事業の内容
PKSHA Technologyは、AI(人工知能)技術を開発し、企業の業務効率化やサービス価値向上を支援する会社です。主に自然言語処理、音声認識、画像認識などのアルゴリズムモジュールを開発し、これらを活用したソリューション提供とAI SaaSプロダクトの販売を行っています。収益は、初期設定費用と月額のライセンス費用で構成されており、特にAI Research & Solution事業では顧客のシステムに合わせたカスタマイズ開発、AI SaaS事業では汎用的なAIプロダクトを提供しています。
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FY2025|5,753 文字|出典 docID: S100XC4P
3 【事業の内容】当社グループ(当社、子会社15社、関連会社及び共同支配企業7社を中心に構成)は、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュールを用いて、様々な社会課題を解決し社会へ付加価値を提供すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。 技術分野としては、主に自然言語処理、音声認識、画像認識、機械学習/深層学習を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの研究開発、ソリューション提供及びソフトウエアプロダクトの拡販を通じて、顧客企業の業務の自動化・半自動化を通じた業務効率化、又はサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現支援等を行っております。 当社グループは、AI Research & Solution事業、AI SaaS事業から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示されております。 (1)AI Research & Solution事業アルゴリズム・知能化技術の事業化を行っており、パートナー企業のニーズに合わせて共同研究開発からソリューションの提供までを一気通貫で実施しております。また、連結子会社においては、実オペレーションを通じた製品・サービス開発の一環で、IoT機器からリアル空間のデータをクラウド上に収集し顧客への価値提供を実現するサービスの開発を、駐車場機器の製造販売事業を通じて行っております。さらに、人事領域やフリーランス領域の事業を展開する連結子会社において、AI技術を活用した各ソリューションの高度化や機能拡張を実践しております。 (2)AI SaaS事業AI Research & Solution事業におけるアルゴリズムの開発成果をもとに、汎用的なニーズに対応するAI SaaSプロダクトを販売しております。当事業は自動応答エンジン「PKSHA ChatAgent」や「PKSHA VoiceAgent」、FAQシステム「PKSHA FAQ」、RPAソフトなどのプロダクト群を展開しております。企業における「顧客接点」及び「社内業務」領域向けにAI SaaSプロダクトを提供することで、労働力不足を背景とした業務の自動化/高度化ニーズの高まりの中、人の業務を効率化し能力を拡張していく形で、ビジネス支援や課題解決のサポートをしております。 [アルゴリズムモジュールの内容と販売形態](1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは、以下のとおりであります。アルゴリズムモジュール名機能利用用途(例)テキスト理解モジュール<Dialogue_1>テキストデータの意味理解例:テキスト内容を理解、テキストを 分類・類型化社内文書からの特定文書の抽出コールセンターログの分析・見える化対話モジュール<Dialogue_2>自然言語処理技術での対話・応答の制御例:最適な対話シナリオを選択、音声 認識への拡張も可能チャット上の自動対話ロボットとの自動対話画像/映像解析モジュール<Recognizer>画像・映像データ内の物体認識例:カメラ等のイメージングデバイス の知能化技術店頭カメラの自動認識機能推薦モジュール<Recommender>レコメンデーションによる情報出しわけ例:ユーザーの好みに合わせてコンテ ンツを推薦ECサイト上の商品推薦ウエブサイト上の情報推薦予測モジュール<Predictor>時系列情報に対して未来予測を行う例:過去の行動履歴からの行動予測ECサイトのユーザーの購買予測金融機関での与信スコアの構築異常検知モジュール<Detector>異常値の検知例:機器の故障検知、不適切コンテン ツの検知工場の検品処理の自動化・半自動化強化学習モジュール<Reinforcer>行動履歴から学習を行う例:行動履歴を解析し行動を選択する顧客シナリオの自動・半自動選択行動選択の自動・半自動化 アルゴリズムモジュールの販売形態は、AI Research & Solution事業では、主に顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエアに組み込む形態、AI SaaS事業では、自社のソフトウエアに組み込みアルゴリズムソフトウエアとして販売する形態となっております。なお、収益構造は、いずれの場合でも同様に初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構成されておりますが、AI Research & Solution事業では、当社グループのアルゴリズムモジュールを組み合わせたカスタマイズ開発を経て、アルゴリズムモジュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。 (2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、AI SaaS事業では、アルゴリズムソフトウエアの販売という形態でサービス提供を行っております。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。 ① 「顧客接点」領域 ユーザーから入力されたテキスト及び音声を認識し、当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。製品としては自動応答エンジン「PKSHA ChatAgent」や「PKSHA VoiceAgent」、FAQシステム「PKSHA FAQ」などがあります。 ② 「社内業務」領域 業務関連の質問として入力されたテキスト及び音声を当社システムにて認識し、自動で回答することで、社内業務の効率化/高度化を実現します。さらには業務部門に特化した自動化ソフトウエアを提供することで、ビジネスプロセスの自動化や生産性向上を実現します。製品としては自動応答エンジン「PKSHA ChatAgent」やRPAソフト、AI議事録「Yomel」などがあります。 (3) アルゴリズムモジュールの技術的な特徴当社グループがアルゴリズム開発に用いる機械学習技術について、特徴を以下のとおりご説明いたします。機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、2012年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。 [一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い] このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。 (4)事業の特徴当社グループ事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。 ① パートナーシップ戦略:業界のリーディングカンパニーとの事業提携 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーディングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。 ② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。 ③ SaaSモデルとしての高い収益率当社グループは、前述のとおり、複数のアルゴリズムソフトウエアを開発し、当ソフトウエアを主に月額課金の形態にて提供しております。解約率が低いことから、新規ユーザーの増加に従い収益がストック型で逓増するモデルとなっており、高い収益率を維持しております。 ④ エンジニア・研究者の獲得・育成機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィックを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数を社員紹介によるリファラル採用を実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲得・育成を行っております。 ⑤ 組織構造等当社グループは、各業界が持つ自動化や高品質化のニーズに対するソリューションを、アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで効果的・効率的に実現することを目指しており、そのために必要なアルゴリズムモジュール群を保有していること、及びエンジニア中心の組織構造を構築していることが、当社事業の独自性であると認識しております。 <事業系統図> 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語用語の定義アルゴリズムコンピューター上における問題を解くための手順・解き方モジュール汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものアルゴリズムモジュールアルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたものアルゴリズムソフトウエアアルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエア機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法自然言語処理技術人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術ニューラルネットワーク生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた、脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では、教師データの特徴をどう数値化するかを人間が定義する必要があったが、ディープラーニングではアルゴリズムによって教師データの特徴を数値化できるため、複雑な特徴を表現することが可能教師データ機械学習を行う上で学習の元となるデータCRM顧客関係管理(Customer Relationship Management(CRM))。顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムIoTInternet of Things の略称。コンピューターに限らず、家電製品や自動車等のハードウエア機器をインターネットに接続し、情報をやり取りすることで生まれるイノベーションの総称エンジンコンピューターを使用し、さまざまな情報処理を実行する機構
FY2024|5,967 文字|出典 docID: S100UYWD
