事業の概要
- 鋼製物置事業イナバ製作所は、物置、ガレージ、倉庫などの鋼製物置の製造・販売を主力としています。個人宅向けの小型収納庫から、断熱構造の中型物置、大型物置、さらにはデザイナーズガレージやバイク保管庫、ゴミ保管庫まで幅広い製品を展開しており、多様なニーズに応えています。
- オフィス家具事業机、椅子、壁面収納庫などのオフィス家具の製造・販売も手掛けています。ハイブリッドデスクやワークプレイデスク、オフィスチェア、サイレントブースなど、現代のオフィス環境に合わせた製品を提供し、快適な職場づくりをサポートしています。
- 販売チャネルと子会社の役割製品は主に代理店や販売店を通じて販売されており、連結子会社の共進やイナバクリエイト、非連結子会社のカトウ産業が販売を担っています。また、オフィス家具事業ではOEM(相手先ブランド製造)も行っており、特定取引先への直接販売も収益源の一つです。物流は非連結子会社のイナバロジスティクスが担当し、グループ全体の効率的な事業運営を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 鋼製物置事業物置、ガレージ、倉庫などの鋼製製品の製造・販売を主に行っています。小型収納庫「アイビーストッカー」から、断熱構造の「ナイソー」、大型物置「フォルタ大型」、ガレージ「ガレーディア」、倉庫「イナバ倉庫」まで幅広い製品を展開し、個人から法人まで多様なニーズに対応しています。売上高は292.18305億円、営業利益は24.68111億円と、グループの主要な収益源となっています。
- オフィス家具事業机、椅子、壁面収納庫などのオフィス向け家具の製造・販売を手掛けています。ハイブリッドデスク「デュエナ ワイドデスク」、オフィスチェア「スウィン」、壁面収納庫「ティーエフ」など、機能性とデザイン性を兼ね備えた製品を提供し、快適なオフィス空間の実現に貢献しています。売上高は126.87402億円、営業利益は3.18929億円であり、鋼製物置事業に次ぐ規模の事業です。
2025-07 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| OutdoorStorageSheds | 事業 | 292 | 25 | 8.4% |
| OfficeFurniture | 事業 | 127 | 3 | 2.5% |
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3【事業の内容】当社グループは、当社(株式会社稲葉製作所)、連結子会社3社及び非連結子会社2社から構成され、物置・ガレージ・倉庫等の製造、販売などを行う「鋼製物置セグメント」及び机・椅子・壁面収納庫等の製造、販売などを行う「オフィス家具セグメント」を展開しています。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。各セグメントで以下の製品を製造、販売しています。 セグメント名称主要製品名鋼製物置[小型収納庫シリーズ]ドア型収納庫「アイビーストッカー」、タイヤ収納庫「タイヤストッカー」、収納庫「シンプリー」、二重構造収納庫「ナイソーシスター」[中型物置シリーズ]断熱構造物置「ナイソー」、断熱材付物置「フォルタプラス」、中型物置「フォルタ」、「フォルタ屋根傾斜変更タイプ」[大型物置シリーズ]「フォルタ大型」、「フォルタ縦長大型」、開放スペース併設物置「フォルタウィズ」、シャッター物置「ドマール」[マルチスペース]「コモ・スペース」[ガレージ・倉庫シリーズ]デザイナーズガレージ「アルシア」、電動開閉ガレージ「タフレージ」、スタンダードガレージ「ガレーディア」、バイクガレージ「バイク保管庫」、デザイナーズバイクガレージ「アルシアフィット」、倉庫「イナバ倉庫」[パブリックシリーズ]ゴミ保管庫「ダストボックス・ミニ」、「ダストボックス」ドアタイプ・引戸タイプ連続型物置「連続型物置FDタイプ・FLタイプ」イナバ自転車置場 セグメント名称主要製品名オフィス家具[机シリーズ]ハイブリッドデスク「デュエナ ワイドデスク」、「テリオ」ワークプレイデスク「フレイ」、「レジェロ」オフィスデスク「デュエナ」、「ノヴィ2」、「ワゴン」折りたたみテーブル「ノムダ」[椅子シリーズ]オフィスチェア「スウィン」、「エクセア」、「イエラ」、「イニシオ」[収納家具シリーズ]壁面収納庫「ティーエフ」、パーソナルロッカー「イプリア」[その他家具]サイレントブース「ヴィアルーム」、「ビズブレイク」ローパーティション「ユルト」、「FSRパネル」 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。 (鋼製物置)当社が鋼製物置製品を製造し、当該製品は当社が代理店・販売店を通じて販売しているほか、連結子会社である株式会社共進、イナバクリエイト株式会社及び非連結子会社の株式会社カトウ産業を通じて当該製品を販売しています。株式会社共進は、鋼製物置の代理店として製品の販売を行うほか、北関東配送センターの業務を受託運営しています。株式会社カトウ産業は、鋼製物置の代理店として製品の販売を行うほか、新潟配送センターの業務を受託運営しています。なお、2025年8月1日に株式会社共進を存続会社、株式会社カトウ産業を消滅会社とした吸収合併を行いました。 (オフィス家具)当社がオフィス家具製品を製造し、当該製品は当社が代理店・販売店を通じて販売しているほか、連結子会社であるイナバインターナショナル株式会社を通じて当該製品を販売しています。また、OEM先からの受注に基づき、当社がOEM製品を製造し、当該製品を当社が直接OEM先へ販売しています。 (共通)非連結子会社イナバロジスティクス株式会社は、当社の物流業務及びイナバインターナショナル株式会社の物流・施工業務を行っています。 [事業系統図]当社グループの事業系統図は、次のとおりです。当社は、製造・販売・研究開発及び連結子会社・非連結子会社の統括機能を有しています。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 鋼製物置市場は寡占、オフィス家具市場は大手中心で競合性が高く、価格面の圧力が強い。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独自性のある高品質な製品開発力と、積極的な設備投資と自社生産比率の高さによるコスト競争力。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経済状況の変動による需要縮小 / 原材料や部品の価格高騰・品不足 / 激しい価格競争
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
稲葉製作所は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPを強みとする事業モデルではない。金属製品製造業における一般的な技術やノウハウは存在するものの、それが突出した無形資産として競争優位に直結しているとは言えない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
主にオフィス家具やスチール製什器を製造・販売しており、顧客は一度導入した製品の入れ替えに手間やコストを感じる可能性がある。特に、既存のオフィスレイアウトやシステムに合わせた特注品の場合、乗り換えのハードルはやや高まる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
稲葉製作所の事業は、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生むビジネスモデルではない。BtoB取引が中心であり、個々の顧客との関係性が重要となる。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造経験と効率化努力により、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や競合他社との価格競争に晒されており、構造的な圧倒的コスト優位を確立しているとは断定しにくい。
規模の経済★★★☆☆
