事業の概要
- 多角的な事業展開シキボウグループは、繊維製品の製造販売、工業用品の製造販売、不動産の賃貸などを主な事業としています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築しています。例えば、繊維事業では糸や布、ニットなどを、産業材事業では製紙用ドライヤーカンバスやフィルタークロスなどを手掛けています。不動産事業では賃貸収入を得ています。
- グローバルな生産・販売網繊維事業では、日本国内だけでなく、中国、インドネシア、ベトナムなどアジア諸国に子会社を持ち、グローバルな生産・販売体制を構築しています。これにより、多様な市場ニーズに対応し、国際競争力を高めています。特に、敷紡(香港)有限公司やシキボウベトナム有限会社などがその役割を担っています。
- 多様な製品とサービス繊維製品から工業用品、食品添加物、さらには不動産賃貸やリネンサプライ、物流サービスまで、幅広い製品とサービスを提供しています。これにより、顧客層を広げ、事業間のシナジー効果を追求しています。例えば、食品添加物では株式会社シキボウ堺が、リネンサプライではシキボウリネン株式会社が事業を展開しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 繊維事業の収益貢献繊維事業は、売上高201.79億円、営業利益2.42億円を計上しており、グループの主力事業の一つです。糸、布、ニット、二次製品などの製造販売を手掛け、国内外に多くの関連会社を有しています。特に、アジア地域での生産・販売が特徴で、グローバルな市場展開を進めています。
- 産業材事業の安定性産業材事業は、売上高134.68億円、営業利益1.89億円を計上しており、製紙用ドライヤーカンバスやフィルタークロスなどの工業用品を提供しています。この事業は、特定の産業向けに専門性の高い製品を提供することで、比較的安定した収益を上げています。また、加工機械や化成品も手掛けています。
- 不動産・サービス事業の高い収益性不動産・サービス事業は、売上高54.39億円に対し、営業利益19.8億円と非常に高い利益率を誇ります。不動産賃貸を主軸とし、リネンサプライや物流サービスも展開しています。この事業は、安定的な賃料収入がグループ全体の収益性を支える重要な柱となっています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| TextileReportableSegment | 事業 | 202 | 2 | 1.2% |
| IndustrialMaterialsReportableSegment | 地域 | 135 | 2 | 1.4% |
| RealEstateAndServiceReportableSegment | 事業 | 54 | 20 | 36.4% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社24社で構成され、繊維製品の製造販売、工業用品の製造販売、不動産の賃貸等を主な事業内容としております。 当社グループの事業に係る主な位置付けは次のとおりであり、当社グループが営んでいる事業内容と、報告セグメントにおける事業区分は同一であります。 繊維事業事業内容主要製品等会社名称繊維製品の製造販売糸、布、ニット、二次製品等当社、㈱シキボウ江南、丸ホームテキスタイル㈱、新内外綿㈱、㈱ナイガイテキスタイル、㈱マーメイドソーイング秋田、㈱マーメイドテキスタイルインダストリーインドネシア、ジェイ.ピー.ボスコ㈱、敷紡(香港)有限公司、敷紡(上海)国際商貿有限公司、湖州敷島福紡織品有限公司、敷紡貿易(上海)有限公司、台湾敷紡股份有限公司、シキボウベトナム有限会社(会社総数14社) 産業材事業事業内容主要製品等会社名称工業用品の製造販売製紙用ドライヤーカンバス、フィルタークロス等当社、敷島カンバス㈱、東洋空気調和㈱、敷島工業織物(無錫)有限公司(会社総数4社)産業機械等の製造販売加工機械㈱大和機械製作所(会社総数1社)化成品等の製造販売食品添加物等当社、㈱シキボウ堺(会社総数2社) 不動産・サービス事業事業内容主要製品等会社名称不動産賃貸等-当社、㈱シキボウサービス、㈱マーメイド広海(会社総数3社)リネンサプライ業-シキボウリネン㈱、Jリネンサービス㈱(会社総数2社)繊維製品の配送・倉庫業務-㈱シキボウ物流システム、シキボウ物流センター㈱(会社総数2社) 事業の系統図の概略は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 市況変動に関するリスクがあり、市場の変化に的確に対応する必要があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 抗ウイルス加工「フルテクト®」、消臭剤「デオマジック®」、バイオプラスチックペレット「コットレジン®」などの技術開発。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:市況変動に関するリスク / 原材料・燃料価格の変動・調達に関するリスク / 為替相場の変動に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
シキボウは長年の歴史を持つ繊維メーカーであり、特定のブランドや技術に関する無形資産は存在する可能性があるが、公開情報からはその強固さや競争優位性を具体的に示す情報は限定的。特定のニッチ分野での技術力やノウハウが蓄積されている可能性はある。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
BtoBビジネスが中心と推測され、顧客との長年の取引関係や特定の仕様に合わせた製品開発により、一定のスイッチング・コストは存在する可能性がある。しかし、汎用的な繊維製品も多く手掛けていると見られ、顧客が他社へ乗り換える際の損失は限定的である可能性が高い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
繊維製品の製造・販売事業において、ネットワーク効果が働くビジネスモデルは想定されない。プラットフォーム型ビジネスやSNSのようなユーザー間の相互作用による価値向上のメカニズムは存在しない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の事業運営で培われた生産効率やサプライチェーンの最適化により、一定のコスト優位性は存在する可能性がある。しかし、グローバルな競争環境や素材価格の変動リスクを考慮すると、構造的な圧倒的コスト優位性を確立しているとは断定しにくい。
規模の経済★★☆☆☆