3 【事業の内容】当社グループ(当社、子会社13社、関連会社及び共同支配企業8社を中心に構成)は、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュールを用いて、様々な社会課題を解決し社会へ付加価値を提供すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。 技術分野としては、主に自然言語処理、音声認識、画像認識、機械学習/深層学習を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの研究開発、ソリューション提供及びソフトウエアプロダクトの拡販を通じて、顧客企業の業務の自動化・半自動化を通じた業務効率化、又はサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現支援等を行っております。 当社グループは、AI Research & Solution事業、AI SaaS事業から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示されております。 (1)AI Research & Solution事業アルゴリズム・知能化技術の事業化を行っており、パートナー企業のニーズに合わせて共同研究開発からソリューションの提供までを一気通貫で実施しております。また、連結子会社である株式会社アイテックでは、実オペレーションを通じた製品/サービス開発の一環で、IoT機器からリアル空間のデータをクラウド上に収集し顧客への価値提供を実現するサービスの開発を、駐車場機器の製造販売事業を通じて行っております。さらに、当連結会計年度において子会社化いたしました株式会社トライアンフでは、当社AI技術も活用しながら顧客企業の人事領域における戦略立案から実行までをワンストップで支援する、幅広いソリューションを提供しております。 (2)AI SaaS事業AI Research & Solution事業におけるアルゴリズムの開発成果をもとに、汎用的なニーズに対応するソフトウエアプロダクトを販売しております。当事業は株式会社PKSHA Workplace、株式会社PKSHA Communication、株式会社PKSHA Associates(旧社名 株式会社アシリレラ)の3社で構成されており、自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や「PKSHA Voicebot」、FAQシステム「PKSHA FAQ」、RPAソフトなどのプロダクト群を展開しております。企業における「顧客接点」及び「社内業務」領域向けにソフトウエアプロダクトを提供することで、労働力不足を背景とした業務の自動化/高度化ニーズの高まりの中、人の業務を効率化し能力を拡張していく形で、ビジネス支援や課題解決のサポートをしております。 [アルゴリズムモジュールの内容と販売形態](1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは、以下のとおりであります。アルゴリズムモジュール名機能利用用途(例)テキスト理解モジュール<Dialogue_1>テキストデータの意味理解例:テキスト内容を理解、テキストを 分類・類型化社内文書からの特定文書の抽出コールセンターログの分析・見える化対話モジュール<Dialogue_2>自然言語処理技術での対話・応答の制御例:最適な対話シナリオを選択、音声 認識への拡張も可能チャット上の自動対話ロボットとの自動対話画像/映像解析モジュール<Recognizer>画像・映像データ内の物体認識例:カメラ等のイメージングデバイス の知能化技術店頭カメラの自動認識機能推薦モジュール<Recommender>レコメンデーションによる情報出しわけ例:ユーザーの好みに合わせてコンテ ンツを推薦ECサイト上の商品推薦ウエブサイト上の情報推薦予測モジュール<Predictor>時系列情報に対して未来予測を行う例:過去の行動履歴からの行動予測ECサイトのユーザーの購買予測金融機関での与信スコアの構築異常検知モジュール<Detector>異常値の検知例:機器の故障検知、不適切コンテン ツの検知工場の検品処理の自動化・半自動化強化学習モジュール<Reinforcer>行動履歴から学習を行う例:行動履歴を解析し行動を選択する顧客シナリオの自動・半自動選択行動選択の自動・半自動化 アルゴリズムモジュールの販売形態は、AI Research & Solution事業では、主に顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエアに組み込む形態、AI SaaS事業では、自社のソフトウエアに組み込みアルゴリズムソフトウエアとして販売する形態となっております。なお、収益構造は、いずれの場合でも同様に初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構成されておりますが、AI Research & Solution事業では、当社グループのアルゴリズムモジュールを組み合わせたカスタマイズ開発を経て、アルゴリズムモジュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。 (2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、AI SaaS事業では、アルゴリズムソフトウエアの販売という形態でサービス提供を行っております。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。 ① 「顧客接点」領域 ユーザーから入力されたテキスト及び音声を認識し、当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。製品としては連結子会社の株式会社PKSHA Communicationが提供する自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や「PKSHA Voicebot」、FAQシステム「PKSHA FAQ」などがあります。 ② 「社内業務」領域 業務関連の質問として入力されたテキスト及び音声を当社システムにて認識し、自動で回答することで、社内業務の効率化/高度化を実現します。さらには業務部門に特化した自動化ソフトウエアを提供することで、ビジネスプロセスの自動化や生産性向上を実現します。製品としては連結子会社の株式会社PKSHA Workplaceが提供する自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や 同じく連結子会社の株式会社PKSHA Associatesが提供するRPAソリューションなどがあります。 (3) アルゴリズムモジュールの技術的な特徴当社グループがアルゴリズム開発に用いる機械学習技術について、特徴を以下のとおりご説明いたします。機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、2012年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。 [一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い] このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。 (4)事業の特徴当社グループ事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。 ① パートナーシップ戦略:業界のリーディングカンパニーとの事業提携 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーディングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。 ② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。 ③ SaaSモデルとしての高い収益率当社グループは、前述のとおり、複数のアルゴリズムソフトウエアを開発し、当ソフトウエアを主に月額課金の形態にて提供しております。解約率が低いことから、新規ユーザーの増加に従い収益がストック型で逓増するモデルとなっており、高い収益率を維持しております。 ④ エンジニア・研究者の獲得・育成機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィックを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数を社員紹介によるリファラル採用を実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲得・育成を行っております。 ⑤ 組織構造等当社グループは、各業界が持つ自動化や高品質化のニーズに対するソリューションを、アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで効果的・効率的に実現することを目指しており、そのために必要なアルゴリズムモジュール群を保有していること、及びエンジニア中心の組織構造を構築していることが、当社事業の独自性であると認識しております。 <事業系統図> 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語用語の定義アルゴリズムコンピューター上における問題を解くための手順・解き方モジュール汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものアルゴリズムモジュールアルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたものアルゴリズムソフトウエアアルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエア機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法自然言語処理技術人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術ニューラルネットワーク生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた、脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では、教師データの特徴をどう数値化するかを人間が定義する必要があったが、ディープラーニングではアルゴリズムによって教師データの特徴を数値化できるため、複雑な特徴を表現することが可能教師データ機械学習を行う上で学習の元となるデータCRM顧客関係管理(Customer Relationship Management(CRM))。顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムIoTInternet of Things の略称。コンピューターに限らず、家電製品や自動車等のハードウエア機器をインターネットに接続し、情報をやり取りすることで生まれるイノベーションの総称エンジンコンピューターを使用し、さまざまな情報処理を実行する機構
FY2023|5,836 文字|出典 docID: S100SJ2N
3 【事業の内容】当社グループ(当社、連結子会社9社、持分法適用関連会社8社を中心に構成)は、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュールを用いて、様々な社会課題を解決し社会へ付加価値を提供すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。 技術分野としては、主に自然言語処理、音声認識、画像認識、機械学習/深層学習を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの研究開発、ソリューション提供及びソフトウエアプロダクトの拡販を通じて、顧客企業の業務の自動化・半自動化を通じた業務効率化、又はサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現支援等を行っております。 当社グループは、AI Research & Solution事業、AI SaaS事業から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示されております。 (1)AI Research & Solution事業アルゴリズム・知能化技術の事業化を行っており、パートナー企業のニーズに合わせて共同研究開発からソリューションの提供までを一気通貫で実施しております。また、連結子会社である株式会社アイテックでは、実オペレーションを通じた製品/サービス開発の一環で、IoT機器からリアル空間のデータをクラウド上に収集し顧客への価値提供を実現するサービスの開発を、駐車場機器の製造販売事業を通じて行っております。 (2)AI SaaS事業AI Research & Solution事業におけるアルゴリズムの開発成果をもとに、汎用的なニーズに対応するソフトウエアプロダクトを販売しております。当事業は株式会社PKSHA Workplace、株式会社PKSHA Communication、株式会社PKSHA Associates(旧社名 株式会社アシリレラ)の3社で構成されており、自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や「PKSHA Voicebot」、FAQシステム「PKSHA FAQ」、RPAソフトなどのプロダクト群を展開しております。企業における「顧客接点」及び「社内業務」領域向けにソフトウエアプロダクトを提供することで、労働力不足を背景とした業務の自動化/高度化ニーズの高まりの中、人の業務を効率化し能力を拡張していく形で、ビジネス支援や課題解決のサポートをしております。 [アルゴリズムモジュールの内容と販売形態](1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは以下のとおりであります。