事業の概要
- 高分子製品の製造販売ユニチカグループは、ナイロンやポリエステルなどのフィルム、樹脂といった高分子製品の製造・販売を主要な事業としています。これらは包装材料や工業製品など幅広い分野で利用されており、グループの中核をなす収益源です。
- 機能資材の提供ガラス繊維製品、活性炭繊維、不織布、反射材など、特定の機能を持つ素材や製品を提供しています。これらは自動車、建材、衛生用品など多岐にわたる産業で活用され、専門性の高いニーズに応えています。
- 繊維製品の展開各種繊維(糸、綿、織物など)の製造から、それらを加工した繊維二次製品の販売までを手掛けています。衣料品や産業資材など、繊維の多様な用途に対応し、国内外の市場に製品を供給しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 高分子事業の収益性高分子事業は売上高553.93億円、営業利益60億円と、ユニチカグループの中で最も大きな売上と利益を上げています。ナイロンフィルムやポリエステルフィルム、各種樹脂の製造・販売が中心で、グループの収益を牽引する主力事業です。
- 機能資材事業の貢献機能資材事業は売上高370.37億円、営業利益2.98億円を計上しています。ガラス繊維製品、活性炭繊維、不織布、反射材など、特定の機能を持つ素材を提供しており、安定した収益源としてグループに貢献しています。
- 繊維事業の課題繊維事業は売上高339.23億円に対し、営業利益は-3.57億円と赤字を計上しています。各種繊維の製造から繊維二次製品の販売までを手掛けていますが、競争環境の厳しさなどから収益改善が課題となっています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Polymers | 事業 | 554 | 60 | 10.8% |
| AdvancedMaterials | 事業 | 370 | 3 | 0.8% |
| FibersAndTextiles | 事業 | 339 | -4 | -1.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社、子会社28社及び関連会社1社で構成されている。当社グループは、主に「高分子事業」、「機能資材事業」及び「繊維事業」の3分野にわたり事業活動を営んでいる。その主な事業内容と、当社グループを構成している主要各社の当該事業に係る位置付けは、概ね次のとおりとなっている。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメント情報の区分と同一である。高分子事業:当社は、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂の製造・販売を行っている。連結子会社である日本エステル㈱はエステル製品を製造し、当社グループに供給している。連結子会社であるテラボウ㈱はプラスチック・化成品の加工・販売を行っている。また、海外の連結子会社であるP.T.EMBLEM ASIAはフィルムの製造・販売を行っており、UNITIKA EUROPE GmbH、UNITIKA(HONG KONG)LTD.及び尤尼吉可(上海)貿易有限公司は、高分子事業の商事部門として、当社グループの高分子製品の販売に関わっている。機能資材事業:当社は、ガラス繊維製品の販売を行っており、また、活性炭繊維、ポリエステル不織布、コットン不織布、ポリエステル繊維の製造・販売を行っている。連結子会社であるユニチカグラスファイバー㈱はガラス繊維製品の製造、ユニチカガラスビーズ㈱はガラスビーズの製造・販売、ユニチカスパークライト㈱は反射材の製造・販売を行っている。また、海外の連結子会社であるTHAI UNITIKA SPUNBOND CO.,LTD.は、不織布の製造・販売を行っている。繊維事業:当社は、繊維二次製品の販売を行っている。連結子会社であるユニチカテキスタイル㈱は各種繊維(糸・綿・織物等)の製造を行っており、同じく連結子会社であるユニチカトレーディング㈱は、ユニチカテキスタイル㈱から素材の供給を受け、これらの製品を販売している。またユニチカトレーディング㈱は、連結子会社である大阪染工㈱に対して織編物の染色・整理加工を委託し、これらの製品を販売している。海外の連結子会社であるP.T.UNITEXは紡績糸の製造・販売を行っており、ユニチカトレーディング㈱にも製品を供給している。同じく海外の連結子会社である尤尼吉可(北京)貿易有限公司、P.T.UNITIKA TRADING INDONESIA、UNITIKA TRADING VIETNAM CO.,LTD.は繊維事業の商事部門として当社グループの繊維製品の販売に関わっている。 以上に述べた事業の概略図は、次のとおりである。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 高付加価値品の展開や新規バリアナイロンフィルムの採用拡大、ケミカルリサイクルフィルムの採用が進んでいるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 長年にわたり蓄積してきた技術力を基盤とした新技術の開発、応用による商品開発。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:高伸度防砂シートに関する損害賠償請求訴訟 / 不正な会計処理等による財務報告リスク / 製品の欠陥発生による回収・補償・訴訟費用負担