オフィス家具・スチール什器市場において、一定のシェアを確保しており、生産規模による効率化の恩恵を受けている。業界内では主要プレイヤーの一つであり、規模の経済が競争優位の一因となっている可能性が高い。
- 幅広い製品ラインナップ小型収納庫から大型物置、ガレージ、倉庫まで、鋼製物置の多様なニーズに対応する豊富な製品群を持っています。オフィス家具においても、机、椅子、収納、ブースなど、幅広い製品を提供することで、顧客の様々な要望に応えることが可能です。
- 品質と独自性の追求有価証券報告書では、独自性のある高品質な製品を市場に投入できると自負しており、開発段階での厳しい独自試験や品質管理委員会の開催、長期試験などを通じて品質向上に継続的に取り組んでいます。これにより、製品の信頼性を高め、顧客からの評価を得ています。
- 自社生産とコスト競争力積極的な設備投資と高い自社生産比率を活かし、コスト競争力と高品質を両立させた製品づくりに努めています。また、製品の部材共通化を進めることで生産効率を改善し、価格競争が激しい市場においても優位性を保つ努力をしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。(1) 経営方針当社グループは、「独自性のある高品質な製品をお客さまにお届けする」という事業精神のもとで、お客さまの声に対し、社員一人ひとりが新しいアイデアを出し合い、モノを創造していくこと、それが最高の品質を生み、最高の価値を生むものと考え、技術部門は「独自性」を、製造部門は「品質とコスト」を、営業部門は「信頼」を徹底的に追求し、「信頼に応えるモノづくりを通じて社会に貢献する」ことを経営理念としています。この経営理念のもと、鋼製物置及びオフィス家具を製造・販売し、「くらしの快適さのための機能的な収納空間の実現と快適で創造的なオフィス空間の実現」に向けて事業活動を行っています。当社グループは創業以来、社会環境の変化に向き合いながら、開発・生産・販売の一貫体制を活かした着実な事業展開と効率的な経営を実践し続けることで、イナバらしさを追求し、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指していきます。(2) 経営環境① 当社グループを取り巻く環境当連結会計年度の国内経済は、景気は緩やかな回復傾向にあるものの、ウクライナ・中東情勢を巡るリスクの継続、中国経済の停滞、物価上昇の継続や米国の相互関税の発動などの影響を受け、先行き不透明な状況が続きました。また、諸資材及び物流費等の高騰も続いています。翌連結会計年度においては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより、緩やかな景気回復の傾向が続くものの、米国の関税政策による世界経済の減速、物価上昇の継続による景気下押しリスク、ウクライナ・中東情勢の長期化の影響などが懸念され、先行きは不透明な状況が続くと予想されます。また、材料価格が高値圏で推移することが予想され、厳しい事業環境が続くことが見込まれます。② 鋼製物置事業を取り巻く環境当連結会計年度においては、物価上昇の継続による個人消費の伸び悩みの影響を受け、需要が弱含みで推移したことから、鋼製物置の出荷数は減少しました。このような状況のもと、当社グループは、製品説明会・勉強会の開催、用途開発の取り組みなど、積極的な営業活動を展開しました。また、建築対応製品(FORTA)の顧客認知度向上や、高い耐風圧性能を実現したガレージ機種の追加、居住性を備えて様々な用途に対応できる新製品「コモ・スペース」の発売など、製品ラインアップの充実にも取り組みました。翌連結会計年度においては、物価上昇の継続に伴い個人消費が振るわず、耐久消費財である鋼製物置の需要は弱含みで推移すると見込んでいます。 ③ オフィス家具事業を取り巻く環境当連結会計年度においては、コミュニケーションの活性化を図るオープンオフィス化や人材確保などに繋がるオフィス移転・改装が増加し、オフィス環境の見直し需要が好調に推移いたしました。このような状況を踏まえ、当社グループは、積極的な提案営業により受注の積上げに取り組みましたが、価格競争の影響を受け、オフィス移転・リニューアル案件の獲得が停滞しました。翌連結会計年度において、コミュニケーションの活性化や人材を確保するため、オフィスの移転・改装需要は引き続き好調に推移すると見込んでいます。 (3) 経営戦略等① 一貫生産体制の維持・強化当社は、1940年の創業以来、独自の加工技術と新製品の開発に努力を重ね、1961年に鋼製事務用デスクの生産を開始、1975年に物置の生産を開始しました。メーカーとして、イナバならではの品質と価値を徹底的に追求し、独自の技術を開発し続けています。鋼製物置事業では、イナバ物置の生産開始以降、CM「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫」での認知度に加えて、ユーザーの立場にたって組み立てやすく高品質な製品づくりを心掛けてきた結果、鋼製物置市場では国内トップシェアを獲得しています。また、物置の製造で培ったノウハウを活かしてガレージ、倉庫、自転車置場等で製品領域を拡げ、快適な住環境からパブリックスペースまで多様なニーズに対応する製品を提供しています。オフィス家具事業では、ユーザーの使いやすさを徹底的に追求し、今では常識となっている「ノックダウン方式」、「天板のメラミン化粧板化」、「樹脂のベアリング」を使用した引き出しなどは、当社が業界で初めて採用したものであり、お客さま視点を第一に、最先端の製品を開発しています。当社は、市場から求められる高品質な製品を安定的に供給し続けるため、引き続き国内での一貫生産体制の維持・強化に取り組みます。資材調達から板金、成型、塗装、組立、梱包、発送まで、全工程を同じ敷地内で行うことで、余計な工程を省き生産コストの低減に繋げています。当社は、このコスト低減等により高品質な材料を仕入れ、長年培った高度な技術により、堅牢性・耐久性に優れた製品をお客さまにお届けします。また、部材の一つ一つを社内で一貫生産することにより、品質の安定やノウハウの蓄積はもちろん、コスト削減や工程管理など万全な生産体制を確立していきます。 ② 営業・技術・製造の3本柱当社のモノづくりは、「モノづくりの仕組み」をつくることから始まっています。営業部門が「信頼」をつくる。技術部門が「独自性(オリジナリティ)」をつくる。製造部門が「品質」をつくる。3本の柱でお客さまのニーズに応えます。 ⅰ)営業部門相互理解を深めながら製品価値を伝えることで、お客さま一人ひとりと当社の間に信頼をつくることが、営業部門の役割です。営業部門は、お客さま、代理店・販売店様の声を直接耳にすることでマーケットニーズを把握し、その情報を技術や製造にリアルタイムで伝え、次の新製品開発のきっかけをつくります。当社は、すでに50年の歴史と延べ9万人以上のお客さまに参加いただいている「勉強会」を定期的に開催しています。勉強会については、製品の販売・施工に携わるお客さまの本音を聞ける最高のチャンスと捉えており、互いに学びあい、理解を深め合うことが、信頼づくりのための大きな推進力となります。当社では、営業部門が物流を統括しています。全国に22カ所の配送センターを持ち、常に変化するお客さまの需要に正確かつ迅速に応えています。必要な製品を迅速にお届けすることは、大切な信頼づくりにも繋がり、お客さまへのサービスを追求する上でスピーディな配送は不可欠な要素であると考えています。 ⅱ)技術部門「イナバらしさとは何か」と、自らに問い続けながら、お客さまに満足いただく独自性(オリジナリティ)をつくることが、技術部門の役割です。イナバらしいオリジナリティあふれる製品をつくることができれば、お客さまに満足していただけると考えています。斬新な考え方や見た目よりも、細やかな工夫を凝らした誰もが使いやすい仕様が大切と考え、製品をつくり続けています。当社の開発思想の原点は、「お客さまにいかに満足していただくか」にあります。技術部門の自己満足ではなく、常に徹底的なお客さま視点に立ち、「お客さまにとってどんなメリットがあるのか」自ら問い続けています。この姿勢が、独創的な技術の発明に結び付き、お客さまのニーズに根差した製品を開発できるというイナバの強みに繋がります。 ⅲ)製造部門「イナバ製品は、他とは違う」と、お客さまに納得いただく品質をつくり続けることが、製造部門の役割です。