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宝ホールディングス(2531)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 酒類・調味料事業
    宝酒造は、国内で焼酎、清酒、ソフトアルコール飲料などの酒類全般と、本みりんなどの酒類調味料、食品調味料、原料用アルコールの製造・販売を行っています。これは同社グループの基盤となる事業であり、日本の食文化に深く根ざした製品を提供することで収益を上げています。
  • 海外酒類・日本食材事業
    宝酒造インターナショナルグループは、海外での酒類製造・販売に加え、日本食レストランなどへの日本食材や調味料、調理器具、食器類などの幅広いアイテムの卸売業を展開しています。米国、ヨーロッパ、豪州などグローバルに事業を展開し、日本食ブームを背景に成長を追求しています。
  • バイオ事業
    タカラバイオグループは、試薬・機器の開発・製造・販売、受託サービス(CDMO)、遺伝子医療を主たる事業としています。再生医療等製品の開発製造支援や遺伝子解析・検査サービスを提供し、バイオテクノロジー分野における研究開発と商業化を推進することで収益を創出しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 宝酒造(国内酒類・調味料)
    国内市場で焼酎、清酒、ソフトアルコール飲料などの酒類と、本みりんなどの調味料を製造・販売しています。最新年度の売上高は1,187.74億円、営業利益は50.37億円で、グループの基盤となる事業であり、日本の食文化に深く根ざした製品を提供しています。
  • 宝酒造インターナショナルグループ(海外酒類・日本食材)
    海外での酒類製造・販売に加え、米国、ヨーロッパ、豪州などで日本食材、調味料、調理器具などの卸売業を展開しています。最新年度の売上高は1,854.34億円、営業利益は116.55億円と、グループ内で最も売上・利益規模が大きく、海外市場での成長を牽引しています。
  • タカラバイオグループ(バイオ事業)
    試薬・機器の開発・製造・販売、受託サービス(CDMO)、遺伝子医療を主たる事業としています。最新年度の売上高は450.38億円、営業利益は22.63億円で、高度なバイオテクノロジーを基盤に、研究開発と商業化を推進し、将来の成長を担う事業です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
TakaraShuzo 事業 1,188 50 4.2%
TakaraShuzoInternationalGroup 事業 1,854 117 6.3%
TakaraBioGroup 事業 450 23 5.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,929 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社68社および関連会社2社で構成され、「宝酒造」が営む国内での酒類・調味料の製造・販売、「宝酒造インターナショナルグループ」が営む海外での酒類の製造・販売、海外の日本食レストラン等への日本食材などの販売、「タカラバイオグループ」が営む試薬、機器などの開発・製造・販売や受託および遺伝子医療を主たる事業としており、この3つは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。当社は、持株会社として各事業会社を統括するほか、グループ各社の間接業務の受託や不動産賃貸事業を行っております。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 セグメントにおける当社グループの事業内容とその位置付けは次のとおりであります。[宝酒造] 宝酒造株式会社は、国内において焼酎、清酒およびソフトアルコール飲料など酒類全般ならびに本みりんなどの酒類調味料、食品調味料および原料用アルコールの製造・販売を行っております。 当セグメントに携わる子会社は宝酒造株式会社であります。[宝酒造インターナショナルグループ] 宝酒造インターナショナル株式会社は、グループ会社の管理、宝酒造株式会社の酒類・調味料製品の輸出販売を行っております。 Takara Sake USA Inc.は、米国カリフォルニア州において主に清酒の製造を行い、宝酒造株式会社が供給する酒類製品ともども米国一円に販売しております。The Tomatin Distillery Co.Ltdは、スコッチウイスキーの製造・販売を行っており、Age International,Inc.は、バーボンウイスキーを販売しております。 Mutual Trading Co.,Inc.(同社の子会社含む)は、日本食材、調味料、酒類などのほか、レストランの調理器具や食器類に至るまで幅広いアイテムを取り扱い、米国を中心に卸売業を展開しております。 FOODEX S.A.S. 、Cominport Distribución S.L.およびTazaki Foods Ltd.は、ヨーロッパを拠点として日本食材の卸売業を営んでおり、Takara Sake USA Inc.や宝酒造株式会社の製品をはじめ、酒類、調味料、冷凍食品などを販売しております。また、Kagerer & Co. GmbHは、ドイツ ミュンヘン近郊で卸売業を営んでおり、主力の水産品をはじめ、日本食材などを欧州全域に販売しております。 Nippon Food Supplies Company Pty Ltdは、豪州において日本食材の卸売業を営んでおります。 上述した会社を含め、当セグメントに携わる子会社は50社であり、関連会社は1社であります。[タカラバイオグループ] タカラバイオ株式会社は、試薬・機器に関連する開発・製造・販売ならびに再生医療等製品の開発製造支援サービスや遺伝子解析・検査などのCDMO受託サービスを行っております。また、遺伝子治療等に必要なバイオ創薬基盤技術、製造補助剤の開発・製造・販売や臨床開発を行い、その価値の最大化に向けて取り組んでおります。 海外では、中国において宝生物工程(大連)有限公司が試薬の開発・製造や受託サービスを行い、宝日医生物技術(北京)有限公司が試薬や機器の販売を行っております。Takara Bio Europe S.A.S.は、ヨーロッパにおいて、試薬の製造・販売、機器の販売や受託サービスを行っております。また、Takara Bio USA, Inc.は、米国において、試薬や機器の開発・製造を行い、全世界に販売しております。 上述した会社を含め、当セグメントに携わる子会社は10社であります。[その他] その他は、国内グループ会社が営む貨物運送事業やワイン輸入販売、主に当社が営む不動産賃貸事業などであります。 貨物運送事業はタカラ物流システム株式会社が営み、主に宝酒造株式会社の酒類・調味料製品の国内における貨物運送などを行っております。また、ブルゴーニュの高品質ワイン等の輸入販売は株式会社ラック・コーポレーションが営んでおります。 上述した会社を含め、その他の事業に携わる子会社は7社であり、関連会社は1社であります。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(事業系統図)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合激化により、高騰する原材料価格の製品価格への転嫁が阻害されるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
酒税法による酒類の製造免許・販売業免許、医薬品医療機器等法による承認・許可。
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:消費者の嗜好及び需要動向の変化 / 競合の激化 / 製造に関する特定の工場への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

宝焼酎、宝レモンサワーなどのブランド力は一定の認知度を持つ。しかし、競合他社も強力なブランドを有しており、絶対的な優位性とは言えない。特許やIPによる明確な差別化は限定的。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

