研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 149 |
| 2024-03 | - | 191 |
| 2023-03 | - | 103 |
| 2022-03 | - | 92 |
| 2021-03 | - | 180 |
研究開発活動(本文)
FY2025|6,048 文字
6 【研究開発活動】 当社グループは、長年の植物油脂研究で培った知見をベースに、中長期視点の「技術開発」と、お客さまのニーズにスピーディにお応えする「商品開発」を両輪とした研究開発活動を行っております。油脂の栄養評価技術、おいしさに関する技術(分析・評価技術、官能評価技術)、油脂の製造および加工に関わる技術などを強みとし、社内外での連携や共創の強化、戦略的な知的財産の活用を行うことで、「ビジョン2030」の各重点領域における共有価値を創造し、グローバルトップレベルの油脂ソリューション企業の実現に貢献しています。 2024年度は、新たな価値創造実現の場として横浜磯子事業場内に研究開発拠点「インキュベーションスクエア」を5月に開設しました。インキュベーションスクエアは、ラボスケールにおける研究開発機能に加えて、パイロットスケールにおける試作機能、小規模での生産機能を有し、共創型のキッチン、フライ室、試作品の分析評価が行える環境を整備しました。「共創」をポイントに、当社起点の価値提案に加え、お客さまとともに手を動かしながらモノづくりと評価を繰り返し、お客さまの課題解決や新たな価値の創造を行っています。また、食品から化粧品・化学品まで異なる専門分野の研究員が同じ場所で研究開発活動を行うことで、新しいシナジーが生まれやすい環境を整備しています。また、研究開発機能の強化を目的に組織を再編し、中長期の視点から未来の価値創造を目指す「基礎研究所」、所有技術を深化・応用し、価値を創造する「応用研究所」、ニーズとシーズを結びつけ、商品を通して“もっとお客さまの近くへ”を実現する「ホームユース・ウェルネス食品開発センター」を新たに設置しました。食品メーカーや流通の皆さまのニーズに基づきアプリケーション開発や技術提案を行う「ユーザーサポートセンター」、主力製品である「化粧品原料としての機能性エステル油」を中心に、食品・医薬品、工業用分野といった幅広い分野に機能性素材を提供している「ファインケミカル事業部」とともに、多岐にわたる研究開発活動を行っております。 国内のグループ企業においては、大東カカオ株式会社、セッツ株式会社なども研究開発機能を有し、それぞれのグループ会社が強みを活かした取り組みを進めるとともに、グループの総合力を活かして新たな価値の創造に注力しています。海外においては、パーム油の主要産地であるマレーシアにNisshin Global Research Center及びIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd. (以下、ISF社)の研究開発拠点があります。スペインでは、Industrial Quimica Lasem, S.A.U. (以下、IQL社)と、ファインケミカル事業のグローバル展開を支える基盤を形作るために、エステル油剤開発、品質管理、生産技術などにおいて多面的な技術連携関係を構築しております。中国では、当社グループの日清奥利友(上海)国際貿易有限公司や上海テクニカルサポートセンターとの連携により、当社製品の技術的・品質的な特徴を顧客にアピールする活動や、中国における市場開拓を着実に進めております。国内外の各拠点が連携し、価値創造に向けた取り組みを進めています。なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は4,079百万円(前連結会計年度は3,519百万円)であり、セグメント別の研究開発費については以下のとおりです。 油脂事業加工食品・素材事業ファインケミカル事業合計2024年度(百万円)2,7456556784,079 〔油脂事業〕1.油脂・油糧近年、こめ油市場は生活者の健康意識の高まりとともに拡大しております。当社では、家庭用商品のこめ油のラインアップを強化し、大容量の「日清こめ油」1300gを発売(2025年2月)いたしました。また、あっさりした風味が特長で、環境へのニーズもとらえた商品として「日清あっさりこめ油」450g紙パックを発売(2024年8月)し、より多くの生活者のニーズにお応えしております。オリーブオイルについては、手に取りやすい価格帯のラインアップを拡充しました。少量使いタイプの「日清さらっと軽~いオリーブオイル」145g(2024年8月)、加熱調理でもオリーブの味・香りをしっかりと楽しめて大量使いのできるMIXタイプのオリーブオイル「日清キャノーラ&オリーブオイル」684g(2024年8月)と800g(2025年2月)をそれぞれ追加発売し、原料のオリーブの歴史的な不作による価格高騰の環境の中でも引き続きおいしさと健康性を楽しんでいただける商品を展開しております。また、当社は、安全で安心な製品をお届けすることはもちろんのこと、国際基準の高度な分析技術を磨き続け、国際オリーブ協会(International Olive Council)の品質国際基準「理化学分析ラボtypeB認証」を2年連続で獲得しました。環境にやさしい企業活動の取り組みの一環として、容器におけるプラスチック使用量削減のため、フレッシュキープボトルをリニューアル(2024年8月)し、軽量化することで、従来品と比べてプラスチックの使用量を約19%削減しました。また、キャップシール廃止の取り組みを順次開始し、第一弾としてごま油とオリーブオイルの瓶容器の商品を対象に実施しております。さらに、環境対応素材の導入拡大に向け、ボトルに再生PET樹脂を使用した商品を、400g、600g、800gに加えて200gPETにも拡大しました。こうした取り組みを進める中、「日清ヘルシークリア 800g ペットボトル」が「2024 日本パッケージングコンテスト」(公益社団法人 日本包装技術協会主催)で「食品包装部門賞」を受賞しました。今後も、環境や使いやすさに配慮した容器・包装の開発に努めてまいります。業務用食用油では、オリーブオイル価格高騰を背景に、こだわりのオリーブオイルを独自配合し、オリーブオイルらしい香り立ちと適度な苦み・辛みをお楽しみいただける「日清キャノーラ&オリーブオイル」を発売しました(2024年7月)。また、こめの在庫不足や品質不良など、お客様の炊飯米商品に対する課題解決を目的に炊飯油の品揃えを強化しました。さらに、手軽にプロの味わいが再現できる「素材のオイル」シリーズとして、近年のチーズの価格高騰に対応した商品である「日清素材のオイル 香ばしチーズ風味」を発売しました(2025年3月)。その他、フードロスや環境配慮など多様化するニーズへ対応した炒め油や麺さばき油などの機能性油脂/油剤の開発を行い、お客さまのニーズに応える取り組みを実践しております。 2.加工油脂菓子・パン・チョコレートなどの加工食品において、油脂は風味、食感、口どけなどおいしさの大事な機能を担っております。当社では「油脂」を究めることで、チョコレート用油脂を中心としたスペシャリティファットやマーガリン・ショートニングなどの製品を開発しております。また、これらの製品の主要原料であるパーム油を生産する当社グループのISF社および、業務用チョコレートを製造・販売する当社グループの大東カカオ株式会社の研究開発部門とも連携することで、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域の研究開発を行っております。世界的なカカオの高騰を受け、当社グループはココアバター代用脂(CBE)の生産能力を2027年度までに2021年度比で1.5~2倍まで伸ばす予定です。これに向けて、ISF社と連携して、製造プロセスの改良やチョコレート用油脂の開発を加速しております。国内市場においては、カカオの高騰を受けてスナップ性と口どけの良さを備えたテンパー型油脂や、特殊な用途に合わせたノーテンパー型油脂の開発を進め、一部を発売しました(2024年10月)。さらに、独自の技術でカカオの風味などを補うことができる商品についても顧客提案を進めております。また、機能性を有する素材と油脂を組み合わせた製パン用油剤を発売しました(2024年6月)。この製パン用油剤はパンの柔らかさを維持することが可能なため、消費期限の延長や食品ロス削減が期待されております。 〔加工食品・素材事業〕1.MCTMCTの優れた健康性に着目して機能開発を進め、これまでの「体脂肪やウエストサイズを減らす」に加え、「日常活動時の脂肪の燃焼を高める」や「運動時の脂肪の燃焼を高める」などの新たな機能性表示食品を消費者庁に届出いたしました。今後は食用油や加工食品へ広く展開することで、マーケットでの認知度向上や価値化を図り、当社の掲げる「すべての人の健康」の実現を推進してまいります。また、以前より通販用商品として販売しておりました「MCT CHARGE オイル 6g」および「MCT チャージゼリー PRO」を機能性表示食品としてリニューアル発売いたしました(2024年10月)。これら2商品は、「運動時の脂肪の燃焼を高める」機能が消費者庁に受理されており、運動愛好家層への訴求を強化しております。 2.調味料当社ドレッシング主力商品として多くのお客さまより支持をいただいている「日清ドレッシングダイエット」シリーズに、和風の中でも人気の高いたまねぎ風味「きざみたまねぎ」185mlと400mlを追加発売いたしました(2025年2月)。きざみたまねぎの食感と甘みが特長で、野菜はもちろん、肉との相性も良く、幅広いメニューにご使用いただけます。 3.機能素材・食品病院・施設向けの高齢者・介護食品で少量でも高密度な栄養成分を含むことを特長とする「ミニタス」シリーズ(たんぱく質、エネルギー、食物繊維)において、たんぱく質ゼリーのラインアップ拡充を目的として新味「パイン味」を追加発売いたしました(2025年3月)。「ミニタス たんぱく質ゼリー」は、これまでオレンジ味1種類のみの展開でしたが、お客さまからの強いご要望にお応えする形で、フレーバーのバリエーションを追加いたしました。本商品の追加により、更なる顧客層の拡大と売上増加を見込んでおります。当社の独自技術による油脂100%の結晶性油脂「コナファット」は、食感改善、粉末の流動性改善といった機能を中心に食品分野で幅広くご利用いただいております。食品での用途をさらに拡大するため、チョコレートの粘度調整、複合菓子の油脂移行による品質変化の抑制などの新たな価値の提案を進めております。また、食品廃棄の削減に向けて、食品アップサイクルへの利用についても用途提案を実施しております。非食品分野では地球環境課題対応に向けたバイオマス素材として活用する用途開発を進め、従来の油脂の枠を超えた様々な用途での活用方法をご提案することで、市場開拓を進めております。 4.チョコレート大東カカオ株式会社と連携を取りながら、カカオを中心に、素材にこだわり、配合・物性・製造技術を磨き、他社がまねのできない多様な技術やユーザーの要求にこたえるための高付加価値技術を構築しております。大東カカオ株式会社の強みであるロースト方法やカカオ産地を組み合わせた味作りを強化するとともに、当社と連携した風味の評価技術や油脂技術を活用したチョコレートの開発を進めております。また、歴史的なカカオ相場の高騰やカカオ豆生産量の不安定な状況に対して、ベースビーンの安定的な確保に向けた新規産地のカカオ豆を導入したほか、特定の地域におけるカカオ豆の生産性向上に向け大学、現地農園と共同研究を開始しました。さらに、大東カカオ株式会社の独自技術を活用した、長期間保存可能な災害食用チョコレートの開発を進めています。 5.大豆食品素材近年の加工食品原料の価格高騰を背景に、冷凍食品などの玉子加工食品の原材料に加えることで、食感良くかつ冷凍・解凍後の離水を抑制することができる大豆粉末製剤「ソイプルーブ」を発売しました(2025年1月)。本品は大豆粉に独自の加熱処理を行うことでコクを付与し、玉子製品の風味を損なわないよう設計しています。玉子焼きのほか、炒り玉子など各種玉子加工食品での効果を確認しております。さらに大豆食品素材の栄養・健康機能を訴求し、水への分散性が高く、粘度が低いという特長を持つ粉末状大豆たん白「ソルピーDH-1」を発売し(2024年7月)、植物性の粉末プロテイン飲料などにご利用いただいております。当社は長年にわたり、大豆たん白・大豆粉末製品をお客さまに販売しており、引き続き商品やアプリケーション開発を通じて、品質やおいしさの維持・向上に貢献してまいります。 〔ファインケミカル事業〕化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材や植物由来成分からなる素材の開発に取り組んでおります。化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を進めております。食品領域における開発活動としては、主力であるMCT製品の品質向上を図るとともに、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。IQL社との間では、同社が製造販売するFSSC22000などの認証を背景とした高品質なMCT「QUOLIO(クオリオ)」について、国内展開を図るとともに、生産設備の改良・品質管理体制の強化を通じて、高品質な化粧品原料のグローバル供給体制の構築に向けた取り組みを進めております。日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、同社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。セッツ株式会社は、食の安全・安心の確保に関する特に優れた事業・研究・社会貢献活動が評価され、令和6年度「大阪府食の安全安心顕彰制度大阪府知事賞」を受賞いたしました。商品開発では、微生物制御技術や洗浄技術を融合させ、顧客課題の解決に取り組むとともに、高付加価値商品の開発を進めております。その一環として、厨房廻りの衛生管理に特化した、密着泡が特徴の「セッツ泡ブリーチ」を発売いたしました。また、介護現場の多忙な状況をサポートするため、「これひとつ」(=One)を共通コンセプトとした「介護施設のためのOneシリーズ」4品(バストイレ用など)を発売いたしました。これらを推進して、衛生管理事業の拡大に努めてまいります。 今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
FY2024|6,719 文字
