事業の概要
- 多角的な事業展開日本毛織グループは、衣料繊維製品の製造・販売から、不織布・フェルトなどの産業資材、商業施設の開発・運営、介護・保育事業、さらには家具や家電製品の販売まで、非常に幅広い事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築こうとしています。
- 衣料繊維事業毛糸や毛織物といった伝統的な衣料繊維製品の製造・販売が主要な収益源の一つです。ユニフォーム素材やファッション織物素材などを国内外の取引先に提供しており、製造委託や染色加工を行う子会社と連携して、一貫した生産体制を構築しています。
- 生活・産業資材事業不織布やフェルトなどの繊維資材製品、テニス・バドミントンガット、釣糸、産業向け機械の設計・製造・販売、環境・エネルギーシステムなど、多岐にわたる産業資材や機械を提供しています。これにより、BtoB(企業間取引)市場での安定した需要を取り込み、事業の柱としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 衣料繊維事業売上302.82億円、営業利益26.45億円。毛糸や毛織物などの衣料繊維製品の製造・販売が中心です。ユニフォーム素材やファッション織物素材などを手掛け、子会社と連携して製造・加工・販売を行っています。グループの基盤となる事業の一つです。
- 産業機材事業売上351.77億円、営業利益28.75億円。不織布・フェルトなどの繊維資材製品、テニス・バドミントンガット、釣糸、産業向け機械の設計・製造・販売、環境・エネルギーシステムの設計・施工・メンテナンスなど、多岐にわたる製品・サービスを提供しています。グループ内で最も売上が大きい事業です。
- 人とみらい開発事業売上266.79億円、営業利益67.72億円。ショッピングセンターなどの商業施設の開発・賃貸・運営、不動産の建設・販売・賃貸、乗馬・ゴルフ・テニス等のスポーツ施設運営、介護事業、保育事業、携帯電話販売など、生活に密着したサービスを提供しています。グループ内で最も営業利益率が高い事業であり、収益の柱となっています。
2025-11 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| TextileAndClothingMaterialsReportableSegment | 事業 | 303 | 26 | 8.7% |
| IndustrialMachineryAndMaterialsReportableSegment | 地域 | 352 | 29 | 8.2% |
| HumanAndFutureDevelopmentReportableSegment | 事業 | 267 | 68 | 25.4% |
| ConsumerGoodsAndServicesReportableSegment | 事業 | 232 | 11 | 4.5% |
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3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社57社及び持分法適用関連会社3社(2025年11月30日現在)を中心に構成され、毛糸・毛織物などの衣料繊維製品の製造並びに販売、倉庫管理・構内運送を主とした『衣料繊維事業』、不織布・フェルトなどの繊維資材製品、テニス・バドミントンガット、釣糸、産業資材の製造・販売、産業向け機械の設計・製造・販売、環境・エネルギーシステムの設計・施工・メンテナンスを主とした『産業機材事業』、ショッピングセンターなど商業施設の開発・賃貸・運営、不動産の建設・販売・賃貸、乗馬・ゴルフ・テニス等のスポーツ施設運営の運営、介護事業、保育事業、携帯電話販売を主とした『人とみらい開発事業』、毛布・寝装用品、手編毛糸、家具、馬具・乗馬用品、スタンプ・スタンプインク、消費者向け家電商品の製造販売及び100円ショップ向け日用雑貨卸を主とした『生活流通事業』を行っております。各事業の当社及び関係会社の位置付けは次のとおりであります。なお、『衣料繊維事業』、『産業機材事業』、『人とみらい開発事業』、『生活流通事業』の4部門は、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表注記事項」(セグメント情報等)の区分と同一であります。 『衣料繊維事業』当部門において、当社は毛糸・ユニフォーム織物素材と製品、紳士及び婦人のファッション織物素材と製品などの衣料繊維製品の製造及び販売を行っており、製品の一部は㈱ナカヒロ、アカツキ商事㈱、佐藤産業㈱等に販売しております。大成毛織㈱、青島日毛織物有限公司は織物の製織加工を行っており、当社は製造委託を行っております。金屋ニット㈱はニット製品の製造を行っております。尾州ウール㈱は毛糸の製造(撚糸)、㈱ニッケ起ダイイングは毛糸の染色加工を行っており、当社はこれらの会社へ製造委託を行っております。㈱ニッケテキスタイルは織物及び毛糸の販売を行っております。第一織物㈱は織物の製織加工及び販売を行っております。㈱ニッケ物流は当社工場の倉庫管理及び構内運送等を行っております。㈱キューテックは織物製品の縫製加工を行っております。㈱艶金はニットの染色整理加工を行っております。 『産業機材事業』当部門において、㈱エフアンドエイノンウーブンズは不織布・フェルト等の繊維資材製品の製造・販売を、㈱ファンズプレシジョン、芳珠特種紡織品(江陰)有限公司は不織布・フェルト等の繊維資材製品の製造・加工を、芳珠(上海)貿易有限公司は不織布・フェルト等の繊維資材製品の販売を、その他の㈱エフアンドエイノンウーブンズの子会社5社は、不織布等の繊維資材製品の製造・販売を行っております。呉羽テック㈱は、不織布等の製造・販売を行っており、栗東テック㈱及びNikke Kureha America Co.,Ltd.は不織布製品の加工・販売を、Kureha Thailand Co,.Ltd.は不織布製品の製造・販売を行っております。㈱カンキョーテクノは、集塵機器フィルターの製造及び販売、エアフィルターの販売を行っております。㈱ニッケ機械製作所は、産業向け機械の設計・製造・販売を行っております。㈱ゴーセンはテニス・バドミントンガット、釣糸、産業資材の製造・販売を行っており、ゴーセン・タイランド社は、自動車用繊維資材の製造・販売を行っております。ホクレン㈱は、繊維資材の染色及び加工を行っております。㈱エミー、億明貿易(厦門)有限公司は電気絶縁材料等の産業資材、産業機器・機械要素部品、工業用医療資材等の輸出入を行っております。 『人とみらい開発事業』当部門において、当社はショッピングセンターなど商業施設の開発・賃貸、不動産の賃貸、乗馬クラブの運営等を行っております。ニッケ・タウンパートナーズ㈱は、ショッピングセンターの運営管理・運営受託を行っております。ニッケみらい建設㈱は建設及び不動産管理を行っており、コスモ・メンテナンス㈱は不動産管理を行っております。㈱ニッケウエルネスはゴルフ練習場、ゴルフスクール、テニススクールなどの運営を行っております。㈱ニッケ・ケアサービス、日本パムコ㈱及び㈱スクーデリアは介護事業を行っております。㈱ニッケライフ及び㈱ニッケナーサリーは保育事業を行っております。その他、携帯電話の販売を行っております。 『生活流通事業』当部門において、ニッケ商事㈱は毛布・寝装用品、手編毛糸等の製造・販売、馬具・乗馬用品の製造・販売及びコンテナの輸入・販売、100円ショップ向け生活雑貨の卸売り、服飾雑貨の企画・開発、並びに輸入及び販売を行っております。ミヤコ商事㈱は家具・室内装飾品・日用雑貨等の卸売業を行っております。㈱ツキネコはスタンプインク等の製造・輸出入・販売を行っております。㈱こどものかおはラバースタンプ・切文字関連商品等の販売を行っております。㈱ニットーファミリーは、個人向け保険代理業を行っております。㈱AQUAは主に生活家電やインテリア雑貨、化粧品などを販売しているネットショップ運営、寝具・寝装品・インテリア用品の製造販売を行っております。㈱日本馬事普及は乗馬用品の販売を行っております。サンコー㈱は、消費者向け家電商品の企画、販売及びEコマース運営を行っております。㈱インテリアオフィスワンは家具・インテリア製品の企画、開発及び販売を行っております。 事業系統図以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 特定の取引先からの大幅な値下げ要求が生じる可能性をリスクとして認識しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 新しい紡績工法、リサイクル技術、植物由来ポリエステル活用、高電圧取扱者防護用素材等の研究開発。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