既存の酒類購入習慣や、特定のブランドへの嗜好性から、一部の顧客は乗り換えにくい可能性がある。しかし、代替品が多く、価格やプロモーションで容易に乗り換えが発生しうる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果は事業モデルにほとんど見られない。製品の利用が増えることで、製品自体の価値が向上するような構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の酒類製造ノウハウや、一部の原料調達における規模の経済性は考えられる。しかし、酒税や原材料価格の変動リスクがあり、構造的なコスト優位性は限定的。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

日本の酒類市場において、宝焼酎や宝チューハイなどの主力商品は一定の販売規模と流通網を有しており、効率的な生産・販売体制を構築している。業界内での地位は確立されている。

  • 多様な事業ポートフォリオ
    宝ホールディングスは、国内の酒類・調味料、海外の酒類・日本食材、そしてバイオ事業という、性質の異なる3つの主要事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した経営基盤を築いていると考えられます。
  • グローバルな事業展開
    宝酒造インターナショナルグループは、米国、ヨーロッパ、豪州など世界各地で酒類製造・販売および日本食材の卸売事業を展開しています。これにより、日本国内の市場縮小リスクを補完し、海外での日本食文化の広がりを収益機会として捉えることができます。
  • バイオ技術力と研究開発
    タカラバイオグループは、試薬・機器の開発・製造、遺伝子解析、遺伝子治療など、高度なバイオテクノロジーを基盤とした事業を展開しています。独自の技術や外部連携による研究開発を通じて、将来性のある医療・研究分野での競争力を維持・強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは『自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します。』という企業理念のもと、技術力、商品力、ブランド力をさらに向上させ、「和酒・日本食市場」「ライフサイエンス産業」における多様な価値を提供することで、宝グループの国内外での存在感を高めながら、持続的な成長と飛躍を実現することを目指しております。(2)経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上・財務上の課題および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループを取り巻く環境は、国内での高齢化・人口減少や若年層の飲酒離れによる酒類市場の長期的な縮小、国内外での人材確保難等による人件費や物流費の増加など、今後も厳しさを増してくることが予想されます。また、地政学的要因を背景としたグローバルなサプライチェーンへの影響等により、原材料やエネルギー価格の高騰を起点として、国内外での様々なコストアップが懸念され、安定的な調達に対するリスクも高まっています。さらに、現下のライフサイエンス分野の研究開発アクティビティは、米国・欧州におけるインフレの長期化や中国における景気低迷を原因としたアカデミア向けの研究補助金の削減の影響などにより、産業界においてもアカデミアにおいても世界的に低迷しております。 一方で、ノンアルコール飲料も含めた国内のRTD市場では厳しい競争下ながらも市場の拡大が見込まれ、世界的な和酒・日本食市場は引き続き成長が期待されるほか、ライフサイエンス産業の市場規模は、中長期的には再生・細胞医療・遺伝子治療等を中心に拡大が予想されており、当社グループにとって成長を見込める機会も数多く存在しています。また、気候変動、生物多様性保全、資源保全、人権尊重といった多様な課題への対応が世界的規模で求められており、持続可能な社会づくりに向けた企業の責任はますます大きくなっています。そして、持続的な成長や企業価値の向上に向けては、資本効率性の向上による成長・強化領域への投資の強化や、人的資本やITなどの無形資産への投資の強化と活用がこれまで以上に重要になってきています。 このような状況の中で、当社グループは、2026年3月期を最終年度とする長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th」の実行計画の総仕上げに向けた「宝グループ中期経営計画2025」に取り組んでおります。「宝グループ中期経営計画2025」では、独自のビジネスモデルの確立と事業推進によって、事業の「稼ぐ力」を向上させながら、社会課題の解決に貢献することで、「TaKaRa Group Challenge for the 100th」で掲げるVision「Smiles in Life~笑顔は人生の宝~」の実現を目指してまいります。 「宝グループ中期経営計画2025」の概要は以下のとおりであります。 「宝グループ中期経営計画2025」経営方針~成長・強化領域への投資を加速させ、企業価値を高める3年間~ 成長・強化領域への投資を加速させ、生産性の向上やイノベーションの創出を働きがいを高めることで実現し、グローバルかつサステナブルな宝独自の2つのビジネスモデル※を確立・強化することで、バランスのとれた事業ポートフォリオでの持続的な成長とVisionの実現を達成する。加えて、コーポレートとしての情報発信とコミュニケーションを強化することで、企業価値を高める。※宝独自の2つのビジネスモデル宝酒造・宝酒造インターナショナルグループ日本食文化(和酒・日本食)の世界浸透推進タカラバイオグループライフサイエンス産業におけるインフラを担うグローバルプラットフォーマー定量目標 2026年3月期 宝グループ連結 ・売上高    4,200億円以上 ・営業利益    380億円以上 ・海外売上高比率 60.0%以上(タカラバイオグループを除く海外売上高比率60.0%以上) ・ROE 9.0%以上 ・ROIC 7.5%以上事業方針<宝酒造> 「グローバル和酒No.1」の源泉として、伸長領域を中心に、高い技術力と「NIPPON品質」に基づいた新たな市場を創造する商品の開発・育成やブランド価値の向上に注力するとともに、宝酒造インターナショナルグループとの協業も加速させ、社会課題の解決に貢献しながら、利益額・率を大きく向上させる。<宝酒造インターナショナルグループ> 宝酒造や国内外のグループ会社との協業を加速し、現地のニーズを捉えた輸出・現地生産の商品ポートフォリオ拡充と、和酒に強みを持った日本食材卸としてのプレゼンスの向上によって、和酒と日本食の相乗効果を最大限に発揮した「日本食文化の世界浸透」を推進し、社会課題の解決に貢献しながらグローバル和酒・日本食材No.1企業を目指す。 宝酒造と宝酒造インターナショナルグループにおいては、両社の協業をこれまで以上に推進し、国内外のニーズやトレンドを捉えて、スパークリング日本酒「澪」のグローバルブランド化を中心に、トラディショナル、イノベーティブの両面から和酒の開発とブランド育成を進めることで、世界の市場に和酒を拡大し、グローバル和酒No.1企業としてのプレゼンスを高める。<タカラバイオグループ> 試薬・機器の新製品やCDMOメニューの開発および新モダリティを創出する基盤技術の開発に向けてR&D費用を積極的に投下することで、臨床・創薬分野への事業領域拡大を加速させながら、「ライフサイエンス産業におけるインフラを提供するグローバルプラットフォーマー」としての存在感を高める。<コーポレート部門> “事業と一体”となって、グローバルでサステナブルなビジネスモデルを強固に支えるグループ経営機能を強化するとともに、グループ全体の生産性の向上やイノベーションの創出の実現に向けた「働きがい」のある環境を構築しながら、コーポレートとしての情報発信とコミュニケーションを強化し、社内外のステークホルダーからの宝グループの評価を向上させる。財務方針・健全な財務体質の維持をベースとして、成長・強化領域への投資を加速するために、グローバルなキャッシュマネジメントを強化するとともに、資産の効率性の向上や、政策保有株式の売却等によりキャッシュフローを創出する。・利益水準に応じた適切な株主還元(配当性向35%を目途)を実施する。 当社グループは「Smiles in Life~笑顔は人生の宝~」をありたい姿(Vision)として掲げ、世界中の暮らしを、命を、人生を、笑顔で満たすために挑戦し続けることを宣言しています。