6 【研究開発活動】 当社グループは、長年の植物油脂研究で培った知見を活用し、中長期視点の「技術開発」と、お客さまのニーズにスピーディにお応えする「商品開発」を両輪とした研究開発活動を行っております。油脂の製造および加工に関する技術をはじめ、油脂の栄養評価技術や分析・評価技術、官能評価技術を強みとし、健康、おいしさの追求と、環境負荷低減、ユーザーニーズに対応したアプリケーション開発に取り組んでおります。技術力を強化し、知的財産の戦略的な活用を行うことで、グローバルトップレベルの油脂ソリューション企業の実現に貢献してまいります。 当事業年度は、油糧原料の安定確保に向けて、「Bio-Digital Transformation 産学共創拠点」に参画し、微細藻類による油脂生産の検討を開始いたしました。また、東北大学との共同研究により、おいしさを司る油脂由来の香気成分の生成メカニズムを解明するなど、産学官の連携を図りながら技術開発を進めております。また、海外の研究開発拠点であるマレーシアのNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.では、当社グループのパーム油脂、スペシャリティファットの製造および販売を行う事業会社Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.と連携し、チョコレート用油脂の主原料であるパーム油に関わる油脂加工技術の開発を行っております。今期は国内の研究開発部門と共同で、チョコレート用途に適した成分の分別技術を確立し、設備導入を進めてまいりました。ファインケミカル事業部では、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めるとともに、生産部門と連携して製品の品質優位性を高めるための活動を行っております。また、事業のグローバル展開を支える基盤を形作るために、当社グループであるIndustrial Quimica Lasem, S.A.U.とは、エステル油剤開発、品質管理、生産技術などにおいて多面的な技術連携関係を構築しております。中国では、これまでの当社グループの日清奥利友(上海)国際貿易有限公司との連携による当社製品の技術的、品質的な特徴を顧客にアピールする活動に加え、上海テクニカルサポートセンター(通称:STS)を当事業年度に新たに開設し、中国における市場開拓を着実に進めております。 2024年度には、研究開発部門の機構改革と、横浜磯子事業場内に建設した新たな研究開発拠点である「インキュベーションスクエア」の稼働を開始し、研究開発機能を強化しお客さまと価値を共創するための基盤を整備いたします。国内外を問わず様々なお客さまとの技術や情報の交流を通して、多様な視点とアイデアにより最先端のソリューションを提供してまいります。なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は3,519百万円(前連結会計年度は3,128百万円)であり、セグメント別の研究開発費については以下のとおりです。 油脂事業加工食品・素材事業ファインケミカル事業合計2023年度(百万円)2,3325796073,519 〔油脂事業〕1.油脂・油糧2024年、日本初のサラダ油である「日清サラダ油」の発売から100周年を迎えました。ホームユース食用油では、毎日ご家庭で使う油はより良いものをお届けしたいとの思いから、長年にわたり積み重ねてきた技術を結集し、「日清ヘルシークリア」を2024年2月に発売いたしました。当社は、これまでも「酸化」を抑える技術を数々と開発してまいりましたが、これまでの技術を結集しさらに進化させた「ウルトラ酸化バリア製法」を開発いたしました。お客さまの「酸化」に対する不安を解消する「日清ヘルシークリア」は、開封後もつくりたての油のおいしさが続くという新たな価値を提供し、クッキングオイルの魅力をさらに高めることで、家庭用食用油市場を活性化してまいります。さらに、オリーブオイル市場の活性を目的に、気軽に初めての方でもオリーブオイルのおいしさを感じていただくことのできる新商品「日清キャノーラ&オリーブ」を2024年2月に発売いたしました。また、本格風味の「BOSCO シーズニングオイル」に、高級食材トリュフの芳醇な香りを手軽に楽しんでいただける「トリュフ&オリーブオイル」を追加発売し、「味つけオイル」による食用油のおいしさ、使い方の提案をさらに広げてまいります。環境にやさしい企業活動の取り組みの一環として、容器におけるプラスチック使用量削減のため、新容器(紙パックタイプおよび800gPETボトル)を開発いたしました。紙パックタイプ450gは、当社400gPET容器と比較してプラスチックの使用量を55%削減し、FSC認証紙やバイオマス素材を使用しております。また、使いやすい2WAYキャップを採用し、残っている量が分かりやすいスリットを付けております。800gPETボトルは、とってをなくすことで900gPETボトルと比較してプラスチック使用量を39%削減し、再生プラスチックも30%含有しております。さらに、くぼみを配置することで使いやすさも両立しております。業務用食用油では、お客さまの様々な課題を解決する提案や商品開発を行っております。当事業年度はカスタマーサポート機能を強化し、フライ油分析をはじめとするアフターフォローやメニュー開発支援などお客さまの課題解決に一層の充実を図りました。開発面では、最近の健康ニーズの高まりによりこめ油の利用が多くなっていることを受け、「日清キャノーラ&こめ油」を開発いたしました(2024年4月上市)。ブレンドしたこめ油特有のうま味により揚げ物がおいしくなるだけではなく、通常のこめ油ブレンド油に比べ劣化を抑える長持ち製法を付与しております。また、外食のお客さま向けに、ご飯をおいしくする「日清炊飯油 お店のごはん用」を開発しました(2024年4月上市)。さらにフードロスや環境配慮など多様化するニーズへ対応した炒め油や麺さばき油などの機能性油脂の開発を推進しております。 2.加工油脂製菓・製パン商品において、油脂は風味、食感、口どけなどおいしさの大事な機能を担っております。当社では「油脂」を究めることで、チョコレート用油脂を中心としてスペシャリティファットやマーガリン・ショートニングなどの製品を開発しております。また、これらの製品の主要原料油であるパーム油を生産する当社グループのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.および、業務用チョコレートを販売する当社グループの大東カカオ株式会社の研究開発部門とも連携することで、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域のニーズに応える研究開発を行っております。既存のお客さまへの新たな提案や新規のお客さまの開拓に取り組んだ結果、ココアバターとの相溶性の高いチョコレート用油脂や口どけのよいクリーム用油脂を上市いたしました。コンビニエンスストア向け商品には、当社独自のエステル交換油を活用することで、サクサクとした食感やジューシー感が特長のシートマーガリンが採用になりました。また、機能性を有する素材と油脂を組み合わせた製パン用油剤により、従来よりもしっとり感があるパン生地に仕上がることが可能となり、消費期限の延長やそれによる食品ロス削減が期待されております。 〔加工食品・素材事業〕1.MCTMCTの優れた健康性に着目して機能開発を進め、これまでの「体脂肪やウエストサイズを減らす」に加え、「日常活動時の脂肪の燃焼を高める」や「運動時の脂肪の燃焼を高める」などの新たな機能性表示食品を消費者庁に届出することができました。今後は食用油や加工食品へ広く展開することで、マーケットでの認知度向上や価値化を図り、当社の掲げる「すべての人の健康」の実現を推進してまいります。 2.調味料ドレッシング類では、シニア層の方から高い支持をいただいているアマニ油をお手軽にお使いいただける「日清アマニ油ドレッシング」に、新たな風味として「黒酢たまねぎ」「旨口チョレギ」を追加発売いたしました。また、ドレッシング主力商品として多くのお客さまより支持をいただいている「日清ドレッシングダイエット」に、大容量タイプへの要望にお応えして、人気の「うまくち和風」「まろやかごま風味」に大容量サイズ400mlを追加発売いたしました。 3.機能素材・食品MCTを使用した商品として、25gの小容量でエネルギーが100kcal摂取できる「ミニタスエネルギーゼリー」の新味3種(マスカット、ヨーグルト、いちご)を追加発売いたしました。さらに粉末タイプの粥ゼリーの素として、「米粥ゼリーの素」「パン粥ゼリーの素」の2品を上市いたしました。1食120g当たり200kcalのエネルギー密度となっており、同量の粥の2.5倍量のエネルギー摂取が可能となっております。加えてたん白質も5~10g配合していることから、たくさん食べられない方に、エネルギーとたん白質を無理なく食べていただける商品となっております。当社の独自技術による油脂100%の結晶性油脂「コナファット」は、食感改善、分散補助、粉末の流動性改善といった機能を軸に食品用途で幅広くご利用いただいております。食品での用途をさらに拡大するため、チョコレートの粘度調整やクッキーの品質改良などの新たな価値の提案を進めております。また、食品廃棄の削減に向けて、食品アップサイクルへの利用についても用途提案を進めております。非食品分野では環境を意識した脱石油、脱ケミカルを目指した用途開発、市場開拓を進めております。様々な用途での活用方法をご提案することで、販売数量を着実に増やしております。 4.チョコレート大東カカオ株式会社と連携を取りながら、カカオを中心に、素材にこだわり、配合・物性・製造技術を磨き、他社がまねのできない多様な技術やユーザーの要求にこたえるための高付加価値技術を構築しております。大東カカオ株式会社の強みであるロースト方法やカカオ産地を組み合わせた風味づくりを行うとともに、当社との連携を強化し、油脂技術を活用した高機能なチョコレートの開発を進めております。また、持続可能な社会への貢献の一環として、サステナブル認証カカオを使用した製品の発売に加え、認証パーム油の導入に向けた取り組みを開始。市場の要求や顧客からの要望に合わせて、認証原料への切り替えを進めるための検討を実施しております。歴史的なカカオ相場の高騰に加え、カカオ豆の安定的な確保への対応のために、従来以外の産地を評価・検証を実施して品質への影響を最小限にとどめ、顧客へ安定した製品をお届けするための検討を実施しております。さらに、カカオ豆の発酵工程の調査、改善のために大学と共同研究や、防災食用チョコレートの開発を進めております。 5.大豆食品素材加工食品原料の価格高騰を背景に、粒状大豆たん白、全脂大豆粉末、粉末状大豆たん白、脱脂大豆粉末などの大豆食品素材を利用したアプリケーションを開発いたしました。加えて、お客さまのニーズが多様化していることから、粒状大豆たん白を中心にお客さまニーズに即したPB商品の開発を手掛けました。大豆食品素材の栄養・健康機能を訴求し、代替品としての利用にとどまらず大豆食品素材だからこそできる“植物のチカラ®”を強みとしてさらなる価値創造を進めてまいります。 〔ファインケミカル事業〕化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材や植物由来成分からなる素材の開発に取り組んでおります。化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を進めております。食品領域における開発活動としては、主力であるMCT製品の品質向上を図るとともに、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。Industrial Quimica Lasem, S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係を構築してきました。同社が製造販売する、FSSC22000などの認証を背景とした高品質なMCT「QUOLIO(クオリオ)」については、国内展開を図るとともに、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を行い、グローバル供給体制確立への歩みを進めております。日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、同社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。セッツ株式会社においては、外食厨房や食品加工工場、フィットネス施設や介護施設、保育園等、生活のあらゆる場面の衛生管理に役立つ商品やソリューション提供を通じて、「清潔・キレイ」「健康」「快適」な環境づくりに貢献すべく事業活動を行っております。衛生管理事業部 研究開発部では、微生物制御技術、洗浄技術、顧客技術を融合することで、同社ならではの高付加価値商品開発に取り組んでおります。大学や外部機関との共同研究やネットワークも積極的に活用しております。最重点商品の一つであるアルコール製剤ユービコールノロVに関しては、商品力の更なる強化、ラインアップ化に向け、ウイルス対応技術の一層の深化と応用展開に向け精力的に研究活動を継続しております。一方、既存品の鮮度アップ、新製品開発にも力を入れ、特に油汚れ洗浄剤分野においては、新製品、およびリニューアル製品を上市しました。中性でべたつき油汚れに対し高い洗浄性能を有する「油汚れ用中性レンジスター」、食品工場に特有な固形油脂洗浄機能に除菌効果をプラスした「オイルクリーナー」です。発売以来、お客様からも高い評価が得られております。これら活動により、安全・安心、簡便性(時短・労働力減少への対策)といった価値の提供に努めてまいります。また、顧客起点・現場主義を重要な行動指針に掲げ研究活動を実践してきており、本年度も全国の現場を訪問し、課題解決に繋がる対策や商品提案を積極的に行っております。ユーザー様から高い信頼を獲得するとともに、得られた知見を活かし商品力の強化に繋げてまいります。学術活動では、大阪工研協会主催の石けん洗剤技術交流会(8月)において、「食品製造現場における洗浄と解析技術を用いた衛生管理」の題名で講演を、日本食品微生物学会学術総会(9月)において、「グラム陰性菌株に対し薬剤感受性が低下する要因の解析」「抗ノロウイルス効果を有する天然抽出物素材のスクリーニング」の2件の発表を行い、後者は優秀発表賞を受賞しました。11月には、食品微生物科学協会主催の食の安全安心セミナーにて「食の衛生管理に向けた秋のセッツ製品のご紹介」の発表、および、NPO法人カビ相談センター主催の生活環境とカビ管理対策セミナーにて「食品製造現場におけるカビ汚染の実態とその除去方法について」のタイトルで講演を行いました。2024年2月には、第48回分析展と講演・技術発表会において、「強力な洗浄力を持つ「ごっそりフライヤースター」の開発~油脂分析からのアプローチ~」のタイトルで発表しました。また、長年研究を行ってきたブドウ種子抽出エキスの抗ウイルス効果メカニズムの解析検討結果が「Screening of Natural Extracts with Anti-Norovirus Effects and Analysis of this Mechanism in Grape Seed Extract」のタイトルで、Journal of Microorganism Control (2023) Vol.28,No.3 に掲載されました。これら研究開発活動を通じて、引き続き当社グループは衛生管理事業の拡大に努めてまいります。 今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
FY2023|8,081 文字
