研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 31 |
| 2024-03 | - | 15 |
| 2023-03 | - | 45 |
| 2022-03 | - | 58 |
| 2021-03 | - | 64 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,658 文字
6 【研究開発活動】<研究開発方針>研究開発本部では、2024年度を最終年とする中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)の事業戦略に沿った3つの研究開発方針を掲げて研究開発に取り組んでまいりました。成長事業である機能商品事業の拡大につながる商品開発、「紙」から「素材」への転換と環境配慮型商品の拡販につながる商品開発、事業の支えとなる力強い研究開発体制の構築。この方針のもと、既存分野の深化、基盤技術強化、そして新規分野の探索を積極的に進めてまいりました。さらに2025年度から始まる中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)においては、「技術・研究の”SHINKA”で三菱製紙の真価を高める」という研究開発方針を掲げ、柱となる現行商品とコア技術の強化(深化)、コア技術の発展による高品質な商品のグローバル拡販(進化)、当社コア技術と外部技術の融合及び新技術への投資による開発商品での周辺・新市場参入(新化)、そして人と組織の成長と強化(進化)を進めます。 <研究開発体制>研究開発本部は「企画」「開発」「支援」の三部門から組織されています。「企画」は研究開発企画部にて、機能商品及び紙素材の両事業部を、研究開発企画、市場情報収集、人財育成、技術共有、進捗管理等からサポートし、全社的な視点から研究開発を推進しています。「開発」は、工場で生産している製品及び関連製品の研究開発と技術支援をスムーズに行い、開発を加速し、各事業分野の収益に貢献するために、生産場所である工場の敷地内に開発部隊が置かれています。高砂工場内にある高砂R&Dセンターは、機能性不織布の開発をメインテーマとしています。京都工場内には、イメージングメディア、エレクトロニクス関連製品等の開発、および新規探索をテーマとする京都R&Dセンターが置かれています。また、2025年4月に設立された基盤技術センターには、八戸開発室と富士開発室が置かれています。八戸工場内にある八戸開発室は紙素材の用途開発を担っています。一方、2024年7月に合併したKJ特殊紙の研究開発部門がルーツである富士開発室は、テープ原紙、医療用滅菌紙といった富士工場の主力製品である生活資材を開発しています。ルーツと専門分野が異なる二つの開発室が新しい価値を生み出し、コア技術分野の強化を推進しています。「支援」は、研究開発本部直下にあった分析グループが2025年4月より分析センターとなり研究開発本部だけでなく、技術本部や各工場をも支援しています。また、知的財産部も分析センターと同じく京都工場を拠点とし、開発部隊を戦略的に支援しています。さらに、新規領域への進出「新化」のために、研究開発部門が一丸となって大学や外部機関との連携を強化しています。当連結会計年度の研究開発費は568百万円で、当連結会計年度末に当社グループが保有する産業財産権の総数は964件であります。 <各事業分野の研究開発活動>当社が手掛ける事業分野は機能商品事業と紙素材事業です。各事業分野の研究開発活動は次の通りです。(1) 機能商品事業機能商品事業においては、情報資材、画像資材、産業資材、生活資材の4つの分野に関連する製品の研究開発を進めています。 ①情報資材関連商品情報資材関連商品としては、特に感熱紙に注力して取り組んでいます。物流ラベル市場に向けて、環境に配慮した再湿糊型ライナーレスラベル「Water Thermal」を開発し、ライナーレス化とシリコーンレスを同時に実現するサステナブルなラベルシステムとして紹介を進めています。 ②画像資材関連商品画像資材関連商品としては、特にインクジェットメディアに注力して取り組んでいます。テキスタイル分野において環境負荷が低い昇華転写用デジタル捺染紙のラインナップを拡充して、国内、北米およびアジアを中心に市場開拓を推進しています。また、2024年10月にはリサイクル可能な写真グレードのインクジェットメディアの開発についてニュースリリースいたしました。この製品は、従来プラスチックを積層した原紙を使用していたためにリサイクルができなかった写真グレードのインクジェット用紙を、弊社の精密塗工技術を用いてプラスチックフィルム不使用とした、色鮮やかなプリントが可能であると同時に地球環境に優しい製品となっています。 ③産業資材関連商品産業資材関連商品としては、特に水処理膜支持体と蓄電デバイス用セパレータに注力し、その他耐熱材料、フィルターの開発に取り組んでいます。水処理膜支持体については、逆浸透(RO)膜基材の高性能化・低コスト化に向けた基材の開発を進めており、蓄電デバイス用セパレータについても使用される電子機器の高性能化に適応するための要素技術の開発と製品の改良を進めています。さらに不織布技術の応用として、ガラス繊維など無機繊維を用いる湿式不織布と無機顔料素材の塗工技術とを最適に組み合わせることにより高い耐熱性、断熱性を持つ耐熱シート・耐熱ボードを開発しています。また、全熱交換エレメントや抗菌フィルター用途の材料開発にも取り組んでいます。 ④生活資材関連商品生活資材関連商品としては、テープ原紙、化粧紙、医療用滅菌紙に注力して取り組んでいます。特にテープ原紙については、建築現場の外内装に使用されるフラット紙タイプのマスキングテープの開発をグローバルな視点で取り組んでおり、国内外の顧客からの様々なニーズに対応しています。 当連結会計年度の機能商品事業での研究開発費は441百万円です。 (2) 紙素材事業紙素材事業分野においては、容器包装プラスチックに代わる包装材料、印刷用紙等の紙素材の新規製品の研究開発を進めています。拡販を進めている包装材料については、2023年に晒クラフト紙をベースとした片面クラフトコート紙が大手菓子メーカーのパッケージに採用された例に続き、2024年には新たにペットフードメーカーや調味料メーカーのパッケージにも採用されました。またバリコート(ヒートシールグレード FSC認証)が紙製カトラリーの紙パッケージに選ばれました。プラスチック削減に貢献できる紙素材であることと、その利用を通じてSDGsに貢献できるFSC森林認証紙であることが評価されたものです。また、パルプ素材については紙製品用途以外への有効活用技術を探索しています。 当連結会計年度の紙素材事業での研究開発費は127百万円です。
FY2024|3,091 文字
