事業の概要
- クラウドサービス事業企業向けの業務効率化を支援する多様なクラウドサービスを自社で企画・開発・運用しています。例えば、経費精算システム「楽楽精算」や電子請求書発行システム「楽楽明細」などがあり、これらのサービスを通じて企業のデジタル化と成長を継続的にサポートし、収益を得ています。
- IT人材派遣事業ITエンジニアに特化した正社員派遣サービスを提供しています。創業時のITエンジニアスクールのノウハウを活かし、質の高いITエンジニアを育成・派遣することで、顧客企業のシステム開発やインフラ構築・運用などを支援し、派遣料を収益としています。
- 顧客視点でのサービス改善クラウドサービスでは、ITに不慣れな顧客でも直感的に使えることを目指し、営業部門やカスタマーサクセス部門が顧客の要望を直接収集し、開発部門にフィードバックすることで、操作性の改善や機能追加を繰り返し行い、顧客満足度を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- クラウドサービス事業企業の業務効率化を支援する様々なクラウドサービスを提供しており、売上高は418.62億円、営業利益は93.65億円と、当社グループの主要な収益源となっています。経費精算システム「楽楽精算」や電子請求書発行システム「楽楽明細」などが主力製品です。
- IT人材事業ITエンジニアの派遣サービスを提供しており、売上高は70.41億円、営業利益は8.27億円です。システム開発、インフラ構築・運用、機械学習、品質管理といった専門分野のITエンジニアを顧客企業に派遣しています。
- 事業構成当社グループは主にクラウドサービス事業とIT人材事業の2つのセグメントで構成されており、クラウドサービス事業が売上・利益ともに大部分を占める稼ぎ頭となっています。IT人材事業は、ITエンジニアの育成ノウハウを活かし、高付加価値なサービスを提供しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| CloudService | 事業 | 419 | 94 | 22.4% |
| HumanResource | 事業 | 70 | 8 | 11.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、当連結会計年度末において当社及び連結子会社3社(注1)により構成されており、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」をミッションに掲げ、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献していきます。 具体的には、企業の業務効率化等に貢献するさまざまなクラウドサービスを提供するクラウド事業と、システム開発、インフラ構築・運用、機械学習、品質管理を中心にITエンジニアを派遣するIT人材事業を行っています。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)クラウド事業 当事業では、経費精算システム「楽楽精算」、電子請求書発行システム「楽楽明細」、販売管理システム「楽楽販売」、勤怠管理システム「楽楽勤怠」、メール共有・管理システム「Mail Dealer」、メールマーケティングサービス「配配メール」等の、企業の業務効率化、高付加価値化に貢献するさまざまなクラウドサービスを、自社で企画・開発・運用しております。 ITに不慣れなお客様でもマニュアルを読むことなく直感的に扱えるサービスを理想として、システム開発、Webデザイン、マーケティング、カスタマーサポート、カスタマーサクセスによる能動的な支援を一貫してグループ内で行える体制を整えております。また、営業部門やカスタマーサクセス部門が直接お客様のご要望を収集し、開発部門にフィードバックすることにより、操作性の改善や機能追加等のバージョンアップを繰り返し、お客様視点を重視した使いやすいサービスを提供しております。 当社グループの主なクラウドサービスは次のとおりです。① 経費精算システム「楽楽精算」 「楽楽精算」は、経費精算に関わる業務を効率化するシステムです。経費の申請から仕訳まで一連の流れをデータ化し、書類管理に必要な時間を削減します。さらに、申請時の規定違反やミスをシステム上で防止することにより、経理担当者の確認業務が軽減され、経費精算業務の効率化を実現します。 ② 電子請求書発行システム「楽楽明細」 「楽楽明細」は、請求書をはじめとした帳票発行業務を効率化するシステムです。請求書の送付方法を電子データ・郵送・FAXから選択できるため導入のハードルが低く、帳票データをシステムに取り込むだけで請求書の作成・送付が完結します。電子発行した請求書は受け取り状況の確認もでき、経理担当者への負荷が大きい業務の効率化を実現します。 ③ 販売管理システム「楽楽販売」 「楽楽販売」は、スプレッドシートや紙で管理している販売管理業務を効率化するシステムです。データベースとワークフローを組み合わせてノーコードで簡単にカスタマイズでき、使いながら改善していくことも可能です。ルーチンワークの自動化、リアルタイムでの情報共有により業務の効率化を実現します。 ④ 勤怠管理システム「楽楽勤怠」 「楽楽勤怠」は、勤怠管理業務を効率化するシステムです。自動アラートで誤りを通知し、ミスのない勤怠データを収集。休暇取得状況を同時に管理し勤怠データの統合作業が不要となっています。また、顧客企業の独自ルールや法律に則り、残業時間の自動集計が可能。有給休暇・残業時間の状況をリアルタイムに確認し、タイミングを指定した通知も可能としており、人事・労務担当者の業務効率化を実現します。 ⑤ メール共有・管理システム「Mail Dealer」 「Mail Dealer」は、メールでの問い合わせをチーム内で一元管理・共有することで、カスタマーサポート業務を効率化するシステムです。返信の重複や対応漏れといったミスを削減し、対応履歴の一覧化によりスムーズな引継ぎを行えます。 ⑥ メールマーケティングサービス「配配メール」 「配配メール」は、メールマーケティングを効率化するシステムです。グループ別や属性別に配信が可能で、クリック数のカウント、開封チェック、レポートのグラフ表示等、メールマーケティングの効果測定に不可欠な分析機能も備えています。開封チェック機能を活用して追加でメールを送る機能もあり、効果測定機能を活用したメールマーケティングの効率化を実現します。 (2)IT人材事業 当事業では、ITエンジニアに特化した正社員派遣サービスを提供しております。その特長は、創業時に事業としていたITエンジニアスクールの人材育成ノウハウを最大限に活用し、体系的かつ継続的にITエンジニアの品質を向上させることです。また、営業担当、育成担当が定期的に開催される社内研修やイベント等を通じてITエンジニアとのコミュニケーションを密にとることにより、個々の特性を理解した上で、顧客企業のニーズに対して最適な提案を行っております。この仕組みにより当社サービスの高付加価値化と稼働率の向上を実現しております。 当社グループの提供する派遣サービスは次のとおりです。① システム開発 顧客企業のWebアプリケーション開発を中心としたシステム開発支援を行っております。具体的には、システム開発の全ての工程(基本・詳細設計、コーディング、単体・結合テスト、ドキュメント作成)に対してサービスを提供しております。 ② インフラ構築・運用 顧客企業のサーバー構築、ネットワーク構築、サポート保守業務支援を行っております。特に、Linux/Unix(注2、3)系サーバー技術全般と、TCP/IP(注4)等のネットワーク技術全般、ならびにAWS(注5)等の主要クラウドサービスを活用したインフラ構築・運用業務に強みを持っております。また、インフラの設計構築、運用設計、保守・運用、監視等、各種の工程へサービスを提供しております。 ③ 機械学習 人工知能(AI)、ディープラーニング、機械学習関連プロジェクトに対して、機械学習モデルの構築、データ分析やデータ前処理、分析基盤構築などの工程を支援する人材サービスを提供しております。 ④ 品質管理 顧客企業のシステムやアプリケーションに対して、テスト計画からテスト設計、実施にわたる品質管理業務をテスト技法やテストツール、自動化ツールを用いて支援する人材サービスを提供しております。 (注)1.2025年4月9日付でインドネシア現地法人、PT. Reformasi Kerja Solusiを設立しており、本書提出日現在の連結子会社数は4社となっております。2.「Linux」とは、1991年にフィンランドのリーナス・トーバルズ氏が開発したUnix互換のオープンソースOSである。サーバー、スーパーコンピューター、スマートフォンなど幅広い機器の基本ソフトウェアとして採用されている。3.「Unix」とは、1969年に米国AT&T社ベル研究所で開発されたOSである。