そして、事業活動を通じた社会的価値の創造を将来にわたって実現し続けていくためには、様々な社会課題の解決にこれまで以上に取り組む必要があるという認識のもと、「宝グループ・サステナビリティ・ポリシー」を策定しています。 「宝グループ・サステナビリティ・ポリシー」では、当社グループを取り巻く社会課題について、「安全・安心」をはじめとする10の重要課題(マテリアリティ)を取り上げ、各々についての取り組み方針を示しており、さらに、その方針に基づく具体的な中長期目標を設定した「宝グループ・サステナビリティ・ビジョン」を策定しています。 当社グループは、これからも事業活動を通じた社会的価値の創造により、ステークホルダーの皆様から信頼される企業グループを目指すとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 記載の数値目標は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を保証するものではありません。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは『自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します。』という企業理念のもと、技術力、商品力、ブランド力をさらに向上させ、「和酒・日本食市場」「ライフサイエンス産業」における多様な価値を提供することで、宝グループの国内外での存在感を高めながら、持続的な成長と飛躍を実現することを目指しております。(2)経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上・財務上の課題および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループを取り巻く環境は、国内での高齢化・人口減少や若年層の飲酒離れによる酒類市場の長期的な縮小、国内外での人材確保難等による人件費や物流費の増加など、今後も厳しさを増してくることが予想されます。また、地政学的要因を背景としたグローバルなサプライチェーンへの影響等により、原材料やエネルギー価格の高騰を起点として、国内外での様々なコストアップが懸念され、安定的な調達に対するリスクも高まっています。さらに、現下のライフサイエンス分野の研究開発アクティビティは、米国・欧州におけるインフレの長期化や中国における景気低迷を原因としたアカデミア向けの研究補助金の削減の影響などにより、産業界においてもアカデミアにおいても世界的に低迷しております。 一方で、ノンアルコール飲料も含めた国内のRTD市場では厳しい競争下ながらも市場の拡大が見込まれ、世界的な和酒・日本食市場は引き続き成長が期待されるほか、ライフサイエンス産業の市場規模は、中長期的には再生・細胞医療・遺伝子治療等を中心に拡大が予想されており、当社グループにとって成長を見込める機会も数多く存在しています。また、気候変動、生物多様性保全、資源保全、人権尊重といった多様な課題への対応が世界的規模で求められており、持続可能な社会づくりに向けた企業の責任はますます大きくなっています。そして、持続的な成長や企業価値の向上に向けては、資本効率性の向上による成長・強化領域への投資の強化や、人的資本やITなどの無形資産への投資の強化と活用がこれまで以上に重要になってきています。 このような状況の中で、当社グループは、2026年3月期を最終年度とする長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th」の実行計画の総仕上げに向けた「宝グループ中期経営計画2025」に取り組んでおります。「宝グループ中期経営計画2025」では、独自のビジネスモデルの確立と事業推進によって、事業の「稼ぐ力」を向上させながら、社会課題の解決に貢献することで、「TaKaRa Group Challenge for the 100th」で掲げるVision「Smiles in Life~笑顔は人生の宝~」の実現を目指してまいります。 「宝グループ中期経営計画2025」の概要は以下のとおりであります。 「宝グループ中期経営計画2025」経営方針~成長・強化領域への投資を加速させ、企業価値を高める3年間~ 成長・強化領域への投資を加速させ、生産性の向上やイノベーションの創出を働きがいを高めることで実現し、グローバルかつサステナブルな宝独自の2つのビジネスモデル※を確立・強化することで、バランスのとれた事業ポートフォリオでの持続的な成長とVisionの実現を達成する。加えて、コーポレートとしての情報発信とコミュニケーションを強化することで、企業価値を高める。※宝独自の2つのビジネスモデル宝酒造・宝酒造インターナショナルグループ日本食文化(和酒・日本食)の世界浸透推進タカラバイオグループライフサイエンス産業におけるインフラを担うグローバルプラットフォーマー定量目標 2026年3月期 宝グループ連結 ・売上高    4,200億円以上 ・営業利益    380億円以上 ・海外売上高比率 60.0%以上(タカラバイオグループを除く海外売上高比率60.0%以上) ・ROE 9.0%以上 ・ROIC 7.5%以上事業方針<宝酒造> 「グローバル和酒No.1」の源泉として、伸長領域を中心に、高い技術力と「NIPPON品質」に基づいた新たな市場を創造する商品の開発・育成やブランド価値の向上に注力するとともに、宝酒造インターナショナルグループとの協業も加速させ、社会課題の解決に貢献しながら、利益額・率を大きく向上させる。<宝酒造インターナショナルグループ> 宝酒造や国内外のグループ会社との協業を加速し、現地のニーズを捉えた輸出・現地生産の商品ポートフォリオ拡充と、和酒に強みを持った日本食材卸としてのプレゼンスの向上によって、和酒と日本食の相乗効果を最大限に発揮した「日本食文化の世界浸透」を推進し、社会課題の解決に貢献しながらグローバル和酒・日本食材No.1企業を目指す。 宝酒造と宝酒造インターナショナルグループにおいては、両社の協業をこれまで以上に推進し、国内外のニーズやトレンドを捉えて、スパークリング日本酒「澪」のグローバルブランド化を中心に、トラディショナル、イノベーティブの両面から和酒の開発とブランド育成を進めることで、世界の市場に和酒を拡大し、グローバル和酒No.1企業としてのプレゼンスを高める。<タカラバイオグループ> 試薬・機器の新製品やCDMOメニューの開発および新モダリティを創出する基盤技術の開発に向けてR&D費用を積極的に投下することで、臨床・創薬分野への事業領域拡大を加速させながら、「ライフサイエンス産業におけるインフラを提供するグローバルプラットフォーマー」としての存在感を高める。<コーポレート部門> “事業と一体”となって、グローバルでサステナブルなビジネスモデルを強固に支えるグループ経営機能を強化するとともに、グループ全体の生産性の向上やイノベーションの創出の実現に向けた「働きがい」のある環境を構築しながら、コーポレートとしての情報発信とコミュニケーションを強化し、社内外のステークホルダーからの宝グループの評価を向上させる。財務方針・健全な財務体質の維持をベースとして、成長・強化領域への投資を加速するために、グローバルなキャッシュマネジメントを強化するとともに、資産の効率性の向上や、政策保有株式の売却等によりキャッシュフローを創出する。・利益水準に応じた適切な株主還元(配当性向35%を目途)を実施する。 当社グループは「Smiles in Life~笑顔は人生の宝~」をありたい姿(Vision)として掲げ、世界中の暮らしを、命を、人生を、笑顔で満たすために挑戦し続けることを宣言しています。そして、事業活動を通じた社会的価値の創造を将来にわたって実現し続けていくためには、様々な社会課題の解決にこれまで以上に取り組む必要があるという認識のもと、「宝グループ・サステナビリティ・ポリシー」を策定しています。 「宝グループ・サステナビリティ・ポリシー」では、当社グループを取り巻く社会課題について、「安全・安心」をはじめとする10の重要課題(マテリアリティ)を取り上げ、各々についての取り組み方針を示しており、さらに、その方針に基づく具体的な中長期目標を設定した「宝グループ・サステナビリティ・ビジョン」を策定しています。 当社グループは、これからも事業活動を通じた社会的価値の創造により、ステークホルダーの皆様から信頼される企業グループを目指すとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 記載の数値目標は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を保証するものではありません。