アルゴリズムモジュール名機能利用用途(例)テキスト理解モジュール<Dialogue_1>テキストデータの意味理解例:テキスト内容を理解、テキストを 分類・類型化社内文書からの特定文書の抽出コールセンターログの分析・見える化対話モジュール<Dialogue_2>自然言語処理技術での対話・応答の制御例:最適な対話シナリオを選択、音声 認識への拡張も可能チャット上の自動対話ロボットとの自動対話画像/映像解析モジュール<Recognizer>画像・映像データ内の物体認識例:カメラ等のイメージングデバイス の知能化技術店頭カメラの自動認識機能推薦モジュール<Recommender>レコメンデーションによる情報出しわけ例:ユーザーの好みに合わせてコンテ ンツを推薦ECサイト上の商品推薦ウエブサイト上の情報推薦予測モジュール<Predictor>時系列情報に対して未来予測を行う例:過去の行動履歴からの行動予測ECサイトのユーザーの購買予測金融機関での与信スコアの構築異常検知モジュール<Detector>異常値の検知例:機器の故障検知、不適切コンテン ツの検知工場の検品処理の自動化・半自動化強化学習モジュール<Reinforcer>行動履歴から学習を行う例:行動履歴を解析し行動を選択する顧客シナリオの自動・半自動選択行動選択の自動・半自動化 アルゴリズムモジュールの販売形態は、AI Research & Solution事業では、主に顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエアに組み込む形態、AI SaaS事業では、自社のソフトウエアに組み込みアルゴリズムソフトウエアとして販売する形態となっております。なお、収益構造は、いずれの場合でも同様に初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構成されておりますが、AI Research & Solution事業では初期設定を行った後、当社グループのアルゴリズムモジュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。 (2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、AI SaaS事業では、アルゴリズムソフトウエアの販売という形態でサービス提供を行っております。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。 ① 「顧客接点」領域 ユーザーから入力されたテキスト及び音声を認識し、当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。製品としては連結子会社の株式会社PKSHA Communicationが提供する自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や「PKSHA Voicebot」、FAQシステム「PKSHA FAQ」などがあります。 ② 「社内業務」領域 業務関連の質問として入力されたテキスト及び音声を当社システムにて認識し、自動で回答することで、社内業務の効率化/高度化を実現します。さらには業務部門に特化した自動化ソフトウエアを提供することで、ビジネスプロセスの自動化や生産性向上を実現します。製品としては連結子会社の株式会社PKSHA Workplaceが提供する自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や 同じく連結子会社の株式会社PKSHA Associatesが提供するRPAソリューションなどがあります。 (3) アルゴリズムモジュールの技術的な特徴当社グループがアルゴリズム開発に用いる機械学習技術について、特徴を以下のとおりご説明いたします。機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、2012年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。 [一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い] このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。 (4)事業の特徴当社グループ事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。 ① パートナーシップ戦略:業界のリーディングカンパニーとの事業提携 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーディングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。 ② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。 ③ SaaSモデルとしての高い収益率当社グループは、前述のとおり、複数のアルゴリズムソフトウエアを開発し、当ソフトウエアを主に月額課金の形態にて提供しております。解約率が低いことから、新規ユーザーの増加に従い収益がストック型で逓増するモデルとなっており、高い収益率を維持しております。 ④ エンジニア・研究者の獲得・育成機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィックを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数を社員紹介によるリファラル採用を実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲得・育成を行っております。 ⑤ 組織構造等当社グループは、各業界が持つ自動化や高品質化のニーズに対するソリューションを、アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで効果的・効率的に実現することを目指しており、そのために必要なアルゴリズムモジュール群を保有していること、及びエンジニア中心の組織構造を構築していることが、当社事業の独自性であると認識しております。 <事業系統図> 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語用語の定義アルゴリズムコンピューター上における問題を解くための手順・解き方モジュール汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものアルゴリズムモジュールアルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたものアルゴリズムソフトウエアアルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエア機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法自然言語処理技術人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術ニューラルネットワーク生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた、脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では、教師データの特徴をどう数値化するかを人間が定義する必要があったが、ディープラーニングではアルゴリズムによって教師データの特徴を数値化できるため、複雑な特徴を表現することが可能教師データ機械学習を行う上で学習の元となるデータCRM顧客関係管理(Customer Relationship Management(CRM))。顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムIoTInternet of Things の略称。コンピューターに限らず、家電製品や自動車等のハードウエア機器をインターネットに接続し、情報をやり取りすることで生まれるイノベーションの総称エンジンコンピューターを使用し、さまざまな情報処理を実行する機構
FY2022|5,863 文字|出典 docID: S100PVNM
3 【事業の内容】当社グループ(当社、連結子会社9社、持分法適用関連会社5社を中心に構成)は、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュールを用いて、様々な社会課題を解決し社会へ付加価値を提供すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。 技術分野としては、主に自然言語処理、音声認識、画像認識、機械学習/深層学習を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの研究開発、ソリューション提供およびソフトウエアプロダクトの拡販を通じて、顧客企業の業務の自動化・半自動化を通じた業務効率化、又はサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現支援等を行っております。 当社グループは、AI Research & Solution事業、AI SaaS事業から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示されています。 (1)AI Research & Solution事業アルゴリズム・知能化技術の事業化を行っており、パートナー企業のニーズに合わせて共同研究開発からソリューションの提供までを一気通貫で実施しております。また、連結子会社である株式会社アイテックでは、実オペレーションを通じた製品/サービス開発の一環で、IoT機器からリアル空間のデータをクラウド上に収集し顧客への価値提供を実現するサービスの開発を、駐車場機器の製造販売事業を通じて行っております。 (2)AI SaaS事業AI Research & Solution事業におけるアルゴリズムの開発成果をもとに、汎用的なニーズに対応するソフトウエアプロダクトを販売しております。当事業は株式会社PKSHA Workplace(旧社名 株式会社BEDORE)、株式会社PKSHA Communication(旧社名 株式会社PRAZNA)、株式会社アシリレラの3社で構成されており、自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や「PKSHA Voicebot」、FAQシステム「PKSHA FAQ」、RPAソフトなどのプロダクト群を展開しております。企業における「顧客接点」及び「社内業務」領域向けにソフトウエアプロダクトを提供することで、労働力不足を背景とした業務の自動化/高度化ニーズの高まりの中、人の業務を効率化し能力を拡張していく形で、ビジネス支援や課題解決のサポートをしております。 [アルゴリズムモジュールの内容と販売形態](1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは以下のとおりであります。アルゴリズムモジュール名機能利用用途(例)テキスト理解モジュール<Dialogue_1>テキストデータの意味理解例:テキスト内容を理解、テキストを 分類・類型化社内文書からの特定文書の抽出コールセンターログの分析・見える化対話モジュール<Dialogue_2>自然言語処理技術での対話・応答の制御例:最適な対話シナリオを選択、音声 認識への拡張も可能チャット上の自動対話ロボットとの自動対話画像/映像解析モジュール<Recognizer>画像・映像データ内の物体認識例:カメラ等のイメージングデバイス の知能化技術店頭カメラの自動認識機能推薦モジュール<Recommender>レコメンデーションによる情報出しわけ例:ユーザーの好みに合わせてコンテ ンツを推薦ECサイト上の商品推薦ウエブサイト上の情報推薦予測モジュール<Predictor>時系列情報に対して未来予測を行う例:過去の行動履歴からの行動予測ECサイトのユーザーの購買予測金融機関での与信スコアの構築異常検知モジュール<Detector>異常値の検知例:機器の故障検知、不適切コンテン ツの検知工場の検品処理の自動化・半自動化強化学習モジュール<Reinforcer>行動履歴から学習を行う例:行動履歴を解析し行動を選択する顧客シナリオの自動・半自動選択行動選択の自動・半自動化 アルゴリズムモジュールの販売形態は、AI Research & Solution事業では、主に顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエアに組み込む形態、AI SaaS事業では、自社のソフトウエアに組み込みアルゴリズムソフトウエアとして販売する形態となっております。なお、収益構造は、いずれの場合でも同様に初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構成されておりますが、AI Research & Solution事業では初期設定を行った後、当社グループのアルゴリズムモジュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。 (2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、AI SaaS事業では、アルゴリズムソフトウエアの販売という形態でサービス提供を行っております。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。 ① 「顧客接点」領域 ユーザーから入力されたテキスト及び音声を認識し、当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。