6 【研究開発活動】 当社グループの研究開発部門では、長年の植物油脂研究による知見をベースに、技術開発と商品開発を両輪とした研究開発を進めてまいりました。油脂のおいしさ評価技術、栄養評価技術、油脂の製造および加工に関する技術を強みとし、これらを活用することで、技術力強化に取り組んでおります。「日清オイリオグループビジョン2030」で掲げた6つの重点領域のうち、「すべての人の健康」においては、健康寿命延伸への貢献のため、脂質・たんぱく質の栄養研究を続けております。また、今後は、体質や体調といったパーソナルな健康課題へ向けても商品開発を進めてまいります。「おいしさ、美のある豊かな生活」では、油脂が様々な食品の中で担っているおいしさについて、そのメカニズムの把握とコントロールを行う技術を確立し、油脂による「おいしさの意図的創発」を目指しております。「地球環境」では、製造における副産物の再資源化やエネルギー削減につながる技術の開発、環境負荷の小さい容器・包装の開発などを通じ、脱炭素、食品ロス削減などの社会課題の解決を進めてまいります。「食のバリューチェーンへの貢献」では、機能性油脂によるソリューションの提案、生活者の健康ニーズを捉えた素材提案やアプリケーション提案を行い、食品産業の発展に貢献いたします。 今後も、コアコンピタンスである「油脂」をさらに究めることで、お客さまのニーズや社会課題の解決に対応した、価値ある商品・サービスの提供を行ってまいります。 開発体制図 グループにおける研究開発の中核を担う中央研究所では、グループ全体の事業領域を対象とした研究開発を行っております。商品開発では、食用油と調味料、加工油脂、ウェルネス食品の開発を行っております。技術開発では、油脂の製造・加工、調味・調理評価、栄養評価に関する技術開発に取り組んでおります。これらの研究開発の推進にあたっては、大学や公的機関との共同研究や取引先との共同開発などを行い、成果の早期獲得と新たな研究開発領域の創出に努めております。また、海外での研究開発拠点として、パーム油の主要産地のひとつであるマレーシアに、Nisshin Global Research Center Sdn. Bhd.を置き、当社グループのパーム油脂、スペシャリティファットの製造および販売を行う事業会社Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.と連携のもと、高品質、高機能かつ持続可能なパーム油の研究開発にも取り組んでおります。 生産技術開発部では、油脂の製造・加工に関わる生産技術に関し、環境、品質、生産性の観点から開発に取り組むとともに、新たな付加価値製品のスケールアップと小規模生産に迅速に対応するなど、お客さまと価値を共創するためのインキュベーション機能を強化してまいります。ユーザーサポートセンターでは、マーケット調査や周辺技術研究、ユーザーニーズに対応した商品開発やアプリケーション開発を推進し、販売と一体となった総合的な技術営業の展開、ソリューション提案を行っております。ユーザーとの接点の中で、ユーザーが抱える課題の解決や新たな価値の創造に関与することで、売上拡大や事業拡大を実現してまいります。ファインケミカル事業部テクニカルセンターでは、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めるとともに、生産部門と連携して製品の品質優位性を高めるための活動を行っております。また、事業のグローバル展開を支える基盤を形作るために、当社グループのIndustrial Quimica Lasem, S.A.U.とは、エステル油剤開発、品質管理、生産技術などにおいて多面的な技術連携関係を構築しております。中国では当社グループの日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とファインケミカル事業部テクニカルサポート課が連携して当社製品の技術的、品質的な特徴を顧客にアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。横浜磯子事業場内では、2024年の稼働を目指してインキュベーションセンターを建設し、お客さまとの価値の共創を加速していきます。 なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は3,128百万円(前連結会計年度は2,702百万円)であり、セグメント別の研究開発費については以下のとおりです。 油脂事業加工食品・素材事業ファインケミカル事業合計2022年度(百万円)2,0105765423,128 〔油脂事業〕1.油脂・油糧 ① 概要油脂の健康価値が再評価をされるなか、新たなマーケットを創り、市場全体の拡大につながる商品群の開発を行っております。安全・安心・おいしさ・健康からの価値創造はもとより、環境負荷低減やフードロス削減といった課題にも向き合いながら、植物資源が有するポテンシャルを最大限に引き出す開発を進めてまいります。 ② 主な成果、新商品ホームユース領域では、お客様のニーズに応える新たな価値を提供し、家庭用食用油市場のさらなる活性化を目指しております。原料価格の上昇や環境意識の高まりを受け、いつもの1/2の油で調理ができる「日清キャノーラ油ハーフユース」シリーズを発売いたしました。ご家庭で最も多く調理されている炒め調理を、手軽に快適にできる「日清キャノーラ油ハーフユース炒め専用」を2022年10月に、また、ご家庭で一般的になってきている「揚げ焼き」調理を、揚げムラなく調理ができ、廃油を削減できる「日清キャノーラ油ハーフユース」を2023年3月に発売しました。お客様にもっとオイルのおいしさを知っていただき、手軽に調味料感覚でご使用いただけるよう、味付けオイルシリーズを拡大してまいりました。2022年8月には「日清やみつきオイル海老ラー油」と「BOSCOシーズニングオイルレッドペッパー」を、また2023年3月に「日清やみつきオイルカレーオイル」を発売いたしました。さらに第3のブランドとして、当社グループ企業の株式会社ピエトロとのコラボレーションにより、90gのテーブルユースのガーリックオイルを2023年3月に発売し、味付けオイルとしては3つのブランドで10種類の商品ラインナップに拡大いたしました。お客様のニーズに応える商品づくりとして、日本で最も売れている食用油である「日清ヘルシーオフ」に大容量タイプの1300gポリボトルを、また、機能性表示食品として、ごま由来の「セサミン、セサモリンがLDLコレステロールを下げる」ことが特長の「日清ヘルシーごま香油セサミンプラス」に小容量の130g瓶を発売いたしました。 地球環境に配慮した商品開発の一環として、再生可能な有機資源を原料としたバイオマスプラスチックを1000gポリボトル製品の容器の一部に導入いたしました。再生ペット樹脂の導入に加え、環境対応素材の活用範囲を拡大してまいります。また、食用油・調味料のプラスチック容器のリサイクルの仕組みを構築することを目指し、川崎市と協働で使用済みプラスチック容器の回収実証実験を実施し、再資源化に係る検討を進めております。業務用食用油では、ユーザー様の様々な課題を解決する商品の開発を行っております。ベーカリー向けのフライ油は、固形脂が多く、その取り扱いにくさに多くのご相談をいただいておりました。そこで、液状油で油にじみが少ない機能を有し、使い勝手が良いことが特長の「ベーカリーフライオイルL」を上市いたしました。また、中食・外食向けに、それぞれのニーズへ対応した機能性油脂(炒め油、麺さばき油など)の開発を推進しております。生活科学研究においては、コロナ禍やライフスタイルの変化、容器・保存といった技術進化なども要因となり、新たな取組みを実施する外食産業や中食市場の拡大とともに、生活者の食の選択方法や楽しみ方も変化していることを踏まえて、「’22 外食に関する調査<第3回>」および「’22 中食に関する調査<第3回>」を実施し、レポートをニュースリリースいたしました。 また、調査研究活動から得られた結果をさらに分析することで、将来の生活者の消費行動を独自に予測する取組みとして、「生活者の消費マインド予測2023」を行い、ニュースリリースいたしました。 2.加工油脂 ① 概要製菓・製パン商品のおいしさにおいて、油脂は風味や食感、口どけなど、大切な役割を担っています。当社では、エステル交換や分別技術などの油脂加工技術をベースに、マーガリン・ショートニング、チョコレート用油脂、クリーム用油脂、製菓・製パン素材などの製品を開発しております。また、これらの製品の主要原料油であるパーム油を生産する当社グループのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.および、業務用チョコレートを販売する当社グループの大東カカオ株式会社、両社の研究開発部門とも連携することで、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域のニーズに応える研究開発を行っております。 ② 主な成果、新商品コンビニエンスストアでのニーズの多様化やチルドデザートカテゴリーの増加に対応して、当社独自のエステル交換油を活用することで、サクサクとした食感やジューシー感が特長のシートマーガリンや、保形性と口溶けの良さを兼ね備えたバタークリーム専用のマーガリンを開発し、大手製パンメーカーやコンビニエンスストアのデニッシュに採用されました。また、機能性を有する素材と油脂を組み合わせた製パン用油剤を開発いたしました。これにより、従来よりもしっとり感があるパン生地に仕上がると同時に、日持ちの向上が期待できます。 〔加工食品・素材事業〕油脂を食品素材と捉え、油脂が持つ「おいしさ」や「健康」の機能を様々な加工食品を通じてお客様にお届けする、商品開発やアプリケーション開発を行っております。1.MCT日清MCTオイルの機能性表示食品へのリニューアルに続き、ドレッシング、マヨネーズ、カプセル剤等の加工食品への展開を進めてまいりました。また、エビデンス×ストーリー×プロモーションを組み合わせた機能性素材マーケティングを実践し、ユーザー様との市場共創を進めた結果、MCTを原料に含む様々な商品が店頭化されました。引き続きマーケットでの認知向上や価値化を推進してまいります。 2.調味料MCTオイルを、日々の生活の中でより手軽においしく召し上がっていただくために、「日清 MCTドレッシングソース」2品(チョレギ、フレンチ)を機能性表示食品として追加発売いたしました。「日清MCTドレッシングソース」は、第41回食品ヒット大賞(主催:日本食糧新聞社)の優秀ヒット賞を受賞しております。また、MCTのさらなる市場拡大へ向けて、「日清MCTマヨネーズソース」を新たに発売いたしました。 3.機能素材・食品MCTを使用した商品として、食が細くなった高齢者の方でもエネルギーとたん白質を飽きずに毎日摂取できる商品として、「エネプリンプロテインプラス」の4風味(コーヒー味、抹茶味、いちご味、バナナ味)を追加上市いたしました。 エネプリンプロテインプラスは、第8回 介護食品・スマイルケア食コンクール(主催:日本食糧新聞社)で、農林水産省大臣官房長賞を受賞しております。また、先に上市していた4風味と合わせ、計8風味のラインアップが日本災害食学会の「日本災害食」の認証を取得し、災害時等の備蓄品としても最適なシリーズになっております。また、高齢者が必要な栄養素を選択的に摂取できる25mlの小容量のゼリーとしてミニタス3アイテム「エネルギー」「たんぱく」「食物繊維」を上市いたしました。当社の独自技術による油脂100%の結晶性油脂では、MCTを配合した低融点タイプの「エネクイック」について、高齢者の低栄養改善に向けて介護施設や病院での用途拡大に取り組んでおります。また、化粧品などの非食品分野においても採用が続いております。今後も、特長とする体温付近での融解性の良さや融解時の冷涼感などにより、食品のみならず幅広い分野への用途開発を進めてまいります。高融点タイプの「コナファット」は、食感改善、分散補助、粉末の流動性改善といった機能を軸に食品用途で幅広くご利用いただいております。近年の地球環境問題への関心の高まりから、脱石油、脱ケミカルを目指し、非食品分野での活用方法についても用途開発、市場開拓を進めております。 4.チョコレート大東カカオ株式会社と連携を取りながら、カカオを中心に、素材にこだわり、配合・物性・製造技術を磨き、他社がまねのできない多様な技術やユーザーの要求にこたえるための高付加価値技術を構築しております。大東カカオ株式会社の強みであるロースト方法やカカオ産地を組み合わせた風味づくりを行うとともに、日清オイリオグループ株式会社との連携を強化し、油脂技術を活用した高機能なチョコレートの開発を進めております。また、持続可能な社会への貢献の一環として、サステナブル認証を受けたカカオ原料の導入を開始し、市場の要求や顧客からの要望に合わせて、認証原料への切り替えを進めるための検討を実施しております。原料価格の高騰への対応や原料の安定確保のために、従来以外の産地やメーカー、原材料の変更に対する評価・検証を実施して製品への影響を最小限にとどめるための検討も継続して実施しております。さらに、強みであるチョコレートの風味の向上を目指し、カカオ豆の発酵工程の調査、改善のために大学と共同での研究を進めております。 5.大豆食品素材畜肉、魚肉、鶏卵など原料価格の高騰を背景に、主に食肉加工食品、水産ねり製品、冷凍総菜を商品化されているユーザー様に向けて、粒状大豆たん白、全脂大豆粉末、粉末状大豆たん白、脱脂大豆粉末を使用したアプリケーションを数多く開発し、ソリューション提案を実施してまいりました。また、昨年度上市した粉末状大豆たん白「ソルピーDM-1」が、高プロテイン飲料向けの素材として広く採用されました。全脂大豆粉末では、MCTなどの機能性油脂と組み合わせて飲料、スープにおいしさを加えて栄養・健康を訴求した提案をいたしました。今後、社内外の各部門と連携をとりながら、大豆食品素材と当社の「油脂を究める」技術を組み合わせることによりさらなる価値創造を進めてまいります。 〔ファインケミカル事業〕化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材や植物由来成分からなる素材の開発に取り組んでおります。化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を進めております。食品領域における開発活動としては、主力であるMCT製品の品質向上を図るとともに、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。Industrial Quimica Lasem, S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係を構築してきました。同社が製造販売する、FSSC22000などの認証を背景とした高品質なMCT「QUOLIO(クオリオ)」については、国内展開を図るとともに、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を行い、グローバル供給体制確立への歩みを進めております。 日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、当社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。セッツ株式会社において、外食厨房や食品加工工場、介護施設や保育園等、生活のあらゆる場面の衛生管理に役立つ製品やソリューションの提供を通じて、「清潔・キレイ」「健康」「快適」な環境づくりに貢献すべく衛生管理事業を行っております。研究開発部門では、衛生管理の鍵となる微生物制御技術、洗浄技術を深化・融合させ、当社ならではの高付加価値商品および技術開発に取り組んでおります。大学や外部機関との共同研究も積極的に活用しております。最重点商品の一つであるウイルス対策アルコール製剤「ユービコールノロV」に関しては、Key基剤であるブドウ種子抽出物によるウイルス不活化技術の一層の深化を図ることで、商品力の強化と商品ラインアップの充実化に注力しております。8月には処方を改良し使用感を向上させ品質改善に繋げました。昨年発売した「ユービコールノロV66」とともに、注力商品として引き続き育成してまいります。一方、新型コロナウイルスの大流行で影響を受けている外食産業に向けて、従来の既存品に比べ安価でパフォーマンスの高い中性濃縮洗剤“ダイバークリーンコンク”を昨年リニューアルいたしました。このような考え方を、その他の既存商品についても展開すべく検討を行っております。今後、ユーザー様に受け入れ性の高い高付加価値商品を市場に提案してまいります。また、顧客起点・現場主義を大切な行動指針として掲げ研究活動を実践しており、本年度も各地の食品工場を訪問し、課題解決に向けた対策や商品提案を積極的に行っております。本活動により、ユーザー様から高い信頼を獲得するとともに、現場で得られた知見をフィードバックすることで技術力や商品力の強化に繋げることが可能となりました。今後も顧客技術開発活動を精力的に継続してまいります。学術活動では、WCOS2022(2nd World Congress on Oleo Science、Web開催)において「Extending the lifetime of frying oil by cleaning the fryer」のタイトルでフライヤー機器の効率的な洗浄による揚げ油の長寿命化、及びSDG’sへの貢献について(8月)、日本食品微生物学会学術総会において「環境からの製品汚染原因推定および環境分離菌株の特性」について発表を行いました(9月)。11月には、食品微生物科学協会「食の安全安心セミナー」にて、「食品加工工場における微生物汚染の原因とその対策事例」について講演を行いました。また、微生物学の国際学術誌 Journal of Applied Microbiology に「Salmonella contamination and hazard analysis in a storage facility for feed materials in Japan」が受理され(2022年133巻P2966–2978)、飼料分野における当社のHACCP手法が学術的に認められました。さらに、顧客訪問で取得した知見を元にHACCP管理を提案した「ケーススタディ:ゆで麺製造工場におけるPDCAサイクルによる微生物の分布と汚染源の特定」(第62巻 第3号)が第62巻論文賞を受賞し、11月の日本食品衛生学会において受賞式が行われました。3月には自社で得られている知見を元に「食品工場における微生物分布と汚染源解析」の内容で他企業様向けにWeb講習会を行い、業界の発展に向けても貢献できたものと考えております。これら研究開発活動を通じて、引き続き当社衛生管理事業の拡大に努めてまいります。 今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
