3501

SUMINOE(3501)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

繊維製品 素材・化学

事業の概要

  • インテリア製品の製造販売
    スミノエグループは、一般消費者向けのカーペット、壁紙、緞帳(だんちょう)などのインテリア製品を製造し、販売しています。子会社が販売を担い、製造子会社が原材料のスミトロン糸や製品を生産。設計・施工、加工、物流までを一貫して手掛けることで、多様なニーズに対応しています。
  • 自動車・車両内装材
    自動車や鉄道、バスなどの公共交通機関向けに、シート表皮材、クッション材、カーテン、壁装材、床材といった内装材の製造と販売を行っています。国内では当社と子会社が販売を、海外では米国、メキシコ、中国、タイなどの拠点が製造・販売を担い、グローバルに展開しています。
  • 機能性資材の提供
    ホットカーペット、浴室床材、消臭関連商材、航空機の内装材など、特定の機能を持つ資材の製造と販売も手掛けています。当社と中国、ベトナムの子会社が中心となり、生活空間や特殊な環境で役立つ製品を提供することで、事業の多角化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自動車・車両内装事業
    この事業は、売上高634.78億円、営業利益40.94億円と、グループ全体の稼ぎ頭となっています。自動車や鉄道、バスなどの公共交通機関向けに、シート表皮材やクッション材、カーテン、壁装材、床材といった内装材を製造・販売しており、国内外で幅広く展開しています。
  • インテリア事業
    一般消費者向けのインテリア製品を扱うこの事業は、売上高382.64億円、営業利益10.23億円を計上しています。カーペットや壁紙、緞帳などを製造・販売しており、設計・施工から加工、物流までを一貫して手掛けることで、多様な顧客ニーズに応えています。
  • 機能性資材事業
    ホットカーペット、浴室床材、消臭関連商材、航空機の内装材など、特定の機能を持つ資材を提供しています。売上高は25.66億円ですが、営業利益は-1.24億円と赤字であり、今後の収益改善が課題となる可能性があります。
2025-05 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
InteriorFittings 事業 383 10 2.7%
AutomotiveTextilesAndTrafficFacilities 事業 635 41 6.4%
FunctionalMaterials 事業 26 -1 -4.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,042 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社29社及び関連会社1社により構成され、インテリア製品、自動車車両内装材製品、機能性資材製品の製造及び販売を主な事業として取り組んでおります。当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、事業の種類はセグメントと同一の区分であります。 (インテリア事業)㈱スミノエ インテリア プロダクツ及び㈱プレテリアテキスタイルが一般消費者向けインテリア製品の販売等を行っており、ルノン㈱が壁紙を主とした製品の販売を行っております。製造においては、住江テクノ㈱がカーペット及びカーペットの材料であるスミトロン糸を、丹後テクスタイル㈱が緞帳、緞通等をそれぞれ製造しております。また、㈱シーピーオーが設計・製造・施工を、㈱ソーイング兵庫がインテリア製品の加工を、住江物流㈱が製品の物流業務をそれぞれ行っており、販売子会社の販売業務を補完しております。 (自動車・車両内装事業)自動車関連は、国内においては、主として当社及びスミノエ テイジン テクノ㈱が自動車内装材製品の販売を行っております。また、帝人テクロス㈱及び尾張整染㈱が自動車内装材の製造から加工を、住江テクノ㈱がカーペット及び不織布の加工をそれぞれ行っております。海外においては、Suminoe Textile of America Corporation(米国)、Suminoe Textile de Mexico, S.A. de C.V.(メキシコ)、住江互太(広州)汽車繊維製品有限公司(中国)、T.C.H. Suminoe Co., Ltd.(タイ)等の会社が自動車内装材の製造及び販売を行っております。車両関連は、鉄道及びバス等の公共交通機関向けに、主として当社がシート表皮材、クッション材、カーテン、壁装材、床材等の内装材の販売を行っております。また、関織物㈱が車両内装材の製造から加工を行っております。 (機能資材事業)主として当社及び蘇州住江織物有限公司(中国)がホットカーペット、浴室床材、消臭関連商材、航空機の内装材製品等の販売を行っております。製造においては、住江テクノ㈱及びSuminoe Textile Vietnam Co., Ltd.(ベトナム)が行っております。 (その他)関西ラボラトリー㈱及びインテック㈱が試験業務請負業等を営んでおり、当社グループを中心に取引しております。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料価格の高騰が原価高につながり、製品価格に転嫁できない、又は転嫁できる時期が遅延する可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
繊維・樹脂製品の「高機能化技術」と「評価技術」、独自の技術とノウハウの蓄積
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済情勢に関するリスク / 株価の下落に関するリスク / 製品の品質に関わるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

住江織物は、長年にわたり培ってきた「SUMINOE」ブランド力と、自動車内装材やカーペット分野におけるデザイン・技術開発力を持つ。特に、自動車メーカーとの共同開発や、高級ホテル・商業施設向けのカスタムデザイン実績は、一定の無形資産を形成していると考えられる。しかし、特許やIPの具体的な優位性に関する情報は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車内装材においては、自動車メーカーとの長年の取引関係と、仕様への適合性、品質管理体制がスイッチング・コストを生む。カーペット分野でも、建築・インテリアデザイナーとの連携や、物件ごとのカスタマイズ実績が、容易な乗り換えを困難にしている可能性がある。ただし、汎用品においてはスイッチング・コストは低い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

