事業の概要
- 紙パルプ製品の製造販売中越パルプ工業グループは、新聞用紙、印刷用紙、包装用紙、特殊紙、板紙など、多岐にわたる紙製品やパルプの製造・販売を主力事業としています。これには、マプカ関連製品のような加工品も含まれ、日々の生活や産業活動に不可欠な素材を提供することで収益を上げています。
- 発電事業による売電自社で発電設備を持ち、そこで作られた電力を販売する事業も行っています。これは、紙パルプ製造に必要なエネルギーを賄うだけでなく、余剰電力を売電することで新たな収益源を確保していることを意味します。
- 多角的な関連事業セルロース・ナノファイバー関連製品の製造・販売、紙袋や段ボールなどの紙加工品の製造・販売、原材料の供給、製品の物流、機械設備の設計・施工・修理、さらには造林・緑化事業や保険代理業、不動産賃貸まで、幅広い事業を展開し、グループ全体で多角的な収益構造を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 紙・パルプ製造事業この事業は、新聞用紙、印刷用紙、包装用紙、特殊紙、板紙、パルプ、マプカ関連製品など、多岐にわたる紙パルプ製品の製造と販売を行っています。グループの売上高の約8割を占める主力事業であり、最新年度の売上高は1,014.07億円、営業利益は36.63億円と、収益の大部分を担う稼ぎ頭です。
- 発電事業自社で発電した電力を販売する事業です。紙パルプ製造に必要なエネルギーを賄うだけでなく、余剰電力を売電することで新たな収益源を確保しています。最新年度の売上高は56.22億円、営業利益は5.47億円であり、安定した収益貢献をしています。
- その他事業セルロース・ナノファイバー関連製品の製造・販売を行うナノフォレスト事業、紙袋や段ボールなどの紙加工品製造・販売、造林・緑化事業、原材料供給、物流、機械設備設計・施工・修理など、多岐にわたる事業が含まれます。これらはグループ全体の事業の多角化と安定化に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PaperPulpAndPaperManufacturing | 事業 | 1,014 | 37 | 3.6% |
| ElectricUtilityIndustry | 地域 | 56 | 5 | 9.7% |
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3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社7社、非連結子会社3社、持分法適用関連会社6社、及び持分法非適用関連会社7社により構成され、紙パルプ製品の製造販売、発電事業を主な内容とし、さらに、セルロース・ナノファイバー関連製品の製造・販売、紙加工品の製造・販売、原材料等の供給、製品の断裁加工・選別包装、並びに製品の物流及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。当社グループの事業内容及び事業に係る位置付けは、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 紙・パルプ製造事業事業の内容主要製品会社名紙・パルプ製造新聞用紙、印刷用紙、包装用紙、特殊紙、板紙及び加工品、パルプ、マプカ関連製品当社、三善製紙㈱、O&Cアイボリーボード㈱、中越エコプロダクツ㈱(会社総数4社) 発電事業事業の内容主要製品会社名売電事業発電事業当社(会社総数1社) その他事業の内容主要製品会社名ナノフォレスト事業セルロース・ナノファイバー関連製品当社(会社総数1社)紙加工品の製造・販売―O&Cペーパーバッグホールディングス㈱(会社総数1社)紙袋、紙管、段ボール中越パッケージ㈱、中部紙工㈱、王子製袋㈱、王子包装(上海)有限公司、中央紙工㈱、㈱楠見製袋所、Japan Paper Technology(Viet Nam) Co.,Ltd.、Japan Paper Technology Dong Nai(VN)Co.,Ltd.(会社総数8社)造林・緑化事業及び薬品製造造林、緑化事業、排水処理薬品他中越緑化㈱、㈲南薩緑化センター、中越物産㈱(会社総数3社)植林事業―Acacia Afforestation Asia Co.,Ltd.(会社総数1社)巻取原紙用紙管加工―中越物産㈱(会社総数1社)紙断裁選別包装―中越ロジスティクス㈱、中越物産㈱、石川紙工㈱(会社総数3社)機械設備設計施工・修理―中越テクノ㈱(会社総数1社)紙パルプ及び原材料他輸送―中越ロジスティクス㈱、中越物産㈱(会社総数2社)木材チップの製造・仕入・販売木材チップ中越緑化㈱、中越パルプ木材㈱、OCMファイバートレーディング㈱(会社総数3社)保険代理業―共友商事㈱(会社総数1社)産業廃棄物処理―エヌシー共同開発㈱(会社総数1社)土木建築請負―中越ロジスティクス㈱(会社総数1社)不動産賃貸―当社(会社総数1社) [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注)当社は、2025年4月25日に開催された取締役会にて、当社の連結子会社である中越エコプロダクツ株式会社について、2025年6月末を目途に解散することを決議いたしました。