研究開発活動(本文)
FY2025|4,337 文字
6 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、「世代を超えて愛されるすこやかな食を創造し続け、世界の人々の笑顔を未来につなぐこと」を使命とし、私たちが目指すビジョンに沿って、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は3,045百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が2,910百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が135百万円であります。 「2024中期経営計画」の初年度である当連結会計年度は、2030ビジョン『森永製菓グループは、2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』実現に向けた2ndステージとして、「技術を基軸に、未来に向けて新たな顧客価値を生み出す研究所」という基本方針のもと、全社戦略・事業戦略と連動しながら、中長期視点での研究開発力の強化・共創による価値創出の加速に向けた取組みを引き続き実施いたしました。 (1)既存技術-3大技術の深化- <ソフトキャンディ技術> 主力ブランドの「ハイチュウ」に関する技術伸長に注力して研究開発を継続しております。また、感性研究との連動により「幸せ食感」を訴求し、心の健康にも寄与する商品として成長し続けております。 ハイチュウ50周年を記念して発売した「12粒ハイチュウ<王道ミックス>」は、今まで培ってきた当社の技術を最大限に駆使し、「ハイチュウ」史上初めて、ひと粒で3つのフレーバー(グレープ、ストロベリー、グリーンアップル)が楽しめるワクワク感と驚きのある品質に仕立てております。 また米国においては「HI-CHEW」の特長であるChewyでリアルなフルーツ感をグミで再現した「HI-CHEW gummies」「HI-CHEW gummies sour」を発売いたしました。柔らかいセンターグミを歯切れのよいグミで包んだ、食感とジューシーさを楽しめるグミキャンディであります。 <冷凍下での菓子技術>「チョコモナカジャンボ」のモナカのパリパリ食感をできるだけ長持ちさせるため、水分を吸着する食物繊維原料に着目し、モナカへのコーティングチョコ部分や“チョコの壁”にこの食物繊維原料を加えることでモナカの吸湿耐性を約1.2倍向上させ、“チョコの壁強化”訴求に繋がる活性化を実施いたしました。また当社の菓子技術を活かしたデザートアイス、コンビネーションアイスを多数発売いたしました。当社のビスケットブランド「マリー」を活用し、自分の好きなように割って砕いて食べる食感体験型カップアイス「砕<MARIE&ホワイトチョコ>」を発売いたしました。ホワイトチョココーチングのパキッとした食感とMARIEのザクリとした食感を主役に、濃厚ながら最後まで食べ飽きない品質に仕立てております。冷凍下でもしっとり・もちもち食感のクレープ生地が特長の「ザ・クレープ」では、「ザ・クレープ<幸せホイップ2倍>、<チョコ&チョコ>」を発売いたしました。<チョコ&チョコ>では、現在のもちもちクレープ生地になってから初の黒いクレープシートで味わいとともに見た目の楽しさも実現いたしました。 <ゼリー飲料技術>高タンパク含有製品でもゼリーらしい食感を実現する技術を確立し「inゼリー プロテイン15g」をリニューアルいたしました。パインヨーグルト味からミックスベリーヨーグルト味に変更するとともに、よりゼリーらしい食感を追求するために配合の見直しを行い、飲みやすい品質に仕立てております。 また、まるで本物の果実を食べているような食感・美味しさを味わえるとともにビタミンや食物繊維が摂取できる「inゼリー フルーツ食感」シリーズでは、新たに<巨峰>を発売いたしました。当社が保有するゼリー食感のコントロール技術により巨峰の果肉の繊維感を表現し、みずみずしい果肉感と飲みやすさを両立した品質に仕上げております。 (2)新規技術開発-未来に向けたウェルネス新価値創出- <感性科学研究(心の健康)> 喫食時の生体計測や主観評価など、感性を可視化するために、大学などとの共同研究による多角的な分析を進め、新しい価値の創出に取り組んでおります。食感研究と感性研究の融合による「心地よい食感」に関する研究成果は、「ハイチュウ」の訴求表現(かむほど幸せ食感)や「チョコモナカジャンボ」のマーケティング戦略(ジャンボスマイルプロジェクト)などに活用しております。また、喫食時の表情解析からの感情推定、視線や脳活動測定からのパッケージ評価など、新たな取組みも開始いたしました。さらに、保育の現場における行動観察研究を通じて、おやつが子どもたちの共食の場を楽しく、豊かなものにしていることを明らかにいたしました。本研究は第18回キッズデザイン賞を受賞いたしました。今後もR&D部門を通じて「心の健康」への貢献を推進してまいります。 <健康科学研究(体の健康)> 健康科学の研究としては、パセノール™やぶどう糖(ラムネ)などの素材が人々の健康に与える影響について研究を行っております。 パセノール™については、長寿遺伝子として知られるサーチュインに関する研究をさらに深耕し、“有効成分であるピセアタンノールを1日あたり100mg含む試験食品の摂取により、ピセアタンノールを含まない食品を摂取した方と比較して、血中サーチュイン遺伝子発現が増加すること”をヒト試験で見出し、海外の学術論文や米国老年医学会議(GSA2024)で発表いたしました。また、ピセアタンノールを含む食品の摂取により、ヒト試験にて皮膚水分量や皮膚粘弾性の改善効果が示されておりましたが、その作用メカニズムを検証いたしました。その結果、“ピセアタンノールを皮膚線維芽細胞に作用させることでサーチュイン遺伝子発現が増加すること”や、“ピセアタンノールがサーチュインを介して肌の水分保持などに重要な役割を担うヒアルロン酸合成酵素の遺伝子発現を増加させている可能性”が示され、海外学術雑誌に論文発表を行っております。 ぶどう糖(ラムネ)については、“ぶどう糖含有ラムネ菓子摂取が健康な若年成人においてポジティブな気分で認知課題に取り組み、一部の脳活動が活性化し、選択的注意力が向上すること”を見出し、学術論文や国際学会(fNIRS2024)で発表いたしました。また日本糖尿病学会第67回年次学術集会に糖質関連商品を紹介するブースを出展し、医療関係者とのコミュニケーションを通じて、商品活用シーンの拡大に向けた認知度の向上を図っております。また商品としては、「inバー」ブランドでは、ライトユーザーにも幅広く高タンパク製品を提供するために「inバープロテインナッツ<メープル味>、<ココア味>」を発売いたしました。タンパク質10gに加え、女性の摂取意向が強い食物繊維、鉄、ビタミンE、葉酸を配合しております。また、栄養摂取の方法が多様化する中、「時間をかけずに栄養を摂りたい」というニーズに応えるために、タンパク質など30種の栄養素が1本で摂れる「inバープロテインMEAL<ベリーショコラ>、<レアチーズケーキ>」を発売いたしました。さらに、ポジティブな理由で運動に取り組む人が増えている市場環境を踏まえ、「運動で健康的な美しさを目指す人」に向けて「おいしいEAA&クエン酸<レモン味>」を発売いたしました。レモン味で運動中でもすっきり飲みやすい品質に仕上げております。 MCTオイルを配合しBMIが高めの方の体脂肪を減らす機能性表示食品「MCTスタイル」を「Light<ベイクドショコラ>」としてリニューアルいたしました。MCTオイルはチョコを溶けやすくするため加工が難しい素材ですが、長年培ってきたベイクド技術により高配合を可能としております。チョコの中にMCTオイルを閉じ込め、表面だけ効率的に熱を通すことで、外側サクサク、内側なめらかな食感の品質に仕上げ、お客様のウェルネスライフをサポートしてまいります。 その他の機能性表示食品といたしましても、すこやかな生活にお役立ていただける商品として、γ-アミノ酪酸(GABA)を機能性関与成分とした疲労感と睡眠の質の改善にアプローチできる甘酒「発酵ラボお米のチカラ」や、ひざ関節・筋肉・肌に関する機能性関与成分を含んだサプリメント「ひざ軽コラーゲンサプリ」を発売いたしました。飲料としては、糖質が気になる健康志向の方向けに「甘酒糖質50%オフ185g」「甘酒糖質50%オフ1000ml」を発売いたしました。酒粕のコクと米麹のやさしい甘さを生かした森永甘酒の味わいを、糖質オフで楽しんでいただける品質に仕上げております。 <サステナブル研究(環境の健康)>「地球環境の保全」に向けて、プラスチック容器・包装の環境配慮に取り組んでおります。「パリパリサンド」は2025年3月から、品質の改良や製造技術の進化により、プラスチックトレーを廃止いたしました。さらにトレー廃止に合わせて袋のサイズも見直し、商品1個当たりのプラスチック使用量を従来品比で約73%削減しております。 今後、世界人口の増加に伴い、タンパク質の不足が懸念されており、サステナブルでおいしく、加工特性の優れたタンパク原料の調達が課題となっております。そのため、植物性タンパク質の物性や風味の改良研究と並行し、バイオマス発酵で作られたタンパク質等、様々なタンパク原料を探索するとともに、一部原料開発にも着手しております。 <R&Dセンター>当社グループの価値創造を担う中核拠点として2022年春に開設した「森永製菓R&Dセンター」で当社が保有する幅広い食品カテゴリーの知見・技術融合を図るとともに、多彩な社内外のパートナーとの共創を実施いたしました。2024年度の共創の取組みとしては、昨年を上回る企業と共創開発・研究を実施しております。また例年実施しておりますCSRイベント(横浜市立下末吉小学校・横浜市立汐入小学校との小枝教室、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校とのチョコレート学習プログラム)の他、お客様との共創による商品開発検討のための試食会や、エンゼルPLUS会員を招いたイベントを複数開催いたしました。R&Dセンターを舞台とし、国内外を問わずメディアの見学誘致やお取引先様・同業/異業種企業との意見交換を実施し、外部へ開かれた研究開発活動を推進することで新たな価値共創を目指してまいります。
