知的財産部は、開発戦略に沿った特許権利網の構築に取り組んでまいりました。この第12次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、1,148百万円でありました。 次に、今後の研究開発活動の方向性を説明します。 既存事業の強化を目的に、半導体・液晶製造用特殊ガスと電池材料については事業本部と連携することにより新製品開発のスピードアップを図っていきます。それと並行して、次世代事業創出のための基礎検討を推進します。具体的には半導体産業、エネルギー関係、医療および環境対応分野において、当社の優位性・独自性を活かした製品・技術開発を目指してまいります。さらには、環境対応を意識したリサイクル技術の開発について、LCA(ライフサイクルアセスメント)の構築を目指し、環境に配慮した3R(Reduce、Reuse、Recycle)活動を加速してまいります。また、PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)に関連した法規制の動向に焦点をあてて情報収集に努めてまいります。以下、各テーマにおける研究開発活動の概要を示します。 (1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、およびWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、および製造装置内面のクリーニング用途に使用されています。当社は独自の技術によりこれらの特殊ガス製品を開発してまいりました。年々微細化が進む半導体分野においては、微細エッチング用のガスとして、C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。さらに、近年の3D化や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、配線用途およびパワー半導体用途の新規材料開発にも注力しております。また、世界有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーである当社では、顧客に密着したタイムリーな開発を促進するため、2017年に韓国に拠点を設置し、COS等の生産を開始しております。また、半導体材料評価設備を導入中であり、評価体制の構築を目指してまいります。 (2) 電池材料リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社でもLiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、1997年より製造販売を開始しました。また、LiPF6に続く新製品として、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を2017年4月より市場に投入したことに続き、2022年4月にLiPO2F2(ジフルオロリン酸リチウム)の上市を行いました。現在、高性能電解液用の各種添加剤の開発、および次世代電池材料の探索を行っており、ラインナップ強化を図っていく計画です。さらに、社内外の部門と連携して電池材料のリサイクル技術の開発にも着手しました。これらを手掛けることで電池材料事業の拡大を目指してまいります。 (3) 鉄系材料当社では、導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等のコア材表面に各種絶縁性樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しております。さらに、当社においてこれまでに培ってきた技術を活かした新規材料の開発、およびその用途開拓を推進することで鉄系事業の拡大を目指します。 (4) 基礎化学品基礎化学品事業の収益力強化を目的に、新規製品の開発に着手しております。環境規制対象となっている既存製品の代替を目指し、鋭意検討を進めております。 (5) 有機機能性材料当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用した展開を目的とした事業展開を進めております。将来の収益性を確保していくために自社原材料や技術を用いた当社独自の付加価値を加えた新製品開発を推進することで、事業拡大を目指してまいります。 (6) 次世代事業当社の独自性を活かし、競合他社に対して優位性を発揮できる新規材料の創出と、当社の基盤技術から派生する新しい技術開発を推進しております。さらに、新規コア事業の創出を目的に、半導体産業、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野における当社の独自技術を活かした製品開発に長期的視点で取り組んでおります。また、サステナブルな技術開発につながるテーマの探索を行う目的で、環境対応技術やリサイクル技術の開発に焦点を合わせて、自社内外部門との連携により推進して参ります。 (7) 研究開発の効率化研究開発の効率化に関する施策は、以下の通りです。新製品探索を強く推進していくため、社外の開発コンサルタントを導入することにより、当社の強みを引き出すとともに、かつ市場が求める製品を探し当てる目利き力の育成・強化を図っております。自由な発想で独創的な開発テーマを行えるように、業務時間のうちの20%を自由な創造的開発活動の時間に充当した「20%ルール」の運用を継続しております。AIによる材料設計プラットフォームを構築し、開発テーマへの展開や、計算ソフトによる分子設計や物性予測による開発支援を行っております。また、昨今のコロナ禍において、顧客とのオンライン面談や、学会・セミナーへのオンライン参加を積極的に実施しております。その他、社内外の開発リソースの効率的な運用による開発促進を目的に、大学など外部研究機関との共同開発も積極的に推進しております。
FY2022|2,413 文字