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モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ユニチカは機能性繊維や高機能フィルムなどの分野で長年の研究開発実績を持つが、特定の強力なブランドや特許による独占的な地位を確立しているとは言えない。一部のニッチ分野での技術力は存在するものの、広範な競争優位に繋がる無形資産は限定的。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
ユニチカの製品は、産業資材や機能性フィルムなどBtoB分野が中心。顧客は特定の性能や品質を求めるため、サプライヤー変更には一定のコストや手間がかかる可能性がある。しかし、代替素材や競合他社の存在により、顧客のスイッチング・コストはそれほど高くないと考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ユニチカの事業は、主に素材の製造・販売であり、ユーザーが増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は発生しない。BtoB取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスとは性質が異なる。
コスト優位★☆☆☆☆
繊維産業は一般的に価格競争が激しく、ユニチカも効率的な生産体制の構築に努めている。しかし、グローバルな競争環境や原材料価格の変動の影響を受けやすく、構造的なコスト優位性を確立しているとは言い難い。一部の特定製品では効率化が進んでいる可能性はある。
規模の経済★★☆☆☆
ユニチカは繊維製品分野で一定の規模を持つ企業であるが、業界全体で見ると、より巨大なグローバル企業や特定分野に特化した競合も存在する。規模の経済による絶対的な優位性というよりは、特定の事業領域における規模が競争力の一部となっている。
- 多様な高分子技術ナイロンやポリエステルといった基盤となる高分子技術を保有しており、フィルムや樹脂など多様な製品に応用しています。これにより、顧客の幅広いニーズに対応できる技術的な強みを持っています。
- 機能性素材の開発力ガラス繊維、活性炭繊維、不織布、反射材といった高機能な素材の開発・製造能力を有しています。これにより、特定の性能が求められるニッチな市場で競争力を発揮し、差別化された製品を提供しています。
- グローバルな生産・販売網高分子事業では海外子会社がフィルムの製造・販売を、繊維事業では海外子会社が紡績糸の製造・販売や商事部門として機能しています。これにより、国際的な市場での事業展開と効率的な供給体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。(1)経営方針当社グループは、2024年11月28日に、新たに事業再生計画を立案し、㈱地域経済活性化支援機構や取引金融機関からの支援を受けながら再建を目指すことを決定した。また、㈱地域経済活性化支援機構を割当先とする第三者割当増資の実行や、新たな経営体制については、2025年2月7日の臨時株主総会で決議された。なお、事業再生計画は取引金融機関による最大430億円の債権放棄等の金融支援を前提としており、取引金融機関からの同意を得られている。事業再生計画の着実な遂行によって高分子等の将来性のある事業を中心とする事業ポートフォリオへと変革し、最終年度である2030年3月期には、売上高700億円、営業利益65億円を目指す。(2)経営環境及び対処すべき課題等事業再生計画では、①構造改革による不採算事業の撤退及び供給能力の適正化、②コスト削減の完遂によるローコスト運営体制の確立、③付加価値の高い製品の販売拡大、④組織運営体制の強化、を骨子としており、高分子等の将来性のある事業を中心とする事業ポートフォリオへの変革に重点的に取り組む。(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社が最優先で対処すべき課題は、事業再生計画の確実な遂行である。事業再生計画では、①構造改革による不採算事業の撤退及び供給能力の適正化、②コスト削減の完遂によるローコスト運営体制の確立、③付加価値の高い製品の販売拡大、④組織運営体制の強化、を骨子としており、高分子等の将来性のある事業を中心とする事業ポートフォリオへと変革し、最終年度である2030年3月期には、売上高700億円、営業利益65億円を目指す。事業再生計画の初年度である2026年3月期は、構造改革対象事業においては、2025年8月までの合意を目標に、他社への事業譲渡や生産移管等に取り組む。また、高分子事業や無機系素材事業などにおいては、付加価値の高い製品の販売拡大や、新たな用途展開等を進め、収益力の強化を図ります。