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 売上高の8割を占める紙・パルプ製造事業が内需型産業であり、市況価格の変動に影響を受けるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 紙・パルプ製造事業は大規模な生産設備を必要とするため、新規参入には多大な設備投資が必要。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:国内需要及び市況の変動リスク / 原材料購入価格の変動リスク / 地球環境に対するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
特定のブランド力や特許による強力な無形資産は限定的。環境対応型製品や特殊紙など、ニッチ市場での技術力は存在するが、業界全体を席巻するほどのブランドやIPではない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
製紙業界では、顧客(印刷会社、製本会社など)は品質や納期、価格を重視するが、一度取引が始まると、仕様変更やサプライヤー切り替えには一定の手間とコストがかかる。しかし、代替品も多く、スイッチングコストは限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
パルプ・紙業界のビジネスモデルにおいて、ネットワーク効果は基本的に見られない。
コスト優位★★★☆☆
製紙業は規模の経済が働きやすく、原料調達、生産効率、物流においてコスト競争力が重要。中越パルプ工業は、長年の操業で培われた生産ノウハウや、特定の原料(例:古紙リサイクル)の効率的な利用により、一定のコスト優位性を有している可能性がある。
規模の経済★★★☆☆
国内の製紙業界は、王子ホールディングス、日本製紙、大王製紙などの大手企業が市場を牽引しており、寡占化が進んでいる。中越パルプ工業は、特定分野(例:白板紙、印刷用紙)において一定のシェアを持ち、規模の経済を活かした事業運営を行っている。
- 多様な紙製品と加工技術新聞用紙から特殊紙、板紙、さらには紙袋や段ボールといった加工品まで、幅広い紙製品の製造能力と加工技術を有しています。これにより、多様な顧客ニーズに対応し、市場での競争力を維持しています。
- 再生可能資源の活用と研究木材チップの製造・仕入れ・販売や造林・緑化事業を通じて、紙の原材料となる木材の安定供給と持続可能な利用に取り組んでいます。また、セルロース・ナノファイバー関連製品の開発・製造販売を行う「ナノフォレスト事業」は、次世代素材への研究開発力と将来性を示唆しています。
- 国内外に広がる事業ネットワーク日本国内だけでなく、中国やベトナムにも紙加工品の製造拠点を持ち、植林事業を海外で展開するなど、グローバルな事業ネットワークを構築しています。これにより、原材料の調達から製品の販売まで、安定したサプライチェーンを維持し、事業の安定性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、永続的発展のため、ひたむきに人を大切にしたものづくりに努め、国際競争を勝ち抜く、強い企業創りを目指しております。その実現のため、経営理念に“愛され信頼される企業に”を第一に掲げ、コンプライアンスに徹し、真摯で誠実な企業活動を旨として、品質第一主義と弛まざる技術革新で顧客満足を希求するとともに、地域社会との共存共栄を図ってまいります。さらに企業の社会的責任の視点に立って、環境と社会に貢献し、向上心あふれる働きがいのある会社づくりに励み、企業価値を高めてまいります。 (2) 目標とする経営指標① 2025年度までに、営業利益40億円、ROE5%の収益を確保します。② 製造工程における化石燃料由来のCO₂排出量を2030年度までに2013年度比50%削減することを目標として掲げ、達成に向けて取り組んでまいります。 (3) 会社の経営戦略当社グループは、2030年に目指す姿を「ビジョン2030」として掲げており、既存事業の発展・環境ビジネスの発展・イノベーションにより、森林資源の有効活用を通した循環型社会の構築と、持続可能な未来の実現に取り組みます。またカーボンニュートラル社会の実現に向けて、事業活動におけるCO₂排出量削減の新たな目標に向けた取り組みを進めています。「ビジョン2030」の実現に向けて、「既存事業の構造転換」「森林資源を活用した環境投資・環境ビジネス推進」を柱とした「中期経営計画2025」の取り組みを進めています。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループを取り巻く環境は、人件費や物流費のさらなる上昇、継続する物価上昇、米国関税施策等の動向による国内・海外景気の下振れリスクなど厳しい環境が想定されるなか、国内紙需要については引き続き減少する見通しとなっております。このような状況下、以下の諸施策に取り組んでまいります。 ① 「中期経営計画2025」2025年度は「中期経営計画2025」の最終年度であり、中期経営計画に掲げる収益目標「営業利益40億円、ROE5%以上」を継続的にクリアできる事業基盤の確立に取り組むとともに、さらなる企業価値向上に向けた新中期経営計画の検討を進めております。最終年度となる2025年度は、以下項目を重点的に取り組んでまいります。・家庭紙事業2024年2月に営業運転を開始した家庭紙マシンは順調に稼働しております。今後も安定操業と効率改善を図り、収益に貢献してまいります。・セルロース・ナノファイバー(以下「CNF」)事業畜産・農業資材、樹脂・ゴム・再生プラスチック分野などの環境配慮型用途に重点を置き、中期的視野に立った販売活動を展開し、売上規模の拡大を図ってまいります。・カーボンニュートラル化石燃料使用量の削減、省エネ対策の実施、植林事業の推進によりCO₂の削減を推進します。 ② 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組み2025年1月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組み」を開示いたしました。当社の財務体質は2021年度以降、収益性・効率性が良化傾向にあり、業界平均以上の水準となっておりますが、PBRが1倍を下回っていることの課題に対し、収益力の強化、政策保有株式の縮減、キャッシュアロケーションの見直し等によるROEの向上と、積極的なIR関連情報の発信、株主還元のさらなる充実等によるPERの向上に努め、PBR改善の取り組みを進めてまいります。 ③ 上場維持基準適合に向けた取り組み当社は2025年3月31日基準日時点において、プライム市場上場維持基準の「流通株式時価総額」基準を充たしておらず、2026年3月末まで1年間の改善期間に入っております。プライム市場上場維持基準適合に向け、引き続き企業価値向上に取り組んでまいります。 ④ サステナビリティの取り組み当社グループは「ビジョン2030」に掲げた「既存事業の発展・環境ビジネスの発展・イノベーションにより、森林資源の有効活用を通じた循環型社会の構築と持続可能な未来を実現する」ために、サステナビリティ活動を推進しております。 a.気候変動対応当社は、「ビジョン2030」において2030年度までの環境目標を定め、化石燃料由来CO₂削減の取り組みを進めております。さらに、2024年度にはGXリーグ*に参画し、2050年度までのカーボンニュートラル達成に向けたロードマップを策定し、省エネやボイラー燃料等の非化石燃料、低炭素燃料への転換等を推進しております。*GXリーグとは、カーボンニュートラルの実現に向け、グリーントランスフォーメーション(GX)への挑戦を行う企業群が官・学と協働し、目標達成に向けて取り組む場のこと。 b.人権に関する取り組みサプライチェーンにおける人権尊重の取り組みに向けて、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた人権方針を2025年3月に制定しました。本方針に基づき、当社グループが果たすべき責務を明確にし、人権尊重の取り組みをより実効的なものとするとともに、グループ従業員への周知教育を通じて人権意識の向上を図ってまいります。 c.人的資本への取り組み当社は「人材育成に関する方針」「社内環境整備に関する方針」を定めるとともに、管理職に占める女性労働者・中途採用者の合計割合および男女育児休業取得率に関する指標と目標を定め、取り組みを進めております。2024年4月には定年を60歳から65歳まで引き上げる定年延長制度を導入するなど、多様な人材の確保と教育や環境の整備に努めております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、永続的発展のため、ひたむきに人を大切にしたものづくりに努め、国際競争を勝ち抜く、強い企業創りを目指しております。その実現のため、経営理念に“愛され信頼される企業に”を第一に掲げ、コンプライアンスに徹し、真摯で誠実な企業活動を旨として、品質第一主義と弛まざる技術革新で顧客満足を希求するとともに、地域社会との共存共栄を図ってまいります。さらに企業の社会的責任の視点に立って、環境と社会に貢献し、向上心あふれる働きがいのある会社づくりに励み、企業価値を高めてまいります。 (2) 目標とする経営指標① 2025年度までに、営業利益40億円、ROE5%の収益を確保します。② 製造工程における化石燃料由来のCO₂排出量を2030年度までに2013年度比50%削減することを目標として掲げ、達成に向けて取り組んでまいります。 (3) 会社の経営戦略当社グループは、2030年に目指す姿を「ビジョン2030」として掲げており、既存事業の発展・環境ビジネスの発展・イノベーションにより、森林資源の有効活用を通した循環型社会の構築と、持続可能な未来の実現に取り組みます。またカーボンニュートラル社会の実現に向けて、事業活動におけるCO₂排出量削減の新たな目標に向けた取り組みを進めています。「ビジョン2030」の実現に向けて、「既存事業の構造転換」「森林資源を活用した環境投資・環境ビジネス推進」を柱とした「中期経営計画2025」の取り組みを進めています。