FY2024|3,882 文字
6 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、「世代を超えて愛されるすこやかな食を創造し続け、世界の人々の笑顔を未来につなぐこと」を使命とし、私たちが目指すビジョンに沿って、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は3,206百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が3,083百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が122百万円であります。 「2021中期経営計画」の最終年度である当連結会計年度は、2030ビジョン『森永製菓グループは、2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』実現に向けた1stステージとして、「技術を基軸に、未来に向けて新たな顧客価値を創造する」という基本方針のもと、全社戦略・事業戦略と連動しながら、中長期視点での研究開発力の強化・共創による価値創出の加速に向けた取組みを引き続き実施いたしました。 (1)重要技術のアップデート <ゼリー飲料技術>「inゼリー 完全栄養」が2年の研究期間を経て、1袋で効率的に栄養を摂取できる商品になりました。忙しく時間のない中でも、手間をかけずに必要な栄養素を補給できる食事同等の商品を目指して開発いたしました。成長期のお子様向けの「inゼリー 成長期サポート」について成長をサポートするカルシウム・ビタミンD・鉄分に加え、考えるためのエネルギーであるブドウ糖を配合しリニューアル発売いたしました。当社が保有するゼリー食感のコントロール技術を活用し、離水をコントロールすることでみずみずしく飲みやすい品質に仕立てております。 <冷凍下での菓子技術>当社グループの菓子技術を活かした冷菓商品の開発を継続しております。パリッとしたチョコレート食感を維持し、なおかつクリームの滑らかさを強化した「板チョコアイス」の夏期限定品として、後味をさっぱりさせ、夏でも食べやすくした「夏限定板チョコアイス」、とろっとしたキャラメルソースを組み合わせた「板チョコアイス<メルティキャラメル>」を発売いたしました。また、「森永ミルクキャラメル」110周年を記念して、リッチな風味の「森永ミルクキャラメルアイスクリームバー」、「マリー」発売100周年を記念して、キャラメルソースとクリームを「マリー」でサンドした「100THマリーサンドアイス<キャラメル>」を発売いたしました。冷凍下でもしっとりもちもち食感のクレープ生地が特長のアイスとして、「ザ・クレープ<爽やかヨーグルト>」「ザ・クレープ<ダースミルク>」「ザ・クレープ<重ねあずき>」を発売いたしました。 <ソフトキャンディ技術> 主力ブランドの「ハイチュウ」に関する技術伸長に注力して研究開発を継続しております。心地よいチューイング性とジューシー感が特長の「ハイチュウ」はチューイング性を維持しながらソフトな食感に改良することで、より一層フルーツの香りとジューシー感を楽しめる品質となっており引き続き好評をいただいております。また、感性研究との連動により「幸せ食感」を訴求して心の健康にも寄与する商品として成長し続けております。本物の果実の食感をイメージしたシャリっとした食感が特長の「12粒ハイチュウ<スイカ味>、<和梨味>」の発売や、食感を楽しむ「ハイチュウ<そのまんま味>」など多様な食感バリエーションによりお客様へ楽しさやワクワク感の提供を実現いたしました。また、独自のもちもち食感と果汁感が特長である「ハイチュウプレミアム<清水白桃>、<せとか>」の発売や、口どけの良い糖衣(コーティング)層と冷涼感が特長の「生ラムネ玉」等の商品を開発いたしました。 (2)基盤研究強化 <健康科学研究> 健康科学の研究としては、パセノール™、カカオなどの素材が人々の健康に与える影響や、体の健康を支える重要な要素の一つである筋肉について研究を行っております。パセノール™については、“有効成分であるピセアタンノールを10mg含む試験食品の摂取により皮膚の粘弾性が改善すること”をヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。また、“骨格筋細胞においてピセアタンノール添加により、長寿遺伝子としても知られるサーチュイン1の発現量が上昇すること”や、“ミトコンドリア生合成及び脂質代謝に関連する遺伝子の発現が上昇すること”を見出し、学会発表を行いました。 カカオについては、当社で初めて子どもの心の健康に着目したヒト試験を実施し、“ミルクココアを継続摂取することにより、精神的健康度を改善すること”を見出し、海外の学術論文で発表いたしました。 筋肉の基礎研究については、“大学との共同研究により骨格筋細胞の三次元培養系を用いて直接筋力を測定する方法”を確立し、学術論文で発表いたしました。 <量産化技術> 中京工場では「パックンチョ」「小麦胚芽のクラッカー」のラインを更新し、さらなる成長に向けた基盤を整備いたしました。 (3)成長戦略の強化 <ウェルネス> ・体の健康 タンパク質摂取の目的が多様化する中、「inバー」ブランドでは、糖質を抑えつつタンパク質は取りたいというニーズに応えるため「タンパク質16g、糖質5g以下」として甘さ控えめなビター味に仕上げた「inバープロテイン<ザクザクビター>」を発売いたしました。また、ライトユーザーにも幅広く高タンパク製品を提供するために、「おいしい大豆プロテインクッキー<ゴマ味>、<ココア味>」を発売し、「体の健康」戦略の推進に寄与いたしました。小麦粉を使わずにもっちりとした食感に仕上げた「国産米粉使用ホットケーキミックス」を発売し、食の多様化への対応を進めてまいりました。甘さを控えて大人の方でも飲みやすい品質に仕立てた「甘さひかえめ牛乳で飲むココア」では、鉄・カルシウム・ビタミンDを強化し、栄養機能食品として発売いたしました。また、「小麦胚芽のクラッカー」は素材の強みを一層際立たせるために、ターゲットである女性の摂取意向が高い「鉄分」を強化しリニューアルいたしました。機能性表示食品としましても、体調管理への意識が高まり食生活に気を遣う方が増えている中、カカオポリフェノール(フラバノールとして)による“血流改善”が期待でき、コク深いカカオの味わいが特長のハイカカオチョコレートである「カカオの力チョコレート」を発売いたしました。 ・心の健康(感性研究) 喫食時の生体計測や主観評価など、感性を可視化するために、大学などとの共同研究による多角的な分析を進め、新しい価値の創出に取り組んでおります。食感研究と感性研究の融合による「心地よい食感」に関する研究成果は、「ハイチュウ」の訴求表現(かむほど幸せ食感)や「チョコモナカジャンボ」のマーケティング戦略(ジャンボスマイルプロジェクト)などに活用しております。今後もR&D部門を通じて「心の健康」への貢献を推進してまいります。 <グローバル> ・海外開発案件 米国市場のソフトキャンディユーザーに対して、健康志向や嗜好性(食感・フレーバー)を調査し、「HI-CHEW」ブランドとしてより付加価値の高い製品を提供すべく、新製品の開発を進めてまいりました。健康志向の高いユーザー向けに発売した「HI-CHEW REDUCED SUGAR」について、新たに増粘多糖類を配合し、ゼラチンの働きを補完することでChewyな食感を高めた品質にリニューアルして発売いたしました。 (4)未来に向けた価値創造 <新技術開発>「バニラモナカジャンボ」のモナカのパリパリ食感をできるだけ長持ちさせる為に水分を吸着する食物繊維原料に着目し、モナカへのコーティングチョコ部分や“チョコの壁”にこの食物繊維原料を加えることでモナカの吸湿耐性を約1.3倍向上することを実現し、“チョコの壁”をさらに強化いたしました。「inゼリー」において、栄養素を従来比の2倍高濃度に含有しつつも、原料のクセや味を抑えて美味しくする技術を確立し、1袋で1日の1/3の栄養素を摂取可能とした「inゼリー 完全栄養」を発売いたしました。 <サステナビリティ>環境負荷低減を促進するため、植物タンパク素材の加工技術開発を進め、「inバープロテイン<ベイクドチョコ>、<ベイクドビター>」2品で2022年春から2024年春で乳ホエイタンパクの使用量を30%削減いたしました。 <R&Dセンター>当社グループの価値創造を担う中核拠点として2022年春に開設した「森永製菓R&Dセンター」で当社が保有する幅広い食品カテゴリーの知見・技術融合を図るとともに、多彩な社内外のパートナーとの共創を実施いたしました。2023年度の共創の取組みとしては、複数の企業との共創開発・研究を実施し、うち1件は商品発売に向け、検討を進めております。また例年実施しておりますCSRイベント(下末吉小小枝教室、サイエンスフロンティアチョコレート学習プログラム)の他、お客様との共創による商品開発検討のための試食会や、エンゼルPLUS会員を招いたイベントを複数開催いたしました。R&Dセンターを舞台とし、国内外を問わずメディアの見学誘致やお取引先様・同業/異業種企業との意見交換を実施し、外部へ開かれた研究開発活動を推進することで新たな価値共創を目指してまいります。
FY2023|4,011 文字