6 【研究開発活動】研究開発方針研究開発本部では、中期経営計画の事業戦略に沿った次の3つの研究開発方針を掲げています。成長事業である機能商品事業の拡大につながる商品開発。「紙」から「素材」への転換と環境配慮型商品の拡販につながる商品開発。事業の支えとなる力強い研究開発体制の構築。この方針のもと、既存分野の深化および周辺領域との相乗による基盤技術強化、ならびに新規分野の探索・開拓を積極的に行っています。 研究開発体制研究開発本部は、「企画」「開発」「支援」の部門から組織されています。「企画」は、2023年4月に設立された研究開発企画部にて、機能商品および紙素材の両事業部を、研究開発企画、市場情報収集、人材育成、技術共有、進捗管理などからサポートし、全社的な視点から研究開発を推進しています。「開発」は、工場で生産している製品および関連製品の研究開発と技術支援をスムーズに行い、開発を加速し、各事業分野の収益に確実に貢献するために、生産場所である工場の敷地内に開発部隊が置かれています。高砂工場内には、機能性不織布の開発をメインテーマとする高砂R&Dセンターが、京都工場内には、イメージングメディア、エレクトロニクス、医療・ヘルスケア関連製品などの開発をテーマとする京都R&Dセンターが置かれています。八戸工場には、商品開発部の開発部隊が常駐して、紙素材のポテンシャルを追求することを信条とした用途開発を行っています。また、パルプの用途開発は、研究開発部門が一丸となって探索を進めています。「支援」は、分析部門と知的財産部門が、研究開発本部直轄の組織として、京都R&Dセンター内で戦略的に開発部隊を支援しています。また、2024年7月にはKJ特殊紙との合併により、KJ特殊紙の研究開発部門を統合し、特殊紙の研究開発の強化を行います。当連結会計年度の研究開発費は586百万円で、当連結会計年度末に当社グループが保有する産業財産権の総数は1,105件であります。 各事業分野の研究開発活動当社が手掛ける事業分野は、機能商品事業と紙素材事業です。事業分野ごとの研究開発活動は、次のとおりです。 (1) 機能商品事業機能商品事業分野においては、機能材関連製品、イメージングメディア関連製品の研究開発を進めています。 ①機能材関連製品機能材関連製品としては、高機能不織布製品の開発にリソースを集中し、水処理膜支持体、蓄電デバイス用セパレータ、耐熱材料、その他の機能性材料の開発に取り組んでいます。水処理膜支持体については、逆浸透(RO)膜の高性能化・低コスト化に向けた基材の開発に取り組んでいます。また、食品・製薬用途向けフィルター用不織布などの開発を進めると共に、派生製品として、水素エネルギー関連製品の開発を進めています。蓄電デバイス用セパレータ「NanoBase」については、使用される電子機器の小型化及び高性能化に適応するための要素技術の開発と製品の改良を進めております。耐熱材料については、建材用途などの耐火性・耐熱性・断熱性が求められる分野へ向けて、高耐熱性ガラス繊維不織布を開発しております。その他機能性材料については、環境配慮型商品であるリサイクル炭素繊維不織布などの開発にも力を入れています。エレクトロニクス関連製品については、電子工業向けの機能性フィルムとして、エッチング、エレクトロフォーミング、サンドブラストなどの精密フォトファブリケーション加工に用いる、特色のあるドライフィルムフォトレジストを開発しています。そして、高解像性、高耐薬品性などの機能を向上させ、情報・通信機器製造、半導体製造装置の部材加工、自動車電装部品加工用途等の電子工業分野への進出を推進しています。医療・ヘルスケア関連製品については、生殖医療の発展に貢献する、研究用卵子・胚の凍結保存用デバイス「Diamour」の販売拡大、畜産用途への展開、周辺部材の開発を推進しています。子会社のKJ特殊紙では、建築分野、環境分野、医療衛生分野への展開の観点からの商品開発を進めています。建築分野では内外装の塗装に使用する和紙マスキングテープの開発に取り組んでおり、グローバルな視点で、顧客からの様々なニーズに対応しております。環境分野については、有害物質処理装置に搭載する無機繊維シートの開発及び性能向上に取り組んでいます。医療衛生分野については、ヒートシール性を付与した紙タイプ及び不織布タイプの医療包装材料の開発及び性能向上に取り組んでいます。 ②イメージングメディア関連製品イメージングメディア関連商品としては、インクジェット用紙、写真感光材料などのイメージングメディア製品、これらイメージングメディア製品の開発で蓄積した技術を活かしたエレクトロニクス関連製品、医療・ヘルスケア関連製品などの成長分野での商品開発を進めています。インクジェット用紙については、テキスタイル分野において環境負荷が低い昇華転写用デジタル捺染紙のラインナップを拡充して、国内、北米およびアジアを中心に市場開拓を推進しています。また、高速化、高精細化に対応した、新しい産業用インクジェット用紙の開発に取り組んでいます。写真感光材料については、スクリーン印刷版、フレキソ印刷版を作製するときに用いる、サーマルレーザー製版用銀塩感熱フィルム「TRF-IR830」を製品化し、販売拡大に努めております。感熱ヘッドによる直接描画タイプ「TRF-IFM175」も開発いたしました。これらは薬液による現像処理が不要な完全プロセスレスフィルムであり、環境負荷を大幅に低減した環境配慮型商品です。「TRF-IR830」は日本印刷学会の2024年度の技術奨励賞を受賞しております。また、情報資材分野では、物販系Eコマース市場と共に需要が堅調な物流ラベル市場に向けて、環境に配慮した再湿糊型ライナーレスラベル「Water Thermal」を開発しました。プリンタメーカーでは量産型の専用プリンタの開発をスタートしており、ライナーレスとシリコーンレスを同時に実現するサステナブルなラベルシステムとして紹介を進めています。当連結会計年度の機能商品事業での研究開発費は540百万円です。 (2) 紙素材事業紙素材事業分野においては、容器包装プラスチックに代わる包装材料、印刷用紙などの紙素材の新規製品の研究開発を進めています。拡販を進めている包装材料については、晒クラフト紙をベースとした片面クラフトコート紙(晒クラフトコートN FSC認証-MX)が大手菓子メーカーの2次包装商品パッケージに採用されました。これは、軟包装向けに開発したコート層による鮮やかな発色性と優れた屈曲耐性、ベースの晒クラフト紙による製袋加工時や輸送時に耐えられる強度などの品質面とFSC森林認証紙としての環境配慮面が高く評価されたものです。これまで軟包装分野の紙化包装で課題であった発色性の問題を解決できる素材として様々なユーザーから引き合いが来ております。また、これまで晒クラフト紙では無かった両面に艶感を持たせた「両艶晒クラフト紙」も開発するなど、晒・未晒のクラフト紙分野での品質改良を行い包装材料分野の商品を拡充しました。印刷用紙分野では、新たに印刷光沢と不透明性を両立させた薄物印刷用コート紙を開発し、大手通販会社に新規採用されました。パルプ素材については、紙製品用途以外への有効活用技術を探索しています。当連結会計年度の紙素材事業での研究開発費は45百万円です。
FY2023|2,923 文字
6 【研究開発活動】研究開発方針当社は、研究開発本部が統括する研究開発部門において、既存分野の深化および周辺領域との相乗による基盤技術強化、ならびに新規分野の探索・開拓を積極的に行っています。なかでも、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって、地球環境の保全と循環型社会の構築は、何より重要な課題であり、「グリーン社会への貢献」を意識した商品開発を通して、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立を目指しています。 研究開発体制2020年1月に発足した研究開発本部が、全事業分野における新製品開発、技術支援、人材最適化を機動的に行い、「サステナビリティ向上のための組織変革」を進め、経営戦略に沿った研究開発テーマの策定や研究リソース配分の適正化などを行っています。また、未来志向の研究開発テーマの構築にも注力しています。また、工場で生産している製品および関連製品の研究開発と技術支援をスムーズに行い、開発を加速し、各事業分野の収益に確実に貢献するために、生産場所である工場の敷地内に開発部隊が置かれています。高砂工場内には、機能性不織布の研究開発をメインテーマとする高砂R&Dセンターが2021年に設立されました。