FY2022|6,839 文字
5 【研究開発活動】当社グループは長年の植物油脂に関わる研究開発を通じ、お客様の豊かな食生活を支える付加価値を創出してまいりました。現在は、「日清オイリオグループビジョン2030」のもと、「脂質栄養による健康寿命の延伸」、「「おいしさ」と「美」をもたらす油脂によるQOL向上」、「植物資源による循環型社会への貢献・環境負荷の低減」など、社会課題の解決も視野に、研究開発を推進しております。お客様のニーズや市場トレンドにタイムリーに応える「商品開発」と、中長期的な視点で継続的に取り組む「技術開発」を両輪に、研究開発を進めております。また、グループ会社の研究開発部門とも連携を図ることで、油脂単体から油脂加工食品のアプリケーション開発までの多岐にわたる領域で、お客様のニーズに応える研究開発を行っております。2021年4月には、グループ全体の技術開発戦略の推進、具体的な技術開発機能の強化を目的に、新たに技術本部を設置し、その傘下に中央研究所、生産技術開発部、知的財産部を位置づける機構改革を実施しました(下図参照)。この改革により、グループ内における研究開発の連携および、お客様との共創をさらに推し進め、市場を変革するさらなる価値の創造に挑戦してまいります。 開発体制図 中央研究所は、グループ研究開発の中核としての役割を担い、グループ全体の事業領域を対象とした研究開発を行っております。商品開発では食用油と調味料、加工油脂、ウェルネス食品の開発を行っております。また、技術開発では油脂の製造・加工、分析、調味評価、調理評価、栄養評価に関わる技術開発に取り組んでおります。これらの研究活動の推進にあたっては、大学や公的機関との共同研究および人材派遣、取引先との共同開発などを行い、成果の早期獲得と新たな研究開発領域の創出に努めています。また、2021年度からは、容器・包装を研究開発の対象と位置づけ、「環境」と「使いやすさ」両面から、新たな容器・包装資材の開発を開始いたしました。また、海外での研究開発拠点として、パーム油の主要産地であるマレーシアに、Nisshin Global Research Center Sdn. Bhd.を置き、当社グループのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.と連携のもと、より高品質、高機能かつ持続可能なパーム油の研究開発にも取り組んでおります。生産技術開発部では、油脂の製造・加工に関わる生産技術に関し、環境、品質、生産性の観点から開発に取り組むとともに、新たな付加価値製品の製造プロセス開発などを通じ、市場へのスムーズな価値提供を実現してまいります。ユーザーサポートセンターでは、マーケット調査や周辺技術研究、ユーザーニーズに対応した商品開発やアプリケーション開発を推進し、販売と一体となった総合的な技術営業の展開、ソリューション提案を行っております。ユーザーとの接点の中で、ユーザーが抱える課題の解決や新たな価値の創造に関与することで、売上拡大や事業拡大を実現してまいります。ファインケミカル事業部テクニカルセンターでは、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めるとともに、生産部門と連携して製品の品質優位性を高めるための活動を行っております。また、事業のグローバル展開を支える基盤を形作るために、当社グループのIndustrial Quimica Lasem, S.A.U.とは、エステル油剤開発、品質管理、生産技術などにおいて多面的な技術連携関係を構築しております。中国では当社グループの日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とファインケミカル事業部テクニカルサポート課が連携して当社製品の技術的、品質的な特徴を顧客にアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は2,702百万円(前連結会計年度は2,495百万円)であり、セグメント別の研究開発費については以下のとおりです。 油脂事業加工食品・素材事業ファンケミカル事業合計2021年度(百万円)1,7045464522,702 〔油脂事業〕1.油脂・油糧 ①概要油脂の健康価値が再評価をされるなか、新たなマーケットを創り、市場全体の拡大につながる商品群の開発を行っております。安全・安心・おいしさ・健康からの価値創造はもとより、環境負荷低減やフードロス削減といった課題にも向き合いながら、植物資源が有するポテンシャルを最大限に引き出す開発を進めてまいります。②主な成果、新商品ホームユース領域では、食用油の新たな使い方としてのかけるオイル市場の拡大と、これに続く市場の創造に向けた新商品開発に取り組んでおります。食用油の新たな美味しさを楽しんでいただくために、調味料感覚で使用できる「味つけオイル」という新カテゴリーを創出し、その品揃えを拡充いたしました。こうしたなかで、BOSCOエキストラバージンオリーブオイルとオイルに溶け込む素材の香りが織りなす風味が特長の「BOSCO Seasoning Oil」3品、「日清やみつきオイル」の追加アイテム「アジアンパクチー」を発売いたしました。また、機能性表示食品として、ごま由来の「セサミン、セサモリンがLDLコレステロールを下げる」ということが特長の「日清ヘルシーごま香油セサミンプラス」を発売いたしました。さらに、持続可能な社会を実現・発展させていく目的のもと、地球環境に配慮した商品開発の一環として、600gペットボトル製品および400gペットボトル製品においても、ボトル、ラベル、キャップフィルムの一部に再生ペット樹脂を導入いたしました。業務用食用油では、酸価の上昇や着色を抑制することで長く使用でき、揚げもののサクミを維持することが特長の「日清スーパーデリカエースキャノーラ&パーム」のリニューアルを行いました。現行のCL製法に新たにUL製法を組み合わせることで、酸価の上昇をさらに抑制させました。(CL製法:特許第5274592号、UL製法:特許出願中)また、外食店へのソリューション提案として、機能性油脂や風味油でプロの料理人をサポートする、プロサポートシリーズ「日清素材のオイル」の新たな風味アイテム「和風だし風味」を上市いたしました。かつお節やさば節の香り、コクなどの風味成分を特定し、それらを増強させ、だし風味豊かなオイルを商品化いたしました。生活科学研究では、食生活を中心とした社会環境や生活者の価値観の変化について、25年以上にわたり調査研究を続け、情報発信をしてまいりました。研究結果は、食品メーカーや流通、行政などの皆様にも幅広くご利用いただいております。本年度は、世界的に進む地球温暖化への取り組みや、コロナ禍で生活者の食をとりまく環境が変化している状況を踏まえて、「環境に関する意識・実態調査<第1回>」および「キッチンにおける『油』の存在調査<第15回>」をそれぞれ実施し、調査結果をニュースリリースとして発信いたしました。また、活動で得られた調査結果から、将来の生活者の消費動向を予測する取り組みとして、「2022年 生活者の消費マインド予測」を行い、レポートを発信いたしました。2.加工油脂 ①概要風味や食感、口どけなど、製菓・製パン商品のおいしさにおいて油脂は大切な役割を担っています。エステル交換や分別技術などの油脂加工技術をベースに、マーガリン・ショートニング、チョコレート用油脂、クリーム用油脂、製菓・製パン素材などの製品を開発しています。また、これら製品の主原料油であるパーム油を生産する当社グループのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.および、業務用チョコレートを販売する当社グループの大東カカオ株式会社、両社の研究開発部門とも連携することで、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域のニーズに応える研究開発を行っております。②主な成果、新商品パイやデニッシュのサクサクとした食感の維持やボリュームアップ機能を有するシートマーガリンが、大手製パンメーカーやコンビニエンスストアのチルド菓子向けとして採用されました。チルド環境下でも、それらの機能が長く維持されることが評価されました。また、保形性の良さと口溶けの良さを兼ね備えた、乳風味豊かなバタークリーム用マーガリンを開発し、同じく採用されました。クリームの形状を保つことを目的に、適度な硬さを有しつつ、口の中で素早く溶ける配合設計を行い、チルド菓子に適した物性を持つクリーム用油脂を実現いたしました。また、クッキーのソフト感を保ちつつ、生地中の油脂移行を抑制した包餡クッキー用ショートニングを開発し、大手製菓メーカーに採用されました。 〔加工食品・素材事業〕油脂を素材と捉え、油脂が持つ「おいしさ」や「健康」の機能を様々な加工食品を通じてお客様にお届けする、商品開発やアプリケーション開発を行っております。1.MCT当社が長年にわたり研究開発を行ってきたMCTは、2021年5月機能性表示食品「日清MCTオイル」としてリニューアルいたしました。また、MCTの健康機能の研究により、脂肪燃焼に関する新たな知見が国際学術誌「Nutrients」に2報掲載されました。オイルやドレッシングなどの自社商品に加え、エビデンス×ストーリー×プロモーションによる機能性素材マーケティングにより、ユーザーとの市場共創を進めてまいります。2.調味料MCTオイルを、日々の生活の中でより手軽においしく召し上がっていただくために、「日清 MCTドレッシングソース」2品(和風オニオン、ごま&ナッツ)を機能性表示食品として発売いたしました。また、シニア層の方から高い支持を得ているアマニ油の市場拡大へ向けて、「日清アマニ油ドレッシング」に、新たな風味のラインアップとして「旨塩たまねぎ」を追加いたしました。3.機能素材・食品中高年期のメタボリックシンドロームと並び、高齢期の健康課題として近年注目が集まるフレイルに対し、食が細くなった方でもエネルギーとたん白質を飽きずに毎日補える商品として、「エネプリンプロテインプラス」シリーズを前年度に上市いたしました。今年度は新たにあずき味、ポテトサラダ味の2品を加え、計4品のラインアップといたしました。同品は1個当たり160kcalの高エネルギーとたん白質3.5gを含みながら嚥下に適した物性に設計いたしました。さらに賞味期限を1.5年に延長し、「ローリングストック(災害時等の備蓄品)」にも最適な商品になっております。エネプリンプロテインプラスシリーズは日本食糧新聞社第35回(令和3年度) 新技術・食品開発賞を受賞いたしました。さらに、飲料や食べ物の飲み込みがむずかしくなった高齢の方に向けて、とろみ付けが簡単にできる「トロミアップパーフェクト」および「トロミアップやさしいとろみ」が、消費者庁の「とろみ調整用食品」に許可され、特別用途食品としてリニューアル発売いたしました。当社の独自技術により、100%油脂でできている結晶性油脂を開発いたしました。このうち、MCTを配合した低融点タイプの「エネクイック」は、くちどけが良く、ひんやりした食感が得られるという機能により、液状食品のペースト化や菓子への冷涼感の付与など様々な用途への応用提案を進めております。さらに、少量でもエネルギーアップができるというメリットにより、高齢者の低栄養改善に向け、介護施設や病院での用途拡大にも取り組んでおります。高融点タイプの「コナファット」も、食感の改善、粘度の調整、分散性の向上といった機能を活かし、食品のみならず、幅広い分野での用途開発、市場開拓を進めております。4.チョコレート大東カカオ株式会社と連携を取りながら、カカオを中心に、素材にこだわり、配合・物性・製造技術を磨き、他社がまねのできない多様な技術やユーザーの要求にこたえるための高付加価値技術を構築しております。大手コンビニエンスストアに対する取り組みを継続し、ガトーショコラのヒットに続く新たなアイテム採用に向けた提案や、しっとりとしたチョコケーキの秋口採用を目指した提案、産地別の特徴を生かしたチョコレートを提案しております。また、既存の原料以外の様々な原料を検討し、油脂業界の低トランス思考への対応や製品集約のための置き換え検討、特許回避の為の配合検討を実施、海外関連会社が新たに製造した原料の製品への落とし込みや新たな活用手法の検討を実施しております。さらに、カカオの発酵に関する研究や、機能性チョコレートの安定製造や展開を目指し、そのメカニズム検討を継続して実施しております。5.大豆食品素材粒状大豆たん白、全脂大豆粉末、粉末状大豆たん白、脱脂大豆粉末があり、社内外の各部門と連携をとりながら、大豆の素材的価値、栄養価値を活かした様々な食品用途へのアプリケーション開発を進めております。これらの製品は、畜肉、水産練り物の食感改良材や高たん白な食品素材として、さらにプラントベースドフードなどの新たな食ニーズの原料としてお客様にご利用いただいております。市場が伸長している高たん白食品への利用価値を高めるため、高たん白で大豆特有の臭いを抑えた粒状大豆たん白「ニューコミテックスP-501」を商品化いたしました。さらに、高たん白プロテイン飲料向けに、たん白質の含量が80%以上の粉末状大豆たん白「ソルピーDM-1」を開発し、商品化いたしました。 〔ファインケミカル事業〕化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材や植物由来成分からなる素材の開発に取り組んでおります。化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を進めております。食品領域における開発活動としては、主力であるMCT製品の品質向上を図るとともに、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。Industrial Quimica Lasem, S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係を構築してきました。同社が製造販売する、FSSC22000などの認証を背景とした高品質なMCT「QUOLIO(クオリオ)」については、国内展開を図るとともに、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を行い、グローバル供給体制確立への歩みを進めております。日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、当社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。セッツ株式会社において、外食厨房や食品加工工場、さらには介護施設などの衛生管理に役立つ製品やソリューションの提供を通じて、お客様の「食の環境をキレイにする」に貢献するべく、衛生管理事業を推進しております。研究開発部門においては衛生管理の鍵となる微生物制御技術、洗浄技術の深化・融合、商品化に向けた製剤化技術の確立、ユーザーを起点とした疫学的アプローチを通して高付加価値商品及び技術開発に取り組んでおります。大学との共同研究も積極的に活用しております。重要商品の一つであるウイルス対策アルコール製剤に関しては、商品力の強化と商品ラインアップの充実化に注力しております。また、Key基剤であるブドウ種子抽出物によるウイルス不活化技術の一層の深化と応用展開に向け精力的に取組み、着色抑制に加え、ウイルス不活化効果などの基本性能を大幅に向上させ、大学との共同研究により新型コロナウイルスに対する不活化効果も確認できております。コロナ時代の新しい生活様式、顧客意識変化に対応した商品として、新カテゴリー商品コロウィンを2021年10月に発売いたしました。低濃度エタノールに特定の界面活性剤を複合化することで、洗浄力が高く、アクリル板をはじめとする各種プラスチック材質へも安心して使用でき、拭き取り跡を残さない特長を有する新洗浄剤で、新型コロナウイルス不活化効果も検証でき、幅広い展開が期待できる商品になっております。 今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
