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データホライゾン(3628)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • データヘルス事業
    健康保険組合や市町村国保などの「保険者」向けに、加入者の医療費データ(レセプト)や健康診断の結果を分析し、医療費の適正化や健康増進を支援するサービスを提供しています。具体的には、医療費の無駄をなくすための計画作成支援や、加入者への健康指導、健康管理アプリ「kencom」の提供などを行い、保険者の保健事業を効率化・効果的にする手助けをしています。
  • データ利活用事業
    製薬会社や大学などの研究機関向けに、保険者から合法的に利用許諾を得た匿名加工済みの医療データを分析し、病気の原因究明や新薬開発、治療法の改善に役立つエビデンス(科学的根拠)を提供するサービスです。特に高齢者の慢性疾患や医薬品に関するデータが豊富で、顧客の研究開発を支援することで社会貢献も目指しています。
  • 独自の分析技術
    長年蓄積してきた医療関連データベースと、傷病ごとの医療費を細かく把握する「医療費分解」、病気の進行度合いを分類する「傷病管理システム」、治療中の病名を正確に判定する「レセプト分析システム」といった独自の技術を組み合わせ、高度なデータ分析を実現しています。これにより、保険者や研究機関に質の高い情報を提供し、事業の基盤としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ヘルスケア事業
    同社グループの主要な事業であり、唯一のセグメントです。国民の健康増進と医療費適正化への貢献を目的としています。この事業は、主に「データヘルス関連サービス」と「データ利活用サービス」の二つの柱で構成されており、医療関連データベースと独自の分析技術を活用しています。
  • データヘルス関連サービス
    健康保険組合や市町村国保などの「保険者」向けに提供されるサービスです。レセプトや特定健診のデータを分析し、医療費適正化のための計画作成支援レポートの提供、加入者への健康指導、健康管理アプリ「kencom」の運営などを通じて、保険者の保健事業を支援し、収益の柱となっています。
  • データ利活用サービス
    製薬会社、大学、自治体などを顧客とし、保険者から適法に利用許諾を得た匿名加工情報などを活用して、様々なデータソリューションを提供するサービスです。慢性疾患や医薬品に関する分析、エビデンス創出支援を通じて、社会に貢献するとともに、新たな収益源として成長を目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,067 文字
3【事業の内容】当社グループの事業の目的は、我が国で少子高齢化が進み医療費の増加が大きな社会問題となる中、国民の健康と医療費適正化に持続的に貢献することにあります。当社グループは、当社および連結子会社2社で構成されております。当社グループが営むヘルスケア事業は、自社で制作している医療関連データベース(*1)を利用したソフトウエアを開発し、このソフトウエアを利用したデータヘルス(*2)関連サービスを保険者等に提供することを主としております。また、自治体、大学、製薬会社等へ様々なデータソリューション提供を通じて創出したエビデンスを社会に還元するデータ利活用サービスを展開しております。なお、当社グループはヘルスケア事業の単一セグメントであります。 1.ヘルスケア事業 当社グループのヘルスケア事業は、主に保険者(*3)に提供するデータヘルス関連の保険者向け情報サービスと、自治体、大学、製薬会社等へ様々なデータソリューション提供を通じて創出したエビデンスを社会に還元するデータ利活用サービスで構成されております。 (1)データヘルス関連サービス データヘルス関連サービスは、主に保険者と契約し保険者と加入者に提供しております。保険者から預かったレセプト(*4)と特定健診のデータを分析し、医療費適正化のために、データヘルス計画作成支援等の分析レポートの提供と、保健事業の支援として、加入者への各種通知書の送付、加入者への保健指導を行うとともに、健康管理アプリ「kencom」を提供しております。 レセプトは、医科・調剤等の全てに対応しており、電子レセプトは未コード化病名(*5)もコード化し、紙レセプトの画像データをレセプトOCR変換技術(*6)でコード化した上で、分析を行っております。 コード化と分析については、長年にわたって開発してきた医療関連データベースと、三つの独自の技術(傷病ごとの医療費を把握する医療費分解(*7)、傷病のステージ別の患者を抽出・階層化する傷病管理システム(*8)、現在治療中の傷病名だけを判定することができるレセプト分析システムおよび分析方法(*9))を、活用しております。 ①データヘルス計画作成支援等の分析レポートの提供 分析結果に基づく医療費の適正化ポテンシャルを測定したポテンシャル分析および、データヘルス計画作成支援を行っています。データヘルス計画作成支援は、保険者の現状の把握、課題の抽出、課題に応じた事業の選定、目標の設定〈ポテンシャル分析〉から製本まで、保険者のニーズに合わせた支援を行っております。②保健事業支援 分析結果から対象者を抽出し、保険者に代わって加入者へ通知書の送付や指導、健康管理アプリの提供を行うことで、保険者の保健事業を支援しております。また、保健事業の結果をレセプトで分析することで、モニタリング・チェック・成果測定を行い、PDCAサイクルに乗ったアウトカムの見える事業として提供しております。a. 加入者への各種通知書の送付 ポリファーマシー、重複服薬、重複受診、頻回受診、生活習慣病放置者の対策のための通知と、ジェネリック医薬品(*10)普及促進のための通知等を行っております。b. 加入者への保健指導 糖尿病を中心として重症化予防、頻回受診などの受診行動適正の指導を、面談、電話、タブレット端末により行っております。