繊維業界は競争が激しく、シキボウの規模が業界全体に対して圧倒的な優位性を築いているとは言えない。特定の製品分野や地域においては一定の規模を持つ可能性があるが、グローバルな視点では最適規模の少数寡占を形成しているとは考えにくい。
- 長年の技術と信頼シキボウグループは、繊維製品や工業用品の製造において長年の歴史と実績があり、培われた技術力と品質への信頼が強みです。特に、製紙用ドライヤーカンバスなどの産業材は、高い専門性と技術が求められる分野で、安定した需要が見込まれます。これにより、顧客との長期的な関係を築いています。
- 多角化によるリスク分散繊維、産業材、不動産・サービスという異なる事業セ柱を持つことで、特定の市場の変動や景気の影響を受けにくい事業構造を構築しています。例えば、繊維市場が低迷しても、不動産賃貸収入でグループ全体の収益を支えることが可能です。これにより、経営の安定性を高めています。
- グローバルな事業展開アジア地域を中心に海外にも生産拠点を持ち、国際的なサプライチェーンを構築しています。これにより、為替変動リスクや地政学リスクを分散しつつ、新興国の成長市場を取り込む機会を得ています。例えば、中国やベトナムの子会社がその役割を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針 (経営理念)「わたしたちは、シキボウグループのものづくり技術・ものづくり文化で新しい価値を創造します。」-安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現へ-という経営理念のもと、「繊維」「産業材」「不動産・サービス」の各事業分野において、他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組んでおります。 (長期ビジョン)当社グループは、上記の経営理念のもと、これまで培ってきたものづくり技術・文化によって、環境や社会課題の解決に貢献してまいりました。更なる成長を続けるために、当社グループは、創立150年である2042年に向けた長期ビジョン「Mermaid 2042」を掲げております。 「Mermaid 2042」 あなたにもっと寄り添い、愛されるシキボウグループへ・従業員にもっと寄り添い、笑顔あふれる心豊かな人生の実現に貢献します・お客様にもっと寄り添い、まだ見ぬ世界を当たり前にする技術で貢献します・地球にもっと寄り添い、持続可能な社会に貢献します 今回の新中期経営計画策定を進める中で、長期ビジョンを実現するための経営目標をより具体的な言葉とするために、私たちが「めざす姿」として、以下のとおり策定しました。 (めざす姿)①従業員が自分のありたい姿を実現するために、仕事を通じて成長し、安心して働ける職場環境をめざします。 ・働きやすい、職場環境・制度・組織風土の改善 ・従業員の成長のための機会の創出 ・多様な人材の確保・育成、機会均等 ・健康増進・職場安全衛生②繊維で培った技術やサービスを通じ、社会課題解決や、お客様の安心・安全・快適な暮らしの実現をめざします。 ・安心・安全・快適な製品やサービスの提供 ・技術を進化させ、社会のニーズに対応した新製品の開発・提供 ・国内のみならず海外市場も含めた製品の提供③環境や人権に配慮した製品・サービス、ものづくりで、持続可能な社会の実現をめざします。 ・環境配慮型商品・サービスの開発・提供 ・気候変動に対応した製品の開発・提供 ・公正で、持続可能な原材料調達や製品供給の実現 ・資源循環型社会実現への貢献 ・事業活動における気候変動対策とその緩和策の推進 (新中期経営計画「TG25-27」の概要)「TG25-27」においては、「めざす姿」に基づき、長期ビジョン「Mermaid 2042」へのマイルストーンである、2030年に当社グループのめざす目標(売上高550億円、営業利益36億円)を掲げ、その目標をバックキャスティングすることで3ヵ年の経営戦略を策定いたしました。これまでの「ACTION22-24」で進めてきた経営基盤の強化と次の成長に向けた取組みから、新中期経営計画では、「成長への変革(Transformation for Growth)」のステージと捉え、「TG25-27」と名付けました。「稼ぐ力の向上」や「新中核事業の成長・拡大」に取り組んでいくとともに、繊維で培った技術・経営資源をもとに新たなビジネスにチャレンジしてまいります。 〈 シキボウグループ注記経営計画「TG25-27」成長への変革 〉 <基本方針>繊維で培った技術・経営資源をもとに、新たな価値を創造し更なる成長を実現する① 稼ぐ力の向上◆ 繊維事業、産業資材事業のグローバル販売強化◆ 生産力・販売力強化◆ 新たなビジネスへのチャレンジ(新規顧客・新規市場開拓)② 新中核事業の成長・拡大◆ 食品・化成品事業の食品分野の販売拡大◆ 複合材料事業の航空・宇宙分野の取組み拡大◆ 新たな成長の芽の育成・研究開発推進③ 経営基盤の強化◆ 資本コストを重視した事業の構造改革◆ DXの推進による業務の効率化◆ 資金効率の改善による財務基盤強化◆ 人的資本経営の推進④ サステナビリティ経営への取組み ◆ GHG排出量削減◆ サステナブル商材の販売拡大◆ 人権への配慮 (2) 目標とする経営指標シキボウグループは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上、財務の健全性確保、資本の効率性向上を目的として、以下を経営指標としております。 (経営指標) 2025年3月期 実績2028年3月期計画有利子負債256億円260億円D/Eレシオ0.73倍0.72倍自己資本比率41.1%41.1%総資産856億円875億円ROA1.2%2.4%ROE2.6%3.9%ROIC1.7%2.9% (3) 経営環境及び対処すべき課題日本経済の見通しについては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復傾向がみられる一方、アメリカの通商政策、国際情勢の不安定化、原材料やエネルギー価格を含む物価上昇等、不透明な状況は継続するものと思われます。このような経営環境の中、当社グループでは、新中期経営計画「TG25-27」で掲げたセグメント別事業戦略をセグメント別の対処すべき課題と認識し、取組みを進めてまいります。セグメント別の「対処すべき課題」は次のとおりです。なお、新中核事業の拡大により、新中期経営計画から産業材セグメントを産業資材セグメントと、機能材料セグメントに区分して開示することとしています。 ① 繊維セグメント・サステナブル素材の販売拡大 ・グローバル販売の拡大・新規顧客・新規市場への販売拡大・海外・国内生産拠点の連携と効率化 ・生産設備強化のための設備投資② 産業資材セグメント・国内生産体制の効率化と販売強化・現有設備と技術を応用した新規分野の発掘と新商品の開発・海外事業の販売拡大と収益力アップ・空気清浄装置分野での生産体制の見直しとメンテナンス事業の拡大③ 機能材料セグメント<食品・化成品事業>・新工場を活用した生産体制の再構築 ・新規素材(低粘度、脱臭、殺菌品)、ブレンド品の販売拡大<複合材料事業>・航空・宇宙分野の新規案件の生産立上げ・エネルギーインフラ分野の新規量産品案件の受注・航空・宇宙分野での業務提携の検討④ 不動産・サービスセグメント<不動産賃貸事業>・グループ全体の遊休地の有効活用・既存賃貸事業の活性化促進<リネンサプライ事業>・生産設備更新による効率化と増産体制の構築・新規取引先の獲得 セグメント別の「対処すべき課題」に対する取組みは次のとおりです。「繊維セグメント」では、製造コスト上昇により厳しい環境ではありますが、製販一体となった運営に加え、市況の回復、価格改定等により、業績は回復傾向となっております。今後はグローバル事業展開の加速化により海外販売の拡大を目指してまいります。さらに、「ビオグランデ®」、「彩生®」、「コットレジン®」等のサステナブル商材の販売を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。原糸販売事業は、連結子会社である新内外綿㈱との連携強化を図り、国内販売では、杢糸等の差別化糸を中心に別注販売を強化いたします。また、海外販売においても海外の連結子会社との連携により商圏拡大を図ってまいります。輸出衣料事業は、中東民族衣装用生地において中東市場の活況を受け、連結子会社である㈱シキボウ江南の生産能力を高めることで、さらなる販売数量拡大を図ります。また、中東民族衣装の関連衣料品の販売構築も進めてまいります。ユニフォーム事業は、㈱シキボウ江南の生産効率化を進め、原価低減を目指すと共に、高付加価値商材の開発及び価格改定による収益改善も図ってまいります。ニット製品事業は、海外の連結子会社であるシキボウベトナム有限会社と連携すると共に、バングラデシュやASEAN諸国の協力会社とも関係を強化し、国内外の商圏拡大をめざしてまいります。生活資材事業では、主要取引先との取組みを強化し、サステナブル商材を中心とした差別化商材の開発及び販売拡大を推し進めてまいります。また、海外市場においても販売ルートの新規開拓を進めてまいります。メディカル分野では、海外の連結子会社である敷紡(上海)国際商貿有限公司やシキボウベトナム有限会社と連携し、海外における臭気対策剤「デオマジック®」の認知度を高め、販売拡大を推し進めてまいります。 「産業資材セグメント」では、ドライヤーカンバス事業における紙需要減少による国内製紙会社での一部の生産設備停止、フィルタークロス事業におけるクロス未使用型脱水機の普及や個別空調設備の普及等、厳しい環境が続くものと予想されますが、引き続きシェアの拡大、生産性の向上に取り組み、国内トップポジションを堅持してまいります。ドライヤーカンバス事業においては、海外市場での販売拡大や段ボール製造用コルゲーターベルト「N-Dry®」の販売拡大等に取り組んでまいります。フィルタークロス事業においては、緻密クロスやリサイクル原料を使用した環境配慮型商品の販売拡大、空気清浄装置分野では新規開発商品の販売拡大等に取り組み、売上・利益の拡大を図ってまいります。 「機能材料セグメント」では、食品・化成品事業は、主力の食品用増粘安定剤(食品添加物)を配合するブレンド製品(粉体の混合)の生産能力増強と品質向上を目的として、連結子会社である㈱シキボウ堺の新工場が2025年1月に竣工し、生産増強体制が整いました。新工場では、生産能力が現有設備の約2.5倍に拡大するとともに、クリーン度の高い室内環境と製造ラインへの洗浄装置導入により、これまで取り扱いが難しかった食品用増粘安定剤以外の素材等にも製造範囲が広がるため、新たな市場開拓や新規案件の獲得を図ります。また、食品用増粘安定剤は、消費者の「健康志向」や食の多様化により、機能性や利便性を求める食品において需要増加が見込まれることから、当社も「脱臭」、「殺菌」等の付加価値のある商品開発を進め、販売拡大に努めます。複合材料事業は、航空・宇宙分野で新たなアイテムの製造を受託しており、量産のための製造設備の導入に加え、人材教育を含めた生産体制と品質保証体制の構築を進めます。また、省エネルギーや軽量化が求められるエネルギーインフラ分野では、顧客ニーズに合致した繊維複合材料(FRP)部品等の開発を進め、新規量産品案件の受注を図ります。さらに、複合材料事業の業容の拡大に向けては、今後も市場の成長が見込まれる航空・宇宙分野を主体に、他社との業務提携等についても検討を進めてまいります。「不動産・サービスセグメント」では、引き続き安定的収益基盤の維持拡充を目指します。不動産賃貸事業、リネンサプライ事業、物流事業を安定的に運営するほか、リネンサプライ事業では新規ホテルの獲得に努め、現在開催中の大阪・関西万博を契機とした更なるインバウンド増を見込み、リネン生産設備更新による効率化と増産体制の構築に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針 (経営理念)「わたしたちは、シキボウグループのものづくり技術・ものづくり文化で新しい価値を創造します。」-安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現へ-という経営理念のもと、「繊維」「産業材」「不動産・サービス」の各事業分野において、他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組んでおります。 (長期ビジョン)当社グループは、上記の経営理念のもと、これまで培ってきたものづくり技術・文化によって、環境や社会課題の解決に貢献してまいりました。更なる成長を続けるために、当社グループは、創立150年である2042年に向けた長期ビジョン「Mermaid 2042」を掲げております。 「Mermaid 2042」 あなたにもっと寄り添い、愛されるシキボウグループへ・従業員にもっと寄り添い、笑顔あふれる心豊かな人生の実現に貢献します・お客様にもっと寄り添い、まだ見ぬ世界を当たり前にする技術で貢献します・地球にもっと寄り添い、持続可能な社会に貢献します 今回の新中期経営計画策定を進める中で、長期ビジョンを実現するための経営目標をより具体的な言葉とするために、私たちが「めざす姿」として、以下のとおり策定しました。 (めざす姿)①従業員が自分のありたい姿を実現するために、仕事を通じて成長し、安心して働ける職場環境をめざします。 ・働きやすい、職場環境・制度・組織風土の改善 ・従業員の成長のための機会の創出 ・多様な人材の確保・育成、機会均等 ・健康増進・職場安全衛生②繊維で培った技術やサービスを通じ、社会課題解決や、お客様の安心・安全・快適な暮らしの実現をめざします。 ・安心・安全・快適な製品やサービスの提供 ・技術を進化させ、社会のニーズに対応した新製品の開発・提供 ・国内のみならず海外市場も含めた製品の提供③環境や人権に配慮した製品・サービス、ものづくりで、持続可能な社会の実現をめざします。 ・環境配慮型商品・サービスの開発・提供 ・気候変動に対応した製品の開発・提供 ・公正で、持続可能な原材料調達や製品供給の実現 ・資源循環型社会実現への貢献 ・事業活動における気候変動対策とその緩和策の推進 (新中期経営計画「TG25-27」の概要)「TG25-27」においては、「めざす姿」に基づき、長期ビジョン「Mermaid 2042」へのマイルストーンである、2030年に当社グループのめざす目標(売上高550億円、営業利益36億円)を掲げ、その目標をバックキャスティングすることで3ヵ年の経営戦略を策定いたしました。これまでの「ACTION22-24」で進めてきた経営基盤の強化と次の成長に向けた取組みから、新中期経営計画では、「成長への変革(Transformation for Growth)」のステージと捉え、「TG25-27」と名付けました。「稼ぐ力の向上」や「新中核事業の成長・拡大」に取り組んでいくとともに、繊維で培った技術・経営資源をもとに新たなビジネスにチャレンジしてまいります。 〈 シキボウグループ注記経営計画「TG25-27」成長への変革 〉 <基本方針>繊維で培った技術・経営資源をもとに、新たな価値を創造し更なる成長を実現する① 稼ぐ力の向上◆ 繊維事業、産業資材事業のグローバル販売強化◆ 生産力・販売力強化◆ 新たなビジネスへのチャレンジ(新規顧客・新規市場開拓)② 新中核事業の成長・拡大◆ 食品・化成品事業の食品分野の販売拡大◆ 複合材料事業の航空・宇宙分野の取組み拡大◆ 新たな成長の芽の育成・研究開発推進③ 経営基盤の強化◆ 資本コストを重視した事業の構造改革◆ DXの推進による業務の効率化◆ 資金効率の改善による財務基盤強化◆ 人的資本経営の推進④ サステナビリティ経営への取組み ◆ GHG排出量削減◆ サステナブル商材の販売拡大◆ 人権への配慮 (2) 目標とする経営指標シキボウグループは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上、財務の健全性確保、資本の効率性向上を目的として、以下を経営指標としております。 (経営指標) 2025年3月期 実績2028年3月期計画有利子負債256億円260億円D/Eレシオ0.73倍0.72倍自己資本比率41.1%41.1%総資産856億円875億円ROA1.2%2.4%ROE2.6%3.9%ROIC1.7%2.9% (3) 経営環境及び対処すべき課題日本経済の見通しについては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復傾向がみられる一方、アメリカの通商政策、国際情勢の不安定化、原材料やエネルギー価格を含む物価上昇等、不透明な状況は継続するものと思われます。このような経営環境の中、当社グループでは、新中期経営計画「TG25-27」で掲げたセグメント別事業戦略をセグメント別の対処すべき課題と認識し、取組みを進めてまいります。セグメント別の「対処すべき課題」は次のとおりです。なお、新中核事業の拡大により、新中期経営計画から産業材セグメントを産業資材セグメントと、機能材料セグメントに区分して開示することとしています。 ① 繊維セグメント・サステナブル素材の販売拡大 ・グローバル販売の拡大・新規顧客・新規市場への販売拡大・海外・国内生産拠点の連携と効率化 ・生産設備強化のための設備投資② 産業資材セグメント・国内生産体制の効率化と販売強化・現有設備と技術を応用した新規分野の発掘と新商品の開発・海外事業の販売拡大と収益力アップ・空気清浄装置分野での生産体制の見直しとメンテナンス事業の拡大③ 機能材料セグメント<食品・化成品事業>・新工場を活用した生産体制の再構築 ・新規素材(低粘度、脱臭、殺菌品)、ブレンド品の販売拡大<複合材料事業>・航空・宇宙分野の新規案件の生産立上げ・エネルギーインフラ分野の新規量産品案件の受注・航空・宇宙分野での業務提携の検討④ 不動産・サービスセグメント<不動産賃貸事業>・グループ全体の遊休地の有効活用・既存賃貸事業の活性化促進<リネンサプライ事業>・生産設備更新による効率化と増産体制の構築・新規取引先の獲得 セグメント別の「対処すべき課題」に対する取組みは次のとおりです。「繊維セグメント」では、製造コスト上昇により厳しい環境ではありますが、製販一体となった運営に加え、市況の回復、価格改定等により、業績は回復傾向となっております。今後はグローバル事業展開の加速化により海外販売の拡大を目指してまいります。さらに、「ビオグランデ®」、「彩生®」、「コットレジン®」等のサステナブル商材の販売を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。原糸販売事業は、連結子会社である新内外綿㈱との連携強化を図り、国内販売では、杢糸等の差別化糸を中心に別注販売を強化いたします。また、海外販売においても海外の連結子会社との連携により商圏拡大を図ってまいります。輸出衣料事業は、中東民族衣装用生地において中東市場の活況を受け、連結子会社である㈱シキボウ江南の生産能力を高めることで、さらなる販売数量拡大を図ります。また、中東民族衣装の関連衣料品の販売構築も進めてまいります。ユニフォーム事業は、㈱シキボウ江南の生産効率化を進め、原価低減を目指すと共に、高付加価値商材の開発及び価格改定による収益改善も図ってまいります。ニット製品事業は、海外の連結子会社であるシキボウベトナム有限会社と連携すると共に、バングラデシュやASEAN諸国の協力会社とも関係を強化し、国内外の商圏拡大をめざしてまいります。生活資材事業では、主要取引先との取組みを強化し、サステナブル商材を中心とした差別化商材の開発及び販売拡大を推し進めてまいります。また、海外市場においても販売ルートの新規開拓を進めてまいります。メディカル分野では、海外の連結子会社である敷紡(上海)国際商貿有限公司やシキボウベトナム有限会社と連携し、海外における臭気対策剤「デオマジック®」の認知度を高め、販売拡大を推し進めてまいります。 「産業資材セグメント」では、ドライヤーカンバス事業における紙需要減少による国内製紙会社での一部の生産設備停止、フィルタークロス事業におけるクロス未使用型脱水機の普及や個別空調設備の普及等、厳しい環境が続くものと予想されますが、引き続きシェアの拡大、生産性の向上に取り組み、国内トップポジションを堅持してまいります。ドライヤーカンバス事業においては、海外市場での販売拡大や段ボール製造用コルゲーターベルト「N-Dry®」の販売拡大等に取り組んでまいります。