住江織物の事業モデルにおいて、ネットワーク効果が競争優位の源泉となっている明確な証拠は見当たらない。製品・サービスは主にBtoBであり、ユーザー数の増加が直接的な価値向上に繋がる構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

繊維製品の製造においては、原材料調達、生産効率、物流コストなどが競争力に影響する。住江織物は長年の事業経験から一定のコスト管理能力を持つと推測されるが、構造的なコスト優位性を示す具体的な情報は乏しい。海外生産拠点の活用や、自動化による効率化の余地は存在する。

  • 多岐にわたる製品群
    インテリア、自動車・車両内装、機能性資材と幅広い分野で製品を展開しており、特定の市場変動リスクを分散しています。カーペットから壁紙、自動車内装材、さらには消臭材や航空機内装材まで、多様な製品を提供することで、顧客基盤を安定させています。
  • 国内外の生産・販売網
    国内に加えて、米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナムなど海外7カ国に生産・販売拠点を持ち、グローバルな供給体制を構築しています。これにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応し、国際的な競争力を高めるとともに、為替変動リスクの軽減にも努めています。
  • 一貫した事業体制
    製品の企画・開発から製造、加工、物流、そして販売・施工までを一貫してグループ内で手掛ける体制を構築しています。これにより、品質管理を徹底し、顧客への安定供給を実現するとともに、コスト効率の向上や市場への迅速な対応を可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】2024年12月2日、「住江織物株式会社」から「SUMINOE株式会社」へ商号変更いたしました。また併せて、インテリア事業の基幹会社である「株式会社スミノエ」も「株式会社スミノエ インテリア プロダクツ」に商号変更しております。この商号変更を契機とし、本格的な海外展開に向けた活動を推進するとともに、非繊維関連を含む各事業の収益力及び競争力向上を目指し、世界に向けた新たな価値創造に挑戦してまいります。当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年5月31日現在)において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、くらしに寄り添う技術とアイデアで人と社会にやさしい空間を世界中へ提供することを使命とし、常に技術力の向上を図り、徹底した品質管理のもと、より良い製品づくりを追求しております。その時代によって求められる「快適さ」や「くらし」の姿は変わりますが、それらを追求し、これからの100年も人と社会にやさしい空間を世界中へ提供し、よろこび広がる未来のくらしをつくる存在となるため、独自の挑戦を続けてまいります。 (SUMINOE GROUP グループ理念) (中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」)当社は、2021年7月、これまで当社グループが取り組んできたESG経営のもと、社会のニーズに応える商材の拡販とグローバル経営を推進し、グループ社員全員の力を合わせてこの先の未来も成長していくために、中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」を策定いたしました。 (中長期経営目標後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」)2022年5月期から2024年5月期を対象とした前半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024 STEPⅠ」では、未来を見据えた着実な種まきを進め、2025年5月期から2027年5月期を対象とする後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」は、実力の底上げを確実に進める期間として位置づけております。  ※後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」は、2024年7月12日付で開示しております。 (中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」の定量目標)                                              (単位:百万円) 2024年5月 2025年5月2026年5月2027年5月STEPⅠとSTEPⅡ最終年の比較実績 ※策定時計画実績※策定時計画※期初計画※策定時計画(率)(額)売上高103,478105,300104,791106,000105,000109,000+5.3%+5,521営業利益営業利益率3,3003.2%3,3003.1%3,0012.9%4,2004.0%3,1003.0%5,0004.6%+51.5%+1,699経常利益3,6683,4002,5144,2003,3505,000+36.3%+1,331親会社株主に帰属する当期純利益8741,5006692,1001,5002,600+197.3%+1,725 為替レート1ドル(円)145.31 144.00152.60131.00144.00125.00 ※策定時計画は2024年7月12日付、2026年5月期の期初計画は2025年7月11日付で開示しております。  (中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」のセグメント別内訳)                                           (単位:百万円) 2024年5月 2025年5月2026年5月2027年5月STEPⅠとSTEPⅡ最終年の比較実績 ※策定時計画実績※策定時計画※期初計画※策定時計画(率)(額)インテリア事業売上高37,142 38,04038,26438,79038,74040,030+7.8%+2,887セグメント利益9461,0001,0231,1301,1501,360+43.7%+413自動車・車両内装事業売上高62,80064,18063,47863,62063,17065,080+3.6%+2,279セグメント利益4,4274,6104,0945,1304,3005,540+25.1%+1,112機能資材事業売上高3,1272,6502,5663,0902,6203,390+8.4%+262セグメント利益△66△180△1249020170―+236その他売上高407430481500470500+22.7%+92セグメント利益769086130120170+123.3%+93調整額セグメント利益△2,083△2,220△2,077△2,280△2,490△2,240―△156合計売上高103,478105,300104,791106,000105,000109,000+5.3%+5,521営業利益3,3003,3003,0014,2003,1005,000+51.5%+1,699 ※策定時計画は2024年7月12日付、2026年5月期の期初計画は2025年7月11日付で開示しております。  (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」における取り組み) VISION[わたしたちの目指す未来]である「時代や地球と調和する『新しい快適のスタンダード』を織りあげよろこび広がる未来のくらしをつくる。」を実現するため、これまで培ってきたコア技術をベースに、そして空間の理想像を柔軟に描く創造力で、社会を変える新たな価値を創造していきます。 「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」では、以下5つの重点テーマを追求するとともに実力の底上げを確実に進めていくことで、2027年5月期までに目標の収益率である営業利益率5.0%、資本コストを上回るROE8.0%、PBR1.0倍を目指してまいります。  具体的な取り組みは、以下のとおりです。 (収益性の向上)成長事業への注力及び既存事業の強化により、安定した収益基盤の確保と継続的な収益性の向上を目指してまいります。・メキシコ子会社に新設した合成皮革工場における顧客ニーズに対応する高品質な製品の安定的な供給(自動車内装) ・独自の加飾技術による差別化(自動車内装) ・鉄道各社における安全・防災対策取り組み強化に適う非常脱出はしごなどの提案と対応(車両内装) ・中高級ゾーンに対応する付加価値型製品群のラインナップ拡充とシリーズ化による顧客への訴求力向上(インテリア) ・環境対応について訴求力のある水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」のシェアアップ(インテリア) ・プロダクトポートフォリオの見直しによる高付加価値分野への注力(インテリア) ・夏物家電商材の開発及び拡販(機能資材) ・部門を越えた連携によるシナジー効果の最大化(全事業) ・適切な利益確保及び持続可能なサプライチェーン構築のための価格転嫁活動の実施(全事業) ・設備投資及び生産体制の再構築・効率化による生産性の向上(全事業) (グローバル展開のさらなる強化)ダイバーシティの拡大とグローバル戦略のアップデートにより、海外市場でのプレゼンスを高めてまいります。 ・国内外拠点の連携を強化し、海外での展示会出展やプレゼンテーション等による外資系自動車メーカーへの販路拡大(自動車内装) ・ベトナム拠点の生産体制再編によるコスト競争力の強化及び世界供給体制の最適化(自動車内装・機能資材) ・グローバルでのインテリア製品拡販に向けた体制構築(インテリア) ・グローバル人材の採用と育成(全社) ・キャリア申告制度の活用(全社) (非繊維領域の強化) 繊維で培ったコア技術をさらに進化させ、非繊維商材の開発及び受注拡大に注力いたします。 ・メキシコ子会社に新設した合成皮革工場を活用した新規素材の開発(自動車内装) ・鮮度保持などの新機能追加で、フィルター商品群を拡充(機能資材) ・合成皮革やスペース デザイン ビジネスなど、新たな付加価値のある製品・サービスの開発・拡販による他社との差別化(全事業) (経営基盤の強化)サステナビリティ経営の推進やコーポレートガバナンスの強化により透明性を高め、資本コストの抑制につなげます。 ・当社グループの成長を支える人材の育成・確保(全社) ・政策保有株式の縮減(全社) ・基幹システムの再構築(全社) (ブランディング)国内外における「SUMINOE」の認知度を高めるため、企業の総合力を高めつつ、積極的なブランディング向上施策を推進してまいります。 ・ブランド戦略室を中心としたSUMINOEブランド価値の競争力強化(インテリア) ・部門を越えた交流によるグループ内協力体制の強化(全社) ・コーポレートブランドの広告出稿(全社) ・インナーブランディング推進によるグループ理念・経営方針の浸透(全社) ・業務ツール等を通じた企業ロゴの露出強化(全社) (3) 資本政策の基本的な方針 (基本的な考え方)当社グループは、持続的な成長と中長期的に市場の期待を上回る企業価値の実現に向けて、「収益率の向上」「資産の有効活用」「財務レバレッジの利用」の3つのバランスを取りながら、ROEの向上に取り組みます。当社グループの株主資本コストは、CAPM(資本資産価格モデル)で算出して5~7%と認識しており、「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」期間において株主資本コストを上回る水準のROEを目指しているものの、2025年5月期実績のROEは2.1%、PBRは0.5倍となりました。2027年5月期に向けた主な経営指標(KPI)として、ROE、PBR、ROIC、WACCを設定し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた企業価値向上のための取り組みを積極的に進めていきます。自動車内装事業を取り巻く市場環境が不確実性を増している状況下で、今後株主資本コストを上回る水準のROEを達成するために、まずは「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」のもとで本業における利益率の改善が最重要課題であると認識しております。加えて、資本コストの抑制を図ることも必要であると考えております。    (2027年5月期に向けた主な経営指標(KPI))ROE8.0%PBR1.0倍ROIC8.0%WACC4.0% (株主還元方針) 当社は、「安定した株主還元」と「継続的な還元拡充」を株主還元方針として定めております。配当性向は、33%から38%への引き上げを行っており、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、急激な経営環境の悪化により著しく業績が低迷するような場合を除き、年間配当金35円を下限としております。※当社は、2025年3月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施したため、当該株式分割の影響を考慮した年間配当金を記載しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】2024年12月2日、「住江織物株式会社」から「SUMINOE株式会社」へ商号変更いたしました。また併せて、インテリア事業の基幹会社である「株式会社スミノエ」も「株式会社スミノエ インテリア プロダクツ」に商号変更しております。