なお、重症化予防指導は、慢性疾患(現在は主に糖尿病を対象)に罹患された方に対し、適切な情報および問題解決技法等の提供を通じ、病気の進行の防止や健康なライフスタイルの維持を図るものであります。c. 健康管理アプリ「kencom」の運営・提供 健診結果などの健康データ、個々の健康状態に合わせた情報などのコンテンツ提供を行うヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」を加入者に提供するサービスです。連結子会社であるDeSCヘルスケア㈱が本サービスの運営を行っております。 (2)データ利活用サービス データ利活用サービスは、製薬会社やアカデミア等を顧客とし、当社が保険者(地方公共団体等)と締結する契約に基づき、適法に利用許諾を得た匿名加工情報等を公益目的に沿った形で各種ソリューションを提供するサービスです。 当社のデータヘルス関連サービスは、高齢者層に関する情報を豊富に有する市町村国保、後期高齢者医療広域連合を含む保険者への提供が多く、これら保険者との契約に基づき慢性疾患と医薬品に関する分析やエビデンス創出に有用なソリューションの提供が可能となっております。 本サービスは顧客に対しては分析、解析、ならびに各種ツール等の提供を通じて、エビデンス創出を支援しております。2025年3月末時点の直近12カ月におけるソリューション提供先は69社(うち製薬企業等32社)にのぼり、累計290件以上の学会発表・論文掲載の実績を有しております。   [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注) 日本の医療保険制度の解説 日本では、国民皆保険制度により、日本国民ならだれでも、健康保険(会社で働く人が加入する組合管掌健康保険と全国健康保険協会)、共済組合(公務員等)、船員保険、後期高齢者医療制度(75歳以上の全ての人)、国民健康保険(自営業、無職の人を中心に前記制度に加入していない全ての人)のいずれかの医療保険制度に加入することになっております。 次の図は、医療保険制度に加入した国民(被保険者)が保険料を支払い、医療機関が診療報酬を受けとる流れを表したものであります。① 被保険者は、保険者に毎月、保険料を支払います。健康保険組合、全国健康保険協会の加入者は事業主を通じて保険者に支払い、後期高齢者医療制度、国民健康保険の加入者は直接保険者に支払います。② 患者(被保険者とその扶養家族)は、病気やケガをすると、医療機関で診察・投薬等を受けます。③ 患者は医療機関に自己負担分(多くは3割)を支払います。④ 医療機関は診療報酬の請求のために毎月患者ごとにレセプトを作成し、審査支払機関(*11)に提出します。⑤ 審査支払機関は、レセプトに誤りがないかを審査し、誤ったレセプトは医療機関に差し戻します。⑥ 審査支払機関は、合格した審査済レセプトを保険者に送付します。⑦ 保険者は、レセプトの合計金額を審査支払機関に支払います。⑧ 審査支払機関は、診療報酬を医療機関ごとに支払います。⑨ 保険者は、被保険者に健康診断と保健指導を行います。なお、2008年4月から40歳以上の被保険者に対して、特定健診、特定保健指導が義務付けられました。 (注) 用語の解説*1 医療関連データベース 1996年から蓄積してきた、当社グループの約11万件に及ぶ傷病、診療行為辞書データベース、約580万件に及ぶ傷病と診療行為、医薬品チェックデータベース、そして年間約3.8億件のレセプト分析情報などの医療関連データベースは当社グループの主要な製品・サービスに使用されています。*2 データヘルス データヘルスとは、レセプトや特定健康診査(特定健診)などから得られるデータの分析に基づいて、PDCAサイクルで実施する効率のよい保健事業です。*3 保険者 保険者とは,保険制度を運営する主体のことで、全国健康保険協会、健康保険組合、共済組合(公務員等)、後期高齢者医療広域連合、市町村および特別区(国民健康保険)などです。*4 レセプト レセプトは、医療機関から、月に一度、審査支払機関へ提出する患者ごとの請求書のことで、診療報酬明細書とも言われます。 その内容は、診療報酬点数表に基づき、薬、処置、検査などを点数化して、医療費を計算したものです。*5 未コード化病名 いわゆるワープロ病名で、傷病名マスターに収載されていない病名を使用する場合に、未コード化傷病名コードを使用して、病名がワープロ入力されたものです。*6 レセプトOCR変換技術 画像データを単にテキスト化することは他社でも可能であります。しかし、レセプトの画像から文字だけを抜き出し、その文字を病名、診療行為、医薬品などに分類し、病名と診療行為および医薬品を結びつけてテキスト化するのは困難です。 これを、当社グループでは、医療関連データベースを基にした技術で自動的にテキスト化しています。*7 医療費分解 レセプトには、複数の傷病名が記載され、使用した医薬品、検査、処置、保険点数は傷病名ごとに分類されることなく記載されており、傷病名ごとの医療費は明確ではありません。 医療費分解とは、傷病名ごとに医薬品、検査、処置などの保険点数を分解し、傷病名ごとの医療費を計算することと当社グループで定義しております。*8 傷病管理システム 傷病管理システムは、レセプト(診療報酬明細書)に記載の傷病識別情報、医薬品識別情報および診療行為識別情報に基づき、傷病のステージ別の患者を抽出・階層化するものです。*9 レセプト分析システムおよび分析方法 レセプト分析技術および分析方法は、レセプトに記載されている傷病名のうち、現在治療中の傷病名だけを判定することができ、高精度な保健事業対象者の抽出を可能にするものです。*10 ジェネリック医薬品 ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、成分そのものやその製造方法を対象とする特許権が消滅した先発医薬品について、特許権者ではなかった製薬会社がその特許の内容を利用して製造した、同じ主成分を含んだ医薬品です。 ジェネリック医薬品は新薬に比べ実施する試験項目が少ないため、開発費が少なく、価格は先発医薬品に対して2割~8割の価格になっています。*11 審査支払機関 審査支払機関は、レセプトの審査と、医療機関への診療報酬の支払業務を保険者に代わって行い、「社会保険診療報酬支払基金」「国民健康保険団体連合会」があります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