フィルタークロス事業においては、緻密クロスやリサイクル原料を使用した環境配慮型商品の販売拡大、空気清浄装置分野では新規開発商品の販売拡大等に取り組み、売上・利益の拡大を図ってまいります。 「機能材料セグメント」では、食品・化成品事業は、主力の食品用増粘安定剤(食品添加物)を配合するブレンド製品(粉体の混合)の生産能力増強と品質向上を目的として、連結子会社である㈱シキボウ堺の新工場が2025年1月に竣工し、生産増強体制が整いました。新工場では、生産能力が現有設備の約2.5倍に拡大するとともに、クリーン度の高い室内環境と製造ラインへの洗浄装置導入により、これまで取り扱いが難しかった食品用増粘安定剤以外の素材等にも製造範囲が広がるため、新たな市場開拓や新規案件の獲得を図ります。また、食品用増粘安定剤は、消費者の「健康志向」や食の多様化により、機能性や利便性を求める食品において需要増加が見込まれることから、当社も「脱臭」、「殺菌」等の付加価値のある商品開発を進め、販売拡大に努めます。複合材料事業は、航空・宇宙分野で新たなアイテムの製造を受託しており、量産のための製造設備の導入に加え、人材教育を含めた生産体制と品質保証体制の構築を進めます。また、省エネルギーや軽量化が求められるエネルギーインフラ分野では、顧客ニーズに合致した繊維複合材料(FRP)部品等の開発を進め、新規量産品案件の受注を図ります。さらに、複合材料事業の業容の拡大に向けては、今後も市場の成長が見込まれる航空・宇宙分野を主体に、他社との業務提携等についても検討を進めてまいります。「不動産・サービスセグメント」では、引き続き安定的収益基盤の維持拡充を目指します。不動産賃貸事業、リネンサプライ事業、物流事業を安定的に運営するほか、リネンサプライ事業では新規ホテルの獲得に努め、現在開催中の大阪・関西万博を契機とした更なるインバウンド増を見込み、リネン生産設備更新による効率化と増産体制の構築に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇継続等の影響により、一部に足踏みが残るものの、雇用・所得環境の改善もあり、経済活動は総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、ウクライナ情勢や中東情勢悪化の長期化、アメリカの通商政策、原材料やエネルギー価格の高止まり等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。このような経営環境のもと、当社グループは、中期経営計画「ACTION22-24」において、長期ビジョンの実現に向けた成長スピードをさらに加速させることとし、最終年度となる本年度も新たに創ること、新たに取り組むことに挑戦いたしました。「経営基盤の強化」としては、新中核事業と位置付ける化成品事業において主力の食品用増粘安定剤の販売拡大に向けた㈱シキボウ堺の新工場が2025年1月に竣工し、生産増強体制が整いました。また、リネンサプライ事業では、2023年12月に竣工したシキボウリネン㈱岩出第一事業所の新工場はインバウンドによる需要増への体制が整い、フル稼働しております。海外市場の開拓については、台湾、ベトナムの拠点整備を進めました。以上の結果、売上高は390億87百万円(前連結会計年度比1.0%増)、営業利益は13億46百万円(同5.8%減)、経常利益は設備投資等の資金調達に伴うアレンジメントフィーの発生や為替差益の減少等により10億47百万円(同20.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当期は特別利益として政策保有株式の売却益を計上したことにより、9億14百万円(同14.2%増)となりました。 セグメント別の概況は、次のとおりです。 (繊維セグメント)原糸販売事業は、海外販売は堅調に推移しましたが、国内産地の需要低迷と原料価格の高騰により、苦戦いたしました。輸出衣料事業は、中東市場の好況及び円安を背景に、中東民族衣装用生地販売が好調に推移した結果、前期比で大幅な増収となり、利益に大きく貢献いたしました。ユニフォーム事業は、本年度は価格改定が順調に進みました。第3四半期以降は顧客における在庫調整の影響が緩和され、通気性・吸水性・速乾性を極めた機能素材「アゼック®」等を用いた企業別注ユニフォームや、環境対策素材を中心とした高付加価値商品の販売好調により、利益は大きく改善いたしました。ニット製品事業は、不採算アイテムの撤退を含む取引の見直し等により減収となりました。生活資材事業は、リビング分野では顧客の在庫調整により市況が振るわず苦戦いたしましたが、官需物件や高付加価値商品の販売等により、利益は改善いたしました。リネン資材分野では、病院・介護施設向けリネンの受注が進み、堅調に推移いたしました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は201億84百万円(前連結会計年度比1.4%増)、営業利益は2億42百万円(前連結会計年度は2億77百万円の営業損失)となりました。 (産業材セグメント)産業資材部門では、ドライヤーカンバス事業は、カンバスの国内販売、輸出に加えてコルゲーターベルト販売が堅調に推移いたしました。フィルタークロス事業は、官公需は堅調に推移いたしましたが、民需は一部業種向けの需要が低調に推移し、製造原価上昇も相まって苦戦いたしました。さらに空気清浄装置分野では、大口の機器販売の減少等により減収となりました。機能材料部門では、化成品事業は中国向けの化学品需要が堅調に推移し、それに加えて食品用増粘安定剤が好調に推移した結果、増収となりましたが、原材料やエネルギー価格の高騰、設備投資による減価償却費が利益を押し下げました。複合材料事業は、航空機用途向け部品については顧客の在庫調整の影響を受けておりますが、新規案件を受注できたことにより堅調に推移いたしました。しかしながら利益については、製造原価の上昇により縮小いたしました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は134億68百万円(前連結会計年度比0.2%減)、営業利益は1億89百万円(同65.9%減)となりました。 (不動産・サービスセグメント)不動産賃貸事業は堅調に推移いたしました。リネンサプライ事業は、エネルギー価格及び人件費の上昇による影響を受けましたが、インバウンド需要増によるホテルの稼働率向上に加えて、生産設備更新による生産効率向上もあり、利益に貢献いたしました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は61億円(前連結会計年度比3.5%増)、営業利益は19億80百万円(同0.1%増)となりました。 (2) 財政状態 (資産)流動資産の当連結会計年度末の合計は257億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億2百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金、未収消費税等の増加によるものであります。 固定資産の当連結会計年度末の合計は598億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億8百万円の増加となりました。これは主に、有形固定資産に含まれる建物及び構築物、機械装置及び運搬具の増加によるものであります。 その結果、当連結会計年度末の総資産は、856億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億11百万円の増加となりました。 (負債) 流動負債の当連結会計年度末の合計は172億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億90百万円の減少となりました。これは主に、有利子負債の減少によるものであります。 固定負債の当連結会計年度末の合計は331億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億44百万円の増加となりました。これは主に、有利子負債の増加によるものであります。 その結果、当連結会計年度末の負債は、503億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億53百万円の増加となりました。 (純資産) 当連結会計年度末の純資産は、352億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億57百万円の増加となりました。これは主に、新株予約権の行使に伴う資本金、資本剰余金の増加によるものであります。 その結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.2ポイント増加し、41.1%となりました。 (3) キャッシュ・フロー (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動による資金は、21億7百万円の増加(前連結会計年度は35億49百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益12億37百万円、減価償却費20億21百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動による資金は、27億65百万円の減少(前連結会計年度は27億3百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得29億42百万円による減少であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動による資金は、10億73百万円の増加(前連結会計年度は5億9百万円の減少)となりました。主な要因は、外部借入調達及び社債発行78億37百万円による増加、新株予約権の行使による株式の発行9億63百万円による増加、外部借入返済及び社債償還66億32百万円による減少、配当金の支払い8億96百万円による減少であります。 その結果、資金は5億13百万円の増加(前連結会計年度は3億81百万円の増加)となり、期末残高は58億16百万円(前連結会計年度は53億3百万円)となりました。 (キャッシュ・フローの指標)当社グループのキャッシュ・フロー指標トレンドの推移は以下のとおりであります。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)40.640.941.1時価ベースの自己資本比率(%)14.216.114.8キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)22.47.212.7インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)5.216.38.2 (注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い※各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表により算出しております。株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。キャッシュ・フローは、営業キャッシュフローを利用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。 (4) 生産、受注及び販売 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前連結会計年度比(%)繊維18,590△0.5産業材11,3222.9不動産・サービス--合計29,9120.8 (注) 1 金額は外注加工(材料費部分を含む)を含んでおります。2 金額は製造原価により算出しております。 ② 受注状況 該当事項はありません。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前連結会計年度比(%)繊維20,1791.4産業材13,468△0.2不動産・サービス5,4392.9合計39,0871.0 (注) 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。 (5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績の分析(売上高、営業利益)当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ4億5百万円増加の390億87百万円、また、営業利益は前連結会計年度に比べ82百万円減少の13億46百万円となりました。なお、セグメント別の詳細につきましては、「(1)経営成績」に記載のとおりであります。(単位:百万円) 売上高営業利益2025年3月期業績予想2025年3月期実績増減2025年3月期業績予想2025年3月期実績増減繊維21,50020,184△1,315100242142産業材13,80013,468△331500189△310不動産・サービス6,0006,1001001,9001,98080調整△600△667△67△900△1,066△166連結合計40,70039,087△1,6121,6001,346△253 当社グループは、2025年3月期の業績予想を売上高407億円、営業利益16億円と予想して活動してまいりましたが、売上高については、繊維セグメントにおけるユニフォーム事業の上期における顧客の在庫調整、生活資材事業のリビング分野における市況低迷の影響により、減収となりました。