イメージングメディア、エレクトロニクス、医療・ヘルスケア関連製品などで当社を支えている京都工場に関わる研究開発は、京都工場内の京都R&Dセンターが担っています。商品開発部の開発部隊は、八戸工場に常駐して、紙素材のポテンシャルを追求することを信条とした用途開発を行っています。また、パルプの用途開発は、研究開発部門が一丸となって探索を進めています。分析部門と知的財産部門は、研究開発本部直轄の組織として、京都R&Dセンター内で戦略的に開発部隊を支援しています。当連結会計年度の研究開発費は783百万円で、当連結会計年度末に当社グループが保有する産業財産権の総数は1,236件であります。 各事業分野の研究開発活動当社が手掛ける事業分野は、機能商品事業と紙素材事業です。事業分野ごとの研究開発活動は、次のとおりです。 (1) 機能商品事業機能商品事業分野においては、機能材関連製品、イメージングメディア関連製品の研究開発を進めています。 1)機能材関連製品機能材関連製品としては、高機能不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池・コンデンサ用セパレータ、水処理関連材料、その他の機能性材料の開発に取り組んでいます。エアフィルターについては、感染症及び地球温暖化対策の観点から、省エネ換気扇である全熱交換器の需要が世界的に伸びており、寒冷地でニーズの高い、結露しにくい全熱交換素子を開発し、北米市場などへの展開を進めています。二次電池・コンデンサ用セパレータ「NanoBase」については、使用される電子機器の小型化及び高性能化に適応するための要素技術の開発と製品の改良を進めております。水処理関連材料については、逆浸透(RO)膜基材の開発で獲得した技術を横展開し、膜分離活性汚泥法(MBR)膜基材、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維不織布、ポリオレフィン繊維不織布などの開発を進めています。その他機能性材料については、環境配慮型商品であるリサイクル炭素繊維不織布などの開発にも力を入れています。また、高性能メルトブロー不織布や機能性樹脂からなるメルトブロー不織布の探索も進めています。子会社のKJ特殊紙㈱では、建材分野及び医療衛生分野への展開、並びに脱プラスチックの観点からの商品開発を進めています。建材分野については、内装材の不燃性能を向上させる無機繊維シートを開発しました。また、医療衛生分野については、ヒートシール性を付与した不織布タイプの医療包装材料を開発しました。さらに、脱プラスチックの観点から、野菜等の食品に直接使用される結束テープ基材の開発を進めています。 2)イメージングメディア関連製品イメージングメディア関連商品としては、インクジェット用紙、写真感光材料などのイメージングメディア製品、これらイメージングメディア製品の開発で蓄積した技術を活かしたエレクトロニクス関連製品、医療・ヘルスケア関連製品などの成長分野での商品開発を進めています。インクジェット用紙については、テキスタイル分野において昇華転写用デジタル捺染紙のラインナップを拡充して、国内、北米およびアジアを中心に市場開拓を推進しています。また、高速化、高精細化に対応した、新しい産業用インクジェット用紙の開発に取り組んでいます。写真感光材料については、スクリーン印刷版、フレキソ印刷版を作製するときに用いる、サーマルレーザー製版用フィルム「TRF-IR830」を製品化し、販売拡大に努めております。「TRF-IR830」は、レーザー描画による感熱反応によって高濃度の画像を形成するため、銀塩フィルムと異なり、薬液による現像処理が不要な完全プロセスレスフィルムであり、環境負荷を大幅に低減した環境配慮型商品です。エレクトロニクス関連製品については、電子工業向けの機能性フィルムとして、エッチング、エレクトロフォーミング、サンドブラストなどの精密フォトファブリケーション加工に用いる、特色のあるドライフィルムフォトレジストを開発しています。そして、高解像性、高耐薬品性などの機能性を向上させ、情報・通信機器製造をはじめとする電子工業分野への進出を推進しています。医療・ヘルスケア関連製品については、生殖医療の発展に貢献する、研究用卵子・胚の凍結保存用デバイス「Diamour」、アルコール除菌液「pure Leaf」などの販売拡大を推進しています。当連結会計年度の機能商品事業での研究開発費は541百万円です。 (2) 紙素材事業紙素材事業分野においては、容器包装プラスチックに代わる包装材料、印刷用紙などの紙素材の新規製品の研究開発と、再生可能資源であるパルプ素材の新規用途探索を進めています。拡販を進めている包装材料については、包装用コート紙「barrisherpa(バリシェルパ)」が大手コーヒーチェーン店の商品パッケージに採用されました。これはコーヒーの豊かな香りと鮮度を保持できる高い酸素/水蒸気バリア性と強度を兼ね備えた包装用紙素材として、環境配慮が高いことが評価されたものです。また、「barricote(バリコート)」と水性インクジェットを組み合わせたパッケージが、世界包装機構(World Packaging Organization)主催の「ワールドスターコンテスト2023」において「ワールドスター賞」を受賞しました。また、印刷用紙については、需要減少が続く中、「特徴ある印刷用紙を市場に投入することで、ニッチな市場を開拓していく」ことを旨として、顧客ニーズに真摯に取り組み、新たに自紙光沢・印刷光沢に特徴を持たせた印刷用コート紙が、大手出版社に新規採用されました。パルプ素材については、紙製品用途以外への有効活用技術を探索しています。当連結会計年度の紙素材事業での研究開発費は242百万円です。
FY2022|2,758 文字
5 【研究開発活動】研究開発方針について:当社は各研究センターを中心とする研究部門において既存分野の基盤技術強化、および新規分野の探索・開拓を積極的に行っております。中でも地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、商品開発を通して環境への配慮とより豊かな文化生活の両立を目指しております。 事業分野と研究開発体制について:紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、インクジェット用紙部門と写真用印画紙、写真用原紙、印刷製版材料などの写真感光材料部門から構成され、研究開発は電気・電子関連材料などイメージング技術を応用した分野に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の開発とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。2020年1月に研究開発本部を新設し、事業部傘下に組織されていた各研究部門を全社で統括し、全事業横断的に新製品開発、技術支援、人材最適化を機動的に行える環境を整えました。この体制下で、経営課題に基づく重点思考による研究テーマの策定や研究リソース配分の適正化など成果を上げております。また、未来志向の研究テーマ構築にも注力しております。更に、開発の加速、収益への貢献を確実とするために開発実行体制を見直し、製造場所から離れていたつくばR&Dセンターは閉鎖し、主な研究テーマと関連のある高砂工場内に高砂R&Dセンターを新設しました。特に同センター内には、工場の湿式不織布製造をスケールダウンしたテスト機を設置し、高砂工場の主力製品および関連製品の研究開発を、一つの場所でスムーズに行うことができる環境を整え、開発の迅速化に資しております。