2212

山崎製パン(2212)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 食品製造販売事業
    山崎製パンは、パン、和・洋菓子、調理パン・米飯類、製菓・米菓など、幅広い食品の製造と販売を主力事業としています。自社工場で製品を製造し、量販店、コンビニエンスストア、自社業態店などを通じて消費者に提供することで収益を得ています。特にパンや菓子は日々の食卓に欠かせないものであり、安定した需要が見込めます。
  • ベーカリー・カフェ事業
    パン用冷凍生地の製造販売に加え、直営のベーカリー店舗やベーカリーカフェを国内外で展開しています。これにより、焼きたてのパンや洋菓子をその場で提供し、顧客体験価値を高めることで収益を上げています。特に「ヴィ・ド・フランス」のような多店舗展開は、ブランド認知度向上と顧客基盤の拡大に貢献しています。
  • 流通事業とその他事業
    コンビニエンスストア「デイリーヤマザキ」のフランチャイズ運営や食品スーパーマーケット「スーパーヤマザキ」の経営を通じて、自社製品の販売チャネルを確保し、流通面からも収益を上げています。また、物流、食品製造設備の設計・工事、事務受託、損害保険代理業など多角的な事業を展開し、グループ全体の効率化と収益源の多様化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 食品事業(Food Business)
    パン、和・洋菓子、調理パン・米飯類、製菓・米菓などの製造販売が中心です。この事業は同社グループの売上高の大部分を占める主力事業であり、最新年度の売上高は約1兆2,159億円、営業利益は約584億円と、非常に大きな規模で利益を創出しています。国内外の幅広い地域で展開しており、多様な製品を通じて消費者の食生活を支えています。
  • 流通事業(Retail Business)
    コンビニエンスストア「デイリーヤマザキ」のフランチャイズ運営と、食品スーパーマーケット「スーパーヤマザキ」の経営が含まれます。最新年度の売上高は約797億円ですが、営業利益は約-8.8億円と赤字を計上しており、食品事業に比べて規模は小さいものの、自社製品の販売チャネルとしての役割も担っています。
  • その他事業(Other Businesses)
    物流事業、食品製造設備の設計・工事、事務受託業務、損害保険代理業、食品製造機械器具の洗浄剤製造販売など、多岐にわたります。これらの事業は、グループ全体の効率的な運営を支えるとともに、収益源の多様化にも貢献しています。具体的な売上や利益の数値は示されていませんが、グループのインフラを支える重要な役割を担っています。
2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
FoodBusiness 地域 12,159 584 4.8%
RetailBusiness 地域 798 -9 -1.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,576 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社57社及び関連会社4社で構成され、主な事業内容と各事業における当社グループ各社の位置付けは次のとおりであります。 (1) 食 品 事 業(パン、和・洋菓子、調理パン・米飯類、製菓・米菓等の製造販売) パン、和・洋菓子は、当社をはじめ㈱YKベーキングカンパニー、㈱イケダパン、㈱サンキムラヤ、㈱高知ヤマザキ、㈱スリーエスフーズなどが製造し、自社業態店、量販店、コンビニエンスストアその他の販売店に販売しております。ベーカリー事業につきましては、当社、㈱ヴイ・ディー・エフ・サンロイヤルなどがパン用冷凍生地などのベーカリー製品を製造販売するとともに、㈱ヤマザキをはじめグループ各社が直営店を経営しパン、和・洋菓子の店内製造小売を行っております。また、㈱サンミックスがグループ各社向けにプレミックスを開発・製造販売しております。なお、㈱ヴィ・ド・フランスがベーカリーカフェを多店舗展開しております。調理パン・米飯類は、㈱サンデリカをはじめ㈱イケダパンなどグループ各社がサンドイッチ、弁当、おにぎりなどを製造販売しております。また、大徳食品㈱が麺類を製造販売しております。製菓は、ヤマザキビスケット㈱及び㈱東ハトがビスケット、スナックなどを製造販売しております。また、米菓は、㈱末広製菓及び秋田いなふく米菓㈱があられ、煎餅などを製造し、主として当社が販売しております。㈱不二家が菓子及び洋菓子の製造販売を行っており、「カントリーマアム」、「ミルキー」、「ルック」などの菓子類を製造販売するとともに、洋菓子専門店をチェーン展開し、ケーキ、デザートなどの洋菓子を製造販売しております。また、B-Rサーティワンアイスクリーム㈱がアイスクリームを製造販売しております。持分法適用関連会社の日糧製パン㈱が、北海道においてパン、和・洋菓子、米飯類等の製造販売を行っております。海外では、米国において、ヴィ・ド・フランス・ヤマザキ,Inc.がパン用冷凍生地などのベーカリー製品を製造販売するとともにベーカリーカフェを展開しており、ベイクワイズ ブランズ,Inc.が包装ベーグルを製造販売し、トム キャット ベーカリー,Inc.がアルチザン・ブレッドを製造販売しております。また、台湾山崎股份有限公司、香港山崎麺飽有限公司、タイ ヤマザキ Co.,Ltd.、フォーリーブズ PTE.Ltd.などが、東南アジアの各地でベーカリーを経営しております。また、PT.ヤマザキ インドネシアがインドネシアにおいてパン、和・洋菓子等の製造販売を行っております。 (2) 流 通 事 業(コンビニエンスストア事業、食品スーパーマーケットの経営) 当社のデイリーヤマザキ事業統括本部がフランチャイズ方式によるコンビニエンスストア事業を行っており、また、㈱スーパーヤマザキが食品スーパーマーケットを経営しております。なお、これらの店舗では、当社グループの製品を仕入れて販売しております。 (3) そ の 他 事 業(物流事業、食品製造設備の設計、監理及び工事の請負、事務受託業務、損害保険代理業、食品製造機械器具の洗浄剤の製造販売等) ㈱ヤマザキ物流及び㈱サンロジスティックスがパン、和・洋菓子等の工場・営業所間輸送及び得意先への配送等の物流事業を行っております。㈱ヤマザキエンジニアリングが当社グループで使用する食品製造機器の設計、監理及び工事の請負などの事業を行っており、㈱ヤマザキが損害保険代理業を行っております。また、㈱ヤマザキクリーンサービスが当社グループで使用する食品製造機械器具の洗浄剤の製造販売を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。(→は製品の販売、サービスの提供、◎は連結子会社、○は持分法適用関連会社を表す。)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格高騰リスクがあるものの、多様な製品とブランド力で価格転嫁の余地がある。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
「山崎製パン」をはじめ、「不二家」などの有名ブランドを多数展開している。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:食品安全衛生問題の発生 / 原材料の調達不安定化及び価格高騰 / 大規模自然災害による操業停止
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 13 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

「ヤマザキ」ブランドは長年にわたり消費者に浸透しており、高い認知度と信頼を得ている。特に、菓子パンや惣菜パンの分野で長年の定番商品が多く、ブランドロイヤルティを形成している。また、イーストフードや製パン技術に関するノウハウも無形資産と言える。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