長年の医療関連データベース、レセプト分析技術、業務提携先の強みによる差別化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
長年にわたる医療関連データベース、レセプトOCR変換技術、独自の分析技術(医療費分解、傷病管理システム、レセプト分析システム)。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:競合他社の参入と価格競争 / 国や自治体の方針変更や関連法令等の改正 / 個人情報保護
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

データホライゾンは、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに依存する事業モデルではない。主力事業はデータ分析サービスであり、技術力やノウハウは重要だが、模倣可能性や代替技術の登場リスクがある。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客企業はデータ分析基盤やサービスを導入・運用しており、他社への切り替えには一定のコストや手間が発生する可能性がある。しかし、データ分析のニーズは多様化しており、特定のベンダーに縛られる度合いは限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

データホライゾンの事業は、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を持つものではない。個々の顧客との個別契約に基づいてサービス提供が行われるビジネスモデルである。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

データ分析サービスは、高度な専門知識や技術を要するため、構造的なコスト優位性を確立することは難しい。競合他社も同様の技術や人材を擁しており、価格競争に陥るリスクも存在する。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

データ分析市場は成長しているものの、データホライゾンが圧倒的なシェアを持つ寡占状態ではない。市場全体の成長を取り込むことは可能だが、規模の経済による明確な競争優位性は限定的。

  • 豊富な医療データベース
    1996年から蓄積してきた約11万件の傷病・診療行為辞書、約580万件の傷病・診療行為・医薬品チェックデータベース、年間約3.8億件のレセプト分析情報など、膨大な医療関連データを保有しています。この独自のデータベースが、同社グループの主要な製品・サービスの開発と提供を支える強固な基盤となっています。
  • 高度なレセプト分析技術
    レセプト(診療報酬明細書)の画像データから文字を抽出し、病名、診療行為、医薬品に分類・関連付けてテキスト化する独自のOCR変換技術を持っています。さらに、複数の傷病が記載されたレセプトから傷病ごとの医療費を分解したり、病気のステージを判別したりする高度な分析技術により、他社には真似できない詳細なデータ解析を可能にしています。
  • 多様なデータ活用実績
    データ利活用サービスでは、製薬会社やアカデミア向けに匿名加工情報を提供し、累計290件以上の学会発表・論文掲載実績があります。これは、同社グループのデータ分析能力とエビデンス創出への貢献が社会的に認められている証拠であり、顧客からの信頼獲得や新たなビジネス機会の創出につながる競争優位性となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、「感謝・感恩・感動の三感を源にして、縁ある方々の期待を超える感動の流れを生み出し、社会の進化と未来の環境に貢献し続ける」ことを経営理念として掲げております。 この理念のもと、医療関連データベースをコアコンピタンスにした、ヘルスケア事業のサービスと製品を通して、日本の医療費の適正化と国民のQOL(Quality of Life)向上に貢献することを経営の基本方針としております。 (2) 経営戦略等 当社グループは、保険者の保健事業支援を通じて生活者の健康増進・医療費の適正化に貢献するデータヘルス関連サービス、および自治体、大学、製薬会社等へ様々なデータソリューション提供を通じて創出したエビデンスを社会に還元するデータ利活用サービスを両輪に健康・医療の課題解決を行っております。これらのサービスを通じて、生活者の健康増進、行動変容を支援、ヘルスビッグデータを公益活用し、創出したエビデンスを社会に還元することを目指しております。  日本における医療を取り巻く環境は、高齢化の進展に伴い、将来的に医療費の増大が強く懸念されており、その適正化は社会的な課題となっています。特に高齢者(65歳以上)人口の増加は、年金、医療、介護といった社会保障費全体の増大に繋がり、国の財政を圧迫する要因となっています。また、国民の死亡原因の過半数を三大生活習慣病が占めている現状は、依然として重要な健康上の課題であり続けています。これらの状況を踏まえ、医療費の抑制と国民の健康寿命の延伸に向けた取組みが、社会全体として求められています。 このような経営環境のもと、当社グループでは社会保障制度の持続可能性向上を取り組むべき課題とし、既存事業であるデータヘルス関連サービス、データ利活用サービスそれぞれで価値を提供していきます。今後3年間で、データヘルス関連サービスの再成長・効率化と、データ利活用サービスの力強い成長による事業拡大による収益化を実現し、これら既存事業を安定した成長軌道に乗せるとともに新規事業等にも規律を持って投資を行うことで持続的な成長を目指します。 その実現に向け、2026年3月期については、前期までの投資と構造改革を結実させ、前年対比で大きな売上成長・収益化を実現する年度と位置付けています。  