FY2021|5,351 文字
5 【研究開発活動】当社グループは“植物のチカラ”を通じ、お客様のニーズにお応えする商品開発、技術開発を進めてまいりました。今後も油脂に関する技術力をさらに究めていくと同時に、お客様の抱える課題の解決と、「健康」「おいしさ・美」「環境」を軸とした新たな価値の創造を進めてまいります。中央研究所では、当社が創造する価値を商品としてタイムリーに提供することを目指し、ホームユース用の食用油とドレッシング類、業務用の食用油、製菓・製パン用の加工油脂等の開発を行っています。また、グループ研究開発の中核拠点としての役割を果たすべく、グループ全体の事業領域を対象に、油脂の製造、加工、分析、調味評価、調理評価、栄養評価に関わる技術開発にも取り組んでいます。ユーザーサポートセンターは、マーケット調査や周辺技術研究、ユーザーニーズに対応した商品開発やアプリケーション開発を推進し、販売と一体となった総合的な技術営業の展開、ソリューション提案を行っております。ユーザーとの接点の中で、ユーザーが抱える課題の解決や新たな価値の創造に関与することで、売上拡大や事業拡大を実現してまいります。生産技術開発部では、基盤生産技術の強化に取り組むとともに、生産と研究開発の融合によりスムーズな事業化や生産性の向上を実現してまいります。また、パーム油の主要産地であるマレーシアには、Nisshin Global Research Center Sdn. Bhd.を置き、当社グループのパーム油事業会社であるIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.と連携のもと、より高品質で持続可能なパーム油の研究開発にも取り組んでおります。ファインケミカル事業部テクニカルセンターでは、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めるとともに、生産部門と連携して製品の品質優位性を高めるための活動を行っております。また、事業のグローバル展開を支える基盤を形作るために、スペインの子会社Industrial Quimica Lasem, S.A.U.とは、エステル油剤開発、品質管理、生産技術などにおいて多面的な技術連携関係を構築しております。中国ではファインケミカル製品販売会社・日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とファインケミカル事業部テクニカルサポート課が連携して当社製品の技術的、品質的な特徴を顧客にアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は2,495百万円であります。 〔油脂・油糧および加工食品事業〕当社独自の油脂製造技術や食品加工技術、官能評価技術により、安全・安心・おいしさを追及した付加価値商品の開発を行っております。また、MCT(中鎖脂肪酸油)に関する長年の研究を通じたノウハウや開発力により、さまざまなライフステージに向けた商品を展開することで、健康的な食生活に貢献しています。ホームユース領域では、食用油の新たな使い方としてのかけるオイル市場の拡大と、これに続く市場の創造に向けた新商品開発に取り組んでおります。注目のオメガ3(α-リノレン酸)を豊富に含む「日清有機えごま油(50g瓶、145g・320gフレッシュキープボトル)」を発売し、かけるオイルのラインアップを充実いたしました。お客様の原料や製法へのこだわりにお応えし、有機栽培された良質なえごまのみを使用しています。併せて、普段の食生活で手軽にえごま油を摂りたいというニーズに向けて、マヨネーズタイプ調味料「日清えごま油日和210g」と、「日清えごま油ドレッシング190ml(和風、胡麻)」を発売いたしました。また、油の健康性への期待の高まりを受け、コレステロールが気になる方へ特定保健用食品の「日清こめ油プラス600gPET」、血圧が高めの方へ機能性表示食品の「日清アマニ油プラス600gPET」を発売いたしました。油の新たなおいしさを楽しんでいただく商品として、油を“料理の味つけ調味料”としてお使いいただける「日清やみつきオイル」にガーリックバター風味を追加発売しました。さらに、持続可能な社会を実現・発展させていく目的のもと、地球環境に配慮した商品開発の一環として、600gペットボトル製品において、ラベルとキャップフィルムの一部に再生ペット樹脂を導入いたしました。業務用食用油では、「吸油が少ない長持ち油」が売上拡大に貢献しました。経済面と調理品の健康面が量販店の総菜コーナーをはじめとしたユーザーから評価されております。さらに経済面を強化した「スーパー長持ち油」を上市いたしました。また、中食市場で調理品のおいしさ維持で好評をいただいている機能性油脂を、外食向けに小容量化した「炊飯油」「オリーブパスタさばき油」を上市いたしました。最近の中食市場における健康オイルへの関心の高まりに対応し、中食企業向けにサラダメニューの提案を充実させ、「ボスコ エキストラバージンオリーブオイル」「アマニ油」「日清MCTオイル」などの高付加価値商品が多く採用されました。 ウェルネス食品領域では、食が細くなった方でもエネルギーとたんぱく質を飽きずに補える「エネプリンプロテインプラス40g(チョコレート味、豆腐味)」を発売いたしました。同品は4kcal/gの食べきりサイズの商品で、嚥下物性においてもエネプリンシリーズの特徴をそのままに、ユニバーサルデザインフードの「舌でつぶせる」商品として区分けされています。また、「日清MCTオイルお粥にプラス」は、お粥に混ぜるだけで簡単にエネルギーが補給できます。お粥との馴染みがよく、べたつきが低減され食べやすくなることから、おいしく食べ続けられるとご好評をいただいており、お得な大容量サイズ(900gポリ)を追加発売いたしました。当社独自の技術で開発した新たな粉末状の油脂である『結晶性油脂』の用途開発を進めております。結晶性油脂は油脂100%の粉末であり、従来の粉末油脂には無い特徴を有しております。このうちMCTを含む低融点の商品として「エネクイック」を上市いたしました。液状食品のペースト化や冷涼感の付与など様々な機能を生かして、食品メーカー向けにおいしく食べやすく加工する応用開発を進めております。また、高齢者の低栄養改善に向け、介護施設や病院での用途拡大にも取り組んでおります。脂質の栄養研究では、MCTの研究を進め、運動習慣のない中高年齢層においてMCT摂取により運動中の脂肪燃焼が高まることを確認し、国際学術誌Nutrientsに掲載されました。また、メタボローム解析手法にてMCTの代謝動態を確認し、国際学術誌Journal of Agricultural and Food Chemistryに掲載されました。 生活科学研究では、食生活を中心とした社会環境や生活者の価値観の変化、それらに起因する生活習慣の動向などについて25年以上にわたり調査研究し、社会に情報を発信し続けてまいりました。本年度は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行したことを受け、より一層、日常生活での健康志向が高まると考えられました。これをふまえて、「健康と食に関する意識調査<第3回>」を実施し、性年代別の意識の違いや、過去との比較、変化などを分析しました。研究結果は、当社の新商品開発に活用されるほか、食品メーカーや流通、行政などの皆様にも幅広くご利用いただいております。油脂・油糧および加工食品事業に係わる研究開発費は1,572百万円であります。 〔加工油脂事業〕エステル交換や分別といった油脂の構造に関わる独自の加工技術や精緻な油脂分析技術をベースに、マーガリン・ショートニング類、クリーム用油脂、チョコレート用油脂および製菓・製パン素材等において、風味や機能に特徴ある高付加価値の商品を開発しております。昨今、消費者の価値観が多様化し、消費の形態も大きく変わってきております。こうしたなかで、グループ企業を含む社内外の関連部門と深く連携することで、顧客のニーズに速やかに対応する体制を整えております。パイやデニッシュのサクサクとした食感の向上やボリュームアップへのニーズへお応えする機能性シートマーガリン、産地にこだわったバターを使用したマーガリンなどが、大手製パンメーカーやコンビニエンスストア向けの商品として採用されました。その他、ユーザーの製造ライン適性に対応し、固化速度を速めたチョコレート用油脂や、昨今問題となっているフードロスの削減に向けて、最終商品の賞味期限延長を実現する乳化安定性を向上させたクリーム用油脂など、技術に裏付けされた課題解決型の商品が幅広く採用され、販売拡大に貢献いたしました。また、粉末状の油脂である『結晶性油脂』の高融点タイプ「コナファット」に関しても、食感の改善、粘度の調整、分散性の向上といった機能を生かし、食品のみならず、幅広い分野での用途開発、市場開拓を進めております。さらに、大東カカオ株式会社、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.およびNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と技術連携をとりながらグローバルな製品展開に向け、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域でのユーザーニーズに応える研究開発を行っております。加工油脂事業に係わる研究開発費は559百万円であります。 〔ファインケミカル事業〕化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材や植物由来成分からなる素材の開発に取り組んでおります。化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を進めております。食品領域における開発活動としては、主力であるMCT製品の品質向上を図るとともに、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。Industrial Quimica Lasem, S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係を構築してきました。同社が製造販売する、FSSC22000などの認証を背景とした高品質なMCT「QUOLIO(クオリオ)」については、国内展開を図るとともに、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を行い、グローバル供給体制確立への歩みを進めております。日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、当社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、当社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。連結子会社であるセッツ株式会社において、外食厨房や食品加工工場、さらには介護施設などの衛生管理に役立つ製品やソリューションの提供を通じて、お客様の「食の環境をキレイにする」に貢献するべく、衛生管理事業を推進しております。研究開発部門においては衛生管理の鍵となる微生物制御技術、洗浄技術の深化・融合、商品化に向けた製剤化技術の確立、ユーザーを起点とした疫学的アプローチを通して高付加価値商品及び技術開発に取り組んでおります。大学との共同研究も積極的に活用しております。重要商品の一つであるウイルス対策アルコール製剤に関しては、商品力の強化と商品ラインアップの充実化に注力しております。また、Key基剤であるブドウ種子抽出物によるウイルス不活化技術の一層の深化と応用展開に向け精力的に取組み、着色抑制に加え、ウイルス不活化効果などの基本性能を大幅に向上させ、大学との共同研究により新型コロナウイルスに対する不活化効果も確認できております。コロナ時代の新しい生活様式、顧客意識変化に対応した商品として、新カテゴリー商品コロウィンを10月に発売いたしました。低濃度エタノールに特定の界面活性剤を複合化することで、洗浄力が高く、アクリル板をはじめとする各種プラスチック材質へも安心して使用でき、拭き取り跡を残さない特長を有する新洗浄剤で、新型コロナウイルス不活化効果も検証でき、幅広い展開が期待できる商品になっております。ファインケミカル事業に係わる研究開発費は363百万円であります。 今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