製造部門は、内製比率が90%以上と自社生産比率が極めて高く、高炉メーカーから直接搬入されるコイルやアルミ素材など原材料の加工から最終検品まで、一貫して製品化できる体制が特徴です。また、加工専用機械やライン編成・塗装設備等も自社で設計・製作しているため、コスト削減と徹底した品質管理による高品質保持を実現しています。当社では、早い時期から製造ラインに自社開発の専用機械を導入し、内製比率を高めてきました。その根底にあるのは、「できることは自社で」、「ないものは開発を試みる」というモノづくりのスピリットです。長年にわたって培った技術やノウハウが蓄積され、高品質を安定的に保持する製造ラインがイナバの今日を形づくっています。また、塗装や溶接にはロボットを導入するなど、製造ラインの合理化にも徹底的に取り組んでいます。当社は、JIS規格を上回る過酷な試験を独自に実施し、使う方の安全だけでなく、組み立てる方の安全にまで配慮する品質にこだわっていきます。 ③ 持続的成長・企業価値向上への取り組み当社グループは、持続的成長・中長期的な企業価値向上には、設備投資・生産革新が重要であるとの認識のもと、生産性・生産技術の向上に資する設備投資を進めることで売上高収益率の改善に結び付け、これにより資本収益性・ROEの改善を図ります。そして、これを次の設備投資・生産革新に結び付けていく好循環サイクルを目指しています。当社はこれまで2014年着工の富岡工場新設をスタートに、犬山工場及び柏工場の刷新を進めてきました。富岡工場の新設では、大型製品の生産能力増強と自動化を推進しました。犬山工場では物置生産ラインの全面更新、塗装設備の更新並びに倉庫レイアウトの変更を行うことで、生産性の向上・自動化を推進するとともに、物流負荷・環境負荷の低減を図りました。柏工場でも、塗装設備の更新を行い、環境負荷の低減を図りました。また、需要期における大型製品の生産逼迫状況を踏まえ、生産負荷の低減と安定的な生産体制を構築するため、2023年春に着手した犬山工場でのガレージ生産ラインの新設工事は2024年7月に完工しました。犬山工場でのガレージ生産設備の稼働により、生産拠点分散によるBCP対策を強化するとともに、西日本地区への大型製品配送の効率化を進めました。当連結会計年度においては、これまでの設備刷新等を基盤として、さらに次の設備投資を計画的に進めました。ⅰ)オフィス家具の生産を犬山工場から主要マーケットである首都圏に近い柏工場に生産を移管します(2026年1月完了予定)。ⅱ)柏工場の物置生産の一部を富岡工場に生産を移管するため、富岡の生産設備を増強します(2026年7月完了予定)。 当社はこれらの成長投資を通して、収益力の向上及び物流負荷低減に努めていきます。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、中長期的な経営指標として売上高経常利益率を重視しています。また、経営基盤の強化や将来の収益向上に向けて、設備投資を継続的に行っていることから、減価償却前営業利益の水準も重要な経営指標と考えています。 翌連結会計年度の経営目標・指標は、次のとおりです。売上高42,850百万円営業利益2,460百万円経常利益2,800百万円親会社株主に帰属する当期純利益1,870百万円<経営指標>売上高経常利益率6.5%減価償却前営業利益4,180百万円売上高減価償却前営業利益率9.8% (経営指標のトレンド) 2021年7月期2022年7月期2023年7月期2024年7月期2025年7月期減価償却前営業利益(百万円)4,4583,8264,5834,8853,844売上高減価償却前営業利益率(%)11.89.811.011.59.2売上高経常利益率(%)8.15.87.48.05.2 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループを取り巻く事業環境において、鋼製物置事業では物価上昇の継続に伴い個人消費が振るわず、耐久消費財である鋼製物置の需要は弱含みで推移することが見込まれます。オフィス家具事業では、コミュニケーションの活性化や人材を確保するため、オフィスの移転・改装需要は好調に推移することが見込まれます。このような状況のなか、当社グループは、鋼製物置事業では高シェアと高収益を維持していくこと、オフィス家具事業では多様化するマーケットニーズに対応した競争力のある製品のラインナップ充実などに加え、徹底したコスト管理の強化、品質・生産性の向上などに努め、収益性の改善に取り組んでいきます。そして、両事業の成長と収益力の向上により創出したキャッシュを、事業基盤の拡大、経営基盤の強化を目的とする設備投資などの成長投資や株主の皆さまへの還元に活用していきます。また、これまで培ったコア技術、製造ノウハウ、人的資本を含む経営資本をさらに磨き上げ、将来の成長・発展に向けて活用していく所存です。株主の皆さまのご期待に応えるべく、透明性のある経営と持続的成長を実現するために全力を尽くしてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。(1) 経営方針当社グループは、「独自性のある高品質な製品をお客さまにお届けする」という事業精神のもとで、お客さまの声に対し、社員一人ひとりが新しいアイデアを出し合い、モノを創造していくこと、それが最高の品質を生み、最高の価値を生むものと考え、技術部門は「独自性」を、製造部門は「品質とコスト」を、営業部門は「信頼」を徹底的に追求し、「信頼に応えるモノづくりを通じて社会に貢献する」ことを経営理念としています。この経営理念のもと、鋼製物置及びオフィス家具を製造・販売し、「くらしの快適さのための機能的な収納空間の実現と快適で創造的なオフィス空間の実現」に向けて事業活動を行っています。当社グループは創業以来、社会環境の変化に向き合いながら、開発・生産・販売の一貫体制を活かした着実な事業展開と効率的な経営を実践し続けることで、イナバらしさを追求し、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指していきます。(2) 経営環境① 当社グループを取り巻く環境当連結会計年度の国内経済は、景気は緩やかな回復傾向にあるものの、ウクライナ・中東情勢を巡るリスクの継続、中国経済の停滞、物価上昇の継続や米国の相互関税の発動などの影響を受け、先行き不透明な状況が続きました。また、諸資材及び物流費等の高騰も続いています。翌連結会計年度においては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより、緩やかな景気回復の傾向が続くものの、米国の関税政策による世界経済の減速、物価上昇の継続による景気下押しリスク、ウクライナ・中東情勢の長期化の影響などが懸念され、先行きは不透明な状況が続くと予想されます。また、材料価格が高値圏で推移することが予想され、厳しい事業環境が続くことが見込まれます。② 鋼製物置事業を取り巻く環境当連結会計年度においては、物価上昇の継続による個人消費の伸び悩みの影響を受け、需要が弱含みで推移したことから、鋼製物置の出荷数は減少しました。このような状況のもと、当社グループは、製品説明会・勉強会の開催、用途開発の取り組みなど、積極的な営業活動を展開しました。また、建築対応製品(FORTA)の顧客認知度向上や、高い耐風圧性能を実現したガレージ機種の追加、居住性を備えて様々な用途に対応できる新製品「コモ・スペース」の発売など、製品ラインアップの充実にも取り組みました。翌連結会計年度においては、物価上昇の継続に伴い個人消費が振るわず、耐久消費財である鋼製物置の需要は弱含みで推移すると見込んでいます。 ③ オフィス家具事業を取り巻く環境当連結会計年度においては、コミュニケーションの活性化を図るオープンオフィス化や人材確保などに繋がるオフィス移転・改装が増加し、オフィス環境の見直し需要が好調に推移いたしました。このような状況を踏まえ、当社グループは、積極的な提案営業により受注の積上げに取り組みましたが、価格競争の影響を受け、オフィス移転・リニューアル案件の獲得が停滞しました。翌連結会計年度において、コミュニケーションの活性化や人材を確保するため、オフィスの移転・改装需要は引き続き好調に推移すると見込んでいます。 (3) 経営戦略等① 一貫生産体制の維持・強化当社は、1940年の創業以来、独自の加工技術と新製品の開発に努力を重ね、1961年に鋼製事務用デスクの生産を開始、1975年に物置の生産を開始しました。メーカーとして、イナバならではの品質と価値を徹底的に追求し、独自の技術を開発し続けています。鋼製物置事業では、イナバ物置の生産開始以降、CM「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫」での認知度に加えて、ユーザーの立場にたって組み立てやすく高品質な製品づくりを心掛けてきた結果、鋼製物置市場では国内トップシェアを獲得しています。また、物置の製造で培ったノウハウを活かしてガレージ、倉庫、自転車置場等で製品領域を拡げ、快適な住環境からパブリックスペースまで多様なニーズに対応する製品を提供しています。オフィス家具事業では、ユーザーの使いやすさを徹底的に追求し、今では常識となっている「ノックダウン方式」、「天板のメラミン化粧板化」、「樹脂のベアリング」を使用した引き出しなどは、当社が業界で初めて採用したものであり、お客さま視点を第一に、最先端の製品を開発しています。当社は、市場から求められる高品質な製品を安定的に供給し続けるため、引き続き国内での一貫生産体制の維持・強化に取り組みます。資材調達から板金、成型、塗装、組立、梱包、発送まで、全工程を同じ敷地内で行うことで、余計な工程を省き生産コストの低減に繋げています。当社は、このコスト低減等により高品質な材料を仕入れ、長年培った高度な技術により、堅牢性・耐久性に優れた製品をお客さまにお届けします。また、部材の一つ一つを社内で一貫生産することにより、品質の安定やノウハウの蓄積はもちろん、コスト削減や工程管理など万全な生産体制を確立していきます。 ② 営業・技術・製造の3本柱当社のモノづくりは、「モノづくりの仕組み」をつくることから始まっています。営業部門が「信頼」をつくる。技術部門が「独自性(オリジナリティ)」をつくる。製造部門が「品質」をつくる。3本の柱でお客さまのニーズに応えます。 ⅰ)営業部門相互理解を深めながら製品価値を伝えることで、お客さま一人ひとりと当社の間に信頼をつくることが、営業部門の役割です。営業部門は、お客さま、代理店・販売店様の声を直接耳にすることでマーケットニーズを把握し、その情報を技術や製造にリアルタイムで伝え、次の新製品開発のきっかけをつくります。当社は、すでに50年の歴史と延べ9万人以上のお客さまに参加いただいている「勉強会」を定期的に開催しています。勉強会については、製品の販売・施工に携わるお客さまの本音を聞ける最高のチャンスと捉えており、互いに学びあい、理解を深め合うことが、信頼づくりのための大きな推進力となります。当社では、営業部門が物流を統括しています。全国に22カ所の配送センターを持ち、常に変化するお客さまの需要に正確かつ迅速に応えています。必要な製品を迅速にお届けすることは、大切な信頼づくりにも繋がり、お客さまへのサービスを追求する上でスピーディな配送は不可欠な要素であると考えています。 ⅱ)技術部門「イナバらしさとは何か」と、自らに問い続けながら、お客さまに満足いただく独自性(オリジナリティ)をつくることが、技術部門の役割です。イナバらしいオリジナリティあふれる製品をつくることができれば、お客さまに満足していただけると考えています。斬新な考え方や見た目よりも、細やかな工夫を凝らした誰もが使いやすい仕様が大切と考え、製品をつくり続けています。当社の開発思想の原点は、「お客さまにいかに満足していただくか」にあります。技術部門の自己満足ではなく、常に徹底的なお客さま視点に立ち、「お客さまにとってどんなメリットがあるのか」自ら問い続けています。この姿勢が、独創的な技術の発明に結び付き、お客さまのニーズに根差した製品を開発できるというイナバの強みに繋がります。 ⅲ)製造部門「イナバ製品は、他とは違う」と、お客さまに納得いただく品質をつくり続けることが、製造部門の役割です。製造部門は、内製比率が90%以上と自社生産比率が極めて高く、高炉メーカーから直接搬入されるコイルやアルミ素材など原材料の加工から最終検品まで、一貫して製品化できる体制が特徴です。また、加工専用機械やライン編成・塗装設備等も自社で設計・製作しているため、コスト削減と徹底した品質管理による高品質保持を実現しています。当社では、早い時期から製造ラインに自社開発の専用機械を導入し、内製比率を高めてきました。その根底にあるのは、「できることは自社で」、「ないものは開発を試みる」というモノづくりのスピリットです。長年にわたって培った技術やノウハウが蓄積され、高品質を安定的に保持する製造ラインがイナバの今日を形づくっています。また、塗装や溶接にはロボットを導入するなど、製造ラインの合理化にも徹底的に取り組んでいます。当社は、JIS規格を上回る過酷な試験を独自に実施し、使う方の安全だけでなく、組み立てる方の安全にまで配慮する品質にこだわっていきます。 ③ 持続的成長・企業価値向上への取り組み当社グループは、持続的成長・中長期的な企業価値向上には、設備投資・生産革新が重要であるとの認識のもと、生産性・生産技術の向上に資する設備投資を進めることで売上高収益率の改善に結び付け、これにより資本収益性・ROEの改善を図ります。そして、これを次の設備投資・生産革新に結び付けていく好循環サイクルを目指しています。当社はこれまで2014年着工の富岡工場新設をスタートに、犬山工場及び柏工場の刷新を進めてきました。富岡工場の新設では、大型製品の生産能力増強と自動化を推進しました。犬山工場では物置生産ラインの全面更新、塗装設備の更新並びに倉庫レイアウトの変更を行うことで、生産性の向上・自動化を推進するとともに、物流負荷・環境負荷の低減を図りました。柏工場でも、塗装設備の更新を行い、環境負荷の低減を図りました。また、需要期における大型製品の生産逼迫状況を踏まえ、生産負荷の低減と安定的な生産体制を構築するため、2023年春に着手した犬山工場でのガレージ生産ラインの新設工事は2024年7月に完工しました。犬山工場でのガレージ生産設備の稼働により、生産拠点分散によるBCP対策を強化するとともに、西日本地区への大型製品配送の効率化を進めました。当連結会計年度においては、これまでの設備刷新等を基盤として、さらに次の設備投資を計画的に進めました。ⅰ)オフィス家具の生産を犬山工場から主要マーケットである首都圏に近い柏工場に生産を移管します(2026年1月完了予定)。ⅱ)柏工場の物置生産の一部を富岡工場に生産を移管するため、富岡の生産設備を増強します(2026年7月完了予定)。 当社はこれらの成長投資を通して、収益力の向上及び物流負荷低減に努めていきます。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、中長期的な経営指標として売上高経常利益率を重視しています。また、経営基盤の強化や将来の収益向上に向けて、設備投資を継続的に行っていることから、減価償却前営業利益の水準も重要な経営指標と考えています。 翌連結会計年度の経営目標・指標は、次のとおりです。売上高42,850百万円営業利益2,460百万円経常利益2,800百万円親会社株主に帰属する当期純利益1,870百万円<経営指標>売上高経常利益率6.5%減価償却前営業利益4,180百万円売上高減価償却前営業利益率9.8% (経営指標のトレンド) 2021年7月期2022年7月期2023年7月期2024年7月期2025年7月期減価償却前営業利益(百万円)4,4583,8264,5834,8853,844売上高減価償却前営業利益率(%)11.89.811.011.59.2売上高経常利益率(%)8.15.87.48.05.2 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループを取り巻く事業環境において、鋼製物置事業では物価上昇の継続に伴い個人消費が振るわず、耐久消費財である鋼製物置の需要は弱含みで推移することが見込まれます。オフィス家具事業では、コミュニケーションの活性化や人材を確保するため、オフィスの移転・改装需要は好調に推移することが見込まれます。