会社が挙げる主要リスク:重要な取引先の業績悪化、事業撤退等 / 株価の大幅下落、為替相場の変動等 / 原材料の価格変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
長年の歴史と「ニッケ」ブランドは一定の認知度を持つが、特許や独占的IPによる明確な優位性は見出しにくい。高級アパレルや機能性素材分野でのブランド価値向上は限定的。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
BtoB取引が中心であり、顧客との長期的な関係性は存在するものの、素材の切り替えコストが極めて高いとは言えない。特定の用途に特化した高機能素材以外では、乗り換え障壁は低い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が働く事業モデルではない。ユーザーが増えることで製品やサービスの価値が向上するような構造は見られない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の経験に基づく生産ノウハウや、一部の素材(例:ウール)における調達力はコスト競争力に寄与する可能性がある。しかし、グローバルな価格競争力や圧倒的なコスト優位性までは至っていない。
規模の経済★★☆☆☆
繊維業界は競争が激しく、同社は一定の規模を持つものの、業界全体を寡占するほどの圧倒的なシェアや規模の経済性は確立されていない。特定のニッチ市場では優位性を持つ可能性。
- 長年の繊維技術と信頼日本毛織は、毛糸や毛織物といった衣料繊維製品の製造で培ってきた長年の歴史と技術力を持っています。これにより、高品質な製品を提供できるだけでなく、国内外の取引先との強固な信頼関係を構築しており、安定した事業基盤となっています。
- 多角化によるリスク分散衣料繊維、産業機材、人とみらい開発、生活流通という4つの主要事業を展開することで、特定の市場や景気変動に左右されにくい事業ポートフォリオを構築しています。これにより、一つの事業が不振に陥っても、他の事業で補完できる強みがあります。
- 不動産・サービス事業の安定性ショッピングセンターの開発・賃貸・運営、介護・保育事業、スポーツ施設運営といった「人とみらい開発事業」は、景気変動の影響を受けにくい安定的な収益源となり得ます。特に商業施設の賃貸収入や介護・保育サービスは、継続的な需要が見込めるため、グループ全体の収益安定に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針ニッケグループは、長期安定的に企業価値を向上させるために、「経営理念」「経営方針」に則り、株主をはじめとする多様なステークホルダーの皆さまから信頼される経営を目指しております。<経営理念>”人と地球に「やさしく、あったかい」企業グループとして、わたしたちは情熱と誇りをもってチャレンジして行きます。”<グループビジョン>・未開の分野に目を向け、「高機能商品」「地域NO.1サービス」の開発と提供へ挑戦し、みらい生活創造企業を目指します。<経営方針>・「全員がチャレンジ精神を持ち」「人が育つ」、生命力あふれた会社を目指します。・お客様の声と研究開発から、独自性のある商品・サービスで市場を創造します。・常に未来を見つめ、グローバルな視点に立ち、世界に広がるお客様と社会の発展に貢献します。・多くの市場で勝ち抜くために、広く人財を求め、多様な「知」を結集して、事業を革新・発展させます。・お客様や株主様、社員、取引先、地域社会をはじめとした様々なステークホルダーとの永続的な信頼関係を築くことにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。 (2) 経営環境国内の経済環境は緩やかな回復は続くものの、人口減少と高齢化の進展に伴う深刻な労働力不足、物価高による実質賃金の目減りと消費意欲の減退など、未だに景気回復の実感は乏しい状況です。世界経済におきましても、米国の関税政策を始めとした各国での保護主義の高まり、ウクライナ侵攻や不安定な中東情勢など地政学リスクはますます高まっており、サプライチェーンの見直しも必須となっております。中国の景気回復もまだ見通せない状況であり、今後も厳しい事業環境が続くと考えられます。ニッケグループもこのような経営環境の影響を大きく受けておりますが、中長期的・グローバルな目線で変化を捉えてリスクに対処すると共に、変革や新たな市場を切り拓く「チャンス」であると捉え、RN130第3次中期経営計画を推し進めて参りました。 当社グループにおける環境認識は以下のとおりです。 <衣料繊維事業>・主力である国内スクールユニフォーム事業は、少子化により市場規模が確実に漸減していく。足元では中国の景気停滞はあるものの、円安基調から日本品に対する欧米の購買力は回復傾向であり、国内でのインバウンド需要も堅調に推移していく。・エネルギー費、原材料費、人件費などコストの増加傾向は今後も継続する。為替相場についても今後の先行きは不透明である。・国内外でのSDGsへの意識は引き続き高まり、顧客の要望が多様化・高度化していく。環境配慮への対応などの取り組みが必須となる取引が今後も増加していく。 <産業機材事業>・中国市場は、自動車・環境・生活関連、何れの分野においても景気低迷の影響を受けており、今後も当面継続する。米国関税政策などの影響で自動車関連を中心にグローバル市場の先行き不透明感は継続する一方、北米エリアでの事業機会は広がる。また、インフラなどの課題はあるものの、インドは更なる発展が見込まれる。・EV化などの技術発展が進む自動車だけでなく、鉄道も含めたモビリティ産業全体でのビジネスチャンスは引き続き期待できる。家電・OA分野は、海外での堅調な需要拡大を見込む。・SDGsへの意識の高まりと各地での規制強化が進み、環境関連の市場規模は伸長する。特に、EV関連素材やリサイクルビジネスへの需要拡大が期待できる。 <人とみらい開発事業>・商業施設では地域密着型ショッピングセンターは堅調に推移する。不動産開発では省エネビルなど資産価値を高めた物件の引き合いが増える。・ライフサポート分野では、介護関連市場は引き続き拡大していく。スポーツ関連市場は、ゴルフはブームがピークアウトするも、テニスは今後も堅調な推移が見込まれる。・各分野とも安定した事業拡大には、施設の計画的なメンテナンス実施、人財の確保と安定化、並びに運営力強化が喫緊の課題である。 <生活流通事業>・Eコマース市場はあらゆる分野にすそ野が広がり、その利便性から拡大基調は続く。・一方、Eコマースはボーダレス化が進み、海外勢やメーカー直販も含め競合が増加する。大手モールの交渉力がより強くなると共に、仕入品価格や物流費、広告宣伝費の上昇基調も続く。 <メディカル分野>・国内外において、医療機器・医薬用品業界は拡大していく。・長期的には再生医療分野の市場が拡大していく。 (3) 対処すべき課題①RN130ビジョン第3次中期経営計画(2024~2026年度)の進捗 (単位:百万円) 第2次中期経営計画第3次中期経営計画(2024年度~2026年度)※1 2023年度2024年度2025年度2026年度 実績中期計画実績中期計画業績予想※2実績中期計画業績予想※3売上高113,497111,000115,438120,000121,700119,377130,000130,000営業利益11,01611,00011,64012,00011,30011,91313,00013,000経常利益11,63411,60012,09812,40012,00012,96713,40013,400親会社株主に帰属する当期純利益7,6437,7008,9707,8008,0009,0908,8009,500 ※1 2024年1月12日公表※2 2025年7月11日公表※3 2026年1月15日公表 (a)2025年度実績RN130ビジョンの最終フェーズである第3次中期経営計画(2024~2026年度)では、グループビジョンに掲げる「みらい生活創造企業」の具現化に向け、着実に「前年よりも成長」することを目指しております。