FY2020|4,163 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、「安全・安心」「おいしさ」「健康価値」「物性価値」「食品加工価値」を重視した研究・開発を進めております。これまでに磨き上げた技術力とお客様のニーズをマッチさせ、より付加価値の高い商品の開発を目指しております。これを実現するために、中央研究所、ユーザーサポートセンター、ファインケミカル事業部テクニカルセンター、生産技術開発部を中心に、グループ企業とも互いに連携をとりながら研究・開発を進めております。また、マレーシアに所在するNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.との協同により、グローバルな研究開発体制を強化しております。中央研究所では、グループ全体の事業領域に関わる創造の起点としての役割を果たすべく技術開発の体制を強化し、グローバルな展開を見据え研究開発を推進しております。ユーザーサポートセンターは、技術面からの提案営業のサポートおよびアプリケーション開発を推進し、販売と一体となった総合的な技術営業の展開、事業の拡大を実現いたします。また、Nisshin Global Research Center Sdn. Bhd.は、パーム油事業に関わる研究・開発のアジアにおける中心拠点としての業務を遂行しております。ファインケミカル事業部テクニカルセンターでは、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めるとともに、生産部門と連携して製品の品質優位性を高めるための活動を行っております。また、事業のグローバル展開を支える基盤を形作るために、スペインの子会社Industrial Quimica Lasem, S.A.U.とは、エステル油剤開発、品質管理、生産技術などにおいて多面的な技術連携関係を構築するとともに、中国のファインケミカル製品販売会社・日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、両社が連携して当社製品の技術的、品質的な特徴を顧客にアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。生産技術開発部では、生産に係わる技術本部となるべく基盤生産技術の強化に取り組むとともに、生産と研究開発の融合によりスムーズな事業化や生産性の向上を実現してまいります。なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は2,343百万円であります。 〔油脂・油糧および加工食品事業〕ホームユース領域では、食用油の新たな使い方としての、かけるオイル市場の拡大とこれに続く市場の創造に向けた新商品開発と提案に取り組んでおります。人気のアマニ油を炒めもの、揚げものなど毎日の調理でお使いいただける「日清キャノーラ&アマニ油 900g」、もっと手軽にお試しいただける小容量タイプとして「日清アマニ油 50g」を発売いたしました。また、油ならではのおいしさを求めるお客様のニーズにお応えして、油を”料理の味つけ調味料”としてお使いいただける「日清コクと旨みのやみつきオイル 145g」を発売いたしました。 ドレッシング類では、日清ドレッシングダイエットのラインアップを拡充し、プレミアムタイプの「日清ドレッシング ダイエット Premium」を2つの風味で発売いたしました。卵を使っていないコレステロールゼロのマヨネーズタイプ調味料「日清マヨドレ」は発売40周年を迎え、ご家族の皆さんでおいしくお使いいただけるようにリニューアルいたしました。さらに、食生活を中心とした社会環境や生活者の価値観の変化、それらに起因する生活習慣の動向など社会全般について継続的に調査研究し、情報発信をしております。蓄積されたデータに基づき、次なる研究・開発テーマの探求を続けております。業務用食用油では、好評頂いている「吸油が少ないフライオイル」に、更に調理時の油脂劣化を低減する機能をプラスした「吸油が少ない長持ち油」や、日持ち・品質向上などのお客様のニーズに対応した機能性油脂などが売上拡大に貢献しました。ウェルネス食品領域では、高齢者・介護対応食品として、不足したエネルギーを無理なく補給できる「日清MCTオイル お粥にプラス」を発売いたしました。アスリートだけではなく日常的にスポーツを楽しむすべての方に向けた「MCT CHARGE オイル 6g×14本」、運動による美しく引き締まったカラダづくりをサポートする良質なエネルギーが補給できる「日清MCTオイルHC 6g×10本」を発売いたしました。「MCT CHARGE オイル」シリーズは、イギリスのLGC社(Laboratory of the Government Chemist)が運営する世界最大のアンチ・ドーピング認証プログラム「インフォームドチョイス」を取得しました。 また、当社独自の技術で開発した新たな粉末状の油脂である『結晶性油脂』の用途開発を進めております。結晶性油脂は油脂100%の粉末であり、従来の粉末油脂には無い特徴を有しております。このうちMCTを含む低融点タイプの『結晶性油脂』は、冷涼感付与や液状食品のペースト化などの様々な機能を生かして、油脂や食品をおいしく食べやすく加工する用途開発を進めております。高齢者の低栄養改善に向け、介護関係の学会で紹介するなどの活動を通じて、新たな高エネルギー食品の開発にも取り組んでおります。油脂・油糧および加工食品事業に係わる研究開発費は1,545百万円であります。 〔加工油脂事業〕粉末酵素エステル交換技術や分別技術といった油脂の構造に関わる独自の加工技術や精緻な油脂分析技術をベースに、マーガリン・ショートニング類、クリーム用油脂、チョコレート用油脂および製菓製パン素材等において、風味や機能に特徴ある高付加価値の製品群の開発を実現しています。大手製パンメーカーやコンビニエンスストアーの商品ニーズに対応したマーガリン類をはじめ、しっとり感、起泡性などの特徴をもつ油脂素材を開発し、付加価値提案をもって販売拡大に貢献しました。また、粉末状の油脂である『結晶性油脂』の高融点タイプに関しても、水分移行抑制や油脂の増粘などの機能を生かした幅広い分野での用途開発、市場開拓を進めております。さらに、大東カカオ株式会社、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.およびNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と技術連携をとりながらグローバルな製品展開に向け、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域でのユーザーニーズに応える研究開発を行っております。加工油脂事業に係わる研究開発費は436百万円であります。 〔ファインケミカル事業〕化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材や植物由来成分からなる素材の開発に取り組んでおります。化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を進めております。食品領域における開発活動としては、主力であるMCT製品の品質向上を図るとともに、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。Industrial Quimica Lasem, S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係を構築してきました。同社が製造販売する、FSSC22000などの認証を背景とした高品質なMCT「QUOLIO(クオリオ)」については、国内展開を図るとともに、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を行い、グローバル供給体制確立への歩みを進めております。日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、当社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。連結子会社である攝津製油株式会社において、外食厨房や食品加工工場、さらには介護施設などの衛生管理に役立つ製品やソリューションの提供を通じて、お客様の「食の環境をキレイにする」に貢献するべく、衛生管理事業を推進しております。研究開発部門においては本事業の拡大に向け、コア技術である微生物制御技術と洗浄技術を深め融合することで、ユニークな高付加価値製品および技術の開発に取り組んでおります。重点商品の一つであるウイルス対策アルコール製剤につきましては、高付加価値化と商品ラインアップの拡充に引続き努めております。また、そのKey技術であるブドウ種子抽出物によるウイルス不活性化技術の一層の深化に大学等と共同で精力的に取組んでおります。また、次世代の微生物制御技術として取組んでおります細菌芽胞対策技術について、学会や講演等を通じて、技術の有用性を情報発信いたしました。 食品加工工場や外食厨房向け洗浄剤につきましては、フライヤー洗浄剤や茹で麺器洗浄剤、クリーニング用洗浄剤等を中心に、お客様のニーズにお応えする高付加価値製品の開発を進めております。これまで培ってきたフライヤーやレンジ等の高度油脂汚れに対する洗浄技術をさらに深めることで、食品加工工場での使用実態に対応した低温から高温までの洗浄条件で優れた性能を発揮する連続フライヤー用洗浄剤を開発し、2019年7月に発売いたしました。また、厨房用フライヤー洗浄剤として、洗浄性能をさらに高めた改良フライヤーを2019年8月に発売いたしました。さらに、既存製品であるオイルクリーナーを用いた固体脂汚れに対応した新洗浄方法の提案や、厨房用除菌洗浄剤の介護施設浴槽・浴室内用除菌洗浄剤への応用展開を行っております。ファインケミカル事業に係わる研究開発費は361百万円であります。 今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
FY2019|4,157 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、中央研究所、ユーザーサポートセンター、ファインケミカル事業部テクニカルセンター、生産技術開発部を中心に、互いに連携をとりながら進めております。また、マレーシアに所在するNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と連携し、グローバルな研究開発体制を強化しております。中央研究所では、グループ全体の事業領域に関わる創造の拠点としての役割を果たすべく技術開発の体制を強化し、グローバルな展開を見据え研究開発を推進しております。ユーザーサポートセンターは、技術面からの提案営業のサポートおよびアプリケーション開発を推進し、販売と一体となった総合的な技術営業の展開、事業の拡大を実現します。また、Nisshin Global Research Center Sdn. Bhd.は、パーム事業に関わるR&Dのアジアにおける中心拠点としての業務を遂行しております。ファインケミカル事業部テクニカルセンターでは、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めるとともに、生産部門と連携して製品の品質優位性を高めるための活動を行っております。また、事業のグローバル展開を支える基盤を形作るために、スペインの子会社Industrial Quimica Lasem, S.A.U.とは、エステル油剤開発、品質管理、生産技術などにおいて多面的な技術連携関係を構築するとともに、中国のファインケミカル製品販売会社・日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、両社が連携して当社製品の技術的、品質的な特徴を顧客にアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。生産技術開発部は、次世代を見据えた新規生産技術開発とそれに向けた技術面での基盤強化に取り組んでおります。なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は2,299百万円であります。 〔油脂・油糧および加工食品事業〕ホームユース領域では、新しい市場の創造、拡大に向けた新商品開発と食用油の新たな使い方の提案に取り組んでいます。かけるオイルの市場拡大の取り組みの一環として、オイルの風味を調味料として楽しんでいただくという新たな切り口からの提案商品である「日清味つけごま香油 ごま油×醤油 150g PET」、「同 ごま油×塩にんにく」を2018年8月に発売いたしました。「ナムル」や「和え物」と言ったごま油の風味を調味料として楽しむメニューを、もっと手軽においしく召し上がっていただける、かけるオイルに新たな価値を加えた新しい商品です。また、鮮度のオイルシリーズのラインアップ拡充として、BOSCOシリーズのアッパータイプである「BOSCOプレミアム エキストラバージンオリーブオイル 145gフレッシュキープボトル」を2019年2月に発売いたしました。さらに、健康維持などを目的に毎日続けて使うオイルとして定着しつつあるアマニ油の使い勝手をさらに高めるために、大容量タイプの「日清アマニ油 320gフレッシュキープボトル」を2019年2月に発売いたしました。ドレッシング類では、日清ドレッシングダイエットのラインアップを拡充し、「日清ドレッシングダイエット ごま油香るチョレギ 185ml」、「同 スパイス薫るイタリアン」を2019年2月に発売いたしました。業務用食用油では、「吸油が少ないフライオイルシリーズ」やデリカ市場向け機能性油脂など、付加価値商品の開発・提案に注力し、売上拡大に貢献しました。また、ドーナツや調理パンに適した「日清ベーカリーフライオイル」の積極的な提案により、多くのユーザーを獲得しました。大豆食品素材では、肉類や魚介類の高騰への対応と健康価値の両面のニーズから低風味粒状大豆たん白の提案に注力し、おにぎりや中華まんじゅうの具材、低糖質菓子など幅広い商品に採用されました。ウェルネス食品領域では、注力素材であるMCT関連商品のラインアップを拡充し、美容や運動に関心の高い方に向けては、1回使いきりのスティックタイプで持ち運びにも便利な「MCT CHARGE パウダー 8g×10本」、糖類ゼロのスティックタイプゼリー「MCT CHARGE ゼリー PRO 15g×14本」を2018年8月に発売いたしました。高齢者・介護対応食品においても、軽量の手間が省け簡便に使うことができるポーションタイプの「日清MCTオイル 6g×30」や、糖質が気になる方も利用しやすい「日清MCTパウダー 低糖質250g」を2019年3月に発売しました。油脂・油糧および加工食品事業に係わる研究開発費は1,461百万円であります。 〔加工油脂事業〕粉末酵素エステル交換技術や分別技術といった油脂の構造に関わる独自の加工技術や精緻な油脂分析技術をベースに、マーガリン・ショートニング類、クリーム用油脂、チョコレート用油脂および製菓製パン素材等において風味、機能に特徴ある高付加価値の製品群の開発を実現しています。また、中央研究所とユーザーサポートセンターが連携し、大手製パンメーカーやコンビニエンスストアーを主要ターゲットとして、製品の美味しさや食感をより引き立てるアプリケーション提案に注力し、販売拡大に貢献しました。 さらに、大東カカオ株式会社、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.およびNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と技術連携をとりながらグローバルな製品展開に向け、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域でのユーザーニーズに応える研究開発を行っています。また、当社独自の技術で開発した新たな粉末状の油脂である『結晶性油脂』について研究開発を進めております。結晶性油脂は油脂100%の粉末であり、従来の粉末油脂とは大きさや形状が異なることから、従来の粉末油脂には無い新規な機能を保有しております。MCTを含むタイプの結晶性油脂に関しましては冷涼感付与や液状食品のペースト化等の様々な特徴を生かして、油脂や食品を食べやすく加工する用途開発を進め、市場開拓を着実に進めており、高齢者の低栄養改善に向けた新たな高エネルギー食品の開発にも取り組んでおります。高融点タイプの結晶性油脂に関しても、水分移行抑制や油脂の増粘機能等の機能を生かし、用途開発、市場開拓を進めております。加工油脂事業に係わる研究開発費は467百万円であります。 〔ファインケミカル事業〕化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材の開発に取り組んでおります。近年は、環境に優しい植物由来成分から成る新製品を複数発売してきました。化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を積極的に進めております。食品領域においては、主力であるMCT製品の品質向上を図るとともに、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。