構造改革と並行して、ローコスト運営体制を確立するため、配送ルートの見直しなどの物流改革や、業務効率改善などのコスト削減にも取り組む。(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、当期純利益を重視している。また、財務体質強化の観点からは、自己資本比率向上、有利子負債の削減を念頭に置くとともに、キャッシュ・フローについても重要視し、重点管理している。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。(1)経営方針当社グループは、2024年11月28日に、新たに事業再生計画を立案し、㈱地域経済活性化支援機構や取引金融機関からの支援を受けながら再建を目指すことを決定した。また、㈱地域経済活性化支援機構を割当先とする第三者割当増資の実行や、新たな経営体制については、2025年2月7日の臨時株主総会で決議された。なお、事業再生計画は取引金融機関による最大430億円の債権放棄等の金融支援を前提としており、取引金融機関からの同意を得られている。事業再生計画の着実な遂行によって高分子等の将来性のある事業を中心とする事業ポートフォリオへと変革し、最終年度である2030年3月期には、売上高700億円、営業利益65億円を目指す。(2)経営環境及び対処すべき課題等事業再生計画では、①構造改革による不採算事業の撤退及び供給能力の適正化、②コスト削減の完遂によるローコスト運営体制の確立、③付加価値の高い製品の販売拡大、④組織運営体制の強化、を骨子としており、高分子等の将来性のある事業を中心とする事業ポートフォリオへの変革に重点的に取り組む。(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社が最優先で対処すべき課題は、事業再生計画の確実な遂行である。事業再生計画では、①構造改革による不採算事業の撤退及び供給能力の適正化、②コスト削減の完遂によるローコスト運営体制の確立、③付加価値の高い製品の販売拡大、④組織運営体制の強化、を骨子としており、高分子等の将来性のある事業を中心とする事業ポートフォリオへと変革し、最終年度である2030年3月期には、売上高700億円、営業利益65億円を目指す。事業再生計画の初年度である2026年3月期は、構造改革対象事業においては、2025年8月までの合意を目標に、他社への事業譲渡や生産移管等に取り組む。また、高分子事業や無機系素材事業などにおいては、付加価値の高い製品の販売拡大や、新たな用途展開等を進め、収益力の強化を図ります。構造改革と並行して、ローコスト運営体制を確立するため、配送ルートの見直しなどの物流改革や、業務効率改善などのコスト削減にも取り組む。(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、当期純利益を重視している。また、財務体質強化の観点からは、自己資本比率向上、有利子負債の削減を念頭に置くとともに、キャッシュ・フローについても重要視し、重点管理している。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりである。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における国内経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移した。訪日外国人の増加によるインバウンド需要の拡大、賃上げの動きによる個人消費の下支えに加え、企業の競争力強化に向けた設備投資も活発化した。一方、人手不足が深刻化する中、人件費や物流コストの上昇が企業の収益構造に影響を及ぼした。さらに、地政学的リスクの長期化、金利や為替相場の変動などに加え、米国の金融・通商政策の動向や中国経済の減速懸念などの影響もあり、先行きに対する不透明感は依然として残っている。このような状況の下、当社グループは、株式会社地域経済活性化支援機構(以降、「機構」と略す)の支援による事業再生計画を2024年11月28日に公表し、2025年2月7日開催の臨時株主総会において関連議案のご承認を受け、不採算事業からの撤退等を骨子とした事業再生計画の実行を決定した。また、前期の厳しい業績を受け、赤字からの脱却を最優先の課題として、経費削減を始めとしたコストダウンなどの自助努力、価格改定による収益の改善、より付加価値の高い高機能製品の拡販による収益力の強化に取り組んできた。なお、事業再生計画は取引金融機関による最大430億円の債権放棄等の金融支援を前提としており、取引金融機関からのご同意も得ている。この結果、当連結会計年度の売上高は前期比6.8%増収の、126,411百万円となった。営業利益は5,851百万円(前期は2,475百万円の営業損失)となった。円高の進行により外貨建資産の為替評価損155百万円を計上した結果、経常利益は4,693百万円(同1,014百万円の経常損失)となった。また、事業再生計画にしたがい、当社及び当社グループが保有する固定資産について将来の回収可能性を検討した結果、37,932百万円の事業構造改善費用(固定資産の減損損失)を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純損失は24,283百万円(同5,443百万円の当期純損失)となった。