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費を中心とした景気拡大が継続いたしました。欧州では消費者物価の上昇の鈍化を受けて実質賃金がプラスで推移する中、消費は持ち直しの動きがみられました。中国では不動産市場の停滞が継続し、景気は足踏み状態が続きました。我が国においては、景気は一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復いたしましたが、物価上昇の継続による個人消費の減速や通商政策など米国の政策動向による影響が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 このような経済状況のもと、当社グループは、会社創立100周年となる2025年に向けた長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th」において、「Smiles in Life~笑顔は人生の宝~」をVisionとして掲げ、おいしさを追求する技術と革新的なバイオ技術によって、和酒・日本食とライフサイエンスにおける多様な価値を安全・安心に提供する企業グループとして、世界中の暮らしを、命を、人生を、笑顔で満たすために挑戦し続けております。 また、「TaKaRa Group Challenge for the 100th」の総仕上げに向けて「宝グループ中期経営計画2025」では、「成長・強化領域への投資を加速させ、企業価値を高める3年間」を経営方針とし、社会課題の解決に資するバリューチェーンを強化しながら商品・サービスを通じた社会課題の解決と、長期的かつ持続的に成長原資を生み出す「稼ぐ力」の向上を統合した経営を推進しております。 この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高362,693百万円(前期比6.9%増)、売上総利益119,647百万円(同5.0%増)、販売費及び一般管理費99,050百万円(同8.0%増)、営業利益20,597百万円(同7.4%減)、経常利益22,180百万円(同5.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16,202百万円(同0.2%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 〔宝酒造〕 宝酒造は、消費者の潜在的なニーズを掘り起こし、“タカラ「発酵蒸留サワー」”など他社と技術的に差異化された利益率の高い市場創造型商品の開発や“松竹梅白壁蔵「澪」”をはじめとした重点ブランドと位置づけている商品の育成に注力いたしました。また、品質管理の徹底など安全・安心に対する取り組みを継続するとともに、全社一体となったコストダウンにも取り組みました。 当セグメントのカテゴリー別の売上状況などは次のとおりであります。 焼酎では、甲類焼酎の大容量商品などが減少しましたので、減収となりました。清酒では、“松竹梅「天」”などが減少しましたので、減収となりました。ソフトアルコール飲料では、重点ブランドと位置づけている“タカラ「焼酎ハイボール」”は引き続き増加しましたが、その他の製品の減少がありましたので、減収となりました。調味料では、本みりんが増加し、食品調味料も増加しましたので、増収となりました。原料用アルコール等は減収となりました。 以上の結果、宝酒造の売上高は119,663百万円(前期比3.3%減)となりました。売上原価は89,744百万円(同2.5%減)となり、売上総利益は29,919百万円(同5.7%減)となりました。販売費及び一般管理費は、広告宣伝費や販売促進費などが減少し24,881百万円(同5.1%減)となりましたので、営業利益は5,037百万円(同8.5%減)となりました。〔宝酒造インターナショナルグループ〕 宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と海外の日本食レストランや小売店などに日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しております。 当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。 海外酒類事業では、ウイスキーはプレミアムバーボン“Blanton's”が引き続き好調に推移いたしました。また、海外専用商品の育成や現地ニーズを捉えた新商品開発に取り組んでいる清酒など和酒の売上も増加しましたので、海外酒類事業は増収となりました。海外日本食材卸事業では、米国や欧州での拠点の拡大や販売チャネルの多角化などに取り組みました。また、高品質な水産品など高付加価値商品のラインアップの拡充を進めたことや、新たにグループに迎え入れた企業の業績の寄与もありましたので、海外日本食材卸事業も増収となりました。 以上の結果、宝酒造インターナショナルグループの売上高は185,803百万円(前期比15.8%増)となりました。売上原価は126,108百万円(同16.0%増)となり、売上総利益は59,694百万円(同15.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や運送費などが増加し48,038百万円(同21.9%増)となりましたので、営業利益は11,655百万円(同5.2%減)となりました。〔タカラバイオグループ〕 タカラバイオグループは、バイオテクノロジーを利用する研究開発活動がますます広がりを見せる中、こうした研究開発活動を支援する試薬・機器を開発・製造し、世界中のバイオ研究者に提供する事業を展開しております。また、近年、製薬企業などで開発が盛んな再生・細胞医療・遺伝子治療の開発・製造を支援するCDMO事業を展開しております。CDMOとは医薬品の製法開発から製造までの工程を受託する事業を指し、タカラバイオグループでは、特に遺伝子治療薬等の分野に注力しております。その他、遺伝子医療事業では、遺伝子治療製品製造補助剤の製造・販売、新規モダリティ(治療手段)の創出、臨床開発プロジェクトを進め、独自のバイオ創薬基盤技術の価値の最大化に取り組んでおります。 当セグメントの売上状況は、試薬、機器、受託および遺伝子医療の全てのカテゴリーで増加いたしました。 以上の結果、タカラバイオグループの売上高は45,039百万円(前期比3.5%増)となりました。売上原価は、相対的に利益率の高い検査関連試薬の減収や売上構成の変化の影響等により18,972百万円(同14.3%増)となりましたので、売上総利益は26,067百万円(同3.1%減)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費などが減少し23,804百万円(同0.4%減)となり、営業利益は2,263百万円(同24.6%減)となりました。〔その他〕 その他のセグメントは、貨物運送事業、ワイン輸入販売、不動産賃貸事業などであります。当セグメントの売上高は、ワイン輸入販売は増加しましたが、貨物運送事業などが減少しましたので30,867百万円(前期比2.0%増)となりました。売上原価は26,144百万円(同0.5%増)となり、売上総利益は4,723百万円(同10.9%増)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などが増加し2,014百万円(同6.2%増)となりましたので、営業利益は2,708百万円(同14.6%増)となりました。② 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における流動資産は245,433百万円となり、前連結会計年度末に比べ219百万円増加いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が4,835百万円、商品及び製品が10,960百万円それぞれ増加し、現金及び預金が11,783百万円、流動資産のその他が2,551百万円それぞれ減少したことによるものであります。 固定資産は232,154百万円となり、前連結会計年度末に比べ39,899百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が建設仮勘定の増加などにより18,728百万円、無形固定資産がのれんの増加などにより23,326百万円それぞれ増加し、投資その他の資産が投資有価証券の減少とオペレーティング・リース使用権資産の増加などにより2,155百万円減少したことによるものであります。 