6 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、「世代を超えて愛されるすこやかな食を創造し続け、世界の人々の笑顔を未来につなぐこと」を使命とし、私たちが目指すビジョンに沿って、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は2,892百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が2,780百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が111百万円であります。 「2021中期経営計画」の2年目である当連結会計年度は、2030年の目指す姿「中長期的な企業価値向上を果たす事業戦略を支える強固な経営基盤の構築」に向けての1stステージとして、「技術を基軸に、未来に向けて新たな顧客価値を創造する」という基本方針のもと、全社戦略・事業戦略と連動しながら、中長期視点での研究開発力の強化・共創による価値創出の加速に向けた取組みを引き続き実施いたしました。 (1)重要技術のアップデート <ゼリー飲料技術>「inゼリー」ブランド初の機能性表示食品として、脂肪消費や肌のうるおい、むくみといった女性の悩みの解決が期待でき、手軽においしく間食やデザートとして楽しめる「inゼリークリア<ゆずレモン味>、<パッションフルーツ味>」の2品を発売いたしました。また、当社が保有するゼリーの食感をコントロールする技術を駆使し、メロンの特徴である種の周りのふわふわとしたやわらかい果肉の食感とジューシーな果汁感を再現することで、まるでメロンそのものを食べているような品質に仕上げた「inゼリー フルーツ食感<メロン>」を発売いたしました。 <冷凍下での菓子技術>当社グループの菓子技術を活かした冷菓商品の開発を継続しております。パリッとしたチョコレート食感を維持し、かつクリームの滑らかさを強化した「板チョコアイス<バニラ>」、期間限定商品として、クッキークランチ入りのザクザク食感でホワイトチョコレートの味わいとほんのり塩を加えた後切れが良い品質が特徴の「白い板チョコアイス」、冷凍下でもしっとり・もちもち食感のクレープ生地が特徴の上質で大人の味わいに仕上げたちょっと贅沢なデザート「ザ・クレープ<ほろにがプリン味>、<ティラミス味>」、チョコチップと氷の異なる食感が心地よいフローズンデザートとして、コメダ珈琲とコラボレーションした「いちごオーレフロート」を発売いたしました。 <ソフトキャンディ技術> 主力ブランドの「ハイチュウ」に関する技術伸長に注力して研究開発を進めてまいりました。心地よいチューイング性とジューシー感が特長の「ハイチュウ」はチューイング性を維持しながらソフトな食感に改良することで、より一層フルーツの香りとジューシー感を楽しめる品質となり好評をいただいております。従来の「ハイチュウ」に対してさらに噛み応えのある独自食感の商品として「むにむにグーハイチュウ」を開発し、手軽に日常のワクワク感の提供を実現いたしました。また、独自のもちもち食感と果汁感が特徴である「ハイチュウプレミアム<北海道メロン>、<みかん>」の発売や、グミとグラニュー糖の組み合わせによって1粒でぷにぷに食感とシャリシャリ食感の2つの食感が楽しめる「ぷにしゃりハイチュウアソート」等の商品を開発いたしました。 (2)基盤研究強化 <健康科学研究> 健康科学の研究としては、コラーゲン、パセノール™、カカオなどの素材が人々の健康に与える影響について研究を行っております。コラーゲンについては皮膚の粘弾性に着目し、“コラーゲンペプチド10gを含む飲料の摂取は皮膚の粘弾性を改善すること”をヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。カカオについては覚醒度に着目し、“カカオフラバノール30mgを含むチョコレートの摂取は覚醒度を維持すること”をヒト試験で見出し、こちらも学術論文で発表いたしました。パセノール™については、“パッションフルーツ種子抽出物に関する機能”について、スチルベン類(例としてピセアタンノールが挙げられる)を豊富に含むパッションフルーツ種子からの抽出物に、抗酸化作用や肌の状態改善作用や脂肪燃焼促進作用や血糖値降下作用等があることを総説として学術論文で発表いたしました。 <量産化技術> 「チョコモナカジャンボ」でモナカのパリパリ食感をできるだけ長持ちさせるために新しい製造技術である“チョコの壁”を導入し、品質を向上いたしました。また、高崎森永㈱では「森永ビスケット」シリーズの新ライン、森永デザート㈱では「板チョコアイス」の新ラインを稼働し、更なる成長に向けた基盤を整備いたしました。 (3)成長戦略の強化 <ウェルネス> ・体の健康 タンパク質摂取の目的が多様化する中、「inバー」ブランドでは、いつでもどこでも手軽にタンパク質が摂取できることとチョコのおいしさにこだわった「inバープロテイン <クランチチョコ>」の発売や、活発な運動習慣を持っている方々をターゲットに、20gのタンパク質が摂取できつつ具材のおいしさを楽しむことができる「inバープロテインGOLD<オレンジピール&2種のナッツ>、<クランベリー&ストロベリー>」を発売し、「体の健康」戦略の推進に寄与いたしました。また、酒粕・米麹のW発酵素材を活用した甘酒では、糖質が気になる方にも美味しく飲んでいただけるよう、全国発売品として初めての糖質オフタイプ「甘酒<糖質30%オフ>」を開発いたしました。機能性表示食品としましても、体調管理への意識が高まり食生活に気を遣う方が増えている中、カカオポリフェノール(フラバノールとして)による"血流改善""腸活"が期待できるダブルヘルスクレームのハイビターココア「カカオの力<CACAO70>」シリーズ、パッションフルーツ種子由来ピセアタンノールによる"肌のうるおい""脂肪の消費"が期待できるダブルヘルスクレームの「パッションフルーツLabo」シリーズ3品を発売いたしました。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大によって健康意識が変化し体脂肪を気にする方が増える中、使用している油脂の一部をMCT(中鎖脂肪酸)オイルに置き換えることで、脂質の“質”にこだわった新しいビスケットやチョコレート、「MCTスタイル」シリーズを開発いたしました。 ・心の健康(感性研究) 喫食時の生体計測・主観評価など、感性の見える化に向け、大学等との共創による多角的解析を進行しております。「食感研究」と「感性研究」の融合による「心地よい食感」の研究成果を商品開発やコミュニケーションに活かしながら、「心の健康」戦略の推進にも寄与してまいります。 <グローバル> ・海外開発案件 米国市場のソフトキャンディユーザーに対して、健康志向や嗜好性(食感・フレーバー)を調査し、「HI-CHEW」ブランドとしてより付加価値の高い製品を提供すべく、新製品の開発を進めてまいりました。「HI-CHEW bites」では、気泡の量、状態をコントロールすることにより、Chewyな食感を保ちながら保型性を有するソフトキャンディを開発することで、糖衣(コーティング)無しでも脱個包装(ピローレス)可能な品質を実現いたしました。 (4)未来に向けた価値創造 <新技術開発>人々の健康やサステナブルな社会の実現への貢献を目指し、プラントベースミートの研究開発を進め、大豆たんぱくと小麦たんぱくを主原料とし、食感・ジューシー感にこだわった「SAI MEAT(サイ ミート)」を開発いたしました。また、独自の加工によるカカオエキスを開発、及び特許による権利化を行い、チョコレートアイスやビスケットなどにおけるカカオ感の向上を実現し、「パキシエル」を始めチョコレートを使用したアイス全製品、及び「inバー」や菓子などへ活用することにより、対象製品のカカオの使用量を約15%削減いたしました。さらに、進化する冷凍食品市場においては、スポンジ部の気泡数と、それを取り囲む気泡膜の厚みの最適な比率を構築し特許による権利化を行い、冷凍庫から出してすぐに喫食できる「冷凍ホットケーキ」を開発いたしました。 <サステナビリティ>カカオ豆研究において、アジアのカカオ豆生産者と協同でカカオの発酵工程にて独自の酵母を選別、添加することで品質改良を進め、希少価値が高いといわれるフレーバービーンズの代替として、「カレ・ド・ショコラ<カカオ70>、<カカオ88>」に活用いたしました。プラントベースフードの開発を促進するため、乳のおいしさを植物原料で実現する技術開発を進め、アイスクリームのおいしさを植物由来原料で強化し、「チョコモナカジャンボ」へ活用いたしました。また、気候変動により高騰化したアイス用の安定剤に関して、原料や工程を見直すことで、保存安定性を保ったまま安定供給可能な代替原料への置き換えを実現いたしました。 <R&Dセンター>当社グループの価値創造を担う中核拠点として「森永製菓R&Dセンター」を2022年春に開設いたしました。研究開発機能の強化と共創環境の拡充を目的とし、当社が保有する幅広い食品カテゴリーの知見・技術融合を図るとともに、多彩な社内外のパートナーとの外部共創エリアを備え、ラボレベルからパイロットプラントレベルまでの共同研究を可能としております。研究員自らがいきいきと働きながら、共創により新たな価値創出にチャレンジできる場・風土づくりに取り組んでおります。コンセプト、構築プロセス並びに開設後の共創の取り組みが評価され、第34回日経ニューオフィス賞にて、ニューオフィス推進賞を受賞いたしました。
FY2022|3,778 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、「世代を超えて愛されるすこやかな食を創造し続け、世界の人々の笑顔を未来につなぐこと」を使命とし、私たちが目指すビジョンに沿って、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は2,686百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が2,581百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が105百万円であります。 「2021中期経営計画」の初年度である当連結会計年度は、2030年の目指す姿「中長期的な企業価値向上を果たす事業戦略を支える強固な経営基盤の構築」に向けての1stステージとして、「技術を基軸に、未来に向けて新たな顧客価値を創造する」という基本方針のもと、全社戦略・事業戦略と連動しながら、中長期視点での研究開発力の強化・共創による価値創出の加速に向けた取組みを実施いたしました。 (1)重要技術のアップデート <ゼリー飲料技術>in事業では、更に高付加価値の商品を開発いたしました。「inゼリー」の主力商品である「inゼリー プロテイン5g」は、時代のニーズに合わせて低糖質化を行い、「inゼリー マルチビタミン カロリーゼロ」では、糖質ゼロでありながらおいしく小腹を満たしたいというニーズに応えられる側面を保ちつつ、<オレンジ味>から<パイナップル味>に規格変更いたしました。また、効率的な栄養摂取を目的とし、当社独自の原料加工技術で栄養素の高配合化を実現した「inゼリー 完全栄養」をオンラインで発売いたしました。