製品としては連結子会社の株式会社PKSHA Communicationが提供する自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や「PKSHA Voicebot」、FAQシステム「PKSHA FAQ」などがあります。 ② 「社内業務」領域 業務関連の質問として入力されたテキスト及び音声を当社システムにて認識し、自動で回答することで、社内業務の効率化/高度化を実現します。さらには業務部門に特化した自動化ソフトウエアを提供することで、ビジネスプロセスの自動化や生産性向上を実現します。製品としては連結子会社の株式会社PKSHA Workplaceが提供する自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や 同じく連結子会社の株式会社アシリレラが提供するRPAソリューションなどがあります。 (3) アルゴリズムモジュールの技術的な特徴当社グループがアルゴリズム開発に用いる機械学習技術について、特徴を以下のとおりご説明いたします。機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、2012年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。 [一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い] このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。 (4)事業の特徴当社グループ事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。 ① パートナーシップ戦略:業界のリーディングカンパニーとの事業提携 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーディングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。 ② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。 ③ SaaSモデルとしての高い収益率当社グループは、前述のとおり、複数のアルゴリズムソフトウエアを開発し、当ソフトウエアを主に月額課金の形態にて提供しております。解約率が低いことから、新規ユーザーの増加に従い収益がストック型で逓増するモデルとなっており、高い収益率を維持しております。 ④ エンジニア・研究者の獲得・育成機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィックを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数を社員紹介によるリファラル採用を実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲得・育成を行っております。 ⑤ 組織構造等当社グループは、前述のとおり、業界が持つニーズに対し、アルゴリズムを用いた自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しておりますが、それらを実現していく上でのアルゴリズムモジュール群を保有していること及びエンジニア中心の組織構造を構築している点が当社事業の独自性であると認識しております。 <事業系統図> 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語用語の定義アルゴリズムコンピューター上における問題を解くための手順・解き方モジュール汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものアルゴリズムモジュールアルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたものアルゴリズムソフトウエアアルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエア機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法自然言語処理技術人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では、教師データの特徴をどう数値化するかを人間が定義する必要があったが、ディープラーニングではアルゴリズムによって教師データの特徴を数値化出来るなため、複雑な特徴を表現することが可能ニューラルネットワーク生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル教師データ機械学習を行う上で、学習の元となるデータCRM顧客関係管理(Customer Relationship Management(CRM))。顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムIoTInternet of Things の略称。コンピューターに限らず、家電製品や自動車等のハードウエア機器をインターネットに接続し、情報をやり取りすることで生まれるイノベーションの総称エンジンコンピューターを使用し、さまざまな情報処理を実行する機構
FY2021|5,874 文字|出典 docID: S100N53X
3 【事業の内容】当社グループ(当社、連結子会社12社、持分法適用関連会社2社を中心に構成)は、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュールを用いて、様々な社会課題を解決し社会へ付加価値を提供すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。技術分野としては、主に自然言語処理、音声解析、画像認識、機械学習/深層学習を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの提供を通じて、顧客企業の業務の自動化・半自動化を通じた業務効率化、またはサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現支援等を行っております。当社グループは、Mobility & MaaS事業、Cloud Intelligence事業から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示されています。 (1)Mobility & MaaS事業Smart City化に向けたリアル空間のオペレーションを知能化させていく領域において、画像認識に関わるアルゴリズムを活用した新たなサービス・商品の開発、アルゴリズムソフトウエアの販売を行っております。また、株式会社アイテックの有するIoT端末による情報収集から顧客への製品・サービス提供までのバリューチェーンを垂直統合することでアルゴリズムソフトウエアが提供する付加価値を最大化すべく、MaaS領域における様々な取り組みを行っております。 (2)Cloud Intelligence事業Cloud Intelligence事業では、デジタル空間上で行われる処理を知能化させていく取り組みを行っております。アルゴリズムの活用による既存ソフトウエアの高度化・効率化や、オペレーションのソフトウエア化といったニーズに対応するアルゴリズムソリューションを提供します。また汎用的なユースケースに対するアルゴリズムソフトウエアを、AI SaaSとして提供しております。 [アルゴリズムモジュールの内容と販売形態](1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは以下のとおりであります。アルゴリズムモジュール名機能利用用途(例)テキスト理解モジュール<Dialogue_1>テキストデータの意味理解例:テキスト内容を理解、テキストを 分類・類型化社内文書からの特定文書の抽出コールセンターログの分析・見える化対話モジュール<Dialogue_2>自然言語処理技術での対話・応答の制御例:最適な対話シナリオを選択、音声 認識への拡張も可能チャット上の自動対話ロボットとの自動対話画像/映像解析モジュール<Recognizer>画像・映像データ内の物体認識例:カメラ等のイメージングデバイス の知能化技術店頭カメラの自動認識機能推薦モジュール<Recommender>レコメンデーションによる情報出しわけ例:ユーザーの好みに合わせてコンテ ンツを推薦ECサイト上の商品推薦ウエブサイト上の情報推薦予測モジュール<Predictor>時系列情報に対して未来予測を行う例:過去の行動履歴からの行動予測ECサイトのユーザーの購買予測金融機関での与信スコアの構築異常検知モジュール<Detector>異常値の検知例:機器の故障検知、不適切コンテン ツの検知工場の検品処理の自動化・半自動化強化学習モジュール<Reinforcer>行動履歴から学習を行う例:行動履歴を解析し行動を選択する顧客シナリオの自動・半自動選択行動選択の自動・半自動化 アルゴリズムモジュールの販売形態は主に2つあり、一つは、顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエアに組み込むケース(以下、ケースA)であります。もう一つは、自社のソフトウエアに組み込み、アルゴリズムソフトウエアとして販売するケース(以下、ケースB)であります。なお、収益構造は、ケースA、ケースBのどちらの場合でも同様に、初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構成されております。ケースAすなわち、アルゴリズムモジュールを顧客企業のソフトウエアまたはハードウエアに組み込みご利用いただくケースにおいては、初期設定を行った後、当社グループのアルゴリズムモジュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。 (2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、アルゴリズムソフトウエアの販売という形態でサービス提供を行っております(ケースB)。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。 ① PKSHA Conversation領域 ユーザーから入力されたテキスト及び音声を認識し、当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。製品としては連結子会社の株式会社BEDOREが提供する「BEDORE Conversation BY PKSHA」や、同じく連結子会社の株式会社PRAZNAが提供する「OKBIZ.for FAQ BY PKSHA」などがあります。 ② PKSHA Automation領域 業務関連の質問として入力されたテキスト及び音声を当社システムにて認識し、自動で回答することで、社内業務の効率化/高度化を実現します。さらには業務部門に特化した自動化ソフトウエアを提供することで、ビジネスプロセスの自動化や生産性向上を実現します。製品としては連結子会社の株式会社BEDOREが提供する 「BEDORE Conversation for Workplace BY PKSHA」や 同じく連結子会社の株式会社アシリレラが提供するRPAソリューションなどがあります。 (3) アルゴリズムモジュールの技術的な特徴当社グループがアルゴリズム開発に用いる機械学習技術について、特徴を以下のとおりご説明いたします。機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、2012年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。 [一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い] このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。 (4)事業の特徴当社グループ事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。 ① パートナーシップ戦略:業界のリーディングカンパニーとの事業提携 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーディングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。 ② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。 ③ エンジニア・研究者の獲得・育成機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィックを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数を社員紹介によるリファラル採用を実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲得・育成を行っております。 ④ 組織構造等当社グループは、前述の通り、業界が持つニーズに対し、アルゴリズムを用いた自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しておりますが、それらを実現していく上でのアルゴリズムモジュール群を保有していること及びエンジニア中心の組織構造を構築している点が当社事業の独自性であると認識しております。 <事業系統図> 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語用語の定義アルゴリズムコンピューター上における問題を解くための手順・解き方アルゴリズムソリューションアルゴリズムを利用して企業における業務上のさまざまな問題点を解決することモジュール汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものアルゴリズムモジュールアルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたものアルゴリズムソフトウエアアルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエア機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法自然言語処理技術人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが教師データから特徴量を抽出できる技術・手法ニューラルネットワーク生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル特徴量教師データにどのような特徴があるかを数値化したもの教師データ機械学習を行う上で、学習の元となるデータCRM顧客関係管理(Customer Relationship Management(CRM))。顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法APIアプリケーション・プログラム・インターフェース(Application Program Interface)の略。アプリケーションと、プログラムの間のインターフェース。自己のソフトウエアを一部公開して、他のソフトウエアと機能を共有できるようにしたものASPアプリケーション・サービス・プロバイダ(Application Service Provider)の略。アプリケーションの機能をネットワーク経由で顧客に提供AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムIoTInternet of Things の略称。コンピューターに限らず、家電製品や自動車等のハードウエア機器をインターネットに接続し、情報をやり取りすることで生まれるイノベーションの総称エンジンコンピューターを使用し、さまざまな情報処理を実行する機構
FY2020|6,158 文字|出典 docID: S100KFNB
3 【事業の内容】当社グループ(当社、連結子会社8社、持分法適用関連会社1社を中心に構成)は、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュールを用いて、様々な社会課題を解決し社会へ付加価値を提供すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。技術分野としては、主に自然言語処理、音声解析、画像認識、機械学習/深層学習を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの提供を通じて、顧客企業の業務の半自動化・自動化を通じた業務効率化、またはサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現支援等を行っております。当社グループは、Mobility & MaaS事業、Cloud Intelligence事業から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示されています。 (1)Mobility & MaaS事業Mobility & MaaS事業では、SmartCity化に向けたリアル空間のオペレーションを知能化させていく領域において、画像/映像解析に関わるアルゴリズムモジュールの販売、アルゴリズムソフトウエア「HRUS」の販売を手掛けております(アルゴリズムモジュールおよびアルゴリズムソフトウエアの詳細については、後述[アルゴリズムモジュールの内容と販売形態]をご参照ください)。また、(株)アイテックを通じて、駐車場機器の製造販売及び駐車場管理運営事業等を行っております。 (2)Cloud Intelligence事業Cloud Intelligence事業では、デジタル空間上で行われる処理を知能化させていく領域において、アルゴリズムモジュールを活用したソリューションの提供およびアルゴリズムソフトウエア「BEDORE」、「CELLOR」の販売等を行っております。 [アルゴリズムモジュールの内容と販売形態](1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは以下のとおりであります。アルゴリズムモジュール名機能利用用途(例)テキスト理解モジュール<Dialogue_1>テキストデータの意味理解例:テキスト内容を理解、テキストを 分類・類型化社内文書からの特定文書の抽出コールセンターログの分析・見える化対話モジュール<Dialogue_2>自然言語処理技術での対話・応答の制御例:最適な対話シナリオを選択、音声 認識への拡張も可能チャット上の自動対話ロボットとの自動対話画像/映像解析モジュール<Recognizer>画像・映像データ内の物体認識例:カメラ等のイメージングデバイス の知能化技術店頭カメラの自動認識機能推薦モジュール<Recommender>レコメンデーションによる情報出しわけ例:ユーザーの好みに合わせてコンテ ンツを推薦ECサイト上の商品推薦ウエブサイト上の情報推薦予測モジュール<Predictor>時系列情報に対して未来予測を行う例:過去の行動履歴からの行動予測ECサイトのユーザーの購買予測金融機関での与信スコアの構築異常検知モジュール<Detector>異常値の検知例:機器の故障検知、不適切コンテン ツの検知工場の検品処理の自動化・半自動化強化学習モジュール<Reinforcer>行動履歴から学習を行う例:行動履歴を解析し行動を選択する顧客シナリオの自動・半自動選択行動選択の自動・半自動化 アルゴリズムモジュールの販売形態は主に2つあり、一つは、顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエアに組み込むケース(以下、ケースA)であります。もう一つは、自社のソフトウエアに組み込み、アルゴリズムソフトウエアとして販売するケース(以下、ケースB)であります。なお、収益構造は、ケースA、ケースBのどちらの場合でも同様に、初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構成されております。ケースAすなわち、アルゴリズムモジュールを顧客企業のソフトウエアまたはハードウエアに組み込みご利用いただくケースにおいては、初期設定を行った後、当社グループのアルゴリズムモジュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。 (2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、アルゴリズムソフトウエアの販売という形態でサービス提供を行っております(ケースB)。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。 ① CELLOR(セラー)「CELLOR」は、機械学習技術を用いたCRMソリューションであります。小売業やサービス業など、優良顧客の離反防止や新規顧客のロイヤル化を目的としたCRMソリューションを提供しております。データ分析に多くの時間やコストをかけていたものについて、自動化または半自動化することによりデータ分析の時間やコストが削減できるのみならず、分析結果を基に、ユーザーに広告等を配信することにより優良顧客の離反防止や新規顧客のロイヤル化を行っております。 ② HRUS(ホルス)「HRUS」は、業界や使途の特化型の深層学習技術を用いた画像・動画像の識別エンジンであり、企業向けに販売を行っております。今後、様々な業界・領域にカメラを中心としたイメージング機器が普及していくと想定されておりますが、それらの様々なイメージング機器と連携して動作し、物体検知や物体認識を実現することでイメージング機器のサービス品質を高め、サービスモデルの変革を支援します。なお、業界や使途を特化することにより、汎用型の画像・動画像の識別エンジンに比べて、特定の業界や使途において、高い画像・動画像の識別精度の実現を目指しております。 ③ BEDORE(ベドア)連結子会社である株式会社BEDOREにて提供している「BEDORE」は、チャット対応・FAQ対応の自動化ソリューションであります。ユーザーから入力されたテキストおよび音声を認識し、当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。 このように、各業界が持つニーズに対し、アルゴリズムを用いた自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しております。 (3) アルゴリズムモジュールの技術的な特徴当社グループが開発しているアルゴリズムには主に機械学習技術が用いられており、当社の事業の特徴を説明するために機械学習技術の内容を以下のとおりご説明いたします。機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、2012年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。 [一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い] このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。 (4)事業の特徴当社グループ事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。 ① パートナーシップ戦略:業界のリーディングカンパニーとの事業提携 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーディングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。 ② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。 ③ エンジニア・研究者の獲得・育成機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィックを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数を社員紹介によるリファラル採用を実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲得・育成を行っております。 ④ 組織構造等当社グループは、前述の通り、業界が持つニーズに対し、アルゴリズムを用いた自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しておりますが、それらを実現していく上でのアルゴリズムモジュール群を保有していること及びエンジニア中心の組織構造を構築している点が当社事業の独自性であると認識しております。 <事業系統図> 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語用語の定義アルゴリズムコンピューター上における問題を解くための手順・解き方アルゴリズムソリューションアルゴリズムを利用して企業における業務上のさまざまな問題点を解決することモジュール汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものアルゴリズムモジュールアルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたものアルゴリズムソフトウエアアルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエア機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法自然言語処理技術人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが教師データから特徴量を抽出できる技術・手法ニューラルネットワーク生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル特徴量教師データにどのような特徴があるかを数値化したもの教師データ機械学習を行う上で、学習の元となるデータCRM顧客関係管理(Customer Relationship Management(CRM))。顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法APIアプリケーション・プログラム・インターフェース(Application Program Interface)の略。アプリケーションと、プログラムの間のインターフェース。自己のソフトウエアを一部公開して、他のソフトウエアと機能を共有できるようにしたものASPアプリケーション・サービス・プロバイダ(Application Service Provider)の略。アプリケーションの機能をネットワーク経由で顧客に提供AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムIoTInternet of Things の略称。コンピューターに限らず、家電製品や自動車等のハードウエア機器をインターネットに接続し、情報をやり取りすることで生まれるイノベーションの総称エンジンコンピューターを使用し、さまざまな情報処理を実行する機構