以上の結果、総資産は477,587百万円となり、前連結会計年度末に比べ40,119百万円増加いたしました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は73,419百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,237百万円減少いたしました。これは主に1年内償還予定の社債が5,000百万円、流動負債のその他が6,406百万円それぞれ減少し、支払手形及び買掛金が1,752百万円、短期借入金が2,306百万円それぞれ増加したことによるものであります。 固定負債は103,264百万円となり、前連結会計年度末に比べ26,918百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が20,266百万円、長期オペレーティング・リース負債が6,317百万円それぞれ増加したことによるものであります。 以上の結果、負債合計は176,683百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,680百万円増加いたしました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は300,903百万円となり、前連結会計年度末に比べ20,438百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が10,540百万円、為替換算調整勘定が11,814百万円、非支配株主持分が3,875百万円それぞれ増加し、その他有価証券評価差額金が5,997百万円減少したことによるものであります。 以上の結果、自己資本比率は51.3%(前連結会計年度末は52.3%)となりました。③キャッシュ・フローの状況 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益25,815百万円、減価償却費10,347百万円、投資有価証券売却益3,696百万円、棚卸資産の増加5,025百万円、未払酒税の減少3,590百万円、その他の流動負債の減少3,526百万円、法人税等の支払額6,771百万円などで16,155百万円の収入と前期に比べ13,022百万円の収入減少となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出6,967百万円、定期預金の払戻による収入4,345百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出20,143百万円、投資有価証券の売却による収入4,756百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式及び出資金の取得による支出23,299百万円などにより41,562百万円の支出と前期に比べ21,569百万円の支出増加となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入25,100百万円、長期借入金の返済による支出5,801百万円、社債の償還による支出5,000百万円、配当金の支払額5,659百万円などにより6,548百万円の収入(前期は13,448百万円の支出)となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より14,904百万円減少し、75,280百万円となりました。④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の生産実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期増減率(%) 品種 焼酎31,957△6.1 清酒10,366△10.0 ソフトアルコール飲料41,740△2.6 その他酒類3,575△0.6 本みりん9,6631.9 その他調味料9,259△0.3宝酒造106,564△3.8宝酒造インターナショナルグループ13,437△2.9 試薬13,243△9.4 機器12659.3 受託8,7414.3 遺伝子医療2,91072.6タカラバイオグループ25,0221.0報告セグメント計145,023△2.9その他1,515△4.4合計146,539△2.9(注)1.金額は酒税込みの販売価格によっております。2.宝酒造の原料用アルコール等は、大部分が酒類等の原料として使用されていること、また、販売実績に対応する生産実績を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。b.商品仕入実績 当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期増減率(%)宝酒造865△7.7宝酒造インターナショナルグループ119,78020.6タカラバイオグループ4,400△8.1報告セグメント計125,04619.0その他11,6938.7合計136,74018.1(注)金額は仕入価格によっております。c.受注実績 タカラバイオグループにおいて、一部受注生産を行っておりますが、ほとんどの場合において、生産に要する期間が短く、受注残高が僅少であることから記載を省略しております。d.販売実績 当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の販売実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期増減率(%) 品種 焼酎31,801△7.3 清酒10,505△8.9 ソフトアルコール飲料42,029△0.6 その他酒類5,068△7.0 本みりん9,7960.7 その他調味料9,2301.9 原料用アルコール等11,231△1.5 宝酒造119,663△3.3 海外酒類23,53312.5 海外日本食材卸164,76816.2 その他8,352- グループ内連結消去△10,851- 宝酒造インターナショナルグループ185,80315.8 試薬31,9951.9 機器1,17231.3 受託8,1131.4 遺伝子医療3,75717.1 タカラバイオグループ45,0393.5報告セグメント計350,5067.0その他30,8672.0セグメント計381,3746.5事業セグメントに配分していない収益及びセグメント間取引消去△18,680-合計362,6936.9(注)1.販売金額には酒税を含んでおります。2.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える販売先はありません。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①重要な会計上の見積り及び当該見積もりに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」および「同(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度のセグメント別経営成績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。 宝酒造の売上高は、本みりんなどの調味料が増加しましたが、焼酎、清酒が市場の縮小に伴い減少したことで、全体では減収となりました。営業利益は、売上高の減少に加え、原材料、容器包装品のコストアップや為替の影響により、売上総利益が減少し、販売促進費などの販売費及び一般管理費の効率的な使用に努めたものの減益となりました。 宝酒造インターナショナルグループの売上高は、ウイスキーが引き続き好調に推移したこと、新たにグループに迎え入れた企業の業績の上乗せがあったことや、円安の寄与もあり、海外酒類事業、海外日本食材卸事業ともに増収となりました。営業利益は、売上高の増加により売上総利益は増加したものの、海外日本食材卸事業の拡大に伴う人件費、のれん償却額のほか、一時的に発生した倉庫料や子会社株式の取得に伴う費用など販売費及び一般管理費の増加が上回り減益となりました。 タカラバイオグループの売上高は、ライフサイエンス研究市場の回復が遅れているものの、全てのカテゴリーが増加したことで増収となりました。営業利益は、相対的に利益率の高い検査関連試薬の減収や、売上構成の変化の影響などにより売上原価率が上昇したことで、売上総利益が減少し、研究開発費などの販売費及び一般管理費が前期並みとなったことで減益となりました。 