その設計思想を継承した派生OSが多数存在し、これらを総称してUnix系OSまたはUnixライクOSと呼ぶ。4.「TCP/IP」とは、インターネット通信の標準プロトコル群であり、TCP(Transmission Control Protocol)が信頼性制御を、IP(Internet Protocol)が経路制御を担う。現在のインターネット通信の基盤となっている。5.「AWS」とは、米国Amazon.com, Inc.が提供するクラウドコンピューティングサービス群であり、仮想サーバー、ストレージ、データベース、AIなどをオンデマンドで提供する。[事業系統図](注)PT. Reformasi Kerja Solusiは、当連結会計年度末において連結子会社ではありませんが、2025年4月9日付で当社の完全子会社として設立されているため、事業系統図に記載しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 特定領域での先行者メリットと高い市場シェアを活かしつつ、顧客ニーズに合ったサービス開発で優位性を高めているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 クラウドサービスの新規参入の技術的な障壁は必ずしも高くないが、市場の成熟に伴い競争が激化している。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経営環境の変化 / 競合他社による影響 / 特定の製品への依存リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
楽ラップは、野村アセットマネジメントが運用するロボアドバイザーであり、そのブランド力と運用ノウハウは無形資産となる。また、個人投資家向けのサービスとして、一定の信頼と認知を得ている。ただし、競合サービスも多く、絶対的な独占性はない。
スイッチングコスト★★★☆☆
楽ラップは、顧客が一度設定したポートフォリオや運用方針を、他のロボアドバイザーや証券会社へ移行する際に、手間や手数料が発生する可能性がある。特に、長期的な資産形成を目的とする場合、運用方針の継続性が重視されるため、一定のスイッチングコストが働く。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
楽ラップは、個人の資産運用サービスであり、ユーザーが増加してもサービス自体の価値が直接的に向上するネットワーク効果は限定的である。プラットフォームとしての機能は持つが、ユーザー間の相互作用による価値創出は主たるものではない。
コスト優位★☆☆☆☆
楽ラップの運用手数料は、他の投資信託やラップ口座と比較して、必ずしも構造的に低いとは言えない。野村アセットマネジメントの運用力やブランド力に裏打ちされたサービスであり、コスト競争力よりもサービス品質で差別化を図っている側面が強い。
規模の経済★★☆☆☆
野村アセットマネジメントは国内有数の資産運用会社であり、その規模と運用資産残高は大きい。しかし、ロボアドバイザー市場全体で見ると、まだ競争が激しく、楽ラップが圧倒的な寡占状態にあるとは言えない。規模の経済によるコスト優位性は限定的。
- 先行者メリットと高い市場シェア経費精算システム「楽楽精算」や電子請求書発行システム「楽楽明細」といった主力クラウドサービスは、特定の領域で市場に先行して参入し、高い市場シェアを獲得しています。これにより、顧客基盤を強固にし、競合他社に対する優位性を築いています。
- IT人材育成ノウハウIT人材事業では、創業時に培ったITエンジニアスクールの育成ノウハウを最大限に活用しています。体系的かつ継続的にITエンジニアの品質を向上させることで、顧客企業の多様なニーズに最適な人材を提案し、高付加価値なサービス提供と高い稼働率を実現しています。
- 顧客要望を反映したサービス開発クラウドサービスにおいて、営業やカスタマーサクセス部門が顧客の要望を直接開発部門にフィードバックする体制を整えています。これにより、顧客視点に立った使いやすいサービスを継続的にバージョンアップし、顧客の定着と満足度向上に繋げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」というミッションを掲げており、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献してまいります。 また、「日本を代表する企業になる」をビジョンに掲げ、達成すべきゴールとして捉えておりますが、当社グループでは、ゴール達成のための思考と行動指針に大きな特徴があります。 (思考)「ユニークネス」と称しており、以下の4項目で構成されております。・ゴールオリエンテッド・着実な継続・誠実な合理性・不確実性の排除 (行動指針)「ラクスリーダーシッププリンシプル(RLP)」と称しており、以下の11項目で構成されております。・自分自身の会社だと思う・全体最適視点をもつ・誠意をもって人と接する・学習し成長し続ける・小さく試して大きく育てる・費用対効果を考える・やるべきことを実行する・他者の考えを受け入れる・失敗を許容する・考えている事を言葉で伝える・結果にこだわる 当社は、思考と行動指針をもとに今までにも高いゴールを掲げ、それらを着実に達成してきました。引き続きミッション・ビジョンの実現のため、事業を推進してまいります。 以上をもとに当社では、経営方針を定めております。その基本方針については以下のとおりです。 ①人材育成方針 当社は、企業価値の持続的な向上のために「人の成長が組織の成長につながる」という考えのもと、全社員が自律的に学び、挑戦し、行動し続けることができる環境を整えることを重視しております。 社員が「安心して働き、成長し続けられる」ことを人材マネジメントの根幹に据え、単なるスキル習得にとどまらず、リーダーシップ・倫理観・社会的責任感を兼ね備えた人材の育成を目指しております。 また、RLPを全社的な育成・評価・制度設計の基盤としております。 ②社内環境整備方針 当社は、「社員一人ひとりがゴールを共有する仲間である」という認識のもと、社員が安心して能力を発揮し、継続的に成長できる環境の整備を重視しております。 また、成長戦略を支えるためには、社員の多様な価値観・ライフステージ・職種特性に応じた柔軟な働き方と、心身の健康を支える制度設計が不可欠であると考えております。 こうした考えに基づき、当社は単なる制度提供にとどまらず、インナーブランディングやリアルな接点機会の提供を通じてカルチャー醸成を図り、全社的なエンゲージメントの向上と行動指針の浸透を推進しております。 ③環境方針 当社は、環境保全への取組を経営の重要課題の一つと位置づけ、環境マネジメントの実践を通じて、環境への配慮と汚染の未然防止を継続的に推進してまいります。 ④人権方針 当社は、事業活動を通じて直接的または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識しており、関係するすべての人々の権利を尊重し、責任ある取組を推進してまいります。 ⑤DEI方針 当社は、ジェンダー、年齢、国籍、障がいの有無、宗教・信条、性的指向・性自認、家庭環境、ライフスタイルなど、多様な背景を持つ社員一人ひとりの個性と価値観を尊重し、誰もが安心して働き、能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指します。 ⑥マルチステークホルダー方針 当社は、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等の多様なステークホルダーとの協働・対話を重視し、価値協創及びその適切な分配を通じて、持続的な経済発展への貢献を目指しております。 ⑦情報セキュリティ基本方針 当社は、情報資産の漏えい・改ざん・滅失・盗難などの脅威から守るため、体制構築と従業員教育を通じて情報セキュリティの維持・強化を図っております。 ⑧個人情報保護方針 当社は、クラウドサービス等の提供にあたり、顧客企業の個人情報を安全に管理することを重要な社会的責任と位置付け、社内体制の整備及び全社的な取組を推進しております。 ⑨腐敗防止方針 当社は、あらゆる形態の贈収賄や不正な利益供与、資金洗浄、その他の腐敗行為を排除し、誠実かつ倫理的な事業運営を行うことが、企業の社会的責任であると認識しております。 ⑩反社会的勢力排除に関する基本方針 当社は、反社会的勢力とは一切関係を持たず、組織としての明確な姿勢をもって遮断を徹底しております。 ⑪ディスクロージャーポリシー 当社は、投資判断に重要な影響を与える決定事実、発生事実、決算に関する情報が生じた場合には、適時開示規則の基準に沿って迅速に開示するとともに、適時開示規則に該当しない場合でも、適時開示規則に準拠し、公表が必要となる会社情報、及び投資判断に影響を与えると当社で判断した重要な会社情報につきましては積極的に開示いたします。 