パンは日常消費財であり、価格や品揃え、利便性で競合他社に乗り換える可能性は常にある。しかし、長年のブランドイメージや特定の商品のファン層は一定のスイッチングコストを生む。特に、ヤマザキの「ランチパック」のような独自性の高い商品は、代替が効きにくくスイッチングコストを高める。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

パンの製造・販売には直接的なネットワーク効果はほとんど見られない。消費者の購買行動は個々の嗜好や利便性に依存する。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた効率的な生産体制、原材料の大量購買力、広範な物流網がコスト優位性を生んでいる。特に、多品種少量生産から標準化された大量生産への移行や、自動化の推進により、単位あたりの製造コストを低く抑える努力を続けている。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

山崎製パンは日本の製パン業界において圧倒的なシェアを誇り、その規模は他社を大きく引き離している。この巨大な生産・販売規模は、物流、原材料調達、研究開発において強力な効率性を生み出し、競合他社が容易に追随できない参入障壁となっている。

  • 多様な製品ラインナップ
    パン、和・洋菓子、調理パン、米菓、ビスケット、アイスクリームなど、非常に幅広い食品カテゴリーを網羅しています。これにより、消費者の多様なニーズに応えることができ、市場の変化にも柔軟に対応できる強みがあります。不二家や東ハト、サーティワンアイスクリームといった有名ブランドもグループに属し、相乗効果を生み出しています。
  • 強固な生産・流通網
    国内外に多数の工場と物流拠点を持ち、全国規模での安定供給体制を確立しています。特に自然災害時にも事業継続できる体制を構築しており、緊急食糧の供給など社会的使命も果たしています。自社物流網はコスト効率を高め、製品を新鮮な状態で迅速に届ける上で重要な競争優位性となります。
  • 海外展開と技術力
    米国や東南アジアなど、海外10ヶ国・地域で製パン工場やベーカリーカフェを展開し、グローバルな事業基盤を築いています。特にパン用冷凍生地技術は海外でも活用されており、現地の食文化に合わせた製品開発と提供を通じて、新たな市場での成長機会を追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、創業以来一貫して、良品廉価・顧客本位、製品をもって世に問うというヤマザキの精神を具現化すべく、今日到達しうるベストクオリティー・ベストサービスを追求することをめざし、パン、和・洋菓子、製菓類、調理パン・米飯類の製造販売事業に携わり、常に積極果敢に技術革新に取り組み、高品質な製品を全国各地に安定的に供給することを通じて社会の負託に応え、業績の向上につとめてまいりました。また、当社グループは、西暦2000年以来、特に「食の安全・安心」を社会の要請と積極的に受けとめ、徹底した食品安全衛生管理体制の確立をはかり、さらに、食品安全衛生管理体制の上に築き上げる事業経営手法として、部門別製品施策、営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を取り上げ、積極的に部門別製品開発、技術開発に取り組み、お客様に喜ばれる製品とサービスの提供に万全を期してまいりました。今般、当社は、21世紀の事業環境と社会の変化に対応するため、「企業経営を通じて社会の進展と文化の向上に寄与することを使命とし、自主独立の協力体制を作り、もって使命達成に邁進する」という顧客本位の精神で、潜在需要に着目しイノベーション(技術革新)によって需要を創造するという、前向き積極的なピーター・ドラッカー博士の経営理論に導かれる山崎製パン株式会社の「経営基本方針(綱領および具体方針)」を改めて高く掲げると同時に、これを補完するものとして、「ヤマザキパンの中に神のみこころにかなう会社の実現を期す」という飯島藤十郎社主の祈りに導かれ、「日々、お取引先からご注文いただいた品は、どんな試練や困難に出会うことがあっても、良品廉価・顧客本位の精神でその品を製造し、お取引先を通してお客様に提供する」という、新しいヤマザキの精神に導かれ、科学的根拠の上に立った食品安全衛生管理体制の上に築き上げる科学的・合理的・効率的な事業経営手法として、「いのちの道」の教えに従ったすべての仕事を種蒔きの仕事から開始する部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を実践、実行、実証することで、新しい価値と新しい需要を創造し、社会の負託に応え社業を前進させることを21世紀のヤマザキの経営方針といたします。事業経営の具体的遂行に当たっては、経営陣、管理職は、本物の5S・全員参加の5Sとピーター・ドラッカー博士の5つの質問を連動させる「2本立ての5S」を行うとともに、「いのちの道」の教えに従った部門別製品施策・営業戦略をピーター・ドラッカー博士の5つの質問と連動させ、「私たちの使命は何ですか」(What is our mission?)と問うだけでなく「私の使命は何ですか」(What is my mission?)と問い、生産部門・営業部門一体となった業務を推進するとともに、内部管理体制を充実・強化して、各部門毎の自主独立の協力体制を構築いたします。また、「良品廉価・顧客本位の精神で品質と製品、サービスをもって世に問う」というヤマザキの精神と「知恵と知識によって変化に挑戦し、新しい価値と新しい需要を創造する」という「いのちの道」を導く言葉によって日々の仕事の実践、実行、実証に励み、業績の着実な向上を期してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社は持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、積極的な設備投資を継続するとともに、財務基盤の安定、収益性の改善、資本効率の向上に取り組んでまいります。具体的には業界における競合に耐え抜くことに重点を置きつつ、連結売上高経常利益率4%以上の達成を経営目標とするとともに、連結ROEを重要な経営指標として位置付け、10%以上の達成を経営指標として効率的な事業経営に取り組んでまいります。また、株主還元に関しましては、連結配当性向30%を目標に安定した配当を継続することを基本方針としております。今後も収益の向上を通じて増配をめざすとともに、自己株式取得を機動的に行ってまいります。 (3) 食品安全衛生管理体制の強化当社グループは、従来から全社的組織で取り組んでおります細菌面における食品衛生管理システム、表示の適正管理システムに加え、AIB(American Institute of Baking)の「国際検査統合基準」に基づく教育指導・監査システムを活用し、異物混入防止対策を含む科学的根拠の上に立った総合的な食品安全衛生管理体制を整備し運用しております。当社グループは、一般社団法人日本パン技術研究所によるAIBフードセーフティ監査を受けるとともに、自主監査によって各工場の食品安全衛生管理体制の充実強化をはかっております。また、当社の食品衛生管理センターが要注意製品群を定め、定期的な製品の市場買付による細菌検査を通じて安全性の検証を行うとともに、当社の食品安全衛生管理本部の食品衛生管理課が専任の部署として、製品表示のチェックシステムにより原材料の成分管理やアレルゲン表示管理を含め製品表示の管理徹底をはかっております。今後、なお一層、食品安全衛生管理体制の強化につとめてまいる所存でございます。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の見通しといたしましては、わが国経済は、所得環境の改善が進み、個人消費が持ち直しに向かうなど、景気は緩やかに回復していくことが期待されますが、当業界におきましては、継続する物価上昇によりお客様の生活防衛意識が一段と強まり、節約志向や低価格志向が続くとともに、鶏卵や油脂、包材の高止まりなど原材料価格の上昇に加え、人件費等の上昇が予測され、厳しい経営環境になるものと思われます。また、小売事業につきましても、人件費等のコスト上昇もあり、厳しい経営環境になるものと思われます。