一方、つくばの研究テーマの内、京都工場に関わる一部テーマについては京都R&Dセンターに移しました。また、分析業務は、つくばと京都に並存していたものを京都R&Dセンター内に集約し、且つ、研究開発本部直轄の組織として戦略的に運用しております。当社主力製品である紙に係る研究は、用途開発を中心に商品開発部が担当しており、また、同部では再生可能資源としての木材利用を促進すべく、紙用途以外でのパルプの有効活用について探索を進めております。 当連結会計年度の研究開発費は942百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,430件であります。セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (1) 紙・パルプ事業拡販を進めている包装分野では、包装用コート紙「barricote(バリコート)」が大手菓子ブランドに優れたバリア性を評価いただき、脱プラ包材として新規採用されるなど多くのお客様にご評価いただいております。併せて、品揃えの拡充として、従来の晒クラフト紙よりも様々な印刷方式に対応した「晒クラフトコート」を開発し、様々な分野へサステナブル包材のご提案を進めております。またグラフィック用途につきましても、需要減少が続く中、「特徴ある印刷用紙を市場に投入することでニッチな市場を開拓していく」ことを旨に、お客様の個別ニーズにも対応させていただいております。具体的には出版社向けに白紙光沢・印刷光沢に特徴をもたせた印刷用コート紙を開発し、新規採用されました。当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は428百万円であります。 (2) イメージング事業イメージング事業では、インクジェット用紙部門、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルムなど成長分野での商品開発を進めております。インクジェット用紙部門では、テキスタイル分野において昇華転写用デジタル捺染紙のラインナップを拡充して国内、北米およびアジア市場を中心に開拓を進めるとともに、耐久性を付与した新商品の開発に取り組んでおります。写真感光材料部門では、新たにアルミCTPプレートセッターで出力できるサーマルレーザー製版フィルムを発売し、品揃えを強化して販売拡大に努めております。また、電子工業向けの機能性フィルムでは半導体製造装置部品や情報端末部品加工用の感光性レジストフィルム、電子回路製造用工程フィルムなどの品揃えを強化するとともに高機能製品の開発を進め、販売拡大に努めています。その他、既に発売しております胚凍結保存デバイス、アルコール除菌液などの医療・ヘルスケア分野の新規製品開発に取り組んでいます。当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は270百万円であります。 (3) 機能材事業機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池・コンデンサ用セパレータ、水処理関連材料、耐熱材料、その他各種機能性材料の開発を進めております。エアフィルターについては、依然高い空気質改善のニーズに応えるべく、メルトブロー不織布などの集塵部材そのものに抗菌、抗ウイルス、抗アレル物質などの機能を持たせた高性能集塵フィルターの開発を進めております。二次電池・コンデンサ用セパレータについては、使用される電子機器の小型化及び高性能化に適応するための要素技術の開発と製品の改良を進めております。水処理関連材料については、逆浸透(RO)膜基材の開発で獲得した技術を横展開し、膜分離活性汚泥法(MBR)膜基材、PPS繊維不織布、医療用膜基材等の開発を進めております。耐熱材料については、建材用途を始めとする、不燃性・難燃性が求められる分野で使用可能なガラス繊維不織布、グラスウールボード、炭素繊維不織布等を開発しております。また、今年度、高砂工場でメルトブロー不織布製造装置が稼働したことから、事業領域を拡大すべく、機能性メルトブロー不織布やメルトブロー不織布を使った川下製品の開発を開始しております。子会社のKJ特殊紙㈱では、環境分野、医療衛生分野への展開を進めています。漆喰塗装用粘着シート基材を開発しました。住空間の空気清浄化をサポートします。また、介護現場の作業環境を改善し、かつ、脱プラも達成した活性炭消臭紙を商品化しました。介護現場でオムツの取替え時に従来のビニール袋より優れた消臭機能を発揮しています。そして、脱プラテープとして、袋の口を封止するバッグシーリングテープ基材を商品化しました。脱プラと言うだけでなく手で切って開けやすさも好評です。更には、生分解性の抗菌・抗ウイルス紙の開発にも取り組んでいます。今後も様々な分野でニッチ市場を開拓していきます。当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は242百万円であります。
FY2021|2,674 文字
5 【研究開発活動】研究開発方針について:当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の商品開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。 事業分野と研究開発体制について:紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、インクジェット用紙部門と写真用印画紙、写真用原紙、印刷製版材料などの写真感光材料部門から構成され、研究開発は電気・電子関連材料などイメージング技術を応用した分野に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の開発とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。2020年1月に研究開発本部を新設し、事業部傘下に組織されていた各研究部門を全社で統括し、全事業横断的に新製品開発、技術支援、人材最適化を機動的に行える環境を整えました。この体制下で、経営課題に基づく重点指向による研究テーマの策定や研究リソース配分の適正化など成果を上げております。また、未来志向の研究テーマ構築にも注力しております。更に、開発の加速、収益への貢献を確実とするために開発実行体制を見直し、製造場所から離れていたつくばR&Dセンターは閉鎖し、主な研究テーマと関連のある高砂工場内に高砂R&Dセンターを新設し、また、京都工場に関わる一部の研究テーマは京都R&Dセンターに移管します。併せて、つくばと京都に並存していた分析業務は京都R&Dセンター内に集約し、且つ、研究開発本部直轄の組織として戦略的に運用します。当社主力製品である紙に係る研究は、用途開発を中心に商品開発部が担当しており、また、同部では再生可能資源としての木材利用を促進すべく、紙用途以外でのパルプの有効活用について探索を進めております。 当連結会計年度の研究開発費は1,043百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,521件であります。セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (1) 紙・パルプ事業当社は従来より、耐水性と耐油性を兼ね備えた板紙を商品としてラインナップしておりましたが、昨今の海洋プラスチック問題等、容器包装におけるプラスチック削減に貢献する商品を要望する声を受け、この度、「撥水耐油板紙」を上市いたしました。