当社グループの主力であるデータヘルス関連サービスについては、多様化する自治体ニーズに応じたきめ細やかな営業、商品強化による売り上げ拡大と、AI活用による生産性の効率化に注力し、自治体におけるトップシェア拡大と事業構造の変革を行います。 データ利活用サービスについては、営業等の体制・ソリューション等を拡充することで取引社数や単価は力強く伸長しており、引き続きデータベースの質ならびに量を充実させながら、ユニークなデータソリューションによる力強い成長を持続させ、さらなる売上規模拡大を進めます。 また、中長期的な事業拡大に向けた仕込みとして、国内で蓄積されたソリューションの海外展開や地域、社会に向けたサービスの持続提供の検討など、既存のアセットを活用した規律ある新規投資を実施してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、各事業拡大のための投資をするなどで成長局面を迎えており、EBITDAを重要な経営指標と位置づけています。経営の効率性を高め、持続的な成長と企業価値の増大を図るため、その増大を目標に経営課題に取り組んでまいります。 当連結会計年度のEBITDAは、前連結会計年度 98百万円のマイナス から95百万円のプラス となりました。 (※)EBITDA=経常利益+金融費用+減価償却費+のれん償却費+臨時に発生した一時費用 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① データヘルス関連サービスのサービスラインアップと提供体制の強化 従来から行ってきたデータヘルス関連サービスの充実と、DeSCヘルスケア㈱を子会社化したシナジーとしてアプリケーションを活用した新たな保健事業の提供を行い、その提供体制を強化しコスト増加を抑えてまいります。(イ)従来から行ってきたデータヘルス関連サービスの充実 ニーズが多様化するデータヘルス計画への対応、保険者機能の強化をサポートするサービスの提供、保健事業と介護予防の一体的な実施に貢献するサービスの構築、多様化する都道府県ヘルスアップ事業への対応など、引き続き提供サービスを充実させてまいります。(ロ)アプリケーションの活用による保健事業の提供対象の拡大 DeSCヘルスケア㈱が持つヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」を自治体の保健事業として提供し、これまで行ってきた壮年期世代の生活習慣病重症化予防に加え、より若い世代の健康的な生活習慣の定着に向けた事業に幅を広げ、全国展開を目指してまいります。 ② データ利活用サービスの成長 データヘルス関連サービスで保険者から利用許諾を得たヘルスビッグデータを活用し、医療費の適正化等、公益性のあるデータ利活用サービスの取組みを加速してまいります。 今後は、営業体制の強化や協業先との取組みを推進しながら、アカデミア・製薬企業をはじめとするステークホルダーの皆様に利用いただく機会を拡大してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、「感謝・感恩・感動の三感を源にして、縁ある方々の期待を超える感動の流れを生み出し、社会の進化と未来の環境に貢献し続ける」ことを経営理念として掲げております。 この理念のもと、医療関連データベースをコアコンピタンスにした、ヘルスケア事業のサービスと製品を通して、日本の医療費の適正化と国民のQOL(Quality of Life)向上に貢献することを経営の基本方針としております。 (2) 経営戦略等 当社グループは、保険者の保健事業支援を通じて生活者の健康増進・医療費の適正化に貢献するデータヘルス関連サービス、および自治体、大学、製薬会社等へ様々なデータソリューション提供を通じて創出したエビデンスを社会に還元するデータ利活用サービスを両輪に健康・医療の課題解決を行っております。これらのサービスを通じて、生活者の健康増進、行動変容を支援、ヘルスビッグデータを公益活用し、創出したエビデンスを社会に還元することを目指しております。  日本における医療を取り巻く環境は、高齢化の進展に伴い、将来的に医療費の増大が強く懸念されており、その適正化は社会的な課題となっています。特に高齢者(65歳以上)人口の増加は、年金、医療、介護といった社会保障費全体の増大に繋がり、国の財政を圧迫する要因となっています。また、国民の死亡原因の過半数を三大生活習慣病が占めている現状は、依然として重要な健康上の課題であり続けています。これらの状況を踏まえ、医療費の抑制と国民の健康寿命の延伸に向けた取組みが、社会全体として求められています。 このような経営環境のもと、当社グループでは社会保障制度の持続可能性向上を取り組むべき課題とし、既存事業であるデータヘルス関連サービス、データ利活用サービスそれぞれで価値を提供していきます。今後3年間で、データヘルス関連サービスの再成長・効率化と、データ利活用サービスの力強い成長による事業拡大による収益化を実現し、これら既存事業を安定した成長軌道に乗せるとともに新規事業等にも規律を持って投資を行うことで持続的な成長を目指します。 その実現に向け、2026年3月期については、前期までの投資と構造改革を結実させ、前年対比で大きな売上成長・収益化を実現する年度と位置付けています。  当社グループの主力であるデータヘルス関連サービスについては、多様化する自治体ニーズに応じたきめ細やかな営業、商品強化による売り上げ拡大と、AI活用による生産性の効率化に注力し、自治体におけるトップシェア拡大と事業構造の変革を行います。 データ利活用サービスについては、営業等の体制・ソリューション等を拡充することで取引社数や単価は力強く伸長しており、引き続きデータベースの質ならびに量を充実させながら、ユニークなデータソリューションによる力強い成長を持続させ、さらなる売上規模拡大を進めます。 また、中長期的な事業拡大に向けた仕込みとして、国内で蓄積されたソリューションの海外展開や地域、社会に向けたサービスの持続提供の検討など、既存のアセットを活用した規律ある新規投資を実施してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、各事業拡大のための投資をするなどで成長局面を迎えており、EBITDAを重要な経営指標と位置づけています。