5 【研究開発活動】2019年4月から始まりました第11次中期経営計画におきましては、複数製品の上市を目標に掲げるとともに、当社の既存技術と、新たに導入する技術を融合させ、当社だからこそ活かせる独自技術の構築を推進してまいりました。2021年度の具体的な活動内容として、半導体・液晶製造用特殊ガスおよび電池材料の分野をけん引している精密化学品開発部を新製品開発本部から事業本部へ編入し、顧客密着型の開発活動をそれぞれの本部の連携により進めております。基礎化学品事業分野の新規製品開発および有機機能材料製品の開発につきましては、市場開発部が中心となり、自社技術を深耕した新製品の市場投入に向けた活動を行っております。新規事業分野の探索および研究開発計画の立案から評価までの統括管理は、開発企画部が遂行しております。研究・知的財産部は、開発戦略に沿った特許権利網の構築に取り組んでおります。これら4部門と総合開発センター、総合開発センター渋川開発室、および総合開発センター水島開発室とが相互連携することで研究開発活動に取り組んでおります。この第11次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、1,488百万円でありました。 次に、研究開発テーマの概要および今後の方向性を説明します。「既存事業の強化」を目的に半導体・液晶製造用特殊ガスと電池材料については事業本部と連携することにより新製品開発のスピードアップを図っていきます。それと並行して、SDGsの概念に基づいた将来の製品開発のための基礎検討を推進します。具体的には半導体産業、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野において、当社の優位性・独自性を活かした製品開発を目指しております。 (1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、およびWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、および製造装置内面のクリーニング用途に使用されています。当社は独自の技術によりこれらの特殊ガス製品を開発してまいりました。年々微細化が進む半導体分野においては、微細エッチング用のガスとして、C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。さらに、近年の3D化や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、配線用途およびパワー半導体用途の新規材料開発にも注力しております。また、世界有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーである当社では、顧客に密着したタイムリーな開発を促進するため、2017年に韓国に拠点を設置し、現在は生産を開始しております。また、開発に関しては各種設備の設置に向けた準備を行っています。 (2) 電池材料リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社でもLiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、この分野に参入いたしました。また、LiPF6に続く新製品として、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を2017年4月より市場に投入いたしました。現在、高性能電解液用の各種添加剤を開発中であり、ラインナップ強化を図っていく計画です。さらに、次世代電池材料の探索も行なっており、電池材料事業の拡大を目指してまいります。 (3) 有機機能性材料当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用した展開を目的とした事業展開を進めております。将来の収益性を確保していくために自社原材料や技術を用いた当社独自の付加価値を加えた新製品開発を推進することで、事業拡大を目指してまいります。 (4) 基礎化学品基礎化学品事業の収益力強化を目的に、新規製品の開発に着手しております。環境規制対象となっている既存製品の代替を目指し、鋭意検討を進めております。 (5) 鉄系材料当社では、導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等のコア材表面に各種絶縁性樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しております。さらに、当社においてこれまでに培ってきた技術を活かした新規材料の開発、およびその用途開拓を推進することで鉄系事業の拡大を目指します。 (6) 新規材料SDGsの概念に基づいて、当社の独自性を活かし、競合他社に対して優位性を発揮できる新規材料の創出と、当社の基盤技術から派生する新しい技術開発を推進しております。さらに、5~10年先の新規コア事業の創出を目的に、半導体産業、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野における当社の独自技術を活かした製品開発に長期的視点で取り組んでおります。「新しい技術開発」につきましては、ESGを考慮した環境対応技術やリサイクル技術の開発を目標に、自社開発や外部研究機関との連携により推進してまいります。 (7) 研究開発の効率化研究開発の効率化に関する施策は、以下のとおりです。昨今のコロナ禍において、顧客とのオンライン面談や、学会・セミナーのオンライン参加を積極的に実施しております。開発担当者が自由な発想で独創的な開発テーマを行えるように、業務時間のうちの20%を自由な時間に充当した「20%ルール」の運用を継続しております。AIによる材料設計プラットフォームを構築し、開発テーマへの展開や、計算ソフトによる分子設計や物性予測による開発支援を行っております。その他、社内外の開発リソースの効率的な運用による開発促進を目的に、大学などの外部研究機関との共同研究も積極的に推進してまいります。
FY2021|2,604 文字