FY2019|6,255 文字|出典 docID: S100HNJU
3 【事業の内容】当社グループ(当社、連結子会社10社、持分法適用関連会社1社を中心に構成)は、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュールを用いて、様々な社会課題を解決し社会へ付加価値を提供すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの提供を通じて、顧客企業の業務の半自動化・自動化を通じた業務効率化、またはサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現支援等を行っております。当社グループは、Mobility&MaaS事業、Cloud Intelligence事業から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示されています。また、当連結会計年度よりセグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 (1)Mobility&MaaS事業Mobility&MaaS事業では、SmartCity化に向けたリアル空間のオペレーションを知能化させていく領域において、画像/映像解析に関わるアルゴリズムモジュールの販売、アルゴリズムソフトウエア「Hrus」の販売を手掛けております(アルゴリズムモジュールおよびアルゴリズムソフトウエアの詳細については、後述[アルゴリズムモジュールの内容と販売形態]をご参照ください)。また、2019年7月から連結子会社となった(株)アイドアを通じて、駐車場機器の製造販売及び駐車場管理運営事業等を行っております。 (2)Cloud Intelligence事業Cloud Intelligence事業では、デジタル空間上で行われる処理を知能化させていく領域において、アルゴリズムモジュールの販売およびアルゴリズムソフトウエア「BEDORE」、「CELLOR」の販売等を行っております。 [アルゴリズムモジュールの内容と販売形態](1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは以下のとおりであります。 アルゴリズムモジュール名機能利用用途(例)テキスト理解モジュール<Dialogue_1>テキストデータの意味理解例:テキスト内容を理解、テキストを 分類・類型化社内文書からの特定文書の抽出コールセンターログの分析・見える化対話モジュール<Dialogue_2>自然言語処理技術での対話・応答の制御例:最適な対話シナリオを選択、音声 認識への拡張も可能チャット上の自動対話ロボットとの自動対話画像/映像解析モジュール<Recognizer>画像・映像データ内の物体認識例:カメラ等のイメージングデバイス の知能化技術店頭カメラの自動認識機能推薦モジュール<Recommender>レコメンデーションによる情報出しわけ例:ユーザーの好みに合わせてコンテ ンツを推薦ECサイト上の商品推薦ウエブサイト上の情報推薦予測モジュール<Predictor>時系列情報に対して未来予測を行う例:過去の行動履歴からの行動予測ECサイトのユーザーの購買予測金融機関での与信スコアの構築異常検知モジュール<Detector>異常値の検知例:機器の故障検知、不適切コンテン ツの検知工場の検品処理の自動化・半自動化強化学習モジュール<Reinforcer>行動履歴から学習を行う例:行動履歴を解析し行動を選択する顧客シナリオの自動・半自動選択行動選択の自動・半自動化 アルゴリズムモジュールの販売形態は2つあり、一つは、顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエアに組み込むケース(以下、ケースA)であります。もう一つは、自社のソフトウエアに組み込み、アルゴリズムソフトウエアとして販売するケース(以下、ケースB)であります。なお、収益構造は、ケースA、ケースBのどちらの場合でも同様に、初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構成されております。ケースAすなわち、アルゴリズムモジュールを顧客企業のソフトウエアまたはハードウエアに組み込みご利用いただくケースにおいては、初期設定を行った後、当社グループのアルゴリズムモジュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。 (2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、アルゴリズムソフトウエアの販売という形態でサービス提供を行っております(ケースB)。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。 ① CELLOR(セラー)「CELLOR」は、機械学習技術を用いたCRMソリューションであります。小売業やサービス業など、優良顧客の離反防止や新規顧客のロイヤル化を目的としたCRMソリューションを提供しております。データ分析に多くの時間やコストをかけていたものについて、自動化または半自動化することによりデータ分析の時間やコストが削減できるのみならず、分析結果を基に、ユーザーに広告等を配信することにより優良顧客の離反防止や新規顧客のロイヤル化を行っております。 ② HRUS(ホルス)「HRUS」(旧PKSHA Vertical Visionを2018年10月に改称)は、業界や使途の特化型の深層学習技術を用いた画像・動画像の識別エンジンであり、企業向けに販売を行っております。今後、様々な業界・領域にカメラを中心としたイメージング機器が普及していくと想定されておりますが、それらの様々なイメージング機器と連携して動作し、物体検知や物体認識を実現することでイメージング機器のサービス品質を高め、サービスモデルの変革を支援します。なお、業界や使途を特化することにより、汎用型の画像・動画像の識別エンジンに比べて、特定の業界や使途において、高い画像・動画像の識別精度の実現を目指しております。 ③ BEDORE(ベドア)連結子会社である株式会社BEDOREにて提供している「BEDORE」は、チャット対応・FAQ対応の自動化ソリューションであります。当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。 このように、各業界が持つニーズに対し、アルゴリズムを用いた自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しております。 (3) アルゴリズムモジュールの技術的な特徴当社グループが開発しているアルゴリズムには主に機械学習技術が用いられており、当社の事業の特徴を説明するために機械学習技術の内容を以下のとおりご説明いたします。機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、2012年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。 [一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い] このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。 (4)事業の特徴当社グループ事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。 ① パートナーシップ戦略:業界のリーディングカンパニーとの事業提携 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーディングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。 ② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。 ③ エンジニア・研究者の獲得・育成機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィックを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数を社員紹介によるリファラル採用を実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲得・育成を行っております。 ④ 組織構造等当社グループは、前述の通り、業界が持つニーズに対し、アルゴリズムを用いた自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しておりますが、それらを実現していく上でのアルゴリズムモジュール群を保有していること及びエンジニア中心の組織構造を構築している点が当社事業の独自性であると認識しております。 <事業系統図> 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語用語の定義アルゴリズムコンピューター上における問題を解くための手順・解き方アルゴリズムソリューションアルゴリズムを利用して企業における業務上のさまざまな問題点を解決することモジュール汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものアルゴリズムモジュールアルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたものアルゴリズムソフトウエアアルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエア機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法自然言語処理技術人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが教師データから特徴量を抽出できる技術・手法ニューラルネットワーク生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル特徴量教師データにどのような特徴があるかを数値化したもの教師データ機械学習を行う上で、学習の元となるデータCRM顧客関係管理(Customer Relationship Management(CRM))。顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法APIアプリケーション・プログラム・インターフェース(Application Program Interface)の略。アプリケーションと、プログラムの間のインターフェース。自己のソフトウエアを一部公開して、他のソフトウエアと機能を共有できるようにしたものASPアプリケーション・サービス・プロバイダ(Application Service Provider)の略。アプリケーションの機能をネットワーク経由で顧客に提供AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムIoTInternet of Things の略称。コンピューターに限らず、家電製品や自動車等のハードウエア機器をインターネットに接続し、情報をやり取りすることで生まれるイノベーションの総称エンジンコンピューターを使用し、さまざまな情報処理を実行する機構
FY2018|6,790 文字|出典 docID: S100ETU6