経営の効率性を高め、持続的な成長と企業価値の増大を図るため、その増大を目標に経営課題に取り組んでまいります。 当連結会計年度のEBITDAは、前連結会計年度 98百万円のマイナス から95百万円のプラス となりました。 (※)EBITDA=経常利益+金融費用+減価償却費+のれん償却費+臨時に発生した一時費用 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① データヘルス関連サービスのサービスラインアップと提供体制の強化 従来から行ってきたデータヘルス関連サービスの充実と、DeSCヘルスケア㈱を子会社化したシナジーとしてアプリケーションを活用した新たな保健事業の提供を行い、その提供体制を強化しコスト増加を抑えてまいります。(イ)従来から行ってきたデータヘルス関連サービスの充実 ニーズが多様化するデータヘルス計画への対応、保険者機能の強化をサポートするサービスの提供、保健事業と介護予防の一体的な実施に貢献するサービスの構築、多様化する都道府県ヘルスアップ事業への対応など、引き続き提供サービスを充実させてまいります。(ロ)アプリケーションの活用による保健事業の提供対象の拡大 DeSCヘルスケア㈱が持つヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」を自治体の保健事業として提供し、これまで行ってきた壮年期世代の生活習慣病重症化予防に加え、より若い世代の健康的な生活習慣の定着に向けた事業に幅を広げ、全国展開を目指してまいります。 ② データ利活用サービスの成長 データヘルス関連サービスで保険者から利用許諾を得たヘルスビッグデータを活用し、医療費の適正化等、公益性のあるデータ利活用サービスの取組みを加速してまいります。 今後は、営業体制の強化や協業先との取組みを推進しながら、アカデミア・製薬企業をはじめとするステークホルダーの皆様に利用いただく機会を拡大してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況2025年3月期は、決算期変更により2024年7月1日から2025年3月31日までの9カ月決算となっております。前連結会計年度と会計期間が異なることから、以下の経営成績に関する説明において、増減額および前期比(%)を記載せず説明しております。 当連結会計年度における国内経済は、雇用環境の改善、個人消費や民間企業設備投資の増加などを背景に、景気は緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、資源価格や原材料価格の高騰、継続的な物価上昇や世界情勢の緊迫化など、先行きは依然として不透明な状況です。当社グループの主要顧客である自治体の国民健康保険、後期高齢者医療広域連合などの保険者の財政は厳しい状況が継続していると推測されます。一方で、保険財政の改善のための保険者による予防・健康づくりの推進および医療費適正化に向けての取組みは継続されております。このような状況下で、データヘルス関連サービスでは、第3期データヘルス計画にかかる受注の反動減により、当連結会計年度の売上高は前年同期(2023年7月-2024年3月の9カ月間)比で減少したものの、一昨年度に比べると19%増の水準となり、中期的な取引拡大に向けて、昨年度過去最高となった顧客数を活かし営業活動を積極的に進めております。主に健康保険組合向けに提案していたヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」については、自治体向けにも提案を推進しており、前連結会計年度に開始した岡山市と弘前市に加え、当連結会計年度は、新たに愛媛県、鹿児島県、宮城県、一宮市、高石市、津山市など、多数の自治体への提供を開始しており、これら案件含め来年度以降、さらなる売上増に繋げていきます。さらに、データ利活用サービスは、顧客からの当社グループのソリューションへの引き合いは強く、当連結会計年度は前年同期(2023年7月-2024年3月の9カ月間)比で売上高は45%増加しており、来年度以降も引き続き力強い成長を見込んでいます。なお、2025年3月末までの直近12カ月の取引社数は69社(うち製薬会社等 32社)となり、前年同期実績の50社(うち製薬会社等 28社)から順調に増加するとともに、顧客あたり取引額についても前年同期比で14%増加しております。これらの結果、当連結会計年度において当社グループの売上高は、38億53百万円(前連結会計年度は50億7百万円)となりました。損益面では、のれん償却費をはじめとする過去投資分の償却負担が大きく、営業損失は5億16百万円(前連結会計年度は7億89百万円の営業損失)、経常損失は5億3百万円(前連結会計年度は7億73百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は29億64百万円(前連結会計年度は8億7百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。これは、連結子会社であるDeSCヘルスケア㈱の株式取得時に計上したのれんおよび同社が保有する固定資産について24億40百万円の減損損失を計上したほか、効率的な事業運営のための拠点統合費用ならびに人員適正化のための費用を事業構造改善費用として特別損失に計上したことによるものです。なお、当社グループの収益力を図る客観的な指標としているEBITDA(注)は、95百万円のプラス(前連結会計年度は98百万円のマイナス)となりました。 (注)EBITDA=経常利益+金融費用+減価償却費+のれん償却費+臨時に発生した一時の費用 (イ)財政状態(資産の状況) 資産合計の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度末に比べて5億64百万円減少し、60億95百万円となりました。