この商号変更を契機とし、本格的な海外展開に向けた活動を推進するとともに、非繊維関連を含む各事業の収益力及び競争力向上を目指し、世界に向けた新たな価値創造に挑戦してまいります。当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年5月31日現在)において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、くらしに寄り添う技術とアイデアで人と社会にやさしい空間を世界中へ提供することを使命とし、常に技術力の向上を図り、徹底した品質管理のもと、より良い製品づくりを追求しております。その時代によって求められる「快適さ」や「くらし」の姿は変わりますが、それらを追求し、これからの100年も人と社会にやさしい空間を世界中へ提供し、よろこび広がる未来のくらしをつくる存在となるため、独自の挑戦を続けてまいります。 (SUMINOE GROUP グループ理念) (中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」)当社は、2021年7月、これまで当社グループが取り組んできたESG経営のもと、社会のニーズに応える商材の拡販とグローバル経営を推進し、グループ社員全員の力を合わせてこの先の未来も成長していくために、中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」を策定いたしました。 (中長期経営目標後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」)2022年5月期から2024年5月期を対象とした前半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024 STEPⅠ」では、未来を見据えた着実な種まきを進め、2025年5月期から2027年5月期を対象とする後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」は、実力の底上げを確実に進める期間として位置づけております。  ※後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」は、2024年7月12日付で開示しております。 (中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」の定量目標)                                              (単位:百万円) 2024年5月 2025年5月2026年5月2027年5月STEPⅠとSTEPⅡ最終年の比較実績 ※策定時計画実績※策定時計画※期初計画※策定時計画(率)(額)売上高103,478105,300104,791106,000105,000109,000+5.3%+5,521営業利益営業利益率3,3003.2%3,3003.1%3,0012.9%4,2004.0%3,1003.0%5,0004.6%+51.5%+1,699経常利益3,6683,4002,5144,2003,3505,000+36.3%+1,331親会社株主に帰属する当期純利益8741,5006692,1001,5002,600+197.3%+1,725 為替レート1ドル(円)145.31 144.00152.60131.00144.00125.00 ※策定時計画は2024年7月12日付、2026年5月期の期初計画は2025年7月11日付で開示しております。  (中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」のセグメント別内訳)                                           (単位:百万円) 2024年5月 2025年5月2026年5月2027年5月STEPⅠとSTEPⅡ最終年の比較実績 ※策定時計画実績※策定時計画※期初計画※策定時計画(率)(額)インテリア事業売上高37,142 38,04038,26438,79038,74040,030+7.8%+2,887セグメント利益9461,0001,0231,1301,1501,360+43.7%+413自動車・車両内装事業売上高62,80064,18063,47863,62063,17065,080+3.6%+2,279セグメント利益4,4274,6104,0945,1304,3005,540+25.1%+1,112機能資材事業売上高3,1272,6502,5663,0902,6203,390+8.4%+262セグメント利益△66△180△1249020170―+236その他売上高407430481500470500+22.7%+92セグメント利益769086130120170+123.3%+93調整額セグメント利益△2,083△2,220△2,077△2,280△2,490△2,240―△156合計売上高103,478105,300104,791106,000105,000109,000+5.3%+5,521営業利益3,3003,3003,0014,2003,1005,000+51.5%+1,699 ※策定時計画は2024年7月12日付、2026年5月期の期初計画は2025年7月11日付で開示しております。  (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」における取り組み) VISION[わたしたちの目指す未来]である「時代や地球と調和する『新しい快適のスタンダード』を織りあげよろこび広がる未来のくらしをつくる。」を実現するため、これまで培ってきたコア技術をベースに、そして空間の理想像を柔軟に描く創造力で、社会を変える新たな価値を創造していきます。 「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」では、以下5つの重点テーマを追求するとともに実力の底上げを確実に進めていくことで、2027年5月期までに目標の収益率である営業利益率5.0%、資本コストを上回るROE8.0%、PBR1.0倍を目指してまいります。  具体的な取り組みは、以下のとおりです。 (収益性の向上)成長事業への注力及び既存事業の強化により、安定した収益基盤の確保と継続的な収益性の向上を目指してまいります。