営業利益については、繊維セグメントにおける輸出衣料事業の好調やユニフォーム事業の価格改定が進んだことによる利益貢献はありましたが、㈱シキボウ堺の新工場建設による先行費用や、基幹システム更新のための情報システム投資費用の増加により、苦戦いたしました。 また、中期経営計画比では、次のとおりとなりました。 2025年3月期 中期経営計画・実績対比 (単位:億円) 売上高営業利益経常利益親会社株主に 帰属する 当期純利益 中期経営計画値(A)420252215 実績値(B)39013109 差異(B-A)△29△11△11△5 達成率(%)93.153.947.661.0 売上高については、繊維セグメントは輸出衣料事業の大幅増収の一方で、ニット製品事業、生活資材事業が苦戦し、産業材セグメントは化成品事業の増収、不動産・サービスセグメントはリネンサプライ事業が好調であったものの、ゴルフ場事業の株式譲渡の減収により、計画値は未達となりました。 2025年3月期 セグメント別 売上高の中期経営計画・実績対比 (単位:億円) 2025年3月期2025年3月期差 異(A)計画(B)実績(B)-(A)/達成率繊 維230201△2987.8%産業材132134+2102.0%不動産・サービス6461△395.3%調 整△ 6△ 6△0-連結合計420390△2993.1% 営業利益については、繊維セグメントは価格改定が進んだものの、売上高減少により未達となりました。産業材セグメントは原材料やエネルギー価格の高騰が進む中、価格改定が進まず、大幅な未達となりました。また、基幹システム更新のデジタル投資等を含む全社費用が利益を押し下げ、計画値は未達となりました。 2025年3月期 セグメント別 営業利益の中期経営計画・実績対比 (単位:億円) 2025年3月期2025年3月期差 異(A)計画(B)実績(B)-(A)/達成率繊 維52△248.5%産業材81△623.7%不動産・サービス1919+0104.3%調 整△7△10△3-連結合計2513△1153.9% [営業利益の増減要因] (経常利益)当連結会計年度の営業外収益は、為替差益が68百万円減少したこと等により、前連結会計年度に比べ79百万円減少の1億45百万円となりました。また、営業外費用は、設備投資等の資金調達に伴うアレンジメントフィーを81百万円計上したこと等により、前連結会計年度に比べ1億13百万円増加の4億44百万円となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ2億74百万円減少の10億47百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の特別利益は、政策保有株式の売却益を3億5百万円計上したこと等により3億15百万円となりました。特別損失は、貸倒引当金を92百万円計上したこと等により1億26百万円となりました。また、法人税等合計は、前連結会計年度に比べ1億60百万円減少の3億23百万円、非支配株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ0百万円減少の△0百万円となりました。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1億13百万円増加の9億14百万円となりました。 財政状態の分析当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(2)財政状態」に記載のとおりであります。 キャッシュ・フローの分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2[事業の状況]3[事業等のリスク]に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。当社グループは、財務の健全性や資本効率の向上を追求しながら、株主への適正な利益還元を実施するとともに、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入金での調達によるものであり、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入金及び私募債での調達によるものであります。なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務の有利子負債の残高は268億20百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は58億16百万円となっております。
事業リスク
- 市況変動の影響繊維事業や産業材事業は、世界経済の動向や景気変動に大きく左右されます。急激な景気悪化や市場価格の変動があった場合、製品の需要が減少し、売上や利益が予想を下回る可能性があります。これは、グループ全体の財政状態やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料・燃料価格の変動合成繊維や重油などの石油化学製品を主要な原材料・燃料として使用しているため、原油価格の急激な変動や自然災害による調達困難は、製造コストの増加に直結します。これにより、製品の採算性が悪化し、利益を圧迫する可能性があります。価格転嫁が難しい場合、特に影響が大きくなります。
- 為替相場の変動原材料や製品の輸入、在外子会社の財務諸表の円換算において、為替相場の変動は収益に影響を与えます。為替予約でリスクヘッジを行っていますが、大幅な変動があった場合には、想定以上の損失が発生し、グループ全体の財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に円安が進行すると輸入コストが増大します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 当社グループのリスクマネジメント体制当社グループでは、当社グループにおける損失の危険の管理に関する体制とその運用を「リスクマネジメント基本規程」に定め、リスクマネジメントの最高責任者を代表取締役社長執行役員とし、リスクマネジメントの実効性を高めるために、当社コーポレート部門担当執行役員を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、基本方針の決定、リスクアセスメントの実施、優先リスクの選定、リスク対策計画の承認及び対策結果の確認、レビューの実施などリスクに対して適切な管理を行い、リスク発生の未然防止、リスクが顕在化した場合は、被害の拡大防止などを図っております。