従来品の耐水性を大幅に向上させ、また耐油性を示すキット値を最大値まで向上させた商品であり、また、電子レンジ加熱を想定した容器にも適用可能です。紙の利用を通じてSDGs(持続可能な開発目標)に貢献できるFSC森林認証紙も対応可能となっております。本銘柄は、前年度より本格検討中の紙素材の包装用コート紙「barricote」ブランドと共に、TOKYO PACK 2021(2021年2月)にてご紹介させていただき、多くの方々に関心を持っていただきました。また既に上市した晒クラフトの機能性新商品として、抗菌クラフト紙を開発いたしました。本銘柄は、抗菌マーク取得基準に合格しており、抗菌性の封筒や紙袋として既に採用されております。本銘柄もFSC森林認証紙対応可能であり、今後、更なる用途展開が期待されております。今後も引き続き、脱プラが期待される商品、包装用紙を中心に、新商品開発を進めてまいります。当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は387百万円であります。 (2) イメージング事業イメージング事業では、インクジェット用紙部門、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルムなど成長分野での商品開発を進めております。インクジェット用紙部門では、抗菌性、屋外耐候性を付与した新商品を開発し上市するとともに、テキスタイル分野において昇華転写用デジタル捺染紙のラインナップを拡充して国内、北米およびアジア市場を中心に開拓に取り組んでおります。写真感光材料部門では、新たに感熱式製版フィルムの段ボール・パッケージ印刷市場への展開による事業拡大など新分野の開拓を進めております。また、電子工業材料の新規用途開発や先端絶縁材料の処理システム開発に注力しており、すでに上市しております感光性レジストやレジスト処理システムに加えエレクトロニクス分野で品揃えを強化して販売拡大に努めるとともに、その他既に発売しております卵子凍結保存デバイス、アルコール除菌液などの医療・ヘルスケア分野の新規製品開発に取り組んでいます。当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は376百万円であります。 (3) 機能材事業機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池・コンデンサ用セパレータ、水処理関連材料、その他各種機能性材料の開発を進めております。エアフィルターについては、コロナ禍で換気の重要性が認識され、全熱交換換気装置用素子の販売が増えており、紙素子の品揃え拡充に加え、欧米の主流で中国でも需要が出始めているポリマー素子の開発を進めております。二次電池・コンデンサ用セパレータについては、使用される電子機器の小型化に適応するための要素技術の開発および製品への適用を進めております。水処理関連基材については、RO膜基材のラインナップ拡大を進めるとともに、RO膜以外の水処理膜用基材の開発も進めております。その他、PPS繊維不織布、超耐熱ガラス繊維不織布、軽量不燃グラスウールボード等、新たな機能性材料を開発し、市場への投入を検討しております。子会社のKJ特殊紙では、高耐熱の無機繊維シート「コーセラン」がVOC除去装置、除湿装置用の吸着基材剤担持体として採用されており、軽量の耐熱材・防炎材、各種フィルター等への用途展開を進めるとともに、ニーズに合わせた繊維・処方変更等で製品ラインナップの拡充に取り組んでおります。カーボンナノチューブ分散液は精密機器搬送用容器の帯電防止材で採用され拡大する中、帯電防止材料の改良等を行っております。また、環境問題の対処に有効な、廃材を利用した商品の開発を始めました。当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は279百万円であります。
FY2020|2,155 文字
5 【研究開発活動】研究開発方針について:当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の商品開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。 事業分野と研究開発体制について:紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、インクジェット用紙部門と写真用印画紙、写真用原紙、印刷製版材料などの写真感光材料部門から構成され、研究開発は電気・電子関連材料などイメージング技術を応用した分野に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の開発とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。研究活動は、つくばR&Dセンター(旧機能材研究開発センター)、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター及び商品開発部等で運営しております。白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は1,170百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,588件であります。 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (1) 紙・パルプ事業八戸工場では、お客様からの要望にお応えし、新たに「DFカラーマットIJ」を上市いたしました。当該銘柄は、これまで当社が培ってきた産業用インクジェット用紙開発の技術を応用したもので、産業用インクジェット印刷機、オフセット印刷機、いずれに対しても優れた適性を有する共用印刷用紙となっております。特に圧着葉書用途として好適に使用する事ができ、お客様からも高い評価をいただいております。また、八戸工場はこれまで印刷用紙の生産が中心でしたが、新商品開発プロジェクトの下、包装用紙の商品化検討を進めており、既に上市した晒クラフト紙に続き、「barricote J HS-G」の商品化に至りました。この銘柄は、当社が積極的に商品展開を進めている、紙素材の包装用コート紙 「barricote」ブランドの一つであり、優れたヒートシール適性と高いグラビア印刷適性を両立した、二次包装(集合包装)用途に特化したグレードになります。今後更に、プラスチック材料から紙素材への置換が可能な新商品を提供すべく、開発を継続中であります。当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は354百万円であります。 (2) イメージング事業イメージング事業では、インクジェット用紙部門、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルムなど成長分野での商品開発を進めております。インクジェット用紙部門では、テキスタイル分野において昇華転写用デジタル捺染紙のラインナップを拡充して北米およびアジア市場を中心に開拓を進めており、熱圧転写用のデジタル捺染紙は試験販売に向け開発に取り組んでおります。写真感光材料部門では、軽印刷業界をターゲットとした製版機器の開発を完了するとともに、シルクスクリーン印刷業界をターゲットとしたTシャツ向け新規転写システムの導入に取り組むなど新分野の開拓を進めております。京都R&Dセンターでは、電子工業材料の新規用途開発や先端絶縁材料の処理システム開発に注力しており、すでに上市しております感光性レジストやレジスト処理システムとともにエレクトロニクス分野で品揃えを強化して販売拡大に努めております。