5 【研究開発活動】2019年4月から始まりました第11次中期経営計画におきましては、複数製品の上市を目標に掲げるとともに、当社の既存技術と、新たに導入する技術を融合させ、当社だからこそ活かせる独自技術の構築を推進しています。2020年度の具体的な活動内容として、半導体・液晶製造用特殊ガスおよび電池材料の分野をけん引している精密化学品開発部を新製品開発本部から事業本部へ編入し、顧客密着型の開発を強化することになりましたが、開発活動はそれぞれの本部の連携により進めております。基礎化学品事業分野の新規製品開発および有機機能材料製品の開発につきましては、市場開発部が中心となり、自社技術を深耕した新製品の市場投入に向けた活動を行っております。新規事業分野の探索および研究開発計画の立案から評価までの統括管理は、開発企画部が遂行しております。研究・知的財産部は、開発戦略に沿った特許権利網の構築に取り組んでおります。これら4部門と総合開発センター、総合開発センター渋川開発室、および総合開発センター水島開発室が相互連携することで研究開発活動に取り組んでおります。この第11次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、1,425百万円でありました。 次に、研究開発テーマの概要および今後の方向性を説明します。「既存事業の強化」を目的に半導体・液晶製造用特殊ガスと電池材料については事業本部と連携することにより新製品開発のスピードアップを図っていきます。それと並行して、SDGsの概念に基づいた将来の製品開発のための基礎検討を推進します。具体的には半導体産業、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野において、当社の優位性・独自性を活かした製品開発を目指しております。 (1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、およびWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、および製造装置内面のクリーニング用途に使用されています。当社は独自の技術によりこれらの特殊ガス製品を開発してまいりました。ムーアの法則に従って年々微細化が進む半導体分野においては、微細エッチング用のガスとして、C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。さらに、近年の3D化や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、配線用途およびパワー半導体用途の新規材料開発にも注力しております。また、世界有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーである当社では、顧客に密着したタイムリーな開発を促進するため、2017年に韓国に拠点を設置し、現在は生産を開始しております。また、開発に関しては各種設備の設置に向けた準備を行っています。 (2) 電池材料リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社でもLiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、この分野に参入いたしました。また、LiPF6に続く新製品として、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を2017年4月より市場に投入いたしました。現在、高性能電解液用の各種添加剤を開発中であり、ラインナップ強化を図っていく計画です。さらに、次世代電池材料の探索も行なっており、電池材料事業の拡大を目指してまいります。 (3) 有機機能性材料当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用した展開を目的とした事業展開を進めております。将来の収益性を確保していくために自社原材料や技術を用いた当社独自の付加価値を加えた新製品開発を推進することで、事業拡大を目指してまいります。 (4) 基礎化学品基礎化学品事業の収益力強化を目的に、新規製品の開発に着手しております。環境規制対象となっている既存製品の代替を目指し、鋭意検討を進めております。 (5) 鉄系材料当社では、導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等のコア材表面に各種絶縁性樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しております。さらに、当社においてこれまでに培ってきた技術を活かした新規材料の開発、およびその用途開拓を推進することで鉄系事業の拡大を目指します。 (6) 新規材料SDGsの概念に基づいて、当社の独自性を活かし、競合他社に対して優位性を発揮できる新規材料の創出と、当社の基盤技術から派生する新しい技術開発を推進しております。「新規事業の創出」に関しては、耐候性や防汚性に優れた撥水撥油性のフッ素系樹脂「エフクリア」(2004年商標登録)を開発し、機能に応じて市場開発を進めております。その他、市場ニーズを先取りした高機能を備えた高付加価値品の開発に取り組んでおります。また、鉄系事業で培ってきた微細化技術をベースに開発した無機ナノ材料の用途展開を目指しております。さらに、5~10年先の新規コア事業の創出を目的に、半導体産業、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野における当社の独自技術を活かした製品開発に長期的視点で取り組んでおります。「新しい技術開発」につきましては、ESGを考慮した環境対応技術やリサイクル技術の開発を目標に、自社開発や外部研究機関との連携により推進して参ります。 (7) 研究開発の効率化研究開発の効率化に関する施策は、以下の通りです。昨今のコロナ禍において、顧客とのオンライン面談や、学会・セミナーのオンライン参加を積極的に実施しております。開発担当者が自由な発想で独創的な開発テーマを行えるように、業務時間のうちの20%を自由な時間に充当した「20%ルール」の運用を継続しております。AIによる材料設計プラットフォームを構築し、開発テーマへの展開や、計算ソフトによる分子設計や物性予測による開発支援を行っております。その他、社内外の開発リソースの効率的な運用による開発促進を目的に、大学などの外部研究機関との共同研究も積極的に推進してまいります。
FY2020|2,728 文字