上記基本方針のうち、③~⑪の詳細については、当社コーポレートサイト(注1)にて公開しております。 以上の方針をもとに、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等の多様なステークホルダーとの協働・対話を重視し、価値協創及びその適切な分配を通じて、持続的な経済発展への貢献を目指しております。 (2)経営戦略等 当社グループが競争力を高め、持続的な成長を実現するための施策として、当社の成長を牽引している「楽楽精算」「楽楽明細」「楽楽販売」をはじめとした「楽楽シリーズ」にリソースを重点的に配分いたします。その他のサービスについては競争優位性と市場の成長性を勘案した上で、利益貢献を重視しながら適切にリソースを配分することにより、当社グループ全体の持続的な事業成長を目指してまいります。 人的資本については、経営方針に基づき、具体的な施策として以下を実施しております。 (人材育成施策)・RLPの浸透と運用RLPをもとにした評価制度及び研修体系を整備し、管理職の行動実践を可視化。定期的なレビューを通じて実効性を高めております。・役割等級と連動した研修体系等級別研修(Next Leader Program、意思決定研修、1on1実践研修)やOJT支援制度を整備し、職位に応じたスキルとマインドの段階的な習得を促進しております。 ・キャリア自律支援と配置の柔軟性確保社内公募制度・ジョブローテーション制度の運用により、社員の希望と適性に応じたキャリア選択を支援。年次を問わない抜擢登用も実施しております。 ・評価の透明性と納得性の向上コンピテンシー評価と成果評価による2軸評価制度を導入。評価フィードバックと納得度調査に基づき、上司のマネジメント改善サイクルを運用しております。 ・エンゲージメント向上と組織風土づくり年2回のエンゲージメントサーベイを実施し、部門単位でアクションプランを策定。組織課題の特定と継続的な改善を図っております。 (社内環境整備施策)・柔軟な就業制度の整備時差出勤制度、在宅勤務制度などを整備し、ライフスタイルや業務特性に応じた柔軟な働き方を推進しております。 ・健康と安心を支える制度の拡充年次有給休暇とは別に、本人または同居家族の私傷病に対して最大5日間の特別有給休暇を付与する「シックリーブ制度」を導入。加えて、メンタルヘルス支援、健康診断・再検査支援制度を提供しております。 ・エンゲージメント向上施策の実施全社員向けイベント「楽!フェス」のリアル開催、社内イントラネットによる情報発信、表彰制度「ラクスAWARD」などを通じ、価値観の共有と士気向上を図っております。 ・多様な社員が活躍できる環境の整備性別、年齢、国籍を問わず、すべての社員が能力を発揮できる環境を整備。時短勤務、看護休暇といった育児、介護、私傷病との両立支援制度も導入しております。 ・継続的な制度改善サイクルの構築社員の声をもとに施策をアップデートし、有給休暇取得率90%以上、月平均時間外労働時間20時間未満を継続実現するなど、働きやすい社内環境の整備に向けた実効性ある制度運用を継続しております。 (3)経営環境 当社が所属する情報通信サービス市場においては、人手不足や働き方改革の影響からデジタルトランスフォーメーションによる業務効率化を推進する企業が増加する等、IT投資への意欲は引き続き旺盛に推移しております。 一方で、経費精算市場を中心とした一部の事業領域では市場の成熟化が進みつつあり、サービスを提供する企業も複数存在することから、競争環境は年々、より厳しさを増している状況にあります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 インターネットは経済活動を支えるインフラとして不可欠なものとなっており、当社グループが提供しているクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスは今後も需要が拡大するものと予測されます。 一方で、一部事業領域では市場の成熟化が進行し、競争環境が厳しさを増す中で、当社グループが持続的な成長を実現するためには、以下の課題への対応が重要であると認識しております。 ①成長サービスへの集中・強化 クラウドサービス市場は今後も拡大が見込まれる一方、競合の増加や一部分野の成熟化が進行しており、事業ごとに成長余地に差が生じつつあります。 このような環境下、当社では成長性の高いサービスへの経営資源の重点配分を進め、確実な市場シェアの獲得と収益力の向上を図ってまいります。②サービスラインナップの拡充 特定のサービスへの依存度が高い状態は、将来的な成長機会やリスク分散の観点で課題となり得ます。 当社は既存プロダクト群に加え、顧客の新たなニーズを捉えた新サービスの開発・導入、M&Aによるプロダクト獲得を推進し、事業ポートフォリオの多様化と持続的な売上成長の両立を目指してまいります。 ③営業・販売体制の強化 拡大する市場で継続的な成長を実現するためには、営業活動の質と量の両面から強化が必要です。 クラウド事業は、東京・大阪・札幌・名古屋・新潟・広島・福岡の7拠点(注2)で営業活動を行っており、今後も営業人員を増員し営業力を強化するとともに、パートナー企業や販売代理店との連携を強化することにより販路の拡大も図ってまいります。 また、中長期的には、既存顧客に対しても自社プロダクトのクロスセル提案等により収益機会の最大化に努めてまいります。 IT人材事業は、派遣先での業務を通じてITエンジニアのキャリアアップを行い、提供するサービスの高付加価値化を行う事業であり、多くの案件を常に確保し、ITエンジニアの成長機会を提供することが不可欠であります。そのため営業担当者が顧客のニーズを引き出し、最適なマッチングを行うことで継続的な案件確保に努めてまいります。 ④マーケティング戦略の高度化による認知度向上 当社グループはこれまでインターネットやテレビ、雑誌への広告の掲載、展示会への出展や販売代理店を通じて顧客を獲得してまいりました。提供する各サービスの顧客数を拡大し、企業価値の向上を実現するには当社及びサービス名の認知度の向上が不可欠であると考えております。 一方、現在行っているマーケティング戦略は、時間とともに陳腐化する可能性があります。引き続き、費用対効果を見極めながら、インターネットやテレビ、雑誌などマスメディアの活用に加え、展示会への出展を推進いたします。また、オンライン・オフライン双方のチャネルを活用しながら、データ分析に基づくマーケティング精度の向上に取り組み、ブランド認知度の向上と顧客獲得効率の改善を図ってまいります。 ⑤開発力の強化 クラウドサービス市場においてサービスの機能優位性を維持していくためには機能の改善・追加をスピーディーかつ継続的に実施していく必要があります。当社グループでは、従来の国内、ベトナムでの開発に加え、2025年4月にはインドネシアに新たな開発拠点を設立する等、開発リソースの確保に注力しており、今後も開発リソースの最適化と技術力の強化を進め、プロダクトの優位性維持と顧客満足度の向上を目指してまいります。 ⑥人材の確保と育成 当社グループの成長のためには優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。そのため積極的な採用活動を継続することはもちろんのこと、労働市場において知名度の向上を図り採用力の向上に努めてまいります。 また、採用後も人的資本投資として研修制度やキャリア支援の充実、エンゲージメント向上施策を推進し、組織の競争力向上を図ってまいります。 ⑦システムの安定性とセキュリティの確保 当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼働の確保は必要不可欠であります。安定してサービスを提供していくため顧客の増加に合わせたサーバーの増設等の設備投資を継続的に行い、システムの安定性の確保に努めてまいります。 また、災害対策に加え、ISMS(注3)、PMS(注4)等の管理体制の強化を通じて、安定稼働と情報セキュリティリスクの低減を図ってまいります。 ⑧財務基盤の強化と資本効率の向上 当社グループは、営業キャッシュ・フローの増加や成長投資による資本構成の変化を踏まえ、引き続き財務の健全性を維持しながら、資本効率の向上にも取り組む方針です。 1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標と位置付けつつ、中期経営目標の達成を図ってまいります。 ⑨ガバナンス・内部統制の強化 組織の拡大とともに、経営の透明性やリスク管理体制の実効性確保がより重要となります。 当社は、取締役会及び各種委員会の運営強化、内部監査機能の充実を通じて、健全かつ透明性の高い経営体制の構築を推進してまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標として掲げております。