これらの報告セグメントにその他のセグメントを加えた当社グループの売上高は362,693百万円(前期比6.9%増)、売上総利益は119,647百万円(同5.0%増)、営業利益20,597百万円(同7.4%減)、経常利益22,180百万円(同5.0%減)となりました。また、特別利益において、固定資産売却益が777百万円増加したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は16,202百万円(同0.2%増)となりました。 以上の結果、ROEは6.8%(前期比0.7ポイント低下)、海外売上高比率は59.3%(前期比4.0ポイント上昇)となりました。イ.経営成績に重要な影響を与える要因 宝酒造では、国内での高齢化・人口減少や若年層の飲酒離れによる酒類市場の長期的な縮小が見込まれ、国内酒類業界はメーカー間の競争が激化し、厳しい経営環境にあります。加えて原材料やエネルギー価格の高騰、物流費等のコストアップによる製造コストの上昇が見込まれます。またサステナビリティ経営の観点から、環境問題や過剰飲酒問題は喫緊の課題であり、環境問題は技術面・コスト面の課題を解決しながら対応する必要があります。 宝酒造インターナショナルグループでは、海外での和酒・日本食の潜在需要は根強く、今後も安定した市場拡大が見込まれます。一方で競合各社との競争はますます激化することが予想されることからM&Aを含めた拠点の拡大、グループシナジーの強化、競争力のある商品の開発、経営基盤の整備などが求められます。 タカラバイオグループでは、中長期的には市場の拡大が予想されておりますが、同グループが積極的に取り組んでいる遺伝子治療分野では、多様なモダリティの開発、実用化が進み、欧米のバイオベンチャーや製薬企業等、企業規模は関係なく、世界的に競争が激化しております。このような環境下、人財の確保、研究開発費の投入、知的財産権の保護など経営成績に影響を与える多くの要因が存在します。 なお、当社グループの経営成績に影響を与える要因に関しては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」もご参照ください。ロ.資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、営業活動から得られるキャッシュ・フローを、各事業セグメントの成長・強化領域へ積極的に投資するとともに、利益水準に応じた適切な株主還元を行い、一方で、多様な資金調達手段を確保し金融負債を利用することにより、適切な資本、負債のバランスを維持し、財務の安全性と資本の効率性の両立を図ります。 また、当社グループの手許流動性は十分に確保されており、各セグメントの事業活動、予定している投資活動に支障はありません。さらにコミットメントラインなどのバックアップラインも適切に設定されております。 なお、上場企業であるタカラバイオ株式会社は、タカラバイオグループの資金の調達、流動性の確保を独自に行っており、宝酒造、宝酒造インターナショナルグループは宝ホールディングス株式会社と緊密な連携を行い、効率的な資金調達、資金管理を行っております。a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産が増加したことや未払酒税の減少等により、前連結会計年度に比べ13,022百万円の収入減少の16,155百万円の収入となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式及び出資金の取得による支出や有形及び無形固定資産の取得による支出などにより41,562百万円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、シンジケートローン契約に基づく長期借入れによる収入や、長期借入金の返済、配当金の支払額などにより6,548百万円の収入となりました。以上の結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ14,904百万円減少しておりますが、当連結会計年度末時点におけるキャッシュ・フローの状況に特段の問題はないと認識しております。b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの資本の財源は、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として社債および金融機関からの借入金であります。当社では安定的な資金調達のため20,000百万円の普通社債の発行登録を行うとともに、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期債格付Aを、株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債格付A+をそれぞれ取得しております。当連結会計年度は、宝酒造インターナショナルグループにおけるKagerer & Co. GmbHなどの出資持分および株式を取得する資金に充当するためにシンジケートローン契約に基づく長期借入金25,000百万円の調達を行いました。 また、短期資金の調達のため、当社は同じく株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から10,000百万円の発行枠を設定しているコマーシャル・ペーパーの格付(a-1、J-1)をそれぞれ取得しておりますが、当連結会計年度末における借入実行残高はありません。 さらに、機動的な資金調達および流動性の補完を目的として、継続して融資枠10,000百万円のコミットメントラインを設定しておりますが、当連結会計年度末における借入実行残高はありません。 当社グループは成長・強化領域へ積極的な経営資源の配分と投下を行うことを方針としており、当連結会計年度は、宝酒造インターナショナルグループでは海外日本食材卸事業に係るM&A投資や製品倉庫等への設備投資を、タカラバイオグループではワクチン関連およびCDMO事業等のデュアルユース製造設備建設に係る設備投資を実施いたしました。当連結会計年度の有形及び無形固定資産の取得による支出は20,143百万円となり、減価償却費を大きく上回る水準となっております。 当社は、当社の信用力を生かして外部資金を一括して調達し、タカラバイオグループを除く主要な連結子会社に必要資金を貸し付けるとともに、一部の国内連結子会社とはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入するなど、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理することにより、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ14,904百万円減少の75,280百万円となり、現時点で十分な手許流動性を維持しております。ハ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上・財務上の課題および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 消費者の嗜好変化と需要減少
    国内の酒類市場は、消費者の嗜好の多様化、高齢化・人口減少、若年層の飲酒離れといった要因により、需要が減少する可能性があります。これにより、宝酒造の売上高や収益性が低下し、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 激化する市場競争
    国内の酒類・調味料市場、海外の酒類・日本食材市場、そしてバイオ市場のいずれにおいても、競合他社との競争が激化しています。新商品の開発や価格競争、マーケティング戦略で優位性を保てない場合、売上の減少や利益率の低下につながる可能性があります。
  • 製造拠点への依存と原材料価格変動