さらに、2020年度に発売したフルーツの食感を味わえる「inゼリー フルーツ食感」は、当社独自の食感技術の進化により新たなフレーバーとして「inゼリー フルーツ食感<梨>」を発売いたしました。 <冷凍下での菓子技術>冷菓事業では、当社グループの菓子技術を活かした商品開発を継続しております。アイスクリームの中にチョコレートを層状に入れる「パリパリバー」の技術を使用したサンドアイス「パリパリサンド」の成型方法を見直し、より食べやすい形に改良いたしました。手軽にパフェの気分を味わえる「サンデーカップ」は1層目のパリパリチョコにコーンフレークパウダーを練り込むことにより食感をより楽しめ、デザート性を高める改良を行いました。「フローズンラムネ」は当社独自のラムネとチョコチップの技術をみぞれアイスなどに活用したことにより、爽やかさと満足感を向上させ、食感もより楽しんでいただける品質に改良いたしました。「バニラモナカジャンボ」ではモナカのパリパリ食感をできるだけ長持ちさせる事を目指した新しい製造技術である“チョコミミ”を導入し、品質を向上いたしました。 <ソフトキャンディ技術>菓子事業では、主力ブランドの「ハイチュウ」に関する技術伸長に注力して研究開発を進めてまいりました。心地よいチューイング性とジューシー感が特長の「ハイチュウ」はチューイング性を維持しながらソフトな食感に改良することで、さらにフルーツの香りとジューシー感を楽しめる品質となり好評をいただいております。また、もちもち食感と溢れる果汁感が特長の「ハイチュウプレミアム<ぶどう>」「すッパイチュウプレミアム<レモン>」、具の食感を際立たせ、口溶けが良く柔らかな生地が特長の「すッパイチュウ」「うまイチュウ」、ソフトキャンディとグミの食感が楽しめる「ぷにしゃりハイチュウ」等、より幅広い層のお客様に様々な食感を楽しんでいただける商品を開発いたしました。 (2)基盤研究強化 <健康科学研究> 食品機能の研究では、タンパク質、ココア、パセノール™に関する研究を行いました。タンパク質については、これまで基礎研究に注力して論文発表や特許取得を行ってきたタンパク質の働きを強めるEルチン(酵素処理ルチン)について、メディアセミナーを実施いたしました。また、“高齢者に対して歩行速度を改善すること”をヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。ココアについては、フラバノール30mgを含むココアの摂取は“皮膚血流量と皮膚温度をプラセボ摂取にくらべ有意に増加させ、さらに手足の冷えに関する体感を改善すること”をヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。パセノール™については、“パッションフルーツ種子エキスの摂取はパッションフルーツ果実摂取よりもピセアタンノールの吸収性に優れること”を見出し、学術論文で発表いたしました。 <量産化技術>高崎第三工場にて、冷菓事業の「板チョコアイス」「チョコモナカジャンボ」ラインの稼働を開始し成長に向けた基盤を整備いたしました。また、菓子事業の「ダース」は老朽化対応に伴い最新設備を導入し、稼働を開始いたしました。生産能力向上により、お客様の多様な嗜好に合わせたラインナップの拡充が可能となり、新製品として「ダース<ダークミルク>」「ダース<全粒粉ビスケットクランチ>」を開発いたしました。 (3)成長戦略の強化 <ウェルネス> ・体の健康「inバー」では、「inバープロテインSuper クランチチョコ」のホワイトチョコタイプ「inバープロテインSuper バニラホワイト」を開発し、多様な嗜好に応える商品を発売いたしました。機能性表示食品に関しては、キリンホールディングス㈱のプラズマ乳酸菌を活用し免疫表示を行った5品「inバープロテイン ブラウニー」「inのど飴<りんご味>」「おいしい大豆プロテインプラズマ乳酸菌入り」「免疫CAREプラズマ乳酸菌ココア」「免疫CAREプラズマ乳酸菌チョコレート」、整腸作用の表示を行った「糖質 90%オフのど飴<スイートハーブ味>」、通販では新たにひざ関節に関する表示を行ったコラーゲンパウダー製品の「ひざ軽コラーゲン」を発売いたしました。口内ですぐに溶けない独自技術で、手軽においしく約40分間潤いが続くただひとつのキャンディ「LSA™“エルサ”<シトラスミント味>、<はちみつレモン味>、<ピーチ味>」を発売し、“お口の潤い新習慣”を提案いたしました。 ・心の健康(感性研究)感性工学分野における生体情報や主観評価を組み合わせ、心の健康に係る研究のエビデンス化に向けて社外の研究機関と連携しながら取り組んでおります。具体的には、喫食前後の快・不快などの気持ちの変化を、脳波、心拍、脈波などの生体情報から捉えながら同時に気分シートアンケートによる主観評価との相関を統計的にとることでエビデンスの取得を図っております。 <グローバル> ・海外開発案件米国市場のソフトキャンディユーザーに対して、健康志向や嗜好性(食感・フレーバー)を調査し、「HI-CHEW」ブランドとしてより付加価値の高い製品を提供すべく、新製品の開発を進めました。「HI-CHEW REDUCED SUGAR」では、原料を食物繊維などに置き換えることで、「HI-CHEW」独自の食感やおいしさを維持しながら、従来品にくらべて糖類を30%減らすことができました。「HI-CHEW infrusions」では、具材としてフルーツゼリーを使用し、「HI-CHEW」の特長の1つであるフルーツ感をより強調した品質に仕上げるとともに、天然由来原料に拘ることで、ナチュラル感溢れるおいしさを実現いたしました。また、日本のノウハウを活かし、米国での消費者調査結果をもとに品質改良を重ねて、米国市場向けのゼリー飲料「Chargel」を開発いたしました。 (4)未来に向けた価値創造 <新技術開発>プラントベースフードとして植物肉の研究開発を進め特許による権利化を図り、新領域事業の技術シードとして製法技術を確立いたしました。チョコレートアイスやビスケットなどにおけるカカオ感を向上させるため、独自の加工によるカカオエキスを開発及び特許出願を行い、「ちょい食べアイス」などの新商品へ活用いたしました。進化する冷凍食品市場において、これまでなかった冷凍庫から出してすぐに喫食できる焼菓子を実現するためにスポンジ部の気泡数と、それを取り囲む気泡膜の厚みの最適な比率を構築し特許出願を行い、「ふんわりおやさいプチケーキ」を発売いたしました。 <サステナビリティ>カカオ豆研究において、希少価値といわれるフレーバービーンズの代替として、アジアのカカオ豆生産者と独自の発酵技術による改質を進め、「カレ・ド・ショコラ<カカオ88>」に活用いたしました。またプラントベースフードの開発を促進するため、乳のおいしさを植物原料で実現する技術開発を進め、アイスクリームのおいしさを植物由来原料で強化し、「パキシエル」へ活用いたしました。 <R&Dセンター>当社グループの価値創造を担う中核拠点として新しい研究所(R&Dセンター)が完成しました。当社が保有する幅広い食品カテゴリーの知見・技術の融合・発展を図っていくとともに、共創を推進すべく、外部知見を積極的に取り入れるオープンな研究環境を整えており、今後の研究開発活動のさらなる強化を図ってまいります。
FY2021|3,664 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は2,217百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が2,115百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が102百万円であります。 当連結会計年度は、「2018中期経営計画」に掲げる、既存領域での収益性向上とウェルネス領域及びグローバル領域における成長戦略の加速の実現に向けて、「技術を基軸に、未来に向けて新たな価値を創造する」という研究開発方針に基づき、「重要技術のアップデート」「ウェルネス領域の拡大」「未来価値創造」の3つの戦略のもと継続して取り組みました。 (1)「重要技術のアップデート」菓子食品部門では、主力ブランドに関する技術伸長に注力して研究開発を進めてまいりました。心地よいチューイング性とジューシー感が特長の「ハイチュウ」は、3つの果汁(果実ピューレ、果汁パウダー、濃縮果汁)を配合し、さらにフルーツの香りとジューシー感を楽しむことができるように改良いたしました。また、具の食感を際立たせる口溶けが良く柔らかい生地が特長の「すッパイチュウ」の技術を応用し、より幅広い層のお客様に様々な食感を楽しんで頂ける「ぷにしゃりハイチュウアソート」「うまイチュウ<みかん味>」の2品を開発いたしました。 「森永ビスケット」では、長年培ってきたプレーンビスケット配合技術・量産化技術をさらに高め、「ホワイトチョコチップクッキー」「ミニムーンライトプチパック」「ミニチョコチッププチパック」の3品を開発し、ブランドの伸長に大きく寄与いたしました。 また、「ダース」や「カレ・ド・ショコラ」では、ピスタチオを配合した「ダースプレミアム<ピスタチオ>、<ホワイトピスタチオ>」「カレ・ド・ショコラ<ピスタチオ>」を開発し、高付加価値化及びブランド価値向上を進めました。 甘酒市場に対しては、さらなる若年層のトライアル獲得・森永甘酒ファン化を目指し、「森永ラムネ」ブランドを活用した「スパークリング米麹甘酒<ラムネ味>」を開発し、甘酒の間口拡大を図りました。 冷菓部門では、当社が得意とする菓子技術との融合を活かした商品開発を継続しております。クリームの中にチョコレートを層状に入れる「パリパリバー」の技術を使用し、チョコレートを最大限に練り込んだ「しましまうまうまバー」を開発いたしました。斬新な見た目、インパクトのある食感に加え、ネーミングの面白さからSNSでも大きな話題を呼びました。また、好評をいただいている「ジャンボ」グループに関しては、センターチョコを増量し、冬ならではのしっかりとしたチョコ感が楽しめる冬限定の「チョコモナカジャンボ」を発売することで、市場が落ち込む冬期に新たな需要を生み出しました。 (2)「ウェルネス領域の拡大」 ウェルネス商品を拡充するため、商品開発と食品機能の研究の2方向で取り組みました。 <商品開発>商品開発では、コロナ禍で厳しいゼリー飲料市場に対し、市場を活性化する話題性のある商品開発を行いました。