事業セグメント別の経営成績は次のとおりである。[高分子事業セグメント]高分子事業セグメントでは、原燃料価格が高止まりする中、販売量の回復により工場の稼働率が好転し、コストダウン施策の効果と併せて製造コストが低減したほか、各製品において価格改定を実施したことで、収益が改善した。フィルム事業では、主力の食品包装用途において、期間を通じて市況が回復したことで、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルムともに販売量が回復した。工業分野では、一部の半導体関連用途は堅調であったが、その他の工業用フィルムの販売が伸び悩み、同分野全体での販売量は横ばいであった。また、コストダウン施策の効果により、営業利益は増加した。海外においては、不採算販売の見直しにより、収益は改善したが、安価製品との価格競争が続いた。この結果、事業全体で増収増益となった。樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、自動車部品用途の販売が期間を通じて低調であったほか、電気電子部品の需要回復が遅れている影響で販売量が減少した。売上高は微増に止まったが、価格改定を実施した効果で営業利益は大幅に改善した。機能樹脂は、接着剤、コーティング用途において高機能製品の販売が伸長し、収益は大幅に向上した。この結果、事業全体で増収増益となった。以上の結果、高分子事業セグメントは増収増益となり、売上高は55,393百万円(前期比8.5%増)、営業利益は6,000百万円(前期は603百万円の営業利益)となった。[機能資材事業セグメント]機能資材セグメントでは、前期に落ち込んでいた電子材料分野を中心とした販売量の大幅な回復により生産量が増加し、製造コストの低減につながった。各製品において価格改定を実施した結果、収益が回復し、前年の営業赤字から黒字に転換した。活性炭繊維事業では、主力の浄水用途の販売は堅調であったが、空気浄化用途のVOC除去シートの販売が低調で、売上高はやや減少した。ガラス繊維事業では、産業資材分野は、建築資材用途の市況が好調で、不燃テント・シート等の販売が伸長した。電子材料分野は、生成AIや関連するデータセンター向けの特定分野で好調を継続する一方、汎用半導体市況は本格的な回復まで至らない中、当社商品は携帯端末向けのハイエンドメモリを中心に、半導体パッケージ基板向けに高機能ガラスクロスの販売が伸長した。ガラスビーズ事業では、道路用途は道路工事件数の減少が続く中、海外競合品に対する競争優位性が受け入れられ、販売シェアを拡大した結果、売上高はやや増加した。工業用途では、高精度ガラスビーズなどの高機能製品の販売が伸長した。不織布事業では、フィルターやスキンケア用品向けを中心に、ポリエステル系スパンボンド、コットンスパンレースともに販売が回復した。価格改定に取り組んだ効果で収益が改善し、赤字が縮小した。産業繊維事業では、ポリエステル短繊維の販売は堅調であったが、期後半に販売が減少した。ポリエステル高強力糸においても同様に販売が減少した。一方、原料価格などのコストアップに対し、価格改定を実施した結果、売上高が増加し、営業赤字が縮小した。以上の結果、機能資材事業セグメントは増収増益となり、売上高は37,037百万円(前期比8.3%増)、営業利益は298百万円(前期は2,478百万円の営業損失)となった。[繊維事業セグメント]衣料繊維事業では、主力のユニフォーム分野は、官需の販売は好調で、民需についても概ね堅調に推移した。一般衣料分野、寝装分野及びスポーツ衣料分野は、期間を通じて需要が低迷し、販売は苦戦した。グローバル事業は、デニム生地の輸出販売が回復した。産業資材事業は、生活関連用品は堅調に推移し、電気・電子用途の販売が好調であった。以上の結果、繊維事業セグメントは増収増益となり、売上高は33,923百万円(前期比2.8%増)、営業損失は357百万円(前期は523百万円の営業損失)となった。[その他]その他の事業については、売上高は57百万円(前期比4.2%増)、営業損失は82百万円(前期は87百万円の営業損失)となった。②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,933百万円増加し、13,120百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失であったが、事業構造改善費用などの非資金項目を加えたキャッシュ・イン・フローなどにより、6,293百万円の資金の増加(前期は8,169百万円の資金の増加)となった。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資に伴う支出などにより、3,146百万円の資金の減少(前期は7,541百万円の資金の減少)となった。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済などにより、435百万円の資金の減少(前期は279百万円の資金の減少)となった。