また、グループ全体のリスクを識別し、重要リスクについてはリスク対策及びその対策実施のための管理項目・管理目標値を設定し、取締役会に報告、取締役会が管理・監督する体制を執っております。 (2) 個別リスク① 市況変動に関するリスク当社グループは、繊維事業・産業材事業・不動産・サービス事業を行っており、様々な市場に向けて、製品及びサービスを提供しております。当社グループにおいて、市場の変化に的確に対応し、競争力の維持拡大に努めてまいりますが、急激な世界経済情勢の変化等により景気が悪化、市況が変動した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② 原材料・燃料価格の変動・調達に関するリスク当社グループは、製品の主・副原料として合成繊維及び燃料として重油等の石油化学製品を用いているため、原油価格に急激な変動や自然災害等により調達が困難になる場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 為替相場の変動に関するリスク当社グループは、原材料及び製品を海外から輸入しております。為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で為替予約を行っておりますが、リスクヘッジにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響を完全に排除することは不可能であります。また、在外子会社等の財務諸表項目の円換算において、為替相場変動の影響があります。為替相場の大幅な変動があった場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 金利変動に関するリスク当社グループは、有利子負債による資金調達を実施しております。有利子負債の圧縮に努め、また、金融機関からの借入については、金利スワップ取引により、金利変動リスクの圧縮に努めております。しかしながら、金利市場に急激な変化が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 固定資産の減損に関するリスク当社グループは、土地をはじめとする生産設備などの有形固定資産や無形固定資産を保有しております。それぞれの資産の時価の下落、事業環境の著しい変化、収益性の低下などにより、固定資産の減損損失の計上を余儀なくされた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 規制、コンプライアンスに関するリスク当社グループは、国内外において様々な法規制の適用を受けております。法令遵守と企業倫理遂行の立場を明確にするため、行動規範、行動指針及び行動基準を定め、全グループ役員・従業員への浸透を図っております。また、コンプライアンス活動を統括する組織として、代表取締役社長執行役員を委員長とし当社の取締役・執行役員・幹部社員及び当社グループ子会社各社の代表者を委員とする「コンプライアンス委員会」を設置しております。定期的な活動としては、「コンプライアンス本委員会」及び子会社各社の実務担当者を対象とした「コンプライアンス小委員会」を開催し、グループ全体のコンプライアンス体制の整備・運用の状況をチェックするとともに、法令・社内規程を周知徹底するための教育訓練等を行っております。しかしながら、法規制等の変更により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティに関するリスク当社グループは、事業上の機密情報、顧客情報、個人情報等を保有しております。これらの情報の取扱に関するルール等を整備し、情報セキュリティの強化・確保を図っておりますが、高度化する社外からの脅威によってウイルス感染、サイバー攻撃等で事業運営に影響が出た場合、社会的信用の失墜などにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 気候変動に関するリスク気候変動の影響については自然災害の増加等を引き起こすことはもちろん、CO2をはじめとする温室効果ガス(GHG)排出に対する政策、法規制及び炭素税導入により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・温室効果ガス排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、当社グループのビジネス機会が増加する可能性があります。気候変動のサステナビリティに関する取組みについては、第2[事業の状況]2[サステナビリティに関する考え方及び取組](2)気候変動への対応(TCFD提言の枠組みに沿った情報開示)に記載しております。 ⑨ 自然災害(感染症を含む)、事故、労働災害発生に関するリスク当社グループは、国内外に事業所・工場などの施設を有しております。重要な事業活動の継続のため、BCP(Business Continuity Plan)を策定しておりますが、地震、水害等の大規模な自然災害、未知の感染症によるパンデミックの発生は、当社グループの従業員及び施設に直接的な被害を及ぼし、生産活動の停止だけでなく、原材料等の調達、流通の混乱等による間接的な被害をもたらし、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、従業員の安全管理については、日々安全管理を徹底するとともに、事故・労働災害を未然に防ぐため様々な対策を実施しておりますが、事業活動に伴う事故災害により、人的損害あるいは重大な物的損害が発生した場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 人材の確保に関するリスク当社グループが持続的成長していくには、優秀な人材の確保が重要な経営資源の1つであると認識しております。少子化などにより人材採用の競争は激化しており、グローバルに活躍できる人材、高度な専門性を有した人材などを採用・育成できない場合は、将来の当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 政治、地政学変動に関するリスク当社グループは、インドネシア、中国、台湾、ベトナム等においても生産を行っております。そのため、社会情勢等の変化、各国における各種法令・規制の変更等により、事業運営にも大きく影響いたします。加えてロシアによるウクライナ侵攻をめぐる国際情勢の変化により、原材料及びエネルギー価格の高騰、物流の混乱が生じる事態は、事業運営に大きく影響いたします。そのような状況が生じた場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 なお、上記以外にも様々なリスクが考えられ、ここに記載したものがすべてのリスクではありません。