これにより、過去最高の売上高・各利益の更新を目標とし、その2年目である2025年度においても各種施策を実行してまいりました。その結果、衣料繊維事業におけるユニフォーム分野での販売減はあったものの、産業機材事業では新規M&A会社が業績に寄与すると共に、不織布・FA設備・ラケットスポーツは好調に推移しました。人とみらい開発事業の商業施設運営分野や建設分野、生活流通事業のライフスタイル分野なども好調に推移し、売上高・営業利益は5期連続の増収増益を達成、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益を更新しました。 経営環境が激しく変化するなか、事業ごとに好不調の波はありますが、4事業が相互補完することにより営業利益は継続して110億円台を超え、グループの収益力はより強靭さを増しております。衣料繊維事業では、ユニフォーム事業における流通在庫過多に伴う販売減により減収となりました。また、売上高の減少、それに伴う生産効率の低下、物流費の上昇などの影響も受けました。産業機材事業では、不織布事業強化に向けて前年度グループ化した呉羽テック株式会社および株式会社カンキョーテクノが通期で連結業績に寄与しました。また、自動車・半導体向けを中心にFA設備の受注が好調に推移すると共に、機材事業の強化に向けて株式会社カコテクノスのグループ化を推進しました。更に、バドミントンガットの販売も好調に推移しました。人とみらい開発事業では、八重洲通フィルテラスを竣工するなど保有不動産の再開発による付加価値向上を推進しました。生活流通事業では、災害用毛布やコンテナ、家電などの販売が好調に推移しました。メディカル分野では、主力商品の販売拡大と自社開発品の市場投入を進め、営業利益増につなげました。 (b)基本戦略の進捗(ⅰ) 成長事業や新規事業、合理化への資源の重点配分および海外ビジネスの拡大<衣料繊維事業>・成長ドライバーの育成については、海外でのファッション向けテキスタイル販売の拡大を目指し、欧州や中国での展示会出展などプロモーション強化による認知度向上に努めています。また、当社独自開発糸を用いたニット製品の販売については、アウトドア市場での拡販を実現するため、有力ブランドとの取り組みを強化しています。・合理化への資源配分については、省エネ・省人化を目指した製造設備への投資、並びにバリューチェーンの生産性向上を目指したデジタル化に取り組んでいます。<産業機材事業>・成長ドライバーの育成については、自動車・環境関連市場向けの不織布事業をユニフォーム事業、不動産開発事業に続くニッケグループ第三の柱として育てるべく、前年度にグループ化した呉羽テック株式会社と株式会社カンキョーテクノの収益性向上に努めると共に、北米や東南アジアの海外販売拠点の活用も推進しました。また、更なる柱の創出を目指し、株式会社カコテクノスをグループ化することで、FA設備・機材分野強化への布石を打ちました。・新規事業であるリサイクルビジネスについては、回収した古着からジッパーやボタンなどの異物を自動除去する新規設備が稼働し始めたことに加え、古着を反毛して再生した繊維を活用した新商材の開発にも継続して注力しました。<人とみらい開発事業>・商業施設運営分野については、地域に根差した運営で業績は好調に推移しており、特にニッケコルトンプラザにおいては、キーテナントとして新規テナントがオープンし、顧客満足度と収益性の向上に寄与しております。・不動産開発分野においては、八重洲通フィルテラス(旧ニッケ東京ビル跡地)や一宮遊休地・夙川社宅跡地の再開発、並びに神戸本店ビルの改修が完了し、次年度からの収益貢献への布石を打ちました。また、旧フジコー伊丹工場・加古川社宅跡地の再開発プランの検討など、保有不動産の資産価値向上への取り組みも推進しました。八重洲通フィルテラスにおいては、ZEB Ready・ZEH認証を取得しており、省エネ・再エネなど環境に配慮した施設作りも進めております。<生活流通事業>・競争が激化するEコマース分野は、家具・寝装品・アイデア家電などの分野を中心に独自商品による差別化を図るべく、企画力やマーケティングの強化・品質向上に向け、BtoCで得た知見をBtoBで拡大させるSPA事業体のバリューチェーン構築を推進しました。・また、EC事業に適した物流基盤の構築についても、引き続き検討を進めております。<メディカル分野>・前年度に市場へ投入した生体吸収性シート「Pawdre®」、腹腔鏡手術用マルチポート「Dome Port™」、超音波検査サポート器具「COMPASS guide」など新規商材の拡販に注力しました。・また、今後の市場拡大が予想される再生医療分野においては、細胞培養用ゼラチン繊維基材「Genocel®」を活用した産学連携での臨床研究や、市場ニーズの確認を推進しております。(ⅱ) 資本効率の改善・不採算事業や低収益不動産の見直しによる事業ポートフォリオの最適化を継続して実施しております。・新規投資案件については、ROICを指標とした投資判断を継続しております。(目標8%、最低5%以上) (ⅲ) 事業部内・事業部間におけるシナジー効果の創出 ・衣料繊維事業においては、海外テキスタイル拡販に向けた展示会の共同出展や新規商材の共同開発などのグループ会社間連携の強化、並びに生産工程の省人化に向けた設備投資、およびバリューチェーンのデジタル化を推進しております。・産業機材事業においては、不織布事業を担う株式会社エフアンドエイノンウーブンズ、呉羽テック株式会社、株式会社カンキョーテクノの連携を強化し、海外拠点の相互活用や新規商材の共同開発を進めております。・資源循環システムにおいては、衣料繊維事業と産業機材事業が協働し、衣料品や副産品の回収、異物の除去、反毛、新規商材開発などのスキーム構築を進めております。 ② 2026年度の施策について2026年度は、RN130ビジョンの最終フェーズ「第3次中期経営計画」における最終年度であり、ビジョン達成に向けた総仕上げの一年となります。一方で国内外の経済環境は先行き不透明な状況が続いており、今後も更に厳しさが増すことが想定されます。この様な環境変化にしなやかに対応することで、過去最高の売上高・各利益を更新すると共に、RN130ビジョン実現に向けた各施策を実行してまいります。 グループ全体の重点方針は以下のとおりです。・第3次中期経営計画各施策の効果発現と経営計画の達成・次中長期ビジョン(CF140)に向けた戦略策定・3つの投資の推進(商品開発や合理化・省エネ設備への投資、顧客拡大投資、人財投資)・海外事業の拡大、新規事業へのチャレンジ・人的資本の拡充(チャレンジする人財の育成、多様な能力の活用など)・資本効率を意識した経営への取り組み(構造改革の推進、不採算物件の再開発、適正在庫の保持、ROIC・ROEの向上)・サステナブル経営(社会とニッケグループの持続的な成長)への取り組み(SDGs、健康経営、労働災害ゼロへの取組み、CO2削減活動など)・信頼される企業グループづくり これらを踏まえた、各事業で取り組む施策は以下のとおりです。 <衣料繊維事業>・海外市場での拡販に向けた、現地販売機能の強化および「ニッケ」ブランドの浸透と価値向上。最終製品を意識した販売モデルへの転換とプロモーション強化。・垂直・水平連携を意識したサプライチェーンの構築と整流化。グループ会社間の連携強化による商流の見直し・新素材開発。・糸・生地・縫製品など様々な段階での商品提供機能の実現。バリューチェーンのデジタル化による生産管理の一元化、生産・販売の最適化、並びに適正在庫の実現。・「服から服へ」と循環させるサーキュラーエコノミーの仕組み(WAONAS™)構築による販売拡大。<産業機材事業>・不織布事業の収益性向上。グループ会社間の連携強化によるシナジーの追求。・FA・機材事業の販売規模拡大。・海外拠点の設備投資および北米を中心とした海外販売の拡大。・付加価値商品開発による新規リサイクルビジネス(古着反毛)の軌道化。<人とみらい開発事業>・ショッピングセンターでの新店導入による魅力アップ。・大型開発案件のスピードアップと収益化(伊丹土地・市川コルトンプラザ南側など)。低収益不動産の再開発による資産価値の向上。・ライフサポート分野(スポーツ・介護・保育)での、サービス品質の向上、低収益事業所の見直し、人財確保と育成による安定化、並びに業務DX化による効率化。 <生活流通事業>・商品企画・製造、コンテンツ制作、広告・販促施策など、バリューチェーンを自社グループ内で完結させるSPA(製造小売り)機能の強化。・販売チャネルとしてEコマースを強化、併せて海外販売の拡大。・分散している物流機能の一元管理によるサービス品質の向上。<メディカル分野>・戦略商品(Pawdre®)および新商品(Dome Port™、COMPASS guideなど)の拡販。・再生医療領域への挑戦。(Genocel®、Pawdre®) ③ 成長投資と株主還元について(ⅰ)成長投資と安定的な株主還元のバランスを志向します。(ⅱ)成長投資については、研究開発投資、M&A投資、設備投資、人財投資など、中長期的な企業価値向上の観点から積極的に実行します。(ⅲ)株主還元 ・減配しない(記念配当を除いて)、累進的な配当を基本といたします。・配当性向については現行の30%目安から順次切り上げ、第3次中期経営計画最終年度での35%を目指します。加えて、DOE(株主資本配当率)を指標とし、第3次中期経営計画最終年度での2.5%を目標とします。なお、2025年度の配当性向は35.5%、DOEは2.5%となりました。・投資の進捗も鑑み機動的な自己株式取得を行い、総合的な株主還元を充実させてまいります。なお、2025年度に200万株の取得・消却を実施した結果、総還元性向は69.8%となりました。 厳しさと不確実性が増す経営環境下ではありますが、RN130ビジョンを実現すべく第3次中期経営計画の達成を目指します。そして、2027年度から始まる次中長期ビジョン「CF(Create the Future)140ビジョン」で描いた「ありたい姿」の実現に向け、自社のパーパス(存在意義)を改めて見つめ直すことで、株主や顧客・従業員・サプライチェーンを始めとした各ステークホルダーから信頼され、「人が集まる」「人に選ばれる」魅力的な企業グループの創造に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針ニッケグループは、長期安定的に企業価値を向上させるために、「経営理念」「経営方針」に則り、株主をはじめとする多様なステークホルダーの皆さまから信頼される経営を目指しております。<経営理念>”人と地球に「やさしく、あったかい」企業グループとして、わたしたちは情熱と誇りをもってチャレンジして行きます。”<グループビジョン>・未開の分野に目を向け、「高機能商品」「地域NO.1サービス」の開発と提供へ挑戦し、みらい生活創造企業を目指します。<経営方針>・「全員がチャレンジ精神を持ち」「人が育つ」、生命力あふれた会社を目指します。・お客様の声と研究開発から、独自性のある商品・サービスで市場を創造します。・常に未来を見つめ、グローバルな視点に立ち、世界に広がるお客様と社会の発展に貢献します。・多くの市場で勝ち抜くために、広く人財を求め、多様な「知」を結集して、事業を革新・発展させます。・お客様や株主様、社員、取引先、地域社会をはじめとした様々なステークホルダーとの永続的な信頼関係を築くことにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。 (2) 経営環境国内の経済環境は緩やかな回復は続くものの、人口減少と高齢化の進展に伴う深刻な労働力不足、物価高による実質賃金の目減りと消費意欲の減退など、未だに景気回復の実感は乏しい状況です。世界経済におきましても、米国の関税政策を始めとした各国での保護主義の高まり、ウクライナ侵攻や不安定な中東情勢など地政学リスクはますます高まっており、サプライチェーンの見直しも必須となっております。中国の景気回復もまだ見通せない状況であり、今後も厳しい事業環境が続くと考えられます。ニッケグループもこのような経営環境の影響を大きく受けておりますが、中長期的・グローバルな目線で変化を捉えてリスクに対処すると共に、変革や新たな市場を切り拓く「チャンス」であると捉え、RN130第3次中期経営計画を推し進めて参りました。 当社グループにおける環境認識は以下のとおりです。 <衣料繊維事業>・主力である国内スクールユニフォーム事業は、少子化により市場規模が確実に漸減していく。足元では中国の景気停滞はあるものの、円安基調から日本品に対する欧米の購買力は回復傾向であり、国内でのインバウンド需要も堅調に推移していく。・エネルギー費、原材料費、人件費などコストの増加傾向は今後も継続する。為替相場についても今後の先行きは不透明である。・国内外でのSDGsへの意識は引き続き高まり、顧客の要望が多様化・高度化していく。環境配慮への対応などの取り組みが必須となる取引が今後も増加していく。 <産業機材事業>・中国市場は、自動車・環境・生活関連、何れの分野においても景気低迷の影響を受けており、今後も当面継続する。米国関税政策などの影響で自動車関連を中心にグローバル市場の先行き不透明感は継続する一方、北米エリアでの事業機会は広がる。また、インフラなどの課題はあるものの、インドは更なる発展が見込まれる。・EV化などの技術発展が進む自動車だけでなく、鉄道も含めたモビリティ産業全体でのビジネスチャンスは引き続き期待できる。家電・OA分野は、海外での堅調な需要拡大を見込む。・SDGsへの意識の高まりと各地での規制強化が進み、環境関連の市場規模は伸長する。特に、EV関連素材やリサイクルビジネスへの需要拡大が期待できる。 <人とみらい開発事業>・商業施設では地域密着型ショッピングセンターは堅調に推移する。不動産開発では省エネビルなど資産価値を高めた物件の引き合いが増える。・ライフサポート分野では、介護関連市場は引き続き拡大していく。スポーツ関連市場は、ゴルフはブームがピークアウトするも、テニスは今後も堅調な推移が見込まれる。・各分野とも安定した事業拡大には、施設の計画的なメンテナンス実施、人財の確保と安定化、並びに運営力強化が喫緊の課題である。 <生活流通事業>・Eコマース市場はあらゆる分野にすそ野が広がり、その利便性から拡大基調は続く。・一方、Eコマースはボーダレス化が進み、海外勢やメーカー直販も含め競合が増加する。大手モールの交渉力がより強くなると共に、仕入品価格や物流費、広告宣伝費の上昇基調も続く。 <メディカル分野>・国内外において、医療機器・医薬用品業界は拡大していく。・長期的には再生医療分野の市場が拡大していく。 (3) 対処すべき課題①RN130ビジョン第3次中期経営計画(2024~2026年度)の進捗 (単位:百万円) 第2次中期経営計画第3次中期経営計画(2024年度~2026年度)※1 2023年度2024年度2025年度2026年度 実績中期計画実績中期計画業績予想※2実績中期計画業績予想※3売上高113,497111,000115,438120,000121,700119,377130,000130,000営業利益11,01611,00011,64012,00011,30011,91313,00013,000経常利益11,63411,60012,09812,40012,00012,96713,40013,400親会社株主に帰属する当期純利益7,6437,7008,9707,8008,0009,0908,8009,500 ※1 2024年1月12日公表※2 2025年7月11日公表※3 2026年1月15日公表 (a)2025年度実績RN130ビジョンの最終フェーズである第3次中期経営計画(2024~2026年度)では、グループビジョンに掲げる「みらい生活創造企業」の具現化に向け、着実に「前年よりも成長」することを目指しております。これにより、過去最高の売上高・各利益の更新を目標とし、その2年目である2025年度においても各種施策を実行してまいりました。その結果、衣料繊維事業におけるユニフォーム分野での販売減はあったものの、産業機材事業では新規M&A会社が業績に寄与すると共に、不織布・FA設備・ラケットスポーツは好調に推移しました。人とみらい開発事業の商業施設運営分野や建設分野、生活流通事業のライフスタイル分野なども好調に推移し、売上高・営業利益は5期連続の増収増益を達成、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益を更新しました。 経営環境が激しく変化するなか、事業ごとに好不調の波はありますが、4事業が相互補完することにより営業利益は継続して110億円台を超え、グループの収益力はより強靭さを増しております。