5 【研究開発活動】2016年4月から2019年3月までの第10次中期経営計画におきましては、「新規製品の早期創出」を重点目標に掲げて研究開発に取り組んだ結果、2品目の新規製品を上市いたしました。2019年4月から始まりました第11次中期経営計画におきましては、複数製品の上市を目標に掲げるとともに、当社の既存技術と、新たに導入する技術を融合させ、当社だからこそ活かせる独自技術の構築を推進する予定です。具体的な活動内容として、半導体・液晶製造用特殊ガスおよび電池材料については、精密化学品開発部を事業本部へ編入し、顧客密着型の開発を強化することにより、新製品の上市を目指してまいります。その他の事業分野および新規開発品につきましては、市場開発部が中心となり、自社技術を深耕した新製品の市場投入に向けた活動を行っております。新規事業分野の探索および研究開発計画の立案から評価までの統括管理は、開発企画部が遂行しております。研究・知的財産部は、事業戦略に沿った特許権利網の構築に取り組んでおります。これら4部門と総合開発センター、総合開発センター渋川開発室、および総合開発センター水島開発室が相互連携することで研究開発活動に取り組んでおります。この第11次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、1,345百万円でありました。 次に、研究開発テーマの概要および今後の方向性を説明します。「既存事業の強化」を目的に半導体・液晶製造用特殊ガス、電池材料、有機機能性材料、基礎化学品および鉄系材料分野における新製品開発を推進するとともに、「新規事業の創出」を目的としたフッ素系樹脂「エフクリア」、有機‐無機ハイブリッド材料および無機ナノ材料等の新規事業分野の開拓にも積極的に取り組んでいきます。その他、当社の基盤技術から派生する新しいフッ素化技術や有機電解技術の開発についても積極的に取り組む予定です。 (1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、およびWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、および製造装置内面のクリーニング用途に使用されています。当社は独自の技術によりこれらの特殊ガス製品を開発してまいりました。ムーアの法則に従って年々微細化が進む半導体分野においては、微細エッチング用のガスとして、C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。さらに、近年の3D化や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、配線用途およびパワー半導体用途の新規材料開発にも注力しております。また、世界有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーである当社では、顧客に密着したタイムリーな開発を促進するため、2017年に韓国に生産・開発拠点の設置を決定いたしました。 (2) 電池材料リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社でもLiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、この分野に参入いたしました。また、LiPF6に続く新製品として、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を2017年4月より市場に投入いたしました。現在、高性能電解液用の各種添加剤を開発中であり、ラインナップ強化を図っていく計画です。さらに、次世代電池材料の探索も行なっており、電池材料事業の拡大を目指してまいります。 (3) 有機機能性材料当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用した事業展開を目的として、2013年に複数の受託テーマをひと括りとした「有機機能性材料事業」を立ち上げました。今後は、市況や顧客ニーズの変化に合わせ、将来の収益性を確保できるような新製品を自社原材料や自社技術を用い、当社独自の付加価値を加えることにより展開してまいります。 (4) 基礎化学品基礎化学品事業の収益力強化を目的に、新規製品の開発に着手しております。環境規制対象となっている既存製品の代替を目指し、鋭意検討を進めております。 (5) 鉄系材料当社では、導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等のコア材表面に各種絶縁性樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しております。さらに、このコーティング技術を活かした新規材料の開発、およびその用途開拓を推進することで鉄系事業の拡大を目指します。 (6) 新規材料究当社の独自性を活かし、競合他社に対して優位性を発揮できる新規材料の創出と、当社の基盤技術から派生する新しい技術開発を推進しております。「新規事業の創出」に関しては、耐候性や防汚性に優れた撥水撥油性のフッ素系樹脂「エフクリア」(2004年商標登録)を開発し、機能に応じて市場開発を進めております。ニッチ分野に加え、自動車向けトップコート等を中心に国内外への展開を図ることにより、採用件数は年々増えております。さらに、市場ニーズを先取りした高機能を備えた高付加価値品の開発や新規用途の開拓にも取り組んでおります。また、鉄系事業で培ってきた微細化技術をベースに開発した無機ナノ材料、および無機ナノ材料と高分子化合物を複合化した有機‐無機ハイブリッド材料の開発も進めており、多方面への用途展開を目指しております。さらに、5~10年先の新規コア事業の創出を目的に、電子・情報通信分野、環境・エネルギー分野、およびライフサイエンス・ヘルスケア分野における当社の独自技術を活かした製品開発に長期的視点で取り組んでおります。「新しい技術開発」につきましては、自社開発と共に国内大学と連携した技術開発にも着手し、既存製品の製法変換や、新規製品の製法開発に適用する予定です。 (7) 研究開発の効率化研究開発の効率化に関する施策は、以下の通りです。業務時間のうちの20%を自由な時間に充当できる「20%ルール」を研究開発部門に導入し、開発担当者が自由な発想で独創的な開発テーマに着手できる環境を整えました。また、開発期間の短縮を目的にAIによる材料設計プラットフォームを構築し、開発テーマへの展開を行っております。その他、社内外の開発リソースの効率的な運用による開発促進を目的に、大学などの外部研究機関との共同研究も積極的に推進してまいります。