    宝酒造の主要製品は特定の工場に集中しており、大規模災害などで操業が中断すると生産能力が著しく低下するリスクがあります。また、原材料の調達は天候や経済状況、地政学的要因に影響されやすく、価格高騰は製造コストを押し上げ、収益を圧迫する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,820 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。 なお、記載中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載事項は投資判断に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意下さい。(1) 消費者の嗜好及び需要動向の変化について 宝酒造の売上高の大部分は、日本国内のものであり、その市場は、消費者の嗜好の変化の影響を受けやすく、コロナ禍によって変化した消費スタイルの影響をも受けております。同社は、消費者の嗜好の変化を捉えた商品の開発や、他社商品と差異化を図った独創的な商品の開発に注力しておりますが、消費者の嗜好の多様化が進み、消費動向の変化が加速しております。そのため、今後同社が消費者の嗜好や市場の変化を捉えた魅力的な商品を提供できない場合は、将来の成長性や収益性を低下させる可能性があります。また日本国内の高齢化・人口減少や若年層の飲酒離れは酒類の需要の減少を招き、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。同社では、SDGsを意識した商品など消費者ニーズを捉えた高付加価値商品の開発・育成に取り組んでおります。(2) 競合について①宝酒造 日本国内の酒類・調味料市場では、市場全体の伸びが鈍るなか、商品開発やマーケティング戦略など、競合各社との競争が激化しております。競争の激化は売上の減少や、高騰する原材料価格の製品価格への転嫁の阻害要因となり利益率の低下を招き、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。宝酒造では、独自の技術で差異化された商品の開発・育成や、ブランド力強化、流通業態の変化に対応した販売活動、市場の理解を得られる価格政策、そしてこれらを支える原資を得るため徹底的なコストダウンや効率化に取り組んでおります。②宝酒造インターナショナルグループ 海外酒類事業では、ウイスキー市場においては世界中に多くの競合メーカーが存在するほか、清酒をはじめとする和酒市場においても、海外現地生産および日本生産の輸出メーカーなど多くの競合各社との競争が激化しております。また、海外日本食材卸事業においても、海外での和酒・日本食市場の拡大が見込まれる一方で、競合の状況は激化しております。競合各社に勝る競争力を維持できない場合には、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。宝酒造インターナショナルグループでは、M&Aを含めた拠点拡大や、宝酒造との協業により同社の技術力を生かした魅力的な商品の開発・育成やブランド力の強化に取り組んでおります。また、グループシナジーを生かした共通購買などの商品調達力強化や、強みであるレストラン向けに加えて小売店などの販売チャネルの多角化へも取り組んでおります。③タカラバイオグループ タカラバイオグループは、財務的な一定の基盤、アジア市場における確固としたプレゼンスおよび保有技術の幅広いラインアップを有する独自の産業的地位を占めていると考えております。 しかしながら、研究用の試薬・機器・受託サービスの製造・販売・提供には医薬品や医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合には、これらの事業への参入は比較的容易であり、国内のみならず海外においても多数の競合企業が存在しております。 また、遺伝子治療分野においては、技術的進展により、安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られ始めております。当分野の市場規模の拡大を背景として、欧米のバイオベンチャーや製薬企業等、多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組んでおります。 このような環境の中、同グループは、独自もしくは大学等の外部団体や企業と協力して、技術や製品を開発しておりますが、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、同グループは開発した技術や製品を可能な限り知的財産権による保護によって、独占化あるいは差異化を図るとともに、コストダウンの推進および製造体制の強化により、価格競争力の維持を図ってまいります。(3) 製造に関する依存について①宝酒造 宝酒造の酒類製品の大部分は、伏見工場(京都市伏見区)および松戸工場(千葉県松戸市)で製造しております。これらの地域において大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、同社の製品の生産、供給能力が著しく低下し、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。同社では全社及び拠点毎の事業継続計画(BCP)を整備し、安定した生産・供給に努めております。また楠工場(三重県四日市市)も含めた相互応援体制による、フレキシブルな生産体制を構築しております。②タカラバイオグループ タカラバイオグループの主力製品である試薬は、その大半を中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司で製造しており、当該子会社の収益動向の変化や、各国の関税政策の変更、何らかの理由による事業活動の停止等により、同グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、効率性向上とリスク低減のバランスを考慮しつつ、グローバルで多極的な製造・研究開発体制の整備を進めております。(4) 原材料価格の変動について 宝酒造の原材料の調達については、調達先の国又は地域の天候や経済状況の影響を間接的に受ける可能性があります。焼酎等の原料である粗留アルコールは主に南米・北米やアジア地域の、また清酒等の原料米は主に日本の天候、原料相場の影響を受けます。さらに地政学的要因を背景としたグローバルなサプライチェーンへの影響は原材料・燃料の調達価格の高騰ひいては製造コストの上昇に繋がり、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。宝酒造では原材料の調達先の多様化により安定的かつ有利な条件での調達を図り、一方で技術革新による原価の低減に取り組んでおります。(5) 特有の法的規制について①宝酒造 宝酒造は、日本国内において酒税の賦課徴収、酒類の製造免許および販売業免許等について定める酒税法の規制を受けております。同社は酒税法に基づき、販売業免許のほか、種類別、製造場ごとに所轄税務署長の製造免許を取得しております。今後の事業展開においても酒税法の規制を受けるほか、酒税の税率の変更によって酒類の販売価格、販売動向等に影響を受ける可能性があります。同社は酒税法などの法令遵守はもとより、酒税法の改正等に機動的に対応し、必要に応じて商品戦略の見直しを図るなどの対策を実行いたします。②宝酒造インターナショナルグループ 宝酒造インターナショナルグループでは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、運輸、人権、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、同グループの活動が制限される可能性があり、また遵守することによるコストの増加につながる可能性があります。同グループでは法令遵守のもと、これらの影響を軽減する対策を実施いたします。③タカラバイオグループ タカラバイオグループの研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)等の関連法規の規制を受けており、同グループは当該法規制を遵守していく方針であります。 また、同グループが開発・販売中の体外診断用医薬品や開発中の遺伝子治療薬は、医薬品医療機器等法をはじめとする関連法規の規制を受けており、商業活動のためには所轄官公庁の承認または許可が必要になります。同グループが研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、同グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。(6) 飲酒に対する社会的規制について 酒類は人々の生活に豊かさと潤いを与えるものである一方で、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となり、アルコール健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、その家族への深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性が高いことが指摘されております。