このうち、流動資産は売掛金及び契約資産が20億41百万円増加したほか、現金及び預金が2億円減少したことで17億85百万円増加し、当連結会計年度末の残高は41億8百万円となりました。 また、固定資産はDeSCヘルスケア㈱子会社化によるのれんならびに同社が保有する固定資産が減損損失の計上により減少したため、23億50百万円減少し、当連結会計年度末の残高は19億86百万円となりました。 (負債の状況) 負債合計の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度末に比べて24億29百万円増加し、58億73百万円となりました。このうち、流動負債は金融機関からの短期借入金が18億50百万円増加したことなどにより、19億13百万円増加し、当連結会計年度末の残高は33億18百万円となりました。また、固定負債は親会社からの長期借入金が6億円増加したことなどにより5億16百万円増加し、当連結会計年度末の残高は25億54百万円となりました。(純資産の状況)当連結会計年度末の純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純損失29億64百万円などにより前連結会計年度末に比べて29億94百万円減少し、2億21百万円となり、自己資本比率は2.5%となりました。 (ロ)経営成績(売上高) 当社グループの当連結会計年度の売上高は、データヘルス関連サービスでは第3期データヘルス計画にかかる受注の反動減により前年同期(2023年7月-2024年3月の9カ月間)比で減少したものの、一昨年度に比べると19%増の水準となり、データ利活用サービスは前年同期(2023年7月-2024年3月の9カ月間)比で売上高は45%増加しており、38億53百万円(前連結会計年度は50億7百万円)となりました。(売上総利益) 売上総利益は、減収による影響の一方で、売上原価は前年同期(2023年7月-2024年3月の9カ月間)比で削減したことにより12億14百万円(前連結会計年度は14億87百万円)となりました。なお、売上高総利益率は31.5%となりました。(営業損益) 営業損益は、販売費及び一般管理費が営業体制の強化やのれんの償却費1億91百万円などにより増加し、5億16百万円の営業損失(前連結会計年度は7億89百万円の営業損失)となりました。売上高営業利益率は、△13.4%となりました。(経常損益) 経常損益は、賃貸不動産の受取家賃ならびに賃貸収入原価の発生などにより、5億3百万円の経常損失(前連結会計年度は7億73百万円の経常損失)となりました。売上高経常利益率は、△13.1%となりました。(親会社株主に帰属する当期純損益) 親会社株主に帰属する当期純損益は、連結子会社であるDeSCヘルスケア㈱の株式取得時に計上したのれんおよび同社が保有する固定資産について24億40百万円の減損損失を計上したほか、効率的な事業運営のための拠点統合費用ならびに人員適正化のための費用を事業構造改善費用として特別損失に計上しました。これらの結果、29億64百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は8億7百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億円減少し、当連結会計年度末には12億24百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は、18億76百万円(前連結会計年度は1億20百万円の獲得)となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失29億65百万円、減損損失24億40百万円、売上債権及び契約資産の増加20億41百万円、減価償却費3億86百万円などによるものです。なお、当社は事業の特性上、3月末に売掛金の残高が大きくなるという特徴があります。当連結会計年度は9カ月決算となっている影響で4月以降の売掛金回収が含まれていないことから大きなマイナスとなっております。当連結会計年度末における売掛金残高は18億72百万円であり、4月以降売掛金を回収することで営業活動によるキャッシュ・フローは大幅に改善する予定です。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、6億73百万円(前連結会計年度は7億89百万円の使用)となりました。これは、主にヘルスケア事業に使用するプログラム開発等による無形固定資産の取得によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、23億49百万円(前連結会計年度は10億15百万円の獲得)となりました。これは、主に金融機関および親会社からの借入による運転資金の調達によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績(イ)生産実績 当社グループの事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 (ロ)受注実績 当連結会計年度の受注保険者数および受注保険者数残高の実績は、次のとおりであります。サービスの名称受注顧客数(件)前年同期比(%)受注顧客数残高(件)前年同期比(%)データヘルス関連サービス167-352-データ利活用サービス73-19-合計240-371-(注)当連結会計年度は決算期変更により2024年7月から2025年3月までの9カ月決算となっているため、前年同期との比較分析は行っておりません。また、データヘルス関連サービスの受注の多くは4月~6月に集中するため、当連結会計年度においては決算期変更の影響で受注顧客数残高が受注顧客数を上回っております。 (ハ)販売実績 当連結会計年度の販売実績をサービスの区分ごとに示すと、次のとおりであります。