FY2019|2,250 文字
5 【研究開発活動】平成28年4月から平成31年3月までの第10次中期経営計画におきましては、「新規製品の早期創出」を重点目標に掲げて研究開発に取り組んだ結果、2品目の新規製品を上市いたしました。第11次中期経営計画におきましては、複数製品の上市を目標に研究開発を進めております。研究開発体制に関しましては、精密化学品開発部を各事業と連動させ顧客密着型の開発を強化することにより、事業化を加速してきました。市場開発部は、自社技術を深耕した新製品の市場投入に向けて活動しております。開発企画部は、研究開発計画の立案から評価までを統括管理しております。研究・知的財産部は、事業戦略に沿った特許権利網の構築に取り組んでおります。これら4部門が、渋川開発研究所、水島開発研究所、及び基礎研究所の3研究所と連携して研究開発活動に取り組んでおります。この第10次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、1,211百万円でありました。 次に、研究開発テーマの概要及び今後の方向性を説明します。「既存事業の強化」を目的に半導体・液晶製造用特殊ガス、電池材料、有機機能性材料、基礎化学品及び鉄系材料分野における新製品開発を推進するとともに、「新規事業の創出」を目的とした機能性フッ素系樹脂や有機‐無機ハイブリッド材料等の新規事業分野の開拓にも積極的に取り組んでいきます。 (1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、及びWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、及び製造装置内面のクリーニング用途に使用されています。当社は独自の技術によりこれらの特殊ガス製品を開発してまいりました。ムーアの法則に従って年々微細化が進む半導体分野においては、微細エッチング用のガスとして、C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。さらに、近年の3D化や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、配線用途及びパワー半導体用途の新規材料開発にも注力しております。また、世界有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーである当社では、顧客に密着したタイムリーな開発を促進するため、平成29年に韓国に生産・開発拠点の設置を決定いたしました。 (2) 電池材料リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社でもLiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、この分野に参入いたしました。また、LiPF6に続く新製品として、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を平成29年4月より市場に投入いたしました。現在、高性能電解液用の各種添加剤を開発中であり、ラインナップ強化を図っていく計画です。さらに、次世代電池材料の探索も行なっており、電池材料事業の拡大を目指してまいります。 (3) 有機機能性材料当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用した事業展開を目的として、平成25年に複数の受託テーマをひと括りとした「有機機能性材料事業」を立ち上げ、平成29年には1製品を追加いたしました。現在は、市況や顧客ニーズの変化に合わせ、将来の収益性を確保できるようポートフォリオの再構築を行なっております。 (4) 基礎化学品基礎化学品事業の収益力強化を目的に、新規製品の開発に着手しております。環境規制対象となっている既存製品の代替を目指し、鋭意検討を進めております。 (5) 鉄系材料当社では、導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等のコア材表面に各種絶縁性樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しております。さらに、このコーティング技術を活かした新規鉄系材料の開発、及びその用途開拓を推進することで鉄系事業の拡大を目指します。 (6) 新規材料究「新規事業の創出」に関しては、耐候性や防汚性に優れた撥水撥油性のフッ素系樹脂「エフクリア」(平成16年商標登録)を開発し、機能に応じて市場開発を進めております。ニッチ分野に加え、自動車向けトップコート等を中心に国内外への展開を図ることにより、採用件数は年々増えております。さらに、市場ニーズを先取りした高機能を備えた高付加価値品の開発や新規用途の開拓にも取り組んでおります。また、鉄系事業で培ってきた微細化技術をベースに開発した無機ナノ材料、及び無機ナノ化合物と高分子化合物を複合化した有機‐無機ハイブリッド材料の開発も進めており、多方面への用途展開を目指しております。さらに、5~10年先の新規コア事業の創出を目的に、電子・情報通信分野、環境・エネルギー分野、及びライフサイエンス・ヘルスケア分野における当社の独自技術を活かした製品開発に長期的視点で取り組んでおります。 (7) 研究開発の効率化研究開発テーマの進捗管理の見える化を推進するため、平成29年度にステージゲート制を導入しました。また、研究開発の効率化とスピードアップを図るため、平成30年度よりAIを活用したマテリアルズインフォマティクスの構築にも着手しております。
FY2018|3,006 文字