Industrial Quimica Lasem, S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係を構築してきました。同社が製造販売する、FSSC22000などの認証を背景とした高品質なMCT「QUOLIO(クオリオ)」については、積極的な国内展開を図るとともに、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を行い、日清品質製品の製造を複数実現して本格的なグローバル供給体制確立への歩みを進めております。日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、当社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。連結子会社である攝津製油株式会社において、外食厨房や食品加工工場、さらには介護施設などの衛生管理に役立つ製品やソリューションの提供を通じて、お客様の「食の環境をキレイにする」に貢献するべく、衛生管理事業を推進しております。研究開発においては本事業の拡大に向け、強みである微生物制御技術と洗浄技術をコア技術とした製品・技術開発に取り組んでおります。 微生物制御技術関連分野においては、お客様の課題解決につなげるべく、新規の除菌技術やウイルス制御技術等の開発にも取組んでおります。発売以来ご好評をいただいております、ウイルス対策アルコール製剤の使用拡大に向けた高付加価値化と商品ラインアップの充実に注力しております。また、そのKey技術であるブドウ種子抽出物によるウイルス不活性化技術の一層の深化に大学等と共同で精力的に取組んでおります。また、主に食品加工工場で課題となっている細菌芽胞の殺菌技術に関し、独自の非塩素系殺菌技術の特許を取得し、2018年12月にプレスリリースを行いました。本技術を応用した製品の市場展開を今後加速してまいります。洗浄技術関連分野においては、フライヤーやゆで麺器洗浄剤など厨房機器向け洗浄剤、クリーニング用洗浄剤等を中心に、高付加価値製品の開発を進めております。今期はこれまで培ってきた漂白洗浄剤処方技術を活用し、外食厨房や食品加工工場などを対象とした業務用カビ取り剤「ニオイの少ないカビ取りジェル」を開発し、2018年7月に発売いたしました。また、厨房で使われる「ゆで麺器用洗浄剤」の開発にも精力的に取組み、これまでの製品では洗浄が困難であった強固なスケール汚れを効果的に除去できる新たな洗浄剤を開発し、2019年3月に発売いたしました。ファインケミカル事業に係わる研究開発費は369百万円であります。 今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
FY2018|4,038 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、中央研究所、ユーザーサポートセンター、ファインケミカル事業部テクニカルセンター、生産技術部を中心に、互いに連携をとりながら進めております。また、マレーシアに設立したNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と連携し、グローバルな研究開発体制を強化しております。中央研究所では、グループ全体の事業領域に関わる創造の拠点としての役割を果たすべく技術開発の体制を強化し、グローバルな展開を見据え研究開発を推進しております。ユーザーサポートセンターは、技術面からの提案営業のサポートおよびアプリケーション開発を推進し、販売と一体となった総合的な技術営業の展開、事業の拡大を実現します。また、Nisshin Global Research Center Sdn. Bhd.は、パーム事業に関わるR&Dのアジアにおける中心拠点としての業務を遂行しております。ファインケミカル事業部テクニカルセンターでは、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めるとともに、生産部門と連携して製品の品質優位性を高めるための活動を行っております。平成23年に取得したスペインのエステル油剤メーカーIndustrial Quimica Lasem,S.A.U.とは、開発、品質管理、生産技術など多面的な技術連携関係の構築を進めてきました。また、平成27年に設立した中国のファインケミカル製品販売会社・日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、両社が連携して当社製品の技術的、品質的な特徴を顧客にアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。生産技術部は、次世代を見据えた新規生産技術開発とそれに向けた技術面での基盤強化に取り組んでおります。なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は21億57百万円であります。 〔油脂・油糧および加工食品事業事業〕ホームユース領域では、新しい市場の創造に向けた新商品開発と食用油の使い方の提案に取り組んでいます。共働き世帯の増加などによる家庭での調理の簡便化ニーズに応え、お客様にもっと手軽にから揚げを楽しんでいただくための商品として「日清揚げずにから揚げオイル 16gx3パック」を平成29年8月に発売いたしました。また、オイルをそのままかけて使う食習慣をさらに楽しんでいただくために、MCTが手軽においしくとれる有機認証のココナッツオイル「日清有機エキストラバージンココナッツオイル 130g瓶」を平成29年8月に、かけて楽しむオイルのラインアップ拡充として、徐々に人気が高まりつつある「日清マカダミアナッツオイル 145gフレッシュキープボトル」を平成30年3月に発売いたしました。ドレッシング類では、健康維持に役立つオメガ3(α-リノレン酸)を豊富に含むアマニ油をベースに、こだわりの素材を使っておいしさを高めた「日清アマニ油ドレッシング160ml こく和風」、「同 焙煎香味ごま」、「同 チーズ薫るシーザー」を平成30年3月に発売いたしました。業務用食用油では、健康ニーズに対応するべく、当社独自技術の吸油が少ないフライオイルを中心に提案し、大手量販店をはじめとした多くのユーザーに採用されました。また、MCTのBtoB販売サポートとして、MCTを活用した調理レシピを提案し、複数のユーザーに採用されました。大豆食品素材では、低糖質素材として注目されている大豆粉のレシピ開発に注力し、製菓・製パン、加工食品用途での販売に貢献しました。また大豆のニオイを低減した粒状大豆たん白を開発し、ハンバーグパテ、焼売の具材など、複数の用途で採用されました。ウェルネス食品領域では、美容や運動に関心の高い方に向けて、注力素材であるMCT関連商品のラインアップを拡充し、MCT100%のオイル「日清MCTオイルHC 85g」、「同200g」、飲み物などにまぜて使いやすいパウダータイプ「日清MCTパウダーHC 210g」、そのまま手軽に食べることのできるスティックタイプゼリー「MCTサプリメントゼリー」を平成29年9月に、「MCT CHARGE ゼリー」を平成30年3月に発売いたしました。また、高齢者・介護対応食品では、トロミづけの時の面倒を軽減し初めての方でも使いやすいトロミ調整食品「トロミアップ やさしいとろみ 315g」を平成29年9月に発売いたしました。油脂・油糧および加工食品事業に係わる研究開発費は12億37百万円であります。 〔加工油脂事業〕粉末酵素エステル交換技術や分別技術といった油脂の構造に関わる独自の加工技術や精緻な油脂分析技術をベースに、マーガリン・ショートニング類、クリーム用油脂、チョコレート用油脂およびチョコレート関連製品等の特徴ある製品群の開発を実現しています。また、中央研究所とユーザーサポートセンターが連携し、大手製パンメーカーやコンビニエンスストアーを主要ターゲットとして、デニッシュ・パイ生地製品等の美味しさや食感向上を実感できるアプリケーション提案に注力し、販売拡大に貢献しました。乳業向けクリーム用油脂や加工食品向けショートニング類等においても開発商品が採用されました。さらに、大東カカオ株式会社、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.およびNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と技術連携をとりながらグローバルな製品展開に向け、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域でのユーザーニーズに応える研究開発を行っています。また、当社独自の技術で開発した新たな粉末状の油脂である『結晶性油脂』について研究開発を進めております。結晶性油脂は油脂100%の粉末であり、当社独自の技術で製造しております。従来の粉末油脂とは大きさや形状が異なることから、従来の粉末油脂には無い新規な機能を保有しております。結晶性油脂が持つ冷涼感や水分移行抑制、液状食品のペースト化等の様々な特徴を生かして、油脂や食品を食べやすく加工する用途開発を進めております。加工油脂事業に係わる研究開発費は5億5百万円であります。 〔ファインケミカル事業〕化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材の開発に取り組んでおります。近年は、環境に優しい植物由来成分から成る新製品を複数発売してきました。化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を積極的に進めております。食品領域においては、主力であるMCT製品の品質向上を図るとともに、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。Industrial Quimica Lasem,S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係の構築を行ってきました。平成26年には、FSSC22000などの認証を背景とした高品質なMCT「QUOLIO(クオリオ)」の製造販売を開始し、積極的な国内展開を図っています。平成27年には、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を進め、日清品質製品の本格的なグローバル供給体制確立への歩みを進めることができました。また、日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的としたラボ機能を立ち上げるとともに、現地社員の技術研修をテクニカルセンターで実施するなど、両社の連携をより深める取り組みを行ってきました。これらを発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、当社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。連結子会社である攝津製油株式会社において、レストランの厨房や食品工場、さらには介護施設などの衛生管理に役立つ製品やソリューションの提供を通じて、お客様の「食の環境をキレイにする」に貢献するべく、研究開発活動を推進しております。サニテーション分野では、食品加工工場の設備・機器や除菌を効果的に行うためのサニテーション関連製品の開発や衛生管理マニュアル等の提案を行っております。また、食の安全への意識の高まりとともに、多様化するお客様のニーズに対応するべく、新規の除菌・抗菌技術や抗ウイルス技術等の開発にも取り組んでおります。これらの成果として、従来の除菌技術では対応が困難であった芽胞形成菌に有効な新規除菌洗浄剤を平成29年秋に発売いたしました。また、発売以来ご好評をいただいております、ウイルス対策アルコール製剤の技術を応用したウェットワイプタイプの除菌シートを平成30年1月に発売いたしました。本製品は食の環境はもとより、介護施設等での次亜塩素酸ソーダを用いた除菌作業の煩雑さを軽減する新たなウイルス対策製品としても有用であり、アルコール製剤とともに今後育成してまいります。また、大学と共同で開発した新規抗ノロウイルス評価手法について、第38回食品微生物学会にて優秀発表賞を受賞いたしました。これらの学術活動を通じて当社技術の発信にも努めております。洗浄剤分野では、フライヤー洗浄剤など食品関連機器向け洗浄剤や、クリーニング用洗浄剤の開発など、業務品用途において各種洗浄剤の高機能化に向けた開発を行い、化成品事業の拡大に寄与いたしました。ファインケミカル事業に係わる研究開発費は4億14百万円であります。 今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
FY2017|4,195 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、中央研究所、ユーザーサポートセンター、ファインケミカル事業部テクニカルセンター、生産技術部を中心に、互いに連携をとりながら進めております。また、マレーシアに設立したNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と連携し、グローバルな研究開発体制を強化しております。中央研究所では、グループ全体の事業領域に関わる創造の拠点としての役割を果たすべく技術開発の体制を強化し、グローバルな展開を見据え研究開発を推進しております。ユーザーサポートセンターは、技術面からの提案営業のサポートおよびアプリケーション開発を推進し、販売と一体となった総合的な技術営業の展開、事業の拡大を実現します。また、Nisshin Global Research Center Sdn. Bhd.は、パーム事業に関わるR&Dのアジアにおける中心拠点としての業務を遂行しております。ファインケミカル事業部テクニカルセンターでは、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めております。平成23年に取得したスペインのエステル油剤メーカーIndustrial Quimica Lasem,S.A.U.とは、開発、品質管理、生産技術など多面的な技術連携関係の構築を進めてきました。また、平成27年に設立した中国のファインケミカル製品販売会社・日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、両社が連携して当社製品の技術的、品質的な特徴を顧客にアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。生産技術部は、次世代を見据えた新規生産技術開発とそれに向けた技術面での基盤強化に取り組んでおります。平成28年12月に当社グループの研究開発の中核である中央研究所、ユーザーサポートセンターを、当社の主力生産拠点である横浜磯子事業場内に設立した「技術開発センター」に移転いたしました。生産機能との融合、本社・営業機能との連携強化により、さらなる商品開発・技術開発のスピードアップを実現いたします。また、お客様・お取引先様とのコミュニケーションをより一層強化し、商品開発力や提案力を高め、付加価値商品の拡販や新規顧客の獲得につなげます。なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は18億71百万円であります。 〔油脂・油糧事業〕家庭用食用油では、かけて楽しむ、鮮度のオイルシリーズのラインアップ拡充として「日清かけて香る純正ごま油 145gフレッシュキープボトル」を、また、お客様の使用実態に合わせた容量とした「日清こめ油 200gPET」、「日清ヘルシーごま香油 350gPET」をそれぞれ平成28年8月に発売いたしました。