(単位:千円)サービスの名称当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)データヘルス関連サービス2,338,949-データ利活用サービス1,317,799-その他196,482-合計3,853,230-(注)当連結会計年度は決算期変更により9カ月決算となっているため、前年同期との比較分析は行っておりません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 また、当連結会計年度は決算期変更により9カ月決算となっているため、前年同期との比較分析は行っておりません。 ①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(イ)財政状態の分析 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。(ロ)経営成績の分析 当連結会計年度における売上高は38億53百万円となりました。当連結会計年度における売上高の概要は次のとおりと認識しております。a.会計期間変更の影響 先述のとおり、決算期変更のため当連結会計年度は9カ月決算となっております。この会計期間の差により売上高が減少しております。b.第3期データヘルス計画作成支援業務受注の影響 当社グループの主要顧客である市町村国保の保険者では、2023年度が第3期データヘルス計画の策定年度にあたり、前連結会計年度において当該計画の作成支援業務のニーズが多くありました。前連結会計年度にデータヘルス計画作成支援業務の受注によって大きく売上高を伸ばしましたが、当連結会計年度においては当該業務のニーズはなくなったため当社グループの受注も減少することとなりました。なお、当連結会計年度においては中期的な取引拡大に向けて積極的な営業活動を進めたほか、「kencom」の自治体からの受注実績を着実に積み上げており、これらを次期以降の売上拡大に繋げていきます。c.データ利活用サービスの拡大 データ利活用サービスについては、当社グループのソリューションへの引き合いは強く、売上高、取引社数、取引単価すべてで前年同期比増加となりました。サービスの立ち上げより高い成長を維持しており、当社グループの新たな事業の柱として今後も売上拡大に注力していきます。  上記のとおり、データヘルス関連サービスで売上が伸び悩んだ一方でデータ利活用サービスは売上増加となりましたが、コスト面ではのれん償却費をはじめとする過去投資分の償却負担が大きく、営業損失は5億16百万円(前連結会計年度は7億89百万円の営業損失)、経常損失は5億3百万円(前連結会計年度は7億73百万円の経常損失)となりました。売上高経常利益率は△13.1%であり、期首の計画値を下回りました。 なお、親会社株主に帰属する当期純損失は、連結子会社であるDeSCヘルスケア㈱の株式取得時に計上したのれんおよび同社が保有する固定資産について24億40百万円の減損損失を計上したほか、事業構造改善費用などを計上したことにより29億64百万円(前連結会計年度は8億7百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(イ)キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。(ロ)資本の財源及び資金の流動性 当社グループの主な資金需要は事業運営上必要な人件費および業務委託費などの運転資金ならびに研究開発投資に必要な人件費および外注費などであります。 当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金は12億24百万円、有利子負債は48億10百万円であります。 当社グループは、自治体との契約が中心となるため、自治体の年度末である3月末までを契約期間とする業務が多く、営業収入の入金が第1四半期に集中いたします。このため、期末の有利子負債残高が大きくなりますが、4月以降の入金で返済を行い、第1四半期末時点では有利子負債残高が減少する特徴があります。 なお、運転資金の外部調達については、複数の取引銀行と当座貸越契約を締結しているほか、当社の親会社である㈱ディー・エヌ・エーとDeSCヘルスケア㈱が極度貸付契約を締結しており、機動的な資金確保が可能であります。また、これらの当座貸越契約ならびに極度貸付契約の借入枠については十分な金額を確保しております。 なお、将来大規模な投資資金などの資金需要が発生した場合には、エクイティファイナンス等による調達手段を検討してまいります。 株主還元については、財務体質の強化および積極的な事業展開に備えるため必要な内部留保を確保しつつ、配当性向30%程度を目安として業績に対応した配当を行うことを基本方針としております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りや仮定によることが必要になります。経営者は、過去の実績や状況および現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に採用しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループが採用しております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

事業リスク

  • 競合激化と価格競争
    ヘルスケア事業の市場は拡大が見込まれる一方で、同社グループと一部重複するビジネスモデルを持つ競合他社が存在します。もし同社グループの技術的優位性が失われた場合、価格競争が激化し、収益が悪化する可能性があります。常に新しいサービス開発や差別化戦略で優位性を保つ必要があります。
  • 国の政策・法令変更
    医療費適正化を目指す国の政策や関連法令の変更が、事業に影響を与える可能性があります。例えば、データヘルス関連サービスで利用されている補助金の減額や廃止、個人情報保護法などのデータ利活用に関する規制強化があった場合、事業運営や収益に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 個人情報漏洩リスク