5 【研究開発活動】平成28年4月より3ケ年にわたる第10次中期経営計画をスタートさせました。平成31年3月までの、この中期経営計画期間におきましては、「安全第一主義」、「稼ぐ関東電化」、「全員参加」の3つを、当社企業活動の基本課題として位置づけ、間断なく新製品を市場に提供する「創造的開発型企業」を目指して進めております。研究開発部門における重点目標としては、「新規製品の早期創出」を掲げて取り組んでおります。これは会社として次の収益の柱となる新規製品を、更には新しい事業を創出し、育成していきたいという主旨であります。この重点目標を達成するために、経営資源を投入して研究開発を進めております。当連結会計年度の研究体制としましては、営業と開発の一体化を図るために、平成29年4月に新製品開発本部を組織改編し、精密化学品開発部を設けました。これは開発活動が精密化学品各事業に連動したものとなるように意図したものです。営業部門からの情報がいち早く開発活動に反映できるよう、連携を強める開発体制にしました。また、同様に新設した開発企画部が、新規テーマの探索や事業化計画を策定し、個々の開発テーマを進捗管理していくと共に、基礎化学品事業と連動してテーマ探索活動を進めることにより、市場が期待する新製品を創出する開発体制を目指しています。また更に、新設の市場開発部は、電解、フッ素化、微細化、重合、コーティング技術などの各種コア技術を深耕した新製品、例えば、有機-無機ハイブリット材料などを開発し、市場に投入する活動に取り組んでおります。加えて、このような開発活動の中で創出された成果を整理し、事業戦略に沿った特許権利網の構築を研究・知的財産部が推進しております。これら4つの部門が、渋川開発研究所、水島開発研究所、および基礎研究所の3つの研究所と共に、各事業分野での“新規事業の創出”と“既存事業の強化”に取り組んでおります。この第10次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、11億30百万円でありました。 次に、主要研究テーマの概要および今後の方向性を以下に説明いたします。研究テーマは、半導体・液晶製造用の特殊ガス、電池材料、有機ファインケミカルズ、機能性フッ素系樹脂、鉄系材料・有機-無機ハイブリット材料の、主要5テーマであります。更に、これら以外の分野における新規材料の探索にも積極的に取り組んでおります。 (1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス現在、市場では半導体・液晶製造用ガスとして三フッ化窒素、四フッ化炭素、六フッ化タングステンおよびヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン等の特殊ガスが使用されております。当社はこのような各種フッ素系ガス製品を、独自の特徴ある技術により開発し、世界でも有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーであります。顧客密着によるタイムリーな開発を目標に、韓国に生産・開発拠点を設置する計画が進行中であります。上記各種製品の用途としては、主に、半導体基板の表面に回路パターンを刻むエッチング用途と、半導体製造装置や液晶製造装置の内面を清浄にするためのクリーニング用途があります。ムーアの法則に従って年々微細化が進む半導体分野において、当社では微細エッチング用のガス:C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)、CH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。また、最近の3D化等の新技術や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、パワー半導体用途の新規ガスの開発に注力しております。 (2) 電池材料リチウムイオン二次電池(LiB)は、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社も、LiB用電解質としてLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、この分野に参入いたしました。また、LiPF6に続くLiB用の新しい電解質の開発も進める中で、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を平成29年4月より市場に投入しました。さらに、当社が得意とするフッ素化技術を利用して、高性能電解液用添加剤などの新規電池材料の開発を推進すると共に、次世代電池材料の探索も行ない、LiB用添加剤を中心としたラインナップ強化を図っております。 (3) 有機ファインケミカルズ当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用して、フッ素原子を含有する高付加価値化合物の開発に取り組んでおります。受託合成にも積極的に取り組んでおり、平成25年には、幾つかの受託合成テーマをひと括りとした「有機機能性材料事業」を立ち上げました。将来の収益性確保を狙い、当社が得意とする技術、今まで培ってきた技術等を駆使し、独自製品の創出に取り組んでおります。 (4) 機能性フッ素系樹脂撥水撥油性を特徴とするフッ素系高分子材料分野では、耐候性や防汚性に優れたフッ素系樹脂「エフクリア」(平成16年商標登録)を開発し、その特性を活かした品種ごとの市場開発を進めております。ニッチな分野での採用件数は年々徐々に伸びており、現在では特にその防汚性を活かしたユーザー毎の各種材質(住宅建材:バス、キッチン等)向けトップコートなどを中心に海外への展開も推進しております。さらに耐久性、耐擦傷性、延伸性等の市場ニーズにマッチングする特性を兼ね備えた高付加価値品の開発や新規用途の開拓(機能性フィルム用等)を顧客に密着する形で推進しております。 (5) 鉄系材料・有機-無機ハイブリット材料導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等をコア材とし、その表面に絶縁性の樹脂を各種コーティングした鉄系材料として、複写機、プリンター等画像形成装置向けの現像剤用キャリヤーを市場に投入しており、その開発には、研究部門、製造部門、および営業部門が連携して取り組んでおります。一方、市場ニーズに即した新規鉄系材料、およびその新規用途の探索も進めており、長年に亘り培ってきた微細化技術を利用し開発に取り組んでいます。