3 【事業の内容】当社グループは、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュール(後述「(1)当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて」をご参照ください)を用いたアルゴリズムライセンス事業を展開しております。 当社は、下記の4つのステップでデジタル技術が社会に普及していくと考えており、知的な処理を行う未来のソフ トウエアが社会に普及していくと考えております。技術的には、平成24年の機械学習技術の研究分野で起こった技術 革新すなわち「深層学習技術」の登場を機に、インターネットに接続されたソフトウエアが、アルゴリズムに置き換 わりはじめており、ソフトウエアが以前よりも知的な処理を行うようになってきていると考えております。現在はア ルゴリズムの時代の黎明期にあると考えており、今後、より知的な処理を行うソフトウエアが増加し社会に普及して いくと考えております。 また、社会的背景からも、アルゴリズムを用いたソフトウエアのニーズが高まっていると考えております。第一に、国内においては、労働人口が減少するなか、人が行っている業務をソフトウエアに置き換えることで、労働生産性を維持・向上させる社会的要請が高まっております。 第二に、アルゴリズムが学習するデータ量も増加すると考えられ、様々なIoT端末から収集されるデータはアルゴリ ズムソフトウエアに入力され、アルゴリズムの品質は中長期に高まり続ける構造を持ち、社会のアルゴリズムソフト ウエアの活用ニーズはより一層高まると考えております。当社グループは、アルゴリズムライセンス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。 <アルゴリズムライセンス事業の概要>当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの提供を通じて、顧客企業の業務の半自動化・自動化を通じた業務効率化、またはサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現を支援しております。 アルゴリズムモジュールの販売形態は2つあり、一つは、顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエア に組み込むケース(以下、ケースA)であります。もう一つは、自社のソフトウエアに組み込み、アルゴリズムソフ トウエアとして販売するケース(以下、ケースB)であります。なお、収益構造は、ケースA、ケースBのどちらの 場合でも同様に、初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構 成されております。 2つの販売形態の売上構成は下記の通りであります。構成第5期第6期金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)ケースA:アルゴリズムモジュール529,008135.8724,121136.9ケースB:アルゴリズムソフトウエア405,048577.3779,387192.4合計934,057203.21,503,509161.0 [アルゴリズムモジュールの内容と販売形態](1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは以下のとおりであります。 アルゴリズムモジュール名機能利用用途(例)テキスト理解モジュール<Dialogue_1>テキストデータの意味理解例:テキスト内容を理解、テキストを分 類・類型化社内文書からの特定文書の抽出コールセンターログの分析・見える化対話モジュール<Dialogue_2>自然言語処理技術での対話・応答の制御例:最適な対話シナリオを選択、音声認 識への拡張も可能チャット上の自動対話ロボットとの自動対話画像/映像解析モジュール<Recognizer>画像・映像データ内の物体認識例:カメラ等のイメージングデバイスの 知能化技術店頭カメラの自動認識機能推薦モジュール<Recommender>レコメンデーションによる情報出しわけ例:ユーザーの好みに合わせてコンテン ツを推薦ECサイト上の商品推薦ウエブサイト上の情報推薦予測モジュール<Predictor>時系列情報に対して未来予測を行う例:過去の行動履歴からの行動予測ECサイトのユーザーの購買予測金融機関での与信スコアの構築異常検知モジュール<Detector>異常値の検知例:機器の故障検知、不適切コンテンツ の検知工場の検品処理の自動化・半自動化強化学習モジュール<Reinforcer>行動履歴から学習を行う例:行動履歴を解析し行動を選択する顧客シナリオの自動・半自動選択行動選択の自動・半自動化 アルゴリズムモジュールの利用ケースA、つまり、アルゴリズムモジュールを顧客企業のソフトウエアまたはハ ードウエアに組み込みご利用いただくケースにおいては、初期設定を行った後、当社グループのアルゴリズムモジ ュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。本ケースにおいて当社グループのアルゴリ ズムモジュールを利用する顧客企業は、金融、電力、広告、卸売、小売、情報通信、製造、サービスなど多岐に渡 っております。 (2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、アルゴリズムソフトウエアの販売(ケースB)という形態でサービス提供を行っております。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。 ① CELLOR(セラー)「CELLOR」は、機械学習技術を用いたCRMソリューションであります。小売業やサービス業など、優良顧客の離反防止や新規顧客のロイヤル化を目的としたCRMソリューションを提供しております。データ分析に多くの時間やコストをかけていたものについて、自動化または半自動化することによりデータ分析の時間やコストが削減できるのみならず、分析結果を基に、ユーザーに広告等を配信することにより優良顧客の離反防止や新規顧客のロイヤル化を行っております。 ② HRUS(ホルス) 「HRUS」(旧PKSHA Vertical Visionを平成30年10月に改称)は、業界や使途の特化型の深層学習技術を用い た画像・動画像の識別エンジンであり、企業向けに販売を行っております。今後、様々な業界・領域にカメラを中 心としたイメージング機器が普及していくと想定されておりますが、それらの様々なイメージング機器と連携して 動作し、物体検知や物体認識を実現することでイメージング機器のサービス品質を高め、サービスモデルの変革を 支援します。なお、業界や使途を特化することにより、汎用型の画像・動画像の識別エンジンに比べて、特定の業 界や使途において、高い画像・動画像の識別精度の実現を目指しております。 ③ BEDORE(ベドア)連結子会社である株式会社BEDOREにて提供している「BEDORE」は、チャット対応・FAQ対応の自動化ソリューションであります。当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。 このように、各業界が持つニーズに対し、アルゴリズムを用いた自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しております。 (3) アルゴリズムライセンス事業の技術的な特徴当社グループが開発しているアルゴリズムには主に機械学習技術が用いられており、当社の事業の特徴を説明するために機械学習技術の内容を以下のとおりご説明いたします。機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、平成24年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。 [一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い] このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。 当社グループは、既存のソフトウエアの大部分は、長い目で見るとこのような手法により構築されるアルゴリ ズムソフトウエアに置き換わっていくと考えており、研究開発と市場ニーズとのタイミングがあった業界での社 会実装を加速しております。また、市場拡大や人口減少に伴い各業界の就業人口が不足するタイミングや業界動 向、業界ニーズに合わせて柔軟に対応し、アルゴリズムソフトウエアを市場投入していく方針でおります。 (4)アルゴリズムライセンス事業の特徴当社グループのアルゴリズムライセンス事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。 ① パートナーシップ戦略:業界のリーデイングカンパニーとの事業提携 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーデイングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。 ② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。 ③ エンジニア・研究者の獲得・育成 機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィッ クを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業 においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数を社員紹介によるリファラル採用を 実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲 得・育成を行っております。 ④ 組織構造等当社グループは、前述の通り、業界が持つニーズに対し、アルゴリズムを用いた自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しておりますが、それらを実現していく上でのアルゴリズムモジュール群を保有していること及びエンジニア中心の組織構造を構築している点が当社事業の独自性であると認識しております。 <事業系統図> 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語用語の定義アルゴリズムコンピューター上における問題を解くための手順・解き方アルゴリズムソリューションアルゴリズムを利用して企業における業務上のさまざまな問題点を解決することモジュール汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものアルゴリズムモジュールアルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたものアルゴリズムソフトウエアアルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエア機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法自然言語処理技術人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが教師データから特徴量を抽出できる技術・手法ニューラルネットワーク生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル特徴量教師データにどのような特徴があるかを数値化したもの教師データ機械学習を行う上で、学習の元となるデータCRM顧客関係管理(Customer Relationship Management(CRM))。顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法APIアプリケーション・プログラム・インターフェース(Application Program Interface)の略。アプリケーションと、プログラムの間のインタフェース。自己のソフトウエアを一部公開して、他のソフトウエアと機能を共有できるようにしたものASPアプリケーション・サービス・プロバイダ(Application Service Provider)の略。アプリケーションの機能をネットワーク経由で顧客に提供AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムIoTInternet of Things の略称。コンピューターに限らず、家電製品や自動車等のハードウエア機器をインターネットに接続し、情報をやり取りすることで生まれるイノベーションの総称エンジンコンピューターを使用し、さまざまな情報処理を実行する機構
FY2017|7,508 文字|出典 docID: S100C1BL