このような状況のなか、当社グループは、鋼製物置事業では高シェアと高収益を維持していくこと、オフィス家具事業では多様化するマーケットニーズに対応した競争力のある製品のラインナップ充実などに加え、徹底したコスト管理の強化、品質・生産性の向上などに努め、収益性の改善に取り組んでいきます。そして、両事業の成長と収益力の向上により創出したキャッシュを、事業基盤の拡大、経営基盤の強化を目的とする設備投資などの成長投資や株主の皆さまへの還元に活用していきます。また、これまで培ったコア技術、製造ノウハウ、人的資本を含む経営資本をさらに磨き上げ、将来の成長・発展に向けて活用していく所存です。株主の皆さまのご期待に応えるべく、透明性のある経営と持続的成長を実現するために全力を尽くしてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概況は、次のとおりです。① 経営成績の状況当連結会計年度の国内経済は、景気は緩やかな回復傾向にあるものの、ウクライナ・中東情勢を巡るリスクの継続、中国経済の停滞、物価上昇の継続や米国の相互関税の発動などの影響を受け、先行き不透明な状況が続きました。また、諸資材及び物流費等の高騰も続いています。鋼製物置市場においては、住宅着工が資材価格の高騰や人的資源不足などの要因から不安定な状況が続き需要が減少するなか、物価上昇に伴い個人消費が振るわなかった影響などもあり、市況は弱含みで推移しました。オフィス家具市場においては、新しい働き方に対応したオフィスの移転需要やリニューアル需要などが増え、市況は堅調に推移しました。また、当連結会計年度においては、仕入価格上昇の影響で材料価格は前期の水準を上回って高値圏で推移しました。このような環境のもと、当社グループは、売上高、営業利益の拡大を目指しましたが、仕入単価の上昇、減価償却費・エネルギーコスト・労務費等の増加、及び生産高低下に伴う原価率の上昇により、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前期に比べ減少しました。この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高41,905百万円(前期比1.2%減)、営業利益1,865百万円(前期比39.1%減)、経常利益2,197百万円(前期比35.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,546百万円(前期比36.7%減)となりました。 ・2025年7月期実績■売上高:減収 オフィス家具事業等の売上減■損 益:減益 減収・原価率上昇等の影響(単位:百万円)実 績前期比較予想比較(注)売上高41,905△508(△1.2%)△914(△2.1%)営業利益[営業利益率]1,865[4.5%]△1,199(△39.1%)+115(+6.6%)経常利益[経常利益率]2,197[5.2%]△1,204(△35.4%)+127(+6.2%)親会社株主に帰属する当期純利益1,546△895(△36.7%)+136(+9.7%)(注)予想比較は、2025年2月28日に公表した連結業績予想値との比較です。 ⅰ)売上高鋼製物置事業の減収(前期比23百万円減)とオフィス家具事業の減収(前期比484百万円減)により、売上高は前期に比べ508百万円減少して41,905百万円(前期比1.2%減)となりました。・売上高の推移(単位:百万円)ⅱ)営業利益・経常利益営業利益は、前期に比べ1,199百万円減少して1,865百万円(前期比39.1%減)となりました。減収や原価率上昇による利益の押し下げ要因により、営業利益は減益となりました。営業外損益は、前期に比べ5百万円減少して332百万円の利益(純額)となりました。この結果、経常利益は、前期に比べ1,204百万円減少して2,197百万円(前期比35.4%減)となりました。・営業利益の増減分析(単位:百万円)ⅲ)税金等調整前当期純利益前期に投資有価証券売却益や受取保険金等を特別利益に計上していたことの反動から、特別損益は前期の72百万円の利益(純額)に対し25百万円の利益(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ1,252百万円減少して2,222百万円(前期比36.0%減)となりました。ⅳ)親会社株主に帰属する当期純利益法人税等費用は、前期の1,032百万円に対し675百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は30.4%となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ895百万円減少して1,546百万円(前期比36.7%減)となりました。なお、1株当たり当期純利益金額は、前期の148円91銭に対し95円97銭となり、自己資本当期純利益率は、3.5%(前期比2.2ポイント減)となりました。 ⅴ)減価償却前営業利益減価償却前営業利益は、前期に比べ1,041百万円減少して3,844百万円(前期比21.3%減)となりました。この結果、売上高減価償却前営業利益率は9.2%(前期比2.3ポイント減)となりました。 ⅵ)セグメントの経営成績当社グループは、「鋼製物置」「オフィス家具」の2つの報告セグメントに区分して評価、開示しています。セグメントの業績は、以下のとおりです。 ・2025年7月期 セグメント情報セグメントの名称売上高(百万円)セグメント利益(百万円)鋼製物置29,218(△0.2%)2,468(△34.3%)オフィス家具12,687(△3.7%)318(△12.5%)(注)セグメントの売上高については、外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高の合計額を記載しています。 (鋼製物置)鋼製物置事業については、物価上昇の継続による個人消費の伸び悩みの影響を受け、需要は弱含みで推移しました。このような状況のもと、当社グループは、製品説明会・勉強会の開催、用途開発の取り組みなど、積極的な営業活動を展開しました。また、建築対応製品(FORTA)の顧客認知度向上や、高い耐風圧性能を実現したガレージ機種の追加、居住性を備えて様々な用途に対応できる新製品「como space(コモ・スペース)」の発売など、製品ラインアップの充実にも取り組みました。この結果、売上高は29,218百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益は2,468百万円(前期比34.3%減)となりました。 (オフィス家具)オフィス家具事業については、コミュニケーションの活性化を図るオープンオフィス化や人材確保などに繋がるオフィスの移転・改装は増加しており、オフィス環境の見直し需要が好調に推移しました。このような状況を踏まえ、当社グループは、積極的な提案営業により受注の積上げに取り組みましたが、価格競争の影響を受け、オフィス移転・リニューアル案件の獲得が停滞しました。この結果、売上高は12,687百万円(前期比3.7%減)、セグメント利益は318百万円(前期比12.5%減)となりました。 ⅶ)予想との比較当連結会計年度の予想に対する実績は、以下のとおりです。(単位:百万円)予想(注)実績達成率売上高42,82041,90597.9%営業利益(営業利益率)1,750(4.1%)1,865(4.5%)106.6%-経常利益(経常利益率)2,070(4.9%)2,197(5.2%)106.2%-親会社株主に帰属する当期純利益1,4101,546109.7%減価償却前営業利益(減価償却前営業利益率)3,683(8.6%)3,844(9.2%)104.4%-(注) 予想は、2025年2月28日に公表した連結業績予想値等です。当連結会計年度の予想に対し、売上高は41,905百万円(達成率97.9%)、営業利益は1,865百万円(達成率106.6%)、経常利益は2,197百万円(達成率106.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,546百万円(達成率109.7%)、売上高経常利益率は5.2%となりました。鋼製物置事業では、物価高に伴い消費マインドが冷え込み、耐久消費財の需要低迷が続いたこと。オフィス家具事業では、市況が好調であったものの、価格競争が厳しかった影響から、全体の受注が想定以上に減少したことから、売上高は予想を下回りました。