また、鉄系材料以外の材料をも組み合わせた有機-無機ハイブリット材料を開発中であり、現在、高分子材料と無機ナノ材料とを複合化した新しいハイブリット材料の開発も進めており、多方面への用途展開を目指しております。 (6) 新規材料の探索研究基礎化学品事業の継続を図るために、平成29年より新規洗浄剤の開発を推進しており、顧客と密着して早期の市場投入を目指して取り組んでおります。また、5~10年先の新規コア事業の創出を目的に、中・長期的な視点で、電子・情報通信分野、環境・エネルギー分野、およびライフサイエンス・ヘルスケア分野等の成長分野への研究開発を進めております。大学等の外部研究機関と連携しながら、当社独自の電解技術、フッ素化技術や有機・無機合成技術を基盤に新規技術や新規材料の開発を推進しております。そして、開発テーマの進捗管理の見える化を推進するため、開発活動にステージゲート制を導入しました。また、研究開発がスピードアップを図るため、AIを活用したマテリアルズインフォマティクスの構築にも取り組み、開発期間の短縮や、開発の効率化を図ってまいります。
FY2017|2,363 文字
6 【研究開発活動】平成28年4月より3ケ年にわたる第10次中期経営計画をスタートさせました。平成31年3月までの、この中期経営計画期間におきましては、「安全第一主義」、「稼ぐ関東電化」、「全員参加」の3つを、当社企業活動の基本課題として位置づけ、間断なく新製品を市場に提供する「創造的開発企業」を目指して進めております。この方針に基づき、研究開発部門としましては重点目標として「新規製品の早期創出」を掲げて取り組んでおります。これは即ち、この中期経営計画実行期間内の早期に、次の収益の柱となる新規製品を創出し、育成していきたいという主旨であります。そのため、この目標を是が非でも達成してまいりたく、経営資源を投入して進めているところであります。この第10次中期経営計画実行期間の初年度にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、12億43百万円でありました。 次に、主要研究テーマの概要及び今後の方向性を以下に説明いたします。研究テーマは、半導体・液晶製造用の特殊ガス、電池材料、有機ファインケミカルズ、機能性フッ素系樹脂、鉄系材料・無機ナノ材料の主要5テーマであります。更に、これら以外の分野における新材料の探索にも積極的に取り組んでおります。 (1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス現在、市場では半導体・液晶製造用ガスとして三フッ化窒素、四フッ化炭素、六フッ化エタン及び三フッ化塩素等の特殊ガスが使用されております。当社はこのような各種フッ素系ガス製品を、独自の特徴ある技術により開発し、世界でも有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーであります。上記各種製品の用途としては主に、半導体基板の表面に回路パターンを刻むエッチング用と、半導体製造装置や液晶製造装置の内面を清浄にするためのクリーニング用とがあります。半導体分野の定説となっているムーアの法則に従って、年々微細化が進む中、当社では微細エッチング用のガスであるヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン等を開発し、平成18年より市場に提供してまいりました。また、最近の3D化等の新技術や地球温暖化防止に対応すべく新規ガスの開発に注力しております。 (2) 電池材料リチウムイオン二次電池(LiB)は、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われております。当社も、LiB用電解質として六フッ化リン酸リチウムの開発に成功し、この分野に参入いたしました(平成9年)。また一方、六フッ化リン酸リチウムに続くLiB用の新しい電解質の開発も進める中で、ホウフッ化リチウムの市場投入を平成29年4月より開始するための準備を当年度において完了しました。さらに、当社が得意とするフッ素化技術を利用して、高性能電解液用添加剤や新規電池材料の開発を推進するとともに、次世代電池材料についても探索を行なっております。 (3) 有機ファインケミカルズ当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用して、フッ素原子を含有する有機化合物を中心に、高付加価値化合物の開発に取り組んでおります。平成17年7月には水島工場内に多目的拡大設備を建設し、医農薬中間体・液晶材料などの生産を開始いたしました。また、受託合成にも積極的に取り組んでおり、平成25年12月には、数件の受託合成テーマをひと括りとした「有機機能性材料事業」を立ち上げ、市場に提供しております。今後は、当社が得意とする技術を駆使して当社オリジナル製品を開発するとともに、海外展開を含め、更に事業の拡大を促進させてまいります。 (4) 機能性フッ素系樹脂撥水撥油性を特徴とするフッ素系高分子材料分野には平成9年から参入し、耐候性や防汚性に優れたフッ素樹脂「エフクリア」(平成16年商標登録)を開発し、その特性を活かした市場開発を進めております。以降、ニッチな分野での採用件数は徐々に伸びており、現在では特にその防汚性を活かしたユーザー毎の各種材質(住宅建材:バス、キッチン等)向けトップコートなどを中心に海外への展開も検討しております。さらに耐久性や耐擦傷性、防汚性等の市場ニーズにマッチングする特性を兼ね備えた高グレード品の開発や新規用途の開拓(機能性フィルム用等)を顧客に密着する形で推進しております。 (5) 鉄系材料・無機ナノ材料渋川開発研究所では、複写機、プリンター等画像形成装置向けの現像剤用キャリヤーの開発に、製造部門、営業部門と連携して取り組んでおります。キャリヤーとは、静電荷像現像方式の複写機等で使用される粉体材料であり、複写機内でトナーを搬送する役割をしております。平均粒径30~100μmの導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等をコア材とし、その表面に絶縁性の各種樹脂をコーティングして製造しております。一方、市場ニーズに即した新規鉄系材料の探索も進めており、長年に亘り培ってきた微細化技術を利用し、鉄系以外の材料も含めた無機ナノ材料を開発中であります。現在、フッ素系高分子材料と無機ナノ材料とを複合化した新しいコンポジット材料の開発も進めており、多方面への用途展開を目指しております。 (6) 新材料の研究探索基礎研究所では、5~10年先の新規コア事業の創出を目的に、中長期的な視点で、エネルギー及び電子・情報通信等の成長分野へ研究を進めております。平成26年度からは、上述の研究企画部と一体となり、大学等の外部研究機関と連携しながら、当社独自のフッ素化技術や有機・無機合成技術を基盤に新規技術や製品の開発を推進しておりますが、平成29年4月からは開発期間の短縮により効率化を図ることを計画しております。