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループの生産活動の大半は、当社、日本エステル㈱、ユニチカテキスタイル㈱、ユニチカグラスファイバー㈱、ユニチカガラスビーズ㈱、P.T.EMBLEM ASIA及びTHAI UNITIKA SPUNBOND CO.,LTD.で行われているため、これらの会社の実績により記載している。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)高分子事業56,8839.7機能資材事業26,80316.4繊維事業609△19.9報告セグメント計84,29611.4その他--合計84,29611.4 (注)生産高を明確に表示するため、外注生産高を含む総生産高で記載している。b.受注実績当社グループは主として見込生産を行っている。c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)高分子事業55,3938.5機能資材事業37,0378.3繊維事業33,9232.8報告セグメント計126,3546.8その他574.2合計126,4116.8 (注)販売実績が総販売実績の10%以上の相手先はない。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容イ.経営成績及び財政状態の分析a.売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ8,070百万円(6.8%)増収の126,411百万円となった。食品包装用途や生活資材用途の市況が好転し、販売数量が回復した効果と、製品価格の改定を行った効果等により、増収となった。b.営業損益当連結会計年度の営業損益は、前連結会計年度に比べ8,326百万円(前連結会計年度は2,475百万円の営業損失)増益の5,851百万円となった。不採算販売の見直しと価格改定により収益性が改善した効果と、工場稼働率の向上や各種コストダウン施策により原価が低減した効果により、増益となった。c.営業外損益と経常損益当連結会計年度の営業外損益については、為替の影響などにより、営業外収益は、前連結会計年度に比べ2,072百万円(66.9%)減少の1,024百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度に比べ547百万円(33.4%)増加の2,183百万円となった。これらの要因により、当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べ5,707百万円(前連結会計年度は1,014百万円の経常損失)増益の4,693百万円の経常利益となった。d.特別損益当連結会計年度の特別損益については、特別利益は、前連結会計年度に比べ152百万円(前連結会計年度は11百万円の特別利益)増加の164百万円となった。特別損失は、各セグメントでの事業構造改善費用を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ35,112百万円(770.3%)増加し39,671百万円となった。e.親会社株主に帰属する当期純損益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益については、特別損失が増加した影響等により、前連結会計年度に比べ18,839百万円(前連結会計年度は5,443百万円の当期純損失)減少の24,283百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となった。f.総資産総資産は、前連結会計年度末に比べ36,902百万円減少し、149,430百万円となった。これは、主として有形固定資産が減少したことによるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ14,888百万円減少し、133,197百万円となった。これは、主として繰延税金負債が減少したことによるものである。純資産は、前連結会計年度末に比べ22,014百万円減少し、16,233百万円となった。これは、主として親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が減少したことによるものである。ロ.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析当連結会計年度の事業セグメント別の経営成績については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりである。ハ.資本の財源及び資金の流動性についてa.キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。 b.契約債務2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりである。 年度別要支払額(百万円)契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金38,31938,319---長期借入金53,82252,623809107281リース債務1,38542694513- c.