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社である株式会社BEDOREの計2社で構成されております。当社グループでは、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュール(後述「(1)当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて」をご参照ください)を用いたアルゴリズムライセンス事業を展開しております。当社は、下記の4つのステップでデジタル技術が社会に普及していくと考えており、知的な処理を行う未来のソフトウエアが社会に普及していくと考えております。技術的には、平成24年の機械学習技術の研究分野で起こった技術革新すなわち「深層学習技術」の登場を機に、インターネットに接続されたソフトウエアが、アルゴリズムに置き換わりはじめており、ソフトウエアが以前よりも知的な処理を行うようになってきていると考えております。平成29年現在はアルゴリズムの時代の黎明期にあると考えており、今後、より知的な処理を行うソフトウエアが増加し社会に普及していくと考えております。 また、社会的背景からも、アルゴリズムを用いたソフトウエアのニーズが高まっていると考えております。第一に、国内においては、人口が減少しており2030年には1.16億人、2055年には0.8億人まで減少すると予想されております(出所:総務省統計局「日本の統計2017 人口の推移将来人口」)。労働人口が減少するなか、人が行っている業務をソフトウエアに置き換えることで、労働生産性を維持・向上させる社会的要請が高まっております。現在、日本の労働人口の約49%に、アルゴリズムを用いたソフトウエアによる代替可能性があると言われており(出所:野村総合研究所「ニュースリリース」平成27年12月)、アルゴリズムソフトウエアが活用される領域は中長期的に拡大し続けると考えております。第二に、アルゴリズムが学習するデータ量も増加すると考えられ、国内のIoT市場売上規模は、2015年の約6.2兆円から、2020年には約13.8兆円に達すると予測されております(出所:IDC Japan 株式会社「国内IoT市場 テクノロジー別予測、2016年~2020年」)。様々なIoT端末から収集されるデータはアルゴリズムソフトウエアに入力され、アルゴリズムの品質は中長期に高まり続ける構造を持ち、社会のアルゴリズムソフトウエアの活用ニーズはより一層高まると考えております。当社グループは、アルゴリズムライセンス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。 <アルゴリズムライセンス事業の概要>当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの提供を通じて、顧客企業の業務の半自動化・自動化を通じた業務効率化、またはサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現を支援しております。アルゴリズムモジュールの販売形態は2つあり、一つは、顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエアに組み込むケース(以下、ケースA)であります。もう一つは、自社のソフトウエアに組み込み、アルゴリズムソフトウエアとして販売するケース(以下、ケースB)であります。なお、収益構造は、ケースA、ケースBのどちらの場合でも同様に、初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構成されております。 2つの販売形態の売上構成は下記の通りであります。構成第4期第5期金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)(注)ケースA:アルゴリズムモジュール 389,506133.2%529,008135.8%ケースB:アルゴリズムソフトウエア70,158 -405,048577.3%合計 459,665157.2%934,057203.2% (注)平成29年9月期より連結財務諸表を作成しているため、平成28年9月期の個別財務諸表をもとに前年同期比を算出しております。 [アルゴリズムモジュールの内容と販売形態](1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは以下のとおりであります。 アルゴリズムモジュール名機能利用用途(例)テキスト理解モジュール<Dialogue_1>テキストデータの意味理解例:テキスト内容を理解、テキストを分 類・類型化社内文書からの特定文書の抽出コールセンターログの分析・見える化対話モジュール<Dialogue_2>自然言語処理技術での対話・応答の制御例:最適な対話シナリオを選択、音声認 識への拡張も可能チャット上の自動対話ロボットとの自動対話画像/映像解析モジュール<Recognizer>画像・映像データ内の物体認識例:カメラ等のイメージングデバイスの 知能化技術店頭カメラの自動認識機能推薦モジュール<Recommender>レコメンデーションによる情報出しわけ例:ユーザーの好みに合わせてコンテン ツを推薦ECサイト上の商品推薦ウエブサイト上の情報推薦予測モジュール<Predictor>時系列情報に対して未来予測を行う例:過去の行動履歴からの行動予測ECサイトのユーザーの購買予測金融機関での与信スコアの構築異常検知モジュール<Detector>異常値の検知例:機器の故障検知、不適切コンテンツ の検知工場の検品処理の自動化・半自動化強化学習モジュール<Reinforcer>行動履歴から学習を行う例:行動履歴を解析し行動を選択する顧客シナリオの自動・半自動選択行動選択の自動・半自動化 アルゴリズムモジュールの利用ケースA、つまり、アルゴリズムモジュールを顧客企業のソフトウエアまたはハードウエアに組み込みご利用いただくケースにおいては、初期設定を行った後、当社グループのアルゴリズムモジュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。本ケースにおいて当社グループのアルゴリズムモジュールを利用する顧客企業は、金融、電力、広告、小売、医療、製造、セキュリティなど多岐に渡っております。 (2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、アルゴリズムソフトウエアの販売(ケースB)という形態でサービス提供を行っております。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。 ① CELLOR(セラー)「CELLOR」は、機械学習技術を用いたCRMソリューションであります。小売業やサービス業など、優良顧客の離反防止や新規顧客のロイヤル化を目的としたCRMソリューションを提供しております。データ分析に多くの時間やコストをかけていたものについて、自動化または半自動化することによりデータ分析の時間やコストが削減できるのみならず、分析結果を基に、ユーザーに広告等を配信することにより優良顧客の離反防止や新規顧客のロイヤル化を行っております。 ② PKSHA Vertical Vision(パークシャヴァーティカルビジョン)「PKSHA Vertical Vision」は、業界や使途の特化型(Vertical型)の深層学習技術を用いた画像・動画像の識別エンジンであり、企業向けに販売を行っております。今後、様々な業界・領域にカメラを中心としたイメージング機器が普及していくと想定されておりますが、それらの様々なイメージング機器と連携して動作し、物体検知や物体認識を実現することでイメージング機器のサービス品質を高め、サービスモデルの変革を支援します。なお、業界や使途を特化することにより、汎用型の画像・動画像の識別エンジンに比べて、特定の業界や使途において、高い画像・動画像の識別精度の実現を目指しております。 ③ BEDORE(ベドア)連結子会社である株式会社BEDOREにて提供している「BEDORE」は、チャット対応・FAQ対応の自動化ソリューションであります。当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。 アルゴリズムソフトウエア名内容使用しているアルゴリズムモジュール利用用途(例)機械学習技術を用いたCRMソリューション 推薦モジュール強化学習モジュールモバイルアプリを用いたデータ分析の自動化、また分析結果を用いたユーザーへの広告等の配信領域特化型の動画像認識エンジン画像/映像解析モジュール異常検知モジュール店頭カメラの自動認識機能等の知能化・自動化自然言語処理技術を用いた汎用型対話エンジン対話モジュールテキスト理解モジュール推薦モジュールコールセンター接客対応の自動化・半自動化 このように、各業界が持つニーズに対し、アルゴリズムを用いた自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しております。 (3) アルゴリズムライセンス事業の技術的な特徴当社グループが開発しているアルゴリズムには主に機械学習技術が用いられており、当社の事業の特徴を説明するために機械学習技術の内容を以下のとおりご説明いたします。機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、平成24年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。 [一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い] このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。当社グループは、既存のソフトウエアの大部分は、長い目で見るとこのような手法により構築されるアルゴリズムソフトウエアに置き換わっていくと考えており、研究開発と市場ニーズとのタイミングがあった業界での社会実装を加速しております。また、市場拡大や人口減少に伴い各業界の就業人口が不足するタイミングや業界動向、業界ニーズに合わせて柔軟に対応し、アルゴリズムソフトウエアを市場投入していく方針でおります。 (4)アルゴリズムライセンス事業の特徴当社グループのアルゴリズムライセンス事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。 ① パートナーシップ戦略:業界のリーデイングカンパニーとの事業提携 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーデイングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。 ② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。 ③ エンジニア・研究者の獲得・育成機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィックを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数(本書提出日現在、設立時から累計で73.0%)を社員紹介によるリファラル採用を実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲得・育成を行っております。 ④ 組織構造等当社グループは、前述の通り、業界が持つニーズに対し、アルゴリズムを用いた自動化や高品質化が実現できる領域に対しての解決方法を各アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで、効果的・効率的に実現することを目指しておりますが、それらを実現していく上でのアルゴリズムモジュール群を保有していること及びエンジニア中心の組織構造を構築している点(本書提出日現在、全従業員に占めるエンジニアの割合は87.5%)が当社事業の独自性であると認識しております。 <事業系統図> 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語用語の定義アルゴリズムコンピューター上における問題を解くための手順・解き方アルゴリズムソリューションアルゴリズムを利用して企業における業務上のさまざまな問題点を解決することモジュール汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものアルゴリズムモジュールアルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたものアルゴリズムソフトウエアアルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエア機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法自然言語処理技術人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが教師データから特徴量を抽出できる技術・手法ニューラルネットワーク生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル特徴量教師データにどのような特徴があるかを数値化したもの教師データ機械学習を行う上で、学習の元となるデータCRM顧客関係管理(Customer Relationship Management(CRM))。顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法APIアプリケーション・プログラム・インターフェース(Application Program Interface)の略。アプリケーションと、プログラムの間のインタフェース。自己のソフトウエアを一部公開して、他のソフトウエアと機能を共有できるようにしたものASPアプリケーション・サービス・プロバイダ(Application Service Provider)の略。アプリケーションの機能をネットワーク経由で顧客に提供AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムIoTInternet of Things の略称。コンピューターに限らず、家電製品や自動車等のハードウエア機器をインターネットに接続し、情報をやり取りすることで生まれるイノベーションの総称エンジンコンピューターを使用し、さまざまな情報処理を実行する機構