森永乳業㈱が保有する独自の乳酸菌を配合した「inゼリー<シールド乳酸菌>」、アイドルグループ「嵐」が結成されたハワイでの5人の出会いをイメージした「inゼリー エネルギー HELLO NEW DREAM.SP<トロピカルフルーツ味>」、5人の夢と化学反応をイメージした「inゼリー エネルギー HELLO NEW DREAM.SP<フルーツミックス味>」を発売し市場を盛り上げました。また、女性ユーザーに向けてゼリーで繊維の食感を表現する独自技術を活用した「inゼリー フルーツ食感<もも>、<マンゴー>」を開発し、本物の果肉のような食感が味わえる品質を実現いたしました。 「inバー」では、タンパク質の高配合化に取り組み、1本あたりにタンパク質15gとEルチン、食物繊維を配合し、従来の「inバープロテイン ベイクドチョコ」と比べ糖質を40%カットした焼きチョコタイプの「inバープロテイン ベイクドビター」を開発し多様なニーズに応える商品を発売いたしました。また、1本あたりにタンパク質20gとEルチンを配合したチョコレートタイプのプロテインバー「inバープロテインSuper クランチチョコ」を開発いたしました。 <食品機能の研究>食品機能の研究では、“タンパク質”“コラーゲン”“甘酒”“ぶどう糖”“パセノール™” に関する研究を行いました。 タンパク質については、これまで基礎研究に注力して論文発表や特許取得を行ってきたタンパク質の働きを強めるEMR(酵素処理ルチン)について、Eルチンとして広く商品展開を行うとともに立命館大学と共同でこれまでの研究成果を発表するメディア・マスコミセミナーを実施いたしました。 コラーゲンについては、肌の潤いと膝関節に関する機能を表示した「おいしいコラーゲンドリンク<ピーチ味>、<レモン味>」に新たに“骨の形成をサポートする機能”を加え、初の3つの機能性を同時に表示した機能性表示食品としてリニューアルいたしました 。さらに、コラーゲンに加えて、パセノール™、エラスチンペプチド、ヒアルロン酸の組合せが、肌の潤いを保持する成分であるヒアルロン酸を合成する酵素(HAS)の発現を促進することを細胞試験で見出しました。上記の組合せを配合したコラーゲンドリンクの上位商品「おいしいコラーゲンドリンク プレミオ」を飲用することにより“肌の潤いを保つこと”に加え、“肌の弾力(肌のハリ)をも向上させること”をヒト試験で検証し、学術論文で発表いたしました。 甘酒については、酒粕と米麹を原料とした商品に“ヒト腸内のビフィズス菌の占有率を増やすこと”や“日常生活における疲労感を軽減し、人に温かく接する事ができるようになること”をヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。 ぶどう糖については、ぶどう糖含有ゼリーとぶどう糖ラムネ菓子が“認知機能の一部を向上させること”をヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。 パセノール™については、“脂肪燃焼を促進する機能があること”をヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。また、2019年度から商品に表示している“肌の潤いを保つ機能”“肌の弾力を維持する機能”に加え、“脂肪を消費しやすくする機能”も合わせた機能性表示食品の届出を行い、国内初の“肌の潤いを保つ機能”と“脂肪を消費しやすくする機能”を同時に表示する機能性表示食品として受理されました。さらに、パセノール™を配合した製品を複数開発し、機能性表示食品として届出を行い、受理されました。 その他、菓子の機能性表示食品として、「やる気スイッチタブレット」や「糖質90%オフのど飴」などのキャンディ商品を開発いたしました。 (3)「未来価値創造」2018年度に新設された未来価値創造センターは、当社コア技術領域を中心に中長期的な研究開発と新市場に向けた新規技術開発を進めております。 特に注力している「ゼリー飲料技術」「冷凍下の菓子技術(冷菓)」「ソフトキャンディ技術」の技術深耕による付加価値化に取り組みました。「inゼリー」ではタンパク質原料の改質による高タンパク配合の「inゼリー プロテイン15000」の開発、「ジャンボ」グループでは新たな成形技術を確立しパリパリ食感が進化した「バニラモナカジャンボ」の開発、「キャンディ」では糖結晶コントロールとコーティング技術の進化による新食感ソフトキャンディ「おもちっち<ミルク>」の開発を行いました。また、主に米国向け商品として、より差別化された食感を意識したソフトキャンディの開発を進めております。 原料のコストダウン、安定供給に向けた研究、「グローバル・ウェルネス領域」を意識した新規加工技術開発など、新たな技術シーズの開発を中長期の視点で継続的に取り組んでおります。さらに科学的なアプローチによる独自の評価技術開発を進め、食感や風味の見える化や感性工学に基づく嗜好性の評価研究にも社外の研究機関と連携しながら取り組んでおります。 当社グループの価値創造を担う中核拠点として新しい研究所の建設を進めております。世代を超えて愛されるすこやかな食を創造し続け、世界の人々の笑顔を未来につなぐことを目指し、当社が保有する幅広い食品カテゴリーの知見・技術の融合・発展を図っていくとともに、共創を推進すべく、外部知見を積極的に取り入れるオープンな研究環境を整備するなど、研究開発活動のさらなる強化を図ってまいります。
FY2020|3,347 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は2,240百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が2,139百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が100百万円であります。 当連結会計年度は、「2018中期経営計画」に掲げる、既存領域での収益性向上とウェルネス領域及びグローバル領域における成長戦略の加速の実現に向けて、「技術を基軸に、未来に向けて新たな価値を創造する」という研究開発方針に基づき、「重要技術のアップデート」「ウェルネス領域の拡大」「未来価値創造」の3つの戦略のもと継続して取り組みました。 (1)「重要技術のアップデート」菓子食品部門では、主力ブランドに関する技術伸長に注力して研究開発を進めてまいりました。心地よいチューイング性とジューシー感が特長の「ハイチュウ」は、果実ピューレを従来品の2倍の量を使用し果実の味わいをさらに楽しむことができるように改良いたしました。また、インバウンドを含めた幅広いターゲットを狙い、「国産果汁ハイチュウアソート」を開発し、国産果汁使用による王道の果物の特徴を活かした程よい酸味と、春らしいさわやかな味わいを活かした品質に仕上げました。もちもちとした噛み応えと噛むほどに増す芳醇な味わいと香りが特長の「ハイチュウプレミアム」は、果汁のリアル感にこだわった品質に仕上げた「ハイチュウプレミアム<赤ぶどう>、<レモン>、<もも>」の3品を開発し、売上の伸長に寄与いたしました。 「森永ビスケット」ではこれまで培ったビスケット製造技術を駆使し、「チョイス<ショコラ>」や「マリー」ブランドでは発売97年目にして初のブランドエクステンション品である「マリー<焦がしキャラメル>」を開発し、ブランドの伸長に大きく寄与いたしました。また「ダース」や「カレ・ド・ショコラ」においては、業務提携しているバリーカレボー社と共同でルビーチョコレートを使用した「ダースプレミアム<ホワイト&ルビー>」「カレ・ド・ショコラ<ルビーカカオ>」を開発し、高付加価値化及びブランド価値向上を進めました。 注目の甘酒市場に対しては、さらなる若年層のトライアル獲得・森永甘酒ファン化を目指し、「スパークリング米麹甘酒」を開発いたしました。米麹に炭酸を組み合わせ、米麹のコクのある風味と発泡感を活かしたさっぱりと飲みやすい甘酒に仕上げました。また、やさしい甘さが特長の米麹甘酒にお肌にうれしいコラーゲンを配合し、飲み口すっきりと仕上げた「森永のやさしい米麹甘酒<コラーゲン>」を開発し、米麹甘酒の間口拡大を図りました。 冷菓部門では、当社が得意とする菓子技術との融合を活かした商品開発を継続しております。「パリパリバー」の技術を使用し、ビスケットとの融合で新たな価値を取り入れた「パリパリサンドアイス」を開発いたしました。サンドアイスの新しい可能性を感じられる新商品として来期につながる結果を残すことができました。また、好評をいただいている「ジャンボ」グループに関しては、ミルクと甘さの調整を図り、ミルクのコクを高めた冬限定の「バニラモナカジャンボ」を発売し、トライアルを喚起するとともに冬需要を盛り上げました。 (2)「ウェルネス領域の拡大」 ウェルネス商品を拡充するため、商品開発と食品機能の研究の2方向で取り組みました。 <商品開発>商品開発では、伸長を続けるゼリー飲料市場に向け、さらに価値を高めた商品開発を行いました。「inゼリー<エネルギー KEI SPECIAL>」「inゼリー<エネルギー NAOMI SPECIAL>」では、素早いエネルギー補給に加えて、錦織圭、大坂なおみ両選手の嗜好やイメージに合わせた品質を開発いたしました。また、秋冬需要に応えるべく、ビタミンCを1000mg配合した「inゼリー<エネルギーレモン ビタミンCプラス>」を開発し、ビタミンCの酸味と甘みのバランスの取れた品質に仕上げました。「inバー」では、タンパク質の高配合化に取組み、1本でタンパク質を15g摂取できる焼きチョコタイプの「inバープロテイン ベイクドチョコ」を開発いたしました。また、おやつ・間食シーンにおいて、おいしく手軽にタンパク質を摂取できる「inバープロテインミニ ベイクドチョコ」「inバープロテインミニ ココアブラウニー」を開発いたしました。 <食品機能の研究>食品機能の研究では、ココア、甘酒に加え、“タンパク質”、“コラーゲン”、“パセノール™”について生理機能に関する研究を行いました。ココアについては、“カカオフラバノールによる身体の柔軟性を高める機能”、“カカオリグニンによる便通を改善する機能”、“カカオフラバノールの血圧調整機能”を併せた、ココアでは初の3つの機能性を同時に表示する機能性表示食品「森永ココア カカオ90スティック」を8月に発売いたしました。その他、ココアの飲用が脳認知機能に与える影響を検証し、“認知機能の一部を向上させる機能”を学術論文で発表いたしました。