当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は467百万円であります。 (3) 機能材事業機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種機能性材料の開発を進めております。エアフィルターについては、成長が見込まれる中国空気清浄機市場を開拓すべく、中国子会社に濾材生産設備及び空気清浄機の中国国家標準に準拠した評価設備を導入し、中国での開発・生産体制を構築しました。リチウムイオン電池用のセパレータについては、より電池の長寿命化に貢献できるようなセパレータの設計・開発を進めております。また、耐熱性・耐薬品性に優れたPPS繊維不織布、極薄オレフィン繊維不織布、その他の特殊繊維のシート化を検討し、多くのお客様と共同で商品化を検討しております。子会社のKJ特殊紙では、セラミック繊維を用いた高耐熱の無機繊維シート「コーセラン」の強度、加工性の向上と量産化を達成し、耐熱材に加え、VOC除去装置、除湿装置用の吸着基材として採用されました。更に不燃材、防炎材等への展開を図っています。また、カーボンナノチューブ分散液は帯電防止材料として採用が決まり、更なる拡販を進めております。当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は348百万円であります。
FY2019|2,136 文字
5 【研究開発活動】研究開発方針について:当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の商品開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。 事業分野と研究開発体制について:紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、インクジェット用紙部門と写真用印画紙、写真用原紙、印刷製版材料などの写真感光材料部門から構成され、研究開発は電気・電子関連材料などイメージング技術を応用した分野に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の開発とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。研究活動は、機能材研究開発センター、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター及び八戸開発室等で運営しております。白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は1,132百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,691件であります。 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (1) 紙・パルプ事業紙・パルプ事業では、八戸工場において精力的に開発を続けている産業用インクジェット用紙に関しては、インクジェット書籍用紙の新商品開発を進めました。インクジェット印刷による文庫本の数量が伸びを示しており、デジタル印刷書籍市場は今後もさらに拡大が期待されております。このような背景から、よりお客様からの要望に応えるべく、従来のインクジェット書籍銘柄とは異なる色相の嵩高品を2種、新たに商品化いたしました。また、洋紙事業における新たな商品開発プロジェクトをスタートさせ、2018年後半に一般軽包装用紙として晒クラフト紙を上市しました。しっかりとした厚み感、面の粗いラフな風合いでありながら良好なオフセット印刷適性、包装用紙として破れ難い事をコンセプトとして開発した商品でお客様からも高い評価をいただいており、今後、プラスチック材料品からの置き換えが期待される新たな包装用紙の開発などを進めております。当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は203百万円であります。 (2) イメージング事業イメージング事業では、インクジェット用紙部門、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルムなど成長分野での商品開発を進めております。インクジェット用紙部門では、テキスタイル分野において昇華転写用デジタル捺染紙のラインナップを拡充してアジア市場の開拓を進めており、熱圧転写用のデジタル捺染紙は試験販売に向け開発に取り組んでおります。写真感光材料部門では、シルクスクリーン印刷業界をターゲットとした大フレーム対応のデジタルスクリーン製版機の開発に着手するとともに、極小ロットのオフセットやデジタル印刷の印刷後加工分野に向けて自動紙加工機の開発に取り組むなど新分野の開拓を進めております。京都R&Dセンターでは、感光性レジストの新規用途開発や先端絶縁材料の処理システム開発に注力しており、すでに上市しております感光性レジストやレジスト処理システム、タッチパネルセンサーとともにエレクトロニクス分野で品揃えを強化して販売拡大に努めております。当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は533百万円であります。 (3) 機能材事業機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種機能性材料の開発を進めております。エアフィルターについては、特殊吸着剤及び素材メーカーと協同開発した低圧損・高効率の集塵部材を用いて、PM2.5やVOCを効率良く除去できるキャビンフィルターを開発し、自動車メーカーに採用されました。リチウムイオン電池用のセパレータについては、従来の高耐熱性の特性を維持しつつ、より一層薄いセパレータの設計開発、製造方法の検討を行っております。また、現在、耐熱性・耐薬品性に優れたPPS繊維不織布、表面の均一性が特徴の再生炭素繊維不織布、極薄オレフィン繊維不織布等の新たな開発品について、国内外のお客様に評価を進めていただいております。子会社のKJ特殊紙では、カーボンナノチューブ分散液を導電性発熱塗料や帯電防止塗料の材料として拡販するとともに、極薄フレキシブル面状ヒーターの実用化等を進めております。また、セラミック繊維を用いた高耐熱の無機繊維シート「コーセラン」の強度向上と量産化を進め、不燃材・防炎材・耐熱材等への用途展開を図っております。当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は395百万円であります。
FY2018|2,383 文字