損益につきましては、減収により売上総利益が減少しましたが、販管費の削減に努めた結果、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、予想を上回りました。 ② 財政状態の状況当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりです。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(百万円)流動資産31,51931,290△228固定資産29,02328,176△846資産合計60,54259,467△1,075流動負債14,15612,932△1,224固定負債2,8162,515△301負債合計16,97215,447△1,525純資産43,57044,020+450 (資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ228百万円減少して31,290百万円となりました。主な変動要因は、受取手形及び売掛金の減少756百万円、電子記録債権の増加195百万円、有価証券の増加299百万円、商品及び製品の減少105百万円、流動資産のその他に含まれる未収入金の増加133百万円です。固定資産は、前連結会計年度末に比べ846百万円減少して28,176百万円となりました。主な変動要因は、減価償却費の発生による機械装置及び運搬具の減少765百万円、生産移管等による建設仮勘定の増加807百万円、無形固定資産のその他に含まれるソフトウエアの増加255百万円、投資有価証券の減少606百万円、退職給付に係る資産の増加165百万円、繰延税金資産の減少217百万円、及び投資その他の資産のその他に含まれる保険積立金の減少459百万円です。この結果、資産合計は59,467百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,075百万円減少しました。 (負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,224百万円減少して12,932百万円となりました。主な変動要因は、支払手形及び買掛金の減少1,083百万円、電子記録債務の増加656百万円、未払法人税等の減少400百万円、流動負債のその他に含まれる設備関係電子記録債務の減少443百万円です。固定負債は、前連結会計年度末に比べ301百万円減少して2,515百万円となりました。主な変動要因は、固定負債のその他に含まれる長期未払金の減少259百万円です。この結果、負債合計は15,447百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,525百万円減少しました。 (純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べ450百万円増加して44,020百万円となりました。主な変動要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加1,546百万円、配当金の支払による利益剰余金の減少683百万円、及び自己株式取得等による自己株式(控除項目)の増加438百万円です。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.0ポイント増加して74.0%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ55百万円減少して16,047百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。科目前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー3,7143,018投資活動によるキャッシュ・フロー△2,263△1,887財務活動によるキャッシュ・フロー△1,402△1,185現金及び現金同等物の期末残高16,10316,047借入金・社債期末残高--(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、3,018百万円の収入(前連結会計年度は3,714百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上2,222百万円及び減価償却費の発生2,001百万円による収入と、法人税等の支払額1,020百万円及び仕入債務の減少額427百万円の支出によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、1,887百万円の支出(前連結会計年度は2,263百万円の支出)となりました。この主な要因は、定期預金の払戻2,500百万円、保険積立金の解約529百万円、及び投資有価証券の償還400百万円による収入と、定期預金の預入2,500百万円及び有形固定資産の取得2,325百万円の支出によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、1,185百万円の支出(前連結会計年度は1,402百万円の支出)となりました。この主な要因は、配当金の支払額683百万円及び自己株式の取得500百万円の支出によるものです。(2) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年8月1日至 2025年7月31日)前期比(%)鋼製物置(百万円)26,77399.8オフィス家具(百万円)5,58091.2合計(百万円)32,35498.2(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。② 受注実績当社の生産は、過去の販売実績及び需要予測等を考慮し、これに基づいて勘案された見込生産ですが、オフィス家具の一部について、OEM先に対し受注生産を行っています。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)オフィス家具3,002102.6214120.9(注)金額は販売価格によっています。 ③ 販売実績当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年8月1日至 2025年7月31日)前期比(%)鋼製物置(百万円)29,21899.9オフィス家具(百万円)12,68796.3合計(百万円)41,90598.8(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しています。2.最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりです。相手先前連結会計年度(自 2023年8月1日至 2024年7月31日)当連結会計年度(自 2024年8月1日至 2025年7月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)ユアサ商事株式会社12,01528.312,03028.7 (3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。・当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容経営成績の詳細については、「(1) 経営成績等の状況の概況 ① 経営成績の状況」に記載のとおりです。② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容財政状態の詳細については、「(1) 経営成績等の状況の概況 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。 ③ キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容キャッシュ・フローの詳細については、「(1) 経営成績等の状況の概況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。