衣料繊維事業では、ユニフォーム事業における流通在庫過多に伴う販売減により減収となりました。また、売上高の減少、それに伴う生産効率の低下、物流費の上昇などの影響も受けました。産業機材事業では、不織布事業強化に向けて前年度グループ化した呉羽テック株式会社および株式会社カンキョーテクノが通期で連結業績に寄与しました。また、自動車・半導体向けを中心にFA設備の受注が好調に推移すると共に、機材事業の強化に向けて株式会社カコテクノスのグループ化を推進しました。更に、バドミントンガットの販売も好調に推移しました。人とみらい開発事業では、八重洲通フィルテラスを竣工するなど保有不動産の再開発による付加価値向上を推進しました。生活流通事業では、災害用毛布やコンテナ、家電などの販売が好調に推移しました。メディカル分野では、主力商品の販売拡大と自社開発品の市場投入を進め、営業利益増につなげました。 (b)基本戦略の進捗(ⅰ) 成長事業や新規事業、合理化への資源の重点配分および海外ビジネスの拡大<衣料繊維事業>・成長ドライバーの育成については、海外でのファッション向けテキスタイル販売の拡大を目指し、欧州や中国での展示会出展などプロモーション強化による認知度向上に努めています。また、当社独自開発糸を用いたニット製品の販売については、アウトドア市場での拡販を実現するため、有力ブランドとの取り組みを強化しています。・合理化への資源配分については、省エネ・省人化を目指した製造設備への投資、並びにバリューチェーンの生産性向上を目指したデジタル化に取り組んでいます。<産業機材事業>・成長ドライバーの育成については、自動車・環境関連市場向けの不織布事業をユニフォーム事業、不動産開発事業に続くニッケグループ第三の柱として育てるべく、前年度にグループ化した呉羽テック株式会社と株式会社カンキョーテクノの収益性向上に努めると共に、北米や東南アジアの海外販売拠点の活用も推進しました。また、更なる柱の創出を目指し、株式会社カコテクノスをグループ化することで、FA設備・機材分野強化への布石を打ちました。・新規事業であるリサイクルビジネスについては、回収した古着からジッパーやボタンなどの異物を自動除去する新規設備が稼働し始めたことに加え、古着を反毛して再生した繊維を活用した新商材の開発にも継続して注力しました。<人とみらい開発事業>・商業施設運営分野については、地域に根差した運営で業績は好調に推移しており、特にニッケコルトンプラザにおいては、キーテナントとして新規テナントがオープンし、顧客満足度と収益性の向上に寄与しております。・不動産開発分野においては、八重洲通フィルテラス(旧ニッケ東京ビル跡地)や一宮遊休地・夙川社宅跡地の再開発、並びに神戸本店ビルの改修が完了し、次年度からの収益貢献への布石を打ちました。また、旧フジコー伊丹工場・加古川社宅跡地の再開発プランの検討など、保有不動産の資産価値向上への取り組みも推進しました。八重洲通フィルテラスにおいては、ZEB Ready・ZEH認証を取得しており、省エネ・再エネなど環境に配慮した施設作りも進めております。<生活流通事業>・競争が激化するEコマース分野は、家具・寝装品・アイデア家電などの分野を中心に独自商品による差別化を図るべく、企画力やマーケティングの強化・品質向上に向け、BtoCで得た知見をBtoBで拡大させるSPA事業体のバリューチェーン構築を推進しました。・また、EC事業に適した物流基盤の構築についても、引き続き検討を進めております。<メディカル分野>・前年度に市場へ投入した生体吸収性シート「Pawdre®」、腹腔鏡手術用マルチポート「Dome Port™」、超音波検査サポート器具「COMPASS guide」など新規商材の拡販に注力しました。・また、今後の市場拡大が予想される再生医療分野においては、細胞培養用ゼラチン繊維基材「Genocel®」を活用した産学連携での臨床研究や、市場ニーズの確認を推進しております。(ⅱ) 資本効率の改善・不採算事業や低収益不動産の見直しによる事業ポートフォリオの最適化を継続して実施しております。・新規投資案件については、ROICを指標とした投資判断を継続しております。(目標8%、最低5%以上) (ⅲ) 事業部内・事業部間におけるシナジー効果の創出 ・衣料繊維事業においては、海外テキスタイル拡販に向けた展示会の共同出展や新規商材の共同開発などのグループ会社間連携の強化、並びに生産工程の省人化に向けた設備投資、およびバリューチェーンのデジタル化を推進しております。・産業機材事業においては、不織布事業を担う株式会社エフアンドエイノンウーブンズ、呉羽テック株式会社、株式会社カンキョーテクノの連携を強化し、海外拠点の相互活用や新規商材の共同開発を進めております。・資源循環システムにおいては、衣料繊維事業と産業機材事業が協働し、衣料品や副産品の回収、異物の除去、反毛、新規商材開発などのスキーム構築を進めております。 ② 2026年度の施策について2026年度は、RN130ビジョンの最終フェーズ「第3次中期経営計画」における最終年度であり、ビジョン達成に向けた総仕上げの一年となります。一方で国内外の経済環境は先行き不透明な状況が続いており、今後も更に厳しさが増すことが想定されます。この様な環境変化にしなやかに対応することで、過去最高の売上高・各利益を更新すると共に、RN130ビジョン実現に向けた各施策を実行してまいります。 グループ全体の重点方針は以下のとおりです。・第3次中期経営計画各施策の効果発現と経営計画の達成・次中長期ビジョン(CF140)に向けた戦略策定・3つの投資の推進(商品開発や合理化・省エネ設備への投資、顧客拡大投資、人財投資)・海外事業の拡大、新規事業へのチャレンジ・人的資本の拡充(チャレンジする人財の育成、多様な能力の活用など)・資本効率を意識した経営への取り組み(構造改革の推進、不採算物件の再開発、適正在庫の保持、ROIC・ROEの向上)・サステナブル経営(社会とニッケグループの持続的な成長)への取り組み(SDGs、健康経営、労働災害ゼロへの取組み、CO2削減活動など)・信頼される企業グループづくり これらを踏まえた、各事業で取り組む施策は以下のとおりです。 <衣料繊維事業>・海外市場での拡販に向けた、現地販売機能の強化および「ニッケ」ブランドの浸透と価値向上。最終製品を意識した販売モデルへの転換とプロモーション強化。・垂直・水平連携を意識したサプライチェーンの構築と整流化。グループ会社間の連携強化による商流の見直し・新素材開発。・糸・生地・縫製品など様々な段階での商品提供機能の実現。バリューチェーンのデジタル化による生産管理の一元化、生産・販売の最適化、並びに適正在庫の実現。・「服から服へ」と循環させるサーキュラーエコノミーの仕組み(WAONAS™)構築による販売拡大。<産業機材事業>・不織布事業の収益性向上。グループ会社間の連携強化によるシナジーの追求。・FA・機材事業の販売規模拡大。・海外拠点の設備投資および北米を中心とした海外販売の拡大。・付加価値商品開発による新規リサイクルビジネス(古着反毛)の軌道化。<人とみらい開発事業>・ショッピングセンターでの新店導入による魅力アップ。・大型開発案件のスピードアップと収益化(伊丹土地・市川コルトンプラザ南側など)。低収益不動産の再開発による資産価値の向上。・ライフサポート分野(スポーツ・介護・保育)での、サービス品質の向上、低収益事業所の見直し、人財確保と育成による安定化、並びに業務DX化による効率化。 <生活流通事業>・商品企画・製造、コンテンツ制作、広告・販促施策など、バリューチェーンを自社グループ内で完結させるSPA(製造小売り)機能の強化。・販売チャネルとしてEコマースを強化、併せて海外販売の拡大。・分散している物流機能の一元管理によるサービス品質の向上。<メディカル分野>・戦略商品(Pawdre®)および新商品(Dome Port™、COMPASS guideなど)の拡販。・再生医療領域への挑戦。(Genocel®、Pawdre®) ③ 成長投資と株主還元について(ⅰ)成長投資と安定的な株主還元のバランスを志向します。(ⅱ)成長投資については、研究開発投資、M&A投資、設備投資、人財投資など、中長期的な企業価値向上の観点から積極的に実行します。(ⅲ)株主還元 ・減配しない(記念配当を除いて)、累進的な配当を基本といたします。