これらのアルコールに関連する諸問題が社会的に一層深刻となった場合には、酒類の製造、販売に何らかの影響、規制が及ぶ可能性があり、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。宝酒造および宝酒造インターナショナルグループでは、これらの指摘を認識したうえで、酒類の製造、販売を行う企業として、人々の健康を維持増進し、社会的責任を果たす観点から、当社グループが定めた「責任ある飲酒に関する基本方針」に基づき、適正飲酒の啓発をはじめ、ホームページに主な商品の純アルコール量を開示し、日本国内で販売するすべての消費者向け商品(酒類調味料除く)への純アルコール量表示を進めるなどの取り組みを行うとともに、WHO(世界保健機関)が採択した「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」を支持し、その達成に向けた取り組みを実施しております。(7) 研究開発活動について バイオテクノロジーに関連する産業は、再生・細胞医療・遺伝子治療等分野、基礎研究や創薬等を目的とした大学、公的研究機関や企業、検査会社を直接のターゲットカスタマーとする研究支援分野、そのほか、環境・エネルギー・食品・情報分野まで多岐にわたります。 このような状況の中、タカラバイオグループにおいて競争優位性を維持していくためにも、広範囲にわたる研究開発活動は非常に重要であると考えております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証はなく、特に遺伝子治療分野における臨床開発は長期間を要するため、研究開発活動の遅延により、同グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バイオテクノロジー業界を取り巻く経営環境の変化は激しく、同グループの事業環境は新たな技術革新や新規参入者等により大きな影響を受ける可能性があることから、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、計画する収益を獲得できない可能性があります。(8) 知的財産権について タカラバイオグループは、研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、競合他社を排除するため、自社の技術を特許で保護しております。また、同グループは、研究開発を進めていくにあたって、特許出願・権利化を第一に考え対応していく方針であります。しかしながら、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が無効となる、消滅する等した場合には、同グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、同グループは、今後の事業展開の中で、必要な他者特許については取得またはライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生する可能性があります。また、必要な他者特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、同グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(9) 固定資産の減損処理について 当社グループでは、のれんを含む多額の有形・無形固定資産を保有しておりますが、経営環境の急変等により固定資産の減損に係る会計基準に基づき減損損失を計上した場合には、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは一定の投資に際しては取締役会等の承認を得ることとしており、投資効果の判定にはNPV法に基づくハードルレートを設定し、進捗を毎期検証しております。また、減損の兆候を早期に把握する体制を構築しております。(10)為替レートの変動について 当社グループが事業を展開する日本国外の各地域における売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、換算時の為替レートにより財務諸表計上額が影響を受ける可能性があります。また、輸入による商品仕入れ、原材料の調達あるいは製品輸出を外貨建てで行う場合は為替レートの変動により経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、為替変動リスクに備えるため、通貨オプション、為替予約などのヘッジ取引を行い、為替レートの変動による影響を軽減するよう努めております。(11)製造物責任について 当社グループが開発、製造する全ての商品について製造物責任賠償のリスクが内在しています。特に、酒類、食品、医薬品、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品、研究用製品、臨床試験に使用される治験薬などについては、製造、販売、臨床試験において製造物の欠陥が発見され、健康障害等を引き起こした場合には製造物責任を負う可能性があります。また、大規模な製品回収や製造物責任賠償は、多額のコストが発生するうえに、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに備えるため、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。当社グループでは、法令遵守に加え徹底した品質管理とリスク管理体制の構築に取り組んでおります。(12)情報セキュリティについて 当社グループは、事業に関連して多数のITシステムを活用し、個人情報を含む膨大な情報を管理しております。これら社内情報の紛失、漏洩、改ざんあるいはランサムウェア被害などが起こった場合は業務への支障、対応コストに加えレピュテーションリスクが生じる可能性があります。また、システム不具合あるいはサイバー攻撃により、一定期間業務の遂行が不可能になった場合は事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。デジタルトランスフォーメーションの進展や、在宅勤務の拡大によりこれらのリスクは拡大しております。当社グループでは「情報管理規程」「ITセキュリティポリシー」を定め、ITセキュリティに関する第三者評価を受けるほか、従業員に対してはITリテラシー教育を継続的に行い、定期的に不審なメール対応訓練も実施することでリスクへの対応を強化しております。(13)訴訟について 当社グループでは、事業の遂行にあたり各種法令および規制等に違反しないようコンプライアンス活動を強化するなど最善の努力をしております。しかしながら、国内外において事業活動を遂行していくうえで、当社グループおよびその従業員が法令等に対する違反の有無にかかわらず、製造物責任法や知的財産権、発明対価請求などの問題において訴訟提起される可能性を抱えています。万が一当社グループが訴訟を提起された場合、また不利な判決結果が生じた場合は、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは法令遵守を徹底するとともに、重要な契約の締結に際しては法務部門、外部専門家の助言、チェックを受ける体制を構築しております。(14)自然災害や事故災害について 暴風、地震、落雷、洪水、渇水等の自然災害、火災等の事故災害や感染症の世界的流行(パンデミック)が発生した場合には、災害による物的・人的被害により、当社グループの営業活動に支障が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、緊急時対応マニュアルなどを整備し、発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めております。 当社では、当社社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」が当社グループのリスク管理全体を総括し、同委員会の監督のもと、各担当部門において「法・社会倫理」「商品の安全と品質」「安全衛生」その他当社グループを取り巻くリスクを防止・軽減する活動に取り組んでおります。

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