EPSを中長期で大きく伸長させていくために、成長投資を強化し、売上高の拡大を目指してまいります。 現在取り組んでいる中期経営目標においては、成長投資強化期間中は高い売上成長を優先する方針でしたが、最終年度に向けては投資効率を見極め、営業利益率の向上を図ることで、EPSの持続的成長を実現する方針です。 一方、2027年3月期を起点とする次期中期経営計画については、2026年5月の開示を目指して準備を進めております。骨子としては、主力プロダクトである「楽楽精算」の市場成熟や当社の事業規模の拡大を踏まえ、売上の「ハイグロース」から、収益性改善を伴う「クオリティグロース」への移行を想定しております。 なお、2026年3月期を最終年とする中期経営目標数値は以下のとおりです。 ・5カ年の売上高 : CAGR(年平均成長率)31%~32% ・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上 ・2026年3月期 純資産 : 200億円以上 (注)1.当社コーポレートサイトのURLは以下のとおりです。https://www.rakus.co.jp/2.2025年4月7日付で静岡営業所を設立しており、本書提出日現在では8拠点となっております。3.「ISMS」とは、Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)の略で、組織の情報セキュリティを管理するための枠組みのこと。当社では一般財団法人「日本品質保証機構」によるISMS認証を2021年1月15日に登録しており、継続的に維持更新しております。4.「PMS」とは、Personal Information Protection Management Systems(個人情報保護マネジメントシステム)の略で、企業が個人情報を適切に取り扱うための枠組みのこと。当社では一般財団法人「日本情報システム・ユーザ協会」によるプライバシーマークを2006年9月5日に登録しており、継続的に維持更新しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」というミッションを掲げており、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献してまいります。 また、「日本を代表する企業になる」をビジョンに掲げ、達成すべきゴールとして捉えておりますが、当社グループでは、ゴール達成のための思考と行動指針に大きな特徴があります。 (思考)「ユニークネス」と称しており、以下の4項目で構成されております。・ゴールオリエンテッド・着実な継続・誠実な合理性・不確実性の排除 (行動指針)「ラクスリーダーシッププリンシプル(RLP)」と称しており、以下の11項目で構成されております。・自分自身の会社だと思う・全体最適視点をもつ・誠意をもって人と接する・学習し成長し続ける・小さく試して大きく育てる・費用対効果を考える・やるべきことを実行する・他者の考えを受け入れる・失敗を許容する・考えている事を言葉で伝える・結果にこだわる 当社は、思考と行動指針をもとに今までにも高いゴールを掲げ、それらを着実に達成してきました。引き続きミッション・ビジョンの実現のため、事業を推進してまいります。 以上をもとに当社では、経営方針を定めております。その基本方針については以下のとおりです。 ①人材育成方針 当社は、企業価値の持続的な向上のために「人の成長が組織の成長につながる」という考えのもと、全社員が自律的に学び、挑戦し、行動し続けることができる環境を整えることを重視しております。 社員が「安心して働き、成長し続けられる」ことを人材マネジメントの根幹に据え、単なるスキル習得にとどまらず、リーダーシップ・倫理観・社会的責任感を兼ね備えた人材の育成を目指しております。 また、RLPを全社的な育成・評価・制度設計の基盤としております。 ②社内環境整備方針 当社は、「社員一人ひとりがゴールを共有する仲間である」という認識のもと、社員が安心して能力を発揮し、継続的に成長できる環境の整備を重視しております。 また、成長戦略を支えるためには、社員の多様な価値観・ライフステージ・職種特性に応じた柔軟な働き方と、心身の健康を支える制度設計が不可欠であると考えております。 こうした考えに基づき、当社は単なる制度提供にとどまらず、インナーブランディングやリアルな接点機会の提供を通じてカルチャー醸成を図り、全社的なエンゲージメントの向上と行動指針の浸透を推進しております。 ③環境方針 当社は、環境保全への取組を経営の重要課題の一つと位置づけ、環境マネジメントの実践を通じて、環境への配慮と汚染の未然防止を継続的に推進してまいります。 ④人権方針 当社は、事業活動を通じて直接的または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識しており、関係するすべての人々の権利を尊重し、責任ある取組を推進してまいります。 ⑤DEI方針 当社は、ジェンダー、年齢、国籍、障がいの有無、宗教・信条、性的指向・性自認、家庭環境、ライフスタイルなど、多様な背景を持つ社員一人ひとりの個性と価値観を尊重し、誰もが安心して働き、能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指します。 ⑥マルチステークホルダー方針 当社は、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等の多様なステークホルダーとの協働・対話を重視し、価値協創及びその適切な分配を通じて、持続的な経済発展への貢献を目指しております。 ⑦情報セキュリティ基本方針 当社は、情報資産の漏えい・改ざん・滅失・盗難などの脅威から守るため、体制構築と従業員教育を通じて情報セキュリティの維持・強化を図っております。 ⑧個人情報保護方針 当社は、クラウドサービス等の提供にあたり、顧客企業の個人情報を安全に管理することを重要な社会的責任と位置付け、社内体制の整備及び全社的な取組を推進しております。 ⑨腐敗防止方針 当社は、あらゆる形態の贈収賄や不正な利益供与、資金洗浄、その他の腐敗行為を排除し、誠実かつ倫理的な事業運営を行うことが、企業の社会的責任であると認識しております。 ⑩反社会的勢力排除に関する基本方針 当社は、反社会的勢力とは一切関係を持たず、組織としての明確な姿勢をもって遮断を徹底しております。 ⑪ディスクロージャーポリシー 当社は、投資判断に重要な影響を与える決定事実、発生事実、決算に関する情報が生じた場合には、適時開示規則の基準に沿って迅速に開示するとともに、適時開示規則に該当しない場合でも、適時開示規則に準拠し、公表が必要となる会社情報、及び投資判断に影響を与えると当社で判断した重要な会社情報につきましては積極的に開示いたします。 上記基本方針のうち、③~⑪の詳細については、当社コーポレートサイト(注1)にて公開しております。 以上の方針をもとに、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等の多様なステークホルダーとの協働・対話を重視し、価値協創及びその適切な分配を通じて、持続的な経済発展への貢献を目指しております。 (2)経営戦略等 当社グループが競争力を高め、持続的な成長を実現するための施策として、当社の成長を牽引している「楽楽精算」「楽楽明細」「楽楽販売」をはじめとした「楽楽シリーズ」にリソースを重点的に配分いたします。その他のサービスについては競争優位性と市場の成長性を勘案した上で、利益貢献を重視しながら適切にリソースを配分することにより、当社グループ全体の持続的な事業成長を目指してまいります。 人的資本については、経営方針に基づき、具体的な施策として以下を実施しております。 (人材育成施策)・RLPの浸透と運用RLPをもとにした評価制度及び研修体系を整備し、管理職の行動実践を可視化。定期的なレビューを通じて実効性を高めております。・役割等級と連動した研修体系等級別研修(Next Leader Program、意思決定研修、1on1実践研修)やOJT支援制度を整備し、職位に応じたスキルとマインドの段階的な習得を促進しております。 ・キャリア自律支援と配置の柔軟性確保社内公募制度・ジョブローテーション制度の運用により、社員の希望と適性に応じたキャリア選択を支援。年次を問わない抜擢登用も実施しております。 ・評価の透明性と納得性の向上コンピテンシー評価と成果評価による2軸評価制度を導入。評価フィードバックと納得度調査に基づき、上司のマネジメント改善サイクルを運用しております。 ・エンゲージメント向上と組織風土づくり年2回のエンゲージメントサーベイを実施し、部門単位でアクションプランを策定。組織課題の特定と継続的な改善を図っております。 (社内環境整備施策)・柔軟な就業制度の整備時差出勤制度、在宅勤務制度などを整備し、ライフスタイルや業務特性に応じた柔軟な働き方を推進しております。 ・健康と安心を支える制度の拡充年次有給休暇とは別に、本人または同居家族の私傷病に対して最大5日間の特別有給休暇を付与する「シックリーブ制度」を導入。加えて、メンタルヘルス支援、健康診断・再検査支援制度を提供しております。 ・エンゲージメント向上施策の実施全社員向けイベント「楽!フェス」のリアル開催、社内イントラネットによる情報発信、表彰制度「ラクスAWARD」などを通じ、価値観の共有と士気向上を図っております。 ・多様な社員が活躍できる環境の整備性別、年齢、国籍を問わず、すべての社員が能力を発揮できる環境を整備。時短勤務、看護休暇といった育児、介護、私傷病との両立支援制度も導入しております。 ・継続的な制度改善サイクルの構築社員の声をもとに施策をアップデートし、有給休暇取得率90%以上、月平均時間外労働時間20時間未満を継続実現するなど、働きやすい社内環境の整備に向けた実効性ある制度運用を継続しております。 (3)経営環境 当社が所属する情報通信サービス市場においては、人手不足や働き方改革の影響からデジタルトランスフォーメーションによる業務効率化を推進する企業が増加する等、IT投資への意欲は引き続き旺盛に推移しております。 一方で、経費精算市場を中心とした一部の事業領域では市場の成熟化が進みつつあり、サービスを提供する企業も複数存在することから、競争環境は年々、より厳しさを増している状況にあります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 インターネットは経済活動を支えるインフラとして不可欠なものとなっており、当社グループが提供しているクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスは今後も需要が拡大するものと予測されます。 一方で、一部事業領域では市場の成熟化が進行し、競争環境が厳しさを増す中で、当社グループが持続的な成長を実現するためには、以下の課題への対応が重要であると認識しております。 ①成長サービスへの集中・強化 クラウドサービス市場は今後も拡大が見込まれる一方、競合の増加や一部分野の成熟化が進行しており、事業ごとに成長余地に差が生じつつあります。 このような環境下、当社では成長性の高いサービスへの経営資源の重点配分を進め、確実な市場シェアの獲得と収益力の向上を図ってまいります。②サービスラインナップの拡充 特定のサービスへの依存度が高い状態は、将来的な成長機会やリスク分散の観点で課題となり得ます。 当社は既存プロダクト群に加え、顧客の新たなニーズを捉えた新サービスの開発・導入、M&Aによるプロダクト獲得を推進し、事業ポートフォリオの多様化と持続的な売上成長の両立を目指してまいります。 ③営業・販売体制の強化 拡大する市場で継続的な成長を実現するためには、営業活動の質と量の両面から強化が必要です。 クラウド事業は、東京・大阪・札幌・名古屋・新潟・広島・福岡の7拠点(注2)で営業活動を行っており、今後も営業人員を増員し営業力を強化するとともに、パートナー企業や販売代理店との連携を強化することにより販路の拡大も図ってまいります。 また、中長期的には、既存顧客に対しても自社プロダクトのクロスセル提案等により収益機会の最大化に努めてまいります。 IT人材事業は、派遣先での業務を通じてITエンジニアのキャリアアップを行い、提供するサービスの高付加価値化を行う事業であり、多くの案件を常に確保し、ITエンジニアの成長機会を提供することが不可欠であります。そのため営業担当者が顧客のニーズを引き出し、最適なマッチングを行うことで継続的な案件確保に努めてまいります。 ④マーケティング戦略の高度化による認知度向上 当社グループはこれまでインターネットやテレビ、雑誌への広告の掲載、展示会への出展や販売代理店を通じて顧客を獲得してまいりました。提供する各サービスの顧客数を拡大し、企業価値の向上を実現するには当社及びサービス名の認知度の向上が不可欠であると考えております。 一方、現在行っているマーケティング戦略は、時間とともに陳腐化する可能性があります。引き続き、費用対効果を見極めながら、インターネットやテレビ、雑誌などマスメディアの活用に加え、展示会への出展を推進いたします。また、オンライン・オフライン双方のチャネルを活用しながら、データ分析に基づくマーケティング精度の向上に取り組み、ブランド認知度の向上と顧客獲得効率の改善を図ってまいります。 ⑤開発力の強化 クラウドサービス市場においてサービスの機能優位性を維持していくためには機能の改善・追加をスピーディーかつ継続的に実施していく必要があります。当社グループでは、従来の国内、ベトナムでの開発に加え、2025年4月にはインドネシアに新たな開発拠点を設立する等、開発リソースの確保に注力しており、今後も開発リソースの最適化と技術力の強化を進め、プロダクトの優位性維持と顧客満足度の向上を目指してまいります。 ⑥人材の確保と育成 当社グループの成長のためには優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。そのため積極的な採用活動を継続することはもちろんのこと、労働市場において知名度の向上を図り採用力の向上に努めてまいります。 また、採用後も人的資本投資として研修制度やキャリア支援の充実、エンゲージメント向上施策を推進し、組織の競争力向上を図ってまいります。 ⑦システムの安定性とセキュリティの確保 当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼働の確保は必要不可欠であります。安定してサービスを提供していくため顧客の増加に合わせたサーバーの増設等の設備投資を継続的に行い、システムの安定性の確保に努めてまいります。 また、災害対策に加え、ISMS(注3)、PMS(注4)等の管理体制の強化を通じて、安定稼働と情報セキュリティリスクの低減を図ってまいります。 ⑧財務基盤の強化と資本効率の向上 当社グループは、営業キャッシュ・フローの増加や成長投資による資本構成の変化を踏まえ、引き続き財務の健全性を維持しながら、資本効率の向上にも取り組む方針です。 1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標と位置付けつつ、中期経営目標の達成を図ってまいります。 ⑨ガバナンス・内部統制の強化 組織の拡大とともに、経営の透明性やリスク管理体制の実効性確保がより重要となります。 当社は、取締役会及び各種委員会の運営強化、内部監査機能の充実を通じて、健全かつ透明性の高い経営体制の構築を推進してまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標として掲げております。EPSを中長期で大きく伸長させていくために、成長投資を強化し、売上高の拡大を目指してまいります。 現在取り組んでいる中期経営目標においては、成長投資強化期間中は高い売上成長を優先する方針でしたが、最終年度に向けては投資効率を見極め、営業利益率の向上を図ることで、EPSの持続的成長を実現する方針です。 一方、2027年3月期を起点とする次期中期経営計画については、2026年5月の開示を目指して準備を進めております。骨子としては、主力プロダクトである「楽楽精算」の市場成熟や当社の事業規模の拡大を踏まえ、売上の「ハイグロース」から、収益性改善を伴う「クオリティグロース」への移行を想定しております。 なお、2026年3月期を最終年とする中期経営目標数値は以下のとおりです。 ・5カ年の売上高 : CAGR(年平均成長率)31%~32% ・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上 ・2026年3月期 純資産 : 200億円以上 (注)1.当社コーポレートサイトのURLは以下のとおりです。https://www.rakus.co.jp/2.2025年4月7日付で静岡営業所を設立しており、本書提出日現在では8拠点となっております。3.「ISMS」とは、Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)の略で、組織の情報セキュリティを管理するための枠組みのこと。当社では一般財団法人「日本品質保証機構」によるISMS認証を2021年1月15日に登録しており、継続的に維持更新しております。4.「PMS」とは、Personal Information Protection Management Systems(個人情報保護マネジメントシステム)の略で、企業が個人情報を適切に取り扱うための枠組みのこと。当社では一般財団法人「日本情報システム・ユーザ協会」によるプライバシーマークを2006年9月5日に登録しており、継続的に維持更新しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当社が所属する情報通信サービス市場においては、働き方の見直しや深刻化する人手不足等を背景に、企業における業務効率化への関心が一層高まっており、企業活動のデジタル化が進展しております。