・メキシコ子会社に新設した合成皮革工場における顧客ニーズに対応する高品質な製品の安定的な供給(自動車内装) ・独自の加飾技術による差別化(自動車内装) ・鉄道各社における安全・防災対策取り組み強化に適う非常脱出はしごなどの提案と対応(車両内装) ・中高級ゾーンに対応する付加価値型製品群のラインナップ拡充とシリーズ化による顧客への訴求力向上(インテリア) ・環境対応について訴求力のある水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」のシェアアップ(インテリア) ・プロダクトポートフォリオの見直しによる高付加価値分野への注力(インテリア) ・夏物家電商材の開発及び拡販(機能資材) ・部門を越えた連携によるシナジー効果の最大化(全事業) ・適切な利益確保及び持続可能なサプライチェーン構築のための価格転嫁活動の実施(全事業) ・設備投資及び生産体制の再構築・効率化による生産性の向上(全事業) (グローバル展開のさらなる強化)ダイバーシティの拡大とグローバル戦略のアップデートにより、海外市場でのプレゼンスを高めてまいります。 ・国内外拠点の連携を強化し、海外での展示会出展やプレゼンテーション等による外資系自動車メーカーへの販路拡大(自動車内装) ・ベトナム拠点の生産体制再編によるコスト競争力の強化及び世界供給体制の最適化(自動車内装・機能資材) ・グローバルでのインテリア製品拡販に向けた体制構築(インテリア) ・グローバル人材の採用と育成(全社) ・キャリア申告制度の活用(全社) (非繊維領域の強化) 繊維で培ったコア技術をさらに進化させ、非繊維商材の開発及び受注拡大に注力いたします。 ・メキシコ子会社に新設した合成皮革工場を活用した新規素材の開発(自動車内装) ・鮮度保持などの新機能追加で、フィルター商品群を拡充(機能資材) ・合成皮革やスペース デザイン ビジネスなど、新たな付加価値のある製品・サービスの開発・拡販による他社との差別化(全事業) (経営基盤の強化)サステナビリティ経営の推進やコーポレートガバナンスの強化により透明性を高め、資本コストの抑制につなげます。 ・当社グループの成長を支える人材の育成・確保(全社) ・政策保有株式の縮減(全社) ・基幹システムの再構築(全社) (ブランディング)国内外における「SUMINOE」の認知度を高めるため、企業の総合力を高めつつ、積極的なブランディング向上施策を推進してまいります。 ・ブランド戦略室を中心としたSUMINOEブランド価値の競争力強化(インテリア) ・部門を越えた交流によるグループ内協力体制の強化(全社) ・コーポレートブランドの広告出稿(全社) ・インナーブランディング推進によるグループ理念・経営方針の浸透(全社) ・業務ツール等を通じた企業ロゴの露出強化(全社) (3) 資本政策の基本的な方針 (基本的な考え方)当社グループは、持続的な成長と中長期的に市場の期待を上回る企業価値の実現に向けて、「収益率の向上」「資産の有効活用」「財務レバレッジの利用」の3つのバランスを取りながら、ROEの向上に取り組みます。当社グループの株主資本コストは、CAPM(資本資産価格モデル)で算出して5~7%と認識しており、「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」期間において株主資本コストを上回る水準のROEを目指しているものの、2025年5月期実績のROEは2.1%、PBRは0.5倍となりました。2027年5月期に向けた主な経営指標(KPI)として、ROE、PBR、ROIC、WACCを設定し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた企業価値向上のための取り組みを積極的に進めていきます。自動車内装事業を取り巻く市場環境が不確実性を増している状況下で、今後株主資本コストを上回る水準のROEを達成するために、まずは「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」のもとで本業における利益率の改善が最重要課題であると認識しております。加えて、資本コストの抑制を図ることも必要であると考えております。    (2027年5月期に向けた主な経営指標(KPI))ROE8.0%PBR1.0倍ROIC8.0%WACC4.0% (株主還元方針) 当社は、「安定した株主還元」と「継続的な還元拡充」を株主還元方針として定めております。配当性向は、33%から38%への引き上げを行っており、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、急激な経営環境の悪化により著しく業績が低迷するような場合を除き、年間配当金35円を下限としております。※当社は、2025年3月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施したため、当該株式分割の影響を考慮した年間配当金を記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度末(2025年5月31日現在)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益や設備投資の活性化、インバウンド需要の拡大などにより、景気は底堅く推移しました。一方で、不安定な国際情勢のなか長期化する原材料・エネルギー価格の高止まりに加え、米国新政権による通商政策の動向などに注視が必要な状況が続きました。当社グループ事業に関連のあるインテリア業界において、国内の新設住宅着工戸数は前期比4.0%減、非住宅分野では着工床面積が同6.0%減となりました。また、自動車業界において、国内の日系自動車メーカーの生産台数は前期比2.0%減となり、海外においても減少しました。 このような状況のもと当連結会計年度における連結業績は、以下のとおりとなりました。 売上高は、自動車・車両内装事業において、鉄道・バス向けともに回復傾向が続く需要に的確に対応するとともに、インテリア事業では、環境性能が高く、幅広いニーズに応えられる水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」が評価され、納入物件数が増加したことから、前期比1.3%増の1,047億91百万円となりました。営業利益は、自動車の生産計画変動による生産効率悪化やそれに伴う物流費の増加などの影響を受け、同9.0%減の30億1百万円となりました。また、営業外費用として連結子会社の為替差損やシステム障害対応費用を計上したことなどから、経常利益は同31.5%減の25億14百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同23.4%減の6億69百万円となりました。  セグメントの業績は、次のとおりであります。セグメント売上高セグメント利益又は損失(△)金額(百万円)前期比(%)金額(百万円)前期比(%)インテリア事業38,264+3.01,023+8.1自動車・車両内装事業63,478+1.14,094△7.5機能資材事業2,566△17.9△124-その他481+18.186+14.2小計104,791+1.35,079△5.6調整額--△2,077-合計104,791+1.33,001△9.0 (インテリア事業) オフィスビル向けのタイルカーペットの納入物件数が増加し、「空間」全体をデザインするスペース デザイン ビジネスの売上も寄与したことなどから、売上高は前期比3.0%増の382億64百万円となりました。