・配当性向については現行の30%目安から順次切り上げ、第3次中期経営計画最終年度での35%を目指します。加えて、DOE(株主資本配当率)を指標とし、第3次中期経営計画最終年度での2.5%を目標とします。なお、2025年度の配当性向は35.5%、DOEは2.5%となりました。・投資の進捗も鑑み機動的な自己株式取得を行い、総合的な株主還元を充実させてまいります。なお、2025年度に200万株の取得・消却を実施した結果、総還元性向は69.8%となりました。 厳しさと不確実性が増す経営環境下ではありますが、RN130ビジョンを実現すべく第3次中期経営計画の達成を目指します。そして、2027年度から始まる次中長期ビジョン「CF(Create the Future)140ビジョン」で描いた「ありたい姿」の実現に向け、自社のパーパス(存在意義)を改めて見つめ直すことで、株主や顧客・従業員・サプライチェーンを始めとした各ステークホルダーから信頼され、「人が集まる」「人に選ばれる」魅力的な企業グループの創造に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況ニッケグループは、中長期ビジョン「ニッケグループRN(リニューアル・ニッケ)130ビジョン(2017~2026年度)」(以下「RN130ビジョン」という)において、各事業が魅力的な事業を創造し、今後の更なる企業価値向上に向けて、永続的な成長と発展を目指すことを掲げております。当連結会計年度は、「RN130ビジョン」の最終フェーズとなる「RN130第3次中期経営計画(2024~2026年度)」の中間点であり、ビジョン達成に向けた大切な一年でした。国内外においては、政治・経済環境の不確実性が増す中で、外部環境の変化にしなやかに対応し、各種施策を着実に実行してまいりました。この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高119,377百万円(前期比3.4%増)、営業利益11,913百万円(前期比2.3%増)、経常利益12,967百万円(前期比7.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,090百万円(前期比1.3%増)となりました。産業機材事業で当期から株式会社カンキョーテクノ(以下「カンキョーテクノ」)と呉羽テック株式会社(以下「呉羽テック」)が通期で連結業績に寄与したこと、生活流通事業が好調だったこと等により売上高、営業利益は5期連続で増収増益、営業利益以下の各利益は過去最高値を更新しました。 各事業セグメントの概況は以下のとおりです。 (a) 衣料繊維事業衣料繊維事業の当連結会計年度は売上高30,282百万円(前期比4.0%減)、営業利益2,645百万円(前期比23.5%減)となりました。(ユニフォーム分野)学校制服用素材は、流通在庫過多の影響を受け低調でした。官公庁制服用素材は、消防向けが好調で、全体では堅調でした。一般企業制服用素材は前期並みでした。(テキスタイル分野)一般衣料用素材は、国内では、スーツ生地等の販売が不調でした。海外では、中国市況悪化の影響を受けましたが、欧米向けの販売が伸長し好調でした。(ヤーン分野)ニット関連の編地・製品の販売は好調でしたが、糸販売の不調の影響が大きく、全体では不調でした。 (b) 産業機材事業産業機材事業の当連結会計年度は売上高35,177百万円(前期比14.1%増)、営業利益2,875百万円(前期比45.8%増)となりました。(自動車関連分野)車両向けの不織布等は、2024年8月にグループに加わった呉羽テックの売上が貢献し増収となりました。車載電装品他製造ラインのファクトリーオートメーション設備は、顧客の設備投資抑制から受注が減少傾向にあり売上は不調でしたが、高利益率の案件が多かったため増益となりました。(環境関連分野)フィルター資材等の環境・エネルギー関連資材は、2024年4月にグループに加わったカンキョーテクノの売上が貢献し増収となりました。(その他産業関連分野)半導体関連装置や画像検査装置は、顧客の設備投資抑制から受注が減少傾向にあり不調でした。OA向け資材・その他工業用資材は、引き続き堅調でした。 (生活関連分野)ラケットスポーツ関連は、バドミントンガットの市況回復に加え新商品も好評であることから好調でした。フィッシング関連は前期並みでした。楽器用フェルトは、中国市況低迷の影響を受け不調だった前期との比較では増収となりました。衛生材料用不織布は、前期よりグループに加わった呉羽テックが売上に貢献しました。 (c) 人とみらい開発事業人とみらい開発事業の当連結会計年度は売上高26,679百万円(前期比0.7%増)、営業利益6,772百万円(前期比2.9%減)となりました。(商業施設運営分野)商業施設運営は、一部テナントとの契約形態変更に伴い減収となりましたが、イベント企画などによる来場者誘致や新規店舗開店の効果等から顧客単価が改善し増益となりました。自社所有外の商業施設におけるプロパティマネジメントおよびコンサルティング業務は前期並みでした。(不動産開発・建設分野)不動産賃貸事業は、高い入居率を維持し安定した収益を確保していますが、八重洲通フィルテラス(旧ニッケ東京ビル跡地再開発)の竣工(2025年1月)に伴う経費等が先行した影響や、販売用不動産の売却があった前期との比較においては減益となりました。ソーラー事業は、天候が良好だったことから好調でした。建設関連は、建築資材及び人件費の高騰などの影響があったものの、計画通りに工事が完工し堅調でした。(ライフサポート分野)保育関連は、一部施設の閉鎖等により低調でした。介護関連は、既存施設の利用者数や入所者数が回復し堅調でした。スポーツ関連は、ゴルフは来場者数が減少したものの、テニスは首都圏エリアでスクール収入が伸び前期並みでした。(通信及び新規サービス分野)通信・新規サービス分野は堅調でした。 (d) 生活流通事業生活流通事業の当連結会計年度は売上高23,199百万円(前期比3.0%増)、営業利益1,051百万円(前期比24.1%増)となりました。特にトランクルーム用のコンテナ販売が好調でした。(寝装品及び業務用品分野)寝装品は、EC販売が不調でした。業務用品は、災害用毛布や航空機内膝掛け毛布等の販売が増加し好調でした。(生活雑貨分野)100円ショップ向け等の雑貨販売は、新商品の投入が遅れ低調でした。家具類販売は、前期並みでした。生活家電は、夏物商品とEC販売の増加により堅調でした。フィルム関連は、ゲーム機用保護フィルムの販売が増加し、好調でした。(ホビー・クラフト分野)スタンプ販売は、新商品のオリジナルスタンプ等が貢献し好調でした。スタンプ用インク販売は、海外向けが減少し不調でした。乗馬用品販売は、前期を上回りました。(その他)保険代理店の経営成績は堅調でした。コンテナ販売は、受注が増加し好調でした。 ② キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動による資金の収入は、前連結会計年度に比べ、売上債権の減少等により、1,981百万円増加して12,140百万円となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ、有価証券の売却及び償還による収入の減少並びに関係会社株式の取得による支出及び固定資産の取得による支出の増加により1,399百万円増加して9,255百万円となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ、自己株式の取得による支出の増加等により、857百万円増加して5,070百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比2,126百万円減少して31,293百万円となりました。 (キャッシュ・フロー関連指標の推移)当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。 2023年度期末2024年度期末2025年度期末自己資本比率(%)68.168.269.4時価ベースの自己資本比率(%)53.847.763.9キャッシュ・フロー対有利子負債比率1.61.31.2インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)98.8124.883.8 (注1)各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値を用いて、以下の計算式により計算しております。 