財務政策当社グループは、株式会社地域経済活性化支援機構(以降、「機構」と略す)の支援による事業再生計画を2024年11月28日に公表し、2025年2月7日開催の臨時株主総会において関連議案のご承認を受け、不採算事業からの撤退等を骨子とした事業再生計画の実行を決定した。今般の構造改革には大規模な資金調達・資本増強が必要となるが、機構からの第三者割当増資金約200億円や融資枠150億円の設定により構造改革資金を調達することとしている。なお、第三者割当増資と融資枠の設定は2025年4月30日に実施済である。また、当社と取引銀行1行との間で90億円の当座貸越契約を締結し、運転資金についての流動性を確保している。なお、当連結会計年度末における借入実行残高はない。機構の再生支援の下で、企業価値の毀損を可及的に回避しつつ、透明・公正な手続により取引金融機関に金融支援を依頼し、機構からの本第三者割当増資による資金調達を得て財務基盤及び信用力の強化を図るとともに、課題事業の構造改革や徹底したコスト削減、さらには、収益事業における収益力強化等を主軸とする抜本的な事業再構築に取り組み、当社事業の再生を図る。②重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。この作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としている。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
事業リスク
- 法令順守と訴訟リスク高伸度防砂シートに関する損害賠償請求訴訟が複数係争中であり、敗訴した場合には多額の賠償金支払いが発生し、会社の業績や財政状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。これは製品の品質保証体制や企業イメージにも関わる重要なリスクです。
- 製品の品質問題製品に重大な欠陥が発生した場合、回収費用、社会的信用の毀損、多大な補償・訴訟費用、賠償費用の負担などが発生し、会社の業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。品質管理には万全を期していますが、予期せぬ事態への備えが重要です。
- 原材料価格の変動高分子事業や合成繊維事業で主要な原材料となるナフサ由来の化学原料や、事業所で使う重油、天然ガスなどの石化原燃料の価格変動リスクがあります。価格上昇分を製品価格に転嫁できない場合、収益性が悪化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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3【事業等のリスク】当社グループの経営成績、財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがある。なお、当社グループはこれらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避やその影響を最小限に止めるなどの事前対応、または発生した場合の事後対応に努めるものとしている。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。(1)法令等の順守に関するもの当社グループが事業を遂行していく上で、取引先や第三者との間で訴訟等が発生し、当社グループの業績又は財政状況に重大な影響を及ぼす可能性がある。①当社、連結子会社である日本エステル株式会社およびその他3社の計5社(以下「被告ら」という。)が製造、加工または販売した高伸度防砂シートに関して、代表者東亜建設工業株式会社およびその他2社の計3社で構成された特定建設工事共同企業体(以下「原告」という。)から損害賠償請求訴訟を提訴され、当該訴訟に係る訴状を2021年8月24日に受領した。その内容は、那覇空港滑走路増設埋立工事の一部工区に、当該高伸度防砂シートを使用したところ、短期間で著しく強度低下したために破れが発生し、これに伴い陥没や空洞が発生したことから補修工事を余儀なくされたことを理由に、被告らに製造物責任ないし瑕疵担保責任に基づく損害賠償等(2,142百万円)並びに遅延損害金の支払いを求めたものである。なお、2024年1月15日に原告は、被告らに対する請求額について、訴訟提起時において未了であった修補工事は見込額を記載していたことから、工事実績値に合わせて1,835百万円に減縮する申立てを行っている。この訴訟は、現在係争中であり、当社としては、相手側の主張が誤りであることを立証するなど、適切な防御を行っていく所存である。②当社、連結子会社である日本エステル株式会社およびその他3社の計5社(以下「被告ら」という。)が製造、加工または販売した高伸度防砂シートに関して、住吉工業株式会社(以下「原告」という。)から損害賠償請求訴訟を提訴され、当該訴訟に係る訴状を2022年12月1日に受領した。