5 【研究開発活動】研究開発方針について:当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の商品開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。 事業分野と研究開発体制について:紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、大きく分けてインクジェット用紙部門と写真用印画紙、写真用原紙、印刷製版材料などの写真感光材料部門から構成され、研究開発は電気・電子関連材料などイメージング技術を応用した分野に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の開発とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。研究活動は、機能材研究開発センター(旧つくばR&Dセンター)、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター制で運営しております。白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は11億4千8百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,655件であります。 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (1) 紙・パルプ事業紙・パルプ事業では、これまで産業用インクジェット用紙の新規開発を進めてまいりましたが、この技術を応用し、現在は新たに、インクジェット昇華捺染転写用紙の開発に注力しております。捺染用紙市場の中でもインクジェット昇華捺染は、北米、南米、欧州を中心に、年率20%と特に高い伸び率で市場を拡大しており、転写用紙に対しても高品質発現の為の高い技術が要望されるようになってまいりました。開発検討の結果、お客様の品質要望に応えられる銘柄として、「IJ-TF-PIJ63」の商品化に至りました。既に海外向けで販売を開始しており、今後の数量拡大が期待されます。また、八戸工場の廃棄物ボイラー焼却灰を造粒することで有効活用した商品「リグローブ」の拡販を進めており、前期、国土交通省東北地方整備局や八戸市の事業に使用していただいたのに続き、当期は、青森県商工労働部や青森県産業技術センターにも雑草抑制材として採用されております。加えて、従来の用途にとどまらず、新規用途展開の可能性を検証しております。さらに、洋紙事業における新たな商品開発プロジェクトをスタートさせました。新たな機能紙などの開発を進めており、商品化に向けて幾つかの銘柄について試作を重ねている段階です。当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は1億9千9百万円であります。 (2) イメージング事業イメージング事業では、インクジェット用紙部門、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルムなど成長分野での商品開発を進めております。インクジェット用紙部門では、デジタル捺染デモセンターを高砂工場内に設置し、テキスタイル分野において急拡大しつつある昇華熱転用及び熱圧転写用のデジタル捺染紙を開発、上市いたしました。写真感光材料部門では、シルクスクリーン印刷業界をターゲットとしたデジタルスクリーン製版機を上市し、極小ロットのオフセットやデジタル印刷の印刷後加工分野に向けて、自動紙加工機を開発するなど新分野の開拓を進めております。京都R&Dセンターでは、電子基板や電子部品用絶縁材料のエッチング液を上市し、すでに上市しております感光性レジストやレジスト処理システム、タッチパネルセンサーとともにエレクトロニクス分野で品揃えを強化して販売拡大に努めております。当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は6億1千7百万円であります。 (3) 機能材事業機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種機能性材料の開発を進めております。エアフィルターについては、室内空気環境への関心が高まる新興国市場向けに、脱臭、集塵、機能性フィルターの開発・提案を進め、ASEANの空気清浄機及びエアコンメーカーに採用されております。機能材研究開発センターで開発した電池用セパレータについては、高耐熱性を有した塗工タイプの不織布セパレータが、国内外において産業用電池に採用されました。引き続き、用途拡大に向けた評価を進めていただいておりますが、 EV用として採用されるためには、高安全性等の性能発現メカニズムの解明が必要であり、大学とも共同で研究を行い、お客様への情報提供を行っております。その他の機能性材料については、均一性に優れた炭素繊維不織布を開発し、現在、複数のお客様により利用評価が進められております。また、パルプ由来のセルロースの利用については、セルロースと樹脂の複合材の効率的な生産方法の検討を進めております。子会社のKJ特殊紙では、独自の技術により開発したカーボンナノチューブの分散液をベースとして、商品を塗料、塗工シート、成型体、染糸、織物などの形態に展開して、導電発熱性塗料、帯電防止塗料、極薄フレキシブル面状ヒーター等への応用を検討しています。また、従来有している無機繊維の抄造技術と融合させ、300℃以上の高温用薄膜ヒーターの実用化を図っております。当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は3億3千1百万円であります。
FY2017|2,326 文字
6 【研究開発活動】研究開発方針について:当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。 事業分野と研究開発体制について:当社グループの事業分野は、紙・パルプ事業、イメージング事業、機能材事業に分類されます。紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、大きく分けてインクジェット用紙部門と写真用印画紙、写真用原紙、印刷製版材料などの写真感光材料部門から構成され、研究開発は電気・電子関連材料などイメージング技術を応用した分野に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の作成とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。研究活動は、つくばR&Dセンター、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター制で運営しております。白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は11億2千2百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,639件であります。 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (1) 紙・パルプ事業紙・パルプ部門では、ユーザーの皆様のご要望にお応えする形で、今年度も産業用インクジェット用紙の新商品開発を進めてまいりました。染料インク・顔料インク両用コート紙製品としてご高評いただいている「SWORD iJET」シリーズに続き、更に印字部光沢に優れ、オフセットライクな印刷上がりが特長である「DP-IJ5グロス」を開発し、海外を中心に高い評価を受けております。また、文庫本サイズのコミックに用いられる「IJコミック文庫用紙」も既に大手出版社にご採用いただき、今後の数量拡大が期待されます。これら以外でも新聞用途、圧着葉書用途など各分野における産業用インクジェット印刷に対応した新商品を拡充してまいりました。また、紙製品以外に関しても研究開発を実施しております。八戸工場の廃棄物ボイラー焼却灰を有効活用する検討を進め、灰造粒品「リグローブ」の商品化に至りました。エコマーク認定を取得(第14131006号)したこの商品は、吸水性が高い、雑草の生育を抑制する、軽量であるにも関わらず風で飛散しない、など幾つかの興味深い特性が確認され、既に八戸市、国土交通省東北地方整備局の公共事業などに採用されております。