このような状況下にありまして、当社グループは、引き続き「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始する営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、新たな技術を活用した品質向上に取り組むとともに、2極化・3極化戦略によって変化するお客様のニーズに対応した隙のない製品開発を推進し、新しい価値の創造に取り組んでまいります。また、2本立ての労働安全衛生管理体制の整備・充実強化をして働く職場の安全安心の実現にも取り組み、着実な業績向上をはかってまいります。また、デイリーヤマザキやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、小売事業業績改善プロジェクトにおいて、日次管理・週次管理・時間管理の経営手法を徹底し、日々の仕事の精度向上をはかるとともに、小売事業本部内の戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携した競争力のある商品開発を推進し、業績向上をめざしてまいります。食パンは、11月に「ダブルソフト」に導入した新しい品質改善技術を、2026年1月から主力の「ロイヤルブレッド」に活用し、品質訴求や売り場づくりの推進により更なる取扱店数の拡大をはかるとともに、この技術を「モーニングスター」などの低価格製品やサンドイッチ用食パンにも活用してまいります。また、「ダブルソフト」については3枚入り、2枚入りに加え、健康志向製品の「ダブルソフト 全粒粉入り」と併せた売り場づくりを推進し、売上拡大をはかってまいります。菓子パンは、コッペパンや「ミニスナックゴールド」など主力製品において、新しい技術による品質向上をはかるとともに、2極化・3極化に対応した製品開発を推進してまいります。また、ランチパックについて新しい技術により食材食パンの品質向上をはかり、価格帯別のラインアップの充実をはかるとともに、薄皮シリーズについては生地の品質向上や具材感の向上により売上回復をはかってまいります。和菓子は、新規製法の餡を活用し、品質訴求により串団子や大福、饅頭の取扱店数の拡大をはかってまいります。また、蒸しパンの主力製品「北海道チーズ蒸しケーキ」に新しい技術を活用して品質向上をはかるとともに、チルド和菓子や2極化・3極化に対応した製品開発を推進し、売上拡大をはかってまいります。洋菓子は、主力の2個入り生ケーキの新規技術による品質向上に加え、プレミアムスイーツや「イチゴスペシャル」、「ダブルロール」の取扱店数の拡大をはかってまいります。引き続き新規技術の活用による生地の品質改善やクリームの風味向上に取り組むとともに、コンビニエンスストア向け製品についてチェーン毎に隙のない価格対応を強化し、売上拡大をはかってまいります。調理パン・米飯類は、新しい技術を活用した食材食パンによるサンドイッチの開発やおにぎりの品揃えの強化をはかるとともに、コンビニエンスストアチェーンや量販店向けの製品開発を推進し、売上拡大をはかってまいります。製菓・米菓・その他商品類は、グループ各社の特徴ある製品群を活用した部門別のブランド戦略を推進し売上拡大をはかってまいります。デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始し、運営・商品が一体となって、オリジナル商品の開発に取り組むとともに、戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携してヤマザキの技術を最大限活用した競争力のある商品開発を推進してまいります。また、松戸・杉並ドミナントプロジェクトの取組みを大阪ドミナントに拡大し、大阪エリアの工場と連携してデイリーホットを中心に収益改善に取り組むとともに、既存店の改装によるデイリーホットを中心としたヤマザキらしい店づくりを推進して1店1店の売上向上と収益改善をはかり、業績回復をめざしてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、創業以来一貫して、良品廉価・顧客本位、製品をもって世に問うというヤマザキの精神を具現化すべく、今日到達しうるベストクオリティー・ベストサービスを追求することをめざし、パン、和・洋菓子、製菓類、調理パン・米飯類の製造販売事業に携わり、常に積極果敢に技術革新に取り組み、高品質な製品を全国各地に安定的に供給することを通じて社会の負託に応え、業績の向上につとめてまいりました。また、当社グループは、西暦2000年以来、特に「食の安全・安心」を社会の要請と積極的に受けとめ、徹底した食品安全衛生管理体制の確立をはかり、さらに、食品安全衛生管理体制の上に築き上げる事業経営手法として、部門別製品施策、営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を取り上げ、積極的に部門別製品開発、技術開発に取り組み、お客様に喜ばれる製品とサービスの提供に万全を期してまいりました。今般、当社は、21世紀の事業環境と社会の変化に対応するため、「企業経営を通じて社会の進展と文化の向上に寄与することを使命とし、自主独立の協力体制を作り、もって使命達成に邁進する」という顧客本位の精神で、潜在需要に着目しイノベーション(技術革新)によって需要を創造するという、前向き積極的なピーター・ドラッカー博士の経営理論に導かれる山崎製パン株式会社の「経営基本方針(綱領および具体方針)」を改めて高く掲げると同時に、これを補完するものとして、「ヤマザキパンの中に神のみこころにかなう会社の実現を期す」という飯島藤十郎社主の祈りに導かれ、「日々、お取引先からご注文いただいた品は、どんな試練や困難に出会うことがあっても、良品廉価・顧客本位の精神でその品を製造し、お取引先を通してお客様に提供する」という、新しいヤマザキの精神に導かれ、科学的根拠の上に立った食品安全衛生管理体制の上に築き上げる科学的・合理的・効率的な事業経営手法として、「いのちの道」の教えに従ったすべての仕事を種蒔きの仕事から開始する部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を実践、実行、実証することで、新しい価値と新しい需要を創造し、社会の負託に応え社業を前進させることを21世紀のヤマザキの経営方針といたします。事業経営の具体的遂行に当たっては、経営陣、管理職は、本物の5S・全員参加の5Sとピーター・ドラッカー博士の5つの質問を連動させる「2本立ての5S」を行うとともに、「いのちの道」の教えに従った部門別製品施策・営業戦略をピーター・ドラッカー博士の5つの質問と連動させ、「私たちの使命は何ですか」(What is our mission?)と問うだけでなく「私の使命は何ですか」(What is my mission?)と問い、生産部門・営業部門一体となった業務を推進するとともに、内部管理体制を充実・強化して、各部門毎の自主独立の協力体制を構築いたします。また、「良品廉価・顧客本位の精神で品質と製品、サービスをもって世に問う」というヤマザキの精神と「知恵と知識によって変化に挑戦し、新しい価値と新しい需要を創造する」という「いのちの道」を導く言葉によって日々の仕事の実践、実行、実証に励み、業績の着実な向上を期してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社は持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、積極的な設備投資を継続するとともに、財務基盤の安定、収益性の改善、資本効率の向上に取り組んでまいります。具体的には業界における競合に耐え抜くことに重点を置きつつ、連結売上高経常利益率4%以上の達成を経営目標とするとともに、連結ROEを重要な経営指標として位置付け、10%以上の達成を経営指標として効率的な事業経営に取り組んでまいります。また、株主還元に関しましては、連結配当性向30%を目標に安定した配当を継続することを基本方針としております。今後も収益の向上を通じて増配をめざすとともに、自己株式取得を機動的に行ってまいります。 (3) 食品安全衛生管理体制の強化当社グループは、従来から全社的組織で取り組んでおります細菌面における食品衛生管理システム、表示の適正管理システムに加え、AIB(American Institute of Baking)の「国際検査統合基準」に基づく教育指導・監査システムを活用し、異物混入防止対策を含む科学的根拠の上に立った総合的な食品安全衛生管理体制を整備し運用しております。当社グループは、一般社団法人日本パン技術研究所によるAIBフードセーフティ監査を受けるとともに、自主監査によって各工場の食品安全衛生管理体制の充実強化をはかっております。また、当社の食品衛生管理センターが要注意製品群を定め、定期的な製品の市場買付による細菌検査を通じて安全性の検証を行うとともに、当社の食品安全衛生管理本部の食品衛生管理課が専任の部署として、製品表示のチェックシステムにより原材料の成分管理やアレルゲン表示管理を含め製品表示の管理徹底をはかっております。今後、なお一層、食品安全衛生管理体制の強化につとめてまいる所存でございます。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の見通しといたしましては、わが国経済は、所得環境の改善が進み、個人消費が持ち直しに向かうなど、景気は緩やかに回復していくことが期待されますが、当業界におきましては、継続する物価上昇によりお客様の生活防衛意識が一段と強まり、節約志向や低価格志向が続くとともに、鶏卵や油脂、包材の高止まりなど原材料価格の上昇に加え、人件費等の上昇が予測され、厳しい経営環境になるものと思われます。また、小売事業につきましても、人件費等のコスト上昇もあり、厳しい経営環境になるものと思われます。このような状況下にありまして、当社グループは、引き続き「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始する営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、新たな技術を活用した品質向上に取り組むとともに、2極化・3極化戦略によって変化するお客様のニーズに対応した隙のない製品開発を推進し、新しい価値の創造に取り組んでまいります。また、2本立ての労働安全衛生管理体制の整備・充実強化をして働く職場の安全安心の実現にも取り組み、着実な業績向上をはかってまいります。また、デイリーヤマザキやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、小売事業業績改善プロジェクトにおいて、日次管理・週次管理・時間管理の経営手法を徹底し、日々の仕事の精度向上をはかるとともに、小売事業本部内の戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携した競争力のある商品開発を推進し、業績向上をめざしてまいります。食パンは、11月に「ダブルソフト」に導入した新しい品質改善技術を、2026年1月から主力の「ロイヤルブレッド」に活用し、品質訴求や売り場づくりの推進により更なる取扱店数の拡大をはかるとともに、この技術を「モーニングスター」などの低価格製品やサンドイッチ用食パンにも活用してまいります。また、「ダブルソフト」については3枚入り、2枚入りに加え、健康志向製品の「ダブルソフト 全粒粉入り」と併せた売り場づくりを推進し、売上拡大をはかってまいります。菓子パンは、コッペパンや「ミニスナックゴールド」など主力製品において、新しい技術による品質向上をはかるとともに、2極化・3極化に対応した製品開発を推進してまいります。また、ランチパックについて新しい技術により食材食パンの品質向上をはかり、価格帯別のラインアップの充実をはかるとともに、薄皮シリーズについては生地の品質向上や具材感の向上により売上回復をはかってまいります。和菓子は、新規製法の餡を活用し、品質訴求により串団子や大福、饅頭の取扱店数の拡大をはかってまいります。また、蒸しパンの主力製品「北海道チーズ蒸しケーキ」に新しい技術を活用して品質向上をはかるとともに、チルド和菓子や2極化・3極化に対応した製品開発を推進し、売上拡大をはかってまいります。洋菓子は、主力の2個入り生ケーキの新規技術による品質向上に加え、プレミアムスイーツや「イチゴスペシャル」、「ダブルロール」の取扱店数の拡大をはかってまいります。引き続き新規技術の活用による生地の品質改善やクリームの風味向上に取り組むとともに、コンビニエンスストア向け製品についてチェーン毎に隙のない価格対応を強化し、売上拡大をはかってまいります。調理パン・米飯類は、新しい技術を活用した食材食パンによるサンドイッチの開発やおにぎりの品揃えの強化をはかるとともに、コンビニエンスストアチェーンや量販店向けの製品開発を推進し、売上拡大をはかってまいります。製菓・米菓・その他商品類は、グループ各社の特徴ある製品群を活用した部門別のブランド戦略を推進し売上拡大をはかってまいります。デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始し、運営・商品が一体となって、オリジナル商品の開発に取り組むとともに、戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携してヤマザキの技術を最大限活用した競争力のある商品開発を推進してまいります。また、松戸・杉並ドミナントプロジェクトの取組みを大阪ドミナントに拡大し、大阪エリアの工場と連携してデイリーホットを中心に収益改善に取り組むとともに、既存店の改装によるデイリーホットを中心としたヤマザキらしい店づくりを推進して1店1店の売上向上と収益改善をはかり、業績回復をめざしてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①経営成績の状況当期におけるわが国の一般経済環境は、所得環境の改善が進み、個人消費に持ち直しの動きがみられるとともに、堅調なインバウンド需要に支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。当業界におきましては、物価上昇に賃金の伸びが追い付かずに消費マインドが低迷し、お客様の節約志向や低価格志向が続くとともに、鳥インフルエンザの影響による鶏卵の高騰に加え、油脂、包材等の原材料価格の上昇や人件費、物流費等の上昇もあり、厳しい経営環境となりました。また、コンビニエンスストアやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、インバウンドの増加もあり売上回復が続きましたものの、人件費等のコスト上昇もあり、厳しい経営環境となりました。このような情勢下にありまして、当社グループは、「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始する営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、主力製品の品質向上をはかるとともに、2極化・3極化戦略によって低価格製品を充実する一方で、女性製品開発担当者を中心に付加価値を付けた製品開発に取り組むなど、変化するお客様のニーズに対応した隙のない製品開発を推進しました。前期、新規技術を導入して大幅な品質改善を実現しお客様の支持を得た「ダブルソフト」の技術を最大限活用し、1月から主力の「ロイヤルブレッド」に導入して業績向上への推進力とするとともに、この技術を菓子パン、和菓子、洋菓子にも活用し、品質訴求による売上拡大をはかりました。また、1月1日出荷分から実施した、一部の食パン、菓子パン、和菓子、洋菓子製品の価格改定につきましては、対象製品の品質向上や規格の充実に加え、下支え製品の充実などお客様のニーズに丁寧に対応するとともに、「春のパンまつり」等のキャンペーンを活用し販売数量の拡大をはかりました。また、当社は、労働安全衛生管理体制の充実強化を推進し、労働安全衛生推進基本会議を毎月開催して経営陣、本社各部・各工場が一体となって、夏場の従業員の熱中症対策を含む労働安全衛生に関する問題課題の解決に取り組みました。安全日誌を活用して従業員によるチョコ停・トラブル、ヒヤリハット等の情報を日次・週次・月次で管理し改善を進めるとともに、本社各部・各工場における機械設備のリスクアセスメントによるリスクの排除・低減に加え、管理・監督職が責任をもって日々の安全パトロールや安全教育を実施する、2本立ての労働安全衛生管理体制の整備・充実強化をはかり、業績向上対策とともに働く職場の安全安心の実現に取り組みました。デイリーヤマザキやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、小売事業業績改善プロジェクトにおいて、日次管理・週次管理・時間管理の経営手法により、問題課題を正確に把握して原因を追究し対応策を推進するなど、日々の仕事の精度向上をはかりました。また、小売事業本部内の戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携し、新規技術により品質向上をはかった冷凍生地を活用し女性製品開発担当者の感性を活かした競争力のある商品開発を推進するなど、業績向上をはかりました。当期の連結業績につきましては、売上高は1兆3,114億30百万円(対前連結会計年度比105.4%)、営業利益は611億41百万円(対前連結会計年度比117.9%)、経常利益は643億14百万円(対前連結会計年度比114.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は408億93百万円(対前連結会計年度比113.5%)となりました。パン類を中心に新規技術を活用して品質向上をはかったこともあり、山崎製パン㈱単体の業績が好調に推移したことに加え、連結子会社の業績も好調に推移し、増収増益を達成しました。 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)比較増減金額(百万円)金額(百万円)前年同期差(百万円)前年同期比(%)売 上 高1,244,4881,311,43066,942105.4営 業 利 益51,87361,1419,267117.9経 常 利 益56,30564,3148,009114.2親会社株主に帰属する当期純利益36,01540,8934,877113.5 セグメント別の業績は次のとおりであります。 〔食品事業〕a 食パン部門(売上高1,182億87百万円、対前連結会計年度比103.7%) 食パンは、1月に新規技術により品質向上をはかった主力の「ロイヤルブレッド」が伸長するとともに、この技術を活用したチェーンオリジナル対応を含む低価格製品やサンドイッチ用食パンが好調に推移しました。さらに、「ダブルソフト」に新たな技術を活用して品質向上をはかり、11月からリニューアル発売して売上拡大をはかったこともあり、前期の売上を上回りました。b 菓子パン部門(売上高4,846億74百万円、対前連結会計年度比104.3%) 菓子パンは、「まるごとソーセージ」やランチパック、「アップルパイ」等の主力菓子パンが伸長するとともに、ヤマザキ菓子パンやペストリーの「ずっしり」シリーズ、「ドーナツステーション」等の低価格製品が伸長しました。さらに、ヤマザキの技術を積極的に活用した㈱YKベーキングカンパニーの売上が好調に推移し、前期の売上を大きく上回りました。c 和菓子部門(売上高813億33百万円、対前連結会計年度比106.1%) 和菓子は、串団子や大福、饅頭が好調に推移するとともに、新規技術により品質向上をはかったホットケーキや「やまざき蒸しパン」、中華まんが好調に推移しました。さらに、チルド製品の「雪どら」シリーズが売上に寄与し、前期の売上を上回りました。d 洋菓子部門(売上高1,632億9百万円、対前連結会計年度比103.8%) 洋菓子は、主力の2個入り生ケーキが堅調に推移するとともに、「イチゴスペシャル」や「ダブルロール」、「ふんわりワッフル」など新規技術により品質向上をはかった製品が伸長しました。さらに、コンビニエンスストア向け製品が好調に推移し、前期の売上を上回りました。e 調理パン・米飯類部門(売上高1,731億79百万円、対前連結会計年度比109.6%) 調理パン・米飯類は、おにぎりやサンドイッチが伸長するとともに、㈱サンデリカにおいて主要取引先であるコンビニエンスストアチェーンとの取引が増加したことに加え、大徳食品㈱においてヤマザキの技術により麺の品質向上をはかった調理麺が好調に推移し、前期の売上を上回りました。 f 製菓・米菓・その他商品類部門(売上高1,952億56百万円、対前連結会計年度比106.9%) 製菓・米菓・その他商品類は、㈱不二家の「カントリーマアム」や「ホームパイ」が大きく伸長するとともに、ヤマザキビスケット㈱の「チップスター」や㈱東ハトの「キャラメルコーン」等のスナック製品が伸長したこともあり、前期の売上を上回りました。 以上の結果、食品事業の売上高は1兆2,159億40百万円(対前連結会計年度比105.4%)、営業利益は584億48百万円(対前連結会計年度比117.4%)となりました。 [食品事業 前期比較] 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期差(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)金額(百万円)売 上 高1,153,5041,215,94062,435105.4営 業 利 益49,79658,4488,652117.4 〔流通事業〕  デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始し、運営・商品が一体となって、お客様のニーズに合ったオリジナル商品の開発に取り組むとともに、戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携した競争力のある商品開発や新規技術による冷凍生地を活用したデイリーホットの品質向上をはかり、お客様に喜ばれるヤマザキ独自のコンビニエンスストアチェーンをめざしました。また、松戸・杉並ドミナントプロジェクトにおける成功事例を活用し、デイリーホットを中心に収益改善をはかるとともに、各工場と連携した売り場づくりや店舗改装によるヤマザキらしい店づくりに取り組むなど、1店1店の収益改善をはかりました。この結果、当期は、チェーン全店売上高、営業総収入が直営店の売上増もあり前期を上回るとともに、値入率の管理が進み利益も改善してまいりました。 なお、当連結会計年度末の店舗数は、「デイリーヤマザキ」998店(6店減)、「ニューヤマザキデイリーストア」244店(33店減)、「ヤマザキデイリーストアー」9店(増減なし)、総店舗数1,251店(39店減)となりました。 以上の結果、流通事業の売上高は797億90百万円(対前連結会計年度比104.7%)、営業損失は8億84百万円(前連結会計年度は12億35百万円の営業損失)となりました。 [流通事業 前期比較] 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期差(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)金額(百万円)売 上 高76,20079,7903,590104.7営 業 利 益△1,235△884351- 〔その他事業〕 その他事業につきましては、売上高は156億99百万円(対前連結会計年度比106.2%)、営業利益は33億51百万円(対前連結会計年度比111.1%)となりました。 [その他事業 前期比較] 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期差(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)金額(百万円)売 上 高14,78315,699916106.2営 業 利 益3,0173,351333111.1 ②財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計は9,318億78百万円で、前連結会計年度末に比べ667億73百万円増加しました。当連結会計年度末の負債合計は4,210億50百万円で、前連結会計年度末に比べ164億32百万円増加しました。