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループを取り巻く環境は、人件費や物流費のさらなる上昇、継続する物価上昇、米国関税施策等の動向による国内・海外景気の下振れリスクなど厳しい環境が想定されるなか、国内紙需要については引き続き減少する見通しとなっております。このような状況下、以下の諸施策に取り組んでまいります。 ① 「中期経営計画2025」2025年度は「中期経営計画2025」の最終年度であり、中期経営計画に掲げる収益目標「営業利益40億円、ROE5%以上」を継続的にクリアできる事業基盤の確立に取り組むとともに、さらなる企業価値向上に向けた新中期経営計画の検討を進めております。最終年度となる2025年度は、以下項目を重点的に取り組んでまいります。・家庭紙事業2024年2月に営業運転を開始した家庭紙マシンは順調に稼働しております。今後も安定操業と効率改善を図り、収益に貢献してまいります。・セルロース・ナノファイバー(以下「CNF」)事業畜産・農業資材、樹脂・ゴム・再生プラスチック分野などの環境配慮型用途に重点を置き、中期的視野に立った販売活動を展開し、売上規模の拡大を図ってまいります。・カーボンニュートラル化石燃料使用量の削減、省エネ対策の実施、植林事業の推進によりCO₂の削減を推進します。 ② 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組み2025年1月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組み」を開示いたしました。当社の財務体質は2021年度以降、収益性・効率性が良化傾向にあり、業界平均以上の水準となっておりますが、PBRが1倍を下回っていることの課題に対し、収益力の強化、政策保有株式の縮減、キャッシュアロケーションの見直し等によるROEの向上と、積極的なIR関連情報の発信、株主還元のさらなる充実等によるPERの向上に努め、PBR改善の取り組みを進めてまいります。 ③ 上場維持基準適合に向けた取り組み当社は2025年3月31日基準日時点において、プライム市場上場維持基準の「流通株式時価総額」基準を充たしておらず、2026年3月末まで1年間の改善期間に入っております。プライム市場上場維持基準適合に向け、引き続き企業価値向上に取り組んでまいります。 ④ サステナビリティの取り組み当社グループは「ビジョン2030」に掲げた「既存事業の発展・環境ビジネスの発展・イノベーションにより、森林資源の有効活用を通じた循環型社会の構築と持続可能な未来を実現する」ために、サステナビリティ活動を推進しております。 a.気候変動対応当社は、「ビジョン2030」において2030年度までの環境目標を定め、化石燃料由来CO₂削減の取り組みを進めております。さらに、2024年度にはGXリーグ*に参画し、2050年度までのカーボンニュートラル達成に向けたロードマップを策定し、省エネやボイラー燃料等の非化石燃料、低炭素燃料への転換等を推進しております。*GXリーグとは、カーボンニュートラルの実現に向け、グリーントランスフォーメーション(GX)への挑戦を行う企業群が官・学と協働し、目標達成に向けて取り組む場のこと。 b.人権に関する取り組みサプライチェーンにおける人権尊重の取り組みに向けて、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた人権方針を2025年3月に制定しました。本方針に基づき、当社グループが果たすべき責務を明確にし、人権尊重の取り組みをより実効的なものとするとともに、グループ従業員への周知教育を通じて人権意識の向上を図ってまいります。 c.人的資本への取り組み当社は「人材育成に関する方針」「社内環境整備に関する方針」を定めるとともに、管理職に占める女性労働者・中途採用者の合計割合および男女育児休業取得率に関する指標と目標を定め、取り組みを進めております。2024年4月には定年を60歳から65歳まで引き上げる定年延長制度を導入するなど、多様な人材の確保と教育や環境の整備に努めております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当社グループを取り巻く経済環境は、インバウンド需要の増加や雇用・所得環境の改善等を背景として、景気は緩やかな回復基調を辿りました。一方で、中国・欧州経済の停滞、不安定な為替変動、ロシア・ウクライナや中東の情勢、米国の関税政策の行方など、先行きは不透明な状況が続いております。このような状況のなか当社グループは、人口減少やデジタル化進行などの社会的構造要因によるグラフィック用紙の需要減少に対応するため、新設した家庭紙マシンのフル生産および効率向上に取り組むとともに、既存マシンの安定操業、効率生産による原価低減に取り組み、収益確保に努めました。当期の経営成績につきましては、国内スポット案件の受注、輸出拡販、衛生用紙販売に積極的に取り組んだことにより増収となりましたが、原燃料価格や物流費の上昇、修繕費等の固定費高によるコストアップを補いきれず減益となりました。