その結果、企業によるIT投資は引き続き堅調に推移いたしました。一方で、一部の事業領域では市場の成熟化が進んでいるほか、類似のサービスを展開する事業者の増加により、競争環境は厳しさを増しているものと認識しております。 このような経営環境の中、当社グループは、2021年3月期を基準として、2026年3月期までの5ヵ年で、売上高CAGR(年平均成長率)31%~32%、2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益100億円以上、純資産200億円以上とする中期経営目標に取り組んでおります。 当連結会計年度においては、中期経営目標の最終年度に向け、投資効率のさらなる向上を図るべく、各サービスの受注動向に応じた機動的な投資配分の見直しや、営業プロセスの見直し等の取り組みを継続的に実施してまいりました。 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高48,904百万円(前連結会計年度比27.3%増)、営業利益10,192百万円(前連結会計年度比83.3%増)、経常利益10,218百万円(前連結会計年度比82.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,003百万円(前連結会計年度比91.2%増)となりました。 財政状態については次のとおりであります。a.資産 当連結会計年度末における流動資産は19,296百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,151百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が4,357百万円、売掛金が1,509百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は12,357百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,268百万円増加いたしました。主な要因は、のれんが333百万円、顧客関連資産が145百万円それぞれ減少したものの、投資有価証券が3,448百万円、工具、器具及び備品が609百万円、繰延税金資産が524百万円、差入保証金が79百万円、ソフトウエアが73百万円それぞれ増加したことによるものであります。 この結果、総資産は31,654百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,419百万円増加いたしました。 b.負債 当連結会計年度末における流動負債は9,462百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,090百万円増加いたしました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が538百万円減少したものの、未払法人税等が1,515百万円、未払金が480百万円、未払費用が437百万円、契約負債が170百万円、未払消費税等が164百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は213百万円となり、前連結会計年度末に比べ300百万円減少いたしました。主な要因は、長期未払費用が71百万円増加したものの、長期借入金が216百万円、繰延税金負債が128百万円それぞれ減少したことによるものであります。 この結果、負債合計は9,676百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,789百万円増加いたしました。 c.純資産 当連結会計年度末における純資産合計は21,977百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,630百万円増加いたしました。主な要因は、剰余金の配当により425百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により8,003百万円、その他有価証券評価差額金の計上により1,043百万円それぞれ増加したことによるものであります。 経営成績については次のとおりであります。a.売上高 当連結会計年度の売上高は48,904百万円(前連結会計年度比27.3%増)となりました。クラウド事業においては「楽楽精算」「楽楽明細」が堅調に推移しており、売上高は41,862百万円(前連結会計年度比28.9%増)となっております。IT人材事業においては稼働エンジニア数の増加により、売上高は7,041百万円(前連結会計年度比18.5%増)となりました。 b.売上原価、売上総利益 当連結会計年度の売上原価は12,594百万円(前連結会計年度比16.7%増)となりました。これは主に労務費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は36,310百万円(前連結会計年度比31.5%増)となりました。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は26,117百万円(前連結会計年度比18.4%増)となりました。これは主に、業容拡大に伴う給料手当、広告宣伝費が増加したことによるものであります。この結果、営業利益は10,192百万円(前連結会計年度比83.3%増)となりました。 d.営業外収益、営業外費用及び経常利益 当連結会計年度の営業外収益は為替差益、助成金収入等により28百万円(前連結会計年度53百万円)となりました。 当連結会計年度の営業外費用は支払利息等により2百万円(前連結会計年度2百万円)となりました。これらの結果、経常利益は10,218百万円(前連結会計年度比82.1%増)となりました。 e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益 当連結会計年度の特別損失は固定資産除却損の計上により2百万円(前連結会計年度9百万円)となりました。 この結果、税金等調整前当期純利益は10,216百万円(前連結会計年度比82.2%増)となり、法人税等合計2,212百万円(前連結会計年度比55.5%増)の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は8,003百万円(前連結会計年度比91.2%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。a.クラウド事業 クラウド事業は、主力サービスである楽楽精算、楽楽明細において、インボイス制度や電子帳簿保存法の前倒し需要の反動影響は第1四半期連結会計期間に底を打ち、堅調な需要環境を背景に第2四半期連結会計期間以降は回復し、堅調に推移しました。また積極的な投資は継続しつつも、各サービスの受注状況を踏まえた機動的な投資の再配分や、営業プロセスの見直し等の施策を進めた結果、利益率が改善いたしました。 この結果、売上高は41,862百万円(前連結会計年度比28.9%増)、セグメント利益は9,365百万円(前連結会計年度比88.1%増)となりました。 b.IT人材事業 IT人材事業は、営業活動強化により稼働エンジニア数が増加し、高水準の稼働率を維持することができました。この結果、売上高は7,041百万円(前連結会計年度比18.5%増)、セグメント利益は827百万円(前連結会計年度比42.7%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,357百万円増加し、11,366百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 a.営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、9,006百万円の収入(前連結会計年度は5,288百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10,216百万円、減価償却費797百万円、未払費用の増加額510百万円、未払金の増加額481百万円、のれん償却額333百万円、未払消費税等の増加額161百万円の増加要因があった一方、法人税等の支払額1,864百万円、売上債権の増加額1,358百万円の減少要因があったことによるものであります。 b.投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フローは、3,465百万円の支出(前連結会計年度は4,860百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出1,947百万円、有形固定資産の取得による支出1,265百万円、差入保証金の差入による支出224百万円があったことによるものであります。 