当連結会計年度末の純資産合計は5,108億28百万円で、前連結会計年度末に比べ503億41百万円増加しました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は1,554億23百万円となり、前連結会計年度に対しては94億84百万円の増加となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益615億69百万円に加え、減価償却費436億44百万円などにより788億70百万円のプラスとなりました。前連結会計年度に対しては48億95百万円収入が増加しました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより558億59百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に対しては123億67百万円支出が増加しました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、配当金の支払などにより141億26百万円のマイナスとなりましたが、前連結会計年度に対しては9億11百万円支出が減少しました。 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)増 減金額(百万円)金額(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー73,97478,8704,895投資活動によるキャッシュ・フロー△43,492△55,859△12,367財務活動によるキャッシュ・フロー△15,038△14,126911現金及び現金同等物に係る換算差額308600291現金及び現金同等物の増減額(△は減少)15,7539,484△6,268現金及び現金同等物の期首残高129,582145,93916,357新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額604-△604現金及び現金同等物の期末残高145,939155,4239,484 ④生産、受注及び販売の状況a 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期差(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)金額(百万円)食品事業1,064,4401,121,23056,790105.3その他事業117101△1586.6合計1,064,5571,121,33256,774105.3 b 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期差(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)金額(百万円)食品事業55,71556,351635101.1流通事業31,27332,108834102.7合計86,98988,4591,470101.7 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 c 受注状況当社グループの食品事業における製品は特に鮮度が重要視されますので、取引先からの日々の注文により生産しておりますが、納入時間の関係上受注締切以前に見込数で生産を開始し、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、翌日繰越受注残はありません。 d 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称区分前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)比較増減金額(百万円)金額(百万円)前年同期差(百万円)前年同期比(%)食品事業食パン114,088118,2874,199103.7 菓子パン464,844484,67419,829104.3 和菓子76,62781,3334,705106.1 洋菓子157,251163,2095,957103.8 調理パン・米飯類158,022173,17915,156109.6 製菓・米菓・その他商品類182,670195,25612,585106.9 食品事業計1,153,5041,215,94062,435105.4流通事業 76,20079,7903,590104.7その他事業 14,78315,699916106.2合計1,244,4881,311,43066,942105.4 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。a 貸倒引当金 当社グループは、貸倒懸念債権等特定の債権について個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。b 投資有価証券の減損処理 当社グループは、投資有価証券を所有しておりますが、その価値が50%以上下落した場合及び2ヶ年以上継続して30%から50%下落している場合は、減損処理を実施しております。将来の市況悪化や投資先の業績不振等によっては、更に減損処理が必要となる可能性があります。c 繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その実現可能性について毎期検討し、内容の見直しを行なっておりますが、将来の課税所得の見込みの変化やその他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の取崩又は追加計上により親会社株主に帰属する当期純利益が変動する可能性があります。d 退職給付費用及び債務 退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は優良社債の利回りに基づき、長期期待運用収益率については年金資産の過去の運用実績等に基づき決定しております。 実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来の期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グル-プの当連結会計年度の経営成績は、売上高は1兆3,114億30百万円(前連結会計年度比5.4%増)で、「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始する営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略を推進するとともに、ダブルソフトの新規技術を菓子パンや和菓子、洋菓子にも活用し、品質訴求をはかったことに加え、1月から実施した価格改定につきましては、対象製品の品質向上や規格の充実をはかった事で、菓子パンを中心に好調に推移しました。また、関係会社の業績も改善され、前連結会計年度を上回りました。営業利益は611億41百万円(前連結会計年度比17.9%増)、経常利益は643億14百万円(前連結会計年度比14.2%増)で増収に加え、人件費率や販売コストの減少もあり、営業利益、経常利益ともに増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益も、408億93百万円(前連結会計年度比13.5%増)で、前連結会計年度を上回りました。当社グループは、引き続き「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始する営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、新たな技術を活用した品質向上に取り組むとともに、2極化・3極化戦略によって変化するお客様のニーズに対応した隙のない製品開発を推進し、新しい価値の創造に取り組んでまいります。また、2本立ての労働安全衛生管理体制の整備・充実強化をして働く職場の安全安心の実現にも取り組み、着実な業績向上をはかってまいります。 また、デイリーヤマザキやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、小売事業業績改善プロジェクトにおいて、日次管理・週次管理・時間管理の経営手法を徹底し、日々の仕事の精度向上をはかるとともに、小売事業本部内の戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携した競争力のある商品開発を推進し、業績向上をめざしてまいります。