また、おいしさと健康を求めるお客様の食生活の満足度を高め、より多くのお客様にいろいろな料理でオリーブオイルを楽しんでいただくために、フルーティーでまろやかな味わいのエキストラバージンオリーブオイルである「日清やさし~く香るエキストラバージンオリーブオイル350gPET」、「同900gPET」を平成29年2月に発売いたしました。業務用食用油では、プロサポートシリーズの炊飯油、炒め油をリニューアルし、各支店営業と拡販に努め、複数のデリカセンターやバックヤードで採用されました。また、大手ユーザー向けに中鎖脂肪酸油を活用した機能性油のPB商品を開発し、採用されました。大豆食品素材では、低糖質素材として注目されている大豆粉のレシピ開発に注力し、製菓・製パン用途での販売に貢献しました。また、粒状大豆たん白の新たな用途としてシリアル他で採用されました。油脂・油糧事業に係わる研究開発費は9億61百万円であります。 〔加工油脂事業〕粉末酵素エステル交換技術や分別技術といった油脂の構造に関わる独自の技術をベースに、マーガリン・ショートニング類、クリーム用油脂、チョコレート用油脂およびチョコレート関連製品等の特徴ある製品群の開発を実現しています。また、ユーザーサポートセンターと連携して、大手製パンメーカーやコンビニエンスストアを主要ターゲットとして、デニッシュ・パイ生地製品等の美味しさや食感向上を実感できるアプリケーション提案に注力し、販売拡大に貢献しました。さらに、大東カカオ㈱、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.およびNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と技術連携をとりながらグローバルな製品展開に向け、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域でのユーザーニーズに応える研究開発を行っています。加工油脂事業に係わる研究開発費は3億79百万円であります。 〔ファインケミカル事業〕化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材の開発に取り組んでおります。近年は、環境に優しい植物由来成分から成る新製品を複数発売してきました。化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を積極的に進めております。食品領域においては、主力である中鎖脂肪酸油の品質向上を図ると共に、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。さらに、中鎖脂肪酸油やレシチン、トコフェロールなどの素材を用い、顧客のニーズに合わせた製剤開発にも取り組んでおります。平成23年に子会社化したスペインの油剤メーカーIndustrial Quimica Lasem,S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係の構築を行ってきました。平成26年には、FSSC22000などの認証を背景とした高品質な中鎖脂肪酸油「QUOLIO(クオリオ)」の製造販売を開始し、積極的な国内展開を図っています。平成27年には、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を進め、日清品質製品の本格的なグローバル供給体制確立への歩みを進めることができました。また、平成27年に設立したファインケミカル製品販売会社・日清奥利友(上海)国際貿易有限公司では、中国における技術サービスの充実を目的としたラボ機能を立ち上げると共に、現地社員の技術研修をテクニカルセンターで実施するなど、両社の連携をより深める取り組みを行っています。これらを通じて、当社製品の優れた特徴を顧客にアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。 連結子会社である攝津製油株式会社において、清潔で快適な暮らしに欠かせない製品やレストランの厨房、食品工場などの衛生管理に役立つ製品づくりに取り組んでおり、お客様のニーズに的確に応える製品・ソリューションの提供を目指し研究開発活動を推進しております。業務品事業分野では、食品加工工場の菌汚染に関する現場実態調査に基づき、設備・機器の洗浄や除菌を効果的に行うためのサニテーション関連商品の開発に注力しております。また、高度化かつ多様化するお客様のニーズに応えるために、新たな除菌・抗菌技術や抗ウイルス技術等の研究開発にも積極的に取り組んでおります。OEM事業分野では、家庭で使用する各種洗浄剤や化粧品、医薬部外品を中心に、お客様のニーズに応える機能を持った製品の開発、改良研究に注力しております。また、業務用用途で使用する各種洗浄剤の高機能化技術の研究開発を行っております。工業用分野では、次世代の中核事業として洗浄剤やエッチング剤などの基盤確立に注力しております。前者では太陽電池用シリコンウエハーや新素材ウエハー用の洗浄剤の開発に重点をおいており、すでに国内数社に納入中で、海外顧客への拡販も進めております。一方、エッチング剤では太陽電池単結晶シリコン用・多結晶シリコン用ともに大手顧客の評価が進んでおります。特に業界ニーズの高い多結晶シリコン用の革新的なエッチング剤の開発に成功し、実用化に注力しております。また、国内外の大学・公的機関との共同研究を活用して、基礎データや事業化支援データの蓄積にも努め、事業化速度を上げるべく現在対策を講じております。ファインケミカル事業に係わる研究開発費は、4億9百万円であります。 〔ヘルシーフーズ事業〕ドレッシング類では、手軽にオリーブオイルがとれるマヨネーズタイプ調味料「BOSCOオリーブマヨドレ 200g」、また健康に関心の高い方に注目されているアマニ油を使ったドレッシング「日清ヘルシードレッシング アマニごま」、「同 アマニシーザー」、「同 アマニイタリアン」を平成28年8月に発売いたしました。また、エキストラバージンオリーブオイルと、野菜や果物など「15種類の素材」を使い、スムージー感覚の食感に仕上げたドレッシング「日清オリーブ香るスムージードレッシング160ml キャロット&オレンジ」、「同 トマト&レモン」、「同 チーズ&グリーン野菜」を、また、健康素材として人気の黒酢と魚介類や肉との相性が良いたまねぎを組み合わせた「日清ドレッシングダイエット 黒酢たまねぎ」を平成29年2月に発売いたしました。高齢者・介護対応食品では、注力素材である中鎖脂肪酸を活用したエネルギー・たんぱく質補給食品のラインアップの拡充を図り、「MCTトウフィール」、「やわらかおかず エネカップ カレー味」、「同 クリームシチュー味」を平成28年8月に、「プロキュアZ コーヒー味」、「同 ヨーグルト味」を平成29年2月に発売いたしました。また、中鎖脂肪酸に関わる研究成果の学会発表や、鈴鹿市および学校法人鈴鹿医療科学大学との産学官連携での取り組みにおける中鎖脂肪酸の基礎的研究や市民を対象とした大規模研究など、中鎖脂肪酸の価値向上への取り組みを積極的に推進しました。ヘルシーフーズ事業に係わる研究開発費は1億21百万円であります。 今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
FY2016|3,587 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、横須賀事業場に設置された中央研究所、ユーザーサポートセンター、横浜磯子事業場に設置されたファインケミカル事業部テクニカルセンター、生産技術部を中心に、互いに連携をとりながら進めております。また、マレーシアに設立したNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と連携し、グローバルな研究開発体制を強化しております。中央研究所では、グループ全体の事業領域に関わる創造の拠点としての役割を果たすべく技術開発の体制を強化し、グローバルな展開を見据え研究開発を推進しております。ユーザーサポートセンターは、技術面からの提案営業のサポートおよびアプリケーション開発を推進し、販売と一体となった総合的な技術営業の展開、事業の拡大を実現します。また、Nisshin Global Research Center Sdn. Bhd.は、パーム事業に関わるR&Dのアジアにおける中心拠点としての業務を遂行しております。ファインケミカル事業部テクニカルセンターでは、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めております。また、平成23年に取得したスペインのエステル油剤メーカーIndustrial Quimica Lasem,S.A.U.とは、開発、品質管理、生産技術など多面的な技術連携関係の構築を進めてきました。特に、中鎖脂肪酸油については、両社の品質安定化技術を融合し、Industrial Quimica Lasem,S.A.U.製中鎖脂肪酸油製品「QUOLIO(クオリオ)」の積極的な国内導入を拡大させております。生産技術部は、次世代を見据えた新規生産技術開発とそれに向けた技術面での基盤強化に取り組んでおります。なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は17億68百万円であります。 〔油脂・油糧事業〕家庭用食用油では、国内で初めて、揚げ物の吸油量を抑制し「揚げ物のカロリー低減」を特長とした食用油として「日清ヘルシーオフ900gポリ」を、中鎖脂肪酸を手軽に毎日摂取できる食用油として「日清ココナッツオイル130g瓶」と「日清中鎖脂肪酸100%オイル85g瓶」をそれぞれ平成27年8月に発売いたしました。また、食用油で初めての機能性表示食品として、血圧が高めの方向けの健康オイル「日清健康オイル アマニプラス600gPET」を平成27年10月に発売いたしました。さらに、発売20周年を迎えたBOSCOシリーズの魅力をさらに高め、お客様のニーズに応える商品として、「ボスコエキストラバージンオリーブオイル145gフレッシュキープボトル」と「同600gPET」、リニューアル品である「ボスコオリーブ&ガーリックオイル100g瓶」を平成28年2月に発売いたしました。業務用食用油では、家庭用の「日清ヘルシーオフ」の技術を活用した新商品「日清吸油が少ないフライオイル」を平成27年10月に発売し、ユーザーサポートセンターを通じて、外食、大手量販惣菜、CVS向けに提案を行いました。また、オリーブオイルを活用した新規フライ油の開発・提案を行い、販売拡大につなげました。大豆食品素材では、最終製品を見据えたアプリケーション開発により、全脂大豆粉が菓子・パン原料として新規採用されました。また、同大豆粉で作った「まるごと大豆豆腐」の惣菜用途へのメニュー提案等を推進しました。油脂・油糧事業に係わる研究開発費は8億86百万円であります。 〔加工油脂事業〕粉末酵素エステル交換技術や分別技術といった油脂の構造に関わる独自の技術をベースに、マーガリン・ショートニング類、クリーム用油脂、チョコレート用油脂及びチョコレート関連製品等の特徴ある製品群の開発を実現しています。また、ユーザーサポートセンターと連携して、CVS向け製菓・製パンを主要ターゲットとして、パイ生地製品等の美味しさを実感できるアプリケーション提案を行い、販売拡大につなげました。さらに、大東カカオ株式会社、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.およびNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と技術連携をとりながらグローバルな製品展開に向け、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域でのユーザーニーズに応える研究開発を行っています。当期は、バター代替需要を受け、風味や低温時の作業性にこだわり、発酵バターを配合したコンパウンドタイプのマーガリン2種類を発売いたしました。加工油脂事業に係わる研究開発費は3億46百万円であります。 〔ファインケミカル事業〕化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材の開発に取り組んでおります。近年は、環境に優しい植物由来成分から成る新製品を複数発売してきました。化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を積極的に推進すると共に、海外特に中国での顧客獲得に向けた開発にも注力しております。食品領域においては、主力である中鎖脂肪酸油の品質向上を図ると共に、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。さらに、中鎖脂肪酸油やレシチン、トコフェロールなどの素材を用い、顧客のニーズに合わせた製剤開発にも取り組んでおります。平成23年に子会社化したスペインの油剤メーカーIndustrial Quimica Lasem,S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係の構築を行ってきました。平成25年には、中鎖脂肪酸油製造設備を建設し、FSSC22000などの認証を背景とした高品質な中鎖脂肪酸油「QUOLIO(クオリオ)」の製造販売を開始して以降、積極的な国内展開を図っています。また、平成27年には、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を進め、日清品質の本格的なグローバル供給体制確立への歩みを進めることができました。 連結子会社である攝津製油株式会社において、清潔で快適な暮らしに欠かせない製品やレストランの厨房、食品工場などの衛生管理に役立つ多様な製品づくりに積極的に取組んでおり、お客様のニーズを確実に製品化するための研究開発活動を展開しております。業務品分野では、食品加工工場の菌汚染の実態調査の実践と設備・機器の洗浄や除菌を効果的に行うためのサニテーション商品の開発に注力しております。OEM事業関連では、家庭で使用する各種洗浄剤や化粧品、医薬部外品等の分野で、顧客のニーズに応える機能を持った製品の開発、改良研究に注力しております。また、業務用用途で使用する各種洗浄剤の高機能化技術の開発研究を行っております。工業用分野では、次代の中核事業として洗浄剤や金属エッチング剤などの基盤確立に注力しております。前者では太陽電池用シリコンウエハー用の開発に重点をおいております。一方、太陽電池用エッチング剤は次世代タイプが好評で、大手顧客にて量産評価が順調に進んでおります。より先進的な薬剤開発を加速するため、国内大学と太陽電池作成に関する共同開発を開始しました。今後とも人材補強を行うと同時に表面解析力の一層の研鑽・充実化にも注力してまいります。ファインケミカル事業に係わる研究開発費は、4億10百万円であります。 〔ヘルシーフーズ事業〕ドレッシング類では、「日清ドレッシングダイエット」シリーズから、女性に人気のしょうがを風味豊かに仕上げた「香味しょうが」を平成27年8月に発売いたしました。また、「健康価値の高いオイル配合+塩分50%カット」を特長とする「日清ヘルシードレッシングソース」シリーズから、話題の健康成分オメガ3(α-リノレン酸)を豊富に含むアマニ油を使用した「アマニ和風」を平成28年2月に発売いたしました。高齢者・介護対応食品では、中鎖脂肪酸が有する脳エネルギー代替機能を活かした加工食品として、スティックタイプのソフトゼリー「メモリオン」を平成27年5月に発売いたしました。また、水やお茶にまぜるだけで加熱・冷却することなく、簡単にべたつきの少ない水分補給用ゼリーを作ることができる「あっ!というまゼリー」を平成27年8月に発売いたしました。ヘルシーフーズ事業に係わる研究開発費は1億26百万円であります。 今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。