また、当社連結子会社の中越エコプロダクツ株式会社の2025年6月末を目途とした解散決議に伴い、同社が保有する固定資産の減損損失2,726百万円を計上いたしました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は111,009百万円(前年同期比3.0%増収)となり、営業利益は4,843百万円(前年同期比21.5%減益)、経常利益は5,114百万円(前年同期比25.0%減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,761百万円(前年同期比52.4%減益)となりました。 事業の種類別セグメントの経営成績は、次のとおりであります。 (紙・パルプ製造事業)◎ 新聞用紙新聞社における夕刊の廃止から発行部数が減少し、広告出稿減等により頁数も伸び悩むなど全体的な需要減に歯止めがかからず、数量・金額ともに前期を下回りました。 ◎ 印刷用紙国内販売につきましては、デジタル化や出版部門の不振等を背景に販売数量が伸び悩むなか、スポット案件を積極的に取り込んだこと、輸出につきましては、アジア地域を中心に拡販に努めた結果、数量・金額ともに前期を上回りました。 ◎ 包装用紙国内販売につきましては、ファストフード需要が堅調に推移し、通信販売における段ボールからの代替需要があったこと、輸出につきましては、中東情勢悪化に伴う紅海問題での欧州品値上がりを受けた当社品への切替え等があった結果、数量・金額ともに前期を上回りました。 ◎ 特殊紙・板紙及び加工品等壁紙は、住宅着工件数の減少に伴い数量は前期を下回りました。板紙及び加工品は、顧客に在庫積み増しの動きがあったことにより数量は前期を上回りました。また、衛生用紙の販売を本格的に開始したことによる数量増もあり、金額は前期を上回りました。 ◎ パルプ数量は前期を下回りましたが、円安や市況回復等により金額は前期を上回りました。これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。 連結売上高 101,407百万円(前年同期比 4.7%増収)連結営業利益 3,663百万円(前年同期比 33.5%減益) (発電事業)売電単価の下落に伴い一部の発電設備を停止したことにより売上高は減少しましたが、燃料価格の上昇を固定費等の原価低減でカバーし増益となりました。これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。 連結売上高 5,622百万円(前年同期比 20.1%減収)連結営業利益 547百万円(前年同期比 33.3%増益) (その他)紙断裁選別包装・紙運送事業の取扱量が増加しましたが、建設関連事業の受注が減少したことなどにより売上高は前期並みでした。利益については、紙・パルプ製品取扱量の増加やコスト削減の取り組みなどにより増益となりました。これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。 連結売上高 17,051百万円(前年同期比 0.1%増収)連結営業利益 544百万円(前年同期比 95.0%増益) 財政状態は、次のとおりであります。当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,035百万円減少し、121,888百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ7,375百万円減少し、65,946百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ340百万円増加し、55,941百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,665百万円減少し、9,005百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は10,360百万円(前連結会計年度比23.6%減少)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益1,840百万円、減価償却費6,165百万円、減損損失2,726百万円によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は6,013百万円(前連結会計年度比23.9%減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出6,356百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は6,012百万円(前連結会計年度比93.8%増加)となりました。これは主として、長期借入による収入1,550百万円、長期借入金の返済による支出6,087百万円、配当金の支払額838百万円によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称等数量前年同期比(%)紙・パルプ製造事業紙610,850 t104.6パルプ741,548 t104.0 (注) パルプは未晒総生産量であり自家消費量を含んでおります。 b. 