(キャッシュ・フロー指標のトレンド) 2021年7月期2022年7月期2023年7月期2024年7月期2025年7月期自己資本比率(%)70.468.771.772.074.0時価ベースの自己資本比率(%)42.136.642.745.847.7債務償還年数(年)0.20.30.30.30.3インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)2,353.71,196.61,066.31,392.81,212.7(注)自己資本比率:純資産/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しています。*有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としています。*営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に記載の「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」等を使用しています。 ④ 資金の源泉と流動性当社グループは、資金需要を満たすための資金は、原則として営業活動によるキャッシュ・フローを財源とし、自己資金又は銀行借入により資金調達することを基本方針としています。資金調達の際には、適切な手元資金の水準、期間及び金利等の調達条件、自己資本比率といった財務諸表への影響度を総合的に勘案したうえで、最適な資本構成を目指して行います。当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、16,047百万円です。当連結会計年度末において借入金はありませんが、当連結会計年度末現在において、当社グループは総額7,350百万円の当座貸越契約を複数の金融機関との間で締結しています。資金の配分については、円滑な事業活動及び安全性を確保するための手元資金を確保しつつ、企業価値向上に資する配分に努めていきます。企業価値向上のための資金配分については、設備投資を推進するとともに、適切な株主還元を行います。株主還元は、経営における最重要課題の一つと考えており、安定的配当を確保しつつ、経営体質の強化を図るための内部留保や業績等を総合的に勘案し、状況に応じた株主還元を行っていきます。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。 ⑤ 設備投資と減価償却費当連結会計年度は、生産移管に係る富岡工場・生産設備の新設や犬山社員寮の新築などの設備投資を行いました。当連結会計年度の設備投資額は2,270百万円であり、全額自己資金で対応しました。なお、当連結会計年度における減価償却費(無形固定資産を含む)は、前期に比べ158百万円増加して2,001百万円となりました。有形固定資産の減価償却費は1,910百万円であり、前期に比べ163百万円増加しました。前期差の主な要因は、機械装置に関する償却の増加です。 (設備投資と減価償却費のトレンド) 2021年7月期2022年7月期2023年7月期2024年7月期2025年7月期設備投資額(百万円)3,2112,1221,0182,8012,270減価償却費(百万円)1,7201,9591,8521,8432,001 有形固定資産1,5571,8931,7511,7461,910無形固定資産163651009690 (4) 経営成績等に重要な影響を与える要因について「3 事業等のリスク」に記載しています。(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表を作成するために、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを行っています。経営者は、これらの見積りについて過去の経験・実績や現在及び見込まれる経済状況などを勘案し、合理的に判断していますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果になる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針等、会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。また、特に以下の重要な会計方針及び見積りの適用が、その作成において用いられる見積り及び予測により、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。(繰延税金資産)当社グループは、将来の課税所得に関するものを含めた様々な予測・仮定に基づいて繰延税金資産を計上しており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。また、将来の課税所得に関する予測・課税に基づいて、当社又は連結子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
事業リスク
- 経済状況の変動による影響国内の需要、景気、物価の変動、特に新設住宅着工戸数の減少や新築オフィスビルの供給変動、材料価格の高騰は、売上減少や業績悪化に繋がる可能性があります。人口減少を踏まえ、独自製品開発や用途開発で需要創出、市場シェア拡大を目指しています。
- 原材料・部品供給の不安定性鋼材や塗料などの原材料・部品の調達は複数の外部供給元に依存しており、市況変動による価格高騰や品不足、供給元の事故が発生した場合、製造原価の上昇や生産停止を招き、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。複数購買や安全在庫確保で安定供給に努めています。
- 激しい価格競争と製品欠陥鋼製物置市場は寡占、オフィス家具市場は大手中心で競争が激しく、価格決定が困難な状況です。また、製品に欠陥が生じた場合、大規模なリコールや製造物責任賠償、ブランドイメージ低下により、多額のコスト発生や売上減少のリスクがあります。付加価値製品投入や品質管理体制強化で対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めていきます。また、以下に記載したリスクは、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外の予見しがたいリスクも存在します。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。当社グループでは、リスク管理規程を定め、想定されるリスクの発生時における迅速かつ適切な情報収集と緊急事態対応体制を整備しており、リスクが顕在化した場合の事業中断及び影響を最小限にとどめるため、事業継続マネジメント体制の整備に努めています。(事業環境に関するリスク)(1) 経済状況の変動当社グループは、国内において販売活動を行っており、その売上は日本国内における需要、景気、物価の変動、業界の動向等、経済状況の影響を受けます。特に、新設住宅着工戸数の減少や新築オフィスビルの供給動向の大幅な変動、材料価格の高騰等に伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、販売活動では国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数減少等の予想を踏まえ、独自性のある製品開発による付加価値向上、用途開発による需要の創出、及び市場におけるシェア拡大の取り組みを継続的に進め、生産活動では原材料や製品の適切な在庫水準を維持することで、安定的な供給体制の強化に努めていきます。(2) 原材料や部品の供給による影響当社グループの生産活動においては、鋼材、塗料、部品、資材等の供給品を複数のグループ外供給元から調達しています。グループ外供給元とは、安定的な取引を行っていますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故等により原材料や部品の不足が生じないという保証はありません。その場合、製品の製造原価の上昇、さらには生産停止を招く等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、継続的なコスト削減のほか、価格高騰部分の販売価格への転嫁などの対策を講じています。