自己資本比率 :自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い(注2)株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。(注3)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。(注4)営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態・単位等は必ずしも一様でなく、また受注生産をとらない製品もあり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の状況については「①財政状態及び経営成績の状況」における、各セグメント業績に関連付けて示しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 財政状態の分析当連結会計年度における総資産は189,756百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。当連結会計年度における自己資本比率は69.4%となり、当連結会計年度における1株当たり純資産は1,964円90銭となりました。また、自己資本当期純利益率(ROE)は、7.1%(前連結会計年度比0.5ポイント減)となりました。(流動資産)当連結会計年度における流動資産は92,689百万円(前連結会計年度比4.7%減)となりました。その主な内容は、現金及び預金の減少3,423百万円や売上債権の減少3,325百万円等であります。(固定資産)当連結会計年度における固定資産は97,067百万円(前連結会計年度比17.5%増)となりました。その主な内容は、投資有価証券の増加10,365百万円や建物及び構築物の増加2,211百万円等であります。(流動負債)当連結会計年度における流動負債は35,433百万円(前連結会計年度比7.3%減)となりました。その主な内容は、仕入債務の減少3,052百万円や短期借入金の減少263百万円等であります。(固定負債)当連結会計年度における固定負債は22,170百万円(前連結会計年度比23.2%増)となりました。その主な内容は、繰延税金負債の増加2,799百万円や長期借入金の増加1,430百万円等であります。(純資産)当連結会計年度における純資産は132,152百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。その主な内容は、利益剰余金の増加4,239百万円やその他有価証券評価差額金の増加4,389百万円等であります。(b) 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は119,377百万円(前連結会計年度比3.4%増)となりました。セグメント別の売上高につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。(営業利益)衣料繊維事業につきましては、円安による原料コストや人件費等の製造コスト上昇の他、システム切り替え費用の発生、生産調整による工場損益の悪化等により、営業利益は減少いたしました。産業機材事業につきましては、昨年グループに加わった㈱カンキョーテクノ、呉羽テック㈱が通年寄与した他、自動車関連分野において高利益率の案件が多かったこと、ラケットスポーツ関連が好調であったこと等により、営業利益は増加いたしました。人とみらい開発事業につきましては、商業施設運営分野においてイベント企画等による来場者誘致や新規店舗開店等により顧客単価が改善したものの、八重洲通フィルテラスの竣工(2025年1月)に伴う経費等が先行した影響や、販売用不動産の売却があった前期との比較において、営業利益は減少いたしました。生活流通事業につきましては、生活雑貨分野、コンテナ販売が好調であったこと等により、営業利益は増加いたしました。以上の結果、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は22,355百万円(前連結会計年度比4.6%増)となり、営業利益は11,913百万円(前連結会計年度比2.3%増)となりました。(経常利益)営業外損益は、受取配当金や付加価値税還付金の増加等により、収益増加となりました。以上の結果、当連結会計年度における経常利益は12,967百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)特別損益は、受取補償金の増加や事業構造改善費用の減少等により、収益増加となりました。以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は13,262百万円(前連結会計年度比16.6%増)となり、法人税等調整額の増加等により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は9,090百万円(前連結会計年度比1.3%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(a) キャッシュ・フローの分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。(b) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要は、主に衣料繊維事業における原材料の仕入や製造経費、販売費及び一般管理費等であり、投資を目的とした資金需要は、主に保有する不動産への設備投資等によるものであります。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は14,738百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は31,293百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、以下のとおりであります。(繰延税金資産)当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。(固定資産の減損)当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、将来の利益計画に基づき慎重に検討を行っておりますが、その見積りの前提とした条件や仮定に変化が生じた場合、減損処理が必要になる可能性があります。(退職給付会計)退職給付に係る資産及び負債のうち、確定給付制度に係る分については、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。実際の計算が前提条件と異なる場合、または制度に変化や変更が生じた場合は、将来の退職給付に係る負債、及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。 (3) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、「売上高」、「営業利益」、「自己資本当期純利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「売上高」は119,377百万円(前連結会計年度比3.4%増)、「営業利益」は11,913百万円(前連結会計年度比2.3%増)、「自己資本当期純利益率(ROE)」は7.1%(前連結会計年度比0.5ポイント減)となりました。 なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 特定取引先への依存衣料繊維や産業機械などの一部製品は、特定の国内外取引先に販売されています。もしこれらの取引先の業績が悪化したり、事業を撤退したり、大幅な値下げ要求があった場合、日本毛織グループの売上が減少し、経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
- 事業再編に伴う費用増加持続的な成長と収益向上のため、事業の再編や構造改善を行うことがあります。この際、一時的に費用が増加する可能性があり、それが経営成績や財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。適切なタイミングでの実施が重要となります。