その内容は、原告が請負人となっている下関港(新港地区)ケーソン製作工事外1件において当該高伸度防砂シートを使用していたところ、当該高伸度防砂シートの破損及び強度低下が確認され、本工事につき岸壁構造としての性能が発揮できていないとして工事発注者が原告に瑕疵修補を請求し、これに応じて原告が修補工事を行ったことにより、工事費用相当額の損害を被ったとして、被告らに製造物責任に基づく損害賠償等(60百万円)並びに遅延損害金の支払いを求めたものである。この訴訟は、現在係争中であり、当社としては、相手側の主張が誤りであることを立証するなど、適切な防御を行っていく所存である。(2)財務報告に関するもの当社グループでは、不正な会計処理等により適切な財務報告がなされないリスクが発生する可能性がある。当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの信用の失墜及びそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの業績又は財政状況に重大な影響を及ぼす可能性がある。(3)製品の安全・品質保証に関するもの当社グループは製品の品質管理に万全を期し、製品の欠陥等の発生を未然に防止している。また、万が一の製品事故に備えた損害保険に加入している。しかしながら、予測できない原因により製品に重大な欠陥が発生した場合、回収費用、社会的信用の毀損、多大な補償・訴訟費用、賠償費用の負担などにより、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。(4)情報システムに関するもの当社グループでは、情報管理に関する規程等を整備し、厳正な情報管理に努めている。従業員、業務委託先又はその他の者による不正なアクセス等により、今後、仮に当社が保有する個人情報やその他重要な情報が外部に漏えい等した場合には、損害賠償請求や行政調査、指導又は処分を受ける可能性があり、また、かかる事案に対応するための時間及び費用が生じること、当社グループの社会的信用が毀損すること等により、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性がある。(5)災害・事故等に関するもの当社グループにおいて、合繊原料など化学物質を取り扱う工場を中心として、万一、甚大な事故災害が発生した場合は、それに伴って生じる社会的信用の低下、補償などの対策費用、生産活動の停止による機会損失などによって、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。(6)その他ユニチカグループの業務遂行に関するもの①原燃料価格の変動にかかるもの当社グループにおいて、高分子事業及び合成繊維事業にて取り扱う製品は、主としてナフサから精製される化学原料を加工したものである。また事業所などで使用される重油、天然ガスなどの原料も含めて、石化原燃料の購入価格の変動をタイムリーに製品価格への転嫁や生産性向上などの内部努力により吸収することができず、十分なスプレッドを確保できなかった場合は、各原燃料価格の変動が当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。②為替・金利レートの変動にかかるもの当社グループの海外事業については、円建ての取引を基本としているが、現地通貨建てにて取引を行う項目に関しては、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける場合がある。これら為替レートの変動が生じた場合、円換算後の売上高やコストへの影響が生じ、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性がある。また、金利変動によるリスクについては、為替変動と同様に当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。③海外事業にかかるもの当社グループは東アジア、欧米並びに南米などの地域において事業展開を図っているが、予測しえないカントリーリスクの発生の懸念もある。これらの事象が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。④貸し倒れにかかるもの当社グループの取引先の信用不安によって予期せぬ貸し倒れが顕在化し、それに伴う追加の損失や引当の計上が必要となる場合は、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。⑤固定資産の減損にかかるもの当社グループでは、様々な有形固定資産や無形資産を保有している。これらの資産は、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っている。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定については慎重に検討しているが、事業環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。⑥その他の主な変動要因にかかるもの上記の他、事故、地震・台風・竜巻などの自然災害、新型インフルエンザ等感染症の流行などが、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。