    多くの個人情報を取り扱うため、不正アクセスや事故による情報漏洩が発生した場合、損害賠償責任や社会的な信用失墜により、経営成績に重大な影響を与える可能性があります。プライバシーマークやISMS認証取得など、厳重な情報セキュリティ対策を継続的に講じる必要があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,451 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防および発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日(2025年6月27日)現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 ① 競合他社の参入と価格競争当社グループが提供するヘルスケア事業の市場は、今後拡大を続けていくと想定しておりますが、当社グループのビジネスモデルと一部重複するビジネスモデルを掲げる競合企業が存在しております。当社グループは、長年にわたり培ってきた医療関連データベース、レセプト分析技術、業務提携先の強みを活かした新たなサービスの創出等により、他社との差別化を図り継続的な事業成長に努めておりますが、競合他社により当社グループの優位性が失われた場合は、価格競争が激化し、当社グループの経営成績および今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策としまして、当社グループではお客様のニーズを汲み取った既存・新規サービスの運用・改善・開発を行うほか、当社のノウハウと業務提携先の強みを活かした新たなサービスの創出により、競合他社とのさらなる差別化を図り、優位性の保持に努めております。 ② 医療費適正化における国や自治体の方針変更や関連法令等の改正当社グループが主に提供しているデータヘルス関連サービスにおいては、医療費適正化を目指す国の方針のもと保険者努力支援制度等による補助金等の支援を国から自治体に行っております。今後支援制度の内容の変更、補助金の減額または廃止等が行われた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、データ利活用サービスにおいては、匿名加工情報の取り扱いにおいて個人情報保護法を遵守して推進しております。今後関連法令の制定、変更が行われた場合、当社グループの事業運営に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策としまして、当社グループでは国や自治体の方針に合わせた商品の見直し等を行うことで対応してまいります。 ③ 個人情報保護当社グループは、サービス提供などにおいて、多くの個人情報を取り扱っております。今後不正や事故などにより個人情報の漏洩が発生した場合、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策としまして、当社および、連結子会社であるDeSCヘルスケア㈱は、「プライバシーマーク」認証を取得し、更新審査等を通じて個人情報を保護する体制の維持に努めております。さらに、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得し、個人情報を含めた様々な情報保護の仕組みを社内に構築した上で個人情報の適正な管理にも努めております。その上で、情報セキュリティ管理委員会を設置し、情報セキュリティ体制の維持およびリスク管理を行っております。 ④ ㈱ディー・エヌ・エーとの資本業務提携契約当社は2022年6月29日付で㈱ディー・エヌ・エーとの間で資本業務提携契約を締結し、両社は事業運営の独立性を相互に尊重し、ヘルスケア事業について協業を進めております。一方で、㈱ディー・エヌ・エーは、2025年3月末現在、当社株式の発行済株式総数(自己株式控除後)の51.49%を保有する親会社であります。そのため、今後、㈱ディー・エヌ・エーの経営方針に変更があった場合、㈱ディー・エヌ・エーによる当社議決権の行使が当社の事業運営ならびに財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループは、当連結会計年度において減損損失を計上したことにより、当連結会計年度末における純資産額が2億21百万円まで減少し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。この状況を改善するべく、2025年3月期において「事業の効率化の推進」「拠点統合による固定費の削減」の事業構造の改善に取り組みました。これらの取組みに加え、当該減損損失の計上に伴い、今後の償却負担が大幅に軽減される見込みであり、収益構造の改善は確実なものと見込んでおります。また、当社グループの収益の柱であるデータヘルス関連サービスとデータ利活用サービスが着実に成長を続けていることから、黒字化および利益成長を実現し、短期および中長期的な財政状態の改善を見込んでおります。 資金面においては、金融機関5行ならびに親会社である㈱ディー・エヌ・エーからの資金借入枠を確保しており、当面の運転資金および投資資金において、資金繰りに重要な懸念はないと判断しております。 以上より、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりますが、重要な不確実性は認められないことから、「継続企業の前提に関する注記」は不要と判断しております。 ⑥ 人材の確保現在、情報産業界においては優秀な人材の確保が難しい状況であり、当社グループが必要な人材獲得を目標どおりできない場合、また、優秀な従業員が退職するなどの事態が発生した場合には、製品開発の遅れや売上計画の未達、残業時間の増加や人材の採用などに伴う経費の増加により、当社グループの経営成績および今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、積極的な採用活動を継続するほか、一人ひとりが個々の能力を発揮し、多様な人材が活躍できる柔軟で働きやすい職場環境の整備を進めるとともに待遇の改善に継続的に取り組み、従業員の定着率向上に努めております。

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