受注実績当社グループは、大部分が市況を勘案した見込み生産を行っており、グループ全体の受注状況を把握することは困難であるため、該当事項については記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称等金額(百万円)前年同期比(%)紙・パルプ製造事業紙88,426104.5パルプ12,981106.1計101,407104.7発電事業 5,62279.9その他3,979100.5合計111,009103.0 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)新生紙パルプ商事㈱19,86218.419,86017.9国際紙パルプ商事㈱16,68015.516,88515.2日本紙パルプ商事㈱16,35515.216,68615.0 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績等は、国内スポット案件の受注、輸出拡販、衛生用紙販売に積極的に取り組んだことにより、売上高は111,009百万円と前期に比べ3,183百万円の増収(前年同期比3.0%増)となりました。収益面では、燃料価格や物流費の上昇、修繕費等の固定費高によるコストアップを補いきれず、営業利益4,843百万円(前年同期比21.5%減)、経常利益5,114百万円(前年同期比25.0%減)となりました。また、当社連結子会社の中越エコプロダクツ株式会社の2025年6月末を目途とした解散決議に伴い、同社が保有する固定資産の減損損失2,726百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,761百万円(前年同期比52.4%減)となりました。セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。 ④ 経営戦略の現状と見通し2026年3月期の国内経済につきましては、人件費や物流費のさらなる上昇、継続する物価上昇、米国関税施策等の動向による国内・海外景気の下振れリスクなど厳しい環境が想定されるなか、国内紙需要については引き続き減少する見通しとなっております。2025年度は『中期経営計画2025』の最終年度であり、総点検として、新設した家庭紙マシンの安定操業と効率改善、nanoforest®(CNF:セルロースナノファイバー)事業の売上規模拡大、化石燃料使用量の削減や省エネ対策の実施、植林事業推進によるCO₂削減に注力し、現中期経営計画に掲げる収益目標「営業利益40億円、ROE5%以上」を継続的にクリアできる事業基盤の確立に取り組むとともに、さらなる企業価値向上に向けた新中期経営計画の検討を進めてまいります。 ⑤ 財政状態及びキャッシュ・フローの分析当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ5.5%減少し、121,888百万円となりました。これは主として、現金及び預金が1,665百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が2,367百万円、有形固定資産が3,257百万円減少したことによります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ10.1%減少し、65,946百万円となりました。これは主として、金融機関からの借入金が4,538百万円、支払手形及び買掛金が716百万円減少したことによります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ0.6%増加し、55,941百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益1,761百万円、配当金の支払841百万円、自己株式の取得604百万円などにより利益剰余金が増加したことによります。また自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.6ポイント増加し46.7%となりました。当社グループのキャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (資本の財源及び資金の流動性についての分析)当社グループの資金計画は、設備投資資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、銀行借入やコミットメントラインの利用などによって流動性を保持しております。また、当社グループはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、資金融通を行うことで資金効率を高めております。当社グループの当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ1,665百万円減少し、9,005百万円となりました。なお、当連結会計年度末の金融機関からの借入金の内訳は以下のとおりであります。 (単位:百万円) 合計 返済 1年以内返済1年超短期借入金18,82818,828―長期借入金18,2699,7748,494合計37,09828,6038,494 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について当社グループは、常に市場ニーズに密着し、創造的で信頼性の高い技術をもって、人と環境にやさしい「紙」の開発と安定した製品の供給により、経済・社会・文化の発展に寄与することを社会的使命と認識し「紙」の文化の創造に果敢に挑戦しております。そして、「株主重視」「顧客重視」に心がけ、当社グループの総合力に対する信頼性と収益性の確保・向上を目指し、株主・顧客・地域社会・社員・企業の共存共栄を図るとともに、社会に対する貢献を重点に企業活動を行ってまいります。また、グローバル化に対応し、迅速な情報開示に努め、透明な経営姿勢を保ち、加えて効率的な連結経営を行うことで、国際競争力の強化を図り、当社グループの存在価値を高めてまいります。