c.財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フローは、1,180百万円の支出(前連結会計年度は579百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出754百万円、配当金の支払額425百万円があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは、インターネット上での各種サービス及びITエンジニア派遣を主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。 b.受注実績当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前連結会計年度比(%)クラウド事業(百万円)41,862128.9IT人材事業(百万円)7,041118.5合計(百万円)48,904127.3(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、成長投資にかかる人件費及び広告宣伝費等の売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、サーバー等の設備投資、投資有価証券の取得等によるものです。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金を基本としているものの、金融機関からの長期借入等について柔軟に対応することとしております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は216百万円であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は11,366百万円となっております。③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は以下のとおりです。当社グループは1株当たり利益(EPS)の中長期的な成長を最重要指標として掲げております。また、2021年3月期を基準として、2026年3月期までの5ヵ年で売上高をCAGR(年平均成長率)31%~32%成長させること、親会社株主に帰属する当期純利益を100億円以上、期末の純資産を200億円以上とする中期経営目標を掲げており、それぞれ達成を見込んでおります。次期中期経営計画については2026年5月に開示する予定です。2026年3月期を基準とした2029年3月期までの3ヵ年計画を検討しており、事業の選択と集中、積極的なM&A戦略の推進を通じて、成長と収益性改善の両立を目指してまいります。 決算年月第23期2023年3月第24期2024年3月第25期2025年3月売上高(百万円)27,39938,40848,904営業利益(百万円)1,6565,55910,192親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)1,2744,1858,0031株当たり当期純利益(円)7.0323.1044.18EBITDA(百万円)2,2636,48011,351EBITDAマージン 8.3%16.9%23.2%純資産(百万円)9,54813,34721,977 (注)1.EBITDA=税金等調整前当期純利益+特別損益+減価償却費+のれん償却費+支払利息2.EBITDAマージン=EBITDA÷売上高
事業リスク
- 特定の製品への依存主力サービスである「楽楽精算」と「楽楽明細」が売上高に占める割合が大きく、これらのサービスが競合激化により売上を大幅に減少させた場合、会社全体の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
- 技術革新への対応遅れインターネット業界は技術革新が非常に速く、特に生成AIなどの新技術の進展が著しいです。新しい技術への対応が遅れた場合、提供するサービスの競争力が低下したり、予期せぬシステム投資が必要になったりして、業績に影響を与える可能性があります。
- システムトラブルと情報漏洩クラウドサービスはインターネットインフラに強く依存しており、急激なアクセス増加、電力供給停止、サイバー攻撃、従業員の過誤などによるシステム障害や情報漏洩のリスクがあります。これらの事態が発生した場合、サービス停止、顧客への影響、社会的信用の毀損、損害賠償請求などにより、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社では、リスクの適切な管理・運営による経営の健全性を確保するために「リスク管理規程」を定めており、具体的な事象を想定した経営に重大な影響を与えるまたはその可能性が高いリスクの発生に備えております。 「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」においては、事業活動におけるマテリアリティ(重要課題)を特定し、各課題に付随するリスク及び機会を記載しておりますが、本項では、同章に記載されたリスクに加えて、当社の事業継続および業績に重大な影響を及ぼす可能性のあるその他のリスク要因について網羅的に記載しております。 また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要と考えられる事項については、積極的に開示してまいります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1)経営環境の変化について 当社グループは、インターネット業界においてクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスを提供しております。現在は、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応、業務効率化・人材不足対策の観点から、企業のIT投資は一定の底堅さを維持しております。一方、景気動向の不確実性や金利上昇によるコスト意識の高まり、地政学的リスク等が顧客企業の投資判断に影響を与える可能性もあります。 このような外部環境の変動により、IT導入・更新の意思決定が先送りされるような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)競合他社による影響について 当社グループは、クラウドサービスの特定領域における先行者メリットと高い市場シェアを活かしつつ、顧客のニーズに合ったサービスの開発を行うことで優位性を高めております。しかしながら、クラウドサービスの新規参入の技術的な障壁は必ずしも高いものとは言えず、市場の成熟に伴い、価格競争のみならず、機能面でも競争は一層激化しております。 資金力やブランド力を有する大手企業による機能的に優れた代替製品の登場や、競合他社による積極的な顧客獲得施策が当社顧客の解約や新規獲得の機会損失を招いた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります (3)特定の製品への依存リスクについて 当社グループは、法人向けに業務効率化に貢献するクラウドサービスの提供を行っており、経費精算システム「楽楽精算」、電子請求書発行システム「楽楽明細」が主力サービスとして、当社グループの業績を牽引しております。両サービスが当社グループの売上高に占める割合は大きく、今後、競合製品との競争激化により売上高が大幅に減少した場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (4)生成AIを含む技術革新等への対応について 当社グループが各種サービスを提供するインターネット業界においては新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており、非常に変化の激しい業界となっております。そのため常に新しい技術要素をITエンジニアに習得させてまいりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合当社グループが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また、新技術への対応のため予定していないシステムへの投資が必要となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 加えて、近年は生成AIをはじめとする人工知能技術が急速に進展しております。