FY2016|2,216 文字
6 【研究開発活動】平成25年4月よりスタートした第9次中期経営計画(3ヵ年)では、当社企業目標の中心に研究開発を据え、間断なく新製品を市場に提供する「創造的開発型企業」を目指し、営業・製造部門との連携強化を図ってまいりました。さらにユーザーや研究機関からの情報収集の精度を高め機動的な開発体制を取れるように、平成26年4月からは、新製品開発本部のもとに長期的な視点から研究を推進する研究企画部と、ユーザーに直結したテーマを進める開発営業部、及び研究開発関連の庶務業務と知的財産業務を担当する研究・知的財産部の3部門に分け、研究企画部の実行部門として基礎研究所を、開発営業部の実行組織として渋川と水島に2つの開発研究所を設立いたしました。前記第9次中期経営計画実行期間の最終年度にあたります当連結会計年度の研究開発投資額は、1,119百万円でありました。 次に、主要研究テーマの概要及び今後の方向性を以下に説明いたします。研究テーマは、半導体・液晶製造用の特殊ガス、電池材料、有機ファインケミカルズ、機能性フッ素系樹脂、鉄系機能材料・無機ナノ材料の主要5テーマであります。更に、これら以外の分野における新材料の探索にも積極的に取り組んでおります。 (1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス現在、市場では半導体・液晶製造用ガスとして三フッ化窒素、四フッ化ケイ素、六フッ化エタン及び三フッ化塩素等の特殊ガスが使用されております。当社はこのような各種フッ素系ガスについて独自の特徴ある技術により開発し、世界でも有数の製造能力と品質とを合わせ持つ半導体・液晶用特殊ガスメーカーであります。これらの用途としては主に、半導体基板の表面に回路パターンを刻むエッチングと、半導体製造装置や液晶製造装置の内面を清浄にするためのクリーニング用があります。半導体分野の定説となっているムーアの法則に従って年々微細化が進む中、当社では微細エッチング用のガスであるヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン等を開発し、市場に提供してまいりました。また、最近の3D化等の新技術や地球温暖化防止に対応すべく新規ガスの開発に注力しております。 (2) 電池材料リチウムイオン二次電池(LiB)は、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われております。当社も、LiB用電解質として六フッ化リン酸リチウムの開発に成功し、この分野に参入いたしました(平成9年)。また一方、六フッ化リン酸リチウムに続くLiB用の新しい電解質の開発も進める中で、ホウフッ化リチウムの市場投入を開始しております。さらに、当社が得意とするフッ素化技術を利用して、新規電解質の探索とともに、高性能電解液用添加剤や新規電池材料の開発も推進しております。 (3) 有機ファインケミカルズ当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用して、フッ素原子を含有する有機化合物を中心に、高付加価値化合物の開発に取り組んでおります。平成17年7月には水島工場内に多目的拡大設備を建設し、医農薬中間体・液晶材料などの生産を開始いたしました。また、受託合成にも積極的に取り組んでおり、平成25年12月には、数件の受託合成テーマをひと括りとした「有機機能性材料事業」を立ち上げ、市場に提供いたしました。今後は、海外展開を含め更に事業の拡大を促進させてまいります。 (4) 機能性フッ素系樹脂撥水撥油性を特徴とするフッ素系高分子材料分野には平成9年から参入し、耐候性や防汚性に優れたフッ素樹脂「エフクリア」(平成16年商標登録)を開発し、その特性を活かした市場開発を進めております。以降、ニッチな分野での採用件数は徐々に伸びており、現在では特にその防汚性を活かしたユーザー毎の各種材質(住宅建材;バス、キッチン等)向けトップコートなどを中心に海外への展開も検討しております。さらに耐久性や耐擦傷性、防汚性等の特性を兼ね備えた高グレード品の開発や新規用途の開拓(機能性フィルム用等)も進めております。 (5) 鉄系機能材料・無機ナノ材料渋川開発研究所では、複写機、プリンター等画像形成装置向け現像剤用キャリヤーの開発に、製造部門、営業部門と連携して取り組んでおります。キャリヤーとは、静電荷像現像方式の複写機等で使用される粉体材料であり、複写機内でトナーを搬送する役割をしております。平均粒径30~100μmの導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等をコア材とし、その表面に絶縁性の各種樹脂をコーティングして製造しております。一方、市場ニーズに即した新規機能性材料の開発にも取り組んでおり、長年に亘り培ってきた微細化技術を利用し、鉄系以外の材料も含めた無機ナノ材料を開発中であります。現在、フッ素系高分子材料と無機ナノ材料とを複合化した新材料の開発も進めており、多方面への用途展開を目指しております。 (6) 新材料の研究探索基礎研究所では、5~10年先の新規コア事業の創出を目的に、中長期的な視点で、エネルギー及び電子・情報通信等の成長分野へ研究を進めております。平成26年度からは、上述の研究企画部と一体となり、大学等の外部研究機関と連携しながら、当社独自のフッ素化技術や有機・無機合成技術を基盤に新規技術や製品の開発を推進しております。