- 株価・為替変動リスク市場性のある株式を保有しているため、株価が大幅に下落すると、評価損や売却損が発生し、財政状態に影響を与える可能性があります。また、繊維事業の原料輸入が多く、為替相場が大きく変動すると、原材料コストが増加し、収益を圧迫するリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】「グループリスク管理委員会」を設置し、当社グループの認識するリスクを特定して、リスクの防止及び損失の極小化を図るためのリスク管理体制を強化しております。そのうち、当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは、以下のとおりであります。なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1) 重要な取引先の業績悪化、事業撤退等当社グループは、衣料繊維、繊維資材、産業向機械等の各種製品を、国内外の取引先に販売しておりますが、一部の製品については、主として特定の取引先に販売しております。このため、そのような取引先において、業績の悪化や当該製品に関する事業の撤退、大規模な在庫調整、生産調整あるいは当該製品の大幅な値下げ要求等が生じた場合には、当社グループの売上減少が生じるなど、経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該リスクが顕在化する可能性は認識しておりますが、営業力の強化や販路の拡大、事業領域の拡大・多角化を図るなどの対応を推進しております。また、景気後退等により重要な取引先が破綻した場合には、貸倒引当金を大幅に超える貸倒損失が発生するなど、経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、過去の貸倒実績率等に基づき、貸倒引当金を計上しております。与信管理制度のもと、取引先別に限度額を設定するなど、与信リスクミニマイズへの対応策をとっております。また、取引内容によっては、取引信用保険等によるリスク移転も行っております。(2) 事業の再編、事業構造改善当社グループは、持続的な成長と収益の向上を目指すため、必要に応じ事業の再編や事業構造改善を実施する場合があります。この場合、事業構造改善の費用が増加するなど、当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、事業の概況や市場動向を注視し、適切なタイミングで事業の再編や構造改善を実施するように努めております。 (3) 株価の大幅下落、為替相場の変動等当社グループは、取引先を中心として市場性のある株式を保有しており、株価が大幅に下落した場合には、その他有価証券評価差額金の減少や売却時に損失が発生するなど、経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。保有する株式については、取締役会で、保有銘柄ごとに、その保有目的や保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、その保有の適否を検証しております。また、年金資産にも市場性のある株式が含まれているため、株価が大幅に下落した場合には、年金資産の減少及び退職給付費用(数理計算上の差異の費用処理)の増加が生じるなど、経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、退職給付債務の把握、年金資産の運用状況のモニタリングを定期的に行い、年金資産の運用配分の見直しを適宜行うことによりリスクの低減を図っております。また、繊維事業の原料の多くは海外から輸入しており、為替相場が大幅に変動した場合には、経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替予約等のリスクヘッジを行い、為替相場の変動による影響を最小限に止める措置を講じております。(4) 製品の欠陥等当社グループは、重大な製品の欠陥等が発生した場合には、多額の損害賠償支払いや当社グループの信用失墜が生じるなど、経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのような事態に備えて、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。当社グループは、製品の欠陥等の発生リスクを未然に防止しながら、所定の品質管理基準に従って、品質管理体制を強化し、重大な製品の欠陥が発生しないように努めております。(5) 原材料の購入当社グループの繊維事業の主要製品に使用される原材料の価格は国際市況やその他の環境要因(天候、為替相場等)により大きく左右されるため、当該事業の経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、複数購買やグローバル調達による購買ルートの検討等を行い、安定調達に努めております。(6) 海外事業展開当社グループは、繊維事業を中心に海外に生産拠点を保有しておりますが、予期しない法律または規制の変更、不利な政治的要因、社会混乱などのリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合には、生産活動ほかに著しい支障が生じるなど、経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、在外子会社と密接なコミュニケーションをはかることにより現地の情勢把握に努めるとともに、現地専門家の助言を得ることによりリスクの軽減を図っております。(7) 災害・重大な感染症の拡大等当社グループは、国内外の各地で生産活動ほかの企業活動を行う上で、それらの工場等での大規模な地震、風水害、雪害等の自然災害や火災等が発生した場合、生産活動等に著しい支障が生じるなど、経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。災害等のリスクは常に顕在化する恐れがあると認識していますが、実際に災害等が発生した場合でも被害、損失を最小限に食い止められるよう、予防対策、緊急時の措置についての関連規程、マニュアルを整備するとともに、各種訓練を定期的に実施しております。また、新型コロナウイルス感染症等の重大な感染症の発生及び感染拡大による影響が長期化、深刻化した場合、市況の悪化や国内外サプライチェーンの停滞、当社グループ事業活動の停滞等、経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、重大な感染症拡大の事態が発生した場合には、出張や大会議の自粛、Web会議システム等のオンラインツールの活用、テレワークや時差出勤などの措置を講じることで感染症拡大の防止に努めております。 (8) 固定資産の減損当社グループは、様々な事業分野で製品の販売やサービスの提供を行っており、このため、継続的な設備投資や事業の成長のためのM&Aを実施しております。各市場における事業環境の悪化や競合の激化等により、事業の収益性が低下した場合には、当社グループの保有する有形固定資産及びのれん等の減損損失を計上するなど、当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、各市場の事業環境を注視し、各事業分野においては、高付加価値の商品やサービスを提供するなど顧客満足の向上を目指しております。また、設備投資やM&Aの新規投資においては投資効率や投資回収期間を勘案の上、実施しております。(9) 情報セキュリティリスク当社グループは、各種の基幹システムを導入して業務運営を行うとともに、業務上必要となる各種情報を情報システム上で管理しております。サイバー攻撃、不正アクセス、大規模停電などの予期せぬ事態により、システム停止、重要データの破壊、情報流出等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。当社グループは、これらの情報システムやネットワークの管理において、安定稼働やセキュリティ対策に力を入れ、適切なサーバの管理や情報のバックアップ、サイバーセキュリティ保険加入等の必要な措置を講じております。