セグメント利益は、原材料・エネルギー価格の高止まりを踏まえたタイルカーペットや壁紙の機動的な価格改定などが奏功し、同8.1%増の10億23百万円となりました。 業務用カーペットでは、㈱スミノエ インテリア プロダクツが販売する水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」の再生材の使用やCO2削減による環境への取り組みが国内において高く評価され、海外での販売も好調に推移し、売上高は前期比4.1%増となりました。 家庭用カーペットでは、中高級ゾーンに対応するラグマットなどの新たな販路開拓や他社との差別化を目指す販売戦略の見直しに注力するものの、売上拡大に繋がる効果は未だ限定的となり、売上高は同6.6%減となりました。 カーテンでは、2024年7月に発売した一般家庭向け「U Life(ユーライフ)カーテンVol. 11」の販売が伸長し、売上高は同1.7%増となりました。 壁装関連では、壁紙の価格改定や防犯対策需要によるウインドウフィルムの販売貢献により、売上高は同3.3%増となりました。 スペース デザイン ビジネスでは、商業施設向けの内装やタワーマンションへのオプション販売などの堅調な受注により、売上高は同8.0%増となりました。 (自動車・車両内装事業) 海外における日系自動車メーカーの販売不振の影響を受けた一方、当社グループ間での連携により着実に鉄道やバスの生産回復需要を取り込んだことにより、自動車・車両内装事業全体の売上高は前期比1.1%増の634億78百万円となりました。セグメント利益は、自動車の生産計画変動による生産効率悪化やそれに伴う物流費増加の影響により、同7.5%減の40億94百万円となりました。 自動車関連では、国内は、受注車種の販売台数増加により、国内の売上高は前期比2.0%増となりました。海外では、北中米拠点において、自動車メーカーの生産計画変動の影響を受けた一方、前期に終えた事業再編と販促活動が奏功しカーマットの販売が堅調となりました。中国拠点においては、中国での日系自動車メーカーの生産縮小・撤退が大きく影響いたしました。東南アジア拠点においては、各国の社会情勢による日系自動車メーカーの販売台数低迷が継続しており、為替効果では吸収できず、海外の売上高は同1.3%減となりました。  車両関連では、子会社化した関織物㈱との製販連携により、公共交通機関の利用客数増加に伴う鉄道リニューアル工事の受注に柔軟に対応したことから、鉄道向けの売上高は前期を上回りました。バス向け内装材においても、路線バスや高速バスに続き、人流の活発化やインバウンドの増加により回復する観光バスの需要も着実に取り込んだことから堅調に推移し、車両関連全体での売上高は前期を上回りました。 (機能資材事業) 消臭・フィルター関連は、コロナ禍における特需の反動により減少していた空気清浄機向けフィルターの需要回復や自動開閉式ゴミ箱向けのフィルターの底堅い販売により、売上は前期を上回りました。一方で、主力製品であるホットカーペットなどの繊維系暖房商材は、近年の暖冬に起因する得意先の在庫調整により新規受注数が減少し、売上は前期を下回りました。また、浴室床材も、主要得意先の生産体制変更による一部モデルの転注により出荷数が減少したことから、売上は前期を下回りました。以上のことから、機能資材事業全体の売上高は前期比17.9%減の25億66百万円、セグメント損失は1億24百万円(前期セグメント損失66百万円)となりました。 ② 財政状態の状況 当連結会計年度末の総資産は、売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ27億77百万円増加し、949億76百万円となりました。 負債につきましては、借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ33億1百万円増加し、578億13百万円となりました。 純資産につきましては、その他有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度末に比べ5億24百万円減少し、371億63百万円となりました。 以上の結果、自己資本比率は32.8%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億43百万円増加し、86億97百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加等により、22億83百万円の収入(前期74億50百万円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、22億54百万円の支出(前期23億23百万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の純増等により、7億73百万円の収入(前期42億4百万円の支出)となりました。 ④ 生産、受注及び販売の実績(a) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)金額(百万円)前期比(%)インテリア事業4,273+3.0自動車・車両内装事業44,125△2.8機能資材事業2,198△23.2その他--合計50,598△3.5 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 金額は、製造原価によっております。 (b) 受注実績当社グループは販売形態が多岐にわたっており、受注の把握が困難でありますので記載を省略しております。 (c) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)金額(百万円)前期比(%)インテリア事業38,264+3.0自動車・車両内装事業63,478+1.1機能資材事業2,566△17.9その他481+18.1合計104,791+1.3 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年5月31日現在)において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 財政状態の分析「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。 (b) 経営成績の分析当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益や設備投資の活性化、インバウンド需要の拡大などにより、景気は底堅く推移しました。一方で、不安定な国際情勢のなか長期化する原材料・エネルギー価格の高止まりに加え、米国新政権による通商政策の動向などに注視が必要な状況が続きました。