今後も当社グル-プは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、財政基盤の安定、収益性の改善、資本効率の向上に取り組み、連結経常利益率4%以上、連結ROE10%以上を達成すべく全力を挙げて取り組んでまいります。 a 売上高売上高を事業の種類別に見ますと、食品事業は新規技術により品質を向上させたロイヤルブレッドが伸長するとともに、2極化・3極化戦略によって、低価格帯製品や値頃感のある製品を充実し、隙のない製品対応をはかったことで、食パン・菓子パン部門が好調に推移しました。和菓子部門は主力の串団子や大福が伸長し、洋菓子部門は主力の2個入生ケーキに加え、新規技術により品質を向上させたスイスロールやスナックケーキが伸長しました。また、コンビニエンスストアチェーンとの取引増加もあり、おにぎりやサンドイッチが好調に推移しました。製菓・米菓・その他商品類部門も㈱不二家の「カントリーマアム」、ヤマザキビスケット㈱の「チップスター」、㈱東ハトの「キャラメルコーン」などの主力製品が伸長した事もあり、食品事業全体では1兆2,159億40百万円(前連結会計年度比5.4%増)で前連結会計年度を上回りました。流通事業はデイリ-ヤマザキで、競争力のある商品開発と新規技術による冷凍生地を活用したデイリーホットの品質向上に加え、ヤマザキらしい店づくりへの取り組みもあり、797億90百万円(前連結会計年度比4.7%増)、その他事業は156億99百万円(前連結会計年度比6.2%増)でした。なお、売上高の詳細については、「第2 事業の状況」「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載の通りです。b 営業利益 売上総利益率は、労務費率や製造光熱水費率の減少もあり、32.7%で前連結会計年度を0.1%上回りました。販売費及び一般管理費は3,672億63百万円、売上高に対する比率は28.0%で、人件費率や運搬費率等の販売コストの減少もあり、前連結会計年度を0.4%下回りました。 以上の結果、営業利益は611億41百万円(前連結会計年度比17.9%増)となりました。セグメント別では、食品事業の営業利益は増収と人件費率の減少もあり、584億48百万円(前連結会計年度比17.4%増)、流通事業は値入率の改善等もあり、営業損失は8億84百万円(前連結会計年度は12億35百万円の営業損失)と縮小、その他事業の営業利益は増収により33億51百万円(前連結会計年度比11.1%増)でした。c 経常利益 営業外収益面で、外貨建貸付金に係る為替差益の減少や支払利息の増加等により、経常利益は643億14百万円(前連結会計年度比14.2%増) となりました。なお、目標とする経営指標の連結売上高経常利益率4%以上に対し、当連結会計年度は4.9%で、前連結会計年度に対しては0.4%上回りました。d 親会社株主に帰属する当期純利益 固定資産除売却損等の特別損失計上後の税金等調整前当期純利益は615億69百万円(前連結会計年度比10.7%増) 、親会社株主に帰属する当期純利益は408億93百万円で、前連結会計年度に対し13.5%の増益となりました。当連結会計年度の1株当たり当期純利益は206円78銭で、前連結会計年度に比べ28円20銭増加しました。なお、目標とする経営指標の連結ROEの10%以上に対し、当連結会計年度は9.4%で、前連結会計年度に対しては0.5%上回りました。 ③財政状態の分析当連結会計年度末の資産合計は9,318億78百万円で、前連結会計年度末に対し667億73百万円増加しました。主な要因は、流動資産が3,654億70百万円で、現金及び預金の増加などにより240億66百万円増加したことと、固定資産が5,664億7百万円で、有形固定資産が129億67百万円増加し、退職給付に係る資産が206億37百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に対し427億6百万円増加したことによるものです。負債は4,210億50百万円で、支払手形及び買掛金などの支払債務の増加や長期借入金の増加などにより、前連結会計年度末に対し164億32百万円増加しました。純資産は5,108億28百万円で、利益剰余金が319億43百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に対し503億41百万円増加しました。なお、自己資本比率は49.3%で前連結会計年度末に比べ1.7%の増、1株当たり純資産は2,327円87銭で前連結会計年度末に比べ255円53銭の増となりました。 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前期差金額(百万円)金額(百万円)流 動 資 産341,404365,47024,066固 定 資 産523,701566,40742,706資 産 合 計865,105931,87866,773負 債 合 計404,618421,05016,432純 資 産 合 計460,486510,82850,341負 債 純 資 産 合 計865,105931,87866,773 ④資本の財源及び資金の流動性について当連結会計年度末の借入金残高は954億32百万円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループは将来必要とされる成長資金及び有利子負債の返済に対し、当面充分な流動性を確保しております。 また、当社グループは、第1に、手元流動性を極力最小限に抑える。第2に営業活動によるキャッシュ・フローは会社の維持発展に必要な設備投資に充当する。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。第3に余剰資金は金利負担の軽減をはかるため適宜借入金の返済に充当する。以上の3項目を目標にしてキャッシュ・フローの有効活用に努めます。株主還元につきましては、株主の皆様への安定配当を継続することを基本方針とし、連結配当性向30%を目標にしております。なお、当期の連結配当性向は29.0%であります。 ⑤当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 食品安全衛生問題
    原材料の偽装や異物混入、消費期限管理の不備など、食品の品質や安全性に関わる問題が発生した場合、消費者の信頼を失い、売上減少やブランドイメージの毀損につながる可能性があります。同社はHACCPやJFS-B規格の取得、AIBの監査システム導入などで対策を講じていますが、想定を超える事態には業績への影響が懸念されます。
  • 原材料価格の高騰
    小麦粉、砂糖、油脂などの主要原材料は、異常気象による収穫量減少や投機資金の流入、原油価格上昇による包装材料費の高騰などにより、仕入れ価格が上昇するリスクがあります。調達先の多様化や代替原材料の検討で対応していますが、急激な価格変動は製造コストを押し上げ、利益率を圧迫する可能性があります。
  • 自然災害による影響