また甘酒では、“米麴”を原料としたものには、“肌の弾力性を高め、たるみを抑制する機能”があることをヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。タンパク質については、基礎研究に注力しその成果について論文発表や特許取得を行いました。特にプロテインパウダーに配合しているEMR(酵素処理ルチン)について、摂取したタンパク質の血中濃度を上昇させる知見を得て、学術論文で発表いたしました。コラーゲンの機能研究については、肌の潤いと膝関節に関する機能に加えて、“骨の形成をサポートする機能”についてのヒト試験の結果を学術論文で発表し、コラーゲンでは初の3つの機能性を同時に表示した「おいしいコラーゲンドリンク<ピーチ味>、<レモン味>」を機能性表示食品として届出を行い、受理されました。当社独自素材“パセノール™”についても、機能性表示食品として届出された“肌の潤いをサポートする機能”に関する作用機序として、肌の潤い因子であるヒアルロン酸の生成促進があることを示し、学会発表いたしました。また、他の食品成分と比較し抗酸化遺伝子HO-1の発現を著しく上昇させる効果や腫瘍細胞において細胞死を促進する活性を見出し、これらを学術論文で発表いたしました。 (3)「未来価値創造」2018年度に新設された未来価値創造センターは、当社コア技術領域を中心に中長期的な研究開発と新市場に向けた新規技術開発を進めております。 特に、注力ブランドに付加価値を加えるべく、タンパク質原料の改質を行うことで、タンパク質濃度が高くてもより風味や食感に優れる加工技術を開発し「inゼリー」へ活用いたしました。また、モナカアイスのパリパリ食感を維持するための、量産技術・モナカ皮の研究や、チョコレート技術をアイス領域に応用するための新規独自素材開発など、コア技術の深耕を図りました。 また、原料のコストダウン、安定供給に向けた研究、「グローバル・ウェルネス領域」を意識した新規加工技術開発など、新たな技術シーズの開発を、中長期の視点で継続的に取り組んでおります。さらに科学的なアプローチによる独自の評価技術開発を進め、食感や風味の見える化や感性工学に基づく嗜好性の評価研究にも取り組んでおります。 当社グループの価値創造を担う中核拠点として新しい研究所の建設を予定しております。世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進へのさらなる貢献を目指し、当社が保有する幅広いカテゴリーの食品の知見・技術の融合・発展を図っていくとともに、外部協業を推進すべく、外部の知見も積極的に取り入れるオープンな研究環境を整備するなど、研究開発活動のさらなる強化を図ってまいります。
FY2019|3,425 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は2,194百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が2,079百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が115百万円であります。 当連結会計年度は、「2018中期経営計画」に掲げる、既存領域での収益性向上とウェルネス領域及びグローバル領域における成長戦略の加速の実現に向けて、「技術を基軸に、未来に向けて新たな価値を創造する」という新たな研究開発方針を定め、「重要技術のアップデート」「ウェルネス領域の拡大」「未来価値創造」の3つの戦略のもと継続して取り組みました。 (1)「重要技術のアップデート」菓子食品部門では、主力ブランドに関する技術伸長に注力して研究開発を進めてまいりました。心地よいチューイング性とジューシー感が特長の「ハイチュウ」は、より果実の味わいを楽しむことができるよう、果実ピューレを使用し、風味と食感の向上に取り組みました。平成が終わるタイミングに合わせ、「平成をあじわうハイチュウアソート」を開発し、シャインマスカットやスカイベリーなど平成生まれの果実のおいしさを「ハイチュウ」で訴求いたしました。柔らかいハイチュウ(センター)を糖衣がけした2層仕立ての「ハイチュウプレミアム」は、糖衣とセンターの品質改良により、更なるもちもち食感を実現いたしました。静岡クラウンメロン果汁を使用したインパクトのある甘味と豊かな香りが特長の「ハイチュウプレミアム<メロン>」、北海道産生クリームを使用し、濃厚なコクのあるヨーグルト味に仕上げた「ハイチュウプレミアム<ヨーグルト味>」を開発し、売上の伸長に寄与いたしました。「カレ・ド・ショコラ」においては、これまで培ったチョコレート製造技術を駆使し、通常のラインアップよりワンランク上の商品として、「カレ・ド・ショコラ<ストロベリー>、<アーモンド&ヘーゼルナッツ>、<リッチクリーミーミルク>」を開発、高付加価値化及びブランド価値向上を進めました。長い歴史を持つ「小枝」シリーズにおいても、独自の成型技術、製造方法を進化させて、チョコが手につかない「ベビー小枝<ミルク>」や、柔らかくスイーツ専門店の味わいが楽しめる「小枝スペシャリーゼ<塩バターキャラメル>、<タルトタタン>」を開発し、ブランドの伸長に大きく寄与いたしました。伸長する甘酒市場に対して、国産の米原料と食塩だけを使用し、甘さ控えめで飲みやすく仕上げた「森永のやさしい米麴甘酒」を開発いたしました。更に、酒粕と米麴を当社独自のブレンドで配合し、コクと控えめな甘さを両立することで、毎日飲める品質に仕立てたチルド対応の「甘酒」を開発いたしました。「ホットケーキミックス」では、間口拡大を目標に、簡便さを追求し包装材料の中でホットケーキの生地をつくることができる「もみもみホットケーキミックス」を開発し、市場から高い評価を受けました。同様に、長年培った配合・製造技術を応用した「ふわふわパンケーキミックス」を開発し、新たな技術獲得を進めました。冷菓部門では、当社が得意とする菓子技術との融合を活かし、バニラとカスタードの2色のアイスにカラメルソースとキャラメルペーストを組み合わせ、もちもちのクレープで挟んだ「ザ・クレープ<生キャラメル&カスタード>」を開発したことでクレープのもちもち感が話題となり、ブランド全体の間口拡大につながりました。30周年を迎える「サンデーカップ<パリパリチョコ>」は、チョコアイス、バニラアイス、チョコソースの各パーツの配合を見直し、よりおいしく食べられる品質へと進化させました。 (2)「ウェルネス領域の拡大」 ウェルネス商品を拡充するため、商品開発と食品機能の研究の2方向で取り組みました。 <商品開発>商品開発では、ナチュラル素材やタンパク質摂取を意識した開発を進めました。食の多様性の拡がりを受けてマクロビオティックの考え方に基づいて開発し、独自の配合・製造技術に支えられている「マクロビ派ビスケット」について、素材の持つおいしさを引き出す技術開発を進めて「マクロビ派ビスケット<フルーツグラノーラ>、<カカオナッツ>」を開発いたしました。タンパク質を手軽に摂取できる「inバー」では、糖質削減に取り組み、従来の商品に比べ40%糖質をオフした「inバープロテイン ベイクドビター」を開発いたしました。また伸長を続けるゼリー飲料市場に向け、さらに価値を高めた商品開発を行いました。「inゼリー<マルチビタミン>」はビタミン12種の配合を1日分に強化しつつ、ビタミン特有の癖のある味を抑えて飲みやすく仕上げました。更に、カロリーを摂らずにビタミンを摂取したい方に向けて、強化したビタミン量はそのままの「inゼリー<マルチビタミン カロリーゼロ>」を開発いたしました。伸長する高価格帯コラーゲンドリンク市場に対しては、当社独自の技術を生かし、コラーゲン独特の味や臭いを抑え、甘みと酸味のバランスの良いブルーベリー味に仕立てた「おいしいコラーゲンドリンク プレミオ」を開発し、厳選した美容成分“ヒアルロン酸”“エラスチン”“パセノール™”“ビタミンC”“セラミド”を加えたプレミアムな美容ドリンクとして、通信販売「天使の健康」限定で発売いたしました。 <食品機能の研究>食品機能の研究では、ココア、甘酒に加え、タンパク質、コラーゲン、パセノール™について生理機能に関する研究を行いました。ココアについては、これまでに当社で実施してきたヒト試験の結果を学術論文で発表した、“カカオフラバノールによる身体の柔軟性を高める機能”、“カカオリグニンによる便通を改善する機能”の2つ、及び“カカオフラバノールの血圧調整機能”を併せて、ココア初の3つの機能性を同時に表示する機能性表示食品として「森永ココア カカオ90スティック」の届出を行い、受理されました。また甘酒では、“酒粕”と“米麴”をブレンドした甘酒に便通改善機能があることをヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。フリーズドライ甘酒を飲用することによる肌への影響とそのメカニズムに関して学術論文として発表いたしました。 タンパク質については、基礎研究に注力しその成果について学会発表や特許出願を行いました。またプロテインパウダーに配合している筋肥大促進の特許成分EMRについては、ヒト試験で、筋肥大のメカニズム解明につながる知見を得ました。コラーゲンの機能研究については、肌の潤いと膝関節に関する機能についてヒト試験の結果を学術論文で発表し、コラーゲンでは初となる肌と膝関節2つの機能性を同時に表示した機能性表示食品として「おいしいコラーゲンドリンク<ピーチ味>、<レモン味>」の届出を行い、受理されました。当社独自素材“パセノール™”についても機能研究を深耕し、肌の潤いや弾力に関するヒト試験での検証結果を学術論文にて発表し、飲料やサプリメントでの機能性表示食品として「パセノールドリンクα」「パセノールカプセルα」の届出を行い、受理されました。更に機能性研究の成果として、“パセノール™”が生体内の抗酸化力を高める作用や体脂肪の蓄積を抑制する機能(お茶の水女子大学共同)、高脂肪食摂取によって異常をきたした体内時計を正常化する作用(早稲田大学共同)について学会発表をいたしました。 (3)「未来価値創造」当連結会計年度より未来価値創造センターを新設し、中長期的な研究開発を進めております。注力ブランドに付加価値を加えるべく、チョコレート技術をアイス領域に応用するなど、コア技術の深耕を図っております。また、独自の加工技術を駆使し、タンパク質・ナチュラル素材に新しい価値を生み出すべく、中長期の開発テーマに取り組んでおります。また、科学的なアプローチによる独自の評価技術開発を進め、食感や風味の見える化や感性工学に基づく嗜好性の評価研究にも取り組んでおります。