また、複数購買の実施、より採算性の高いサプライヤーへの集約、供給元とのコミュニケーションの実施、定期的な品質テスト及び安全在庫量の確保などにより、安定的な供給体制の強化に努めていきます。 (事業内容に関するリスク)(3) 価格競争当社グループは、事業展開する市場において激しい価格競争に晒されています。鋼製物置を取り扱う市場は、規模が小さいうえに当社と競合他社による寡占市場であり、オフィス家具を取り扱う市場は、大手を中心に競合性が高く、価格面の圧力が強い市場となっています。そのような環境において、当社グループにとって常に有利な価格決定をすることは困難な状況にあり、競合他社の価格設定の影響を受けます。当社グループは、独自性のある高品質な製品を市場へ投入できると自負しておりますが、将来においても有効に競争できるという保証はありません。価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、競合他社との激しい競争による市場価格の変動に対し、付加価値製品の市場投入による差別化を進め、販売価格の底上げを図っていきます。生産活動においても、積極的な設備投資と自社生産比率の高さを活かして、コスト競争力と高品質を両立させた製品づくりに努めるとともに、製品の部材共通化を推進し、生産効率の改善に取り組んでいきます。 (4) 製品の欠陥当社は、品質管理規程等に従って各種の製品を製造しています。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来リコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については、経済的損失をカバーするため製造物責任保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償に繋がるような製品の欠陥は、多額のコストの発生や当社グループの評価が低下することに伴う売上の減少を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、独自の品質管理体制を整備し、開発段階における厳しい基準での独自試験の実施、完成品の品質を検証するための品質管理委員会の開催、沖縄暴露試験場での長期試験など、継続的な取り組みを実施しています。これらの取り組みを行うことで、大規模なリコールや製造物責任賠償に繋がる可能性を低減しています。 (5) 特定取引先への依存当社グループのオフィス家具事業は、特定取引先の業績に左右される可能性があります。特定取引先との取引は、当社都合により展開できるものではなく、特定取引先の事業方針等が変更される可能性があります。その場合、特定取引先への売上減少、さらには取引解消を招く等、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、特定取引先とは製品の企画・設計・開発段階から協力関係にあり、互いに良きビジネスパートナーとして認識しあい、強固な信頼関係を構築しています。また、定期的に経営者間で面談を行い、課題の共有や情報交換などを行っています。 (6) 環境問題に関するリスク当社グループは、国内の環境法規制を遵守した上で、環境負荷の低減に取り組んでいます。会社の環境方針に基づき、事業活動における環境負荷の削減、再生資源の利用及び環境規制に適合した製品開発に努めています。具体的には、開発・設計の段階から「人と地球に優しく、より高品質な製品」の開発することを考え、リサイクル対応の製品づくりとゴミの減量化に繋がるパーツごとの分解・分別が容易な「分別設計」を導入するなど、素材のみならず環境への配慮に取り組んでいます。また、環境への負荷低減の取り組みとして、塗装ではVOC(揮発性有機化合物)が発生しない粉体塗装(パウダーコーティング)を採用しています。このように品質の安定・向上とともに環境への影響を把握する環境マネジメントシステムの継続的改善に取り組んでいきます。しかし、世界的な人口の増加や経済発展・利便性の追求により、エネルギーや資源の消費スピードが加速していることから、地球温暖化や資源枯渇・環境汚染等のリスクへの懸念が高まっています。それに伴い、環境に関する取り組みの重要性はますます高まり、今後も様々な環境規制が改正・強化され、即時の対応や将来に向けての取り組みを求められる可能性があります。その対応が不十分な場合には、製品の売上減少、生産量の限定又はレピュテーション低下等、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。脱炭素社会への移行リスクとして、気候変動に伴う規制強化の拡大に、現行製品が適切に対応できないことで、販売機会を喪失する可能性があります。また、物理リスクとして大型の台風や洪水等の異常気象の深刻化と頻度の上昇が考えられ、工場の操業停止やサプライチェーンの分断により売上が減少する可能性があります。 (7) 情報セキュリティリスク当社グループは、様々なグループ内専用ネットワークや情報技術システムを利用しています。当社グループは、効率的で安定した事業活動を担保するため、基幹システム・会計システム等の更新を適時実施しています。また、情報セキュリティに関する社内規程の整備、不正アクセス等を未然に防止するための対策等、社内ネットワークにセキュリティ対策を講じるとともに、社員への教育を実施する等、情報資産の保護に努めています。しかしながら、サイバー攻撃等の不正行為の脅威は増しており、想定を大幅に超えるサイバー攻撃を受けた場合、重要な業務の中断、機密情報の漏洩等、事業への悪影響が生じる可能性もあります。また、ネットワークに生じる障害、ネットワーク又はハードウエア、若しくはソフトウエアの不具合・欠陥、情報技術システムが適切に導入・更新されていないことによるシステム上の不具合が発生した場合、業務の中断等、生産性の低下を招き、事業活動に支障がでる可能性があります。その結果、競争力の喪失やレピュテーション低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (その他に関するリスク)(8) 自然災害等による影響当社グループは、大規模な自然災害、事故、疫病等の発生時に、製造ラインの中断等により事業への悪影響を受ける可能性があります。その場合、生産・販売活動が停止することに伴う売上の減少等を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、製造ラインの中断等による事業への悪影響を最小化するため、工場の分散、設備の定期的点検、安否確認システムの導入、防災訓練の実施や事業継続計画の策定等の減災対応に取り組んでいます。また、拠点においては、事業や財務への影響の低減を目的として、経済的損失をカバーするため損害保険へ加入しています。しかし、災害等による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。 (9) 法的手段当社グループは、事業活動において、継続的なコンプライアンスの実践に努めています。それにも関わらず、様々な訴訟及び規制当局による法的手続の当事者になる可能性があります。また、重大なコンプライアンス違反や大規模な損害賠償等に繋がるような場合には、多額の損害賠償金の発生や事業活動が停止する可能性があります。その場合には、当社グループの信頼性や評判を損なう等、ブランドイメージの毀損により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。万が一、訴訟その他の法的手続が発生した場合には、必要に応じて外部専門家と連携しながら適時・適切に対応し、当社グループへの影響を最小限に抑えるように努めていきます。 (10) 人権等当社グループは、各種ハラスメントの防止に関する規程、サステナビリティ基本方針、人材育成方針・社内環境整備方針において、人権を侵害する労働またはそれに準じる行為の禁止を明文化し、グループで共有するとともに徹底を図っています。しかしながら、差別やハラスメントによるコンプライアンス違反が発生した場合、社会的信用が失墜し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるリスクは、上記だけに限定されるものではありません。