平成28年12月には大型生産設備が操業開始となり、今後さらに用途拡大を進めてまいります。当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は1億9千2百万円であります。 (2) イメージング事業イメージング事業では、インクジェット用紙部門、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルムなど成長分野での商品開発を進めております。インクジェット用紙部門では、ドライミニラボ専用紙を1グレード追加するとともに、テキスタイル分野において急拡大しつつあるデジタル捺染紙を2種類開発し、上市いたしました。写真感光材料部門では、CTP/CTF兼用ダイレクト製版システム「サーマルディジプレート(TDP)」において、1m超の感熱フィルムの長尺出力を可能とし、段ボールやのぼり等幅広い用途への展開を図りました。また、シルクスクリーン印刷業界をターゲットとしたデジタルスクリーン製版機を開発し、デジタル印刷等の後加工分野に無線綴じ製本機を発売するなど新分野の開拓を進めております。京都R&Dセンターでは、次世代の商品として、電子基板や電子部品用難加工材料の微細加工に用いられる感光性レジストやレジスト処理システム、タッチパネル用途の透明導電性フィルムを開発しており、既に製品化して市場拡大に努めております。当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は5億5千1百万円であります。 (3) 機能材事業機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種機能性材料の開発を進めております。エアフィルターについては、室内空気環境への関心が高まる新興国市場向けに、脱臭、集塵、抗菌など複数の機能を一つのフィルターにコンパクトに搭載した多機能フィルターを開発・提案中であり、エアコン等の家電空調製品への採用検討が進んでおります。電池用セパレータについては、従来にない高耐熱性を有した塗工タイプの不織布セパレータを開発し、現在、国内外の電池メーカーで性能評価を進めていただいております。つくばR&Dセンターでは、炭素繊維を利用した不織布シートの開発と用途開拓、セルロースと樹脂の複合体の開発、微細化セルロースの商品利用に関して共同検討を進めております。子会社のKJ特殊紙では、独自の技術により開発したカーボンナノチューブの分散液、塗工液、塗工シート、成型膜を商品化し、市場開拓を進めるとともに、電気機器部材、導電性塗料、超薄型面状ヒーター等への応用展開を図っております。当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は3億7千8百万円であります。
FY2016|2,027 文字
6 【研究開発活動】研究開発方針について:当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。 事業分野と研究開発体制について:当社グループの事業分野は、紙・パルプ事業、イメージング事業、機能材事業に分類されます。紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、大きく分けてインクジェット用紙部門、写真感材部門から構成され、写真感材部門では写真用印画紙、印画紙の原紙及び印刷製版材料のほか、イメージング技術を活かした電気・電子関連材料などの開発に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の作成とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。研究活動は、つくばR&Dセンター、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター制で運営しております。白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。 当連結会計年度の研究開発費は9億5千8百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,607件であります。 次に、各セグメント別の研究開発活動の状況は以下のとおりであります。 (1)紙・パルプ事業紙・パルプ部門では、絵本、ぬり絵、図録、表紙等の用途向けに、嵩高非塗工紙「ダイヤバルキー」を開発・上市いたしました。電子化や本離れ等から不況が長引く出版業界において、絵本、ぬり絵などの分野は好調に推移しており、これら用途向けに色鉛筆や絵の具で適度な筆記特性を有し、かつ嵩高でラフな肌合いと印刷での均一なインキ着肉性を両立したファンシーライクな嵩高非塗工紙を八戸工場(青森県八戸市)で開発いたしました。また、引き続き産業用インクジェット用紙の開発にも注力しております。各ハードメーカーから商業印刷分野をターゲットに、より高品質な印刷機が続々と投入されており、これらハードに対応しつつ商業印刷分野のボリュームゾーンに対応した薄物コート紙の開発に取り組んでおります。今後も進化するハードと市場の要望に対応した製品展開を進めてまいります。 当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は2億7百万円であります。 (2)イメージング事業イメージング事業では、インクジェット用紙、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルム等成長分野での商品開発を進めております。 インクジェット用紙部門では、紙ベースプルーフ用紙を1グレード追加するとともに、ドライミニラボ専用紙を2種類開発し、上市いたしました。写真感材部門では、プロセスレスタイプのCTP印刷版システム「サーマルディジプレート(TDP)」において、製版機械で共用できる感熱タイプの製版フィルムに加え、大サイズ対応の製版機械を投入してラインナップを拡充し、新分野の開拓を進めております。京都R&Dセンターで進められている次世代の商品として、プリント配線板等の電子材料のファインパターニングに用いられる感光性レジスト類やタッチパネル用途の機能性フィルムを開発しており、既に製品化して市場拡大に努めております。 当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は4億6千2百万円であります。 (3)機能材事業機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種フィルターの開発を進めております。エアフィルターでは、大気汚染により新興国で高まる空気浄化の需要に応えるべく、素材メーカーと連携して高性能の脱臭、集塵フィルターの開発を進めており、東南アジア向けに脱臭フィルターなどを商品化いたしました。二次電池用、各種コンデンサー用のセパレータについては、セルロース素材を使ったセパレータ、塗工タイプのセパレータの採用が進んでおります。現在、更に薄手で安全性の高いセパレータの開発検討を行っております。つくばR&Dセンターでは微細化セルロースに関して、効率的生産方法の検討と、共同研究を通じた用途開拓を進めております。また子会社のKJ特殊紙では、独自の技術を持つカーボンナノチューブ分散液・塗工液の量産設備を完成させ、それらを使用した加工品も含め、電気分野、化学分野など市場開拓に努めております。 当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は2億8千8百万円であります。