FY2018|3,381 文字
5 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。 なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は22億5百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が20億8千3百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が1億2千2百万円であります。 当連結会計年度は、中期経営計画に沿った開発体制の強化として、「高単価・高付加価値商品の創出」、「パワーブランドの継続強化」・「コア技術深耕」を推進いたしました。また、成長分野への取り組みとして「健康・栄養分野での食品機能の研究」に取り組みました。更に、新たな事業の芽の創出のために、既存の領域から一歩踏み出した商品シーズの開発と事業化検証にも取り組みました。 (1)「高単価・高付加価値商品の創出」〈健康を切り口とした商品開発〉菓子食品部門では、健康機能を打ち出した商品開発に注力いたしました。機能性商品で伸長しているチョコレート市場において、腸内環境改善素材であるビフィズス菌BB536を使用した機能性表示食品「ビフィズス菌チョコレート」「ビフィズス菌ビスケットクランチチョコ」「ビフィズス菌ビスケットボールチョコ」、免疫力強化を目指しシールド乳酸菌を使用した「たべるシールド乳酸菌」シリーズを発売いたしました。比較的年齢の高い世代を中心に伸長しているハイカカオ市場に対しては、若い世代への市場拡大を狙い、ロングセラーブランドを活用してハイカカオの品質を身近に感じてもらえる商品として「ダース<カカオ70>」「小枝<カカオ70>」を発売いたしました。これらの健康系チョコレートの発売により、売上拡大に貢献いたしました。同様にお客様の関心が高く市場が拡大している糖質オフ・ゼロ商品に対して、飴の主原料である砂糖や水飴を水溶性食物繊維に置き換える特許技術により実現した「糖質90%オフのど飴」や、糖質やカロリーを抑えた「nanoni<チョコチャンクビスケット>、<しっとり濃厚ショコラケーキ>」を発売し、新たな市場獲得を目指しました。甘酒市場に対しては、魚沼産こしひかり米麹と吟醸酒粕で作った「こだわり米麹の吟醸甘酒」を期間限定で発売し、森永甘酒ブランドの買い回り、ファン化の促進を図りました。また、国産志向のお客様向けに北海道素材にこだわり、ふんわりした厚みと弾力ある生地が特徴の「北海道素材にこだわったホットケーキミックス」を発売し、ホットケーキミックスの間口拡大を図りました。冷菓部門では、菓子メーカーならではの独自技術を背景に、こだわりの製法による差別化された価値の開発を進めました。朝食にもおいしい食物繊維配合の健康系アイスとして、6種の具材の厚焼きビスケットにこだわったヨーグルト風味の「グラノーラビスケットアイス」を発売いたしました。 健康部門では、ゼリー市場が拡大傾向にある中、解決欲求の高いニーズに対し、現行の「inゼリー」の高付加価値・高価格帯商品として「inゼリー スーパープロテイン」「inゼリー スーパーエネルギー」の2品を開発し、「inゼリー」プレミアムラインとして更なる顧客獲得、売上・利益の拡大を狙って発売いたしました。また、「inバー」シリーズに、グラノーラやフルーツの味わいをプラスした「inバープロテイン グラノーラ」を発売いたしました。〈差別化された品質や新たな食シーンの提案〉菓子食品部門では、時間がない朝に手軽に食べられる朝食代替ビスケット“朝ビス”を提案しております。健康感の高い素材である全粒粉、オーツ麦等を使用し、食感と飽きのこない優しい味を実現させた「麦のちからビスケット」を発売し、朝食シーンの拡大を狙いました。また、焼チョコの魅力を最大限に活かし、香ばしさにこだわりつつ、二重食感でのチョコレート感の高い品質に大幅にリニューアルした「ベイク<ショコラ>」について、市場拡大しているオンタイム需要に対応した商品として発売いたしました。冷菓部門では高価格帯商品へのチャレンジとして、食べごたえ抜群でクッキーの品質にとことんこだわった、心も満たす「ステラおばさんのクッキーサンドアイス<チョコチップクッキー>」をテスト発売し、これまで取り込めていなかった顧客獲得を目指しました。また、モナカアイス技術を応用し、ワッフルのサクサク食感を味わえる「ワッフルサンドアイス」を発売いたしました。 (2)「パワーブランドの継続強化」・「コア技術深耕」菓子食品部門では、引き続き主力ブランドの品質向上に注力し、研究開発を行ってまいりました。 「ハイチュウ」ブランドでは、“こだわりの産地”“旬のフルーツ”を使い、ハイチュウの品質価値であるジューシー感とフルーツの特徴を組み合わせて仕上げた「ハイチュウ<静岡クラウンメロン味>、<岡山県産清水白桃味>、<愛媛県産せとか>」等、大人の自己消費拡大を意識した商品を発売いたしました。「チョコボール」ブランドでは、発売50周年を記念して、“50”の数字にこだわった驚きの商品として「チョコボール<ピーナッツ>50倍」、金にこだわった 「金のキョロちゃんチョコボール<チョコビス>」「チョコボール<金のきなこもち>」を発売し、ブランド活性化に寄与いたしました。「ダース」ブランドでは、多様なニーズに応えるべく、口どけとフレッシュ感と食感にこだわった人気フレーバーであるイチゴ味の「苺のダース」を発売し、ブランド強化による売上拡大を図りました。「森永ビスケット」シリーズからは大人の上質ビスケットとして、ラムの香り、刻みカカオが味わえる「エレガンテ」を発売し、飲み物と一緒にゆったりくつろぐシーンへの対応を進めました。「森永ココア」ブランド商品では、腸内の善玉菌を増やす効果のあるラクチュロースを配合し、健康素材系ココアの需要を取り込むとともに、新たにヨーグルトに混ぜて食べる提案を実施し、顧客接点の拡大を図りました。冷菓部門では、主力商品である「バニラモナカジャンボ」について、華やかなバニラの香りにこだわった品質に改良いたしました。「ザ・クレープ」はクレープ生地のもちもち感を更に向上させる新配合で品質価値のデザート性を向上させた結果、既存顧客のリピートと間口拡大に寄与いたしました。 (3)「健康・栄養分野での食品機能の研究」食品の機能性研究としては、ココアのウォーミングアップ持続効果、カカオ由来リグニンによる便通、便臭改善の検証について大学と共同研究を進め、学会発表いたしました。 当社の独自素材“パセノール™”につきましては、精力的に研究を進めており、美容分野・メタボ分野での有効性を確認し、国際誌を含め2報の論文が掲載されました。また、コラーゲンについても引き続き研究を進めており、論文投稿2報、学会発表1演題を行いました。また、引き続きタンパク質の研究にも注力しており、確立した評価系を用いながら、タンパク質の基礎的な研究から製品開発につなげられるような研究まで行っております。 (4)「新たな取り組み」通常の商品開発プロセスでは量産化が困難などの理由で発売が難しいものの、独自価値を持つ商品シーズを研究員自らが具現化し、セレクトショップ・ネット通販・空港売店等での販売を行い、お土産・ギフト等の新しい需要を探りながら、商品の可能性を探る取り組みである研究所員直販プロジェクト「森永新研究所」は2年目を迎えました。昨年に引き続き「TOKYO PEANUT MANIA」を始め、特定のニーズに応えるべく、よりとがったコンセプトを意識した新商品を含めて計8品の商品販売を行いました。 また、森永独自のベイクドチョコレート技術とエアレーション技術の融合から生まれたチョコレート「エアレーション プルミエ」、微妙な火加減と焼き時間で焦げる一歩手前までしっかりと焼き込んだ「極み焼きフィナンシェ」を開発し、「TAICHIRO MORINAGA」で発売いたしました。
FY2017|3,097 文字
6 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。 なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は22億1千万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が20億9千2百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が1億1千8百万円であります。 当連結会計年度は、中期経営計画に沿った開発体制の強化として、「高単価・高付加価値商品の創出」、「パワーブランドの継続強化」・「コア技術深耕」を推進いたしました。また、成長分野への取り組みとして「健康・栄養分野での食品機能の研究」に取り組みました。更に、新たな事業の芽の創出のために、既存の領域から一歩踏み出した商品シーズの開発と事業化検証にも取り組みました。 (1)「高単価・高付加価値商品の創出」〈健康を切り口とした商品開発〉菓子食品部門では、健康機能を打ち出した商品開発に注力し、森永乳業㈱の独自素材であるシールド乳酸菌を使用した「シールド乳酸菌タブレット」(たべるマスク)、ビフィズス菌BB536を使用した「ビフィズス菌チョコレート」「ビフィズス菌全粒粉ビスケットクランチチョコ」を発売いたしました。また、食物繊維とたんぱく質が含まれる間食をこまめに摂取する“ヘルシースナッキング”の考えをベースにした「ヘルシースナッキング」シリーズについて計6品の商品を発売いたしました。“マクロビオティック”の考え方に基づいた「マクロビ派ビスケット<プレーン>、<カカオ>」は、味・形状を見直すリニューアルを行い、より手軽に素材の自然な味わいを楽しめる品質といたしました。更に、ハイカカオの健康感と素材の味わいを活かした「Cacao70×くるみ」「Cacao70×ざくろ」を発売し、チョコレート市場に新しい価値を提供いたしました。伸長する甘酒市場においては、米麹と塩だけで作った甘さ控えめの「森永のやさしい米麹甘酒」を首都圏地区中心に発売いたしました。健康部門では、たんぱく質を手軽に摂取できる「ウイダーinバー」シリーズに、グラノーラやフルーツの味わいをプラスした「ウイダーinバープロテイングラノーラ」を発売いたしました。