当社グループ事業に関連のあるインテリア業界において、国内の新設住宅着工戸数は前期比4.0%減、非住宅分野では着工床面積が同6.0%減となりました。また、自動車業界において、国内の日系自動車メーカーの生産台数は前期比2.0%減となり、海外においても減少しました。当連結会計年度の売上高は、インテリア事業及び自動車・車両内装事業において増収となったため、前連結会計年度に比べ13億13百万円増加し、1,047億91百万円となりました。その結果、売上総利益は223億43百万円となりました。営業利益は、自動車の生産計画変動による生産効率悪化やそれに伴う物流費の増加などの影響を受け、前連結会計年度に比べ2億98百万円減少し30億1百万円となりました。経常利益は、営業外費用として連結子会社の為替差損やシステム障害対応費用を計上したことなどから、前連結会計年度に比べ11億54百万円減少し25億14百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億4百万円減少し6億69百万円となりました。その結果、ROE(自己資本当期純利益率)は2.1%となりました。今後も資本効率を高め、ROE向上に向けて尽力してまいります。 (c) セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析当連結会計年度の事業セグメント別の経営成績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(a) キャッシュ・フローの分析「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 (b) 資本の財源及び資金の流動性当社グループは「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」を開発の基本理念とし、よい製品を生産し、販売することで社会の向上に貢献すべく、多角的な事業活動を行っております。当社グループは、事業活動に必要な資金の安定的な確保について、重要な経営課題の一つと認識しており、営業活動による現金収入、内部資金の活用のほか、取引先金融機関と良好な関係を維持しながら借入及び社債の発行等によって資金を調達しております。事業活動における資金需要の主なものは、運転資金需要と投資資金需要であります。運転資金需要のうち主なものは、生産・販売活動における原材料及び商品仕入、製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要の主なものは、製品の品質改善、製造現場の安全性確保、生産効率性の向上、環境負荷の改善等のために必要な設備投資、また海外展開を強化するために必要な投資、その他事業戦略遂行に必要な投資があります。今後は営業活動による現金収入の拡大とともに、適正在庫の維持に取り組む事でDEレシオを0.5倍程度に改善して財務健全性を保ちつつ、期間や国内外の金利動向等を鑑みながら取引先金融機関からの機動的な資金調達を実施し資金の流動性を確保してまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、経営者による会計基準の選択及び適用、資産及び負債並びに収益及び費用の見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や状況を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これらの見積りと差異が生じる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 経済情勢の変動
    カーペット、壁紙、自動車・鉄道内装材などの製品は、国内外の景気動向に大きく左右されます。政治的混乱や深刻な景気後退が発生した場合、消費の低迷による販売数量の減少や在庫増加、固定資産の減損などが発生し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料価格の高騰
    製品製造に必要な原材料の価格は市況により変動します。原材料価格が大幅に高騰した場合、製造原価が上昇し、そのコストを製品価格に転嫁できない、または転嫁が遅れると、利益率が圧化され、経営成績や財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
  • 海外事業活動のリスク
    海外市場での事業拡大を戦略としていますが、各国における経済的、社会的、政治的リスク(規制変更、為替変動、地政学リスクなど)に直面する可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、海外投資の回収が困難になったり、事業活動が停滞したりして、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,481 文字
3 【事業等のリスク】当社グループでは、会社が直面する不確実性について、CSR推進委員会コンプライアンス・リスクマネジメント部会が、当社及びグループ会社より提出されたリスク評価シートに基づき、財務諸表の重要な虚偽表示のリスクを中心として把握を進め、そのリスク評価を財務統制委員会にて検討し、経営会議においても認識しております。各部門の長として業務執行にあたる当社の取締役は、それぞれが自部門に整備するリスクマネジメント体制の下、財務統制委員会の検討結果も踏まえながら、内在するリスクを把握、分析、評価して適切な対策を実施しております。 当社グループの事業、財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクについての主な事項は以下のとおりであります。なお、記載内容について将来に関する事項については当連結会計年度末(2025年5月31日現在)において判断したものであります。 (1) 経済情勢に関するリスク当社グループは、カーペットや壁紙、自動車や鉄道等の内装材、消臭関連商材といった製品を、国内外の各地で生産し、様々な市場で販売しております。このため、当社グループの生産拠点や主要市場において政治的混乱や深刻な景気後退が生じた場合には、消費低迷による在庫の増加、販売数量の減少や固定資産の減損等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 株価の下落に関するリスク当社グループは、市場性のある株式を相当量保有しており、国内外を含めた情勢の変化等により株価が大幅に下落した場合には、有価証券の評価や売却における損失の発生等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。保有する株式については、定量・定性の両面から保有する合理性を定期的に検証し、保有数を見直しております。 (3) 製品の品質に関わるリスク当社グループは「第二次環境対策宣言~KKR+Aのテーマのもとに~」をキーワードに掲げ、より快適で環境に優しい製品とサービスの提供を行うために、常に徹底した安全性と品質の確認を実施しております。しかしながら、予測できない原因により製品に重大な欠陥や品質トラブルが発生した場合、その欠陥や品質トラブルに起因した損害に対して多大な補償費用や賠償費用等の発生だけではなく、社会的信用や当社グループの事業に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (4) 原材料価格の高騰によるリスク当社グループは、カーペットや壁紙、自動車や鉄道などの内装材、消臭関連商材といった製品を生産するために様々な取引先から原材料を仕入れており、その原材料価格は常に市況により変動しております。取引先とは、取引基本契約を結び、安定的な取引を前提とし、適正な価格での仕入れに努めておりますが、原材料価格の高騰が原価高につながり、製品価格に転嫁できない、又は転嫁できる時期が遅延した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 (5) 海外での事業活動に関わるリスク当社グループは、海外市場における事業拡大を重要な戦略の一つとしております。現在、米国をはじめ中国、タイ、インドネシア、インド、メキシコ、ベトナムの7ヵ国に関係会社があり、今後、著しく経済成長の見込まれる海外市場には積極的に投資を行い進出していく可能性があります。海外における投資や事業展開は、各国における諸規制のほか、経済的、社会的及び政治的リスク等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、海外子会社の責任者との情報共有を密にし、現地の経済・社会情勢に関する情報を収集して事業展開への影響を把握しております。 (6) 為替変動によるリスク当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、為替レートの変動の影響を大きく受ける状況にあります。また、当社グループの取引先には外貨による輸出・輸入が含まれております。そのため、為替予約等により為替相場の変動リスクを軽減する措置を講じておりますが、そのリスクをすべて排除することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (7) 災害及び事故等に係るリスク当社グループは、国内外に生産拠点を配置しておりますが、大規模な地震、台風、洪水等の自然災害や火災等の突発的な事故の発生により、当社グループの生産設備等が多大な被害を受けた場合は、操業が一時的に中断され、生産及び出荷が遅れる可能性があります。また、災害及び事故等の発生による破損した建物や設備の復旧に多額の費用が発生する恐れがあり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、災害発生時の速やかな情報収集が重要と考えており、災害発生初期段階の行動指針となるBCP行動計画を策定し、緊急時の体制整備に努めております。 (8) 貸倒れリスク当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、貸倒引当金を計上しておりますが、景気後退等により重要な取引先が破綻した場合や取引先の信用不安によって予期せぬ貸倒れが発生した場合には、貸倒引当金を大幅に超える貸倒損失が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループでは与信管理規程に則った取引先別の与信限度額を設定し、契約履行の過程で常に細心の注意を払い取引を行っております。 (9) 情報管理に関するリスク当社グループは、様々な事業活動を通じ、個人情報をはじめとする多数の重要な機密情報を管理しております。これらの情報については、社内体制の整備や情報システム等に対する徹底した従業員教育により対策を講じておりますが、不測の事態により情報漏えい等が発生した場合、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすだけではなく、損害賠償責任の発生等により経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、昨今のサイバー攻撃増大の情勢を受け、標的型メール訓練の実施や端末へのハッキング検知防御機能、外部業者による常時監視の導入などの取り組みを行っております。また、外部によるリスクアセスメント結果に基づき、セキュリティ対策の強化とインシデント発生時の対応体制の整備に向けて、全社的な取り組みを進めております。 (10) 知的財産に関するリスク当社グループは、他社製品との差別化を図るために独自の技術とノウハウを蓄積し、常にその保護に努めております。しかしながら情報技術の急激な進展やグローバル化等により、当社グループ独自で開発した技術やノウハウが外部へ流失する可能性や類似製品の製造を完全に防止できない可能性があります。さらに、当社グループでは、他社の知的財産権を侵害しないよう配慮しながら、製品や技術の開発を行っておりますが、これらの開発成果が他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性もあります。このように、当社グループの知的財産権が侵害され、あるいは当社グループが他社の知的財産権を侵害しているとされた場合には、当社グループで売上減少や損害賠償支払いが生じる等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、グループ内での教育・啓蒙活動を定期的に実施し、当社グループの知的財産権保護・活用、第三者の知的財産権侵害防止に努めております。 (11) 訴訟によるリスク当社グループは日々、事業活動を展開する中で、法令遵守によるコンプライアンス経営に努めております。知的財産権、製造物責任、環境、労務といった様々な法規制の適用を受けており、それらによる訴訟の対象となる可能性があります。その結果、経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 (12) 新たなウイルス感染症・疫病発生に関するリスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、新たなウイルス感染症・疫病発生などにより一時的に事業活動を停止又は制限せざるを得ない状況となった場合に、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (13) その他のリスク当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

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