当社グループにおいても、AI技術の業務活用や製品への応用を積極的に検討・導入しておりますが、AIを活用した新規サービスの台頭や、他社による業務効率化・自動化の加速により、当社グループの既存サービスとの競争環境が短期間で大きく変化する可能性があります。また、AIを含む新技術への対応に遅れた場合、当社グループの競争優位性が低下し、事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (5)ITエンジニア派遣市場の動向について 現在、多様なインターネットサービスの登場や企業の情報システム化に伴い国内ITエンジニア派遣市場は活況を呈しておりますが、企業によるシステム開発の内製化、人件費や事業コストの安い新興国の企業・人材を活用して開発コストを削減するオフショア開発が当社グループの想定する以上に急激に進んだ場合、及び、主要な派遣先の業績不振等により派遣受入ニーズが減退した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、生成AIの進展により、従来型のシステム開発やプログラミング業務の一部が自動化されることで、エンジニアのスキルセットに対する需要が変化し、派遣ニーズの構造的変化を引き起こす可能性があります。このような変化に適応できない場合には、当社グループのIT人材事業にも影響を与える可能性があります。 (6)システムトラブルによるリスクについて 当社グループは、クラウドサービスを通じて顧客に価値を提供しており、その安定的な保守・運用・管理は、インターネット通信ネットワークやクラウドインフラに強く依存しております。安定的なサービス提供のため、サーバー設備の増強や情報セキュリティ責任者が適切なセキュリティ手段を講じることで外部からの不正アクセスの回避等を行っておりますが、以下のようなシステム障害やサイバーリスクの発生時には、当社サービスの提供停止や顧客影響、社会的信用の毀損等により、事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。 ①サービス提供を行っているコンピューターシステムへの急激なアクセスの増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によって当該コンピューターシステム及び周辺システムが停止した場合②ランサムウェア、ゼロデイ攻撃、サプライチェーン攻撃等、高度化するサイバー攻撃によりサービス提供が阻害された場合③従業員や委託先の過誤等による、当社グループの提供サービスのプログラムの改ざん、重要なデータの削除や漏洩等に適切に対応できない場合 (7)情報管理体制について 当社グループは、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しておりますが、このような対策にもかかわらず重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (8)自然災害について クラウド事業の顧客の情報資産が格納されるサーバーは、東京都内及び大阪府内に分散管理することでリスクを分散させておりますが、データセンターやその周辺ネットワーク設備等に被害を及ぼす災害、事故等が発生し情報資産の消失又はサービスの提供が維持できない状態に至った場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、災害、事故等によりIT人材事業における派遣先の重要な設備が損壊し事業活動の停止もしくは事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (9)法的規制によるリスクについて①クラウド事業について 当社グループは、電気通信事業者(旧一般第二種電気通信事業者)として総務省に届出(届出番号E17-2681)を行っており、電気通信事業法に基づく通信役務の提供を行っております。現在のところ、当社の事業に対する同法による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、社会情勢の変化等により当社の事業展開を阻害する規制の強化等が行われる可能性は絶無では無く、万一かかる規制の強化がなされた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ②IT人材事業について 当社グループのIT人材事業においては、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という。)により規制されているため、当社は同法に基づき厚生労働大臣の許可を受け、一般労働者派遣事業を行っております(派遣:派13-310802、紹介:13-ユ-309573)。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行うもの(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事項に該当したり、法令に違反した場合には、事業許可の取り消し、又は業務の停止を命じる旨を定めております。当社では、社員教育の徹底、内部監査等による関連法規の遵守状況モニター、取引先の啓蒙等により、法令違反等の未然防止に努めておりますが、万一当社役職員による重大な法令違反等が発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。 また、会計、税務、人事労務その他の規制に関する変更により、当社グループが提供するサービスについて重大な修正を要した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (10)知的財産の侵害におけるリスクについて 当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性を否定できません。この場合、損害賠償請求や使用差止請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)特定の人物への依存について 代表取締役社長である中村崇則は、当社グループの創設者であり、会社経営の最高責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社グループの事業推進において重要な役割を果たしております。 当社グループは、中村崇則に過度に依存しない経営体制を整備するため、取締役間の相互の情報共有や事業部制導入による経営組織の強化を図っております。しかしながら、何らかの理由により中村崇則が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (12)人材の採用・育成について 当社グループは、今後の業容拡大を図る中で、各事業において、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であると認識しております。そのため人材の採用・育成を継続的に行っておりますが、今後各事業において人材獲得競争が激化し、優秀な人材の採用が困難となる場合や在職している人材の社外流出が大きく生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (13)海外子会社について 当社グループは、海外子会社においてクラウドサービスの一部を開発しており、当該国の政治・経済・社会情勢の変動に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規則の変更等により当地における事業の継続が困難となる等のカントリーリスクを有しております。カントリーリスクについては顧問契約を締結している現地の会計事務所や法律事務所と情報を共有し適切に対応することでリスクヘッジを行っております。しかしながら、このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)有価証券の価格変動リスク 当社グループでは、有価証券を保有しておりますが、市場価格のない株式等以外の有価証券については、株式市場の変動などにより時価が著しく下落した場合には、評価損を計上することとしております。また、市場価格のない有価証券については、期末時点での発行会社の財務状況や今後の見通しから減損すべきだと判断した場合には、評価損を計上することとしております。このような状況になった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15)のれん及び顧客関連資産の減損による影響について 当社グループは、企業買収に伴い生じたのれん及び顧客関連資産を計上しております。買収時の収益計画と概ね相違ない進捗であり、減損を認識する必要はないと判断しているものの、収益性の悪化などによる価値の毀損により、当該のれん及び顧客関連資産の減損処理を実施する場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。