また「ウイダーinゼリー」シリーズでは、カロリーコントロールと腹持ちを考えた「ウイダーinゼリー カロリーゼロ ピーチ」を発売いたしました。〈差別化された品質や新たな食シーンの提案〉菓子食品部門では、森永ビスケットシリーズ初の甘くない商品として「チーズパイ」を発売し、大人のお酒のおつまみや朝食シーンへの拡大を狙いました。同様に、「チーズ&ペッパーサブレ」「小枝PREMIUM<濃いチーズ味>」を発売し、ワインと共に楽しむ菓子という新たな価値を提案いたしました。 また、他社有力ブランドのコラボ商品として、「午後の紅茶<ストレートティークッキー>」「午後の紅茶<レモンティーポップコーン>「午後の紅茶<ミルクティーケーキ>」「マウントレーニアキャラメル<カフェラッテ>」「マウントレーニアクランチチョコ<カフェラッテ>」を発売し、お客様へより付加価値の高い商品を提供いたしました。冷菓部門では差別化された価値を提供する商品開発に取り組みました。チョコレートメーカーならではの独自技術を背景にこだわりの製法で、本格的なチョコレートの味わいとカフェデザートのような見た目、食感が楽しめるワンランク上の味わいのかき氷「フローズンショコラ」を開発いたしました。 (2)「パワーブランドの継続強化」・「コア技術深耕」菓子食品部門では、引き続き主力ブランドの品質向上に注力し、研究開発を行ってまいりました。 「ハイチュウ」ブランドでは、すりおろしりんご果汁を使ってより美味しく仕上げた「ハイチュウ<グリーンアップル>」、ハイチュウ史上最高クラスの果汁含量(ぶどう果汁100%)で濃厚かつなめらかな品質に仕上げた「生ハイチュウ<濃厚ぶどう>」、爽やかな酸味とまろやかなコクの「ハイチュウプレミアム ヨーグルト味」を発売いたしました。当社独自のコア技術の1つであるベイクドチョコ技術と新技術である“ソース充填”を組み合わせた「ベイク クリーミーチーズ」「ベイク フォンダンショコラ」を発売し、従来にない新品質を完成させました。「ダース」ブランドにおいては、基幹品3品に加えて期間限定品として夏フレーバー<ミント>、森永乳業ブランドコラボレーション商品である<ピノ>、ダースの日に向けた期間限定新製品として<ピスタチオ>、<マカダミア&ラングドシャ>など、チョコレートとしての品質にこだわったサブフレーバーの商品開発を進め、ダースブランド強化を図りました。「森永ココア」ブランド商品では、ココアパウダーの配合を見直し、さらに増量によってカカオ感をアップした「ミルクココアスティック」「ミルクココアカロリー1/4スティック」を発売いたしました。また、ココアパウダーと国産クリームパウダーの調和を図り、ココア本来のおいしさをより楽しんでいただける「スペシャルティミルクココア」を開発いたしました。冷菓部門では、主力商品である「チョコモナカジャンボ」「バニラモナカジャンボ」は、アイスクリームの改良によりモナカのサクサク食感を向上させることで、よりおいしさにこだわった品質に仕上げました。「パリパリバー」もパリパリ食感を向上させた品質改良を行い、「ザ・クレープ」はクレープ生地のもちもち感を更に向上させる新配合で品質価値を向上させ、発売いたしました。 (3)「健康・栄養分野での食品機能の研究」食品の機能性研究としては、高カカオチョコレートの血圧低下作用、ココアの水素産生による抗酸化機能について大学と共同研究を進め、学会発表いたしました。 また、当社の甘酒の特徴である“酒粕”と“米麹”をブレンドした品質の差別化を明らかにするため“酒粕”と“米麹”を摂取した時の腸管ムチン増加によるバリア機能向上について明らかにし、学会発表いたしました。機能性表示食品を取得した「ビフィズス菌チョコレート」に関連し、ビフィズス菌とチョコレートを組み合わせた際の相乗効果について学会発表し、多くのメディアで取り上げられました。 当社の独自素材“パセノール™”につきまして、精力的に研究を進め、論文投稿3報、学会発表6演題を行いました。また、本年からタンパク質の研究を本格的に進め、タンパク質の評価系をいくつか確立し、今後の研究開発に役立てていく予定です。さらに、EMR(酵素処理ルチン)に関しては、筋肥大促進の広い特許(特許6029257)が取得でき、プロテイン商品群の差別化に貢献できています。 (4)「新たな取り組み」現行ビジネスモデルに乗らないような商品シーズを研究員自らが作り、売って、可能性を検証する取り組みとして研究所員直販プロジェクトを始動いたしました。 また、日本のチョコレートのパイオニアとして、お客様にチョコレートができるまでの工程の中で、様々に変化する風味や食感やその進化を体感いただく試みとして、「ニブ&ニブチョコレート」「エアレーションチョコレート」「ABURI(あぶり)」を開発し、期間限定のコンセプトショップ「TAICHIRO MORINAGA」で発売いたしました。
FY2016|2,329 文字
6 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。 なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は21億5千2百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が20億2千6百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が1億2千5百万円であります。 当連結会計年度は、中期経営計画に沿った開発体制の強化として、「高単価・高付加価値商品の創出」、「パワーブランドの継続強化」・「コア技術深耕」を推進いたしました。また、成長分野への取り組みとして「健康・栄養分野での食品機能の研究」に取り組みました。 (1)「高単価・高付加価値商品の創出」菓子食品部門では、新しい価値を付与したキャラメルとして「ミルクキャラメル<ナッツ&フルーツ>」、ワンランク上の商品としてフルーツを具材として使用し、より本物感を味わえる「オトナハイチュウ<ビターオレンジ>」を発売いたしました。また、果肉(ドライフルーツ)を使い、美味しさと食感を特徴とした新感覚グミとして「角切り菓実<パイナップル>、<マンゴー>」を発売いたしました。「ハイチュウ」ブランドでは、通常品のリニューアルに加え発売40周年の取り組みとして多彩な味わいを楽しめる「謹製ハイチュウ」やチルドタイプである「驚愕のハイチュウ」等の開発に取り組みました。森永の上質なビスケットとして、「ステラおばさんのアーモンドクッキー」を発売し、“アントステラブランド”のラインナップの充実を図りました。食感にこだわったベイクとして「大人のくちどけベイク<ベリーのラムフランベ>、<クリーミーショコラ>」、小枝の美味しさを進化させた「小枝PREMIUM<大人のくちどけ>」を発売いたしました。チョコレートの美味しさにこだわった「ダース」においては「ダース<塩レモン>、<ピスタチオガナッシュ>」などの商品を発売いたしました。また、伸長する甘酒市場において、吟醸酒粕や富山県産コシヒカリ米麹等のこだわりの原料を使用した「吟醸甘酒」を発売いたしました。機能性表示食品制度を活用し、健康機能を付加した「カカオフラバノールスティック」を開発し、ココアで初となる“血圧が高めな方の健康な血圧をサポートするココア”を東北地区と通販限定で発売いたしました。またプレミックスでは、分かりやすく健康感が伝わり、かつ電子レンジで作ることが出来る簡便性をポイントとした「ブランブレッド<ほうれん草&コーン>、<バナナ>」を発売いたしました。冷菓部門では、本格濃厚生チョコレートの味わいや食感にこだわり、チョコレートメーカーならではの独自技術を背景に、上質な生チョコレートを十分楽しめるワンランク上の味わい商品として「スプーンで食べる生チョコアイス」を発売いたしました。パリパリチョコとアイスの組み合わせ商品である「サンデーカップ」はこだわりのチョコ感をアップし、「ザ・クレープ」はクレープ生地のもちもち感を向上させる新配合で品質価値を向上させ、発売いたしました。 (2)「パワーブランドの継続強化」・「コア技術深耕」菓子食品部門では、引き続き主力ブランドの品質向上に注力し、研究開発を行ってまいりました。「ハイチュウ」ブランドではエクステンションとして、チョコでハイチュウを覆った新食感ソフトキャンディ「チョコ玉ハイチュウ」を発売いたしました。「ベジタブルおっとっと」では野菜チップを加えて、より健康感のある商品へと品質改良を行いました。森永のコア技術の1つであるベイクドチョコ技術と半生ケーキの製造技術を活用し、濃厚な味わいとしっとり柔らか食感が特徴である大人向け菓子として「半熟ショコラ」を発売いたしました。冷菓部門では、主力商品である「バニラモナカジャンボ」は、アイスクリームの風味を改良、モナカのサクサク食感向上と口どけ改良を行うことで、よりおいしさにこだわった品質に仕上げました。健康部門では、当社が独自素材として開発したパッションフルーツ種子エキス“パセノール™(Passienol™)”を配合した化粧品「パセノール™ モイストジェル」を開発し、通信販売ルートで販売を開始しました。今後も、“パセノール™”の幅広い製品への応用を目指して積極的に取り組んでまいります。 (3)「健康・栄養分野での食品機能の研究」食品の機能性研究としては、当社の独自素材“パセノール™”のアンチエイジング作用について大学等と共同研究を進め、“パセノール™”の血糖値降下作用や抗炎症作用のメカニズムについて国際学術雑誌に発表いたしました。また、SIRT1(長寿遺伝子)やUCP1(熱産生遺伝子)の誘導作用などについて国内の各学会や国際学会で発表いたしました。 また、甘酒の原料である“酒粕”や“米麹”の機能性について大学等と共同研究を進め、“酒粕”と“米麹”の組み合わせによる目のクマの改善作用や皮脂の抑制作用について国内外の学会で共同発表し、多くのメディアに取り上げられました。 機能性茶品種“べにふうき”については、2013年より3ヵ年計画で独立行政法人農業・食品産業技術研究機構の「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」に参画し、機能性研究について継続して取り組んでまいりましたが、無事に完了することが出来ました。今後は、得られた研究成果の応用について検討していく予定であります。