    国内外に多数の生産拠点を持つため、地震や台風などの大規模自然災害が発生し、工場が操業停止に追い込まれた場合、製品の供給が滞り、売上や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。同社は複数の工場での増産や自社物流網の活用で事業継続体制を構築していますが、想定を超える被害には対応が困難になることも考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,636 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 食品安全衛生近年、食品業界におきましては、原材料や製品の消費又は賞味期限管理の問題、製品の規格や農畜水産物の産地の偽装、輸入食品の安全対策等、食品の品質、安全性に関わる問題が発生しております。当社グループは、製品の安全性確保と今後発生が予見されるリスクへの予防措置を講ずる目的から、当社本社内に食品安全衛生管理本部を設置し、下部組織として食品衛生管理センター(微生物、表示業務)、食品品質管理部(異物混入防止業務)、お客様相談室を設け、更に各工場において食品衛生管理センター分室(微生物、表示業務)、食品品質管理センター分室(異物混入防止業務)を設置するとともに、生産統括次長を委員長とする食品衛生委員会を設け、日々の管理の万全を期しております。さらに、中央検査室において、食品衛生事故の防止のための研究をいたしておりますが、社会全般にわたる品質問題等、上記の取組みの範囲を超えた事象が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。食品安全衛生へのリスクに対応するため、微生物に関する安全性確保の手段としてHACCPに基づく衛生管理を行い、JFS-B規格を取得し、当社グループの各工場において日々の細菌検査による衛生管理を検証するとともに、本社食品衛生管理センターにおいて要注意製品を定めて各工場毎に月次で市場買付による細菌検査を実施、全工場の衛生管理体制の検証を行っています。さらに、異物混入防止対策としてAIB(American Institute of Baking)の「国際検査統合基準」による指導・監査システムを導入し、関係会社を含む全工場に管理を徹底するとともに順次監査を実施しております。また、表示に関しましては、当社及びグループ各社が発売する製品について、食品衛生管理センターの表示確認決定システムにより管理を徹底しております。 (2) 原材料の調達及び価格高騰当社グループの食品事業の主要原料は、小麦粉、砂糖、油脂等農産物の一次加工品であり、また、卵、レーズン、苺等の農産物も原料として多量に使用しております。これらは生産地域の地球温暖化などの影響に伴う異常気象等による収穫量の減少や消費量の急激な増加のために需給が逼迫することがあり、また、投機資金の流入によって穀物等の国際相場が攪乱されることがあります。特に、輸入原料の場合は紛争発生や感染性疾病の流行により特定地域からの輸入が停止される可能性があります。また、原油価格の上昇等により、軽油、重油等の燃料や石油製品である包装材料、容器類の価格上昇が生じる可能性があります。当社グループでは、調達先の多様化によるリスク分散や市場原理に沿った様々な対応策を講じておりますが、突発的事情により原材料の安定的調達ができなくなった場合、又は仕入価格が高騰した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。原材料の調達及び価格高騰へのリスクに対応するため、この様なリスクは常に発生する可能性があるとの認識を持ち、原材料に係る情報の積極的な収集に努めるとともに、複数社による調達、国や産地の分散化、代替原材料の検討、諸外国との経済連携協定等の活用、生産販売部門との情報の共有などにより、サプライチェーンとの信頼関係の下、コストの削減及び安定供給に努めております。 (3) 自然災害当社グループは、生産拠点として国内外に多数の工場を有しており、地震や台風等の自然災害が発生し、重大な被害を受けた工場が操業停止となった場合、当該工場の生産分を他の複数工場の増産とグループ会社を含めた自社物流網を活用して緊急的に製品を供給し事業継続する体制を構築しておりますが、万一、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた大規模な災害が発生した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、地震や洪水等の自然災害時において、ライフラインが停止した状況でも直ぐに利用できるパンや米飯・調理パンは緊急食糧に適しており、多くの場合被災地の自治体から緊急食糧の供給要請があります。当社は緊急食糧の供給を含め、安定した食料供給は食品企業としての当社の社会的使命と考え、過去に発生いたしました阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などの大規模自然災害に際しましてもグループの総力を上げて対応してまいりました。今後も自然災害に際し、直ちに本社および被災地に緊急対策本部を設置し、被災地の道路状況の速やかな把握等により、生産体制及び配送体制を状況に応じて再編し、損失の発生抑制に努めるとともに、本社支援チームの速やかな現地派遣等により連携して早期復旧にあたる体制の強化、災害時通信網の整備、非常用発電装置の配備、情報システム2拠点化など、自然災害へ対応する事業継続体制整備へ向けて、さらに精度を上げた取り組みを推進してまいります。 (4) 取引先の経営破綻当社グループは、各社が連携して調査機関や業界からの情報収集に基づき取引先の与信管理を徹底し、債権保全に万全を期しておりますが、当社グループの主要な得意先である広域営業の量販店、コンビニエンスストアチェーンにつきましては、取引金額が多額であることもあり、万一、経営破綻が発生し売掛債権が回収不能になった場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。取引先の経営破綻のリスクに対応するため、債権管理システムを活用した入金遅延情報の早期把握や、店頭情報及び同業他社からの情報収集の強化を図り、経営破綻の兆候を発見するとともに、信用調査を定期的に実施し、支払条件の短縮及び保証金預りの交渉等の対策により、売掛債権の回収不能防止に取り組んでおります。 (5) 退職給付費用及び債務当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算定されておりますが、前提条件が変更され数理計算差異が発生した場合や企業年金基金の運用成績が著しく悪化した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。退職給付費用及び債務のリスクに対応するため、年金資産運用の情報収集を行うとともに、年金資産運用受託機関からの詳細な情報を得て運用状況の改善に努めております。 (6) 海外事業当社グループは、海外10ヶ国・地域において現地法人19社を有し、17ヶ所の製パン等の工場を運営するとともに、当社独自の冷凍生地技術を活用して257店のベーカリーを展開しております。海外事業のリスクとしては、次のような事業展開地域の政治、経済、社会情勢の変化等に起因する事業上の不利益要因が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。①予期しない法的規制・制度の変更(外資規制、営業許可制度、関税・輸出入規制等)②他社による類似商標、看板の使用等、知的財産権の侵害③自然災害、紛争、テロの発生④為替・金利変動なお、為替変動のリスクについては、海外子会社の資金調達における金利負担軽減のため、親会社である当社から直接貸付を行う場合があり、為替の変動によって業績に影響を及ぼす可能性があります。海外事業のリスクに対応するため、当該政府、金融機関、監査法人、弁護士等から情報収集を行い、予防、回避に努めております。上記のリスクが発生した場合に備え、事業の継続を念頭に対応策を早期に検討し実施する体制を構築しております。また、紛争、テロ等が発生した場合は従業員とその家族の安全確保を第一とし、状況により出向者及び家族の一時退避等の対策を実施いたします。 (7) 情報セキュリティ当社グループは、事業活動においてITシステムを幅広く活用しております。このため、サイバー攻撃やシステム運用上のトラブル等によって、ITシステムの停止や重要情報の漏洩・喪失が発生した場合には、事業の中断、損害賠償請求、セキュリティ対策費用の増加等により、事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。上記のリスクに対応するため、当社グループは、基幹系システム等の重要システムを堅牢性の高いデータセンターで管理しており、外部からのサイバー攻撃に対する多層的な防御・監視を24時間365日体制で運用しております。データセンター内のITシステムは二重化しており、非常時はバックアップシステムに切り替えることにより事業を継続可能な構成としております。また、サイバー攻撃やシステム運用上のトラブル等によって発生しうる損害賠償に対応するため「サイバー保険」に加入しております。

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