事業リスク
- 国内需要と市況の変動売上高の約8割を占める紙・パルプ製造事業は国内景気に大きく左右され、紙の国内需要は減少傾向にあります。景気の悪化や市場価格の変動は、会社の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これに対し、家庭紙分野への新規参入やパルプ増産で対応を図っています。
- 原材料価格の変動紙の製造に必要なチップ、重油、古紙、薬品などの原材料は、国際市況や国内市況の変動によって価格が大きく変わることがあります。原材料価格の高騰は製造コストを押し上げ、会社の利益を圧迫し、業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
- 地球環境規制と災害気候変動対策による化石燃料使用の規制強化や、持続可能ではない木材調達への規制強化は、コスト増加や原材料調達の制約につながるリスクがあります。また、自然災害やテロなどの人的災害により生産設備が被害を受けると、事業活動が停止し、業績や財務状況に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 国内需要及び市況の変動リスク当社グループの売上高の8割を占める紙・パルプ製造事業は概ね内需型産業であり、国内景気の影響を大きく受けます。国内景気の浮沈による国内需要の動向や市況価格の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。紙の国内需要については既に減少傾向にあり、当該リスクへの対応を喫緊の課題として認識して、「中期経営計画2025」で既存事業の構造転換を計画し、家庭紙分野への新規参入やパルプの増産、販売強化に取り組んでおります。② 原材料購入価格の変動リスク当社グループはチップ、重油、古紙、薬品などの諸原燃材料を購入しておりますが、それぞれの国際市況、国内市況の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。③ 地球環境に対するリスク当社グループは、気候変動対策を目的に、化石燃料使用の規制強化やそれに伴うコストの増加、紙をつくる上で、重要な原材料である木材の持続可能ではない調達の規制強化により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。④ 地域環境汚染に対するリスク当社グループは、環境規制遵守ができないことによる環境保護に関する風評リスク(地域社会との関係悪化に伴う反対運動の発生など)により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 為替レートの変動リスク当社グループは輸出入取引をしており、このため当該国との取引通貨が為替変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑥ 金利の変動リスク当社グループは、従来よりグループファイナンスによる資金の効率化に取り組んでおりますが、今後の金利の変動によっては経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑦ 災害リスク天変地異などの自然災害、テロなどの人的災害などによって、当社グループの生産設備に多大な被害を被ることにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。⑧ 感染症に関するリスク新型コロナウイルス感染症に代表される未知の感染症が流行した場合には、感染症拡大による需要減少、当社グループ従業員が感染した場合や、政府・地域行政機関からの要請等により生産活動を一時的に停止した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、流行期における基本的な感染対策の推奨等、感染拡大防止に取り組みながら事業活動を継続しております。⑨ 訴訟リスク当社グループの事業活動の遂行に当たっては、様々な法規制の適用下にあって、それらによる訴訟等のリスクにさらされる可能性があり、その結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑩ 偶発債務当社グループは、上記以外の項目に関しても偶発債務に起因する損失が発生するリスクがあり、その結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。